JP2015043827A - シリンジ用ガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】シール性、摺動性、耐薬品性等の性能に優れたシリンジ用ガスケットを提供する。【解決手段】接液部2と、摺動部3とを備えるシリンジ用ガスケット1であって、接液部2は、不活性フィルム5が積層され、摺動部3は、不活性フィルム5が積層されておらず、表面にポリマー鎖が形成されている構成とする。又不活性フィルム5は、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体等、から選択されるフッ素樹脂、及び/又はオレフィン系樹脂からなる構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、シリンジ用ガスケットに関する。
シール状態を維持しながら摺動する部分、例えば、注射器のプランジャーに一体化されてプランジャーとシリンジのシールを行うガスケットには、シール性を重視し、ゴム等の弾性体が使用されているが、摺動性に若干問題がある(特許文献1参照)。そのため、摺動面にシリコーンオイルなどの摺動性改良剤を塗布しているが、最近上市されているバイオ製剤にシリコーンオイルが悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。一方、摺動性改良剤を塗布していないガスケットは摺動性に劣るため、投与の際にプランジャーを円滑に押せずに脈動し、注入量が不正確になる、患者に苦痛を与えるなどの問題が生じる。
また、このようなシリンジ用ガスケットには、架橋用の各種添加剤が添加された架橋ゴムが一般的に使用されており、該添加剤またはその熱分解物は、ごく少量ではあるが薬液と接触することで薬液中へと移行することがある。そのため、移行した添加剤等が薬液の効果および安定性に悪影響を与えるという問題もある。
このように、シリンジ用ガスケットには、シール性及び摺動性の相反する性能、更には耐薬品性も確保することが要求され、種々の検討がなされている。例えば、自己潤滑性を有するPTFEフィルムを被覆する技術が提案されているが(特許文献2参照)、一般に高価なため、加工製品の製造コストが上昇し、応用範囲が限定されてしまう。また、PTFEフィルムを被覆した製品を、摺動などが繰り返され耐久性が要求される用途に適用することについて、信頼性の不安もある。
特開2004−298220号公報 特開2010−142537号公報
本発明は、前記課題を解決し、シール性、摺動性、耐薬品性等の性能に優れたシリンジ用ガスケットを提供することを目的とする。
本発明は、接液部と、摺動部とを備えるシリンジ用ガスケットであって、前記接液部は、不活性フィルムが積層され、前記摺動部は、不活性フィルムが積層されておらず、表面にポリマー鎖が形成されているシリンジ用ガスケットに関する。
前記不活性フィルムは、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、変性テトラフルオロエチレン重合体、変性テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、クロロフルオロエチレン重合体からなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂、及び/又はオレフィン系樹脂からなるものであることが好ましい。
前記ポリマー鎖は、前記摺動部の表面に重合開始点を形成する工程1と、前記重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、前記摺動部の表面にポリマー鎖を成長させる工程2とを含む形成方法により形成されるものであることが好ましい。
前記工程1は、前記摺動部の表面に光重合開始剤を吸着させ、又は更に300〜400nmのLED光を照射し、前記表面上の光重合開始剤から重合開始点を形成させるものであることが好ましい。
前記ポリマー鎖は、光重合開始剤の存在下でモノマーをラジカル重合させ、前記摺動部の表面にポリマー鎖を成長させる工程Iを含む形成方法により形成されるものであることが好ましい。
前記ラジカル重合は、300〜400nmのLED光を照射する光ラジカル重合であることが好ましい。
前記光重合開始剤は、ベンゾフェノン系化合物及び/又はチオキサントン系化合物であることが好ましい。
前記ラジカル重合時に、光照射時又は照射前に反応容器及び反応液に不活性ガスを導入し、不活性ガス雰囲気に置換して重合させることが好ましい。
前記モノマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル酸アルカリ金属塩、アクリル酸アミン塩、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、メタクリル酸アルカリ金属塩、メタクリル酸アミン塩、アクリロニトリル、アクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、イソプロピルメタクリルアミド、ヒドロキシメタクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、及びメタクリロイルモルホリンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記モノマーは、フルオロ基含有モノマーであることが好ましい。
前記フルオロ基含有モノマーは、フルオロアルキル基含有モノマーであることが好ましい。
前記フルオロアルキル基含有モノマーは、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−heneicosafluorododecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3−(perfluorobutyl)−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−perfluorohexyl−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−3−methylbutyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、及び3−(perfluoro−5−methylhexyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記フルオロアルキル基含有モノマーは、下記式(3)、(4)、(5)又は(6)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2015043827
(R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。R32は、−O−、−NH−を表す。R41は、メチレン基、エチレン基又はプロピレン基を表す。R51は、ケトン基を表し、存在しなくてもよい。w1は、1〜100の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
Figure 2015043827
(R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w2は、4〜10の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
Figure 2015043827
(R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
Figure 2015043827
(R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。αは、0〜2の整数を表す。)
前記フルオロ基含有モノマーは、フルオロアルキレンオキシド基又はフルオロベンジル基含有モノマーであることが好ましい。
前記フルオロ基含有モノマーは、[1H,1H−perfluoro(2,5−dimethyl−3,6−dioxanonanoyl)]acrylate、[1H,1H−perfluoro(2,5−dimethyl−3,6−dioxanonanoyl)]methacrylate、pentafluorobenzyl acrylate、pentafluorobenzyl methacrylate、及び2,3,5,6−tetrafluorophenyl methacrylateからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記モノマーは、側鎖にカルボキシベタイン基、スルホキシベタイン基又はホスホベタイン基を含む双性イオン性モノマーであることが好ましい。
前記モノマーは、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン、及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホベタインからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記モノマー(液体)又はそれらの溶液が重合禁止剤を含むもので、該重合禁止剤の存在下で重合させることが好ましい。
前記重合禁止剤が4−メチルフェノールであることが好ましい。
前記ポリマー鎖の長さは、10〜50000nmであることが好ましい。
本発明によれば、接液部と、摺動部とを備えるシリンジ用ガスケットであって、前記接液部は、不活性フィルムが積層され、前記摺動部は、不活性フィルムが積層されておらず、表面にポリマー鎖が形成されているシリンジ用ガスケットであるので、シール性、摺動性、耐薬品性等の性能に優れたシリンジ用ガスケットを提供できる。
本発明のシリンジ用ガスケットにおけるポリマー鎖を形成する基材ガスケットを示す断面模式図の一例である。
本発明のシリンジ用ガスケットは、接液部と、摺動部とを備え、前記接液部が、不活性フィルムが積層され、前記摺動部が、不活性フィルムが積層されておらず、当該摺動面の表面にポリマー鎖が形成されているものである。
不活性フィルムが積層された接液部により良好な耐薬品性が確保されると同時に、当該フィルムがない摺動部において、表面に形成されているポリマー鎖により、摺動性、シール性を改善できる。
以下、本発明の実施形態の一例を説明する。
本発明のシリンジ用ガスケットは、前記構成を有するものであれば特に限定されず、例えば、不活性フィルムが積層された接液部と、不活性フィルムが積層されていない摺動部とを備える基材ガスケットに対し、当該摺動部の表面にポリマー鎖を形成する製法、等により、製造される。
基材ガスケットとしては、例えば、特開2012−147859号公報に記載のプレフィルドシリンジ用ガスケットは特に限定されることなく使用可能である。
図1に、基材ガスケットの一例の断面模式図を示す。
図1において、基材ガスケット1は、シリンジ内で薬液に接触し、摺動時にシリンジ内壁に接触しない接液部2と、摺動時にシリンジ内壁と接触する摺動部3と、プランジャーロッドが嵌合される嵌合穴4とを有する。
接液部2には不活性フィルム5が積層されており、図1では凸部を有する接液部2の一例が示されている。この不活性フィルム5は、接液部2に積層され、摺動部3には積層されていない。不活性フィルム5をこのように配置することにより、ガスケット1の耐薬品性を向上させるとともに、シール性、摺動性を両立できる。
不活性フィルム5が積層された基材ガスケットの構成材料としては、加硫成形ゴム又は成形後の熱可塑性エラストマーが用いられ、上記加硫ゴム、上記熱可塑性エラストマーとしては、二重結合に隣接する炭素原子(アリル位の炭素原子)を有するものが好適に使用される。
ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、脱タンパク天然ゴムなどのジエン系ゴム、及びイソプレンユニットを不飽和度として数パーセント含むブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどが挙げられる。ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムの場合、加硫ゴムからの抽出物が少なくなる点から、トリアジンによる架橋ゴムが好ましい。この場合、受酸剤を含んでもよく、好適な受酸剤としては、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウムが挙げられる。
他のゴムの場合は、硫黄加硫が好ましい。その場合、硫黄加硫で一般に使用されている加硫促進剤、酸化亜鉛、フィラー、シランカップリング剤などの配合剤を添加してもよい。フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどを好適に使用できる。
なお、ゴムの加硫条件は適宜設定すれば良く、ゴムの加硫温度は、好ましくは150℃以上、より好ましくは170℃以上、更に好ましくは175℃以上である。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、可塑性成分(ハードセグメント)の集まりが架橋点の役割を果たすことにより常温でゴム弾性を有する高分子化合物(スチレン−ブタジエンスチレン共重合体などの熱可塑性エラストマー(TPE)など);熱可塑性成分及びゴム成分が混合され架橋剤によって動的架橋が行われたゴム弾性を有する高分子化合物(スチレン系ブロック共重合体又はオレフィン系樹脂と、架橋されたゴム成分とを含むポリマーアロイなどの熱可塑性エラストマー(TPV)など)が挙げられる。
また、他の好適な熱可塑性エラストマーとして、ナイロン、ポリエステル、ウレタン、ポリプロピレン、及びそれらの動的架橋熱可塑性エラストマーが挙げられる。動的架橋熱可塑性エラストマーの場合、ハロゲン化ブチルゴムを熱可塑性エラストマー中で動的架橋したものが好ましい。この場合の熱可塑性エラストマーは、ナイロン、ウレタン、ポリプロピレン、SIBS(スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体)などが好ましい。
不活性フィルムとしては、特に限定されないが、テトラフルオロエチレン重合体(PTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、変性テトラフルオロエチレン重合体、変性テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、クロロフルオロエチレン重合体(PCTFE)等のフッ素樹脂;オレフィン系樹脂、等が好ましい。また、良好な耐薬品性が得られるという点から、PTFE、ETFE、PCTFE、オレフィン系樹脂がより好ましく、PTFEが特に好ましい。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩素化ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、塩素化ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンの共重合体等が挙げられ、ポリエチレン(特に超高分子量ポリエチレン(UHMWPE))が好ましい。なお、オレフィン系樹脂は、フッ素を含んでいてもよい。
不活性フィルム5の厚みはガスケット1の形状やサイズに合わせて適宜調整すればよいが、50〜200μmであることが好ましい。
不活性フィルム5は、ゴム等との接着性を高める処理を行うことが好ましい。接着性を高める処理としては、化学処理法、フィルムの表面を粗面化する処理や、これらを組み合わせたものが挙げられ、具体例としては、ナトリウム処理、グロー放電処理、大気圧下又は真空下でのプラズマ処理(放電処理)、エキシマレーザー処理(放電処理)、イオンビーム処理が挙げられる。
接液部2の端部と摺動部3とがなす角度aは90〜110度であることが好ましい。角度aは、好ましくは108度以下、より好ましくは106度以下、更に好ましくは105度以下、特に好ましくは104度以下である。
本発明のシリンジ用ガスケットは、例えば、前記基材ガスケットにおける摺動部の表面に重合開始点を形成する工程1と、前記重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、前記摺動部の表面にポリマー鎖を成長させる工程2とを含む形成方法により、摺動部表面にポリマー鎖を形成できる。
工程1では、基材ガスケットの摺動部表面に重合開始点が形成される。例えば、前記工程1は、前記摺動部の表面に光重合開始剤を吸着させて重合開始点を形成すること、前記摺動部の表面に光重合開始剤を吸着させて更に300〜400nmのLED光を照射し、該表面上の光重合開始剤から重合開始点を形成させること、等により実施できる。
光重合開始剤としては、例えば、カルボニル化合物、テトラエチルチウラムジスルフィドなどの有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられ、なかでも、カルボニル化合物が好ましい。
光重合開始剤としてのカルボニル化合物としては、ベンゾフェノン及びその誘導体(ベンゾフェノン系化合物)が好ましく、例えば、下記式で表されるベンゾフェノン系化合物を好適に使用できる。
Figure 2015043827
(式において、R〜R及びR1′〜R5′は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、水酸基、1〜3級アミノ基、メルカプト基、又は酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよい炭化水素基を表し、隣り合う任意の2つが互いに連結し、それらが結合している炭素原子と共に環構造を形成してもよい。)
ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、ベンゾフェノン、キサントン、9−フルオレノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。なかでも、良好にポリマーブラシが得られるという点から、ベンゾフェノン、キサントン、9−フルオレノンが特に好ましい。
ベンゾフェノン系化合物として、フルオロベンゾフェノン系化合物も好適に使用でき、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾフェノン、デカフルオロベンゾフェノンなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、重合速度が速い点、及びゴムなどに吸着及び/又は反応し易い点から、チオキサントン系化合物も好適に使用可能である。例えば、下記式で表される化合物を好適に使用できる。
Figure 2015043827
(式において、R〜R及びR6′〜R9′は、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表す。)
上記式で示されるチオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,3−ジエチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−シクロヘキシルチオキサントン、4−シクロヘキシルチオキサントン、2−ビニルチオキサントン、2,4−ジビニルチオキサントン、2,4−ジフェニルチオキサントン、2−ブテニル−4−フェニルチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、2−p−オクチルオキシフェニル−4−エチルチオキサントンなどが挙げられる。なかでも、R〜R及びR6′〜R9′のうちの1〜2個、特に2個がアルキル基により置換されているものが好ましく、2,4−Diethylthioxanthone(2,4−ジエチルチオキサントン)がより好ましい。
ベンゾフェノン系、チオキサントン系化合物などの光重合開始剤の摺動部表面への吸着方法としては、例えば、ベンゾフェノン系、チオキサントン系化合物については、摺動部の改質する表面部位を、ベンゾフェノン系、チオキサントン系化合物を有機溶媒に溶解させて得られた溶液で処理することで表面に吸着させ、必要に応じて有機溶媒を乾燥により蒸発させることにより、重合開始点が形成される。表面処理方法としては、該ベンゾフェノン系、チオキサントン系化合物溶液を摺動部の表面に接触させることが可能であれば特に限定されず、例えば、該ベンゾフェノン系、チオキサントン系化合物溶液の塗布、吹き付け、該溶液中への浸漬などが好適である。更に、一部の表面にのみ表面改質が必要なときには、必要な一部の表面にのみ光重合開始剤を吸着させればよく、この場合には、例えば、該溶液の塗布、該溶液の吹き付けなどが好適である。前記溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、THFなどを使用できるが、基材ガスケットを膨潤させない点、乾燥・蒸発が早い点でアセトンが好ましい。
また、摺動部にベンゾフェノン系化合物溶液、チオキサントン系化合物溶液による表面処理を施して光重合開始剤を吸着させた後、更に光を照射して摺動部の表面に化学結合させることが好ましい。例えば、波長300〜450nm(好ましくは300〜400nm、より好ましくは350〜400nm)の紫外線を照射して、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物溶液を表面に固定化できる。前記工程1及び該固定化においては、ゴム表面の水素が引き抜かれ、ベンゾフェノンのC=Oの炭素とゴム表面の炭素に共有結合が形成されると同時に、引き抜かれた水素がC=Oの酸素に結合し、C−O−Hが形成される。また、この水素引き抜き反応は改質対象物のアリル位の水素で選択的に行われるため、ゴムはアリル水素を持つブタジエン、イソプレンユニットを含むものが好ましい。
Figure 2015043827
なかでも、摺動部の表面を光重合開始剤で処理することで該光重合開始剤を表面に吸着させ、次いで、処理後の表面に300〜400nmのLED光を照射することにより、重合開始点を形成することが好ましく、特に、摺動部の表面にベンゾフェノン系化合物溶液、チオキサントン系化合物溶液などによる表面処理を施して光重合開始剤を吸着させた後、更に処理後の表面に300〜400nmのLED光を照射することで、吸着させた光重合開始剤を表面に化学結合させることが好ましい。ここで、LED光の波長は、355〜380nmが好適である。
工程2では、工程1で形成された重合開始点を起点にして、300〜400nmのUV光を照射してモノマーをラジカル重合させ、前記摺動部の表面にポリマー鎖を成長させることが行われる。
モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(メトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸アミン塩、(メタ)アクリロニトリルが挙げられ、更に分子内にC−N結合を持つモノマーなども挙げられる。分子内にC−N結合を持つモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド;N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体(N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド等);N,N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体(N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等);ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド;ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド誘導体(N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等);環状基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体((メタ)アクリロイルモルホリン等)などが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸アミン塩、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、メトキシメチルアクリルアミド、ヒドロキシメタクリルアミドが好ましく、アクリルアミド、アクリル酸、アクリロニトリルがより好ましい。
また、モノマーとしては、例えば、フルオロ基含有モノマーも使用できる。フルオロ基含有モノマーとしては、例えば、フルオロアルキル基含有モノマーが挙げられる。フルオロアルキル基含有モノマーは、ビニル基などの1個のラジカル重合性基及び少なくとも1個のフルオロアルキル基を有する化合物であれば特に限定されることなく使用可能である。ここで、フルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換された基であり、炭素数7〜30のフルオロアルキル基が更に好ましく、末端にパーフルオロアルキル基を有する炭素数7〜30のフルオロアルキル基が特に好ましい。
フルオロアルキル基含有モノマーは、モノマー中のフッ素原子量の割合が、モノマーの分子量に対して45質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
フルオロアルキル基含有モノマーとしては、A−B(Aはラジカル重合性基、Bはフルオロアルキル基を示す。)で表される化合物を好適に使用できる。例えば、下記式(1)で示される。
Figure 2015043827
(式中、Raは、水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。Aは、−O−、−NH−を表す。Bは、置換基を有してもよいアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を表し、存在しなくてもよい。Cは、ケトン基を表し、存在しなくてもよい。Rfは、置換基を有してもよいフルオロアルキル基を表す。)
Bで示されるアルキレン基の炭素数は1〜15が好ましく、ポリオキシアルキレン基は(RO)で示されるもので、Rの炭素数は1〜10、重合度wは1〜150が好ましく、該アルキレン基及び該ポリオキシアルキレン基は置換基を有するものであってもよい。更に、Rfは末端にパーフルオロアルキル基を有する炭素数2〜40のフルオロアルキル基が好ましく、置換基を有するものであってもよい。B及びRfにおける置換基としては特に限定されず、水酸基などが挙げられる。
上記フルオロアルキル基含有モノマーとしては、重合が容易なことから、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015043827
(式中、R21は水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基、R22は炭素数1〜4のアルキレン基、Rfは末端にパーフルオロアルキル基を有する炭素数7〜30のフルオロアルキル基を示す。)
21は水素原子又はメチル基が好ましく、R22は炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。また、Rfは末端にパーフルオロアルキル基を有する炭素数7〜20のフルオロアルキル基が好ましい。
上記式(2)で表される好適な化合物としては、下記式(2−1)〜(2−3)で表される(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
Figure 2015043827
(式中、R23は水素原子又はメチル基、kは7、8、9、10、11又は12を示す。)
フルオロアルキル基含有モノマーの具体例としては、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−heneicosafluorododecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、HC=CHCOCH(CFCF、HC=CHCOCH(CFCF、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−heneicosafluorododecyl methacrylate、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl methacrylate、3−(perfluorobutyl)−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−perfluorohexyl−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−3−methylbutyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−5−methylhexyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)などが挙げられる。なかでも、表面自由エネルギーが低くなる、即ち摺動性が良好である点から、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3−(perfluorobutyl)−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−perfluorohexyl−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−3−methylbutyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−5−methylhexyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)が好ましい。これらは単独又は2種以上を併用できる。
フルオロアルキル基含有モノマーとしてフルオロアルキル基を側鎖に持つビニルモノマーが使用可能であり、なかでも、側鎖の末端にフルオロアルキル基、二重結合側に近い部位にオキシアルキレン基を有するモノマーが好ましい。具体的には、下記式(3)で表されるモノマーを好適に使用できる。
Figure 2015043827
(式(3)中、R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。R32は、−O−、−NH−を表す。R41は、メチレン基、エチレン基又はプロピレン基を表す。R51は、ケトン基を表し、存在しなくてもよい。w1は、1〜100の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
また、フルオロアルキル基含有モノマーとしては、下記式(4)、(5)、(6)で表されるモノマーも好適である。
Figure 2015043827
(式(4)中、R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w2は、4〜10の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
Figure 2015043827
(式(5)中、R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
Figure 2015043827
(式(6)中、R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。αは、0〜2の整数を表す。)
(R41O)w1、(CHw2などの分子運動性の高い構造を、重合後の主鎖になるCH=CR31と、(CFCFのフルオロアクリル基の間に置くことにより、(CFCF基やCF基が乾燥状態では表面に偏在しやすくなり、摺動性が向上するという点で好ましい。また、OH基、COOH基、C=O基、NH基などの水素結合可能な構造を、重合後の主鎖になるCH=CR31と、(CFCFのフルオロアクリル基の間に置くことにより、側鎖が拘束されて(CFCF基やCF基が乾燥状態でも表面に固定又は偏在しやすくなり、摺動性が向上するという点も好ましい。
フルオロ基含有モノマーの他の具体例として、下記式で示される[1H,1H−perfluoro(2,5−dimethyl−3,6−dioxanonanoyl)]acrylate、[1H,1H−perfluoro(2,5−dimethyl−3,6−dioxanonanoyl)]methacrylate、pentafluorobenzyl acrylate、pentafluorobenzyl methacrylate、2,3,5,6−tetrafluorophenyl methacrylateも好ましい。
Figure 2015043827
モノマーとして、カルボキシベタイン、スルホベタイン、ホスホベタインなどの双性イオン性モノマー(双生イオン性基含有化合物:永久陽電荷の中心及び陰電荷の中心を有する化合物)も使用できる。優れた摺動性、耐久性が得られ、かつ良好なシール性も維持できる点から、双性イオン性モノマーとして、下記式(7)で示される化合物を使用でき、なかでも、下記式(8)で表される化合物が好適である。
Figure 2015043827
(式中、R11は−H又は−CH、Xは−O−又はNH−、mは1以上の整数、Yは双性イオン性基を表す。)
式(7)において、R11は−CH、Xは−O−、mは1〜10が好ましい。Yで表される双性イオン性基において、カチオンとしては、テトラアルキルアンモニウムなどの第四級アンモニウム、アニオンとしては、カルボン酸、スルホン酸、ホスフェートなどが挙げられる。
Figure 2015043827
(式中、R11は−H又は−CH、p及びqは1以上の整数、Y及びYは反対の電荷を有するイオン性官能基を表す。)
式(8)において、pは2以上の整数が好ましく、2〜10の整数がより好ましい。qは1〜10の整数が好ましく、2〜4の整数がより好ましい。また、好ましいR11は前記と同様である。Y及びYは、前記カチオン、アニオンと同様である。
前記双性イオン性モノマーの好適な代表例としては、下記式(8−1)〜(8−4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015043827
(式中、R11は水素原子又はメチル基、p及びqは1〜10の整数を示す。)
Figure 2015043827
(式中、R11は水素原子又はメチル基、p及びqは1〜10の整数を示す。)
Figure 2015043827
(式中、R11は水素原子又はメチル基、R12は炭素数1〜6の炭化水素基、p及びqは1〜10の整数を示す。)
Figure 2015043827
(式中、R11は水素原子又はメチル基、R13、R14及びR15は、同一若しくは異なって炭素数1又は2の炭化水素基、p及びqは1〜10の整数を示す。)
上記式(8−1)で表される化合物としては、ジメチル(3−スルホプロピル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アンモニウムベタインなど、式(8−2)で表される化合物としては、ジメチル(2−カルボキシエチル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アンモニウムベタインなど、式(8−3)で表される化合物としては、ジメチル(3−メトキシホスホプロピル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アンモニウムベタインなど、式(8−4)で表される化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどが挙げられる。また、双性イオン性モノマーとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホベタインなども挙げられる。なかでも、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。
工程2のモノマーのラジカル重合の方法としては、ベンゾフェノン系、チオキサントン系化合物などが吸着した摺動部の表面に、モノマー含有液を塗工(噴霧)し、又は、該摺動部をモノマー含有液に浸漬し、UV光を照射することでそれぞれのラジカル重合(光ラジカル重合)が進行し、該摺動部表面に対して、ポリマー鎖を成長させることができる。更に前記塗工後に、表面に透明なガラス・PET・ポリカーボネートなどで覆い、その上から紫外線などの光を照射することでそれぞれのラジカル重合(光ラジカル重合)を進行させ、摺動部表面に対して、ポリマーを成長させることもできる。
塗工(噴霧)溶媒、塗工(噴霧)方法、浸漬方法、照射条件などは、従来公知の材料及び方法を適用できる。なお、ラジカル重合性モノマーの溶液としては、水溶液又は使用する光重合開始剤(ベンゾフェノン系、チオキサントン系化合物など)を溶解しない有機溶媒に溶解させた溶液が使用される。また、ラジカル重合性モノマー含有液として、4−メチルフェノールなどの公知の重合禁止剤を含むものも使用できる。
本発明では、モノマー含有液の塗布後又はモノマー若しくはその溶液への浸漬後、光照射することでモノマーのラジカル重合が進行するが、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプなどのUV照射光源を好適に利用できる。照射光量は、重合時間や反応の進行の均一性を考慮して適宜設定すればよい。また、反応容器内や反応筒内における酸素などの活性ガスによる重合阻害を防ぐために、光照射時又は光照射前において、反応容器内、反応筒内や反応液中の酸素を除くことが好ましい。そのため、反応容器内、反応筒内や反応液中に窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを導入して酸素などの活性ガスを反応系外に排出し、反応系内を不活性ガス雰囲気に置換すること、などが適宜行われている。更に、酸素などの反応阻害を防ぐために、UV照射光源をガラスやプラスチックなどの反応容器と反応液や基材ガスケットの間に空気層(酸素含有量が15%以上)が入らない位置に設置する、などの工夫も適宜行われる。
紫外線の波長は、300〜400nmである。これにより、摺動部の表面に良好にポリマー鎖を形成できる。光源としては高圧水銀ランプや、365nmの中心波長を持つLED、375nmの中心波長を持つLEDなどを使用することが出来る。355〜380nmのLED光を照射することがより好ましい。特に、ベンゾフェノンの励起波長366nmに近い365nmの中心波長を持つLEDなどが効率の点から好ましい。波長が300nm未満では、基材ガスケットの分子を切断させて、ダメージを与える可能性があるため、300nm以上の光が好ましく、基材ガスケットのダメージが非常に少ないという観点から、355nm以上の光が更に好ましい。一方、400nmを超える光では、光重合開始剤が活性されにくく、重合反応が進みにくいため、400nm以下の光が好ましい。なお、LED光は波長が狭く、中心波長以外の波長が出ない点で好適であるが、水銀ランプ等でもフィルターを用いて、300nm未満の光をカットすれば、LED光と同様の効果を得ることも可能である。
また、本発明のシリンジ用ガスケットは、前記基材ガスケットの摺動部に対し、光重合開始剤の存在下でモノマーをラジカル重合させ、前記摺動部の表面にポリマー鎖を成長させる工程Iを含む形成方法により、摺動部表面にポリマー鎖を形成することもできる。具体的には、光重合開始剤を開始剤としてUV光を照射してモノマーをラジカル重合させてポリマー鎖を作製することで、摺動部表面にポリマー層が形成されたシリンジ用ガスケットを製造できる。工程Iで使用される改質対象物、光重合開始剤、モノマーとしては、前記と同様のものを使用できる。
例えば、工程Iは、摺動部の表面に光重合開始剤及びモノマーを接触させた後、300〜400nmのLED光を照射することで、該光重合開始剤から重合開始点を生じさせるとともに、該重合開始点を起点としてモノマーをラジカル重合させてポリマー鎖を成長させることにより実施できる。
工程Iのモノマーのラジカル重合の方法としては、摺動部の表面に、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などの光重合開始剤を含むモノマー含有液を塗工(噴霧)し、又は、摺動部を光重合開始剤を含むモノマー含有液に浸漬し、紫外線などの光を照射することでラジカル重合(光ラジカル重合)が進行し、該摺動部表面に対して、ポリマー鎖を成長させることができる。更に、前述の透明なガラス・PET・ポリカーボネートなどで覆い、その上から紫外線などの光を照射する方法なども採用できる。なお、塗工(噴霧)溶媒、塗工(噴霧)方法、浸漬方法、照射条件などは、前述と同様の材料及び方法を適用できる。
工程2、工程Iで形成されるポリマー鎖の長さは、好ましくは10〜50000nm、より好ましくは100〜50000nmである。10nm未満であると、良好な摺動性が得られない傾向がある。50000nmを超えると、摺動性の更なる向上が期待できず、高価なモノマーを使用するために原料コストが上昇する傾向があり、また、表面処理による表面模様が肉眼で見えるようになり、美観を損ねたり、シール性が低下する傾向がある。
工程2、工程Iでは、2種以上のモノマーを同時にラジカル重合させてもよい。更に、摺動部の表面に複数のポリマー鎖を成長させてもよい。本発明では、ポリマー鎖間を架橋してもよい。この場合、ポリマー鎖間には、イオン架橋、酸素原子を有する親水性基による架橋、ヨウ素などのハロゲン基による架橋が形成されてもよい。
上述のポリマー形成方法を適用することで、改質された摺動部表面を少なくとも一部に有するシリンジ用ガスケットを製造できる。改質は少なくとも摺動部表面に施されていればよく、基材ガスケットの表面全体に施されていてもよい。
(実施例1)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)に架橋剤としてトリアジンを混合した未加硫ゴムシートと厚み100μmの不活性フィルム(PTFEフィルム)とを貼り合わせて、真空プレスで175℃、10分間加硫接着しながら成形し、図1に示す形状の基材ガスケットを得た。得られた基材ガスケットを洗浄し、乾燥させた後、ベンゾフェノンの3wt%アセトン溶液に浸漬して、表面にベンゾフェノンを吸着させ、乾燥させた。
乾燥した基材ガスケットをアクリルアミドの水溶液(1.25M、8.9gのアクリルアミドを100mlの水に溶解)の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つLED−UV光を150分照射してラジカル重合を行って、摺動部表面にポリマー鎖を成長させ、目的のシリンジ用ガスケットを得た。
(実施例2)
アクリルアミド水溶液に代えて、アクリルアミド/アクリル酸混合水溶液(1.25M、アクリルアミド:アクリル酸=75:25)を使用し、重合(照射)時間を120分にした以外は、実施例1と同様にして目的のシリンジ用ガスケットを得た。
(実施例3)
アクリルアミド水溶液に代えて、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl acrylateを使用し、重合(照射)時間を300分にした以外は、実施例1と同様にして目的のシリンジ用ガスケットを得た。
(実施例4)
アクリルアミド水溶液に代えて、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン水溶液(2.5M)を使用し、重合(照射)時間を120分にした以外は、実施例1と同様にして目的のシリンジ用ガスケットを得た。
(比較例1)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)をトリアジンで架橋した加硫ゴムガスケット(175℃で10分加硫)そのものを用いた。
(比較例2)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)に架橋剤としてトリアジンを混合した未加硫ゴムシートと厚み100μmの不活性フィルム(PTFEフィルム)とを貼り合わせて、真空プレスで175℃、10分間加硫接着しながら成形し、図1に示す形状のシリンジ用ガスケットを得た。
実施例、比較例で作製したシリンジ用ガスケットを以下の方法で評価した。
(ポリマー鎖の長さ)
ガスケットの表面に形成されたポリマー鎖の長さは、ポリマー鎖が形成された改質ゴム断面を、SEMを使用し、加速電圧15kV、1000倍で測定した。撮影されたポリマー層の厚みをポリマー鎖の長さとした。
(摩擦抵抗力)
ガスケットの表面の摩擦抵抗力を測定するために、実施例、比較例で作製したシリンジ用ガスケットを注射器のCOP樹脂シリンジにセットし、引張試験機を用いて押し込んでいき、そのときの摩擦抵抗力を測定した(押し込み速度:100mm/min)。比較例1の摩擦抵抗力を100として、下記式を用い、各実施例について摩擦抵抗指数で示した。指数が小さい方が、摩擦抵抗力が低いことを示す。
(摩擦抵抗指数)=各実施例の摩擦抵抗力/比較例1の摩擦抵抗力×100
Figure 2015043827
表1より、実施例のガスケットは、比較例に比べて、摩擦抵抗力が大きく下がり、良好な摺動性が得られることが明らかとなった。また、表面のみ改質したものであるため、シール性は、比較例1と同等であった。更に溶出物試験では、比較例1は、接液部のゴムが液に露出しているので、溶出量は多かったが、比較例2および実施例では、接液部は不活性フィルムで覆われているため、溶出量は非常に少なかった。
従って、注射器のガスケットに使用した場合、充分なシール性とともに摩擦力が軽減され、注射器による処置を容易にかつ正確に行うことができる。また、接液部のゴムに含まれる各種添加剤が、接液によって薬液へ溶出する量も少なく、薬液の効果および安定性に悪影響を与えることはない。
1 ガスケット
2 接液部
3 摺動部
4 嵌合穴
5 不活性フィルム
6 切断部
6a 金型成形部
7 環状突起
7a 第一環状突起部

Claims (20)

  1. 接液部と、摺動部とを備えるシリンジ用ガスケットであって、
    前記接液部は、不活性フィルムが積層され、
    前記摺動部は、不活性フィルムが積層されておらず、表面にポリマー鎖が形成されているシリンジ用ガスケット。
  2. 前記不活性フィルムは、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、変性テトラフルオロエチレン重合体、変性テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、クロロフルオロエチレン重合体からなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂、及び/又はオレフィン系樹脂からなるものである請求項1記載のシリンジ用ガスケット。
  3. 前記ポリマー鎖は、前記摺動部の表面に重合開始点を形成する工程1と、前記重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、前記摺動部の表面にポリマー鎖を成長させる工程2とを含む形成方法により形成されるものである請求項1又は2記載のシリンジ用ガスケット。
  4. 前記工程1は、前記摺動部の表面に光重合開始剤を吸着させ、又は更に300〜400nmのLED光を照射し、前記表面上の光重合開始剤から重合開始点を形成させるものである請求項3記載のシリンジ用ガスケット。
  5. 前記ポリマー鎖は、光重合開始剤の存在下でモノマーをラジカル重合させ、前記摺動部の表面にポリマー鎖を成長させる工程Iを含む形成方法により形成されるものである請求項1又は2記載のシリンジ用ガスケット。
  6. 前記ラジカル重合は、300〜400nmのLED光を照射する光ラジカル重合である請求項3〜5のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
  7. 前記光重合開始剤は、ベンゾフェノン系化合物及び/又はチオキサントン系化合物である請求項4〜6のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
  8. 前記ラジカル重合時に、光照射時又は照射前に反応容器及び反応液に不活性ガスを導入し、不活性ガス雰囲気に置換して重合させる請求項3〜7のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
  9. 前記モノマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル酸アルカリ金属塩、アクリル酸アミン塩、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、メタクリル酸アルカリ金属塩、メタクリル酸アミン塩、アクリロニトリル、アクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、イソプロピルメタクリルアミド、ヒドロキシメタクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、及びメタクリロイルモルホリンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項3〜8のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
  10. 前記モノマーは、フルオロ基含有モノマーである請求項3〜8のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
  11. 前記フルオロ基含有モノマーは、フルオロアルキル基含有モノマーである請求項10記載のシリンジ用ガスケット。
  12. 前記フルオロアルキル基含有モノマーは、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−heneicosafluorododecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−Heptadecafluorodecyl acrylate(HC=CHCOCHCH(CFCF)、3−(perfluorobutyl)−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−perfluorohexyl−2−hydroxypropyl acrylate(F(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、3−(perfluoro−3−methylbutyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)、及び3−(perfluoro−5−methylhexyl)−2−hydroxypropyl acrylate((CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項11記載のシリンジ用ガスケット。
  13. 前記フルオロアルキル基含有モノマーは、下記式(3)、(4)、(5)又は(6)で表される化合物である請求項11記載のシリンジ用ガスケット。
    Figure 2015043827
    (R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。R32は、−O−、−NH−を表す。R41は、メチレン基、エチレン基又はプロピレン基を表す。R51は、ケトン基を表し、存在しなくてもよい。w1は、1〜100の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
    Figure 2015043827
    (R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w2は、4〜10の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
    Figure 2015043827
    (R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。)
    Figure 2015043827
    (R31は、水素、メチル基、エチル基又はプロピル基を表す。w3及びw4は、各々独立に1〜6の整数を表す。zは、1〜6の整数を表す。αは、0〜2の整数を表す。)
  14. 前記フルオロ基含有モノマーは、フルオロアルキレンオキシド基又はフルオロベンジル基含有モノマーである請求項10記載のシリンジ用ガスケット。
  15. 前記フルオロ基含有モノマーは、[1H,1H−perfluoro(2,5−dimethyl−3,6−dioxanonanoyl)]acrylate、[1H,1H−perfluoro(2,5−dimethyl−3,6−dioxanonanoyl)]methacrylate、pentafluorobenzyl acrylate、pentafluorobenzyl methacrylate、及び2,3,5,6−tetrafluorophenyl methacrylateからなる群より選択される少なくとも1種である請求項10記載のシリンジ用ガスケット。
  16. 前記モノマーは、側鎖にカルボキシベタイン基、スルホキシベタイン基又はホスホベタイン基を含む双性イオン性モノマーである請求項3〜8のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
  17. 前記モノマーは、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン、及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホベタインからなる群より選択される少なくとも1種である請求項3〜8のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
  18. 前記モノマー(液体)又はそれらの溶液が重合禁止剤を含むもので、該重合禁止剤の存在下で重合させる請求項3〜17のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
  19. 前記重合禁止剤が4−メチルフェノールである請求項18記載のシリンジ用ガスケット。
  20. 前記ポリマー鎖の長さは、10〜50000nmである請求項1〜19のいずれかに記載のシリンジ用ガスケット。
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