JP2015040281A - インクセット及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

インクセット及びこれを用いた画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015040281A
JP2015040281A JP2013173354A JP2013173354A JP2015040281A JP 2015040281 A JP2015040281 A JP 2015040281A JP 2013173354 A JP2013173354 A JP 2013173354A JP 2013173354 A JP2013173354 A JP 2013173354A JP 2015040281 A JP2015040281 A JP 2015040281A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
clear
color
gelling agent
color ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013173354A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6303330B2 (ja
Inventor
近藤 愛
Ai Kondo
愛 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2013173354A priority Critical patent/JP6303330B2/ja
Publication of JP2015040281A publication Critical patent/JP2015040281A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6303330B2 publication Critical patent/JP6303330B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】良好な硬化性、高い画像品質および表面のマット性とを併せ持った印刷画像を形成可能なインクセットを提供する。【解決手段】光重合性化合物、光重合開始剤、ゲル化剤および着色剤を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有し温度によりゾルゲル転移するクリアーインクと、光重合性化合物、光重合開始剤、ゲル化剤および着色剤を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有し温度によりゾルゲル転移するカラーインクと、を有するインクジェットインクであり、クリアーインクのゲル転移温度がカラーインクのゲル転移温度よりも高いインクセット。【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット及びこれを用いた画像形成方法に関する。
インクジェット記録方式は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット記録方式の一つに、インクジェットインクの液滴を記録媒体に着弾させた後、紫外線を照射してインクを硬化させ、画像を形成する紫外線硬化型インクジェット方式がある。紫外線硬化型インクジェット方式は、インク吸収性のない記録媒体にも、高い耐擦過性及び密着性を有する画像を形成できるため、近年注目されつつある。
しかし、従来の紫外線硬化型のインクジェットシステムによる画像形成方法では、ライン記録ヘッドを用いたシングルパス記録方式や、高速シリアル方式といった高速記録の際に、隣り合うドット同士の合一を抑制できず、画質が劣るという問題があった。隣り合うドットの合一を防ぐ方法の一つに、ゲル化剤を、紫外線硬化型インクジェットインクに添加する技術が提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
また、近年では、化粧品、菓子類などの紙器類、ラベル、書籍カバー、化粧紙、ポスター、カタログなどの印刷物は、美粧性、高級感から高い光沢性を有する印刷物や、より深みのあるマット調の質感を有する高マット調印刷物が要望されており、インクジェット印刷物においても、高い付加価値を付与するため、マット調を有するインクジェット印刷物、光沢調を有するインクジェット印刷物の品質向上が試みられている。
このようなマット調印刷物は、従来ワニスにマット剤(フィラー)を混入させたマットニスを用いて、種々のコーティング方式を使用して印刷物にコーティングして製造している。また、熱可塑性を有した樹脂層表面にマット、セミマット、エンボスなどの所望の表面性状を有した当接部材に当接させた状態で加熱加圧して当接部材の表面性状を転写する手段(例えば特許文献3参照)など、型押しによるマット調を付与する方法も知られている。
また、紫外線硬化型インクの場合は、紫外線の露光量を調整することで、マット調の表面を得る方法が知られている(例えば特許文献4及び5参照)。
また、インクジェット記録方式においては、インク滴のドット径を調整することでマット調の表面状態を得る方法が知られている(例えば特許文献6参照)。
また、ゲル化剤を添加した紫外線硬化型インクジェットインクにおいては、形成された印刷画像の耐久性を高めるため、ゲル化剤を含むオーバーコート組成物を、印刷画像上に塗布する技術が提案されている(例えば特許文献7参照)。
米国特許出願公開2007/0058020号明細書 国際公開第2007/025893号 特開2005−119285号公報 特開2012−40837号公報 特開2013−232529号公報 特開2011−224955号公報 特開2010−106275号公報
しかしながら、インクジェット記録方式において、マット調を付与するため、インク中にフィラーを含有させると、吐出安定性やインクの保存安定性が悪くなる等の問題がある。また、転写等によるマット調の付与では、装置が大きく複雑になったり、高速印字に対応できないという問題がある。
硬化性インクにおける露光量による調整では、高いインク感度が必要になったり、画像形成とは別に光源が必要になるため、装置サイズやコストが大きくなる。また、インク滴のドット径の調整にてマット調を得る場合、一画素よりも小さいドット径でパターンを形成するため、印字される部分とされない部分の光沢差が生じ、また、表面の耐傷性も劣る。
ゲル化剤を含むオーバーコート組成物を、印刷画像上に塗布する技術については、オーバーコート組成物をUV硬化させる前に、加熱することにより光沢を制御している。この場合、マット調の表面性を得るために、硬化性ワックス量を増量し加熱している。しかし、硬化性ワックス量を増量することで、オーバーコート層の濁度が増しカラー画像の色が濁ったり、硬化膜の強度が得られなくなる。またカラーインクにもゲル化剤を含む場合、光沢制御のための加熱によりカラー画像の色滲み等が発生し、画質の低下が起こる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、良好な硬化性、高い画像品質および表面のマット性を併せ持った印刷画像を形成可能なインクセットを提供することを目的とする。
1.光重合性化合物、光重合開始剤、ゲル化剤、及び色材を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有し、温度によりゾルゲル相転移するカラーインクと、光重合性化合物、光重合開始剤、及びゲル化剤を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有し、温度によりゾルゲル相転移するクリアインクとを有するインクジェットインクセットであり、前記クリアインクのゲル転移温度が前記カラーインクのゲル転移温度よりも高いインクセット。
2.前記クリアインクおよび前記カラーインクに含まれるゲル化剤量が0.1〜10質量%で、前記クリアインクに含まれる前記ゲル化剤量が、前記カラーインクに含まれるゲル化剤量より多い上記1に記載のインクセット。
3.前記クリアインクおよび前記カラーインクが、前記ゲル化剤として、脂肪族ケトン化合物と脂肪族エステル化合物を含み、前記クリアインクに含まれる脂肪族ケトン化合物がクリアインクに含まれるゲル化剤総量の60〜95%であり、かつ前記カラーインクに含有される脂肪族ケトン化合物の量よりも多い上記1または2に記載のインクセット。
4.前記クリアインクおよび前記カラーインクが、さらに界面活性剤を含み、前記クリアインクに含まれる界面活性剤量が、前記カラーインクに含まれる界面活性剤量よりも多い上記1〜3のいずれか1項に記載のインクセット。
5.上記1〜4のいずれか一項に記載のインクセットを用い、前記カラーインクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出させて記録媒体上に付着させる工程と、前記インクセットの前記クリアインクの液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出させて記録媒体上に付着させる工程と、前記記録媒体上に着弾したカラーインクの液滴及び前記クリアインクの液滴に、活性光線を照射し、各液滴を硬化させる工程とを有する画像形成方法。
本発明によれば、良好な硬化性、高い画像品質および表面のマット性を併せ持った印刷画像を形成可能なインクセットが提供される。
ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例の側面図である。 ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例の上面図である。 図2Aはライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の他の例の側面図である。 図2Bはライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の他の例の上面図である。 シリアル記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す図である。
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[1.インクジェットインクセット]
実施形態に係るインクジェットインクセットは、(a)光重合性化合物、光重合開始剤、ゲル化剤および着色剤を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有し温度によりゾルゲル転移するクリアインクと、(b)光重合性化合物、光重合開始剤、ゲル化剤および着色剤を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有し温度によりゾルゲル転移するカラーインクと、を有する。クリアインクのゲル転移温度がカラーインクのゲル転移温度よりも高いことが好ましい。
実施形態に係るインクセットのカラーインクは、記録媒体に着弾後、インク液滴同士が合一し難い。そのため、にじみのない高精細な画像を形成できる。一方、本発明のインクジェットインクセットのクリアインクはカラーインクよりも合一し難い設計のため、光沢性が低くかつ均一な膜を形成できる。つまり、実施形態に係るインクセットを用いることで、高い画像品質と均一なマット感とを併せ持った印刷画像が形成できる。
実施形態に係るインクセットによれば、インクジェット記録方式により画像を形成できるため、転写式の画像形成方式よりも小型で簡易な装置を用いて、マット調の画像を形成できる。またフィラーフリーにより貯蔵安定性および吐出安定性も良好である。
クリアインクに含まれるゲル化剤の含有量が、クリアインクの全質量に対して0.1〜10質量%であり、カラーインクに含まれるゲル化剤の含有量が、前記カラーインクの全質量に対して0.1〜10質量%であり、クリアインクに含まれるゲル化剤の含有量がカラーインクに含まれるゲル化剤の含有量よりも多いことが好ましい。高い画像品質と均一なマット感とを併せ持った印刷画像が形成されやすくなるからである。
クリアインクとカラーインクは、それぞれさらに界面活性剤を含み、クリアインクに含まれる界面活性剤の含有量がカラーインクに含まれる界面活性剤の含有量よりも多いことが好ましい。界面活性剤を添加することで、ゲル化剤の析出が促進され凹凸感のあるインク滴が形成され、マット調の表面性が得られる。その際、カラーインクよりもクリアインク中の界面活性剤量を多くしておくことで、より光沢性が低くかつ均一な膜が形成できるからである。
実施形態に係るインクジェットインクセットには、カラーインクとクリアインクとが含まれるが、カラーインクは、単色のみであってもよく、また複数色(例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等)のセットであってもよい。なお、カラ−インクが複数色の場合は、それらのいずれのゲル転移温度よりもクリアインクのゲル転移温度が高いことが好ましい。
またクリアインク、カラーインクにおける、光重合性化合物、光重合開始剤、ゲル化剤のそれぞれの成分は、互いに独立して、同一または異なっていても構わない。
<カラーインクについて>
カラーインクは、温度によりゾルゲル相転移するインクである。
カラーインクには、光重合性化合物、光重合開始剤、ゲル化剤、及び色材が含まれ、必要に応じて、その他の添加剤が含まれる。
(光重合性化合物)
光重合性化合物は、活性光線を照射されることにより架橋又は重合する化合物である。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等であり、好ましくは紫外線である。光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物であり得る。好ましくはラジカル重合性化合物である。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)である。カラーインク中にラジカル重合性化合物が一種のみが含まれていてもよく、二種以上が含まれていてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物およびその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、後述するモノマーだけでなく、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物、重合性官能基を有するオリゴマーなどであってよい。ここで、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかをいい、「(メタ)アクリル」は「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかをいう。
(メタ)アクリレート化合物の例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコー(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
なかでも、感光性などの観点から、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等が好ましい。
(メタ)アクリレート化合物は、変性物であってもよく、その例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物;およびカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレート化合物等が含まれる。なかでも、感光性が高く、低温下でゲル化する際に、後述のカードハウス構造が形成しやすい等の観点から、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物が好ましい。また、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、高温下で他のインク成分に対して溶解しやすく、硬化収縮も少ないことから、印刷物のカールも起こりにくい。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレートCD561(分子量358)、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR454(分子量429)、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR499(分子量560)、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートSR494(分子量528);新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−400(分子量508)、ポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−600(分子量742)、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル9G(分子量536)、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル14G(分子量770);大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレートV#335HP(分子量302);Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートPhotomer 4072(分子量471);新中村化学社製の1,10−デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD−N(分子量310)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCP(分子量304)およびトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP(分子量332)等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物は、重合性オリゴマーであってもよい。そのような重合性オリゴマーの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、および直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等が含まれる。
光重合性化合物の含有量は、カラーインク全質量に対して1〜97質量%であることが好ましく、30〜95質量%であることがより好ましい。光重合性化合物の量が少な過ぎると、色材を十分に分散させることができず、インクジェット記録装置からのインクの吐出性が低下する。一方、光重合性化合物の量が過剰であると、相対的にゲル化剤や光重合開始剤の量が少なくなり、ゾルゲル相転移が十分に行われない可能性や、硬化が不十分となる可能性がある。
(光重合開始剤)
カラーインクには、光重合開始剤がさらに含まれる。
光重合開始剤は、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
分子内水素引き抜き型の光重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、トリアリルホスホニウム塩等が含まれる。
光重合開始剤が、アシルホスフィンオキシドやアシルホスフォナートであると、感度が良好となる。具体的には、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイド等が好ましい。
カラーインクに含まれる光重合開始剤の含有量は、インク硬化時に照射する光や光重合性化合物の種類などにもよるが、インク全質量に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。
カラーインクには、必要に応じて光重合開始剤助剤や重合禁止剤などがさらに含まれていてもよい。光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N-ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。カラーインクに、これらの化合物が、一種のみ含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
(ゲル化剤)
カラーインクに含まれるゲル化剤は、カラーインクを温度により可逆的にゾルゲル相転移させる機能を有する。そのようなゲル化剤は、少なくとも1)ゲル化温度よりも高い温度で、光重合性化合物や非重合性樹脂に溶解すること、2)ゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化すること、が必要である。
ゲル化剤がインク中で結晶化するときに、ゲル化剤の結晶化物である板状結晶が三次元的に囲む空間を形成し、前記空間に光重合性化合物を内包することが好ましい。このように、板状結晶が三次元的に囲む空間に光重合性化合物が内包された構造を「カードハウス構造」ということがある。カードハウス構造が形成されると、液体の光重合性化合物を保持することができ、インク液滴をピニングすることができる。それにより、液滴同士の合一を抑制することができる。カードハウス構造を形成するには、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。これに対して、インク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相分離していると、カードハウス構造を形成しにくい場合がある。
カラーインクのインク液滴をインクジェット記録装置から安定に吐出するためには、ゾル状のインク(高温時)において、光重合性化合物とゲル化剤との相溶性が良好であることが必要である。さらに、高速印刷時においても安定に液滴同士の合一を抑制するには、インク液滴が記録媒体に着弾後、速やかにゲル化剤が結晶化し、強固なカードハウス構造を形成することが必要である。
このようなゲル化剤の例には、
脂肪族ケトン化合物;
脂肪族エステル化合物;
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;
キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、およびホホバエステル等の植物系ワックス;
ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウ等の動物系ワックス;
モンタンワックス、および水素化ワックス等の鉱物系ワックス;
硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体;
モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;
ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、およびエルカ酸等の高級脂肪酸;
ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;
12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;
12-ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);
N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド等のN-置換脂肪酸アミド;
N,N'-エチレンビスステアリルアミド、N,N'-エチレンビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、およびN,N'-キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;
ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはオクタデシルアミンなどの高級アミン;
ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(例えば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);
ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸のエステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);
ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等);
ダイマー酸;
ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等);
ステアリン酸イヌリン等の脂肪酸イヌリン;
パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等の脂肪酸デキストリン(千葉製粉社製 レオパールシリーズ等);
ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル;
ベヘン酸エイコサンポリグリセリル(日清オイリオ社製 ノムコートシリーズ等);
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド、N-(2-エチルヘキサノイル)-L-グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノより入手可能);
1,3:2,4-ビス-O-ベンジリデン-D-グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;
特開2005−126507号公報、特開2005−255821号公報および特開2010−111790号公報に記載の低分子オイルゲル化剤;
等が含まれる。
カラーインクには、ゲル化剤として、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を含む化合物が含まれることが好ましい。ゲル化剤が、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を含むことで、前述の「カードハウス構造」が形成されやすい。ゲル化剤の構造中には、分岐鎖を有していてもよい。
炭素数が12以上の直鎖アルキル基を含むゲル化剤の具体例には、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を有する、脂肪族ケトン化合物、脂肪族エステル化合物、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸アミド等が含まれる。
ただし、アルキル鎖の末端に−OH、−COOH等の極性基を有するゲル化剤は、ゾル状のインク中での安定性が悪く、析出したり、相分離したりすることがある。また、インクの硬化膜から、ゲル化剤が時間の経過とともに徐々にブリードアウトすることがある。そこで、ゲル化剤は、脂肪族ケトン化合物もしくは脂肪族エステル化合物であることが好ましい。つまり、下記一般式(G1)及び(G2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
一般式(G1)及び(G2)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数12以上の直鎖部分を有する炭化水素基を表す。R1〜R4は、分岐部分を有していてもよい。
一般式(G1)において、R1及びR2で表される炭化水素基は、それぞれ独立に、炭素原子数が12以上25以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基であることが好ましい。R1及びR2で表される脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が12未満であると、十分な結晶性を有しないためゲル化剤として機能しないだけでなく、前述のカードハウス構造において、光重合性化合物を内包するための十分な空間を形成できないおそれがある。一方、脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が25を超えると、融点が高くなりすぎるため、インクの吐出温度を高くしなければ、インク中に溶解しなくなるおそれがある。
上記一般式(G1)で表される脂肪族ケトン化合物の例には、ジリグノセリルケトン(C24−C24)、ジベヘニルケトン(C22−C22、融点88℃)、ジステアリルケトン(C18−C18、融点84℃)、ジエイコシルケトン(C20−C20)、ジパルミチルケトン(C16−C16、融点80℃)、ジミリスチルケトン(C14−C14)、ジラウリルケトン(C12−C12、融点68℃)、ラウリルミリスチルケトン(C12−C14)、ラウリルパルミチルケトン(C12−C16)、ミリスチルパルミチルケトン(C14−C16)、ミリスチルステアリルケトン(C14−C18)、ミリスチルベヘニルケトン(C14−C22)、パルミチルステアリルケトン(C16−C18)、バルミチルベヘニルケトン(C16−C22)、ステアリルベヘニルケトン(C18−C22)等が含まれる。
一般式(G1)で表される化合物の市販品の例には、18−Pentatriacontanon(AlfaAeser社製)、Hentriacontan−16−on(Alfa Aeser社製)、カオーワックスT1(花王株式会社製)等が含まれる。
カラーインクに含まれる脂肪族ケトン化合物は、一種類のみであってもよく、二種類以上の混合物であってもよい。
一般式(G2)おいて、R3及びR4で表される炭化水素基は、特に制限されないが、炭素原子数12以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基であることが好ましい。R3及びR4で表される脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が12以上26以下であると、一般式(G1)で表される化合物と同様に、ゲル化剤に必要な結晶性を有しつつ、前述のカードハウス構造を形成でき、融点も高くなりすぎない。
式(2)で表される脂肪族エステル化合物の例には、ベヘニン酸ベヘニル(C21−C22、融点70℃)、イコサン酸イコシル(C19−C20)、ステアリン酸ステアリル(C17−C18、融点60℃)、ステアリン酸パルミチル(C17−C16)、ステアリン酸ラウリル(C17−C12)、パルミチン酸セチル(C15−C16、融点54℃)、パルミチン酸ステアリル(C15−C18)、ミリスチン酸ミリスチル(C13−C
14、融点43℃)、ミリスチン酸セチル(C13−C16、融点50℃)、ミリスチン酸オクチルドデシル(C13−C20)、オレイン酸ステアリル(C17−C18)、エルカ酸ステアリル(C21−C18)、リノール酸ステアリル(C17−C18)、オレイン酸ベヘニル(C18−C22)、セロチン酸ミリシル(C25−C16)、モンタン酸ステアリル(C27−C18)、モンタン酸ベヘニル(C27−C22)、リノール酸アラキジル(C17−C20)、トリアコンタン酸パルミチル(C29−C16)等が含まれる。
式(2)で表される脂肪族エステル化合物の市販品の例には、ユニスターM−2222SL(日油株式会社製)、エキセパールSS(花王株式会社製、融点60℃)、EMALEXCC−18(日本エマルジョン株式会社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業株式会社製)、エキセパールMY−M(花王株式会社製)、スパームアセチ(日油株式会社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン株式会社製)等が含まれる。これらの市販品は、二種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製してもよい。
カラーインクに含まれる脂肪族エステル化合物は、一種類のみであってもよく、二種類以上の混合物であってもよい。
カラーインクに含まれるゲル化剤の量は、カラーインク全量に対して0.1〜10.0質量%が好ましく、更に好ましくは1〜7質量%である。0.5質量%未満であると、インク液滴をゲル化(温度によるゾルゲル相転移)させることができない。一方、ゲル化剤の量が10質量%を超えると、ゲル化剤がインクに十分に溶解せず、インク液滴の吐出性が低下する。
(クリアインクについて)
クリアインクもゲル化剤を含むため、温度により可逆的にゾルゲル相転移する。ゾルゲル相転移するクリアインクは、高温(例えば80℃程度)では液体(ゾル)であるため、インクジェット記録ヘッドからゾル状態で吐出することができる。高温下でインクを吐出すると、インク液滴(ドット)が記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、所望の領域に、クリアインクの硬化膜を形成することができる。
前述のような、記録媒体やカラーインクからなる画像の表面上に均一なマット調を付与するためには、着弾後のクリアインクで、均一な粒状性を有する表面を形成する必要がある。そのためには、クリアインクのゲル転移温度が前記カラーインクのゲル転移温度よりも高いことが求められる。
クリアインクのゲル転移温度が前記カラーインクのゲル転移温度よりも低いと、カラーインク表面でレベリングしやすく、光沢の高い硬化表面になってしまう。
クリアインクのゲル転移温度は、カラーインクのゲル転移温度より高く、40℃以上70℃以下であることが好ましく、50℃以上65℃以下であることがより好ましい。吐出温度が80℃近傍である場合に、インクのゲル転移温度が70℃を超えると、吐出時にゲル化が生じやすいため吐出性が低くなる。一方で、ゲル転移温度が40℃未満であると、記録媒体に着弾後、ゲル化が弱く、クリアインクが、カラーインク表面で不均一な膜になるばかりでなく、酸素の影響を受けやすくなり硬化感度が下がってしまう。
ゲル転移温度とは、ゾル状態にあるインクを冷却する過程において、ゲル化して流動性が低下するときの温度である。クリアインクのゲル転移温度とカラーインクのゲル転移温度との差は、10℃以内であることが好ましく、さらに好ましくは5℃以内である。クリアインクのゲル化温度とカラーインクのゲル化温度との差が大きいと、画像の鮮鋭性と光沢の両立が困難になる。
上記クリアインクのゲル転移温度が前記カラーインクのゲル転移温度よりも高くするには、例えばクリアインクに含まれるゲル化剤の量を、カラーインクに含まれるゲル化剤の量より多くすることで達成できる。
ゲル化剤が多いほど、着弾時のゲル化剤の析出量が多く、より凹凸感のあるインク滴が形成されるので、カラーインクのみの場合に比べ、マット調の表面性が得られる。
ゲル化剤の量以外にも、ゲル化剤の種類や、複数のゲル化剤を併用する場合、ゲル化剤の比率によっても、ゲル転移温度を調整することができ、クリアインクおよびカラーインクのゲル転移温度を、所望のゲル転移温度に制御できる。
また、複数のゲル化剤を併用する場合、より結晶性の高い(結晶化しやすい)ゲル化剤を選択することで、凹凸感のある表面性が得られる。しかしながら、結晶性の高いゲル化剤は、高温下においてもインク成分に対する溶解性が低いことが多く、インクの射出性を低下させやすい。本発明者らは、インクの射出性を低下させることなく、高い結晶性を得るには、類似の化学構造を有し、かつ結晶性が異なるゲル化剤を組み合わせること;具体的には、結晶性が高いゲル化剤と、結晶性の低いゲル化剤とを組み合わせることが有効であることを見出した。即ち、インクがある温度以下になると、まず結晶性の高いゲル化剤の結晶核が析出する。次いで、析出した結晶核の周りに、結晶性の低いゲル化剤の結晶が成長し、析出する。これらの結晶性の異なるゲル化剤を含むインクのゾルゲル相転移速度は、結晶性の高いゲル化剤を単独で含むインクと同程度に高い。また、これらの結晶性の異なるゲル化剤を含むインクは、結晶性の低いゲル化剤を含むため、高温下における溶解性が高く、射出性も高い。さらに、これらの結晶性の異なるゲル化剤が、互いに類似する化学構造を有することで、結晶化後の結晶構造が均質になるため、硬化後の画像の膜強度を高めることもできる。
結晶性の異なる少なくとも二種類のゲル化剤のうち、結晶性の高いゲル化剤としては、前出の脂肪族ケトン化合物であることが好ましく、結晶性の低いゲル化剤としては、前出の脂肪族エステル化合物であることが好ましい。
化合物の結晶性を示す指標の一つとして融点がある。例えば、前出の一般式(G1)で表わされる脂肪族ケトン化合物のR1の脂肪族炭化水素基と、前出の一般式(G2)で表わされる脂肪族エステル化合物のR3の脂肪族炭化水素基とが類似(例えば、両者の炭素原子数が近似)しており、かつ一般式(G1)のR2の脂肪族炭化水素基と一般式(G2)のR4の脂肪族炭化水素基とが類似(例えば、両者の炭素原子数が近似)している場合には、通常、一般式(G1)で表わされる脂肪族ケトン化合物の融点が、一般式(G2)で表わされる脂肪族エステル化合物の融点よりも高い。
結晶性の高いゲル化剤の融点としては、60℃以上100℃以下であることがより好ましく、結晶性の低いゲル化剤の融点としては、30℃以上75℃以下であることが好ましい。
結晶性の高いゲル化剤の割合が高いとより大きな結晶になるため、硬化表面はマット感が得られる。結晶性の高いゲル化剤の割合としては、ゲル化剤の総量に対して80〜95%が好ましい。割合が少ないと、結晶性の高いゲル化剤の結晶成長が抑制されるため、微小な結晶となり、光沢のある表面になってしまう。
また、クリアインクおよびカラーインクに界面活性剤を含む場合、クリアインクに含有される活性剤の量がカラーインクに含有される活性剤の量よりも多くすることで、カラーインクのみで形成される画像に比べ、マット調の表面性が得られる。
(色材)
カラーインクには、色材がさらに含まれる。色材は、染料または顔料でありうる。インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料がより好ましい。
染料は、油溶性染料等でありうる。油溶性染料は、以下の各種染料が挙げられる。マゼンタ染料の例には、MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)が含まれる。
シアン染料の例には、MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
イエロー染料の例には、MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
ブラック染料の例には、MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
顔料は、特に限定されないが、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料または無機顔料でありうる。
赤あるいはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36等が含まれる。青またはシアン顔料の例には、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60等が含まれる。緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、50が含まれる。黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193等が含まれる。黒顔料の例には、Pigment Black 7、28、26等が含まれる。
顔料の市販品の例には、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業製);
KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学製);
Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素製);
Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ製)、 Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ製);
Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製);
カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学製)などが挙げられる。
顔料の平均粒径は0.08〜0.5μmであることが好ましく、顔料の最大粒径は0.3〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜3μmである。顔料の粒径を調整することによって、インクジェット記録ヘッドのノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
顔料または染料の含有量は、カラーインク全質量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.4〜10質量%であることがより好ましい。顔料または染料の含有量が少なすぎると、得られる画像の発色が十分ではなく、多すぎるとインクの粘度が高くなり、吐出性が低下する。
顔料の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、およびペイントシェーカー等により行うことができる。顔料の分散は、顔料粒子の平均粒子径が、好ましくは0.08〜0.5μm、最大粒子径が好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.3〜3μmとなるように行われることが好ましい。顔料の分散は、顔料、分散剤、および分散媒体の選定、分散条件、およびろ過条件等によって、調整される。
カラーインクには、顔料の分散性を高めるために、分散剤がさらに含まれていてもよい。分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテート等が含まれる。分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が含まれる。
カラーインクには、必要に応じて分散助剤がさらに含まれていてもよい。分散助剤は、顔料に応じて選択されればよい。
分散剤および分散助剤の合計量は、顔料に対して1〜50質量%であることが好ましい。
カラーインクには、必要に応じて顔料を分散させるための分散媒体がさらに含まれていてもよい。分散媒体として溶剤がカラーインクに含まれてもよいが、形成された画像における溶剤の残留を抑制するためには、前述のような光重合性化合物(特に粘度の低いモノマー)が分散媒体であることが好ましい。
(その他の成分)
カラーインクには、必要に応じて他の成分がさらに含まれていてもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、カラーインクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、およびワックス類等が含まれる。
(カラーインクの粘度)
カラーインクは、前述のようにゲル化剤を含むため、温度により可逆的にゾルゲル相転移する。ゾルゲル相転移するカラーインクは、高温(例えば80℃程度)では液体(ゾル)であるため、インクジェット記録ヘッドからゾル状態で吐出することができる。高温下でカラーインクを吐出すると、インク液滴(ドット)が記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、隣り合うドット同士の合一を抑制し、画質を高めることができる。
ゾルゲル相転移型のインクの吐出性を高めるためには、高温下におけるインクの粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの、80℃における粘度が3〜20mPa・sであることが好ましい。一方、隣り合うドットの合一を抑制するためには、着弾後の常温下におけるインクの粘度が一定以上であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
ゾルゲル相転移型のインクのゲル転移温度は、40℃以上70℃以下であることが好ましく、50℃以上65℃以下であることがより好ましい。インクの吐出温度が80℃近傍である場合に、インクのゲル転移温度が70℃を超えると、吐出時にゲル化が生じやすく、吐出性が低くなる。一方、ゲル化温度が40℃未満であると、記録媒体に着弾後、速やかにゲル化し難い。ゲル転移温度とは、ゾル状態にあるインクを冷却する過程において、ゲル化して流動性が低下するときの温度である。
ゾルゲル相転移型のインクの80℃における粘度、25℃における粘度およびゲル転移温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。具体的には、インクを100℃に加熱し、剪断速度11.7(/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃まで冷却したときの、粘度の温度変化曲線を得る。そして、80℃における粘度と25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において80℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより求めることができる。ゲル転移温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が大きく変化する温度であり、例えば粘度が200mPa・sとなる温度とすることができる。
レオメータは、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズを用いることができる。コーンプレートの直径は75mm、コーン角は1.0°とすることができる。
(カラーインクの調製方法)
カラーインクは、光重合性化合物、ゲル化剤、光重合開始剤、及び色材を、加熱下、混合して得られる。好ましくは、一部の光重合性化合物に色材(特に顔料)を分散させた顔料分散液を用意し、顔料分散液と、他のインク成分と混合する。
得られたカラーインクは、所定のフィルターで濾過することが好ましい。
<クリアインクについて>
クリアインクは、ゾルゲル相転移するインクである。クリアインクは、前述のカラーインクと重ねて塗布される。このときに、クリアインクに一定の粒状感を持たせることで、カラー画像にマット感を付与することができる。また、カラーインクで画像を形成する場合、画像の濃淡を、カラーインクの量で調整するため、前述のカラーインクからなる画像は、濃淡の異なる領域で、画像の厚みが異なり形成画像に多少の段差が生じてしまう。このカラー画像上に、クリアインクを全面に重ねることで、カラーインク表面の凹凸や段差、さらには基材上の画像がある部分とない部分を平坦化でき、印刷物表面の均一性を高めることができる。また、クリアインクを重ねることで、印刷物の耐擦過性も向上できる。
また、カラーインクとクリアインクを順次塗工し、同時に硬化させる場合、通常の硬化性クリアインクに比べ、ゲル化剤を添加したクリアインクでは、ゲル化剤によるピニングが起こるため、カラーインクとの濁りがなく、高精細な画像が得られ、また、硬化時に酸素の影響を受けにくいため、クリアインク層の表面硬化性が良好でさらに、カラーインク層まで、しっかり硬化させることができるため、層間の密着性が良好で、折り曲げにも強い画像が得られる。
クリアインクには、光重合性化合物、光重合開始剤、及びゲル化剤が含まれ、必要に応じて他の成分が含まれる。光重合性化合物、光重合開始剤、及びゲル化剤は、カラーインクに含まれるものと同様でありうる。
クリアインクに含まれる光重合性化合物量は、クリアインク全質量に対して1〜97質量%であることが好ましく、30〜95質量%であることが好ましい。クリアインクに含まれる光重合性化合物の量が少ないと、クリアインクの硬化膜の強度や耐擦過性が低くなるおそれがある。一方、クリアインクに含まれる光重合性化合物の量が過剰であると、相対的にゲル化剤や、光重合性化合物の量が減少する。そのため、十分にゾルゲル相転移が行えない可能性や、インクの硬化が不十分となる可能性がある。
クリアインクに含まれる光重合開始剤の量は、クリアインク全質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることが好ましい。光重合開始剤の量が少ないと、インクの硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤の量が過剰であると、開始剤由来の着色が増大したり、重合物の分子量が減少してしまい、脆くなってしまう。また、クリアインクはカラーインクに比べ、着色剤による遮蔽が少ないため、カラーインクに含有される開始剤量より少ない量で、良好な硬化膜が得られる。
クリアインクもゲル化剤を含むため、温度により可逆的にゾルゲル相転移する。ゾルゲル相転移するクリアインクは、高温(例えば80℃程度)では液体(ゾル)であるため、インクジェット記録ヘッドからゾル状態で吐出することができる。高温下でインクを吐出すると、インク液滴(ドット)が記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、所望の領域に、クリアインクの硬化膜を形成することができる。
前述のような、記録媒体やカラーインクからなる画像の表面上に均一なマット調を付与するためには、着弾後のクリアインクで、均一な粒状性を有する表面を形成する必要がある。そのためには、クリアインクのゲル転移温度が前記カラーインクのゲル転移温度よりも高いことが求められる。
クリアインクのゲル転移温度が前記カラーインクのゲル転移温度よりも低いと、カラーインク表面でレベリングしやすく、光沢の高い硬化表面になってしまう。
クリアインクのゲル転移温度は、カラーインクのゲル転移温度より低く、40℃以上70℃以下であることが好ましく、50℃以上65℃以下であることがより好ましい。吐出温度が80℃近傍である場合に、インクのゲル転移温度が70℃を超えると、吐出時にゲル化が生じやすいため吐出性が低くなる。一方で、ゲル転移温度が40℃未満であると、記録媒体に着弾後、ゲル化が弱く、クリアインクが、カラーインク表面で不均一な膜になるばかりでなく、酸素の影響を受けやすくなり硬化感度が下がってしまう。
ゲル転移温度とは、ゾル状態にあるインクを冷却する過程において、ゲル化して流動性が低下するときの温度である。クリアインクのゲル転移温度とカラーインクのゲル転移温度との差は、10℃以内であることが好ましく、さらに好ましくは5℃以内である。クリアインクのゲル化温度とカラーインクのゲル化温度との差が大きいと、画像の鮮鋭性と光沢の両立が困難になる。
上記クリアインクのゲル転移温度が前記カラーインクのゲル転移温度よりも高くするには、例えばクリアインクに含まれるゲル化剤の量を、カラーインクに含まれるゲル化剤の量より多くすることで達成できる。
ゲル化剤が多いほど、着弾時のゲル化剤の析出量が多く、より凹凸感のあるインク滴が形成されるので、カラーインクのみの場合に比べ、マット調の表面性が得られる。
ゲル化剤の量以外にも、ゲル化剤の種類や、複数のゲル化剤を併用する場合、ゲル化剤の比率によっても、ゲル転移温度を調整することができ、クリアインクおよびカラーインクのゲル転移温度を、所望のゲル転移温度に制御できる。
クリアーインクに含まれるゲル化剤の量は、クリアーインク全量に対して0.1〜10.0質量%が好ましく、更に好ましくは1〜7質量%である。0.5質量%未満であると、インク液滴をゲル化(温度によるゾルゲル相転移)させることができない。一方、ゲル化剤の量が10質量%を超えると、ゲル化剤がインクに十分に溶解せず、インク液滴の吐出性が低下する。
また、クリアインクおよびカラーインクに界面活性剤を含む場合、クリアインクに含有される活性剤の量がカラーインクに含有される活性剤の量よりも多くすることで、カラーインクのみで形成される画像に比べ、マット調の表面性が得られる。
界面活性剤を含むことで、活性剤が結晶核となり、特に硬化膜の表面近傍でのゲル化剤の析出に影響を与えると考えられる。界面活性剤の量が多いほど、ゲル化剤の析出が促進され凹凸感のあるインク滴が形成され、マット調の表面性が得られる。界面活性剤の添加量は0.001〜1%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5%である。界面活性剤の添加量が多いと、インク吐出性が劣化したり、硬化層の強度が低下してしまう。
界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤、シリコーンオイルなどが挙げられる。
本実施形態においては特にシリコーンオイルを用いることが好ましく、シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルジメチルポリシロキサンのメチル基の一部にポリエーテル基を導入したポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、メチルスチレン変性シリコーンオイル、オレフィン変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
クリアインクにおいても、ゾルゲル相転移型のインクの吐出性を高めるためには、高温下におけるインクの粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの、80℃における粘度が3〜20mPa・sであることが好ましい。一方、隣り合うドットの合一を抑制するためには、着弾後の常温下におけるインクの粘度が一定以上であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
クリアインクの80℃における粘度、25℃における粘度及びゲル転移温度は、前述のカラーインクと同様に測定される。
クリアインクは、光重合性化合物、ゲル化剤、及び光重合開始剤加熱下、混合して得られる。得られたクリアインクは、所定のフィルターで濾過することが好ましい。
[2.画像形成方法]
実施形態に係る画像形成方法は、(a)上述のインクジェットインクセットを用い、カラーインクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出させて記録媒体上に付着させる工程と、(b)インクジェットインクセットのクリアインクの液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出させて記録媒体上に付着させる工程と、(c)記録媒体上に着弾したカラーインクの液滴及びクリアインクの液滴に、活性光線を照射し、各液滴を硬化させる工程と、を含む。
上記(c)硬化工程は、1回のみ行ってもよく、また2回にわけて行ってもよい。例えば、(a)カラーインクを記録媒体に付着させる工程、(c−1)カラーインクの液滴を硬化させる工程、(b)クリアインクを記録媒体に付着する工程、(c−2)クリアインクの液滴を硬化させる工程の順に行い、カラーインクの液滴及びクリアインクの液滴を個別に硬化させてもよい。
また、(a)カラーインクを記録媒体に付着させる工程、(b)クリアインクを記録媒体に付着させる工程、(c)クリアインク及びカラーインクの液滴を硬化させる工程の順に行い、クリアインク及びカラーインクの液滴を、一括して硬化させてもよい。カラーインク及びクリアインクの液滴は、ゾルゲル相転移によりゲル化しており、クリアインク及びカラーインクの25℃における粘度が一定以上である。そのため、硬化前のカラーインクの塗膜と、硬化前のクリアインクの塗膜とが混ざりにくい。したがって、(a)工程と(b)工程との間に、(c)工程を行わなくとも、高品質な画像が得られる。(c)硬化工程を1回のみ行う場合には、露光光源が1つのみでよく、画像形成時間を短縮できるという利点がある。
(a)工程について
上述のカラーインクの液滴を、インクジェット記録装置のインクジェット記録ヘッド部から吐出する。カラーインクに複数色含まれる場合には、各色のインクを吐出し、画像を形成する。カラーインク液滴の吐出性を高めるためには、インクジェット記録ヘッド内のインクジェットインクの温度を、カラーインクのゲル転移温度より10〜30℃高い温度に設定することが好ましい。インクジェット記録ヘッド内のインク温度が、ゲル化温度+10℃未満であると、インクジェット記録ヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インク液滴の吐出性が低下しやすい。一方、インクジェット記録ヘッド内のインクの温度が、ゲル化温度+30℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
カラーインクは、インクジェット記録装置のインクジェット記録ヘッド、インクジェット記録ヘッドに接続したインク流路、またはインク流路に接続したインクタンク等で加熱する。
インクジェット記録ヘッドの各ノズルから吐出されるカラーインク1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、0.5〜10plであることが好ましく、高精細な画像を形成するためには、0.5〜4.0plであることがより好ましい。このような液滴量で高精細な画像を形成するには、着弾後のインクが合一しない。つまり、カラーインクが十分にゾルゲル相転移する必要がある。前述のカラーインクは、ゾルゲル相転移が速やかに行われる。したがって、このような液滴量でも高精細な画像を安定して形成できる。
記録媒体に着弾したカラーインクの液滴は冷却されてゾルゲル相転移により速やかにゲル化する。これにより、カラーインクの液滴が過剰に濡れ広がらずに、ピニングすることができる。さらに、液滴が速やかにゲル化するため、液滴中に酸素が入り込みにくく、光重合性化合物の硬化が酸素によって阻害されにくい。
記録媒体は、紙であってもよく、樹脂フィルムであってもよい。紙の例には、印刷用コート紙、印刷用コート紙Bなどが含まれる。また、樹脂フィルムの例には、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリプロピレンフィルム、塩化ビニルフィルムなどが含まれる。
ここで、インクジェット記録ヘッドからカラーインクの液滴を吐出することによって、記録媒体上にカラーインクの液滴が付着する。カラーインクの液滴が着弾する際の記録媒体の温度は、当該インクのゲル化温度よりも10〜20℃低い温度に設定されていることが好ましい。記録媒体の温度が低すぎると、カラーインクの液滴が過剰に迅速にゲル化してピニングしてしまう。一方で、記録媒体の温度が高すぎると、インク液滴がゲル化しにくくなり、インク液滴の隣り合うドット同士が混じりあうことがある。記録媒体の温度を適切に調整することで、インク液滴の隣り合うドット同士が混じり合わない程度の適度なレベリングと、適切なピニングとが実現される。
記録媒体の搬送速度は、30〜120m/sであることが好ましい。搬送速度が速いほど画像形成速度が速まるので好ましいが、搬送速度が速すぎると、画像品質が低下したり、カラーインクの光硬化(後述)が不十分になったりする。
(b)工程について
上述のクリアインクの液滴を、インクジェット記録装置のインクジェット記録ヘッド部から吐出する。クリアインク液滴の吐出性を高めるためにも、インクジェット記録ヘッド内のインクジェットインクの温度を、クリアインクのゲル化温度より10〜30℃高い温度に設定することが好ましい。インクジェット記録ヘッド内のインク温度が、ゲル化温度+10℃未満であると、インクジェット記録ヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インク液滴の吐出性が低下しやすい。一方、インクジェット記録ヘッド内のインクの温度が、ゲル化温度+30℃を超えると、クリアインクが高温になりすぎるため、クリアインク成分が劣化することがある。
インクジェット記録ヘッドの各ノズルから吐出されるクリアインク1滴あたりの液滴量は、クリアインクの粘度等にもよるが、0.5〜10plであることが好ましく、所望の領域のみに吐出するためには、0.5〜4.0plであることがより好ましい。このような量のクリアインクを塗布しても、本発明のクリアインクではゾルゲル相転移が行われるため、クリアインクが過剰に濡れ広がらず、所望の箇所にのみ吐出することができる。
記録媒体に着弾したクリアインクの液滴は冷却されてゾルゲル相転移によりにゲル化する。これにより、クリアインクの液滴が拡散せずに、ピニングすることができる。また、液滴が速やかにゲル化するため、液滴中に酸素が入り込みにくく、光重合性化合物の硬化が酸素によって阻害されにくい。
クリアインクを塗布する際の記録媒体の温度は、カラーインクの滴下時の温度と異なってもよいが、通常は同じ温度とする。本発明のインクジェットインクセットでは、クリアインク滴下時の記録媒体の温度を、カラーインク滴下時の記録媒体の温度と同じ温度としても、クリアインクが十分にレベリングする。
(c)工程について
記録媒体に着弾したカラーインク液滴及びクリアインク液滴にLED光源から光を照射することで、カラーインク液滴及びクリアインク液滴に含有される光重合性化合物を架橋又は重合させて各インク液滴を硬化させる。前述のように、カラーインクの液滴及びクリアインクの液滴を一括して硬化させてもよく、またカラーインクの液滴及びクリアインクの液滴を、それぞれ個別に硬化させてもよい。
記録媒体に付着したカラーインク液滴、及びクリアインク液滴に照射する光は、LED光源からの紫外線であることが好ましい。具体例には、Phoseon Technology社製 395nm、水冷LED等が含まれる。カラーインク液滴及びクリアインク液滴を個別に硬化させる場合には、これらを同種の光源としてもよく、異なる光源としてもよい。一般的な紫外線の光源として、メタルハライドランプが挙げられるが、LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によってカラーインクやクリアインクの液滴が溶ける;すなわち、インク液滴の硬化膜表面に硬化不良が生じることを抑制できる。
LED光源は、360〜410nmの紫外線を画像表面におけるピーク照度が0.5〜10W/cmとなるように設置され、1〜5W/cmとなるように設置することがより好ましい。画像に照射される光量は、500mJ/cm未満となるようにする。輻射熱がインク液滴に照射されることを抑制するためである。
(インクジェット記録装置)
上記画像形成方法は、活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置により行うことができる。活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置には、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のものと、シリアル記録方式のものと、がある。求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式)が好ましい。
図1Aはライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例の側面図であり、図1Bはその上面図である。また図2Aはライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の他の例の側面図であり、図2Bはその上面図である。
図1A、図1B及び図2A、図2Bに示されるように、インクジェット記録装置10は、複数のインクジェット記録ヘッド14を収容するヘッドキャリッジ16(16a、16b)と、ヘッドキャリッジ16に接続したインク流路30と、インク流路30を通じて供給するインクを貯留するインクタンク31と、記録媒体12の全幅を覆い、かつヘッドキャリッジ16の(記録媒体の搬送方向)下流側に配置された光照射部18(18a、18b)と、記録媒体12の下面に配置された温度制御部19と、を有する。
図1A、図1Bのインクジェット記録装置10では、カラーインク用のヘッドキャリッジ16aと、カラーインク液滴硬化用の光照射部18a、クリアインク用のヘッドキャリッジ16b、クリアインク液滴硬化用の光照射部18bがこの順に配設されている。この装置では、カラーインクの液滴及びクリアインクの液滴を、それぞれ個別に硬化させることができる。
一方、図2A、図2Bのインクジェット記録装置10は、クリアインク用のヘッドキャリッジ16bと、カラーインク用のヘッドキャリッジ16aと、光照射部18がこの順に配設されている。この装置では、記録媒体12に先にクリアインクを吐出し、このクリアインク上にカラーインクを吐出し、光照射部18でカラーインク及びクリアインクの液滴を一括露光する。
インクジェット記録装置10のヘッドキャリッジ16には、カラーインク用のヘッドキャリッジ16a、及びクリアインク用のヘッドキャリッジ16bが含まれる。カラーインク用のヘッドキャリッジ16aには、各色用のヘッドキャリッジが含まれる。ヘッドキャリッジ16は、例えば図1Bに示すように、記録媒体12の全幅を覆うように固定配置され、複数のインクジェット記録ヘッド14を収容する。
インクジェット記録ヘッド14にはカラーインクもしくはクリアインクが供給されるようになっている。たとえば、インクジェット記録装置10に着脱自在に装着された不図示のインクカートリッジ等から、直接又は不図示のインク供給手段によりインクが供給されるようになっていてもよい。
インクジェット記録ヘッド14は、各色ごとに、記録媒体12の搬送方向に複数配置される。記録媒体12の搬送方向に配置されるインクジェット記録ヘッド14の数は、インクジェット記録ヘッド14のノズル密度と、印刷画像の解像度によって設定される。例えば、液滴量2pl、ノズル密度360dpiのインクジェット記録ヘッド14を用いて1440dpiの解像度の画像を形成する場合には、記録媒体12の搬送方向に対して4つのインクジェット記録ヘッド14をずらして配置すればよい。また、液滴量6pl、ノズル密度360dpiのインクジェット記録ヘッド14を用いて720×720dpiの解像度の画像を形成する場合には、2つのインクジェット記録ヘッド14をずらして配置すればよい。dpiとは、2.54cm当たりのインク液滴(ドット)の数を表す。
インクタンク31は、ヘッドキャリッジ16に、インク流路30を介して接続されている。インク流路30は、インクタンク31中のインクをヘッドキャリッジ16に供給する経路である。インク液滴を安定して吐出するため、インクタンク31、インク流路30、ヘッドキャリッジ16及びインクジェット記録ヘッド14のインクを所定の温度に加熱して、ゲル状態を維持する。
光照射部18(18a、及び18b)は、記録媒体12の全幅を覆い、かつ記録媒体の搬送方向についてヘッドキャリッジ16の下流側に配置されている。光照射部18は、インクジェット記録ヘッド14により吐出されて、記録媒体12に着弾したインク液滴に光を照射し、液滴を硬化させる。
温度制御部19は、記録媒体12の下面に配置されており、記録媒体12を所定の温度に維持する。温度制御部19は、例えば図1Aに示すように、カラーインク用ヘッドキャリッジ16a側と、クリアインク用ヘッドキャリッジ16b側とで、分割されていてもよい。温度制御部19は、例えば各種ヒータ等でありうる。
以下、ライン記録方式のインクジェット記録装置10を用いた画像形成方法を説明する。図1A、図1Bの記録装置では、記録媒体12を、インクジェット記録装置10のカラーインク用のヘッドキャリッジ16aと温度制御部19との間に搬送する。一方で、記録媒体12を、温度制御部19により所定の温度に調整する。次いで、カラーインク用のヘッドキャリッジ16aのインクジェット記録ヘッド14から高温のインク液滴を吐出して、記録媒体12上に付着(着弾)させる。その後、必要に応じて、光照射部18aにより、記録媒体12上に付着したカラーインクのインク液滴に光を照射して硬化させる。
さらに、記録媒体12に、クリアインク用のヘッドキャリッジ16bのインクジェット記録ヘッド14から高温のインク液滴を吐出して、記録媒体12上に付着(着弾)させる。その後、光照射部18bにより、記録媒体12上に付着したクリアインクのインク液滴に光を照射して硬化させる。
図2A,図2Bの記録装置では、記録媒体12を、インクジェット記録装置10のクリアインク用のヘッドキャリッジ16bと温度制御部19との間に搬送する。一方で、記録媒体12を、温度制御部19により所定の温度に調整する。次いで、クリアインク用のヘッドキャリッジ16bのインクジェット記録ヘッド14から高温のインク液滴を吐出して、記録媒体12上に付着(着弾)させる。
さらに、記録媒体12を、カラーインク用のヘッドキャリッジ16aの下に搬送し、インクジェット記録ヘッド14から高温のインク液滴を吐出して、記録媒体12上に付着(着弾)させる。その後、光照射部18により、記録媒体12上に付着したクリアインク及びカラーインクのインク液滴に光を照射して硬化させる。
硬化後の総インク液滴膜厚は、1〜20μmであることが好ましい。「総インク液滴膜厚」とは、記録媒体に描画されたカラーインク及びクリアインクの硬化膜からなる厚みの最大値である。
図3は、シリアル記録方式のインクジェット記録装置20の要部の構成の一例を示す図である。図3に示されるように、インクジェット記録装置20は、記録媒体の全幅を覆うように固定配置されたヘッドキャリッジ16(16a及び16b)の代わりに、記録媒体の全幅よりも狭い幅であり、かつ複数のインクジェット記録ヘッド24を収容するヘッドキャリッジ26(26a及び26b)と、ヘッドキャリッジ26を記録媒体12の幅方向に可動させるためのガイド部27(27a及び27b)と、を有する以外は図1A、図1Bと同様に構成されうる。
シリアル記録方式のインクジェット記録装置20では、ヘッドキャリッジ26がガイド部27に沿って記録媒体12の幅方向に移動しながら、ヘッドキャリッジ26に収容されたインクジェット記録ヘッド24からインク液滴を吐出する。ヘッドキャリッジ26が記録媒体12の幅方向に移動しきった後(パス毎に)、記録媒体12を搬送方向に送る。これらの操作以外は、前述のライン記録方式のインクジェット記録装置10とほぼ同様にして画像を記録する。
図3に示す構成のインクジェット記録装置20では、カラーインク及びクリアインクの液滴を、光照射部28で一括して露光するが、必要に応じて、カラーインク用のヘッドキャリッジ26aとクリアインク用のヘッドキャリッジ26bとの間に、カラーインクの液滴を硬化させるための光照射部を配置してもよい。
<インク組成物の調製>
以下の成分を用いて、各実施例および比較例のインクを調製した。
<顔料分散液の調製>
以下の手順で各顔料分散体を調製した。分散剤と分散媒をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌溶解し、室温まで冷却した後、これに顔料を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓した。これをペイントシェーカーにて、所望の粒径になるまで分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
(イエロー顔料分散体)
分散剤1:EFKA7701(BASF社製) 5.6質量部
分散剤2:Solsperse22000(日本ルーブリゾール社製) 0.4質量部
分散媒:トリプロピレングリコールジアクリレート(0.2%UV−10含有) 80.6質量部
顔料:PY185(BASF社製、パリオトールイエローD1155) 13.4質量部
(マゼンタ顔料分散体)
分散剤:JET−9151(BYK社製) 11質量部
分散媒:トリプロピレングリコールジアクリレート(0.2%UV−10含有) 69質量部
顔料:PV19/PR202(BASF製、セイシンカシャマゼンタ2BC) 20質量部
(シアン顔料分散体)
分散剤:JET−9151(BYK社製) 7質量部
分散媒:トリプロピレングリコールジアクリレート(0.2%UV−10含有) 70質量部
顔料:PB15:4(大日精化製、クロモファインブルー6332JC) 23質量部
(ブラック顔料分散体)
分散剤:JET−9151(BYK社製) 7質量部
分散媒:トリプロピレングリコールジアクリレート(0.2%UV−10含有) 70質量部
顔料:PB7(三菱化学社製、MA−7) 23質量部
(ゲル化剤)
カオーワックスT1(花王株式会社製 ジステアリルケトン)
ユニスターM−2222SL(日油株式会社製 ベヘニル酸ベヘニル)
18−Pentatriacontanon(Alfa Aeser社製)
Hentriacontan−16−on(Alfa Aeser社製)
エキセパールSS(花王株式会社製)
(光重合性化合物(重合性モノマー))
APG−200(新中村化学社製 トリプロピレングリコールジアクリレート)
A−600(新中村化学社製 ポリエチレングリコール#600ジアクリレート)
SR499(サートマー社製 6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)
M360(ミオン社製 3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート)
(光重合性化合物(重合性オリゴマー))
Etercure6361-100(Eternal Chemical社製 ハイパーブランチポリエステルアクリレート)
CN2270(サートマー社製 脂肪族ポリエステルアクリレート)
(光重合開始剤)
TPO(BASF社製)
819(BASF社製)
ITX(LAMBSON社製)
(重合禁止剤)
Irgastab UV10(チバジャパン社製)
(界面活性剤)
TSF−4452(東芝シリコーン社製)
表1および表2に記載されたインクの組成にしたがって各成分と上記顔料分散液を各質量部混合して、80℃に加熱して攪拌した。得られた溶液を加熱下において、ADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過を行った。そして、後述の評価基準に従って、画像について評価を行った。
Figure 2015040281
Figure 2015040281
<インクジェット画像の形成>
図1A、図1Bまたは図2A、図2Bに示すピエゾ型インクジェット記録ヘッドを備えたラインヘッド方式のインクジェット記録装置のシアンインク用ヘッドキャリッジ16aにシアンインクを装填し、クリアインク用ヘッドキャリッジ16bにクリアインクを装填し、シアン単色の画像を形成した。
インクジェット記録装置のインク供給系は、インクタンク、供給パイプ、記録ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなるものとした。前室インクタンクから記録ヘッド部分まで断熱して、インクのゲル化温度+30℃に加温した。また、ピエゾヘッドにもヒーターを内蔵させ、記録ヘッド内のインク温度を上記温度に加熱した。ピエゾヘッドはノズル径24μmで、図1Bに示すようにノズル解像度600dpiのヘッドを千鳥に配置して1200dpiのノズル列を形成した。
記録媒体は、下記の印刷用コート紙に記録した。
・OKトップコート+ (米坪量104.7g/m 王子製紙製)
・OKトップコートマットN (米坪量104.7g/m 王子製紙製)
・OK金藤+ (米坪量127.9g/m 王子製紙製)
・SA金藤+ (米坪量127.9g/m 王子製紙製)
記録媒体は搬送台に吸着させて搬送した。この時吸着台の温度を調節し、インク液滴着弾時、及びUV露光中の記録媒体表面の温度を一定とした。各実施例及び比較例における記録媒体の温度を表3に示す。
ヘッドからのカラーインクの1滴の液滴量が3.5pl、クリアインクの1滴の液滴量が4plとし、1200dpi×1200dpiの記録解像度とした。記録速度は800mm/sとした。dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
YMCKのカラーインクを用いて、MS明朝体の5ポイント、7ポイントの「優」という文字のポジとネガ(白抜き文字)、YMCKBGRの階調チャートおよび、自然画、5cm×5cmのベタ画像を含んだ、評価チャートを印字後、画線率100%でクリアインクを全面に印字して画像を作成した。
カラーインク及びクリアインクをUV露光し、各インクを硬化させた。試料2以外は、カラーインク及びクリアインクの両方を記録媒体に吐出後、一括して露光を行った。試料2では、カラー画像を作成後、カラーインクのみを露光し、その後、クリアインクを塗布して、再度露光した。
露光は、LEDランプ(発光中心波長395nm、記録媒体とランプの距離2mm、最大出力7000mW/cm)とした。また、上記の画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。
<形成画像の評価>
形成した画像を、以下の方法で評価した。
(文字品質の評価)
得られた文字を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:5ポイント文字のネガ、ポジ何れも細部の潰れなく再現出来ている
△:5ポイント文字のポジで細部の潰れが見られるが、十分に判読が可能であり、7ポイント文字は潰れなく再現出来ている
×:7ポイント文字のネガおよびポジで細部が潰れている
(マット感の評価)
JIS K 5600で規定される方法にて、60度光沢値を測定した。
○:表面光沢値が20以下で、全面に均一なマット感がある
△:表面光沢値が20〜30以下で、僅かに光沢バラつきがあるが、全体的には違和感が少ない
×:表面光沢が40より高く、光沢感が強い
(レリーフ感の評価)
得られた階調チャートを目視で観察し、下記の基準で評価した。ここで、レリーフ感とは画像濃度差の異なる境界で発生する段差による凹凸感のことを指す。
○:レリーフ感が全くなく、均一にマット調の画像である
△:部分的に凹凸を感じる部分がある
×:全体に凹凸が大きく、レリーフ感が顕著であり、画像部と基材の違和感が大きく使用に耐えない
(擦過性の評価)
5cm×5cmのベタ画像に、「JIS規格 K5701−1 6.2.3 耐摩擦性試験」に記載の方法に則り、適切な大きさに切り取った記録媒体を画像上に設置し、荷重をかけて擦り合わせた。その後、画像濃度低下の程度を目視観察し、下記の基準で評価した。
○:100回以上擦っても、画像の変化がまったく認められない
△:100回擦った段階で画像濃度の低下が認められるが、実用上許容範囲にある
×:50回未満の擦りで、明らかな画像濃度低下が認められ、実用に耐えない品質である
Figure 2015040281
表3より、実施例1〜17については、いずれの評価項目においても、良好な結果が得られた。なお、表記していないが貯蔵安定性および吐出安定性も良好であった。
10、20 インクジェット記録装置
12 記録媒体
14、24 インクジェット記録ヘッド
16、26 ヘッドキャリッジ
18、28 光照射部
19 温度制御部
27 ガイド部

Claims (5)

  1. 光重合性化合物、光重合開始剤、ゲル化剤、及び色材を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有し、温度によりゾルゲル相転移するカラーインクと、
    光重合性化合物、光重合開始剤、及びゲル化剤を含み、40℃以上100℃未満に相転移点を有し、温度によりゾルゲル相転移するクリアインクとを有するインクジェットインクセットであり、
    前記クリアインクのゲル転移温度が前記カラーインクのゲル転移温度よりも高いことを特徴とするインクセット。
  2. 前記クリアインクおよび前記カラーインクに含まれるゲル化剤量が0.1〜10質量%で、前記クリアインクに含まれる前記ゲル化剤量が、前記カラーインクに含まれるゲル化剤量より多いことを特徴とする請求項1記載のインクセット。
  3. 前記クリアインクおよび前記カラーインクが、前記ゲル化剤として、脂肪族ケトン化合物と脂肪族エステル化合物を含み、前記クリアインクに含まれる脂肪族ケトン化合物がクリアインクに含まれるゲル化剤総量の60〜95%であり、かつ前記カラーインクに含有される脂肪族ケトン化合物の量よりも多いことを特徴とする請求項1または2に記載のインクセット。
  4. 前記クリアインクおよび前記カラーインクが、さらに界面活性剤を含み、
    前記クリアインクに含まれる界面活性剤量が、前記カラーインクに含まれる界面活性剤量よりも多いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクセットを用い、前記カラーインクのインク液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出させて記録媒体上に付着させる工程と、
    前記インクセットの前記クリアインクの液滴を、インクジェット記録ヘッドから吐出させて記録媒体上に付着させる工程と、
    前記記録媒体上に着弾したカラーインクの液滴及び前記クリアインクの液滴に、活性光線を照射し、各液滴を硬化させる工程と、を有することを特徴とする画像形成方法。
JP2013173354A 2013-08-23 2013-08-23 インクセット及びこれを用いた画像形成方法 Active JP6303330B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013173354A JP6303330B2 (ja) 2013-08-23 2013-08-23 インクセット及びこれを用いた画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013173354A JP6303330B2 (ja) 2013-08-23 2013-08-23 インクセット及びこれを用いた画像形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015040281A true JP2015040281A (ja) 2015-03-02
JP6303330B2 JP6303330B2 (ja) 2018-04-04

Family

ID=52694627

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013173354A Active JP6303330B2 (ja) 2013-08-23 2013-08-23 インクセット及びこれを用いた画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6303330B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015137506A1 (ja) * 2014-03-14 2015-09-17 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェットインク、充填方法および画像形成方法
JP2016172819A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェットインク、画像形成方法およびインクセット
WO2017169371A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 富士フイルム株式会社 インクセット及び画像形成方法
US10385227B2 (en) 2015-07-21 2019-08-20 Konica Minolta, Inc. Inkjet recording method using colored ink
JP2020117620A (ja) * 2019-01-23 2020-08-06 コニカミノルタ株式会社 インクジェット用の活性線硬化型インク、画像形成方法および画像形成装置
CN114040946A (zh) * 2019-07-02 2022-02-11 柯尼卡美能达株式会社 热固化性喷墨墨

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11188866A (ja) * 1997-12-25 1999-07-13 Brother Ind Ltd 画像形成装置
JP2006035688A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Konica Minolta Medical & Graphic Inc インクジェット記録装置
JP2007063553A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Oce Technologies Bv 放射線硬化型インクにて基材への印刷を行うための方法、およびこの方法への適用に適したインク
WO2011065095A1 (ja) * 2009-11-30 2011-06-03 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット画像形成方法及びインクジェットインクセット
JP2011202030A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インクセット
WO2012132406A1 (ja) * 2011-03-28 2012-10-04 コニカミノルタホールディングス株式会社 活性線硬化型インクジェット用インクおよびそれを用いた画像記録方法
US20140213684A1 (en) * 2013-01-28 2014-07-31 Xerox Corporation Curable inks comprising bis-urea gelators

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11188866A (ja) * 1997-12-25 1999-07-13 Brother Ind Ltd 画像形成装置
JP2006035688A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Konica Minolta Medical & Graphic Inc インクジェット記録装置
JP2007063553A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Oce Technologies Bv 放射線硬化型インクにて基材への印刷を行うための方法、およびこの方法への適用に適したインク
JP2009510184A (ja) * 2005-09-01 2009-03-12 オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー 放射線硬化性インクジェットインクおよびこのインクを用いて被印刷物を印刷する方法
WO2011065095A1 (ja) * 2009-11-30 2011-06-03 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット画像形成方法及びインクジェットインクセット
JP2011202030A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インクセット
WO2012132406A1 (ja) * 2011-03-28 2012-10-04 コニカミノルタホールディングス株式会社 活性線硬化型インクジェット用インクおよびそれを用いた画像記録方法
US20140213684A1 (en) * 2013-01-28 2014-07-31 Xerox Corporation Curable inks comprising bis-urea gelators

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015137506A1 (ja) * 2014-03-14 2015-09-17 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェットインク、充填方法および画像形成方法
JP2016172819A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェットインク、画像形成方法およびインクセット
US10385227B2 (en) 2015-07-21 2019-08-20 Konica Minolta, Inc. Inkjet recording method using colored ink
WO2017169371A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 富士フイルム株式会社 インクセット及び画像形成方法
JPWO2017169371A1 (ja) * 2016-03-31 2018-09-20 富士フイルム株式会社 インクセット及び画像形成方法
CN108884348A (zh) * 2016-03-31 2018-11-23 富士胶片株式会社 油墨组以及图像形成方法
US10435577B2 (en) 2016-03-31 2019-10-08 Fujifilm Corporation Ink set and image forming method
JP2020117620A (ja) * 2019-01-23 2020-08-06 コニカミノルタ株式会社 インクジェット用の活性線硬化型インク、画像形成方法および画像形成装置
US11578223B2 (en) 2019-01-23 2023-02-14 Konica Minolta, Inc. Actinic radiation-curable inkjet ink, image forming method and image forming apparatus
JP7243215B2 (ja) 2019-01-23 2023-03-22 コニカミノルタ株式会社 インクジェット用の活性線硬化型インク、画像形成方法および画像形成装置
CN114040946A (zh) * 2019-07-02 2022-02-11 柯尼卡美能达株式会社 热固化性喷墨墨
CN114040946B (zh) * 2019-07-02 2023-10-13 柯尼卡美能达株式会社 热固化性喷墨墨

Also Published As

Publication number Publication date
JP6303330B2 (ja) 2018-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5991371B2 (ja) インクジェットインクセット、及びこれを用いた画像形成方法
JP5780358B2 (ja) 画像形成方法
JP5659619B2 (ja) インクジェット記録方法
JP6176240B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク、及びこれを用いた画像形成方法
JP5573485B2 (ja) インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP5741870B2 (ja) 活性線硬化型インクジェット用インクおよびそれを用いた画像記録方法
JP5880228B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク、及びこれを用いた画像形成方法
JP5880244B2 (ja) 画像形成方法
WO2012023368A1 (ja) 活性光線硬化型インク及び活性光線硬化型インクジェット記録方法
JP5880257B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク及び画像形成方法
JP6303330B2 (ja) インクセット及びこれを用いた画像形成方法
JP6451733B2 (ja) 画像形成方法
JP6070698B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク及びこれを用いた画像形成方法
JP5862258B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク、およびインクジェット記録方法
JP6038831B2 (ja) インクジェット記録方法
JP5857866B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク、およびインクジェット記録方法
WO2016002834A1 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク及び画像形成方法
JP6436165B2 (ja) 画像形成方法
JP6303656B2 (ja) ゾルゲル相転移型インクジェットインクを用いたインクジェット記録方法
JP5807608B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク
JP5900517B2 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインクを用いた画像形成方法
JP2019188771A (ja) 画像形成方法、活性光線硬化型インクジェットインク、および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160720

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170606

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171102

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20171110

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20171205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6303330

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150