本発明は、パチンコ機、回胴式遊技機(例えばスロットマシン)、或いは遊技球を使用した回胴式遊技機等に代表される遊技機に関するものである。
パチンコ機では、遊技領域に打ち込まれた球が図柄作動口へ入球すると、その入球のタイミングで抽選が行われる。また、スロットマシンや遊技球を使用した回胴式遊技機では、スタートレバーを操作すると、その操作したタイミングで抽選が行われる。抽選の結果、例えば大当たりになると、大量の賞球やコインの払い出しが可能な状態となる。この抽選および大当たりを決定するための制御は、主制御装置によって行われるので、主制御装置が不正行為の対象になり易い。
具体的な不正行為としては、例えば、主制御装置を、大当たりが頻繁に発生する不正なものに取り替えたり、或いは、主制御装置に不正な基板(例えば「ぶら下げ基板」)を接続して、大当たりを不正に発生させるものなどがある。また、パチンコ機の場合、遊技盤面上に打ち込まれている釘を不正に曲げて、入賞口や図柄作動口へ球が入球し易くする不正行為もある。
パチンコ機の場合、主制御装置は遊技盤の裏面に装着されている。遊技盤の裏面には、枠体が設けられ、その枠体の前面には、遊技盤が装着される内枠が設けられている。この内枠は、枠体に対して開閉可能にされている。また、内枠の前面には、ガラス枠が設けられ、このガラス枠は、内枠に対して開閉可能にされている。よって、不正行為者が遊技盤面や主制御装置に対して不正行為を行う場合には、内枠またはガラス枠を開放しなければならないが、内枠またはガラス枠が開放された場合には、その開放がセンサによって検出され、遊技場を管理するホールコンピュータへ報知される他、内枠またはガラス枠が開放された旨をランプ点灯や音声出力などによって外部へ報知させることで、どのパチンコ機に対して不正行為がなされたかを容易に把握することができる。
しかしながら、遊技場の閉店後の例えば深夜に、不正行為者が侵入し、その侵入者が内枠またはガラス枠を開放して不正行為を行った場合、そのときにはパチンコ機の電源は断されており、パチンコ機は停止しているので、内枠またはガラス枠の開放を検知することができず、その開放をホールコンピュータに報せることができないという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放が行われた場合に、その開放を把握可能とすることができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段と、その制御手段の制御により報知を行う報知手段とを備えたものであり、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を前記制御手段へ出力して前記報知手段による報知を実行させると共に、前記検出結果を特定装置へ出力する出力手段を備え、その出力手段は、前記遊技機の電源がオンされて前記制御手段による制御が行われている場合に、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力し、前記遊技機の電源がオフされて前記制御手段による制御が行われていない場合にも、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力するように構成されている。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記遊技機の電源がオンされている場合に前記出力手段に電力を供給して動作させる電源手段と、その電源手段とは別に設けられ、前記遊技機の電源がオフされている場合に前記出力手段に電力を供給して動作させるオフ中動作手段を備え、前記出力手段は、前記電源手段により供給される電力によって動作して前記扉開放検出手段による検出結果を前記制御手段へ出力する制御用出力手段と、前記電源手段またはオフ中動作手段により供給される電力によって動作して前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力する特定用出力手段とを備えている。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記特定用出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段を備え、前記オフ中動作手段は、前記特定用出力手段に加えて、前記出力期間制限手段にも電力を供給して動作させるように構成されている。
請求項4記載の遊技機は、請求項2または3に記載の遊技機において、前記オフ中動作手段は、前記遊技機の電源から供給される電力により充電可能に構成されている。
請求項5記載の遊技機は、請求項2から4のいずれかに記載の遊技機において、前記電源手段から供給される電流を一方向に流すダイオードを備え、前記オフ中動作手段は、コンデンサまたは二次電池を用いて構成され、前記扉開放検出手段は、前記扉体が開放されている場合には導通される一方、前記扉体が閉鎖されている場合には遮断されるように構成されており、前記電源手段は、前記ダイオードのアノード端子と接続されており、そのダイオードのカソード端子は、前記オフ中動作手段の一端と接続されており、そのオフ中動作手段の他端は、接地されており、前記制御用出力手段は、前記電源手段およびダイオードのアノード端子と前記扉開放検出手段を介して接続されており、前記特定用出力手段は、前記ダイオードのカソード端子および前記オフ中動作手段の一端と前記扉開放検出手段を介して接続されている。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技機の電源がオンされて制御手段の制御が行われている場合に、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、例えば、遊技機の電源がオンされている開店中に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、報知手段による報知によって扉体が開放された遊技機を判別することができると共に、特定装置によっても扉体が開放された遊技機を判別することができる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には制御手段の制御が停止しているが、この場合においても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されたとしても、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。従って、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、1の出力手段により特定装置へ検出結果を出力して、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技機の電源がオンされている場合には、制御用出力手段および特定用出力手段に電源手段により電力が供給される。これにより、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が制御用出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が特定用出力手段により特定装置へ出力される。よって、例えば、遊技機の電源がオンされている開店中に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、報知手段による報知によって扉体が開放された遊技機を判別することができると共に、特定装置によっても扉体が開放された遊技機を判別することができる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には、特定用出力手段にオフ中動作手段により電力が供給される。これにより、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が特定用出力手段により特定装置へ出力される。よって、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されたとしても、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。従って、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、特定用出力手段により特定装置へ検出結果を出力して、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、特定用出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた特定用出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による特定用出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項2または3に記載の遊技機の奏する効果に加え、オフ中動作手段は、遊技機の電源オン中に、その遊技機に供給される電力によって充電されるので、遊技機の電源を遊技場の営業時間に合わせてオンするだけで、オフ中動作手段を充電することができる。よって、遊技場の閉店後の遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放があった場合には、オフ中動作手段により特定用出力手段および出力期間制限手段を動作させて、扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ報せることができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項2から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、制御用出力手段は、電源手段およびダイオードのアノード端子と接続されているので、遊技機の電源がオンされている場合に扉体が開放されると、扉開放検出手段が導通して制御用出力手段へ電源手段から電力が供給されて動作状態となる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には、電源手段による電力の供給は停止しているので、扉体が開放されて扉開放検出手段が導通しても、制御用出力手段へは電源手段から電力が供給されずに停止状態となる。これに対し、特定用出力手段は、オフ中動作手段およびダイオードのカソード端子と接続されているので、遊技機の電源がオンされている場合に扉体が開放されると、扉開放検出手段が導通して特定用出力手段へ電源手段から電力が供給されて動作状態となる。遊技機の電源がオフされている場合には、特定用出力手段への電源手段による電力供給が停止するが、扉体が開放されて扉開放検出手段が導通すると、オフ中動作手段により特定用出力手段へ電力が供給されるので、特定用出力手段は動作状態となる。ここで、遊技機の電源がオフされて、オフ中動作手段から特定用出力手段へ電力が供給されている場合には、制御用出力手段への電力供給をダイオードにより遮断することができる。これにより、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
パチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
内枠と前面枠と下皿ユニットとが開放された状態におけるパチンコ機の斜視図である。
スイッチの構造を示した図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
枠開放検出回路及び外部出力端子板の電気的構成を示したブロック図である。
内枠の状態、前面枠の状態、タイマのTRG端子電圧、タイマのOUT端子電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
各種カウンタの概要を示す図である。
主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
メイン処理の中で実行される変動処理を示すフローチャートである。
変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。
タイマ割込処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
NMI割込処理を示すフローチャートである。
第2実施形態の枠開放検出回路の電気的構成を示したブロック図である。
内枠12の状態、前面枠14の状態、第2実施形態の枠開放検出回路のAの電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。
第3実施形態の枠開放検出回路の電気的構成を示したブロック図である。
内枠の状態、前面枠の状態、第3実施形態のタイマのTRG端子電圧、第3実施形態のタイマのOUT端子電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。
内枠と前面枠と下皿ユニットとが開放された状態における第4実施形態のパチンコ機の斜視図である。
第4実施形態のパチンコ機に用いられるスイッチSW3の断面図である。
第4実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
内枠用枠開放検出回路および内枠用外部出力端子板の電気的構成を示したブロック図である。
第4実施形態のパチンコ機の電源の状態、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の状態、タイマのTRG端子電圧、タイマのOUT端子電圧、内枠用外部出力端子板の出力、並びに内枠用入出力ポート出力回路の出力の関係を示したタイミングチャートである。
第4実施形態の主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の表示制御装置内のMPUにより実行される外部割込み処理を示したフローチャートである。
第5実施形態のパチンコ機に用いられるスイッチSW3Aの断面図である。
第5実施形態のパチンコ機に用いられる内枠用枠開放検出回路および内枠用外部出力端子板の電気的構成を示したブロック図である。
第5実施形態のパチンコ機の電源の状態、内枠の状態、スイッチSW3−3の状態、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の状態、コンデンサCD7に印加される電圧、タイマのTRG端子電圧、タイマのOUT端子電圧、内枠用外部出力端子板の出力、並びに内枠用入出力ポート出力回路の出力の関係を示したタイミングチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の正面図である。
第6実施形態のパチンコ機の遊技盤の正面図である。
第6実施形態のパチンコ機の背面図である。
内枠と前面枠と下皿ユニットとが開放された状態における第6実施形態のパチンコ機の斜視図である。
第6実施形態のスイッチの構造を示した図である。
第6実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
第6実施形態の枠開放検出回路の電気的構成を示した回路図である。
第6実施形態のパチンコ機の内枠の状態、前面枠の状態、タイマのTRG端子の電圧、タイマのOUT端子の電圧、コンデンサCD4xの電圧、枠開放検知回路の電源出力端子の電圧、枠開放検知回路のリセット信号出力端子の電圧および枠開放検知回路の電断信号出力端子の電圧の関係を示したタイミングチャートである。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第6実施形態のパチンコ機の各種カウンタの概要を示す図である。
第6実施形態のパチンコ機の主制御装置110x内のMPU201xにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機のメイン処理の中で実行される変動処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機のNMI割込処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置のMPUにより実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。
第7実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第7実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
第7実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第8実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第8実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第9実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
第9実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第9実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行される扉コマンド送信処理を示したフローチャートである。
第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置内のMPUで実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置内のMPUで実行される外部割込み処理を示したフローチャートである。
第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置内のMPUで実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。更に、本実施の形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施の形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の内部構成について説明する。図4は、内枠12と前面枠14と下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図である。
パチンコ機10には、その外殻を形成する外枠11が設けられ、この外枠11に対して内枠12が開閉可能に支持される。遊技場においては、外枠11の外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠12、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠11に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11に対して内枠12等を前面側に開放して行われる。
外枠11には、内枠12を支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製の上ヒンジ(図示せず)および下ヒンジ(図示せず)が取り付けられている。この上ヒンジおよび下ヒンジが設けられた側を開閉の軸として内枠12は開閉可能に支持される。
内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース55を主体に構成されており、内枠ベース55の中央部には略円形状の中央窓55aが形成されている。内枠ベース55の裏面側には遊技盤13の取付部が設けられ、遊技盤13が着脱可能に装着される。
内枠ベース55の中央窓55aの下側は、前面側が開放した凹状に窪んで形成されており、その奥側には、平面状の取付面52bが形成されている。取付面52bには、球を遊技盤13の前面に発射するための発射ユニット140や、上皿17および下皿50に球を排出する通路を形成する通路形成部材54等が取り付けられる。
外枠11と内枠12との間には、内枠12の開放および閉鎖を検出するスイッチSW1(SW1a,SW1b)が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検出するスイッチSW2(SW2a,SW2b)が設けられている。スイッチSW1は、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aと、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bとから構成される。また、スイッチSW2は、内枠12の前面枠14と対向する面に配設された雌型スイッチSW2aと、前面枠14の内枠12と対向する面に配設された雄型スイッチSW2bとから構成される。
ここで、図5を参照して、スイッチSW1およびスイッチSW2の構造について説明する。なお、スイッチSW1とスイッチSW2とは同一の構造であるので、スイッチSW1についてその構造を説明し、スイッチSW2についてはその説明を省略する。
図5は、スイッチSW1の構造を示した図である。図5(a)は、内枠12が閉鎖された状態におけるスイッチSW1の状態(遮断状態)を示した図である。また、図5(b)は、内枠12が開放された状態におけるスイッチSW1の状態(導通状態)を示した図である。
図5(a)に示すように、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aには、導電部材である金属から構成される一対の端子対SW1cが内蔵されている。内枠12が閉鎖された状態においては、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aに、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが内挿される状態となり、端子対SW1c同士の接触が妨げられる。よって、内枠12が閉鎖された状態においては、スイッチSW1は導通が遮断された状態となる。
一方、図5(b)に示すように、内枠12が開放された状態においては、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aから、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが引き抜かれた状態となる。雌型スイッチSW1aに内蔵される端子対SW1cは、互いに対向する方向に付勢力が発生する構造であるため、雄型スイッチSW1bが雌型スイッチSW1aから引き抜かれた状態では、端子対SW1c同士が接触する。よって、内枠12が開放された状態においては、スイッチSW1は導通された状態となる。
このように、スイッチSW1は、内枠12が閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では導通状態となる。ただし、スイッチSW1の構造は、図5に記載した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された状態では、スイッチSW1が遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では、スイッチSW1が導通状態となる構造であれば良い。これは、スイッチSW2の構造についても同様である。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図11参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
また、主制御装置110には、スイッチSW1が導通することにより内枠12の開放を検出すると共に、スイッチSW2が導通することにより前面枠14の開放を検出する枠開放検出回路260が設けられている。枠開放検出回路260には、内枠12の開放を検出するスイッチSW1と、前面枠14の開放を検出するスイッチSW2と、ホールコンピュータ262と接続可能に構成された外部出力端子板261とが接続されている。なお、スイッチSW1およびスイッチSW2と枠開放検出回路260との接続、並びに枠開放検出回路260と外部出力端子板261との接続には、信号の入出力を行う入出力部(入出力ポート205とは異なる入出力ポート、図示せず)を介して接続が行われている。枠開放検出回路260は、スイッチSW1が導通して内枠12の開放を検出すると、または、スイッチSW2が導通して前面枠14の開放を検出すると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。外部出力端子板261から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。
なお、枠開放検出回路260は、主制御装置110のMPU201や入出力ポート205(MPU201の入出力ポート)と非接続に構成されている。よって、この枠開放検出回路260を、主制御装置110以外の他の装置(回路基板)に搭載するように構成しても良い。例えば、MPUやCPUなどの演算装置の搭載されない装置(回路基板)上に搭載しても良いし、枠開放検出回路260の専用基板を設けて、そこに搭載するようにしても良い。より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、枠開放検出回路260を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付しても良い。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータを記憶したメモリである。ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM234の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図17参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図7を参照して、枠開放検出回路260および外部出力端子板261を説明する。図7は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7では、まず枠開放検出回路260を説明し、次に外部出力端子板261を説明する。
内枠12の開放または前面枠14の開放を検出する枠開放検出回路260は、12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1と、ダイオードD1と、コンデンサCD1〜CD5と、抵抗R1〜R4と、C−MOSタイマであるタイマIC1(ナショナルセミコンダクタ社製LMC555)と、内部抵抗R5および内部抵抗R6が設けられたトランジスタTR1とを主に有している。
スイッチSW1が導通することにより内枠12の開放を検出すると共に、スイッチSW2が導通することにより前面枠14の開放を検出するために、枠開放検出回路260は、上記の部品が図7に示すブロック図に従って接続される。なお、スイッチSW1とスイッチSW2とは並列接続された上で枠開放検出回路260に接続されているので、いずれか一方のスイッチが導通すれば、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。
直流電源DC1は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ12ボルトの直流電圧を供給する電源である。直流電源DC1への電力(電源)は、電源装置115に設けられた電源部251から図示しない電源経路を通じて供給される。この直流電源DC1は、ダイオードD1のアノード端子と接続される。ダイオードD1のカソード端子には0.1F(ファラッド)のコンデンサCD1の一端が接続されている。そして、コンデンサCD1の他端はグランドされている。また、コンデンサCD1の一端は、スイッチSW1の一端と、スイッチSW2の一端と、タイマIC1のVDD端子およびRES端子と接続されている。
コンデンサCD1は、パチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する充電池の機能を発揮する部品である。
これは、コンデンサCD1は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には、コンデンサCD1の容量0.1F(ファラッド)とコンデンサCD1に印加された直流電圧(直流電源DC1から供給される12ボルトからダイオードD1での電圧降下約0.7ボルトを引いた約11.3ボルト)との積により求まる電荷を蓄える。
一方、コンデンサCD1は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、コンデンサCD1に蓄えられた電荷に基づく直流電圧(約11.3ボルト)を枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ供給する。
よって、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、コンデンサCD1により供給される直流電圧によって動作して、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。なお、本実施形態においては、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する部品として、コンデンサCD1を使用した。しかし、これに限られるものではなく、コンデンサCD1を、より蓄電量の多い二次電池(充電池)や、充電の必要のない一次電池としても良い。
また、コンデンサCD1の一端には、ダイオードD1のカソード端子が接続されており、このダイオードD1が電流の逆流防止機能を果たしているので、コンデンサCD1から枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧(約11.3ボルト)が供給されている場合でも、その直流電圧が直流電源DC1に印加されることはなく、直流電源DC1が損傷することはない。
タイマIC1は、C−MOSタイマであり、100kΩの抵抗R1〜R2と、0.1μFのコンデンサCD3〜CD5との接続によって、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10m秒の間通電する回路として機能する。
このタイマIC1の動作電圧範囲は、主制御装置110に搭載されるMPU201、払出制御装置111に搭載されるMPU211、音声ランプ制御装置113に搭載されるMPU221および表示制御装置114に搭載されるMPU231の各動作電圧範囲よりも広範囲に設定されている。具体的には、タイマIC1の動作電圧範囲は、約1.5ボルトから約12.0ボルトであるのに対し、MPU201,211,221,231の各動作電圧範囲は、約4.5ボルトから約5.5ボルト(なお、本実施形態の各動作電圧は約5.0ボルト)である。よって、タイマIC1は、MPU201,211,221,231の各動作電圧よりも低い電圧で動作できる。従って、コンデンサCD1に蓄えられた電荷が少なくなり、コンデンサCD1により供給される電圧が約4.5ボルト未満に低下したとしても、タイマIC1は、十分に動作することができる。また、タイマIC1は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合、即ち、コンデンサCD1により直流電圧が供給されている場合と、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合とで兼用している。よって、当然に、タイマIC1は、パチンコ機10への電源供給が行われている場合に枠開放検出回路260へ供給される直流電圧12ボルト以下で動作可能である。更に、タイマIC1は、C−MOS半導体で構成されるタイマであるので、動作時の消費電力を抑制し、長時間の動作が可能である。
このタイマIC1のVDD端子は、タイマIC1に供給された直流電圧を入力する端子であり、コンデンサCD1の一端と接続されている。また、タイマIC1のVDD端子は、0.1μFのコンデンサCD4の一端と接続され、このコンデンサCD4の他端は、グランドされたタイマIC1のGND端子と接続されている。このコンデンサCD4によって、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通または遮断された際に(内枠12および前面枠14が開放または閉鎖された際に)、タイマIC1のVDD端子に発生するノイズを低減している。
タイマIC1のRES端子は、RES端子にパルス信号が入力された場合に、OUT端子から出力されている電圧を強制的に出力停止状態(ゼロボルト)にするリセット機能を作動させるための端子である。ただし、本枠開放検出回路260では、このリセット機能を使用しないので、タイマIC1のRES端子をコンデンサCD1の一端に接続して、リセット機能が作動しないようにしている。なお、タイマIC1のVDD端子およびタイマIC1のRES端子は、上述の通り、コンデンサCD1の一端と接続されているので、タイマIC1のVDD端子およびRES端子には、約11.3ボルトの直流電圧が印加される。
タイマIC1のTRG端子は、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には(内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合には)、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を約10.6ボルトに設定し、一方、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態となった場合には(内枠12又は前面枠14のいずれか一方、または内枠12および前面枠14の両方が開放状態となった場合には)、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を約10m秒後に約10.6ボルトからゼロボルトに設定するための端子である。タイマIC1のTRG端子は、抵抗R2の一端、コンデンサCD5の一端、スイッチSW1の他端、スイッチSW2の他端、抵抗R1の一端および外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。なお、抵抗R2の他端およびコンデンサCD5の他端は、グランドされている。
タイマIC1のTRG端子に接続される抵抗R2は、内枠12および前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態(図5(b)参照)となったときに、タイマIC1のTRG端子に直流電圧(約11.3ボルト)を印加するための抵抗である。また、このコンデンサCD5は、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通または遮断された際に(内枠12および前面枠14が開放または閉鎖された際に)、抵抗R2に発生するノイズを低減するためのコンデンサである。
上記の接続により、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態にあるときには(内枠12および前面枠14が閉鎖状態にあるときには)、抵抗R2およびコンデンサCD5に電圧が供給されないので、抵抗R2およびコンデンサCD5に印加される電圧は(タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は)、ゼロボルトとなる。このとき、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は約10.6ボルトとなる。
一方、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態にあるときには(内枠12又は前面枠14のいずれか一方、または内枠12および前面枠14の両方が開放状態にあるときには)、抵抗R2およびコンデンサCD5に電圧が供給されるので、抵抗R2およびコンデンサCD5に印加される電圧は(タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は)、コンデンサCD1の一端に印加される電圧と同じ約11.3ボルトとなる。このとき、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態となってから約10m秒の間は約10.6ボルトとなり、その後、ゼロボルトとなる。
このように、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧により、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を、約10.6ボルトかゼロボルトかのいずれか一方に設定することができる。なお、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され(内枠12または前面枠14が開放され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R2に印加される電圧)がゼロボルトから約11.3ボルトに変化すると、上述の通り、その電圧の立ち上がりから約10m秒遅れて、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに立ち下がる。そして、詳細は後述するが、このタイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R2に印加される電圧)の立ち上がりと、タイマIC1のOUT端子から出力されている電圧の立ち下がりとの時間差(約10m秒)によって、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10m秒だけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が約10m秒の間だけ通電される。
タイマIC1のOUT端子は、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断され(内枠12および前面枠14が閉鎖され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトになると、約10.6ボルトの電圧を出力し、一方、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され(内枠12または前面枠14が開放され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が約11.3ボルトに立ち上がると、その立ち上がりから約10m秒遅れて、出力している約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに設定する端子である。このOUT端子は、10kΩの抵抗R3の一端と接続される。この抵抗R3の他端は、コンデンサCD2の一端および10kΩの抵抗R4の一端と接続されており、コンデンサCD2の他端および抵抗R4の他端は、グランドされている。
抵抗R3および抵抗R4は、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を分圧するための分圧抵抗である。よって、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は、抵抗R3の抵抗値と抵抗R4の抵抗値との比に応じて、抵抗R3と抵抗R4とに分圧される。抵抗R3と抵抗R4とは共に10kΩであるので、タイマIC1のOUT端子から出力される約10.6ボルトの電圧は、抵抗R3と抵抗R4とにより、それぞれ最大値約5.3ボルトずつに分圧される。
抵抗R4に並列に接続される10μFのコンデンサCD2は、抵抗R4に印加される電圧を安定化させるためのコンデンサである。このコンデンサCD2の一端は、抵抗R4の一端と接続され、コンデンサCD2の他端は、抵抗R4の他端と接続されて、グランドされている。このコンデンサCD2により、抵抗R4に印加される電圧を安定化させることで、トランジスタTR1のベース端子bとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間に印加されるバイアス電圧を安定化させて、トランジスタTR1の動作を安定化させることができる。
トランジスタTR1は、抵抗R4に印加される電圧に基づいて、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間を、導通または遮断のいずれか一方に切り換えるスイッチング素子である。トランジスタTR1には、10kΩの内部抵抗R5が設けられている。この内部抵抗R5の一端には、抵抗R4の一端が接続され、内部抵抗R5の他端には、ベース端子bが接続されている。また、トランジスタTR1には、10kΩの内部抵抗R6が設けられている。この内部抵抗R6の一端には、内部抵抗R5の他端が接続され、内部抵抗R6の他端には、エミッタ端子eが接続されている。
よって、タイマIC1のOUT端子から約10.6ボルトの電圧が出力されている場合には(内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合、ならびに、内枠12または前面枠14が開放されてから約10m秒内である場合には)、その電圧が抵抗R3と抵抗R4で分圧され、抵抗R4に印加された電圧(約5.3ボルト)が、トランジスタTR1の内部抵抗R5の一端とトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間に印加される。これにより、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通される。このとき、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態(内枠12または前面枠14が開放状態)であれば、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに切り換わるまで、即ち、内枠12または前面枠14が開放されてから約10m秒の間、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給される。抵抗R7の一端に電流が供給されれば、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10m秒の間、通電し、ホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力することができる。ただし、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには、コンデンサCD1の一端と外部出力端子板261に設けられた抵抗R7との接続が遮断される。よって、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電されず、ホールコンピュータ262へパルス信号は出力されない。
一方、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトの場合には(内枠12または前面枠14が開放されてから約10m秒が経過した場合)、抵抗R4に電圧が印加されないので、トランジスタTR1の内部抵抗R5の一端とトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間にも電圧が印加されない。これにより、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が遮断される。よって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態(内枠12または前面枠14が開放状態)であっても、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電されず、ホールコンピュータ262へパルス信号は出力されない。
このように、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ約10m秒の間だけ通電することができる。よって、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ約10m秒のパルス幅のパルス信号を出力することができる。
タイマIC1のTH端子は、TH端子に印加される電圧を計測する端子であり、抵抗R1の他端と、コンデンサCD3の一端と、タイマIC1のDCH端子とに接続されている。タイマIC1のDCH端子は、タイマIC1のTH端子に印加された電圧がタイマIC1のVDD端子に入力される直流電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧(約7.5ボルト)となった場合に、DCH端子のインピーダンスを無限大の状態からゼロの状態に切り換える端子である。DCH端子のインピーダンスがゼロの状態(グランド状態)となると、コンデンサCD3へ電圧が印加できない状態となる。一方、DCH端子のインピーダンスが無限大の状態となると、コンデンサCD3に電圧が印加可能な状態となる。
タイマIC1のTH端子およびタイマIC1のDCH端子に接続される抵抗R1およびコンデンサCD3は、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3との積である時定数に基づいて、内枠12または前面枠14が開放された場合に、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間を約10m秒に決定するための部品である。抵抗R1の一端は、スイッチSW1の他端、スイッチSW2の他端および外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。また、抵抗R1の他端は、タイマIC1のTH端子と、タイマIC1のDCH端子と、コンデンサCD3の一端と接続されている。また、コンデンサCD3の他端は、グランドされている。
ここで、抵抗R1およびコンデンサCD3について、タイマIC1のTRG端子、タイマIC1のTH端子、タイマIC1のDCH端子およびタイマIC1のOUT端子と共に説明する。
内枠12および前面枠14が閉鎖状態では(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態では)、抵抗R1に電圧が供給されないので、タイマIC1のTH端子に印加される電圧はゼロボルト(約7.5ボルト未満)となり、タイマIC1のDCH端子は、インピーダンスが無限大の状態に設定される。よって、コンデンサCD3に電圧が印加可能な状態となり、コンデンサCD3は、充電可能状態(電荷を蓄えることができる状態)となる。しかし、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには、コンデンサCD1の一端と抵抗R1との接続が遮断されているので、コンデンサCD3には電圧が印加されず、コンデンサCD3に印加される電圧がゼロボルトとなる。このように、コンデンサCD3は、充電可能状態となるものの、充電は行われない状態となる。なお、このとき、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通している。しかし、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態であるので、外部出力端子板261の抵抗R7の一端には、電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電も行われず、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へもパルス信号は出力されない。
次に、内枠12または前面枠14が開放状態となって(図5(b)参照)、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)は、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わる。このとき、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通している。よって、抵抗R7の一端への電流供給が開始され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電される。これにより、ホールコンピュータ262へ信号が出力開始される。
また、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)が、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わるのと同時に、コンデンサCD3に電圧が印加され、コンデンサCD3の充電が開始される。このとき、タイマIC1のTH端子に印加される電圧が上昇を開始する。
タイマIC1のOUT端子の電圧は、タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD3に印加される電圧)が、タイマIC1のVDD端子に入力される電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧、即ち、約7.5ボルトと等しくなるまで、約10.6ボルトを保ち続ける。タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD2に印加される電圧)が上昇し、約7.5ボルトと等しくなると、タイマIC1のDCH端子のインピーダンスが無限大の状態からゼロの状態(グランドされた状態)に切り換わる。すると、コンデンサCD3に印加される電圧がゼロボルト状態となり、コンデンサCD3に蓄えられた電荷が放電される。これにより、タイマIC1のTH端子に印加される電圧は、約7.5ボルトからゼロボルトに切り換わる。このタイマIC1のTH端子に印加される電圧の切り換わりにより、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換わる。すると、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとの導通が遮断され、抵抗R7の一端への電流供給が停止される。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電が停止し、ホールコンピュータ262への信号の出力が停止される。
このように、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となった場合に(図5(b)参照)、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間、即ち、タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD3に印加される電圧)がゼロボルトから約7.5ボルトとなるまでの期間を、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3の容量との積である時定数に基づいて約10m秒に決定する。すると、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合に、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の抵抗R7の一端に電流の供給が開始される。そして、抵抗R7の一端への電流の供給開始から約10m秒経過後に、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに切り換わり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとの導通が遮断されて、抵抗R7の一端への電流供給が停止される。これにより、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合に、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10m秒だけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10m秒の間だけ通電することができる。よって、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、約10m秒のパルス幅のパルス信号を出力することができる。
なお、内枠12および前面枠14が開放状態から閉鎖状態(スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態から遮断状態)となると、即ち、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると、タイマIC1のOUT端子の電圧は、ゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる。この状態においては、上述した通り、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通しているが、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態であるので、外部出力端子板261の抵抗R7の一端には、電流が供給されない。よって、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電も行われず、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へもパルス信号は出力されない。
上述の通り、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3との積である時定数に基づき、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10m秒だけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10m秒の間だけ通電することができる。これにより、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、約10m秒のパルス幅のパルス信号を出力することができる。
図7の説明に戻る。タイマIC1のCNT端子は、CNT端子に入力される信号により、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整する端子である。ただし、本枠開放検出回路260では、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整しないので(タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間は10m秒に固定)、タイマIC1のCNT端子は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261のいずれの部品にも接続されず、開放されている。
上述したように、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると(図5(b)参照)、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給を開始する。一方、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となってから約10m秒経過すると、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間を導通状態から遮断状態へ切り換え、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給を停止する。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が約10m秒の間、通電され、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ約10m秒のパルス幅のパルス信号が出力される。
なお、扉開放検出回路260では、タイマIC1にLMC555を用いて、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、フォトカプラPR1を約10m秒の間通電する回路を実現したが、これに限られるものではない。即ち、タイマIC1に他の集積回路等を用いて、内枠12の1回の開放または前面枠14の1回の開放に対して、1のパルス信号を発生する回路を実現し、その1のパルス信号に基づいてフォトカプラPR1を所定期間通電するものであれば良い。
次に、枠開放検出回路260に接続されると共に、ホールコンピュータ262に接続される外部出力端子板261について説明する。外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262に約10m秒のパルス幅のパルス信号を出力する機能を有し、1kΩの抵抗R7とフォトカプラPR1とから主に構成されている。
抵抗R7は、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗であり、抵抗R7の一端は、枠開放検出回路260の抵抗R1の一端、スイッチSW1の他端およびスイッチSW2の他端と接続され、抵抗R7の他端はフォトカプラPR1の一次側(発光ダイオードのアノード端子)と接続されている。フォトカプラPR1は、発光ダイオードとその発光ダイオードが発する光を受光する受光素子(フォトトランジスタ)とから構成される電流スイッチである。フォトカプラPR1の一次側である発光ダイオードは、上述した通り、アノード端子が抵抗R7の一端と接続されており、カソード端子が枠開放検出回路260のトランジスタTR1のコレクタ端子cと接続されている。また、フォトカプラPR1の二次側である受光素子(フォトトランジスタ)は、ホールコンピュータ262に接続されている。
よって、内枠12または前面枠14が開放状態(スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態)となってから約10m秒の間、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通されると、フォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7を介して電流が供給され、発光ダイオードは約10m秒の間、光を発する。すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、発せられた光を受光し、受光した約10m秒の光をパルス幅が約10m秒のパルス信号(電気信号)に変えて、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。ホールコンピュータ262は、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)から出力されたパルス信号を記憶することができる。よって、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。
一方、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、抵抗R7の一端に電圧が供給されないので、フォトカプラPR1の一次側である発光ダイオードに電流が供給されない。よって、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されることはない。
ここで、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する外部出力端子板261にフォトカプラPR1を用いる利点について説明する。フォトカプラPR1は、一次側の発光ダイオードに供給される電流を光に変換し、その光を二次側の受光素子(フォトトランジスタ)に受光させてパルス信号(電気信号)を出力する構成(発光ダイオードから受光素子へ一方向に信号を伝送する構成)である。よって、二次側の受光素子(フォトトランジスタ)から一次側の発光ダイオードへはパルス信号等の電気信号を伝えることができない。これにより、フォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに枠開放検出回路260が接続され、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)にホールコンピュータ262が接続されていても、ホールコンピュータ262からのパルス信号等の電気信号を、枠開放検出回路260や枠開放検出回路260が設けられた主制御装置110等へ伝送することができない。従って、フォトカプラPR1を用いることで、ホールコンピュータ262から枠開放検出回路260や主制御装置110等への不正なパルス信号等の電気信号の伝送を防止しつつ、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へはパルス信号を伝送できるという利点がある。
更には、フォトカプラPR1は、一次側の発光ダイオードと二次側の受光素子(フォトトランジスタ)とが電気的に絶縁されている。よって、例えば、フォトカプラPR1の発光ダイオードに供給される電流に電気ノイズが含まれていたとしても、その電気ノイズが2次側のフォトトランジスタに伝送されることがない。従って、フォトカプラPR1を用いることで、外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262へ、正確なパルス信号を出力することができるという利点がある。
上述した通り、枠開放検出回路260には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。そして、枠開放検出回路260により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力することができる。なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。
ここで、一般に、遊技場は民間の警備会社と防犯契約を交わしており、遊技場への侵入者があった場合には、直ちに警備会社の警備員が遊技場へ駆けつける。しかし、不正行為は短時間で行われるので、警備員が駆けつけたときには、大抵の場合、既に侵入者は遊技場から逃げ出しており、一体、どのパチンコ機10に不正行為が行われたのか判別できないという問題点があった。不正行為がなされたパチンコ機10は、正常な状態に戻さなければならないが、どのパチンコ機10に不正行為がなされたか分からない場合には、すべてのパチンコ機10の内枠12および前面枠14を開放して、1台ずつ検査しなければならず、多数のパチンコ機10が設置されている遊技場でこの作業を行うことは相当な重労働であった。
しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、枠開放検出回路260により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力する。そして、その出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ、コンデンサCD1から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD1からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD1の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD1の容量を1Fとする)、コンデンサCD1を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図8を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化するタイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)と、タイマIC1のOUT端子電圧と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図8は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)、タイマIC1のOUT端子電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。
図8(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t1時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t1時から約10m秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t1時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t1時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t1時から約10m秒経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t1時から10m秒経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t2時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
次に、図8(a)に示すように、t3時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t3時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t3時から約10m秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t3時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t3時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t3時から約10m秒経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t3時から10m秒経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t4時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図8(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図8(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t5時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t5時から約10m秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t5時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t5時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t5時から約10m秒経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t5時から10m秒経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図8(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t8時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
このように、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合でも、タイマIC1は、スイッチSW1の導通期間の長さ(内枠12の開放期間の長さ)およびスイッチSW2の導通期間の長さ(前面枠14の開放期間の長さ)に拘らず、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となったときから約10m秒経過すると、OUT端子の電圧を約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10m秒となる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へコンデンサCD1から約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10m秒に留めることができる。従って、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
ここで、コンデンサCD1は容量が0.1Fであり、コンデンサCD1に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1に蓄えられる電荷は、コンデンサCD1の容量とコンデンサCD1の印加電圧との積から約1.13C(クーロン)となる。このコンデンサCD1に蓄えられる約1.13Cの電荷は、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の1回の供給期間が約10m秒である場合には、電流の供給回数で約500回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12の開放(スイッチSW1の導通)または前面枠14の開放(スイッチSW2の導通)が多数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路260は、内枠12の開放または前面枠14の開放(スイッチSW1の導通またはスイッチSW2の導通)を、約500回まで毎回確実に検出して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力することができる。このとき、内枠12の開放または前面枠14の開放が約500回付近となると、コンデンサCD1に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のパルス信号の検出感度を上げることにより(パルス信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にパルス信号を記憶させることができる。
なお、本実施形態では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されたが、これに限られるものではない。即ち、本枠開放検出回路260の各部品の接続を変更し、内枠12または前面枠14が開放され、その開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、フォトカプラPR1に約10m秒の間、電流を供給して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しても良い。
ただし、本実施形態の枠開放検出回路260では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しているので、内枠12または前面枠14の開放を素早く検出できる。よって、内枠12または前面枠14が開放されて主制御装置110または遊技盤13に不正行為が行われる前に、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。従って、パチンコ機10へ電源が供給されている場合に発生する不正行為が行われたことによる異常動作を防止することができる。
なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
また、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、タイマIC1のOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、枠開放検出回路260のトランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子e(図7参照)との端子間が導通状態となる。ただし、このときには、トランジスタTR1に流れる電流はベース電流だけである。そして、このベース電流の電流値を決定する抵抗R3および抵抗R5は共に抵抗値10kΩであり、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗R7の抵抗値(1kΩ)に比べて十分大きい。よって、ベース電流の電流値を約100μA程度に留めることができる(なお、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通されているときに、フォトカプラPR1に供給される電流値は、約11.3mA)。よって、トランジスタTR1の導通状態によるコンデンサCD1に蓄えられる電荷の消費をごく僅かに止めることができる。
また、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、タイマIC1のOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、タイマIC1のOUT端子とグランドとの間に直列に接続される抵抗R3および抵抗R4を介して、電流が消費される。しかし、抵抗R3および抵抗R4は共に抵抗値が10kΩであり、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗R7の抵抗値(1kΩ)に比べて十分大きい。よって、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときに、抵抗R3および抵抗R4を介してタイマIC1のOUT端子からグランドへ流れる電流値を、約530μA程度に留めることができる。従って、コンデンサCD1に蓄えられる電荷の抵抗R3および抵抗R4による消費をごく僅かに止めることができる。
なお、内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合に(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合に)、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費を更に抑制したい場合には、抵抗R3、抵抗R4および抵抗R5の抵抗値を10kΩよりも更に大きくすれば良い。
更に、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合に、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費をゼロにしたい場合には、次の構成にすれば良い。スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bをそれぞれ2つずつにする。これに対応して、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aをそれぞれ2つずつにする。これにより、スイッチSW1には、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせが、新たに1つ加えられる。スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせが新たに1つ加えられる。そして、枠開放検出回路260内のタイマIC1のOUT端子と抵抗R3の一端との接続を切断し、接続切断後のタイマIC1のOUT端子に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R3の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を接続する。同様に、接続切断後のタイマIC1のOUT端子に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R3の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を接続する。このように構成することで、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には、タイマIC1のOUT端子電圧である約10.6ボルトが抵抗R3、抵抗R4および抵抗R5に印加されることはなく、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費をゼロにすることができる。反対に、内枠12または前面枠14の一方、若しくは内枠12と前面枠14との両方が開放されている場合には(スイッチSW1またはスイッチSW2の一方、若しくはスイッチSW1とスイッチSW2との両方が導通されている場合には)、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6およびコンデンサCD2にタイマIC1のOUT端子電圧が分圧されて印加されることで、フォトカプラPR1への電流供給を抵抗R7を介して正常に行うことができる。
なお、タイマIC1のOUT端子との接続を切断して、端子対SW1cおよび端子対SW2cを接続する箇所は上記に限られるものではない。例えば、抵抗R3の他端と、抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端とを切断して、接続切断後の抵抗R3の他端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を接続する。同様に、接続切断後の抵抗R3の他端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を接続すれば良い。つまり、新たに加えられた雄型スイッチSW1bおよび雌型スイッチSW1aと、新たに加えられた雄型スイッチSW2bおよび雌型スイッチSW2aとにより、内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合には(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には)、タイマIC1のOUT端子とグランドとの導通を遮断する一方、内枠12または前面枠14の一方、若しくは内枠12と前面枠14との両方が開放されている場合には(スイッチSW1またはスイッチSW2の一方、若しくはスイッチSW1とスイッチSW2との両方が導通されている場合には)、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6およびコンデンサCD2にタイマIC1のOUT端子電圧が分圧されて印加されるように構成すれば良いのである。
また、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路260に接続すれば良い。具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD1の一端、タイマIC1のVDD端子、コンデンサCD4の一端およびタイマIC1のRES端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD5の一端、抵抗R1の一端、および外部出力端子盤261の抵抗R7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路260および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。ここで、ホールコンピュータ262は、既存の外部出力端子板261(スイッチSW1の導通検出用(内枠12の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子と、新たに設けた外部出力端子板261(スイッチSW2の導通検出用(前面枠14の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子とをそれぞれ別にしておく。この構成により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)とスイッチSW2の導通(前面枠14の開放)とを区別してホールコンピュータ262に記憶させることができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
更に、パチンコ機10への電源供給が行われている場合に、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させると共に、内枠12と前面枠14とのどちらかが開放したときにパチンコ機10で報知を行いたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路260に接続する。次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを新たに1つずつ設ける。そして、新たに設けた雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを用いて、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通した場合に、MPU201に、信号が入力されるように構成すれば良い。
具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD1の一端、タイマIC1のVDD端子、コンデンサCD4の一端およびタイマIC1のRES端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD5の一端、抵抗R1の一端、および外部出力端子盤261の抵抗R7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路260および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。
次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bをそれぞれ2つずつにする。これに対応して、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aをそれぞれ2つずつにする。これにより、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加える。また、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加える。そして、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を、既存の枠開放検出回路260の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を、抵抗により構成される分圧回路を介してMPU201の入出力ポート205に接続する。同様に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を、新たに設けられた枠開放検出回路260の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を、抵抗により構成される分圧回路を介してMPU201の入出力ポート205に、端子対SW1cの他端とは別のポートに接続する。更に、MPU201は、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通して、内枠12の開放を検出する5ボルトの電圧(分圧回路により、直流電源DC1から供給される12ボルトの電圧が5ボルトに降圧される)または内枠14の開放を検出する5ボルトの電圧(分圧回路により、直流電源DC1から供給される12ボルトの電圧が5ボルトに降圧される)が入出力ポート205に入力された場合に、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ、内枠12または前面枠14の開放が検出されたことを示すコマンドを送信する。このとき、MPU201から送信されるコマンドを、内枠12の開放が検出された場合のコマンド(以下、「内枠コマンド」と称す)と、前面枠14が開放された場合のコマンド(以下、「前面枠コマンド」と称す)とで別にする。そして、この各コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226から異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227の点灯の態様を異ならせる。また、この各コマンドを受信した表示制御装置114は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の表示を行う。例えば、表示制御装置114が内枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示したり、表示制御装置114が前面枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示するように構成すれば良い。
このように、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加え、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加えて、それらを用いて、スイッチSW1が導通した場合には(内枠12が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ内枠コマンドを送信するように構成する。また、スイッチSW2が導通した場合には(前面枠14が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ前面枠コマンドを送信するように構成する。このように構成することで、内枠12の開放があった場合と前面枠14の開放があった場合とで異なる態様の報知を、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114を用いて行うことができる。これにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを、パチンコ機10を用いて正確に検出することができる。
また、枠開放検出回路260および外部出力端子板261を新たに設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
なお、本実施形態においては、外部出力端子板261から出力されるパルス信号を、パチンコ機10とは設置場所が異なるホールコンピュータ262へ出力したが、これに限られるものではない。ホールコンピュータ262の機能を有する専用の記憶装置をパチンコ機10毎に設け、その専用の記憶装置を、主制御装置110等が設けられる各パチンコ機10の背面側に配設しても良い。この場合には、より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、専用の記憶装置を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付する。
次に、図9を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図9は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図9(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図9(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施の形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図9(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図9(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施の形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図12参照)の実行間隔である4m秒間隔、またはタイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2m秒間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図12参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図11から図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図15は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2m秒毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理(図16参照)を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図16のフローチャートを参照して、S504の処理で実行される始動入賞処理を説明する。図16は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S602:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S603)、更に、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図17は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S651)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図11を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS110へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS110へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS110へ移行する。なお、図12のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図12を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図12は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する(S201)。具体的には、S501のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図13を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、上述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図17のNMI割込処理が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図13を参照して、変動処理(S204)について説明する。図13は、メイン処理(図12参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については、図14を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施の形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4m秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施の形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図14を参照して、変動開始処理について説明する。図14は、変動処理(図13参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか低確率状態へ移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,4」の場合は、以後、低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。S403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンが決定され(S405)、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S403の処理またはS405の処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403又はS405の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407)、S402又はS404の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408)。そして、S406の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409)、変動処理へ戻る。
以上、説明したように、パチンコ機10によれば、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると(図5(b)参照)、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となってから約10m秒経過するまで(約10m秒の間)、外部出力端子板261の抵抗R7の一端へ電流を供給する。すると、外部出力端子板261に設けられたフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7を介して電流が供給され、発光ダイオードは約10m秒の間、光を発する。そして、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)が発光ダイオードの光を受光すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、受光した約10m秒の光をパルス幅が約10m秒のパルス信号(電気信号)に変え、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。出力されたパルス信号は、ホールコンピュータ262に記憶される。よって、枠開放検出回路260と外部出力端子板261とを用いることで、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路260は、パルス信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
また、枠開放検出回路260には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断されている場合であっても、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力することができる。
次に、図18および図19を参照して、第2実施形態のパチンコ機を説明する。第2実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10の枠開放検出回路260を別の構成である枠開放検出回路270に変更したものである。第2実施形態の枠開放検出回路270は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、回路構成を簡略化している。具体的には、第2実施形態の枠開放検出回路270は、第1実施形態の枠開放検出回路260から、タイマIC1、抵抗R1〜R3、コンデンサCD3〜CD5を取り除き、コンデンサCD1を容量の異なるコンデンサCD6に変更し、各部品の接続を変更して、回路構成を簡略化したものである。
この第2実施形態の枠開放検出回路270によれば、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号をホールコンピュータ262へ出力することができるので、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。
図18は、第2実施形態の枠開放検出回路270の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7で上述した第1実施形態の枠開放検出回路260と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
コンデンサCD6は、第1実施形態の枠開放検出回路260に用いられたコンデンサCD1の容量を0.1F(ファラッド)から1F(ファラッド)に変更したものである。コンデンサCD6は、第1実施形態の枠開放検出回路260のコンデンサCD1と同じく充電池として機能する部品であり、コンデンサCD6の一端はダイオードD1のカソードと接続され、コンデンサCD6の他端はグランドされている。
このコンデンサCD6は、上述したコンデンサCD1(図7参照)と同様、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には、コンデンサCD6の容量1Fと、コンデンサCD6に印加された直流電圧(直流電源DC1から供給される12ボルトからダイオードD1での電圧降下0.7ボルトを引いた約11.3ボルト)との積により求まる電荷を蓄える。
一方、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、コンデンサCD6は、コンデンサCD6に蓄えられた電荷に基づく直流電圧(約11.3ボルト)を枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ供給する。
具体的には、コンデンサCD6は容量が1F(ファラッド)であり、コンデンサCD6に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD6に蓄えられる電荷は、コンデンサCD6の容量とコンデンサCD6の印加電圧の積から約11.3C(クーロン)となる。このコンデンサCD6に蓄えられる約11.3Cの電荷は、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるハイ信号の出力期間にすると、約10分間の量となる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、外部出力端子板261から出力されるハイ信号の総出力期間が約10分間となるまでは、枠開放検出回路270は、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。また、枠開放検出回路270は、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。なお、内枠12の開放または前面枠14の開放の総出力期間が約10分間に近くなると、コンデンサCD6に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD6からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のハイ信号の検出感度を上げることにより(ハイ信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にハイ信号を記憶させることができる。
このように、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、枠開放検出回路270は、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。なお、コンデンサCD6の一端には、ダイオードD1のカソード端子が接続されており、このダイオードD1が電流の逆流防止機能を果たしているので、コンデンサCD6から枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電圧(約11.3ボルト)が供給されている場合でも、その直流電圧が直流電源DC1に印加されることはなく、直流電源DC1が損傷することはない。なお、本実施形態においては、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する部品として、コンデンサCD6を使用した。しかし、これに限られるものではなく、コンデンサCD6を、より蓄電量の多い二次電池(充電池)や、充電の必要のない一次電池としても良い。
コンデンサCD6の一端は、スイッチSW1およびスイッチSW2の一端と接続されると共に、外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。スイッチSW1およびスイッチSW2の他端には、抵抗R9の一端が接続されている。そして、抵抗R9の他端には、コンデンサCD2の一端、抵抗R4の一端およびトランジスタTR1の内部抵抗R5の一端が接続されている。
この接続により、スイッチSW1若しくはスイッチSW2の一方(内枠12若しくは前面枠14の一方)、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態である(内枠12および前面枠14の両方が開放状態である)期間中、抵抗R4に直流電圧が供給されるので、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通する。すると、この期間中、外部出力端子板261の抵抗R7を介してフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードへ電流が供給される。これにより、スイッチSW1若しくはスイッチSW2の一方(内枠12若しくは前面枠14の一方)、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態である(内枠12および前面枠14の両方が開放状態である)期間中、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)からホールコンピュータ262へ、ハイ信号が出力される。従って、第2実施形態の枠開放検出回路270によれば、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号を、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路270は、ハイ信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのハイ信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へコンデンサCD6から約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD6からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14が開放された期間に留めることができる。よって、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ、コンデンサCD6から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD6からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD6の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD6の容量を10Fとする)、コンデンサCD6を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図19を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化する枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図19は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、枠開放検出回路270のAの電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。なお、図19に記載されたt1時〜t8時の各時は、図8に示す第1実施形態の枠開放検出回路260のタイミングチャートに記載されたt1時〜t8時の各時と同一である。
図19(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、これに追従して、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる(t1時)。すると、図19(d)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t1時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、約11.3ボルトからゼロボルトへ切り換わる(t2時)。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t2時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t1時からt2時の間、出力される。つまり、パルス幅がt1からt2時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
次に、図19(a)に示すように、t3時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、これに追従して、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる(t3時)。すると、図19(d)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t3時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t4時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、約11.3ボルトからゼロボルトへ切り換わる(t4時)。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t4時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t3時からt4時の間、出力される。つまり、パルス幅がt3からt4時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図19(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図19(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、t5時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t5時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図19(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、t8時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t8時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t5時からt8時の間、出力される。つまり、パルス幅がt5からt8時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
このように、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態(内枠12および前面枠14が開放状態)であるときには、枠開放検出回路270は、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となったときから、スイッチSW1とスイッチSW2との両方が遮断状態(内枠12と前面枠14との両方が閉鎖状態)となるまで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、ハイ信号を出力することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態となったときから、内枠12と前面枠14との両方が閉鎖状態となるまでの開放期間を検出することができる。
上述した通り、第2実施形態のパチンコ機によれば、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、枠開放検出回路270により、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号をホールコンピュータ262に出力することができる。そして、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からハイ信号が出力されたことと共に、その出力されたハイ信号の出力期間を記憶させることで、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。また、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたハイ信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたハイ信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からハイ信号が出力されたことと共に、その出力されたハイ信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻も検出することができる。
次に、図20および図21を参照して、第3実施形態のパチンコ機を説明する。第3実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10の枠開放検出回路260を別の構成である枠開放検出回路280に変更したものである。第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、回路構成を簡略化している。具体的には、第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260から、抵抗R2、コンデンサCD4およびCD5を取り除き、抵抗R1、コンデンサCD3、抵抗R7、スイッチSW1およびスイッチSW2の各接続を変更し、タイマIC1を単安定マルチバイブレータとして機能させ、そのタイマIC1のTRG端子の前段に抵抗10とコンデンサCD7とから構成される積分回路281を接続して、回路構成を簡略化したものである。そして、第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の態様およびタイマIC1のOUT端子から出力される電圧の態様を変更したものである。
この第3実施形態の枠開放検出回路280によれば、積分回路281により、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることによって、タイマIC1のOUT端子から約9.6ボルトの電圧が出力される期間(約10m秒)よりも、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を短く調整することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10m秒に留めることができる。従って、枠開放検出回路280は、枠開放検出回路260と比較して回路構成を簡略化できると共に、タイマIC1のOUT端子から約9.6ボルトの電圧が出力される期間を約10m秒に留めることで、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を枠開放検出回路260よりも更に小さく抑えることができる。
図20は、第3実施形態の枠開放検出回路280の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7で上述した第1実施形態の枠開放検出回路260と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
パチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ直流電圧を供給するコンデンサCD1の一端は、100kΩの抵抗R10の一端と接続されると共に、タイマIC1のVDD端子、100KΩの抵抗R1aの一端、タイマIC1のRES端子および1KΩの抵抗R7aの一端と接続されている。
抵抗R1aの他端は、0.1μFのコンデンサCD3aの一端と接続されると共に、タイマIC1のDCH端子およびタイマIC1のTH端子と接続されている。そして、コンデンサCD3aの他端は、グランドされている。このコンデンサCD3aと抵抗R1aとの接続により、タイマIC1は、内枠12または前面枠14が開放されることで、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通されて、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約10m秒の間、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。なお、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる期間である約10m秒は、抵抗R1aの抵抗値(100kΩ)とコンデンサCD3aの容量値(0.1μF)との積である時定数により決定されている。
抵抗R10は、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を安定化させる抵抗であると共に、コンデンサCD7とで積分回路281を構成する抵抗である。この抵抗R10の他端は、ダイオードD2のアノード端子と接続され、このダイオードD2のカソード端子は、タイマIC1のTRG端子に接続されると共に、制限電圧(ツェナー電圧)が約10.5ボルトのツェナーダイオードD3のカソード端子、並列接続されたスイッチSW1およびスイッチSW2のそれぞれの一端に接続されている。よって、内枠12および前面枠14が閉鎖されて、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている状態では、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は、コンデンサCD1から供給される約11.3ボルトの電圧から、抵抗R10での電圧降下の約0.3ボルトと、ダイオードD2での電圧降下の約0.7ボルトとを差し引いた約10.3ボルトとなる。
0.02μFのコンデンサCD7は、抵抗R10とで積分回路281を構成して、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を制御するコンデンサである。コンデンサCD7の一端には、スイッチSW1およびスイッチSW2のそれぞれの他端が接続され、コンデンサCD7の他端は、グランドされている。このコンデンサCD7と抵抗R10とにより構成される積分回路281は、内枠12または前面枠14が開放状態となることにより、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、タイマIC1のTRG端子に印加されている約10.3ボルトの電圧をゼロボルトに立ち下げ、その立ち下げから約2m秒後に再び、タイマIC1のTRG端子電圧を約10.3ボルトに戻す回路である。
具体的には、内枠12または前面枠14が開放され、その開放に応じて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通されると、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧がコンデンサCD7に印加開始されて、コンデンサCD7の充電が開始される。この充電開始時に、コンデンサCD7に印加される電圧が瞬間的にゼロボルトとなることで、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が瞬間的にゼロボルトになるのである。そして、コンデンサCD7の充電に伴い、コンデンサCD7は、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を上昇させ、最終的に、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を約10.3ボルトに制御するのである。
なお、コンデンサCD7が充電完了するまでの期間、即ち、タイマIC1のTRG端子に印加されている約10.3ボルトの電圧がゼロボルトに立ち下がり、その立ち下がりから、タイマIC1のTRG端子の電圧が再び、約10.3ボルトに戻るまでの期間である約2m秒は、抵抗R10の抵抗値(100kΩ)とコンデンサCD7の容量値(0.02μF)の積である時定数により決定されている。
このように、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が立ち下がり、その立ち下がりから再び、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトに戻るまでの期間(約2m秒)は、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間(約10m秒)よりも短い期間に調整されている。なお、抵抗R10の抵抗値とコンデンサCD7の容量値とを変更することにより、タイマIC1のTRG端子に印加されている電圧が立ち下がってから、タイマIC1のTRG端子の電圧が約10.3ボルトに再び戻るまでの期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がるまでの期間である約10m秒以内で自由に変更することができる。
ここで、単安定マルチバイブレータは、出力端子から出力される信号の出力期間よりも、入力端子へ入力される信号の入力期間が短くなければ、出力端子から正常に信号が出力されない(出力端子から信号が出力され続ける)。このため、積分回路281を使用せずに、単安定マルチバイブレータとしてタイマIC1を機能させた場合には、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも、タイマIC1のTRG端子電圧がゼロボルトから再び、約10.3ボルトに戻るまでの期間が、即ち、内枠12および前面枠14の開放期間(スイッチSW1およびスイッチSW2の導通期間)が短くなくてはならない。しかし、内枠12および前面枠14の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも、内枠12および前面枠14の開放期間が常に短くなるようにするには、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を、十分に余裕を持った期間に設定する必要がある。例えば、内枠12および前面枠14の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この設定した期間中、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へコンデンサCD1から直流電圧の供給が行われ続けるので、コンデンサCD1の消耗が著しくなってしまう。よって、積分回路281を使用せずに、単安定マルチバイブレータとしてタイマIC1を機能させた上で、更に、コンデンサCD1に蓄えられた電荷の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。
しかし、タイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放期間(スイッチSW1およびスイッチSW2の導通期間)に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから再び、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下り期間を一定期間(約2m秒)とすることで、タイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10m秒に留めることができる。
そして、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに約10m秒の間、立ち上がると、トランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが約10m秒の間、導通し、抵抗R7aを介して、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に約10m秒の間、電流が供給される。これにより、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、内枠12または前面枠14の一回の開放につき、約10m秒のパルス幅のパルス信号が出力される。このように、タイマIC1を単安定マルチバイブレータとして機能させたとしても、タイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることで、コンデンサCD1に蓄えられた電荷の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10m秒に留めることができる。
なお、タイマIC1のTRG端子には、制限電圧(ツェナー電圧)が約10.5ボルトのツェナーダイオードD3のカソード端子が接続され、グランドには、ツェナーダイオードD3のアノード端子が接続されている。このツェナーダイオードD3は、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通された場合に、コンデンサCD7に蓄えられた電荷とコンデンサCD1から供給される電圧とが重畳されることにより発生し得る、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧(例えば、12.3ボルトの電圧)が、タイマIC1のTRG端子に印加されるのを防止する素子である。具体的には、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され、コンデンサCD7に蓄えられた電荷は、比較的短期間の内に再び、内枠12または前面枠14の次の開放が行われ、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通が行われると、スイッチSW1またはスイッチSW2の他端側から一端側へ放電される。このコンデンサCD7から放電された約10.3ボルトの電圧とコンデンサCD1から供給された約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加され得る。しかし、タイマIC1のTRG端子とグランドとの間には、制限電圧(ツェナー電圧)を約10.5ボルトとするツェナーダイオードD3が接続されているので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなり、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。このように、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードD3を用いて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることを防止し、タイマIC1の損傷を防止することができる。
なお、上述の通り、ツェナーダイオードD3の制限減圧(ツェナー電圧)は、約10.5ボルトであるので、内枠12および前面枠14が閉鎖されて、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断された状態にあっては、コンデンサCD1から供給される電流がツェナーダイオードD3を介してグランドに流れることはなく、コンデンサCD1の電荷が消耗することはない。また、スイッチSW1およびスイッチSW2の一端には、ダイオードD2のカソード端子が接続されており、このダイオードD2が電流の逆流防止機能を発揮するので、コンデンサCD7から放電された約10.3ボルトの電圧が、コンデンサCD1やタイマIC1のVDD端子に印加されて、これらが損傷することはない。
上述した通り、枠開放検出回路280のタイマIC1は、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、この立ち下がりから約10m秒の間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。そして、このタイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることで、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10m秒に留めることができる。これにより、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に電流が供給される期間を約10m秒に留めることができ、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10m秒に留めることができる。
また、枠開放検出回路280には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路280は、パチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。そして、枠開放検出回路280により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、その1回の検出につき、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力することができる。なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
なお、扉開放検出回路280では、タイマIC1にLMC555を用いて、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、フォトカプラPR1を約10m秒の間通電する回路を実現したが、これに限られるものではない。即ち、タイマIC1に他の集積回路等を用いて、内枠12の1回の開放または前面枠14の1回の開放に対して、1のパルス信号を発生する回路を実現し、その1のパルス信号に基づいてフォトカプラPR1を所定期間通電するものであれば良い。
また、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ、コンデンサCD1から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD1からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD1の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD1の容量を1Fとする)、コンデンサCD1を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図21を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化するタイマIC1のTRG端子電圧と、タイマIC1のOUT端子電圧と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図21は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、タイマIC1のTRG端子電圧、タイマIC1のOUT端子電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。なお、図21に記載されたt1時〜t8時の各時は、図8に示す第1実施形態の枠開放検出回路260のタイミングチャートに記載されたt1時〜t8時の各時と同一である。
図21(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t1時)。すると、これに追従して、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t1時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t1時)。そして、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t1時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
次に、図21(c)に示すように、t1時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t1時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t1時から約10m秒経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t1時から約10m秒経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図21(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
次に、図21(b)に示すように、t3時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t3時)。すると、これに追従して、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t3時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t3時)。そして、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t3時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
なお、t1時からt2時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、t3時に、ツェナーダイオードD3を介して瞬間的に放電完了する。このコンデンサCD7の放電期間は、タイマIC1のTRG端子の電圧が約10.3ボルトからゼロボルトとなり、再び約10.3ボルトとなる約2m秒よりも非常に微小な期間であるので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧に著しい影響を与えるものではない。更に、この放電の他に、t1時からt2時にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、コンデンサCD7の自己放電によっても放電が行われる。
また、t3時に、タイマIC1のTRG端子には、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧と、コンデンサCD7に蓄えられた電荷に伴う約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加され得る。しかし、タイマIC1のTRG端子の前段には、制限電圧(ツェナー電圧)を約10.5ボルトとするツェナーダイオードD3が接続されているので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなり、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。
次に、図21(c)に示すように、t3時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t3時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t3時から約10m秒経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t3時から約10m秒経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図21(b)に示すように、t4時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図21(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図21(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、t5時に、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t5時)。すると、これに追従し、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t5時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t5時)。すると、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t5時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
なお、t3時からt4時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、t5時に、ツェナーダイオードD3を介して瞬間的に放電完了するので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧に著しい影響を与えるものではない。更に、この放電の他に、t3時からt4時にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、コンデンサCD7の自己放電によっても放電が行われる。
また、t5時に、タイマIC1のTRG端子には、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧と、コンデンサCD7に蓄えられた電荷に伴う約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加され得る。しかし、ツェナーダイオードD3により、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなるので、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。
次に、図21(c)に示すように、t5時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t5時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t5時から約10m秒経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t5時から約10m秒経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図21(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図21(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
このように、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合でも、タイマIC1は、スイッチSW1の導通期間(内枠12の開放期間)およびスイッチSW2の導通期間(前面枠14の開放期間)に拘らず、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となり、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がってから約10m秒経過すると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10m秒となる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へコンデンサCD1から約10.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10m秒に留めることができる。従って、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
ここで、コンデンサCD1は容量が0.1Fであり、コンデンサCD1に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1に蓄えられる電荷は、コンデンサCD1の容量とコンデンサCD1の印加電圧との積から約1.13C(クーロン)となる。このコンデンサCD1に蓄えられる約1.13Cの電荷は、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の1回の供給期間が約10m秒である場合には、電流の供給回数で約500回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12の開放(スイッチSW1の導通)または前面枠14の開放(スイッチSW2の導通)が多数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路280は、内枠12の開放または前面枠14の開放(スイッチSW1の導通またはスイッチSW2の導通)を、約500回まで毎回確実に検出して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力することができる。このとき、内枠12の開放または前面枠14の開放が約500回付近となると、コンデンサCD1に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のパルス信号の検出感度を上げることにより(パルス信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にパルス信号を記憶させることができる。
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機によれば、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、積分回路281により、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とする。すると、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1は正常に動作を行い、タイマIC1のTRG端子電圧がゼロボルトへ立ち下がってから約10m秒経過するまでの間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトへ立ち上げる。これにより、外部出力端子板261に設けられたフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7aを介して電流が供給され、発光ダイオードは約10m秒の間、光を発する。そして、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)が発光ダイオードの光を受光すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、受光した約10m秒の光をパルス幅が約10m秒のパルス信号(電気信号)に変え、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。出力されたパルス信号は、ホールコンピュータ262に記憶される。よって、積分回路281を設けた枠開放検出回路280と外部出力端子板261とを用いることで、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路280は、パルス信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
また、枠開放検出回路280には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路280は、パチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断されている場合であっても、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力することができる。
なお、本実施形態では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されたが、これに限られるものではない。即ち、本枠開放検出回路280の各部品の接続を変更し、内枠12または前面枠14が開放され、その開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、フォトカプラPR1に約10m秒の間、電流を供給して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しても良い。
ただし、本実施形態の枠開放検出回路280では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しているので、内枠12または前面枠14の開放を素早く検出できる。よって、内枠12または前面枠14が開放されて主制御装置110または遊技盤13に不正行為が行われる前に、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。従って、パチンコ機へ電源が供給されている場合に発生する不正行為が行われたことによる異常動作を防止することができる。
次に、図22から図32を参照して、第4実施形態のパチンコ機500を説明する。第4実施形態のパチンコ機500は、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、何れが開放したのかをパチンコ機500を用いて別々に報知すると共に、何れかが開放したのかを別々にホールコンピュータ262に出力する。一方、第4実施形態のパチンコ機500は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、主制御装置110の制御が停止していても、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、何れが開放したのかを別々にホールコンピュータ262に出力する。
よって、第4実施形態のパチンコ機500によれば、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを、パチンコ機500を用いて別々に報知することができる。更に、第4実施形態のパチンコ機500によれば、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に加え、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、ホールコンピュータ262にパルス信号を別々に出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを特定することができる。
図22を参照して、第4実施形態のパチンコ機500の内部構成について説明する。図22は、内枠12と前面枠14と下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機500の斜視図である。なお、第4実施形態のパチンコ機500は、図22の説明においては、図4で上述した第1実施形態のパチンコ機10に設けられたスイッチSW1(SW1a,SW1b)およびスイッチSW2(SW2a,SW2b)を、スイッチSW3およびスイッチSW4に変更したものである。よって、図4で上述したパチンコ機10と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
外枠11と内枠12との間には、内枠12の開放および閉鎖を検出するスイッチSW3が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検出するスイッチSW4が設けられている。このスイッチSW3とスイッチSW4とにより、内枠12の開放および閉鎖と、前面枠14の開放および閉鎖とを別々に検出することができる。
次に、図23を参照して、スイッチSW3およびスイッチSW4の構造について説明する。なお、スイッチSW3とスイッチSW4とは同一の構造であるので、スイッチSW3についてその構造を説明し、スイッチSW4についてはその説明を省略する。
図23は、スイッチSW3の断面図である。図23(a)は、内枠12が閉鎖された状態におけるスイッチSW3の状態(遮断状態)を示した断面図である。また、図23(b)は、内枠12が開放された状態におけるスイッチSW3の状態(導通状態)を示した断面図である。
図23(a)に示すように、外枠11の内枠12と対向する面に配設されたスイッチSW3には、内枠12が閉鎖された状態に当接する可動軸SW3aと、その可動軸SW3aに配設される導電部材である金属から構成された導体板SW3−1a,SW3−2aと、その導体板SW3−1a,SW3−2aのそれぞれの対向する位置に配設される金属から構成された一対の端子板SW3−1b,SW3−2bと、その一対の端子板SW3−1b,SW3−2bをそれぞれ筐体SW3bに配設する支持板SW3−1c,SW3−2cと、導体板SW3−2a上の一対の端子板SW3−2bに対向する面とは反対の面に配設され、導体板SW3−2aに対して一対の端子板SW3−2bへの方向に付勢力を発生させる一対のスプリングSW3cとが設けられている。なお、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとでスイッチSW3−1を構成し、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとでスイッチSW3−2を構成している。よって、スイッチSW3には、スイッチSW3−1とスイッチSW3−2との2つのスイッチが内蔵されている。
図23(a)に示すように、内枠12が閉鎖された状態においては、可動軸SW3aが内枠12に当接し、可動軸SW3aが筐体SW3bに押し込まれた状態となる。よって、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとの接触が妨げられると共に、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとの接触が妨げられる。従って、内枠12が閉鎖された状態においては、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2共に導通が遮断された状態となる。
一方、図23(b)に示すように、内枠12が開放された状態においては、可動軸SW3aの内枠12との当接が解除されるので、一対のスプリングSW3cの付勢力により、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとが接触すると共に、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとが接触する。よって、内枠12が開放された状態においては、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2共に導通された状態となる。
このように、筐体SW3bに内蔵されたスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、共に、内枠12が閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では導通状態となる。つまり、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、導通状態と遮断状態とが連動して動作する構造となっている。ただし、スイッチSW3の構造は、図23に記載した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された状態では、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となる構造であれば良い。これは、スイッチSW4の構造についても同様である。
次に、図24を参照して、本パチンコ機500の電気的構成について説明する。図24は、パチンコ機500の電気的構成を示すブロック図である。なお、第4実施形態のパチンコ機500は、図6で上述した第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110内に設けられた枠開放検出回路260を、回路構成を変更した内枠用枠開放検出回路290に変更して、その内枠用枠開放検出回路290の電気的接続を変更したものである。そして、第4実施形態のパチンコ機500は、図6で上述した外部出力端子板261を、内枠用外部出力端子板291に変更したものである。これに加え、第4実施形態のパチンコ機500は、図6で上述した第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110内に、新たに前面枠用枠開放検出回路292を設けたものである。そして、第4実施形態のパチンコ機500は、主制御装置110内に新たに設けられた前面枠用枠開放検出回路292に対応して、前面枠用外部出力端子板293を新たに設けたものである。よって、図6で上述したパチンコ機10と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
主制御装置110には、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が導通することにより内枠12の開放を検出する内枠用枠開放検出回路290が設けられている。内枠用枠開放検出回路290は、MPU201の入出力ポートである入出力ポート205と、内枠12の開放を検出するスイッチSW3と、ホールコンピュータ262と接続可能に構成された内枠用外部出力端子板291と接続される。なお、スイッチSW3と内枠用枠開放検出回路290との接続および内枠用枠開放検出回路290と内枠用外部出力端子板291との接続には、信号の入出力を行う入出力部(入出力ポート205とは異なる入出力ポート、図示せず)を介して接続が行われている。
内枠用枠開放検出回路290は、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が導通して内枠12の開放を検出すると、入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号を出力する。入出力ポート205に、この信号が入力されると、パチンコ機500は、後述する内枠開放フラグ203aをオンして、内枠12の開放を示す内枠開放コマンドを入出力ポート205を介して音声ランプ制御装置113へ出力する。すると、この内枠開放コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、後述する内枠開放コマンド受信フラグ223aをオンして、表示制御装置114へ内枠開放コマンドを出力すると共に、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放を報知する。また、音声ランプ制御装置113から出力された内枠開放コマンドを受信した表示制御装置114は、後述する表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cをオンして、内枠12の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。これに加え、内枠用枠開放検出回路290は、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が導通して内枠12の開放を検出すると、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
一方、内枠用枠開放検出回路290は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が導通して内枠12の開放を検出すると、入力ポート205への信号の出力を行わず、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。なお、内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、内枠12の開放を検出することができる。
また、主制御装置110には、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が導通することにより前面枠14の開放を検出する前面枠用枠開放検出回路292が設けられている。前面枠用枠開放検出回路292は、MPU201の入出力ポートである入出力ポート205と、前面枠14の開放を検出するスイッチSW4と、ホールコンピュータ262と接続可能に構成された前面枠用外部出力端子板293と接続される。スイッチSW4と前面枠用枠開放検出回路292との接続および前面枠用枠開放検出回路292と前面枠用外部出力端子板293との接続には、信号の入出力を行う入出力部(入出力ポート205とは異なる入出力ポート、図示せず)を介して接続が行われている。
前面枠用枠開放検出回路292は、前述した内枠用枠開放検出回路290と同一の機能を有している。即ち、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が導通して前面枠14の開放を検出すると、入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号を出力する。入出力ポート205に、この信号が入力されると、パチンコ機500は、後述する前面枠開放フラグ203bをオンして、前面枠14の開放を示す前面枠開放コマンドを入出力ポート205を介して音声ランプ制御装置113へ出力する。すると、この前面枠開放コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、後述する前面枠開放コマンド受信フラグ223bをオンして、表示制御装置114へ前面枠開放コマンドを出力すると共に、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、前面枠14の開放を報知する。また、音声ランプ制御装置113から出力された前面枠開放コマンドを受信した表示制御装置114は、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dをオンして、前面枠14の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。これに加え、前面枠用枠開放検出回路292は、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が導通して前面枠14の開放を検出すると、前面枠用外部出力端子板293からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
一方、前面枠用枠開放検出回路292は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が導通して前面枠14の開放を検出すると、入力ポート205への信号の出力を行わず、前面枠用外部出力端子板293からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。なお、前面枠用外部出力端子板293から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、前面枠14の開放を検出することができる。
ここで、前面枠用枠開放検出回路292と内枠用枠開放検出回路290とは、入出力ポート205の異なる入力ポートに各々接続されている。よって、前面枠用枠開放検出回路292から出力される信号と、内枠用枠開放検出回路290から出力される信号とは入出力ポート205に個別に入力される。従って、主制御装置110に搭載されるMPU201は、入出力ポート205に入力された信号が、前面枠用枠開放検出回路292から出力された信号か、内枠用枠開放検出回路290から出力された信号かを判別することができる。
また、前面枠用外部出力端子板293と内枠用外部出力端子板291とは、ホールコンピュータ262の異なる入力端子に各々接続されている。よって、前面枠用外部出力端子板293から出力されるパルス信号と、内枠用外部出力端子板291から出力されるパルス信号とはホールコンピュータ262に個別に入力される。これにより、前面枠用外部出力端子板293から出力されたパルス信号と、内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号とを個別にホールコンピュータ262に記憶させることができる。従って、ホールコンピュータ262に個別に記憶されたパルス信号を解析することで、内枠12の開放があったのか前面枠14の開放があったのかを検出することができる。
上述の通り、内枠12が開放された場合に動作する内枠用枠開放検出回路290と、前面枠14が開放された場合に動作する前面枠用枠開放検出回路292とを主制御装置110に別々に設けている。よって、内枠12または前面枠14のいずれか一方、若しくは両方が開放された場合に、いずれの開放があったのかを、パチンコ機500により行われる報知により判別することができることに加え、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号によっても判別することができる。
主制御装置110のRAM203には、内枠開放フラグ203aと前面枠開放フラグ203bとが設けられている。内枠開放フラグ203aは、内枠12の開放状態または閉鎖状態を示すフラグである。上述の通り、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されて、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が導通すると、内枠用枠開放検出回路290から入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号が出力される。この5ボルトの信号が入出力ポート205を介してMPU201に検出されると、内枠開放フラグ203aはオンされる。なお、内枠開放フラグ203aがオンされると、MPU201は、音声ランプ制御装置113へ、内枠12が開放されたことを伝える内枠開放コマンドを送信する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が閉鎖されて、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が遮断すると、内枠用枠開放検出回路290から入出力ポート205への直流電圧5ボルトの信号出力が停止される(内枠用枠開放検出回路290から入出力ポート205への出力はゼロボルトとなる)。この信号出力の停止が入出力ポート205を介してMPU201に検出されると、内枠開放フラグ203aはオフされる。なお、内枠開放フラグ203aがオフされると、MPU201は、音声ランプ制御装置113へ、内枠12が閉鎖されたことを伝える内枠閉鎖コマンドを送信する。このように、内枠12が開放されると、内枠開放フラグ203aはオンされる一方、内枠12が閉鎖されると、内枠開放フラグ203aはオフされる。
前面枠開放フラグ203bは、前面枠14の開放状態または閉鎖状態を示すフラグである。パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が開放されて、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が導通すると、前面枠用枠開放検出回路292から入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号が出力される。この5ボルトの信号が入出力ポート205を介してMPU201に検出されると、前面枠開放フラグ203bはオンされる。なお、前面枠開放フラグ203bがオンされると、MPU201は、音声ランプ制御装置113へ、前面枠14が開放されたことを伝える前面枠開放コマンドを送信する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が閉鎖されて、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が遮断すると、前面枠用枠開放検出回路292から入出力ポート205への直流電圧5ボルトの信号出力が停止される(前面枠用枠開放検出回路292から入出力ポート205への出力はゼロボルトとなる)。この信号出力の停止が入出力ポート205を介してMPU201に検出されると、前面枠開放フラグ203bはオフされる。なお、前面枠開放フラグ203bがオフされると、MPU201は、音声ランプ制御装置113へ、前面枠14が閉鎖されたことを伝える前面枠閉鎖コマンドを送信する。このように、前面枠14が開放されると、前面枠開放フラグ203bはオンされる一方、前面枠14が閉鎖されると、前面枠開放フラグ203bはオフされる。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、内枠開放コマンド受信フラグ223aと、前面枠開放コマンド受信フラグ223bとが設けられている。内枠開放コマンド受信フラグ223aは、音声ランプ制御装置113が受信したコマンドが、内枠開放コマンドであるか又は内枠閉鎖コマンドであるかを示すフラグである。上述の通り、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されると、内枠開放フラグ203aはオンされて、音声ランプ制御装置113へ、MPU201により内枠開放コマンドが送信される。この内枠開放コマンドが入出力ポート225を介してMPU221に検出されると、内枠開放コマンド受信フラグ223aはオンされる。なお、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンされると、MPU221は、表示制御装置114へ、内枠12が開放されたことを伝える内枠開放コマンドを送信する。また、MPU221は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放を報知する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が閉鎖されると、内枠開放フラグ203aはオフされて、音声ランプ制御装置113へ、MPU201により内枠閉鎖コマンドが送信される。この内枠閉鎖コマンドが入出力ポート225を介してMPU221に検出されると、内枠開放コマンド受信フラグ223aはオフされる。なお、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオフされると、MPU221は、表示制御装置114へ、内枠12が閉鎖されたことを伝える内枠閉鎖コマンドを送信する。また、MPU221は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて行っていた報知を停止する。このように、内枠12が開放されて内枠開放コマンドがMPU221に検出されると、内枠開放コマンド受信フラグ223aはオンされる一方、内枠12が閉鎖されて内枠閉鎖コマンドがMPU221に検出されると、内枠開放コマンド受信フラグ223aはオフされる。
また、前面枠開放コマンド受信フラグ223bは、音声ランプ制御装置113が受信したコマンドが、前面枠開放コマンドであるか又は前面枠閉鎖コマンドであるかを示すフラグである。パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が開放されると、前面枠開放フラグ203bはオンされて、音声ランプ制御装置113へ、MPU201により前面枠開放コマンドが送信される。この前面枠開放コマンドが入出力ポート225を介してMPU221に検出されると、前面枠開放コマンド受信フラグ223bはオンされる。なお、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンされると、MPU221は、表示制御装置114へ、前面枠14が開放されたことを伝える前面枠開放コマンドを送信する。また、MPU221は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、前面枠14の開放を報知する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が閉鎖されると、前面枠開放フラグ203bはオフされて、音声ランプ制御装置113へ、MPU201により前面枠閉鎖コマンドが送信される。この前面枠閉鎖コマンドが入出力ポート225を介してMPU221に検出されると、前面枠開放コマンド受信フラグ223bはオフされる。なお、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオフされると、MPU221は、表示制御装置114へ、前面枠14が閉鎖されたことを伝える前面枠閉鎖コマンドを送信する。また、MPU221は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて行っていた報知を停止する。このように、前面枠14が開放されて前面枠開放コマンドがMPU221に検出されると、前面枠開放コマンド受信フラグ223bはオンされる一方、前面枠14が閉鎖されて前面枠閉鎖コマンドがMPU221に検出されると、前面枠開放コマンド受信フラグ223bはオフされる。
表示制御装置114のRAM233には、演出許可フラグ233a、変動開始フラグ233b、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cおよび表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dとが設けられている。演出許可フラグ233aは、第3図柄表示装置81の表示の開始を許可するためのフラグであり、主制御装置110の初期設定の処理後に送信される演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114が受信すると(演出許可コマンドが入力ポート237を介してMPU231に検出されると)、オンされる。なお、演出許可フラグ233aは、一旦オンされると、そのオン状態を継続する。
変動開始フラグ233bは、第3図柄表示装置81において変動表示の開始を許可するためのフラグであり、表示制御装置114が、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113を介して受信した場合に(MPU231が、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドを入力ポート237を介して検出した場合に)、オンされる。なお、変動開始フラグ233bは、第3図柄表示装置81において変動表示が開始されるとオフされる。ここで、変動開始フラグ233bがオフされるのは、本実施形態においては、変動開始フラグ233bがオンされると、第3図柄表示装置81において変動表示が開始される構成となっているので、変動開始フラグ233bをオフしないと、後述する変動開始の処理(図31のS1010の処理)が繰り返し実行され、正常な処理が実行されないからである。
次に、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cについて説明する。表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cは、表示制御装置114が受信したコマンドが、内枠開放コマンドであるか又は内枠閉鎖コマンドであるかを示すフラグである。上述の通り、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されると、主制御装置110は音声ランプ制御装置113を介して、表示制御装置114へ、内枠12が開放されたことを伝える内枠開放コマンドを送信する。この内枠開放コマンドが入力ポート237を介してMPU231に検出されると、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cがオンされる。なお、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cがオンされると、MPU231は、内枠12の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が閉鎖されると、主制御装置110は音声ランプ制御装置113を介して、表示制御装置114へ、内枠12が閉鎖されたことを伝える内枠閉鎖コマンドを送信する。この内枠閉鎖コマンドが入力ポート237を介してMPU231に検出されると、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cがオフされる。なお、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cがオフされると、MPU231は、第3図柄表示装置81に表示していた内枠12の開放を示すメッセージを消去する。
最後に、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dについて説明する。表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dは、表示制御装置114が受信したコマンドが、前面枠開放コマンドであるか又は前面枠閉鎖コマンドであるかを示すフラグである。パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が開放されると、主制御装置110は音声ランプ制御装置113を介して、表示制御装置114へ、前面枠14が開放されたことを伝える前面枠開放コマンドを送信する。この前面枠開放コマンドが入力ポート237を介してMPU231に検出されると、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dがオンされる。なお、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dがオンされると、MPU231は、前面枠14の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が閉鎖されると、主制御装置110は音声ランプ制御装置113を介して、表示制御装置114へ、前面枠14が閉鎖されたことを伝える前面枠閉鎖コマンドを送信する。この前面枠閉鎖コマンドが入力ポート237を介してMPU231に検出されると、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dがオフされる。なお、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dがオフされると、MPU231は、第3図柄表示装置81に表示していた前面枠14の開放を示すメッセージを消去する。
次に、図25を参照して、第4実施形態のパチンコ機500に使用される内枠用枠開放検出回路290および内枠用外部出力端子板291について説明する。図25は、内枠用枠開放検出回路290および内枠用外部出力端子板291の電気的構成を示したブロック図である。なお、内枠用枠開放検出回路290は、図20で上述した第3実施形態の枠開放検出回路280のスイッチSW1に並列接続されていたスイッチSW2を取り外して、スイッチSW1をスイッチSW3−1に変更した内枠用端子板出力回路290aと、スイッチSW3−1に連動して動作するスイッチSW3−2を有する内枠用入出力ポート出力回路290bとから構成されている。この内枠用端子板出力回路290aは、スイッチSW2を取り外して、スイッチSW1をスイッチSW3−1に変更した構成以外は、図20で上述した第3実施形態の枠開放検出回路280と同一の構成である。また、内枠用外部出力端子板291は、図20で上述した第3実施形態の外部出力端子板261と同一の構成である。よって、内枠用枠開放検出回路290および内枠用外部出力端子板291については、図20で上述した枠開放検出回路280および外部出力端子板261と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
また、前面枠用枠開放検出回路292は、内枠用枠開放検出回路290の構成と同様に、前面枠用端子板出力回路292a(図示せず)と、前面枠用入出力ポート出力回路292b(図示せず)とから構成されている。前面枠用端子板出力回路292aが内枠用端子板出力回路290aと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW3−1からスイッチSW4−1へ変更された所だけであり、その他は、内枠用端子板出力回路290aと同一の構成である。つまり、前面枠用端子板出力回路292aは、接続されるスイッチが内枠用枠開放検出回路290と異なるのみであり、内枠用枠開放検出回路290と同一の機能を有する。同様に、前面枠用入出力ポート出力回路292bが内枠用入出力ポート出力回路290bと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW3−2からスイッチSW4−2へ変更された所だけであり、その他は、内枠用入出力ポート出力回路290bと同一の構成である。つまり、前面枠用入出力ポート出力回路292bは、接続されるスイッチが内枠用入出力ポート出力回路290bと異なるのみであり、内枠用入出力ポート出力回路290bと同一の機能を有する。また、前面枠用外部出力端子板293については、内枠用外部出力端子板291と同一の構成であり、即ち、図20で上述した第3実施形態の外部出力端子板261と同一の構成である。よって、前面枠用枠開放検出回路292(前面枠用端子板出力回路292aと前面枠用入出力ポート出力回路292b)および前面枠用外部出力端子板293についてはその説明を省略する。
図25に示すように、内枠用入出力ポート出力回路290bに用いられるスイッチSW3−2は、そのスイッチSW3−2の一端(端子板3−2bの一端)が直流電源DC1とダイオードD1のアノード端子と接続される一方、スイッチSW3−2の他端(端子板3−2bの他端)が抵抗値140kΩの抵抗R11の一端と接続されている。
その抵抗R11の他端は、抵抗値100kΩの抵抗R12の一端および入出力ポート205と接続されており、抵抗R12の他端は、グランドされている。この抵抗R11および抵抗R12により、直流電源DC1から供給される12ボルトの直流電圧を分圧する分圧回路を構成している。よって、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されて、スイッチSW3−2が導通すると、直流電源DC1から供給される12ボルトの直流電圧が抵抗R11と抵抗R12とで分圧される。この時、抵抗R12に印加される直流電圧が約5ボルトとなる。従って、内枠12が開放されて、スイッチSW3−2が導通すると、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ5ボルトの信号が入力される。なお、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、図20の第3実施形態の枠開放検出回路280で説明した動作と同一の動作を行い、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が閉鎖されて、内枠用入出力ポート出力回路290bに設けられたスイッチSW3−2が遮断すると、抵抗R11および抵抗R12には直流電圧が印加されない。よって、スイッチSW3が遮断して、スイッチSW3−2が遮断すると、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へは信号が入力されない(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ入力される直流電圧はゼロボルトになる)。なお、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が閉鎖されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が遮断すると、内枠用端子板出力回路290aは、図20の第3実施形態の枠開放検出回路280で説明した動作と同一の動作を行い、再び、内枠12の検出が可能な状態に設定される。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合には、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されないので、スイッチSW3−2が導通したとしても、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へは信号が入力されない(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ入力される直流電圧はゼロボルトになる)。
ただし、内枠用端子板出力回路290aには、図20の第3実施形態の枠開放検出回路280で説明した通り、コンデンサCD1から電力が供給されている。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合であっても、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
上述した通り、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路290bに設けられたスイッチSW3−2が導通すると、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ5ボルトの信号が入力される。入出力ポート205へ5ボルトの信号が入力されると、パチンコ機500は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放を報知する。加えて、パチンコ機500は、内枠12の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。更に、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
一方、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合には、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されないので、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路290bに設けられたスイッチSW3−2が導通しても、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へは信号が入力されない(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ入力される直流電圧はゼロボルトになる)。ただし、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合であっても、内枠用端子板出力回路290aには、コンデンサCD1から電力が供給されているので、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
なお、内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号は24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に内枠用外部出力端子板291からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻を検出することができる。
このように、パチンコ機500への電源供給が行われているときに内枠12が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、およびパチンコ機500への電源供給が遮断されているときに内枠12が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である内枠用端子板出力回路290aで発揮することができる。
また、内枠用入出力ポート出力回路290bのスイッチSW3−2の一端は、直流電源DC1およびダイオードD1のアノード端子と接続されている。よって、パチンコ機500の電源がオンされている場合に内枠12が開放されると、スイッチSW3−2が導通して、内枠用入出力ポート出力回路290bへ直流電源DC1から電力が供給されて、内枠用入出力ポート出力回路290bは動作状態となる。一方、パチンコ機500の電源がオフされている場合には、直流電源DC1から内枠用入出力ポート出力回路290bへ電力が供給されないので、内枠12が開放されてスイッチSW3−2が開放されたとしても、内枠用入出力ポート出力回路290bは停止状態となる。
これに対し、内枠用端子板出力回路290aのスイッチSW3−1の一端は、ダイオードD2および抵抗R10を介して、コンデンサCD1の一端と接続されている。よって、パチンコ機500の電源がオンされている場合に内枠12が開放されると、スイッチSW3−1が導通して、内枠用端子板出力回路290aへ直流電源DC1から電力が供給されて、内枠用端子板出力回路290aは動作状態となる。一方、パチンコ機500の電源がオフされている場合には、直流電源DC1から内枠用端子板出力回路290aへ電力供給は停止されるが、内枠12が開放してスイッチSW3−1が導通すると、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路290aへ電力が供給されるので、内枠用端子板出力回路290aは動作状態となる。ここで、パチンコ機500の電源がオフされて、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路290aへ電力が供給されている場合には、内枠用入出力ポート出力回路290bへの電力供給を、逆流防止機能を発揮するダイオードD1により遮断することができる。よって、パチンコ機500の電源がオフされている場合に、内枠用端子板出力回路290aの動作可能回数を多くして、内枠12の開放の検出可能回数を多くできる。
また、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1は、内枠12が開放されて、スイッチSW3−1が導通され、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、この立ち下がりから約10m秒の間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。そして、このタイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12が開放された場合に、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることで、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10m秒に留めることができる。これにより、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に電流が供給される期間を約10m秒に留めることができ、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10m秒に留めることができる。
次に、図26を参照して、パチンコ機500の電源のオンオフ状態に拘らず、スイッチSW3−1の導通遮断状態(内枠12の開放閉鎖状態)に応じて変化する内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1のTRG端子電圧と、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1のOUT端子電圧と、内枠用外部出力端子板291の出力(ホールコンピュータ262の入力)と、パチンコ機500の電源がオンされている場合に、スイッチSW3−2の導通遮断状態(内枠12の開放閉鎖状態)に応じて変化する内枠用入出力ポート出力回路290bの出力との関係について説明する。図26は、パチンコ機500の電源のオンオフ状態(直流電源DC1の供給する直流電圧の状態)と、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の導通遮断状態(内枠12の開放閉鎖状態)と、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1のTRG端子電圧と、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1のOUT端子電圧と、内枠用外部出力端子板291の出力(ホールコンピュータ262の入力)と、内枠用入出力ポート出力回路290bの出力との関係を示したタイミングチャートである。
なお、上述の通り、前面枠用枠開放検出回路292に設けられる前面枠用端子板出力回路292aが内枠用端子板出力回路290aと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW3−1からスイッチSW4−1へ変更された所だけであり、その他は、内枠用端子板出力回路290aと同一の構成である。よって、前面枠用端子板出力回路292aの動作は、内枠用端子板出力回路290aの動作と同一である。また、前面枠用入出力ポート出力回路292bが内枠用入出力ポート出力回路290bと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW3−2からスイッチSW4−2へ変更された所だけであり、その他は、内枠用入出力ポート出力回路290bと同一の構成である。よって、前面枠用入出力ポート出力回路292bの動作は、内枠用入出力ポート出力回路290bの動作と同一である。更に、前面枠用外部出力端子板293は、内枠用外部出力端子板291と同一の構成であるので、前面枠用外部出力端子板293の動作は、内枠用外部出力端子板291と同一である。よって、前面枠用端子板出力回路292a、前面枠用入出力ポート出力回路292bおよび前面枠用外部出力端子板293の動作についてはその説明を省略する。
図26(a)に示すように、パチンコ機500の電源はt11時まではオン状態であり(直流電源DC1の供給する直流電圧はt11時までは12ボルト状態であり)、t11時以降、パチンコ機500の電源はオフ状態となる(直流電源DC1の供給する直流電圧はゼロボルトとなる)。よって、t11時となるまでは、内枠用端子板出力回路290aおよび内枠用入出力ポート出力回路290bへ、直流電源DC1からの電力が供給される。そして、t11時以降となると、内枠用端子板出力回路290aおよび内枠用入出力ポート出力回路290bへの直流電源DC1による電力の供給は停止される。ただし、内枠用端子板出力回路290aにはコンデンサCD1が設けられているので、t11時以降は、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路290aへ電力の供給が行われる。よって、t11時以降も、内枠用端子板出力回路290aは動作可能な状態となっている。
図26(b)に示すように、t9時に、スイッチSW3−1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図26(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t9時)。すると、これに追従して、図26(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t9時)。これにより、内枠用端子板出力回路290aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図25参照)、電流供給が開始される(t9時)。そして、図26(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、内枠用外部出力端子板291の出力は、t9時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12の開放を示すパルス信号の出力が開始される。また、図26(b)に示すように、t9時に、スイッチSW3−2が導通状態(内枠12が開放状態)となると、内枠用入出力ポート出力回路290bの抵抗R11および抵抗R12に直流電源DC1からの電力が供給され、抵抗R12に印加される電圧が5ボルトとなる(t9時)。よって、図26(f)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ、直流電圧5ボルトの信号が出力される(t9時)。
次に、図26(c)に示すように、t9時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t9時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t9時から約10m秒経過すると、図26(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、内枠用端子板出力回路290aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、内枠用外部出力端子板291の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、内枠用外部出力端子板291の出力は、t9時から約10m秒経過すると、図26(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、内枠用外部出力端子板291の出力が切り換わることで、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図26(b)に示すように、t10時に、スイッチSW3−1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、内枠用端子板出力回路290aは、再び、内枠12の検出が可能な状態に設定される。また、図26(b)に示すように、t10時に、スイッチSW3−2が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、内枠用入出力ポート出力回路290bの抵抗R11および抵抗R12への直流電源DC1からの電力供給が停止され、抵抗R12に印加される電圧はゼロボルトとなる(t10時)。よって、図26(f)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ出力されていた直流電圧5ボルトの信号は、t10時に停止状態となる(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205への出力は、t10時にゼロボルトとなる)。
図26(a)に示すように、t11時以降、パチンコ機500の電源がオフ状態となると(直流電源DC1の供給する直流電圧がゼロボルトとなると)、内枠用端子板出力回路290aおよび内枠用入出力ポート出力回路290bへの直流電源DC1による電力の供給は停止される。しかし、パチンコ機500の電源がオフ状態であっても、内枠用端子板出力回路290aにはコンデンサCD1からの電力が供給されている。よって、図26(b)に示すように、t12時に、スイッチSW3−1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図26(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t12時)。すると、これに追従して、図26(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t12時)。これにより、内枠用端子板出力回路290aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図25参照)、電流供給が開始される(t12時)。そして、図26(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、内枠用外部出力端子板291の出力は、t12時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12の開放を示すパルス信号の出力が開始される。一方、図26(b)に示すように、t12時に、スイッチSW3−2が導通状態(内枠12が開放状態)となっても、内枠用入出力ポート出力回路290bの抵抗R11および抵抗R12には直流電源DC1からの電力が供給されないので(直流電源DC1の供給する直流電圧はゼロボルトであるので)、抵抗R12に印加される電圧はゼロボルトとなる(t12時)。よって、図26(f)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ出力される信号は、停止状態を維持する(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205への出力は、ゼロボルトを維持する)。
なお、t9時からt10時の間に内枠用端子板出力回路290aのコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、t12時に、内枠用端子板出力回路290aのツェナーダイオードD3を介して瞬間的に放電完了する。このコンデンサCD7の放電期間は、タイマIC1のTRG端子の電圧が約10.3ボルトからゼロボルトとなり、再び約10.3ボルトとなる約2m秒よりも非常に微小な期間であるので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧に著しい影響を与えるものではない。更に、この放電の他に、t9時からt10時にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、コンデンサCD7の自己放電によっても放電が行われる。
また、t12時に、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1のTRG端子には、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧と、内枠用端子板出力回路290aのコンデンサCD7に蓄えられた電荷に伴う約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加され得る。しかし、タイマIC1のTRG端子の前段には、制限電圧(ツェナー電圧)を約10.5ボルトとするツェナーダイオードD3が接続されているので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなり、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。
次に、図26(c)に示すように、t12時から約2m秒経過すると、内枠用端子板出力回路290aのコンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t12時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t12時から約10m秒経過すると、図26(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、内枠用端子板出力回路290aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、内枠用外部出力端子板291の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、内枠用外部出力端子板291の出力は、t12時から約10m秒経過すると、図26(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、内枠用外部出力端子板291の出力が切り換わることで、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図26(b)に示すように、t13時に、スイッチSW3−1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、内枠用端子板出力回路290aは、再び、内枠12の検出が可能な状態に設定される。同様に、図26(b)に示すように、t13時に、スイッチSW3−2が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、内枠用入出力ポート出力回路290bは、パチンコ機500の電源がオンされた場合に内枠12の検出が可能な状態に設定される。
上述した通り、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に(t11時までの場合に)、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。更に、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路290bに設けられたスイッチSW3−2が導通すると、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ5ボルトの信号が入力される。
また、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合であっても(t11時以降であっても)、内枠用端子板出力回路290aには、コンデンサCD1から電力が供給されているので、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。ただし、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合には(t11時以降の場合には)、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が内枠用入出力ポート出力回路290bへ供給されていないので、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路290bに設けられたスイッチSW3−2が導通しても、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へは信号が出力されない(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ出力される直流電圧はゼロボルトになる)。
このように、パチンコ機500への電源供給が行われている場合に内枠12が開放されたときに、入出力ポート205へ信号を出力する機能およびホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、並びにパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合に内枠12が開放されたときに、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である内枠用枠開放検出回路290で発揮することができる。
また、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態(内枠12が開放状態)となると、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1は、スイッチSW3−1の導通期間(内枠12の開放期間)に拘らず、スイッチSW3−1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がってから約10m秒経過すると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10m秒となる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、内枠用端子板出力回路290aおよび内枠用外部出力端子板291へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、内枠用端子板出力回路290aおよび内枠用外部出力端子板291へコンデンサCD1から約10.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12の1回の開放につき、約10m秒に留めることができる。従って、内枠12の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
次に、図27および図28のフローチャートを参照して、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。なお、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110により実行される各制御処理は、第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110により実行される各制御処理のうち、メイン処理(図12参照)とタイマ割込処理(図15参照)とを変更したものであり、その他の制御処理は、第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110により実行される各制御処理と同一である。よって、第4実施形態のパチンコ機500においては、図27に示すメイン処理と、図28に示すタイマ割込処理とを説明し、他の制御処理の説明を省略する。なお、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理(図28)を説明し、その後、メイン処理(図27)を説明する。
図28を参照して、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるタイマ割込処理について説明する。図28は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2m秒毎に実行される。なお、図28に示す第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるタイマ割込処理は、第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110で実行されるタイマ割込処理(図15参照)のS501とS502との処理の間に、内枠開放フラグ203aおよび前面枠開放フラグ203bをオンまたはオフに設定する処理(S506〜S513の処理)を追加したものである。よって、図15で前述した第1実施形態のパチンコ機10のタイマ割込処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、内枠用入出力ポート出力回路290bの出力読み込み処理を実行する(S506)。即ち、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ出力される信号の電圧値を読み込む。そして、読み込んだ内枠用入出力ポート出力回路290bの出力(信号)は、5ボルトか否かが判定される(S507)。読み込んだ内枠用入出力ポート出力回路290bの出力(信号)が5ボルトであれば(S507:Yes)、内枠12が開放されているので、内枠開放フラグ203aをオンにする(S508)。一方、読み込んだ内枠用入出力ポート出力回路290bの出力(信号)がゼロボルトであれば(S507:No)、内枠12が閉鎖されているので、内枠開放フラグ203aをオフにする(S509)。
S508またはS509の処理後、前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力読み込み処理を実行する(S510)。即ち、前面枠用入出力ポート出力回路292bから入出力ポート205へ出力される信号の電圧値を読み込む。そして、読み込んだ前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力(信号)は、5ボルトか否かが判定される(S511)。読み込んだ前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力(信号)が5ボルトであれば(S511:Yes)、前面枠14が開放されているので、前面枠開放フラグ203bをオンにする(S512)。一方、読み込んだ前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力(信号)がゼロボルトであれば(S511:No)、前面枠14が閉鎖されているので、前面枠開放フラグ203bをオフにする(S513)。S512またはS513の処理後、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。
このように、主制御装置110は、読み込んだ内枠用入出力ポート出力回路290bの出力(信号)が5ボルトであれば、内枠12が開放されているので、内枠開放フラグ203aをオンにする。一方、読み込んだ内枠用入出力ポート出力回路290bの出力(信号)がゼロボルトであれば、内枠12が閉鎖されているので、内枠開放フラグ203aをオフにする。また、主制御装置110は、読み込んだ前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力(信号)が5ボルトであれば、前面枠14が開放されているので、前面枠開放フラグ203bをオンにする。一方、読み込んだ前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力(信号)がゼロボルトであれば、前面枠14が閉鎖されているので、前面枠開放フラグ203bをオフにする。
次に、図27を参照して、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるメイン処理について説明する。図27は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS201〜S206およびS215〜S220の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
なお、図27に示す第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるメイン処理は、第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110で実行されるメイン処理(図12参照)のS201とS202との処理の間に、内枠開放コマンドまたは内枠閉鎖コマンド、若しくは前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドのいずれかのコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する処理(S215〜S220の処理)を追加したものである。よって、図12で前述した第1実施形態のパチンコ機10のメイン処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第4実施形態のパチンコ機10の主制御装置110で実行されるメイン処理では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理(S201)実行後、内枠開放フラグ203aはオンか否かが判定される(S215)。内枠開放フラグ203aがオンである(S215:Yes)、即ち、内枠12が開放されていれば、内枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S216)。一方、内枠開放フラグ203aがオフである(S215:No)、即ち、内枠12が閉鎖されていれば、内枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S217)。S216またはS217の処理後、前面枠開放フラグ203bはオンか否かが判定される(S218)。前面枠開放フラグ203bがオンである(S218:Yes)、即ち、前面枠14が開放されていれば、前面枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S219)。一方、前面枠開放フラグ203bがオフである(S218:No)、即ち、前面枠14が閉鎖されていれば、前面枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S220)。S219またはS220の処理後、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を更新する(S202)。
このように、主制御装置110は、内枠開放フラグ203aがオンである、即ち、内枠12が開放されていれば、内枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。一方、内枠開放フラグ203aがオフである、即ち、内枠12が閉鎖されていれば、内枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。また、主制御装置110は、前面枠開放フラグ203bがオンである、即ち、前面枠14が開放されていれば、前面枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。一方、前面枠開放フラグ203bがオフである、即ち、前面枠14が閉鎖されていれば、前面枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。
なお、主制御装置110のコマンド送信は、次のようにしても良い。例えば、主制御装置110は、内枠12が開放されて内枠開放フラグ203aがオンとなったときに、音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドを1回送信し、内枠12が閉鎖されて、内枠開放フラグ203aがオフとなったときに、音声ランプ制御装置113へ内枠閉鎖コマンドを1回送信するようにしても良い。同様に、主制御装置110は、前面枠14が開放されて前面枠開放フラグ203bがオンとなったときに、音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドを1回送信し、前面枠14が閉鎖されて、前面枠開放フラグ203bがオフとなったときに、音声ランプ制御装置113へ前面枠閉鎖コマンドを1回送信するようにしても良い。
次に、図29から図31を参照して、音声ランプ制御装置113で行われる処理について説明する。図29は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S701)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S816の電源断処理(図30参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S702)。図30を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図30のS812参照)、S816の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S815の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S702:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS816の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S703)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S706の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S703:Yes)、S704へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S703:No)、S708へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S703:Yes)、S704へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS816の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S703:No)、S708へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S702:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S816の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS704へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S704の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S704)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S705:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S706)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S705:No)、RAM223の異常を報知して(S707)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S708の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S708)。電源断フラグはS816の電源断処理の実行時にオンされるので(図30のS815参照)、図30を参照して後述する通り、電源断フラグは、S815の処理によってオンされる。つまり、電源断フラグは、S816の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS708の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS816の電源断処理の実行を完了しない状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S708:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S709)、RAM223の初期値を設定した後(S710)、割込み許可を設定して(S711)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS708の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS704からS706の処理を経由してS708の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S708:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS709をスキップして、処理をS710へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S710)、割込み許可を設定して(S711)、メイン処理へ移行する。
なお、S709のクリア処理をスキップするのは、S704からS706の処理を経由してS708の処理へ至った場合には、S704の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図30は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S801)、1m秒以上経過していなければ(S801:No)、S802〜S809の処理を行わずにS810の処理へ移行する。S801の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S802〜S809が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S810の各カウンタの更新処理やS811のコマンドの受信処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。これにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S801の処理で1m秒以上経過していれば(S801:Yes)、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS807の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S802)、その後電源投入報知処理を実行する(S803)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS804の処理へ移行する。
S804の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S805)。客待ち演出では、パチンコ機500が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、作動保留球Nに応じて保留ランプ85を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S806)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S806の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理が実行され(S807)、その後音編集・出力処理が実行される(S808)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
その後、液晶演出実行管理処理が実行され(S809)、S810の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや演出時間加算コマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS807のランプ編集処理やS808の音編集・出力処理の演出時間が設定される。
S810の処理では、第3図柄表示装置81の変動表示処理が実行される。この変動表示処理では、音声ランプ制御装置113に搭載された複数のカウンタ(大当たり時の停止図柄を設定するカウンタ、外れ時の停止図柄を選択するカウンタなど)が更新され、そのカウンタの値と主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づき第3図柄表示装置81で停止表示される図柄を設定したり、変動表示のパターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)などが設定される。その停止図柄や変動パターンは、コマンドとして表示制御装置114に送信される。
S810の処理では、例えば、主制御装置110から送信される変動パターンのコマンドが「完全外れ」である場合、完全外れに対応した複数のパターンのうち完全外れAパターンが選択され、第3図柄表示装置81で完全外れAパターンの演出が行われるよう表示制御装置110に対してコマンドが送信される。よって、主制御装置110により決定された1の変動パターンに対して、第3図柄表示装置81で表示される詳細な変動パターンが音声ランプ制御装置113で決定されるので、主制御装置110の制御負担を軽減することができる。さらに、主制御装置110において決定される各演出のパターンを少なくできるので、ROM202の記憶容量を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
そして、主制御装置110からのコマンドを受信する(S811)。主制御装置110からのコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM233に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信する。
S811の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S812)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S812の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S812:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S815)、電源断処理を実行する(S816)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S817)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S812の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S812:No)、内枠12または前面枠14のいずれか一方の開放、または内枠12および前面枠14の両方の開放があった場合に、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う扉開放報知処理(S813)を実行する。
ここで、図31を参照して、扉開放報知処理について説明する。図31は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。この扉開放報知処理は、内枠開放コマンド、前面枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドの4つのコマンドを音声ランプ制御装置113が受信したか否かを判定し、その判定に応じて報知を実行する処理である。
扉開放報知処理では、まず、S811の処理(図30参照)で、内枠12が開放していることを示す内枠開放コマンドを受信したか否かが判定される(S901)。内枠開放コマンドを受信した場合には(S901:Yes)、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンか否かが判定される(S902)。内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンでなければ(S902:No)、後述するS905の処理である内枠開放報知処理が未だ開始されていないので、この内枠開放報知処理を開始させるべく、S903以降の処理に移行する。まず、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S903)、内枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信する(S904)。そして、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて内枠12が開放されていることを報知する内枠開放報知処理を開始する(S905)。この内枠開放報知処理では、音声出力装置226を用いて、例えば、「内枠が開放しています」と電子音で報知したり、ランプ表示装置227を用いて、内枠12が開放したことを示すために、例えば、1秒間に4回点滅を実行したりする。これにより、内枠12が開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。
なお、主制御装置110は、内枠12が開放している期間中、内枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。よって、既に内枠開放コマンドを受信しており、S903〜S905の処理が実行済みであるときに、改めて内枠開放コマンドを受信した場合には(S901:Yes)、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンであると判定され(S902:Yes)、既に開始されている内枠開放報知処理(S905)を継続して実行させる(S906)。これにより、内枠12が開放されている期間中、内枠開放報知処理(S905)が継続して実行される。また、S811の処理で、内枠開放コマンドを受信していない場合には(S901:No)、S903〜S906の処理をスキップする。
次に、S811の処理(図30参照)で、前面枠14が開放していることを示す前面枠開放コマンドを受信したか否かが判定される(S907)。前面枠開放コマンドを受信した場合には(S907:Yes)、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンか否かが判定される(S908)。前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンでなければ(S908:No)、後述するS911の処理である前面枠開放報知処理が未だ開始されていないので、この前面枠開放報知処理を開始させるべく、S909以降の処理に移行する。まず、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠開放コマンドを受信したこと示すオンにして(S909)、前面枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信する(S910)。そして、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて前面枠14が開放されていることを報知する前面枠開放報知処理を開始する(S911)。この前面枠開放報知処理では、音声出力装置226を用いて、例えば、「前面枠が開放しています」と電子音で報知したり、ランプ表示装置227を用いて、前面枠14が開放したことを示すために、例えば、1秒間に1回点滅を行ったりする。これにより、前面枠14が開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。
なお、主制御装置110は、前面枠14が開放している期間中、前面枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。よって、既に前面枠開放コマンドを受信しており、S909〜S911の処理が実行済みであるときに、改めて前面枠開放コマンドを受信した場合には(S907:Yes)、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンであると判定され(S908:Yes)、既に開始されている前面枠開放報知処理(S911)を継続して実行させる(S912)。これにより、前面枠14が開放されている期間中、前面枠開放報知処理(S911)が継続して実行される。また、S811の処理で、前面枠開放コマンドを受信していない場合には(S907:No)、S909〜S912の処理をスキップする。
次に、S811(図30参照)の処理で、内枠12が閉鎖していることを示す内枠閉鎖コマンドを受信したか否かが判定される(S913)。内枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S913:Yes)、内枠開放コマンド受信フラグ223aはオンか否かが判定される(S914)。内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンであれば(S914:Yes)、内枠開放報知処理(S905)が開始されているものの、後述する内枠開放報知処理を終了させる処理(S917)が未だ実行されていないので、この内枠開放報知処理を終了させる処理を実行するべく、S915以降の処理に移行する。まず、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S915)、内枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信する(S916)。そして、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて実行されていた内枠開放報知処理を終了する(S917)。これにより、音声出力装置226やランプ表示装置227を用いて行われていた内枠12の開放を示す報知を終了させることができる。
なお、主制御装置110は、内枠12が閉鎖している期間中、内枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。よって、既に内枠閉鎖コマンドを受信しており、S915〜S917の処理が実行済みであるときに、改めて内枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S913:Yes)、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオフであると判定され(S914:No)、S915〜S917の処理をスキップする。また、S811の処理で、内枠閉鎖コマンドを受信していない場合にも(S913:No)、S915〜S917の処理をスキップする。
次に、S811(図30参照)の処理で、前面枠14が閉鎖していることを示す前面枠閉鎖コマンドを受信したか否かが判定される(S918)。前面枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S918:Yes)、前面枠開放コマンド受信フラグ223bはオンか否かが判定される(S919)。前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンであれば(S919:Yes)、前面枠開放報知処理(S911)が開始されているものの、後述する前面枠開放報知処理を終了させる処理(S922)が未だ実行されていないので、この前面枠開放報知処理を終了させる処理を実行するべく、S920以降の処理に移行する。まず、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S920)、前面枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信する(S921)。そして、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて実行されていた前面枠開放報知処理を終了する(S922)。これにより、音声出力装置226やランプ表示装置227を用いて行われていた前面枠14の開放を示す報知を終了させることができる。
なお、主制御装置110は、前面枠14が閉鎖している期間中、前面枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。よって、既に前面枠閉鎖コマンドを受信しており、S920〜S922の処理が実行済みであるときに、改めて前面枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S918:Yes)、前面枠開放コマンド受信フラグ223aがオフであると判定され(S919:No)、S920〜S922の処理をスキップする。また、S811の処理で、前面枠閉鎖コマンドを受信していない場合にも(S918:No)、S920〜S922の処理をスキップする。
上述の通り、音声ランプ制御装置113は、S811(図30参照)の処理で内枠開放コマンドを受信した場合には、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S903)、内枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信し(S904)、内枠開放報知処理を開始する(S905)。この内枠開放報知処理(S905)は、内枠12が閉鎖されるまで継続して行われるので、内枠12が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。同様に、音声ランプ制御装置113は、S811(図30参照)の処理で前面枠開放コマンドを受信した場合には、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S909)、前面枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信し(S910)、前面枠開放報知処理を開始する(S911)。この前面枠開放報知処理(S911)は、前面枠14が閉鎖されるまで継続して行われるので、前面枠14が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。
また、音声ランプ制御装置113は、S811(図30参照)の処理で内枠閉鎖コマンドを受信した場合に、内枠開放報知処理(S905)が既に行われているときには、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S915)、内枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信し(S916)、内枠開放報知処理を終了する(S917)。同様に、S811(図30参照)の処理で前面枠閉鎖コマンドを受信した場合に、前面枠開放報知処理(S911)が既に行われているときには、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S920)、前面枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信し(S921)、前面枠開放報知処理を終了する(S922)。
図30の説明に戻る。扉開放報知処理(S813)の実行後、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S814)、RAM223が破壊されていなければ(S814:No)、S801の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S814:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機500の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図32と図33とを参照して、表示制御装置114で行われる処理について説明する。なお、説明の便宜上、図33の外部割込み処理を先に説明し、その後、図32のメイン処理を説明する。
図33は、表示制御装置114内のMPU231により実行される外部割込み処理を示したフローチャートであり、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信した場合に実行される。外部割込み処理が実行されると、S1101〜S1106の処理により受信したコマンドの判定が行われる。受信したコマンドが演出許可コマンドであれば(S1101:Yes)、ワークRAM233の演出許可フラグ233aをオンして(S1108)、外部割込み処理を終了する。また、受信したコマンドが変動パターンコマンドであれば(S1101:No、S1102:Yes)、ワークRAM233の変動開始フラグ233bをオンして(S1109)、外部割込み処理を終了する。
次に、受信したコマンドが内枠開放コマンドであれば(S1101:No、S1102:No、S1103:Yes)、ワークRAM233の表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cを、内枠開放コマンドを受信したこと示すオンにして(S1110)、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示開始する(S1111)。その後、外部割込み処理を終了する。この第3図柄表示装置81への表示開始により、内枠12が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。なお、第3図柄表示装置81に表示される「内枠が開放しています」の文字は、第3図柄表示装置81に表示されている演出表示と重ね合わせて表示される。また、「内枠が開放しています」の文字は、内枠12が開放されている期間中、即ち、内枠12が閉鎖されて、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cがオフとなり、後述するS1115の処理が行われるまで継続して第3図柄表示装置81に表示される。
次に、受信したコマンドが前面枠開放コマンドであれば(S1101:No、S1102:No、S1103:No、S1104:Yes)、ワークRAM233の表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dを前面枠開放コマンドを受信したこと示すオンにして(S1112)、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示開始する(S1113)。その後、外部割込み処理を終了する。この第3図柄表示装置81への表示開始により、前面枠14が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。なお、第3図柄表示装置81に表示される「前面枠が開放しています」の文字は、第3図柄表示装置81に表示されている演出表示と重ね合わせて表示される。また、「前面枠が開放しています」の文字は、前面枠14が開放されている期間中、即ち、前面枠14が閉鎖されて、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dがオフとなり、後述するS1117の処理が行われるまで継続して第3図柄表示装置81に表示される。
次に、受信したコマンドが内枠閉鎖コマンドであれば(S1101:No、S1102:No、S1103:No、S1104:No、S1105:Yes)、ワークRAM233の表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cを、内枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S1114)、第3図柄表示装置81の「内枠が開放しています」の表示を消去する(S1115)。その後、外部割込み処理を終了する。
次に、受信したコマンドが前面枠閉鎖コマンドであれば(S1101:No、S1102:No、S1103:No、S1104:No、S1105:No、S1106:Yes)、ワークRAM233の表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dを、前面枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S1116)、第3図柄表示装置81の「前面枠が開放しています」の表示を消去する(S1117)。その後、外部割込み処理を終了する。
最後に、受信したコマンドが演出許可コマンド、変動パターンコマンド、内枠開放コマンド、前面枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドのいずれでもなければ(S1101:No、S1102:No、S1103:No、S1104:No、S1105:No、S1106:No)、その他の受信したコマンドに対応した処理が実行され(S1107)、外部割込み処理を終了する。例えば、受信したコマンドが停止コマンドであれば、第3図柄表示装置81で行われている変動を停止する処理が実行される。
上述した通り、表示制御装置114は、内枠開放コマンドを受信すると、ワークRAM233の表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cを、内枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S1110)、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示開始する(S1111)。この第3図柄表示装置81への表示開始により、内枠12が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。同様に、表示制御装置114は、前面枠開放コマンドを受信すると、ワークRAM233の表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dを、前面枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S1112)、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示開始する(S1113)。この第3図柄表示装置81への表示開始により、前面枠14が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。
そして、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示開始されている場合に、内枠閉鎖コマンドを受信すると、ワークRAM233の表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cを、内枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S1114)、第3図柄表示装置81の「内枠が開放しています」の表示を消去する(S1115)。同様に、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示開始されている場合に、前面枠閉鎖コマンドを受信すると、ワークRAM233の表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dを、前面枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S1116)、第3図柄表示装置81の「前面枠が開放しています」の表示を消去する(S1117)。
次に、図32を参照して、表示制御装置114により実行されるメイン処理について説明する。図32は、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時に起動される。まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、ビデオRAM234の記憶をクリアする処理などが行われる。その後、キャラクタROM235に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し(S1002)、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM234に記憶する(S1003)。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM234に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、S1003の処理で解凍したキャラクタ情報を記憶したビデオRAM234内の領域とは異なるビデオRAM234内の領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む(S1004)。
次に、主制御装置110から送信される演出許可コマンドを受信したかを判定するために演出許可フラグ233aがオンされているか否かを判別し(S1005)、演出許可フラグ233aがオンでなければ(S1005:No)、演出許可コマンドが主制御装置110から送信されるまで、即ち、演出許可フラグ233aがオンされるまで、S1006以降の処理を待機する。
S1005の判定の結果、演出許可フラグ233aがオンされていれば(S1005:Yes)、S1004の処理で抽出したキャラクタ情報を第3図柄表示装置81に表示させる。そして、S1006以降の処理に移行する。
S1006の処理では、第3図柄表示装置81で実行されている表示が大当たり中であるか否かが判別され(S1006)、大当たり中でなければ(S1006:No)、第3図柄表示装置81において変動表示の開始を許可するための変動開始フラグ233bがオンされているか否かが判別される(S1007)。その結果、変動開始フラグ233bがオンされていれば(S1007:Yes)、変動開始フラグ233bをオフして(S1008)、第3図柄表示装置81の表示画面に変動パターンコマンドに対応した変動を開始させる(S1009)。ここで、S1008の処理において、変動開始フラグ233bがオフされるのは、本実施形態のパチンコ機500においては、変動開始フラグ233bがオンされると第3図柄表示装置81において変動表示が開始される構成となっているので(S1007:Yes〜S1009)、変動開始フラグ233bをオフしないと、変動開始の処理(S1009)が繰り返し実行され、正常な処理が実行されないからである。
一方、S1007の処理で判別した結果、変動開始フラグ233bがオフであった場合(S1007:No)、またはS1009の処理で変動が開始されると、変動演出処理が行われる(S1010)。変動演出処理では、変動表示が継続して行われる場合には、キャラクタ情報や演出パターン情報が更新して設定され(ビデオRAM234からのキャラクタ情報の新たな抽出と抽出されたキャラクタ情報のビデオRAM234への書き込み)、変動表示が行われていない場合には特に処理を行わずにS1011の処理へ移行する。ここで、S1011の処理では、第3図柄表示装置81における演出を行う処理(S1006〜S1010)を20m秒毎に実行するために、S1006の処理が開始されてから20m秒以上が経過したか否かを確認し(S1011)、否であれば20m秒以上を経過するまで待機し(S1011:No)、20m秒以上が経過していれば(S1011:Yes)、その処理をS1006の処理へ移行する。
また、S1006の処理の結果、大当たり中であれば(S1006:Yes)、大当たりの演出処理が実行される(S1012)。大当たり演出処理では、ラウンド数を更新したり、賞球数を更新したり、ラウンド毎に異なる背景の画像などの更新(ビデオRAM234からのキャラクタ情報の新たな抽出と抽出されたキャラクタ情報のビデオRAM234への書き込み)を行う。大当たり演出処理(S1012)の終了後は、その処理をS1011の処理に移行する。
以上、説明したように、第4実施形態のパチンコ機500によれば、内枠用枠開放検出回路290の内枠用入出力ポート出力回路290bは、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、スイッチSW3−2が導通して内枠12の開放を検出すると、入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号を出力する。入出力ポート205に、この信号が入力されると、パチンコ機500は、音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドを送信し、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放を報知する。また、パチンコ機500は、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ内枠開放コマンドを送信し、内枠12の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。よって、内枠12が開放中であることを不特定多数の者に明確に報知することができる。
同様に、第4実施形態のパチンコ機500によれば、前面枠用枠開放検出回路292の前面枠用入出力ポート出力回路292bは、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、スイッチSW4−2が導通して前面枠14の開放を検出すると、入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号を出力する。入出力ポート205に、この信号が入力されると、パチンコ機500は、音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドを送信し、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、前面枠14の開放を報知する。また、パチンコ機500は、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ前面枠開放コマンドを送信し、前面枠14の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。よって、前面枠14が開放中であることを不特定多数の者に明確に報知することができる。
一方、第4実施形態のパチンコ機500によれば、内枠用枠開放検出回路290の内枠用端子板出力回路290aは、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に加え、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても(主制御装置110が停止している場合であっても)、スイッチSW3−1が導通して内枠12の開放を検出すると、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合であっても、内枠12の開放を検出することができる。
同様に、第4実施形態のパチンコ機500によれば、前面枠用枠開放検出回路292の前面枠用端子板出力回路292aは、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に加え、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても(主制御装置110が停止している場合であっても)、スイッチSW4−1が導通して前面枠14の開放を検出すると、前面枠用外部出力端子板293からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。前面枠用外部出力端子板293から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合であっても、前面枠14の開放を検出することができる。
このように、パチンコ機500への電源供給が行われているときに内枠12が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、およびパチンコ機500への電源供給が遮断されているときに内枠12が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である内枠用端子板出力回路290aで発揮することができる。
また、パチンコ機500への電源供給が行われているときに前面枠14が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、およびパチンコ機500への電源供給が遮断されているときに前面枠14が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である前面枠用端子板出力回路292aで発揮することができる。
なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、内枠用端子板出力回路290aは、パルス信号が内枠用外部出力端子板291から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。同様に、前面枠用端子板出力回路292aは、パルス信号が前面枠用外部出力端子板293から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
なお、第4実施形態においては、パチンコ機500は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放と前面枠14の開放とを別々に報知した。また、パチンコ機500は、第3図柄表示装置81を用いて、内枠12の開放と前面枠14の開放とを別々に表示した。しかし、これに限られるものではなく、内枠12の開放と前面枠14の開放とを同一の報知態様および表示態様で行っても良い。具体的には、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて行う報知を、内枠12の開放があった場合と前面枠14の開放があった場合とで同一としても良い。同様に、第3図柄表示装置81を用いて行う表示を、内枠12の開放があった場合と前面枠14の開放があった場合とで同一としても良い。この場合には、内枠12または前面枠14のいずれか一方の開放、若しくは両方の開放があったときに、第3図柄表示装置81に「扉が開放しています」と表示すれば良い。
また、第4実施形態においては、パチンコ機500は、内枠12の開放または前面枠14の開放があった場合に、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行うと共に、第3図柄表示装置81を用いて表示を行った。しかし、これに限られるものではなく、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いた報知または第3図柄表示装置81を用いた表示のいずれか一方を行っても良い。
次に、図34から図36を参照して、第5実施形態のパチンコ機600を説明する。第5実施形態のパチンコ機600は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に接続されていたスイッチSW3をスイッチSW3−1,SW3−2,SW3−3の3つのスイッチが内蔵されたスイッチSW3Aに変更し、第4実施形態のパチンコ機500の前面枠用枠開放検出回路292に接続されていたスイッチSW4をスイッチSW4−1,SW4−2,SW4−3の3つのスイッチが内蔵されたスイッチSW4Aに変更した上で、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290および前面枠用枠開放検出回路292に使用されていたツェナーダイオードD3を取り外したものである(このツェナーダイオードD3を取り外さず、そのまま、内枠用枠開放検出回路290および前面枠用枠開放検出回路292と同様に接続していても良い)。なお、今後、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では内枠用枠開放検出回路300とし、第4実施形態のパチンコ機500の前面枠用枠開放検出回路292に上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では前面枠用枠開放検出回路302とする。よって、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用端子板出力回路290aに上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では内枠用端子板出力回路300aとし、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用入出力ポート出力回路290bに上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では内枠用入出力ポート出力回路300bとする。同様に、第4実施形態のパチンコ機500の前面枠用端子板出力回路292aに上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では前面枠用端子板出力回路302aとし、第4実施形態のパチンコ機500の前面枠用入出力ポート出力回路292bに上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では前面枠用入出力ポート出力回路302bとする。
この、第5実施形態のパチンコ機600によれば、内枠12が開放された場合に内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)の積分回路281のコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、内枠12が閉鎖された場合に、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)に接続されたスイッチSW3−3を介してグランドに瞬間的に放電することができる。同様に、前面枠14が開放された場合に前面枠用枠開放検出回路302(前面枠用端子板出力回路302a)の積分回路281のコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、前面枠14が閉鎖された場合に、前面枠用枠開放検出回路302(前面枠用端子板出力回路302a)に接続されたスイッチSW4−3を介してグランドに瞬間的に放電することができる。
このように、内枠12または前面枠14が再度、開放状態となるまでには、常に積分回路281のコンデンサCD7に蓄えられた電荷がゼロとなっているので、内枠12または前面枠14が短時間の間に連続して複数回開放されたとしても、積分回路281は正常に動作して、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることができる。
また、第5実施形態のパチンコ機600によれば、上述の通り、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)の積分回路281のコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、内枠12が閉鎖された場合にスイッチSW3−3を介してグランドに放電し、前面枠用枠開放検出回路302(前面枠用端子板出力回路302a)の積分回路281のコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、前面枠14が閉鎖された場合にスイッチSW4−3を介してグランドに放電する。よって、第4実施形態のパチンコ機500と異なり、内枠12または前面枠14が再度開放されて、スイッチSW3−1またはスイッチSW4−1が導通された場合に、コンデンサCD7に蓄えられた電荷がコンデンサCD1から供給される電圧に重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧(例えば、12.3ボルトの電圧)が、タイマIC1のTRG端子に印加されることはない。従って、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加されるのを防止するツェナーダイオードD3を不要とすることができる。
また、第5実施形態のパチンコ機600によれば、第4実施形態のパチンコ機500と同様に、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを、パチンコ機600を用いて別々に報知することができる。更に、第5実施形態のパチンコ機600によれば、第4実施形態のパチンコ機500と同様に、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に加え、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、ホールコンピュータ262にパルス信号を別々に出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを特定することができる。
なお、第5実施形態のパチンコ機600の説明においては、第4実施形態のパチンコ機500と同一の部分には同一の番号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図34を参照して、内枠用枠開放検出回路300に接続されたスイッチSW3Aおよび前面枠用枠開放検出回路302に接続されたスイッチSW4Aの構造について説明する。なお、スイッチSW3Aは、スイッチSW3−1,SW3−2を内蔵するスイッチSW3にスイッチSW3−3を追加したものであり、その他の構造はスイッチSW3と同一である。同様に、スイッチSW4Aは、スイッチSW4−1,SW4−2を内蔵するスイッチSW4にスイッチSW4−3を追加したものであり、その他の構造はスイッチSW4と同一である。よって、スイッチSW3AおよびスイッチSW4Aにおいては、スイッチSW3およびスイッチSW4と同一部分については同一の番号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。また、スイッチSW3AとスイッチSW4Aとは同一の構造であるので、スイッチSW3Aについてその構造を説明し、スイッチSW4Aについてはその説明を省略する。
図34は、スイッチSW3Aの断面図である。図34(a)は、内枠12が閉鎖された状態におけるスイッチSW3Aの状態(遮断状態)を示した断面図である。また、図34(b)は、内枠12が開放途中または閉鎖途中の状態におけるスイッチSW3Aの状態を示した断面図である。更に、図34(c)は、内枠12が開放された状態におけるスイッチSW3Aの状態(導通状態)を示した断面図である。
図34(a)に示すように、内枠用枠開放検出回路300に接続されたスイッチSW3Aには、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2と逆の動作をするスイッチSW3−3が設けられている。スイッチSW3−3は、内枠12が閉鎖された状態に当接する可動軸SW3aに配設される導電部材である金属から構成された導体板SW3−3aと、その導体板SW3−3aの対向する位置に配設される金属から構成された一対の端子板SW3−3bと、その一対の端子板SW3−3bを筐体SW3bに配設する支持板SW3−3cと、導体板SW3−3a上の一対の端子板SW3−3bに対向する面に配設され、導体板SW3−3aに対して一対の端子板SW3−3bとは反対の方向に付勢力を発生させる一対のスプリングSW3caとが設けられている。このように、スイッチSW3には、スイッチSW3−1、スイッチSW3−2およびスイッチSW3−3の3つのスイッチが内蔵されている。
図34(a)に示すように、内枠12が閉鎖された状態においては、可動軸SW3aが内枠12に当接し、可動軸SW3aが筐体SW3bに押し込まれた状態となる。よって、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとの接触が妨げられると共に、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとの接触が妨げられる。一方、導体板SW3−3aと一対の端子板SW3−3bとは接触する。従って、内枠12が閉鎖された状態においては、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2共に導通が遮断された状態となる一方、スイッチSW3−3は導通された状態となる。
次に、図34(b)に示すように、内枠12が開放途中または閉鎖途中の状態においては、可動軸SW3aの内枠12との当接が解除されるので、一対のスプリングSW3caの付勢力により、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとの接触、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとの接触および導体板SW3−3aと一対の端子板SW3−3bとの接触のいずれもが妨げられた状態となる。よって、内枠12が開放途中または閉鎖途中の状態においては、スイッチSW3−1、スイッチSW3−2およびスイッチSW3−3共に導通が遮断された状態となる。
更に、図34(c)に示すように、内枠12が開放された状態においては、一対のスプリングSW3caの付勢力により、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとが接触すると共に、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとが接触する。一方、導体板SW3−3aと一対の端子板SW3−3bとの接触は妨げられる。よって、内枠12が開放された状態においては、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2共に導通された状態となる一方、スイッチSW3−3は導通が遮断された状態となる。
このように、筐体SW3bに内蔵されたスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、共に、内枠12が閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では導通状態となる。これに対し、筐体SW3bに内蔵されたスイッチSW3−3は、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2とは逆の動作となり、内枠12が閉鎖された状態では導通状態となる一方、内枠12が開放された状態では遮断状態となる。つまり、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、導通状態と遮断状態とが連動して動作する構造であり、スイッチSW3−3は、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の状態と逆の状態となる動作を行う構造となっている。ただし、スイッチSW3Aの構造は、図34に記載した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された状態では、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となり、スイッチSW3−3が導通状態となる一方、内枠12が開放された状態では、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となり、スイッチSW3−3が遮断状態となる構造であれば良い。これは、スイッチSW4Aの構造についても同様である。
次に、図35を参照して、第5実施形態のパチンコ機600に使用される内枠用枠開放検出回路300および内枠用外部出力端子板291について説明する。図35は、内枠用枠開放検出回路300および内枠用外部出力端子板291の電気的構成を示したブロック図である。なお、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用枠開放検出回路300は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に接続されていたスイッチSW3をスイッチSW3−1,SW3−2,SW3−3の3つのスイッチが内蔵されたスイッチSW3Aに変更し、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に使用されていたツェナーダイオードD3を取り外したものである。この内枠用枠開放検出回路300は、上記の変更以外は、図25で上述した内枠用枠開放検出回路290と同一の構成である。また、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用外部出力端子板291は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用外部出力端子板291と同一の構造である。よって、内枠用枠開放検出回路300および内枠用外部出力端子板291については、図25で上述した内枠用枠開放検出回路290および内枠用外部出力端子板291と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
また、第5実施形態のパチンコ機600に使用される前面枠用枠開放検出回路302が、第5実施形態のパチンコ機600に使用される内枠用枠開放検出回路300と異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW3AからスイッチSW4Aへ変更された所だけであり、その他は、内枠用枠開放検出回路300と同一の構成である。また、第5実施形態のパチンコ機600に使用される前面枠用外部出力端子板293は、第5実施形態のパチンコ機600に使用される内枠用外部出力端子板291と同一の構成であり、即ち、図25で上述した第4実施形態のパチンコ機500の内枠用外部出力端子板291と同一の構造である。よって、前面枠用枠開放検出回路302および前面枠用外部出力端子板293についてはその説明を省略する。
図35に示すように、スイッチSW3A(図34参照)に設けられたスイッチSW3−3は、そのスイッチSW3−3の一端(端子板3−3bの一端)が、スイッチSW3−1の他端(端子板3−2bの他端)およびコンデンサCD7の一端と接続される一方、スイッチSW3−3の他端(端子板3−3bの他端)が、グランドされている。このように、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用端子板出力回路300aは、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用端子板出力回路290aにスイッチSW3−3を追加したものとなる。なお、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用入出力ポート出力回路300bは、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用入出力ポート出力回路290bと同一の構成である。
内枠用端子板出力回路300aに用いられるスイッチSW3−3は、上述の通り、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の状態と逆の状態となる動作を行う。よって、内枠12が閉鎖されている状態では、スイッチSW3−3は導通して、コンデンサCD7の一端がグランドされた状態となる一方、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は遮断された状態となる。
そして、内枠12が閉鎖状態から開放状態となると、スイッチSW3Aの構造上、まず、スイッチSW3−3が遮断状態となった後に、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となる(図34(a)→図34(b)→図34(c)参照)。このように、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合には、まず、コンデンサCD7の一端をスイッチSW3−3によりグランドと切断して、次に、コンデンサCD1からの電力をスイッチSW3−1を介してコンデンサCD7に供給する。よって、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合に、電力を供給するコンデンサCD1がグランドに短絡することはない。従って、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合に、コンデンサCD1からの電力がグランドに流れ込み、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)を短絡破壊することはない。なお、内枠12が開放され、スイッチSW3−1が導通して、コンデンサCD7にコンデンサCD1の電力が供給されると、上述の通り、コンデンサCD7に電荷が蓄えられ、この蓄えられた電荷の増加に伴い、コンデンサCD7に発生する電圧が増加する。そして、コンデンサCD7に発生する電圧の変化により、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることができる。このように、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を積分回路281により調整する、即ち、コンデンサCD7と抵抗R10とにより調整することで、複雑な回路を用いることなく、簡単な構成且つ安価に、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間とすることができる。
次に、内枠12が開放状態から閉鎖状態となると、スイッチSW3Aの構造上、まず、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となった後に、スイッチSW3−3が導通状態となる(図34(c)→図34(b)→図34(a)参照)。このように、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合には、まず、コンデンサCD1からコンデンサCD7に供給されている電力をスイッチSW3−1により停止して、次に、コンデンサCD7の一端をスイッチSW3−3を介してグランドする。よって、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合に、電力を供給するコンデンサCD1がグランドに短絡することはない。従って、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合に、コンデンサCD1からの電力がグランドに流れ込み、内枠用枠開放検出回路300を短絡破壊することはない。
なお、内枠12が閉鎖状態となることで、スイッチSW3−1が遮断状態となりコンデンサCD1からコンデンサCD7へ供給される電力が停止されると、スイッチSW3−3によりコンデンサCD7の一端をグランドすることができる。よって、内枠12が閉鎖状態となると、内枠12が開放状態となったときにコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、スイッチSW3−3を介して瞬間的に放電し、ゼロにすることができる。従って、内枠12が再び開放状態となるまでには、常にコンデンサCD7に蓄えられた電荷がゼロとなっているので、内枠12が短時間の間に連続して複数回開放されたとしても、積分回路281を正常に動作させ、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることができる。
また、上述の通り、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)は、内枠12が閉鎖状態となると、内枠12が開放状態となったときにコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、スイッチSW3−3を介してグランドに瞬間的に放電することができる。よって、内枠12が開放されて、スイッチSW3−1が導通された場合に、コンデンサCD7に蓄えられた電荷がコンデンサCD1から供給される電圧に重畳され、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧(例えば、12.3ボルトの電圧)が、タイマIC1のTRG端子に印加されることはない。従って、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加されるのを防止するツェナーダイオードを不要とすることができる。
また、上述の通り、内枠用枠開放検出回路300は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に接続されていたスイッチSW3をスイッチSW3Aに変更し、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に使用されていたツェナーダイオードD3を取り外したものであり、上記の変更以外は、内枠用枠開放検出回路290と同一の構成である。また、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用外部出力端子板291は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用外部出力端子板291と同一の構造である。
よって、第4実施形態のパチンコ機500と同様に、パチンコ機600への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路300bに設けられたスイッチSW3−2が導通すると、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ5ボルトの信号が出力される。入出力ポート205へ5ボルトの信号が入力されると、パチンコ機600は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放を報知する。加えて、パチンコ機600は、内枠12の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。更に、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路300aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路300aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
一方、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機600への電源供給が遮断されている場合には、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されないので、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路300bに設けられたスイッチSW3−2が導通しても、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へは信号が入力されない(内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ入力される直流電圧はゼロボルトになる)。ただし、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機600への電源供給が遮断されている場合であっても、内枠用端子板出力回路300aには、コンデンサCD1から電力が供給されているので、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路300aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路300aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
なお、内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号は24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に内枠用外部出力端子板291からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻を検出することができる。
このように、パチンコ機600への電源供給が行われているときに内枠12が開放された場合に、入出力ポート205へ信号を出力する機能およびホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、並びにパチンコ機600への電源供給が遮断されているときに内枠12が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である内枠用枠開放検出回路300で発揮することができる。
また、内枠用入出力ポート出力回路300bのスイッチSW3−2の一端は、直流電源DC1およびダイオードD1のアノード端子と接続されている。よって、パチンコ機600の電源がオンされている場合に内枠12が開放されると、スイッチSW3−2が導通して、内枠用入出力ポート出力回路300bへ直流電源DC1から電力が供給されて、内枠用入出力ポート出力回路300bは動作状態となる。一方、パチンコ機600の電源がオフされている場合には、直流電源DC1から内枠用入出力ポート出力回路300bへ電力が供給されないので、内枠12が開放されてスイッチSW3−2が開放されたとしても、内枠用入出力ポート出力回路300bは停止状態となる。
これに対し、内枠用端子板出力回路300aのスイッチSW3−1の一端は、ダイオードD2および抵抗R10を介して、コンデンサCD1の一端と接続されている。よって、パチンコ機600の電源がオンされている場合に内枠12が開放されると、スイッチSW3−1が導通して、内枠用端子板出力回路300aへ直流電源DC1から電力が供給されて、内枠用端子板出力回路300aは動作状態となる。一方、パチンコ機600の電源がオフされている場合には、直流電源DC1から内枠用端子板出力回路300aへ電力供給は停止されるが、内枠12が開放してスイッチSW3−1が導通すると、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路300aへ電力が供給されるので、内枠用端子板出力回路300aは動作状態となる。ここで、パチンコ機600の電源がオフされて、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路300aへ電力が供給されている場合には、内枠用入出力ポート出力回路300bへの電力供給を、逆流防止機能を発揮するダイオードD1により遮断することができる。よって、パチンコ機600の電源がオフされている場合に、内枠用端子板出力回路300aの動作可能回数を多くして、内枠12の開放の検出可能回数を多くできる。
また、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1は、内枠12が開放されて、スイッチSW3−1が導通され、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、この立ち下がりから約10m秒の間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。そして、このタイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12が開放された場合に、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることで、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10m秒に留めることができる。これにより、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に電流が供給される期間を約10m秒に留めることができ、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10m秒に留めることができる。
次に、図36を参照して、パチンコ機600の電源のオンオフ状態に拘らず、内枠12の開放閉鎖状態に応じて変化するコンデンサCD7に印加される電圧(コンデンサCD7に蓄えられる電荷)と、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1のTRG端子電圧と、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1のOUT端子電圧と、内枠用外部出力端子板291の出力(ホールコンピュータ262の入力)と、パチンコ機600の電源がオンされている場合に、内枠12の開放閉鎖状態に応じて変化する内枠用入出力ポート出力回路300bの出力との関係について説明する。図36は、パチンコ機600の電源のオンオフ状態(直流電源DC1の供給する直流電圧の状態)と、内枠12の開放遮断状態と、スイッチSW3−3の導通遮断状態と、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の導通遮断状態と、コンデンサCD7に印加される電圧(コンデンサCD7に蓄えられる電荷)と、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1のTRG端子電圧と、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1のOUT端子電圧と、内枠用外部出力端子板291の出力(ホールコンピュータ262の入力)と、内枠用入出力ポート出力回路300bの出力との関係を示したタイミングチャートである。
なお、上述の通り、前面枠用枠開放検出回路302に設けられる前面枠用端子板出力回路302aが内枠用端子板出力回路300aと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW4−1であるかスイッチSW3−1であるかの所と、スイッチSW4−3であるかスイッチSW3−3であるかの所だけである。よって、前面枠用端子板出力回路302aの動作は、内枠用端子板出力回路300aの動作と同一であるので、前面枠用端子板出力回路302aの動作についてはその説明を省略する。また、前面枠用入出力ポート出力回路302bが内枠用入出力ポート出力回路300bと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW4−2であるかスイッチSW3−2であるかの所だけである。よって、前面枠用入出力ポート出力回路302bの動作は、内枠用入出力ポート出力回路300bの動作と同一であるので、前面枠用入出力ポート出力回路302bの動作についてはその説明を省略する。更に、図35で前述した通り、前面枠用外部出力端子板293は、内枠用外部出力端子板291と同一の構成であるので、前面枠用外部出力端子板293の動作は、内枠用外部出力端子板291と同一である。よって、前面枠用外部出力端子板293の動作についてはその説明を省略する。
図36(a)に示すように、パチンコ機600の電源はt18時まではオン状態であり(直流電源DC1の供給する直流電圧はt18時までは12ボルト状態であり)、t18時以降、パチンコ機600の電源はオフ状態となる(直流電源DC1の供給する直流電圧はゼロボルトとなる)。よって、t18時となるまでは、内枠用端子板出力回路300aおよび内枠用入出力ポート出力回路300bへ、直流電源DC1からの電力が供給される。そして、t18時以降となると、内枠用端子板出力回路300aおよび内枠用入出力ポート出力回路300bへの直流電源DC1による電力の供給は停止される。ただし、内枠用端子板出力回路300aにはコンデンサCD1が設けられているので、t18時以降は、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路300aへ電力の供給が行われる。よって、t18時以降も、内枠用端子板出力回路300aは動作可能な状態となっている。
図36(b)に示すように、t14時からt15時の間に内枠12が閉鎖状態から開放状態へ変化すると、これに追従して、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3が導通状態から遮断状態となる(t14時)。その後に、図36(d)に示すように、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態から導通状態となる(t15時)。なお、t14時にスイッチSW3−3が遮断状態となり、t15時にスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となるのは、スイッチSW3Aの構造による(図34(a)→図34(b)→図34(c)を参照)。
t15時に、スイッチSW3−1が導通状態となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図36(e)に示すように、コンデンサCD7に印加される電圧がゼロボルトから上昇を開始する(t15時)。スイッチSW3−1が導通状態となると、タイマIC1のTRG端子電圧は、コンデンサCD7に印加される電圧と同じとなるため、図36(f)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ一旦立ち下がり、上昇を開始する(t15時)。これに追従して、図36(g)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t15時)。これにより、内枠用端子板出力回路300aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図35参照)、電流供給が開始される(t15時)。そして、図36(h)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、内枠用外部出力端子板291の出力は、t15時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12の開放を示すパルス信号の出力が開始される。また、図36(d)に示すように、t14時からt15時の間に内枠12が閉鎖状態から開放状態へ変化して、スイッチSW3−2が導通状態となると(t15時)、内枠用入出力ポート出力回路300bの抵抗R11および抵抗R12に直流電源DC1からの電力が供給され、抵抗R12に印加される電圧が5ボルトとなる(t15時)。よって、図36(i)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ、直流電圧5ボルトの信号が出力される(t15時)。
次に、図36(e)に示すように、t15時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、コンデンサCD7に印加される電圧は約10.3ボルトとなる。すると、図36(f)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る(t15時から約2m秒経過)。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t15時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t15時から約10m秒経過すると、図36(g)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、内枠用端子板出力回路300aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、内枠用外部出力端子板291の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、内枠用外部出力端子板291の出力は、t15時から約10m秒経過すると、図36(h)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、内枠用外部出力端子板291の出力が切り換わることで、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図36(b)に示すように、t16時からt17時の間に内枠12が開放状態から閉鎖状態へ変化すると、図36(d)に示すように、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、t16時に導通状態から遮断状態となる。その後、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3は再び導通状態となる(t17時)。なお、t16時にスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となり、t17時にスイッチSW3−3が導通状態となるのは、スイッチSW3Aの構造による((図34(c)→図34(b)→図34(a)を参照))。
図36(d)に示すように、スイッチSW3−1が遮断状態となり(t16時)、その後、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3が導通すると(t17時)、コンデンサCD7の一端がグランドされ、図36(e)に示すように、t15時からt16時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷が瞬間的に放電される(t17時)。これにより、図36(e)に示すように、コンデンサCD7に蓄えられる電荷がゼロとなると共に、コンデンサCD7に印加される電圧がゼロボルトとなる(t17時)。よって、内枠用端子板出力回路300aは、再び、内枠12の検出が可能な状態に設定される(t17時)。また、図36(d)に示すように、スイッチSW3−2が遮断状態となると(t16時)、内枠用入出力ポート出力回路300bの抵抗R11および抵抗R12への直流電源DC1からの電力供給が停止され、抵抗R12に印加される電圧はゼロボルトとなる(t16時)。よって、図36(i)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ出力されていた直流電圧5ボルトの信号は、t16時に停止状態となる(内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205への出力は、t16時にゼロボルトとなる)。
次に、図36(a)に示すように、t18時以降、パチンコ機600の電源がオフ状態となると(直流電源DC1の供給する直流電圧がゼロボルトとなると)、内枠用端子板出力回路300aおよび内枠用入出力ポート出力回路300bへの直流電源DC1による電力の供給は停止される。しかし、パチンコ機600の電源がオフ状態であっても、内枠用端子板出力回路300aにはコンデンサCD1からの電力が供給されている。よって、内枠12が、前回閉鎖状態となったt17時から、例えば約3分経過後のt19時からt20時の間に、再び閉鎖状態から開放状態に変化すると、これに追従して、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3が導通状態から遮断状態となり(t19時)、その後、図36(d)に示すように、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態から導通状態となって(t20時)、コンデンサCD7の充電が開始される。よって、図36(e)に示すように、コンデンサCD7に印加される電圧がゼロボルトから上昇を開始する(t20時)。なお、t19時にスイッチSW3−3が遮断状態となり、t20時にスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となるのは、スイッチSW3Aの構造による(図34(a)→図34(b)→図34(c)を参照)。
図36(d)に示すように、スイッチSW3−1が遮断状態から導通状態となると(t20時)、タイマIC1のTRG端子電圧は、コンデンサCD7に印加される電圧と同じとなるため、図36(f)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ一旦立ち下がった後、上昇を開始する(t20時)。この立ち下がりに追従して、図36(g)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t20時)。これにより、内枠用端子板出力回路300aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図35参照)、電流供給が開始される(t20時)。そして、図36(h)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、内枠用外部出力端子板291の出力は、t20時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12の開放を示すパルス信号の出力が開始される。一方、図36(d)に示すように、t19時からt20時の間に、再び内枠12が閉鎖状態から開放状態に変化して、スイッチSW3−2が導通状態となっても(t20時)、内枠用入出力ポート出力回路300bの抵抗R11および抵抗R12には直流電源DC1からの電力が供給されないので(直流電源DC1の供給する直流電圧はゼロボルトであるので)、抵抗R12に印加される電圧はゼロボルトとなる(t20時)。よって、図36(i)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ出力される信号は、停止状態を維持する(内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205への出力は、ゼロボルトを維持する)。
次に、図36(e)に示すように、t20時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、コンデンサCD7に印加される電圧は約10.3ボルトとなる。すると、図36(f)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る(t20時から約2m秒経過)。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t20時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t20時から約10m秒経過すると、図36(g)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、内枠用端子板出力回路300aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、内枠用外部出力端子板291の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、内枠用外部出力端子板291の出力は、t20時から約10m秒経過すると、図36(h)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、内枠用外部出力端子板291の出力が切り換わることで、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図36(b)に示すように、t21時からt22時の間に、内枠12が開放状態から閉鎖状態に変化すると、図36(d)に示すように、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、t21時に導通状態から遮断状態となる。その後、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3は再び導通状態となる(t22時)。t21時にスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となり、t22時にスイッチSW3−3が導通状態となるのは、スイッチSW3Aの構造による((図34(c)→図34(b)→図34(a)を参照))。
図36(d)に示すように、スイッチSW3−1が遮断状態となり(t21時)、その後、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3が導通状態となると(t22時)、コンデンサCD7の一端がグランドされ、図36(e)に示すように、t20時からt21時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷が瞬間的に放電される(t22時)。これにより、図36(e)に示すように、コンデンサCD7に蓄えられる電荷がゼロとなると共に、コンデンサCD7に印加される電圧がゼロボルトとなる(t22時)。よって、内枠用端子板出力回路300aは、再び、内枠12の検出が可能な状態に設定される(t22時)。また、図36(d)に示すように、スイッチSW3−2が遮断状態となると(t21時)、内枠用入出力ポート出力回路300bは、パチンコ機600の電源がオンされた場合に内枠12の検出が可能な状態に設定される(t21時)。
上述した通り、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)は、内枠12が閉鎖状態となると(t17時およびt22時)、スイッチSW3−1を遮断してコンデンサCD1からコンデンサCD7へ供給される電力を停止した後に、スイッチSW3−3によりコンデンサCD7の一端をグランドすることができる。よって、内枠12が閉鎖状態となると(t17時およびt22時)、内枠12が開放状態となったときにコンデンサCD7に蓄えられた電荷を(t15時からt16時に蓄えられた電荷およびt20からt21時に蓄えられた電荷を)、スイッチSW3−3を介して瞬間的に放電し、ゼロにすることができる(t17時およびt22時)。これにより、内枠12が再び開放状態となるまでには、常にコンデンサCD7に蓄えられた電荷がゼロとなっているので、内枠12が短時間の間に連続して複数回開放されたとしても、積分回路281は正常に動作して、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることができる。
また、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)は、内枠12が閉鎖状態から開放状態(t14時からt15時およびt19時からt20時)となると、スイッチSW3Aの構造上、まず、スイッチSW3−3が遮断状態となった(t14時およびt19時)後に、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となる(t15時およびt20時)。このように、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合には、まず、コンデンサCD7の一端をスイッチSW3−3によりグランドと切断して(t14時およびt19時)、その後に、コンデンサCD1からの電力をスイッチSW3−1を介してコンデンサCD7に供給する(t15時およびt20時)。よって、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合に、電力を供給するコンデンサCD1がグランドに短絡することはない。従って、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合に、コンデンサCD1からの電力がグランドに流れ込み、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)を短絡破壊することはない。
同様に、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)は、内枠12が開放状態から閉鎖状態(t16時からt17時およびt21時からt22時)となると、スイッチSW3Aの構造上、まず、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となった後に(t16時およびt21時)、スイッチSW3−3が導通状態となる(t17時およびt22時、図34参照)。このように、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合には、まず、コンデンサCD1からコンデンサCD7に供給されている電力をスイッチSW3−1により停止して(t16時およびt21時)、その後に、コンデンサCD7の一端をスイッチSW3−3を介してグランドする(t17時およびt22時)。よって、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合に、電力を供給するコンデンサCD1がグランドに短絡することはない。従って、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合に、コンデンサCD1からの電力がグランドに流れ込み、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)を短絡破壊することはない。
また、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)は、内枠12が閉鎖状態となると(t17時およびt22時)、内枠12が開放状態となったときにコンデンサCD7に蓄えられた電荷を(t15時からt16時に蓄えられた電荷およびt20からt21時に蓄えられた電荷を)、スイッチSW3−3を介してグランドに瞬間的に放電することができる(t17時およびt22時)。よって、内枠12が開放されて、スイッチSW3−1が導通された場合に(t15時およびt20時に)、コンデンサCD7に蓄えられた電荷がコンデンサCD1から供給される電圧に重畳され、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧(例えば、12.3ボルトの電圧)が、タイマIC1のTRG端子に印加されることはない。従って、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加されるのを防止するツェナーダイオードを不要とすることができる。
また、上述の通り、内枠用枠開放検出回路300は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に接続されていたスイッチSW3をスイッチSW3Aに変更し、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に使用されていたツェナーダイオードD3を取り外したものであり、上記の変更以外は、内枠用枠開放検出回路290と同一の構成である。また、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用外部出力端子板291は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用外部出力端子板291と同一の構造である。
よって、第4実施形態のパチンコ機500と同様、パチンコ機600への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に(t18時までの場合に)、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路300aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路300aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。更に、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路300bに設けられたスイッチSW3−2が導通すると、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ5ボルトの信号が出力される。
また、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機600への電源供給が遮断されている場合であっても(t18時以降であっても)、内枠用端子板出力回路300aには、コンデンサCD1から電力が供給されているので、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路300aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路300aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。ただし、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機600への電源供給が遮断されている場合には(t18時以降の場合には)、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が内枠用入出力ポート出力回路300bへ供給されていないので、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路300bに設けられたスイッチSW3−2が導通しても、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へは信号が出力されない(内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ出力される直流電圧はゼロボルトになる)。
このように、パチンコ機600への電源供給が行われている場合に内枠12が開放されたときに、入出力ポート205へ信号を出力する機能およびホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、並びにパチンコ機600への電源供給が遮断されている場合に内枠12が開放されたときに、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である内枠用枠開放検出回路300で発揮することができる。
なお、内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号は24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に内枠用外部出力端子板291からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻を検出することができる。
また、内枠12が開放されて、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となると、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1は、スイッチSW3−1の導通期間に拘らず、即ち、内枠12の開放期間に拘らず、スイッチSW3−1が導通状態となり、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がってから約10m秒経過すると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10m秒となる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機600への電源供給が遮断され、内枠用端子板出力回路300aおよび内枠用外部出力端子板291へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、内枠用端子板出力回路300aおよび内枠用外部出力端子板291へコンデンサCD1から約10.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12の1回の開放につき、約10m秒に留めることができる。従って、内枠12の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
以上、第1実施形態から第5実施形態のパチンコ機に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
第1実施形態から第5実施形態に記載した各パチンコ機をそれぞれ組み合わせて、各実施形態の有する機能を備えるパチンコ機を実現することが可能であることは言うまでもない。
第1実施形態から第5実施形態においては、外部出力端子板261、内枠用外部出力端子板291および前面枠用外部出力端子板293から出力されるパルス信号を、パチンコ機とは設置場所が異なるホールコンピュータ262へ出力したが、これに限られるものではない。ホールコンピュータ262の機能を有する専用の記憶装置をパチンコ機毎に設け、その専用の記憶装置を、主制御装置110等が設けられる各パチンコ機の背面側に配設しても良い。この場合には、より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、専用の記憶装置を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付する。
また、第4実施形態および第5実施形態では、内枠用外部出力端子板291と前面枠用外部出力端子板293とを別々の基板に設けたが、これに限られるものではない。内枠用外部出力端子板291と前面枠用外部出力端子板293とを同一の基板上に設けても良い。なお、内枠用外部出力端子板291と前面枠用外部出力端子板293とを同一の基板上に設けた場合にも、内枠用外部出力端子板291は、内枠用枠開放検出回路290に接続され、前面枠用外部出力端子板293は、前面枠用枠開放検出回路292に接続される。そして、内枠用外部出力端子板291と前面枠用外部出力端子板293とは、別々にホールコンピュータ262へパルス信号を出力する。
また、第4実施形態および第5実施形態では、内枠12の開放を検知する内枠用枠開放検出回路290と、前面枠14の開放を検知する前面枠用枠開放検出回路292とを別々に設けたが、これに限られるものではない。内枠12と前面枠14との開放を区別せずにホールコンピュータ262へ出力する場合には、次のように構成しても良い。まず、前面枠用枠開放検出回路292と前面枠用外部出力端子板293とを取り外して、内枠用枠開放検出回路290と内枠用外部出力端子板291とを主制御装置110に残す。そして、スイッチSW3およびスイッチSW4を並列接続して内枠用枠開放検出回路290に接続すれば良い。この構成により、内枠12と前面枠14との開放を区別せずにホールコンピュータ262へ出力することができる。なお、主制御装置110に残すのは、内枠用枠開放検出回路290および内枠用外部出力端子板291ではなく、前面枠用枠開放検出回路292および前面枠用外部出力端子板293でも良い。
また、第4実施形態および第5実施形態では、内枠用入出力ポート出力回路290bを用いて、内枠12が開放されると5ボルトの信号を入出力ポート205へ出力したが、これに限られるものではない。内枠用入出力ポート出力回路290bを用いずに、内枠12が開放されると5ボルトの信号を入出力ポート205へ出力する場合には、次のように構成すれば良い。まず、内枠用入出力ポート出力回路290bを内枠用枠開放検出回路290から取り外す(直流電源DC1は残す)。次に、トランジスタTR1のエミッタ端子eとグランドとの間に抵抗を直列接続し、トランジスタTR1のエミッタ端子eと直列接続した抵抗との接続点に入出力ポート205を接続する。そして、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通した場合に、即ち、内枠12が開放された場合に、入出力ポート205に5ボルトの信号が出力されるように直列接続した抵抗値を調整すれば良い。これにより、スイッチSW3−2、抵抗R11および抵抗R12を不要としつつ、内枠12が開放されると、5ボルトの信号を入出力ポート205へ出力するとともに、パルス幅10m秒のパルス信号をホールコンピュータ262へ出力することができる。なお、上記では、内枠用入出力ポート出力回路290bを不要とする場合について説明を行ったが、前面枠用入出力ポート出力回路292bを不要とする場合にも、前面枠用枠開放検出回路292に同様の手順を適用すれば良い。
また、第1実施形態から第5実施形態では、外部出力端子板261、内枠用外部出力端子板291および前面枠用外部出力端子板293とホールコンピュータ262とを接続し、外部出力端子板261、内枠用外部出力端子板291および前面枠用外部出力端子板293からホールコンピュータ262へパルス信号を出力して、ホールコンピュータ262に内枠12または前面枠14の開放を記憶させたが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機にEEPROM(Electronically Erasable and
Programmable Read Only Memory)やバックアップRAMを設ける。そして、このEEPROMやバックアップRAMに、外部出力端子板261、内枠用外部出力端子板291および前面枠用外部出力端子板293を接続する。この構成により、EEPROMやバックアップRAMに、内枠12または前面枠14の開放を記憶させることができる。そして、パチンコ機の電源がオンされた場合に、MPU201がEEPROMやバックアップRAMの記憶を確認する。これにより、内枠12または前面枠14の開放をパチンコ機を用いて検知することができる。つまり、ホールコンピュータ262の役割を、EEPROMやバックアップRAMに担わせることができる(請求項に記載の「特定装置」の役割を、EEPROMやバックアップRAMに担わせることができる)。なお、バックアップRAMは、RAM203を用いても良い。
次に、図37から図56を参照して、第6実施形態のパチンコ機10xについて説明する。以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図37はパチンコ機10xの正面図であり、図38はパチンコ機10xの遊技盤13xの正面図であり、図39はパチンコ機10xの背面図である。
パチンコ機10xは、図37に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11xと、その外枠11xと略同一の外形形状に形成され外枠11xに対して開閉可能に支持された内枠12xとを備えている。外枠11xには、内枠12xを支持するために正面視(図37参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18xが取り付けられ、そのヒンジ18xが設けられた側を開閉の軸として内枠12xが正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12xには、多数の釘や入賞口63x,64x等を有する遊技盤13x(図38参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13xの前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12xには、球を遊技盤13xの前面領域に発射する球発射ユニット112ax(図42参照)やその球発射ユニット112axから発射された球を遊技盤13xの前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12xの前面側には、その前面上側を覆う前面枠14xと、その下側を覆う下皿ユニット15xとが設けられている。前面枠14x及び下皿ユニット15xを支持するために正面視(図37参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19xが取り付けられ、そのヒンジ19xが設けられた側を開閉の軸として前面枠14x及び下皿ユニット15xが正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12xの施錠と前面枠14xの施錠とは、シリンダ錠20xの鍵穴21xに専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14xは、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cxが設けられている。前面枠14xの裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16xが配設され、そのガラスユニット16xを介して遊技盤13xの前面がパチンコ機10xの正面側に視認可能となっている。前面枠14xには、球を貯留する上皿17xが前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17xに賞球や貸出球などが排出される。上皿17xの底面は正面視(図37参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17xに投入された球が球発射ユニット112axへと案内される。また、上皿17xの上面には、枠ボタン22xが設けられている。この枠ボタン22xは、例えば、第3図柄表示装置81xで表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14xには、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cxの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29x〜33xが設けられている。パチンコ機10xにおいては、これら電飾部29x〜33xが大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29x〜33xが点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14xの正面視(図37参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34xが設けられている。また、右側の電飾部32x下側には、前面枠14xの裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35xが形成され、遊技盤13x前面の貼着スペースK1x(図38参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10xの前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10xにおいては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29x〜33xの周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36xが取り付けられている。
窓部14cxの下方には、貸球操作部40xが配設されている。貸球操作部40xには、度数表示部41xと、球貸しボタン42xと、返却ボタン43xとが設けられている。パチンコ機10xの側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40xが操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41xはカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42xは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17xに供給される。返却ボタン43xは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17xに球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40xが不要となるが、この場合には、貸球操作部40xの設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17xの下側に位置する下皿ユニット15xには、その中央部に上皿17xに貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50xが上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50xの右側には、球を遊技盤13xの前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51xが配設され、かかる操作ハンドル51xの内部には球発射ユニット112axの駆動を許可するためのタッチセンサ51axと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bxと、操作ハンドル51xの回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51xが遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51xの回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13xの前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51xが遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51axおよび打ち止めスイッチ51bxがオフとなっている。
下皿50xの正面下方部には、下皿50xに貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52xが設けられている。この球抜きレバー52xは、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50xの底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52xの操作は、通常、下皿50xの下方に下皿50xから排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50xの右方には、上述したように操作ハンドル51xが配設され、下皿50xの左方には灰皿53xが取り付けられている。
図38に示すように、遊技盤13xは、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60xに、球案内用の多数の釘や風車およびレール61x,62x、一般入賞口63x、第1入球口64x、可変入賞装置65x、可変表示装置ユニット80x等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12xの裏面側に取り付けられる。一般入賞口63x、第1入球口64x、可変入賞装置65x、可変表示装置ユニット80xは、ルータ加工によってベース板60xに形成された貫通穴に配設され、遊技盤13xの前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13xの前面中央部分は、前面枠14xの窓部14cx(図37参照)を通じて内枠12xの前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13xの構成について説明する。
遊技盤13xの前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62xが植立され、その外レール62xの内側位置には外レール62xと同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61xが植立される。この内レール61xと外レール62xとにより遊技盤13xの前面外周が囲まれ、遊技盤13xとガラスユニット16x(図37参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13xの前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13xの前面であって2本のレール61x,62xと円弧部材70xとにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61x,62xは、球発射ユニット112axから発射された球を遊技盤13x上部へ案内するために設けられたものである。内レール61xの先端部分(図38の左上部)には戻り球防止部材68xが取り付けられ、一旦、遊技盤13xの上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62xの先端部(図38の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69xが取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69xに当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61xの右下側の先端部と外レール62xの右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70xがベース板60xに打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図38の右側上部)には、発光手段である複数のLED37axと7セグメント表示器37bxとが設けられた第1図柄表示装置37xが配設されている。第1図柄表示装置37xは、主制御装置110xで行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10xの遊技状態の表示が行われる。複数のLED37axは、パチンコ機10xが確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bxは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37axは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10xの各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10xが確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。更に、本実施の形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64xへ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10xが時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64xへ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10xが通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10xの遊技状態に応じて、第1入球口64xに付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63xが配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80xが配設されている。可変表示装置ユニット80xには、第1入球口64xへの入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81xと、第2入球口67xの球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82xとが設けられている。
第3図柄表示装置81xは、後述する表示制御装置114xによって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81xの表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81xは8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80xには、この第3図柄表示装置81xの外周を囲むようにして、センターフレーム86xが配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81xは、主制御装置110xの制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37xで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37xの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81xを構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37xにて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64xへ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37xにより示されると共に保留ランプ85xの点灯個数においても示される。保留ランプ85xは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81xの上方に左右対称に配設されている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64xへの入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85xを削除し、第1入球口64xへの入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81xの一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37xにより保留回数が示されるので、保留ランプ85xにより点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82xは、第2図柄の表示部83xと保留ランプ84xとを有し、球が第2入球口67xを通過する毎に、表示部83xにおいて表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施の形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64xが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67xの通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37xにより表示されると共に保留ランプ84xにおいても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部83xにおいて複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37x及び第3図柄表示装置81xの一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84xの点灯を第3図柄表示装置81xの一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67xの通過は、第1入球口64xと同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37xにより保留回数が示されるので、保留ランプ84xにより点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80xの下方には、球が入球し得る第1入球口64xが配設されている。この第1入球口64xへ球が入球すると遊技盤13xの裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110xで大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37xのLED37axで示される。また、第1入球口64xは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64xの下方には可変入賞装置65xが配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65axが設けられている。パチンコ機10xにおいては、主制御装置110xでの抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37xのLED37axを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81xに表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65axが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65axは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65axが所定時間開放される。この特定入賞口65axの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65xは、具体的には、特定入賞口65axを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65axは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65axに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65axとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37xにおいて大当たりに対応したLED37axが点灯した場合に、特定入賞口65axが所定時間開放され、その特定入賞口65axの開放中に、球が特定入賞口65ax内へ入賞することを契機として特定入賞口65axとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13xの下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1x,K2xが設けられ、貼着スペースK1xに貼られた証紙等は、前面枠14xの小窓35x(図37参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13xには、アウト口66xが設けられている。いずれの入賞口63x,64x,65axにも入球しなかった球はアウト口66xを通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13xには、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図39に示すように、パチンコ機10xの背面側には、制御基板ユニット90x,91xと、裏パックユニット94xとが主に備えられている。制御基板ユニット90xは、主基板(主制御装置110x)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113x)と表示制御基板(表示制御装置114x)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91xは、払出制御基板(払出制御装置111x)と発射制御基板(発射制御装置112x)と電源基板(電源装置115x)とカードユニット接続基板116xとが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94xは、保護カバー部を形成する裏パック92xと払出ユニット93xとがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110x、音声ランプ制御装置113x及び表示制御装置114x、払出制御装置111x及び発射制御装置112x、電源装置115x、カードユニット接続基板116xは、それぞれ基板ボックス100x〜104xに収納されている。基板ボックス100x〜104xは、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100x(主制御装置110x)及び基板ボックス102x(払出制御装置111x及び発射制御装置112x)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100x,102xを開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100x,102xを無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100x,102xが開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93xは、裏パックユニット94xの最上部に位置して上方に開口したタンク130xと、タンク130xの下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131xと、タンクレール131xの下流側に縦向きに連結されるケースレール132xと、ケースレール132xの最下流部に設けられ、払出モータ216x(図42参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133xとを備えている。タンク130xには、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133xにより必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131xには、当該タンクレール131xに振動を付加するためのバイブレータ134xが取り付けられている。
また、払出制御装置111xには状態復帰スイッチ120xが設けられ、発射制御装置112xには可変抵抗器の操作つまみ121xが設けられ、電源装置115xにはRAM消去スイッチ122xが設けられている。状態復帰スイッチ120xは、例えば、払出モータ216x(図42参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121xは、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122xは、パチンコ機10xを初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図40を参照して、本パチンコ機10xの内部構成について説明する。図40は、内枠12xと前面枠14xと下皿ユニット15xとが開放された状態におけるパチンコ機10xの斜視図である。
パチンコ機10xには、その外殻を形成する外枠11xが設けられ、この外枠11xに対して内枠12xが開閉可能に支持される。遊技場においては、外枠11xの外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠12x、前面枠14xおよび下皿ユニット15xは、外枠11xに対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10xの前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11xに対して内枠12x等を前面側に開放して行われる。
外枠11xには、内枠12xを支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製の上ヒンジ(図示せず)および下ヒンジ(図示せず)が取り付けられている。この上ヒンジおよび下ヒンジが設けられた側を開閉の軸として内枠12xは開閉可能に支持される。
内枠12xは、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース55xを主体に構成されており、内枠ベース55xの中央部には略円形状の中央窓55axが形成されている。内枠ベース55xの裏面側には遊技盤13xの取付部が設けられ、遊技盤13xが着脱可能に装着される。
内枠ベース55xの中央窓55axの下側は、前面側が開放した凹状に窪んで形成されており、その奥側には、平面状の取付面52bxが形成されている。取付面52bxには、球を遊技盤13xの前面に発射するための発射ユニット140xや、上皿17xおよび下皿50xに球を排出する通路を形成する通路形成部材54x等が取り付けられる。
外枠11xと内枠12xとの間には、内枠12xの開放および閉鎖を検出するスイッチSW1xが設けられており、内枠12xと前面枠14xとの間には、前面枠14xの開放および閉鎖を検出するスイッチSW2xが設けられている。
ここで、図41を参照して、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xの構造について説明する。なお、スイッチSW1xとスイッチSW2xとは同一の構造であるので、スイッチSW1xについて構造を説明し、スイッチSW2xについてはその説明を省略する。
図41は、スイッチSW1xの断面図である。図41(a)は、内枠12xが閉鎖された状態におけるスイッチSW1xの状態(遮断状態)を示した断面図である。また、図41(b)は、内枠12xが開放された状態におけるスイッチSW1xの状態(導通状態)を示した断面図である。
図41(a)に示すように、外枠11xの内枠12xと対向する面に配設されたスイッチSW1xには、閉鎖された状態の内枠12xに当接する可動軸SW1axと、その可動軸SW1axに配設される導電部材である金属から構成された導体板SW1−1axと、その導体板SW1−1axと対向する位置に配設される金属から構成された一対の端子板SW1−1bxと、その一対の端子板SW1−1bxをそれぞれ筐体SW1bxに配設する支持板SW1−1cxと、導体板SW1−1ax上の一対の端子板SW1−1bxに対向する面とは反対の面に配設され、導体板SW1−1axに対して一対の端子板SW1−1bxへの方向に付勢力を発生させる一対のスプリングSW1cxとが設けられている。
図41(a)に示すように、内枠12xが閉鎖された状態においては、可動軸SW1axが内枠12xに当接し、可動軸SW1axが筐体SW1bxに押し込まれた状態となる。よって、導体板SW1−1axと一対の端子板SW1−1bxとの接触が妨げられる。従って、内枠12xが閉鎖された状態においては、スイッチSW1xは、導通が遮断された状態となる。
一方、図41(b)に示すように、内枠12xが開放された状態においては、可動軸SW1axと内枠12xとの当接が解除されるので、一対のスプリングSW1cxの付勢力により、導体板SW1−1axと一対の端子板SW1−1bxとが接触する。よって、内枠12xが開放された状態においては、スイッチSW1xは、導通された状態となる。
このように、スイッチSW1xは、内枠12xが閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12xが開放された状態では導通状態となる。なお、スイッチSW1xの構造は、図41に記載した形状に限られるものではなく、内枠12xが閉鎖された状態では、スイッチSW1xが遮断状態となる一方、内枠12xが開放された状態では、スイッチSW1xが導通状態となる構造であれば良い。これは、スイッチSW2xの構造についても同様である。
次に、図42を参照して、本パチンコ機10xの電気的構成について説明する。図42は、パチンコ機10xの電気的構成を示すブロック図である。
電源装置115xは、パチンコ機10xの各部に電源を供給するための電源部251xと、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252xと、RAM消去スイッチ122x(図39参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253xと、MPU201xの演算処理を実行可能な状態にするリセット信号SG3axを出力するリセット回路254xとを有している。電源部251xは、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110x〜114x等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251xは、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208xなどの各種スイッチや、ソレノイド209xなどのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110x〜114x等に対して必要な電圧を供給する。なお、この電源部251xは、マルチプレクサMP1xの入力端子I13xへも5ボルトの駆動電圧Vaxを出力している。
停電監視回路252xは、パチンコ機10xの電源がオンされているときに停電等によって電源遮断が発生すると、その電源遮断時に、マルチプレクサMP1xの入力端子I11xおよび払出制御装置111xのMPU211xのNMI端子へ、正のパルス信号である停電信号SG1axを出力するための回路である。停電監視回路252xは、電源部251xから出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1axをマルチプレクサMP1x及び払出制御装置111xへ出力する。停電信号SG1axの出力によって、主制御装置110x及び払出制御装置111xは、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251xは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110x及び払出制御装置111xは、NMI割込処理(図53参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253xは、RAM消去スイッチ122xが押下された場合に、主制御装置110xへ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2xを出力するための回路である。主制御装置110x及び払出制御装置111xは、パチンコ機10xの電源投入時に、RAM消去信号SG2xを入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111xにおいてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111xに対して送信する。
リセット回路254xは、MPU201xを演算処理の実行が可能な状態にするリセット信号SG3axを出力する回路である。このリセット回路254xは、電源部251xから出力される5ボルトの電圧をリセット信号SG3axとして出力する。リセット信号SG3axがマルチプレクサMP2xを介してMPU201xへ入力されると、MPU201xは、演算処理が実行可能な状態となる。一方、リセット信号SG3axの出力が停止した場合には、MPU201xは、演算処理が実行不能な状態となる。なお、このリセット回路254xから出力されるリセット信号SG3axは、図示しないが、払出制御装置111xのMPU211x、音声ランプ制御装置113xのMPU221xおよび表示制御装置114xのMPU231xへも入力されている。
なお、パチンコ機10xでは、停電監視回路252x、RAM消去スイッチ回路253xおよびリセット回路254xは、電源装置115x内に設けられていたが、これに限られず、停電監視回路252x、RAM消去スイッチ回路253xまたはリセット回路254xのいずれかが主制御装置110x内に設けられていても良い。また、停電監視回路252x、RAM消去スイッチ回路253xまたはリセット回路254xのいずれか2つの回路の組み合わせが主制御装置110x内に設けられていても良い。更には、停電監視回路252x、RAM消去スイッチ回路253xおよびリセット回路254xの3つの回路が主制御装置110x内に設けられていても良い。RAM消去スイッチ回路253xが主制御装置110x内に設けられている場合には、RAM消去スイッチ122xも主制御装置110x内に設けられる。
主制御装置110xには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201xが搭載されている。MPU201xには、該MPU201xにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202xと、そのROM202x内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203xと、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111xや音声ランプ制御装置113xなどのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110xから該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110xからサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
MPU201xには、該MPU201xの立ち上げを可能にする駆動電圧Vaxまたは駆動電圧Vbxが入力される電源端子と、該MPU201xの演算処理を実行可能な状態にするリセット信号SG3axまたはリセット信号SG3bxのいずれかが入力されるリセット端子と、停電信号SG1axまたは停電信号SG1bxのいずれかが入力されるNMI端子(ノンマスカブル割込端子)が設けられている。
なお、MPU201xが動作可能となる電圧の下限値は、約4.0ボルトである。よって、MPU201xの電源端子に供給される駆動電圧Vaxまたは駆動電圧Vbxが約4.0ボルトを超えていれば、MPU201xは立ち上げ可能な状態(動作可能な状態)となる一方、MPU201xの電源端子に供給される駆動電圧Vaxまたは駆動電圧Vbxが約4.0ボルト以下となれば、MPU201xは動作不可能な状態となる。また、MPU201xが演算実行可能な状態となる電圧の下限値は、約4.3ボルトである。よって、MPU201xのリセット端子に供給される電圧(リセット信号SG3axまたはリセット信号SG3bx)が約4.3ボルトを超えていれば、MPU201xは演算処理を実行可能な状態となる一方、MPU201xのリセット端子に供給される電圧(リセット信号SG3axまたはリセット信号SG3bx)が約4.3ボルト以下となれば、MPU201xは演算処理が実行不可能な状態となる。また、MPU201xのNMI端子には、停電監視回路252xから出力される停電信号SG1axまたは枠開放検出回路260xから出力される停電信号SG1bxが入力されるように構成されており、停電信号SG1axまたは停電信号SG1bxのいずれかがMPU201xへ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図53参照)が即座に実行される。
主制御装置110xのMPU201xには、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204xを介して入出力ポート205xが接続されている。入出力ポート205xには、払出制御装置111x、音声ランプ制御装置113x、第1図柄表示装置37x、第2図柄表示装置82xや、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208xや、特定入賞口65axの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209xが接続されている。
また、入出力ポート205xには、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xが接続されている。パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、後述する枠開放検出回路260xは、MPU201xを一時的に立ち上げる。一時的に立ち上がったMPU201xは、入出力ポート205xを介してホールコンピュータ262xへ、パルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する。入出力ポート205xを介して出力されたパルス信号はホールコンピュータ262xに記憶される。よって、ホールコンピュータ262xに記憶されたパルス信号を解析することで、パチンコ機10xの電源がオフされている間に行われた内枠12xまたは前面枠14xの開放を検出することができる。更には、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたパチンコ機10xを特定することができる。
主制御装置110xには、スイッチSW1xが導通することにより内枠12xの開放を検出すると共に、スイッチSW2xが導通することにより前面枠14xの開放を検出する枠開放検出回路260xが設けられている。この枠開放検出回路260xには、内枠12xの開放を検出するスイッチSW1xと、前面枠14xの開放を検出するスイッチSW2xとが接続されている。なお、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xと枠開放検出回路260xとの接続には、信号の入出力を行う入出力部(入出力ポート205x(ラッチ回路等)とは異なる、図示せず)を介して接続が行われている。なお、詳細は図43で説明するが、枠開放検出回路260xには、電力供給用のコンデンサCD1xが設けられているので、パチンコ機10xの電源がオフしているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放しても、枠開放検出回路260xは、その開放を検出して、一時的にMPU201xを立ち上げることができる。また、パチンコ機10xの電源がオンであるときに内枠12xまたは前面枠14xが開放した場合には、枠開放検出回路260xは当然に動作する。ここで、パチンコ機10xの電源がオンであるときには、MPU201xは既に立ち上がっており、枠開放検出回路260xによってMPU201xを立ち上げる必要はないので、このときに内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、枠開放検出回路260xは、マルチプレクサMP1x〜MP3xの動作により、MPU201xを立ち上げるのではなく、リセット信号SG3bxのみを入出力ポート205xへ出力する。
また、枠開放検出回路260xには、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通した場合に、マルチプレクサMP1xの入力端子I21xへ、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通時から約4.4秒間、停電信号SG1bxを出力する電断信号出力端子が設けられている。枠開放検出回路260xの電断信号出力端子は、出力端子O1xがMPU201xのNMI端子に接続されたマルチプレクサMP1xの入力端子I21xと接続されている。このマルチプレクサMP1xの入力端子I11xは、停電監視回路252xと接続されており、マルチプレクサMP1xの制御端子S1xは、電源部251xと接続されている。よって、パチンコ機10xの電源がオンである場合には、マルチプレクサMP1xの制御端子S1xへ電源部251xからロジック用の5ボルトの電圧が入力される。一方、パチンコ機10xの電源がオフしている場合には、電源部251xが動作しないので、マルチプレクサMP1xの制御端子S1xには、電圧が入力されない(マルチプレクサMP1xの制御端子S1xの電圧は、ゼロボルトとなる)。
ここで、停電監視回路252xから出力される停電信号SG1axと枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxとの関係について、パチンコ機10xの電源がオンされている場合とパチンコ機10xの電源がオフされている場合に分けて説明する。
パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、マルチプレクサMP1xの制御端子S1xに電源部251xから5ボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP1xは、制御端子S1xに5ボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP1xの入力端子I11xとマルチプレクサMP1xの出力端子O1xとの導通を行うので(マルチプレクサMP1xの入力端子I21xとマルチプレクサMP1xの出力端子O1xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、MPU201xのNMI端子に、停電監視回路252xから出力される停電信号SG1axが入力可能な状態となる(枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力されても、MPU201xのNMI端子には入力されない)。一方、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、マルチプレクサMP1xの制御端子S1xに電源部251xからゼロボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP1xは、制御端子S1xにゼロボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP1xの入力端子I21xとマルチプレクサMP1xの出力端子O1xとの導通を行うので(マルチプレクサMP1xの入力端子I11xとマルチプレクサMP1xの出力端子O1xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、MPU201xのNMI端子に、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxが入力可能な状態となる。このように、マルチプレクサMP1xは、電源部251xから制御端子S1xへ入力される電圧によって、即ち、パチンコ機10xの電源のオンオフ状態に応じて、MPU201xのNMI端子へ出力する信号を停電信号SG1axまたは停電信号SG1bxのいずれかに切り換える。
また、枠開放検出回路260xには、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通した場合に、マルチプレクサMP2xの入力端子I22xおよび入出力ポート205xへ、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通時から約9.4秒間、リセット信号SG3bxを出力するリセット信号出力端子が設けられている。枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子は、出力端子O2xがMPU201xのリセット端子に接続されたマルチプレクサMP2xの入力端子I22xと入出力ポート205xとに接続されている。このマルチプレクサMP2xの入力端子I12xは、リセット回路254xと接続されており、マルチプレクサMP2xの制御端子S2xは、電源部251xと接続されている。よって、パチンコ機10xの電源がオンである場合には、マルチプレクサMP2xの制御端子S2xへ電源部251xからロジック用の5ボルトの電圧が入力される。一方、パチンコ機10xの電源がオフしている場合には、電源部251xが動作しないので、マルチプレクサMP2xの制御端子S2xには、電圧が入力されない(マルチプレクサMP2xの制御端子S2xの電圧は、ゼロボルトとなる)。
ここで、リセット回路254xから出力されるリセット信号SG3axと枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxとの関係について、パチンコ機10xの電源がオンされている場合とパチンコ機10xの電源がオフされている場合に分けて説明する。
パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、マルチプレクサMP2xの制御端子S2xに電源部251xから5ボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP2xは、制御端子S2xに5ボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP2xの入力端子I12xとマルチプレクサMP2xの出力端子O2xとの導通を行うので(マルチプレクサMP2xの入力端子I22xとマルチプレクサMP2xの出力端子O2xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、MPU201xのリセット端子に、リセット回路254xから出力されるリセット信号SG3axが入力可能な状態となる(枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からリセット信号SG3bxが出力されても、MPU201xのリセット端子には入力されない)。一方、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、マルチプレクサMP2xの制御端子S2xに電源部251xからゼロボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP2xは、制御端子S2xにゼロボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP2xの入力端子I22xとマルチプレクサMP1xの出力端子O2xとの導通を行うので(マルチプレクサMP2xの入力端子I12xとマルチプレクサMP1xの出力端子O2xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、MPU201xのリセット端子に、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが入力可能な状態となる。このように、マルチプレクサMP2xは、電源部251xから制御端子Sへ入力される電圧によって、即ち、パチンコ機10xの電源のオンオフ状態に応じて、MPU201xのリセット端子へ出力する信号をリセット信号SG3axまたはリセット信号SG3bxのいずれかに切り換える。
なお、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子は、前述の通り、入出力ポート205xへも接続されている。よって、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、パチンコ機10xの電源がオンされているか否かに拘らず、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から入出力ポート205xへリセット信号SG3bxが出力される。この入出力ポート205xへ出力されたリセット信号SG3bxにより、MPU201xは、内枠12xまたは前面枠14xの開放を検出することができる。
枠開放検出回路260xには、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通した場合に、マルチプレクサMP3xの入力端子I13xへ、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通時から約9.9秒間、最大値約5ボルトの駆動電圧Vbxを供給する電源出力端子が設けられている。枠開放検出回路260xの電源出力端子は、出力端子O3xがMPU201xの電源端子に接続されたマルチプレクサMP3xの入力端子I23xと接続されている。このマルチプレクサMP3xの入力端子I13xは、電源部251xと接続されており、マルチプレクサMP3xの制御端子S3xも、電源部251xと接続されている。よって、パチンコ機10xの電源がオンである場合には、マルチプレクサMP3xの制御端子S3xへ電源部251xからロジック用の5ボルトの電圧が入力される。一方、パチンコ機10xの電源がオフしている場合には、電源部251xが動作しないので、マルチプレクサMP3xの制御端子S3xには、電圧が入力されない(マルチプレクサMP3xの制御端子S3xの電圧は、ゼロボルトとなる)。
ここで、電源部251xから出力される駆動電圧Vaxと枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される最大値約5ボルトの駆動電圧Vbxとの関係について、パチンコ機10xの電源がオンされている場合とパチンコ機10xの電源がオフされている場合に分けて説明する。
パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、マルチプレクサMP3xの制御端子S3xに電源部251xから5ボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP3xは、制御端子S3xに5ボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP3xの入力端子I13xとマルチプレクサMP3xの出力端子O3xとの導通を行うので(マルチプレクサMP3xの入力端子I23xとマルチプレクサMP3xの出力端子O3xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、MPU201xの電源端子に、電源部251xから出力される駆動電圧Vaxが入力可能な状態となる(枠開放検出回路260xの電源出力端子から駆動電圧Vbxが出力されても、MPU201xの電源端子には入力されない)。一方、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、マルチプレクサMP3xの制御端子S3xに電源部251xからゼロボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP3xは、制御端子S3xにゼロボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP3xの入力端子I23xとマルチプレクサMP3xの出力端子O3xとの導通を行うので(マルチプレクサMP3xの入力端子I13xとマルチプレクサMP3xの出力端子O3xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、MPU201xの電源端子に、枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxが入力可能な状態となる。このように、マルチプレクサMP3xは、電源部251xから制御端子S1xへ入力される電圧によって、即ち、パチンコ機10xの電源のオンオフ状態に応じて、MPU201xの電源端子へ出力する電圧を、電源部251xから出力される駆動電圧Vaxまたは枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxのいずれかに切り換える。
なお、マルチプレクサMP3xの出力端子O3xは、図示を省略するが、入出力ポート205xにも接続されている。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通した場合には、枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxが、入出力ポート205xへも供給される。
上述の通り、パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、電源装置115xの各回路(電源部251x、停電監視回路252xおよびリセット回路254x)から各種信号(停電信号SG1axおよびリセット信号SG3ax)や駆動電圧Vaxが、マルチプレクサMP1x〜MP3xを介して、MPU201xの各端子(NMI端子、リセット端子および電源端子)に出力される。そして、パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、枠開放検出回路260xからは、リセット信号SG3bxのみが入出力ポート205xへ出力される。一方、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、枠開放検出回路260xからは、各種信号(停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bx)や駆動電圧Vbxが、マルチプレクサMP1x〜MP3xを介して一定期間中、MPU201xの各端子(NMI端子、リセット端子および電源端子)へ出力される。よって、パチンコ機10xの電源がオフされていても、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、MPU201xを一時的に(本実施形態では約9.9秒間)立ち上げることができる。
なお、上述の通り、マルチプレクサMP3xの出力端子O3xは、図示を省略するが、入出力ポート205xにも接続されている。よって、パチンコ機10xの電源がオフされている場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、枠開放検出回路260xの電源出力端子から入出力ポート205xへも駆動電圧Vbxが出力される。従って、パチンコ機10xの電源がオフされている場合であっても、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、入出力ポート205xも一時的に(本実施形態では約9.9秒間)立ち上げることができる。
RAM203xは、MPU201xの内部レジスタの内容やMPU201xにより実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更にRAM203xは、オフ中枠開放フラグ203axとオン中枠開放フラグ203bxとを有している。なお、RAM203xは、パチンコ機10xの電源の遮断後においても電源装置115xからバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203xに記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203xに記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203xに記憶される情報に基づいて、パチンコ機10xの状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203xへの書き込みはメイン処理(図48参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203xに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図47参照)において実行される。
オフ中枠開放フラグ203axは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通して、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられた場合に、オンとなるフラグである(後述する主制御装置110xの立ち上げ処理のS112xの処理)。このオフ中枠開放フラグ203axがオンされることにより、MPU201xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを検知することができる。なお、オフ中枠開放フラグ203axがオンとなっている場合に、パチンコ機10xの電源がオンされると、MPU201xは、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10xは、パチンコ機10xの電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xの開放があったことを不特定多数の者(店員や遊技客等)に報知することができる。一方、オフ中枠開放フラグ203axは、RAM消去スイッチ122xを操作して、主制御装置110xの立ち上げ処理のS116xの処理で(図47参照)、使用RAM領域がクリアされた場合にオフされる。よって、オフ中枠開放フラグ203axが一旦オンされると、RAM消去スイッチ122xを操作して、S116xの処理で使用RAM領域をクリアしない限り、オフ中枠開放フラグ203axをオフすることができない。よって、パチンコ機10xの電源がオンされた場合には、パチンコ機10xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを確実に不特定多数の者に報知することができる。
オン中枠開放フラグ203bxは、パチンコ機10xの電源がオンされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通して、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から入出力ポート205xへリセット信号SG3bxが出力された場合に、オンとなるフラグである(メイン処理のS219xの処理)。このオン中枠開放フラグ203bxは、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖されると、メイン処理のS220xの処理でオフされる。このオン中枠開放フラグ203bxがオンされることにより、MPU201xは、パチンコ機10xの電源がオンされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを検知することができる。なお、パチンコ機10xの電源がオンされている場合に、オン中枠開放フラグ203bxがオンとなると、MPU201xは、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10xは、パチンコ機10xの電源オン中に内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを不特定多数の者に報知することができる。
払出制御装置111xは、払出モータ216xを駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211xは、そのMPU211xにより実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212xと、ワークメモリ等として使用されるRAM213xとを有している。
払出制御装置111xのRAM213xは、主制御装置110xのRAM203xと同様に、MPU211xの内部レジスタの内容やMPU211xにより実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213xは、パチンコ機10xの電源の遮断後においても電源装置115xからバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213xに記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、MPU211xのNMI端子には、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252xから停電信号SG1axが入力されるように構成されており、その停電信号SG1axがMPU211xへ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図53参照)が即座に実行される。
払出制御装置111xのMPU211xには、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215xが接続されている。入出力ポート215xには、主制御装置110xや払出モータ216x、発射制御装置112xなどがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111xには、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111xに接続されるが、主制御装置110xには接続されていない。
発射制御装置112xは、主制御装置110xにより球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51xの回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112axを制御するものである。球発射ユニット112axは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51xに触れていることをタッチセンサ51axにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bxがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51xの回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51xの操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113xは、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226xにおける音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29x〜33xや表示ランプ34xなど)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114xで行われる第3図柄表示装置81xの表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221xは、そのMPU221xにより実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222xと、ワークメモリ等として使用されるRAM223xとを有している。
音声ランプ制御装置113xのMPU221xには、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224xを介して入出力ポート225xが接続されている。入出力ポート225xには、主制御装置110x、表示制御装置114x、音声出力装置226xやランプ表示装置227xなどがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114xは、第3図柄表示装置(LCD)81xにおける第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114xは、MPU231xと、ROM(プログラムROM)232xと、ワークRAM233xと、ビデオRAM234xと、キャラクタROM235xと、画像コントローラ236xと、入力ポート237xと、出力ポート238xと、バスライン239x,240xとを有している。入力ポート237xの入力側には音声ランプ制御装置113xの出力側が接続され、入力ポート237xの出力側には、MPU231x、ROM232x、ワークRAM233x、画像コントローラ236xが接続されている。画像コントローラ236xには、ビデオRAM234x、キャラクタROM235xが接続されると共に、バスライン240xを介して出力ポート238xが接続されている。出力ポート238xの出力側には、第3図柄表示装置81xが接続されている。なお、パチンコ機10xは、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81xで表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114xは共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114xのMPU231xは、音声ランプ制御装置113xから入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81xの表示内容を制御する。ROM232xは、MPU231xにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233xは、MPU231xによる各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235xは、第3図柄表示装置81xに表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータを記憶したメモリである。ビデオRAM234xは、第3図柄表示装置81xに表示される演出データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM234xの内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81xの表示内容が変更される。
画像コントローラ236xは、MPU231x、ビデオRAM234x、出力ポート238xのそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234xに記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81xに表示させるものである。
次に、図43を参照して、枠開放検出回路260xを説明する。図43は、枠開放検出回路260xの電気的構成を示した回路図である。内枠12xの開放または前面枠14xの開放を検出する枠開放検出回路260xは、12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1xと、ダイオードD1x〜D5xと、コンデンサCD1x〜CD4xと、抵抗R1x〜R5xと、C−MOSタイマであるタイマIC1x(ナショナルセミコンダクタ社製LMC555)と、トランジスタTR1xと、FET1x〜FET3xと、リセットIC2x(ローム株式会社製BD4843)と、論理否定回路であるNOTIC3xとを主に有している。
スイッチSW1xが導通することにより内枠12xの開放を検出すると共に、スイッチSW2xが導通することにより前面枠14xの開放を検出するために、枠開放検出回路260xは、上記の部品が図43に示す回路図に従って接続される。なお、スイッチSW1xとスイッチSW2xとは並列接続された上で枠開放検出回路260xに接続されているので、いずれか一方のスイッチが導通すれば、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xの開放を検出することができる。
直流電源DC1xは、枠開放検出回路260xへ12ボルトの直流電圧を供給する電源である。直流電源DC1xへの電力(電源)は、電源装置115xに設けられた電源部251xから図示しない電源経路を通じて供給される。この直流電源DC1xは、ダイオードD1xのアノード端子と接続される。ダイオードD1xのカソード端子には1F(ファラッド)のコンデンサCD1xの一端が接続されている。そして、コンデンサCD1xの他端はグランドされている。また、コンデンサCD1xの一端は、スイッチSW1xの一端と、スイッチSW2xの一端と、タイマIC1xのVDD端子、タイマIC1xのRES端子とに接続されている。
コンデンサCD1xは、パチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260xへ直流電圧を供給する充電池の機能を発揮する部品である。
これは、コンデンサCD1xは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合には、コンデンサCD1xの容量1F(ファラッド)とコンデンサCD1xに印加された直流電圧(直流電源DC1xから供給される12ボルトからダイオードD1xでの電圧降下約0.7ボルトを引いた約11.3ボルト)との積により求まる電荷を蓄える。
一方、コンデンサCD1xは、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、コンデンサCD1xに蓄えられた電荷に基づく電力を枠開放検出回路260xへ供給する。
よって、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、コンデンサCD1xにより供給される電力によって動作して、内枠12xの開放および前面枠14xの開放を検出することができる。なお、本実施形態においては、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260xへ電力を供給する部品として、コンデンサCD1xを使用した。しかし、これに限られるものではなく、コンデンサCD1xを、より蓄電量の多い二次電池(充電池)や、充電の必要のない一次電池としても良い。
また、コンデンサCD1xの一端には、ダイオードD1xのカソード端子が接続されており、このダイオードD1xが電流の逆流防止機能を果たしているので、コンデンサCD1xから枠開放検出回路260xへ電力が供給されている場合でも、その電力に伴って発生する電圧が直流電源DC1xに印加されることはなく、直流電源DC1xが損傷することはない。
タイマIC1xは、C−MOSタイマであり、200kΩの抵抗R1xと、100kΩの抵抗R2xと、22μFのコンデンサCD2xと、0.1μFのコンデンサCD3xとの接続によって、内枠12xの開放または前面枠14xの開放を検出し、トランジスタTR1xを約4.4秒間、導通させる回路として機能する。なお、トランジスタTR1xが導通すると、電源出力端子から最大値約5ボルトの駆動電圧Vbxが出力開始され、リセット信号出力端子からはリセット信号SG3bxが出力開始されると共に、電断信号出力端子からは停電信号SG1bxが出力開始される。
タイマIC1xは、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合、即ち、コンデンサCD1xにより電力が供給されている場合と、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合とで兼用している。よって、当然に、タイマIC1xは、パチンコ機10xへの電源供給が行われている場合に枠開放検出回路260xへ供給される直流電圧12ボルト以下で動作可能である。更に、タイマIC1xは、C−MOS半導体で構成されるタイマであるので、動作時の消費電力を抑制し、長時間の動作が可能である。
このタイマIC1xのVDD端子は、タイマIC1xに供給された直流電圧を入力する端子であり、スイッチSW1xの一端、スイッチSW2xの一端、コンデンサCD1xの一端およびタイマIC1xのRES端子と接続されている。タイマIC1xのRES端子は、RES端子にパルス信号が入力された場合に、OUT端子から出力されている電圧を強制的に出力停止状態(ゼロボルト)にするリセット機能を作動させるための端子である。ただし、本枠開放検出回路260xでは、このリセット機能を使用しないので、タイマIC1xのRES端子をタイマIC1xのVDD端子に接続して、リセット機能が作動しないようにしている。なお、タイマIC1xのVDD端子およびタイマIC1xのRES端子は、上述の通り、コンデンサCD1xの一端と接続されているので、タイマIC1xのVDD端子およびRES端子には、約11.3ボルトの直流電圧が印加される。
タイマIC1xのTRG端子は、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断されている場合には(内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には)、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧を約10.6ボルトに設定する一方、スイッチSW1x又はスイッチSW2xのいずれか一方、またはスイッチSW1xおよびスイッチSW2xの両方が導通状態となった場合には(内枠12x又は前面枠14xのいずれか一方、または内枠12xおよび前面枠14xの両方が開放状態となった場合には)、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧を、その導通から約4.4秒後に約10.6ボルトからゼロボルトに設定するための端子である。このタイマIC1xのTRG端子は、抵抗R2xの他端と接続されている。
タイマIC1xのTRG端子に接続される抵抗R2xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となって、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態(図41(b)参照)となったときに、タイマIC1xのTRG端子に直流電圧(約11.3ボルト)を印加するための抵抗である。なお、タイマIC1xのTRG端子の入力インピーダンスは、抵抗R2xの抵抗値(100kΩ)に対して、十分大きいので、この抵抗R2xによる電圧降下は殆ど発生しない。よって、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となると、コンデンサCD1xの一端から供給される約11.3ボルトの電圧がタイマIC1xのTRG端子に印加される。
上記の接続により、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断状態にあるときには(内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態にあるときには)、抵抗R2xに電圧が供給されないので、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧は、ゼロボルトとなる。このとき、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧は約10.6ボルトとなる。
一方、スイッチSW1x又はスイッチSW2xのいずれか一方、またはスイッチSW1xおよびスイッチSW2xの両方が導通状態にあるときには(内枠12x又は前面枠14xのいずれか一方、または内枠12xおよび前面枠14xの両方が開放状態にあるときには)、抵抗R2xに電圧が供給されるので、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧は、コンデンサCD1xの一端に印加される電圧と同じ約11.3ボルトとなる。このとき、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧は、スイッチSW1x又はスイッチSW2xのいずれか一方、またはスイッチSW1xおよびスイッチSW2xの両方が導通状態となってから約4.4秒間は約10.6ボルトとなり、その後、ゼロボルトとなる。
このように、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧により、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧を、約10.6ボルトかゼロボルトかのいずれか一方に設定することができる。なお、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通され(内枠12xまたは前面枠14xが開放され)、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧がゼロボルトから約11.3ボルトに変化すると、上述の通り、その電圧の立ち上がりから約4.4秒遅れて、タイマIC1xのOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに立ち下がる。そして、詳細は後述するが、このタイマIC1xのTRG端子に印加される電圧の立ち上がりと、タイマIC1xのOUT端子から出力されている電圧の立ち下がりとの時間差(約4.4秒)によって、トランジスタTR1xが約4.4秒間導通する。
タイマIC1xのOUT端子は、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断され(内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖され)、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧がゼロボルトになると、約10.6ボルトの電圧を出力する一方、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通され(内枠12xまたは前面枠14xが開放され)、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧が約11.3ボルトに立ち上がると、その立ち上がりから約4.4秒遅れて、出力している約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに設定する端子である。このOUT端子は、FET1xのゲート端子GおよびFET2xのゲート端子Gと接続される。
FET1xは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧によって導通と遮断を切り換えるN−MOSのスイッチング素子であり、FET1xのドレイン端子Dは、100kΩの抵抗R3xの他端およびトランジスタTR1xのベース端子bと接続される。なお、このトランジスタTR1xのエミッタ端子eは、抵抗R3xの一端、抵抗R2xの一端およびNOTIC3xの入力端子と接続されている。そして、トランジスタTR1xのコレクタ端子cは、コンデンサCD4xの一端、抵抗R4xの一端、ダイオードD3xのアノード端子およびダイオードD4xのアノード端子と接続されている。また、FET1xのソース端子Sは、ツェナーダイオードD2xのカソード端子と接続される。なお、このツェナーダイオードD2xのアノード端子は、グランドされている。
FET1xは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が約10.6ボルトである場合には(内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過するまでの場合および内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には)、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとを導通状態とする。一方、FET1xは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧がゼロボルトである場合には(内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過した場合には)、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとを遮断状態とする。
ここで、FET1xの動作およびトランジスタTR1xの動作について、3つの場面を時系列で説明する。まず、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでのFET1xの動作およびトランジスタTR1xの動作について説明する。内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となるので、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となってから約4.4秒経過するまでは)、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電流が、抵抗R3xを介して、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの間を通過し、ツェナーダイオードD2xのカソード端子に流れ込む。ここで、ツェナーダイオードD2xの制限電圧は、約5.7ボルトである。そして、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通状態にある場合には、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間のインピーダンスは数Ω程度となる。よって、トランジスタTR1xのベース端子bの電圧は、ツェナーダイオードD2xの制限電圧とほぼ同じ電圧である約5.7ボルトとなる。また、抵抗R3xに電圧が発生すると、トランジスタTR1xのベース端子bとトランジスタのエミッタ端子eとにバイアス電圧が印加される。よって、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間も導通状態となり、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電流は、トランジスタTR1xのエミッタ端子eからコレクタ端子cへ流れ込む。ここで、トランジスタTR1xのベース端子bとコレクタ端子cとが導通状態にある場合には、トランジスタTR1xのベース端子bとコレクタ端子cとの端子間のインピーダンスは数Ω程度となる。従って、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは、トランジスタTR1xのコレクタ端子cの電圧は、ツェナーダイオードD2xの制限電圧とほぼ同じ電圧である約5.7ボルトとなる。この動作により、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは、コンデンサCD4xに約5.7ボルトの電圧が印加され、コンデンサCD4xの充電が行われると共に、電源出力端子から最大値約5ボルトの駆動電圧Vbx(コンデンサCD4xに印加される約5.7ボルトからダイオードD3xの電圧降下0.7ボルトを引いた電圧)が出力開始され、リセット信号出力端子からはリセット信号SG3bxが出力開始されると共に、電断信号出力端子からは停電信号SG1bxが出力開始される。
次に、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときのFET1xの動作およびトランジスタTR1xの動作について説明する。内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときには、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが遮断状態となる。よって、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となっていたとしても、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電流が抵抗R3xに流れ込まなくなり、抵抗R3xに発生していた電圧がゼロになる。よって、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの導通は遮断される。従って、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときには、トランジスタTR1xのコレクタ端子cの電圧は、ゼロボルトとなる。この動作により、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときには、コンデンサCD4xに印加される電圧がゼロボルトとなり、コンデンサCD4xに蓄えられた電力は放電状態となる。
最後に、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときのFET1xの動作およびトランジスタTR1xの動作について説明する。内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されると、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が約10.6ボルトとなり、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通するが、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xは遮断状態である。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通となるものの、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから電流が供給されず、トランジスタTR1xのベース端子bとエミッタ端子eとの端子間の電圧はゼロボルトとなる。これにより、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの導通は遮断される。従って、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には、トランジスタTR1xのコレクタ端子cには電圧が印加されず、トランジスタTR1xのコレクタ端子cの電圧は、ゼロボルトとなる。この動作により、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときにも、コンデンサCD4xに印加される電圧がゼロボルトとなり、コンデンサCD4xに蓄えられた電力は放電状態となる。
図43の説明に戻る。コンデンサCD4xは、トランジスタTR1xを介して供給される電力を充電すると共に、その充電した電力を放電して、電断信号出力端子を除く、電源出力端子およびリセットIC2xへ電力を供給する容量値1F(ファラッド)のコンデンサである。コンデンサCD4xの一端は、トランジスタTR1xのコレクタ端子c、抵抗R4xの一端、ダイオードD3xのアノード端子およびダイオードD4xのアノード端子と接続されている。一方、コンデンサCD4xの他端は、グランドされている。
この接続により、コンデンサCD4xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは(FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通すると共に、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとが導通するので)、トランジスタTR1xを介して直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電力を蓄える。そして、コンデンサCD4xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過すると(FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが遮断状態になると共に、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとが遮断状態になるので)、蓄えた電力を放電して、電源出力端子およびリセットIC2xへ電力を供給する。なお、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが遮断状態にあるときには、当然、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通も遮断状態となるので、コンデンサCD4xが放電する電力に伴う電流が抵抗R5xに流れ込むことはない。よって、コンデンサCD4xの放電する電力に伴う電圧は、電断信号出力端子へは出力されない。従って、コンデンサCD4xは、電断信号出力端子へは電力を供給せず、電源出力端子およびリセットIC2xへ電力を供給するのである。
なお、コンデンサCD4xに蓄えられた電力がゼロになるまでの放電時間は、電源出力端子に接続されるマルチプレクサMP3xの入力端子I23xの入力インピーダンスおよびマルチプレクサMP3xの出力端子O3xに接続されるMPU201xの電源端子の入力インピーダンス、並びにリセットIC2xの入力端子INの入力インピーダンス、リセット信号出力端子に接続されるマルチプレクサMP2xの入力端子I22xの入力インピーダンスおよびマルチプレクサMP2xの出力端子O2xに接続されるMPU201xのリセット端子の入力インピーダンス等により決定される。なお、本実施形態では、コンデンサCD4xが満充電された場合に、この満充電された電力がゼロになるまでの放電時間を、約20秒に設定している。ただし、コンデンサCD4xが満充電された場合に、この満充電された電力がゼロになるまでの放電時間を、上記のインピーダンスを調整することにより約20秒よりも短く、或いは約20秒よりも長く設定しても良い。
コンデンサCD4xに蓄えられた電力の放電は、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過して、更には内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された場合にも継続する。なお、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が約10.6ボルトとなり、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通するが、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xは遮断状態である。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通するものの、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから電流が供給されず、トランジスタTR1xのベース端子bとエミッタ端子e間の電圧はゼロボルトとなる。従って、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとが遮断状態になるので、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときと同様、コンデンサCD4xは、蓄えた電力を放電して、電源出力端子およびリセットIC2xに電力を供給するのである。ここで、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された場合には、FET1xと同様、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通状態になり、電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力されるかのようにみえるが、この場合には、後述するFET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通状態となるので、やはり電断信号出力端子から停電信号SG1bxは出力されない。この説明ついては、後に詳述する。
なお、コンデンサCD4xが蓄えた電力がゼロになった場合には、当然に、放電が終了する(停止する)。これにより、電源出力端子およびリセットIC2xへコンデンサCD4xから供給される電力も停止する。
FET2xは、FET1xと同様に、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧によって導通と遮断を切り換えるN−MOSのスイッチング素子であり、FET2xのドレイン端子Dは、100kΩの抵抗R4xの他端と接続される。この抵抗R4xの一端は、コンデンサCD4xの一端、トランジスタTR1xのコレクタ端子c、ダイオードD3xのアノード端子およびダイオードD4xのアノード端子と接続されている。また、FET2xのソース端子Sは、逆流防止用のダイオードD5xのアノード端子および100MΩの抵抗R5xの一端と接続されている。この抵抗R5xの他端は、グランドされている。なお、ダイオードD5xのカソード端子は、電断信号出力端子と接続されている。
FET2xは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が約10.6ボルトである場合には(内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過するまでの場合と内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には)、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとを導通状態にする。一方、FET2xは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧がゼロボルトである場合には(内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過した場合には)、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとを遮断状態にする。
NOTIC3xは、FET3xのゲート端子Gへ電圧を印加する論理否定回路である。このNOTIC3xは、入力端子がスイッチSW1xの他端、スイッチSW2xの他端、抵抗R1xの一端、抵抗R2xの一端および抵抗R3xの一端に接続されている。また、このNOTIC3xの電源端子は、図示を省略するが、コンデンサCD1xの一端と接続されている。よって、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、NOTIC3xの入力端子に約11.3ボルトの電圧が印加された場合には、NOTIC3xの出力端子からゼロボルトが出力される。一方、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されて、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断し、NOTIC3xの入力端子にゼロボルトが印加された場合には、NOTIC3xの出力端子から約11.3ボルトの電圧が出力される。
FET3xは、電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxの制御を行うN−MOSのスイッチング素子である。FET3xのゲート端子Gは、NOTIC3xの出力端子と接続されている。また、FET3xのドレイン端子Dは、ダイオードD5xのアノード端子と接続されており、FET3xのソース端子Sは、グランドされている。よって、NOTIC3xの出力端子からゼロボルトが出力されている場合、即ち、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通した場合には、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断される。従って、内枠12xまたは前面枠14xが開放されている場合には、電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力できる状態となる。一方、NOTIC3xの出力端子から約11.3ボルトの電圧が出力されている場合、即ち、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されて、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断した場合には、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通する。従って、内枠12xまたは前面枠14xが閉鎖されている場合には、電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力できない状態となる。
ここで、FET2xおよびFET3xの動作について、FET1xの場合と同様に、3つの場面を時系列で説明する。まず、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでのFET2xおよびFET3xの動作について説明する。内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となるので、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となってから約4.4秒経過するまでは)、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電流が、抵抗R4xを介して、FET2xのドレイン端子DとFET2xのソース端子Sとの間を通過し、抵抗R5xに流れ込む。このとき、前述の通り、トランジスタTR1xのコレクタ端子cの電圧は約5.7ボルトであるので、抵抗R4xの一端に印加される電圧も約5.7ボルトとなる。ここで、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通状態にある場合には、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間のインピーダンスは数Ω程度となる。一方で、内枠12xまたは前面枠14xが開放されているので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通は遮断される。よって、抵抗R4xの一端に印加される約5.7ボルトの電圧は、抵抗R4xと抵抗R5xとにより分圧される。そして、抵抗R4xと抵抗R5xの抵抗比は、1対1000である。従って、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは、抵抗R5xに印加される電圧は、ツェナーダイオードD2xの制限電圧とほぼ同じ電圧である約5.7ボルトとなる。この動作により、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは、電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力される。なお、このとき、電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxは、抵抗R5xに印加される約5.7ボルトからダイオードD5xでの電圧降下約0.7ボルトを引いた約5.0ボルトとなる。
また、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となってから約4.4秒経過するまでは)、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電圧が、ダイオードD3xを介して電源信号出力端子に印加されると共に、ダイオードD4xを介してリセットIC2xの入力端子INに印加される。よって、電源信号出力端子から駆動電圧が出力されると共に、リセット信号出力端子からもリセット信号SG3bxが出力される。
次に、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときのFET2xおよびFET3xの動作について説明する。内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過した場合には、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが遮断状態となる。このとき、前述の通り、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通も遮断されているので、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となっていたとしても、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cが遮断される。これにより、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xからの電圧供給は停止される。この電圧供給の停止により、コンデンサCD4xの放電が開始される。ここで、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが遮断状態であれば、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断状態であったとしても、コンデンサCD4xの放電に伴う電圧は電断信号出力端子に印加されない。よって、電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxは停止状態となる。一方で、コンデンサCD4xの放電に伴う電圧は、ダイオードD3xを介して電源出力端子に印加されると共に、ダイオードD4xを介してリセットIC2xの入力端子INに印加される。この動作により、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過すると、電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxは停止状態となる一方、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよびリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxは出力が継続される。なお、コンデンサCD4xが蓄えた電力が放電によりゼロになった場合には、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよびリセット信号SG3bxは出力停止される。
最後に、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときのFET2xおよびFET3xの動作について説明する。内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されると、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が約10.6ボルトとなり、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通するが、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xは遮断状態となっている。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通となるものの、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから電力が供給されず、コンデンサCD4xの放電が継続される。ここで、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通となるので、コンデンサCD4xの放電に伴う電流が抵抗R5xに流れ込む経路が発生する。しかし、この場合には、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間も導通状態となっている。そして、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態となると、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間のインピーダンスは数Ω程度となり、抵抗R5xの抵抗値100MΩよりも十分に小さい値となる。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された場合に、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通して、コンデンサCD4xの放電に伴う電流が抵抗R5xに流れ込む経路が発生するが、コンデンサCD4xの放電に伴う電流は、FET3xのドレイン端子Dに流れ込むので、やはり抵抗R5xには電流が流れ込まない。これにより、電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力されることはない。従って、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときには、電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxは停止状態となる一方、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよびリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxは出力が継続される。なお、前述の通り、コンデンサCD4xが蓄えた電力が放電によりゼロになった場合には、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよびリセット信号SG3bxは出力停止される)。
リセットIC2xは、入力端子INに入力される電圧が4.3ボルトを超えていれば、入力端子INに入力された電圧をそのまま出力端子OUTから出力する一方、入力端子INに入力される電圧が4.3ボルト以下になると、出力端子OUTからの電圧出力を停止する(出力端子OUTの出力電圧をゼロボルトにする)リセット半導体回路である。リセットIC2xの入力端子INは、逆流防止用のダイオードD4xのカソード端子と接続されている。このダイオードD4xのアノード端子は、逆流防止用のダイオードD3xのアノード端子と接続されると共に、抵抗R4xの一端、コンデンサCD4xの一端およびトランジスタTR1xのコレクタ端子cと接続されている。なお、ダイオードD3xのカソード端子は、電源出力端子に接続されている。また、リセットIC2xの出力端子OUTは、リセット信号出力端子と接続されている。
なお、リセットIC2xの出力端子OUTは、リセット信号出力端子に直接接続されているが、リセットIC2xの出力端子OUTに逆流防止用のダイオードを接続しても良い。この場合には、リセットIC2xの出力端子OUTに逆流防止用ダイオードのアノード端子を接続し、逆流防止用ダイオードのカソード端子をリセット信号出力端子に接続すれば良い。
ここで、リセットIC2xの動作について説明する。内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過すると、コンデンサCD4xは、蓄えた電力を放電して、電源出力端子およびリセットIC2xに電力供給を開始する。コンデンサCD4xから供給される電力は、放電時間と共に低下するので、コンデンサCD4xの放電により発生する電圧も、放電時間と共に低下する。電源出力端子とコンデンサCD4xとの間には、逆流防止用のダイオードD3xが接続されているだけであるので、電源出力端子に出力される電圧(駆動電圧Vbx)は、コンデンサCD4xの放電により発生する電圧からダイオードD3xの順方向電圧分(約0.7ボルト)だけ降下した電圧となる。一方、リセット信号出力端子とコンデンサCD4xとの間には、逆流防止用のダイオードD4xの接続に加え、リセットIC2xが接続されている。これにより、リセット信号出力端子に出力される電圧(リセット信号SG3bx)は、コンデンサCD4xの放電により発生する電圧からダイオードD4xの順方向電圧分(約0.7ボルト)だけ降下した電圧が約4.3ボルトを超えている場合には、つまり、リセットIC2xの入力端子INに入力される電圧が約4.3ボルトを超えている場合には、その入力される電圧そのものとなる。これに対し、コンデンサCD4xの放電により発生する電圧からダイオードD4xの順方向電圧分だけ降下した電圧が約4.3ボルト以下である場合には、つまり、リセットIC2xの入力端子INに入力される電圧が約4.3ボルト以下である場合には、リセット信号出力端子に出力される電圧は、ゼロボルトとなる。
このように、リセットIC2xは、入力端子INに入力される電圧が約4.3ボルトを超えていれば、入力端子INに入力された電圧をそのまま出力端子OUTから出力してリセット信号出力端子に電圧を出力する一方(リセット信号SG3bxを出力する一方)、入力端子INに入力される電圧が約4.3ボルト以下になると、出力端子OUTからの電圧出力を停止して、リセット信号出力端子へ出力する電圧をゼロボルトにする(リセット信号SG3bxを停止する)。なお、電源出力端子へ出力される電圧(駆動電圧Vbx)は、4.3ボルト以下となり得るので、リセット信号出力端子から出力する電圧がゼロボルトとなった後も、コンデンサCD4xの放電により発生する電圧がゼロボルトとなるまで、継続して出力される。
ここで、MPU201xを正常に終了させるためには、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxが供給されているときに、まず、MPU201xの動作クロックで10クロック分の期間中、MPU201xのリセット端子に入力されるリセット信号SG3bxを停止して演算処理を実行不可能な状態とし、その後に、MPU201xの電源端子へ供給される駆動電圧を約4.0ボルト以下として動作不可能な状態とする必要がある。例えば、MPU201xの動作クロックが100MHzであれば、MPU201xを正常に終了させるためには、MPU201xの電源端子に5ボルトの駆動電圧Vbxが供給されているときに、まず、MPU201xのリセット端子に入力されるリセット信号SG3bxを少なくとも100n秒停止して演算処理を実行不可能な状態とし、その後に、MPU201xの電源端子へ供給される駆動電圧Vbxを約4.0ボルト以下にして動作不可能な状態とする必要がある。これを実現すべく、枠開放検出回路260xでは、まず、リセットIC2xの入力端子INに入力される電圧を約4.3ボルト以下にして、リセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxを停止することでMPU201xを演算処理が実行不可能な状態とし、その後に、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxを約4.0ボルト以下にしてMPU201xを動作不可能な状態とする。ここで、枠開放検出回路260xでは、リセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxを停止してから、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxが約4.0ボルト以下となるまでに、約0.5秒の期間を確保している。これにより、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げた場合にも、その立ち上げたMPU201xを枠開放検出回路260xによって正常に終了させることができる。
また、リセットIC2xの入力端子INに入力される電圧が4.3ボルトを超えている場合には、リセットIC2xの入力端子INに電圧が入力されると、その電圧の入力から約40μ秒遅延して、出力端子OUTから電圧が出力される。このリセットIC2xの遅延特性により、リセット信号出力端子へ出力されるリセット信号SG3bxは、電源出力端子へ出力される駆動電圧Vbxよりも約40μ秒遅れて出力される。
ここで、MPU201xを正常に立ち上げるためには、まず、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxを供給してMPU201xを動作可能な状態とし、その後、少なくともMPU201xの動作クロックで10クロック分の期間を空けて、MPU201xのリセット端子にリセット信号SG3bxを入力して演算処理を実行可能な状態とする必要がある。例えば、MPU201xの動作クロックが100MHzであるMPU201xを正常に立ち上げるためには、まず、MPU201xの電源端子に5ボルトの駆動電圧Vbxを供給してMPU201xを動作可能な状態とし、その後、少なくとも100n秒の期間を空けて、MPU201xのリセット端子にリセット信号SG3bxを入力して演算処理を実行可能な状態とする必要がある。これを実現すべく、枠開放検出回路260xでは、まず、電源出力端子から約5ボルトの駆動電圧Vbxを出力し、その出力から約40μ秒後に、リセット信号出力端子からリセット信号SG3bxを出力する。これにより、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げる場合にも、その立ち上げを正常に行うことができる。
タイマIC1xのTH端子は、TH端子に印加される電圧を計測する端子であり、抵抗R1xの他端と、コンデンサCD2xの一端と、タイマIC1xのDCH端子とに接続されている。タイマIC1xのDCH端子は、タイマIC1xのTH端子に印加された電圧が、タイマIC1xのVDD端子に入力される直流電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧(約7.5ボルト)となった場合に、DCH端子のインピーダンスを無限大の状態からゼロの状態に切り換える端子である。DCH端子のインピーダンスがゼロの状態(グランド状態)となると、コンデンサCD2xへ電圧が印加できない状態となる。一方、DCH端子のインピーダンスが無限大の状態となると、コンデンサCD2xに電圧が印加可能な状態となる。
タイマIC1xのTH端子およびタイマIC1xのDCH端子に接続される抵抗R1xおよびコンデンサCD2xは、抵抗R1xの抵抗値とコンデンサCD2xとの積である時定数に基づいて、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、タイマIC1xのOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間を約4.4秒に決定するための部品である。抵抗R1xの一端は、スイッチSW1xの他端、スイッチSW2xの他端、抵抗R2xの一端、NOTIC3xの入力端子、抵抗R3xの一端およびトランジスタTR1xのエミッタ端子eと接続されている。また、抵抗R1xの他端は、タイマIC1xのTH端子と、タイマIC1xのDCH端子と、コンデンサCD2xの一端と接続されている。また、コンデンサCD2xの他端は、グランドされている。
ここで、抵抗R1xおよびコンデンサCD2xについて、タイマIC1xのTRG端子、タイマIC1xのTH端子、タイマIC1xのDCH端子およびタイマIC1xのOUT端子と共に説明する。
内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態では(スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断状態では)、抵抗R1xに電圧が供給されないので、タイマIC1xのTH端子に印加される電圧はゼロボルト(約7.5ボルト未満)となり、タイマIC1xのDCH端子は、インピーダンスが無限大の状態に設定される。よって、コンデンサCD2xに電圧が印加可能な状態となり、コンデンサCD2xは、充電可能状態(電荷を蓄えることができる状態)となる。しかし、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断されているときには、コンデンサCD1xの一端と抵抗R1xとの接続が遮断されているので、コンデンサCD2xには電圧が印加されず、コンデンサCD2xに印加される電圧がゼロボルトとなる。このように、コンデンサCD2xは、充電可能状態となるものの、充電は行われない状態となる。なお、このとき、タイマIC1xのOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通している。しかし、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断状態であるので、抵抗R3x(トランジスタTR1xのベース端子bとエミッタ端子eとの端子間)には電圧が発生せず、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとが遮断された状態となる。また、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Dとの端子間は導通状態となっている。従って、コンデンサCD4xからの電力が、電断信号出力端子を除く、電源出力端子およびリセットIC2xに供給され得る状態となる(コンデンサCD4xが蓄えた電力が放電によりゼロになっている場合には、電力供給は行われない)。
次に、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となって(図41(b)参照)、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となると、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧は、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わる。このとき、タイマIC1xのOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間とが導通している。そして、抵抗R3x(トランジスタTR1xのベース端子bとエミッタ端子eとの端子間)には電圧が発生し、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとが導通する。これにより、トランジスタTR1xのコレクタ端子cに約5.7ボルトの電圧が発生し、この発生した電圧がダイオードD3xを介して約5.0ボルトとなり電源出力端子へ出力される。また、トランジスタTR1xのコレクタ端子cに発生した約5.7ボルトの電圧が、ダイオードD4xおよびリセットIC2xを介して約5.0ボルトとなりリセット信号出力端子へ出力される。加えて、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態であり、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Dとは遮断状態となっているので、トランジスタTR1xのコレクタ端子cに発生した約5.7ボルトの電圧が、ダイオードD5xを介して約5.0ボルトとなり電断信号出力端子へ出力される。更に、トランジスタTR1xのコレクタ端子cに発生した約5.7ボルトの電圧によりコンデンサCD4xに充電が開始される。
また、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧が、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わるのと同時に、コンデンサCD2xに電圧が印加され、コンデンサCD2xの充電が開始される。このとき、タイマIC1xのTH端子に印加される電圧が上昇を開始する。
タイマIC1xのOUT端子の電圧は、タイマIC1xのTH端子に印加される電圧(コンデンサCD2xに印加される電圧)が、タイマIC1xのVDD端子に入力される電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧、即ち、約7.5ボルトと等しくなるまで、約10.6ボルトを保ち続ける。タイマIC1xのTH端子に印加される電圧(コンデンサCD2xに印加される電圧)が上昇し、約7.5ボルトと等しくなると、タイマIC1xのDCH端子のインピーダンスが無限大の状態からゼロの状態(グランドされた状態)に切り換わる。すると、コンデンサCD2xに印加される電圧がゼロボルト状態となり、コンデンサCD2xに蓄えられた電荷が放電される。これにより、タイマIC1xのTH端子に印加される電圧は、約7.5ボルトからゼロボルトに切り換わる。このタイマIC1xのTH端子に印加される電圧の切り換わりにより、タイマIC1xのOUT端子の電圧は、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換わる。すると、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通が遮断され、抵抗R3x(トランジスタTR1xのベース端子bとエミッタ端子eとの端子間)に発生していた電圧がゼロボルトになる。これにより、コンデンサCD4xは、蓄えた電力を放電して、電源出力端子およびリセットIC2xに電力を供給する。
このように、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となって、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となった場合に(図41(b)参照)、タイマIC1xのOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間、即ち、タイマIC1xのTH端子に印加される電圧(コンデンサCD2xに印加される電圧)がゼロボルトから約7.5ボルトとなるまでの期間を、抵抗R1xの抵抗値とコンデンサCD2xの容量との積である時定数に基づいて約4.4秒に決定する。すると、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となった場合に、約4.4秒間は、電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子へ電圧を出力する。そして、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒が経過すると、枠開放検出回路260xは、タイマIC1xのOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換え、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの導通を遮断して、電断信号出力端子へ出力される電圧を停止すると共に、コンデンサCD4xの放電を開始させる。これにより、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒が経過すると、コンデンサCD4xの放電により、電断信号出力端子を除く、電源出力端子およびリセット信号出力端子へ電圧を出力する。なお、前述した通り、コンデンサCD4xの放電によってリセットIC2xの入力端子INに入力される電圧が約4.3ボルト以下になると、リセットIC2xは、出力端子OUTから出力される電圧、即ち、リセット信号出力端子の電圧をゼロボルトにする。一方、電源出力端子の電圧は、コンデンサCD4xによる放電が停止するまで出力される。よって、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒が経過すると、枠開放検出回路260xは、まず、電断信号出力端子へ出力される電圧(停電信号SG1bx)を停止して、次に、リセット信号出力端子へ出力される電圧(リセット信号SG3bx)を停止して、最後に、電源出力端子へ出力される電圧(駆動電圧Vbx)を停止する。従って、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、MPU201xを一時的に立ち上げたとしても、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒が経過した後に、内枠12xおよび前面枠14xが開放状態から閉鎖状態(スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが導通状態から遮断状態)となると、即ち、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると、タイマIC1xのOUT端子の電圧は、ゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる。この状態においては、上述した通り、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通しているが、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断状態であるので、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xからは電力が供給されず、コンデンサCD4xの放電状態が継続する。なお、内枠12xまたは前面枠14xが閉鎖状態となると、FET3xのドレイン端子Dとゲート端子Sとが導通するので、コンデンサCD4xの放電による電圧は、電断信号出力端子を除く、電源出力端子およびリセットIC2xの入力端子INへ印加される。
ここで、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過する前に、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖され、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断された場合には、タイマIC1xのOUT端子の電圧は、ゼロボルトに切り換わらず約10.6ボルトのままとなる。しかし、この場合にも、枠開放検出回路260xは、停電信号SG1bxを停止し、次に、リセット信号SG3bxを停止して、最後に駆動電圧Vbxを停止することができる。この場合について説明する。まず、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となり、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、前述の説明と同様に、枠開放検出回路260xは、電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子へ電圧を出力すると共に、コンデンサCD4xへの充電を行う。そして、内枠12xおよび前面枠14xが開放状態から約4.4秒以内で閉鎖状態となると、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが導通状態から遮断状態となるので、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの導通を遮断して、コンデンサCD4xの放電を開始させる。ここで、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通している。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態となると、コンデンサCD4xの放電による電圧は電断信号出力端子に印加されなくなるので、停電信号SG1bxが停止される。これに対し、コンデンサCD4xの放電による電圧は、電源出力端子およびリセットIC2xの入力端子INへ印加される。その後は、コンデンサCD4xの放電に伴う電圧が時間の経過と共に低下して、リセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが停止され、最後に電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxが停止される。この動作により、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒以内で、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態となったとしても、枠開放検出回路260xは、まず停電信号SG1bxを停止し、次にリセット信号SG3bxを停止して、最後に駆動電圧Vbxを停止することができる。従って、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過する前に、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖され、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断された場合にも、枠開放検出回路260xは、MPU201xを一時的に立ち上げたとしても、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
図43の説明に戻る。タイマIC1xのCNT端子は、CNT端子に入力される信号により、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整する端子である。タイマIC1xのCNT端子は、コンデンサCD3xの一端と接続される。このコンデンサCD3xの他端は、グランドされている。なお、本枠開放検出回路260xでは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整しないので(タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧の出力期間は約4.4秒に固定)、タイマIC1xのCNT端子は、コンデンサCD3xによって交流的にグランドされている。
上述したように、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となって、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となると(図41(b)参照)、電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子へ電圧を出力する。一方、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒経過すると、まず、電断信号出力端子へ出力される電圧(停電信号SG1bx)を停止すると共に、コンデンサCD4xに放電を開始させ、その後に、リセット信号出力端子へ出力される電圧(リセット信号SG3bx)を停止して、最後に、電源出力端子へ出力される駆動電圧Vbxを停止する。従って、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、MPU201xを一時的に立ち上げたとしても、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンにする。このオフ中枠開放フラグ203axがオンとなることで、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。また、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンにすることに加え、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。
ここで、遊技場が民間の警備会社と防犯契約を交わしている場合があり、この場合には、遊技場への侵入者があると、直ちに警備会社の警備員が遊技場へ駆けつける。しかし、不正行為は短時間で行われるので、警備員が駆けつけたときには、大抵の場合、既に侵入者は遊技場から逃げ出してしまっている。よって、民間の警備会社と防犯契約を交わしていたとしても、一体、どのパチンコ機10xに不正行為が行われたのかまでは判別できないという問題点があった。不正行為がなされたパチンコ機10xは、正常な状態に戻さなければならないが、どのパチンコ機10xに不正行為がなされたか分からない場合には、すべてのパチンコ機10xの内枠12xおよび前面枠14xを開放して、1台ずつ検査しなければならず、多数のパチンコ機10xが設置されている遊技場でこの作業を行うことは相当な重労働であった。
しかし、本実施形態のパチンコ機10xによれば、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、オフ中枠開放フラグ203axをオンにすることに加えて、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。よって、ホールコンピュータ262xに記憶されたパルス信号によっても、内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。更には、ホールコンピュータ262xにパチンコ機10xからパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10xの内枠12xの開放時刻または前面枠14xの開放時刻を検出することができる。
ただし、前述の通り、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、オフ中枠開放フラグ203axをオンするので、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを、ホールコンピュータ262xを用いることなく特定することが可能である。よって、本実施形態のパチンコ機10xによれば、ホールコンピュータ262xを24時間動作し続けていない遊技場でも、パチンコ機10xの電源がオフである間に内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、そのパチンコ機10xを特定することができる。
また、上述した通り、枠開放検出回路260xには、1FのコンデンサCD1xが設けられているので、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12xの開放および前面枠14xの開放を検出して、MPU201xを一定時間立ち上げることができる。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、枠開放検出回路260xへコンデンサCD1xから直流電圧が供給される場合に、内枠12xまたは前面枠14xの開放に伴うコンデンサCD1xからの電流の総供給期間を長くしたり、内枠12xまたは前面枠14xの開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD1xの容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD1xの容量を10Fとする)、コンデンサCD1xを蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
ただし、パチンコ機10xの電源がオフされ、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された状態で枠開放検出回路260xがコンデンサCD1xの電力を消費する量は、タイマIC1xの待機電力とNOTIC3xの消費電力程度であるので、コンデンサCD1xの充電量に著しい減少をもたらすものではない。しかも、FET1x〜FET3xには、各ゲート端子Gに電圧が印加されるだけであるので、FET1x〜FET3xで消費される電力は微量である。よって、コンデンサCD1xの容量を汎用されている1Fとすることで、枠開放検出回路260xを安価に製造することができる。
また、扉開放検出回路260では、タイマIC1xにLMC555を用いて、内枠12xの開放または前面枠14xの開放を検出し、トランジスタTR1xを約4.4秒間、導通させる回路を実現したが、これに限られるものではない。即ち、タイマIC1xに他の集積回路等を用いて、内枠12xの1回の開放または前面枠14xの1回の開放に対して、1のパルス信号を発生する回路を実現し、その1のパルス信号に基づいてトランジスタTR1xを所定期間通電するものであれば良い。
次に、図44を参照して、パチンコ機10xの電源がオフされている間に、内枠12xまたは前面枠14xの一方が開放された場合と内枠12xおよび前面枠14xの両方が開放された場合とについて説明する。図44は、スイッチSW1xの状態(内枠12xの状態)とスイッチSW2xの状態(前面枠14xの状態)とに応じて変化するタイマIC1xのTRG端子の電圧と、タイマIC1xのOUT端子の電圧と、コンデンサCD4xの電圧と、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(マルチプレクサMP3xへの出力電圧)と、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP2xおよび入出力ポート205xへの出力電圧)と、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP1xへの出力電圧)との関係を示したタイミングチャートである。なお、図44(f)のAxは、t1x時から約0.01秒後までに変化する枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧を拡大した図である。図44(f)のAxでは、t1x時から約0.01秒後までのリセット信号出力端子の電圧を図示したが、t3x時から約0.01秒後まで、t5x時から約0.01秒後まで及びt7x時から約0.01秒後までのリセット信号出力端子の電圧は、t1x時から約0.01秒後までのリセット信号出力端子の電圧と同一の波形となるので、図示を省略している。
まず、図44(a)に示すように、t1x時に、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧は、t1x時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、t1x時から約4.4秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとが導通し、図44(e)に示すように、コンデンサCD4x(図43参照)に充電が開始される(t1x時)。なお、この充電は、図44(e)に示すように、スイッチSW1xが導通状態となってから約0.01秒で完了する。コンデンサCD4xの充電が完了すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧は約5.7ボルトとなる。なお、コンデンサCD4xの充電には約0.01秒が必要となるが、内枠12xまたは前面枠14xを開放して閉鎖するまでを約0.01秒の間で行うことは物理的に不可能であるので、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、コンデンサCD4xの充電は必ず完了する。
また、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(マルチプレクサMP3xの入力端子I23xへの出力電圧)は、図44(f)に示すように、t1x時に上昇を開始して、t1x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xの電源出力端子から約5.0ボルトの駆動電圧Vbxが出力開始される。また、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP2xの入力端子I22xおよび入出力ポート205xへの出力電圧)は、図44(g)および図44(f)のAxに示すように、t1x時から約40μ秒後に上昇を開始して、t1x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からリセット信号SG3bxが出力開始される。なお、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇が、t1x時から約40μ秒後となるのは、前述したリセットIC2x(図43参照)の遅延特性による。図44(f)および図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧上昇が、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇よりも約40μ秒早いので、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxが供給された後に、MPU201xのリセット信号出力端子にリセット信号SG3bxが入力される。よって、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、MPU201xを一時的に立ち上げる場合に、その立ち上げを正常に行うことができる。
なお、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンにする。このオフ中枠開放フラグ203axがオンとなることで、内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。また、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。
更に、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.7ボルトとなると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP1xの入力端子I21xへの出力電圧)は、図44(h)に示すように、t1x時に上昇を開始して、t1x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。ここで、スイッチSW1xは導通状態(内枠12xが開放状態)であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が遮断されている。これにより、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力開始される。
そして、t1x時から約4.4秒経過すると、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断されて、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの導通が遮断されるので、コンデンサCD4xへの充電が終了する。すると、コンデンサCD4xの放電が開始されるので、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が降下を開始する(t1x時から約4.4秒経過後)。これに追従して、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、降下を開始する(t1x時から約4.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、降下を開始する(t1x時から約4.4秒経過後)。
なお、t1x時から約4.4秒経過すると、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断されるので、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子へは電流が供給されない。よって、図44(h)に示すように、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(停電信号SG1bx)は、t1x時から約4.4秒経過すると、ゼロボルトになる。従って、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約4.4秒経過すると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子からMPU201xのNMI端子へ出力される停電信号SG1bxが、まず、停止される。
次に、t1x時から約9.4秒経過すると(t1x時から約4.4秒経過した後に、更に約5.0秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.0ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.3ボルトまで降下する(t1x時から約9.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、約4.3ボルトまで降下して、その後に、リセットIC2xの動作によりゼロボルトとなる(t1x時から約9.4秒経過後)。よって、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約9.4秒経過すると、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からMPU201xのリセット端子へ出力されるリセット信号SG3bxが、停電信号SG1bxの次に、停止される。これにより、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定される(t1x時から約9.4秒経過後)。
更に、t1x時から約9.9秒経過すると(t1x時から約9.4秒経過した後に、更に約0.5秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約4.7ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.0ボルトまで降下する(t1x時から約9.9秒経過後)。ここで、MPU201xの動作電圧の下限値は、約4.0ボルトである。よって、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約9.9秒経過すると、枠開放検出回路260xの電源出力端子からMPU201xの電源端子へ出力される駆動電圧Vbxが、最後に、停止されて、MPU201xが動作不可能な状態になる。つまり、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定された後に(t1x時から約9.4秒経過後)、動作不可能な状態に設定される(t1x時から約9.9秒経過後)。従って、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、t1x時から約20秒経過すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧はゼロボルトになる。これに追従して、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧も(駆動電圧Vbxも)、ゼロボルトとなる(t1x時から約20秒経過前)。よって、t1x時から約20秒経過すると、コンデンサCD4xの充電量はゼロとなる。
最後に、図44(a)に示すように、t2x時に、スイッチSW1xが遮断状態(内枠12xが閉鎖状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1xのOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t2x時)。また、t2x時に、スイッチSW1xが遮断状態(内枠12xが閉鎖状態)となると、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態になる。これにより、枠開放検出回路260xは、再び、内枠12xおよび前面枠14xの検出が可能な状態に設定される。
次に、図44(b)に示すように、t3x時に、スイッチSW2xが導通状態(前面枠14xが開放状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧は、t3x時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、t3x時から約4.4秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間が導通し、図44(e)に示すように、コンデンサCD4x(図43参照)に充電が開始される(t3x時)。なお、この充電は、図44(e)に示すように、スイッチSW2xが導通状態となってから約0.01秒で完了する。コンデンサCD4xの充電が完了すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧は約5.7ボルトとなる。
また、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(マルチプレクサMP3xの入力端子I23xへの出力電圧)は、図44(f)に示すように、t3x時に上昇を開始して、t3x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xの電源出力端子から最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbxが出力開始される。また、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP2xの入力端子I22xおよび入出力ポート205xへの出力電圧)は、図44(g)に示すように、t3x時から約40μ秒後に上昇を開始して(図44(f)のAx参考)、t3x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からリセット信号SG3bxが出力開始される。なお、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇が、t3x時から約40μ秒後となるのは、前述した通り、リセットIC2x(図43参照)の遅延特性による。図44(f)および図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧上昇が、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇よりも約40μ秒早いので、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxが供給された後に、MPU201xのリセット信号出力端子にリセット信号SG3bxが入力される。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、MPU201xを一時的に立ち上げる場合に、その立ち上げを正常に行うことができる。
更に、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.7ボルトとなると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP1xの入力端子I21xへの出力電圧)は、図44(h)に示すように、t3x時に上昇を開始して、t3x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。ここで、スイッチSW2xは導通状態(前面枠14xが開放状態)であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が遮断されている。これにより、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力開始される。
そして、t3x時から約4.4秒経過すると、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通が遮断されて、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間の導通が遮断されるので、コンデンサCD4xへの充電が終了する。すると、コンデンサCD4xの放電が開始されるので、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が降下を開始する(t3x時から約4.4秒経過後)。これに追従して、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、降下を開始する(t3x時から約4.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、降下を開始する(t3x時から約4.4秒経過後)。
なお、t3x時から約4.4秒経過すると、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通が遮断されるので、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子へは電流が供給されない。よって、図44(h)に示すように、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(停電信号SG1bx)は、t3x時から約4.4秒経過すると、ゼロボルトになる。従って、前面枠14xが開放され、スイッチSW2xが導通してから約4.4秒経過すると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子からMPU201xのNMI端子へ出力される停電信号SG1bxが、まず、停止される。
次に、t3x時から約9.4秒経過すると(t3x時から約4.4秒経過した後に、更に約5.0秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.0ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.3ボルトまで降下する(t3x時から約9.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、約4.3ボルトまで降下して、その後に、リセットIC2xの動作によりゼロボルトとなる(t3x時から約9.4秒経過後)。よって、前面枠14xが開放され、スイッチSW2xが導通してから約9.4秒経過すると、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からMPU201xのリセット端子へ出力されるリセット信号SG3bxが、停電信号SG1bxの次に、停止される。これにより、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定される(t3x時から約9.4秒経過後)。
更に、t3x時から約9.9秒経過すると(t3x時から約9.4秒経過した後に、更に約0.5秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約4.7ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.0ボルトまで降下する(t3x時から約9.9秒経過後)。ここで、前述の通り、MPU201xの動作電圧の下限値は、約4.0ボルトである。よって、前面枠14xが開放され、スイッチSW2xが導通してから約9.9秒経過すると、枠開放検出回路260xの電源出力端子からMPU201xの電源端子へ出力される駆動電圧Vbxが、最後に、停止されて、MPU201xが動作不可能な状態になる。つまり、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定された後に(t3x時から約9.4秒経過後)、動作不可能な状態に設定される(t3x時から約9.9秒経過後)。従って、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、t3x時から約20秒経過すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧はゼロボルトになる。これに追従して、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧も(駆動電圧Vbxも)、ゼロボルトとなる(t3x時から約20秒経過前)。よって、t3x時から約20秒経過すると、コンデンサCD4xの充電量はゼロとなる。
最後に、図44(a)に示すように、t4x時に、スイッチSW2xが遮断状態(前面枠14xが閉鎖状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1xのOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t4x時)。また、t4x時に、スイッチSW2xが遮断状態(前面枠14xが閉鎖状態)となると、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態になる。これにより、枠開放検出回路260xは、再び、内枠12xおよび前面枠14xの検出が可能な状態に設定される。
上述した通り、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、駆動電圧Vbxおよび停電信号SG1bxを出力した後に、リセット信号SG3bxを出力する。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、MPU201xを一時的に立ち上げる場合に、その立ち上げを正常に行うことができる。また、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、その導通後から約4.4秒経過すると、まず、停電信号SG1bxを停止する。そして、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.4秒経過すると、リセット信号SG3bxを停止する。更に、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.9秒経過すると、MPU201xの電源端子に出力される駆動電圧Vbxを約4.0ボルトに低下させる。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、上記の説明の通り、内枠12xが開放された場合と、前面枠14xが開放された場合との枠開放検出回路260xの動作は同一である。よって、次に説明を行うt5x時からt6x時のときの枠開放検出回路260xの動作については、内枠12xが開放された場合についてのみ説明する。
図44(a)に示すように、t5x時に、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧は、t5x時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間が導通し、図44(e)に示すように、コンデンサCD4x(図43参照)に充電が開始される(t5x時)。コンデンサCD4xの充電が完了すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧は約5.7ボルトとなる(t5x時から約0.01秒経過後)。
また、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(マルチプレクサMP3xの入力端子I23xへの出力電圧)は、図44(f)に示すように、t5x時に上昇を開始して、t5x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xの電源出力端子から約5.0ボルトの駆動電圧Vbxが出力開始される。また、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP2xの入力端子I22xおよび入出力ポート205xへの出力電圧)は、図44(g)に示すように、t5x時から約40μ秒後に上昇を開始して(図44(f)のAx参考)、t5x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からリセット信号SG3bxが出力開始される。なお、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇が、t5x時から約40μ秒後となるのは、前述した通り、リセットIC2x(図43参照)の遅延特性による。図44(f)および図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧上昇が、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇よりも約40μ秒早いので、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxが供給された後に、MPU201xのリセット信号出力端子にリセット信号SG3bxが入力される。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、MPU201xを一時的に立ち上げる場合に、その立ち上げを正常に行うことができる。
更に、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.7ボルトとなると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP1xの入力端子I21xへの出力電圧)は、図44(h)に示すように、t5x時に上昇を開始して、t5x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。ここで、スイッチSW1xは導通状態(内枠12xが開放状態)であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が遮断されている。これにより、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力開始される。
t5x時から約4.4秒経過する前に、内枠12xが閉鎖されると(t5x時から約3.0秒経過したt6x時に内枠12xが閉鎖されると)、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトに切り換えることなく、約10.6ボルトの電圧を出力したままになる。このとき、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間は導通されたままとなるが、内枠12xの閉鎖に伴い、スイッチSW1xが遮断されるので、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとベース端子bに電圧が印加されなくなり、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間の導通が遮断される。これにより、コンデンサCD4xへの充電が終了する(t6x時)。すると、コンデンサCD4xの放電が開始されるので、図44(d)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が降下を開始する(t6x時)。これに追従して、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、降下を開始する(t6x時)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、降下を開始する(t6x時)。
なお、内枠12xが閉鎖され、スイッチSW1xが遮断すると(t6x時)、コンデンサCD4xの放電が開始されるが、この放電により発生する電圧は、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子へは供給されない。これは、前述した通り、内枠12xが閉鎖されると、スイッチSW1xが遮断状態となるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通して、コンデンサCD4xの放電により発生する電流が抵抗R5xに流れず、FET3xのドレイン端子Dに流れ込むからである。よって、図44(h)に示すように、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(停電信号SG1bx)は、t6x時になると、ゼロボルトになる。従って、内枠12xが開放され、その開放から約4.4秒経過する前に、内枠12xが閉鎖されてスイッチSW1xが遮断された場合には、そのスイッチSW1xの遮断時に、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子からMPU201xのNMI端子へ出力される停電信号SG1bxが、まず、停止される。
次に、t6x時から約5.0秒経過すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.0ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.3ボルトまで降下する(t6x時から約5.0秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、約4.3ボルトまで降下して、その後に、リセットIC2xの動作によりゼロボルトとなる(t6x時から約5.0秒経過後)。よって、内枠12xが閉鎖され、スイッチSW1xが遮断してから約5.0秒経過すると、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からMPU201xのリセット端子へ出力されるリセット信号SG3bxが、停電信号SG1bxの次に、停止される。これにより、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定される(t6x時から約5.0秒経過後)。
更に、t6x時から約5.5秒経過すると(t6x時から約5.0秒経過した後に、更に約0.5秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約4.7ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.0ボルトまで降下する(t6x時から約5.5秒経過後)。ここで、MPU201xの最低動作電圧は、約4.0ボルトである。よって、内枠12xが閉鎖され、スイッチSW1xが遮断してから約5.5秒経過すると、枠開放検出回路260xの電源出力端子からMPU201xの電源端子へ出力される駆動電圧Vbxが、最後に停止されて、MPU201xが動作不可能な状態になる。つまり、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定された後に(t6x時から約5.0秒経過後)、動作不可能な状態に設定される(t6x時から約5.5秒経過後)。従って、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、t5x時から約20秒経過すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧はゼロボルトになる。これに追従して、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧も(駆動電圧Vbxも)、ゼロボルトとなる(t5x時から約20秒経過前)。よって、t5x時から約20秒経過すると、コンデンサCD4xの充電量はゼロとなる。
ここで、t5x時からt6x時の枠開放検出回路260xの動作では、内枠12xがt6x時に閉鎖された後も、コンデンサCD4xの放電が行われる。この場合であっても、枠開放検出回路260xは、内枠12xがt6x時に閉鎖され、スイッチSW1xが遮断されると、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間を導通させるので、コンデンサCD4xの放電により発生する電流を、抵抗R5xに流さず、FET3xのドレイン端子Dに流す。よって、内枠12xがt6x時に閉鎖されると、図44(h)に示すように、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(停電信号SG1bx)をゼロボルトすることができる。
枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxが停止された後は、コンデンサCD4xの放電に伴う電圧が時間の経過と共に低下して、リセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが停止され、最後に電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxが停止される。この動作により、内枠12xが開放されたt5x時から約4.4秒経過する前に、内枠12xが閉鎖されたとしても(t5x時から約3.0秒経過したt6x時に内枠12xが閉鎖されたとしても)、まず停電信号SG1bxを停止し、次にリセット信号SG3bxを停止して、最後に駆動電圧Vbxを停止することができる。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xが開放されて、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が切り換わるまでの約4.4秒以内で、開放された内枠12xが閉鎖されたとしても、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げ、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、内枠12xがt6x時に閉鎖された後は、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約4.7ボルトに低下して、図44(f)に示すように、電源出力端子から最後まで出力される駆動電圧Vbxが約4.0ボルトとなり、MPU201xが正常に終了すると、枠開放検出回路260xは、再び、内枠12xまたは前面枠14xの検出が可能な状態に設定される。
最後に、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)であるときに、スイッチSW2xが導通状態(前面枠14xが開放状態)となった場合について説明する。図44(a)に示すように、t7x時に、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)となり、更に、図44(b)に示すように、t8x時に、スイッチSW2xが導通状態(前面枠14xが開放状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧は、t7x時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、t7x時から約4.4秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間が導通し、図44(e)に示すように、コンデンサCD4x(図43参照)に充電が開始される(t7x時)。なお、この充電は、図44(e)に示すように、スイッチSW1xが導通状態となってから約0.01秒で完了する。コンデンサCD4xの充電が完了すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧は約5.7ボルトとなる。
また、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(マルチプレクサMP3xの入力端子I23xへの出力電圧)は、図44(f)に示すように、t7x時に上昇を開始して、t7x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xの電源出力端子から約5.0ボルトの駆動電圧Vbxが出力開始される。また、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP2xの入力端子I22xおよび入出力ポート205xへの出力電圧)は、図44(g)に示すように、t7x時から約40μ秒後に上昇を開始して、t7x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からリセット信号SG3bxが出力開始される。なお、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇が、t7x時から約40μ秒後となるのは、前述した通り、リセットIC2x(図43参照)の遅延特性による。図44(f)および図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧上昇が、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇よりも約40μ秒早いので、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxが供給された後に、MPU201xのリセット信号出力端子にリセット信号SG3bxが入力される。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、MPU201xを一時的に立ち上げる場合に、その立ち上げを正常に行うことができる。
更に、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧は約5.7ボルトとなると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP1xの入力端子I21xへの出力電圧)は、図44(h)に示すように、t7x時に上昇を開始して、t7x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。ここで、スイッチSW1xは導通状態(内枠12xが開放状態)であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が遮断されている。これにより、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力開始される。
そして、t7x時から約4.4秒経過すると、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通が遮断されて、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間の導通が遮断されるので、コンデンサCD4xへの充電が終了する。すると、コンデンサCD4xの放電が開始されるので、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が降下を開始する(t7x時から約4.4秒経過後)。これに追従して、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、降下を開始する(t7x時から約4.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、降下を開始する(t7x時から約4.4秒経過後)。
なお、t7x時から約4.4秒経過すると、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通が遮断されるので、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子へは電流が供給されない。よって、図44(h)に示すように、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(停電信号SG1bx)は、t7x時から約4.4秒経過すると、ゼロボルトになる。従って、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約4.4秒経過すると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子からMPU201xのNMI端子へ出力される停電信号SG1bxが、まず、停止される。
次に、t7x時から約9.4秒経過すると(t7x時から約4.4秒経過した後に、更に約5.0秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.0ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.3ボルトまで降下する(t7x時から約9.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、約4.3ボルトまで降下して、その後に、リセットIC2xの動作によりゼロボルトとなる(t7x時から約9.4秒経過後)。よって、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約9.4秒経過すると、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からMPU201xのリセット端子へ出力されるリセット信号SG3bxが、停電信号SG1bxの次に、停止される。これにより、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定される(t7x時から約9.4秒経過後)。
更に、t7x時から約9.9秒経過すると(t7x時から約9.4秒経過した後に、更に約0.5秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約4.7ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.0ボルトまで降下する(t7x時から約9.9秒経過後)。ここで、前述の通り、MPU201xの動作電圧の下限値は、約4.0ボルトである。よって、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約9.9秒経過すると、枠開放検出回路260xの電源出力端子からMPU201xの電源端子へ出力される駆動電圧Vbxが、最後に停止されて、MPU201xが動作不可能な状態になる。つまり、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定された後に(t7x時から約9.4秒経過後)、動作不可能な状態に設定される(t7x時から約9.9秒経過後)。従って、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、t7x時から約20秒経過すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧はゼロボルトになる。これに追従して、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧も(駆動電圧Vbxも)、ゼロボルトとなる(t7x時から約20秒経過前)。よって、t7x時から約20秒経過すると、コンデンサCD4xの充電量はゼロとなる。
最後に、図44(a)に示すように、t9x時に、スイッチSW1xが遮断状態(内枠12xが閉鎖状態)となると共に、図44(b)に示すように、t10x時に、スイッチSW2xが遮断状態(前面枠14xが閉鎖状態)となると、図44(c)に示すように、t10x時に、タイマIC1xのTRG端子電圧が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1xのOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる。また、t10x時に、スイッチSW2xが遮断状態(前面枠14xが閉鎖状態)となると、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態になる。これにより、枠開放検出回路260xは、再び、内枠12xおよび前面枠14xの検出が可能な状態に設定される。
このように、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)であるときに、スイッチSW2xが導通状態(前面枠14xが開放状態)となった場合でも、タイマIC1xは、スイッチSW1xの導通期間の長さ(内枠12xの開放期間の長さ)およびスイッチSW2xの導通期間の長さ(前面枠14xの開放期間の長さ)に拘らず、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xのいずれか一方が導通状態(内枠12xまたは前面枠14xのいずれか一方が開放状態)となったときから約4.4秒経過すると、OUT端子の電圧を約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xのいずれか一方が導通状態となったときから約4.4秒経過後に、停電信号SG1bxを停止すると共に、コンデンサCD4xの放電を開始する。その後、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xのいずれか一方が導通状態となったときから約9.4秒経過後に、リセット信号SG3bxを停止して、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xのいずれか一方が導通状態となったときから約9.9秒経過後に、駆動電圧Vbxを停止する。従って、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)となり、その後に、スイッチSW2xが導通状態(前面枠14xが開放状態)となって、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
上述した通り、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xの一方、並びに内枠12xおよび前面枠14xの両方が開放されると、駆動電圧Vbxおよび停電信号SG1bxを出力した後に、リセット信号SG3bxを出力する。よって、パチンコ機10xの電源がオフされていても、MPU201xを一時的に正常に立ち上げることができる。なお、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンにする。このオフ中枠開放フラグ203axがオンとなると、パチンコ機10xは、次回にパチンコ機10xの電源がオンされた場合に、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを報知する。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。
また、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることに加えて、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。よって、ホールコンピュータ262xに記憶されたパルス信号を解析することによっても、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、その導通後から約4.4秒経過すると、まず、停電信号SG1bxを停止する(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、その導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時に、停電信号SG1bxを停止する)。次に、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.4秒経過すると、リセット信号SG3bxを停止する(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時から約5.0秒経過後に、リセット信号SG3bxを停止する)。そして、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.9秒経過すると、MPU201xの電源端子に出力される駆動電圧Vbxを約4.0ボルトに低下させる(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時から約5.5秒経過後に、駆動電圧Vbxを約4.0ボルトに低下させる)。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通しても、その導通時から約4.4秒が経過すると、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間に拘らず、コンデンサCD1xから供給される電力によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を、トランジスタTR1xによって停止する。そして、トランジスタTR1xによる停止後は、枠開放検出回路260xは、コンデンサCD4xの放電によって、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行う。よって、枠開放検出回路260xは、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、枠開放検出回路260xへ直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されない場合に、即ち、枠開放検出回路260xへコンデンサCD1xから約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1xから電力が供給される期間を、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間に拘らず、約4.4秒間に留めることができる。よって、枠開放検出回路260xは、コンデンサCD1xに充電された電力の消費を抑制して、内枠12xまたは前面枠14xの開放検出を複数回に亘って行うことができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通しても、その導通時から約4.4秒が経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖されると、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xを遮断して、コンデンサCD1xから供給される電力によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を停止する。そして、内枠12xおよび前面枠14xの閉鎖後は、コンデンサCD4xの放電によって、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行う。
このように、コンデンサCD4xの充電が完了すると、その後は、コンデンサCD4xの放電によって駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行うことができるので、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間が約4.4秒以内である場合には、コンデンサCD1xからの電力供給によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電の各期間を、更に短期間に留めることができる。従って、内枠12xまたは前面枠14xの開放によるコンデンサCD1xの電力消費量を更に抑制することができる。
ここで、コンデンサCD1xは容量が1Fであり、コンデンサCD1xに印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1xに蓄えられる電荷は、コンデンサCD1xの容量とコンデンサCD1xの印加電圧との積から約11.3C(クーロン)となる。このコンデンサCD1xに蓄えられる約11.3Cの電荷は、コンデンサCD1xからの電力供給によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電の各期間が約4.4秒間である場合には、電力の供給回数で約11回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12xの開放(スイッチSW1xの導通)または前面枠14xの開放(スイッチSW2xの導通)が複数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路260xは、内枠12xの開放または前面枠14xの開放(スイッチSW1xの導通またはスイッチSW2xの導通)を、約11回まで毎回確実に検出し、MPU201xを一時的に正常に立ち上げて、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることができる。このとき、内枠12xの開放または前面枠14xの開放が約11回付近となると、コンデンサCD1xに蓄えられる電力が少なくなり、駆動電圧Vbxの低下、リセット信号SG3bxの電圧低下、停電信号SG1bxの電圧低下およびコンデンサCD4xの充電量の低下が発生する。しかし、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxの電圧が約4.3ボルトを超えると共に、枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよび枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxの電圧が約4.0ボルトを超えていれば、パチンコ機10xの電源がオフされていたとしても、MPU201xを一時的に正常に立ち上げて、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることができる。更には、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力することができる。
なお、枠開放検出回路260xでは、コンデンサCD1xとコンデンサCD4xの容量をそれぞれ1Fとしたが、コンデンサCD1xは、パチンコ機10xの電源がオフされ、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に枠開放検出回路260xを動作させる電力源となるコンデンサであるので、コンデンサCD4xの容量値よりも大きい容量値としても良い。コンデンサCD1xの容量値を1Fよりも大きくすることで、パチンコ機10xの電源がオフされている間の内枠12xまたは前面枠14xの開放を11回を越えて検出することができる。
なお、枠開放検出回路260xでは、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときには(スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断されているときには)、タイマIC1xのOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、枠開放検出回路260xのFET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態となる。また、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態となる。ただし、このときには、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間の導通が遮断されているので、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間には、コンデンサCD1xからの電流が流れ込まない。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときに、コンデンサCD1xに充電された電力がFET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間に流れ込んで消費されることはない。
また、パチンコ機10xの電源がオフされ、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された状態で枠開放検出回路260xがコンデンサCD1xの電力を消費する量は、タイマIC1xの待機電力とNOTIC3xの消費電力程度である。しかも、FET1x〜FET3xには、各ゲート端子Gに電圧が印加されるだけであるので、FET1x〜FET3xで消費される電力は微量である。よって、これらの電力の消費は、コンデンサCD1xの充電量に著しい減少をもたらすものではない。
次に、図45を参照して、第3図柄表示装置81xの表示内容について説明する。図45は、第3図柄表示装置81xの表示画面を説明するための図面であり、図45(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図45(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施の形態のパチンコ機10xにおいては、主制御装置110xによる抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図45(a)に示すように、第3図柄表示装置81xの表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dmx、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsxとなっている。
主表示領域Dmxには、左・中・右の3つの図柄列Z1x,Z2x,Z3xが表示される。各図柄列Z1x〜Z3xには、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1x〜Z3xには、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1x〜Z3x毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1xにおいては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2x及び右図柄列Z3xにおいては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmxには、各図柄列Z1x〜Z3x毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81xには、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmxには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1x、中ラインL2x、下ラインL3x、右上がりラインL4x、左上がりラインL5xが設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1x→右図柄列Z3x→中図柄列Z2xの順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsxは、主表示領域Dmxよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1x〜Ds3xに等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1x,Ds3xは、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2xは、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図45(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmxに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsxにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1x,Ds3xが覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1x,Ds3xに動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2xでは、通常は、所定のキャラクタ(本実施の形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81xの表示画面は、原則として上下の表示領域Dmx,Dsxに区分されているが、各表示領域Dmx,Dsxを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図46を参照して、主制御装置110xのRAM203x内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37xの表示の設定、第2図柄表示装置82xの表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110xのMPU201xで使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37xの表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1xと、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2xと、停止パターン選択カウンタC3xと、第1当たり乱数カウンタC1xの初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1xと、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xとが用いられる。また、第2図柄表示装置82xの抽選には、第2当たり乱数カウンタC4xが用いられ、第2当たり乱数カウンタC4xの初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2xが用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図48参照)の実行間隔である4m秒間隔、またはタイマ割込処理(図51参照)の実行間隔である2m秒間隔で更新され、その更新値がRAM203xの所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203xには、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64xへの球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1x、第1当たり種別カウンタC2x及び停止パターン選択カウンタC3xの各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1xは、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1xが1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1xの値が当該第1当たり乱数カウンタC1xの初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1xは、第1当たり乱数カウンタC1xと同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込処理(図51参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図48参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1xの値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64xに入賞したタイミングでRAM203xの保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2xは、大当たりの際の第1図柄表示装置37xの表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2xの値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64xに入賞したタイミングでRAM203xの保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37xに表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3xは、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3xによって、第3図柄表示装置81xで表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3xの値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64xに入賞したタイミングでRAM203xの保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3xには、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10xの状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64xへの球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64xへの球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81xによる変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1x,CS2xのうち、一方の変動種別カウンタCS1xは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2xは、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1xを「第1変動種別カウンタ」、CS2xを「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1xによって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2xによって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1x,CS2xにより決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114xにより第3図柄表示装置81xで表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1x,CS2xを組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1xだけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1xと停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1x,CS2xの値は、後述するメイン処理(図48参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3xの値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3xを「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81xは、第1図柄表示装置37xの表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3xにより選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3xは、停止パターン選択カウンタC3xと同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10xの状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1x,CS2xにより図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3xにより変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xにより決定される。
第2当たり乱数カウンタC4xは、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4xの値は、本実施の形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67xを通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2xは、第2当たり乱数カウンタC4xと同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図51参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図48参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図47から図53のフローチャートを参照して、主制御装置110x内のMPU201xにより実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201xの処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1axまたは停電信号SG1bxの入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図51は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110xのMPU201xにより例えば2m秒毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501x)。即ち、主制御装置110xに接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2xの更新を実行する(S502x)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1xを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1xの更新値を、RAM203xの該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2xを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2xの更新値をRAM203xの該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1x、第1当たり種別カウンタC2x、停止パターン選択カウンタC3x及び第2当たり乱数カウンタC4xの更新を実行する(S503x)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1x、第1当たり種別カウンタC2x、停止パターン選択カウンタC3x及び第2当たり乱数カウンタC4xをそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1x〜C4xの更新値を、RAM203xの該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64xへの入賞に伴う始動入賞処理(図52参照)を実行し(S504x)、発射制御処理を実行して(S505x)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51xに触れていることをタッチセンサ51axにより検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bxが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110xは、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112xに対して球の発射指示をする。
ここで、図52のフローチャートを参照して、S504xの処理で実行される始動入賞処理を説明する。図52は、タイマ割込処理(図51参照)の中で実行される始動入賞処理(S504x)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64xに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601x)。球が第1入球口64xに入賞したと判別されると(S601x:Yes)、第1図柄表示装置37xの作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S602x)。第1入球口64xへの入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S602x:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S603x)、更に、前記ステップS503xで更新した第1当たり乱数カウンタC1x、第1当たり種別カウンタC2x及び停止パターン選択カウンタC3xの各値を、RAM203xの保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604x)。一方、第1入球口64xへの入賞がないか(S601x:No)、或いは、第1入球口64xへの入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S602x:No)、S603x及びS604xの各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図53は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、パチンコ機10xの電源がオンされており、その電源のオン中に、停電の発生等によってパチンコ機10xの電源が遮断されて、停電監視回路252xから出力されている停電信号SG1axが5ボルトからゼロボルトに立ち下がった場合に加え、パチンコ機10xの電源がオフされており、その電源のオフ中に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが立ち上げられると共に、枠開放検出回路260xから出力されている停電信号SG1bxが5ボルトからゼロボルトに立ち下がった場合に、主制御装置110xのMPU201xにより実行される処理である。MPU201xは、停電信号SG1axの立ち下りまたは停電信号SG1bxの立ち下りを検出すると、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203xに記憶し(S701x)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、パチンコ機10xの電源がオンされているときには、払出制御装置111xでも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213xに記憶される。即ち、パチンコ機10xの電源がオンされているときに、停電の発生等によりパチンコ機10xの電源が遮断されると、停電信号SG1ax(立ち下り)が停電監視回路252xから払出制御装置111x内のMPU211xのNMI端子に出力され、MPU211xは実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図47を参照して、主制御装置110xに電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図47は、主制御装置110x内のMPU201xにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、電源投入時のリセットにより起動されることに加え、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbxおよびリセット信号SG3bxが出力され、この駆動電圧VbxによりMPU201xが動作可能な状態となり、その後、リセット信号SG3bxによりMPU201xが演算処理を実行可能な状態となったときにも起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101x)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113x、払出制御装置111x等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203xのアクセスを許可する(S103x)。このウエイト処理により、主制御装置110xのメイン処理への移行は、払出制御装置111x、音声ランプ制御装置113xおよび表示制御装置114xのメイン処理への移行よりも後になる。よって、払出制御装置111x、音声ランプ制御装置113xおよび表示制御装置114xは、主制御装置110xから送信されたコマンドを確実に受信することができる(払出制御装置111x、音声ランプ制御装置113xおよび表示制御装置114xが主制御装置110xからのコマンドを受信ミスすることを防止することができる)。
その後は、電源装置115xに設けたRAM消去スイッチ122x(図39参照)がオンされているか否かを判別し(S104x)、オンされていれば(S104x:Yes)、処理をS115xへ移行する。一方、RAM消去スイッチ122xがオンされていなければ(S104x:No)、更にRAM203xに電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105x)、記憶されていなければ(S105x:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS115xへ移行する。
RAM203xに電源断の発生情報が記憶されていれば(S105x:Yes)、RAM判定値を算出し(S106x)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107x:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS115xへ移行する。なお、図48のS223xの処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203xの作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203xの所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。なお、パチンコ機10xは、生産工場から出荷されて最初に電源が立ち上げられた場合には、RAM判定値が必ず異常となるものであるので、S107xの処理でNoと判定される。この場合にも処理をS115xへ移行する。
S115xの処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111xを初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S115x)。払出制御装置111xは、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213xのスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110xは、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203xの初期化処理(S116x、S117x)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10xでは、例えば遊技場の営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122xを押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122xが押されていれば、RAMの初期化処理(S116x、S117x)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203xの初期化処理(S116x、S117x)を実行する。RAMの初期化処理(S116x、S117x)では、RAM203xの使用領域を0クリアと共に、オフ中枠開放フラグ203axをオフにする(S116x)、その後、RAM203xの初期値を設定する(S117x)。RAM203xの初期化処理の実行後は、S110xの処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122xがオンされておらず(S104x:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105x:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107x:Yes)、RAM203xにバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアし(S108x)、払出制御装置111xへ払出復帰コマンドを送信して(S109x)、S110xの処理に移行する。
S110xの処理では、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込む(S110x)。そして、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力(リセット信号SG3bx)はハイか否かが判定される(S111x)。枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイであれば(S111x:Yes)、オフ中枠開放フラグ203axをオンにする(S112x)。一方、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイでなければ(S111x:No)、S112xの処理をスキップする。なお、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力(リセット信号SG3bx)がハイか否かは、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力される電圧が約4.3ボルトを超えているか否かで判定される。
ここで、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイと判定される場合は(S111x:Yes)、パチンコ機10xの電源がオフ中に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bxが出力されてMPU201xが一時的に立ち上げられている場合に加え、他に2パターン考えられる。1パターン目は、パチンコ機10xの電源がオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約9.4秒以内にパチンコ機10xの電源がオンされた場合、つまり、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bxが出力されている状態で、パチンコ機10xの電源がオンされた場合である。2パターン目は、パチンコ機10xの電源がオンされ、S110xの処理の前に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xからリセット信号SG3bxが出力された場合である。この1パターン目または2パターン目に該当する場合でも、オフ中枠開放フラグ203axをオンとしても問題ない(S112x)。それは、1パターン目または2パターン目に該当するには、いずれもパチンコ機10xの電源がオンされることが必須であり、この1パターン目と2パターン目は、遊技場の営業時間前に店員によって行われる場合であるからである。即ち、1パターン目または2パターン目が店員によって行われた場合には、少なくともその店員は、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xを自ら開放して、その開放から約9.4秒以内にパチンコ機10xの電源を自らオンしたことを認識しているか(1パターン目)、または、パチンコ機10xの電源を自らオンし、その直後に(S110xの処理の前に)、内枠12xまたは前面枠14xを自ら開放したことを認識しているからである(2パターン目)。つまり、オフ中枠開放フラグ203axがオンとなっても、その店員は、オフ中枠開放フラグ203axがオンとなることを認識した上で、内枠12xまたは前面枠14xを開放しているからである。更に言うと、その店員は、オフ中枠開放フラグ203axを再びオフにする操作を行うことができるからである。従って、上記の2パターンで、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイと判定されても(S111x:Yes)、何ら問題はない。即ち、上記の2パターンについては、パチンコ機10xの通常の使用においては起こりえないので、考慮しなくても問題ない。
上述の通り、パチンコ機10xの電源がオフ中に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bxが出力されてMPU201xが一時的に立ち上げられている場合に加えて、上記の2パターンの場合も、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイと判定され(S111x:Yes)、オフ中枠開放フラグ203axがオンされる(S112x)。
S111xでNoと判定された場合またはS112xの処理が実行された場合には、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S113x)、S114xの処理へ移行する。払出制御装置111xは、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213xに記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S114xの処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
上述した通り、パチンコ機10xの電源がオフされており、そのオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bxが出力され、MPU201xが一時的に立ち上げられた場合には、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイとなり(S111x:Yes)、オフ中枠開放フラグ203axがオンされる(S112x)。
なお、S110x〜S112xの処理は、S109xの処理が完了した直後またはS117xの処理が完了した直後に実行される。つまり、S110x〜S112xの処理は、MPU201xの各種設定が完了すると直ちに実行される。よって、パチンコ機10xの電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、その開放をS110x〜S112xの処理により直ちに検出することができる。
次に、図48を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図48は、主制御装置110x内のMPU201xにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS201x〜S212xの各処理が実行され、その残余時間でS215x〜S220xの各処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する(S201x)。具体的には、S501xのスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111xに対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81xによる第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113xに送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112xへ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの各値を更新する(S202x)。具体的には、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの更新値を、RAM203xの該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの更新が終わると、払出制御装置111xより受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む(S203x)。その後、オフ中枠開放フラグ203axがオンか否かが判定される(S204x)。オフ中枠開放フラグ203axがオンであれば(S204x:Yes)、パチンコ機10xの電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されているか、前述した2つのパターンに該当するので、音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放コマンドを送信する(S205x)。音声ランプ制御装置113xは、オフ中枠開放コマンドを受信すると、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを制御して、内枠12xまたは前面枠14xの開放があったことの報知を開始する。そして、更に、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する(S206x)。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。なお、パチンコ機10xの電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、MPU201xが一時的に立ち上げられた場合には、音声ランプ制御装置113xへの電力供給は行われていないので、音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放コマンドを送信しても、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xによる報知は行われない。よって、パチンコ機10xの電源オフ中に、不正行為者によって内枠12xまたは前面枠14xが開放されたとしても、パチンコ機10xは、不正行為者に悟られることなく、オフ中枠開放フラグ203axを用いて、内枠12xまたは前面枠14xの開放を記憶することができる(音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xによる報知を行うことなく、オフ中枠開放フラグ203axを用いて、内枠12xまたは前面枠14xの開放記憶のみを行うことができる)。
一方、オフ中枠開放フラグ203axがオフであれば(S204x:No)、オン中枠開放フラグ203bxがオンか否か判定される(S207x)。オン中枠開放フラグ203bxがオンであれば(S207x:Yes)、音声ランプ制御装置113xへオン中枠開放コマンドを送信する(S208x)。音声ランプ制御装置113xは、オン中枠開放コマンドを受信すると、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを制御して、内枠12xまたは前面枠14xの開放があったことの報知を開始する。一方、オン中枠開放フラグ203bxがオフであれば(S207x:No)、音声ランプ制御装置113xへオン中枠閉鎖コマンドを送信する(S209x)。音声ランプ制御装置113xは、オン中枠閉鎖コマンドを受信すると、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xで行われていた報知を終了させる。なお、オン中枠開放フラグ203bxがオンである場合には(S207x:Yes)、S208xの処理後に、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力しても良い。この場合には、出力されたパルス信号が、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶されるので、ホールコンピュータ262xでも、内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。
S206x、S208xまたはS209xの処理終了後、第1図柄表示装置37xによる表示を行うための処理や第3図柄表示装置81xによる第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S210x)。なお、変動処理の詳細は図49を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65xの特定入賞口(大開放口)65axを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S211x)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65axを開放し、特定入賞口65axの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65axに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65axを閉鎖する。この特定入賞口65axの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82xによる第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S212x)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67xを通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4xの値が取得されると共に、第2図柄表示装置82xの表示部83xにて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4xの値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64xに付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203xに電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S213x)、RAM203xに電源断の発生情報が記憶されていなければ(S213x:No)、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられていない。また、停電監視回路252xから出力される停電信号SG1axの立ち下りは検出されておらず、パチンコ機10xの電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4m秒)が経過したか否かを判定する(S214x)。既に所定時間が経過していれば(S214x:Yes)、処理をS201xへ移行し、上述したS201x以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、RAM203xに電源断の発生情報が記憶されていれば(S213x:Yes)、パチンコ機10xの電源がオフされており、その電源のオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられ、枠開放検出回路260xから出力される停電信号SG1bxが立ち下がった結果、図53のNMI割込処理が実行されたか、または、パチンコ機10xの電源がオンされているときに、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252xから出力される停電信号SG1axが立ち下がった結果、図53のNMI割込処理が実行されたということなので、S221x以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S221x)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111xや音声ランプ制御装置113x等の周辺制御装置)に対して送信する(S222x)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S223x)、RAM203xのアクセスを禁止して(S224x)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203xのバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
S214xの処理で、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S214x:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1x、第2初期値乱数カウンタCINI2x及び変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの更新を繰り返し実行する(S215x,S216x)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2xとの更新を実行する(S215x)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2xを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2xの更新値を、RAM203xの該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの更新を実行する(S216x)。具体的には、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの更新値を、RAM203xの該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201x〜S212xの各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2xの更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2x(即ち、第1当たり乱数カウンタC1xの初期値、第2当たり乱数カウンタC4xの初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xについてもランダムに更新することができる。
S216xの処理後、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込む(S217x)。そして、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力(リセット信号SG3bx)はハイか否かが判定される(S218x)。枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイであれば(S218x:Yes)、オン中枠開放フラグ203bxをオンにする(S219x)。一方、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイでなければ(S218x:No)、オン中枠開放フラグ203bxをオフにする(S220x)。S219xの処理またはS220xの処理後は、S213xの処理へ移行し、S213x以降の処理が実行される。
なお、パチンコ機10xの電源がオフされており、その電源のオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられ、枠開放検出回路260xからリセット信号SG3bxが出力された場合には、オフ中枠開放フラグ203axに加えて、オン中枠開放フラグ203bxもオンされる。これは、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxが5ボルトからゼロボルトに立ち下がるまでには、停電信号SG1bxが5ボルトになってから約4.4秒かかり(S213xの処理で「Yes」と判定されるまでには約4.4秒かかり)、その間に、立ち上げ処理に加え、S218xの処理が実行されて、この処理で「Yes」と判定されるからである。
しかし、オフ中枠開放フラグ203axに加えて、オン中枠開放フラグ203bxがオンされていたとしても、パチンコ機10xの電源が次にオンされた場合には、S204xの処理で「Yes」と判定され、オン中枠開放フラグ203bxの状態を判定するS207xの処理へ移行しない。よって、主制御装置110xは、音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放コマンドだけを送信することができる。従って、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられた場合には、オフ中枠開放フラグ203axに加えて、オン中枠開放フラグ203bxがオンされるが、これは何ら問題とならないのである。
一方、パチンコ機10xの電源がオフされている間に、内枠12xおよび前面枠14xが開放されていない場合には(内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には)、当然、オフ中枠開放フラグ203axがオンされることはない。よって、パチンコ機10xの電源が次にオンされた場合には、S204xの処理で「No」と判定され、オン中枠開放フラグ203bxの状態を判定するS207xの処理が実行されることに加え、当然に、S218xの処理も実行される。従って、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、その開放をS217xの処理およびS218xの処理で検出して、その後に実行されるS208xの処理で、主制御装置110xは、音声ランプ制御装置113xへオン中枠開放コマンドだけを送信することができる。
上述した通り、オフ中枠開放フラグ203axがオンされていれば(S204x:Yes)、パチンコ機10xは、音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放コマンドを送信すると共に(S205x)、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する(S206x)。
なお、パチンコ機10xの電源がオフされており、その電源のオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bxが出力されてMPU201xが一時的に立ち上げられた場合に実行される処理であるS201x〜S213x:Yes〜S224xの処理は、少なくとも、コンデンサCD4x(図43参照)の放電によって枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが、約4.3ボルトに低下するまでの期間中、即ち、約5.0秒の期間中(図44参照)で実行完了するように、プログラムが組まれている。なお、この約5.0秒の期間は、内枠12xまたは前面枠14xの開放時間に拘らず(内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、即時に開放された内枠12xまたは前面枠14xが閉鎖されても)、コンデンサCD4xの放電により必ず発生する期間である(図44参照)。よって、MPU201xが一時的に立ち上げられた場合にも、パチンコ機10xは、内枠12xまたは前面枠14xの開放時間に拘らず、オフ中枠開放フラグ203axをオンにした上で、一時的に立ち上がったMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、S213xの処理は、S201x〜S212xで行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS215x〜S220xの処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110xのメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201xの処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201xの処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201xが使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101x)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201xの処理から開始することができる。従って、主制御装置110xの制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110xが誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図49を参照して、変動処理(S204x)について説明する。図49は、メイン処理(図48参照)の中で実行される変動処理(S204x)を示すフローチャートである。この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301x)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81x及び第1図柄表示装置37xで表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301x:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301x:No)、第1図柄表示装置37xの表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302x)、第1図柄表示装置37xの表示態様が変動中でなければ(S302x:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303x)。作動保留球数Nが0であれば(S303x:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303x:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304x)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305x)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37xの変動開始処理を実行する(S306x)。なお、変動開始処理については、図50を参照して後述する。
S302xの処理において、第1図柄表示装置37xの表示態様が変動中であると判別されると(S302x:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307x)。第1図柄表示装置37xの変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1x,CS2xにより選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3xにより選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307x:No)、第1図柄表示装置37xの表示を更新する(S308x)。
本実施の形態では、第1図柄表示装置37xのLED37axの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4m秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4秒毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37xの変動時間が経過していれば(S307x:Yes)、第1図柄表示装置37xの停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309x)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1xの値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2xの値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施の形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309xの処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37xの表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81xの変動停止を第1図柄表示装置37xにおけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310x)。音声ランプ制御装置113xは、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114xに対して停止指示をする。第3図柄表示装置81xは、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81xにおける1の変動演出が終了する。
次に、図50を参照して、変動開始処理について説明する。図50は、変動処理(図49参照)の中で実行される変動開始処理(S306x)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306x)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1xの値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401x)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1xの値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1xの数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401x:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2xの値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402x)。S402xの処理では、第1当たり種別カウンタC2xの値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか低確率状態へ移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37xの表示態様(LED37axの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81xで停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113x及び表示制御装置114xで設定される。即ち、S402xの処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81xにおける停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2xの数値0〜4のうち、「0,4」の場合は、以後、低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S403x)。S403xの処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37xの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81xにおいて大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203xのカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1x,CS2xの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1xの値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2xの値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1xの数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2xの数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2xの値を使わずに第1変動種別カウンタCS1xの値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1xの値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1x,CS2xの両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1xの値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401xの処理で大当たりではないと判別された場合には(S401x:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404x)。S404xの処理では、第1図柄表示装置37xの表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3xの値に基づいて、第3図柄表示装置81xにおいて表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3xの各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンが決定され(S405x)、第1図柄表示装置37xの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81xにおいて外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403xの処理と同様に、RAM203xのカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1x,CS2xの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1xの値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2xの値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2x)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S403xの処理またはS405xの処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1x,CS2xにより決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406x)。このとき、RAM203xのカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3xの値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37xの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81xの変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3xの値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81xで大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1xの値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403x又はS405xの処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407x)、S402x又はS404xの処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408x)。そして、S406xの処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409x)、変動処理へ戻る。
次に、図54から図56を参照して、音声ランプ制御装置113xで行われる処理について説明する。図54は、音声ランプ制御装置113x内のMPU221xにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001x)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1115xの電源断処理(図55参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002x)。図55を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113xは、主制御装置110xから電源断コマンドを受信すると(図55のS1112x参照)、S1115xの電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115xの電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002x:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1115xの電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113xのMPU221xにのみリセットがかかって(主制御装置110xからの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223xのデータが破壊されているか否かを確認する(S1003x)。
RAM223xのデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223xの特定の領域には、S1006xの処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223xのデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223xのデータ破壊を確認することができる。RAM223xのデータ破壊が確認されれば(S1003x:Yes)、S1004xへ移行して、RAM223xの初期化を開始する。一方、RAM223xのデータ破壊が確認されなければ(S1003x:No)、S1008xへ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223xの特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223xの記憶は喪失するから)、RAM223xのデータ破壊と判断され(S1003x:Yes)、S1004xへ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115xの電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113xのMPU221xにのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223xの特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223xのデータは正常と判断されて(S1003x:No)、S1008xへ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002x:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1115xの電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113xのMPU221xにリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223xの記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004xへ移行して、RAM223xの初期化を開始する。
S1004xの処理では、RAM223xの全範囲の記憶領域をチェックする(S1004x)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223xの読み書きチェックにより、RAM223xのすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223xのすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005x:Yes)、RAM223xの特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006x)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223xにデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223xのいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005x:No)、RAM223xの異常を報知して(S1007x)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223xの異常は、表示ランプ34xにより報知される。なお、音声出力装置226xにより音声を出力してRAM223xの異常報知を行うようにしても良い。
S1008xの処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008x)。電源断フラグはS1115xの電源断処理の実行時にオンされるので(図55のS1114x参照)、図55を参照して後述する通り、電源断フラグは、S1114xの処理によってオンされる。つまり、電源断フラグは、S1115xの電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008xの処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115xの電源断処理の実行を完了しない状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008x:Yes)、音声ランプ制御装置113xの各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1009x)、RAM223xの初期値を設定した後(S1010x)、割込み許可を設定して(S1011x)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223xの作業エリアとしては、主制御装置110xから受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008xの処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004xからS1006xの処理を経由してS1008xの処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113xのMPU221xにのみリセットがかかって(主制御装置110xからの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008x:No)、RAM223xの作業領域のクリア処理であるS1009xをスキップして、処理をS1010xへ移行し、RAM223xの初期値を設定した後(S1010x)、割込み許可を設定して(S1011x)、メイン処理へ移行する。
なお、S1009xのクリア処理をスキップするのは、S1004xからS1006xの処理を経由してS1008xの処理へ至った場合には、S1004xの処理によって、既にRAM223xのすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113xのMPU221xにのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223xの作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113xの制御を継続できるからである。
次に、図55を参照して、音声ランプ制御装置113xの立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図55は、音声ランプ制御装置113xのMPU221xにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1101x)、1m秒以上経過していなければ(S1101x:No)、S1102x〜S1109xの処理を行わずにS1110xの処理へ移行する。S1101xの処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1102x〜S1109xが表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1110xの各カウンタの更新処理やS1111xのコマンドの受信処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。これにより、主制御装置110xから送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S1101xの処理で1m秒以上経過していれば(S1101x:Yes)、表示ランプ34xの点灯態様の設定や後述するS1107xの処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1102x)、その後、電源投入報知処理を実行する(S1103x)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226xやランプ表示装置227xにより行われる。また、第3図柄表示装置81xの画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114xに送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1104xの処理へ移行する。
S1104xの処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1105x)。客待ち演出では、パチンコ機10xが遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81xの表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114xに送信される。保留個数表示更新処理では、作動保留球Nに応じて保留ランプ85xを点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106x)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22xが押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22xの入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22xを押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22xを押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22xが配設されていない場合には、S1106xの処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理が実行され(S1107x)、その後音編集・出力処理が実行される(S1108x)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81xで行われる表示に対応するよう電飾部29x〜33xの点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81xで行われる表示に対応するよう音声出力装置226xの出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226xから音が出力される。
その後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1109x)、S1110xの処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110xから送信される変動パターンコマンドや演出時間加算コマンドに基づいて第3図柄表示装置81xで行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107xのランプ編集処理やS1108xの音編集・出力処理の演出時間が設定される。
S1110xの処理では、第3図柄表示装置81xの変動表示処理が実行される。この変動表示処理では、音声ランプ制御装置113xに搭載された複数のカウンタ(大当たり時の停止図柄を設定するカウンタ、外れ時の停止図柄を選択するカウンタなど)が更新され、そのカウンタの値と主制御装置110xから送信される変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づき第3図柄表示装置81xで停止表示される図柄を設定したり、変動表示のパターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)などが設定される。その停止図柄や変動パターンは、コマンドとして表示制御装置114xに送信される。
S1110xの処理では、例えば、主制御装置110xから送信される変動パターンのコマンドが「完全外れ」である場合、完全外れに対応した複数のパターンのうち完全外れAパターンが選択され、第3図柄表示装置81xで完全外れAパターンの演出が行われるよう表示制御装置110に対してコマンドが送信される。よって、主制御装置110xにより決定された1の変動パターンに対して、第3図柄表示装置81xで表示される詳細な変動パターンが音声ランプ制御装置113xで決定されるので、主制御装置110xの制御負担を軽減することができる。さらに、主制御装置110xにおいて決定される各演出のパターンを少なくできるので、ROM202xの記憶容量を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
そして、主制御装置110xからのコマンドを受信する(S1111x)。主制御装置110xからのコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて音声ランプ制御装置113xで用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をワークRAM233xに記憶し、表示制御装置114xで用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114xに送信する。
S1111xの処理が終わると、ワークRAM233xに電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1112x)。電源断の発生情報は、主制御装置110xから電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1112xの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1112x:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1114x)、電源断処理を実行する(S1115x)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1116x)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xからの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1112xの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1112x:No)、内枠12xまたは前面枠14xのいずれか一方の開放、または内枠12xおよび前面枠14xの両方の開放があった場合に、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知を行う扉開放報知処理(S1113x)を実行する。
ここで、図56を参照して、扉開放報知処理(S1113x)について説明する。図56は、音声ランプ制御装置113xのMPU221xにより実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。この扉開放報知処理は、オフ中枠開放コマンド、オン中枠開放コマンドまたは枠閉鎖コマンドのいずれかのコマンドを音声ランプ制御装置113xが受信したか否かを判定し、その判定に応じて報知を実行開始または実行終了する処理である。
扉開放報知処理では、まず、S1111xの処理(図55参照)で、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを示すオフ中枠開放コマンドを受信したか否かが判定される(S1201x)。オフ中枠開放コマンドを受信した場合には(S1201x:Yes)、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知開始する(S1202x)。具体的には、この報知では、例えば、ランプ表示装置227xを用いて、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを示すために、例えば、1秒間に1回の点滅を実行開始したり、音声出力装置226xを用いて、「点検して下さい」と電子音で報知開始したりする。これにより、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。
S1202xの処理後、この枠開放報知処理を終了する。なお、このS1202xの処理による報知が既に実行されているときに、S1111xの処理で再度、オフ中枠開放コマンドを受信した場合には(S1201x:Yes)、S1202xの処理を改めて行うのではなく、既に実行されているS1202xの処理を継続して実行する。
一方、S1111xの処理(図55参照)で、オフ中枠開放コマンドを受信していない場合には(S1201x:No)、S1111xの処理(図55参照)で、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを示すオン中枠開放コマンドを受信したか否かが判定される(S1203x)。オン中枠開放コマンドを受信した場合には(S1203x:Yes)、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知開始する(S1204x)。具体的には、この報知では、例えば、ランプ表示装置227xを用いて、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを示すために、例えば、2秒間に1回の点滅を実行開始させたり、音声出力装置226xを用いて、「扉が開いています」と電子音で報知開始したりする。これにより、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。
更に、S1111xの処理(図55参照)で、オン中枠開放コマンドを受信していない場合には(S1203x:No)、S1111xの処理(図55参照)で、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖していることを示すオン中枠閉鎖コマンドを受信したか否かが判定される(S1205x)。オン中枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S1205x:Yes)、S1204xの処理で開始した報知を終了する(S1206x)。その後、この枠開放報知処理を終了する。なお、S1111xの処理(図55参照)で、オン中枠閉鎖コマンドを受信していない場合には(S1205x:No)、この枠開放報知処理を終了する。
上述の通り、音声ランプ制御装置113xは、S1111x(図55参照)の処理でオフ中枠開放コマンドを受信した場合には、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知開始する(S1202x)。なお、この報知は、RAM消去スイッチ122xを操作すると共に、パチンコ機10xの電源をオンして、主制御装置110xの立ち上げ処理のS116xの処理で、オフ中枠開放フラグ203axがオフされるまで継続して行われる。
このように、一旦オンされたオフ中枠開放フラグ203axをオフするには、RAM消去スイッチ122xを操作すると共に、パチンコ機10xの電源をオンして、S116xの処理で使用RAM領域をクリアしない限り、オフ中枠開放フラグ203axをオフすることができない。よって、パチンコ機10xの電源がオンされた場合には、パチンコ機10xは、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを確実に不特定多数の者に報知することができる。
また、上述の通り、音声ランプ制御装置113xは、S1111x(図55参照)の処理でオン中枠開放コマンドを受信した場合には、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知開始する(S1204x)。なお、この報知は、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖され、オン中枠閉鎖コマンドを受信するまで継続して行われるので、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。
図54の説明に戻る。扉開放報知処理(S1113x)の実行後、RAM223xに記憶されるキーワードに基づき、RAM223xが破壊されているか否かが判別され(S1117x)、RAM223xが破壊されていなければ(S1117x:No)、S1101xの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223xが破壊されていれば(S1117x:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後第3図柄表示装置81xによる表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、遊技場の店員などを呼びパチンコ機10xの修復などを頼むことができる。また、RAM223xが破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226xやランプ表示装置227xによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
以上、説明したように、パチンコ機10xによれば、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、枠開放検出回路260xは、駆動電圧Vbxおよび停電信号SG1bxを出力した後に、リセット信号SG3bxを出力する。よって、パチンコ機10xの電源がオフされていても、MPU201xを一時的に正常に立ち上げることができる。なお、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンにする。このオフ中枠開放フラグ203axがオンとなると、パチンコ機10xは、次回にパチンコ機10xの電源がオンされた場合に、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを報知する。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。従って、ホールコンピュータ262xを24時間動作させ続けていない遊技場でも、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを検出することができる。
また、オフ中枠開放フラグ203axは、RAM消去スイッチ122xを操作して、主制御装置110xの立ち上げ処理のS116xの処理で、使用RAM領域がクリアされた場合にオフされる。よって、オフ中枠開放フラグ203axが一旦オンされると、RAM消去スイッチ122xを操作して、S116xの処理で使用RAM領域をクリアしない限り、オフ中枠開放フラグ203axをオフすることができない。よって、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、オフ中枠開放フラグ203axがオンされた場合には、その後に、不正行為者がオフ中枠開放フラグ203axをオフに戻すことを不可能にすることができる。更に、RAM消去スイッチ122xを操作して、S116xの処理で使用RAM領域をクリアしない限り、オフ中枠開放フラグ203axをオフすることができないので、パチンコ機10xの電源がオンされた場合には、パチンコ機10xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを確実に不特定多数の者に報知することができる。
また、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることに加え、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。よって、ホールコンピュータ262xに記憶されたパルス信号を解析することによっても、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。更には、ホールコンピュータ262xにパチンコ機10xからパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10xの内枠12xの開放時刻または前面枠14xの開放時刻を検出することができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、その導通後から約4.4秒経過すると、まず、停電信号SG1bxを停止する(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、その導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時に、停電信号SG1bxを停止する)。次に、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.4秒経過すると、リセット信号SG3bxを停止する(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時から約5.0秒経過後に、リセット信号SG3bxを停止する)。そして、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.9秒経過すると、MPU201xの電源端子に出力される駆動電圧Vbxを約4.0ボルトに低下させる(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時から約5.5秒経過後に、駆動電圧Vbxを約4.0ボルトに低下させる)。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通しても、その導通時から約4.4秒が経過すると、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間に拘らず、コンデンサCD1xから供給される電力によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を、トランジスタTR1xによって停止する。そして、トランジスタTR1xによる停止後は、枠開放検出回路260xは、コンデンサCD4xの放電によって、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行う。よって、枠開放検出回路260xは、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、枠開放検出回路260xへ直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されない場合に、即ち、枠開放検出回路260xへコンデンサCD1xから約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1xから電力が供給される期間を、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間に拘らず、約4.4秒間に留めることができる。よって、枠開放検出回路260xは、コンデンサCD1xに充電された電力の消費を抑制して、内枠12xまたは前面枠14xの開放検出を複数回に亘って行うことができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通しても、その導通時から約4.4秒が経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖されると、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xを遮断して、コンデンサCD1xから供給される電力によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を停止する。そして、内枠12xおよび前面枠14xの閉鎖後は、コンデンサCD4xの放電によって、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行う。
このように、コンデンサCD4xの充電が完了すると、その後は、コンデンサCD4xの放電によって駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行うことができるので、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間が約4.4秒以内である場合には、コンデンサCD1xからの電力供給によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電の各期間を、更に短期間に留めることができる。従って、内枠12xまたは前面枠14xの開放によるコンデンサCD1xの電力消費量を更に抑制することができる。
ここで、コンデンサCD1xは容量が1Fであり、コンデンサCD1xに印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1xに蓄えられる電荷は、コンデンサCD1xの容量とコンデンサCD1xの印加電圧との積から約11.3C(クーロン)となる。このコンデンサCD1xに蓄えられる約11.3Cの電荷は、コンデンサCD1xからの電力供給によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電の各期間が約4.4秒間である場合には、電力の供給回数で約11回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12xの開放(スイッチSW1xの導通)または前面枠14xの開放(スイッチSW2xの導通)が複数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路260xは、内枠12xの開放または前面枠14xの開放(スイッチSW1xの導通またはスイッチSW2xの導通)を、約11回まで毎回確実に検出し、MPU201xを一時的に正常に立ち上げて、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることができる。このとき、内枠12xの開放または前面枠14xの開放が約11回付近となると、コンデンサCD1xに蓄えられる電力が少なくなり、駆動電圧Vbxの低下、リセット信号SG3bxの電圧低下、停電信号SG1bxの電圧低下およびコンデンサCD4xの充電量の低下が発生する。しかし、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxの電圧が約4.3ボルトを超えると共に、枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよび枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxの電圧が約4.0ボルトを超えていれば、パチンコ機10xの電源がオフされていたとしても、MPU201xを一時的に正常に立ち上げて、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることができる。更には、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力することができる。
なお、枠開放検出回路260xでは、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときには(スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断されているときには)、タイマIC1xのOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、枠開放検出回路260xのFET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態となる。また、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態となる。ただし、このときには、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間の導通が遮断されているので、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間には、コンデンサCD1xからの電流が流れ込まない。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときに、コンデンサCD1xに充電された電力がFET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間に流れ込んで消費されることはない。
また、パチンコ機10xの電源がオフされ、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された状態で枠開放検出回路260xがコンデンサCD1xの電力を消費する量は、タイマIC1xの待機電力とNOTIC3xの消費電力程度である。しかも、FET1x〜FET3xには、各ゲート端子Gに電圧が印加されるだけであるので、FET1x〜FET3xで消費される電力は微量である。よって、これらの電力の消費は、コンデンサCD1xの充電量に著しい減少をもたらすものではない。
なお、本実施形態のパチンコ機10xでは、内枠12xまたは前面枠14xの開放があったことの報知を、音声ランプ制御装置113xが制御する音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて行ったが、これに限られるものではない。内枠12xまたは前面枠14xの開放があったことの報知を、音声ランプ制御装置113xが制御する音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて行うのではなく、MPU201xの立ち上がりと共に動作可能となり、MPU201xが制御を行う音声出力装置やランプ表示装置で行うことも当然に可能である。ただし、この場合には、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、不正行為者により内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xにより一時的にMPU201xが立ち上げられると、MPU201xが制御を行う音声出力装置やランプ表示装置も立ち上がることになり、オフ中枠開放フラグ203axがオンとなった場合には、不正行為者に報知がされてしまうことになる。ここで、パチンコ機10xの電源がオフされており、その電源のオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられた場合に実行される処理であるS201x〜S213x:Yes〜S224xの処理(図48参照)は、少なくとも、コンデンサCD4xの放電により枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが、約4.3ボルトに低下するまでの期間中、即ち、約5.0秒の期間中(図44参照)で実行完了するように、プログラムが組まれている。この特定を活かし、MPU201xが制御を行う音声出力装置やランプ表示装置で報知を行う場合には、パチンコ機10xの電源がオンされてからの時間をカウンタにより計時し、例えばパチンコ機10xの電源がオンされてから30秒後に(カウンタが30秒を計時した後に)、報知開始するように構成すればよい。そうすれば、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられた場合には、パチンコ機10xの電源がオンされてから30秒後には、即ち、カウンタが30秒を計時する前には、MPU201xは立ち下げられているので(終了しているので)報知が実行されない一方、パチンコ機10xの電源が通常通りにオンされてMPU201xが立ち上げられた場合には報知が行われるので、不正行為者への報知を防止しつつ、パチンコ機10xの電源が通常通りにオンされた場合には報知を行うことができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10xでは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xの開放があり、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通があった場合に、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を開始したが、これに限られるものではない。即ち、パチンコ機10xの枠開放検出回路260xに搭載される各部品の接続を変更し、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放された内枠12xまたは前面枠14xが閉鎖された場合に、その閉鎖時から、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を開始しても良い。
ただし、本実施形態のパチンコ機10xの枠開放検出回路260xでは、内枠12xまたは前面枠14xの開放があり、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通があった場合に、リセット信号SG3bxの出力を開始するように構成しているので、内枠12xまたは前面枠14xの開放を素早く検出できる。よって、特にパチンコ機10xの電源がオンされている営業時間中には、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて主制御装置110xまたは遊技盤13xに不正行為が行われる前に、内枠12xまたは前面枠14xの開放を検出することができる。従って、パチンコ機10xへ電源が供給されている場合に発生する不正行為による異常動作を防止することができる。
なお、本枠開放検出回路260xを用いて、内枠12xと前面枠14xとのどちらが開放したかをフラグを用いて別々に記憶させ、内枠12xまたは前面枠14xの開放を別々に報知すると共に、内枠12xと前面枠14xとのどちらが開放したかをホールコンピュータ262xに別々に記憶させたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260xを新たに1つ追加し、スイッチSW1xに並列接続されたスイッチSW2xを切断し、その切断したスイッチSW2xを新たに追加した枠開放検出回路260xに接続する。具体的には、切断したスイッチSW2xの一端を、新たに追加した枠開放検出回路260xのコンデンサCD1xの一端、タイマIC1xのVDD端子およびタイマIC1xのRES端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2xの他端を、新たに設けた枠開放検出回路260xの抵抗R1xの一端、抵抗R2xの一端、NOTIC3xの入力端子、抵抗R3xの一端およびトランジスタTR1xのエミッタ端子eに接続すれば良い。
そして、追加した枠開放検出回路260xの電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子の各端子を、既存の枠開放検出回路260xの電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子に並列接続する。更に、追加した枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子を、既存の枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子が入出力ポート205xに接続されている入力ポートとは別の入力ポートに接続する。これにより、スイッチSW1xの導通(内枠12xの開放)があった場合とスイッチSW2xの導通(前面枠14xの開放)があった場合とで別々にMPU201xを一時的に立ち上げることができる。更に、スイッチSW1xの導通(内枠12xの開放)があった場合に、既存の枠開放検出回路260xから出力されるリセット信号SG3bxと、スイッチSW2xの導通(前面枠14xの開放)があった場合に、新たに追加した枠開放検出回路260xから出力されるリセット信号SG3bxとを別々に入出力ポート205xへ出力することができる。
加えて、オフ中内枠開放フラグ、オフ中前面枠開放フラグ、オン中内枠開放フラグおよびオン中前面枠開放フラグの4つのフラグをRAM203xに設ける。そして、立ち上げ処理(図47参照)のS110xの処理で、既存の枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込むと共に、新たに追加した枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込めばよい。この読み込んだ結果に応じて、S112xの処理で、オフ中内枠開放フラグまたはオフ中前面枠開放フラグの各フラグを別々にオンする。
そして、メイン処理(図48参照)のS205xの処理では、オフ中内枠開放フラグがオンされた場合には、MPU201xから音声ランプ制御装置113xへ「オフ中内枠開放コマンド」を送信し、オフ中前面枠開放フラグがオンされた場合には、MPU201xから音声ランプ制御装置113xへ「オフ中前面枠開放コマンド」を送信する。そして、パチンコ機10xの電源がオンされたときにMPU201xから送信された各コマンドを音声ランプ制御装置113xが受信すると、音声ランプ制御装置113xは、オフ中内枠開放コマンドを受信した場合とオフ中前面枠開放コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226xから異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227xの点灯の態様を異ならせる。
また、オフ中内枠開放フラグまたはオフ中前面枠開放フラグの各フラグのオン状態に応じて、S206xの処理で、パチンコ機10xがホールコンピュータ262xへ送信するパルス信号のパルス幅を変えれば良い。例えば、オフ中内枠開放フラグがオンのときは、パルス幅が約1m秒のパルス信号をホールコンピュータ262xへ送信し、オフ中前面枠開放フラグがオンのときは、パルス幅が約2m秒のパルス信号をホールコンピュータ262xへ送信するようにすれば良い。これにより、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xの開放があったのか、前面枠14xの開放があったのかをパチンコ機10xで別々に報知することができると共に、ホールコンピュータ262xに別々に記憶させることができる。
また、メイン処理(図48参照)のS217xの処理で、既存の枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込むと共に、新たに追加した枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込めばよい。この読み込んだ結果に応じて、S219xまたはS220xの処理で、オン中内枠開放フラグまたはオン中前面枠開放フラグの各フラグを別々にオンする。
そして、メイン処理(図48参照)のS208xの処理では、オン中内枠開放フラグがオンされた場合には、MPU201xから音声ランプ制御装置113xへ「オン中内枠開放コマンド」を送信し、オン中前面枠開放フラグがオンされた場合には、MPU201xから音声ランプ制御装置113xへ「オン中前面枠開放コマンド」を送信する。そして、MPU201xから送信された各コマンドを音声ランプ制御装置113xが受信すると、音声ランプ制御装置113xは、オン中内枠開放コマンドを受信した場合とオン中前面枠開放コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226xから異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227xの点灯の態様を異ならせる。これにより、パチンコ機10xの電源がオンされているときに、内枠12xの開放があったのか、前面枠14xの開放があったのかをパチンコ機10xで別々に報知することができる。
なお、本実施形態においては、パチンコ機10xから出力されるパルス信号を、パチンコ機10xとは設置場所が異なるホールコンピュータ262xへ出力したが、これに限られるものではない。ホールコンピュータ262xの機能を有する専用の記憶装置をパチンコ機10x毎に設け、その専用の記憶装置を、主制御装置110x等が設けられる各パチンコ機10xの背面側に配設しても良い。この場合には、より良くは、主制御装置110x、払出制御装置111xおよび発射制御装置112xのように、専用の記憶装置を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付する。
次に、図57から図59を参照して、第7実施形態のパチンコ機を説明する。第7実施形態のパチンコ機は、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理、タイマ割込処理およびメイン処理を変更したものである。具体的には、第7実施形態のパチンコ機は、MPU201xが立ち上げられた場合に、計時を開始する電源オンカウンタ203cx(図示せず)をRAM203xに設け、その電源オンカウンタ203cxによる計時期間が所定期間以内(本実施形態では5.0秒以内)であるにも拘らず、電源断の発生情報がある場合には、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられたと判定して、オフ中枠開放フラグ203axをオンにするものである。
この第7実施形態のパチンコ機によれば、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたか否かは、電源オンカウンタ203cxの計時期間に応じて判定する。よって、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給して、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイか否かをMPU201xが検出する必要がない。従って、第7実施形態のパチンコ機によれば、パチンコ機の電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給する必要はなく、第6実施形態のパチンコ機10xと比較して(枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給して、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイか否かをMPU201xが検出する第6実施形態のパチンコ機10xと比較して)、コンデンサCD1xに蓄えられた電力の消費を抑制することができる。
電源オンカウンタ203cx(図示せず)は、パチンコ機10xの電源が投入されて、立ち上げ処理(図57)が実行され、後述する立ち上げ処理のS119xの処理(図57参照)から所定期間(本実施形態では5.0秒)が経過したか否かを計時するカウンタである。この電源オンカウンタ203cxは、立ち上げ処理内で「0(ゼロ)」に設定されると共に、カウントアップが開始され、タイマ割込処理(図58参照)が実行される度に(2m秒毎に)、1ずつカウントアップされる。そして、このカウントアップが、「2500(5.0秒)」を超え、「2501」となるとカウントアップを終了する。よって、電源オンカウンタ203cxにより、立ち上げ処理のS119xから5.0秒が経過したか否かを計時することができる。
次に、図57を参照して、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行される立ち上げ処理について説明する。図57は、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。なお、図47で上述した第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第7実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理のS110x〜S112xの処理を削除して、S118xおよびS119xの処理を追加している。第7実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、S109xまたはS117xの処理後、電源オンカウンタ203cxを「0(ゼロ)」に設定する(S118x)。そして、この電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始する(S119x)。その後、S113xの処理に移行する。
なお、S118x〜S119xの処理は、S109xの処理が完了した直後またはS117xの処理が完了した直後に実行される。つまり、S118x〜S119xの処理は、MPU201xの各種設定が完了すると直ちに実行される。よって、パチンコ機10xの電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、その開放をS118x〜S119xの処理により直ちに検出開始することができる。
次に、図58を参照して、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるタイマ割込処理について説明する。図58は、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。この第7実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理は、第6実施形態のパチンコ機10xのタイマ割込処理と同様に、主制御装置110xのMPU201xにより例えば2m秒毎に実行される。なお、図51で上述した第6実施形態のパチンコ機10xのタイマ割込処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第7実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、第6実施形態のパチンコ機10xのタイマ割込処理に、S506xおよびS507xの処理を追加している。第7実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、S503xの処理後、電源オンカウンタ203cxのカウント値は、「2500」より大きいか否かが判定される(S506x)。なお、タイマ割込処理は2m秒毎に実行されるので、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」であれば、2500(カウント値)×2m秒で5.0秒となり、S119xの処理で電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから5.0秒が経過したことを示している。
電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下であれば(S506x:No)、電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから(S119xの処理を開始してから)5.0秒が経過していないので、電源オンカウンタ203cxのカウント値を「1」カウントアップする(S507x)。一方、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」より大きければ、即ち、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2501」であれば(S506x:Yes)、電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから(S119xの処理を開始してから)5.0秒が経過しているので、S507xの処理をスキップして、電源オンカウンタ203cxのカウントアップを停止する。
なお、S506xの処理で「Yes」と判定された場合およびS507xの処理が終了した場合には、S504xの処理に移行する。
次に、図59を参照して、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるメイン処理について説明する。図59は、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるメイン処理を示すフローチャートである。なお、図48で上述した第6実施形態のパチンコ機10xのメイン処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第7実施形態のパチンコ機のメイン処理では、第6実施形態のパチンコ機10xのメイン処理に、S225xおよびS226xの処理を追加している。第7実施形態のパチンコ機のメイン処理では、S222xの処理後、電源オンカウンタ203cxのカウント値は「2500」以下か否か(S225x)、即ち、S119xの処理で電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから5.0秒経過前か否かが判定される。電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下であれば(S225x:Yes)、オフ中枠開放フラグ203axをオンにして(S226x)、S223xの処理へ移行する。なお、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下となる場合には、次の2つのパターンが考えられるが、いずれのパターンが発生してもオフ中枠開放フラグ203axをオンにする。
1つ目のパターンは、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられた場合である。この場合には、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbxおよびリセット信号SG3bxと共に、停電信号SG1bxの立ち下がりがMPU201xに入力され、NMI割込処理(図53参照)が実行されるので、MPU201xの立ち上げ処理(図57)後、S213xの処理で、電源断の発生情報ありと判定され(S213x:Yes)、S221x〜S225xの処理が実行される。ここで、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられた場合には、枠開放検出回路260xから出力される停電信号SG1bxは、停電信号SG1bxの出力開始から(MPU201xが立ち上げ開始されてから)、約4.4秒で立ち下がる。よって、電源オンカウンタ203cxのカウント値を「2500」に設定しておけば(5.0秒に設定しておけば)、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」となるまでに、処理をS225xの処理へ移行させることができる。従って、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられた場合に、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下であれば(S225x:Yes)、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたと判定して、オフ中枠開放フラグ203axをオンにするのである(S226x)。
2つめのパターンは、パチンコ機の電源がオンされ、その電源オン時から約4.4秒以内でパチンコ機の電源をオフする場合である。この場合には、パチンコ機の電源オフ後に(S213xの判定前に)、停電監視回路252xから出力されている停電信号SG1axが立ち下り、NMI割込処理(図53参照)が実行されるので、S213xの処理で、電源断の発生情報ありと判定され(S213x:Yes)、S221x〜S225xの処理が実行される。ここで、電源オンカウンタ203cxのカウント値は「2500」に設定してあるので(5.0秒に設定されているので)、パチンコ機の電源がオンされ、その電源オン時から約4.4秒以内でパチンコ機の電源がオフされた場合にも、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下と判定され(S225x:Yes)、オフ中枠開放フラグ203axをオンされる(S226x)。
なお、この2つめのパターンでは、パチンコ機の電源をオンオフする必要があるため、不正行為者による実行は不可能であり、店員により実行される場合に限られる。よって、この2つめのパターンの場合には、その店員は自分の行為によってオフ中枠開放フラグ203axがオンされたことを認識できるので、そのオンされたオフ中枠開放フラグ203axを再びオフに設定することができる。よって、2つめのパターンの場合にも、S226xの処理でオフ中枠開放フラグ203axをオンにしても問題がないのである。
S225xの処理で、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下でなければ(S225x:No)、S119xの処理で電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから少なくとも5.0秒が経過しており、上述した2つのパターンのいずれにも該当しないので、S226xの処理をスキップして、S223xの処理へ移行する。なお、上述した2パターンが発生する頻度は低いので、S119xの処理で電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから5.0秒を経過する、即ち、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下でない(S225x:No)と判定されるのが通常である。
このように、第7実施形態のパチンコ機によれば、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたか否かは、電源オンカウンタ203cxの計時期間に応じて(S119xの処理で電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから5.0秒が経過したか否かによって)判定する。よって、パチンコ機の電源がオフされ、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給して、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイか否かをMPU201xが検出する必要がない。従って、第7実施形態のパチンコ機によれば、パチンコ機の電源がオフされ、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給する必要はなく、第6実施形態のパチンコ機10xと比較して(枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給して、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイか否かをMPU201xが検出する第6実施形態のパチンコ機10xと比較して)、コンデンサCD1xに蓄えられた電力の消費を抑制することができる。
次に、図60および図61を参照して、第8実施形態のパチンコ機を説明する。第8実施形態のパチンコ機は、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理およびメイン処理を変更したものである。具体的には、第8実施形態のパチンコ機は、立ち上げ処理が実行される度に、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力するものである。
この第8実施形態のパチンコ機によれば、立ち上げ処理が実行される度に、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号が出力されるので、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられたことを、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶させることができる。このように、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、ホールコンピュータ262xへ約1m秒のパルス信号を出力して、その開放をホールコンピュータ262xに記憶させるので、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを記憶するオフ中枠開放フラグ203axを不要とすることができる。よって、RAM203xのメモリ容量を削減することができる。更に、オフ中枠開放フラグ203axについての判定(図47のS110x〜S112xおよび図48のS204x〜S206xの各処理)も不要とすることができるので、オフ中枠開放フラグ203axについての判定を行う処理のプログラム容量を削減することができる。
まず、図60を参照して、第8実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行される立ち上げ処理について説明する。図60は、第8実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。なお、図47で上述した第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第8実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理のS110x〜S112xの処理を削除して、S120xの処理を追加している。また、第8実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理のS116xの処理内容を変更してS121xの処理としている。
第8実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、S101xの処理後、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する(S120x)。その後、S102xの処理に移行する。なお、S120xの処理では、パルス幅が約1m秒のパルス信号を出力するので、このままでは、S120xの処理の完了には、少なくとも約1m秒が必要となる。このS120xの処理完了までの時間(約1m秒)を短くする場合には、S120xの処理でホールコンピュータ262xへのパルス信号の出力を開始して、その後、処理をS102xに移行し、S102xのウエイト時間内で、S120xの処理が開始されてから約1m秒後に出力中であるパルス信号を停止すれば良い。このS102xのウエイト処理は約1.0秒間、処理を待機するものであるため、ウエイト処理内で出力開始したパルス信号を停止する処理を実行しても、何ら問題ない。
また、第8実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、S115xの処理後、RAM203xの使用領域を0クリアする(S121x)、その後、S117xの処理へ移行する。第8実施形態のパチンコ機では、オフ中枠開放フラグ203axが不要であるので、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理で行ったオフ中枠開放フラグ203axをオフにする処理(S116xの処理内で実行)は不要となるのである。よって、S121xの処理では、RAM203xの使用領域を0クリアする処理だけを実行する。
次に、図61を参照して、第8実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるメイン処理について説明する。図61は、第8実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるメイン処理を示したフローチャートである。なお、図48で上述した第6実施形態のパチンコ機10xのメイン処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第8実施形態のパチンコ機のメイン処理では、第6実施形態のパチンコ機10xのメイン処理のS204x〜S206xの処理を削除している。つまり、第8実施形態のパチンコ機のメイン処理では、S203xの処理後、オン中枠開放フラグ203bxがオンか否かを判定する(S207x)。オン中枠開放フラグ203bxがオンであれば(S207x:Yes)、パチンコ機の電源がオン中に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されているので、音声ランプ制御装置113xへオン中枠開放コマンドを送信して(S208x)、S210xの処理に移行する。一方、オン中枠開放フラグ203bxがオフであれば(S207x:No)、内枠12xまたは前面枠14xは開放されていないので(内枠12xおよび前面枠14xは閉鎖されているので)、音声ランプ制御装置113xへオン中枠閉鎖コマンドを送信して(S209x)、S210xの処理に移行する。
ここで、第6実施形態および第7実施形態のパチンコ機に設けられていたオフ中枠開放フラグ203axについての判定(S204x〜S206xの処理)がないのは、次の理由による。即ち、第8実施形態のパチンコ機は、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力することで、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶させることができる。これにより、第8実施形態のパチンコ機では、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを記憶しておくオフ中枠開放フラグ203axが不要となる。この理由から、第8実施形態のパチンコ機では、オフ中枠開放フラグ203axについての判定がないのである。
上述した通り、第8実施形態のパチンコ機によれば、オフ中枠開放フラグ203axが不要であるので、RAM203xのメモリ容量を削減することができる。また、第8実施形態のパチンコ機によれば、オフ中枠開放フラグ203axについての判定(図47のS110x〜S112xおよび図48のS204x〜S206xの各処理)が不要であるので、オフ中枠開放フラグ203axについての判定を行う処理のプログラム容量を削減することができる。
また、第8実施形態のパチンコ機によれば、立ち上げ処理が実行される度に、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号が出力されるので、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられたことを、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶させることができる。よって、ホールコンピュータ262xに記憶されたパルス信号により、パチンコ機の電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262xにパチンコ機からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12xの開放時刻または前面枠14xの開放時刻を検出することができる。
以上、第6実施形態から第8実施形態のパチンコ機に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
第6実施形態から第8実施形態に記載した各パチンコ機をそれぞれ組み合わせて、各実施形態の有する機能を備えるパチンコ機を実現することが可能であることは言うまでもない。
第6実施形態から第8実施形態では、オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合に、音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放コマンドを送信し、ホールコンピュータ262xへパルス幅が1m秒のパルス信号を出力したが、これに限られるものではない。オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合には、第6実施形態から第8実施形態のパチンコ機とは逆に、主制御装置110xは、音声ランプ制御装置113xへコマンドを送信せず、ホールコンピュータ262xへもパルス信号を出力しない一方で、オフ中枠開放フラグ203axがオフである場合には、主制御装置110xは、音声ランプ制御装置113xへコマンドを送信し、ホールコンピュータ262xへパルス信号を出力するように構成しても良い。そして、このように主制御装置110xを構成した場合には、音声ランプ制御装置113xは、パチンコ機の電源オンから所定時間内に主制御装置110xからのコマンドを受信しない場合に、パチンコ機の電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されたと判定するように構成すれば良い。同様に、ホールコンピュータ262xは、パチンコ機の電源オンから所定時間内に主制御装置110xからのパルス信号を受信しない場合に、パチンコ機の電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されたと判定するように構成すれば良い。上記の構成により、オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合には、音声ランプ制御装置113xへコマンドを送信せず、ホールコンピュータ262xへもパルス信号を出力しないパチンコ機を実現することができる。
第6実施形態から第8実施形態では、パチンコ機からホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力して、ホールコンピュータ262xに内枠12xまたは前面枠14xの開放を記憶させたが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機にEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)やバックアップRAMを設ける。そして、このEEPROMやバックアップRAMと、入出力ポート205xとをバスラインを介して接続する。この構成により、EEPROMやバックアップRAMに、内枠12xまたは前面枠14xの開放を記憶させることができる。そして、パチンコ機の電源がオンされた場合に、EEPROMやバックアップRAMの記憶をMPU201xによって確認する。これにより、内枠12xまたは前面枠14xの開放を、ホールコンピュータ262xを使用することなく、パチンコ機を用いて検知することができる。つまり、ホールコンピュータ262xの役割を、EEPROMやバックアップRAMに担わせることができる(請求項に記載の「特定装置」の役割を、EEPROMやバックアップRAMに担わせることができる)。なお、バックアップRAMには、RAM203xを用いても良い。
また、第6実施形態から第8実施形態では、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、リセット信号SG3bxおよび停電信号SG1bxを出力して一時的に立ち上げる対象をMPU201xとしたが、これに限られるものではない。例えば、主制御装置110x内に、MPU201xとは別のCPU(MPU)とRAMを設け、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、枠開放検出回路260xによってCPU(MPU)とRAMとを一時的に立ち上げても良い。具体的には、まず、別に設けたRAMにオフ中枠開放フラグ203axを設ける。そして、枠開放検出回路260xの電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子と別に設けたCPU(MPU)とを接続すると共に、枠開放検出回路260xの電源出力端子に別に設けたRAMを接続する。更に、別に設けたCPU(MPU)と別に設けたRAMとを接続する。これにより、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、枠開放検出回路260xにより別に設けたCPU(MPU)およびRAMが一時的に立ち上がり、別のRAMに設けられたオフ中枠開放フラグ203axがオンとなる。よって、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、その開放を別に設けたRAMによって記憶することができる。なお、枠開放検出回路260xと別に設けるCPU(MPU)と別に設けるRAMとを一体化した1チップ集積回路で構成しても良い。この場合には、枠開放検出回路260xから出力される信号(駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bx)が直接CPU(MPU)に入力されるので、第6実施形態から第8実施形態のパチンコ機に用いられたマルチプレクサMP1x〜MP3xは不要となる。また、別に設けるCPU(MPU)と別に設けるRAMとは、主制御装置110x内ではなく、主制御装置110x外の例えば電源装置115x内に設けても良い。
また、第6実施形態から第8実施形態では、枠開放検出回路260xに設けられたタイマIC1xのOUT端子から出力される電圧は、抵抗R1xおよびコンデンサCD2xの時定数により、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒後にゼロボルトになるように設定したが、これに限られるものではない。例えば、抵抗R1xの抵抗値を200kΩにすると共に、コンデンサCD2xの容量値を10μFにして、時定数を約2秒にすれば、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧を、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約2秒後にゼロボルトにすることができる。よって、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられた場合に実行される処理である立ち上げ処理(図47参照)およびメイン処理のS201x〜S213x:Yes〜S224xの処理(図48参照)が比較的短時間で実行可能である場合には(具体的は、上記の処理が、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてタイマIC1xのOUT端子から電圧が出力される約2秒間と、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが約4.3ボルトに低下するまでの約5秒との計7秒の間に実行可能である場合には)、上述のように、時定数を約2秒とすることで、内枠12xまたは前面枠14xが開放された後にタイマIC1xのOUT端子から出力される電圧の出力期間を約2秒間に抑制することができる。従って、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、コンデンサCD1xに蓄えられた電力の消費を抑制することができる。
また、第6実施形態から第8実施形態では、内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われた場合に、音声ランプ制御装置113xを用いて報知を実行したが、これに限られるものではない。内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われた場合には、音声ランプ制御装置113xを用いた報知に加え、表示制御装置114xを用いて報知を実行しても良い。この場合には、音声ランプ制御装置113xがオフ中枠開放コマンドまたはオン中枠開放コマンドを受信すると、音声ランプ制御装置113xは表示制御装置114xへ受信したオフ中枠開放コマンドまたはオン中枠開放コマンドを送信する。そして、表示制御装置114xはオフ中枠開放コマンドまたはオン中枠開放コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81xへ「点検して下さい」や「扉が開放しています」と表示開始するように構成すれば良い。この構成により、音声ランプ制御装置113xの報知に加え、表示制御装置114xでも報知を行うので、更に分かり易く、内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを不特定多数の者に報知することができる。
また、第6実施形態から第8実施形態では、電源装置115xから出力される信号(駆動電圧Vax、停電信号SG1axおよびリセット信号SG3ax)と枠開放検出回路260xから出力される信号(駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bx)との切り換えをマルチプレクサMP1x〜MP3xを用いて行ったが、これに限られるものではない。電源装置115xから出力される信号(駆動電圧Vax、停電信号SG1axおよびリセット信号SG3ax)と枠開放検出回路260xから出力される信号(駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bx)との切り換えを、マルチプレクサMP1x〜MP3xに代えて、論理和回路であるOR回路を3つ用いて行っても良い。
また、第6実施形態から第8実施形態では、パチンコ機の電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放されたか否かを判定するS218xの処理と、S218xの処理での判定に応じて、オン中枠開放フラグ203bxをオンするS219xの処理と、オン中枠開放フラグ203bxをオフするS220xの処理とを、メイン処理の残余時間で実行していたが、これに限られるものではない。このS218x〜S220xの処理を、メイン処理の4m秒周期の定期処理内で実行しても良い。また、このS218x〜S220xの処理を、2m秒毎に実行されるタイマ割込処理内で実行しても良い。
また、第6実施形態と第7実施形態では、オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合には、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知を行うと共に、ホールコンピュータ262xへ1m秒のパルス信号を出力したが、これに限られるものではない。即ち、オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合には、ホールコンピュータ262xへ1m秒のパルス信号を出力させず、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知だけを行うように構成しても良い。また、逆に、オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合には、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知を行わず、ホールコンピュータ262xへのパルス信号の出力だけを行うように構成しても良い。
次に、図62から図67を参照して、第9実施形態のパチンコ機を説明する。第9実施形態のパチンコ機は、第4実施形態のパチンコ機500の電気的構成を一部変更し、その変更に伴い、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるメイン処理を変更し、更に、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理を変更したものである。
第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されると、内枠用枠開放検出回路290によりその開放を検出し、その検出に伴い、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドを1回送信する。同様に、第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が開放されると、前面枠用枠開放検出回路292によりその開放を検出し、その検出に伴い、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドを1回送信する。
このように、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放に伴い、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信する。よって、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放期間中、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信される第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
また、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110のメイン処理内で4m秒毎に繰り返し音声ランプ制御装置113へ送信する第4実施形態のパチンコ機500に対して、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信しているので、主制御装置110のメイン処理内の繰り返し周期(4m秒毎)を把握不能にしている。これにより、主制御装置110のメイン処理内で繰り返し行われる大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期も把握不能となる。よって、第9実施形態のパチンコ機によれば、第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期を不正に取得する、例えば、ぶら下げ基板を使用した不正行為を困難にすることができる。
更に、第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された内枠12が閉鎖されると、内枠用枠開放検出回路290によりその閉鎖を検出し、その検出に伴い、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ内枠閉鎖コマンドを1回送信する。同様に、第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された前面枠14が閉鎖されると、前面枠用枠開放検出回路292がその閉鎖を検出し、その検出に伴い、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ前面枠閉鎖コマンドを1回送信する。
このように、第9実施形態のパチンコ機では、開放された内枠12または開放された前面枠14が閉鎖されると、その閉鎖に伴い、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信する。よって、開放された内枠12または開放された前面枠14が閉鎖されると、その閉鎖期間中、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信される第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
また、内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110のメイン処理内で4m秒毎に繰り返し音声ランプ制御装置113へ送信する第4実施形態のパチンコ機500に対して、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信しているので、主制御装置110のメイン処理内の繰り返し周期(4m秒毎)を把握不能にしている。これにより、主制御装置110のメイン処理内で繰り返し行われる大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期も把握不能となる。よって、第9実施形態のパチンコ機によれば、第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期を不正に取得する、例えば、ぶら下げ基板を使用した不正行為を困難にすることができる。
なお、第9実施形態のパチンコ機は、第4実施形態のパチンコ機500と同様に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合、即ち、主制御装置110の制御が停止している場合であっても、内枠12または前面枠14の何れかが開放されると、ホールコンピュータ262にパルス信号を別々に出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを特定することができる。
まず、図62を参照して、第9実施形態のパチンコ機の電気的構成について説明する。図62は、第9実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。なお、第9実施形態のパチンコ機では、図24で上述した第4実施形態のパチンコ機500の説明に対して、以下の3つの変更点の説明を行う。第1に、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110の入出力ポート205から音声ランプ制御装置113の入出力ポート225へストローブ信号SG3を送信するバスラインBL2を追加している。第2に、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のRAM203に、内枠開放コマンド送信カウンタ203c、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203d、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eおよび前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを追加している。第3に、第9実施形態のパチンコ機では、音声ランプ制御装置113のRAM223に、コマンド受信メモリ223cを追加している。この3つの変更点以外は、第9実施形態のパチンコ機の電気的構成と、第4実施形態のパチンコ機500の電気的構成とは同一となっている。よって、図62に示す第9実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図では、図24で上述した第4実施形態のパチンコ機500のブロック図と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
主制御装置110の入出力ポート205には、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225へストローブ信号SG3を送信するバスラインBL2が接続されている。内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンド等が主制御装置110から音声ランプ制御装置113へバスラインBL1を介して送信開始されると、これに合わせ、ストローブ信号SG3が主制御装置110から音声ランプ制御装置113へバスラインBL2を介して出力される。なお、音声ランプ制御装置113は、バスラインBL2を介して主制御装置110から送信されたストローブ信号SG3を受信すると、バスラインBL1を介して主制御装置110から送信されている上記コマンドの受信を開始する。また、このストローブ信号SG3は、最大値が5ボルトでパルス幅が1μ秒のパルス信号である。
MPU201のRAM203には、内枠開放コマンド送信カウンタ203c、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203d、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eおよび前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fが設けられている。
内枠開放コマンド送信カウンタ203cは、内枠12が開放され、その開放に伴って、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドが1回送信されたか否かをカウントするカウンタである。この内枠開放コマンド送信カウンタ203cは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われて後述する主制御装置110のメイン処理(図63参照)が実行されると、まず、内枠開放コマンドが未送信であることを示す「0(ゼロ)」に設定される。そして、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、内枠12が開放され、主制御装置110により内枠開放コマンドが1回送信されると、内枠開放コマンド送信カウンタ203cは、内枠開放コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。なお、内枠開放コマンド送信カウンタ203cは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、開放された内枠12が閉鎖され、主制御装置110により内枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「0(ゼロ)」に設定される。
内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dは、開放された内枠12が閉鎖され、その閉鎖に伴って、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ内枠閉鎖コマンドが1回送信されたか否かをカウントするカウンタである。この内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われて後述する主制御装置110のメイン処理(図63参照)が実行されると、まず、内枠閉鎖コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。そして、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、内枠12が開放され、主制御装置110により内枠開放コマンドが1回送信されると、内枠開放コマンド送信カウンタ203cとは逆に、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dは、内枠閉鎖コマンドが未送信であることを示す「0(ゼロ)」に設定される。そして、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された内枠12が閉鎖され、主制御装置110により内枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「1」に設定される。
ここで、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dが主制御装置110のメイン処理内で、まず「1」に設定される理由について説明する。通常、パチンコ機は、例えばメンテナンス時等を除いて、内枠12が閉鎖状態にある。よって、例えば、遊技場の開店準備が整い、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が開始され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給開始される場合にも、通常、内枠12が閉鎖状態にある。内枠12が閉鎖状態にある場合には、内枠12が閉鎖された時点で、既に、内枠閉鎖コマンドが主制御装置110によって1回送信されている。従って、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを、主制御装置110のメイン処理で、まず「1」に設定するのである。
なお、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が開始され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給開始されたときに、内枠12が開放されていても(開放された内枠12が閉鎖されず、内枠閉鎖コマンドが未送信であっても)、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dはメイン処理内で「1」に設定される。しかし、その後に、内枠用枠開放検知回路290により内枠12の開放が検出され、主制御装置110により内枠開放コマンドが1回送信されると、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dは正常な値である「0(ゼロ)」に設定される。よって、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が開始され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給開始されたときに、内枠12が開放されていても何ら問題は発生しない。これは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が開始され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給開始されたときに、前面枠14が開放されている場合も、同じである。
前面枠開放コマンド送信カウンタ203eは、前面枠14が開放され、その開放に伴って、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドが1回送信されたか否かをカウントするカウンタである。この前面枠開放コマンド送信カウンタ203eは、内枠開放コマンド送信カウンタ203cと同様、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われて後述する主制御装置110のメイン処理(図63参照)が実行されると、まず、前面枠開放コマンドが未送信であることを示す「0(ゼロ)」に設定される。そして、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、前面枠14が開放され、主制御装置110により前面枠開放コマンドが1回送信されると、前面枠開放コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。なお、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、開放された前面枠14が閉鎖され、主制御装置110により前面枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「0(ゼロ)」に設定される。
前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fは、開放された前面枠14が閉鎖され、その閉鎖に伴って、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ前面枠閉鎖コマンドが1回送信されたか否かをカウントするためのカウンタである。この前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fは、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dと同様、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われて後述する主制御装置110のメイン処理(図63参照)が実行されると、まず、前面枠閉鎖コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。そして、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、前面枠14が開放され、主制御装置110により前面枠開放コマンドが1回送信されると、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eとは逆に、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fは、前面枠閉鎖コマンドが未送信であることを示す「0(ゼロ)」に設定される。そして、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された前面枠14が閉鎖され、主制御装置110により前面枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「1」に設定される。
なお、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fが主制御装置110のメイン処理内で、まず「1」に設定される理由については、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dが主制御装置110のメイン処理内で、まず「1」に設定される理由と同じ理由による。
また、上述した内枠開放コマンド送信カウンタ203c、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203d、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eおよび前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fの各値は、「0」または「1」のいずれかの値になるので、所定の条件が成立したか否かを記録するフラグと同等の機能を発揮している。
音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたコマンド受信メモリ223cは、バスラインBL1を介して主制御装置110から送信された各種コマンドを記憶するメモリである。このコマンド受信メモリ223cには、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンド、前面枠閉鎖コマンドに加え、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が記憶される。なお、音声ランプ制御装置113のMPU221は、コマンド受信メモリ223cに記憶されたコマンドを解読し、解読したコマンドに応じた制御を行う。
次に、図63および図64のフローチャートを参照して、第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110内に設けられたMPU201によって実行される各制御処理を説明する。なお、第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110(MPU201)により実行される各制御処理では、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110(MPU201)により実行される各制御処理のうち、メイン処理を変更している。一方で、第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110(MPU201)により実行されるメイン処理以外の制御処理(立ち上げ処理、変動処理、変動開始処理、タイマ割込処理、始動入賞処理およびNMI割込処理)は、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110(MPU201)により実行される各制御処理(立ち上げ処理、変動処理、変動開始処理、タイマ割込処理、始動入賞処理およびNMI割込処理)と同一である。よって、第9実施形態のパチンコ機においては、変更した部分に該当するメイン処理(図63に示すメイン処理と図64に示す扉コマンド送信処理)を説明し、他の制御処理については、その説明を省略する。
まず、図63を参照して、第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110内に設けられたMPU201で実行されるメイン処理について説明する。図63は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理では、遊技の主要な処理が実行される。その概要として、S221の処理がまず実行され、その後、4m秒周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理およびS222の扉コマンド送信処理が実行される構成となっている。
なお、図63に示す第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110(MPU201)で実行されるメイン処理では、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるメイン処理(図27参照)に対して、以下の3つの変更を行っている。第1に、第9実施形態のパチンコ機のメイン処理では、第4実施形態のパチンコ機500のメイン処理の先頭にS221の処理を追加している。第2に、第9実施形態のパチンコ機のメイン処理では、第4実施形態のパチンコ機500のメイン処理内のS215〜S220の処理を削除している。第3に、第9実施形態のパチンコ機のメイン処理では、S210の処理の後に、扉コマンド送信処理(S222の処理)を追加している。この3つの変更以外は、第9実施形態のパチンコ機のメイン処理と第4実施形態のパチンコ機500のメイン処理とは同一の処理となっている。よって、図63に示す第9実施形態のパチンコ機のメイン処理では、図27で前述した第4実施形態のパチンコ機500のメイン処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110内に設けられたMPU201で実行されるメイン処理では、まず、内枠開放コマンド送信カウンタ203cを「0(ゼロ)」に設定し、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを「1」に設定し、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eを「0(ゼロ)」に設定し、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを「1」に設定する(S221)。これにより、内枠開放コマンド送信カウンタ203c、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203d、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eおよび前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fの初期設定が完了する(S221)。その後、S201の処理に移行する。
次に、S201〜S206の処理の実行の後、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S208)、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行すると共に(S209,S210)、扉コマンド送信処理を繰り返し実行する(S222)。
この扉コマンド送信処理(S222)では、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドのいずれかのコマンドを、内枠12または前面枠14の開放、或いは内枠12または前面枠14の閉鎖に伴い1回だけ音声ランプ制御装置113へ送信する処理が実行される(S222)。扉コマンド送信処理(S222)が完了すると、S207の処理へ移行し、S207で再び「No」と判定されると、S208の処理が再び実行される。このS208の処理で、S209,S210およびS222の処理が繰り返し実行された結果、前回のメイン処理の開始から所定時間が経過したと判定された場合には、処理をS201へ移行する(S208:Yes)。
ここで、扉コマンド送信処理(S222)をS210の処理の後に実行したが、扉コマンド送信処理(S222)の実行位置を、S201の処理の直後からS206の直後までの間に配置しても良い。このようにすれば、扉コマンド送信処理(S222)を4m秒毎に定期的に実行することができる。
なお、RAM203に電源断の発生情報が記憶されている場合に(S207の処理で「Yes」と判定された場合に)実行されるS211〜S214の各処理は、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるメイン処理内のS211〜S214の各処理と同一の処理であるので、説明を省略する。
次に、図64を参照して、第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110内に設けられたMPU201で実行される扉コマンド送信処理(S222の処理)について説明する。図64は、主制御装置110内のMPU201により実行される扉コマンド送信処理を示したフローチャートである。この扉コマンド送信処理では、まず、内枠開放フラグ203aがオンであるか否かが判定される(S230)。なお、内枠開放フラグ203aのオンオフの切り換えは、第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理(図示せず)で実行される。この第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、第4実施形態のパチンコ機500のタイマ割込処理(図28参照)と全く同一の処理が実行される。よって、第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、図28に示すパチンコ機500のタイマ割込処理で説明した通り、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている場合に、内枠12が開放され、内枠用入出力ポート出力回路290bの出力が5ボルトとなると(図28のS507:Yes参照)、内枠開放フラグ203aがオンに設定される(図28のS508参照)。一方、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている場合に、内枠12が閉鎖され、内枠用入出力ポート出力回路290bの出力がゼロボルトとなると(図28のS507:No参照)、内枠開放フラグ203aがオフに設定される(図28のS509参照)。
図64の説明に戻る。内枠開放フラグ203aがオンであれば(S230:Yes)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている間に内枠12が開放されているので、内枠開放コマンドおよびストローブ信号SG3を音声ランプ制御装置113へ送信する処理であるS231以降の処理に移行する。S231の処理では、内枠開放コマンド送信カウンタ203cの値が「0(ゼロ)」か否かが判定される。内枠開放コマンド送信カウンタ203cの値が「0(ゼロ)」であれば(S231:Yes)、内枠12が開放されてから音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドを未だ送信していないので、これを送信すべく、内枠開放コマンドの送信を開始する(S232)。その後、1μ秒の間、処理を待機して(S233)、ストローブ信号SG3の送信を開始する(S234)。このストローブ信号SG3が音声ランプ制御装置113により受信されると、音声ランプ制御装置113は、内枠開放コマンドを受信開始する。なお、内枠開放コマンドの送信を開始した後、S233の処理で1μ秒の間、処理を待機し、その後にストローブ信号SG3の送信を開始するのは、主制御装置110の入出力ポート205から出力される内枠開放コマンドを安定化させるためである。
S234の処理後、ストローブ信号SG3の送信開始から(S234の処理開始から)、1μ秒が経過したか否かが判定される(S235)。ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していれば(S235:Yes)、ストローブ信号SG3の送信を終了する(S236)。このS233〜S236の処理により、内枠開放コマンドの送信開始から1μ秒後にストローブ信号SG3の送信が開始され、その送信開始されたストローブ信号SG3は1μ秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される(ストローブ信号SG3のパルス幅は1μ秒となる)。
一方、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していなければ(S235:No)、ストローブ信号SG3の送信を終了せずに(ストローブ信号SG3を送信継続したまま)、S251の処理に移行する。なお、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過したか否かは、ストローブ信号SG3が送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。これは、後述するS245,S256,S266の各処理においても同様である。
S236の処理が実行された場合には、内枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かが判定される(S237)。内枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過していれば(S237:Yes)、内枠開放コマンドの送信を終了する(S238)。このS232,S237およびS238の処理により、内枠開放コマンドが1m秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。一方、内枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過していなければ(S237:No)、内枠開放コマンドの送信を終了せずに(内枠開放コマンドを送信継続したまま)、S251の処理に移行する。なお、内枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かは、内枠開放コマンドが送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。
S238の処理が実行された場合には、音声ランプ制御装置113への内枠開放コマンドの送信が完了するので、内枠開放コマンド送信カウンタ203cを「1」カウントアップする(内枠開放コマンド送信カウンタ203cを「0(ゼロ)」から「1」に設定する、S239)。その後、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを「0(ゼロ)」に設定する(S240)。内枠開放コマンドは、S232〜S238の処理で既に音声ランプ制御装置113へ送信されたが、内枠閉鎖コマンドは、未だ音声ランプ制御装置113へ送信されていないので、S240の処理で、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを「0(ゼロ)」に設定するのである。
なお、S231の処理で、内枠開放コマンド送信カウンタ203cの値が「1」であれば(S231:No)、内枠12が開放したことを示す内枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ既に1回送信しているので、S232〜S240の処理をスキップし、S251の処理へ移行する。
ここで、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過すると共に(S235の処理で「Yes」と判定されると共に)、内枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過するまで(S237の処理で「Yes」と判定されるまで)、言い換えれば、内枠開放コマンド送信カウンタ203cが「1」となるまで、S231の処理では「Yes」と判定され続ける。このとき、S231の処理で「Yes」と判定された後に実行されるS232〜S234の処理は、最初に1度実行された後には、スキップされるように処理が構成されている。つまり、内枠開放コマンド送信カウンタ203cが「1」となるまではS231の処理で「Yes」と判定されるが、この場合にS232〜S234の処理が既に実行開始されていれば、S232〜S234の処理をスキップしてS235の処理に移行するように処理が構成されている。よって、S232〜S234の処理が、内枠開放コマンド送信カウンタ203cが「1」となるまで、1回を超えて繰り返し実行されることはない。
次に、S230の処理で、内枠開放フラグ203aがオフであると判定された場合には(S230:No)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされていると共に、内枠12が閉鎖されているので、内枠閉鎖コマンドおよびストローブ信号SG3を音声ランプ制御装置113へ送信する処理であるS241以降の処理に移行する。S241の処理では、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dの値が「0(ゼロ)」か否かが判定される。内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dの値が「0(ゼロ)」であれば(S241:Yes)、内枠12が閉鎖されてから音声ランプ制御装置113へ内枠閉鎖コマンドを未だ送信していないので、これを送信すべく、内枠閉鎖コマンドの送信を開始する(S242)。その後、1μ秒の間、処理を待機して(S243)、ストローブ信号SG3の送信を開始する(S244)。このストローブ信号SG3が音声ランプ制御装置113により受信されると、音声ランプ制御装置113は、内枠閉鎖コマンドを受信開始する。なお、内枠閉鎖コマンドの送信を開始した後、S243の処理で1μ秒の間、処理を待機し、その後にストローブ信号SG3の送信を開始するのは、内枠開放コマンドの場合と同様の理由による(コマンドの安定化)。
S244の処理後、ストローブ信号SG3の送信開始から(S244の処理開始から)、1μ秒が経過したか否かが判定される(S245)。ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していれば(S245:Yes)、ストローブ信号SG3の送信を終了する(S246)。このS243〜S246の処理により、内枠閉鎖コマンドの送信開始から1μ秒後にストローブ信号SG3の送信が開始され、その送信開始されたストローブ信号SG3は1μ秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される(ストローブ信号SG3のパルス幅は1μ秒となる)。
一方、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していなければ(S245:No)、ストローブ信号SG3の送信を終了せずに(ストローブ信号SG3を送信継続したまま)、S251の処理に移行する。
S246の処理が実行された場合には、内枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かが判定される(S247)。内枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過していれば(S247:Yes)、内枠閉鎖コマンドの送信を終了する(S248)。このS242,S247およびS248の処理により、内枠閉鎖コマンドが1m秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。一方、内枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過していなければ(S247:No)、内枠閉鎖コマンドの送信を終了せずに(内枠閉鎖コマンドを送信継続したまま)、S251の処理に移行する。なお、内枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かは、内枠閉鎖コマンドが送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。
S248の処理が実行された場合には、音声ランプ制御装置113への内枠閉鎖コマンドの送信が完了するので、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを「1」カウントアップする(内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを「0(ゼロ)」から「1」に設定する、S249)。その後、内枠開放コマンド送信カウンタ203cを「0(ゼロ)」に設定する(S250)。内枠閉鎖コマンドは、S242〜S248の処理で既に音声ランプ制御装置113へ送信されたが、内枠開放コマンドは、未だ音声ランプ制御装置113へ送信されていないので、S250の処理で、内枠開放コマンド送信カウンタ203cを「0(ゼロ)」に設定するのである。
なお、S241の処理で、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dの値が「1」であれば(S241:No)、開放された内枠12が閉鎖したことを示す内枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ既に1回送信しているので、S242〜S250の処理をスキップし、S251の処理へ移行する。
ここで、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過すると共に(S245の処理で「Yes」と判定されると共に)、内枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過するまで(S247の処理で「Yes」と判定されるまで)、言い換えれば、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dが「1」となるまで、S241の処理では「Yes」と判定され続ける。このとき、S241の処理で「Yes」と判定された後に実行されるS242〜S244の処理は、前述したS232〜S234の処理と同様、最初に1度実行された後には、スキップされるように処理が構成されている。よって、S242〜S244の処理が、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dが「1」となるまで、1回を超えて繰り返し実行されることはない。
次に、前面枠開放フラグ203bがオンであるか否かが判定される(S251)。なお、前面枠開放フラグ203bのオンオフの切り換えは、第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理(図示せず)で実行される。この第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理は、前述の通り、第4実施形態のパチンコ機500のタイマ割込処理(図28参照)と全く同一の処理が実行される。よって、第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、図28に示すパチンコ機500のタイマ割込処理で説明したとおり、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている場合に、前面枠14が開放され、前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力が5ボルトとなると(図28のS511:Yes参照)、前面枠開放フラグ203bがオンに設定される(図28のS512参照)。一方、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている場合に、前面枠14が閉鎖され、前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力がゼロボルトとなると(図28のS511:No参照)、前面枠開放フラグ203bがオフに設定される(図28のS513参照)。
図64の説明に戻る。前面枠開放フラグ203bがオンであれば(S251:Yes)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている間に前面枠14が開放されているので、前面枠開放コマンドおよびストローブ信号SG3を音声ランプ制御装置113へ送信する処理であるS252以降の処理に移行する。S252の処理では、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eの値が「0(ゼロ)」か否かが判定される。前面枠開放コマンド送信カウンタ203eの値が「0(ゼロ)」であれば(S252:Yes)、前面枠14が開放されてから音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドを未だ送信していないので、これを送信すべく、前面枠開放コマンドの送信を開始する(S253)。その後、1μ秒の間、処理を待機して(S254)、ストローブ信号SG3の送信を開始する(S255)。このストローブ信号SG3が音声ランプ制御装置113により受信されると、音声ランプ制御装置113は、前面枠開放コマンドを受信開始する。なお、前面枠開放コマンドの送信を開始した後、S254の処理で1μ秒の間、処理を待機し、その後にストローブ信号SG3の送信を開始するのは、内枠開放コマンドの場合と同様の理由による(コマンドの安定化)。
S255の処理後、ストローブ信号SG3の送信開始から(S255の処理開始から)、1μ秒が経過したか否かが判定される(S256)。ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していれば(S256:Yes)、ストローブ信号SG3の送信を終了する(S257)。このS254〜S257の処理により、前面枠開放コマンドの送信開始から1μ秒後にストローブ信号SG3の送信が開始され、その送信開始されたストローブ信号SG3は1μ秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。
一方、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していなければ(S256:No)、ストローブ信号SG3の送信を終了せずに(ストローブ信号SG3を送信継続したまま)、扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
S257の処理が実行された場合には、前面枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かが判定される(S258)。前面枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過していれば(S258:Yes)、前面枠開放コマンドの送信を終了する(S259)。このS253,S258およびS259の処理により、前面枠開放コマンドが1m秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。一方、前面枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過していなければ(S258:No)、前面枠開放コマンドの送信を終了せずに(前面枠開放コマンドを送信継続したまま)、扉コマンド送信処理(S222)を終了する。なお、前面枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かは、前面枠開放コマンドが送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。
S259の処理が実行された場合には、音声ランプ制御装置113への前面枠開放コマンドの送信が完了するので、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eを「1」カウントアップする(前面枠開放コマンド送信カウンタ203eを「0(ゼロ)」から「1」に設定する、S260)。その後、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを「0(ゼロ)」に設定する(S261)。前面枠開放コマンドは、S253〜S259の処理で既に音声ランプ制御装置113へ送信されたが、前面枠閉鎖コマンドは、未だ音声ランプ制御装置113へ送信されていないので、S261の処理で、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを「0(ゼロ)」に設定するのである。なお、S261の処理終了後、この扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
なお、S252の処理で、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eの値が「1」であれば(S252:No)、前面枠14が開放したことを示す前面枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ既に1回送信しているので、S253〜S261の処理をスキップし、この扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
ここで、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過すると共に(S256の処理で「Yes」と判定されると共に)、前面枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過するまで(S258の処理で「Yes」と判定されるまで)、言い換えれば、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eが「1」となるまで、S252の処理では「Yes」と判定され続ける。このとき、S252の処理で「Yes」と判定された後に実行されるS253〜S255の処理は、前述したS232〜S234の処理と同様、最初に1度実行された後には、スキップされるように処理が構成されている。よって、S253〜S255の処理が、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eが「1」となるまで、1回を超えて繰り返し実行されることはない。
次に、S251の処理で、前面枠開放フラグ203bがオフであると判定された場合には(S251:No)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされていると共に、前面枠14が閉鎖されているので、前面枠閉鎖コマンドおよびストローブ信号SG3を音声ランプ制御装置113へ送信する処理であるS262以降の処理に移行する。S262の処理では、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fの値が「0(ゼロ)」か否かが判定される。前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fの値が「0(ゼロ)」であれば(S262:Yes)、前面枠14が閉鎖されてから音声ランプ制御装置113へ前面枠閉鎖コマンドを未だ送信していないので、これを送信すべく、前面枠閉鎖コマンドの送信を開始する(S263)。その後、1μ秒の間、処理を待機して(S264)、ストローブ信号SG3の送信を開始する(S265)。このストローブ信号SG3が音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、前面枠閉鎖コマンドを受信開始する。なお、前面枠閉鎖コマンドの送信を開始した後、S264の処理で1μ秒の間、処理を待機し、その待機後にストローブ信号SG3の送信を開始するのは、内枠開放コマンドの場合と同様の理由による(コマンドの安定化)。
S265の処理後、ストローブ信号SG3の送信開始から(S265の処理開始から)、1μ秒が経過したか否かが判定される(S266)。ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していれば(S266:Yes)、ストローブ信号SG3の送信を終了する(S267)。このS264〜S267の処理により、前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1μ秒後にストローブ信号SG3の送信が開始され、その送信開始されたストローブ信号SG3は1μ秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。
一方、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していなければ(S266:No)、ストローブ信号SG3の送信を終了せずに(ストローブ信号SG3を送信継続したまま)、扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
S267の処理が実行された場合には、前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かが判定される(S268)。前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過していれば(S268:Yes)、前面枠閉鎖コマンドの送信を終了する(S269)。このS263,S268およびS269の処理により、前面枠閉鎖コマンドが1m秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。一方、前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過していなければ(S268:No)、前面枠閉鎖コマンドの送信を終了せずに(前面枠閉鎖コマンドを送信継続したまま)、扉コマンド送信処理(S222)を終了する。なお、前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かは、前面枠閉鎖コマンドが送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。
S269の処理が実行された場合には、音声ランプ制御装置113への前面枠閉鎖コマンドの送信が完了するので、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを「1」カウントアップする(前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを「0(ゼロ)」から「1」に設定する、S270)。その後、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eを「0(ゼロ)」に設定する(S271)。前面枠閉鎖コマンドは、S263〜S269の処理で既に音声ランプ制御装置113へ送信されたが、前面枠開放コマンドは、未だ音声ランプ制御装置113へ送信されていないので、S271の処理で、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eを「0(ゼロ)」に設定するのである。S271の処理終了後、この扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
なお、S262の処理で、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fの値が「1」であれば(S262:No)、開放された前面枠14が閉鎖したことを示す前面枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ既に1回送信しているので、S263〜S271の処理をスキップし、この扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
ここで、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過すると共に(S266の処理で「Yes」と判定されると共に)、前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過するまで(S268の処理で「Yes」と判定されるまで)、言い換えれば、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fが「1」となるまで、S262の処理では「Yes」と判定され続ける。このとき、S262の処理で「Yes」と判定された後に実行されるS263〜S265の処理は、前述したS232〜S234の処理と同様、最初に1度実行された後には、スキップされるように処理が構成されている。よって、S263〜S265の処理が、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fが「1」となるまで、1回を超えて繰り返し実行されることはない。
このように、扉コマンド送信処理(S222)では、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている間に内枠12が開放され、その開放を示す内枠開放コマンドが未だ送信されていない場合には、主制御装置110は、内枠開放コマンドを1m秒の間、音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信する。また、内枠開放コマンドの送信開始から1μ秒が経過すると、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113へストローブ信号SG3を1μ秒の間、1回だけ送信する。
内枠開放コマンドと同様に、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドおよび前面枠閉鎖コマンドも、そのコマンドが未だに送信されていない場合に限り、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信される。よって、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドおよび前面枠閉鎖コマンドを繰り返し音声ランプ制御装置113へ送信する第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
次に、図65から図67のフローチャートを参照して、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行されるメイン処理、外部割込み処理および扉開放報知処理(メイン処理内での処理)について説明する。説明の便宜上、まず、図66の外部割込み処理について説明し、次に、図65のメイン処理について説明し、最後に図67の扉開放報知処理について説明する。
図66は、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行される外部割込み処理を示したフローチャートであり、主制御装置110から出力されたストローブ信号SG3を受信した場合に(ストローブ信号SG3が5ボルトである場合に)、実行される。外部割込み処理が実行されると、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ各種コマンドが送信開始されているので、この各種コマンドを受信して、受信した各種コマンドをコマンド受信メモリ223cに記憶する(S820)。その後、外部割込み処理を終了する。
次に、図65を参照して、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行されるメイン処理について説明する。図65は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
なお、図65に示す第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行されるメイン処理は、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行されるメイン処理(図30参照)に、以下の2つの変更を行ったものである。
第1に、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理では、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113で実行されていた扉開放報知処理(S813、図30参照)の実行位置をS809の処理の後に変更すると共に、扉開放報知処理の処理内容を変更している(なお、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行される扉開放報知処理を「S818」とする)。第2に、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理では、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113で実行されていた主制御装置110からのコマンド受信(S811、図30参照)の処理を削除している。
この2つの変更を除いては、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理(図65参照)と、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理(図30参照)とは同一の処理となっている。よって、図65に示す第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理では、図30で前述したパチンコ機500の音声ランプ制御装置113のメイン処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。なお、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221により実行される立ち上げ処理(図示せず)は、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221により実行される立ち上げ処理(図29参照)と同一の処理であるので、その説明を省略する。
第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理では、まず、メイン処理が開始されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S801)、メイン処理が開始されてから1m秒以上経過していると判定された場合には(S801:Yes)、S802〜S809の処理を実行し、その後、内枠12または前面枠14のいずれか一方の開放、または内枠12および前面枠14の両方の開放があったときに、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う扉開放報知処理(S818)を実行する。扉開放報知処理(S818)が実行された後は、S810の処理へ移行する。
一方、S801の処理でメイン処理が開始されてから1m秒以上経過していないと判定された場合には(S801:No)、S802〜S809の処理およびS818の処理をスキップして、S810の処理へ移行する。
S810の処理後、S812の処理で電源断の発生情報がRAM223に記憶されていなければ(S812:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S814)、RAM223が破壊されていなければ(S814:No)、S801の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。
なお、S812の処理において、RAM223に電源断の発生情報が記憶されている場合に(S812の処理で「Yes」と判定された場合に)実行されるS815〜S817の各処理は、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理内のS815〜S817の各処理と同一の処理であるので、説明を省略する。
最後に、図67を参照して、扉開放報知処理(S818)について説明する。図67は、音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221により実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。この扉開放報知処理は、内枠開放コマンド、前面枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドの4つのコマンドが音声ランプ制御装置113により受信されたか否かを判定し、その判定に応じて報知を実行する処理である。
扉開放報知処理(S818)では、まず、内枠開放コマンド受信フラグ223aが内枠開放コマンドを受信したことを示すオンであるか否かが判定される(S950)。内枠開放コマンド受信フラグ223aがオフであれば(S950:No)、音声ランプ制御装置113は、この時点までは、主制御装置110からの内枠開放コマンドを受信していないので、内枠12は閉鎖されていると判定される。よって、内枠12が引き続き閉鎖された状態であるかを判定するため(この時点の後に、内枠12が開放されていないかを判定するため)、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠開放コマンドであるか否かが判定される(S951)。
コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠開放コマンドであると判定された場合には(S951:Yes)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている間に内枠12が開放され、主制御装置110から内枠開放コマンドが送信されたということであるので、内枠開放コマンド受信フラグ223aをオンして(S952)、内枠開放報知処理を開始する(S953)。この内枠開放報知処理では、音声出力装置226を用いて、例えば、「内枠が開放しています」と電子音で報知したり、ランプ表示装置227を用いて、内枠12が開放したことを示すために、例えば、1秒間に4回点滅を実行したりする。これにより、内枠12が開放されたことを不特定多数の者(遊技者や店員等)に報知することができる。なお、S952の処理では、図示しないが、内枠開放コマンド受信フラグ223aをオンした後に、表示制御装置114へ内枠開放コマンドを1回送信している。この内枠開放コマンドが表示制御装置114により受信されると、内枠12が開放したことを示す表示が第3図柄表示装置81により実行される。
内枠開放報知処理を開始した後は(S953)、コマンド受信メモリ223cに記憶された内枠開放コマンドをクリアし(S954)、その後、S956の処理に移行する。
なお、S950の処理で、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンであると判定された場合には(S950:Yes)、音声ランプ制御装置113では、既に内枠開放コマンドが受信されており、内枠開放報知処理(S953)が実行されているので、この実行されている内枠開放報知処理を継続して行う(S955)。
また、S951の処理で、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠開放コマンドでないと判定された場合には(S951:No)、内枠12の開放は行われていないので(内枠12は閉鎖されているので)、S952〜S954の処理をスキップして、S956の処理に移行する。
次に、S956の処理では、前面枠開放コマンド受信フラグ223bが前面枠開放コマンドを受信したことを示すオンであるか否かが判定される(S956)。前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオフであれば(S956:No)、音声ランプ制御装置113は、この時点までは、主制御装置110からの前面枠開放コマンドを受信していないので、前面枠14は閉鎖されていると判定される。よって、前面枠14が引き続き閉鎖された状態であるかを判定するため(この時点の後に、前面枠14が開放されていないかを判定するため)、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠開放コマンドであるか否かが判定される(S957)。
コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠開放コマンドであると判定された場合には(S957:Yes)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている間に前面枠14が開放され、主制御装置110から前面枠開放コマンドが送信されたということであるので、前面枠開放コマンド受信フラグ223bをオンして(S958)、前面枠開放報知処理を開始する(S959)。この前面枠開放報知処理では、音声出力装置226を用いて、例えば、「前面枠が開放しています」と電子音で報知したり、ランプ表示装置227を用いて、前面枠14が開放したことを示すために、例えば、1秒間に1回点滅を行ったりする。これにより、前面枠14が開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。なお、S958の処理では、図示しないが、前面枠開放コマンド受信フラグ223bをオンした後に、表示制御装置114へ前面枠開放コマンドを1回送信している。この前面枠開放コマンドが表示制御装置114により受信されると、前面枠14が開放したことを示す表示が第3図柄表示装置81により実行される。
前面枠開放報知処理を開始した後は(S959)、コマンド受信メモリ223cに記憶された前面枠開放コマンドをクリアし(S960)、その後、S962の処理に移行する。
なお、S956の処理で、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンであると判定された場合には(S956:Yes)、音声ランプ制御装置113では、既に前面枠開放コマンドが受信されており、前面枠開放報知処理(S959)が実行されているので、この実行されている前面枠開放報知処理を継続して行う(S961)。
また、S957の処理で、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠開放コマンドでないと判定された場合には(S957:No)、前面枠14の開放は行われていないので(前面枠14は閉鎖されているので)、S958〜S960の処理をスキップして、S962の処理に移行する。
次に、S962の処理では、内枠開放コマンド受信フラグ223aが内枠開放コマンドを受信したことを示すオンであるか否かが判定される(S962)。内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンであれば(S962:Yes)、音声ランプ制御装置113は、この時点までは、主制御装置110からの内枠開放コマンドを受信しているものの、主制御装置110からの内枠閉鎖コマンドは受信していない。つまり、この時点までは、内枠12は開放されていると判定される。よって、内枠12が引き続き開放された状態であるかを判定するため(この時点の後に、内枠12が閉鎖されていないかを判定するため)、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠閉鎖コマンドであるか否かが判定される(S963)。
コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠閉鎖コマンドであると判定された場合には(S963:Yes)、開放されていた内枠12が閉鎖され、主制御装置110から内枠閉鎖コマンドが送信されたということであるので、内枠開放コマンド受信フラグ223aをオフして(S964)、内枠開放報知処理を終了する(S965)。なお、S964の処理では、図示しないが、内枠開放コマンド受信フラグ223aをオフした後に、表示制御装置114へ内枠閉鎖コマンドを1回送信している。この内枠閉鎖コマンドが表示制御装置114により受信されると、第3図柄表示装置81により実行されていた内枠12の開放表示が終了する。
S965の処理後、コマンド受信メモリ223cに記憶された内枠閉鎖コマンドをクリアしてS967の処理に移行する(S966)。
なお、S962の処理で、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオフであると判定された場合には(S962:No)、内枠開放コマンドは受信されておらず、内枠12は開放されていないので(内枠12は閉鎖されているので)、S963〜S966の処理をスキップして、S967の処理に移行する。
また、S963の処理で、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠閉鎖コマンドでないと判定された場合には(S963:No)、開放された内枠12の閉鎖は行われていないので(内枠12は開放されたままであるので)、S964〜S966の処理をスキップして、S967の処理に移行する。
次に、S967の処理では、前面枠開放コマンド受信フラグ223bが前面枠開放コマンドを受信したことを示すオンであるか否かが判定される(S967)。前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンであれば(S967:Yes)、音声ランプ制御装置113は、この時点までは、主制御装置110からの前面枠開放コマンドを受信しているものの、主制御装置110からの前面枠閉鎖コマンドは受信していない。つまり、この時点までは、前面枠14は開放されていると判定される。よって、前面枠14が引き続き開放された状態であるかを判定するため(この時点の後に、前面枠14が閉鎖されていないかを判定するため)、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠閉鎖コマンドであるか否かが判定される(S968)。
コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠閉鎖コマンドであると判定された場合には(S968:Yes)、開放されていた前面枠14が閉鎖され、主制御装置110から前面枠閉鎖コマンドが送信されたということであるので、前面枠開放コマンド受信フラグ223aをオフして(S969)、前面枠開放報知処理を終了する(S970)。なお、S969の処理では、図示しないが、前面枠開放コマンド受信フラグ223aをオフした後に、表示制御装置114へ前面枠閉鎖コマンドを1回送信している。この前面枠閉鎖コマンドが表示制御装置114により受信されると、第3図柄表示装置81により実行されていた前面枠14の開放表示が終了する。
S970の処理後、コマンド受信メモリ223cに記憶された前面枠閉鎖コマンドをクリアして(S971)、この扉開放報知処理を終了する。
なお、S967の処理で、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオフであると判定された場合には(S967:No)、前面枠開放コマンドは受信されておらず、前面枠14は開放されていないので(前面枠14は閉鎖されているので)、S968〜S971の処理をスキップして、この扉開放報知処理を終了する。
また、S968の処理で、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠閉鎖コマンドでないと判定された場合には(S968:No)、開放された前面枠14の閉鎖は行われていないので(前面枠14は開放されたままであるので)、S969〜S971の処理をスキップして、この扉開放報知処理を終了する。
このように、扉開放報知処理(S818)においては、音声ランプ制御装置113は、外部割込み処理(図66参照)で内枠開放コマンドを受信した場合には、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S952)、内枠開放報知処理を開始する(S953)。この内枠開放報知処理(S953)は、開放された内枠12が閉鎖されるまで継続して行われるので、内枠12が開放中であることを不特定多数の者(遊技者や店員等)に報知することができる。同様に、音声ランプ制御装置113は、外部割込み処理(図66参照)で前面枠開放コマンドを受信した場合には、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S958)、前面枠開放報知処理を開始する(S959)。この前面枠開放報知処理(S959)も、開放された前面枠14が閉鎖されるまで継続して行われるので、前面枠14が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。
また、扉開放報知処理(S818)においては、音声ランプ制御装置113は、外部割込み処理(図66参照)で内枠閉鎖コマンドを受信した場合には、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S964)、実行していた内枠開放報知処理を終了する(S965)。同様に、音声ランプ制御装置113は、外部割込み処理(図66参照)で前面枠閉鎖コマンドを受信した場合には、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S969)、実行していた前面枠開放報知処理を終了する(S970)。
上述した通り、第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されると、内枠用枠開放検出回路290によりその開放を検出し、その検出に伴って、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドを1回送信する。同様に、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が開放されると、前面枠用枠開放検出回路292によりその開放を検出し、その検出に伴って、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドを1回送信する。
このように、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放に伴い、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信する。よって、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放期間中、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信される第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
また、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110のメイン処理内で4m秒毎に繰り返し音声ランプ制御装置113へ送信する第4実施形態のパチンコ機500に対して、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信しているので、主制御装置110のメイン処理内の繰り返し周期(4m秒毎)を把握不能にしている。これにより、主制御装置110のメイン処理内で繰り返し行われる大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期も把握不能となる。よって、第9実施形態のパチンコ機によれば、第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期を不正に取得する、例えば、ぶら下げ基板を使用した不正行為を困難にすることができる。
更に、第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された内枠12が閉鎖されると、内枠用枠開放検出回路290によりその閉鎖を検出し、主制御装置110は、その検出に伴い、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ内枠閉鎖コマンドを1回送信する。同様に、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された前面枠14が閉鎖されると、前面枠用枠開放検出回路292がその閉鎖を検出し、主制御装置110は、その検出に伴い、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ前面枠閉鎖コマンドを1回送信する。
このように、第9実施形態のパチンコ機では、開放された内枠12または開放された前面枠14が閉鎖されると、その閉鎖に伴い、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信する。よって、開放された内枠12または開放された前面枠14が閉鎖されると、その閉鎖期間中、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信される第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
また、内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110のメイン処理内で4m秒毎に繰り返し音声ランプ制御装置113へ送信する第4実施形態のパチンコ機500に対して、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信しているので、主制御装置110のメイン処理内の繰り返し周期(4m秒毎)を把握不能にしている。これにより、主制御装置110のメイン処理内で繰り返し行われる大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期も把握不能となる。よって、第9実施形態のパチンコ機によれば、第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期を不正に取得する、例えば、ぶら下げ基板を使用した不正行為を困難にすることができる。
なお、第9実施形態のパチンコ機は、第4実施形態のパチンコ機500と同様に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合、即ち、主制御装置110の制御が停止している場合であっても、内枠12または前面枠14の何れかが開放されると、ホールコンピュータ262にパルス信号を別々に出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを特定することができる。
また、第9実施形態のパチンコ機においては、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へは、前述の通り、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンド、前面枠閉鎖コマンドに加え、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が送信される。第9実施形態のパチンコ機では、これらの変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等は、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドおよび前面枠閉鎖コマンドと同様、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へバスラインBL1を介して1回だけ送信されるように構成されている。そして、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンド等に合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へストローブ信号SG3がバスラインBL2を介して送信されるように構成されている。
この構成は具体的には、音声ランプ制御装置113へ送信されるコマンド(変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等)に応じて、扉コマンド送信処理の例えばS231〜S240の各処理(図64参照)の概念を用いた新たな処理を扉コマンド送信処理(図64参照)に追加している。
ここで、変動パターンコマンドの送信について一例を述べる。なお、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等の送信については、変動パターンコマンドの送信と同様の構成にすれば良いので、その説明を省略する。変動パターンコマンドの送信については、まず、変動パターンコマンドが送信されたか否かを示す変動パターンコマンド送信カウンタがRAM203内に設けられている。そして、図64に示す扉コマンド送信処理(S222)には、例えば、S261またはS271の処理の実行後に、S231の処理の概念を用いた「変動パターンコマンド送信カウンタは「0(ゼロ)」か否か」の判定処理が設けられている。その処理の後に、扉コマンド送信処理には、S232の処理の概念を用いた「変動パターンコマンドの送信開始」の処理が設けられている。更に、その処理の後に、扉コマンド送信処理には、S233〜236の処理をそのまま用いた処理が設けられている。その処理の後に、扉コマンド送信処理には、S237の処理の概念を用いた「変動パターンコマンド送信開始から1m秒が経過したか否か」の判定処理が設けられている。その処理の後に、扉コマンド送信処理には、S238の処理の概念を用いた「変動パターンコマンドの送信終了」の処理が設けられている。そして、その処理の後に、扉コマンド送信処理には、S239の処理の概念を用いた「変動パターンコマンド送信カウンタを1カウントアップする」処理が設けられている。また、先に送信した変動パターンコマンドとは異なる変動パターンコマンドを送信する場合には、その送信の前に、変動パターンコマンド送信カウンタを「0(ゼロ)」に設定する処理(S240の処理の概念を用いた処理)が扉コマンド送信処理に設けられている。
上記の構成により、第9実施形態のパチンコ機では、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へバスラインBL1を介して1回だけ送信されると共に、送信されるコマンドに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へストローブ信号SG3がバスラインBL2を介して送信されるのである。
また、第9実施形態のパチンコ機においては、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へ、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドがストローブ信号SG3なしで送信されたが、これに限られるものではない。内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドおよび前面枠閉鎖コマンドを、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する場合と同様、S952の処理で内枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信する場合、S958の処理で前面枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信する場合、S964の処理で内枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信する場合およびS969の処理で前面枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信する場合には、音声ランプ制御装置113は、送信するコマンドに合わせてストローブ信号SG3を表示制御装置114へ送信しても良い。
この場合には、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225から表示制御装置114の入力ポート237へストローブ信号SG3を送信するバスラインを新たに設けると共に、音声ランプ制御装置113で実行されるS952,S958,S964およびS969の各処理の後に、表示制御装置114へ、ストローブ信号SG3と共に、内枠開放コマンド、前面枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを送信する扉コマンド送信処理(S222,図64参照)が実行されるように、扉開放報知処理(S818,図67参照)の処理構成を変更すれば良い。なお、扉開放報知処理(S818)をこの処理構成とした場合には、扉コマンド送信処理内で、内枠開放コマンド、前面枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンドおよび前面枠閉鎖コマンドが表示制御装置114へ送信されるので、S952,S958,S964およびS969の各処理内で、これらのコマンドを表示制御装置114へ送信する必要はない。これにより、音声ランプ制御装置113は、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドの送信に合わせて、ストローブ信号SG3を表示制御装置114へ送信することができる。なお、この構成の場合には、表示制御装置114は、ストローブ信号SG3を受信すると、音声ランプ制御装置113から送信された内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを受信開始するように構成する。
なお、第9実施形態のパチンコ機は、第4実施形態のパチンコ機500を変更したものであるが、第9実施形態のパチンコ機を、第5実施形態のパチンコ機600に適用しても良い。また、第9実施形態のパチンコ機を、第6実施形態のパチンコ機10x、第7実施形態のパチンコ機および第8実施形態のパチンコ機に適用しても良い。
ここで、代表例として、第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用する場合について説明する。なお、第7実施形態のパチンコ機および第8実施形態のパチンコ機に対して第9実施形態のパチンコ機を適用する場合については、第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用する場合の構成と同様の構成にすれば良いので、その説明を省略する。また、第9実施形態のパチンコ機を、第5実施形態のパチンコ機600に適用する場合には、第4実施形態のパチンコ機500に行った変更と同一の変更を行えば良いので、その説明を省略する。
第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用する場合には、まず、図42に示すパチンコ機10xの電気的構成を示すブロック図において、主制御装置110xの入出力ポート205xに、音声ランプ制御装置113xの入出力ポート225xへストローブ信号を送信するバスラインBL2x(図示せず)を接続する(追加する)。これにより、オン中枠開放コマンドまたはオン中枠閉鎖コマンドが主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへバスライン(バスラインBL2xとは異なる)を介して送信開始されると、これに合わせ、ストローブ信号が主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへバスラインBL2xを介して出力される。
更に、主制御装置110xのRAM203x(図42参照)にオン中枠開放コマンド送信カウンタおよびオン中枠閉鎖コマンド送信カウンタを設ける。また、音声ランプ制御装置113xのRAM223x(図42参照)にコマンド受信メモリを設ける。
オン中枠開放コマンド送信カウンタは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放に伴って、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへオン中枠開放コマンドが1回送信されたか否かをカウントするカウンタである。このオン中枠開放コマンド送信カウンタは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている間に、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、主制御装置110xによりオン中枠開放コマンドが1回送信されると、オン中枠開放コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。一方、オン中枠開放コマンド送信カウンタは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている間に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖され、主制御装置110xによりオン中枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「0(ゼロ)」に設定される。
オン中枠閉鎖コマンド送信カウンタは、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖され、その閉鎖に伴って、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへオン中枠閉鎖コマンドが1回送信されたか否かをカウントするカウンタである。このオン中枠閉鎖コマンド送信カウンタは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖され、主制御装置110xによりオン中枠閉鎖コマンドが1回送信されると、オン中枠閉鎖コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。一方、オン中枠閉鎖コマンド送信カウンタは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている間に、閉鎖された内枠12xまたは閉鎖された前面枠14xが開放され、主制御装置110xによりオン中枠開放コマンドが1回送信されると、オン中枠開放コマンド送信カウンタとは逆に、オン中枠閉鎖コマンドが未送信であることを示す「0(ゼロ)」に設定される。
コマンド受信メモリは、バスラインを介して主制御装置110xから送信された各種コマンドを記憶するメモリである。このコマンド受信メモリには、オン中枠開放コマンド、オン中枠閉鎖コマンド、オフ中枠開放コマンドに加え、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が記憶される。なお、音声ランプ制御装置113xのMPU221xは、コマンド受信メモリに記憶されたコマンドを解読し、解読したコマンドに応じた制御を行う。
次に、図48に示す主制御装置110xのMPU201xで実行されるメイン処理を変更する。図48に示すメイン処理においては、S214xで「Yes」と判定されてS201xへ処理が移行する前の実行位置に、オン中枠開放コマンド送信カウンタを「0(ゼロ)」に設定すると共に、オン中枠閉鎖コマンド送信カウンタを「1」に設定する処理を追加する(図63のS221の処理が実行される位置と同じ位置にこの処理を追加する)。更に、図48に示すメイン処理内のS207x,S208xおよびS209xの各処理を削除する。このとき、S204xの処理で「No」と判定された場合には、S210xの処理へ移行するように処理構成を変更する。そして、S219xまたはS220xの処理の後に、図64に示す扉コマンド送信処理(S222)を追加する。このとき、S222の処理後にはS213xへ処理が移行するように処理構成を変更する。
そして、図48に示すメイン処理に、図64に示す扉コマンド送信処理(S222)を追加した後で、図64に示す扉コマンド送信処理に以下の処理構成の変更を行う。まず、図64に示すS251〜S271の処理を削除して、削除せずに残ったS230〜S250の処理が実行されるように処理構成を変更する。そして、S230の処理に記載された「内枠開放フラグ」を「オン中枠開放フラグ(203bx)」に変更する。また、S231,S239およびS250の処理に記載された「内枠開放コマンド送信カウンタ」を「オン中枠開放コマンド送信カウンタ」に変更する。また、S232,S237およびS238の処理に記載された「内枠開放コマンド」を「オン中枠開放コマンド」に変更する。
加えて、S240,S241およびS249の処理に記載された「内枠閉鎖コマンド送信カウンタ」を「オン中枠閉鎖コマンド送信カウンタ」に変更する。また、S242,S247およびS248の処理に記載された「内枠閉鎖コマンド」を「オン中枠閉鎖コマンド」に変更する。なお、その他の処理(S233〜S236およびS243〜S246)は、図64に示す扉コマンド送信処理(S222)に記載された処理をそのまま使用する。
次に、図55に示す音声ランプ制御装置113xのMPU221xで実行されるメイン処理を変更する。図55に示す音声ランプ制御装置113xのメイン処理においては、まず、S1111xの処理を、図66に示す外部割込み処理に変更する。なお、S1111xと変更を行う、外部割込み処理の処理内容は変更せず、図66に示す処理をそのまま使用する。
最後に、図56に示す扉開放報知処理(S1113x)においては、この扉開放報知処理内(S1113x)にあるS1201x,S1203xおよびS1205xの各処理に記載された「S1111xの処理で受信したコマンド」を「コマンド受信メモリに記憶されているコマンド」に変更する。なお、コマンド受信メモリにオフ中枠開放コマンドが記憶されたときに、これをコマンド受信メモリから消去する処理が図示されていないが、オフ中枠開放コマンドをコマンド受信メモリから消去する方法については次の構成にすれば良い。即ち、主制御装置110xの立ち上げ処理でオフ中枠開放フラグ203axがオフされた場合には(図47のS116xの処理参照)、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放フラグ203axがオフになったことを示すコマンドを送信する。そして、音声ランプ制御装置113xは、そのコマンドを受信した場合に、コマンド受信メモリからオフ中枠開放コマンドを消去するように構成すれば良い。これにより、オフ中枠開放フラグ203axがオフされた場合にのみ、コマンド受信メモリからオフ中枠開放コマンドを消去して、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xで行われていた報知を終了させることができる。なお、オン中枠開放コマンドまたはオン中枠閉鎖コマンドのいずれかがコマンド受信メモリに記憶された場合には、コマンド受信メモリに記憶されたコマンドと逆のコマンドが受信される度に、コマンド受信メモリに記憶される内容が変更されるので(コマンド受信メモリに記憶されたオン中枠開放コマンドまたはオン中枠閉鎖コマンドのいずれかは消去されるので)、コマンド受信メモリからオン中枠開放コマンドまたはオン中枠閉鎖コマンドを消去する方法については特に考慮する必要はない。
上述した変更を第6実施形態のパチンコ機10xに適用することで、第6実施形態のパチンコ機10xにおいても、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、枠開放検出回路260xによりその開放を検出し、その検出に伴って、主制御装置110xは、メイン処理内で音声ランプ制御装置113xへオン中枠開放コマンドを1回送信することができる。また、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖されると、枠開放検出回路260xによりその閉鎖を検出し、主制御装置110xは、その検出に伴い、メイン処理内で音声ランプ制御装置113xへオン中枠閉鎖コマンドを1回送信することができる。
よって、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、または、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖されると、その期間中、オン中枠開放コマンドまたはオン中枠閉鎖コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信される第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機を適用した第6実施形態のパチンコ機10xでは、主制御装置110xのコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
なお、第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用する場合においては、オン中枠開放コマンドとオン中枠閉鎖コマンドとをストローブ信号と共に、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへバスラインを介して1回だけ送信する説明を行ったが、これに限らず、オフ中枠開放コマンドについても、ストローブ信号と共に、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへバスラインを介して1回だけ送信する構成としても良いことは言うまでもない。
また、第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用した場合においては、第9実施形態のパチンコ機と同様に、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへ、オン中枠開放コマンド、オン中枠閉鎖コマンド、オフ中枠開放コマンドに加え、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が送信される。第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用した場合には、これらの変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等は、オン中枠開放コマンド、オン中枠閉鎖コマンドと同様、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへバスラインを介して1回だけ送信されるように構成されている。そして、第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用した場合には、主制御装置110xから送信される各種コマンドに合わせて、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへストローブ信号がバスラインBL2x(図示せず)を介して送信されるように構成されている。なお、この場合の具体的な構成については、第9実施形態のパチンコ機で説明した通りであるので、その説明を省略する。
以上、各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1実施形態から第5実施形態、および第9実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、例えば、上記第6実施形態から第8実施形態では、主制御装置110xから各コマンドが音声ランプ制御装置113xに対して送信され、その音声ランプ制御装置113xから表示制御装置114xに対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110xから表示制御装置114xに直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、上記第1実施形態から第5実施形態、および第9実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記第6実施形態から第8実施形態においては、第1入球口64xへの入賞および第2入球口67xの通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64xへの入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81xの一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37xとは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81(第3図柄表示装置81x)の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、初期状態にあれば、その初期状態から規定時間までの動作によって、前記扉体の開放期間に拘らず予め定められた出力期間となる信号を出力する期間調整手段と、その期間調整手段により出力される信号に基づいて、前記扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段と前記期間調整手段とに電力を供給して動作させる電源手段とを備え、前記扉開放検出手段は、前記扉体の閉鎖を検出した場合に前記期間調整手段を初期状態にする初期化手段を備え、前記電源手段は、前記遊技機の電源がオフされている場合に前記出力手段と前記期間調整手段とに電力を供給して動作させるオフ中動作手段を備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出された場合に、期間調整手段は、初期状態から規定時間までの動作により、扉体の開放時間に拘らず予め定められた出力期間となる信号を出力する。すると、出力手段は、期間調整手段から出力される信号に基づいて、検出結果を特定装置へ出力する。ここで、期間調整手段により出力される信号の出力期間は、初期状態から規定時間までの期間調整手段の動作によって決定される。扉体の開放時間に拘らず予め定められた出力期間となる信号を期間調整手段に出力させるために、初期化手段は、扉開放検出手段が扉体の閉鎖を検出した場合に、期間調整手段を初期状態にする。よって、期間調整手段は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合には、常に初期状態から動作することができる。従って、扉開放検出手段により扉体の開放が検出される度に、期間調整手段を正常且つ安定して初期状態から規定時間まで動作させることで、期間調整手段に予め定められた出力期間となる信号を正常且つ安定して出力させ、出力手段から特定装置へ正常且つ安定して検出結果を出力させることができる。
また、遊技機A1によれば、遊技機の電源がオンされている状態に加え、遊技機の電源がオフされ制御手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、オフ中動作手段によって出力手段と期間調整手段とに電源が供給される。よって、遊技機の電源がオフされ制御手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、期間調整手段により予め定められた出力期間となる信号が出力され、その出力された信号に基づき出力手段は検出結果を特定装置へ出力する。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
なお、扉体と本体とにより形成される空間内とは、扉体の閉鎖時に手を触れることができない扉体の背面または背面側(本体の背面側も含む)を示している。また、複数の遊技機毎に設けられた出力手段から出力される検出結果を1の特定装置で受信しても良いし、遊技機毎に特定装置を設け、その特定装置を各遊技機に配設しても良い。特定装置を各遊技機に配設する場合には、ボックスベースと、そのボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを互いに連結させて、そのボックスカバーとボックスベースとにより形成される空間内に特定装置を収納する。そして、ボックスカバーとボックスベースとを封印ユニットにより開封不能に連結する。更に、ボックスカバーとボックスベースとの連結部には、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シールを貼着する。その上で、扉体の背面または背面側に特定装置を配設すれば良い。
遊技機A1において、前記扉開放検出手段は、前記扉体の閉鎖を検出した場合に前記電源手段による前記期間調整手段への電力供給を停止する停止手段を備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、停止手段は、期間調整手段への電源手段による電力供給を停止する。よって、停止手段により期間調整手段の動作を停止させた状態で、初期化手段により期間調整手段を初期状態にすることができる。従って、期間調整手段を正常且つ安定して初期状態とすることができる。
遊技機A1またはA2において、前記期間調整手段は、電荷を蓄える蓄電手段を用いて構成されており、前記電源手段により初期状態から規定時間までに供給される電力によって前記蓄電手段に蓄えられた電荷に伴い発生する電圧を前記予め定められた出力期間となる信号として出力するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、期間調整手段を構成する蓄電手段へ初期状態から規定時間までに電源手段からの電力が供給されると、蓄電手段には電荷が蓄えられる。この蓄電手段に蓄えられた電荷に伴い発生する電圧を、期間調整手段は、予め定められた出力期間となる信号として出力する。このように、蓄電手段により期間調整手段を構成することで、期間調整手段を複雑な回路とすることなく、簡単な構成で、予め定められた出力期間となる信号を出力することができる。
遊技機A3において、前記初期化手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の閉鎖が検出された場合に、前記期間調整手段を構成する蓄電手段に蓄えられた電荷を放電することで前記蓄電手段を初期状態にする放電手段を備えていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、放電手段は、期間調整手段を構成する蓄電手段に蓄えられた電荷を放電する。よって、扉体開放検出手段が扉体の開放を検出したときに蓄電手段に蓄えられた電荷を、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合に、放電手段によって放電してゼロにすることができる。これにより、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合には、蓄電手段により構成された期間調整手段は常に初期状態から動作することができる。従って、扉開放検出手段により扉体の開放が検出される度に、期間調整手段を正常且つ安定して初期状態から規定時間まで動作させることで、期間調整手段に予め定められた出力期間となる信号を正常且つ安定して出力させ、出力手段から特定装置へ正常且つ安定して検出結果を出力させることができる。なお、蓄電手段の放電方法としては、蓄電手段をグランドに短絡することが例示される。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記停止手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の閉鎖が検出された場合に、前記電源手段と期間調整手段との電気的接続を解除する解除手段を備えていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、電源手段と期間調整手段との電気的接続が解除手段によって解除される。よって、解除手段により期間調整手段への電力供給を停止させた状態で、初期化手段または放電手段により期間調整手段を初期状態にすることができる。従って、期間調整手段を正常且つ安定して初期状態とすることができる。
遊技機A5において、前記初期化手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記期間調整手段を構成する蓄電手段とグランドとの前記放電手段による短絡を解除する放電解除手段を備え、前記停止手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記電源手段と期間調整手段との前記解除手段による電気的接続の解除を停止して、前記電源手段による期間調整手段への電力供給を再開する電力供給再開手段を備えており、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合には、前記電力供給再開手段は、前記期間調整手段を構成する蓄電手段とグランドとの放電手段による短絡が前記放電解除手段により解除された後に、前記電源手段と期間調整手段との解除手段による電気的接続の解除を停止して、前記電源手段による期間調整手段への電力供給を再開し、前記扉開放検出手段により前記扉体の閉鎖が検出された場合には、前記放電手段は、前記電源手段と期間調整手段との電気的接続が前記解除手段により解除された後に、前記期間調整手段を構成する蓄電手段をグランドに短絡して、その蓄電手段に蓄えられた電荷を放電することを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合には、電力供給再開手段は、まず、期間調整手段を構成する蓄電手段とグラントとの短絡を放電解除手段に解除させてから、電源手段から期間調整手段への電力供給を再開させる。一方、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、放電手段は、まず、電源手段と期間調整手段との電気的接続を解除手段に解除させてから、期間調整手段を構成する蓄電手段をグランドに短絡して、蓄電手段に蓄えられた電荷を放電させる。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合と扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合とのいずれの場合にも、電源手段とグランドとが短絡することはない。従って、電源手段とグランドとが短絡することに起因する電源手段等の破損を確実に防止することができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段を備え、前記オフ中動作手段は、前記出力手段と前記期間調整手段とに加えて、前記出力期間制限手段にも電力を供給して動作させるように構成されていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段および期間調整手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記オフ中動作手段は、前記遊技機の電源から供給される電力により充電可能に構成されていることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、オフ中動作手段は、遊技機の電源オン中に、その遊技機に供給される電力によって充電されるので、遊技機の電源を遊技場の営業時間に合わせてオンするだけで、オフ中動作手段を充電することができる。よって、遊技場の閉店後の遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放があった場合には、オフ中動作手段により出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)を動作させて、扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ報せることができる。
遊技機A7またはA8において、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記所定期間中に前記出力手段への出力を行うことを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、出力期間制限手段からの出力に基づいて特定装置へ検出結果を出力する出力手段へは、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合の所定期間中に、出力期間制限手段によって出力が行われる。よって、出力期間制限手段による出力手段への出力動作を、扉体の1回の開放につき、所定期間以内に留めることができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機A9において、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されない場合には、前記出力手段への出力を停止することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、特定装置へ検出結果を出力する出力手段への出力期間制限手段の出力は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、停止される。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、出力期間制限手段の出力動作に伴って消費される電力を抑制することができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機A7からA10のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、単安定マルチバイブレータを用いて構成され、その単安定マルチバイブレータへ前記期間調整手段により出力される信号の出力期間は、前記扉体の開放期間に拘らず前記所定期間よりも短い期間に設定されていることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段に入力される信号は、期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力手段による1回の出力期間である所定期間よりも短く調整される。ここで、単安定マルチバイブレータは、出力される信号の出力期間よりも、入力される信号の入力期間が短くなければ、信号を出力し続ける。このため、単安定マルチバイブレータを出力期間制限手段に用いた場合には、出力される信号の出力期間よりも、即ち、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間が、即ち、扉体の開放期間が短くなければならない。しかし、扉体の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、扉体の開放期間が常に短くなるようにするには、所定期間の設定を十分に余裕を持った期間にする必要がある。例えば、扉体の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、出力期間制限手段が制限する所定期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この所定期間中、出力期間制限手段および出力手段にオフ中動作手段から電力供給が行われ続けるので、オフ中動作手段の消耗が著しくなってしまう。よって、出力期間制限手段に単安定マルチバイブレータを使用した上でオフ中動作手段の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。しかし、遊技機A11によれば、期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。よって、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段を正常に動作させることができるので、出力手段による1回の出力期間を出力期間制限手段により所定期間内に留めることができる。このように、遊技機A11によれば、期間調整手段を設けることで、オフ中動作手段の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、単安定マルチバイブレータを用いて出力期間制限手段を実現することができる。
遊技機A1からA11のいずれかにおいて、前記出力手段は、前記制御手段とは別の基板に搭載されていることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A1からA12のいずれかにおいて、前記出力手段は、フォトカプラを備えており、前記扉開放検出手段による検出結果を、そのフォトカプラの出力により前記特定装置へ出力することを特徴とする遊技機A13。
遊技機A1からA13のいずれかにおいて、前記出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)は、前記制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されていることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)は、制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されているので、オフ中動作手段の充電量が減少して、オフ中動作手段の出力電圧が制御手段の動作電圧より低くなっても、出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)を動作させて、扉体の開放を特定装置へ報せることができる。即ち、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機A1からA14のいずれかにおいて、前記出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)は、その動作可能範囲電圧が前記制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されていることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)は、その動作可能範囲電圧が制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されている。よって、遊技機の電源オフ時において、オフ中動作手段によって、出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)を長時間動作させることができるので、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機A7からA15のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されていることを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されている。ここで、C−MOS半導体は、一般的に動作時の消費電力が小さい。よって、遊技機A16によれば、オフ中動作手段の消耗を小さくして、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記期間調整手段は、積分回路を用いて構成されていることを特徴とする遊技機A17。
遊技機A17によれば、積分回路を用いて期間調整手段を構成しているので、複雑な回路や信号処理を用いることなく、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。また、積分回路に用いられる抵抗の抵抗値とコンデンサの容量値とを調整することで、期間制限手段が出力する信号の出力期間を所定期間内で自由に調整することができる。
遊技機A1からA17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A18。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA17のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A19。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A20。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、遊技機A1〜A20において、遊技機にはパチンコ機10が対応し、本体には外枠11が対応し、扉体には内枠12と前面枠14とが対応し、制御手段には主制御装置110が対応する。また、期間調整手段には積分回路281が対応し、出力手段には内枠用枠開放検出回路300、内枠用端子板出力回路300a、内枠用外部出力端子板291、前面枠用枠開放検出回路302、前面枠用端子板出力回路302a、前面枠用外部出力端子板293およびフォトカプラPR1が対応する。また、電源手段にはコンデンサCD1と直流電源DC1が対応し、オフ中動作手段にはコンデンサCD1が対応し、出力期間制限手段にはタイマIC1が対応し、扉開放検出手段、停止手段、解除手段、電力供給再開手段、初期化手段、放電手段および放電解除手段にはスイッチSW3AとスイッチSW4Aとが対応する。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段とを備え、その出力手段は、前記遊技機の電源がオフされて前記制御手段が停止している場合に、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機の電源がオフされ制御手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記所定期間中に前記出力手段への出力を行うことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、出力期間制限手段からの出力に基づいて特定装置へ検出結果を出力する出力手段へは、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合の所定期間中に、出力期間制限手段によって出力が行われる。よって、出力期間制限手段による出力手段への出力動作を、扉体の1回の開放につき、所定期間以内に留めることができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されない場合には、前記出力手段への出力を停止することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、特定装置へ検出結果を出力する出力手段への出力期間制限手段の出力は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、停止される。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、出力期間制限手段の出力動作に伴って消費される電力を抑制することができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段と、その出力期間制限手段に接続され、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記出力期間制限手段へ入力される信号を前記扉体の開放期間に拘らず前記所定期間よりも短い期間に調整する入力期間調整手段と、前記出力期間制限手段と出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えていることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段に入力される信号は、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力手段による1回の出力期間である所定期間よりも短く調整される。ここで、単安定マルチバイブレータは、出力される信号の出力期間よりも、入力される信号の入力期間が短くなければ、信号を出力し続ける。このため、単安定マルチバイブレータを出力期間制限手段に用いた場合には、出力される信号の出力期間よりも、即ち、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間が、即ち、扉体の開放期間が短くなければならない。しかし、扉体の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、扉体の開放期間が常に短くなるようにするには、所定期間の設定を十分に余裕を持った期間にする必要がある。例えば、扉体の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、出力期間制限手段が制限する所定期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この所定期間中、出力期間制限手段および出力手段にオフ中動作手段から電力供給が行われ続けるので、オフ中動作手段の消耗が著しくなってしまう。よって、出力期間制限手段に単安定マルチバイブレータを使用した上でオフ中動作手段の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。しかし、遊技機B5によれば、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。よって、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段を正常に動作させることができるので、出力手段による1回の出力期間を出力期間制限手段により所定期間内に留めることができる。このように、遊技機B5によれば、入力期間調整手段を設けることで、オフ中動作手段の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、単安定マルチバイブレータを用いて出力期間制限手段を実現することができる。
遊技機B5において、前記入力期間調整手段は、積分回路を用いて構成されていることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成しているので、複雑な回路や信号処理を用いることなく、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。また、積分回路に用いられる抵抗の抵抗値とコンデンサの容量値とを調整することで、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間を所定期間内で自由に調整することができる。
遊技機B5又はB6において、前記入力期間調整手段は、前記出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定化する定電圧手段を備えていることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、定電圧手段を設けているので、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にして、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めることができる。
また、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成している場合には、積分回路に用いるコンデンサに電荷が蓄えられ、この電荷による電圧が、出力期間制限手段へ入力される信号と重畳されて、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加される虞がある。しかし、遊技機7によれば、定電圧手段により、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にしているので、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧は出力期間制限手段に印加されない。よって、出力期間制限手段の破壊を防止することができる。
遊技機B7において、前記定電圧手段は、ツェナーダイオードで構成されていることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、ツェナーダイオードにより定電圧手段を構成しているので、複雑な回路により構成される定電圧回路等と比較して、簡単な構成且つ安価に、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にすることができる。よって、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードを用いて、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めつつ、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加されることを防止することができる。
遊技機B1からB8において、前記扉体は、前記本体に対して開閉される内枠と、その内枠に対して開閉される透明板支持扉とを有して構成され、前記扉開放検出手段は、その内枠と透明板支持扉とにそれぞれ設けられると共に、前記出力手段に並列接続されており、前記出力手段は、前記扉開放検出手段により前記内枠または透明板支持扉の少なくとも一方の開放が検出された場合に、その検出結果を前記特定装置へ出力することを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、扉開放検出手段は、内枠と透明板支持扉とにそれぞれ設けられると共に、出力手段に並列接続されているので、扉開放検出手段により内枠または透明板支持扉の少なくとも一方の開放が検出された場合には、出力手段によって、その検出結果が特定装置へ出力される。よって、扉体を構成する内枠または透明板支持扉のいずれか一方の開放であっても、1の出力手段によって、その開放を特定装置へ報せることができる。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記扉開放検出手段は、前記扉体が開放されている場合には導通される一方、前記扉体が閉鎖されている場合には遮断されるように構成されていることを特徴とする遊技機B10。遊技機B10によれば、扉開放検出手段は、扉体が開放されている場合には導通され、一方、扉体が閉鎖されている場合には遮断されるので、不正行為の実行時である扉体の開放中にのみ出力手段を動作させて、電力消費を小さく抑えることができる。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、前記遊技機の電源オン中に充電されるオフ中動作手段を備えており、前記出力手段は、そのオフ中動作手段に充電された電荷または電力によって動作することを特徴とする遊技機B11。遊技機B11によれば、オフ中動作手段は、遊技機の電源オン中に、その遊技機に供給される電力によって充電されるので、遊技機の電源を遊技場の営業時間に合わせてオンするだけで、オフ中動作手段を充電することができる。よって、遊技場の閉店後の遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放があった場合には、オフ中動作手段により出力手段(および出力期間制限手段)を動作させて、扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ報せることができる。
遊技機B1からB11のいずれかにおいて、前記制御手段は、遊技の主な制御を行う主制御手段を備え、前記出力手段は、その主制御手段に搭載されていることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B1からB11のいずれかにおいて、前記出力手段は、前記制御手段とは別の基板に搭載されていることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B1からB13のいずれかにおいて、前記出力手段は、フォトカプラを備えており、前記扉開放検出手段による検出結果を、そのフォトカプラの出力により前記特定装置へ出力することを特徴とする遊技機B14。
遊技機B2からB14のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記出力手段とは、前記制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されていることを特徴とする遊技機B15。遊技機B15によれば、出力期間制限手段と出力手段とは、制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されているので、オフ中動作手段の充電量が減少して、オフ中動作手段の出力電圧が制御手段の動作電圧より低くなっても、出力期間制限手段および出力手段を動作させて、扉体の開放を特定装置へ報せることができる。即ち、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機B2からB15のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記出力手段とは、その動作可能範囲電圧が前記制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されていることを特徴とする遊技機B16。遊技機B16によれば、出力期間制限手段と出力手段とは、その動作可能範囲電圧が制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されている。よって、遊技機の電源オフ時において、オフ中動作手段によって出力期間制限手段と出力手段とを長時間動作させることができるので、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機B2からB16のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されていることを特徴とする遊技機B17。遊技機B17によれば、出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されている。ここで、C−MOS半導体は、一般的に動作時の消費電力が小さい。よって、遊技機B17によれば、オフ中動作手段の消耗を小さくして、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機B1からB17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B18。
遊技機B1からB17のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B19。
遊技機B1からB17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B20。
なお、遊技機B1〜B20において、遊技機にはパチンコ機10が対応し、本体には外枠11が対応し、扉体には内枠12と前面枠14とが対応し、透明板支持扉には前面枠14が対応する。また、制御手段には主制御装置110が対応し、出力手段には枠開放検出回路260,270,280と外部出力端子板261とフォトカプラPR1とが対応し、入力期間調整手段には積分回路281が対応し、オフ中動作手段にはコンデンサCD1,CD6が対応する。また、定電圧手段にはツェナーダイオードD3が対応し、出力期間制限手段にはタイマIC1が対応し、扉開放検出手段にはスイッチSW1とスイッチSW2とが対応する。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段と、その制御手段の制御により報知を行う報知手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を前記制御手段へ出力して前記報知手段による報知を実行させると共に、前記検出結果を特定装置へ出力する出力手段を備え、その出力手段は、前記遊技機の電源がオンされて前記制御手段による制御が行われている場合に、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力し、前記遊技機の電源がオフされて前記制御手段による制御が行われていない場合にも、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力するように構成されていることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機の電源がオンされて制御手段の制御が行われている場合に、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、例えば、遊技機の電源がオンされている開店中に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、報知手段による報知によって扉体が開放された遊技機を判別することができると共に、特定装置によっても扉体が開放された遊技機を判別することができる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には制御手段の制御が停止しているが、この場合においても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されたとしても、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。従って、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、1の出力手段により特定装置へ検出結果を出力して、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
遊技機C1において、前記遊技機の電源がオンされている場合に前記出力手段に電力を供給して動作させる電源手段と、その電源手段とは別に設けられ、前記遊技機の電源がオフされている場合に前記出力手段に電力を供給して動作させるオフ中動作手段を備え、前記出力手段は、前記電源手段により供給される電力によって動作して前記扉開放検出手段による検出結果を前記制御手段へ出力する制御用出力手段と、前記電源手段またはオフ中動作手段により供給される電力によって動作して前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力する特定用出力手段とを備えていることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機の電源がオンされている場合には、制御用出力手段および特定用出力手段に電源手段により電力が供給される。これにより、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が制御用出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が特定用出力手段により特定装置へ出力される。よって、例えば、遊技機の電源がオンされている開店中に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、報知手段による報知によって扉体が開放された遊技機を判別することができると共に、特定装置によっても扉体が開放された遊技機を判別することができる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には、特定用出力手段にオフ中動作手段により電力が供給される。これにより、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が特定用出力手段により特定装置へ出力される。よって、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されたとしても、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。従って、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、特定用出力手段により特定装置へ検出結果を出力して、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
遊技機C2において、前記特定用出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段を備え、前記オフ中動作手段は、前記特定用出力手段に加えて、前記出力期間制限手段にも電力を供給して動作させるように構成されていることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、特定用出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた特定用出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による特定用出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機C2またはC3において、前記オフ中動作手段は、前記遊技機の電源から供給される電力により充電可能に構成されていることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、オフ中動作手段は、遊技機の電源オン中に、その遊技機に供給される電力によって充電されるので、遊技機の電源を遊技場の営業時間に合わせてオンするだけで、オフ中動作手段を充電することができる。よって、遊技場の閉店後の遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放があった場合には、オフ中動作手段により特定用出力手段および出力期間制限手段を動作させて、扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ報せることができる。
遊技機C2からC4のいずれかにおいて、前記電源手段から供給される電流を一方向に流すダイオードを備え、前記オフ中動作手段は、コンデンサまたは二次電池を用いて構成され、前記扉開放検出手段は、前記扉体が開放されている場合には導通される一方、前記扉体が閉鎖されている場合には遮断されるように構成されており、前記電源手段は、前記ダイオードのアノード端子と接続されており、そのダイオードのカソード端子は、前記オフ中動作手段の一端と接続されており、そのオフ中動作手段の他端は、接地されており、前記制御用出力手段は、前記電源手段およびダイオードのアノード端子と前記扉開放検出手段を介して接続されており、前記特定用出力手段は、前記ダイオードのカソード端子および前記オフ中動作手段の一端と前記扉開放検出手段を介して接続されていることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、制御用出力手段は、電源手段およびダイオードのアノード端子と接続されているので、遊技機の電源がオンされている場合に扉体が開放されると、扉開放検出手段が導通して制御用出力手段へ電源手段から電力が供給されて動作状態となる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には、電源手段による電力の供給は停止しているので、扉体が開放されて扉開放検出手段が導通しても、制御用出力手段へは電源手段から電力が供給されずに停止状態となる。これに対し、特定用出力手段は、オフ中動作手段およびダイオードのカソード端子と接続されているので、遊技機の電源がオンされている場合に扉体が開放されると、扉開放検出手段が導通して特定用出力手段へ電源手段から電力が供給されて動作状態となる。遊技機の電源がオフされている場合には、特定用出力手段への電源手段による電力供給が停止するが、扉体が開放されて扉開放検出手段が導通すると、オフ中動作手段により特定用出力手段へ電力が供給されるので、特定用出力手段は動作状態となる。ここで、遊技機の電源がオフされて、オフ中動作手段から特定用出力手段へ電力が供給されている場合には、制御用出力手段への電力供給をダイオードにより遮断することができる。これにより、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記扉体は、前記本体に対して開閉される内枠と、その内枠に対して開閉される透明板支持扉とを備え、前記扉開放検出手段は、前記内枠に設けられる内枠用扉開放検出手段と、前記透明板支持扉に設けられる透明板用扉開放検出手段とを備え、前記出力手段は、前記内枠用扉開放検出手段により前記内枠の開放が検出された場合に、その検出結果を前記制御手段へ出力して前記報知手段による報知を実行させると共に、前記検出結果を特定装置へ出力する第1出力手段と、前記透明板用扉開放検出手段により前記透明板支持扉の開放が検出された場合に、その検出結果を前記制御手段へ出力して前記報知手段による報知を実行させると共に、前記検出結果を特定装置へ出力する第2出力手段とを備えていることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機の電源がオンされて制御手段の制御が行われている場合に、内枠用扉開放検出手段によって内枠の開放が検出されると、その検出結果が第1出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が第1出力手段により特定装置へ出力される。同様に、遊技機の電源がオンされている場合に、透明板用扉開放検出手段によって透明板支持扉の開放が検出されると、その検出結果が第2出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が第2出力手段により特定装置へ出力される。一方、遊技機の電源がオフされている場合には制御手段の制御が停止しているが、この場合においても、内枠用扉開放検出手段によって内枠の開放が検出されると、その検出結果が第1出力手段により特定装置へ出力される。同様に、遊技機の電源がオフされている場合に、透明板用扉開放検出手段によって透明板支持扉の開放が検出されると、その検出結果が第2出力手段により特定装置へ出力される。このように、内枠が開放された場合に検出結果を出力する第1出力手段と、透明板支持扉が開放された場合に検出結果を出力する第2出力手段とを分けて設けている。よって、内枠または透明板支持扉のいずれか一方、若しくは両方が開放された場合に、いずれの開放があったのかを、報知手段による報知および特定装置によって判別することができる。
遊技機C3からC6のいずれかにおいて、前記特定用出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記所定期間中に前記特定用出力手段への出力を行うことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は特定用出力手段によって特定装置へ出力される。特定用出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、特定用出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた特定用出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による特定用出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、出力期間制限手段からの出力に基づいて特定装置へ検出結果を出力する特定用出力手段へは、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合の所定期間中に、出力期間制限手段によって出力が行われる。よって、出力期間制限手段による特定用出力手段への出力動作を、扉体の1回の開放につき、所定期間以内に留めることができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機C7において、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されない場合には、前記特定用出力手段への出力を停止することを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、特定装置へ検出結果を出力する特定用出力手段への出力期間制限手段の出力は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、停止される。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、出力期間制限手段の出力動作に伴って消費される電力を抑制することができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機C3からC8のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、単安定マルチバイブレータを用いて構成されており、その単安定マルチバイブレータに接続されて、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記単安定マルチバイブレータへ入力する信号を前記扉体の開放時間に拘らず前記所定期間よりも短い期間に調整する入力期間調整手段を備えていることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段に入力される信号は、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、特定用出力手段による1回の出力期間である所定期間よりも短く調整される。ここで、単安定マルチバイブレータは、出力される信号の出力期間よりも、入力される信号の入力期間が短くなければ、信号を出力し続ける。このため、単安定マルチバイブレータを出力期間制限手段に用いた場合には、出力される信号の出力期間よりも、即ち、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間が、即ち、扉体の開放期間が短くなければならない。しかし、扉体の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、扉体の開放期間が常に短くなるようにするには、所定期間の設定を十分に余裕を持った期間にする必要がある。例えば、扉体の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、出力期間制限手段が制限する所定期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この所定期間中、出力期間制限手段および特定用出力手段にオフ中動作手段から電力供給が行われ続けるので、オフ中動作手段の消耗が著しくなってしまう。よって、出力期間制限手段に単安定マルチバイブレータを使用した上でオフ中動作手段の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。しかし、遊技機C9によれば、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。よって、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段を正常に動作させることができるので、特定用出力手段による1回の出力期間を出力期間制限手段により所定期間内に留めることができる。このように、遊技機C9によれば、入力期間調整手段を設けることで、オフ中動作手段の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、単安定マルチバイブレータを用いて出力期間制限手段を実現することができる。
遊技機C1からC9のいずれかにおいて、前記制御手段は、遊技の主な制御を行う主制御手段を備え、前記出力手段は、その主制御手段に搭載されていることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C1からC10のいずれかにおいて、前記出力手段は、前記制御手段とは別の基板に搭載されていることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C1からC11のいずれかにおいて、前記出力手段は、フォトカプラを備えており、前記扉開放検出手段による検出結果を、そのフォトカプラの出力により前記制御手段および特定装置へ出力することを特徴とする遊技機C12。
遊技機C3からC12のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記特定用出力手段とは、前記制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されていることを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、出力期間制限手段と特定用出力手段とは、制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されているので、オフ中動作手段の充電量が減少して、オフ中動作手段の出力電圧が制御手段の動作電圧より低くなっても、出力期間制限手段および特定用出力手段を動作させて、扉体の開放を特定装置へ報せることができる。即ち、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機C3からC13のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記特定用出力手段とは、その動作可能範囲電圧が前記制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されていることを特徴とする遊技機C14。
遊技機C14によれば、出力期間制限手段と特定用出力手段とは、その動作可能範囲電圧が制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されている。よって、遊技機の電源オフ時において、オフ中動作手段によって出力期間制限手段と特定用出力手段とを長時間動作させることができるので、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機C3からC14のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されていることを特徴とする遊技機C15。
遊技機C15によれば、出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されている。ここで、C−MOS半導体は、一般的に動作時の消費電力が小さい。よって、遊技機C15によれば、オフ中動作手段の消耗を小さくして、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機C9からC15のいずれかにおいて、前記入力期間調整手段は、積分回路を用いて構成されていることを特徴とする遊技機C16。
遊技機C16によれば、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成しているので、複雑な回路や信号処理を用いることなく、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。また、積分回路に用いられる抵抗の抵抗値とコンデンサの容量値とを調整することで、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間を所定期間内で自由に調整することができる。
遊技機C9からC16のいずれかにおいて、前記入力期間調整手段は、前記出力期間制限手段である単安定マルチバイブレータへ入力する信号の最大電圧を一定化する定電圧手段を備えていることを特徴とする遊技機C17。
遊技機C17によれば、定電圧手段を設けているので、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にして、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、特定用出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めることができる。
また、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成している場合には、積分回路に用いるコンデンサに電荷が蓄えられ、この電荷による電圧が、出力期間制限手段へ入力される信号と重畳されて、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加される虞がある。しかし、遊技機C17によれば、定電圧手段により、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にしているので、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧は出力期間制限手段に印加されない。よって、出力期間制限手段の破壊を防止することができる。
遊技機C17において、前記定電圧手段は、ツェナーダイオードで構成されていることを特徴とする遊技機C18。
遊技機C18によれば、ツェナーダイオードにより定電圧手段を構成しているので、複雑な回路により構成される定電圧回路等と比較して、簡単な構成且つ安価に、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にすることができる。よって、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードを用いて、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、特定用出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めつつ、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加されることを防止することができる。
遊技機C1からC18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C19。
遊技機C1からC18のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機C20。
遊技機C1からC18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C21。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記検出結果を特定装置へ出力する出力手段を備え、その出力手段は、前記遊技機の電源がオンされて前記制御手段による制御が行われている場合に、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力し、前記遊技機の電源がオフされて前記制御手段による制御が行われていない場合にも、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力するように構成されていることを特徴とする遊技機C22。
遊技機C22によれば、遊技機の電源がオンされて制御手段の制御が行われている場合に、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、例えば、遊技機の電源がオンされている開店中に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には制御手段の制御が停止しているが、この場合においても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されたとしても、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。従って、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、1の出力手段により特定装置へ検出結果を出力して、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
遊技機C1、C6、C10からC12またはC19からC22のいずれかにおいて、前記出力手段から前記検出結果として出力される信号を生成する生成手段と、その生成手段に特定個所を介して前記遊技機の電源オン中に電力を供給するオン中供給手段と、前記特定個所へ前記遊技機の電源オフ中に電力を供給するオフ中供給手段とを備えていることを特徴とする遊技機C23。
遊技機C23によれば、遊技機の電源オン中は、生成手段の特定個所にオン中供給手段から電力が供給される一方、遊技機の電源オフ中は、生成手段の特定個所にオフ中供給手段から電力が供給される。つまり、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、生成手段へ電力が供給される。よって、生成手段は、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、出力手段から検出結果として出力される信号を生成することができる。
なお、遊技機C1〜C23においては、遊技機にはパチンコ機10が対応し、本体には外枠11が対応し、扉体には内枠12と前面枠14とが対応し、透明板支持扉には前面枠14が対応する。また、制御手段および主制御手段には主制御装置110が対応し、入力期間調整手段には積分回路281が対応し、出力手段の一部および第1出力手段の一部には内枠用枠開放検出回路290が対応し、出力手段の一部および特定用出力手段の一部には内枠用端子板出力回路290aが対応する。また、出力手段の一部および制御用出力手段の一部には内枠用入出力ポート出力回路290bが対応し、出力手段の一部、特定用出力手段の一部および第1出力手段の一部には内枠用外部出力端子板291が対応し、出力手段の一部および第2出力手段の一部には前面枠用枠開放検出回路292が対応し、出力手段の一部および特定用出力手段の一部には前面枠用端子板出力回路292aが対応する。また、出力手段の一部および制御用出力手段の一部には前面枠用入出力ポート出力回路292bが対応し、出力手段の一部、特定用出力手段の一部および第2出力手段の一部には前面枠用外部出力端子板293が対応し、オフ中動作手段にはコンデンサCD1が対応し、定電圧手段にはツェナーダイオードD3が対応する。また、電源手段には直流電源DC1が対応し、出力期間制限手段にはタイマIC1が対応し、出力手段の一部にはフォトカプラPR1が対応し、扉開放検出手段の一部および内枠用扉開放検出手段にはスイッチSW3が対応する。最後に、扉開放検出手段の一部および透明板用扉開放検出手段にはスイッチSW4が対応し、報知手段の一部には、S904,S908,S1111,S1113の処理が対応する。
なお、上記の遊技機A1〜A20と遊技機B1〜B20と遊技機C1〜C23とを適宜組み合わせた遊技機を実現することは、当然に可能であることは言うまでもない。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、遊技の制御に関する演算処理を行う演算手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段による前記扉体の開放検出を記憶する記憶手段と、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記演算手段の演算処理に基づきその開放検出を前記記憶手段に記憶させる記憶実行手段と、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段を所定期間立ち上げて、前記記憶実行手段による開放検出の記憶を実行可能にする立上手段とを備えていることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機の電源がオフされ演算手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、立上手段は、記憶手段、記憶実行手段および演算手段を所定期間立ち上げて、記憶実行手段による扉体の開放検出の記憶を実行可能にする。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放検出を、記憶実行手段により記憶手段に記憶させることができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を把握することができる。
なお、演算手段は、扉体と本体とにより形成される空間内に設けられるのが一般的である。更に言うと、扉体と本体とにより形成される空間内とは、扉体の閉鎖時に手を触れることができない扉体の背面または背面側(本体の背面側も含む)を示している。
遊技機D1において、前記遊技機の電源オン中に充填され、前記記憶手段、記憶実行手段、演算手段および立上手段をその充填された電力により動作可能にするオフ中動作手段を備えていることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機の電源オン中に充填されるオフ中動作手段を備えており、記憶手段、記憶実行手段、演算手段および立上手段は、そのオフ中動作手段に充填された電力によって動作する。よって、記憶手段、記憶実行手段、演算手段および立上手段を遊技機の電源オフ後であっても動作させることができる。
遊技機D1またはD2において、前記立上手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を第1動作期間に定める動作期間決定手段と、その動作期間決定手段により定められた第1動作期間が終了した場合に、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を第2動作期間まで延長する延長手段を備え、その延長手段により延長された第2動作期間と、前記動作期間決定手段により定められた第1動作期間との和を前記所定期間とするものであり、前記延長手段は、前記動作期間決定手段が消費する電力よりも少ない電力で前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段を動作可能に構成されていることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、動作期間決定手段により定められた第1動作期間が終了した場合には、即ち、第1動作期間が経過した場合には、延長手段によって記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を第2動作期間まで延長する。ここで、動作期間決定手段により定められた第1動作期間と延長手段により延長された第2動作期間との和を、立上手段が記憶手段、記憶実行手段および演算手段を立ち上げる所定期間としている。よって、所定期間のうち、オフ中動作手段に充填された電力が動作期間決定手段によって消費される期間を第1動作期間に留め、その後は、動作期間決定手段よりも消費電力の少ない延長手段によって、記憶手段、記憶実行手段および演算手段を動作させることができる。従って、オフ中動作手段充填された電力の消費を抑制し、記憶手段、記憶実行手段、演算手段および立上手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機D3において、前記動作期間決定手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記第1動作期間より短い期間で検出された場合には、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間である前記第1動作期間をその短い動作期間に定め、前記延長手段は、前記動作期間決定手段により定められた前記短い動作期間の終了後に、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を第2動作期間まで延長するものであり、前記延長手段により延長される第2動作期間は、前記記憶実行手段による開放検出の記憶が実行可能な期間に設定されていることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、扉開放検出手段により扉体の開放が第1動作期間よりも短い期間で検出された場合には、動作期間決定手段は、記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間をその短い動作期間とする。すると、動作期間決定手段により定められた短い動作期間の終了後に、延長手段は、記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を第2動作期間まで延長する。この第2動作期間は、記憶実行手段による扉体の開放検出の記憶を実行可能な期間に設定されている。よって、扉体の開放が短い期間のうちに行われたとしても、その扉体の開放検出を、記憶実行手段により確実に記憶手段に記憶させることができる。加えて、扉体の開放が短い期間のうちに行われた場合には、オフ中動作手段に充填された電力が動作期間決定手段によって消費される期間を短い期間に留めることができる。よって、オフ中動作手段に充填された電力の消費を抑制し、記憶手段、記憶実行手段、演算手段および立上手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機D3またはD4において、前記延長手段は、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間が前記動作期間決定手段により定められた第1動作期間内である場合には、前記オフ中動作手段により供給される電力により充填される一方、前記動作期間決定手段により定められた第1動作期間が終了した場合には、充填された電力を使用することで前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段に電力を供給して、その動作期間を第2動作期間まで延長するものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間が動作期間決定手段により定められる第1動作期間内である場合には、延長手段は、オフ中動作手段により供給される電力によって充填される。一方、動作期間決定手段により定められた第1動作期間が終了した場合には、延長手段は、充填された電力を使用することで記憶手段、記憶実行手段および演算手段に電力を供給する。この延長手段の電力供給により、記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間が第2動作期間まで延長される。このように、オフ中動作手段から延長手段への充填を確実に実行させることで、延長手段は、記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を確実に第2動作期間まで延長することができる。
遊技機D3からD5のいずれかにおいて、前記演算手段は、その演算手段の立ち上げを可能にする駆動電圧を入力する駆動電圧入力手段と前記演算処理を実行可能な状態にする動作信号を入力する動作信号入力手段とを備えており、前記立上手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記駆動電圧入力手段へ前記駆動電圧を供給する駆動電圧供給手段と、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記動作信号入力手段へ前記動作信号を出力する動作信号出力手段とを備え、前記延長手段により延長された第2動作期間中に、前記動作信号出力手段により出力される動作信号を停止して、その後に、前記駆動電圧供給手段により供給される駆動電圧を停止するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、扉開放検出手段により扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出されると、立上手段の動作信号出力手段から演算手段の動作信号入力手段へ動作信号が出力されると共に、立上手段の駆動電圧供給手段から演算手段の駆動電圧入力手段へ駆動電圧が供給される。そして、立上手段は、延長手段により延長された第2動作期間中に、まず、動作信号出力手段により出力される動作信号を停止して、その後に、駆動電圧供給手段により供給される駆動電圧を停止する。よって、演算手段は、まず、演算処理が実行不能な状態に設定されて、その後に、立ち下げられる。従って、扉開放検出手段により扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出され、立上手段により演算手段が所定期間立ち上げられたとしても、第2動作期間中に演算手段を立ち下げることができる。
遊技機D6において、前記演算手段は、前記駆動電圧入力手段に入力される駆動電圧が第1値以上である場合に立ち上げ可能に構成されており、前記動作信号出力手段は、前記延長手段に接続されており、前記延長手段により供給される電圧が前記第1値を超える第2値以上である場合には、その供給される電圧を前記動作信号として前記動作信号入力手段へ出力する一方、前記延長手段により供給される電圧が前記第1値を超える第2値未満となった場合には、前記動作信号入力手段へ出力する動作信号を停止するものであり、前記駆動電圧供給手段は、前記延長手段に接続されており、前記延長手段により供給される電圧に拘らず、その供給された電圧を前記駆動電圧として前記駆動電圧入力手段へ出力するものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、動作信号出力手段と駆動電圧供給手段とは共に、延長手段に接続されている。立上手段の動作信号出力手段は、延長手段により供給される電圧が第1値を超える第2値以上である場合には、その供給される電圧を動作信号として、演算手段の動作信号出力手段へ出力する。一方、立上手段の動作信号出力手段は、延長手段により供給される電圧が第2値未満である場合には、演算手段の動作信号出力手段へ出力する動作信号を停止する。この動作信号出力手段の動作と異なり、駆動電圧供給手段は、延長手段により供給される電圧に拘らず、その供給された電圧を駆動電圧として、演算手段の駆動電圧入力手段へ出力する。つまり、延長手段により供給される電圧が第2値未満となった場合でも、駆動電圧供給手段は、その供給された電圧を駆動電圧として、演算手段の駆動電圧入力手段へ出力し続ける。ここで、演算手段は、駆動電圧入力手段に入力される駆動電圧が第1値以上である場合には、立ち上げ可能(動作可能)に構成されている。よって、立上手段の駆動電圧供給手段から演算手段の駆動電圧入力手段へ供給される駆動電圧が、第2値未満となっても、第1値以上であれば、演算手段を立ち上げ続けることができる(動作させ続けることができる)。これにより、演算手段は、まず、演算処理が実行不能な状態に設定されて、その後に、立ち下げられる。従って、扉開放検出手段により扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出され、立上手段により演算手段が所定期間立ち上げられたとしても、第2期間中に演算手段を立ち下げることができる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、遊技の制御に関する演算処理を実行する演算手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段による前記扉体の開放検出を前記遊技機の電源オフ中も保持可能な記憶手段と、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記記憶手段および演算手段を所定期間内立ち上げる立上手段と、その立上手段に電力を供給するオフ中動作手段とを備え、前記演算手段が実行する演算処理は、前記立上手段により演算手段が所定期間内立ち上げられた場合に、前記扉体の開放検出を前記記憶手段に保持させる記憶実行処理を備えていることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機の電源がオフされ演算手段が終了した状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、オフ中動作手段により供給される電力によって、立上手段は、記憶手段および演算手段を所定期間内立ち上げる。そして、所定期間内立ち上げられた演算手段は、記憶実行処理を実行して、扉体の開放検出を記憶手段に保持させる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為により扉体が開放されても、その扉体の開放検出を、演算手段が実行する記憶実行処理によって記憶手段に保持させることができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を把握することができる。
遊技機E1において、前記演算手段が実行する演算処理は、立ち上げられた前記演算手段を終了させる終了処理を備え、その終了処理および前記記憶実行処理は、前記立上手段により演算手段が立ち上げられる所定期間内で処理を完了するように構成されていることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出され、立上手段により演算手段が立ち上げられたとしても、演算手段は、記憶実行処理および終了処理を所定期間内で実行完了することができる。よって、遊技機の電源オフ中に扉体が開放されても、その扉体の開放検出を、記憶実行処理によって記憶手段に保持させることができる上に、所定期間内立ち上げられた演算手段を終了処理によって終了させることができる。
遊技機E1またはE2において、前記扉開放検出手段による前記扉体の開放検出を示す検出信号を受信する検出信号受信手段を備え、前記立上手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記検出信号受信手段へ検出信号を出力する検出信号出力手段を備え、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合には、前記記憶手段と前記演算手段と前記検出信号出力手段と前記検出信号受信手段とを所定期間内立ち上げるものであり、前記演算手段は、前記検出信号受信手段により前記検出信号が受信された場合に、前記記憶実行処理を実行するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出されると、立上手段は、記憶手段と演算手段と検出信号を出力する検出信号出力手段と検出信号を受信する検出信号受信手段とを所定期間内立ち上げる。そして、演算手段は、検出信号出力手段から出力された検出信号が検出信号受信手段によって受信された場合に、記憶実行処理を実行して扉体の開放検出を記憶手段に保持させる。つまり、演算手段は、立上手段により所定期間内立ち上げられた上で、検出信号受信手段が検出信号を受信した場合に、初めて、記憶実行処理を実行する。よって、遊技機の電源オフ中に扉体の開放が確実に行われた場合に、初めて、演算手段による記憶実行処理を実行させることができる。
遊技機E1またはE2において、前記演算手段の動作期間を計時する計時手段を備え、前記立上手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合には、前記記憶手段と前記演算手段と前記計時手段とを所定期間内立ち上げるものであり、前記演算手段は、前記計時手段によって計時した動作期間が予め定められた第2期間内であるにも拘らず前記終了処理を実行した場合には、前記遊技機の電源オフ中に前記扉体の開放が行われたとして前記記憶実行処理を実行するものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出されると、立上手段は、記憶手段、演算手段および演算手段の動作期間を計時する計時手段を所定期間内立ち上げる。演算手段は、計時手段によって計時した動作期間が予め定められた第2期間内であるにも拘らず終了処理を実行した場合には、遊技機の電源オフ中に扉体の開放が行われたとして記憶実行処理を実行する。つまり、演算手段は、立上手段により所定期間内立ち上げられた上で、第2期間内で終了処理を実行した場合に、初めて、記憶実行処理を実行する。よって、計時手段が計時する動作期間により遊技機の電源オフ中に扉体の開放が確実に行われたとされた場合に、初めて、演算手段による記憶実行処理を実行させることができる。
遊技機E3またはE4において、遊技機の電源オフ後もデータを保持可能なバックアップ手段を備え、前記演算手段が実行する演算処理は、前記バックアップ手段に保持されたデータが有効か否かを判定する判定処理と、その判定処理により有効と判定された場合に、前記バックアップ手段に保持されたデータを使用して電源オフ前の状態に復帰させる復帰処理と、前記判定処理により否有効と判定された場合に、前記バックアップ手段に保持されたデータを初期化する初期化処理とを備え、前記検出信号受信手段による検出信号の受信開始または前記計時手段による動作期間の計時開始は、前記復帰処理または初期化処理のいずれかの処理の実行直後に行われることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出され、立上手段により演算手段が所定期間内立ち上げられた場合には、復帰処理後または初期化処理後、直ちに、即ち、演算手段の各種設定が完了すると直ちに、検出信号受信手段による検出信号の受信開始または計時手段による動作期間の計時開始が行われる。よって、遊技機の電源オフ中に扉体の開放が行われた場合には、その扉体の開放を直ちに検出することができる。
遊技機E5において、前記記憶実行処理により前記扉体の開放検出が前記記憶手段に保持されている場合に報知を行う報知手段を備え、その報知手段は、前記遊技機の電源がオンされた場合には、立ち上げが行われる一方、前記遊技機の電源オフ中に、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合でも、前記立上手段による立ち上げが不実行とされるものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、報知手段は、遊技機の電源がオンされた場合には立ち上げが行われ、記憶手段に扉体の開放検出が保持されていれば、報知を行う。一方、報知手段は、遊技機の電源オフ中に、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されたとしても、立上手段による立ち上げが不実行とされる(立上手段によっても立ち上げられることはない)。つまり、報知手段は、遊技機の電源がオンされた場合には立ち上げが行われるが、遊技機の電源オフ中に、扉開放検出手段により扉体の開放が検出され、立上手段により演算手段が所定期間内立ち上げられたとしても、立上手段による立ち上げは行われない。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、不正行為者により扉体が開放され、その扉体の開放検出を記憶実行処理によって記憶手段に保持させたとしても、報知手段による報知が行われることはない。従って、遊技機の電源がオフ中に扉体の開放が行われたことを、不正行為者に悟られることなく、記憶手段に保持させることができる。また、遊技機の電源がオンされ、扉体の開放検出が記憶手段に保持されていれば、報知手段により報知を行うので、遊技機の電源オフ中に扉体の開放が行われた遊技機を特定することができる。
遊技機E6において、前記記憶実行処理により前記記憶手段に保持された前記扉体の開放検出を消去可能な状態に設定する消去手段を備え、前記記憶手段に保持された前記扉体の開放検出は、前記消去手段により前記開放検出が消去可能な状態に設定されると共に、前記遊技機の電源がオンされて前記演算手段が立ち上げられた場合に消去が実行されるものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、記憶手段に保持された扉体の開放検出は、扉体の開放検出が消去手段により消去可能な状態に設定されると共に、遊技機の電源がオンされて演算手段が立ち上げられた場合に消去が行われる。つまり、第1に、扉体の開放検出を消去手段により消去可能な状態に設定し、第2に、遊技機の電源をオンして演算手段を立ち上げた場合に、初めて、記憶手段に保持された扉体の開放検出が消去される。よって、一度、扉体の開放検出が記憶手段に保持されると、上記の手順を踏まなければ、扉体の開放検出を記憶手段から消去することができない。従って、扉体の開放検出が記憶手段に保持された場合には、不正行為者による扉体の開放検出の消去を困難にすることができる。
遊技機E1からE7のいずれかにおいて、前記演算手段の演算処理に基づき所定の信号を特定装置へ出力する出力手段を備え、前記立上手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合には、前記出力手段を所定期間内立ち上げるものであり、前記演算手段が実行する演算処理は、前記記憶実行処理により前記扉体の開放検出が記憶手段に保持されている場合に、その扉体の開放検出を所定の信号として出力手段に出力させる出力処理を備え、その出力処理は、前記立上手段により演算手段が立ち上げられる所定期間内で処理を完了するように構成されていることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出されると、立上手段は、記憶手段および演算手段に加え、出力手段を所定期間内立ち上げる。そして、所定期間内立ち上げられた演算手段は、出力処理を実行して、扉体の開放検出を所定の信号として出力手段に出力させる。ここで、この所定の信号は、特定装置へ出力される。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別することができる。
なお、複数の遊技機毎に設けられた出力手段から出力される所定の信号を1の特定装置で受信しても良いし、遊技機毎に特定装置を設け、その特定装置を各遊技機に配設しても良い。特定装置を各遊技機に配設する場合には、ボックスベースと、そのボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを互いに連結させて、そのボックスカバーとボックスベースとにより形成される空間内に特定装置を収納する。そして、ボックスカバーとボックスベースとを封印ユニットにより開封不能に連結する。更に、ボックスカバーとボックスベースとの連結部には、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シールを貼着する。その上で、扉体の背面または背面側に特定装置を配設すれば良い。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、遊技の制御に関する演算処理を行う演算手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記演算手段を所定期間立ち上げる演算立上手段とを備えていることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機の電源がオフされ演算手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、演算立上手段は、演算手段を所定期間立ち上げる。よって、所定時間立ち上げられた演算手段を、例えば、扉体の開放検出を記憶させるために利用したり、扉体の開放検出を特定の装置(特定装置)へ出力させるために利用することができる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、遊技の制御に関する演算処理を行う演算手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記演算手段を所定期間立ち上げる演算立上手段と、その演算立上手段により立ち上げられた演算手段の演算処理に基づき前記扉体の開放検出を特定装置へ出力する出力手段とを備えていることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機の電源がオフされ演算手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、演算立上手段により演算手段が所定期間立ち上げられる。そして、この立ち上げられた演算手段の演算処理に基づき、出力手段は扉体の開放検出を特定装置へ出力する。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放検出を特定装置へ出力することができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を把握することができる。
なお、上記の遊技機D1〜D7と遊技機E1〜E8と遊技機F1と遊技機G1とを適宜組み合わせた遊技機を実現することは、当然に可能であることは言うまでもない。
また、上記の遊技機D1〜D7と遊技機E1〜E8と遊技機F1と遊技機G1において、遊技機にはパチンコ機10xが対応し、本体には外枠11xが対応し、扉体には内枠12と前面枠14とが対応する。また、演算手段には主制御装置110xが対応し、駆動電圧入力手段および動作信号入力手段にはMPU201xが対応し、バックアップ手段にはRAM203xが対応する。また、記憶手段にはRAM203xおよびオフ中枠開放フラグ203axが対応し、立上手段、駆動電圧供給手段、動作信号出力手段および検出信号出力手段には枠開放検出回路260xが対応し、オフ中動作手段にはコンデンサCD1xが対応する。また、延長手段にはコンデンサCD4xが対応し、動作期間決定手段にはタイマIC1xが対応し、記憶実行手段および記憶実行処理にはS112xおよびS226xの処理が対応する。また、扉開放検出手段にはスイッチSW1xとスイッチSW2xとが対応し、消去手段にはRAM消去スイッチ122xが対応し、計時手段には電源オンカウンタ203cxが対応する。また、検出信号受信手段および出力手段には入出力ポート205xが対応し、報知手段には、音声出力装置226xとランプ表示装置227xが対応し、判定処理にはS107xの処理が対応する。最後に、復帰処理にはS108xの処理が対応し、初期化処理にはS116xの処理が対応し、出力処理にはS206xが対応し、終了処理にはS221x〜S224xの処理が対応する。
10 パチンコ機(遊技機)
11 外枠(本体)
12 内枠(扉体の一部)
14 前面枠(透明板支持扉,扉体の一部)
110 主制御装置(制御手段の一部,主制御手段)
281 積分回路(入力期間調整手段)
290 内枠用枠開放検出回路(出力手段の一部、第1出力手段の一部)
290a 内枠用端子板出力回路(出力手段の一部、特定用出力手段の一部)
290b 内枠用入出力ポート出力回路(出力手段の一部、制御用出力手段の一部)
291 内枠用外部出力端子板(出力手段の一部、特定用出力手段の一部、第1出力手段の一部)
292 前面枠用枠開放検出回路(出力手段の一部、第2出力手段の一部)
292a 前面枠用端子板出力回路(出力手段の一部、特定用出力手段の一部)
292b 前面枠用入出力ポート出力回路(出力手段の一部、制御用出力手段の一部)
293 前面枠用外部出力端子板(出力手段の一部、特定用出力手段の一部、第2出力手段の一部)
CD1 コンデンサ(オフ中動作手段)
D1 ダイオード
D3 ツェナーダイオード(定電圧手段)
DC1 直流電源(電源手段)
IC1 タイマ(出力期間制限手段)
PR1 フォトカプラ(出力手段の一部)
SW3 スイッチ(扉開放検出手段の一部、内枠用扉開放検出手段)
SW4 スイッチ(扉開放検出手段の一部、透明板用扉開放検出手段)
S904,S908 扉開放報知処理(報知手段の一部)
S1111,S1113 外部割込み処理(報知手段の一部)
本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機では、例えば、遊技領域に打ち込まれた球が図柄作動口へ入球すると、その入球のタイミングで抽選が行われる。また、スロットマシンや遊技球を使用した回胴式遊技機では、スタートレバーを操作すると、その操作したタイミングで抽選が行われる。抽選の結果、例えば当たりになると、賞球やコインの払い出しが可能な状態となる。この抽選および当たりを決定するための制御は、主制御装置によって行われるので、主制御装置が不正行為の対象になり易い。
具体的な不正行為としては、例えば、主制御装置を、当たりが頻繁に発生する不正なものに取り替えたり、或いは、主制御装置に不正な基板(例えば「ぶら下げ基板」)を接続して、当たりを不正に発生させるものなどがある。また、パチンコ機の場合、遊技盤面上に打ち込まれている釘を不正に曲げて、入賞口や図柄作動口へ球が入球し易くする不正行為等もある。
パチンコ機の場合、不正行為者が遊技盤面や主制御装置等に対して不正行為を行う場合には、内枠またはガラス枠を開放しなければならないが、内枠またはガラス枠が開放された場合には、その開放がセンサによって検出され、所定の報知が行われるので、不正行為を把握することができる。
しかしながら、遊技場の閉店後等の例えば深夜に、不正行為者が侵入し、その侵入者が内枠またはガラス枠等を開放して不正行為を行った場合、そのときにはパチンコ機の電源は断されており、パチンコ機は停止しているので、内枠またはガラス枠の開放を検知することができないという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放が行われた場合に、その開放を把握可能とすることができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、本体と、その本体に対して開閉可能な扉体と、遊技の制御を行う制御手段とを備えたものであり、その遊技機の電源がオフされている場合に電力を供給するオフ中動作手段と、前記扉体の開閉を検出する扉開閉検出手段と、その扉開閉検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記オフ中動作手段から供給される電荷を蓄える蓄電手段と、その蓄電手段に蓄えられた電荷が放電されている状態において、前記扉体の開放が検出されて前記蓄電手段に電荷が蓄えられることに基づいて扉開放信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される扉開放信号に基づいて、前記扉開閉検出手段による前記扉体の開放の検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、前記扉開閉検出手段により前記扉体の閉鎖が検出された場合に、前記蓄電手段をグランドに接続して前記蓄電手段に蓄えられた電荷を放電し、再度、前記信号出力手段を動作可能にする放電手段とを備え、前記オフ中動作手段は、前記出力期間制限手段と前記出力手段とに、前記遊技機の電源がオフされている場合に、電力を供給して動作させるように構成されている。
請求項1記載の遊技機によれば、扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できるという効果がある。
パチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
内枠と前面枠と下皿ユニットとが開放された状態におけるパチンコ機の斜視図である。
スイッチの構造を示した図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
枠開放検出回路及び外部出力端子板の電気的構成を示したブロック図である。
内枠の状態、前面枠の状態、タイマのTRG端子電圧、タイマのOUT端子電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
各種カウンタの概要を示す図である。
主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
メイン処理の中で実行される変動処理を示すフローチャートである。
変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。
タイマ割込処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
NMI割込処理を示すフローチャートである。
第2実施形態の枠開放検出回路の電気的構成を示したブロック図である。
内枠12の状態、前面枠14の状態、第2実施形態の枠開放検出回路のAの電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。
第3実施形態の枠開放検出回路の電気的構成を示したブロック図である。
内枠の状態、前面枠の状態、第3実施形態のタイマのTRG端子電圧、第3実施形態のタイマのOUT端子電圧および外部出力端子板の出力の関係を示したタイミングチャートである。
内枠と前面枠と下皿ユニットとが開放された状態における第4実施形態のパチンコ機の斜視図である。
第4実施形態のパチンコ機に用いられるスイッチSW3の断面図である。
第4実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
内枠用枠開放検出回路および内枠用外部出力端子板の電気的構成を示したブロック図である。
第4実施形態のパチンコ機の電源の状態、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の状態、タイマのTRG端子電圧、タイマのOUT端子電圧、内枠用外部出力端子板の出力、並びに内枠用入出力ポート出力回路の出力の関係を示したタイミングチャートである。
第4実施形態の主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第4実施形態の表示制御装置内のMPUにより実行される外部割込み処理を示したフローチャートである。
第5実施形態のパチンコ機に用いられるスイッチSW3Aの断面図である。
第5実施形態のパチンコ機に用いられる内枠用枠開放検出回路および内枠用外部出力端子板の電気的構成を示したブロック図である。
第5実施形態のパチンコ機の電源の状態、内枠の状態、スイッチSW3−3の状態、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の状態、コンデンサCD7に印加される電圧、タイマのTRG端子電圧、タイマのOUT端子電圧、内枠用外部出力端子板の出力、並びに内枠用入出力ポート出力回路の出力の関係を示したタイミングチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の正面図である。
第6実施形態のパチンコ機の遊技盤の正面図である。
第6実施形態のパチンコ機の背面図である。
内枠と前面枠と下皿ユニットとが開放された状態における第6実施形態のパチンコ機の斜視図である。
第6実施形態のスイッチの構造を示した図である。
第6実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
第6実施形態の枠開放検出回路の電気的構成を示した回路図である。
第6実施形態のパチンコ機の内枠の状態、前面枠の状態、タイマのTRG端子の電圧、タイマのOUT端子の電圧、コンデンサCD4xの電圧、枠開放検知回路の電源出力端子の電圧、枠開放検知回路のリセット信号出力端子の電圧および枠開放検知回路の電断信号出力端子の電圧の関係を示したタイミングチャートである。
(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第6実施形態のパチンコ機の各種カウンタの概要を示す図である。
第6実施形態のパチンコ機の主制御装置110x内のMPU201xにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機のメイン処理の中で実行される変動処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機のNMI割込処理を示すフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第6実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置のMPUにより実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。
第7実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第7実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
第7実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
第8実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
第8実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第9実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
第9実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第9実施形態のパチンコ機の主制御装置内のMPUで実行される扉コマンド送信処理を示したフローチャートである。
第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置内のMPUで実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置内のMPUで実行される外部割込み処理を示したフローチャートである。
第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置内のMPUで実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10が確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。更に、本実施の形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施の形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の内部構成について説明する。図4は、内枠12と前面枠14と下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図である。
パチンコ機10には、その外殻を形成する外枠11が設けられ、この外枠11に対して内枠12が開閉可能に支持される。遊技場においては、外枠11の外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠12、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠11に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11に対して内枠12等を前面側に開放して行われる。
外枠11には、内枠12を支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製の上ヒンジ(図示せず)および下ヒンジ(図示せず)が取り付けられている。この上ヒンジおよび下ヒンジが設けられた側を開閉の軸として内枠12は開閉可能に支持される。
内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース55を主体に構成されており、内枠ベース55の中央部には略円形状の中央窓55aが形成されている。内枠ベース55の裏面側には遊技盤13の取付部が設けられ、遊技盤13が着脱可能に装着される。
内枠ベース55の中央窓55aの下側は、前面側が開放した凹状に窪んで形成されており、その奥側には、平面状の取付面52bが形成されている。取付面52bには、球を遊技盤13の前面に発射するための発射ユニット140や、上皿17および下皿50に球を排出する通路を形成する通路形成部材54等が取り付けられる。
外枠11と内枠12との間には、内枠12の開放および閉鎖を検出するスイッチSW1(SW1a,SW1b)が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検出するスイッチSW2(SW2a,SW2b)が設けられている。スイッチSW1は、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aと、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bとから構成される。また、スイッチSW2は、内枠12の前面枠14と対向する面に配設された雌型スイッチSW2aと、前面枠14の内枠12と対向する面に配設された雄型スイッチSW2bとから構成される。
ここで、図5を参照して、スイッチSW1およびスイッチSW2の構造について説明する。なお、スイッチSW1とスイッチSW2とは同一の構造であるので、スイッチSW1についてその構造を説明し、スイッチSW2についてはその説明を省略する。
図5は、スイッチSW1の構造を示した図である。図5(a)は、内枠12が閉鎖された状態におけるスイッチSW1の状態(遮断状態)を示した図である。また、図5(b)は、内枠12が開放された状態におけるスイッチSW1の状態(導通状態)を示した図である。
図5(a)に示すように、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aには、導電部材である金属から構成される一対の端子対SW1cが内蔵されている。内枠12が閉鎖された状態においては、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aに、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが内挿される状態となり、端子対SW1c同士の接触が妨げられる。よって、内枠12が閉鎖された状態においては、スイッチSW1は導通が遮断された状態となる。
一方、図5(b)に示すように、内枠12が開放された状態においては、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aから、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが引き抜かれた状態となる。雌型スイッチSW1aに内蔵される端子対SW1cは、互いに対向する方向に付勢力が発生する構造であるため、雄型スイッチSW1bが雌型スイッチSW1aから引き抜かれた状態では、端子対SW1c同士が接触する。よって、内枠12が開放された状態においては、スイッチSW1は導通された状態となる。
このように、スイッチSW1は、内枠12が閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では導通状態となる。ただし、スイッチSW1の構造は、図5に記載した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された状態では、スイッチSW1が遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では、スイッチSW1が導通状態となる構造であれば良い。これは、スイッチSW2の構造についても同様である。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図11参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82や、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続されている。
また、主制御装置110には、スイッチSW1が導通することにより内枠12の開放を検出すると共に、スイッチSW2が導通することにより前面枠14の開放を検出する枠開放検出回路260が設けられている。枠開放検出回路260には、内枠12の開放を検出するスイッチSW1と、前面枠14の開放を検出するスイッチSW2と、ホールコンピュータ262と接続可能に構成された外部出力端子板261とが接続されている。なお、スイッチSW1およびスイッチSW2と枠開放検出回路260との接続、並びに枠開放検出回路260と外部出力端子板261との接続には、信号の入出力を行う入出力部(入出力ポート205とは異なる入出力ポート、図示せず)を介して接続が行われている。枠開放検出回路260は、スイッチSW1が導通して内枠12の開放を検出すると、または、スイッチSW2が導通して前面枠14の開放を検出すると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。外部出力端子板261から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。
なお、枠開放検出回路260は、主制御装置110のMPU201や入出力ポート205(MPU201の入出力ポート)と非接続に構成されている。よって、この枠開放検出回路260を、主制御装置110以外の他の装置(回路基板)に搭載するように構成しても良い。例えば、MPUやCPUなどの演算装置の搭載されない装置(回路基板)上に搭載しても良いし、枠開放検出回路260の専用基板を設けて、そこに搭載するようにしても良い。より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、枠開放検出回路260を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付しても良い。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図17参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226やランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータを記憶したメモリである。ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM234の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図17参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図7を参照して、枠開放検出回路260および外部出力端子板261を説明する。図7は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7では、まず枠開放検出回路260を説明し、次に外部出力端子板261を説明する。
内枠12の開放または前面枠14の開放を検出する枠開放検出回路260は、12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1と、ダイオードD1と、コンデンサCD1〜CD5と、抵抗R1〜R4と、C−MOSタイマであるタイマIC1(ナショナルセミコンダクタ社製LMC555)と、内部抵抗R5および内部抵抗R6が設けられたトランジスタTR1とを主に有している。
スイッチSW1が導通することにより内枠12の開放を検出すると共に、スイッチSW2が導通することにより前面枠14の開放を検出するために、枠開放検出回路260は、上記の部品が図7に示すブロック図に従って接続される。なお、スイッチSW1とスイッチSW2とは並列接続された上で枠開放検出回路260に接続されているので、いずれか一方のスイッチが導通すれば、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。
直流電源DC1は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ12ボルトの直流電圧を供給する電源である。直流電源DC1への電力(電源)は、電源装置115に設けられた電源部251から図示しない電源経路を通じて供給される。この直流電源DC1は、ダイオードD1のアノード端子と接続される。ダイオードD1のカソード端子には0.1F(ファラッド)のコンデンサCD1の一端が接続されている。そして、コンデンサCD1の他端はグランドされている。また、コンデンサCD1の一端は、スイッチSW1の一端と、スイッチSW2の一端と、タイマIC1のVDD端子およびRES端子と接続されている。
コンデンサCD1は、パチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する充電池の機能を発揮する部品である。
これは、コンデンサCD1は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には、コンデンサCD1の容量0.1F(ファラッド)とコンデンサCD1に印加された直流電圧(直流電源DC1から供給される12ボルトからダイオードD1での電圧降下約0.7ボルトを引いた約11.3ボルト)との積により求まる電荷を蓄える。
一方、コンデンサCD1は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、コンデンサCD1に蓄えられた電荷に基づく直流電圧(約11.3ボルト)を枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ供給する。
よって、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、コンデンサCD1により供給される直流電圧によって動作して、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。なお、本実施形態においては、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する部品として、コンデンサCD1を使用した。しかし、これに限られるものではなく、コンデンサCD1を、より蓄電量の多い二次電池(充電池)や、充電の必要のない一次電池としても良い。
また、コンデンサCD1の一端には、ダイオードD1のカソード端子が接続されており、このダイオードD1が電流の逆流防止機能を果たしているので、コンデンサCD1から枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電圧(約11.3ボルト)が供給されている場合でも、その直流電圧が直流電源DC1に印加されることはなく、直流電源DC1が損傷することはない。
タイマIC1は、C−MOSタイマであり、100kΩの抵抗R1〜R2と、0.1μFのコンデンサCD3〜CD5との接続によって、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10m秒の間通電する回路として機能する。
このタイマIC1の動作電圧範囲は、主制御装置110に搭載されるMPU201、払出制御装置111に搭載されるMPU211、音声ランプ制御装置113に搭載されるMPU221および表示制御装置114に搭載されるMPU231の各動作電圧範囲よりも広範囲に設定されている。具体的には、タイマIC1の動作電圧範囲は、約1.5ボルトから約12.0ボルトであるのに対し、MPU201,211,221,231の各動作電圧範囲は、約4.5ボルトから約5.5ボルト(なお、本実施形態の各動作電圧は約5.0ボルト)である。よって、タイマIC1は、MPU201,211,221,231の各動作電圧よりも低い電圧で動作できる。従って、コンデンサCD1に蓄えられた電荷が少なくなり、コンデンサCD1により供給される電圧が約4.5ボルト未満に低下したとしても、タイマIC1は、十分に動作することができる。また、タイマIC1は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合、即ち、コンデンサCD1により直流電圧が供給されている場合と、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合とで兼用している。よって、当然に、タイマIC1は、パチンコ機10への電源供給が行われている場合に枠開放検出回路260へ供給される直流電圧12ボルト以下で動作可能である。更に、タイマIC1は、C−MOS半導体で構成されるタイマであるので、動作時の消費電力を抑制し、長時間の動作が可能である。
このタイマIC1のVDD端子は、タイマIC1に供給された直流電圧を入力する端子であり、コンデンサCD1の一端と接続されている。また、タイマIC1のVDD端子は、0.1μFのコンデンサCD4の一端と接続され、このコンデンサCD4の他端は、グランドされたタイマIC1のGND端子と接続されている。このコンデンサCD4によって、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通または遮断された際に(内枠12および前面枠14が開放または閉鎖された際に)、タイマIC1のVDD端子に発生するノイズを低減している。
タイマIC1のRES端子は、RES端子にパルス信号が入力された場合に、OUT端子から出力されている電圧を強制的に出力停止状態(ゼロボルト)にするリセット機能を作動させるための端子である。ただし、本枠開放検出回路260では、このリセット機能を使用しないので、タイマIC1のRES端子をコンデンサCD1の一端に接続して、リセット機能が作動しないようにしている。なお、タイマIC1のVDD端子およびタイマIC1のRES端子は、上述の通り、コンデンサCD1の一端と接続されているので、タイマIC1のVDD端子およびRES端子には、約11.3ボルトの直流電圧が印加される。
タイマIC1のTRG端子は、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には(内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合には)、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を約10.6ボルトに設定し、一方、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態となった場合には(内枠12又は前面枠14のいずれか一方、または内枠12および前面枠14の両方が開放状態となった場合には)、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を約10m秒後に約10.6ボルトからゼロボルトに設定するための端子である。タイマIC1のTRG端子は、抵抗R2の一端、コンデンサCD5の一端、スイッチSW1の他端、スイッチSW2の他端、抵抗R1の一端および外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。なお、抵抗R2の他端およびコンデンサCD5の他端は、グランドされている。
タイマIC1のTRG端子に接続される抵抗R2は、内枠12および前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態(図5(b)参照)となったときに、タイマIC1のTRG端子に直流電圧(約11.3ボルト)を印加するための抵抗である。また、このコンデンサCD5は、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通または遮断された際に(内枠12および前面枠14が開放または閉鎖された際に)、抵抗R2に発生するノイズを低減するためのコンデンサである。
上記の接続により、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態にあるときには(内枠12および前面枠14が閉鎖状態にあるときには)、抵抗R2およびコンデンサCD5に電圧が供給されないので、抵抗R2およびコンデンサCD5に印加される電圧は(タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は)、ゼロボルトとなる。このとき、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は約10.6ボルトとなる。
一方、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態にあるときには(内枠12又は前面枠14のいずれか一方、または内枠12および前面枠14の両方が開放状態にあるときには)、抵抗R2およびコンデンサCD5に電圧が供給されるので、抵抗R2およびコンデンサCD5に印加される電圧は(タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は)、コンデンサCD1の一端に印加される電圧と同じ約11.3ボルトとなる。このとき、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は、スイッチSW1又はスイッチSW2のいずれか一方、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態となってから約10m秒の間は約10.6ボルトとなり、その後、ゼロボルトとなる。
このように、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧により、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を、約10.6ボルトかゼロボルトかのいずれか一方に設定することができる。なお、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され(内枠12または前面枠14が開放され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R2に印加される電圧)がゼロボルトから約11.3ボルトに変化すると、上述の通り、その電圧の立ち上がりから約10m秒遅れて、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに立ち下がる。そして、詳細は後述するが、このタイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R2に印加される電圧)の立ち上がりと、タイマIC1のOUT端子から出力されている電圧の立ち下がりとの時間差(約10m秒)によって、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10m秒だけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が約10m秒の間だけ通電される。
タイマIC1のOUT端子は、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断され(内枠12および前面枠14が閉鎖され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトになると、約10.6ボルトの電圧を出力し、一方、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され(内枠12または前面枠14が開放され)、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が約11.3ボルトに立ち上がると、その立ち上がりから約10m秒遅れて、出力している約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに設定する端子である。このOUT端子は、10kΩの抵抗R3の一端と接続される。この抵抗R3の他端は、コンデンサCD2の一端および10kΩの抵抗R4の一端と接続されており、コンデンサCD2の他端および抵抗R4の他端は、グランドされている。
抵抗R3および抵抗R4は、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧を分圧するための分圧抵抗である。よって、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧は、抵抗R3の抵抗値と抵抗R4の抵抗値との比に応じて、抵抗R3と抵抗R4とに分圧される。抵抗R3と抵抗R4とは共に10kΩであるので、タイマIC1のOUT端子から出力される約10.6ボルトの電圧は、抵抗R3と抵抗R4とにより、それぞれ最大値約5.3ボルトずつに分圧される。
抵抗R4に並列に接続される10μFのコンデンサCD2は、抵抗R4に印加される電圧を安定化させるためのコンデンサである。このコンデンサCD2の一端は、抵抗R4の一端と接続され、コンデンサCD2の他端は、抵抗R4の他端と接続されて、グランドされている。このコンデンサCD2により、抵抗R4に印加される電圧を安定化させることで、トランジスタTR1のベース端子bとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間に印加されるバイアス電圧を安定化させて、トランジスタTR1の動作を安定化させることができる。
トランジスタTR1は、抵抗R4に印加される電圧に基づいて、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間を、導通または遮断のいずれか一方に切り換えるスイッチング素子である。トランジスタTR1には、10kΩの内部抵抗R5が設けられている。この内部抵抗R5の一端には、抵抗R4の一端が接続され、内部抵抗R5の他端には、ベース端子bが接続されている。また、トランジスタTR1には、10kΩの内部抵抗R6が設けられている。この内部抵抗R6の一端には、内部抵抗R5の他端が接続され、内部抵抗R6の他端には、エミッタ端子eが接続されている。
よって、タイマIC1のOUT端子から約10.6ボルトの電圧が出力されている場合には(内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合、ならびに、内枠12または前面枠14が開放されてから約10m秒内である場合には)、その電圧が抵抗R3と抵抗R4で分圧され、抵抗R4に印加された電圧(約5.3ボルト)が、トランジスタTR1の内部抵抗R5の一端とトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間に印加される。これにより、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通される。このとき、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態(内枠12または前面枠14が開放状態)であれば、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに切り換わるまで、即ち、内枠12または前面枠14が開放されてから約10m秒の間、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給される。抵抗R7の一端に電流が供給されれば、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10m秒の間、通電し、ホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力することができる。ただし、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには、コンデンサCD1の一端と外部出力端子板261に設けられた抵抗R7との接続が遮断される。よって、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電されず、ホールコンピュータ262へパルス信号は出力されない。
一方、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトの場合には(内枠12または前面枠14が開放されてから約10m秒が経過した場合)、抵抗R4に電圧が印加されないので、トランジスタTR1の内部抵抗R5の一端とトランジスタTR1のエミッタ端子eとの間にも電圧が印加されない。これにより、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が遮断される。よって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態(内枠12または前面枠14が開放状態)であっても、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電されず、ホールコンピュータ262へパルス信号は出力されない。
このように、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ約10m秒の間だけ通電することができる。よって、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ約10m秒のパルス幅のパルス信号を出力することができる。
タイマIC1のTH端子は、TH端子に印加される電圧を計測する端子であり、抵抗R1の他端と、コンデンサCD3の一端と、タイマIC1のDCH端子とに接続されている。タイマIC1のDCH端子は、タイマIC1のTH端子に印加された電圧がタイマIC1のVDD端子に入力される直流電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧(約7.5ボルト)となった場合に、DCH端子のインピーダンスを無限大の状態からゼロの状態に切り換える端子である。DCH端子のインピーダンスがゼロの状態(グランド状態)となると、コンデンサCD3へ電圧が印加できない状態となる。一方、DCH端子のインピーダンスが無限大の状態となると、コンデンサCD3に電圧が印加可能な状態となる。
タイマIC1のTH端子およびタイマIC1のDCH端子に接続される抵抗R1およびコンデンサCD3は、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3との積である時定数に基づいて、内枠12または前面枠14が開放された場合に、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間を約10m秒に決定するための部品である。抵抗R1の一端は、スイッチSW1の他端、スイッチSW2の他端および外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。また、抵抗R1の他端は、タイマIC1のTH端子と、タイマIC1のDCH端子と、コンデンサCD3の一端と接続されている。また、コンデンサCD3の他端は、グランドされている。
ここで、抵抗R1およびコンデンサCD3について、タイマIC1のTRG端子、タイマIC1のTH端子、タイマIC1のDCH端子およびタイマIC1のOUT端子と共に説明する。
内枠12および前面枠14が閉鎖状態では(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態では)、抵抗R1に電圧が供給されないので、タイマIC1のTH端子に印加される電圧はゼロボルト(約7.5ボルト未満)となり、タイマIC1のDCH端子は、インピーダンスが無限大の状態に設定される。よって、コンデンサCD3に電圧が印加可能な状態となり、コンデンサCD3は、充電可能状態(電荷を蓄えることができる状態)となる。しかし、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには、コンデンサCD1の一端と抵抗R1との接続が遮断されているので、コンデンサCD3には電圧が印加されず、コンデンサCD3に印加される電圧がゼロボルトとなる。このように、コンデンサCD3は、充電可能状態となるものの、充電は行われない状態となる。なお、このとき、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通している。しかし、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態であるので、外部出力端子板261の抵抗R7の一端には、電流が供給されない。従って、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電も行われず、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へもパルス信号は出力されない。
次に、内枠12または前面枠14が開放状態となって(図5(b)参照)、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)は、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わる。このとき、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通している。よって、抵抗R7の一端への電流供給が開始され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が通電される。これにより、ホールコンピュータ262へ信号が出力開始される。
また、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)が、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わるのと同時に、コンデンサCD3に電圧が印加され、コンデンサCD3の充電が開始される。このとき、タイマIC1のTH端子に印加される電圧が上昇を開始する。
タイマIC1のOUT端子の電圧は、タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD3に印加される電圧)が、タイマIC1のVDD端子に入力される電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧、即ち、約7.5ボルトと等しくなるまで、約10.6ボルトを保ち続ける。タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD2に印加される電圧)が上昇し、約7.5ボルトと等しくなると、タイマIC1のDCH端子のインピーダンスが無限大の状態からゼロの状態(グランドされた状態)に切り換わる。すると、コンデンサCD3に印加される電圧がゼロボルト状態となり、コンデンサCD3に蓄えられた電荷が放電される。これにより、タイマIC1のTH端子に印加される電圧は、約7.5ボルトからゼロボルトに切り換わる。このタイマIC1のTH端子に印加される電圧の切り換わりにより、タイマIC1のOUT端子の電圧は、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換わる。すると、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとの導通が遮断され、抵抗R7の一端への電流供給が停止される。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電が停止し、ホールコンピュータ262への信号の出力が停止される。
このように、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となった場合に(図5(b)参照)、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間、即ち、タイマIC1のTH端子に印加される電圧(コンデンサCD3に印加される電圧)がゼロボルトから約7.5ボルトとなるまでの期間を、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3の容量との積である時定数に基づいて約10m秒に決定する。すると、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合に、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の抵抗R7の一端に電流の供給が開始される。そして、抵抗R7の一端への電流の供給開始から約10m秒経過後に、タイマIC1のOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに切り換わり、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとの導通が遮断されて、抵抗R7の一端への電流供給が停止される。これにより、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合に、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10m秒だけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10m秒の間だけ通電することができる。よって、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、約10m秒のパルス幅のパルス信号を出力することができる。
なお、内枠12および前面枠14が開放状態から閉鎖状態(スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態から遮断状態)となると、即ち、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧(抵抗R7に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると、タイマIC1のOUT端子の電圧は、ゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる。この状態においては、上述した通り、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通しているが、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断状態であるので、外部出力端子板261の抵抗R7の一端には、電流が供給されない。よって、外部出力端子板261のフォトカプラPR1への通電も行われず、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へもパルス信号は出力されない。
上述の通り、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、抵抗R1の抵抗値とコンデンサCD3との積である時定数に基づき、外部出力端子板261の抵抗R7の一端に約10m秒だけ電流が供給され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1を約10m秒の間だけ通電することができる。これにより、内枠12または前面枠14が開放状態となった場合には、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、約10m秒のパルス幅のパルス信号を出力することができる。
図7の説明に戻る。タイマIC1のCNT端子は、CNT端子に入力される信号により、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整する端子である。ただし、本枠開放検出回路260では、タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整しないので(タイマIC1のOUT端子から出力される電圧の出力期間は10m秒に固定)、タイマIC1のCNT端子は、枠開放検出回路260および外部出力端子板261のいずれの部品にも接続されず、開放されている。
上述したように、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると(図5(b)参照)、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給を開始する。一方、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となってから約10m秒経過すると、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間を導通状態から遮断状態へ切り換え、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給を停止する。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1が約10m秒の間、通電され、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ約10m秒のパルス幅のパルス信号が出力される。
なお、扉開放検出回路260では、タイマIC1にLMC555を用いて、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、フォトカプラPR1を約10m秒の間通電する回路を実現したが、これに限られるものではない。即ち、タイマIC1に他の集積回路等を用いて、内枠12の1回の開放または前面枠14の1回の開放に対して、1のパルス信号を発生する回路を実現し、その1のパルス信号に基づいてフォトカプラPR1を所定期間通電するものであれば良い。
次に、枠開放検出回路260に接続されると共に、ホールコンピュータ262に接続される外部出力端子板261について説明する。外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262に約10m秒のパルス幅のパルス信号を出力する機能を有し、1kΩの抵抗R7とフォトカプラPR1とから主に構成されている。
抵抗R7は、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗であり、抵抗R7の一端は、枠開放検出回路260の抵抗R1の一端、スイッチSW1の他端およびスイッチSW2の他端と接続され、抵抗R7の他端はフォトカプラPR1の一次側(発光ダイオードのアノード端子)と接続されている。フォトカプラPR1は、発光ダイオードとその発光ダイオードが発する光を受光する受光素子(フォトトランジスタ)とから構成される電流スイッチである。フォトカプラPR1の一次側である発光ダイオードは、上述した通り、アノード端子が抵抗R7の一端と接続されており、カソード端子が枠開放検出回路260のトランジスタTR1のコレクタ端子cと接続されている。また、フォトカプラPR1の二次側である受光素子(フォトトランジスタ)は、ホールコンピュータ262に接続されている。
よって、内枠12または前面枠14が開放状態(スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態)となってから約10m秒の間、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通されると、フォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7を介して電流が供給され、発光ダイオードは約10m秒の間、光を発する。すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、発せられた光を受光し、受光した約10m秒の光をパルス幅が約10m秒のパルス信号(電気信号)に変えて、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。ホールコンピュータ262は、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)から出力されたパルス信号を記憶することができる。よって、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。
一方、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、抵抗R7の一端に電圧が供給されないので、フォトカプラPR1の一次側である発光ダイオードに電流が供給されない。よって、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されることはない。
ここで、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する外部出力端子板261にフォトカプラPR1を用いる利点について説明する。フォトカプラPR1は、一次側の発光ダイオードに供給される電流を光に変換し、その光を二次側の受光素子(フォトトランジスタ)に受光させてパルス信号(電気信号)を出力する構成(発光ダイオードから受光素子へ一方向に信号を伝送する構成)である。よって、二次側の受光素子(フォトトランジスタ)から一次側の発光ダイオードへはパルス信号等の電気信号を伝えることができない。これにより、フォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに枠開放検出回路260が接続され、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)にホールコンピュータ262が接続されていても、ホールコンピュータ262からのパルス信号等の電気信号を、枠開放検出回路260や枠開放検出回路260が設けられた主制御装置110等へ伝送することができない。従って、フォトカプラPR1を用いることで、ホールコンピュータ262から枠開放検出回路260や主制御装置110等への不正なパルス信号等の電気信号の伝送を防止しつつ、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へはパルス信号を伝送できるという利点がある。
更には、フォトカプラPR1は、一次側の発光ダイオードと二次側の受光素子(フォトトランジスタ)とが電気的に絶縁されている。よって、例えば、フォトカプラPR1の発光ダイオードに供給される電流に電気ノイズが含まれていたとしても、その電気ノイズが2次側のフォトトランジスタに伝送されることがない。従って、フォトカプラPR1を用いることで、外部出力端子板261は、ホールコンピュータ262へ、正確なパルス信号を出力することができるという利点がある。
上述した通り、枠開放検出回路260には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。そして、枠開放検出回路260により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力することができる。なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。
ここで、一般に、遊技場は民間の警備会社と防犯契約を交わしており、遊技場への侵入者があった場合には、直ちに警備会社の警備員が遊技場へ駆けつける。しかし、不正行為は短時間で行われるので、警備員が駆けつけたときには、大抵の場合、既に侵入者は遊技場から逃げ出しており、一体、どのパチンコ機10に不正行為が行われたのか判別できないという問題点があった。不正行為がなされたパチンコ機10は、正常な状態に戻さなければならないが、どのパチンコ機10に不正行為がなされたか分からない場合には、すべてのパチンコ機10の内枠12および前面枠14を開放して、1台ずつ検査しなければならず、多数のパチンコ機10が設置されている遊技場でこの作業を行うことは相当な重労働であった。
しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、枠開放検出回路260により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力する。そして、その出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ、コンデンサCD1から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD1からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD1の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD1の容量を1Fとする)、コンデンサCD1を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図8を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化するタイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)と、タイマIC1のOUT端子電圧と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図8は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)、タイマIC1のOUT端子電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。
図8(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t1時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t1時から約10m秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t1時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t1時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t1時から約10m秒経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t1時から10m秒経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t2時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
次に、図8(a)に示すように、t3時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t3時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t3時から約10m秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t3時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t3時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t3時から約10m秒経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t3時から10m秒経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t4時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図8(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図8(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)は、t5時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図8(d)に示すように、タイマIC1は、t5時から約10m秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図7参照)、電流供給が開始される(t5時)。すると、図8(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t5時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
そして、t5時から約10m秒経過すると、図8(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、外部出力端子板261の抵抗R7の一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t5時から10m秒経過すると、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図8(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図8(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図8(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧(外部出力端子板261の抵抗R7の一端に印加される電圧)が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1のOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t8時)。これにより、枠開放検出回路260は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
このように、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合でも、タイマIC1は、スイッチSW1の導通期間の長さ(内枠12の開放期間の長さ)およびスイッチSW2の導通期間の長さ(前面枠14の開放期間の長さ)に拘らず、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となったときから約10m秒経過すると、OUT端子の電圧を約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10m秒となる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路260および外部出力端子板261へコンデンサCD1から約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10m秒に留めることができる。従って、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
ここで、コンデンサCD1は容量が0.1Fであり、コンデンサCD1に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1に蓄えられる電荷は、コンデンサCD1の容量とコンデンサCD1の印加電圧との積から約1.13C(クーロン)となる。このコンデンサCD1に蓄えられる約1.13Cの電荷は、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の1回の供給期間が約10m秒である場合には、電流の供給回数で約500回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12の開放(スイッチSW1の導通)または前面枠14の開放(スイッチSW2の導通)が多数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路260は、内枠12の開放または前面枠14の開放(スイッチSW1の導通またはスイッチSW2の導通)を、約500回まで毎回確実に検出して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力することができる。このとき、内枠12の開放または前面枠14の開放が約500回付近となると、コンデンサCD1に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のパルス信号の検出感度を上げることにより(パルス信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にパルス信号を記憶させることができる。
なお、本実施形態では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されたが、これに限られるものではない。即ち、本枠開放検出回路260の各部品の接続を変更し、内枠12または前面枠14が開放され、その開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、フォトカプラPR1に約10m秒の間、電流を供給して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しても良い。
ただし、本実施形態の枠開放検出回路260では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しているので、内枠12または前面枠14の開放を素早く検出できる。よって、内枠12または前面枠14が開放されて主制御装置110または遊技盤13に不正行為が行われる前に、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。従って、パチンコ機10へ電源が供給されている場合に発生する不正行為が行われたことによる異常動作を防止することができる。
なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機10を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
また、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、タイマIC1のOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、枠開放検出回路260のトランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子e(図7参照)との端子間が導通状態となる。ただし、このときには、トランジスタTR1に流れる電流はベース電流だけである。そして、このベース電流の電流値を決定する抵抗R3および抵抗R5は共に抵抗値10kΩであり、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗R7の抵抗値(1kΩ)に比べて十分大きい。よって、ベース電流の電流値を約100μA程度に留めることができる(なお、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通されているときに、フォトカプラPR1に供給される電流値は、約11.3mA)。よって、トランジスタTR1の導通状態によるコンデンサCD1に蓄えられる電荷の消費をごく僅かに止めることができる。
また、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときには(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されているときには)、タイマIC1のOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、タイマIC1のOUT端子とグランドとの間に直列に接続される抵抗R3および抵抗R4を介して、電流が消費される。しかし、抵抗R3および抵抗R4は共に抵抗値が10kΩであり、フォトカプラPR1に供給される電流を制限する抵抗R7の抵抗値(1kΩ)に比べて十分大きい。よって、内枠12および前面枠14が閉鎖されているときに、抵抗R3および抵抗R4を介してタイマIC1のOUT端子からグランドへ流れる電流値を、約530μA程度に留めることができる。従って、コンデンサCD1に蓄えられる電荷の抵抗R3および抵抗R4による消費をごく僅かに止めることができる。
なお、内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合に(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合に)、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費を更に抑制したい場合には、抵抗R3、抵抗R4および抵抗R5の抵抗値を10kΩよりも更に大きくすれば良い。
更に、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合に、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費をゼロにしたい場合には、次の構成にすれば良い。スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bをそれぞれ2つずつにする。これに対応して、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aをそれぞれ2つずつにする。これにより、スイッチSW1には、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせが、新たに1つ加えられる。スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせが新たに1つ加えられる。そして、枠開放検出回路260内のタイマIC1のOUT端子と抵抗R3の一端との接続を切断し、接続切断後のタイマIC1のOUT端子に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R3の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を接続する。同様に、接続切断後のタイマIC1のOUT端子に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R3の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を接続する。このように構成することで、内枠12および前面枠14が閉鎖され、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には、タイマIC1のOUT端子電圧である約10.6ボルトが抵抗R3、抵抗R4および抵抗R5に印加されることはなく、トランジスタTR1のベース電流によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費および抵抗R3および抵抗R4によるコンデンサCD1に蓄えられた電荷の消費をゼロにすることができる。反対に、内枠12または前面枠14の一方、若しくは内枠12と前面枠14との両方が開放されている場合には(スイッチSW1またはスイッチSW2の一方、若しくはスイッチSW1とスイッチSW2との両方が導通されている場合には)、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6およびコンデンサCD2にタイマIC1のOUT端子電圧が分圧されて印加されることで、フォトカプラPR1への電流供給を抵抗R7を介して正常に行うことができる。
なお、タイマIC1のOUT端子との接続を切断して、端子対SW1cおよび端子対SW2cを接続する箇所は上記に限られるものではない。例えば、抵抗R3の他端と、抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端とを切断して、接続切断後の抵抗R3の他端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を接続する。同様に、接続切断後の抵抗R3の他端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を接続する。そして、接続切断後の抵抗R4、抵抗R5およびコンデンサCD2の一端に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を接続すれば良い。つまり、新たに加えられた雄型スイッチSW1bおよび雌型スイッチSW1aと、新たに加えられた雄型スイッチSW2bおよび雌型スイッチSW2aとにより、内枠12および前面枠14が閉鎖されている場合には(スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている場合には)、タイマIC1のOUT端子とグランドとの導通を遮断する一方、内枠12または前面枠14の一方、若しくは内枠12と前面枠14との両方が開放されている場合には(スイッチSW1またはスイッチSW2の一方、若しくはスイッチSW1とスイッチSW2との両方が導通されている場合には)、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5、抵抗R6およびコンデンサCD2にタイマIC1のOUT端子電圧が分圧されて印加されるように構成すれば良いのである。
また、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路260に接続すれば良い。具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD1の一端、タイマIC1のVDD端子、コンデンサCD4の一端およびタイマIC1のRES端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD5の一端、抵抗R1の一端、および外部出力端子盤261の抵抗R7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路260および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。ここで、ホールコンピュータ262は、既存の外部出力端子板261(スイッチSW1の導通検出用(内枠12の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子と、新たに設けた外部出力端子板261(スイッチSW2の導通検出用(前面枠14の開放検出用))から出力されるパルス信号の入力端子とをそれぞれ別にしておく。この構成により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)とスイッチSW2の導通(前面枠14の開放)とを区別してホールコンピュータ262に記憶させることができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
更に、パチンコ機10への電源供給が行われている場合に、内枠12と前面枠14とのどちらが開放したかを別々にホールコンピュータ262に記憶させると共に、内枠12と前面枠14とのどちらかが開放したときにパチンコ機10で報知を行いたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260と外部出力端子板261とをそれぞれ1つずつ新たに設け、スイッチSW1に並列接続されたスイッチSW2を切断し、その切断したスイッチSW2を新たに設けた枠開放検出回路260に接続する。次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを新たに1つずつ設ける。そして、新たに設けた雄型スイッチSW1b,SW2bおよび雌型スイッチSW1a,SW2aを用いて、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通した場合に、MPU201に、信号が入力されるように構成すれば良い。
具体的には、切断したスイッチSW2の一端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD1の一端、タイマIC1のVDD端子、コンデンサCD4の一端およびタイマIC1のRES端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2の他端を、新たに設けた枠開放検出回路260のコンデンサCD5の一端、抵抗R1の一端、および外部出力端子盤261の抵抗R7の一端に接続すれば良い。このように新たに枠開放検出回路260および外部出力端子板261を設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。
次に、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雄型スイッチSW1bおよび雄型スイッチSW2bをそれぞれ2つずつにする。これに対応して、スイッチSW1およびスイッチSW2にそれぞれ、雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aを更に設けて、スイッチSW1およびスイッチSW2に配設される雌型スイッチSW1aおよび雌型スイッチSW2aをそれぞれ2つずつにする。これにより、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加える。また、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加える。そして、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの一端を、既存の枠開放検出回路260の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW1aに内蔵された一対の端子対SW1cの他端を、抵抗により構成される分圧回路を介してMPU201の入出力ポート205に接続する。同様に、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの一端を、新たに設けられた枠開放検出回路260の直流電源DC1に接続し、新たに加えられた雌型スイッチSW2aに内蔵された一対の端子対SW2cの他端を、抵抗により構成される分圧回路を介してMPU201の入出力ポート205に、端子対SW1cの他端とは別のポートに接続する。更に、MPU201は、内枠12または前面枠14が開放され、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通して、内枠12の開放を検出する5ボルトの電圧(分圧回路により、直流電源DC1から供給される12ボルトの電圧が5ボルトに降圧される)または内枠14の開放を検出する5ボルトの電圧(分圧回路により、直流電源DC1から供給される12ボルトの電圧が5ボルトに降圧される)が入出力ポート205に入力された場合に、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ、内枠12または前面枠14の開放が検出されたことを示すコマンドを送信する。このとき、MPU201から送信されるコマンドを、内枠12の開放が検出された場合のコマンド(以下、「内枠コマンド」と称す)と、前面枠14が開放された場合のコマンド(以下、「前面枠コマンド」と称す)とで別にする。そして、この各コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226から異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227の点灯の態様を異ならせる。また、この各コマンドを受信した表示制御装置114は、内枠コマンドを受信した場合と前面枠コマンドを受信した場合とで異なる態様の表示を行う。例えば、表示制御装置114が内枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示したり、表示制御装置114が前面枠コマンドを受信した場合には、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示するように構成すれば良い。
このように、スイッチSW1に新たに、雄型スイッチSW1bと雌型スイッチSW1aの組み合わせを1つ加え、スイッチSW2にもスイッチSW1と同様に、新たに、雄型スイッチSW2bと雌型スイッチSW2aの組み合わせを1つ加えて、それらを用いて、スイッチSW1が導通した場合には(内枠12が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ内枠コマンドを送信するように構成する。また、スイッチSW2が導通した場合には(前面枠14が開放された場合には)、MPU201は、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ前面枠コマンドを送信するように構成する。このように構成することで、内枠12の開放があった場合と前面枠14の開放があった場合とで異なる態様の報知を、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114を用いて行うことができる。これにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを、パチンコ機10を用いて正確に検出することができる。
また、枠開放検出回路260および外部出力端子板261を新たに設け、その新たに設けた枠開放検出回路260に、スイッチSW2のみを接続すると共に、既存の枠開放検出回路260には、スイッチSW1のみを接続することにより、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があった場合に、既存の外部出力端子板261から出力されるパルス信号と、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があった場合に、新たに設けた外部出力端子板261から出力されるパルス信号とを別々にホールコンピュータ262へ出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、スイッチSW1の導通(内枠12の開放)があったのか、スイッチSW2の導通(前面枠14の開放)があったのか、または両方があったのかを正確に検出することができる。
なお、本実施形態においては、外部出力端子板261から出力されるパルス信号を、パチンコ機10とは設置場所が異なるホールコンピュータ262へ出力したが、これに限られるものではない。ホールコンピュータ262の機能を有する専用の記憶装置をパチンコ機10毎に設け、その専用の記憶装置を、主制御装置110等が設けられる各パチンコ機10の背面側に配設しても良い。この場合には、より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、専用の記憶装置を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付する。
次に、図9を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図9は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図9(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図9(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施の形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図9(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図9(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施の形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図12参照)の実行間隔である4m秒間隔、またはタイマ割込処理(図15参照)の実行間隔である2m秒間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込処理(図15参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図12参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図15参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図11から図17のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図15は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2m秒毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理(図16参照)を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
ここで、図16のフローチャートを参照して、S504の処理で実行される始動入賞処理を説明する。図16は、タイマ割込処理(図15参照)の中で実行される始動入賞処理(S504)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S602:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S603)、更に、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図17は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S651)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図11を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS110へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS110へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS110へ移行する。なお、図12のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S111の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S111)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S112、S113)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S112、S113)を実行する。RAMの初期化処理(S112、S113)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S112)、その後、RAM203の初期値を設定する(S113)。RAM203の初期化処理の実行後は、S110の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S109)、S110の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S110の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図12を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図12は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する(S201)。具体的には、S501のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図13を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、上述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図17のNMI割込処理が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図13を参照して、変動処理(S204)について説明する。図13は、メイン処理(図12参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については、図14を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。
本実施の形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4m秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施の形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図14を参照して、変動開始処理について説明する。図14は、変動処理(図13参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか低確率状態へ移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,4」の場合は、以後、低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。S403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンが決定され(S405)、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S403の処理またはS405の処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403又はS405の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407)、S402又はS404の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408)。そして、S406の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409)、変動処理へ戻る。
以上、説明したように、パチンコ機10によれば、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると(図5(b)参照)、枠開放検出回路260は、内枠12または前面枠14が開放状態となってから約10m秒経過するまで(約10m秒の間)、外部出力端子板261の抵抗R7の一端へ電流を供給する。すると、外部出力端子板261に設けられたフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7を介して電流が供給され、発光ダイオードは約10m秒の間、光を発する。そして、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)が発光ダイオードの光を受光すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、受光した約10m秒の光をパルス幅が約10m秒のパルス信号(電気信号)に変え、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。出力されたパルス信号は、ホールコンピュータ262に記憶される。よって、枠開放検出回路260と外部出力端子板261とを用いることで、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路260は、パルス信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
また、枠開放検出回路260には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路260は、パチンコ機10への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断されている場合であっても、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力することができる。
次に、図18および図19を参照して、第2実施形態のパチンコ機を説明する。第2実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10の枠開放検出回路260を別の構成である枠開放検出回路270に変更したものである。第2実施形態の枠開放検出回路270は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、回路構成を簡略化している。具体的には、第2実施形態の枠開放検出回路270は、第1実施形態の枠開放検出回路260から、タイマIC1、抵抗R1〜R3、コンデンサCD3〜CD5を取り除き、コンデンサCD1を容量の異なるコンデンサCD6に変更し、各部品の接続を変更して、回路構成を簡略化したものである。
この第2実施形態の枠開放検出回路270によれば、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号をホールコンピュータ262へ出力することができるので、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。
図18は、第2実施形態の枠開放検出回路270の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7で上述した第1実施形態の枠開放検出回路260と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
コンデンサCD6は、第1実施形態の枠開放検出回路260に用いられたコンデンサCD1の容量を0.1F(ファラッド)から1F(ファラッド)に変更したものである。コンデンサCD6は、第1実施形態の枠開放検出回路260のコンデンサCD1と同じく充電池として機能する部品であり、コンデンサCD6の一端はダイオードD1のカソードと接続され、コンデンサCD6の他端はグランドされている。
このコンデンサCD6は、上述したコンデンサCD1(図7参照)と同様、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には、コンデンサCD6の容量1Fと、コンデンサCD6に印加された直流電圧(直流電源DC1から供給される12ボルトからダイオードD1での電圧降下0.7ボルトを引いた約11.3ボルト)との積により求まる電荷を蓄える。
一方、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、コンデンサCD6は、コンデンサCD6に蓄えられた電荷に基づく直流電圧(約11.3ボルト)を枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ供給する。
具体的には、コンデンサCD6は容量が1F(ファラッド)であり、コンデンサCD6に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD6に蓄えられる電荷は、コンデンサCD6の容量とコンデンサCD6の印加電圧の積から約11.3C(クーロン)となる。このコンデンサCD6に蓄えられる約11.3Cの電荷は、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるハイ信号の出力期間にすると、約10分間の量となる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、外部出力端子板261から出力されるハイ信号の総出力期間が約10分間となるまでは、枠開放検出回路270は、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。また、枠開放検出回路270は、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。なお、内枠12の開放または前面枠14の開放の総出力期間が約10分間に近くなると、コンデンサCD6に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD6からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のハイ信号の検出感度を上げることにより(ハイ信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にハイ信号を記憶させることができる。
このように、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了して、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、枠開放検出回路270は、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。なお、コンデンサCD6の一端には、ダイオードD1のカソード端子が接続されており、このダイオードD1が電流の逆流防止機能を果たしているので、コンデンサCD6から枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電圧(約11.3ボルト)が供給されている場合でも、その直流電圧が直流電源DC1に印加されることはなく、直流電源DC1が損傷することはない。なお、本実施形態においては、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電圧を供給する部品として、コンデンサCD6を使用した。しかし、これに限られるものではなく、コンデンサCD6を、より蓄電量の多い二次電池(充電池)や、充電の必要のない一次電池としても良い。
コンデンサCD6の一端は、スイッチSW1およびスイッチSW2の一端と接続されると共に、外部出力端子板261の抵抗R7の一端と接続されている。スイッチSW1およびスイッチSW2の他端には、抵抗R9の一端が接続されている。そして、抵抗R9の他端には、コンデンサCD2の一端、抵抗R4の一端およびトランジスタTR1の内部抵抗R5の一端が接続されている。
この接続により、スイッチSW1若しくはスイッチSW2の一方(内枠12若しくは前面枠14の一方)、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態である(内枠12および前面枠14の両方が開放状態である)期間中、抵抗R4に直流電圧が供給されるので、トランジスタTR1のコレクタ端子cとトランジスタTR1のエミッタ端子eとの端子間が導通する。すると、この期間中、外部出力端子板261の抵抗R7を介してフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードへ電流が供給される。これにより、スイッチSW1若しくはスイッチSW2の一方(内枠12若しくは前面枠14の一方)、またはスイッチSW1およびスイッチSW2の両方が導通状態である(内枠12および前面枠14の両方が開放状態である)期間中、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)からホールコンピュータ262へ、ハイ信号が出力される。従って、第2実施形態の枠開放検出回路270によれば、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号を、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路270は、ハイ信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのハイ信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10への電源供給が遮断され、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へコンデンサCD6から約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD6からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14が開放された期間に留めることができる。よって、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路270および外部出力端子板261へ、コンデンサCD6から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD6からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD6の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD6の容量を10Fとする)、コンデンサCD6を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図19を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化する枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図19は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、枠開放検出回路270のAの電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。なお、図19に記載されたt1時〜t8時の各時は、図8に示す第1実施形態の枠開放検出回路260のタイミングチャートに記載されたt1時〜t8時の各時と同一である。
図19(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、これに追従して、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる(t1時)。すると、図19(d)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t1時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、約11.3ボルトからゼロボルトへ切り換わる(t2時)。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t2時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t1時からt2時の間、出力される。つまり、パルス幅がt1からt2時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
次に、図19(a)に示すように、t3時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、これに追従して、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる(t3時)。すると、図19(d)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t3時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t4時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、約11.3ボルトからゼロボルトへ切り換わる(t4時)。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t4時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t3時からt4時の間、出力される。つまり、パルス幅がt3からt4時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図19(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図19(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧(図18参照)は、t5時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ロウ状態からハイ状態に切り換わる(t5時)。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すハイ信号の出力が開始される。
そして、図19(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図19(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、図19(c)に示すように、枠開放検出回路270のAの電圧は、t8時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。すると、これに追従して、図19(d)に示すように、外部出力端子板261の出力は、ハイ状態からロウ状態に切り換わる(t8時)。
この外部出力端子板261の出力の切り換わりがハイ信号となり、そのハイ信号が外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、t5時からt8時の間、出力される。つまり、パルス幅がt5からt8時までの出力期間となるハイ信号が、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力される。
このように、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態(内枠12および前面枠14が開放状態)であるときには、枠開放検出回路270は、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となったときから、スイッチSW1とスイッチSW2との両方が遮断状態(内枠12と前面枠14との両方が閉鎖状態)となるまで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、ハイ信号を出力することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態となったときから、内枠12と前面枠14との両方が閉鎖状態となるまでの開放期間を検出することができる。
上述した通り、第2実施形態のパチンコ機によれば、枠開放検出回路270には、1F(ファラッド)のコンデンサCD6が設けられているので、第2実施形態のパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、枠開放検出回路270により、内枠12または前面枠14の開放期間に応じて出力期間が変動するハイ信号をホールコンピュータ262に出力することができる。そして、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からハイ信号が出力されたことと共に、その出力されたハイ信号の出力期間を記憶させることで、内枠12または前面枠14の開放を検出することができることに加え、内枠12または前面枠14の開放期間も検出することができる。また、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたハイ信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたハイ信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からハイ信号が出力されたことと共に、その出力されたハイ信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻も検出することができる。
次に、図20および図21を参照して、第3実施形態のパチンコ機を説明する。第3実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機10の枠開放検出回路260を別の構成である枠開放検出回路280に変更したものである。第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、回路構成を簡略化している。具体的には、第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260から、抵抗R2、コンデンサCD4およびCD5を取り除き、抵抗R1、コンデンサCD3、抵抗R7、スイッチSW1およびスイッチSW2の各接続を変更し、タイマIC1を単安定マルチバイブレータとして機能させ、そのタイマIC1のTRG端子の前段に抵抗10とコンデンサCD7とから構成される積分回路281を接続して、回路構成を簡略化したものである。そして、第3実施形態の枠開放検出回路280は、第1実施形態の枠開放検出回路260に対して、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の態様およびタイマIC1のOUT端子から出力される電圧の態様を変更したものである。
この第3実施形態の枠開放検出回路280によれば、積分回路281により、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることによって、タイマIC1のOUT端子から約9.6ボルトの電圧が出力される期間(約10m秒)よりも、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を短く調整することができる。よって、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10m秒に留めることができる。従って、枠開放検出回路280は、枠開放検出回路260と比較して回路構成を簡略化できると共に、タイマIC1のOUT端子から約9.6ボルトの電圧が出力される期間を約10m秒に留めることで、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を枠開放検出回路260よりも更に小さく抑えることができる。
図20は、第3実施形態の枠開放検出回路280の電気的構成を示したブロック図である。なお、図7で上述した第1実施形態の枠開放検出回路260と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
パチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ直流電圧を供給するコンデンサCD1の一端は、100kΩの抵抗R10の一端と接続されると共に、タイマIC1のVDD端子、100KΩの抵抗R1aの一端、タイマIC1のRES端子および1KΩの抵抗R7aの一端と接続されている。
抵抗R1aの他端は、0.1μFのコンデンサCD3aの一端と接続されると共に、タイマIC1のDCH端子およびタイマIC1のTH端子と接続されている。そして、コンデンサCD3aの他端は、グランドされている。このコンデンサCD3aと抵抗R1aとの接続により、タイマIC1は、内枠12または前面枠14が開放されることで、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通されて、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約10m秒の間、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。なお、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる期間である約10m秒は、抵抗R1aの抵抗値(100kΩ)とコンデンサCD3aの容量値(0.1μF)との積である時定数により決定されている。
抵抗R10は、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を安定化させる抵抗であると共に、コンデンサCD7とで積分回路281を構成する抵抗である。この抵抗R10の他端は、ダイオードD2のアノード端子と接続され、このダイオードD2のカソード端子は、タイマIC1のTRG端子に接続されると共に、制限電圧(ツェナー電圧)が約10.5ボルトのツェナーダイオードD3のカソード端子、並列接続されたスイッチSW1およびスイッチSW2のそれぞれの一端に接続されている。よって、内枠12および前面枠14が閉鎖されて、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断されている状態では、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧は、コンデンサCD1から供給される約11.3ボルトの電圧から、抵抗R10での電圧降下の約0.3ボルトと、ダイオードD2での電圧降下の約0.7ボルトとを差し引いた約10.3ボルトとなる。
0.02μFのコンデンサCD7は、抵抗R10とで積分回路281を構成して、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を制御するコンデンサである。コンデンサCD7の一端には、スイッチSW1およびスイッチSW2のそれぞれの他端が接続され、コンデンサCD7の他端は、グランドされている。このコンデンサCD7と抵抗R10とにより構成される積分回路281は、内枠12または前面枠14が開放状態となることにより、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、タイマIC1のTRG端子に印加されている約10.3ボルトの電圧をゼロボルトに立ち下げ、その立ち下げから約2m秒後に再び、タイマIC1のTRG端子電圧を約10.3ボルトに戻す回路である。
具体的には、内枠12または前面枠14が開放され、その開放に応じて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通されると、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧がコンデンサCD7に印加開始されて、コンデンサCD7の充電が開始される。この充電開始時に、コンデンサCD7に印加される電圧が瞬間的にゼロボルトとなることで、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が瞬間的にゼロボルトになるのである。そして、コンデンサCD7の充電に伴い、コンデンサCD7は、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を上昇させ、最終的に、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧を約10.3ボルトに制御するのである。
なお、コンデンサCD7が充電完了するまでの期間、即ち、タイマIC1のTRG端子に印加されている約10.3ボルトの電圧がゼロボルトに立ち下がり、その立ち下がりから、タイマIC1のTRG端子の電圧が再び、約10.3ボルトに戻るまでの期間である約2m秒は、抵抗R10の抵抗値(100kΩ)とコンデンサCD7の容量値(0.02μF)の積である時定数により決定されている。
このように、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧が立ち下がり、その立ち下がりから再び、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトに戻るまでの期間(約2m秒)は、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間(約10m秒)よりも短い期間に調整されている。なお、抵抗R10の抵抗値とコンデンサCD7の容量値とを変更することにより、タイマIC1のTRG端子に印加されている電圧が立ち下がってから、タイマIC1のTRG端子の電圧が約10.3ボルトに再び戻るまでの期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がるまでの期間である約10m秒以内で自由に変更することができる。
ここで、単安定マルチバイブレータは、出力端子から出力される信号の出力期間よりも、入力端子へ入力される信号の入力期間が短くなければ、出力端子から正常に信号が出力されない(出力端子から信号が出力され続ける)。このため、積分回路281を使用せずに、単安定マルチバイブレータとしてタイマIC1を機能させた場合には、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも、タイマIC1のTRG端子電圧がゼロボルトから再び、約10.3ボルトに戻るまでの期間が、即ち、内枠12および前面枠14の開放期間(スイッチSW1およびスイッチSW2の導通期間)が短くなくてはならない。しかし、内枠12および前面枠14の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも、内枠12および前面枠14の開放期間が常に短くなるようにするには、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を、十分に余裕を持った期間に設定する必要がある。例えば、内枠12および前面枠14の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この設定した期間中、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へコンデンサCD1から直流電圧の供給が行われ続けるので、コンデンサCD1の消耗が著しくなってしまう。よって、積分回路281を使用せずに、単安定マルチバイブレータとしてタイマIC1を機能させた上で、更に、コンデンサCD1に蓄えられた電荷の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。
しかし、タイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放期間(スイッチSW1およびスイッチSW2の導通期間)に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから再び、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下り期間を一定期間(約2m秒)とすることで、タイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10m秒に留めることができる。
そして、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに約10m秒の間、立ち上がると、トランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが約10m秒の間、導通し、抵抗R7aを介して、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に約10m秒の間、電流が供給される。これにより、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ、内枠12または前面枠14の一回の開放につき、約10m秒のパルス幅のパルス信号が出力される。このように、タイマIC1を単安定マルチバイブレータとして機能させたとしても、タイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることで、コンデンサCD1に蓄えられた電荷の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10m秒に留めることができる。
なお、タイマIC1のTRG端子には、制限電圧(ツェナー電圧)が約10.5ボルトのツェナーダイオードD3のカソード端子が接続され、グランドには、ツェナーダイオードD3のアノード端子が接続されている。このツェナーダイオードD3は、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通された場合に、コンデンサCD7に蓄えられた電荷とコンデンサCD1から供給される電圧とが重畳されることにより発生し得る、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧(例えば、12.3ボルトの電圧)が、タイマIC1のTRG端子に印加されるのを防止する素子である。具体的には、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され、コンデンサCD7に蓄えられた電荷は、比較的短期間の内に再び、内枠12または前面枠14の次の開放が行われ、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通が行われると、スイッチSW1またはスイッチSW2の他端側から一端側へ放電される。このコンデンサCD7から放電された約10.3ボルトの電圧とコンデンサCD1から供給された約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加され得る。しかし、タイマIC1のTRG端子とグランドとの間には、制限電圧(ツェナー電圧)を約10.5ボルトとするツェナーダイオードD3が接続されているので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなり、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。このように、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードD3を用いて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることを防止し、タイマIC1の損傷を防止することができる。
なお、上述の通り、ツェナーダイオードD3の制限減圧(ツェナー電圧)は、約10.5ボルトであるので、内枠12および前面枠14が閉鎖されて、スイッチSW1およびスイッチSW2が遮断された状態にあっては、コンデンサCD1から供給される電流がツェナーダイオードD3を介してグランドに流れることはなく、コンデンサCD1の電荷が消耗することはない。また、スイッチSW1およびスイッチSW2の一端には、ダイオードD2のカソード端子が接続されており、このダイオードD2が電流の逆流防止機能を発揮するので、コンデンサCD7から放電された約10.3ボルトの電圧が、コンデンサCD1やタイマIC1のVDD端子に印加されて、これらが損傷することはない。
上述した通り、枠開放検出回路280のタイマIC1は、内枠12または前面枠14が開放されて、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通され、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、この立ち下がりから約10m秒の間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。そして、このタイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12および前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることで、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10m秒に留めることができる。これにより、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に電流が供給される期間を約10m秒に留めることができ、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10m秒に留めることができる。
また、枠開放検出回路280には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路280は、パチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。そして、枠開放検出回路280により、内枠12の開放または前面枠14の開放が検出されると、その1回の検出につき、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力することができる。なお、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12または前面枠14の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に外部出力端子板261からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻または前面枠14の開放時刻を検出することができる。
なお、扉開放検出回路280では、タイマIC1にLMC555を用いて、内枠12の開放または前面枠14の開放を検出し、フォトカプラPR1を約10m秒の間通電する回路を実現したが、これに限られるものではない。即ち、タイマIC1に他の集積回路等を用いて、内枠12の1回の開放または前面枠14の1回の開放に対して、1のパルス信号を発生する回路を実現し、その1のパルス信号に基づいてフォトカプラPR1を所定期間通電するものであれば良い。
また、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ、コンデンサCD1から直流電圧が供給される場合に、内枠12または前面枠14の開放に伴うコンデンサCD1からフォトカプラPR1への電流の総供給期間を長くしたり、内枠12または前面枠14の開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD1の容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD1の容量を1Fとする)、コンデンサCD1を蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
次に、図21を参照して、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)とスイッチSW2の状態(前面枠14の状態)とに応じて変化するタイマIC1のTRG端子電圧と、タイマIC1のOUT端子電圧と、外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)との関係について説明する。図21は、スイッチSW1の状態(内枠12の状態)、スイッチSW2の状態(前面枠14の状態)、タイマIC1のTRG端子電圧、タイマIC1のOUT端子電圧および外部出力端子板261の出力(ホールコンピュータ262の入力)の関係を示したタイミングチャートである。なお、図21に記載されたt1時〜t8時の各時は、図8に示す第1実施形態の枠開放検出回路260のタイミングチャートに記載されたt1時〜t8時の各時と同一である。
図21(a)に示すように、t1時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t1時)。すると、これに追従して、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t1時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t1時)。そして、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t1時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
次に、図21(c)に示すように、t1時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t1時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t1時から約10m秒経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t1時から約10m秒経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図21(a)に示すように、t2時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
次に、図21(b)に示すように、t3時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t3時)。すると、これに追従して、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t3時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t3時)。そして、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t3時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
なお、t1時からt2時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、t3時に、ツェナーダイオードD3を介して瞬間的に放電完了する。このコンデンサCD7の放電期間は、タイマIC1のTRG端子の電圧が約10.3ボルトからゼロボルトとなり、再び約10.3ボルトとなる約2m秒よりも非常に微小な期間であるので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧に著しい影響を与えるものではない。更に、この放電の他に、t1時からt2時にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、コンデンサCD7の自己放電によっても放電が行われる。
また、t3時に、タイマIC1のTRG端子には、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧と、コンデンサCD7に蓄えられた電荷に伴う約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加され得る。しかし、タイマIC1のTRG端子の前段には、制限電圧(ツェナー電圧)を約10.5ボルトとするツェナーダイオードD3が接続されているので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなり、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。
次に、図21(c)に示すように、t3時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t3時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t3時から約10m秒経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t3時から約10m秒経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図21(b)に示すように、t4時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
最後に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合について説明する。図21(a)に示すように、t5時に、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、更に、図21(b)に示すように、t6時に、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となると、t5時に、コンデンサCD7の充電が開始され、図21(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t5時)。すると、これに追従し、図21(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t5時)。これにより、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、外部出力端子板261のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図20参照)、電流供給が開始される(t5時)。すると、図21(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、外部出力端子板261の出力は、t5時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12または前面枠14の開放を示すパルス信号の出力が開始される。
なお、t3時からt4時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、t5時に、ツェナーダイオードD3を介して瞬間的に放電完了するので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧に著しい影響を与えるものではない。更に、この放電の他に、t3時からt4時にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、コンデンサCD7の自己放電によっても放電が行われる。
また、t5時に、タイマIC1のTRG端子には、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧と、コンデンサCD7に蓄えられた電荷に伴う約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加され得る。しかし、ツェナーダイオードD3により、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなるので、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。
次に、図21(c)に示すように、t5時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t5時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t5時から約10m秒経過すると、図21(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、枠開放検出回路280のトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、外部出力端子板261の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、外部出力端子板261の出力は、t5時から約10m秒経過すると、図21(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、外部出力端子板261の出力が切り換わることで、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図21(a)に示すように、t7時に、スイッチSW1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると共に、図21(b)に示すように、t8時に、スイッチSW2が遮断状態(前面枠14が閉鎖状態)となると、枠開放検出回路280は、再び、内枠12および前面枠14の検出が可能な状態に設定される。
このように、スイッチSW1が導通状態(内枠12が開放状態)であるときに、スイッチSW2が導通状態(前面枠14が開放状態)となった場合でも、タイマIC1は、スイッチSW1の導通期間(内枠12の開放期間)およびスイッチSW2の導通期間(前面枠14の開放期間)に拘らず、スイッチSW1またはスイッチSW2のいずれか一方が導通状態(内枠12または前面枠14のいずれか一方が開放状態)となり、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がってから約10m秒経過すると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、外部出力端子板261のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10m秒となる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、枠開放検出回路280および外部出力端子板261へコンデンサCD1から約10.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12または前面枠14の1回の開放につき、約10m秒に留めることができる。従って、内枠12または前面枠14の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
ここで、コンデンサCD1は容量が0.1Fであり、コンデンサCD1に印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1に蓄えられる電荷は、コンデンサCD1の容量とコンデンサCD1の印加電圧との積から約1.13C(クーロン)となる。このコンデンサCD1に蓄えられる約1.13Cの電荷は、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の1回の供給期間が約10m秒である場合には、電流の供給回数で約500回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12の開放(スイッチSW1の導通)または前面枠14の開放(スイッチSW2の導通)が多数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路280は、内枠12の開放または前面枠14の開放(スイッチSW1の導通またはスイッチSW2の導通)を、約500回まで毎回確実に検出して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力することができる。このとき、内枠12の開放または前面枠14の開放が約500回付近となると、コンデンサCD1に蓄えられる電荷が少なくなり、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流値が低下するが、ホールコンピュータ262のパルス信号の検出感度を上げることにより(パルス信号の振幅に対する閾値を下げることにより)、ホールコンピュータ262にパルス信号を記憶させることができる。
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機によれば、内枠12または前面枠14が開放状態となって、スイッチSW1またはスイッチSW2が導通状態となると、積分回路281により、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とする。すると、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1は正常に動作を行い、タイマIC1のTRG端子電圧がゼロボルトへ立ち下がってから約10m秒経過するまでの間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトへ立ち上げる。これにより、外部出力端子板261に設けられたフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに抵抗R7aを介して電流が供給され、発光ダイオードは約10m秒の間、光を発する。そして、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)が発光ダイオードの光を受光すると、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)は、受光した約10m秒の光をパルス幅が約10m秒のパルス信号(電気信号)に変え、そのパルス信号をホールコンピュータ262へ出力する。出力されたパルス信号は、ホールコンピュータ262に記憶される。よって、積分回路281を設けた枠開放検出回路280と外部出力端子板261とを用いることで、ホールコンピュータ262に、内枠12の開放または前面枠14の開放があったことを記憶させることができる。なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、枠開放検出回路280は、パルス信号が外部出力端子板261から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放および前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
また、枠開放検出回路280には、0.1FのコンデンサCD1が設けられているので、枠開放検出回路280は、パチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12の開放および前面枠14の開放を検出することができる。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断されている場合であっても、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス幅約10m秒のパルス信号を出力することができる。
なお、本実施形態では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号が出力されたが、これに限られるものではない。即ち、本枠開放検出回路280の各部品の接続を変更し、内枠12または前面枠14が開放され、その開放された内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、フォトカプラPR1に約10m秒の間、電流を供給して、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しても良い。
ただし、本実施形態の枠開放検出回路280では、内枠12または前面枠14の開放があり、スイッチSW1またはスイッチSW2の導通があった場合に、外部出力端子板261からホールコンピュータ262へパルス信号を出力するように構成しているので、内枠12または前面枠14の開放を素早く検出できる。よって、内枠12または前面枠14が開放されて主制御装置110または遊技盤13に不正行為が行われる前に、内枠12または前面枠14の開放を検出することができる。従って、パチンコ機へ電源が供給されている場合に発生する不正行為が行われたことによる異常動作を防止することができる。
次に、図22から図32を参照して、第4実施形態のパチンコ機500を説明する。第4実施形態のパチンコ機500は、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、何れが開放したのかをパチンコ機500を用いて別々に報知すると共に、何れかが開放したのかを別々にホールコンピュータ262に出力する。一方、第4実施形態のパチンコ機500は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、主制御装置110の制御が停止していても、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、何れが開放したのかを別々にホールコンピュータ262に出力する。
よって、第4実施形態のパチンコ機500によれば、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを、パチンコ機500を用いて別々に報知することができる。更に、第4実施形態のパチンコ機500によれば、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に加え、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、ホールコンピュータ262にパルス信号を別々に出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを特定することができる。
図22を参照して、第4実施形態のパチンコ機500の内部構成について説明する。図22は、内枠12と前面枠14と下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機500の斜視図である。なお、第4実施形態のパチンコ機500は、図22の説明においては、図4で上述した第1実施形態のパチンコ機10に設けられたスイッチSW1(SW1a,SW1b)およびスイッチSW2(SW2a,SW2b)を、スイッチSW3およびスイッチSW4に変更したものである。よって、図4で上述したパチンコ機10と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
外枠11と内枠12との間には、内枠12の開放および閉鎖を検出するスイッチSW3が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検出するスイッチSW4が設けられている。このスイッチSW3とスイッチSW4とにより、内枠12の開放および閉鎖と、前面枠14の開放および閉鎖とを別々に検出することができる。
次に、図23を参照して、スイッチSW3およびスイッチSW4の構造について説明する。なお、スイッチSW3とスイッチSW4とは同一の構造であるので、スイッチSW3についてその構造を説明し、スイッチSW4についてはその説明を省略する。
図23は、スイッチSW3の断面図である。図23(a)は、内枠12が閉鎖された状態におけるスイッチSW3の状態(遮断状態)を示した断面図である。また、図23(b)は、内枠12が開放された状態におけるスイッチSW3の状態(導通状態)を示した断面図である。
図23(a)に示すように、外枠11の内枠12と対向する面に配設されたスイッチSW3には、内枠12が閉鎖された状態に当接する可動軸SW3aと、その可動軸SW3aに配設される導電部材である金属から構成された導体板SW3−1a,SW3−2aと、その導体板SW3−1a,SW3−2aのそれぞれの対向する位置に配設される金属から構成された一対の端子板SW3−1b,SW3−2bと、その一対の端子板SW3−1b,SW3−2bをそれぞれ筐体SW3bに配設する支持板SW3−1c,SW3−2cと、導体板SW3−2a上の一対の端子板SW3−2bに対向する面とは反対の面に配設され、導体板SW3−2aに対して一対の端子板SW3−2bへの方向に付勢力を発生させる一対のスプリングSW3cとが設けられている。なお、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとでスイッチSW3−1を構成し、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとでスイッチSW3−2を構成している。よって、スイッチSW3には、スイッチSW3−1とスイッチSW3−2との2つのスイッチが内蔵されている。
図23(a)に示すように、内枠12が閉鎖された状態においては、可動軸SW3aが内枠12に当接し、可動軸SW3aが筐体SW3bに押し込まれた状態となる。よって、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとの接触が妨げられると共に、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとの接触が妨げられる。従って、内枠12が閉鎖された状態においては、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2共に導通が遮断された状態となる。
一方、図23(b)に示すように、内枠12が開放された状態においては、可動軸SW3aの内枠12との当接が解除されるので、一対のスプリングSW3cの付勢力により、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとが接触すると共に、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとが接触する。よって、内枠12が開放された状態においては、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2共に導通された状態となる。
このように、筐体SW3bに内蔵されたスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、共に、内枠12が閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では導通状態となる。つまり、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、導通状態と遮断状態とが連動して動作する構造となっている。ただし、スイッチSW3の構造は、図23に記載した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された状態では、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となる構造であれば良い。これは、スイッチSW4の構造についても同様である。
次に、図24を参照して、本パチンコ機500の電気的構成について説明する。図24は、パチンコ機500の電気的構成を示すブロック図である。なお、第4実施形態のパチンコ機500は、図6で上述した第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110内に設けられた枠開放検出回路260を、回路構成を変更した内枠用枠開放検出回路290に変更して、その内枠用枠開放検出回路290の電気的接続を変更したものである。そして、第4実施形態のパチンコ機500は、図6で上述した外部出力端子板261を、内枠用外部出力端子板291に変更したものである。これに加え、第4実施形態のパチンコ機500は、図6で上述した第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110内に、新たに前面枠用枠開放検出回路292を設けたものである。そして、第4実施形態のパチンコ機500は、主制御装置110内に新たに設けられた前面枠用枠開放検出回路292に対応して、前面枠用外部出力端子板293を新たに設けたものである。よって、図6で上述したパチンコ機10と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
主制御装置110には、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が導通することにより内枠12の開放を検出する内枠用枠開放検出回路290が設けられている。内枠用枠開放検出回路290は、MPU201の入出力ポートである入出力ポート205と、内枠12の開放を検出するスイッチSW3と、ホールコンピュータ262と接続可能に構成された内枠用外部出力端子板291と接続される。なお、スイッチSW3と内枠用枠開放検出回路290との接続および内枠用枠開放検出回路290と内枠用外部出力端子板291との接続には、信号の入出力を行う入出力部(入出力ポート205とは異なる入出力ポート、図示せず)を介して接続が行われている。
内枠用枠開放検出回路290は、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が導通して内枠12の開放を検出すると、入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号を出力する。入出力ポート205に、この信号が入力されると、パチンコ機500は、後述する内枠開放フラグ203aをオンして、内枠12の開放を示す内枠開放コマンドを入出力ポート205を介して音声ランプ制御装置113へ出力する。すると、この内枠開放コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、後述する内枠開放コマンド受信フラグ223aをオンして、表示制御装置114へ内枠開放コマンドを出力すると共に、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放を報知する。また、音声ランプ制御装置113から出力された内枠開放コマンドを受信した表示制御装置114は、後述する表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cをオンして、内枠12の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。これに加え、内枠用枠開放検出回路290は、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が導通して内枠12の開放を検出すると、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
一方、内枠用枠開放検出回路290は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が導通して内枠12の開放を検出すると、入力ポート205への信号の出力を行わず、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。なお、内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、内枠12の開放を検出することができる。
また、主制御装置110には、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が導通することにより前面枠14の開放を検出する前面枠用枠開放検出回路292が設けられている。前面枠用枠開放検出回路292は、MPU201の入出力ポートである入出力ポート205と、前面枠14の開放を検出するスイッチSW4と、ホールコンピュータ262と接続可能に構成された前面枠用外部出力端子板293と接続される。スイッチSW4と前面枠用枠開放検出回路292との接続および前面枠用枠開放検出回路292と前面枠用外部出力端子板293との接続には、信号の入出力を行う入出力部(入出力ポート205とは異なる入出力ポート、図示せず)を介して接続が行われている。
前面枠用枠開放検出回路292は、前述した内枠用枠開放検出回路290と同一の機能を有している。即ち、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が導通して前面枠14の開放を検出すると、入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号を出力する。入出力ポート205に、この信号が入力されると、パチンコ機500は、後述する前面枠開放フラグ203bをオンして、前面枠14の開放を示す前面枠開放コマンドを入出力ポート205を介して音声ランプ制御装置113へ出力する。すると、この前面枠開放コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、後述する前面枠開放コマンド受信フラグ223bをオンして、表示制御装置114へ前面枠開放コマンドを出力すると共に、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、前面枠14の開放を報知する。また、音声ランプ制御装置113から出力された前面枠開放コマンドを受信した表示制御装置114は、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dをオンして、前面枠14の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。これに加え、前面枠用枠開放検出回路292は、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が導通して前面枠14の開放を検出すると、前面枠用外部出力端子板293からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
一方、前面枠用枠開放検出回路292は、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が導通して前面枠14の開放を検出すると、入力ポート205への信号の出力を行わず、前面枠用外部出力端子板293からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。なお、前面枠用外部出力端子板293から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、前面枠14の開放を検出することができる。
ここで、前面枠用枠開放検出回路292と内枠用枠開放検出回路290とは、入出力ポート205の異なる入力ポートに各々接続されている。よって、前面枠用枠開放検出回路292から出力される信号と、内枠用枠開放検出回路290から出力される信号とは入出力ポート205に個別に入力される。従って、主制御装置110に搭載されるMPU201は、入出力ポート205に入力された信号が、前面枠用枠開放検出回路292から出力された信号か、内枠用枠開放検出回路290から出力された信号かを判別することができる。
また、前面枠用外部出力端子板293と内枠用外部出力端子板291とは、ホールコンピュータ262の異なる入力端子に各々接続されている。よって、前面枠用外部出力端子板293から出力されるパルス信号と、内枠用外部出力端子板291から出力されるパルス信号とはホールコンピュータ262に個別に入力される。これにより、前面枠用外部出力端子板293から出力されたパルス信号と、内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号とを個別にホールコンピュータ262に記憶させることができる。従って、ホールコンピュータ262に個別に記憶されたパルス信号を解析することで、内枠12の開放があったのか前面枠14の開放があったのかを検出することができる。
上述の通り、内枠12が開放された場合に動作する内枠用枠開放検出回路290と、前面枠14が開放された場合に動作する前面枠用枠開放検出回路292とを主制御装置110に別々に設けている。よって、内枠12または前面枠14のいずれか一方、若しくは両方が開放された場合に、いずれの開放があったのかを、パチンコ機500により行われる報知により判別することができることに加え、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号によっても判別することができる。
主制御装置110のRAM203には、内枠開放フラグ203aと前面枠開放フラグ203bとが設けられている。内枠開放フラグ203aは、内枠12の開放状態または閉鎖状態を示すフラグである。上述の通り、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されて、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が導通すると、内枠用枠開放検出回路290から入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号が出力される。この5ボルトの信号が入出力ポート205を介してMPU201に検出されると、内枠開放フラグ203aはオンされる。なお、内枠開放フラグ203aがオンされると、MPU201は、音声ランプ制御装置113へ、内枠12が開放されたことを伝える内枠開放コマンドを送信する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が閉鎖されて、スイッチSW3(スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2)が遮断すると、内枠用枠開放検出回路290から入出力ポート205への直流電圧5ボルトの信号出力が停止される(内枠用枠開放検出回路290から入出力ポート205への出力はゼロボルトとなる)。この信号出力の停止が入出力ポート205を介してMPU201に検出されると、内枠開放フラグ203aはオフされる。なお、内枠開放フラグ203aがオフされると、MPU201は、音声ランプ制御装置113へ、内枠12が閉鎖されたことを伝える内枠閉鎖コマンドを送信する。このように、内枠12が開放されると、内枠開放フラグ203aはオンされる一方、内枠12が閉鎖されると、内枠開放フラグ203aはオフされる。
前面枠開放フラグ203bは、前面枠14の開放状態または閉鎖状態を示すフラグである。パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が開放されて、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が導通すると、前面枠用枠開放検出回路292から入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号が出力される。この5ボルトの信号が入出力ポート205を介してMPU201に検出されると、前面枠開放フラグ203bはオンされる。なお、前面枠開放フラグ203bがオンされると、MPU201は、音声ランプ制御装置113へ、前面枠14が開放されたことを伝える前面枠開放コマンドを送信する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が閉鎖されて、スイッチSW4(スイッチSW4−1およびスイッチSW4−2)が遮断すると、前面枠用枠開放検出回路292から入出力ポート205への直流電圧5ボルトの信号出力が停止される(前面枠用枠開放検出回路292から入出力ポート205への出力はゼロボルトとなる)。この信号出力の停止が入出力ポート205を介してMPU201に検出されると、前面枠開放フラグ203bはオフされる。なお、前面枠開放フラグ203bがオフされると、MPU201は、音声ランプ制御装置113へ、前面枠14が閉鎖されたことを伝える前面枠閉鎖コマンドを送信する。このように、前面枠14が開放されると、前面枠開放フラグ203bはオンされる一方、前面枠14が閉鎖されると、前面枠開放フラグ203bはオフされる。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、内枠開放コマンド受信フラグ223aと、前面枠開放コマンド受信フラグ223bとが設けられている。内枠開放コマンド受信フラグ223aは、音声ランプ制御装置113が受信したコマンドが、内枠開放コマンドであるか又は内枠閉鎖コマンドであるかを示すフラグである。上述の通り、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されると、内枠開放フラグ203aはオンされて、音声ランプ制御装置113へ、MPU201により内枠開放コマンドが送信される。この内枠開放コマンドが入出力ポート225を介してMPU221に検出されると、内枠開放コマンド受信フラグ223aはオンされる。なお、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンされると、MPU221は、表示制御装置114へ、内枠12が開放されたことを伝える内枠開放コマンドを送信する。また、MPU221は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放を報知する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が閉鎖されると、内枠開放フラグ203aはオフされて、音声ランプ制御装置113へ、MPU201により内枠閉鎖コマンドが送信される。この内枠閉鎖コマンドが入出力ポート225を介してMPU221に検出されると、内枠開放コマンド受信フラグ223aはオフされる。なお、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオフされると、MPU221は、表示制御装置114へ、内枠12が閉鎖されたことを伝える内枠閉鎖コマンドを送信する。また、MPU221は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて行っていた報知を停止する。このように、内枠12が開放されて内枠開放コマンドがMPU221に検出されると、内枠開放コマンド受信フラグ223aはオンされる一方、内枠12が閉鎖されて内枠閉鎖コマンドがMPU221に検出されると、内枠開放コマンド受信フラグ223aはオフされる。
また、前面枠開放コマンド受信フラグ223bは、音声ランプ制御装置113が受信したコマンドが、前面枠開放コマンドであるか又は前面枠閉鎖コマンドであるかを示すフラグである。パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が開放されると、前面枠開放フラグ203bはオンされて、音声ランプ制御装置113へ、MPU201により前面枠開放コマンドが送信される。この前面枠開放コマンドが入出力ポート225を介してMPU221に検出されると、前面枠開放コマンド受信フラグ223bはオンされる。なお、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンされると、MPU221は、表示制御装置114へ、前面枠14が開放されたことを伝える前面枠開放コマンドを送信する。また、MPU221は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、前面枠14の開放を報知する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が閉鎖されると、前面枠開放フラグ203bはオフされて、音声ランプ制御装置113へ、MPU201により前面枠閉鎖コマンドが送信される。この前面枠閉鎖コマンドが入出力ポート225を介してMPU221に検出されると、前面枠開放コマンド受信フラグ223bはオフされる。なお、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオフされると、MPU221は、表示制御装置114へ、前面枠14が閉鎖されたことを伝える前面枠閉鎖コマンドを送信する。また、MPU221は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて行っていた報知を停止する。このように、前面枠14が開放されて前面枠開放コマンドがMPU221に検出されると、前面枠開放コマンド受信フラグ223bはオンされる一方、前面枠14が閉鎖されて前面枠閉鎖コマンドがMPU221に検出されると、前面枠開放コマンド受信フラグ223bはオフされる。
表示制御装置114のRAM233には、演出許可フラグ233a、変動開始フラグ233b、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cおよび表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dとが設けられている。演出許可フラグ233aは、第3図柄表示装置81の表示の開始を許可するためのフラグであり、主制御装置110の初期設定の処理後に送信される演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114が受信すると(演出許可コマンドが入力ポート237を介してMPU231に検出されると)、オンされる。なお、演出許可フラグ233aは、一旦オンされると、そのオン状態を継続する。
変動開始フラグ233bは、第3図柄表示装置81において変動表示の開始を許可するためのフラグであり、表示制御装置114が、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113を介して受信した場合に(MPU231が、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドを入力ポート237を介して検出した場合に)、オンされる。なお、変動開始フラグ233bは、第3図柄表示装置81において変動表示が開始されるとオフされる。ここで、変動開始フラグ233bがオフされるのは、本実施形態においては、変動開始フラグ233bがオンされると、第3図柄表示装置81において変動表示が開始される構成となっているので、変動開始フラグ233bをオフしないと、後述する変動開始の処理(図31のS1010の処理)が繰り返し実行され、正常な処理が実行されないからである。
次に、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cについて説明する。表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cは、表示制御装置114が受信したコマンドが、内枠開放コマンドであるか又は内枠閉鎖コマンドであるかを示すフラグである。上述の通り、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されると、主制御装置110は音声ランプ制御装置113を介して、表示制御装置114へ、内枠12が開放されたことを伝える内枠開放コマンドを送信する。この内枠開放コマンドが入力ポート237を介してMPU231に検出されると、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cがオンされる。なお、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cがオンされると、MPU231は、内枠12の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が閉鎖されると、主制御装置110は音声ランプ制御装置113を介して、表示制御装置114へ、内枠12が閉鎖されたことを伝える内枠閉鎖コマンドを送信する。この内枠閉鎖コマンドが入力ポート237を介してMPU231に検出されると、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cがオフされる。なお、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cがオフされると、MPU231は、第3図柄表示装置81に表示していた内枠12の開放を示すメッセージを消去する。
最後に、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dについて説明する。表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dは、表示制御装置114が受信したコマンドが、前面枠開放コマンドであるか又は前面枠閉鎖コマンドであるかを示すフラグである。パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が開放されると、主制御装置110は音声ランプ制御装置113を介して、表示制御装置114へ、前面枠14が開放されたことを伝える前面枠開放コマンドを送信する。この前面枠開放コマンドが入力ポート237を介してMPU231に検出されると、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dがオンされる。なお、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dがオンされると、MPU231は、前面枠14の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が閉鎖されると、主制御装置110は音声ランプ制御装置113を介して、表示制御装置114へ、前面枠14が閉鎖されたことを伝える前面枠閉鎖コマンドを送信する。この前面枠閉鎖コマンドが入力ポート237を介してMPU231に検出されると、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dがオフされる。なお、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dがオフされると、MPU231は、第3図柄表示装置81に表示していた前面枠14の開放を示すメッセージを消去する。
次に、図25を参照して、第4実施形態のパチンコ機500に使用される内枠用枠開放検出回路290および内枠用外部出力端子板291について説明する。図25は、内枠用枠開放検出回路290および内枠用外部出力端子板291の電気的構成を示したブロック図である。なお、内枠用枠開放検出回路290は、図20で上述した第3実施形態の枠開放検出回路280のスイッチSW1に並列接続されていたスイッチSW2を取り外して、スイッチSW1をスイッチSW3−1に変更した内枠用端子板出力回路290aと、スイッチSW3−1に連動して動作するスイッチSW3−2を有する内枠用入出力ポート出力回路290bとから構成されている。この内枠用端子板出力回路290aは、スイッチSW2を取り外して、スイッチSW1をスイッチSW3−1に変更した構成以外は、図20で上述した第3実施形態の枠開放検出回路280と同一の構成である。また、内枠用外部出力端子板291は、図20で上述した第3実施形態の外部出力端子板261と同一の構成である。よって、内枠用枠開放検出回路290および内枠用外部出力端子板291については、図20で上述した枠開放検出回路280および外部出力端子板261と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
また、前面枠用枠開放検出回路292は、内枠用枠開放検出回路290の構成と同様に、前面枠用端子板出力回路292a(図示せず)と、前面枠用入出力ポート出力回路292b(図示せず)とから構成されている。前面枠用端子板出力回路292aが内枠用端子板出力回路290aと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW3−1からスイッチSW4−1へ変更された所だけであり、その他は、内枠用端子板出力回路290aと同一の構成である。つまり、前面枠用端子板出力回路292aは、接続されるスイッチが内枠用枠開放検出回路290と異なるのみであり、内枠用枠開放検出回路290と同一の機能を有する。同様に、前面枠用入出力ポート出力回路292bが内枠用入出力ポート出力回路290bと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW3−2からスイッチSW4−2へ変更された所だけであり、その他は、内枠用入出力ポート出力回路290bと同一の構成である。つまり、前面枠用入出力ポート出力回路292bは、接続されるスイッチが内枠用入出力ポート出力回路290bと異なるのみであり、内枠用入出力ポート出力回路290bと同一の機能を有する。また、前面枠用外部出力端子板293については、内枠用外部出力端子板291と同一の構成であり、即ち、図20で上述した第3実施形態の外部出力端子板261と同一の構成である。よって、前面枠用枠開放検出回路292(前面枠用端子板出力回路292aと前面枠用入出力ポート出力回路292b)および前面枠用外部出力端子板293についてはその説明を省略する。
図25に示すように、内枠用入出力ポート出力回路290bに用いられるスイッチSW3−2は、そのスイッチSW3−2の一端(端子板3−2bの一端)が直流電源DC1とダイオードD1のアノード端子と接続される一方、スイッチSW3−2の他端(端子板3−2bの他端)が抵抗値140kΩの抵抗R11の一端と接続されている。
その抵抗R11の他端は、抵抗値100kΩの抵抗R12の一端および入出力ポート205と接続されており、抵抗R12の他端は、グランドされている。この抵抗R11および抵抗R12により、直流電源DC1から供給される12ボルトの直流電圧を分圧する分圧回路を構成している。よって、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されて、スイッチSW3−2が導通すると、直流電源DC1から供給される12ボルトの直流電圧が抵抗R11と抵抗R12とで分圧される。この時、抵抗R12に印加される直流電圧が約5ボルトとなる。従って、内枠12が開放されて、スイッチSW3−2が導通すると、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ5ボルトの信号が入力される。なお、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、図20の第3実施形態の枠開放検出回路280で説明した動作と同一の動作を行い、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
一方、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が閉鎖されて、内枠用入出力ポート出力回路290bに設けられたスイッチSW3−2が遮断すると、抵抗R11および抵抗R12には直流電圧が印加されない。よって、スイッチSW3が遮断して、スイッチSW3−2が遮断すると、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へは信号が入力されない(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ入力される直流電圧はゼロボルトになる)。なお、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が閉鎖されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が遮断すると、内枠用端子板出力回路290aは、図20の第3実施形態の枠開放検出回路280で説明した動作と同一の動作を行い、再び、内枠12の検出が可能な状態に設定される。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合には、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されないので、スイッチSW3−2が導通したとしても、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へは信号が入力されない(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ入力される直流電圧はゼロボルトになる)。
ただし、内枠用端子板出力回路290aには、図20の第3実施形態の枠開放検出回路280で説明した通り、コンデンサCD1から電力が供給されている。よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合であっても、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
上述した通り、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路290bに設けられたスイッチSW3−2が導通すると、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ5ボルトの信号が入力される。入出力ポート205へ5ボルトの信号が入力されると、パチンコ機500は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放を報知する。加えて、パチンコ機500は、内枠12の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。更に、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
一方、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合には、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されないので、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路290bに設けられたスイッチSW3−2が導通しても、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へは信号が入力されない(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ入力される直流電圧はゼロボルトになる)。ただし、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合であっても、内枠用端子板出力回路290aには、コンデンサCD1から電力が供給されているので、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
なお、内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号は24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に内枠用外部出力端子板291からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻を検出することができる。
このように、パチンコ機500への電源供給が行われているときに内枠12が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、およびパチンコ機500への電源供給が遮断されているときに内枠12が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である内枠用端子板出力回路290aで発揮することができる。
また、内枠用入出力ポート出力回路290bのスイッチSW3−2の一端は、直流電源DC1およびダイオードD1のアノード端子と接続されている。よって、パチンコ機500の電源がオンされている場合に内枠12が開放されると、スイッチSW3−2が導通して、内枠用入出力ポート出力回路290bへ直流電源DC1から電力が供給されて、内枠用入出力ポート出力回路290bは動作状態となる。一方、パチンコ機500の電源がオフされている場合には、直流電源DC1から内枠用入出力ポート出力回路290bへ電力が供給されないので、内枠12が開放されてスイッチSW3−2が開放されたとしても、内枠用入出力ポート出力回路290bは停止状態となる。
これに対し、内枠用端子板出力回路290aのスイッチSW3−1の一端は、ダイオードD2および抵抗R10を介して、コンデンサCD1の一端と接続されている。よって、パチンコ機500の電源がオンされている場合に内枠12が開放されると、スイッチSW3−1が導通して、内枠用端子板出力回路290aへ直流電源DC1から電力が供給されて、内枠用端子板出力回路290aは動作状態となる。一方、パチンコ機500の電源がオフされている場合には、直流電源DC1から内枠用端子板出力回路290aへ電力供給は停止されるが、内枠12が開放してスイッチSW3−1が導通すると、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路290aへ電力が供給されるので、内枠用端子板出力回路290aは動作状態となる。ここで、パチンコ機500の電源がオフされて、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路290aへ電力が供給されている場合には、内枠用入出力ポート出力回路290bへの電力供給を、逆流防止機能を発揮するダイオードD1により遮断することができる。よって、パチンコ機500の電源がオフされている場合に、内枠用端子板出力回路290aの動作可能回数を多くして、内枠12の開放の検出可能回数を多くできる。
また、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1は、内枠12が開放されて、スイッチSW3−1が導通され、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、この立ち下がりから約10m秒の間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。そして、このタイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12が開放された場合に、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることで、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10m秒に留めることができる。これにより、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に電流が供給される期間を約10m秒に留めることができ、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10m秒に留めることができる。
次に、図26を参照して、パチンコ機500の電源のオンオフ状態に拘らず、スイッチSW3−1の導通遮断状態(内枠12の開放閉鎖状態)に応じて変化する内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1のTRG端子電圧と、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1のOUT端子電圧と、内枠用外部出力端子板291の出力(ホールコンピュータ262の入力)と、パチンコ機500の電源がオンされている場合に、スイッチSW3−2の導通遮断状態(内枠12の開放閉鎖状態)に応じて変化する内枠用入出力ポート出力回路290bの出力との関係について説明する。図26は、パチンコ機500の電源のオンオフ状態(直流電源DC1の供給する直流電圧の状態)と、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の導通遮断状態(内枠12の開放閉鎖状態)と、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1のTRG端子電圧と、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1のOUT端子電圧と、内枠用外部出力端子板291の出力(ホールコンピュータ262の入力)と、内枠用入出力ポート出力回路290bの出力との関係を示したタイミングチャートである。
なお、上述の通り、前面枠用枠開放検出回路292に設けられる前面枠用端子板出力回路292aが内枠用端子板出力回路290aと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW3−1からスイッチSW4−1へ変更された所だけであり、その他は、内枠用端子板出力回路290aと同一の構成である。よって、前面枠用端子板出力回路292aの動作は、内枠用端子板出力回路290aの動作と同一である。また、前面枠用入出力ポート出力回路292bが内枠用入出力ポート出力回路290bと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW3−2からスイッチSW4−2へ変更された所だけであり、その他は、内枠用入出力ポート出力回路290bと同一の構成である。よって、前面枠用入出力ポート出力回路292bの動作は、内枠用入出力ポート出力回路290bの動作と同一である。更に、前面枠用外部出力端子板293は、内枠用外部出力端子板291と同一の構成であるので、前面枠用外部出力端子板293の動作は、内枠用外部出力端子板291と同一である。よって、前面枠用端子板出力回路292a、前面枠用入出力ポート出力回路292bおよび前面枠用外部出力端子板293の動作についてはその説明を省略する。
図26(a)に示すように、パチンコ機500の電源はt11時まではオン状態であり(直流電源DC1の供給する直流電圧はt11時までは12ボルト状態であり)、t11時以降、パチンコ機500の電源はオフ状態となる(直流電源DC1の供給する直流電圧はゼロボルトとなる)。よって、t11時となるまでは、内枠用端子板出力回路290aおよび内枠用入出力ポート出力回路290bへ、直流電源DC1からの電力が供給される。そして、t11時以降となると、内枠用端子板出力回路290aおよび内枠用入出力ポート出力回路290bへの直流電源DC1による電力の供給は停止される。ただし、内枠用端子板出力回路290aにはコンデンサCD1が設けられているので、t11時以降は、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路290aへ電力の供給が行われる。よって、t11時以降も、内枠用端子板出力回路290aは動作可能な状態となっている。
図26(b)に示すように、t9時に、スイッチSW3−1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図26(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t9時)。すると、これに追従して、図26(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t9時)。これにより、内枠用端子板出力回路290aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図25参照)、電流供給が開始される(t9時)。そして、図26(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、内枠用外部出力端子板291の出力は、t9時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12の開放を示すパルス信号の出力が開始される。また、図26(b)に示すように、t9時に、スイッチSW3−2が導通状態(内枠12が開放状態)となると、内枠用入出力ポート出力回路290bの抵抗R11および抵抗R12に直流電源DC1からの電力が供給され、抵抗R12に印加される電圧が5ボルトとなる(t9時)。よって、図26(f)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ、直流電圧5ボルトの信号が出力される(t9時)。
次に、図26(c)に示すように、t9時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t9時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t9時から約10m秒経過すると、図26(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、内枠用端子板出力回路290aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、内枠用外部出力端子板291の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、内枠用外部出力端子板291の出力は、t9時から約10m秒経過すると、図26(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、内枠用外部出力端子板291の出力が切り換わることで、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図26(b)に示すように、t10時に、スイッチSW3−1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、内枠用端子板出力回路290aは、再び、内枠12の検出が可能な状態に設定される。また、図26(b)に示すように、t10時に、スイッチSW3−2が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、内枠用入出力ポート出力回路290bの抵抗R11および抵抗R12への直流電源DC1からの電力供給が停止され、抵抗R12に印加される電圧はゼロボルトとなる(t10時)。よって、図26(f)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ出力されていた直流電圧5ボルトの信号は、t10時に停止状態となる(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205への出力は、t10時にゼロボルトとなる)。
図26(a)に示すように、t11時以降、パチンコ機500の電源がオフ状態となると(直流電源DC1の供給する直流電圧がゼロボルトとなると)、内枠用端子板出力回路290aおよび内枠用入出力ポート出力回路290bへの直流電源DC1による電力の供給は停止される。しかし、パチンコ機500の電源がオフ状態であっても、内枠用端子板出力回路290aにはコンデンサCD1からの電力が供給されている。よって、図26(b)に示すように、t12時に、スイッチSW3−1が導通状態(内枠12が開放状態)となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図26(c)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が、約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がる(t12時)。すると、これに追従して、図26(d)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t12時)。これにより、内枠用端子板出力回路290aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図25参照)、電流供給が開始される(t12時)。そして、図26(e)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、内枠用外部出力端子板291の出力は、t12時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12の開放を示すパルス信号の出力が開始される。一方、図26(b)に示すように、t12時に、スイッチSW3−2が導通状態(内枠12が開放状態)となっても、内枠用入出力ポート出力回路290bの抵抗R11および抵抗R12には直流電源DC1からの電力が供給されないので(直流電源DC1の供給する直流電圧はゼロボルトであるので)、抵抗R12に印加される電圧はゼロボルトとなる(t12時)。よって、図26(f)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ出力される信号は、停止状態を維持する(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205への出力は、ゼロボルトを維持する)。
なお、t9時からt10時の間に内枠用端子板出力回路290aのコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、t12時に、内枠用端子板出力回路290aのツェナーダイオードD3を介して瞬間的に放電完了する。このコンデンサCD7の放電期間は、タイマIC1のTRG端子の電圧が約10.3ボルトからゼロボルトとなり、再び約10.3ボルトとなる約2m秒よりも非常に微小な期間であるので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧に著しい影響を与えるものではない。更に、この放電の他に、t9時からt10時にコンデンサCD7に蓄えられた電荷は、コンデンサCD7の自己放電によっても放電が行われる。
また、t12時に、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1のTRG端子には、コンデンサCD1から供給される約10.3ボルトの電圧と、内枠用端子板出力回路290aのコンデンサCD7に蓄えられた電荷に伴う約10.3ボルトの電圧とが重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加され得る。しかし、タイマIC1のTRG端子の前段には、制限電圧(ツェナー電圧)を約10.5ボルトとするツェナーダイオードD3が接続されているので、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の最大値は約10.5ボルトとなり、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧がタイマIC1のTRG端子に印加されることはない。
次に、図26(c)に示すように、t12時から約2m秒経過すると、内枠用端子板出力回路290aのコンデンサCD7の充電が完了して、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t12時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t12時から約10m秒経過すると、図26(d)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、内枠用端子板出力回路290aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、内枠用外部出力端子板291の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、内枠用外部出力端子板291の出力は、t12時から約10m秒経過すると、図26(e)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、内枠用外部出力端子板291の出力が切り換わることで、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図26(b)に示すように、t13時に、スイッチSW3−1が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、内枠用端子板出力回路290aは、再び、内枠12の検出が可能な状態に設定される。同様に、図26(b)に示すように、t13時に、スイッチSW3−2が遮断状態(内枠12が閉鎖状態)となると、内枠用入出力ポート出力回路290bは、パチンコ機500の電源がオンされた場合に内枠12の検出が可能な状態に設定される。
上述した通り、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に(t11時までの場合に)、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。更に、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路290bに設けられたスイッチSW3−2が導通すると、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ5ボルトの信号が入力される。
また、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合であっても(t11時以降であっても)、内枠用端子板出力回路290aには、コンデンサCD1から電力が供給されているので、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路290aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路290aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。ただし、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合には(t11時以降の場合には)、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が内枠用入出力ポート出力回路290bへ供給されていないので、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路290bに設けられたスイッチSW3−2が導通しても、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へは信号が出力されない(内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ出力される直流電圧はゼロボルトになる)。
このように、パチンコ機500への電源供給が行われている場合に内枠12が開放されたときに、入出力ポート205へ信号を出力する機能およびホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、並びにパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合に内枠12が開放されたときに、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である内枠用枠開放検出回路290で発揮することができる。
また、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態(内枠12が開放状態)となると、内枠用端子板出力回路290aのタイマIC1は、スイッチSW3−1の導通期間(内枠12の開放期間)に拘らず、スイッチSW3−1が導通状態(内枠12が開放状態)となり、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がってから約10m秒経過すると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10m秒となる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、内枠用端子板出力回路290aおよび内枠用外部出力端子板291へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、内枠用端子板出力回路290aおよび内枠用外部出力端子板291へコンデンサCD1から約10.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12の1回の開放につき、約10m秒に留めることができる。従って、内枠12の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
次に、図27および図28のフローチャートを参照して、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。なお、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110により実行される各制御処理は、第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110により実行される各制御処理のうち、メイン処理(図12参照)とタイマ割込処理(図15参照)とを変更したものであり、その他の制御処理は、第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110により実行される各制御処理と同一である。よって、第4実施形態のパチンコ機500においては、図27に示すメイン処理と、図28に示すタイマ割込処理とを説明し、他の制御処理の説明を省略する。なお、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理(図28)を説明し、その後、メイン処理(図27)を説明する。
図28を参照して、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるタイマ割込処理について説明する。図28は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2m秒毎に実行される。なお、図28に示す第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるタイマ割込処理は、第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110で実行されるタイマ割込処理(図15参照)のS501とS502との処理の間に、内枠開放フラグ203aおよび前面枠開放フラグ203bをオンまたはオフに設定する処理(S506〜S513の処理)を追加したものである。よって、図15で前述した第1実施形態のパチンコ機10のタイマ割込処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、内枠用入出力ポート出力回路290bの出力読み込み処理を実行する(S506)。即ち、内枠用入出力ポート出力回路290bから入出力ポート205へ出力される信号の電圧値を読み込む。そして、読み込んだ内枠用入出力ポート出力回路290bの出力(信号)は、5ボルトか否かが判定される(S507)。読み込んだ内枠用入出力ポート出力回路290bの出力(信号)が5ボルトであれば(S507:Yes)、内枠12が開放されているので、内枠開放フラグ203aをオンにする(S508)。一方、読み込んだ内枠用入出力ポート出力回路290bの出力(信号)がゼロボルトであれば(S507:No)、内枠12が閉鎖されているので、内枠開放フラグ203aをオフにする(S509)。
S508またはS509の処理後、前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力読み込み処理を実行する(S510)。即ち、前面枠用入出力ポート出力回路292bから入出力ポート205へ出力される信号の電圧値を読み込む。そして、読み込んだ前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力(信号)は、5ボルトか否かが判定される(S511)。読み込んだ前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力(信号)が5ボルトであれば(S511:Yes)、前面枠14が開放されているので、前面枠開放フラグ203bをオンにする(S512)。一方、読み込んだ前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力(信号)がゼロボルトであれば(S511:No)、前面枠14が閉鎖されているので、前面枠開放フラグ203bをオフにする(S513)。S512またはS513の処理後、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。
このように、主制御装置110は、読み込んだ内枠用入出力ポート出力回路290bの出力(信号)が5ボルトであれば、内枠12が開放されているので、内枠開放フラグ203aをオンにする。一方、読み込んだ内枠用入出力ポート出力回路290bの出力(信号)がゼロボルトであれば、内枠12が閉鎖されているので、内枠開放フラグ203aをオフにする。また、主制御装置110は、読み込んだ前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力(信号)が5ボルトであれば、前面枠14が開放されているので、前面枠開放フラグ203bをオンにする。一方、読み込んだ前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力(信号)がゼロボルトであれば、前面枠14が閉鎖されているので、前面枠開放フラグ203bをオフにする。
次に、図27を参照して、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるメイン処理について説明する。図27は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS201〜S206およびS215〜S220の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
なお、図27に示す第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるメイン処理は、第1実施形態のパチンコ機10の主制御装置110で実行されるメイン処理(図12参照)のS201とS202との処理の間に、内枠開放コマンドまたは内枠閉鎖コマンド、若しくは前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドのいずれかのコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する処理(S215〜S220の処理)を追加したものである。よって、図12で前述した第1実施形態のパチンコ機10のメイン処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第4実施形態のパチンコ機10の主制御装置110で実行されるメイン処理では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理(S201)実行後、内枠開放フラグ203aはオンか否かが判定される(S215)。内枠開放フラグ203aがオンである(S215:Yes)、即ち、内枠12が開放されていれば、内枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S216)。一方、内枠開放フラグ203aがオフである(S215:No)、即ち、内枠12が閉鎖されていれば、内枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S217)。S216またはS217の処理後、前面枠開放フラグ203bはオンか否かが判定される(S218)。前面枠開放フラグ203bがオンである(S218:Yes)、即ち、前面枠14が開放されていれば、前面枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S219)。一方、前面枠開放フラグ203bがオフである(S218:No)、即ち、前面枠14が閉鎖されていれば、前面枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S220)。S219またはS220の処理後、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を更新する(S202)。
このように、主制御装置110は、内枠開放フラグ203aがオンである、即ち、内枠12が開放されていれば、内枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。一方、内枠開放フラグ203aがオフである、即ち、内枠12が閉鎖されていれば、内枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。また、主制御装置110は、前面枠開放フラグ203bがオンである、即ち、前面枠14が開放されていれば、前面枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。一方、前面枠開放フラグ203bがオフである、即ち、前面枠14が閉鎖されていれば、前面枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。
なお、主制御装置110のコマンド送信は、次のようにしても良い。例えば、主制御装置110は、内枠12が開放されて内枠開放フラグ203aがオンとなったときに、音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドを1回送信し、内枠12が閉鎖されて、内枠開放フラグ203aがオフとなったときに、音声ランプ制御装置113へ内枠閉鎖コマンドを1回送信するようにしても良い。同様に、主制御装置110は、前面枠14が開放されて前面枠開放フラグ203bがオンとなったときに、音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドを1回送信し、前面枠14が閉鎖されて、前面枠開放フラグ203bがオフとなったときに、音声ランプ制御装置113へ前面枠閉鎖コマンドを1回送信するようにしても良い。
次に、図29から図31を参照して、音声ランプ制御装置113で行われる処理について説明する。図29は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S701)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S816の電源断処理(図30参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S702)。図30を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図30のS812参照)、S816の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S815の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S702:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS816の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S703)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S706の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S703:Yes)、S704へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S703:No)、S708へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S703:Yes)、S704へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS816の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S703:No)、S708へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S702:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S816の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS704へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S704の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S704)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S705:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S706)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S705:No)、RAM223の異常を報知して(S707)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良い。
S708の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S708)。電源断フラグはS816の電源断処理の実行時にオンされるので(図30のS815参照)、図30を参照して後述する通り、電源断フラグは、S815の処理によってオンされる。つまり、電源断フラグは、S816の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS708の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS816の電源断処理の実行を完了しない状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S708:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S709)、RAM223の初期値を設定した後(S710)、割込み許可を設定して(S711)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS708の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS704からS706の処理を経由してS708の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S708:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS709をスキップして、処理をS710へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S710)、割込み許可を設定して(S711)、メイン処理へ移行する。
なお、S709のクリア処理をスキップするのは、S704からS706の処理を経由してS708の処理へ至った場合には、S704の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図30は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S801)、1m秒以上経過していなければ(S801:No)、S802〜S809の処理を行わずにS810の処理へ移行する。S801の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S802〜S809が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S810の各カウンタの更新処理やS811のコマンドの受信処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。これにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S801の処理で1m秒以上経過していれば(S801:Yes)、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS807の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S802)、その後電源投入報知処理を実行する(S803)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS804の処理へ移行する。
S804の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S805)。客待ち演出では、パチンコ機500が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、作動保留球Nに応じて保留ランプ85を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S806)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S806の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理が実行され(S807)、その後音編集・出力処理が実行される(S808)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
その後、液晶演出実行管理処理が実行され(S809)、S810の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや演出時間加算コマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS807のランプ編集処理やS808の音編集・出力処理の演出時間が設定される。
S810の処理では、第3図柄表示装置81の変動表示処理が実行される。この変動表示処理では、音声ランプ制御装置113に搭載された複数のカウンタ(大当たり時の停止図柄を設定するカウンタ、外れ時の停止図柄を選択するカウンタなど)が更新され、そのカウンタの値と主制御装置110から送信される変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づき第3図柄表示装置81で停止表示される図柄を設定したり、変動表示のパターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)などが設定される。その停止図柄や変動パターンは、コマンドとして表示制御装置114に送信される。
S810の処理では、例えば、主制御装置110から送信される変動パターンのコマンドが「完全外れ」である場合、完全外れに対応した複数のパターンのうち完全外れAパターンが選択され、第3図柄表示装置81で完全外れAパターンの演出が行われるよう表示制御装置110に対してコマンドが送信される。よって、主制御装置110により決定された1の変動パターンに対して、第3図柄表示装置81で表示される詳細な変動パターンが音声ランプ制御装置113で決定されるので、主制御装置110の制御負担を軽減することができる。さらに、主制御装置110において決定される各演出のパターンを少なくできるので、ROM202の記憶容量を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
そして、主制御装置110からのコマンドを受信する(S811)。主制御装置110からのコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM233に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信する。
S811の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S812)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S812の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S812:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S815)、電源断処理を実行する(S816)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S817)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S812の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S812:No)、内枠12または前面枠14のいずれか一方の開放、または内枠12および前面枠14の両方の開放があった場合に、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う扉開放報知処理(S813)を実行する。
ここで、図31を参照して、扉開放報知処理について説明する。図31は、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。この扉開放報知処理は、内枠開放コマンド、前面枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドの4つのコマンドを音声ランプ制御装置113が受信したか否かを判定し、その判定に応じて報知を実行する処理である。
扉開放報知処理では、まず、S811の処理(図30参照)で、内枠12が開放していることを示す内枠開放コマンドを受信したか否かが判定される(S901)。内枠開放コマンドを受信した場合には(S901:Yes)、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンか否かが判定される(S902)。内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンでなければ(S902:No)、後述するS905の処理である内枠開放報知処理が未だ開始されていないので、この内枠開放報知処理を開始させるべく、S903以降の処理に移行する。まず、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S903)、内枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信する(S904)。そして、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて内枠12が開放されていることを報知する内枠開放報知処理を開始する(S905)。この内枠開放報知処理では、音声出力装置226を用いて、例えば、「内枠が開放しています」と電子音で報知したり、ランプ表示装置227を用いて、内枠12が開放したことを示すために、例えば、1秒間に4回点滅を実行したりする。これにより、内枠12が開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。
なお、主制御装置110は、内枠12が開放している期間中、内枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。よって、既に内枠開放コマンドを受信しており、S903〜S905の処理が実行済みであるときに、改めて内枠開放コマンドを受信した場合には(S901:Yes)、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンであると判定され(S902:Yes)、既に開始されている内枠開放報知処理(S905)を継続して実行させる(S906)。これにより、内枠12が開放されている期間中、内枠開放報知処理(S905)が継続して実行される。また、S811の処理で、内枠開放コマンドを受信していない場合には(S901:No)、S903〜S906の処理をスキップする。
次に、S811の処理(図30参照)で、前面枠14が開放していることを示す前面枠開放コマンドを受信したか否かが判定される(S907)。前面枠開放コマンドを受信した場合には(S907:Yes)、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンか否かが判定される(S908)。前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンでなければ(S908:No)、後述するS911の処理である前面枠開放報知処理が未だ開始されていないので、この前面枠開放報知処理を開始させるべく、S909以降の処理に移行する。まず、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠開放コマンドを受信したこと示すオンにして(S909)、前面枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信する(S910)。そして、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて前面枠14が開放されていることを報知する前面枠開放報知処理を開始する(S911)。この前面枠開放報知処理では、音声出力装置226を用いて、例えば、「前面枠が開放しています」と電子音で報知したり、ランプ表示装置227を用いて、前面枠14が開放したことを示すために、例えば、1秒間に1回点滅を行ったりする。これにより、前面枠14が開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。
なお、主制御装置110は、前面枠14が開放している期間中、前面枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。よって、既に前面枠開放コマンドを受信しており、S909〜S911の処理が実行済みであるときに、改めて前面枠開放コマンドを受信した場合には(S907:Yes)、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンであると判定され(S908:Yes)、既に開始されている前面枠開放報知処理(S911)を継続して実行させる(S912)。これにより、前面枠14が開放されている期間中、前面枠開放報知処理(S911)が継続して実行される。また、S811の処理で、前面枠開放コマンドを受信していない場合には(S907:No)、S909〜S912の処理をスキップする。
次に、S811(図30参照)の処理で、内枠12が閉鎖していることを示す内枠閉鎖コマンドを受信したか否かが判定される(S913)。内枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S913:Yes)、内枠開放コマンド受信フラグ223aはオンか否かが判定される(S914)。内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンであれば(S914:Yes)、内枠開放報知処理(S905)が開始されているものの、後述する内枠開放報知処理を終了させる処理(S917)が未だ実行されていないので、この内枠開放報知処理を終了させる処理を実行するべく、S915以降の処理に移行する。まず、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S915)、内枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信する(S916)。そして、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて実行されていた内枠開放報知処理を終了する(S917)。これにより、音声出力装置226やランプ表示装置227を用いて行われていた内枠12の開放を示す報知を終了させることができる。
なお、主制御装置110は、内枠12が閉鎖している期間中、内枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。よって、既に内枠閉鎖コマンドを受信しており、S915〜S917の処理が実行済みであるときに、改めて内枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S913:Yes)、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオフであると判定され(S914:No)、S915〜S917の処理をスキップする。また、S811の処理で、内枠閉鎖コマンドを受信していない場合にも(S913:No)、S915〜S917の処理をスキップする。
次に、S811(図30参照)の処理で、前面枠14が閉鎖していることを示す前面枠閉鎖コマンドを受信したか否かが判定される(S918)。前面枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S918:Yes)、前面枠開放コマンド受信フラグ223bはオンか否かが判定される(S919)。前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンであれば(S919:Yes)、前面枠開放報知処理(S911)が開始されているものの、後述する前面枠開放報知処理を終了させる処理(S922)が未だ実行されていないので、この前面枠開放報知処理を終了させる処理を実行するべく、S920以降の処理に移行する。まず、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S920)、前面枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信する(S921)。そして、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて実行されていた前面枠開放報知処理を終了する(S922)。これにより、音声出力装置226やランプ表示装置227を用いて行われていた前面枠14の開放を示す報知を終了させることができる。
なお、主制御装置110は、前面枠14が閉鎖している期間中、前面枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。よって、既に前面枠閉鎖コマンドを受信しており、S920〜S922の処理が実行済みであるときに、改めて前面枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S918:Yes)、前面枠開放コマンド受信フラグ223aがオフであると判定され(S919:No)、S920〜S922の処理をスキップする。また、S811の処理で、前面枠閉鎖コマンドを受信していない場合にも(S918:No)、S920〜S922の処理をスキップする。
上述の通り、音声ランプ制御装置113は、S811(図30参照)の処理で内枠開放コマンドを受信した場合には、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S903)、内枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信し(S904)、内枠開放報知処理を開始する(S905)。この内枠開放報知処理(S905)は、内枠12が閉鎖されるまで継続して行われるので、内枠12が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。同様に、音声ランプ制御装置113は、S811(図30参照)の処理で前面枠開放コマンドを受信した場合には、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S909)、前面枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信し(S910)、前面枠開放報知処理を開始する(S911)。この前面枠開放報知処理(S911)は、前面枠14が閉鎖されるまで継続して行われるので、前面枠14が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。
また、音声ランプ制御装置113は、S811(図30参照)の処理で内枠閉鎖コマンドを受信した場合に、内枠開放報知処理(S905)が既に行われているときには、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S915)、内枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信し(S916)、内枠開放報知処理を終了する(S917)。同様に、S811(図30参照)の処理で前面枠閉鎖コマンドを受信した場合に、前面枠開放報知処理(S911)が既に行われているときには、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S920)、前面枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信し(S921)、前面枠開放報知処理を終了する(S922)。
図30の説明に戻る。扉開放報知処理(S813)の実行後、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S814)、RAM223が破壊されていなければ(S814:No)、S801の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S814:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機500の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図32と図33とを参照して、表示制御装置114で行われる処理について説明する。なお、説明の便宜上、図33の外部割込み処理を先に説明し、その後、図32のメイン処理を説明する。
図33は、表示制御装置114内のMPU231により実行される外部割込み処理を示したフローチャートであり、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信した場合に実行される。外部割込み処理が実行されると、S1101〜S1106の処理により受信したコマンドの判定が行われる。受信したコマンドが演出許可コマンドであれば(S1101:Yes)、ワークRAM233の演出許可フラグ233aをオンして(S1108)、外部割込み処理を終了する。また、受信したコマンドが変動パターンコマンドであれば(S1101:No、S1102:Yes)、ワークRAM233の変動開始フラグ233bをオンして(S1109)、外部割込み処理を終了する。
次に、受信したコマンドが内枠開放コマンドであれば(S1101:No、S1102:No、S1103:Yes)、ワークRAM233の表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cを、内枠開放コマンドを受信したこと示すオンにして(S1110)、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示開始する(S1111)。その後、外部割込み処理を終了する。この第3図柄表示装置81への表示開始により、内枠12が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。なお、第3図柄表示装置81に表示される「内枠が開放しています」の文字は、第3図柄表示装置81に表示されている演出表示と重ね合わせて表示される。また、「内枠が開放しています」の文字は、内枠12が開放されている期間中、即ち、内枠12が閉鎖されて、表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cがオフとなり、後述するS1115の処理が行われるまで継続して第3図柄表示装置81に表示される。
次に、受信したコマンドが前面枠開放コマンドであれば(S1101:No、S1102:No、S1103:No、S1104:Yes)、ワークRAM233の表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dを前面枠開放コマンドを受信したこと示すオンにして(S1112)、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示開始する(S1113)。その後、外部割込み処理を終了する。この第3図柄表示装置81への表示開始により、前面枠14が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。なお、第3図柄表示装置81に表示される「前面枠が開放しています」の文字は、第3図柄表示装置81に表示されている演出表示と重ね合わせて表示される。また、「前面枠が開放しています」の文字は、前面枠14が開放されている期間中、即ち、前面枠14が閉鎖されて、表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dがオフとなり、後述するS1117の処理が行われるまで継続して第3図柄表示装置81に表示される。
次に、受信したコマンドが内枠閉鎖コマンドであれば(S1101:No、S1102:No、S1103:No、S1104:No、S1105:Yes)、ワークRAM233の表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cを、内枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S1114)、第3図柄表示装置81の「内枠が開放しています」の表示を消去する(S1115)。その後、外部割込み処理を終了する。
次に、受信したコマンドが前面枠閉鎖コマンドであれば(S1101:No、S1102:No、S1103:No、S1104:No、S1105:No、S1106:Yes)、ワークRAM233の表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dを、前面枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S1116)、第3図柄表示装置81の「前面枠が開放しています」の表示を消去する(S1117)。その後、外部割込み処理を終了する。
最後に、受信したコマンドが演出許可コマンド、変動パターンコマンド、内枠開放コマンド、前面枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドのいずれでもなければ(S1101:No、S1102:No、S1103:No、S1104:No、S1105:No、S1106:No)、その他の受信したコマンドに対応した処理が実行され(S1107)、外部割込み処理を終了する。例えば、受信したコマンドが停止コマンドであれば、第3図柄表示装置81で行われている変動を停止する処理が実行される。
上述した通り、表示制御装置114は、内枠開放コマンドを受信すると、ワークRAM233の表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cを、内枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S1110)、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示開始する(S1111)。この第3図柄表示装置81への表示開始により、内枠12が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。同様に、表示制御装置114は、前面枠開放コマンドを受信すると、ワークRAM233の表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dを、前面枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S1112)、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示開始する(S1113)。この第3図柄表示装置81への表示開始により、前面枠14が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。
そして、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に「内枠が開放しています」と表示開始されている場合に、内枠閉鎖コマンドを受信すると、ワークRAM233の表示用内枠開放コマンド受信フラグ233cを、内枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S1114)、第3図柄表示装置81の「内枠が開放しています」の表示を消去する(S1115)。同様に、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81に「前面枠が開放しています」と表示開始されている場合に、前面枠閉鎖コマンドを受信すると、ワークRAM233の表示用前面枠開放コマンド受信フラグ233dを、前面枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S1116)、第3図柄表示装置81の「前面枠が開放しています」の表示を消去する(S1117)。
次に、図32を参照して、表示制御装置114により実行されるメイン処理について説明する。図32は、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時に起動される。まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、ビデオRAM234の記憶をクリアする処理などが行われる。その後、キャラクタROM235に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し(S1002)、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM234に記憶する(S1003)。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM234に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、S1003の処理で解凍したキャラクタ情報を記憶したビデオRAM234内の領域とは異なるビデオRAM234内の領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む(S1004)。
次に、主制御装置110から送信される演出許可コマンドを受信したかを判定するために演出許可フラグ233aがオンされているか否かを判別し(S1005)、演出許可フラグ233aがオンでなければ(S1005:No)、演出許可コマンドが主制御装置110から送信されるまで、即ち、演出許可フラグ233aがオンされるまで、S1006以降の処理を待機する。
S1005の判定の結果、演出許可フラグ233aがオンされていれば(S1005:Yes)、S1004の処理で抽出したキャラクタ情報を第3図柄表示装置81に表示させる。そして、S1006以降の処理に移行する。
S1006の処理では、第3図柄表示装置81で実行されている表示が大当たり中であるか否かが判別され(S1006)、大当たり中でなければ(S1006:No)、第3図柄表示装置81において変動表示の開始を許可するための変動開始フラグ233bがオンされているか否かが判別される(S1007)。その結果、変動開始フラグ233bがオンされていれば(S1007:Yes)、変動開始フラグ233bをオフして(S1008)、第3図柄表示装置81の表示画面に変動パターンコマンドに対応した変動を開始させる(S1009)。ここで、S1008の処理において、変動開始フラグ233bがオフされるのは、本実施形態のパチンコ機500においては、変動開始フラグ233bがオンされると第3図柄表示装置81において変動表示が開始される構成となっているので(S1007:Yes〜S1009)、変動開始フラグ233bをオフしないと、変動開始の処理(S1009)が繰り返し実行され、正常な処理が実行されないからである。
一方、S1007の処理で判別した結果、変動開始フラグ233bがオフであった場合(S1007:No)、またはS1009の処理で変動が開始されると、変動演出処理が行われる(S1010)。変動演出処理では、変動表示が継続して行われる場合には、キャラクタ情報や演出パターン情報が更新して設定され(ビデオRAM234からのキャラクタ情報の新たな抽出と抽出されたキャラクタ情報のビデオRAM234への書き込み)、変動表示が行われていない場合には特に処理を行わずにS1011の処理へ移行する。ここで、S1011の処理では、第3図柄表示装置81における演出を行う処理(S1006〜S1010)を20m秒毎に実行するために、S1006の処理が開始されてから20m秒以上が経過したか否かを確認し(S1011)、否であれば20m秒以上を経過するまで待機し(S1011:No)、20m秒以上が経過していれば(S1011:Yes)、その処理をS1006の処理へ移行する。
また、S1006の処理の結果、大当たり中であれば(S1006:Yes)、大当たりの演出処理が実行される(S1012)。大当たり演出処理では、ラウンド数を更新したり、賞球数を更新したり、ラウンド毎に異なる背景の画像などの更新(ビデオRAM234からのキャラクタ情報の新たな抽出と抽出されたキャラクタ情報のビデオRAM234への書き込み)を行う。大当たり演出処理(S1012)の終了後は、その処理をS1011の処理に移行する。
以上、説明したように、第4実施形態のパチンコ機500によれば、内枠用枠開放検出回路290の内枠用入出力ポート出力回路290bは、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、スイッチSW3−2が導通して内枠12の開放を検出すると、入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号を出力する。入出力ポート205に、この信号が入力されると、パチンコ機500は、音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドを送信し、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放を報知する。また、パチンコ機500は、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ内枠開放コマンドを送信し、内枠12の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。よって、内枠12が開放中であることを不特定多数の者に明確に報知することができる。
同様に、第4実施形態のパチンコ機500によれば、前面枠用枠開放検出回路292の前面枠用入出力ポート出力回路292bは、パチンコ機500への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、スイッチSW4−2が導通して前面枠14の開放を検出すると、入出力ポート205へ直流電圧5ボルトの信号を出力する。入出力ポート205に、この信号が入力されると、パチンコ機500は、音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドを送信し、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、前面枠14の開放を報知する。また、パチンコ機500は、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ前面枠開放コマンドを送信し、前面枠14の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。よって、前面枠14が開放中であることを不特定多数の者に明確に報知することができる。
一方、第4実施形態のパチンコ機500によれば、内枠用枠開放検出回路290の内枠用端子板出力回路290aは、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に加え、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても(主制御装置110が停止している場合であっても)、スイッチSW3−1が導通して内枠12の開放を検出すると、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合であっても、内枠12の開放を検出することができる。
同様に、第4実施形態のパチンコ機500によれば、前面枠用枠開放検出回路292の前面枠用端子板出力回路292aは、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に加え、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても(主制御装置110が停止している場合であっても)、スイッチSW4−1が導通して前面枠14の開放を検出すると、前面枠用外部出力端子板293からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。前面枠用外部出力端子板293から出力されたパルス信号はホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号を解析することで、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機500への電源供給が遮断されている場合であっても、前面枠14の開放を検出することができる。
このように、パチンコ機500への電源供給が行われているときに内枠12が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、およびパチンコ機500への電源供給が遮断されているときに内枠12が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である内枠用端子板出力回路290aで発揮することができる。
また、パチンコ機500への電源供給が行われているときに前面枠14が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、およびパチンコ機500への電源供給が遮断されているときに前面枠14が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である前面枠用端子板出力回路292aで発揮することができる。
なお、ホールコンピュータ262は、24時間動作させ続けている。よって、内枠用端子板出力回路290aは、パルス信号が内枠用外部出力端子板291から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、内枠12の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。同様に、前面枠用端子板出力回路292aは、パルス信号が前面枠用外部出力端子板293から出力されたことと共に、そのパルス信号が出力された時刻、即ち、前面枠14の開放時刻もホールコンピュータ262に記憶させることができる。
なお、第4実施形態においては、パチンコ機500は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放と前面枠14の開放とを別々に報知した。また、パチンコ機500は、第3図柄表示装置81を用いて、内枠12の開放と前面枠14の開放とを別々に表示した。しかし、これに限られるものではなく、内枠12の開放と前面枠14の開放とを同一の報知態様および表示態様で行っても良い。具体的には、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて行う報知を、内枠12の開放があった場合と前面枠14の開放があった場合とで同一としても良い。同様に、第3図柄表示装置81を用いて行う表示を、内枠12の開放があった場合と前面枠14の開放があった場合とで同一としても良い。この場合には、内枠12または前面枠14のいずれか一方の開放、若しくは両方の開放があったときに、第3図柄表示装置81に「扉が開放しています」と表示すれば良い。
また、第4実施形態においては、パチンコ機500は、内枠12の開放または前面枠14の開放があった場合に、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行うと共に、第3図柄表示装置81を用いて表示を行った。しかし、これに限られるものではなく、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いた報知または第3図柄表示装置81を用いた表示のいずれか一方を行っても良い。
次に、図34から図36を参照して、第5実施形態のパチンコ機600を説明する。第5実施形態のパチンコ機600は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に接続されていたスイッチSW3をスイッチSW3−1,SW3−2,SW3−3の3つのスイッチが内蔵されたスイッチSW3Aに変更し、第4実施形態のパチンコ機500の前面枠用枠開放検出回路292に接続されていたスイッチSW4をスイッチSW4−1,SW4−2,SW4−3の3つのスイッチが内蔵されたスイッチSW4Aに変更した上で、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290および前面枠用枠開放検出回路292に使用されていたツェナーダイオードD3を取り外したものである(このツェナーダイオードD3を取り外さず、そのまま、内枠用枠開放検出回路290および前面枠用枠開放検出回路292と同様に接続していても良い)。なお、今後、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では内枠用枠開放検出回路300とし、第4実施形態のパチンコ機500の前面枠用枠開放検出回路292に上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では前面枠用枠開放検出回路302とする。よって、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用端子板出力回路290aに上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では内枠用端子板出力回路300aとし、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用入出力ポート出力回路290bに上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では内枠用入出力ポート出力回路300bとする。同様に、第4実施形態のパチンコ機500の前面枠用端子板出力回路292aに上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では前面枠用端子板出力回路302aとし、第4実施形態のパチンコ機500の前面枠用入出力ポート出力回路292bに上記の変更を行ったものを、第5実施形態のパチンコ機600では前面枠用入出力ポート出力回路302bとする。
この、第5実施形態のパチンコ機600によれば、内枠12が開放された場合に内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)の積分回路281のコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、内枠12が閉鎖された場合に、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)に接続されたスイッチSW3−3を介してグランドに瞬間的に放電することができる。同様に、前面枠14が開放された場合に前面枠用枠開放検出回路302(前面枠用端子板出力回路302a)の積分回路281のコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、前面枠14が閉鎖された場合に、前面枠用枠開放検出回路302(前面枠用端子板出力回路302a)に接続されたスイッチSW4−3を介してグランドに瞬間的に放電することができる。
このように、内枠12または前面枠14が再度、開放状態となるまでには、常に積分回路281のコンデンサCD7に蓄えられた電荷がゼロとなっているので、内枠12または前面枠14が短時間の間に連続して複数回開放されたとしても、積分回路281は正常に動作して、内枠12または前面枠14の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることができる。
また、第5実施形態のパチンコ機600によれば、上述の通り、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)の積分回路281のコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、内枠12が閉鎖された場合にスイッチSW3−3を介してグランドに放電し、前面枠用枠開放検出回路302(前面枠用端子板出力回路302a)の積分回路281のコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、前面枠14が閉鎖された場合にスイッチSW4−3を介してグランドに放電する。よって、第4実施形態のパチンコ機500と異なり、内枠12または前面枠14が再度開放されて、スイッチSW3−1またはスイッチSW4−1が導通された場合に、コンデンサCD7に蓄えられた電荷がコンデンサCD1から供給される電圧に重畳されて、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧(例えば、12.3ボルトの電圧)が、タイマIC1のTRG端子に印加されることはない。従って、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加されるのを防止するツェナーダイオードD3を不要とすることができる。
また、第5実施形態のパチンコ機600によれば、第4実施形態のパチンコ機500と同様に、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを、パチンコ機600を用いて別々に報知することができる。更に、第5実施形態のパチンコ機600によれば、第4実施形態のパチンコ機500と同様に、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に加え、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12と前面枠14との何れかが開放されると、ホールコンピュータ262にパルス信号を別々に出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを特定することができる。
なお、第5実施形態のパチンコ機600の説明においては、第4実施形態のパチンコ機500と同一の部分には同一の番号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図34を参照して、内枠用枠開放検出回路300に接続されたスイッチSW3Aおよび前面枠用枠開放検出回路302に接続されたスイッチSW4Aの構造について説明する。なお、スイッチSW3Aは、スイッチSW3−1,SW3−2を内蔵するスイッチSW3にスイッチSW3−3を追加したものであり、その他の構造はスイッチSW3と同一である。同様に、スイッチSW4Aは、スイッチSW4−1,SW4−2を内蔵するスイッチSW4にスイッチSW4−3を追加したものであり、その他の構造はスイッチSW4と同一である。よって、スイッチSW3AおよびスイッチSW4Aにおいては、スイッチSW3およびスイッチSW4と同一部分については同一の番号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。また、スイッチSW3AとスイッチSW4Aとは同一の構造であるので、スイッチSW3Aについてその構造を説明し、スイッチSW4Aについてはその説明を省略する。
図34は、スイッチSW3Aの断面図である。図34(a)は、内枠12が閉鎖された状態におけるスイッチSW3Aの状態(遮断状態)を示した断面図である。また、図34(b)は、内枠12が開放途中または閉鎖途中の状態におけるスイッチSW3Aの状態を示した断面図である。更に、図34(c)は、内枠12が開放された状態におけるスイッチSW3Aの状態(導通状態)を示した断面図である。
図34(a)に示すように、内枠用枠開放検出回路300に接続されたスイッチSW3Aには、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2と逆の動作をするスイッチSW3−3が設けられている。スイッチSW3−3は、内枠12が閉鎖された状態に当接する可動軸SW3aに配設される導電部材である金属から構成された導体板SW3−3aと、その導体板SW3−3aの対向する位置に配設される金属から構成された一対の端子板SW3−3bと、その一対の端子板SW3−3bを筐体SW3bに配設する支持板SW3−3cと、導体板SW3−3a上の一対の端子板SW3−3bに対向する面に配設され、導体板SW3−3aに対して一対の端子板SW3−3bとは反対の方向に付勢力を発生させる一対のスプリングSW3caとが設けられている。このように、スイッチSW3には、スイッチSW3−1、スイッチSW3−2およびスイッチSW3−3の3つのスイッチが内蔵されている。
図34(a)に示すように、内枠12が閉鎖された状態においては、可動軸SW3aが内枠12に当接し、可動軸SW3aが筐体SW3bに押し込まれた状態となる。よって、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとの接触が妨げられると共に、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとの接触が妨げられる。一方、導体板SW3−3aと一対の端子板SW3−3bとは接触する。従って、内枠12が閉鎖された状態においては、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2共に導通が遮断された状態となる一方、スイッチSW3−3は導通された状態となる。
次に、図34(b)に示すように、内枠12が開放途中または閉鎖途中の状態においては、可動軸SW3aの内枠12との当接が解除されるので、一対のスプリングSW3caの付勢力により、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとの接触、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとの接触および導体板SW3−3aと一対の端子板SW3−3bとの接触のいずれもが妨げられた状態となる。よって、内枠12が開放途中または閉鎖途中の状態においては、スイッチSW3−1、スイッチSW3−2およびスイッチSW3−3共に導通が遮断された状態となる。
更に、図34(c)に示すように、内枠12が開放された状態においては、一対のスプリングSW3caの付勢力により、導体板SW3−1aと一対の端子板SW3−1bとが接触すると共に、導体板SW3−2aと一対の端子板SW3−2bとが接触する。一方、導体板SW3−3aと一対の端子板SW3−3bとの接触は妨げられる。よって、内枠12が開放された状態においては、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2共に導通された状態となる一方、スイッチSW3−3は導通が遮断された状態となる。
このように、筐体SW3bに内蔵されたスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、共に、内枠12が閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12が開放された状態では導通状態となる。これに対し、筐体SW3bに内蔵されたスイッチSW3−3は、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2とは逆の動作となり、内枠12が閉鎖された状態では導通状態となる一方、内枠12が開放された状態では遮断状態となる。つまり、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、導通状態と遮断状態とが連動して動作する構造であり、スイッチSW3−3は、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の状態と逆の状態となる動作を行う構造となっている。ただし、スイッチSW3Aの構造は、図34に記載した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された状態では、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となり、スイッチSW3−3が導通状態となる一方、内枠12が開放された状態では、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となり、スイッチSW3−3が遮断状態となる構造であれば良い。これは、スイッチSW4Aの構造についても同様である。
次に、図35を参照して、第5実施形態のパチンコ機600に使用される内枠用枠開放検出回路300および内枠用外部出力端子板291について説明する。図35は、内枠用枠開放検出回路300および内枠用外部出力端子板291の電気的構成を示したブロック図である。なお、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用枠開放検出回路300は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に接続されていたスイッチSW3をスイッチSW3−1,SW3−2,SW3−3の3つのスイッチが内蔵されたスイッチSW3Aに変更し、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に使用されていたツェナーダイオードD3を取り外したものである。この内枠用枠開放検出回路300は、上記の変更以外は、図25で上述した内枠用枠開放検出回路290と同一の構成である。また、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用外部出力端子板291は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用外部出力端子板291と同一の構造である。よって、内枠用枠開放検出回路300および内枠用外部出力端子板291については、図25で上述した内枠用枠開放検出回路290および内枠用外部出力端子板291と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
また、第5実施形態のパチンコ機600に使用される前面枠用枠開放検出回路302が、第5実施形態のパチンコ機600に使用される内枠用枠開放検出回路300と異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW3AからスイッチSW4Aへ変更された所だけであり、その他は、内枠用枠開放検出回路300と同一の構成である。また、第5実施形態のパチンコ機600に使用される前面枠用外部出力端子板293は、第5実施形態のパチンコ機600に使用される内枠用外部出力端子板291と同一の構成であり、即ち、図25で上述した第4実施形態のパチンコ機500の内枠用外部出力端子板291と同一の構造である。よって、前面枠用枠開放検出回路302および前面枠用外部出力端子板293についてはその説明を省略する。
図35に示すように、スイッチSW3A(図34参照)に設けられたスイッチSW3−3は、そのスイッチSW3−3の一端(端子板3−3bの一端)が、スイッチSW3−1の他端(端子板3−2bの他端)およびコンデンサCD7の一端と接続される一方、スイッチSW3−3の他端(端子板3−3bの他端)が、グランドされている。このように、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用端子板出力回路300aは、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用端子板出力回路290aにスイッチSW3−3を追加したものとなる。なお、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用入出力ポート出力回路300bは、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用入出力ポート出力回路290bと同一の構成である。
内枠用端子板出力回路300aに用いられるスイッチSW3−3は、上述の通り、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の状態と逆の状態となる動作を行う。よって、内枠12が閉鎖されている状態では、スイッチSW3−3は導通して、コンデンサCD7の一端がグランドされた状態となる一方、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は遮断された状態となる。
そして、内枠12が閉鎖状態から開放状態となると、スイッチSW3Aの構造上、まず、スイッチSW3−3が遮断状態となった後に、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となる(図34(a)→図34(b)→図34(c)参照)。このように、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合には、まず、コンデンサCD7の一端をスイッチSW3−3によりグランドと切断して、次に、コンデンサCD1からの電力をスイッチSW3−1を介してコンデンサCD7に供給する。よって、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合に、電力を供給するコンデンサCD1がグランドに短絡することはない。従って、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合に、コンデンサCD1からの電力がグランドに流れ込み、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)を短絡破壊することはない。なお、内枠12が開放され、スイッチSW3−1が導通して、コンデンサCD7にコンデンサCD1の電力が供給されると、上述の通り、コンデンサCD7に電荷が蓄えられ、この蓄えられた電荷の増加に伴い、コンデンサCD7に発生する電圧が増加する。そして、コンデンサCD7に発生する電圧の変化により、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることができる。このように、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を積分回路281により調整する、即ち、コンデンサCD7と抵抗R10とにより調整することで、複雑な回路を用いることなく、簡単な構成且つ安価に、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間とすることができる。
次に、内枠12が開放状態から閉鎖状態となると、スイッチSW3Aの構造上、まず、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となった後に、スイッチSW3−3が導通状態となる(図34(c)→図34(b)→図34(a)参照)。このように、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合には、まず、コンデンサCD1からコンデンサCD7に供給されている電力をスイッチSW3−1により停止して、次に、コンデンサCD7の一端をスイッチSW3−3を介してグランドする。よって、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合に、電力を供給するコンデンサCD1がグランドに短絡することはない。従って、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合に、コンデンサCD1からの電力がグランドに流れ込み、内枠用枠開放検出回路300を短絡破壊することはない。
なお、内枠12が閉鎖状態となることで、スイッチSW3−1が遮断状態となりコンデンサCD1からコンデンサCD7へ供給される電力が停止されると、スイッチSW3−3によりコンデンサCD7の一端をグランドすることができる。よって、内枠12が閉鎖状態となると、内枠12が開放状態となったときにコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、スイッチSW3−3を介して瞬間的に放電し、ゼロにすることができる。従って、内枠12が再び開放状態となるまでには、常にコンデンサCD7に蓄えられた電荷がゼロとなっているので、内枠12が短時間の間に連続して複数回開放されたとしても、積分回路281を正常に動作させ、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることができる。
また、上述の通り、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)は、内枠12が閉鎖状態となると、内枠12が開放状態となったときにコンデンサCD7に蓄えられた電荷を、スイッチSW3−3を介してグランドに瞬間的に放電することができる。よって、内枠12が開放されて、スイッチSW3−1が導通された場合に、コンデンサCD7に蓄えられた電荷がコンデンサCD1から供給される電圧に重畳され、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧(例えば、12.3ボルトの電圧)が、タイマIC1のTRG端子に印加されることはない。従って、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加されるのを防止するツェナーダイオードを不要とすることができる。
また、上述の通り、内枠用枠開放検出回路300は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に接続されていたスイッチSW3をスイッチSW3Aに変更し、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に使用されていたツェナーダイオードD3を取り外したものであり、上記の変更以外は、内枠用枠開放検出回路290と同一の構成である。また、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用外部出力端子板291は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用外部出力端子板291と同一の構造である。
よって、第4実施形態のパチンコ機500と同様に、パチンコ機600への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路300bに設けられたスイッチSW3−2が導通すると、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ5ボルトの信号が出力される。入出力ポート205へ5ボルトの信号が入力されると、パチンコ機600は、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて、内枠12の開放を報知する。加えて、パチンコ機600は、内枠12の開放を示すメッセージを第3図柄表示装置81に表示する。更に、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路300aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路300aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
一方、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機600への電源供給が遮断されている場合には、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されないので、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路300bに設けられたスイッチSW3−2が導通しても、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へは信号が入力されない(内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ入力される直流電圧はゼロボルトになる)。ただし、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機600への電源供給が遮断されている場合であっても、内枠用端子板出力回路300aには、コンデンサCD1から電力が供給されているので、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路300aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路300aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。
なお、内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号は24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に内枠用外部出力端子板291からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻を検出することができる。
このように、パチンコ機600への電源供給が行われているときに内枠12が開放された場合に、入出力ポート205へ信号を出力する機能およびホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、並びにパチンコ機600への電源供給が遮断されているときに内枠12が開放された場合に、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である内枠用枠開放検出回路300で発揮することができる。
また、内枠用入出力ポート出力回路300bのスイッチSW3−2の一端は、直流電源DC1およびダイオードD1のアノード端子と接続されている。よって、パチンコ機600の電源がオンされている場合に内枠12が開放されると、スイッチSW3−2が導通して、内枠用入出力ポート出力回路300bへ直流電源DC1から電力が供給されて、内枠用入出力ポート出力回路300bは動作状態となる。一方、パチンコ機600の電源がオフされている場合には、直流電源DC1から内枠用入出力ポート出力回路300bへ電力が供給されないので、内枠12が開放されてスイッチSW3−2が開放されたとしても、内枠用入出力ポート出力回路300bは停止状態となる。
これに対し、内枠用端子板出力回路300aのスイッチSW3−1の一端は、ダイオードD2および抵抗R10を介して、コンデンサCD1の一端と接続されている。よって、パチンコ機600の電源がオンされている場合に内枠12が開放されると、スイッチSW3−1が導通して、内枠用端子板出力回路300aへ直流電源DC1から電力が供給されて、内枠用端子板出力回路300aは動作状態となる。一方、パチンコ機600の電源がオフされている場合には、直流電源DC1から内枠用端子板出力回路300aへ電力供給は停止されるが、内枠12が開放してスイッチSW3−1が導通すると、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路300aへ電力が供給されるので、内枠用端子板出力回路300aは動作状態となる。ここで、パチンコ機600の電源がオフされて、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路300aへ電力が供給されている場合には、内枠用入出力ポート出力回路300bへの電力供給を、逆流防止機能を発揮するダイオードD1により遮断することができる。よって、パチンコ機600の電源がオフされている場合に、内枠用端子板出力回路300aの動作可能回数を多くして、内枠12の開放の検出可能回数を多くできる。
また、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1は、内枠12が開放されて、スイッチSW3−1が導通され、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がると、この立ち下がりから約10m秒の間、タイマIC1のOUT端子の電圧をゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上げる単安定マルチバイブレータとして機能する。そして、このタイマIC1のTRG端子の前段に積分回路281を設けることにより、内枠12が開放された場合に、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧がゼロボルトに立ち下がってから、約10.3ボルトに戻るまで期間を、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間よりも短く調整することができる。このように、積分回路281により、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることで、単安定マルチバイブレータとして機能するタイマIC1を正常に動作させ、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる期間を約10m秒に留めることができる。これにより、コンデンサCD1からフォトカプラPR1に電流が供給される期間を約10m秒に留めることができ、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号の出力期間を約10m秒に留めることができる。
次に、図36を参照して、パチンコ機600の電源のオンオフ状態に拘らず、内枠12の開放閉鎖状態に応じて変化するコンデンサCD7に印加される電圧(コンデンサCD7に蓄えられる電荷)と、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1のTRG端子電圧と、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1のOUT端子電圧と、内枠用外部出力端子板291の出力(ホールコンピュータ262の入力)と、パチンコ機600の電源がオンされている場合に、内枠12の開放閉鎖状態に応じて変化する内枠用入出力ポート出力回路300bの出力との関係について説明する。図36は、パチンコ機600の電源のオンオフ状態(直流電源DC1の供給する直流電圧の状態)と、内枠12の開放遮断状態と、スイッチSW3−3の導通遮断状態と、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2の導通遮断状態と、コンデンサCD7に印加される電圧(コンデンサCD7に蓄えられる電荷)と、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1のTRG端子電圧と、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1のOUT端子電圧と、内枠用外部出力端子板291の出力(ホールコンピュータ262の入力)と、内枠用入出力ポート出力回路300bの出力との関係を示したタイミングチャートである。
なお、上述の通り、前面枠用枠開放検出回路302に設けられる前面枠用端子板出力回路302aが内枠用端子板出力回路300aと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW4−1であるかスイッチSW3−1であるかの所と、スイッチSW4−3であるかスイッチSW3−3であるかの所だけである。よって、前面枠用端子板出力回路302aの動作は、内枠用端子板出力回路300aの動作と同一であるので、前面枠用端子板出力回路302aの動作についてはその説明を省略する。また、前面枠用入出力ポート出力回路302bが内枠用入出力ポート出力回路300bと異なるのは、接続されるスイッチが、スイッチSW4−2であるかスイッチSW3−2であるかの所だけである。よって、前面枠用入出力ポート出力回路302bの動作は、内枠用入出力ポート出力回路300bの動作と同一であるので、前面枠用入出力ポート出力回路302bの動作についてはその説明を省略する。更に、図35で前述した通り、前面枠用外部出力端子板293は、内枠用外部出力端子板291と同一の構成であるので、前面枠用外部出力端子板293の動作は、内枠用外部出力端子板291と同一である。よって、前面枠用外部出力端子板293の動作についてはその説明を省略する。
図36(a)に示すように、パチンコ機600の電源はt18時まではオン状態であり(直流電源DC1の供給する直流電圧はt18時までは12ボルト状態であり)、t18時以降、パチンコ機600の電源はオフ状態となる(直流電源DC1の供給する直流電圧はゼロボルトとなる)。よって、t18時となるまでは、内枠用端子板出力回路300aおよび内枠用入出力ポート出力回路300bへ、直流電源DC1からの電力が供給される。そして、t18時以降となると、内枠用端子板出力回路300aおよび内枠用入出力ポート出力回路300bへの直流電源DC1による電力の供給は停止される。ただし、内枠用端子板出力回路300aにはコンデンサCD1が設けられているので、t18時以降は、コンデンサCD1から内枠用端子板出力回路300aへ電力の供給が行われる。よって、t18時以降も、内枠用端子板出力回路300aは動作可能な状態となっている。
図36(b)に示すように、t14時からt15時の間に内枠12が閉鎖状態から開放状態へ変化すると、これに追従して、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3が導通状態から遮断状態となる(t14時)。その後に、図36(d)に示すように、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態から導通状態となる(t15時)。なお、t14時にスイッチSW3−3が遮断状態となり、t15時にスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となるのは、スイッチSW3Aの構造による(図34(a)→図34(b)→図34(c)を参照)。
t15時に、スイッチSW3−1が導通状態となると、コンデンサCD7の充電が開始され、図36(e)に示すように、コンデンサCD7に印加される電圧がゼロボルトから上昇を開始する(t15時)。スイッチSW3−1が導通状態となると、タイマIC1のTRG端子電圧は、コンデンサCD7に印加される電圧と同じとなるため、図36(f)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ一旦立ち下がり、上昇を開始する(t15時)。これに追従して、図36(g)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t15時)。これにより、内枠用端子板出力回路300aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図35参照)、電流供給が開始される(t15時)。そして、図36(h)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、内枠用外部出力端子板291の出力は、t15時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12の開放を示すパルス信号の出力が開始される。また、図36(d)に示すように、t14時からt15時の間に内枠12が閉鎖状態から開放状態へ変化して、スイッチSW3−2が導通状態となると(t15時)、内枠用入出力ポート出力回路300bの抵抗R11および抵抗R12に直流電源DC1からの電力が供給され、抵抗R12に印加される電圧が5ボルトとなる(t15時)。よって、図36(i)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ、直流電圧5ボルトの信号が出力される(t15時)。
次に、図36(e)に示すように、t15時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、コンデンサCD7に印加される電圧は約10.3ボルトとなる。すると、図36(f)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る(t15時から約2m秒経過)。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t15時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t15時から約10m秒経過すると、図36(g)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、内枠用端子板出力回路300aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、内枠用外部出力端子板291の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、内枠用外部出力端子板291の出力は、t15時から約10m秒経過すると、図36(h)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、内枠用外部出力端子板291の出力が切り換わることで、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図36(b)に示すように、t16時からt17時の間に内枠12が開放状態から閉鎖状態へ変化すると、図36(d)に示すように、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、t16時に導通状態から遮断状態となる。その後、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3は再び導通状態となる(t17時)。なお、t16時にスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となり、t17時にスイッチSW3−3が導通状態となるのは、スイッチSW3Aの構造による((図34(c)→図34(b)→図34(a)を参照))。
図36(d)に示すように、スイッチSW3−1が遮断状態となり(t16時)、その後、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3が導通すると(t17時)、コンデンサCD7の一端がグランドされ、図36(e)に示すように、t15時からt16時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷が瞬間的に放電される(t17時)。これにより、図36(e)に示すように、コンデンサCD7に蓄えられる電荷がゼロとなると共に、コンデンサCD7に印加される電圧がゼロボルトとなる(t17時)。よって、内枠用端子板出力回路300aは、再び、内枠12の検出が可能な状態に設定される(t17時)。また、図36(d)に示すように、スイッチSW3−2が遮断状態となると(t16時)、内枠用入出力ポート出力回路300bの抵抗R11および抵抗R12への直流電源DC1からの電力供給が停止され、抵抗R12に印加される電圧はゼロボルトとなる(t16時)。よって、図36(i)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ出力されていた直流電圧5ボルトの信号は、t16時に停止状態となる(内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205への出力は、t16時にゼロボルトとなる)。
次に、図36(a)に示すように、t18時以降、パチンコ機600の電源がオフ状態となると(直流電源DC1の供給する直流電圧がゼロボルトとなると)、内枠用端子板出力回路300aおよび内枠用入出力ポート出力回路300bへの直流電源DC1による電力の供給は停止される。しかし、パチンコ機600の電源がオフ状態であっても、内枠用端子板出力回路300aにはコンデンサCD1からの電力が供給されている。よって、内枠12が、前回閉鎖状態となったt17時から、例えば約3分経過後のt19時からt20時の間に、再び閉鎖状態から開放状態に変化すると、これに追従して、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3が導通状態から遮断状態となり(t19時)、その後、図36(d)に示すように、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態から導通状態となって(t20時)、コンデンサCD7の充電が開始される。よって、図36(e)に示すように、コンデンサCD7に印加される電圧がゼロボルトから上昇を開始する(t20時)。なお、t19時にスイッチSW3−3が遮断状態となり、t20時にスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となるのは、スイッチSW3Aの構造による(図34(a)→図34(b)→図34(c)を参照)。
図36(d)に示すように、スイッチSW3−1が遮断状態から導通状態となると(t20時)、タイマIC1のTRG端子電圧は、コンデンサCD7に印加される電圧と同じとなるため、図36(f)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ一旦立ち下がった後、上昇を開始する(t20時)。この立ち下がりに追従して、図36(g)に示すように、タイマIC1のOUT端子電圧は、ゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がる(t20時)。これにより、内枠用端子板出力回路300aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが導通され、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1の一次側の発光ダイオードに(図35参照)、電流供給が開始される(t20時)。そして、図36(h)に示すように、フォトカプラPR1の二次側の受光素子(フォトトランジスタ)の出力、即ち、内枠用外部出力端子板291の出力は、t20時に、ロウ状態からハイ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ内枠12の開放を示すパルス信号の出力が開始される。一方、図36(d)に示すように、t19時からt20時の間に、再び内枠12が閉鎖状態から開放状態に変化して、スイッチSW3−2が導通状態となっても(t20時)、内枠用入出力ポート出力回路300bの抵抗R11および抵抗R12には直流電源DC1からの電力が供給されないので(直流電源DC1の供給する直流電圧はゼロボルトであるので)、抵抗R12に印加される電圧はゼロボルトとなる(t20時)。よって、図36(i)に示すように、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ出力される信号は、停止状態を維持する(内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205への出力は、ゼロボルトを維持する)。
次に、図36(e)に示すように、t20時から約2m秒経過すると、コンデンサCD7の充電が完了して、コンデンサCD7に印加される電圧は約10.3ボルトとなる。すると、図36(f)に示すように、タイマIC1のTRG端子電圧が再び、ゼロボルトから約10.3ボルトへ戻る(t20時から約2m秒経過)。しかし、タイマIC1のOUT端子の電圧がゼロボルトから約9.6ボルトに立ち上がってから(t20時から)、約10m秒が経過していないので、タイマIC1のOUT端子電圧は、約9.6ボルトの状態を維持している。
その後、t20時から約10m秒経過すると、図36(g)に示すように、タイマIC1は、OUT端子の電圧を、約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、内枠用端子板出力回路300aのトランジスタTR1のコレクタ端子とエミッタ端子とが遮断され、内枠用外部出力端子板291の抵抗R7aの一端への電流供給が停止する。よって、内枠用外部出力端子板291の出力は、t20時から約10m秒経過すると、図36(h)に示すように、ハイ状態からロウ状態に切り換わる。これにより、ホールコンピュータ262へ出力されていたパルス信号の出力が停止される。このように、内枠用外部出力端子板291の出力が切り換わることで、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ出力されるパルス信号のパルス幅を約10m秒に留めることができる。
なお、図36(b)に示すように、t21時からt22時の間に、内枠12が開放状態から閉鎖状態に変化すると、図36(d)に示すように、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2は、t21時に導通状態から遮断状態となる。その後、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3は再び導通状態となる(t22時)。t21時にスイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となり、t22時にスイッチSW3−3が導通状態となるのは、スイッチSW3Aの構造による((図34(c)→図34(b)→図34(a)を参照))。
図36(d)に示すように、スイッチSW3−1が遮断状態となり(t21時)、その後、図36(c)に示すように、スイッチSW3−3が導通状態となると(t22時)、コンデンサCD7の一端がグランドされ、図36(e)に示すように、t20時からt21時の間にコンデンサCD7に蓄えられた電荷が瞬間的に放電される(t22時)。これにより、図36(e)に示すように、コンデンサCD7に蓄えられる電荷がゼロとなると共に、コンデンサCD7に印加される電圧がゼロボルトとなる(t22時)。よって、内枠用端子板出力回路300aは、再び、内枠12の検出が可能な状態に設定される(t22時)。また、図36(d)に示すように、スイッチSW3−2が遮断状態となると(t21時)、内枠用入出力ポート出力回路300bは、パチンコ機600の電源がオンされた場合に内枠12の検出が可能な状態に設定される(t21時)。
上述した通り、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)は、内枠12が閉鎖状態となると(t17時およびt22時)、スイッチSW3−1を遮断してコンデンサCD1からコンデンサCD7へ供給される電力を停止した後に、スイッチSW3−3によりコンデンサCD7の一端をグランドすることができる。よって、内枠12が閉鎖状態となると(t17時およびt22時)、内枠12が開放状態となったときにコンデンサCD7に蓄えられた電荷を(t15時からt16時に蓄えられた電荷およびt20からt21時に蓄えられた電荷を)、スイッチSW3−3を介して瞬間的に放電し、ゼロにすることができる(t17時およびt22時)。これにより、内枠12が再び開放状態となるまでには、常にコンデンサCD7に蓄えられた電荷がゼロとなっているので、内枠12が短時間の間に連続して複数回開放されたとしても、積分回路281は正常に動作して、内枠12の開放期間に拘らず、タイマIC1のTRG端子に印加される電圧の立ち下がり期間を一定期間(約2m秒)とすることができる。
また、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)は、内枠12が閉鎖状態から開放状態(t14時からt15時およびt19時からt20時)となると、スイッチSW3Aの構造上、まず、スイッチSW3−3が遮断状態となった(t14時およびt19時)後に、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となる(t15時およびt20時)。このように、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合には、まず、コンデンサCD7の一端をスイッチSW3−3によりグランドと切断して(t14時およびt19時)、その後に、コンデンサCD1からの電力をスイッチSW3−1を介してコンデンサCD7に供給する(t15時およびt20時)。よって、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合に、電力を供給するコンデンサCD1がグランドに短絡することはない。従って、内枠12が閉鎖状態から開放状態となる場合に、コンデンサCD1からの電力がグランドに流れ込み、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)を短絡破壊することはない。
同様に、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)は、内枠12が開放状態から閉鎖状態(t16時からt17時およびt21時からt22時)となると、スイッチSW3Aの構造上、まず、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が遮断状態となった後に(t16時およびt21時)、スイッチSW3−3が導通状態となる(t17時およびt22時、図34参照)。このように、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合には、まず、コンデンサCD1からコンデンサCD7に供給されている電力をスイッチSW3−1により停止して(t16時およびt21時)、その後に、コンデンサCD7の一端をスイッチSW3−3を介してグランドする(t17時およびt22時)。よって、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合に、電力を供給するコンデンサCD1がグランドに短絡することはない。従って、内枠12が開放状態から閉鎖状態となる場合に、コンデンサCD1からの電力がグランドに流れ込み、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)を短絡破壊することはない。
また、内枠用枠開放検出回路300(内枠用端子板出力回路300a)は、内枠12が閉鎖状態となると(t17時およびt22時)、内枠12が開放状態となったときにコンデンサCD7に蓄えられた電荷を(t15時からt16時に蓄えられた電荷およびt20からt21時に蓄えられた電荷を)、スイッチSW3−3を介してグランドに瞬間的に放電することができる(t17時およびt22時)。よって、内枠12が開放されて、スイッチSW3−1が導通された場合に(t15時およびt20時に)、コンデンサCD7に蓄えられた電荷がコンデンサCD1から供給される電圧に重畳され、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧(例えば、12.3ボルトの電圧)が、タイマIC1のTRG端子に印加されることはない。従って、タイマIC1を破壊する大きさの過電圧が印加されるのを防止するツェナーダイオードを不要とすることができる。
また、上述の通り、内枠用枠開放検出回路300は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に接続されていたスイッチSW3をスイッチSW3Aに変更し、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用枠開放検出回路290に使用されていたツェナーダイオードD3を取り外したものであり、上記の変更以外は、内枠用枠開放検出回路290と同一の構成である。また、第5実施形態のパチンコ機600の内枠用外部出力端子板291は、第4実施形態のパチンコ機500の内枠用外部出力端子板291と同一の構造である。
よって、第4実施形態のパチンコ機500と同様、パチンコ機600への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に(t18時までの場合に)、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路300aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路300aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。更に、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路300bに設けられたスイッチSW3−2が導通すると、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ5ボルトの信号が出力される。
また、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機600への電源供給が遮断されている場合であっても(t18時以降であっても)、内枠用端子板出力回路300aには、コンデンサCD1から電力が供給されているので、内枠12が開放されて、内枠用端子板出力回路300aに設けられたスイッチSW3−1が導通すると、内枠用端子板出力回路300aは、内枠用外部出力端子板291からホールコンピュータ262へ、パルス幅10m秒のパルス信号を出力する。ただし、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機600への電源供給が遮断されている場合には(t18時以降の場合には)、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が内枠用入出力ポート出力回路300bへ供給されていないので、内枠12が開放されて、内枠用入出力ポート出力回路300bに設けられたスイッチSW3−2が導通しても、内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へは信号が出力されない(内枠用入出力ポート出力回路300bから入出力ポート205へ出力される直流電圧はゼロボルトになる)。
このように、パチンコ機600への電源供給が行われている場合に内枠12が開放されたときに、入出力ポート205へ信号を出力する機能およびホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能、並びにパチンコ機600への電源供給が遮断されている場合に内枠12が開放されたときに、ホールコンピュータ262へパルス信号を出力する機能を、1の回路である内枠用枠開放検出回路300で発揮することができる。
なお、内枠用外部出力端子板291から出力されたパルス信号は24時間動作し続けるホールコンピュータ262に記憶される。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262に内枠用外部出力端子板291からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12の開放時刻を検出することができる。
また、内枠12が開放されて、スイッチSW3−1およびスイッチSW3−2が導通状態となると、内枠用端子板出力回路300aのタイマIC1は、スイッチSW3−1の導通期間に拘らず、即ち、内枠12の開放期間に拘らず、スイッチSW3−1が導通状態となり、タイマIC1のTRG端子電圧が約10.3ボルトからゼロボルトへ立ち下がってから約10m秒経過すると、タイマIC1のOUT端子の電圧を約9.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、内枠用外部出力端子板291のフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間は、約10m秒となる。
よって、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機600への電源供給が遮断され、内枠用端子板出力回路300aおよび内枠用外部出力端子板291へ直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されない場合、即ち、内枠用端子板出力回路300aおよび内枠用外部出力端子板291へコンデンサCD1から約10.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1からフォトカプラPR1へ供給される電流の供給期間を、内枠12の1回の開放につき、約10m秒に留めることができる。従って、内枠12の開放による電力消費を小さく抑えることができる。
以上、第1実施形態から第5実施形態のパチンコ機に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
第1実施形態から第5実施形態に記載した各パチンコ機をそれぞれ組み合わせて、各実施形態の有する機能を備えるパチンコ機を実現することが可能であることは言うまでもない。
第1実施形態から第5実施形態においては、外部出力端子板261、内枠用外部出力端子板291および前面枠用外部出力端子板293から出力されるパルス信号を、パチンコ機とは設置場所が異なるホールコンピュータ262へ出力したが、これに限られるものではない。ホールコンピュータ262の機能を有する専用の記憶装置をパチンコ機毎に設け、その専用の記憶装置を、主制御装置110等が設けられる各パチンコ機の背面側に配設しても良い。この場合には、より良くは、主制御装置110、払出制御装置111および発射制御装置112のように、専用の記憶装置を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付する。
また、第4実施形態および第5実施形態では、内枠用外部出力端子板291と前面枠用外部出力端子板293とを別々の基板に設けたが、これに限られるものではない。内枠用外部出力端子板291と前面枠用外部出力端子板293とを同一の基板上に設けても良い。なお、内枠用外部出力端子板291と前面枠用外部出力端子板293とを同一の基板上に設けた場合にも、内枠用外部出力端子板291は、内枠用枠開放検出回路290に接続され、前面枠用外部出力端子板293は、前面枠用枠開放検出回路292に接続される。そして、内枠用外部出力端子板291と前面枠用外部出力端子板293とは、別々にホールコンピュータ262へパルス信号を出力する。
また、第4実施形態および第5実施形態では、内枠12の開放を検知する内枠用枠開放検出回路290と、前面枠14の開放を検知する前面枠用枠開放検出回路292とを別々に設けたが、これに限られるものではない。内枠12と前面枠14との開放を区別せずにホールコンピュータ262へ出力する場合には、次のように構成しても良い。まず、前面枠用枠開放検出回路292と前面枠用外部出力端子板293とを取り外して、内枠用枠開放検出回路290と内枠用外部出力端子板291とを主制御装置110に残す。そして、スイッチSW3およびスイッチSW4を並列接続して内枠用枠開放検出回路290に接続すれば良い。この構成により、内枠12と前面枠14との開放を区別せずにホールコンピュータ262へ出力することができる。なお、主制御装置110に残すのは、内枠用枠開放検出回路290および内枠用外部出力端子板291ではなく、前面枠用枠開放検出回路292および前面枠用外部出力端子板293でも良い。
また、第4実施形態および第5実施形態では、内枠用入出力ポート出力回路290bを用いて、内枠12が開放されると5ボルトの信号を入出力ポート205へ出力したが、これに限られるものではない。内枠用入出力ポート出力回路290bを用いずに、内枠12が開放されると5ボルトの信号を入出力ポート205へ出力する場合には、次のように構成すれば良い。まず、内枠用入出力ポート出力回路290bを内枠用枠開放検出回路290から取り外す(直流電源DC1は残す)。次に、トランジスタTR1のエミッタ端子eとグランドとの間に抵抗を直列接続し、トランジスタTR1のエミッタ端子eと直列接続した抵抗との接続点に入出力ポート205を接続する。そして、トランジスタTR1のコレクタ端子cとエミッタ端子eとが導通した場合に、即ち、内枠12が開放された場合に、入出力ポート205に5ボルトの信号が出力されるように直列接続した抵抗値を調整すれば良い。これにより、スイッチSW3−2、抵抗R11および抵抗R12を不要としつつ、内枠12が開放されると、5ボルトの信号を入出力ポート205へ出力するとともに、パルス幅10m秒のパルス信号をホールコンピュータ262へ出力することができる。なお、上記では、内枠用入出力ポート出力回路290bを不要とする場合について説明を行ったが、前面枠用入出力ポート出力回路292bを不要とする場合にも、前面枠用枠開放検出回路292に同様の手順を適用すれば良い。
また、第1実施形態から第5実施形態では、外部出力端子板261、内枠用外部出力端子板291および前面枠用外部出力端子板293とホールコンピュータ262とを接続し、外部出力端子板261、内枠用外部出力端子板291および前面枠用外部出力端子板293からホールコンピュータ262へパルス信号を出力して、ホールコンピュータ262に内枠12または前面枠14の開放を記憶させたが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機にEEPROM(Electronically Erasable and
Programmable Read Only Memory)やバックアップRAMを設ける。そして、このEEPROMやバックアップRAMに、外部出力端子板261、内枠用外部出力端子板291および前面枠用外部出力端子板293を接続する。この構成により、EEPROMやバックアップRAMに、内枠12または前面枠14の開放を記憶させることができる。そして、パチンコ機の電源がオンされた場合に、MPU201がEEPROMやバックアップRAMの記憶を確認する。これにより、内枠12または前面枠14の開放をパチンコ機を用いて検知することができる。つまり、ホールコンピュータ262の役割を、EEPROMやバックアップRAMに担わせることができる(請求項に記載の「特定装置」の役割を、EEPROMやバックアップRAMに担わせることができる)。なお、バックアップRAMは、RAM203を用いても良い。
次に、図37から図56を参照して、第6実施形態のパチンコ機10xについて説明する。以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図37はパチンコ機10xの正面図であり、図38はパチンコ機10xの遊技盤13xの正面図であり、図39はパチンコ機10xの背面図である。
パチンコ機10xは、図37に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11xと、その外枠11xと略同一の外形形状に形成され外枠11xに対して開閉可能に支持された内枠12xとを備えている。外枠11xには、内枠12xを支持するために正面視(図37参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18xが取り付けられ、そのヒンジ18xが設けられた側を開閉の軸として内枠12xが正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12xには、多数の釘や入賞口63x,64x等を有する遊技盤13x(図38参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13xの前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12xには、球を遊技盤13xの前面領域に発射する球発射ユニット112ax(図42参照)やその球発射ユニット112axから発射された球を遊技盤13xの前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12xの前面側には、その前面上側を覆う前面枠14xと、その下側を覆う下皿ユニット15xとが設けられている。前面枠14x及び下皿ユニット15xを支持するために正面視(図37参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19xが取り付けられ、そのヒンジ19xが設けられた側を開閉の軸として前面枠14x及び下皿ユニット15xが正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12xの施錠と前面枠14xの施錠とは、シリンダ錠20xの鍵穴21xに専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14xは、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cxが設けられている。前面枠14xの裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16xが配設され、そのガラスユニット16xを介して遊技盤13xの前面がパチンコ機10xの正面側に視認可能となっている。前面枠14xには、球を貯留する上皿17xが前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17xに賞球や貸出球などが排出される。上皿17xの底面は正面視(図37参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17xに投入された球が球発射ユニット112axへと案内される。また、上皿17xの上面には、枠ボタン22xが設けられている。この枠ボタン22xは、例えば、第3図柄表示装置81xで表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14xには、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cxの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29x〜33xが設けられている。パチンコ機10xにおいては、これら電飾部29x〜33xが大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29x〜33xが点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14xの正面視(図37参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34xが設けられている。また、右側の電飾部32x下側には、前面枠14xの裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35xが形成され、遊技盤13x前面の貼着スペースK1x(図38参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10xの前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10xにおいては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29x〜33xの周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36xが取り付けられている。
窓部14cxの下方には、貸球操作部40xが配設されている。貸球操作部40xには、度数表示部41xと、球貸しボタン42xと、返却ボタン43xとが設けられている。パチンコ機10xの側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40xが操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41xはカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42xは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17xに供給される。返却ボタン43xは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17xに球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40xが不要となるが、この場合には、貸球操作部40xの設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17xの下側に位置する下皿ユニット15xには、その中央部に上皿17xに貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50xが上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50xの右側には、球を遊技盤13xの前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51xが配設され、かかる操作ハンドル51xの内部には球発射ユニット112axの駆動を許可するためのタッチセンサ51axと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bxと、操作ハンドル51xの回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51xが遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51xの回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13xの前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51xが遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51axおよび打ち止めスイッチ51bxがオフとなっている。
下皿50xの正面下方部には、下皿50xに貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52xが設けられている。この球抜きレバー52xは、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50xの底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52xの操作は、通常、下皿50xの下方に下皿50xから排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50xの右方には、上述したように操作ハンドル51xが配設され、下皿50xの左方には灰皿53xが取り付けられている。
図38に示すように、遊技盤13xは、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60xに、球案内用の多数の釘や風車およびレール61x,62x、一般入賞口63x、第1入球口64x、可変入賞装置65x、可変表示装置ユニット80x等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12xの裏面側に取り付けられる。一般入賞口63x、第1入球口64x、可変入賞装置65x、可変表示装置ユニット80xは、ルータ加工によってベース板60xに形成された貫通穴に配設され、遊技盤13xの前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13xの前面中央部分は、前面枠14xの窓部14cx(図37参照)を通じて内枠12xの前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13xの構成について説明する。
遊技盤13xの前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62xが植立され、その外レール62xの内側位置には外レール62xと同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61xが植立される。この内レール61xと外レール62xとにより遊技盤13xの前面外周が囲まれ、遊技盤13xとガラスユニット16x(図37参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13xの前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13xの前面であって2本のレール61x,62xと円弧部材70xとにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61x,62xは、球発射ユニット112axから発射された球を遊技盤13x上部へ案内するために設けられたものである。内レール61xの先端部分(図38の左上部)には戻り球防止部材68xが取り付けられ、一旦、遊技盤13xの上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62xの先端部(図38の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69xが取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69xに当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61xの右下側の先端部と外レール62xの右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70xがベース板60xに打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図38の右側上部)には、発光手段である複数のLED37axと7セグメント表示器37bxとが設けられた第1図柄表示装置37xが配設されている。第1図柄表示装置37xは、主制御装置110xで行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10xの遊技状態の表示が行われる。複数のLED37axは、パチンコ機10xが確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bxは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37axは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10xの各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10xが確変中とは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態である。更に、本実施の形態における確変中は、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64xへ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10xが時短中とは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64xへ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10xが通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。なお、パチンコ機10xの遊技状態に応じて、第1入球口64xに付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63xが配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80xが配設されている。可変表示装置ユニット80xには、第1入球口64xへの入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81xと、第2入球口67xの球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82xとが設けられている。
第3図柄表示装置81xは、後述する表示制御装置114xによって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81xの表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81xは8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80xには、この第3図柄表示装置81xの外周を囲むようにして、センターフレーム86xが配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81xは、主制御装置110xの制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37xで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37xの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81xを構成するようにしても良い。
また、第1図柄表示装置37xにて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64xへ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37xにより示されると共に保留ランプ85xの点灯個数においても示される。保留ランプ85xは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81xの上方に左右対称に配設されている。なお、本実施の形態においては、第1入球口64xへの入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85xを削除し、第1入球口64xへの入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81xの一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37xにより保留回数が示されるので、保留ランプ85xにより点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82xは、第2図柄の表示部83xと保留ランプ84xとを有し、球が第2入球口67xを通過する毎に、表示部83xにおいて表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施の形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64xが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67xの通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37xにより表示されると共に保留ランプ84xにおいても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部83xにおいて複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37x及び第3図柄表示装置81xの一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84xの点灯を第3図柄表示装置81xの一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67xの通過は、第1入球口64xと同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37xにより保留回数が示されるので、保留ランプ84xにより点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80xの下方には、球が入球し得る第1入球口64xが配設されている。この第1入球口64xへ球が入球すると遊技盤13xの裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110xで大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37xのLED37axで示される。また、第1入球口64xは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64xの下方には可変入賞装置65xが配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65axが設けられている。パチンコ機10xにおいては、主制御装置110xでの抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37xのLED37axを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81xに表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65axが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65axは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65axが所定時間開放される。この特定入賞口65axの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65xは、具体的には、特定入賞口65axを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65axは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65axに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65axとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37xにおいて大当たりに対応したLED37axが点灯した場合に、特定入賞口65axが所定時間開放され、その特定入賞口65axの開放中に、球が特定入賞口65ax内へ入賞することを契機として特定入賞口65axとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13xの下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1x,K2xが設けられ、貼着スペースK1xに貼られた証紙等は、前面枠14xの小窓35x(図37参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13xには、アウト口66xが設けられている。いずれの入賞口63x,64x,65axにも入球しなかった球はアウト口66xを通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13xには、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図39に示すように、パチンコ機10xの背面側には、制御基板ユニット90x,91xと、裏パックユニット94xとが主に備えられている。制御基板ユニット90xは、主基板(主制御装置110x)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113x)と表示制御基板(表示制御装置114x)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91xは、払出制御基板(払出制御装置111x)と発射制御基板(発射制御装置112x)と電源基板(電源装置115x)とカードユニット接続基板116xとが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94xは、保護カバー部を形成する裏パック92xと払出ユニット93xとがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110x、音声ランプ制御装置113x及び表示制御装置114x、払出制御装置111x及び発射制御装置112x、電源装置115x、カードユニット接続基板116xは、それぞれ基板ボックス100x〜104xに収納されている。基板ボックス100x〜104xは、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100x(主制御装置110x)及び基板ボックス102x(払出制御装置111x及び発射制御装置112x)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100x,102xを開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100x,102xを無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100x,102xが開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93xは、裏パックユニット94xの最上部に位置して上方に開口したタンク130xと、タンク130xの下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131xと、タンクレール131xの下流側に縦向きに連結されるケースレール132xと、ケースレール132xの最下流部に設けられ、払出モータ216x(図42参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133xとを備えている。タンク130xには、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133xにより必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131xには、当該タンクレール131xに振動を付加するためのバイブレータ134xが取り付けられている。
また、払出制御装置111xには状態復帰スイッチ120xが設けられ、発射制御装置112xには可変抵抗器の操作つまみ121xが設けられ、電源装置115xにはRAM消去スイッチ122xが設けられている。状態復帰スイッチ120xは、例えば、払出モータ216x(図42参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121xは、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122xは、パチンコ機10xを初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図40を参照して、本パチンコ機10xの内部構成について説明する。図40は、内枠12xと前面枠14xと下皿ユニット15xとが開放された状態におけるパチンコ機10xの斜視図である。
パチンコ機10xには、その外殻を形成する外枠11xが設けられ、この外枠11xに対して内枠12xが開閉可能に支持される。遊技場においては、外枠11xの外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠12x、前面枠14xおよび下皿ユニット15xは、外枠11xに対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10xの前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11xに対して内枠12x等を前面側に開放して行われる。
外枠11xには、内枠12xを支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製の上ヒンジ(図示せず)および下ヒンジ(図示せず)が取り付けられている。この上ヒンジおよび下ヒンジが設けられた側を開閉の軸として内枠12xは開閉可能に支持される。
内枠12xは、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース55xを主体に構成されており、内枠ベース55xの中央部には略円形状の中央窓55axが形成されている。内枠ベース55xの裏面側には遊技盤13xの取付部が設けられ、遊技盤13xが着脱可能に装着される。
内枠ベース55xの中央窓55axの下側は、前面側が開放した凹状に窪んで形成されており、その奥側には、平面状の取付面52bxが形成されている。取付面52bxには、球を遊技盤13xの前面に発射するための発射ユニット140xや、上皿17xおよび下皿50xに球を排出する通路を形成する通路形成部材54x等が取り付けられる。
外枠11xと内枠12xとの間には、内枠12xの開放および閉鎖を検出するスイッチSW1xが設けられており、内枠12xと前面枠14xとの間には、前面枠14xの開放および閉鎖を検出するスイッチSW2xが設けられている。
ここで、図41を参照して、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xの構造について説明する。なお、スイッチSW1xとスイッチSW2xとは同一の構造であるので、スイッチSW1xについて構造を説明し、スイッチSW2xについてはその説明を省略する。
図41は、スイッチSW1xの断面図である。図41(a)は、内枠12xが閉鎖された状態におけるスイッチSW1xの状態(遮断状態)を示した断面図である。また、図41(b)は、内枠12xが開放された状態におけるスイッチSW1xの状態(導通状態)を示した断面図である。
図41(a)に示すように、外枠11xの内枠12xと対向する面に配設されたスイッチSW1xには、閉鎖された状態の内枠12xに当接する可動軸SW1axと、その可動軸SW1axに配設される導電部材である金属から構成された導体板SW1−1axと、その導体板SW1−1axと対向する位置に配設される金属から構成された一対の端子板SW1−1bxと、その一対の端子板SW1−1bxをそれぞれ筐体SW1bxに配設する支持板SW1−1cxと、導体板SW1−1ax上の一対の端子板SW1−1bxに対向する面とは反対の面に配設され、導体板SW1−1axに対して一対の端子板SW1−1bxへの方向に付勢力を発生させる一対のスプリングSW1cxとが設けられている。
図41(a)に示すように、内枠12xが閉鎖された状態においては、可動軸SW1axが内枠12xに当接し、可動軸SW1axが筐体SW1bxに押し込まれた状態となる。よって、導体板SW1−1axと一対の端子板SW1−1bxとの接触が妨げられる。従って、内枠12xが閉鎖された状態においては、スイッチSW1xは、導通が遮断された状態となる。
一方、図41(b)に示すように、内枠12xが開放された状態においては、可動軸SW1axと内枠12xとの当接が解除されるので、一対のスプリングSW1cxの付勢力により、導体板SW1−1axと一対の端子板SW1−1bxとが接触する。よって、内枠12xが開放された状態においては、スイッチSW1xは、導通された状態となる。
このように、スイッチSW1xは、内枠12xが閉鎖された状態では遮断状態となる一方、内枠12xが開放された状態では導通状態となる。なお、スイッチSW1xの構造は、図41に記載した形状に限られるものではなく、内枠12xが閉鎖された状態では、スイッチSW1xが遮断状態となる一方、内枠12xが開放された状態では、スイッチSW1xが導通状態となる構造であれば良い。これは、スイッチSW2xの構造についても同様である。
次に、図42を参照して、本パチンコ機10xの電気的構成について説明する。図42は、パチンコ機10xの電気的構成を示すブロック図である。
電源装置115xは、パチンコ機10xの各部に電源を供給するための電源部251xと、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252xと、RAM消去スイッチ122x(図39参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253xと、MPU201xの演算処理を実行可能な状態にするリセット信号SG3axを出力するリセット回路254xとを有している。電源部251xは、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110x〜114x等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251xは、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208xなどの各種スイッチや、ソレノイド209xなどのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110x〜114x等に対して必要な電圧を供給する。なお、この電源部251xは、マルチプレクサMP1xの入力端子I13xへも5ボルトの駆動電圧Vaxを出力している。
停電監視回路252xは、パチンコ機10xの電源がオンされているときに停電等によって電源遮断が発生すると、その電源遮断時に、マルチプレクサMP1xの入力端子I11xおよび払出制御装置111xのMPU211xのNMI端子へ、正のパルス信号である停電信号SG1axを出力するための回路である。停電監視回路252xは、電源部251xから出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1axをマルチプレクサMP1x及び払出制御装置111xへ出力する。停電信号SG1axの出力によって、主制御装置110x及び払出制御装置111xは、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251xは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110x及び払出制御装置111xは、NMI割込処理(図53参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253xは、RAM消去スイッチ122xが押下された場合に、主制御装置110xへ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2xを出力するための回路である。主制御装置110x及び払出制御装置111xは、パチンコ機10xの電源投入時に、RAM消去信号SG2xを入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111xにおいてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111xに対して送信する。
リセット回路254xは、MPU201xを演算処理の実行が可能な状態にするリセット信号SG3axを出力する回路である。このリセット回路254xは、電源部251xから出力される5ボルトの電圧をリセット信号SG3axとして出力する。リセット信号SG3axがマルチプレクサMP2xを介してMPU201xへ入力されると、MPU201xは、演算処理が実行可能な状態となる。一方、リセット信号SG3axの出力が停止した場合には、MPU201xは、演算処理が実行不能な状態となる。なお、このリセット回路254xから出力されるリセット信号SG3axは、図示しないが、払出制御装置111xのMPU211x、音声ランプ制御装置113xのMPU221xおよび表示制御装置114xのMPU231xへも入力されている。
なお、パチンコ機10xでは、停電監視回路252x、RAM消去スイッチ回路253xおよびリセット回路254xは、電源装置115x内に設けられていたが、これに限られず、停電監視回路252x、RAM消去スイッチ回路253xまたはリセット回路254xのいずれかが主制御装置110x内に設けられていても良い。また、停電監視回路252x、RAM消去スイッチ回路253xまたはリセット回路254xのいずれか2つの回路の組み合わせが主制御装置110x内に設けられていても良い。更には、停電監視回路252x、RAM消去スイッチ回路253xおよびリセット回路254xの3つの回路が主制御装置110x内に設けられていても良い。RAM消去スイッチ回路253xが主制御装置110x内に設けられている場合には、RAM消去スイッチ122xも主制御装置110x内に設けられる。
主制御装置110xには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201xが搭載されている。MPU201xには、該MPU201xにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202xと、そのROM202x内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203xと、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111xや音声ランプ制御装置113xなどのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110xから該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110xからサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
MPU201xには、該MPU201xの立ち上げを可能にする駆動電圧Vaxまたは駆動電圧Vbxが入力される電源端子と、該MPU201xの演算処理を実行可能な状態にするリセット信号SG3axまたはリセット信号SG3bxのいずれかが入力されるリセット端子と、停電信号SG1axまたは停電信号SG1bxのいずれかが入力されるNMI端子(ノンマスカブル割込端子)が設けられている。
なお、MPU201xが動作可能となる電圧の下限値は、約4.0ボルトである。よって、MPU201xの電源端子に供給される駆動電圧Vaxまたは駆動電圧Vbxが約4.0ボルトを超えていれば、MPU201xは立ち上げ可能な状態(動作可能な状態)となる一方、MPU201xの電源端子に供給される駆動電圧Vaxまたは駆動電圧Vbxが約4.0ボルト以下となれば、MPU201xは動作不可能な状態となる。また、MPU201xが演算実行可能な状態となる電圧の下限値は、約4.3ボルトである。よって、MPU201xのリセット端子に供給される電圧(リセット信号SG3axまたはリセット信号SG3bx)が約4.3ボルトを超えていれば、MPU201xは演算処理を実行可能な状態となる一方、MPU201xのリセット端子に供給される電圧(リセット信号SG3axまたはリセット信号SG3bx)が約4.3ボルト以下となれば、MPU201xは演算処理が実行不可能な状態となる。また、MPU201xのNMI端子には、停電監視回路252xから出力される停電信号SG1axまたは枠開放検出回路260xから出力される停電信号SG1bxが入力されるように構成されており、停電信号SG1axまたは停電信号SG1bxのいずれかがMPU201xへ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図53参照)が即座に実行される。
主制御装置110xのMPU201xには、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204xを介して入出力ポート205xが接続されている。入出力ポート205xには、払出制御装置111x、音声ランプ制御装置113x、第1図柄表示装置37x、第2図柄表示装置82xや、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208xや、特定入賞口65axの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209xが接続されている。
また、入出力ポート205xには、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xが接続されている。パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、後述する枠開放検出回路260xは、MPU201xを一時的に立ち上げる。一時的に立ち上がったMPU201xは、入出力ポート205xを介してホールコンピュータ262xへ、パルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する。入出力ポート205xを介して出力されたパルス信号はホールコンピュータ262xに記憶される。よって、ホールコンピュータ262xに記憶されたパルス信号を解析することで、パチンコ機10xの電源がオフされている間に行われた内枠12xまたは前面枠14xの開放を検出することができる。更には、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたパチンコ機10xを特定することができる。
主制御装置110xには、スイッチSW1xが導通することにより内枠12xの開放を検出すると共に、スイッチSW2xが導通することにより前面枠14xの開放を検出する枠開放検出回路260xが設けられている。この枠開放検出回路260xには、内枠12xの開放を検出するスイッチSW1xと、前面枠14xの開放を検出するスイッチSW2xとが接続されている。なお、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xと枠開放検出回路260xとの接続には、信号の入出力を行う入出力部(入出力ポート205x(ラッチ回路等)とは異なる、図示せず)を介して接続が行われている。なお、詳細は図43で説明するが、枠開放検出回路260xには、電力供給用のコンデンサCD1xが設けられているので、パチンコ機10xの電源がオフしているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放しても、枠開放検出回路260xは、その開放を検出して、一時的にMPU201xを立ち上げることができる。また、パチンコ機10xの電源がオンであるときに内枠12xまたは前面枠14xが開放した場合には、枠開放検出回路260xは当然に動作する。ここで、パチンコ機10xの電源がオンであるときには、MPU201xは既に立ち上がっており、枠開放検出回路260xによってMPU201xを立ち上げる必要はないので、このときに内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、枠開放検出回路260xは、マルチプレクサMP1x〜MP3xの動作により、MPU201xを立ち上げるのではなく、リセット信号SG3bxのみを入出力ポート205xへ出力する。
また、枠開放検出回路260xには、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通した場合に、マルチプレクサMP1xの入力端子I21xへ、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通時から約4.4秒間、停電信号SG1bxを出力する電断信号出力端子が設けられている。枠開放検出回路260xの電断信号出力端子は、出力端子O1xがMPU201xのNMI端子に接続されたマルチプレクサMP1xの入力端子I21xと接続されている。このマルチプレクサMP1xの入力端子I11xは、停電監視回路252xと接続されており、マルチプレクサMP1xの制御端子S1xは、電源部251xと接続されている。よって、パチンコ機10xの電源がオンである場合には、マルチプレクサMP1xの制御端子S1xへ電源部251xからロジック用の5ボルトの電圧が入力される。一方、パチンコ機10xの電源がオフしている場合には、電源部251xが動作しないので、マルチプレクサMP1xの制御端子S1xには、電圧が入力されない(マルチプレクサMP1xの制御端子S1xの電圧は、ゼロボルトとなる)。
ここで、停電監視回路252xから出力される停電信号SG1axと枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxとの関係について、パチンコ機10xの電源がオンされている場合とパチンコ機10xの電源がオフされている場合に分けて説明する。
パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、マルチプレクサMP1xの制御端子S1xに電源部251xから5ボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP1xは、制御端子S1xに5ボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP1xの入力端子I11xとマルチプレクサMP1xの出力端子O1xとの導通を行うので(マルチプレクサMP1xの入力端子I21xとマルチプレクサMP1xの出力端子O1xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、MPU201xのNMI端子に、停電監視回路252xから出力される停電信号SG1axが入力可能な状態となる(枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力されても、MPU201xのNMI端子には入力されない)。一方、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、マルチプレクサMP1xの制御端子S1xに電源部251xからゼロボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP1xは、制御端子S1xにゼロボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP1xの入力端子I21xとマルチプレクサMP1xの出力端子O1xとの導通を行うので(マルチプレクサMP1xの入力端子I11xとマルチプレクサMP1xの出力端子O1xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、MPU201xのNMI端子に、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxが入力可能な状態となる。このように、マルチプレクサMP1xは、電源部251xから制御端子S1xへ入力される電圧によって、即ち、パチンコ機10xの電源のオンオフ状態に応じて、MPU201xのNMI端子へ出力する信号を停電信号SG1axまたは停電信号SG1bxのいずれかに切り換える。
また、枠開放検出回路260xには、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通した場合に、マルチプレクサMP2xの入力端子I22xおよび入出力ポート205xへ、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通時から約9.4秒間、リセット信号SG3bxを出力するリセット信号出力端子が設けられている。枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子は、出力端子O2xがMPU201xのリセット端子に接続されたマルチプレクサMP2xの入力端子I22xと入出力ポート205xとに接続されている。このマルチプレクサMP2xの入力端子I12xは、リセット回路254xと接続されており、マルチプレクサMP2xの制御端子S2xは、電源部251xと接続されている。よって、パチンコ機10xの電源がオンである場合には、マルチプレクサMP2xの制御端子S2xへ電源部251xからロジック用の5ボルトの電圧が入力される。一方、パチンコ機10xの電源がオフしている場合には、電源部251xが動作しないので、マルチプレクサMP2xの制御端子S2xには、電圧が入力されない(マルチプレクサMP2xの制御端子S2xの電圧は、ゼロボルトとなる)。
ここで、リセット回路254xから出力されるリセット信号SG3axと枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxとの関係について、パチンコ機10xの電源がオンされている場合とパチンコ機10xの電源がオフされている場合に分けて説明する。
パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、マルチプレクサMP2xの制御端子S2xに電源部251xから5ボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP2xは、制御端子S2xに5ボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP2xの入力端子I12xとマルチプレクサMP2xの出力端子O2xとの導通を行うので(マルチプレクサMP2xの入力端子I22xとマルチプレクサMP2xの出力端子O2xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、MPU201xのリセット端子に、リセット回路254xから出力されるリセット信号SG3axが入力可能な状態となる(枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からリセット信号SG3bxが出力されても、MPU201xのリセット端子には入力されない)。一方、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、マルチプレクサMP2xの制御端子S2xに電源部251xからゼロボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP2xは、制御端子S2xにゼロボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP2xの入力端子I22xとマルチプレクサMP1xの出力端子O2xとの導通を行うので(マルチプレクサMP2xの入力端子I12xとマルチプレクサMP1xの出力端子O2xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、MPU201xのリセット端子に、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが入力可能な状態となる。このように、マルチプレクサMP2xは、電源部251xから制御端子Sへ入力される電圧によって、即ち、パチンコ機10xの電源のオンオフ状態に応じて、MPU201xのリセット端子へ出力する信号をリセット信号SG3axまたはリセット信号SG3bxのいずれかに切り換える。
なお、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子は、前述の通り、入出力ポート205xへも接続されている。よって、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、パチンコ機10xの電源がオンされているか否かに拘らず、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から入出力ポート205xへリセット信号SG3bxが出力される。この入出力ポート205xへ出力されたリセット信号SG3bxにより、MPU201xは、内枠12xまたは前面枠14xの開放を検出することができる。
枠開放検出回路260xには、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通した場合に、マルチプレクサMP3xの入力端子I13xへ、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通時から約9.9秒間、最大値約5ボルトの駆動電圧Vbxを供給する電源出力端子が設けられている。枠開放検出回路260xの電源出力端子は、出力端子O3xがMPU201xの電源端子に接続されたマルチプレクサMP3xの入力端子I23xと接続されている。このマルチプレクサMP3xの入力端子I13xは、電源部251xと接続されており、マルチプレクサMP3xの制御端子S3xも、電源部251xと接続されている。よって、パチンコ機10xの電源がオンである場合には、マルチプレクサMP3xの制御端子S3xへ電源部251xからロジック用の5ボルトの電圧が入力される。一方、パチンコ機10xの電源がオフしている場合には、電源部251xが動作しないので、マルチプレクサMP3xの制御端子S3xには、電圧が入力されない(マルチプレクサMP3xの制御端子S3xの電圧は、ゼロボルトとなる)。
ここで、電源部251xから出力される駆動電圧Vaxと枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される最大値約5ボルトの駆動電圧Vbxとの関係について、パチンコ機10xの電源がオンされている場合とパチンコ機10xの電源がオフされている場合に分けて説明する。
パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、マルチプレクサMP3xの制御端子S3xに電源部251xから5ボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP3xは、制御端子S3xに5ボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP3xの入力端子I13xとマルチプレクサMP3xの出力端子O3xとの導通を行うので(マルチプレクサMP3xの入力端子I23xとマルチプレクサMP3xの出力端子O3xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、MPU201xの電源端子に、電源部251xから出力される駆動電圧Vaxが入力可能な状態となる(枠開放検出回路260xの電源出力端子から駆動電圧Vbxが出力されても、MPU201xの電源端子には入力されない)。一方、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、マルチプレクサMP3xの制御端子S3xに電源部251xからゼロボルトの電圧が入力される。マルチプレクサMP3xは、制御端子S3xにゼロボルトの電圧が入力されると、マルチプレクサMP3xの入力端子I23xとマルチプレクサMP3xの出力端子O3xとの導通を行うので(マルチプレクサMP3xの入力端子I13xとマルチプレクサMP3xの出力端子O3xとは導通させないので)、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、MPU201xの電源端子に、枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxが入力可能な状態となる。このように、マルチプレクサMP3xは、電源部251xから制御端子S1xへ入力される電圧によって、即ち、パチンコ機10xの電源のオンオフ状態に応じて、MPU201xの電源端子へ出力する電圧を、電源部251xから出力される駆動電圧Vaxまたは枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxのいずれかに切り換える。
なお、マルチプレクサMP3xの出力端子O3xは、図示を省略するが、入出力ポート205xにも接続されている。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通した場合には、枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxが、入出力ポート205xへも供給される。
上述の通り、パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、電源装置115xの各回路(電源部251x、停電監視回路252xおよびリセット回路254x)から各種信号(停電信号SG1axおよびリセット信号SG3ax)や駆動電圧Vaxが、マルチプレクサMP1x〜MP3xを介して、MPU201xの各端子(NMI端子、リセット端子および電源端子)に出力される。そして、パチンコ機10xの電源がオンされている場合には、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、枠開放検出回路260xからは、リセット信号SG3bxのみが入出力ポート205xへ出力される。一方、パチンコ機10xの電源がオフされている場合には、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、枠開放検出回路260xからは、各種信号(停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bx)や駆動電圧Vbxが、マルチプレクサMP1x〜MP3xを介して一定期間中、MPU201xの各端子(NMI端子、リセット端子および電源端子)へ出力される。よって、パチンコ機10xの電源がオフされていても、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、MPU201xを一時的に(本実施形態では約9.9秒間)立ち上げることができる。
なお、上述の通り、マルチプレクサMP3xの出力端子O3xは、図示を省略するが、入出力ポート205xにも接続されている。よって、パチンコ機10xの電源がオフされている場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、枠開放検出回路260xの電源出力端子から入出力ポート205xへも駆動電圧Vbxが出力される。従って、パチンコ機10xの電源がオフされている場合であっても、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、入出力ポート205xも一時的に(本実施形態では約9.9秒間)立ち上げることができる。
RAM203xは、MPU201xの内部レジスタの内容やMPU201xにより実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更にRAM203xは、オフ中枠開放フラグ203axとオン中枠開放フラグ203bxとを有している。なお、RAM203xは、パチンコ機10xの電源の遮断後においても電源装置115xからバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203xに記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203xに記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203xに記憶される情報に基づいて、パチンコ機10xの状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203xへの書き込みはメイン処理(図48参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203xに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図47参照)において実行される。
オフ中枠開放フラグ203axは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通して、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられた場合に、オンとなるフラグである(後述する主制御装置110xの立ち上げ処理のS112xの処理)。このオフ中枠開放フラグ203axがオンされることにより、MPU201xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを検知することができる。なお、オフ中枠開放フラグ203axがオンとなっている場合に、パチンコ機10xの電源がオンされると、MPU201xは、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10xは、パチンコ機10xの電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xの開放があったことを不特定多数の者(店員や遊技客等)に報知することができる。一方、オフ中枠開放フラグ203axは、RAM消去スイッチ122xを操作して、主制御装置110xの立ち上げ処理のS116xの処理で(図47参照)、使用RAM領域がクリアされた場合にオフされる。よって、オフ中枠開放フラグ203axが一旦オンされると、RAM消去スイッチ122xを操作して、S116xの処理で使用RAM領域をクリアしない限り、オフ中枠開放フラグ203axをオフすることができない。よって、パチンコ機10xの電源がオンされた場合には、パチンコ機10xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを確実に不特定多数の者に報知することができる。
オン中枠開放フラグ203bxは、パチンコ機10xの電源がオンされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通して、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から入出力ポート205xへリセット信号SG3bxが出力された場合に、オンとなるフラグである(メイン処理のS219xの処理)。このオン中枠開放フラグ203bxは、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖されると、メイン処理のS220xの処理でオフされる。このオン中枠開放フラグ203bxがオンされることにより、MPU201xは、パチンコ機10xの電源がオンされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを検知することができる。なお、パチンコ機10xの電源がオンされている場合に、オン中枠開放フラグ203bxがオンとなると、MPU201xは、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知を行う。これにより、パチンコ機10xは、パチンコ機10xの電源オン中に内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを不特定多数の者に報知することができる。
払出制御装置111xは、払出モータ216xを駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211xは、そのMPU211xにより実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212xと、ワークメモリ等として使用されるRAM213xとを有している。
払出制御装置111xのRAM213xは、主制御装置110xのRAM203xと同様に、MPU211xの内部レジスタの内容やMPU211xにより実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213xは、パチンコ機10xの電源の遮断後においても電源装置115xからバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213xに記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、MPU211xのNMI端子には、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252xから停電信号SG1axが入力されるように構成されており、その停電信号SG1axがMPU211xへ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図53参照)が即座に実行される。
払出制御装置111xのMPU211xには、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215xが接続されている。入出力ポート215xには、主制御装置110xや払出モータ216x、発射制御装置112xなどがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111xには、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111xに接続されるが、主制御装置110xには接続されていない。
発射制御装置112xは、主制御装置110xにより球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51xの回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112axを制御するものである。球発射ユニット112axは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51xに触れていることをタッチセンサ51axにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bxがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51xの回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51xの操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113xは、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226xにおける音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29x〜33xや表示ランプ34xなど)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114xで行われる第3図柄表示装置81xの表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221xは、そのMPU221xにより実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222xと、ワークメモリ等として使用されるRAM223xとを有している。
音声ランプ制御装置113xのMPU221xには、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224xを介して入出力ポート225xが接続されている。入出力ポート225xには、主制御装置110x、表示制御装置114x、音声出力装置226xやランプ表示装置227xなどがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114xは、第3図柄表示装置(LCD)81xにおける第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114xは、MPU231xと、ROM(プログラムROM)232xと、ワークRAM233xと、ビデオRAM234xと、キャラクタROM235xと、画像コントローラ236xと、入力ポート237xと、出力ポート238xと、バスライン239x,240xとを有している。入力ポート237xの入力側には音声ランプ制御装置113xの出力側が接続され、入力ポート237xの出力側には、MPU231x、ROM232x、ワークRAM233x、画像コントローラ236xが接続されている。画像コントローラ236xには、ビデオRAM234x、キャラクタROM235xが接続されると共に、バスライン240xを介して出力ポート238xが接続されている。出力ポート238xの出力側には、第3図柄表示装置81xが接続されている。なお、パチンコ機10xは、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81xで表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114xは共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114xのMPU231xは、音声ランプ制御装置113xから入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81xの表示内容を制御する。ROM232xは、MPU231xにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233xは、MPU231xによる各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235xは、第3図柄表示装置81xに表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータを記憶したメモリである。ビデオRAM234xは、第3図柄表示装置81xに表示される演出データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM234xの内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81xの表示内容が変更される。
画像コントローラ236xは、MPU231x、ビデオRAM234x、出力ポート238xのそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234xに記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81xに表示させるものである。
次に、図43を参照して、枠開放検出回路260xを説明する。図43は、枠開放検出回路260xの電気的構成を示した回路図である。内枠12xの開放または前面枠14xの開放を検出する枠開放検出回路260xは、12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1xと、ダイオードD1x〜D5xと、コンデンサCD1x〜CD4xと、抵抗R1x〜R5xと、C−MOSタイマであるタイマIC1x(ナショナルセミコンダクタ社製LMC555)と、トランジスタTR1xと、FET1x〜FET3xと、リセットIC2x(ローム株式会社製BD4843)と、論理否定回路であるNOTIC3xとを主に有している。
スイッチSW1xが導通することにより内枠12xの開放を検出すると共に、スイッチSW2xが導通することにより前面枠14xの開放を検出するために、枠開放検出回路260xは、上記の部品が図43に示す回路図に従って接続される。なお、スイッチSW1xとスイッチSW2xとは並列接続された上で枠開放検出回路260xに接続されているので、いずれか一方のスイッチが導通すれば、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xの開放を検出することができる。
直流電源DC1xは、枠開放検出回路260xへ12ボルトの直流電圧を供給する電源である。直流電源DC1xへの電力(電源)は、電源装置115xに設けられた電源部251xから図示しない電源経路を通じて供給される。この直流電源DC1xは、ダイオードD1xのアノード端子と接続される。ダイオードD1xのカソード端子には1F(ファラッド)のコンデンサCD1xの一端が接続されている。そして、コンデンサCD1xの他端はグランドされている。また、コンデンサCD1xの一端は、スイッチSW1xの一端と、スイッチSW2xの一端と、タイマIC1xのVDD端子、タイマIC1xのRES端子とに接続されている。
コンデンサCD1xは、パチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260xへ直流電圧を供給する充電池の機能を発揮する部品である。
これは、コンデンサCD1xは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合には、コンデンサCD1xの容量1F(ファラッド)とコンデンサCD1xに印加された直流電圧(直流電源DC1xから供給される12ボルトからダイオードD1xでの電圧降下約0.7ボルトを引いた約11.3ボルト)との積により求まる電荷を蓄える。
一方、コンデンサCD1xは、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合には、コンデンサCD1xに蓄えられた電荷に基づく電力を枠開放検出回路260xへ供給する。
よって、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、コンデンサCD1xにより供給される電力によって動作して、内枠12xの開放および前面枠14xの開放を検出することができる。なお、本実施形態においては、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、枠開放検出回路260xへ電力を供給する部品として、コンデンサCD1xを使用した。しかし、これに限られるものではなく、コンデンサCD1xを、より蓄電量の多い二次電池(充電池)や、充電の必要のない一次電池としても良い。
また、コンデンサCD1xの一端には、ダイオードD1xのカソード端子が接続されており、このダイオードD1xが電流の逆流防止機能を果たしているので、コンデンサCD1xから枠開放検出回路260xへ電力が供給されている場合でも、その電力に伴って発生する電圧が直流電源DC1xに印加されることはなく、直流電源DC1xが損傷することはない。
タイマIC1xは、C−MOSタイマであり、200kΩの抵抗R1xと、100kΩの抵抗R2xと、22μFのコンデンサCD2xと、0.1μFのコンデンサCD3xとの接続によって、内枠12xの開放または前面枠14xの開放を検出し、トランジスタTR1xを約4.4秒間、導通させる回路として機能する。なお、トランジスタTR1xが導通すると、電源出力端子から最大値約5ボルトの駆動電圧Vbxが出力開始され、リセット信号出力端子からはリセット信号SG3bxが出力開始されると共に、電断信号出力端子からは停電信号SG1bxが出力開始される。
タイマIC1xは、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合、即ち、コンデンサCD1xにより電力が供給されている場合と、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合とで兼用している。よって、当然に、タイマIC1xは、パチンコ機10xへの電源供給が行われている場合に枠開放検出回路260xへ供給される直流電圧12ボルト以下で動作可能である。更に、タイマIC1xは、C−MOS半導体で構成されるタイマであるので、動作時の消費電力を抑制し、長時間の動作が可能である。
このタイマIC1xのVDD端子は、タイマIC1xに供給された直流電圧を入力する端子であり、スイッチSW1xの一端、スイッチSW2xの一端、コンデンサCD1xの一端およびタイマIC1xのRES端子と接続されている。タイマIC1xのRES端子は、RES端子にパルス信号が入力された場合に、OUT端子から出力されている電圧を強制的に出力停止状態(ゼロボルト)にするリセット機能を作動させるための端子である。ただし、本枠開放検出回路260xでは、このリセット機能を使用しないので、タイマIC1xのRES端子をタイマIC1xのVDD端子に接続して、リセット機能が作動しないようにしている。なお、タイマIC1xのVDD端子およびタイマIC1xのRES端子は、上述の通り、コンデンサCD1xの一端と接続されているので、タイマIC1xのVDD端子およびRES端子には、約11.3ボルトの直流電圧が印加される。
タイマIC1xのTRG端子は、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断されている場合には(内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には)、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧を約10.6ボルトに設定する一方、スイッチSW1x又はスイッチSW2xのいずれか一方、またはスイッチSW1xおよびスイッチSW2xの両方が導通状態となった場合には(内枠12x又は前面枠14xのいずれか一方、または内枠12xおよび前面枠14xの両方が開放状態となった場合には)、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧を、その導通から約4.4秒後に約10.6ボルトからゼロボルトに設定するための端子である。このタイマIC1xのTRG端子は、抵抗R2xの他端と接続されている。
タイマIC1xのTRG端子に接続される抵抗R2xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となって、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態(図41(b)参照)となったときに、タイマIC1xのTRG端子に直流電圧(約11.3ボルト)を印加するための抵抗である。なお、タイマIC1xのTRG端子の入力インピーダンスは、抵抗R2xの抵抗値(100kΩ)に対して、十分大きいので、この抵抗R2xによる電圧降下は殆ど発生しない。よって、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となると、コンデンサCD1xの一端から供給される約11.3ボルトの電圧がタイマIC1xのTRG端子に印加される。
上記の接続により、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断状態にあるときには(内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態にあるときには)、抵抗R2xに電圧が供給されないので、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧は、ゼロボルトとなる。このとき、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧は約10.6ボルトとなる。
一方、スイッチSW1x又はスイッチSW2xのいずれか一方、またはスイッチSW1xおよびスイッチSW2xの両方が導通状態にあるときには(内枠12x又は前面枠14xのいずれか一方、または内枠12xおよび前面枠14xの両方が開放状態にあるときには)、抵抗R2xに電圧が供給されるので、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧は、コンデンサCD1xの一端に印加される電圧と同じ約11.3ボルトとなる。このとき、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧は、スイッチSW1x又はスイッチSW2xのいずれか一方、またはスイッチSW1xおよびスイッチSW2xの両方が導通状態となってから約4.4秒間は約10.6ボルトとなり、その後、ゼロボルトとなる。
このように、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧により、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧を、約10.6ボルトかゼロボルトかのいずれか一方に設定することができる。なお、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通され(内枠12xまたは前面枠14xが開放され)、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧がゼロボルトから約11.3ボルトに変化すると、上述の通り、その電圧の立ち上がりから約4.4秒遅れて、タイマIC1xのOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧がゼロボルトに立ち下がる。そして、詳細は後述するが、このタイマIC1xのTRG端子に印加される電圧の立ち上がりと、タイマIC1xのOUT端子から出力されている電圧の立ち下がりとの時間差(約4.4秒)によって、トランジスタTR1xが約4.4秒間導通する。
タイマIC1xのOUT端子は、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断され(内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖され)、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧がゼロボルトになると、約10.6ボルトの電圧を出力する一方、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通され(内枠12xまたは前面枠14xが開放され)、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧が約11.3ボルトに立ち上がると、その立ち上がりから約4.4秒遅れて、出力している約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに設定する端子である。このOUT端子は、FET1xのゲート端子GおよびFET2xのゲート端子Gと接続される。
FET1xは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧によって導通と遮断を切り換えるN−MOSのスイッチング素子であり、FET1xのドレイン端子Dは、100kΩの抵抗R3xの他端およびトランジスタTR1xのベース端子bと接続される。なお、このトランジスタTR1xのエミッタ端子eは、抵抗R3xの一端、抵抗R2xの一端およびNOTIC3xの入力端子と接続されている。そして、トランジスタTR1xのコレクタ端子cは、コンデンサCD4xの一端、抵抗R4xの一端、ダイオードD3xのアノード端子およびダイオードD4xのアノード端子と接続されている。また、FET1xのソース端子Sは、ツェナーダイオードD2xのカソード端子と接続される。なお、このツェナーダイオードD2xのアノード端子は、グランドされている。
FET1xは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が約10.6ボルトである場合には(内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過するまでの場合および内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には)、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとを導通状態とする。一方、FET1xは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧がゼロボルトである場合には(内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過した場合には)、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとを遮断状態とする。
ここで、FET1xの動作およびトランジスタTR1xの動作について、3つの場面を時系列で説明する。まず、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでのFET1xの動作およびトランジスタTR1xの動作について説明する。内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となるので、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となってから約4.4秒経過するまでは)、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電流が、抵抗R3xを介して、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの間を通過し、ツェナーダイオードD2xのカソード端子に流れ込む。ここで、ツェナーダイオードD2xの制限電圧は、約5.7ボルトである。そして、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通状態にある場合には、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間のインピーダンスは数Ω程度となる。よって、トランジスタTR1xのベース端子bの電圧は、ツェナーダイオードD2xの制限電圧とほぼ同じ電圧である約5.7ボルトとなる。また、抵抗R3xに電圧が発生すると、トランジスタTR1xのベース端子bとトランジスタのエミッタ端子eとにバイアス電圧が印加される。よって、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間も導通状態となり、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電流は、トランジスタTR1xのエミッタ端子eからコレクタ端子cへ流れ込む。ここで、トランジスタTR1xのベース端子bとコレクタ端子cとが導通状態にある場合には、トランジスタTR1xのベース端子bとコレクタ端子cとの端子間のインピーダンスは数Ω程度となる。従って、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは、トランジスタTR1xのコレクタ端子cの電圧は、ツェナーダイオードD2xの制限電圧とほぼ同じ電圧である約5.7ボルトとなる。この動作により、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは、コンデンサCD4xに約5.7ボルトの電圧が印加され、コンデンサCD4xの充電が行われると共に、電源出力端子から最大値約5ボルトの駆動電圧Vbx(コンデンサCD4xに印加される約5.7ボルトからダイオードD3xの電圧降下0.7ボルトを引いた電圧)が出力開始され、リセット信号出力端子からはリセット信号SG3bxが出力開始されると共に、電断信号出力端子からは停電信号SG1bxが出力開始される。
次に、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときのFET1xの動作およびトランジスタTR1xの動作について説明する。内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときには、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが遮断状態となる。よって、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となっていたとしても、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電流が抵抗R3xに流れ込まなくなり、抵抗R3xに発生していた電圧がゼロになる。よって、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの導通は遮断される。従って、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときには、トランジスタTR1xのコレクタ端子cの電圧は、ゼロボルトとなる。この動作により、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときには、コンデンサCD4xに印加される電圧がゼロボルトとなり、コンデンサCD4xに蓄えられた電力は放電状態となる。
最後に、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときのFET1xの動作およびトランジスタTR1xの動作について説明する。内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されると、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が約10.6ボルトとなり、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通するが、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xは遮断状態である。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通となるものの、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから電流が供給されず、トランジスタTR1xのベース端子bとエミッタ端子eとの端子間の電圧はゼロボルトとなる。これにより、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの導通は遮断される。従って、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には、トランジスタTR1xのコレクタ端子cには電圧が印加されず、トランジスタTR1xのコレクタ端子cの電圧は、ゼロボルトとなる。この動作により、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときにも、コンデンサCD4xに印加される電圧がゼロボルトとなり、コンデンサCD4xに蓄えられた電力は放電状態となる。
図43の説明に戻る。コンデンサCD4xは、トランジスタTR1xを介して供給される電力を充電すると共に、その充電した電力を放電して、電断信号出力端子を除く、電源出力端子およびリセットIC2xへ電力を供給する容量値1F(ファラッド)のコンデンサである。コンデンサCD4xの一端は、トランジスタTR1xのコレクタ端子c、抵抗R4xの一端、ダイオードD3xのアノード端子およびダイオードD4xのアノード端子と接続されている。一方、コンデンサCD4xの他端は、グランドされている。
この接続により、コンデンサCD4xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは(FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通すると共に、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとが導通するので)、トランジスタTR1xを介して直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電力を蓄える。そして、コンデンサCD4xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過すると(FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが遮断状態になると共に、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとが遮断状態になるので)、蓄えた電力を放電して、電源出力端子およびリセットIC2xへ電力を供給する。なお、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが遮断状態にあるときには、当然、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通も遮断状態となるので、コンデンサCD4xが放電する電力に伴う電流が抵抗R5xに流れ込むことはない。よって、コンデンサCD4xの放電する電力に伴う電圧は、電断信号出力端子へは出力されない。従って、コンデンサCD4xは、電断信号出力端子へは電力を供給せず、電源出力端子およびリセットIC2xへ電力を供給するのである。
なお、コンデンサCD4xに蓄えられた電力がゼロになるまでの放電時間は、電源出力端子に接続されるマルチプレクサMP3xの入力端子I23xの入力インピーダンスおよびマルチプレクサMP3xの出力端子O3xに接続されるMPU201xの電源端子の入力インピーダンス、並びにリセットIC2xの入力端子INの入力インピーダンス、リセット信号出力端子に接続されるマルチプレクサMP2xの入力端子I22xの入力インピーダンスおよびマルチプレクサMP2xの出力端子O2xに接続されるMPU201xのリセット端子の入力インピーダンス等により決定される。なお、本実施形態では、コンデンサCD4xが満充電された場合に、この満充電された電力がゼロになるまでの放電時間を、約20秒に設定している。ただし、コンデンサCD4xが満充電された場合に、この満充電された電力がゼロになるまでの放電時間を、上記のインピーダンスを調整することにより約20秒よりも短く、或いは約20秒よりも長く設定しても良い。
コンデンサCD4xに蓄えられた電力の放電は、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過して、更には内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された場合にも継続する。なお、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が約10.6ボルトとなり、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通するが、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xは遮断状態である。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通するものの、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから電流が供給されず、トランジスタTR1xのベース端子bとエミッタ端子e間の電圧はゼロボルトとなる。従って、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとが遮断状態になるので、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときと同様、コンデンサCD4xは、蓄えた電力を放電して、電源出力端子およびリセットIC2xに電力を供給するのである。ここで、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された場合には、FET1xと同様、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通状態になり、電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力されるかのようにみえるが、この場合には、後述するFET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通状態となるので、やはり電断信号出力端子から停電信号SG1bxは出力されない。この説明ついては、後に詳述する。
なお、コンデンサCD4xが蓄えた電力がゼロになった場合には、当然に、放電が終了する(停止する)。これにより、電源出力端子およびリセットIC2xへコンデンサCD4xから供給される電力も停止する。
FET2xは、FET1xと同様に、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧によって導通と遮断を切り換えるN−MOSのスイッチング素子であり、FET2xのドレイン端子Dは、100kΩの抵抗R4xの他端と接続される。この抵抗R4xの一端は、コンデンサCD4xの一端、トランジスタTR1xのコレクタ端子c、ダイオードD3xのアノード端子およびダイオードD4xのアノード端子と接続されている。また、FET2xのソース端子Sは、逆流防止用のダイオードD5xのアノード端子および100MΩの抵抗R5xの一端と接続されている。この抵抗R5xの他端は、グランドされている。なお、ダイオードD5xのカソード端子は、電断信号出力端子と接続されている。
FET2xは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が約10.6ボルトである場合には(内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過するまでの場合と内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には)、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとを導通状態にする。一方、FET2xは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧がゼロボルトである場合には(内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過した場合には)、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとを遮断状態にする。
NOTIC3xは、FET3xのゲート端子Gへ電圧を印加する論理否定回路である。このNOTIC3xは、入力端子がスイッチSW1xの他端、スイッチSW2xの他端、抵抗R1xの一端、抵抗R2xの一端および抵抗R3xの一端に接続されている。また、このNOTIC3xの電源端子は、図示を省略するが、コンデンサCD1xの一端と接続されている。よって、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、NOTIC3xの入力端子に約11.3ボルトの電圧が印加された場合には、NOTIC3xの出力端子からゼロボルトが出力される。一方、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されて、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断し、NOTIC3xの入力端子にゼロボルトが印加された場合には、NOTIC3xの出力端子から約11.3ボルトの電圧が出力される。
FET3xは、電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxの制御を行うN−MOSのスイッチング素子である。FET3xのゲート端子Gは、NOTIC3xの出力端子と接続されている。また、FET3xのドレイン端子Dは、ダイオードD5xのアノード端子と接続されており、FET3xのソース端子Sは、グランドされている。よって、NOTIC3xの出力端子からゼロボルトが出力されている場合、即ち、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通した場合には、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断される。従って、内枠12xまたは前面枠14xが開放されている場合には、電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力できる状態となる。一方、NOTIC3xの出力端子から約11.3ボルトの電圧が出力されている場合、即ち、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されて、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断した場合には、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通する。従って、内枠12xまたは前面枠14xが閉鎖されている場合には、電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力できない状態となる。
ここで、FET2xおよびFET3xの動作について、FET1xの場合と同様に、3つの場面を時系列で説明する。まず、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでのFET2xおよびFET3xの動作について説明する。内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となるので、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となってから約4.4秒経過するまでは)、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電流が、抵抗R4xを介して、FET2xのドレイン端子DとFET2xのソース端子Sとの間を通過し、抵抗R5xに流れ込む。このとき、前述の通り、トランジスタTR1xのコレクタ端子cの電圧は約5.7ボルトであるので、抵抗R4xの一端に印加される電圧も約5.7ボルトとなる。ここで、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通状態にある場合には、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間のインピーダンスは数Ω程度となる。一方で、内枠12xまたは前面枠14xが開放されているので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通は遮断される。よって、抵抗R4xの一端に印加される約5.7ボルトの電圧は、抵抗R4xと抵抗R5xとにより分圧される。そして、抵抗R4xと抵抗R5xの抵抗比は、1対1000である。従って、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは、抵抗R5xに印加される電圧は、ツェナーダイオードD2xの制限電圧とほぼ同じ電圧である約5.7ボルトとなる。この動作により、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは、電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力される。なお、このとき、電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxは、抵抗R5xに印加される約5.7ボルトからダイオードD5xでの電圧降下約0.7ボルトを引いた約5.0ボルトとなる。
また、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒経過するまでは(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となってから約4.4秒経過するまでは)、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから供給される電圧が、ダイオードD3xを介して電源信号出力端子に印加されると共に、ダイオードD4xを介してリセットIC2xの入力端子INに印加される。よって、電源信号出力端子から駆動電圧が出力されると共に、リセット信号出力端子からもリセット信号SG3bxが出力される。
次に、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過したときのFET2xおよびFET3xの動作について説明する。内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過した場合には、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが遮断状態となる。このとき、前述の通り、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通も遮断されているので、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となっていたとしても、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cが遮断される。これにより、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xからの電圧供給は停止される。この電圧供給の停止により、コンデンサCD4xの放電が開始される。ここで、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが遮断状態であれば、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断状態であったとしても、コンデンサCD4xの放電に伴う電圧は電断信号出力端子に印加されない。よって、電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxは停止状態となる。一方で、コンデンサCD4xの放電に伴う電圧は、ダイオードD3xを介して電源出力端子に印加されると共に、ダイオードD4xを介してリセットIC2xの入力端子INに印加される。この動作により、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過すると、電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxは停止状態となる一方、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよびリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxは出力が継続される。なお、コンデンサCD4xが蓄えた電力が放電によりゼロになった場合には、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよびリセット信号SG3bxは出力停止される。
最後に、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときのFET2xおよびFET3xの動作について説明する。内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されると、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が約10.6ボルトとなり、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通するが、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xは遮断状態となっている。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通となるものの、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xから電力が供給されず、コンデンサCD4xの放電が継続される。ここで、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通となるので、コンデンサCD4xの放電に伴う電流が抵抗R5xに流れ込む経路が発生する。しかし、この場合には、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間も導通状態となっている。そして、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態となると、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間のインピーダンスは数Ω程度となり、抵抗R5xの抵抗値100MΩよりも十分に小さい値となる。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された場合に、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通して、コンデンサCD4xの放電に伴う電流が抵抗R5xに流れ込む経路が発生するが、コンデンサCD4xの放電に伴う電流は、FET3xのドレイン端子Dに流れ込むので、やはり抵抗R5xには電流が流れ込まない。これにより、電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力されることはない。従って、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときには、電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxは停止状態となる一方、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよびリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxは出力が継続される。なお、前述の通り、コンデンサCD4xが蓄えた電力が放電によりゼロになった場合には、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよびリセット信号SG3bxは出力停止される)。
リセットIC2xは、入力端子INに入力される電圧が4.3ボルトを超えていれば、入力端子INに入力された電圧をそのまま出力端子OUTから出力する一方、入力端子INに入力される電圧が4.3ボルト以下になると、出力端子OUTからの電圧出力を停止する(出力端子OUTの出力電圧をゼロボルトにする)リセット半導体回路である。リセットIC2xの入力端子INは、逆流防止用のダイオードD4xのカソード端子と接続されている。このダイオードD4xのアノード端子は、逆流防止用のダイオードD3xのアノード端子と接続されると共に、抵抗R4xの一端、コンデンサCD4xの一端およびトランジスタTR1xのコレクタ端子cと接続されている。なお、ダイオードD3xのカソード端子は、電源出力端子に接続されている。また、リセットIC2xの出力端子OUTは、リセット信号出力端子と接続されている。
なお、リセットIC2xの出力端子OUTは、リセット信号出力端子に直接接続されているが、リセットIC2xの出力端子OUTに逆流防止用のダイオードを接続しても良い。この場合には、リセットIC2xの出力端子OUTに逆流防止用ダイオードのアノード端子を接続し、逆流防止用ダイオードのカソード端子をリセット信号出力端子に接続すれば良い。
ここで、リセットIC2xの動作について説明する。内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過すると、コンデンサCD4xは、蓄えた電力を放電して、電源出力端子およびリセットIC2xに電力供給を開始する。コンデンサCD4xから供給される電力は、放電時間と共に低下するので、コンデンサCD4xの放電により発生する電圧も、放電時間と共に低下する。電源出力端子とコンデンサCD4xとの間には、逆流防止用のダイオードD3xが接続されているだけであるので、電源出力端子に出力される電圧(駆動電圧Vbx)は、コンデンサCD4xの放電により発生する電圧からダイオードD3xの順方向電圧分(約0.7ボルト)だけ降下した電圧となる。一方、リセット信号出力端子とコンデンサCD4xとの間には、逆流防止用のダイオードD4xの接続に加え、リセットIC2xが接続されている。これにより、リセット信号出力端子に出力される電圧(リセット信号SG3bx)は、コンデンサCD4xの放電により発生する電圧からダイオードD4xの順方向電圧分(約0.7ボルト)だけ降下した電圧が約4.3ボルトを超えている場合には、つまり、リセットIC2xの入力端子INに入力される電圧が約4.3ボルトを超えている場合には、その入力される電圧そのものとなる。これに対し、コンデンサCD4xの放電により発生する電圧からダイオードD4xの順方向電圧分だけ降下した電圧が約4.3ボルト以下である場合には、つまり、リセットIC2xの入力端子INに入力される電圧が約4.3ボルト以下である場合には、リセット信号出力端子に出力される電圧は、ゼロボルトとなる。
このように、リセットIC2xは、入力端子INに入力される電圧が約4.3ボルトを超えていれば、入力端子INに入力された電圧をそのまま出力端子OUTから出力してリセット信号出力端子に電圧を出力する一方(リセット信号SG3bxを出力する一方)、入力端子INに入力される電圧が約4.3ボルト以下になると、出力端子OUTからの電圧出力を停止して、リセット信号出力端子へ出力する電圧をゼロボルトにする(リセット信号SG3bxを停止する)。なお、電源出力端子へ出力される電圧(駆動電圧Vbx)は、4.3ボルト以下となり得るので、リセット信号出力端子から出力する電圧がゼロボルトとなった後も、コンデンサCD4xの放電により発生する電圧がゼロボルトとなるまで、継続して出力される。
ここで、MPU201xを正常に終了させるためには、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxが供給されているときに、まず、MPU201xの動作クロックで10クロック分の期間中、MPU201xのリセット端子に入力されるリセット信号SG3bxを停止して演算処理を実行不可能な状態とし、その後に、MPU201xの電源端子へ供給される駆動電圧を約4.0ボルト以下として動作不可能な状態とする必要がある。例えば、MPU201xの動作クロックが100MHzであれば、MPU201xを正常に終了させるためには、MPU201xの電源端子に5ボルトの駆動電圧Vbxが供給されているときに、まず、MPU201xのリセット端子に入力されるリセット信号SG3bxを少なくとも100n秒停止して演算処理を実行不可能な状態とし、その後に、MPU201xの電源端子へ供給される駆動電圧Vbxを約4.0ボルト以下にして動作不可能な状態とする必要がある。これを実現すべく、枠開放検出回路260xでは、まず、リセットIC2xの入力端子INに入力される電圧を約4.3ボルト以下にして、リセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxを停止することでMPU201xを演算処理が実行不可能な状態とし、その後に、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxを約4.0ボルト以下にしてMPU201xを動作不可能な状態とする。ここで、枠開放検出回路260xでは、リセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxを停止してから、電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxが約4.0ボルト以下となるまでに、約0.5秒の期間を確保している。これにより、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げた場合にも、その立ち上げたMPU201xを枠開放検出回路260xによって正常に終了させることができる。
また、リセットIC2xの入力端子INに入力される電圧が4.3ボルトを超えている場合には、リセットIC2xの入力端子INに電圧が入力されると、その電圧の入力から約40μ秒遅延して、出力端子OUTから電圧が出力される。このリセットIC2xの遅延特性により、リセット信号出力端子へ出力されるリセット信号SG3bxは、電源出力端子へ出力される駆動電圧Vbxよりも約40μ秒遅れて出力される。
ここで、MPU201xを正常に立ち上げるためには、まず、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxを供給してMPU201xを動作可能な状態とし、その後、少なくともMPU201xの動作クロックで10クロック分の期間を空けて、MPU201xのリセット端子にリセット信号SG3bxを入力して演算処理を実行可能な状態とする必要がある。例えば、MPU201xの動作クロックが100MHzであるMPU201xを正常に立ち上げるためには、まず、MPU201xの電源端子に5ボルトの駆動電圧Vbxを供給してMPU201xを動作可能な状態とし、その後、少なくとも100n秒の期間を空けて、MPU201xのリセット端子にリセット信号SG3bxを入力して演算処理を実行可能な状態とする必要がある。これを実現すべく、枠開放検出回路260xでは、まず、電源出力端子から約5ボルトの駆動電圧Vbxを出力し、その出力から約40μ秒後に、リセット信号出力端子からリセット信号SG3bxを出力する。これにより、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げる場合にも、その立ち上げを正常に行うことができる。
タイマIC1xのTH端子は、TH端子に印加される電圧を計測する端子であり、抵抗R1xの他端と、コンデンサCD2xの一端と、タイマIC1xのDCH端子とに接続されている。タイマIC1xのDCH端子は、タイマIC1xのTH端子に印加された電圧が、タイマIC1xのVDD端子に入力される直流電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧(約7.5ボルト)となった場合に、DCH端子のインピーダンスを無限大の状態からゼロの状態に切り換える端子である。DCH端子のインピーダンスがゼロの状態(グランド状態)となると、コンデンサCD2xへ電圧が印加できない状態となる。一方、DCH端子のインピーダンスが無限大の状態となると、コンデンサCD2xに電圧が印加可能な状態となる。
タイマIC1xのTH端子およびタイマIC1xのDCH端子に接続される抵抗R1xおよびコンデンサCD2xは、抵抗R1xの抵抗値とコンデンサCD2xとの積である時定数に基づいて、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、タイマIC1xのOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間を約4.4秒に決定するための部品である。抵抗R1xの一端は、スイッチSW1xの他端、スイッチSW2xの他端、抵抗R2xの一端、NOTIC3xの入力端子、抵抗R3xの一端およびトランジスタTR1xのエミッタ端子eと接続されている。また、抵抗R1xの他端は、タイマIC1xのTH端子と、タイマIC1xのDCH端子と、コンデンサCD2xの一端と接続されている。また、コンデンサCD2xの他端は、グランドされている。
ここで、抵抗R1xおよびコンデンサCD2xについて、タイマIC1xのTRG端子、タイマIC1xのTH端子、タイマIC1xのDCH端子およびタイマIC1xのOUT端子と共に説明する。
内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態では(スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断状態では)、抵抗R1xに電圧が供給されないので、タイマIC1xのTH端子に印加される電圧はゼロボルト(約7.5ボルト未満)となり、タイマIC1xのDCH端子は、インピーダンスが無限大の状態に設定される。よって、コンデンサCD2xに電圧が印加可能な状態となり、コンデンサCD2xは、充電可能状態(電荷を蓄えることができる状態)となる。しかし、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断されているときには、コンデンサCD1xの一端と抵抗R1xとの接続が遮断されているので、コンデンサCD2xには電圧が印加されず、コンデンサCD2xに印加される電圧がゼロボルトとなる。このように、コンデンサCD2xは、充電可能状態となるものの、充電は行われない状態となる。なお、このとき、タイマIC1xのOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通している。しかし、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断状態であるので、抵抗R3x(トランジスタTR1xのベース端子bとエミッタ端子eとの端子間)には電圧が発生せず、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとが遮断された状態となる。また、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Dとの端子間は導通状態となっている。従って、コンデンサCD4xからの電力が、電断信号出力端子を除く、電源出力端子およびリセットIC2xに供給され得る状態となる(コンデンサCD4xが蓄えた電力が放電によりゼロになっている場合には、電力供給は行われない)。
次に、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となって(図41(b)参照)、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となると、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧は、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わる。このとき、タイマIC1xのOUT端子の電圧は、約10.6ボルトであり、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間とが導通している。そして、抵抗R3x(トランジスタTR1xのベース端子bとエミッタ端子eとの端子間)には電圧が発生し、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとが導通する。これにより、トランジスタTR1xのコレクタ端子cに約5.7ボルトの電圧が発生し、この発生した電圧がダイオードD3xを介して約5.0ボルトとなり電源出力端子へ出力される。また、トランジスタTR1xのコレクタ端子cに発生した約5.7ボルトの電圧が、ダイオードD4xおよびリセットIC2xを介して約5.0ボルトとなりリセット信号出力端子へ出力される。加えて、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態であり、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Dとは遮断状態となっているので、トランジスタTR1xのコレクタ端子cに発生した約5.7ボルトの電圧が、ダイオードD5xを介して約5.0ボルトとなり電断信号出力端子へ出力される。更に、トランジスタTR1xのコレクタ端子cに発生した約5.7ボルトの電圧によりコンデンサCD4xに充電が開始される。
また、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧が、ゼロボルトから約11.3ボルトに切り換わるのと同時に、コンデンサCD2xに電圧が印加され、コンデンサCD2xの充電が開始される。このとき、タイマIC1xのTH端子に印加される電圧が上昇を開始する。
タイマIC1xのOUT端子の電圧は、タイマIC1xのTH端子に印加される電圧(コンデンサCD2xに印加される電圧)が、タイマIC1xのVDD端子に入力される電圧(約11.3ボルト)の2/3の電圧、即ち、約7.5ボルトと等しくなるまで、約10.6ボルトを保ち続ける。タイマIC1xのTH端子に印加される電圧(コンデンサCD2xに印加される電圧)が上昇し、約7.5ボルトと等しくなると、タイマIC1xのDCH端子のインピーダンスが無限大の状態からゼロの状態(グランドされた状態)に切り換わる。すると、コンデンサCD2xに印加される電圧がゼロボルト状態となり、コンデンサCD2xに蓄えられた電荷が放電される。これにより、タイマIC1xのTH端子に印加される電圧は、約7.5ボルトからゼロボルトに切り換わる。このタイマIC1xのTH端子に印加される電圧の切り換わりにより、タイマIC1xのOUT端子の電圧は、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換わる。すると、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通が遮断され、抵抗R3x(トランジスタTR1xのベース端子bとエミッタ端子eとの端子間)に発生していた電圧がゼロボルトになる。これにより、コンデンサCD4xは、蓄えた電力を放電して、電源出力端子およびリセットIC2xに電力を供給する。
このように、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となって、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となった場合に(図41(b)参照)、タイマIC1xのOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換えるまでの期間、即ち、タイマIC1xのTH端子に印加される電圧(コンデンサCD2xに印加される電圧)がゼロボルトから約7.5ボルトとなるまでの期間を、抵抗R1xの抵抗値とコンデンサCD2xの容量との積である時定数に基づいて約4.4秒に決定する。すると、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となった場合に、約4.4秒間は、電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子へ電圧を出力する。そして、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒が経過すると、枠開放検出回路260xは、タイマIC1xのOUT端子から出力されている約10.6ボルトの電圧をゼロボルトに切り換え、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの導通を遮断して、電断信号出力端子へ出力される電圧を停止すると共に、コンデンサCD4xの放電を開始させる。これにより、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒が経過すると、コンデンサCD4xの放電により、電断信号出力端子を除く、電源出力端子およびリセット信号出力端子へ電圧を出力する。なお、前述した通り、コンデンサCD4xの放電によってリセットIC2xの入力端子INに入力される電圧が約4.3ボルト以下になると、リセットIC2xは、出力端子OUTから出力される電圧、即ち、リセット信号出力端子の電圧をゼロボルトにする。一方、電源出力端子の電圧は、コンデンサCD4xによる放電が停止するまで出力される。よって、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒が経過すると、枠開放検出回路260xは、まず、電断信号出力端子へ出力される電圧(停電信号SG1bx)を停止して、次に、リセット信号出力端子へ出力される電圧(リセット信号SG3bx)を停止して、最後に、電源出力端子へ出力される電圧(駆動電圧Vbx)を停止する。従って、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、MPU201xを一時的に立ち上げたとしても、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒が経過した後に、内枠12xおよび前面枠14xが開放状態から閉鎖状態(スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが導通状態から遮断状態)となると、即ち、タイマIC1xのTRG端子に印加される電圧が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると、タイマIC1xのOUT端子の電圧は、ゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる。この状態においては、上述した通り、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通しているが、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断状態であるので、直流電源DC1xまたはコンデンサCD1xからは電力が供給されず、コンデンサCD4xの放電状態が継続する。なお、内枠12xまたは前面枠14xが閉鎖状態となると、FET3xのドレイン端子Dとゲート端子Sとが導通するので、コンデンサCD4xの放電による電圧は、電断信号出力端子を除く、電源出力端子およびリセットIC2xの入力端子INへ印加される。
ここで、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過する前に、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖され、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断された場合には、タイマIC1xのOUT端子の電圧は、ゼロボルトに切り換わらず約10.6ボルトのままとなる。しかし、この場合にも、枠開放検出回路260xは、停電信号SG1bxを停止し、次に、リセット信号SG3bxを停止して、最後に駆動電圧Vbxを停止することができる。この場合について説明する。まず、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となり、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通すると、前述の説明と同様に、枠開放検出回路260xは、電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子へ電圧を出力すると共に、コンデンサCD4xへの充電を行う。そして、内枠12xおよび前面枠14xが開放状態から約4.4秒以内で閉鎖状態となると、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが導通状態から遮断状態となるので、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの導通を遮断して、コンデンサCD4xの放電を開始させる。ここで、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとが導通している。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態となると、コンデンサCD4xの放電による電圧は電断信号出力端子に印加されなくなるので、停電信号SG1bxが停止される。これに対し、コンデンサCD4xの放電による電圧は、電源出力端子およびリセットIC2xの入力端子INへ印加される。その後は、コンデンサCD4xの放電に伴う電圧が時間の経過と共に低下して、リセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが停止され、最後に電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxが停止される。この動作により、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒以内で、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖状態となったとしても、枠開放検出回路260xは、まず停電信号SG1bxを停止し、次にリセット信号SG3bxを停止して、最後に駆動電圧Vbxを停止することができる。従って、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約4.4秒経過する前に、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖され、スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断された場合にも、枠開放検出回路260xは、MPU201xを一時的に立ち上げたとしても、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
図43の説明に戻る。タイマIC1xのCNT端子は、CNT端子に入力される信号により、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整する端子である。タイマIC1xのCNT端子は、コンデンサCD3xの一端と接続される。このコンデンサCD3xの他端は、グランドされている。なお、本枠開放検出回路260xでは、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧の出力期間を調整しないので(タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧の出力期間は約4.4秒に固定)、タイマIC1xのCNT端子は、コンデンサCD3xによって交流的にグランドされている。
上述したように、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となって、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通状態となると(図41(b)参照)、電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子へ電圧を出力する。一方、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放状態となってから約4.4秒経過すると、まず、電断信号出力端子へ出力される電圧(停電信号SG1bx)を停止すると共に、コンデンサCD4xに放電を開始させ、その後に、リセット信号出力端子へ出力される電圧(リセット信号SG3bx)を停止して、最後に、電源出力端子へ出力される駆動電圧Vbxを停止する。従って、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、MPU201xを一時的に立ち上げたとしても、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンにする。このオフ中枠開放フラグ203axがオンとなることで、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。また、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンにすることに加え、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。
ここで、遊技場が民間の警備会社と防犯契約を交わしている場合があり、この場合には、遊技場への侵入者があると、直ちに警備会社の警備員が遊技場へ駆けつける。しかし、不正行為は短時間で行われるので、警備員が駆けつけたときには、大抵の場合、既に侵入者は遊技場から逃げ出してしまっている。よって、民間の警備会社と防犯契約を交わしていたとしても、一体、どのパチンコ機10xに不正行為が行われたのかまでは判別できないという問題点があった。不正行為がなされたパチンコ機10xは、正常な状態に戻さなければならないが、どのパチンコ機10xに不正行為がなされたか分からない場合には、すべてのパチンコ機10xの内枠12xおよび前面枠14xを開放して、1台ずつ検査しなければならず、多数のパチンコ機10xが設置されている遊技場でこの作業を行うことは相当な重労働であった。
しかし、本実施形態のパチンコ機10xによれば、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、オフ中枠開放フラグ203axをオンにすることに加えて、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。よって、ホールコンピュータ262xに記憶されたパルス信号によっても、内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。更には、ホールコンピュータ262xにパチンコ機10xからパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10xの内枠12xの開放時刻または前面枠14xの開放時刻を検出することができる。
ただし、前述の通り、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、オフ中枠開放フラグ203axをオンするので、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを、ホールコンピュータ262xを用いることなく特定することが可能である。よって、本実施形態のパチンコ機10xによれば、ホールコンピュータ262xを24時間動作し続けていない遊技場でも、パチンコ機10xの電源がオフである間に内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、そのパチンコ機10xを特定することができる。
また、上述した通り、枠開放検出回路260xには、1FのコンデンサCD1xが設けられているので、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合には当然に動作し、更に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合であっても、内枠12xの開放および前面枠14xの開放を検出して、MPU201xを一定時間立ち上げることができる。
なお、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、枠開放検出回路260xへコンデンサCD1xから直流電圧が供給される場合に、内枠12xまたは前面枠14xの開放に伴うコンデンサCD1xからの電流の総供給期間を長くしたり、内枠12xまたは前面枠14xの開放を検出する回数を増やしたりする場合には、コンデンサCD1xの容量を増加させたり(例えば、コンデンサCD1xの容量を10Fとする)、コンデンサCD1xを蓄電量の多い二次電池に変更すれば良い。
ただし、パチンコ機10xの電源がオフされ、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された状態で枠開放検出回路260xがコンデンサCD1xの電力を消費する量は、タイマIC1xの待機電力とNOTIC3xの消費電力程度であるので、コンデンサCD1xの充電量に著しい減少をもたらすものではない。しかも、FET1x〜FET3xには、各ゲート端子Gに電圧が印加されるだけであるので、FET1x〜FET3xで消費される電力は微量である。よって、コンデンサCD1xの容量を汎用されている1Fとすることで、枠開放検出回路260xを安価に製造することができる。
また、扉開放検出回路260では、タイマIC1xにLMC555を用いて、内枠12xの開放または前面枠14xの開放を検出し、トランジスタTR1xを約4.4秒間、導通させる回路を実現したが、これに限られるものではない。即ち、タイマIC1xに他の集積回路等を用いて、内枠12xの1回の開放または前面枠14xの1回の開放に対して、1のパルス信号を発生する回路を実現し、その1のパルス信号に基づいてトランジスタTR1xを所定期間通電するものであれば良い。
次に、図44を参照して、パチンコ機10xの電源がオフされている間に、内枠12xまたは前面枠14xの一方が開放された場合と内枠12xおよび前面枠14xの両方が開放された場合とについて説明する。図44は、スイッチSW1xの状態(内枠12xの状態)とスイッチSW2xの状態(前面枠14xの状態)とに応じて変化するタイマIC1xのTRG端子の電圧と、タイマIC1xのOUT端子の電圧と、コンデンサCD4xの電圧と、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(マルチプレクサMP3xへの出力電圧)と、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP2xおよび入出力ポート205xへの出力電圧)と、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP1xへの出力電圧)との関係を示したタイミングチャートである。なお、図44(f)のAxは、t1x時から約0.01秒後までに変化する枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧を拡大した図である。図44(f)のAxでは、t1x時から約0.01秒後までのリセット信号出力端子の電圧を図示したが、t3x時から約0.01秒後まで、t5x時から約0.01秒後まで及びt7x時から約0.01秒後までのリセット信号出力端子の電圧は、t1x時から約0.01秒後までのリセット信号出力端子の電圧と同一の波形となるので、図示を省略している。
まず、図44(a)に示すように、t1x時に、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧は、t1x時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、t1x時から約4.4秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとが導通し、図44(e)に示すように、コンデンサCD4x(図43参照)に充電が開始される(t1x時)。なお、この充電は、図44(e)に示すように、スイッチSW1xが導通状態となってから約0.01秒で完了する。コンデンサCD4xの充電が完了すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧は約5.7ボルトとなる。なお、コンデンサCD4xの充電には約0.01秒が必要となるが、内枠12xまたは前面枠14xを開放して閉鎖するまでを約0.01秒の間で行うことは物理的に不可能であるので、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、コンデンサCD4xの充電は必ず完了する。
また、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(マルチプレクサMP3xの入力端子I23xへの出力電圧)は、図44(f)に示すように、t1x時に上昇を開始して、t1x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xの電源出力端子から約5.0ボルトの駆動電圧Vbxが出力開始される。また、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP2xの入力端子I22xおよび入出力ポート205xへの出力電圧)は、図44(g)および図44(f)のAxに示すように、t1x時から約40μ秒後に上昇を開始して、t1x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からリセット信号SG3bxが出力開始される。なお、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇が、t1x時から約40μ秒後となるのは、前述したリセットIC2x(図43参照)の遅延特性による。図44(f)および図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧上昇が、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇よりも約40μ秒早いので、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxが供給された後に、MPU201xのリセット信号出力端子にリセット信号SG3bxが入力される。よって、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、MPU201xを一時的に立ち上げる場合に、その立ち上げを正常に行うことができる。
なお、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンにする。このオフ中枠開放フラグ203axがオンとなることで、内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。また、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。
更に、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.7ボルトとなると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP1xの入力端子I21xへの出力電圧)は、図44(h)に示すように、t1x時に上昇を開始して、t1x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。ここで、スイッチSW1xは導通状態(内枠12xが開放状態)であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が遮断されている。これにより、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力開始される。
そして、t1x時から約4.4秒経過すると、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断されて、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの導通が遮断されるので、コンデンサCD4xへの充電が終了する。すると、コンデンサCD4xの放電が開始されるので、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が降下を開始する(t1x時から約4.4秒経過後)。これに追従して、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、降下を開始する(t1x時から約4.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、降下を開始する(t1x時から約4.4秒経過後)。
なお、t1x時から約4.4秒経過すると、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断されるので、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子へは電流が供給されない。よって、図44(h)に示すように、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(停電信号SG1bx)は、t1x時から約4.4秒経過すると、ゼロボルトになる。従って、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約4.4秒経過すると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子からMPU201xのNMI端子へ出力される停電信号SG1bxが、まず、停止される。
次に、t1x時から約9.4秒経過すると(t1x時から約4.4秒経過した後に、更に約5.0秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.0ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.3ボルトまで降下する(t1x時から約9.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、約4.3ボルトまで降下して、その後に、リセットIC2xの動作によりゼロボルトとなる(t1x時から約9.4秒経過後)。よって、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約9.4秒経過すると、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からMPU201xのリセット端子へ出力されるリセット信号SG3bxが、停電信号SG1bxの次に、停止される。これにより、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定される(t1x時から約9.4秒経過後)。
更に、t1x時から約9.9秒経過すると(t1x時から約9.4秒経過した後に、更に約0.5秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約4.7ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.0ボルトまで降下する(t1x時から約9.9秒経過後)。ここで、MPU201xの動作電圧の下限値は、約4.0ボルトである。よって、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約9.9秒経過すると、枠開放検出回路260xの電源出力端子からMPU201xの電源端子へ出力される駆動電圧Vbxが、最後に、停止されて、MPU201xが動作不可能な状態になる。つまり、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定された後に(t1x時から約9.4秒経過後)、動作不可能な状態に設定される(t1x時から約9.9秒経過後)。従って、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、t1x時から約20秒経過すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧はゼロボルトになる。これに追従して、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧も(駆動電圧Vbxも)、ゼロボルトとなる(t1x時から約20秒経過前)。よって、t1x時から約20秒経過すると、コンデンサCD4xの充電量はゼロとなる。
最後に、図44(a)に示すように、t2x時に、スイッチSW1xが遮断状態(内枠12xが閉鎖状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1xのOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t2x時)。また、t2x時に、スイッチSW1xが遮断状態(内枠12xが閉鎖状態)となると、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態になる。これにより、枠開放検出回路260xは、再び、内枠12xおよび前面枠14xの検出が可能な状態に設定される。
次に、図44(b)に示すように、t3x時に、スイッチSW2xが導通状態(前面枠14xが開放状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧は、t3x時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、t3x時から約4.4秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間が導通し、図44(e)に示すように、コンデンサCD4x(図43参照)に充電が開始される(t3x時)。なお、この充電は、図44(e)に示すように、スイッチSW2xが導通状態となってから約0.01秒で完了する。コンデンサCD4xの充電が完了すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧は約5.7ボルトとなる。
また、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(マルチプレクサMP3xの入力端子I23xへの出力電圧)は、図44(f)に示すように、t3x時に上昇を開始して、t3x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xの電源出力端子から最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbxが出力開始される。また、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP2xの入力端子I22xおよび入出力ポート205xへの出力電圧)は、図44(g)に示すように、t3x時から約40μ秒後に上昇を開始して(図44(f)のAx参考)、t3x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からリセット信号SG3bxが出力開始される。なお、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇が、t3x時から約40μ秒後となるのは、前述した通り、リセットIC2x(図43参照)の遅延特性による。図44(f)および図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧上昇が、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇よりも約40μ秒早いので、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxが供給された後に、MPU201xのリセット信号出力端子にリセット信号SG3bxが入力される。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、MPU201xを一時的に立ち上げる場合に、その立ち上げを正常に行うことができる。
更に、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.7ボルトとなると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP1xの入力端子I21xへの出力電圧)は、図44(h)に示すように、t3x時に上昇を開始して、t3x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。ここで、スイッチSW2xは導通状態(前面枠14xが開放状態)であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が遮断されている。これにより、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力開始される。
そして、t3x時から約4.4秒経過すると、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通が遮断されて、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間の導通が遮断されるので、コンデンサCD4xへの充電が終了する。すると、コンデンサCD4xの放電が開始されるので、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が降下を開始する(t3x時から約4.4秒経過後)。これに追従して、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、降下を開始する(t3x時から約4.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、降下を開始する(t3x時から約4.4秒経過後)。
なお、t3x時から約4.4秒経過すると、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通が遮断されるので、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子へは電流が供給されない。よって、図44(h)に示すように、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(停電信号SG1bx)は、t3x時から約4.4秒経過すると、ゼロボルトになる。従って、前面枠14xが開放され、スイッチSW2xが導通してから約4.4秒経過すると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子からMPU201xのNMI端子へ出力される停電信号SG1bxが、まず、停止される。
次に、t3x時から約9.4秒経過すると(t3x時から約4.4秒経過した後に、更に約5.0秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.0ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.3ボルトまで降下する(t3x時から約9.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、約4.3ボルトまで降下して、その後に、リセットIC2xの動作によりゼロボルトとなる(t3x時から約9.4秒経過後)。よって、前面枠14xが開放され、スイッチSW2xが導通してから約9.4秒経過すると、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からMPU201xのリセット端子へ出力されるリセット信号SG3bxが、停電信号SG1bxの次に、停止される。これにより、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定される(t3x時から約9.4秒経過後)。
更に、t3x時から約9.9秒経過すると(t3x時から約9.4秒経過した後に、更に約0.5秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約4.7ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.0ボルトまで降下する(t3x時から約9.9秒経過後)。ここで、前述の通り、MPU201xの動作電圧の下限値は、約4.0ボルトである。よって、前面枠14xが開放され、スイッチSW2xが導通してから約9.9秒経過すると、枠開放検出回路260xの電源出力端子からMPU201xの電源端子へ出力される駆動電圧Vbxが、最後に、停止されて、MPU201xが動作不可能な状態になる。つまり、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定された後に(t3x時から約9.4秒経過後)、動作不可能な状態に設定される(t3x時から約9.9秒経過後)。従って、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、t3x時から約20秒経過すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧はゼロボルトになる。これに追従して、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧も(駆動電圧Vbxも)、ゼロボルトとなる(t3x時から約20秒経過前)。よって、t3x時から約20秒経過すると、コンデンサCD4xの充電量はゼロとなる。
最後に、図44(a)に示すように、t4x時に、スイッチSW2xが遮断状態(前面枠14xが閉鎖状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1xのOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる(t4x時)。また、t4x時に、スイッチSW2xが遮断状態(前面枠14xが閉鎖状態)となると、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態になる。これにより、枠開放検出回路260xは、再び、内枠12xおよび前面枠14xの検出が可能な状態に設定される。
上述した通り、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、駆動電圧Vbxおよび停電信号SG1bxを出力した後に、リセット信号SG3bxを出力する。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、MPU201xを一時的に立ち上げる場合に、その立ち上げを正常に行うことができる。また、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、その導通後から約4.4秒経過すると、まず、停電信号SG1bxを停止する。そして、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.4秒経過すると、リセット信号SG3bxを停止する。更に、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.9秒経過すると、MPU201xの電源端子に出力される駆動電圧Vbxを約4.0ボルトに低下させる。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、上記の説明の通り、内枠12xが開放された場合と、前面枠14xが開放された場合との枠開放検出回路260xの動作は同一である。よって、次に説明を行うt5x時からt6x時のときの枠開放検出回路260xの動作については、内枠12xが開放された場合についてのみ説明する。
図44(a)に示すように、t5x時に、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧は、t5x時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間が導通し、図44(e)に示すように、コンデンサCD4x(図43参照)に充電が開始される(t5x時)。コンデンサCD4xの充電が完了すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧は約5.7ボルトとなる(t5x時から約0.01秒経過後)。
また、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(マルチプレクサMP3xの入力端子I23xへの出力電圧)は、図44(f)に示すように、t5x時に上昇を開始して、t5x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xの電源出力端子から約5.0ボルトの駆動電圧Vbxが出力開始される。また、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP2xの入力端子I22xおよび入出力ポート205xへの出力電圧)は、図44(g)に示すように、t5x時から約40μ秒後に上昇を開始して(図44(f)のAx参考)、t5x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からリセット信号SG3bxが出力開始される。なお、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇が、t5x時から約40μ秒後となるのは、前述した通り、リセットIC2x(図43参照)の遅延特性による。図44(f)および図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧上昇が、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇よりも約40μ秒早いので、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxが供給された後に、MPU201xのリセット信号出力端子にリセット信号SG3bxが入力される。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、MPU201xを一時的に立ち上げる場合に、その立ち上げを正常に行うことができる。
更に、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.7ボルトとなると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP1xの入力端子I21xへの出力電圧)は、図44(h)に示すように、t5x時に上昇を開始して、t5x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。ここで、スイッチSW1xは導通状態(内枠12xが開放状態)であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が遮断されている。これにより、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力開始される。
t5x時から約4.4秒経過する前に、内枠12xが閉鎖されると(t5x時から約3.0秒経過したt6x時に内枠12xが閉鎖されると)、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトに切り換えることなく、約10.6ボルトの電圧を出力したままになる。このとき、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間は導通されたままとなるが、内枠12xの閉鎖に伴い、スイッチSW1xが遮断されるので、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとベース端子bに電圧が印加されなくなり、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間の導通が遮断される。これにより、コンデンサCD4xへの充電が終了する(t6x時)。すると、コンデンサCD4xの放電が開始されるので、図44(d)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が降下を開始する(t6x時)。これに追従して、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、降下を開始する(t6x時)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、降下を開始する(t6x時)。
なお、内枠12xが閉鎖され、スイッチSW1xが遮断すると(t6x時)、コンデンサCD4xの放電が開始されるが、この放電により発生する電圧は、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子へは供給されない。これは、前述した通り、内枠12xが閉鎖されると、スイッチSW1xが遮断状態となるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通して、コンデンサCD4xの放電により発生する電流が抵抗R5xに流れず、FET3xのドレイン端子Dに流れ込むからである。よって、図44(h)に示すように、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(停電信号SG1bx)は、t6x時になると、ゼロボルトになる。従って、内枠12xが開放され、その開放から約4.4秒経過する前に、内枠12xが閉鎖されてスイッチSW1xが遮断された場合には、そのスイッチSW1xの遮断時に、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子からMPU201xのNMI端子へ出力される停電信号SG1bxが、まず、停止される。
次に、t6x時から約5.0秒経過すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.0ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.3ボルトまで降下する(t6x時から約5.0秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、約4.3ボルトまで降下して、その後に、リセットIC2xの動作によりゼロボルトとなる(t6x時から約5.0秒経過後)。よって、内枠12xが閉鎖され、スイッチSW1xが遮断してから約5.0秒経過すると、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からMPU201xのリセット端子へ出力されるリセット信号SG3bxが、停電信号SG1bxの次に、停止される。これにより、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定される(t6x時から約5.0秒経過後)。
更に、t6x時から約5.5秒経過すると(t6x時から約5.0秒経過した後に、更に約0.5秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約4.7ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.0ボルトまで降下する(t6x時から約5.5秒経過後)。ここで、MPU201xの最低動作電圧は、約4.0ボルトである。よって、内枠12xが閉鎖され、スイッチSW1xが遮断してから約5.5秒経過すると、枠開放検出回路260xの電源出力端子からMPU201xの電源端子へ出力される駆動電圧Vbxが、最後に停止されて、MPU201xが動作不可能な状態になる。つまり、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定された後に(t6x時から約5.0秒経過後)、動作不可能な状態に設定される(t6x時から約5.5秒経過後)。従って、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、t5x時から約20秒経過すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧はゼロボルトになる。これに追従して、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧も(駆動電圧Vbxも)、ゼロボルトとなる(t5x時から約20秒経過前)。よって、t5x時から約20秒経過すると、コンデンサCD4xの充電量はゼロとなる。
ここで、t5x時からt6x時の枠開放検出回路260xの動作では、内枠12xがt6x時に閉鎖された後も、コンデンサCD4xの放電が行われる。この場合であっても、枠開放検出回路260xは、内枠12xがt6x時に閉鎖され、スイッチSW1xが遮断されると、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間を導通させるので、コンデンサCD4xの放電により発生する電流を、抵抗R5xに流さず、FET3xのドレイン端子Dに流す。よって、内枠12xがt6x時に閉鎖されると、図44(h)に示すように、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(停電信号SG1bx)をゼロボルトすることができる。
枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxが停止された後は、コンデンサCD4xの放電に伴う電圧が時間の経過と共に低下して、リセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが停止され、最後に電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxが停止される。この動作により、内枠12xが開放されたt5x時から約4.4秒経過する前に、内枠12xが閉鎖されたとしても(t5x時から約3.0秒経過したt6x時に内枠12xが閉鎖されたとしても)、まず停電信号SG1bxを停止し、次にリセット信号SG3bxを停止して、最後に駆動電圧Vbxを停止することができる。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xが開放されて、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧が切り換わるまでの約4.4秒以内で、開放された内枠12xが閉鎖されたとしても、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げ、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、内枠12xがt6x時に閉鎖された後は、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約4.7ボルトに低下して、図44(f)に示すように、電源出力端子から最後まで出力される駆動電圧Vbxが約4.0ボルトとなり、MPU201xが正常に終了すると、枠開放検出回路260xは、再び、内枠12xまたは前面枠14xの検出が可能な状態に設定される。
最後に、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)であるときに、スイッチSW2xが導通状態(前面枠14xが開放状態)となった場合について説明する。図44(a)に示すように、t7x時に、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)となり、更に、図44(b)に示すように、t8x時に、スイッチSW2xが導通状態(前面枠14xが開放状態)となると、図44(c)に示すように、タイマIC1xのTRG端子電圧は、t7x時に、ゼロボルトから約11.3ボルトへ切り換わる。このとき、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、t7x時から約4.4秒経過するまでは、OUT端子から約10.6ボルトの電圧を出力し続ける。これにより、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間が導通し、図44(e)に示すように、コンデンサCD4x(図43参照)に充電が開始される(t7x時)。なお、この充電は、図44(e)に示すように、スイッチSW1xが導通状態となってから約0.01秒で完了する。コンデンサCD4xの充電が完了すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧は約5.7ボルトとなる。
また、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(マルチプレクサMP3xの入力端子I23xへの出力電圧)は、図44(f)に示すように、t7x時に上昇を開始して、t7x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xの電源出力端子から約5.0ボルトの駆動電圧Vbxが出力開始される。また、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP2xの入力端子I22xおよび入出力ポート205xへの出力電圧)は、図44(g)に示すように、t7x時から約40μ秒後に上昇を開始して、t7x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。これにより、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からリセット信号SG3bxが出力開始される。なお、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇が、t7x時から約40μ秒後となるのは、前述した通り、リセットIC2x(図43参照)の遅延特性による。図44(f)および図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧上昇が、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧上昇よりも約40μ秒早いので、MPU201xの電源端子に約5ボルトの駆動電圧Vbxが供給された後に、MPU201xのリセット信号出力端子にリセット信号SG3bxが入力される。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、MPU201xを一時的に立ち上げる場合に、その立ち上げを正常に行うことができる。
更に、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧は約5.7ボルトとなると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(マルチプレクサMP1xの入力端子I21xへの出力電圧)は、図44(h)に示すように、t7x時に上昇を開始して、t7x時から約0.01秒後に約5.0ボルトとなる。ここで、スイッチSW1xは導通状態(内枠12xが開放状態)であるので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が遮断されている。これにより、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から停電信号SG1bxが出力開始される。
そして、t7x時から約4.4秒経過すると、図44(d)に示すように、タイマIC1xは、OUT端子の電圧を、約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。すると、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通が遮断されて、トランジスタTR1x(図43参照)のエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間の導通が遮断されるので、コンデンサCD4xへの充電が終了する。すると、コンデンサCD4xの放電が開始されるので、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が降下を開始する(t7x時から約4.4秒経過後)。これに追従して、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、降下を開始する(t7x時から約4.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、降下を開始する(t7x時から約4.4秒経過後)。
なお、t7x時から約4.4秒経過すると、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間の導通が遮断されるので、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子へは電流が供給されない。よって、図44(h)に示すように、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子の電圧(停電信号SG1bx)は、t7x時から約4.4秒経過すると、ゼロボルトになる。従って、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約4.4秒経過すると、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子からMPU201xのNMI端子へ出力される停電信号SG1bxが、まず、停止される。
次に、t7x時から約9.4秒経過すると(t7x時から約4.4秒経過した後に、更に約5.0秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約5.0ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.3ボルトまで降下する(t7x時から約9.4秒経過後)。また、図44(g)に示すように、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子の電圧(リセット信号SG3bx)が、約4.3ボルトまで降下して、その後に、リセットIC2xの動作によりゼロボルトとなる(t7x時から約9.4秒経過後)。よって、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約9.4秒経過すると、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子からMPU201xのリセット端子へ出力されるリセット信号SG3bxが、停電信号SG1bxの次に、停止される。これにより、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定される(t7x時から約9.4秒経過後)。
更に、t7x時から約9.9秒経過すると(t7x時から約9.4秒経過した後に、更に約0.5秒経過すると)、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧が約4.7ボルトに降下する。すると、図44(f)に示すように、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧(最大値約5.0ボルトの駆動電圧Vbx)が、約4.0ボルトまで降下する(t7x時から約9.9秒経過後)。ここで、前述の通り、MPU201xの動作電圧の下限値は、約4.0ボルトである。よって、内枠12xが開放され、スイッチSW1xが導通してから約9.9秒経過すると、枠開放検出回路260xの電源出力端子からMPU201xの電源端子へ出力される駆動電圧Vbxが、最後に停止されて、MPU201xが動作不可能な状態になる。つまり、MPU201xは、演算処理の実行が不可能な状態に設定された後に(t7x時から約9.4秒経過後)、動作不可能な状態に設定される(t7x時から約9.9秒経過後)。従って、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、t7x時から約20秒経過すると、図44(e)に示すように、コンデンサCD4xの電圧はゼロボルトになる。これに追従して、枠開放検出回路260xの電源出力端子の電圧も(駆動電圧Vbxも)、ゼロボルトとなる(t7x時から約20秒経過前)。よって、t7x時から約20秒経過すると、コンデンサCD4xの充電量はゼロとなる。
最後に、図44(a)に示すように、t9x時に、スイッチSW1xが遮断状態(内枠12xが閉鎖状態)となると共に、図44(b)に示すように、t10x時に、スイッチSW2xが遮断状態(前面枠14xが閉鎖状態)となると、図44(c)に示すように、t10x時に、タイマIC1xのTRG端子電圧が約11.3ボルトからゼロボルトに切り換わると共に、タイマIC1xのOUT端子電圧がゼロボルトから約10.6ボルトに切り換わる。また、t10x時に、スイッチSW2xが遮断状態(前面枠14xが閉鎖状態)となると、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態になる。これにより、枠開放検出回路260xは、再び、内枠12xおよび前面枠14xの検出が可能な状態に設定される。
このように、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)であるときに、スイッチSW2xが導通状態(前面枠14xが開放状態)となった場合でも、タイマIC1xは、スイッチSW1xの導通期間の長さ(内枠12xの開放期間の長さ)およびスイッチSW2xの導通期間の長さ(前面枠14xの開放期間の長さ)に拘らず、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xのいずれか一方が導通状態(内枠12xまたは前面枠14xのいずれか一方が開放状態)となったときから約4.4秒経過すると、OUT端子の電圧を約10.6ボルトからゼロボルトに切り換える。これにより、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xのいずれか一方が導通状態となったときから約4.4秒経過後に、停電信号SG1bxを停止すると共に、コンデンサCD4xの放電を開始する。その後、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xのいずれか一方が導通状態となったときから約9.4秒経過後に、リセット信号SG3bxを停止して、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xのいずれか一方が導通状態となったときから約9.9秒経過後に、駆動電圧Vbxを停止する。従って、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、スイッチSW1xが導通状態(内枠12xが開放状態)となり、その後に、スイッチSW2xが導通状態(前面枠14xが開放状態)となって、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
上述した通り、枠開放検出回路260xは、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xの一方、並びに内枠12xおよび前面枠14xの両方が開放されると、駆動電圧Vbxおよび停電信号SG1bxを出力した後に、リセット信号SG3bxを出力する。よって、パチンコ機10xの電源がオフされていても、MPU201xを一時的に正常に立ち上げることができる。なお、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンにする。このオフ中枠開放フラグ203axがオンとなると、パチンコ機10xは、次回にパチンコ機10xの電源がオンされた場合に、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを報知する。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。
また、詳細は後述するが、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることに加えて、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。よって、ホールコンピュータ262xに記憶されたパルス信号を解析することによっても、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、その導通後から約4.4秒経過すると、まず、停電信号SG1bxを停止する(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、その導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時に、停電信号SG1bxを停止する)。次に、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.4秒経過すると、リセット信号SG3bxを停止する(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時から約5.0秒経過後に、リセット信号SG3bxを停止する)。そして、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.9秒経過すると、MPU201xの電源端子に出力される駆動電圧Vbxを約4.0ボルトに低下させる(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時から約5.5秒経過後に、駆動電圧Vbxを約4.0ボルトに低下させる)。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通しても、その導通時から約4.4秒が経過すると、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間に拘らず、コンデンサCD1xから供給される電力によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を、トランジスタTR1xによって停止する。そして、トランジスタTR1xによる停止後は、枠開放検出回路260xは、コンデンサCD4xの放電によって、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行う。よって、枠開放検出回路260xは、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、枠開放検出回路260xへ直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されない場合に、即ち、枠開放検出回路260xへコンデンサCD1xから約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1xから電力が供給される期間を、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間に拘らず、約4.4秒間に留めることができる。よって、枠開放検出回路260xは、コンデンサCD1xに充電された電力の消費を抑制して、内枠12xまたは前面枠14xの開放検出を複数回に亘って行うことができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通しても、その導通時から約4.4秒が経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖されると、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xを遮断して、コンデンサCD1xから供給される電力によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を停止する。そして、内枠12xおよび前面枠14xの閉鎖後は、コンデンサCD4xの放電によって、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行う。
このように、コンデンサCD4xの充電が完了すると、その後は、コンデンサCD4xの放電によって駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行うことができるので、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間が約4.4秒以内である場合には、コンデンサCD1xからの電力供給によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電の各期間を、更に短期間に留めることができる。従って、内枠12xまたは前面枠14xの開放によるコンデンサCD1xの電力消費量を更に抑制することができる。
ここで、コンデンサCD1xは容量が1Fであり、コンデンサCD1xに印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1xに蓄えられる電荷は、コンデンサCD1xの容量とコンデンサCD1xの印加電圧との積から約11.3C(クーロン)となる。このコンデンサCD1xに蓄えられる約11.3Cの電荷は、コンデンサCD1xからの電力供給によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電の各期間が約4.4秒間である場合には、電力の供給回数で約11回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12xの開放(スイッチSW1xの導通)または前面枠14xの開放(スイッチSW2xの導通)が複数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路260xは、内枠12xの開放または前面枠14xの開放(スイッチSW1xの導通またはスイッチSW2xの導通)を、約11回まで毎回確実に検出し、MPU201xを一時的に正常に立ち上げて、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることができる。このとき、内枠12xの開放または前面枠14xの開放が約11回付近となると、コンデンサCD1xに蓄えられる電力が少なくなり、駆動電圧Vbxの低下、リセット信号SG3bxの電圧低下、停電信号SG1bxの電圧低下およびコンデンサCD4xの充電量の低下が発生する。しかし、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxの電圧が約4.3ボルトを超えると共に、枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよび枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxの電圧が約4.0ボルトを超えていれば、パチンコ機10xの電源がオフされていたとしても、MPU201xを一時的に正常に立ち上げて、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることができる。更には、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力することができる。
なお、枠開放検出回路260xでは、コンデンサCD1xとコンデンサCD4xの容量をそれぞれ1Fとしたが、コンデンサCD1xは、パチンコ機10xの電源がオフされ、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に枠開放検出回路260xを動作させる電力源となるコンデンサであるので、コンデンサCD4xの容量値よりも大きい容量値としても良い。コンデンサCD1xの容量値を1Fよりも大きくすることで、パチンコ機10xの電源がオフされている間の内枠12xまたは前面枠14xの開放を11回を越えて検出することができる。
なお、枠開放検出回路260xでは、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときには(スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断されているときには)、タイマIC1xのOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、枠開放検出回路260xのFET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態となる。また、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態となる。ただし、このときには、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間の導通が遮断されているので、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間には、コンデンサCD1xからの電流が流れ込まない。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときに、コンデンサCD1xに充電された電力がFET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間に流れ込んで消費されることはない。
また、パチンコ機10xの電源がオフされ、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された状態で枠開放検出回路260xがコンデンサCD1xの電力を消費する量は、タイマIC1xの待機電力とNOTIC3xの消費電力程度である。しかも、FET1x〜FET3xには、各ゲート端子Gに電圧が印加されるだけであるので、FET1x〜FET3xで消費される電力は微量である。よって、これらの電力の消費は、コンデンサCD1xの充電量に著しい減少をもたらすものではない。
次に、図45を参照して、第3図柄表示装置81xの表示内容について説明する。図45は、第3図柄表示装置81xの表示画面を説明するための図面であり、図45(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図45(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施の形態のパチンコ機10xにおいては、主制御装置110xによる抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図45(a)に示すように、第3図柄表示装置81xの表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dmx、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsxとなっている。
主表示領域Dmxには、左・中・右の3つの図柄列Z1x,Z2x,Z3xが表示される。各図柄列Z1x〜Z3xには、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1x〜Z3xには、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1x〜Z3x毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1xにおいては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2x及び右図柄列Z3xにおいては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmxには、各図柄列Z1x〜Z3x毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81xには、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmxには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1x、中ラインL2x、下ラインL3x、右上がりラインL4x、左上がりラインL5xが設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1x→右図柄列Z3x→中図柄列Z2xの順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsxは、主表示領域Dmxよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1x〜Ds3xに等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1x,Ds3xは、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2xは、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図45(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmxに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsxにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1x,Ds3xが覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1x,Ds3xに動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2xでは、通常は、所定のキャラクタ(本実施の形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81xの表示画面は、原則として上下の表示領域Dmx,Dsxに区分されているが、各表示領域Dmx,Dsxを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図46を参照して、主制御装置110xのRAM203x内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37xの表示の設定、第2図柄表示装置82xの表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110xのMPU201xで使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37xの表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1xと、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2xと、停止パターン選択カウンタC3xと、第1当たり乱数カウンタC1xの初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1xと、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xとが用いられる。また、第2図柄表示装置82xの抽選には、第2当たり乱数カウンタC4xが用いられ、第2当たり乱数カウンタC4xの初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2xが用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図48参照)の実行間隔である4m秒間隔、またはタイマ割込処理(図51参照)の実行間隔である2m秒間隔で更新され、その更新値がRAM203xの所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203xには、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64xへの球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1x、第1当たり種別カウンタC2x及び停止パターン選択カウンタC3xの各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1xは、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1xが1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1xの値が当該第1当たり乱数カウンタC1xの初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1xは、第1当たり乱数カウンタC1xと同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込処理(図51参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図48参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1xの値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64xに入賞したタイミングでRAM203xの保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2xは、大当たりの際の第1図柄表示装置37xの表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2xの値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64xに入賞したタイミングでRAM203xの保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37xに表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3xは、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3xによって、第3図柄表示装置81xで表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3xの値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64xに入賞したタイミングでRAM203xの保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3xには、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10xの状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64xへの球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64xへの球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81xによる変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1x,CS2xのうち、一方の変動種別カウンタCS1xは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2xは、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1xを「第1変動種別カウンタ」、CS2xを「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1xによって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2xによって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1x,CS2xにより決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114xにより第3図柄表示装置81xで表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1x,CS2xを組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1xだけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1xと停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1x,CS2xの値は、後述するメイン処理(図48参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3xの値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3xを「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81xは、第1図柄表示装置37xの表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3xにより選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3xは、停止パターン選択カウンタC3xと同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10xの状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1x,CS2xにより図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3xにより変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xにより決定される。
第2当たり乱数カウンタC4xは、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4xの値は、本実施の形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67xを通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2xは、第2当たり乱数カウンタC4xと同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図51参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図48参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図47から図53のフローチャートを参照して、主制御装置110x内のMPU201xにより実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201xの処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1axまたは停電信号SG1bxの入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図51は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110xのMPU201xにより例えば2m秒毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501x)。即ち、主制御装置110xに接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2xの更新を実行する(S502x)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1xを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1xの更新値を、RAM203xの該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2xを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2xの更新値をRAM203xの該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1x、第1当たり種別カウンタC2x、停止パターン選択カウンタC3x及び第2当たり乱数カウンタC4xの更新を実行する(S503x)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1x、第1当たり種別カウンタC2x、停止パターン選択カウンタC3x及び第2当たり乱数カウンタC4xをそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1x〜C4xの更新値を、RAM203xの該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64xへの入賞に伴う始動入賞処理(図52参照)を実行し(S504x)、発射制御処理を実行して(S505x)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51xに触れていることをタッチセンサ51axにより検出し、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bxが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110xは、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112xに対して球の発射指示をする。
ここで、図52のフローチャートを参照して、S504xの処理で実行される始動入賞処理を説明する。図52は、タイマ割込処理(図51参照)の中で実行される始動入賞処理(S504x)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64xに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601x)。球が第1入球口64xに入賞したと判別されると(S601x:Yes)、第1図柄表示装置37xの作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S602x)。第1入球口64xへの入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S602x:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S603x)、更に、前記ステップS503xで更新した第1当たり乱数カウンタC1x、第1当たり種別カウンタC2x及び停止パターン選択カウンタC3xの各値を、RAM203xの保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604x)。一方、第1入球口64xへの入賞がないか(S601x:No)、或いは、第1入球口64xへの入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S602x:No)、S603x及びS604xの各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図53は、NMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、パチンコ機10xの電源がオンされており、その電源のオン中に、停電の発生等によってパチンコ機10xの電源が遮断されて、停電監視回路252xから出力されている停電信号SG1axが5ボルトからゼロボルトに立ち下がった場合に加え、パチンコ機10xの電源がオフされており、その電源のオフ中に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが立ち上げられると共に、枠開放検出回路260xから出力されている停電信号SG1bxが5ボルトからゼロボルトに立ち下がった場合に、主制御装置110xのMPU201xにより実行される処理である。MPU201xは、停電信号SG1axの立ち下りまたは停電信号SG1bxの立ち下りを検出すると、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203xに記憶し(S701x)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、パチンコ機10xの電源がオンされているときには、払出制御装置111xでも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213xに記憶される。即ち、パチンコ機10xの電源がオンされているときに、停電の発生等によりパチンコ機10xの電源が遮断されると、停電信号SG1ax(立ち下り)が停電監視回路252xから払出制御装置111x内のMPU211xのNMI端子に出力され、MPU211xは実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図47を参照して、主制御装置110xに電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図47は、主制御装置110x内のMPU201xにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、電源投入時のリセットにより起動されることに加え、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbxおよびリセット信号SG3bxが出力され、この駆動電圧VbxによりMPU201xが動作可能な状態となり、その後、リセット信号SG3bxによりMPU201xが演算処理を実行可能な状態となったときにも起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101x)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113x、払出制御装置111x等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203xのアクセスを許可する(S103x)。このウエイト処理により、主制御装置110xのメイン処理への移行は、払出制御装置111x、音声ランプ制御装置113xおよび表示制御装置114xのメイン処理への移行よりも後になる。よって、払出制御装置111x、音声ランプ制御装置113xおよび表示制御装置114xは、主制御装置110xから送信されたコマンドを確実に受信することができる(払出制御装置111x、音声ランプ制御装置113xおよび表示制御装置114xが主制御装置110xからのコマンドを受信ミスすることを防止することができる)。
その後は、電源装置115xに設けたRAM消去スイッチ122x(図39参照)がオンされているか否かを判別し(S104x)、オンされていれば(S104x:Yes)、処理をS115xへ移行する。一方、RAM消去スイッチ122xがオンされていなければ(S104x:No)、更にRAM203xに電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105x)、記憶されていなければ(S105x:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS115xへ移行する。
RAM203xに電源断の発生情報が記憶されていれば(S105x:Yes)、RAM判定値を算出し(S106x)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107x:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS115xへ移行する。なお、図48のS223xの処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203xの作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203xの所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。なお、パチンコ機10xは、生産工場から出荷されて最初に電源が立ち上げられた場合には、RAM判定値が必ず異常となるものであるので、S107xの処理でNoと判定される。この場合にも処理をS115xへ移行する。
S115xの処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111xを初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S115x)。払出制御装置111xは、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213xのスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110xは、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203xの初期化処理(S116x、S117x)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10xでは、例えば遊技場の営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122xを押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122xが押されていれば、RAMの初期化処理(S116x、S117x)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203xの初期化処理(S116x、S117x)を実行する。RAMの初期化処理(S116x、S117x)では、RAM203xの使用領域を0クリアと共に、オフ中枠開放フラグ203axをオフにする(S116x)、その後、RAM203xの初期値を設定する(S117x)。RAM203xの初期化処理の実行後は、S110xの処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122xがオンされておらず(S104x:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105x:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107x:Yes)、RAM203xにバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアし(S108x)、払出制御装置111xへ払出復帰コマンドを送信して(S109x)、S110xの処理に移行する。
S110xの処理では、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込む(S110x)。そして、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力(リセット信号SG3bx)はハイか否かが判定される(S111x)。枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイであれば(S111x:Yes)、オフ中枠開放フラグ203axをオンにする(S112x)。一方、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイでなければ(S111x:No)、S112xの処理をスキップする。なお、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力(リセット信号SG3bx)がハイか否かは、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力される電圧が約4.3ボルトを超えているか否かで判定される。
ここで、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイと判定される場合は(S111x:Yes)、パチンコ機10xの電源がオフ中に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bxが出力されてMPU201xが一時的に立ち上げられている場合に加え、他に2パターン考えられる。1パターン目は、パチンコ機10xの電源がオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放から約9.4秒以内にパチンコ機10xの電源がオンされた場合、つまり、パチンコ機10xの電源がオフであるときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bxが出力されている状態で、パチンコ機10xの電源がオンされた場合である。2パターン目は、パチンコ機10xの電源がオンされ、S110xの処理の前に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xからリセット信号SG3bxが出力された場合である。この1パターン目または2パターン目に該当する場合でも、オフ中枠開放フラグ203axをオンとしても問題ない(S112x)。それは、1パターン目または2パターン目に該当するには、いずれもパチンコ機10xの電源がオンされることが必須であり、この1パターン目と2パターン目は、遊技場の営業時間前に店員によって行われる場合であるからである。即ち、1パターン目または2パターン目が店員によって行われた場合には、少なくともその店員は、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xを自ら開放して、その開放から約9.4秒以内にパチンコ機10xの電源を自らオンしたことを認識しているか(1パターン目)、または、パチンコ機10xの電源を自らオンし、その直後に(S110xの処理の前に)、内枠12xまたは前面枠14xを自ら開放したことを認識しているからである(2パターン目)。つまり、オフ中枠開放フラグ203axがオンとなっても、その店員は、オフ中枠開放フラグ203axがオンとなることを認識した上で、内枠12xまたは前面枠14xを開放しているからである。更に言うと、その店員は、オフ中枠開放フラグ203axを再びオフにする操作を行うことができるからである。従って、上記の2パターンで、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイと判定されても(S111x:Yes)、何ら問題はない。即ち、上記の2パターンについては、パチンコ機10xの通常の使用においては起こりえないので、考慮しなくても問題ない。
上述の通り、パチンコ機10xの電源がオフ中に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bxが出力されてMPU201xが一時的に立ち上げられている場合に加えて、上記の2パターンの場合も、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイと判定され(S111x:Yes)、オフ中枠開放フラグ203axがオンされる(S112x)。
S111xでNoと判定された場合またはS112xの処理が実行された場合には、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S113x)、S114xの処理へ移行する。払出制御装置111xは、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213xに記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。S114xの処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
上述した通り、パチンコ機10xの電源がオフされており、そのオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bxが出力され、MPU201xが一時的に立ち上げられた場合には、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイとなり(S111x:Yes)、オフ中枠開放フラグ203axがオンされる(S112x)。
なお、S110x〜S112xの処理は、S109xの処理が完了した直後またはS117xの処理が完了した直後に実行される。つまり、S110x〜S112xの処理は、MPU201xの各種設定が完了すると直ちに実行される。よって、パチンコ機10xの電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、その開放をS110x〜S112xの処理により直ちに検出することができる。
次に、図48を参照して、上記した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図48は、主制御装置110x内のMPU201xにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS201x〜S212xの各処理が実行され、その残余時間でS215x〜S220xの各処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する(S201x)。具体的には、S501xのスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111xに対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81xによる第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等を音声ランプ制御装置113xに送信する。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112xへ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの各値を更新する(S202x)。具体的には、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの更新値を、RAM203xの該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの更新が終わると、払出制御装置111xより受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む(S203x)。その後、オフ中枠開放フラグ203axがオンか否かが判定される(S204x)。オフ中枠開放フラグ203axがオンであれば(S204x:Yes)、パチンコ機10xの電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されているか、前述した2つのパターンに該当するので、音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放コマンドを送信する(S205x)。音声ランプ制御装置113xは、オフ中枠開放コマンドを受信すると、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを制御して、内枠12xまたは前面枠14xの開放があったことの報知を開始する。そして、更に、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する(S206x)。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。なお、パチンコ機10xの電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、MPU201xが一時的に立ち上げられた場合には、音声ランプ制御装置113xへの電力供給は行われていないので、音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放コマンドを送信しても、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xによる報知は行われない。よって、パチンコ機10xの電源オフ中に、不正行為者によって内枠12xまたは前面枠14xが開放されたとしても、パチンコ機10xは、不正行為者に悟られることなく、オフ中枠開放フラグ203axを用いて、内枠12xまたは前面枠14xの開放を記憶することができる(音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xによる報知を行うことなく、オフ中枠開放フラグ203axを用いて、内枠12xまたは前面枠14xの開放記憶のみを行うことができる)。
一方、オフ中枠開放フラグ203axがオフであれば(S204x:No)、オン中枠開放フラグ203bxがオンか否か判定される(S207x)。オン中枠開放フラグ203bxがオンであれば(S207x:Yes)、音声ランプ制御装置113xへオン中枠開放コマンドを送信する(S208x)。音声ランプ制御装置113xは、オン中枠開放コマンドを受信すると、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを制御して、内枠12xまたは前面枠14xの開放があったことの報知を開始する。一方、オン中枠開放フラグ203bxがオフであれば(S207x:No)、音声ランプ制御装置113xへオン中枠閉鎖コマンドを送信する(S209x)。音声ランプ制御装置113xは、オン中枠閉鎖コマンドを受信すると、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xで行われていた報知を終了させる。なお、オン中枠開放フラグ203bxがオンである場合には(S207x:Yes)、S208xの処理後に、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力しても良い。この場合には、出力されたパルス信号が、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶されるので、ホールコンピュータ262xでも、内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。
S206x、S208xまたはS209xの処理終了後、第1図柄表示装置37xによる表示を行うための処理や第3図柄表示装置81xによる第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S210x)。なお、変動処理の詳細は図49を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65xの特定入賞口(大開放口)65axを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S211x)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65axを開放し、特定入賞口65axの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65axに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65axを閉鎖する。この特定入賞口65axの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82xによる第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S212x)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67xを通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4xの値が取得されると共に、第2図柄表示装置82xの表示部83xにて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4xの値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64xに付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203xに電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S213x)、RAM203xに電源断の発生情報が記憶されていなければ(S213x:No)、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられていない。また、停電監視回路252xから出力される停電信号SG1axの立ち下りは検出されておらず、パチンコ機10xの電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4m秒)が経過したか否かを判定する(S214x)。既に所定時間が経過していれば(S214x:Yes)、処理をS201xへ移行し、上述したS201x以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、RAM203xに電源断の発生情報が記憶されていれば(S213x:Yes)、パチンコ機10xの電源がオフされており、その電源のオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられ、枠開放検出回路260xから出力される停電信号SG1bxが立ち下がった結果、図53のNMI割込処理が実行されたか、または、パチンコ機10xの電源がオンされているときに、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252xから出力される停電信号SG1axが立ち下がった結果、図53のNMI割込処理が実行されたということなので、S221x以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S221x)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111xや音声ランプ制御装置113x等の周辺制御装置)に対して送信する(S222x)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S223x)、RAM203xのアクセスを禁止して(S224x)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203xのバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
S214xの処理で、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S214x:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1x、第2初期値乱数カウンタCINI2x及び変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの更新を繰り返し実行する(S215x,S216x)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2xとの更新を実行する(S215x)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2xを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2xの更新値を、RAM203xの該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの更新を実行する(S216x)。具体的には、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xの更新値を、RAM203xの該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201x〜S212xの各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2xの更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1xと第2初期値乱数カウンタCINI2x(即ち、第1当たり乱数カウンタC1xの初期値、第2当たり乱数カウンタC4xの初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1x,CS2x,CS3xについてもランダムに更新することができる。
S216xの処理後、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込む(S217x)。そして、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力(リセット信号SG3bx)はハイか否かが判定される(S218x)。枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイであれば(S218x:Yes)、オン中枠開放フラグ203bxをオンにする(S219x)。一方、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイでなければ(S218x:No)、オン中枠開放フラグ203bxをオフにする(S220x)。S219xの処理またはS220xの処理後は、S213xの処理へ移行し、S213x以降の処理が実行される。
なお、パチンコ機10xの電源がオフされており、その電源のオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられ、枠開放検出回路260xからリセット信号SG3bxが出力された場合には、オフ中枠開放フラグ203axに加えて、オン中枠開放フラグ203bxもオンされる。これは、枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxが5ボルトからゼロボルトに立ち下がるまでには、停電信号SG1bxが5ボルトになってから約4.4秒かかり(S213xの処理で「Yes」と判定されるまでには約4.4秒かかり)、その間に、立ち上げ処理に加え、S218xの処理が実行されて、この処理で「Yes」と判定されるからである。
しかし、オフ中枠開放フラグ203axに加えて、オン中枠開放フラグ203bxがオンされていたとしても、パチンコ機10xの電源が次にオンされた場合には、S204xの処理で「Yes」と判定され、オン中枠開放フラグ203bxの状態を判定するS207xの処理へ移行しない。よって、主制御装置110xは、音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放コマンドだけを送信することができる。従って、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられた場合には、オフ中枠開放フラグ203axに加えて、オン中枠開放フラグ203bxがオンされるが、これは何ら問題とならないのである。
一方、パチンコ機10xの電源がオフされている間に、内枠12xおよび前面枠14xが開放されていない場合には(内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されている場合には)、当然、オフ中枠開放フラグ203axがオンされることはない。よって、パチンコ機10xの電源が次にオンされた場合には、S204xの処理で「No」と判定され、オン中枠開放フラグ203bxの状態を判定するS207xの処理が実行されることに加え、当然に、S218xの処理も実行される。従って、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、その開放をS217xの処理およびS218xの処理で検出して、その後に実行されるS208xの処理で、主制御装置110xは、音声ランプ制御装置113xへオン中枠開放コマンドだけを送信することができる。
上述した通り、オフ中枠開放フラグ203axがオンされていれば(S204x:Yes)、パチンコ機10xは、音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放コマンドを送信すると共に(S205x)、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する(S206x)。
なお、パチンコ機10xの電源がオフされており、その電源のオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bxが出力されてMPU201xが一時的に立ち上げられた場合に実行される処理であるS201x〜S213x:Yes〜S224xの処理は、少なくとも、コンデンサCD4x(図43参照)の放電によって枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが、約4.3ボルトに低下するまでの期間中、即ち、約5.0秒の期間中(図44参照)で実行完了するように、プログラムが組まれている。なお、この約5.0秒の期間は、内枠12xまたは前面枠14xの開放時間に拘らず(内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、即時に開放された内枠12xまたは前面枠14xが閉鎖されても)、コンデンサCD4xの放電により必ず発生する期間である(図44参照)。よって、MPU201xが一時的に立ち上げられた場合にも、パチンコ機10xは、内枠12xまたは前面枠14xの開放時間に拘らず、オフ中枠開放フラグ203axをオンにした上で、一時的に立ち上がったMPU201xを正常に終了させることができる。
なお、S213xの処理は、S201x〜S212xで行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS215x〜S220xの処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110xのメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201xの処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201xの処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201xが使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101x)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201xの処理から開始することができる。従って、主制御装置110xの制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110xが誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図49を参照して、変動処理(S204x)について説明する。図49は、メイン処理(図48参照)の中で実行される変動処理(S204x)を示すフローチャートである。この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301x)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81x及び第1図柄表示装置37xで表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301x:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301x:No)、第1図柄表示装置37xの表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302x)、第1図柄表示装置37xの表示態様が変動中でなければ(S302x:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303x)。作動保留球数Nが0であれば(S303x:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303x:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304x)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305x)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37xの変動開始処理を実行する(S306x)。なお、変動開始処理については、図50を参照して後述する。
S302xの処理において、第1図柄表示装置37xの表示態様が変動中であると判別されると(S302x:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307x)。第1図柄表示装置37xの変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1x,CS2xにより選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3xにより選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307x:No)、第1図柄表示装置37xの表示を更新する(S308x)。
本実施の形態では、第1図柄表示装置37xのLED37axの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4m秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4秒毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37xの変動時間が経過していれば(S307x:Yes)、第1図柄表示装置37xの停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309x)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1xの値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2xの値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施の形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309xの処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37xの表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81xの変動停止を第1図柄表示装置37xにおけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310x)。音声ランプ制御装置113xは、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114xに対して停止指示をする。第3図柄表示装置81xは、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81xにおける1の変動演出が終了する。
次に、図50を参照して、変動開始処理について説明する。図50は、変動処理(図49参照)の中で実行される変動開始処理(S306x)を示したフローチャートである。変動開始処理(S306x)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1xの値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401x)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1xの値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1xの数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401x:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2xの値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402x)。S402xの処理では、第1当たり種別カウンタC2xの値に基づき、大当たり後に高確率状態へ移行するか低確率状態へ移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37xの表示態様(LED37axの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81xで停止表示される大当たりの停止図柄が音声ランプ制御装置113x及び表示制御装置114xで設定される。即ち、S402xの処理により大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81xにおける停止図柄が設定される。なお、第1当たり種別カウンタC2xの数値0〜4のうち、「0,4」の場合は、以後、低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S403x)。S403xの処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37xの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81xにおいて大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203xのカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1x,CS2xの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1xの値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2xの値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1xの数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2xの数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2xの値を使わずに第1変動種別カウンタCS1xの値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1xの値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1x,CS2xの両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1xの値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401xの処理で大当たりではないと判別された場合には(S401x:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404x)。S404xの処理では、第1図柄表示装置37xの表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3xの値に基づいて、第3図柄表示装置81xにおいて表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3xの各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンが決定され(S405x)、第1図柄表示装置37xの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81xにおいて外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403xの処理と同様に、RAM203xのカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1x,CS2xの値を確認し、第1変動種別カウンタCS1xの値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2xの値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2x)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S403xの処理またはS405xの処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1x,CS2xにより決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406x)。このとき、RAM203xのカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3xの値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37xの表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81xの変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3xの値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81xで大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1xの値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403x又はS405xの処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407x)、S402x又はS404xの処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408x)。そして、S406xの処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409x)、変動処理へ戻る。
次に、図54から図56を参照して、音声ランプ制御装置113xで行われる処理について説明する。図54は、音声ランプ制御装置113x内のMPU221xにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001x)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1115xの電源断処理(図55参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002x)。図55を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113xは、主制御装置110xから電源断コマンドを受信すると(図55のS1112x参照)、S1115xの電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115xの電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002x:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1115xの電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113xのMPU221xにのみリセットがかかって(主制御装置110xからの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223xのデータが破壊されているか否かを確認する(S1003x)。
RAM223xのデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223xの特定の領域には、S1006xの処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223xのデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223xのデータ破壊を確認することができる。RAM223xのデータ破壊が確認されれば(S1003x:Yes)、S1004xへ移行して、RAM223xの初期化を開始する。一方、RAM223xのデータ破壊が確認されなければ(S1003x:No)、S1008xへ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223xの特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223xの記憶は喪失するから)、RAM223xのデータ破壊と判断され(S1003x:Yes)、S1004xへ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115xの電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113xのMPU221xにのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223xの特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223xのデータは正常と判断されて(S1003x:No)、S1008xへ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002x:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1115xの電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113xのMPU221xにリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223xの記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004xへ移行して、RAM223xの初期化を開始する。
S1004xの処理では、RAM223xの全範囲の記憶領域をチェックする(S1004x)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223xの読み書きチェックにより、RAM223xのすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223xのすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005x:Yes)、RAM223xの特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006x)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223xにデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223xのいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005x:No)、RAM223xの異常を報知して(S1007x)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223xの異常は、表示ランプ34xにより報知される。なお、音声出力装置226xにより音声を出力してRAM223xの異常報知を行うようにしても良い。
S1008xの処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008x)。電源断フラグはS1115xの電源断処理の実行時にオンされるので(図55のS1114x参照)、図55を参照して後述する通り、電源断フラグは、S1114xの処理によってオンされる。つまり、電源断フラグは、S1115xの電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008xの処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115xの電源断処理の実行を完了しない状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008x:Yes)、音声ランプ制御装置113xの各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1009x)、RAM223xの初期値を設定した後(S1010x)、割込み許可を設定して(S1011x)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223xの作業エリアとしては、主制御装置110xから受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008xの処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004xからS1006xの処理を経由してS1008xの処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113xのMPU221xにのみリセットがかかって(主制御装置110xからの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008x:No)、RAM223xの作業領域のクリア処理であるS1009xをスキップして、処理をS1010xへ移行し、RAM223xの初期値を設定した後(S1010x)、割込み許可を設定して(S1011x)、メイン処理へ移行する。
なお、S1009xのクリア処理をスキップするのは、S1004xからS1006xの処理を経由してS1008xの処理へ至った場合には、S1004xの処理によって、既にRAM223xのすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113xのMPU221xにのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223xの作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113xの制御を継続できるからである。
次に、図55を参照して、音声ランプ制御装置113xの立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図55は、音声ランプ制御装置113xのMPU221xにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1101x)、1m秒以上経過していなければ(S1101x:No)、S1102x〜S1109xの処理を行わずにS1110xの処理へ移行する。S1101xの処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1102x〜S1109xが表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1110xの各カウンタの更新処理やS1111xのコマンドの受信処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。これにより、主制御装置110xから送信されるコマンドの受信洩れを防止できる。
S1101xの処理で1m秒以上経過していれば(S1101x:Yes)、表示ランプ34xの点灯態様の設定や後述するS1107xの処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1102x)、その後、電源投入報知処理を実行する(S1103x)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226xやランプ表示装置227xにより行われる。また、第3図柄表示装置81xの画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114xに送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1104xの処理へ移行する。
S1104xの処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1105x)。客待ち演出では、パチンコ機10xが遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81xの表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114xに送信される。保留個数表示更新処理では、作動保留球Nに応じて保留ランプ85xを点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106x)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22xが押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22xの入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22xを押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22xを押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22xが配設されていない場合には、S1106xの処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理が実行され(S1107x)、その後音編集・出力処理が実行される(S1108x)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81xで行われる表示に対応するよう電飾部29x〜33xの点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81xで行われる表示に対応するよう音声出力装置226xの出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226xから音が出力される。
その後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1109x)、S1110xの処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110xから送信される変動パターンコマンドや演出時間加算コマンドに基づいて第3図柄表示装置81xで行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107xのランプ編集処理やS1108xの音編集・出力処理の演出時間が設定される。
S1110xの処理では、第3図柄表示装置81xの変動表示処理が実行される。この変動表示処理では、音声ランプ制御装置113xに搭載された複数のカウンタ(大当たり時の停止図柄を設定するカウンタ、外れ時の停止図柄を選択するカウンタなど)が更新され、そのカウンタの値と主制御装置110xから送信される変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づき第3図柄表示装置81xで停止表示される図柄を設定したり、変動表示のパターン(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)などが設定される。その停止図柄や変動パターンは、コマンドとして表示制御装置114xに送信される。
S1110xの処理では、例えば、主制御装置110xから送信される変動パターンのコマンドが「完全外れ」である場合、完全外れに対応した複数のパターンのうち完全外れAパターンが選択され、第3図柄表示装置81xで完全外れAパターンの演出が行われるよう表示制御装置110に対してコマンドが送信される。よって、主制御装置110xにより決定された1の変動パターンに対して、第3図柄表示装置81xで表示される詳細な変動パターンが音声ランプ制御装置113xで決定されるので、主制御装置110xの制御負担を軽減することができる。さらに、主制御装置110xにおいて決定される各演出のパターンを少なくできるので、ROM202xの記憶容量を少なくすることができ、コスト低減を図ることができる。
そして、主制御装置110xからのコマンドを受信する(S1111x)。主制御装置110xからのコマンドを受信すると、そのコマンドに応じて音声ランプ制御装置113xで用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をワークRAM233xに記憶し、表示制御装置114xで用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114xに送信する。
S1111xの処理が終わると、ワークRAM233xに電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1112x)。電源断の発生情報は、主制御装置110xから電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1112xの処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1112x:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1114x)、電源断処理を実行する(S1115x)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1116x)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xからの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1112xの処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1112x:No)、内枠12xまたは前面枠14xのいずれか一方の開放、または内枠12xおよび前面枠14xの両方の開放があった場合に、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知を行う扉開放報知処理(S1113x)を実行する。
ここで、図56を参照して、扉開放報知処理(S1113x)について説明する。図56は、音声ランプ制御装置113xのMPU221xにより実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。この扉開放報知処理は、オフ中枠開放コマンド、オン中枠開放コマンドまたは枠閉鎖コマンドのいずれかのコマンドを音声ランプ制御装置113xが受信したか否かを判定し、その判定に応じて報知を実行開始または実行終了する処理である。
扉開放報知処理では、まず、S1111xの処理(図55参照)で、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを示すオフ中枠開放コマンドを受信したか否かが判定される(S1201x)。オフ中枠開放コマンドを受信した場合には(S1201x:Yes)、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知開始する(S1202x)。具体的には、この報知では、例えば、ランプ表示装置227xを用いて、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを示すために、例えば、1秒間に1回の点滅を実行開始したり、音声出力装置226xを用いて、「点検して下さい」と電子音で報知開始したりする。これにより、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。
S1202xの処理後、この枠開放報知処理を終了する。なお、このS1202xの処理による報知が既に実行されているときに、S1111xの処理で再度、オフ中枠開放コマンドを受信した場合には(S1201x:Yes)、S1202xの処理を改めて行うのではなく、既に実行されているS1202xの処理を継続して実行する。
一方、S1111xの処理(図55参照)で、オフ中枠開放コマンドを受信していない場合には(S1201x:No)、S1111xの処理(図55参照)で、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを示すオン中枠開放コマンドを受信したか否かが判定される(S1203x)。オン中枠開放コマンドを受信した場合には(S1203x:Yes)、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知開始する(S1204x)。具体的には、この報知では、例えば、ランプ表示装置227xを用いて、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを示すために、例えば、2秒間に1回の点滅を実行開始させたり、音声出力装置226xを用いて、「扉が開いています」と電子音で報知開始したりする。これにより、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。
更に、S1111xの処理(図55参照)で、オン中枠開放コマンドを受信していない場合には(S1203x:No)、S1111xの処理(図55参照)で、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖していることを示すオン中枠閉鎖コマンドを受信したか否かが判定される(S1205x)。オン中枠閉鎖コマンドを受信した場合には(S1205x:Yes)、S1204xの処理で開始した報知を終了する(S1206x)。その後、この枠開放報知処理を終了する。なお、S1111xの処理(図55参照)で、オン中枠閉鎖コマンドを受信していない場合には(S1205x:No)、この枠開放報知処理を終了する。
上述の通り、音声ランプ制御装置113xは、S1111x(図55参照)の処理でオフ中枠開放コマンドを受信した場合には、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知開始する(S1202x)。なお、この報知は、RAM消去スイッチ122xを操作すると共に、パチンコ機10xの電源をオンして、主制御装置110xの立ち上げ処理のS116xの処理で、オフ中枠開放フラグ203axがオフされるまで継続して行われる。
このように、一旦オンされたオフ中枠開放フラグ203axをオフするには、RAM消去スイッチ122xを操作すると共に、パチンコ機10xの電源をオンして、S116xの処理で使用RAM領域をクリアしない限り、オフ中枠開放フラグ203axをオフすることができない。よって、パチンコ機10xの電源がオンされた場合には、パチンコ機10xは、パチンコ機10xの電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを確実に不特定多数の者に報知することができる。
また、上述の通り、音声ランプ制御装置113xは、S1111x(図55参照)の処理でオン中枠開放コマンドを受信した場合には、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知開始する(S1204x)。なお、この報知は、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖され、オン中枠閉鎖コマンドを受信するまで継続して行われるので、パチンコ機10xの電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。
図54の説明に戻る。扉開放報知処理(S1113x)の実行後、RAM223xに記憶されるキーワードに基づき、RAM223xが破壊されているか否かが判別され(S1117x)、RAM223xが破壊されていなければ(S1117x:No)、S1101xの処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223xが破壊されていれば(S1117x:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後第3図柄表示装置81xによる表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、遊技場の店員などを呼びパチンコ機10xの修復などを頼むことができる。また、RAM223xが破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226xやランプ表示装置227xによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
以上、説明したように、パチンコ機10xによれば、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、枠開放検出回路260xは、駆動電圧Vbxおよび停電信号SG1bxを出力した後に、リセット信号SG3bxを出力する。よって、パチンコ機10xの電源がオフされていても、MPU201xを一時的に正常に立ち上げることができる。なお、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンにする。このオフ中枠開放フラグ203axがオンとなると、パチンコ機10xは、次回にパチンコ機10xの電源がオンされた場合に、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを報知する。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。従って、ホールコンピュータ262xを24時間動作させ続けていない遊技場でも、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを検出することができる。
また、オフ中枠開放フラグ203axは、RAM消去スイッチ122xを操作して、主制御装置110xの立ち上げ処理のS116xの処理で、使用RAM領域がクリアされた場合にオフされる。よって、オフ中枠開放フラグ203axが一旦オンされると、RAM消去スイッチ122xを操作して、S116xの処理で使用RAM領域をクリアしない限り、オフ中枠開放フラグ203axをオフすることができない。よって、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、オフ中枠開放フラグ203axがオンされた場合には、その後に、不正行為者がオフ中枠開放フラグ203axをオフに戻すことを不可能にすることができる。更に、RAM消去スイッチ122xを操作して、S116xの処理で使用RAM領域をクリアしない限り、オフ中枠開放フラグ203axをオフすることができないので、パチンコ機10xの電源がオンされた場合には、パチンコ機10xは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたことを確実に不特定多数の者に報知することができる。
また、パチンコ機10xの電源がオフである場合に、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられると、パチンコ機10xは、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることに加え、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力する。この出力されたパルス信号は、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶される。よって、ホールコンピュータ262xに記憶されたパルス信号を解析することによっても、パチンコ機10xの電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機10xを特定することができる。更には、ホールコンピュータ262xにパチンコ機10xからパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機10xの内枠12xの開放時刻または前面枠14xの開放時刻を検出することができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、その導通後から約4.4秒経過すると、まず、停電信号SG1bxを停止する(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通し、その導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時に、停電信号SG1bxを停止する)。次に、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.4秒経過すると、リセット信号SG3bxを停止する(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時から約5.0秒経過後に、リセット信号SG3bxを停止する)。そして、枠開放検出回路260xは、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約9.9秒経過すると、MPU201xの電源端子に出力される駆動電圧Vbxを約4.0ボルトに低下させる(スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通後から約4.4秒経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖された場合には、その閉鎖時から約5.5秒経過後に、駆動電圧Vbxを約4.0ボルトに低下させる)。よって、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xを一時的に立ち上げても、枠開放検出回路260xは、その立ち上げたMPU201xを正常に終了させることができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通しても、その導通時から約4.4秒が経過すると、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間に拘らず、コンデンサCD1xから供給される電力によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を、トランジスタTR1xによって停止する。そして、トランジスタTR1xによる停止後は、枠開放検出回路260xは、コンデンサCD4xの放電によって、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行う。よって、枠開放検出回路260xは、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、枠開放検出回路260xへ直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されない場合に、即ち、枠開放検出回路260xへコンデンサCD1xから約11.3ボルトの直流電圧が供給される場合に、コンデンサCD1xから電力が供給される期間を、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間に拘らず、約4.4秒間に留めることができる。よって、枠開放検出回路260xは、コンデンサCD1xに充電された電力の消費を抑制して、内枠12xまたは前面枠14xの開放検出を複数回に亘って行うことができる。
また、枠開放検出回路260xは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xが導通しても、その導通時から約4.4秒が経過する前に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖されると、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xを遮断して、コンデンサCD1xから供給される電力によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を停止する。そして、内枠12xおよび前面枠14xの閉鎖後は、コンデンサCD4xの放電によって、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行う。
このように、コンデンサCD4xの充電が完了すると、その後は、コンデンサCD4xの放電によって駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力を行うことができるので、内枠12xまたは前面枠14xの開放期間が約4.4秒以内である場合には、コンデンサCD1xからの電力供給によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電の各期間を、更に短期間に留めることができる。従って、内枠12xまたは前面枠14xの開放によるコンデンサCD1xの電力消費量を更に抑制することができる。
ここで、コンデンサCD1xは容量が1Fであり、コンデンサCD1xに印加される電圧は約11.3ボルトであるので、コンデンサCD1xに蓄えられる電荷は、コンデンサCD1xの容量とコンデンサCD1xの印加電圧との積から約11.3C(クーロン)となる。このコンデンサCD1xに蓄えられる約11.3Cの電荷は、コンデンサCD1xからの電力供給によって行われる駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電の各期間が約4.4秒間である場合には、電力の供給回数で約11回分に相当する。従って、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機10xへの電源供給が遮断され、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されていない場合に、内枠12xの開放(スイッチSW1xの導通)または前面枠14xの開放(スイッチSW2xの導通)が複数回に亘って行われたときでも、枠開放検出回路260xは、内枠12xの開放または前面枠14xの開放(スイッチSW1xの導通またはスイッチSW2xの導通)を、約11回まで毎回確実に検出し、MPU201xを一時的に正常に立ち上げて、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることができる。このとき、内枠12xの開放または前面枠14xの開放が約11回付近となると、コンデンサCD1xに蓄えられる電力が少なくなり、駆動電圧Vbxの低下、リセット信号SG3bxの電圧低下、停電信号SG1bxの電圧低下およびコンデンサCD4xの充電量の低下が発生する。しかし、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxの電圧が約4.3ボルトを超えると共に、枠開放検出回路260xの電源出力端子から出力される駆動電圧Vbxおよび枠開放検出回路260xの電断信号出力端子から出力される停電信号SG1bxの電圧が約4.0ボルトを超えていれば、パチンコ機10xの電源がオフされていたとしても、MPU201xを一時的に正常に立ち上げて、オフ中枠開放フラグ203axをオンすることができる。更には、ホールコンピュータ262xへパルス幅1m秒のパルス信号を出力することができる。
なお、枠開放検出回路260xでは、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときには(スイッチSW1xおよびスイッチSW2xが遮断されているときには)、タイマIC1xのOUT端子電圧が約10.6ボルトであるので、枠開放検出回路260xのFET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態となる。また、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているので、FET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間が導通状態となる。ただし、このときには、トランジスタTR1xのエミッタ端子eとコレクタ端子cとの端子間の導通が遮断されているので、FET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間には、コンデンサCD1xからの電流が流れ込まない。よって、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖されているときに、コンデンサCD1xに充電された電力がFET1xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間、FET2xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間およびFET3xのドレイン端子Dとソース端子Sとの端子間に流れ込んで消費されることはない。
また、パチンコ機10xの電源がオフされ、内枠12xおよび前面枠14xが閉鎖された状態で枠開放検出回路260xがコンデンサCD1xの電力を消費する量は、タイマIC1xの待機電力とNOTIC3xの消費電力程度である。しかも、FET1x〜FET3xには、各ゲート端子Gに電圧が印加されるだけであるので、FET1x〜FET3xで消費される電力は微量である。よって、これらの電力の消費は、コンデンサCD1xの充電量に著しい減少をもたらすものではない。
なお、本実施形態のパチンコ機10xでは、内枠12xまたは前面枠14xの開放があったことの報知を、音声ランプ制御装置113xが制御する音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて行ったが、これに限られるものではない。内枠12xまたは前面枠14xの開放があったことの報知を、音声ランプ制御装置113xが制御する音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて行うのではなく、MPU201xの立ち上がりと共に動作可能となり、MPU201xが制御を行う音声出力装置やランプ表示装置で行うことも当然に可能である。ただし、この場合には、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、不正行為者により内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xにより一時的にMPU201xが立ち上げられると、MPU201xが制御を行う音声出力装置やランプ表示装置も立ち上がることになり、オフ中枠開放フラグ203axがオンとなった場合には、不正行為者に報知がされてしまうことになる。ここで、パチンコ機10xの電源がオフされており、その電源のオフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されて、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられた場合に実行される処理であるS201x〜S213x:Yes〜S224xの処理(図48参照)は、少なくとも、コンデンサCD4xの放電により枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが、約4.3ボルトに低下するまでの期間中、即ち、約5.0秒の期間中(図44参照)で実行完了するように、プログラムが組まれている。この特定を活かし、MPU201xが制御を行う音声出力装置やランプ表示装置で報知を行う場合には、パチンコ機10xの電源がオンされてからの時間をカウンタにより計時し、例えばパチンコ機10xの電源がオンされてから30秒後に(カウンタが30秒を計時した後に)、報知開始するように構成すればよい。そうすれば、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられた場合には、パチンコ機10xの電源がオンされてから30秒後には、即ち、カウンタが30秒を計時する前には、MPU201xは立ち下げられているので(終了しているので)報知が実行されない一方、パチンコ機10xの電源が通常通りにオンされてMPU201xが立ち上げられた場合には報知が行われるので、不正行為者への報知を防止しつつ、パチンコ機10xの電源が通常通りにオンされた場合には報知を行うことができる。
なお、本実施形態のパチンコ機10xでは、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xの開放があり、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通があった場合に、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を開始したが、これに限られるものではない。即ち、パチンコ機10xの枠開放検出回路260xに搭載される各部品の接続を変更し、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放された内枠12xまたは前面枠14xが閉鎖された場合に、その閉鎖時から、駆動電圧Vbxの出力、リセット信号SG3bxの出力、停電信号SG1bxの出力およびコンデンサCD4xの充電を開始しても良い。
ただし、本実施形態のパチンコ機10xの枠開放検出回路260xでは、内枠12xまたは前面枠14xの開放があり、スイッチSW1xまたはスイッチSW2xの導通があった場合に、リセット信号SG3bxの出力を開始するように構成しているので、内枠12xまたは前面枠14xの開放を素早く検出できる。よって、特にパチンコ機10xの電源がオンされている営業時間中には、内枠12xまたは前面枠14xが開放されて主制御装置110xまたは遊技盤13xに不正行為が行われる前に、内枠12xまたは前面枠14xの開放を検出することができる。従って、パチンコ機10xへ電源が供給されている場合に発生する不正行為による異常動作を防止することができる。
なお、本枠開放検出回路260xを用いて、内枠12xと前面枠14xとのどちらが開放したかをフラグを用いて別々に記憶させ、内枠12xまたは前面枠14xの開放を別々に報知すると共に、内枠12xと前面枠14xとのどちらが開放したかをホールコンピュータ262xに別々に記憶させたい場合には、次の構成にすれば良い。まず、本実施形態で使用した枠開放検出回路260xを新たに1つ追加し、スイッチSW1xに並列接続されたスイッチSW2xを切断し、その切断したスイッチSW2xを新たに追加した枠開放検出回路260xに接続する。具体的には、切断したスイッチSW2xの一端を、新たに追加した枠開放検出回路260xのコンデンサCD1xの一端、タイマIC1xのVDD端子およびタイマIC1xのRES端子に接続すると共に、切断したスイッチSW2xの他端を、新たに設けた枠開放検出回路260xの抵抗R1xの一端、抵抗R2xの一端、NOTIC3xの入力端子、抵抗R3xの一端およびトランジスタTR1xのエミッタ端子eに接続すれば良い。
そして、追加した枠開放検出回路260xの電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子の各端子を、既存の枠開放検出回路260xの電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子に並列接続する。更に、追加した枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子を、既存の枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子が入出力ポート205xに接続されている入力ポートとは別の入力ポートに接続する。これにより、スイッチSW1xの導通(内枠12xの開放)があった場合とスイッチSW2xの導通(前面枠14xの開放)があった場合とで別々にMPU201xを一時的に立ち上げることができる。更に、スイッチSW1xの導通(内枠12xの開放)があった場合に、既存の枠開放検出回路260xから出力されるリセット信号SG3bxと、スイッチSW2xの導通(前面枠14xの開放)があった場合に、新たに追加した枠開放検出回路260xから出力されるリセット信号SG3bxとを別々に入出力ポート205xへ出力することができる。
加えて、オフ中内枠開放フラグ、オフ中前面枠開放フラグ、オン中内枠開放フラグおよびオン中前面枠開放フラグの4つのフラグをRAM203xに設ける。そして、立ち上げ処理(図47参照)のS110xの処理で、既存の枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込むと共に、新たに追加した枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込めばよい。この読み込んだ結果に応じて、S112xの処理で、オフ中内枠開放フラグまたはオフ中前面枠開放フラグの各フラグを別々にオンする。
そして、メイン処理(図48参照)のS205xの処理では、オフ中内枠開放フラグがオンされた場合には、MPU201xから音声ランプ制御装置113xへ「オフ中内枠開放コマンド」を送信し、オフ中前面枠開放フラグがオンされた場合には、MPU201xから音声ランプ制御装置113xへ「オフ中前面枠開放コマンド」を送信する。そして、パチンコ機10xの電源がオンされたときにMPU201xから送信された各コマンドを音声ランプ制御装置113xが受信すると、音声ランプ制御装置113xは、オフ中内枠開放コマンドを受信した場合とオフ中前面枠開放コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226xから異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227xの点灯の態様を異ならせる。
また、オフ中内枠開放フラグまたはオフ中前面枠開放フラグの各フラグのオン状態に応じて、S206xの処理で、パチンコ機10xがホールコンピュータ262xへ送信するパルス信号のパルス幅を変えれば良い。例えば、オフ中内枠開放フラグがオンのときは、パルス幅が約1m秒のパルス信号をホールコンピュータ262xへ送信し、オフ中前面枠開放フラグがオンのときは、パルス幅が約2m秒のパルス信号をホールコンピュータ262xへ送信するようにすれば良い。これにより、パチンコ機10xの電源がオフされているときに、内枠12xの開放があったのか、前面枠14xの開放があったのかをパチンコ機10xで別々に報知することができると共に、ホールコンピュータ262xに別々に記憶させることができる。
また、メイン処理(図48参照)のS217xの処理で、既存の枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込むと共に、新たに追加した枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ出力されている電圧(リセット信号SG3bx)を読み込めばよい。この読み込んだ結果に応じて、S219xまたはS220xの処理で、オン中内枠開放フラグまたはオン中前面枠開放フラグの各フラグを別々にオンする。
そして、メイン処理(図48参照)のS208xの処理では、オン中内枠開放フラグがオンされた場合には、MPU201xから音声ランプ制御装置113xへ「オン中内枠開放コマンド」を送信し、オン中前面枠開放フラグがオンされた場合には、MPU201xから音声ランプ制御装置113xへ「オン中前面枠開放コマンド」を送信する。そして、MPU201xから送信された各コマンドを音声ランプ制御装置113xが受信すると、音声ランプ制御装置113xは、オン中内枠開放コマンドを受信した場合とオン中前面枠開放コマンドを受信した場合とで異なる態様の報知を行う。例えば、音声出力装置226xから異なる警告音を出したり、ランプ表示装置227xの点灯の態様を異ならせる。これにより、パチンコ機10xの電源がオンされているときに、内枠12xの開放があったのか、前面枠14xの開放があったのかをパチンコ機10xで別々に報知することができる。
なお、本実施形態においては、パチンコ機10xから出力されるパルス信号を、パチンコ機10xとは設置場所が異なるホールコンピュータ262xへ出力したが、これに限られるものではない。ホールコンピュータ262xの機能を有する専用の記憶装置をパチンコ機10x毎に設け、その専用の記憶装置を、主制御装置110x等が設けられる各パチンコ機10xの背面側に配設しても良い。この場合には、より良くは、主制御装置110x、払出制御装置111xおよび発射制御装置112xのように、専用の記憶装置を基板ボックスに収納し、その基板ボックスに設けられたボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)する。そして、ボックスベースとボックスカバーとの連結部に、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シール(図示せず)を貼付する。
次に、図57から図59を参照して、第7実施形態のパチンコ機を説明する。第7実施形態のパチンコ機は、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理、タイマ割込処理およびメイン処理を変更したものである。具体的には、第7実施形態のパチンコ機は、MPU201xが立ち上げられた場合に、計時を開始する電源オンカウンタ203cx(図示せず)をRAM203xに設け、その電源オンカウンタ203cxによる計時期間が所定期間以内(本実施形態では5.0秒以内)であるにも拘らず、電源断の発生情報がある場合には、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられたと判定して、オフ中枠開放フラグ203axをオンにするものである。
この第7実施形態のパチンコ機によれば、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたか否かは、電源オンカウンタ203cxの計時期間に応じて判定する。よって、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給して、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイか否かをMPU201xが検出する必要がない。従って、第7実施形態のパチンコ機によれば、パチンコ機の電源がオフされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給する必要はなく、第6実施形態のパチンコ機10xと比較して(枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給して、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイか否かをMPU201xが検出する第6実施形態のパチンコ機10xと比較して)、コンデンサCD1xに蓄えられた電力の消費を抑制することができる。
電源オンカウンタ203cx(図示せず)は、パチンコ機10xの電源が投入されて、立ち上げ処理(図57)が実行され、後述する立ち上げ処理のS119xの処理(図57参照)から所定期間(本実施形態では5.0秒)が経過したか否かを計時するカウンタである。この電源オンカウンタ203cxは、立ち上げ処理内で「0(ゼロ)」に設定されると共に、カウントアップが開始され、タイマ割込処理(図58参照)が実行される度に(2m秒毎に)、1ずつカウントアップされる。そして、このカウントアップが、「2500(5.0秒)」を超え、「2501」となるとカウントアップを終了する。よって、電源オンカウンタ203cxにより、立ち上げ処理のS119xから5.0秒が経過したか否かを計時することができる。
次に、図57を参照して、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行される立ち上げ処理について説明する。図57は、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。なお、図47で上述した第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第7実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理のS110x〜S112xの処理を削除して、S118xおよびS119xの処理を追加している。第7実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、S109xまたはS117xの処理後、電源オンカウンタ203cxを「0(ゼロ)」に設定する(S118x)。そして、この電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始する(S119x)。その後、S113xの処理に移行する。
なお、S118x〜S119xの処理は、S109xの処理が完了した直後またはS117xの処理が完了した直後に実行される。つまり、S118x〜S119xの処理は、MPU201xの各種設定が完了すると直ちに実行される。よって、パチンコ機10xの電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、その開放をS118x〜S119xの処理により直ちに検出開始することができる。
次に、図58を参照して、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるタイマ割込処理について説明する。図58は、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。この第7実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理は、第6実施形態のパチンコ機10xのタイマ割込処理と同様に、主制御装置110xのMPU201xにより例えば2m秒毎に実行される。なお、図51で上述した第6実施形態のパチンコ機10xのタイマ割込処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第7実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、第6実施形態のパチンコ機10xのタイマ割込処理に、S506xおよびS507xの処理を追加している。第7実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、S503xの処理後、電源オンカウンタ203cxのカウント値は、「2500」より大きいか否かが判定される(S506x)。なお、タイマ割込処理は2m秒毎に実行されるので、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」であれば、2500(カウント値)×2m秒で5.0秒となり、S119xの処理で電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから5.0秒が経過したことを示している。
電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下であれば(S506x:No)、電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから(S119xの処理を開始してから)5.0秒が経過していないので、電源オンカウンタ203cxのカウント値を「1」カウントアップする(S507x)。一方、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」より大きければ、即ち、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2501」であれば(S506x:Yes)、電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから(S119xの処理を開始してから)5.0秒が経過しているので、S507xの処理をスキップして、電源オンカウンタ203cxのカウントアップを停止する。
なお、S506xの処理で「Yes」と判定された場合およびS507xの処理が終了した場合には、S504xの処理に移行する。
次に、図59を参照して、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるメイン処理について説明する。図59は、第7実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるメイン処理を示すフローチャートである。なお、図48で上述した第6実施形態のパチンコ機10xのメイン処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第7実施形態のパチンコ機のメイン処理では、第6実施形態のパチンコ機10xのメイン処理に、S225xおよびS226xの処理を追加している。第7実施形態のパチンコ機のメイン処理では、S222xの処理後、電源オンカウンタ203cxのカウント値は「2500」以下か否か(S225x)、即ち、S119xの処理で電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから5.0秒経過前か否かが判定される。電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下であれば(S225x:Yes)、オフ中枠開放フラグ203axをオンにして(S226x)、S223xの処理へ移行する。なお、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下となる場合には、次の2つのパターンが考えられるが、いずれのパターンが発生してもオフ中枠開放フラグ203axをオンにする。
1つ目のパターンは、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられた場合である。この場合には、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbxおよびリセット信号SG3bxと共に、停電信号SG1bxの立ち下がりがMPU201xに入力され、NMI割込処理(図53参照)が実行されるので、MPU201xの立ち上げ処理(図57)後、S213xの処理で、電源断の発生情報ありと判定され(S213x:Yes)、S221x〜S225xの処理が実行される。ここで、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられた場合には、枠開放検出回路260xから出力される停電信号SG1bxは、停電信号SG1bxの出力開始から(MPU201xが立ち上げ開始されてから)、約4.4秒で立ち下がる。よって、電源オンカウンタ203cxのカウント値を「2500」に設定しておけば(5.0秒に設定しておけば)、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」となるまでに、処理をS225xの処理へ移行させることができる。従って、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられた場合に、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下であれば(S225x:Yes)、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたと判定して、オフ中枠開放フラグ203axをオンにするのである(S226x)。
2つめのパターンは、パチンコ機の電源がオンされ、その電源オン時から約4.4秒以内でパチンコ機の電源をオフする場合である。この場合には、パチンコ機の電源オフ後に(S213xの判定前に)、停電監視回路252xから出力されている停電信号SG1axが立ち下り、NMI割込処理(図53参照)が実行されるので、S213xの処理で、電源断の発生情報ありと判定され(S213x:Yes)、S221x〜S225xの処理が実行される。ここで、電源オンカウンタ203cxのカウント値は「2500」に設定してあるので(5.0秒に設定されているので)、パチンコ機の電源がオンされ、その電源オン時から約4.4秒以内でパチンコ機の電源がオフされた場合にも、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下と判定され(S225x:Yes)、オフ中枠開放フラグ203axをオンされる(S226x)。
なお、この2つめのパターンでは、パチンコ機の電源をオンオフする必要があるため、不正行為者による実行は不可能であり、店員により実行される場合に限られる。よって、この2つめのパターンの場合には、その店員は自分の行為によってオフ中枠開放フラグ203axがオンされたことを認識できるので、そのオンされたオフ中枠開放フラグ203axを再びオフに設定することができる。よって、2つめのパターンの場合にも、S226xの処理でオフ中枠開放フラグ203axをオンにしても問題がないのである。
S225xの処理で、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下でなければ(S225x:No)、S119xの処理で電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから少なくとも5.0秒が経過しており、上述した2つのパターンのいずれにも該当しないので、S226xの処理をスキップして、S223xの処理へ移行する。なお、上述した2パターンが発生する頻度は低いので、S119xの処理で電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから5.0秒を経過する、即ち、電源オンカウンタ203cxのカウント値が「2500」以下でない(S225x:No)と判定されるのが通常である。
このように、第7実施形態のパチンコ機によれば、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたか否かは、電源オンカウンタ203cxの計時期間に応じて(S119xの処理で電源オンカウンタ203cxのカウントアップを開始してから5.0秒が経過したか否かによって)判定する。よって、パチンコ機の電源がオフされ、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給して、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイか否かをMPU201xが検出する必要がない。従って、第7実施形態のパチンコ機によれば、パチンコ機の電源がオフされ、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給する必要はなく、第6実施形態のパチンコ機10xと比較して(枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへ電源を供給して、枠開放検出回路260xから入出力ポート205xへの出力がハイか否かをMPU201xが検出する第6実施形態のパチンコ機10xと比較して)、コンデンサCD1xに蓄えられた電力の消費を抑制することができる。
次に、図60および図61を参照して、第8実施形態のパチンコ機を説明する。第8実施形態のパチンコ機は、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理およびメイン処理を変更したものである。具体的には、第8実施形態のパチンコ機は、立ち上げ処理が実行される度に、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力するものである。
この第8実施形態のパチンコ機によれば、立ち上げ処理が実行される度に、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号が出力されるので、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられたことを、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶させることができる。このように、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、ホールコンピュータ262xへ約1m秒のパルス信号を出力して、その開放をホールコンピュータ262xに記憶させるので、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを記憶するオフ中枠開放フラグ203axを不要とすることができる。よって、RAM203xのメモリ容量を削減することができる。更に、オフ中枠開放フラグ203axについての判定(図47のS110x〜S112xおよび図48のS204x〜S206xの各処理)も不要とすることができるので、オフ中枠開放フラグ203axについての判定を行う処理のプログラム容量を削減することができる。
まず、図60を参照して、第8実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行される立ち上げ処理について説明する。図60は、第8実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。なお、図47で上述した第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第8実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理のS110x〜S112xの処理を削除して、S120xの処理を追加している。また、第8実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理のS116xの処理内容を変更してS121xの処理としている。
第8実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、S101xの処理後、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力する(S120x)。その後、S102xの処理に移行する。なお、S120xの処理では、パルス幅が約1m秒のパルス信号を出力するので、このままでは、S120xの処理の完了には、少なくとも約1m秒が必要となる。このS120xの処理完了までの時間(約1m秒)を短くする場合には、S120xの処理でホールコンピュータ262xへのパルス信号の出力を開始して、その後、処理をS102xに移行し、S102xのウエイト時間内で、S120xの処理が開始されてから約1m秒後に出力中であるパルス信号を停止すれば良い。このS102xのウエイト処理は約1.0秒間、処理を待機するものであるため、ウエイト処理内で出力開始したパルス信号を停止する処理を実行しても、何ら問題ない。
また、第8実施形態のパチンコ機の立ち上げ処理では、S115xの処理後、RAM203xの使用領域を0クリアする(S121x)、その後、S117xの処理へ移行する。第8実施形態のパチンコ機では、オフ中枠開放フラグ203axが不要であるので、第6実施形態のパチンコ機10xの立ち上げ処理で行ったオフ中枠開放フラグ203axをオフにする処理(S116xの処理内で実行)は不要となるのである。よって、S121xの処理では、RAM203xの使用領域を0クリアする処理だけを実行する。
次に、図61を参照して、第8実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるメイン処理について説明する。図61は、第8実施形態のパチンコ機のMPU201xで実行されるメイン処理を示したフローチャートである。なお、図48で上述した第6実施形態のパチンコ機10xのメイン処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第8実施形態のパチンコ機のメイン処理では、第6実施形態のパチンコ機10xのメイン処理のS204x〜S206xの処理を削除している。つまり、第8実施形態のパチンコ機のメイン処理では、S203xの処理後、オン中枠開放フラグ203bxがオンか否かを判定する(S207x)。オン中枠開放フラグ203bxがオンであれば(S207x:Yes)、パチンコ機の電源がオン中に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されているので、音声ランプ制御装置113xへオン中枠開放コマンドを送信して(S208x)、S210xの処理に移行する。一方、オン中枠開放フラグ203bxがオフであれば(S207x:No)、内枠12xまたは前面枠14xは開放されていないので(内枠12xおよび前面枠14xは閉鎖されているので)、音声ランプ制御装置113xへオン中枠閉鎖コマンドを送信して(S209x)、S210xの処理に移行する。
ここで、第6実施形態および第7実施形態のパチンコ機に設けられていたオフ中枠開放フラグ203axについての判定(S204x〜S206xの処理)がないのは、次の理由による。即ち、第8実施形態のパチンコ機は、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力することで、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶させることができる。これにより、第8実施形態のパチンコ機では、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放されたことを記憶しておくオフ中枠開放フラグ203axが不要となる。この理由から、第8実施形態のパチンコ機では、オフ中枠開放フラグ203axについての判定がないのである。
上述した通り、第8実施形態のパチンコ機によれば、オフ中枠開放フラグ203axが不要であるので、RAM203xのメモリ容量を削減することができる。また、第8実施形態のパチンコ機によれば、オフ中枠開放フラグ203axについての判定(図47のS110x〜S112xおよび図48のS204x〜S206xの各処理)が不要であるので、オフ中枠開放フラグ203axについての判定を行う処理のプログラム容量を削減することができる。
また、第8実施形態のパチンコ機によれば、立ち上げ処理が実行される度に、ホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号が出力されるので、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、枠開放検出回路260xによってMPU201xが一時的に立ち上げられたことを、24時間動作し続けるホールコンピュータ262xに記憶させることができる。よって、ホールコンピュータ262xに記憶されたパルス信号により、パチンコ機の電源がオフされているときに内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われたパチンコ機を特定することができる。更には、ホールコンピュータ262xにパチンコ機からパルス信号が出力されたことと共に、その出力されたパルス信号の出力時刻を記憶させることで、特定したパチンコ機の内枠12xの開放時刻または前面枠14xの開放時刻を検出することができる。
以上、第6実施形態から第8実施形態のパチンコ機に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
第6実施形態から第8実施形態に記載した各パチンコ機をそれぞれ組み合わせて、各実施形態の有する機能を備えるパチンコ機を実現することが可能であることは言うまでもない。
第6実施形態から第8実施形態では、オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合に、音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放コマンドを送信し、ホールコンピュータ262xへパルス幅が1m秒のパルス信号を出力したが、これに限られるものではない。オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合には、第6実施形態から第8実施形態のパチンコ機とは逆に、主制御装置110xは、音声ランプ制御装置113xへコマンドを送信せず、ホールコンピュータ262xへもパルス信号を出力しない一方で、オフ中枠開放フラグ203axがオフである場合には、主制御装置110xは、音声ランプ制御装置113xへコマンドを送信し、ホールコンピュータ262xへパルス信号を出力するように構成しても良い。そして、このように主制御装置110xを構成した場合には、音声ランプ制御装置113xは、パチンコ機の電源オンから所定時間内に主制御装置110xからのコマンドを受信しない場合に、パチンコ機の電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されたと判定するように構成すれば良い。同様に、ホールコンピュータ262xは、パチンコ機の電源オンから所定時間内に主制御装置110xからのパルス信号を受信しない場合に、パチンコ機の電源オフ中に内枠12xまたは前面枠14xが開放されたと判定するように構成すれば良い。上記の構成により、オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合には、音声ランプ制御装置113xへコマンドを送信せず、ホールコンピュータ262xへもパルス信号を出力しないパチンコ機を実現することができる。
第6実施形態から第8実施形態では、パチンコ機からホールコンピュータ262xへパルス幅が約1m秒のパルス信号を出力して、ホールコンピュータ262xに内枠12xまたは前面枠14xの開放を記憶させたが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機にEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)やバックアップRAMを設ける。そして、このEEPROMやバックアップRAMと、入出力ポート205xとをバスラインを介して接続する。この構成により、EEPROMやバックアップRAMに、内枠12xまたは前面枠14xの開放を記憶させることができる。そして、パチンコ機の電源がオンされた場合に、EEPROMやバックアップRAMの記憶をMPU201xによって確認する。これにより、内枠12xまたは前面枠14xの開放を、ホールコンピュータ262xを使用することなく、パチンコ機を用いて検知することができる。つまり、ホールコンピュータ262xの役割を、EEPROMやバックアップRAMに担わせることができる(請求項に記載の「特定装置」の役割を、EEPROMやバックアップRAMに担わせることができる)。なお、バックアップRAMには、RAM203xを用いても良い。
また、第6実施形態から第8実施形態では、枠開放検出回路260xから駆動電圧Vbx、リセット信号SG3bxおよび停電信号SG1bxを出力して一時的に立ち上げる対象をMPU201xとしたが、これに限られるものではない。例えば、主制御装置110x内に、MPU201xとは別のCPU(MPU)とRAMを設け、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、枠開放検出回路260xによってCPU(MPU)とRAMとを一時的に立ち上げても良い。具体的には、まず、別に設けたRAMにオフ中枠開放フラグ203axを設ける。そして、枠開放検出回路260xの電源出力端子、リセット信号出力端子および電断信号出力端子と別に設けたCPU(MPU)とを接続すると共に、枠開放検出回路260xの電源出力端子に別に設けたRAMを接続する。更に、別に設けたCPU(MPU)と別に設けたRAMとを接続する。これにより、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、枠開放検出回路260xにより別に設けたCPU(MPU)およびRAMが一時的に立ち上がり、別のRAMに設けられたオフ中枠開放フラグ203axがオンとなる。よって、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合には、その開放を別に設けたRAMによって記憶することができる。なお、枠開放検出回路260xと別に設けるCPU(MPU)と別に設けるRAMとを一体化した1チップ集積回路で構成しても良い。この場合には、枠開放検出回路260xから出力される信号(駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bx)が直接CPU(MPU)に入力されるので、第6実施形態から第8実施形態のパチンコ機に用いられたマルチプレクサMP1x〜MP3xは不要となる。また、別に設けるCPU(MPU)と別に設けるRAMとは、主制御装置110x内ではなく、主制御装置110x外の例えば電源装置115x内に設けても良い。
また、第6実施形態から第8実施形態では、枠開放検出回路260xに設けられたタイマIC1xのOUT端子から出力される電圧は、抵抗R1xおよびコンデンサCD2xの時定数により、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約4.4秒後にゼロボルトになるように設定したが、これに限られるものではない。例えば、抵抗R1xの抵抗値を200kΩにすると共に、コンデンサCD2xの容量値を10μFにして、時定数を約2秒にすれば、タイマIC1xのOUT端子から出力される電圧を、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてから約2秒後にゼロボルトにすることができる。よって、枠開放検出回路260xによりMPU201xが一時的に立ち上げられた場合に実行される処理である立ち上げ処理(図47参照)およびメイン処理のS201x〜S213x:Yes〜S224xの処理(図48参照)が比較的短時間で実行可能である場合には(具体的は、上記の処理が、内枠12xまたは前面枠14xが開放されてタイマIC1xのOUT端子から電圧が出力される約2秒間と、枠開放検出回路260xのリセット信号出力端子から出力されるリセット信号SG3bxが約4.3ボルトに低下するまでの約5秒との計7秒の間に実行可能である場合には)、上述のように、時定数を約2秒とすることで、内枠12xまたは前面枠14xが開放された後にタイマIC1xのOUT端子から出力される電圧の出力期間を約2秒間に抑制することができる。従って、パチンコ機の電源がオフされているときに、内枠12xまたは前面枠14xが開放された場合に、コンデンサCD1xに蓄えられた電力の消費を抑制することができる。
また、第6実施形態から第8実施形態では、内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われた場合に、音声ランプ制御装置113xを用いて報知を実行したが、これに限られるものではない。内枠12xまたは前面枠14xの開放が行われた場合には、音声ランプ制御装置113xを用いた報知に加え、表示制御装置114xを用いて報知を実行しても良い。この場合には、音声ランプ制御装置113xがオフ中枠開放コマンドまたはオン中枠開放コマンドを受信すると、音声ランプ制御装置113xは表示制御装置114xへ受信したオフ中枠開放コマンドまたはオン中枠開放コマンドを送信する。そして、表示制御装置114xはオフ中枠開放コマンドまたはオン中枠開放コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81xへ「点検して下さい」や「扉が開放しています」と表示開始するように構成すれば良い。この構成により、音声ランプ制御装置113xの報知に加え、表示制御装置114xでも報知を行うので、更に分かり易く、内枠12xまたは前面枠14xが開放したことを不特定多数の者に報知することができる。
また、第6実施形態から第8実施形態では、電源装置115xから出力される信号(駆動電圧Vax、停電信号SG1axおよびリセット信号SG3ax)と枠開放検出回路260xから出力される信号(駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bx)との切り換えをマルチプレクサMP1x〜MP3xを用いて行ったが、これに限られるものではない。電源装置115xから出力される信号(駆動電圧Vax、停電信号SG1axおよびリセット信号SG3ax)と枠開放検出回路260xから出力される信号(駆動電圧Vbx、停電信号SG1bxおよびリセット信号SG3bx)との切り換えを、マルチプレクサMP1x〜MP3xに代えて、論理和回路であるOR回路を3つ用いて行っても良い。
また、第6実施形態から第8実施形態では、パチンコ機の電源がオンされている間に内枠12xまたは前面枠14xが開放されたか否かを判定するS218xの処理と、S218xの処理での判定に応じて、オン中枠開放フラグ203bxをオンするS219xの処理と、オン中枠開放フラグ203bxをオフするS220xの処理とを、メイン処理の残余時間で実行していたが、これに限られるものではない。このS218x〜S220xの処理を、メイン処理の4m秒周期の定期処理内で実行しても良い。また、このS218x〜S220xの処理を、2m秒毎に実行されるタイマ割込処理内で実行しても良い。
また、第6実施形態と第7実施形態では、オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合には、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知を行うと共に、ホールコンピュータ262xへ1m秒のパルス信号を出力したが、これに限られるものではない。即ち、オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合には、ホールコンピュータ262xへ1m秒のパルス信号を出力させず、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知だけを行うように構成しても良い。また、逆に、オフ中枠開放フラグ203axがオンである場合には、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xを用いて報知を行わず、ホールコンピュータ262xへのパルス信号の出力だけを行うように構成しても良い。
次に、図62から図67を参照して、第9実施形態のパチンコ機を説明する。第9実施形態のパチンコ機は、第4実施形態のパチンコ機500の電気的構成を一部変更し、その変更に伴い、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるメイン処理を変更し、更に、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理を変更したものである。
第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されると、内枠用枠開放検出回路290によりその開放を検出し、その検出に伴い、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドを1回送信する。同様に、第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が開放されると、前面枠用枠開放検出回路292によりその開放を検出し、その検出に伴い、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドを1回送信する。
このように、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放に伴い、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信する。よって、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放期間中、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信される第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
また、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110のメイン処理内で4m秒毎に繰り返し音声ランプ制御装置113へ送信する第4実施形態のパチンコ機500に対して、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信しているので、主制御装置110のメイン処理内の繰り返し周期(4m秒毎)を把握不能にしている。これにより、主制御装置110のメイン処理内で繰り返し行われる大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期も把握不能となる。よって、第9実施形態のパチンコ機によれば、第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期を不正に取得する、例えば、ぶら下げ基板を使用した不正行為を困難にすることができる。
更に、第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された内枠12が閉鎖されると、内枠用枠開放検出回路290によりその閉鎖を検出し、その検出に伴い、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ内枠閉鎖コマンドを1回送信する。同様に、第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された前面枠14が閉鎖されると、前面枠用枠開放検出回路292がその閉鎖を検出し、その検出に伴い、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ前面枠閉鎖コマンドを1回送信する。
このように、第9実施形態のパチンコ機では、開放された内枠12または開放された前面枠14が閉鎖されると、その閉鎖に伴い、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信する。よって、開放された内枠12または開放された前面枠14が閉鎖されると、その閉鎖期間中、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信される第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
また、内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110のメイン処理内で4m秒毎に繰り返し音声ランプ制御装置113へ送信する第4実施形態のパチンコ機500に対して、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信しているので、主制御装置110のメイン処理内の繰り返し周期(4m秒毎)を把握不能にしている。これにより、主制御装置110のメイン処理内で繰り返し行われる大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期も把握不能となる。よって、第9実施形態のパチンコ機によれば、第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期を不正に取得する、例えば、ぶら下げ基板を使用した不正行為を困難にすることができる。
なお、第9実施形態のパチンコ機は、第4実施形態のパチンコ機500と同様に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合、即ち、主制御装置110の制御が停止している場合であっても、内枠12または前面枠14の何れかが開放されると、ホールコンピュータ262にパルス信号を別々に出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを特定することができる。
まず、図62を参照して、第9実施形態のパチンコ機の電気的構成について説明する。図62は、第9実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。なお、第9実施形態のパチンコ機では、図24で上述した第4実施形態のパチンコ機500の説明に対して、以下の3つの変更点の説明を行う。第1に、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110の入出力ポート205から音声ランプ制御装置113の入出力ポート225へストローブ信号SG3を送信するバスラインBL2を追加している。第2に、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のRAM203に、内枠開放コマンド送信カウンタ203c、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203d、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eおよび前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを追加している。第3に、第9実施形態のパチンコ機では、音声ランプ制御装置113のRAM223に、コマンド受信メモリ223cを追加している。この3つの変更点以外は、第9実施形態のパチンコ機の電気的構成と、第4実施形態のパチンコ機500の電気的構成とは同一となっている。よって、図62に示す第9実施形態のパチンコ機の電気的構成を示すブロック図では、図24で上述した第4実施形態のパチンコ機500のブロック図と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
主制御装置110の入出力ポート205には、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225へストローブ信号SG3を送信するバスラインBL2が接続されている。内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンド等が主制御装置110から音声ランプ制御装置113へバスラインBL1を介して送信開始されると、これに合わせ、ストローブ信号SG3が主制御装置110から音声ランプ制御装置113へバスラインBL2を介して出力される。なお、音声ランプ制御装置113は、バスラインBL2を介して主制御装置110から送信されたストローブ信号SG3を受信すると、バスラインBL1を介して主制御装置110から送信されている上記コマンドの受信を開始する。また、このストローブ信号SG3は、最大値が5ボルトでパルス幅が1μ秒のパルス信号である。
MPU201のRAM203には、内枠開放コマンド送信カウンタ203c、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203d、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eおよび前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fが設けられている。
内枠開放コマンド送信カウンタ203cは、内枠12が開放され、その開放に伴って、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドが1回送信されたか否かをカウントするカウンタである。この内枠開放コマンド送信カウンタ203cは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われて後述する主制御装置110のメイン処理(図63参照)が実行されると、まず、内枠開放コマンドが未送信であることを示す「0(ゼロ)」に設定される。そして、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、内枠12が開放され、主制御装置110により内枠開放コマンドが1回送信されると、内枠開放コマンド送信カウンタ203cは、内枠開放コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。なお、内枠開放コマンド送信カウンタ203cは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、開放された内枠12が閉鎖され、主制御装置110により内枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「0(ゼロ)」に設定される。
内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dは、開放された内枠12が閉鎖され、その閉鎖に伴って、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ内枠閉鎖コマンドが1回送信されたか否かをカウントするカウンタである。この内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われて後述する主制御装置110のメイン処理(図63参照)が実行されると、まず、内枠閉鎖コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。そして、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、内枠12が開放され、主制御装置110により内枠開放コマンドが1回送信されると、内枠開放コマンド送信カウンタ203cとは逆に、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dは、内枠閉鎖コマンドが未送信であることを示す「0(ゼロ)」に設定される。そして、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された内枠12が閉鎖され、主制御装置110により内枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「1」に設定される。
ここで、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dが主制御装置110のメイン処理内で、まず「1」に設定される理由について説明する。通常、パチンコ機は、例えばメンテナンス時等を除いて、内枠12が閉鎖状態にある。よって、例えば、遊技場の開店準備が整い、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が開始され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給開始される場合にも、通常、内枠12が閉鎖状態にある。内枠12が閉鎖状態にある場合には、内枠12が閉鎖された時点で、既に、内枠閉鎖コマンドが主制御装置110によって1回送信されている。従って、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを、主制御装置110のメイン処理で、まず「1」に設定するのである。
なお、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が開始され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給開始されたときに、内枠12が開放されていても(開放された内枠12が閉鎖されず、内枠閉鎖コマンドが未送信であっても)、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dはメイン処理内で「1」に設定される。しかし、その後に、内枠用枠開放検知回路290により内枠12の開放が検出され、主制御装置110により内枠開放コマンドが1回送信されると、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dは正常な値である「0(ゼロ)」に設定される。よって、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が開始され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給開始されたときに、内枠12が開放されていても何ら問題は発生しない。これは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が開始され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給開始されたときに、前面枠14が開放されている場合も、同じである。
前面枠開放コマンド送信カウンタ203eは、前面枠14が開放され、その開放に伴って、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドが1回送信されたか否かをカウントするカウンタである。この前面枠開放コマンド送信カウンタ203eは、内枠開放コマンド送信カウンタ203cと同様、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われて後述する主制御装置110のメイン処理(図63参照)が実行されると、まず、前面枠開放コマンドが未送信であることを示す「0(ゼロ)」に設定される。そして、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、前面枠14が開放され、主制御装置110により前面枠開放コマンドが1回送信されると、前面枠開放コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。なお、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、開放された前面枠14が閉鎖され、主制御装置110により前面枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「0(ゼロ)」に設定される。
前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fは、開放された前面枠14が閉鎖され、その閉鎖に伴って、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ前面枠閉鎖コマンドが1回送信されたか否かをカウントするためのカウンタである。この前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fは、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dと同様、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われて後述する主制御装置110のメイン処理(図63参照)が実行されると、まず、前面枠閉鎖コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。そして、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている間に、前面枠14が開放され、主制御装置110により前面枠開放コマンドが1回送信されると、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eとは逆に、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fは、前面枠閉鎖コマンドが未送信であることを示す「0(ゼロ)」に設定される。そして、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fは、第9実施形態のパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された前面枠14が閉鎖され、主制御装置110により前面枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「1」に設定される。
なお、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fが主制御装置110のメイン処理内で、まず「1」に設定される理由については、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dが主制御装置110のメイン処理内で、まず「1」に設定される理由と同じ理由による。
また、上述した内枠開放コマンド送信カウンタ203c、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203d、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eおよび前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fの各値は、「0」または「1」のいずれかの値になるので、所定の条件が成立したか否かを記録するフラグと同等の機能を発揮している。
音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたコマンド受信メモリ223cは、バスラインBL1を介して主制御装置110から送信された各種コマンドを記憶するメモリである。このコマンド受信メモリ223cには、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンド、前面枠閉鎖コマンドに加え、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が記憶される。なお、音声ランプ制御装置113のMPU221は、コマンド受信メモリ223cに記憶されたコマンドを解読し、解読したコマンドに応じた制御を行う。
次に、図63および図64のフローチャートを参照して、第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110内に設けられたMPU201によって実行される各制御処理を説明する。なお、第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110(MPU201)により実行される各制御処理では、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110(MPU201)により実行される各制御処理のうち、メイン処理を変更している。一方で、第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110(MPU201)により実行されるメイン処理以外の制御処理(立ち上げ処理、変動処理、変動開始処理、タイマ割込処理、始動入賞処理およびNMI割込処理)は、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110(MPU201)により実行される各制御処理(立ち上げ処理、変動処理、変動開始処理、タイマ割込処理、始動入賞処理およびNMI割込処理)と同一である。よって、第9実施形態のパチンコ機においては、変更した部分に該当するメイン処理(図63に示すメイン処理と図64に示す扉コマンド送信処理)を説明し、他の制御処理については、その説明を省略する。
まず、図63を参照して、第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110内に設けられたMPU201で実行されるメイン処理について説明する。図63は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理では、遊技の主要な処理が実行される。その概要として、S221の処理がまず実行され、その後、4m秒周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理およびS222の扉コマンド送信処理が実行される構成となっている。
なお、図63に示す第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110(MPU201)で実行されるメイン処理では、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるメイン処理(図27参照)に対して、以下の3つの変更を行っている。第1に、第9実施形態のパチンコ機のメイン処理では、第4実施形態のパチンコ機500のメイン処理の先頭にS221の処理を追加している。第2に、第9実施形態のパチンコ機のメイン処理では、第4実施形態のパチンコ機500のメイン処理内のS215〜S220の処理を削除している。第3に、第9実施形態のパチンコ機のメイン処理では、S210の処理の後に、扉コマンド送信処理(S222の処理)を追加している。この3つの変更以外は、第9実施形態のパチンコ機のメイン処理と第4実施形態のパチンコ機500のメイン処理とは同一の処理となっている。よって、図63に示す第9実施形態のパチンコ機のメイン処理では、図27で前述した第4実施形態のパチンコ機500のメイン処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110内に設けられたMPU201で実行されるメイン処理では、まず、内枠開放コマンド送信カウンタ203cを「0(ゼロ)」に設定し、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを「1」に設定し、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eを「0(ゼロ)」に設定し、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを「1」に設定する(S221)。これにより、内枠開放コマンド送信カウンタ203c、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203d、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eおよび前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fの初期設定が完了する(S221)。その後、S201の処理に移行する。
次に、S201〜S206の処理の実行の後、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S208)、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行すると共に(S209,S210)、扉コマンド送信処理を繰り返し実行する(S222)。
この扉コマンド送信処理(S222)では、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドのいずれかのコマンドを、内枠12または前面枠14の開放、或いは内枠12または前面枠14の閉鎖に伴い1回だけ音声ランプ制御装置113へ送信する処理が実行される(S222)。扉コマンド送信処理(S222)が完了すると、S207の処理へ移行し、S207で再び「No」と判定されると、S208の処理が再び実行される。このS208の処理で、S209,S210およびS222の処理が繰り返し実行された結果、前回のメイン処理の開始から所定時間が経過したと判定された場合には、処理をS201へ移行する(S208:Yes)。
ここで、扉コマンド送信処理(S222)をS210の処理の後に実行したが、扉コマンド送信処理(S222)の実行位置を、S201の処理の直後からS206の直後までの間に配置しても良い。このようにすれば、扉コマンド送信処理(S222)を4m秒毎に定期的に実行することができる。
なお、RAM203に電源断の発生情報が記憶されている場合に(S207の処理で「Yes」と判定された場合に)実行されるS211〜S214の各処理は、第4実施形態のパチンコ機500の主制御装置110で実行されるメイン処理内のS211〜S214の各処理と同一の処理であるので、説明を省略する。
次に、図64を参照して、第9実施形態のパチンコ機の主制御装置110内に設けられたMPU201で実行される扉コマンド送信処理(S222の処理)について説明する。図64は、主制御装置110内のMPU201により実行される扉コマンド送信処理を示したフローチャートである。この扉コマンド送信処理では、まず、内枠開放フラグ203aがオンであるか否かが判定される(S230)。なお、内枠開放フラグ203aのオンオフの切り換えは、第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理(図示せず)で実行される。この第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、第4実施形態のパチンコ機500のタイマ割込処理(図28参照)と全く同一の処理が実行される。よって、第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、図28に示すパチンコ機500のタイマ割込処理で説明した通り、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている場合に、内枠12が開放され、内枠用入出力ポート出力回路290bの出力が5ボルトとなると(図28のS507:Yes参照)、内枠開放フラグ203aがオンに設定される(図28のS508参照)。一方、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている場合に、内枠12が閉鎖され、内枠用入出力ポート出力回路290bの出力がゼロボルトとなると(図28のS507:No参照)、内枠開放フラグ203aがオフに設定される(図28のS509参照)。
図64の説明に戻る。内枠開放フラグ203aがオンであれば(S230:Yes)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている間に内枠12が開放されているので、内枠開放コマンドおよびストローブ信号SG3を音声ランプ制御装置113へ送信する処理であるS231以降の処理に移行する。S231の処理では、内枠開放コマンド送信カウンタ203cの値が「0(ゼロ)」か否かが判定される。内枠開放コマンド送信カウンタ203cの値が「0(ゼロ)」であれば(S231:Yes)、内枠12が開放されてから音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドを未だ送信していないので、これを送信すべく、内枠開放コマンドの送信を開始する(S232)。その後、1μ秒の間、処理を待機して(S233)、ストローブ信号SG3の送信を開始する(S234)。このストローブ信号SG3が音声ランプ制御装置113により受信されると、音声ランプ制御装置113は、内枠開放コマンドを受信開始する。なお、内枠開放コマンドの送信を開始した後、S233の処理で1μ秒の間、処理を待機し、その後にストローブ信号SG3の送信を開始するのは、主制御装置110の入出力ポート205から出力される内枠開放コマンドを安定化させるためである。
S234の処理後、ストローブ信号SG3の送信開始から(S234の処理開始から)、1μ秒が経過したか否かが判定される(S235)。ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していれば(S235:Yes)、ストローブ信号SG3の送信を終了する(S236)。このS233〜S236の処理により、内枠開放コマンドの送信開始から1μ秒後にストローブ信号SG3の送信が開始され、その送信開始されたストローブ信号SG3は1μ秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される(ストローブ信号SG3のパルス幅は1μ秒となる)。
一方、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していなければ(S235:No)、ストローブ信号SG3の送信を終了せずに(ストローブ信号SG3を送信継続したまま)、S251の処理に移行する。なお、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過したか否かは、ストローブ信号SG3が送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。これは、後述するS245,S256,S266の各処理においても同様である。
S236の処理が実行された場合には、内枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かが判定される(S237)。内枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過していれば(S237:Yes)、内枠開放コマンドの送信を終了する(S238)。このS232,S237およびS238の処理により、内枠開放コマンドが1m秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。一方、内枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過していなければ(S237:No)、内枠開放コマンドの送信を終了せずに(内枠開放コマンドを送信継続したまま)、S251の処理に移行する。なお、内枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かは、内枠開放コマンドが送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。
S238の処理が実行された場合には、音声ランプ制御装置113への内枠開放コマンドの送信が完了するので、内枠開放コマンド送信カウンタ203cを「1」カウントアップする(内枠開放コマンド送信カウンタ203cを「0(ゼロ)」から「1」に設定する、S239)。その後、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを「0(ゼロ)」に設定する(S240)。内枠開放コマンドは、S232〜S238の処理で既に音声ランプ制御装置113へ送信されたが、内枠閉鎖コマンドは、未だ音声ランプ制御装置113へ送信されていないので、S240の処理で、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを「0(ゼロ)」に設定するのである。
なお、S231の処理で、内枠開放コマンド送信カウンタ203cの値が「1」であれば(S231:No)、内枠12が開放したことを示す内枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ既に1回送信しているので、S232〜S240の処理をスキップし、S251の処理へ移行する。
ここで、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過すると共に(S235の処理で「Yes」と判定されると共に)、内枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過するまで(S237の処理で「Yes」と判定されるまで)、言い換えれば、内枠開放コマンド送信カウンタ203cが「1」となるまで、S231の処理では「Yes」と判定され続ける。このとき、S231の処理で「Yes」と判定された後に実行されるS232〜S234の処理は、最初に1度実行された後には、スキップされるように処理が構成されている。つまり、内枠開放コマンド送信カウンタ203cが「1」となるまではS231の処理で「Yes」と判定されるが、この場合にS232〜S234の処理が既に実行開始されていれば、S232〜S234の処理をスキップしてS235の処理に移行するように処理が構成されている。よって、S232〜S234の処理が、内枠開放コマンド送信カウンタ203cが「1」となるまで、1回を超えて繰り返し実行されることはない。
次に、S230の処理で、内枠開放フラグ203aがオフであると判定された場合には(S230:No)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされていると共に、内枠12が閉鎖されているので、内枠閉鎖コマンドおよびストローブ信号SG3を音声ランプ制御装置113へ送信する処理であるS241以降の処理に移行する。S241の処理では、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dの値が「0(ゼロ)」か否かが判定される。内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dの値が「0(ゼロ)」であれば(S241:Yes)、内枠12が閉鎖されてから音声ランプ制御装置113へ内枠閉鎖コマンドを未だ送信していないので、これを送信すべく、内枠閉鎖コマンドの送信を開始する(S242)。その後、1μ秒の間、処理を待機して(S243)、ストローブ信号SG3の送信を開始する(S244)。このストローブ信号SG3が音声ランプ制御装置113により受信されると、音声ランプ制御装置113は、内枠閉鎖コマンドを受信開始する。なお、内枠閉鎖コマンドの送信を開始した後、S243の処理で1μ秒の間、処理を待機し、その後にストローブ信号SG3の送信を開始するのは、内枠開放コマンドの場合と同様の理由による(コマンドの安定化)。
S244の処理後、ストローブ信号SG3の送信開始から(S244の処理開始から)、1μ秒が経過したか否かが判定される(S245)。ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していれば(S245:Yes)、ストローブ信号SG3の送信を終了する(S246)。このS243〜S246の処理により、内枠閉鎖コマンドの送信開始から1μ秒後にストローブ信号SG3の送信が開始され、その送信開始されたストローブ信号SG3は1μ秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される(ストローブ信号SG3のパルス幅は1μ秒となる)。
一方、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していなければ(S245:No)、ストローブ信号SG3の送信を終了せずに(ストローブ信号SG3を送信継続したまま)、S251の処理に移行する。
S246の処理が実行された場合には、内枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かが判定される(S247)。内枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過していれば(S247:Yes)、内枠閉鎖コマンドの送信を終了する(S248)。このS242,S247およびS248の処理により、内枠閉鎖コマンドが1m秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。一方、内枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過していなければ(S247:No)、内枠閉鎖コマンドの送信を終了せずに(内枠閉鎖コマンドを送信継続したまま)、S251の処理に移行する。なお、内枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かは、内枠閉鎖コマンドが送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。
S248の処理が実行された場合には、音声ランプ制御装置113への内枠閉鎖コマンドの送信が完了するので、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを「1」カウントアップする(内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dを「0(ゼロ)」から「1」に設定する、S249)。その後、内枠開放コマンド送信カウンタ203cを「0(ゼロ)」に設定する(S250)。内枠閉鎖コマンドは、S242〜S248の処理で既に音声ランプ制御装置113へ送信されたが、内枠開放コマンドは、未だ音声ランプ制御装置113へ送信されていないので、S250の処理で、内枠開放コマンド送信カウンタ203cを「0(ゼロ)」に設定するのである。
なお、S241の処理で、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dの値が「1」であれば(S241:No)、開放された内枠12が閉鎖したことを示す内枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ既に1回送信しているので、S242〜S250の処理をスキップし、S251の処理へ移行する。
ここで、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過すると共に(S245の処理で「Yes」と判定されると共に)、内枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過するまで(S247の処理で「Yes」と判定されるまで)、言い換えれば、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dが「1」となるまで、S241の処理では「Yes」と判定され続ける。このとき、S241の処理で「Yes」と判定された後に実行されるS242〜S244の処理は、前述したS232〜S234の処理と同様、最初に1度実行された後には、スキップされるように処理が構成されている。よって、S242〜S244の処理が、内枠閉鎖コマンド送信カウンタ203dが「1」となるまで、1回を超えて繰り返し実行されることはない。
次に、前面枠開放フラグ203bがオンであるか否かが判定される(S251)。なお、前面枠開放フラグ203bのオンオフの切り換えは、第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理(図示せず)で実行される。この第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理は、前述の通り、第4実施形態のパチンコ機500のタイマ割込処理(図28参照)と全く同一の処理が実行される。よって、第9実施形態のパチンコ機のタイマ割込処理では、図28に示すパチンコ機500のタイマ割込処理で説明したとおり、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている場合に、前面枠14が開放され、前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力が5ボルトとなると(図28のS511:Yes参照)、前面枠開放フラグ203bがオンに設定される(図28のS512参照)。一方、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている場合に、前面枠14が閉鎖され、前面枠用入出力ポート出力回路292bの出力がゼロボルトとなると(図28のS511:No参照)、前面枠開放フラグ203bがオフに設定される(図28のS513参照)。
図64の説明に戻る。前面枠開放フラグ203bがオンであれば(S251:Yes)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている間に前面枠14が開放されているので、前面枠開放コマンドおよびストローブ信号SG3を音声ランプ制御装置113へ送信する処理であるS252以降の処理に移行する。S252の処理では、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eの値が「0(ゼロ)」か否かが判定される。前面枠開放コマンド送信カウンタ203eの値が「0(ゼロ)」であれば(S252:Yes)、前面枠14が開放されてから音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドを未だ送信していないので、これを送信すべく、前面枠開放コマンドの送信を開始する(S253)。その後、1μ秒の間、処理を待機して(S254)、ストローブ信号SG3の送信を開始する(S255)。このストローブ信号SG3が音声ランプ制御装置113により受信されると、音声ランプ制御装置113は、前面枠開放コマンドを受信開始する。なお、前面枠開放コマンドの送信を開始した後、S254の処理で1μ秒の間、処理を待機し、その後にストローブ信号SG3の送信を開始するのは、内枠開放コマンドの場合と同様の理由による(コマンドの安定化)。
S255の処理後、ストローブ信号SG3の送信開始から(S255の処理開始から)、1μ秒が経過したか否かが判定される(S256)。ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していれば(S256:Yes)、ストローブ信号SG3の送信を終了する(S257)。このS254〜S257の処理により、前面枠開放コマンドの送信開始から1μ秒後にストローブ信号SG3の送信が開始され、その送信開始されたストローブ信号SG3は1μ秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。
一方、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していなければ(S256:No)、ストローブ信号SG3の送信を終了せずに(ストローブ信号SG3を送信継続したまま)、扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
S257の処理が実行された場合には、前面枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かが判定される(S258)。前面枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過していれば(S258:Yes)、前面枠開放コマンドの送信を終了する(S259)。このS253,S258およびS259の処理により、前面枠開放コマンドが1m秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。一方、前面枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過していなければ(S258:No)、前面枠開放コマンドの送信を終了せずに(前面枠開放コマンドを送信継続したまま)、扉コマンド送信処理(S222)を終了する。なお、前面枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かは、前面枠開放コマンドが送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。
S259の処理が実行された場合には、音声ランプ制御装置113への前面枠開放コマンドの送信が完了するので、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eを「1」カウントアップする(前面枠開放コマンド送信カウンタ203eを「0(ゼロ)」から「1」に設定する、S260)。その後、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを「0(ゼロ)」に設定する(S261)。前面枠開放コマンドは、S253〜S259の処理で既に音声ランプ制御装置113へ送信されたが、前面枠閉鎖コマンドは、未だ音声ランプ制御装置113へ送信されていないので、S261の処理で、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを「0(ゼロ)」に設定するのである。なお、S261の処理終了後、この扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
なお、S252の処理で、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eの値が「1」であれば(S252:No)、前面枠14が開放したことを示す前面枠開放コマンドを音声ランプ制御装置113へ既に1回送信しているので、S253〜S261の処理をスキップし、この扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
ここで、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過すると共に(S256の処理で「Yes」と判定されると共に)、前面枠開放コマンドの送信開始から1m秒が経過するまで(S258の処理で「Yes」と判定されるまで)、言い換えれば、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eが「1」となるまで、S252の処理では「Yes」と判定され続ける。このとき、S252の処理で「Yes」と判定された後に実行されるS253〜S255の処理は、前述したS232〜S234の処理と同様、最初に1度実行された後には、スキップされるように処理が構成されている。よって、S253〜S255の処理が、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eが「1」となるまで、1回を超えて繰り返し実行されることはない。
次に、S251の処理で、前面枠開放フラグ203bがオフであると判定された場合には(S251:No)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされていると共に、前面枠14が閉鎖されているので、前面枠閉鎖コマンドおよびストローブ信号SG3を音声ランプ制御装置113へ送信する処理であるS262以降の処理に移行する。S262の処理では、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fの値が「0(ゼロ)」か否かが判定される。前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fの値が「0(ゼロ)」であれば(S262:Yes)、前面枠14が閉鎖されてから音声ランプ制御装置113へ前面枠閉鎖コマンドを未だ送信していないので、これを送信すべく、前面枠閉鎖コマンドの送信を開始する(S263)。その後、1μ秒の間、処理を待機して(S264)、ストローブ信号SG3の送信を開始する(S265)。このストローブ信号SG3が音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、前面枠閉鎖コマンドを受信開始する。なお、前面枠閉鎖コマンドの送信を開始した後、S264の処理で1μ秒の間、処理を待機し、その待機後にストローブ信号SG3の送信を開始するのは、内枠開放コマンドの場合と同様の理由による(コマンドの安定化)。
S265の処理後、ストローブ信号SG3の送信開始から(S265の処理開始から)、1μ秒が経過したか否かが判定される(S266)。ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していれば(S266:Yes)、ストローブ信号SG3の送信を終了する(S267)。このS264〜S267の処理により、前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1μ秒後にストローブ信号SG3の送信が開始され、その送信開始されたストローブ信号SG3は1μ秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。
一方、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過していなければ(S266:No)、ストローブ信号SG3の送信を終了せずに(ストローブ信号SG3を送信継続したまま)、扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
S267の処理が実行された場合には、前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かが判定される(S268)。前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過していれば(S268:Yes)、前面枠閉鎖コマンドの送信を終了する(S269)。このS263,S268およびS269の処理により、前面枠閉鎖コマンドが1m秒の間、音声ランプ制御装置113へ送信される。一方、前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過していなければ(S268:No)、前面枠閉鎖コマンドの送信を終了せずに(前面枠閉鎖コマンドを送信継続したまま)、扉コマンド送信処理(S222)を終了する。なお、前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過したか否かは、前面枠閉鎖コマンドが送信開始されてからの経過時間を計時するカウンタ(MPU201内に設けられている、図示せず)の計時に基づいて判定している。
S269の処理が実行された場合には、音声ランプ制御装置113への前面枠閉鎖コマンドの送信が完了するので、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを「1」カウントアップする(前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fを「0(ゼロ)」から「1」に設定する、S270)。その後、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eを「0(ゼロ)」に設定する(S271)。前面枠閉鎖コマンドは、S263〜S269の処理で既に音声ランプ制御装置113へ送信されたが、前面枠開放コマンドは、未だ音声ランプ制御装置113へ送信されていないので、S271の処理で、前面枠開放コマンド送信カウンタ203eを「0(ゼロ)」に設定するのである。S271の処理終了後、この扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
なお、S262の処理で、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fの値が「1」であれば(S262:No)、開放された前面枠14が閉鎖したことを示す前面枠閉鎖コマンドを音声ランプ制御装置113へ既に1回送信しているので、S263〜S271の処理をスキップし、この扉コマンド送信処理(S222)を終了する。
ここで、ストローブ信号SG3の送信開始から1μ秒が経過すると共に(S266の処理で「Yes」と判定されると共に)、前面枠閉鎖コマンドの送信開始から1m秒が経過するまで(S268の処理で「Yes」と判定されるまで)、言い換えれば、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fが「1」となるまで、S262の処理では「Yes」と判定され続ける。このとき、S262の処理で「Yes」と判定された後に実行されるS263〜S265の処理は、前述したS232〜S234の処理と同様、最初に1度実行された後には、スキップされるように処理が構成されている。よって、S263〜S265の処理が、前面枠閉鎖コマンド送信カウンタ203fが「1」となるまで、1回を超えて繰り返し実行されることはない。
このように、扉コマンド送信処理(S222)では、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている間に内枠12が開放され、その開放を示す内枠開放コマンドが未だ送信されていない場合には、主制御装置110は、内枠開放コマンドを1m秒の間、音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信する。また、内枠開放コマンドの送信開始から1μ秒が経過すると、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113へストローブ信号SG3を1μ秒の間、1回だけ送信する。
内枠開放コマンドと同様に、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドおよび前面枠閉鎖コマンドも、そのコマンドが未だに送信されていない場合に限り、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信される。よって、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドおよび前面枠閉鎖コマンドを繰り返し音声ランプ制御装置113へ送信する第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
次に、図65から図67のフローチャートを参照して、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行されるメイン処理、外部割込み処理および扉開放報知処理(メイン処理内での処理)について説明する。説明の便宜上、まず、図66の外部割込み処理について説明し、次に、図65のメイン処理について説明し、最後に図67の扉開放報知処理について説明する。
図66は、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行される外部割込み処理を示したフローチャートであり、主制御装置110から出力されたストローブ信号SG3を受信した場合に(ストローブ信号SG3が5ボルトである場合に)、実行される。外部割込み処理が実行されると、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ各種コマンドが送信開始されているので、この各種コマンドを受信して、受信した各種コマンドをコマンド受信メモリ223cに記憶する(S820)。その後、外部割込み処理を終了する。
次に、図65を参照して、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行されるメイン処理について説明する。図65は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
なお、図65に示す第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行されるメイン処理は、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221で実行されるメイン処理(図30参照)に、以下の2つの変更を行ったものである。
第1に、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理では、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113で実行されていた扉開放報知処理(S813、図30参照)の実行位置をS809の処理の後に変更すると共に、扉開放報知処理の処理内容を変更している(なお、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行される扉開放報知処理を「S818」とする)。第2に、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理では、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113で実行されていた主制御装置110からのコマンド受信(S811、図30参照)の処理を削除している。
この2つの変更を除いては、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理(図65参照)と、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理(図30参照)とは同一の処理となっている。よって、図65に示す第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理では、図30で前述したパチンコ機500の音声ランプ制御装置113のメイン処理と同一の部分には同一の番号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。なお、第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221により実行される立ち上げ処理(図示せず)は、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221により実行される立ち上げ処理(図29参照)と同一の処理であるので、その説明を省略する。
第9実施形態のパチンコ機の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理では、まず、メイン処理が開始されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S801)、メイン処理が開始されてから1m秒以上経過していると判定された場合には(S801:Yes)、S802〜S809の処理を実行し、その後、内枠12または前面枠14のいずれか一方の開放、または内枠12および前面枠14の両方の開放があったときに、音声出力装置226およびランプ表示装置227を用いて報知を行う扉開放報知処理(S818)を実行する。扉開放報知処理(S818)が実行された後は、S810の処理へ移行する。
一方、S801の処理でメイン処理が開始されてから1m秒以上経過していないと判定された場合には(S801:No)、S802〜S809の処理およびS818の処理をスキップして、S810の処理へ移行する。
S810の処理後、S812の処理で電源断の発生情報がRAM223に記憶されていなければ(S812:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S814)、RAM223が破壊されていなければ(S814:No)、S801の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。
なお、S812の処理において、RAM223に電源断の発生情報が記憶されている場合に(S812の処理で「Yes」と判定された場合に)実行されるS815〜S817の各処理は、第4実施形態のパチンコ機500の音声ランプ制御装置113で実行されるメイン処理内のS815〜S817の各処理と同一の処理であるので、説明を省略する。
最後に、図67を参照して、扉開放報知処理(S818)について説明する。図67は、音声ランプ制御装置113内に設けられたMPU221により実行される扉開放報知処理を示したフローチャートである。この扉開放報知処理は、内枠開放コマンド、前面枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドの4つのコマンドが音声ランプ制御装置113により受信されたか否かを判定し、その判定に応じて報知を実行する処理である。
扉開放報知処理(S818)では、まず、内枠開放コマンド受信フラグ223aが内枠開放コマンドを受信したことを示すオンであるか否かが判定される(S950)。内枠開放コマンド受信フラグ223aがオフであれば(S950:No)、音声ランプ制御装置113は、この時点までは、主制御装置110からの内枠開放コマンドを受信していないので、内枠12は閉鎖されていると判定される。よって、内枠12が引き続き閉鎖された状態であるかを判定するため(この時点の後に、内枠12が開放されていないかを判定するため)、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠開放コマンドであるか否かが判定される(S951)。
コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠開放コマンドであると判定された場合には(S951:Yes)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている間に内枠12が開放され、主制御装置110から内枠開放コマンドが送信されたということであるので、内枠開放コマンド受信フラグ223aをオンして(S952)、内枠開放報知処理を開始する(S953)。この内枠開放報知処理では、音声出力装置226を用いて、例えば、「内枠が開放しています」と電子音で報知したり、ランプ表示装置227を用いて、内枠12が開放したことを示すために、例えば、1秒間に4回点滅を実行したりする。これにより、内枠12が開放されたことを不特定多数の者(遊技者や店員等)に報知することができる。なお、S952の処理では、図示しないが、内枠開放コマンド受信フラグ223aをオンした後に、表示制御装置114へ内枠開放コマンドを1回送信している。この内枠開放コマンドが表示制御装置114により受信されると、内枠12が開放したことを示す表示が第3図柄表示装置81により実行される。
内枠開放報知処理を開始した後は(S953)、コマンド受信メモリ223cに記憶された内枠開放コマンドをクリアし(S954)、その後、S956の処理に移行する。
なお、S950の処理で、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンであると判定された場合には(S950:Yes)、音声ランプ制御装置113では、既に内枠開放コマンドが受信されており、内枠開放報知処理(S953)が実行されているので、この実行されている内枠開放報知処理を継続して行う(S955)。
また、S951の処理で、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠開放コマンドでないと判定された場合には(S951:No)、内枠12の開放は行われていないので(内枠12は閉鎖されているので)、S952〜S954の処理をスキップして、S956の処理に移行する。
次に、S956の処理では、前面枠開放コマンド受信フラグ223bが前面枠開放コマンドを受信したことを示すオンであるか否かが判定される(S956)。前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオフであれば(S956:No)、音声ランプ制御装置113は、この時点までは、主制御装置110からの前面枠開放コマンドを受信していないので、前面枠14は閉鎖されていると判定される。よって、前面枠14が引き続き閉鎖された状態であるかを判定するため(この時点の後に、前面枠14が開放されていないかを判定するため)、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠開放コマンドであるか否かが判定される(S957)。
コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠開放コマンドであると判定された場合には(S957:Yes)、第9実施形態のパチンコ機の電源がオンされている間に前面枠14が開放され、主制御装置110から前面枠開放コマンドが送信されたということであるので、前面枠開放コマンド受信フラグ223bをオンして(S958)、前面枠開放報知処理を開始する(S959)。この前面枠開放報知処理では、音声出力装置226を用いて、例えば、「前面枠が開放しています」と電子音で報知したり、ランプ表示装置227を用いて、前面枠14が開放したことを示すために、例えば、1秒間に1回点滅を行ったりする。これにより、前面枠14が開放されたことを不特定多数の者に報知することができる。なお、S958の処理では、図示しないが、前面枠開放コマンド受信フラグ223bをオンした後に、表示制御装置114へ前面枠開放コマンドを1回送信している。この前面枠開放コマンドが表示制御装置114により受信されると、前面枠14が開放したことを示す表示が第3図柄表示装置81により実行される。
前面枠開放報知処理を開始した後は(S959)、コマンド受信メモリ223cに記憶された前面枠開放コマンドをクリアし(S960)、その後、S962の処理に移行する。
なお、S956の処理で、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンであると判定された場合には(S956:Yes)、音声ランプ制御装置113では、既に前面枠開放コマンドが受信されており、前面枠開放報知処理(S959)が実行されているので、この実行されている前面枠開放報知処理を継続して行う(S961)。
また、S957の処理で、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠開放コマンドでないと判定された場合には(S957:No)、前面枠14の開放は行われていないので(前面枠14は閉鎖されているので)、S958〜S960の処理をスキップして、S962の処理に移行する。
次に、S962の処理では、内枠開放コマンド受信フラグ223aが内枠開放コマンドを受信したことを示すオンであるか否かが判定される(S962)。内枠開放コマンド受信フラグ223aがオンであれば(S962:Yes)、音声ランプ制御装置113は、この時点までは、主制御装置110からの内枠開放コマンドを受信しているものの、主制御装置110からの内枠閉鎖コマンドは受信していない。つまり、この時点までは、内枠12は開放されていると判定される。よって、内枠12が引き続き開放された状態であるかを判定するため(この時点の後に、内枠12が閉鎖されていないかを判定するため)、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠閉鎖コマンドであるか否かが判定される(S963)。
コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠閉鎖コマンドであると判定された場合には(S963:Yes)、開放されていた内枠12が閉鎖され、主制御装置110から内枠閉鎖コマンドが送信されたということであるので、内枠開放コマンド受信フラグ223aをオフして(S964)、内枠開放報知処理を終了する(S965)。なお、S964の処理では、図示しないが、内枠開放コマンド受信フラグ223aをオフした後に、表示制御装置114へ内枠閉鎖コマンドを1回送信している。この内枠閉鎖コマンドが表示制御装置114により受信されると、第3図柄表示装置81により実行されていた内枠12の開放表示が終了する。
S965の処理後、コマンド受信メモリ223cに記憶された内枠閉鎖コマンドをクリアしてS967の処理に移行する(S966)。
なお、S962の処理で、内枠開放コマンド受信フラグ223aがオフであると判定された場合には(S962:No)、内枠開放コマンドは受信されておらず、内枠12は開放されていないので(内枠12は閉鎖されているので)、S963〜S966の処理をスキップして、S967の処理に移行する。
また、S963の処理で、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが内枠閉鎖コマンドでないと判定された場合には(S963:No)、開放された内枠12の閉鎖は行われていないので(内枠12は開放されたままであるので)、S964〜S966の処理をスキップして、S967の処理に移行する。
次に、S967の処理では、前面枠開放コマンド受信フラグ223bが前面枠開放コマンドを受信したことを示すオンであるか否かが判定される(S967)。前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオンであれば(S967:Yes)、音声ランプ制御装置113は、この時点までは、主制御装置110からの前面枠開放コマンドを受信しているものの、主制御装置110からの前面枠閉鎖コマンドは受信していない。つまり、この時点までは、前面枠14は開放されていると判定される。よって、前面枠14が引き続き開放された状態であるかを判定するため(この時点の後に、前面枠14が閉鎖されていないかを判定するため)、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠閉鎖コマンドであるか否かが判定される(S968)。
コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠閉鎖コマンドであると判定された場合には(S968:Yes)、開放されていた前面枠14が閉鎖され、主制御装置110から前面枠閉鎖コマンドが送信されたということであるので、前面枠開放コマンド受信フラグ223aをオフして(S969)、前面枠開放報知処理を終了する(S970)。なお、S969の処理では、図示しないが、前面枠開放コマンド受信フラグ223aをオフした後に、表示制御装置114へ前面枠閉鎖コマンドを1回送信している。この前面枠閉鎖コマンドが表示制御装置114により受信されると、第3図柄表示装置81により実行されていた前面枠14の開放表示が終了する。
S970の処理後、コマンド受信メモリ223cに記憶された前面枠閉鎖コマンドをクリアして(S971)、この扉開放報知処理を終了する。
なお、S967の処理で、前面枠開放コマンド受信フラグ223bがオフであると判定された場合には(S967:No)、前面枠開放コマンドは受信されておらず、前面枠14は開放されていないので(前面枠14は閉鎖されているので)、S968〜S971の処理をスキップして、この扉開放報知処理を終了する。
また、S968の処理で、コマンド受信メモリ223cに記憶されているコマンドが前面枠閉鎖コマンドでないと判定された場合には(S968:No)、開放された前面枠14の閉鎖は行われていないので(前面枠14は開放されたままであるので)、S969〜S971の処理をスキップして、この扉開放報知処理を終了する。
このように、扉開放報知処理(S818)においては、音声ランプ制御装置113は、外部割込み処理(図66参照)で内枠開放コマンドを受信した場合には、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S952)、内枠開放報知処理を開始する(S953)。この内枠開放報知処理(S953)は、開放された内枠12が閉鎖されるまで継続して行われるので、内枠12が開放中であることを不特定多数の者(遊技者や店員等)に報知することができる。同様に、音声ランプ制御装置113は、外部割込み処理(図66参照)で前面枠開放コマンドを受信した場合には、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠開放コマンドを受信したことを示すオンにして(S958)、前面枠開放報知処理を開始する(S959)。この前面枠開放報知処理(S959)も、開放された前面枠14が閉鎖されるまで継続して行われるので、前面枠14が開放中であることを不特定多数の者に報知することができる。
また、扉開放報知処理(S818)においては、音声ランプ制御装置113は、外部割込み処理(図66参照)で内枠閉鎖コマンドを受信した場合には、内枠開放コマンド受信フラグ223aを、内枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S964)、実行していた内枠開放報知処理を終了する(S965)。同様に、音声ランプ制御装置113は、外部割込み処理(図66参照)で前面枠閉鎖コマンドを受信した場合には、前面枠開放コマンド受信フラグ223bを、前面枠閉鎖コマンドを受信したことを示すオフにして(S969)、実行していた前面枠開放報知処理を終了する(S970)。
上述した通り、第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12が開放されると、内枠用枠開放検出回路290によりその開放を検出し、その検出に伴って、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ内枠開放コマンドを1回送信する。同様に、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、前面枠14が開放されると、前面枠用枠開放検出回路292によりその開放を検出し、その検出に伴って、主制御装置110は、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ前面枠開放コマンドを1回送信する。
このように、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放に伴い、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信する。よって、内枠12または前面枠14が開放されると、その開放期間中、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信される第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
また、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110のメイン処理内で4m秒毎に繰り返し音声ランプ制御装置113へ送信する第4実施形態のパチンコ機500に対して、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が開放された場合に、内枠開放コマンドまたは前面枠開放コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信しているので、主制御装置110のメイン処理内の繰り返し周期(4m秒毎)を把握不能にしている。これにより、主制御装置110のメイン処理内で繰り返し行われる大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期も把握不能となる。よって、第9実施形態のパチンコ機によれば、第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期を不正に取得する、例えば、ぶら下げ基板を使用した不正行為を困難にすることができる。
更に、第9実施形態のパチンコ機によれば、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された内枠12が閉鎖されると、内枠用枠開放検出回路290によりその閉鎖を検出し、主制御装置110は、その検出に伴い、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ内枠閉鎖コマンドを1回送信する。同様に、このパチンコ機への電源供給が行われ、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された前面枠14が閉鎖されると、前面枠用枠開放検出回路292がその閉鎖を検出し、主制御装置110は、その検出に伴い、メイン処理内で音声ランプ制御装置113へ前面枠閉鎖コマンドを1回送信する。
このように、第9実施形態のパチンコ機では、開放された内枠12または開放された前面枠14が閉鎖されると、その閉鎖に伴い、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信する。よって、開放された内枠12または開放された前面枠14が閉鎖されると、その閉鎖期間中、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信される第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110のコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
また、内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110のメイン処理内で4m秒毎に繰り返し音声ランプ制御装置113へ送信する第4実施形態のパチンコ機500に対して、第9実施形態のパチンコ機では、内枠12または前面枠14が閉鎖された場合に、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ1回だけ送信しているので、主制御装置110のメイン処理内の繰り返し周期(4m秒毎)を把握不能にしている。これにより、主制御装置110のメイン処理内で繰り返し行われる大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期も把握不能となる。よって、第9実施形態のパチンコ機によれば、第1当たり乱数カウンタC1等の更新周期を不正に取得する、例えば、ぶら下げ基板を使用した不正行為を困難にすることができる。
なお、第9実施形態のパチンコ機は、第4実施形態のパチンコ機500と同様に、例えば、遊技場の営業時間が終了してパチンコ機への電源供給が遮断され、直流電源DC1から12ボルトの直流電圧が供給されていない場合、即ち、主制御装置110の制御が停止している場合であっても、内枠12または前面枠14の何れかが開放されると、ホールコンピュータ262にパルス信号を別々に出力することができる。よって、ホールコンピュータ262に記憶されたパルス信号により、内枠12の開放があったのか、前面枠14の開放があったのか、または両方の開放があったのかを特定することができる。
また、第9実施形態のパチンコ機においては、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へは、前述の通り、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンド、前面枠閉鎖コマンドに加え、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が送信される。第9実施形態のパチンコ機では、これらの変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等は、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドおよび前面枠閉鎖コマンドと同様、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へバスラインBL1を介して1回だけ送信されるように構成されている。そして、第9実施形態のパチンコ機では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンド等に合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へストローブ信号SG3がバスラインBL2を介して送信されるように構成されている。
この構成は具体的には、音声ランプ制御装置113へ送信されるコマンド(変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等)に応じて、扉コマンド送信処理の例えばS231〜S240の各処理(図64参照)の概念を用いた新たな処理を扉コマンド送信処理(図64参照)に追加している。
ここで、変動パターンコマンドの送信について一例を述べる。なお、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等の送信については、変動パターンコマンドの送信と同様の構成にすれば良いので、その説明を省略する。変動パターンコマンドの送信については、まず、変動パターンコマンドが送信されたか否かを示す変動パターンコマンド送信カウンタがRAM203内に設けられている。そして、図64に示す扉コマンド送信処理(S222)には、例えば、S261またはS271の処理の実行後に、S231の処理の概念を用いた「変動パターンコマンド送信カウンタは「0(ゼロ)」か否か」の判定処理が設けられている。その処理の後に、扉コマンド送信処理には、S232の処理の概念を用いた「変動パターンコマンドの送信開始」の処理が設けられている。更に、その処理の後に、扉コマンド送信処理には、S233〜236の処理をそのまま用いた処理が設けられている。その処理の後に、扉コマンド送信処理には、S237の処理の概念を用いた「変動パターンコマンド送信開始から1m秒が経過したか否か」の判定処理が設けられている。その処理の後に、扉コマンド送信処理には、S238の処理の概念を用いた「変動パターンコマンドの送信終了」の処理が設けられている。そして、その処理の後に、扉コマンド送信処理には、S239の処理の概念を用いた「変動パターンコマンド送信カウンタを1カウントアップする」処理が設けられている。また、先に送信した変動パターンコマンドとは異なる変動パターンコマンドを送信する場合には、その送信の前に、変動パターンコマンド送信カウンタを「0(ゼロ)」に設定する処理(S240の処理の概念を用いた処理)が扉コマンド送信処理に設けられている。
上記の構成により、第9実施形態のパチンコ機では、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へバスラインBL1を介して1回だけ送信されると共に、送信されるコマンドに合わせて、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へストローブ信号SG3がバスラインBL2を介して送信されるのである。
また、第9実施形態のパチンコ機においては、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へ、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドがストローブ信号SG3なしで送信されたが、これに限られるものではない。内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドおよび前面枠閉鎖コマンドを、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する場合と同様、S952の処理で内枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信する場合、S958の処理で前面枠開放コマンドを表示制御装置114へ送信する場合、S964の処理で内枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信する場合およびS969の処理で前面枠閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信する場合には、音声ランプ制御装置113は、送信するコマンドに合わせてストローブ信号SG3を表示制御装置114へ送信しても良い。
この場合には、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225から表示制御装置114の入力ポート237へストローブ信号SG3を送信するバスラインを新たに設けると共に、音声ランプ制御装置113で実行されるS952,S958,S964およびS969の各処理の後に、表示制御装置114へ、ストローブ信号SG3と共に、内枠開放コマンド、前面枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを送信する扉コマンド送信処理(S222,図64参照)が実行されるように、扉開放報知処理(S818,図67参照)の処理構成を変更すれば良い。なお、扉開放報知処理(S818)をこの処理構成とした場合には、扉コマンド送信処理内で、内枠開放コマンド、前面枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンドおよび前面枠閉鎖コマンドが表示制御装置114へ送信されるので、S952,S958,S964およびS969の各処理内で、これらのコマンドを表示制御装置114へ送信する必要はない。これにより、音声ランプ制御装置113は、内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドの送信に合わせて、ストローブ信号SG3を表示制御装置114へ送信することができる。なお、この構成の場合には、表示制御装置114は、ストローブ信号SG3を受信すると、音声ランプ制御装置113から送信された内枠開放コマンド、内枠閉鎖コマンド、前面枠開放コマンドまたは前面枠閉鎖コマンドを受信開始するように構成する。
なお、第9実施形態のパチンコ機は、第4実施形態のパチンコ機500を変更したものであるが、第9実施形態のパチンコ機を、第5実施形態のパチンコ機600に適用しても良い。また、第9実施形態のパチンコ機を、第6実施形態のパチンコ機10x、第7実施形態のパチンコ機および第8実施形態のパチンコ機に適用しても良い。
ここで、代表例として、第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用する場合について説明する。なお、第7実施形態のパチンコ機および第8実施形態のパチンコ機に対して第9実施形態のパチンコ機を適用する場合については、第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用する場合の構成と同様の構成にすれば良いので、その説明を省略する。また、第9実施形態のパチンコ機を、第5実施形態のパチンコ機600に適用する場合には、第4実施形態のパチンコ機500に行った変更と同一の変更を行えば良いので、その説明を省略する。
第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用する場合には、まず、図42に示すパチンコ機10xの電気的構成を示すブロック図において、主制御装置110xの入出力ポート205xに、音声ランプ制御装置113xの入出力ポート225xへストローブ信号を送信するバスラインBL2x(図示せず)を接続する(追加する)。これにより、オン中枠開放コマンドまたはオン中枠閉鎖コマンドが主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへバスライン(バスラインBL2xとは異なる)を介して送信開始されると、これに合わせ、ストローブ信号が主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへバスラインBL2xを介して出力される。
更に、主制御装置110xのRAM203x(図42参照)にオン中枠開放コマンド送信カウンタおよびオン中枠閉鎖コマンド送信カウンタを設ける。また、音声ランプ制御装置113xのRAM223x(図42参照)にコマンド受信メモリを設ける。
オン中枠開放コマンド送信カウンタは、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、その開放に伴って、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへオン中枠開放コマンドが1回送信されたか否かをカウントするカウンタである。このオン中枠開放コマンド送信カウンタは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている間に、内枠12xまたは前面枠14xが開放され、主制御装置110xによりオン中枠開放コマンドが1回送信されると、オン中枠開放コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。一方、オン中枠開放コマンド送信カウンタは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている間に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖され、主制御装置110xによりオン中枠閉鎖コマンドが1回送信されると、再び「0(ゼロ)」に設定される。
オン中枠閉鎖コマンド送信カウンタは、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖され、その閉鎖に伴って、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへオン中枠閉鎖コマンドが1回送信されたか否かをカウントするカウンタである。このオン中枠閉鎖コマンド送信カウンタは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖され、主制御装置110xによりオン中枠閉鎖コマンドが1回送信されると、オン中枠閉鎖コマンドが既に1回送信済みであることを示す「1」に設定される。一方、オン中枠閉鎖コマンド送信カウンタは、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている間に、閉鎖された内枠12xまたは閉鎖された前面枠14xが開放され、主制御装置110xによりオン中枠開放コマンドが1回送信されると、オン中枠開放コマンド送信カウンタとは逆に、オン中枠閉鎖コマンドが未送信であることを示す「0(ゼロ)」に設定される。
コマンド受信メモリは、バスラインを介して主制御装置110xから送信された各種コマンドを記憶するメモリである。このコマンド受信メモリには、オン中枠開放コマンド、オン中枠閉鎖コマンド、オフ中枠開放コマンドに加え、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が記憶される。なお、音声ランプ制御装置113xのMPU221xは、コマンド受信メモリに記憶されたコマンドを解読し、解読したコマンドに応じた制御を行う。
次に、図48に示す主制御装置110xのMPU201xで実行されるメイン処理を変更する。図48に示すメイン処理においては、S214xで「Yes」と判定されてS201xへ処理が移行する前の実行位置に、オン中枠開放コマンド送信カウンタを「0(ゼロ)」に設定すると共に、オン中枠閉鎖コマンド送信カウンタを「1」に設定する処理を追加する(図63のS221の処理が実行される位置と同じ位置にこの処理を追加する)。更に、図48に示すメイン処理内のS207x,S208xおよびS209xの各処理を削除する。このとき、S204xの処理で「No」と判定された場合には、S210xの処理へ移行するように処理構成を変更する。そして、S219xまたはS220xの処理の後に、図64に示す扉コマンド送信処理(S222)を追加する。このとき、S222の処理後にはS213xへ処理が移行するように処理構成を変更する。
そして、図48に示すメイン処理に、図64に示す扉コマンド送信処理(S222)を追加した後で、図64に示す扉コマンド送信処理に以下の処理構成の変更を行う。まず、図64に示すS251〜S271の処理を削除して、削除せずに残ったS230〜S250の処理が実行されるように処理構成を変更する。そして、S230の処理に記載された「内枠開放フラグ」を「オン中枠開放フラグ(203bx)」に変更する。また、S231,S239およびS250の処理に記載された「内枠開放コマンド送信カウンタ」を「オン中枠開放コマンド送信カウンタ」に変更する。また、S232,S237およびS238の処理に記載された「内枠開放コマンド」を「オン中枠開放コマンド」に変更する。
加えて、S240,S241およびS249の処理に記載された「内枠閉鎖コマンド送信カウンタ」を「オン中枠閉鎖コマンド送信カウンタ」に変更する。また、S242,S247およびS248の処理に記載された「内枠閉鎖コマンド」を「オン中枠閉鎖コマンド」に変更する。なお、その他の処理(S233〜S236およびS243〜S246)は、図64に示す扉コマンド送信処理(S222)に記載された処理をそのまま使用する。
次に、図55に示す音声ランプ制御装置113xのMPU221xで実行されるメイン処理を変更する。図55に示す音声ランプ制御装置113xのメイン処理においては、まず、S1111xの処理を、図66に示す外部割込み処理に変更する。なお、S1111xと変更を行う、外部割込み処理の処理内容は変更せず、図66に示す処理をそのまま使用する。
最後に、図56に示す扉開放報知処理(S1113x)においては、この扉開放報知処理内(S1113x)にあるS1201x,S1203xおよびS1205xの各処理に記載された「S1111xの処理で受信したコマンド」を「コマンド受信メモリに記憶されているコマンド」に変更する。なお、コマンド受信メモリにオフ中枠開放コマンドが記憶されたときに、これをコマンド受信メモリから消去する処理が図示されていないが、オフ中枠開放コマンドをコマンド受信メモリから消去する方法については次の構成にすれば良い。即ち、主制御装置110xの立ち上げ処理でオフ中枠開放フラグ203axがオフされた場合には(図47のS116xの処理参照)、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへオフ中枠開放フラグ203axがオフになったことを示すコマンドを送信する。そして、音声ランプ制御装置113xは、そのコマンドを受信した場合に、コマンド受信メモリからオフ中枠開放コマンドを消去するように構成すれば良い。これにより、オフ中枠開放フラグ203axがオフされた場合にのみ、コマンド受信メモリからオフ中枠開放コマンドを消去して、音声出力装置226xおよびランプ表示装置227xで行われていた報知を終了させることができる。なお、オン中枠開放コマンドまたはオン中枠閉鎖コマンドのいずれかがコマンド受信メモリに記憶された場合には、コマンド受信メモリに記憶されたコマンドと逆のコマンドが受信される度に、コマンド受信メモリに記憶される内容が変更されるので(コマンド受信メモリに記憶されたオン中枠開放コマンドまたはオン中枠閉鎖コマンドのいずれかは消去されるので)、コマンド受信メモリからオン中枠開放コマンドまたはオン中枠閉鎖コマンドを消去する方法については特に考慮する必要はない。
上述した変更を第6実施形態のパチンコ機10xに適用することで、第6実施形態のパチンコ機10xにおいても、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、枠開放検出回路260xによりその開放を検出し、その検出に伴って、主制御装置110xは、メイン処理内で音声ランプ制御装置113xへオン中枠開放コマンドを1回送信することができる。また、パチンコ機10xへの電源供給が行われ、直流電源DC1xから12ボルトの直流電圧が供給されている場合に、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖されると、枠開放検出回路260xによりその閉鎖を検出し、主制御装置110xは、その検出に伴い、メイン処理内で音声ランプ制御装置113xへオン中枠閉鎖コマンドを1回送信することができる。
よって、内枠12xまたは前面枠14xが開放されると、または、開放された内枠12xまたは開放された前面枠14xが閉鎖されると、その期間中、オン中枠開放コマンドまたはオン中枠閉鎖コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信される第4実施形態のパチンコ機500と比較して、第9実施形態のパチンコ機を適用した第6実施形態のパチンコ機10xでは、主制御装置110xのコマンド送信回数を低減して、メイン処理での処理負担を軽減することができる。
なお、第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用する場合においては、オン中枠開放コマンドとオン中枠閉鎖コマンドとをストローブ信号と共に、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへバスラインを介して1回だけ送信する説明を行ったが、これに限らず、オフ中枠開放コマンドについても、ストローブ信号と共に、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへバスラインを介して1回だけ送信する構成としても良いことは言うまでもない。
また、第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用した場合においては、第9実施形態のパチンコ機と同様に、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへ、オン中枠開放コマンド、オン中枠閉鎖コマンド、オフ中枠開放コマンドに加え、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が送信される。第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用した場合には、これらの変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等は、オン中枠開放コマンド、オン中枠閉鎖コマンドと同様、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへバスラインを介して1回だけ送信されるように構成されている。そして、第9実施形態のパチンコ機を第6実施形態のパチンコ機10xに適用した場合には、主制御装置110xから送信される各種コマンドに合わせて、主制御装置110xから音声ランプ制御装置113xへストローブ信号がバスラインBL2x(図示せず)を介して送信されるように構成されている。なお、この場合の具体的な構成については、第9実施形態のパチンコ機で説明した通りであるので、その説明を省略する。
以上、各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1実施形態から第5実施形態、および第9実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、例えば、上記第6実施形態から第8実施形態では、主制御装置110xから各コマンドが音声ランプ制御装置113xに対して送信され、その音声ランプ制御装置113xから表示制御装置114xに対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110xから表示制御装置114xに直接コマンドを送信するものとしても良い。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成しても良い。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしても良い。
また、上記第1実施形態から第5実施形態、および第9実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記第6実施形態から第8実施形態においては、第1入球口64xへの入賞および第2入球口67xの通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64xへの入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81xの一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37xとは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81(第3図柄表示装置81x)の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、初期状態にあれば、その初期状態から規定時間までの動作によって、前記扉体の開放期間に拘らず予め定められた出力期間となる信号を出力する期間調整手段と、その期間調整手段により出力される信号に基づいて、前記扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段と前記期間調整手段とに電力を供給して動作させる電源手段とを備え、前記扉開放検出手段は、前記扉体の閉鎖を検出した場合に前記期間調整手段を初期状態にする初期化手段を備え、前記電源手段は、前記遊技機の電源がオフされている場合に前記出力手段と前記期間調整手段とに電力を供給して動作させるオフ中動作手段を備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出された場合に、期間調整手段は、初期状態から規定時間までの動作により、扉体の開放時間に拘らず予め定められた出力期間となる信号を出力する。すると、出力手段は、期間調整手段から出力される信号に基づいて、検出結果を特定装置へ出力する。ここで、期間調整手段により出力される信号の出力期間は、初期状態から規定時間までの期間調整手段の動作によって決定される。扉体の開放時間に拘らず予め定められた出力期間となる信号を期間調整手段に出力させるために、初期化手段は、扉開放検出手段が扉体の閉鎖を検出した場合に、期間調整手段を初期状態にする。よって、期間調整手段は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合には、常に初期状態から動作することができる。従って、扉開放検出手段により扉体の開放が検出される度に、期間調整手段を正常且つ安定して初期状態から規定時間まで動作させることで、期間調整手段に予め定められた出力期間となる信号を正常且つ安定して出力させ、出力手段から特定装置へ正常且つ安定して検出結果を出力させることができる。
また、遊技機A1によれば、遊技機の電源がオンされている状態に加え、遊技機の電源がオフされ制御手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、オフ中動作手段によって出力手段と期間調整手段とに電源が供給される。よって、遊技機の電源がオフされ制御手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、期間調整手段により予め定められた出力期間となる信号が出力され、その出力された信号に基づき出力手段は検出結果を特定装置へ出力する。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
なお、扉体と本体とにより形成される空間内とは、扉体の閉鎖時に手を触れることができない扉体の背面または背面側(本体の背面側も含む)を示している。また、複数の遊技機毎に設けられた出力手段から出力される検出結果を1の特定装置で受信しても良いし、遊技機毎に特定装置を設け、その特定装置を各遊技機に配設しても良い。特定装置を各遊技機に配設する場合には、ボックスベースと、そのボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを互いに連結させて、そのボックスカバーとボックスベースとにより形成される空間内に特定装置を収納する。そして、ボックスカバーとボックスベースとを封印ユニットにより開封不能に連結する。更に、ボックスカバーとボックスベースとの連結部には、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シールを貼着する。その上で、扉体の背面または背面側に特定装置を配設すれば良い。
遊技機A1において、前記扉開放検出手段は、前記扉体の閉鎖を検出した場合に前記電源手段による前記期間調整手段への電力供給を停止する停止手段を備えていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、停止手段は、期間調整手段への電源手段による電力供給を停止する。よって、停止手段により期間調整手段の動作を停止させた状態で、初期化手段により期間調整手段を初期状態にすることができる。従って、期間調整手段を正常且つ安定して初期状態とすることができる。
遊技機A1またはA2において、前記期間調整手段は、電荷を蓄える蓄電手段を用いて構成されており、前記電源手段により初期状態から規定時間までに供給される電力によって前記蓄電手段に蓄えられた電荷に伴い発生する電圧を前記予め定められた出力期間となる信号として出力するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、期間調整手段を構成する蓄電手段へ初期状態から規定時間までに電源手段からの電力が供給されると、蓄電手段には電荷が蓄えられる。この蓄電手段に蓄えられた電荷に伴い発生する電圧を、期間調整手段は、予め定められた出力期間となる信号として出力する。このように、蓄電手段により期間調整手段を構成することで、期間調整手段を複雑な回路とすることなく、簡単な構成で、予め定められた出力期間となる信号を出力することができる。
遊技機A3において、前記初期化手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の閉鎖が検出された場合に、前記期間調整手段を構成する蓄電手段に蓄えられた電荷を放電することで前記蓄電手段を初期状態にする放電手段を備えていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、放電手段は、期間調整手段を構成する蓄電手段に蓄えられた電荷を放電する。よって、扉体開放検出手段が扉体の開放を検出したときに蓄電手段に蓄えられた電荷を、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合に、放電手段によって放電してゼロにすることができる。これにより、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合には、蓄電手段により構成された期間調整手段は常に初期状態から動作することができる。従って、扉開放検出手段により扉体の開放が検出される度に、期間調整手段を正常且つ安定して初期状態から規定時間まで動作させることで、期間調整手段に予め定められた出力期間となる信号を正常且つ安定して出力させ、出力手段から特定装置へ正常且つ安定して検出結果を出力させることができる。なお、蓄電手段の放電方法としては、蓄電手段をグランドに短絡することが例示される。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記停止手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の閉鎖が検出された場合に、前記電源手段と期間調整手段との電気的接続を解除する解除手段を備えていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、電源手段と期間調整手段との電気的接続が解除手段によって解除される。よって、解除手段により期間調整手段への電力供給を停止させた状態で、初期化手段または放電手段により期間調整手段を初期状態にすることができる。従って、期間調整手段を正常且つ安定して初期状態とすることができる。
遊技機A5において、前記初期化手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記期間調整手段を構成する蓄電手段とグランドとの前記放電手段による短絡を解除する放電解除手段を備え、前記停止手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記電源手段と期間調整手段との前記解除手段による電気的接続の解除を停止して、前記電源手段による期間調整手段への電力供給を再開する電力供給再開手段を備えており、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合には、前記電力供給再開手段は、前記期間調整手段を構成する蓄電手段とグランドとの放電手段による短絡が前記放電解除手段により解除された後に、前記電源手段と期間調整手段との解除手段による電気的接続の解除を停止して、前記電源手段による期間調整手段への電力供給を再開し、前記扉開放検出手段により前記扉体の閉鎖が検出された場合には、前記放電手段は、前記電源手段と期間調整手段との電気的接続が前記解除手段により解除された後に、前記期間調整手段を構成する蓄電手段をグランドに短絡して、その蓄電手段に蓄えられた電荷を放電することを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合には、電力供給再開手段は、まず、期間調整手段を構成する蓄電手段とグラントとの短絡を放電解除手段に解除させてから、電源手段から期間調整手段への電力供給を再開させる。一方、扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合には、放電手段は、まず、電源手段と期間調整手段との電気的接続を解除手段に解除させてから、期間調整手段を構成する蓄電手段をグランドに短絡して、蓄電手段に蓄えられた電荷を放電させる。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合と扉開放検出手段により扉体の閉鎖が検出された場合とのいずれの場合にも、電源手段とグランドとが短絡することはない。従って、電源手段とグランドとが短絡することに起因する電源手段等の破損を確実に防止することができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段を備え、前記オフ中動作手段は、前記出力手段と前記期間調整手段とに加えて、前記出力期間制限手段にも電力を供給して動作させるように構成されていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段および期間調整手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記オフ中動作手段は、前記遊技機の電源から供給される電力により充電可能に構成されていることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、オフ中動作手段は、遊技機の電源オン中に、その遊技機に供給される電力によって充電されるので、遊技機の電源を遊技場の営業時間に合わせてオンするだけで、オフ中動作手段を充電することができる。よって、遊技場の閉店後の遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放があった場合には、オフ中動作手段により出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)を動作させて、扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ報せることができる。
遊技機A7またはA8において、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記所定期間中に前記出力手段への出力を行うことを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、出力期間制限手段からの出力に基づいて特定装置へ検出結果を出力する出力手段へは、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合の所定期間中に、出力期間制限手段によって出力が行われる。よって、出力期間制限手段による出力手段への出力動作を、扉体の1回の開放につき、所定期間以内に留めることができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機A9において、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されない場合には、前記出力手段への出力を停止することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、特定装置へ検出結果を出力する出力手段への出力期間制限手段の出力は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、停止される。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、出力期間制限手段の出力動作に伴って消費される電力を抑制することができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機A7からA10のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、単安定マルチバイブレータを用いて構成され、その単安定マルチバイブレータへ前記期間調整手段により出力される信号の出力期間は、前記扉体の開放期間に拘らず前記所定期間よりも短い期間に設定されていることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段に入力される信号は、期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力手段による1回の出力期間である所定期間よりも短く調整される。ここで、単安定マルチバイブレータは、出力される信号の出力期間よりも、入力される信号の入力期間が短くなければ、信号を出力し続ける。このため、単安定マルチバイブレータを出力期間制限手段に用いた場合には、出力される信号の出力期間よりも、即ち、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間が、即ち、扉体の開放期間が短くなければならない。しかし、扉体の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、扉体の開放期間が常に短くなるようにするには、所定期間の設定を十分に余裕を持った期間にする必要がある。例えば、扉体の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、出力期間制限手段が制限する所定期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この所定期間中、出力期間制限手段および出力手段にオフ中動作手段から電力供給が行われ続けるので、オフ中動作手段の消耗が著しくなってしまう。よって、出力期間制限手段に単安定マルチバイブレータを使用した上でオフ中動作手段の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。しかし、遊技機A11によれば、期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。よって、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段を正常に動作させることができるので、出力手段による1回の出力期間を出力期間制限手段により所定期間内に留めることができる。このように、遊技機A11によれば、期間調整手段を設けることで、オフ中動作手段の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、単安定マルチバイブレータを用いて出力期間制限手段を実現することができる。
遊技機A1からA11のいずれかにおいて、前記出力手段は、前記制御手段とは別の基板に搭載されていることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A1からA12のいずれかにおいて、前記出力手段は、フォトカプラを備えており、前記扉開放検出手段による検出結果を、そのフォトカプラの出力により前記特定装置へ出力することを特徴とする遊技機A13。
遊技機A1からA13のいずれかにおいて、前記出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)は、前記制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されていることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)は、制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されているので、オフ中動作手段の充電量が減少して、オフ中動作手段の出力電圧が制御手段の動作電圧より低くなっても、出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)を動作させて、扉体の開放を特定装置へ報せることができる。即ち、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機A1からA14のいずれかにおいて、前記出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)は、その動作可能範囲電圧が前記制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されていることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)は、その動作可能範囲電圧が制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されている。よって、遊技機の電源オフ時において、オフ中動作手段によって、出力手段および期間調整手段(更には、出力期間制限手段)を長時間動作させることができるので、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機A7からA15のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されていることを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されている。ここで、C−MOS半導体は、一般的に動作時の消費電力が小さい。よって、遊技機A16によれば、オフ中動作手段の消耗を小さくして、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機A1からA16のいずれかにおいて、前記期間調整手段は、積分回路を用いて構成されていることを特徴とする遊技機A17。
遊技機A17によれば、積分回路を用いて期間調整手段を構成しているので、複雑な回路や信号処理を用いることなく、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。また、積分回路に用いられる抵抗の抵抗値とコンデンサの容量値とを調整することで、期間制限手段が出力する信号の出力期間を所定期間内で自由に調整することができる。
遊技機A1からA17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A18。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA17のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A19。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A20。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、遊技機A1〜A20において、遊技機にはパチンコ機10が対応し、本体には外枠11が対応し、扉体には内枠12と前面枠14とが対応し、制御手段には主制御装置110が対応する。また、期間調整手段には積分回路281が対応し、出力手段には内枠用枠開放検出回路300、内枠用端子板出力回路300a、内枠用外部出力端子板291、前面枠用枠開放検出回路302、前面枠用端子板出力回路302a、前面枠用外部出力端子板293およびフォトカプラPR1が対応する。また、電源手段にはコンデンサCD1と直流電源DC1が対応し、オフ中動作手段にはコンデンサCD1が対応し、出力期間制限手段にはタイマIC1が対応し、扉開放検出手段、停止手段、解除手段、電力供給再開手段、初期化手段、放電手段および放電解除手段にはスイッチSW3AとスイッチSW4Aとが対応する。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段とを備え、その出力手段は、前記遊技機の電源がオフされて前記制御手段が停止している場合に、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機の電源がオフされ制御手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記所定期間中に前記出力手段への出力を行うことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、出力期間制限手段からの出力に基づいて特定装置へ検出結果を出力する出力手段へは、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合の所定期間中に、出力期間制限手段によって出力が行われる。よって、出力期間制限手段による出力手段への出力動作を、扉体の1回の開放につき、所定期間以内に留めることができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、その出力期間制限手段と前記出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備え、前記出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されない場合には、前記出力手段への出力を停止することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、特定装置へ検出結果を出力する出力手段への出力期間制限手段の出力は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、停止される。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、出力期間制限手段の出力動作に伴って消費される電力を抑制することができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段と、その出力期間制限手段に接続され、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記出力期間制限手段へ入力される信号を前記扉体の開放期間に拘らず前記所定期間よりも短い期間に調整する入力期間調整手段と、前記出力期間制限手段と出力手段とを前記遊技機の電源オフ中に動作させるオフ中動作手段とを備えていることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は出力手段によって特定装置へ出力される。出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段に入力される信号は、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力手段による1回の出力期間である所定期間よりも短く調整される。ここで、単安定マルチバイブレータは、出力される信号の出力期間よりも、入力される信号の入力期間が短くなければ、信号を出力し続ける。このため、単安定マルチバイブレータを出力期間制限手段に用いた場合には、出力される信号の出力期間よりも、即ち、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間が、即ち、扉体の開放期間が短くなければならない。しかし、扉体の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、扉体の開放期間が常に短くなるようにするには、所定期間の設定を十分に余裕を持った期間にする必要がある。例えば、扉体の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、出力期間制限手段が制限する所定期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この所定期間中、出力期間制限手段および出力手段にオフ中動作手段から電力供給が行われ続けるので、オフ中動作手段の消耗が著しくなってしまう。よって、出力期間制限手段に単安定マルチバイブレータを使用した上でオフ中動作手段の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。しかし、遊技機B5によれば、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。よって、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段を正常に動作させることができるので、出力手段による1回の出力期間を出力期間制限手段により所定期間内に留めることができる。このように、遊技機B5によれば、入力期間調整手段を設けることで、オフ中動作手段の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、単安定マルチバイブレータを用いて出力期間制限手段を実現することができる。
遊技機B5において、前記入力期間調整手段は、積分回路を用いて構成されていることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成しているので、複雑な回路や信号処理を用いることなく、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。また、積分回路に用いられる抵抗の抵抗値とコンデンサの容量値とを調整することで、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間を所定期間内で自由に調整することができる。
遊技機B5又はB6において、前記入力期間調整手段は、前記出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定化する定電圧手段を備えていることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、定電圧手段を設けているので、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にして、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めることができる。
また、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成している場合には、積分回路に用いるコンデンサに電荷が蓄えられ、この電荷による電圧が、出力期間制限手段へ入力される信号と重畳されて、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加される虞がある。しかし、遊技機7によれば、定電圧手段により、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にしているので、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧は出力期間制限手段に印加されない。よって、出力期間制限手段の破壊を防止することができる。
遊技機B7において、前記定電圧手段は、ツェナーダイオードで構成されていることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、ツェナーダイオードにより定電圧手段を構成しているので、複雑な回路により構成される定電圧回路等と比較して、簡単な構成且つ安価に、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にすることができる。よって、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードを用いて、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めつつ、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加されることを防止することができる。
遊技機B1からB8において、前記扉体は、前記本体に対して開閉される内枠と、その内枠に対して開閉される透明板支持扉とを有して構成され、前記扉開放検出手段は、その内枠と透明板支持扉とにそれぞれ設けられると共に、前記出力手段に並列接続されており、前記出力手段は、前記扉開放検出手段により前記内枠または透明板支持扉の少なくとも一方の開放が検出された場合に、その検出結果を前記特定装置へ出力することを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、扉開放検出手段は、内枠と透明板支持扉とにそれぞれ設けられると共に、出力手段に並列接続されているので、扉開放検出手段により内枠または透明板支持扉の少なくとも一方の開放が検出された場合には、出力手段によって、その検出結果が特定装置へ出力される。よって、扉体を構成する内枠または透明板支持扉のいずれか一方の開放であっても、1の出力手段によって、その開放を特定装置へ報せることができる。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記扉開放検出手段は、前記扉体が開放されている場合には導通される一方、前記扉体が閉鎖されている場合には遮断されるように構成されていることを特徴とする遊技機B10。遊技機B10によれば、扉開放検出手段は、扉体が開放されている場合には導通され、一方、扉体が閉鎖されている場合には遮断されるので、不正行為の実行時である扉体の開放中にのみ出力手段を動作させて、電力消費を小さく抑えることができる。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、前記遊技機の電源オン中に充電されるオフ中動作手段を備えており、前記出力手段は、そのオフ中動作手段に充電された電荷または電力によって動作することを特徴とする遊技機B11。遊技機B11によれば、オフ中動作手段は、遊技機の電源オン中に、その遊技機に供給される電力によって充電されるので、遊技機の電源を遊技場の営業時間に合わせてオンするだけで、オフ中動作手段を充電することができる。よって、遊技場の閉店後の遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放があった場合には、オフ中動作手段により出力手段(および出力期間制限手段)を動作させて、扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ報せることができる。
遊技機B1からB11のいずれかにおいて、前記制御手段は、遊技の主な制御を行う主制御手段を備え、前記出力手段は、その主制御手段に搭載されていることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B1からB11のいずれかにおいて、前記出力手段は、前記制御手段とは別の基板に搭載されていることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B1からB13のいずれかにおいて、前記出力手段は、フォトカプラを備えており、前記扉開放検出手段による検出結果を、そのフォトカプラの出力により前記特定装置へ出力することを特徴とする遊技機B14。
遊技機B2からB14のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記出力手段とは、前記制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されていることを特徴とする遊技機B15。遊技機B15によれば、出力期間制限手段と出力手段とは、制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されているので、オフ中動作手段の充電量が減少して、オフ中動作手段の出力電圧が制御手段の動作電圧より低くなっても、出力期間制限手段および出力手段を動作させて、扉体の開放を特定装置へ報せることができる。即ち、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機B2からB15のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記出力手段とは、その動作可能範囲電圧が前記制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されていることを特徴とする遊技機B16。遊技機B16によれば、出力期間制限手段と出力手段とは、その動作可能範囲電圧が制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されている。よって、遊技機の電源オフ時において、オフ中動作手段によって出力期間制限手段と出力手段とを長時間動作させることができるので、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機B2からB16のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されていることを特徴とする遊技機B17。遊技機B17によれば、出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されている。ここで、C−MOS半導体は、一般的に動作時の消費電力が小さい。よって、遊技機B17によれば、オフ中動作手段の消耗を小さくして、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機B1からB17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B18。
遊技機B1からB17のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B19。
遊技機B1からB17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B20。
なお、遊技機B1〜B20において、遊技機にはパチンコ機10が対応し、本体には外枠11が対応し、扉体には内枠12と前面枠14とが対応し、透明板支持扉には前面枠14が対応する。また、制御手段には主制御装置110が対応し、出力手段には枠開放検出回路260,270,280と外部出力端子板261とフォトカプラPR1とが対応し、入力期間調整手段には積分回路281が対応し、オフ中動作手段にはコンデンサCD1,CD6が対応する。また、定電圧手段にはツェナーダイオードD3が対応し、出力期間制限手段にはタイマIC1が対応し、扉開放検出手段にはスイッチSW1とスイッチSW2とが対応する。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段と、その制御手段の制御により報知を行う報知手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を前記制御手段へ出力して前記報知手段による報知を実行させると共に、前記検出結果を特定装置へ出力する出力手段を備え、その出力手段は、前記遊技機の電源がオンされて前記制御手段による制御が行われている場合に、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力し、前記遊技機の電源がオフされて前記制御手段による制御が行われていない場合にも、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力するように構成されていることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機の電源がオンされて制御手段の制御が行われている場合に、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、例えば、遊技機の電源がオンされている開店中に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、報知手段による報知によって扉体が開放された遊技機を判別することができると共に、特定装置によっても扉体が開放された遊技機を判別することができる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には制御手段の制御が停止しているが、この場合においても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されたとしても、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。従って、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、1の出力手段により特定装置へ検出結果を出力して、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
遊技機C1において、前記遊技機の電源がオンされている場合に前記出力手段に電力を供給して動作させる電源手段と、その電源手段とは別に設けられ、前記遊技機の電源がオフされている場合に前記出力手段に電力を供給して動作させるオフ中動作手段を備え、前記出力手段は、前記電源手段により供給される電力によって動作して前記扉開放検出手段による検出結果を前記制御手段へ出力する制御用出力手段と、前記電源手段またはオフ中動作手段により供給される電力によって動作して前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力する特定用出力手段とを備えていることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機の電源がオンされている場合には、制御用出力手段および特定用出力手段に電源手段により電力が供給される。これにより、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が制御用出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が特定用出力手段により特定装置へ出力される。よって、例えば、遊技機の電源がオンされている開店中に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、報知手段による報知によって扉体が開放された遊技機を判別することができると共に、特定装置によっても扉体が開放された遊技機を判別することができる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には、特定用出力手段にオフ中動作手段により電力が供給される。これにより、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が特定用出力手段により特定装置へ出力される。よって、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されたとしても、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。従って、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、特定用出力手段により特定装置へ検出結果を出力して、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
遊技機C2において、前記特定用出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段を備え、前記オフ中動作手段は、前記特定用出力手段に加えて、前記出力期間制限手段にも電力を供給して動作させるように構成されていることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、特定用出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた特定用出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による特定用出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機C2またはC3において、前記オフ中動作手段は、前記遊技機の電源から供給される電力により充電可能に構成されていることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、オフ中動作手段は、遊技機の電源オン中に、その遊技機に供給される電力によって充電されるので、遊技機の電源を遊技場の営業時間に合わせてオンするだけで、オフ中動作手段を充電することができる。よって、遊技場の閉店後の遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放があった場合には、オフ中動作手段により特定用出力手段および出力期間制限手段を動作させて、扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ報せることができる。
遊技機C2からC4のいずれかにおいて、前記電源手段から供給される電流を一方向に流すダイオードを備え、前記オフ中動作手段は、コンデンサまたは二次電池を用いて構成され、前記扉開放検出手段は、前記扉体が開放されている場合には導通される一方、前記扉体が閉鎖されている場合には遮断されるように構成されており、前記電源手段は、前記ダイオードのアノード端子と接続されており、そのダイオードのカソード端子は、前記オフ中動作手段の一端と接続されており、そのオフ中動作手段の他端は、接地されており、前記制御用出力手段は、前記電源手段およびダイオードのアノード端子と前記扉開放検出手段を介して接続されており、前記特定用出力手段は、前記ダイオードのカソード端子および前記オフ中動作手段の一端と前記扉開放検出手段を介して接続されていることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、制御用出力手段は、電源手段およびダイオードのアノード端子と接続されているので、遊技機の電源がオンされている場合に扉体が開放されると、扉開放検出手段が導通して制御用出力手段へ電源手段から電力が供給されて動作状態となる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には、電源手段による電力の供給は停止しているので、扉体が開放されて扉開放検出手段が導通しても、制御用出力手段へは電源手段から電力が供給されずに停止状態となる。これに対し、特定用出力手段は、オフ中動作手段およびダイオードのカソード端子と接続されているので、遊技機の電源がオンされている場合に扉体が開放されると、扉開放検出手段が導通して特定用出力手段へ電源手段から電力が供給されて動作状態となる。遊技機の電源がオフされている場合には、特定用出力手段への電源手段による電力供給が停止するが、扉体が開放されて扉開放検出手段が導通すると、オフ中動作手段により特定用出力手段へ電力が供給されるので、特定用出力手段は動作状態となる。ここで、遊技機の電源がオフされて、オフ中動作手段から特定用出力手段へ電力が供給されている場合には、制御用出力手段への電力供給をダイオードにより遮断することができる。これにより、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記扉体は、前記本体に対して開閉される内枠と、その内枠に対して開閉される透明板支持扉とを備え、前記扉開放検出手段は、前記内枠に設けられる内枠用扉開放検出手段と、前記透明板支持扉に設けられる透明板用扉開放検出手段とを備え、前記出力手段は、前記内枠用扉開放検出手段により前記内枠の開放が検出された場合に、その検出結果を前記制御手段へ出力して前記報知手段による報知を実行させると共に、前記検出結果を特定装置へ出力する第1出力手段と、前記透明板用扉開放検出手段により前記透明板支持扉の開放が検出された場合に、その検出結果を前記制御手段へ出力して前記報知手段による報知を実行させると共に、前記検出結果を特定装置へ出力する第2出力手段とを備えていることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機の電源がオンされて制御手段の制御が行われている場合に、内枠用扉開放検出手段によって内枠の開放が検出されると、その検出結果が第1出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が第1出力手段により特定装置へ出力される。同様に、遊技機の電源がオンされている場合に、透明板用扉開放検出手段によって透明板支持扉の開放が検出されると、その検出結果が第2出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が第2出力手段により特定装置へ出力される。一方、遊技機の電源がオフされている場合には制御手段の制御が停止しているが、この場合においても、内枠用扉開放検出手段によって内枠の開放が検出されると、その検出結果が第1出力手段により特定装置へ出力される。同様に、遊技機の電源がオフされている場合に、透明板用扉開放検出手段によって透明板支持扉の開放が検出されると、その検出結果が第2出力手段により特定装置へ出力される。このように、内枠が開放された場合に検出結果を出力する第1出力手段と、透明板支持扉が開放された場合に検出結果を出力する第2出力手段とを分けて設けている。よって、内枠または透明板支持扉のいずれか一方、若しくは両方が開放された場合に、いずれの開放があったのかを、報知手段による報知および特定装置によって判別することができる。
遊技機C3からC6のいずれかにおいて、前記特定用出力手段は、前記出力期間制限手段からの出力に基づいて前記特定装置へ検出結果を出力し、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記所定期間中に前記特定用出力手段への出力を行うことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果は特定用出力手段によって特定装置へ出力される。特定用出力手段は、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、遊技機の電源オフ中であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果を特定装置へ出力することができる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
しかも、特定用出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた特定用出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による特定用出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
更に、出力期間制限手段からの出力に基づいて特定装置へ検出結果を出力する特定用出力手段へは、扉開放検出手段により扉体の開放が検出された場合の所定期間中に、出力期間制限手段によって出力が行われる。よって、出力期間制限手段による特定用出力手段への出力動作を、扉体の1回の開放につき、所定期間以内に留めることができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機C7において、前記出力期間制限手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出されない場合には、前記特定用出力手段への出力を停止することを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、特定装置へ検出結果を出力する特定用出力手段への出力期間制限手段の出力は、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、停止される。よって、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されない場合には、出力期間制限手段の出力動作に伴って消費される電力を抑制することができる。従って、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できると共に、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機C3からC8のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、単安定マルチバイブレータを用いて構成されており、その単安定マルチバイブレータに接続されて、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記単安定マルチバイブレータへ入力する信号を前記扉体の開放時間に拘らず前記所定期間よりも短い期間に調整する入力期間調整手段を備えていることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、単安定マルチバイブレータを用いた出力期間制限手段に入力される信号は、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、特定用出力手段による1回の出力期間である所定期間よりも短く調整される。ここで、単安定マルチバイブレータは、出力される信号の出力期間よりも、入力される信号の入力期間が短くなければ、信号を出力し続ける。このため、単安定マルチバイブレータを出力期間制限手段に用いた場合には、出力される信号の出力期間よりも、即ち、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間が、即ち、扉体の開放期間が短くなければならない。しかし、扉体の開放期間はどの程度になるか全く予測不能であるので、出力期間制限手段が制限する所定期間よりも、扉体の開放期間が常に短くなるようにするには、所定期間の設定を十分に余裕を持った期間にする必要がある。例えば、扉体の開放期間が、数十秒単位から数分単位と予測すれば、出力期間制限手段が制限する所定期間は、十分に余裕を持って、数分単位から数十分単位に設定しなければならない。すると、この所定期間中、出力期間制限手段および特定用出力手段にオフ中動作手段から電力供給が行われ続けるので、オフ中動作手段の消耗が著しくなってしまう。よって、出力期間制限手段に単安定マルチバイブレータを使用した上でオフ中動作手段の消耗を抑制するためには、特殊な回路構成が必要であった。しかし、遊技機C9によれば、入力期間調整手段により、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。よって、扉体の開放期間に拘らず、出力期間制限手段を正常に動作させることができるので、特定用出力手段による1回の出力期間を出力期間制限手段により所定期間内に留めることができる。このように、遊技機C9によれば、入力期間調整手段を設けることで、オフ中動作手段の消耗を抑制した上で、特殊な回路構成を採用することなく、単安定マルチバイブレータを用いて出力期間制限手段を実現することができる。
遊技機C1からC9のいずれかにおいて、前記制御手段は、遊技の主な制御を行う主制御手段を備え、前記出力手段は、その主制御手段に搭載されていることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C1からC10のいずれかにおいて、前記出力手段は、前記制御手段とは別の基板に搭載されていることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C1からC11のいずれかにおいて、前記出力手段は、フォトカプラを備えており、前記扉開放検出手段による検出結果を、そのフォトカプラの出力により前記制御手段および特定装置へ出力することを特徴とする遊技機C12。
遊技機C3からC12のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記特定用出力手段とは、前記制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されていることを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、出力期間制限手段と特定用出力手段とは、制御手段の動作電圧より低い電圧であっても動作可能に構成されているので、オフ中動作手段の充電量が減少して、オフ中動作手段の出力電圧が制御手段の動作電圧より低くなっても、出力期間制限手段および特定用出力手段を動作させて、扉体の開放を特定装置へ報せることができる。即ち、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機C3からC13のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段と前記特定用出力手段とは、その動作可能範囲電圧が前記制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されていることを特徴とする遊技機C14。
遊技機C14によれば、出力期間制限手段と特定用出力手段とは、その動作可能範囲電圧が制御手段の動作可能範囲電圧より広範囲に構成されている。よって、遊技機の電源オフ時において、オフ中動作手段によって出力期間制限手段と特定用出力手段とを長時間動作させることができるので、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機C3からC14のいずれかにおいて、前記出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されていることを特徴とする遊技機C15。
遊技機C15によれば、出力期間制限手段は、C−MOS半導体を有して構成されている。ここで、C−MOS半導体は、一般的に動作時の消費電力が小さい。よって、遊技機C15によれば、オフ中動作手段の消耗を小さくして、遊技機の電源オフ時における扉体の開放検出を長時間行うことができる。
遊技機C9からC15のいずれかにおいて、前記入力期間調整手段は、積分回路を用いて構成されていることを特徴とする遊技機C16。
遊技機C16によれば、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成しているので、複雑な回路や信号処理を用いることなく、出力期間制限手段に入力される信号を所定期間よりも短く調整することができる。また、積分回路に用いられる抵抗の抵抗値とコンデンサの容量値とを調整することで、出力期間制限手段に入力される信号の入力期間を所定期間内で自由に調整することができる。
遊技機C9からC16のいずれかにおいて、前記入力期間調整手段は、前記出力期間制限手段である単安定マルチバイブレータへ入力する信号の最大電圧を一定化する定電圧手段を備えていることを特徴とする遊技機C17。
遊技機C17によれば、定電圧手段を設けているので、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にして、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、特定用出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めることができる。
また、積分回路を用いて入力期間調整手段を構成している場合には、積分回路に用いるコンデンサに電荷が蓄えられ、この電荷による電圧が、出力期間制限手段へ入力される信号と重畳されて、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加される虞がある。しかし、遊技機C17によれば、定電圧手段により、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にしているので、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧は出力期間制限手段に印加されない。よって、出力期間制限手段の破壊を防止することができる。
遊技機C17において、前記定電圧手段は、ツェナーダイオードで構成されていることを特徴とする遊技機C18。
遊技機C18によれば、ツェナーダイオードにより定電圧手段を構成しているので、複雑な回路により構成される定電圧回路等と比較して、簡単な構成且つ安価に、出力期間制限手段へ入力される信号の最大電圧を一定にすることができる。よって、簡単な構成且つ安価なツェナーダイオードを用いて、出力期間制限手段へ入力される信号を安定化させ、特定用出力手段による1回の出力期間を所定期間内に安定して留めつつ、出力期間制限手段を破壊し得る過電圧が出力期間制限手段に印加されることを防止することができる。
遊技機C1からC18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C19。
遊技機C1からC18のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機C20。
遊技機C1からC18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C21。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記検出結果を特定装置へ出力する出力手段を備え、その出力手段は、前記遊技機の電源がオンされて前記制御手段による制御が行われている場合に、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力し、前記遊技機の電源がオフされて前記制御手段による制御が行われていない場合にも、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力するように構成されていることを特徴とする遊技機C22。
遊技機C22によれば、遊技機の電源がオンされて制御手段の制御が行われている場合に、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、例えば、遊技機の電源がオンされている開店中に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には制御手段の制御が停止しているが、この場合においても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されたとしても、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。従って、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、1の出力手段により特定装置へ検出結果を出力して、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できる。
遊技機C1、C6、C10からC12またはC19からC22のいずれかにおいて、前記出力手段から前記検出結果として出力される信号を生成する生成手段と、その生成手段に特定個所を介して前記遊技機の電源オン中に電力を供給するオン中供給手段と、前記特定個所へ前記遊技機の電源オフ中に電力を供給するオフ中供給手段とを備えていることを特徴とする遊技機C23。
遊技機C23によれば、遊技機の電源オン中は、生成手段の特定個所にオン中供給手段から電力が供給される一方、遊技機の電源オフ中は、生成手段の特定個所にオフ中供給手段から電力が供給される。つまり、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、生成手段へ電力が供給される。よって、生成手段は、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、出力手段から検出結果として出力される信号を生成することができる。
なお、遊技機C1〜C23においては、遊技機にはパチンコ機10が対応し、本体には外枠11が対応し、扉体には内枠12と前面枠14とが対応し、透明板支持扉には前面枠14が対応する。また、制御手段および主制御手段には主制御装置110が対応し、入力期間調整手段には積分回路281が対応し、出力手段の一部および第1出力手段の一部には内枠用枠開放検出回路290が対応し、出力手段の一部および特定用出力手段の一部には内枠用端子板出力回路290aが対応する。また、出力手段の一部および制御用出力手段の一部には内枠用入出力ポート出力回路290bが対応し、出力手段の一部、特定用出力手段の一部および第1出力手段の一部には内枠用外部出力端子板291が対応し、出力手段の一部および第2出力手段の一部には前面枠用枠開放検出回路292が対応し、出力手段の一部および特定用出力手段の一部には前面枠用端子板出力回路292aが対応する。また、出力手段の一部および制御用出力手段の一部には前面枠用入出力ポート出力回路292bが対応し、出力手段の一部、特定用出力手段の一部および第2出力手段の一部には前面枠用外部出力端子板293が対応し、オフ中動作手段にはコンデンサCD1が対応し、定電圧手段にはツェナーダイオードD3が対応する。また、電源手段には直流電源DC1が対応し、出力期間制限手段にはタイマIC1が対応し、出力手段の一部にはフォトカプラPR1が対応し、扉開放検出手段の一部および内枠用扉開放検出手段にはスイッチSW3が対応する。最後に、扉開放検出手段の一部および透明板用扉開放検出手段にはスイッチSW4が対応し、報知手段の一部には、S904,S908,S1111,S1113の処理が対応する。
なお、上記の遊技機A1〜A20と遊技機B1〜B20と遊技機C1〜C23とを適宜組み合わせた遊技機を実現することは、当然に可能であることは言うまでもない。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、遊技の制御に関する演算処理を行う演算手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段による前記扉体の開放検出を記憶する記憶手段と、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記演算手段の演算処理に基づきその開放検出を前記記憶手段に記憶させる記憶実行手段と、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段を所定期間立ち上げて、前記記憶実行手段による開放検出の記憶を実行可能にする立上手段とを備えていることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機の電源がオフされ演算手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、立上手段は、記憶手段、記憶実行手段および演算手段を所定期間立ち上げて、記憶実行手段による扉体の開放検出の記憶を実行可能にする。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放検出を、記憶実行手段により記憶手段に記憶させることができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を把握することができる。
なお、演算手段は、扉体と本体とにより形成される空間内に設けられるのが一般的である。更に言うと、扉体と本体とにより形成される空間内とは、扉体の閉鎖時に手を触れることができない扉体の背面または背面側(本体の背面側も含む)を示している。
遊技機D1において、前記遊技機の電源オン中に充填され、前記記憶手段、記憶実行手段、演算手段および立上手段をその充填された電力により動作可能にするオフ中動作手段を備えていることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機の電源オン中に充填されるオフ中動作手段を備えており、記憶手段、記憶実行手段、演算手段および立上手段は、そのオフ中動作手段に充填された電力によって動作する。よって、記憶手段、記憶実行手段、演算手段および立上手段を遊技機の電源オフ後であっても動作させることができる。
遊技機D1またはD2において、前記立上手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を第1動作期間に定める動作期間決定手段と、その動作期間決定手段により定められた第1動作期間が終了した場合に、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を第2動作期間まで延長する延長手段を備え、その延長手段により延長された第2動作期間と、前記動作期間決定手段により定められた第1動作期間との和を前記所定期間とするものであり、前記延長手段は、前記動作期間決定手段が消費する電力よりも少ない電力で前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段を動作可能に構成されていることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、動作期間決定手段により定められた第1動作期間が終了した場合には、即ち、第1動作期間が経過した場合には、延長手段によって記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を第2動作期間まで延長する。ここで、動作期間決定手段により定められた第1動作期間と延長手段により延長された第2動作期間との和を、立上手段が記憶手段、記憶実行手段および演算手段を立ち上げる所定期間としている。よって、所定期間のうち、オフ中動作手段に充填された電力が動作期間決定手段によって消費される期間を第1動作期間に留め、その後は、動作期間決定手段よりも消費電力の少ない延長手段によって、記憶手段、記憶実行手段および演算手段を動作させることができる。従って、オフ中動作手段充填された電力の消費を抑制し、記憶手段、記憶実行手段、演算手段および立上手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機D3において、前記動作期間決定手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記第1動作期間より短い期間で検出された場合には、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間である前記第1動作期間をその短い動作期間に定め、前記延長手段は、前記動作期間決定手段により定められた前記短い動作期間の終了後に、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を第2動作期間まで延長するものであり、前記延長手段により延長される第2動作期間は、前記記憶実行手段による開放検出の記憶が実行可能な期間に設定されていることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、扉開放検出手段により扉体の開放が第1動作期間よりも短い期間で検出された場合には、動作期間決定手段は、記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間をその短い動作期間とする。すると、動作期間決定手段により定められた短い動作期間の終了後に、延長手段は、記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を第2動作期間まで延長する。この第2動作期間は、記憶実行手段による扉体の開放検出の記憶を実行可能な期間に設定されている。よって、扉体の開放が短い期間のうちに行われたとしても、その扉体の開放検出を、記憶実行手段により確実に記憶手段に記憶させることができる。加えて、扉体の開放が短い期間のうちに行われた場合には、オフ中動作手段に充填された電力が動作期間決定手段によって消費される期間を短い期間に留めることができる。よって、オフ中動作手段に充填された電力の消費を抑制し、記憶手段、記憶実行手段、演算手段および立上手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできる。
遊技機D3またはD4において、前記延長手段は、前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間が前記動作期間決定手段により定められた第1動作期間内である場合には、前記オフ中動作手段により供給される電力により充填される一方、前記動作期間決定手段により定められた第1動作期間が終了した場合には、充填された電力を使用することで前記記憶手段、記憶実行手段および演算手段に電力を供給して、その動作期間を第2動作期間まで延長するものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間が動作期間決定手段により定められる第1動作期間内である場合には、延長手段は、オフ中動作手段により供給される電力によって充填される。一方、動作期間決定手段により定められた第1動作期間が終了した場合には、延長手段は、充填された電力を使用することで記憶手段、記憶実行手段および演算手段に電力を供給する。この延長手段の電力供給により、記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間が第2動作期間まで延長される。このように、オフ中動作手段から延長手段への充填を確実に実行させることで、延長手段は、記憶手段、記憶実行手段および演算手段の動作期間を確実に第2動作期間まで延長することができる。
遊技機D3からD5のいずれかにおいて、前記演算手段は、その演算手段の立ち上げを可能にする駆動電圧を入力する駆動電圧入力手段と前記演算処理を実行可能な状態にする動作信号を入力する動作信号入力手段とを備えており、前記立上手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記駆動電圧入力手段へ前記駆動電圧を供給する駆動電圧供給手段と、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記動作信号入力手段へ前記動作信号を出力する動作信号出力手段とを備え、前記延長手段により延長された第2動作期間中に、前記動作信号出力手段により出力される動作信号を停止して、その後に、前記駆動電圧供給手段により供給される駆動電圧を停止するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、扉開放検出手段により扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出されると、立上手段の動作信号出力手段から演算手段の動作信号入力手段へ動作信号が出力されると共に、立上手段の駆動電圧供給手段から演算手段の駆動電圧入力手段へ駆動電圧が供給される。そして、立上手段は、延長手段により延長された第2動作期間中に、まず、動作信号出力手段により出力される動作信号を停止して、その後に、駆動電圧供給手段により供給される駆動電圧を停止する。よって、演算手段は、まず、演算処理が実行不能な状態に設定されて、その後に、立ち下げられる。従って、扉開放検出手段により扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出され、立上手段により演算手段が所定期間立ち上げられたとしても、第2動作期間中に演算手段を立ち下げることができる。
遊技機D6において、前記演算手段は、前記駆動電圧入力手段に入力される駆動電圧が第1値以上である場合に立ち上げ可能に構成されており、前記動作信号出力手段は、前記延長手段に接続されており、前記延長手段により供給される電圧が前記第1値を超える第2値以上である場合には、その供給される電圧を前記動作信号として前記動作信号入力手段へ出力する一方、前記延長手段により供給される電圧が前記第1値を超える第2値未満となった場合には、前記動作信号入力手段へ出力する動作信号を停止するものであり、前記駆動電圧供給手段は、前記延長手段に接続されており、前記延長手段により供給される電圧に拘らず、その供給された電圧を前記駆動電圧として前記駆動電圧入力手段へ出力するものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、動作信号出力手段と駆動電圧供給手段とは共に、延長手段に接続されている。立上手段の動作信号出力手段は、延長手段により供給される電圧が第1値を超える第2値以上である場合には、その供給される電圧を動作信号として、演算手段の動作信号出力手段へ出力する。一方、立上手段の動作信号出力手段は、延長手段により供給される電圧が第2値未満である場合には、演算手段の動作信号出力手段へ出力する動作信号を停止する。この動作信号出力手段の動作と異なり、駆動電圧供給手段は、延長手段により供給される電圧に拘らず、その供給された電圧を駆動電圧として、演算手段の駆動電圧入力手段へ出力する。つまり、延長手段により供給される電圧が第2値未満となった場合でも、駆動電圧供給手段は、その供給された電圧を駆動電圧として、演算手段の駆動電圧入力手段へ出力し続ける。ここで、演算手段は、駆動電圧入力手段に入力される駆動電圧が第1値以上である場合には、立ち上げ可能(動作可能)に構成されている。よって、立上手段の駆動電圧供給手段から演算手段の駆動電圧入力手段へ供給される駆動電圧が、第2値未満となっても、第1値以上であれば、演算手段を立ち上げ続けることができる(動作させ続けることができる)。これにより、演算手段は、まず、演算処理が実行不能な状態に設定されて、その後に、立ち下げられる。従って、扉開放検出手段により扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出され、立上手段により演算手段が所定期間立ち上げられたとしても、第2期間中に演算手段を立ち下げることができる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、遊技の制御に関する演算処理を実行する演算手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段による前記扉体の開放検出を前記遊技機の電源オフ中も保持可能な記憶手段と、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記記憶手段および演算手段を所定期間内立ち上げる立上手段と、その立上手段に電力を供給するオフ中動作手段とを備え、前記演算手段が実行する演算処理は、前記立上手段により演算手段が所定期間内立ち上げられた場合に、前記扉体の開放検出を前記記憶手段に保持させる記憶実行処理を備えていることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機の電源がオフされ演算手段が終了した状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、オフ中動作手段により供給される電力によって、立上手段は、記憶手段および演算手段を所定期間内立ち上げる。そして、所定期間内立ち上げられた演算手段は、記憶実行処理を実行して、扉体の開放検出を記憶手段に保持させる。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為により扉体が開放されても、その扉体の開放検出を、演算手段が実行する記憶実行処理によって記憶手段に保持させることができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を把握することができる。
遊技機E1において、前記演算手段が実行する演算処理は、立ち上げられた前記演算手段を終了させる終了処理を備え、その終了処理および前記記憶実行処理は、前記立上手段により演算手段が立ち上げられる所定期間内で処理を完了するように構成されていることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出され、立上手段により演算手段が立ち上げられたとしても、演算手段は、記憶実行処理および終了処理を所定期間内で実行完了することができる。よって、遊技機の電源オフ中に扉体が開放されても、その扉体の開放検出を、記憶実行処理によって記憶手段に保持させることができる上に、所定期間内立ち上げられた演算手段を終了処理によって終了させることができる。
遊技機E1またはE2において、前記扉開放検出手段による前記扉体の開放検出を示す検出信号を受信する検出信号受信手段を備え、前記立上手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記検出信号受信手段へ検出信号を出力する検出信号出力手段を備え、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合には、前記記憶手段と前記演算手段と前記検出信号出力手段と前記検出信号受信手段とを所定期間内立ち上げるものであり、前記演算手段は、前記検出信号受信手段により前記検出信号が受信された場合に、前記記憶実行処理を実行するものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出されると、立上手段は、記憶手段と演算手段と検出信号を出力する検出信号出力手段と検出信号を受信する検出信号受信手段とを所定期間内立ち上げる。そして、演算手段は、検出信号出力手段から出力された検出信号が検出信号受信手段によって受信された場合に、記憶実行処理を実行して扉体の開放検出を記憶手段に保持させる。つまり、演算手段は、立上手段により所定期間内立ち上げられた上で、検出信号受信手段が検出信号を受信した場合に、初めて、記憶実行処理を実行する。よって、遊技機の電源オフ中に扉体の開放が確実に行われた場合に、初めて、演算手段による記憶実行処理を実行させることができる。
遊技機E1またはE2において、前記演算手段の動作期間を計時する計時手段を備え、前記立上手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合には、前記記憶手段と前記演算手段と前記計時手段とを所定期間内立ち上げるものであり、前記演算手段は、前記計時手段によって計時した動作期間が予め定められた第2期間内であるにも拘らず前記終了処理を実行した場合には、前記遊技機の電源オフ中に前記扉体の開放が行われたとして前記記憶実行処理を実行するものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出されると、立上手段は、記憶手段、演算手段および演算手段の動作期間を計時する計時手段を所定期間内立ち上げる。演算手段は、計時手段によって計時した動作期間が予め定められた第2期間内であるにも拘らず終了処理を実行した場合には、遊技機の電源オフ中に扉体の開放が行われたとして記憶実行処理を実行する。つまり、演算手段は、立上手段により所定期間内立ち上げられた上で、第2期間内で終了処理を実行した場合に、初めて、記憶実行処理を実行する。よって、計時手段が計時する動作期間により遊技機の電源オフ中に扉体の開放が確実に行われたとされた場合に、初めて、演算手段による記憶実行処理を実行させることができる。
遊技機E3またはE4において、遊技機の電源オフ後もデータを保持可能なバックアップ手段を備え、前記演算手段が実行する演算処理は、前記バックアップ手段に保持されたデータが有効か否かを判定する判定処理と、その判定処理により有効と判定された場合に、前記バックアップ手段に保持されたデータを使用して電源オフ前の状態に復帰させる復帰処理と、前記判定処理により否有効と判定された場合に、前記バックアップ手段に保持されたデータを初期化する初期化処理とを備え、前記検出信号受信手段による検出信号の受信開始または前記計時手段による動作期間の計時開始は、前記復帰処理または初期化処理のいずれかの処理の実行直後に行われることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出され、立上手段により演算手段が所定期間内立ち上げられた場合には、復帰処理後または初期化処理後、直ちに、即ち、演算手段の各種設定が完了すると直ちに、検出信号受信手段による検出信号の受信開始または計時手段による動作期間の計時開始が行われる。よって、遊技機の電源オフ中に扉体の開放が行われた場合には、その扉体の開放を直ちに検出することができる。
遊技機E5において、前記記憶実行処理により前記扉体の開放検出が前記記憶手段に保持されている場合に報知を行う報知手段を備え、その報知手段は、前記遊技機の電源がオンされた場合には、立ち上げが行われる一方、前記遊技機の電源オフ中に、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合でも、前記立上手段による立ち上げが不実行とされるものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、報知手段は、遊技機の電源がオンされた場合には立ち上げが行われ、記憶手段に扉体の開放検出が保持されていれば、報知を行う。一方、報知手段は、遊技機の電源オフ中に、扉開放検出手段により扉体の開放が検出されたとしても、立上手段による立ち上げが不実行とされる(立上手段によっても立ち上げられることはない)。つまり、報知手段は、遊技機の電源がオンされた場合には立ち上げが行われるが、遊技機の電源オフ中に、扉開放検出手段により扉体の開放が検出され、立上手段により演算手段が所定期間内立ち上げられたとしても、立上手段による立ち上げは行われない。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、不正行為者により扉体が開放され、その扉体の開放検出を記憶実行処理によって記憶手段に保持させたとしても、報知手段による報知が行われることはない。従って、遊技機の電源がオフ中に扉体の開放が行われたことを、不正行為者に悟られることなく、記憶手段に保持させることができる。また、遊技機の電源がオンされ、扉体の開放検出が記憶手段に保持されていれば、報知手段により報知を行うので、遊技機の電源オフ中に扉体の開放が行われた遊技機を特定することができる。
遊技機E6において、前記記憶実行処理により前記記憶手段に保持された前記扉体の開放検出を消去可能な状態に設定する消去手段を備え、前記記憶手段に保持された前記扉体の開放検出は、前記消去手段により前記開放検出が消去可能な状態に設定されると共に、前記遊技機の電源がオンされて前記演算手段が立ち上げられた場合に消去が実行されるものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、記憶手段に保持された扉体の開放検出は、扉体の開放検出が消去手段により消去可能な状態に設定されると共に、遊技機の電源がオンされて演算手段が立ち上げられた場合に消去が行われる。つまり、第1に、扉体の開放検出を消去手段により消去可能な状態に設定し、第2に、遊技機の電源をオンして演算手段を立ち上げた場合に、初めて、記憶手段に保持された扉体の開放検出が消去される。よって、一度、扉体の開放検出が記憶手段に保持されると、上記の手順を踏まなければ、扉体の開放検出を記憶手段から消去することができない。従って、扉体の開放検出が記憶手段に保持された場合には、不正行為者による扉体の開放検出の消去を困難にすることができる。
遊技機E1からE7のいずれかにおいて、前記演算手段の演算処理に基づき所定の信号を特定装置へ出力する出力手段を備え、前記立上手段は、前記扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合には、前記出力手段を所定期間内立ち上げるものであり、前記演算手段が実行する演算処理は、前記記憶実行処理により前記扉体の開放検出が記憶手段に保持されている場合に、その扉体の開放検出を所定の信号として出力手段に出力させる出力処理を備え、その出力処理は、前記立上手段により演算手段が立ち上げられる所定期間内で処理を完了するように構成されていることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、扉開放検出手段によって扉体の開放が遊技機の電源オフ中に検出されると、立上手段は、記憶手段および演算手段に加え、出力手段を所定期間内立ち上げる。そして、所定期間内立ち上げられた演算手段は、出力処理を実行して、扉体の開放検出を所定の信号として出力手段に出力させる。ここで、この所定の信号は、特定装置へ出力される。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別することができる。
なお、複数の遊技機毎に設けられた出力手段から出力される所定の信号を1の特定装置で受信しても良いし、遊技機毎に特定装置を設け、その特定装置を各遊技機に配設しても良い。特定装置を各遊技機に配設する場合には、ボックスベースと、そのボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを互いに連結させて、そのボックスカバーとボックスベースとにより形成される空間内に特定装置を収納する。そして、ボックスカバーとボックスベースとを封印ユニットにより開封不能に連結する。更に、ボックスカバーとボックスベースとの連結部には、ボックスカバーとボックスベースとに亘って封印シールを貼着する。その上で、扉体の背面または背面側に特定装置を配設すれば良い。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、遊技の制御に関する演算処理を行う演算手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記演算手段を所定期間立ち上げる演算立上手段とを備えていることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機の電源がオフされ演算手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、演算立上手段は、演算手段を所定期間立ち上げる。よって、所定時間立ち上げられた演算手段を、例えば、扉体の開放検出を記憶させるために利用したり、扉体の開放検出を特定の装置(特定装置)へ出力させるために利用することができる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、遊技の制御に関する演算処理を行う演算手段とを備えた遊技機において、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が前記遊技機の電源オフ中に検出された場合に、前記演算手段を所定期間立ち上げる演算立上手段と、その演算立上手段により立ち上げられた演算手段の演算処理に基づき前記扉体の開放検出を特定装置へ出力する出力手段とを備えていることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機の電源がオフされ演算手段が停止している状態であっても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、演算立上手段により演算手段が所定期間立ち上げられる。そして、この立ち上げられた演算手段の演算処理に基づき、出力手段は扉体の開放検出を特定装置へ出力する。よって、例えば、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されても、その扉体の開放検出を特定装置へ出力することができる。従って、遊技機の電源がオフされている場合にも扉体の開放を把握することができる。
なお、上記の遊技機D1〜D7と遊技機E1〜E8と遊技機F1と遊技機G1とを適宜組み合わせた遊技機を実現することは、当然に可能であることは言うまでもない。
また、上記の遊技機D1〜D7と遊技機E1〜E8と遊技機F1と遊技機G1において、遊技機にはパチンコ機10xが対応し、本体には外枠11xが対応し、扉体には内枠12と前面枠14とが対応する。また、演算手段には主制御装置110xが対応し、駆動電圧入力手段および動作信号入力手段にはMPU201xが対応し、バックアップ手段にはRAM203xが対応する。また、記憶手段にはRAM203xおよびオフ中枠開放フラグ203axが対応し、立上手段、駆動電圧供給手段、動作信号出力手段および検出信号出力手段には枠開放検出回路260xが対応し、オフ中動作手段にはコンデンサCD1xが対応する。また、延長手段にはコンデンサCD4xが対応し、動作期間決定手段にはタイマIC1xが対応し、記憶実行手段および記憶実行処理にはS112xおよびS226xの処理が対応する。また、扉開放検出手段にはスイッチSW1xとスイッチSW2xとが対応し、消去手段にはRAM消去スイッチ122xが対応し、計時手段には電源オンカウンタ203cxが対応する。また、検出信号受信手段および出力手段には入出力ポート205xが対応し、報知手段には、音声出力装置226xとランプ表示装置227xが対応し、判定処理にはS107xの処理が対応する。最後に、復帰処理にはS108xの処理が対応し、初期化処理にはS116xの処理が対応し、出力処理にはS206xが対応し、終了処理にはS221x〜S224xの処理が対応する。
<その他>
パチンコ機では、遊技領域に打ち込まれた球が図柄作動口へ入球すると、その入球のタイミングで抽選が行われる(例えば、特許文献1:特開2001−198332号公報)。また、スロットマシンや遊技球を使用した回胴式遊技機では、スタートレバーを操作すると、その操作したタイミングで抽選が行われる。抽選の結果、例えば大当たりになると、大量の賞球やコインの払い出しが可能な状態となる。この抽選および大当たりを決定するための制御は、主制御装置によって行われるので、主制御装置が不正行為の対象になり易い。
具体的な不正行為としては、例えば、主制御装置を、大当たりが頻繁に発生する不正なものに取り替えたり、或いは、主制御装置に不正な基板(例えば「ぶら下げ基板」)を接続して、大当たりを不正に発生させるものなどがある。また、パチンコ機の場合、遊技盤面上に打ち込まれている釘を不正に曲げて、入賞口や図柄作動口へ球が入球し易くする不正行為もある。
パチンコ機の場合、主制御装置は遊技盤の裏面に装着されている。遊技盤の裏面には、枠体が設けられ、その枠体の前面には、遊技盤が装着される内枠が設けられている。この内枠は、枠体に対して開閉可能にされている。また、内枠の前面には、ガラス枠が設けられ、このガラス枠は、内枠に対して開閉可能にされている。よって、不正行為者が遊技盤面や主制御装置に対して不正行為を行う場合には、内枠またはガラス枠を開放しなければならないが、内枠またはガラス枠が開放された場合には、その開放がセンサによって検出され、遊技場を管理するホールコンピュータへ報知される他、内枠またはガラス枠が開放された旨をランプ点灯や音声出力などによって外部へ報知させることで、どのパチンコ機に対して不正行為がなされたかを容易に把握することができる。
しかしながら、遊技場の閉店後の例えば深夜に、不正行為者が侵入し、その侵入者が内枠またはガラス枠を開放して不正行為を行った場合、そのときにはパチンコ機の電源は断されており、パチンコ機は停止しているので、内枠またはガラス枠の開放を検知することができず、その開放をホールコンピュータに報せることができないという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放が行われた場合に、その開放を把握可能とすることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、その扉体と前記本体とにより形成される空間内に設けられ遊技の制御を行う制御手段と、その制御手段の制御により報知を行う報知手段とを備えたものであり、前記本体に対する前記扉体の開放を検出する扉開放検出手段と、その扉開放検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、その検出結果を前記制御手段へ出力して前記報知手段による報知を実行させると共に、前記検出結果を特定装置へ出力する出力手段を備え、その出力手段は、前記遊技機の電源がオンされて前記制御手段による制御が行われている場合に、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力し、前記遊技機の電源がオフされて前記制御手段による制御が行われていない場合にも、前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力するように構成されている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記遊技機の電源がオンされている場合に前記出力手段に電力を供給して動作させる電源手段と、その電源手段とは別に設けられ、前記遊技機の電源がオフされている場合に前記出力手段に電力を供給して動作させるオフ中動作手段を備え、前記出力手段は、前記電源手段により供給される電力によって動作して前記扉開放検出手段による検出結果を前記制御手段へ出力する制御用出力手段と、前記電源手段またはオフ中動作手段により供給される電力によって動作して前記扉開放検出手段による検出結果を前記特定装置へ出力する特定用出力手段とを備えている。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記特定用出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段を備え、前記オフ中動作手段は、前記特定用出力手段に加えて、前記出力期間制限手段にも電力を供給して動作させるように構成されている。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想2または3に記載の遊技機において、前記オフ中動作手段は、前記遊技機の電源から供給される電力により充電可能に構成されている。
技術的思想5記載の遊技機は、技術的思想2から4のいずれかに記載の遊技機において、前記電源手段から供給される電流を一方向に流すダイオードを備え、前記オフ中動作手段は、コンデンサまたは二次電池を用いて構成され、前記扉開放検出手段は、前記扉体が開放されている場合には導通される一方、前記扉体が閉鎖されている場合には遮断されるように構成されており、前記電源手段は、前記ダイオードのアノード端子と接続されており、そのダイオードのカソード端子は、前記オフ中動作手段の一端と接続されており、そのオフ中動作手段の他端は、接地されており、前記制御用出力手段は、前記電源手段およびダイオードのアノード端子と前記扉開放検出手段を介して接続されており、前記特定用出力手段は、前記ダイオードのカソード端子および前記オフ中動作手段の一端と前記扉開放検出手段を介して接続されている。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技機の電源がオンされて制御手段の制御が行われている場合に、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、例えば、遊技機の電源がオンされている開店中に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、報知手段による報知によって扉体が開放された遊技機を判別することができると共に、特定装置によっても扉体が開放された遊技機を判別することができる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には制御手段の制御が停止しているが、この場合においても、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が出力手段により特定装置へ出力される。よって、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されたとしても、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。従って、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、1の出力手段により特定装置へ検出結果を出力して、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技機の電源がオンされている場合には、制御用出力手段および特定用出力手段に電源手段により電力が供給される。これにより、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が制御用出力手段により制御手段へ出力されて報知手段による報知が実行されると共に、その検出結果が特定用出力手段により特定装置へ出力される。よって、例えば、遊技機の電源がオンされている開店中に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、報知手段による報知によって扉体が開放された遊技機を判別することができると共に、特定装置によっても扉体が開放された遊技機を判別することができる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には、特定用出力手段にオフ中動作手段により電力が供給される。これにより、扉開放検出手段によって扉体の開放が検出されると、その検出結果が特定用出力手段により特定装置へ出力される。よって、すべての遊技機の電源がオフされている閉店後に、何者かによる不正行為によって扉体が開放されたとしても、特定装置によって扉体が開放された遊技機を判別することができる。従って、遊技機の電源のオンオフ状態に拘らず、何者かによる不正行為によって扉体が開放されると、特定用出力手段により特定装置へ検出結果を出力して、その扉体の開放された遊技機を特定装置によって判別できるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、特定用出力手段による1回の出力期間は、出力期間制限手段によって所定期間以内に留められる。出力期間制限手段もまた特定用出力手段と同様に、遊技機の電源オフ中にオフ中動作手段から電力供給を受けて動作するので、扉体の1回の開放による特定用出力手段の動作期間を所定期間以内に留めて、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想2または3に記載の遊技機の奏する効果に加え、オフ中動作手段は、遊技機の電源オン中に、その遊技機に供給される電力によって充電されるので、遊技機の電源を遊技場の営業時間に合わせてオンするだけで、オフ中動作手段を充電することができる。よって、遊技場の閉店後の遊技機の電源がオフされている間に扉体の開放があった場合には、オフ中動作手段により特定用出力手段および出力期間制限手段を動作させて、扉開放検出手段による検出結果を特定装置へ報せることができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想2から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、制御用出力手段は、電源手段およびダイオードのアノード端子と接続されているので、遊技機の電源がオンされている場合に扉体が開放されると、扉開放検出手段が導通して制御用出力手段へ電源手段から電力が供給されて動作状態となる。一方、遊技機の電源がオフされている場合には、電源手段による電力の供給は停止しているので、扉体が開放されて扉開放検出手段が導通しても、制御用出力手段へは電源手段から電力が供給されずに停止状態となる。これに対し、特定用出力手段は、オフ中動作手段およびダイオードのカソード端子と接続されているので、遊技機の電源がオンされている場合に扉体が開放されると、扉開放検出手段が導通して特定用出力手段へ電源手段から電力が供給されて動作状態となる。遊技機の電源がオフされている場合には、特定用出力手段への電源手段による電力供給が停止するが、扉体が開放されて扉開放検出手段が導通すると、オフ中動作手段により特定用出力手段へ電力が供給されるので、特定用出力手段は動作状態となる。ここで、遊技機の電源がオフされて、オフ中動作手段から特定用出力手段へ電力が供給されている場合には、制御用出力手段への電力供給をダイオードにより遮断することができる。これにより、遊技機の電源オフ中におけるオフ中動作手段の消耗を抑制できる。よって、特定用出力手段の動作可能回数を多くして、扉体の開放の検出可能回数を多くできるという効果がある。
10 パチンコ機(遊技機)
11 外枠(本体)
12 内枠(扉体の一部)
14 前面枠(扉体の一部)
110 主制御装置(制御手段の一部,主制御手段)
281 積分回路(信号出力手段の一部)
290 内枠用枠開放検出回路
290a 内枠用端子板出力回路
290b 内枠用入出力ポート出力回路
291 内枠用外部出力端子板(出力手段の一部)
292 前面枠用枠開放検出回路
292a 前面枠用端子板出力回路
292b 前面枠用入出力ポート出力回路
293 前面枠用外部出力端子板(出力手段の一部)
300 内枠用枠開放検出回路(出力手段の一部)
300a 内枠用端子板出力回路(出力手段の一部)
302 前面枠用枠開放検出回路(出力手段の一部)
302a 前面枠用端子板出力回路(出力手段の一部)
CD1 コンデンサ(オフ中動作手段)
CD7 コンデンサ(信号出力手段の一部、蓄電手段)
D1 ダイオード
D3 ツェナーダイオード
DC1 直流電源
IC1 タイマ(出力期間制限手段)
PR1 フォトカプラ(出力手段の一部)
SW3A スイッチ(扉開閉検出手段の一部、放電手段の一部)
SW3−3 スイッチ(放電手段の一部)
SW4A スイッチ(扉開閉検出手段の一部、放電手段の一部)
SW4−3 スイッチ(放電手段の一部)
S904,S908 扉開放報知処理
S1111,S1113 外部割込み処理
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、本体と、その本体に対して開閉可能な扉体と、遊技の制御を行う制御手段とを備えたものであり、その遊技機の電源がオフされている場合に電力を供給するオフ中動作手段と、前記扉体の開閉を検出する扉開閉検出手段と、その扉開閉検出手段により前記扉体の開放が検出された場合に、前記オフ中動作手段から供給される電荷を蓄える蓄電手段と、その蓄電手段に蓄えられた電荷が放電されている状態において、前記扉体の開放が検出されて前記蓄電手段に電荷が蓄えられることに基づいて扉開放信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される扉開放信号に基づいて、前記扉開閉検出手段による前記扉体の開放の検出結果を特定装置へ出力する出力手段と、その出力手段による1回の出力期間を所定期間以内に留める出力期間制限手段と、前記扉開閉検出手段により前記扉体の閉鎖が検出された場合に、前記蓄電手段をグランドに接続して前記蓄電手段に蓄えられた電荷を放電し、再度、前記信号出力手段を動作可能にする放電手段と、その放電手段により前記蓄電手段と前記グランドとが接続された状態で前記オフ中動作手段から前記蓄電手段へと電荷が供給されることを抑制する供給抑制手段とを備え、前記オフ中動作手段は、前記出力期間制限手段と前記出力手段とに、前記遊技機の電源がオフされている場合に、電力を供給して動作させるように構成されている。
10 パチンコ機(遊技機)
11 外枠(本体)
12 内枠(扉体の一部)
14 前面枠(扉体の一部)
110 主制御装置(制御手段の一部,主制御手段)
281 積分回路(信号出力手段の一部)
290 内枠用枠開放検出回路
290a 内枠用端子板出力回路
290b 内枠用入出力ポート出力回路
291 内枠用外部出力端子板(出力手段の一部)
292 前面枠用枠開放検出回路
292a 前面枠用端子板出力回路
292b 前面枠用入出力ポート出力回路
293 前面枠用外部出力端子板(出力手段の一部)
300 内枠用枠開放検出回路(出力手段の一部)
300a 内枠用端子板出力回路(出力手段の一部)
302 前面枠用枠開放検出回路(出力手段の一部)
302a 前面枠用端子板出力回路(出力手段の一部)
CD1 コンデンサ(オフ中動作手段)
CD7 コンデンサ(信号出力手段の一部、蓄電手段)
D1 ダイオード
D3 ツェナーダイオード
DC1 直流電源
IC1 タイマ(出力期間制限手段)
PR1 フォトカプラ(出力手段の一部)
SW3A スイッチ(扉開閉検出手段の一部、放電手段の一部、供給抑制手段の一部)
SW3−1 スイッチ(供給抑制手段の一部)
SW3−3 スイッチ(放電手段の一部、供給抑制手段の一部)
SW4A スイッチ(扉開閉検出手段の一部、放電手段の一部)
SW4−3 スイッチ(放電手段の一部)
S904,S908 扉開放報知処理
S1111,S1113 外部割込み処理