JP2015039870A - 複合フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性の生分解性高分子からなる厚みが5〜100nmの複数のA層と、熱可塑性水溶性高分子からなるB層とが積層された複合フィルムであって、
複合フィルムの厚み方向に沿った断面を見たとき、B層の割合が25〜75%の範囲で、かつ複合フィルム全体の厚みが3μm以上であることを特徴とする共押出成形によって製膜された複合フィルム。
【選択図】なし
Description
しかしながら、提案されたようなこれらのナノシートの製造方法は、簡便ではあるものの、その生産性は低く、工業的には困難であった。
(1)熱可塑性の生分解性高分子からなる厚みが5〜100nmの複数のA層と、熱可塑性水溶性高分子からなるB層とが積層された複合フィルムであって、
複合フィルムの厚み方向に沿った断面を見たとき、B層の割合が25〜75%の範囲で、かつ複合フィルム全体の厚みが3μm以上であることを特徴とする共押出成形によって製膜された複合フィルム。
(2)生分解性高分子の融点(Tma)と水溶性高分子の融点(Tmb)との融点差(△Tm=|Tma−Tmb|)が50℃以下で、生分解性高分子の分解温度(Tda)と水溶性高分子の分解温度(Tdb)とがともにTmaおよびTmbよりも高い上記(1)記載の複合フィルム。
(3)生分解性高分子の融点(Tma)+50℃における生分解性高分子と水溶性高分子との溶融粘度の比(生分解性高分子/水溶性高分子)が、0.1〜10の範囲にある上記(1)記載の複合フィルム。
(4)生分解性高分子が、ポリ乳酸(PLA)、グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリグリコール酸(PGA)およびポリカプロラクトン(PCL)からなる群より得られる少なくとも一種である上記(1)記載の複合フィルム。
(5)水溶性高分子が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、デンプン、セルロースアセテートからなる群より得られる少なくとも一種である上記(1)記載の複合フィルム。
(6)複合フィルムが、A層とB層とを交互に積層した多層フィルムであって、A層とB層の合計総数が、10層以上である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の複合フィルム。
(7)複合フィルムの少なくとも一方の表層の厚みがA層の平均厚みに対し2倍以上でかつ全体の厚みの50%以下である上記(6)記載の複合フィルム。
(8)複合フィルムが少なくとも面内の一方向に延伸された延伸複合フィルムである上記(1)〜(7)のいずれかに記載の複合フィルム。
(9)生体の治療に用いられる上記(1)〜(8)のいずれかに記載の複合フィルム。
(10)熱可塑性の生分解性高分子からなる厚みが5〜100nmA層と、水溶性高分子からなるB層とが積層された全体の厚みが3μm以上である複合フィルムの製造方法であって、
熱可塑性生分解性高分子と熱可塑性水溶性高分子とを、それぞれ溶融状態で生分解性高分子からなるA層と水溶性高分子からなるB層とを積層する共押出工程と、生分解性高分子のガラス転移温度以下に冷却する冷却工程と、得られたフィルムを巻き取る巻取工程とを有し、
該共押出工程において、複合フィルムの厚み方向の断面を見たとき、B層の厚みが複合フィルム全体の厚みに対して、25〜75%の範囲になるように押出す複合フィルムの製造方法。
(11)冷却工程と巻取工程の間に、生分解性高分子のガラス転移温度(Tg1a:℃)〜(Tg1a+30℃)の範囲で、少なくともフィルムの面内方向の一方向に延伸する上記(10)記載の複合フィルムの製造方法。
以下、本発明を詳述する。
本発明における生分解性高分子は、熱可塑性樹脂である。熱可塑性とは、後述のDSC測定において融点(Tm:℃)が確認できることを意味する。好ましい生分解性高分子の融点(Tma:℃)は50〜300℃の範囲、さらに100〜250℃の範囲である。生分解性高分子の融点がこの範囲にあることで、溶融押出成形の工程に適した高分子となる。
本発明における生分解性高分子の重量平均分子量は、5万以上であることが溶融押出成形する際の延伸工程を容易にする点から好ましく、さらに10万以上であることが、安定して延伸できる点から好ましい。また、重量平均分子量の上限は特に制限されないが、溶融押出成形する際の押出を容易にする観点から、30万以下が好ましく、さらに25万以下が好ましい。分子量が高すぎると、溶融時の高分子粘度が高すぎるため安定した押出ができなくなる。
本発明における生分解性高分子は、水に難溶もしくは不溶性でかつ熱可塑性である。本発明でいう水に難溶もしくは不溶性とは、23℃の純水1Lに、生分解性高分子(乾燥後の重量が5g)を浸漬し、1時間撹拌した後に、生分解性高分子を取り出し、乾燥後の生分解性高分子の重量が4.5g以上であることを意味し、4.75g以上であることが好ましい。生分解性高分子が水に難溶もしくは不溶性であることにより、後のB層との分離をより容易に行うことができる。
本発明における水溶性高分子は、水に溶解でき、かつ熱可塑性である。本発明でいう水溶性とは、23℃の純水1Lに、水溶性高分子(乾燥後の重量が5g)を浸漬し、1時間撹拌した後に、水溶性高分子を取り出し、乾燥後の水溶性高分子の重量が2.5g以下であることを意味し、2g以下であることが好ましい。水溶性であることにより、前述のA層との分離をより容易に行うことができる。
また、本発明における熱可塑性とは、後述のDSC測定において融点(Tm:℃)が確認できることを意味する。好ましい水溶性高分子の融点(Tmb:℃)は50〜300℃の範囲、さらに100〜250℃の範囲である。水溶性高分子の融点がこの範囲にあることで、生分解性高分子との共押出成形における層構成が安定となる。
また、本発明における水溶性高分子の分解温度は、溶融押出時の分解物の発生や、生分解性高分子の熱劣化を抑える点からTmb+10℃以上であることが好ましく、さらにTmb+30℃以上であることが好ましい。なお、分解温度の上限は特に制限されない。
本発明において、生分解性高分子と水溶性高分子とは以下の関係を有することが好ましい。
まず、生分解性高分子の融点(Tma)と水溶性高分子の融点(Tmb)とは、その融点差(△Tm)が、50℃以下であることが溶融押出工程でのそれぞれの温度調整が容易になる点から好ましく、さらに30℃以下であることが好ましい。なお、融点差(△Tm)の下限は特に制限されず、0℃であってもよい。
最後に、生分解性高分子の融点(Tma)+50℃における溶融粘度の生分解性高分子と水溶性高分子との比(生分解性高分子/水溶性高分子)が、0.1〜10の範囲にあることがA層の厚み斑を抑制する点から好ましい。好ましい溶融粘度の比は、0.1〜8、さらに0.2〜5の範囲である。
本発明の複合フィルムは、前述のA層と前述のB層とが積層されており、A層の厚みが5〜100nmである。ここでいうA層の厚みとは複合フィルム中に複数のA層が存在する場合は個々のA層の厚みを意味する。該A層の厚みが下限未満では、B層を水などで溶解して除去した際、取扱いがしづらくなり、他方上限を超えると、患部への密着性が低くなる。好ましいA層の厚みは、5〜80nm、さらに5〜50nmの範囲である。
好ましいB層の割合は、30〜70%、さらに35〜65%の範囲である。また、好ましい複合フィルム全体の厚みの下限は、5μm以上、さらに10μm以上である。他方、好ましい複合フィルム全体の厚みの上限は、巻取り作業性などの点から、75μm以下、さらに50μm以下である。
ところで、本発明の複合フィルムは、未延伸フィルムであってもよいが、よりA層の厚みを均一にしやすいことから、少なくとも面内の一方向に延伸された延伸複合フィルムであることが好ましい。
本発明における生分解性高分子は、耐衝撃性改良剤を、生分解性高分子の質量を基準として、0.1〜10質量%の範囲で含有させていることが好ましい。本発明における耐衝撃性改良剤とは、生分解性高分子の耐衝撃性改良に用いることのできるものであれば特に制限されず、室温でゴム弾性を示すゴム状物質のことであり、例えば、下記の各種耐衝撃性改良剤などが挙げられる。
本発明におけるA層は、治療に用いる場合、残存モノマーの含有量が0.5wt%以下であることが好ましく、さらに0.3wt%以下であることが治療する部位への刺激を抑える観点から好ましい。このような残存モノマーは、用いる生体高分子として残存モノマーの少ない生体高分子を選択したり、生体高分子の脱モノマー処理を施したり、溶融押出する際の温度を低くしたり、時間を短くすることなどで低減することができる。なお、残存モノマーの含有量の下限は、少なければ少ないほど好ましいが、生産性を過度に損なわないようにする点からは通常0.001wt%程度である。
なお、本発明における残存モノマーとは、繰り返し単位の1〜3量体を意味する。
本発明の複合フィルムの製造方法について、以下詳述するが、特に断らない限り、前述の複合フィルムで説明したのと同様なことが言える。
本発明の複合フィルムの製造方法は、熱可塑性である生分解性高分子Aからなる厚みが5〜100nmの複数のA層と、熱可塑性である水溶性高分子BからなるB層とが積層された複合フィルムの製造方法であって、生分解性高分子と水溶性高分子とを、それぞれ溶融状態で生分解性高分子からなるA層と水溶性高分子からなるB層とを積層する共押出工程と、生体高分子のガラス転移温度以下に冷却する冷却工程と、得られたフィルムを巻き取る巻取工程とを有し、該共押出工程において、複合フィルムの厚み方向の断面を見たとき、B層の厚みが複合フィルム全体の厚みに対して、25〜75%の範囲になるように押出すことを特徴とする。
このようにして得られた複合未延伸フィルムはそのまま巻き取ってもよいし、少なくとも面内方向の一方向に延伸して複合延伸フィルムとしてもよく、好ましくは延伸によってよりA層の厚みを均一にしやすいことから複合延伸フィルムであることが好ましい。
ポリマーを10mgサンプリングし、DSC(TA Instruments社製、商品名:DSCQ100)を用いて20℃/minの昇温速度で、融点およびガラス転移点を測定した。
ポリマーを10mgサンプリングし、TGA(TA Instrumens社製、商品名:TGA Q50)を用いて20℃/minの昇温速度で重量減少率を測定した。得られた温度―重量減少率曲線の減少開始部接線の傾きより、分解温度を計算した。
測定装置として島津製作所製フローテスターCFT−500Dを用い、測定温度:Tma+50℃、予熱時間:5分、ノズル径:1mm、ノズル長:10mmで測定し、回帰式より剪断速度100(1/秒)における溶融粘度を求めた。
製膜方向(長手方向)および幅方向にそれぞれ1mずつの長さを有するフィルムサンプルを用意し、フィルムサンプルの中央部、それから幅方向に10cm間隔で両側に4点ずつ、またフィルムの中央部から製膜方向に10cm間隔で両側に4点ずつ、合計17点の箇所から、フィルム長手方向2mm、幅方向2cmに切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂(リファインテック(株)製エポマウント)にて包埋した。包埋されたサンプルをミクロトーム(LEICA製ULTRACUT UCT)で幅方向に垂直かつ厚み方向に沿って切断し、5nm厚の薄膜切片にした。電界放出形走査電子顕微鏡(日立製作所製、S−4700)を用いて加速電圧100kVにて観察撮影し、写真から各A層の厚みを測定した。
そして、複合フィルムの各A層の厚みについて、それぞれ平均値と17点中最も厚いA層の厚みから最も薄いA層の厚みの差を前記平均値で割った値を厚み斑(%)として算出した。そして、複合フィルム中に複数のA層が存在する場合は、各A層の平均値と各A層の厚み斑を平均化して、複合フィルム中のA層の平均厚みとA層の平均厚み斑として算出した。
それぞれの高分子ポリマーを溶融合流させ押出、キャスティングにて急冷した未延伸シートを得る。該未延伸シートを縦方向、ついで横方向に逐次2軸延伸を行い、熱固定処理を施す。キャスティング時の未延伸シートの外観を先ずは観察し、下記基準にて判定する。更に、延伸工程にてフィルムが破断することなく安定して製膜できるかどうかも判断する。
◎:外観が極めて良好で、フィルム製膜も安定している
○:外観が良好で、フィルム製膜が安定している
△:外観はよくないが、フィルム製膜が安定している
×:外観がひどいか、全くフィルム製膜ができない
水溶性高分子5gと、23℃の純水1Lとをフラスコに入れて、マグネチックスターラーにて撹拌速度200rpmで60分間撹拌した。
溶解後の水溶液を150μmの金網メッシュでろ過し、純水1000mlで洗浄した。その後、この金網を120℃で3時間乾燥させて、未溶融物の残量から水への溶解性を判断した。
水溶性あり:乾燥後の残量が2.5g以下
水溶性なし(水に難溶もしくは不溶性):乾燥後の残量が4.5g以上
1%ヘキサフルオロイソプロパノールを含むクロロホルムに樹脂サンプルを溶解し、濃度1mg/mlとしたものを測定用溶液とした。これをゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定、標準ポリスチレンに換算して重量平均分子量およびA層の残存モノマー含有量(重量%)を得た。なお、測定における測定装置、および測定条件は以下のとおりとした。
検出器;示差屈折計「RID−6A」島津製作所製
カラム;東ソー製「TSKgelG3000HXL」「TSKgelG4000HXL」「TSKgelG5000HXL」「TSKguardcokumnHXL−L」を直列に接続したもの、あるいは東ソ−製「TSKgelG2000HXL」、「TSKgelG3000HXL」、「TSKguardcokumnHXL−L」直列に接続したもの。
移動相;クロロホルム
カラム温度;温度40℃
流速;1.0ml/min
注入量;10μl
較正曲線用試料:ポリスチレン
ラットにて術後癒着モデルにおける癒着防止効果を確認した。具体的には、ラットの腹壁に直経1cmの円形の組織欠損部を作成する。そして、癒着臓器として、少し血がにじむ程度に盲腸を擦過する。欠損部に各実施例で得られたA層のシート(2.5x2.5cm)をかぶせる。その一週間後に臓器間癒着の頻度・強さを下記基準にて評価した。
◎:癒着頻度がなく、炎症もない
○:癒着頻度がほとんどなく、炎症がほとんどない
△:癒着頻度が少しみられるが、強さはそれほど強くない
×:癒着頻度が多い。強固に癒着する
PLA1:生体用ポリL−乳酸(Durect社製、商品名:LACTEL「B6002−2」、220℃での溶融粘度:700a・S、Tma:170℃、Tga:60℃、Tda:230℃、水溶性なし)
PLA2:ポリL−乳酸(NatureWorks社製、商品名:PLA Polymer 「4032D」、220℃での溶融粘度:900Pa・S、重量平均分子量19万、Tma:170℃、Tga:55℃、Tda:230℃、水溶性なし)
PVA1:ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:クラレポバール「CP−1000」、220℃での溶融粘度:800Pa・S、Tmb:175℃、Tgb:57℃、Tdb:200℃、水溶性あり)
PVA2:ポリビニルアルコール(日本合成化学社製、商品名:Nichigo G−Polymer「OKS−8074P」、220℃での溶融粘度:1000Pa・S、Tmb:185℃、Tgb:75℃、Tdb:230℃、水溶性あり)
PVA3:ポリビニルアルコール(日本合成化学社製、商品名:Nichigo G−Polymer「OKS−8089P」、220℃での溶融粘度:1100Pa・S、Tmb:148℃、Tgb:65℃、Tdb:230℃、水溶性あり)
PVA4:ポリビニルアルコール(日本合成化学社製、商品名:Nichigo G−Polymer「OKS−8049P」、220℃での溶融粘度:1400Pa・S、Tmb:185℃、Tgb:75℃、Tdb:230℃、水溶性あり)
PVA5:ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:クラレポバール「CP−1220T10」、220℃での溶融粘度:300Pa・S、Tmb:176℃、Tgb:42℃、Tdb:200℃、水溶性あり)
上記(9)のPLA1を生分解性高分子Aとして用意し、上記(9)のPVA1を水溶性高分子Bとして用意した。
準備したポリL−乳酸を110℃で5時間乾燥後、押出機に供給し、190℃まで加熱して溶融状態とし、また準備したポリビニルアルコールを60℃で16時間乾燥後、押出機に供給し、190℃まで加熱して溶融状態とし、A層を100層、B層を101層に分岐させた後、多層フィードブロック装置を使用して、A層とB層が交互に積層された総数201層の積層状態でダイから20℃の冷却ドラム上に押出して、A層とB層の平均層厚み比が1:1になるように調整し、厚み144μmの多層未延伸フィルムを作成した。
この多層未延伸フィルムを75℃の温度で製膜方向(縦方向)に3倍、幅方向(横方向)に3倍延伸し、110℃で3秒間熱固定処理を行ったのち、95℃で一旦冷却した後、さらに室温まで冷却して巻き取った。得られた複合フィルムの全体厚みは16μmであった。
得られた複合フィルムの特性を表1に示す。
表1に示す通り、溶融押出温度、層数、B層の割合、生分解性高分子および水溶性高分子の種類、延伸倍率および各層の厚みを変更したほかは、実施例1と同様な操作を繰り返した。なお、延伸倍率や各層の厚みを調整する際は、表1に示す厚みになるように押出時の吐出量を調整した。
得られた複合フィルムの特性を表1に示す。
厚み調整層として、複合フィルムの表層に位置するB層の厚みを450nm(実施例16)と4000nm(実施例17)とし、内層に位置するA層とB層の厚みを表1に示す通りに変更したほかは、実施例1と同様な操作を繰り返した。
得られた複合フィルムの特性を表1に示す。
Claims (11)
- 熱可塑性の生分解性高分子からなる厚みが5〜100nmの複数のA層と、熱可塑性水溶性高分子からなるB層とが積層された複合フィルムであって、
複合フィルムの厚み方向に沿った断面を見たとき、B層の割合が25〜75%の範囲で、かつ複合フィルム全体の厚みが3μm以上であることを特徴とする共押出成形によって製膜された複合フィルム。 - 生分解性高分子の融点(Tma)と水溶性高分子の融点(Tmb)との融点差(△Tm=|Tma−Tmb|)が50℃以下で、生分解性高分子の分解温度(Tda)と水溶性高分子の分解温度(Tdb)とがともにTmaおよびTmbよりも高い請求項1記載の複合フィルム。
- 生分解性高分子の融点(Tma)+50℃における生分解性高分子と水溶性高分子との溶融粘度の比(生分解性高分子/水溶性高分子)が、0.1〜10の範囲にある請求項1記載の複合フィルム。
- 生分解性高分子が、ポリ乳酸(PLA)、グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリグリコール酸(PGA)およびポリカプロラクトン(PCL)からなる群より得られる少なくとも一種である請求項1記載の複合フィルム。
- 水溶性高分子が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、デンプン、セルロースアセテートからなる群より得られる少なくとも一種である請求項1記載の複合フィルム。
- A層とB層とを交互に積層した多層フィルムであって、A層とB層の合計総数が、10層以上である請求項1〜5のいずれかに記載の複合フィルム。
- 複合フィルムの少なくとも一方の表層の厚みがA層の平均厚みに対し2倍以上でかつ複合フィルム全体の厚みの50%以下である請求項6記載の複合フィルム。
- 複合フィルムが少なくとも面内の一方向に延伸された延伸複合フィルムである請求項1〜7のいずれかに記載の複合フィルム。
- 生体の治療に用いられる請求項1〜8のいずれかに記載の複合フィルム。
- 熱可塑性の生分解性高分子からなる厚みが5〜100nmの複数のA層と、水溶性高分子からなるB層とが積層された全体の厚みが3μm以上である複合フィルムの製造方法であって、
熱可塑性生分解性高分子と熱可塑性水溶性高分子とを、それぞれ溶融状態で生分解性高分子からなるA層と水溶性高分子からなるB層とを積層する共押出工程と、生分解性高分子のガラス転移温度以下に冷却する冷却工程と、得られたフィルムを巻き取る巻取工程とを有し、
該共押出工程において、複合フィルムの厚み方向の断面を見たとき、B層の厚みが複合フィルム全体の厚みに対して、25〜75%の範囲になるように押出すことを特徴とする複合フィルムの製造方法。 - 冷却工程と巻取工程の間に、生分解性高分子のガラス転移温度(Tga:℃)〜(Tga+30℃)の範囲で、少なくともフィルムの面内方向の一方向に延伸する請求項10記載の複合フィルムの製造方法。
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