JP2015045169A - 曲がり管路における横断管の清掃装置及び該清掃装置を使用してなされる横断管の清掃方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 清掃装置は横断管内において所期の張力をもって移動する通線に所定の角度に連結されるノズル装置を備え、高圧ポンプから送られる高圧水を該ノズル装置の噴射口より噴射水流として噴射させ、横断管内の付着物を飛散かつ押し流す。
【選択図】 図18
Description
本発明は特には、下水道管路における伏越し部の横断管に適用されて好適な当該清掃装置及び清掃方法に関する。なお、「直線状の横断管」は水平に限定されず、傾斜をなすものも含む。
しかし、堆積土砂の除去に先立って、当該横断管内の堆積の状況を把握するための計測が重要であることは論を俟たないが、従来より伏越し部の横断管内の計測に係る技術はその過酷な状況から全く手が付けられておらず、計測から除去・清掃作業の一貫して行われる技術は未だ確立していない。
なお、上記の除去工法の一公知例として特開平10−131278のものは、通線ワイヤーに大型の球状体を取り付け、該球状体を横断管内を逆流移動させて横断管内の堆積物を除去するものであるが、これによれば、通線に大きな荷重負担が掛かり、管口に設置される滑車に負荷を与え、管口の損傷は避けられない。さらには、当該滑車を管口にどのように設置するのか何ら具体的な対策も採られていない。
なお、このような問題・状況は下水道管路に留まらず、その他の管路(上水管、パイプライン)においても同様である。
本発明はこのため、立孔から横断管にわたって所期の張力をもって移動可能に架設される通線を介し、該通線の所期位置及び所期のたわみ、傾斜角に基づき該通線に配された清掃装置の位置(たるみ、傾斜、姿勢を含む)決めをなすことにより、この課題を達成できるとの知見に基づいてなされたものである。
(第1発明)
本発明の第1は、曲がり管路における横断管の清掃装置に係り、請求項1に記載のとおり、
上流から下流への流体の流れをなす流体管路の、対向する立孔間を直線状の横断管を介して流通状態に接続される曲がり管路において、
前記立孔及び横断管にわたって配されるとともに該立孔及び横断管の軸方向に所期の張力をもって移動する通線に連結されて使用される該横断管の清掃装置であって、
前記通線には取付け台車が介装され、
前記通線の取付け台車と所定の角度に連結される取付け板と、該取付け板に固設され内部に導水通路を有するノズル装置とからなり、
前記ノズル装置は、該ノズル装置の後端に接続される長尺のホースを介して高圧力ポンプに連結され、該ノズル装置の前端には前記導水通路に連通する噴射口を有する、
ことを特徴とする。
本第1発明は、以下の実施形態(第1、第2実施形態)でより具体的に示され、かつはそれらの実施形態より抽出される発明概念である。
上記において、
1)「流体管路」は上下水道、パイプラインを含む。
2)本通線の作業において、流体管路の流体は流通(通水)状態にあるが、非流通(非通水)状態を除外しない。
3)横断管の「直線状」は、水平に限定されず、傾斜状態を除外するものではない。
また、上記構成において、
1)ノズル装置の下部に横断管の幅方向に広がる掻き取り板が付加されること、
2)ノズル装置に該ノズル装置に浮力を与える浮体が付加されること、
3)高圧力ポンプは地上に配され、地上部から水の供給を受けること、あるいは水中からの水の供給を受けること、
4)高圧力ポンプは水中ポンプとして水中に配され、水中からの水の供給を受けること、
5)取付け台車に取付け板が突設され、ノズル装置に固設される取付け板は曲率付き長穴を有し、該長穴を介して該取付け台車の取付け板に角度を調整して取り付けられること、
6)ノズル装置の噴出口は丸穴、または横に広がる偏平穴であること、
7)通線の配設は、下端に所定の曲率の曲がり部よりなる管口保護部を有し、その長手方向に通線の誘導路が形成されたレール材を、該管口保護部を横断管の管口に臨ませるとともに、相対する立孔のそれぞれの壁面に沿って立設し、該両立孔の上位に配された各ウインチにより当該通線を該レール材の誘導路に沿って所定の張力をもって誘導し、立孔間の横断管内に高さ及び張力を調整してなすこと、
は適宜採択される選択的事項である。
なお、上記1)〜7)(上記1)と2)、3)と4)は選択的事項である。)は適宜組合せ可能である。
本清掃装置の使用において、横断管内の通線は、本清掃装置の移動する位置において当該清掃装置の集中荷重を受けて所期のたわみ及び傾斜角をなす。すなわち、本清掃装置はその自重を取付け板を介して通線に作用するが、当該装置の自重及び通線の自重により(浮力も付加される)、所期の張力が導入された通線は当該位置で所期のたわみ量及び傾斜角を現す。
この通線の移動動作とともに、本清掃装置は所定の姿勢を保って横断管内を移動し、その噴射流により横断管内の付着物を飛散させ、除去する。
本発明の第2は、曲がり管路における横断管の清掃装置に係り、請求項3に記載のとおり、
上流から下流への流体の流れをなす流体管路の、対向する立孔間を直線状の横断管を介して流通状態に接続される曲がり管路において、
前記立孔及び横断管にわたって配されるとともに該立孔及び横断管の軸方向に所期の張力をもって移動する通線に連結されて使用される該横断管の清掃装置であって、
前記通線には取付け台車が介装され、
前記通線の配設は、下端に所定の曲率の曲がり部よりなる管口保護部を有し、その長手方向に通線の誘導路が形成されたレール材を、該管口保護部を横断管の管口に臨ませるとともに、相対する立孔のそれぞれの壁面に沿って立設し、該両立孔の上位に配された各ウインチにより当該通線を該レール材の誘導路に沿って所定の張力をもって誘導し、立孔間の横断管内に高さ及び張力を調整してなし、
前記通線の取付け台車と所定の角度に連結される取付け板と、該取付け板に固設され内部に導水通路を有するノズル装置とからなり、
前記ノズル装置は、該ノズル装置の後端に接続される長尺のホースを介して高圧力ポンプに連結され、該ノズル装置の前端には前記導水通路に連通する噴射口を有する、
ことを特徴とする。
本第2発明は、以下の実施形態(第1、第2実施形態)でより具体的に示され、かつはそれらの実施形態より抽出される発明概念である。
上記において、
1)「流体管路」は上下水道、パイプラインを含む。
2)本通線の作業において、流体管路の流体は流通(通水)状態にあるが、非流通(非通水)状態を除外しない。
3)横断管の「直線状」は、水平に限定されず、傾斜状態を除外するものではない。
また、上記構成において、
1)ノズル装置の下部に横断管の幅方向に広がる掻き取り板が付加されること、
2)ノズル装置に該ノズル装置に浮力を与える浮体が付加されること、
3)高圧力ポンプは地上に配され、地上部から水の供給を受けること、あるいは水中からの水の供給を受けること、
4)高圧力ポンプは水中ポンプとして水中に配され、水中からの水の供給を受けること、
5)取付け台車に取付け板が突設され、ノズル装置に固設される取付け板は曲率付き長穴を有し、該長穴を介して該取付け台車の取付け板に角度を調整して取り付けられること、
6)ノズル装置の噴出口は丸穴、または横に広がる偏平穴であること、
は適宜採択される選択的事項である。
なお、上記1)〜6)(上記1)と2)、3)と4)は選択的事項である。)は適宜組合せ可能である。
ウインチによる通線への張力の導入において、管口はレール材の管口保護部により保護され、管口の損傷はない。更に、通線は曲がり部に沿って配されるので当該曲がり部において応力集中がなく、張力の均等な伝達がなされる。
レール材の管口保護部を管口に臨んで配されることにより、通線は横断管内において高さの調整された配置を採ることになる。
本清掃装置の使用において、横断管内の通線は、本清掃装置の移動する位置において当該清掃装置の集中荷重を受けて所期のたわみ及び傾斜角をなす。すなわち、本清掃装置はその自重を取付け板を介して通線に作用するが、当該装置の自重及び通線の自重により(浮力も付加される)、所期の張力が導入された通線は当該位置で所期のたわみ量及び傾斜角を現す。
この通線の移動動作とともに、本清掃装置は所定の姿勢を保って横断管内を移動し、その噴射流により横断管内の付着物を飛散させ、除去する。
本発明の第3は、曲がり管路における横断管の清掃方法に係り、請求項4に記載のとおり、
上流から下流への流体の流れをなす流体管路の、対向する立孔間を直線状の横断管を介して流通状態に接続される曲がり管路において、
前記立孔及び横断管にわたって配されるとともに該立孔及び横断管の軸方向に所期の張力をもって移動する通線に連結されて使用され、
前記通線には取付け台車が介装され、
前記通線の取付け台車と所定の角度に連結される取付け板と、該取付け板に固設され内部に導水通路を有するノズル装置とからなり、
前記ノズル装置は、該ノズル装置の後端に接続される長尺のホースを介して高圧力ポンプに連結され、該ノズル装置の前端には前記導水通路に連通する噴射口を有する、
ことを特徴とする清掃装置を使用してなされる横断管の清掃方法であって、
前記高圧力ポンプからの送水を受けて、前記通線の移動とともに前記ノズル装置の噴射口からの噴射水流により横断管内の付着物を飛散させてなる、
ことを特徴とする。
本第3発明は、以下の実施形態(第1、第2実施形態)でより具体的に示され、かつはそれらの実施形態より抽出される発明概念である。
上記において、
1)「流体管路」は上下水道、パイプラインを含む。
2)本通線の作業において、流体管路の流体は流通(通水)状態にあるが、非流通(非通水)状態を除外しない。
3)横断管の「直線状」は、水平に限定されず、傾斜状態を除外するものではない。
また、上記構成において、
1)ノズル装置の下部に横断管の幅方向に広がる掻き取り板が付加されること、
2)ノズル装置に該ノズル装置に浮力を与える浮体が付加されること、
3)高圧力ポンプは地上に配され、地上部から水の供給を受けること、あるいは水中からの水の供給を受けること、
4)高圧力ポンプは水中ポンプとして水中に配され、水中からの水の供給を受けること、
5)取付け台車に取付け板が突設され、ノズル装置に固設される取付け板は曲率付き長穴を有し、該長穴を介して該取付け台車の取付け板に角度を調整して取り付けられること、
6)ノズル装置の噴出口は丸穴、または横に広がる偏平穴であること、
7)通線の配設は、下端に所定の曲率の曲がり部よりなる管口保護部を有し、その長手方向に通線の誘導路が形成されたレール材を、該管口保護部を横断管の管口に臨ませるとともに、相対する立孔のそれぞれの壁面に沿って立設し、該両立孔の上位に配された各ウインチにより当該通線を該レール材の誘導路に沿って所定の張力をもって誘導し、立孔間の横断管内に高さ及び張力を調整してなすこと、
は適宜採択される選択的事項である。
なお、上記1)〜7)(上記1)と2)、3)と4)は選択的事項である。)は適宜組合せ可能である。
横断管内の通線は、本清掃装置の移動する位置において当該清掃装置の集中荷重を受けて所期のたわみ及び傾斜角をなす。すなわち、本清掃装置はその自重を取付け板を介して通線に作用するが、当該装置の自重及び通線の自重により(浮力も付加される)、所期の張力が導入された通線は当該位置で所期のたわみ量及び傾斜角を現す。
この通線の移動動作とともに、本清掃装置は所定の姿勢を保って横断管内を移動し、その噴射流により横断管内の付着物を飛散させ、除去する。
(実施の態様)
本第3発明の実施において、清掃装置の移動による横断管内の清掃は、下流側管口から上流側管口に向けて分割して実施する態様、上流側管口から下流側管口に向けて非分割に実施する態様、が採られる。
更に、当該清掃作業に先立ち、横断管内の付着物の状況を計測することにより、この計測情報を取り込んで該計測情報に基づいて清掃装置を移動させる態様、が採られる。
本発明の第4は、曲がり管路における横断管の清掃方法に係り、請求項6に記載のとおり、
上流から下流への流体の流れをなす流体管路の、対向する立孔間を直線状の横断管を介して流通状態に接続される曲がり管路において、
前記立孔及び横断管にわたって配されるとともに該立孔及び横断管の軸方向に所期の張力をもって移動する通線に連結されて使用され、
前記通線には取付け台車が介装され、
前記通線の取付け台車と所定の角度に連結される取付け板と、該取付け板に固設され内部に導水通路を有するノズル装置とからなり、
前記ノズル装置は、該ノズル装置の後端に接続される長尺のホースを介して高圧力ポンプに連結され、該ノズル装置の前端には前記導水通路に連通する噴射口を有する、
ことを特徴とする清掃装置を使用してなされる横断管の清掃方法であって、
前記通線は、下端に所定の曲率の曲がり部よりなる管口保護部を有し、その長手方向に通線の誘導路が形成されたレール材を、該管口保護部を横断管の管口に臨ませるとともに、相対する立孔のそれぞれの壁面に沿って立設し、該両立孔の上位に配された各ウインチにより当該通線を該レール材の誘導路に沿って所定の張力をもって誘導し、立孔間の横断管内に高さ及び張力を調整して配設され、
前記高圧力ポンプからの送水を受けて、前記通線の移動とともに前記ノズル装置の噴射口からの噴射水流により横断管内の付着物を飛散させてなる、
ことを特徴とする。
本第4発明は、以下の実施形態(第1、第2実施形態)でより具体的に示され、かつはそれらの実施形態より抽出される発明概念である。
上記において、
1)「流体管路」は上下水道、パイプラインを含む。
2)本通線の作業において、流体管路の流体は流通(通水)状態にあるが、非流通(非通水)状態を除外しない。
3)横断管の「直線状」は、水平に限定されず、傾斜状態を除外するものではない。
また、上記構成において、
1)ノズル装置の下部に横断管の幅方向に広がる掻き取り板が付加されること、
2)ノズル装置に該ノズル装置に浮力を与える浮体が付加されること、
3)高圧力ポンプは地上に配され、地上部から水の供給を受けること、あるいは水中からの水の供給を受けること、
4)高圧力ポンプは水中ポンプとして水中に配され、水中からの水の供給を受けること、
5)取付け台車に取付け板が突設され、ノズル装置に固設される取付け板は曲率付き長穴を有し、該長穴を介して該取付け台車の取付け板に角度を調整して取り付けられること、
6)ノズル装置の噴出口は丸穴、または横に広がる偏平穴であること、
は適宜採択される選択的事項である。
なお、上記1)〜6)(上記1)と2)、3)と4)は選択的事項である。)は適宜組合せ可能である。
ウインチによる通線への張力の導入において、管口はレール材の管口保護部により保護され、管口の損傷はない。更に、通線は曲がり部に沿って配されるので当該曲がり部において応力集中がなく、張力の均等な伝達がなされる。
レール材の管口保護部を管口に臨んで配されることにより、通線は横断管内において高さの調整された配置を採ることになる。
横断管内の通線は、本清掃装置の移動する位置において当該清掃装置の集中荷重を受けて所期のたわみ及び傾斜角をなす。すなわち、本清掃装置はその自重を取付け板を介して通線に作用するが、当該装置の自重及び通線の自重により(浮力も付加される)、所期の張力が導入された通線は当該位置で所期のたわみ量及び傾斜角を現す。
この通線の移動動作とともに、本清掃装置は所定の姿勢を保って横断管内を移動し、その噴射流により横断管内の付着物を飛散させ、除去する。
(実施の態様)
本第4発明の実施において、清掃装置の移動による横断管内の清掃は、下流側管口から上流側管口に向けて分割して実施する態様、上流側管口から下流側管口に向けて非分割に実施する態様、が採られる。
更に、当該清掃作業に先立ち、横断管内の付着物の状況を計測することにより、この計測情報を取り込んで該計測情報に基づいて清掃装置を移動させる態様、が採られる。
1)清掃装置は所定の曲線状態をなす通線に固定されて移動するものであるので、清掃装置の噴射口は対象とする横断管内の堆積土砂等の付着物の表面に的確に向けられ、その噴射水流は付着物に対して効果的な飛散作用ないし押流し作用を発揮し、清掃作業を確実に実施することができる。
2)通線の張力を加減することにより、清掃装置を上下動させて水平動、あるいは特定の箇所の噴射作業等選択範囲を拡大することができる。
3)レール材の使用においては、通線設置中における通線による管口への負荷は、レール材の管口保護部によって保護され、管口への損傷を防止することができる。あるいは又、管口への工作(例えば管口への滑車の固定工作)が一切なく、管口への損傷を防止することができる。
4)当該清掃作業に先立ち、横断管内の付着物の状況を計測することにより、この計測情報を取り込んで該計測情報に基づいて清掃装置を移動させ、対象に対して的確に噴射をなし、より確実な清掃作業を実施できる。
(第1実施形態)
図1〜図19は本発明の一実施形態(第1実施形態)である下水道管路の伏越し部への適用を示す。
しかして、この伏越し部において、上流側及び下流側人孔1A,1Bの底部における付着物(堆積物)は予め浚渫される。この人孔1A,1Bの底部における付着物の浚渫については、本実施形態では従来より使用されている浚渫装置を用いるが、他の態様を除外しない。当該浚渫装置は出願人らの特許第1868794号、特許第2079712号、特許第3706449号、特許第3847969号により公知である。
なお、当該浚渫作業は本発明における本質的事項ではない。
(1) 通線6の導通
通線6を上流側地上より上流側人孔1A、伏越し横断管路2、下流側人孔1B、そして下流側地上に導通する。
通線6の伏越し横断管路2内への導通については、本実施形態では従来より使用されている噴射ノズルを用いるが、他の態様を除外しない。当該噴射ノズルは出願人らの特許第2791502号(特許公報では下水道管用洗浄装置)により公知である。
図2は当該特許公報の一図面(第5図)を示し、ここに、Sは下水道管用洗浄装置(噴射ノズル)、Hはこの装置Sに接続される高圧ホース、Iは圧縮空気ホース、Jはリール、高圧ポンプ、圧縮部を含む駆動部である。
通線(ワイヤー)6の端部を噴射ノズルに結合し、該噴射ノズルとともに上流側人孔1Aに落し込み、該噴射ノズルを上流側人孔1Aの管口に臨ませる。そして、噴射ノズルをそのジェット(噴射流)推進により伏越し横断管2内を下流側に向けて進行させる。
噴射ノズルが下流側人孔1Bに到達したとき、下流側人孔1Bで噴射ノズルの通線を引き上げる。
(1b)上流側及び下流側地上部で通線6を作業装置Sの電動ウインチ7に取り付ける。この状態では通線6は弛んだ状態であるが、ウインチ7の駆動により通線6に必要に応じて速やかに張力が導入される。
上流側人孔1A、下流側人孔1Bに管口保護器付きレール材5を設置する。
該レール材5には管口部位においてレベル調整材10が適宜付加される。
図3〜図6に該管口保護器付きレール材5の詳細構造を示す。
レール材5は、長尺の鋼(特にはステンレス鋼)製の型材いわゆるC型チャンネルよりなり、上位より鉛直部5A、曲がり部5B、水平部5Cの各部位よりなる。図(図3)において、L1は鉛直部5Aの鉛直長さ、L2は曲がり部5Bの鉛直長さ、L3は水平部5Cの水平長さであり、本レール材5の全高LはL1+L2を採る。
該型材(C型チャンネル材)の断面構成につき、背面部12(寸法A)、両側面部13(寸法B)、前面部14(寸法C)よりなり、前面部14間に溝15、更に該チャンネル材の内部に溝空間16が形成される。本実施形態として、A12cm、B6cm、C2cm、厚さt3.2mmを採る。
鉛直部5Aは、長尺をもって本レール材5の上位部位を占め、その長さは人孔深さを目途として決められる。
更に、鉛直部5Aは、分割体100をもって構成され、各分割体100を継ぎ足して長尺とされる。このため、各分割体100は本体101の上下端にフランジ102(上フランジ102a、下フランジ102b)が形成され、各フランジに開設された穴に締具103のボルト104を挿通し、ナット105を締め込んで接合される。分割体100の長さは1mを標準とし、人力による扱いが容易とされる。
なお、該鉛直部5Aの下端は後記する曲がり部5B及び水平部5Cと一体とされる。
本レール材5の定位置で、レール材5の上端すなわち鉛直部5Aの上端は、地上部に突出し、該地上部で固定把持される。
(曲がり部5B)(図3、図6参照)
曲がり部5Bは、所定の曲率(曲率半径)Rをもって鉛直部5Aに連設される。該Rは本レール材5の人孔1の壁面との距離(間隔)を決め、本実施形態では例えばRは30cmを採る。
本曲がり部5Bにおいて、レール材5の背面部12の背面の中心線上に四分円形状の平板すなわちR(アール)材18が固設される。18aはその水平辺部、18bはその垂直辺部である。該R材18は所定の厚みを有し、間隔保持とともに補剛の機能を果す。
なお、曲がり部5Bにおいて、その背面部12に溝空間16に臨んで複数の円筒状転がり軸受(コロ軸受)を相並べて配する態様を採ることができる。この態様によれば、レール材5内に配される通線6の移動が円滑になされる。
(水平部5C)(図3、図6参照)
水平部5Cは、曲がり部5Bに連設され、定位置において管口の頂部に当接する。該水平部5Cの長さは本レール材5の人孔開口部1aからの挿入に支障のない長さで決められ、本実施形態では開口部が60cmを採るとき15cm程度を相当とする。
しかして、レール材5が所要の引上げ力を受けるとき、該水平部5Cの管口部位では最大の曲げモーメントを受けるものとなる。このため、当該部位ではR材18が補強を担い、更には図3、図6に示すレベル調整材10とともに使用されて補剛を高める。
水平部5Cの先端は、通線6の移動(特には該通線6に移動体が取り付けられる態様において)の便宜に備えて広口部20が形成される。該広口部20はいわゆるラッパ状をなし、20aはその側方へ広がる部位(側方拡開部)であり、20bはその上方へ広がる部位(上方拡開部)である。上方拡開部20bはレベル調整材10を使用するもとで形成されるものであり、レベル調整材10が使用されない場合には不要である。
上記構成において、「管口保護器」は曲がり部5B、水平部5Cによって構成されるが、これに限定されるものではない。
レベル調整材10は、上記した曲がり部5B、水平部5Cの上面に当接して配される。10aはその上面、10bはその側面、10cはその下面である。該レベル調整材10のR部には溝が成形され、R材18を受け入れる。
該レベル調整材10は、後記するように、多段にして使用され得る。第1段はレール材5における曲がり部5B、水平部5Cの曲げ補強としても機能する。
(2a)
レール材5の下端部すなわち鉛直部5Aの最下端部、曲がり部5B、水平部5Cの一体ものを人孔1の開口部1aより人孔1内へ挿入し、一旦その上端を地上部で把持し、次いで、その上に鉛直部5Aの分割体100をそのフランジ102を介して継ぎ足し、再び人孔1内へ挿入する。レール材5の下端には適宜レベル調整材10が取り付けられている。
以後、レール材5の鉛直部5Aをその分割体100により順次継ぎ足し、長尺のレール材5を得る。
レール材5の下端が管口に臨む位置になるとき、水平部5Cの上面を管口の頂部より一定の間隔を保持しつつ押し込み、しかる後、レール材5を引き上げ、水平部5Cの上面、もしくはレベル調整材10の上面を管口の頂部に当接させる。
(2b)
レール材5の鉛直部5Aはその下端のR材18により人孔1の内壁と所定の間隔をもって配される。すなわち、本実施形態では人孔1の内壁より30cmの間隔を保って配されることになる。
地上部においては、レール材5の上端が固定される。
作業装置Sの上流側ウインチ7A、下流側ウインチ7Bを駆動し、緩み状態にある通線6を管口保護器付きレール材5の鉛直部5A及び曲がり部5Bの溝15より溝空間16内に導き、該溝空間16内に沿わせて下流側ウインチ7Bに巻き取る。
ここに、通線は鋼線(ワイヤー)が使用され、径φ12mmを規格とし、単位長さ質量w0.53kg/mを採る。また、ウインチ7は上下流側とも1.3トンを規格として使用される。
図7、図8は当該作業装置Sの詳細を示す。
本作業装置Sはフレーム22を基体とし、前後の車輪23(前輪23A、後輪23B)によって移動可能とされるが、前部のアウトリガー24を前方へ引き出して地表に定置することにより固定状態となる(すなわち反力を受け止める)。フレーム22は四角箱状をなし、上部フレーム22A、下部フレーム22B、及びこれらの上部フレーム22Aと下部フレーム22Bとを繋ぐ4周の柱材22Cよりなり、更にはこれらのフレーム材(22A、22B、22C)に取り付けられる他の剛性材を含む。車輪23の前輪23A及び後輪23Bはキャスター型式となっており、横移動も可能である。アウトリガー24は、その水平部(水平材)24aが上部フレーム22A内に収納、引き出し可能となっており、水平部24aの端部には鉛直部(鉛直材)24bが配される。
フレーム22の上部の後方にはウインチ7が設置され、通線6はその巻胴7aに捲回され、駆動部(電動モータ)7bをもって回転駆動される。駆動部7bには変位量センサー25が配され、ウインチ7の回転量を計り、通線6の巻取り量・巻戻し量、すなわち通線6の変位量を計測する。
フレーム22の上部フレーム22Aの中央部に剛接状に横架された梁材(フレーム材)22A’に、ピン結合をもって棒状の滑車支持体27が上下回転自在に取り付けられ、該滑車支持体27の先端には滑車28が回転自在に取り付けられる。滑車支持体27の下面とフレーム22の前部の上部フレーム22A(他の上部フレーム22Aよりも低くされている)の上面との間には荷重センサー29が介装設置され、該荷重センサー29に負荷される荷重、ひいては通線6に懸かる張力を計測する。
アウトリガー24につき、鉛直部(鉛直材)24bの下端には高さ調整機能付き定置板24cが配される。該高さ調整機能付き定置板24cの操作をもって地表面へ均等な押圧がなされ、本作業装置Sのぐらつきのない確実な固定がなされる。
作業装置Sは上記構成に加え、レール材5を吊り下げる吊下げ装置120を備え、該吊下げ装置120を介してレール材5の保持(不動状態)がなされる。
吊下げ装置120は作業装置Sのフレーム22(上部フレーム22A)上に滑車支持体27を跨いで立設された2つの柱材121、該柱材121の上端部に載置固定される梁材122、該梁材122より水平状に前方に突設されるブラケット材123、を基台とし、該梁材122の上に配されたウインチ124、該ブラケット123の前端に配された滑車125、が配され、ウインチ124より繰り出されたワイヤー126は、滑車125を介してレール材5の上端に固定されてなる。
ウインチ124の巻き込みによりレール材5を吊り上げ、該レール材5の下端の水平部5Cを横断管2の管口頂部に係合させて固定し、ワイヤー126に所定の張力を付与してレール材5を固定(不動状態)する。
なお、レール材5の吊り下げ保持はこの態様に限らず、レール材5の上端を地上部で固定把持することによってもなされる。
(3a)
上流側人孔1Aにある通線6、下流側人孔1Bにある通線6の各下端を適当な治具(例えば、下端に懸け金具を装着した長棒)を使用して人孔1の中心部もしくはレール材5の前面付近に保持し、下流側ウインチ7Bを駆動して、通線6を弛ませることなく張設する。
上流側人孔1Aにある通線6、下流側人孔1Bにある通線6の鉛直部をレール材5の溝15に誘導し、溝空間16内に嵌入させる。
(3b)
下流側ウインチ7Bを更に駆動して、横断管2内部の水平通線6をレール材5の下端部(曲がり部5B、水平部5C)の溝15、溝空間16内に誘導する。
以上により、通線6はレール材5の対応位置で該レール材5の溝空間16内に挿入され、通線6の定置作業は完了する。
通線6に上流側ウインチ7A、下流側ウインチ7Bにより所定の張力を導入する。すなわち、本規格の通線6(径φ12mm、単位長さ質量w0.53kg/m)に、同じく規格のウインチ7(1.3トン)により所要の張力を導入し、横断管路2(管長20m、管径60cmとする。)内の通線6をほぼ水平状態すなわち所期の懸垂曲線状態とする。そして、この通線に所期の集中荷重が作用して重ね合わせによる所期の曲線状態(たわみ、傾斜)を採る。これにより、本発明における通線システムが構築される。なお、この懸垂曲線状態は厳密な懸垂曲線(カテナリー曲線)解、あるいは通常には放物線解により表される。
本通線6は横断管2内への配設後、該横断管2内での機器の移動に供されるものであり、機器すなわち移動体が水流抵抗を受ける際、破断あるいは大きな撓みを受けることのない力学的状況(強度)を保持することが要請され、本規格は当該力学的要請に基づくものである。
本通線6が所期の張力を受けるとき、通線6の横断管2(20m)の中央での撓みは2.7cmであり、また通線6に固定される移動体の荷重が18.0kgを採るとき通線6の中央での撓みは11.7cmであり、本通線6に取り付けられてなされる横断管2(標準管径60cm)内での作業に支障にはならない。
また、管口での所期の張力による曲げモーメントは本レール材5の断面の抵抗モーメントで対抗されるものである。
次に、前記した通線6に計測装置Aを取り付けてなす横断管2内の断面計測作業を説明する。本計測装置Aによる計測方法は実施の一例であって、他の計測方法を採ることは自由であり、また計測作業を省略することもできる。
以下、計測装置Aが機械式断面計測装置である設置の手順について述べる。
上流側の地上部で通線6に計測装置Aを取り付ける。
計測装置Aは通線6に介装された取付け台車32を介して取り付けられる。
図9〜図11に取付け台車32の詳細構成を示す。
本取付け台車32は(左右前後、上下は図面におけるもの)、細長の箱状をなすフレーム体33と、該フレーム体33の前後において該フレーム体33に回転自在に軸支される回転軸34a、該回転軸34aの両端に装着されるローラ34と、フレーム体33の下面に突出して固設される取付け板35と、フレーム体33の前後部に固設される取付け環36と、からなる。取付け板35には計測装置Aとの取付けに供される取付け穴35aが開設される。取付け板35の高さhは3〜4cmとされる。上記取付け台車32の構成において、フレーム体33、ローラ34、更には取付け環36により取付け台車32の本体部を構成する。
該取付け台車32はレール材5の溝空間16内に嵌装され、そのローラ34をレール材5の背面部12、前面部14の内面に沿わせて移動自在とされる。フレーム体33の幅はレール材5の溝15の幅よりもわずかに小さいものとされ、該取付け台車32をぶれなく移動を案内する。
計測装置Aと取付け台車32との取付けは、取付け板35,38相互を重ね、かつ取付け穴35a,38aを一致させ、それらの取付け穴35a,38aに挿通した固定具(ボルト・ナット)39を締め込んでなされる。
計測装置Aは、前記した取付け板38と該取付け板38に固設される装置本体40とからなり、該装置本体40は、フレーム体42と、該フレーム体42に回転支軸を固定され、所定長さを有するとともに放射状に開き、放射状に配される所定間隔の複数の測長ウイング43と、該測長ウイングの開き角度を検知する角度センサー44と、当該装置本体の姿勢を重力的に検知する加速度センサー45と、該装置本体40内部での信号の授受及び機器制御をなす制御基板46と、外部との連絡をなす信号コード47と、を備えてなる。
もっと詳しくは、装置本体40のフレーム体42は、円錐状をなす前部(頭部)フレーム50と、三角筒状をなす中間部(首部)フレーム51と、直円筒状をなす後部(胴部)フレーム52とから構成される。前部フレーム50は泥水中の本作業体Aの進行の泥除けとなる。中間部フレーム51はその各辺部に測長ウイング43が取り付けられる部位であり、具体的には測長ウイング43の回転支軸の保持をなす。後部フレーム52は前部の円板体52aに円筒側板52bが固設され、後部は開放される。後部フレーム52の径は収縮状態の測長ウイング43を水平に受け入れる径とされ、またその側面に上下に2つの連結板38,38’が取り付けられる。後部フレーム52の後部の解放空間は測長ウイング43の止着機構(後述)を搭載する。
測長ウイング43は、中間部フレーム51の辺部に固設された支軸保持体53にその回転支軸54が枢支されるとともに、該回転支軸54より剛結をもって突設する突起杆54aにばね材55が係止されてなる。ばね材55は突起杆54aと支軸保持体53とに介装され、突起杆54aを開放方向に常時付勢する(図12の状態)。測長ウイング43の測長杆43aは前記回転支軸54の突起杆54aに固設され、更にその先端にパドル部43bが固設される。パドル部43bは泥状の付着物との当接をなす。回転支軸54の中心からパドル部43bの先端までは所定の距離に保持される。
測長ウイング43の測長杆43aの先端には更に内方に突出する鉤部43cが配される。この鉤部43cは後部フレーム52の後部の止着機構57に連動する。
止着機構57は、後部フレーム52の後端に取り付けられている取付け板58、該取付け板58に取り付けられた電磁弁59、からなる。電磁弁59は電気信号(後述)を受けて駆動され、駆動軸59aの軸移動をもって測長ウイング43の鉤部43cとの止着をなす。取付け板58はまた、後部フレーム52の後部において密封空間(水密空間)Jを形成する。
(角度センサー44)
角度センサー44は前記した支軸保持体53に枢支される測長ウイング43の回転支軸54を共有して、測長ウイング43の取付け部位とは反対の側に取り付けられ、該回転支軸54の回転量を計測する。
すなわち、測長ウイング43が収納位置にあるとき0°を採り、測長ウイング43が開くにつれその開き角度を検出する。
(姿勢センサー45)
姿勢センサー45は、いわゆる加速度センサーが使用され、前記した後部フレーム52の後部の密封空間J内の固定位置に配され、計測装置Aの姿勢(傾き)を検出する。姿勢センサー45は計測装置Aの基本的位置(0(ゼロ)点)に関連付けて設置されるが、本実施形態では当該基本的位置は計測装置Aの中心軸線と測長ウイング43の3つの回転支軸54の作る平面との交点が選ばれる。
(制御基板46)
制御基板46は、同じく後部フレーム52の後部の密封空間J内の固定位置に配され、装置本体40内部での信号の授受及び機器制御をなす。すなわち、角度センサー44及び姿勢センサー45からの信号を受けて外部に送るとともに、外部からの信号を受けて前記した止着機構57の電磁弁59へ指示信号を送る。姿勢センサー45からの信号についてはゼロ点での姿勢信号に補正される。
(通信コード47)
通信コード47は、計測装置Aに接続され、通線6とは別に地上部から送り込まれる。該通信コード47は、本装置本体40内の制御基板46に接続され、制御基板46の信号を地上部に送信するとともに、地上部からの指示信号を制御基板46に伝達する。
なお、計測装置Aは所定の重量及び大きさ(幅・高さ、長さ)に規制されている。すなわち、一例として、計測装置Aの重量Pは18kg、計測装置Aの直径φは25cm、長さLは60cm、更に取付け板38の高さhは3〜4cmを採るものである。したがって、計測装置Aの下底はレール材5の中心位置より35cmに収められる。
上流側地上部において、通線6に取付け台車32を介装設置する。すなわち、該取付け台車32の両端の取付け環36を介して通線6に取り付ける。
この状態で、取付け台車32の取付け板35と計測装置Aの取付け板38とを重合し、それらの取付け穴35a,38aに固定具(ボルト・ナット)39を挿通し、該固定具39を締め込んで計測装置Aの取付けがなされる。計測装置Aには通信コード47が接続される。
計測装置Aをレール材5の上位に配し、取付け台車32の本体部をレール材5の溝空間16内に嵌め込む。
(5b)計測装置Aの下降/沈設
上流側ウインチ7Aの巻き出しと下流側ウインチ7Bの巻き取りとを同調させて、計測装置Aの重量に抗して該計測装置Aを上流側人孔1A内に下降・沈設する。
(5c)計測装置Aの管口への配置
計測装置Aがレール材5の曲がり部5Bに至ると、計測装置Aは円弧軌跡を描いて横断管2の管口に近づく。このとき、計測装置Aは所定の大きさに制限されているので、管口壁面に衝突することなく、計測装置Aは所定の姿勢で横断管2の管口に臨む。
上流側ウインチ7A、下流側ウインチ7Bにより所定の張力をもって計測装置Aを上流側管口から当該横断管2内を進行させ、下流側管口まで移動させる。
(6a)計測装置Aによる計測
計測装置Aの進行の開始において、測長ウイング43の止着機構57が開放され、測長ウイング43はばね材55の付勢力により外方へ開く。
通線6の移動に伴う計測装置Aの進行につれ、測長ウイング43はその先端のパドル部43bが横断管2の壁面の付着物の表面をなぞり、各位置で一定の開き角度を保持し、回転支軸54を回動させ、角度センサー44によりその開き角度が検出される。
加速度センサー45は、その各位置での計測装置Aの装置本体40の姿勢(傾斜)を検知する。そして、これらの検出値は制御基板46を介して地上部の処理装置へ送られ、モニターに表示される。
図15は計測装置Aの内部構成及び地上部でのモニター表示の構成を示す。
図示されるように、計測装置Aには角度センサー44、加速度センサー45、電磁弁59、該センサー44、加速度センサー44、電磁弁59と信号のやり取りを行う制御基板46、の主要機器が装備される。計測装置Aは信号コード47を介して地上部の処理装置(通常にはパソコン)62と信号のやり取りを行う。該処理装置62には通線6の変位量を検知する変位量センサー63(ウインチ7に内蔵)からの信号も受け入れる。処理装置62には、入力手段62a、画像処理部62b、補正計算部62cが付置もしくは内蔵され、これらの信号をモニター64に表示する。
処理装置62は変位量センサー63からの情報信号も受け入れて、計算処理を行い、計測装置Aの進行につれ、横断管2の内面状況を刻々画像処理を行う。入力手段62aからは当該横断管2の内径、長さ等の情報が入力される。モニター64では、画像処理された情報が必要に応じて(通常には刻々)表示される。
このようにして、計測装置Aの横断管2内での進行につれ、横断管2の内面状況を刻々モニター64で表示される。
(6b)下流側管口部の計測装置A
計測装置Aが横断管2の下流側管口に至ると、モニターの作動は終了し、かつ通線6の取付け台車32がレール材5の端部の広口部20に臨み、円滑にレール材5の溝空間16内に入り込む。
(6c)計測装置Aの引き上げ
ウインチ7A,7Bの駆動により、計測装置Aはレール材5の曲がり部5Bを経由して、レール材5の鉛直部5Aを上昇し、人孔1の開口部1aから地上部に引き上げられる。
その後、計測装置Aは取付け台車32から外され、該取付け台車32は通線6とともにウインチ7A,7Bの逆操作により逆行され、再び上流側地上へ引き戻され次の作業に備える。
前記(6c)に引き続き、計測装置Aをその中心軸回りに180°回転させ、その取付け板38’を通線6の取付け板35に連結する。これにより、本計測装置Aはその測長ウイング43の放射角度がY配置を採る。したがって、第1回目の逆Y配置とこのY配置とにより測長ウイング43の放射角度が60°間隔となる。
この計測装置Aを前記(5a)、(5b)、(5c)、(6a)、(6b)、(6c)の工程に準じて計測作業を実施する。
この計測において、横断管2の断面状況は管頂から60°間隔にその付着状況が計測されることになる。なお、当該2回目の計測は適宜省略することができる。
(8) 計測作業の完了
以上の(5) 〜(7) の工程をもって計測作業は終了する。
また、計測装置Aによる計測方法は計測作業の一例であって、他の計測方法(例えば、超音波計による計測、あるいは流速計による断面計測)を採ることは自由であり、更には計測作業を省略することもできる。
そして、この計測作業による横断管2内の断面状況(堆積状況)は以下の清掃作業の予備データとして利用される。
以上の計測装置Aによる横断管2内の土砂の堆積状況の計測作業の後、清掃装置Bによる清掃作業が実施される。本清掃作業において、前記した計測作業のデータ(堆積土砂の状況)が利用されるものである。
以下、本実施形態において特徴とする噴射水流(噴流)型の清掃装置B1の設置について述べる
清掃装置B1は通線6に介装された前記した取付け台車32を介して取り付けられる。
図16 、図17 に本清掃装置B1の詳細構成を示す。図において、進行方向を前方(前部)とする。
本清掃装置B1は(左右前後、上下は図面におけるもの)、通線6との連結をなす取付け板70と、該取付け板70に固設されるノズル装置71とを主要部とし、更には該装置本体71の下部に取り付けられる掻き取り板72を含む。
取付け板70は、矩形状の平板体よりなり、該平板体内に後部に取付け穴70a、前部に取付け長穴70bが開設されてなる。取付け長穴70bは取付け穴70aを中心に距離rの円弧状をなす。該距離rは取付け台車32の取付け板35の2つの取付け穴35a,35aの間隔に一致する。
取付け板70の取付け台車32への取付けは、取付け台車32の取付け穴35a,35aと取付け板70の取付け穴70a、取付け長穴70bとをそれぞれ一致させ、それらの取付け穴35a,70a,70bに挿通した固定具(ボルト・ナット)74を締め込んで両者の固定をなす。
ノズル装置71は、金属製よりなり全長において実質的に円筒状をなし、内部に導水通路を有する円筒本体部71aを主体とし、前部は円筒本体部71aよりレジューサー部71bを介して導水通路が縮径されて噴射口の形成されたノズル部71cを有し、後部はホース(後述)が接続される接続部71dを有する。該ノズル装置71の円筒本体部71aの頂部には前記した取付け板70が固設される。
本態様においては、円筒本体部71a、レジューサー部71b、ノズル部71cは同一中心軸線上にあるが、レジューサー部71b、ノズル部71cが下方に折れ曲げられる態様を採ることを除外するものではない。したがって、噴射口は下方に向く。
該ノズル装置71の諸元の一例を示すと、全長40cm、円筒本体部71aの径5.0cm、ノズル部71cの径(噴射口)2.5cmを採る。
掻き取り板72は、ノズル装置71の円筒本体部の下部に所定の幅及び高さをもって配され、かつ、折り畳み可能となっている。
詳しくは、当該掻き取り板72の幅は管口部において管口に衝突することのない幅(目安として20〜30cm)に確保される。すなわち、当該幅はレール材5を管口の頂部に直に配する態様(すなわちレベル調整材10がない状態)で、該清掃装置B1が可及的大きな幅で管口に入り込む幅とする。
更に、上部の固定板72aに下部の可動板72bが蝶番75を介して取り付けられて折り畳み可能とされる。
また、縦断面形状が上方部の固定板72aで屈曲し、下方に向って一定の傾斜角(本実施形態では30°)で傾斜する。
なお、本掻き取り板72は必須の要件ではなく、適宜省略されうる。すなわち、本清掃装置B1は取付け板70とノズル装置71とをもって最小限の機能を果すものである。
図18は本清掃システムの概略構成を示す。図において、進行方向を前方(前部)とする。
本清掃システムは、前記した通線6に連結される当該清掃装置B1と、地上部の高圧力(高圧)ポンプ77と、該高圧ポンプ77に併置される水槽78と、これらの要素間を繋ぐ可とう性水管(通常にはホース、以下ホースと称する)79(清掃装置B1及び高圧ポンプ77間のホース79A、高圧ポンプ77及び水槽78間のホース79B)とからなる。
高圧ポンプ77は、駆動モータ77aを備え、貯水槽78からの水の供給を受けるとともに該駆動モータ77aの駆動力により高圧の水流を吐出する。
(水槽78)
水槽78内には清水が入れられる。
なお、高圧ポンプ77は、水槽78が省略され、直接清水の供給を受けることも、あるいは人孔1A内の下水を利用することも可能である。
ホース79は、高圧ポンプ77と清掃装置B1とを繋ぐホース79Aと、水槽78と高圧ポンプ77とを繋ぐホース79Bとからなる。ホース79は径5cmを採り、ホース79Aは高圧ホースが採用され、後記するように清掃装置B1が下流側に到達するに十分な長さを有する。ホース79Bは通常ホースが採用される。
ホース79Aと清掃装置B1との接続は、前記したノズル装置71の接続部71bを介してなされる。
上記したとおり、取付け台車32は通線6に介装設置されており、この状態で上流側地上部に配される。上流側地上部で取付け台車32の取付け板35と清掃装置B1の取付け板70とを重合し、それらの取付け穴35a,70a,70bに固定具(ボルト・ナット)39を挿通し、該固定具39を締め込んで清掃装置B1の取付けがなされる。本実施形態では下流側から作業を開始することを考慮して、当初は清掃装置B1を下向き傾斜で取り付ける。すなわち、取付け板70の長穴70bの上方部が選ばれる。更に、清掃装置Bのノズル装置71の接続部71bにはホース79が接続される。
次いで清掃装置B1をレール材5の上位に配し、取付け台車32の本体部をレール材5の溝空間16内に嵌め込む。
(9b)清掃装置B1の下降/沈設
上流側ウインチ7Aの巻き出しと下流側ウインチ7Bの巻き取りとを同調させて、清掃装置B1の重量に抗して該清掃装置B1を上流側人孔1A内に下降・沈設する。
(9c)清掃装置B1の管口への配置
清掃装置B1がレール材5の曲がり部5Bに至ると、清掃装置B1は円弧軌跡を描いて横断管2の管口に近づく。このとき、清掃装置B1は所定の大きさに制限されているので、管口壁面に衝突することなく、清掃装置B1は所定の姿勢で横断管2の管口に臨む。
(第1工程)
本清掃作業は、横断管2の下流側から始め、順次上流側に移動して行ういわゆる分割作業方式を採る。
先ず上流側ウインチ7A、下流側ウインチ7Bにより通線6を介して所定の巻出し量及び張力をもって清掃装置B1を上流側管口から当該横断管2内を進行させ、下流側管口から例えば1/4の位置まで移動させる。通線6の所定の巻出し量及び張力により、通線6及び当該清掃装置B1の横断管2内の堆積土砂の表面への接触ないしは擦れはない。この時、清掃装置B1は作動しない。
しかる後、上流側ウインチ7A、下流側ウインチ7Bにより通線6を介して所定の巻出し量及び張力をもって、かつ高圧ポンプ77を駆動し、清掃装置B1を作動させて当該位置から横断管2内を下流側に進行させ、下流側管口まで移動させる。
この清掃装置B1の作動において、先の計測結果が利用される。すなわち、計測により検出された堆積土砂の状況に対応して通線6が堆積土砂の表面に垂れない範囲内で、ウインチ7A,7Bの繰出し量及び張力の加減により清掃装置B1の位置(特には高さ)を調整し、清掃装置B1のノズル装置71の噴射口を堆積土砂に可及的近づけるようにする。
清掃装置B1のノズル装置71の噴射方向は斜め下方に向いているので、その噴射水流(噴流)は横断管2の底部の堆積土砂を飛散させ、かつ押し流し、清掃装置B1の進行とともに下流側人孔1Bの底部に落し込む。
このとき、清掃装置B1の掻き取り板72は飛散・押し出された土砂(清掃土砂)の背後に位置し、遮蔽板となり該清掃土砂を押し出す作用を付加する。
この清掃作業において、堆積土砂が砂利層を主体とする場合、噴射水流は砂利を飛散させ、飛散された砂利は横断管2の内壁面に衝突し、内壁面に強固に付着する付着物(例えば油脂分)を洗浄する作用(いわゆるショットブラスト作用)を発揮する。
(第2工程)
次いで、清掃装置B1を後記する清掃作業の終了(9f)に準じて下流側人孔1Bから引き上げ、該清掃装置B1の取付け姿勢を調整した後、上流側ウインチ7A、下流側ウインチ7Bを逆転させ、かつは所定の巻き出し量及び張力をもって、清掃装置B1を下流側管口から横断管2内を進行させ、該清掃装置B1を下流側管口から例えば1/2(中央)の位置まで移動させる。このとき、掻き取り板72は折り畳まれ、水流に大きく抵抗せず該清掃装置B1は円滑に上流側に運ばれる。また、清掃装置B1は作動しない。
あるいは、上流側ウインチ7A、下流側ウインチ7Bを逆転させ、清掃装置B1を上流側人孔1Aから引き上げ、該清掃装置B1の取付け姿勢を調整した後、上流側ウインチ7A、下流側ウインチ7Bによる所定の巻き出し量及び張力をもって、清掃装置B1を上流側管口から横断管2内を進行させ、該清掃装置B1を下流側管口から上記と同じ位置まで移動させる。
しかる後、第1工程に準じて、上流側ウインチ7A、下流側ウインチ7Bを駆動し、かつ高圧ポンプ77を駆動し、清掃装置B1を作動させて当該位置から横断管2内を下流側に進行させ、下流側管口まで移動させる。
これにより、横断管2内の下流側1/2の堆積土砂が除去される。
(以後の工程)
以下、更に上流側に清掃装置B1を移動させ、かつ清掃装置B1の取付け姿勢を調整し、上記に準じて清掃装置B1による清掃作業を行い、横断管2内の全ての堆積土砂の除去を行う。
(9f)清掃作業の終了
清掃作業の終了において、清掃装置B1を横断管2の下流側管口において、通線6の取付け台車32をレール材5の端部の広口部20に導き、レール材5の溝空間16内に導き入れる。
ウインチ7A,7Bの駆動により、清掃装置B1はレール材5の曲がり部5Bを経由して、レール材5の鉛直部5Aを上昇し、下流側人孔1Bの開口部1aから地上部に引き上げられる。
しかる後、清掃装置B1は取付け台車32から外され、本清掃作業は終了する。
また更には、清掃装置B1が取付け台車32から外された後、該取付け台車32は通線6とともにウインチ7A,7Bの逆操作により逆行され、再び上流側地上へ引き戻され次の作業に備える。
以後、必要に応じて横断管2内の堆積状況を再計測し、更には堆積物の掻き取り作業をなす。
すなわち、再び清掃装置B1から計測装置Aに切り換え、横断管2の内面の状況をモニターで再確認する。そしてまた、堆積物の除去状況が十分でなければ、清掃装置B1をもって堆積物の掻き取り作業をなす。
なお、本(10)の工程は任意の作業である。
以上の(1) 〜(10)、あるいは(1) 〜(9) の工程の後、人孔1内のレール材5を撤去し、再度、(9) の工程で下流側人孔1Bの底部に貯まった土砂を既述の要領で浚渫をし、作業は終了する。
本実施形態では叙上の構成を採り実施されるものであるので、以下の効果を有する。
(レール材5の設置)
レール材5の下端の曲がり部5B、水平部5Cからなる管口保護部は所定の状態で横断管の管口に当接されるので、レール材5内に配される通線6に大きな張力が掛かった場合にも管口は保護され、当該通線6による損傷を受けない。
レール材5の曲がり部5Bの背面に添設されるR材18は、レール材5の人孔1内への設置の間隔保持をなすとともにレール材5の補剛となり、多機能を発揮する。
レベル調整材10を適宜数介装することにより横断管2内の通線6の高さが自由に設定することができる。
(通線6の定置、張力の導入)
通線6には所期の張力が導入されて横断管路2内の通線6は所期の懸垂曲線状態となり、かつこの通線6に所期の集中荷重が作用し、重ね合わせによる所期の曲線状態(たわみ、傾斜)を採る。したがって、この通線6に基づいて実施される作業(計測、清掃など)は精確な位置設定が可能となる。
(計測装置Aの設置及びその作業)
取付け台車32は前後2軸4輪であるので、走行が安定し計測装置Aへのぶれがなく、またレール材5の管口保護部(曲がり部5B,5C)を安定して通過することができる。
計測装置Aは規定の大きさ・長さ更には重量とされ、横断管2の管口に衝突することなく、また横断管2内を障害なく通過することができる。
(清掃装置B1の設置及びその作業)
取付け台車32は前後2軸4輪であるので、走行が安定し清掃装置B1へのぶれがなく、またレール材5の管口保護部(曲がり部5B,5C)を安定して通過することができる。
清掃装置B1は規定の大きさ・長さ更には重量とされ、横断管2の管口に衝突することなく、また横断管2内を障害なく通過することができる。
清掃装置B1はウインチ7への巻取り量及び張力を調整して所定の曲線状態をなす通線6に固定されて移動し、清掃装置B1のノズル部71cの噴射口を堆積土砂の表面に対して可及的接近させ、かつ良好な噴射姿勢(傾斜角度)を採ることができる。
清掃装置B1のノズル装置71からの噴射水流(噴流)により、堆積土砂を飛散させ、下流に押し流し、固結堆積土砂に対して効果的な清掃作用を発揮できる。また、堆積土砂が砂利成分であるとき、ショットブラスト作用が生じ、横断管2の内壁面を研磨清掃することができる。
図19はノズル装置71のノズル部71cの噴射口の形状が幅広状をなす偏平穴態様を示す。この態様によれば、噴射水流が横方向に広がり、堆積土砂を広く飛散させ、かつ押し流すことができ、効率的である。
(他の態様2)
叙上の実施の形態では、高圧ポンプを地上に配したが、水中ポンプを使用し、該水中ポンプを上流側人孔1A内に配し、かつ上流側人孔1A内の水を使用する態様を採ることができる。
(他の態様3)
叙上の実施の形態では、横断管の断面計測がなされた後その断面状況をモニターに表示しながら当該横断管の清掃作業をなすものであるが、横断管の断面計測をなすことなく、直ちに当該横断管の清掃作業をなす態様を除外するものではない。
本態様は、横断管の断面状況が予め知れている場合、あるいは比較的大断面であって流水路が十分に確保されていると想定される場合、等に採られる得る。
(12)清掃装置B2の設置及びその作業(図20〜図23参照)
以下、他の実施形態(第2実施形態)の噴射水流型の清掃装置B2による清掃作業について述べる。本第2実施形態は横断管2の管壁上部の付着物(ラード分)の除去への特化を図るものである。
(清掃装置B2)
図20〜図22に本清掃装置B2の詳細構成を示す。図において、進行方向を前方(前部)とする。
本清掃装置B2は(左右前後、上下は図面におけるもの)、通線6との連結をなす取付け板82、該取付け板82に固設されるノズル装置83、該ノズル装置83の下部に取り付けられる浮体(うきたい)84を主体とする浮体部、を含む。
取付け板82は、取付け板70と同等のものであって、その平板内の後部に取付け穴82a、前部に取付け長穴82bがそれぞれ開設される。
取付け板82の取付け台車32への取付けは、取付け台車32の取付け穴35aと取付け板82の穴70a,70bとをそれぞれ一致させ、それらの取付け穴35a,70a,70bに挿通した固定具(ボルト・ナット)74を締め込んで両者の固定をなす。
ノズル装置83は、金属製よりなり、内部に導水通路を有する円筒本体部83aを主体とし、前部は円筒本体部83aより二股に分かれてレジューサー部83bに至り、これらより剛性部を形成する。更に、各レジューサー部83bより硬質の屈撓性を有する噴射口の形成されたノズル部83cに連なる。ノズル部83cの屈撓性は蛇腹管構造によってなされ、該ノズル部83cはその屈撓性をもって上方へ折り曲げられる。すなわち、噴射口は上方へ向けられる。
該ノズル装置83cの後部は清掃システムのホース79が接続される接続部83dを有する。該ノズル装置83の円筒本体部83aの頂部には前記した取付け板82が固設される。
ノズル装置83のレジューサー部83bの二股分岐により、レール材5との衝突が回避される。
浮体部は浮体(うきたい)84を主体とし、連結材85を介してノズル装置83の円筒本体部83aの下部に左右対称に2個1対をもって配される。浮体84は、中空円筒体の塩化ビニル樹脂管よりなり、前後が閉塞され、これにより内部に封入された空気をもって浮力を生じさせる。連結材85は、ノズル装置83の円筒本体部83aの下部に放射状に固設されるブラケット85aと、浮体84を拘束把持するバンド85bと、これらの固定具(ボルト・ナット)85cとからなり、該固定具85cを締め込んで両者の固定をなす。
水中において、浮体部の2つの浮体84よる浮力により、その上部のノズル装置83ひいては清掃装置B2を持ち上げ、更には通線2のたるみ量を小さくする。なお、浮力の作用線はノズル装置83の重心に実質的に一致し、清掃装置B2に不測の偏心力を与えない。
本清掃装置B2はその取付け板82を介して通線6の取付け台車32に取り付けられる。
清掃システム(高圧力ポンプ77、水槽78、可とう性水管79)は先の第1実施形態に準じる。
本作業においても、下流側からなす分割作業方式を例にとって説明する。
(12a) 清掃装置B2の取付け、配設
前記した(9a)清掃装置B1の取付け、配設に準じる。
なお、本作業においては、本清掃装置B2の取付け板82の取付け長穴82bの下方部が選ばれる。
(12b) 清掃装置B2の下降/沈設
前記した(9b)清掃装置B1の下降/沈設に準じる。
なお、本作業においては、本清掃装置B2の浮体84の浮力効果により、下降時にはウインチ7による大きな引込み力を要することになる。
(12c) 清掃装置B2の管口への配置
前記した(9c)清掃装置B1の管口への配置に準じる。
すなわち、本清掃装置B2におけるノズル装置83のノズル部83cの相互は近接した状態となっており、また2つの浮体84も中心に寄った位置に配された状態となっており、管口への衝突は回避される。
本清掃装置B2を管口より横断管2内の所定の位置に移動させる。この移動において、本清掃装置B2は浮体84からの浮力を受け、その上部のノズル装置83ひいては清掃装置B2を持ち上げ、更には通線2のたるみ量を小さくする。この場合において、通線2の曲線形状(厳密には懸垂曲線であるが、放物線で近似される)及びたるみ量は所定の値を示す。
これにより、ノズル装置83のノズル部83cの噴射口は上方へ向けられており、ノズル装置83の噴射方向は、横断管2内の頂部に付着している付着物、もしくは横断管2内の頂部に滞留している付着物に直接的に向けられたものとなっているので、その噴射水流(噴流)は横断管2の上部の付着物を飛散させ、かつ押し流し、清掃装置B2の進行とともに下流側人孔1Bの底部に落し込む。
本清掃装置B2を更に移動させ清掃作業をなすとき、清掃装置B2のノズル装置83の姿勢を適宜に替え、清掃作業をなす。
前記した(9f)清掃作業の終了に準じる。
なお、本作業において、清掃装置B2の人孔1B内の上昇において、本清掃装置B2の浮体84の浮力効果によりウインチ7による引き上げは格別大きな駆動力を要しない。
図23にノズル装置83のノズル部の他の態様を示す。
本ノズル部83c’は、剛性体よりなり、レジューサー部83bと回転継手83eを介して接続される。これにより、本ノズル部83c’は円筒本体部83aの導水通路からの噴射水流を受けて首ふり自在となり、噴射口からの噴射水流は横断管2の上部周辺の付着物を広く飛散させる作用をなす。
取付け台車32は前後2軸4輪であるので、走行が安定し清掃装置B2へのぶれがなく、またレール材5の管口保護部(曲がり部5B,5C)を安定して通過することができる。
清掃装置B2は規定の大きさ・長さ更には重量とされ、またそのノズル装置83のノズル部83cの相互は近接した状態を採るとともに、2つの浮体84も中心に寄った位置に配された状態となっており、横断管2の管口に衝突することがなく、更には横断管2内を障害なく通過することができる。
清掃装置B2は浮体84からの浮力を受け、その上部のノズル装置83ひいては清掃装置B2を持ち上げ、更には通線2のたるみ量を小さくする。
この状態で、清掃装置B2はウインチ7への巻取り量及び張力を調整して所定の曲線状態をなす通線6に固定されて移動し、清掃装置B2のノズル部83cの噴射口を横断管2の上部に付着する付着物に対して可及的接近させ、かつ良好な噴射姿勢(傾斜角度)を採ることができる。
また、ノズル部83c’では、円筒本体部83aの導水通路からの噴射水流を受けて首ふり自在となり、噴射口からの噴射水流は横断管2の上部周辺の付着物を広く飛散させることができる。
パイプライン(石油、天然ガス)において、管壁への異物の強固な付着が問題となっており、この付着物の調査・除去のため本発明の適用が期待されるものである。
図24において、Pは地上に配されたパイプラインを示す。パイプラインPの適宜の2箇所で穿孔Q用の立孔管200を立設し、かつ、架台部201を設置する。架台部201にはウインチ202、滑車203が設置される。
本発明の実施において、架台部201上で穿孔Qをなし、この穿孔Qを介して通線205を配し、またレール材206を挿入し、ウインチ202により通線205を所期の状態に設置するものである。
1)立孔1の底部の浚渫は、本実施形態では予めなされるが、ポンプ浚渫によれば随時なし得ることが可能であり、本清掃作業工程と同時的になしてもよい。
2)レール材の曲がり部5Bの曲率は4分円に限らず、放物線、楕円曲率等を採り得る。
3)本実施形態の計測装置Aは一態様であって、他の計測装置の適用を妨げるものではない。更に上記したとおり、この計測工程も適宜省略することができる。
Claims (6)
- 上流から下流への流体の流れをなす流体管路の、対向する立孔間を直線状の横断管を介して流通状態に接続される曲がり管路において、
前記立孔及び横断管にわたって配されるとともに該立孔及び横断管の軸方向に所期の張力をもって移動する通線に連結されて使用される該横断管の清掃装置であって、
前記通線には取付け台車が介装され、
前記通線の取付け台車と所定の角度に連結される取付け板と、該取付け板に固設され内部に導水通路を有するノズル装置とからなり、
前記ノズル装置は、該ノズル装置の後端に接続される長尺のホースを介して高圧力ポンプに連結され、該ノズル装置の前端には前記導水通路に連通する噴射口を有する、
ことを特徴とする曲がり管路における横断管の清掃装置。 - 通線の配設は、下端に所定の曲率の曲がり部よりなる管口保護部を有し、その長手方向に通線の誘導路が形成されたレール材を、該管口保護部を横断管の管口に臨ませるとともに、相対する立孔のそれぞれの壁面に沿って立設し、
該両立孔の上位に配された各ウインチにより当該通線を該レール材の誘導路に沿って所定の張力をもって誘導し、
立孔間の横断管内に高さ及び張力を調整してなす、
ことを特徴とする請求項1に記載の曲がり管路における横断管の清掃装置。 - 上流から下流への流体の流れをなす流体管路の、対向する立孔間を直線状の横断管を介して流通状態に接続される曲がり管路において、
前記立孔及び横断管にわたって配されるとともに該立孔及び横断管の軸方向に所期の張力をもって移動する通線に連結されて使用される該横断管の清掃装置であって、
前記通線には取付け台車が介装され、
前記通線の配設は、下端に所定の曲率の曲がり部よりなる管口保護部を有し、その長手方向に通線の誘導路が形成されたレール材を、該管口保護部を横断管の管口に臨ませるとともに、相対する立孔のそれぞれの壁面に沿って立設し、該両立孔の上位に配された各ウインチにより当該通線を該レール材の誘導路に沿って所定の張力をもって誘導し、立孔間の横断管内に高さ及び張力を調整してなし、
前記通線の取付け台車と所定の角度に連結される取付け板と、該取付け板に固設され内部に導水通路を有するノズル装置とからなり、
前記ノズル装置は、該ノズル装置の後端に接続される長尺のホースを介して高圧力ポンプに連結され、該ノズル装置の前端には前記導水通路に連通する噴射口を有する、
ことを特徴とする曲がり管路における横断管の清掃装置。 - 上流から下流への流体の流れをなす流体管路の、対向する立孔間を直線状の横断管を介して流通状態に接続される曲がり管路において、
前記立孔及び横断管にわたって配されるとともに該立孔及び横断管の軸方向に所期の張力をもって移動する通線に連結されて使用され、
前記通線には取付け台車が介装され、
前記通線の取付け台車と所定の角度に連結される取付け板と、該取付け板に固設され内部に導水通路を有するノズル装置とからなり、
前記ノズル装置は、該ノズル装置の後端に接続される長尺のホースを介して高圧力ポンプに連結され、該ノズル装置の前端には前記導水通路に連通する噴射口を有する、
ことを特徴とする清掃装置を使用してなされる横断管の清掃方法であって、
前記高圧力ポンプからの送水を受けて、前記通線の移動とともに前記ノズル装置の噴射口からの噴射水流により横断管内の付着物を飛散させてなる、
ことを特徴とする曲がり管路における横断管の清掃方法。 - 通線の配設は、下端に所定の曲率の曲がり部よりなる管口保護部を有し、その長手方向に通線の誘導路が形成されたレール材を、該管口保護部を横断管の管口に臨ませるとともに、相対する立孔のそれぞれの壁面に沿って立設し、
該両立孔の上位に配された各ウインチにより当該通線を該レール材の誘導路に沿って所定の張力をもって誘導し、
立孔間の横断管内に高さ及び張力を調整してなす、
ことを特徴とする請求項4に記載の曲がり管路における横断管の清掃方法。 - 上流から下流への流体の流れをなす流体管路の、対向する立孔間を直線状の横断管を介して流通状態に接続される曲がり管路において、
前記立孔及び横断管にわたって配されるとともに該立孔及び横断管の軸方向に所期の張力をもって移動する通線に連結されて使用され、
前記通線には取付け台車が介装され、
前記通線の取付け台車と所定の角度に連結される取付け板と、該取付け板に固設され内部に導水通路を有するノズル装置とからなり、
前記ノズル装置は、該ノズル装置の後端に接続される長尺のホースを介して高圧力ポンプに連結され、該ノズル装置の前端には前記導水通路に連通する噴射口を有する、
ことを特徴とする清掃装置を使用してなされる横断管の清掃方法であって、
前記通線は、下端に所定の曲率の曲がり部よりなる管口保護部を有し、その長手方向に通線の誘導路が形成されたレール材を、該管口保護部を横断管の管口に臨ませるとともに、相対する立孔のそれぞれの壁面に沿って立設し、該両立孔の上位に配された各ウインチにより当該通線を該レール材の誘導路に沿って所定の張力をもって誘導し、立孔間の横断管内に高さ及び張力を調整して配設され、
前記高圧力ポンプからの送水を受けて、前記通線の移動とともに前記ノズル装置の噴射口からの噴射水流により横断管内の付着物を飛散させてなる、
ことを特徴とする曲がり管路における横断管の清掃方法。
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