JP2015039259A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015039259A
JP2015039259A JP2013169364A JP2013169364A JP2015039259A JP 2015039259 A JP2015039259 A JP 2015039259A JP 2013169364 A JP2013169364 A JP 2013169364A JP 2013169364 A JP2013169364 A JP 2013169364A JP 2015039259 A JP2015039259 A JP 2015039259A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mode
operating point
output
power
generator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013169364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6076221B2 (ja
Inventor
優矢 田中
Yuya Tanaka
優矢 田中
山田 正樹
Masaki Yamada
正樹 山田
原田 茂樹
Shigeki Harada
茂樹 原田
篤志 松野平
Atsushi Matsunodaira
篤志 松野平
澤田 明宏
Akihiro Sawada
明宏 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2013169364A priority Critical patent/JP6076221B2/ja
Publication of JP2015039259A publication Critical patent/JP2015039259A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6076221B2 publication Critical patent/JP6076221B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)
  • Control Of Electrical Variables (AREA)

Abstract

【課題】交流発電機の運転状況が変化(特に回転数が変化)し、これに伴って交流発電機の出力電力−出力電圧特性が変化した場合でも十分な制御応答性を確保することができる電力変換装置を提供する。【解決手段】制御回路5は、MPPTモードで動作中に、複数回数の制御周期で連続してDC/DCコンバータ3への入力電圧Vinが同一方向に連続して増加あるいは減少するかの傾向をモニタし、そのような傾向がモニタされた場合には、交流発電機1の出力電力−出力電圧特性が変化したと判定して、MPPTモードから負荷4への出力電圧Voutを一定に制御するCVモード、あるいは入力電圧Vinを最大電力動作点以下まで復帰させるRVモードに切り替える。【選択図】図1

Description

この発明は、交流発電機からの交流出力を整流する整流器と、この整流器からの脈動成分を含む直流出力を直流電圧変換して負荷に供給するDC/DCコンバータと、このDC/DCコンバータを制御する制御手段とを備えた電力変換装置に係り、特に、交流発電機の出力電力−出力電圧特性が変化した場合でも十分な制御応答性を確保することができる電力変換装置に関するものである。
従来、交流発電機と蓄電デバイス等を含む負荷との間にDC/DCコンバータを設け、負荷へ供給する電力を調節するために、交流発電機の出力電圧に相当するDC/DCコンバータの入力電圧Vinを調節し、交流発電機の出力電力に相当するDC/DCコンバータの入力電力Pinを調節するようにしたものがある。
この交流発電機は、その出力電圧を0Vから上昇させていくと、それに応じてその出力電力が増加し、ある出力電圧V2でその出力電力が最大となり、出力電圧がさらに上昇すると出力電力が次第に減少していく垂下特性を有している。このような垂下特性をもつ交流発電機において、以下、交流発電機の出力電力が最大Pmaxとなる電圧V2の位置を最大電力動作点と称する。
そして、DC/DCコンバータは、負荷が軽負荷で、交流発電機の出力電圧が最大電力動作点の電圧以下の動作許容範囲内で動作可能な場合には、負荷への出力電圧を負荷の要求特性に応じて予め設定された目標値に追従させる電圧制御を行う。一方、負荷が重負荷で、交流発電機が動作許容範囲外の電圧で動作するようになった場合でも、交流発電機の垂下特性のために出力電力が徒に低下することなく、できるだけ出力電力が大きく保てるように、つまり出力電圧が最大電力動作点の電圧の下で動作するように、いわゆるMPPT(Maximum Power Point Tracking)法によって電圧制御を行う(例えば、下記の特許文献1参照)。
特許第4115629号公報
このような電力変換装置においては、DC/DCコンバータには、交流発電機からの交流出力を整流器により整流した出力が入力されるので、その入力電流Iinは、整流器からの脈動成分を含む脈流の直流電流となる。勿論、整流器からの出力を完全に平滑化する平滑手段を設ければ完全な直流出力がDC/DCコンバータに入力されるが、その分、装置が大型化し電力損失も増大する。
よって、MPPT法の制御を行っている状況下において、DC/DCコンバータの入力電力Pinは、その入力電圧Vinを一定に制御しようとしても変動することになる。この変動によって、入力電圧Vinの調節による入力電力Pinの変化量が埋もれてしまい、MPPT法の制御において必要となる、今回の制御周期と前回の制御周期とにおける入力電力Pinの大小の比較が正しく行えなくなってしまう。このため、最大電力動作点でDC/DCコンバータの入力電圧Vinの変動が大きくなってハンチング状の現象が生じ、場合によっては、入力電圧Vinが、例えば交流発電機1の出力端を短絡した状態に相当する短絡時動作点の電圧0(V)から、交流発電機1の出力端を開放した状態に相当する開放時動作点の電圧V4まで変動する可能性がある。
これを防ぐためには、DC/DCコンバータの入力電流Iinに含まれる脈動成分の周波数の影響を受けないように、制御周期を長くしたり、ローパスフィルタを挿入する方法が考えられる。
しかし、DC/DCコンバータの入力電流Iinに含まれる脈動成分の周波数は、交流発電機の回転数(回転速度)に依存するため、交流発電機を低速度回転で使用する場合も考慮に入れると、負荷電力に対するDC/DCコンバータの入力電圧Vinの応答速度についてもかなり低下せざるを得ないことになる。そして、応答速度が落ちると、負荷急変時に蓄電デバイスの電圧が許容できる電圧範囲に収まらず、蓄電デバイスから電源を供給している機器が停止したり、蓄電デバイスそのものが故障したりしてしまうなどの不具合を生じる恐れがある。
そこで、本発明者らは、以上のような問題点を解消するために、図2に示すような、交流発電機の出力電力(P)−出力電圧(V)特性において、交流発電機の出力電圧Vの動作点が最大電力動作点の近傍にあるときは動作点を最大電力動作点に追従させるMPPTモードにより、また、動作点が最大電力動作点の近傍から離れていて動作許容範囲内(例えば図2のV2以下)のときは、負荷への出力電圧を負荷の要求特性に応じて予め設定された所定の目標値に追従させるCVモードにより、また、動作点が最大電力動作点の近傍から離れていて動作許容範囲外(例えば図2のV2以上)のときは無条件で動作許容範囲内に復帰させるRVモードにより、DC/DCコンバータの入出力電圧を制御し、かつ、MPPTモードにおける追従制御の応答速度を、CVモードやRVモードにおける追従制御の応答速度より低く設定するような技術を提案している。
なお、MPPTモードでのMPPT法としては、例えばいわゆる山登り法が適用される。また、MPPTモードにおける追従制御の応答速度よりもCVモードにおける追従制御の応答速度を高める上では、制御のサンプリング周期を短く設定したり、ローパスフィルタの時定数を小さく設定するなどして対応する。また、MPPTモードにおける追従制御の応答速度よりもRVモードにおける追従制御の応答速度を高める上では、制御のサンプリング周期を短く設定するなどして対応する。
しかし、本発明者らは、上記技術についてさらに鋭意検討したところ、交流発電機の運転状況が変化(特に回転数が変化)した場合には、前述の方法だけでは、MPPTモードからCVモードやRVモードへの切り替えがうまくいかない場合があることが判明した。
例えば、図3に示すように、MPPTモード動作時に交流発電機の回転数が増加して、その電力特性が変化(例えば図3の低回転時から高回転時)した結果、その動作点が特性変化後の最大電力動作点から離れた状態になったとしても、出力電圧がCVモードへの切り替えのしきい値を越えないときには、依然としてMPPTモードで動作してしまい、その結果、負荷変動が起こった際の応答速度が遅くなってしまう。また、MPPTモード動作時に交流発電機の回転数が低下して、その電力特性が変化した場合(例えば図3の中回転時から低回転時)した結果、その動作点が特性変化後の最大電力動作点から離れた状態になったとしても、出力電力がRVモードへの切り替えのしきい値を下回らないときには、依然としてMPPTモードで動作してしまい、動作許容範囲内に復帰させるのが遅れてしまう。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、交流発電機の運転状況が変化(特に回転数が変化)し、これに伴って交流発電機の出力電力−出力電圧特性が変化した場合でも十分な制御応答性を確保することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
この発明に係る電力変換装置は、交流発電機からの交流出力を整流する整流器、上記整流器からの脈動成分を含む直流出力を直流電圧変換して負荷に供給するDC/DCコンバータ、および上記DC/DCコンバータを制御する制御手段を備え、
上記交流発電機は、回転速度の変動を伴う原動機により回転駆動され、一定の回転速度においては、その出力端が短絡/開放されそれぞれ出力電力が0となる短絡時動作点と開放時動作点との間に上記出力電力が最大となる最大電力動作点を有する出力電力−出力電圧特性を有するものであり、
上記制御手段は、上記交流発電機の上記出力電力−出力電圧特性における動作点が上記最大電力動作点の近傍にあるときは上記動作点を上記最大電力動作点に追従させるMPPTモードにより、また、上記動作点が上記最大電力動作点から離れて動作許容範囲内にあるときには上記負荷への出力電圧を所定の目標値に追従させるCVモードに、また、上記動作許容範囲から外れているときには上記動作点を上記動作許容範囲内まで復帰させるRVモードにより、それぞれ上記DC/DCコンバータの入出力電圧を制御し、かつ、上記MPPTモードにおける追従制御の応答速度を、上記CVモードおよび上記RVモードにおける追従制御の応答速度より低く設定しており、
さらに、上記制御手段は、上記MPPTモードで動作中に上記交流発電機の運転状況が変わり、これに伴って交流発電機の上記出力電力−出力電圧特性が変化し、その変化後の特性における動作点が上記最大電力動作点から離れたときには、それを検知して上記動作許容範囲内なら上記CVモードに、また、上記動作許容範囲から外れているときには上記RVモードにそれぞれ切り替えるようにする。
特に、MPPTモードで動作している場合、交流発電機の出力電力−出力電圧特性における動作点が最大電力動作点の近傍にあるときは、DC/DCコンバータの入力電圧は上昇と下降を繰り返して、一定の電圧に落ち着こうとするが、交流発電機の運転状況が変化した結果、動作点が最大電力動作点から離れたときはDC/DCコンバータの入力電圧は上昇または下降を複数の制御周期で連続して続けることになる。
この点に着目し、MPPTモードの動作中に、予め設定したしきい値を越えたか否かによって単純にモード切り替えを行うのではなく、MPPTモードで動作中に、複数回数の制御周期で連続してDC/DCコンバータの入力電圧が同一方向に増加あるいは減少するかどうかの傾向をモニタし、そのような傾向がモニタされた場合には、交流発電機の上記出力電力−出力電圧特性が変化したと判定して、MPPTモードからCVモード、あるいはRVモードに切り替えるようにする。
以上のように、この発明では、上記MPPTモードで動作中に上記交流発電機の運転状況が変わり、これに伴って交流発電機の上記出力電力−出力電圧特性が変化し、その変化後の特性における動作点が上記最大電力動作点から離れたときには、それを検知して上記動作許容範囲内なら上記CVモードに、また、上記動作許容範囲から外れているときには上記RVモードにそれぞれ切り替えるようにしたので、交流発電機の運転状況(特に回転数)が変化し、これに伴って出力電力−出力電圧特性が変化した場合にも十分な制御応答性を確保することができる。
この発明の実施の形態1における電力変換装置の構成図である。 図1の交流発電機の出力電力-出力電圧特性を示す特性図である。 回転速度が変化したときの交流発電機の出力電力-出力電圧特性を示す特性図である。 図1のDC/DCコンバータの一例を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態1における電力変換装置の制御動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における電力変換装置の制御動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における電力変換装置の制御動作を示すフローチャートである。 図5のステップ群T1の制御動作の詳細を示すフローチャートである。 図5のステップ群T2の制御動作の詳細を示すフローチャートである。 図6のステップ群T3の制御動作詳細を示すフローチャートである。 図7のステップ群T4の制御動作の詳細を示すフローチャートである。 図7のステップ群T5の制御動作の詳細を示すフローチャートである。 図7のステップ群T6の制御動作の詳細を示すフローチャートである。 実施の形態1における、出力電力Poutをリセットする場合のPresetの動作の詳細を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における電力変換装置の全体を示す構成図である。
図1において、交流発電機1は、原動機6により回転駆動され、交流電力を出力する。なお、ここでは、自動車に搭載される車載機器を想定しており、原動機6は、その自動車のエンジンに相当し、従って、原動機6および交流発電機1の回転速度(回転数)は自動車の走行の状況によって変動するものとなる。
交流発電機1からの交流出力は、整流器としてのダイオード整流器2により直流電力に変換される。従って、このダイオード整流器2から出力される直流電流は、整流に伴い発生する脈動成分を含む脈流の直流電流となる。
ここで、交流発電機1の特性について説明する。
図2は、交流発電機1の出力電力−出力電圧特性を示すもので、ある一定の回転速度で回転駆動されている場合の出力電力Pと出力電圧Vとの関係を示す。図に示すように、出力電圧Vが0(V)から次第に上昇していくと、それに応じて出力電力Pが増加し、出力電圧V2(V)で最大値Pmax(W)となり、更に出力電圧Vが上昇すると、それに応じて出力電力P(W)が減少して行き、V4(V)で0(W)となる垂下特性を有している。
ここで、出力電圧0(V)の動作点は、交流発電機1の出力端を短絡した状態に相当するので短絡時動作点と称し、出力電圧V4(V)の動作点は、交流発電機1の出力端を開放した状態に相当するので開放時動作点と称するものとする。出力電圧V2(V)の動作点は、出力電力が最大値Pmax(W)となる最大電力動作点である。
図3は、原動機6の回転速度が変化した場合、すなわち原動機6によって回転駆動される交流発電機1の回転速度が変化した場合の出力電力−出力電圧特性を示す。図3では、高回転時、中回転時、低回転時の3段階の回転速度における特性を例示している。図3から分かるように、短絡時動作点は変化しないが、最大電力動作点および開放時動作点は、回転速度に応じて変化する。
ところで、図2に示したように、交流発電機1の出力電力−出力電圧特性は、短絡時動作点と開放時動作点との間に最大電力動作点を有する上に凸の垂下特性となるので、例えば、ある出力電力P1(W)を得るためには、V1(V)とV3(V)の2つの出力電圧が対応する。この点を考慮し、通常、交流発電機1の制御は、その出力電圧が、基本的に、最大電力動作点における電圧V2近傍より低い範囲と電圧V2近傍より高い範囲とのいずれか一方の範囲を対象として行う。
なお、この実施の形態1では、最大電力動作点における電圧V2近傍より低い範囲、すなわち短絡時動作点0(V)から最大電力動作点における電圧V2近傍までの範囲Laを動作許容範囲とし、最大電力動作点における電圧V2近傍より高い範囲、すなわち最大電力動作点の電圧V2近傍から開放時動作点V4までの範囲Lbを動作許容範囲外として扱うものとする。
ただし、これとは逆に最大電力動作点の電圧V2近傍から開放時動作点V4までの範囲Lbを動作許容範囲とし、短絡時動作点0(V)から最大電力動作点の電圧V2近傍までの範囲Laを動作許容範囲外とすることも可能である。いずれの範囲を動作許容範囲として選択するかは、例えば、使用対象の交流発電機1の両範囲における発生電力損失の比較や、また、出力電流が出力電圧の差に応じて両範囲で異なるので、後述するDC/DCコンバータ3の発生電力損失も両範囲で異なることになり、それらの比較等を総合的に考慮して選択される。
図1に戻り、DC/DCコンバータ3は、ダイオード整流器2からの直流出力を直流電圧変換して、車両に搭載される蓄電デバイス等を含む負荷4に供給する。ここで、図に示すように、DC/DCコンバータ3への入力電流をIin、入力電圧をVin、DC/DCコンバータ3からの出力電流をIout、出力電圧をVoutとする。従って、ダイオード整流器2の電圧降下やDC/DCコンバータ3の電力損失を無視すると、交流発電機1の出力電圧Vは、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinに相当し、交流発電機1の出力電力Pは、DC/DCコンバータ3の出力電力Pout=Vout*Ioutに相当するとしてよい。
以上のことから、後述する制御動作の説明では、先の図2、図3で説明した交流発電機1の特性を、主として、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinと出力電力Poutとをパラメータとして説明するものとする。
図4は、DC/DCコンバータ3の一例を示す回路構成図である。ここでは、DC/DCコンバータ3として、スイッチング素子Q1、ダイオードD1、コンデンサC1、C2およびリアクトルL1とからなる、いわゆる降圧チョッパを採用している。
制御手段としての制御回路5は、例えば所定の演算制御プログラムがインストールされたマイクロコンピュータから構成されており、スイッチング素子Q1をオンオフスイッチングすることにより、以下の式(1)で表されるオンデューティ比dを連続に調整してDC/DCコンバータ3の入出力電圧Vin、Voutを制御する。
d=Vout/Vin (1)
なお、DC/DCコンバータ3としては、その入出力電圧の変換比を連続的に調整できるものであれば、図4に例示した構成のものに限られるわけではない。
次に、この発明の実施の形態1における制御回路5による制御動作について図5から図13に基づいて説明する。なお、この制御回路5によるDC/DCコンバータ3の制御動作は、その入出力電圧Vin、Voutおよび出力電流Ioutを所定の制御周期でサンプリングしたデータに基づいて制御する。
図5、図6及び図7は、制御回路5による全体の処理動作のフローチャートを示すもので、その開始から終了に至るステップ(ステップ群T1からT6)を、1制御周期で実行する。なお、以下の制御ステップでは、mode等各種の変数が登場するが、これら変数については、図5、図6及び図7の開始の前にすべて「0」を代入する初期化を行っている。
以下、原則として、図5、図6及び図7に示す動作の流れに沿って、適宜該当する図番を参照して制御動作の詳細を説明する。
この実施の形態1では、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが、基本的には先の図2で説明した最大電力動作点における電圧V2近傍より低い動作許容範囲で動作するように設定している。もっとも、交流発電機1の出力電力−出力電圧特性は、先の図3で説明したように、原動機6、よって交流発電機1の回転速度に依存し、その最大電力動作点および開放時動作点は交流発電機1の回転速度により変動する。そのため、交流発電機1の回転速度の変動具合によっては、制御動作の過程で上記した動作許容範囲を逸脱する可能性がある。従って、この回転速度変動の観点からの考慮が必要となり、以下、適宜、この点からの動作を交えて説明する。
そして、制御回路5によるDC/DCコンバータ3の入出力電圧制御は、以下の様に行われる。すなわち、交流発電機1の出力電力−出力電圧特性における動作点が最大電力動作点の近傍にあるときは動作点を最大電力動作点に追従させるMPPTモードにより、また、動作点が最大電力動作点から離れていて動作許容範囲内(図2のV2以下)のときは負荷4への出力電圧を負荷4の要求特性に応じて予め設定され所定の目標値に追従させるCVモードにより、さらに、動作点が最大電力動作点から離れていて動作許容範囲外(図2のV2以上)のときは無条件で動作許容範囲内に復帰させるRVモードにより、DC/DCコンバータ3の入出力電圧を制御する。
しかも、MPPTモードにおける追従制御の応答速度は、上記CVモードやRVモードにおける追従制御の応答速度よりも低く設定している。逆から言えば、CVモードやRVモードの制御応答性がMPPTモードの場合よりも高くなるように設定している。この場合、従来と同様、MPPTモードでのMPPT法としては、例えばいわゆる山登り法が適用される。また、MPPTモードにおける追従制御の応答速度よりもCVモードにおける追従制御の応答速度を高める上では、制御のサンプリング周期を短く設定したり、ローパスフィルタの時定数を小さく設定するなどして対応する。また、MPPTモードにおける追従制御の応答速度よりもRVモードにおける追従制御の応答速度を高める上では、制御のサンプリング周期を短く設定するなどして対応する。
図5、図6及び図7にはDC/DCコンバータ3の制御動作全体のフローチャートを、図8から図13には図5、図6及び図7に示す各ステップ群T1からT6の各制御動作の詳細を示している。
各ステップ群T1からT6の全体的な処理の概要として、図8に示すステップ群T1では出力電力Poutを求める上での制御区分内での総電力Poutsumの計算処理を、図9に示すステップ群T2では交流発電機1の運転状況が変化せず安定している場合のMPPTモード、CVモード、RVモードの選択処理を、図10に示すステップ群T3では交流発電機1の運転状況が変化した場合のMPPTモード、CVモード、RVモードの選択処理を、図11に示すステップ群T4ではCVモード時の入力電圧目標値Vinrefの演算処理を、図12に示すステップ群T5ではMPPTモード時およびRVモード時の入力電圧目標値Vinrefの演算処理を、図13に示すステップ群T6では図11に示すステップ群T4および図12に示すステップ群T5で得られた入力電圧目標値Vinrefからオンデューティ比の演算処理を、それぞれ行っている。以下、各ステップ群T1からT6の制御動作の詳細を図10から図13を参照して説明する。
先ず、図8のフローチャートについて説明する。図8のステップ群T1では、主に制御区分における出力電力Poutの平均値としての平均化データを求める上での制御区分内での総電力Poutsumの計算処理を行っている。
具体的には、ステップS101で、出力電力Poutを求めた後に、ステップS102で、ステップS101で求めたPoutを現在の制御区分における出力電力Poutの和Poutsumに加える。続いて、ステップS103で、現在の制御区分における出力電力Poutの和Poutsumに、何回、出力電力Poutを加えたかをカウントするためにPoutcounterに「1」を加えている。
この出力電力Poutの和PoutsumとPoutcounterとは、図9に示すステップ群T2内のステップS223のMPPTモードへの切り替えの判定、図10に示すステップ群T3内のステップS232のMPPTモードからCVモードへの切り替えの判定、およびステップS241のMPPTモードからRVモードへの切り替えの判定にそれぞれ使用されるとともに、図12に示すステップ群T5内のステップS311からステップS319で説明するMPPTモードによる制御、特に図9、図10、図12の後述のする各Presetの処理において必要となるデータである。
制御周期が予め設定した所定のcountermax回繰り返すことを、この実施の形態1では1制御区分と称しているが、後述するように、MPPTモードの制御はこの1制御区分を経る毎に行い、図8に示すステップ群T1を上記countermax回繰り返すことにより、その最終回における、PoutsumとPoutcounterとが、当該制御区分における出力電力の和とPoutを加えた回数として得られることになる。
なお、実際のMPPTの制御では、後段の図14で説明するように、このPoutsumとPoutcounterによって求められるPout1またはPout2を算出し、これらを平均化データとして採用する。
次に、図9および図10のフローチャートについて説明する。
前述のように、図9に示すステップ群T2では、主に交流発電機1の運転状況が変化せず安定している場合のMPPTモード、CVモード、RVモードの選択処理を行う。より詳細には、ステップS201からステップS203までは、動作許容範囲外の場合のRVモードへの切り替え判定および切り替えを行っている。また、ステップS211からステップS213までは、入力電圧が0V付近の場合のCVモードへの切り替え判定および切り替えを行っている。また、ステップS221からステップS224までは、最大電力動作点付近で動作している場合のMPPTモードへの切り替え判定および切り替えを行っている。
一方、図10に示すステップ群T3では、主に交流発電機1の運転状況が変化した場合のMPPTモード、CVモード、RVモードの選択処理を行う。より詳細には、ステップS231からステップS236までは、MPPTモード中に連続して入力電圧が上昇する方向に動いた場合のCVモードへの切り替え判定および切り替えを行っている。また、ステップS241からステップS246までは、MPPTモード中に連続して入力電圧が下降する方向に動いた場合のRVモードへの切り替え判定および切り替えを行っている。
なお、今回の発明において図10に示すステップ群T3(ステップS231からステップS237、およびステップS241からステップS246)を追加することにより、交流発電機1の運転状況が変化した場合でも、動作点が最大電力動作点から離れれば、MPPTモードよりも制御応答の速いCVモード、あるいはRVモードで動作させることができる。
以下、図9のフローチャートに示すステップ群T2についての処理の詳細について説明する。
まず、ステップS201で、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが予め設定された入力電圧上限値Vinhthより高く、出力電力Poutが予め設定された出力電力下限値Poutlthより小さい場合(ステップS201でYes)は、ステップS202に進み、動作モードとして、RVモードを示すmode=「2」を代入する。
ここで、入力電圧Vinが入力電圧上限値Vinhthとしては、交流発電機1の最低回転速度における、最大電力動作点の電圧より高く、開放電圧より若干低く設定する。また、上記の出力電力下限値Poutlthとしては、0W近くに設定する。この判定が成立すると、入力電圧Vinに相当する、交流発電機1の出力電圧Vが開放時動作点の電圧V4に近く、最大電力動作点の電圧V2より高いことが確実なため、入力電圧Vinを強制的に低減させるRVモードに切り替える訳である。
ステップS202でmode=2とした後は、ステップS203に進み、Presetを実行する。この内容は、後述の図14に示すステップ群の処理を説明する際に言及する。
一方、ステップS201でNoと判定された場合には、ステップS211に進み、ステップS211からステップS213により、CVモードを選択するか否か、またはCVモードに切り替えるか否かを判定する。
このS211で入力電圧Vinが予め設定された所定の入力電圧下限値Vinlth未満と判定された場合(ステップS211でYes)は、ステップS212に進み、動作モードとして、CVモードを示すmode=「0」を代入する。
ここで、上記の入力電圧下限値Vinlthとしては、0Vに近い電圧値を設定する。この判定が成立すると、入力電圧Vinに相当する、交流発電機1の出力電圧Vが0Vに近く、最大電力動作点に対応する電圧V2より低いことが確実なためCVモードを選択する訳である。
同じくステップS211で、出力電圧Voutが予め設定された所定の出力電圧上限値Vouththより高いとき(ステップS211でYes)は、ステップS212に進み、動作モードとして、CVモードを示すmode=「0」を代入する。
ここで、上記の出力電圧上限値Vouththとしては、負荷4の要求特性(例えばバッテリの充電電圧仕様など)を考慮して予め設定された出力電圧目標値Voutrefよりも若干高い電圧値に設定する。
この判定は、それまでMPPTモードで制御しているときにCVモードに切り替える場合を想定したものである。即ち、出力電圧Voutが出力電圧上限値Vouththより高い、従って、出力電圧Voutが出力電圧目標値Voutrefを越えているということは、MPPTモードによる制御の下で目標値Voutrefが維持できれば十分であるはずの負荷4への出力電力Poutが大きくなり過ぎていることを意味しているので、それ以上の電力増大を防止すべく、それまでのMPPTモードを打ち切ってCVモードに切り替える訳である。
ステップS212でmode=0とした後は、ステップS213に進み、Presetを実行する。この内容は、後述の図14に示すステップ群の処理を説明する際に言及する。
一方、ステップS211で、2つの判定式のいずれにも合致せずNoと判定されたときは、ステップS221に進む。
前述のように、このステップS221からステップS224までは、MPPTモードを選択するか否か、またはMPPTモードに切り替えるか否かの判定を行う。
すなわち、まず、ステップS221で、そのときのモードが、mode=1、即ち、MPPTモードのときは、その判定が常にNoとなるので、図10に示すステップ群T3の処理に移行する。
また、ステップS221の判定において、Vinrefを入力電圧Vinのその時点における目標値とし、Vin1を前回の制御区分で得られた最後の目標値とし、またVinthを入力電流Iinの脈動を考慮しても入力電圧Vinの目標値が変化したことが有意であるか否かを判定するためのしきい値とした場合に、mode≠1であって、かつ、|Vinref−Vin1|≧Vinthの論理式が不成立と判定された場合は、入力電圧Vinの目標値が実質的に変化していない状態で、CVモードによる出力電圧Vout一定の制御がなされていると想定されるので、あえてCVモードからMPPTモードに切り替える必要が無く、従ってステップS221の判定をNoとして、図10に示すステップ群T3の処理に移行する。
これに対して、ステップS221でmode≠1であって、かつ、|Vinref−Vin1|≧Vinthの論理式が成立する場合は、入力電圧Vinの目標値が実質的に変化している状態で、CVモードからMPPTモードへの切り替えが必要となる可能性が考えられるので、ステップS221の判定をYesとして、ステップS222に進み、Presetを実行する。
次に、ステップS203、S213、S222、および後述のステップS236、S245、S313におけるPresetの各動作内容を、図14に示すフローチャートを参照して説明する。この図14に示すステップ群では、主に制御区分におけるDC/DCコンバータ3の入力電圧Vinの格納処理、電力平均値の計算、および各カウンタのリセットを行っている。
具体的には、まず、ステップS1001で、現在の制御区分の入力電圧Vinの目標値Vin1を、前回の制御区分の入力電圧Vinの目標値Vin2として記憶する。ステップS1002で、現在の入力電圧Vinの目標値Vinrefを現在の制御区分の入力電圧Vinの目標値Vin1として記憶する。
ステップS1003で、現在の制御区分の出力電力Pout1を前回の制御区分の出力電力Pout2として記憶する。ステップS1004で、図8のS102で得られたPoutsumとS103で得られたPoutcounterにより、現在の制御区分における、既述した平均化データとしての出力電力Pout1を求める。
なお、このステップS1004について、ここでは、出力電力の合計値Poutsumを加算回数のPoutcounterで割って平均化データとしているが、マイコンへの演算の負荷などを考慮して最大値と最小値のみを平均化したり、また、最大値と最小値に重みづけをして平均化したりするなど、その制御区分での出力電力を求められる方法であれば何でもよい。
次に、ステップS1005で、出力電力の合計値Poutsumをリセットする。また、ステップS1006で、次に制御区分に進むために現在の制御区分における制御周期の回数Poutcounterをリセットする。さらに、ステップS1007からステップS1009では、MPPTモード以外のときはMPPTCVcounterとMPPTRVcounterをリセットする。
図9に戻り、ステップS223では、MPPTモードに切り替えるかどうかを判定する。
ここで、CVモード時は、入力電圧Vinが、先の図2の最大電力動作点の電圧V2より低い電圧で動作しているという前提であり、このCVモード時において入力電圧Vinの目標値が前回の制御区分から大きくなり、かつ、出力電力Poutが小さくなった場合(ステップS223でYes)は、入力電圧Vinが、最大電力動作点の電圧V2より高い電圧で動作していると判定してステップS224に進み、動作モードとして、MPPTモードを示すmode=「1」を代入する。
また、RVモード時は、図2に示したように、入力電圧Vinが最大電力動作点の電圧V2より高い電圧で動作しているという前提であり、このRVモード時において、入力電圧Vinの目標値が前回の制御区分から小さくなり、かつ、出力電力Poutが小さくなった場合(ステップS223でYes)は、入力電圧Vinが、最大電力動作点の電圧V2より低い電圧で動作していると判定してステップS224に進み、動作モードとして、MPPTモードを示すmode=「1」を代入する。
上記ステップS223で上記の条件に合致せずNoと判定された場合には、モード切り替えを行わずに図9の処理を終了する。
一方、ステップS221でNoと判定された場合には、図10のフローチャートに示すステップ群T3の処理に移行する。この図10に示すステップ群T3では、前述のように、交流発電機1の運転状況が変化した場合のMPPTモード、CVモード、RVモードの選択処理を行う。
すなわち、MPPTモードで動作している時点で交流発電機1の運転状況が変化した結果、MPPTCVcounterのカウント値がMPPTCVcounterthを越えるまで連続してDC/DCコンバータ3への入力電圧Vinが上昇かつ出力電力Poutが上昇した場合には、最大電力動作点の電圧V2より低い電圧で動作していると判定してCVモードに切り替える。また、MPPTモードで動作している時点で交流発電機1の運転状況が変化した結果、MPPTCVcounterのカウント値がMPPTCVcounterthを越えるまで連続してDC/DCコンバータ3への入力電圧Vinが下降かつ出力電力Poutが上昇した場合には、最大電力動作点の電圧V2より高い電圧で動作していると判定してRVモードに切り替える。
以下、図10のフローチャートに示すステップ群T3についての処理の詳細について説明する。
ステップS231からステップS236までの処理は、主にMPPTモードからCVモードを選択するか否か、または、CVモードに切り替えるか否かを判定するものである。
すなわち、先ず、ステップS231では、MPPTモードかつ制御区分が終わりかどうかを判定する。MPPTモードを示すmode=「1」で、counterがcountermax−1まで上昇したならば、制御区分が終わりだと判定し(ステップS231でYes)、次のステップS232に進む。
このステップS232では、Vin1がVin2以上、かつPout1がPout2以上かを判定している。これは、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが上昇、かつ出力電力Poutが上昇した場合は入力電圧Vinが最大電力動作点の電圧V2より低い電圧で動作していると判定することを意味する。そして、ステップS232でYesと判定された場合、次のステップS233に進む。
ステップS233では何回連続して前段のステップS232でYesとなったかをカウントしている。そして、MPPTCVcounterに1を加えて次のステップS234に進む。このステップS234では、MPPTCVcounterのカウント値が予め設定したMPPTCVcounterthに達しているかどうかを判定している。ステップS234でYesならば次のステップS235に進む。
ステップS235では、MPPTモードからCVモードに切り替えるために、動作モードとして、CVモードを示すmode=「0」を代入する。そして、次のステップS236でPreset(図14参照)を実行する。このステップS236が終了すると、図11に示すステップ群T4の処理に移行する。また、ステップS234でNoの場合は、MPPTCVcounterのカウント値が予め設定したMPPTCVcounterthに未だ達してしないので、CVモードに切り替えずに図11に示すステップ群T4の処理に移行する。
一方、ステップS232でNoと判定された場合には、ステップS237に進む。ステップS237では、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが最大電力動作点の電圧V2より低い電圧で動作していると判定されなかったために、MPPTCVcounterをリセットしている。ステップS237が終了するとステップS241に進む。
ステップS241からステップS246までの処理は、主にMPPTモードからRVモードを選択するか否か、または、RVモードに切り替えるか否かを判定するものである。
すなわち、まず、ステップS241では、Vin1がVin2以下で、Pout1がPout2以上かどうかを判定している。これは、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが下降、かつ出力電力Poutが上昇した場合は、Vinが最大電力動作点の電圧V2より高い電圧で動作していると判定することを意味する。そして、ステップS241でYesと判定された場合、次のステップS242に進む。
ステップS242では何回連続してステップS241でYesとなったかをカウントしている。そして、MPPTRVcounterに1を加えて次のステップS243に進む。このステップS243では、MPPTRVcounterのカウント値がMPPTRVcounterthに達しているかどうかを判定している。ステップS243でYesならば次のステップS244に進む。
ステップS244では、MPPTモードからRVモードに切り替えるために、動作モードとして、RVモードを示すmode=「2」を代入する。そして、次のステップS245でPreset(図14参照)を実行する。このステップS245が終了すると、図11に示すステップ群T4の処理に移行する。また、ステップS243でNoの場合はMPPTRVcounterのカウント値が予め設定したMPPTRVcounterthに未だ達していないので、RVモードには切り替えずに図11に示すステップ群T4の処理に移行する。
また、ステップS241でNoの場合、ステップS246に進む。ステップS246では、DC/DCコンバータ3の入力電圧Vinが最大電力動作点の電圧V2より高い電圧で動作していると判定されなかったために、MPPTRVcounterをリセットしている。そして、このステップS246が終了すると、モード切り替えを行わずに図11に示すステップ群T4の処理に移行する。
前述のように、図11のフローチャートに示すステップ群T4では、主にCVモード時の入力電圧目標値Vinrefの演算処理を行う。以下、このステップ群T4についての処理の詳細について説明する。
まず、ステップS301で、出力電圧Voutとその目標値Voutrefとの偏差Vdefを求めている。次に、ステップS302で、その偏差VdefにPI制御の比例項のゲインKpaをかけて、PI制御の比例項Paを求める。続いて、ステップS303で、現在のモードがCVモードであるかどうかの判定を行う。
ステップS303でNoと判定された場合には、CVモードではないので、図12に示すステップ群T5の処理に移行する。これに対して、ステップS303でYes、(mode=0)と判定された場合には、次のステップS304に進む。
このステップS304では、前回の制御周期の積分項Iaと、偏差VdefにPI制御の積分項のゲインKiaをかけたものを加えて、現在の制御周期におけるPI制御の積分項Iaを求める。次のステップS305からステップS308までは、積分項IaがDC/DCコンバータ3の入力電圧Vinの許容範囲である0VからVinmaxの間に収まるようにリミッタをかけている。次に、ステップS309で、PI制御の比例項Paと積分項Iaとを加算して入力電圧Vinの目標値Vinrefを求める。これで、図11に示すステップ群T4の処理を終了する。
次に、図12のフローチャートに示すステップ群T5についての処理の詳細について説明する。
先の図11のステップS303でNoと判定された場合、MPPTモードあるいはRVモードが選択されている。したがって、図12に示すステップ群T5では、主にMPPTモード時、およびRVモード時の入力電圧目標値Vinrefの演算処理を行う。すなわち、ステップS311からステップS318まででMPPTモード時の入力電圧目標値Vinrefの計算を、また、ステップS321からステップS322まででRVモード時の入力電圧目標値Vinrefの計算を、それぞれ行っている。以下、このステップ群T5についての処理の詳細について説明する。
まず、ステップS311でMPPTモード(mode=1)かどうかを判定する。MPPTモードと判定された場合(ステップS311でYes)には、次のステップS312で、現在の制御区分における制御周期のcounterのカウント値が(countermax−1)回であるかどうかを判定する。なお、counterのカウント値は0から始まるので、この判定は、カウント値では、(countermax−1)で判定する。
counterのカウント値が(coutermax−1)と等しければ(ステップS312でYes)、現在の制御区分における制御周期の回数がcountermax回であるので、次のステップS313に進みPreset(図14参照)を実行する。一方、counterのカウント値が、(coutermax−1)と等しくなければ(ステップS312でNo)、現在の制御区分における制御周期の回数がcountermax回に満たないので、ステップS319に進み、counterに1を加えて図12の処理を終了する。
MPPTモードによる制御は、ステップS313から開始される。先のステップS312から分かるように、mode=1、即ち、MPPTモードでの制御周期が続いても、それがcountermax回続いて1制御区分が満了する毎にステップS313からのMPPTモードの制御を実行する訳である。
ステップS313は、上記のようにPreset(図14参照)を行うが、この場合、countermax回の制御周期を満了した段階の制御区分を現在の制御区分としてPresetの処理を行う。次のステップS314では、countermax回の制御周期を満了したので、counterに「0」を代入してリセットを行う。
次のステップS315では、現在と前回の制御区分における入力電圧の目標値Vin1とVin2の大小の比較、および、現在と前回の制御区分における出力電力Pout1とPout2の大小の比較をそれぞれ行う。
入力電圧Vinの目標値が大きくなり出力電力Poutが大きくなった場合(ステップS315の上段の論理式が成立する場合)、あるいは入力電圧Vinの目標値が小さくなり出力電力Poutが小さくなった場合(同下段の論理式が成立する場合)には、いずれも入力電圧Vinが、図2で示す最大電力動作点の電圧V2よりも低い電圧で動作していると判断されるため、入力電圧Vinの目標値Vinrefを高くして最大電力動作点に近づけるためにステップS316に進む。それ以外の場合(ステップS315でNo)は、図2で示す最大電力動作点の電圧V2よりも高い電圧で動作していると判断されるため、入力電圧Vinの目標値Vinrefを低くして最大電力動作点に近づけるためにステップS317に進む。
ステップS316では、入力電圧Vinの目標値Vinrefを高く設定するために、このVinrefに変化量ΔVinを加える。一方、ステップS317では、入力電圧Vinの目標値Vinrefを低く設定するために、このVinrefから変化量ΔVinを引いている。次のステップS318では、MPPTモードからCVモードに切り替わったときに入力電圧Vinの目標値Vinrefが急変しないように、CVモード時のPI制御の積分項Iaを計算しておく。
一方、先のステップS311でNoと判定された場合には、mode=2、即ち、RVモードで制御していることになるので、次に、ステップS321に進む。このステップS321では、図2の最大電力動作点の電圧V2よりも高電圧側で動作させているので、低電圧側に復帰させるためにVinrefからΔVinを引いている。次いで、ステップS322では、RVモードからCVモードに切り替わったときに入力電圧Vinの目標値Vinrefが急変しないように、CVモード時のPI制御の積分項Iaを計算しておく。
以上で説明した、図11に示したステップ群T4による処理、および図12に示したステップ群T5による処理により、CVモード、MPPTモード、RVモードそれぞれの場合における、入力電圧Vinの目標値Vinrefが求まるので、これらの目標値Vinrefから図13のフローチャートに示すステップ群T6の処理により、式(1)に示すオンデューティ比dを演算する。以下、図13のフローチャートに示すステップ群T6の処理の詳細について説明する。
まず、ステップS401、S402では、Vinrefが、DC/DCコンバータ3の入力電圧許容値Vinmaxを越えないようにリミット処理を行う。続いて、ステップS403、S404では、DC/DCコンバータ3として、この実施の形態1では図4に示す降圧チョッパを採用していることを考慮し、VinrefがVoutrefを越えないようにリミット処理を行う。続いて、ステップS405では、VoutrefとVinrefとから、式(1)に基づき、スイッチング素子Q1のオンデューティ比dを求める。
以上のように、この発明の実施の形態1における電力変換装置は、交流発電機1の出力電力−出力電圧特性における動作点が最大電力動作点の電圧V2近傍にあるときは動作点をこの最大電力動作点に追従させるMPPTモードにより、また、動作点が最大電力動作点から離れて動作許容範囲内にあるときには負荷4への出力電圧を所定の目標値に追従させるCVモードに、また、動作許容範囲外にあるときには動作点を動作許容範囲内まで復帰させるRVモードにより、それぞれDC/DCコンバータ3の入出力電圧を制御し、かつ、MPPTモードにおける追従制御の応答速度をCVモードおよびRVモードにおける追従制御の応答速度より低く設定しているので、負荷4の変動に対しても高速で応答して負荷電圧を一定に保つことができる。
また、MPPTモードの制御は、countermax回分の制御周期に相当する制御区分毎に求めた平均化データに基づく比較的遅い応答で最大電力動作点追従の制御を行うので、入力電流Iinに含まれる脈動成分の影響を受けずに安定確実な制御特性が得られる。
さらに、MPPTモードで動作中に交流発電機1の運転状況が変わり、これに伴って交流発電機1の出力電力−出力電圧特性が変化し、その変化後の特性における動作点が最大電力動作点から離れたときには、図10のフローチャートで示したステップ群T3の処理により、その特性変化を検知して動作許容範囲内ならCVモードに、また、動作許容範囲外ならばRVモードにそれぞれ切り替えるので、交流発電機1の運転状況の変化に対する制御応答性を改善することができる。
なお、この実施の形態1では、図2で示す最大電力動作点の電圧V2以下の電圧を動作許容範囲として、V2より低い場合をCVモード、V2より高い場合をRVモードに設定するとしていたが、その他の組み合わせでもこの方法でMPPTモードからその他のモードへ切り替えることができる。
また、この発明は上記の実施の形態1の構成のみに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の変形を加えたり、一部を省略したりすることが可能である。
1 交流発電機、2 ダイオード整流器、3 DC/DCコンバータ、4 負荷、
5 制御回路、6 原動機。

Claims (7)

  1. 交流発電機からの交流出力を整流する整流器、上記整流器からの脈動成分を含む直流出力を直流電圧変換して負荷に供給するDC/DCコンバータ、および上記DC/DCコンバータを制御する制御手段を備え、
    上記交流発電機は、回転速度の変動を伴う原動機により回転駆動され、一定の回転速度においては、その出力端が短絡/開放されそれぞれ出力電力が0となる短絡時動作点と開放時動作点との間に上記出力電力が最大となる最大電力動作点を有する出力電力−出力電圧特性を有するものであり、
    上記制御手段は、上記交流発電機の上記出力電力−出力電圧特性における動作点が上記最大電力動作点の近傍にあるときは上記動作点を上記最大電力動作点に追従させるMPPTモードにより、また、上記動作点が上記最大電力動作点から離れて動作許容範囲内にあるときには上記負荷への出力電圧を所定の目標値に追従させるCVモードにより、また、上記動作許容範囲から外れているときには上記動作点を上記動作許容範囲内まで復帰させるRVモードにより、それぞれ上記DC/DCコンバータの入出力電圧を制御し、かつ、上記MPPTモードにおける追従制御の応答速度を、上記CVモードおよび上記RVモードにおける追従制御の応答速度より低く設定しており、
    さらに、上記制御手段は、上記MPPTモードで動作中に上記交流発電機の運転状況が変わり、これに伴って交流発電機の上記出力電力−出力電圧特性が変化し、その変化後の特性における動作点が上記最大電力動作点から離れたときには、それを検知して上記動作許容範囲内なら上記CVモードに、また、上記動作許容範囲から外れているときには上記RVモードにそれぞれ切り替えるようにした電力変換装置。
  2. 上記制御手段は、上記MPPTモードで動作中に上記交流発電機の運転状況が変わり、これに伴って交流発電機の上記出力電力−出力電圧特性が変化し、その変化後の特性における動作点が上記最大電力動作点から離れたときには、それを検知する際に使用するパラメータが上記電力変換装置の入力電力もしくは出力電力である請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 上記制御手段は、上記MPPTモードの動作中に、複数回数の制御周期で連続して電圧が同一方向に増加あるいは減少するように動いた場合、交流発電機の上記出力電力−出力電圧特性が変化したと判定する請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 上記動作許容範囲は、上記交流発電機の上記最大電力動作点よりも低電圧である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 上記動作許容範囲は、上記交流発電機の上記最大電力動作点よりも高電圧である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 上記制御手段は、上記交流発電機の上記最大電力動作点を挟む低電圧側および高電圧側を共に上記CVモードで動作させる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 上記制御手段は、上記交流発電機の上記最大電力動作点を挟む低電圧側および高電圧側を共にRVモードで動作させる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
JP2013169364A 2013-08-19 2013-08-19 電力変換装置 Active JP6076221B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013169364A JP6076221B2 (ja) 2013-08-19 2013-08-19 電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013169364A JP6076221B2 (ja) 2013-08-19 2013-08-19 電力変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015039259A true JP2015039259A (ja) 2015-02-26
JP6076221B2 JP6076221B2 (ja) 2017-02-08

Family

ID=52632015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013169364A Active JP6076221B2 (ja) 2013-08-19 2013-08-19 電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6076221B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06259152A (ja) * 1993-03-09 1994-09-16 Sanyo Electric Co Ltd 太陽電池電源及びその制御方法
JP2002272094A (ja) * 2001-03-09 2002-09-20 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 最大電力動作点追尾方法及びその装置
JP2003084845A (ja) * 2001-09-07 2003-03-19 Matsushita Electric Works Ltd 太陽電池の最大電力制御方法
US20120013312A1 (en) * 2010-07-15 2012-01-19 Chih-Yuan Hsieh Power Control Device and Method thereof
WO2012160846A1 (ja) * 2011-05-24 2012-11-29 三菱電機株式会社 電力供給システム
WO2013115090A1 (ja) * 2012-01-31 2013-08-08 三洋電機株式会社 電力変換装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06259152A (ja) * 1993-03-09 1994-09-16 Sanyo Electric Co Ltd 太陽電池電源及びその制御方法
JP2002272094A (ja) * 2001-03-09 2002-09-20 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 最大電力動作点追尾方法及びその装置
JP2003084845A (ja) * 2001-09-07 2003-03-19 Matsushita Electric Works Ltd 太陽電池の最大電力制御方法
US20120013312A1 (en) * 2010-07-15 2012-01-19 Chih-Yuan Hsieh Power Control Device and Method thereof
WO2012160846A1 (ja) * 2011-05-24 2012-11-29 三菱電機株式会社 電力供給システム
WO2013115090A1 (ja) * 2012-01-31 2013-08-08 三洋電機株式会社 電力変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6076221B2 (ja) 2017-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7248593B2 (ja) 余剰電力の抽出方法及びシステム
JP4796974B2 (ja) 風力発電装置と蓄電装置のハイブリッドシステム,風力発電システム,電力制御装置
US8058850B2 (en) Overload control of an electric power generation system with unknown availability of mechanical power capacity
CA2826330C (en) Control arrangement and method for regulating the output voltage of a dc source power converter connected to a multi-source dc system
KR20160005755A (ko) 전력 공급 시스템 내로 전력을 공급하기 위한 방법
US20150115714A1 (en) Method and system for powering a load
JP5636412B2 (ja) 風力発電システム及びその励磁同期発電機の制御方法
US10840729B2 (en) Method and system for operating a DC-DC converter of an electrical system to distribute a load
JP2010231456A (ja) 電源システム
JP2014106935A (ja) 発電システム
JP6952245B2 (ja) 電力変換システム
JP6662096B2 (ja) 系統連系制御装置
JP6076221B2 (ja) 電力変換装置
JP6817565B2 (ja) 電力変換装置、電力変換システム
CN115842355A (zh) 风储联合系统发电控制方法、装置、电子设备和存储介质
JP6390259B2 (ja) 充放電制御装置及び充放電制御方法
JP5851319B2 (ja) 電力変換装置
JP2017046532A (ja) 電力制御システム、電力制御方法、制御方式決定装置、制御方式決定方法、及び、プログラム
JP6618870B2 (ja) 太陽光発電用電力変換装置、制御方法および太陽光発電システム
CN114865614B (zh) 一种直流微电网系统
JP6351200B2 (ja) 電力供給システム
CN114172158B (zh) 考虑重要度和参与意愿的电力电子负荷控制方法和系统
JP7080644B2 (ja) 充電制御装置及び充電制御方法
CN109327023B (zh) 一种dc/dc并联运行输出调节方法及其系统
JP6713924B2 (ja) 蓄電池コントローラ、蓄電装置、および蓄電池の充放電方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6076221

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250