JP2015040844A - 信号発生器、信号発生方法、試験装置および試験方法 - Google Patents

信号発生器、信号発生方法、試験装置および試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンデンサの誘電体吸収による信号の歪を補償する。【解決手段】動作コンデンサを含み、動作信号を出力する動作回路と、時定数が、動作コンデンサにおける誘電体吸収の等価回路の時定数と等しいRC直列回路を含み、動作信号に生じた、動作コンデンサの誘電体吸収による歪を補償する補償回路とを備える信号発生器、ならびに、当該信号発生器を用いた信号発生方法を提供する。また、当該信号発生器を用いた試験装置を提供する。【選択図】図3

Description

本発明は、信号発生器、信号発生方法、試験装置および試験方法に関する。
従来、コンデンサにおける誘電体吸収特性によって出力に誤差が生じることが知られている(例えば、特許文献1参照)。当該技術においては、実動作前に、コンデンサを予め充電することで、出力誤差を補償する。
特許文献1 特開2000−171688号公報
しかし、実動作前にコンデンサを予め充電する期間を設けるので、動作の高速化に限界がある。
本発明の第1の態様においては、動作コンデンサを含み、動作信号を出力する動作回路と、時定数が、動作コンデンサにおける誘電体吸収の等価回路の時定数と等しいRC直列回路を含み、動作信号に生じた、動作コンデンサの誘電体吸収による歪を補償する補償回路とを備える信号発生器、ならびに、当該信号発生器を用いた信号発生方法を提供する。
本発明の第2の態様においては、被試験デバイスを試験する試験装置であって、入力信号に応じた信号を発生して、被試験デバイスに入力する、第1の態様の信号発生器と、被試験デバイスの動作に基づいて、被試験デバイスの良否を判定する判定部とを備える試験装置、ならびに、当該試験装置を用いた試験方法を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本発明の実施形態に係る信号発生器100の構成例を示す図である。 動作回路10の構成例を示す図である。 補償回路40の構成例を示す図である。 動作回路10および補償回路40の周波数特性の一例を示す図である。 補償回路40の他の構成例を示す図である。 補償回路40の他の構成例を示す図である。 補償回路40の他の構成例を示す図である。 動作回路10の他の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る試験装置200の構成例を示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る信号発生器100の構成例を示す図である。信号発生器100は、入力信号に応じた出力信号を発生させる。本例の信号発生器100は、動作回路10および補償回路40を備える。
動作回路10は、動作コンデンサを含み、入力信号に応じた動作信号を出力する。例えば動作回路10は、動作コンデンサを用いて入力信号を積分する積分回路である。しかし、コンデンサには、誘電体吸収が生じることがある。当該誘電体吸収により、動作回路10が出力する動作信号に歪が生じる。補償回路40は、動作回路10の動作信号における歪を補償した出力信号を生成する。また、信号発生器100は、補償回路40が出力する信号の高周波ノイズを除去する帯域制限回路を更に有してもよい。
図2は、動作回路10の構成例を示す図である。本例の動作回路10は、いわゆる積分回路である。動作回路10は、信号入力部22から入力信号を受け取る。本例の信号入力部22は定電流源を有する。本例の信号入力部22は、定電流源のオンおよびオフを制御することで、パルス状の定電流信号Iinを生成する。なお、信号入力部22は、信号発生器100の外部に設けられてもよい。
動作回路10は、動作コンデンサ14および差動増幅器12を有し、入力信号を積分した動作信号を出力する。本例の動作回路10は、ランプ波形の動作信号を生成する。ランプ波形とは、略一定の傾きで強度が増加または減少する波形である。動作コンデンサ14は、差動増幅器12の負側入力端子と出力端子との間に設けられる。差動増幅器12の正側入力端子には接地電位等の基準電位が印加される。
なお、本例の動作回路10は、動作コンデンサ14の誘電体吸収を示す等価回路(等価抵抗18および等価コンデンサ19の直列回路)を更に含んでいる。一般に、コンデンサにおける誘電体吸収の等価回路は、抵抗およびコンデンサの直列回路が、元のコンデンサと並列に接続された回路で示される。
動作コンデンサ14の誘電体吸収を無視できない場合、動作回路10が出力する動作信号には、誘電体吸収による歪が生じる。具体的には、等価抵抗18および等価コンデンサ19により、動作回路10の周波数特性は、誘電体吸収を考慮しない場合の周波数特性に対して、低周波成分のゲインが減少する(または、高周波成分のゲインが増大する)。当該ゲインの変動は、動作コンデンサ14および等価コンデンサ19の容量比で定まる。
補償回路40は、当該誘電体吸収による歪を補償した出力信号を生成する。本例の補償回路40は、時定数が、動作コンデンサ14における誘電体吸収の等価回路の時定数と等しいRC直列回路を含む。補償回路40は、動作信号の帯域を当該RC直列回路により制限して得られる補償信号と、動作信号とを加減算して出力する。
図3は、補償回路40の構成例を示す図である。本例の補償回路40は、第1分圧抵抗44、RC直列回路42およびボルテージフォロワ回路50を有する。RC直列回路42は、第2分圧抵抗46および補償コンデンサ48を有する。第1分圧抵抗44は、動作回路10の出力端と基準電位との間に設けられる。第2分圧抵抗46は、第1分圧抵抗44と基準電位との間に、第1分圧抵抗44と直列に設けられる。第2分圧抵抗46の抵抗値は、第1分圧抵抗44の抵抗値よりも大きくてよい。補償コンデンサ48は、第1分圧抵抗44と基準電位との間に、第2分圧抵抗46と直列に設けられる。図3の例では、第2分圧抵抗46が第1分圧抵抗44に接続され、補償コンデンサ48が第2分圧抵抗46と基準電位との間に設けられているが、補償コンデンサ48が第1分圧抵抗44に接続され、第2分圧抵抗46が補償コンデンサ48と基準電位との間に設けられてもよい。ボルテージフォロワ回路50は、第1分圧抵抗44およびRC直列回路42の接点(本例では、第1分圧抵抗44および第2分圧抵抗46の接点)における信号を受け取り、当該信号に応じた信号を出力する。
第2分圧抵抗46および補償コンデンサ48が、信号線と基準電位との間に直列に設けられるので、本例のRC直列回路はローパスフィルタとして機能する。RC直列回路42が出力する信号(本例では、第1分圧抵抗44および第2分圧抵抗46の接点における信号)は、当該ローパスフィルタにより動作信号の帯域を制限した補償信号と、動作信号とが、第1分圧抵抗44および第2分圧抵抗46の抵抗比に応じた比重で加算された信号になる。
ここで、第1分圧抵抗44および第2分圧抵抗46の抵抗比は、誘電体吸収の等価容量(すなわち、等価コンデンサ19の容量)および動作コンデンサ14の容量の比と等しい。つまり、第1分圧抵抗44および第2分圧抵抗46の抵抗値をR1、R2として、動作コンデンサ14の容量および等価コンデンサ19の容量をCf、Cdとすると、下記の関係が成り立つ。
R1:R2=Cd:Cf 式(1)
また、誘電体吸収の等価回路の時定数と、RC直列回路42の時定数とを一致させるので、下記の関係が成り立つ。ただし、等価抵抗の抵抗値をRdとして、補償コンデンサ48の容量をC1とする。
Rd×Cd=R2×C1 式(2)
これにより、補償回路40は、動作信号および補償信号を、動作コンデンサ14および等価コンデンサ19の容量の比に応じて加減算することになる。従って、誘電体吸収によって、動作コンデンサ14および等価コンデンサ19の容量の比に応じて、高周波成分のゲインに対して相対的にゲインが小さくなった低周波成分を補償することができる。
なお時定数が「一致」とは、正確に一致している場合の他に、出力信号の歪が許容範囲内となるように補償できる程度に、実質的に一致している場合を含む。本例では、誘電体吸収の等価回路の時定数と、RC直列回路42の時定数との比が90%から110%の範囲内であれば、実質的に一致とみなしてよい。
なお比が「等しい」とは、正確に等しい場合の他に、誘電体吸収による歪が許容範囲内となるまで補償できる程度に、実質的に等しい場合を含む。本例では、抵抗値の比が、容量値の比の90%から110%の範囲内であれば、実質的に等しいとみなしてよい。
なお、補償コンデンサ48の容量は、等価コンデンサ19の容量に、1より大きい予め定められた係数Aを乗じた容量であってよい。この場合、式(2)から明らかなように、第2分圧抵抗46は、等価抵抗18の抵抗値を、当該係数で除算した抵抗値を有する。また、式(1)から明らかなように、第1分圧抵抗44は、等価抵抗18の抵抗値および等価コンデンサ19の容量の積を、動作コンデンサ14の容量および当該係数の積で除算した抵抗値を有する。すなわち、以下の関係を有する。
C1=A×Cd
R2=Rd/A
R1=(Cd×Rd)/(Cf×A)
これにより、各分圧抵抗の抵抗値を小さくすることができる。係数Aの値は、例えば10倍程度である。
図4は、動作回路10および補償回路40の周波数特性の一例を示す図である。動作コンデンサ14の誘電体吸収により、本例の動作回路10の周波数特性は線形とならない。上述したように、動作回路10の周波数特性は、誘電体吸収を考慮しない場合の周波数特性に対して、低周波成分のゲインが減少する(または、高周波成分のゲインが増大する)。
具体的には、所定の周波数f1(ただし、f1=1/(2πCdRd))より低周波側の周波数特性と、所定の周波数f2より高周波側の周波数特性とが線形にならず、低周波側の周波数特性が相対的に低くなる。周波数f2は、動作コンデンサ14のインピーダンスに対して、誘電体吸収の等価回路のインピーダンスが非常に大きくなり無視できるようになる周波数である。また、周波数f1からf2の区間では、動作回路10のゲインは略一定となる。
これに対して、補償回路40の周波数特性は、周波数f1より低周波側では、補償コンデンサ48のインピーダンスが大きく、RC直列回路42にはほとんど電流が流れない。このため、ゲインは略1となる。周波数f1からf2の区間では、ゲインが徐々に減少するローパス特性を示す。周波数f2より高周波側では、第2分圧抵抗46の抵抗値に比べて補償コンデンサ48のインピーダンスが非常に小さくなりほぼ無視できる。このため、動作回路10が出力する動作信号は、分圧抵抗の抵抗比で分圧される。
このような周波数特性の補償回路40を用いることで、誘電体吸収により生じた、動作回路10における低周波側および高周波側の周波数特性のギャップを補償することができる。また、動作コンデンサ14を予め充電しなくてよいので、信号発生器100の高速化が制限されない。
図5は、補償回路40の他の構成例を示す図である。本例の補償回路40は、図4に示した補償回路40において、ボルテージフォロワ回路50に代えて増幅回路60を備えた構成である。増幅回路60は、第1分圧抵抗44およびRC直列回路42の接点(本例では、第1分圧抵抗44および第2分圧抵抗46の接点)における信号を増幅して出力する。
増幅回路60は、増幅抵抗64、増幅抵抗66および差動増幅器62を有する。増幅抵抗64は、第1分圧抵抗44およびRC直列回路42の接点と、差動増幅器62の負側入力端子の間に接続される。また、増幅抵抗66は、差動増幅器62の負側入力端子と、出力端子との間に接続される。増幅回路60は、増幅抵抗の抵抗比に応じた増幅率で信号を増幅する。増幅抵抗64の抵抗値は、動作信号と補償信号との加算比に影響を与えないように、第2分圧抵抗46の抵抗値よりも十分大きいことが好ましい。このような構成により、歪を補償した動作信号を増幅して出力することができる。
図6は、補償回路40の他の構成例を示す図である。本例の補償回路40は、RC直列回路42、第2分圧抵抗46、抵抗70、72、74、76、差動増幅器68およびバッファ78を有する。
抵抗70は、動作回路10の出力端子と、差動増幅器68の負側入力端子との間に接続される。抵抗72は、差動増幅器68の負側入力端子と出力端子との間に接続される。抵抗70および抵抗72の抵抗値は同一である。
本例のRC直列回路42は、補償コンデンサ48および第1分圧抵抗44を有する。補償コンデンサ48は、動作回路10の出力端子および抵抗70を接続する線路と、基準電位との間に設けられる。第1分圧抵抗44は、動作回路10の出力端子と基準電位との間に、補償コンデンサ48と直列に設けられる。また、第2分圧抵抗46は、第1分圧抵抗44と基準電位との間に設けられる。図6の例では、補償コンデンサ48が動作回路10の出力端子に接続され、第1分圧抵抗44が補償コンデンサ48と第2分圧抵抗46との間に設けられているが、第1分圧抵抗44が動作回路10の出力端子に接続され、補償コンデンサ48が第1分圧抵抗44と第2分圧抵抗46との間に設けられてもよい。
本例のRC直列回路42は、動作回路10が出力する動作信号の高周波成分を通過させるハイパスフィルタとして機能する。本例では、RC直列回路42を通過した信号が、補償信号となる。ただし、RC直列回路42は、第1分圧抵抗44および第2分圧抵抗46の抵抗比に応じたゲインで、当該高周波成分を通過させる。なお、補償コンデンサ48、第1分圧抵抗44および第2分圧抵抗46の特性値は以下となる。
C1=A×Cd
R1=Rd/A
R2=(Cd×Rd)/(Cf×A)
本例においても、RC直列回路42の時定数は、誘電体吸収の等価回路の時定数と一致する。つまり、C1×R1=Cd×Rdである。
抵抗74は、RC直列回路42および第2分圧抵抗46の接点(本例では、第1分圧抵抗44および第2分圧抵抗46の接点)と、差動増幅器68の正側入力端子との間に設けられる。差動増幅器68は、動作信号を反転させた信号と、RC直列回路42が出力する補償信号とを加算する加減算回路として機能する。これにより、図4に示したように、動作信号において相対的にゲインが増大した高周波成分を、補償回路40において減じることができる。
このような構成によっても、誘電体吸収による歪を補償することができる。つまり、図3に示した構成では、ローパスフィルタとして機能するRC直列回路42の出力を、動作信号に加算することで当該歪を補償したが、図6に示した構成では、ハイパスフィルタとして機能するRC直列回路42の出力を、動作信号から減算することで当該歪を補償した。いずれの方式によっても、誘電体吸収による歪を補償することができる。
また、バッファ78は、補償回路40の後段に接続される回路の基準電位(例えば接地電位GND)を検出する。バッファ78は、検出した基準電位に応じて、差動増幅器68の正側入力端子の基準レベルを制御する。本例では、バッファ78の出力端子は、抵抗76を介して差動増幅器68の正側入力端子に接続される。抵抗74および抵抗76の抵抗値は等しい。これにより、補償回路40が出力する信号の基準レベルと、後段回路における基準電位とを対応させることができる。
図7は、補償回路40の他の構成例を示す図である。図7においては、動作回路10および信号入力部22をあわせて示す。本例の動作回路10は、誘電体吸収の等価回路をより詳細に示している。具体的には、当該等価回路は、等価抵抗18および等価コンデンサ19のセットを並列に複数有する。図7では、当該セットを2つ示している。
本例の補償回路40は、複数のRC直列回路42、差動増幅器82、および抵抗80を有する。図7では、RC直列回路42を2つ示している。それぞれのRC直列回路42は、誘電体吸収の等価回路における、等価コンデンサ19および等価抵抗18のいずれかのセットに対応する。
なお、誘電体吸収の等価回路が、一組の等価コンデンサ19および等価抵抗18で近似できる場合、本例の補償回路40においても、RC直列回路42は一つでよい。同様に、図3から図6に示したそれぞれの補償回路40は、誘電体吸収の等価回路が、複数組の等価コンデンサ19および等価抵抗18で近似される場合、RC直列回路42を複数有してよい。
本例のRC直列回路42は、補償コンデンサ48および補償抵抗49を有する。補償コンデンサ48は、動作回路10の出力端子と、差動増幅器82の負側入力端子との間に設けられる。補償抵抗49は、補償コンデンサ48と差動増幅器82の負側入力端子との間に設けられる。それぞれのRC直列回路42は、動作回路10の出力端子と、差動増幅器82の負側入力端子との間に並列に設けられる。
RC直列回路42における各素子の特性値は、図6に示したRC直列回路42における各素子の特性値と同様に、対応する等価コンデンサ19および等価抵抗18の特性値に応じて定まる。なお、補償抵抗49は、第1分圧抵抗44に対応する。それぞれのRC直列回路42は、動作信号の高周波成分を通過させる。
抵抗80は、差動増幅器82の負側入力端子と出力端子との間に設けられる。抵抗80の抵抗値Rは、下式で与えられる。ただし、等価コンデンサ19−1の容量をCd1、等価抵抗18−1の抵抗値をRd1、等価コンデンサ19−2の容量をCd2、等価抵抗18−2の抵抗値をRd2とする。
R=((Cd1+Cd2)/Cf)×((Rd1×Rd2)/(Rd1+Rd2))/A
差動増幅器82の正側入力端子には、補償回路40の後段に接続される回路の基準電位(例えば接地電位GND)が入力される。差動増幅器82は、抵抗80の抵抗値に応じた増幅率で、且つ、接地電位GNDを基準レベルとして、RC直列回路42が出力する補償信号を増幅する。差動増幅器82の出力端子は、差動増幅器12の正側入力端子に接続される。
本例の補償回路40は、動作信号における高周波成分に応じた信号を、差動増幅器12にフィードバックする。このような構成によっても、動作信号における歪を補償することができる。
図8は、動作回路10の他の構成例を示す図である。本例の動作回路10は、いわゆるサンプルホールド回路として機能する。本例の動作回路10は、動作コンデンサ14、スイッチ84およびボルテージフォロワ回路86を有する。なお、動作コンデンサ14の誘電体吸収の等価回路(等価抵抗18および等価コンデンサ19)をあわせて示している。
スイッチ84は、動作回路10の内部に入力信号を伝送するか否かを切り替える。スイッチ84は、入力信号の信号レベルをサンプリングすべきタイミングでオン状態となり、所定の時間経過後にオフ状態になる。
動作コンデンサ14は、スイッチ84およびボルテージフォロワ回路86の入力端子を接続する配線と、基準電位との間に設けられる。動作コンデンサ14は、スイッチ84がオン状態となったタイミングにおける入力信号の信号レベルを保持する。
ボルテージフォロワ回路86は、動作コンデンサ14に保持された信号レベルを有する動作信号を後段の回路に出力する。これにより、入力信号の信号レベルを所定のタイミングでサンプルおよびホールドして出力することができる。しかし、動作コンデンサ14の誘電体吸収により、動作回路10が出力する動作信号に歪が生じてしまう。
補償回路40は、動作信号における歪を補償して出力する。補償回路40は、図3から図7に示したいずれかの補償回路40と同一である。このような構成により、サンプルホールド回路における信号歪を補償することができる。従って、サンプルホールド回路において入力信号を高速にサンプルしても、歪の少ない信号を得ることができる。なお、補償回路40は、歪を補償した信号を、AD変換器に入力してよい。これにより、入力信号の信号レベルをデジタル値に変換することができる。
このように、補償回路40は、動作コンデンサ14を有する様々な動作回路10の信号における歪を補償することができる。動作回路10の構成は、図2および図8に示した構成に限定されない。コンデンサを有する多様な回路に対して、補償回路40を適用することができる。
図9は、本発明の実施形態に係る試験装置200の構成例を示す図である。試験装置200は、例えばAD変換器または半導体回路等の被試験デバイス300を試験する。試験装置200は、信号発生器100および判定部110を備える。
信号発生器100は、図1から図8に関連して説明したいずれかの信号発生器100と同一である。信号発生器100は、被試験デバイス300に入力する信号を発生する。例えば被試験デバイス300がAD変換器の場合、信号発生器100はランプ波を生成する。
判定部110は、信号発生器100から信号が入力された被試験デバイス300の動作を測定する。判定部110は、被試験デバイス300が出力する信号を測定してよく、また、被試験デバイス300に印加される電源電圧、電源電流等の変動を測定してもよい。被試験デバイス300がAD変換器の場合、判定部110は、AD変換器がランプ波の各レベルを順次変換したデジタル値を検出する。
判定部110は、測定結果に基づいて、被試験デバイス300の良否を判定する。判定部110は、測定結果が、予め定められた期待値と一致するか否かにより、被試験デバイス300の良否を判定してよい。本例の試験装置200は、所望の波形に対する歪の少ない信号を被試験デバイス300に入力できるので、被試験デバイス300を精度よく試験することができる。
また、信号発生器100は、被試験デバイス300の試験以外にも、多様な用途に用いることができる。例えば、信号発生器100は高精度のランプ波を発生できるので、ランプ波を用いる多様な用途に好適である。一例として、2つの入力タイミングでランプ波のレベルを検出し、そのレベル差を測定することで、タイミングの時間差を精度よく検出することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・・動作回路、12・・・差動増幅器、14・・・動作コンデンサ、18・・・等価抵抗、19・・・等価コンデンサ、22・・・信号入力部、40・・・補償回路、42・・・RC直列回路、44・・・第1分圧抵抗、46・・・第2分圧抵抗、48・・・補償コンデンサ、49・・・補償抵抗、50・・・ボルテージフォロワ回路、60・・・増幅回路、62・・・差動増幅器、64、66・・・増幅抵抗、68・・・差動増幅器、70、72、74、76・・・抵抗、78・・・バッファ、80・・・抵抗、82・・・差動増幅器、84・・・スイッチ、86・・・ボルテージフォロワ回路、100・・・信号発生器、110・・・判定部、200・・・試験装置、300・・・被試験デバイス

Claims (13)

  1. 動作コンデンサを含み、動作信号を出力する動作回路と、
    前記動作コンデンサの誘電体吸収による前記動作信号の歪を補償する補償回路と
    を備え、
    前記補償回路は、時定数が、前記動作コンデンサにおける誘電体吸収の等価回路の時定数と等しいRC直列回路を含み、前記動作信号の帯域を前記RC直列回路により制限して得られる補償信号と、前記動作信号とを加減算して出力する
    信号発生器。
  2. 前記補償回路は、前記動作信号および前記補償信号を、前記動作コンデンサの容量および前記誘電体吸収の等価容量の比に応じて加減算する
    請求項1に記載の信号発生器。
  3. 前記補償回路は、前記動作回路の出力端と基準電位との間に設けられた第1分圧抵抗を更に有し、
    前記RC直列回路は、
    前記第1分圧抵抗と前記基準電位との間に、前記第1分圧抵抗と直列に設けられた第2分圧抵抗と、
    前記第1分圧抵抗と前記基準電位との間に、前記第2分圧抵抗と直列に設けられた補償コンデンサと
    を有し、
    前記第1分圧抵抗および前記第2分圧抵抗の抵抗比は、前記誘電体吸収の等価容量および前記動作コンデンサの容量の比と等しい
    請求項2に記載の信号発生器。
  4. 前記補償回路は、前記第1分圧抵抗および前記RC直列回路の接点における信号を増幅して出力する増幅回路を更に備え、
    前記増幅回路は、前記接点に接続され、前記第2分圧抵抗よりも抵抗値の大きい増幅抵抗を有する
    請求項3に記載の信号発生器。
  5. 前記第2分圧抵抗の抵抗値は、前記第1分圧抵抗の抵抗値よりも大きい
    請求項3または4に記載の信号発生器。
  6. 前記第2分圧抵抗は、前記誘電体吸収の等価抵抗値を、予め定められた1より大きい係数で除算した抵抗値を有し、
    前記第1分圧抵抗は、前記誘電体吸収の等価抵抗値および前記誘電体吸収の等価容量値の積を、前記動作コンデンサの容量値および前記係数の積で除算した抵抗値を有し、
    前記補償コンデンサは、前記誘電体吸収の等価容量値に前記係数を乗じた容量値を有する
    請求項5に記載の信号発生器。
  7. 前記RC直列回路は、
    前記動作回路の出力端と基準電位との間に設けられた補償コンデンサと、
    前記動作回路の出力端と前記基準電位との間に、前記補償コンデンサと直列に設けられた第1分圧抵抗と
    を有し、
    前記補償回路は、
    前記RC直列回路と前記基準電位との間に、前記第1分圧抵抗と直列に設けられた第2分圧抵抗と、
    前記RC直列回路および前記第2分圧抵抗の接点における前記補償信号と、前記動作信号とを加減算する加減算回路と
    を有し、
    前記第1分圧抵抗および前記第2分圧抵抗の抵抗比は、前記動作コンデンサの容量および前記誘電体吸収の等価容量の比と等しい
    請求項2に記載の信号発生器。
  8. 前記第1分圧抵抗は、前記誘電体吸収の等価抵抗値を、予め定められた1より大きい係数で除算した抵抗値を有し、
    前記第2分圧抵抗は、前記誘電体吸収の等価抵抗値および前記誘電体吸収の等価容量値の積を、前記動作コンデンサの容量値および前記係数の積で除算した抵抗値を有し、
    前記補償コンデンサは、前記誘電体吸収の等価容量値に前記係数を乗じた容量値を有する
    請求項7に記載の信号発生器。
  9. 前記動作回路は積分回路である
    請求項1から8のいずれか一項に記載の信号発生器。
  10. 前記積分回路に定電流信号を入力する電流源を更に備える
    請求項9に記載の信号発生器。
  11. 被試験デバイスを試験する試験装置であって、
    入力信号に応じた信号を発生して、前記被試験デバイスに入力する、請求項1から10のいずれか一項に記載の信号発生器と、
    前記被試験デバイスの動作に基づいて、前記被試験デバイスの良否を判定する判定部と
    を備える試験装置。
  12. 動作コンデンサを含む動作回路により動作信号を出力し、
    時定数が、前記動作コンデンサにおける誘電体吸収の等価回路の時定数と等しいRC直列回路を含む補償回路により、前記動作信号に生じた、前記動作コンデンサの誘電体吸収による歪を補償する
    信号発生方法。
  13. 被試験デバイスを試験する試験方法であって、
    動作コンデンサを含む動作回路により動作信号を出力し、
    時定数が、前記動作コンデンサにおける誘電体吸収の等価回路の時定数と等しいRC直列回路を含む補償回路により、前記動作信号に生じた、前記動作コンデンサの誘電体吸収による歪を補償し、
    歪を補償した信号を、前記被試験デバイスに入力し、
    前記被試験デバイスの動作に基づいて、前記被試験デバイスの良否を判定する
    試験方法。
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