JP2015044441A - 車両用空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 子供が座ることが想定される座席付近で、大人ユーザーによるエアコンON操作が可能となる車両用エアコン装置を提供する。
【解決手段】 車両2において、スマートECU200は、後席パワースライドドア4R,4Rの開状態において、携帯通信端末4Kからの所定のエアコン始動操作を受け付け、かつその携帯通信端末4Kが車両2のピラー20Pに設けられた近距離無線通信装置220にかざされることで近距離無線通信による照合処理を実行してその照合が成功した場合に、エンジンスイッチ206を押すことなく、エンジン3を始動させ、エアコン6の強制空調出力を開始させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用空調システムに関する。
近年の車両には、後部座席への乗降が容易となるよう後席ドアを電動開閉するパワースライドドアとした車両がある(特許文献1参照)。こうした車両では、後部座席に子供を乗せるチャイルドシートが配置されることも多く、子供を抱えたままでも後席ドアを開けられるため、子供のいるユーザーにとって使い勝手がよい。
特開2010−229683号公報
しかしながら、夏場などの暑い時期、長時間駐車した車の車室内は非常に暑くなっている。子供を抱えた母親は、後席ドアを開けて先に子供をチャイルドシートに乗せることになるが、そのときはまだ、車室内は何の空調もされていない非常に暑い状態のままである。この状態を解消するためには速やかにエアコンを作動させる必要があるが、ユーザーがエアコンを作動させるためには、子供をチャイルドシートに乗せた後、後席ドアを閉め、運転席まで移動して着座し、エンジン始動操作を行う必要があり、思った以上に時間を要する。特に、チャイルドシートのある座席が左で、運転席がその逆の右にある場合、ユーザーが移動する動線X(図4参照)は非常に長くなり、より時間がかかる。さらに、子供の数が多い場合や、他の荷物を降ろす必要がある場合等、状況によってはさらに時間がかかることもあり得る。
この課題を解決するために、後席ドア付近にユーザーが操作可能な専用のエアコン始動スイッチを設ける方法がある。しかしながら、専用スイッチを設けるにあたっては、スイッチ追加によるコスト増の問題だけでなく、スイッチの設置スペースが十分にない、設置できたとしても見え難く、操作がし難くなる、子供の誤操作の恐れがある等と、課題が多い。
本発明の課題は、子供が座ることが想定される座席付近で、大人ユーザーによるエアコンON操作が可能となる車両用エアコン装置を提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するために本発明の車両用空調システムは、
車両固有の識別情報を記憶するとともに、その識別情報を所定の近距離無線通信によって無線送信可能な携帯通信端末と、
前記車両の運転席のドアよりも車両後方の車両後方ドアが開状態にあるか否かを特定する開状態特定手段と、
前記車両後方ドアの開状態において開放されるドア開口の周辺部に設けられ、自身周辺となる車室内の所定エリア内に前記近距離無線通信を行う通信エリアを形成する車両側通信部と、
前記開状態と特定されていることを条件に、前記車両側通信部に対し前記通信エリアを形成する前記近距離無線通信を開始させ、その通信エリア内の前記携帯通信端末から前記識別情報を無線受信させる通信制御手段と、
無線受信した前記識別情報を照合する照合手段と、
前記車両のエンジンを始動し、かつエアコンによる車室内の空調出力を開始させるユーザー意思を確認するための、ユーザーによる予め定められた始動操作を受け付ける始動操作受付手段と、
前記始動操作を受け付け、かつ前記照合手段が照合成功した場合に、前記エンジンを始動させ、かつ前記エアコンによる予め定められた強制空調出力を開始させる主制御手段と、
を備えることを特徴とする。
上記本発明の構成によれば、ユーザーは例えば後席ドアやバックドア等の車両後方ドアを開けた時に、その開けた位置で車室内の空調出力を開始できる。運転席まで行かなければ空調出力を開始できなかった従来の不便さを解消できる。また、空調出力を開始させる条件として車両後方ドアの開状態と、ユーザーによる意思確認操作の受け付けと、ユーザー認証(キー認証)を必要とするため、特定のユーザーのみが空調出力を開始でき、子供等による誤操作を防ぐことができる。さらに、ユーザー認証については近距離無線通信により実行される構成であり、車両側通信部が設けられたところから所定範囲の通信エリア内に携帯通信端末を進入させる動作、具体的にいえば車両側通信部が設けられたところに携帯通信端末をかざす操作によって、認証処理(照合処理)を容易に実行できる。
本発明の一実施形態である車両用空調システムの主要構成を示したブロック図。 図1の車両用空調システムが搭載するスマートエントリーシステム及びスマートシステムに関する機能部を示すブロック図。 図1の車両用空調システムにおいて主となるECUと、他のECUの接続状態を示すブロック図。 図1の車両用空調システムにおいて車両を上方から見つつ、車室内に形成される近距離無線通信装置の通信エリアを示した車両外観図。 図1の車両用空調システムにおいて車両の後席周辺の車室内空間を示しつつ近距離無線通信装置の配置場所を示す車両内観図。 図1の車両用空調システムにおいて運転席とは異なる位置からエアコン始動を実行する制御のフローチャート。 図6から続くフローチャート。 図1の実施形態とは近距離無線通信装置を異にする、本発明の車両空調システムの別実施形態の主要構成を示したブロック図。 図8の車両用空調システムが搭載するスマートエントリーシステム及びスマートシステムに関する機能部を示すブロック図。 図5と同じ車両の後席周辺の車室内空間を示した車両内観図であって、近距離無線通信装置の配置場所が図6とは異なる車両用空調システムを備える車両の車両内観図。 図6及び図7の制御の変形例を示すフローチャート。 図11に関連する制御を示すフローチャート。 図11及び図12の制御を示すフローチャート。 スマートフォンを用いた始動操作の一例を示す図。 強制空調出力の設定条件を変更する画面の一例を示した図。
本発明の車両用空調システムの一実施形態を、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両用空調システム1は主に、車両2と携帯通信端末4Kからなる。本実施形態の車両2は、本発明に関係する構成として、スマートキー4Kを用いて車両ドア20D,20A,20R,20R,20Bの施錠及び解錠並びに車載エンジン3の始動を行ういわゆるスマートエントリーシステム及びスマートスタートシステムと、予め定められた近距離無線通信を行う通信機能部220と、を備える。本実施形態の携帯通信端末4Kは、スマートエントリーシステム及びスマートスタートシステムのキー(電子キー、スマートキー、携帯キー)であり、本発明に関係する構成としては、そうしたシステムにおけるキー機能と、上記近距離無線通信を行う通信機能部420と、を備える。
なお、本実施形態における車両2は、図3に示すエンジン(内燃機関)3を駆動源とする車両である。また、本実施形態における車両2は、左右双方の後席のドア20R,20Rがパワースライドドアであり、駆動部5C(図3参照)によって電動開閉可能である。
本実施形態の車両用空調システム1の主制御部はスマートECU200である。スマートECU200は、CPU,ROM,RAM等を備えた通常のコンピュータと同様の構成を有するとともに、図3に示すように、CAN等の車両通信手段9を介して、エンジン3を始動させるエンジンECU300、施錠及び解錠の状態(ロック状態)の検出、施錠及び解錠を切り替える駆動制御、開閉状態の検出、電動開閉の駆動制御等を行う各ドアのドアECU500、車両2に搭載された車両用エアコン6を制御するエアコンECU600、各パワーウィンドウを制御するパワーウィンドウECU700等の他の制御部とも接続し、情報の送受信を行う。
スマートエントリーシステム、スマートスタートシステムといったキー4Kを用いるシステムに関する構成として、車両2は、図2に示すように、スマートECU200、LF(low frequency)送信部201、UHF(Ultra High Frequency)受信部202、ドアアンテナ203、室内アンテナ204、バックドア外アンテナ205、エンジンスイッチ206を備えるとともに、近距離無線通信を行う通信機能部210をなす近距離無線通信装置210としてトランスポンダ送受信機(図中のトラポン送受信機)を備える。
スマートECU200は主に、スマートエントリーシステムやスマートスタートシステムに関する制御全般を司るものであり、記憶部209と接続する。記憶部209は、スマートエントリーシステムやスマートスタートシステムにおいて、対応するキー4Kとの照合に用いるマスターコード(マスター情報)を記憶している。
LF送信部201は、スマートECU200からの指令に基づき、スマートエントリーシステム、スマートスタートシステムに関する各種信号をLF帯域(ここでは約134kHz)の電磁波として発信する。
UHF受信部202は、キー4Kから発信される、スマートエントリーシステム、スマートスタートシステムにおけるキー照合に関係したUHF帯域(ここでは300〜433MHz帯)の信号を受信する。
ドアアンテナ203およびバックドア外アンテナ205は、それぞれ車両2の各ドア20D,20A,20R,20Rおよびバックドア20Bに配置されて、LF送信部201から送信されてきた、スマートエントリーシステムにおける車室外照合に関係したLF信号を車外の所定エリア203Aへ送信する。
室内アンテナ204は、LF送信部201から送信されてきた、スマートスタートシステムにおける車室内照合に関係するLF信号を、車室内に向けて送信する。
キー4Kは、車両2のスマートエントリーシステム、スマートスタートシステムに関するスマートキーであり、駆動電源として内蔵の乾電池(内蔵電池)を備える。キー4Kは、その主な構成として、制御部400、UHF送信部401、LF受信部402、アンテナ402a、記憶部409、操作部404,405、近距離無線通信部420(本発明の通信部)を備える。
制御部400は、キー4Kで必要となる情報処理全般を行う制御回路である。UHF送信部401は、スマートエントリーシステム、スマートスタートシステムに関するUHF帯域の信号を車両2に向けて送信する。送信される信号には、キー4KのIDコード(識別情報、識別コード、識別信号)が含まれる。LF受信部402は、スマートエントリーシステム、スマートスタートシステムに関係して車両2から送信されるLF信号を受信する。LF受信部402は、あらゆる方向からの電波を受信可能なように3軸方向(互いに直交するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向)のLFアンテナ402aと接続する。記憶部409は、キー4Kで必要となる各種情報を記憶する不揮発性の記憶部であり、対応する車両2に固有のIDコード(つまりはキー4Kに固有のIDコード)を記憶している。
スマートエントリーシステムの動作について、図2〜図4を用いて説明する。
車両2側のスマートECU200は、対応するキー4Kを探索する探索信号をLF送信部201から車外所定エリア203Aに所定周期で送信させる。ユーザーがキー4Kを携帯しつつ車両ドアに接近すると、キー4K側の制御部400は、その探索信号をLF受信部402にて受信して、その応答信号をUHF送信部401から送信する。車両2側のスマートECU200は、その応答信号をUHF受信部202にて受信すると、そのキー4Kに対しIDコードを要求する要求信号をLF送信部201から車外所定エリア203Aに送信する。キー4K側の制御部400は、その要求信号をLF受信部402にて受信すると、要求されたIDコードを含む応答信号をUHF送信部401から送信する。車両2側のスマートECU200は、その応答信号をUHF受信部202にて受信すると、この応答信号に含まれるIDコードと、記憶部209に記憶されているマスターコードとを照合する。そして、それら両コードが一致(照合成功)することにより、制御部400は車両ドアの解錠が許可される。その結果、車両ドアのノブにユーザーが所定操作(例えばタッチスイッチへのタッチ操作等)することで、車両ドアは解錠する。
スマートスタートシステムの動作について、図2〜図4を用いて説明する。
車両2側のスマートECU200は、ユーザーが車両ドアを開けると、対応するキー4Kを探索する探索信号をLF送信部201から車室内全体に所定周期で送信させる。そして、そのユーザーがキー4Kを携帯しつつ車室内に進入すると、キー4K側の制御部400は、その探索信号をLF受信部402にて受信して、その応答信号をUHF送信部401から送信する。車両2側のスマートECU200は、その応答信号をUHF受信部202にて受信すると、そのキー4Kに対しIDコードを要求する要求信号をLF送信部201から車室内に送信する。キー4K側の制御部400は、その要求信号をLF受信部402にて受信すると、要求されたIDコードを含む応答信号をUHF送信部401から送信する。車両2側のスマートECU200は、その応答信号をUHF受信部202にて受信すると、この応答信号に含まれるIDコードと、記憶部209に記憶されているマスターコードとを照合する。それら両コードが一致(照合成功)することにより、制御部200はエンジンECU300に対して車両2のエンジン始動を許可する。その結果、所定のエンジン始動操作(例えばプッシュスイッチをなすエンジンスイッチ206へのプッシュ操作等)をすることによりエンジン300ECUは、エンジン3を始動させる。なお、エンジン3の始動に伴いエアコンECU600も、直前の電源OFFに設定されていた出力設定に復帰させる形で空調駆動を開始する。直前の出力設定がOFFであればOFFのままとなる。
また、本実施形態の車両用空調システム1は、公知のキーレスエントリーシステムを備える。
キー4Kを携帯するユーザーが車両2の外からプッシュスイッチをなす施錠スイッチ404を押下操作(プッシュ操作)すると、キー4K側の制御部400は、IDコードを含むロック信号をUHF送信部401から送信する。車両2側のスマートECU200は、UHF受信部202にてそのロック信号を受信すると、このロック信号に含まれるIDコードと、記憶部209に記憶されているマスターコードとの照合を行う。それら両コードが一致(照合成功)することにより、スマートECU200は、各ドアのドアECU500に車両ドアを施錠させるよう施錠要求信号を送信する。これを受信した各ドアのドアECU500は、対応するドアの施錠駆動部5Cを駆動させて施錠させる。
他方、キー4Kを携帯するユーザーが車両2の外からプッシュスイッチをなす解錠スイッチ405を押下操作(プッシュ操作)すると、キー4K側の制御部400は、IDコードを含むアンロック信号をUHF送信部401から送信する。車両2側のスマートECU200は、UHF受信部202にてそのアンロック信号を受信すると、このアンロック信号に含まれるIDコードと、記憶部209に記憶されているマスターコードとの照合を行う。それら両コードが一致(照合成功)することにより、スマートECU200は、各ドアのドアECU500に車両ドアを解錠させるよう解錠要求信号を送信する。これを受信した各ドアのドアECU500は、対応するドアの解錠駆動部5Cを駆動させて解錠させる。
なお、キー4Kは、近距離無線通信を行う通信機能部420をなす近距離無線通信部420としてトランスポンダ送受信部(トランスポンダ送受信回路)420を有する。本実施形態においては、トランスポンダ送受信部420はLF受信部402とともにLF回路部410を形成している。
トランスポンダ送受信部420は周知のごとく、図2及び図3に示す車両2側のトランスポンダ送受信機210からの駆動電波を受けてアンテナ402aに生ずる誘導起電力により励起動作する。具体的にいえば、車両2側のスマートECU200が、エンジンスイッチ206の内側(裏側)に設けられたトランスポンダ送受信機210のアンテナ212Zを介して駆動電波を送信させ、キー4Kのトランスポンダ送受信部420が、アンテナ402aを介してその駆動電波を受信すると、記憶部409に記憶しているIDコードを含む返信信号を送信する。この返信信号を、アンテナ(図示なし)を介して受信した車両2側のトランスポンダ送受信部211は、これを照合処理するスマートECU200に送信し、スマートECU200は、この返信信号に含まれるIDコードと、記憶部209のマスターコードとを照合する。そして、それら両コードが一致(照合成功)することにより、車両2のエンジン始動を許可する。この構成により、内蔵の乾電池が消耗されてしまった場合でも、エンジンスイッチ206にキー4Kをかざせば、スマートスタートシステムと同様の照合処理がなされ、所定のエンジン始動操作(例えばプッシュスイッチをなすエンジンスイッチ206への操作等)をすることによりエンジン3を始動させることができる。
つまり、車両2側のトランスポンダ送受信機210(車両側通信部)は、キー4Kのトランスポンダ送受信部420に駆動電力を発生させる所定周波数の駆動電波を送信し、その駆動電波を受信したキー4Kのトランスポンダ送受信部420からの返信信号によってIDコードを受信するよう設けられた通信ユニットである。
また、トランスポンダ送受信機210とは近距離無線通信装置220として、車両2側には、トランスポンダ送受信機210と同様のトランスポンダ送受信機220が設けられる。トランスポンダ送受信機220は、スマートECU200に接続する一方で、送受信部221とアンテナ221aを備えており、自身周辺となる車室内の所定エリア内に近距離無線通信を行う通信エリア220Aを形成する車両側通信部として機能するよう配置される。
このトランスポンダ送受信機220は、車両2の運転席のドア20Dよりも車両後方に位置する車両後方ドア2R,2R,2Bに対応して設けられる。本実施形態のトランスポンダ送受信機220は、図5や図10に示すように、後席ドア20R,20R及びバックドア20Bに対応して設けられることができる。特にここでのトランスポンダ送受信機220は、図5に示すように、それら各ドア20R,20R,20Bの開状態において開放されるドア開口20Hの周辺部に、対応するものが設けられる。そして、対応するドア20R,20R,20Bの後席ドア(車両後方ドア)20R,20Rの開状態を条件に、各ドア20R,20R,20Bのトランスポンダ送受信機220は通信可能となる。
本実施形態のトランスポンダ送受信機220は、図4に示すように、車両2の外周方向(車両上下方向の軸線周りの周方向)において、互いに隣接するドア20D,20A,20R,20R,20Bの間に位置するピラー20Pに設けられる。
具体的にいえば、後席ドア20R,20Rに対応するトランスポンダ送受信機220は、車両2の運転席又は助手席のドアをなす前席ドア20D,20Aとそれらの車両後方に位置する後席ドア20R,20Rの間に形成されるピラー20P,20Pに設けられる。バックドア20Bに対応するトランスポンダ送受信機220は、車両2の後ろ面に位置するバックドア20Bと後席ドア20R,20Rの間に形成されるピラー20P,20Pのうちの少なくとも一方に設けられる。例えば車両上下方向にスイングするバックドア20Bであれば、バックドア20Bの左右両側に隣接して位置するピラー20P,20Pの双方に設けられるし(図4参照)、車両水平方向にスイングするバックドアであれば、スイングするバックドア20Bの左右両側に隣接して位置するピラー20P,20Pのうち旋回軸とは逆側のピラー20Pに設けられる(図示なし)。
さらにいえば、各トランスポンダ送受信機220は、ピラー20Pにおいて座席のヘッドレストと同じ高さとなる領域の内部に設けられる。例えば上方に延出するシートベルト2Bが下方に折り返すベルト折り返し部や、あるいはシートベルト2Bが引き出されるベルト引出口があれば、トランスポンダ送受信機220は、ピラー20Pにおいてそれらの上側に配置することができる。これにより、トランスポンダ送受信機220を子供にとって届きにくい位置に配置される。
また、各ドア20R,20R,20Bのトランスポンダ送受信機220は、図4及び図5に示すように、車室内に形成されるそれぞれの通信エリア220Aが互いに重ならないため、スマートECU200は、近距離無線通信が行われた通信エリア220Aを特定できる。
なお、トランスポンダ送受信機220の通信エリア220Aは、ピラー20Pの内部に設けられたアンテナ221aから車室内の約十数cm以内もしくは10cm以内の距離範囲とされる。
これら各トランスポンダ送受信機220は、エンジン3の始動前にエンジンスイッチ206を押さずとも車両2のエアコン6を始動させるために設けられた本発明の車両側通信部である。ここで、始動したエアコン6の強制空調出力は、少なくとも空調された気流が車室内の吹き出し口から吐出している出力状態であり、エンジン3の始動と共に、イグニッション電源及びアクセサリー電源を電源ONとすることによって実行される。
なお、ここでいう空調された気流とは、エアコン6のブロワや冷凍サイクルの各部、ヒータコア等のようなエアコン駆動部6D(図3参照)の駆動によって、温度や湿度が調整された気流のことである。これら各エアコン駆動部6Dは、エンジン3の始動やイグニッション電源及びアクセサリー電源の電源ONによって駆動源又は駆動電源を得て駆動状態となる駆動部であり、空調された気流はこの駆動状態において得られる。
ここでトランスポンダ送受信機220を用いて実行されるエアコン6の始動制御を、図6及び図7のフローチャートを用いて説明する。
まずスマートECU200は、車両後方ドア2R,2R,2Bが開状態にあるか否かを特定する(S1:開状態特定手段)。本実施形態においては、各ドアのドアECU500が、対応するドアの開状態を検出する開状態検出部5A(図3参照)と接続しており、それらの検出結果に基づいて対応するドア2R,2R,2Bの開状態を特定する。開状態が特定された場合、スマートECU200は、ドアECU500に各ドア2R,2R,2Bの開状態を特定する情報を要求し、その要求に対する回答情報から、どのドア2R,2R,2Bが開状態であるかを特定する。
なお、本実施形態においては、S1で特定されるドア2R,2R,2Bの開状態は、スマートエントリーシステムにおけるキー4Kの照合成功を経てなされた開動作によって生じた開状態のみとする。本実施形態のスマートECU200は、各ドアドア2R,2R,2Bの直前になされた開状態を、スマートエントリーシステムにおけるキー4Kの照合成功を経て開動作された開状態であるか、その他の開動作に基づいてなされた開状態であるかを、区別可能な形で自身のメモリに記憶し、S1の処理の判断基準とする。これによりセキュリティが向上する。
ただし、S1で特定される開状態を、スマートエントリーシステムにおけるキー4Kの照合成功を経た開状態としない実施形態としてもよい。
次に制御部200は、車両2のエンジン3を始動し、かつエアコン6による車室内の空調出力を開始させるユーザー意思を確認するための、ユーザーによる予め定められた始動操作を受け付ける(S2:始動操作受付手段)。当該始動操作を受け付ける。
なお、上記始動操作については、本実施形態のキー4Kがユーザーによる上記始動操作を受け付ける始動操作部を備えており、その始動操作部に対し予め定められた始動操作がなされた場合に始動操作信号(始動操作情報)を無線送信する(始動操作情報送信手段)。車両2側は、その始動操作情報を無線受信することにより(始動操作情報受信手段)、上記始動操作を受け付ける(始動操作受付手段)。本実施形態における上記始動操作は、キー4Kに設けられている既存の操作部404又は405に対し、当該操作部404又は405になされる通常機能(施錠・解錠)を実行するための通常入力操作よりも操作負担が大きい特殊入力操作として定められている。具体的にいえば、プッシュスイッチである予め定められた操作部404への、通常入力操作であるワンプッシュ操作(プッシュ状態になるに伴い直ちに入力が受け付けられる操作)よりも操作負担の大きい長押し操作(プッシュ状態を所定時間継続することで入力が受け付けられる操作)が、上記始動操作として定められている。なお、始動操作は長押し操作に限らず、複数の操作部へ所定順序でワンプッシュ操作を行うパターン入力操作等、他の操作としてもよい。
キー4Kに始動操作がなされると、キー4K側の制御部400は、UHF送信部401から始動操作信号を無線送信する。車両2側の制御部200は、その始動操作信号をUHF受信部202にて無線受信することにより、上記始動操作を受け付ける(S2:Yes)。
なお、上記始動操作の受け付け可能状態は、ドア2R,2R,2Bの開状態が特定されてから所定時間(例えば3分)が経過するまで継続するが、所定時間が経過してもキー4Kに始動操作がなされないと(S15:Yes)、タイムオーバーとなって本処理は終了する。これにより、本処理で特定された当該開状態を条件としたエアコン6の始動は不可となる。再びエアコン6の始動を試みる場合には、当該開状態のドアを今一度閉状態としてからの再度開状態とする、あるいは別のドア2R,2R,2Bを開状態とする必要がある。
始動操作を受け付けた車両2側の制御部200は、開状態が特定されたドア2R,2R,2Bに対応するトランスポンダ送受信機220に電源を投入してスタンバイ状態とし(S3)、その送受信部221に、既に述べた駆動電波(識別情報の要求信号ともいえる)を無線送信させる(S4:通信制御手段)。つまり、エンジンスイッチ206内に設けられた既に述べたトランスポンダ送受信機210に無線送信する駆動電波と同じ駆動電波を無線送信させることにより、通信エリア220Aを形成する。このときユーザーは、エアコン6を始動したいのであれば、この駆動電波をキー4Kに無線受信させて返信信号を無線送信させるために、車両2に対応するキー4Kをその通信エリア220A内に進入させる操作をする必要がある。従って、キー4Kを進入させるその操作は、エアコン6を始動させるための第二の始動操作であり、駆動電波の無線送信は、エアコン6の始動要求を確認するために必要となる始動要求確認動作(エンジン始動要求確認手段)といえる。つまり、当該第二の始動操作を受け付けるということは、既に受け付けられている上記第一の始動操作(S2:Yes)に続いて、エアコン6の始動させるユーザー意思が再確認されることになる。第二の始動操作がなさることによりキー4Kが当該通信エリア220A内に存在すれば、キー4Kのトランスポンダ送受信部420は、アンテナ402aを介してその駆動電波を無線受信し、記憶部409に記憶しているIDコードを含む返信信号を無線送信する。この返信信号を、アンテナ212Zを介して無線受信した車両2側のトランスポンダ送受信部221は、これを照合処理するスマートECU200に送信する。
スマートECU200は、その返信信号を受信することにより(通信制御手段)、上記通信エリア220A内にキー4Kが存在することを特定する(S5:Yes)。この特定により、第二の始動操作が受け付けられたことになる。なお、その返信信号の受信は、駆動電波の無線送信から所定時間(例えば3分)が経過するまで継続するが、所定時間が経過しても受信しない場合は(S16:Yes)、タイムオーバーとなって本処理は終了となる。
そしてスマートECU200は、受信した返信信号に含まれるIDコードを特定し(識別情報特定手段)、特定されたIDコードと、記憶部209に記憶されているマスターコードとを照合する(S6:照合手段)。それら両コードが一致(照合成功)することにより(S7:Yes)、スマートECU200は、イグニッションリレースイッチ及びアクセサリーリレースイッチをONとしてイグニッション電源及びアクセサリー電源をONとするとともに(図中のIG−ON及びACC−ON)、エンジンECU300にスターター3Sを駆動させてエンジン3を始動させる(S8:第一の主制御手段)。さらにスマートECU200は、エアコンECU600にエアコン6による予め定められた強制空調出力を開始させる(S9,S10:第二の主制御手段)。
他方、両コードが一致(照合成功)しない場合は、S4に戻り、再度の照合処理(S6)を試みる。所定回数連続して両コードが不一致(照合失敗)となる場合(S17:Yes)、本処理は終了となる。
なお、エアコン6は、OFFに移行する前にOFF直前の空調出力条件を記憶する機能を備える。これは電源OFFのときも、ユーザー操作によるOFFのときも同じである。本処理におけるエアコン6の強制空調出力に関しては、直前の電源OFF時に記憶された空調出力条件で出力を開始することになる(S9:Yes)。ところが、直前の電源OFF時にエアコン6がマニュアルでOFF(駆動停止)に設定されていた場合は(S9:No)、駆動停止のままとなって空調出力が開始されない。したがって、その場合は(S9:No)、エアコン6を強制的にONにして空調出力を開始させ(S10)、そのマニュアルでの駆動停止直前に設定されていた空調出力条件での出力を開始する。つまり、エアコン6は、エンジン3の始動と共に強制的に空調出力を開始する状態となる。
強制空調出力が開始した後のスマートECU200は、強制空調出力を行う強制空調出力モードを解除して通常モードに切り替えるための所定の解除操作入力待ちとなる(S11)。なお、ここでの解除操作入力は、車両2に設けられた所定のエアコン操作部6P(図3参照)への操作入力とするが、他の入力でもよい。解除操作入力を受け付けると(S11:Yes)、スマートECU200は、エアコンECU600に通常モードが設定されて通常のエアコン制御が開始し(S18)、本処理は終了となる。
また、強制空調出力が開始した後のスマートECU200は、解除操作入力による入力情報とは別の、強制空調出力を終了させる予め定められた強制出力終了情報の取得待機状態にもなっている(S12:強制出力終了情報取得手段)。スマートECU200は、その強制出力終了情報を取得すると(S12:Yes)、強制空調出力が終了する旨を報知部208に報知(例えば車内のスピーカから音声報知)させた上で(S13:終了報知手段)、強制空調出力を終了させる(S14:終了制御手段)。即ち、スマートECU200は、エンジンECU300にエンジン3の停止と、各種車両電源(エアコン6の電源をなすイグニッション電源及びアクセサリー電源)のOFFを指示して、強制空調出力を終了させる。
本実施形態における第一の強制出力終了情報は、ユーザーによる所定の強制空調出力終了操作を受け付けた時の操作情報とすることができる。例えば、エンジンスイッチ206のOFF操作によりスマートECU200に入力される操作情報や、キー4Kの操作部405の長押し操作によりスマートECU200に入力される操作情報とすることができる。スマートECU200は、そうした操作情報を通信取得した場合に、強制空調出力を終了させる。
本実施形態における第二の強制出力終了情報は、開状態にあったドア20R,20R,20Bを施錠する操作がなされることにより得られる、全ドア20D,20A,20R,20R,20Bが施錠が完了したことを示す施錠情報とすることができる。スマートECU200は、その施錠情報を、開状態にあったドア20R,20R,20Bに対応するドアECU500から通信取得した場合に、強制空調出力を終了させる。なお、第二の強制出力終了情報は、上記の施錠情報と、施錠完了後に所定時間(例えば10分)が経過したことを示す時間経過情報との双方としてもよく、スマートECU200は、それら双方を通信取得した場合に、強制空調出力を終了させるようにしてもよい。
本実施形態における第三の強制出力終了情報は、強制空調出力の開始後に所定時間(例えば10分)が経過したことを示す時間経過情報のみとし、スマートECU200は、その時間経過情報を通信取得した場合に、強制空調出力を終了させる。
なお、第二の強制出力終了情報や第三の強制出力終了情報のように、所定時間が経過した後に自動的に強制空調出力が終了する場合は、スマートECU200は、強制空調出力開始直後に、開始された強制空調出力が所定時間経過後に終了する旨を所定の報知部208,406から車両内外に報知出力するようにしてもよい。本実施形態の報知部208は音声出力部であり、報知部406はLEDの発光表示部である。
なお、図6及び図7の制御を終了するに際して、スマートECU200は、トランスポンダ送受信機220の電源をOFFするものとする。
また、図6及び図7の制御を開始するにあたって、エンジン3及びエアコン6の停止状態が前提となっている。
また、上記実施形態において、キー4Kは、第一の始動操作(スイッチ操作)と第二の始動操作(かざし操作)の操作信号を同時に無線送信可能に構成されている。本実施形態においては、第一の始動操作(スイッチ操作)の操作信号(始動操作信号)が第一の送信部(UHF送信部401)から無線送信され、第二の始動操作の操作信号(駆動電波に対する返信信号)が第二の送信部(トランスポンダ送受信部420)から送信されるよう、双方の操作信号を別の操作部から無線送信するよう構成されている。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
以下、上記実施形態の変形例について説明する。なお、上記実施形態と共通の機能部や同様の機能部については同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、上記実施形態と下記複数の変形例は、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。
上記実施形態におけるスマートエントリーシステム、スマートスタートシステム、キーレスエントリーシステム、トランスポンダ通信によるエントリーシステムにおいて、車両2側とキー4K側との双方でなされる通信処理については、上述のような内容に限られる必要はなく、少なくともキー4KのIDコードがキー4Kから無線送信され、車両2側で無線受信される処理となっていればよい。
上記実施形態における車両2は、エンジン3を駆動源とする車両であったが、電動モータを駆動部とする電気自動車を含む、あらゆる車両を対象としてよい。ただし、エンジン3を駆動源とする上記実施形態の車両2においては、エアコン6で強制空調出力をするにあたって、エアコン6のコンプレッサの駆動(本実施形態においてはエンジン3の回転駆動と連動して駆動する)等のためにエンジン3の始動を必須条件としているが、エンジン3の始動無しでエアコン6の強制空調出力が可能でなければエンジン3の始動を必須条件としなくてもよい。
上記実施形態における強制空調出力(図6のS8〜S10)は、エンジン3を駆動して各種電源をONとした状態でエアコン6を駆動するが、そのエアコン6の駆動は、エアコン6の直前のOFF時の設定条件に従い開始されるが、強制空調出力用の空調出力条件(強制空調出力条件)を予め定めておき、この条件に従い開始されるようにしてもよい。例えば、スマートECU200が、エアコンECU600に対し、エアコンセンサ6Tの1つである車両2の車室内温度を検出する温度検出部6tの検出結果(車室内温度)が予め定められた基準高温度を上回る場合に所定出力条件として定められた最大冷房出力(例えば設定温度最低及び設定風量最大)にて強制空調出力を開始させ、検出結果(車室内温度)が予め定められた基準低温度を下回る場合に所定出力条件として定められた最大暖房出力(例えば設定温度最高及び設定風量最大)にて強制空調出力を開始させるようにしてもよい。なお、最大冷房出力及び最大暖房出力は最大に限らず所定出力条件の冷房出力及び暖房出力であればよい。
なお、この場合、通常のエアコン制御に戻る際に(図7のS18)、強制空調出力の条件を維持したまま移行するようにしてもよいが、エアコン6の直前のOFF時の設定条件に変更して移行することで、ユーザーの好みに近い通常エアコン制御を開始できる。
上記実施形態において、スマートECU200は、強制空調出力開始時のパワーウィンドウECU700に対し、全パワーウィンドウ70Wが全開になるよう各駆動部7Dを駆動制御するようにしてもよい。これにより、外気の流入・内気の流出によって車室内をより素早く空調できる。その場合、強制空調出力が終了する際に、スマートECU200は、パワーウィンドウECU700に対し、全パワーウィンドウが全閉になるよう各駆動部7Dを駆動制御する。
上記実施形態におけるエアコン6の始動のための近距離無線通信は、トランスポンダ送受信機220を用いる形でなされている。キー4Kには、主にエンジンスイッチ内206に配置された別のトランスポンダ送受信機210と通信するためのトランスポンダ送受信部420が内蔵されているため、上記実施形態ではこれを利用してトランスポンダ送受信機220との近距離LF通信を行っており、効率的である。
ただし、本発明の近距離無線通信は、上記実施形態のようなトランスポンダ通信(近距離LF通信)に限られるものではなく、他の近距離無線通信でもよい。例えば、Bluetooth(登録商標)やFeliCa(登録商標)等、さらにはISO/IEC 14443、ISO/IEC 18092、ISO/IEC 15693、ISO/IEC 21481等の国際規格に準拠する通信技術である無線通信(NFC:Near field communication)のうちのいずれかを用いることができ、それらの中でも、かざす形での非接触通信が可能となる通信距離数十数センチ以内や十cm以内となるもの等を用いることができる。この場合、上記実施形態におけるシステム1を図8及び図9のように構成して、キー4Kの代わりに、スマートフォン等の携帯通信端末4Pを用いることができる。
スマートフォン等の携帯通信端末4Pを用いる場合、上記実施形態における図5及び図6のIDコードを取得する一連の処理(S3〜S6)を、別処理に入れ替えることで、その部分の処理を、キー4Kに代わって携帯通信端末4Pを用いて行うことが可能になる。
具体的にいえば、S3において、始動操作を受け付けた車両2側のスマートECU200が、開状態のドア20R,20R,20Bに対応する近距離無線通信装置220’に電源を投じる(S3)。これにより、近距離無線通信装置220’の制御部221’は、携帯通信端末4PにIDコードを要求する要求信号を送信部223から所定周波数の電波として車室内所定エリアである通信エリア220Aに無線送信させる(S4)。他方、携帯通信端末4Pは、通信エリア220A内に進入した状態にされると、起動中の近距離無線通信部420’の受信部404が上記要求信号を受信する。このとき近距離無線通信部420’の制御部405は、記憶部409に記憶している当該端末4Pに固有のIDコードを含む返信信号を、送信部403から無線送信させる。近距離無線通信装置220’の制御部221’は、この返信信号を受信部224にて無線受信すると(S5:Yes)、制御部221’が、この返信信号に含まれているIDコードを特定するとともに(S6)、事前になされたペアリング処理(端末登録処理)によって記憶部229に登録されている携帯通信端末4PのIDコードと照合する照合処理を行う(S6)。そして照合結果をスマートECU200に送信する。これにより、スマートECU200は照合結果を得て、照合結果に対する判定を行う(S7)。
このように実行される図6及び図7の制御では、キー4Kによる第一の始動操作と、それとは別の携帯通信端末4Pによる第二の始動操作(通信エリア220Aに進入させる操作)との双方が必要となる。
また、スマートフォン等の携帯通信端末4Pを用いる場合、キー4Kを用いない形で、図5及び図6に相当する制御を行うようにしてもよい。この場合、上記実施形態におけるシステム1を図8及び図9(各種送受信部のアンテナの図示を一部省略している)のように構成して、図5及び図6に相当する制御を図11〜図13のように変更することで実現可能である。
まずスマートECU200は、図11に示すように、スマートエントリーシステムによる車両後方ドア2R,2R,2Bの開状態を特定する(S101:開状態特定手段)。開状態を特定する。なお、この開状態を実現するにあたってはキー4Kを用いる必要がある。
開状態が特定された場合、スマートECU200は、ドアECU500との通信により、どのドア2R,2R,2Bが開状態であるかを特定して、開状態にあるドアドア2R,2R,2Bに対応する近距離無線通信装置220’に電源を投じる(S102)。これにより、スマートECU200は、開状態にあるドアに対応する近距離無線通信装置220’の制御部221’を、受信部224による照合結果の受信待機状態とする(S103:通信制御手段)。
一方、携帯通信端末4Pでは、図13に示すように、上記実施形態における始動操作に相当するユーザー操作として、操作部406への所定のアプリ起動操作によって所定のアプリケーションを起動するアプリ起動操作と、起動したアプリケーションの画面表示に基づいて操作部406になされる始動決定操作と、の双方の操作を受け付ける(S131:始動操作受付手段)。例えば操作部406を、表示部407の画面407aに設けられたタッチパネルとし、図14の上図のように、画面407aに表示される各アプリケーションの起動ボタン406bに対しタッチ操作(アプリ起動操作)をして、図14の下図のように、画面407aにそのアプリケーションの操作画面を表示させ、その操作画面上に表示されるエアコン始動ボタンを406cに対しタッチ操作することを、始動操作とする。
携帯通信端末4Pの制御部400’は、この始動操作がなされることにより(S131:Yes)、図12に示すように、近距離無線通信部420’を起動して、送信部403から始動操作がなされたことを示す始動操作信号を無線送信するとともに、ID要求信号の受信待機状態となる(S132:通信制御手段)。
近距離無線通信装置220’の制御部221’は、図12に示すように、この始動操作信号を受信部224で無線受信すると(S121:Yes)、携帯通信端末4PにIDコードを要求する要求信号を送信部223から所定周波数の電波(例えば13.56MHz帯の電波)として車室内所定エリア(例えばエリア半径10cm以内)である通信エリア220Aに無線送信させ、IDを含む返信信号の受信待機状態となる(S122:通信制御手段)。なお、この要求信号は、ペアリングによって登録済みの携帯通信端末4Pを探索する所定周波数の探索電波ということもできる。
携帯通信端末4Pの制御部400’は、図13に示すように、この要求信号を受信部404にて無線受信すると(S133:Yes)、記憶部409に記憶している当該端末4Pに固有のIDコードを含む返信信号を、送信部403から無線送信させる(S134:通信制御手段)。なお、携帯通信端末4Pの図13の処理は、実行中のアプリケーションがユーザー操作等により終了するに伴い終了となる。
近距離無線通信装置220’の制御部221’は、図12に示すように、この返信信号を受信部224で無線受信して(通信制御手段)、通信エリア220A内に携帯通信端末4Pが存在することを特定すると(S123:Yes)、受信した返信信号に含まれるIDコードを特定し(S124)、事前になされたペアリング処理(端末登録処理)によって記憶部229に登録されている携帯通信端末4PのIDコードと照合する照合処理を行う(S124)。そして照合結果情報をスマートECU200に送信する(S125,S126)。ここでは、照合成功の場合のみ、その照合結果情報をスマートECU200に送信する(S125,S126)。
なお、受信待機状態(S123)が所定時間継続した場合には(S128:Yes)、タイムオーバーとなって、本処理は終了する。また、照合処理(S124)が所定回数連続して照合失敗となった場合も(S129:Yes)、本処理は終了する。
スマートECU200は、図11に示すように、照合結果を受信して、その結果が照合成功である場合(S104:Yes)、各種電源をONとし、エンジン3を始動して、エアコン6の強制空調出力を開始する(S105〜S107)。ただし、ここでは、エアコン6の強制空調出力は、スマートECU200がエアコンECU600に、既に述べたような予め定められた強制空調出力用の空調出力条件(強制空調出力条件)を設定させて(S106)、その条件に従い出力を開始させる(S107)。この強制空調出力用の空調出力条件を示す出力条件情報は、携帯通信端末4Pの記憶部409に記憶されており、始動操作信号(S132)又はIDコードを含む返信信号(S134)のいずれかに含まれて送信部403から車両2側に無線送信され(出力条件情報送信手段)、制御部221’はこれを無線受信し、その出力条件情報が含まれた形で照合結果情報をスマートECU200に送信する。そして、スマートECU200はその照合結果情報を受信し、照合成功と判断すると、エアコンECU600に対し、強制空調出力を開始させる指令信号を送信するとともに、その照合結果情報に含まれる出力条件情報も送信する。エアコンECU600はその指令信号及び出力条件情報を受信し(出力条件情報受信手段)、受信した出力条件情報に基づいてエアコン6の強制空調出力の出力条件を規定するパラメータを記憶・設定し(出力条件変更手段)、そのパラメータの出力条件に従う強制空調出力を開始させる(主制御手段)。
なお、これ以降のS108,109,S111〜S113の処理は、図7のS11〜S14,S18と同じ処理であるから説明を略する。
また、この場合、携帯通信端末4Pがスマートフォンであれば、表示部407(画面407a)と操作部406(タッチパネル)を有するため、それらを用いて強制空調出力の出力条件を変更することを可能にしてもよい。即ち、制御部400’が表示部407の画面407aに、図15に示すような所定の強制空調出力条件変更画面を表示し、そこに示された設定パラメータをタッチボタン406aへの操作によって変更設定することができる(出力条件変更操作手段)。図15の場合は、携帯通信端末4Pの記憶部409に記憶されている変更可能な設定パラメータとして、車室内高温時の強制空調出力の出力発動条件(基準高温度)及び出力内容条件(設定風量と設定温度)と、車室内低温時の強制空調出力の出力発動条件(基準低温度)及び出力内容条件(設定風量と設定温度)を有しており、これらを各タッチボタン406aへの操作によって変更設定することができる。
1 車両用空調システム
2 車両
20P ピラー
200 スマートECU(メイン制御部)
220,220’ 近距離無線通信装置(車両側通信部)
3 エンジン
4K スマートキー(携帯通信端末)
4P スマートフォン(携帯通信端末)
420,420’ 近距離無線通信部(携帯通信端末の通信部)
6 エアコン
6t 温度検出部

Claims (10)

  1. 車両又は自身に固有の識別情報を記憶するとともに、その識別情報を所定の近距離無線通信によって無線送信可能な携帯通信端末と、
    前記車両の運転席のドアよりも車両後方の車両後方ドアが開状態にあるか否かを特定する開状態特定手段と、
    前記車両後方ドアの開状態において開放されるドア開口の周辺部に設けられ、自身周辺となる車室内の所定エリア内に前記近距離無線通信を行う通信エリアを形成する車両側通信部と、
    前記開状態と特定されていることを条件に、前記車両側通信部に対し前記通信エリアを形成する前記近距離無線通信を開始させ、その通信エリア内の前記携帯通信端末から前記識別情報を無線受信させる通信制御手段と、
    無線受信した前記識別情報を照合する照合手段と、
    前記車両のエンジンを始動し、かつエアコンによる車室内の空調出力を開始させるユーザー意思を確認するための、ユーザーによる予め定められた始動操作を受け付ける始動操作受付手段と、
    前記始動操作を受け付け、かつ前記照合手段が照合成功した場合に、前記エンジンを始動させ、かつ前記エアコンによる予め定められた強制空調出力を開始させる主制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用空調システム。
  2. 前記車両側通信部は、運転席又は助手席のドアをなす前席ドアと、その車両後方に位置する後席ドアとの間に形成されるピラーに設けられる請求項1に記載の車両用空調システム。
  3. 前記車両側通信部は、前記ピラーにおいてシートベルトが引き出されるベルト引出口の上側に設けられる請求項2に記載の車両用空調システム。
  4. 前記開状態特定手段は、複数の車両後方ドアがそれぞれ開状態にあるか否かを特定し、
    前記車両側通信部は、それら各車両後方ドアのドア開口の周辺部に設けられ、それぞれが車室内において互いに重ならない形で前記通信エリアを形成し、
    前記通信制御手段は、前記開状態と特定された前記車両後方ドアに対応する前記車両側通信部に対してのみ前記通信エリアを形成する前記近距離無線通信を開始させる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用空調システム。
  5. 前記車両の車室内温度を検出する温度検出部を備え、
    前記主制御手段は、検出された車室内温度が予め定められた基準高温度を上回る場合に前記エアコンを所定の最大冷房出力にて前記強制空調出力を開始させ、検出された車室内温度が予め定められた基準低温度を下回る場合に前記エアコンを所定の最大暖房出力にて前記強制空調出力を開始させるものである請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用空調システム。
  6. 前記携帯通信端末は、前記基準高温度、前記基準低温度、前記最大冷房出力、及び前記最大冷房出力のいずれか又は複数に対し、それぞれを規定するパラメータを設定変更する予め定められた出力条件変更操作を受け付ける出力条件変更操作手段と、受け付けた前記出力条件変更操作により変更された出力条件情報を無線送信する出力条件情報送信手段と、を備え、
    前記車両は、前記出力条件情報を無線受信する出力条件情報受信手段と、無線受信した前記出力条件情報に基づいて前記エアコンの前記パラメータを設定変更する出力条件変更手段と、を備え、前記主制御手段は、変更された前記パラメータに従い前記エアコンに前記強制空調出力を開始させる請求項5に記載の車両用空調システム。
  7. 前記強制空調出力を終了させる予め定められた強制出力終了情報を取得する強制出力終了情報取得手段と、
    前記強制出力終了情報を取得した場合に、前記強制空調出力を終了させる終了制御手段と、
    を備える請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用空調システム。
  8. 前記車両後方ドアは電動開閉可能なパワースライドドアである請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用空調システム。
  9. 前記携帯通信端末は、前記車両に対応する携帯キーであり、
    前記車両側通信部は、所定周波数の駆動電波を送信し、その駆動電波を受信した前記通信エリア内に位置する前記携帯キーのトランスポンダ送受信回路から、前記識別情報を受信する通信ユニットである請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両用空調システム。
  10. 前記携帯通信端末は、スマートフォンであり、
    前記車両側通信部は、登録済みの前記スマートフォンを探索する所定周波数の探索電波を送信し、その探索電波を受信した前記通信エリア内に位置する登録済みスマートフォンから、前記識別情報を受信する通信ユニットである請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両用空調システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020026190A (ja) * 2018-08-10 2020-02-20 株式会社カーメイト 車両用遠隔始動装置
JP2020108221A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 スズキ株式会社 電動車両

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