JP2015044387A - 温度検出方法および液体吐出ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】液体吐出ヘッドの温度を簡易な構成で高精度に検出する
【解決手段】本発明の液体吐出ヘッドの温度検出方法は、液体を吐出する吐出口に連通し、吐出口から吐出される液体を貯留する圧力室を備え、圧電素子の駆動により圧力室に貯留された液体を吐出口から吐出する液体吐出ヘッドにおける温度検出方法であって、圧電素子を構成する圧電部材の一部であって、圧電振動子とは独立に振動可能であり、周囲に空隙が形成される箇所に配置された圧電振動子の共振周波数または反共振周波数を計測し、計測した周波数に基づいて液体吐出ヘッドの温度を検出する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の液体吐出ヘッドの温度検出方法は、液体を吐出する吐出口に連通し、吐出口から吐出される液体を貯留する圧力室を備え、圧電素子の駆動により圧力室に貯留された液体を吐出口から吐出する液体吐出ヘッドにおける温度検出方法であって、圧電素子を構成する圧電部材の一部であって、圧電振動子とは独立に振動可能であり、周囲に空隙が形成される箇所に配置された圧電振動子の共振周波数または反共振周波数を計測し、計測した周波数に基づいて液体吐出ヘッドの温度を検出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドに関し、特に圧電素子に電圧を印加することによって、液体を吐出する液体吐出ヘッドに関する。
液体(インク)を吐出して記録媒体に画像を記録する記録装置には、一般に、液体を吐出する液体吐出ヘッドが搭載されている。液体吐出ヘッドから液体を吐出する機構として、圧電素子によって容積が収縮可能な圧力室を用いる機構が知られている。この機構では、圧電素子への電圧の印加による圧電素子の変形により圧力室が収縮することによって、圧力室内の液体が圧力室の一端に形成された吐出口から吐出される。
液体吐出ヘッドによる画像の記録においては、環境温度の変化、液体の吐出を制御する駆動IC(Integrated Circuit)の発熱、圧電素子を駆動する駆動素子の発熱などにより、液体吐出ヘッドの温度(圧力室内の液体の温度)が変化することがある。このような温度変化が起こると、圧電素子の駆動特性や液体吐出特性が変化し、記録画像の画質が低下するという問題がある。
そこで、液体吐出ヘッドの温度に応じた駆動制御を行うために、液体吐出ヘッドの温度を検出する方法が検討されている。
例えば、特許文献1(特開2004−136598号公報)には、液体の吐出口と連通し、液体を通流させる流路を圧電体により構成した液体吐出ヘッドにおいて、液体吐出ヘッドの温度と相関が高い圧電体の静電容量をCR発振回路によりパルス信号に変換し、パルス信号の周波数に基づいて温度を検出する方法が開示されている。
また、特許文献2(特開2004−306529号公報)には、アクチュエータの駆動により圧力室内の液体を吐出する液体吐出ヘッドにおいて、アクチュエータの駆動により変位するように振動板が設けられ、振動板の残留振動によって変化する静電容量成分に基づいて発振回路を発振させ、その発振周波数から振動波形を生成し、その振動波形の振動パターン(振幅)に基づいて、該振幅と相関が高い圧力室内の液体の温度を検出する技術が開示されている。
また、特許文献3(特開2006−35812号公報)には、圧電素子の駆動により圧力室内の液体を吐出する液体吐出ヘッドにおいて、圧電素子を流れる電流の電流値をフーリエ変換することで、圧電素子の共振周波数または反共振周波数を求め、求めた周波数に基づいて、インクの温度と相関の高いインクの粘度を検出する方法が開示されている。
なお、上述した液体吐出ヘッドは、画像の記録だけでなく、半導体装置の製造にも用いられる場合がある。この場合、画像の記録に用いられる場合よりも、より高精度な温度の検出が求められる。
特許文献1に開示されている方法においては、圧電体の静電容量をCR発振回路によりパルス信号に変換し、そのパルス信号の周波数に基づいて液体吐出ヘッドの温度を検出している。ここで、一般に、CR発振回路の発振は、外乱などの影響を受け易いため、特許文献1に開示されている方法では、温度の検出精度が低いという課題がある。
また、特許文献2に開示されている方法においては、振動板の残留振動によって変化する静電容量成分に基づいて発振した発振回路の発振周波数から振動波形を生成し、その振動波形の振幅のピーク値に基づいて圧力室内の液体の温度を検出している。ここで、上述したように、一般に、発振回路の発振は、外乱などの影響を受け易い。そのため、発振回路の発振周波数から生成された振動波形の振幅のピーク値も外乱の影響を受けやすくなるので、特許文献2に開示されている方法でも温度の検出精度が低く、また、信頼性も低いという課題がある。
また、特許文献3に開示されている圧電素子の残留振動を用いる方法においては、圧電素子の残留振動は不安定であるため、検出精度が悪く、また、残留振動の共振周波数または反共振周波数を、FFT演算を用いて求めるために複雑な構成が必要となるという課題がある。
本発明の目的は、上述した課題を解決し、液体吐出ヘッドの温度を簡易な構成で高精度に検出可能な温度検出方法および液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の温度検出方法は、
液体を吐出する吐出口に連通し、前記吐出口から吐出される液体を貯留する圧力室を備え、圧電素子の駆動により前記圧力室に貯留された液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドにおける温度検出方法であって、
前記圧電素子を構成する圧電部材の一部であって、前記圧電素子とは独立に振動可能であり、周囲に空隙が形成される箇所に配置された圧電振動子の共振周波数または反共振周波数を計測し、
前記計測した周波数に基づいて前記液体吐出ヘッドの温度を検出する。
液体を吐出する吐出口に連通し、前記吐出口から吐出される液体を貯留する圧力室を備え、圧電素子の駆動により前記圧力室に貯留された液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドにおける温度検出方法であって、
前記圧電素子を構成する圧電部材の一部であって、前記圧電素子とは独立に振動可能であり、周囲に空隙が形成される箇所に配置された圧電振動子の共振周波数または反共振周波数を計測し、
前記計測した周波数に基づいて前記液体吐出ヘッドの温度を検出する。
上記目的を達成するために本発明の液体吐出ヘッドは、
液体を吐出する吐出口に連通し、前記吐出口から吐出される液体を貯留する圧力室を備え、圧電素子の駆動により前記圧力室に貯留された液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドであって、
前記圧電素子を構成する圧電部材の一部であって、前記圧電素子とは独立に振動可能であり、周囲に空隙が形成される箇所に配置された圧電振動子と、
前記圧電振動子の共振周波数または反共振周波数を計測する周波数カウンタ手段と、
前記周波数カウンタ手段により計測された周波数に基づいて前記液体吐出ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、を有する。
液体を吐出する吐出口に連通し、前記吐出口から吐出される液体を貯留する圧力室を備え、圧電素子の駆動により前記圧力室に貯留された液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドであって、
前記圧電素子を構成する圧電部材の一部であって、前記圧電素子とは独立に振動可能であり、周囲に空隙が形成される箇所に配置された圧電振動子と、
前記圧電振動子の共振周波数または反共振周波数を計測する周波数カウンタ手段と、
前記周波数カウンタ手段により計測された周波数に基づいて前記液体吐出ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、を有する。
本発明によれば、温度との相関性が高い圧電振動子の共振周波数または反共振周波数を計測し、計測した周波数に基づいて液体吐出装置の温度を検出している。ここで、本発明においては、圧力室に貯留された液体を吐出させるための圧電素子を構成する圧電部材の一部を用いて圧電振動子が形成されている。そのため、液体吐出ヘッドの主要部を構成する圧電部材の温度、ひいては、液体吐出ヘッドの温度を正確に検出することができる。
また、本発明においては、圧電素子を構成する圧電部材を用いて、圧電素子とは独立に振動可能に形成された圧電振動子が、周囲に空隙が形成される箇所に配置されているため、温度以外の外乱の影響を受けにくく、圧電体の高いQ値を維持した高精度な発振が可能となる。そのため、圧電振動子の共振周波数または反共振周波数の計測結果に基づいて、高精度に液体吐出ヘッドの温度を検出することができる。
また、圧電素子を構成する圧電部材の一部を用いて形成された圧電振動子を温度検出のための温度センサーとして用いるため、接着などの方法により温度センサーを取り付ける必要がなく、接着などの方法により温度センサーを取り付けた場合のように、接続部の熱抵抗に起因する検出誤差が発生することがない。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における液体吐出ヘッド1の斜視図である。
図1は、本発明の第1の実施形態における液体吐出ヘッド1の斜視図である。
図1に示す液体吐出ヘッド1は、インクプールプレート11と、圧電部材である圧電プレート2a,2b,2cが積層された圧電ブロック体2と、ノズルプレート9と、を有する。圧電ブロック体2の前面にノズルプレート9が接合され、圧電ブロック体2の背面にインクプールプレート11が接合されている。ノズルプレート9には円形貫通孔からなる複数の吐出口10が形成されている。
なお、図1においては、圧電ブロック体2の構造の明確化のために、圧電ブロック体2とノズルプレート9とを分離して示している。
また、図1においては、図の簡略化のために、3枚の圧電プレート2a、2b、2cを積層し、横方向に一列の吐出口10を4個のみ形成した例を示している。しかし、実際の液体吐出ヘッドにおいては、圧電プレート2a、2b、2cを図1の左右方向に延長し、上下方向にも複数積層して流路を高密度に形成し、それに対応してノズルプレート9には所定の間隔で二次元に吐出口10が形成されるのが一般的である。
上述したように、圧電ブロック体2は、圧電プレート2a、2b、2cが積層して構成されている。図2A〜図2Cはそれぞれ、圧電プレート2a、2b、2cの斜視図である。また、図3は、圧電プレート2bを上方から見た平面図である。
圧電プレート2bには、吐出口10と連通し、液体を貯留するための圧力室3と、凹部4bとがそれぞれ複数設けられている。圧電プレート2aには、圧力室3に対応する位置に凹部4aが設けられている。圧電プレート2cには、圧力室3に対応する位置に凹部4cが設けられている。したがって、図1に示すように、圧力室3の周囲4辺に凹部が設けられている。
圧力室3および凹部4a、4b、4cの内壁には不図示の電極が形成され、圧力室3の一面に設けられた電極と、その一面に対向する凹部の一面に形成された電極との間に圧電体が挟まれた圧電素子が形成されている。
圧力室3に形成された電極と凹部4bに形成された電極との間、および、圧力室3に形成された電極と凹部4a、4cに形成された電極との間に電圧を印加して、その間の壁を伸長収縮変形させることで吐出口10から液滴が吐出される。
本実施形態の液体吐出ヘッド1は、圧力室3同士の間に凹部4a、4b、4cが存在するものの、圧力室3同士が圧電部材でつながった構造を有している。そのため、圧力室3同士が空間で隔てられた構造と比べて、圧力室3周囲の構造体の剛性を高めることができる。
本実施形態においては、圧電プレート2bの一部に、図2Bおよび図3に示すように、周囲に空隙8a〜8dが形成された、温度センサーとなる圧電振動子5が設けられている。
圧電振動子5の左右にはそれぞれ、図2Bに示すように、空隙8a,8bが形成されている。また、図3に示すように、圧電振動子5と、圧電プレート2bの前面とノズルプレート9(図3においては不図示)との接触面A−A’との間には、空隙8cが形成されている。
また、図2Cに示すように、圧電プレート2cには、圧電振動子5に対向する領域に凹部が設けられており、この凹部により、圧電プレート2bと圧電プレート2cとを積層した際に、振動子5との間に空隙8dが形成される。
このように、圧電振動子5は、周囲に空隙が形成される箇所に配置されている。
圧電振動子5は、一対の駆動用電極6a,6bを有しており、駆動用電極6aは圧電振動子5の上面に形成され、駆動用電極6bは圧電振動子5の下面に形成されている。また、駆動用電極6aと電気的に接続された引き出し電極7a、および、駆動用電極6bと電気的に接続された引き出し電極7b(不図示)が形成されている。
上述した構成により、圧電プレート2a,2b,2cを積層し、さらに、圧電ブロック体2の前面にノズルプレート9を接合した状態でも、圧電振動子5の周囲に空隙が形成される。そのため、圧電振動子5は、温度以外の外乱の影響を受けにくく、圧電体の高いQ値を維持した高精度な発振が可能になる。
図4は、圧電振動子5の構成を示す斜視図である。
図4に示すように、圧電振動子5は、長さL、幅W、厚さtの直方体で薄板状の圧電体が一対の駆動用電極6a,6bにより挟まれた形状をしている。また、圧電振動子5の分極方向は、矢印Pで示すように、厚さ方向である。そのため、駆動用電極6a,6bに接続された発振回路12により、圧電振動子5は、長辺方向の伸縮振動を発振し、矢印vで示すように、長さ方向に発振する。この場合、圧電振動子5の共振周波数fの計算式は、以下のようになる。
ここで、Yは弾性定数であり、ρは密度であり、Lは圧電振動子5の長さである。
次に、圧電部材として、株式会社富士セラミックス社製の圧電材料C−91を使用した場合を例として、圧電プレート2bの作製方法について説明する。なお、圧電材料C−91の材料特性は、メーカー資料によると、弾性定数が5.9E+10(N/m^2であり、密度が7.75E+3(kg/m^3)である。
まず、厚さ0.2mmの板状の圧電材料を基材として、幅0.1mmの超砥粒ホイール(ダイヤモンド砥粒)を使用した研削加工により、幅0.1mm、深さ、0.1mmの圧力室3を、横方向ピッチ0.7mmで複数形成する。
次に、圧力室3から圧力室3の壁部として幅0.1mmを残して研削加工し、幅0.4mmの凹部4bを形成する。こうすることで、圧力室3と凹部4bとが形成された圧電プレートが作製される。
さらに、直径50μmの微細加工用の刃物を用いたフライス加工により、凹部4bの一部を加工して空隙8a,8b,8cを形成し、温度センサーとなる圧電振動子5用の圧電体を形成する。
その後、駆動用電極6a,6b、および、引き出し電極7a,7bを形成し、駆動用電極6a,6bに電圧を印加して分極を行うことで、圧電振動子5を備えた圧電プレート2bが作製される。
このように、圧電素子を構成する圧電部材の一部を用いて圧電振動子5を形成することで、圧電振動子5と液体吐出ヘッド1の主要部(圧電ブロック体2)とが一体的に形成される。そのため、接着などにより温度センサーを取り付けた場合のように、接続部の熱抵抗に起因する検出誤差が発生することがない。
また、圧電振動子5は、圧力室3と凹部4a,4b,4cとの間といった、圧電素子の駆動により変形する部分とは異なる位置に設けられている。そのため、圧電振動子5は、圧電素子とは独立に振動可能である。
上述した作製方法により作製された、例えば、長さL=1.2mm、幅W=0.3mm、厚さt=0.1mmの薄板状の圧電振動子5の共振周波数は、上述した計算式により、約1.2MHzとなる。なお、圧電材料および圧電振動子5の形状は、任意に選択することができる。
圧電プレート2a,2cについても、上述した研削加工により、同様に作製することができる。作製された圧電プレート2a,2b,2cを積層することで、圧電部材により囲まれた圧力室3と、圧力室3の周囲に液体が存在しない空洞である凹部とが設けられた圧電ブロック体2が構成される。さらに、圧電ブロック体2の前面にノズルプレート9を接合し、圧電ブロック体2の背面にインクプールプレート11を接合することで、液体吐出ヘッド1を作製することができる。
次に、本実施形態の液体吐出ヘッド1における温度検出方法について説明する。
一般に、圧電振動子は、温度によって共振周波数および反共振周波数が変化し、その変化率は主に、圧電振動子の材料と温度範囲とによって決定される。
図5は、圧電振動子の共振周波数の温度特性の一例を示すグラフである。
図5に示すように、圧電振動子の共振周波数は、温度が上昇するにつれて、一旦低くなり、その後、直線的に高くなる。そのため、圧電振動子を液体吐出ヘッドの温度検出に用いるためには、実際に液体が吐出される際の温度領域(実用温度領域)において、図5に示す必要領域のように、共振周波数の変化が直線的となる材料を選択することが望ましい。
例えば、上述した圧電材料C−91の共振周波数の温度係数は、メーカー資料によると、実用温度領域である20℃〜80℃の間において、1℃あたり550ppmである。これを上述した形状の圧電振動子5の共振周波数の変化に置き換えると、1℃あたり632Hz変化することになる。
図6は、本実施形態の液体吐出ヘッド1の温度検出機構の構成を示す機能ブロック図である。
発振回路12は、圧電振動子5と、コンデンサC1,C2と、抵抗R1,R2と、コンバータU1,U2とを有する。
圧電振動子5の一方の電極には、コンデンサC1の一端と、抵抗R1の一端と、コンバータU1の入力とが接続されている。また、圧電振動子5の他方の電極には、コンデンサC2の一端と、抵抗R2の一端とが接続されている。
コンデンサC1,C2の他端は接地されている。また、抵抗R1の他端と抵抗R2の他端とは接続されている。
コンバータU1の出力は、抵抗R1の他端と抵抗R2の他端との接続点およびコンバータU2の入力に接続されている。コンバータU2の出力は、周波数カウンタ手段である周波数カウンタ20に接続されている。
上述した構成により、発振回路12は、圧電振動子5とコンデンサC1,C2とで構成されるコルピッツ発振回路から出力される圧電振動子5の共振周波数の電圧信号を、インバータU1,U2を用いて出力する。
周波数カウンタ20は、発振回路12から出力された電圧信号の周波数を計測する。また、発振回路12から圧電振動子5の反共振周波数の電圧信号を出力し、周波数カウンタ20は、その反共振周波数の電圧信号の周波数を計測するようにしてもよい。
なお、周波数カウンタ20をデジタル回路で構成し、基準時間内の電圧信号のパルス数をカウントしたり、基準カウント数に達するのに要する時間を計測したりすることで、共振周波数の微小な変化を正確に測定することができる。また、基準時間やカウント数として適当な値を設定することで、計測精度を高めることができる。
温度検出手段である温度検出部21は、例えば、圧電振動子5の共振周波数と温度との変換テーブルを有しており、周波数カウンタ20により計測された周波数に基づいて、変換テーブルを参照して液体吐出ヘッド1の温度を検出する。
また、温度検出部21は、周波数カウンタ20により計測された周波数を、安定した発振器の発振周波数を基準として換算することによっても、温度を検出することができる。
例えば、京セラ株式会社製の温度補償型水晶発振器KT7050やKT5032Fの発振周波数の変動は、−10℃〜70℃の間で、±0.1ppmである。したがって、圧電振動子5の共振周波数より、1/(550/±0.1)=±0.000182℃の精度で温度を検出することができる。
なお、圧電振動子5の加工ばらつきなどによる誤差の発生を防止するために、液体吐出ヘッドごとに、液体吐出ヘッドの温度と圧電振動子5の共振周波数(反共振周波数)との関係を予め取得しておき、取得した関係に対応する変換テーブルを温度検出部21が有するようにしてもよい。
また、図6に示す発振回路12において、圧電振動子5以外の回路は簡易な構成であるため、液体の吐出を制御する駆動ICの回路と一体化し、装置本体のメイン基板と液体吐出ヘッド1が搭載されるキャリッジとを接続する中継基板などに組み込むことができる。こうすることで、液体吐出ヘッド1の小型化を図ることができる。
このように、本実施形態においては、圧力室3に貯留された液体を吐出させるための圧電素子を構成する圧電部材の一部であって、周囲に空隙が形成される箇所に、圧電振動子とは独立に振動可能な圧電振動子5が設けられ、圧電振動子5の共振周波数または反共振周波数に基づいて液体吐出ヘッドの温度が検出される。
圧力室3に貯留された液体を吐出させるための圧電素子を構成する圧電部材の一部であって、周囲に空隙が形成される箇所に、圧電振動子とは独立に振動可能な圧電振動子5が設けられているために、温度以外の外乱の影響を受けにくく、圧電体の高いQ値を維持した高精度な発振が可能となる。そのため、圧電振動子の共振周波数または反共振周波数に基づいて、高精度に液体吐出ヘッドの温度を検出することができる。
また、圧電素子を構成する圧電部材の一部を用いて形成された圧電振動子5を温度検出のための温度センサーとして用いるため、接着などの方法により温度センサーを取り付ける必要がなく、接着などの方法により温度センサーを取り付けた場合のように、接続部の熱抵抗に起因する検出誤差が発生することがない。
また、液体を吐出するための回路とは別の独立した回路により温度を検出するため、液体の吐出状態に関わりなく、任意のタイミングで温度を検出することができる。
なお、本発明は、グールドタイプ、シェアードタイプ、ダイレクトモードタイプなど種々の圧電素子の駆動方法を用いる液体吐出ヘッドに適用することができる。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態の圧電振動子の構成を示す図である。
図7は、本発明の第2の実施形態の圧電振動子の構成を示す図である。
本実施形態においては、圧電振動子5が圧電振動子13に変更されている。
第1の実施形態の圧電振動子5においては、圧電体を挟むように、一対の駆動用電極6a,6bが厚さ方向に形成されていた。
一方、本実施形態の圧電振動子13においては、圧電体の上面に、一対の駆動用電極14a,14bが幅方向に形成されている。圧電振動子13は、上述した構成を有することにより、発振回路12により、図7の点線で示すような屈曲振動を発振する。
なお、圧電振動子の振動モードとしては、伸縮振動や屈曲振動以外にも、厚み振動、厚み滑り振動、表面波振動などであってもよい。また、圧電振動子としては、音叉型振動子を用いてもよい。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態の温度検出機構における発振回路12Aの構成を示す回路図である。
図8は、本発明の第3の実施形態の温度検出機構における発振回路12Aの構成を示す回路図である。
発振回路12Aは、圧電振動子5と、コンデンサC1,C2,C3と、抵抗R1,R2,R3,R4と、トランジスタQ1とを有する。
圧電振動子5の一方の駆動用電極、抵抗R2の一端、コンデンサC2の一端、および、抵抗R4の一端はそれぞれ接地されている。
圧電振動子5の他方の駆動用電極には、抵抗R2の他端、抵抗R1の一端、コンデンサC1の一端、および、トランジスタQ1のゲートが接続されている。
抵抗R1の他端には、抵抗R3の一端と電位Vccの電源端子Vccとが接続されている。抵抗R3の他端には、コンデンサC3の一端およびトランジスタQ1のソースが接続されている。抵抗R4の他端には、コンデンサC1,C2の他端およびトランジスタQ1のドレインが接続されている。
コンデンサC3の他端には、カウンタ回路20と接続される出力端子が接続される。
上述した構成により、発振回路12Aは、圧電振動子5とコンデンサC1,C2とで構成されるコルピッツ発振回路から出力される圧電振動子5の共振周波数の電圧信号を、トランジスタQ1を用いて出力する。
図8に示す構成においては、圧電振動子5の一方の駆動用電極が接地されている。そのため、圧電振動子5が複数設けられる場合、複数の圧電振動子5それぞれの一方の駆動用電極を共通電極とし、複数の圧電素子5それぞれの他方の駆動用電極からだけ、引き出し電極を引き出せばよい。こうすることで、圧電振動子5の駆動用電極の形成が容易になり、また、液体吐出ヘッドから引き出される配線の数を削減することができる。
1 液体吐出ヘッド
2 圧電ブロック体
2a、2b、2c 圧電プレート
3 圧力室
4a、4b、4c 凹部
5,13 圧電振動子
6a,6b,14a,14b 駆動用電極
7a、7b 引き出し電極
8a、8b、8c、8d 空隙
9 ノズルプレート
10 吐出口
11 インクプールプレート
12 発振回路
20 周波数カウンタ
21 温度検出部
2 圧電ブロック体
2a、2b、2c 圧電プレート
3 圧力室
4a、4b、4c 凹部
5,13 圧電振動子
6a,6b,14a,14b 駆動用電極
7a、7b 引き出し電極
8a、8b、8c、8d 空隙
9 ノズルプレート
10 吐出口
11 インクプールプレート
12 発振回路
20 周波数カウンタ
21 温度検出部
Claims (5)
- 液体を吐出する吐出口に連通し、前記吐出口から吐出される液体を貯留する圧力室を備え、圧電素子の駆動により前記圧力室に貯留された液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドにおける温度検出方法であって、
前記圧電素子を構成する圧電部材の一部であって、前記圧電振動子とは独立に振動可能であり、周囲に空隙が形成される箇所に配置された圧電振動子の共振周波数または反共振周波数を計測し、
前記計測した周波数に基づいて前記液体吐出ヘッドの温度を検出することを特徴とする温度検出方法。 - 液体を吐出する吐出口に連通し、前記吐出口から吐出される液体を貯留する圧力室を備え、圧電素子の駆動により前記圧力室に貯留された液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドであって、
前記圧電素子を構成する圧電部材の一部であって、前記圧電振動子とは独立に振動可能であり、周囲に空隙が形成される箇所に配置された圧電振動子と、
前記圧電振動子の共振周波数または反共振周波数を計測する周波数カウンタ手段と、
前記周波数カウンタ手段により計測された周波数に基づいて前記液体吐出ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 請求項2記載の液体吐出ヘッドにおいて、
前記圧電振動子は、一対の電極を有し、
前記一対の電極のうち、一方は接地されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 請求項2または3に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
前記圧力室は、前記圧電部材により囲まれて形成され、
前記圧力室の内壁の伸長収縮変形に応じて前記吐出口から前記液体が吐出されることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 請求項4記載の液体吐出ヘッドにおいて、
前記圧力室の周囲には空洞が設けられ、
前記圧電振動子は、前記空洞に設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
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