JP2015040223A - シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物 - Google Patents

シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2015040223A
JP2015040223A JP2013170479A JP2013170479A JP2015040223A JP 2015040223 A JP2015040223 A JP 2015040223A JP 2013170479 A JP2013170479 A JP 2013170479A JP 2013170479 A JP2013170479 A JP 2013170479A JP 2015040223 A JP2015040223 A JP 2015040223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
alkyl group
formula
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013170479A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5967035B2 (ja
Inventor
福島 基夫
Motoo Fukushima
基夫 福島
幸正 青木
Yukimasa Aoki
幸正 青木
吉沢 政博
Masahiro Yoshizawa
政博 吉沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2013170479A priority Critical patent/JP5967035B2/ja
Publication of JP2015040223A publication Critical patent/JP2015040223A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5967035B2 publication Critical patent/JP5967035B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

【解決手段】(A)リン酸:1モルに対し、(B)式[I]のオルガノアルコキシシラン:1〜10モル、(C)式[II]の紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシラン:0〜0.8モルを用いて、80℃以下の温度で加水分解縮合反応させ、生成するアルコールを加熱留去するシリルホスフェートの製造方法。R2Si(OR1)2[I](Rはアルキル基、アリール基、アルケニル基及び置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基、R1はアルキル基)R3RaSi(OR2)3-a[II](R3は紫外線吸収機能を持つ有機基、Rはアルキル基、アリール基、アルケニル基及び置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基、aは0又は1、R2はアルキル基)【効果】本発明によれば、塗工して水分が供給されると室温で速やかに硬化する紫外線遮蔽シリコーンハードコート剤用の硬化触媒に適した液体でかつフリーのリン酸の含有率が低いシリルホスフェートを提供できる。【選択図】なし

Description

本発明は、シリルホスフェートの製造方法に関し、詳しくは、シリコーンコーティング組成物の製造工程において、硬化触媒として好適に用いることができるシリルホスフェートを温和な条件下で速やかに製造する方法に関する。
更に、本発明は、該シリルホスフェートを硬化触媒として用いた紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物に関するものであり、特に縮合反応を用いて室温で硬化する紫外線遮蔽性ハードコート膜を与えることができるシリコーンコーティング組成物(オルガノポリシロキサン組成物)に関するものである。
室温で硬化するオルガノポリシロキサン組成物は数多く提案されているが、縮合反応を用いて硬化する組成物のうち商業的に生産されている組成物は、アルコールを発生しながら硬化する脱アルコールタイプ、酢酸を発生しながら硬化する脱酢酸タイプ、ケトンを発生しながら硬化する脱ケトンタイプ、オキシムを発生しながら硬化する脱オキシムタイプ等がある。これらの組成物には、多くの場合、硬化反応のために触媒が添加されており、例えば、チタンアルコキサイド化合物、アルミニウムアルコキサイド化合物、有機スズカルボン酸塩等が公知の触媒としてよく知られている。
さまざまな基材に耐候性を賦与する等の目的で、基材表面にUV遮蔽性のコーティングが施されることが多く、コーティング剤は紫外線吸収剤(本明細書中ではUV吸収剤ともいう)を含んでいるのが通例である。こうしたUV遮蔽性コーティング剤は、ベンゾフェノン類やベンゾトリアゾール類のような紫外線吸収性化合物をコーティング剤中に配合することによって調製できる。ただし、紫外線吸収性化合物自体は長期間外気に暴露されると揮散することが往々にして見受けられ、日光、湿気、熱サイクルに長時間暴露すると、コーティング剤は黄変、層間剥離、微小亀裂形成等を起こして、透明度が減少するという問題があった。
最近、本出願人による特許文献1(特許第4844768号公報)に記載の通り、アルコキシシリル化されたベンゾフェノン誘導体が、低い揮発性に由来するその卓越したUV遮蔽性と光安定性から、コーティングにおける優れたUV吸収剤であることが判明した。また、特許文献2(特開2012−57026号公報)には、UV硬化可能なシリコーンコーティング用組成物が記載され、コーティング剤として応用されている。
こうした透明シリコーンコーティング用組成物について、室温での縮合反応を用いて硬化する組成物に応用しようとした場合、ベンゾフェノン基やベンゾトリアゾール基のような紫外線吸収基を持つ化合物が、本来は可視領域に吸収を持たず無色であるにもかかわらず、硬化触媒として通常使用されているチタンアルコキサイド等の影響で、黄色から赤色といった可視領域に吸収を持つようになり、視認性や外観が悪化するという問題があった。
また、耐擦傷性を向上させるために、シリカ微粒子を使用することは一般的に行われているが、チタンアルコキサイド化合物、アルミニウムアルコキサイド化合物等を硬化触媒として用いた場合、コーティング用組成物とシリカ表面のシラノールとの反応が経時で進行し、ゲル化を引き起こすという問題があり、こうした欠点のない硬化触媒となる化合物の探求が依然として行われている。
リン酸類とケイ素の化合物については、古くから多くの総説、例えば非特許文献1(有機合成化学39巻10号918−932頁(1981))、非特許文献2(有機合成化学43巻12号1163−1166頁(1985))等が出されており、難燃剤、塩基性触媒によるジオルガノポリシロキサンの中和剤等として、シリルホスフェート等のリン酸含有有機ケイ素化合物が検討されている。
シリルホスフェート類のうち、特に、シロキサニル・ホスフェートの製造方法としては、例えば、リン酸又はハロゲン化リン化合物とヘキサオルガノジシロキサンと分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンとを加熱し、生成する水を除去しながら反応させることを特徴とするシロキサニル・ホスフェートの製造方法(特許文献3、特開昭54−89000号公報)、シリルホスフェートの触媒存在下、リン酸と分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンとを反応させることを特徴とするシロキサニル・ホスフェートの製造方法(特許文献4、特開昭54−109924号公報)、ヘキサオルガノジシロキサンを加熱還流下、これにリン酸を徐々に添加して生成した水を除去しながら加熱して調製したシリルホスフェート混合物と環状ジオルガノシロキサンとを反応させることを特徴とするシロキサニル・ホスフェートの製造方法(特許文献5、特開平5−194557号公報)が挙げられる。
しかし、上記公報により提案された製造方法では、反応系中のリン酸添加量を多くしなければ反応の進行が遅く、また温和な条件下ではシロキサニル・ホスフェートの反応が著しく遅いため、150〜200℃の高温で数時間反応を行うことが必要であり、このようにして得られたシロキサニル・ホスフェート中のリン酸含有率はおのずと大きくなるという問題があった。更に、特許文献4及び特許文献5に提案されたシロキサニル・ホスフェートの製造方法では、シリルホスフェートがないと反応が全く進行せず、このため予めシリルホスフェートを調製することが必要であり、シロキサニル・ホスフェートの製造工程が煩雑となるという問題があった。
特許第4844768号公報 特開2012−57026号公報 特開昭54−89000号公報 特開昭54−109924号公報 特開平5−194557号公報
有機合成化学39巻10号918−932頁(1981) 有機合成化学43巻12号1163−1166頁(1985)
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、紫外線を遮蔽できるシリコーンハードコート剤用の硬化触媒として使用できるシリルホスフェートの製造方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、金属、セラミックス、ガラス等の基材表面に、高硬度透明かつUV遮蔽性に優れた硬化被膜を形成することができ、かつ、室温での硬化性に優れる紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、リン酸に対し、紫外線吸収性官能基を有さないアルコキシシランの所定量、及び必要により紫外線吸収性官能基を有するアルコキシシランを用いて80℃以下の温度で加水分解縮合反応させ、生成するアルコールを加熱留去することによって得られたシリルホスフェートが、紫外線遮蔽性ハードコート膜を与えるオルガノポリシロキサン組成物の硬化触媒として有効であることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記のシリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物を提供する。
〔1〕
(A)リン酸:1モルに対し、
(B)一般式[I]のオルガノアルコキシシラン:1〜10モル、
(C)一般式[II]の紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシラン:0〜0.8モル
を用いて、80℃以下の温度で加水分解縮合反応させ、生成するアルコールを加熱留去することを特徴とするシリルホスフェートの製造方法。
2Si(OR12 [I]
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。)
3aSi(OR23-a [II]
(式中、R3は紫外線吸収機能を持つ有機基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、aは0又は1である。R2は炭素数1〜5のアルキル基である。)
〔2〕
紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシラン[II]が、下記式(1)で示される構造のベンゾフェノン基含有シラン又は下記式(2)で示される構造のベンゾトリアゾール基含有シランである〔1〕記載のシリルホスフェートの製造方法。
Figure 2015040223
(式中、Yは炭素数2〜6のアルキレン基を示す。R4、R5はそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基を示す。Xは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。bは0又は1である。)
〔3〕
(B)成分のオルガノアルコキシシランが、ジメチルジアルコキシシランである〔2〕又は〔3〕記載のシリルホスフェートの製造方法。
〔4〕
(Z)〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法で得られたシリルホスフェート
3〜30質量部、
(D)〔1〕記載の一般式[I]及び一般式[II]で示されるアルコキシシラン、下記一般式[III]で示されるアルコキシシラン、並びにそれらの加水分解縮合物から選ばれる成分 100質量部、
(E)シリカ微粒子 3〜30質量部、
(F)有機溶剤 0〜500質量部
を含有してなり、かつ、上記(Z)成分と(D)成分のいずれか一方又は双方が紫外線吸収性官能基を有することを特徴とする紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物。
RSi(OR13 [III]
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。)
〔5〕
紫外線吸収性官能基の含有量が、(Z)、(D)、(E)成分に由来する硬化膜の合計100質量%中、1〜15質量%である〔4〕記載のシリコーンコーティング組成物。
本発明のシリルホスフェートの製造方法によれば、塗工して水分が供給されると室温で速やかに硬化する紫外線遮蔽シリコーンハードコート剤用の硬化触媒に適した液体であり、かつフリーのリン酸の含有率が低いシリルホスフェートを温和な条件下で提供することができる。
また、本紫外線吸収性コーティング組成物を用いれば、樹脂基材に塗工した後、室温で速やかに硬化し、透明性、紫外線遮蔽性、硬度、密着性等の特性に優れる硬化膜を加熱やエネルギー線の照射といった特段の設備を使用することなく得ることが可能であり、各種物品の表面保護や紫外線遮蔽機能性付与目的で幅広く使用することができる。
本発明は、シリルホスフェートの製造方法に関し、液体であり、かつフリーのリン酸の含有率が低いシリルホスフェートを温和な条件下で速やかに製造する方法に関する。
更に、本発明は、UV吸収基含有のシリコーンコーティング組成物に関するものであり、詳しくは、シリルホスフェートを硬化触媒として用いた室温硬化型のオルガノポリシロキサン組成物(シリコーンコーティング組成物)に関するものである。
〔シリルホスフェートの製造方法〕
本発明のシリルホスフェートの製造は、下記(A)〜(C)成分を原料とする製造方法であり、各成分について、以下に詳述する。
(A)リン酸、
(B)オルガノアルコキシシラン、
必要により、
(C)紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシラン。
(A)成分:
(A)成分としては、リン酸が使用される。具体的にはオルソリン酸、ポリリン酸等を挙げることができるが、入手の容易さからは、特にオルソリン酸が好ましい。(A)成分は、本発明の目的を損なわない限り、水分を含んでいてもよく、かかる含水リン酸は、純度85%のものが市販されており、容易に入手できる。
(B)成分:
(B)成分としては、紫外線吸収性官能基を持たないオルガノアルコキシシランが使用される。本発明に用いることができるオルガノアルコキシシランは、一分子中に2つのアルコキシ基を持つシラン(ジオルガノアルコキシシラン)で、下記一般式[I]で表される。
2Si(OR12 [I]
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8のハロゲン原子、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基等で置換された置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。)
一般式[I]において、Rで表される炭素数1〜8の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基のようなアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基のようなアリール基;その他ビニル基のようなアルケニル基、γ−クロロプロピル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基のようなハロゲン、(メタ)アクリロイルオキシ基又はメルカプト基置換アルキル基等が挙げられる。
また、R1で表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
このような基R及びR1を有するオルガノアルコキシシランのうち、代表的なものとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジ−n−プロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。中でも、ケイ素原子の含有量や汎用的で安価、毒性の高いメタノールを生成しない等の点から、ジメチルジエトキシシラン等のジメチルジアルコキシシランを好適に用いることができる。
(C)成分:
(C)成分は、紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシランであり、下記一般式[II]で表される。紫外線吸収性官能基としては、ベンゾフェノン系の骨格あるいはベンゾトリアゾール系の骨格が挙げられる。
3aSi(OR23-a [II]
(式中、R3は紫外線吸収機能を持つ有機基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、aは0又は1である。R2は炭素数1〜5のアルキル基である。)
特に、以下の下記式(1)で示される構造のベンゾフェノン基含有シラン、あるいは下記式(2)で示される構造のベンゾトリアゾール基含有シラン等の紫外線吸収性官能基含有シランが好ましい。
Figure 2015040223
(式中、Yは炭素数2〜6のアルキレン基を示す。R4、R5はそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基を示す。Xは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。bは0又は1である。)
本シランの原料は、2つ以上のヒドロキシ基を有するベンゾフェノン、あるいはベンゾトリアゾールと、アリル基を有するハロゲン類との反応により得られる、アリロキシベンゾフェノン類あるいはアリロキシベンゾトリアゾール類を用いて製造することができる。
本発明において用いられる前記一般式(1)あるいは式(2)で表される紫外線吸収性官能基含有シランは、前記アリロキシベンゾフェノン類あるいはアリロキシベンゾトリアゾール類と、ヒドロシラン化合物とを、白金触媒の存在下に、必要に応じて、トルエン、テトラヒドロフラン等の反応に不活性な溶媒中で、又は無溶媒で反応させることにより合成することができる。ヒドロシラン化合物は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等のアルコキシ基を、1分子中に1〜3個もつヒドロシラン化合物を用いることができる。より好ましくは、トリメトキシシラン、トリエトキシシランである。反応は、室温〜150℃の範囲で行い得るが、好ましくは、25〜100℃で行われる。トリメトキシシランを用いる場合、反応は、常温〜60℃で30分〜2時間程度で完了する。
更に詳しくは、本発明で使用する紫外線吸収性官能基含有シランの製造は、例えば次のようにして製造される。
ジヒドロキシベンゾフェノンあるいはジヒドロキシベンゾトリアゾールを、最初にケトン系有機溶剤中でハロゲン化アリル及び炭酸カリウムと反応させて、ヒドロキシ−アリロキシベンゾフェノンあるいはヒドロキシ−アリロキシベンゾトリアゾールを生じさせる。このベンゾフェノンあるいはベンゾトリアゾールに白金触媒存在条件下でヒドロアルコキシシランを作用させて、ヒドロキシ−(アルコキシシリルアルコキシ)ベンゾフェノンあるいはヒドロキシフェニル−(アルコキシシリルアルコキシ)ベンゾトリアゾールを生成させる。
シリルホスフェートの製造方法:
本発明のシリルホスフェート製造における各成分の混合比率は、(A)成分1モルに対し、(B)成分を1〜10モル、好ましくは1.5〜5モル、(C)成分を0〜0.8モル、好ましくは0〜0.5モルの範囲とすることが必要である。
これは、(A)成分1モルに対し(B)成分が1モルより少ないと、未反応のリン酸が残るため、室温硬化組成物の硬化触媒として使用したときに、使用するオルガノアルコキシシランによっては組成物がゲル化したり、硬化膜の耐水性が悪化したり、遊離したリン酸が膜の白濁を起こしたりすることがある。また、(A)成分1モルに対し(B)成分が10モルより多いと硬化物の硬度が低下し、耐擦傷性が低下するおそれがある。
(A)成分1モルに対し(C)成分が0モルの場合は、室温硬化組成物の硬化触媒として使用したときに使用するオルガノアルコキシシラン((D)成分)の種類によっては紫外線遮蔽性を発現しなくなるため、後述する(D)成分として紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシランを全(D)成分の合計に対して少なくとも3質量%以上使用する必要がある。一方、(A)成分1モルに対し(C)成分が0.8モルより多いとシリルホスフェートがゲル化を起こしたり、シランと相溶性の悪いものとなり、硬化剤組成物の硬化剤としての特性が低下する場合がある。望ましくは、(A)成分1モルに対し(C)成分を0〜0.5モル用いるのがよい。
本発明のシリルホスフェート製造の製造条件について、反応温度は80℃以下であり、好ましくは20〜60℃の範囲内である。反応温度が80℃を超えるとゲル化が起こることがある。また、反応時間は、反応温度により相違するが、好ましくは数分〜数時間の範囲内である。本発明の製造方法においては、反応系中の発熱によるシランの揮発を抑えながら、反応途中で生成するアルコールだけを系外に除去することが好ましい。反応系からアルコールを除去する方法としては、例えば、有機溶媒による共沸による除去、常圧又は減圧下、加熱による除去が挙げられる。
本発明の製造方法において、(A)〜(C)成分を反応させる際、反応系中に有機溶媒を添加することができる。使用できる有機溶媒としては、上記反応を阻害しない極性の溶媒であれば特に限定されず、具体的には、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチルプロパノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(PGMD)等のアルコール系有機溶媒;メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶媒;酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸イソブチル等のエステル系有機溶媒が例示される。
このようにして調製されたシリルホスフェートを湿気遮断下、密閉容器中で貯蔵することにより、その貯蔵安定性を向上させることができる。
〔紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物〕
シリコーンコーティング組成物に関しては、上述したシリルホスフェートに加え、下記(D)〜(F)成分を原料とする。
(Z)上述した方法で得られたシリルホスフェート、
(D)オルガノアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物、
(E)シリカ微粒子、
必要により、
(F)有機溶剤。
これらの各成分について、以下に詳述する。
(Z)成分:
本発明のシリコーンコーティング組成物において、本発明の方法で得られたシリルホスフェートの配合量は、(D)成分全体100質量部に対して、3〜30質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量部の範囲である。30質量部より多いと硬化後の膜の硬度が低下したり、膜の耐水性に劣るおそれがあり、3質量部より少ないとシリコーンコーティング組成物の硬化が不十分となるおそれがある。
(D)オルガノアルコキシシラン
本発明に用いることができるオルガノアルコキシシランは、上記した一般式[I]、一般式[II]で示されるもの、下記一般式[III]で示されるものを用いることができる。
RSi(OR13 [III]
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8のハロゲン原子、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基等で置換された置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。)
一般式[III]において、Rで表される炭素数1〜8の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基のようなアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基のようなアリール基;その他ビニル基のようなアルケニル基、γ−クロロプロピル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基のような置換アルキル基等が挙げられる。
また、R1で表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
このような基R及びR1を有するオルガノアルコキシシランのうち、代表的なものとしては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ケイ素原子の含有量や架橋密度等の点から、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランを好適に用いることができる。これらのオルガノアルコキシシランは、単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。
(D)成分のオルガノアルコキシシラン(一般式[I]、一般式[II]、一般式[III])の比率は、式[I]+式[II]+式[III]のオルガノアルコキシシランの合計を100質量部とした場合、通常、式[I]のオルガノアルコキシシラン20〜80質量部、式[II]のオルガノアルコキシシラン0〜30質量部、式[III]のオルガノアルコキシシラン20〜80質量部を用いることができる。(D)成分の合計100質量部に対して式[I]のオルガノアルコキシシランが20質量部より少ないか式[III]のオルガノアルコキシシランが80質量部より多いと硬化膜がクラックを起こすことがあり、(D)成分の合計100質量部に対して式[I]のオルガノアルコキシシランが80質量部より多いか式[V]のオルガノアルコキシシランが20質量部より少ないと硬化膜が十分な硬度を発現できないことがある。
(D)成分中の式[II]のオルガノアルコキシシランが0質量部の場合は、室温硬化組成物の硬化触媒として使用したときに使用するオルガノアルコキシシランに紫外線遮蔽性が発現しなくなるため、硬化触媒として用いるシリルホスフェート中に紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシラン((C)成分)を(D)成分の合計に対して少なくとも3質量%以上使用する必要がある。(D)成分の合計100質量部のうち、式[II]のオルガノアルコキシシランが30質量部より多いと硬化物が高価になり、また、他の成分と相溶性の悪いものとなり白濁を生じることがあり、硬化物としての透明特性が低下する場合がある。
なお、本発明の紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物においては、上記(Z)、(D)、(E)成分に由来する硬化膜(組成物の有効成分)100質量%中、紫外線吸収性官能基(ベンゾフェノン基、ベンゾトリアゾール基)が1〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%、特に1.5〜10質量%含有していることが好ましい。1質量%より少ないと十分な紫外線吸収効果が得られない場合があり、15質量%より多いと膜硬度や密着性といったコーティング膜としての特性が不良となる場合がある。
また、(D)成分としては、これらのシランの加水分解縮合物でも良い。加水分解縮合物の過度の使用は、膜硬度の低下や粘度の上昇による加工性の低下をもたらすため、シリコーンコーティング組成物の有効成分全体の50質量%以下にとどめることが望ましい。
シラン加水分解縮合物としては、水と酸性化合物を加えて加水分解縮合させたものを使用することができる。水の量は、オルガノアルコキシシラン1モルに対して2〜10モル、好ましくは2.5〜4モルの範囲内である。オルガノアルコキシシランの加水分解縮合反応に用いる酸性化合物としては、例えば蟻酸、酢酸、蓚酸のような有機酸や、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸のような無機酸が挙げられ、硝酸、塩酸のような揮発性の高い無機酸を好適に用いることができる。この酸性化合物の使用量は、オルガノアルコキシシラン1モルに対して塩酸換算で2〜200ppm、好ましくは3〜50ppmの範囲内である。
ここで、特に最適な酸性化合物の使用量は、オルガノアルコキシシランの加水分解速度の違いによって変化する。例えば、メチルトリメトキシシランの場合は、非常に加水分解速度が大きいことから、酸性化合物の使用量は3〜20ppmが好ましい。また、メチルトリエトキシシランの場合は、メチルトリメトキシシランに比べると加水分解速度が小さいことから、酸性化合物の使用量は5〜50ppmが好ましい。
本発明のオルガノアルコキシシランの加水分解縮合反応は、50℃以上の温度で行うことが好ましい。50℃より低い温度の場合、加水分解速度が低下し、未反応のアルコキシ基を残したオルガノポリシロキサンとなり、また反応時間も長くなり生産性が低下するので好ましくない。また、この加水分解縮合反応には、アルコール類、エステル類、ケトンエーテル類のような各種有機溶剤を用いることができる。反応は有機溶剤を加熱還流させながら行うのが好ましい。このことから、前記の加水分解縮合反応は、0〜150℃の温度、更に約30〜120℃の温度で行うことが好ましい。反応時間は、用いるオルガノアルコキシシランの種類や反応温度のような諸条件により異なるが、通常、1〜15時間である。
次いで、得られた部分加水分解縮合物溶液を冷却し、50℃以下の温度で熟成してもよい。熟成時の温度は、0〜50℃、好ましくは10〜30℃である。また、熟成時間は、用いるオルガノアルコキシシランの種類や熟成温度のような諸条件により異なるが、通常、1〜12時間である。なお、熟成中の攪拌操作は所望により行うことができる。加水分解縮合反応で生成したポリシロキサン表面の活性なシラノール基が、分子間で縮合するよりも分子内で縮合し、例えばラダー型のポリマーになる等して、より安定な構造に変化していると考えられる。
(E)成分:
本発明に用いる(E)成分のシリカ微粒子は、ケイ素酸化物の微細な粒子であり、本発明の硬化組成物において、膜を高硬度化して耐擦傷性を向上させるものである。
本シリカは、本発明の目的を損なわない限り、表面が加水分解性ケイ素基やシラノール基により修飾されていてもよいし、未修飾であってもよい。かかるシリカは、溶媒の分散体形態で入手できる。かかる分散媒として、具体的には、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチルプロパノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールのようなアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(PGMD)のようなエーテルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなエーテルアセテート類;ジメチルアセトアミド、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン等が例示される。特に、メタノールのようなアルコール類やプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)のようなエーテルアセテート類を分散媒として用いることが好ましい。以下、シリカとそれを分散させている分散媒との一体物をシリカコロイド分散液という。
シリカ微粒子の平均粒子径は、その分散性の点から200nm以下であることが適当であり、平均粒子径が1〜100nmであることが好ましく、1〜50nmであることが特に好ましい。また、シリカコロイド分散液として用いる場合、分散液中のシリカの含有量、すなわち濃度は任意であるが、取り扱いの容易さから5〜50質量%であることが好ましい。耐擦傷性を向上させた硬化剤組成物の硬化剤として用いる場合は、全硬化膜中のシリカ含有量として3〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%がより好ましい。3質量%より少ないと十分な耐擦傷性が発現しないことがあり、30質量%より多いと、塗工性や透明性が悪化することがある。なお、この平均粒子径の測定は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置で行い、粒子径が散乱強度に依存するという光散乱理論をもとに粒子径の体積基準の頻度分布を算術平均したものによる。
(F)成分:
また、発明の組成物には、上記以外に、塗工性を向上させるために(F)成分として溶剤を含有させることができる。希釈剤として、有機溶剤、特に、アルコールを含む有機溶剤が好ましく使用される。アルコール単独でもよく、アルコールと他の溶剤の混合物であってもよい。また、アルコール、他の溶剤ともに2種以上を併用してもよい。
具体的には、アルコールとして、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,ブタノール,イソブチルアルコール,エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,エチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(PGMD)のようなアルコール類が挙げられる。また、アルコール以外の有機溶剤としては、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル等のエステル類が挙げられる。
本発明のシリコーンコーティング組成物において、溶剤の配合量は、(D)成分100質量部に対して、0〜500質量部の範囲であることが好ましく、0〜100質量部の範囲がより好ましい。500質量部より多いと、十分な膜厚が得られず、紫外線遮蔽性が不十分となるおそれがある。
シリコーンコーティング組成物の製造:
本発明によるシリコーンコーティング組成物は、各成分及びその他の成分を混合して得られるが、その混合には当業者に公知のいかなる混合装置も使用することができる。混合装置の具体例としては、各種のミキサ、振盪機、攪拌羽を装備した反応釜等が挙げられる。
本発明によるシリコーンコーティング組成物は、空気中の水分の作用により硬化反応が開始する湿気硬化型組成物として用いるのが一般的である。従って本発明による組成物を1つの包装形態で使用する、いわゆる1液型の場合、組成物の混合及び包装には水分が混入しないように十分注意する必要がある。
塗膜の形成:
このようにして得られたシリコーンコーティング組成物から塗膜を形成するには、基材の上に塗布し溶剤を揮発させればよい。塗布方法としては、通常の塗布方法で基材にコーティングすることができ、例えば、刷毛塗り、スプレー、浸漬、フローコート、ロールコート、カーテンコート、スピンコート、ナイフコート等の各種塗布方法を選択することができる。
本発明によるシリコーンコーティング組成物を基体に塗布、接着させる場合には、組成物の粘度を下げる目的で、有機溶剤で希釈することも可能であるが、水分の混入には十分配慮することが必要である。
ここで用いられる基材としては、金属、ガラス、プラスチック成形体等が挙げられるが、各種プラスチック材料(有機樹脂基材)に好適に使用され、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂等が好ましく、特に機械的強度の高いポリカーボネート樹脂等が最適に用いられる。
ポリカーボネート樹脂は、分子の主鎖にカーボネート結合(−O−COO−)を有する高分子化合物であり、熱可塑性で優れた耐衝撃性を持つ樹脂である。こうした樹脂に、プライマー層を用いてハードコート層を設けても、実用に十分耐えうる密着性を有する材料とすることも可能である。
本発明の組成物の硬化は、加熱してもよいが、室温中に放置して風乾により硬化させることができる。硬化温度、硬化時間は限定されるものではないが、基材の耐熱温度以下で10分〜2時間加熱するのが好ましい。具体的には15〜100℃で30分〜48時間放置するのがより好ましい。更には、25〜30℃で1分以上、十分な硬度を発現させるためには24時間程度放置するのがより好ましい。
各塗膜の厚みは特に制限はなく、0.01〜1,000μm、特に0.5〜200μmであればよいが、塗膜の硬さ、耐擦傷性、長期的に安定な密着性、及びクラックが発生しないことを満たすためには、1〜100μmが好ましい。なお、以上の操作は、繰り返し重ね塗りを行っても良い。
以下、製造例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、Meはメチル基を示す。
1)原料
原料は、以下のものについては購入して入手した。
シリカコロイドは、メタノールに分散したシリカとしてメタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製:平均粒子径10〜20nm、不揮発分30%)を用い、リン酸は、オルソリン酸(純度85%品)を和光純薬(株)より入手し、KBM−22(ジメチルジメトキシシラン)、KBE−22(ジメチルジエトキシシラン)、KBM−13(メチルトリメトキシシラン)、KBE−13(メチルトリエトキシシラン)は、信越化学工業(株)より入手した。
比較硬化触媒は、Ti触媒としてTBT(日本曹達(株)製、B−1、テトラブトキシチタネート)、Al触媒(ホープ製薬(株)製、ケロープS、エチルアセトアセテートAlジノルマルブチレート/Alノルマルブトキシエチル酢酸エステル複合液体)を使用した。
2)アルコキシシラン及びシロキサンオリゴマーの合成
〔合成例1〕紫外線吸収性シラン(II−1)の合成
4−アリロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(25.4g、0.1mol)を70mlのトルエン中に溶解した。これに白金触媒PL−50T(信越化学工業(株)製)を63.5mg加え、温度を65℃に上げてトリメトキシシラン(29.3g、0.24mol)を加えた。
温度を約65〜85℃に約1〜2時間保ち、しかる後に反応物を室温まで冷却し、ワコーゲルC−100を5g加え、白金触媒を吸着・ろ過することで除去させた後、トルエンを減圧ストリップにより除き、赤色オイル状物34.8g(0.092mol)を得た。主成物のNMRスペクトルは2−ヒドロキシ−4−トリメトキシシリルプロポキシベンゾフェノンの構造と一致した。収率は92%。このシランは、II−1と略記する。
〔合成例2〕紫外線吸収性シラン(II−2)の合成
4−アリロキシ−2−ヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾール(26.7g、0.1mol)を100mlのトルエン中に混合し、温度を50℃に上げて溶解した。これに白金触媒PL−50T(信越化学工業(株)製)を63.5mg加え、温度を65℃に上げて(29.3g、0.24mol)のトリメトキシシランを加えた。
温度を約65〜85℃に約5〜6時間保ち、しかる後に反応物を冷却し、ワコーゲルC−100を5g加え室温で1時間攪拌することで白金触媒を吸着させた後、濾過し、トルエンを減圧ストリップにより除き、黄色固体状物35.2g(0.09mol)を得た。主成物のNMRスペクトルは2−ヒドロキシフェニル−4−トリメトキシシリルプロポキシベンゾトリアゾールの構造と一致した。収率は90%。このシランは、II−2と略記する。
〔合成例3〕アルコキシシランオリゴマー(D−1)の合成
攪拌装置、冷却装置、温度計と滴下ロートを取り付けた容量500mlのフラスコに、メチルトリメトキシシラン(KBM−13,信越化学工業(株)製)115.8g(0.85mol)を仕込み、25℃で攪拌下に0.05N−塩酸水溶液18.8g(1.04mol)を滴下し、副生するメタノールの環流下に2時間加水分解反応させた。これを120℃まで加熱してメタノールを留去した後、室温まで冷却して濾過を行い、多官能メトキシシラン(平均重合度5、粘度5mm2/s)85gを得た。このアルコキシシランオリゴマーは、平均組成MeSi(OMe)1.40.8であり、以下これをD−1と略記する。
3)シリルホスフェートの製造
〔実施例1〕
攪拌装置、乾燥窒素導入口を取り付けた容量300mlのフラスコに、ジメチルジエトキシシラン(KBE−22,信越化学工業(株)製)150g(1,014mモル)と合成例1で得られた紫外線吸収性シラン(II−1)20g(53mモル)との混合物に、リン酸(和光純薬(株)製、純度85%、水分15%含有)35g(304mモル)を15〜25℃で滴下後、室温で1時間攪拌熟成させ、50℃、減圧(2mmHg)で濃縮して、生成したアルコール等105gを除去し、高粘稠透明のオイル100gを得た。
このオイルは、低温でガラス状に固化し、クロロホルム等の溶剤に溶解が困難で、メタノールやエタノール等のアルコールに易解した。NMRスペクトルより、UV吸収基とアルコキシ含有のシリルホスフェートであった。以下これをP−1と略記する。
P−1を10gに、シランモノマーとしてKBE−13(信越化学工業(株)製)を10g加えると易解し、透明な溶液となった。これを石英ガラス上に流し塗りを行って製膜すると、硬化性は良好で1分以内にタックフリーとなり、無色透明なコーティング膜が得られた。
この硬化膜(膜厚約10μm)における波長400nmの光透過率は95%で、波長340nmの光透過率は0%であった。
〔実施例2〕
攪拌装置、乾燥窒素導入口を取り付けた容量300mlのフラスコに、ジメチルジエトキシシラン(KBE−22,信越化学工業(株)製)150g(1,014mモル)と合成例2で得られた紫外線吸収性シラン(II−2)20g(51mモル)との混合物に、リン酸(和光純薬(株)製、純度85%、水分15%含有)35g(304mモル)を15〜25℃で滴下後、室温で1時間攪拌熟成させ、50℃、減圧(2mmHg)で濃縮して、生成したアルコール等104gを除去して、高粘稠透明のオイル102gを得た。
このオイルは、低温でガラス状に固化し、クロロホルム等の溶剤に溶解が困難で、メタノールやエタノール等のアルコールに易解した。NMRスペクトルより、UV吸収基とアルコキシ含有のシリルホスフェートであった。以下これをP−2と略記する。
P−2を10gに、シランモノマーとしてKBE−13(信越化学工業(株)製)を10g加えると易解し、透明な溶液となり、これを実施例1と同様に製膜すると、硬化性は良好で1分以内にタックフリーとなり、無色透明なコーティング膜が得られた。
この硬化膜(膜厚約10μm)における波長400nmの光透過率は66%で、波長340nmの光透過率は0%であった。
〔実施例3〕
攪拌装置、乾燥窒素導入口を取り付けた容量300mlのフラスコに、ジメチルジエトキシシラン(KBE−22,信越化学工業(株)製)160g(1,081mモル)に、リン酸(和光純薬(株)製、純度85%、水分15%含有)35g(304mモル)を15〜25℃で滴下後、室温で1時間攪拌熟成させ、50℃、減圧(2mmHg)で濃縮して、生成したアルコール等105gを除去し、高粘稠透明のオイル90gを得た。このオイルは、低温でガラス状に固化し、クロロホルム等の溶剤に溶解が困難で、メタノールやエタノール等のアルコールに易解した。NMRより、UV吸収基を持たずアルコキシ含有のシリルホスフェートであった。以下これをP−3と略記する。
P−3を10gに、シランモノマーとしてKBE−13(信越化学工業(株)製)を10g加えると易解し、透明な溶液となり、これを実施例1と同様に製膜すると、硬化性は良好で1分以内にタックフリーとなり、無色透明なコーティング膜が得られた。
この硬化膜(膜厚約10μm)における波長400nmの光透過率は100%で、波長340nmの光透過率は98%であった。
〔比較例1〕
ジメチルジエトキシシラン150g(KBE−22,信越化学工業(株)製)をメチルトリエトキシシラン150g(KBE−13,信越化学工業(株)製)に変えた以外は、実施例1と同様にして製造したところ、ゲル化して均一な溶液は得られなかった。
〔比較例2〕
ジメチルジエトキシシラン150g(KBE−22,信越化学工業(株)製)をメチルトリエトキシシラン150g(KBE−13,信越化学工業(株)製)に変えた以外は、実施例2と同様にして製造したところ、ゲル化して均一な溶液は得られなかった。
以上のシリルホスフェートの配合組成とその物性を表1にまとめた。
4)コーティング組成物の製造
〔実施例4〕
乾燥したプラスチック容器に、合成例3で得られたアルコキシシランオリゴマー(D−1)45g、KBM−22(ジメチルジメトキシシラン、信越化学工業(株)製)33g、合成例1で得られた紫外線吸収性シラン(II−1)5g、メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製:不揮発分30%)12gを入れ、硬化触媒として、実施例3で得られたシリルホスフェート(P−3)5gを仕込み、25℃にて振盪機で1時間混合して、コーティング硬化性組成物を製造した。この組成物の物性は、表2に記載した。
〔実施例5〕
実施例4のアルコキシ含有シリルホスフェートP−3を、P−1に変えた以外は実施例4と同様に行った。
〔実施例6〕
実施例4のアルコキシ含有シリルホスフェートP−3を、P−2に変えた以外は実施例4と同様に行った。
〔比較例3〕
実施例4のアルコキシ含有シリルホスフェートP−3を、リン酸に変えた以外は実施例4と同様に行った。
〔比較例4〕
実施例4のアルコキシ含有シリルホスフェートP−3を、Ti触媒(日本曹達(株)製、B−1、テトラブトキシチタネート)に変えた以外は実施例4と同様に行った。
〔比較例5〕
実施例4のアルコキシ含有シリルホスフェートP−3を、Al触媒(ホープ製薬(株)製、ケロープS、エチルアセトアセテートAlジノルマルブチレート/Alノルマルブトキシエチル酢酸エステル複合液体)に変えた以外は実施例4と同様に行った。
〔実施例7〕
乾燥したプラスチック容器に、合成例3で得られたアルコキシシランオリゴマー(D−1)45g、KBM−22(ジメチルジメトキシシラン、信越化学工業(株)製)35g、メタノールシリカゾル12gを入れ、硬化触媒として、実施例1で得られたシリルホスフェート(P−1)8gを仕込み、25℃にて振盪機で1時間混合して、コーティング硬化性組成物を製造した。この組成物の物性は、表2に記載した。
〔実施例8〕
実施例7のアルコキシ含有シリルホスフェートP−1を、P−2に変えた以外は実施例7と同様に行った。
〔参考例1〕
実施例7のアルコキシ含有シリルホスフェートP−1を、P−3に変えた以外は実施例7と同様に行った。
5)シリルホスフェート及びコーティング組成物の物性
コーティング組成物の物性を下記の方法により評価した。この各液物性を、表1、表2に示した。
粘度は、オストワルド粘度計を用いて測定した25℃の値である。
不揮発分は、アルミシャーレに試料を入れ、オーブンで空気雰囲気下150℃、30分加熱した前後の質量変化から求めた値である。
pHは、pHメーターを用いて測定した25℃の値である。
6)硬化膜の形成とその物性
光学特性の評価は、シリルホスフェートについては石英ガラス上に、ハードコート膜についてはポリカーボネート樹脂フィルム上に、フロー塗工し、25℃/相対湿度65%の雰囲気下で1日間放置して硬化させた。硬化時の膜厚は、約10μmであった。
密着性と擦傷性評価のためのハードコート膜形成については、幅15cm×長さ15cm×厚さ0.5mmのポリカーボネート樹脂フィルム(ユーピロンシート、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)の片面に、アクリル系プライマーPC−7A(信越化学工業(株)製)をフローコートし、120℃で1時間硬化させたプライマー層付きポリカーボネート基板を用いた。コーティング組成物を、この上にフロー塗工し、25℃/相対湿度65%の雰囲気下で1日間放置して硬化させた。硬化時の膜厚は、約10μmであった。
得られた硬化膜は、下記の方法により膜物性(膜外観(透明性)、紫外線遮蔽性、膜硬度、密着性、総合評価)を評価した。結果を表2に示す。
〈1〉膜外観(透明性)
PCフィルム(厚さ0.5mm)上に形成した硬化膜の膜外観を目視により観察し、以下の基準に従って透明性を判定した。
○:完全に透明。初期ヘイズが1より小
×:部分的に濁りあり。初期ヘイズが1以上
〈2〉紫外線遮蔽性
PCフィルム(厚さ0.5mm)上に形成した硬化膜の紫外線・可視光透過スペクトルを、日立製作所製分光光度計U−3310により、波長340〜420nmの測定を行い、硬化膜の波長340nmの光透過率で紫外線阻止能を評価した。
○:波長340nmの光透過率が5%以下
△:波長340nmの光透過率が5%より大、15%以下
×:波長340nmの光透過率が15%より大
〈3〉耐摩耗性
耐摩耗性をテーバー摩耗試験(CS−10研摩紙、500g荷重、20回)後の硬化膜のヘイズ(%)をヘーズメーターで測定した。初期の膜ヘイズとの差により以下の基準に従って判定した。
○:10以下
△:10より大、20以下
×:20より大
〈4〉密着性
JIS K5400に準拠し、試験片をカミソリの刃で2mm間隔の縦横6本ずつ切れ目を入れて25個の碁盤目を作り、市販のセロハン粘着テープ(ニチバン社製)をよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存したマス目数(x)をx/25で表示した。煮沸密着性は、試験片を沸騰した熱水の中に2時間置いた後、試験片を取り出して同様に評価した。
○:25
△:10以上、25より小
×:10より小
〈5〉総合評価
○:すべて○か、△が1つ以下
△:△が2つ以下、×がなし
×:×が1つ以上
表2の結果より、本発明のハードコーティング剤(実施例4〜8)は、透明性、密着性、耐擦傷性に優れ、かつ、良好な紫外線遮蔽性を有する硬化膜を与えることがわかった。これに対して、UV吸収基を全く用いない系の場合は、紫外線遮蔽性を持たない(参考例1)。
以上の結果から、本発明のシリルホスフェートを硬化触媒として用いた紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物は、常温における硬化性に優れ、透明性、膜の硬度、密着性が良好な硬化被膜の形成が可能であることが認められる。これに対し、他の触媒では、ゲル化が起こり、硬化膜の評価において満足のいくものではなかった。
本発明では、紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物において、シリルホスフェートを硬化触媒として使用しているので、室温において硬化し、しかも硬化途上に接触している基体に良好に接着するという特徴がある。更に、湿気を遮断すれば、長時間保存可能という特徴も合わせて有している。
従って、本発明の紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物は、電気電子工業、計測機器工業、機械工業、土木建築業、容器包装業、医療用具業、食品工業など種々の産業において、ガラス、セラミック、金属、樹脂、紙、繊維等の基剤に対するUV遮蔽できる接着剤や被覆剤として好適に利用することができる。
Figure 2015040223
Figure 2015040223

Claims (5)

  1. (A)リン酸:1モルに対し、
    (B)一般式[I]のオルガノアルコキシシラン:1〜10モル、
    (C)一般式[II]の紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシラン:0〜0.8モル
    を用いて、80℃以下の温度で加水分解縮合反応させ、生成するアルコールを加熱留去することを特徴とするシリルホスフェートの製造方法。
    2Si(OR12 [I]
    (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。)
    3aSi(OR23-a [II]
    (式中、R3は紫外線吸収機能を持つ有機基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、aは0又は1である。R2は炭素数1〜5のアルキル基である。)
  2. 紫外線吸収性官能基を持つアルコキシシラン[II]が、下記式(1)で示される構造のベンゾフェノン基含有シラン又は下記式(2)で示される構造のベンゾトリアゾール基含有シランである請求項1記載のシリルホスフェートの製造方法。
    Figure 2015040223
    (式中、Yは炭素数2〜6のアルキレン基を示す。R4、R5はそれぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基を示す。Xは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。bは0又は1である。)
  3. (B)成分のオルガノアルコキシシランが、ジメチルジアルコキシシランである請求項2又は3記載のシリルホスフェートの製造方法。
  4. (Z)請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法で得られたシリルホスフェート
    3〜30質量部、
    (D)請求項1記載の一般式[I]及び一般式[II]で示されるアルコキシシラン、下記一般式[III]で示されるアルコキシシラン、並びにそれらの加水分解縮合物から選ばれる成分 100質量部、
    (E)シリカ微粒子 3〜30質量部、
    (F)有機溶剤 0〜500質量部
    を含有してなり、かつ、上記(Z)成分と(D)成分のいずれか一方又は双方が紫外線吸収性官能基を有することを特徴とする紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物。
    RSi(OR13 [III]
    (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8の置換アルキル基からなる群より選ばれる有機基であり、R1は炭素数1〜5のアルキル基である。)
  5. 紫外線吸収性官能基の含有量が、(Z)、(D)、(E)成分に由来する硬化膜の合計100質量%中、1〜15質量%である請求項4記載のシリコーンコーティング組成物。
JP2013170479A 2013-08-20 2013-08-20 シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の製造方法 Active JP5967035B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013170479A JP5967035B2 (ja) 2013-08-20 2013-08-20 シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013170479A JP5967035B2 (ja) 2013-08-20 2013-08-20 シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015040223A true JP2015040223A (ja) 2015-03-02
JP5967035B2 JP5967035B2 (ja) 2016-08-10

Family

ID=52694573

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013170479A Active JP5967035B2 (ja) 2013-08-20 2013-08-20 シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5967035B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3178885A1 (en) 2015-12-08 2017-06-14 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Silicone rubber composition and cured product thereof
WO2019117088A1 (ja) * 2017-12-11 2019-06-20 日産化学株式会社 窒素含有環を含むシラン化合物を含むコーティング組成物

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07216091A (ja) * 1994-01-27 1995-08-15 Toray Dow Corning Silicone Co Ltd シロキサニル・ホスフェートの製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07216091A (ja) * 1994-01-27 1995-08-15 Toray Dow Corning Silicone Co Ltd シロキサニル・ホスフェートの製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3178885A1 (en) 2015-12-08 2017-06-14 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Silicone rubber composition and cured product thereof
US10227453B2 (en) 2015-12-08 2019-03-12 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Silicone rubber composition and cured product thereof
WO2019117088A1 (ja) * 2017-12-11 2019-06-20 日産化学株式会社 窒素含有環を含むシラン化合物を含むコーティング組成物
JPWO2019117088A1 (ja) * 2017-12-11 2020-12-24 日産化学株式会社 窒素含有環を含むシラン化合物を含むコーティング組成物
JP7284462B2 (ja) 2017-12-11 2023-05-31 日産化学株式会社 窒素含有環を含むシラン化合物を含むコーティング組成物
US11820917B2 (en) 2017-12-11 2023-11-21 Nissan Chemical Corporation Coating composition containing silane compound having nitrogen-containing ring

Also Published As

Publication number Publication date
JP5967035B2 (ja) 2016-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101486812B1 (ko) 유연성 있는 열 경화성 실리콘 하드코트들
JP6167870B2 (ja) 自動車樹脂グレージング用補修塗料及び自動車樹脂グレージングの補修方法
JP6269875B2 (ja) 有機ケイ素化合物およびその製造方法
JPWO2014196386A1 (ja) シリコーンコーティング組成物及び被覆物品
JP5471145B2 (ja) コーティング用組成物及びその被覆物品
KR20010007287A (ko) 코팅 소재 및 이를 사용하는 식품 포장용 필름 또는 시트 등
JP5910478B2 (ja) 樹脂用コーティング剤組成物
JP2006505432A (ja) 塗料組成物及びその製造方法
JP5967035B2 (ja) シリルホスフェートの製造方法及び紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の製造方法
JP2013129691A (ja) 酸無水物基含有オルガノシロキサン及びその製造方法
JP2007146031A (ja) 硬化性ポリメチルシロキサン樹脂、その製造方法、硬化性ポリメチルシロキサン樹脂組成物及びその硬化被膜を有する物品
JP2000086765A (ja) 有機ケイ素組成物
JP6930354B2 (ja) 硬化性組成物及びその利用
JP5324278B2 (ja) ハードコーティング剤
CA3180684A1 (en) Curable condensation compounds based on alkoxy-functional polysiloxanes
CN110678525A (zh) 用于涂覆的树脂组合物及含其固化产物作为涂层的涂覆膜
US20220185993A1 (en) Mixed composition
JP6673281B2 (ja) 光硬化型防曇剤
JP5192187B2 (ja) 光触媒膜用接着層の形成用組成物、光触媒膜用接着層、光触媒膜用接着層の形成方法及び光触媒構造体
CN115667371B (zh) 有机聚硅氧烷及其制造方法、硬化性组合物、硬化物、涂布剂、具有被覆层的物品
JP7504087B2 (ja) 樹脂組成物、その製造方法、及び、多液型硬化性樹脂組成物
JP6465061B2 (ja) コーティング用組成物および被覆物品
WO2017110623A1 (ja) シリコーン樹脂組成物および半導体発光素子用封止材
JP2010042624A (ja) 積層体
WO2017141527A1 (ja) コーティング用組成物および被覆物品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160511

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5967035

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150