JP2015041409A - プラズマ表面処理装置およびプラズマ表面処理方法 - Google Patents

プラズマ表面処理装置およびプラズマ表面処理方法 Download PDF

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英樹 原
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崇 小崎
道之 久米
Michiyuki Kume
道之 久米
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Seigo Takashima
成剛 高島
悦男 浅見
Etsuo Asami
悦男 浅見
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Masahiro Hayakawa
雅浩 早川
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Abstract

【課題】長尺材の全表面を均一に改質することができ、かつ、雰囲気制御が必要なプラズマ処理にも自在に対応することができるプラズマ表面処理技術を提供すること。
【解決手段】誘電体をパイプ形状に形成したチャンバー1と、該チャンバー1の内周面の全周に亘って形成された内側電極2と、該チャンバーの外周面の全周に亘って形成された外側電極3と、該内側電極2および外側電極3に電圧を印加して誘電体バリア放電によるプラズマを発生させる電圧印加手段4と、該チャンバー1の左右両端に形成された開口部5から、該チャンバー内に雰囲気ガスを導入する雰囲気ガス導入手段6を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、特に長尺材の表面を連続的に改質するのに適したプラズマ表面処理装置およびプラズマ表面処理方法に関するものである。以下、本発明では、繊維、ワイヤー、パイプ等、長尺の部材を総称して長尺材という。
特許文献1、2には、繊維材料へのメッキ皮膜形成に先立って、プラズマ処理による表面改質を行い、繊維材料とメッキ金属との密着性を向上させる技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、一対の対向電極からなる放電電極に電界を印加して誘電体バリア放電によりプラズマを発生させるプラズマ処理装置を用い、繊維糸を開繊して得た平板状のフィラメント束を、前記プラズマ処理装置の放電空間中を走行させてプラズマ処理する技術が開示されている。
しかし、引用文献1の技術では、プラズマの照射方向が一方向からに限定されるため、例えば、被処理物の上下方向に向かってプラズマ照射が行われた場合、電極近傍の上下面と、電極からやや離れた左右面とを均一に表面改質することができず、後のメッキ工程におけるメッキむらの要因となる問題があった。
また、特許文献2には、左右両端部を開口させた筒状器具内に繊維材料を通過させながら、インラインで繊維材料の全面を均一にプラズマ処理する技術として、筒状器具に、プラズマ中に含まれる粒子(ラジカル、イオン、電子、光子)を導入する照射用開口を備え、かつ、この筒状器具の内周面を、照射用開口から導入された粒子を反射させる材質で構成する技術が開示されている。
しかし、引用文献2の技術も、粒子が直接照射される処理面と、反射した粒子により処理された処理面とを均一に表面改質することができず、後のメッキ工程におけるメッキむらの要因となる問題があった。
更に、上記何れの引用文献も、繊維材料の表面を親水化処理することを前提としたものであるため、発生したプラズマへの外部雰囲気の影響は考慮されておらず、例えば、アミノ化処理等、雰囲気制御が必要となる場合には、適用できない問題があった。
特開2011−58117号公報 特開2012−233278号公報
本発明の目的は前記の問題を解決し、長尺材の全表面を均一に改質することができ、かつ、雰囲気制御が必要なプラズマ処理にも自在に対応することができるプラズマ表面処理技術を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明のプラズマ表面処理装置は、誘電体をパイプ形状に形成したチャンバーと、該チャンバーの内周面の全周に亘って形成された内側電極と、該チャンバーの外周面の全周に亘って形成された外側電極と、該内側電極および外側電極に電圧を印加して誘電体バリア放電によるプラズマを発生させる電圧印加手段と、該チャンバーの左右両端に形成された開口部から、該チャンバー内に雰囲気ガスを導入する雰囲気ガス導入手段を有することを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のプラズマ表面処理装置において、前記内側電極が、螺旋状あるいはメッシュ状の金属導線からなることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1記載のプラズマ表面処理装置において、前記外側電極が、螺旋状あるいはメッシュ状の金属導線、もしくは、該チャンバーの外周全体を被覆する金属板からなることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1記載のプラズマ表面処理装置において、前記チャンバーの左右両端に形成された開口部に、雰囲気置換用パイプを接続したことを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項4記載のプラズマ表面処理装置において、複数のチャンバーを、雰囲気置換用パイプを介して、直列配置したことを特徴とするものである。
上記課題を解決するためになされた請求項6記載のプラズマ表面処理方法は、パイプ形状に形成したチャンバーの内部に被処理物を連続的に通過させながら、該チャンバーの内周面の全周に亘って形成された内側電極と、該チャンバーの外周面の全周に亘って形成された外側電極に電圧を印加し、誘電体バリア放電によるプラズマを発生させて前記被処理物の表面に照射することを特徴とするプものである。
請求項7記載の発明は、請求項6記載のプラズマ表面処理方法において、前記チャンバーの内の雰囲気を制御しながら前記の照射を行うことを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、請求項6記載のプラズマ表面処理方法において、前記チャンバーの内周と前記被処理物の外周とを略同一形状とし、該被処理物の中心軸を該チャンバーの中心軸と合わせて、チャンバーの内周と被処理物の外周間の距離を均一に保ちながら前記の照射を行うことを特徴とするものである。
本発明に係るプラズマ表面処理装置は、誘電体をパイプ形状に形成したチャンバーと、該チャンバーの内周面の全周に亘って形成された内側電極と、該チャンバーの外周面の全周に亘って形成された外側電極と、該内側電極および外側電極に電圧を印加して誘電体バリア放電によるプラズマを発生させる電圧印加手段を有するため、チャンバーの全周に亘って内壁近傍でプラズマを発生させることができる。このチャンバー内に、長尺材を通過させることにより、長尺材の全外周面に対し、チャンバーの内壁側から、均一なプラズマを照射することができ、長尺材の全表面を均一に改質することができる。
更に、本発明に係るプラズマ表面処理装置は、チャンバーの左右両端に形成された開口部から、該チャンバー内に雰囲気ガスを導入する雰囲気ガス導入手段を有するため、例えば、アミノ化処理等、大気中の酸素が妨げとなる反応を目的とするプラズマ処理も、同一の装置を用いて行うことができる。
請求項5記載の発明のように、複数のチャンバーを、雰囲気置換用パイプを介して、直列配置する構成とすることにより、例えば、1段目のチャンバーで長尺材表面の酸化による親水化処理を行い、2段目のチャンバーで長尺材表面のアミノ化処理を行うなど、複数の処理を連続して行うこともできる。または、同一処理を複数段で行い、処理能力の向上を図ることもできる。
請求項8記載のように、チャンバーの内周と被処理物の外周とを略同一形状とし、該被処理物の中心軸を該チャンバーの中心軸と合わせて、チャンバーの内周と被処理物の外周間の距離を均一に保ちながら前記の照射を行うことにより、長尺材の全表面を更に均一に処理することができる。
本実施形態のプラズマ表面処理装置の断面説明図である。 他の実施形態のプラズマ表面処理装置の断面説明図である。 実施例1におけるめっき工程のフローである。 実施例2におけるめっき工程のフローである。 実施例3におけるめっき工程のフローである。 実施例4におけるチャンバーガラスパイプ、雰囲気置換用ガラスパイプ、繊維の移動速度の各条件を示すグラフである。
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。
本実施形態のプラズマ表面処理装置は、図1に示すように、パイプ形状のチャンバー1と、チャンバー1の内周面の全周に亘って貼付された内側電極2と、チャンバー1の外周面の全周に亘って貼付された外側電極3と、内側電極2および外側電極3に電圧を印加する電圧印加手段4と、チャンバーの左右両端に形成された開口部5からチャンバー1内に雰囲気ガスを導入する雰囲気ガス導入手段6から構成されている。
チャンバー1はガラス等の誘電体で形成され、電圧印加手段4により内側電極2および外側電極3に電圧が印加されると、誘電体バリア放電によって内壁近傍にプラズマが発生する。電圧としては、正弦波電力、交流もしくは直流パルス電力、高周波電力など、大気圧プラズマを生成可能なものから適宜選択して使用することができる。
本実施形態では、内側電極2として螺旋状の金属導線を用い、外側電極3としてチャンバーの外周全体を被覆する金属板を用いているが、内側電極2としてメッシュ状の金属導線を用いたり、外側電極として、螺旋状あるいはメッシュ状の金属導線を用いることもできる。外側電極として、螺旋状あるいはメッシュ状の金属導線を用いた場合には、チャンバー内での放電の様子を視認することができる。
本発明では、チャンバー1の全周に亘って内壁近傍でプラズマを発生させて、このチャンバー1内に長尺材7を通過させることにより、長尺材の全外周面に対し、チャンバーの内壁側から、均一なプラズマを照射することができ、長尺材の全表面を均一に改質することができる。例えば、長尺材7として繊維を用いて処理する場合、平型にまで開繊する必要はなく、繊維の張力を調整してほぐす程度で束を均一に処理することができる。
長尺材7の全外周面に対し、より均一にプラズマを照射するためには、チャンバー1の内周面と長尺材7の外周面とを略同一形状とし、長尺材7の中心軸をチャンバー1の中心軸と合わせて、チャンバー1の内周と長尺材7の外周間の距離を均一に保ちながら照射を行うことが好ましい。
なお、大気圧化の誘電体バリア放電では、電極間距離を5mm以下とする必要があるため、従来のように、一対の対向電極からなる放電電極に電界を印加して誘電体バリア放電によりプラズマを発生させ、電極間に被処理物を通過させながらプラズマ処理する場合に、被処理物の直径を、電極間距離よりも小さくする必要があり、太径の長尺材7を処理することができないのに対し、本発明では、前記のように、チャンバーの全周に亘って内壁近傍でプラズマを発生させた上で、このチャンバー1内に長尺材7を通過させることにより、長尺材の全外周面に対し、チャンバーの内壁側から、均一なプラズマを照射させて処理するため、直径5mm以上の太径の長尺材7のプラズマ処理にも適用することができる。
プラズマ中に含まれる粒子には、ラジカル、イオン、電子、光子があり、各々の存在確率は、プラズマの発生箇所からの距離に応じて変化する。例えば、プラズマの発生箇所からの距離が離れると、主に、ラジカルのみが存在するようになる。このため、チャンバー1の直径Aを大きくして、その内壁近傍でプラズマを発生させた上で、チャンバー1の中心軸付近に長尺材7を通過させることにより、長尺材7の表面でラジカル反応による表面改質処理を選択的に施すこともできる。
チャンバー1の直径は、長尺材7の材質(耐熱性等)によって適正なものを選択することができる。
雰囲気ガス導入手段6から導入するプロセスガスは、所望のプラズマ処理に応じて適宜選択することができる。例えば、NガスとHガスを選択して、アミノ化処理を行うことができる。プロセスガスを変えることで、アミノ化以外の酸化、還元処理にも対応することができる。
本実施形態では、チャンバー1の左右両端に形成された開口部5に、雰囲気置換用パイプ8を接続して、外部雰囲気(空気(窒素や酸素、水))の影響を回避する構造としている。雰囲気置換用パイプ8と上記の雰囲気ガス導入手段6と併用することにより、雰囲気制御を高精度に行うことができる。
図2に示すように、雰囲気置換用パイプ8を介して、複数のチャンバー1を直列配置することもできる。直列配置したチャンバー1のうち、1段目のチャンバーで長尺材表面の酸化による親水化処理を行い、2段目のチャンバーで長尺材表面のアミノ化処理を行うなど、複数の処理を連続して行うこともできる。または、同一処理を複数段で行い、処理能力の向上を図ることもできる。
繊維材料へのメッキ皮膜形成に先立って、繊維材料とメッキ金属との密着性を向上させることを目的として、プラズマ処理による表面改質を行った。プラズマ処理は、下記の各条件下で行い、目視により析出しためっきの均一性を評価し、引張強さ試験(JIS L 1013)により繊維強度の低下の有無を評価した。
(実施例1)
図1のプラズマ表面処理装置(金属電極a:螺旋状、金属電極b:螺旋状、チャンバーガラスパイプ:外径12mm・内径10mm、雰囲気置換用ガラスパイプ:外径6mm・内径4mm)を用い、プロセスガスとしてNガスとHガスを選択し(N:H=10:0.015L/min)、電圧として交流パルス(4kV、1.5A、パルス幅1.0マイクロs、周波数45kHz)を用い、ポリアリレート繊維(フィラメント径20μm、1670dtex、繊維直径約2mm)を1m/分でチャンバー内を移動させながらポリアリレート繊維表面のアミノ化を行った。その後、図3に示す手順でめっき工程を行ったところ、繊維全面に均一にめっきが析出した。また、繊維強度の低下もなかった。
(実施例2)
実施例1と同じ条件でポリアリレート繊維表面のアミノ化を行った。その後、図4に示す手順でめっき工程を行ったところ、繊維全面に均一にめっきが析出した。また、繊維強度の低下もなかった。
(実施例3)
実施例1と同じ条件でポリアリレート繊維表面のアミノ化を行った。その後、図5に示す手順でめっき工程を行ったところ、繊維全面に均一にめっきが析出した。また、繊維強度の低下もなかった。
(比較例1)
特許文献1記載の技術(一対の対向電極からなる放電電極に電界を印加して誘電体バリア放電によりプラズマを発生させるプラズマ処理装置を用い、被処理物を前記プラズマ処理装置の放電空間中を走行させてプラズマ処理する技術)を用い、電極サイズ:30mm×30mm、誘電体:ガラス(厚さ1mm)、電極(ガラス)間距離:2mm、N:H=5:0.008L/min、交流パルス(4kV、1.5A、パルス幅1.0μs、周波数45kHz)として、ポリアリレート繊維(フィラメント径20μm、1670dtex、繊維直径約2mm)を1m/分でチャンバー内を移動させながらポリアリレート繊維表面のアミノ化を行った。その後、図5に示す手順でめっき工程を行ったところ、繊維全面に不均一にめっきが析出した。これは、外部雰囲気の影響(空気中の酸素)の抑制が不十分であったことと、繊維へのプラズマ処理が均一にできていないことに起因するものと思われる。
(比較例2)
特許文献2記載の技術(左右両端部を開口させた筒状器具内に繊維材料を通過させながら、インラインで繊維材料の全面を均一にプラズマ処理するに際し、筒状器具に、プラズマ中に含まれる粒子(ラジカル、イオン、電子、光子)を導入する照射用開口を備え、かつ、この筒状器具の内周面を、照射用開口から導入された粒子を反射させる材質で構成する技術)を用い、N:H=5:0.008L/minとして、ポリアリレート繊維(フィラメント径20μm、1670dtex、繊維直径約2mm)を1m/分でチャンバー内を移動させながらポリアリレート繊維表面のアミノ化を行った。その後、図5に示す手順でめっき工程を行ったところ、繊維全面に不均一にめっきが析出した。これは、外部雰囲気の影響(空気中の酸素)の抑制が不十分であったことと、繊維へのプラズマ処理が均一にできていないことに起因するものと思われる。
(実施例4)
チャンバーガラスパイプ、雰囲気置換用ガラスパイプ、繊維の移動速度を各々、図6に示す条件として、図3〜図5に示す手順でめっき工程を行った。その他の条件は、実施例1と同一条件とした。何れも、均一なめっきの析出が確認されたが、チャンバーガラスパイプが太径(No.3)となると、やや均一性に劣る結果となった。これは、プラズマが発生する箇所(チャンバーの内壁近傍)と繊維表面との距離が長くなることに起因するものと思われる。また、チャンバーガラスパイプが細系(No.2)となると、やや繊維強度が低下することが確認された。これは、プラズマが発生する箇所と繊維表面との距離が短くなることに起因するものと思われる。
(実施例5)
図2のプラズマ表面処理装置(金属電極a:螺旋状、金属電極b:螺旋状、チャンバーガラスパイプ:外径12mm・内径10mm、雰囲気置換用ガラスパイプ:外径6mm・内径4mm)を用い、1段目のチャンバーのプロセスガスとしてはNガスとOガスを選択し(N:O=10:0.05L/min)、2段目のチャンバーのプロセスガスとしてはNガスとHガスを選択し(N:H=10:0.015L/min)、電圧として交流パルス(4kV、1.5a、パルス幅1.0マイクロs、周波数45kHz)を用い、油剤などの有機物が表面に付着したポリアリレート繊維(フィラメント径20μm、1670dtex、繊維直径約2mm)を1m/分でチャンバー内を移動させながらポリアリレート繊維表面のプラズマ処理を行った。その後、図3〜図5に示す手順でめっき工程を行ったところ、繊維全面に均一にめっきが析出した。また、繊維強度の低下もなかった。
(比較例3)
図2のプラズマ表面処理装置(金属電極a:螺旋状、金属電極b:螺旋状、チャンバーガラスパイプ:外径12mm・内径10mm、雰囲気置換用ガラスパイプ:外径6mm・内径4mm)を用い、1段目のチャンバーではプラズマ処理を行わず、2段目のチャンバーのプロセスガスとしてはNガスとHガスを選択し(N:H=10:0.015L/min)、電圧として交流パルス(4kV、1.5A、パルス幅1.0マイクロs、周波数45kHz)を用い、油剤などの有機物が表面に付着したポリアリレート繊維(フィラメント径20μm、1670dtex、繊維直径約2mm)を1m/分でチャンバー内を移動させながらポリアリレート繊維表面のプラズマ処理を行った。その後、図3〜図5に示す手順でめっき工程を行ったところ、繊維強度の低下は確認されなかったが、めっきの均一性が、実施例5に比べて、やや劣る結果となった。これは、実施例5では、1段目のチャンバーでのプラズマ処理により、ポリアリレート繊維の表面に付着した油剤などの有機物が除去されているのに対し、比較例3では、除去されず、油剤などの有機物が表面に付着したポリアリレート繊維上に、アミノ化処理が施されたことに起因するものと思われる。
(比較例4)
図2のプラズマ表面処理装置(金属電極a:螺旋状、金属電極b:螺旋状、チャンバーガラスパイプ:外径12mm・内径10mm、雰囲気置換用ガラスパイプ:外径6mm・内径4mm)を用い、1段目のチャンバーのプロセスガスとしてはNガスとOガスを選択し(N:O=10:0.05L/min)、2段目のチャンバーはプラズマ処理を行わず、電圧として交流パルス(4kV、1.5A、パルス幅1.0マイクロs、周波数45kHz)を用い、油剤などの有機物が表面に付着したポリアリレート繊維(フィラメント径20μm、1670dtex、繊維直径約2mm)を1m/分でチャンバー内を移動させながらプラズマ処理を行った。その後、図3〜図5に示す手順でめっき工程を行ったところ、繊維強度の低下は確認されなかったが、繊維全面にめっきは析出しなかった。これは、ポリアリレート繊維上に、アミノ化処理が施されていないことに起因するものと思われる。
1 チャンバー
2 内側電極
3 外側電極
4 電圧印加手段
5 開口部
6 雰囲気ガス導入手段
7 長尺材
8 雰囲気置換用パイプ

Claims (8)

  1. 誘電体をパイプ形状に形成したチャンバーと、該チャンバーの内周面の全周に亘って形成された内側電極と、該チャンバーの外周面の全周に亘って形成された外側電極と、該内側電極および外側電極に電圧を印加して誘電体バリア放電によるプラズマを発生させる電圧印加手段と、該チャンバーの左右両端に形成された開口部から、該チャンバー内に雰囲気ガスを導入する雰囲気ガス導入手段を有することを特徴とするプラズマ表面処理装置。
  2. 前記内側電極が、螺旋状あるいはメッシュ状の金属導線からなることを特徴とする請求項1記載のプラズマ表面処理装置。
  3. 前記外側電極が、螺旋状あるいはメッシュ状の金属導線、もしくは、該チャンバーの外周全体を被覆する金属板からなることを特徴とする請求項1記載のプラズマ表面処理装置。
  4. 前記チャンバーの左右両端に形成された開口部に、雰囲気置換用パイプを接続したことを特徴とする請求項1記載のプラズマ表面処理装置。
  5. 複数のチャンバーを、雰囲気置換用パイプを介して、直列配置したことを特徴とする請求項4記載のプラズマ表面処理装置。
  6. パイプ形状に形成したチャンバーの内部に被処理物を連続的に通過させながら、
    該チャンバーの内周面の全周に亘って形成された内側電極と、該チャンバーの外周面の全周に亘って形成された外側電極に電圧を印加し、
    誘電体バリア放電によるプラズマを発生させて前記被処理物の表面に照射することを特徴とするプラズマ表面処理方法。
  7. 前記チャンバーの内の雰囲気を制御しながら前記の照射を行うことを特徴とする請求項6記載のプラズマ表面処理方法。
  8. 前記チャンバーの内周と前記被処理物の外周とを略同一形状とし、該被処理物の中心軸を該チャンバーの中心軸と合わせて、
    チャンバーの内周と被処理物の外周間の距離を均一に保ちながら前記の照射を行うことを特徴とする請求項6記載のプラズマ表面処理方法。
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