JP2015040223A - シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物 - Google Patents
シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015040223A JP2015040223A JP2013170479A JP2013170479A JP2015040223A JP 2015040223 A JP2015040223 A JP 2015040223A JP 2013170479 A JP2013170479 A JP 2013170479A JP 2013170479 A JP2013170479 A JP 2013170479A JP 2015040223 A JP2015040223 A JP 2015040223A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- alkyl group
- formula
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Abstract
Description
更に、本発明は、該シリルホスフェートを硬化触媒として用いた紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物に関するものであり、特に縮合反応を用いて室温で硬化する紫外線遮蔽性ハードコート膜を与えることができるシリコーンコーティング組成物(オルガノポリシロキサン組成物)に関するものである。
更に、本発明は、金属、セラミックス、ガラス等の基材表面に、高硬度透明かつUV遮蔽性に優れた硬化被膜を形成することができ、かつ、室温での硬化性に優れる紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物を提供することを目的とする。
〔1〕
(A)リン酸:1モルに対し、
(B)一般式[I]のオルガノアルコキシシラン:1〜10モル、
(C)一般式[II]の紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシラン:0〜0.8モル
を用いて、80℃以下の温度で加水分解縮合反応させ、生成するアルコールを加熱留去することを特徴とするシリルホスフェートの製造方法。
R2Si(OR1)2 [I]
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。)
R3RaSi(OR2)3-a [II]
(式中、R3は紫外線吸収機能を持つ有機基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、aは0又は1である。R2は炭素数1〜5のアルキル基である。)
〔2〕
紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシラン[II]が、下記式(1)で示される構造のベンゾフェノン基含有シラン又は下記式(2)で示される構造のベンゾトリアゾール基含有シランである〔1〕記載のシリルホスフェートの製造方法。
〔3〕
(B)成分のオルガノアルコキシシランが、ジメチルジアルコキシシランである〔2〕又は〔3〕記載のシリルホスフェートの製造方法。
〔4〕
(Z)〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法で得られたシリルホスフェート
3〜30質量部、
(D)〔1〕記載の一般式[I]及び一般式[II]で示されるアルコキシシラン、下記一般式[III]で示されるアルコキシシラン、並びにそれらの加水分解縮合物から選ばれる成分 100質量部、
(E)シリカ微粒子 3〜30質量部、
(F)有機溶剤 0〜500質量部
を含有してなり、かつ、上記(Z)成分と(D)成分のいずれか一方又は双方が紫外線吸収性官能基を有することを特徴とする紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物。
RSi(OR1)3 [III]
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。)
〔5〕
紫外線吸収性官能基の含有量が、(Z)、(D)、(E)成分に由来する硬化膜の合計100質量%中、1〜15質量%である〔4〕記載のシリコーンコーティング組成物。
また、本紫外線吸収性コーティング組成物を用いれば、樹脂基材に塗工した後、室温で速やかに硬化し、透明性、紫外線遮蔽性、硬度、密着性等の特性に優れる硬化膜を加熱やエネルギー線の照射といった特段の設備を使用することなく得ることが可能であり、各種物品の表面保護や紫外線遮蔽機能性付与目的で幅広く使用することができる。
更に、本発明は、UV吸収基含有のシリコーンコーティング組成物に関するものであり、詳しくは、シリルホスフェートを硬化触媒として用いた室温硬化型のオルガノポリシロキサン組成物(シリコーンコーティング組成物)に関するものである。
本発明のシリルホスフェートの製造は、下記(A)〜(C)成分を原料とする製造方法であり、各成分について、以下に詳述する。
(A)リン酸、
(B)オルガノアルコキシシラン、
必要により、
(C)紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシラン。
(A)成分としては、リン酸が使用される。具体的にはオルソリン酸、ポリリン酸等を挙げることができるが、入手の容易さからは、特にオルソリン酸が好ましい。(A)成分は、本発明の目的を損なわない限り、水分を含んでいてもよく、かかる含水リン酸は、純度85%のものが市販されており、容易に入手できる。
(B)成分としては、紫外線吸収性官能基を持たないオルガノアルコキシシランが使用される。本発明に用いることができるオルガノアルコキシシランは、一分子中に2つのアルコキシ基を持つシラン(ジオルガノアルコキシシラン)で、下記一般式[I]で表される。
R2Si(OR1)2 [I]
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8のハロゲン原子、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基等で置換された置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。)
また、R1で表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
(C)成分は、紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシランであり、下記一般式[II]で表される。紫外線吸収性官能基としては、ベンゾフェノン系の骨格あるいはベンゾトリアゾール系の骨格が挙げられる。
R3RaSi(OR2)3-a [II]
(式中、R3は紫外線吸収機能を持つ有機基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、aは0又は1である。R2は炭素数1〜5のアルキル基である。)
ジヒドロキシベンゾフェノンあるいはジヒドロキシベンゾトリアゾールを、最初にケトン系有機溶剤中でハロゲン化アリル及び炭酸カリウムと反応させて、ヒドロキシ−アリロキシベンゾフェノンあるいはヒドロキシ−アリロキシベンゾトリアゾールを生じさせる。このベンゾフェノンあるいはベンゾトリアゾールに白金触媒存在条件下でヒドロアルコキシシランを作用させて、ヒドロキシ−(アルコキシシリルアルコキシ)ベンゾフェノンあるいはヒドロキシフェニル−(アルコキシシリルアルコキシ)ベンゾトリアゾールを生成させる。
本発明のシリルホスフェート製造における各成分の混合比率は、(A)成分1モルに対し、(B)成分を1〜10モル、好ましくは1.5〜5モル、(C)成分を0〜0.8モル、好ましくは0〜0.5モルの範囲とすることが必要である。
シリコーンコーティング組成物に関しては、上述したシリルホスフェートに加え、下記(D)〜(F)成分を原料とする。
(Z)上述した方法で得られたシリルホスフェート、
(D)オルガノアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物、
(E)シリカ微粒子、
必要により、
(F)有機溶剤。
(Z)成分:
本発明のシリコーンコーティング組成物において、本発明の方法で得られたシリルホスフェートの配合量は、(D)成分全体100質量部に対して、3〜30質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量部の範囲である。30質量部より多いと硬化後の膜の硬度が低下したり、膜の耐水性に劣るおそれがあり、3質量部より少ないとシリコーンコーティング組成物の硬化が不十分となるおそれがある。
本発明に用いることができるオルガノアルコキシシランは、上記した一般式[I]、一般式[II]で示されるもの、下記一般式[III]で示されるものを用いることができる。
RSi(OR1)3 [III]
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8のハロゲン原子、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基等で置換された置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。)
また、R1で表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
本発明に用いる(E)成分のシリカ微粒子は、ケイ素酸化物の微細な粒子であり、本発明の硬化組成物において、膜を高硬度化して耐擦傷性を向上させるものである。
また、発明の組成物には、上記以外に、塗工性を向上させるために(F)成分として溶剤を含有させることができる。希釈剤として、有機溶剤、特に、アルコールを含む有機溶剤が好ましく使用される。アルコール単独でもよく、アルコールと他の溶剤の混合物であってもよい。また、アルコール、他の溶剤ともに2種以上を併用してもよい。
本発明によるシリコーンコーティング組成物は、各成分及びその他の成分を混合して得られるが、その混合には当業者に公知のいかなる混合装置も使用することができる。混合装置の具体例としては、各種のミキサ、振盪機、攪拌羽を装備した反応釜等が挙げられる。
このようにして得られたシリコーンコーティング組成物から塗膜を形成するには、基材の上に塗布し溶剤を揮発させればよい。塗布方法としては、通常の塗布方法で基材にコーティングすることができ、例えば、刷毛塗り、スプレー、浸漬、フローコート、ロールコート、カーテンコート、スピンコート、ナイフコート等の各種塗布方法を選択することができる。
ポリカーボネート樹脂は、分子の主鎖にカーボネート結合(−O−COO−)を有する高分子化合物であり、熱可塑性で優れた耐衝撃性を持つ樹脂である。こうした樹脂に、プライマー層を用いてハードコート層を設けても、実用に十分耐えうる密着性を有する材料とすることも可能である。
原料は、以下のものについては購入して入手した。
シリカコロイドは、メタノールに分散したシリカとしてメタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製:平均粒子径10〜20nm、不揮発分30%)を用い、リン酸は、オルソリン酸(純度85%品)を和光純薬(株)より入手し、KBM−22(ジメチルジメトキシシラン)、KBE−22(ジメチルジエトキシシラン)、KBM−13(メチルトリメトキシシラン)、KBE−13(メチルトリエトキシシラン)は、信越化学工業(株)より入手した。
〔合成例1〕紫外線吸収性シラン(II−1)の合成
4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(25.4g、0.1mol)を70mlのトルエン中に溶解した。これに白金触媒PL−50T(信越化学工業(株)製)を63.5mg加え、温度を65℃に上げてトリメトキシシラン(29.3g、0.24mol)を加えた。
温度を約65〜85℃に約1〜2時間保ち、しかる後に反応物を室温まで冷却し、ワコーゲルC−100を5g加え、白金触媒を吸着・ろ過することで除去させた後、トルエンを減圧ストリップにより除き、赤色オイル状物34.8g(0.092mol)を得た。主成物のNMRスペクトルは2−ヒドロキシ−4−トリメトキシシリルプロポキシベンゾフェノンの構造と一致した。収率は92%。このシランは、II−1と略記する。
4−アリロキシ−2−ヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾール(26.7g、0.1mol)を100mlのトルエン中に混合し、温度を50℃に上げて溶解した。これに白金触媒PL−50T(信越化学工業(株)製)を63.5mg加え、温度を65℃に上げて(29.3g、0.24mol)のトリメトキシシランを加えた。
温度を約65〜85℃に約5〜6時間保ち、しかる後に反応物を冷却し、ワコーゲルC−100を5g加え室温で1時間攪拌することで白金触媒を吸着させた後、濾過し、トルエンを減圧ストリップにより除き、黄色固体状物35.2g(0.09mol)を得た。主成物のNMRスペクトルは2−ヒドロキシフェニル−4−トリメトキシシリルプロポキシベンゾトリアゾールの構造と一致した。収率は90%。このシランは、II−2と略記する。
攪拌装置、冷却装置、温度計と滴下ロートを取り付けた容量500mlのフラスコに、メチルトリメトキシシラン(KBM−13,信越化学工業(株)製)115.8g(0.85mol)を仕込み、25℃で攪拌下に0.05N−塩酸水溶液18.8g(1.04mol)を滴下し、副生するメタノールの環流下に2時間加水分解反応させた。これを120℃まで加熱してメタノールを留去した後、室温まで冷却して濾過を行い、多官能メトキシシラン(平均重合度5、粘度5mm2/s)85gを得た。このアルコキシシランオリゴマーは、平均組成MeSi(OMe)1.4O0.8であり、以下これをD−1と略記する。
〔実施例1〕
攪拌装置、乾燥窒素導入口を取り付けた容量300mlのフラスコに、ジメチルジエトキシシラン(KBE−22,信越化学工業(株)製)150g(1,014mモル)と合成例1で得られた紫外線吸収性シラン(II−1)20g(53mモル)との混合物に、リン酸(和光純薬(株)製、純度85%、水分15%含有)35g(304mモル)を15〜25℃で滴下後、室温で1時間攪拌熟成させ、50℃、減圧(2mmHg)で濃縮して、生成したアルコール等105gを除去し、高粘稠透明のオイル100gを得た。
このオイルは、低温でガラス状に固化し、クロロホルム等の溶剤に溶解が困難で、メタノールやエタノール等のアルコールに易解した。NMRスペクトルより、UV吸収基とアルコキシ含有のシリルホスフェートであった。以下これをP−1と略記する。
P−1を10gに、シランモノマーとしてKBE−13(信越化学工業(株)製)を10g加えると易解し、透明な溶液となった。これを石英ガラス上に流し塗りを行って製膜すると、硬化性は良好で1分以内にタックフリーとなり、無色透明なコーティング膜が得られた。
この硬化膜(膜厚約10μm)における波長400nmの光透過率は95%で、波長340nmの光透過率は0%であった。
攪拌装置、乾燥窒素導入口を取り付けた容量300mlのフラスコに、ジメチルジエトキシシラン(KBE−22,信越化学工業(株)製)150g(1,014mモル)と合成例2で得られた紫外線吸収性シラン(II−2)20g(51mモル)との混合物に、リン酸(和光純薬(株)製、純度85%、水分15%含有)35g(304mモル)を15〜25℃で滴下後、室温で1時間攪拌熟成させ、50℃、減圧(2mmHg)で濃縮して、生成したアルコール等104gを除去して、高粘稠透明のオイル102gを得た。
このオイルは、低温でガラス状に固化し、クロロホルム等の溶剤に溶解が困難で、メタノールやエタノール等のアルコールに易解した。NMRスペクトルより、UV吸収基とアルコキシ含有のシリルホスフェートであった。以下これをP−2と略記する。
P−2を10gに、シランモノマーとしてKBE−13(信越化学工業(株)製)を10g加えると易解し、透明な溶液となり、これを実施例1と同様に製膜すると、硬化性は良好で1分以内にタックフリーとなり、無色透明なコーティング膜が得られた。
この硬化膜(膜厚約10μm)における波長400nmの光透過率は66%で、波長340nmの光透過率は0%であった。
攪拌装置、乾燥窒素導入口を取り付けた容量300mlのフラスコに、ジメチルジエトキシシラン(KBE−22,信越化学工業(株)製)160g(1,081mモル)に、リン酸(和光純薬(株)製、純度85%、水分15%含有)35g(304mモル)を15〜25℃で滴下後、室温で1時間攪拌熟成させ、50℃、減圧(2mmHg)で濃縮して、生成したアルコール等105gを除去し、高粘稠透明のオイル90gを得た。このオイルは、低温でガラス状に固化し、クロロホルム等の溶剤に溶解が困難で、メタノールやエタノール等のアルコールに易解した。NMRより、UV吸収基を持たずアルコキシ含有のシリルホスフェートであった。以下これをP−3と略記する。
P−3を10gに、シランモノマーとしてKBE−13(信越化学工業(株)製)を10g加えると易解し、透明な溶液となり、これを実施例1と同様に製膜すると、硬化性は良好で1分以内にタックフリーとなり、無色透明なコーティング膜が得られた。
この硬化膜(膜厚約10μm)における波長400nmの光透過率は100%で、波長340nmの光透過率は98%であった。
ジメチルジエトキシシラン150g(KBE−22,信越化学工業(株)製)をメチルトリエトキシシラン150g(KBE−13,信越化学工業(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様にして製造したところ、ゲル化して均一な溶液は得られなかった。
ジメチルジエトキシシラン150g(KBE−22,信越化学工業(株)製)をメチルトリエトキシシラン150g(KBE−13,信越化学工業(株)製)に変えた以外は、実施例2と同様にして製造したところ、ゲル化して均一な溶液は得られなかった。
以上のシリルホスフェートの配合組成とその物性を表1にまとめた。
〔実施例4〕
乾燥したプラスチック容器に、合成例3で得られたアルコキシシランオリゴマー(D−1)45g、KBM−22(ジメチルジメトキシシラン、信越化学工業(株)製)33g、合成例1で得られた紫外線吸収性シラン(II−1)5g、メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製:不揮発分30%)12gを入れ、硬化触媒として、実施例3で得られたシリルホスフェート(P−3)5gを仕込み、25℃にて振盪機で1時間混合して、コーティング硬化性組成物を製造した。この組成物の物性は、表2に記載した。
実施例4のアルコキシ含有シリルホスフェートP−3を、P−1に変えた以外は実施例4と同様に行った。
実施例4のアルコキシ含有シリルホスフェートP−3を、P−2に変えた以外は実施例4と同様に行った。
実施例4のアルコキシ含有シリルホスフェートP−3を、リン酸に変えた以外は実施例4と同様に行った。
実施例4のアルコキシ含有シリルホスフェートP−3を、Ti触媒(日本曹達(株)製、B−1、テトラブトキシチタネート)に変えた以外は実施例4と同様に行った。
実施例4のアルコキシ含有シリルホスフェートP−3を、Al触媒(ホープ製薬(株)製、ケロープS、エチルアセトアセテートAlジノルマルブチレート/Alノルマルブトキシエチル酢酸エステル複合液体)に変えた以外は実施例4と同様に行った。
乾燥したプラスチック容器に、合成例3で得られたアルコキシシランオリゴマー(D−1)45g、KBM−22(ジメチルジメトキシシラン、信越化学工業(株)製)35g、メタノールシリカゾル12gを入れ、硬化触媒として、実施例1で得られたシリルホスフェート(P−1)8gを仕込み、25℃にて振盪機で1時間混合して、コーティング硬化性組成物を製造した。この組成物の物性は、表2に記載した。
実施例7のアルコキシ含有シリルホスフェートP−1を、P−2に変えた以外は実施例7と同様に行った。
実施例7のアルコキシ含有シリルホスフェートP−1を、P−3に変えた以外は実施例7と同様に行った。
コーティング組成物の物性を下記の方法により評価した。この各液物性を、表1、表2に示した。
粘度は、オストワルド粘度計を用いて測定した25℃の値である。
不揮発分は、アルミシャーレに試料を入れ、オーブンで空気雰囲気下150℃、30分加熱した前後の質量変化から求めた値である。
pHは、pHメーターを用いて測定した25℃の値である。
光学特性の評価は、シリルホスフェートについては石英ガラス上に、ハードコート膜についてはポリカーボネート樹脂フィルム上に、フロー塗工し、25℃/相対湿度65%の雰囲気下で1日間放置して硬化させた。硬化時の膜厚は、約10μmであった。
密着性と擦傷性評価のためのハードコート膜形成については、幅15cm×長さ15cm×厚さ0.5mmのポリカーボネート樹脂フィルム(ユーピロンシート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)の片面に、アクリル系プライマーPC−7A(信越化学工業(株)製)をフローコートし、120℃で1時間硬化させたプライマー層付きポリカーボネート基板を用いた。コーティング組成物を、この上にフロー塗工し、25℃/相対湿度65%の雰囲気下で1日間放置して硬化させた。硬化時の膜厚は、約10μmであった。
得られた硬化膜は、下記の方法により膜物性(膜外観(透明性)、紫外線遮蔽性、膜硬度、密着性、総合評価)を評価した。結果を表2に示す。
PCフィルム(厚さ0.5mm)上に形成した硬化膜の膜外観を目視により観察し、以下の基準に従って透明性を判定した。
○:完全に透明。初期ヘイズが1より小
×:部分的に濁りあり。初期ヘイズが1以上
PCフィルム(厚さ0.5mm)上に形成した硬化膜の紫外線・可視光透過スペクトルを、日立製作所製分光光度計U−3310により、波長340〜420nmの測定を行い、硬化膜の波長340nmの光透過率で紫外線阻止能を評価した。
○:波長340nmの光透過率が5%以下
△:波長340nmの光透過率が5%より大、15%以下
×:波長340nmの光透過率が15%より大
耐摩耗性をテーバー摩耗試験(CS−10研摩紙、500g荷重、20回)後の硬化膜のヘイズ(%)をヘーズメーターで測定した。初期の膜ヘイズとの差により以下の基準に従って判定した。
○:10以下
△:10より大、20以下
×:20より大
JIS K5400に準拠し、試験片をカミソリの刃で2mm間隔の縦横6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作り、市販のセロハン粘着テープ(ニチバン社製)をよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存したマス目数(x)をx/25で表示した。煮沸密着性は、試験片を沸騰した熱水の中に2時間置いた後、試験片を取り出して同様に評価した。
○:25
△:10以上、25より小
×:10より小
○:すべて○か、△が1つ以下
△:△が2つ以下、×がなし
×:×が1つ以上
Claims (5)
- (A)リン酸:1モルに対し、
(B)一般式[I]のオルガノアルコキシシラン:1〜10モル、
(C)一般式[II]の紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシラン:0〜0.8モル
を用いて、80℃以下の温度で加水分解縮合反応させ、生成するアルコールを加熱留去することを特徴とするシリルホスフェートの製造方法。
R2Si(OR1)2 [I]
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。)
R3RaSi(OR2)3-a [II]
(式中、R3は紫外線吸収機能を持つ有機基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、aは0又は1である。R2は炭素数1〜5のアルキル基である。) - (B)成分のオルガノアルコキシシランが、ジメチルジアルコキシシランである請求項2又は3記載のシリルホスフェートの製造方法。
- (Z)請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法で得られたシリルホスフェート
3〜30質量部、
(D)請求項1記載の一般式[I]及び一般式[II]で示されるアルコキシシラン、下記一般式[III]で示されるアルコキシシラン、並びにそれらの加水分解縮合物から選ばれる成分 100質量部、
(E)シリカ微粒子 3〜30質量部、
(F)有機溶剤 0〜500質量部
を含有してなり、かつ、上記(Z)成分と(D)成分のいずれか一方又は双方が紫外線吸収性官能基を有することを特徴とする紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物。
RSi(OR1)3 [III]
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。) - 紫外線吸収性官能基の含有量が、(Z)、(D)、(E)成分に由来する硬化膜の合計100質量%中、1〜15質量%である請求項4記載のシリコーンコーティング組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013170479A JP5967035B2 (ja) | 2013-08-20 | 2013-08-20 | シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013170479A JP5967035B2 (ja) | 2013-08-20 | 2013-08-20 | シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015040223A true JP2015040223A (ja) | 2015-03-02 |
JP5967035B2 JP5967035B2 (ja) | 2016-08-10 |
Family
ID=52694573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013170479A Active JP5967035B2 (ja) | 2013-08-20 | 2013-08-20 | シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5967035B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3178885A1 (en) | 2015-12-08 | 2017-06-14 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Silicone rubber composition and cured product thereof |
WO2019117088A1 (ja) * | 2017-12-11 | 2019-06-20 | 日産化学株式会社 | 窒素含有環を含むシラン化合物を含むコーティング組成物 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07216091A (ja) * | 1994-01-27 | 1995-08-15 | Toray Dow Corning Silicone Co Ltd | シロキサニル・ホスフェートの製造方法 |
-
2013
- 2013-08-20 JP JP2013170479A patent/JP5967035B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07216091A (ja) * | 1994-01-27 | 1995-08-15 | Toray Dow Corning Silicone Co Ltd | シロキサニル・ホスフェートの製造方法 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3178885A1 (en) | 2015-12-08 | 2017-06-14 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Silicone rubber composition and cured product thereof |
US10227453B2 (en) | 2015-12-08 | 2019-03-12 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Silicone rubber composition and cured product thereof |
WO2019117088A1 (ja) * | 2017-12-11 | 2019-06-20 | 日産化学株式会社 | 窒素含有環を含むシラン化合物を含むコーティング組成物 |
JPWO2019117088A1 (ja) * | 2017-12-11 | 2020-12-24 | 日産化学株式会社 | 窒素含有環を含むシラン化合物を含むコーティング組成物 |
JP7284462B2 (ja) | 2017-12-11 | 2023-05-31 | 日産化学株式会社 | 窒素含有環を含むシラン化合物を含むコーティング組成物 |
US11820917B2 (en) | 2017-12-11 | 2023-11-21 | Nissan Chemical Corporation | Coating composition containing silane compound having nitrogen-containing ring |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5967035B2 (ja) | 2016-08-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101486812B1 (ko) | 유연성 있는 열 경화성 실리콘 하드코트들 | |
JP6167870B2 (ja) | 自動車樹脂グレージング用補修塗料及び自動車樹脂グレージングの補修方法 | |
JP6269875B2 (ja) | 有機ケイ素化合物およびその製造方法 | |
JPWO2014196386A1 (ja) | シリコーンコーティング組成物及び被覆物品 | |
JP5471145B2 (ja) | コーティング用組成物及びその被覆物品 | |
KR20010007287A (ko) | 코팅 소재 및 이를 사용하는 식품 포장용 필름 또는 시트 등 | |
JP5910478B2 (ja) | 樹脂用コーティング剤組成物 | |
JP2006505432A (ja) | 塗料組成物及びその製造方法 | |
JP5967035B2 (ja) | シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の製造方法 | |
JP2013129691A (ja) | 酸無水物基含有オルガノシロキサン及びその製造方法 | |
JP2007146031A (ja) | 硬化性ポリメチルシロキサン樹脂、その製造方法、硬化性ポリメチルシロキサン樹脂組成物及びその硬化被膜を有する物品 | |
JP2000086765A (ja) | 有機ケイ素組成物 | |
JP6930354B2 (ja) | 硬化性組成物及びその利用 | |
JP5324278B2 (ja) | ハードコーティング剤 | |
CA3180684A1 (en) | Curable condensation compounds based on alkoxy-functional polysiloxanes | |
CN110678525A (zh) | 用于涂覆的树脂组合物及含其固化产物作为涂层的涂覆膜 | |
US20220185993A1 (en) | Mixed composition | |
JP6673281B2 (ja) | 光硬化型防曇剤 | |
JP5192187B2 (ja) | 光触媒膜用接着層の形成用組成物、光触媒膜用接着層、光触媒膜用接着層の形成方法及び光触媒構造体 | |
CN115667371B (zh) | 有机聚硅氧烷及其制造方法、硬化性组合物、硬化物、涂布剂、具有被覆层的物品 | |
JP7504087B2 (ja) | 樹脂組成物、その製造方法、及び、多液型硬化性樹脂組成物 | |
JP6465061B2 (ja) | コーティング用組成物および被覆物品 | |
WO2017110623A1 (ja) | シリコーン樹脂組成物および半導体発光素子用封止材 | |
JP2010042624A (ja) | 積層体 | |
WO2017141527A1 (ja) | コーティング用組成物および被覆物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150724 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160421 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160426 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160511 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160607 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160620 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5967035 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |