JP2017209571A - 遊技機 - Google Patents

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Kenji Hiraiwa
健司 平岩
園田 欽章
Yoshiaki Sonoda
欽章 園田
亀井 欽一
Kinichi Kamei
欽一 亀井
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Abstract

【課題】 不正されにくい遊技機を提供する。【解決手段】 遊技の進行を管理する遊技制御装置を備えた遊技機において、電源遮断時であっても前面枠の開放、および、遊技制御装置の取り外しを検出可能であり、前面枠の開放回数および該遊技制御装置の取り外し情報を電源遮断時でも保持する監視手段と、遊技制御装置のRAMのクリアを制御するクリア制御手段と。を備え、遊技機の電源投入時に、監視手段に保持している前面枠の開放回数および遊技制御装置の取り外し情報をカードユニットに送信し、前面枠の開放回数および遊技制御装置の取り外し情報をカードユニットに送信したことを確認してから遊技制御装置のRAMをクリアするように構成する。【選択図】図13

Description

本発明は、前面枠を備えた遊技機に関する。
制御装置に備えたROMに記憶されたプログラムに基づいて、各種制御が行われる遊技機が提案されている。
例えば、次の遊技機の例がある(特許文献1参照)。
特開2006−325929号公報
しかしながら、前面枠を開放して遊技制御装置を改造したり、交換したりして不正が行われるおそれがある。したがって、不正されにくい遊技機であることが求められる。
そこで本発明は、不正されにくい遊技機を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、遊技の進行を管理する遊技制御装置を備えた遊技機において、
電源遮断時であっても前面枠の開放、および、前記遊技制御装置の取り外しを検出可能であり、該前面枠の開放回数および該遊技制御装置の取り外し情報を電源遮断時でも保持する監視手段と、
前記遊技制御装置のRAMのクリアを制御するクリア制御手段と、を備え、
当該遊技機の電源投入時に、前記監視手段に保持している前記前面枠の開放回数および前記遊技制御装置の取り外し情報をカードユニットに送信し、
前記前面枠の開放回数および前記遊技制御装置の取り外し情報を前記カードユニットに送信したことを確認してから前記遊技制御装置のRAMをクリアするように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、不正されにくい遊技機を提供できる。
パチンコ機の前面図である。 遊技盤を示す図である。 パチンコ機の裏面図である。 封入球の循環構造を示す図である。 パチンコ店のシステム構成図である。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 研磨装置及び楊送装置のブロック図である。 夜間監視スイッチの詳細な構成を示す図である。 ドロアコネクタの詳細な構造を示す図である。 ドロアコネクタの詳細な構造を示す図である。 操作表示装置の構成を説明する図である。 一括表示装置の詳細な構成を示す図である。 暗号化通信及びバックアップ電源の構成を示す図である。 遊技機IDの照合を行うブロック構成を示す図である。 遊技機IDの照合を行うブロック構成を示す図である。 遊技機IDの照合を行うブロック構成を示す図である。 遊技機IDの照合を行うブロック構成を示す図である。 遊技機IDの照合を行うブロック構成を示す図である。 遊技機IDの照合を行うブロック構成を示す図である。 遊技機IDの出力条件を説明する図である。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置の遊技状態情報送信処理を示すフローチャートである。 主制御ID送信処理を示すフローチャートである。 チェックサム算出処理を示すフローチャートである。 初期値乱数更新処理を示すフローチャートである。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 入力処理メイン処理を示すフローチャートである。 出力処理を示すフローチャートである。 乱数更新処理1を示すフローチャートである。 乱数更新処理2を示すフローチャートである。 エラー/不正監視処理を示すフローチャートである。 不正入賞監視処理を示すフローチャートである。 電波不正監視処理を示すフローチャートである。 磁石不正監視処理を示すフローチャートである。 エラーチェック処理を示すフローチャートである。 入賞口スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 LED編集処理を示すフローチャートである。 入賞表示LED編集処理を示すフローチャートである。 受信コマンド判定処理を示すフローチャートである。 払出コマンド編集処理を示すフローチャートである。 払出コマンド編集処理を示すフローチャートである。 払出コマンド送信処理を示すフローチャートである。 通信異常監視処理を示すフローチャートである。 特図ゲーム処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 特図始動口スイッチ共通処理を示すフローチャートである。 特図保留情報判定処理を示すフローチャートである。 大入賞口スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 特図普段処理を示すフローチャートである。 特図普段処理移行設定処理1を示すフローチャートである。 特図1変動開始処理1を示すフローチャートである。 大当りフラグ1設定処理を示すフローチャートである。 大当り判定処理を示すフローチャートである。 特図1停止図柄設定処理を示すフローチャートである。 特図情報設定処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 2バイト振り分け処理を示すフローチャートである。 振り分け処理を示すフローチャートである。 変動開始情報設定処理を示すフローチャートである。 特図2変動開始処理を示すフローチャートである。 大当りフラグ2設定処理を示すフローチャートである。 特図2停止図柄設定処理を示すフローチャートである。 特図変動中処理移行設定処理(特図1)を示すフローチャートである。 特図変動中処理移行設定処理(特図2)を示すフローチャートである。 特図変動中処理を示すフローチャートである。 特図表示中処理移行設定処理を示すフローチャートである。 特図表示中処理を示すフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を示すフローチャートである。 演出モード情報チェック処理を示すフローチャートである。 時間短縮変動回数更新処理を示すフローチャートである。 時短終了設定処理を示すフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理を示すフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理を示すフローチャートである。 ソレノイド情報設定処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理移行設定処理1を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理移行設定処理2を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。 大入賞口残存球処理移行設定処理を示すフローチャートである。 大入賞口開放中処理移行設定処理3を示すフローチャートである。 大入賞口残存球処理を示すフローチャートである。 ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を示すフローチャートである。 大当り終了処理移行設定処理を示すフローチャートである。 大大当り終了処理を示すフローチャートである。 大当り終了設定処理1を示すフローチャートである。 大当り終了設定処理2を示すフローチャートである。 特図普段処理移行設定処理3を示すフローチャートである。 演出コマンド設定処理を示すフローチャートである。 図柄変動制御処理を示すフローチャートである。 普図ゲーム処理を示すフローチャートである。 ゲートスイッチ監視処理を示すフローチャートである。 普電入賞スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 普図普段処理を示すフローチャートである。 普図普段処理移行設定処理1を示すフローチャートである。 普図変動中処理移行設定処理を示すフローチャートである。 普図変動中処理を示すフローチャートである。 普図表示中処理移行設定処理を示すフローチャートである。 普図表示中処理を示すフローチャートである。 普図当り中処理移行設定処理を示すフローチャートである。 普図当り中処理を示すフローチャートである。 普電作動移行設定処理を示すフローチャートである。 普電残存球処理を示すフローチャートである。 普図当り終了処理移行設定処理を示すフローチャートである。 普図当り終了処理を示すフローチャートである。 普図普段処理移行設定処理2を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 夜間監視情報受信処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御コマンド受信処理を示すフローチャートである。 主制御ID受信処理を示すフローチャートである。 カードユニットコマンド受信処理を示すフローチャートである。 スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 アウト球検出スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 セーフ球検出スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 発射球検出スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 エラー/不正監視処理理を示すフローチャートである。 エラー解除スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 封入球数監視処理を示すフローチャートである。 盤面球数エラー監視処理を示すフローチャートである。 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精算開始応答処理を示すフローチャートである。 精算終了応答処理を示すフローチャートである。 計数使用応答処理を示すフローチャートである。 遊技機ID送信処理を示すフローチャートである。 遊技停止信号編集処理を示すフローチャートである。 払出送信データ暗号化処理を示すフローチャートである。 払出受信データ復号化処理を示すフローチャートである。 認証結果対応処理(主)を示すフローチャートである。 主受信データ復号化処理を示すフローチャートである。 主送信データ暗号化処理を示すフローチャートである。 カードユニット送信データ暗号化処理を示すフローチャートである。 カードユニット受信データ復号化処理を示すフローチャートである。 認証結果対応処理(払出)を示すフローチャートである。 遊技機受信データ復号化処理を示すフローチャートである。 遊技機送信データ暗号化処理を示すフローチャートである。 カード管理装置受信データ復号化処理を示すフローチャートである。 カード管理装置送信データ暗号化処理を示すフローチャートである。 遊技機ID照合処理を示すフローチャートである。 認証結果対応処理(CU)を示すフローチャートである。 主制御ID要求確認処理を示すフローチャートである。 遊技機ID要求確認処理を示すフローチャートである。 不正入賞に対する動作のタイミングチャートである。 持球数及び計数球数の表示に関する操作表示装置7の動作例を示す図である。 装飾持球表示装置の動作を説明する図である。 遊技球の発射強度を表示する場合の動作を説明する図である。 精算時に遊技球の発射強度の確認を促す場合の動作を説明する図である。 不正球(磁性体球)を検出する動作のタイミングチャートである。 不正球(小球)を検出する動作のタイミングチャートである。 持球数表示器における持球数の表示態様を説明する図である。 精算時における持球数表示器の表示態様を説明する図である。 レベルメータの動作を説明する図である。 表示装置及びサブ液晶表示装置の動作を説明する図である。 表示装置及びサブ液晶表示装置の動作を説明する図である。 夜間監視スイッチの動作のタイミングチャートである。 夜間監視スイッチの動作のタイミングチャートである。 一括表示装置における入賞表示LEDの表示制御のタイミングチャートである。 持球数の計数方法を説明する図である。 持球数の計数方法の変形例を説明する図である。 封入球の循環構造の変形例を示す図である。 実施例2のスイッチ監視処理を示すフローチャートである。 実施例2のファール球検出スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 実施例2の持球数の表示更新制御を示すタイミングチャートである。 実施例5の封入球の循環装置及び制御系のブロック構成を説明する図である。 実施例5の発射許可信号編集処理を示すフローチャートである。 実施例5の封入球の研磨制御の動作のタイミングチャートである。 実施例5の封入球の研磨制御における表示装置の画面例を示す図である。 実施例6の発射許可信号編集処理を示すフローチャートである。 実施例6の表示装置における研磨期間の設定例を示す図である。 実施例6の封入球の研磨制御の動作のタイミングチャートである。 実施例7の停電復旧時の持球数の表示を説明する図である。 実施例8の停電復旧時における表示装置及びサブ液晶表示装置の動作を説明する図である。 実施例8の表示装置及びサブ液晶表示装置の具体的な画面の一例を説明する図である。 実施例9のセーフ球検出スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 実施例9の持球数管理処理を示すフローチャートである。 実施例9の始動入賞と賞球加算の動作を説明するタイミングチャートである。 実施例10のカード挿入応答処理を示すフローチャートである。 実施例10のカード挿入通知処理を示すフローチャートである。 実施例10のード返却応答受信処理を示すフローチャートである。 実施例10の遊技カードの不正を防止する動作を説明する図である。 実施例11の夜間監視スイッチの構成を示す図である。 実施例12の夜間監視スイッチの構成を示す図である。 実施例13の払出制御装置の電源投入時の処理を示すフローチャートである。 実施例13の払出制御装置の遊技中の処理を示すフローチャートである。 実施例18のパチンコ機の前面図である。 実施例19のパチンコ機の前面図である。 実施例20のパチンコ機の前面図である。 実施例21の遊技盤を示す図である。 実施例22の遊技盤を示す図である。 実施例23の一括表示装置を示す図である。 実施例24の一括表示装置を示す図である。 実施例25の一括表示装置を示す図である。 実施例26の一括表示装置を示す図である。
以下、本発明の実施例1として、本発明を封入球式遊技機であるパチンコ機に適用した場合の形態例を、図面を参照して説明する。
A.パチンコ機の正面構成
最初に、図1によって本例のパチンコ機の全体構成について説明する。図1は本例のパチンコ機1(封入球式遊技機)の前面図である。
このパチンコ機1は、いわゆる封入球式遊技機と称されるもので、遊技の進行等を管理制御する遊技制御装置(図6参照)を備え、遊技機本体内に所定数(例えば、30個)の遊技球を封入しておき、遊技媒体貸出装置としてのカードユニット(CRユニット)15より入力された有価価値の情報(球貸度数)に基づいた持球数(遊技価値)を基に、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行い、その遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益である持球数(遊技価値)を増加させ、かつ遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用してパチンコ遊技を行う機構になっている。ここで、カードユニット15は、遊技用の記憶媒体(遊技カードなど)に記録される情報の読み出し及び書き込みを行う媒体制御ユニットに相当する。
ここで、パチンコ機1に封入される遊技球の材質について説明する。
遊技球の材質としては、非磁性体が使用され、具体的には例えばオーステナイト系ステンレス鋼SUS316が使用される。これは、磁石による不正対策として非磁性体球を使用するためであり、また、メッキをしなくても錆びないからである。
代表的なオーステナイト系ステンレス鋼には、SUS304(18Cr−8Ni)やSUS316(18Cr−12Ni−2.5Mo)がある。Ni(ニッケル)を加えることにより、常温でオーステナイトとなり非磁性体となる。また、SUS316は特に耐食性に優れる。
封入される遊技球数としては、例えば30個が封入される。なお、封入球の数は上記のように所定数30個に限らず、例えば20個を封入する構成にしてもよい。
パチンコ機1は、当該パチンコ機1が設置される島に対して固定される機枠2と、この機枠2にヒンジ部3において回動可能に軸支されることによって、機枠2に対して開閉自在とされた前面枠4とを備える。この前面枠4には、遊技盤20(図2に示す)が取り付けられている。
また前面枠4には、その前面上側を覆うようにガラス枠5が開閉自在に取付けられている。なお、このガラス枠5により保持されるガラス板(透明のプラスチックボードでもよい、符号は省略)を介して、遊技盤20の後述する遊技領域22が前面から視認可能となっている。またガラス枠5は、ヒンジ部3において前面枠4に開閉可能に軸支されている。即ち、上記ガラス板を含むガラス枠5は、遊技盤20の前面(後述する遊技領域22を含む前面)を僅かな隙間で覆う通常の使用状態(閉状態)から、遊技盤20の前面を開放する状態(開状態)に動作可能となっている。そして、このガラス枠5の開状態では、例えば遊技盤20の前面に作業者が手を挿入して、遊技領域22における球詰まりを解除したり、不足している遊技球を投入したりすることが可能となっている。
なお、前面枠4は遊技枠という名称で呼称され、ガラス枠5は前枠という名称で呼称されることもあるが、本実施例では前面枠4、ガラス枠5で説明している。
ここで、機枠2、前面枠4、ガラス枠5の上位概念について説明する。
枠という大きな分類からすると、機枠2、前面枠4及びガラス枠5は枠という概念に含まれる。また、枠を外枠、内枠で区分した場合、外枠は上位概念では「支持体」と称し、内枠は上位概念では「本体枠」と称する。この場合、機枠2は外枠に相当し、前面枠4は内枠に相当する。
ただし、「支持体」の概念には、外枠+内枠の概念を含み、更に後面が塞がれた筺体も含む概念で表わす場合がある。
一方、「本体枠」の概念には、内枠+ガラス枠の概念を含んでいる。
また、ガラス枠5は上位概念では「透明板保持枠」と称する。この場合の「透明板保持枠」は上皿一体や上皿+下皿一体を含む概念で表わす場合がある。
したがって、機枠2、前面枠4、ガラス枠5の概念は、以下のようになる。
機枠2:外枠:「支持体」
前面枠4:内枠:「本体枠」
ガラス枠5:「透明板保持枠」
なお、その他の細かい名称として、機枠2、前面枠4、ガラス枠5の概念は、以下のように称されることもある。
機枠2:第2の機枠、支持枠体
前面枠4:第1の機枠、前枠、枠基体、遊技枠、
ガラス枠5:飾り枠、透明板組立体
また、実施例1は封入球式遊技機の例であり、上皿と下皿は設置されていないが、上皿は「貯溜皿」(下皿が無い場合も含む)、下皿は「受皿」という概念で称されることがある。
さて、図1の説明に戻り、ガラス枠5の下側には下部パネル6が設けられ、下部パネル6には操作表示装置7、持球数表示器40及び装飾持球表示装置250が配置されている。装飾持球表示装置250は上部装飾持球表示装置250a及び下部装飾持球表示装置250bを有している。上部装飾持球表示装置250aは、いわゆる上皿のイメージを醸し出すようにデザインされて操作表示装置7の上部側に配置され、多数のLEDで構成されている。上部装飾持球表示装置250aは、例えば遊技者の持球数が100個以上のときは全LEDが点灯又は移動点滅し、持球数が50個以下になると、全LEDのうちの半数が消灯するように装飾の制御が行われる。
一方、下部装飾持球表示装置250bは、いわゆる玉箱のイメージを醸し出すようにデザインされて持球数表示器40の下部側(後述の操作表示装置7よりも更に下側)に配置され、同じく多数のLEDで構成されている。下部装飾持球表示装置250bは、例えば計数球数=0のときは全LEDが消灯し、持球数の計数中は上部装飾持球表示装置250aから玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの方へ球が移動するようにLED(後述のように、この部分は計数装飾部250cに相当)を移動点滅させるように装飾の制御が行われる。そして、計数球数に応じて玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの下部より順にLEDを点灯させ、LEDの点灯数量により、およその計数球数が遊技者に分かるような装飾制御が行われる(詳細は作用のところで後述)。なお、持球数の計数中に下部装飾持球表示装置250bのLEDが移動点滅する部分を計数装飾部250cと言うことにする。
持球数表示器40(持球数表示装置)は遊技者が獲得した持球数(すなわち、遊技者の利益としての遊技価値)を表示するものであり、7セグメントのLEDを6個配列して6桁の数値(持球数)を表示可能な構成になっている。
ここで、持球数表示器40は遊技機(具体的には、払出制御装置230)の管理により遊技者の遊技価値を表示する第1の遊技価値表示手段を構成する。
また、下部パネル6には計数スイッチ311、計数球表示器313、演出操作スイッチ9が配置されている。
なお、休憩スイッチは下部パネル6には配置されておらず、詳細を後述するように操作表示装置7に休憩ボタン708として配置されている(図11(a)参照)。
また、計数球使用ボタンも下部パネル6には配置されておらず、詳細を後述するように操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に表示される構成になっている。ただし、計数球使用ボタン710はメッセージ・操作領域部706の初期画面では表示されず、計数球が発生した時にメッセージ・操作領域部706に表示される構成になっている。説明を分かりやすくするため、後述の図11(a)に示すようにメッセージ・操作領域部706の初期画面に、仮想的に計数球使用ボタン710が出現する箇所に、計数球使用ボタン710を表記している。
計数スイッチ311は遊技者がスイッチの表面の操作部(ボタン)を押すと、オン(あるいはオン・オフの交互動作)するようになっている。また、計数球表示器313は計数球があれば、点灯する構成になっている。
計数スイッチ311は遊技者が持球数の計数を望むときに操作するものであり、計数スイッチ311が押されると、持球数の計数が開始される。計数スイッチ311の内部には計数スイッチLEDが設けられており、計数スイッチLEDは計数スイッチ311の押下を促すときに点灯する。このように、計数スイッチ311は計数スイッチLEDを内蔵した構成になっている。
演出操作スイッチ9(第1の演出操作部)は、一定範囲で演出に関与可能で遊技者が操作するもので、中央に押しボタン式のスイッチ(図1ではボタンPと表記)を有する他、いわゆる十字キーに相当するような上下左右に配置された4つのスイッチを有している。中央の押しボタン式のスイッチ(ボタンP)は、遊技者が押すことで一定範囲で演出に関与できるとともに、上下左右に配置された4つのスイッチを押すことで、例えば表示装置41の画面に現れた数字や記号などを選択できる構成になっている。
一方、パチンコ機1には前述のカードユニット15(カード式媒体制御ユニット)が併設されている。カードユニット15は、カード投入口201に遊技カード(記憶媒体:遊技価値記憶媒体)を挿入して、遊技者が前記操作表示装置7の球貸ボタン703(図11参照)を操作することにより、遊技カードに記録された有価価値情報(例えば球貸度数)の範囲内で、所定度数の球貸し(持球数の増加)を行えるようになっている。
カードユニット15には、その他に現金投入口202が設けられている。現金投入口202は現金を投入可能なもので、ここに所定の紙幣(例えば、1000円、5000円、1万円)を投入することにより、投入紙幣の金額に対応した球貸度数の範囲内で遊技球の貸出し(即ち球貸し;持球数の増加)が行われる。このとき、投入した現金に対応したプリペイドカード(後述のビジターカード)がカードユニット15内部で発行されたことになる。
カードユニット15で使用できる遊技カードには、会員以外の一般遊技客も使用できるプリペイドカード(以下、ビジターカードという)に加えて、ハウスカードと称される遊技場独自の会員カードの使用も可能であり、その場合はカード投入口201に遊技カードとしての会員カードを投入する。この会員カードを挿入した場合、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706の画面にて当該会員の暗証番号を入力することを条件に、貯球が使用できる構成としてもよい。なお、操作表示装置7の画面にはLCDタッチパネル方式のものが採用され、遊技者は指でタッチパネルに触れて、暗証番号を入力可能な構成である。
また、カードユニット15にはカードユニットエラー報知LED203が配置されており、カードユニットエラー報知LED203はカードユニット15に生じたエラーを報知する。
さらに、カードユニット15は後述のように、操作表示装置7をカードユニット15の構成部材の一部として有している。操作表示装置7は球貸度数などを表示したり、球貸しなどの操作を行うためのものである(詳細は図11参照)。
図2に示すように、遊技盤20は、板状の基材(いわゆるベニア)の前面に遊技釘を植設したもので、その前面の略円形領域がガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されたものである。遊技領域22は、打ち込まれた遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行う領域であり、入賞口に遊技球が入って有効にセーフとなる場合は、入賞口の種類に応じて設定されている所定数の遊技球のデータが賞球として遊技者の持球数に加算される構成となっている。
図1に戻って、前面枠4の開閉側(図1において右側)の縁部には、前面枠4及びガラス枠5の施錠装置(図示省略)の鍵挿入部8が形成されている。
また、下部パネル6には、効果音等を出力する下スピーカ10と、遊技球の発射操作を行う発射操作ハンドル11と、灰皿12とが設けられている。
発射操作ハンドル11は遊技球の発射操作を行うものであり、発射ボリューム171(図6参照)を固定することが可能な構成になっている。これは、発射操作ハンドル11に触れて発射ボリューム171を遊技者が所望の位置で固定することで、遊技球の発射強度を調整することを可能にするものである。なお、図示省略しているが発射ボリューム171は、ハンドルロック部を遊技者が操作することにより、その位置で固定される。またハンドルロック部を解除操作することにより、初期位置に戻る構造である。
さらに、図1において、符号13で示すものは、ガラス枠5の前面に設けられたLED(発光ダイオード)を発光源とする装飾ランプであり、符号14a、14bで示すものは、ガラス枠5の下部前面に設けられた複数のムービングライトである。図示省略しているが、ムービングライト14a、14bは、発光源としてLEDを備え、駆動源としてモータを備えている。ここで、装飾ランプ13とムービングライト14a、14bは図6に示す装飾表示LED(枠)141を構成する。
また、図1において、符号16a、16bで示すものは、ガラス枠5の上部左右両側に設けられた効果音等を出力する上スピーカである。
遊技場へ設置する前のパチンコ機1の下部パネル6には操作表示装置7が配置されておらず、設置済みのパチンコ機1にカードユニット15側の構成に属する操作表示装置7を下部パネル6の前面側に取り付ける構造になっている。
すなわち、操作表示装置7はカードユニット15の構成の一部になるもので、カードユニット15の管理下にあって、カードユニット15によって制御される構成であり、カードユニット15と連結部7Cを介して接続されている。そして、パチンコ機1の設置時に、カードユニット15に連結部7Cを介して接続されている操作表示装置7を前面からパチンコ機1の下部パネル6で持球数表示器40の下部側に取り付けるようになっている。
したがって、遊技店にパチンコ機1を設置する際には、最初にパチンコ機1を設置し、その後、カードユニット15を設置し、次いで、設置済みのパチンコ機1にカードユニット15側の操作表示装置7を連結部7Cを倒して下部パネル6の前面側に取り付けるという工程になっている。なお、カードユニット15が設置された後に、パチンコ機1を設置する場合もある。この場合も、パチンコ機1の設置の後に操作表示装置7を取り付けることになる。なお、上記連結部7Cはフレキシブルな構造でもよいし、あるいはヒンジ構造であってもよい。
操作表示装置7は、遊技者が指でタッチパネルに触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成され、球貸レート表示器701、残金額表示器702、球貸ボタン703、返却ボタン704、貯球・再プレイボタン705、メッセージ・操作領域部706、切替ボタン707、休憩ボタン708、持球表示ボタン709が配置されている。なお、計数球使用ボタン710は、計数球数がある時にメッセージ・操作領域部706に表示される。操作表示装置7における各種ボタンの機能については、詳細を後述する(図11参照)。
メッセージ・操作領域部706は、貯球・再プレイ時に会員カードを有する会員が暗証番号を入力したり、営業上のメッセージを表示したりする他、貯球数表示、持球数や計数球数の詳細の表示などを行うところであるとともに、球貸度数も表示する。さらに、メッセージ・操作領域部706では、持球数及び計数球数をアナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)することが可能な構成になっている。また、メッセージ・操作領域部706には、計数球数がある時に計数球使用ボタン710が表示される。
さらに、実施例1では遊技盤20の左右側方に可変表示装置としてのレベルメータ左17Lと、レベルメータ右17Rがそれぞれ設けられている。これらのレベルメータ左17L及びレベルメータ右17Rは上下に機械的に(メカニカル的に)可動する表示部17a、17bをそれぞれ有しており、表示部17a、17bは通常時は大当りに関する信頼度メーターとして上下に移動して大当り信頼度を示す演出(例えば、大当りへの期待度が高い程、上昇する演出)を行うとともに、計数球がある場合には一方のレベルメータ、例えばレベルメータ右17Rは計数表示装置としての機能を発揮して計数球数をアナログで表示するような演出を行う。
ここでの計数球数のアナログ表示とは、計数球数に応じて表示部17bが上下に移動し、計数球が少ないときは低い位置で停止し、計数球が多くなると、高い位置に移動しておよその計数球数をアナログで遊技者に知らせる演出のことである。すなわち、表示部17bは計数球が増えるに従って上昇する構成であり、遊技者が感覚的におよその計数球数を把握できるようになっている。
また、停電によりパチンコ機1の動作が停止した場合には、表示部17bは停電時の計数球数の位置で停止し、その位置で留まる構成(機械的に可動する仕組みのため)であり、獲得した遊技球が保持されていることを遊技者に知らせることが可能なようになっている。
B.遊技盤の前面構成
図2において、符号21は遊技盤20のガイドレールであり、既述したように、遊技盤前面の略円形領域がこのガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されている。
遊技領域22には、図2に示すように、アウト球流入口23、センターケース24、第1始動入賞口25、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26、第1変動入賞装置27、一般入賞口28〜31、普図始動ゲート32、サブ液晶表示装置33、第2変動入賞装置34、演出役物装置36、多数の遊技釘(図示省略)などが設けられている。また、遊技盤20の遊技領域22外には、一括表示装置35が設けられている。なお、図2に破線で示す発射装置37は枠部に設けられる構成である。また、遊技釘は、遊技領域22の上部に飛入した遊技球がこれに当たりながら流下するものであり、センターケース24等の取付部分を除いた遊技領域22内に複数本植設されている。
上記において、第1変動入賞装置27は大入賞口1、第2変動入賞装置34は大入賞口2と表記することがある(例えば、後述の図6における大入賞口1SOL等)とともに、いわゆるアタッカーとしての表記では第1大入賞口27a、第2大入賞口34aと言う。
ここで、上記アウト球流入口23とは、遊技領域を通過して遊技の結果が外れ(アウト)になった球を流入させる部分であり、後述のアウト数とは異なる概念である。
すなわち、後述の発射ソレノイド173の操作によって遊技領域22に発射された球は全て遊技領域22を流下する過程で遊技を行うことになり、何れかの入賞口に入賞した球はセーフ(当たり)、何れの入賞口にも入賞しない球はアウト(外れ)という遊技結果になる。その場合、セーフ球は賞球を発生させるが、賞球数は封入球式遊技機の場合には電子的に持球数に加算されるのみで、実球の排出はない。そして、当該セーフ球は図5に示すように、盤面(遊技盤22)からの回収球を取り入れるアウト通路331に流入する。
一方、何れの入賞口にも入賞しないアウト球は外れ(アウト)の遊技結果となり、アウト球流入口23を通過した後、盤面(遊技盤22)からの回収球を取り入れるアウト通路331に流入する。
なお、実施例1では遊技球の発射装置37が遊技盤20の上部側に配置される構成であるため、球は発射装置37から直接に遊技領域22に向けて発射されて全ての球が遊技機結果(セーフ又はアウト)を発生し、遊技盤22に発射されずにファールとなるようなファール球は存在しない。
後述のアウト数とは、セーフ(当たり)球と、アウト(外れ)球とを含む概念であり、要するに、遊技領域22を通過して遊技結果を発生させて、遊技盤20から外部(ここでは盤外(アウト):遊技機の外ではない)に回収される球のことである。そのために、遊技を終了した後に、遊技盤20から盤外に出る球数のことをアウト数と称することにしている。なお、セーフ球は後述の図6に示す第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出され、アウト球は後述の図6に示すアウト球検出スイッチ161によって検出される構成になっている。
センターケース24は、遊技盤20の裏側に取り付けられる表示装置41(図6に示す)の表示部41a(図2に示す)の前面周囲を囲む部材である。図示省略しているが、このセンターケース24には、演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類や、例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物(モータやソレノイドなどの駆動源によって作動する可動部を有する役物)が設けられている。
ここで、センターケース24は大きな分類からすると「遊技盤構造」に分類されるとともに、「遊技演出構成体」という上位概念で表わされる。また、「遊技演出構成体」には「センター前枠+センター裏枠」という概念が含まれる。
なお、演出又は装飾のためのランプ類は、遊技盤20のセンターケース24以外の部分(遊技領域22外でもよい)にも設けられる。遊技盤20(センターケース24含む)に設けられた演出又は装飾のためのランプ類は、盤側の演出機構に相当し、装飾表示LED(盤)144(図6に示す)を構成する。
また、機枠2や前面枠4等の枠側に設けられた演出又は装飾のためのランプ類としての装飾ランプ13、ムービングライト14a、14bは、枠側の演出機構に相当し、前述したように、装飾表示LED(枠)142(図6に示す)を構成する。
演出役物装置36は機械的に可動可能な構造を有し、図示の静止位置から下方に落下移動したり、再び、元の静止位置に戻る等の動作を行って演出効果を高めるものである。なお、演出役物装置36は振動したりして演出を行う構成を加えてもよい。また、演出役物装置36の一部に小型の液晶表示装置を含む構成にしてもよい。
発射装置37は枠部(例えば、機枠2)に設置され、遊技盤20の上部から遊技領域22に向かって遊技球を発射可能な装置であり、いわゆる上部発射タイプの発射機構を有するものである。
表示装置41(演出手段、発射強度表示手段)は、例えば液晶表示装置を含んで構成され、通常、変動表示装置と称されるものである。なお、表示装置41の名称としては、同様の機能を持つ部材の呼び名として、例えば特図表示装置、図柄変動装置、可変図柄表示装置、識別情報変動装置、識別情報変動表示装置など各種あるが、機能が同じものは同一の範疇である。
表示装置41は、数字や文字などの識別情報(特図という)を表示可能な表示部41a(画面)を有し、複数列の特図を表示可能である。例えば、左側と中央と右側に特図を縦3列に表示し、各列において数字や文字等よりなる特図を停止状態で表示(停止表示)したり、あるいは変動状態(例えば、縦方向にスクロールする状態)で表示(即ち、変動表示)したりすることが可能である。
ここで、表示装置41は遊技機が管理する第1の表示装置を構成する。
また、表示部41aには、上記特図とは別個に背景画像やキャラクタ画像などの演出用又は情報報知用の画像、或いは、いわゆる普図に相当する画像が表示可能である。
なお、いわゆる普図に相当する画像を表示装置41に表示可能な構成としてもよい。ただし、表示装置41に普図を表示した場合には、それは飾り普図のことである。表示装置41に普図を表示する構成にした場合、表示装置41は普通図柄可変表示装置に相当する。
ここで、特図とは大当りに関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報であり、普図とは普図当り(大当りではない)に関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報である。
普図は、実際には表示装置41に表示されておらず、一括表示装置35に表示する構成になっている。一括表示装置35に表示される普図を後述のように本普図という。
また始動入賞口25、26は、後述するように特図の始動入賞口として機能する入賞口であり、本例では図2に示すように上下に並んで配設されている。上側の第1始動入賞口25は常に開口している。下側の第2始動入賞口26は、開閉部材26aを左右両側に有し、これら開閉部材26aが逆ハの字状に開くと入賞可能になり、図2に示すようにこれら開閉部材26aが閉じていると入賞不可能である。これら始動入賞口25、26は、センターケース24の中央部下方に配置されている。
なお、第2始動入賞口は普通電動役物(普電)ともいい、普通変動入賞装置に相当する。
また第1変動入賞装置27は、開閉部材27bによって開閉される第1大入賞口27aを有する装置(いわゆるアタッカー)である。この第1大入賞口27aは、後述する大当りになったことを条件として開放されて遊技球が入賞可能となる。
さらに、第2変動入賞装置34は一片の開閉部材34bを有し、この開閉部材34bが上方に開くと遊技球が入賞可能になり、図2に示すように、この開閉部材34bが閉じていると入賞不可能である。この第2変動入賞装置34は、後述する大当りの中でも特別の当たり状態になったことを条件として開放されて遊技球が入賞可能となる。この場合、大当りが発生したときには第1変動入賞装置27あるいは第2変動入賞装置34の何れか一方が開放されるが、何れを開放するかは特図変動表示ゲームの結果態様(特別結果)により決定される。
なお、第2変動入賞装置34において開閉部材34bが開いて入賞可能となる開口部を第2大入賞口34aという。
ここで、本実施例では第1変動入賞装置27と第2変動入賞装置34の2つのアタッカーが配置される構成であるので、第1変動入賞装置27を第1アタッカー、第2変動入賞装置34を第2アタッカーと呼ぶことがあり、また、各アタッカーの入賞口を第1大入賞口(又は下大入賞口)27a、第2大入賞口(又は上大入賞口)34aと呼ぶことがある。後述のように、第1大入賞口は第1大入賞口ソレノイド132によって開閉され、第2大入賞口は第2大入賞口ソレノイド133によって開閉されるようになっている。
また、第1始動入賞口25、第2始動入賞口26、普図始動ゲート32は大きな分類からすると、遊技盤構造という概念で称されるとともに、これらは始動領域という区分の概念に相当する。ここでの始動領域という概念は、特図始動口及び普図ゲートを含む概念である。
一括表示装置35には特図とは別に普図も表示されており、普図ゲームについて説明すると、以下の通りである。
遊技球が普図始動ゲート32を通過したとき、一括表示装置35で普図の変動表示による普図の変動表示ゲーム(以下、普図変動表示ゲームという)が行われ、停止した普図が所定の態様(特定表示態様)であれば、普図当りと呼ばれる特典が付与される。
なお、表示装置41で普図を表示する構成にした場合には、表示装置41の画面で普図(飾り普図)の変動表示が行われる。ただし、表示装置41とは別に独自の普図表示器を配置してもよい。
普図当りになると、第2始動入賞口26の一対の開閉部材26aが逆ハの字に開いた開状態に、所定の開放時間だけ一時的に保持される遊技が行われ、遊技球が始動入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート32にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等(表示装置41とは別に独自の普図始動記憶表示器を配置してもよい)で普図始動記憶の保留表示が実行されて、例えば4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。また、普図の確率を高確率にすれば、普図当たりしやすくなる。
なお、一括表示装置35の表示器によって表示される普図始動記憶の保留表示は、本普図始動記憶である。一括表示装置35とは別に、飾り普図始動記憶を表示するための独自の普図始動記憶表示器を遊技領域22に配置してもよい
ここで、時短について説明しておくと、以下のようなものである。
時短は「時間短縮」の略で、大当たり終了後、特図や普図の変動時間を通常よりも短縮し、時間効率を高めるとともに、普図当たり確率を高めて普通電動役物(普電)(第2始動入賞口26)の開放(普電の開放時間を通常よりも長くすることも含む)による始動口への入賞のサポートを行うことで、所定の特図の変動表示ゲームの実施回数まで持ち玉(持球数)を減らさずに効率よく特図を変動させる機能である。以下では、このような時短が実行されている状態を、普電サポート状態又は時短状態という。
次に一括表示装置35は、いわゆる普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示(場合により、特図保留表示、普図保留表示という)や、遊技状態の表示を行うものであり、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器、或いは本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器)によって構成される。例えば、一括表示装置35の中のLEDセグメントのうち、特図1を表示するものは特図1表示器、特図2を表示するものは特図2表示器として配置されている。
なお、始動記憶の保留表示(場合により、単に始動記憶表示という)とは、変動表示ゲームが未実施の状態で保留されている始動記憶の数等を報知するための表示であり、一般的には、始動記憶毎にランプ等の点灯によって表示する。即ち、始動記憶が3個有れば、3個のランプを点灯させたり、3個の図形を表示させたりすることによって行われる。
一括表示装置35の詳しい構成は、図12で後述する。
なお、この一括表示装置35の表示器によって表示されるものが本特図や本普図(正式な特図や普図)であるのに対して、前述の変動表示装置41の表示部等で行われる特図や普図(ただし、変動表示装置41で普図を表示する構成を採用した場合)の表示は、遊技者向けの演出用のダミー表示である。このため、遊技者から見て特図や普図といえば、このダミー表示の方を指している。なお以下では、このダミー表示であることを強調する場合に、例えば「飾り特図」、「飾り普図」と表記する。
このように、この一括表示装置35は、遊技者に認識しにくいかもしれないが後述の遊技制御装置54が直接制御するもので、遊技盤20の検査などで使用されるものである。例えば、より遊技者に認識しやすい遊技者向けの特図の始動記憶の表示(特図保留表示)は、例えば前述したように表示装置41の表示部、或いは遊技盤20に設けた複数のランプ(発光部)によって行われる。
また、本実施例では前述したように、サブ液晶表示装置33が設けられており、サブ液晶表示装置33は遊技領域22の一方の側方で、表示装置41における表示部41aの側方(ほぼ盤面中央付近)に配置されている。なお、サブ液晶表示装置33との対比で表示装置41を説明の都合上、必要に応じてメイン液晶表示装置と呼ぶ。
サブ液晶表示装置33は表示装置41に比べて小型に形成され、液晶画面に各種情報を表示可能な構成であり、遊技機側の演出制御装置53によって制御される。具体的には、サブ液晶表示装置33は計数球数を表示するとともに、計数球が無いときは演出表示(例えば、機種名表示やメイン液晶表示装置と連動した演出等)を行う。ただし、サブ液晶表示装置33は計数球数を表示するが、計数球数表示よりも演出表示を優先する場合(例えば、大当りへの期待度が高いリーチ発生時等)がある。
C.パチンコ機の裏機構
次に、図3は本実施例におけるパチンコ機1の裏機構を示す図である。
ここで、裏機構は大きな分類からすると、裏面構成体という概念で称される。裏面構成体は、センター裏枠という概念に相当する他、裏面構成体は例えば裏仕切板、背面装飾ユニット、裏構造体、後部ユニットという概念で表わす場合がある。
図3において、パチンコ機1における裏機構の主要な部品としては、カードユニット接続端子板52、演出制御装置53、遊技制御装置54、払出制御装置230、電源装置58、防犯プレート60、ドロアコネクタ部71などがある。
なお、遊技球を研磨する研磨装置、揚送装置、発射装置等は図3では示されておらず、図5を参照して後述する。
なお、従来(封入球式でないタイプ)の貯留タンク(上タンク)やセーフユニットに相当する構成要素は無い。
カードユニット接続端子板52はパチンコ機1側とカードユニット15側との配線接続のための基板であり、パチンコ機1側の払出制御装置230からカードユニット15側へ情報を送信するのみならず、カードユニット15側からパチンコ機1側の払出制御装置230への入力も許容する配線接続のための基板である。すなわち、パチンコ機1とカードユニット15の間の双方から情報の伝達が可能である配線接続のための基板である。
また、前述したように、操作表示装置7はカードユニット15の管理下にあって、カードユニット15によって制御される構成であるため、操作表示装置7はカードユニット15と例えばハーネスにより直接に接続されている。したがって、カードユニット15は直接接続されたハーネスを介して操作表示装置7との間で情報や信号等の入出力が可能である。
演出制御装置53は、遊技制御装置54から出力される制御コマンドに基づき表示装置41、サブ液晶表示装置33、装飾表示LED(盤)141、演出役物装置36、装飾表示LED(枠)142、装飾持球表示装置250、レベルメータ左17L、レベルメータ右17R、下スピーカ10、上スピーカ16a、16bなどを駆動制御するもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する回路基板が収納されて構成されている。
遊技制御装置54は、特図等のゲームの管理を行う主制御装置(主基板)であって、特図等のゲーム進行に関連して遊技盤20に配設されている各種スイッチ、ソレノイド、ランプ等の電気部品(電気式役物)を電気的に制御するとともに、他の制御装置に制御情報を送って、遊技の進行を統括的に管理制御するもので、これら制御を行うマイコンを含む回路が形成された回路基板が、所定のケース61内に収納された構成となっている。
ケース61は、2つのカシメ部62a、62bによって容易な開封を阻止するセキュリティ構造になっている。即ち、このカシメ部で封印された状態では、このカシメ部を破壊しない限り開封できない構造となっており、開封すれば開封したことが明確になるようになっている。また、このカシメ部の数に対応する回数だけしか封印できない。なお、ケース61を封印するカシメ部は2つに限らず、例えば4つ設けてもよい。
遊技制御装置54の裏側には、当局が当該パチンコ機1の検査を行うためのケーブルが接続される検査装置接続端子63が配置されている。
払出制御装置230は封入球の管理・持球数の管理を行うもの(払出制御基板)であり、その制御を行うマイコンを含む回路が形成された回路基板が、所定のケース64内に収納された構成となっている。ケース64は、2つのカシメ部65a、65bによって容易な開封を阻止するセキュリティ構造になっている。即ち、このカシメ部で封印された状態では、このカシメ部を破壊しない限り開封できない構造となっており、開封すれば開封したことが明確になるようになっている。また、このカシメ部の数に対応する回数だけしか封印できない。なお、ケース64を封印するカシメ部は2つに限らず、例えば4つ設けてもよい。
払出制御装置230の裏側には、当局が当該パチンコ機1の検査を行うためのケーブルが接続される検査装置接続端子66、所定の異常時に点灯(あるいは点滅)するエラー表示LED67、エラーを解除するためのエラー解除スイッチ68、払出制御装置230のRAM233及び遊技制御装置54のRAM113をクリアするRAMクリアスイッチ182、封入球を外部に抜くための球抜きスイッチ183が配置されている。
電源装置58は商用の交流電源(例えば、AC100V)を入力電源とし、この入力電源から上記各制御装置やパチンコ機1の各電子部品に必要な電源を供給する。なお、商用の交流電源はAC100Vに限らず、例えば島単位でAC24Vを各遊技機に供給し、AC24Vを入力電源とする構成でもよい。
防犯プレート60は、パチンコ機1における機枠2の裏側に配置されて不正行為を防止するための板状の金属製のプレートであり、この実施例では左右に一対(つまり、2つのプレート)が配置されている。防犯対策としては、カードユニット15とパチンコ機1との隙間を防犯プレート60によって埋める等の機能を発揮させるものである。
ドロアコネクタ部71は、ドロアコネクタ構造の主接続基板75及び払出接続基板76と、ドロアコネクタ構造の演出接続基板(盤)77及び演出接続基板(枠)78とが収納される部署である。なお、ドロアコネクタについては詳細を後述する。例えば、ドロアコネクタ構造の主接続基板75及び払出接続基板76は、盤側(遊技盤20側)の遊技制御装置54と、枠側(機枠2等の側)の払出制御装置230とを接続するためのものである。また、ドロアコネクタ構造の演出接続基板(盤)77及び演出接続基板(枠)78は、枠側の部材である演出制御装置53と、枠側の部材である装飾表示LED(枠)141、装飾持球表示装置250、レベルメータ左17L、レベルメータ右17R等とを接続するためのものである。
次に、図4はパチンコ機1の裏機構のうち、演出制御装置53等を取り外した状態における遊技球の循環経路等を示す断面図である。
図4において、遊技球の循環経路を構成するものとして、下部通路301、楊送装置302、上部通路303、バイパス通路304が設けられているとともに、バイパス通路304の下部側に球抜き通路305が設けられている。
下部通路301は所定角度だけ傾斜した構造で、球が自重で緩やかに下部通路301を流れるようになっている。下部通路301の下方には研磨装置306が配置されている。研磨装置306は封入球を研磨するもので、下部通路301の途中にある下切替弁310が開放しているときに、下部通路301から下切替弁310を介して矢印で示すように研磨入口通路319から流入した球を研磨モータ312の動力により搬送スクリュー320で搬送しつつ、内部に配置された研磨部材314(例えば、研磨布)により球を磨き、下部出口315から排出するようになっている。なお、下部出口315から排出した球は下部通路301を通って楊送装置302の入口に向かう。
下切替弁1310は下切替ソレノイド310Sを備えており、下切替ソレノイド310Sがオフのときは下切替弁310の弁体がスライドせず、スプリングによって弁体が付勢されて研磨入口通路319を閉鎖して球が研磨装置306に流入しないようにする。このとき、球は後述のアウト通路331又はバイパス通路304から下部通路301を流れて、そのまま下部通路301を通過し、楊送装置302の入口に向かい、研磨装置306には流入しない。
なお、図4において、○の記号は矢印とともに遊技球(封入球)の動きを示している。
一方、下切替ソレノイド310Sがオンすると、下切替弁310の弁体が下切替ソレノイド310Sにより吸引されてスライドし、研磨入口通路319を開口して下部通路301にある球を重力によって研磨装置306に流入させるように作動する。これにより、アウト通路331又はバイパス通路304から下部通路301に流入した球は重力によって研磨入口通路319に誘導されて研磨装置306に流入し、球磨きが行われることになる。
研磨装置306には研磨入口スイッチ321、研磨モータスイッチ322、研磨布モータ323、研磨布ユニットスイッチ324が配置されている。
研磨入口スイッチ321は研磨装置306に流入する球を検出し、研磨モータスイッチ322は研磨モータ312の作動を検出する。研磨布モータ323は研磨部材314(例えば、研磨布)を巻き取るためのモータであり、研磨布モータ323が作動すると、研磨部材314が研磨布ユニットに巻き取られ、研磨布ユニットを交換することで研磨部材314を交換することができるようになっている。なお、研磨部材314は封入球の研磨で汚れるので、一定期間が経過すると、交換される。
研磨布ユニットスイッチ324は研磨布ユニットの取り付けを検出するものである。
下部通路301の途中には前述した下切替弁310が配置されており、この下切替弁310と対向する位置にはアウト球及びセーフ球が通過するアウト通路331が開口している。
そして、アウト通路331と対向する位置に研磨入口通路319が配置され、この研磨入口通路319が下部通路301を望む箇所に、下切替弁310が配置されるという構成になっている。また、下部通路301の上流側(図4にて紙面右側)はバイパス通路304に連通している。
したがって、下部通路301にはアウト通路331からの球(遊技を終了した後に、遊技盤20から盤外に出る球)やバイパス通路304からの球が流入可能である。
アウト通路331を通過する球は、セーフ(当たり)球と、アウト(外れ)球とを含む概念であるアウト数となる球であり、アウト数となる球は遊技領域22を通過して遊技結果を発生させて、遊技盤20から外部(ここでは盤外(アウト):遊技機の外ではない)に回収される球である。したがって、アウト通路331には遊技盤22にて遊技を終了したセーフ球及びアウト球が回収球として取り込まれる。
なお、本実施例では遊技球の発射装置37が遊技盤20の上部側に配置される構成であり、球は発射装置37から直接に遊技領域22に向けて発射されるため、遊技盤22に発射されずにファールとなるようなファール球は存在せず、回収球としてファール球がアウト通路331を通過することはない。
研磨装置306に流入せずに下部通路301をそのまま通過した球又は研磨装置306に流入して研磨を終了して下部出口315から排出した球の何れも楊送装置302の入口に向かい、楊送装置302に流入する球は楊送入口スイッチ332によって検出される。
楊送装置302は、楊送入口スイッチ332を通過した球を楊送モータ333を作動させて矢印で示すように上方に楊送し、楊送出口スイッチ334を介して上部通路303に排出する。楊送出口スイッチ334は楊送装置302から排出される球を検出する。
また、楊送装置302は楊送モータスイッチ335を備えており、楊送モータスイッチ335は楊送モータ333の作動を検出する。
楊送出口スイッチ334を介して上部通路303に排出された球は、上部通路303を流れて上切替弁336が閉鎖状態のときに、上切替弁336により阻止されて滞留し、発射装置37に球を供給可能な構成になっている。発射装置37は遊技盤20の上部から遊技領域22に向かって遊技球を発射する。
上部通路303は所定角度だけ傾斜した構造で、球が自重で緩やかに上部通路303を流れるようになっている。上部通路303には電磁石341、第2封入球検出スイッチ165(封入球検出2SW)、第1封入球検出スイッチ164(封入球検出1SW)、小球センサ342が配置されている。
電磁石341は上部通路303を流れる球が磁性体であることを検出する際に使用するもので、球が磁性体であれば、電磁石341をオンしたときに吸引される。一方、球が磁性体でなければ、電磁石341をオンしたときに吸引されず、電磁石341の影響を受けずに、上部通路303をそのまま流下する。したがって、楊送出口スイッチ334が球の通過を検出したときに、電磁石341を所定時間だけオンさせて球が電磁石341の影響を受けずに第2封入球検出スイッチ165を通過するまでの時間と、電磁石341を所定時間だけオンさせて球が電磁石341に吸引されるという影響を受けた後に第2封入球検出スイッチ165を通過するまでの時間とを比較することで、前者は電磁石341の影響を受けないので正規な非磁性体の球、後者は電磁石341の影響を受けることから不正な磁性体の球と判定する。
電磁石341により遊技球が正規な非磁性体の球であるか否かの判定を行うのは、パチンコ機1の電源投入時(例えば、開店時)の所定期間である。この所定期間では、上切替ソレノイド336Sがオンして上切替弁336の弁体が吸引されて上部通路303の端部を開口して上部通路303の球がバイパス通路304に流入するようになっている。また、このとき、球抜きソレノイド344Sも作動せず、球抜き弁344により球抜き通路305の入口も閉鎖されている(球抜き弁344の詳細な構成は後述)。また、パチンコ機1の電源投入時には研磨装置306も作動して封入球の研磨が行われる。なお、封入球の研磨時には下切替ソレノイド310Sがオンして下切替弁310が研磨入口通路319を開口して下部通路301にある球を研磨装置306に流入させるように作動して、研磨装置306により球磨きが行われることになる。
したがって、上部通路303の封入球はバイパス通路304、下部通路301、研磨装置306、楊送装置302を経て再び上部通路303に戻るという経路を循環することになる。このような循環経路を球が循環する過程で、電磁石341を所定時間TDだけオンして遊技球が正規な非磁性体の球であるか否かの判定が行われる。
この場合、遊技球が正規な非磁性体の球であれば、電磁石341を所定時間TDだけオンしたときに吸引されないので、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第2封入球検出スイッチ165を通過するまでの時間が所定時間TDより短くなることから、正規な非磁性体の球と判定できる。ここで、所定時間TDは正規な非磁性体の球が揚送出口スイッチ334を通過してから第2封入球検出スイッチ165を通過するまでの時間よりやや長く設定する。
一方、遊技球が不正な磁性体の球であれば、電磁石341を所定時間TDだけオンしたときに吸引されるので、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第2封入球検出スイッチ165を通過するまでの時間が所定時間TDより長くなることから、不正な磁性体の球と判定できる。
したがって、電磁石341を所定時間TDだけオンしたときに、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第2封入球検出スイッチ165を通過するまでの時間が所定時間TDを超えていれば、払出制御装置230は不正な磁性体の球と判定と判定し、球抜きソレノイド344Sをオンして球抜き弁344によりバイパス通路304の端部を開口してバイパス通路304にある球を球抜き通路305に流入させて回収ボックス345に回収することになる。
また、楊送出口スイッチ334と第2封入球検出スイッチ165との間の上部通路303には補給ボックス部343が連結されており、補給ボックス部343は新しい遊技球を上部通路303に補給することが可能なものである。
なお、研磨装置306が作動しているときに楊送入口スイッチ332が一定時間以上、楊送入口スイッチ332を通過する球を検出しないと研磨装置306における球詰まり等の異常と判断し、研磨装置306の研磨モータ312が回り続けるのを回避するようにしてもよい。
ここで、楊送装置302で楊送されて楊送出口スイッチ334を介して上部通路303に排出された球(又は補給ボックス部343から補給されて上部通路303に排出された球)は、上部通路303が所定角度だけ傾斜した構造であるので、球の流下する勢いが減らされて緩やかに流下していく。そして、上部通路303を流入する球は自重によって、第1封入球検出スイッチ164(封入球検出1SW)、第2封入球検出スイッチ165(封入球検出2SW)、小球センサ342が順次配置されている上部通路303を通過して通常時(球抜き時以外のとき)に閉鎖状態となる上切替弁336によって阻止され、発射装置37の方に導かれて発射装置37から遊技盤20の上部に向けて発射される。
なお、上切替弁336は上切替ソレノイド336Sを備えており、上切替ソレノイド336Sがオフのときは上切替弁336の弁体がスライドせず、スプリングによって弁体が付勢されて上部通路303の端部(バイパス通路304との連通部)を閉鎖して球がバイパス通路304に流入しないようにする。このとき、球は上部通路303から発射装置37の方に導かれ、バイパス通路304への流入は阻止されている。
一方、上切替ソレノイド336Sがオンすると、上切替弁336の弁体が上切替ソレノイド336Sにより吸引されてスライドし、上部通路303の端部(バイパス通路304との連通部)を開口して上部通路303にある球を重力によってバイパス通路304に流入させるように作動する。これにより、上部通路303の球は重力によってバイパス通路304に誘導されることとなり、発射装置37へは供給されない。
なお、上切替ソレノイド336Sの動作は払出制御装置230の球抜きスイッチ183を操作して行われるようになっており、球抜きスイッチ183をオン操作すると、上切替ソレノイド336Sがオンして上部通路303の端部を開口して上部通路303の球をバイパス通路304に流入させるようになっている。
バイパス通路304の下部には球抜き弁344が設けられている。球抜き弁344は球抜きソレノイド344Sを備えており、球抜きソレノイド344Sがオフのときは球抜き弁344の弁体がスライドせず、スプリングによって弁体が付勢されてバイパス通路304の端部(球抜き通路305との連通部)を閉鎖して球が球抜き通路305に流入しないようにする。このとき、球はバイパス通路304から下部通路301の方に導かれ、球抜き通路305への流入は阻止されている。
一方、球抜きソレノイド344Sがオンすると、球抜き弁344の弁体が球抜きソレノイド344Sにより吸引されてスライドし、バイパス通路304の端部(球抜き通路305との連通部)を開口してバイパス通路304にある球を重力によって球抜き通路305に流入させるように作動する。これにより、バイパス通路304の球は重力によって球抜き通路305に誘導されることとなり、下部通路301には流れない。
そして、バイパス通路304から球抜き通路305に誘導された球は、回収ボックス345に回収される。
なお、バイパス通路304は遊技球の落下圧力を緩和するため、スパイラル形状に形成されている。
なお、球抜きソレノイド344Sの動作は払出制御装置230の球抜きスイッチ183を操作して行われるようになっており、球抜きスイッチ183をオン操作すると、球抜きソレノイド344Sがオンしてバイパス通路304の端部を開口してバイパス通路304の球を球抜き通路305に流入させて回収ボックス345に回収するようになっている。
上述したように、球抜きスイッチ183をオン操作すると、上切替ソレノイド336Sもオンする。したがって、球抜きスイッチ183のオン操作により上切替ソレノイド336S及び球抜きソレノイド344Sの両方がオンすることになる。
これは、封入球の球抜きを行う場合に、店員が球抜きスイッチ183をオン操作すると、上切替ソレノイド336S及び球抜きソレノイド344Sの両方がオンし、上切替ソレノイド336Sがオンすることで上部通路303の球がバイパス通路304に流入し、球抜きソレノイド344Sがオンすることでバイパス通路304の球が球抜き通路305に流入し、球抜き通路305を経て回収ボックス345に回収されることを意味している。
例えば、長く使用した封入球を交換する場合には、店員が球抜きスイッチ183を操作することで、上記のように封入球が上部通路303からバイパス通路304を経て球抜き通路305を通り回収ボックス345に回収されることになる。また、不正球(非磁性体の球、あるいは正規球よりの小さい小球)の異常が検出された場合には、自動的に球抜きが行われ、封入球は回収ボックス345に回収される。
さて、上部通路303に配置の小球センサ342の説明に戻ると、小球センサ342は遊技球の大きさが正規のものよりも小さいか否かを判定するために設けられたもので、小球センサ342は正規球(例えば、直径=11mm)は検出(検出信号がオン)するが、正規のものよりも小さい小球(例えば、直径=10.5mm未満)は検出しない(検出信号はオフのまま)構成になっている。また、小球センサ342は第1封入球検出スイッチ164の直後に併設して配置されている。
小球センサ342により遊技球が正規球か否かの判定を行うのは、パチンコ機1の電源投入時(例えば、開店時)の所定期間である。また、パチンコ機1の電源投入時の所定期間には研磨装置306も作動して封入球の研磨が行われる。なお、封入球の研磨時には下切替ソレノイド310Sがオンして下切替弁310が研磨入口通路319を開口して下部通路301にある球を研磨装置306に流入させるように作動して、研磨装置306により球磨きが行われることになる。
上記所定期間では、上切替ソレノイド336Sがオンして上切替弁336の弁体が吸引されて上部通路303の端部を開口して上部通路303の球がバイパス通路304に流入するようになっている。また、こにとき、球抜きソレノイド344Sも作動せず、球抜き弁344により球抜き通路305の入口も閉鎖されている。
したがって、上部通路303の封入球はバイパス通路304、下部通路301、研磨装置306、楊送装置302を経て再び上部通路303に戻るという経路を循環することになる。このような循環経路を球が循環する過程で、小球センサ342により遊技球が正規球か否かの判定が行われる。
この場合、遊技球が正規球であれば、第1封入球検出スイッチ164がオンした後所定期間内(例えば、T2)に小球センサ342がオンになる。これは、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第1封入球検出スイッチ164を通過した後、小球センサ342を通過するまでの時間はほぼ一定であり、例えば所定時間T2となるからである。
一方、遊技球が異常球(小球)の場合は、第1封入球検出スイッチ164がオンした後所定期間内(例えば、T2)に小球センサ342がオンにならない。これは、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路1303に排出された球が第1封入球検出スイッチ164を通過した後、小球センサ342を通過しても、小球センサ342は異常球(小球)を検出せず、その検出信号がオンにならないからである。したがって、上部通路303を遊技球が流れているときに、第1封入球検出スイッチ164がオンした後所定期間内(例えば、T2)に小球センサ342がオンにならなければ、払出制御装置230は不正球(小球)と判定し、不正球(小球)と判定すると、球抜きソレノイド344Sをオンして球抜き弁344によりバイパス通路304の端部を開口してバイパス通路304にある球を球抜き通路305に流入させて回収ボックス345に回収する。
なお、球抜きソレノイド344Sをオンして球抜き弁344によりバイパス通路304の端部を開口してバイパス通路304にある球を球抜き通路305に流入させて球抜きを行う動作を、「球抜き弁344の球抜きソレノイド344Sを球抜き側に切替えて封入球の球抜きを行う」と言うことがある。
次に、遊技盤20で遊技を終了した球の回収について説明すると、発射装置37では上部通路303から供給された球を球送りソレノイド172(図6参照)により1個ずつ発射位置に送り、遊技盤20の上部から発射ソレノイド173(図6参照)により遊技領域22に向けて発射する。なお、発射装置37は遊技盤20の上部から遊技領域22に向けて直接に球を発射するので、フアール球の発生はない。
遊技領域22に向けて発射された球は、遊技領域22を通過して遊技結果を発生させて、遊技盤20から外部(ここでは盤外(アウト))に回収される。
このとき、第1始動入賞口に入賞した球は第1始動口スイッチ120で検出され、第2始動入賞口に入賞した球は第2始動口スイッチ121で検出され、第1変動入賞装置27の第1大入賞口27aに入賞した球は下カウントスイッチ124で検出され、第2変動入賞装置34の第2大入賞口34aに入賞した球は上カウントスイッチ125で検出され、さらに一般入賞口28〜31に入賞した球は入賞口スイッチ123a〜123dにより検出される。上記各スイッチ120乃至123a〜123d、124、125は遊技盤20の裏面側に配置されている。
また、遊技盤20の裏面側の枠部には第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163が遊技盤20の裏面側の左右に配置されており、これらのスイッチ162、163は遊技盤20のセーフ球のみを検出する(アウト球は検出しない)。ただし、どの入賞口のセーフ球を検出するかは、第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163が左右に配置されているので、球の挙動で異なるが、第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163で検出した球の合計は、セーフ球の全合計に合致する。
一方、遊技結果がセーフにならず、アウトになった球(アウト球)はアウト球検出スイッチ161によって検出され、アウト通路331に流入する。アウト球検出スイッチ161も同様に遊技盤20の裏面側に配置されている。そして、遊技盤22にて遊技を終了したセーフ球及びアウト球が回収球としてアウト通路331に集められて、下部通路301に排出される。
したがって、アウト通路331に集められる球は、セーフ(当たり)球と、アウト(外れ)球とを含む概念であるアウト数となる球であり、アウト数となる球は遊技領域22を通過して遊技結果を発生させて、遊技盤20から外部(ここでは盤外(アウト):遊技機の外ではない)に回収される球(回収球)である。すなわち、アウト数は「アウト球検出スイッチ161+第1セーフ球検出スイッチ162+第2セーフ球検出スイッチ163」という3つセンサーで得られた合計数(回収球)で算出される。
そして、上記の回収球は通常時は下部通路301から研磨装置306に流入して研磨が行われた後、楊送装置302により上部に楊送され、上部通路303を通過して発射装置37に戻る。また、研磨装置306の異常時は下切替弁310の下切替ソレノイド310Sが作動せず、下切替弁310により研磨入口通路319を閉鎖して球が研磨装置306に流入しないようにし、回収球はそのまま下部通路301を通過して楊送装置302の入口に向かい、研磨装置306には流入しない。
次に、封入球数の適正な範囲について説明する。
第1封入球検出スイッチ164は、上部通路303の比較的下流側で第2封入球検出スイッチ165よりも低い位置にある球を検出するように設けられている。これに対して、第2封入球検出スイッチ165は上部通路303の比較的上流側(第1封入球検出スイッチ164よりも上流側)で第1封入球検出スイッチ164よりも高い位置にある球を検出するように設けられている。そして、第1封入球検出スイッチ164は遊技球として封入されている球数の下限を検出するセンサであり、第2封入球検出スイッチ165は遊技球として封入されている球数の上限を検出するセンサである。これは、封入球が当該パチンコ機1に過不足なく封入されている必要性から、現状の封入球数が最少以上であることと最大以下であることを、それぞれチェックして、適正な範囲に封入球数があることを確認するために設けられているものである。
また、上部通路303は第1封入球検出スイッチ164の直前で屈曲した構造に形成され、屈曲した構造よりも下流側部分、すなわち第1封入球検出スイッチ164の下流側における上部通路303は球送り流路としての機能を有し、封入球が1個ずつ整列した状態になるようになっている。
なお、上部通路303は球送り流路を含めて、一体の流路として設けられていてもよいし、そうでなくてもよい。
また、封入球が循環する循環経路のうち、上部通路303は発射装置37の発射位置近傍を最下位置として図4に示すように発射位置近傍に向かって下り傾斜又は下降している。そして、第1封入球検出スイッチ164は、この上部通路303における第1位置にある遊技球を検出するように配置され、第2封入球検出スイッチ165は、上部通路303における前記第1位置よりも上流側の第2位置にある遊技球を検出するように配置されている。
ここで、前記第1位置は、封入球数(封入された遊技球の数量)の適正範囲内の最低値の数量だけ遊技球が上部通路303に貯まった場合に、最上流の遊技球を第1封入球検出スイッチ164が検出する位置に設定されている。また前記第2位置は、封入球数の適正範囲を超える数量の遊技球が上部通路303に貯まった場合に第2封入球検出スイッチ165が遊技球を検出し、封入球数の適正範囲内の最大値の数量だけ遊技球が上部通路303に貯まった場合に、第2封入球検出スイッチ165が遊技球を検出しない位置に設定されている。
また、循環する封入球の流路のうち上述の上部通路303は、少なくともその一部(好ましくは全体)が、内部の遊技球を外部から(少なくとも、パチンコ機1の裏面側から)視認できる構成となっている。これにより、上部通路303における球の流れの状態や、球詰まりの発生の有無や、封入球数の状態が目視確認できるようになる。例えば、上記封入球の流路(上部通路303)を、透明又は半透明の部材で構成するか、球が流出しない程度の大きさの内部視認用の開口(細いスリットや複数の微小な穴等)が所定数形成された部材で構成することによって、パチンコ機1の裏面側から内部の球が視認できる構成となっている。
詳細の図示は省略するが、例えば上部通路303の裏面側の壁全体を透明な部材で構成することによって、図4に示すように上部通路303の内部全体が視認できる構成としてもよい。好ましくは、少なくとも上部通路303においては、外部から内部の球が視認可能となっており、これにより、封入球数を目視確認できる構成となっている。また、この目視確認によって封入球数が適正か否かの正確な判断が可能となるような目印を上部通路303の近くに形成してもよい。例えば、封入球の所定数30個の位置にマーク(指示標識:例えば図4では逆三角形のマーク)346を上部通路303に近くに形成してもよい。このようにすると、封入球不足時に球を追加する場合、このマーク346まで追加すればよいのでわかりやすい。また封入球過剰の場合もこのマーク346まで球を抜けばよいのでわかりやすい。
上記図4の構成において、封入球を遊技領域22に落下させつつ、研磨装置306に流入しない状態は、上部通路303、発射装置37、遊技領域22、アウト通路331、下部通路301、楊送装置302、上部通路303という経路を封入球が循環して遊技が行われる。なお、このように封入球が遊技ゲームを行いながら落下し、封入球の研磨が行われずに上記経路を循環する状態を「封入球遊技循環中」という。
一方、封入球による遊技中に封入球の研磨を行うとした場合には、封入球を遊技領域22に落下させつつ、研磨装置56に流入させて球磨きを行う経路となり、その経路は上部通路303、発射装置37、遊技領域22、アウト通路331、下部通路301を経て、下部通路301から下切替弁310を介して封入球が研磨装置306に流入して球の研磨が行われ、その後、下部通路301を通って楊送装置302で楊送されて上部通路303に至るという経路になり、封入球の研磨が行われつつ、循環して遊技が行われる状態になる。なお、このように封入球が遊技ゲームを行いながら落下し、かつ封入球の研磨を行いつつ上記経路を循環する状態を「封入球研磨遊技循環中」という。
そして、本実施例では封入球の研磨は電源投入時の他、通常遊技中においても研磨することを基本制御としている。これは、封入球をよく研磨するためであり、遊技中に循環させながら封入球の研磨が行われる。
また、電源投入時にも封入球の研磨を行うのは、稼働しない台でも一日一回は研磨を行うようにするためである。すなわち、本実施例ではパチンコ機1の電源投入時などのように、遊技領域22を経ないで封入球を研磨装置306に流入させて球を循環させるときは、上部通路303、バイパス通路304、下部通路301を経て、下部通路301から下切替弁310を介して封入球が研磨装置306に流入して球の研磨が行われ、その後、下部通路301を通って楊送装置302で楊送されて上部通路303に至るという経路を封入球が循環する。このように封入球が遊技ゲームを行わず、封入球の研磨を行いながら上記経路を循環する状態を「封入球研磨循環中」という。
D.遊技場のシステム構成
次に、図5は本実施例のパチンコ機1が多数設置された遊技場のシステム構成を示す図である。
図5において、遊技場にはカード管理装置81、カード発行機82、カード精算機83、景品交換装置84、持球管理装置85、ホールコンピュータ86、多数のパチンコ機1a乃至1n及びカードユニット15a乃至15nが配置されている。
また、遊技場の外部には外部管理装置91が配置されている。
カード管理装置81は、カード会社(図示略)と電話回線(例えば、ISDN等のデジタル回線)で結ばれており、カード会社は、必要に応じてカード管理装置81の各種情報を受信したりする。遊技場は、カードの発行情報とか、必要な情報をカード会社から得たり、問い合わせたりするために電話回線を介してカード会社と接続されている。
カード管理装置81は、カード発行機82、カード精算機83、景品交換装置84、持球管理装置85、多数のカードユニット15a乃至15nに対して情報伝送路87を介して接続されているとともに、ホールコンピュータ86と情報伝送路88を介して接続されている。
カード管理装置81は、カード発行機82、カード精算機83、景品交換装置84、持球管理装置85、多数のカードユニット15a乃至15nを端末装置として扱い、これらの各端末装置の情報を管理する制御を行うとともに、各端末装置に挿入/排出される遊技カード(会員カード又はビジターカード)の識別情報(カードID)や、各遊技カードに記憶された球貸度数や貯球数の情報(有価価値情報)を記憶管理するような制御処理を行う。例えば、カードID毎に球貸度数の残高等を更新記憶する処理などを、各カードユニットやカード発行機82等から必要な情報を得ることによって行う。
カード発行機82は、カード会社から購入したカード(記憶媒体)を会員カードとして遊技者に発行するもので、例えば1000円、2000円、3000円、5000円の球貸度数(有価価値)を付加して前記カードを発行する。カード発行機82は、カード管理装置81との間で情報伝送路87を介して情報(例えば、前記カードのカードIDや球貸度数或いは売上情報等)の転送を行うとともに、前記カードの発行に必要な制御を行う。
なお、遊技カードとしては、会員カードとビジターカードがある。会員カードは、会員登録して発行するもので、球貸度数(球貸金額に相当)、持球数、及び貯球数が登録可能である。ビジターカードは、会員でない遊技者用のカードであり、カードユニット15内にストックされ、後述するようにカードユニット15に現金が投入された場合にカードユニット15内で発行される。このビジターカードは、球貸度数及び持球数が登録可能であるが、貯球数は登録できない。また、持球数は当日限り有効なものであり、貯球数は後日でも持球数に交換して使用可能なものである。本明細書では、持球数は遊技価値に相当するが、貯球数は球貸度数と同じ有価価値に相当するとして記載している。
カード精算機83は、遊技カード(ビジターカード或いは会員カード)の球貸度数残高に基づいて、遊技カードを精算するためのもので、例えば球貸度数残高に応じた金額を現金で返却する。またカード精算機83は、カード管理装置81との間で情報伝送路87を介して情報(例えば、球貸度数の情報等)の転送を行う機能も有する。
景品交換装置84は、遊技カードの持球数に基づいて、遊技者が望む景品と交換するための処理を行うもので、例えば遊技場の店員が景品交換装置84を操作して、遊技者に景品を渡す。景品交換装置84では、会員カードの場合、持球数を貯球数に交換して記録する貯球化の処理も可能となっている。
景品交換する際、または貯球化する際に、景品交換装置84は持球管理装置85に遊技カードのカードIDと遊技カードに記憶されている持球数を送信する(本例の場合には、例えば景品交換装置84から持球管理装置85に送信する)。持球管理装置85は受信したカードIDや持球数と、後述する持球管理装置85のカード毎持球数ファイルに記憶されているカードID及び持球数と照合する。持球管理装置85が照合した結果を正否の情報として景品交換装置84に送信すれば、受信した景品交換装置84は遊技カードに記憶されていた持球数の正否を知ることができる。
なお、景品交換装置84が持球管理装置85に遊技カードのカードIDのみを送信するようにして、後述する持球管理装置85のカード毎持球数ファイルに記憶されている持球数を送信するように要求してもよい。このようにすれば、景品交換装置84は受信した持球数と遊技カードに記憶されている持球数を照合することで、遊技カードに記憶されていた持球数の正否を知ることができる。
持球管理装置85は、カード管理装置81、カード発行機82、カード精算機83、景品交換装置84、多数のカードユニット15a乃至15nと接続され、これらの各装置からの情報に基づいて遊技者が獲得している持球数の情報(遊技価値情報)を記憶管理するような制御を行う。例えば、カード毎持球数ファイルという記憶領域に、カードID(カードの識別情報)に対応させて持球数を記憶するなどの制御処理を行う。
なお、カードユニット15a乃至15nはそれぞれパチンコ機1a乃至1nに併設されて配置されており、両者の間は前述したように接続されていて情報の伝送が可能になっている。そして、多数のパチンコ機1a乃至1nからカードユニット15a乃至15nへ持球数や外部情報(各パチンコ機1a乃至1nから外部に出力される各種遊技情報)を送信する構成である。
また、持球管理装置85は、カード管理装置81を介してホールコンピュータ86とも通信可能であり、ホールコンピュータ86からの持球数データの照合等に応じた処理を行う機能も有する。
カードユニット15a乃至15nは、遊技カードが挿入されることにより、遊技カードの情報(球貸度数データ等)を読み取って球貸しのための処理を行ったり、遊技者の獲得した持球数データ(暗号化してもよい)を遊技カードに記憶したりするもので、カード管理装置81との間で情報伝送路87を介して情報の転送を行う。
カードユニット15a乃至15nはそれぞれパチンコ機1a乃至1nから定期的に持球数や外部情報(前述したように各種遊技情報)を受信する構成である。そして、カードユニット15a乃至15nは多数のパチンコ機1a乃至1nから集めた外部情報(各パチンコ機1a乃至1nから外部に出力される各種遊技情報)を情報伝送路87を介してホールコンピュータ86に送信する。
ホールコンピュータ86は遊技場の管理室に設置されるとともに、各カードユニット15a乃至15nに対して情報伝送路87を介して接続され、各カードユニット15a乃至15nを経由して各パチンコ機1a乃至1nからの各種データを収集するとともに、情報伝送路88を介してカード管理装置81と接続され、カード管理装置81を経由して持球管理装置85から必要なデータを収集し、各種遊技状態に対応するデータを整理し、遊技場の営業管理を行うものである。
具体的には、各カードユニット15a乃至15nを介して多数のパチンコ機1a乃至1nから必要なデータを収集するとともに、カード管理装置81を介して持球管理装置85から必要なデータを収集して各種遊技状態に対応するデータを整理し、整理したデータをディスプレイに表示させ、営業上必要なデータの演算処理を行う。なお、実施例とは異なるが、カードユニット15a乃至1nを介してホールコンピュータ86に送信される外部情報(各種遊技情報)については、各パチンコ機1a乃至1nから直接ホールコンピュータ86へ送信する構成としてもよい。
外部管理装置91は情報伝送路92を介してカード管理装置81と接続されており、遊技場の外部に配置されることで、第三者機関によって管理され、店外において遊技場の遊技カードに関する情報をバックアップする機能を有している。
例えば、カード管理装置81を介して遊技カード毎の貯球数、多数の遊技カードのID、多数の遊技機IDなどのデータを収集し、遊技カード毎の貯球数管理、遊技カードのID管理、遊技機ID管理などの各処理(データのバックアップを含む)を行う。そして、遊技場から問い合わせがあれば必要に応じてデータを供給したりする他、本実施例ではパチンコ機1a乃至1nの電源投入時等に遊技機ID(あるいは後述の実施例では払出固有ID(払出制御装置の固有ID)も含めて)を照合し、照合結果を遊技場に送信することも可能なようになっている。
なお、外部管理装置91は遊技機ID等の照合を行う際には暗号鍵による暗号化通信を用いて遊技機IDの受信や照合結果の送信を行うが、この詳細については図14以降で後述する。
また、外部管理装置91は遊技場が営業を辞めて閉店などした場合には、顧客の遊技カード毎の貯球数管理の情報を信用ある機関に提供したりする。
E.制御系の構成
次に、本例のパチンコ機1の制御系について、図6を参照して説明する。なお図や以下の説明において、「SW」はスイッチを意味し、「SOL」はソレノイドを意味する。また、図面では部材の名称が長い場合に図示がしにくくなるので、適宜、短めにして表記(図示)することがある。
パチンコ機1は、制御系の主な構成要素として、遊技制御装置54、演出制御装置53、払出制御装置230、電源装置58を備えている。これらの各装置及び図6に示す各電子部品には電源装置58から必要な電源が供給される。
実施例1では封入球制御(封入球数の監視や持球数の加算・減算処理などの制御)を行う装置(払出制御装置)を遊技の進行を統括的に制御する装置(従来の遊技制御装置)とは分離させて設けており、このように分離させることにより、各制御装置のプログラムが簡素化され、それぞれの制御負担が軽減する。なお、上記に限らず、例えば、このような払出制御装置と遊技制御装置を一体化した装置を遊技制御装置54として設ける構成にしてもよい。その場合には、遊技制御装置から払出制御装置へ送出していた信号やコマンドが不要となって、制御負担が軽減されとともに、省スペース化、省電力化を図ることもできる。
(遊技制御装置関係)
まず、パチンコ機1の遊技制御装置54の構成と、この遊技制御装置54に接続される機器について説明する。
遊技制御装置54は、特図等のゲームの管理を行う主制御装置(主基板)であって、CPU111、ROM112、RAM113、検査装置のための試射試験端子115及び検査装置接続端子63を備えている。
遊技制御装置54は制御装置、遊技制御手段、表示制御手段、図柄変動制御手段、封入球式遊技機の内部装置、ID出力制限手段を構成する。
CPU111は、特図等のゲームの管理を行う遊技プログラムを実行して遊技制御に必要な演算処理を行う。ROM112は、遊技プログラムを格納しており、RAM113は遊技プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。
RAM113に対しては、停電時にも電源を供給するバックアップ電源手段(図示省略、例えば大容量コンデンサよりなるもの)が設けられており、停電があっても、このバックアップ電源手段が必要な電力を供給し続けられる時間内に停電から復旧すれば、RAM113のデータは保持される構成となっている。
なお、CPU111、ROM112、RAM113は、遊技用演算処理装置としての遊技用マイクロコンピュータに相当し、例えばアミューズメントチップ用のICとして製造されている。
また、上記アミューズメントチップ用のICは、このICチップを個別に識別可能な個体識別情報としてのチップコードに加え、メーカコードや製品コードを記憶しており、これらコードを遊技機IDとして出力可能である。
試射試験端子115は、CPU111から得られる各種の遊技情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。なお、この試射試験端子115及び関連部品は、試験機関で使用されるもので、出荷時に取り外されるものであり、遊技場で使用される遊技制御装置54には未実装となる。
検査装置接続端子63は、パチンコ機1が遊技場に設置された後に、当局が当該パチンコ機1の検査を行うためのケーブルが接続される端子である。
遊技制御装置54には、第1始動口スイッチ120(図6では始動口1SW)、第2始動口スイッチ121(図6では始動口2SW)、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、下カウントスイッチ124、上カウントスイッチ125、磁石センサ142、電波センサ(盤)143、振動センサ144からの検出信号が入力される。
第1始動口スイッチ120は前記第1始動入賞口25に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサであり、第2始動口スイッチ121は前記第2始動入賞口26に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサである。
下カウントスイッチ124は前記第1変動入賞装置27の第1大入賞口27aに入賞した遊技球を検出する同様のセンサである。上カウントスイッチ125は第2変動入賞装置34の第2大入賞口34aに入賞した遊技球を検出する同様のセンサである。
本実施例では、下カウントスイッチ124が2つ設けられ、変動入賞装置27の大入賞口内に流入した遊技球は何れかの下カウントスイッチ124に検出されるようになっている。このように下カウントスイッチ124を複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
また、入賞口スイッチ123は一般入賞口28〜31に対して設けられた同様のセンサであり、一般入賞口がn個あるときには、それぞれに1個ずつ、全体としてn個設けられる。
したがって、前述した図4に示すように、本実施例では一般入賞口が4個(一般入賞口28〜31)あることから、4個のセンサが設けられ、一般入賞口28〜31に入賞した球は入賞口スイッチ123a〜123dにより検出される。これらの入賞口スイッチ123a〜123dをまとめて図6では入賞口スイッチ123と表記している。
なお、一般入賞口のそれぞれに1個ずつセンサを設けるのではなく、複数の一般入賞口に対して、全体で1個のセンサを設けるようにしてもよい。ゲートスイッチ122は前記普図始動ゲート32を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサである。
これら遊技球を検出する上記各センサ120、121、122、123、124は、本例では近接スイッチであり、ハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の検出信号を出力するように回路構成されている。
遊技制御装置54は入賞口への入賞があった場合、入賞に対応する賞球数コマンドを払出制御装置230へ送る。払出制御装置230では、遊技制御装置54から送られてきた入賞に対応する賞球数コマンドに基づいて入賞に対応する賞球数を持球数に加算する処理を行う。
また、遊技制御装置54は入賞口への入賞があった場合に、入賞に対応する賞球数を一括表示装置35の入賞表示LED355(後述の図12参照)に表示する処理を行う。
具体的には、遊技制御装置54は入賞口への入賞があった場合、入賞に対応する賞球数を決定し、その賞球数を持球数に加算する賞球数コマンドを払出制御装置230に送信する処理を行う。入賞口とは、賞球排出(実際に球を払い出すか、或いは、封入球式の場合には持球数に加算する処理)を伴う全ての入賞口のことで、始動入賞口25,26、第1変動入賞装置27の第1大入賞口27a、第2変動入賞装置34の第2大入賞口34a、一般入賞口28〜31がある。
そして、遊技制御装置54では入賞に伴う賞球数を下記のように設定している。
・第1大入賞口27a=13個
・第2大入賞口34a=10個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
磁石センサ142はパチンコ機1に磁石が近接したことを検出するセンサであり、磁石による不正を検出するためのものである。電波センサ(盤)143は、特に遊技盤20に関する電波の送信を検出するセンサであり、例えば電波発振器などを用いてパチンコ機1に対して不正な電波が送信されたことを検出するためのものである。振動センサ144はパチンコ機1に振動が加えられたことを検出するセンサであり、特に台を揺する(あるいは異常に叩く)などの不正な振動を検出するためのものである。
遊技制御装置54は、これらの磁石センサ142、電波センサ143、振動センサ144からの検出信号に基づいて不正を判別し、不正と判断した場合には不正発生コマンドなどを演出制御装置53に送信し、演出制御装置53の制御により表示装置41にエラー表示を行わせる等の処理を行う。また、遊技制御装置54は、これらの不正情報を払出制御装置230へ送信し、払出制御装置230は該不正情報をカードユニット15経由でホールコンピュータ86へ送信する。
次に、遊技制御装置54は、遊技の進行や演出に関して必要な機器として、演出制御装置53、普電ソレノイド131、第1大入賞口ソレノイド(図6では大入賞口1SOL)132、第2大入賞口ソレノイド133(図6では大入賞口2SOL)及び一括表示装置35と接続されている。
普電ソレノイド131は第2始動入賞口26の開閉部材26bを開閉させるソレノイド、第1大入賞口ソレノイド132は第1変動入賞装置27の開閉部材27bを開閉させるソレノイド、第2大入賞口ソレノイド133は第2変動入賞装置34の開閉部材34bを開閉させるソレノイドである。遊技制御装置54は、これらの普電ソレノイド131、第1大入賞口ソレノイド132、第2大入賞口ソレノイド133、一括表示装置35に対して必要な制御信号を出力する。
また、遊技制御装置54からは演出制御装置53に対して、シリアル通信でデータ(例えば、演出コマンド)が送信されるようになっている。
さらに、遊技制御装置54からは主接続基板75及び払出接続基板76を順次介して払出制御装置230に対し、シリアル通信でデータ(例えば、封入球の管理に必要なコマンド(例えば賞球数コマンド)等)が送信されるようになっている。
主接続基板75は盤側(遊技盤20側)の遊技制御装置54に接続される基板であり、ドロアコネクタにより構成されている。また、払出接続基板76は枠側(機枠2側)の払出制御装置230に接続される基板であり、ドロアコネクタにより構成されている。そして、これらの主接続基板75及び払出接続基板76は凹側ドロアコネクタと凸側ドロアコネクタで対を成し、これらのドロアコネクタは各基板75、76の面方向にある程度動くことが可能であるため、接続作業時の位置ズレ及び接続作業後の位置ズレが吸収され、接続作業が容易に可能となるとともに、接続後に接続状態が良好に維持されることになる(詳細な構造は後述)。
(払出制御装置関係)
次に、払出制御装置230の構成と、この払出制御装置230に接続される機器について説明する。
払出制御装置230は、封入球の管理・持球数の管理を行うもの(払出制御基板)であって、CPU231、ROM232、RAM233、検査装置のための試射試験端子234、検査装置接続端子235、発射制御回路236、エラー解除スイッチ(エラー解除SW)068、エラー表示LED067、RAMクリアスイッチ182、球抜きスイッチ183を備えている。
払出制御装置230は遊技制御装置54からの信号(払出制御コマンド)に従って賞球を払い出すための制御を行う(賞球の払い出しは、持球数への加算となる)。一方、払出制御装置230からは枠開放情報(夜間監視スイッチ126により前面枠4の開放を検出したか否かを示す情報)と遊技制御装置監視情報(夜間監視スイッチ126により主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出したか否の情報)とをカードユニット15へ送信可能な構成となっている(詳細は後述)。
払出制御装置230は制御装置、封入球制御手段、計数手段、計数作動制御手段、入力期間制限手段、遊技価値記憶手段、遊技価値表示制御手段、研磨制御手段、クリア制御手段、表示制御手段、入賞エラー判定手段、不正入賞抑制制御手段、精算許可手段、封入球式遊技機の内部装置、遊技機ID出力制限手段を構成する。
CPU231は、所定のプログラムを実行して封入球制御、遊技球の払出(賞球払出又は貸球払出)及び持球数の管理や枠開放情報、遊技制御装置監視情報に関して必要な演算処理を行う。ROM232は、上記プログラムを格納しており、RAM233は上記プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。
ここで、RAM233は遊技価値記憶手段を構成し、遊技価値である持球数を記憶するが、詳しくは遊技者の遊技価値の変化を記憶し、これには発射した球を減算し、賞球数を加算することを繰り返して遊技者の持球数がいくらになるかをリアルタイムで更新して記憶していくことになる。発射した球の減算や賞球数の加算は、プログラムに基づく処理で行うので、RAM233(遊技価値記憶手段)は持球数のリアルタイム的な変化を記憶していくことになる。
また、RAM233に対しては、停電時にも電源を供給するバックアップ電源手段(図示省略、例えば大容量コンデンサよりなるもの)が設けられており、停電があっても、このバックアップ電源手段が必要な電力を供給し続けられる時間内に停電から復旧すれば、RAM233のデータは保持される構成となっている。なお、バックアップ電源手段の代わりに不揮発性メモリをRAM233として使用してもよい。
なお、払出制御装置230は、詳しくは封入球遊技に必要な制御として、主に封入球の発射から回収までの処理を行う他、遊技制御装置54からの賞球数コマンドに応じた持球数加算処理、更に実施例1では球貸し制御(球貸加算処理)や持球数の計数処理等も行う構成である。
また、払出制御装置230は入賞口への入賞があった場合に遊技制御装置54から入賞に対応する賞球数コマンドが送られてくるので、この賞球数コマンドに基づいて入賞に対応する賞球数を持球数に加算する処理を行うが(前述した通り)、例えば遊技者の持球数(遊技価値)の変化が連続してあった場合、RAM233(遊技価値記憶手段)における持球数の記憶の更新は直ちに行うが、持球数表示器40(遊技価値表示手段)が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行うように制御する。
具体的には、内部メモリとしてのRAM233は遊技者の持球数の変化を記憶し、これには発射した球を減算し、賞球数を加算することを繰り返して遊技者の持球数がいくらになるかをリアルタイムで更新して記憶していく。一方、払出制御装置230は持球数に対して発射した球の減算、賞球数の加算は、遊技プログラムに基づく処理で行うことにより、RAM233は持球数のリアルタイム的な変化を記憶していく。これに対して払出制御装置230は、持球数表示器40が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、RAM233がリアルタイムで持球数を更新して記憶していくのと異なり、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて、持球数の更新表示を行うように制御する。
試射試験端子234は、CPU231から得られる封入球の制御及び遊技球の払出制御における各種の情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。なお、この試射試験端子234及び関連部品は、試験機関で使用されるもので、出荷時に取り外されるものであり、遊技場で使用される払出制御装置230には未実装となる。
検査装置接続端子235は、パチンコ機1が遊技場に設置された後に、当局が当該パチンコ機1の検査を行うためのケーブルが接続される端子である。
発射制御回路236は、払出制御装置130に内蔵される構成であり、払出制御装置230から必要な電源の供給を受けるとともに、発射許可信号を受けるようになっている。発射制御回路236は発射許可信号のオンデータを受信していることを必要条件として、発射ボリューム171(図1)の操作(即ち、発射操作ハンドル11の回転操作)に従って発射位置にある遊技球を発射する発射ソレノイド173を制御する。また払出制御装置230には、タッチセンサ174や発射停止スイッチ175からの信号が入力されている。タッチセンサ174は、遊技者が発射ボリューム171を操作する発射操作ハンドル11にタッチしているか否かを検出するものであり、発射停止スイッチ175は遊技球の発射を一時的に停止するもので、遊技者によって操作されるものである。
なお、遊技球を発射位置まで送る球送りソレノイド172は、払出制御装置230によって直接制御される。その制御処理のため、タッチセンサ174からの信号は払出制御装置230に入力されている。
また、上記発射ソレノイド173を含み、発射位置(図示省略)にある遊技球を遊技領域に発射する装置を発射装置37(図2)という。この発射装置37は、発射制御回路236を含む払出制御装置230によって制御され、これら制御装置の制御処理によって遊技球の発射が許可されている状態(発射許可信号のオンデータが設定されている状態)でのみ遊技球を発射することができる。遊技球の発射が禁止されている状態(発射許可信号のオフデータが設定されている状態)では、たとえ発射位置に遊技球があり遊技者が発射操作ハンドル11を操作しても遊技球は発射されない。また発射装置37は、発射するために遊技球を打つ杵という部材を有しており、この杵の先(杵先)に発射位置がある。
なお、発射操作ハンドル11の操作による遊技球の発射数は、所定の規則により、1分間に100発という規定があるので、払出制御装置230及び発射制御回路236は球送りソレノイド172を制御して、100発/分(およそ、0.6秒(s)に1球を発射)の範囲内に収めるようにしている。
エラー解除スイッチ(エラー解除SW)68は、払出制御の処理でエラーがあって処理が停止した場合などに、操作されるとエラーを解除する信号を出すものである。
エラー表示LED67は、払出制御の処理でエラーがある場合に、エラーの内容に応じて特定のナンバーを点灯させる。
RAMクリアスイッチ182は遊技制御装置54内部のRAM113や払出制御装置230のRAM1233などを初期化するものである。
球抜きスイッチ183はパチンコ機1の封入球を外部に抜きとるときに操作されるスイッチである。球抜きスイッチ183をオン操作すると、上切替ソレノイド336S及び球抜きソレノイド344Sの両方がオンし、図4に示すように、上切替弁336がバイパス通路304の上部を開口して上部通路303の球をバイパス通路304に流入させるとともに、球抜き弁344が球抜き通路305の上部を開口してバイパス通路304の球を球抜き通路305に流入させて、封入球が球抜き通路305を経て回収ボックス345に回収されることになる。
次に、払出制御装置230は下部パネル6に配置された機器との関連では、持球数表示器40、計数スイッチ311、計数球表示器313と接続されている。なお、操作表示装置7はカードユニット15とハーネスにより直接に接続され、カードユニット15によって管理制御されるため、払出制御装置230の制御下にはない構成である。また、休憩スイッチ及び計数球使用スイッチは下部パネル6に配置されておらず、操作表示装置7に配置されている(後述の図11に記載のように、休憩ボタン708及び計数球使用ボタン710として操作表示装置7に配置)。
払出制御装置230には計数スイッチ311からの検出信号が入力されるとともに、持球数表示器40、計数球表示器313に対して必要な制御信号が出力され、かつ計数スイッチ311に内蔵のLEDに対しても必要な制御信号が出力される。
例えば、持球数表示器40に対しては持球数を表示するために、持球数表示器40の7セグメントの6個のLEDを駆動可能な駆動信号が出力される。計数球表示器313に対しては計数球がある場合に、それを点灯させる信号を出力する構成になっている。また、計数スイッチ311に内蔵のLEDに対しては、そのLEDを点灯する条件が成立したときに、LED点灯を可能な駆動信号が出力される。
ここで、持球数や計数球数などの概念について整理して説明すると、以下の通りである。
・持球数:発射可能な球数
・計数球数:持球数から計数して移動した保管球数(一時的に発射できない保管された持球)
詳しくは、持球数は遊技者が獲得した球であって、発射可能な球数であり、実球を使用する遊技機の例で言えば、上皿や下皿にあって発射可能な球数のイメージに相当し、玉箱に移動していない持球のことである。
一方、計数球数は遊技者が獲得した球であって、持球数から計数して移動した保管球数であり、実球を使用する遊技機の例で言えば、上皿や下皿から玉箱に抜いて移動した球数のイメージに相当し、玉箱にある持球のことである。計数スイッチ311を操作することで、持球数を計数球数に移動できる。
・トータル持球数:遊技者の総持球数のことで、持球数+計数球数=トータル持球数で表わされる。
・更新持球数:前回の持球数からの変化球数
・更新計数球数:前回の計数球数からの変化球数
・計数球使用:計数球数から持球数へ移動して球を使用すること
詳しくは、「計数球使用」とは、実球を使用する遊技機の例で言えば、上皿や下皿から玉箱に抜いて移動した球(計数球)を再び、上皿に移動させて(戻して)使用する概念に相当する。計数球を使用するには、メッセージ・操作領域部706の初期画面では表示されず、計数球が発生した時にメッセージ・操作領域部706に表示される計数球使用ボタン710(図11参照)を操作すればよく、1回の操作で計数球数より所定量(例えば、100個)の球が持球数に移動するようになっている。
・貯球数:遊技機での遊技を終了して、遊技者が会員カードにトータル持球数を貯球した球で、再プレイ可能な球数
なお、貯球は当日あるいは後日、貯球数を用いて再プレイ可能であったり、景品交換可能であったりする。台移動する場合は、当日での貯球を用いて再プレイすることになるが、ゲスト会員の場合には貯球でなく、単に遊技カードに記録した持球データを用いて別の台で再プレイすることになる。
また、精算する場合には、トータル持球数を全て遊技カードに書き込むことになる。このときは、トータル持球数をカードユニット15に送り、カードユニット15にて精算処理を行う。
本実施例では、持球数及び計数球数は、払出制御装置230が管理する構成であり、これらのデータは払出制御装置230のRAM233の所定記憶エリアにて記憶保持される。
なお、これらの持球数及び計数球数のデータはカードユニット15にも送られて、カードユニット15の管理下にある操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706(図11)にて表示可能な構成になっている。ただし、持球数及び計数球数については操作表示装置7に表示されるが、持球数の増減や持球数から計数して移動した保管する計数球数の管理は、あくまでも払出制御装置230が制御するようになっている。カードユニット15は払出制御装置230から定期的にデータを受信し、受信したデータに基づいて操作表示装置7に持球数や計数球数の詳細を表示する。
また、持球数及び計数球数のデータは払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にも送られて、演出制御装置53の制御により装飾持球表示装置250における上部装飾持球表示装置250aや下部装飾持球表示装置250bの多数のLEDを用いて持球数や計数球数の装飾が行われるようになっている。さらに、演出制御装置53の制御によりサブ液晶表示装置33に計数球数を表示することが可能になっており、またレベルメータ右17Rで計数球数のアナログ表示を行うことが可能になっている。
持球数及び計数球数は、具体的には下記のような機器で表示される。
・持球数表示器40:持球数をデジタルで表示(払出制御装置230で管理)
・計数球表示器313:計数球の有無を表示(計数球があるとき点灯)(払出制御装置230で管理)
・装飾持球表示装置250:持球数及び計数球数を多数のLEDでアナログ装飾表示(演出制御装置53で管理)
・サブ液晶表示装置33:計数球がある場合に計数球数をデジタルで表示(演出制御装置53で管理)
・レベルメータ右17R:計数球がある場合に計数球数をアナログで表示(演出制御装置53で管理)
・操作表示装置7:持球数及び計数球数の詳細をデジタルやアナログで表示(カードユニット15で管理)
ここで、本実施例では払出制御装置230の制御により持球数表示器40の表示が下記のように行われる構成になっている。
すなわち、持球数表示器40は7セグメントのLEDを6個配列して6桁の数値(持球数)を表示可能で、遊技者が獲得した持球数を表示するが、表示態様は以下のように制御される(詳細はフローチャート及び動作説明で後述)。
遊技前(遊技カードや現金投入前)で持球数が0の場合には、持球数表示器40は消灯している。
また、遊技中で持球数が発生すると、その持球数をデジタルで点灯表示する。
なお、持球数表示器40の表示データは停電中でも払出制御装置230のRAM233によりバックアップされる。
遊技者が精算を開始すると(遊技終了のために操作表示装置7の返却ボタン704にタッチすると)、精算処理が開始されトータル持球数を遊技カードに記録する処理が開始され、このとき、持球数表示器40の表示は移動点滅する。遊技カードへの記録(トータル持球数の書き込み)が完了すると、持球数表示器40の表示が同時点滅し、遊技カードがカードユニット15から排出されると、その後、所定期間が経過した時点で持球数表示器40が消灯する。
一方、遊技カードへのトータル持球数の書き込み中に停電した場合には、持球数表示器40の表示データは停電中でも払出制御装置230のRAM233によりバックアップされており、停電からの復旧時にはバックアップされていたデータに基づいて持球数表示器40の表示が移動点滅し、遊技カードへの書き込み中であることを遊技者に知らせる。そして、遊技カードへの書き込みが完了すると、持球数表示器40の表示が同時点滅し、遊技カードが排出される。
また、遊技カードへのトータル持球数の書き込みが完了して持球数表示器40が同時点滅しているときに停電した場合には、既に遊技カードへの記録が完了しているから、その後、停電から復旧しても持球数表示器40による持球数表示は行わずに、持球数表示器40は消灯する。
また、本実施例では演出制御装置53の制御により表示装置41及びサブ液晶表示装置33の演出が下記のように行われる構成になっている。
すなわち、通常遊技中は表示装置41により飾り特図の変動表示ゲームが演出され、サブ液晶表示装置33では補助演出(機種名や保留数表示等)の表示が行われる。
遊技中に停電が発生した場合には、持球数データ、計数球データ等は停電中でも払出制御装置230のRAM233によりバックアップされており、また、表示装置41による演出データも同様にRAM233によりバックアップされている。そして、停電から復旧する過程では、「停電復旧中」という演出が表示装置41に表示されるとともに、停電復旧時にサブ液晶表示装置33では計数球の表示が行われる(計数球が無い場合には計数球数「0」を表示)。その後、停電復旧が完了すると、表示装置41及びサブ液晶表示装置33ともに、バックアップデータに基づいて停電前の遊技状態に復帰する。
さらに、本実施例では払出制御装置230により不正入賞に対する制御が下記のように行われる構成になっている。
すなわち、遊技盤20の各入賞口25、26、27a、34a、28〜31に入賞した入賞球は第1始動口スイッチ120、第2始動口スイッチ121、下カウントスイッチ124、上カウントスイッチ125、入賞口スイッチ123a〜123dにより検出され、これらの検出出力は遊技制御装置54で管理される構成である。
第1始動口スイッチ120、第2始動口スイッチ121、下カウントスイッチ124、上カウントスイッチ125、入賞口スイッチ123a〜123dは入賞球検出手段を構成する。
また、セーフ球は遊技盤20の裏面側の枠部に配置された第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出され、これらの検出出力は払出制御装置230で管理される構成である。
第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163はセーフ球検出手段を構成する。
ここで、入賞球の総数は上記各スイッチ120乃至123a〜123d、124、125によって検出された入賞数の合計となり、セーフ球の総数は第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出されたセーフ数の合計となる。
払出制御装置230には上記各スイッチ120乃至123a〜123d、124、125によって検出された入賞数が賞球コマンドの情報の中に含まれて送信されてくるので、払出制御装置230は入賞数の合計を算出するとともに、入賞数の合計と第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出されたセーフ数の合計とを比較し、その差が所定数(例えば、5個)以上であれば、第1のエラー態様とし、第1のエラー態様に対応する処理を行う。
また、払出制御装置230は入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)以上の状態が所定期間継続した場合は、第2のエラー態様とし、第2のエラー態様に対応する処理を行う。
ここで、エラー態様の処理の基本として第1のエラー態様に対応する処理はエラー報知のみ、第2のエラー態様に対応する処理はエラー報知+賞球加算の停止である。
具体的に説明すると、第1のエラー態様に対応する処理では、例えば払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にエラー情報を送り、表示装置41や装飾表示LED(枠)141でエラー表示を行う。このようにして、遊技者や店員に不正の可能性があることを報知する。また、払出制御装置230からカードユニット15を経由してホールコンピュータ86にエラー情報を送る。なお、遊技機ではエラー報知を行わず、ホールコンピュータ86にて遊技場のみで分かるエラー報知が行われるようにしてもよい。これにより、釣り球等による不正入賞の検出やエラー報知を店員が見ることで、遊技者に悟られずに不正への対処が行われる。
次に、第2のエラー態様に対応する処理では、例えばエラー報知に加えて賞球加算を停止する処理を行う。賞球加算の停止により釣り球等の不正入賞があった場合でも、賞球加算しないので(すなわち、持球数が増えないので)、不正防止になる。また、第2のエラー態様に対応したエラー報知の処理、すなわち上記のようにホールコンピュータ86にて遊技場のみで分かるエラー報知を行うことに加えて、遊技者へのエラー報知も行う(例えば、払出制御装置230から遊技制御装置54経由で演出制御装置53へエラー情報を送り、演出制御装置53の制御により表示装置41の画面にエラー表示を行ったり、装飾表示LED(枠)141でエラー表示を行う)ようにしてもよい。これにより、エラー報知が迅速に行われるとともに、遊技者とのトラブルを避けることができる。
さらに、払出制御装置230は入賞数の合計とセーフ数の合計との差を判断する基準値としての上記所定数を大当り時には、例えば10個へ変更するようにする。これにより、大当り時には入賞数が増えて、入賞数の合計とセーフ数の合計との差が大きくなる傾向にあるので、遊技者とのトラブルを避けることができる。
次に、払出制御装置230はカードユニット接続端子板52を介してカードユニット15と接続され、カードユニット15との間で双方向の情報の伝達ができるようになっている。したがって、カードユニット接続端子板52は主にカードユニット15とパチンコ機1側の払出制御装置230との間の情報や信号等の入出力に使用される。
そして、払出制御装置230は持球数表示器40に持球数を表示させたり、計数スイッチ311の操作によって持球数を計数して計数球数に移す(いわゆる玉箱に移す概念)制御等を行うことが可能になっている。また、払出制御装置230は持球数が計数されて計数球数に移された場合には、計数球数が有ると判断して計数球表示器313を点灯する制御を行う。
ここで、「持球数を計数して計数球数の玉箱に移す」という制御上の概念は、実球で払い出す方式の遊技機の例で言えば、獲得した持球数を遊技機外部の玉箱に物理的に移す作業と同様のことである(詳細は後述)。
また、払出制御装置230は計数球が発生した時に操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に表示される計数球使用ボタン710(図11参照)が操作された場合に、カードユニット15からの計数球使用コマンドに基づき1回の操作で計数球数より所定量(例えば、100個)の球を持球数に移動させる制御も行う。
一方、払出制御装置230は持球数や計数球数のデータを遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に送信し、演出制御装置53により装飾持球表示装置250の点灯・点滅制御やサブ液晶表示装置33での計数球数の表示制御、レベルメータ右17Rでの計数球数のアナログ表示制御を行う構成になっている。
ここで、情報の伝達について説明すると、上記のように、払出制御装置230はカードユニット接続端子板52を介してカードユニット15と接続されており、払出制御装置230からカードユニット15に対して封入球遊技における各種情報(例えば、持球数、計数球数を含む各種情報)が所定間隔(例えば、200ms)毎に送られるようになっている。なお、持球数及び計数球数については、その変化分を送信する構成になっているとともに、データの取りこぼし対策も行っている。
そして、カードユニット15では払出制御装置230からの各種情報に基づいて操作表示装置7の制御を管理し、メッセージ・操作領域部706に遊技者の持球数(遊技価値)や計数球数を表示したりする。
なお、本実施例では前述のように払出制御装置230からカードユニット15に対して遊技制御装置54からの各種遊技情報及び封入球遊技における各種情報(持球数、計数球数を含む各種情報)が所定間隔(例えば200ms)毎に送信するようにしている。具体的には、カードユニット15から所定間隔(例えば200ms)毎に要求があり、払出制御装置230はその応答として必要な情報を送信する。
また、これらの各種情報を払出制御装置230からでなく、遊技制御装置54からカードユニット15へ送信する構成にしてもよい。
また、前述したように、払出制御装置230はカードユニット接続端子板52を介してカードユニット15と接続され、カードユニット15との間で双方向の情報の伝達ができるようになっており、このルートを介して上述した封入球遊技における各種情報とは別に、払出制御装置230はカードユニット15に対して遊技情報を送信可能になっている。
カードユニット15はホールコンピュータ86の他、カード管理装置81や図6に示した持球管理装置85、カード発行機82、カード精算機83、景品交換機84とも接続されており、さらにカード管理装置81は外部管理装置91とも接続されている。図6では持球管理装置85、カード発行機82、カード精算機83、景品交換機84、外部管理装置91の図示を略しているため、「カード管理装置81、他」と表記している。したがって、カードユニット接続端子板52はパチンコ機1側の払出制御装置230からカードユニット15を経由してホールコンピュータ86やカード管理装置81等に遊技情報を送信するためにも使用される。
そのため、具体的には、払出制御装置230からはカードユニット接続端子板52を介し、カードユニット15を経由してホールコンピュータ86に遊技制御装置54からの各種遊技情報及び封入球の制御及び遊技球の払出制御における各種の情報が出力される。遊技情報としては、例えば遊技制御装置54に入力された信号を外部へ知らせる信号や、遊技進行の過程で発生する大当りを知らせる大当り信号、図柄を変動させるための条件となる始動口への入賞を知らせる始動口信号、図柄が変動開始、或いは、図柄の変動停止をトリガに図柄変動を知らせる図柄確定回数信号、遊技状態が遊技者に有利な状態であること(いわゆる確変状態、時短状態)を示す特典状態信号等がある。
また、払出制御装置230からはカードユニット接続端子板52を介し、カードユニット15へ持球数の情報(遊技価値情報)などが出力され、さらにカードユニット15からカード管理装置81等やホールコンピュータ86へ持球数の情報(遊技価値情報)などが出力される。
また、カードユニット15については詳細を後述するように、画像入力用パソコンに記憶されたキャラクタ紹介等の演出補助情報をカードユニット15に送信して、キャラクタ紹介等の演出補助情報を読み込んでおき、切替ボタン707が操作(タッチ)されると、キャラクタ紹介等の演出補助情報をカードユニット15から操作表示装置7に送信し、操作表示装置7で表示する構成になっている。
次に、封入球制御等に必要な各種スイッチ類からの信号として、払出制御装置230には、発射球検出スイッチ160、アウト球検出スイッチ161、第1セーフ球検出スイッチ(図6ではセーフ球検出1SW)162、第2セーフ球検出スイッチ(図6ではセーフ球検出2SW)163、第1封入球検出スイッチ164(図6では封入球検出1SW)、及び第2封入球検出スイッチ165(図6では封入球検出2SW)からの検出信号が入力されている。なお、ファール球検出スイッチは無い構成である。
発射球検出スイッチ160は発射ボリューム171(詳細は後述)の操作によって遊技領域22に発射される球を1個ずつ検出(具体的には、発射位置に球送りされた球を検出する)するセンサであり、アウト球検出スイッチ161は遊技領域22での遊技の結果、何れの入賞口にも入賞しないアウト球(外れ)を検出するものである。
なお、遊技領域22での遊技の結果、回収される球はアウト球及びセーフ球の両方を含むものになる。
第1封入球検出スイッチ164及び第2封入球検出スイッチ165は、前述したように、上部通路303に配置され(図4参照)、封入球数をチェックするためのものである。
払出制御装置230では、上記各スイッチ160乃至165からの検出信号を受けて、封入球の発射から回収までの球の挙動監視、封入球の最大と最小の封入球数のチェック等の処理を行うとともに、カードユニット15から送られてくる球貸し情報(貸球数コマンド)に基づいて持球数に加算する処理を行うなどの制御を行う。なお、ファール球の監視は無い。
さらに、払出制御装置230にはガラス枠開放スイッチ(図6ではガラス枠開放SW))125、夜間監視スイッチ126(図6では夜間監視SW)及び電波センサ(枠)127が接続されている。
ガラス枠開放スイッチ125はガラス枠5が開放されていることを検出するセンサである。
夜間監視スイッチ1126は前面枠4の開放を監視するとともに、遊技制御装置54の取り外しを監視するものである。また、夜間監視スイッチ126は前面枠4の開放を検出した情報をパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持する構成になっている他、主電源オン時に払出制御装置230からの要求により夜間監視情報(遊技制御装置監視情報)を外部に出力する構成であり、詳細な構成は図8を参照して後述する。
なお、夜間監視スイッチ126は、前面枠4が開放されたことの検出や遊技制御装置54の取り外しを検出する他、ガラス枠5が開放されたことを検出するようにしてもよい。このようにすると、ガラス枠開放スイッチ125を省いて低コストにしつつ、ガラス枠の開放による不正への対応も可能になる。
ここで、夜間監視スイッチ126は前面枠開放検出手段、主基板監視手段を構成する。
電波センサ(枠)127は、特にパチンコ機1の枠側に関する電波の送信を検出するセンサであり、例えば払出制御装置230や枠に設置されている各種センサへの不正な電波を検出するセンサである。電波センサ(枠)127はその他の不正な電波を検出するものでもよい。
次に、払出制御装置230は封入球の循環・研磨や球抜き制御との関連では、球抜きソレノイド344S、電磁石341、小球センサ342、上切替ソレノイド336S、下切替ソレノイド310S、研磨入口スイッチ321、研磨装置306、揚送入口スイッチ332、楊送装置302、楊送出口スイッチ334と接続されている。
球抜きソレノイド344Sは球抜き弁344の弁体を駆動して球抜き通路305の開閉動作を行わせるものである。電磁石341は上部通路303を流れる球が磁性体であることを検出する際に使用するもので、球が磁性体であれば電磁石341をオンしたときに吸引される。
小球センサ342は上部通路303を流れる遊技球の大きさが正規のものよりも小さいか否かを判定するためのもので、正規球(例えば、直径=11mm)は検出するが、正規のものよりも小さい小球(例えば、直径=10.5mm未満)は検出しない構成である。
上切替ソレノイド336Sは上切替弁336の弁体を駆動してバイパス通路304の開閉動作を行わせるものである。下切替ソレノイド310Sは下切替弁310の弁体を駆動して研磨入口通路319の開閉動作(すなわち、研磨装置306に球を流入させる/流入させないという切替動作)を行わせるものである。
研磨入口スイッチ321は研磨装置306に流入する球を検出するものである。研磨装置306は封入球の研磨を行うもので、詳細な構成は図4で説明した通りである。揚送入口スイッチ332は揚送装置302に流入する球を検出するものである。楊送装置302は下部通路301にある球を上方に楊送し、楊送出口スイッチ334を介して上部通路303に排出する。楊送出口スイッチ334は楊送装置302の出口側に配置され、楊送装置302から排出される球を検出する。
(演出制御装置関係)
次に、演出制御装置53の構成と、この演出制御装置53に接続される機器について説明する。
演出制御装置53は、主制御用マイコン、該主制御用マイコンの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン、表示装置41やサブ液晶表示装置33への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP、各種のメロディや効果音などの出力を制御する音源LSIなどを有しているが、細かい構成は略している。
演出制御装置53は発射強度表示制御手段を構成する。
演出制御装置53は盤側(遊技盤20側)の制御については、遊技制御装置54のCPU111からの制御コマンドを解析し、演出内容を決定して表示装置41の出力映像の内容を制御したり、サブ液晶表示装置33(図6ではサブ表示装置と表記)に対して計数球数を表示したり、計数球が無いときに演出表示を行わせたりする制御を行うとともに、前述した装飾表示LED(盤)144の駆動制御などの処理を実行したり、演出役物装置36の演出動作を制御したりする。
一方、演出制御装置53は枠側(前面枠4等の側)の制御については、ドロアコネクタ構造の演出接続基板(盤)77及び演出接続基板(枠)78を介して後述の機器の駆動制御等を行う。
すなわち、演出接続基板(盤)77は盤側(遊技盤20側)の演出制御装置53に接続される基板であり、ドロアコネクタにより構成されている。また、演出接続基板(枠)78は枠側(前面枠4等の側)の各種機器に接続される基板であり、ドロアコネクタにより構成されている。そして、これらの演出接続基板(盤)77及び演出接続基板(枠)78は凹側ドロアコネクタと凸側ドロアコネクタで対を成し、これらのドロアコネクタは少なくとも一方の基板77又は78の面方向にある程度動くことが可能であるため、接続作業時の位置ズレ及び接続作業後の位置ズレが吸収され、接続作業が容易に可能となるとともに、接続後に接続状態が良好に維持されることになる(詳細な構造は後述)。
演出接続基板(枠)78に接続される各種機器を説明すると、演出接続基板(枠)78は演出操作スイッチ9、スピーカ10、16a、16b、装飾表示LED(枠)141、装飾持球表示装置250、レベルメータ左17L、レベルメータ右17Rに接続されている。
演出制御装置53は、遊技制御装置54のCPU111からの制御コマンドを解析し、演出内容を決定して音源LSIへの再生音の指示をして演出接続基板(盤)77及び演出接続基板(枠)78を介して下スピーカ10及び上スピーカ16a、16bを駆動して効果音等を出したり、前述した装飾表示LED(枠)141の駆動制御やレベルメータ左17L、レベルメータ右17Rの駆動制御などの処理を行うとともに、演出操作スイッチ9からの信号に応じて演出内容を決定して演出の制御を行う。
この場合、演出制御装置53はレベルメータ左17L、レベルメータ右17Rに対して通常時は大当りに関する信頼度メーターとして表示部17a、17bを上下に移動させて大当り信頼度を示す演出を行わせるとともに、計数球がある場合には計数表示装置として表示部17bを上下に移動させておよその計数球数をアナログで表示するような演出を行わせる制御を行う。一方、停電によりパチンコ機1の動作が停止した場合には、演出制御装置53は表示部17bを停電時の計数球数の位置で停止させて、その位置で留まらせる構成になっており、表示部17bの停止位置により獲得したおよその遊技球が保持されていることを遊技者に知らせるような制御を行う。
また、演出制御装置53には払出制御装置230からの持球数や計数球数のデータが遊技制御装置54を経由して送信されるようになっており、演出制御装置53は演出接続基板(盤)77及び演出接続基板(枠)78を経由して装飾持球表示装置250に対して持球数や計数球数の増減等に応じて、上部装飾持球表示装置250a及び下部装飾持球表示装置250bにおける多数のLEDの点灯・点滅制御を行う。
(電源装置)
次に、電源装置58の構成について説明する。
電源装置58は交流電源からDC32V、DC12V,DC5Vなどの直流電圧を生成し、遊技制御装置54、演出制御装置53、払出制御装置230や図6に示す各電子部品に必要な電源を供給するとともに、電源スイッチ181を備えている。
ここで、上記のようにパチンコ機1における電源装置58から通常時(パチンコ機1に電源が供給されている時)に供給する電源を主電源といい、主電源は遊技制御装置54を含むパチンコ機1の各装置や電子機器、センサ等へ供給している電源を指している。
なお、本実施例では各制御装置54、230等がバックアップ電源を備える構成であり、詳細は図13で後述する。
電源スイッチ181は電源装置58へ供給される交流電源をオン・オフするもので、電源装置58の起動や停止に使用される。
次に、図7を参照して研磨装置306及び楊送装置302のブロック構成について説明する。
図7(a)は研磨装置306のブロック構成を示す図であり、同図において、研磨装置306は研磨モータ312、研磨モータスイッチ322、研磨布モータ323、研磨布ユニットスイッチ324を備えている。研磨モータ312は払出制御装置230からの制御信号に基づいて搬送スクリュー320を駆動して研磨装置306の研磨入口通路319から流入した球を搬送しつつ、内部に配置された研磨部材314(例えば、研磨布)により球を研磨する。
研磨モータスイッチ322は研磨モータ312の作動を監視し、監視結果を払出制御装置230に出力する。研磨布モータ323は払出制御装置230からの制御信号に基づいて研磨部材314(例えば、研磨布)を移動させる(巻き取る)。研磨布ユニットスイッチ324は研磨布ユニットの取り付けを監視し、監視結果を払出制御装置230に出力する。
図7(b)は楊送装置302のブロック構成を示す図であり、同図において、楊送装置302は楊送モータ333、楊送モータスイッチ335を備えている。楊送モータ333は下部通路301から流入してきた封入球を払出制御装置230からの制御信号に基づいて上方の上部通路303に楊送する。楊送モータスイッチ335は楊送モータ333の作動を監視し、監視結果を払出制御装置230に出力する。
次に、夜間監視スイッチ126(図8では夜間監視SWと表記)の詳細な構成について、図8を参照して説明する。
図8に示すように、夜間監視スイッチ126はバックアップ電源381、枠開放検出手段382、断線検出手段383、枠開放回数記憶手段384、断線回数記憶手段385、出力手段386を備えている。
夜間監視スイッチ126への主電源は払出制御装置230から供給され、通常は主電源によって夜間監視スイッチ126は作動する。一方、夜間監視スイッチ126はバックアップ電源381を備えており、主電源の供給が断たれたときはバックアップ電源381により作動する。バックアップ電源381としては、例えば一次電池が使用される。一次電池は直流電力の放電のみができる電池(化学電池)であり、二次電池に対するそれ以外の電池のことで、例えば乾電池が使用される。
バックアップ電源381は主電源オフ時には枠開放検出手段382、断線検出手段383、枠開放回数記憶手段384、断線回数記憶手段385に電源を供給する。
また、バックアップ電源381は払出制御装置230→遊技制御装置54→払出制御装置230→夜間監視スイッチ126というようにループ接続されたルートに電流を流すようになっており、このループ接続されたルートの断線が断線検出手段383によって検出された場合に、遊技制御装置54が取り外されたことを検出可能になっている。
夜間監視スイッチ126の監視機能は、以下の通りである。
(a)前面枠4(本体枠)の開放の監視
これは、枠開放検出手段382によって実現される。すなわち、枠開放検出手段382は前面枠4の開放を検出するセンサであり、前面枠4の開放を検出したか否かを示す情報(枠開放情報)を出力する。
(b)遊技制御装置54の取り外しの監視
これは、断線検出手段383によって実現される。すなわち、前述したように断線検出手段383はバックアップ電源381の電流が払出制御装置230→遊技制御装置54→払出制御装置230→夜間監視スイッチ126というようにループ接続されたルートを流れている場合には当該ルートが断線でなく、遊技制御装置54が取り外されていない状態であることを検出する。一方、このルートをバックアップ電源381の電流が流れていない場合には、当該ルートが断線であることから遊技制御装置54が取り外されている状態であることを検出する。
なお、断線検出手段383によって検出される断線状態は、上記ルートが断線である場合(遊技制御装置54が取り外されていなくても断線になる場合)と、遊技制御装置54が取り外されることによって上記ルートが断線になる場合の2通りがあり、断線検出手段383は、これらの2つの状態の何れも検出可能なものであるが、その区別まではしていない。したがって、断線検出手段383が検出する断線情報は、遊技制御装置54の取り外し状態を含むものである。
このように、断線検出手段383は上記ルートが断線か否かを検出することで、遊技制御装置54が取り外されている状態を断線と判定して、遊技制御装置54の取り外しの監視を行う。断線検出手段383の検出情報は前述したように遊技制御装置監視情報のことであり、これは夜間監視スイッチ126により主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出したか否の情報である。なお、断線検出手段383は主電源の供給時、主電源オフ時の何れの場合にも遊技制御装置54の取り外しを監視可能である。
なお、図8において「開放情報」とは主電源オン時(通常時)の枠開放情報の意味で表記しており、主電源オフ時(夜間)に記憶した情報という意味で枠開放情報と断線情報を合わせて「夜間監視情報」と表記している。
枠開放回数記憶手段384は枠開放検出手段382による前面枠5の監視情報(枠開放情報)を記憶して保持する。枠開放回数記憶手段384の記憶情報としては、前面枠5の開放情報と、前面枠5が開放した回数とを記憶する。特に、枠開放回数記憶手段384は主電源オフ時にはバックアップ電源381からバックアップ電源の供給を受けるので、主電源オフ時に上記記憶情報を保持可能になっている。
また、断線回数記憶手段385は断線検出手段383による断線情報(遊技制御装置54の取り外し状態を含む)を記憶して保持する。断線回数記憶手段385の記憶情報としては、断線情報(遊技制御装置54の取り外し状態を含む)と、断線回数(遊技制御装置54の取り外し回数を含む)とを記憶する。特に、断線回数記憶手段385は主電源オフ時にはバックアップ電源381からバックアップ電源の供給を受けるので、主電源オフ時に上記記憶情報を保持可能になっている。
そして、前面枠4の監視情報(枠開放情報)と、断線検出手段383による遊技制御装置54の取り外し監視情報とは通常時(主電源供給時)は遅延なく、直ちに各監視情報が出力手段386によって払出制御装置230に出力される構成である。一方、夜間等の主電源オフ時には各監視情報は枠開放回数記憶手段384及び断線回数記憶手段385によって記憶・保持され、遊技店の開店時などの主電源オン時に記憶してある各監視情報は払出制御装置230からの夜間監視情報の要求があったときに、出力手段386により払出制御装置230に出力される構成になっている。
なお、上記における前面枠4の監視情報(枠開放情報)と、遊技制御装置54の取り外し監視情報とは、細かくは、前面枠4の監視情報(枠開放情報)は前面枠4の開放の有無と開放回数を含む概念であり、遊技制御装置54の取り外し監視情報はバックアップ電源381の電流が払出制御装置230→遊技制御装置54→払出制御装置230→夜間監視スイッチ126というようにループ接続されたルート(以下、断線監視ルートと称する)を流れている場合に当該ルートの断線の有無と断線回数を含む概念であるが、説明の都合上、これらの細かい内容を含めた情報を、前面枠4の監視情報(枠開放情報)と、遊技制御装置54の取り外し監視情報と言うことにする。
また、各監視情報の出力形態は以下の通りである。
前面枠4の閉鎖中は枠開放検出手段382の出力はオンとなる。一方、前面枠4の開放中は枠開放検出手段382の出力はオフとなる。例えば、オンとはHレベルの信号、オフとはLレベルの信号のことである。
断線監視ルートが断線でないとき(遊技制御装置54が取り外されていない状態を含む)は断線検出手段383の出力はオンとなる。一方、断線監視ルートが断線であるとき(遊技制御装置54が取り外されている状態を含む)は断線検出手段383の出力はオフとなる。例えば、オンとはHレベルの信号、オフとはLレベルの信号のことである。
なお、枠開放検出手段382は前面枠4の開放を検出するだけでなく、例えばガラス枠5の開放も合わせて検出するようにし、ガラス枠5の開放情報(開放、非開放を含む情報)を枠開放回数記憶手段384に記憶させるようにしてもよい。
出力手段386は、通常時(主電源供給時)には夜間監視スイッチ126における枠開放検出手段382及び断線検出手段383が監視した情報を遅滞なく払出制御装置230に出力する。
一方、出力手段326はパチンコ機1の主電源がオフとなる夜間等のときに夜間監視スイッチ126によって監視した枠開放情報及び断線情報、つまり夜間監視情報については、払出制御装置230から夜間監視スイッチ126に対して夜間監視情報の要求があった場合にのみ、この要求に応答して枠開放回数記憶手段384及び断線回数記憶手段385に記憶されている夜間監視情報を払出制御装置230に出力する。
払出制御装置230では、夜間監視情報から不正レベルを判断し、判断した不正レベルをカードユニット15に出力する。ここで、不正レベルの内容は以下の通りである。
・不正レベル0:枠開放無し、断線無し
枠開放とは、前面枠4の開放のことであり、よって、枠開放無しは前面枠4の開放が無い状態のことである。また、断線無しとは、バックアップ電源381の電流が払出制御装置230→遊技制御装置54→払出制御装置230→夜間監視スイッチ126というようにループ接続されたルート(つまり、断線監視ルート)を流れている場合に当該ルートの断線が無い状態のことで、これは遊技制御装置54の取り外しに起因する断線も無い状態を含むものである(つまり、遊技制御装置54の取り外しも無い状態)。なお、枠開放や断線の概念については、以下、同様である。
・不正レベル1:枠開放1回、断線無し
これは、前面枠4の開放が1回で、断線監視ルートの断線が無い状態(遊技制御装置54の取り外しも無い状態を含む)である。
・不正レベル2:枠開放2回以上、断線無し
これは、前面枠4の開放が2回以上で、断線監視ルートの断線が無い状態(遊技制御装置54の取り外しも無い状態を含む)である。
・不正レベル3:断線1回以上
これは、断線監視ルートの断線(遊技制御装置54の取り外し状態も含む)が1回以上の状態である。
夜間監視情報の出力タイミングは、下記の通りである。
すなわち、払出制御装置230は、主電源の投入時(オン時)に、夜間監視スイッチ126に夜間監視情報の要求を出力し、この要求に応答して夜間監視スイッチ126から夜間監視情報を受信すると、当該受信情報から不正レベルを判断し、判断した不正レベルをRAM233に記憶させ、その後、カードユニット15に送信する構成である。
一方、払出制御装置230は通常時(主電源供給時)に夜間監視スイッチ126から開放情報(前面枠4の監視情報:枠開放情報)を受信すると、当該開放情報をRAM233に記憶させ、その後、カードユニット15に送信する。
このように、夜間監視スイッチ126は出力手段386を備えているため、主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた夜間監視情報を払出制御装置230からの夜間監視情報の要求に応答して外部の払出制御装置230に出力し、払出制御装置230では夜間監視情報を内部の入力ポートで受けてCPU231に出力し、CPU231は夜間監視情報をRAM233に記憶させ、その後、カードユニット15に送信する。
なお、払出制御装置230では夜間監視情報から不正レベルを判断してカードユニット15に出力しているが、不正レベルの代わりに、夜間監視情報である前面枠4の枠開放回数及び断線監視ルートの断線回数をそのまま払出制御装置230からカードユニット15に出力するようにしてもよい。
また、不正レベルと、夜間監視情報(前面枠4の枠開放回数及び断線監視ルートの断線回数)の両方を払出制御装置230からカードユニット15に出力するようにしてもよい。
次に、ドロアコネクタの詳細な構造について、図9、図10を参照して説明する。
前述したように、主接続基板75及び払出接続基板76と、演出接続基板(盤)77及び演出接続基板(枠)78とは、何れもドロアコネクタ構造によって電気的に接続される構成である。
なお、上記2組のドロアコネクタは同じ構造であるので、代表例として主接続基板75及び払出接続基板76の方の1組のドロアコネクタ構造について詳細に説明することとし、演出接続基板(盤)77及び演出接続基板(枠)78の方の1組のドロアコネクタ構造についての詳細説明は略す。
図9及び図10は、主接続基板75及び払出接続基板76との電気的接続を実現するドロアコネクタの具体例を示している。
ここで、図中の符号75は遊技盤側基板としての主接続基板75を示し、符号76は枠側基板としての払出接続基板76を示している。また、図9は遊技盤側基板としての主接続基板75に取り付けられた凹側ドロアコネクタ401の前面と、枠側基板としての払出接続基板76に取り付けられた凸側ドロアコネクタ411の前面とを主に示す図である。図10は、凹側ドロアコネクタ401と凸側ドロアコネクタ411を各基板75、76にそれぞれ取り付けて対向させた状態を示す上面図であり、説明の便宜上、後述する留め穴402aやガイド穴406等(実際には見えない内部の構造であって半線で図示すべきもの)も全て実線で示している。
遊技盤側基板としての主接続基板75は遊技盤20に取り付けられる基板であり、図9に示すように、この主接続基板75の両端には、この主接続基板75を遊技盤20に取り付けるための取付穴75a(例えば、ネジなどの留め具の軸部を挿通する穴)が形成されている。一方、枠側基板としての払出接続基板76は遊技枠に取り付けられる基板であり、図9に示すように、この払出接続基板76の両端にも、この払出接続基板76を遊技枠に取り付けるための取付穴76a(例えば、ネジなどの留め具の軸部を挿通する穴)が形成されている。
図9及び図10に示すように、主接続基板75の内側の位置(二つの取付穴75aよりも内側の位置)には、凹側ドロアコネクタ401が、主接続基板75の厚さ方向(図9では紙面に直交する方向であり、図10では紙面に平行な上下方向)に主接続基板75を貫通した状態で設けられている。凹側ドロアコネクタ401は、凹側基板部402と、この凹側基板部402の前面から前方(図10では下方)に突出する凹側嵌合部403(接続用の電極が内面にあるもの)と、前記凹側基板部402の後面から後方(図10では上方)に突出する凹側後端部404とを有する。この凹側ドロアコネクタ401は、凹側基板部402が主接続基板75の前面に接合し、凹側嵌合部403が主接続基板75から払出接続基板76の側に突出し、凹側後端部404が主接続基板75を貫通して後方に突出した状態に取り付けられる。なお、主接続基板75には凹側後端部404が貫通する開口(図示省略)が形成されており、この開口の内周面と凹側後端部404の外周面との間には遊び(隙間)が設けられている。
凹側ドロアコネクタ401の主接続基板75への取り付けは、この場合二つの留め具405によって行われる構造となっている。即ち、図10に示すように、凹側基板部402の両端(凹側嵌合部403よりも左右方向外側の位置)には、留め具405の軸部(図示省略)を挿通する前後方向の留め穴402aが形成され、また、主接続基板75の前記留め穴402aに対応する位置には、留め具405の軸部の先端側を挿入する前後方向の取付穴75bが形成されている。そして、留め具405の軸部が、凹側基板部402の前面から留め穴402aに挿通され、さらに取付穴75bに挿入されることによって、凹側ドロアコネクタ401が主接続基板75に取り付けられている。但し、留め具405の軸部と留め穴402aの間には、所定の遊び(隙間)が設けられている。このため、取付状態においても、この遊びによって、凹側ドロアコネクタ401は、主接続基板75に対して主接続基板75の面方向(図9における上下左右方向)にある程度移動可能となっている。また、凹側ドロアコネクタ401における凹側嵌合部403の左右両端の位置には、前後方向のガイド穴406がそれぞれ形成されている。また、図10に示すように、この凹側ドロアコネクタ401の凹側後端部404からは後方に複数の配線407が伸びている。各配線407は、遊技制御装置54を構成する回路基板(主基板)の所定の端子(図示省略)と、凹側ドロアコネクタ401内の所定の端子(図示省略)とを接続する配線である。
一方、払出接続基板76の内側の位置(二つの取付穴76aよりも内側の位置)には、凸側ドロアコネクタ411が、払出接続基板76の厚さ方向(図9では紙面に直交する方向であり、図10では紙面に平行な上下方向)に払出接続基板76を貫通した状態で設けられている。凸側ドロアコネクタ411は、凸側基板部412と、この凸側基板部412の前面から前方(図10では上方)に突出する凸側嵌合部413(接続用の電極が表面にあるもの)と、前記凸側基板部412の後面から後方(図10では下方)に突出する凸側後端部414とを有する。この凸側ドロアコネクタ411は、凸側基板部412が払出接続基板76の前面に接合し、凸側嵌合部413が払出接続基板76から主接続基板75の側に突出し、凸側後端部414が払出接続基板76を貫通して後方に突出した状態に取り付けられる。なお、払出接続基板76には凸側後端部414が貫通する開口(図示省略)が形成されており、この開口の内周面と凸側後端部414の外周面との間には遊び(隙間)が設けられている。
凸側ドロアコネクタ411の払出接続基板76への取り付けは、この場合二つの留め具415によって行われる構造となっている。即ち、図10に示すように、凸側基板部412の両端(凸側嵌合部413よりも左右方向外側の位置)には、留め具415の軸部(図示省略)を挿通する前後方向の留め穴412aが形成され、また、払出接続基板76の前記留め穴412aに対応する位置には、留め具415の軸部の先端側を挿入する前後方向の取付穴76bが形成されている。そして、留め具415の軸部が、凸側基板部412の前面から留め穴412aに挿通され、さらに取付穴76bに挿入されることによって、凸側ドロアコネクタ411が払出接続基板76に取り付けられている。但し、留め具415の軸部と留め穴412aの間には、所定の遊び(隙間)が設けられている。このため、取付状態においても、この遊びによって、凸側ドロアコネクタ411は、払出接続基板76に対して払出接続基板76の面方向(図10における上下左右方向)にある程度移動可能となっている。また、凸側ドロアコネクタ411における凸側嵌合部413の左右両側の位置(前記ガイド穴406にそれぞれ対応する位置)には、凸側基板部412の前面から前方に突出するガイドピン416(先端が先細り状に尖ったピン)がそれぞれ形成されている。各ガイドピン416は、各ガイド穴406内に挿入して嵌合可能となっている。また、図10に示すように、この凸側ドロアコネクタ411の凸側後端部414からは後方に複数の配線417が伸びている。各配線417は、払出制御装置230を構成する回路基板の所定の端子と、凸側ドロアコネクタ411内の所定の端子(図示省略)とを接続する配線である。
そして、上述した凹側ドロアコネクタ401と凸側ドロアコネクタ411は対を成し、これらは、いわゆるドロアコネクタを構成する。このようなドロアコネクタであると、接続される一方が他方に対して例えば多少傾斜した状態(或いは多少位置ズレした状態)からでも接続作業(凸側嵌合部413と凹側嵌合部403とを互いに嵌合させる作業)が容易に可能である。この場合、例えば、遊技盤20が遊技枠(前面枠4)に取り付けられる際に、主接続基板75と払出接続基板76とが図10に示すように対向配置され、凸側ドロアコネクタ411の凸側嵌合部413が凹側ドロアコネクタ401の凹側嵌合部403内に嵌り込み、凹側嵌合部403の内面の各電極(前述の各配線407が電気的に接続される各電極)と、凸側嵌合部413の表面の各電極(前述の各配線417が電気的に接続される各電極)とが互いにそれぞれ接触し、これにより、遊技制御装置54と払出制御装置230との電気的接続が容易かつ的確に実現される構成となっている。この際、ガイドピン416の先端が先細り状に尖った形状であることによって、ガイドピン416は多少の傾きや位置ズレがあってもガイド穴406に容易に嵌り込み、上記凹側嵌合部403と凸側嵌合部413の嵌合を円滑に案内する。また、凹側嵌合部403の内面の各電極と凸側嵌合部413の表面の各電極との接触構造は、凸側嵌合部413の上下両面において接触が行われる挟み込み2点接触構造となっており、確実な接触が確保される。
また、前述したように留め穴402aや留め穴412a等に遊びが設けられていることによって、凹側ドロアコネクタ401と凸側ドロアコネクタ411とは、各基板の面方向にある程度動くことが可能であるため、接続作業時の位置ズレ及び接続作業後の位置ズレが吸収され、接続作業が容易に可能となるとともに、接続後に接続状態が良好に維持される効果がある。また、上記接続作業とは逆の動作により、接続を外す離脱作業(凸側嵌合部413と凹側嵌合部403とを互いに離脱させる作業)も容易に可能である。
つまり、以上説明した接続部の構成であると、凹側ドロアコネクタ401の凹側嵌合部403と凸側ドロアコネクタ411の凸側嵌合部413とを、傾き無く真っ直ぐに対向させた状態でなくても、また位置ズレ無く正確に対向させた状態でなくても、多少の傾き及び位置ズレがある状態からでも接続が可能であるので、接続作業が容易になる。また、接続作業後に、基板間の相対位置(即ち、遊技盤側と枠側との相対位置)が前述の面方向に多少動いたとしても、この動きは前述の遊びによって吸収されるため、凹側嵌合部403と凸側嵌合部413における電極の接触状態は良好に維持される。また、接続を外す離脱作業も容易に可能となる。
また、以上説明した接続部の構造であると、次のような効果も得られる。即ち、主接続基板75に凹側ドロアコネクタ401を設けていることにより、例えば遊技盤のみで検査を行う場合などに、露出する嵌合部が内面に電極のある凹側嵌合部403となるため、導電性の異物などの電極への接触による電気的なショートなどのトラブルが起こり難いという効果もある。
上記は主接続基板75及び払出接続基板76と、演出接続基板(盤)77及び演出接続基板(枠)78とをドロアネクタ構造によって電気的に接続した構成例であるが、ドロアコネクタに限らず、例えばフローティングコネクタ構造によって電気的に接続する構成を採用してもよい。
なお、以上説明した接続部の構成は、遊技制御装置54と払出制御装置230との電気的接続に限定されず、払出制御装置230以外の枠側の装置と遊技制御装置54(或いは、遊技制御装置54以外の遊技盤側の装置)との電気的接続に適用されてもよい。
また以上では、遊技盤20と遊技枠(前面枠4)との間の電気的接続について説明したが、それ以外の電気的接続部に同様のドロアコネクタからなる構成を適用して同様の効果を得ることもできる。例えば、機枠2に設けられる電気要素(電気部品又は制御装置等)と機枠2に対して開閉される前面枠4又はガラス枠5に設けられる電気要素との間の電気的接続、或いは、前面枠4に設けられる電気要素と前面枠4に対して開閉されるガラス枠5に設けられる電気要素との間の電気的接続などを、図9及び図10と同様の構成の接続部によって行ってもよく、さらにこの場合に、開閉の際の相対運動に伴ってドロアコネクタの凹側と凸側の接続及び離脱が自動的に行われる構成とすることも可能である。
(操作表示装置)
次に、操作表示装置7の詳細について説明する。
前述したように、操作表示装置7はハーネスによりカードユニット15と直接に接続されている。
図11(a)は、操作表示装置7を示す図である。
操作表示装置7は、遊技者が指でタッチパネルに触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成され、図11(a)に示すように、操作表示装置7には球貸レートを表示する球貸レート表示器701、プリペイドカード(例えば、ビジターカード)の残金額を表示する残金額表示器702が設けられているとともに、球貸ボタン703、返却ボタン704、貯球・再プレイボタン705、メッセージ・操作領域部706、切替ボタン707、休憩ボタン708、持球表示ボタン709が配置されている。なお、計数球使用ボタン710はメッセージ・操作領域部706の初期画面では表示されず、計数球が発生した時にメッセージ・操作領域部706に表示される構成になっている。そのため、図11(a)に示すように、メッセージ・操作領域部706の初期画面に仮想的に計数球使用ボタン710が出現する箇所に、計数球使用ボタン710を表記している。
球貸レート表示器701は、カードユニット15から遊技球を貸し出す際の球貸レートを表示するもので、例えば1球を4円で貸し出すときは、「球貸:1玉4円」という表示をする。また、1球を1円で貸し出すときは、「球貸:1玉1円」という表示をする。本例のパチンコ機1では、1玉4円又は1玉1円のどちらのレートでも球貸しが可能になっている。
残金額表示器702はプリペイドカード(例えば、ビジターカード)の残金額を表示するが、このとき、例えば残金額「5000円」というように1円単位で、残金額を表示する。
球貸ボタン703は遊技者が所定度数の球貸しを望むときに操作するものである。
返却ボタン704は、遊技前に単に遊技者が遊技カード(プリペイドカード(例えば、ビジターカード)も含む)を返却させる場合、及び精算(遊技終了)してカードを返却させる場合に操作するもの(つまり、精算時に使用するもの)である。したがって、本実施例では精算ボタンは配置されていない。
持球数の精算を行う場合には、本実施例では返却ボタン704の操作で開始される。
すなわち、遊技者が返却ボタン704を押すと、カードユニット15では精算を開始すべく、精算指示を払出制御装置230へ送信する。払出制御装置230では、精算指示を受けると、トータル持球数(持球数+計数球数)データをカードユニット15へ送信し、カードユニット15はトータル持球数データを遊技カードに記録し、排出する処理を行う。次いで、カードユニット15は遊技カードに対してトータル持球数データの記録が終了すると、その旨を払出制御装置230に伝達し、払出制御装置230は記憶(例えば、RAM233の所定エリアに記憶)している持球数、計数球数等のデータをクリアし、精算終了となり、遊技カードが返却される。なお、カードユニット15ではトータル持球数データを遊技カードに記録するが、遊技カードへの記録が終了するまでは、払出制御装置230で持球数、計数球数等のデータを記憶しているので、カードユニット15に持球数、計数球数の管理が移行するものではない。
次に、貯球・再プレイボタン705はハウスカードと称される遊技場独自の会員カードを使用して遊技者が獲得した球の貯球をしたり、会員カードに貯球している球を使用して再プレイするときの他、台移動してきた持球数(貯球数と同様な扱いをする)を使用するときに操作されるものである。
メッセージ・操作領域部706は、貯球・再プレイ時に会員カードを有する会員が暗証番号を入力したり、営業上のメッセージを表示したりする他、貯球数表示、持球数や計数球数の詳細の表示などを行うところである。また、メッセージ・操作領域部706は球貸度数も表示する。
さらに、メッセージ・操作領域部706では、持球数及び計数球数をアナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)することが可能な構成になっている(詳細は、具体例で後述)。
なお、操作表示装置7(メッセージ・操作領域部706も含む)はパチンコ機1に配置されているが、球貸、貯球、精算(ただし、上述のようにカードへの記録の処理)、再プレイ、遊技カードの返却などはカードユニット15によって制御・管理される構成である。
切替ボタン707は操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に表示する情報のを切り替える操作を行うもので、切替ボタン707が操作(タッチ)されると、キャラクタ紹介等の演出補助情報がカードユニット15から操作表示装置7に送信されて操作表示装置7で表示される。なお、切替ボタン707が操作(タッチ)されない場合は、球貸ボタン703、返却ボタン704、貯球・再プレイボタン705等の操作に基づく通常の操作画面が表示される。
休憩ボタン708は遊技者が休憩を望むときに操作するものであり、休憩ボタン708が押されると、遊技機が休憩モードに移行する。また、休憩ボタン708は休憩可能であるときに点灯するようになっている。
計数球使用ボタン710は計数球が発生した時にメッセージ・操作領域部706に表示される構成であるとともに、遊技者が計数球数より持球数へ球の移動を望むときに操作するものであり、計数球使用ボタン710が1回操作されると、計数球数より持球数へ球(例えば、所定量=100個の球)の移動が開始される。言い換えれば、計数球使用ボタン710は玉箱から上皿へ球を移すような作業を開始させるために使用されるスイッチの概念に相当している。また、計数球使用ボタン710は計数球数より持球数への球の移動が可能であるときに点灯するようになっている。
持球表示ボタン709は遊技者が持球数の表示を望むときに操作するものであり、持球表示ボタン709が押されると、メッセージ・操作領域部706にトータル持球数(持球数+計数球数)が表示される。また、持球表示ボタン709は持球数の表示が可能であるときに点灯するようになっている。
次に、カードユニット15によって制御・管理されるケースについて説明すると、例えば、遊技開始時の場合、遊技者がカードユニット15の現金投入口202に1000円の紙幣を投入すると(このとき、カードユニット15内部では1000円のプリペイドカードが発行されたことになる)、投入紙幣の金額に対応した球貸度数がメッセージ・操作領域部706に表示される。遊技者が球貸ボタン703を押すと、表示された球貸度数の範囲内で球貸加算処理が行われ、この球貸加算処理の結果として増加した持球数が持球数表示器40に表示される。例えば、球貸ボタン703を1回押すと、5度数の球貸しが行われ、持球数が例えば125個増加し、持球数表示器40に表示される持球数も125増加する。
この場合、球貸ボタン703を押したという操作情報は、操作表示装置7からハーネスを介してカードユニット15へ送られ、カードユニット15から遊技機(つまり、遊技制御装置54)へ球貸指示(持球数への加算指示)を行う構成である。
一方、遊技者が遊技カード(プリペイドカード(例えば、ビジターカード)も含む)の度数の範囲内で球貸しを望む場合には、遊技者はカードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入すると、遊技カードに残存する球貸度数がメッセージ・操作領域部706に表示される。次いで、遊技者がメッセージ・操作領域部706の球貸ボタン703を操作することにより、遊技カードに記録された有価価値情報(球貸度数)の範囲内で、所定度数の球貸し(持球数の増加)が行われ、球貸し数が持球数表示器40に表示される。この場合、純粋な球貸し数だけが持球数表示器40に表示されるのではなく、以前の持球数に球貸し数が加算される形で、合計の球数が持球数表示器40に表示される。したがって、以前の持球数=0の場合は、球貸し数だけが持球数表示器40に表示されることになる。
さらに、遊技者が遊技カードに記録された貯球数の範囲内で貯球使用を望む場合には、遊技者はカードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入し、メッセージ・操作領域部706の画面にて当該会員の暗証番号を入力すると、遊技カードに残存する貯球数がメッセージ・操作領域部706に表示される。次いで、遊技者がメッセージ・操作領域部706の貯球・再プレイボタン705を操作することにより、遊技カードに記録された貯球数の範囲内で、所定度数の貯球使用(持球数の増加)が行われ、貯球使用数が持球数表示器40に表示される。この場合、以前の持球数に貯球からの貯球使用数が加算される形で、合計の球数が持球数表示器40に表示される。
また遊技終了の場合、返却ボタン704にタッチすることで、精算処理が行われて、トータル持球数の記録された遊技カードがカードユニット15から排出される。したがって、精算スイッチの配置はない。
遊技者は排出された遊技カードを持ってカード精算機83に挿入することで、カード精算機83にて精算される(例えば、景品交換レシートが排出され、ホールのカウンタで景品と交換できる)。
また休憩ボタン708を押すと、遊技カードが排出され、遊技機は遊技ができない状態になる。このとき、休憩ボタン708が点灯し、休憩可能であることを報知する。
払出制御装置230は、遊技球が入賞したような場合には、遊技者の持球数を電子的に増加させ(即ち、持球加算処理を行い遊技価値記憶手段に記憶されている持球数を増加さ)、持球数表示器40に表示させる等の制御を行う。
また、前述した操作表示装置7は図6に示すように、ハーネスを介してカードユニット15と接続されており、操作表示装置7に配置されている球貸ボタン703の操作信号はハーネスを介してカードユニット15に送られ、操作表示装置7はハーネスを介してカードユニット15から出力される信号に基づいてプリペイドカードの残金額を表示する。
一方、カードユニット接続端子板52は、パチンコ機1側とカードユニット15側との配線接続のための基板であるが、この基板で両者の配線接続がされていないと、パチンコ機1では遊技球の発射が不可能となるように制御される。
また、本例では操作表示装置7に遊技カードの返却操作を行うための返却ボタン704を設けている。返却ボタン704は遊技を開始する前に遊技者が遊技カードを返却させることを望む場合に操作される他、前述したように、精算(遊技終了)してカードを返却させる場合に操作される。前者の例としては、例えば遊技カードを購入して、ある遊技機のカードユニット15に遊技カードを挿入したが、気が変わって他の台へ移るような場合である。
なお、遊技が開始されたら、操作表示装置7の画面から返却ボタン704を消す制御を行ってもよい。
また、実施例1とは異なるが、精算スイッチを配置する構成とし、精算スイッチを押せば、トータル持球数を遊技カードに移し、返却ボタン704で遊技カードを排出する構成にしてもよい。
前述した操作表示装置7は図6に示すように、ハーネスを介してカードユニット15と接続されており、操作表示装置7はハーネスを介してカードユニット15から出力される制御信号に基づいてメッセージ・操作領域部706に持球数の詳細表示やアナログ表示(玉箱表示)する制御を行う他、パチンコ機1の払出制御装置230の管理下にある計数スイッチ311の操作に応じて持球数から移動した球を計数した計数球数の詳細表示やアナログ表示(玉箱表示)をする制御、精算時の表示制御等も行う。
また、カードユニット15は操作表示装置7の表示や球貸し、貯球等に必要な制御信号を操作表示装置7に出力し、操作表示装置7はカードユニット15からの制御信号に基づいて各種表示や球貸し、貯球等に必要な画面構成、各種ボタンの操作に対する応答を行う。
ここで、カードユニット15は遊技価値管理手段、返却操作手段、精算手段、切替制御手段、表示態様変更制御手段を構成する。また、操作表示装置7はカードユニットが管理する第2の表示装置を構成するとともに、カードユニット15の管理により遊技者の遊技価値を表示する第2の遊技価値表示手段を構成する。計数スイッチ311は遊技者の操作により計数手段の作動を操作可能な計数操作手段を構成する。返却ボタン704は遊技者の操作により遊技価値記憶媒体をカードユニットから返却する作動を操作可能な返却操作手段を構成する。
(カードユニット制御系統)
次に、カードユニット15の制御系統について、図11(b)を参照して説明する。
図11(b)は、カードユニット15の制御系統を示す図である。
図11(b)において、カードユニット15には画像入力用パソコン700が接続されており、画像入力用パソコン700はUSBメモリ端子やDVD装置を備えている。キャラクタ紹介等の演出補助情報は、USBメモリやDVD等の記憶媒体に格納されており、これらの記憶媒体を画像入力用パソコン700に装着してアクセス可能にし、装着した記憶媒体にアクセスしてキャラクタ紹介等の演出補助情報を画像入力用パソコン700にて読み込み、内部のRAM等に一旦記憶する。キャラクタ紹介等の演出補助情報の記憶が完了すると、USBメモリやDVD等の記憶媒体を画像入力用パソコン700から取り外す。
なお、上記のように画像入力用パソコン700を用いてUSBメモリやDVD等の記憶媒体からキャラクタ紹介等の演出補助情報を当該画像入力用パソコン700に取り込んで記憶しておく作業は、遊技機の機種入れ替え時に行う。
また、キャラクタ紹介等の演出補助情報は、USBメモリやDVD等の記憶媒体に格納する例に限らず、他の記憶媒体、例えばCD、ハードディスク装置、SSD等でもよく、画像入力用パソコン700とアクセス可能なものであれば何でもよい。さらに、画像入力用パソコン700をインターネット接続した環境におき、インターネット回線を通して遠隔地からキャラクタ紹介等の演出補助情報を画像入力用パソコン700に入力して、記憶するような構成であってもよい。
次いで、画像入力用パソコン700に記憶されたキャラクタ紹介等の演出補助情報は、カードユニット15に送信される構成になっており、これは遊技機の機種入れ替え時に画像入力用パソコン700をカードユニット15に接続し、カードユニット15にて画像入力用パソコン700に記憶されているキャラクタ紹介等の演出補助情報を読み込むことで行われる。読み込まれたキャラクタ紹介等の演出補助情報はカードユニット15にて保存(例えば、内部の記憶装置で、特に不揮発性のフラッシュメモリ等)される。カードユニット15は遊技店の閉店で電源がオフされたとき、あるいは停電時であっても、保存したキャラクタ紹介等の演出補助情報を保持可能である。図11(b)では、キャラクタ紹介等の演出補助情報をカードユニット15に保存する場合のデータの流れを便宜上、表示データの矢印で示している。
カードユニット15はハーネスにより操作表示装置7と直接に接続されており、カードユニット15からは表示データ(球貸関係、貯球・再プレイ等の各種データの他に、キャラクタ紹介等の演出補助情報を含む)が操作表示装置7に送信され、操作表示装置7からは各種ボタンのタッチ情報や切替ボタン707の操作に基づく切替情報がカードユニット15に送信される構成である。切替情報はタッチ情報の1つであるが、切替ボタン707の操作を明確にするため、切替情報として別にしてある。
そして、切替ボタン707が操作(タッチ)されると、キャラクタ紹介等の演出補助情報をカードユニット15から操作表示装置7に送信し、操作表示装置7で表示する構成である。
一方、演出制御装置53は表示装置41に接続されており、演出制御装置53からは表示データが表示装置41に出力され、表示装置41は表示データに基づいて特図(飾り特図)ゲームの演出を表示する。したがって、実施例1では演出制御装置53は操作表示装置7に接続されていない構成であり、また、演出制御装置53と操作表示装置7との接続を切り替えるような切替回路も無い。そのため、キャラクタ紹介等の演出補助情報は全てカードユニット15を経由して操作表示装置7に送信されるようになっている。
例えば、遊技者が切替ボタン707にタッチすると、キャラクタ紹介等の演出補助情報がカードユニット15から操作表示装置7に送信され、操作表示装置7で表示される。
具体的には、遊技者が切替ボタン707にタッチした場合、遊技機(パチンコ機1)の機種名やゲーム説明が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に表示されている。例えば、機種名として「CR○○○○」、ゲーム説明として「大当り後、特図100回転まで高確率」という表示がされる。
これにより、遊技者は切替ボタン707にタッチするという簡単な操作のみで、機種名やゲーム説明を受けることができ、便利である。
この状態で、切替ボタン707に再度タッチすると、切替ボタン707は演出補助情報を操作表示装置7に表示する/表示しない(非表示)ことのみを切り替える構成であるから、演出補助情報の表示画面から再び通常の画面表示に戻る。
なお、機種名やゲーム説明を行う画面に切り替わった場合、画面を全て機種名やゲーム説明の紹介に使用してもよいが、球貸関係の表示は遊技中も必要となる場合があるので、機種名やゲーム説明を行う画面に切り替わっても、画面の一部に球貸関係の表示を残す構成にしてもよい。
また、大当り中など球貸の必要がないときは、球貸関係の表示を消してもよい。
カードユニット15には画像入力用パソコン700の他に払出制御装置230が接続(図11(b)では、説明の都合上、カードユニット接続端子板52は略している)されており、払出制御装置230からは球数及び計数球数に関する情報(図11(b)では、持球数情報等という)が定期的にカードユニット15に送られて、カードユニット15の管理下にある操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706にて持球数や計数球数の詳細が表示されるようになっている。
このように操作表示装置7は、見た目はパチンコ機1に設置されているが、カードユニット15とハーネスにより直接に接続されており、カードユニット15の管理下にある構成であり、パチンコ機1が操作表示装置7を制御することはない。すなわち、操作表示装置7はパチンコ機1側の装置ではなく、カードユニット15側の装置である。
(一括表示装置)
次に、一括表示装置35の詳細な構成について、図12を参照して説明する。
図12(a)は、一括表示装置35の拡大図である。図12(a)において、一括表示装置35は特図1表示器351、特図2表示器352、特図1保留LED353、特図2保留LED354、入賞表示LED355、普図LED356、普図保留LED357、ラウンド表示LED358、状態表示LED359を備えており、これらの素子は一括表示装置35の基板上に一体的に形成されている。
特図1表示器351は7セグメントのLEDからなり、本特図1の表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行う。7セグメントのLEDのうち、どのセグメントが点灯(あるいは点滅)するかによって、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、特図1について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等である。
特図2表示器352も同様に、7セグメントのLEDからなり、本特図2の表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行う。7セグメントのLEDのうち、どのセグメントが点灯(あるいは点滅)するかによって、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、特図2について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等である。
なお、特図1及び特図2による変動表示ゲームとは、上述したように、遊技球が第1始動入賞口25に入ることによって特図始動入賞(第1始動入賞)が発生した場合に、表示装置41にて飾り特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われ、遊技球が第2始動入賞口26に入ることによって特図始動入賞(第2始動入賞)が発生した場合に、表示装置41にて飾り特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われるが、飾り特図ではなくて、本特図1、本特図2の変動表示ゲームの態様をそれぞれ表示するのが、一括表示装置35に配置されている特図1表示器351、特図2表示器352である。
特図1保留LED353は特図1の保留数を表示するものであり、特図1の保留数とは、遊技球が第1始動入賞口25に入ることによって特図始動入賞(第1始動入賞)が発生した場合に4個を上限として記憶される保留の数のことである。
同様に、特図2保留LED354は特図2の保留数を表示するものであり、特図2の保留数とは、遊技球が第2始動入賞口26に入ることによって特図始動入賞(第2始動入賞)が発生した場合に4個を上限として記憶される保留の数のことである。
特図1保留LED353及び特図2保留LED354は、図12(c)に示すように、共通化のために本例では3つのLEDで1乃至4個の保留数を表示可能な構成になっている。すなわち、図12(c)に示すように、下記の態様で1乃至4個の保留数を表示する。
・保留数=1:左端のLEDが1つ点灯
・保留数=2:左端から2番目のLEDが1つ点灯
・保留数=3:左端から3番目のLEDが1つ点灯
・保留数=4:3つのLEDが全て点灯
なお、LEDは点灯でなく、点滅であってもよい。
入賞表示LED355は入賞口への入賞に対応する賞球数を表示するもので、入賞表示装置に相当する。ここでの入賞口とは、賞球排出(実際に球を払い出すか、或いは、封入球式の場合には持球数に加算する処理)を伴う全ての入賞口のことで、始動入賞口25,26、第1変動入賞装置27の第1大入賞口27a、第2変動入賞装置34の第2大入賞口34a、一般入賞口28〜31を指す。
本実施例の場合、パチンコ機1は封入球式遊技機であるので、入賞口への入賞に対応する賞球は持球数に加算する処理を行うことになる。一方、通常の遊技機では、入賞口への入賞に対応する賞球は実際に球を上皿に排出(払い出す)する処理になる。
なお、入賞に伴う賞球数は下記のようになっている。
・第1大入賞口27a=13個
・第2大入賞口34a=10個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
入賞表示LED355は7セグメントのLED2個からなり、2桁の数字を賞球数として表示可能である。なお、賞球数の表示時間としては、下記のようになっている。
・通常モード(通常の遊技状態)=1秒(s)
(小当り、中当りは通常モードに含まれる)
・特別モード(大当り、確率変動、時短(普電サポート中)=0.5秒(s)
なお、特別モードとは、大当り中等のように連続して遊技球が入賞する可能性の高い状態を示す概念である。
普図LED356は単一のLEDからなり、本普図の状態表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行う。表示態様としては、例えば「はずれ」停止=消灯、「当り」停止=点灯、「変動中」=点滅中がある。
普図保留LED357は普図の保留数を表示するものであり、普図の保留数とは、遊技球が普図始動ゲート32を通過すると、一括表示装置35の普図LED356が作動して本普図の状態表示を行い、同時に飾り普図の状態表示として表示部41aで普図の変動表示による普図変動表示ゲームが行われるが、このように遊技球が普図始動ゲート32を通過した場合に、4個を上限として記憶される保留の数のことである。
普図保留LED357は、前述した特図1保留LED353及び特図2保留LED354と同様に、図12(c)に示すように、共通化のために本例では3つのLEDで1乃至4個の普図の保留数を表示可能な構成になっている。なお、普図の保留数を表示態様は、図12(c)の例と同様であり、詳細な説明は省く。
ラウンド表示LED358は、特図1又は特図2の始動入賞に伴う大当りが発生して大当り遊技を実行するときのラウンド数を表示するもので、図12(b)に示すように、共通化のために本例では4つのLEDで3種類のラウンドを表示可能な構成になっている。
具体的には、図12(b)に示すように、下記の態様で3種類のラウンドを表示する。
・○+(2)=2ラウンドを表示
・○+(11)=11ラウンドを表示
・○+(16)=16ラウンドを表示
上記において、○は1つのLEDの点灯を示す。また、(2)、(11)、(16)とあるのは、LEDの前面側で一括表示装置35の本体表面に(2)、(11)、(16)という数字を描いたシールを貼り付け、3つのLEDによりラウンド数に対応する表示を行うようにしたものである。なお、シールでなく、例えばシートであってもよい。
これにより、(2)のシールに対応するLEDが点灯すれば、2ラウンドであることが容易に分かるようにしたものである。以下同様に、(11)のシールに対応するLEDが点灯すれば、11ラウンドであることが分かり、(16)のシールに対応するLEDが点灯すれば、16ラウンドであることが分かりるようになる。
そして、2ラウンドの表示を行うときは、○に相当する1つのLEDと、(2)のシールに対応するLEDとの2つが同時に点灯することになる。これは、11ラウンドや16ラウンドの表示を行うときも同様で、○に相当する1つのLEDが合わせて点灯する。また、その他のラウンド遊技のときには、○に相当する1つのLEDのみが点灯する。なお、各LEDは点灯でなく、点滅であってもよい。
なお、ラウンド表示LED358は4つのLEDを有しており、そのうちの1つはシールに対応していないものであるが、そのLEDを予備として使用する構成にしてもよい。つまり、ラウンド数が4種類の場合は、4つのLEDをラウンド数に対応させて点灯させれば、4種類のラウンドを表現できる。
また、LEDの前面側で一括表示装置35の本体表面に(2)、(11)、(16)という数字を描いたシールを貼り付けるのは、パチンコ機1の機種の違いによって、大当りのラウンド数も変わることがあるので、シールを変えさえすれば、ラウンド数の違い等に変更できるので、そのような柔軟な対応を可能にするためである。
さらに、上記シールには機種の性能表示も記載する。性能表示としては、例えば機種名、大当り確率(確率変動時の高確率、通常時の低確率を含む)、確率変動割合、最大大当り回数(大当り回数のリミット値)、賞球数などがある。なお、シールによる性能表示は一括表示装置35とは別の場所に記載してもよい(つまり、シールを別の場所に貼り付けてもよい)。
状態表示LED359は、パチンコ機1の遊技状態を表示するもので、2つのLEDにより構成される。遊技状態の表示としては、例えば「確率変動状態」、「時短状態」にあることを各1つのLEDの点灯(あるいは点滅)で表示する。
次に、払出制御装置230と遊技制御装置54やカードユニット15との間における暗号化通信及びバックアップ電源の構成について、図13を参照して説明する。
なお、図13に示す構成は前述した図6に示すような全ての回路を表すものではなく、暗号化通信及びバックアップ電源に関する構成部分のみを表している。
図13において、電源装置58には主電源生成回路361、停電監視回路362及び前述した電源スイッチ181が備えられている。主電源生成回路361は主電源を生成するもので、商用の交流電源(例えば、AC100V)を入力電源とし、この入力電源からDC32V、DC12V,DC5Vなどの直流電圧を生成し、払出制御装置230に供給するとともに、払出制御装置230を経由して遊技制御装置54に主電源が供給される。
一方、遊技制御装置54以外の演出制御装置53や各電子部品に必要な電源(ここでは主電源)は電源装置58から供給される。なお、商用の交流電源はAC100Vに限らず、例えば島単位でAC24Vを各遊技機に供給し、AC24Vを入力電源とする構成でもよい。
停電監視回路362は商用の交流電源(例えば、AC100V)が所定電圧以下に低下したか否かを監視するもので、所定電圧以下に低下すると、停電と判定して停電検出信号を払出制御装置230に出力する。電源スイッチ181については、前述した通りである。
払出制御装置230はバックアップ電源241、RAMクリアスイッチ182を備えており、バックアップ電源241は例えば電解コンデンサのような大容量のコンデンサで構成される。バックアップ電源241は払出制御装置230のRAM233に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM233に記憶されたデータが保持されるようになっている。なお、払出制御装置230ではバックアップ電源241の代わりに、例えばRAM233として不揮発性メモリを使用する構成にしてもよい。
払出制御装置230では、RAMクリアスイッチ182がオンされると(実際の操作では、RAMクリアスイッチ182を押しながら電源スイッチ181をオンする)、払出制御装置230内部のRAM233などを初期化するとともに、RAMクリア信号を遊技制御装置54に出力する。
また、払出制御装置230には電源装置58から主電源が供給されており、この主電源を払出制御装置230の回路各部に使用するとともに、遊技制御装置54に供給する。
さらに、払出制御装置230は電源装置58から停電検出信号が入力されると、停電と判断して停電のために必要な処理(例えば、データの保存等)を行う。また、払出制御装置230は入力された停電監視信号を遊技制御装置54に出力する。
なお、その他に、払出制御装置230は遊技停止信号を遊技制御装置54に出力するが、これは遊技制御装置54との間又はカードユニット15との間が通信異常であるときに出力するものである。通信異常とは、例えば払出制御装置230と遊技制御装置54の間の通信が断たれたような場合である。遊技制御装置54は払出制御装置230から遊技停止信号の入力を受けると、遊技を停止する処理を行う。一方、通信の復旧時には払出制御装置230はリカバリー処理により通信できなかったデータを回復させる。
また、払出制御装置230には夜間監視スイッチ126のバックアップ電源381から断線監視用電源が供給されており、この断線監視用電源は払出制御装置230を経由して遊技制御装置54に供給されている。そして、バックアップ電源381から供給される断線監視用電源による電流が払出制御装置230→遊技制御装置54→払出制御装置230→夜間監視スイッチ126というようにループ接続されたルート(すなわち、断線監視ルート)を流れている場合には当該ルートの断線無しと判断されて、夜間監視スイッチ126は断線(遊技制御装置54の取り外しを含む)回数をカウントせず、断線回数記憶手段385による断線回数の記憶は行われない。
一方、上記断線監視ルートをバックアップ電源381から供給される断線監視用電源による電流が流れていない場合には当該ルートの断線ありと判断されて、夜間監視スイッチ126は断線(遊技制御装置54の取り外しを含む)回数をカウントし、断線回数記憶手段385による断線回数の記憶が行われる。
遊技制御装置54はバックアップ電源116を備えており、バックアップ電源116は例えば電解コンデンサのような大容量のコンデンサで構成される。バックアップ電源116は遊技制御装置54のRAM113に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM133に記憶されたデータが保持されるようになっている。なお、バックアップ電源を遊技制御装置54と分離した別の基板(バックアップ電源基板)に搭載し、遊技制御装置54と接続する構成でもよい。この場合、遊技制御装置54とバックアップ電源基板とは同一のケースに収納する構成が望ましい。
遊技制御装置54は払出制御装置230からRAMクリア信号が入力されると、RAM113などを初期化する処理を行う。
また、遊技制御装置54は払出制御装置230から停電検出信号が入力されると、停電と判断して停電のために必要な処理(例えば、データの保存等)を行う。
カードユニット15はバックアップ電源371、RTC(リアルタイムクロック)372を備えており、バックアップ電源371は例えば電解コンデンサのような大容量のコンデンサで構成される。バックアップ電源371はカードユニット15内部のRAM等に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM等に記憶されたデータが保持されるようになっている。
RTC372は実時間をカウントし、日時などの情報を提供するものである、カードユニット15はRTC372からの情報に基づいて遊技カードによる球貸しや持球数の記憶処理等の実時間等を記録するなどの処理を行う。
次に、暗号化通信について説明する。
払出制御装置230と遊技制御装置54との間、及び払出制御装置230とカードユニット15との間は双方で暗号化通信が行われるようになっている。
ここで、本実施例の暗号化通信では、共通鍵方式(暗号化時と復号化時に同じ暗号鍵を用いる方式)の暗号鍵を用いた暗号化通信を行う。なお、遊技機設置時に使用する暗号鍵は予め各装置に備えているが、通常時に使用するものは外部管理装置(例えば、外部管理装置91)から入手し、また更新可能な構成である。
払出制御装置230とカードユニット15との間、及び払出制御装置230と遊技制御装置54との間は定期的に(例えば、200ms毎)双方向通信が行われる構成である。なお、双方向通信に間隔は、200ms毎だけに限るものではなく、他の時間間隔であってもよい。また、上記の双方向通信では各装置230、54及びカードユニット15は情報毎に専用レジスタを持って行う。
遊技制御装置54から払出制御装置230へ送信する情報の暗号化通信では、以下の情報の伝送を行う。
・認証完了情報
これは、遊技機ID(主制御ID及び払出ID)の照合結果を示す情報である。例えば、認証完了情報の所定のビットが全て「1」の場合に、認証完了(照合OK)と判断する。
・遊技情報
遊技情報としては、種別情報と賞球情報とがある。種別情報は例えば1バイトであり、データ種別とデータ番号で構成される。データ種別は、例えば情報なし、始動口、大入賞口、入賞口、図柄停止回数などの種別を区別する。データ番号は、例えば情報なしと、1乃至15の数で指定されるデータ番号である。
賞球情報は例えば1バイトであり、賞球数(情報なし及び1乃至15の賞球数データ)と入賞個数(情報なしも含む)で構成される。
・遊技状態情報
遊技状態情報としては、遊技状態情報レジスタ0から遊技状態情報レジスタ7までの8個のレジスタが用意される。そして、遊技状態情報レジスタ0には大当り1乃至大当り9までの大当り情報がビット単位で区分して格納される。例えば、ビットD0=大当り1、ビットD1=大当り2、・・・・・・ビットD7=大当り8のように区分される。
また、遊技状態情報レジスタ1には大当り中+時短中、確変中、時短中、変動中という遊技状態情報がビット単位で区分して格納される。例えば、ビットD0=大当り中+時短中、ビットD1=確変中、ビットD2=時短中、ビットD3=変動中、ビットD4〜D7=予備のように区分される。
遊技状態情報レジスタ2には電波検知、磁石検知、不正入賞検知、振動検知という遊技状態情報がビット単位で区分して格納される。例えば、ビットD0=電波検知、ビットD1=磁石検知、ビットD2=不正入賞検知、ビットD3=振動検知、ビットD4〜D7=予備のように区分される。
遊技状態情報レジスタ3には発射停止という遊技状態情報がビット単位で区分して格納される。例えば、ビットD0=発射停止、ビットD1〜D7=予備のように区分される。
遊技状態情報レジスタ4には遊技状態情報設定完了という遊技状態情報がビット単位で区分して格納される。例えば、ビットD0=遊技状態情報設定完了、ビットD1〜D7=予備のように区分される。
遊技状態情報レジスタ5乃至7は、予備のレジスタとして使用される。
払出制御装置230から遊技制御装置54へ送信する情報の暗号化通信では、以下の情報の伝送を行う。
・認証完了情報
これは、遊技機ID(主制御ID及び払出ID)の照合結果を示す情報である。例えば、認証完了情報の所定のビットが全て「1」の場合に、認証完了(照合OK)と判断する。
・遊技機枠情報
遊技機枠情報としては、遊技機枠情報レジスタ0から遊技機枠情報レジスタ7までの8個のレジスタが用意される。そして、遊技機枠情報レジスタ0には枠開放、入賞数異常、不正加算、:電波検知、近接SW異常、夜間開放という遊技機枠情報がビット単位で区分して格納される。例えば、ビットD0=枠開放、ビットD1=入賞数異常、ビットD2=不正加算、ビットD3=電波検知、ビットD4=近接SW異常、ビットD5=夜間開放時短中、ビットD4〜D7=予備のように区分される。
遊技機枠情報レジスタ1には計数報知要求、カード抜き取り待ち中という遊技機枠情報がビット単位で区分して格納される。例えば、ビットD0=計数報知要求、ビットD1=カード抜き取り待ち中、ビットD2〜D7=予備のように区分される。
遊技機枠情報レジスタ2には省電力移行要求という遊技機枠情報がビット単位で区分して格納される。例えば、ビットD0=省電力移行要求、ビットD1〜D7=予備のように区分される。
遊技機枠情報レジスタ3、4には持球数情報が格納される。
遊技機枠情報レジスタ5、6には計数球数情報が格納される。
遊技機枠情報レジスタ7は予備として使用される。
・リカバリ情報
これは、通信の復旧時に払出制御装置1230がリカバリー処理により通信できなかったデータを回復させる場合であって、リカバリが完了したという情報のことである。
リカバリ完了では、リカバリー通信完了フラグのビットD0=1となった場合に、リカバリ完了と判断する。なお、通信が正常の場合は、リカバリ完了となっている。
次に、カードユニット15と払出制御装置230との間の通信(暗号化通信)では、以下の情報の伝送を行う。
まず、通信におけるフレーム構成は、下記のようになっている。
(a)データ長:下記の(b)〜(d)データのサイズ
(b)通番:電文のシーケンス番号(送信時に+1)
(c)コマンド:電文のコマンドコード
(d)データ:電文のデータ(暗号化)
(e)CRC:電文の誤り検出用(誤り訂正符号)
カードユニット15から払出制御装置230へ送信するコマンドは、下記の通りであり、コマンド名とコマンドの内容を示す。
・通信開始要求:通信開始を要求
・通信終了要求:通信終了を要求
・状態情報要求:遊技機の状態情報を要求
・カード挿入通知:カード挿入を通知
・カード返却通知:カード返却を通知
・リカバリ要求:リカバリ情報を要求
・リカバリ詳細要求:リカバリの詳細情報を要求
・休憩確認:休憩確認(休憩可能かどうか)を要求
・休憩開始要求:休憩開始を要求
・休憩終了要求:休憩終了を要求
・精算確認:精算確認(精算可能かどうか)を要求
・精算開始要求:精算開始を要求
・精算終了要求:精算終了を通知
・計数使用要求:計数球の使用を要求
ここで、カードユニット15から払出制御装置230へ送信するコマンドのうち、上記の「状態情報要求」は遊技機の状態情報を要求するものであるが、「状態情報要求」の詳細な内容は下記の通りである。
「状態情報要求」の詳細内容
・通番
・コマンドコード
・CU(カードユニット)状態(詳細内容は以下の通り)
計数球受領完了
持球数加算要求
CU(カードユニット)準備状態
カード挿入中
・加算球数(持球数へ加算する球数)
・CU(カードユニット)エラー状態
払出制御装置230からカードユニット15へ送信するコマンドは、下記の通りであり、コマンド名とコマンドの内容を示す。
・通信開始応答:払出制御装置の通信開始を通知
・通信終了通知:払出制御装置の通信の終了を通知
・状態情報応答:遊技機の状態情報を通知
・カード挿入応答:カード挿入通知の受信を通知
・カード返却応答:カード返却通知の受信を通知
・リカバリ応答:リカバリ情報を通知
・リカバリ詳細応答:リカバリの詳細情報を通知
・休憩確認応答:休憩確認結果(休憩可能かどうか)を通知
・休憩開始応答:休憩開始を通知
・休憩終了応答:休憩終了を通知
・精算確認応答:精算確認結果(精算可能かどうか)を通知
・精算開始応答:精算開始を通知
・精算終了応答:精算終了を通知
・計数使用応答:計数球の使用(持球数への加算)を通知
ここで、払出制御装置230からカードユニット15へ送信するコマンドのうち、上記の「状態情報応答」は遊技機の状態情報を通知するものであるが、「状態情報応答」の詳細な内容は下記の通りである。
「状態情報応答」の詳細内容
・通番
・コマンドコード
・遊技状態情報(詳細内容は以下の通り)
持球数
発射球数
アウト数
計数球数
発射強度
遊技停止中/遊技中
計数状態
大当たり1、2、3・・・
確変中、時短中、・・・
エラー情報
不正検知情報
また、払出制御装置230とカードユニット15との間における遊技カードの挿入時及び返却時における通信の内容は、以下のような構成になっている。
遊技カードの挿入とは、カードユニット15のカード投入口201に遊技カードを投入することである。
(イ)遊技カード挿入時
遊技カード挿入時(現金投入時もカードユニット15の内部で遊技カードを発行する扱いなので、同様である)における通信内容は、下記の通りである。
まず、カードユニット15側の処理では、挿入された遊技カードのカードIDと挿入時刻(日時)を払出制御装置230へ送信する。
上記に対する払出制御装置230のカード挿入応答処理は、下記の通りである。
払出制御装置230はカードユニット15から受信したカードID及び挿入時刻(日時)を保存する(例えば、RAM233へ保存)。また、払出制御装置230は「カード挿入応答」をカードユニット15へ送信する。
(ロ)遊技カード返却時
次に、遊技カード返却時における通信内容は、下記の通りである。
遊技カード返却とは、カードユニット15のカード投入口201から遊技カードを排出すること(遊技者に返却のため)である。
まず、カードユニット15側の処理では、カード返却通知(カード返却前にカードIDと挿入時刻を確認するため)を払出制御装置230へ送信する。
上記に対する払出制御装置230のカード返却応答処理は、下記の通りである。
払出制御装置230はカード挿入時に保存したカードID及び挿入時刻をカードユニット15へ送信する。
その後のカードユニット15の処理は、下記の通りである。
カードユニット15は払出制御装置230から送信されてきたカードID及び挿入時刻をカードユニット15の内部のものと照合する。そして、照合の結果がNGであれば、カード返却を保留してエラー報知する等の処理を行う。一方、照合の結果がOKであれば、カード返却を許可して排出する。
次に、カードユニット15と払出制御装置230との間のリカバリ応答の内容は、以下のような構成になっている。
リカバリとは、通信できなかった時にカードユニット15と払出制御装置230とのデータの整合をとることである。
リカバリは、次の2段階で行う。
(イ)第1段階
第1段階は、データのリカバリを行う条件を確認するものであり、これにはリカバリ要求とリカバリ応答とがある。
まず、カードユニット15側の処理では、リカバリ要求を払出制御装置230へ送信する。
上記に対する払出制御装置230の応答処理は、下記の通りである。
払出制御装置230はリカバリ応答をカードユニット15へ送信する。ここで、リカバリ応答はカードユニット15への前回最終送信通番と保存したカードIDと挿入時刻とを含むものである。
(ロ)第2段階
第2段階は、データのリカバリを行う条件がOKであれば、データのリカバリを行うものであり、これにはリカバリ詳細要求とリカバリ詳細応答とがある。
まず、カードユニット15側の処理では、リカバリ詳細要求を払出制御装置230へ送信する。ここで、リカバリ詳細要求は、払出制御装置230への前回最終送信通番と持球数への加算球数データを含むものである。なお、加算球数とは、球貸や計数球使用により持球数へ加算するデータであり、払出制御装置が受信できなかった分に相当する。
上記に対する払出制御装置230の応答処理は、下記の通りである。
払出制御装置230はカードユニット15から受信した加算球数を持球数に加算する。そして、払出制御装置230は前回送信した各種データと最新の各種データをカードユニット15へ送信する。
このように、払出制御装置230と遊技制御装置54との間、及び払出制御装置230とカードユニット15との間においては、双方で暗号化通信を行うので、遊技価値情報(例えば、計数球情報)などの不正の対象となる情報を暗号化して送受信することによって、この情報が通信ラインや通信端子等から不正に読み出されたり書きかえられたりすることによる不正を防止することができる。
次に、遊技機IDの照合に関する構成について、図14乃至図20を参照して説明する。
<A:遊技機設置時:ID送信>
図14は遊技機設置時における遊技機IDの照合を行う場合のブロック構成を示す図である。なお、図14で(a)乃至(e)は遊技機IDの照合の流れを示している。
図14において、遊技制御装置54におけるCPU111、ROM112、RAM113は遊技用演算処理装置としての遊技用マイクロコンピュータに相当し、例えばアミューズメントチップ用のICとして製造されており、このアミューズメントチップ用のICは、このICチップを個別に識別可能な個体識別情報としてのチップコードに加え、メーカコードや製品コードを記憶しており、これらコードを遊技機IDとして出力可能になっている。この場合、遊技制御装置54の遊技用演算処理装置に格納されている遊技機IDを主制御ID(又は主基板ID)という。
また、払出制御装置230におけるCPU231、ROM232、RAM233についても遊技用演算処理装置としての遊技用マイクロコンピュータに相当し、このICチップを個別に識別可能な個体識別情報が格納されており、この場合の払出制御装置230に格納されている遊技機IDを払出ID(又は払出基板ID、払出固有ID)という。
なお、主制御IDの内容はチップコード、メーカーコード、製品コード等によって構成され、同様に払出IDの内容についてもチップコード、メーカーコード、製品コード等によって構成される。
ここで、説明の都合上、適宜、主制御ID(又は主基板ID)を短くして、単に主IDをいい、払出ID(又は払出基板ID、払出固有ID)はそのまま払出IDという。また、カードユニット15の固有IDをカードユニットIDといい、カード管理装置81の固有IDをホールIDという。
なお、以下の説明では、主ID及び払出IDを遊技機IDとして、当該遊技機を特定する固有情報としている。
まず、図14(a)に示すように、遊技制御装置54はパチンコ機1の電源投入時に主制御IDを払出制御装置230に送信する。このとき、遊技制御装置54は自身に備えられている暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて主IDを払出制御装置230に送信する。
ここで、暗号鍵A及び暗号化/復号化アルゴリズムは各装置(すなわち、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91)に予め備えられている。そして、各装置では自身に予め備えられている暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて他の装置から送られてきたIDを受信するとともに、自身のIDを予め備えられている暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて、同様に他の装置へ送信する構成である。また、各装置では他の装置から送られてきた各IDを暗号化されたままで記憶する。
次いで、図14(b)に示すように、払出制御装置230は遊技制御装置54から送られてきた主IDと自身の払出IDとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカードユニット15に送信する。
次いで、図14(c)に示すように、カードユニット15は払出制御装置230から送られてきた主ID及び払出IDを暗号化されたままで記憶するとともに、主ID及び払出ID(つまり、遊技機ID)と自身のカードユニットIDとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。
次いで、図14(d)に示すように、カード管理装置81はカードユニット15から送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)及びカードユニットIDを暗号化されたままで記憶するとともに、遊技機ID(主ID及び払出ID)及びカードユニットIDと自身のホールIDとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて外部管理装置91に送信する。
次いで、図14(e)に示すように、外部管理装置91はカード管理装置81から送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)、カードユニットID及びホールIDのそれぞれを復号化し、各IDを所定の照合リストを用いて照合する。
ここで、外部管理装置91は外部の第三者機関が管理しており、外部管理装置91に送信されてきた各IDを所定の照合リストと照合(例えば、IDの真偽の照合)するが、外部管理装置91が有する所定の照合リストには多数の遊技機(例えば、全国の遊技店に設置の遊技機)における遊技機ID(主ID及び払出ID)が遊技機毎に予め正規な情報として作成されるとともに、カードユニット15のIDやカード管理装置81のID(ホールID)についても予め正規な情報として作成され、保管されている。したがって、外部管理装置91では、送信されてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)、カードユニットID及びホールIDを所定の照合リストと照合することで、送信されてきた各IDが正規のものであるか、あるいは偽物であるかを判定できる。
そして、照合の結果、主ID、払出ID、カードユニットID、ホールIDのうち、1つでもNGであれば、今回の照合結果はNGと判定する。一方、照合の結果、主ID、払出ID、カードユニットID、ホールIDの全てがOKの場合のみ、今回の照合結果はOKと判定する。
そこで、照合結果がOKとNGの場合とに分けて説明する。
<B:遊技機設置時:照合OKの場合>
図15は遊技機設置時における遊技機IDの照合結果がOKの場合のブロック構成を示す図である。なお、図15で(a)乃至(e)は遊技機IDの照合の流れを示している。
図15(a)に示すように、外部管理装置91では主ID、払出ID、カードユニットID、ホールIDを復号化した後、所定の照合リストを用いて照合し、照合の結果、主ID、払出ID、カードユニットID、ホールIDの全てがOKであれば、今回の照合結果はOKと判定し、照合結果OKと暗号鍵Xのためのデータを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。
なお、暗号鍵Xのためのデータとは、暗号鍵Xを生成するためのデータである。後述のように、外部管理装置91から暗号鍵Xのためのデータがカード管理装置81へ送信されると、カード管理装置81では暗号鍵Xのためのデータに基づいて遊技店における各台毎の暗号鍵Xを生成することになる。
次いで、図15(b)に示すように、カード管理装置81は外部管理装置91から送られてきた照合結果OKと暗号鍵Xのためのデータを記憶するとともに、暗号鍵Xのためのデータに基づいて遊技店における各台毎の暗号鍵Xを生成する。
暗号鍵Xは、遊技店における各台毎に異なるIDが生成されるもので、遊技機(パチンコ機1)内(遊技制御装置54(主基板)と払出制御装置230(払出制御基板)間)及び遊技機(パチンコ機1)とカードユニット15との間の通信には、台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて情報が送受信されることになる。
なお、照合結果OKの内容は、主ID、払出ID、カードユニットID、ホールIDの全てについて照合リストを用いた照合が行われて、全てのIDがOKとなっているものである。すなわち、主ID、払出ID、カードユニットID、ホールIDの各照合結果を全て含むものである。
また、カード管理装置81は外部管理装置91から送られてきた照合結果がOKであれば、記憶しておいた各IDを復号化し、記憶し直す。これにより、正規のIDのみが復号化された状態でカード管理装置81に記憶されることになる。
なお、照合結果OKの場合には、次の遊技機IDの照合時からカードユニット15から上位の通信には暗号鍵Aによる暗号化通信を行うが、カードユニット15より下位の通信には台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を行うようにする。
具体的には、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91との間は暗号鍵Aによる暗号化通信を行い、カードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54との間は暗号鍵Xによる暗号化通信を行うことになる。
また、照合結果OKの場合には、カード管理装置81はカードユニット15に対して各台の照合結果と各台の暗号鍵Xとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて送信する。
次いで、図15(c)に示すように、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた当該台の照合結果と当該台の暗号鍵Xとを記憶する。そして、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた照合結果がOKであるときは、記憶しておいた各IDを復号化し、記憶し直す。これにより、正規のIDのみが復号化された状態でカードユニット15に記憶されることになる。
また、照合結果OKの場合には、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた当該台における遊技機IDの照合結果と当該台毎の暗号鍵Xとを、パチンコ機1の払出制御装置230に暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて送信する。
次いで、図15(d)に示すように、払出制御装置230はカードユニット15から送られてきた遊技機IDの照合結果と暗号鍵Xと記憶するとともに、カードユニット15から送られてきた遊技機IDの照合結果と暗号鍵Xとを遊技制御装置54に送信する。
次いで、図15(e)に示すように、遊技制御装置54は払出制御装置230から送られてきた遊技機IDの照合結果と暗号鍵Xと記憶する。
遊技制御装置54は主ID及び払出IDの照合結果から、照合結果OK(主ID及び払出IDの照合結果が正規)であれば、通常通りに遊技が開始されることになる。
なお、外部管理装置91でのID照合結果がOKであれば、次回より遊技制御装置54と払出制御装置230との間、及び払出制御装置230とカードユニット15との間は、暗号鍵Xによる暗号化通信で情報の送受信が行われることになる。
<C:遊技機設置時:照合NGの場合>
図16は遊技機設置時における遊技機IDの照合結果がNGの場合のブロック構成を示す図である。なお、図16で(a)乃至(e)は遊技機IDの照合の流れを示している。
図16(a)に示すように、外部管理装置91では主ID、払出ID、カードユニットID、ホールIDを復号化した後、所定の照合リストを用いて照合し、照合の結果、主ID、払出ID、カードユニットID、ホールIDの1つでもNGであれば、今回の照合結果はNGと判定し、照合結果NGを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。
具体的には、主ID、払出ID、カードユニットID、ホールIDをそれぞれ正規のIDと比較したとき、主IDがNGであり、その他の払出ID、カードユニットID、ホールIDが何れもOKであったとしても、主IDが1つだけNGであるので、今回の照合結果はNGと判定する。
次いで、図16(b)に示すように、カード管理装置81は外部管理装置91から送られてきた照合結果NGを記憶する。このとき、照合結果NGのIDについては、そのIDを破棄する。例えば、今回の照合結果で主IDがNGであれば、主IDを破棄することになる(図16(b)では主IDを削除するように表記)。
また、カード管理装置81は外部管理装置91から送られてきた各台の照合結果を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカードユニット15に送信する。
次いで、図16(c)に示すように、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた当該台の照合結果を記憶する。この中には照合結果NGの情報も含まれている。このとき、照合結果NGのIDについては、そのIDを破棄する。例えば、今回の照合結果で主IDがNGであれば、主IDを破棄することになる(図16(c)では主IDを削除するように表記)。また、カードユニット15は照合結果NGの当該台については、遊技を停止させるようにする。
また、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた当該台の照合結果を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてパチンコ機1の払出制御装置230に送信する。
次いで、図16(d)に示すように、払出制御装置230はカードユニット15から送られてきた遊技機IDの照合結果を記憶する。このとき、例えば主IDの照合結果がNGであれば、遊技を停止させる。また、払出制御装置230はカードユニット15から送られて照合結果を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて遊技制御装置54に送信する。
次いで、図16(e)に示すように、遊技制御装置54は払出制御装置230から送られてきた遊技機IDの照合結果を記憶する。このとき、例えば主IDの照合結果がNGであれば、遊技を停止させる。
したがって、遊技機設置時における遊技機IDの照合結果がNGの場合には、遊技が停止されることになる。また、遊技機IDの照合結果がNGであれば、演出制御装置53にコマンドを送り、表示装置41にエラー表示をさせたりする
次に、遊技機設置後における遊技機IDの照合を行う場合のブロック構成について説明する。この場合は、外部管理装置91でのID照合結果がOK(つまり、遊技機設置時に照合OK:図15のケース)であり、次回より遊技制御装置54と払出制御装置230との間、及び払出制御装置230とカードユニット15との間は、暗号鍵Xによる暗号化通信で情報の送受信が行われるものである。ただし、遊技機設置時に外部管理装置91でのID照合結果がOKであったとしても、その後、何れかのIDが偽物に置換されている可能性もあるので、遊技機への電源投入時に毎回、IDの照合を実行するものである。
ここでは、遊技機設置後で遊技機への電源投入時と、遊技機設置後で遊技中とに場合分けして説明する。
<D:遊技機設置後:電源投入時>
図17は遊技機設置後におけるで遊技機(パチンコ機1、以下同様)への電源投入時に遊技機IDの照合を行う場合のブロック構成を示す図である。なお、図17で(a)乃至(j)は遊技機IDの照合の流れを示している。
説明の都合上、図17ではカードユニット15が1台の遊技機の遊技機IDをカード管理装置81に送信して照合する場合を例にとる。
まず、図17(a)に示すように、遊技制御装置54はパチンコ機1の電源投入時に主IDを払出制御装置230に送信する。このとき、遊技制御装置54は遊技機ID照合OK時に入手した暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて主IDを払出制御装置230に送信する。
次いで、図17(b)に示すように、払出制御装置230は遊技制御装置54から送られてきた主IDと自身の払出IDとを暗号鍵Xによる暗号化通信を用いてカードユニット15に送信する。
次いで、図17(c)に示すように、カードユニット15は払出制御装置230から送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)を以前のものに上書きして更新記憶するとともに、遊技機ID(主ID及び払出ID)と自身のカードユニットIDとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。
次いで、図17(d)に示すように、カード管理装置81はカードユニット15から送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)及びカードユニットIDを以前のものに上書きして更新記憶するとともに、遊技機ID(主ID及び払出ID)とカードユニットIDとを以前記憶しておいた情報(上述したように遊技機設置時に記憶しておいた各ID)と比較して照合する。そして、照合の結果、主ID、払出ID、カードユニットIDのうち、1つでもNGであれば、今回の照合結果はNGと判定する。一方、照合の結果、主ID、払出ID、カードユニットIDの全てがOKの場合のみ、今回の照合結果はOKと判定する。
ここで、図17に示す例は、遊技機設置後で遊技機への電源投入時には遊技機IDをカード管理装置81で照合する構成である。
そのため、図17(e)に示すように、カード管理装置81は照合結果を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカードユニット15に送信する。なお、カード管理装置81は照合結果がNGの場合には、図17(i)に示すように、遊技機ID,カードユニットID、ホールIDを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて外部管理装置91に送信することになる。
次いで、図17(f)に示すように、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた照合結果を記憶する。このとき、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた照合結果がOKであれば、遊技を許可し、照合結果がNGであれば、遊技を停止する。また、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた照合結果を暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて払出制御装置230に送信する。ここでは、遊技機設置時における遊技機IDの照合の段階で、外部管理装置91でのID照合結果がOKとなっているので、暗号鍵Xによる暗号化通信で情報の送信が行われる。
次いで、図17(g)に示すように、払出制御装置230はカードユニット15から送られてきた照合結果を記憶する。このとき、払出制御装置230はカードユニット15から送られてきた照合結果がOKであれば、遊技を許可し、照合結果がNGであれば、遊技を停止する。また、払出制御装置230はカードユニット15から送られてきた照合結果を暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて遊技制御装置54に送信する。ここでは、遊技機設置時における遊技機IDの照合の段階で、外部管理装置91でのID照合結果がOKとなっているので、暗号鍵Xによる暗号化通信で情報の送信が行われる。
次いで、図17(h)に示すように、遊技制御装置54は払出制御装置230から送られてきた照合結果を記憶する。このとき、遊技制御装置54は払出制御装置230から送られてきた照合結果がOKであれば、遊技を許可し、照合結果がNGであれば、遊技を停止する。
なお、カード管理装置81はカードユニット15から送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)及びカードユニットIDを以前のものに上書きして更新記憶するとともに、遊技機ID(主ID及び払出ID)とカードユニットIDとを以前記憶しておいた情報(上述したように遊技機設置時に記憶しておいた各ID)と比較して照合するが、照合の結果がNGであれば、図17(j)に示すように、遊技機ID(主ID及び払出ID)及びカードユニットIDと自身のホールIDとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて外部管理装置91に送信し、外部管理装置91で各IDの再照合を行う構成になっている。
その場合、図17(j)に示すように、外部管理装置91では各IDの再照合を行い、再照合結果を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。以後の処理の流れは、上述したものと同様であり、図17(e)に示すように、カード管理装置81は再照合結果を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカードユニット15に送信することになる。
再照合を行うことにより、よりセキュリティを向上させることができる。
また、外部管理装置91で各IDの再照合を行い、その再照合結果がNGである場合には、以降の所定期間は外部管理装置91で各IDの照合を行う構成である。したがって、高いセキュリティレベルを保つことができる。
このように、遊技機設置後における電源投入時に遊技機IDの照合を行う場合には、カード管理装置81にて遊技機設置時に照合OKとなった遊技機IDと比較して遊技機IDの照合を行い、照合NG時のみ外部管理装置91にて照合を行うので、効率的に遊技機IDの照合を行うことができる。
<E:遊技機設置後:遊技中>
図18は遊技機設置後における遊技機の遊技中に遊技機IDの照合を行う場合のブロック構成を示す図である。なお、図18で(a)乃至(c)及び(f)乃至(h)は遊技機IDの照合の流れを示している。
なお、カードユニットは1台の遊技機(パチンコ機1)の照合しか行わないので、図18ではカードユニット15が1台の遊技機の遊技機IDを照合するケ−スになっている。
まず、図18(a)に示すように、遊技制御装置54は遊技機(パチンコ機1)の電源投入時に主IDを払出制御装置230に送信する。このとき、遊技制御装置54は暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて主IDを払出制御装置230に送信する。その後、遊技機にて遊技が開始されることになる。なお、実際には遊技が直ぐに開始されなく、要は遊技機設置後の電源投入時に遊技機IDの照合OKを経た後の例である。
次いで、図18(b)に示すように、払出制御装置230は遊技制御装置54から送られてきた主IDと自身の払出IDとを暗号鍵Xによる暗号化通信を用いてカードユニット15に送信する。
次いで、図18(c)に示すように、カードユニット15は払出制御装置230から送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)を以前のものに上書きして更新記憶するとともに、遊技機ID(主ID及び払出ID)を以前記憶しておいた情報(上述したように遊技機設置後の電源投入時に記憶しておいた遊技機ID)と比較して照合する。そして、照合の結果、主ID、払出IDのうち、1つでもNGであれば、今回の照合結果はNGと判定する。一方、照合の結果、主ID、払出IDの全てがOKの場合のみ、今回の照合結果はOKと判定する。このとき、特に照合結果がNGの場合には、カードユニット15は照合結果NGという情報を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。カード管理装置81では、照合結果NGを記憶することになる。
なお、前述した図17にように、電源投入時におけるカード管理装置81での遊技機ID、カードユニットIDの照合結果がNGの場合には、外部管理装置91でIDの再照合を行うが、図18に示すような遊技中における遊技機IDの照合をカードユニット15にて実行する場合に、カードユニット15が照合結果NGと判定したときは、上位装置(カード管理装置81、外部管理装置91)によるIDの照合は行わずに照合結果NGを確定させる構成である。したがって、照合処理を繰り返すことがなく、効率的に照合を行うことができる。
ここで、図18に示す例は、遊技機設置後における遊技中に遊技機IDをカードユニット15で照合する構成である。
そのため、図18(f)に示すように、カードユニット15は照合結果を暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて払出制御装置230に送信する。ここでは、遊技機設置時における遊技機IDの照合の段階で、外部管理装置91でのID照合結果がOKとなっているので、暗号鍵Xによる暗号化通信で情報の送信が行われる。
このとき、カードユニット15は照合結果がOKであれば、その情報(照合結果OK)を払出制御装置230に送信する。一方、カードユニット15は照合結果がNGの場合には、遊技を停止させる。
次いで、図18(g)に示すように、払出制御装置230はカードユニット15から送られてきた照合結果を記憶する。このとき、払出制御装置230はカードユニット15から送られてきた照合結果がOKであれば、遊技を許可し、照合結果がNGであれば、遊技を停止する。また、払出制御装置230はカードユニット15から送られてきた照合結果を暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて遊技制御装置54に送信する。ここでは、遊技機設置時における遊技機IDの照合の段階で、外部管理装置91でのID照合結果がOKとなっているので、暗号鍵Xによる暗号化通信で情報の送信が行われる。
次いで、図18(h)に示すように、遊技制御装置54は払出制御装置230から送られてきた照合結果を記憶する。このとき、遊技制御装置54は払出制御装置230から送られてきた照合結果がOKであれば、遊技を許可し、照合結果がNGであれば、遊技を停止する。
このように、遊技機設置後におけるで遊技機の遊技中に遊技機IDの照合を行う場合には、カードユニット15にて遊技機設置後の電源投入時に記憶しておいた遊技機IDと比較して遊技機IDの照合を行うので、効率的に遊技機IDの照合を行うことができる。
次に、遊技機設置時と設置後とで一部に異なる暗号鍵を使用する構成について、図19を参照して説明する。
<F:遊技機設置時(初回のID照合)>
図19(F)は遊技機設置時に初めてID照合を行う場合のブロック構成を示す図である。
遊技機設置時に初めてID照合を行う場合には、全て暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて情報の伝送が行われる。また、暗号鍵Aは予め各装置(遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91)に備えられている。
図19(F)に示す構成では、遊技制御装置54はパチンコ機1の電源投入時に主IDを払出制御装置230に送信する。このとき、遊技制御装置54は自身に備えられている暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて主IDを払出制御装置230に送信する。払出制御装置230は遊技制御装置54から送られてきた主IDと自身の払出IDとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカードユニット15に送信する。カードユニット15は払出制御装置230から送られてきた主ID及び払出IDを暗号化されたままで記憶するとともに、主ID及び払出ID(つまり、遊技機ID)と自身のカードユニットIDとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。カード管理装置81はカードユニット15から送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)及びカードユニットIDを暗号化されたままで記憶するとともに、遊技機ID(主ID及び払出ID)及びカードユニットIDと自身のホールIDとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて外部管理装置91に送信する。
外部管理装置91はカード管理装置81から暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)、カードユニットID及びホールIDのそれぞれを復号化(暗号鍵Aによる暗号化データを復号化)し、各IDを所定の照合リストを用いて照合する。そして、外部管理装置91では照合結果OKと判定すると、照合結果OKの情報及び暗号鍵Xのためのデータを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。一方、照合結果がNGであれば、外部管理装置91は照合結果NGを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信するが、暗号鍵Xのためのデータは送信しない。
以降は、上述と逆のルートで暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて照合結果OKの情報と暗号鍵Xのためのデータ又は暗号鍵Xとが暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81、カードユニット15、払出制御装置230を順次経て遊技制御装置54まで送信されていく。
<G:遊技機設置後(初回以降のID照合)>
図19(G)は遊技機設置後で初回以降にID照合を行う場合のブロック構成を示す図である。
遊技機設置後で初回以降にID照合を行う場合には、初回のID照合で外部管理装置91にて照合OKの判定が出ていれば、暗号鍵Xがカードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54に既に送信済みであるので、払出制御装置230と遊技制御装置54との間、及びカードユニット15と払出制御装置230との間は台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて情報の伝送を行う構成である。一方、カードユニット15より上位の通信については暗号鍵Aによる暗号化通信を行う構成である。
図19(G)に示す構成では、遊技制御装置54は遊技機設置後で初回以降にID照合を行う場合には、台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて主IDを払出制御装置230に送信する。このとき、暗号鍵Xは台毎に異なる構成であるので、よりセキュリティを高く保つことができる。
なお、暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて遊技制御装置54から払出制御装置230へ送信するのは、主IDだけではなく、遊技情報(外部情報も含む)も送信する構成である。
払出制御装置230は遊技制御装置54から送られてきた主IDと自身の払出IDとを暗号鍵Xによる暗号化通信を用いてカードユニット15に送信する。また、払出制御装置230は暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて遊技制御装置54から送られてくる遊技情報を受信し記憶するとともに、遊技情報については必要に応じてカードユニット15へ暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて送信する。
カードユニット15は払出制御装置230から送られてきた主ID及び払出ID(つまり、遊技機ID)と自身のカードユニットIDとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。また、カードユニット15は暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて払出制御装置230から必要に応じて送られてくる遊技情報を受信し記憶するとともに、操作表示装置7に必要な遊技情報を表示したり、球貸しや持球数(計数球数を含む)の精算等の処理を行う。
さらに、カードユニット15は払出制御装置230から送られてきた遊技情報(外部情報も含む)のうちから外部情報を暗号化無しの平文による平文通信でホールコンピュータ86へ送信する。カードユニット15がホールコンピュータ86との通信で暗号化通信を行わないのは、既存のホールコンピュータ86を改造なしでコストアップを招かずに、通信可能にして便宜を図るためである。
カード管理装置81はカードユニット15から送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)及びカードユニットIDを遊技機設置時にOKとなったIDと照合する。カード管理装置81でのIDの照合がNGの場合は、遊技機ID(主ID及び払出ID)及びカードユニットIDと自身のホールIDとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて外部管理装置91に送信する。
外部管理装置91はカード管理装置81から暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)、カードユニットID及びホールIDのそれぞれを復号化し、各IDを所定の照合リストを用いて照合する。そして、外部管理装置91では照合結果を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。
以降は、上述と逆のルートで暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて照合結果をカード管理装置81、カードユニット15へと順次送信し、その後は台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて照合結果をカードユニット15、払出制御装置230を順次経て遊技制御装置54まで送信する。
このように、カードユニット15から上位の通信には暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて情報を伝送するが、払出制御装置230と遊技制御装置54との間、及びカードユニット15と払出制御装置230との間は台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて情報の伝送を行ので、よりセキュリティを高く保つことができる。
次に、遊技機IDの出力条件について説明する。遊技機IDの出力については、以下のような出力条件を設けることが望ましい。
図20は、遊技機IDの出力条件を示す図である。
<H:遊技制御装置からのID出力>
図20(H)は遊技制御装置54からID(ここでは主ID)を出力する場合のブロック構成を示す図である。
遊技制御装置54からID(主ID)を出力する場合には、定められた暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)によって払出制御装置230から要求された場合のみ、主IDを出力する。
すなわち、図20(H)に示すように、払出制御装置230からID要求を暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)により遊技制御装置54に出力した場合には、遊技制御装置54は主IDを暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)により払出制御装置230に出力する。
ここで、暗号鍵Aは各装置(遊技制御装置54及び払出制御装置230)が予め備えているものであり、暗号鍵Xは遊技機(パチンコ機1)が遊技場に設置された後に、遊技機毎に異なる暗号鍵として設定されるものである(詳細は図15、図17で説明した通り)。
一方、図20(H)に示すように、払出制御装置230からID要求を平文により遊技制御装置54に出力した場合には、遊技制御装置54は主IDを払出制御装置230に出力しない。なお、ID要求が平文でなく、定められた暗号鍵A、X以外の不明な暗号鍵による暗号化通信でID要求がされた場合であっても、遊技制御装置54は主IDを払出制御装置230に出力しない。
このように、遊技制御装置54からのIDの出力条件として、遊技制御装置54(主基板)は、払出制御装置230から予め定められた暗号鍵A又は暗号鍵Xによる暗号化通信によりIDを要求された場合は、IDを出力するが、それ以外の通信(平文等)で要求された場合はIDを出力しない。したがって、セキュリティを高めることができる。
次に、払出制御装置230からIDを出力する条件について説明する。
<I:払出制御装置からのID出力>
図20(I)は払出制御装置230からID(ここでは主ID及び払出ID)を出力する場合のブロック構成を示す図である。
払出制御装置230からID(主ID及び払出ID)を出力する場合には、まず、図20(I)に示すように、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されていることが前提条件となる。次いで、その他の条件として、図20(I)に示すように、カードユニット15からID要求を予め定められた暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)により払出制御装置230に出力した場合には、払出制御装置230は主ID及び払出IDを暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)によりカードユニット15に出力する。
ここで、暗号鍵Aは各装置(遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15)が予め備えているものであり、暗号鍵Xは遊技機(パチンコ機1)が遊技場に設置された後に、遊技機毎に異なる暗号鍵として設定されるものである(詳細は図15、図17で説明した通り)。
一方、図20(I)に示すように、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されていないと、カードユニット15からID要求が予め定められた暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)により払出制御装置230に出力された場合であっても、払出制御装置230は主ID及び払出IDをカードユニット15に出力しない。
また、同じく図20(I)に示すように、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されていたとしても、カードユニット15からのID要求が予め定められた暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)ではなく、平文でされた場合(つまり、平文によるID要求である場合)にも、払出制御装置230は主ID及び払出IDをカードユニット15に出力しない。なお、ID要求が平文でなく、定められた暗号鍵A、X以外の不明な暗号鍵による暗号化通信でID要求がされた場合であっても、払出制御装置230は主ID及び払出IDをカードユニット15に出力しない。
このように、払出制御装置230からのIDの出力条件として、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されている条件を満たし、かつ、払出制御装置230はカードユニット15から予め定められた暗号鍵A又は暗号鍵Xによる暗号化通信によりIDを要求された場合は、ID(主ID及び払出ID)を出力するが、それ以外の通信(平文等)で要求された場合はID(主ID及び払出ID)を出力しない。したがって、セキュリティを高めることができる。
特に、払出制御装置230は遊技制御装置54と接続されていないと遊技機IDを出力しないので、例えば遊技制御装置54が不正により取り外されている場合には遊技機IDを出力しないので、遊技制御装置54の不正な取り外しにも対応することができる。
F.遊技の概要
次に、本例のパチンコ機1で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。
遊技開始当初の時点(或いは遊技開始前の時点)では、客待ち状態(デモ中)となっており、客待ち画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53に送信され、表示装置41の表示部41aには客待ち画面(動画又は静止画)が表示される。
そして、遊技者がカードユニット15に例えば遊技カードを挿入して、所定単位度数の球貸し操作(操作表示装置7の球貸ボタン703を例えば1回押す)を行うと、所定数の持球数(例えば、125個)が加算されて、下部パネル6の持球数表示器40によって表示される。なおこの際、前記遊技カードの球貸度数データ(有価価値情報)は、前記所定数分(例えば、500円分に相当する5度数)だけ減額される。なお、持球数は既述したように遊技者の利益である遊技価値に相当し、この持球数のデータは、払出制御装置230では例えばRAM233(遊技価値記憶手段)に記憶される。
そして、上記持球数が有る状態で遊技者が発射操作ハンドル11を操作すると、発射位置にある遊技球がガイドレール21を介して遊技領域22に打込まれ、打込まれた遊技球が特図の始動入賞口25又は26に入賞すると(即ち、特図の始動入賞があると)、一括表示装置35において本特図1又は本特図2の変動表示が行われるとともに、飾り特図の変動表示を指令するコマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53に送信され、表示部41aにおいて飾り特図(数字、文字、記号、模様等よりなるもの)が変動(例えば、スクロール)する表示(いわゆる変動表示)が行われて、特図の変動表示ゲーム(以下、特図変動表示ゲームという)が行われる。一方、入賞せずに外れた球は、アウト球流入口23に流入する。
遊技領域22を落下した球はアウトあるいはセーフとなって、遊技領域22を経た後に前記循環装置55の遊技球入口71に流下し、この循環装置55で回収されて循環し、再び発射位置に導かれることになる。このようにして、封入された遊技球が循環使用されてパチンコ遊技が行われる。
この発明概念は、以下のように示される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、前記遊技領域に発射された遊技球による遊技結果に応じて遊技者の利益である遊技価値を増加させる制御手段を備え、前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機という概念である。
ここで、前記遊技領域に発射された遊技球による遊技結果に応じて遊技者の利益である遊技価値を増加させるとは、いいかえると、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益(遊技価値)を増加させることであり、例えば、遊技球がセーフになるか、アウトになるかの判定を行い、セーフと判定されたときには例えば遊技者の持球数を増加させることである。セーフには、入賞口(一般入賞口28〜31及び始動入賞口25,26等を含む)に球が入ることが対応する。
また、遊技結果に応じて遊技者の利益である遊技価値(例えば持球数)を増加させる態様には、セーフ球に基づいて賞球が持球数に加算される他に、後述の大当り(特別遊技状態)が発生して大入賞口が開放され、大入賞口に遊技球が入賞することによって大量の賞球が持球数に加算される場合も含み、これらは遊技者の利益である遊技価値を増加させることに相当する。なお、遊技者の利益である遊技価値としては、必ずしも遊技球の個数に対応した持球数に限らず、このような持球数の代りにポイント数を用いてもよい。但し本例では、特に示さない限り、遊技価値として遊技球の個数に対応した持球数を用いた態様で説明している。
また、遊技価値(持球数、或いはポイント数)は、前述したように遊技結果に応じて加算される一方で、遊技球の発射球数分だけ減算される。例えば、遊技価値として遊技球の個数に対応した持球数が用いられている場合には、遊技球の発射毎に持球数が「1」だけ減算される。
そして、前述した特図変動表示ゲームの停止結果態様(変動表示により導出された特図の組合せ)が特別結果態様(例えば、「3、3、3」などのゾロ目)であれば、大当りと呼ばれる特典が遊技者に付与される。なお制御上は、例えば始動入賞があったことを条件として、大当り乱数等の値が抽出記憶されて、この抽出記憶された乱数値と予め設定された判定値とが判定時に比較判定され、この比較判定結果に基づいて、予め大当りとするか否かが決定され、この決定に応じて上記変動表示ゲームが開始される。
また、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様のうちの特定の態様(例えば、「7、7、7」のゾロ目)であれば、上記大当りになるとともに、大当り遊技後(後述する特賞期間後)に、ゲーム状態が通常モードから確変モードへ移行する。この確変モードでは、特図が大当りになる確率(以下、特図の大当り確率という)を高める制御が行われる。また場合によっては、前述の時短状態とする制御も行われる。
上記大当りになって大当り状態に移行すると、ファンファーレ期間(大当りになったことを演出する効果音の出力などが実行される期間)を経て、変動入賞装置27の大入賞口が、規定時間(例えば、30秒)を超えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される開放動作(大当たりラウンド)が行われる。そしてこの開放動作は、規定のラウンド数だけ繰り返し行われる。また、この大当り状態では、大当り状態を演出したり大当りラウンド数等を遊技者に報知したりするための大当り画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53に送信され、表示部41aでは、このような大当り中の表示が実行される。
なお、この大当り状態になっている期間(ファンファーレ期間と、大入賞口が開放されている大当りラウンドの期間と、大当りラウンドと次の大当りラウンドの間のインターバル期間と、エンディング期間)が、特賞期間に相当する。
また上記大当りのラウンド数としては、例えば、通常は15ラウンド大当りが主の大当りであるが、プレミアとして16R大当りを発生させる構成でもよいし、その他の構成でもよい。また、いわゆる突確(出玉の少ない大当りを経由して大当り確率が変化する突然確変)として2ラウンド大当り等があってもよい。
また、上記特図変動表示ゲーム中又は大当り中に、始動入賞口25又は26にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等で特図の始動記憶の保留表示が行われて例えば4個まで記憶され、特図変動表示ゲーム又は大当り状態が終了した後に、その始動記憶に基づいて上記特図変動表示ゲームが繰り返されたり、客待ち状態に戻ったりする。
即ち、変動表示ゲームが大当りで終了すれば大当り状態に移行し、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶がなければ客待ち状態に戻り、大当りが終了して始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、大当りが終了して始動記憶がなければ客待ち状態に戻る流れとなっている。
なお本形態例では、例えば特図の始動記憶(特図始動記憶)の表示を2種類(特図1保留表示と特図2保留表示)行うようにし、特図変動表示ゲームとして、2種類の変動表示ゲーム(第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲーム)を実行する。即ち、遊技球が第1始動入賞口25に入ることによる特図始動入賞(第1始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第1始動入賞口25に入賞すると、第1始動記憶(特図1保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。
また、遊技球が第2始動入賞口26に入ることによる特図始動入賞(第2始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第2始動入賞口26に入賞すると、第2始動記憶(特図2保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる構成となっている。なお、第1始動記憶と第2始動記憶の両方があるときには、予め設定されたルールに従って第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうちの何れかが先に実行される。例えば、第2始動入賞口26に対応する第2変動表示ゲームが優先的に行われる態様(即ち、第2始動記憶が優先的に消化される態様)、或いは2種類の変動表示ゲームが交互に行われる態様などが有り得る。
一方、遊技中に、遊技球が普図始動ゲート32を通過したときは、前述した普図変動表示ゲームが行われる。この普図変動表示ゲームについては、前述したので、ここでは説明を省略する。
ここで、遊技球がセーフと判定されて遊技者の持球数を増加させる場合には、入賞口(一般入賞口28〜31及び始動入賞口25,26等を含む)に球が入ることになるとともに、さらに、大当りが発生して大当り状態に移行すると、変動入賞装置27の大入賞口27aが規定時間(例えば、30秒)を超えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される大当たりラウンドが規定のラウンド数だけ繰り返し行われて、遊技者は大きな入賞数を獲得することになる。
この場合、入賞に伴う賞球数は全て一括表示装置35における入賞表示LED355によって表示される。ここでの入賞とは、賞球排出(実際に球を払い出すか、或いは、封入球式の場合には持球数に加算する処理)を伴う全ての入賞のことであり、始動入賞口25,26、変動入賞装置27の大入賞口27a、一般入賞口28〜31が相当する。これらのどの入賞口に遊技球が入賞しても、即座に、その賞球数が7セグメントのLED2個からなる入賞表示LED355によって所定時間(通常モードは1秒、特別モードは0.5秒)だけ表示されるので、遊技者は盤面(遊技盤20)のどこに入賞して何個の賞球数が得られたのかを容易に知ることができる。したがって、遊技の興趣を低下させることのない遊技機を提供できる。
また、遊技者の持球数(遊技価値)は、払出制御装置230(遊技機側)の管理により遊技者の持球数(遊技価値)を表示する持球数表示器40(遊技価値表示手段)と、カードユニット15の管理により遊技者の持球数(遊技価値)を表示する操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706(第2の遊技価値表示手段)との両方で表示可能である。
この場合、払出制御装置230からカードユニット15に対して遊技機(パチンコ機1)の各種情報(持球数を含む各種情報)が定期的に(例えば、200ms毎に)送られ、これにより、カードユニット15の管理下にある操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706においても遊技者の持球数(遊技価値)の表示が可能である。
そして、遊技者の持球数は、常時、持球数表示器40によってデジタルで表示されている。これにより、遊技者は持球数の把握ができる。ただし、持球数表示器41は小型であるので、これだけでは持球数が多くなった場合に、持球数の直感的な把握がスムーズではない。
一方、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706は持球数表示器40より大きな液晶表示器であり、メッセージ・操作領域部706に持球数が玉箱を摸した図形でアナログ表示される。例えば、大当りが続いて遊技者の持球数が多くなった場合には、玉箱を摸した図形が2箱、3箱・・・というようにアナログ表示される。これにより、遊技者は持球数が多くなった場合に、メッセージ・操作領域部706に持球数が玉箱を摸した図形でアナログ表示されるので、持球数の直感的な把握をスムーズに行うことができる。
次に、遊技者が持球数を計数して計数球数とすることを望む場合、すなわち、実球で払い出す方式の遊技機の例で言えば、獲得した持球数を遊技機外部の玉箱に物理的に移す作業と同様のことを電子的に行いたい場合には、以下のような操作で可能となる。
遊技者の持球数が持球数表示器40に表示されているとき、パチンコ機1の下部パネル6に配置されている計数スイッチ311を押して持球数を順次計数して計数球数にすると、計数された持球数は計数球数となり、払出制御装置230によって保持・管理される。ただし、払出制御装置230からカードユニット15に対して持球数及び計数球数が定期的に(例えば、200ms毎に)送られ、これにより、カードユニット15の管理下にある操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706の画面上に、計数球数のデジタル表示(数字)と、アナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)とで表示される。
なお、持球数表示器40に表示されている遊技者の持球数も同様に、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706の画面上に、アナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)で表示したり、持球数の説明を表示したりすることができる。
また、持球数及び計数球数のデータは払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にも送られて、演出制御装置53の制御により装飾持球表示装置250における上部装飾持球表示装置250aや下部装飾持球表示装置250bの多数のLEDを用いて持球数や計数球数の装飾が行われるので、特に持球数及び計数球数を装飾性を発揮させながら、遊技者に容易に把握させることができる。
操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706の画面上における計数球数のデジタル表示(数字)又はアナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)を見ることで、遊技者はどの程度、持球数から計数球数に移したかが簡単に分かる。すなわち、実球で払い出す方式の遊技機の例で言えば、獲得した持球数を遊技機外部の玉箱に物理的にどの程度を移したが分かることと同様である。
このようにして、計数スイッチ311を押して持球数を計数すれば、計数された持球数は計数球数として払出制御装置230によって保持・管理されるものの、払出制御装置230からカードユニット15に対して持球数及び計数球数が定期的に(例えば、200ms毎に)送られるので、カードユニット15の制御によりメッセージ・操作領域部706の画面上に「さらに計数」、「遊技終了」、「遊技続行」の各ボタンが現れ、ここから「遊技終了」をタッチすると、「返却ボタンを押して下さい」というメッセージが現れて、精算を促すことになり、その後に返却ボタン704を押すと、トータル持球数(持球数+計数球数)が遊技カードに書き込まれて(記録されて)精算終了となり、遊技カードが返却されることになる。
一方、「遊技続行」のボタンをタッチすると、「発射を開始して下さい」というメッセージが現れて、発射を促すことになり、その後に発射ハンドル11を操作すれば、遊技を続行できる。
また、計数球数を使用して再プレイを望む場合には、計数球使用ボタン710を操作することにより、例えば1回の操作につき100個が持球数へ移動し、発射が可能となる。
このように、封入球式遊技機で遊技を行う場合であっても、獲得した遊技球を玉箱に移すことに近い感覚で、遊技者は違和感なく持球数を計数することができる。そして、持球数から計数した計数球数は保持され、その後は精算又は再プレイも簡単にできる。
次に、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706の画面では、以下のような表示制御が行われる。
通常(初期状態)は、カードユニット15の管理・制御の下で球貸、貯球、精算(カードへの記録処理)、再プレイ、遊技カードの返却などの処理が行われ、球貸、貯球、精算、再プレイ、遊技カードの返却などに必要な情報等が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に表示される。
一方、遊技者が操作表示装置7の切替ボタン707にタッチすると、キャラクタ紹介等の演出補助情報がカードユニット15から操作表示装置7に送信され、操作表示装置7で表示される。具体的には、切替ボタン707にタッチした場合、遊技機(パチンコ機1)の機種名やゲーム説明が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に表示されている。例えば、機種名として「CR○○○○」、ゲーム説明として「大当り後、特図100回転まで高確率」という表示がされる。これにより、遊技者は切替ボタン707にタッチするという簡単な操作のみで、機種名やゲーム説明を受けることができ、便利である。
この状態で、切替ボタン707に再度タッチすると、切替ボタン707は演出補助情報を操作表示装置7に表示する/表示しない(非表示)ことのみを切り替える構成であるから、演出補助情報の表示画面から再び通常の画面表示に戻る。
また、本実施例では、夜間監視スイッチ126が設けられており、夜間監視スイッチ126は前面枠4が開放されたこと及び遊技制御装置54が取り外されたことの双方を検出可能なセンサ(詳しくは枠開放検出手段382、断線検出手段383)を含んでおり、前面枠4の開放を検出した情報を枠開放回数記憶手段384によりパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持するとともに、遊技制御装置54が取り外された情報を断線回数記憶手段385によりパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持している。
この場合、枠開放回数記憶手段384は前面枠5の開放情報と、前面枠5が開放した回数とを記憶し、断線回数記憶手段385は断線検出手段383による断線情報(遊技制御装置54の取り外し状態を含む)を記憶する。
そのため、特に、遊技場が閉店して夜間のとき、パチンコ機1の前面枠4が開放された場合には、前面枠4の開放情報と前面枠5の開放回数とが枠開放回数記憶手段384により保持されている。なお、夜間監視スイッチ126は前面枠4が開放されたこと、及び前面枠4が開放されないことの双方の状態を検出可能であり、前述したように、夜間監視スイッチ126が前面枠4を監視した検出信号を枠開放情報という。
また、遊技場が閉店して夜間のとき、パチンコ機1の遊技制御装置54が取り外された場合には、遊技制御装置54が取り外された情報を断線回数記憶手段385が夜間においても保持している。なお、夜間監視スイッチ126は遊技制御装置54が取り外されたこと、及び遊技制御装置54が取り外されていないことの双方の状態を検出可能であり、前述したように、夜間監視スイッチ126が遊技制御装置54の取り外しを監視した検出信号を遊技制御装置監視情報という。
なお、説明の都合上、夜間監視スイッチ126により前面枠4が開放されたこと及び前面枠4が開放されないことの双方の状態を検出すべく監視した出力のことを枠開放情報といい、夜間監視スイッチ126により遊技制御装置54が取り外されたこと及び取り外されていないことの双方の状態を検出すべく監視した出力のことを遊技制御装置監視情報(夜間監視情報)という。
次いで、翌朝、パチンコ機1が電源投入(主電源の投入)により起動した場合に、夜間に前面枠4の開放の有無を監視した枠開放情報及び遊技制御装置54の取り外しの有無を監視した遊技制御装置監視情報は、払出制御装置230からの夜間監視情報の要求があったときに、夜間監視スイッチ126の出力手段386により払出制御装置230に出力される。このとき、払出制御装置230は起動時の立ち上げ準備期間が経過してから、上記夜間監視情報の要求を夜間監視スイッチ126に出すことで、枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を取り込むことができ、不正に対するセキュリティが向上する。
そして、払出制御装置230では夜間監視スイッチ126から取り込んだ夜間監視情報から不正レベルを判断し、判断した不正レベルをカードユニット15に出力し、不正があればカードユニット15にてエラー報知することが行われる。
払出制御装置230は夜間監視スイッチ126から取り込んだ夜間監視情報から不正レベルを判断することで、枠開放回数や断線回数を細かく把握することができ、セキュリティ向上につなげることができる。
また、払出制御装置230は夜間監視スイッチ126から取り込んだ夜間監視情報から不正レベルを判断してカードユニット15に出力するので、不正レベルの高い台(不正された可能性の高い台)から優先的に点検をすることが可能であり、効率が良い。
一方、遊技店の店員が開店準備のために当該パチンコ機1を初期状態に戻すべくRAMクリアスイッチ182をオン操作すると、遊技制御装置54内部のRAM113や払出制御装置230の内部のRAM233などが初期化されることになる。
ここで、本実施例ではRAMクリアスイッチ182がオン操作された場合には、払出制御装置230の内部のRAM233が初期化されてクリアされた後に、夜間監視スイッチ126の枠開放情報及び遊技制御装置監視情報が払出制御装置230に取り込まれて、RAM233に記憶される。その後、RAM233に記憶された枠開放情報及び遊技制御装置監視情報から払出制御装置230により不正レベルが判断され、判断した不正レベルがカードユニット15に出力される。したがって、RAMクリアスイッチ182のオン操作により、RAM233の枠開放情報及び遊技制御装置監視情報が消されるという不具合が発生しない。
RAM233に記憶しておいた情報がクリアされるのは、あくまでも夜間監視スイッチ126の枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を払出制御装置230に取り込む前の情報のみだからである。
このように、遊技場が閉店している夜間に、例えば不審者がパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付けたような場合には、夜間監視スイッチ126により前面枠4の開放状態が検出され、枠開放情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持されている。また、夜間に遊技制御装置54が取り外された場合にも、夜間監視スイッチ126により遊技制御装置54が取り外し状態が検出され、遊技制御装置監視情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持されている。
そして、翌朝、パチンコ機1の主電源投入時に、夜間に前面枠4の開放の有無を監視した枠開放情報及び遊技制御装置54の取り外しの有無を監視した遊技制御装置監視情報は払出制御装置230からの夜間監視情報の要求があったときに、夜間監視スイッチ126の出力手段386により払出制御装置230に出力される。
払出制御装置230は夜間監視スイッチ126から取り込んだ夜間監視情報から不正レベルを判断し、判断した不正レベルはカードユニット15に出力される。カードユニット15では不正レベルに基づきエラー報知する、あるいはホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処置が取られる。また、不正に前面枠4が開放されて枠開放情報が発生したり、あるいは遊技制御装置54が取り外されて遊技制御装置監視情報が発生したりすると、それらのエラー状態が表示装置41に表示される。
したがって、表示装置41やカードユニット15のエラー報知を店員が見ることで、当該パチンコ機1を点検し、例えば不正基板等の取り付けに対して適切な処置(例えば、不正基板等の取り外し及び正常点検)をとることができ、不正に対するセキュリティを向上させることができる。
また、パチンコ機1の電源投入時に、電源投入時の所定期間を研磨期間として研磨装置306が作動して封入球の研磨が行われるとともに、封入球の研磨は電源投入時の他、通常遊技中においても研磨することが基本制御となっている。封入球をよく研磨するためであり、そのため、遊技中に循環させながら封入球の研磨が行われる。
詳しくは、パチンコ機1の電源投入時に、遊技領域22を経ないで封入球を研磨装置306に流入させて球を循環させるときは、上部通路303、バイパス通路304、下部通路301を経て、下部通路301から下切替弁310を介して封入球が研磨入口通路319を通って研磨装置306に流入して球の研磨が行われ、その後、下部通路301を通って楊送装置302で楊送されて上部通路303に至るという経路を封入球が循環する。この経路は封入球が遊技ゲームを行わず、封入球の研磨を行いながら循環するので、「封入球研磨循環中」となる。
一方、封入球による遊技中に封入球の研磨を行う場合には、封入球を遊技領域22に落下させつつ、研磨装置306に流入させて球磨きを行う経路となり、その経路は上部通路303、発射装置37、遊技領域22、アウト通路331、下部通路301を経て、下部通路301から下切替弁310を介して封入球が研磨入口通路319を通って研磨装置306に流入して球の研磨が行われ、その後、下部通路301を通って楊送装置302で楊送されて上部通路303に至るという経路になり、封入球の研磨が行われつつ、循環して遊技が行われる状態になる。この経路は、封入球が遊技ゲームを行いながら落下し、かつ封入球の研磨を行いながら循環するので、「封入球研磨遊技循環中」となる。
さらに、パチンコ機1の遊技中に持球数が発生すると、装飾持球表示装置250における上部装飾持球表示装置250aや下部装飾持球表示装置250bの多数のLEDによる装飾が行われる。
例えば、上部装飾持球表示装置250aにおいては、遊技者の持球数が100個以上のときは全LEDが点灯又は移動点滅し、持球数が50個以下になると、全LEDのうちの半数が消灯するように装飾の制御が行われる。
また、下部装飾持球表示装置250bにおいては、例えば計数球数=0のときは全LEDが消灯し、持球数の計数中は上部装飾持球表示装置250aから玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの方へ球が移動するようにLED(すなわち、計数装飾部250cのLED)を移動点滅させるように装飾の制御が行われる。そして、計数球数に応じて玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの下部より順にLEDを点灯させ、LEDの点灯数量により、およその計数球数が遊技者に分かるような装飾制御が行われる。
このように、装飾持球表示装置250における多数のLEDを用いて持球数や計数球数の装飾が行われるので、遊技者に対して実球に近い持球数や計数球数の表現をすることができる。したがって、遊技者は持球数や計数球数の把握が分かりやすくなる。
また、パチンコ機1の遊技中に持球数が発生した場合には、遊技者の持球数が持球数表示器40に表示されるが、このとき、パチンコ機1の下部パネル6に配置されている計数スイッチ311を押すと、前述したように、持球数が計数されて計数球数になり、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に表示(例えば、計数球数のデジタル表示(数字))されるとともに、アナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)表示される。計数球数が存在するようになると、計数球表示器313が点灯して知らせる。
この状態において、遊技者が計数球数から持球数に戻したい場合には、計数球使用ボタン710を押すことになる。すなわち、遊技者が計数球数より持球数へ球の移動を望むときには、計数球使用ボタン710を操作することが行われる。なお、計数球数が存在するときは計数球表示器313が点灯するので、それにより遊技者は分かる。また、計数球使用ボタン710は計数球数より持球数への球の移動が可能であるときに操作表示装置7のメッセージ・操作領域706に表示されるので、これによっても遊技者は計数球数が存在することが分かる。なお、計数球数から持球数に戻す場合とは、いわゆる玉箱から上皿に球を移動させる概念に相当する。
計数球使用ボタン710が1回操作されると、計数球数より所定量(例えば、100個)の球が持球数に移動する。これにより、遊技者は移動した持球数を用いて再び遊技ができる。なお、計数球数から持球数への移動は操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に表示される(詳細は後述)。
次に、本実施例では持球数表示器40における持球数の表示に関して、以下のような制御が行われる。
持球数表示器40は7セグメントのLEDを6個配列して6桁の数値(持球数)を表示可能で、遊技者が獲得した持球数を表示するが、表示態様は以下のように制御される。
遊技前(遊技カードや現金投入前)で持球数が0の場合には、持球数表示器40は消灯している。
また、遊技中で持球数が0となり、計数球がない場合には、0を点灯表示する。
一方、遊技中で持球数が0となり、計数球がある場合には、0を点滅表示する。
なお、持球数表示器40の表示データは停電中でも払出制御装置230のRAM33にによりバックアップされる。
したがって、持球数0の状態の違いを持球数表示器40の表示態様の違いだけで演出できるので、制御の効率が良くなる。
また、同じ持球数0でも遊技前(遊技カードや現金投入前)と遊技中で表示態様を変えるので、例えば持球数表示器40に0が点灯であれば、遊技者に返却すべきカードがカードユニット15内にある可能性を認識させることができる。特に、停電復旧時に返却カードの有無を確認できるので便利である。
同じ持球数0でも計数球がある場合とない場合とで表示態様を変えるので、例えば持球数表示器40に0が点滅していれば、計数球があることを遊技者に認識させることができる。
次に、本実施例では遊技盤20の左右側方にレベルメータ左17Lと、レベルメータ右17Rがそれぞれ設けられており、これらのレベルメータ左17L及びレベルメータ右17Rは上下に機械的に可動する表示部17a、17bをそれぞれ有し、表示部17a、17bは通常時は大当りに関する信頼度メーターとして上下に移動して大当り信頼度を示す演出が行われ、計数球がある場合には、例えばレベルメータ右17Rにて計数球数をアナログで表示するような演出が行される。
したがって、大当りに関する信頼度メーターとしての演出と、計数球数を表示する演出との双方が行えるので、制御の効率がよい。
また、本実施例では遊技領域22の一方の側方にサブ液晶表示装置33が配置されており、サブ液晶表示装置33により計数球数の表示が行われるとともに、計数球が無いときは演出表示(例えば、機種名表示やメイン液晶表示装置と連動した演出等)が行される。
したがって、パチンコ機1の遊技制御装置54が制御する演出表示用のサブ液晶表示装置33で計数球数を表示可能なので、効率がよい。また、盤面中央付近でサブ液晶表示装置33が計数球数や各種演出の表示を行うので、見やすい利点がある。
次に、本実施例では表示装置41(メイン液晶表示装置)及びサブ液晶表示装置33を用いて計数球数の表示や演出表示が行われる。
すなわち、サブ液晶表示装置33は計数球がないときは、演出表示(機種名表示やメイン液晶表示装置と連動した演出)を行い、計数球があるときは、計数球数を表示するが、計数球数表示よりも演出表示を優先する制御が行われる。また、演出用表示装置としての表示装置41ではリーチ発生時等のような特別演出中に、サブ液晶表示装置33に連動する演出が行われる。
したがって、遊技機(パチンコ機1)が制御する演出表示用のサブ液晶表示装置33で計数球数を表示可能なので、効率が良く、また、遊技盤20のほぼ盤面中央付近でサブ液晶表示装置33に表示するので遊技者にとって見やすく、表示装置41との連動で演出効果を高めることができる。
次に、本実施例では不正入賞に対する制御が行われる。
具体的には、遊技盤20の各入賞口25、26、27a、34a、28〜31に入賞した入賞球は第1始動口スイッチ120、第2始動口スイッチ121、下カウントスイッチ124、上カウントスイッチ125、入賞口スイッチ123a〜123dにより検出され、これらの検出出力は遊技制御装置54で管理される。
また、セーフ球は遊技盤20の裏面側の枠部に配置された第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出され、これらの検出出力は払出制御装置230で管理される。
なお、この場合のセーフ球とは、上記各入賞口25、26、27a、34a、28〜31を通過した遊技球(つまり入賞球)がセーフ球となって遊技盤20から排出される際に、枠側でセーフ球として検出される球についての概念である。
ここで、入賞球の総数は上記各スイッチ120乃至123a〜123d、124、125によって検出された入賞数の合計となり、セーフ球の総数は第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出されたセーフ数の合計となる。
払出制御装置230には上記各スイッチ120乃至123a〜123d、124、125によって検出された入賞数が賞球コマンドの情報の中に含まれて送信されてくるので、払出制御装置230は入賞数の合計を算出するとともに、入賞数の合計と第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出されたセーフ数の合計とを比較し、その差が所定数(例えば、5個)以上であれば、第1のエラー態様とし、第1のエラー態様に対応する処理が行われる。
また、入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)以上の状態が所定期間継続した場合は、第2のエラー態様とし、第2のエラー態様に対応する処理が行われる。
この場合、エラー態様の処理の基本として第1のエラー態様に対応する処理はエラー報知のみ、第2のエラー態様に対応する処理はエラー報知+賞球加算の停止となる。
具体的には、第1のエラー態様に対応する処理では、例えば払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にエラー情報を送り、表示装置41や装飾表示LED(枠)141でエラー表示が行われ、遊技者や店員に不正の可能性があることが報知される。また、払出制御装置230からカードユニット15を経由してホールコンピュータ86にエラー情報を送る。なお、遊技機ではエラー報知を行わず、ホールコンピュータ86にて遊技場のみで分かるエラー報知が行われるようにしてもよい。これにより、釣り球等による不正入賞の検出やエラー報知を店員が見ることで、遊技者に悟られずに不正への対処ができる。
一方、第2のエラー態様に対応する処理では、例えばエラー報知に加えて賞球加算を停止する処理が行われる。このように、賞球加算の停止により釣り球等の不正入賞があった場合でも、賞球加算しないので(すなわち、持球数が増えないので)、不正防止になる。また、第2のエラー態様に対応したエラー報知の処理、すなわち上記のようにホールコンピュータ86にて遊技場のみで分かるエラー報知を行うことに加えて、遊技者へのエラー報知も行われる。遊技者へのエラー報知としては、例えば、払出制御装置230から遊技制御装置54経由で演出制御装置53へエラー情報を送り、演出制御装置53の制御により表示装置41の画面にエラー表示を行ったり、装飾表示LED(枠)141でエラー表示を行うようにする。これにより、エラー報知が迅速に行われるとともに、遊技者とのトラブルを避けることができる。また、遊技場の損害を最小限にできる。
さらに、入賞数の合計とセーフ数の合計との差を判断する基準値としての上記所定数が大当り時には、例えば10個へ変更することが行われる。これにより、大当り時には入賞数が増えて、入賞数の合計とセーフ数の合計との差が大きくなる傾向にあるので、遊技者とのトラブルを避けることができる。
また、その他の動作として、他の実施例で詳細を後述するように、始動入賞に伴う図柄変動処理(本特図及び飾り特図の双方)は直ちに行うが、第1始動口スイッチ120又は第2始動口スイッチ121の何れかにより始動入賞が検出された後の所定期間(T111)に第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163のうちの何れの検出スイッチにおいても、遊技盤20から排出されるセーフ球が検出されない場合は、不正と判断して賞球加算を停止し、エラー報知を行うようにしている。したがって、始動入賞に伴う図柄変動処理を速やかに実行できるとともに、不正入賞(例えば、釣り球等による不正入賞)による賞球加算を防止できる。
また、その他の動作として、詳細を後述するように、遊技機(パチンコ機1)の払出制御装置230は持球数の精算を行う際に、発射強度を確認し、発射強度が0でなければ、発射強度を0にするように促すコマンドを遊技制御装置54を介して演出制御装置53に送信し、演出制御装置53の制御により表示装置41に遊技球の発射強度の確認を促す表示(例えば、「発射強度を0にしてください」等の表示)をさせ、発射強度が0又は0に近い所定の範囲であれば精算可能としている。したがって、発射強度が0又は0に近い所定の範囲であれば精算可能であるので、遊技者が発射強度を完全に0に戻さなくても精算することができ、遊技者とのトラブルを避けることができる。
また、その他の動作として、他の実施例で詳細を後述するように、遊技機設置時の初めての遊技機IDの照合については、外部管理装置91との間で暗号鍵Aを用いた暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われて、遊技機IDの照合処理が行われる。遊技機設置後(初回以降のID照合を含む情報の伝送)については、カード管理装置81との間で遊技機IDの照合を行うとともに、この場合には遊技制御装置54、払出制御装置230及びカードユニット15の間は台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われ、カードユニット15、カード管理装置81及び外部管理装置91との間は暗号鍵Aによる暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われる。さらに、遊技中については、カードユニット15との間で遊技機IDの照合を行うとともに、この場合には遊技制御装置54、払出制御装置230及びカードユニット15の間は台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われる。したがって、特に暗号鍵Xは台毎に異なる暗号鍵となっているので、よりセキュリティを高く保つことができる。
また、その他の動作として、他の実施例で詳細を後述するように、遊技制御装置54からのIDの出力条件として、遊技制御装置54(主基板)は、払出制御装置230から予め定められた暗号鍵A又は暗号鍵Xによる暗号化通信によりIDを要求された場合は、IDを出力するが、それ以外の通信(平文等)で要求された場合はIDを出力しない。また、払出制御装置230からのIDの出力条件として、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されている条件を満たし、かつ、払出制御装置230はカードユニット15から予め定められた暗号鍵A又は暗号鍵Xによる暗号化通信によりIDを要求された場合は、ID(主ID及び払出ID)を出力するが、それ以外の通信(平文等)で要求された場合はID(主ID及び払出ID)を出力しないようにしている。したがって、セキュリティを高めることができる。
F.制御系の動作(遊技制御装置)
次に、遊技制御装置54の制御内容について、図21〜図104により説明する。
〔遊技制御装置のメイン処理〕
最初に、以下のフローチャートの説明に使用する主要な構成の概念を明確にしておくと、下記の通りである。
前述したように、一括表示装置35で本特図や本普図を表示している。以下の制御処理の説明における特図は、この特図(本特図)を意味するので、以上を前提に細かく説明する。なお、遊技制御装置54からのコマンドに基づいて演出制御装置53が制御する特図は表示装置41の方に表示される演出用の特図である。
(イ)特図の表示装置
以下のフローチャートで特図という場合には、一括表示装置35で表示される「本特図」の方を指している。また、表示装置41で表示される遊技者向けの演出用のダミー表示の方を指す場合は「飾り特図」という。
このように特図を表示する装置は一括表示装置35であるが、一括表示装置35における本特図を表示する領域の名称としては、例えば特別図柄表示装置、特図表示装置というものがあり、普図表示装置との区別を図るため、特別図柄表示装置ということがある。
(ロ)普図の表示装置
以下のフローチャートで普図という場合には、一括表示装置35で表示される「本普図」の方を指している。また、表示装置41で普図を表示する構成を採用した場合には、表示装置41で表示される遊技者向けの演出用のダミー表示の方を指す場合は、例えば「飾り普図」という。
このように普図を表示する装置は一括表示装置35であるが、一括表示装置35における本普図を表示する領域の名称としては、例えば普通図柄表示装置、普図表示装置というものがあり、特図表示装置との区別を図るため、普通図柄表示装置ということがある。
ただし、実施例1では、このような普図の表示を表示装置41では表示していない構成になっている。なお、普図(ここでは飾り普図)表示を行う表示器を設けてもよい。遊技機の説明をする上で、必要な場合には「飾り普図」を表示する装置を含めて説明することもある。
(ハ)普電
普電に相当する装置は、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26である。
ただし、普電を普通変動入賞装置ということがあり、例えばフローチャートの説明では、特に普通電動役物(普通変動入賞装置26)ということがある。
また、例えば高確率時や時短時などに、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26の開閉部材26aが開放する動作によって始動入賞をサポートすることが行われるが、これを単に普電サポートということがある。
(ニ)特図記憶
以下のフローチャートで特図保留(単に「保留」という場合もある)、特図記憶、あるいは特図の始動記憶という場合には、一括表示装置35で表示される「本特図記憶」の方を指している。また、表示装置41で表示される遊技者向けの演出用のダミー表示の方を指す場合は「飾り特図保留」、あるいは「飾り特図記憶」という。
特図の始動入賞口として機能する入賞口は、始動入賞口25、26である。
(ホ)普図記憶
以下のフローチャートで普図保留、普図記憶、あるいは普図の始動記憶という場合には、一括表示装置35で表示される「本普図記憶」の方を指している。また、表示装置41で表示される遊技者向けの演出用のダミー表示の方を指す場合は「飾り普図保留」、あるいは「飾り普図記憶」という。
ただし、本実施例では、このような普図の始動記憶表示を表示装置41では表示していない構成になっている。なお、普図の始動記憶(ここでは飾り普図記憶)表示を行う表示器を設けてもよい。遊技機の説明をする上で、必要な場合には「飾り普図記憶」を表示する装置を含めて説明することもある。
(ヘ)変動入賞装置
第1変動入賞装置27は、開閉部材bによって開閉される第1大入賞口27aを有する装置(いわゆるアタッカー)である。この第1変動入賞装置27は、普通変動入賞装置と区別するために特別変動入賞装置ということもある。
なお、実施例1では第1変動入賞装置27の他に、第2変動入賞装置34が設けられており、いわゆる2つのアタッカーが配置された構成になっている。
〔遊技制御装置のメイン処理〕
まず、図21により、遊技制御装置54のメイン処理を説明する。
このメイン処理は、CPU111に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。すなわち、遊技制御装置54に電源を供給している電源装置58の電源スイッチ181がオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置58からリセット信号が遊技制御装置54に入力されてCPU111のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、CPU111が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されてCPU111が起動する。また、作業者が遊技制御装置54のRAM113等の初期化をしようとする場合には、払出制御装置230のRAMクリアスイッチ182(初期化スイッチ)をオン操作しながら前記電源スイッチ181をオン操作する必要がある。なお、RAM113は、フローチャートではパーツ番号を省いてRAMと表記している。
ここで、本実施例においてRAMとは、RAM113を指すが、RAMに限らず、RAMとして例えばEEPROM等の読出し書込み可能な記憶素子を含めて使用してもよい。
そしてCPU111が起動すると、まず割込みを禁止し、CPU11に内蔵されるCPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定を行うとともに、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力し、その後、RAM113へのアクセスを許可する(ステップB1乃至B4)。
ここで、シリアルポートを使用する状態に設定するのは、遊技機IDを外部(例えば、外部管理装置91)へ出力するときに、このシリアルポートを使用するから、ここでは使用する状態にしておくものである。また、演出制御装置53との間でシリアル通信を行う必要があるので、シリアルポートを使用する状態に設定することになる。
なお、リセット信号によって各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップB3が設けられている。
次いで、ステップB5で払出制御装置230内のRAMクリアスイッチ182が操作されてRAMクリア信号がオンであるか否かを判定する。これは、RAMクリア信号の状態によって前記RAMクリアスイッチ182がオンしているか否か判断するもので、RAMクリアスイッチ182がオンしていれば、ステップB13に進み、オンしていなければステップB6に進む。
なお、ステップB13に進むのは、前記RAMクリアスイッチ182がオン操作されてCPU111が起動した場合、後述するステップB6でRAMの停電検査領域1、停電検査領域2が全て正常ではないと判定された場合、或いは後述するステップB8でチェックサムが正常でないと判定された場合である。
RAMクリア信号がオンしていなければ、ステップB6に進んで、RAMの停電検査領域1、2の全ての値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かチェックし、チェック結果が正常でないと判断すると、ステップB13にジャンプする。一方、ステップB6でのチェック結果が正常であれば、続くステップB7に進む。
このように、RAMの停電検査領域1、2の値が全て正常であれば、停電復帰時であると判断してステップB7に進むことになる。一方、RAMの停電検査領域1、2の値が異常であれば(正常に記憶されてなければ)、ステップB13にジャンプすることになる。
なお、停電検査領域チェックデータ1、2は、後述するステップB34で設定されるものである。このステップB34では、このように複数のチェックデータ1,2によって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断が信頼性高く為される。
ステップB7に進むと、RAM113のデータのチェックサムを算出し、ステップB8で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する。このチェックサムが正常でない場合(即ちRAM113のデータが壊れているとき)には、ステップB13に進み、前記チェックサムが正常である場合にはステップB9に進む。
ステップB9では、停電復旧のための処理(停電時復旧の初期値設定)を実行する。この処理では、例えば初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする。
ここでの初期化すべき領域とは、以下の領域が含まれる。
・停電復旧検査領域1,2
・試験信号領域の遊技機エラー状態信号
・電源断時チェックサム領域
・エラースキャンカウンタ(本体枠状態監視スキャンカウンタ)
・ガラス枠開放監視領域
・本体枠開放監視領域
・オーバーフロー監視領域
・払い出し異常監視領域
・スイッチ1、2異常監視領域
・下大入賞口不正入賞監視領域
・上大入賞口不正入賞監視領域
・普電不正入賞監視領域
・磁気不正監視領域
・電波不正監視領域
・大入賞口不正監視情報1、2
・普電不正監視情報
ステップB9を経ると、その後、ステップB10でRAM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する。ここで、高確率でない場合(ステップB10;NO)は、ステップB17へジャンプする。また、高確率である場合(ステップB10;YES)はステップB11で高確率報知フラグをセットするとともに、ステップB12で一括表示装置35に設けられる高確率報知LED(図示略)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする。これにより、今回の高確率状態に対応する処置が行なわれることとなり、例えば一括表示装置35に設けられる高確率報知LEDが点灯して高確率状態を知らせる表示がされる。
ステップB12を経ると、ステップB17に移行し、ステップB17以降の処理を実行する。
一方、ステップB5、ステップB6、ステップB8からステップB13にジャンプした場合には、ステップB13でアクセス禁止領域のプロテクトを解除する処理を行う。これは、RAM113のアクセスが禁止されている領域へのプロテクトを解除するもので、これにより、同領域へのアクセスが可能になる。次いで、ステップB14で全RAM領域を0クリアする。これにより、RAM113の全領域(アクセス可能領域で、プロテクトを解除した領域も含む)が一旦クリア(初期化)される。
次いで、ステップB15でアクセス禁止領域のプロテクトを設定する。これは、RAM113のアクセスが禁止されている領域へのプロテクトを設定するもので、これにより、同領域へのアクセスが禁止になる。次いで、ステップB16で初期値設定の必要な領域に初期値を設定する。
ここでの初期値設定の必要な領域(初期化すべき領域)とは、ステップB14において書き込まれた値(0)ではない値を初期値とする領域のことであり、本実施例では例えば客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域が該当する。これらの領域の具体的な情報は、以下の通りである。
<初期化すべき領域>
・客待ちデモ領域
客待ちデモ中フラグ゛
・演出モードコマンド領域
演出モードコマンド
・次モード移行情報領域
次モード移行情報
・特図ゲームモード情報コマンド
また、このステップB16では初期値設定の1つとして、主制御ID送信要求フラグをセットする
ステップB16を経ると、続くステップB17に進む。ステップB17に進むのは、この他に前述したように、ステップB10でNOの場合、ステップB12の処理を経た場合がある。
ステップB17では、認証完了か否かを判定する。これは、遊技機ID(ここでは、主制御ID及び払出IDの双方)を払出制御装置230経由でカードユニット15を介して第3者機関である外部管理装置91へ送り、そこで認証リストと照合し、照合結果が判明して認証が完了(照合OK)したかどうかを判定するものである。
認証完了(照合OK)でなければ、ステップB17に待機し、認証が完了すると、ステップB18に進む。ステップB18ではリカバリ完了か否かを判定する。これは、通信異常等で通信が断した場合に、リカバリ通信が完了したかどうかを判定するものである。リカバリ完了でなければ、ステップB17に戻ってル−プを繰り返し、リカバリが完了すると、ステップB19に進む。
ステップB19に進むと、遊技状態情報送信処理を行う。これは、遊技状態情報を遊技制御装置54から払出制御装置230へ暗号化通信で送信するものである。遊技状態情報としては、前述したように、専用のレジスタとして遊技状態情報レジスタ0から遊技状態情報レジスタ7までの8個のレジスタが用意され、そこに大当り1乃至大当り9までの大当り情報や大当り中+時短中、確変中、時短中、変動中という遊技状態情報の他、さらに電波検知、磁石検知、不正入賞検知、振動検知という情報も格納されるので、これらの情報が送信されることになる。
次いで、ステップB20に進み、主制御ID送信処理を行う。これは、主制御IDの送信要求(例えば、前述のステップB16で主制御ID送信要求フラグがセットされる)がある場合に、主制御IDを送信するものである。
次いで、ステップB21で停電復旧したか否かを判定する。これは、ステップB5で分岐するRAMクリア信号がオンでない場合のルートでの停電復旧かどうかを判断するものである。
この停電復旧ルートでなければ(すなわち、RAMクリアされたルートであれば)、ステップB22に進み、RAMクリア時のコマンドを演出制御装置53(演出制御基板)に送信する。これは、遊技制御装置54のRAM113をクリアしたときのコマンドを演出制御装置53に送信するもので、これにより、演出制御装置53では客待ちデモのような演出を表示装置41に行わせることが可能になる。ステップB22を経ると、ステップB24に進む。
一方、ステップB21で停電復旧のルートであれば、ステップB23に分岐し、遊技機の状態に対応する停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)を演出制御装置53(演出制御基板)に送信する。ステップB23を経ると、ステップB24に進む。
停電復旧時のコマンドには、以下のコマンドが含まれる。
・遊技機の種類を示す機種指定コマンド
・特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド
・確率の状態を示す確率情報コマンド
また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合には、には、以下のコマンドが含まれる。
・復旧画面コマンド
・電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド
・電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンド
・機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド
・時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンド
そして、停電復旧時のコマンドが送信されると、この停電復旧時のコマンドを受けて、例えば演出制御装置53は枠演出装置のモータの動作位置を初期位置にするなどの初期化を行い、また、表示装置41にて停電復旧中等の表示を行う。
なお、停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)には、停電時の状態(遊技状態、休憩の状態、精算の状態)を知らせる情報が含まれる。例えば、休憩中に停電があった場合には、休憩中であったことを示す情報(例えば、休憩開始コマンドと同じものでもよい)がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを停電復旧時に受信した演出制御装置53は、例えば停電時に実行していた休憩中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。また、精算中に停電があった場合には、精算中であったことを示す情報がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを停電復旧時に受信した演出制御装置53は、例えば停電時に実行していた精算中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。これにより、停電時の状態がRAM113に記憶保持されて停電復旧時にその状態が再開されていることが遊技者に明確に認識され、遊技者が停電復旧時に不安を覚えることがない。
さらに、停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)には、枠開放エラー状態中である場合には、そのエラー情報も含まれ、このコマンドを停電復旧時に受信した演出制御装置53は、例えば停電時に実行していた枠開放エラー状態中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開することになる。
ステップB22やステップB23を経てステップB24に進むと、ステップB24では、例えばCPU111の内部に設けられて、タイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する。CTC回路はタイマ割込みのための回路である。なお、CTC回路は、CPU111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111に対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップB24のCTC起動処理の後は、ステップB25で乱数生成回路を起動設定する処理を行う。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111によって行われる。
乱数生成回路によってハード的に特図や普図の各乱数のうちの一部が生成される。但し、これら乱数のうち一部の乱数の初期値は、後述するステップB28の処理によってソフト的に設定される。
なお、特図に関連する乱数としては、大当り乱数(大当りとするか否かを決定するための乱数)、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。また、普図に関連する乱数としては、例えば、普図当り乱数(普図当りとするか否かを決定するための乱数)などがある。このうちステップB25、28で対象とする乱数は、例えば、大当り乱数、普図当り乱数、大当り図柄乱数1,2である。なお、上記特図に関する乱数は、特図が2種類ある場合、特図1と特図2で共通でもよいし、別個に設けられていてもよい。
また、ステップB25の処理では、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。すなわち、ステップB25の処理では、ハード乱数ビット転置パターンを設定し、大当り乱数のビット転置も行う。
ここで、ビット転置パターンとは、例えば抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
ステップB25を経ると、続くステップB26で電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRAMの所定領域にセーブする。
ここで、乱数の種類としては、以下がある。
・当り初期値乱数
・大当り図柄初期値乱数1
・大当り図柄初期値乱数2
(これらは、それぞれ異なるソフト乱数レジスタの値を使用)
そして、この乱数生成回路によってハード的に特図や普図の各乱数のうちの一部が生成される。但し、これら乱数の初期値は、後述するステップB28の処理によってソフト的に設定される。そして、本実施例で使用するCPU111内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
なお、特図に関連する乱数としては、大当り乱数(大当りとするか否かを決定するための乱数)、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。また、普図に関連する乱数としては、例えば、普図当り乱数(普図当りとするか否かを決定するための乱数)などがある。このうちステップB25,28で対象とする乱数(ハード乱数)は、例えば、大当り乱数、普図当り乱数、大当り図柄乱数1,2である。なお、上記特図に関する乱数は、特図が2種類ある場合、特図1と特図2で共通でもよいし、別個に設けられていてもよい。
次いで、ステップB27で割込みを許可し、次のステップB28では、初期値乱数更新処理を行う。初期値乱数更新処理は、遊技球を発射するタイミングを計って故意に大当り等をねらうことが困難になるように、乱数の初期値を更新する処理である。これは、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すためのものである。
なお、上記ステップB28での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、特に限定されるわけではないが、本実施例においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
次いでステップB29に進み、電源装置58から入力されている電源断検出信号(停電検出信号)をポート及びデータバスを介して読み込み、電源断検出信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、次のステップB30で電源断検出信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップB31に進み、オンしていなければステップB28に戻る。通常運転中は、ステップB28〜B30を繰り返す。
すなわち、電源断検出信号がオンでない場合(ステップB30;NO)は、ステップB28の初期値乱数更新処理に戻る。つまり、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と電源断検出信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップB28)の前に割り込みを許可する(ステップB27)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで、割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
そして、ステップB31に進むと、前記チェック回数分だけ電源断検出信号のオン状態が継続しているか否か判定し、この判定結果が肯定的であると停電発生と最終判断してステップB32に進み、否定的であれば停電発生と判断できないとしてステップB30に戻る。
なお電源断検出信号がオンになると、この電源断検出信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップB32以降の停電処理を強制的に実行する態様でもよい。但し本例の構成であると、電源断検出信号のオン状態をステップB31で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって停電監視信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に、停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
そしてステップB32に進むと、割込を禁止した後、次のステップB33で全ての出力をオフし(全ての出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップB34で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブするとともに、停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。
ステップB34を経ると、次のステップB35でRAMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行なった後、ステップB36では、算出したチェックサムを所定のチェックサム領域にセーブする。
次いでステップB37でRAMへのアクセスを禁止した後、待機する(リセット待ち状態となる)。
このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
なお、以上のステップB32〜B37の停電処理は、停電によって電源電圧がCPU1111の動作電圧未満に低下する前に行われる。
〔遊技状態情報送信処理〕
次に、前記メイン処理における遊技状態情報送信処理(ステップB19)を図22により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップB51で払出用大当り信号コマンドをロードする。払出用大当り信号コマンドは、遊技制御装置54から払出制御装置230に遊技状態情報として大当り情報(例えば、大当り1.大当り2等に区分される情報)を知らせるためのものである。次いで、ステップB52に進み、ステップB51でロードしたコマンド(払出用大当り信号コマンド)を遊技状態送信バッファに書き込む。遊技状態送信バッファに書き込まれたコマンドは、所定のタイミングでシリアル通信で暗号化して払出制御装置230に送信されることになる(以下の送信バッファも同様)。
次いで、ステップB53で払出用確率情報コマンドをロードした後、ステップB54に進み、ステップB53でロードしたコマンド(払出用確率情報コマンド)を遊技状態送信バッファに書き込む。払出用確率情報コマンドは、遊技制御装置54から払出制御装置230に遊技状態情報として大当り確率や時短に関する情報(例えば、大当り中+時短中、確変中、時短中、変動中等に区分される情報)を知らせるためのものである。
次いで、ステップB55で不正情報コマンドとしてクリアデータを設定する。これは、まず不正情報コマンドをクリアして初期状態(不正発生が無い状態:クリアデータ)とし、その後、不正が発生したときに不正の内容に応じて不正情報コマンドをセットするためである。
次いで、ステップB56で電波不正発生中であるか否かを判定し、電波不正発生中であればステップB57で不正情報コマンドの電波不正検知ビットをセットする。例えば、遊技状態情報レジスタ2には電波検知、磁石検知、不正入賞検知、振動検知という遊技状態情報がビット単位で区分して格納されるので、その中のビットD0=電波検知というビットを電波不正検知ビットとしてセットする。
なお、電波不正は電波センサ(盤)143によって検出される。
ステップB57を経ると、ステップB58に進む。一方、ステップB56で電波不正発生中でなければ、ステップB57をジャンプしてステップB58に進む。
ステップB58では、磁石不正発生中であるか否かを判定し、磁石不正発生中であればステップB59で不正情報コマンドの磁石不正検知ビットをセットする。例えば、遊技状態情報レジスタ2には電波検知、磁石検知、不正入賞検知、振動検知という遊技状態情報がビット単位で区分して格納されるので、その中のビットD1=磁石検知というビットを磁石不正検知ビットとしてセットする。
なお、磁石不正は磁石センサ142によって検出される。
ステップB59を経ると、ステップB60に進む。一方、ステップB58で磁石不正発生中でなければ、ステップB59をジャンプしてステップB60に進む。
ステップB60では、不正入賞発生中であるか否かを判定し、不正入賞発生中であればステップB61で不正情報コマンドの不正入賞検知ビットをセットする。例えば、遊技状態情報レジスタ2には電波検知、磁石検知、不正入賞検知、振動検知という遊技状態情報がビット単位で区分して格納されるので、その中のビットD2=不正入賞検知というビットを不正入賞検知ビットとしてセットする。
なお、不正入賞はエラー/不正入賞監視処理で検知され、例えば第1大入賞口27a、第2大入賞口34a、普電26の開放中以外での不正入賞などを監視するための処理で検知される。
次いで、ステップB62に進み、発射停止の払出用発射コマンドを設定する。これにより、不正入賞発生中であるときは発射停止の払出用発射コマンドが遊技制御装置54から払出制御装置230へ送信されて、発射装置37の作動が停止させられて遊技球の発射が停止することになる。ステップB62を経ると、ステップB64へ進む。
一方、ステップB60で不正入賞発生中でなければ、ステップB63に分岐し、発射許可の払出用発射コマンドを設定する。これにより、不正入賞発生中でないときは発射許可の払出用発射コマンドが遊技制御装置54から払出制御装置230へ送信されて、発射装置37の作動が許可されて遊技球の発射が行われることになる。ステップB63を経ると、ステップB64へ進む。
ステップB64に進むと、不正情報コマンドを遊技状態送信バッファに書き込み、続くステップB65で払出用発射コマンドを遊技状態送信バッファに書き込む。これにより、不正情報コマンドや払出用発射コマンドが払出制御装置230へ送信されることになる。さらに、ステップB66で遊技状態情報設定完了コマンドを設定してステップB67に進み、ステップB66で設定したコマンドを遊技状態送信バッファに書き込む。これにより、遊技状態情報設定完了コマンドが払出制御装置1230へ送信されることになる。ステップB67を経ると、リターンする。
なお、図22の遊技状態情報送信処理では、振動センサ144で検出される振動検知という遊技状態情報を払出制御装置230へ送信していないが、遊技状態情報レジスタ2におけるビットD3=振動検知というビットを振動検知ビットとしてセットし、払出制御装置230へ送信するようにしてもよい。
〔主制御ID送信処理〕
次に、前記メイン処理における主制御ID送信処理(ステップB20)を図23により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップB71で主制御IDの送信要求があるか否かを判定する。これは、例えば電源投入時には図21のステップB16の初期設定において主制御ID送信要求フラグがセットされるが、このフラグに基づいて主制御IDの送信要求があるかどうかを判定するものである。
主制御IDの送信要求がなければリターンする。一方、主制御IDの送信要求があれば、ステップB72に進み、主制御ID送信要求フラグをクリアする。これは、主制御IDの送信要求があったので、一旦、主制御ID送信要求フラグをクリアして次回に備えるためである。
次いで、ステップB73でスタートコードを払出用シリアル送信バッファに書き込む。スタートコードは、シリアル通信の開始であることを受け側である払出制御装置230に特定させるためのコードである。次いで、ステップB74でチップコード(チップID)のみの送信であるか否かを判定する。チップコード(チップID)とは、主制御チップのチップコードのことであり、主制御チップとは、遊技制御装置54(主基板)のCPU111のことである。
したがって、チップコード(チップID)とは、遊技制御装置54(主基板)の遊技機ID(主制御ID)の一部であり、具体的には、遊技制御装置54(主基板)におけるCPU111を構成するICチップの個体識別情報(固有ID)に相当するものである。
ステップB74でチップコードのみの送信であれば、ステップB79にジャンプしてチップ識別コードを払出用シリアル送信バッファに書き込む。
ここで、「○○識別コード」とは、これからどの情報(コード)を送信するかを示すコードであり、固体に対してユニークなものでなく、共通のコードである。このコードを書き込んだ後、対応する個のユニークな情報を書き込むこととなる。
したがって、チップ識別コードとは、これからチップコードを送信することを示すコードであり、このチップ識別コードを書き込んだ後、チップコードを払出用シリアル送信バッファに書き込むこととなる。
そのため、続くステップB80で遊技制御装置54(主基板)におけるCPU111を構成するICチップのチップコードを読み出し、払出用シリアル送信バッファに書き込む。これにより、遊技制御装置54(主基板)におけるCPU111のチップコード(チップID)が取得されて払出制御装置230へ送信されることになる。
なお、少なくとも払出制御装置1230に主制御IDが送信される場合には、既述したように暗号化通信で送信されるため、主制御IDを構成する各コードデータは、払出用シリアル送信バッファに書き込まれた後、暗号化されて払出制御装置230へ送信される(後述の各コードも同様)。
一方、ステップB74でチップコードのみの送信でなければ、ステップB75に進んで主制御チップのメーカコード識別コードを払出用シリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップB76で主制御チップのメーカコード(遊技機の製造業者名に関するコード)を読み出して払出用シリアル送信バッファに書き込む。次いで、ステップB77で主制御チップの製品コード識別コードを払出用シリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップB78で主制御チップの製品コード(機種名に関するコード)を読み出して払出用シリアル送信バッファに書き込み、その後、ステップB79に進む。これにより、遊技制御装置54(主基板)におけるCPU111のメーカコード(遊技機の製造業者名に関するコード)及び製品コード(機種名に関するコード)が取得されて払出制御装置1230へ送信されることになる。
ステップB78からステップB79に進んだ場合やステップB74からステップB79に進んだ場合には、前述したように、ステップB79でチップ識別コードを払出用シリアル送信バッファに書き込み、ステップB80でチップコードを読み出し、払出用シリアル送信バッファに書き込む処理を行う。
ステップB80を経ると、リターンする。
このように、主制御IDの送信要求がある場合(例えば、電源投入時、枠開放時、大当り発生時等)には、主制御IDとして遊技制御装置54のチップコードに加えて、メーカコードや製品コードも払出制御装置230へ送信する態様であるので、メーカコードや製品コードを含めた細かな情報まで使用してセキュリティを高めることができる。
また、この電源投入時の場合、例えば、メーカコード、製品コード、チップコードの順番でシリアル送信される。
また、各識別コードには、各コードのデータの種類とデータ長が分かる情報が含まれている。
さらに、図23に示すフローチャートでは、出力タイミングに出力されるコードは全て同じものとしているが、タイミングによって出力するコードが異なる場合、識別コードがないと、何のコードが出力されたのかが判別し難いため、このように識別コードを含めた構成として区別が容易になっている(例えば、いきなりコードが出力されても、そのコードが主制御チップのものなのか、払出制御チップのものなのか、あるいはチップコードなのか、メーカコードなのか等の判別が困難となる)。
なお、基本的には遊技制御装置54のチップコードに加えて、メーカコードや製品コードの全てを払出制御装置230へ送信し、さらに払出制御装置230からカードユニット15を経由して外部管理装置91で主制御ID、払出IDの照合を行って遊技機IDを認証するという構成であるが、パチンコ機1の遊技中(枠開放時、大当り発生時等)はチップコードのみの認証を行うという構成にしてもよい。そのようにすると、遊技の継続に手間がかからず、ユーザも待たせなくて済む。
〔チェックサム算出処理〕
次に、前記メイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップB35)を図24により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップB91で算出アドレスの開始値としてRAMの先頭アドレスを設定し、ステップB92で繰り返し数を設定する。繰り返し数は、使用しているRAMのバイト数に対応して設定される。次いで、ステップB93で算出値として「0」を設定した後、ステップB94で算出値+算出アドレスの内容を新たな算出値として演算する。このようにして、各アドレスの毎の内容を算出値として加算していく。次いで、ステップB95で算出アドレスを「+1」だけ更新し、ステップB96で繰り返し数を「−1」だけ更新して算出終了かをチェックし、ステップB97で算出終了か否かを判定しする。ステップB97の判定結果がNOであれば、ステップB94に戻ってルーチンを繰り返す。そして、繰り返した回数=RAMのバイト数になると、算出終了と判断してステップB97からYESに抜けて、ルーチンを終了する。
このようにして、RAMの電源遮断時におけるチェックサムの算出が行われる。
〔初期値乱数更新処理〕
次に、前記メイン処理における初期値乱数更新処理(ステップB28)を図25により説明する。
このルーチンが開始されると、当り初期値乱数をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップB101)、大当り図柄初期値乱数1をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップB102)、大当り図柄初期値乱数2をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップB103)を順次行う。
ここで、「大当り図柄初期値乱数1」は、特図1の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数で、0〜99の範囲で更新していく。「大当り図柄初期値乱数2」は、特図2の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値乱数のことで、0〜99の範囲で更新していく。ある。また、「当り初期値乱数」は普図変動ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことで、0〜250の範囲で更新していく。ある。このように、メイン処理の中で時間が許す限り乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込処理〕
次に、遊技制御装置54のタイマ割込処理を図26により説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメイン処理におけるステップB24、B27の処理によって開始され、所定のタイマ割込周期で繰り返し実行される。
このタイマ割込処理では、まずステップB111で、必要に応じてレジスタの退避や割込みの禁止を実行する。レジスタの退避では、例えば所定のレジスタに保持されている値をRAMに移すレジスタ退避の処理を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。
次いで、ステップB112で入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(始動口スイッチ120、121、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、下カウントスイッチ124、上カウントスイッチ125など)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、何れかのセンサがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
次に、ステップB113で、後述する各ステップで設定された出力データを対応する出力ポートに設定し出力する出力処理を実行する。これは、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(第1大入賞口ソレノイド132、第2大入賞口ソレノイド133、普電ソレノイド131)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための処理である。
次いで、ステップB114、B115で乱数更新処理1、2をそれぞれ実行する。ここでは、特図に関連するソフト乱数及び普図に関連するソフト乱数の更新が行われる。特図に関連するソフト乱数としては、例えば、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチアクションの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。ここでの、乱数の更新は、乱数を例えば「1」ずつ増やすことにより実行される。したがって、このタイマ割込み処理のルーチンが繰り返される毎に、乱数が変り、このソフト乱数の抽出値がアトランダム性を保つようになる。
なお、上記変動パターン乱数は、本例では変動パターン乱数1〜3の3種類が有る。このうち、変動パターン乱数1は後半変動(リーチ開始後の変動)のリーチ系統を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分(例えばプラス1コマで特図が停止するかマイナス1コマで特図が停止するか)を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動(リーチ開始前までの変動)の態様を選択するための乱数である。また、上記変動パターン乱数は変動態様の全てを直接決定するものでもよいが、本例では、具体的な態様は演出制御装置53が決定する。例えば、変動時間とリーチ系統(リーチの大まかな種別)のみを変動パターン乱数1により決定し、決定した変動時間とリーチ系統に基づいて演出制御装置53が具体的な変動態様を決定する。
次いで、ステップB116では、エラー/不正監視処理を実行する。エラー/不正監視処理は、前述の各センサ類の未検出エラーや、賞球排出の過剰エラーや、ガラス枠5の開放状態、及び大入賞口27a(第1大入賞口)、第2変動入賞装置34の開口部(第2大入賞口34a)、普電26の開放中以外での不正入賞などを監視するための処理である。
次いで、ステップB117で遊技停止中であるか否かを判定する。これは、払出制御装置230から出力される遊技停止信号(コマンドではない)がオンであると、遊技を停止(遊技ゲームを進行させない)させるようにすることから、遊技停止信号がオンかどうかで判定する。
ステップB117で遊技停止中であれば、ステップB122にジャンプし、遊技中に関する処理等(ステップB118乃至ステップB121の処理)を行わない。一方、ステップB117で遊技停止中でなければ、ステップB108に進み、通信異常発生中であるか否かを判定する。これは、後述の通信異常監視処理で通信異常があるときに通信異常フラグがセット(遊技制御装置54(主基板)側で監視)されるので、その通信異常フラグに基づいて判定する。
ステップB108で通信異常発生中であれば、ステップB122にジャンプし、遊技中に関する処理(ステップB119乃至ステップB121の処理)を行わない。一方、ステップB118で通信異常発生中でなければ、ステップB119に進む。
ステップB119では、入賞口スイッチ監視処理を行う。入賞口スイッチ監視処理は、前述したように設定される入力フラグ(特図の始動口スイッチ120、121、入賞口スイッチ123、下カウントスイッチ124及び上カウントスイッチ125)を監視し、例えば下カウントスイッチ124の入力フラグが設定されていると、15個の賞球払い出しを払出制御装置230に要求する前準備などの処理を実行するものである。
次いで、ステップB120で特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲーム全体の統括的制御が行われる。即ち、変動開始条件(変動表示ゲームの開始条件)の成立時において、大当り乱数の判定や、特図の停止図柄の組み合わせ(結果態様)を設定する処理や、特図の変動態様を設定する処理が行われる(詳細後述する)。
ここで、変動開始条件の成立時とは、客待ち状態で始動口入賞があって変動表示ゲームが開始される時、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時、大当たりが終了して始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時の3種類がある。
また、この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲームに関する各種出力データを設定する処理も行われる。即ち、特図の変動表示ゲームの遊技状態に合わせて、例えば、演出制御装置53などへ送信するコマンドの内容(コマンドデータ)を設定する。
次いで、ステップB121で普図の変動表示ゲームのための処理を行う。即ち、普図の変動表示遊技の状態に合わせて演出制御装置53などへ送信するコマンドの内容を設定する処理などを行う。
次いで、ステップB122でLED編集処理を実行する。これは、ステップB120の特図ゲーム処理において決定された特図の図柄やステップB121の普図ゲーム処理において決定された普図の図柄、その他の情報を、一括表示装置35の本特図の表示器(LED、7セグメントの表示器)において表示するための処理や入賞表示LED編集処理(詳細は後述)等を行うものである。
次いで、ステップB123で通信制御タイマが「0」でなければ、同タイマを(−1)更新(デクリメント)する。次いで、ステップB124で通信制御タイマが「0」であるか否かを判定し、通信制御タイマが「0」であれば、ステップB129にジャンプし、コマンド判定、編集、送信等に関する処理(ステップB125乃至ステップB128の処理)を行わない。一方、ステップB124で通信制御タイマが「0」でなければ、ステップB125に進む。
ステップB125では、受信コマンド判定処理を行う。これは、他の制御装置等から受信したコマンドを判定し、必要な処理等を行うものである(詳細は後述)。次いで、ステップB126で払出コマンド編集処理を行う。これは、払出制御装置230へ送るコマンドの編集を行うものである(詳細は後述)。次いで、ステップB127で払出コマンド送信処理を行う。これは、払出制御装置230へ送るコマンドの送信を行うものである(詳細は後述)。
次いで、ステップB128で通信制御タイマに初期値を設定する。通信制御タイマは遊技制御装置54と他の制御装置との通信期間を制御するもので、初期値としては例えば200msに設定される。
次いで、ステップB129で通信異常監視処理を行う。これは、遊技制御装置54と払出制御装置230との間の通信が断たれたような異常を監視するものである(詳細は後述)。次いで、ステップB130でメインルーチンを再開すべく、ステップB111で退避させたレジスタを復帰させ、ステップB131でタイマ割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
〔入力処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における入力処理(ステップB112)を図27により説明する。
入力処理においては、まず入力ポート1に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップB141)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップB142)。
ここで、入力ポート1で監視するスイッチは、例えば磁石センサ142、電波センサ(盤)143、振動センサ144などである。
続いて、ステップB143で読み込まれた入力ポート1の状態をRAM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)するとともに、未使用のビットデータを準備する。
ここで、本実施例において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RAM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
また、検出信号の反転が必要なものについては、反転するビットデータを準備する。例えば、電波センサ(盤)143は検出信号の反転が必要なので、そうようなセンサ/スイッチ等のビットデータを準備するものである。
次いで、ステップB144で入力ポート2のアドレスを準備する。
ここで、入力ポート2で監視するスイッチは、例えば第1始動口スイッチ120、第2始動口スイッチ121、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、下カウントスイッチ124、上カウントスイッチ125などである。
なお、図6では示していないが、入賞口スイッチ123に対応するものとして、例えば複数の入賞口スイッチを配置する場合は、複数の入賞口スイッチを入力ポート2で監視する。これは、下大入賞口スイッチ124についても同様である。前述の磁石センサ142についても、複数を配置して入力ポート1で監視するようにしてもよい。
次いで、ステップB145でRAM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備するとともに、ステップB146で未使用のビットデータを準備し、ステップB147で反転するビットデータを準備する。その後、ステップB148でスイッチ読込み処理を行う。スイッチ読込み処理は所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読込み処理を行うことで、タイマ割込みの周期を延ばすことによる割込み内の処理可能量増加と、構造設計等の容易さを両立させるものである。
ステップB148を経ると、入力処理を終了する。
〔出力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップB113)を図28により説明する。
出力処理では、まず一括表示装置(LED)35のセグメントのデータを出力するポートの出力データを全てオフにする(ステップB151)。続いて、第1大入賞口ソレノイド132、第2大入賞口ソレノイド133、普電ソレノイド131のデータを出力する機能を有するソレノイド出力ポートに出力するデータを合成して出力する(ステップB152)。
次いで、一括表示装置(LED)35のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新(0〜3の範囲で(+1)更新)(ステップB153)し、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データをロード(取得)する(ステップB154)。次いで、取得したデータをデジット出力ポート(例えば、第5ポート)に出力する(ステップB155)。第5ポートは一括表示装置35のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための出力ポートである。
次いで、デジットカウンタの値に対応するRAM内のセグメントデータ領域からセグメント線の出力データをロード(取得)し(ステップB156)、取得したセグメント出力データをセグメント出力用のポート(例えば、第4ポート)に出力する(ステップB157)。第4ポートは一括表示装置35に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための出力ポートである。
ここで、一括表示装置35においてダイナミック点灯させるLEDは、例えば以下の通りである。
・特別図柄表示装置
・普通図柄表示装置
・特図保留
・普図保留
・ラウンド表示
・遊技状態表示(高確率表示、時短表示)
・入賞表示
続いて、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ1〜3をロードして合成し、中継基板(図示略)上に設けられている試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップB158)。さらにその後、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ4〜6をロードして合成し、中継基板上に設けられている試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップB159)。
次いで、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ7〜8をロードして合成し、中継基板上に設けられている試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップB160)。また、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ9〜10をロードして合成し、中継基板上に設けられている試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップB161)。さらに、試射試験装置へ出力する試験信号の出力データ11をロードして合成し、中継基板上に設けられている試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力(ステップB162)して、図28の出力処理を終了する。
〔乱数更新処理1〕
次に、上述のタイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップB114)を図29により説明する。
乱数更新処理1は、図25の初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数1、当り乱数、大当り図柄乱数2の初期値(スタート値)を更新するための処理である。
乱数更新処理1においては、まず、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップB171)。
普図の当り乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップB171;NO)は、大当り図柄乱数1が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップB174)。また、普図の当り乱数が初期値設定待ちである場合(ステップB171;YES)は、次回初期値として当り乱数初期値乱数をロードし(ステップB172)、ロードした普図の当り乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップB173)。その後、大当り図柄乱数1が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップB174)。
大当り図柄乱数1が初期値設定待ちでない場合(ステップB174;NO)は、大当り図柄乱数2が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップB177)。また、大当り図柄乱数1が初期値設定待ちである場合(ステップB174;YES)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数1をロードし(ステップB175)、ロードした大当り図柄乱数1の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップB176)。その後、大当り図柄乱数2が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップB177)。
大当り図柄乱数2が初期値設定待ちでない場合(ステップB177;NO)は、乱数更新処理1を終了する。また、大当り図柄乱数2が初期値設定待ちである場合(ステップB177;YES)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数2をロードし(ステップB178)、ロードした大当り図柄乱数2の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップB179)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
次に、上述のタイマ割込み処理における乱数更新処理2(ステップB115)を図30により説明する。
乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。
なお、本実施例においては、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、図30の乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。即ち、メイン処理に対する一の割り込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
乱数更新処理2においては、まず更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップB181)。ここでは、0乃至3の範囲で更新する。
なお、更新する乱数の種類は、以下の通りである。
・0のとき:変動パターン乱数1(上位)
・1のとき:変動パターン乱数1(下位)
・2のとき:変動パターン乱数2
・3のとき:変動パターン乱数3
次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップB182)。そして、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップB183)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限値、即ち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
ここで、演出乱数更新テーブルには更新する乱数の種類分(4ブロック)のデータがあり、詳細は以下の通りである。
・上限判定値
・Rレジスタのマスク値
・更新する乱数領域の種別情報(詳細は下記)
1バイト乱数
2バイト乱数(上位)
2バイト乱数(下位)
・更新領域のアドレス
続いて、例えば本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンに設けられているDRAMのリフレッシュ等のため使用されるリフレッシュレジスタ(以下、Rレジスタと称する)のようなランダムな値が設定されるレジスタの値を読み込む(ステップB184)。Rレジスタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。ステップB184の次は、Rレジスタの値をマスクするためのマスク値を取得して、Rレジスタの値をマスクする(ステップB185)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。
なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、Rレジスタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域が2バイト乱数の上位かどうかをチェックする(ステップB186)。2バイト乱数の上位であれば(ステップB186;YES)、ステップB187に進み、マスク値によってRレジスタの値をマスクすることによって残った値(以下、これをマスクした値と称する)に「1」を加算したものを加算値(上位)とし、また、「0」を加算値(下位)としてステップB188に進む。
マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
一方、更新する乱数領域が2バイト乱数の下位又は1バイト乱数であれば(ステップB186;NO)、ステップB189に分岐して「0」を加算値(上位)とし、マスク値に「1」を加算したものを加算値(下位)としてステップB188に進む。
次のステップB188では、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数かどうかをチェックする。ここで、2バイト乱数でなければステップB190へジャンプする(ステップB188;NO)。一方、乱数領域が2バイト乱数であるときはステップB191へ進む(ステップB188;YES)。ステップB190では、「0」を乱数値(上位)とし、マスク値に「1」を加算したものを更新する乱数領域の値(下位)としてステップB192に進む。
乱数領域が2バイト乱数であるときは、ステップB191で更新する乱数領域の値(2バイト)を乱数値としてステップB192に進む。
次いで、ステップB192では乱数値にステップB187、B189で決定した加算値を加算した値を算出して新たな乱数値を求め、この乱数値がステップB183で取得した上限判定値を超えているかどうかを判定する(ステップB193)。
新たに算出した乱数値が上限判定値を超えていれば、算出した乱数値から上限判定値を差し引いて今回の乱数値とし(ステップB194)、その後、ステップB195に進む。一方、新たに算出した乱数値が上限判定値を超えていなければ、算出した乱数値を今回の乱数値とし、ステップB194をジャンプしてステップB195に進む。
ステップB195では、乱数値の下位を対応する乱数領域にセーブする。ここでは、1バイト乱数領域又は2バイト乱数の下位領域のいずれかの領域にセーブする。続いて、更新した乱数が2バイト乱数かをチェックし(ステップB196)、2バイト乱数であれば(ステップB196;YES)、乱数値の上位を乱数領域の上位(2バイト乱数(上位))側にセーブする(ステップB197)。ここでは、2バイト乱数の上位の領域にセーブする。ステップB197を経ると、当該乱数更新処理2を終了する。
一方、更新した乱数が2バイト乱数でなければ(ステップB196;NO)、ステップB197をジャンプし、その処理は行わず、当該乱数更新処理2を終了する。
このように、CPU111は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。また、変動パターンとしては、後述するように、「リーチなし」の変動パターンや、「ノーマルリーチ」、「スペシャル(SP)1−Aリーチ」、「スペシャル(SP)1−Bリーチ」、「スペシャル(SP)2−Aリーチ」、「スペシャル(SP)2−Bリーチ」、「スペシャル(SP)3−Aリーチ」、「スペシャル(SP)3−Bリーチ」等の各種リーチ状態における変動パターン(リーチ変動態様)が規定されている。
従って、CPU111は、始動入賞口25や普通変動入賞装置26の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出された各種乱数のうち、リーチ状態におけるリーチ変動態様を決定するためのリーチ変動態様決定用乱数(変動パターン乱数)を更新する乱数更新手段をなす。
〔エラー/不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるエラー/不正監視処理(ステップB116)を図31により説明する。
エラー/不正監視処理は、各種入賞口に設けられたスイッチから信号の入力(信号の変化)があるか否かの監視や、エラーの監視を行う処理である。
エラー/不正監視処理においては、まず下大入賞口(第1変動入賞装置27の第1大入賞口27a)内の一方の下カウントスイッチ124に対応する不正入賞監視テーブル1(例えば、一方の下カウントスイッチ124からの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備するとともに、不正入賞監視テーブル2(例えば、他方の下カウントスイッチ124からの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップB201)。
本実施例では、下カウントスイッチ124が2つ設けられ、第1変動入賞装置27の第1大入賞口27a内に流入した遊技球は何れかの下カウントスイッチ124に検出されるようになっているので、ここでは一方の下カウントスイッチ124に対応する不正入賞監視テーブル1及び他方の下カウントスイッチ124に対応する不正入賞監視テーブル2を準備するものである。
なお、下カウントスイッチ124が1つだけ設けられている構成であれば、1つの不正入賞監視テーブルを準備することになる。
次いで、第1大入賞口27aが開いていないにもかかわらず第1大入賞口27aに不正な入賞がないか監視する不正入賞監視処理(ステップB202)を実行する。
次いで、上大入賞口(第2変動入賞装置34の第2大入賞口34a)内の上カウントスイッチ125に対応する不正入賞監視テーブルを準備し(ステップB203)、不正な入賞がないか監視する不正入賞監視処理(ステップB204)を実行する。
このように、カウントスイッチは3つあり、下大入賞口(第1大入賞口27a)に配置される下カウントスイッチ124が2つ、上大入賞口(第2大入賞口34a)に配置される上カウントスイッチ125が1つである。
次いで、普電内の入賞口スイッチの不正入賞監視テーブルを準備する(ステップB205)。普電内の入賞口スイッチとしては、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26への入賞を検出する第2始動口スイッチ121がある。
次いで、不正な入賞がないか監視する不正入賞監視処理(ステップB206)を実行する。
次いで、電波不正監視処理を行う(ステップB207)。これは、電波センサ(盤)143の出力に基づいて電波不正を監視するものである(詳細は後述)。次いで、磁石不正監視処理を行う(ステップB208)。これは、磁石センサ142の出力に基づいて磁石不正を監視するものである(詳細は後述)。
次いで、エラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタを更新(0乃至1の範囲で「+1」更新)し、準備する(ステップB209)。続いて、遊技機エラー監視テーブル1を準備する(ステップB210)。
遊技機エラー監視テーブル1で監視するエラーの種類としては、下記の通りである。
(イ)0のとき:スイッチ異常エラー(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
(ロ)1のとき:遊技停止エラー(通信不良等)
次いで、遊技機エラー監視テーブル1で定義した種類のエラーチェック処理を行い(ステップB211)、エラー/不正監視処理を終了してタイマ割込処理にリターンする。
〔不正入賞監視処理〕
次に、上述のエラー/不正監視処理における不正入賞監視処理(ステップB202、ステップB204、ステップB206)を図32により説明する。
不正入賞監視処理は、下大入賞口(第1変動入賞装置27の第1大入賞口27a)の2つの下カウントスイッチ124の各々、上大入賞口(第2変動入賞装置34の第2大入賞口34a)の上カウントスイッチ125及び普電内の第2始動口スイッチ121に対して行なわれる処理である。大入賞口(第1変動入賞装置27、34)や普電(普通変動入賞装置26)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
ここで、エラー/不正監視処理の中の不正入賞監視処理を説明するに当たり、準備される不正監視テーブルに定義されている情報は、以下の通りである。
・入力があるかを判定するデータ(監視スイッチビット)
・不正監視情報の下位アドレス
・不正入賞数領域の下位アドレス
・不正入賞エラー報知コマンド
・不正入賞数上限値(不正発生判定個数)
・入賞口スイッチテーブルのアドレス
・報知タイマ更新情報(許可/更新)
不正入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし、不正監視期間中かどうかを判定する(ステップB211)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが下カウントスイッチ124である場合は第1変動入賞装置27を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが上カウントスイッチ125である場合は第2変動入賞装置34を開放する特別遊技状態中以外の期間である。また、エラー監視対象の入賞口スイッチが第2始動口スイッチ121である場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置26の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップB211;YES)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップB212)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップB212;NO)は、ステップB219に分岐して対象の報知タイマが「0」でなければ−1更新し、その後、ステップB220以降の処理を実行する。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
一方、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップB212;YES)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップB213)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば、5個)を超えたかを判定する(ステップB214)。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチ(下カウントスイッチ124等。状況説明のため、部材符号は略している)の有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合に、それを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、判定個数を超えていない(ステップB214;NO)と判定すると、ステップB219へジャンプし、対象の報知タイマが「0」でなければ−1更新し、その後、ステップB220以降の処理を実行する。
また、判定個数を超えた場合(ステップB214;YES)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップB215)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値をセーブする(ステップB216)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップB217)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備(ステップB218)した後、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップB225)。
一方、不正監視期間でない場合(ステップB211;NO)は、ステップB219にジャンプし、対象の報知タイマが「0」でなければ−1更新し、その後、ステップB220以降の処理を実行する。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の下カウントスイッチ124である場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の下カウントスイッチ124である場合は許可されない。これにより、第1変動入賞装置27についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。
すなわち、下大入賞口(第1変動入賞装置27)に対してエラー監視を2つの下カウントスイッチ124で行っているため、双方のスイッチでタイマ更新すると、倍のタイマ更新が行われることとなり、結果的に規定時間の半分で不正タイマがタイムアップしてしまうことから、あとから監視処理を行う一方の下カウントスイッチ124のタイミングでのみ、タイマ更新をするようにしているものである。
なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが上カウントスイッチ125である場合や普電内の第2始動口スイッチ121である場合は報知タイマの更新は常に許可される。
ステップB219を経ると、その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップB220)、値が0でない場合(ステップB220;NO)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップB220;YES)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップB221)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップB222)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップB223)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップB223;YES)、すなわち今回の不正入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップB224)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップB225)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップB223;NO)、すなわち前回以前の不正入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップB225)。
ステップB218からステップB225に進む場合、ステップB223やステップB224からステップB225に進む場合には、前述したように、ステップB225では、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較し、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップB225;YES)は、不正入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップB225;NO)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップB226)、演出コマンド設定処理を行い(ステップB227)、不正入賞監視処理を終了する。
以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置53に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置53に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔電波不正監視処理〕
次に、上述のエラー/不正監視処理における電波不正監視処理(ステップB207)を図33により説明する。
電波不正監視処理は、電波センサ(盤)143からの検出信号に基づき異常の有無を判定し、不正報知の開始や終了の設定等を行うものである。
電波不正監視処理では、まずステップB213で電波センサ(盤)143から出力されて入力ポート1に取り込まれる検出信号の状態から、電波センサ(盤)143がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する。電波センサ(盤)143がオンである場合(ステップB231;YES)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップB232)。
そして、電波不正報知のコマンドを準備し(ステップB232)、電波不正フラグとして電波不正発生フラグを準備して(ステップB234)、準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップB239)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合と違い、異常な電波を検出した時点で異常が発生していると判定するようにしている。
一方、電波センサ(盤)143がオンでない場合(ステップB231;NO)、すなわち異常な電波を検出していない場合は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップB235)。なお、電波不正報知タイマの最小値は0に設定されている。そして、電波不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップB236)。
電波不正報知タイマの値が0でない場合(ステップB236;NO)、すなわちタイムアップしていない場合は、電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値が0である場合(ステップB236;YES)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップB237)、電波不正フラグとして電波不正解除フラグを準備して(ステップB238)、準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップB239)。
そして、準備した電波不正フラグが電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップB239;YES)は、電波不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップB239;NO)は、準備した電波不正フラグを電波不正フラグ領域にセーブし(ステップB240)、演出コマンド設定処理を行い(ステップB251)、電波不正監視処理を終了する。
ここで、図33において矢印は電波不正が無く、正常の場合の処理ルート(正常ルート)を示している。すなわち、正常の場合にはステップB231、ステップB235、ステップB236、ステップB237、ステップB238、ステップB239、RETという処理ルートを経ることになる。通常は、この正常ルートが繰り返される。
〔磁石不正監視処理〕
次に、上述のエラー/不正監視処理における磁石不正監視処理(ステップB208)を図34により説明する。
磁石不正監視処理は、磁石センサ142からの検出信号をチェックして異常がないか判定して不正報知の開始や終了の設定等を行うものである。
磁石不正監視処理では、まず、磁石センサ142から出力されて入力ポート1に取り込まれる検出信号の状態から、磁石センサ142がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップB251)。なお、図34のステップB251では磁石不正検出のための処理であるので、「磁石センサはオン?」という表記にしている。
磁石センサ142がオンである場合(ステップB251;YES)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して(ステップB252)、当該タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップB253)。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップB253;YES)、すなわち異常な磁気を一定期間継続して検出した場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップB254)、磁石不正報知タイマ初期値(例えば、60000ms)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップB255)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップB256)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(ステップB257)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップB258)。すなわち、磁石センサ142が一定期間(例えば、8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
すなわち、磁石センサ検出信号の入力が8回割込みして連続で行われることで、異常発生と判断される。これは、磁石センサ142のセンシングが4msであり、32msで不正発生と判断するため、8回割込みして磁石センサ検出信号のON入力があれば、不正と判定できるからである。
一方、磁石センサ142がオンでない場合(ステップB251;NO)、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップB259)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップB260)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は0に設定されている。次いで、磁石不正報知タイマの値が0であるかを判定する(ステップB261)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップB253;NO)もステップB260の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が0でない場合(ステップB261;NO)、すなわちタイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。
また、磁石不正報知タイマの値が0である場合(ステップB261;YES)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップB262)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(ステップB263)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップB258)。
そして、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップB258;YES)は、磁石不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップB258;NO)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップB264)、演出コマンド設定処理を行い(ステップB265)、磁石不正監視処理を終了する。
ここで、図34において矢印は磁石不正が無く、正常の場合の処理ルート(正常ルート)を示している。すなわち、正常の場合にはステップB251、ステップB259、ステップB260、ステップB261、ステップB262、ステップB263、ステップB258、RETという処理ルートを経ることになる。通常は、この正常ルートが繰り返される。
〔エラーチェック処理〕
次に、上述のエラー/不正監視処理におけるエラーチェック処理(ステップB211)を図35により説明する。
エラーチェック処理においては、まず、エラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタに対応するエラー監視テーブルを取得する(ステップB271)。
準備された遊技機エラー監視テーブル上に定義されている情報としては、以下のものがある。
(イ)スイッチの状態を判定するデータ
(ロ)エラー報知コマンド
(ハ)エラー報知終了コマンド
(ニ)エラー発生監視タイマ比較値
(ホ)エラー解除監視タイマ比較値
(ヘ)スイッチ状態領域のアドレス
(ト)エラー監視タイマ領域のアドレス
(チ)エラーフラグ領域のアドレス
次いで、今回取得した対象のスイッチの状態をチェックし、監視対象であるスイッチ(信号を含む)がオンであるか、すなわちエラーを示す状態であるかを判定する(ステップB272)。
そして、監視対象であるスイッチがオンでない場合(ステップB272:NO)は、エラーフラグとしてエラー解除フラグを準備し(ステップB273)、対象のエラー報知終了コマンドを準備する(ステップB274)。その後、対象のエラー解除監視タイマ比較値を取得して(ステップB275)、対象のスイッチ制御領域の値と今回のスイッチの状態を比較する(ステップB279)。
一方、監視対象であるスイッチがオンである場合(ステップB272:YES)は、エラー発生となる状態である可能性があるので、エラーフラグとしてエラー発生フラグを準備する(ステップB276)。例えば、遊技機エラー監視テーブルで定義するエラーの1つとして、払出制御装置230とカードユニット15間の通信断時に遊技停止信号がオンになると、ステップB272がYESとなる。YESであればステップB276で、エラー発生フラグを準備することになる。
次いで、対象のエラー報知コマンドを準備する(ステップB277)。その後、対象のエラー発生監視タイマ比較値を取得して(ステップB278)、対象のスイッチ制御領域の値と今回のスイッチの状態を比較する(ステップB279)。
ステップB275やステップB279からステップB279に進んで、対象のスイッチ制御領域の値と今回のスイッチの状態が一致した場合(ステップB279;YES)、すなわちスイッチの状態が変化していない場合は、エラーの処置が必要かどうかのタイマを判断するために対象のエラー監視タイマを+1更新して(ステップB282)、対象のエラー監視タイマの値が監視タイマ比較値(エラーへの処置が必要と判断する基準値)に達したかを判定する(ステップB283)。また、対象のスイッチ制御領域の値と今回のスイッチの状態が一致しない場合(ステップB279;NO)、すなわちスイッチの状態が変化した場合は、まだエラーの処置まで必要ないと判断して対象のスイッチ制御領域に今回のスイッチ状態をセーブする(ステップB280)、そして、対象のエラー監視タイマをクリアし(ステップB281)、対象のエラー監視タイマを+1更新して(ステップB282)、対象のエラー監視タイマの値が監視タイマ比較値に達したかを判定する(ステップB283)。
対象のエラー監視タイマの値が監視タイマ比較値に達していない場合(ステップB283;NO)は、エラーチェック処理を終了する。また、対象のエラー監視タイマの値が監視タイマ比較値に達した場合(ステップB283:YES)は、エラー監視タイマを−1更新して比較値−1の値に留め(ステップB284)、準備したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域の値と比較する(ステップB285)。
ここで、ステップB283で対象のエラー監視タイマが監視タイマ比較値に達したと判定したときは、エラー発生または解除の状態が確定したと見なされることになる。しかし、既にエラーが発生している状態のときにエラー発生が確定するか、またはエラー発生中でない状態のときにエラー解除が確定するという状況もあり得るので、ステップB284の処理を経て、ステップB285では、準備したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域の値と比較することにより、今回確定したエラー状態は現エラーフラグの状態と同じかどうかをチェックするようにしている。
そして、準備したエラーフラグと対象のエラーフラグ領域の値とが一致する場合(ステップB285;YES)は、エラーの状況が変化していないことになるので、処置の必要はないと判断し、エラーチェック処理を終了する。また、設定したエラーフラグと対象のエラーフラグ領域の値とが一致しない場合(エラーフラグが同じでなければ)(ステップB285;NO)は、新たなエラー状態に変化したことになるので、準備したエラーフラグを対象のエラーフラグ領域にセーブして(ステップB286)、ステップB287に進む。すなわち、対象のエラーフラグ領域の値を今回確定したエラー状態のものに変更して、ステップB287に進む。ステップB287では、演出コマンド設定処理を行い、今回確定したエラー状態に対応するコマンドを設定する。これにより、今回のエラー状態に対応する処置が行なわれることとなり、例えば払出制御装置230とカードユニット15間の通信断時であれば(遊技停止信号がオン)、それを知らせるエラー表示が報知されたり、報知解除されたりする。ステップB287を経ると、エラーチェック処理を終了する。
このようにして、エラーが発生すれば、該当するエラーフラグを立てて処置のコマンドを準備し、エラーが解消すれば該当するエラーフラグを消して解消のコマンドの設定が行なわれる。特に、このエラーチェック処理では、エラーの発生だけを監視しているものではなく、解除も合わせて監視するようにして、処理を共通にしている。
なお、このようなエラーチェック処理は、例えばガラス枠開放、前面枠開放などのエラーについても同様である。
〔入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入賞口スイッチ監視処理(ステップB119)を図36により説明する。
入賞口スイッチ監視処理は、各種入賞口に設けられたスイッチから信号の入力(信号の変化)があるか否かの監視を行う処理である。
入賞口スイッチ監視処理においては、まずステップB291で入賞口スイッチの入賞口監視テ−ブルを設定する。入賞口監視テーブルとしては、例えば下記の複数のテ−ブルを設定する。ただし、複数のテ−ブルを1つにまとめてもよい。
・入賞口監視テーブル1
下大入賞口(第1変動入賞装置27)内の一方の下カウントスイッチ124に対応するテ−ブルであり、例えば一方の下カウントスイッチ124からの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータを格納する。
・入賞口監視テーブル2
下大入賞口(第1変動入賞装置27)内の他方の下カウントスイッチ124に対応するテ−ブルであり、例えば他方の下カウントスイッチ124からの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータを格納する。
・入賞口監視テーブル3
上大入賞口(第2変動入賞装置34)内の上カウントスイッチ125に対応するテ−ブルであり、例えば上カウントスイッチ125からの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータを格納する。
・普電入賞口監視テ−ブル
普電としての第2始動入賞口26への入賞を検出する第2始動口スイッチ121に対応するテ−ブルであり、例えば第2始動口スイッチ121からの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータを格納する。
・他穴入賞口監視テ−ブル
不正監視が不要な入賞口スイッチとしては、例えば第1始動口スイッチ120、一般入賞口28〜31に対して設けられた入賞口スイッチ123があり、これらの入賞口への入賞を検出するスイッチに対応するテ−ブルである。
次いで、ステップB292で監視する入賞口スイッチの個数を取得する。これは、全ての入賞口スイッチの個数を取得するものである。次いで、ステップB293で対象のスイッチは有効中か否かを判定する。入賞口スイッチには不正入賞が発生したら、無効になるものがあり、例えば大入賞口スイッチ(複数の下カウントスイッチ124、上カウントスイッチ125)や普電内の始動口スイッチ(第2始動口スイッチ121)は不正入賞が発生したら無効になる。これに対して、不正監視が不要な入賞口スイッチとしては、例えば第1始動口スイッチ120、一般入賞口28〜31(いわゆる他穴)に対して設けられた入賞口スイッチ123があり、これらの各入賞口スイッチは常時有効になっている。
ステップB293で対象のスイッチは有効中でなければ、ステップB297にジャンプする。入賞口スイッチには不正入賞が発生したら無効になるものがあるので、例えば上述した大入賞口スイッチや普電内の始動口スイッチは不正入賞が発生したら無効になることから、これらの入賞口スイッチが有効中でなければ、ステップB297にジャンプすることになる。一方、不正監視が不要な入賞口スイッチとして第1始動口スイッチ120及び他穴に対して設けられた入賞口スイッチ123があり、これら入賞口スイッチは常時有効であるので、ステップB293の判定でNOになることはなく、ステップB297にジャンプしない。
ステップB293で対象のスイッチが有効中であれば、ステップB294に進み、対象のスイッチに入力があるか否かを判定する。対象のスイッチに入力があれば、ステップB295で対象のスイッチに対応する入賞数カウンタを+1更新(インクリメント)する。一方、ステップB294で対象のスイッチに入力がなければ、ステップB297にジャンプする。
ここで、入賞数カウンタは以下のものがあり、払出コマンド編集処理で使用される。
・始動口1入賞カウンタ:第1始動入賞口25への入賞をカウント
・始動口2入賞カウンタ:普電(第2始動入賞口26)への入賞をカウント
・大入賞口1入賞カウンタ:下大入賞口(第1変動入賞装置27)への入賞をカウント
・大入賞口2入賞カウンタ:上大入賞口(第2変動入賞装置34)への入賞をカウント
・他穴入賞カウンタ:一般入賞口28〜31(他穴)への入賞をカウント
次いで、ステップB296で対象のスイッチに対応する入賞表示カウンタを+1更新(インクリメント)する。これにより、一括表示装置35の入賞表示LEDが入賞に応じて所定期間点灯することになる。ステップB296を経ると、ステップB297に進む。
なお、入賞数カウンタや入賞表示カウンタは一巡すると、「0」に戻るのではなく、上限値でとどめるようになっている。
上述したようにステップB293、ステップB294からステップB297に進む場合、及びステップB296からステップB297に進む場合には、ステップB297でテ−ブルアドレスを次スイッチのデータアドレスに更新する。これにより、次スイッチのデータアドレスに対応する入賞口スイッチが監視対象のスイッチとなって、本ルーチンの処理が行われることになる。次いで、ステップB298で全スイッチの監視が終了したか否かを判定し、監視が終了していなければステップB293に戻ってル−プを繰り返す。そして、全スイッチの監視が終了すると、ステップB298からYESに抜けて入賞口スイッチ監視処理を終了し、リターンする。
〔LED編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるLED編集処理(ステップB122)を図37により説明する。
LED編集処理は、一括表示装置35に設けられたセグメントLEDに関する処理を行うものであり、一括表示装置35は前述したように、普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示(特図保留表示、普図保留表示)や、遊技状態の表示を行うようになっている。
これらの表示は、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個のランプや7セグメント表示器)によって行われる構成である。より具体的には、例えば特図1表示器、特図2表示器、特図1保留LED、特図2保留LED、入賞表示LED、普図LED、普図保留LED、ラウンド表示LED、状態表示LEDを備えており、それらの駆動に関する設定等を行うのがLED編集処理である。
LED編集処理では、まず、普図保留LEDでの表示態様が規定された普図保留数表示テーブルを設定し(ステップB301)、普図保留数に対応する表示データを取得して普図保留LEDのセグメント領域(例えば、普図保留LEDのセグメント領域)にセーブする(ステップB302)。次に、特図1保留LEDでの表示態様が規定された特図1保留数表示テーブルを設定し(ステップB303)、特図1保留数に対応する表示データを取得して特図1保留LEDのセグメント領域(例えば、特図1保留LEDのセグメント領域)にセーブする(ステップB304)。
その後、特図2保留LEDでの表示態様が規定された特図2保留数表示テーブルを設定し(ステップB305)、特図2保留数に対応する表示データを取得して特図2保留LEDのセグメント領域(例えば、特図2保留LEDのセグメント領域)にセーブする(B306)。さらに、ラウンド表示LEDでの表示態様が規定されたラウンド表示テーブルを設定し(B307)、ラウンド表示LED出力ポインタに対応する表示データを取得してラウンド表示LEDのセグメント領域(例えば、ラウンド表示LEDのセグメント領域)にセーブする(ステップB308)。
次に、一括表示装置35における状態表示LEDでの表示態様が規定された遊技状態表示テーブルを設定し(ステップB309)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得して状態表示LEDのセグメント領域(例えば、状態表示LEDのセグメント領域)にセーブする(ステップB310)。その後、停電復旧時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることの報知に係る高確率報知フラグがオンであるかを判定する(ステップB311)。そして、高確率報知フラグがオンである場合(ステップB311;YES)、すなわち高確率状態の報知を行っている状態である場合は、ステップB313にジャンプする。ステップB313では、入賞表示LED編集処理を行う。これは、一括表示装置35における入賞表示LEDにより入賞口への入賞に対応する賞球数を表示する処理を行うものである(詳細は後述)。ステップB313を経ると、LED編集処理を終了する。
また、高確率報知フラグがオンでない場合(ステップB311;NO)は、高確率報知LEDのオフデータを状態表示LEDのセグメント領域(例えば、状態表示LEDのセグメント領域)にセーブして(ステップB312)、ステップB313に進み、上述したような入賞表示LED編集処理を行い、その後、LED編集処理を終了する。
〔入賞表示LED編集処理〕
次に、前記LED編集処理のステップB313における入賞表示LED編集処理を図38により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップB321で入賞表示出力制御タイマが「0」でなければ、同タイマを「−1」更新(デクリメント)し、ステップB322で入賞表示出力制御タイマが「0」であるか否かを判定する。これは、入賞表示出力制御タイマは後述のステップB330にて初期値(例えば、600ms)に設定されるので、その初期値から「−1」更新(デクリメント)してきて、同タイマが「0」になったかを判定するものである。
ステップB322の判定結果がYESのときは、続くステップB323に進んで入賞表示カウンタ領域にカウントがあるか(つまり、入賞表示LEDを点灯させるためのカウントデータがあるか)否かを判定し、入賞表示カウンタ領域にカウントがなければ、ステップB324でチェックする入賞数表示カウンタ領域のアドレスを更新する。これは、入賞数を格納している入賞表示数格納領域から今回の賞球数に対応して入賞表示LEDを点灯させるためのカウントデータを読み出し終えたかを判断するものであり、入賞表示カウンタ領域にカウントがなければ、入賞表示数格納領域から今回の賞球数を読み出し終えたと判断して、ステップB324に進むことになる。
ステップB324を経ると、続くステップB325で全領域のチェックを完了したか否かを判定し、全領域のチェックを完了していなければ、ステップB323に戻ってル−プを繰り返す。そして、ル−プの繰り返しにより入賞数表示カウンタ領域のアドレスを更新していき、全領域のチェックを完了すると、ステップB325からステップB331に抜ける。
ステップB331では消灯データをセグメント領域にセーブする。ステップB331の処理により、入賞表示LEDの賞球表示が消えることになる。ステップB331を経ると、リターンする。
一方、ステップB323で入賞表示カウンタ領域にカウントがあれば、入賞表示数格納領域から今回の賞球数を読み出し終えていないと判断してステップB327に進む。ステップB327では、対象の入賞数表示カウンタを「−1」更新(デクリメント)し、続いてステップB328で入賞表示カウンタ領域のアドレスに対応するLED出力パターンデータを取得する。LED出力パターンデータとは、一括表示装置35の入賞表示LEDが7セグメントのLED2個により構成されているので、その7セグメントのうちのどのセグメントを点灯(あるいは点滅)させるかを決めるためのデータである。例えば、賞球数=10個を表示する場合には、2個のLEDで2桁の「10」を表示させるように、各セグメントの点灯データを取得することになる。
続いてステップB329では、ステップB328で取得しLED出力パターンデータを入賞表示LEDのセグメント領域にセーブした後、ステップB330へ進む。これにより、入賞表示LEDの賞球表示が点灯することになる。
ステップB330では、入賞表示出力制御タイマにタイマ初期値をセーブして、リターンする。
この場合、入賞表示出力制御タイマは初期値として「150」に設定される。これは、本ルーチンの繰り返しタイミングが4ms毎であることから、「150」×4ms=600msとなり、600msから500ms(0.5秒間)はON、その後の100ms(「25」×4ms=100ms)はOFFとすることで、入賞表示を0.5秒ON(点灯)、0.1秒OFF(消灯)のタイミングで制御できるからである。
したがって、1回の点灯周期600msから「125」回だけ本ルーチンが繰り返される間は入賞表示が0.5秒ON(点灯)し、その後、「25」回だけ本ルーチンが繰り返される間は入賞表示が0.1秒OFF(消灯)のタイミングで制御されることになる。
一方、ステップB322で入賞表示出力制御タイマが「0」でない場合には、ステップB326に分岐して入賞表示制御タイマは点灯区間中か否かを判定する。これは、入賞表示がON(点灯)の区間(期間)であるかどうかを判定するもので、入賞表示出力制御タイマの値により、ステップB326の判定値が異なる。すなわち、上述したように入賞表示LEDの1回の点灯周期が600msである場合、入賞表示出力制御タイマが500ms(0.5秒間)はON、その後の100msはOFFするので、入賞表示出力制御タイマの値から点灯区間中か否かを判定する。
ステップB326の判定結果がONの区間であれば、今回のルーチンを終了してリターンする。一方、ステップB326で入賞表示制御タイマが点灯区間中でなければ、ステップB331に進み、消灯データを入賞表示LEDのセグメント領域にセーブした後、リターンする。これにより、入賞表示LEDの賞球表示が消えることになる。
以上より、入賞表示制御タイマが初期値に設定されて本ルーチンが繰り返され、入賞表示制御タイマの値が所定値(例えば、「0」)になるまでステップB321の判定結果がNOとなってステップB321からステップB326に抜け、その間はステップB323以降の処理が実行され、入賞表示カウンタ領域のカウント(入賞表示LEDの点灯データ)に従うとともに、入賞表示LEDの出力パターンデータの値がセグメント領域に保持されて、賞球数が入賞表示LEDに表示されることになる。そして、入賞表示制御タイマの値が所定値(例えば、「25」)になると、入賞表示LEDの消灯データが設定され、入賞表示LEDに賞球数を表示した後は一定時間の消灯となる。また、連続で入賞した時も入賞表示LEDにオフの時間が入るので、区切りが明確になる。
ここで、ステップB326では入賞表示制御タイマは点灯区間中か否かを判定しているが、これは点灯区間中(500msの区間)かを確認するものであるから、ステップB331での消灯期間(オフの期間)は(初期値600ms−500ms=100ms)の計算結果から100msになり、連続で入賞した時も入賞表示LEDにオフの時間が入ることになる。
なお、実施例1では通常時と特別モード時(大当り中等)で入賞表示LEDの点灯及び消灯時間を同じにしているが、これに限らず、例えば通常時と特別モード時(大当り中等)で入賞表示LEDの点灯及び消灯時間を異なるような制御(例えば、通常時は1秒点灯、特別モード中は0.5秒点灯)にしてもよい。
〔受信コマンド判定処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における受信コマンド判定処理(ステップB125)を図39により説明する。
受信コマンド判定処理は、払出制御装置230から遊技制御装置54に対して送信されてくるコマンドを受信するための割込みを行うものである。
このルーチンが開始されると、まずステップB341で遊技機枠情報の受信があるか否かを判定する。遊技機枠情報は、払出制御装置230から遊技制御装置54に対して送信されてくるコマンドを受信しておくための遊技機枠情報受信バッファから読み出して判断する。
これは、払出制御装置230から遊技制御装置54へコマンド(例えば、エラー/不正情報コマンドなど)が送信されてくる場合があるので、そのコマンドを受信して一時的に保持する遊技機枠情報受信バッファのデータの有無を判断するものである。
ステップB341で遊技機枠情報の受信があると判定すると、ステップB342に進み、エラー/不正情報コマンドを遊技機枠情報受信バッファから読み出してステップB343に進む。ステップB343では、読み出したコマンドを基に演出用エラー/不正情報コマンドを準備し、続くステップB344で演出コマンド設定処理を行う。演出コマンド設定処理は、シリアル通信で遊技制御装置54から演出制御装置53へ送信するコマンドを演出用シリアルコマンドバッファに書き込む等の処理を行うものである。これにより、今回、遊技機枠情報受信バッファから読み出したコマンドを基に準備された演出用エラー/不正情報コマンドが演出制御装置53に送信されることになる。
次いで、ステップB345で枠開放情報(前面枠4の開放情報)は変化したか否かを判定する。枠開放情報は遊技機枠情報受信バッファから読み出して判断する。枠開放情報が変化していれば、ステップB346に進んで枠開放情報をセーブし、ステップB347で前面枠4は開放に変化したか否かを判定する。前面枠4が開放に変化していれば(すなわち、前回の閉鎖から今回、前面枠4が開放に変化したならば)、ステップB348で主制御ID送信要求フラグをセットする。これにより、前面枠4が開放に変化したときには主制御ID送信要求フラグに従って主制御IDが払出制御装置230へ送信されることになる。なお、その後、主制御IDは払出制御装置230を介してカードユニット15へ送られて照合されることになる。ステップB348を経ると、ステップB349に進む。
一方、ステップB345で枠開放情報が変化していなければ、ステップB349にジャンプする。また、ステップB347で前面枠4が開放に変化していない場合も、ステップB349にジャンプする。
ステップB348、ステップB345、ステップB347からステップB349に進んだ場合には、ステップB349でカードユニット情報コマンドを遊技機枠情報受信バッファから読み出す。これは、カードユニット15からのコマンドが払出制御装置230を経由して遊技制御装置54へ送信されてくる場合があるので、そのコマンドを遊技機枠情報受信バッファから読み出すものである。次いで、ステップB350に進み、読み出したコマンドを基に演出用カードユニット情報コマンドを準備し、続くステップB351で演出コマンド設定処理を行う。これにより、今回、遊技機枠情報受信バッファから読み出したカードユニット情報を基に準備された演出用カードユニット情報コマンドが演出制御装置53に送信されることになる。演出制御装置53では、演出用カードユニット情報コマンドを受信すると、表示装置41に例えばカードユニット15の不正状態を表示する等の演出を行う。
次いで、ステップB352で省電力情報コマンドを遊技機枠情報受信バッファから読み出す。これは、省電力を要求するための省電力情報コマンドが払出制御装置230から遊技制御装置54へ送信されてくる場合があるので、そのコマンドを遊技機枠情報受信バッファから読み出すものである。次いで、ステップB353に進み、読み出したコマンドを基に演出用省電力情報コマンドを準備し、続くステップB354で演出コマンド設定処理を行う。これにより、今回、遊技機枠情報受信バッファから読み出した省電力情報コマンドを基に準備された演出用省電力情報コマンドが演出制御装置53に送信されることになる。演出制御装置53では、演出用省電力情報コマンドを受信すると、表示装置41の例えば客待ち画面を省エネモードにして暗くして省電力化を図る等の制御を行う。
次いで、ステップB355で持球数コマンドを遊技機枠情報受信バッファから読み出す。これは、持球数を知らせる持球数コマンドが払出制御装置230から遊技制御装置54へ送信されてくる場合があるので、そのコマンドを遊技機枠情報受信バッファから読み出すものである。次いで、ステップB356に進み、読み出したコマンドを基に演出用持球数コマンドを準備し、続くステップB357で演出コマンド設定処理を行う。これにより、今回、遊技機枠情報受信バッファから読み出した持球数コマンドを基に準備された演出用持球数コマンドが演出制御装置53に送信されることになる。演出制御装置53では、演出用持球数コマンドを受信すると、装飾持球表示装置250に持球数に応じた量のLEDを点灯する等の制御を行う。
次いで、ステップB358で計数球数コマンドを遊技機枠情報受信バッファから読み出す。これは、計数球数を知らせる計数球数コマンドが払出制御装置230から遊技制御装置54へ送信されてくる場合があるので、そのコマンドを遊技機枠情報受信バッファから読み出すものである。次いで、ステップB359に進み、読み出したコマンドを基に演出用計数球数コマンドを準備し、続くステップB360で演出コマンド設定処理を行う。これにより、今回、遊技機枠情報受信バッファから読み出した計数球数コマンドを基に準備された演出用計数球数コマンドが演出制御装置53に送信されることになる。演出制御装置53では、演出用計数球数コマンドを受信すると、サブ液晶表示装置33に計数球を表示する等の制御を行う。ステップB360を経ると、受信コマンド判定処理を終了する。
一方、ステップB341で遊技機枠情報の受信がないと判定すると、ステップB361に分岐して通信リトライ中であるか否かを判定する。通信リトライは、通信リカバリとは異なるもので、通常状態であっても払出制御装置230からのコマンドの受信を規定回数だけ繰り返すことがあるので、それを判断しているものである。
ステップB361で通信リトライ中でなければ(例えば、スムーズにコマンド受信していれば)、ステップB362に進んで通信リトライフラグをセットするとともに、ステップB363でリトライ回数を「0」クリアする。これにより、次回の通信に備える。ステップB363を経ると、受信コマンド判定処理を終了する。
一方、ステップB361で通信リトライ中であれば、ステップB364に分岐してリトライ回数を「+1」更新(インリメント)し、ステップB365でリトライ回数が規定回数(例えば、2回)以上になったか否かを判定する。リトライ回数が規定回数以上になっていなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。
そして、リトライ回数が規定回数以上になれば、ステップB366に進み、通信リトライフラグをクリアする。これにより、通信リトライフラグがクリアされるので、次回の通信リトライの過程で通信リトライフラグがセットされ、規定回数だけ通信リトライが行われることになる。ステップB366を経ると、受信コマンド判定処理を終了する。
〔払出コマンド編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における払出コマンド編集処理(ステップB126)を図40、図41により説明する。
払出コマンド編集処理は、入賞に対応して賞球数を持球数に加算する等の払出制御装置230へ送る払出コマンドを編集する処理である。
このルーチンが開始されると、まずステップB371で通信リトライ中であるか否かを判定し、通信リトライ中であれば、払出コマンド編集処理を終了してリターンする。したがって、通信リトライ中でない状態の時に払出コマンドの編集を行うことになる。なお、通信リトライ中は、同じコマンドを送信するので、コマンド編集の必要がない。
一方、ステップB371で通信リトライ中でなければ、ステップB372に進み、遊技情報コマンド領域を全てクリアして払出コマンドの編集に備える。次いで、ステップB373でコマンド設定カウンタをクリアし、ステップB374で始動口1入賞カウンタが「0」であるか否かを判定する。
コマンド設定カウンタは、コマンドの設定が行われて遊技情報コマンド領域にセーブされる毎にカウントが「+1」更新されるものである。また、始動口1入賞カウンタは、第1始動入賞口25への入賞を検出している第1始動口スイッチ120の入賞検出信号をカウント(つまり、第1始動入賞口25への入賞をカウント)するものである。
ステップB374で始動口1入賞カウンタが「0」であれば、第1始動入賞口25への入賞はないと判断してステップB380へジャンプする。
一方、始動口1入賞カウンタが「0」でなければ、ステップB375へ進み、始動口1入賞カウンタに対応する種別情報コマンドを設定する。
ここで、「種別情報」は、データ種別とデータ番号で構成される。データ種別は、例えば情報なし、始動口、大入賞口、入賞口、図柄停止回数などの種別を区別するものである。また、データ番号は、例えば情報なしと、1乃至15の数で指定されるデータ番号である。したがって、種別情報コマンドは上記のような種別に関する内容を有するコマンドである。
次いで、ステップB376で始動口1入賞カウンタに対応する賞球情報コマンドを設定する。
ここで、「賞球情報」は、賞球数(情報なし及び1乃至15の賞球数データ)と入賞個数(情報なしも含む)で構成されるもので、賞球数と入賞数に関する情報である。したがって、賞球情報コマンドは上記のような賞球数と入賞数に関する内容を有するコマンドである。
次いで、ステップB377で始動口1入賞カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンド(図40では種別情報/賞球情報コマンドと表記。以下、同様)を遊技情報コマンド領域にセーブし、ステップB378でコマンド設定カウンタを「+1」更新(インクリメント)し、さらにステップB379で始動口1入賞カウンタを「0」クリアする。これは、始動口1入賞カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンドを設定したので、一旦、始動口1入賞カウンタを「0」にクリアして、次回の第1始動入賞口25への入賞に備えるものである。
ステップB379を経ると、ステップB380へ進む。
ステップB374からステップB380へジャンプした場合やステップB379を経てステップB380へ進んだ場合には、ステップB380乃至ステップB385までの処理で、上述した始動口1入賞カウンタと同様の処理を始動口2入賞カウンタについて実行する。
すなわち、ステップB380で始動口2入賞カウンタが「0」であるか否かを判定する。始動口2入賞カウンタは、第2始動入賞口26への入賞を検出している第2始動口スイッチ121の入賞検出信号をカウント(つまり、第2始動入賞口26への入賞をカウント)するものである。
ステップB380で始動口2入賞カウンタが「0」であれば、第2始動入賞口26への入賞はないと判断してステップB386へジャンプする。
一方、始動口2入賞カウンタが「0」でなければ、ステップB381へ進み、始動口2入賞カウンタに対応する種別情報コマンドを設定する。次いで、ステップB382で始動口2入賞カウンタに対応する賞球情報コマンドを設定する。
次いで、ステップB383で始動口2入賞カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンドを遊技情報コマンド領域にセーブし、ステップB384でコマンド設定カウンタを「+1」更新(インクリメント)し、さらにステップB385で始動口2入賞カウンタを「0」クリアする。これは、始動口2入賞カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンドを設定したので、一旦、始動口2入賞カウンタを「0」にクリアして、次回の第2始動入賞口26への入賞に備えるものである。
ステップB385を経ると、ステップB386へ進む。
ステップB380からステップB386へジャンプした場合やステップB385を経てステップB386へ進んだ場合には、ステップB386乃至ステップB391までの処理で、上述した始動口1入賞カウンタと同様の処理を大入賞口1入賞カウンタについて実行する。
すなわち、ステップB386で大入賞口1入賞カウンタが「0」であるか否かを判定する。大入賞口1入賞カウンタは、第1変動入賞装置27の第1大入賞口27aへの入賞を検出している下カウントスイッチ124の入賞検出信号をカウント(つまり、第1大入賞口27aへの入賞をカウント)するものである。
ステップB386で大入賞口1入賞カウンタが「0」であれば、第1大入賞口27aへの入賞はないと判断してステップB392へジャンプする。
一方、大入賞口1入賞カウンタが「0」でなければ、ステップB387へ進み、大入賞口1入賞カウンタに対応する種別情報コマンドを設定する。次いで、ステップB388で大入賞口1入賞カウンタに対応する賞球情報コマンドを設定する。
次いで、ステップB389で大入賞口1入賞カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンドを遊技情報コマンド領域にセーブし、ステップB390でコマンド設定カウンタを「+1」更新(インクリメント)し、さらにステップB391で大入賞口1入賞カウンタを「0」クリアする。これは、大入賞口1入賞カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンドを設定したので、一旦、大入賞口1入賞カウンタを「0」にクリアして、次回の第1大入賞口27aへの入賞に備えるものである。
ステップB391を経ると、ステップB392へ進む。
ステップB386からステップB392へジャンプした場合やステップB391を経てステップB392へ進んだ場合には、ステップB392乃至ステップB397までの処理で、上述した始動口1入賞カウンタと同様の処理を大入賞口2入賞カウンタについて実行する。
すなわち、ステップB392で大入賞口2入賞カウンタが「0」であるか否かを判定する。大入賞口2入賞カウンタは、第2変動入賞装置34の第2大入賞口34aへの入賞を検出している上カウントスイッチ125の入賞検出信号をカウント(つまり、第2大入賞口34aへの入賞をカウント)するものである。
ステップB392で大入賞口2入賞カウンタが「0」であれば、第2大入賞口34aへの入賞はないと判断してステップB398へジャンプする。
一方、大入賞口2入賞カウンタが「0」でなければ、ステップB393へ進み、大入賞口2入賞カウンタに対応する種別情報コマンドを設定する。次いで、ステップB394で大入賞口2入賞カウンタに対応する賞球情報コマンドを設定する。
次いで、ステップB395で大入賞口2入賞カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンドを遊技情報コマンド領域にセーブし、ステップB396でコマンド設定カウンタを「+1」更新(インクリメント)し、さらにステップB397で大入賞口2入賞カウンタを「0」クリアする。これは、大入賞口2入賞カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンドを設定したので、一旦、大入賞口2入賞カウンタを「0」にクリアして、次回の第2大入賞口34aへの入賞に備えるものである。
ステップB397を経ると、図41のステップB398へ進む。
ステップB392からステップB398へジャンプした場合やステップB397を経てステップB398へ進んだ場合には、図41に示すステップB398乃至ステップB403までの処理で、上述した始動口1入賞カウンタと同様の処理を他穴入賞カウンタについて実行する。
すなわち、ステップB398で他穴入賞カウンタが「0」であるか否かを判定する。他穴入賞カウンタは、一般入賞口28〜31への入賞を検出している入賞口スイッチ123の入賞検出信号をカウント(つまり、一般入賞口28〜31への入賞をカウント)するものである。
ステップB398で他穴入賞カウンタが「0」であれば、一般入賞口28〜31への入賞はないと判断してステップB404へジャンプする。
一方、他穴入賞カウンタが「0」でなければ、ステップB399へ進み、他穴入賞カウンタに対応する種別情報コマンドを設定する。次いで、ステップB400で他穴入賞カウンタに対応する賞球情報コマンドを設定する。
次いで、ステップB401で他穴入賞カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンドを遊技情報コマンド領域にセーブし、ステップB402でコマンド設定カウンタを「+1」更新(インクリメント)し、さらにステップB403で他穴入賞カウンタを「0」クリアする。これは、他穴入賞カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンドを設定したので、一旦、他穴入賞カウンタを「0」にクリアして、次回の一般入賞口28〜31への入賞に備えるものである。
ステップB403を経ると、ステップB404へ進む。
ステップB398からステップB404へジャンプした場合やステップB403を経てステップB404へ進んだ場合には、ステップB404乃至ステップB409までの処理で、図柄停止回数カウンタに関する処理を実行する。
すなわち、ステップB404で図柄停止回数カウンタが「0」であるか否かを判定する。図柄停止回数カウンタは、特図(及び飾り特図も同様)が変動開始して停止した回数をカウントするものである。
ステップB404で図柄停止回数カウンタが「0」であれば、特図(及び飾り特図も同様)が変動開始して停止した回数が「0」、つまり変動していないと判断して払出コマンド編集処理を終了し、リターンする。
一方、図柄停止回数カウンタが「0」でなければ、ステップB405へ進み、図柄停止回数カウンタに対応する種別情報コマンドを設定する。ここでは例えば、図柄停止回数が1回という情報を設定する。次いで、ステップB406で図柄停止回数カウンタに対応する賞球情報コマンドとして、「情報なし」を設定する。これは、図柄停止回数カウンタは特図(及び飾り特図も同様)が変動開始して停止した回数をカウントするものであり、賞球を発生するものではないからである。
次いで、ステップB407で図柄停止回数カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンドを遊技情報コマンド領域にセーブし、ステップB408でコマンド設定カウンタを「+1」更新(インクリメント)し、さらにステップB409で図柄停止回数カウンタを「0」クリアする。これは、図柄停止回数カウンタに対応する種別情報コマンド及び賞球情報コマンドを設定したので、一旦、図柄停止回数カウンタを「0」にクリアして、次回の特図(及び飾り特図も同様)が変動開始して停止した回数をカウントすることに備えるものである。
ステップB409を経ると、払出コマンド編集処理を終了し、リターンする。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップB127)を図42により説明する。
払出コマンド送信処理は、払出コマンド等を遊技制御装置54から払出制御装置230へ送る処理である。
このルーチンが開始されると、まずステップB421でコマンド設定カウンタが「0」であるか否かを判定する。コマンド設定カウンタは前述したように、コマンドの設定が行われて遊技情報コマンド領域にセーブされる毎にカウントが「+1」更新されるものであるから、コマンド設定カウンタが「0」であれば、コマンドの設定が無いことになる。したがって、このときはステップB429へ分岐して遊技情報コマンドとして「情報なし」を設定するとともに、ステップB430に進み、ステップB429で設定したコマンド(つまり、「情報なし」に設定した遊技情報コマンド)を遊技情報送信バッファに書き込み、その後、ステップB431へ進む。
一方、ステップB421でコマンド設定カウンタが「0」でなければ、ステップB422へ進み、コマンド送信数としてコマンド設定カウンタの値をコピーする。コマンド設定カウンタは前述したように、コマンドの設定が行われて遊技情報コマンド領域にセーブされる毎にカウントが「+1」更新されるものであるから、コマンド設定カウンタの値はコマンドの設定数に対応している。
次いで、ステップB423で遊技情報コマンド領域の先頭アドレスを設定する。これは、複数のコマンドの設定が行われて遊技情報コマンド領域にセーブされている場合に、コマンドを読み出す(ロードする)順番を先頭からとするために、当該領域の先頭にセーブされているコマンドのアドレスを設定するものである。
次いで、ステップB424で遊技情報コマンド領域からコマンドをロードする。このとき、ステップB423で設定されたアドレスのコマンドを遊技情報コマンド領域からロードすることになる。次いで、ステップB425に進み、ロードしたコマンドを遊技情報送信バッファに書き込む。これにより、遊技情報送信バッファに書き込まれたコマンドが遊技制御装置54から払出制御装置230へ送信されることになる。
次いで、ステップB426で遊技情報コマンド領域のアドレスを次のコマンド(次コマンド)のアドレスに更新する。これは、複数のコマンドが遊技情報コマンド領域にセーブされている場合に、先頭アドレスのコマンドをロードしたので、次のアドレスのコマンドをロードするためである。
次いで、ステップB427でコマンド送信数を「−1」更新(デクリメント)する。これは、ステップB422でコマンド送信数としてコマンド設定カウンタの値をコピーすることで、コマンド送信数が判明しているので、コマンド送信数を1つ減らすものである。
次いで、ステップB428でコマンド送信数が「0」になったか否かを判定し、「0」でなければ、ステップB424に戻り、ステップB424乃至ステップB428のル−プを繰り返す。そして、遊技情報コマンド領域にセーブされている複数のコマンドの全てがロードされて、遊技情報送信バッファに書き込まれると、ステップB428の判定結果がYESとなる。ステップB428の判定でコマンド送信数が「0」になると、続いてステップB431へ進む。
ステップB428からステップB431へ進む場合や前述したようにステップB430からステップB431へ進む場合には、ステップB431で遊技状態情報送信処理を行う。遊技状態情報送信処理は、遊技状態情報を遊技制御装置54から払出制御装置230へ暗号化通信で送信するものであり、詳細は図22で説明した通りである。次いで、ステップB432で主制御ID送信処理を行う。主制御ID送信処理は、主制御IDの送信要求(例えば、電源投入時、枠開放時、大当り時)がある場合に、主制御IDを送信するものであり、詳細は図23で説明した通りである。
ステップB431及びステップB432の処理を行うのは、コマンドの送信を同じ時期に遊技状態情報や主制御IDを払出制御装置1230へ送信するためである。
ステップB432を経ると、払出コマンド送信処理を終了してリターンする。
〔通信異常監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における通信異常監視処理(ステップB129)を図43により説明する。
通信異常監視処理は、遊技制御装置54と払出制御装置230との間の通信が断たれたような異常を監視するものである。
このルーチンが開始されると、まずステップB451で通信異常発生中であるか否かを判定する。通信異常発生中であるか否かは、通信異常フラグ(後述のステップB461でセットされる)の状態に基づいて判断する。
以下、5つに場合分けして説明する。
<正常時のルート(a)>
ステップB451で通信異常発生中でなければ、ステップB452に進み、入賞保護ウエイトタイマが「0」であるか否かを判定する。入賞保護ウエイトタイマは、通信タイムアウトが発生したときに、発射済みの球の入賞を保護するため等で規定時間待つために設けられており、例えば15秒間のウエイトを行うもので、その間は封入球の発射が停止される。
ステップB452で入賞保護ウエイトタイマが「0」であれば、ステップB453に分岐して通信タイムアウト発生か否かを判定する。通信タイムアウト発生は、遊技制御装置54と払出制御装置230との間の通信が、例えば所定時間中断すれば、通信タイムアウトと判断する。ステップB453で通信タイムアウト発生と判定しなければ、通信異常監視処理を終了してリターンする。したがって、このケースでは通信異常や通信タイムアウトが発生しておらず、かつ入賞保護ウエイトタイマが「0」であるので、通信が正常時の状態である。
この状態を正常時の処理ルートと言い、図43ではルート(a)で表記している。
すなわち、正常時のルート(a)はステップB451、ステップB452、ステップB453、RETというルートを経る。
<通信異常が発生したと認識した時(最初)のルート(b)>
ステップB452で入賞保護ウエイトタイマが「0」であり、ステップB453に分岐して通信タイムアウト発生か否かを判定した結果、通信タイムアウトが発生していれば、ステップB453からステップB454に進む。
ステップB454では入賞保護ウエイトタイマに初期値(例えば、15秒)をセットする。これは、通信タイムアウトが発生したときに、発射済みの球の入賞を保護するため等で初期値で設定された規定時間だけ封入球の発射を停止して待つためである。ステップB454を経ると、通信異常監視処理を終了してリターンする。
したがって、このケースでは通信タイムアウトが最初に発生して入賞保護ウエイトタイマに初期値をセットしたときである。
この状態を通信異常が発生したと認識した時(最初)の処理ルートと言い、図43ではルート(b)で表記している。
すなわち、通信異常が発生したと認識した時(最初)のルート(b)はステップB451、ステップB452、ステップB453、ステップB454、RETというルートを経る。
<入賞保護ウエイト中のルート(c)>
ステップB451で通信異常発生中でなく、ステップB452に進んだとき、ステップB452で入賞保護ウエイトタイマが「0」でなければ、ステップB455に進み、入賞保護ウエイトタイマを「−1」更新し、続くステップB456で入賞保護ウエイトタイマが「0」になったか否かを判定する。ステップB456で入賞保護ウエイトタイマが「0」でなければ、ステップB457に進んで認証完了か否かを判定する。これは、遊技機ID(ここでは、主制御ID及び払出IDの双方)を払出制御装置230経由でカードユニット15を介して第3者機関である外部管理装置91へ送り、そこで認証リストと照合し、照合結果OKが判明して認証が完了したかどうかを判定するものである。
ステップB457で認証完了でなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。一方、ステップB457で認証完了であれば、ステップB458でリカバリ完了か否かを判定する。これは、通信異常等で通信が断した場合に、リカバリ通信が完了したかどうかを判定するものである。リカバリ完了でなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。一方、ステップB458でリカバリ完了であれば、ステップB459で通信異常フラグをクリアするとともに、ステップB460で入賞保護ウエイトタイマを「0」クリアして通信異常監視処理を終了し、リターンする。
なお、通信タイムアウト発生や認証完了の判定は、例えばCPU111の内部ステータスレジスタの状態で判断する。また、リカバリ完了は例えばCPU111の内部レジスタに格納されるリカバリ通信完了通知フラグを用いて判断する。
したがって、このケースでは入賞保護ウエイト中という状態になる。この状態を入賞保護ウエイト中の処理ルートと言い、図43ではルート(c)で表記している。
すなわち、入賞保護ウエイト中のルート(c)はステップB451、ステップB452、ステップB455、ステップB456、ステップB457、ステップB458、ステップB459、ステップB460、RETというルートになる。
なお、入賞保護ウエイト中のルート(c)を実行中に、通信状態が正常に戻ったら通信異常から復帰することになる。通信異常から復帰する場合、通信異常フラグはクリアのまま変化しない。また、入賞保護ウエイトタイマは「0」になる。
<入賞保護ウエイト期間が終了したときのルート(d)>
ステップB451で通信異常発生中でなく、ステップB452に進んだとき、ステップB452で入賞保護ウエイトタイマが「0」でなければ、ステップB455に進み、入賞保護ウエイトタイマを「−1」更新し、続くステップB456で入賞保護ウエイトタイマが「0」になったか否かを判定する。このとき、ステップB456で入賞保護ウエイトタイマが「0」になっていれば、入賞保護ウエイト期間が終了したと判断してステップB461へ進む。ステップB461では通信異常フラグをセットする。通信異常フラグがセットされることにより、遊技が停止する。ステップB461を経ると、通信異常監視処理を終了し、ターンする。
したがって、このケースでは入賞保護ウエイト期間が終了したという状態になる。この状態を入賞保護ウエイト期間が終了したときの処理ルートと言い、図43ではルート(d)で表記している。なお、入賞保護ウエイトタイマは「0」のまま変化しない。
すなわち、入賞保護ウエイト期間が終了したときのルート(d)はステップB451、ステップB452、ステップB455、ステップB456、ステップB461、RETというルートになる。
<通信異常中の復帰確認ルート(e)>
ステップB451で通信異常発生中であれば、ステップB451からステップB457にジャンプし、ステップB457で認証完了か否かを判定する。ステップB457で認証完了でなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。ステップB457で認証完了すると、ステップB458でリカバリ完了か否かを判定し、リカバリ完了でなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。そして、ステップB458でリカバリ完了であれば、ステップB459で通信異常フラグをクリアするとともに、ステップB460で入賞保護ウエイトタイマを「0」クリアして通信異常監視処理を終了し、ターンする。
したがって、このケースではステップB451における通信異常発生中の判定処理を繰り返して、通信異常中の復帰を確認するという状態になる。この状態を通信異常中の復帰確認の処理ルートと言い、図43ではルート(e)で表記している。
すなわち、通信異常中の復帰確認のルート(e)はステップB451、ステップB457、ステップB458、ステップB459、ステップB460、RETというルートになる。なお、このルート(e)にはステップB457やステップB458からNOに抜けてリターンする場合も含まれる。
そして、通信異常中の復帰確認ルート(e)を実行中に、ステップB451で通信異常発生中でないと判定されると、通信異常から復帰したので、ステップB451からステップB452に進み、以後、上述したような正常時のルート(a)と同じルートの処理を実行する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前記タイマ割込処理における特図ゲーム処理(ステップB120)を図44により説明する。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ120及び第2始動口スイッチ121の入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理では、まず、ステップB501で第1始動口スイッチ120及び第2始動口スイッチ121の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口25、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置26に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップB501)の詳細については後述する。
次いで、ステップB502で大入賞口スイッチ監視処理を行う。これは、第1変動入賞装置27内に設けられた下カウントスイッチ124や第2変動入賞装置34内に設けられた上カウントスイッチ125での遊技球の検出を監視する処理を行うものである。
次いで、ステップB503では、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0であるかを判定する(ステップB504)。特図ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップB504;YES)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップB505)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップB506)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップB507)、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップB508)を行う。
特図ゲーム処理タイマは、後述する処理番号による分岐後の各処理(ステップB509〜B515:処理番号=0乃至処理番号=6に相当)において、それぞれ所定の値にタイマ値が設定されるものであり、この特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたときにステップB509以降を実行すべきタイミングになるように設定される。これにより、ステップB503を実行した時点で、ステップB505以降を実行すべきタイミングになっていると、ステップB504の判定結果が肯定的になり、ステップB505以降(ステップSB516〜B519含む)が実行される。そして、ステップB503を実行した時点で、ステップB505〜B515を実行すべきタイミングでない場合には、ステップB504の判定結果が否定的になり、ステップB516〜B519のみが実行される構成となっている。
ステップB508における処理番号における分岐では、処理番号0でステップB509(特図普段処理)へ、処理番号1でステップB510(特図変動中処理)へ、処理番号2でステップB511(特図表示中処理)へ、処理番号3でステップB512(ファンファーレ/インターバル中処理)へ、処理番号4でステップB513(大入賞口開放中処理)へ、処理番号5でステップB514(大入賞口残存球処理)へ、処理番号6でステップB515(大当り終了処理)へ進む。なお、客待ち状態(デモ中)は、処理番号0である。
処理番号における分岐の具体的内容は、以下の通りである。
ステップB509(特図普段処理)では、特図保留数(特図変動表示ゲーム未実施で保留になっている特図始動記憶の数)がゼロで特図変動表示ゲームを実行中でないときには、客待ち状態の表示を表示装置41で行うための処理を行う。また、この特図普段処理では、次の特図変動表示ゲームを開始するための処理(特図変動開始処理)を行う。この特図変動開始処理では、特図1及び特図2の始動記憶を監視し、何れかの特図始動記憶があれば、対応する変動表示(第1又は第2変動表示)を開始するための設定(演出制御装置54に送信する変動パターンコマンドの設定など)を実行し、処理番号を1とした後にリターンする。特図保留数がゼロで次の特図変動表示ゲームを実行しない場合には、そのまま(処理番号は0のまま)リターンする。
次に、ステップB510(特図変動中処理)では、特図変動開始処理で設定された変動時間が経過するまで、特図を変動表示させるための処理が行われる。そして、前記変動時間が経過すると、特図の図柄を停止させるコマンド(図柄停止コマンド)を演出制御装置53に送信する処理を実行した後、処理番号を2としてリターンする。
また、ステップB511(特図表示中処理)では、特図の変動表示結果を一定時間(1秒〜2秒)表示するための処理を行う。また、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。そして、大当りなら処理番号を3とし、はずれなら処理番号を0としてリターンする。
次に、ステップB512(ファンファーレ/インターバル中処理)では、大当り直後にはファンファーレ音等をスピーカ12a等から出力するファンファーレ処理を実行し、大当りのインターバル期間にはインターバル期間の表示等を実現するためのインターバル処理を実行し、第1変動入賞装置27の大入賞口開放を開始するタイミングで処理番号を4にする。また、ここでは大入賞口(単に、大入賞口とあるときは第1大入賞口27aや第2大入賞口34aを含む。以下、同様)の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
次に、ステップB513(大入賞口開放中処理)は、第1変動入賞装置27の第1大入賞口27aや第2変動入賞装置34の第2大入賞口34aを開放している間の処理である。また、ここでは大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う。大入賞口開放が終了すると、処理番号を5にする。
次に、ステップB514(大入賞口残存球処理)では、大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う。具体的には、例えば大入賞口開放終了の間際に第1変動入賞装置27の大入賞口27a(第2変動入賞装置34の第2大入賞口34aについても同様)に入った遊技球を確実にカウントするために一定時間待機する処理を行い、この一定時間が経過した後に、大当りのラウンドが残っているときには処理番号を3にし、大当りのラウンドが残っていないときには処理番号を6としてリターンする。
次に、ステップB515(大当り終了処理)では、大当たり終了後に特図普段処理B509を実行するための処理を行い、処理番号を0に戻してリターンする。
次に、処理番号に応じた上記何れかの処理が終了すると、ステップB516に進み、特図1の一括表示装置35での表示(本特図1の表示)を制御するためのテーブル(特図1変動制御テーブル)を準備し、次のステップB517では、この本特図1の変動表示のための制御処理(図柄変動制御処理)を行う。
次いでステップB518に進み、特図2の一括表示装置35での表示(本特図2の表示)を制御するためのテーブル(特図2変動制御テーブル)を準備し、次のステップB519では、この本特図2の変動表示のための制御処理(図柄変動制御処理)を行い、その後リターンする。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップB501)を図45により説明する。
始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動入賞口25(第1始動口)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップB521)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップB522)を行う。なお、ステップB522における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップB526における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置26)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置26が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップB523)、普通電動役物が作動中である(ステップB523;YES)と判定すると、処理をステップB525に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップB523にて、普通電動役物が作動中でない(ステップB523;NO)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップB524)。普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置26への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。
普通変動入賞装置26は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップB524にて、普電不正発生中でない(ステップB524;NO)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置26)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップB525)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップB526)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップB524にて、普電不正発生中である(ステップB524;YES)と判定された場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップB522、B526)を図46により説明する。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動口スイッチ120や第2始動口スイッチ121の入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
特図始動口スイッチ共通処理では、まず、第1始動口スイッチ120及び第2始動口スイッチ121のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ120等)に入力があるか否かをチェックして(ステップB531)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップB531;NO)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップB531にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップB531;YES)と判定すると、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップB532)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップB532;NO)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップB532;YES)は、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップB533)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップB534)。
続けて、第1始動口スイッチ120及び第2始動口スイッチ121のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ120等)への入賞の回数に関する情報がパチンコ機1の外部のカード管理装置81やホールコンピュータ86に対して出力する回数(始動口信号出力回数)(あと何回出力しなければならないという回数)をロードする(ステップB535)。そして、ロードした値(始動口信号出力回数)を更新(+1)して(ステップB536)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップB537)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップB537;NO)は、更新後の値をRAMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップB538)、処理をステップB539に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップB537;YES)は、ステップB538をジャンプしてステップB539に移行する。
そして、ステップB539にて、第1始動口スイッチ120及び第2始動口スイッチ121のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ120等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かを判定する処理を行う。
ステップB539にて、特図保留数が上限値未満である(ステップB539;YES)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップB542)を行った後、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップB543)、演出コマンド設定処理(ステップB544)を行う。
続けて、監視対象の始動口スイッチに対応する特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出し(ステップB545)、大当り乱数をRAMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップB546)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップB547)、RAMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップB548)。さらに、変動パターン乱数1から3を抽出して各乱数に対応するRAMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップB549)。そして、特図保留情報判定処理(ステップB550)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置54(RAM113)は、始動入賞口25や普通変動入賞装置26の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置54)は、第1始動入賞口(始動入賞口25)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置26)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
一方、ステップB539にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップB539;NO)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(ステップB540)、演出コマンド設定処理(ステップB541)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップB550)を図47により説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
特図保留情報判定処理では、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかを判定し(ステップB561)、満たしていない場合(ステップB561;NO)は、特図保留情報判定処理を終了する。また、満たしている場合(ステップB561;YES)は、以下の先読み演出に関する処理を行う。
ここで、先読み演出を実行してよい条件としては、以下の通りである。
・特図1:普通変動入賞装置26がサポート中(普電サポート中)以外、かつ大当り中以外
・特図2:条件なし(常時実行してよい)
このような条件を満たすときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うことになる。
先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップB561;YES)に行われる先読み演出に関する処理では、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップB562)を行う。大当り判定処理は、始動入賞のタイミングで抽出した乱数が大当りの範囲内にあるかどうかで大当りと判定するもので、大当り判定のときは大当りフラグ領域に大当り情報がセーブされることになる。
そして、判定結果が大当りである場合(ステップB563;YES)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定する(ステップB564)。
ここで、大当り図柄乱数チェックテーブル上に定義されている情報には、以下のものがある。
・乱数の判定値(振り分け率を表す)
・判定値に対応する停止図柄パターン
次いで、大当り図柄乱数をチェックして対応する大当り停止図柄パターンを取得して(ステップB565)、停止図柄パターンを先読み停止図柄パターン領域にセーブする(ステップB567)。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップB563;NO)は、はずれ停止図柄パターンを設定し(ステップB566)、停止図柄パターンを先読み停止図柄パターン領域にセーブする(ステップB567)。
その後、対象の始動口スイッチ及び停止図柄パターンに対応する先読み図柄コマンドを準備し(ステップB568)、演出コマンド設定処理を行う(ステップB569)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップB570)を行い、対象の始動口スイッチに対応する後半変動パターン設定情報テーブルを準備し(ステップB571)、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップB572)。
そして、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップB573)、演出コマンド設定処理を行い(ステップB574)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップB570における特図情報設定処理、ステップB572における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置53に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置53に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置53が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置54)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップB502)を図48により説明する。
大入賞口スイッチ監視処理では、まず、大入賞口(第1変動入賞装置27の第1大入賞口27a又は第2変動入賞装置34の第2大入賞口34a)が作動中であるか否かを判定する。大入賞口が作動中とは、大入賞口が開放中と、大入賞口が閉じた後の残存球処理中の期間を含むものである。大入賞口が作動中でなければ(ステップB581;NO)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、大入賞口が作動中であれば(ステップB581;YES)、ステップB582に進み、大入賞口1(第1大入賞口27aのこと。以下、同様)が開放しているか否かを判定する。大入賞口1が開放していれば、ステップB583で一のラウンドの終了時に行われる大入賞口残存球処理中か否かを判定する。これは、残存球処理中における大入賞口1への入賞については監視を行わないようにするために、大入賞口残存球処理中であるかを判定するものである。大入賞口残存球処理中であれば、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップB583で大入賞口残存球処理中でなければ、ステップB584に進み、大入賞口1スイッチ(下カウントスイッチ124のこと。以下、同様)に入力ありか否かを判定する。大入賞口1スイッチに入力がなければ、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
大入賞口1スイッチに入力があれば、ステップB585で大入賞口カウント数を「+1」更新する。ここでは、大入賞口1スイッチに入力がある場合であるから、大入賞口カウント数は大入賞口1への入賞数をカウントすることになる。大入賞口カウント数は、大入賞口の一のラウンドの開放で入った球を数えるためのものである。
次いで、ステップB586で大入賞口1カウントコマンドを準備し、ステップB587で演出コマンド設定処理を行う。これは、大入賞口1が開放することにより入賞がある場合に、大入賞口1入賞による演出を行うためである。これにより、大入賞口1カウントコマンドが演出制御装置53に送信されて表示装置41の画面で大入賞口1入賞の演出が行われる。
ステップB587を経ると、ステップB593に進む。
一方、ステップB582で大入賞口1が開放していなければ、ステップB588に分岐し、大入賞口2スイッチ(上カウントスイッチ125のこと。以下、同様)に入力ありか否かを判定する。大入賞口2スイッチに入力がなければ、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。大入賞口2スイッチに入力があれば、ステップB589に進み、大入賞口残存球処理中か否かを判定する。
大入賞口残存球処理中であれば、ステップB591にジャンプする。一方、ステップB589で大入賞口残存球処理中でなければ、ステップB590に進み、大入賞口カウント数を「+1」更新する。ここでは、大入賞口2スイッチに入力がある場合であるから、大入賞口カウント数は大入賞口2への入賞数をカウントすることになる。次いで、ステップB591で大入賞口2カウントコマンドを準備し、ステップB592で演出コマンド設定処理を行う。これは、大入賞口2が開放することにより入賞がある場合に、大入賞口2入賞による演出を行うためである。これにより、大入賞口2カウントコマンドが演出制御装置53に送信されて表示装置41の画面で大入賞口2入賞の演出が行われる。
なお、大入賞口2スイッチに入力がある場合には、残存球処理中でも大入賞口スイッチ監視処理を終了せず、ステップB590に進むルートとなり、大入賞口1スイッチに入力がある場合と異なっている。すなわち、大入賞口2の場合は、入賞による演出を行うために大入賞口残存球処理中であっても大入賞口2カウントコマンドを送信するようになっている。ただし、大入賞口カウント数は更新をしない。
ステップB592を経ると、ステップB593に進む。
ステップB587やステップB592を経てステップB593に進むと、ステップB593では大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数:例えば10個)以上となったかを判定する。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップB593;NO)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップB593;YES)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップB594)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアする(ステップB595)。そして、大当り中制御ポインタ上限値領域からポインタをロードし(ステップB596)、ロードしたポインタを大当り中制御ポインタ領域にセーブして(ステップB597)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。ステップB596、ステップB597の処理は、大入賞口カウント数が上限値以上になったことに基づき、大入賞口を閉じるための処理を行うものである。これにより、大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップB509)の詳細について図49により説明する。
特図普段処理では、まず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップB601)。
特図2保留数が0である(ステップB601;YES)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるかを判定する(ステップB606)。そして、特図1保留数が0である(ステップB606;YES)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップB611)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップB611;NO)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(ステップB612)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップB613)、演出コマンド設定処理(ステップB614)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップB615)を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップB611にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップB611;YES)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップB615)を行って、特図普段処理を終了する。なお、特図普段処理移行設定処理1(ステップB615)の詳細は図50で後述する。
一方、ステップB601にて、特図2保留数が0でない場合(ステップB601;NO)は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップB602)、演出コマンド設定処理(ステップB603)を行う。次に、特図2変動開始処理(ステップB604)を行い、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップB605)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップB606にて、特図1保留数が0でない場合(ステップB606;NO)は、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップB607)、演出コマンド設定処理(ステップB608)を行う。次に、特図1変動開始処理(ステップB609)を行い、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップB610)を行って、特図普段処理を終了する。
なお、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップB607、B602)を行う時点では特図変動表示ゲームの開始に基づく保留数の減算は行われておらず、現在の特図1保留数又は特図2保留数から−1した特図1保留数又は特図2保留数に対応する保留数コマンドを準備している。実際に特図1保留数又は特図2保留数を−1更新する処理は特図1変動開始処理(ステップB609)又は特図2変動開始処理(ステップB604)における変動開始情報設定処理(図59参照)のステップB751で行われる。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(ステップB604)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置54が、第2始動記憶手段(遊技制御装置54)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
また、実施例1では図柄の変動開始時の遊技制御装置54から演出制御装置53にコマンドを送信する際の送信順序が保留数、停止図柄、変動パターンという順番になる。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図普段処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップB615)の詳細について図50により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップB621で処理番号として「0」を設定(例えば、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備して当該テーブルに特図普段処理に係る処理番号「0」を設定)し、ステップB622で特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする。
次いで、ステップB623で変動図柄判別フラグ領域をクリアし、ステップB624で大入賞口1不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし、ステップB625で大入賞口2不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする。これは、上下に大入賞口(第1変動入賞装置27、第2変動入賞装置34)があることから、各大入賞口に対応する不正監視期間フラグ領域にそれぞれ不正監視期間中フラグをセーブするものである。ステップB625を経ると、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
これにより、特図普段処理に移行するための各種データ、例えば特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し、各大入賞口不正監視期間を規定するそれぞれのフラグ(各大入賞口不正監視情報)を設定する処理が行われる。
〔特図1変動開始処理1〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理1(ステップB609)の詳細について図51により説明する。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図51に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップB631)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップB632)を行う。なお、ステップB632における大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップB633)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップB634)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップB635)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップB636)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップB637)を行い、さらに、払出用遊技状態コマンド領域の変動中情報をセット(ステップB638)して、特図1変動開始処理を終了する。ステップB638の処理により、特図1の変動中という遊技状態情報が払出制御装置230へ送られることになる。
なお、ステップB633における特図1停止図柄設定処理、ステップB634における
特図情報設定処理、ステップB636における変動パターン設定処理、ステップB637における変動開始情報設定処理の詳細については後述する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理1における大当りフラグ1設定処理(ステップB632)の詳細について図52により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB641で大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする。大当り判定前には、予めはずれの情報をセットしておくためである。次いで、ステップB642でRAMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備する。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップB643)を行う。これは、今回、抽出した特図1に対応する大当り乱数が大当りの範囲(大当り下限判定値と上限判定値の間にある値:大当り判定値と一致)にあるかどうかをチェックするもので、大当りの範囲内にあれば、大当りと判断できる(詳細ルーチンは後述)。
ステップB643のチェック結果はステップB644で判定し、判定結果が大当り(YES)であれば、ステップB645に進み、ステップB641にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし、大当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、ステップB644でNOのとき(はずれのとき)には、大当りフラグ1設定処理を終了する。したがって、このときは、大当りフラグ1にはずれ情報がセーブされた状態で処理を終わり、大当りフラグ1は設定されない。
〔大当り判定処理〕
次に、上述の大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップB643)の詳細について図53により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB651で大当り判定用の下限判定値を設定する処理を行う。その後、ステップB652で対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かをチェック、つまり、図52のステップB642で読み込んだ大当り乱数の値が、当該大当り乱数の当り判定値の下限値未満であるかをチェックする。
なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
ステップB652で大当り乱数の値が下限判定値未満であると判定すると、ステップB657に分岐し、判定結果としてはずれを設定し、リターンする。
一方、ステップB652で大当り乱数の値が下限判定値未満でなければ、ステップB653に進んで、高確率中か否かを判定する。これは、確率変動により大当り確率が高い状態にあるかどうかを判定するもの、すなわち、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態(確率変動状態)となっているか否かを判定するものである。高確率中であれば、ステップB654で高確率中における大当り判定用の上限判定値を設定する処理を行い、その後、ステップB656に進む。
また、ステップB653で高確率中でないと判定すると、ステップB655に分岐し、低確率中における大当り判定用の上限判定値を設定する処理を行い、その後、ステップB656に進む。
このようにして、高確率中と低確率中の上限判定値が設定された場合、対象の大当り乱数の値が下限判定値と上限判定値で挟まれた間(ゾーン)にあれば、大当りと判断できることになる。
そのため、ステップB656では対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか(上限判定値を超えたか)否かをチェックし、ステップB656で大当り乱数の値が上限判定値より大きいと判定(ステップB656;YES)すると、大当りではないと判断できるので、ステップB657に進んで判定結果としてはずれを設定し、リターンする。
一方、ステップB656で対象の大当り乱数の値が上限判定値以下である(上限判定値を超えていない)と判定(ステップB656;NO)すると、対象の大当り乱数の値が下限判定値と上限判定値で挟まれた間(ゾーン)にあらから、大当りと判断して、ステップB658で判定結果として大当りを設定してリターンする。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理1における特図1停止図柄設定処理(ステップB633)の詳細について図54により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB661で大当りフラグ1が大当りか(大当り情報がセーブされているか)どうかをチェックし、大当りである場合(ステップB661;YES)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップB662)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定する(ステップB663)。
ここで、特図1大当り図柄テーブル上に定義されている情報としては、以下のものがある。
・乱数の判定値(振り分け率を示す)
・判定値に対応する停止図柄番号
続けて、ステップB664に進み、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域にセーブする。この処理により特別結果の種類が選択される。停止図柄番号とは、特図表示器(ここでは、一括表示装置35における7セグメントの特図1表示器)での停止図柄を設定するものである。
その後、大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップB665)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステップB666)。停止図柄パターンとは、表示装置41での停止図柄の種別(はずれ、16R確変、11R確変、2R確変、11R通常など)を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得して確率変動判定フラグ領域にセーブする(ステップB667)。確率変動判定フラグは特別遊技状態の終了後の確率状態を設定するためのものである。
さらに、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップB668)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップB669)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップB672)。
一方、ステップB661で大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップB661;NO)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップB670)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップB671)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップB672)。
飾り特図コマンドは、例えば11種類あり、この種類の違いにより演出制御装置53における特図種別が判別できるようになっている。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップB673)、演出コマンド設定処理(ステップB674)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置53に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB675)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB676)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図情報設定処理(ステップB634)の詳細について図55により説明する。
特図情報設定処理では、まず、特図時短中(時短状態)であるかを判定する(ステップB681)。
ここで、時短とは例えば大当たり終了後、特図や普図の変動時間を通常よりも短縮し、時間効率を高めるとともに、普図当たり確率を高めて普通電動役物(普電)(第2始動入賞口26)の開放(普電の開放時間を通常よりも長くすることも含む)による始動口への入賞のサポート(つまり、普電サポート)を行うことであり、そのうち、特図時短は特図に関してのものであり、特図の変動時間を短縮し、かつ普電サポートを行う状態である。
特図時短中でない場合(ステップB681;NO)は、通常時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(ステップB682)。また、特図時短中である場合(ステップB681;YES)は、時短時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(ステップB683)。ステップB682を経ると、ステップB684に進む。また、ステップB683を経た場合もステップB684に進む。
そして、ステップB684に進むと、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数をロードし、その後、特図保留数に対応する変動パターン選択グループ情報を取得して変動振分情報1領域にセーブする(ステップB685)。これにより、変動振分情報1領域には、変動を開始する特図の種別(特図1又は特図2)と、当該特図の種別についての始動記憶数に関する情報である保留数情報と、時短状態か否かの情報を含む遊技状態情報とから求められる変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は後に変動グループを選択するために用いられる。
なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、振分ベースポインタテーブルを設定し(ステップB686)、停止図柄パターンに対応する振分ベースポインタを取得する(ステップB687)。さらに、取得したポインタに演出モード番号を加算し(ステップB688)、加算後の値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップB689)、特図情報設定処理を終了する。
これにより、変動振分情報2領域には、停止図柄パターン情報と、演出モード情報とからとから求められる変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は後に変動グループを選択するために用いられる。なお、演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップB636)の詳細について図56により説明する。
なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップB701)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備する(ステップB702)。そして、演出モード番号が2未満(0又は1の何れか)であるかを判定する(ステップB703)。
演出モード番号が2未満でない場合(ステップB703;NO)は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを判定する(ステップB704)。これは、保留数によって振分が異なるパターン(モード)か否かを判定するものである。
次いで、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(ステップB704;NO)は、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップB707)。
一方、演出モード番号が2未満である場合(ステップB703;YES)や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合(ステップB704;YES)は、ステップB702で準備したテーブルから変動振分情報1に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップB705)。ステップB705の処理は、保留数によって振分が異なるパターン(モード)であった場合に行うものである。
次に、取得したアドレスを後半変動グループのアドレスとして準備し(ステップB706)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップB707)。
演出モード番号が2未満である場合や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合は、始動記憶数に関する情報である保留数情報から求められた変動振分情報1も加味してアドレスを取得することで、始動記憶数によって変動パターンの選択態様が異なるようにされている。
その後、2バイト振分処理(ステップB708)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップB709)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(ステップB710)。そして、振り分け処理(ステップB711)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップB712)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップB713)、変動振分情報1と2(決定された後半変動番号を含む)を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップB714)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(ステップB715)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備する(ステップB716)。その後、振り分け処理(ステップB717)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(ステップB718)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップB708)の詳細について図57により説明する。
2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、変動パターン設定処理にて準備した後半変動グループテーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるかをチェックする(ステップB721)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)のような場合には、振分けの必要がないため、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップB722;YES)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップB727)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップB722;NO)は、後半変動グループテーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップB723)。
続けて、変動パターン設定処理のB707にてロードされた乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップB723にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップB724)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップB725)。新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップB725;NO)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップB726)、処理をステップB723に移行して、それ以降の処理を行う。即ち、ステップB723にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップB725にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(ステップB724)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップB725)。
上記の処理をステップB725にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップB72;YES)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルに規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップB725にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップB725;YES)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップB727)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、上述の変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップB711、B717)の詳細について図58により説明する。
振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、準備された後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるか否かをチェックする(ステップB731)。ここで、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルは、後半変動グループテーブルと同様に、少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップB732;YES)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップB737)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップB732;NO)は、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップB733)。
続けて、変動パターン設定処理のステップB710やB716にてロードされた乱数値(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップB733にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(ステップB734)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップB735)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップB735;NO)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップB736)、処理をステップB733に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、ステップB733にて、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、ステップB735にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(ステップB734)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップB735)。上記の処理をステップB735にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップB735;YES)と判定するまで実行する。これにより、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンの中から何れか一の後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、ステップB735にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップB735;YES)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップB737)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動開始情報設定処理理(ステップB637)の詳細について図59により説明する。
変動開始情報設定処理では、まず、対象となる変動パターン乱数1〜3のRAMの乱数格納領域をクリアした後(ステップB741)、変動パターン設定処理にて取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値テーブルの値を取得する処理(ステップB742)を行い、続けて、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する処理(ステップB743)を行い、さらに、後半変動パターン設定処理にて取得された後半変動番号に対応する後半変動時間値テーブルを設定する処理(ステップB744)を行う。
次に、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する処理(ステップB745)を行い、続けて、取得された前半変動時間値と後半変動時間値とを加算する処理(ステップB746)を行った後、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB747)。
続けて、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備した後(ステップB748)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップB749)、演出コマンド設定処理(ステップB750)を行う。
次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新し(ステップB751)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定して(ステップB752)、乱数格納領域をシフトし(ステップB753)、シフト後の空き領域を0クリアする(ステップB754)。
その後、特図変動表示ゲームの結果を表示する停止時間の延長に関する処理として、まず、停止延長情報領域をクリアする(ステップB755)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであり(ステップB756;YES)、演出モード番号が3であり(ステップB757;YES)、当該演出モードでの残り回転数(ゲーム数)が1である場合(ステップB758;YES)は、特図高確率(高確率状態)中であるかを判定する(ステップB759)。
特図高確率中でない場合(ステップB759;NO)は、停止延長情報1を停止延長情報領域にセーブし(ステップB760)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(ステップB762)、演出コマンド設定処理(ステップB763)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより、停止時間が通常特図表示時間(通常停止時間)よりも延長された特図延長表示時間1(第1延長停止時間)に設定される。
また、特図高確率中である場合(ステップB759;YES)は、停止延長情報2を停止延長情報領域にセーブし(ステップB761)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(ステップB76)、演出コマンド設定処理(ステップB763)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより、停止時間が通常特図表示時間よりも延長された特図延長表示時間2(第2延長停止時間)に設定される。
一方、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(ステップB756;NO)や、演出モード番号が3でない場合(ステップB757;NO)、演出モード3での残り回転数(ゲーム数)が1でない場合(ステップB758;NO)は、変動開始情報設定処理を終了する。この場合は停止時間の延長が設定されず、通常停止時間が設定される。
このように、特図変動表示ゲームの停止時間は、当該特図変動表示ゲームの結果や特定回転数であるか否か、演出モードの状態に基づき、当該特図変動表示ゲームの開始時に設定が行われるようになっている。これにより、例えば変動時間と停止時間とで連続する演出を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置54が、始動記憶手段(遊技制御装置54)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置54が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置53に送信され、演出制御装置53では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置53に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置53での処理を効率よく進めることができる。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップB604)の詳細について図60により説明する。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図51に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
ルーチンが開始すると、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップB771)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップB772)を行う。なお、ステップB772における大当りフラグ2設定処理の詳細については後述する。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップB773)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップB774、図55参照)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップB775)。その後、第2特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップB776、図56参照)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップB777、図59参照)を行い、さらに、払出用遊技状態コマンド領域の変動中情報をセット(ステップB778)して、特図2変動開始処理を終了する。ステップB778の処理により、特図2の変動中という遊技状態情報が払出制御装置1230へ送られることになる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップB772)の詳細について図61により説明する。
この処理は、図52に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。この大当りフラグ2設定処理では、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップB781)。大当り判定前には、予めはずれの情報をセットしておくためである。次に、RAMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備する(ステップB782)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップB783、図53参照)を行う。これは、今回、抽出した特図2に対応する大当り乱数が大当りの範囲(大当り下限判定値と上限判定値の間にある値:大当り判定値と一致)にあるかどうかをチェックするもので、大当りの範囲内にあれば、大当りと判断できる。
そして、大当り判定処理(ステップB783)の判定結果が大当りである場合(ステップB784;YES)は、ステップB781にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップB785)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップB783)の判定結果が大当りでない場合(ステップB784;NO)は、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。したがって、このときは、大当りフラグ2にはずれ情報がセーブされた状態で処理を終わり、大当りフラグ2は設定されない。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップB773)の詳細について図62により説明する。
この処理は、図54に示した特図1停止図柄設定処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
ルーチンが開始すると、ステップB801で大当りフラグ2が大当りか(大当り情報がセーブされているか)どうかをチェックし、大当りである場合(ステップB801;YES)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップB802)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定する(ステップB803)。
ここで、特図2大当り図柄テーブル上に定義されている情報としては、以下のものがある。
・乱数の判定値(振り分け率を示す)
・判定値に対応する停止図柄番号
続けて、ステップB804に進み、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図2停止図柄番号領域にセーブする。この処理により特別結果の種類が選択される。停止図柄番号とは、特図表示器(ここでは、一括表示装置35における7セグメントの特図2表示器)での停止図柄を設定するものである。
その後、大当り停止図柄情報テーブルを設定し(ステップB805)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(ステップB806)。停止図柄パターンとは、表示装置41での停止図柄の種別(はずれ、16R確変、11R確変、2R確変、11R通常など)を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得して確率変動判定フラグ領域にセーブする(ステップB807)。確率変動判定フラグは特別遊技状態の終了後の確率状態を設定するためのものである。
さらに、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップB808)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップB809)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップB812)。
一方、ステップB801で大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップB801;NO)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップB810)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップB811)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップB812)。
飾り特図コマンドは、例えば11種類あり、この種類の違いにより演出制御装置53における特図種別が判別できるようになっている。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップB813)、演出コマンド設定処理(ステップB814)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置53に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB815)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB816)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
上記の特図1停止図柄設定処理及び特図2停止図柄設定処理により、遊技制御装置54が、第1始動入賞口(始動入賞口25)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置26)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置54が、判定手段(遊技制御装置54)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図1)〕
次に、上述の特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップB610)の詳細について図63により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB821で処理番号として「1」(特図変動中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップB822で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「1」)をセーブする。次いで、ステップB823で客待ちデモフラグ領域をクリアし、ステップB824で特図1変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。
次いで、ステップB825で特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし、ステップB826で特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(一括表示装置35の中のLEDセグメントである特図1表示器の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、200ms)をセーブしてルーチンを終了する。
このようにして、特図1に関して特図変動中処理に移行するための処理が行われる。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図2)〕
次に、上述の特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップB605)の詳細について図64により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB831で処理番号として「1」(特図変動中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップB832で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「1」)をセーブする。次いで、ステップB833で客待ちデモフラグ領域をクリアし、ステップB834で特図2変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。
次いで、ステップB835で特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし、ステップB836で特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(一括表示装置35の中のLEDセグメントである特図2表示器の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば、200ms)をセーブしてルーチンを終了する。
このようにして、特図2に関して特図変動中処理に移行するための処理が行われる。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップB510)の詳細について図65により説明する。
特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグに対応する図柄停止コマンドを準備し(ステップB841)、演出コマンド設定処理(ステップB842)を行う。これにより、図柄停止コマンドが演出制御装置53へ送られることになる。
次いで、停止延長情報(停止延長情報1又は2)があるかを判定する(ステップB843)。停止延長情報がない場合(ステップB843;NO)は、通常特図表示時間(例えば600ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB844)、図柄停止回数カウンタを「+1」更新する(ステップB847)。図柄停止回数カウンタは、一巡しても「0」には戻さず、上限値で留める。次いで、特図表示中処理移行設定処理(ステップB848)を行って、特図表示中処理を終了する。
また、停止延長情報がある場合(ステップB843;YES)は、停止延長情報1であるかを判定する(ステップB845)。停止延長情報1である場合(ステップB845;YES)は、特図延長表示時間1(例えば3500ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB846)、図柄停止回数カウンタを「+1」更新(ステップB847)した後、特図表示中処理移行設定処理(ステップB848)を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、停止延長情報1でない場合(ステップB845;NO)、すなわち停止延長情報2である場合は、特図延長表示時間2(例えば14300ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB849)、図柄停止回数カウンタを「+1」更新(ステップB847)した後、特図表示中処理移行設定処理(ステップB848)を行って、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置54が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
上記のように特図表示時間は、例えば以下のように制御される。
・通常特図表示時間:600ms
・特図延長表示時間1:3500ms
・特図延長表示時間2:14300ms
このように特図変動中処理においては、大当りの当否や後半変動番号ではなく、特図の変動開始時に設定されている停止延長情報(当該ゲームの当否や特定回転数、演出モード状態等により設定)を基に停止後の表示時間を決定している。
なお、図65は図柄停止コマンドを演出制御装置53へ送る方式を示しているが、これに限らず、例えば図柄停止コマンドを演出制御装置53へ送らない方式でもよい。これは、図柄変動時間は変動パターンにより決まっているので、演出制御装置53にて定められた時間が経過した時点で図柄を停止制御することができるからである。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
次に、上述の特図変動中処理における特図表示中処理移行設定処理(ステップB847)の詳細について図66により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB851で処理番号として「2」(特図表示中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップB852で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「2」)をセーブする。次いで、ステップB853で特図1変動終了処理に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし、ステップB854で特図2変動終了処理に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。
次いで、ステップB855で特図1変動制御フラグ領域に特図1表示器(一括表示装置35の中のLEDセグメントである特図1表示器)における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として特図1表示器での変動停止に係る停止フラグをセーブし、ステップB856で特図2変動制御フラグ領域に停止フラグをセーブしてルーチンを終了する。
このようにして、特図表示中処理に移行するための処理が行われる。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップB511)の詳細について図67により説明する。
特図表示中処理では、まず、特図2変動開始処理1における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップB861)、RAMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップB862)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2が大当りかをチェックして(ステップB863)、大当りである(ステップB863;YES)と判定すると、ステップB868にジャンプしてRAMの大当りフラグ1領域をクリアする処理を行い、次いで、ステップB869で特図2大当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし、ステップB870に処理を移行する。
一方、ステップB863にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップB863;NO)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップB864)、RAMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップB865)を行う。
続けて、ロードされた大当りフラグ1が大当りかをチェックして(ステップB866)、大当りである(ステップB866;YES)と判定すると、特図1大当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB867)、ステップB870に処理を移行する。
また、ステップB866で大当りでない(NO)と判定すると、ステップB887に処理を移行する。このときは、以後に時短の有無を判断して処理を進めることになる。
さて、上述したステップB867における特図1大当りに関する試験信号のセーブ、或いは、ステップB869における特図2大当りに関する試験信号のセーブの後、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップB870)を行う。
次いで、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、ラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(ステップB871)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップB872)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRAMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップB873)、演出コマンド設定処理(ステップB874)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る低確率時の確率情報コマンドを準備して(ステップB875)、演出コマンド設定処理(ステップB876)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップB877)、演出コマンド設定処理(ステップB878)を行う。
次に、大入賞口開放情報に対応するコマンドを払出用遊技状態コマンド領域にセーブする(ステップB879)。これにより、大入賞口開放という遊技状態情報が払出制御装置230へ送信されることになる。続いて、大当り開始に関するコマンドを払出用遊技状態コマンド領域にセーブする(ステップB880)。これにより、大当り開始という遊技状態情報が払出制御装置230へ送信されることになる。
このとき、遊技状態情報については、確変中、時短中に関する情報、図柄変動中に関する情報が消え、大当り中であるという情報がオンすることになる。
次に、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(例えば6000ms又は48ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB881)。そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(第1変動入賞装置27又は第2変動入賞装置34)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップB882)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップB883)。
次に、特図ゲームモードフラグをロードし(ステップB884)、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域へセーブする(ステップB885)。これにより、特別結果が発生した際における確率状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
その後、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するための各種データを設定する移行設定処理1(ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1)(ステップB886)を行い、特図表示中処理を終了する。
具体的には、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行って、特図変動中処理を終了する。
ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(高確率報知LED)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置53に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、上記ステップB866にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップB866;NO)は、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップB887)にジャンプする。次いで、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数更新処理(ステップB888)を行う。その後、払出用遊技状態コマンド領域の変動中情報をクリアする(ステップB889)。このとき、遊技状態情報については、図柄変動中に関する情報が消え、確変中、時短中に関する情報は現在の確率状態に対応する情報が保持されることになる。次いで、特図普段処理に移行するための各種データを設定する特図普段処理移行設定処理1(ステップB890、図50参照)、具体的には、当該テーブルに特図普段処理に係る処理番号「0」等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップB886)の詳細について図68により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB901で処理番号として「3」(ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップB902で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「3」)をセーブする。次いで、ステップB903で高確率&時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。
次いで、ステップB904に進み、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし、続くステップB905で遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし、ステップB906で普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする。
次いで、ステップB907で変動図柄判別フラグ領域をクリアし、ステップB908で高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアし、ステップB909で特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし、ステップB910で停電復旧時に演出制御装置54に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする。次いで、ステップB911では時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時短変動回数領域をクリアする。これにより、高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常動作状態となる。
次いで、ステップB912で主制御ID送信要求フラグをセットする。これは、大当り中に払出制御装置1230からの要求に応じて主制御ID送信要求フラグをセットするものである。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップB913)、演出残り回転数領域をクリアする(ステップB914)。これは、遊技制御装置54(主基板)にて演出モードの管理をしているため、一旦、クリアするものである。
次いで、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブし(ステップB915)、演出モードコマンド領域に演出モード1のコマンドをセーブして(ステップB916)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリア(つまり、デフォルト状態の初期値になる)されることとなる。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、上述の特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップB887)の詳細について図69により説明する。
演出モード情報チェック処理では、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるかを判定する(ステップB921)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(ステップB921;YES)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば高確率状態において、次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(ステップB921;NO)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(ステップB922)、演出残り回転数が0となったかを判定する(ステップB923)。演出残り回転数が0となった場合(ステップB923;YES)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップB924)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップB925)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブし(ステップB926)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブして(ステップB927)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップB928)。その後、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップB929)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブして(ステップB930)、演出コマンド設定処理(ステップB931)を行い、演出モード情報チェック処理を終了する。
一方、演出残り回転数が0でない場合(ステップB923;NO)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも現在の演出モードが継続する場合は、演出残り回転数が規定回転数(例えば8回)であるかを判定する(ステップB932)。演出残り回転数が規定回転数でない場合(ステップB932;NO)は、演出モード情報チェック処理を終了する。
また、演出残り回転数が規定回転数である場合(ステップB932;YES)は、演出モード切替準備コマンドを準備し(ステップB933)、演出コマンド設定処理(ステップB934)を行い、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。
このように、遊技制御装置54で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(ステップB888)の詳細について図70により説明する。
時間短縮変動回数更新処理では、まず、特図高確率(高確率状態)中であるかを判定する(ステップB941)。特図高確率中である場合(ステップB941;YES)は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図高確率中でない場合(ステップB941;NO)は、特図時短(時短状態)中であるかを判定する(ステップB942)。
特図時短中でない場合(ステップB942;NO)は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。また、特図時短中である場合(ステップB942;YES)は、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数を−1更新し(ステップB943)、時間短縮変動回数が0となったかを判定する(ステップB944)。時間短縮変動回数が0でない場合(ステップB944;NO)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
また、時間短縮変動回数が0である場合(ステップB944;YES)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、確率情報コマンド(時短終了)を準備する(ステップB945)。確率情報コマンド(時短終了)としては、低確率時と同様のコマンドを使用する。
次いで、演出コマンド設定処理(ステップB946)を行い、続くステップB947で払出用遊技状態コマンド領域の時短中情報をクリアする。これにより、時短終了という遊技状態情報が払出制御装置230へ送信されることになる。その後、時短終了設定処理を行い(ステップB948)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
〔時短終了設定処理〕
次に、上述の時間短縮変動回数更新処理における時短終了設定処理(ステップB948)の詳細について図71により説明する。
時短終了設定処理では、まず、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB951)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブする(ステップB952)。
次に、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップB953)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップB954)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップB955)、時短終了設定処理を終了する。
このようにして、時短回数を遊技制御装置54で管理して時短の終了時に必要な情報(状態)を設定することが行われる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップB512)の詳細について図72、図73により説明する。
ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を更新(+1)する処理(ステップB961)を行った後、大入賞口開放情報が大入賞口2(第2変動入賞装置34)開閉パターン1〜3であるかを判定する(ステップB962)。
ここで、大入賞口2(第2変動入賞装置34)の開閉パターンとしては、大入賞口2開閉パターン1から大入賞口2開閉パターン5までの5種類の開閉パターンがあるので、ステップB962では開閉パターン1〜3であるかを判定するものである。
大入賞口開放情報が大入賞口2開閉パターン1〜3である場合(ステップB962;YES)は、大入賞口2開閉パターン1〜3に対応する制御ポインタ(S(スタート値),E(エンド値))を設定し(ステップB969)、図73のステップB980に移行する。この制御ポインタのスタート値とエンド値を設定することで、一のラウンドにおける大入賞口の開放や閉鎖及びその時間を大入賞口制御テーブルに基づき設定可能となる。
なお、大入賞口2開閉パターン1〜3である場合は一のラウンドの実行時間が短いため、ラウンドごとではなく、特別遊技状態の開始から終了まで一連の映像を表示するようになっており、ラウンド数に対応するラウンドコマンドは送信しない。
また、大入賞口開放情報が大入賞口2開閉パターン1〜3でない場合(ステップB962;NO)は、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップB963)、演出コマンド設定処理(ステップB964)を行う。
その後、開始されるラウンドが初回ラウンド(1R)であるかを判定し(ステップB965)、初回ラウンドである場合(ステップB965;YES)は、大入賞口開放情報が大入賞口1(第1変動入賞装置27)開閉パターンであるかを判定する(ステップB966)。
ここで、大入賞口1(第1変動入賞装置27)の開閉パターンとしては、大入賞口1開閉パターン1から大入賞口1開閉パターン3までの3種類の開閉パターンがあるので、ステップB966では大入賞口1開閉パターン1〜3の何れかであるかを判定するものである。
大入賞口開放情報が大入賞口1開閉パターンである場合(ステップB966;YES)は、大入賞口1開閉パターンの初回ラウンド(1R)に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(ステップS970)、図73のステップB980に移行する。
なお、大入賞口1開閉パターン1〜3については、何れも初回ラウンドは同じ動作を行うようになっている。
また、大入賞口開放情報が大入賞口1開閉パターンでない場合(ステップB966;NO)は、大入賞口開放情報が大入賞口2開閉パターン4であるかを判定する(ステップB967)。
大入賞口開放情報が大入賞口2開閉パターン4である場合(ステップB967;YES)は、大入賞口2開閉パターン4の初回ラウンド(1R)に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(ステップB968)、図73のステップB980に移行する。また、大入賞口開放情報が大入賞口2開閉パターン4でない場合(ステップB967;NO)は、大入賞口2開閉パターン5の初回ラウンド(1R)に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(ステップB971)、その後、図73のステップB980に移行する。
一方、開始されるラウンドが初回ラウンド(1R)でない場合(ステップB965;NO)は、開始されるラウンドが2〜11ラウンドであるかを判定し(ステップB972)、開始されるラウンドが2〜11ラウンドである場合(ステップB972;YES)は、大入賞口開放情報が大入賞口2開閉パターンであるかを判定する(ステップB973)。そして、大入賞口開放情報が大入賞口2開閉パターンでない場合(ステップB973;NO)は、大入賞口1開閉パターンの2〜11ラウンドに対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(ステップB974)、その後、図73のステップB980に移行する。
また、大入賞口開放情報が大入賞口2開閉パターンである場合(ステップB973;YES)は、大入賞口2開閉パターンの2ラウンド以降に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(ステップB975)、その後、図73のステップB980に移行する。
また、開始されるラウンドが2〜11ラウンドでない場合(ステップB972;NO)は、大入賞口開放情報が大入賞口2開閉パターンであるかを判定する(ステップB976)。そして、大入賞口開放情報が大入賞口2開閉パターンである場合(ステップB976;YES)は、大入賞口2開閉パターンの2ラウンド以降に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(ステップB975)、その後、図73のステップB980に移行する。また、大入賞口開放情報が大入賞口2開閉パターンでない場合(ステップB976;NO)は、大入賞口開放情報が大入賞口1開閉パターン2であるかを判定する(ステップB977)。
大入賞口開放情報が大入賞口1開閉パターン2である場合(ステップB977;YES)は、大入賞口1開閉パターン2の12ラウンド以降に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(ステップB978)、その後、図73のステップB980に移行する。
また、大入賞口開放情報が大入賞口1開閉パターン2でない場合(ステップB977;NO)は、大入賞口1開閉パターン3の12ラウンド以降に対応する制御ポインタ(S,E)を設定し(ステップB979)、その後、図73のステップB980に移行する。
図73のステップB980では、設定した制御ポインタのスタート値(S)を大当り中制御ポインタ領域にセーブし(ステップB980)、設定した制御ポインタのエンド値(E)を大当り中制御ポインタ上限値領域にセーブする(ステップB981)。そして、ソレノイド情報設定処理(ステップB982)を行い、大入賞口開放情報が大入賞口1開閉パターンであるかを判定する(ステップB983)。
大入賞口開放情報が大入賞口1開閉パターンである場合(ステップB983;YES)は、大入賞口開放中処理移行設定処理1を行い(ステップB9824)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、大入賞口開放情報が大入賞口1開閉パターンでない場合(ステップB983;NO)は、大入賞口開放中処理移行設定処理2を行い(ステップB984)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
以上の処理により、大入賞口1(第1変動入賞装置27)の開閉パターンとしては、大入賞口1開閉パターン1から大入賞口1開閉パターン3までの3種類の開閉パターンがあり、大入賞口2(第2変動入賞装置34)の開閉パターンとしては、大入賞口2開閉パターン1から大入賞口2開閉パターン5までの5種類の開閉パターンがあるので、これらの開閉パターンの何れかが設定されることとなる。
〔ソレノイド情報設定処理〕
次に、上述のファンファーレ/インターバル中処理におけるソレノイド情報設定処理(ステップB982)の詳細について図74により説明する。
ソレノイド情報設定処理では、まず、大入賞口制御アドレステーブルを設定し(ステップB991)、大当り中制御ポインタに対応する大入賞口制御テーブルのアドレスを取得する(ステップB992)。その後、出力データを取得し、大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップB993)、開閉時間値を取得して特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB994)、ソレノイド情報設定処理を終了する。
この処理により、大入賞口の開放や閉鎖及びその時間が設定されることとなる。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理1〕
次に、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理1(ステップB984)の詳細について図75により説明する。
大入賞口開放中処理移行設定処理1においては、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップB1001)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB1002)。その後、大入賞口1の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB1003)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップB1004)。そして、大入賞口判別フラグ領域に大入賞口1制御中フラグをセーブして(ステップB1005)、大入賞口開放中処理移行設定処理1を終了する。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理2〕
次に、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理2(ステップB985)の詳細について図76により説明する。
大入賞口開放中処理移行設定処理2においては、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップB1011)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB1012)。その後、大入賞口2の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB1013)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップB1014)。そして、大入賞口判別フラグ領域に大入賞口2制御中フラグをセーブして(ステップB1015)、大入賞口開放中処理移行設定処理2を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップB513)の詳細について図77により説明する。
大入賞口開放中処理では、まず、大当り中制御ポインタを+1更新し(ステップB1021)、制御ポインタの値が制御ポインタ上限値領域の値に達したかを判定する(ステップB1022)。
制御ポインタの値が制御ポインタ上限値領域の値に達していない場合(ステップB1022;NO)は、ソレノイド情報設定処理(ステップB1029、図74参照)を行う。これにより、更新された制御ポインタに応じた大入賞口の開閉態様が設定されることとなる。そして、大入賞口開放中処理移行設定処理3を行って(ステップB1030)、大入賞口開放中処理を終了する。
図79に示すように大入賞口開放中処理移行設定処理3では、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップB1041)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブして(ステップB1042)、大入賞口開放中処理移行設定処理3を終了する。
図77に戻り、制御ポインタの値が制御ポインタ上限値領域の値に達した場合(ステップB1022;YES)は、大入賞口開放情報が大入賞口2短開放パターン(大入賞口2開放パターン1〜3)であるかを判定する(ステップB1023)。大入賞口開放情報が大入賞口2短開放パターンである場合(ステップB1023;YES)は、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップB1028)を行い、大入賞口開放中処理を終了する。この場合は、特別遊技状態の開始から終了まで一連の映像を表示するようになっており、インターバルコマンドやエンディングコマンドは送信しないようになっている。
また、大入賞口開放情報が大入賞口2短開放パターンでない場合(ステップB1023;NO)は、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRAMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップB1024)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップB1024;NO)は、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備し(ステップB1025)、演出コマンド設定処理(ステップB1027)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップB1028)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
また、最終ラウンドである場合(ステップB1024;YES)は、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備し(ステップB1026)、演出コマンド設定処理(ステップB1027)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップB1028)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
次に、上述の大入賞口開放中処理における大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップB1028)の詳細について図78により説明する。
大入賞口残存球処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定し(ステップB1051)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB1052)。その後、残存球処理に要する時間である大入賞口残存球処理時間(例えば1380ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB1053)。そして、第1変動入賞装置27の開閉部材27b又は第2変動入賞装置34の開閉部材34aを閉鎖するために、第1大入賞口ソレノイド132又は第2大入賞口2ソレノイド133をオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップB1054)、大入賞口残存球処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップB514)の詳細について図80により説明する。
大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における今回のラウンド数とRAMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して今回のラウンドが上限値に達した(最終ラウンド)か否かをチェックする(ステップB1061)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップB1061;NO)は、今回のラウンド数と大入賞口開放情報に対応するインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB1062)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップB1063)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
なお、インターバル時間は今回のラウンド数と大入賞口開放情報に対応する時間(例えば、大入賞口2開閉パターン1〜3であれば68ms)が設定される。ラウンドとラウンドの間のインターバル期間は、ラウンドの終了から大入賞口残存球処理時間(例えば1380ms)が経過し、さらに該大入賞口残存球処理時間の経過からインターバル時間が経過するまでの期間とされ、例えば、大入賞口2開閉パターン1〜3であれば1448msとなる。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップB1061;YES)は、特別結果が導出された際の確率状態を記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からゲームモードフラグをロードする(ステップB1064)。そして、ロードしたフラグと大入賞口開放情報に対応するエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB1065)、大当り終了処理移行設定処理(ステップB1066)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
このように、エンディング期間(エンディング時間)は図柄情報ではなく、大入賞口情報と大当り時のゲームモードフラグに基づいて設定される。
なお、エンディング期間(エンディング時間)は、上記に限らず、例えば図柄情報に基づいて設定してもよい。
最終ラウンドの終了から特別遊技状態の終了までのエンディング期間は、最終ラウンドの終了から大入賞口残存球処理時間(例えば1380ms)が経過し、さらに該大入賞口残存球処理時間の経過からエンディング時間が経過するまでの期間とされる。例えば、特別結果が2R確変であって当該特別結果の導出時に時短状態でない場合、すなわち特別結果の導出時に時短状態以外で選択される演出モードであった場合に選択される大入賞口2開閉パターン1であれば、エンディング時間が21020msとされる。よって、エンディング期間の長さは、このエンディング時間の前に大入賞口残存球処理時間として費やされる1380msと合わせて22400msとされ、このエンディング期間において、表示装置41等でエンディング演出が実行される。
また、特別結果が2R確変であって当該特別結果の導出時に時短状態である場合、すなわち特別結果の導出時に時短状態で選択される演出モードであった場合に選択される大入賞口2開閉パターン2であれば、エンディング時間が20msとされる。よって、エンディング期間の長さは、このエンディング時間の前に大入賞口残存球処理時間として費やされる1380msと合わせて1400msとされる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
次に、上述の大入賞口残存球処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップB1063)の詳細について図81により説明する。
ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップB1071)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップB1072)。
次に、大入賞口1(第1変動入賞装置27)の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB1073)、大入賞口1(第2変動入賞装置34)の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB1074)。そして、大入賞口判別フラグ領域をクリアして(ステップB1075)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を終了する。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップB1066)の詳細について図82により説明する。
大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(ステップB1081)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB1082)。その後、大入賞口1(第1変動入賞装置27)の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB1083)、大入賞口2(第2変動入賞装置34)の開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB1084)。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップB1085)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップB1086)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップB1087)。
そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップB1088)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップB1089)、大入賞口の開閉態様を設定するための大当り中制御ポインタ領域の情報をクリアする(ステップB1090)。その後、大当り中制御ポインタのエンド値を記憶する大当り中制御ポインタ上限値領域をクリアして(ステップB1091)、大入賞口判別フラグ領域をクリアし(ステップB1092)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップB515)の詳細についての詳細について図83により説明する。
大当り終了処理では、まず、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データかを判定する(ステップB1101)。
高確率データでない場合(ステップB1101;NO)は、大当り終了設定処理1を行う(ステップB1012)。これは、高確率突入でない状態であるから、大当り終了後に時短となるモードに移行する処理を設定するものである。
一方、高確率データである場合(ステップB1101;YES)は、大当り終了設定処理2を行う(ステップB1103)。これは、高確率突入の状態であるから、大当り終了後に確率変動(高確率開始)となるモードに移行する処理を設定するものである。
次いで、特図ゲームモードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップB1104)、演出コマンド設定処理(ステップB1105)を行う。
次に、遊技制御装置54での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、停止図柄パターンに対応する演出モード情報設定テーブルを設定する(ステップB1106)。そして、設定された演出モード情報設定テーブルを参照して、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブする(ステップB1107)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブし(ステップB1108)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップB1109)。
その後、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップB1110)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブして(ステップB1111)、演出コマンド設定処理(ステップB1112)を行う。
次いで、払出用大当り信号コマンド領域をクリアする(ステップB1113)。これは、大当り終了なので、大当り中の信号をクリアするものである。次いで、移行する確率状態に対応するコマンドを払出用遊技状態コマンド領域にセーブする(ステップB1114)。これは、確率変動に入るなら、「大当り中+時短中」と「確率変動中」の情報をオンし、確率変動でなく時短に入るなら、「大当り中+時短中」と「時短中」の情報をオンするものである。なお、オンとならない情報は全てオフとなる。また、確率変動・時短にならない機種であれば、全てオフとなる。次いで、特図普段処理移行設定処理3を行い(ステップB1115)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップB1102)の詳細について図84により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB1121で時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。この領域での時短の開始に関する信号は、以下のものがある。
・特別図柄1変動時間短縮状態信号をON
・特別図柄2変動時間短縮状態信号をON
・普通図柄1高確率状態信号をON
・普通図柄1変動時間短縮状態信号をON
・普通電動役物1開放延長状態信号をON
次いで、ステップB1122で普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし、ステップB1123で特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短フラグをセーブする。
次いで、ステップB1124で停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし、ステップB1125で時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(例えば70)をセーブしてリターンする。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば70)をセットすることで、所定回数(例えば70回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップB1103)の詳細について図85により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB1131で高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。この領域での高確率の開始に関する信号は、以下のものがある。
・特別図柄1高確率状態信号をON
・特別図柄2高確率状態信号をON
・特別図柄1変動時間短縮状態信号をON
・特別図柄2変動時間短縮状態信号をON
・普通図柄1高確率状態信号をON
・普通図柄1変動時間短縮状態信号をON
・普通電動役物1開放延長状態信号をON
次いで、ステップB1132で普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし、ステップB1133で特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短フラグをセーブする。その後、ステップB1134で停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブし、ステップB1135で時間短縮変動回数領域をクリアして、大当り終了設定処理2を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となるとともに次回の特別結果態様の導出まで時短状態となる。
すなわち、遊技制御装置54が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間にわたり、普通変動入賞装置26を開状態とする期間を延長する特定遊技状態(時短状態)を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップB1115)の詳細について図86により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップB1141で処理番号として「0」(特図普段処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップB1142で特図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「0」)をセーブする。次いで、ステップB1143で大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする。
ここでの大当りの終了に関する信号としては、以下のものがある。
・条件装置作動中信号をOFF
・役物連続作動装置作動中信号をOFF
・特別図柄1当り信号又は特別図柄2当り信号をOFF
次いで、ステップB1144で確率変動判定フラグ領域をクリアし、ステップB1145で大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域をクリアし、ステップB1146で遊技状態表示番号領域に時短中の番号をセーブする。そして、ステップB1147で大入賞口1不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし、ステップB1148で大入賞口2不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、上述の大当り終了処理における演出コマンド設定処理(ステップB1112)の詳細について図87により説明する。なお、この演出コマンド設定処理は、その他の処理におけるコマンド設定処理に共通する処理である。
演出コマンド設定処理では、まず、ステップB1151で演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む。これは、演出制御装置53へ送信するコマンドを一時的に保持するバッファの状態を読み込むものである。次いで、ステップB1152で演出用シリアル送信バッファは満杯か否かを判定し、満杯であれば、これ以上、演出制御装置53へコマンドを送信できないので、ステップB1151に戻って待機する。
一方、ステップB1152で演出用シリアル送信バッファが満杯でなければ、ステップB1153に進み、コマンドデータ(MODE(上位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込む。
ステップB1153を経ると、次いで、ステップB1154に進み、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み、ステップB1155で演出用シリアル送信バッファは満杯か否かを判定する。演出用シリアル送信バッファが満杯であれば、ステップB1154に戻って待機する。
一方、ステップB1155で演出用シリアル送信バッファが満杯でなければ、ステップB1156に進み、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))を演出用シリアル送信バッファに書き込む。ステップB1156を経ると、演出コマンド設定処理を終了する。
このように、演出制御装置53に対してはシリアル通信でコマンドを送信するようにしたことで、遊技制御装置54の負担を軽減できるとともに、コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、データ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置54においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。なお、払出制御装置230へもシリアル通信によりコマンドを送信する(詳細は後述)。
〔図柄変動制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップB517、B519)の詳細について図88により説明する。
図柄変動制御処理は、第1特図や第2特図等の特別図柄の変動の制御と特別図柄の表示データの設定を行う処理である。図柄変動制御処理では、まず、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に係る特図変動制御フラグが変動中であるかをチェックする(ステップB1161)。
そして、当該特図変動中フラグが変動中である場合(ステップB1162;YES)は、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップB1163)。
ここで、特図ゲーム処理にて準備された変動制御テーブル上に定義されている情報は、以下の通りである。
・変動制御領域の下位アドレス
・表示テーブル2(停止用)のポインタ
・表示テーブル1(変動用)のポインタ
次いで、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に係る点滅制御タイマを「−1」更新して(ステップB1164)、当該タイマの値が0、すなわちタイムアップしたかを判定する(ステップB1165)。
点滅制御タイマの値が0でない場合(ステップB1165;NO)は、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップB1168)。また、点滅制御タイマの値が0である場合(ステップB1165;YES)は、点滅制御タイマ初期値を制御対象の点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップB1166)、第1特図及び第2特図のうち、制御対象の特図(例えば、第1特図)に係る変動図柄番号を「+1」更新して(ステップB1167)、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップB1168)。その後、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップB1169)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、特図変動中フラグが変動中でない場合(ステップB1162;NO)は、制御対象の特図(例えば、第1特図)に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップB1170)。そして、対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップB1171)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップB1169)、図柄変動制御処理を終了する。これにより、一括表示装置35の中のLEDセグメントである特図1表示器及び特図2表示器のうち、制御対象となる特図表示器(例えば、特図1表示器)に図柄番号に対応した特図が表示されることとなる。
次に、普図ゲーム処理に関するフローチャートの説明に移るが、ここでは、ステップ番号として「ステップC」を用いて説明する。
〔普図ゲーム処理〕
まず、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップB121)の詳細について図89により説明する。
普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ122の入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
まず、ゲートスイッチ122からの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップC1)を行う。なお、ゲートスイッチ監視処理(ステップC1)の詳細については後述する。
次に、第2始動口スイッチ121からの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップC2)を行う。なお、普電入賞スイッチ監視処理(ステップC2)の詳細については後述する。
次に、普図ゲーム処理タイマが0でなければ「−1」更新する(ステップC3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が0となったかを判定する(ステップC4)。
普図ゲーム処理タイマの値が0である(ステップC4;YES)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップC5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップC6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップC7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップC8)を行う。
ステップC8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップC9)を行う。
なお、普図普段処理(ステップC9)の詳細については後述する。
また、ステップC8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップC10)を行う。
なお、普図変動中処理(ステップC10)の詳細については後述する。
また、ステップC8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、普通変動入賞装置26がサポート中(時短状態中)であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップC11)を行う。
なお、普図表示中処理(ステップC11)の詳細については後述する。
また、ステップC8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップC12)を行う。
なお、普図当り中処理(ステップC12)の詳細については後述する。
また、ステップC8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップC13)を行う。
なお、普電残存球処理(ステップC13)の詳細については後述する。
また、ステップC8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(ステップC9)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップC14)を行う。
なお、普図当り終了処理(ステップC14)の詳細については後述する。
その後、普図表示器(一括表示装置35)による普通図柄の変動を制御するための各種テーブルを準備した後(ステップC15)、普図表示器(一括表示装置35)による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップC16)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップC4にて、普図ゲーム処理タイマの値が0でない(ステップC4;NO)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、処理をステップC15に移行して、それ以降の処理を行う。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップC1)の詳細について図90により説明する。
ゲートスイッチ監視処理では、まず、ゲートスイッチ122に入力があるか否かをチェックする(ステップC21)。そして、ゲートスイッチ122に入力があると(ステップC21;YES)判定すると、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば、4)未満か否かを判定する(ステップC22)。普図保留数が上限値未満である(ステップC22;YES)と判定すると、普図保留数を更新(+1)する処理(ステップC23)を行う。
その後、更新後の普図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出する処理(ステップC24)を行った後、当り乱数を抽出してRAMの乱数格納領域にセーブする処理(ステップC25)を行って、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
また、ステップC21にて、ゲートスイッチ122に入力がないと判定されるか(ステップC21;NO)、或いは、ステップC22にて、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合にも(ステップC22;NO)ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(ステップC2)の詳細について図91により説明する。
普電入賞スイッチ監視処理では、まず、普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置26が所定回数(例えば、3回)の開放動作を実行中であるか(普図当り中か)否かをチェックする(ステップC31)。そして、普図当り中である(ステップC32;YES)と判定すると、第2始動口スイッチ121(フローチャートでは始動口2スイッチと表記。以下、同様)に入力があるか否かを判定し(ステップC32)、第2始動口スイッチ121に入力がある(ステップC32;YES)と判定すると、普電カウンタのカウント数を更新(+1)する処理(ステップC33)を行う。
次に、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば、9)に達したか否かを判定し(ステップC34)、カウント数が上限値に達した(ステップC34;YES)と判定すると、普図当り中制御ポインタ上限値領域からポインタ(当り終了の値)をロードする(ステップC35)。そして、ロードしたポインタを普図当り中制御ポインタ領域にセーブし(ステップC36)、普図ゲーム処理タイマをクリアして(ステップC37)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合は、その時点で普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値をセーブし、普図の当り状態が途中で終了するようにする。
また、ステップC31にて、普図当り中でないと判定されるか(ステップC31;NO)、或いは、ステップC32にて第2始動口スイッチ121に入力がないと判定されるか(ステップC32;NO)、或いはステップC34にてカウント数が上限値に達していないと判定された場合にも(ステップC34;NO)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップC9)の詳細について図92により説明する。
普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるか否かを判定し(ステップC41)、普図保留数が「0」である(ステップC41;YES)と判定すると、ステップC62に移行して、普図普段処理移行設定処理1を行った後、普図普段処理を終了する。普図普段処理移行設定処理1は、次回に普図普段処理を繰り返すための処理を行うもので、詳細は後述する。
一方、ステップC41にて普図保留数が0でない(ステップC42;NO)と判定すると、RAMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし(ステップC42)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高くされた普図高確率(つまり、普図高確率時)であるか、すなわち時短状態であるかを判定する(ステップC43)。
普図高確率時でない場合(ステップC43;NO)は、当り乱数の値が普図低確率時の判定値である低確率判定値と一致するかを判定する(ステップC44)。当り乱数の値が低確率判定値と一致しない場合(ステップC44;NO)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップC45)、普図停止図柄にはずれ停止図柄番号を設定して(ステップC46)、普図当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップC51)。
一方、当り乱数の値が低確率判定値と一致した場合(ステップC44;YES)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップC49)、普図停止図柄に当り停止図柄番号を設定して(ステップC50)、普図当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップC51)。
また、ステップC43にて、普図高確率時である場合(ステップC43;YES)は、当り乱数の値が普図高確率時に用いる複数の連続した判定値における下限値である高確率下限判定値未満であるかを判定し(ステップC47)、当り乱数の値が高確率下限判定値未満でない場合(ステップC47;NO)は、当り乱数の値が普図高確率時に用いる複数の連続した判定値における上限値である高確率上限判定値より大きいかを判定する(ステップC48)。
当り乱数の値が高確率上限判定値より大きくない場合(ステップC48;NO)、すなわち当りである場合は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップC49)、普図停止図柄に当り停止図柄番号を設定して(ステップC50)、普図当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップC51)。
また、ステップC47にて、当り乱数の値が高確率下限判定値未満である場合(ステップC47;YES)や、ステップC48にて、当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップC48;YES)、すなわちはずれの場合は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップC45)、普図停止図柄にはずれ停止図柄番号を設定して(ステップC46)、普図当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップC51)。すなわち、当り乱数の値が一致することで普図の当りと判定する判定値は、普図低確率時では一つの値であり、普図高確率時では複数の連続した値となっている。
普図当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリア(ステップC51)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC52)。そして、停止図柄に対応する飾り普図変動パターンコマンドを準備し(ステップC53)、演出コマンド設定処理(ステップC54)を行う。これにより、表示装置41等において普図変動表示ゲームに対応した演出を行うことが可能となる。
その後、普図当り乱数格納領域をシフトし(ステップC55)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップC56)、普図保留数を「−1」更新する(ステップC57)。即ち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次に、普電サポート中(時短状態中)であるかを判定し(ステップC58)、普電サポート中でない場合(ステップC58;NO)は、普電サポートなし時の変動時間(例えば、10秒)を設定する(ステップC59)。また、普電サポート中である場合(ステップC58;YES)は、普電サポート時の普図変動時間(例えば、1秒)を設定する(ステップC61)。そして、普図変動中処理移行設定処理(ステップC60)を行って、普図普段処理を終了する。
〔普図普段処理移行設定処理1〕
次に、上述の普図普段処理における普図普段処理移行設定処理1(ステップC62)の詳細について図93により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップC71で普図普段処理に移行するための処理番号として「0」(普図普段処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップC72で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「0」)をセーブする。次いで、ステップC73で普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブしてリターンする。これにより、次回に普図普段処理に移行する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図普段処理における普図変動中処理移行設定処理(ステップC60)の詳細について図94により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップC81で処理番号として「1」(普図変動中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップC82で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「1」)をセーブする。次いで、ステップC83で普図変動開始に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブし、ステップC84で普図変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする。次いで、ステップC85で普図表示器(一括表示装置35の普図表示LED)の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(例えば200ms)を普図点滅制御タイマ領域にセーブして、普図変動中処理移行設定処理を終了する。これにより、次回に普図変動中処理に移行する。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップC10)の詳細について図95により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップC91で普図表示中処理移行設定処理を行う。これは、普図表示中処理に移行するための設定を行うもので、詳細は後述する。この処理を経ると、リターンする。
〔普図表示中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図変動中処理における普図表示中処理移行設定処理(ステップC91)の詳細について図96により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップC101で処理番号として「2」(普図表示中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップC102で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「2」)をセーブする。次いで、ステップC103で普図表示時間を設定(例えば、600ms)する。次いで、ステップC104で普図ゲーム処理タイマ領域に普図表示時間をセーブし、ステップC105で普図変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。次いで、ステップC106で普図変動制御フラグ領域に停止フラグをセーブしてリターンする。これにより、次回に普図表示中処理に移行する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップC11)の詳細について図97により説明する。
普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当たり情報又ははずれ情報)をロードして(ステップC111)、RAMの当りフラグ領域をクリアする処理(ステップC112)を行う。
次に、ロードされた当りフラグが当りか否かを判定し(ステップC113)、当りフラグが当りでない(ステップC113;NO)と判定すると、ステップC122に分岐して普図普段処理移行設定処理1(図93で説明)を行い、普図表示中処理を終了する。
一方、ステップC113にて、当りフラグが当りである(ステップC113;YES)と判定すると、普電サポート中(時短状態中)かを判定する処理(ステップC114)を行う。
そして、普電サポート中でない場合(ステップC114;NO)は、普電サポートなし時の普電開放時間(例えば、100ms)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップC115)。さらに、普電サポートなし時の当り開始ポインタ値(制御ポインタ値)を普図当り中制御ポインタ領域にセーブし(ステップC116)、普電サポートなし時の当り終了ポインタ値(制御ポインタ値)を普図当り中制御ポインタ上限値領域にセーブする(ステップC117)。これにより、通常動作状態中での普通変動入賞装置26の開放態様が設定され、例えば2回の開放が可能となる。その後、普図当り中処理移行設定処理(ステップC121)を行う。これは、普図当り中処理に移行するための設定を行うもので、詳細は後述する。この処理を経ると、リターンする。
なお、普電サポートなし時の当り開始ポインタ値(制御ポインタ値)は「0」、当り終了ポインタ値は「2」に設定され、普電サポート時の当り開始ポインタ値(制御ポインタ値)は「3」、当り終了ポインタ値は「9」に設定されている。
一方、普電サポート中である場合(ステップC114;YES)は、普電サポート時の普電開放時間(例えば、1352ms)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップC118)。さらに、普電サポート時の当り開始ポインタ値(制御ポインタ値)を普図当り中制御ポインタ領域にセーブし(ステップC119)、普電サポート時の当り終了ポインタ値(制御ポインタ値)を普図当り中制御ポインタ上限値領域にセーブする(ステップC120)。これにより、時短状態中での普通変動入賞装置26の開放態様が設定され、例えば4回の開放が可能となる。その後、普図当り中処理移行設定処理(ステップC121)を行って、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図表示中処理における普図当り中処理移行設定処理(ステップC121)の詳細について図98により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップC131で処理番号として「3」(普図当り中処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップC132で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「3」)をセーブする。次いで、ステップC133で普図当りの開始に関する信号(例えば、普通図柄1当り信号をON)と普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする。次いで、ステップC134で普電ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブし、ステップC135で普通変動入賞装置26への入賞数を記憶する普電カウント数領域をクリアする、次いで、ステップC136で普電不正監視期間における普通変動入賞装置26への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域をクリアし、ステップC137で普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグ(普通変動入賞装置26の不正監視期間外を規定するフラグ)をセーブしてリターンする。これにより、次回は普図当り中処理に移行する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップC12)の詳細について図99により説明する。
普図当り中処理では、まず、普図当り中処理制御ポインタをロードして準備した後(ステップC141)、ロードされた普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了の値:例えば「4」等))に達したかを判定する(ステップC142)。
そして、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値に達していない場合(ステップC142;NO)は、普図当り中制御ポインタを+1更新し(ステップC143)、普電作動移行設定処理(ステップC144)を行って普図当り中処理を終了する。
また、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了の値)に達した場合(ステップC142;YES)は、ステップC143における普図当り中処理制御ポインタ領域を更新(+1)する処理を行わずに、普電作動移行設定処理(ステップC144)を行って普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、上述の普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップC144)の詳細について図100により説明する。
普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置26を開閉するための普電ソレノイド131の駆動制御を行う処理であり、制御ポインタの値に応じて処理を分岐するようにしている。
ルーチンが開始すると、ステップC151で制御ポインタによる分岐を行う。ここでは、ステップC141でロードして準備された制御ポインタの値に応じて分岐する。具体的には、ステップC151で制御ポインタの値が0,3,5,7の何れかであった場合は、ステップC152へ移行して普通変動入賞装置26の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置26の閉塞後のウェイト時間(例えば、2800ms又は1000ms)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ステップC153で普電ソレノイド1131をオフさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータを設定して、普電作動移行設定処理を終了する。これにより、普通変動入賞装置26の開放後の閉塞時間が上記ウエイト時間となり、その期間は普通変動入賞装置26が閉塞することになる。
一方、ステップC151で制御ポインタの値が1,4,6,8の何れかであった場合は、ステップC154へ移行して普通変動入賞装置26の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置26の開放時間である普電開放時間(例えば、100ms、5200ms、1352msの何れか)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ステップC155で普電ソレノイド1131をオンさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータを設定して、普電作動移行設定処理を終了する。これにより、普通変動入賞装置26の開放時間が上記普電開放時間となり、その期間は普通変動入賞装置26が開放することになる。
また、ステップC151で制御ポインタの値が2,9の何れかであった場合は、ステップC156へ移行して普通変動入賞装置26の開放制御を終了して普電残存球処理(ステップC13)を行うために、処理番号として「4」を設定する。次いで、ステップC157で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「4」)をセーブする。次いで、ステップC158で普電残存球処理時間(例えば600ms)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、その後、ステップC159で普電ソレノイド1131をオフさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし、普電作動移行設定処理を終了する。
〔普電残存球処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電残存球処理(ステップC13)の詳細について図101により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップC161で普図当り終了処理移行設定処理を行う。これは、普図当り終了処理に移行するための設定を行うもので、詳細は後述する。この処理を経ると、リターンする。
〔普図当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の普電残存球処理における普図当り終了処理移行設定処理(ステップC161)の詳細について図102により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップC171で処理番号として「5」(普図当り終了処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップC172で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「5」)をセーブする。次いで、ステップC173で普図エンディング時間(例えば、100ms)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ステップC174で普通変動入賞装置26の作動終了に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。次いで、ステップC175で普通変動入賞装置26への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリアする。そして、ステップC176で普図当り中制御ポインタ領域をクリアし、ステップC177で普図当り中制御ポインタ上限値領域をクリアして、普図当り終了処理移行設定処理を終了する。これにより、次回は普図当り終了処理に移行する。
〔普図当り終了処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップC14)の詳細について図103により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップC181で普図普段処理移行設定処理2を行う。これは、普図普段処理に移行するための設定を行うもので、詳細は後述する。この処理を経ると、リターンする。
〔普図普段処理移行設定処理2〕
次に、上述の普図当り終了処理における普図普段処理移行設定処理2(ステップC181)の詳細について図104により説明する。
ルーチンが開始すると、ステップC191で処理番号として「0」(普図普段処理に係る処理番号に相当)を設定し、ステップC192で普図ゲーム処理番号領域に処理番号(ここでは「0」)をセーブする。次いで、ステップC193で普図当りの終了に関する信号(例えば、普通図柄1当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。次いで、ステップC194で普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグ(普通変動入賞装置26の不正監視期間を規定するフラグ)をセーブしてリターンする。これにより、次回は普図普段処理に移行する。
G.制御系の動作(払出制御装置)
次に、払出制御装置230の制御内容について、図105〜図164により説明する。
〔払出制御装置のメイン処理〕
まず、図105により、払出制御装置230のメイン処理を説明する。
ここで、払出制御装置230のフローチャートについては、ステップ番号として「ステップD」を用いて説明する。
このメイン処理は、CPU231に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。即ち、払出制御装置230に電源を供給している電源装置58の電源スイッチ181がオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置58からリセット信号が払出制御装置230に入力されてCPU231のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、CPU231が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されてCPU231が起動する。また、作業者が払出制御装置230のRAM233等の初期化をしようとする場合には、払出制御装置230のRAMクリアスイッチ182(初期化スイッチ)をオン操作しながら前記電源スイッチ181をオン操作する必要がある。なお、RAM233は、図105ではRAMと表記されている。
そしてCPU231が起動すると、まず割込みを禁止し、CPU231に内蔵されるCPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定を行うとともに、全出力ポートにオフデータ(2値信号の「0」に相当する信号)を出力し、さらに、RAM233へのアクセスを許可する(ステップD1乃至D4)。
なお、リセット信号によって各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップD3が設けられている。
ステップD4を経ると、次いで、ステップD5でRAMクリア信号がオンであるか否かを判定する。これは、払出制御装置230のRAMクリアスイッチ182(初期化スイッチ)をオン操作しながら電源スイッチ181をオン操作して電源投入したものであるかどうかを判定するものである。すなわち、RAMクリアスイッチ182を押しながらの電源投入で、RAMクリア信号がオンであるかを判断する。RAMクリア信号がオンでなければ、ステップD6に進み、RAMクリア信号がオンであれば、ステップD10にジャンプする。
ステップD5の判定を行うのは、RAMクリアスイッチ182を押した場合にはRAM233やCPU231のレジスタなどのデータが全てクリアされて初期化されるので、初期化される前には夜間監視情報に関するコマンドを払出制御装置230に取り込まないようにするためであり、そのためにステップD5でRAMクリアスイッチ182の操作を判断している。
まず、RAMクリア信号がオンでない場合(RAMクリアスイッチ182を押しながらの電源投入でない場合)、ステップD6でRAM233の停電検査領域1,2の全ての値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否か判断し、正常であれば停電復帰時(停電復旧時)であるとしてステップD7に進み、異常であれば(正常に記憶されてなければ)ステップD10に進む。なお、停電検査領域チェックデータは、後述するステップD22で設定されるものである。このステップD6では、このように複数のチェックデータによって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断が信頼性高く為される。
次にステップD7では、RAM233のデータのチェックサムを算出し、ステップD8で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する。このチェックサムが正常でない場合(即ちRAM233のデータが壊れているとき)には、ステップD10に進み、前記チェックサムが正常である場合にはステップD9に進む。
ステップD9では、停電復旧のための処理(初期値設定)を実行する。即ち、全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアし、エラー及び不正監視に係る領域をリセットする。次いで、ステップD13に進む。
なお、停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)には、停電時の状態(遊技状態、休憩の状態、精算の状態)を知らせる情報が含まれる。例えば、休憩中に停電があった場合には、休憩中であったことを示す情報(例えば、後述する図139の休憩開始フラグと同じものでもよい)がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを遊技制御措置54経由で停電復旧時に受信した演出制御装置53は、例えば停電時に実行していた休憩中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。また、精算中に停電があった場合には、精算中であったことを示す情報がこの停電復旧時コマンドに含まれ、このコマンドを遊技制御措置54経由で停電復旧時に受信した演出制御装置53は、例えば停電時に実行していた精算中を報知する表示装置41での表示を、そのまま停電復旧後に再開する。これにより、停電時の状態がRAM233に記憶保持されて停電復旧時にその状態が再開されていることが遊技者に明確に認識され、遊技者が停電復旧時に不安を覚えることがない。
一方、ステップD5でRAMクリア信号がオンである場合(RAMクリアスイッチ182を押しながらの電源投入である場合)には、ステップD10にジャンプし、このステップD10を含めてステップD10以降の処理を行う。
ステップD10以降の処理に進むと、払出制御装置230のRAM233内のデータを初期化するなどの処理を行う。即ち、ステップD10、ステップD11では使用する全てのRAM233の領域をクリアする。具体的には、ステップD10ではRAM233の全作業領域をクリアし、ステップD11では全スタック領域をクリアする。次いで、ステップD12で初期値設定の必要な領域に初期値を設定する。これは、初期化すべき領域に電源投入時の初期値を設定する処理を行うものである。その後、ステップD13に進む。
このように、夜間監視情報を払出制御装置230に取り込む前にRAM233を初期化するので、電源遮断時の夜間監視情報を失うようなことがなく、セキュリティが高い。
次に、ステップD9からステップD13に進む場合やステップD12からステップD13に進む場合には、このステップD13を含めてステップD13以降の処理を行う。
ステップD13以降の処理に進むと、まずステップD13で認証完了か否かを判定する。これは、遊技機ID(ここでは、主制御ID及び払出IDの双方)を払出制御装置230経由でカードユニット15を介して第3者機関である外部管理装置91へ送り、そこで認証リストと照合し、照合結果OKが判明して認証が完了したかどうかを判定するものである。なお、認証完了の判定は、例えばCPU231の内部ステータスレジスタの状態で判断する。これは、外部管理装置91からの認証完了の情報がカードユニット15経由で払出制御装置230へ送信されてきて、例えばCPU231の内部ステータスレジスタに記憶されているからである。ステップD13で認証完了でなければ、ステップD13に待機し、認証が完了すると、ステップD14に進む。ステップD14では夜間監視情報受信処理を行う。これは、夜間監視スイッチ126の出力信号を払出制御装置230に取り込む処理を行うものである(詳細は後述)。
なお、夜間監視スイッチ126からの夜間監視情報は払出制御装置230からの要求により払出制御装置230に出力されているようになっている。夜間監視情報の保存はRAM233でもよいし、あるいはCPU231のレジスタでもよい。
ステップD14を経ると、ステップD15に進み、例えばCPU231の内部に設けられたCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する。CTC回路はタイマ割込みのための回路である。
次にステップD16では割込みを許可し、次のステップD17に進むと、電源断検出信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、次のステップD18で電源断検出信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップD19に進み、オンしていなければステップD17に戻る。通常運転中は、ステップD18〜D17を繰り返す。
そして、ステップD19に進むと、前記チェック回数分だけ電源断検出信号のオン状態が継続しているか否か判定し、この判定結果が肯定的であると停電発生と最終判断してステップD20に進み、否定的であれば停電発生と判断できないとしてステップD18に戻る。
なお電源断検出信号がオンになると、この電源断検出信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップD20以降の停電処理を強制的に実行する態様でもよい。但し本例の構成であると、電源断検出信号のオン状態をステップD19で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって電源断検出信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
そしてステップD20に進むと、割込みを禁止した後、次のステップD21で全ての出力をオフし(全ての出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップD22で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブし、停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。すなわち、停電検査領域1、2に復旧確認用のチェックデータをセーブすることになる。
ステップD22を経ると、次のステップD23で、RAM233のデータのチェックサムを算出するとともに、算出したチェックサムをステップD24で所定のチェックサム領域にセーブし、次いでステップD25でRAM233へのアクセスを禁止した後、待機する。
なお、以上のステップD20〜D25の停電処理は、停電(通常の電源遮断含む)によって電源電圧がCPU231の動作電圧未満に低下する前に行われる。
〔夜間監視情報受信処理〕
次に、上記メイン処理における夜間監視情報受信処理(ステップD14)を図106により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD31で夜間監視スイッチ126から夜間枠開放有無情報を受信し、保存する。夜間枠開放有無情報は、夜間に前面枠4の開放を検出したか否かを示す情報(枠開放情報)と、遊技制御装置54の取り外しの監視情報とがあるが、そのうちの前面枠4の開放の検出の有無に対応する夜間枠開放有無情報の受信を判断するものである。なお、夜間枠開放有無情報は夜間に前面枠4の開放を検出したか否かの有無を示す情報であり、後述の夜間枠開放回数情報は夜間に前面枠4の開放が何回検出されたかを示す情報である。
次いで、ステップD32で夜間監視スイッチ126から夜間枠開放回数情報を受信し、保存する。次いで、ステップD33で夜間監視スイッチ126から基板取り外し情報を受信し、保存する。基板取り外し情報は、遊技制御装置54(基板に相当)の取り外し監視情報のことであり、夜間に遊技制御装置54が取り外されたか否かを示す情報である。なお、上記各情報の保存は、例えばRAM233にて行う。ステップD33を経ると、夜間監視情報受信処理を終了する。
〔払出制御装置のタイマ割込処理(払出)〕
次に、払出制御装置230のタイマ割込処理(払出)を図107により説明する。
このタイマ割込処理(払出)は、前述したメイン処理におけるステップD15、D16の処理によって開始され、所定のタイマ割込周期で繰り返し実行される。
このタイマ割込処理では、まずステップD41で、必要に応じてレジスタの退避や割込みの禁止を実行した後、ステップD42の入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(発射球検出スイッチ160、アウト球検出スイッチ161、第1セーフ球検出スイッチ162、第2セーフ球検出スイッチ163、第1封入球検出スイッチ164、第2封入球検出スイッチ65、ガラス枠開放スイッチ1125、夜間監視スイッチ126、電波センサ(枠)127等)からの検出信号の読み取りを実行する。
具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。細かくは、各センサの状態を読み込み、レベルデータやエッジデータを生成する。また、何れかのセンサがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
ここで、夜間監視スイッチ126は夜間(遊技機に主電源が供給されていない時)に前面枠4の開放や遊技制御装置54の取り外しを検出するが、通常状態(遊技機に主電源が供給されている時)でも前面枠4の開放や遊技制御装置54の取り外しを検出する。
次に、ステップD43で出力処理を実行する。これは、通信以外のポートへ出力データをここで一括するものである。なお、通信(例えば、遊技制御装置54との通信)は送信バッファ等を用いて行われる。
次いで、ステップD44でスイッチ監視処理を行う。これは、前述したように設定される入力フラグ(発射球検出スイッチ160、アウト球検出スイッチ161、第1セーフ球検出スイッチ162、第2セーフ球検出スイッチ163などの入力フラグ)を監視して、発射に伴う持球数の減算や盤面球数の増減など封入球制御のための処理を行うものである。
なお、ステップD44を含めて、ステップD44乃至ステップD59の各処理は詳細をサブルーチンで後述する。
次いで、ステップD45でエラー/不正監視処理を実行する。これは、前述の各センサ類の未検出エラーや、小球不正監視、磁性体球不正監視、夜間監視不正監視などを監視するための処理である。
例えば、このエラー/不正監視処理で監視するエラーや不正の種類は、以下の通りである。
・ガラス枠開放(ガラス枠5開放)
・前面枠開放(前面枠4開放)
・スイッチ異常(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
・盤面球数エラー
・封入球数エラー
・枠電波不正
・小球不正監視
・磁性体球不正監視
・夜間監視不正監視
封入球数エラーには、下記がある。
(a)封入球数不足エラー
(b)封入球数過剰エラー
(c)封入経路異常エラー
次いで、ステップD46に進み、主制御コマンド受信処理を行う。これは、遊技制御装置54からのコマンド(主制御コマンド)を受信するものである(詳細は後述)。
次いで、ステップD47で主制御ID受信処理を行う。これは、遊技制御装置54から主制御IDを受信するものである。
次いで、ステップD48でカードユニットコマンド受信処理を行う。これは、カードユニット15からのコマンドを受信するものである。
次いで、ステップD49で発射制御処理を行う。これは、遊技球の発射を制御するもので、球送りソレノイド172や発射ソレノイド173等の駆動制御を行うものである。
次いで、ステップD50で研磨装置制御処理を行う。これは、封入球の研磨を行う研磨装置306等の作動を制御するものである。
次いで、ステップD51で楊送装置制御処理を行う。これは、封入球の楊送を行う楊送装置302の作動を制御するものである。
次いで、ステップD52で持球数管理処理を行う。これは、入賞に伴う持球数の管理や計数球の使用等の管理を行うものである。
次いで、ステップD53で球抜き制御処理を行う。これは、封入球を外部に抜き取る際の制御行うものである。
次いで、ステップD54で精算制御処理を行う。これは、これは、カードユニット15からの精算指示等を監視して、精算に関する処理を行うものである(詳細は後述)。
次いで、ステップD55で休憩制御処理を行う。これは、休憩の開始や終了に必要な処理を行うものである。
次いで、ステップD56でLED編集処理を行う。これは、各種LED(例えば、エラー表示LED67、持球数表示器40、計数スイッチ311に内蔵のLED等)の表示に関する処理を行うものである。
次いで、ステップD57で主制御コマンド送信処理を行う。これは、払出制御装置230に入力される各種センサからの信号や計数スイッチ311の押下状態等の情報に基づいてコマンドを生成したりして払出制御装置230から主制御コマンドを遊技制御装置54に送信する処理を行うものである。
次いで、ステップD58でカードユニットコマンド送信処理を行う。これは、カードユニット15から受信したコマンドに基づき、リカバリ応答やカード挿入応答等の必要な処理を行ったり、遊技機IDをカードユニット15に送信する処理等を行うものである。
次いで、ステップD59で遊技停止信号編集処理を行う。これは、精算処理中や通信異常中等のときに遊技を停止させる遊技停止信号をオンしたり、遊技が可能な状態のときは遊技停止信号をオフする等の遊技停止信号の編集を行うもので、コマンドではなく、信号の形態をとる指示の処理を行うものである。
その後、メインルーチンを再開すべく、ステップD60で退避させたレジスタを復帰させ、ステップD61で割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
〔主制御コマンド受信処理〕
次に、前記タイマ割込処理(払出)における主制御コマンド受信処理D46を図108により説明する。
この処理は、遊技制御装置54から払出制御装置230に対して送信されてくるコマンドを受信してセーブするものである。
このルーチンが開始されると、ステップD71で遊技情報受信があるか否かを判定する。なお、概念的に広い意味では遊技情報もコマンドの1つであり、遊技状態情報もコマンドの1つに含まれる。また、種別情報、賞球情報も同様にコマンドの1つである。ただし、種別情報、賞球情報等にはコマンドを付けて種別情報コマンドのように記載せず、単に種別情報のようにコマンドを省いた記載にしている。
ステップD71で遊技情報受信がなければ、主制御コマンド受信処理を終了してリターンする。一方、ステップD71で遊技情報受信があれば、ステップD72に進んで種別情報、賞球情報を遊技情報受信バッファから読み出す。
ここで、前述したように、種別情報はデータ種別とデータ番号で構成され、賞球情報は賞球数と入賞個数で構成されるものであるが、より詳細な構成は、以下の通りである。
種別情報のデータ種別は情報なし、始動口、大入賞口、入賞口、図柄停止回数という種別を区別するものであり、下記のように上位4ビットでデータの種別を表す。
・0:情報なし
・1:始動口(第1、第1始動口を含む)
・2:大入賞口(第1大入賞口、第1大入賞口を含む)
・3:入賞口(一般入賞口のこと)
・4:図柄停止回数
また、下位4ビットでデータ種別毎のデータ番号を表す。
・0:情報なし
・1〜15:データ番号
一方、賞球情報は下記のように、上位4ビットでデータ種別毎の賞球球数を表す。
・0:情報なし
・1〜15:賞球球数
また、下位4ビットデータで種別毎の入賞個数を表す。
・0:情報なし
・1〜15:入賞個数
次に、遊技状態情報は下記のように各種遊技状態を表す。
・外部情報系の信号状態
・電波、磁石不正などの不正情報
・発射停止情報
ステップD72を経ると、ステップD73で遊技情報受信バッファから読み出した種別情報、賞球情報が「情報なし」であるか否かを判定する。上述したように、種別情報及び賞球情報には「情報なし」を表すビットも含んでいるため、そのビットの値で判断する。
ステップD73で「情報なし」と判定すると、ステップD83にジャンプし、全コマンドを受信完了したか否かを判定する。ステップD83で全コマンドを受信完了していなければ、ステップD72に戻ってル−プを繰り返す。そして、ステップD83で全コマンドを受信完了したと判定すると、ステップD84に進む。
一方、ステップD73で「情報なし」でなければ(情報ありであれば)、ステップD74に進み、種別情報=入賞系か否かを判定する。これは、遊技情報受信バッファから読み出した種別情報、賞球情報のうちの種別情報が入賞系の情報である始動口、大入賞口、入賞口への入賞を示す情報であるかどうかを判断するものである。入賞系以外の情報としては、例えば図柄停止回数がある。
ステップD74で種別情報=入賞系であれば、ステップD75に進んで入賞口の種別に対応する賞球球数領域を設定する。賞球球数領域には、例えば種別情報に対してはコマンドが表す種別(始動口、大入賞口、入賞口)を賞球数領域に設定する等というように、種別の領域がアドレスを割り付けて設定されているので、今回、遊技制御装置54から受信したコマンドに対応する賞球球数領域のアドレスを取得するものである。
例えば、今回、遊技制御装置54から受信したコマンドが種別情報、賞球情報であれば、種別情報が表す賞球の種別に対して割り付けられている賞球数領域のアドレスを取得することで、賞球情報が表す賞球数を読み出し、これからコマンドが意味する値として「賞球数」を解読してセーブ(ステップD77参照)することになる。
次いで、ステップD76に進み、賞球球数=0であるか否かを判定する。賞球球数=0であれば、今回の賞球数はないので、ステップD83にジャンプする。また、ステップD76で賞球球数=0でなければ、ステップD77で今回の賞球球数の示す値を新たに賞球球数領域に書き込む。ここでは、以前のデータに対して上書きすることで、今回の賞球球数の示す値を賞球球数領域に書き込むことになる。
次いで、ステップD78で入賞口の種別に対応する入賞個数領域を設定する。入賞個数領域には、例えば種別情報に対してはコマンドが表す種別(始動口、大入賞口、入賞口)を入賞個数領域に設定する等というように、種別の領域がアドレスを割り付けて設定されているので、今回、遊技制御装置54から受信したコマンドに対応する入賞個数領域のアドレスを取得するものである。
例えば、今回、遊技制御装置54から受信したコマンドが種別情報、賞球情報であれば、種別情報のうちの入賞口の種別に対して割り付けられている入賞個数領域のアドレスを取得することで、賞球情報のうちの入賞個数を読み出し、これからコマンドが意味する値として「入賞個数」を解読してセーブ(ステップD80参照)することになる。
次いで、ステップD79に進み、入賞個数=0であるか否かを判定する。入賞個数=0であれば、今回の入賞個数はないので、ステップD83にジャンプする。また、ステップD79で入賞個数=0でなければ、ステップD80で以前の入賞個数領域の値に対して今回の入賞個数の示す値を加えて新たな入賞個数領域の値とする。すなわち、「以前の入賞個数領域の値+今回の入賞個数の示す値」=新たに入賞個数領域の値とするように、以前のデータに対して今回のデータを加算していく。
これは、入賞個数は200ms毎の受信間隔の間に遊技制御装置54から払出制御装置230に対して送信されてくる構成であるので、200msの間に複数回のコマンドが来る可能性があるために入賞個数を加算するものである。例えば、大当り中で大入賞口が開放している間には、遊技球が連続して大入賞口に入賞する場合もあることから、そのような可能性がある。
ステップD80を経ると、次いで、ステップD83で全コマンドを受信完了したか否かを判定する。ステップD83で全コマンドを受信完了していなければ、ステップD72に戻ってル−プを繰り返す。そして、ステップD83で全コマンドを受信完了したと判定すると、ステップD84に進む。
一方、上記ステップD74で種別情報=入賞系でなければ、ステップD81に分岐して種別情報=図柄停止回数であるか否かを判定する。これは、遊技情報受信バッファから読み出した種別情報、賞球情報のうちの種別情報が入賞系の情報でなければ、入賞系以外の情報としては、例えば図柄停止回数があるので、図柄停止回数であるかどうかを判断するものである。ステップD81で種別情報=図柄停止回数であれば、ステップD82に進み、種別情報のうちの図柄停止回数に対応するデータ番号が示す値を図柄停止回数領域に書き込む。ここでは、以前のデータに対して上書きすることで、データ番号が示す値(今回の図柄停止回数)を図柄停止回数領域に書き込むことになる。これにより、最新の図柄停止回数に更新される。ステップD82を経ると、ステップD83に進む。また、ステップD81で種別情報=図柄停止回数でない場合も、ステップD83に進む。
ステップD83に進むと、全コマンドを受信完了したか否かを判定し、ステップD83で全コマンドを受信完了していなければ、ステップD72に戻ってル−プを繰り返す。そして、ステップD83で全コマンドを受信完了したと判定すると、ステップD84に進む。
上記ステップD83で全コマンドを受信完了したと判定して、ステップD84に進むと、遊技状態情報受信ありか否かを判定する。これは、遊技情報受信バッファから読み出した情報のうち種別情報、賞球情報に関する処理が終了したので、遊技情報受信バッファに遊技状態情報の受信が保存されているかどうかを判断するものである。
ステップD84で遊技状態情報の受信がなければ、主制御コマンド受信処理を終了する。一方、ステップD84で遊技状態情報の受信があれば、ステップD85に進み、遊技状態情報保存領域の先頭アドレスを設定する。遊技状態情報保存領域は複数の情報を保存可能なように領域がアドレスで区分可能に構成されているので、遊技情報受信バッファから読み出す複数の遊技状態情報を順次遊技状態情報保存領域に格納するためのアドレスを先頭から設定していくものである。
次いで、ステップD86で遊技情報受信バッファから遊技状態情報を読み出し、読み出した遊技状態情報をステップD87で遊技状態情報保存領域の先頭アドレスにセーブする。
次いで、ステップD88で遊技状態情報保存領域のアドレスを次のアドレスに更新する。これにより、次の遊技状態情報を保存する準備が整う。次いで、ステップD89で全ての遊技状態情報を受信完了したか否かを判定し、ステップD89で全ての遊技状態情報を受信完了していなければ、ステップD86に戻ってル−プを繰り返す。このようにして、遊技情報受信バッファから遊技状態情報の複数の情報のうちの次の情報が読み出され、次のアドレス(更新されたアドレス)で指定される遊技状態情報保存領域に保存される。このようなル−プの繰り返しにより、遊技状態情報の全ての情報が遊技情報受信バッファから読み出されて遊技状態情報保存領域の複数のアドレスにセーブされることになる。これにより、払出制御装置230では最新の遊技状態(例えば、外部情報系の信号状態、電波、磁石不正などの不正情報、発射停止情報)が分かることになる。
そして、ステップD89で全ての遊技状態情報(複数の全ての遊技状態情報)を受信完了したと判定すると、ステップD90に進み、主制御コマンド受信済みフラグをセットする。これにより、主制御コマンド受信済みフラグのセットを参照することで、全ての遊技状態情報を受信完了したことが他の処理でも確認可能になる。ステップD90を経ると、主制御コマンド受信処理を終了する。
〔主制御ID受信処理〕
次に、前記タイマ割込処理(払出)における主制御ID受信処理D47を図109により説明する。
この処理は、遊技制御装置54から払出制御装置230に対して送信されてくる主制御IDを受信してセーブするものである。
このルーチンが開始されると、ステップD101で主制御IDの受信があるか否かを判定する。ステップD101で主制御IDの受信がなければ、主制御ID受信処理を終了する。一方、ステップD101で主制御IDの受信があれば、ステップD102に進み、主制御ID保存領域の先頭アドレスを設定する。主制御ID保存領域は主制御IDの複数のデータ(例えば、チップコード、メーカコード、型式コード等)を保存可能なように領域がアドレスで区分可能に構成されているので、主制御ID受信バッファから読み出す主制御IDの複数のデータを順次主制御ID保存領域に格納するためのアドレスを先頭から設定していくものである。
次いで、ステップD103で主制御ID受信バッファから主制御IDの複数のデータのうちの1つのデータを読み出し、読み出したデータをステップD104で主制御ID保存領域の先頭アドレスにセーブする。次いで、ステップD105で主制御ID保存領域のアドレスを次のアドレスに更新する。これにより、次の主制御IDを保存する準備が整う。次いで、ステップD106で全てのデータ(主制御IDの複数のデータの全て)を受信完了したか否かを判定し、ステップD106で全てデータを受信完了していなければ、ステップD103に戻ってル−プを繰り返す。これにより、主制御ID受信バッファから主制御IDの複数のデータのうちの次のデータが読み出され、次のアドレス(更新されたアドレス)で指定される主制御ID保存領域に保存される。このようなル−プの繰り返しにより、主制御IDの全てのデータが主制御ID受信バッファから読み出されて主制御ID保存領域の複数のアドレスにセーブされることになる。
そして、ステップD106で主制御IDの全てのデータを受信完了したと判定すると、ステップ107に進み、ID送信フラグをセットする。これにより、ID送信フラグのセットを参照することで、主制御IDを送信してよいことが他の処理でも確認可能になる。ステップD107を経ると、主制御ID受信処理を終了する。
〔カードユニットコマンド受信処理〕
次に、前記タイマ割込処理(払出)におけるカードユニットコマンド受信処理D48を図110により説明する。
この処理は、カードユニット15から払出制御装置230に対して送信されてくるコマンド(カードユニットコマンド)を受信してセーブするものである。
このルーチンが開始されると、ステップD111でカードユニットコマンドの受信があるか否かを判定する。これは、カードユニットコマンド受信バッファにカードユニットコマンドがあるか否かで判断する。
ステップD101でカードユニットコマンドの受信がなければ、カードユニットコマンド受信処理を終了する。一方、ステップD111でカードユニットコマンドの受信があれば、ステップD112に進み、カードユニットコマンド保存領域の先頭アドレスを設定する。カードユニットコマンド保存領域は複数のカードユニットコマンドを保存可能なように領域がアドレスで区分可能に構成されているので、カードユニットコマンド受信バッファから読み出す複数のカードユニットコマンドを順次カードユニットコマンド保存領域に格納するためのアドレスを先頭から設定していくものである。
次いで、ステップD113でカードユニットコマンド受信バッファからコマンド(カードユニットコマンドのこと。以下、このフローチャートにおいて同様)を読み出し、読み出したコマンドをステップD114でカードユニットコマンド保存領域の先頭アドレスにセーブする。次いで、ステップD115でカードユニットコマンド保存領域のアドレスを次のアドレスに更新する。これにより、次のコマンドを保存する準備が整う。次いで、ステップD116で全てのコマンド(カードユニットコマンド受信バッファに存在する複数のコマンドの全て)を受信完了したか否かを判定し、ステップD116で全てのコマンドを受信完了していなければ、ステップD113に戻ってル−プを繰り返す。これにより、カードユニットコマンド受信バッファから次のコマンドが読み出され、次のアドレス(更新されたアドレス)で指定されるカードユニットコマンド保存領域に保存される。このようなル−プの繰り返しにより、カードユニットコマンド受信バッファに存在する全てのコマンドがカードユニットコマンド受信バッファから読み出されてカードユニットコマンド保存領域の複数のアドレスにセーブされることになる。
そして、ステップD116で全てのカードユニットコマンドを受信完了したと判定すると、ステップ117に進み、カードユニットコマンド受信済みフラグをセットする。これにより、カードユニットコマンド受信済みフラグのセットを参照することで、全てのカードユニットコマンドを受信完了したことが他の処理でも確認可能になる。ステップD117を経ると、カードユニットコマンド受信処理を終了する。
〔スイッチ監視処理〕
次に、前記タイマ割込処理(払出)におけるスイッチ監視処理D44を図111により説明する。
この処理は、各種スイッチの入力フラグを監視して、発射に伴う持球数の減算や盤面球数の増減など封入球制御のための処理を行うものである。
このルーチンが開始されると、ステップD121でアウト球検出スイッチ監視処理を行う。これは、非入賞センサであるアウト球検出スイッチ161の監視に関する処理を行うもので、詳細はサブルーチンで後述する。
次いで、ステップD122でセーフ球検出スイッチ監視処理を行う。これは、入賞センサである第1セ−フ球検出スイッチ162、第2セ−フ球検出スイッチ163の監視に関する処理を行うもので、詳細はサブルーチンで後述する。
次いで、ステップD123で発射球検出スイッチ監視処理を行う。これは、減算センサである発射球検出スイッチ160の監視に関する処理を行うもので、詳細はサブルーチンで後述する。
ステップD123を経ると、スイッチ監視処理を終了する。
〔アウト球検出スイッチ監視処理〕
次に、前記スイッチ監視処理におけるアウト球検出スイッチ監視処理D121を図112により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD131でアウト球検出スイッチ161がオンしたか(即ち、アウト球が検出されたか)否かを判定し、オンしていなければリターンする。アウト球検出スイッチ161がオンしていれば、ステップD132に進んでアウト数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)する。
次いで、ステップD133に進んで盤面球数エラー中か否か判定し、盤面球数エラー中ならば(具体的には、後述する図118の盤面球数エラーフラグがセットされているならば)ステップD134に進み、盤面球数エラー中でないならば(具体的には、後述する図118の盤面球数エラーフラグがクリアされているならば)ステップD135に進む。
ステップD134に進むと、ガラス枠開放エラー中か否か判定し、ガラス枠開放エラー中ならば(具体的には、後述する図120のガラス枠開放エラーフラグがセットされているならば)リターンし、ガラス枠開放エラー中でないならば(具体的には、後述する図120のガラス枠開放エラーフラグがクリアされているならば)ステップD135に進む。
ステップD135に進むと、盤面球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)し、リターンする。
このルーチンによれば、アウト球が1個回収されるたびに、盤面球数が1個減算される。但し、盤面球数エラー中でガラス枠開放エラー中である場合には、ガラス枠5を開けて盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業中であると考えられるため、ステップD135の盤面球数の減算は実行されない。なお、盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業が終了してガラス枠5が閉じられると、後述する図116のエラー解除スイッチ監視処理によって盤面球数はクリアされる(ステップD193)。
なお、ステップH131で検出されるアウト球は、発射されてセーフになった(入賞した)遊技球と、アウトになった(入賞しなかった)遊技球の両方を含む。即ち、アウト数は、遊技領域から排出され回収される全ての遊技球の数を意味する。
また、前記ステップD133及びD134により、盤面球数エラーが発生してもガラス枠5を開けなければステップD135が実行されて盤面球数は更新されるので、自然に詰まりが解消された場合、つまり遊技者がガラス枠5の前面を叩いた場合等や、遊技球同士が衝突することで解消された場合はエラー解除スイッチ68を操作しなくてもエラーが解除されるようになっているので遊技者、店員のどちらにとってもわずらわしさが発生することがない。
〔セーフ球検出スイッチ監視処理〕
次に、前記スイッチ監視処理におけるセーフ球検出スイッチ監視処理D122を図113により説明する。
遊技盤20の裏面側の枠部には第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163が配置されており、これらのスイッチ162、163は遊技盤20のセーフ球のみを検出する。そのため、セーフ球検出スイッチ監視処理では第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163に関連する処理を行う。
このルーチンが開始されると、まずステップD141で第1セーフ球検出スイッチ162がオンしたか否かを判定し、オンしていなければステップD147へジャンプして第2セーフ球検出スイッチ163に関連する処理に移行する。
一方、第1セーフ球検出スイッチ162がオンしていれば、ステップD142に進んでセーフ数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)する。次いで、ステップD143でアウト数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)する。
次いで、ステップD144に進んで盤面球数エラー中か否か判定し、盤面球数エラー中ならば(具体的には、後述する図118の盤面球数エラーフラグがセットされているならば)、ステップD145に進み、盤面球数エラー中でないならば(具体的には、後述する図118の盤面球数エラーフラグがクリアされているならば)、ステップD146に進む。
ステップD145に進むと、ガラス枠開放エラー中か否か判定し、ガラス枠開放エラー中ならば(具体的には、後述する図120のガラス枠開放エラーフラグがセットされているならば)、ステップD147にジャンプし、ガラス枠開放エラー中でないならば(具体的には、後述する図120のガラス枠開放エラーフラグがクリアされているならば)ステップD146に進む。
ステップD146に進むと、盤面球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)し、ステップD147に進む。
上記ステップD141乃至ステップD146までの処理によれば、第1セーフ球検出スイッチ162によりセーフ球が1個検出されるたびに、セーフ数が「+1」更新されるとともに、アウト数も同じく「+1」更新される。また、セーフ数が1個検出されるたびに、盤面球数が1個減算される。但し、盤面球数エラー中でガラス枠開放エラー中である場合には、ガラス枠5を開けて盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業中であると考えられるため、ステップD146の盤面球数の減算は実行されない。なお、盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業が終了してガラス枠5が閉じられると、後述する図116のエラー解除スイッチ監視処理によって盤面球数はクリアされる(ステップD193)。
なお、ステップH141で検出されるセーフ球は、発射されてセーフになった(入賞した)遊技球であり、アウトになった(入賞しなかった)遊技球は含まれない。
ただし、アウト数は、遊技領域から排出され回収される全ての遊技球の数を意味するので、発射されてセーフになった(入賞した)遊技球も遊技領域から排出され回収される球に含まれることから、ステップD143でアウト数の値を「+1」だけ更新するようにしている。
また、前記ステップD144及びD145により、盤面球数エラーが発生してもガラス枠5を開けなければステップD146が実行されて盤面球数は更新されるので、自然に詰まりが解消された場合、つまり遊技者がガラス枠5の前面を叩いた場合等や、遊技球同士が衝突することで解消された場合はエラー解除スイッチ68を操作しなくてもエラーが解除されるようになっているので遊技者、店員のどちらにとってもわずらわしさが発生することがない。
ステップD146を経て、ステップD147に進むと、第2セーフ球検出スイッチ163に関連する処理に移行する。
すなわち、ステップD147で第2セーフ球検出スイッチ163がオンしたか否かを判定し、オンしていなければリターンする。一方、第2セーフ球検出スイッチ163がオンしていれば、ステップD148に進んでセーフ数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)するともに、ステップD149でアウト数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)する。
次いで、ステップD150に進んで盤面球数エラー中か否か判定し、盤面球数エラー中ならば(具体的には、後述する図118の盤面球数エラーフラグがセットされているならば)ステップD151に進み、盤面球数エラー中でないならば(具体的には、後述する図118の盤面球数エラーフラグがクリアされているならば)ステップD152に進む。
ステップD151に進むと、ガラス枠開放エラー中か否か判定し、ガラス枠開放エラー中ならば(具体的には、後述する図120のガラス枠開放エラーフラグがセットされているならば)、リターンする。一方、ガラス枠開放エラー中でないならば(具体的には、後述する図120のガラス枠開放エラーフラグがクリアされているならば)、ステップD152に進む。
ステップD152に進むと、盤面球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)し、リターンする。
上記ステップD147乃至ステップD152までの処理によれば、第2セーフ球検出スイッチ163によりセーフ球が1個検出されるたびに、セーフ数が「+1」更新されるとともに、アウト数も同じく「+1」更新される。また、セーフ数が1個検出されるたびに、盤面球数が1個減算される。但し、盤面球数エラー中でガラス枠開放エラー中である場合には、ガラス枠5を開けて盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業中であると考えられるため、ステップD146の盤面球数の減算は実行されない。なお、盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業が終了してガラス枠5が閉じられると、後述する図116のエラー解除スイッチ監視処理によって盤面球数はクリアされる(ステップD193)。
なお、ステップD147で検出されるセーフ球は、発射されてセーフになった(入賞した)遊技球であり、アウトになった(入賞しなかった)遊技球は含まれない。
ただし、アウト数は、遊技領域から排出され回収される全ての遊技球の数を意味するので、発射されてセーフになった(入賞した)遊技球も遊技領域から排出され回収される球に含まれることから、ステップD149でアウト数の値を「+1」だけ更新するようにしている。
また、前記ステップD150及びD151により、盤面球数エラーが発生してもガラス枠5を開けなければステップD152が実行されて盤面球数は更新されるので、自然に詰まりが解消された場合、つまり遊技者がガラス枠5の前面を叩いた場合等や、遊技球同士が衝突することで解消された場合はエラー解除スイッチ68を操作しなくてもエラーが解除されるようになっているので遊技者、店員のどちらにとってもわずらわしさが発生することがない。
〔発射球検出スイッチ監視処理〕
次に、前記スイッチ監視処理における発射球検出スイッチ監視処理D123を図114により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD161で発射球検出スイッチ160がオンしたか(即ち、発射される遊技球が検出されたか)否かを判定し、オンしていなければリターンする。発射球検出スイッチ160がオンしていれば、ステップD162に進んで持球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)する。ここでの持球数とは、払出制御装置230(払出制御基板)の内部で管理する持球数情報である。ステップD162の処理は球の発射に伴い、持球数を1個減算する必要があるので、それを行うものである。
次いで、ステップD163で盤面球数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、ステップD164に進む。
上記ステップD161乃至ステップD163のルーチンによれば、遊技球が1個発射されるたびに、盤面球数が1個加算され、持球数が1個減算される。盤面球数は、発射されて回収されていない遊技球、即ち主に遊技盤面上(遊技領域内)を落下しつつある遊技球の数である。ここで、ステップD162の処理は、遊技領域に遊技球が発射されることに対応して持球数(遊技価値)を減らす発射減算処理を構成する。
次いで、ステップD164に進むと、持球数表示ライトカウンタを「+1」だけ更新(インクリメント)し、ステップD165でライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に「−1」をセーブする。これは、球の発射に伴う持球数の変化を持球数表示器40にて表示する必要があるので、持球数表示ライトカウンタの値を「+1」だけ更新(インクリメント)して進め、進めたライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に球の発射に伴う「−1」を格納し、格納した「−1」を表示用持球数から減算して表示用更新持球数とするものである。
すなわち、持球数表示器40(7セグメントのLEDを6個配列して6桁の数値(持球数)を表示可能)に表示用持球数を変化事象毎に表示するための変化量を表示用更新持球数格納領域に格納していくが、ここでは球の発射により1個だけ持球数が減るので、表示用更新持球数格納領域に「−1」を格納するものである。
ステップD165を経ると、リターンする。これにより、持球数が「1」だけ減算されて持球数表示器40の表示が更新されることになる
〔エラー/不正監視処理〕
次に、前記タイマ割込処理におけるエラー/不正監視処理D45を図115により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD171のエラー解除スイッチ監視処理、ステップD172の封入球数監視処理、ステップD173の入賞数異常監視処理、ステップD174の枠開放エラー監視処理、ステップD175の枠スイッチ異常監視処理、ステップD176の盤面球数エラー監視処理、ステップD177の枠電波不正監視処理、ステップD178の小球不正監視処理、ステップD179の磁性体球不正監視処理、ステップD180の夜間監視不正監視処理を順次実行した後にリターンする。
なお、上記ステップD171乃至ステップD180における各監視処理については、詳細後述する。
〔エラー解除スイッチ監視処理〕
次に、前記エラー/不正監視処理におけるエラー解除スイッチ監視処理D171を図116により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD191で、エラー解除スイッチ68がオン操作されたか否か判定し、オン操作されたならばステップD192に進み、オン操作されていなければリターンする。ステップD192に進むと、盤面球数エラー中か否か判定し、盤面球数エラー中ならば(具体的には、後述する図118の盤面球数エラーフラグがセットされているならば)、ステップD193に進み、盤面球数エラー中でないならば(具体的には、後述する図118の盤面球数エラーフラグがクリアされているならば)、リターンする。
ステップD193に進むと、盤面球数をクリアし(即ち、盤面球数のデータをゼロの状態に戻し)、次にステップD194で封入球数確認要求フラグをセットする。次いで、ステップD195で封入球数確認ウエイトタイマに初期値を設定し、リターンする。
ここで、ステップD193の処理により盤面球数がクリアされてゼロになると、後述する図117のステップD201の判定結果が否定的になり、ステップD202で封入球数過剰エラーフラグがクリアされる。またこの場合、後述する図118のステップD221の判定結果も否定的になり、ステップD223で盤面球数エラーフラグもクリアされる。但し、後述する封入球数過剰エラーが生じていて、この封入球数過剰エラーが実際には解消されていないと(例えば、ガラス枠5を開けて遊技領域の球詰まりを解除してガラス枠5を閉じ、エラー解除スイッチ68をオン操作したけれども、封入球数が全体として過剰な状態が継続していると)、後述する如く実行される封入球数確認判定の処理(図117のステップD207以降)において、例えばステップD210が実行されて封入球数過剰のエラーフラグが再度セットされることになる。
このため、図116のルーチンによれば、エラー解除スイッチ68がオン操作されることによって、盤面球数がクリアされて前述の盤面球数エラーフラグの解除などが実行される。これにより、遊技球の詰まりなどによって盤面球数が規定数より多くなる異常(盤面球数エラー)、或いは封入球数エラー(封入球数過剰エラー、封入球数不足エラー、封入経路異常エラー)が発生した場合、遊技場の店員等がガラス枠5を開けて手作業で球詰まり(或いは球不足等)を解消した後にガラス枠5を閉め、かつ、その後にエラー解除スイッチ68をオン操作すると、このエラー検出状態(エラーフラグがセットされた状態)が自動的に解除される。したがって、的確かつ円滑なエラー解除が行える効果がある。
即ち、エラー解除スイッチ68をオン操作するだけでは、エラー検出状態を解除できず、球詰まり等を実際に解消しないと解除できないので(ステップD192で盤面球数エラー中でないことを確認しているので)、エラー解除の的確性が高まる。また、この的確性を高めるために、さらに別の操作を必須としないので、円滑なエラー解除が実現できる。また図116の処理では、エラーフラグ(例えば、封入球数過剰エラーフラグや盤面球数エラーフラグ)をクリアするのではなく、ステップD193で盤面球数をクリアする条件を設定することで実質的に封入球に関する前述した各種のエラー検出状態が解除される構成としている。このため、少ないステップ数で多数のエラーフラグ(封入球数過剰エラー、封入球数不足エラー、封入経路異常エラー、盤面球数エラーの各フラグ)についてのエラー検出状態の解除処理が実質的に実現されることになって、処理が簡素化される効果がある。
また、エラー解除操作が為された後、封入球数確認の処理を実行して封入球数等が正常であること(封入球数過剰エラー、封入球数不足エラー、封入経路異常エラーでないこと)を確認した上でエラーフラグを解除(図117)することになるので、エラー解除の的確性をより向上できるという効果がある。
また、盤面球数エラーが発生し、ガラス枠5を開けて手作業で解消しようとした場合に、詰まりを解消された遊技球が遊技領域内の遊技釘等に衝突し、遊技領域外に飛び出してしまうことがある。このようにアウト球流入口23から回収されずに遊技球を紛失した状態にある場合でも、ステップD193で盤面球数はクリアされるので、後述するステップD221で盤面球数が規定数以上と判定されることがなく、後述するステップD208、ステップD212、ステップD214で封入球数不足エラーと判定されない限り、遊技を再開することができるので、遊技者が不満を感じる等の不具合が回避される。なお、ステップD134、ステップD135でガラス枠5開放中はアウト球検出スイッチ161を通過しても、盤面球数を更新しないようにしているので、ガラス枠5を開けた場合はエラー解除スイッチ68を操作し、エラーを解除することを必要とする。さらに、ステップD193で盤面球数をクリアすることで、盤面球数エラーが解消されるようになっているので、盤面上に遊技球がないにもかかわらず、盤面球数はプラスの状態にあるといった矛盾を抱えたまま動作することがないので、正常な状態にあるにもかかわらず盤面球数エラーが頻発するというような問題に発展することがない。
なお、盤面球数エラーや封入球数エラーの要因(球詰まり、球不足、球過剰)を解消するための作業は、例えば次のようにして行うことができる構成となっている。まず、例えば盤面(遊技領域22を含む遊技盤20の前面)における球詰まり(いわゆるブドウ等と呼ばれるもの)は、ガラス枠5を開けて手作業で詰まっている球を押したり引いたり衝撃を加えたりして流下させることによって解消できる。
また、封入球数過剰は、必要に応じてガラス枠5に加えて前面枠4を開けて、前述した球送り装置を手動で作動させて発射位置に球を送り出し、発射位置に送り出された球を手で抜き取ることによって、球を1個ずつ機外へ排出することによって解消できる。また封入球数不足は、ガラス枠5を開けて、盤面側より遊技領域22内に機外からの球(補給する球)を差し入れて流下させる(例えばアウト球流入口23に流入させる)ことによって解消できる。
さらに、実施例1では封入球数過剰のときは、封入球を交換する場合と同様に、店員が球抜きスイッチ183を操作することで、封入球が上部通路303からバイパス通路304を経て球抜き通路305を通り回収ボックス345に回収される機構を使用してもよい。また、封入球数不足のときは、補給ボックス部343から新しい遊技球を上部通路303に補給するようにしてもよい。
〔封入球数監視処理〕
次に、前記エラー/不正監視処理における封入球数監視処理D172を図117により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD201で盤面球数がゼロ未満か否か判定し、ゼロ未満ならステップD203に進み、ゼロ未満でなければステップD202に進む。ステップD202では、盤面球数がゼロ未満でないために封入球数過剰エラーフラグをクリアし、ステップD204に進む。一方、ステップD203では、盤面球数がゼロ未満であって不正に球が盤面に投入されたなどの異常状態であるので、封入球数過剰エラーフラグをセットし、ステップD204に進む。
ステップD204に進むと、封入球数の確認要求があるか否か(即ち、封入球数確認要求フラグがセットされているか否か)判定し、あればステップD205に進み、無ければステップD205以降の処理をジャンプして(即ち、実行しないで)リターンする。
なお、封入球数確認要求フラグは、例えば電源投入時(停電復旧時を含む)、エラー解除スイッチ68が押されたとき、枠開放エラーが正常に戻ったときにセットされる。
ステップD205に進むと、封入球数確認ウエイトタイマが「0」でなければ「−1」更新する。封入球数確認ウエイトタイマは前述したステップD195で初期値に設定されているので、デクリメントするものである。
次いで、ステップD206で封入球数確認ウエイトタイマが「0」であるか否かを判定し、「0」でなければ、リターンする。そして、ルーチンを繰り返して封入球数確認ウエイトタイマが「0」になると、ステップD207に抜けて、封入球数確認要求フラグをクリアする。次いで、ステップD208で最小封入球数検出スイッチ(即ち、第1封入球検出スイッチ164)がオンしているか否か判定し、オンしていればステップD209に進み、オンしていなければステップD212に進む。
そして、ステップD209に進むと、最大封入球数検出スイッチ(即ち、第2封入球検出スイッチ165)がオンしているか否か判定し、オンしていればステップD210に進み、オンしていなければステップD211に進む。ステップ210に進んだ場合は、各スイッチ164、165が両方ともオンしており封入球数過剰エラーであるので封入球数過剰エラーフラグをセットし、その後リターンする。
一方、ステップD211に進んだ場合は、封入球数が正常範囲(即ち、最小以上で最大以下)であるので、封入球数は正常であるとして封入球数正常設定を行う。ここでは、封入球数過剰エラーフラグ以外のエラーフラグ(即ち、後述する封入球数不足エラーフラグ及び封入経路異常エラーフラグ)をクリアし、リターンする。
なお、フラグをセットするとはフラグを立てることを意味し、フラグをクリアするとはフラグが立っていない状態(セットされていない状態)にすることを意味する。
また、封入球数過剰エラーフラグがセットされている状態(封入球数過剰エラーのエラー検出状態)を解除するには、図116で説明したように、ガラス枠5を開けてエラーの原因を解消し(例えば余分な球を取り出し)、その後ガラス枠5を閉め、エラー解除スイッチ68を押す必要がある。他の封入球数エラー(封入球数不足エラー及び封入経路異常エラー)も同様である。なお、単にガラス枠5を開閉してエラー解除スイッチ68を押すだけでも、本ルーチン(図117)のステップD201、D202によって封入球数過剰エラーフラグはクリアされるが、エラーの原因が解消されていない場合(封入球数が過剰な場合)には、その後に、本ルーチン(図117)のステップD207以降の処理が実行され、そのうちのステップD210により再度封入球数過剰エラーフラグがセットされることになる。
一方、ステップD208の判定がNOとなり、ステップD212に進むと、最大封入球数検出スイッチ(即ち、第2封入球検出スイッチ165)がオンしているか否か判定し、オンしていればステップD213に進み、オンしていなければステップD214に進む。ステップD213に進んだ場合は、第1封入球検出スイッチ164がオンしていないのに第2封入球検出スイッチ165がオンしており、例えば前述の上部通路303で球詰まりが生じているなどの異常と考えられるので、封入経路異常エラーフラグをセットし、その後リターンする。
また、ステップD214に進んだ場合は、封入球数が不足(即ち、最小よりも少ない)であるので、封入球数不足エラーフラグをセットし、リターンする。
〔盤面球数エラー監視処理〕
次に、前記エラー/不正監視処理における盤面球数エラー監視処理D176を図118により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD221で盤面球数が規定数以上か否か判定し、規定数以上であればステップD222に進み、規定数以上でなければステップD223に進む。ここで、規定数は1以上の値であり、例えば10個である。一般に、盤面球数が10個以上もあると遊技上問題がある程度に遊技球の流れが滞っていると考えられるためである。なお、この規定数は10に限らず、遊技機によって最適値が異なる。
そして、ステップD222に進むと、盤面球数エラーフラグをセットし、リターンする。一方、ステップD223に進むと、盤面球数エラーフラグをクリアし、リターンする。
このルーチンによれば、遊技領域等での球詰まり等によって盤面球数が異常に多くなると、ステップD221の判定結果が肯定的になり、ステップD222で盤面球数エラーフラグがセットされて盤面球数エラーとなる。また、球詰まり等が解消されて盤面球数が正常に戻ると、ステップD221の判定結果が否定的になり、ステップD223で盤面球数エラーフラグがクリアされて盤面球数エラーのエラー検出状態が解除される。
なお、盤面球数エラーになるとエラー情報がカードユニット15を介してホールコンピュータ86などに出力されるが、盤面球数エラーになってもそれだけでは遊技球の発射は不能とされない(後述の図127)。これにより、遊技領域での単なる球詰まり等(封入球数等は正常な場合)によって遊技球の発射(即ち遊技)ができなくなり、遊技者が不満を感じる等の不具合が回避される。但し、盤面球数エラーとともに遊技を継続させるべきでない他のエラー(例えば封入球数不足エラー)も生じている場合には、遊技球の発射は不能とされる(後述の図127参照)。
〔入賞数異常監視処理〕
次に、前記エラー/不正監視処理における入賞数異常監視処理D173を図119により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD231で主制御コマンドの受信があるか否かを判定し、主制御コマンドの受信がなければリターンする。
一方、主制御コマンドの受信があれば、ステップD232に進み、入賞個数とセーフ数の差は所定数(例えば、5個)以上か否かを判定する。これは、先のステップD231で受信した主制御コマンドから遊技制御装置54側で決定された入賞個数を読み取り、この入賞個数を払出制御装置230に入力されている第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出されたセーフ数の総数を比較して、入賞個数とセーフ数(ここでは第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出された各セーフ数の総数)との差をチェックするものであり、その差が所定数以上であれば、異常と判断することになる。
すなわち、遊技制御装置54から送られてきた入賞個数と、払出制御装置123側でカウントしているセーフ数を比較して、異常の有無を監視するものである。
ステップD232で入賞個数とセーフ数の差が所定数以上であれば、ステップD233に進み、入賞数異常フラグをセットする。入賞個数とセーフ数の差が所定数以上という状態は、例えば遊技盤20の入賞口(例えば、第1始動入賞口25、第2始動入賞口26、一般入賞口28〜31等)に、いわゆる釣り球等の不正行為によって球を入賞させ、その後、球を抜くような不正(実際には、入賞口に球の入賞が無く、入賞センサをオンさせるだけ)や電波を用いて不正に入賞センサをオンさせる不正等により、入賞個数が多くなる半面、実際のセーフ数が少ないという状況である。
これは、遊技盤20側で決定された入賞個数と、払出制御装置230側で検出されたセーフ数の差が大きくなる(本実施例では、5個以上)ことで、判定可能になる。
ステップD233を経ると、ステップD234で入賞数異常監視タイマが「0」になったか否かを判定する。これは、入賞個数とセーフ数の差が所定数以上になっても、直ぐには賞球加算を停止せず、入賞数異常監視タイマ(後述のステップD235で初期値に設定される)でカウントされて「0」になるまでの間は、監視を継続するものである。大当り中には一時的に第1変動入賞装置27に連続的に遊技球が入賞する場合もあるので、入賞数異常フラグがセットされても、直ぐには賞球加算を停止しないようにしている。
ステップD234で入賞数異常監視タイマが「0」になっていなければ。ステップD236に進み、入賞数異常監視タイマを「−1」更新する。一方、ステップD234で入賞数異常監視タイマが「0」になっていれば。ステップD235に進んで入賞数異常監視タイマに初期値(例えば、15秒)を設定し、続くステップD236で入賞数異常監視タイマを「−1」更新する。
ステップD236を経ると、次いで、ステップD237で賞数異常監視タイマが「0」になったか否かを判定し、同タイマが「0」になっていなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。そして、ルーチンの繰り返しにより、ステップD237で賞数異常監視タイマが「0」になったと判定すると、ステップD238に進んで賞球加算停止フラグをセットする。これは、入賞個数とセーフ数の差が所定数以上になって、入賞数異常監視タイマの初期値(例えば、15秒)に設定された期間だけ、入賞個数とセーフ数の差が所定数以上になるという異常期間が継続したので、不正の可能性が高いと判断して、入賞個数を持球数に加算する処理を停止するために賞球加算停止フラグをセットするものである。ステップD238を経ると、リターンする。
一方、ステップD232で入賞個数とセーフ数の差が所定数(例えば、5個)以上でなければ、ステップD239に分岐して入賞数異常フラグをクリアし、続くステップD240で入賞数異常監視タイマを「0」クリアしてリターンする。
これは、入賞個数とセーフ数の差が所定数以上でないので、通常の遊技状態の範囲内であると判断して入賞数異常フラグをクリアするとともに、入賞数異常監視タイマも「0」クリアするものである。
〔枠開放エラー監視処理〕
次に、前記エラー/不正監視処理における枠開放エラー監視処理D174を図120により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD251でガラス枠5(前枠)の開放を検出するガラス枠開放スイッチ125の状態が前回処理時と同じか否か判定し、同じであればステップD253に進み、同じでなければステップD252でガラス枠開放監視タイマにガラス枠開放監視タイマ初期値(例えば、100msecに対応する値)をセットした後に、ステップD253に進む。
ステップD253に進むと、ガラス枠開放監視タイマがゼロでなければ、ガラス枠開放監視タイマの値をタイマ処理周期の1サイクル分減らす更新(「−1」更新)処理を実行した後、ステップD254に進んでガラス枠開放監視タイマの値がゼロになったか判定し、ゼロならばステップD255に進み、ゼロでなければステップD255乃至D257をジャンプしてステップD258に進む。
これらステップD255乃至D257では、ガラス枠開放スイッチ125の状態によりガラス枠5の開閉状態を監視しており、同じ状態がガラス枠開放監視タイマ初期値に相当する所定時間(例えば、100msec)継続した場合にはじめて、ステップD255以降の処理でガラス枠5の開閉状態を確定させるようにしている。これにより、ガラス枠5の開閉状態が信頼性高く判定される。つまり、例えばガラス枠開放スイッチ125の信号がノイズ等によって瞬間的に変動しても、これによってガラス枠5の開閉状態を誤って判定することが防止される。
ステップD255に進むと、ガラス枠開放スイッチ125の状態は、ガラス枠5の開放状態に対応するものか判定し、開放状態ならばステップD256でガラス枠開放エラーフラグをセットした後にステップD258に進み、開放状態でないならば(即ち、閉鎖状態ならば)ステップD257でガラス枠開放エラーフラグをクリアした後にステップD258に進む。
次にステップD258に進むと、前面枠4について、ステップD251乃至D257と同様の処理を行い、その後リターンする。
ここで、図120に示すフローチャートでは、説明の都合上、前面枠4を本体枠と表記し、前面枠4の開放を検出する夜間監視スイッチ126を本体枠開放検出スイッチと表記している。これは、ガラス枠5の開放をガラス枠開放スイッチ125で検出することとの対比で、前面枠4の開放の検出は本体枠開放検出スイッチで行うと記述した方が分かりやすいからである。また、ガラス枠5は前枠と称されることがあるので、前面枠4についても本体枠と称しているものである。
さて、フローチャートの内容説明に戻り、ステップD258では、前面枠4の開放を検出する夜間監視スイッチ126の状態が前回処理時と同じか否か判定し、同じであればステップD260に進み、同じでなければステップD259で本体枠開放監視タイマに本体枠開放監視タイマ初期値(例えば、100msecに対応する値)をセットした後に、ステップD260に進む。
ステップD260に進むと、本体枠開放監視タイマがゼロでなければ、本体枠開放監視タイマの値をタイマ処理周期の1サイクル分減らす更新(「−1」更新)処理を実行した後、ステップD261に進んで本体枠開放監視タイマの値がゼロになったか判定し、ゼロならばステップD262に進み、ゼロでなければステップD265に進む。
これらステップD258乃至D261では、夜間監視スイッチ126の状態により前面枠4の開閉状態を監視しており、同じ状態が本体枠開放監視タイマ初期値に相当する所定時間(例えば、100msec)継続した場合にはじめて、ステップD262以降の処理で前面枠4の開閉状態を確定させるようにしている。これにより、前面枠4の開閉状態が信頼性高く判定される。
ステップD262に進むと、本体枠開放検出スイッチ(夜間監視スイッチ126)の状態は、前面枠4の開放状態に対応するものか判定し、開放状態ならばステップD263で本体枠開放エラーフラグをセットした後にステップD265に進み、開放状態でないならば(即ち、閉鎖状態ならば)ステップD264で本体枠開放エラーフラグをクリアした後にステップD265に進む。
ステップD265では、枠開放エラー状態から正常に戻った瞬間か否かを判定する。ここでの枠開放エラーとは、ガラス枠5と前面枠4の両方の枠の開放エラーを指すものであり、よって、ステップD265の判定は何れか1つの枠若しくは両方の枠が開いている状態から、両方とも閉じた状態になった瞬間かを判断するものである、
ステップD265で枠開放エラー状態から正常に戻った瞬間でない場合には、枠開放エラー監視処理を終了してリターンする。そして、ルーチンを繰り返し、ステップD265で枠開放エラー状態から正常に戻った瞬間であると判断すると、ステップD266に進み、封入球数確認要求フラグをセットする。封入球数確認要求フラグは前述したように、例えば電源投入時(停電復旧時を含む)、エラー解除スイッチ68が押されたとき、枠開放エラーが正常に戻ったときにセットされるが、ここでは、枠開放エラーが正常に戻ったときにセットされる場合に相当するものである。また、封入球数確認要求フラグがセットされると、封入球監視処理(図117)で封入球数の確認要求があるかと判断されて、封入球数の確認が行われることになる。
次いで、ステップD267で封入球数確認ウエイトタイマに初期値を設定する。これは、前述したステップD195(図116)の処理と同様のものである。ステップD267を経ると、枠開放エラー監視処理を終了する。
〔枠スイッチ異常監視処理〕
次に、前記エラー/不正監視処理における枠スイッチ異常監視処理D175を図121により説明する。
枠スイッチ異常監視処理は、遊技制御装置54(主制御基板)の場合と同様に、払出制御装置230に接続されている各種スイッチのコネクタ抜け、断線、短絡等の異常を監視する処理である。対象スイッチは、下記に示すような、例えば近接スイッチである。
・第1封入球検出スイッチ164、第2封入球検出スイッチ165
・アウト球検出スイッチ161
・第1セーフ球検出スイッチ162、第2セーフ球検出スイッチ163
・発射球検出スイッチ160
・研磨入口スイッチ321
・揚送入口スイッチ332
・揚送出口スイッチ334
このルーチンが開始されると、まずステップD271でスイッチ異常信号の状態は前回処理時と同じか否かを判定する。この判定は、例えば払出制御装置230におけるCPU231の周辺回路における近接インターフェースICから出力される信号に基づいて判断する。
ステップD271の判定結果がYES(前回処理時と同じ)であれば、ステップD273に進み、同じでなければ、ステップD272でスイッチ異常監視タイマにスイッチ異常監視タイマ初期値(例えば、100msecに対応する値)をセットした後に、ステップD273に進む。
ステップD273に進むと、スイッチ異常監視タイマがゼロでなければ、スイッチ異常監視タイマの値をタイマ処理周期の1サイクル分減らす更新(「−1」更新)処理を実行した後、ステップD274に進んでスイッチ異常監視タイマの値がゼロになったか判定し、ゼロならばステップD275に進み、ゼロでなければリターンする。
ステップD275に進むと、スイッチ異常信号は異常状態か否かを判定する。これは、上述した各種スイッチにコネクタ抜け、断線、短絡等の異常が発生したか否かを判定するものである。ステップD275でスイッチ異常信号は異常状態であると判定すると、ステップD276に進んで枠スイッチ異常フラグをセットし、リターンする。
一方、ステップD275でスイッチ異常信号は異常状態でなければ、ステップD277に進んで枠スイッチ異常フラグをクリアし、その後、リターンする。
枠スイッチ異常フラグは、後述の図146に示す主制御コマンド送信処理で各種エラーフラグに基づいてコマンドを生成し、そのコマンドを遊技制御装置54へ送り、遊技制御装置54は同コマンドを演出制御装置53に送信し、演出制御装置53では、このコマンドを受けて例えば表示装置41にエラー状態(例えば、枠スイッチが異常とのエラー状態)であることを報知するときに使用される。
〔枠電波不正監視処理〕
次に、前記エラー/不正監視処理における枠電波不正監視処理D177を図122により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD281で電波センサ(枠)127はオンか否かを判定する。電波センサ(枠)127がオンしていると、払出制御装置230は枠に対する不正な電波が検出されたと判断してステップD282に進み、ウエイトタイマ初期値(例えば、60秒)を電波不正ウエイトタイマ領域にセーブする。電波不正ウエイトタイマに初期値を設定するのは、電波センサ(枠)127により不正電波が検出されなくなったとしても、同タイマの値がある間は不正中扱いとするためである。
次いで、ステップD283で枠電波不正フラグをセットし、リターンする。これにより、電波センサ(枠)127がオンすると、後述の図146に示す主制御コマンド送信処理に従い、枠スイッチ異常監視処理で説明した場合と同様に、最終的に演出制御装置53の制御により例えば表示装置41にてエラー報知されることになる。
一方、ステップD281で電波センサ(枠)127がオンしていなければ、ステップD284に分岐して電波不正ウエイトタイマがゼロでなければ、電波不正ウエイトタイマの値をタイマ処理周期の1サイクル分減らす更新(「−1」更新)処理を実行した後、ステップD285に進んで報知タイマの値がゼロになったか判定し、ゼロでなければリターンし、ゼロになっていれば、ステップD286で枠電波不正フラグをクリアし、リターンする。報知タイマは、エラー報知を継続する期間をカウントするものである。
〔小球不正監視処理〕
次に、前記エラー/不正監視処理における小球不正監視処理D178を図123により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD291で最小封入球数検出スイッチ(第1封入球検出スイッチ164)がオンか否かを判定する。第1封入球検出スイッチ164は封入球数の最小数を検出するセンサであるので、ステップD291では第1封入球検出スイッチ164を最小封入球数検出スイッチとしている。
ステップD291で最小封入球数検出スイッチがオンしていれば、ステップD292に進み、タイマ初期値(小球検出タイマの初期値のこと)を小球検出タイマ領域にセーブする。タイマ初期値は、例えば20msに設定される。
次いで、ステップD293に進んで小球通過監視フラグをセットし、ステップD294で小球通過監視中か否かを判定する。小球通過監視フラグがセットされていると、小球通過監視中と判定する。ステップD294で小球通過監視中であれば、ステップD295で小球センサ342がオンか否かを判定する。小球センサ342は遊技球が正規球であればオンするが、遊技球が異常球(小球)の場合は、小球センサ342を通過しても、小球センサ342は異常球(小球)を検出せず、その検出信号がオンにならない。
小球センサ342がオンしていれば、遊技球が正規球であると判断されるので、ステップD296で小球検出タイマをクリアし、続くステップD297で小球通過監視フラグをクリアした後、リターンする。
このように、最小封入球数検出スイッチ(第1封入球検出スイッチ164)がオンしたときに小球センサ342がオンすると、遊技球が正規球であると判断されて、小球検出タイマがクリアされ、小球通過監視フラグもクリアされる。
一方、ステップD291で最小封入球数検出スイッチがオンしていなければ、ステップD294にジャンプする。したがって、このときは小球通過監視フラグがセットされない。
また、ステップD294で小球通過監視中でなければ、小球不正監視処理を終了してリターンする。
さらに、ステップD295で小球センサ342がオンしていなければ、遊技球が異常球(小球)であると判断してステップD298に分岐し、小球検出タイマを「−1」更新する。次いで、ステップD299で小球検出タイマの値がゼロになったか判定し、ゼロでなければリターンする。そして、ルーチンの繰り返しにより、ステップD299で小球検出タイマの値がゼロになったと判定すると、ステップD300で小球不正フラグをセットするとともに、ステップD301で球抜要求フラグをセットし、その後リターンする。
このように、小球通過監視フラグがセットされている間に、最小封入球数検出スイッチ(第1封入球検出スイッチ164)がオンしているにもかかわらず、小球センサ342がオンしなければ、遊技球が異常球(小球)であると判断され、異常球(小球)であると判断されると、小球不正フラグがセットされ、かつ球抜要求フラグがセットされる。
すなわち、異常球(小球)が検出されると、小球不正フラグはクリアされない。また、球抜要求フラグがセットされることにより、封入球の球抜きが行われることになる。
〔磁性体球不正監視処理〕
次に、前記エラー/不正監視処理における磁性体球不正監視処理D179を図124により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD311で楊送出口スイッチ334がオンか否かを判定する。楊送出口スイッチ334は、楊送装置302の出口側に配置され、楊送装置302から排出される球を検出するものであるから、楊送出口スイッチ334がオンすると、楊送装置302から球が上部通路303に排出されて電磁石341の上側を通過することになる。
ステップD311で楊送出口スイッチ334がオンしていると、ステップD312に進み、磁性体球検出タイマのタイマ初期値(例えば、200ms)を磁性体球検出タイマ領域にセーブする。次いで、ステップD313で磁性体球通過監視フラグをセットするとともに、ステップD314で電磁石作動タイマに初期値(例えば、500ms)をセットする。
次いで、ステップD315で磁性体球通過監視中か否かを判定する。磁性体球通過監視フラグがセットされていると、磁性体球通過監視中と判定する。ステップD315で磁性体球通過監視中であれば、ステップD316で最大封入球数検出スイッチ(第2封入球検出スイッチ165)がオンか否かを判定する。第2封入球検出スイッチ165は封入球数の最大数を検出するセンサであるので、ステップD316では第2封入球検出スイッチ165を最大封入球数検出スイッチとしている。
ステップD316で最大封入球数検出スイッチがオンしていれば、ステップD317に進み、磁性体球検出タイマをクリアするとともに、ステップD318で磁性体球通過監視フラグをクリアする。
次いで、ステップD319で電磁石作動タイマがゼロでなければ、電磁石作動タイマの値を「−1」更新し、ステップD320で電磁石作動タイマがゼロになったか否かを判定する。ステップD320で電磁石作動タイマがゼロでなければ、ステップD321で電磁石オンの出力データ(電磁石341がオンする)を設定した後、リターンする。一方、ステップD320で電磁石作動タイマがゼロであれば、ステップD321で電磁石オフの出力データ(電磁石341がオフする)を設定した後、リターンする。
一方、ステップD311で楊送出口スイッチ334がオンしていなければ、ステップD315にジャンプする。したがって、このときは磁性体球通過監視フラグがセットされない。
また、ステップD315で磁性体球通過監視中でなければ、ステップD319にジャンプする。したがって、このときは最大封入球数検出スイッチがオンの判定が行われず、磁性体球の不正監視が判断されない。
さらに、ステップD316で最大封入球数検出スイッチがオンしていなければ、異常の可能性があると判断し、ステップD323に分岐して磁性体球検出タイマを「−1」更新し、ステップD324で磁性体球検出タイマの値がゼロになったか判定し、ゼロでなければステップD319にジャンプしてルーチンを繰り返す。そして、ルーチンの繰り返しにより、ステップD324で磁性体球検出タイマの値がゼロになったと判定すると、ステップD325で磁性体球不正フラグをセットするとともに、ステップD326で球抜要求フラグをセットし、その後、ステップD319へ進む。なお、ステップD319以降の処理は、上述した通りである。
このように、楊送出口スイッチ334がオンして楊送装置302から球が上部通路303に排出されて電磁石341の上側を通過可能な状態のときに、遊技球が正規な非磁性体の球であれば、電磁石341を所定時間TD(例えば、500ms)だけオンしたときに吸引されないので、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第2封入球検出スイッチ165(最大封入球数検出スイッチ)を通過するまでの時間が所定時間TDより短くなることから、正規な非磁性体の球と判定される。
一方、遊技球が不正な磁性体の球であれば、電磁石341を所定時間TDだけオンしたときに吸引されるので、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第2封入球検出スイッチ165(最大封入球数検出スイッチ)を通過するまでの時間が所定時間TDより長くなることから、不正な磁性体の球と判定される。
したがって、電磁石341を所定時間TDだけオンしたときに、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第2封入球検出スイッチ165(最大封入球数検出スイッチ)を通過するまでの時間が所定時間TDを超えていれば、不正な磁性体の球と判定と判定し、ステップD325で磁性体球不正フラグをセットするとともに、ステップD326で球抜要求フラグをセットすることになる。
また、不正な磁性体の球と判定されると、磁性体球不正フラグは解除(クリア)されない。さらに、不正な磁性体の球と判定されて、球抜要求フラグがセットされることにより、封入球の球抜きが行われることになる。
〔夜間監視不正監視処理〕
次に、前記エラー/不正監視処理における夜間監視不正監視処理D180を図125により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD331で夜間監視情報設定済みか否かを判定する。これは、夜間監視スイッチ126の出力に基づき、既に夜間監視情報の結果を判断して設定済みであれば、電源投入後に2回続けて同様の処理を行う必要がないので、電源投入後に1回だけ夜間監視不正監視処理を行うために、ステップD331の判定を行うものである。
ステップD331で夜間監視情報設定済みであれば、夜間監視不正監視処理を終了してリターンする。一方、夜間監視情報設定済みでなければ、ステップD332に進んで夜間枠開放ありか否かを判定する。
ここで、前述した図106に示す夜間監視情報受信処理のステップD31では夜間監視スイッチ126から夜間枠開放有無情報を受信し、保存している。そして、夜間枠開放有無情報には、夜間に前面枠4の開放を検出したか否かを示す情報(枠開放情報)と、遊技制御装置54の取り外しの監視情報とが含まれる。そのため、夜間枠開放とは、夜間に前面枠4の開放を検出した場合のことである。
したがって、ステップD332では、夜間に前面枠4の開放が検出されたか否かを判断するものである。ステップD332に進んで夜間枠開放あり(夜間に前面枠4の開放が検出された場合)であれば、ステップD333に進んで夜間不正報知タイマのタイマ初期値(例えば、60秒)を夜間不正報知タイマ領域にセーブする。夜間不正報知タイマは夜間不正を報知する期間をカウントするものである。次いで、ステップD334で夜間不正フラグをセットし、ステップD335に進む。
夜間不正フラグがセットされると、後述の図146に示す主制御コマンド送信処理に従い、枠スイッチ異常監視処理で説明した場合と同様に、最終的に演出制御装置53の制御により例えば表示装置41にてエラー報知(例えば、夜間枠開放エラーの報知)されることになる。
一方、ステップD332で夜間枠開放がなければ、ステップD336に進んで夜間不正フラグをクリアし、ステップD335に進む。
ステップD335に進むと、基板取り外しありか否かを判定する。
ここで、前述した図106に示す夜間監視情報受信処理のステップD33では夜間監視スイッチ126から基板取り外し情報を受信し、保存している。そして、基板取り外し情報とは遊技制御装置54(基板に相当)の取り外し監視情報のことであり、夜間に遊技制御装置54が取り外されたか否かを示す情報である。そのため、基板取り外しとは、夜間に遊技制御装置54が取り外されたことを検出した場合のことである。
したがって、ステップD335では、夜間に遊技制御装置54の取り外しが検出されたか否かを判断するものである。
なお、夜間監視スイッチ126は断線検出手段383を備えており、断線検出手段383はバックアップ電源381の電流が払出制御装置230→遊技制御装置54→払出制御装置230→夜間監視スイッチ126というようにループ接続されたルート(断線監視ルート)を流れている場合には当該ルートが断線でなく、遊技制御装置54が取り外されていない状態であることを検出するとともに、このルートをバックアップ電源381の電流が流れていない場合には、当該ルートが断線であることから遊技制御装置54が取り外されている状態であることを検出する。この場合、断線が検出された状態は遊技制御装置54の取り外しを検出可能なばかりでなく、例えば払出制御装置230が取り外されたときであっても、上記ルートが断線の状態検出することで可能になる。
したがって、ステップD335の処理では、遊技制御装置54の取り外しだけでなく、払出制御装置230の取り外しがあるかも含めて判定するようにしてもよい。
そのようにすると、夜間における払出制御装置230の不正な取り外しも監視して、エラー報知する等の処理を行うことができる。
ステップD335で基板取り外しありと判定すると、ステップD337に進んで夜間不正報知タイマのタイマ初期値(例えば、60秒)を夜間不正報知タイマ領域にセーブする。次いで、ステップD338で夜間不正フラグをセットし、ステップD339に進む。
夜間不正フラグがセットされると、上述したステップD334の場合と同様に、最終的に演出制御装置53の制御により例えば表示装置41にてエラー報知(例えば、遊技制御装置54の取り外しエラーの報知)されることになる。
一方、ステップD335で基板取り外しがなければ、ステップD339にジャンプする。したがって、このときは夜間不正フラグはセットされない。
ステップD339に進むと、夜間枠開放有無、開放回数、基板取り外し情報から不正レベル情報を生成する。これは、払出制御装置230が夜間監視スイッチ126から受信した夜間監視情報から不正レベルを判断し、判断した不正レベルをカードユニット15に出力するために行うものである。不正レベルには0から3がある(払出制御装置230の構成の説明で前述)。
次いで、ステップD340に進み、生成した情報を夜間監視不正レベル領域にセーブし、ステップD341で夜間監視情報設定済みフラグをセットしてリターンする。夜間監視情報設定済みフラグをセットすることで、電源投入後に2回続けて同様の処理を行う必要がなくなる。
〔発射制御処理〕
次に、前記タイマ割込処理(払出)における発射制御処理D49を図126により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD351で発射許可条件設定処理を行う。これは、球の発射が可能となる条件を設定するもので、詳細は後述する(図127)。次いで、ステップD352で発射許可状態か否かを判定する。発射許可状態は後述の発射許可状態フラグ(図127)に基づいて判定する。発射許可状態フラグがセットされていると、発射許可状態であると判定し、ステップD354に進んで発射制御タイマを「−1」更新する。次いで、ステップD355で発射制御タイマは上限値(例えば、600ms)以上であるか否かを判定し、上限値以上であれば、ステップD356で発射制御タイマを0クリアした後、ステップD357へ進む。一方、ステップD355で発射制御タイマが上限値以上でなければ、ステップD357にジャンプする。
ステップD357へ進むと、発射制御タイマは球送りタイミングであるか否かを判定する。
ここで、発射制御では1サイクルが600ms(つまり、600msに1回球を発射)の間隔(1分間に100発までという発射の制約があるため)で発射制御を行うようになっており、球送りソレノイド172と発射ソレノイド173の動作タイミングは下記のように設定される。発射制御タイマは、1サイクル(600ms)の期間をカウントしており、上限値(600ms)になる度に繰り返される。
1サイクル(600ms)の起点から100msだけ球送りソレノイド172をオンし、その後、500msは球送りソレノイド172をオフするように設定される。また、1サイクル(600ms)の起点から300msが経過したときに、発射ソレノイド173を200msだけオンする。したがって、1サイクル(600ms)のうち、起点から500msとなるタイミングで発射ソレノイド173はオフする。したがって、1サイクル(600ms)のうち、起点から500msとなるタイミングまでに、球送りソレノイド172及び発射ソレノイド173のオン動作は全て終了しており、残りの100msの間(終点よりも100msだけ前の期間)は、球送りソレノイド172及び発射ソレノイド173がオフになっている。
したがって、球が発射停止状態となるとき(1サイクルの終了時点)は、発射ソレノイド173がこのタイミング(1サイクルの終了時点)に合わせて即停止となるのではなく、それよりも100msだけ前のタイミングで発射ソレノイド173がオフとなるように制御する設定である。
このように、1サイクルの終了時点よりも100msだけ前の期間は、球送りソレノイド172及び発射ソレノイド173が共にオフになっている期間どであり、これは球の発射も球送りもされていない状態になる。これは、1サイクルの終了時点よりも100msだけ前の期間において球送りすると、球が発射球検出スイッチ1160を通過してしまうことで、持球数が減算されてしまうので、それを防ぐためである。
ステップD357で発射制御タイマは球送りタイミングであるか否かの判定を行うが、これは、上述したように、発射制御の1サイクル(600ms)のうち、1サイクル(600ms)の起点から100msだけ球送りソレノイド172をオンする設定であるので、そのタイミング(発射制御タイマが1msから100ms)であるかどうか判断しているものである。
ステップD357で発射制御タイマが球送りタイミングでなければ、ステップD358に進み、球送りソレノイド172のオフデータを設定し、その後、ステップD359に進む。一方、ステップD357で発射制御タイマが球送りタイミングであれば、ステップD360に進み、球送りソレノイド172のオンデータを設定し、その後、ステップD359に進む。
ステップD359に進むと、発射制御タイマは発射オンタイミングであるか否かを判定する。これは、上述したように、1サイクル(600ms)の起点から300msが経過したときに、発射ソレノイド173を200msだけオンするような設定になっているので、その発射タイミング(発射制御タイマが301msから500ms)を発射制御タイマによって判断するものである。
ステップD359で発射制御タイマが発射タイミングでなければ、ステップD361に進み、発射ソレノイド173のオフデータを設定し、その後リターンする。一方、ステップD359で発射制御タイマが発射タイミングであれば、ステップD362に進み、発射ソレノイド173のオンデータを設定し、その後リターンする。
一方、上記ステップD352で発射許可状態でなければ、ステップD533に進み、発射制御タイマは「0」であるか否かを判定する。発射制御タイマが「0」でなければ、ステップD354に進み、上述したようにステップD354以降の処理を実行する。また、ステップD533で発射制御タイマが「0」であれば、ステップD363に分岐して球送りソレノイド172のオフデータを設定するとともに、ステップD364で発射ソレノイド173のオフデータを設定し、その後リターンする。
〔発射許可条件設定処理〕
次に、前記発射制御処理における発射許可条件設定処理D351を図127により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD371でカードユニット接続がOKか否かを判定し、OKであればステップD372に進み、OKでなければステップD384に進む。ステップD371では、カードユニット接続端子板52を介してカードユニット15と払出制御装置230は電源投入時より定期的に(例えば、200ms毎)通信を行っているが、通信が正常であればカードユニット15と接続されていると判定され、例えば、カードユニット15が電源投入されて払出制御装置230と接続されていることを示すカードユニット接続確認フラグがセットされていれば、カードユニット接続確認OKと判定される。
ステップD384に進んだ場合には、カードユニット接続がOKでないので、発射許可状態フラグをクリアしてルーチンを終了する。したがって、このときは球の発射が許可されないことになる。
一方、ステップD371でカードユニット接続がOKの場合には、ステップD372乃至ステップD382までの各条件を判定することになり、全ての条件を満たすと、ステップS383で発射許可状態フラグをセットしてルーチンを終了する。したがって、このときは球の発射が許可されることになる。
ステップD372乃至ステップD382までの各条件を説明すると、まず、ステップD372に進むと、発射停止指示を受信したか否かを判定する。発射停止指示を受信していれば、ステップD384に進んで発射許可状態フラグをクリアしてリターンする。
一方、ステップD372で発射停止指示を受信していなければ、ステップD373乃至ステップD382の判定処理に進む。
ステップD373乃至D382の判定処理では、各判定で判定結果が肯定的であると、それ以降の判定処理を実行しないでステップD384に進み、ステップD373乃至D382の各判定で判定結果が否定的であると次の判定処理を順次実行し、最後のステップD382の判定結果が否定的である場合にはステップD383に進む。
そして、ステップD373では持球数がゼロであるか、ステップD374では計数中か、ステップD375では精算中か、ステップD376では休憩中か、ステップD377では封入球数不足エラー発生中か、ステップD378では封入球数過剰エラー発生中か、ステップD379では封入経路異常エラー発生中か、ステップD380では枠開放中(前面枠4開放中)か、ステップD381では不正行為発生中か、ステップD382では封入球数確認中か、をそれぞれ判定する。
ここで、精算中かの判定は、後述の精算制御処理番号や精算中フラグにより判定する。例えば、精算中フラグがセットされていると、精算中と判定する。また、精算制御処理番号が0であれば精算中でないと判定する。また、休憩中かの判定は、後述の休憩制御処理番号や休憩中フラグにより判定する。例えば、休憩中フラグがセットされていると、休憩中と判定する。また、休憩制御処理番号が0であれば休憩中でないと判定する。
次に、封入球数不足エラー発生中かの判定は前述のステップD214でセットされる封入球数不足エラーフラグ、封入球数過剰エラー発生中かの判定は前述のステップD203及びD210でセットされる封入球数過剰エラーフラグ、封入経路異常エラー発生中かの判定は前述のステップD213でセットされる封入経路異常エラーフラグ、にそれぞれ基づいて判定する。
また、枠開放中(前面枠4開放中)かの判定は、前記ステップD334でセットされる夜間不正フラグに基づく。この判定は同フラグがセットされていれば枠開放中であり、クリアされていれば枠開放中でないと判定される。
また、不正行為発生中かの判定は、例えば遊技制御装置54のエラー監視処理で、磁石不正、振動不正、電波不正という判断がされてエラーコマンドが送信されてくることで、不正行為発生中と判定される。
また、封入球数確認中かの判定は、前述の封入球数確認要求フラグがセットされているかどうかに基づいて判断する。
そして、ステップD384では、発射許可状態フラグをクリアした後、リターンする。発射許可状態フラグがクリアされると、発射制御回路236による発射ソレノイド173の作動が禁止され、球が発射できない状態(発射不許可状態)とされる。この発射不許可状態では、適正な発射操作(タッチセンサ174がオンし、発射ボリューム171が操作されること)があっても、発射ソレノイド173は作動せず、球は発射されない。
一方、ステップD383では、発射許可状態フラグをセットした後、リターンする。発射許可状態フラグがセットされると、発射制御回路236による発射ソレノイド173の作動が許可され、球が発射できる状態(発射許可状態)とされる。
以上説明した発射許可条件確認処理によれば、カードユニット15が接続されていない(或いはカードユニット15の電源が投入されていない)などによって、カードユニット接続確認OKでない場合には、無条件に発射許可状態フラグがクリアされて発射不許可状態になる。また、発射停止指示を受信していないときは、ステップD373乃至D382の各条件(持球数がゼロ、計数中、精算中、休憩中、封入球数エラーの何れかのエラー発生中、前面枠開放中、不正行為発生中、封入球数確認中)の何れか一つでも成立すると、発射許可状態フラグがクリアされて球が発射できない発射不許可状態になる。また、発射停止指示を受信しているときにも発射許可状態フラグがクリアされて発射不許可状態になる。
〔研磨装置制御処理〕
次に、前記タイマ割込処理(払出)における研磨装置制御処理D50を図128により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD401で電源投入時研磨タイマ=0であるか否かを判定する。電源投入時研磨タイマは、パチンコ機1の電源投入時に一定期間、研磨装置306を作動させて封入球の研磨を行うので、その研磨期間をカウントするタイマである。
なお、電源投入時には研磨装置306の初期設定が行われ、この初期設定では、上切替弁336がバイパス通路304を開口するように上切替ソレノイド336Sを作動させるとともに、下切替弁310が研磨入口通路319を開口(封入球が研磨装置306に流入)するように下切替ソレノイド310Sを作動させるような状態にすることが行われる。
ステップD401で電源投入時研磨タイマ=0でなければ、ステップD402に進み、研磨入口スイッチ321の入力があるか否かを判定する。研磨入口スイッチ321は研磨装置306への球の流入を検出するものであるが、ステップD402では検出信号の立ち上がりエッジで入力ありを判定する。ステップD402で研磨入口スイッチ321の入力があれば、ステップD403で研磨球数を「+1」更新した後、ステップD404へ進む。研磨球数は、これから研磨する球の総数を表すものなので、研磨入口スイッチ321を球が通過する度に、カウントをインクリメントするものである。
一方、ステップD402で研磨入口スイッチ321の入力がなければ、ステップD403をジャンプしてステップD404に進む。
ステップD404に進むと、楊送入口スイッチ332の入力があるか否かを判定する。楊送入口スイッチ332は楊送装置302への球の流入を検出するものであるが、ステップD404では検出信号の立ち上がりエッジで入力ありを判定する。ステップD404で楊送入口スイッチ332の入力があれば、ステップD403で研磨球数を「−1」更新した後、ステップD406へ進む。研磨球数は、これから研磨する球の総数を表すものなので、楊送入口スイッチ332を球が通過する度に、研磨終了した球のカウントをデクリメントするものである。
一方、ステップD404で楊送入口スイッチ332の入力がなければ、ステップD405をジャンプしてステップD406に進む。
また、上記ステップD401で電源投入時研磨タイマ=0である場合には、ステップD406にジャンプする。
ステップD406に進むと、研磨布モータ323の停止データを設定する。これにより、研磨布モータ323は停止した状態になる。次いで、ステップD407で研磨布ユニットスイッチ324はオン状態か否かを判定する。研磨布ユニットスイッチ324は研磨布ユニットの取り付けを検出しており、研磨布ユニットスイッチ324がオン状態でなければ、研磨布ユニットが研磨装置306に取り付けられていないと判断して、ステップD426にジャンプする。なお、研磨布ユニットは封入球を研磨する研磨部材314を巻き取るもので、研磨布ユニットを交換することにより研磨部材314を交換することができるようになっている。
一方、ステップD407で研磨布ユニットスイッチ324がオン状態であれば、ステップD408に進んで電源投入時研磨タイマ=0であるか否かを判定する。電源投入時研磨タイマ=0でなければ、ステップD409で電源投入時研磨タイマを「−1」更新する。これにより、電源投入時研磨タイマがカウントダウンされていく。次いで、ステップD410で研磨布モータタイマ=0であるか否かを判定する。研磨布モータタイマは研磨布モータ323が研磨部材314を巻き取る期間をカウントするめのものである。
ステップD410で研磨布モータタイマ=0であれば、ステップD415にジャンプし、研磨布モータタイマ=0でなければ、ステップD411で研磨布モータタイマを「−1」更新する。これにより、研磨布モータタイマがカウントダウンされていく。
次いで、ステップD412で研磨布モータの回転データを設定する。これにより、研磨布モータ323が回転することになる。ステップD412を経ると、ステップD415に進む。
一方、ステップD408で電源投入時研磨タイマ=0であれば、ステップD413に分岐して上切替ソレノイド336Sのオフデータを設定する。これにより、上切替ソレノイド336Sが作動を停止して上切替弁336がバイパス通路304を閉鎖することになる。したがって、上部通路303を流下する球がバイパス通路304には流れず、発射装置37の方に導かれて発射可能な状態になる。ステップD413を経ると、ステップD414へ進む。
ステップD414では、研磨球数=0であるか否かを判定する。これは、研磨入口スイッチ321で検出されて、研磨装置306にて研磨されるべき球の総数を表す研磨球数が無しになったかを判定するもので、研磨球数=0でなければ、ステップD415に進んで、ステップD415以降の処理を実行する。また、研磨球数=0であれば、ステップD426にジャンプする。
ステップD415に進むと、研磨装置306が作動中か否かを判定する。研磨装置306が作動中でなければ、ステップD416で研磨装置作動中フラグをセットするとともに、ステップD417で研磨モータ監視タイマを0クリアした後、ステップD418へ進む。ステップD416の処理は研磨装置306が動き出すとき1回だけ通過するものであり、研磨装置306の作動開始時の初期設定である。一方、ステップD415で研磨装置306が作動中であれば、ステップD418へジャンプする。
ステップD418に進むと、研磨モータ312の回転データを設定する。これにより、研磨モータ312が回転することになる。なお、ステップD418では研磨モータ312の回転データを設定するが、研磨モータ312に異常があるときは、回転データに対して停止データが上書きされる。
次いで、ステップD419で研磨モータスイッチ322に入力があるか否かを判定する。研磨モータスイッチ322は研磨モータ312の作動を検出しており、ステップD419で研磨モータスイッチ322に入力があれば、ステップD420で研磨モータ監視タイマを0クリアする。研磨モータ監視タイマは研磨モータ312の異常を監視するためのものである。
次いで、ステップD421で下切替ソレノイド310Sを研磨側に切替える。これは、下切替弁310が研磨入口通路319を開口(封入球が研磨装置306に流入)するように下切替ソレノイド310Sを作動させるものであり、この作動状態を「下切替ソレノイド310Sを研磨側に切替える」と称している。これにより、研磨入口通路319が開口して下部通路301にある球が重力によって研磨装置306に流入することになる。その結果、アウト通路331又はバイパス通路304から下部通路301に流入した球は重力によって研磨入口通路319に誘導されて研磨装置306に流入し、球磨きが行われることになる。ただし、ステップD413で上切替ソレノイド336Sのオフデータが設定された状態では、上部通路303を流下する球がバイパス通路304には流れず、発射装置37の方に導かれて発射可能な状態になるので、遊技領域20を流下してアウト通路331から下部通路301に流入して、研磨入口通路319に誘導されて研磨装置306に流入することになる。
ステップD421を経ると、ステップD422に進む。一方、ステップD419で研磨モータスイッチ322に入力がなければ、ステップD422にジャンプする。ステップD422に進むと、研磨モータ監視タイマを「+1」更新する。これにより、研磨モータ監視タイマがカウントアップされていく。なお、研磨モータ監視タイマは後述の規定値で更新を止める。
次いで、ステップD423で研磨モータ監視タイマが規定値(研磨モータ312の異常を判断するための基準値)以上になったか否かを判定する。研磨モータ監視タイマが規定値以上でなければ、研磨装置制御処理を終了してリターンする。これにより、封入球の研磨が継続して行われる。
一方、ステップD423で研磨モータ監視タイマが規定値以上であれば、研磨装置306に異常が発生(例えば、球詰まり等)したと判断し、ステップD424に進んで研磨モータ312の停止データを設定する。これにより、研磨モータ312の回転が停止することになる。これは、研磨モータ312の回転開始から規定値以上の時間が経過しても、研磨モータスイッチ322への入力がなければ、球詰まり等の異常と判断して研磨モータ312を停止させるものである。
次いで、ステップD425で下切替ソレノイド310Sを非研磨側に切替える。これは、下切替弁310が研磨入口通路319を閉鎖(封入球が研磨装置306に流入するのを阻止)するように下切替ソレノイド310Sを作動させるものであり、この作動状態を「下切替ソレノイド310Sを非研磨側に切替える」と称している。これにより、研磨入口通路319が閉鎖して下部通路301にある球が研磨装置306に流入しなくなり、球磨きが終了することになる。ステップD425を経ると、研磨装置制御処理を終了してリターンする。
一方、ステップD407で研磨布ユニットスイッチ324がオン状態でないと判定してステップD426にジャンプしたとき、及びステップD414で研磨球数=0であると判定してステップD426にジャンプしたときは、ステップD426で研磨装置作動中フラグをクリアする。次いで、ステップD424に進んで研磨モータ312の停止データを設定し、ステップD425で下切替ソレノイド310Sを非研磨側に切替えた後、研磨装置制御処理を終了してリターンする。したがって、研磨布ユニットが研磨装置306に取り付けられていないとき(研磨布ユニットスイッチ324がオフ状態)や研磨球数がゼロになったときには、研磨モータ312が停止するとともに、研磨装置306に封入球が流入しなくなる。
〔楊送装置制御処理〕
次に、前記タイマ割込処理(払出)における楊送装置制御処理D51を図129により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD431で楊送入口スイッチ332の入力があるか否かを判定する。楊送入口スイッチ332は楊送装置302への球の流入を検出するものであるが、ステップD431では検出信号の立ち上がりエッジで入力ありを判定する。ステップD431で楊送入口スイッチ332の入力があれば、ステップD432で楊送球数を「+1」更新した後、ステップD433へ進む。楊送球数は、これから楊送する球の総数を表すものなので、楊送入口スイッチ332を球が通過する度に、カウントをインクリメントするものである。
一方、ステップD432で楊送入口スイッチ332の入力がなければ、ステップD432をジャンプしてステップD433に進む。
ステップD433に進むと、楊送入口スイッチ332のオン状態が所定時間継続しているか否かを判定する。ここでは、楊送入口スイッチ332における検出信号のレベルでオン状態の継続を判定する。例えば、楊送入口スイッチ332の所に球が留まっている場合には球詰まりの可能性がある。そのため、楊送入口スイッチ332のオン状態が所定時間継続していれば、異常(例えば、球詰まり等)と判断して、ステップD447に分岐する。ステップD447に分岐した場合には、後述のように、最終的に楊送モータ333の停止データが設定(ステップD446)されて、楊送モータ333が停止することになる。
一方、ステップD433で楊送入口スイッチ332のオン状態が所定時間継続していなければ、ステップD434に進み、楊送出口スイッチ334の入力があるか否かを判定する。楊送出口スイッチ334は楊送装置302からの球の流出を検出するものであるが、ステップD434では検出信号の立ち上がりエッジで入力ありを判定する。ステップD434で楊送出口スイッチ334の入力があれば、ステップD435で楊送球数を「−1」更新した後、ステップD436へ進む。楊送球数は、これから楊送する球の総数を表すものなので、楊送出口スイッチ334を球が通過する度に、楊送終了した球のカウントをデクリメントするものである。
一方、ステップD434で楊送出口スイッチ334の入力がなければ、ステップD435をジャンプしてステップD436に進む。
ステップD436へ進むと、楊送出口スイッチ334のオン状態が所定時間継続しているか否かを判定する。ここでは、楊送出口スイッチ334における検出信号のレベルでオン状態の継続を判定する。例えば、楊送出口スイッチ334の所に球が留まっている場合には球詰まりの可能性がある。そのため、楊送出口スイッチ334のオン状態が所定時間継続していれば、異常(例えば、球詰まり等)と判断して、ステップD447に分岐する。ステップD447に分岐した場合には、後述のように、最終的に楊送モータ333の停止データが設定(ステップD446)されて、楊送モータ333が停止することになる。
一方、ステップD436で楊送出口スイッチ334のオン状態が所定時間継続していなければ、ステップD437に進み、楊送球数=0であるか否かを判定する。これは、楊送入口スイッチ332で検出されて、楊送装置302にて楊送されるべき球の総数を表す楊送球数が無しになったかを判定するもので、楊送球数=0でなければ、ステップD438に進んで、ステップD438以降の処理を実行する。また、楊送球数=0であれば、ステップD447にジャンプする。ステップD447に分岐した場合には、最終的に楊送モータ333が停止することになる。
ステップD438に進むと、楊送装置302が作動中か否かを判定する。楊送装置302が作動中でなければ、ステップD439で楊送装置作動中フラグをセットするとともに、ステップD440で楊送モータ監視タイマを0クリアした後、ステップD441へ進む。ステップD439の処理は楊送装置302が動き出すとき1回だけ通過するものであり、楊送装置302の作動開始時の初期設定である。一方、ステップD438で楊送装置302が作動中であれば、ステップD441へジャンプする。
ステップD441に進むと、楊送モータ333の回転データを設定する。これにより、楊送モータ333が回転することになる。なお、ステップD441では楊送モータ333の回転データを設定するが、楊送モータ333に異常があるときは、回転データに対して停止データが上書きされる。
次いで、ステップD442で楊送モータスイッチ335に入力があるか否かを判定する。楊送モータスイッチ335は楊送モータ333の作動を検出しており、ステップD442で楊送モータスイッチ335に入力があれば、ステップD443で楊送モータ監視タイマを0クリアする。楊送モータ監視タイマは楊送モータ333の異常を監視するためのものである。
次いで、ステップD444で楊送モータ監視タイマを「+1」更新する。これにより、楊送モータ監視タイマがカウントアップされていく。なお、楊送モータ監視タイマは後述の規定値で更新を止める。
次いで、ステップD445で楊送モータ監視タイマが規定値(楊送モータ333の異常を判断するための基準値)以上になったか否かを判定する。楊送モータ監視タイマが規定値以上でなければ、楊送装置制御処理を終了してリターンする。これにより、封入球の楊送が継続して行われる。
一方、ステップD445で楊送モータ監視タイマが規定値以上であれば、楊送装置302に異常が発生(例えば、球詰まり等)したと判断し、ステップD446に進んで楊送モータ333の停止データを設定する。これにより、楊送モータ333の回転が停止することになる。これは、楊送モータ333の回転開始から規定値以上の時間が経過しても、楊送モータスイッチ335への入力がなければ、球詰まり等の異常と判断して楊送モータ333を停止させるものである。ステップD446を経ると、楊送装置制御処理を終了してリターンする。
一方、ステップD433で楊送入口スイッチ332のオン状態が所定時間継続していると判定したとき、ステップD436で楊送出口スイッチ334のオン状態が所定時間継続していると判定したとき、ステップD437で楊送球数=0と判定したときは、何れの場合にもステップD447にジャンプし、ステップD447で楊送装置作動中フラグをクリアした後、ステップD446に進んで楊送モータ333の停止データを設定する。
したがって、楊送入口スイッチ332のオン状態が所定時間継続しているとき、楊送出口スイッチ334のオン状態が所定時間継続しているとき、楊送球数=0であるときは、何れの場合も楊送モータ333の回転が停止するとともに、楊送装置302に封入球が流入しなくなる。
〔持球数管理処理〕
次に、前記タイマ割込処理(払出)における持球数管理処理D52を図130により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD451で賞球加算停止フラグがセットされているか否かを判定する。賞球加算停止フラグがセットされていなければ、ステップD452に進み、賞球加算停止フラグがセットされていると、ステップD462にジャンプする。ステップD452に進むと、入賞個数領域の先頭アドレスを設定する。入賞個数領域は複数の入賞個数を保存可能なように領域がアドレスで区分可能に構成されているので、遊技制御装置54から受信した入賞個数(すなわち、遊技制御装置54からの賞球コマンドに応じて取得された今回の賞球数に対応する入賞個数)を順次入賞個数領域に格納するためのアドレスを先頭から設定していくものである。
次いで、ステップD453で入賞個数領域の値が「0」であるか否かを判定し、「0」でなければ、ステップD454で入賞個数領域に対応する賞球球数領域の値をロードする。
ここで、入賞に伴う賞球数は下記のようになっており、どの入賞口にどの程度入賞したか(入賞個数)が遊技制御装置54から賞球コマンドとして送られてくるので、ステップD454の処理は入賞口の種別に対応する賞球数を読み出すものである。
・第1大入賞口27a=13個
・第2大入賞口34a=10個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
なお、ステップD454の処理を行うのは、複数の入賞があった場合に、一気に持球数の表示が更新(後述のステップD455参照)されるのでなく、入賞単位で持球数が増えていくような持球数の表示を行うようにするためである。このようにすると、入賞単位で持球数が増えていくので、遊技機に分かりやすいという利点がある。
次いで、ステップD455に進み、ステップD454でロードした値(今回の賞球数)を持球数に加算して新たな持球数とし、ステップD456で持球数表示ライトカウンタを「+1」更新する。次いで、ステップD457でライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に賞球球数をセーブする。これは、入賞に伴う賞球がある場合に、持球数の変化を持球数表示器40にて表示する必要があるので、持球数表示ライトカウンタの値を「+1」だけ更新(インクリメント)して進め、進めたライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に入賞に伴う賞球球数を格納し、格納した賞球球数を表示用持球数に加算して表示用更新持球数とするものである。
すなわち、持球数表示器40に表示用持球数を変化事象毎に表示するための変化量を表示用更新持球数格納領域に格納していくが、ここでは入賞に伴う賞球があれば、その分だけ持球数が増加するので、表示用更新持球数格納領域に賞球球数を格納するものである。これにより、持球数に賞球球数だけ加算されて持球数表示器40の表示が更新されることになる。
なお、表示用更新持球数格納領域はコマンドの受信バッファのように、複数バイトの領域で構成され、書き込んだ順に持球数表示が増減する。すなわち、持球数表示器40への表示用持球数に加算するデータ(賞球数)は、リングバッファ形式の領域に入賞順に保存されているものである。リングバッファ形式の格納領域のサイズは単位時間当たり最大の賞球数(例えば、大当りラウンドのときの単位時間当たりの賞球数)に対応する大きさに設定しておく。例えば、サイズは32バイト分程度に設定する。
次いで、ステップD458に進み、ステップD455で更新された持球数が持球数上限値(例えば、25万個)以上となっているか判定し、持球数上限値以上であればステップD459で持球数上限値(25万個)を新たな持球数として更新登録してステップD460に進み、持球数上限値以上でなければステップD459を実行しないでステップD460に進む。
ステップD460に進むと、入賞個数領域のアドレスを次の領域に更新する。これにより、次の入賞個数領域の値を読み出す準備が整う。次いで、ステップD461で全ての入賞個数領域をチェック完了したか否かを判定し、ステップD461で全ての入賞個数領域をチェック完了していなければ、ステップD453に戻ってル−プを繰り返す。このようにして、入賞個数領域から複数の入賞個数のうちの次の入賞個数が読み出され、次のアドレス(更新されたアドレス)で指定される入賞個数に対応する賞球球数領域に保存されている値がロードされて持球数に加算されていく。このようなル−プの繰り返しにより、入賞個数領域の全ての領域のチェックが完了して、全ての入賞個数に対応する賞球球数領域に保存されている値がロードされて持球数に加算されることになる。
一方、ステップD453で入賞個数領域の値が「0」であれば、持球数に加算する値が無いので、ステップD460にジャンプして入賞個数領域のアドレスを次の領域に更新する。その後、ステップD461の処理を行う。
そして、ステップD461で全ての入賞個数領域をチェック完了したと判定すると、ステップD462に抜けて計数スイッチ監視処理を行うとともに、続くステップD463で計数球使用監視処理を行う。これらのステップD462、ステップD463は計数スイッチ1311の監視や計数球の使用を監視する処理を行うものであり、詳細は後述する。
次いで、ステップD464で持球数に対応するデータを試験信号出力データ領域にセーブするとともに、ステップD465で計数球数に対応するデータを試験信号出力データ領域にセーブし、持球数管理処理を終了する。
この持球数管理処理によれば、ステップD455乃至D458の処理により、持球数が持球数上限値以上とならない限り、賞球球数分だけ持球数及び表示用持球数が増加する。なお、表示用持球数は、持球数表示器40に持球数を表示するために持球数を記憶するRAM1233の記憶領域のデータである。
〔計数スイッチ監視処理〕
次に、前記持球数管理処理における計数スイッチ監視処理D462を図131により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD471で計数スイッチ311がオン状態か否かを判定する。計数スイッチ311がオン状態であれば、遊技者が計数スイッチ311を押して持球数を計数する意図であると判断してステップD472に進み、計数中発射停止タイマに初期値(例えば、2秒)を設定する。これは、持球数の計数中は球の発射を停止するために、その発射停止期間を設定するものである。
なお、球の発射中は、例えば払出制御装置230による発射許可、タッチセンサ174のオン操作が前提となっている。
次いで、ステップD473で計数スイッチオンタイマを「+1」だけ更新(インクリメント)し、ステップD474で計数スイッチオンタイマが上限値以上であるか否かを判定する。計数スイッチオンタイマは、遊技者が計数スイッチ311を押した時点からの経過時間をカウントしていくものである。
ステップD474での上限値とは、持球数を全て計数可能な時間に相当し、例えば6秒に設定される。ステップD474で計数スイッチオンタイマが上限値以上であれば、ステップD475に進んで計数スイッチオンタイマを上限値に留める。これは、持球数の全計数を行うことが可能な時間値(例えば、6秒)よりも大きい値に計数スイッチオンタイマがなれば、タイマがル−プしないように、上限値に抑えるものである。
ステップD475を経ると、ステップD476に進む。一方、ステップD474で計数スイッチオンタイマが上限値未満であれば、ステップD475をジャンプしてステップD476に進む。
ステップD476では計数スイッチオンタイマが1秒に等しいか否かを判定し、計数スイッチオンタイマが1秒に等しい場合には、ステップD477に進む。ステップD476は、計数スイッチオンタイマが1秒の時に、ステップD477以降の処理で計数の単位数を設定するための判定である。また、計数スイッチオンタイマ=1秒という時間は、計数スイッチ311を押して持球数を計数する場合の最小時間に相当する。したがって、1秒よりも短い時間での計数スイッチ311の操作は無効になり、持球数の計数が開始されない。1秒未満は遊技者が間違って計数スイッチ311に触れることもあるので、誤動作防止のために無効とするものである。
ステップD476で計数スイッチオンタイマが1秒でないと判定すると、今回は計数の単位数設定を行わず、ステップD480にジャンプする。一方、計数スイッチオンタイマが1秒であれば、計数の単位数を設定するためステップD477に進むことになる。
ステップD477以降の処理では、計数の単位数を以下のようにして決定する。計数の単位数とは、例えば1秒単位で何個の持球数を計数するかを表す数値(以下、単位計数値)である。
ステップD477に進むと、持球数が「1000個」以下であるか否かを判定する。持球数が「1000個」以下であれば、ステップD491に分岐して単位計数値として「50」を設定した後、ステップD480に進む。一方、ステップD477で持球数が「1000個」を超えていれば、ステップD478に進んで持球数が「10000個」以下であるか否かを判定する。持球数が「10000個」以下であれば、ステップD492に分岐して単位計数値として「100」を設定した後、ステップD480に進む。
一方、ステップD478で持球数が「10000個」を超えていれば、ステップD479で単位計数値として「1000」を設定し、ステップD480に進む。
次いで、ステップD480に進んだ場合、持球数が「0個」であるか否かを判定し、「0個」でなければステップD481以降の処理に進んで持球数の計数処理を行う。また、ステップD480で持球数が「0個」であればリターンする(計数は行わない)。
ステップD481以降の処理に進んだ場合、まずステップD481で計数スイッチオンタイマが単位計数を行うタイミングの値であるか否かを判定する。
単位計数を行うタイミングの値とは、計数スイッチ311を押して持球数を計数する場合の最小時間が1秒未満のときは計数スイッチ311の操作を無効にするので、計数スイッチ311の操作が有効となる1秒以上の時間であって、かつ1秒以降で0.5秒を単位区切りとするタイミングのことである。具体的には、1.0秒、1.5秒、2.0秒、2.5秒、・・・・を示すタイマ値に相当するタイミングである。
したがって、ステップD481の処理は上述したような、1.0秒、1.5秒、2.0秒、2.5秒、・・・・という0.5秒を単位区切りとするタイミング(すなわち、単位計数を行うタイミングの値)を判定するものである。
ここで、上述した計数の単位数について説明すると、実施例1の持球数の計数方法は、後述の図196と同様であるので、図196を参照して説明する。
実施例1では、図196に示すものと同様に、「押下時間」は計数スイッチ311の操作時間(押している時間)を示し、「押下時間」と持球数の範囲に対して計数をどのような方法で行うかを図196が示している。
具体的には、以下の通りである。なお、下記の単位計数値は「計数単位」に相当する。
・計数スイッチ1311の押下時間=1秒未満:持球数の範囲にかかわらず無効
・1.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は50個計数(単位計数値=50個の意味、以下同様)
(ロ)持球数が1001個から10000個までは100個計数
(ハ)持球数が10001個以上は1000個計数
・以後、0.5秒毎:
(イ)持球数が1000個以下は50個を計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは100個を計数
(ハ)持球数が10001個以上は1000個を計数
・6.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は全てを計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは全てを計数
(ハ)持球数が10001個以上は全てを計数
上記のように、実施例1では0.5秒毎に計数スイッチ1311の押下時間を区切って単位計数を行うタイミングの値としている。なお、前述したように、1秒未満は計数スイッチ311の誤動作防止のために、計数スイッチ311の操作を無効とする。持球数が何個であっても、計数スイッチ311の押下時間が6.0秒で全て計数をする。
さて、フローに戻り、ステップD481で計数スイッチオンタイマが単位計数を行うタイミングの値であれば、計数スイッチ311の操作による持球数の計数を行うと判断して続くステップD482に進み、持球数は単位計数値未満であるか否かを判定する。持球数が単位計数値未満であれば、ステップD483でそのときの持球数を単位計数値に差し替える。これは、持球数に単位計数値に満たない球数しか残っていない場合には、そのとき残っている持球数を単位計数値に差し替えて計数処理を簡単にするためである。
ステップD483を経ると、ステップD484に進む。一方、ステップD482で持球数が単位計数値未満でなければ、ステップD483をジャンプしてステップD484に進む。
ステップD484に進むと、「計数球数+単位計数値」を計数球数とし、これを払出制御装置230のRAM233に記憶しておく。このようにして計数スイッチ311操作時の計数球数の更新が行われる。
次いで、ステップD485で「持球数−単位計数値」を今回の持球数とし、これを払出制御装置230のRAM233に記憶しておく。このようにして計数スイッチ311操作時の持球数の更新が行われる。
このように、本例では持球数と計数球数のどちらも払出制御装置230の方で管理するようにしている(カードユニット15には、単に持球数と計数球数のデータを送信して知らせているのみ)。
次いで、ステップD486に進み、持球数表示ライトカウンタを「+1」更新する。次いで、ステップD487でライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に「−単位計数値」をセーブした後、リターンする。これは、計数に伴う持球数の減算がある場合に、持球数の変化を持球数表示器40にて表示する必要があるので、持球数表示ライトカウンタの値を「+1」だけ更新(インクリメント)して進め、進めたライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に計数に伴う持球数の減算数(ここでは単位計数値)を格納し、格納した単位計数値を表示用持球数から減算して表示用更新持球数とするものである。
この場合、持球数表示器40に表示用持球数を変化事象毎に表示するための変化量を表示用更新持球数格納領域に格納していくが、ここでは計数に伴う持球数の減算があれば、その分だけ持球数が減算するので、表示用更新持球数格納領域に減算数(ここでは単位計数値)を格納するものである。これにより、持球数が単位計数値だけ減算されて持球数表示器40の表示が更新されることになる。
すなわち、持球数が計数される毎に単位計数値から減算されて持球数を記憶するRAM233の記憶領域に表示用持球数として格納されるとともに、RAM233の記憶領域に格納された表示用持球数(データ)に基づいて計数後の持球数が持球数表示器40に表示されることになる。
次に、上記各ステップの判定で、上述した場合とは別のルートに分岐する場合について説明する。
ステップD471で計数スイッチ311がオン状態でなければ、遊技者が計数スイッチ311を押していない、又は計数スイッチ311を押したが一瞬離したと判断してステップD488に分岐し、計数中発射停止タイマが「0」でなければ、同タイマを「−1」だけ更新(デクリメント)する。
これは、遊技者が計数スイッチ311を全く押していない場合には。後述のステップD489、ステップD490を経てリターンするので、持球数の計数は開始されないが、遊技者が計数スイッチ311を押して持球数の計数を開始する意図がある場合に、計数中に何かの拍子に一瞬だけ、計数スイッチ311がオフになってしまっても持球数の計数を継続できるように猶予期間(例えば2秒)を設けているので、その猶予期間をカウントするために、計数中発射停止タイマを「−1」だけ更新(デクリメント)するものである。
一方、計数中発射停止タイマが「0」であれば、遊技者が計数スイッチ311を押していないと判断する。
ステップD488を経ると、続くステップD489で計数中発射停止タイマが「0」であるか否かを判定する。計数中発射停止タイマが「0」でなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。上述したように、遊技者が計数スイッチ311を押して持球数の計数を開始する意図がある場合に、計数中に何かの拍子に一瞬だけ、計数スイッチ311がオフになってしまっても持球数の計数を継続できるように猶予期間を設けているが、ステップD489でNOとなるのは、その猶予期間をカウントするようなケースである。
一方、ステップD489で計数中発射停止タイマが「0」であれば、ステップD490に進んで計数スイッチオンタイマを「0」クリアしてリターンする。このケースは、遊技者が計数スイッチ311を全く押していない場合であり、持球数の計数は開始されない。
次に、ステップD481で計数スイッチオンタイマが単位計数を行うタイミングの値でないと判定した場合には、ステップD493に分岐し、計数スイッチオンタイマが全計数を行うタイミングの値であるか否かを判定する。全計数を行うタイミングとは、図196に示すように計数スイッチ311の押下時間が6.0秒になると、持球数が何個であっても、全ての持球数を計数することになるから、そのタイミング(つまり、6.0秒)のことである。そのため、ステップD493で計数スイッチ311の押下時間が6.0秒になったタイミングの値でなければ、ルーチンを終了してリターンし、計数スイッチ311の押下時間が6.0秒になったタイミングの値であれば、ステップD494に進んで「計数球数+持球数」を計数球数とし、払出制御装置230のRAM233に記憶しておく。
なお、持球数の全計数を行って、遊技を終了して精算しようとする場合であれば、計数スイッチ311を押して持球数を計数して計数球数とした後、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706の画面上の返却ボタン704にタッチすることで、持球数の全て(ここでは計数球数の全て)の記録された遊技カードがカードユニット15から排出されることになる。したがって、このときは精算時に相当するから、払出制御装置230では精算時のタイミングでトータル持球数(持球数+計数球数)のデータをカードユニット15へ送信することになる。
したがって、持球数の全計数を行う場合には、ステップD493で計数スイッチオンタイマが全計数を行うタイミングの値であると判定されて、続くステップD494に進むことになり、ステップD494で「計数球数+持球数」を計数球数とし、払出制御装置230のRAM233に記憶しておき、続くステップD495で持球数を「0」クリアした後、リターンする。
ステップD493乃至ステップD495の処理により、持球数の全てが計数されて計数球数領域にセーブされるので、その後は持球数が「0」クリアされることになる。
〔計数球使用監視処理〕
次に、前記持球数管理処理における計数球使用監視処理D463を図132により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD501で計数球使用コマンドを受信済みであるか否かを判定する。計数球使用コマンドは、カードユニット15から払出制御装置230へ送られてくるもので、操作表示装置7に配置されている計数球使用ボタン710(図11(a)参照)が操作された場合に、1回の操作で計数球数より所定量(例えば、100個)の球を持球数に移動させる要求のコマンドである。そのため、ステップD501では計数球使用ボタン710が押されて、遊技者が計数球数より持球数へ球の移動を要求したか否か計数球使用コマンドを受信したかどうかで判断するものである。
ステップD501で計数球使用コマンドを受信済みでなければ、計数球使用監視処理を終了してリターンする。
一方、ステップD501で計数球使用コマンドを受信済みであれば、ステップD502へ進み、計数球使用コマンド受信済みフラグをクリアする。
次いで、ステップD503で計数球数が「0」でないかを判定する。ステップD503の判定でNOであれば、計数球数が「0」であるから、持球数への移動はできないと判断してルーチンを終了し、リターンする。
ステップD503の判定でYESであれば、計数球が存在しているから持球数への移動が可能であると判断してステップD504に進み、計数球数が「100」以上であるか否かを判定する。計数球数が「100」以上であれば、ステップD505で計数球数のうちの「100」(つまり、100個の計数球数)を計数球使用数とする。これにより、計数球数のうちの100個の球が持球数へ移動することになる。ステップD505を経ると、ステップD506に進む。
一方、ステップD504で計数球数が「100」未満であるときは、ステップD512に分岐して計数球数の全てを計数球使用数とする。これにより、計数球数の全て球が持球数へ移動することになる。
これは、計数球使用ボタン710が1回操作されると、計数球数より持球数へ所定量(例えば、100個)の球の移動を行うが、所定量未満であれば、全ての計数球を持球数へ移動させても差し支えないからである。
ステップD512を経ると、ステップD506に進む。
ステップD505からステップD506に進む場合やステップD512からステップD506に進む場合には、ステップD506で「持球数+計数球使用数」の合計が設計上の持球数上限値(例えば、25万個)を超えるか否かを判定し、持球数上限値を超えていれば、ステップD507で「持球数上限値−持球数」を新たな計数球使用数として更新登録し、その後、ステップD508へ進む。これは、実際上、持球数+計数球使用数が持球数上限値(例えば、25万個)を超えることはないと考えられるが、超えた場合に遊技者の持球数や計数球数が消失しないようにするためである。
一方、ステップD506で「持球数+計数球使用数」の合計が設計上の持球数上限値(例えば、25万個)未満であれば、ステップD508にジャンプする。
ステップD506やステップD507からステップD508に進んだ場合には、ステップD508で「持球数+計数球使用数」を新たな持球数として更新し、続くステップD509で「計数球数−計数球使用数」を新たな計数球数として更新する。これは、計数球使用スイッチを操作して計数球数より持球数へ球を移動したので、その状況に対応して持球数及び計数球数の値を更新しておくためである。
ステップD509を経ると、次いで、ステップD510で持球数表示ライトカウンタを「+1」更新する。次いで、ステップD511でライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に「計数球使用数」をセーブした後、リターンする。これは、計数球使用スイッチの操作に伴う持球数の加算がある場合に、持球数の変化を持球数表示器40にて表示する必要があるので、持球数表示ライトカウンタの値を「+1」だけ更新(インクリメント)して進め、進めたライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に計数球使用スイッチの操作に伴う持球数の加算数(ここでは計数球使用数)を格納し、格納した計数球使用数を表示用持球数に加算して表示用更新持球数とするものである。
この場合、持球数表示器40に表示用持球数を変化事象毎に表示するための変化量を表示用更新持球数格納領域に格納していくが、ここでは計数球使用スイッチの操作に伴う持球数の加算があれば、その分だけ持球数が増加するので、表示用更新持球数格納領域に加算数(ここでは計数球使用数)を格納するものである。これにより、持球数が計数球使用数だけ加算されて持球数表示器40の表示が更新されることになる。
この計数球使用監視処理によれば、計数球使用ボタン710が1回操作されると、計数球数より持球数へ所定量(例えば、100個)の球が移動する。また、計数球数が所定量(例えば、100個)未満であれば、全ての計数球数が持球数へ移動する。
したがって、遊技者は計数球数から持球数に戻すことにより、発射可能な球数が増加するとともに、いわゆる玉箱から上皿に球を移動させる概念の遊技感覚を味わうことができ、便利である。
〔球抜き制御処理〕
次に、前記タイマ割込処理における球抜き制御処理D53を図133により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD521で球抜き制御タイマが「0」であるか否かを判定する。球抜き制御タイマは封入球の球抜きを行う時間をカウントするためのものである。球抜き制御タイマが「0」であるならば、ステップD522に進んで球抜き要求があるか否かを判定する。球抜き要求は、球抜きスイッチ183がオン操作された場合や封入球として異常の球(例えば、不正な磁性体の球、不正な小径の球)が検出されたようなエラー発生時に出される。
球抜き要求があれば、ステップD523で球抜き要求フラグをクリアし、続くステップD524で球抜き制御タイマの初期値を設定する。ここでの初期値は封入球の球抜きを行うのに必要な時間に設定される。
次いで、ステップD525で球抜きソレノイド344Sのオン出力データを設定するとともに、ステップD526で上切替ソレノイド336Sのオン出力データを設定してリターンする。
ステップD525の処理により、球抜きソレノイド344Sがオンして球抜き弁344によりバイパス通路304の端部を開口してバイパス通路304にある球を球抜き通路305に流入させて回収ボックス345に回収することになる。また、ステップD526の処理により、上切替ソレノイド336Sがオンして上切替弁336により上部通路303の端部(バイパス通路304との連通部)を開口して上部通路303にある球をバイパス通路304に流入させることになる。
したがって、上部通路303の球はバイパス通路304に誘導され、バイパス通路304を通過して球抜き通路305に流入し、最終的に回収ボックス345に回収されることになる(すなわち、封入球の球抜きが行われる)。
上記のように封入球の球抜きが行われているとき、ステップD521の判定でNOであれば(すなわち、球抜き制御タイマが「0」でなければ)、ステップD527に分岐して球抜き制御タイマを「−1」更新する。これにより、球抜き制御タイマがカウントダウンされていく。次いで、ステップD528で球抜き制御タイマが「0」であるか否かを判定し、球抜き制御タイマが「0」でなければルーチンを終了して球抜き制御処理を繰り返す。
球抜き制御処理を繰り返すことで、ステップD528で球抜き制御タイマが「0」になると、ステップD529に進み、球抜きソレノイド344Sのオフ出力データを設定するとともに、ステップD530で上切替ソレノイド336Sのオフ出力データを設定してリターンする。
ステップD529の処理により、球抜きソレノイド344Sがオフして球抜き弁344によりバイパス通路304の端部が閉鎖されてバイパス通路304にある球が球抜き通路305に流入しなくなり、回収ボックス345への球の流入は阻止されることになる。また、ステップD530の処理により、上切替ソレノイド336Sがオフして上切替弁336により上部通路303の端部(バイパス通路304との連通部)が閉鎖されて上部通路303にある球がバイパス通路304に流入しないようになる。これにより、封入球の球抜きが終了する。
一方、上記ステップD522で球抜き要求がなければ、ステップD522からステップD529にジャンプして、ステップD529、ステップD530の処理を順次実行してリターンする。したがって、この場合は封入球の球抜きが行われない。
〔精算制御処理〕
次に、前記タイマ割込処理における精算制御処理D54を図134により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD541で精算制御処理番号による分岐を行う。この場合、精算制御処理番号が0ならばステップD542の精算開始監視処理(詳細後述する)を、精算制御処理番号が1ならばステップD543で精算書込完了監視処理(詳細後述する)を、精算制御処理番号が2ならばステップD544で精算終了監視処理(詳細後述する)を、それぞれ実行し、その後リターンする。なお、精算制御処理番号の初期値は、例えばメイン処理のステップD9において、0に設定される。
なお、精算制御処理番号は0、1、2、・・・としてもよいが、1、2、3、・・・としてもよく、そのようにしておくと、RAM233の領域がクリアされた場合に初期値として0を設定する処理を省略することができる。
〔精算開始監視処理〕
次に、前記精算制御処理における精算開始監視処理D542を図135により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD551で精算開始フラグがセットされているか否かを判定する。精算開始フラグはカードユニット15から「精算開始要求」のコマンドを受信したときにセットされる。ステップD551で精算開始フラグがセットされていなければ、精算開始監視処理を終了してリターンする。
一方、ステップD551で精算開始フラグがセットされていれば、ステップD552へ進み、精算開始フラグをクリアする。精算開始フラグをクリアするのは、精算開始フラグがセットされたことから精算を開始するので、次回の精算に備えるために、精算開始フラグをクリアするものである。次いで、ステップD553で精算中フラグをセットする。
次いで、ステップD554で「持球数+計数球数」を表示用持球数とする。ここでの表示用持球数は遊技者が保有するトータルの持球数となる。これは、遊技者が獲得している持球数及び計数球数を全て計数して、表示用の持球数にするもので、カードユニット15から「精算開始要求」のコマンドに基づいて自動的に精算を行うためである。すなわち、返却ボタン704を押して遊技カードの返却を求めるときは、自動的に精算を行う必要があるので、遊技者の持球数及び計数球数を全て計数して表示用の持球数とし、その表示用の持球数をカードユニット15へ送信するためである。
また、「持球数+計数球数」を表示用持球数とするのは、表示用持球数を精算完了するまで持球数表示器40に表示しておくためである。なお、表示用持球数は、持球数表示器40に持球数を表示するために持球数を記憶するRAM233の記憶領域に記憶される。
次いで、ステップD555で精算書込完了監視タイマのタイマ初期値(例えば、2秒)をセットする。精算書込完了監視タイマはカードユニット15からの応答にタイムアウトを設けるためのタイマである。次いで、ステップD556で精算制御処理番号に精算書込完了監視処理番号をセットした後、リターンする。したがって、精算制御処理では次回は精算書込完了監視処理のルーチンに移行することになる。
〔精算書込完了監視処理〕
次に、前記精算制御処理における精算書込完了監視処理D543を図136により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD561で精算書込完了監視タイマを「−1」だけ更新(デクリメント)し、ステップD562で同タイマが「0」になったか否かを判定する。精算書込完了監視タイマが「0」になっていなければ、ステップD563に進み、カードユニット15から精算書込完了を受信したか否かを判定する。精算書込完了の受信は、カードユニット15から例えば精算書込完了コマンドを受信したか否かで判定する。カードユニット15から精算書込完了を受信していなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。
そして、ステップD563でカードユニット15から精算書込完了を受信したと判定すると、ステップD564に抜けて持球数を「0」クリアするとともに、ステップD565で計数球数を「0」クリアする。これは、カードユニット15側で精算書込を完了(つまり、遊技カードに全てのトータル持球数(持球数及び計数球数)を記録完了)して遊技カードに記録が保持されたので、持球数及び計数球数を「0」クリアしても差し支えないからである。
次いで、ステップD566で精算制御処理番号に精算終了監視処理番号をセットしてリターンする。したがって、精算制御処理では次回は精算終了監視処理のルーチンに移行することになる。
一方、ステップD562で精算書込完了監視タイマが「0」になっていた場合には、精算書込完了監視タイマでカウントする所定時間内にカードユニット15から精算書込完了を受信できていないことになるので、ステップD567に分岐して精算書込失敗フラグをセットする。次いで、ステップD568で精算中フラグをクリアする。次いで、ステップD569で精算制御処理番号に精算開始監視処理番号をセットしてリターンする。したがって、精算制御処理では次回は精算開始監視処理のルーチンに移行することになる。
〔精算終了監視処理〕
次に、前記精算制御処理における精算終了監視処理D544を図137により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD571で精算終了フラグがセットされているか否かを判定する。精算終了フラグはカードユニット15から「精算終了要求」のコマンドを受信したときにセットされる。ステップD571で精算終了フラグがセットされていなければ、精算終了監視処理を終了してリターンする。
一方、ステップD571で精算終了フラグがセットされていれば、ステップD572へ進み、精算終了フラグをクリアする。精算終了フラグをクリアするのは、精算終了フラグがセットされたことから精算を終了するので、次回の精算終了に備えるために、精算終了フラグをクリアするものである。次いで、ステップD573で精算中フラグをクリアする。
次いで、ステップD574でカード抜き取り待ち中フラグをクリアする。カード抜き取り待ち中フラグは後述の「カード返却応答処理」にてセットされるもので、遊技を精算してカードユニット15から遊技カードを返却する処理の過程でセットされるが、精算が終了するときにクリアするものである。
次いで、ステップD575で持球数表示タイマにタイマ初期値(例えば、2秒)をセットする。持球数表示タイマは精算時に持球数表示器40に持球数を表示している時間を設けるためのタイマである。すなわち、持球数表示タイマは、タイムアップした時点で持球数表示器40での持球数の後述する点滅表示が終了される構成となっている(後述する「持球数LED編集処理」参照)。そして、持球数表示タイマに初期値を設定するのは、遊技カードをカードユニット15から排出した後も少しの間(同タイマの初期値)だけ、持球数表示器40のLEDに精算した持球数を点滅表示するための準備を行うためである。
次いで、ステップD576で精算制御処理番号に精算開始監視処理番号をセットした後、リターンする。したがって、精算制御処理では次回は精算開始監視処理のルーチンに移行することになる。
〔休憩制御処理〕
次に、前記タイマ割込処理における休憩制御処理D55を図138により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD581で休憩制御処理番号による分岐を行う。この場合、休憩制御処理番号が0ならばステップD582の休憩開始監視処理(詳細後述する)を、休憩制御処理番号が1ならばステップD583で休憩終了監視処理(詳細後述する)を、それぞれ実行し、その後リターンする。なお、休憩制御処理番号の初期値は、例えばメイン処理のステップD9において、0に設定される。
なお、休憩制御処理番号は0、1、2、・・・としてもよいが、1、2、3、・・・としてもよく、そのようにしておくと、RAM233の領域がクリアされた場合に初期値として0を設定する処理を省略することができる。
〔休憩開始監視処理〕
次に、前記休憩制御処理における休憩開始監視処理D582を図139により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD591で休憩開始フラグがセットされているか否かを判定する。休憩開始フラグはカードユニット15から「休憩開始要求」のコマンドを受信したときにセットされる。ステップD591で休憩開始フラグがセットされていなければ、休憩開始監視処理を終了してリターンする。
一方、ステップD591で休憩開始フラグがセットされていれば、ステップD592へ進み、休憩開始フラグをクリアする。休憩開始フラグをクリアするのは、休憩開始フラグがセットされたことから休憩を開始するので、次回の休憩に備えるために、休憩開始フラグをクリアするものである。次いで、ステップD593で休憩中フラグをセットする。
なお、休憩中フラグがセットされると、図示省略した処理によって、操作表示装置7の画面上に「休憩中」と表示する制御が実行され、遊技者や店員に休憩中であることが報知される。また逆に、休憩中フラグがクリアされると、「休憩中」の表示が消えて休憩が終了したことが報知される。
次いで、ステップD594で休憩制御処理番号に休憩終了監視処理番号をセットした後、リターンする。したがって、休憩制御処理では次回は休憩終了監視処理のルーチンに移行することになる。
〔休憩終了監視処理〕
次に、前記休憩制御処理における休憩終了監視処理D583を図140により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD601で休憩終了フラグがセットされているか否かを判定する。休憩終了フラグはカードユニット15から「休憩終了要求」のコマンドを受信したときにセットされる。ステップD601で休憩終了フラグがセットされていなければ、休憩終了監視処理を終了してリターンする。
一方、ステップD601で休憩終了フラグがセットされていれば、ステップD602へ進み、休憩終了フラグをクリアする。休憩終了フラグをクリアするのは、休憩終了フラグがセットされたことから休憩を終了するので、次回の休憩終了に備えるために、休憩終了フラグをクリアするものである。次いで、ステップD603で休憩中フラグをクリアする。
次いで、ステップD604で休憩制御処理番号に休憩開始監視処理番号をセットした後、リターンする。したがって、休憩制御処理では次回は休憩開始監視処理のルーチンに移行することになる。
〔LED編集処理〕
次に、前記タイマ割込処理におけるLED編集処理D56を図141により説明する。
このルーチンが開始されると、エラー表示LED編集処理(ステップD611)、持球数LED編集処理(ステップD612)、計数球数LED編集処理(ステップD613)が順次実行され、その後リターンする。
ここで、エラー表示LED編集処理では、払出制御装置230に配置されたエラー表示LED67を所定のエラー発生時に点灯又は点滅させるための表示データの設定が実行される。
持球数LED編集処理では、持球数表示器40で各種表示を行うための表示データの設定が実行される(詳細後述する)。
計数球数LED編集処理では、計数球表示器313で各種表示を行うための表示データの設定が実行される。
〔エラーLED編集処理〕
次に、前記LED編集処理におけるエラーLED編集処理D611を図142により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD621で何らかのエラーが発生中であるか否かを判定する。何らかのエラーとは、前面枠4の開放、主基板(遊技制御装置54)の取り外し、電波不正、封入球異常等の各種エラーの何れかである。
ステップD621で何らかのエラーが発生中であれば、ステップD622に進み、発生しているエラーの内、表示優先度の最も高いエラーの表示データを設定する。例えば、何らかのエラーとして、前面枠4の開放、主基板(遊技制御装置54)の取り外し、封入球異常のエラーが発生していれば、主基板(遊技制御装置54)の取り外しについてのエラーが最も対処が必要なエラーと考えられるので、この主基板(遊技制御装置54)の取り外しエラーを表示優先度の最も高いエラーの表示データとしてを設定する。これにより、払出制御装置230に配置されたエラー表示LED67が基板(遊技制御装置54)の取り外しエラー発生として、点滅(又は点灯でもよい)することになる。ステップD622を経ると、リターンする。
一方、ステップD621で何らかのエラーが発生中でなければ、ステップD623へ分岐し、正常時の表示データ設定を行う。これにより、正常であること、すなわちエラーが発生していないことを報知する。ステップD623を経ると、リターンする。
〔持球数LED編集処理〕
次に、前記LED編集処理における持球数LED編集処理D612を図143により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD631でカードユニット未接続エラーが発生中であるか判定し、発生中ならばステップD638に進み、発生中でなければステップD632に進む。このカードユニット未接続エラーの判定は、前述したステップD371と同様に、例えばカードユニット接続確認フラグに基づいて行われる。
ステップD632に進むと、封入系スイッチ異常エラーが発生中か判定し、発生中ならばステップD638に進み、発生中でなければステップD633に進む。封入系スイッチ異常エラーは、封入系スイッチ(発射球検出スイッチ160、アウト球検出スイッチ161、第1封入球数検出スイッチ164、第2封入球数検出スイッチ165)についてのスイッチ異常である。
ステップD638では、持球数表示器40によって封入系スイッチ異常エラー或いはカードユニット未接続エラーを報知する表示を行うための表示データを設定し、リターンする。
ステップD633に進むと、精算中(精算中又は遊技カード抜取待ち中を含む)であるか判定し、精算中ならばステップD639に進み、精算中でなければステップD634に進む。精算中であるか否かの判定は、例えば前述の精算中フラグに基づいて判断する。
ステップD639では、精算書き込み完了待ち中であるか否かを判定し、精算書き込み完了待ち中であれば、ステップD640に進み、持球数表示器40によって持球数を移動点滅表示させるための表示データ(持球数表示移動点滅データ)を設定して、リターンする。これにより、精算書き込み完了待ち中には持球数表示器40の持球数表示が移動点滅することになる。
また、ステップD639で精算書き込み完了待ち中でなければ、ステップD641に分岐し、ステップD641で持球数表示器40によって持球数を点滅表示させるための表示データ(持球数表示点滅データ)を設定して、リターンする。これにより、精算中であっても、精算書き込み完了待ち中でないとき(すなわち、遊技カードへの書き込みが完了しているとき)には、持球数表示器40の持球数表示が点滅することになる。
一方、ステップD634に進むと、持球数表示タイマの値がゼロでないか判定し、ゼロでない場合(タイムアップしていない場合)にはステップD642に進み、ゼロである場合(タイムアップしている場合)にはステップD635に進む。持球数表示タイマは、前述の精算終了監視処理におけるステップD575(図137)で精算終了時に設定されるタイマである。
ステップD634で持球数表示タイマの値がゼロでない(タイムアップしていない)と判定してステップD642に進むと、ステップD642で持球数表示器40によって持球数を点滅表示させるための持球数表示点滅データを設定し、続くステップD643で持球数表示タイマを「−1」更新(デクリメント)する。これにより、持球数表示タイマがカウントされていく。次いで、ステップD644で持球数表示タイマの値がゼロになったか否かを判定し、ゼロになっていなければリターンしてルーチンを繰り返す。そして、持球数表示タイマの値がゼロ(カウントアップ)になれば、ステップD645に進んで表示用持球数をクリアした後、ステップD647に進んで、後述のように持球数表示器40を消灯させるための消灯データを設定し、その後、リターンする。
上記ステップD633、D634、D639乃至ステップD645の処理により、操作表示装置7の返却ボタン704が押されて精算処理が開始されてから遊技カードが抜き取られて持球数表示タイマがカウントアップするまでの間、精算開始から精算書き込み完了待ち中には持球数表示器40の持球数表示が移動点滅し、精算書き込みが完了すると、持球数表示器40の持球数表示が点滅することになる。
一方、ステップD635に進むと、休憩中か判定し判定し、休憩中ならばステップD646に進み、休憩中でなければステップD636に進む。休憩中か否かの判定は、例えば前述の休憩中フラグに基づいて判断する。
ステップD646では、持球数表示器40で休憩中であることを報知する表示を行うための休憩表示データを設定し、リターンする。
ステップD636に進むと、遊技中(遊技者が着席中)か判定し、遊技中ならばステップD647に進み、遊技中でなければステップD637に進む。遊技中か否かの判定は、カードユニット15に遊技カードが挿してあれば遊技中と判定し、挿してなければ遊技中でないと判定することにより行う。
ステップD647では、持球数表示データ設定処理を行い、その後、リターンする。これは、持球数を持球数表示器40に表示するための処理を行うもので、詳細は後述する。
またステップD637では、持球数表示器40の消灯データを設定し、リターンする。なお、消灯の代わりに持球数表示器40でデモ表示を行うようにしてもよい。
本ルーチンによれば、遊技中は基本的に持球数表示器40において持球数の表示が為されるが、カードユニット未接続エラー又は封入系スイッチ異常エラーが生じるとそれを示すエラー表示が、精算中は精算中であることを示す表示が、休憩中は休憩中であることを示す表示が、それぞれ、持球数表示器40において実行される。そして、これら何れの状態でもない場合には、持球数表示器40では消灯表示が実行される。
また、精算開始から精算書き込み完了待ち中には持球数表示器40の持球数表示が移動点滅し、精算書き込みが完了したら、持球数表示器40の持球数表示が点滅するような制御が行われる。
本実施例では、このように持球数表示器40での表示についてのデータ設定処理を、持球数表示以外の表示についても全て本ルーチンで一括処理している。このため、処理が簡素化されコスト低減できる効果がある。
〔持球数表示データ設定処理〕
次に、前記持球数LED編集処理における持球数表示データ設定処理D647を図144により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD651で持球数表示更新タイマが「0」でなければ、同タイマを「−1」更新(デクリメント)し、ステップD652で持球数表示更新タイマが「0」であるか否かを判定する。これは、持球数表示更新タイマは後述のステップD658にて初期値(例えば、300ms)に設定されるので、その初期値から「−1」更新(デクリメント)してきて、同タイマが「0」になったかを判定するものである。
ステップD652の判定結果がYESのときは、続くステップD653に進み、持球数表示リードカウンタが持球数表示ライトカウンタに等しいか否かを判定する。これは、持球数を格納している持球数表示数格納領域から今回の持球数を読み出し終えたかを判断するものである。ステップD653の判定結果がNOのときは、持球数表示リードカウンタが持球数表示ライトカウンタに等しくなく、持球数表示数格納領域から今回の持球数を読み出し終えていないと判断して、ステップD654に進む。
次いで、ステップD654で持球数表示リードカウンタを「+1」だけ更新(インクリメント)し、続いてステップD655で持球数表示リードカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域から今回の更新数をロードする。次いで、ステップD656では、ステップD655にてロードした更新数を表示用持球数に加えて今回の表示用持球数に更新する。すなわち、「表示用持球数+更新数」を今回の表示用持球数に更新する。
次いで、ステップD657で更新数に対応するデータを試験信号出力データ領域にセーブする。ここでの更新数は賞球数に対応するものであり、ステップD657の処理は賞球数の持球数への加算に関する試験信号を外部に出力する処理に相当する。これは、持球数表示器40の持球数の表示の更新に合わせて、賞球数の持球数への加算に関する試験信号を出力するようにしたものである。これにより、外部の試験装置がより確実に賞球数の持球数への加算に関するデータを取り込むことができる。
次いで、ステップD658に進み、持球数表示更新タイマ初期値(例えば、300ms)を持球数表示更新タイマ領域にセーブする。ここでの初期値としては、例えば、300msが設定される。
ここでの初期値=300mは、持球数表示器40(遊技価値表示手段)が遊技者の持球数を表示する場合における持球数の更新の間隔(所定期間(0.3秒)の間隔)に相当する。
これは、内部メモリとしてのRAM233は遊技者の持球数の変化を記憶し、これには発射した球を減算し、賞球数を加算することを繰り返して遊技者の持球数がいくらになるかをリアルタイムで更新して記憶していくが、これに対して持球数表示器40における持球数の更新は、RAM233がリアルタイムで持球数を更新して記憶していくのと異なり、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて、持球数の更新表示を行うように制御するからである。
すなわち、払出制御装置230は持球数に対して発射した球の減算、賞球数の加算は、遊技プログラムに基づく処理で行うことにより、RAM233については持球数のリアルタイム的な変化を記憶していくように制御するが、持球数表示器40が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、RAM233がリアルタイムで持球数を更新して記憶していくのと異なり、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて、持球数の更新表示を行うように制御する。
次いで、ステップD659に進み、表示用持球数が「0」であるか否かを判定する。表示用持球数が「0」でなければ、ステップD660に進み、ステップD656で更新した表示用持球数に対応するLED表示データを設定する。これは、7セグメントのLEDを6個配列して6桁の数値(持球数)を表示可能な持球数表示器40のLEDに表示するデータを設定するものである。そのため、表示するLEDが6個あれば、6桁分のデータを設定する。ステップD660を経ると、リターンする。これにより、持球数表示器40に今回の持球数(更新された持球数のこと)が表示されることになる。
一方、ステップD659で表示用持球数が「0」であれば、ステップD663に分岐し、計数球数が「0」であるか否かを判定する。計数球数が「0」でなければ、ステップD664に進み、持球数表示「0」の点滅表示データを設定した後、リターンする。これにより、計数球数が「0」でないときには、持球数表示器40の表示が点滅することになる。
また、ステップD663で計数球数が「0」であれば、ステップD665に進み、持球数表示「0」の点灯表示データを設定した後、リターンする。これにより、計数球数が「0」であるときは、持球数表示器40の表示が点灯することになる。
一方、ステップD652で持球数表示更新タイマが「0」でない場合には、ステップD659にジャンプする。したがって、このときはステップD659以降の処理を実行することになる。この場合、持球数表示器40により前回の持球数の表示が継続するが、ステップD659、D663〜D665の処理を経るので、持球数「0」であっても計数球数の有無によって持球数表示器40の表示態様が異なり、計数球数が「0」でないときは持球数表示器40の表示が「0」点滅し、計数球数が「0」のときは持球数表示器40の「0」表示が点灯することになる。
また、上記ステップD653に戻って、ステップD653の判定結果がYESのときは、持球数表示リードカウンタが持球数表示ライトカウンタに等しくなり、持球数表示数格納領域から今回の持球数を読み出し終えたと判断して、ステップD661に分岐し、ステップD661で今回の持球数を表示用持球数に更新した後、ステップD662で賞球なしのデータを試験信号出力データ領域にセーブする。
なお、ステップD661の処理を行う際には、持球数についての表示データと内部データにズレが出ないようにするため、加算するデータ(加算する持球数データ)がないときは、定期的に内部の持球数に合わせる処理を行う。
また、ステップD662の処理は賞球数に関する試験信号を外部に出力する処理に相当するもので、特に、賞球数がない場合における賞球数に関する試験信号を出力するようにしたものである。これは、持球数表示器40の持球数の表示の更新に合わせて、賞球数に関する試験信号を出力するようにしたものであるが、賞球なしのデータも外部の試験装置に出力可能にしたものである。これにより、外部の試験装置がより確実に賞球数に関するデータを取り込むことができる。ステップD662を経ると、ステップD658に進み、ステップD658以降の処理を実行する。
〔計数球数LED編集処理〕
次に、前記LED編集処理における計数球数LED編集処理D613を図145により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD671で計数球数が「0」であるか否かを判定し、計数球数が「0」でなければ、ステップD672に進んで計数球数LEDのオンデータを設定し、その後、ステップD674に進む。これにより、計数球表示器313が点灯することになる。計数球表示器313は計数球があるか否かを表示するものであるから、点灯することにより、計数球がある(存在する)ことが分かる。
一方、ステップD671で計数球数が「0」であれば、ステップD673に進んで計数球数LEDのオフデータを設定し、その後、ステップD674に進む。これにより、計数球表示器313が消灯することになる。これにより、計数球が無いことが分かる。
ステップD674に進むと、計数状況に対応する計数LEDの出力データを設定し、その後、リターンする。これは、計数球表示器313に内蔵される計数LEDの点灯態様(点滅も含む)を計数球の数量(有無も含む)の状況に応じて制御するためのデータを設定するものである。
具体的には、以下のようにデータ設定を行う。
・計数不可:赤点灯
・計数可:青点灯(又は点滅)
・計数中:緑点滅
計数不可とは、計数球が無しの状態、計数可とは計数球がある状態である。ステップD674の処理を行うことにより、計数球の状況に応じて細かく計数球表示器313に内蔵される計数LEDの点灯態様(点滅も含む)が変化するので、遊技者に分かりやすい利点がある。
このように、計数球数の有無に応じて計数球表示器313が点灯(点滅を含む)・消灯し、遊技者に対して計数球の有無及び計数中であることを報知するとともに、操作表示装置7の画面上にある計数球使用ボタン710を使用して計数球数から持球数への移動が可能かどうかを報知(例えば、計数可で、青点灯)することが行われる。ここで、計数球表示器313はその点灯(点滅を含む)・消灯により遊技者に対して計数球数に関する簡易表示を行い、計数球数の詳細については、カードユニット15が管理する操作表示装置7にて表示する。なお、計数球表示器313については、LED数個(例えば6個)で構成し、おおよその計数球数を報知するようにしてもよい。
〔主制御コマンド送信処理〕
次に、前記タイマ割込処理における主制御コマンド送信処理D57を図146により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD681で主制御コマンドの受信があるか否かを判定し、主制御コマンドの受信がなければ、ステップD703に分岐する。
ここで、実施例1では、払出制御装置230と遊技制御装置54(主基板)との間の通信は、遊技制御装置54が1次局となり、双方向通信を行う構成である。すなわち、遊技制御装置54からのコマンド受信に基づき払出制御装置230は遊技制御装置54への送信をすることになる。また、定期的に(例えば、200ms毎)双方向通信を行う構成であるので、例えば1秒間遊技制御装置54からのコマンドが払出制御装置230に来なければ、異常とする処理を行うために、ステップD681で主制御コマンドの受信確認を行うものである。
なお、カードユニット15と払出制御装置間230の通信では、カードユニット15が1次局となる。
一方、ステップD681で主制御コマンドの受信があれば、ステップD682に進み、各種エラー、不正フラグに基づきコマンドを生成し、保存(例えば、RAM233に保存)する。各種エラー、不正フラグとしては、例えば、以下のものがある。
・ガラス枠5開放
・前面枠4開放
・入賞数異常
・不正加算検知
・電波不正
・スイッチ異常
・夜間枠開放
次いで、ステップD683に進み、ステップD682で生成したコマンドを遊技機枠情報送信バッファに書き込む。遊技機枠情報送信バッファは、遊技機枠に配置されている払出制御装置230から遊技制御装置54へ送信するコマンドを一時的に溜めておくバッファである。
次いで、ステップD684で計数スイッチ311の押下状態、カード抜き取り待ち中フラグに基づきコマンドを生成し、保存する。カード抜き取り待ち中とは、精算時に遊技カードがカードユニット15のカード投入口201から排出される場合に、遊技者によって遊技カードが抜き取られるのを待っている期間のことである。
次いで、ステップD685に進み、ステップD684で生成したコマンドを遊技機枠情報送信バッファに書き込む。
次いで、ステップD686でタッチセンサ174がオフか、ステップD687で持球数=0か、ステップD688で計数球数=0か、をそれぞれ判定する。そして、D686乃至ステップD688で全てYESの場合、すなわち、ステップD686でタッチセンサ174がオフ、ステップD687で持球数=0、ステップD688で計数球数=0という判定であれば、ステップD689に進む。
これは、遊技者が発射ハンドル11に触れていないためにタッチセンサ174がオフであり、持球数がゼロであり、かつ計数球数がゼロである場合には、遊技機が稼働していないので、省エネ(省エネルギーのこと。以下、同様)の必要があると判断して、ステップD689に進むものである。
そのため、ステップD689では省電力移行要求ありのコマンドを生成し、保存する。これにより、遊技制御装置54へ省電力移行要求ありのコマンドが送られた場合には、遊技制御装置54から演出制御装置53へコマンドが送られ、演出制御装置53の制御により、例えば表示装置41の画面が省エネモードになって電力消費が抑制されることになる。
ステップD689を経ると、ステップD690へ進む。
一方、ステップD686乃至ステップD688で何れかが1つでもNOの場合、すなわち、ステップD686でタッチセンサ174がオン、ステップD687で持球数が有り、ステップD688で計数球数が有りという判定が1つでもあれば、遊技機が稼働している可能性があるので、省エネの必要はないと判断して、ステップD691に分岐する。そして、ステップD691では省電力移行要求なしのコマンドを生成し、保存した後、ステップD690に進む。これにより、遊技制御装置54へは省電力移行要求なしのコマンドが送られることになり、例えば表示装置41の画面が省エネモードになる等の制御は行われないことになる。
ステップD689やステップD691からステップD690に進むと、ステップD690では、ステップD689やステップD691で設定したコマンドを遊技機枠情報送信バッファに書き込む。これにより、ステップD689やステップD691で設定したコマンドが遊技制御装置54へ送られることになる。
次いで、ステップD692に進み、休憩関連フラグ、精算関連フラグに基づきコマンドを生成し、保存する。精算関連フラグとしては、例えばカード抜き取り待ち中フラグがあり、このカード抜き取り待ち中フラグに基づいてコマンドを生成するが、コマンドとしては例えば「カードの取り忘れに注意して下さい」というようなメッセージを表示装置41に表示させるような指示のコマンドがある。これにより、遊技者に対して遊技カードを取り忘れないように報知することができる。
次いで、ステップD693に進み、ステップD692で生成したコマンドを遊技機枠情報送信バッファに書き込む。
次いで、ステップD694に進み、持球数に基づきコマンドを生成し、保存する。これは、持球数を知らせるコマンドとなる。次いで、ステップD695に進み、ステップD694で生成したコマンドを遊技機枠情報送信バッファに書き込む。
次いで、ステップD696に進み、計数球数に基づきコマンドを生成し、保存する。これは、計数球数を知らせるコマンドとなる。次いで、ステップD697に進み、ステップD696で生成したコマンドを遊技機枠情報送信バッファに書き込む。
次いで、ステップD698に進み、発射強度情報に基づきコマンドを生成し、保存する。これは、発射操作ハンドル11に触れて発射ボリューム171を遊技者が所望の位置で固定することで、遊技球の発射強度を調整することを可能になっており、発射ボリューム171の位置から遊技球の発射強度がわかるので、その発射強度情報(発射ボリューム171の位置)に基づいてコマンドを生成するものである。生成するコマンドとしては、遊技球の発射強度を表示するコマンドがあり、そのコマンドを遊技制御装置54に送ることで、最終的に演出制御装置53が表示装置41に遊技球の発射強度を表示する演出を行わせるようになる。このようにすることで、例えば遊技者に現在の発射強度を報知することができる。また、精算時には、発射ボリューム171を初期位置に戻すように促すことを報知することも行われる。
次いで、ステップD699に進み、ステップD698で生成したコマンドを遊技機枠情報送信バッファに書き込む。
次いで、ステップD700で主制御コマンド受信監視タイマに初期値(例えば、1秒)を設定する。主制御コマンド受信監視タイマは、主制御コマンドの受信済みか否かを判断するためのもので、主制御コマンド受信監視タイマに設定された初期値の範囲内でコマンドが受信されないときは、主制御コマンドの受信に異常があると判断されるものである。
次いで、ステップD701で主制御コマンド受信異常フラグをクリアし、ステップD702で主制御コマンド受信済みフラグをクリアした後、リターンする。
一方、上記ステップD681で主制御コマンドの受信がないときは、上述したようにステップD703に分岐し、ステップD703で主制御コマンド受信監視タイマが「0」でなければ「−1」更新する。これにより、主制御コマンド受信監視タイマがカウントされていく。次いで、ステップD704で主制御コマンド受信監視タイマの値がゼロになったか否かを判定し、ゼロになっていなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。そして、主制御コマンドの受信がない状態で、主制御コマンド受信監視タイマの値がゼロ(カウントアップ)になれば(ステップD704の判定がYESになれば)、ステップD705で主制御コマンド受信異常フラグをセットする。これにより、主制御コマンドが主制御コマンド受信監視タイマに設定された初期値の範囲内で受信されない場合には、主制御コマンド受信異常フラグがセットされることになる。なお、ステップD704の判定でNOとなり、リターンしてルーチンを繰り返す過程で、主制御コマンドが受信済みになると、ステップD681の判定がYESとなってステップD682に進むので、主制御コマンド受信異常フラグはセットされない。
なお、本実施例では遊技制御装置54と払出制御装置230を別体として分けて構成しているが、遊技制御装置54と払出制御装置230を1つの主制御基板で一体的に構成した場合には、主制御基板からコマンド(例えば、エラー復旧中コマンド等)が演出制御装置53に送信され、同コマンドを受けた演出制御装置53では受信したコマンドに基づいて所定の表示(例えば、上記のような「エラー復旧の確認中です」という文字表示)を表示装置41で実行させる制御を行う構成となる。それと同様に、本実施例のように遊技制御装置54と払出制御装置230を別体として分けて構成した場合においては、払出制御装置230からのコマンドは遊技制御装置54を経由して演出制御装置53に送信され、演出制御装置53では同コマンドを受信し、同コマンドに基づき表示装置41の表示を制御するという構成である。すなわち、払出制御装置230から遊技制御装置54(主制御基板)に送信されるコマンドは、遊技制御装置54を介して演出制御装置53に送信されて、演出制御装置53により同コマンド基づく表示装置41の表示制御が行われる構成である。
〔カードユニットコマンド送信処理〕
次に、前記タイマ割込処理におけるカードユニットコマンド送信処理D58を図147、図148により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD711でカードユニットコマンドの受信があるか否かを判定し、カードユニットコマンドの受信がなければ、ステップD730に分岐する。カードユニットコマンドは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてくるコマンドである。
ステップD711でカードユニットコマンドの受信があれば、ステップD712に進み、カードユニット要求コマンド領域からコマンドをロードする。
カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてくるコマンドとしては、前述したように、例えば通信開始要求、通信終了要求、状態情報要求等がある。ステップD712の処理は、カードユニット15から受信したコマンドがどのような要求であるかをカードユニット要求コマンド領域から読み出す(ロードする)ものである。次いで、ステップD712にてカードユニット要求コマンド領域からロードしたコマンドをステップD713乃至ステップD726の各処理で判定する。
具体的には、ステップD713でコマンドはリカバリ要求か否かを判定する。なお、リカバリ要求とは、リカバリ要求のコマンドかという意味であり、これは以下のコマンドについても同様である。
ステップD714ではコマンドはリカバリ詳細要求か否かを判定する。以下、同様に、ステップD715ではコマンドは通信開始要求か、ステップD716ではコマンドは通信終了要求か、ステップD717ではコマンドは状態情報要求か、ステップD718ではコマンドはカード挿入通知か、ステップD719ではコマンドはカード返却通知か、ステップD720ではコマンドは休憩確認か、ステップD721ではコマンドは休憩開始要求か、ステップD722ではコマンドは休憩終了要求か、ステップD723ではコマンドは精算確認か、ステップD724ではコマンドは精算開始要求か、ステップD725ではコマンドは精算終了要求か、ステップD726ではコマンドは計数使用要求か、をそれぞれ判定する。
カードユニット要求コマンド領域からロードしたコマンドをステップD713乃至ステップD726の各処理で判定した結果、全てのステップで判定がNOである場合には、ステップD726からステップD727に抜ける。そして、ステップD727でID送信フラグがセットされているか否かを判定し、ID送信フラグがセットされていれば、ステップD728で遊技機ID送信処理を行う。これにより、主制御ID及び払出IDがカードユニット15に送信されることになる。ステップD728を経ると、ステップD729へ進む。
一方、ステップD727でID送信フラグがセットされていなければ、ステップD728をジャンプしてステップD729へ進む。ステップD729へ進むと、カードユニット受信済みフラグをクリアした後、リターンする。
また、上記ステップD711でカードユニットコマンドの受信がなければ、上述したようにステップD730に分岐し、ステップD730でカードユニットコマンド受信監視タイマが「0」でなければ「−1」更新する。これにより、カードユニットコマンド受信監視タイマがカウントされていく。次いで、ステップD731でカードユニットコマンド受信監視タイマの値がゼロになったか否かを判定し、ゼロになっていなければ、リターンしてルーチンを繰り返す。そして、そして、カードユニットコマンドの受信がない状態で、カードユニットコマンド受信監視タイマの値がゼロ(カウントアップ)になれば(ステップD731の判定がYESになれば)、ステップD732でカードユニットコマンド受信異常フラグをセットしてリターンする。これにより、カードユニットコマンドがカードユニットコマンド受信監視タイマに設定された初期値(ステップD747で設定される)の範囲内で受信されない場合には、カードユニットコマンド受信異常フラグがセットされることになる。なお、ステップD731の判定でNOとなり、ルーチンを繰り返す過程で、カードユニットコマンドが受信済みになると、ステップD711の判定がYESとなってステップD712に進むので、カードユニットコマンド受信異常フラグはセットされない。
次に、ステップD713乃至ステップD726の各処理で判定結果がYESとなる場合について説明する。
まず、ステップD713でコマンドがリカバリ要求であれば、ステップD733に分岐してリカバリ応答処理(リカバリ情報を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD714でコマンドがリカバリ詳細要求であれば、ステップD734に分岐してリカバリ詳細応答処理(リカバリの詳細情報を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD715でコマンドが通信開始要求であれば、ステップD735に分岐して通信開始応答処理(払出制御装置230の通信開始を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD716でコマンドが通信終了要求であれば、ステップD736に分岐して通信終了応答処理(払出制御装置230の通信の終了を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD717でコマンドが状態情報要求であれば、ステップD737に分岐して状態情報応答処理(遊技機の状態情報を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD718でコマンドがカード挿入通知であれば、ステップD738に分岐してカード挿入応答処理(カード挿入通知の受信を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD719でコマンドがカード返却通知であれば、ステップD739に分岐してカード返却応答処理(カード返却通知の受信を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD720でコマンドが休憩確認であれば、ステップD740に分岐して休憩確認応答処理(休憩確認結果(休憩可能かどうか)を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD721でコマンドが休憩開始要求であれば、ステップD741に分岐して休憩開始応答処理(休憩開始を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD722でコマンドが休憩終了要求であれば、ステップD742に分岐して休憩終了応答処理(休憩終了を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD723でコマンドが精算確認であれば、ステップD743に分岐して精算確認応答処理(精算確認結果(精算可能かどうか)を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD724でコマンドが精算開始要求であれば、ステップD744に分岐して精算開始応答処理(精算開始を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD725でコマンドが精算終了要求であれば、ステップD745に分岐して精算終了応答処理(精算終了を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
ステップD726でコマンドが計数使用要求であれば、ステップD746に分岐して計数使用応答処理(計数球の使用(持球数への加算)を通知する処理:詳細は後述)を行った後、ステップD747に進む。
上記各ステップD733乃至ステップD746からステップD747に進むと、ステップD747でカードユニットコマンド受信監視タイマに初期値(例えば、3秒)を設定する。カードユニットコマンド受信監視タイマは、カードユニットコマンドの受信済みか否かを判断するためのもので、カードユニットコマンド受信監視タイマに設定された初期値の範囲内でコマンドが受信されないときは、カードユニットコマンドの受信に異常があると判断されるものである。
次いで、ステップD748でカードユニットコマンド受信異常フラグをクリアし、その後、ステップD727に進み、ステップD727以降は上記同様の処理を行う。
〔リカバリ応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理におけるリカバリ応答処理D733を図149により説明する。
ここで、実施例1では、払出制御装置230とカードユニット15間の通信が断たれた時に、双方の保存している遊技状態情報(持球数、計数球数、大当り中、確変中、時短中、・・・等)の整合をとるためにリカバリ処理を行う構成である。リカバリ処理は、カードユニット15からのリカバリ要求に対応した払出制御装置230のリカバリ応答処理(ステップD733)、リカバリ応答に対応したカードユニット15の処理(図示省略)及びリカバリ詳細要求、リカバリ詳細要求に対応した払出制御装置230のリカバリ詳細応答処理(ステップD734)、リカバリ詳細応答に対応したカードユニット15の処理(図示省略)により行われる。以下に、まず、リカバリ応答処理の詳細を説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップD761でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD762で通番を「+1」更新する。通番は、カードユニット15から受信したコマンドに対して応答する場合の連続番号のことで、カードユニット15にコマンドを送信する度に、足していく(インクリメントしていく)ものである。カードユニット15側でも同様に送信時に通番を「+1」更新する。通番を確認すれば送受信の抜けがあるかどうかが分かる。なお、通番は例えば1バイト(256ビット)構成される。
次いで、ステップD763に進み、ステップD762で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。次いで、ステップD764でリカバリ応答コードのコマンドを設定する。これは、リカバリ要求に対する応答であり、「リカバリ情報を通知」するという意味のコードである。
次いで、ステップD765に進み、ステップD764で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、リカバリ応答コマンドがカードユニット15へ送信される。
次いで、ステップD766でカードID保存領域からカードIDをロードする。これは、遊技開始時(カード投入時)にカードユニット15から送信された遊技カードの固有IDがカードIDとして払出制御装置230のRAM233におけるカードID保存領域に格納されているので、カードID保存領域からカードIDを読み出すものである。また、遊技カードに遊技結果(持球数等)を書き込んで精算する場合に、払出制御装置230で保存されていたカードIDをカードユニット15に送ることで、カードユニット15ではカードIDを挿入中の遊技カードIDと照合することで、不正を防止するためである。
次いで、ステップD767に進み、ステップD766でロードしたデータをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230で保存していた遊技開始時(カード投入時)のカードIDが払出制御装置230からカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD768でカード挿入時刻保存領域からカード挿入時刻をロードする。これは、カードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入した時刻が払出制御装置230のRAM233におけるカード挿入時刻保存領域に格納されているので、カード挿入時刻保存領域からカード挿入時刻を読み出すものである。
次いで、ステップD769に進み、ステップD768でロードしたデータをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、カード挿入時刻が払出制御装置230からカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD770で送信コマンド保存領域から前回の最終送信通番をロードする。これは、送信コマンド保存領域には前回の払出制御装置230とカードユニット15の接続時にカードユニット15へ最後に送信した「状態情報応答」の通番が保存されているので、その前回の最終送信通番を読み出すものである。次いで、ステップD771に進み、ステップD770でロードしたデータをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、前回の最終送信通番が払出制御装置230からカードユニット15へ送信されることになる。
このように、リカバリ応答処理では、カードユニット15からのリカバリ要求に対応して、遊技開始時に保存したカードIDとカード挿入時刻及び前回カードユニット15へ送信した「状態情報応答」の最終通番をカードユニット15へ送信する処理を行う。
なお、カードユニット15では、このリカバリ応答を受けて、カードIDとカード挿入時刻を自身のものと比較しOKならば、「状態情報応答」の最終通番から自身が保存している状態情報をチェックし、一致していなければ、リカバリ詳細要求を行う。一致していればリカバリ詳細要求を行わない。
また、カードIDと挿入時刻が自身のものと異なる場合は、遊技者が異なる或いは不正の可能性があるので、リカバリ詳細要求を行わない。リカバリ詳細要求では、払出制御装置230へ送信した最終通番と払出制御装置230が受信していない持球数への加算数等が送られる。
〔リカバリ詳細応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理におけるリカバリ詳細応答処理D734を図150により説明する。この処理は、前述のようにカードユニット15からのリカバリ詳細要求に対応して行われるものである。
このルーチンが開始されると、まずステップD781でカードユニットコマンド保存領域から加算球数をロードし、ステップD782で「持球数+加算球数」を新たな「持球数」とする。加算球数とは、球貸や計数球使用により持球数へ加算するデータであり、払出制御装置230が受信できなかった分に相当する。
次いで、ステップD783でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD784で通番を「+1」更新する。通番は、カードユニット15から受信したコマンドに対して応答する場合の連続番号のことで、カードユニット15にコマンドを送信する度に、足していくものである。
次いで、ステップD785に進み、ステップD784で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。次いで、ステップD786でリカバリ詳細応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「リカバリ詳細要求」であるので、その応答として「リカバリの詳細情報を通知」を意味するリカバリ詳細応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD787に進み、ステップD786で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へリカバリ詳細応答コマンドが送信されることになる。
次いで、ステップD788に進み、前回遊技機情報として保存してある各種リカバリ用情報をロードし、カードユニット送信バッファに書き込む。これにより、前回遊技機情報として保存してある各種リカバリ用情報が払出制御装置230からカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD789に進み、最新遊技機情報として各種リカバリ用情報を生成し、カードユニット送信バッファに書き込む。これにより、最新遊技機情報として生成された各種リカバリ用情報が払出制御装置230からカードユニット15へ送信されることになる。ステップD789を経ると、リターンする。なお、カードユニット15では、このリカバリ詳細応答を受けて自身の保存している情報を最新の遊技機情報に更新する。
このように、図149のリカバリ応答処理と、図150のリカバリ詳細応答処理とを実行することにより、通信異常等で払出制御装置230とカードユニット15との間で正常に通信できなかった時にカードユニット15と払出制御装置230とのデータの整合をとるリカバリ処理が行われる。
リカバリは2段階で行われ、第1段階は図149のリカバリ応答処理であり、この第1段階の処理により、データのリカバリを行う条件が確認される。これにはリカバリ要求とリカバリ応答とがある。
そして、カードユニット15側の処理では、リカバリ要求を払出制御装置230へ送信する。上記に対する払出制御装置230の応答処理として、払出制御装置230はリカバリ応答をカードユニット15へ送信し、ここでのリカバリ応答はカードユニット15への前回最終送信通番と保存したカードIDと挿入時刻とが含まれる。
第2段階は図150のリカバリ詳細応答処理であり、この第2段階の処理では、データのリカバリを行う条件がOKであれば、データのリカバリが行われる。これにはリカバリ詳細要求とリカバリ詳細応答とがある。
カードユニット15側の処理では、リカバリ詳細要求を払出制御装置230へ送信する。リカバリ詳細要求には、払出制御装置230への前回最終送信通番と持球数への加算球数データが含まれる。そして、上記に対する払出制御装置230の応答処理として、払出制御装置230はカードユニット15から受信した加算球数を持球数に加算するとともに、前回送信した各種データと最新の各種データをカードユニット15へ送信する。このようにして、カードユニット15と払出制御装置230とのデータの整合が取られる。
また、払出制御装置230と遊技制御装置54との間、及び払出制御装置230とカードユニット15との間においては、上記のリカバリ応答処理及びリカバリ詳細応答処理をはじめとして図147に示すフローチャートの他の処理も含めて、双方で暗号化通信が行われる。
したがって、遊技価値情報(例えば、計数球情報)などの不正の対象となる情報を暗号化して送受信することにより、この情報が通信ラインや通信端子等から不正に読み出されたり書きかえられたりすることによる不正を防止することができる。
〔通信開始応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理における通信開始応答処理D735を図151により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD801でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD802で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。なお、他のフローチャートにおいても、通番の機能は同様である。
次いで、ステップD803に進み、ステップD802で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD804で通信開始応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「通信開始要求」であるので、その応答として「払出制御装置の通信開始を通知」を意味する通信開始応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD805に進み、ステップD804で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へ通信開始応答コマンドが送信されることになる。ステップD805を経ると、リターンする。
〔通信終了応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理における通信終了応答処理D736を図152により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD811でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD812で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。
次いで、ステップD813に進み、ステップD812で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD814で通信終了応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「通信終了要求」であるので、その応答として「払出制御装置の通信の終了を通知」を意味する通信終了応答のコマンドを設定することになる。
次いで、ステップD815に進み、ステップD814で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へ通信終了応答コマンドが送信されることになる。ステップD815を経ると、リターンする。
〔状態情報応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理における状態情報応答処理D737を図153により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD821でカードユニットコマンド保存領域からCU(カードユニット)状態情報をロードした後、ステップD822に進み、ステップD811でロードしたデータをCU(カードユニット)状態情報領域にセーブする。ステップD823でカードユニットコマンド保存領域から加算球数をロードし、ステップD824で「持球数+加算球数」を新たな「持球数」とする。加算球数とは、球貸や計数球使用により持球数へ加算するデータである。
次いで、ステップD825でカードユニットコマンド保存領域からCU(カードユニット)エラー状態情報をロードする。次いで、ステップD826に進み、ステップD825でロードしたデータをCU(カードユニット)エラー状態情報領域にセーブする。
次いで、ステップD827でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD828で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。
次いで、ステップD829に進み、ステップD828で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。次いで、ステップD830で状態情報応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「状態情報要求」であるので、その応答として「遊技機の状態情報を通知」を意味する状態情報応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD831に進み、ステップD830で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へ状態情報応答コマンドが送信されることになる。
次いで、ステップD832に進み、応答コマンドとして各種遊技機状態情報を生成し、カードユニット送信バッファに書き込む。これにより、応答コマンドとして生成された各種遊技機状態情報が払出制御装置230からカードユニット15へ送信されることになる。次いで、ステップD833に進み、送信した応答コマンドを全て保存する。ステップD833を経ると、リターンする。
〔カード挿入応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理におけるカード挿入応答処理D738を図154により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD841でカードユニットコマンド保存領域からカードIDをロードした後、ステップD842に進み、ステップD841でロードしたデータをカードID保存領域にセーブする。次いで、ステップD843でカードユニットコマンド保存領域からカード挿入時刻をロードした後、ステップD844に進み、ステップD843でロードしたデータをカード挿入時刻保存領域にセーブする。
次いで、ステップD845でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD846で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。
次いで、ステップD847に進み、ステップD846で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。次いで、ステップD848でカード挿入応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「カード挿入通知」であるので、その応答として「カード挿入通知の受信を通知」を意味するカード挿入応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD849に進み、ステップD848で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へカード挿入応答コマンドがカードユニット15へ送信されることになる。ステップD849を経ると、リターンする。
〔カード返却応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理におけるカード返却応答処理D739を図155により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD861でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD862で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。次いで、ステップD863に進み、ステップD862で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD864でカード返却応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「カード返却通知」であるので、その応答として「カード返却通知の受信を通知」を意味するカード返却応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD865に進み、ステップD864で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へカード返却応答コマンドが送信されることになる。
次いで、ステップD866でカードユニットコマンド保存領域からカードIDをロードした後、ステップD867に進み、ステップD866でロードしたデータをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、ロードしたカードIDがカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD868でカード挿入時刻保存領域からカード挿入時刻をロードした後、ステップD869に進み、ステップD868でロードしたデータをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、ロードしたカード挿入時刻がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD870でカード抜き取り待ち中フラグをセットし、その後、リターンする。
〔休憩確認応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理における休憩確認応答処理D740を図156により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD881でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD882で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。次いで、ステップD883に進み、ステップD882で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD884で休憩確認応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「休憩確認」であるので、その応答として「休憩確認結果(休憩可能かどうか)を通知」を意味する休憩確認応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD885に進み、ステップD884で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へ休憩確認応答コマンドが送信されることになる。
次いで、ステップD886乃至ステップD892の各処理で、以下の判定を行う。
すなわち、ステップD886で精算処理中か、ステップD887で計数スイッチオンタイマ=0でないか、ステップD888でエラー/不正発生中か。ステップD889で盤面に球ありか、ステップD890でタッチセンサ174がオンか、ステップD891で客待ちデモ中か、ステップD892で持球数=0か、という判定をそれぞれ行う。
ステップD886乃至ステップD890の各処理で全てNO、ステップD891でYES、ステップD892でNOという判定になると、休憩可能な条件が成立したと判断してステップD893に進み、休憩可コードのコマンドを設定する。
次いで、ステップD894に進み、ステップD893で設定した休憩可コードのコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、休憩可コードのコマンドがカードユニット15へ送信されることになる。ステップD894を経ると、リターンする。
一方、上記ステップD886乃至ステップD890の各処理の何れか1つでもYESの判定であれば、休憩可能な条件が成立していないと判断してステップD894に進む。また、ステップD891でNO、ステップD892でYESという判定のうち、1つでもそのような判定が成立すると、休憩可能な条件が成立していないと判断してステップD895に進む。
ステップD895に進むと、休憩不可コードのコマンドを設定する。次いで、ステップD894に進み、ステップD895で設定した休憩不可コードのコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、休憩不可コードのコマンドがカードユニット15へ送信されることになる。ステップD894を経ると、リターンする。
〔休憩開始応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理における休憩開始応答処理D741を図157により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD901で休憩開始フラグをセットする。次いで、ステップD902でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD903で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。次いで、ステップD904に進み、ステップD903で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD905で休憩開始応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「休憩開始要求」であるので、その応答として「休憩開始を通知」を意味する休憩開始応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD906に進み、ステップD905で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へ休憩開始応答コマンドが送信されることになる。ステップD906を経ると、リターンする。
〔休憩終了応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理における休憩終了応答処理D742を図158により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD911で休憩終了フラグをセットする。次いで、ステップD912でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD913で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。次いで、ステップD914に進み、ステップD913で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD915で休憩終了応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「休憩終了要求」であるので、その応答として「休憩終了を通知」を意味する休憩終了応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD916に進み、ステップD915で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へ休憩終了応答コマンドが送信されることになる。ステップD916を経ると、リターンする。
〔精算確認応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理における精算確認応答処理D743を図159により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD921でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD922で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。次いで、ステップD923に進み、ステップD922で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD924で精算確認応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「精算確認」であるので、その応答として「精算確認結果(精算可能かどうか)を通知」を意味する精算確認応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD925に進み、ステップD924で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へ精算確認応答コマンドが送信されることになる。
次いで、ステップD926乃至ステップD934の各処理で、以下の判定を行う。
すなわち、ステップD926で休憩処理中か、ステップD927で計数スイッチオンタイマ=0でないか、ステップD928でエラー/不正発生中か。ステップD929で盤面に球ありか、ステップD930でタッチセンサ174がオンか、ステップD931で球の発射強度は所定値以上か、ステップD932で客待ちデモ中か、ステップD933で持球数=0か、ステップD934で計数球数=0か、という判定をそれぞれ行う。
ステップD926乃至ステップD931の各処理で全てNO、ステップD932でYES、ステップD933でYES、ステップD934でNOという判定になると、精算可能な条件が成立したと判断してステップD935に進み、精算可コードのコマンドを設定する。
精算可能な条件の成立では、持球数又は計数球数が残存していればよい。例えば、持球数がゼロで計数球数がゼロでない場合でもよい。これは、遊技者が遊技ゲームで獲得した持球数を全て計数して計数球数に移動することがあるので、そのような状況に対応させるためである。また、ステップD931で球の発射強度は所定値以上でないことが精算可能な条件の1つとしているのは、遊技者が遊技終了後に、発射ボリューム171を初期位置に戻した場合に、精算可能としているためである。
次いで、ステップD936に進み、ステップD935で設定した精算可コードのコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、精算可コードのコマンドがカードユニット15へ送信されることになる。ステップD936を経ると、リターンする。
一方、上記ステップD926乃至ステップD931の各処理の何れか1つでもYESの判定であれば、精算可能な条件が成立していないと判断してステップD937に進む。また、ステップD932でNO、ステップD934でYESという判定のうち、1つでもそのような判定が成立すると、精算可能な条件が成立していないと判断してステップD937に進む。
ステップD937に進むと、精算不可コードのコマンドを設定する。次いで、ステップD936に進み、ステップD937で設定した精算不可コードのコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、精算不可コードのコマンドがカードユニット15へ送信されることになる。ステップD936を経ると、リターンする。
また、上記ステップD933で持球数=0でないときは、ステップD934をジャンプしてステップD935に進み、精算可コードのコマンドを設定する。したがって、持球数=0でないとき、すなわち持球数があるときは精算可能である。
〔精算開始応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理における精算開始応答処理D744を図160により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD941で精算開始フラグをセットする。次いで、ステップD942でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD943で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。次いで、ステップD944に進み、ステップD943で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD945で精算開始応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「精算開始要求」であるので、その応答として「精算開始を通知」を意味する精算開始応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD946に進み、ステップD945で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へ精算開始応答コマンドが送信されることになる。ステップD946を経ると、リターンする。
〔精算終了応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理における精算終了応答処理D745を図161により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD951で精算終了フラグをセットする。次いで、ステップD952でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD953で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。次いで、ステップD954に進み、ステップD953で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD955で精算終了応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「精算終了要求」であるので、その応答として「精算終了を通知」を意味する精算終了応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD956に進み、ステップD945で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へ精算終了応答コマンドが送信されることになる。ステップD956を経ると、リターンする。
〔計数使用応答処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理における計数使用応答処理D746を図162により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD961で計数使用コマンド受信済みフラグをセットする。これは、カードユニット15から計数使用要求のコマンドを受信した場合の応答であるから、計数使用コマンド受信済みフラグをセットするものである。
次いで、ステップD962でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD963で通番を「+1」更新する。通番の機能は前述した通りである。次いで、ステップD964に進み、ステップD963で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD965で計数使用応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「計数使用要求」であるので、その応答として「計数球の使用(持球数への加算)を通知」を意味する計数使用応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD966に進み、ステップD965で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へ計数使用応答コマンドが送信されることになる。ステップD966を経ると、リターンする。
〔遊技機ID送信処理〕
次に、前記カードユニットコマンド送信処理における遊技機ID送信処理D728を図163により説明する。
このルーチンが開始されると、ステップD971でID送信スタートコードをカードユニット送信バッファに書き込む。ID送信スタートコードは、これから送る情報がIDであることを示すためのスタート(開始)情報である。これにより、ID送信スタートコードがカードユニット15へ送信されることになる。また、カードユニット15ではID送信スタートコードを受信することで、これから送られてく情報がIDであることが分かる。
次いで、ステップD972で主制御チップのチップ識別コードをカードユニット送信バッファに書き込む。主制御チップのチップ識別コードは、次に続くコマンド群が遊技制御装置54における主制御チップの情報の区分であることを示すコードである。これにより、主制御チップのチップ識別コードがカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD973で主制御ID保存領域の先頭アドレスを設定する。主制御ID保存領域は主制御IDにおける複数のデータ(例えば、チップID,メーカコード、製品コード等のデータ)を保存可能なように領域がアドレスで区分可能に構成されており、遊技制御装置54から受信した主制御IDの複数のデータが順次主制御ID保存領域に格納されていくので、それらのデータをロードするためのアドレスを先頭から設定していくものである。
次いで、ステップD974に進み、ステップD973で設定された先頭アドレスに対応する主制御ID保存領域に格納されている主制御IDの1つのデータをロードする。例えば、主制御IDの複数のデータがチップID,メーカコード、製品コード等から構成されており、これらのデータが主制御ID保存領域にアドレス毎に格納されていれば、例えば先頭アドレスでチップIDの格納領域が指定された場合には、当該チップIDをロードすることになる。
次いで、ステップD975に進み、ステップD974でロードしたデータ(例えば、チップID)をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、ロードしたデータ(例えば、チップID)がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD976で主制御ID保存領域のアドレスを次のアドレスに更新する。これにより、主制御IDの複数のデータのうち、次のアドレスのデータが指定されることになる。
次いで、ステップD977で全てのデータを送信完了したか否かを判定する。これは、主制御IDが複数のデータ(例えば、チップID,メーカコード、製品コード等)から構成されているので、これら複数のデータの全てをカードユニット15に送信完了したかを判断するものである。ステップD977で全てのデータを送信完了していなければ、ステップD974に戻ってル−プを繰り返し、全てのデータを送信完了すると、すなわち、主制御IDの複数のデータ(例えば、チップID,メーカコード、製品コード等)の全てを送信完了すると、ステップD978に抜ける。
このようにして、主制御IDの送信処理が行われる。ステップD978以降の処理に移ると、払出制御IDの送信処理を行うことになる。
ここで、実施例1では主制御IDの情報は状況によって可変長となるので、上記ステップD974乃至ステップD977をル−プする構造にしている。主制御IDの情報として、例えばチップIDしかカードユニット15に送らない場合、あるいはチップID,メーカコード、製品コードを送る場合等、状況によって送るデータの数が異なることから、主制御IDの情報が状況によって可変長になるので、このような構造としている。
なお、遊技機IDの送信処理では、毎回、主制御IDの全ての情報(例えば、チップID,メーカコード、製品コード等の全てのデータ)をカードユニット15に送信する構成にしてもよい。
ステップD978に進むと、ステップD978乃至ステップD983の処理で払出制御IDを送る処理を実行する。
まず、ステップD978で払出制御チップのチップ識別コードをカードユニット送信バッファに書き込む。払出制御チップのチップ識別コードは、次に続くコマンド群が払出制御装置230における払出制御チップの情報の区分であることを示すコードである。
なお、識別コードとある部分はチップ(例えば、払出制御チップ)から読み出した情報ではなく、区分を示す固定値のコマンドを示す。これにより、払出制御チップのチップ識別コードがカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD979で払出制御チップのチップコード(チップID)をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御チップのチップコード(チップID)がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD980で払出制御チップのメーカ識別コードをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御チップのメーカ識別コードがカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD981で払出制御チップのメーカコードをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御チップのメーカコードがカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD982で払出制御チップの製品識別コードをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御チップの製品識別コードがカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD983で払出制御チップの製品コードをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御チップの製品コードがカードユニット15へ送信されることになる。
このようにして、払出制御IDの送信処理が行われる。
なお、実施例1では払出制御チップの情報につき、全ての情報(チップID,メーカコード、製品コード)を毎回カードユニット15に送るような処理を実行しているが、これに限るものではない。例えば、前述の主制御IDと同様にチップIDのみ送ることが可能な処理にしてもよい。また、本実施例では、払出制御チップの情報は固定長となっているため、各識別コードをカードユニット15に送らないような処理にしてもよい。
ステップD983を経ると、ステップD984に進んでID送信フラグをクリアした後、リターンする。
〔遊技停止信号編集処理〕
次に、前記タイマ割込み処理における遊技停止信号編集処理D59を図164により説明する。この処理は、遊技停止信号をオンしたり、遊技停止信号をオフする等の遊技停止信号の編集を行うもので、コマンドではなく、信号の形態をとる指示の処理を行うものである
このルーチンが開始されると、まずステップD991乃至D996で遊技停止ができる条件(遊技停止条件)が成立しているか判定する処理を行い、遊技停止条件が全て成立していない場合、すなわち、ステップD991乃至D996の処理で全ての判定結果がNOであれば、遊技の続行を阻止して遊技を停止させることはできないと判断して、ステップD997で遊技停止信号オフの出力データを設定する。これにより、遊技が停止されることはないことになる。ステップD997を経ると、リターンする。
一方、一つでも遊技停止条件が成立している場合には、すなわち、ステップD991乃至D996の判定で1つでも遊技の続行を阻止するようなYESの判定結果が出れば、ステップD998に分岐して遊技停止信号オンの出力データを設定する。これにより、遊技が停止されることになる。ステップD998を経ると、リターンする。
ここで、遊技停止条件には次の6個の条件がある。即ち、精算処理中でないこと(ステップD991で判定)、休憩処理中でないこと(ステップD992で判定)、認証エラー発生中でないこと(ステップD993で判定)、通信異常発生中でないこと(ステップD994で判定)、ガラス枠5が開放中でないこと(ステップD995で判定)、及び本体枠(前面枠4)が開放中でないこと(ステップD996で判定)がある。
なお、精算処理中であるか否かの判定は、例えば前述のステップD553でセットされる精算中フラグを参照して行えばよい。また、認証エラー発生中か否かの判定は、遊技機IDをカードユニット15へ送信後、例えば外部管理装置91における照合結果を受信するが、その照合結果がOKかNGかにより判定する。
H.暗号化通信及び遊技機ID照合の処理
次に、暗号化通信及び遊技機ID照合の処理について、図165〜図180により説明する。
本実施例では、遊技制御装置54と払出制御装置230との間、及び払出制御装置230とカードユニット15との間は双方で暗号化通信が行われるようになっているとともに、遊技機IDを外部管理装置91で照合するようになっており、以下では、これらの処理について説明する。
なお、暗号化通信及び遊技機ID照合の処理は各装置(例えば、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91等)に予めCPUの機能として設定されているものを利用しており、前述したような遊技制御装置の処理(図21〜図104)や払出制御装置230の処理(図105〜図164)のようなユーザプログラムとは別のものである。
ここで、暗号化通信及び遊技機ID照合の処理を実行するフローチャートについては、ステップ番号として「ステップE」を用いて説明する。
〔払出送信データ暗号化処理〕
まず、遊技制御装置54の払出送信データ暗号化処理を図165により説明する。
この払出送信データ暗号化処理は、送信データを払出制御装置230へ暗号化して送信する処理である。
ルーチンが開始すると、ステップE1で払出送信バッファから送信データをロードする。なお、払出送信バッファには他の処理で、例えば下記のような具体的な送信データが予め保存されている。
ここで、送信データとしては、例えば主ID、認証完了情報、遊技情報(種別情報及び賞球情報)、遊技状態情報がある。
次いで、ステップE2で主基板認証済みか否かを判定する。これは、遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDが既に外部管理装置91によって照合されて、照合OKとなって認証済みかを判断するものである。本実施例では、パチンコ機1の電源投入時に遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81を順次介して外部管理装置91にて照合し、その照合結果を逆のルートで遊技制御装置54が受信する構成であるので、遊技制御装置54が既に遊技機IDの照合結果OKを受信していれば、ステップE2の判定結果はYESとなり、遊技機IDの照合結果OKを受信していないか又は照合結果NGの何れかの場合には、ステップE2の判定結果はNOとなる。
ステップE2で主基板認証済みでなければ、ステップE3に進み、送信データを暗号鍵Aで暗号化する。ここで、暗号鍵A及び暗号化/復号化アルゴリズムは各装置(すなわち、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91)に予め備えられているものであり、各装置では自身に予め備えられている暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて他の装置から送られてきたIDを受信するとともに、自身のIDを予め備えられている暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて、他の装置へ送信する構成である。
次いで、ステップE4に進み、暗号鍵Aで暗号化したデータを払出制御基板(払出制御装置230)へ送信する。ここでは、シリアルポートを使用し、シリアル通信で暗号鍵Aで暗号化したデータが払出制御装置230へ送信されることになる。ステップE4を経ると、リターンする。
一方、ステップE2で主基板認証済みであれば、ステップE5に進み、送信データを暗号鍵Xで暗号化する。ここで、暗号鍵Xは遊技店における各台毎に異なる暗号鍵が生成されるもので、遊技機(パチンコ機1)内(遊技制御装置54(主基板)と払出制御装置230(払出制御基板)間)及び遊技機(パチンコ機1)とカードユニット15との間の通信には、台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて情報が送受信される構成である。また、暗号鍵Xは遊技機IDの照合結果がOKのときに外部管理装置91から暗号鍵X用データとしてカード管理装置81に与えられ、カード管理装置81で暗号鍵X用データに基づいて各台毎の暗号鍵Xを生成し各台へ送られる。暗号鍵Xに関する暗号化/復号化のアルゴリズムは基本的に暗号鍵Aの場合と同じである。
したがって、ステップE5では暗号鍵Xにより所定のアルゴリズムで送信データを暗号化する。
次いで、ステップE6に進み、暗号鍵Xで暗号化したデータを払出制御基板(払出制御装置230)へ送信する。ここでは、シリアルポートを使用し、シリアル通信で暗号鍵Xで暗号化したデータが払出制御装置230へ送信されることになる。ステップE6を経ると、リターンする。
このように、主基板認証済みでなければ、送信データが暗号鍵Aで暗号化されて払出制御装置230へ送信され、主基板認証済みであれば、送信データが暗号鍵Xで暗号化されて払出制御装置230へ送信される。
したがって、主基板認証済みのときは、送信データが台毎に異なる暗号鍵Xによって暗号化されて払出制御装置230へ送信されるので、よりセキュリティを高く保つことができる。
〔払出受信データ復号化処理〕
次に、遊技制御装置54の払出受信データ復号化処理を図166により説明する。
この払出受信データ復号化処理は、払出制御装置230から受信したデータ(例えば、暗号化されているID照合結果や暗号鍵X、遊技機枠情報等)を遊技制御装置54で復号化する処理である。
ルーチンが開始すると、ステップE11で払出受信バッファから受信データをロードする。なお、払出受信バッファには他の処理で例えば、払出制御装置230から受信したデータが保存されている。
ここで、受信データとしては、例えば認証完了情報、遊技機枠情報、リカバリ情報がある。
次いで、ステップE12で主基板認証済みか否かを判定する。ステップE12で主基板認証済みでなければ、ステップE13に進み、受信データを暗号鍵Aで復号化する。
ここで、暗号鍵A及び暗号化/復号化アルゴリズムは各装置(すなわち、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91)に予め備えられているものであり、各装置では自身に予め備えられている暗号鍵Aを使用して受信データを復号化することが行われる。
次いで、ステップE14に進み、暗号鍵Aで復号化したデータを所定の領域(RAM113の所定の領域。以下、同様)にセーブする。ステップE14を経ると、リターンする。
一方、ステップE12で主基板認証済みであれば、ステップE15に進み、受信データを暗号鍵Xで復号化する。ここで、暗号鍵Xは遊技店における各台毎に異なる暗号鍵が生成されるもので、遊技機(パチンコ機1)内(遊技制御装置54(主基板)と払出制御装置230(払出制御基板)間)及び遊技機(パチンコ機1)とカードユニット15との間の通信には、台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて情報が送受信される構成であり、暗号鍵Xは遊技機IDの照合結果がOKのときに外部管理装置91から暗号鍵X用データとしてカード管理装置81に与えられ、カード管理装置81で暗号鍵X用データに基づいて各台毎の暗号鍵Xを生成し各台へ送られる。暗号鍵Xに関する暗号化/復号化のアルゴリズムは基本的に暗号鍵Aの場合と同じである。
したがって、ステップE15では暗号鍵Xにより所定のアルゴリズムで送信データを暗号化する。
次いで、ステップE16に進み、暗号鍵Xで復号化したデータを所定の領域(RAM113の所定の領域)にセーブする。ステップE16を経ると、リターンする。
このように、主基板認証済みでなければ、受信データが暗号鍵Aで復号化されて所定の領域にセーブされ、主基板認証済みであれば、受信データが暗号鍵Xで復号化されて所定の領域にセーブされる。
したがって、主基板認証済みのときは、受信データが台毎に異なる暗号鍵Xによって復号化されて所定の領域にセーブされるので、よりセキュリティを高く保つことができる。
〔認証結果対応処理(主)〕
次に、遊技制御装置54の認証結果対応処理(主)を図167により説明する。
この認証結果対応処理(主)は、遊技機IDの認証結果に応じて遊技制御装置54が必要な処理を行うものである。
ルーチンが開始すると、ステップE21で認証結果がOKか否かを判定する。
ここで、本実施例では、例えばパチンコ機1の電源投入時に遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81を順次介して外部管理装置91にて照合し、その照合結果を逆のルートで遊技制御装置54が受信する構成であるので、ステップE21の処理は遊技制御装置54が払出制御装置230から遊技機IDの認証結果を受信済みで、その認証結果がOKかどうかを判定するものである。
なお、遊技機IDの認証を行う場合をまとめると、下記の通りである。
(a)パチンコ機1の電源投入時
初めての認証となるパチンコ機1の電源投入時の認証は、外部管理装置91で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
(b)電源投入時の認証(1回目の認証)がOKの後は、カード管理装置81で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
(c)遊技中の認証は、カードユニット15で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
ここで遊技機IDの認証について補足すると、本実施例では、外部管理装置91は遊技機IDの他、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)も合わせて照合を行うようにしている。そして、これら全てのIDがOKの場合に、照合結果OKとなる。前述の遊技機IDの認証がOKとは、遊技機ID、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)全ての照合結果がOKの場合である。また、遊技機IDの認証がNGとは、遊技機ID、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)の何れか一つでもNGの場合である(この概念は以下、同様)。
なお、外部管理装置91で遊技機IDのみを照合するシステムでもよい。このようなシステムであっても、遊技機が正規のものであることが判定できるので、所定のセキュリティは保たれる。
ステップE21の判定は、上記(a)乃至(c)の全てのケースを含むものである。ステップE21で認証結果がOKであれば、ステップE22に進み、認証結果(OK)を認証結果保存領域(例えば、RAM113の所定領域)にセーブする。
次いで、ステップE23で新しい暗号鍵を受信したか否かを判定する。初めての遊技機IDの認証OKの場合には、暗号鍵Xが外部管理装置91から暗号鍵X用データとしてカード管理装置81に与えられ、カード管理装置81で暗号鍵X用データに基づいて各台毎の暗号鍵Xを生成し各台へ送られる。暗号鍵Xに関する暗号化/復号化のアルゴリズムは基本的に暗号鍵Aの場合と同じである。パチンコ機1では上記のようにして暗号鍵Xを取得するので、そのような場合に新しい暗号鍵を受信したことになる。
ステップE23では、上記のようなケースを判定する。また、それ以降もパチンコ機1の電源投入時の遊技機IDの認証時に払出制御装置230から新しい暗号鍵Xが送信されるので、その場合の判定もステップE23で行う。
ステップE23で新しい暗号鍵を受信していれば、ステップE24に進み、取得した暗号鍵Xを更新暗号鍵保存領域(RAM113の所定の領域)にセーブした後、ステップE25に進む。なお、更新暗号鍵保存領域は暗号鍵Aが保存されている領域とは別の領域である。
一方、ステップE23で新しい暗号鍵を受信していなければ、ステップE24をジャンプしてステップE25に進む。この場合は、既に認証結果(OK)を認証結果保存領域にセーブした状態であるので、既に暗号鍵は保有していることになる。
ステップE24からステップE25に進む場合やステップE23からステップE24をジャンプしてステップE25に進んだ場合には、ステップE25で認証結果(OK)を払出送信バッファに書き込む。これにより、認証結果(OK)が払出制御装置230へ送信されることになる。次いで、ステップE26で遊技可能フラグをセットする。これにより、遊技が可能になる。ステップE26を経ると、リターンする。
一方、ステップE21でで認証結果がOKでなければ、ステップE27に分岐し、認証結果(NG)を認証結果保存領域にセーブする。次いで、ステップE28で認証結果(NG)を払出送信バッファに書き込む。これにより、認証結果(NG)が払出制御装置230へ送信されることになる。次いで、ステップE29で遊技停止フラグをセットする。これにより、遊技が停止されることになる。ステップE29を経ると、リターンする。
〔主受信データ復号化処理〕
次に、払出制御装置230の主受信データ復号化処理を図168により説明する。
この主受信データ復号化処理は、遊技制御装置54から受信したデータを払出制御装置230で復号化する処理である。
ルーチンが開始すると、ステップE31で主受信バッファから受信データをロードする。なお、主受信バッファには他の処理で、遊技制御装置54から受信したデータが保存されている。次いで、ステップE32に進み、受信データは主制御ID(つまり、主ID)であるか否かを判定する。
ここで、説明の都合上、主制御IDは主IDを短く略称することがある。また、以下では、受信データが主制御IDのときと、受信データが主制御IDでないときに場合分けして説明する。
<受信データが主制御IDのとき>
ステップE32で受信データが主制御IDであれば、ステップE33に進み、主基板認証済みか否かを判定する。これは、主基板(遊技制御装置54)からの認証完了情報をチェックするものである。
ステップE33で主基板認証済みでなければ、ステップE34に進み、受信データを暗号化のままカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、カードユニット送信バッファに書き込まれたデータはカードユニット15に送信されることになる。これは、主基板(遊技制御装置54)が認証されていないので、不正のおそれがあるため、遊技制御装置54から受信したデータを復号化せず、暗号化されたままでカードユニット15に送信するものである。ステップE34を経ると、リターンする。
一方、ステップE33で主基板認証済みであれば、ステップE38にジャンプし、受信データを暗号鍵Xで復号化するとともに、ステップE39で復号化したデータを所定の領域(RAM233の所定の領域)にセーブする。暗号鍵Xは、遊技機IDの認証後に取得され、台毎に異なるものであるが、主基板認証済みであるので、ステップE38では暗号鍵Xで受信データを復号化することになる。これは、主基板(遊技制御装置54)が既に認証されているので、不正のおそれがなく、受信データを復号化しても大丈夫だだからである。ただし、台毎に異なる暗号鍵Xで受信データを復号化することにより、セキュリティが保たれる。ステップE39を経ると、リターンする。
<受信データが主制御IDでないとき>
一方、ステップE32で受信データが主制御IDでないときは、ステップE35にジャンプし、主基板認証済みか否かを判定する。これは、ステップE33と同様に、主基板(遊技制御装置54)からの認証完了情報をチェックするものである。
ステップE35で主基板認証済みでなければ、ステップE36に進み、受信データを暗号鍵Aで復号化するとともに、ステップE37で復号化したデータを所定の領域(RAM233の所定の領域)にセーブする。暗号鍵Aは各装置に予め備えられているものであり、主基板認証済みでないので、ステップE36では暗号鍵Aで受信データを復号化することになる。これは、主基板(遊技制御装置54)が認証されていないが、遊技制御装置54から受信したデータが主IDではなく、遊技情報等の主ID以外の情報であるので、各装置に予め備えられている暗号鍵Aで復号化するものである。暗号鍵Aは台毎に異なるものではないが、所定のセキュリティは保たれる。ステップE37を経ると、リターンする。
一方、ステップE35で主基板認証済みであれば、ステップE38に進み、受信データを暗号鍵Xで復号化するとともに、ステップE39で復号化したデータを所定の領域にセーブする。暗号鍵Xは、遊技機IDの認証後に取得され、台毎に異なるものであるが、主基板認証済みであるので、不正のおそれがなく、受信データを復号化しても大丈夫だだからである。ただし、台毎に異なる暗号鍵Xで受信データを復号化することにより、セキュリティが保たれる。ステップE39を経ると、リターンする。
このように、受信データが主制御IDでないときは、例えば賞球コマンドや遊技情報等であるので、復号化して払出制御装置230が保存することになる。
〔主送信データ暗号化処理〕
次に、払出制御装置230の主送信データ暗号化処理を図169により説明する。
この主送信データ暗号化処理は、送信データを遊技制御装置54へ暗号化して送信する処理である。
ルーチンが開始すると、ステップE41で主送信バッファから送信データをロードする。なお、主送信バッファには他の処理で、例えば下記のような具体的な送信データが予め保存されている。
ここで、送信データとしては、例えば認証完了情報、遊技機枠情報、リカバリ情報がある。
次いで、ステップE42で主基板認証済みか否かを判定する。これは、遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDが既に外部管理装置91によって照合されて、照合OKとなって認証済みかを判断するものである。本実施例では、パチンコ機1の電源投入時に遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81を順次介して外部管理装置91にて照合し、その照合結果を逆のルートで遊技制御装置54が受信する構成であるので、遊技制御装置54が既に遊技機IDの照合結果OKを受信していれば、ステップE42の判定結果はYESとなり、遊技機IDの照合結果OKを受信していないか又は照合結果NGの何れかの場合には、ステップE42の判定結果はNOとなる。
ステップE42で主基板認証済みでなければ、ステップE43に進み、送信データを暗号鍵Aで暗号化する。ここで、暗号鍵A及び暗号化/復号化アルゴリズムは各装置に予め備えられている。
次いで、ステップE44に進み、暗号鍵Aで暗号化したデータを主基板(遊技制御装置54)へ送信する。ここでは、シリアルポートを使用し、シリアル通信で暗号鍵Aで暗号化したデータが主基板(遊技制御装置54)へ送信されることになる。ステップE44を経ると、リターンする。
一方、ステップE42で主基板認証済みであれば、ステップE45に進み、送信データを暗号鍵Xで暗号化する。ここで、暗号鍵Xは遊技店における各台毎に異なる暗号鍵が生成されている。
次いで、ステップE46に進み、暗号鍵Xで暗号化したデータを主基板(遊技制御装置54)へ送信する。ここでは、シリアルポートを使用し、シリアル通信で暗号鍵Xで暗号化したデータが主基板(遊技制御装置54)へ送信されることになる。ステップE46を経ると、リターンする。
このように、主基板認証済みでなければ、送信データが暗号鍵Aで暗号化されて主基板(遊技制御装置54)へ送信され、主基板認証済みであれば、送信データが暗号鍵Xで暗号化されて主基板(遊技制御装置54)へ送信される。
したがって、主基板認証済みのときは、送信データが台毎に異なる暗号鍵Xによって暗号化されて主基板(遊技制御装置54)へ送信されるので、よりセキュリティを高く保つことができる。
〔カードユニット送信データ暗号化処理〕
次に、払出制御装置230のカードユニット送信データ暗号化処理を図170により説明する。
このカードユニット送信データ暗号化処理は、データを暗号化してカードユニット15へ送信する処理である。
ルーチンが開始すると、ステップE51でカードユニット送信バッファから送信データをロードする。なお、カードユニット送信バッファには他の処理で、カードユニット15へ送信するためのデータが保存されている。次いで、ステップE52に進み、送信データは遊技機ID(つまり、主制御ID及び払出ID)であるか否かを判定する。
以下では、送信データが遊技機IDのときと、送信データが遊技機IDでないときに場合分けして説明する。
<送信データが遊技機IDのとき>
ステップE52で送信データが遊技機IDであれば、ステップE53に進み、主基板認証済みか否かを判定する。これは、主基板(遊技制御装置54)からの認証完了情報をチェックするものである。
ステップE53で主基板認証済みでなければ、ステップE54に進み、主基板認証未完了情報をカードユニット15へ送信する。カードユニット15は、遊技制御装置54が認証OK/NGを受信しているか否か認識できないので、主基板認証未完了情報をカードユニット15へ送信するものである。
次いで、ステップE55で主制御IDを暗号化のままでカードユニット15へ送信する。次いで、ステップE56に進み、払出制御装置230の払出IDを暗号鍵Aで暗号化してカードユニット15へ送信する。ステップE56を経ると、リターンする。
一方、ステップE53で主基板認証済みであれば、ステップE61に分岐し、主基板認証完了情報をカードユニット15へ送信するとともに、ステップE62で送信データを暗号鍵Xで暗号化する。ここでは、主制御IDが1度認証済みであるので、払出制御装置230は暗号鍵Xを各台毎に異なる暗号鍵として保有しており、それ故に、送信データを暗号鍵Xで暗号化するものである。
次いで、ステップE63に進み、暗号鍵Xで暗号化したデータをカードユニット15へ送信する。ステップE63を経ると、リターンする。
<送信データが遊技機IDでないとき>
一方、ステップE52で送信データが遊技機IDでないときは、ステップE57にジャンプし、主基板認証済みか否かを判定する。これは、ステップE53と同様に、主基板(遊技制御装置54)からの認証完了情報をチェックするものである。
ステップE57で主基板認証済みでなければ、ステップE58に進み、主基板認証未完了情報をカードユニット15へ送信する。カードユニット15は、遊技制御装置54が認証OK/NGを受信しているか否か認識できないので、主基板認証未完了情報をカードユニット15へ送信するものである。
次いで、ステップE59で送信データを暗号鍵Aで暗号化するとともに、ステップE60で暗号化したデータをカードユニット15へ送信する。ステップE60を経ると、リターンする。
一方、ステップE57で主基板認証済みであれば、ステップE61に分岐し、主基板認証完了情報をカードユニット15へ送信するとともに、ステップE62で送信データを暗号鍵Xで暗号化する。ここでは、主制御IDが1度認証済みであるので、払出制御装置230は暗号鍵Xを各台毎に異なる暗号鍵として保有しており、それ故に、送信データを暗号鍵Xで暗号化するものである。
次いで、ステップE63に進み、暗号鍵Xで暗号化したデータをカードユニット15へ送信する。ステップE63を経ると、リターンする。
〔カードユニット受信データ復号化処理〕
次に、払出制御装置230のカードユニット受信データ復号化処理を図171により説明する。
このカードユニット受信データ復号化処理は、カードユニット15から受信したデータを払出制御装置230で復号化する処理である。
ルーチンが開始すると、ステップE71でカードユニット受信バッファから受信データをロードする。なお、カードユニット受信バッファには他の処理で、例えば下記のような具体的な受信データが予め保存されている。
ここで、受信データとしては、例えば認証完了情報、各種コマンド(例えば、通信開始要求や状態情報要求等)がある。
次いで、ステップE72で主基板認証済みか否かを判定する。これは、遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDが既に外部管理装置91によって照合されて、照合OKとなって認証済みかを判断するものである。本実施例では、パチンコ機1の電源投入時に遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81を順次介して外部管理装置91にて照合し、その照合結果を逆のルートで遊技制御装置54が受信する構成であるので、遊技制御装置54が既に主IDを含む遊技機IDの照合結果OKを受信していて、遊技制御装置54からの認証完了情報を払出制御装置230が受信していれば、ステップE72の判定結果がYESとなり、認証完了情報を受信していなければ、ステップE72の判定結果がNOとなる。
ステップE72で主基板認証済みでなければ、ステップE73に進み、受信データを暗号鍵Aで復号化する。ここで、暗号鍵A及び暗号化/復号化アルゴリズムは各装置に予め備えられている。
次いで、ステップE74に進み、暗号鍵Aで復号化したデータを所定の領域(RAM233の所定の領域。以下、同様)にセーブする。ステップE74を経ると、リターンする。
一方、ステップE72で主基板認証済みであれば、ステップE75に進み、受信データを暗号鍵Xで復号化する。ここで、暗号鍵Xは遊技店における各台毎に異なる暗号鍵が生成されるもので、遊技機(パチンコ機1)内(遊技制御装置54(主基板)と払出制御装置230(払出制御基板)間)及び遊技機(パチンコ機1)とカードユニット15との間の通信には、台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて情報が送受信される構成であり、暗号鍵Xは遊技機IDの照合結果がOKのときに外部管理装置91から暗号鍵X用データとしてカード管理装置81に与えられ、カード管理装置81で暗号鍵X用データに基づいて各台毎の暗号鍵Xを生成し各台へ送られる。暗号鍵Xに関する暗号化/復号化のアルゴリズムは基本的に暗号鍵Aの場合と同じである。
したがって、ステップE75では暗号鍵Xにより所定のアルゴリズムで送信データを復号化する。
次いで、ステップE76に進み、暗号鍵Xで復号化したデータを所定の領域(RAM233の所定の領域)にセーブする。ステップE76を経ると、リターンする。
このように、主基板認証済みでなければ、受信データが暗号鍵Aで復号化されて所定の領域にセーブされ、主基板認証済みであれば、受信データが暗号鍵Xで復号化されて所定の領域にセーブされる。
したがって、主基板認証済みのときは、受信データが台毎に異なる暗号鍵Xによって復号化されて所定の領域にセーブされるので、よりセキュリティを高く保つことができる。
〔認証結果対応処理(払出)〕
次に、払出制御装置230の認証結果対応処理(払出)を図172により説明する。
この認証結果対応処理(払出)は、カードユニット15からの認証結果に応じて払出制御装置230が必要な処理を行うものである。
ルーチンが開始すると、ステップE81で認証結果がOKか否かを判定する。
ここで、本実施例では、例えばパチンコ機1の電源投入時に遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81を順次介して外部管理装置91にて照合し、その照合結果を逆のルートで遊技制御装置54が受信する構成であるので、ステップE81の処理は払出制御装置230がカードユニット15から遊技機ID(主ID及び払出ID)の認証結果を受信済みで、その認証結果がOKかどうかを判定するものである。
なお、遊技機IDの認証を行う場合をまとめると、下記の通りである。
(a)パチンコ機1の電源投入時
初めての認証となるパチンコ機1の電源投入時の認証は、外部管理装置91で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
(b)電源投入時の認証(1回目の認証)がOKの後は、カード管理装置81で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
(c)遊技中の認証は、カードユニット15で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
ステップE81の判定は、上記(a)乃至(c)の全てのケースを含むものである。ステップE81で認証結果がOKであれば、ステップE82に進み、認証結果(OK)を認証結果保存領域(例えば、RAM233の所定領域)にセーブする。
次いで、ステップE83で新しい暗号鍵を受信したか否かを判定する。初めての遊技機ID(ここでは主ID及び払出ID)の認証OKの場合には、暗号鍵Xが外部管理装置91から暗号鍵X用データとしてカード管理装置81に与えられ、カード管理装置81で暗号鍵X用データに基づいて各台毎の暗号鍵Xを生成し各台へ送られる。暗号鍵Xに関する暗号化/復号化のアルゴリズムは基本的に暗号鍵Aの場合と同じである。パチンコ機1では上記のようにして暗号鍵Xを取得するので、そのような場合に新しい暗号鍵を受信したことになる。ステップE83では、上記のようなケースを判定する。また、それ以降もパチンコ機1の電源投入時の遊技機IDの認証時にカードユニット15から新しい暗号鍵Xが送信されるので、その場合の判定もステップE83で行う。
ステップE83で新しい暗号鍵を受信していれば、ステップE84に進み、取得した暗号鍵Xを更新暗号鍵保存領域(RAM233の所定の領域)にセーブした後、ステップE85に進む。なお、更新暗号鍵保存領域は暗号鍵Aが保存されている領域とは別の領域である。次いで、ステップE85に進み、取得した暗号鍵Xを主送信バッファに書き込む。これにより、取得した暗号鍵Xが遊技制御装置54へ送信されることになる。ステップE85を経ると、ステップE86へ進む。
一方、ステップE83で新しい暗号鍵を受信していなければ、ステップE84、ステップE85をジャンプしてステップE86に進む。この場合は、既に認証結果(OK)を認証結果保存領域にセーブした状態であるので、既に暗号鍵(新しい暗号鍵とは別)は保有していることになる。
ステップE85からステップE86に進む場合やステップE83からステップE84、ステップE85をジャンプしてステップE86に進んだ場合には、ステップE86で認証結果(OK)を主送信バッファに書き込む。これにより、認証結果(OK)が遊技制御装置54へ送信されることになる。次いで、ステップE87で遊技可能フラグをセットする。これにより、遊技が可能になる。ステップE87を経ると、リターンする。
一方、ステップE81で認証結果がOKでなければ、ステップE88に分岐し、認証結果(NG)を認証結果保存領域にセーブする。次いで、ステップE89で認証結果(NG)を主送信バッファに書き込む。これにより、認証結果(NG)が遊技制御装置54へ送信されることになる。次いで、ステップE90で遊技停止フラグをセットする。これにより、遊技が停止されることになる。ステップE90を経ると、リターンする。
〔遊技機受信データ復号化処理〕
次に、カードユニット15の主受信データ復号化処理を図173により説明する。
この遊技機受信データ復号化処理は、遊技機(パチンコ機1)から受信したデータをカードユニット15で復号化する処理である。
ルーチンが開始すると、ステップE101で遊技機受信バッファから受信データをロードする。なお、遊技機受信バッファには他の処理で、遊技機(パチンコ機1)から受信したデータが保存されている。次いで、ステップE102に進み、受信データは遊技機ID(つまり、主ID及び払出ID)であるか否かを判定する。
ここで、以下では、受信データが遊技機IDのときと、受信データが遊技機IDでないときに場合分けして説明する。
<受信データが遊技機IDのとき>
ステップE102で受信データが遊技機IDであれば、ステップE103に進み、主基板認証済みか否かを判定する。これは、遊技機(パチンコ機1)からの認証完了(認証未完了)情報をチェックするものである。認証完了(認証未完了)情報は、主基板認証完了、主基板認証未完了の双方の情報を含むものである。
ステップE103で主基板認証済みでなければ、ステップE104に進み、今回の受信データである遊技機IDを暗号化のまま遊技機ID保存領域1(カードユニット15におけるRAMの第1の所定領域)にセーブする。これは、主基板(遊技制御装置54)が認証されていないので、不正のおそれがあるため、遊技機(パチンコ機1)から受信したデータを復号化せず、暗号化されたままでカードユニット15の遊技機ID保存領域1に保存するものである。ステップE104を経ると、リターンする。
ここで、遊技機ID保存領域1は遊技機(パチンコ機1)から受信して認証していないID(暗号化のままのデータ)を保存する領域である。
一方、ステップE103で主基板認証済みであれば、ステップE105に分岐し、受信データを暗号鍵Xで復号化するとともに、ステップE106で復号化した遊技機IDを遊技機ID保存領域2(カードユニット15におけるRAMの第2の所定領域)にセーブする。
ここで、遊技機ID保存領域2は遊技機(パチンコ機1)から受信して復号化した認証済みのIDを保存する領域である。
暗号鍵Xは、遊技機IDの認証後に取得され、台毎に異なるものであるが、主基板認証済みであるので、ステップE105では暗号鍵Xで受信データを復号化することになるとともに、復号化された遊技機IDをカードユニット15の遊技機ID保存領域2に保存ことになる。これは、主基板(遊技制御装置54)が既に認証されているので、不正のおそれがなく、受信データを復号化しても大丈夫だだからである。ただし、台毎に異なる暗号鍵Xで受信データを復号化することにより、セキュリティが保たれる。ステップE106を経ると、リターンする。
<受信データが遊技機IDでないとき>
一方、ステップE102で受信データが遊技機IDでないときは、ステップE107にジャンプし、主基板認証済みか否かを判定する。これは、ステップE103と同様に、遊技機(パチンコ機1)からの認証完了(認証未完了)情報をチェックするものである。
ステップE107で主基板認証済みでなければ、ステップE108に進み、受信データを暗号鍵Aで復号化するとともに、ステップE109で復号化したデータを所定の領域(カードユニット15のRAMの所定の領域)にセーブする。暗号鍵Aは各装置に予め備えられているものであり、主基板認証済みでないので、ステップE109では暗号鍵Aで受信データを復号化することになる。これは、主基板(遊技制御装置54)が認証されていないので、また、遊技機(パチンコ機1)から受信したデータが遊技機IDではなく、遊技情報等の遊技機ID以外の情報であるので、各装置に予め備えられている暗号鍵Aで復号化するものである。暗号鍵Aは台毎に異なるものではないが、所定のセキュリティは保たれる。ステップE109を経ると、リターンする。
一方、ステップE107で主基板認証済みであれば、ステップE110に進み、受信データを暗号鍵Xで復号化するとともに、ステップE111で復号化したデータを所定の領域(カードユニット15のRAMの所定の領域)にセーブする。暗号鍵Xは、遊技機IDの認証後に取得され、台毎に異なるものであり、主基板認証済みであるので、不正のおそれがなく、受信データを復号化しても大丈夫だだからである。したがって、台毎に異なる暗号鍵Xで受信データを復号化することにより、セキュリティが保たれる。ステップE111を経ると、リターンする。
このように、受信データが遊技機IDでないときは、例えば遊技情報等であるので、復号化してカードユニット15が保存することになる。
〔遊技機送信データ暗号化処理〕
次に、カードユニット15の遊技機送信データ暗号化処理を図174により説明する。
この遊技機送信データ暗号化処理は、送信データを遊技機(パチンコ機1)の払出制御装置230へ暗号化して送信する処理である。
ルーチンが開始すると、ステップE121で遊技機送信バッファから送信データをロードする。なお、遊技機送信バッファには他の処理で、例えば下記のような具体的な送信データが予め保存されている。
ここで、送信データとしては、例えば認証完了情報、各種コマンド(例えば、通信開始要求や状態情報要求等)がある。
次いで、ステップE122で主基板認証済みか否かを判定する。これは、遊技機(パチンコ機1)からの認証完了(認証未完了)情報をチェックするものである。認証完了(認証未完了)情報は、主基板認証完了、主基板認証未完了の双方の情報を含む。
ステップE122で主基板認証済みでなければ、ステップE123に進み、送信データを暗号鍵Aで暗号化する。ここで、暗号鍵A及び暗号化/復号化アルゴリズムは各装置に予め備えられている。
次いで、ステップE124に進み、暗号鍵Aで暗号化したデータを遊技機(ここでは払出制御装置230)へ送信する。これにより、暗号鍵Aで暗号化したデータが払出制御装置230へ送信されることになる。ステップE124を経ると、リターンする。
一方、ステップE122で主基板認証済みであれば、ステップE125に進み、送信データを暗号鍵Xで暗号化する。ここで、暗号鍵Xは遊技店における各台毎に異なる暗号鍵が生成されている。
次いで、ステップE126に進み、暗号鍵Xで暗号化したデータを遊技機(払出制御装置230)へ送信する。これにより、暗号鍵Xで暗号化したデータが払出制御装置230へ送信されることになる。ステップE126を経ると、リターンする。
このように、主基板認証済みでなければ、送信データが暗号鍵Aで暗号化されて遊技機(払出制御装置230)へ送信され、主基板認証済みであれば、送信データが暗号鍵Xで暗号化されて遊技機(払出制御装置230)へ送信される。
したがって、主基板認証済みのときは、送信データが台毎に異なる暗号鍵Xによって暗号化されて遊技機(払出制御装置230)へ送信されるので、よりセキュリティを高く保つことができる。
〔カード管理装置受信データ復号化処理〕
次に、カードユニット15のカード管理装置受信データ復号化処理を図175により説明する。
このカード管理装置受信データ復号化処理は、カード管理装置81から受信したデータをカードユニット15で復号化する処理である。
ルーチンが開始すると、ステップE131でカード管理装置受信バッファから受信データをロードする。なお、カード管理装置受信バッファには他の処理で、例えば下記のような具体的な受信データ(暗号鍵Aで暗号化されたデータ)が予め保存されている。
ここで、受信データとしては、例えば認証完了情報、暗号情報(例えば、暗号鍵Xのデータ)がある。
次いで、ステップE132に進み、受信データを暗号鍵Aで復号化する。ここで、暗号鍵A及び暗号化/復号化アルゴリズムは各装置に予め備えられている。
次いで、ステップE133に進み、暗号鍵Aで復号化したデータをカード管理装置受信データ保存領域(カードユニット15のRAMのカード管理装置受信データ保存領域)にセーブする。ステップE133を経ると、リターンする。
このように、カード管理装置81から受信したデータは暗号鍵Aで暗号化されているので、カード管理装置81が予め保有している暗号鍵A及び暗号化/復号化アルゴリズムを用いて、受信データを復号化し、カードユニット15のカード管理装置受信データ保存領域に保存される。
したがって、カード管理装置81からカードユニット15に送信されるデータが暗号鍵Aで暗号化されており、カードユニット15では暗号鍵Aにより受信データを復号化するので、セキュリティを高く保つことができる。
〔カード管理装置送信データ暗号化処理〕
次に、カードユニット15のカード管理装置送信データ暗号化処理を図176により説明する。
このカード管理装置送信データ暗号化処理は、送信データをカード管理装置81へ暗号化して送信する処理である。
ルーチンが開始すると、ステップE141でカード管理装置送信バッファから送信データをロードする。なお、カード管理装置送信バッファには他の処理で、例えば下記のような具体的な送信データが予め保存されている。
ここで、送信データとしては、例えば遊技機ID、カードユニットIDがある。
次いで、ステップE142で送信データ(カード管理装置送信バッファからロードした送信データ)が暗号化済みであるか否かを判定する。ステップE142で送信データが暗号化済みでなければ、ステップE143に進み、送信データを暗号鍵Aで暗号化する。ここで、暗号鍵A及び暗号化/復号化アルゴリズムは各装置に予め備えられており、カード管理装置81においても保有している。
次いで、ステップE144に進み、暗号鍵Aで暗号化したデータをカード管理装置81へ送信する。これにより、カードユニット15からカード管理装置81へ暗号鍵Aで暗号化したデータが送信され、セキュリティが保たれる。ステップE144を経ると、リターンする。
一方、ステップE142で送信データが暗号化済みであれば、ステップE145に進み、データ(暗号化したままの送信データ)をカード管理装置81へ送信する。このケースは、例えばカード管理装置81がカードユニット15からデータを受信したときに、既に当該受信データが例えば暗号鍵Aで暗号化されているような場合であり、それを送信データとしてカード管理装置81へ送信するようなケースである。具体的には、例えば初めて認証する遊技機IDがある。これにより、カードユニット15からカード管理装置81へ暗号化されたままのデータが送信され、セキュリティが保たれる。ステップE145を経ると、リターンする。
〔遊技機ID照合処理〕
次に、カードユニット15の遊技機ID照合処理を図177により説明する。
この遊技機ID照合処理は、カードユニット15にて遊技機IDの照合を行うものである。
ルーチンが開始すると、ステップE151で主基板認証済みか否かを判定する。これは、遊技機(パチンコ機1)からの認証完了(認証未完了)情報をチェックするものである。認証完了(認証未完了)情報は、主基板認証完了、主基板認証未完了の双方の情報を含むものである。
ステップE151で主基板認証済みであれば、ステップE152に進み、遊技中か否かを判定する。ステップE152で遊技中ならば、ステップE153に進み、遊技機ID保存領域2から必要な遊技機IDをロードする。遊技機ID保存領域2には遊技機(パチンコ機1)から受信して復号化した認証済みのIDが保存されている。
次いで、ステップE154で認証済遊技機ID保存領域から必要な遊技機IDをロードする。認証済遊技機ID保存領域には外部管理装置91で認証OKとなったID(遊技機ID、カードユニットID)で復号化したものが保存されている。
ここで、本実施例では例えばパチンコ機1の電源投入時に遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81を順次介して外部管理装置91にて照合し、その照合結果を逆のルートで遊技制御装置54が受信する構成であるとともに、遊技機IDの認証後の遊技中における遊技機IDの認証は、カードユニット15で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う構成になっているので、その認証のために遊技機ID保存領域2から今回認証する遊技機IDを読み出すとともに、認証済遊技機ID保存領域から外部管理装置91にて認証OKとなったID(遊技機ID)を読み出すものである。
次いで、ステップE155に進み、遊技機IDを照合する。ここでは、ステップE153でロードした遊技機ID(遊技機ID保存領域2からロードした今回認証する遊技機ID)と、ステップE154でロードした遊技機ID(認証済遊技機ID保存領域からロードした外部管理装置91にて認証OKとなった遊技機ID)とを比較して、遊技機ID保存領域2からロードした今回認証する遊技機IDが正規のIDか否かを判定する照合を行うものである。なお、遊技機IDの認証後の遊技中における遊技機IDの照合では、カードユニット15において、主IDのうちのチップIDのみを用いてIDの照合を行う。
次いで、ステップE156に進み、ステップE155で実行した遊技機IDの照合処理の結果が照合OKであるか否かを判定し、照合OKであれば、遊技機ID保存領域2からロードした遊技機ID(上述したように今回認証対象の遊技機ID)が正規なものであると判定されたので、ステップE157に進み、照合OK情報を遊技機送信バッファに書き込む。これにより、照合OK情報がカードユニット15から遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)に送信されることになる。次いで、ステップE158で遊技可能フラグをセットする。これにより、遊技が可能になる。ステップE158を経ると、リターンする。
一方、ステップE156で遊技機IDの照合結果がNG、すなわち、照合NGであれば、遊技機ID保存領域2からロードした遊技機ID(今回認証対象の遊技機ID)が正規なものではないと判定されたので、ステップE159に分岐し、照合NG情報を遊技機送信バッファに書き込む。これにより、照合NG情報がカードユニット15から遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)に送信されることになる。次いで、ステップE160で遊技停止フラグをセットする。これにより、遊技が停止されることになる。ステップE160を経ると、リターンする。
次に、ステップE151で主基板認証済みでなければ、ステップE161に分岐し、遊技機ID保存領域1のIDをカード管理装置送信バッファに書き込む。これにより、遊技機ID保存領域1のIDがカードユニット15からカード管理装置81に送信されることになる。
ここで、遊技機ID保存領域1には今回、カードユニット15が遊技機(パチンコ機1)から受信した遊技機IDを暗号化のままセーブされている。これは、主基板(遊技制御装置54)が認証されていないので、不正のおそれがあるため、遊技機(パチンコ機1)から受信したデータを復号化せず、暗号化されたままでカードユニット15の遊技機ID保存領域1に保存しているものである。そして、遊技機ID保存領域1のIDがカードユニット15からカード管理装置81に送信され、カード管理装置81では受信したIDを外部管理装置91へ送信する。ステップE161を経ると、リターンする。
一方、ステップE152で遊技中でないと判定されると、ステップE162に分岐して遊技機ID保存領域2から遊技機IDをロードするとともに、続くステップE163で認証済遊技機ID保存領域から遊技機IDをロードする。
ここで、遊技機ID保存領域2には遊技機(パチンコ機1)から受信して復号化した今回認証するIDが保存されており、認証済遊技機ID保存領域には外部管理装置91で認証OKとなったID(遊技機ID、カードユニットID)で復号化したものが保存されている。したがって、今回、遊技機(パチンコ機1)から受信して復号化したIDを認証済遊技機ID保存領域からロードした外部管理装置91で認証OKとなったIDと比較すれば、今回、遊技機(パチンコ機1)から受信して復号化したIDが正規のものであるか否かを判断できる。例えば、不正により遊技制御装置54の基板が交換されていた場合には、遊技機ID保存領域2に保存されている遊技機(パチンコ機1)から受信して復号化したIDは正規の遊技制御装置54の基板のものではないことになる。したがって、そのようなケースにおける遊技機IDの真偽判断も必要となる。例えば、稀ではあるが、遊技店の開店中に不正により遊技制御装置54の基板が交換されることもあるからである。
そこで、ステップE164に進み、遊技機IDを照合する。ここでは、ステップE163でロードした遊技機ID(遊技機ID保存領域2からロードした遊技機ID)と、ステップE164でロードした遊技機ID(認証済遊技機ID保存領域からロードした外部管理装置91にて認証OKとなった遊技機ID)とを比較して、遊技機ID保存領域2からロードした遊技機IDが正規のIDか否かを判定する照合を行う。
次いで、ステップE165に進み、ステップE164で実行した遊技機IDの照合処理の結果が照合OKであるか否かを判定し、照合OKであれば、遊技機ID保存領域2からロードした遊技機IDが正規なものであると判定されたので、ステップE157に進み、照合OK情報を遊技機送信バッファに書き込む。これにより、照合OK情報がカードユニット15から遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)に送信されることになる。次いで、ステップE158で遊技可能フラグをセットする。これにより、遊技が可能になる。ステップE158を経ると、リターンする。
一方、ステップE165の判定結果がNOの場合、すなわち、ステップE164で実行した遊技機IDの照合処理の結果が照合NGである場合には、ステップE166に進み、今回、遊技機(パチンコ機1)から受信して復号化した遊技機ID(遊技機ID保存領域2からロードした遊技機ID)をカード管理装置送信バッファに書き込む。これにより、遊技機ID保存領域2の遊技機IDがカードユニット15からカード管理装置81に送信されることになり、カード管理装置81では遊技機IDの照合を行うことになる。ステップE166を経ると、リターンする。
なお、ステップ152でNOの場合(電源投入時である場合)は、カードユニット15では遊技機IDの照合を行わずに、当該遊技機IDをカード管理装置81へ送信する(カード管理装置81で照合を行う)ようにしてもよい。
このように、遊技機設置後における遊技機(パチンコ機1)の遊技中に遊技機IDの照合を行う場合には、カードユニット15にて遊技機設置後の電源投入時に記憶しておいた遊技機IDと比較して遊技機IDの照合を行うので、効率的に遊技機IDの照合を行うことができる。
また、遊技機IDの認証後の遊技中における遊技機IDの照合では、カードユニット15において、主IDのうちのチップIDのみを用いてIDの照合を行うので、遊技中のID照合処理が迅速に行われ、遊技に支障がないようにできる。
〔認証結果対応処理(CU)〕
次に、カードユニット15の認証結果対応処理(CU)を図178により説明する。
この認証結果対応処理(CU)は、カード管理装置81からの認証結果に応じてカードユニット15が必要な処理を行うものである。
ルーチンが開始すると、ステップE171で認証結果がOKか否かを判定する。
ここで、本実施例では、例えばパチンコ機1の電源投入時に遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81を順次介して外部管理装置91にて照合し、その照合結果を逆のルートで遊技制御装置54が受信する構成であるので、ステップE171の処理はカードユニット15がカード管理装置81から遊技機ID(主ID及び払出ID、カードユニットID)の認証結果を受信済みで、その認証結果がOKかどうかを判定するものである。
なお、遊技機IDの認証を行う場合をまとめると、下記の通りである。
(a)パチンコ機1の電源投入時
初めての認証となるパチンコ機1の電源投入時の認証は、外部管理装置91で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
(b)電源投入時の認証(1回目の認証)がOKの後は、カード管理装置81で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
(c)遊技中の認証は、カードユニット15で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
ステップE171の判定は、上記(a)、(b)のケースを含むものである。ステップE171で認証結果がOKであれば、ステップE172に進み、認証結果(OK)を認証結果保存領域(例えば、カードユニットのRAMの所定領域)にセーブする。
次いで、ステップE173に進み、遊技機ID保存領域1に保存されている遊技機IDを暗号鍵Aで復号化する。
ここで、遊技機ID保存領域1は遊技機(パチンコ機1)から受信して認証していないID(暗号化のままのデータ)を保存している領域である。これは、主基板(遊技制御装置54)が認証されていないので、不正のおそれがあるため、遊技機(パチンコ機1)から受信したデータを復号化せず、暗号化されたままでカードユニット15の遊技機ID保存領域1に保存していたものである。
次いで、ステップE174に進み、ステップE173で復号化したIDを認証済遊技機ID保存領域にセーブする。
ここで、認証済遊技機ID保存領域には外部管理装置91で認証OKとなったID(遊技機ID、カードユニットID)で復号化したものが保存されている。
これは、今回、ステップE171で認証結果がOKの判定結果になったことから、遊技機ID保存領域1に保存されている遊技機IDを正規のものと判断して、認証済遊技機ID保存領域にセーブするものである。
次いで、ステップE175で新しい暗号鍵を受信したか否かを判定する。初めての遊技機ID(ここでは主ID及び払出ID)の認証OKの場合には、暗号鍵Xが外部管理装置91から暗号鍵X用データとしてカード管理装置81に与えられ、カード管理装置81で暗号鍵X用データに基づいて各台毎の暗号鍵Xを生成し各台へ送られる。暗号鍵Xに関する暗号化/復号化のアルゴリズムは基本的に暗号鍵Aの場合と同じである。パチンコ機1では上記のようにして暗号鍵Xを取得するので、そのような場合に新しい暗号鍵を受信したことになる。
ステップE175では、上記のようなケースをカードユニット15の部署で判定する。また、それ以降もパチンコ機1の電源投入時の遊技機IDの認証時にカードユニット15には上位側のカード管理装置81から新しい暗号鍵Xが送信されるので、その場合の判定もステップE175で行う。
ステップE175で新しい暗号鍵を受信していれば、ステップE176に進み、取得した暗号鍵Xを更新暗号鍵保存領域(カードユニット15のRAMの所定の領域)にセーブしたする。なお、更新暗号鍵保存領域は暗号鍵Aが保存されている領域とは別の領域である。次いで、ステップE177に進み、取得した暗号鍵Xを遊技機送信バッファに書き込む。これにより、取得した暗号鍵Xが遊技機(払出制御装置230)へ送信されることになる。次いで、ステップE178に進み、ステップE171で判定した認証結果OKを遊技機送信バッファに書き込む。これにより、認証結果OKの情報が遊技機(払出制御装置230)へ送信されることになる。
次いで、ステップE179で遊技可能フラグをセットする。これにより、遊技が可能になる。ステップE179を経ると、リターンする。
一方、ステップE175で新しい暗号鍵を受信していなければ、ステップE176、ステップE177をジャンプしてステップE178に進む。この場合は、既に認証結果(OK)を認証結果保存領域にセーブした状態であるので、既に暗号鍵X(新しい暗号鍵とは別)は保有していることになる。次いで、ステップE178に進むと、上述したように、認証結果OKを遊技機送信バッファに書き込むとともに、ステップE179で遊技可能フラグをセットした後、リターンする。
したがって、ステップE175で新しい暗号鍵を受信していない場合にも、ステップE171で認証結果OKの判定結果になっていたときであれば、遊技可能フラグがセットされて、遊技が可能になる。
一方、ステップE171で認証結果がOKでなければ、ステップE180に分岐し、認証結果(NG)を認証結果保存領域にセーブする。次いで、ステップE181で遊技機ID保存領域1に保存されている遊技機IDを破棄する。
ここで、遊技機ID保存領域1は遊技機(パチンコ機1)から受信した認証していないID(暗号化のままのデータ)を保存している領域であり、主基板(遊技制御装置54)が認証されていないので、不正のおそれがあるため、遊技機(パチンコ機1)から受信したデータを復号化せず、暗号化されたままでカードユニット15の遊技機ID保存領域1に保存している。ところが、今回、ステップE171で認証結果(NG)の判定結果になたので、遊技機ID保存領域1に保存されている遊技機IDは偽物の可能性があるので、それを破棄するものである。
次いで、ステップE182に進み、認証結果(NG)を遊技機送信バッファに書き込む。これにより、認証結果(NG)の情報がカードユニット15から遊技機(払出制御装置230)に送信されることになる。次いで、ステップE183で遊技停止フラグをセットする。これにより、遊技が停止されることになる。ステップE183を経ると、リターンする。
次に、図20で示した遊技機IDの出力条件に関するフローチャートについて説明する。これは、図20の説明にあたり、遊技機IDの出力については所定の出力条件を設けることが望ましいと記載しているので、それに対応するフローチャートである。
〔主制御ID要求確認処理〕
まず、遊技制御装置54の主制御ID要求確認処理を図179により説明する。
この主制御ID要求確認処理は、遊技制御装置54に対して予め定められた暗号化通信によりID要求があったときには遊技制御装置54から主制御IDを出力するが、平文でID要求があったときには主制御IDを出力しない処理を行うものである。
ルーチンが開始すると、ステップE201で所定のデータ保存領域から受信データをロードする。所定のデータ保存領域は、遊技制御装置54が外部からのデータを受信して一時的に保存する領域であり、例えば払出制御装置230から受信したデータを保存するもので、RAM113の所定の領域である。また、所定のデータ保存領域には、暗号化されたデータのみでなく、平文のデータも保存可能である。
次いで、ステップE202に進み、データは正常か否かを判定する。これは、所定のデータ保存領域からロードした受信データが正常か否かを判断するもので、以下のように判定する。
(a)データが正規の暗号鍵(例えば、暗号鍵A、暗号鍵X)を使用した暗号文で遊技制御装置54に送信されていれば、当該暗号鍵の暗号化/復号化アルゴリズムを使用できるので、データは正常に復号化されることになる。したがって、この場合にはデータは正常と判定する。
(b)データが正規の暗号鍵を使用していない暗号文で遊技制御装置54に送信されていれば、正規の暗号鍵の暗号化/復号化アルゴリズムを使用できないので、データは異常なデータとなる。また、データが平文であれば、正規の暗号鍵の暗号化/復号化アルゴリズムを使用して復号化すると、データは異常なデータとなる。したがって、この場合にはデータは異常と判定する。
ステップE202でデータは正常と判定すると、ステップE203に進み、主制御ID要求があるか否かを判定する。これは、所定のデータ保存領域からロードした受信データの中に主制御ID要求があるか否を判定するものである。ステップE203で主制御ID要求があれば、ステップE204で主制御ID送信要求フラグをセットし、続くステップE205で主制御ID送信処理(図23)を行う。これにより、主制御IDが遊技制御装置54から外部(例えば、払出制御装置230)へ送信(暗号化して送信)されることになる。ステップE205を経ると、リターンする。
一方、ステップE202でデータは異常と判定すると、ステップE206に分岐し、受信データ異常フラグをセットする。したがって、この場合には主制御IDが外部(例えば、払出制御装置230)へ送信されず、セキュリティが保たれる。ステップE206を経ると、リターンする。
〔払出受信データ復号化処理〕
次に、遊技制御装置54の払出受信データ復号化処理については、前述した図166に示すフローチャートと同様であり、重複説明を略す。
この払出受信データ復号化処理は、払出制御装置230から受信したデータを主基板認証の有無に応じて暗号鍵A又は暗号鍵Xで復号化する処理を行うものである。
この払出受信データ復号化処理によれば、主基板認証済みでなければ、受信データを暗号鍵Aで復号化することで、セキュリティを確保し、主基板認証済みであれば、受信データを台毎に異なる暗号鍵Xで復号化することで、セキュリティをより高く保つことができる。
〔遊技機ID要求確認処理〕
次に、払出制御装置230の遊技機ID要求確認処理を図180により説明する。
この遊技機ID要求確認処理は、払出制御装置230に対するID要求が定められた暗号化通信であるか等の条件を確認してIDを出力する処理を行うものである。
ルーチンが開始すると、ステップE221で所定のデータ保存領域から受信データをロードする。所定のデータ保存領域は、払出制御装置230が外部からのデータを受信して一時的に保存する領域であり、例えば遊技制御装置54やカードユニット15から受信したデータを保存するもので、RAM233の所定の領域である。また、所定のデータ保存領域には、暗号化されたデータのみでなく、平文のデータも保存可能である。
次いで、ステップE222に進み、データは正常か否かを判定する。これは、所定のデータ保存領域からロードした受信データが正常か否かを判断するもので、以下のように判定する。
(a)データが正規の暗号鍵(例えば、暗号鍵A、暗号鍵X)を使用した暗号文で払出制御装置230に送信されていれば、当該暗号鍵の暗号化/復号化アルゴリズムを使用できるので、データは正常に復号化されることになる。したがって、この場合にはデータは正常と判定する。
(b)データが正規の暗号鍵を使用していない暗号文で払出制御装置230に送信されていれば、正規の暗号鍵の暗号化/復号化アルゴリズムを使用できないので、データは異常なデータとなる。また、データが平文であれば、正規の暗号鍵の暗号化/復号化アルゴリズムを使用して復号化すると、データは異常なデータとなる。したがって、この場合にはデータは異常と判定する。
ステップE222でデータは正常と判定すると、ステップE223に進み、遊技機ID要求があるか否かを判定する。これは、所定のデータ保存領域からロードした受信データの中に遊技機ID要求があるか否を判定するものである。ステップE223で遊技機ID要求があれば、ステップE224で主基板断線なしか否かを判定する。これは、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されている条件を満たしているか否かを判定するものである。払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されていなければ、払出制御装置230はカードユニット15から予め定められた暗号鍵A又は暗号鍵Xによる暗号化通信により遊技機ID要求があったとしても、遊技機IDを出力しない構成になっているので、払出制御装置230と遊技制御装置54との接続を判断する。
ここでは、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されていれば、主基板断線なしと判定し、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されていなければ、主基板断線あり判定する。主基板断線ありの場合は、例えば主基板(遊技制御装置54)が不正に取り外されたようなケースである。
ステップE224で主基板断線なしであれば、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されている条件を満たしていると判断してステップE225に進み、主制御ID要求処理を行う。これは、払出制御装置230から遊技制御装置54へ主制御IDの要求を行うものである。
次いで、ステップE226で主制御ID受信処理(図109)を行う。これは、遊技制御装置54からの主御IDを払出制御装置230で受信するものである。
次いで、ステップE227で遊技機ID送信処理(図163)を行う。これは、遊技機(パチンコ機1)の遊技機ID(主制御ID及び払出ID)をカードユニット15へ送信(暗号化して送信)するものである。ステップE227を経ると、リターンする。
一方、ステップE223で遊技機ID要求がない場合やステップE224で主基板断線ありの場合には、何れの場合もNOに分岐して、今回のルーチンを終了しリターンする。したがって、これらの場合には遊技機IDはカードユニット15に送信されす、セキュリティが保たれる。
一方、ステップE222でデータは異常と判定すると、ステップE228に分岐し、受信データ異常フラグをセットする。したがって、この場合には遊技機IDが外部(例えば、カードユニット15)へ送信されず、セキュリティが保たれる。ステップE228を経ると、リターンする。
このように、払出制御装置230からのIDの出力条件として、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されている条件を満たし、かつ、払出制御装置230はカードユニット15から予め定められた暗号鍵A又は暗号鍵Xによる暗号化通信によりIDを要求された場合は、ID(主ID及び払出ID)を出力するが、それ以外の通信(平文等)で要求された場合はID(主ID及び払出ID)を出力しない。したがって、セキュリティを高めることができる。
特に、払出制御装置230は遊技制御装置54と接続されていないと遊技機IDを出力しないので、例えば遊技制御装置54が不正により取り外されている場合には遊技機IDを出力しないので、遊技制御装置54の不正な取り外しにも対応することができる。
次に、実施例1の動作について説明する。
まず、不正入賞に対する制御の動作について説明する。
図181は、不正入賞に対する動作のタイミングチャートである。
不正入賞に対しては、入賞数の合計とセーフ数の合計との差を監視し、その差が所定数(例えば、5個)以上であれば、第1のエラー態様とし、第1のエラー態様に対応する処理が行われる。
そこで、不正入賞を監視するために、遊技盤20の各入賞口25、26、27a、34a、28〜31に入賞した入賞球は第1始動口スイッチ120、第2始動口スイッチ121、下カウントスイッチ124、上カウントスイッチ125、入賞口スイッチ123a〜123dによりそれぞれ検出され、これらの検出出力は遊技制御装置54で管理される。
一方、セーフ球は遊技盤20の裏面側の枠部に配置された第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出され、これらの検出出力は払出制御装置230で管理される。
なお、この場合のセーフ球とは、上記各入賞口25、26、27a、34a、28〜31を通過した遊技球(つまり入賞球)がセーフ球となって遊技盤20から排出される際に、枠側でセーフ球として検出される球についての概念である。
ここで、入賞球の総数は上記各スイッチ120乃至123a〜123d、124、125によって検出された入賞数の合計となり、セーフ球の総数は第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出されたセーフ数の合計となる。
払出制御装置230には上記各スイッチ120乃至123a〜123d、124、125によって検出された入賞数が賞球コマンドの情報の中に含まれて送信されてくるので、払出制御装置230は入賞数の合計を算出するとともに、入賞数の合計と第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163によって検出されたセーフ数の合計とを比較し、その差が所定数(例えば、5個)以上であれば、第1のエラー態様とし、第1のエラー態様に対応する処理が行われる。
また、入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)以上の状態が所定期間継続した場合は、第2のエラー態様とし、第2のエラー態様に対応する処理が行われる。
具体的な動作につき図181を参照して説明すると、遊技盤20の何れかの入賞口25、26、27a、34a、28〜31に遊技球が入賞すると、持球数への賞球加算(入賞口への入賞に応じて予め設定された賞球数の加算)が行われる。図181では、賞球加算が可能な状態を「賞球加算(可)」と示し、賞球加算が不可能な状態を「賞球加算(不可)」と示している。タイミングt1よりも前では何らのエラーが発生していない状態であり、賞球加算が可能な状態になっている。また、この場合はエラー報知も行われていない。
次いで、図181のタイミングt1で入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)以上になると、第1のエラーが発生(第1のエラー態様と判定)し、同じタイミングt1にてエラー報知が開始される。なお、図181ではエラー発生をHレベルで示し、エラー報知の開始もHレベルで示している。
ただし、タイミングt1ではエラー報知が開始されるものの、賞球加算が可能な状態である「賞球加算(可)」という制御は継続し、何れかの入賞口25、26、27a、34a、28〜31に遊技球が入賞すると、持球数への賞球加算は可能である。
ここで、遊技球が遊技盤20の各入賞口25、26、27a、34a、28〜31の何れかを通過してから、遊技盤20の裏面側の枠部に配置された第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163の何れかを通過する迄には、若干の時間がかかるので、入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)以上になったかどうかをチェックして、第1のエラー態様か否かの判定が行われる。
そして、入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)以上であれば、第1のエラー態様とし、第1のエラー態様に対応する処理が行われる。また、入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)以上の状態が所定期間継続した場合は、第2のエラー態様とし、第2のエラー態様に対応する処理が行われる。
この場合、エラー態様の処理の基本として第1のエラー態様に対応する処理はエラー報知のみ、第2のエラー態様に対応する処理はエラー報知+賞球加算の停止となる。
タイミングt1で第1のエラー態様と判定されると、エラー報知が開始され、第1のエラー態様に対応する処理が行われる。第1のエラー態様に対応する処理では、例えば払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にエラー情報を送り、表示装置41や装飾表示LED(枠)141でエラー表示が行われ、遊技者や店員に不正の可能性があることが報知される。
また、払出制御装置230からカードユニット15を経由してホールコンピュータ86にエラー情報が送られる。なお、遊技機ではエラー報知を行わず、ホールコンピュータ86にて遊技場のみで分かるエラー報知が行われるようにしてもよい。これにより、釣り球等による不正入賞の検出やエラー報知を店員が見ることで、遊技者に悟られずに不正への対処ができる。
次いで、タイミングt2で入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)以上の状態が所定期間(例えば、15秒)以上継続した場合には、第2のエラーが発生(第2のエラー態様と判定)し、第2のエラー態様に対応する処理が行われる。第2のエラー態様に対応する処理では、タイミングt2からエラー報知に加えて賞球加算が停止される(すなわち、賞球加算が不可能な状態である「賞球加算(不可)」になる)。
具体的には、第2のエラー態様に対応する処理では、上記エラー報知に加えて賞球加算を停止する処理が行われる。したがって、賞球加算の停止により釣り球等の不正入賞があった場合でも、賞球加算をしないので(すなわち、持球数が増えないので)、不正防止になる。
また、第2のエラー態様に対応したエラー報知の処理、すなわち上記のようにホールコンピュータ86にて遊技場のみで分かるエラー報知を行うことに加えて、遊技者へのエラー報知も行われる。遊技者へのエラー報知としては、例えば、払出制御装置230から遊技制御装置54経由で演出制御装置53へエラー情報を送り、演出制御装置53の制御により表示装置41の画面にエラー表示が行われたり、装飾表示LED(枠)141でエラー表示が行われる。したがって、エラー報知が迅速に行われるとともに、遊技者とのトラブルを避けることができる。また、遊技場の損害を最小限にできる。
さらに、入賞数の合計とセーフ数の合計との差を判断する基準値としての上記所定数が大当り時には、例えば10個へ変更することが行われる。例えば、タイミングt2以降で大当りが発生した場合には、払出制御装置230は入賞数の合計とセーフ数の合計との差を判断する基準値としての上記所定数を5個から10個へ変更して、エラー状態を判定する。これにより、入賞数の合計とセーフ数の合計との差が例えば5個を超えても、10個未満であれば、エラー報知は継続するものの「賞球加算(可)」という制御は継続する。したがって、大当り時には入賞数が増えて、入賞数の合計とセーフ数の合計との差が大きくなる傾向にあっても、不正と判断して賞球加算を停止することがないので、遊技者とのトラブルを避けることができる。
なお、入賞数の合計とセーフ数の合計との差が例えば10個を超えると、エラー報知に加えて賞球加算が停止される。これにより、不正を有効に防止できる。
次いで、タイミングt3で入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)未満になると、第1のエラー態様又は第2のエラー態様の何れでもないと判定され、エラー報知が終了するとともに、「賞球加算(可)」という制御に戻る。
このように、本実施例では入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)以上になると、第1のエラー態様と判定することで、釣り球等による不正入賞を検出することができる。また、第1のエラー態様に対応する処理としてエラー報知を行うので、エラー報知を遊技場の店員が認識することで、不正入賞に速やかに対処することができる。
入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)以上の状態が所定期間(例えば、15秒)以上継続した場合には、第2のエラー態様と判定し、第2のエラー態様に対応する処理として、エラー報知に加えて賞球加算を停止するので、エラー報知を迅速に行うことができるとともに、遊技者とのトラブルを避けることができる。また、遊技場側の損害を最小限にすることができる。
不正入賞を検出した場合、第1のエラー態様に対応する処理として遊技場にのみにエラー報知、第2のエラー態様に対応する処理として遊技者にもエラー報知とすることにより、本当に不正入賞が行われているのかどうかを店員が迅速に確認することができるとともに、遊技者に対しても不正の抑制を促すことができる。
入賞数の合計とセーフ数の合計との差を判断する基準値としての上記所定数を大当り時には大きな値(例えば、10個)へ変更することにより、大当り時に入賞数が増えて入賞数の合計とセーフ数の合計との差が大きくなる傾向にあっても、不正と判断して賞球加算を停止することがないので、遊技者とのトラブルを避けることができる。
以上より、本実施例では不正されにくい封入球式遊技機を提供することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行うとともに、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からのコマンドに基づいて球の払い出しを制御する払出制御装置と、を備えた封入球式遊技機において、
遊技盤に配置された複数の各入賞口への入賞を検出するとともに、その検出出力が遊技制御装置で管理される入賞球検出手段と、
前記各入賞口を通過した遊技球がセーフ球となって遊技盤から排出される場合のセーフ球を検出するとともに、その検出出力が払出制御装置で管理されるセーフ球検出手段と、を備え、
入賞球検出手段で検出された入賞数と、セーフ球検出手段で検出されたセーフ球とを比較し、その差が所定数以上であれば、第1のエラー態様とし、
その差が所定数以上の状態が所定期間継続した場合は、第2のエラー態様とする入賞エラー判定手段を設けたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、第1始動口スイッチ120、第2始動口スイッチ121、下カウントスイッチ124、上カウントスイッチ125及び入賞口スイッチ123a〜123dは入賞球検出手段を構成し、第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163はセーフ球検出手段を構成し、払出制御装置230は入賞エラー判定手段を構成する。
また、第1、第2のエラー態様の具体的内容を含めた上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記第1のエラー態様はエラー報知、第2のエラー態様はエラー報知に加えて賞球加算をしないように制御する不正入賞制御手段を設けたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、払出制御装置230は不正入賞制御手段を構成する。
また、第1、第2のエラー態様の具体的な報知先を含めた上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記第1のエラー態様は遊技場にのみ報知、第2のエラー態様は遊技場の報知に加えて遊技者にも報知するように制御する不正入賞報知制御手段を設けたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、払出制御装置230は不正入賞報知制御手段を構成する。
さらに、特別遊技状態の発生時におけるエラー態様の具体的内容を含めた上記構成の発明概念は、下記のように表される。
入賞エラー判定手段は、
特別遊技状態の発生時には、前記所定数を変更し、少なくとも大きな値にすることを特徴とする封入球式遊技機。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2008−104576号公報に開示されたものでは、大入賞口に入賞球数と排出球数を検出し、これらが不整合の場合は、不整合が解除するまで大入賞口の動作処理を実行しないようにしている。
しかしながら、封入球式遊技機において、釣り球等による不正入賞が行われた場合、実球の払出がないので、不正が分かりにくいという欠点があった。
そこで本実施例では、遊技制御装置54で管理する入賞数の合計と払出制御装置230で管理するセーフ数の合計とを比較し、その差が所定数(例えば、5個)以上になると、第1のエラー態様と判定し、第1のエラー態様に対応する処理としてエラー報知を行うので、エラー報知を遊技場の店員が認識することで、釣り球等による不正入賞を検出することができるようにした。
また、本実施例の変形例として、以下のような構成にしてもよい。
(1)本実施例では第2のエラー態様に対応する処理ではエラー報知に加えて賞球加算を停止しているが、更に、遊技球の発射停止を追加する構成にしてもよい。このようにすると、より有効に不正入賞に対処することができる。
(2)また、入賞数の合計とセーフ数の合計との差が所定数(例えば、5個)以上の状態が所定期間(例えば、15秒)以上継続した場合には、第2のエラー態様に対応する処理として賞球加算を停止するが、これに限らず、例えば入賞数の合計とセーフ数の合計との差分の賞球加算をキャンセルする構成にしてもよい。
次に、図182は持球数及び計数球数の表示に関する操作表示装置7の動作例を示す図である。
図182の説明では遊技の進行において場面という概念を用いており、図182に示す場面A1乃至場面A3は遊技進行中における操作表示装置7及び持球数表示器40の持球数表示、演出画面、ボタン画面等を含む演出動作全体のシーンを表す概念である。
まず、図182の場面A1は通常時における操作表示装置7及び持球数表示器40の動作を示している。特に、場面A1は計数球がない場合で、例えば持球数が少し存在するものの、遊技が停止されて、一旦、客待ちの画面になった状態を示している。
すなわち、場面A1では操作表示装置7には球貸レート表示器701、残金額表示器702、球貸ボタン703、返却ボタン704、貯球・再プレイボタン705、メッセージ・操作領域部706、切替ボタン707、休憩ボタン708、持球表示ボタン709が配置されている様子が示されているとともに、操作表示装置7の上方には持球数表示器40が配置されている。
また、図182の場面A1では持球数表示器40の側方(左側)に計数スイッチ311、計数球表示器313が配置されている様子を示している。
なお、計数球使用ボタン710は後述の場面A2に示すように、計数球が発生したときにメッセージ・操作領域部706に表示される構成である。
なお、場面A2以降の説明では、上記の符号付けは煩雑になるので、必要な一部のみとし、その他は略す。
場面A1では、通常時の一例として残金額表示器702には残金額が「5000円」と表示され、これにより、遊技者は遊技カードの残高が「5000円」であることを知ることになる。また、操作表示装置7の上方に配置されている持球数表示器40には持球数として「125」という数字がデジタルで表示されている。これにより、遊技者は現在の持球数が125個であることが分かる。
一方、メッセージ・操作領域部706には「いらっしゃいませ」のメッセージが表示されているとともに、このメッセージの上方には「持球数↑発射可能です」というメッセージが表示されて、遊技者に対して持球数に基づく遊技が可能であることを知らせている。これにより、遊技者は自分の持球数が125個であり、その持球数を発射してパチンコ遊技ができることが分かる。
なお、場面A1の状態では計数球数は無く、計数球数の表示はない。そのため、計数球表示器313も点灯していない。
次に、場面A2は計数球がある場合を示している。
すなわち、場面A2は持球数が500個であり、計数球数が6000個となった場合であり、その状態は持球数表示器40に500個と表示され、メッセージ・操作領域部706にデジタルで「計数球6000個」という表示がされることで遊技者に報知される。
また、メッセージ・操作領域部706にデジタルで表示されている計数球球(6000個)と同じ計数球数が操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706において玉箱Tを摸した図形でアナログ表示される。なお、玉箱に付ける符号Tは、煩雑になるので、説明の都合上、必要と思わる場合に付けてある。
場面A2では、玉箱Tが4つ表示され、その4つの玉箱Tの中に6000個の計数球が存在することを摸した図形でアナログ表示されている。6000個の計数球であるから、4つの玉箱Tの全てに計数球が溜まっている様子の図形になっている。
なお、メッセージ・操作領域部7306に玉箱Tを摸した図形で球数をアナログ表示する場合、本実施例では以下のような表示態様にしている。
・玉箱満杯表示:球数=1500個
・玉箱半分位の表示:球数=750〜1500個未満
・玉箱に少しある表示:球数=750個未満
また、球貸し関係は常時表示しておくようになっており、そのため、球貸レート表示器701には「球貸:1玉4円」というレートが常時表示されている。また、残金額表示器702にも残金額(例えば、「5000円」)が常時表示されている。
また、場面A2では計数球数が存在するので、計数球表示器313が点灯している。これにより、遊技者は計数球数の存在を容易に認識できる。さらに、場面A2では計数球が発生したので、メッセージ・操作領域部706に計数球使用ボタン710が現れて表示されている。これにより、遊技者は計数球使用ボタン710を押すことで、計数球数から持球数へ球を移動させることが可能である。このとき、計数球使用ボタン710の1回の操作で100個の計数球が持球数へ移動する。
なお、持球数を計数球に移動させる場合には、遊技者が計数スイッチ311を押すことで持球数が計数球に移動する。これにより、遊技者は計数スイッチ311を押すという簡単な操作で、持球数を容易に計数して計数球に移動させることができ、便利である。また、持球数から移動させた計数球がメッセージ・操作領域部706に玉箱を摸した図形でアナログ表示されるので、計数球数の直感的な把握をスムーズに行うことができる。特に、メッセージ・操作領域部706は持球数表示器40よりも大きいので、より分かりやすく計数球数を把握できる。
そして、遊技者が計数スイッチ311を押して持球数を計数球に移動させると、場面A2に示すように、計数球数の発生により計数球表示器313が点灯(LED点灯)するとともに、前述したように、メッセージ・操作領域部706に計数球使用ボタン710が出現する。
次に、場面A3はトータル持球数(持球数+計数球数)が表示された場合を示している。
すなわち、場面A3は持球数が500個であり、計数球数が6000個となった場合で、持球表示ボタン709を押した場面である。その状態は、持球数表示器40に500個と表示されるとともに、メッセージ・操作領域部706にデジタルで「トータル持球数(持球数+計数球数)=6500個」という表示がされることで遊技者に報知される。これにより、遊技者はトータル持球数を簡単に知ることができ、便利である。
また、トータル持球数が存在することにより、持球表示ボタン709が点灯する。これにより、遊技者は持球数と計数球数との両方が存在し、トータル持球数となっていることを容易に認識することができる。例えば、トータル持球数が精算時の目安となるので、便利である。
このように、パチンコ機1の遊技中に持球数が発生した場合には、遊技者の持球数が持球数表示器40に表示されるが、このとき、パチンコ機1の下部パネル6に配置されている計数スイッチ311を押すと、持球数が計数されて計数球数になり、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に表示(例えば、計数球数のデジタル表示(数字))されるとともに、アナログ表示(玉箱を摸した図形によるアナログ表示)表示される。計数球数が存在するようになると、計数球表示器313が点灯して知らせる。
また、持球数及び計数球数の双方が存在する状態で持球表示ボタン709を押すと、メッセージ・操作領域部706にデジタルでトータル持球数(持球数+計数球数)がデジタル表示がされるとともに、持球表示ボタン709が点灯する。これにより、遊技者はトータル持球数を簡単に知ることができ、便利である。なお、再度持球表示ボタン709を押すと、メッセージ・操作領域部706のトータル持球数表示は計数球数表示に戻る。

この状態において、遊技者が計数球から持球数に戻したい場合には、メッセージ・操作領域部706に表示される計数球使用ボタン710を押すことにより、計数球使用ボタン710を1回操作すると、100個の計数球が持球数へ移動する。なお、計数球数が存在するときは計数球表示器313が点灯するので、それにより遊技者は分かる。また、計数球使用ボタン710は計数球数より持球数への球の移動が可能であるときに点灯するので、これによっても遊技者は計数球数が存在することが分かる。なお、計数球から持球数に戻す場合とは、いわゆる玉箱から上皿に球を移動させる概念に相当する。
これにより、遊技者は移動した持球数を用いて再び遊技ができる。また、計数球から持球数への移動は操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に表示される。
したがって、遊技者は計数球使用ボタン710を押すという簡単な操作で計数球から持球数に移動させることができ、便利である。また、持球数の説明や計数球数の表示及び使用説明はカードユニット15が管理する操作表示装置7で行うので、パチンコ機1の遊技制御装置54や払出制御装置230の負担が軽減され、効率がよい。
次に、図183を参照して装飾持球表示装置250の動作について説明する。
パチンコ機1の遊技中に持球数が発生すると、装飾持球表示装置250における上部装飾持球表示装置250aや下部装飾持球表示装置250bの多数のLEDによる装飾が行われる。
具体的には、図183に示すように、装飾持球表示装置250は上部装飾持球表示装置250a、下部装飾持球表示装置250b及び計数装飾部250cに区分される構成であり、各部の装飾は以下のようにして行われる。
<上部装飾持球表示装置250a>
上部装飾持球表示装置250aは、いわゆる上皿のイメージを醸し出すようにデザインされて操作表示装置7の上部側で、持球数表示器40よりも更に上側に配置されており、多数のLEDで構成されている。上部装飾持球表示装置250aは、例えば遊技者の持球数が0個のときは全LEDが消灯している。そして、球の発射遊技中は全LEDが移動点滅する。また、遊技者の持球数が100個以上のときは図183に矢印で示すように、全LEDが点灯又は移動点滅し、持球数が50個以下になると、全LEDのうちの半数が消灯するように装飾の制御が行われる。
図183の例は、遊技者の持球数が100個以上で、上部装飾持球表示装置250aの全LEDが点灯している様子を示している。これにより、遊技者は上部装飾持球表示装置250aにおける全LEDの点灯状態を見るだけで、およその持球数を瞬時に、かつ簡単に知ることができる。
特に、上部装飾持球表示装置250aは上皿のイメージで、操作表示装置7の上部側に配置されているから、発射可能な持球数の感覚にマッチして遊技者の遊技の興趣を高めることができる。
<下部装飾持球表示装置250b>
下部装飾持球表示装置250bは、いわゆる玉箱のイメージを醸し出すようにデザインされて操作表示装置7の下部側(持球数表示器40は上部装飾持球表示装置250aと操作表示装置7の間に配置)に配置されており、多数のLEDで構成されて計数球数の量に合わせてLEDが点灯するようになっている。
すなわち、下部装飾持球表示装置250bは、例えば計数球数=0のときは全LEDが消灯している。そして、下部装飾持球表示装置250bでは計数球数に応じて玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの下部より順にLEDを点灯させ、LEDの点灯数量により、およその計数球数が遊技者に分かるような装飾制御が行われる。
例えば、図183に示すように、下部装飾持球表示装置250bは全LEDが6段に積み重ねられたように構成され、持球数を計数した球が下部より順にLEDを点灯させながら、玉箱に溜まっていくイメージを出すようになっている。
図183の例は、計数球数が下部装飾持球表示装置250bの下部側より2段目のLEDの位置まで溜まり、図183に矢印で示すように、それら2段目のLEDの列まで点灯している様子を示している。これにより、遊技者は下部装飾持球表示装置250bの全LEDがどの部分まで点灯しているかを見るだけで(すなわち、LEDの点灯数量により)、およその計数球数が瞬時に分かるという効果がある。
<計数装飾部250c>
計数装飾部250cは、上部装飾持球表示装置250aと下部装飾持球表示装置250bを連結させるような部分に配置され、上部装飾持球表示装置250aから下部装飾持球表示装置250bに向けて持球数を計数した球が流れていくイメージを醸し出すようにデザインされている。このとき、遊技者が計数スイッチ311を操作した場合には、持球数を計数した球は上部装飾持球表示装置250aから玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの方へ向けて球が移動するように計数装飾部250cのLEDを移動点滅させるような装飾制御が行われる。したがって、遊技者はあたかも持球数が計数されて、上皿のイメージである上部装飾持球表示装置250aから玉箱のイメージである下部装飾持球表示装置250bに計数球が移動するような感覚を持つことができ、遊技を楽しくすることができる。
このように、装飾持球表示装置250における多数のLEDを用いて持球数や計数球数の装飾が行われるので、遊技者に対して実球に近い持球数や計数球数の表現をすることができる。したがって、遊技者は持球数や計数球数の把握が分かりやすくなる。
なお、装飾持球表示装置250については上記のような装飾制御に限らず、例えば計数球数の数量に応じて点灯するLEDの色を変えたり、あるいは点灯から点滅に変えたりするような装飾制御を行ってもよい。また、装飾持球表示装置250は演出制御装置53により制御されるので、遊技制御装置54や払出制御装置230の負担が軽減され(持球数や計数球数を送信するだけでよい)、効率がよい。
次に、遊技球の発射強度を表示する動作について説明する。
実施例1では、遊技球の発射強度を調整可能であり、具体的には発射ボリューム171のハンドルロック部を遊技者が操作することにより、発射ボリューム171を任意の位置で固定可能であるとともに、ハンドルロック部を解除操作することにより、初期位置に戻る構造である。
図184は、遊技球の発射強度を表示装置41に表示する場合の動作を説明する図である。
ここで、表示装置41(メイン液晶表示装置)及びサブ液晶表示装置33は演出用表示装置を構成するが、演出用表示装置としてのメイン液晶表示装置(表示装置41)及びサブ液晶表示装置33には2D(2次元)表示だけでなく、3D(3次元)表示で画像を表示が可能な液晶装置が使用されている。
3D表示可能な構成としては、例えば裸眼3Dディスプレイを使用する。裸眼3Dディスプレイは、通常のディスプレイにレンチキュラーレンズと呼ばれる板状のレンズや視差バリアと呼ばれる縦縞のフィルター(アパーチャーグリル)を重ねることによって、1つの画面で右目と左目に異なる映像を見せるようにしたものである。
なお、演出用表示装置としてのメイン液晶表示装置(表示装置41)及びサブ液晶表示装置33には2D(2次元)表示だけを表示し、3D(3次元)表示をしない液晶装置を使用する構成にしてもよい。その場合には、3D表示のキャラクタは液晶画面で、通常の2D表示に見えるようになる。また、2Dディスプレイで立体的な表示(3次元コンピュータグラフィックス)を行うようにしてもよい。この場合の立体的な表示、例えば立体的に作成したキャラクタも3Dキャラクタと表現する。
図184において、図184(a)は遊技開始時を示し、計数球がなく、表示装置41には「7、5、3」という特図(ここでは飾り特図)が表示されている。その他に表示装置41には第4図柄Zが表示されているが、保留数HRは表示されていない。
また、このとき、「7、5、3」という特図の前面側で表示装置41のほぼ中央付近に「発射強度・・・5」という表示がされる。これは、遊技を開始するときには遊技者が発射ボリューム171のハンドルロック部を操作することにより遊技球の発射強度を調整するが、その遊技球の発射強度を表示装置41に表示する動作が行われるものである。これにより、遊技者は遊技球の発射強度を容易に知ることができ、遊技に便利である。
一方、図184(a)に示すように表示装置41の側方に配置されているサブ液晶表示装置33には機種名が「CR○○○」と表示されるとともに、保留数表示として「特図1:0」、「特図2:0」が表示されている。「特図1:0」とは特図1の保留数0のことであり、「特図2:0」特図2の保留数0のことである。
なお、計数球が無い状態のときには、機種名の表示に限らず、例えば表示装置41(メイン液晶表示装置)と連動した演出表示が行われる。そのような演出表示としては、例えば計数球が無いときは「2D子供キャラクタ」が表示装置41やサブ液晶表示装置33に表示される。
次いで、遊技が進行し、図184(b)に示す図柄変動中に計数球が発生するとともに、保留数が発生したとき、リーチが発生(特別演出中)すると、表示装置41には例えば「7、6(変動中)、7」の図柄で特図(飾り特図)が変動表示され、さらに表示装置41には第4図柄Zが表示されるとともに、保留数HRが4つ表示されている。
この場合には、計数球が存在するので、サブ液晶表示装置33には機種名が消えて、「計数球数2000個」というように計数球に関する情報が表示され、かつ保留数表示として「特図1:4」、「特図2:0」という表示がされる。「特図1:4」とは特図1の保留数が4個であることを示している。
また、このリーチ時には、表示装置41の上部にドラゴンK1が出現し、変動中の飾り図柄「6」を攻撃している演出の様子が描かれている。なお、サブ液晶表示装置33は計数球があるときは計数球を表示するが、計数球があっても、演出への使用を優先する制御が行われる。
さらに、図184(b)に示す図柄変動中には、「7、6、7」という特図の斜め上部側の表示装置41の片隅に「発射強度・・・10」という表示がされる。このときは特図演出や保留数表示を優先するので、「発射強度・・・10」という発射強度の表示は図184(a)の場合に比べて小さな表示となっている。したがって、リーチ演出中には特図演出が優先されて表示されるので、遊技者の遊技意欲を損なうことがなく、また、リーチ演出中であっても、遊技者は遊技球の発射強度を容易に知ることができる。
次いで、遊技が進行し、図184(c)に示す持球数=0の状態になると、遊技球の発射強度を示す表示(ここでは、「発射強度・・・10」という表示)を再び表示装置41のほぼ中央付近に戻す演出(図184(a)と同様の位置に発射強度を表示する演出)が行われる。また、持球数が0になると、表示装置41に「持球数0です。遊技終了する場合は発射強度を0にもどして下さい」というメッセージが表示される。さらに、サブ液晶表示装置33では再び機種名が「CR○○○」と表示されるとともに、保留数表示が行われる。この場合、表示装置41では変動中の特図の最前面に遊技球の発射強度を示す表示と、「持球数0です。遊技終了する場合は発射強度を0にもどして下さい」というメッセージとが表示されて、遊技者に優先的に注意を促すことが行われる。なお、このメッセージを見て遊技者が発射ボリューム171のハンドルロック部を解除操作すれば、発射ボリューム171が初期位置に戻り、発射強度が0になる。
そして、持球数が0になった場合には、図柄変動中であっても所定期間は遊技球の発射強度及び発射強度を0に戻すように促すメッセージを表示装置41の最前面に表示する演出が行われる。
このように、遊技開始より特図(飾り特図)を表示する表示装置41にて遊技球の発射強度を表示し、図柄変動中は、発射強度表示よりも図柄や保留表示を優先して表示するとともに、持球数が0になった時は、発射強度表示及び発射強度を0にするように促す表示(上記メッセージ)を所定期間だけ表示装置41の最前面に表示する動作が行われる。
したがって、遊技開始時より表示装置41に遊技球の発射強度を表示可能なので、例えば前の遊技者が発射ボリューム171を初期位置(発射強度=0の位置)に戻さずに遊技終了とした場合でも、次の遊技者が現在の発射強度を確認できるので、便利である。
また、図柄変動中は、発射強度表示よりも図柄や保留表示を優先して表示するので、遊技の興趣を損なうことがない。
さらに、持球数が0になった時は、発射強度表示及び発射強度を0にするように促す表示を所定期間だけ表示装置41の最前面に表示するので、図柄変動中に持球数が0になった場合でも、発射ボリューム171を初期位置(発射強度=0の位置)に戻すことを遊技者に認識させることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
遊技球の発射強度を電子的に調整するための発射ボリュームと、該発射ボリュームを固定可能なボリューム固定手段と、を備えるとともに、
遊技球の発射強度を表示可能な発射強度表示手段と、
発射強度表示手段の表示を制御する発射強度表示制御手段と、を備え、
前記発射強度表示制御手段は、
遊技開始時より遊技球の発射強度を表示するように発射強度表示手段を制御するとともに、遊技者の持球数がゼロになった時は、発射ボリュームを初期位置に戻すことを促す表示をするように発射強度表示手段を制御することを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、発射ボリューム171は発射ボリュームに相当し、発射ボリューム171のハンドルロック部はボリューム固定手段を構成し、表示装置41は発射強度表示手段を構成し、演出制御装置53は発射強度表示制御手段を構成する。
また、具体的内容を含めた上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記発射強度表示制御手段は、
遊技開始時より、演出用の飾り図柄を変動表示させる表示装置にて遊技球の発射強度を表示可能に制御するとともに、飾り図柄の変動中は遊技球の発射強度表示よりも飾り図柄の変動(保留表示の優先表示を含めてもよい)を優先して表示する一方、持球数がゼロにになった時は、遊技球の発射強度表示及び遊技球の発射強度をゼロに戻するように促す表示を所定期間だけ表示装置の最前面に表示するように制御することを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、演出制御装置53は発射強度表示制御手段を構成し、表示装置41は表示装置に相当する。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開平8−24410号公報に開示されたものでは、圧力センサにより測定した戻しバネの反発力に対応した数値の打球強度情報に基づき、打球強度情報の数値に対応した個数の表示灯を点灯させて遊技球の飛距離を表示している。
しかしながら、発射ボリュームを固定可能な遊技機において、発射ボリュームを0に戻さずに遊技を終了すると、次の遊技者に迷惑であるという問題点があった。発射ボリュームが0に戻っていないと、例えばいきなり右打ち状態になったりするおそれがあった。
そこで本実施例では、遊技開始より表示装置41にて遊技球の発射強度を表示し、持球数が0になった時は、発射強度を0にするように促す表示を所定期間だけ表示装置41に表示することで、発射ボリューム171を初期位置(0の位置)に戻すことを遊技者に認識させることができ、また、次の遊技者も発射強度を確認できる。
次に、精算時に遊技球の発射強度の確認を促す動作について説明する。
図185は、精算時に遊技球の発射強度の確認を促す場合の動作を説明する図である。
図185(e)(こちらの変形例の詳細は後述)に示すように、持球数が125個として持球数表示器40に表示(計数球は無し)されているとき、遊技者が精算を開始するための操作をすると、具体的には遊技終了のために操作表示装置7の返却ボタン704にタッチすると、遊技機(パチンコ機1)の払出制御装置230は持球数の精算を行う前に発射強度が0でなければ、発射強度を0にするように促すコマンドを遊技制御装置54を介して演出制御装置53に送信し、演出制御装置53は発射強度の表示及び発射強度を0にするように促すメッセージを表示装置に表示させるように制御する動作が行われる。
すなわち、遊技者が返却ボタン704にタッチすると、発射強度が0でない場合、図185(d)に示すように、遊技球の発射強度を示す表示(ここでは、「発射強度・・・5」という表示)が表示装置41のほぼ中央付近に表示されるとともに、表示装置41に「精算します。発射強度を0にもどして下さい」というメッセージが表示される。さらに、サブ液晶表示装置33では機種名が「CR○○○」と表示されるとともに、保留数表示が行われる。この場合、表示装置41では停止中の特図の最前面に遊技球の発射強度を示す表示と、「精算します。発射強度を0にもどして下さい」というメッセージとが表示されて、遊技者に優先的に注意を促すことが行われる。
この場合、遊技球の発射強度が0又は0に近い所定の範囲(例えば、遊技球が盤面に発射されない程度の発射強度)であれば、精算可能とする。一方、遊技球の発射強度が0でなく、又は0に近い所定の範囲外である場合には精算不可とする。
そして、上記メッセージを見て遊技者が発射ボリューム171のハンドルロック部を解除操作すれば、発射ボリューム171が初期位置に戻り、発射強度が0になる。
次いで、遊技球の発射強度が0又は0に近い所定の範囲に戻ると、精算可能と判断されて精算処理が開始され、トータル持球数(ここでは持球数=125個)を遊技カードに記録する処理が開始される。詳細には、遊技者が返却ボタン704を押した後に、遊技球の発射強度が0又は0に近い所定の範囲内になると、払出制御装置230から精算可能である情報がカードユニット15へ送信され、これに応じてカードユニット15では精算を開始すべく、精算指示を払出制御装置230へ送信し、払出制御装置230では精算指示を受けると、トータル持球数(持球数+計数球数)データをカードユニット15へ送信し、カードユニット15はトータル持球数データを遊技カードに記録する処理を開始するようになる。
次いで、遊技カードへのトータル持球数の書き込みが完了すると、遊技カードがカードユニット15から排出され、精算が終了する。
なお、精算開始時に発射強度が所定値未満であり精算を開始したが、精算中に発射強度が所定値以上に変化した場合には、精算処理(精算して遊技カードを排出すること)を中断し、発射強度を0にするように促す表示をして発射強度が所定値未満となったなら、精算処理を再開するようにしてもよい。
このように、遊技機(パチンコ機1)の払出制御装置230は持球数の精算を行う際に、発射強度を確認し、発射強度が0でなければ、発射強度を0にするように促すコマンドを遊技制御装置54を介して演出制御装置53に送信し、演出制御装置53の制御により表示装置41に遊技球の発射強度の確認を促す表示をさせ、発射強度が0又は0に近い所定の範囲であれば精算可能とする。
したがって、発射強度が0又は0に近い所定の範囲であれば精算可能であるので、遊技者が発射強度を完全に0に戻さなくても精算することができ、遊技者とのトラブルを避けることができる。
また、発射強度が0又は0に近い所定の範囲でないと精算ができないので、次の遊技者は発射強度が0又は0に近い所定の範囲から遊技を開始でき、次の遊技者に迷惑がかからない。
発射ボリューム171を強制的に0に戻す装置が不要となり、低コストで済むとともに、精算の効率が良い。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
遊技球の発射強度を電子的に調整するための発射ボリュームと、該発射ボリュームを固定可能なボリューム固定手段と、を備えるとともに、
遊技球の発射強度を表示可能な発射強度表示手段と、
発射強度表示手段の表示を制御する発射強度表示制御手段と、を備え、
前記発射強度表示制御手段は、
遊技者の持球数を精算する操作が行われると、精算前に、遊技球の発射強度をゼロに戻すように促す表示をするように発射強度表示手段を制御することを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、発射ボリューム171は発射ボリュームに相当し、発射ボリューム171のハンドルロック部はボリューム固定手段を構成し、表示装置41は発射強度表示手段を構成し、演出制御装置53は発射強度表示制御手段を構成する。
また、具体的内容(持球数の精算処理まで行う構成)を含めた上記構成の発明概念は、下記のように表される。
精算許可手段を備え、
精算許可手段は、遊技者の持球数の精算前に、遊技球の発射強度がゼロ又はゼロに近い近い所定の範囲になったとき、持球数の精算を許可し、
前記精算許可手段から持球数の精算許可が出ると、精算手段が持球数の精算を行うことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、払出制御装置230は精算許可手段を構成し、カードユニット15は精算手段を構成する。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開平8−24410号公報に開示されたものでは、圧力センサにより測定した戻しバネの反発力に対応した数値の打球強度情報に基づき、打球強度情報の数値に対応した個数の表示灯を点灯させて遊技球の飛距離を表示している。
しかしながら、発射ボリュームを固定可能な遊技機において、発射ボリュームを0に戻さずに遊技を終了すると、次の遊技者に迷惑であるという問題点があった。発射ボリュームが0に戻っていないと、例えばいきなり右打ち状態になったりするおそれがあった。
そこで本実施例では、持球数の精算を行う際に、発射強度を確認し、発射強度が0でなければ、発射強度を0にするように促す表示を行い、発射強度が0又は0に近い所定の範囲であれば精算可能とすることで、次の遊技者は発射強度が0又は0に近い所定の範囲から遊技を開始でき、次の遊技者に迷惑がかからない。
また、本実施例の変形例として、以下のような構成にしてもよい。
(1)精算時の遊技球の発射強度をカードユニット15に送信し、カードユニット15が管理する操作表示装置7に発射強度の確認を促す表示をさせてもよい。
具体的な構成について、図185(e)を参照して説明する。
図185(e)は、精算時における持球数表示器40及び操作表示装置7を示している。精算時に遊技者が操作表示装置7の返却ボタン704にタッチすると、払出制御装置230は発射強度を確認し、発射強度が0でない場合、遊技球の発射強度をカードユニット15に送信し、カードユニット15では操作表示装置7に発射強度を0に戻すことを促す表示をするように制御する。なお、操作表示装置7はカードユニット15によって管理される構成である。
これにより、図185(e)に示すように、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に「精算します。発射強度を0にもどして下さい」というメッセージが表示される。なお、図185(e)には描かれていないが、遊技者が返却ボタン704にタッチすると、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に遊技球の発射強度を示す表示(例えば、「発射強度・・・5」)もされる。
なお、このとき、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706に図185(f)に示すように、精算時の遊技球の発射強度のレベルを図形(アナログ)で表わすような表示をしてもよい。図185(f)では、発射強度のレベルを0からMAX(最大値:20)まで図形で表示可能な構成であり、例えば精算可能な範囲は発射強度が0から1.5までとなっている。発射強度が0から1.5までの範囲は、遊技球が盤面(遊技盤20の遊技領域の面)に発射されない程度の発射強度)である。図185(f)に示す構成であると、遊技者が直感的に遊技球の発射強度を確認でき、分かりやすいという効果がある。
このように、変形例ではカードユニット15が管理する操作表示装置7にて遊技球の発射強度を0にするように促す表示を行うので、パチンコ機1側の制御の負担を軽減できる利点がある。
また、精算時に操作する返却ボタン704が操作表示装置7に配置され、かつ遊技球の発射強度を0にするように促す表示も操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706にされるので、遊技者の視線が同じ部署(操作表示装置7)となって、分かりやすいという利点がある。
次に、不正球(磁性体球)を検出する動作について説明する。
図186は、不正球(磁性体球)を検出する動作のタイミングチャートを示している。
遊技店の開店にあたり、パチンコ機1が起動され、電源装置58が電源の供給を開始すると、払出制御装置230(払出基板)は電源投入時に所定期間だけ研磨装置306を作動させて封入球の研磨を実行させる。
すなわち、電源投入のタイミングt11で払出制御装置230は研磨装置306の初期設定を行い、この初期設定では、上切替弁336がバイパス通路304を開口するように上切替ソレノイド336Sを作動させるとともに、下切替弁310が研磨入口通路319を開口(封入球が研磨装置306に流入)するように下切替ソレノイド310Sを作動させるような状態にすることが行われる。
なお、図186では上切替弁336がバイパス通路304を開口して封入球が研磨装置306に流入する状態を上切替弁336がバイパス側に切り替え(ただし、バイパス側と略称)と表記している。また、上切替弁336がバイパス通路304を閉鎖する動作は封入球が研磨装置306に流入しない通常の状態になるので、これを通常側と表記している。
また、このタイミングt11で研磨モータ312を起動(ON)するとともに、楊送装置302の楊送モータ333を起動(ON)する。なお、図186ではモータの起動はON、停止はOFFで表記している。また、ON・OFFの表記は、後述のスイッチ、電磁石についても同様である。これにより、封入球が研磨装置306に流入して封入球の研磨が開始されるとともに、研磨された球は楊送装置302によって上部通路303に楊送される。その後、再び、封入球は上部通路303からバイパス通路304、研磨入口通路319を経て研磨装置306に流入し、封入球を発射させずに、研磨の循環経路を循環することになる。
すなわち、上部通路303の封入球はバイパス通路304、下部通路301、研磨装置306、楊送装置302を経て再び上部通路303に戻るという経路を封入球を発射させずに、循環することになる。このような循環経路を球が循環する過程で、電磁石341を所定時間TDだけオンして遊技球が正規な非磁性体の球であるか否かの判定が行われる。
そのため、タイミングt12で楊送出口スイッチ334がオンすると同時に電磁石341をオンし、電磁石341については所定時間TD(例えば、500ms)だけオンした期間を継続させる。なお、所定時間TDは不正判定期間に相当する。
ここで、遊技球(封入球)が正規な非磁性体の球であれば、電磁石341を所定時間TDだけオンしたときに吸引されないので、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第2封入球検出スイッチ165を通過するまでの時間が所定時間TDより短くなることから、正規な非磁性体の球と判定できることになる。なお、所定時間TDは正規な非磁性体の球が揚送出口スイッチ334を通過してから第2封入球検出スイッチ165を通過するまでの時間よりやや長く設定される。
図186では、正規な非磁性体の球と判定される場合を封入球検出2SW(正常)と表記している。
正規な非磁性体の球が楊送装置302の楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出されると、電磁石341がオンとなるタイミングt12から所定時間T11が経過したタイミングt13で第2封入球検出スイッチ165がオンとなる。第2封入球検出スイッチ165がオンとなるタイミングt13は電磁石341がオンとなる所定時間TDのエリアに入っている。したがって、電磁石341がオンとなるタイミングt12から第2封入球検出スイッチ165がオンとなるタイミングt13までの期間(所定時間T11)が所定時間TDより短くなることから、正規な非磁性体の球と判定される。
一方、遊技球が不正な磁性体の球であれば、電磁石341を所定時間TDだけオンしたときに吸引されるので、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第2封入球検出スイッチ165を通過するまでの時間が所定時間TDより長くなることから、不正な磁性体の球と判定できることになる。
図186では、不正な磁性体の球と判定される場合を封入球検出2SW(異常)と表記している。
不正な磁性体の球が楊送装置302の楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出されると、電磁石341がオンとなるタイミングt12から所定時間TDを越えたタイミングt14から更に時間が経過したタイミングt15になって、ようやく第2封入球検出スイッチ165がオンとなる。第2封入球検出スイッチ165がオンとなるタイミングt15は電磁石341がオンとなる所定時間TDのエリアに入っておらず、所定時間TDを超えた時点になっている。
したがって、電磁石341がオンとなるタイミングt12から第2封入球検出スイッチ165がオンとなるタイミングt15までの期間(タイミングt12からタイミングt15までの期間を所定時間T12という)が所定時間TDをはるかに超えて長くなることから、不正な磁性体の球と判定される。
そして、不正な磁性体の球と判定されると、第2封入球検出スイッチ165がオンとなるタイミングt15と同じタイミングで直ぐに球抜きソレノイド344Sがオンし、球抜き弁344によりバイパス通路304の端部を開口してバイパス通路304に流下した不正な磁性体の球を球抜き通路305に流入させて、回収ボックス345に回収する動作が行われる。これにより、不正な磁性体の球を自動的に封入球循環経路の外部に排出することができる。
なお、図186では球抜き弁344がバイパス通路304の端部を開口して球を球抜き通路305に流入させる状態を球抜き弁344が球抜き側に切り替え(ただし、球抜き側と略称)と表記している。また、球抜き弁344がバイパス通路304の端部を閉鎖して球を球抜き通路305に流入させない状態は、球が球抜き通路305に流入しない通常の状態になるので、これを通常側と表記している。
次いで、タイミングt16になると、研磨モータ312がオフするとともに、楊送モータ333もオフする。これにより、封入球の研磨が終了する。次いで、タイミングt17になると、球抜き弁344がバイパス通路304の端部を閉鎖して球を球抜き通路305に流入させないように作動する。すなわち、封入球が球抜き通路305に流入しない通常の状態になるように、球抜き弁344が封入球の経路を通常側に切り替える。これにより、封入球の球抜き動作が終了する。
次いで、タイミングt18になると、上切替弁336がバイパス通路304を閉鎖して、バイパス通路304を経由しては封入球が研磨装置306に流入しない通常の状態にする。このとき、バイパス通路304が閉鎖されるので、封入球は上部通路303から発射装置37の方に導かれ、遊技可能な状態になる。
すなわち、封入球が上部通路303からバイパス通路304に流入せず、発射装置37の方に導かれて球の発射が可能な通常の状態になるように、上切替弁336が封入球の経路を通常側に切り替える。
このように、楊送出口スイッチ334が封入球を検出すると、電磁石341を所定時間(TD)だけオンし、封入球が第2封入球検出スイッチ165により検出されるまでの時間が不正判定期間(ここではTD)を超えれば、封入球が不正な磁性体球であると判定され、球抜き弁344の作動により不正な磁性体の球は球抜き通路305に流入し、回収ボックス345に回収される。
したがって、以下の効果がある。
不正な磁性体球の検出のための特別な検出装置を必要とせず、効率が良い。
すなわち、封入球の球詰まり検出や封入球数確認のためのセンサである楊送出口スイッチ334、第2封入球検出スイッチ165を利用して不正球の検出を行うので、特別な検出装置を不要とし、低コストであり、かつ効率が良い。
また、不正球(磁性体球)を検出すると、封入球の球抜きを行うので、磁性体球を混入された場合であっても、速やかに不正な磁性体球を排除して、磁石不正を有効に防止することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入球として非磁性体球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
封入球の流れる経路に配置され、封入球を検出可能な第1の封入球検出手段と、
封入球の流れる経路に配置され、前記第1の封入球検出手段と所定距離だけ離れた位置で、封入球を検出可能な第2の封入球検出手段と、
前記第1の封入球検出手段と第2の封入球検出手段との間に電磁石を配置し、
前記電磁石は、磁性体球を吸引可能に構成し、
第1の封入球検出手段が封入球を検出すると、前記電磁石を所定時間だけオンし、封入球が第2の封入球検出手段により検出されるまでの時間が不正判定期間を超えれば、封入球が不正な磁性体球であると判定する不正球判定手段と、
を備えたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、楊送出口スイッチ334は第1の封入球検出手段を構成し、第2封入球検出スイッチ165は第2の封入球検出手段を構成し、払出制御装置230は不正球判定手段を構成する。
また、不正球を検出したら球抜きを行う場合の発明概念は、下記のように表される。
前記不正球判定手段により、封入球が不正な磁性体球であると判定されると、
封入球の流れる経路の球が球抜き経路に流入するように経路を切り替える球抜き経路切替手段を設けたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、球抜き弁344及び球抜きソレノイド344Sは、球抜き経路切替手段を構成する。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2008−284217号公報に開示されたものでは、非磁性体球を封入して使用する場合の磁性体球の検出装置(電磁石により磁化された磁性体球の磁気を検出するもの)を備えて対応している。
しかしながら、上記公報に記載の従来の遊技機では、磁石による不正対策として封入球を非磁性体とすれば、磁石不正の防止にはなるが、特別な検出装置が必要であった。また、磁性体球を混入されると、セキュリティが低下し、不正のおそれがあった。
そこで本実施例では、楊送出口スイッチ334が封入球を検出すると、電磁石341を所定時間(TD)だけオンし、封入球が第2封入球検出スイッチ165により検出されるまでの時間が不正判定期間(TD)を超えれば、封入球が不正な磁性体球であると判定し、不正な磁性体の球を球抜きして回収するようにしている。したがって、磁性体球を混入されても、容易に排出されるので、セキュリティが向上し、不正を防止できる。
次に、不正球(小球)を検出する動作について説明する。
図187は、不正球(小球)を検出する動作のタイミングチャートを示している。
図186の場合と同様に、パチンコ機1が起動され、電源装置58が電源の供給を開始すると、払出制御装置230(払出基板)は電源投入時に所定期間だけ研磨装置306を作動させて封入球の研磨を実行させる。
すなわち、電源投入のタイミングt21で払出制御装置230は研磨装置306の初期設定を行い、この初期設定では、上切替弁336がバイパス通路304を開口するように上切替ソレノイド336Sを作動させるとともに、下切替弁310が研磨入口通路319を開口(封入球が研磨装置306に流入)するように下切替ソレノイド310Sを作動させるような状態にすることが行われる。
なお、図187における上切替弁336の動作で「バイパス側」、「通常側」の意味は図186の場合と同様である。
また、このタイミングt21で研磨モータ312を起動し、楊送装置302の楊送モータ333を起動する。これにより、図186の場合と同様に、封入球が研磨装置306で研磨されて楊送装置302によって上部通路303に楊送され、その後、上部通路303からバイパス通路304、研磨入口通路319を経て研磨装置306に流入することで、封入球を発射させずに、研磨の循環経路を循環することになる。
このような循環経路を球が循環する過程で、小球センサ342により遊技球が正規球か否かの判定が行われる。
小球センサ342は遊技球の大きさが正規のものよりも小さいか否かを判定するために設けられており、正規球(例えば、直径=11mm)は検出するが、正規のものよりも小さい小球(例えば、直径=10.5mm未満)は検出しないようになっている。
次いで、タイミングt22で第1封入球検出スイッチ164がオンして球の通過が検出されたとき、遊技球が正規球であれば、第1封入球検出スイッチ164がオンした後所定期間T22内のタイミングt23の時点で小球センサ342がオンになる。
すなわち、遊技球が正規球であれば、第1封入球検出スイッチ164がオンした後、期間T21が経過したタイミングt13で小球センサ342がオンになり、この期間T21は上記所定期間T22よりも短くなっている。
これは、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第1封入球検出スイッチ164を通過した後、小球センサ342を通過するまでの時間はほぼ一定であり、例えば時間T21となるからである。
図187では、遊技球が正規球と判定される場合を小球センサ(正常)と表記している。
一方、遊技球が異常球(小球)の場合は、第1封入球検出スイッチ164がオンした後所定期間T22内に小球センサ342がオンにならない。これは、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第1封入球検出スイッチ164を通過した後、小球センサ342を通過しても、小球センサ342は異常球(小球)を検出せず、その検出信号がオンにならないからである。
したがって、上部通路303を遊技球が流れているときに、第1封入球検出スイッチ164がオンした後所定期間T22内に小球センサ342がオンにならなければ、遊技球は不正球(小球)と判定できることになる。また、図187に示すように、小球センサ342は、例えばタイミングt27が経過してもオンにならず、オフのままである。
図187では、不正球(小球)と判定される場合を小球センサ(異常)と表記している。
そして、不正球(小球)と判定されると、上記所定期間T22が経過したタイミングt24で球抜きソレノイド344Sがオンし、球抜き弁344によりバイパス通路304の端部を開口してバイパス通路304に流下した不正球(小球)を球抜き通路305に流入させて、回収ボックス345に回収する動作が行われる。これにより、不正球(小球)を自動的に封入球循環経路の外部に排出することができる。
なお、図187では球抜き弁344がバイパス通路304の端部を開口して球を球抜き通路305に流入させる状態を球抜き弁344が球抜き側に切り替え(ただし、球抜き側と略称)と表記している。また、球抜き弁344がバイパス通路304の端部を閉鎖して球を球抜き通路305に流入させない状態は、球が球抜き通路305に流入しない通常の状態になるので、これを通常側と表記している。
次いで、タイミングt25になると、研磨モータ312がオフするとともに、楊送モータ333もオフする。これにより、封入球の研磨が終了する。次いで、タイミングt26になると、球抜き弁344がバイパス通路304の端部を閉鎖して球を球抜き通路305に流入させないように作動する。すなわち、封入球が球抜き通路305に流入しない通常の状態になるように、球抜き弁344が封入球の経路を通常側に切り替える。これにより、封入球の球抜き動作が終了する。
次いで、タイミングt27になると、上切替弁336がバイパス通路304を閉鎖して、バイパス通路304を経由しては封入球が研磨装置306に流入しない通常の状態にする。このとき、バイパス通路304が閉鎖されるので、封入球は上部通路303から発射装置37の方に導かれ、遊技可能な状態になる。
すなわち、封入球が上部通路303からバイパス通路304に流入せず、発射装置37の方に導かれて球の発射が可能な通常の状態になるように、上切替弁336が封入球の経路を通常側に切り替える。
このように、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第1封入球検出スイッチ164を通過した後、小球センサ342を通過しても、封入球が異常球(小球)である場合には、小球センサ342が異常球(小球)を検出せず、その検出信号がオンにならない。したがって、上部通路303を遊技球が流れているときに、第1封入球検出スイッチ164がオンした後所定期間T22内に小球センサ342がオンにならなければ、遊技球は不正球(小球)と判定され、球抜き弁344の作動により不正球(小球)は球抜き通路305に流入し、回収ボックス345に回収される。
したがって、以下の効果がある。
封入球の球詰まり検出や封入球数確認のためのセンサである第1封入球検出スイッチ164を利用して不正球(小球)の検出を行うので、特別な検出装置を不要とし、低コストであり、かつ効率が良い。
また、不正球(小球)を検出すると、封入球の球抜きを行うので、不正球(小球)を混入された場合であっても、速やかに不正球(小球)を排除して、不正球(小球)による不正を有効に防止することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
封入球の流れる経路に配置され、封入球を検出可能な第1の封入球検出手段と、
封入球の流れる経路に配置され、前記第1の封入球検出手段の下流側に所定距離だけ離れた位置で、正規の直径を有する封入球を検出可能な小球検出手段と、
第1の封入球検出手段が封入球を検出した後、所定期間が経過しても小球検出手段が球の通過を検出しない場合には、当該球が正規の直径よりも小さい不正な小球であると判定する不正球判定手段と、
を備えたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、第1封入球検出スイッチ164は第1の封入球検出手段を構成し、小球センサ342は小球検出手段を構成し、払出制御装置230は不正球判定手段を構成する。
また、不正球(小球)を検出したら球抜きを行う場合の発明概念は、下記のように表される。
前記不正球判定手段により、封入球が正規の直径よりも小さい不正な小球であると判定されると、
封入球の流れる経路の球が球抜き経路に流入するように経路を切り替える球抜き経路切替手段を設けたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、球抜き弁344及び球抜きソレノイド344Sは、球抜き経路切替手段を構成する。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2008−284217号公報に開示されたものでは、非磁性体球を封入して使用する場合の磁性体球の検出装置(電磁石により磁化された磁性体球の磁気を検出するもの)を備えて対応している。
しかしながら、上記公報に記載の従来の遊技機では、磁石による不正対策として封入球を非磁性体とすれば、磁石不正の防止にはなるが、封入球が正規の直径よりも小さい不正な小球を混入されると、セキュリティが低下し、不正のおそれがあった。
そこで本実施例では、楊送出口スイッチ334を通過して上部通路303に排出された球が第1封入球検出スイッチ164を通過した後、小球センサ342を通過しても、封入球が異常球(小球)である場合には、小球センサ342が異常球(小球)を検出せず、その検出信号がオンにならないことから、上部通路303を遊技球が流れているときに、第1封入球検出スイッチ164がオンした後所定期間T22内に小球センサ342がオンにならなければ、遊技球は不正球(小球)と判定し、不正球(小球)を球抜きして回収するようにしている。したがって、不正球(小球)を混入されても、容易に排出されるので、セキュリティが向上し、不正を防止できる。
次に、持球数の表示態様の動作について説明する。
図188は、持球数表示器40における持球数の表示態様を説明する図である。
図188において、タイミングt31は遊技開始を示している。いま、遊技開始のタイミングt31よりも前(遊技開始前)では持球数表示器40は消灯しており、持球数の表示はされていない(持球数は「0」である)。なお、遊技開始前は持球数表示器40によりデモ表示を行うようにしてもよい。
また、図188において、持球数メモリは払出制御装置230のRAM233の記憶エリアによって実現され、同様に計数球数メモリも払出制御装置230のRAM233の記憶エリアによって実現され、遊技機(パチンコ機1)側で制御される。一方、カードユニット15は遊技機とは別にカードユニット15側で制御される。
次いで、タイミングt31で遊技者がカードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入すると、あるいは現金投入口202に紙幣を投入すると(図188では遊技カード又は現金投入の動作をHレベルで示している)、遊技開始のタイミングとなり、パチンコ機1側においてもカードユニット15からの信号に基づいて遊技開始と判断して持球数表示器40が点灯する。このとき、遊技カード又は現金投入直後は持球数=0であるから、持球数メモリ及び計数球数メモリのデータは何れも「0」であり、持球数表示器40は複数のLEDが「0」を点灯した状態になる。
次いで、遊技が開始された後、タイミングt32において持球数が発生し、例えば持球数=1000個になると、持球数メモリのデータが1000となり、持球数表示器40は「1000」という持球数を点灯する。また、遊技の結果で持球数が増減した場合には、それに応じて持球数メモリのデータが変化し、持球数表示器40は変化した持球数を点灯して表示する。すなわち、遊技中は持球数表示器40により持球数が点灯して表示される。したがって、例えば遊技中の持球数=0になると、持球数表示器40は「0」を点灯表示する。なお、持球数表示器40は持球数=0(計数球数も0)になると、「0」を点灯表示するが、所定時間経過後に持球数=0(計数球数も0)のままで、さらに返却する遊技カードがない状態(球貸金額も0等、つまり遊技終了している状態)であれば消灯する。
その後、遊技が継続してタイミングt33において持球数が「0」になるとともに、このとき計数球があって、例えば計数球=1000個の場合には、持球数メモリのデータが0となり、計数球数メモリのデータが「1000」となる。この場合、持球数=0であるるが、計数球が存在するので、持球数=0の場合に比べて持球数表示器40の表示態様が変化し、持球数表示器40は「0」という持球数を点滅表示するようになる。
なお、払出制御装置230のRAM233はバックアップ電源によりバックアップされているので、停電があっても、停電中は持球数メモリ及び計数球数メモリのデータは保持される。
このように、本実施例では遊技前(遊技カードや現金投入前)で持球数が0の場合と、遊技中で持球数が0となり計数球がない場合と、遊技中で持球数が0となり計数球がある場合と、で持球数表示器40による持球数の表示態様を変更する制御が行われる。
具体的には、遊技前(遊技カードや現金投入前)で持球数が0の場合は、持球数表示器40の表示が消灯し、遊技中で持球数が0となり計数球がない場合は、持球数表示器40は0を点灯表示し、遊技中で持球数が0となり計数球がある場合は、持球数表示器40は0を点滅表示する動作が行われる。
したがって、持球数0の状態の違いを持球数表示器40の表示態様の違いだけで表現できるので、制御の効率が良いという効果がある。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
遊技者の持球数を表示可能な持球数表示装置と、
持球数表示装置の表示を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
持球数の状況に応じて持球数表示装置の表示態様を変更することを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、払出制御装置230は表示制御手段を構成し、持球数表示器40は持球数表示装置を構成する。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
表示制御手段は、
遊技前で遊技者の持球数が0の場合と、
遊技中で遊技者の持球数が0となり、計数球がない場合と、
遊技中で遊技者の持球数が0となり、計数球がある場合と、で持球数表示装置の表示態様を変更することを特徴とする封入球式遊技機。
さらに、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
表示制御手段は、
遊技前で遊技者の持球数が0の場合は、持球数表示装置の表示を消灯とし、
遊技中で遊技者の持球数が0となり、計数球がない場合は、持球数表示装置に0を点灯表示し、
遊技中で遊技者の持球数が0となり、計数球がある場合は、持球数表示装置に0を点滅表示することを特徴とする封入球式遊技機。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2006−325929号公報に開示されたものでは、発射可能球数(遊技機で記憶)と、持球数(カードユニットで記憶)とに分けて記憶し、表示器に表示している。
しかしながら、封入球式遊技機において、持球数(発射可能球数)と計数球(一時的に発射できない保管された持球)とを管理する場合、持球数が0であっても計数球がない場合と、計数球がある場合とがあり、遊技者にとってわかりにくい欠点があった。
また、上記のような違いを持球数表示器だけで簡単に制御することはしていなかった。仮に上記のような違いを遊技者に知らせるためには、複雑な制御や装置が必要であった。
そこで本実施例では、持球数0の状態の違いを持球数表示器40の表示態様の違いだけで表現するような制御を行うことで、制御の効率が良く、かつ遊技者にとっては持球数表示器40の表示態様が異なることから、わかりやすい持球数表示にすることができる。
また、本実施例では以下のような効果がある。
同じ持球数0でも遊技前(遊技カードや現金投入前)と、遊技中とで持球数表示器40における持球数の表示態様を変えるので、具体的には遊技前(遊技カードや現金投入前)で持球数が0の場合は持球数表示器40の表示が消灯し、遊技中で持球数が0となり計数球がない場合には持球数表示器40は0を点灯表示するので、例えば持球数表示器40に0が点灯であれば、遊技者に返却すべき遊技カードがカードユニット15内にある可能性を認識させることができる。特に、停電復旧時に返却すべき遊技カードの有無を確認できるので、便利である。
また、同じ持球数0でも計数球がある場合とない場合とで、持球数表示器40の表示態様を変えるので、具体的には遊技中で持球数が0となり計数球がない場合は持球数表示器40は0を点灯表示し、遊技中で持球数が0となり計数球がある場合は持球数表示器40は0を点滅表示するので、例えば持球数表示器40の表示で0が点滅していれば、計数球があることを遊技者に認識させることができる。
さらに、停電中も持球数表示器40の表示データを払出制御装置230がバックアップするので、持球数表示器40の表示における信頼性を高めることができる。
次に、変形例として、以下のような構成にしてもよい。
(1)遊技中は持球数表示器40により持球数が点灯して表示され、例えば遊技中の持球数=0になると、持球数表示器40は「0」を点灯表示するが、このとき、遊技カードに残高(有価データ)がある場合には、0点灯を継続し、無いときは所定期間で0点灯を止めて消灯する構成にしてもよい。
このようにすると、持球数が0になっても、遊技者は遊技カードに残高があることを認識可能になり、引き続いて遊技カードを使用して遊技を続けることを容易に認識させることができ、便利である。また、遊技カードに残高が無いことを持球数表示器40の0が消灯することで、容易に知ることができる。
次に、遊技カードによる精算時の動作について説明する。
図189は、精算時における持球数表示器40の表示態様を説明する図である。
図189において、タイミングt41は遊技開始を示している。いま、遊技開始のタイミングt41よりも前(遊技開始前)では持球数表示器40は消灯しており、持球数の表示はされていない(持球数は「0」である)。また、遊技開始前は持球数メモリ(RAM233)の持球数の値も「0」である。
次いで、タイミングt41で遊技者がカードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入すると、あるいは現金投入口202に紙幣を投入すると(図189では遊技カード又は現金投入の動作をHレベルで示している)、遊技開始のタイミングとなり、パチンコ機1側においてもカードユニット15からの信号に基づいて遊技開始と判断して持球数表示器40が点灯する。このとき、遊技カード又は現金投入直後は持球数=0であるから、持球数メモリ及び計数球数メモリのデータは何れも「0」であり、持球数表示器40は複数のLEDが「0」を点灯した状態になる。
次いで、遊技が開始された後、持球数が発生し、例えば持球数=125個になると、持球数メモリのデータが125となり、持球数表示器40は「125」という持球数を点灯する。また、遊技の結果で持球数が増減した場合には、それに応じて持球数メモリのデータが変化し、持球数表示器40は変化した持球数を点灯して表示する。例えば、持球数=5000個になると、持球数メモリのデータが5000となり、持球数表示器40は「5000」という持球数を点灯する。
次いで、タイミングt42において遊技者が精算を開始すると、具体的には遊技終了のために操作表示装置7の返却ボタン704にタッチすると、精算処理が開始されトータル持球数(ここでは持球数=5000個)を遊技カードに記録する処理が開始される。詳細には、遊技者が返却ボタン704を押すと、カードユニット15では精算を開始すべく、精算指示を払出制御装置230へ送信し、払出制御装置230では精算指示を受けると、トータル持球数(持球数+計数球数)データをカードユニット15へ送信し、カードユニット15はトータル持球数データを遊技カードに記録する処理を開始するようになる。
このような精算が開始されると、持球数表示器40は持球数の表示を点灯表示から移動点滅へと表示態様を変更する。そして、持球数の移動点滅表示は遊技カードへのトータル持球数の書き込み(記録)が完了するまで継続する。
次いで、タイミングt43において遊技カードへのトータル持球数の書き込みが完了すると、持球数表示器40は持球数の表示を移動点滅から同時点滅に表示態様を変更し、例えば「5000」表示が同時点滅することになる。ただし、内部メモリは持球数がクリアされて「0」となる。
その後、遊技カードへのトータル持球数の書き込みが完了したタイミングt43から所定期間T41が経過してタイミングt44になると、遊技カードがカードユニット15から排出される。
詳細には、カードユニット15は遊技カードに対してトータル持球数データの記録が終了すると、その旨を払出制御装置230に伝達し、払出制御装置230は記憶(例えば、RAM233の所定エリアに記憶)している持球数、計数球数等のデータをクリアし、精算終了となり、タイミングt44で遊技カードが返却される。このとき、持球数表示器40は「5000」表示を同時点滅させている。
次いで、遊技カードが排出されたタイミングt44から所定期間T42が経過してタイミングt45になると、持球数表示器40は同時点滅させていた「5000」表示を消灯する。
なお、払出制御装置230のRAM233はバックアップ電源によりバックアップされているので、停電があっても、停電中は持球数メモリ及び計数球数メモリのデータは保持される。
このように、遊技カードによる精算時に、持球数の精算が開始されると、持球数表示器40における持球数の表示を点灯表示から移動点滅表示に変更し、遊技カードへの持球数の記録が完了すると、持球数データをクリアするとともに持球数表示器40の表示を同時点滅に変更し、次いで、遊技カードへの書き込み完了から所定期間T41が経過すると、遊技カードを排出し、さらに、遊技カードが排出されてから所定期間T42が経過するまで同時点滅が継続し、その後、持球数表示器40が消灯するという動作が行われる。
したがって、遊技カードへの持球数の記録が完了すると、持球数表示器40の表示態様を変更(移動点滅から同時点滅への変更)するので、外部からでも遊技カードへ持球数が記録されたことを認識できるので、遊技者にとって便利である。
また、遊技カードが排出されてから所定期間(T42)は変更した態様の持球数表示(同時点滅)を継続するので、その間に遊技者は精算した球数を確認でき、便利である。
上記のような精算時における処理状態の違いを持球数表示器40の表示態様の変更だけで表現できるので。制御の効率が良い。
さらに、遊技機(パチンコ機1)の持球数データは、遊技カードへの持球数の記録が完了すると、クリアするので、持球数データが重複することなくがなく、セキュリティが高い。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
遊技者の持球数を表示可能な持球数表示装置と、
持球数表示装置の表示を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
持球数を精算するために遊技カードに記録して排出が行われる場合に、
遊技カードへの持球数の記録が完了すると、持球数表示装置における持球数の表示態様を変更し、
遊技カードが排出されてから所定期間まで変更した態様の表示を継続することを特徴とする封入球式遊技機。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
表示制御手段は、
持球数の精算が開始されると、持球数表示装置における持球数の表示を点灯表示から移動点滅表示に変更し、
遊技カードへの持球数の記録が完了すると、持球数表示装置の表示を同時点滅に変更し、
遊技カードが排出されてから所定期間が経過するまで前記同時点滅を継続することを特徴とする封入球式遊技機。
この背景を説明する。
封入球式遊技機では、返却ボタン等の操作により持球数の精算を行い、遊技カードに持球数を記録することになる。
しかしながら、封入球式遊技機において遊技を終了する場合、持球数の精算が遊技者にとって分かりにくいおそれがある。
また、持球数を遊技カードに記録することになるが、遊技者は持球数が遊技カードに記録されたかどうか不安になるおそれがある。
仮に上記のような遊技カードへの記録を遊技者に知らせるためには、複雑な制御や装置が必要であった。
そこで本実施例では、遊技カードへの持球数の記録の完了を持球数表示器40の表示態様の違いだけで表現するような制御を行うことで、制御の効率が良く、かつ遊技者にとっては持球数の精算を分かりやすくすることができる。
次に、レベルメータ左17L、レベルメータ右17R(可変表示装置)の動作について説明する。
図190は、レベルメータ左17L、レベルメータ右17Rの動作を説明する図である。
図190において、図190(a)はパチンコ機1における遊技盤20に配置された表示装置41、レベルメータ左17L、レベルメータ右17R、表示部17a、17b、サブ液晶表示装置33の初期状態を示し、例えば遊技が開始される前の状態である。このとき、表示装置41には「7、5、3」という特図(ここでは飾り特図)が表示されるとともに、遊技盤20の左右側方に配置されたレベルメータ左17Lと、レベルメータ右17Rは何れも表示部17a、17bがそれぞれ最下端の位置にある。なお、各構成部材の符号付けは図190(a)に示し、図190(b)、図190(c)では煩雑になるので、必要最小限にする。
次いで、遊技が開始されると、図190(b)に移り、計数球は無いが変動表示ゲームの演出中は表示装置41に、例えば「7」の図柄でリーチが発生し、中図柄が変動中である状態になっている。このとき、レベルメータ左17Lと、レベルメータ右17Rは何れも演出として使用され、表示部17a、17bは例えば大当りの信頼度を示す信頼度メータとして作動する。この例では表示部17a、17bはリーチ発生により大当りの信頼度が高いことを示すため、同時作動して比較的に高い位置に移動しつつ矢印で示すように上下動している。これにより、遊技者は表示部17a、17bの位置が比較的に高いので、大当りの信頼度が高いことを知ることができる。
次に、計数球が発生すると、図190(c)に示すように、レベルメータ左17Lは演出に使用されるが、レベルメータ右17Rは計数球表示に使用されるように作動する。図190(c)に示す例では、レベルメータ左17Lは演出に使用され、その表示部17aはリーチ終了により大当りにならず表示装置41の特図が「7、8、7」で停止することにより、大当り信頼度が低い最下端の位置で停止している。一方、レベルメータ右17Rは計数球表示に使用されるため、その表示部17bは真ん中よりやや下方の位置で停止し、計数球のおよその数量をアナログ表示している。なお、停電が発生しても、レベルメータ右17Rの表示部17bは停電前の位置を保持する。
このように、レベルメータ左17L、レベルメータ右17Rは、通常時、大当りに関する信頼度メーターとして演出表示を行うが、計数球がある時は、レベルメータ右17Rが計数表示装置に切り替わり計数球のアナログ表示を行うので、制御が簡単で済み、効率が良い。
また、レベルメータ左17L、レベルメータ右17Rは、表示部17a、17bが上下に可動し、一方の表示部17bは停電しても表示位置を保持する構成であるので、計数球が増えるに従い表示部17bが上昇するので、感覚的に計数球数を把握しやすい。
さらに、停電しても、レベルメータ右17Rの表示部17bは停電前の位置を保持するので、停電時には表示部17bはその位置で留まっていることから、おおよその計数球数を遊技者に知らせることができ、獲得した遊技球が保持されているという安心感を与えることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行うとともに、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からのコマンドに基づいて表示手段を含む演出手段を制御して演出を行うことが可能な演出制御装置を備えた封入球式遊技機において、
表示部が上下に可動し、当該表示部は停電しても表示位置を保持する構成である可変表示装置を備え、
前記演出制御装置は、
通常時、大当りに関する信頼度メーターとして演出表示を行い、
計数球がある時は、計数表示装置に切り替わり計数球のアナログ表示の演出を行うように前記可変表示装置を制御することを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、レベルメータ左17L、レベルメータ右17Rは可変表示装置を構成する。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2006−325929号公報に開示されたものでは、発射可能球数と持球数(この公報の例では計数球数に相当)はガラス枠下の操作表示パネル(例えば液晶表示器)に表示するようにしている。
しかしながら、封入球式遊技機において計数球を液晶表示器で表示する場合は、平面的な表示なので、実球を玉箱に入れて積み上げるような実感がない。また、停電した場合には、液晶表示器の表示された計数球の表示が消えてしまうので、遊技者にとって不安感がある。
そこで本実施例では、可変表示装置としてレベルメータ左17L、レベルメータ右17Rを設け、通常時はレベルメータ左17L、レベルメータ右17Rにより大当りに関する信頼度メーターとしての演出を行い、計数球があるときは、一方のレベルメータ右17Rにより計数球数を表示する演出を行うので、制御の効率がよく、停電してもレベルメータ右17Rは表示部17bの表示位置を保持するので、獲得した遊技球が保持されているという安心感を与えることができる。
次に、サブ液晶表示装置33の動作について説明する。
図191は、表示装置41(メイン液晶表示装置)及びサブ液晶表示装置33の動作を説明する図である。
ここで、表示装置41(メイン液晶表示装置)及びサブ液晶表示装置33は演出用表示装置を構成し、前述したように、演出用表示装置としてのメイン液晶表示装置(表示装置41)及びサブ液晶表示装置33には2D(2次元)表示だけでなく、3D(3次元)表示で画像を表示が可能な液晶装置が使用されている。
図191において、図191(a)は計数球が無い状態を示し、例えば遊技中であるが、計数球が発生せず、表示装置41には「7、5、3」という特図(ここでは飾り特図)が表示されている。その他に表示装置41には第4図柄Zが表示されているが、保留数HRは表示されていない。
一方、図191(a)に示すように表示装置41の側方に配置されているサブ液晶表示装置33には機種名が「CR○○○」と表示されるとともに、保留数表示として「特図1:0」、「特図2:0」が表示されている。「特図1:0」とは特図1の保留数0のことであり、「特図2:0」特図2の保留数0のことである。
なお、計数球が無い状態のときには、機種名の表示に限らず、例えば表示装置41(メイン液晶表示装置)と連動した演出表示が行われる。そのような演出表示としては、例えば図67のフローチャートで説明したように、計数球が無いときは「2D子供キャラクタ」が表示装置41やサブ液晶表示装置33に表示される。
次いで、遊技が進行し、図191(b)に示すように計数球が発生するとともに、保留数が発生したとき、表示装置41には例えば「1、2、3」の図柄で特図(飾り特図)が停止表示され、さらに、表示装置41には第4図柄Zが表示されるとともに、保留数HRが4つ表示されている。この場合には、計数球が存在するので、サブ液晶表示装置33には機種名が消えて、「計数球数2000個」というように計数球に関する情報が表示され、かつ保留数表示として「特図1:4」、「特図2:0」という表示がされる。「特図1:4」とは特図1の保留数が4個であることを示している。
次いで、遊技が進行し、図191(c)に示すように計数球ありの状態でリーチが発生(特別演出中)すると、表示装置41には例えば「7、6(変動中)、7」の図柄で特図(飾り特図)が変動表示される。なお、表示装置41には第4図柄Zが表示されるとともに、保留数HRが4つ表示されている。
このリーチ時には、サブ液晶表示装置33に表示されていた計数球数表示が消えてドラゴンK1が出現し、サブ液晶表示装置33が中央部へ向かって移動し、変動中の飾り図柄「6」を攻撃するような演出が行われる。なお、点線は移動前のサブ液晶表示装置33を示し、実線は移動後のサブ液晶表示装置33を示している。
図191(c)では、表示装置41の上部にもドラゴンK1が出現し、変動中の飾り図柄「6」を攻撃している様子が描かれている。なお、このリーチ演出が終了するとサブ液晶表示装置33は元の位置に戻り、サブ液晶表示装置33には「計数球数2000個」というように計数球に関する情報は引き続き表示される。
したがって、サブ液晶表示装置33は計数球があるときは計数球を表示するが、計数球があっても、演出への使用を優先する制御が行われる。
このように、サブ液晶表示装置33は計数球がないときは、演出表示(機種名表示やメイン液晶表示装置と連動した演出)を行い、計数球があるときは、計数球数を表示するが、計数球数表示よりも演出表示を優先する制御が行われる。また、演出用表示装置としての表示装置41ではリーチ発生時等のような特別演出中に、サブ液晶表示装置33に連動する演出が行われる。
したがって、遊技機(パチンコ機1)が制御する演出表示用のサブ液晶表示装置33で計数球数を表示可能なので、効率が良い。また、サブ液晶表示装置33では、計数球があるときには計数球数表示を行うが、特別演出時等には計数球数表示よりも演出表示を優先するだけなので、計数球数の表示位置を変更したりする必要がなく、制御の効率が良い。
また、遊技盤20のほぼ盤面中央付近でサブ液晶表示装置33に表示するので遊技者にとって見やすく、表示装置41との連動で演出効果を高めることができる。
また、表示装置41においても、特別演出中に、サブ液晶表示装置33に連動する演出が行われるので、より一層、遊技の興趣を高めることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行うとともに、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からのコマンドに基づいて演出用表示装置を制御して演出を行うことが可能な演出制御装置を備えた封入球式遊技機において、
前記演出用表示装置としてメイン液晶表示装置と、サブ液晶表示装置と、を備え、
前記演出制御装置は、
複数種類設定された演出用の飾り図柄を変動表示させて停止させ、特別遊技状態の発生を含む変動表示ゲームを実行可能なようにメイン液晶表示装置の演出を制御し、
サブ液晶表示装置については、計数球がない時は、所定の演出表示を行い、
計数球がある時は、計数球数を表示可能としつつも、計数球数表示よりメイン液晶表示装置の演出と関連する演出表示を優先するように演出を制御することを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、表示装置41はメイン液晶表示装置を構成し、表示装置41及びサブ液晶表示装置33は演出用表示装置を構成する。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2006−325929号公報に開示されたものでは、発射可能球数と持球数(この公報の例では計数球数に相当)はガラス枠下の操作表示パネル(例えば液晶表示器)に表示するようにしている。
しかしながら、封入球式遊技機においてプリペイドカードの残金額表示、球貸スイッチ、カード返却スイッチ等の機能があるカードユニット管理の操作表示装置(タッチパネル)に計数球数を表示する場合、遊技機側から定期的に球数データを送信する必要があり、遊技機/カードユニット間の通信の不具合や不正が行われるおそれがある。
したがって、計数球も遊技機で管理する方が効率が良く、不正も少なくなる。
そこで本実施例では、遊技機(パチンコ機1)が制御する演出表示用のサブ液晶表示装置33で計数球数を表示可能にすることで、カードユニットの制御で表示するよりもセキュリティが高く、効率も良くしている。
また、本実施例では以下のような効果がある。
遊技盤20内にサブ液晶表示装置33が配置されるので、遊技者が注視しやく、眼も疲れにくく、負担が少ない。
計数球数表示よりも、表示装置41(メイン液晶表示装置)と連動した演出表示を優先するので、表示装置41(メイン液晶表示装置)と連動した演出を妨げることがなく、遊技の興趣を高めることができる。
次に、変形例として、サブ液晶表示装置33は計数球数を表示するのみでなく、例えば持球数も表示する構成にしてもよい。このようにすると、遊技者は計数球数に加えて持球数も分かるので、便利である。
また、別の変形例として、計数球数の表示を表示装置41(メイン液晶表示装置)で行う構成にしてもよい。このようにすると、サブ液晶表示装置を設けない遊技機においても計数球数を表示することができるので、効率が良くコストを抑制できる。
次に、サブ液晶表示装置33の動作のうち、計数球数により演出を変える制御の動作について説明する。
図192は、表示装置41(メイン液晶表示装置)及びサブ液晶表示装置33の動作を説明する図である。
図192において、図192(a)は計数球が無い状態を示し、例えば遊技中であるが、計数球が発生せず、表示装置41には「7、5、3」という特図(ここでは飾り特図)が表示されている。その他に表示装置41には第4図柄Zが表示されているが、保留数HRは表示されていない。
また、表示装置41には2Dの子供のジローのキャラクタK11が表示されている。これは、計数球が無いときに、2Dの子供キャラクタ(例えば図に示す2Dの子供のジローのキャラクタK11)を出現させて演出を行うことを表している。なお、サブ液晶表示装置33にも2Dの子供のジローのキャラクタを表示して演出を行う場面もある。ただし、説明の都合上、サブ液晶表示装置33での2Dの子供のジローのキャラクの表示の場面は省いている。このように計数球が無いときは、表示装置41やサブ液晶表示装置33に2Dの子供キャラクタを出現させる演出が行われる。
一方、図192(a)に示すようにサブ液晶表示装置33には機種名が「CR○○○」と表示されるとともに、保留数表示として「特図1:0」、「特図2:0」が表示されている。「特図1:0」とは特図1の保留数0のことであり、「特図2:0」特図2の保留数0のことである。
なお、計数球が無い状態のときには、機種名の表示に限らず、例えば表示装置41(メイン液晶表示装置)と連動した演出表示が行われる。そのような演出表示としては、例えば計数球が無いときは2Dの子供のジローのキャラクがサブ液晶表示装置33に表示される。この場合、表示装置41(メイン液晶表示装置)には同じく2Dの子供のジローのキャラクタK11が表示されるので、サブ液晶表示装置33に表示される2Dの子供のジローのキャラクと関連があり、演出に連動性を持たせている。
次いで、遊技が進行し、図192(b)に示すように1000個の計数球が発生するとともに、保留数が発生したとき、表示装置41には例えば「1、2、3」の図柄で特図(飾り特図)が停止表示され、さらに、表示装置41には第4図柄Zが表示されるとともに、保留数HRが4つ表示されている。
また、1000個の計数球が発生することにより、サブ液晶表示装置33には機種名が消えて、「計数球数1000個」というように計数球に関する情報が表示され、かつ保留数表示として「特図1:4」、「特図2:0」という表示がされる。「特図1:4」とは特図1の保留数が4個であることを示している。また、サブ液晶表示装置33には2Dの大人のジローのキャラクタK12が出現する。これは、計数球が無い状態で表示された2Dの子供のジローのキャラクタよりもキャラクタが成長して大人になった演出を行うことで、計数球が増加した演出を示すものである。
次いで、サブ液晶表示装置33に出現した2Dの大人のジローのキャラクタK12が、あるタイミングで飛び出して矢印で示すように表示装置41の方へ移動し、2Dの大人のジローのキャラクタK12が表示装置41に多数表示されて、いわゆるジローのキャラクタK12の群予告のような演出が行われる。図192(b)では、説明の都合上、サブ液晶表示装置33には飛び出す直前の2Dの大人のジローのキャラクタK12も同時に描いている。
これにより、表示装置41では新しいキャラクタ(2Dの大人のジローのキャラクタK12)に関する演出(ここでは、群予告)を遊技者は楽しめるようになる。すなわち、計数球が無い状態で表示された2Dの子供のジローのキャラクタK11の演出から、計数球の増加に伴って、キャラクタが成長して大人になった新しいキャラクタ(2Dの大人のジローのキャラクタK12)が多数出現する群予告の演出を行うことで、計数球が増加した演出が示され、遊技者に対して計数球が増加して遊技を楽しめる演出が行われることになり、遊技意欲が向上する。
次いで、遊技が進行し、図192(c)に示すように計数球ありの状態でリーチが発生(特別演出中)すると、表示装置41には例えば「7、6(変動中)、7」の図柄で特図(飾り特図)が変動表示される。なお、表示装置41には第4図柄Zが表示されるとともに、保留数HRが4つ表示されている。
この場面では、計数球が2000個になっているので、サブ液晶表示装置33に別の新しい2Dの怪獣(ドラゴン)のキャラクタK13が出現し、その2Dの怪獣(ドラゴン)のキャラクタK13が飛び出して矢印で示すように表示装置41の方へ移動し、2Dの怪獣(ドラゴン)のキャラクタK13が表示装置41に表示される。
図192(c)では、2Dの怪獣(ドラゴン)のキャラクタK13が当初はサブ液晶表示装置33に表示されているが、その後、表示装置41へ移動していくとともに消えて、2Dの怪獣(ドラゴン)のキャラクタK13が表示装置41に表示される様子が描かれている。そして、2Dの怪獣(ドラゴン)のキャラクタK13が表示装置41の画面を横切って、変動中の図柄「6」に衝突して上方に移動していく演出が行われる。
したがって、計数球が1000個から増加し、例えば2000個に増えると、サブ液晶表示装置33では2Dの大人のジローのキャラクタK12に代わって、別の新しい2Dの怪獣(ドラゴン)のキャラクタK13が出現するので、遊技者は計数球の増加に伴う新しい演出を楽しめるようになる。
なお、サブ液晶表示装置33には「計数球数2000個」というように計数球に関する情報は引き続き表示されている。
このように、サブ液晶表示装置33では、計数球が無いときは、演出表示(機種名表示やメイン液晶表示装置と連動した演出)が行われる他、演出用表示装置としての表示装置41及びサブ液晶表示装置33では計数球があること、あるいは計数球の数量により演出内容を変更する演出(キャラクタの出現やキャラクタの成長)の制御が行われる。
また、演出用表示装置としての表示装置41ではリーチ発生時等のような特別演出中に、サブ液晶表示装置33に連動する演出が行われる。
したがって、サブ液晶表示装置33では計数球があること、あるいは計数球の数量により演出内容を変更するので、遊技者は計数球数を増やそうとし、遊技機の稼働の向上につながる。
また、メイン液晶表示装置としての表示装置41の近傍にサブ液晶表示装置33があり、サブ液晶表示装置33に計数球数を表示し、かつ計数球の数量により演出内容を変更するので、遊技者が計数球の増減を認識しやすい。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行うとともに、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からのコマンドに基づいて演出用表示装置を制御して演出を行うことが可能な演出制御装置を備えた封入球式遊技機において、
前記演出用表示装置としてメイン液晶表示装置と、サブ液晶表示装置と、を備え、
サブ液晶表示装置は、メイン液晶表示装置の近傍に配置され、
前記演出制御装置は、
サブ液晶表示装置が計数球数を表示するように演出を制御するとともに、計数球数があること又は計数球数の数量のうち少なくとも1つ以上に基づいてメイン液晶表示装置又はサブ液晶表示装置のうち少なくとの1つ以上の演出を変更する制御を行うことを特徴とする封入球式遊技機。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開平9−182848号公報に開示されたものでは、リーチ変動期間に応じてキャラクタを変化させるように表示させることで、大当り信頼度を報知している。
しかしながら、封入球式遊技機においては、その普及のためには、実球式の遊技機との差別化を図る必要があると思われる。また、封入球式遊技機では実球が上皿に出る等の実感が無いので、遊技への演出を高める必要もある他、持球数(発射可能球数)や計数球(一時的に発射不可な保管球数)を分かりやすくする工夫や演出との連動も求められ、遊技機の稼働を高める工夫も必要である。
そこで本実施例では、演出用表示装置としての表示装置41及びサブ液晶表示装置33では計数球があること、あるいは計数球の数量により演出内容を変更する演出の制御を行うことで、遊技者にとって計数球の増減を認識しやすくし、遊技機の稼働の向上にもつなげている。
次に、変形例として、以下のような構成にしてもよい。
(1)演出用表示装置としての表示装置41及びサブ液晶表示装置33を使用して、計数球数が少なくなると、特別なリーチを発生させて遊技を継続させるような雰囲気を醸し出すような演出を行う構成にしてもよい。そうすると、遊技者は遊技を継続して計数球数を増やそうとし、遊技機の稼働の向上にもつながる。
(2)演出用表示装置としての表示装置41及びサブ液晶表示装置33を使用して、例えば持球数も表示する構成にしてもよい。このようにすると、持球数も分かるので、便利である。
また、持球数の数量により、演出用表示装置としての表示装置41及びサブ液晶表示装置33の演出内容を変更する制御にしてもよい。
(3)発射数(又はアウト数)の数量により、演出用表示装置としての表示装置41及びサブ液晶表示装置33の演出内容を変更する制御にしてもよい。
(4)サブ液晶表示装置33を省いた構成にして、演出用表示装置としての表示装置41を使用して上記演出の制御を行ってもよい。
次に、封入球を研磨する動作について説明する。
本実施例では、パチンコ機1の電源投入時に、電源投入時の所定期間を研磨期間として研磨装置306が作動して封入球の研磨が行われる。この場合、封入球の研磨は電源投入時の他、通常遊技中においても研磨することが基本制御となっている。封入球をよく研磨するためであり、そのため、遊技中に循環させながら封入球の研磨が行われる。
具体的には、パチンコ機1の電源投入時に、遊技領域22を経ないで封入球を研磨装置306に流入させて球を循環させるときは、上部通路303、バイパス通路304、下部通路301を経て、下部通路301から下切替弁310を介して封入球が研磨入口通路319を通って研磨装置306に流入して球の研磨が行われ、その後、下部通路301を通って楊送装置302で楊送されて上部通路303に至るという経路を封入球が循環する。この経路は封入球が遊技ゲームを行わず、封入球の研磨を行いながら循環するので、「封入球研磨循環中」となる。
一方、封入球による遊技中に封入球の研磨を行う場合には、封入球を遊技領域22に落下させつつ、研磨装置306に流入させて球磨きを行う経路となり、その経路は上部通路303、発射装置37、遊技領域22、アウト通路331、下部通路301を経て、下部通路301から下切替弁310を介して封入球が研磨入口通路319を通って研磨装置306に流入して球の研磨が行われ、その後、下部通路301を通って楊送装置302で楊送されて上部通路303に至るという経路になり、封入球の研磨が行われつつ、循環して遊技が行われる状態になる。この経路は、封入球が遊技ゲームを行いながら落下し、かつ封入球の研磨を行いながら循環するので、「封入球研磨遊技循環中」となる。
このように、電源投入時の所定期間を研磨期間として封入球の研磨を行うので、定期的な研磨を行うことで、遊技機(パチンコ機1)に客がついて稼働しない場合でも有効に遊技球の研磨を行うことができ、遊技球の磨き品質を維持できる。
また、通常遊技中においても、封入球を循環させながら研磨を行うので、遊技中の球の汚れを速やかに除去することができ、封入球の品質を恒常的に維持できる。
次に、夜間監視スイッチ126の動作について説明する。
本実施例では、パチンコ機1に夜間監視スイッチ126が設けられており、夜間監視スイッチ126は前面枠4が開放されたこと及び遊技制御装置54が取り外されたことの双方を検出可能なセンサ(詳しくは枠開放検出手段382、断線検出手段383)を含んでおり、前面枠4の開放を検出した情報を枠開放回数記憶手段384によりパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持するとともに、遊技制御装置54が取り外された情報を断線回数記憶手段385によりパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持している。
この場合、枠開放回数記憶手段384は前面枠4の開放情報と、前面枠4が開放した回数とを記憶し、断線回数記憶手段385は断線検出手段383による断線情報(遊技制御装置54の取り外し状態を含む)を記憶する。
そのため、特に、遊技場が閉店して夜間のとき、パチンコ機1の前面枠4が開放された場合には、前面枠4の開放情報と前面枠4の開放回数とが枠開放回数記憶手段384により保持されている。なお、夜間監視スイッチ126は前面枠4が開放されたこと、及び前面枠4が開放されないことの双方の状態を検出可能であり、前述したように、夜間監視スイッチ126が前面枠4を監視した検出信号を枠開放情報という。
また、遊技場が閉店して夜間のとき、パチンコ機1の遊技制御装置54が取り外された場合には、遊技制御装置54が取り外された情報を断線回数記憶手段385が夜間においても保持している。なお、夜間監視スイッチ126は遊技制御装置54が取り外されたこと、及び遊技制御装置54が取り外されていないことの双方の状態を検出可能であり、前述したように、夜間監視スイッチ126が遊技制御装置54の取り外しを監視した検出信号を遊技制御装置監視情報という。
なお、説明の都合上、夜間監視スイッチ126により前面枠4が開放されたこと及び前面枠4が開放されないことの双方の状態を検出すべく監視した出力のことを枠開放情報といい、夜間監視スイッチ126により遊技制御装置54が取り外されたこと及び取り外されていないことの双方の状態を検出すべく監視した出力のことを遊技制御装置監視情報(夜間監視情報)という。
次いで、翌朝、パチンコ機1が電源投入(主電源の投入)により起動した場合に、夜間に前面枠4の開放の有無を監視した枠開放情報及び遊技制御装置54の取り外しの有無を監視した遊技制御装置監視情報は、払出制御装置230からの夜間監視情報の要求があったときに、夜間監視スイッチ126の出力手段386により払出制御装置230に出力される。このとき、払出制御装置230は起動時の立ち上げ準備期間が経過してから、上記夜間監視情報の要求を夜間監視スイッチ126に出すことで、枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を取り込むことができ、不正に対するセキュリティが向上する。
そして、払出制御装置230では夜間監視スイッチ126から取り込んだ夜間監視情報から不正レベルを判断し、判断した不正レベルをカードユニット15に出力し、不正があればカードユニット15にてエラー報知することが行われる。
このような夜間監視スイッチ126を使用して、不正に対処する動作のタイミングチャートを図193に示す。
なお、図193ではタイミングt51乃至54を用いて動作を説明する。
図193において、主電源とあるのは、パチンコ機1における電源装置58(図6参照)から通常時(パチンコ機1に電源が供給されている時)に供給する電源のことで、払出制御装置230を含む各装置や電子機器、センサ等へ供給している電源を指している。なお、各装置54、53、230はバックアップ電源も備えている。また、夜間監視スイッチ126は内部にバックアップ電源381を備えている。
主電源がオンすることで、パチンコ機1が起動することになる。
図193では、主電源がオンするよりも以前の状態から時間の流れを示しており、例えば主電源がオンする前の遊技店が夜間のときも示している。
通常、遊技店では午後11時頃(又はもっと前)には遊技機の稼働による営業を停止し、各遊技機の電源を遮断して閉店し、その後、店内や台の清掃、片づけ等を行い、翌日の営業に備える。
ところが、遊技店が閉店している夜間に不審者が侵入して、例えばパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付けたり、あるいは遊技制御装置54を取り外したりするような不正が行われることがある。遊技制御装置54を取り外された場合には、不正改造されるおそれもある。
図193に示すように、主電源がONするタイミングt52(例えば、遊技店の開店準備開始時)よりも前の夜間時のタイミングt51において、不審者が侵入して、例えばパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付ける行為を行った場合には、夜間監視スイッチ126によって前面枠4の開放が検出される。そして、前面枠4の開放情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも、夜間監視スイッチ126により保持(枠開放回数記憶手段384により保持)されている。
なお、図193の例では、前面枠4は不審者によって開放されるが、その後は閉じられた状態になる。
一方、夜間においても、夜間監視スイッチ126の断線検出手段383は断線状態を検出しておらず(断線監視結果がONレベルを維持)、そのため、遊技制御装置54の取り外しは検出されていない。
次いで、遊技店の開店準備のためにタイミングt52で主電源がONすると、電源装置58から払出制御装置230、遊技制御装置54、演出制御装置53や図6に示す各電子部品に必要な電源の供給が開始される(なお、回路各部への電源供給は、各装置間で若干の時間差があるが、説明が複雑になるので、詳細は略す)。
主電源の供給が開始されてから、払出制御装置230は主電源オンのタイミングt52より所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延したタイミングt53にて夜間監視情報の要求を夜間監視スイッチ126に出力する。これは、払出制御装置230が起動時の立ち上げ準備期間が経過してから、上記夜間監視情報の要求を夜間監視スイッチ126に出すことで、枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を取り込むようにするためである。
夜間監視スイッチ126はタイミングt53で払出制御装置230からの夜間監視情報の要求を受けると、夜間監視情報を払出制御装置230へ出力する。
このとき、払出制御装置230は起動時の立ち上げ準備期間が経過してから、夜間監視スイッチ126からの夜間監視情報を受信するので、枠開放情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報を取り込むことができる。
ここで、夜間監視スイッチ126はタイミングt53になると、その時点から所定時間Tbだけ、枠開放情報及び遊技制御装置54の取り外し監視情報に対応した出力信号を払出制御装置230に出力する。所定時間Tbは枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を出力するのに必要な時間である。
なお、夜間監視スイッチ126は、通常時(主電源オン時)には、図193に示すように前面枠4の開放時には枠開放検出手段382の出力がOFFレベル、前面枠4の閉鎖時にはONレベルとなっており、遊技制御装置54の取り外しを検出したときは断線検出手段383の出力がOFFレベル、遊技制御装置54の取り外しを検出しないときはONレベルとなっているが、夜間監視スイッチ126から外部に出力される出力信号のうち、主電源オフ時に記憶した夜間監視情報に対応した出力信号は、払出制御装置230からの要求コマンドに対応するデータ(枠開放回数、断線回数)の出力となる。図193、図194の夜間監視SW(夜間監視情報)は、データを出力することをONと示している。
一方、夜間でなく、昼間などに前面枠4の開放時を検出していれば、夜間監視スイッチ126から外部に出力される出力信号はOFFレベルとなる信号である。
これは、前述したように、夜間監視スイッチ126には通常時の枠開放情報の出力と、夜間監視情報(夜間における枠開放情報及び遊技制御装置54の取り外し監視情報)の出力との2種類の出力ラインがあるからである。
図193では、上述したように、タイミングt51で夜間監視スイッチ126によって前面枠4の開放が検出され、その開放情報が保持されている場合を例にとり説明しており、この情報が枠開放情報になるが、枠開放情報自体は前面枠4の開放が検出された場合、前面枠4の開放が検出されていない場合の双方を含む概念である。
なお、夜間監視スイッチ126の出力信号を払出制御装置230が判定しても、前面枠4の開放が検出されていない場合もあるが、そのときでも払出制御装置230は夜間監視スイッチ126からの出力信号を読み込む。
夜間監視スイッチ126は主電源がONしたタイミングt52で前面枠4の開放を検出した情報を保持していれば、前述したように払出制御装置230からの要求があると、タイミングt53から所定時間Tbが経過するまでは、夜間監視情報を外部(払出制御装置230)に出力する。
そして、払出制御装置230では夜間監視スイッチ126から取り込んだ夜間監視情報から不正レベルを判断し、判断した不正レベルをカードユニット15に出力し、不正があればカードユニット15にてエラー報知することが行われる。
払出制御装置230は夜間監視スイッチ126から取り込んだ夜間監視情報から不正レベルを判断することで、枠開放回数や断線回数を細かく把握することができ、セキュリティ向上につなげることができる。
また、払出制御装置230は夜間監視スイッチ126から取り込んだ夜間監視情報から不正レベルを判断してカードユニット15に出力するので、不正レベルの高い台(不正された可能性の高い台)から優先的に点検をすることが可能であり、効率が良い。
さて再び図193の説明に戻り、不正に前面枠4が開放されていない正常な遊技機については、主電源を投入してから所定時間Taの経過後は通常の監視処理が行われ、営業に備えられる。
また、通常時に、例えばタイミングt54で前面枠4が開放された場合には、夜間監視スイッチ126により前面枠4の開放が検出され、前面枠4が開放されている期間Tcだけ、枠開放情報(夜間時の枠開放情報でなく、通常時の枠開放情報)が夜間監視スイッチ126から出力(通常時の枠開放期間中にOFFレベルとなる信号)されて払出制御装置230に入力され、エラー監視処理の枠開放エラー監視処理のルーチンで前面枠開放(前面枠4開放エラー)として監視される。
以上は、図193に示すように、夜間監視スイッチ126により夜間(詳しくは主電源オフ時)に前面枠4の開放が検出される一方、夜間には遊技制御装置54の取り外しが検出されない場合の夜間監視情報の動作であるとともに、昼間(詳しくは主電源オン時)に前面枠4の開放が夜間監視スイッチ126により検出された場合の動作を説明したものである。
次に、主電源断(オフ)時に遊技制御装置54の取り外しを検出した場合の動作について、図194を参照して説明する。
図194は、主電源断時に遊技制御装置54の取り外しを検出した場合の動作のタイミングャートを示している。
図194に示すように、主電源がONするタイミングt62(例えば、遊技店の開店準備開始時)よりも前の夜間時のタイミングt61において、不審者が侵入して、例えばパチンコ機1の遊技制御装置54を取り外す行為を行った場合には、夜間監視スイッチ126における断線検出手段383が断線状態を検出(断線監視結果がOFFレベルとなる)し、その情報は断線回数記憶手段385によって保持される。なお、前面枠4は開放されていないので、夜間監視スイッチ126による枠開放情報に変化はなく、枠開放情報は前面枠4の開放を検出しない状態になっている。
これは、夜間に不審者が前面枠4を開放しないで、遊技制御装置54を取り外す行為のみを行った場合が想定されるケースである。
次いで、遊技店の開店準備のためにタイミングt62で主電源がONすると、払出制御装置230には主電源の供給が開始される。これにより、払出制御装置230のプログラムが起動して初期設定等が行われるとともに、各部品が動作開始して作動準備が行われて徐々に作動ON状態となり、その後、やや時間が経過してからタイミングt63に至る。
この場合、主電源の供給が開始されてから、払出制御装置230は主電源オンのタイミングt62より所定時間Ta(例えば、5秒)だけ遅延したタイミングt63にて夜間監視情報の要求を夜間監視スイッチ126に出力する。これは、払出制御装置230が起動時の立ち上げ準備期間が経過してから、上記夜間監視情報の要求を夜間監視スイッチ126に出すことで、枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を取り込むようにするためである。
夜間監視スイッチ126はタイミングt63で払出制御装置230からの夜間監視情報の要求を受けると、夜間監視情報を払出制御装置230へ出力する。
このとき、払出制御装置230は起動時の立ち上げ準備期間が経過してから、夜間監視スイッチ126からの夜間監視情報を受信するので、夜間監視情報を取り込めないというおそれがなくなり、確実に夜間監視情報を取り込むことができる。
ここで、夜間監視スイッチ126はタイミングt63になると、その時点から所定時間Tbだけ、枠開放情報及び遊技制御装置54の取り外し監視情報に対応した出力信号を払出制御装置230に出力する。所定時間Tbは枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を出力するのに必要な時間である。
ここでの夜間監視情報は、夜間に前面枠4が開放されておらず、遊技制御装置54の取り外しのみが検出された情報になっている。したがって、図194に示すように、主電源断時に遊技制御装置54の取り外しのみが検出された場合であっても、図193の場合と同様に、確実に夜間監視情報を払出制御装置230に取り込むことができる。
なお、夜間監視情報を払出制御装置230に取り込んだ後における払出制御装置230やカードユニット15の動作や効果は、前述した図193の説明の場合と同様であり、略す。
一方、遊技店の店員が開店準備のために当該パチンコ機1を初期状態に戻すべくRAMクリアスイッチ182をオン操作すると、遊技制御装置54内部のRAM113や払出制御装置230の内部のRAM233などが初期化されることになる。
ここで、本実施例ではRAMクリアスイッチ182がオン操作された場合には、払出制御装置230の内部のRAM233が初期化されてクリアされた後に、夜間監視スイッチ126の枠開放情報及び遊技制御装置監視情報が払出制御装置230に取り込まれて、RAM233に記憶される。その後、RAM233に記憶された枠開放情報及び遊技制御装置監視情報から払出制御装置230により不正レベルが判断され、判断した不正レベルがカードユニット15に出力される。したがって、RAMクリアスイッチ182のオン操作により、RAM233の枠開放情報及び遊技制御装置監視情報が消されるという不具合が発生しない。
RAM233に記憶しておいた情報がクリアされるのは、あくまでも夜間監視スイッチ126の枠開放情報及び遊技制御装置監視情報を払出制御装置230に取り込む前の情報のみだからである。
このように、遊技場が閉店している夜間に、例えば不審者がパチンコ機1の前面枠4を開放して不正基板等を取り付けたような場合には、夜間監視スイッチ126により前面枠4の開放状態が検出され、枠開放情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持されている。また、夜間に遊技制御装置54が取り外された場合にも、夜間監視スイッチ126により遊技制御装置54が取り外し状態が検出され、遊技制御装置監視情報はパチンコ機1の電源が遮断された状態でも保持されている。
そして、翌朝、パチンコ機1の主電源投入時に、夜間に前面枠4の開放の有無を監視した枠開放情報及び遊技制御装置54の取り外しの有無を監視した遊技制御装置監視情報は払出制御装置230からの夜間監視情報の要求があったときに、夜間監視スイッチ126の出力手段386により払出制御装置230に出力される。
払出制御装置230は夜間監視スイッチ126から取り込んだ夜間監視情報から不正レベルを判断し、判断した不正レベルはカードユニット15に出力される。カードユニット15では不正レベルに基づきエラー報知する、あるいはホールコンピュータ86へエラー情報を出力する(さらに球貸しを行わないようにしてもよい)等の処置が取られる。また、不正に前面枠4が開放されて枠開放情報が発生したり、あるいは遊技制御装置54が取り外されて遊技制御装置監視情報が発生したりすると、それらのエラー状態が表示装置41に表示される。
したがって、表示装置41やカードユニット15のエラー報知を店員が見ることで、当該パチンコ機1を点検し、例えば不正基板等の取り付けに対して適切な処置(例えば、不正基板等の取り外し及び正常点検)をとることができ、不正に対するセキュリティを向上させることができる。
次に、実施例1におけるパチンコ機1の遊技ゲームの動作について説明する。
パチンコ機1の遊技ゲームでは、上述した各プログラムを実行することにより、遊技制御装置54からコマンドが演出制御装置53に送信され、コマンドを受けた演出制御装置53ではプログラムに基づいて表示装置41による変動表示ゲームが実行される。
具体的には、遊技者が発射操作ハンドル11を操作して遊技球が遊技領域22に打込まれ、打込まれた遊技球が特図の始動入賞口25又は26に入賞すると(特図の始動入賞があると)、飾り特図の変動表示を指令するコマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53に送信され、表示部41aにおいて飾り特図が変動する表示(いわゆる変動表示)が行われて、飾り特図の変動表示ゲームが行われる。一方、入賞せずに外れた球は、アウト球流入口23に流入する。遊技領域22を落下した球はアウトあるいはセーフとなって、遊技領域22を経た後に、アウト通路331、下部通路301を経て、下部通路301から下切替弁310を介して封入球が研磨入口通路319を通って研磨装置306に流入して球の研磨が行われ、その後、下部通路301を通って楊送装置302で楊送されて上部通路303に至るという経路になり、封入球の研磨が行われつつ、循環して遊技が行われる。
このようにして、封入された遊技球が循環使用されて封入球によるパチンコ遊技が行われる。
また、遊技制御装置54から一括表示装置35に対しては本特図、本普図等の変動表示等の制御が行われる。
ここで、遊技球がセーフと判定されて遊技者の持球数を増加させる場合には、入賞口(一般入賞口28〜31及び始動入賞口25,26等を含む)に球が入ることになるとともに、さらに、大当りが発生して大当り状態に移行すると、変動入賞装置27の大入賞口27aが規定時間(例えば、30秒)を超えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される大当たりラウンドが規定のラウンド数だけ繰り返し行われて、遊技者は大きな入賞数を獲得する。
この場合、入賞に伴う賞球数は全て一括表示装置35における入賞表示LED355のよって表示される。
図195は、一括表示装置35における入賞表示LED355の表示制御のタイミングチャートである。
図195において、入賞に伴う賞球数は下記のようになっている。
・第1大入賞口27a=13個
・第2大入賞口34a=10個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
図195では、これらの入賞があった場合には、例えば「入賞(賞球13)」というように示しており、他の入賞態様の場合も同様である。
なお、図195では説明の複雑化を避けるために、第1大入賞口27aへの入賞(13個)を大入賞口への入賞の代表例として示しており、第2大入賞口34aへの入賞を省いて説明している。
いま、通常モード(図195では通常と表示)のとき、始動入賞口25への入賞があると、賞球数=3個であるから、遊技制御装置54は一括表示装置35の入賞表示LED355に対して駆動信号を出力し(以下、制御は同様)、入賞表示LED355にて賞球3(賞球数=3個の意味)の表示が行われる。これにより、入賞表示LED355では1桁で「3」の表示を行う。
このとき、「3」の入賞表示は1秒ON(点灯)し、その後、0.5秒OFF(消灯)するタイミングで制御される。
また同じく、通常モードのときに、一般入賞口28〜31の何れかへの入賞があると、賞球数=10個であるから、入賞表示LED355にて賞球10(賞球数=10個の意味)の表示が行われる。これにより、入賞表示LED355では2桁で「10」の表示を行う。
このとき、「10」の入賞表示は1秒ON(点灯)し、その後、0.5秒OFF(消灯)するタイミングで制御される。
次いで、通常モードから大当りが発生して、特別モード(大当り中)に移行すると、大入賞口27aへの入賞(賞球数=13個)が連続して4回発生した。このとき、大入賞口27aへの入賞があると、賞球数=13個であるから、遊技制御装置54は一括表示装置35の入賞表示LED355に対して駆動信号を出力し、入賞表示LED355にて賞球13(賞球数=13個の意味)の表示が行われる。これにより、入賞表示LED355では2桁で「13」の表示を行う。この場合、「13」の入賞表示は0.5秒ON(点灯)し、その後、0.1秒OFF(消灯)するタイミングで制御され、大入賞口27aへの入賞が連続して4回発生しているから、これが4回連続して行われる。
また、特別モード中に始動入賞口25への入賞(賞球数=3個)が1回発生した。
このとき、始動入賞口25への入賞があると、賞球数=3個であるから、入賞表示LED355にて賞球3(賞球数=3個の意味)の表示が行われる。これにより、入賞表示LED355では1桁で「3」の表示を行う。この場合、「3」の入賞表示は0.5秒ON(点灯)し、その後、0.1秒OFF(消灯)するタイミングで制御される。
次いで、大当りのラウンドが終了して、確率変動中に移行する。確率変動も特別モードであるから、入賞表示LED355による入賞表示に対しては、特別モード中における制御が継続する。そして、確率変動中に始動入賞口26(普電)への入賞(賞球数=1個)が連続して3回発生した。このとき、始動入賞口26(普電)への入賞があると、賞球数=1個であるから、入賞表示LED355にて賞球1(賞球数=1個の意味)の表示が行われる。これにより、入賞表示LED355では1桁で「1」の表示を行う。この場合、「1」の入賞表示は0.5秒ON(点灯)し、その後、0.1秒OFF(消灯)するタイミングで制御され、始動入賞口26(普電)への入賞が連続して3回発生しているから、これが3回連続して行われる。
このように、入賞に伴う賞球数は全て一括表示装置35における入賞表示LED355によって表示される。そして、どの入賞口に遊技球が入賞しても、即座に、その賞球数が7セグメントのLED2個からなる入賞表示LED355によって所定時間(通常モードは1秒、特別モードは0.5秒)だけ表示されるので、遊技者は盤面(遊技盤20)のどこに入賞して何個の賞球数が得られたのかを容易に知ることができる。
次に、持球数の表示態様やサブ液晶表示装置33等の効果については、前述したので、その他の持球数の表示やカードユニット15の管理に関連する効果について説明する。
(1)実施例1では、演出制御装置53(サブ基板)の制御により装飾持球表示装置250によって持球数や計数球数を装飾表示するので、遊技者に対して実球に近い持球数や計数球数の表現をすることができる。すなわち、装飾持球表示装置250は実球式に近い持球の表現が多数のLEDによる装飾制御でできるので、感覚的に分かりやすい。したがって、遊技者は持球数や計数球数の把握が分かりやすくなる。
特に、持球数は装飾持球表示装置250のうちの上部装飾持球表示装置250aにより、いわゆる上皿のイメージを醸し出すようにデザインされて多数のLEDで装飾制御されるので、遊技者に持球数のおよその量が分かりやすいという効果がある。
一方、計数球数は、装飾持球表示装置250のうちの下部装飾持球表示装置250cにより、いわゆる玉箱のイメージを醸し出すようにデザインされて多数のLEDで装飾制御されるので、遊技者に計数球数のおよその量が分かりやすいという効果がある。
さらに、装飾持球表示装置250はサブ基板である演出制御装置53によって制御されるので、払出制御装置230や遊技制御装置54の制御負担を軽減することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数の演出表示を行う装飾持球表示装置を設け、
前記装飾持球表示装置は、サブ基板としての演出制御装置によって制御される構成であることを特徴とする遊技機。
また、持球数の計数中は上部装飾持球表示装置250aから玉箱をイメージした下部装飾持球表示装置250bの方へ球が移動するように計数装飾部250cのLEDが移動点滅させるように装飾の制御が行われるので、計数中であることが遊技者にとって感覚的に分かりやすい効果がある。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数の演出表示を行う装飾持球表示装置を設け、
演出制御装置は、
持球数が計数されるときに、前記装飾持球表示装置にて持球数が計数球に移動する様子を演出表示するように、装飾持球表示装置を装飾制御することを特徴とする遊技機。
(2)実施例1では、遊技機(パチンコ機1)は、持球数を表示できる第1の表示装置としての持球数表示器40と、計数球を簡易表示できる第2の表示装置としての計数球表示器313とを備え、カードユニット15は持球数と計数球の詳細を表示でき、かつカードユニット15の管理になる第3の表示装置としての操作表示装置7を備えるので、遊技機(パチンコ機1)側で持球数と計数球を簡易表示し、カードユニット15側で持球数と計数球の詳細を表示することができ、遊技者へ持球数と計数球を報知するに際して、遊技制御装置54と払出制御装置230の制御負担が軽減され、効率が良い。
また、遊技者にとって持球数や計数球数を上記第1乃至第3の多様な装置で把握することができ、便利であり、かつ分かりやすいという効果がある。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数を表示できる第1の表示装置と、
計数球を簡易表示できる第2の表示装置と、
持球数と計数球の詳細を表示できる第3の表示装置と、
を備え、
第1の表示装置は、持球数をデジタル表示可能であり、
第2の表示装置は、少なくとも計数球の有無を表示可能であり、
第3の表示装置は、カードユニットの管理下にあり、遊技機から送られた情報をカードユニットの制御により表示することを特徴とする遊技機。
(3)実施例1では、持球数を計数球へ移動させる計数スイッチ311と、計数球を持球数へ移動させる計数球使用ボタン710とを備えているので、遊技者は簡単な操作で、発射可能な持球数を計数して保管球へ移動させることができる。また、逆に、簡単な操作で、保管球から発射可能な持球数へ移動させる(戻す)ことができる。
特に、実球を使用する遊技機の例で言えば、持球数は上皿や下皿にあって発射可能な球数のイメージに相当し、計数球は持球数から計数して移動した保管球であって、上皿や下皿から玉箱に抜いて移動した球のイメージに相当しているので、計数スイッチ311を操作するだけで、簡単に持球数を計数球に移動でき、同じく計数球使用ボタン710を操作するだけで、簡単に計数球を持球数に移動でき、実球を使用する遊技機に近い感覚で、封入球式遊技を行うことができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数を計数球へ移動させる計数スイッチと、
計数球を持球数へ移動させる計数球使用スイッチと、を備え、
払出制御装置は、
計数スイッチが操作されると、持球数を計数球へ移動させる制御を行い、
計数球使用スイッチが操作されると、計数球を持球数へ移動させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
また、実施例1では計数球があるときに点灯する計数球表示器313を配置しているので、遊技者は計数球の存在を容易に知ることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
計数球の存在を報知する計数球表示器を設け、
払出制御装置は、
計数球が存在するとき、計数球表示器により計数球の存在を報知(例えば、点灯)する制御を行うことを特徴とする遊技機。
(4)実施例1では、持球数及び計数球の両方を払出制御装置230で管理してデータを記憶し、カードユニット15に対しては定期的(例えば、200ms)に持球数及び計数球の情報を送信して、カードユニット15の制御により第3の表示装置としての操作表示装置7に表示可能に構成しているので、持球数を遊技機が管理し、計数球をカードユニット15が管理する方式に比べてセキュリティを高くすることができる。
すなわち、実施例1の構成によれば、持球数及び計数球の両方のデータを払出制御装置230で管理しているので、例えば遊技機とカードユニット間の通信の不具合等による持球数や計数球数の各データの消失のおそれがない。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数及び計数球の両方を管理する制御装置を設け、
カードユニットに対しては、持球数及び計数球の情報を送信して、カードユニットの制御により第3の表示装置に表示可能に構成したことを特徴とする遊技機。
(5)実施例1では、遊技機(パチンコ機1)は、持球数を表示できる第1の表示装置としての持球数表示器40と、持球数や計数球を装飾表示できる第2の表示装置としての装飾持球表示装置250を備えるので、持球数は持球数表示器40でデジタル表示され、持球数や計数球数は装飾持球表示装置250でアナログ表示されることとなり、遊技者にとって持球数は詳しく知ることができるとともに、持球数や計数球数はアナログ表示により瞬時におよその量を把握することができ、便利である。
この場合、払出制御装置230は、第1の表示装置としての持球数表示器40に持球数のデジタル表示を行うように制御し、演出制御装置53は第2の表示装置としての装飾持球表示装置250に持球数や計数球数をアナログ表示すように制御するので、表示制御に一部がサブ基板たる演出制御装置53に分担されることとなり、払出制御装置230の制御負担が軽減される。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
払出制御装置(又は遊技制御装置)は、
第1の表示装置により持球数のデジタル表示を行うように制御し、
演出制御装置は、
持球数の演出表示を行う装飾持球表示装置を制御し、装飾持球表示装置により持球数及び計数球のアナログ表示を行わせることを特徴とする遊技機。
(6)実施例1では、払出制御装置230はRAMクリアスイッチ182がオン操作された場合には、払出制御装置230の内部のRAM233が初期化されてクリアされた後に、夜間監視スイッチ126の夜間監視情報を払出制御装置230に取り込んでRAM233に記憶する。その後、RAM233に記憶した夜間監視情報を払出制御装置230からカードユニット15へ送信する。
したがって、RAMクリアスイッチ182のオン操作により、RAM233の夜間監視情報が消されるという不具合が発生しないという効果がある。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
払出制御装置は、
RAMクリアスイッチが押された場合は、払出制御装置のRAMをクリアした後に、夜間監視手段からの夜間監視情報を取り込んでRAMに記憶し、
その後、RAMに記憶した夜間監視情報をカードユニットへ送信するように構成したことを特徴とする遊技機。
(7)払出制御装置230を遊技制御装置54と分離して設け、夜間監視スイッチ126を払出制御装置230で管理する構成なので、遊技制御装置54が不正に改造され正常に機能しない場合でも、払出制御装置230で確実に主基板(遊技制御装置54)の取り外しを監視することができる。例えば、遊技制御装置54を不正に取り外して、不正改造した主基板を取り付ける等)を監視することができる。
(8)夜間監視スイッチ126を配置しているが、払出制御装置230を遊技制御装置54と分離して設けているので、遊技進行に関する制御と、封入球数の監視や持球数の加算・減算処理、持球数の計数処理などの制御を分けることができ、プログラムが簡単で済む。
また、払出制御装置230及び遊技制御装置54の各CPU231、111の処理負担を軽減できる。
(9)夜間に前面枠4の開放が検出されたか否かに関する枠開放情報と、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外されたか否かに関する遊技制御装置54の取り外し監視情報とを払出制御装置230で読み込み、払出制御装置230にて異常を監視し、異常の場合にはエラー情報をカードユニット15に出力し、カードユニット15にてエラー処理を行うので、パチンコ機1から離れたカードユニット15という装置でエラー処理が行われることとなり、不正に対するセキュリティを信頼性良く、高めることができる。
この背景を説明する。
夜間監視スイッチ126の検出信号を判定した結果、夜間に主基板(遊技制御装置54)が取り外した可能性がある場合、不正基板と交換された可能性も高い。そうなると、主基板が存在したとしても、それは不正基板であり、主基板は信用できないことになる。
したがって、主基板(遊技制御装置)からの指示で演出制御装置53が表示装置41にエラー無し等の表示(あるいは、エラー報知が全く無い表示状態でも)をしても、信用できないおそれがある。また、主基板(遊技制御装置)54と払出制御装置230は接続されているので、不正された主基板(遊技制御装置)から、払出制御装置230に対しても、エラー報知の出力を停止させる等の不正を施されるおそれがある。
そうすると、払出制御装置230も信用できないおそれがある。
そこで実施例1では、主基板(遊技制御装置54)や払出制御装置230に不正が施されたという信用できない状態を鑑みて、払出制御装置230は主基板(遊技制御装置)54からの割込みを許可する前に夜間監視スイッチ126からの夜間監視情報をカードユニット15に送信し、カードユニット15においてエラー処理を行う構成にしている。
このため、パチンコ機1から離れたカードユニット15という装置でエラー処理が行われるので、不正に対するセキュリティを信頼性良く、高めることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技制御装置と分離して、球の払い出しを制御する払出制御装置を配置し、
前記夜間監視手段の検出情報は払出制御装置に入力され、
払出制御装置は、
前記夜間監視手段の検出情報に基づいて異常を監視し、異常の場合にカードユニットにエラー情報を出力し、
カードユニットは、エラー情報を受信すると、所定のエラー処理を行うように構成したことを特徴とする遊技機。
(10)また、不正に前面枠4が開放されて枠開放情報が発生したり、遊技制御装置54の取り外しが検出されたりすると、そのエラー状態が表示装置41に表示されるので、表示装置41を店員が見ることで、当該パチンコ機1を点検し、例えば不正基板等の取り付けに対して適切は処置(例えば、不正基板等の取り外し及び正常点検)をとることができる。
なお、表示装置41を店員が見ないような場合でも、上述したように前面枠4の不正な枠開放情報や遊技制御装置54の取り外し監視情報をカードユニット15が受信することで、例えばカードユニット15でもエラー報知したり、ホールコンピュータ86へエラー情報を出力する等の処置を取るので、店員が気がつき易くなり、不正に対するセキュリティが向上する。また、カードユニット15では球貸しを行わない等の処置を取るようにすれば、遊技者がカードユニット15にて球貸し操作を行っても球貸しが行われず、これを遊技者が店員に告げることで、カードユニット15の不具合を店員が気づき、その点検をするうちに、前面枠4の不正な枠開放や遊技制御装置54の取り外しの検出に店員が気づいて、例えば、不正基板等の取り外し等の適切な処置を取ることができ、不正に対するセキュリティが向上する。
また、実施例1によれば、以下のような付随的効果がある。
(1)本実施例のパチンコ機1(封入球式遊技機)は、遊技者の持球数(遊技価値)の変化が連続してあった場合、内部メモリとしてのRAM233における持球数の記憶の更新は直ちに行われるが、持球数表示器40が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われる。
したがって、連続して入賞があったような場合においても、遊技者は入賞に対応して持球数が更新されたことを容易に認識することができる。
この背景を説明する。
遊技中の持球数表示器の表示は、入賞による賞球数の加算や発射による減算があるため、更新される必要がある、
しかし、連続して入賞があったような場合に持球数表示器の表示が直ぐに行われると、遊技者にしてみれば、入賞に対応して持球数が本当に更新されたのかどうかを把握することは難しい。
すなわち、遊技者の持球数(遊技価値)に変化があった場合、内部メモリとしてのRAM233における持球数の記憶の更新は直ちに行われ、これと同時に持球数表示器40に持球数の表示を更新すると、特に、連続して入賞したときには、持球数表示器40の表示更新が瞬時に行われることから、遊技者にとって入賞が確実に持球数に反映されたかどうかを認識しにくいという問題がある。
そこで本実施例では、持球数の更新表示をどうすればよいかに着目し、内部メモリの記憶更新と持球数表示器40の表示更新とに時間差を設けることで、解決を図った。
具体的には、連続して入賞があって持球数(遊技価値)が連続して変化するような場合でも、内部メモリ(RAM233)における持球数の記憶の更新は直ちに行うが、持球数表示器40における持球数の更新は、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔(時間差)をおいて行うことで、持球数表示器40の表示内容を充分に認識できるだけの余裕が生まれ、遊技者は入賞に対応して持球数が更新されたことを容易に認識することができる。
したがって、遊技の興趣を低下させることのない遊技機を提供できる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
前記遊技制御装置は、
遊技者の遊技価値の変化を記憶する遊技価値記憶手段と、
遊技者の遊技価値を表示する遊技価値表示手段を制御する遊技価値表示制御手段と、を備え、
前記遊技価値表示制御手段は、
遊技者の遊技価値の変化が連続してあった場合、前記遊技価値記憶手段における遊技価値の記憶の更新は、直ちに行うように制御し、
前記遊技価値表示手段が遊技者の遊技価値を表示する場合の遊技価値の更新は、所定期間の間隔をおいて行うように制御することを特徴とする遊技機。
(2)遊技者の持球数(遊技価値)の変化が連続してあった場合、内部メモリ(RAM233)における持球数の記憶の更新は直ちに行うが、持球数表示器40における持球数の更新は、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行う。この場合、0.3秒という時間は1分間に100発のペースで遊技領域22に遊技球を発射する場合の半分の時間に相当するので、遊技球の発射間隔とのバランスを保ちながら、持球数表示器40の表示更新を行うことができ、遊技者への持球数の認識と、球の発射とをうまく調整することができる。
すなわち、1分間に100発以上のペースでは遊技領域22に遊技球を発射できないので、発射から最大限0.3秒の間隔をおいて持球数表示器40の表示更新を行えば、遊技者が持球数表示器40の表示内容を充分に認識できるだけの余裕の時間を確保することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技価値表示制御手段は、
遊技価値表示手段が遊技者の遊技価値を表示する場合の遊技価値の更新の間隔は、少なくとも遊技球の連続発射間隔の半分より短い時間に設定することを特徴とする遊技機。
(3)入賞表示LED355による賞球数の表示は、通常モードでは1秒ON(点灯)し、その後、0.5秒OFF(消灯)するタイミングで制御され、特別モードでは0.5秒ON(点灯)し、その後、0.1秒OFF(消灯)するタイミングで制御される。
したがって、大当り中等の特別モードのときに入賞が連続し、賞球も連続して発生する場合であっても、入賞表示LED355による入賞表示時間が通常モードのときよりも短くなり、賞球数の表示が滞ることがなく、遊技者は何個の賞球数が得られたのかを容易に知ることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
入賞口への入賞があった場合、対応する賞球数を所定時間表示する入賞表示装置を備え、
前記遊技制御装置は、
通常モードでは、入賞毎に対応する賞球数を前記入賞表示装置に所定時間表示し、特別モードになると、前記賞球数の入賞表示装置への表示時間を通常モードより短縮する表示時間制御手段を設けたことを特徴とする遊技機。
(4)大当り中等の特別モードのときに入賞が連続する場合には、入賞表示LED355による賞球数の表示時間を遊技球の発射間隔(0.6秒)(100発/分(0.6秒に1球を発射)よりも短縮して0.5秒にしているので、入賞表示LED355による賞球数の表示が滞ることがなく、遊技者は何個の賞球数が得られたのかを容易に知ることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
表示時間制御手段は、
特別モードにおける前記賞球数の入賞表示装置への表示時間を、遊技球の連続発射間隔より短い時間に設定することを特徴とする遊技機。
(5)入賞表示LED355を特図及び普図を含む各種表示を一括して行う一括表示装置35と一体に構成しているので、賞球数の表示に関する遊技制御装置54の制御が容易であり、また、配置スペースが少なくて済む。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
入賞表示装置は、
特図及び普図を含む各種表示を一括して行う一括表示装置と一体に構成されていることを特徴とする遊技機。
(6)入賞表示LED355の制御は遊技制御装置54が行うので、制御効率が良い。また、入賞表示LED355を制御する特別な制御装置が不要で、制御も容易であり、かつコスト低下にもつながる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置は、
賞球数を所定時間表示する入賞表示装置の制御を行う入賞表示制御手段を有することを特徴とする遊技機。
次に、実施例1の各種変形例について説明する。
<実施例1の変形例1>
実施例1では、定期的に持球数、計数球数を払出制御装置230→遊技制御装置54→演出制御装置53の順に送信し、装飾持球表示装置250による装飾制御等を行っているが、これに限らず、例えば払出制御装置(払出基板)230から演出制御装置53に直接に装飾持球数表示装置250への表示指示コマンド(例えば、装飾制御の指示コマンド)を送信するようにしてもよい。
具体的には、以下のようなコマンドを送る。
(1)発射開始、発射停止、入賞(賞球)あり、持球数なし、持球数あり等、遊技に関するコマンド
(2)持球数A(100個〜500個)、持球数B(500個〜1000個)・・・・等のように持球数の量に関するコマンド
(3)計数開始、計数停止等のように計数に関するコマンド
このように、払出制御装置230から演出制御装置53に直接にコマンドを送ることで、遊技制御装置54の負担を軽減できる。
また、払出制御装置230では遊技制御装置54にコマンドを送らないことで、制御が楽になり、その分、装飾持球数表示装置250への表示指示コマンドを細かくすることができ、装飾制御の指示コマンドについても、上記のように発射開始、発射停止、入賞(賞球)あり、持球数なし、持球数あり、持球数A(100個〜500個)、持球数B(500個〜1000個)・・・・等のように持球数の量、計数開始、計数停止等の情報に基づいて装飾持球数表示装置250をきめ細かく装飾制御することも可能になる。
次に、持球数の計数方法について実施例1の変形例を図196に基づいて説明する。
<計数方法の変形例1>
この変形例1は、遊技者による持球数の把握をスムーズに行えるようにしたものである。
変形例1の持球数の計数方法を説明すると、これは図196に示される。
図196において、「押下時間」は計数スイッチ311の操作時間(押している時間)を示し、「押下時間」と持球数の範囲に対して計数をどのような方法で行うかを図196が示している。
具体的には、以下の通りである。なお、下記の単位計数値は「計数単位」に相当する。
・計数スイッチ311の押下時間=1秒未満:持球数の範囲にかかわらず無効
・1.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は50個計数(単位計数値=50個の意味、以下同様)
(ロ)持球数が1001個から10000個までは100個計数
(ハ)持球数が10001個以上は1000個計数
・以後、0.5秒毎:
(イ)持球数が1000個以下は50個を計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは100個を計数
(ハ)持球数が10001個以上は1000個を計数
・6.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は全てを計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは全てを計数
(ハ)持球数が10001個以上は全てを計数
上記のように、変形例1は0.5秒毎に計数スイッチ311の押下時間を区切って単位計数を行うタイミングの値としている。なお、前述したように、1秒未満は計数スイッチ311の誤動作防止のために、計数スイッチ311の操作を無効とする。持球数が何個であっても、計数スイッチ311の押下時間が6.0秒で全て計数をする。
このように、変形例1では0.5秒毎に計数スイッチ311の押下時間を区切って単位計数を行うタイミングの値としており、1秒未満は計数スイッチ311の誤動作防止のために、計数スイッチ311の操作を無効とする。また、持球数が何個であっても、計数スイッチ311の押下時間が6.0秒で全て計数をするようになっている。
次に、変形例1における持球数の計数方法の効果について説明すると、以下の通りである。なお、実施例1でも図196に示す計数方法を使用していると説明したが、その効果を具体的に述べていないので、ここで、共通の効果を説明しておく。
(1)変形例1では、例えば持球数が1000個以下は、計数スイッチ311の操作時間(押している時間)により、1.0秒では50個計数し、以後、0.5秒毎に50個を計数し、6.0秒で全てを計数するので、計数スイッチ311の操作時間に応じて持球数の計数量を変えることとなり、持球数の計数時間が適切な時間となって、計数スイッチ311の使用感が良く、遅いこともなく、かつ面倒などという違和感を生じるおそれがなく、持球数の計数を行うことができる。したがって、遊技者が違和感なく持球数を計数することのできる封入球式遊技機を実現できる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者の操作により前記計数手段の作動を操作可能な計数操作手段を設け、
前記計数手段は、
前記計数操作手段の操作時間に応じて遊技者の遊技価値の計数単位(計数量)を変えることを特徴とする遊技機。
ここで、計数スイッチ311は遊技者の操作により計数手段の作動を操作可能な計数操作手段に相当する。
(2)変形例1では、持球数の大きさに応じて持球数の計数球数を変えるので、すなわち、持球数が多い場合は大きい単位で計数し、持球数が少ない場合は小さい単位で計数するので、持球数が多い場合でも少ない場合でも、適切な時間で持球数を計数することができ、計数スイッチ311の使用感が良く、遅いこともなく、かつ面倒などという違和感を生じるおそれがなく、持球数の計数を行うことができる。したがって、遊技者が違和感なく持球数を計数することのできる封入球式遊技機を実現できる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者の操作により前記計数手段の作動を操作可能な計数操作手段を設け、
前記計数手段は、
遊技者の遊技価値の大きさに応じて遊技者の遊技価値の計数単位(計数量)を変えることを特徴とする遊技機。
(3)変形例1では、計数スイッチ311の操作時間(押している時間)と持球数の大きさとに応じて、持球数の計数量を変えているので、具体的には、図196に示すように例えば、持球数が1000個以下では、計数スイッチ311の操作時間により、1.0秒では50個計数し、以後、0.5秒毎に50個を計数し、6.0秒で全てを計数するが、持球数が1001個から10000個までは0.5秒毎に100個計数し、持球数が10001個以上は0.5秒毎に1000個を計数するので、持球数の計数時間が適切な時間となって、計数スイッチ311の使用感が良く、遅いこともなく、かつ面倒などという違和感を生じるおそれがなく、持球数の計数を行うことができる。したがって、遊技者が違和感なく持球数を計数することのできる封入球式遊技機を実現できる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者の操作により前記計数手段の作動を操作可能な計数操作手段を設け、
前記計数手段は、
前記計数操作手段の操作時間と、遊技者の遊技価値の大きさとに応じて遊技者の遊技価値の計数単位(計数量)を変えることを特徴とする遊技機。
(4)変形例1では、0.5秒毎に計数スイッチ311の押下時間を区切って単位計数を行うタイミングの値としており、計数スイッチ311の操作開始から1秒未満は計数スイッチ311の操作を無効としているので、例えば誤って計数スイッチ311の触れた場合のような計数スイッチ311の誤動作を防止することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
計数手段の作動を制御する計数作動制御手段を設け、
計数作動制御手段は、
前記計数操作手段の操作開始から所定期間は、当該計数操作手段の操作を無効にするように制御することを特徴とする遊技機。
(5)計数スイッチ311により持球数が計数されている間は、遊技球の発射を停止するので、遊技球の発射に伴う持球数の変動をなくし、持球数の計数を支障なくスムーズに行うことができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
計数手段の作動を制御する計数作動制御手段を設け、
前記計数作動制御手段は、
計数操作手段が操作されて計数手段により遊技者の遊技価値が計数されている間は、遊技球の発射を停止するように制御することを特徴とする遊技機。
(6)また、持球数が何個であっても、計数スイッチ311の押下時間が6.0秒になると全て持球数の計数を完了するので、持球数が極めて多い場合であっても、持球数の計数時間が長くなることはなく、遊技者が違和感なく持球数を計数することができる。
次に、持球数の計数方法につき、その他の各種変形例について説明する。
<計数方法の変形例2>
図196に示した持球数の計数方法では、0.5秒毎に計数スイッチ311の押下時間を区切って単位計数を行うタイミングの値としているが、これに限るものではない。
そこで変形例2として、例えば計数スイッチ311の操作開始から3.0秒後に持球数の半数を計数し、6.0秒後に全ての持球数の計数をするような構成にしてもよい。
このようにすると、変形例1の場合に比べて持球数を計数する際の全体バランスが良くなり、遊技者に計数の把握が分かりやすくなる。
図197(a)は計数方法の変形例2を示す図であり、特に持球数の計数方法を示している。
図197(a)において、計数スイッチ311の「押下時間」と持球数とに応じて変形例2では、以下のように持球数を計数する。
・計数スイッチ311の押下時間=1秒未満:持球数の範囲にかかわらず無効
・1.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は、持球数の半数を計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは、持球数の半数を計数
(ハ)持球数が10001個以上は、持球数の半数を計数
・以後、0.5秒毎:
(イ)持球数が1000個以下は、持球数の3/4を計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは、持球数の3/4を計数
(ハ)持球数が10001個以上は、持球数の3/4を計数
・6.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は全てを計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは全てを計数
(ハ)持球数が10001個以上は全てを計数
上記のように、変形例2では計数スイッチ311の操作が開始すると、初めに持球数を多く計数し、最後の方は持球数を残しやすくなるような計数方法となる。ただし、持球数を残すためには6.0秒前に持球数の計数を停止する必要がある。
変形例2では、以下の効果がある。
(1)変形例2では、初めに持球数を多く計数し、最後の方は持球数を残しやすくなるように計数するので、6.0秒前に持球数の計数を停止すれば、持球数を少し残して遊技ができるようになり、遊技者にとって便利である。
(2)持球数の多い又は少ないに拘わらず、持球数の計数方法が同じなので、遊技者に計数の進行が分かりやすい。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
計数手段の作動を制御する計数作動制御手段を設け、
前記計数作動制御手段は、
前記計数操作手段の操作開始の所定期間は、遊技者の遊技価値を多い量で計数するように制御することを特徴とする遊技機。
<計数方法の変形例3>
図197(b)は計数方法の変形例3を示す図であり、特に持球数の計数方法を示している。
図197(b)において、計数スイッチ311の「押下時間」と持球数とに応じて変形例3では、以下のように持球数を計数する。
・計数スイッチ311の押下時間=1秒未満:持球数の範囲にかかわらず無効
・1.0秒を含み、以後1.0秒毎:
(イ)持球数が1000個以下は100個単位で計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは、持球数の1/10個単位で計数
(ハ)持球数が10001個以上は、持球数の1/10個単位で計数
・6.0秒:
(イ)持球数が1000個以下は全てを計数
(ロ)持球数が1001個から10000個までは全てを計数
(ハ)持球数が10001個以上は全てを計数
上記のように、変形例3では計数スイッチ311の操作が開始すると、1.0秒を含み、以後1.0秒毎に持球数に応じた一定個数の球を計数単位として計数していき、6.0秒後に全てを計数するような計数方法となる。
変形例3では、以下の効果がある。
(1)変形例3では、持球数に応じた一定個数の球を計数単位として計数していくので、最初に少しずつ持球数を計数していく流れになり、持球数の計数が同じような割合で進行していき、遊技者に計数が分かりやすい利点がある。
(2)少しずつ持球数を計数していく流れであるから、持球数を残したい場合に、どのような量の持球数であっても、持球数を残すための計数スイッチ311の操作が楽に行える。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
計数手段の作動を制御する計数作動制御手段を設け、
前記計数作動制御手段は、
前記計数操作手段の操作開始の所定期間は、遊技者の遊技価値を少ない量で計数するように制御することを特徴とする遊技機。
「実施例1の研磨機構の変形例」
次に、実施例1の封入球の循環構造の変形例について説明する。
図198は、実施例1の封入球の循環構造の変形例を示す図であり、この変形例は楊送装置の配置場所を変更したものである。。
図198はパチンコ機2001の裏機構のうち、演出制御装置53等を取り外した状態における遊技球の循環経路等を示す断面図である。
図198において、遊技球の循環経路を構成するものとして、下部通路2301、楊送装置2302、上部通路2303、バイパス通路304が設けられているとともに、バイパス通路304の下部側に球抜き通路305が設けられている。
なお、説明の都合上、実施例1と同一の構成部材には、実施例1と同様の番号を付して重複説明を略し、異なる構成部材には2000番台の番号を付して説明する。
下部通路2301は所定角度だけ傾斜した構造で、球が自重で緩やかに下部通路2301を流れるようになっており、途中で屈曲して楊送装置2302の入口に接続される構成である。
下部通路2301の下方には研磨装置306が配置されている。研磨装置306は封入球を研磨するもので、下部通路2301の途中にある下切替弁310が開放しているときに、下部通路2301から下切替弁310を介して矢印で示すように研磨入口通路319から流入した球を研磨モータ312の動力により搬送スクリュー320で搬送しつつ、内部に配置された研磨部材314(例えば、研磨布)により球を磨き、下部出口2315から排出するようになっている。なお、下部出口2315から排出した球は下部通路2301を通って楊送装置2302の入口に向かう。
下切替弁310は下切替ソレノイド310Sを備えており、下切替ソレノイド310Sがオフのときは下切替弁310の弁体がスライドせず、スプリングによって弁体が付勢されて研磨入口通路319を閉鎖して球が研磨装置306に流入しないようにする。このとき、球はアウト通路331又はバイパス通路304から下部通路2301を流れて、そのまま下部通路2301を通過し、楊送装置2302の入口に向かい、研磨装置306には流入しない。
なお、図198において、○の記号は矢印とともに遊技球(封入球)の動きを示している。
一方、下切替ソレノイド310Sがオンすると、下切替弁310の弁体が下切替ソレノイド310Sにより吸引されてスライドし、研磨入口通路319を開口して下部通路2301にある球を重力によって研磨装置306に流入させるように作動する。これにより、アウト通路331又はバイパス通路304から下部通路2301に流入した球は重力によって研磨入口通路319に誘導されて研磨装置306に流入し、球磨きが行われることになる。
研磨装置306には研磨入口スイッチ321、研磨モータスイッチ322、研磨布モータ323、研磨布ユニットスイッチ324が配置されており、これらの構成は実施例1と同様である。
下部通路2301の途中には前述した下切替弁310が配置されており、この下切替弁310と対向する位置にはアウト球及びセーフ球が通過するアウト通路331が開口している。
そして、アウト通路331と対向する位置に研磨入口通路319が配置され、この研磨入口通路319が下部通路2301を望む箇所に、下切替弁310が配置されるという構成になっている。また、下部通路2301の上流側(図198にて紙面右側)はバイパス通路304に連通している。
したがって、下部通路2301にはアウト通路331からの球(遊技を終了した後に、遊技盤20から盤外に出る球)やバイパス通路304からの球が流入可能である。
研磨装置306に流入せずに下部通路2301をそのまま通過した球又は研磨装置306に流入して研磨を終了して下部出口2315から排出した球の何れも楊送装置2302の入口に向かい、楊送装置2302に流入する球は楊送入口スイッチ2332によって検出される。
楊送装置2302は、楊送入口スイッチ2332を通過した球を楊送モータ2333を作動させて矢印で示すように上方に楊送し、楊送出口スイッチ2334を介して上部通路2303に排出する。楊送出口スイッチ2334は楊送装置2302から排出される球を検出する。
また、楊送装置2302は楊送モータスイッチ2335を備えており、楊送モータスイッチ2335は楊送モータ2333の作動を検出する。
楊送出口スイッチ2334を介して上部通路2303に排出された球は、上部通路2303を流れて上切替弁336が閉鎖状態のときに、上切替弁336により阻止されて滞留し、発射装置37に球を供給可能な構成になっている。発射装置37は遊技盤20の上部から遊技領域22に向かって遊技球を発射する。
上部通路2303は所定角度だけ傾斜した構造で、球が自重で緩やかに上部通路2303を流れるようになっている。上部通路2303には電磁石2341、第2封入球検出スイッチ2165(封入球検出2SW)、第1封入球検出スイッチ2164(封入球検出1SW)、小球センサ2342が配置されている。
ここで、電磁石2341、第2封入球検出スイッチ2165、第1封入球検出スイッチ2164及び小球センサ2342の機能は実施例1と同様である。
したがって、楊送出口スイッチ2334が球の通過を検出したときに、電磁石2341を所定時間だけオンさせて球が電磁石2341の影響を受けずに第2封入球検出スイッチ2165を通過するまでの時間と、電磁石2341を所定時間だけオンさせて球が電磁石2341に吸引されるという影響を受けた後に第2封入球検出スイッチ2165を通過するまでの時間とを比較することで、前者は電磁石2341の影響を受けないので正規な非磁性体の球、後者は電磁石2341の影響を受けることから不正な磁性体の球と判定する。
電磁石2341により遊技球が正規な非磁性体の球であるか否かの判定を行うのは、実施例1と同様に、パチンコ機2001の電源投入時(例えば、開店時)の所定期間である。この所定期間では、上切替ソレノイド336Sがオンして上切替弁336の弁体が吸引されて上部通路2303の端部を開口して上部通路2303の球がバイパス通路304に流入するようになっている。また、このとき、球抜きソレノイド344Sも作動せず、球抜き弁344により球抜き通路305の入口も閉鎖されている。また、パチンコ機2001の電源投入時には研磨装置306も作動して封入球の研磨が行われる。
したがって、上部通路2303の封入球はバイパス通路304、下部通路2301、研磨装置306、楊送装置2302を経て再び上部通路2303に戻るという経路を循環することになる。このような循環経路を球が循環する過程で、電磁石2341を所定時間TDだけオンして遊技球が正規な非磁性体の球であるか否かの判定が行われる。
この場合、遊技球が正規な非磁性体の球であれば、電磁石2341を所定時間TDだけオンしたときに吸引されないので、楊送出口スイッチ2334を通過して上部通路2303に排出された球が第2封入球検出スイッチ2165を通過するまでの時間が所定時間TDより短くなることから、正規な非磁性体の球と判定できる。ここで、所定時間TDは正規な非磁性体の球が揚送出口スイッチ2334を通過してから第2封入球検出スイッチ2165を通過するまでの時間よりやや長く設定する。
一方、遊技球が不正な磁性体の球であれば、電磁石2341を所定時間TDだけオンしたときに吸引されるので、楊送出口スイッチ2334を通過して上部通路2303に排出された球が第2封入球検出スイッチ2165を通過するまでの時間が所定時間TDより長くなることから、不正な磁性体の球と判定できる。
したがって、電磁石2341を所定時間TDだけオンしたときに、楊送出口スイッチ2334を通過して上部通路2303に排出された球が第2封入球検出スイッチ2165を通過するまでの時間が所定時間TDを超えていれば、払出制御装置230は不正な磁性体の球と判定と判定し、球抜きソレノイド344Sをオンして球抜き弁344によりバイパス通路304の端部を開口してバイパス通路304にある球を球抜き通路305に流入させて回収ボックス345に回収することになる。
また、楊送出口スイッチ2334と第2封入球検出スイッチ2165との間の上部通路2303には補給ボックス部2343が連結されており、補給ボックス部2343は新しい遊技球を上部通路2303に補給することが可能なものである。
なお、研磨装置306が作動しているときに楊送入口スイッチ2332が一定時間以上、楊送入口スイッチ2332を通過する球を検出しないと研磨装置306における球詰まり等の異常と判断し、研磨装置306の研磨モータ312が回り続けるのを回避するようにしてもよい。
ここで、楊送装置2302で楊送されて楊送出口スイッチ2334を介して上部通路2303に排出された球(又は補給ボックス部2343から補給されて上部通路2303に排出された球)は、上部通路2303が所定角度だけ傾斜した構造であるので、球の流下する勢いが減らされて緩やかに流下していく。そして、上部通路2303を流入する球は自重によって、第1封入球検出スイッチ2164(封入球検出1SW)、第2封入球検出スイッチ2165(封入球検出2SW)、小球センサ2342が順次配置されている上部通路2303を通過して通常時(球抜き時以外のとき)に閉鎖状態となる上切替弁336によって阻止され、発射装置37の方に導かれて発射装置37から遊技盤20の上部に向けて発射される。
なお、上切替弁336は上切替ソレノイド336Sを備えており、上切替ソレノイド336Sがオフのときは上切替弁336の弁体がスライドせず、スプリングによって弁体が付勢されて上部通路2303の端部(バイパス通路304との連通部)を閉鎖して球がバイパス通路304に流入しないようにする。このとき、球は上部通路2303から発射装置37の方に導かれ、バイパス通路304への流入は阻止されている。
一方、上切替ソレノイド336Sがオンすると、上切替弁336の弁体が上切替ソレノイド336Sにより吸引されてスライドし、上部通路2303の端部(バイパス通路304との連通部)を開口して上部通路2303にある球を重力によってバイパス通路304に流入させるように作動する。これにより、上部通路2303の球は重力によってバイパス通路304に誘導されることとなり、発射装置37へは供給されない。
なお、上切替ソレノイド336Sの動作は払出制御装置230の球抜きスイッチ183を操作して行われるようになっており、球抜きスイッチ183をオン操作すると、上切替ソレノイド336Sがオンして上部通路303の端部を開口して上部通路2303の球をバイパス通路304に流入させるようになっている。
バイパス通路304の下部には球抜き弁344が設けられている。球抜き弁344は球抜きソレノイド344Sを備えており、球抜きソレノイド344Sがオフのときは球抜き弁344の弁体がスライドせず、スプリングによって弁体が付勢されてバイパス通路304の端部(球抜き通路305との連通部)を閉鎖して球が球抜き通路305に流入しないようにする。このとき、球はバイパス通路304から下部通路2301の方に導かれ、球抜き通路305への流入は阻止されている。
一方、球抜きソレノイド344Sがオンすると、球抜き弁344の弁体が球抜きソレノイド344Sにより吸引されてスライドし、バイパス通路304の端部(球抜き通路305との連通部)を開口してバイパス通路304にある球を重力によって球抜き通路305に流入させるように作動する。これにより、バイパス通路304の球は重力によって球抜き通路305に誘導されることとなり、下部通路2301には流れない。
そして、バイパス通路304から球抜き通路305に誘導された球は、回収ボックス345に回収される。
なお、バイパス通路304は遊技球の落下圧力を緩和するため、スパイラル形状に形成されている。
なお、球抜きソレノイド344Sの動作は払出制御装置230の球抜きスイッチ183を操作して行われるようになっており、球抜きスイッチ183をオン操作すると、球抜きソレノイド344Sがオンしてバイパス通路304の端部を開口してバイパス通路304の球を球抜き通路305に流入させて回収ボックス345に回収するようになっている。
上述したように、球抜きスイッチ183をオン操作すると、上切替ソレノイド336Sもオンする。したがって、球抜きスイッチ183のオン操作により上切替ソレノイド336S及び球抜きソレノイド344Sの両方がオンすることになる。
これは、封入球の球抜きを行う場合に、店員が球抜きスイッチ183をオン操作すると、上切替ソレノイド336S及び球抜きソレノイド344Sの両方がオンし、上切替ソレノイド336Sがオンすることで上部通路2303の球がバイパス通路304に流入し、球抜きソレノイド344Sがオンすることでバイパス通路304の球が球抜き通路305に流入し、球抜き通路305を経て回収ボックス345に回収されることを意味している。
例えば、長く使用した封入球を交換する場合には、店員が球抜きスイッチ183を操作することで、上記のように封入球が上部通路2303からバイパス通路304を経て球抜き通路305を通り回収ボックス345に回収されることになる。また、不正球(非磁性体の球、あるいは正規球よりの小さい小球)の異常が検出された場合には、自動的に球抜きが行われ、封入球は回収ボックス345に回収される。
さて、上部通路2303に配置の小球センサ2342の説明に戻ると、小球センサ2342は遊技球の大きさが正規のものよりも小さいか否かを判定するために設けられたもので、小球センサ2342は正規球(例えば、直径=11mm)は検出(検出信号がオン)するが、正規のものよりも小さい小球(例えば、直径=10.5mm未満)は検出しない(検出信号はオフのまま)構成になっている。また、小球センサ2342は第1封入球検出スイッチ2164の直後に併設して配置されている。
小球センサ2342により遊技球が正規球か否かの判定を行うのは、パチンコ機2001の電源投入時(例えば、開店時)の所定期間である。また、パチンコ機2001の電源投入時には研磨装置306も作動して封入球の研磨が行われる。
上記所定期間では、上切替ソレノイド336Sがオンして上切替弁336の弁体が吸引されて上部通路2303の端部を開口して上部通路2303の球がバイパス通路304に流入するようになっている。また、このとき、球抜きソレノイド344Sも作動せず、球抜き弁344により球抜き通路305の入口も閉鎖されている。
したがって、上部通路2303の封入球はバイパス通路304、下部通路2301、楊送装置2302を経て再び上部通路2303の戻るという経路を循環することになる。このような循環経路を球が循環する過程で、小球センサ2342により遊技球が正規球か否かの判定が行われる。
この場合、遊技球が正規球であれば、第1封入球検出スイッチ2164がオンした後所定期間内(例えば、図187参照(T22))に小球センサ2342がオンになる。これは、楊送出口スイッチ2334を通過して上部通路2303に排出された球が第1封入球検出スイッチ2164を通過した後、小球センサ2342を通過するまでの時間はほぼ一定であり、例えば所定時間T21(例えば、図187参照)となるからである。
一方、遊技球が異常球(小球)の場合は、第1封入球検出スイッチ2164がオンした後所定期間内(例えば、図187参照(T22))に小球センサ2342がオンにならない。これは、楊送出口スイッチ2334を通過して上部通路2303に排出された球が第1封入球検出スイッチ2164を通過した後、小球センサ2342を通過しても、小球センサ2342は異常球(小球)を検出せず、その検出信号がオンにならないからである。したがって、上部通路2303を遊技球が流れているときに、第1封入球検出スイッチ2164がオンした後所定期間内(例えば、図187参照(T22))に小球センサ2342がオンにならなければ、払出制御装置230は不正球(小球)と判定し、不正球(小球)と判定すると、球抜きソレノイド344Sをオンして球抜き弁344によりバイパス通路304の端部を開口してバイパス通路304にある球を球抜き通路305に流入させて回収ボックス345に回収する。
なお、球抜きソレノイド344Sをオンして球抜き弁344によりバイパス通路304の端部を開口してバイパス通路304にある球を球抜き通路305に流入させて球抜きを行う動作を、「球抜き弁344の球抜きソレノイド344Sを球抜き側に切替えて封入球の球抜きを行う」と言うことがある。
次に、遊技盤20で遊技を終了した球の回収について説明すると、発射装置37では上部通路2303から供給された球を球送りソレノイド172(図6参照)により1個ずつ発射位置に送り、遊技盤20の上部から発射ソレノイド173(図6参照)により遊技領域22に向けて発射する。なお、発射装置37は遊技盤20の上部から遊技領域22に向けて直接に球を発射するので、ファール球の発生はない。
遊技領域22に向けて発射された球は、遊技領域22を通過して遊技結果を発生させて、遊技盤20から外部(ここでは盤外(アウト))に回収される。
このとき、第1始動入賞口に入賞した球は第1始動口スイッチ120で検出され、第1始動入賞口に入賞した球は第2始動口スイッチ121で検出され、第1変動入賞装置27の第1大入賞口27aに入賞した球は下カウントスイッチ124で検出され、第2変動入賞装置34の第2大入賞口34aに入賞した球は上カウントスイッチ125で検出され、さらに一般入賞口28〜31に入賞した球は入賞口スイッチ123a〜123dにより検出される。上記各スイッチ120乃至123a〜123d、124、125は遊技盤20の裏面側に配置されている。
また、遊技盤20の裏面側の枠部には第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163が遊技盤20の裏面側の左右に配置されており、これらのスイッチ162、163は遊技盤20のセーフ球のみを検出する(アウト球は検出しない)。ただし、どの入賞口のセーフ球を検出するかは、第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163が左右に配置されているので、球の挙動で異なるが、第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163で検出した球の合計は、セーフ球の全合計に合致する。
一方、遊技結果がセーフにならず、アウトになった球(アウト球)はアウト球検出スイッチ161によって検出され、アウト通路331に流入する。アウト球検出スイッチ161も同様に遊技盤20の裏面側に配置されている。そして、遊技盤22にて遊技を終了したセーフ球及びアウト球が回収球としてアウト通路331に集められて、下部通路2301に排出される。
したがって、アウト通路331に集められる球は、セーフ(当たり)球と、アウト(外れ)球とを含む概念であるアウト数となる球であり、アウト数となる球は遊技領域22を通過して遊技結果を発生させて、遊技盤20から外部(ここでは盤外(アウト):遊技機の外ではない)に回収される球(回収球)である。すなわち、アウト数は「アウト球検出スイッチ161+第1セーフ球検出スイッチ162+第2セーフ球検出スイッチ163」という3つセンサーで得られた合計数(回収球)で算出される。
そして、上記の回収球は通常時は下部通路2301から研磨装置306に流入して研磨が行われた後、楊送装置2302により上部に楊送され、上部通路2303を通過して発射装置37に戻る。また、研磨装置306の異常時は下切替弁310の下切替ソレノイド310Sが作動せず、下切替弁310により研磨入口通路319を閉鎖して球が研磨装置306に流入しないようにし、回収球はそのまま下部通路2301を通過して楊送装置2302の入口に向かい、研磨装置306には流入しない。
次に、封入球数の適正な範囲について説明する。
第1封入球検出スイッチ2164は、上部通路2303の比較的下流側で第2封入球検出スイッチ2165よりも低い位置にある球を検出するように設けられている。これに対して、第2封入球検出スイッチ2165は上部通路2303の比較的上流側(第1封入球検出スイッチ2164よりも上流側)で第1封入球検出スイッチ2164よりも高い位置にある球を検出するように設けられている。そして、第1封入球検出スイッチ2164は遊技球として封入されている球数の下限を検出するセンサであり、第2封入球検出スイッチ2165は遊技球として封入されている球数の上限を検出するセンサである。これは、封入球が当該パチンコ機2001に過不足なく封入されている必要性から、現状の封入球数が最少以上であることと最大以下であることを、それぞれチェックして、適正な範囲に封入球数があることを確認するために設けられているものである。
また、上部通路2303は第1封入球検出スイッチ2164の前方側で屈曲した構造に形成され、屈曲した構造よりも下流側部分、すなわち第1封入球検出スイッチ2164の下流側における上部通路2303は球送り流路としての機能を有し、封入球が1個ずつ整列した状態になるようになっている。
なお、上部通路2303は球送り流路を含めて、一体の流路として設けられていてもよいし、そうでなくてもよい。
また、封入球が循環する循環経路のうち、上部通路2303は発射装置37の発射位置近傍を最下位置として図198に示すように発射位置近傍に向かって下り傾斜又は下降している。そして、第1封入球検出スイッチ2164は、この上部通路2303における第1位置にある遊技球を検出するように配置され、第2封入球検出スイッチ2165は、上部通路2303における前記第1位置よりも上流側の第2位置にある遊技球を検出するように配置されている。
ここで、前記第1位置は、封入球数(封入された遊技球の数量)の適正範囲内の最低値の数量だけ遊技球が上部通路2303に貯まった場合に、最上流の遊技球を第1封入球検出スイッチ2164が検出する位置に設定されている。また前記第2位置は、封入球数の適正範囲を超える数量の遊技球が上部通路2303に貯まった場合に第2封入球検出スイッチ2165が遊技球を検出し、封入球数の適正範囲内の最大値の数量だけ遊技球が上部通路2303に貯まった場合に、第2封入球検出スイッチ2165が遊技球を検出しない位置に設定されている。
また、循環する封入球の流路のうち上述の上部通路2303は、少なくともその一部(好ましくは全体)が、内部の遊技球を外部から(少なくとも、パチンコ機2001の裏面側から)視認できる構成となっている。これにより、上部通路2303における球の流れの状態や、球詰まりの発生の有無や、封入球数の状態が目視確認できるようになる。例えば、上記封入球の流路(上部通路2303)を、透明又は半透明の部材で構成するか、球が流出しない程度の大きさの内部視認用の開口(細いスリットや複数の微小な穴等)が所定数形成された部材で構成することによって、パチンコ機2001の裏面側から内部の球が視認できる構成となっている。
詳細の図示は省略するが、例えば上部通路2303の裏面側の壁全体を透明な部材で構成することによって、図198に示すように上部通路2303の内部全体が視認できる構成としてもよい。好ましくは、少なくとも上部通路2303においては、外部から内部の球が視認可能となっており、これにより、封入球数を目視確認できる構成となっている。また、この目視確認によって封入球数が適正か否かの正確な判断が可能となるような目印を上部通路2303の近くに形成してもよい。例えば、封入球の所定数30個の位置にマーク(指示標識:例えば図198では逆三角形のマーク)2346を上部通路2303に近くに形成してもよい。このようにすると、封入球不足時に球を追加する場合、このマーク2346まで追加すればよいのでわかりやすい。また封入球過剰の場合もこのマーク2346まで球を抜けばよいのでわかりやすい。
上記図198の構成において、封入球を遊技領域1022に落下させつつ、研磨装置306に流入しない状態は、上部通路2303、発射装置37、遊技領域22、アウト通路331、下部通路2301、楊送装置2302、上部通路2303という経路を封入球が循環して遊技が行われる。なお、このように封入球が遊技ゲームを行いながら落下し、封入球の研磨が行われずに上記経路を循環する状態を「封入球遊技循環中」という。
一方、封入球による遊技中に封入球の研磨を行うとした場合には、封入球を遊技領域22に落下させつつ、研磨装置306に流入させて球磨きを行う経路となり、その経路は上部通路2303、発射装置37、遊技領域22、アウト通路331、下部通路2301を経て、下部通路2301から下切替弁310を介して封入球が研磨装置306に流入して球の研磨が行われ、その後、下部通路2301を通って楊送装置2302で楊送されて上部通路2303に至るという経路になり、封入球の研磨が行われつつ、循環して遊技が行われる状態になる。なお、このように封入球が遊技ゲームを行いながら落下し、かつ封入球の研磨を行いつつ上記経路を循環する状態を「封入球研磨遊技循環中」という。
そして、実施例1の変形例では実施例1と同様に、封入球の研磨は電源投入時の他、通常遊技中においても研磨することを基本制御としている。これは、封入球をよく研磨するためであり、遊技中に循環させながら封入球の研磨が行われる。
また、電源投入時にも封入球の研磨を行うのは、稼働しない台でも一日一回は研磨を行うようにするためである。すなわち、実施例1の変形例ではパチンコ機2001の電源投入時などのように、遊技領域22を経ないで封入球を研磨装置306に流入させて球を循環させるときは、上部通路2303、バイパス通路304、下部通路2301を経て、下部通路2301から下切替弁310を介して封入球が研磨装置306に流入して球の研磨が行われ、その後、下部通路2301を通って楊送装置2302で楊送されて上部通路2303に至るという経路を封入球が循環する。このように封入球が遊技ゲームを行わず、封入球の研磨を行いながら上記経路を循環する状態を「封入球研磨循環中」という。
以上のように、実施例1の変形例においては、楊送装置2302の配置場所を変更したものであるが、実施例1と同様に、電源投入時の所定期間に封入球の研磨を行うとともに、遊技ゲームを行いながら、かつ封入球の研磨も行われる。
また、実施例1と同様に、正規球よりも小さい小球や磁性体球を不正球をとして検出し、不正球を検出すると、自動的に球抜きをして回収することができ、実施例1と同様にセキュリティを向上させることができる。
さらに、実施例1の変形例によれば、楊送装置2302の配置場所を選定するに際して、選定場所の自由度を上げることができる。また、図198の構成によれば,パチンコ機裏面の上部及び左側部を有効に活用することができる。
「実施例2」
次に、本発明の実施例2について説明する。
実施例2は、持球数表示器40における持球数の表示態様の動作に関するもので、ファール球が発生する場合の動作例に対応するものである。
なお、実施例2のフローチャートについては、ステップ番号として「ステップH」を用いて説明する。
ここで、実施例2の構成が実施例1と異なるのは、下記の部分であり、その他は基本的に実施例1と同様であるので、部材番号は実施例1と同一にしてある。
(a)遊技球の発射装置が枠側で遊技盤20よりも下方に配置される構成である。
ここで、実施例1では遊技球の発射装置37が遊技盤20の上部側に配置される構成であるため、球は発射装置37から直接に遊技領域22に向けて発射されて全ての球が遊技機結果(セーフ又はアウト)を発生し、遊技盤22に発射されずにファールとなるようなファール球は存在しない。
これに対して実施例2では、ファール球が存在する。すなわち、実施例2では遊技盤20よりも下方に配置された発射装置(図示略)における発射ソレノイド(図示略)の操作によって遊技領域22に向けて発射された遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行い、遊技領域22に発射されたものの、ファールとなった球は遊技領域22に到達しなかったので、遊技結果を発生させることなく、循環装置に戻る構成になっている。また、ファール球はファール球検出スイッチ(図示略)によって検出される構成になっている。
(b)払出制御装置230のフローチャートのうち、スイッチ監視処理とファール球検出スイッチ監視処理の内容が異なる。
次に、上記(b)にて提示したフローチャートについて説明する。
〔スイッチ監視処理〕
まず、払出制御装置230のタイマ割込処理におけるスイッチ監視処理を図199により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH101で発射球検出スイッチ監視処理を行い、次いでステップH102でファール球検出スイッチ監視処理を実行し、次にステップH103でアウト球検出スイッチ監視処理を実行し、次いでステップH104で計数スイッチ監視処理を実行し、さらにステップH105で計数球使用スイッチ監視処理を実行し、その後リターンする。
〔ファール球検出スイッチ監視処理〕
次に、前記スイッチ監視処理におけるファール球検出スイッチ監視処理H102を図200により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH121でファール球検出スイッチに入力があったか(即ち、ファール球が検出されたか)否か判定し、入力がなければリターンする。入力があれば、ステップH122に進んで持球数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、次のステップH123で更新持球数を「+1」だけ更新(インクリメント)する。ここでは、ファール球なので、球が1個回収されることになり、更新持球数に1個加算するためである。これにより、ファール球に対応して更新持球数が「1」だけ加算される。
次いで、ステップH124に進み、盤面球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)する。
上記ステップH121乃至ステップH124のルーチンによれば、ファール球(発射されたが遊技領域に到達しなかった遊技球)が1個回収されるたびに、盤面球数が1個減算され、持球数が1個加算される。持球数を加算するのは、ファールなので、遊技者の損失とならないよう、発射が無かったことにするためである。
次いで、ステップH125に進んで持球数表示ライトカウンタを「+1」だけ更新(インクリメント)し、ステップH126でライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に「+1」をセーブする。これは、球のファールに伴う持球数の変化を持球数表示器40にて表示する必要があるので、持球数表示ライトカウンタの値を「+1」だけ更新(インクリメント)して進め、進めたライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に球のファールに伴う「+1」を格納し、格納した「+1」を表示用持球数に加算して表示用更新持球数とするものである。
すなわち、ファール球が1個回収されるたびに、持球数を1個加算する必要があるので、表示用更新持球数格納領域の値を「+1」だけ更新(インクリメント)し、持球数表示器40を1個加算して表示させるためである。これにより、ファール球に対応して持球数が「1」だけ加算されて持球数表示器40の表示が更新されることになる
ステップH126を経ると、リターンする。
実施例2では、上記のスイッチ監視処理及びファール球検出スイッチ監視処理を実行するとともに、その他は払出制御装置230のタイマ割込処理等の関連するフローチャート(実施例1と同様)を実行することにより、持球数表示器40の表示更新制御が行われる。
次に、実施例2における持球数表示器40の表示更新制御の動作について説明する。
図201は、実施例2における持球数の表示更新制御を示すタイミングチャートである。
図201において、持球数に変化が生ずるのは、下記のような場合である。
(a)遊技球の発射で持球数は1個減少
(b)ファール球になると持球数は1個加算
(つまり、発射で1個減算したが、ファール球になると、1個加算で、結局元に戻る)
(c)入賞に伴う賞球数があると持球数に加算
入賞に伴う賞球数は下記のようになっている。なお、実施例2では大入賞口が1つの場合を例にしているが、実施例1のように大入賞口が2つであってもよい。
・大入賞口27a=13個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
いま、遊技球を1分間にほぼ100発のペースで遊技領域22に発射しているとき、この様子は図201に発射パルスで示されている。
いま、持球数=11であって、払出制御装置230の制御により持球数表示器40の表示が「11」になっている状態のときに、1個の遊技球が発射された場合、遊技球の発射で持球数は1個減少することになるが、内部メモリ(払出制御装置230のRAM233)における持球数の更新(正確には持球数の記憶の更新であるが、ここでは持球数の更新と言う。以下、同様)は直ちに(リアルタイムで)行われ、持球数の記憶は直ぐに「10」となる(図201では、球の発射とほぼ同時に内部メモリ(RAM233)での持球数の更新があるので、「10」という記憶数で表示している)。
一方、持球数表示器40の表示更新(払出制御装置230により持球数表示器40における遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新制御のこと。以下、単に持球数表示器40の表示更新と言う)。は、直ぐには行われず、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われる。そのため、図201に示すように遊技球の発射から0.3秒後に持球数表示器40の表示が「10」に更新される。
0.3秒という時間は、1分間に100発のペースで遊技領域22に遊技球を発射する場合の半分の時間に相当する。これは、前述したように、発射操作ハンドル11の操作による遊技球の発射数は、所定の規則により、1分間に100発という規定があるので、発射制御回路236は球送りソレノイド172を制御して、100発/分(およそ、0.6秒(s)に1球を発射)の範囲内に収めるようにしていることから、導かれるものである。
ここで、例えば大当りが発生しているような場合、上述した1個の遊技球の発射に伴い、大入賞口27aへ1個が入賞して賞球数=13個が生じ、さらに連続して、1個の遊技球の発射に伴い、大入賞口27aへ1個が連続入賞して賞球数=13個が生じたときには、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「9」となる(図201では、「発射の1個を減算」と表示している)。
そして、上記の2つの発射球が大入賞口27aへ連続入賞して賞球数=13個が2回生じた場合には、内部メモリ(RAM233)では、13個の賞球数を持球数記憶数「9」に直ぐに加算して「22」として持球数の更新を直ちに行い、その直後に、同じく13個の賞球数を持球数記憶数「22」に直ぐに加算して「35」として持球数の更新を直ちに行う。
一方、持球数表示器40の表示更新は、2つの発射球が大入賞口27aへ連続入賞して賞球数=13個が2回生じた場合であっても、直ぐには行われず、表示更新のタイミングは所定期間(例えば、0.3秒)の間隔となる。そのため、図201に示すように2発目の遊技球の発射から0.3秒後に持球数表示器40の表示が「9」に更新される。
その後、1回目の大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=13個が持球数に加算されて、持球数表示器40の表示更新が行われ、持球数表示器40の表示が「22」(9+13)に更新される。
次いで、その0.3秒後に、2回目の大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=13個が持球数に加算されて、持球数表示器40の表示更新が行われ、持球数表示器40の表示が「35」(22+13)に更新される。
次いで、1個の遊技球が発射された場合、遊技球の発射で持球数は1個減少することになるので、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「34」(35−1)となる。一方、持球数表示器40の表示更新は、直ぐには行われず、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われるので、遊技球の発射から0.3秒後に持球数表示器40の表示が「34」に更新される。
次いで、さらに1個の遊技球が発射された場合、遊技球の発射で持球数は1個減少することになるので、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「33」(34−1)となる。一方、持球数表示器40の表示更新は、直ぐには行われず、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われるので、遊技球の発射から0.3秒後に持球数表示器40の表示が「33」に更新される。
ところで、上記の発射球がファール球になってしまった場合には、発射で1個減算したもののファール球は持球数に戻す必要があるので、持球数に1個加算することになり、結局、元の持球数に戻ることになる。そのため、ファール球に対応するための内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は、ファール球であると判明した時点で直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「34」(33+1)となる。一方、持球数表示器40の表示更新は、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われるが、ファール球であると判明した時点が前回の更新間隔から既に0.3秒経過しているので、このケースに限っては、直ちに持球数の表示更新が行われることになり、よって、持球数表示器40の表示が「34」(33+1)に更新される。
次いで、ファールにより持球数が34になってから、次の遊技球の発射が行われると、持球数を球の発射で1個減算する必要があるため、内部メモリ(RAM233)における持球数の更新は直ちに行われ、持球数の記憶は直ぐに「33」(34−1)となる。一方、持球数表示器40の表示更新については、ファールにより持球数が34になってから、0.3秒後なので、発射による1個の減算(「−1」)に対応して持球数表示器40の表示が「33」に更新される。なお、持球数表示器40における次の「33」という表示は、持球数に変化がないので、0.3秒後に更新する必要がないことから、そのまま「33」という表示を維持している状態を示すものである。
このように、遊技ゲームの進行中、払出制御装置230の内部メモリとしてのRAM233は遊技者の持球数の変化を記憶し、これには発射した球を減算し、賞球数を加算し、ファール球を加算することを繰り返して遊技者の持球数がいくらになるかをリアルタイムで更新して記憶していく一方、持球数表示器40が遊技者の持球数を表示する場合の持球数の更新は、RAM233がリアルタイムで持球数を更新して記憶していくのと異なり、所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて、持球数の更新表示を行うように制御される。この所定期間(例えば、0.3秒)は遊技球の連続発射間隔(0.6秒)の概ね半分の時間である。
したがって、連続して入賞があったような場合においても、持球数表示器40での持球数の表示更新は所定期間(例えば、0.3秒)の間隔をおいて行われるので、持球数表示器40の表示内容を充分に認識できるだけの余裕が生まれ、遊技者は入賞に対応して持球数が更新されたことを容易に認識することができる。
「実施例3」
次に、本発明の実施例3について説明する。
実施例1では、持球数及び計数球の両方を払出制御装置230で管理してデータを記憶し、カードユニット15に対しては定期的(例えば、200ms)に持球数及び計数球の情報を送信しているとともに、通信異常のときにはカードユニット15と払出制御装置230とのデータの整合をとるためのリカバリ処理を行っている。
これに対して実施例3では、リカバリ処理を行う構成ではなく、以下のような構成としたものである。
すなわち、実施例3では、払出制御装置230からカードユニット15へ定期的(例えば、200ms毎)に持球数や計数球数をはじめとして各種遊技情報を送信するが、特に、持球数及び計数球数については、変化分ではなく、その時の実数を送信する構成である。
したがって、このような構成にすると、データの取りこぼし対策を講じる必要がなく、正確に持球数及び計数球数をカードユニット15へ送信することができ、データの信頼性を高めることができる。
因みに、持球数及び計数球数について、これらの変化分(つまり、更新持球数と更新計数球数)を払出制御装置230からカードユニット15へ送信する方式であると、データを取りこぼした場合には、カードユニット15側の持球数及び計数球数が正確に更新されず、データの信頼性が低くなる。そのため、データの取りこぼし対策を講じる必要があり、制御も複雑になってしまう。
これに対して実施例3では、持球数及び計数球数については、その時の実数を送信する構成であるから、データの取りこぼし対策を講じる必要がないという利点がある。
「実施例4」
次に、本発明の実施例4について説明する。
実施例1とは異なるが、カードユニット15が管理する操作表示装置7をパチンコ機1の演出制御装置53と接続し、演出制御装置53が一部制御するようにしてもよい。例えば、操作表示装置7のメッセージ・操作領域部706を利用して機種情報を表示したり、演出用のボタンを所定のタイミングで表示し、この操作情報を演出制御装置53に入力して演出(キャラクタの選択など)に使用するようにしてもよい。
そこで、上記のような変形の構成例を実施例4として、以下に示す。
実施例4は上記のように、操作表示装置7をパチンコ機1の演出制御装置53と接続し、演出制御装置53が操作表示装置7を一部制御するものである。したがって、実施例4は、操作表示装置7の動作に関する部分が実施例1と異なり、以下のような構成であるとともに、特有の効果を有している。説明の都合上、部材番号は実施例1と同様として説明を進めている。
実施例4のパチンコ機1(封入球式遊技機)は、演出制御装置53(遊技機:パチンコ機1)が管理する表示装置41(第1の表示装置)と、カードユニット15が管理する少なくとも一部を制御する操作表示装置7(第2の表示装置)とを備えるとともに、カードユニット15が管理する操作表示装置7をパチンコ機1の演出制御装置53と接続し、演出制御装置53が操作表示装置7の動作の一部を制御する構成である。
そのため、切替ボタン707を操作表示装置7に配置し、切替ボタン707の操作により操作表示装置7はカードユニット15が制御する球貸に関する情報の表示の他に、その他の情報例えば、特図ゲームに登場するキャラクタ紹介等の演出補助情報など)を演出制御装置53から得ることで、操作表示装置7に表示可能に構成している。
また、実施例1と同様に、遊技者が操作する押ボタン式の演出操作スイッチ9とタッチ式の操作表示装置7(タッチパネル)とを備えている。
したがって、遊技ゲームに関して以下のような効果がある。
(1)表示装置41で特図ゲームの演出を行いながら、その他の情報(例えば、特図ゲームに登場するキャラクタ紹介等の演出補助情報など)については演出制御装置53から送られてくる情報に基づいて操作表示装置7で表示することができ、遊技者に分かりやすい多彩な演出表示が可能となって、遊技の興趣を高めることができる。
この背景を説明する。
液晶表示器等の表示装置を搭載して演出を行う遊技機では、例えば図柄変動表示を行うとともにゲーム説明を表示したり、様々なキャラクタを登場させたり、また押しボタンにより遊技者に演出を選択させる画面を表示する等している。
しかしながら、1つの表示装置に上記のような様々な表示を行うと、図柄変動表示、ゲーム説明、キャラクタ登場等が混在して、遊技者に分かりにくい表示となっている。
具体例で示すと、以下の通りである。
例えば、演出用の操作ボタンを複数設け、演出に変化を与えるようにする遊技機がある。
しかしながら、このような場合、複数の操作ボタンの役割や操作方法が分かりにくいと、逆に遊技の興趣を低下させてしまうおそれがある。
また、別の遊技機では、例えば演出用の押しボタンが複数あったり、あるいは十字キーと組み合せて演出用に使用したりして色々な演出に対応させている。
しかしながら、このような場合、遊技者にしてみれば操作が複雑化して分かりにくいという面がある。そのため、対策が必要である。
また、遊技盤中央部に対応する領域に、タッチパネル(タッチセンサーを配置した構成)を設けた遊技機がある(例えば、特開2004−16292号公報参照)。
しかしながら、このような遊技機の場合、遊技者がガラス部を指で触れるので、ガラス部の汚れが目立つという問題がある。遊技場側は、遊技機の目立つところが汚れるので、ガラス部の掃除をこまめに行う必要があり、面倒である。
本実施例は、上記課題を解決できるものである。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機が管理する第1の表示装置と、
カードユニットが管理する少なくとも一部を制御する第2の表示装置と、を備えた遊技機であって、
前記第2の表示装置は、カードユニットが制御する球貸に関する情報の表示の他に、演出補助情報を表示可能に構成したことを特徴とする遊技機。
また、封入球式遊技機に適用した場合における上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
遊技機が管理する第1の表示装置と、
カードユニットが管理する少なくとも一部を制御する第2の表示装置と、を備え、
前記第2の表示装置は、カードユニットが制御する球貸に関する情報の表示の他に、演出補助情報を表示可能に構成したことを特徴とする封入球式遊技機。
(2)遊技者が操作する押ボタン式の演出操作スイッチ9とタッチ式の操作表示装置7(タッチパネル)とを備え、切替ボタン707は操作表示装置7に配置されているので、遊技者に対する演出の幅を広げることができる。
例えば、演出操作スイッチ9は表示装置41の演出画面の内容に合わせて、遊技者に連打することを促す表示を表示装置41に表示することで、遊技者が演出操作スイッチ9を連打して遊技の面白みを出す一方、操作表示装置7に配置されている切替ボタン707は
機種名やゲーム説明などの表示を選択する際に使用することで、連打用と選択用に、演出操作スイッチ9と切替ボタン707とをそれぞれ使い分けることができ、演出の幅が広がる。
また、連打用と選択用に、演出操作スイッチ9と切替ボタン707や操作表示装置7上の演出用の各種ボタンとをそれぞれ使い分けることで、演出の自由度が広がる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者が操作する第1の演出操作部と第2の演出操作部と、を備え、
前記第2の演出操作部は、前記第2の表示装置に配置されることを特徴とする遊技機。
ここで、演出操作スイッチ9は第1の演出操作部を構成し、操作表示装置7(タッチパネル方式の各種ボタンを含む)は第2の演出操作部を構成する。
また、構造に着目すると、上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記第1の演出操作部は、遊技者が押下可能な機械式の押ボタンで構成され、
前記第2の演出操作部は、遊技者が指で触れて操作可能なタッチパネル付きの液晶表示器で構成されることを特徴とする遊技機。
(3)遊技者が操作可能で演出用の操作部(タッチパネル)としても使用される操作表示装置7は、ガラス枠5の下方の下部パネル6に配置される。すなわち、封入球式遊技機以外の通常の遊技機であれば、操作表示装置7は前面枠の上皿を設けてある部材と同じ部材に配置され、ガラス枠には操作表示装置7を配置しない構成である。したがって、以下の効果がある。
表示装置41の近傍(ここはガラス枠5の部署に相当)に演出用の操作部(タッチパネル)としても使用される操作表示装置7を設けていないので、ガラス枠5のような目立つところに通常は遊技者が触れることが無く、そのため、ガラス枠5が汚れず、遊技場側の清掃作業を軽減することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技者が操作する第2の演出操作部は、ガラス枠の下方の下部パネルに設けられることを特徴とする遊技機。
ここで、操作表示装置7は第2の演出操作部を構成する。
「実施例5」
次に、本発明の実施例5について説明する。
実施例5は、研磨制御装置3059が遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230に対して情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)を一切行わずに、単に遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230からの指示で研磨装置3056を作動させて封入球の研磨を行う構成(いわゆる「サブ化」された構成)を実現する例である(詳細は図202(a)、(b)参照)。
なお、実施例5のフローチャートについては、ステップ番号として「ステップH」を用いて説明する。
ここで、実施例5の構成が実施例1と異なるのは、下記の部分であり、その他は基本的に実施例1と同様であるので、同一の部材番号は実施例1と同一にしてある。
(a)研磨制御装置3059が払出制御装置3230と分離して存在し、サブ化されている構成である。
(b)封入球の研磨機構の構成が実施例1と異なり、図202(a)に示すような構成である。
(c)封入球の研磨制御が実施例1と異なり、一部のフローチャートが実施例1と異なる。
(d)前述した実施例2と同様に、遊技球の発射装置が枠側で遊技盤20よりも下方に配置される構成である。
実施例1では遊技球の発射装置37が遊技盤20の上部側に配置される構成であるため、球は発射装置37から直接に遊技領域22に向けて発射されて全ての球が遊技機結果(セーフ又はアウト)を発生し、遊技盤22に発射されずにファールとなるようなファール球は存在しない。
これに対して実施例5では、ファール球が存在する。すなわち、実施例5では遊技盤20よりも下方に配置された発射装置における発射ソレノイド(図示略)の操作によって遊技領域22に向けて発射された遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行い、遊技領域22に発射されたものの、ファールとなった球は遊技領域22に到達しなかったので、遊技結果を発生させることなく、遊技球入口3071(図202(a)参照)に流入して、再び、発射位置に戻る構成になっている。また、ファール球はファール球検出スイッチ(図示略)によって検出される構成になっている。
(e)実施例5ではファール球が存在することから、払出制御装置3230のフローチャートのうち、スイッチ監視処理とファール球検出スイッチ監視処理の内容が異なる。これらのフローチャートの内容は、実施例2と同様であり、重複説明を略す。
なお、その他の構成は実施例1と同様であり、そこから導かれる効果も同様であり、重複説明は略す。
まず、実施例5における封入球の循環装置3055について説明する。
図202(a)は、実施例5におけるパチンコ機3001の循環装置3055の内部構成を示す図であり、循環装置3055はパチンコ機3001の枠部の裏側で下部に配置されている。
循環装置3055は、実施例5のパチンコ機3001の内部に封入された封入球を循環させるためのもので、その循環経路部に研磨装置3056が配置されている。
図202(a)において、循環装置3055は所定の厚さを有する平板構造に形成され、内部に封入球(封入された遊技球)が循環するための流路(後述する)が形成されている。また、循環装置3055には流路部に研磨装置3056が配置されている。この循環装置3055内の流路は、封入球の循環経路を構成する。なお、循環装置3055の図202(a)における上部には、盤面(遊技盤22:実施例1と同様)からの回収球を取り入れる遊技球入口3071が開口している。
遊技球入口3071には上述したように、遊技盤22にて遊技を終了したセーフ球及びアウト球が回収球として取り込まれるとともに、遊技盤22に発射されずにファールとなったファール球も回収球として取り込まれる。ファール球は遊技領域22に到達しなかったので、遊技結果を発生させることはないが、遊技球入口3071に流入して、再び、発射位置に戻ることになる。
研磨装置3056は、封入球を研磨するもので、下部入口3072から流入した球を研磨モータ3070の動力により揚送スクリュー3073で揚送しつつ、内部に配置された研磨部材3074(例えば、研磨布)により球を磨き、上部出口3075から研磨出口スイッチ3076を介して排出するようになっている。研磨出口スイッチ3076は上部出口3075から排出される球を検出するもので、研磨出口スイッチ3076が一定時間以上、上部出口3075からの球の排出を検出しないと研磨装置3056における球詰まり等の異常と判断し、研磨装置3056の研磨モータ3070が回り続けるのを回避するようになっている(詳細は後述)。
なお、球が研磨装置3056に流入するのは、循環装置3055におけるセンサ流路3077に続いて設けられた球送り流路3078を経て球が切替弁3079により切り替えられた研磨流入誘導路3080の方に誘導されて下部入口3072に流れていく場合であり、それ以外は、切替弁3079が研磨流入誘導路3080への球の流入を塞ぐようになっている。
すなわち、封入球が研磨装置3056に流入しない状態(以下、封入球循環中という)では、循環装置3055は、循環装置3055の上部に開口した遊技球入口3071からアウト球(セーフ球含む)及びファール球をセンサ流路3077に流入させて重力によって球を下方に移動させ、このように遊技球入口3071から流下した球は自重によって、第1封入球検出スイッチ3164(封入球検出1SW)及び第2封入球検出スイッチ3165(封入球検出2SW)が配置されているセンサ流路3077を通過した後、センサ流路3077に続いて設けられた球送り流路3078を経て球を発射するための球送り装置(図202(a)の左端側に設けられた装置)の方へ送られる構成となっている。なお、球送り流路3078における球送り装置(図202(a)の左端側に設けられた装置)の手前には切替弁3079が設けられている。切替弁3079は切替ソレノイド3079S(図202(b)参照)を備えており、封入球循環中は球送り流路3078の一部を切替ソレノイド3079Sによりスライドさせて研磨誘導口3080aを開口することを阻止する位置に留まり、封入球式を下方の研磨流入誘導路3080に移動させない構成になっている。
したがって、封入球循環中にあっては、盤面(遊技盤20)からの回収球である封入球は遊技球入口3071から流入し、センサ流路3077を通過し、球送り流路3078を経て球を発射するための球送り装置へ送られ、発射位置に送られた球は、発射装置の発射ソレノイド(図示略)の動力によってレール21に沿って遊技領域22に向けて発射され、アウト球(セーフ球含む)又はファール球となって再び回収球として遊技球入口3071から流入するという経路を繰り返して循環する。
ここで、上記のように切替弁3079が切替ソレノイド3079Sをスライドさせず、切替弁3079がスプリングによって弁体を付勢して研磨誘導口3080aを閉鎖して封入球が研磨装置3056に流入しない状態(封入球循環中)は、研磨装置3056を介させずにパチンコ機3001の内部で遊技盤20を通して遊技球を循環させる通常状態に相当し、この経路を遊技循環経路という。したがって、遊技循環経路は盤面からの回収球である封入球が遊技球入口3071、センサ流路3077、球送り流路3078、球送り装置、発射装置の発射ソレノイドによる球の盤面への発射、盤面流下、回収球として再び遊技球入口71を通過という経路になる。
一方、封入球循環中でなく、封入球を研磨装置3056に流入させて、球磨きを行うときには、球送り流路3078における球送り装置(図202(a)の左端側に設けられた装置)の手前に設けられている切替弁3079が球送り流路3078の一部を切替ソレノイド3079Sによりスライドさせて研磨誘導口3080aを開口させ、封入球を重力によって研磨誘導口3080aを通して下方の研磨流入誘導路3080に移動させるように作動する。これにより、センサ流路3077や球送り流路3078に存在する封入球は重力によって研磨誘導口3080aを通過して下方の研磨流入誘導路3080に誘導され、研磨流入誘導路3080を流れて下部入口3072から研磨装置3056に流入し、球磨きが行われる。そして、研磨装置3056による球磨きが終了すると、球は上部出口3075から研磨出口スイッチ3076を介してセンサ流路3077に排出され、再び、上記の経路を経て下部入口3072から研磨装置3056に流入して球磨きが行われることになる。したがって、球磨き中は、上述した経路を循環して研磨装置3056による球磨きが行われる。
ここで、上記のように切替弁3079が球送り流路3078の一部を切替ソレノイド3079Sによりスライドさせて研磨誘導口3080aを開口して、封入球を重力によって研磨誘導口3080aを通して下方の研磨流入誘導路3080に移動させ、封入球が研磨装置3056に流入する状態(封入球研磨中)は、封入球を研磨装置3056へ誘導し研磨を行う球磨き状態に相当し、この経路を研磨循環経路という。したがって、研磨循環経路は封入球がセンサ流路3077、球送り流路3078、研磨誘導口3080a、研磨流入誘導路3080、下部入口3072、研磨装置3056、上部出口3075、研磨出口スイッチ3076、再びセンサ流路3077に排出という経路になる。
切替弁3079は、研磨循環経路又は遊技循環経路の何れかに切り替える経路切替手段を構成する。
また、図202(a)に示すように、遊技球入口3071から流入した球や研磨装置3056の上部出口3075から排出される球が流入するセンサ流路3077は、球が流下する勢いを減らすために緩やかに傾斜した形状となっている。そして、センサ流路3077に流入した球は自重によって、第1封入球検出スイッチ3164(封入球検出1SW)及び第2封入球検出スイッチ3165(封入球検出2SW)が配置されているセンサ流路3077を通過した後、センサ流路3077に続いて設けられた球送り流路3078を経て球を発射するための球送り装置(図202(a)の左端側に設けられた装置)の方へ送られる。
ここで、第1封入球検出スイッチ3164は、センサ流路3077の比較的下流側で第2封入球検出スイッチ3165よりも低い位置にある球を検出するように設けられている。これに対して、第2封入球検出スイッチ3165は、センサ流路3077の比較的上流側(第1封入球検出スイッチ3164よりも上流側)で第1封入球検出スイッチ3164よりも高い位置にある球を検出するように設けられている。そして、第1封入球検出スイッチ3164は遊技球として封入されている球数の下限を検出するセンサであり、第2封入球検出スイッチ3165は遊技球として封入されている球数の上限を検出するセンサである。これは、封入球が当該パチンコ機3001に過不足なく封入されている必要性から、現状の封入球数が最少以上であることと最大以下であることを、それぞれチェックして、適正な範囲に封入球数があることを確認するために設けられているものである。センサ流路3077と球送り流路3078は、一体の流路として設けられていてもよいし、そうでなくてもよい。
なお、封入球が循環する循環経路のうち、遊技領域から回収された遊技球が発射位置に向かって流れる下流側流路(上記センサ流路3077と球送り流路3078よりなる流路)は、発射位置近傍(図202(a)における左端の球送り装置の近傍)を最下位置として図202(a)に示すように発射位置近傍に向かって下り傾斜又は下降している。そして、第1封入球検出スイッチ3164は、この下流側流路における第1位置にある遊技球を検出するように配置され、第2封入球検出スイッチ3165は、前記下流側流路における前記第1位置よりも上流側の第2位置にある遊技球を検出するように配置されている。ここで、前記第1位置は、封入球数(封入された遊技球の数量)の適正範囲内の最低値の数量だけ遊技球が前記下流側流路に貯まった場合に、最上流の遊技球を第1封入球検出スイッチ3164が検出する位置に設定されている。また前記第2位置は、封入球数の適正範囲を超える数量の遊技球が前記下流側流路に貯まった場合に第2封入球検出スイッチ3165が遊技球を検出し、封入球数の適正範囲内の最大値の数量だけ遊技球が前記下流側流路に貯まった場合に、第2封入球検出スイッチ3165が遊技球を検出しない位置に設定されている。
また、循環装置3055における封入球の流路(上述のセンサ流路3077、球送り流路3078及び研磨流入誘導路3080を含む流路)は、少なくともその一部(好ましくは全体)が、内部の遊技球を外部から(少なくとも、パチンコ機3001の裏面側から)視認できる構成となっている。これにより、循環装置3055における球の流れの状態や、球詰まりの発生の有無や、封入球数の状態が目視確認できるようになる。例えば、上記封入球の流路を、透明又は半透明の部材で構成するか、球が流出しない程度の大きさの内部視認用の開口(細いスリットや複数の微小な穴等)が所定数形成された部材で構成することによって、パチンコ機3001の裏面側から内部の球が視認できる構成となっている。
詳細の図示は省略するが、例えば循環装置3055の裏面側の壁全体を透明な部材で構成することによって、図202(a)に示すようにセンサ流路3077、球送り流路3078及び研磨流入誘導路3080の内部全体が視認できる構成としてもよい。好ましくは、少なくとも上記下流側流路(センサ流路3077及び球送り流路3078)においては、外部から内部の球が視認可能となっており、これにより、封入球数を目視確認できる構成となっている。また、図示省略しているが、この目視確認によって封入球数が適正か否かの正確な判断が可能となるような目印を循環装置3055に形成してもよい。例えば、封入球の所定数30個の位置にマーク(指示標識)を循環装置3055の裏面側に形成してもよい。このようにすると、封入球不足時に球を追加する場合このマークまで追加すればよいのでわかりやすい。また封入球過剰の場合もこのマークまで球を抜けばよいのでわかりやすい。
また球送り装置は、図202(a)、(b)に示す球送りソレノイド3172を駆動源として、球送り流路3078を流下してきた球を1個ずつ発射装置の発射位置に送る装置である。なお、発射位置に送られた球は、発射装置の発射ソレノイド(図示略)の動力によって前述のレール21に沿って遊技領域22に向けて発射できる構成となっている。この球送り装置には、図202(a)に示すように、発射球検出SW3161が設けられている。発射球検出SW3161は、発射される球を1個ずつ検出するセンサである。
次に、実施例5における演出制御装置3053の構成と、この演出制御装置3053に接続される機器について、図202(b)を参照して説明する。
図202(b)において、演出制御装置3053は、主制御用マイコン、該主制御用マイコンの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン、表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP、各種のメロディや効果音などの出力を制御する音源LSIなどを有しているが、細かい構成は略している。
演出制御装置3053は、遊技制御装置3054からの制御コマンドを解析し、演出内容を決定して表示装置41の出力映像の内容を制御したり、音源LSIへの再生音の指示をして下スピーカ10及び上スピーカ16a、16bを駆動して効果音等を出したり、前述した装飾表示LED141の駆動制御などの処理を実行するとともに、演出操作スイッチ9からの信号に応じて演出内容を決定して演出の制御を行う。
また、演出制御装置3053には払出制御装置3230からの持球数や計数球数のデータが遊技制御装置3054を経由して送信されるようになっており、演出制御装置3053は装飾持球表示装置250、サブ液晶表示装置33、レベルメータ左17L、レベルメータ右17Rに対して実施例1と同様の演出制御を行う。
次に、演出制御装置3053は遊技球の研磨の処理に関して必要な機器として、研磨制御装置3059と接続されている。研磨制御装置3059は内部にRTC(リアルタイムクロック)3060を備えており、演出制御装置3053からの指示に基づいて研磨装置3056の作動を制御して遊技球を研磨するために必要な処理を行う。RTC3060を設けているのは、日時などの情報に基づいて制御をできるようにするためである。例えば、演出制御装置3053がRTC3060の情報を読み込んで特別な演出を出現させたり、遊技球を研磨する時間帯を自由に設定できるようにするためである。
演出制御装置3053は研磨制御装置3059との間で信号の授受をしており、研磨制御装置3059は演出制御装置3053からの指示に基づき、研磨モータ3070に対して制御信号(例えば、順回転データ又は逆回転データに対応する信号)を適宜出力し、この制御信号を受けて研磨モータ3070はパチンコ機3001の内部に封入されている封入球を研磨する研磨装置3056を作動させる(順方向又は逆方向に作動させる)。
具体的には、払出制御装置3230は電源投入時の所定期間を研磨期間とし、研磨開始時には、遊技制御装置3054に研磨開始コマンドを送信するとともに、研磨停止時には遊技制御装置3054へ研磨停止コマンドを送信する制御を行う。なお、研磨期間中は遊技球の発射は不可となる。
また、払出制御装置3230は遊技球の発射を制御する発射制御回路3236を備えている。
遊技制御装置3054は払出制御装置3230からの研磨開始コマンドを受信すると、演出制御装置3053へ研磨開始コマンドを送信し、研磨停止コマンドを受信すると、演出制御装置3053へ研磨停止コマンドを送信する制御を行う。
演出制御装置3053は遊技制御装置3054からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨制御装置3059へ研磨開始を指示するとともに、研磨開始コマンド受信から研磨停止コマンド受信まで表示装置41の画面に研磨中の表示をする制御を行う。
研磨制御装置3059は演出制御装置3053からの研磨指示により、予め定められた所定期間だけ研磨を行うように研磨装置3056を制御する。この場合、研磨制御装置3059は所定の研磨装置プログラムに従って研磨モータ3070の駆動や切替ソレノイド3079Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行する。
すなわち、研磨制御装置3059には研磨モータ3070、切替ソレノイド3079S及び研磨出口スイッチ3076が接続されており、研磨モータ3070は研磨制御装置3059からの制御信号に基づいてパチンコ機3001の内部に封入されている封入球を研磨する研磨装置3056を作動させる(順方向又は逆方向に作動させる)。切替ソレノイド3079Sは封入球の研磨を行うときに研磨誘導口3080aを開口させるもので、通常(封入球を研磨しない状態のとき)は、切替弁3079の弁体(詳細は図示略)により研磨誘導口3080aを閉鎖(例えば、スプリングによって弁体を付勢して研磨誘導口3080aを閉鎖させる位置に変位)しており、研磨制御装置3059から弁体の作動信号を受けると、閉鎖位置にある切替弁3079の弁体を吸引して研磨誘導口3080aを開口させる位置に変位させる。これにより、球送り流路3078から研磨流入誘導路3080への球の移動を閉鎖している研磨誘導口3080aが開口し、球送り流路3078にある封入球が重力によって研磨誘導口3080aを通して下方の研磨流入誘導路3080に移動する。
研磨出口スイッチ3076は、上述したように上部出口3075から排出される球を検出するもので、上部出口3075からの球の排出を検出すると、球の排出検出信号を研磨制御装置3059に出力する。研磨制御装置3059は球磨き制御中でもあるにもかかわらず、一定時間以上、研磨出口スイッチ3076から球の排出検出信号を受信できない場合には、研磨装置3056における球詰まり等の異常と判断し、必要な処理(例えば、研磨モータ3070の停止)を行う。
ここで、実施例5では前述したように、研磨制御装置3059は演出制御装置3053との間で信号の授受をしているが、遊技制御装置3054や払出制御装置3230へは信号の入力をしていない。また、研磨装置3056も同じく遊技制御装置3054や払出制御装置3230へは信号の入力をしておらず、研磨装置3056の研磨モータ3070が研磨制御装置3059の制御信号を受けて動作するに過ぎない。すなわち、研磨制御装置3059及び研磨装置3056から遊技制御装置3054や払出制御装置3230への情報の入力はなく、遊技制御装置3054や払出制御装置3230から単方向で研磨制御装置3059や研磨装置3056へ情報を伝達する構成になっている。
このように、研磨制御装置3059は遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230に対して情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)を一切行わない構成であり遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230からの指示(研磨開始コマンド)により封入球の研磨を行う構成になっているが、このような構成を「サブ基板化」と言い、略して「サブ化」と称することにする。ここでは、信号の入力、データの入力等も含めて情報の入力としている。
遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230は遊技の進行や管理などの遊技の中枢に直接に係る機器であるのに対して、例えば演出制御装置3053等は一般的に遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230からの指示を受けて受動的に作動する機器であるので、通常、サブ基板と称されている。
実施例5では、研磨制御装置3059は演出制御装置3053(サブ基板)との間で信号の授受をしているだけの構成であり、同じくサブ基板の範疇に入る。そして、実施例5では制御上、研磨制御装置3059の動作が遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230に直接影響を及ぼすことがなく、かつ、研磨制御装置3059は遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230に対して情報の入力を一切行わない構成であり、遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230からの指示(研磨開始コマンド)により封入球の研磨を行う構成にすることで、研磨制御装置3059(研磨装置3056も含めて)を「サブ化」する構成にしている。したがって、研磨制御装置3059(研磨装置3056も含む)から遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230に直接影響を及ぼすことがないようになっている。
このように、研磨制御装置3059(研磨装置3056も含む)を「サブ化」することで、遊技制御装置3054や払出制御装置3230の制御の負担が軽減される。具体的には、遊技制御装置3054や払出制御装置3230から演出制御装置3053へ研磨開始コマンドを送るだけで良く、そうすると、演出制御装置3053では研磨開始コマンドを受けると、研磨制御装置3059に研磨開始を指示し、研磨制御装置3059は演出制御装置3053からの研磨指示により、予め定められた所定期間だけ研磨モータ3070の駆動や切替ソレノイド3079Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行し、遊技球の研磨が行われる。
このように、遊技制御装置3054や払出制御装置3230は演出制御装置3053へ研磨開始コマンドを送るだけで、「サブ化」した研磨制御装置3059(研磨装置3056も含む)を作動させることが可能となり、遊技制御装置3054や払出制御装置3230は封入球の研磨を行わせるのにコマンドの送信という簡単な処理だけで済むので、遊技制御装置3054や払出制御装置3230の制御負担が格段に軽くなる。
また、サブ化した装置に対しては、遊技への直接の影響がないので、搭載する部品の制約は少ない。すなわち、ROM容量の制限や部品の制限が緩和されるメリットがある。そのため、ROM容量を気にせずに設計ができるとともに、例えば部品の選択肢も広がり、RTC(リアルタイムクロック)の搭載も可能になり、演出の幅が広がる。また、センサ等の部品の選択肢も広がり、低コスト化にもつながる。さらに、「サブ化」することで、遊技への直接の影響がないので、検査が簡素化されるという利点もある。
なお、実施例5では遊技制御装置3054と払出制御装置3230とを別体化した構成にしているが、このような遊技制御装置3054と払出制御装置3230とを一体化した装置を遊技制御装置として配置する構成にしてもよく、その場合には払出制御装置3230を含めた遊技制御装置が主基板となる。したがって、実施例5の払出制御装置3230自体も主基板として扱い、主基板に含める概念がある。かかる概念に従って実施例5の払出制御装置3230自体も主基板に含めたとしても、実施例5では研磨制御装置3059は払出制御装置3230に対して情報の入力が一切無い構成になっており、研磨制御装置3059(研磨装置3056も含めて)は「サブ化」された構成である。よって、上述のメリットを発揮できる。
次に、前述したように、実施例5では封入球の研磨制御が実施例1と異なることから、一部のフローチャートが実施例1と異なり、それを下記に示す。
〔発射許可信号編集処理〕
次に、実施例5における払出制御装置3230のタイマ割込処理における発射許可信号編集処理を図203により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップH271でカードユニット接続OKか判定し、OKであればステップH272に進み、OKでなければステップH285に進む。この判定は、カードユニット接続確認処理(図示省略)の確認結果に基づいて行われる。即ち、カードユニット接続確認処理において、カードユニット接続端子板52を介してカードユニット15と払出制御装置3230は電源投入時より定期的に(例えば、200ms毎)通信を行っているが、通信が正常であればカードユニット15と接続されていると判定され、例えば、カードユニット15が電源投入されて払出制御装置3230と接続されていることを示すカードユニット接続確認フラグがセットされ、このステップH271ではカードユニット接続確認OKと判定される。
ステップH272に進むと、電源投入時強制発射タイマを更新する処理(即ち、電源投入時強制発射タイマの値をタイマ割込周期の1サイクル分だけ減少させる処理)を実行し、ステップH273に進む。なお、電源投入時強制発射タイマは、停電時に発射装置(図示略)の杵先に残った球を電源投入時に強制発射(遊技者の操作によらない自動的な発射)をするための強制発射時間を計時するためのタイマである。なお、上記強制発射は、遊技結果に影響しない空打ち発射である。
ステップH273では、電源投入時強制発射タイマの値がゼロでなければステップH284にジャンプし、ゼロならばステップH274乃至H283の判定処理に進む。
ステップH274乃至H283の判定処理では、各判定で判定結果が肯定的であると、それ以降の判定処理を実行しないでステップH285に進み、ステップH274乃至H283の各判定で判定結果が否定的であると次の判定処理を順次実行し、最後のステップH283の判定結果が否定的である場合にはステップH284に進む。
そして、ステップH274では持球数がゼロであるか、ステップH275では精算中か、ステップH276では休憩中か、ステップH277では封入球数不足エラー発生中か、ステップH278では封入球数過剰エラー発生中か、ステップH279では封入経路異常エラー発生中か、ステップH280ではガラス枠開放中(ガラス枠5開放中)か、ステップH281では枠開放・断線中(つまり、前面枠4の開放中又は遊技制御装置3054の取り外し中のうち少なくとも1つ以上を検出中)か、ステップH282では不正行為発生中か、ステップH283では封入球の研磨中フラグがセットか、をそれぞれ判定する。
ここで、精算中かの判定は、精算制御処理番号や精算中フラグにより判定する。例えば、精算中フラグがセットされていれば、精算中と判定する。また、精算制御処理番号が0であれば精算中でないと判定する。また、休憩中かの判定は、後述の休憩制御処理番号や休憩中フラグにより判定する。例えば、休憩中フラグがセットされていると、休憩中と判定する。また、休憩制御処理番号が0であれば休憩中でないと判定する。
次に、封入球数不足エラー発生中かの判定は他の処理でセットされる封入球数不足エラーフラグ、封入球数過剰エラー発生中かの判定は他の処理でセットされる封入球数過剰エラーフラグ、封入経路異常エラー発生中かの判定は他の処理でセットされる封入経路異常エラーフラグ、にそれぞれ基づいて判定する。
また、ガラス枠開放中(ガラス枠5開放中)かの判定と、前面枠4の開放中又は遊技制御装置3054の取り外し中のうち少なくとも1つ以上を検出かの判定は、それぞれ、他の処理でセットされるガラス枠開放エラーフラグと枠開放断線エラーフラグに基づく。これら判定は、フラグがセットされていれば発生中であり、クリアされていれば発生中でないと判定される。
また、不正行為発生中かの判定は、例えば遊技制御装置3054のエラー監視処理で、磁石不正、振動不正、電波不正という判断がされてエラーコマンドが送信されてくることで、不正行為発生中と判定される。
また、封入球の研磨中フラグがセットかの判定は、研磨装置制御処理において研磨中フラグがセットされているかどうかに基づいて判断する。
そして、ステップH285では、発射許可信号オフデータを設定した後、リターンする。発射許可信号オフデータが設定されると、発射制御回路3236による発射ソレノイド173の作動が禁止され、球が発射できない状態(発射不許可状態)とされる。この発射不許可状態では、適正な発射操作(タッチセンサ174がオンし、発射ボリューム171が操作されること)があっても、発射ソレノイド173は作動せず、球は発射されない。
一方、ステップH284では、発射許可信号オンデータを設定した後、リターンする。発射許可信号オンデータが設定されると、発射制御回路3236による発射ソレノイド173の作動が許可され、球が発射できる状態(発射許可状態)とされる。
以上説明した発射許可信号編集処理によれば、カードユニット15が接続されていない(或いはカードユニット15の電源が投入されていない)などによって、カードユニット接続確認OKでない場合には、無条件に発射不許可状態になる。また、パチンコ機3001が電源投入されて前記強制発射時間を経過した後は、ステップH274乃至H283の各条件(持球数がゼロ、精算中、休憩中、封入球数エラーの何れかのエラー発生中、ガラス枠開放中、前面枠開放中又は遊技制御装置3054の取り外し中のうちの何れか1つ以上が発生中、不正行為発生中、研磨フラグセット中)の何れか一つでも成立すると、球が発射できない発射不許可状態になる。但し、パチンコ機3001が電源投入されて前記強制発射時間を経過するまでの期間は、ステップH274乃至H283の各条件の何れかが成立していても、ステップH273、H284の処理によって球が発射できる発射許可状態とされる。前述の強制発射を行うためである。
なお、計数中(持球数から計数球数への移動中)は、封入球の発射を許可しないように制御してもよい。
次に、実施例5における封入球の研磨制御の動作について説明する。
図204は、パチンコ機3001の起動時における封入球の研磨制御の動作のタイミングチャートを示している。なお、実施例1と同一の部材番号は実施例1と同一にして説明している。
通常、遊技店では午後11時頃(又はもっと前)には遊技機の稼働による営業を停止し、各遊技機の電源を遮断して閉店し、その後、店内や台の清掃、片づけ等を行い、翌日の営業に備える。
いま、遊技店の開店にあたり、パチンコ機3001が起動され、電源装置58が電源の供給を開始すると、払出制御装置3230(払出基板)は電源投入時に遊技制御装置3054に研磨開始コマンドを送信し、遊技制御装置3054(主基板)は払出制御装置3230からの研磨開始コマンドを受信すると、タイミングt71で演出制御装置3053へ研磨開始コマンド(図204では単一パルスで示す)を送信する。演出制御装置3053は遊技制御装置3054からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨制御装置3059へ研磨開始を指示するとともに、研磨開始コマンド受信から研磨停止コマンド受信まで表示装置41の画面に研磨中の表示をするように制御する。
一方、払出制御装置3230は電源投入時に研磨開始コマンドを送信した時点では封入球の発射を停止し、図204に示すように、球の発射不可となっている。球の発射不可は遊技制御装置3054から演出制御装置3053に研磨停止コマンドが送信されるまで継続する。
次いで、タイミングt71から所定時間T70のウエイトが経過して、タイミングt72になると、図204に示すように、切替弁3079の切替ソレノイド3079Sが封入球の循環経路を「通常側」から「研磨側」に切り替える。これにより、切替弁3079の切替ソレノイド3079Sが球送り流路3078の一部をスライドさせて研磨誘導口3080aを開口させ、センサ流路3077や球送り流路3078に存在する封入球を重力によって研磨誘導口3080aを通して下方の研磨流入誘導路3080に移動させ、研磨流入誘導路3080を介して研磨装置3056に導き、封入球が研磨装置3056に流入開始する。
また、同じタイミングt72で研磨モータ3070が起動(OFFからONになる)する。これにより、研磨装置3056へ流入した球は研磨モータ3070の動力により揚送スクリュー3073で揚送されつつ、内部に配置された研磨部材3074により研磨されて、上部出口3075から研磨出口スイッチ3076を介して排出され、封入球の研磨が順次行われる。
一方、前述したように、演出制御装置3053は遊技制御装置3054からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨制御装置3059へ研磨開始を指示する他に、研磨開始コマンド受信から研磨停止コマンド受信まで表示装置41の画面に研磨中の表示をするように制御する。これにより、表示装置41には図205(a)に示すように、「封入球の研磨中です。お待ち下さい」というメッセージが表示され、店員等に報知される。また、図205(a)に示すように、上記メッセージの下方には封入球の研磨の進行状況(ハッチング部分が研磨完了を表し、残りは研磨がまだの状態を表す)を示す進行表示SJが行われる。したがって、店員は封入球の研磨の進行状況を容易に把握することができる。
なお、封入球の研磨中や研磨の進行状況の報知は、表示装置41による表示演出に限らず、例えば表示装置41以外の装飾ランプ等で報知する構成にしてもよい。あるいは、音声や効果音で報知する構成であってもよい。
研磨制御装置3059は演出制御装置3053からの研磨指示により、予め定められた所定期間T71だけ研磨モータ3070の駆動や切替ソレノイド3079Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行し、遊技球の研磨が行われる。
すなわち、封入球の研磨は、タイミングt72から所定時間T71が経過するまで実行される。その間、研磨出口スイッチ3076により研磨装置3056の上部出口3075からセンサ流路3077に排出される球が検出される。研磨出口スイッチ3076は上部出口3075からセンサ流路3077に排出される球を1ケ宛て検出する度にOFFからONとなるので、図204に示すようにパルス信号の形で研磨制御装置3059に入力される。
研磨出口スイッチ3076が一定時間以上、上部出口3075からの球の排出を検出しない場合には、研磨装置3056における球詰まり等の異常であるので、研磨モータ3070を停止させることになり、研磨モータ3070の異常加熱等を防止する。図204は研磨出口スイッチ3076が正常に上部出口3075から排出される球を検出している場合を示している。
次いで、タイミングt72から所定時間T71が経過してタイミングt73になると、十分に封入球の研磨が行われたと判断して、切替弁3079の切替ソレノイド3079Sが封入球の循環経路を「研磨側」から「通常側」に切り替える。これにより、切替弁3079の切替ソレノイド3079Sがオフし、切替弁3059はスプリングによって弁体を付勢して研磨誘導口3080aを閉鎖させる位置に変位させ、球送り流路3078に存在する封入球は研磨誘導口3080aが閉鎖されたため、下方の研磨流入誘導路3080に移動せず、封入球が研磨装置3056に流入しなくなる。なお、この間も研磨モータ3070は作動している。
すなわち、タイミングt73が経過しても研磨モータ3070は作動しており、これにより、切替弁3079の切替ソレノイド3079Sが「研磨側」から「通常側」に切り替えられた後も研磨装置3056の内部にある球磨き中の球が全て排出されるまでの期間が確保される。
なお、研磨装置3056の内部にある球磨き中の球が全て排出されると、研磨出口スイッチ3076の検出信号がオフし、以後は、検出信号がオフのままになる。
次いで、タイミングt73から所定時間T72が経過してタイミングt74になると、研磨モータ3070が作動を停止(OFF)する。タイミングt74は、切替弁3079の切替ソレノイド3079Sが「研磨側」から「通常側」に切り替えられてから所定期間T72が経過し、かつ研磨出口スイッチ3076の検出信号が最後にオフしてから所定期間T73が経過した時点となる。このように、研磨出口スイッチ3076の検出信号が最後にオフしてから所定期間T73が経過した時点(タイミングt74)で、研磨モータ3070の作動を停止させることにより、研磨装置3056の内部にある球磨き中の球が全て排出された状態を確認した後に、研磨モータ3070が停止することになり、研磨装置3056に封入球を残さないようにできる。
一方、払出制御装置3230は所定期間T71+T72が経過するタイミングで遊技制御装置3054へ研磨終了コマンドを送信し、遊技制御装置3054は払出制御装置3230から研磨終了コマンドを受信すると、演出制御装置3053へ研磨終了コマンド(図204では単一パルスで示す)を送信する。演出制御装置3053は遊技制御装置3054からの研磨終了コマンドを受信すると、表示装置41の画面に研磨終了の表示をするように制御する。このタイミングはt74となる。
すなわち、タイミングt74になると、表示装置41には図205(b)に示すように、「封入球の研磨が終了致しました」というメッセージが表示され、店員等に報知される。また、図205(b)に示すように、上記メッセージの下方には封入球の研磨の進行状況を示す進行表示SJにより研磨が終了した状態の表示が行われる。ここでは、進行状況としてハッチング部分が研磨完了を表すように、進行表示SJの全てがハッチング表示となって、研磨が終了した状態の表示が行われる。したがって、店員は封入球の研磨が終了したことを容易に把握することができる。
実施例5では、以下の効果がある。
(1)このように、パチンコ機3001の電源投入時に、所定時間T71だけ封入球の経路が「研磨側」へ切り替えられて研磨装置3056により封入球の研磨が行われる。遊技球の研磨中は球の発射が停止され、遊技は行えない状態となる。次いで、封入球の研磨が終了すると、遊技可能な状態となり、遊技中においては封入球は研磨装置3056を介さずに循環することになる。
遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230は単に研磨開始コマンドや研磨停止コマンドを演出制御装置3053に出すだけで、演出制御装置3053の管理の下で研磨制御装置3059(研磨装置3056も含む)の制御が行われて封入球の研磨が実行されるから、遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230の制御負担を軽減することができ、効率が良くなる。
さらに、研磨制御装置3059(研磨装置3056も含む)は遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230に対して情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)が一切行われず、研磨制御装置3059(研磨装置3056も含む)が「サブ化」されている。したがって、サブ化されることで、ROM容量の制限や部品の制限が緩和されるメリットがある。
この背景を説明する。
一般に、封入球式遊技機に研磨装置を設置する場合、試験機関で研磨装置の検査をすることになるが、研磨装置は従来の遊技機には無い装置であるので、試験に時間がかかるおそれがある。
従来、遊技球の研磨装置は補給設備の範疇に入るものであり、補給設備として設置されている。そして、補給設備は遊技機による遊技の結果に直接影響がないものであるので、遊技機の検査という観点では試験は省略される。
そこで本実施例では、研磨装置を遊技機内に組み込むものの、サブ化することで、遊技への直接の影響をなくし、検査が簡素化されるという利点を得るようにしたものである。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
球を研磨する研磨装置と、
研磨装置を制御する研磨制御装置と、を備えた遊技機において、
研磨装置及び研磨制御装置を含む遊技球の研磨に必要な機器から、少なくとも遊技制御装置及び払出制御装置に信号の入力ができない構成とし、
研磨制御装置は、遊技制御装置又は払出制御装置からの指示により研磨装置を制御して球の研磨を行わせることを特徴とする遊技機。
また、封入球式遊技機に適用した場合における上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
封入球を研磨する研磨装置と、
研磨装置を制御する研磨制御装置と、を備え、
研磨装置及び研磨制御装置を含む遊技球の研磨に必要な機器から、少なくとも遊技制御装置及び払出制御装置に信号の入力ができない構成とし、
研磨制御装置は、遊技制御装置又は払出制御装置からの指示により研磨装置を制御して球の研磨を行わせることを特徴とする封入球式遊技機。
(2)パチンコ機1の電源投入時に、払出制御装置3230は遊技制御装置3054に研磨開始コマンドを送信し、遊技制御装置3054は払出制御装置3230からの研磨開始コマンドを受信すると、演出制御装置3053へ研磨開始コマンドを送信し、演出制御装置3053は遊技制御装置3054からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨制御装置3059へ研磨開始を指示することにより、研磨制御装置3059は演出制御装置3053からの研磨指示により、予め定められた所定期間だけ封入球の研磨を行う。
このため、払出制御装置3230は単に研磨開始コマンドを遊技制御装置3054を経由して演出制御装置3053に出すだけで、演出制御装置3053の管理の下で研磨制御装置3059(研磨装置3056も含む)より封入球の研磨が行われるから、払出制御装置3230(払出基板)や遊技制御装置3054(主基板)の制御負担を軽減することができ、効率が良くなる。
制御負担を軽減は、ハード面、ソフト面の双方に及び、何れも軽減することができる。
また、研磨制御装置3059はRTC3060を搭載しているので、このRTC3060を演出制御装置3053の演出用に利用できるという利点がある。そうした場合、特に演出制御装置にRTCを搭載しなくてよいので、遊技機の機種入替え時のコスト低減になる。
さらに、研磨制御装置3059はサブ化されているので、いわゆる枠要素として部品の共通化が図れる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
前記研磨制御装置は、
研磨開始指示があると、予め定められた所定期間だけ球の研磨を行うように前記研磨装置を制御することを特徴とする遊技機。
ここで、所定期間とは、例えば遊技機の電源投入時の一定期間である。
また、払出制御装置3230は電源投入時の研磨開始時に遊技制御装置3054に研磨開始コマンドを送信し、遊技制御装置3054は払出制御装置3230からの研磨開始コマンドを受信すると、演出制御装置3053へ研磨開始コマンドを送信し、演出制御装置3053は遊技制御装置3054からの研磨開始コマンドを受信すると、研磨開始コマンド受信から表示装置41の画面に研磨中の表示をするように制御するので、店員等は表示装置41の画面を見るだけで、封入球の研磨中であることを容易に知ることができ、便利である。
一方、払出制御装置3230は研磨開始時から所定期間の経過後に、研磨停止コマンドを遊技制御装置3054を経由して演出制御装置3053へ送信し、演出制御装置3053は研磨停止コマンドを受けると、表示装置41における研磨中の表示を停止するように制御するので、店員等は表示装置41の画面を見るだけで、封入球の研磨が終了したことを容易に知ることができ、便利である。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
払出制御装置は、
研磨装置が球の研磨を行っている間は、演出制御装置に研磨中であることを表示装置に表示させる制御を行うように指示することを特徴とする遊技機。
なお、遊技制御装置が演出制御装置を制御している場合は、上記構成のうち、払出制御装置を遊技制御装置に変えればよい。
また、遊技制御装置と払出制御装置が一体化されて1つの遊技制御装置として構成されている場合には、上記の発明概念において払出制御装置という構成要件を遊技制御装置に変更した構成にすればよい(これは、以降の発明概念においても同様である)。
(3)封入球の研磨中、すなわち、払出制御装置3230が遊技制御装置3054に研磨開始コマンドを送信し、次いで、所定期間経過後に研磨停止コマンドを送信するまでの間は、封入球の研磨中であるために、遊技球の発射を停止する制御を行うので、遊技への支障をなくすことができる。言い換えれば、遊技中は研磨装置3056を作動させないので、遊技に対して研磨装置3056の作動に基づく影響がないようにできる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
払出制御装置は、
研磨装置が球の研磨を行っている間は、遊技を停止させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
なお、遊技制御装置が球の発射を制御している場合は、上記構成のうち、払出制御装置を遊技制御装置に変えればよい。
(4)パチンコ機3001の電源投入時に、研磨制御装置3059の指示により研磨装置3056では所定時間T71だけ封入球の経路が「研磨側」へ切り替えられて封入球が研磨装置3056によって研磨される。次いで、封入球の研磨が終了すると、遊技可能な状態となり、遊技中においては封入球は研磨装置3056を介さずに循環することになる。
したがって、経路の切替えという簡単な制御で封入球の研磨を行うことができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技球を研磨装置に誘導し研磨を行う球磨き状態と、研磨装置を経由させずに遊技球を循環させる通常状態とを切り替え可能な経路切替手段を設けたことを特徴とする遊技機。
(5)遊技中(台の稼働時で、大当り時等も含む)においては、研磨制御装置3059の制御により封入球が研磨装置3056を介さずに循環するように制御される。したがって、遊技中は研磨装置3056を通過しないので、遊技に対して研磨装置3056の作動に基づく影響がないようにできる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技中は、前記経路切替手段により研磨装置を経由させずに遊技球を循環させる通常状態とするように構成したことを特徴とする遊技機。
なお、実施例5の変形例として研磨制御装置3059が単独で内部のRTC3060の情報に基づいて封入球の研磨制御を行う構成にしてもよい。
これは、研磨制御装置3059に外部からの指示入力等が一切なく、また、演出制御装置3053や研磨制御装置3059からも遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230への入力がない構成であり、研磨制御装置3059は内部のRTC3060の情報に基づいて研磨装置3056の作動を制御して封入球の研磨を行うものである。なお、演出制御装置3053や研磨制御装置3059から遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230への入力がない構成は、サブ化に相当する。
上記は、例えば閉店後にバッテリ等で研磨制御装置3059や研磨装置3056に電源を供給することにより、封入球の研磨を実現できる。
このようにすると、遊技制御装置3054(主基板)や払出制御装置3230の制御負担を軽減することができ、効率が良くなるとともに、「サブ化」の効果も得られる。
「実施例6」
次に、本発明の実施例6を図206乃至図208に基づいて説明する。
実施例6は、遊技場の事情に合わせて封入球の研磨期間を設定できるようにした例である。
実施例6の構成は基本的に実施例5(図202(b))と同様であるので、説明の都合上、部材番号は実施例5と同一にしてある。ただし、実施例6では封入球の研磨制御のフローチャートのうち、発射許可信号編集処理の内容が実施例5と異なる他、研磨装置3056の動作、表示装置41の表示演出の内容が実施例5と異なる。
まず、発射許可信号編集処理の内容から説明する。
図206は実施例6における払出制御装置3230の発射許可信号編集処理を示すフローチャートである。
このルーチンが開始されると、まずステップH271乃至ステップH285までの各処理は実施例5と同様であり、同一のステップ番号が付されている。実施例5と異なる処理はステップH701からステップH710までの処理である。
すなわち、ステップH284で発射許可信号オンデータが設定されると、発射制御回路3236による発射ソレノイド173の作動が許可され、球が発射できる状態(発射許可状態)になる。この状態になると、次いで、ステップH701へ進み、研磨不可コマンドを送信済みか否かを判定する。
研磨不可コマンドは払出制御装置3230から遊技制御装置3054に対して遊技中は封入球式の研磨が不可であることを知らせるコマンドであり、研磨不可情報に相当する。研磨不可コマンド(研磨不可情報)は払出制御装置3230から遊技制御装置3054を経由して演出制御装置3053に送られる構成であり、演出制御装置3053では研磨不可コマンドを受けると、研磨制御装置3059に研磨不可コマンドを送るとともに、表示装置41に対して研磨中の表示は行わず、その他の情報(例えば、図207に示すような研磨の設定画面等)を表示するように制御する。また、研磨制御装置3059では研磨不可コマンドを受けると、封入球式の研磨が不可であることを認識し、この研磨不可コマンドを受けた場合には封入球の研磨は行わない。
ステップH701で研磨不可コマンドを送信済みでなければ、ステップH702で研磨不可コマンドを準備し、続くステップH703で主制御コマンド設定処理を行う。これにより、払出制御装置3230から遊技制御装置3054に研磨不可コマンドがシリアル通信で送信されることになる。
次いで、ステップH704で研磨不可コマンド送信済みフラグをセットし、ステップH705で研磨不可コマンド送信済みフラグをクリアする。これは、ステップH702で研磨不可コマンドを準備し、ステップH703の主制御コマンド設定処理で研磨不可コマンドを遊技制御装置3054に送信したので、同じルーチンを繰り返さないために研磨不可コマンドをクリアしておくものである。ステップH705を経るとリターンする。
一方、ステップH701で研磨不可コマンドを送信済みであれば、ルーチンを終了してリターンする。
次に、ステップH285で発射許可信号オフデータが設定されると、発射制御回路3236による発射ソレノイド173の作動が禁止され、球が発射できない状態(発射不許可状態)となり、この発射不許可状態では、適正な発射操作(タッチセンサ174がオンし、発射ボリューム171が操作されること)があっても、発射ソレノイド173は作動せず、球は発射されない状態になる。この状態になると、次いで、ステップH706へ進み、研磨可能コマンドを送信済みか否かを判定する。
研磨可能コマンドは払出制御装置3230から遊技制御装置3054に対して遊技可能状態でないとき(球の発射不可のとき)は封入球式の研磨が可能であることを知らせるコマンドであり、研磨可能情報に相当する。研磨可能コマンド(研磨可能情報)は払出制御装置3230から遊技制御装置3054を経由して演出制御装置3053に送られる構成であり、演出制御装置3053では研磨可能コマンドを受けると、研磨制御装置3059に研磨可能コマンドを送るとともに、研磨制御装置3059からの研磨中信号を受信したときに表示装置41に対して研磨中の表示を行うように制御する。また、研磨制御装置3059では研磨可能コマンドを受けると、封入球式の研磨が可能であることを認識し、この研磨可能コマンドを受け、かつ設定された研磨期間である場合に限り、封入球の研磨を行うことになる。このとき、研磨制御装置3059では研磨中信号を演出制御装置3053に送信する。
研磨可能コマンドを送信済みでなければ、ステップH707で研磨可能コマンドを準備し、続くステップH708で主制御コマンド設定処理を行う。これにより、払出制御装置3230から遊技制御装置3054に研磨可能コマンドがシリアル通信で送信されることになる。
次いで、ステップH709で研磨可能コマンド送信済みフラグをセットし、ステップH710で研磨可能コマンド送信済みフラグをクリアする。これは、ステップH707で研磨可能コマンドを準備し、ステップH708の主制御コマンド設定処理で研磨可能コマンドを遊技制御装置3054に送信したので、同じルーチンを繰り返さないために研磨可能コマンドをクリアしておくものである。ステップH710を経るとリターンする。
一方、ステップH706で研磨可能コマンドを送信済みであれば、ルーチンを終了してリターンする。
以上説明した発射許可信号編集処理によれば、遊技中(球の発射可)は研磨不可コマンド(研磨不可情報)が払出制御装置3230から遊技制御装置3054に送信され、遊技制御装置3054では払出制御装置3230からの研磨不可コマンド(研磨不可情報)を演出制御装置3053へ送信し、演出制御装置3053では研磨不可コマンド(研磨不可情報)を研磨制御装置3059へ送信し、研磨制御装置3059では研磨不可コマンドを受けると、研磨装置3056を作動させず封入球式の研磨を行わない。
一方、遊技中でないとき(発射不可)は研磨可能コマンド(研磨許可情報)が払出制御装置3230から遊技制御装置3054に送信され、遊技制御装置3054では払出制御装置3230からの研磨可能コマンド(研磨許可情報)を演出制御装置3053へ送信し、演出制御装置3053では研磨可能コマンド(研磨許可情報)を研磨制御装置3059へ送信し、研磨制御装置3059では研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受けると、設定された研磨期間である場合に限り、予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけ封入球の研磨を行うように研磨装置3056を制御する。
すなわち、研磨制御装置3059は設定された研磨期間(例えば、閉店後から翌日の開店時までの間のある特定された期間)であり、かつ研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受信していれば、予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけ研磨を行うように研磨装置3056を制御する。
また、演出制御装置3053では研磨制御装置3059からの研磨中信号を受信したときに表示装置41に研磨中の表示を行うように制御する。
次に、図207は表示装置41における研磨期間の設定例を示す図である。
表示装置41における研磨期間の設定画面は演出制御装置3053によって制御され、操作者(例えば、店員)による研磨期間の設定操作の結果は演出制御装置3053から研磨制御装置3059へ送信され、研磨制御装置3059では設定された研磨期間に基づき、演出制御装置3053から研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受信していれば、予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけ研磨を行うように研磨装置3056を制御する。
図207(a)は表示装置41における研磨期間の設定画面であり、特にパスワードを設定する画面である。図207(a)の例では、表示装置41の画面上に、「遊技場様 設定画面」、「パスワードを設定して下さい」というメッセージが表示されるとともに、0から9までの数字が表示されている。
ここで、研磨期間の設定は表示装置41と演出操作スイッチ9を使用して例えば、遊技機の電源投入時に遊技場(例えば、店員)が設定する。なお、表示装置41の代わりに持球数表示器40を使用して設定するようにしてもよい。
次いで、操作者(店員)が演出操作スイッチ9の上下左右に配置された4つのスイッチを押すことで、例えば表示装置41の画面上の「パスワードを設定して下さい」というメッセージ部分を選択して演出操作スイッチ9の中央の押しボタン式のスイッチを押すと、図207(b)に示すパスワード入力画面が現れる。例えば、4桁のパスワードの入力を終了すると、演出制御装置3053がパスワードの設定を受け付ける。なお、遊技者などが勝手に研磨期間の設定ができないようにするためにパスワードが設けられている。
次いで、図207(c)の画面に移ると、研磨期間の設定を行う画面になる。ここでは遊技場の事情に合わせて研磨期間を設定する。例えば、図207(c)の例では「午後10時30分乃至11時30分(つまり、特定の1時間)が研磨期間に設定される。
なお、研磨制御装置3059はRTC3060を搭載しているので、このRTC3060により実時間の情報を得て、毎日、カレンダー機能を発揮させながら、「午後10時30分乃至11時30分」を研磨期間として設定し、封入球の研磨の制御が可能になっている。
研磨期間とは、その間であれば、封入球の研磨を行っても差し支えないと、遊技場が判断した期間のことであり、「設定された研磨期間」に相当する。設定した研磨期間中であって、遊技中でなければ研磨装置3056が作動可能になるが、実際に研磨が行われるのは予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけである。所定期間(例えば、10分間)は、1台の遊技機に封入されている球を十分に磨いて、翌日の1日の営業中に球磨きをしないで済むような期間に設定される。所定期間(例えば、10分間)は研磨制御装置3059のプログラムにより予め設定される。
次に、図208は実施例6における封入球の研磨制御の動作のタイミングチャートを示している。
通常、遊技店では午後10時30分頃(又はもっと前)には遊技機の稼働による営業を停止し、各遊技機の電源を遮断して閉店し、その後、店内や台の清掃、片づけ等を行い、翌日の営業に備える。
いま、遊技店の開店にあたり、タイミングt81(例えば、午後10時30分)でパチンコ機3001の稼働による営業を停止したとすると、この時点から研磨期間(つまり、「設定された研磨期間」)に入る。
次いで、払出制御装置3230は球の発射を不可とするように発射制御回路3236を制御する。このタイミングをt82とする。これにより、発射制御回路3236による発射ソレノイド173の作動が禁止され、球が発射できない状態(発射不許可状態)となる。
また、このタイミングt82で払出制御装置3230から研磨可能コマンド(研磨許可情報)が遊技制御装置3054に送信され、遊技制御装置3054では研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受けると、このコマンドを演出制御装置3053へ送信する。演出制御装置3053では研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受けると、このコマンドを研磨制御装置3059へ送信し、研磨制御装置3059では研磨可能コマンド(研磨許可情報)を受けると、設定された研磨期間である場合に限り、予め定められた所定期間だけ封入球の研磨を行うように研磨装置3056を制御することになる。そのため、タイミングt82から所定時間T80のウエイトが経過して、タイミングt83になると、図208に示すように切替弁3079の切替ソレノイド3079Sが封入球の循環経路を「通常側」から「研磨側」に切り替えて、封入球が研磨装置3056に流入開始するとともに、研磨モータ3070が起動して封入球の研磨が開始されるようになる。また、封入球の研磨開始により、研磨制御装置3059から研磨中信号が演出制御装置3053に送信される。
一方、研磨制御装置3059からの研磨中信号を演出制御装置3053が受けると、演出制御装置3053では表示装置41に研磨中の表示を行うように制御する。したがって、タイミングt83から表示装置41による研磨中の表示が開始される。
研磨制御装置3059は予め定められた所定期間T81+T82だけ研磨モータ3070の駆動や切替ソレノイド3079Sの作動等の封入球の研磨に必要な処理を実行し、遊技球の研磨が行われる。
すなわち、封入球の研磨は、タイミングt83から所定時間T81が経過するまで実行される。その間、研磨出口スイッチ3076により研磨装置3056の上部出口3075からセンサ流路3077に排出される球が検出される。研磨出口スイッチ3076は上部出口3075からセンサ流路3077に排出される球を1ケ宛て検出する度にOFFからONとなるので、図208に示すようにパルス信号の形で研磨制御装置2059に入力される。
次いで、タイミングt83から所定時間T81が経過してタイミングt84になると、十分に封入球の研磨が行われたと判断して、切替弁2079の切替ソレノイド2079Sが封入球の循環経路を「研磨側」から「通常側」に切り替える。これにより、切替弁3079の切替ソレノイド3079Sがオフして封入球が研磨装置3056に流入しなくなる。なお、この間も研磨モータ3070は作動している。
すなわち、タイミングt84が経過しても研磨モータ3070は作動しており、これにより、切替弁3079の切替ソレノイド3079Sが「研磨側」から「通常側」に切り替えられた後も研磨装置3056の内部にある球磨き中の球が全て排出されるまでの期間が確保される。
なお、研磨装置3056の内部にある球磨き中の球が全て排出されると、研磨出口スイッチ3076の検出信号がオフし、以後は、検出信号がオフのままになる。
次いで、タイミングt84から所定時間T82が経過してタイミングt85になると、研磨モータ3070が作動を停止(OFF)する。タイミングt84は、切替弁3079の切替ソレノイド3079Sが「研磨側」から「通常側」に切り替えられてから所定期間T82が経過し、かつ研磨出口スイッチ3076の検出信号が最後にオフしてから所定期間T83が経過した時点となる。このように、研磨出口スイッチ3076の検出信号が最後にオフしてから所定期間T83が経過した時点(タイミングt85)で、研磨モータ3070の作動を停止させることにより、研磨装置3056の内部にある球磨き中の球が全て排出された状態を確認した後に、研磨モータ3070が停止することになり、研磨装置3056に封入球を残さないようにできる。
一方、演出制御装置3053は研磨モータ3070が停止するタイミングt85で研磨制御装置3059からの研磨中信号が送信されなくなるので、演出制御装置3053では表示装置41に研磨中の表示を行っていたのを終了する。したがって、タイミングt85にて表示装置41におる研磨中の表示が終了する。
その後、タイミングt86になると、「設定された研磨期間」が終了する。次いで、タイミングt87は、払出制御装置3230において研磨可能状態から研磨不可状態へ変化するタイミングを表している。この時、払出制御装置3230は発射制御回路3236による発射ソレノイド173の作動を許可し、球が発射できる状態(発射許可状態)にする。また、タイミングt87で払出制御装置3230は遊技制御装置3054へ研磨不可コマンド(研磨不可情報)を送信する。遊技制御装置3054は研磨不可コマンド(研磨不可情報)を受けると、演出制御装置3053に研磨不可コマンド(研磨不可情報)を送信する。演出制御装置3053は研磨不可コマンド(研磨不可情報)を受けると、研磨制御装置3059に研磨不可コマンド(研磨不可情報)を送る。
このように、遊技中でないとき(発射不可)に、設定された研磨期間である場合に限り、予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけ封入球の研磨が行われる。すなわち、設定された研磨期間(例えば、閉店後から翌日の開店時までの間のある特定された期間)であり、かつ研磨可能コマンド(研磨許可情報)を研磨制御装置3059が受信していれば、予め定められた所定期間(例えば、10分間)だけ封入球の研磨が行われる。
実施例6では、以下の効果がある。
(1)研磨期間の設定は、遊技場の店員の操作により、演出制御装置3053及び研磨制御装置3059が行うので、遊技制御装置3054(主制御基板)や払出制御装置3230(払出制御基板)の負担が軽減され、効率が良くなる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
球を研磨する研磨装置と、
研磨装置を制御する研磨制御装置と、を備えた遊技機において、
研磨装置及び研磨制御装置を含む遊技球の研磨に必要な機器から、少なくとも遊技制御装置及び払出制御装置に信号の入力ができない構成とし、
研磨制御装置は、設定された研磨期間内に研磨装置を制御して球の研磨を行わせることを特徴とする遊技機。
また、表示装置41の画面で研磨期間を設定する構成の発明概念は、下記のように表される。
球の研磨を実行可能な研磨期間を設定する研磨期間設定手段を設け、
研磨制御装置は、
研磨期間設定手段によって設定された研磨期間内に研磨装置を制御して球の研磨を行わせることを特徴とする遊技機。
ここで、実施例6の演出制御装置3053及び研磨制御装置3059は研磨期間設定手段を構成する。
(2)研磨制御装置3059に研磨期間設定のためのRTC3060を搭載したり、封入球の研磨に関する情報を入力したりしても、遊技制御装置3054(主制御基板)や払出制御装置3230(払出制御基板)への入力がない構成であるので、不正がされにくく、セキュリティが高い。
すなわち、研磨制御装置3059(研磨装置3056も含む)は遊技制御装置3054(主制御基板)や払出制御装置3230(払出制御基板)に対して情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)が一切行われない構成であり、「サブ化」しているので、不正がされにくく、セキュリティが高い。
(3)また、遊技場の事情に合わせて封入球の研磨期間を設定できるので、遊技場毎に異なる営業時間に対応して柔軟に研磨期間を設定可能となり、便利である。
この背景を説明する。
封入球式遊技機に封入球の研磨装置を設置する場合、遊技場としては遊技に影響を及ぼさないように、営業開始前や営業終了後に封入球の研磨を行うことを要望することが考えられる。
この場合、遊技場の営業時間は地域や遊技場毎に異なるので、遊技場の実情に応じて研磨期間を設定できると便利である。
しかしながら、主制御基板や払出制御基板で研磨装置を制御する構成では、実時間をカウントするRTCの搭載や遊技場の営業時間等の設定のための情報の入力(例えば、外部からの時間情報等の入力)がセキュリティ上問題がある。すなわち、不正に使用されるおそれがある。
そこで本発明では、その対策を案出し、研磨装置を「サブ化」することで、解決できるようにした。
特に、研磨制御装置3059(研磨装置3056も含む)を「サブ化」することにより、RTC3060の搭載や研磨制御装置3059(研磨装置3056も含む)への情報の入力(例えば、信号の入力、データの入力、コマンドの入力等の情報の入力)についてはセキュリティ上の問題がなくなり、研磨装置3056を作動させる期間を自由に設定することができ、遊技場の実情に沿わせることができる。したがって、例えば営業終了後に封入球の研磨をしたい場合、遊技場毎に営業時間が異なっても対応することができる。
その他の「サブ化」した効果は、実施例5と同様である。
(4)研磨制御装置3059はRTC3060を搭載しているので、このRTC3060により実時間の情報を得て、毎日、カレンダー機能を発揮させながらを研磨期間を設定できるとともに、封入球の研磨の制御も日時を指定して行わせることができる。
次に、本発明の実施例5及び実施例6の変形例について説明する。
<実施例5及び実施例6の変形例>
変形例として、例えば封入球を常時、研磨装置を介して循環させる構成(図202(a)とは異なる構成)とし、研磨制御装置3059は遊技制御装置3054や払出制御装置3230からの指示によらずに、研磨装置3056を制御する(すなわち封入球の研磨を行う)構成にしてもよい。
このようにすれば、遊技制御装置3054や払出制御装置3230は封入球の研磨に関しては何もしない(何の制御もしない)ので、さらに負担軽減になる。
「実施例7」
次に、本発明の実施例7について説明する。
実施例7は、停電復旧時における持球数の表示態様の動作に関するものである。なお、実施例7においては、部材番号は実施例1と同様であり、同一にしてある。
実施例7は停電復旧時の持球数の表示態様を制御するものである。
図209は、実施例7の停電復旧時の持球数の表示を説明する図であり、特に精算時における持球数表示器40の表示態様を含めて説明するものである。
ここで、図209に示す持球数の表示態様の動作は、前述した図189に示したものと同様の動作になっているが、図189が精算時における持球数表示器40の表示態様を説明するものであるのに対して、図209は停電復旧時の持球数の表示態様の動作を説明するものであり、その場合に図209は精算時であって、かつ停電復旧時の持球数の表示態様の動作を説明するという例になっている。
何れも精算時の動作であるが、図209では後述のように停電発生のタイミングが区間a乃至cであった場合に持球数表示器40の表示態様の動作がそれぞれ異なるので、図189とは異なるタイミング番号を使用して、精算時でかつ停電復旧時における持球数の表示態様の動作を説明している。
図209において、タイミングt91は遊技開始を示している。いま、遊技開始のタイミングt91よりも前(遊技開始前)では持球数表示器40は消灯しており、持球数の表示はされていない(持球数は「0」である)。また、遊技開始前は持球数メモリ(RAM233)の持球数の値も「0」である。
次いで、タイミングt91で遊技者がカードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入すると、あるいは現金投入口202に紙幣を投入すると(図209では遊技カード又は現金投入の動作をHレベルで示している)、遊技開始のタイミングとなり、パチンコ機1側においてもカードユニット15からの信号に基づいて遊技開始と判断して持球数表示器40が点灯する。このとき、遊技カード又は現金投入直後は持球数=0であるから、持球数メモリ及び計数球数メモリのデータは何れも「0」であり、持球数表示器40はLEDが「0」を点灯した状態になる。
次いで、遊技が開始された後、持球数が発生し、例えば持球数=125個になると、持球数メモリのデータが125となり、持球数表示器40は「125」という持球数を点灯する。また、遊技の結果で持球数が増減した場合には、それに応じて持球数メモリのデータが変化し、持球数表示器40は変化した持球数を点灯して表示する。例えば、持球数=5000個になると、持球数メモリのデータが5000となり、持球数表示器40は「5000」という持球数を点灯する。
次いで、タイミングt92において遊技者が精算を開始すると、具体的には遊技終了のために操作表示装置7の返却ボタン704にタッチすると、精算処理が開始されトータル持球数(ここでは持球数=5000個)を遊技カードに記録する処理が開始される。詳細には、遊技者が返却ボタン704を押すと、カードユニット15では精算を開始すべく、精算指示を払出制御装置230へ送信し、払出制御装置230では精算指示を受けると、トータル持球数(持球数+計数球数)データをカードユニット15へ送信し、カードユニット15はトータル持球数データを遊技カードに記録する処理を開始するようになる。
このような精算が開始されると、持球数表示器40は持球数の表示を点灯表示から移動点滅へと表示態様を変更する。そして、持球数の移動点滅表示は遊技カードへのトータル持球数の書き込み(記録)が完了するまで継続する。
ここで、タイミングt91からタイミング92までの区間aで停電が発生した場合における精算処理動作及び持球数表示器40の表示態様の動作は詳細を後述する。
次いで、タイミングt93において遊技カードへのトータル持球数の書き込みが完了すると、持球数表示器40は持球数の表示を移動点滅から同時点滅に表示態様を変更する。例えば、「5000」の点滅表示になる。ただし、内部メモリは持球数がクリアされて「0」となる。
ここで、タイミングt92からタイミング93までの区間bで停電が発生した場合における精算処理動作及び持球数表示器40の表示態様の動作は詳細を後述する。
その後、遊技カードへのトータル持球数の書き込みが完了したタイミングt93から所定期間T91が経過してタイミングt94になると、遊技カードがカードユニット15から排出される。
詳細には、カードユニット15は遊技カードに対してトータル持球数データの記録が終了すると、その旨を払出制御装置230に伝達し、払出制御装置230は記憶(例えば、RAM233の所定エリアに記憶)している持球数、計数球数等のデータをクリアし、精算終了となり、タイミングt94で遊技カードが返却される。このとき、持球数表示器40は「5000」表示を同時点滅させている。
ここで、タイミングt93からタイミング94までの区間cで停電が発生した場合における精算処理動作及び持球数表示器40の表示態様の動作は詳細を後述する。
次いで、遊技カードが排出されたタイミングt94から所定期間T92が経過してタイミングt95になると、持球数表示器40は同時点滅させていた「5000」表示を消灯する。
なお、払出制御装置230のRAM233はバックアップ電源によりバックアップされているので、停電があっても、停電中は持球数メモリ及び計数球数メモリのデータは保持される。
このように、遊技カードによる精算時に、持球数の精算が開始されると、持球数表示器40における持球数の表示を点灯表示から移動点滅表示に変更し、遊技カードへの持球数の記録が完了すると、持球数データをクリアするとともに持球数表示器40の表示を同時点滅に変更し、次いで、遊技カードへの書き込み完了から所定期間T91が経過すると、遊技カードを排出し、さらに、遊技カードが排出されてから所定期間T92が経過するまで同時点滅が継続し、その後、持球数表示器40が消灯するという動作が行われる。
したがって、遊技カードへの持球数の記録が完了すると、持球数表示器40の表示態様を変更(移動点滅から同時点滅への変更)するので、外部からでも遊技カードへ持球数が記録されたことを認識できるので、遊技者にとって便利である。
また、遊技の精算前、精算開始後、精算完了後(カードへのデータ書き込み完了後)のそれぞれの時点で停電が発生し、その後、停電から復旧する場合に持球数表示器40の表示態様が異なる動作(例えば、移動点滅、同時点滅等)となるようにしているので、遊技者に精算時の状況を認識させることができ、便利である(精算処理動作の詳細は後述)。
また、遊技カードが排出されてから所定期間(T92)は変更した態様の持球数表示(同時点滅)を継続するので、その間に遊技者は精算した球数を確認でき、便利である。
上記のような精算時における処理状態の違いを持球数表示器40の表示態様の変更だけで表現できるので。制御の効率が良い。
さらに、遊技機(パチンコ機1)の持球数データは、遊技カードへの持球数の記録が完了すると、クリアするので、持球数データが重複することなくがなく、セキュリティが高い。
次に、停電復旧時における持球数の表示態様の動作につき、図209において区間a、区間b、区間c、区間dに分けて説明する。
<区間aで停電した場合の停電復旧時の表示>
区間aは遊技開始のタイミングt91から精算開始のタイミングt92までの期間である。この区間aでは、遊技の結果で持球数が増減し、それに応じて持球数メモリのデータが変化し、さらに持球数表示器40は変化した持球数を点灯して表示する。例えば、持球数=5000個になると、持球数メモリのデータが5000となり、持球数表示器40は「5000」という持球数を点灯している。この状態で停電した場合、停電中は払出制御装置230のRAM233はバックアップ電源によりバックアップされているので、停電があっても、停電中は持球数メモリ及び計数球数メモリのデータは保持されている。
次いで、区間aの期間中に停電から復旧すると、停電中でも持球数メモリ及び計数球数メモリのデータは保持されているので、停電復旧時に持球数メモリのデータが「5000」であれば、そのデータに基づいて、持球数表示器40には直ぐに「5000」という表示がされて点灯する。
したがって、停電前の持球数が保持され、停電からの復旧時には、直ぐに停電前の持球数が持球数表示器40の点灯で表示されるので、遊技者は停電前と同じ状態から遊技を安心して再開できる。
<区間bで停電した場合の停電復旧時の表示>
区間bは精算開始のタイミングt92から遊技カードへのデータ(トータル持球数)の書き込み完了のタイミングt93までの期間である。この区間bでは、例えば持球数=5000個のときに停電しているので、精算処理は中断する。ただし、持球数メモリのデータは5000であり、この状態で停電した場合、停電中は払出制御装置230のRAM233はバックアップ電源によりバックアップされているので、停電があっても、停電中は持球数メモリ及び計数球数メモリのデータは保持されている。したがって、持球数メモリのデータの5000は保持される。
次いで、区間bの期間中に停電から復旧すると、払出制御装置230はRAM233から持球数メモリのデータ(5000個)を読み出し、持球数表示器40に持球数を表示させるが、このとき、持球数表示器40は移動点滅の態様で持球数「5000個」を表示する。また、停電からの復旧により、精算処理も再開され、遊技カードへのトータル持球数の書き込みが完了すると、持球数表示器40は持球数の表示を移動点滅から同時点滅に表示態様を変更する。例えば、「5000」が同時点滅表示になる。ただし、内部メモリは持球数がクリアされて「0」ととなる。その後、遊技カードへのトータル持球数の書き込みが完了すると、遊技カードがカードユニット15(詳しくはカード投入口201)から排出される。
<区間c〜dで停電した場合の停電復旧時の表示>
区間c〜dは、精算を終了して遊技カードへのデータ(トータル持球数)の書き込み完了のタイミングt93から遊技カードが排出されるタイミングt94及び持球数表示器40が完全に消灯するタイミングt95までの期間である。
これらの区間c〜dでは、例えば遊技カードへのデータの書き込みが完了して持球数=0個のときに停電しているので、精算処理は終了している。また、持球数データは、遊技カードへの持球数データの記録が完了すると、クリア(RAM233の持球数データがクリア)される。
次いで、区間c〜dの期間中に停電から復旧すると、払出制御装置230は遊技カードへのデータの書き込みが完了していると判断し、持球数表示器40を消灯させ、持球数の表示を行わないように制御する。したがって、遊技カードへの持球数の記録が完了後に停電した時は、復旧時に持球数表示器40は持球数表示を行わない(消灯する)ように作動する。
なお、区間cの期間中に停電から復旧した場合には、停電時に遊技カードが排出(カードユニット15のカード投入口201から排出されること。以下、同様)されていないので、停電から復旧した後に払出制御装置230は遊技カードを排出するように作動する。
一方、区間dの期間中に停電から復旧した場合には、停電時には既に遊技カードが排出済みであるので、停電から復旧した後に払出制御装置230が遊技カードを排出する動作を行うことはない。なお、区間c、区間dの何れの期間であっても、停電からの復旧時には持球数表示器40は消灯するように作動する。
このように、精算処理中に停電が発生しない通常時は、精算開始時に持球数表示器40は持球数の表示を点灯表示から移動点滅へと表示態様を変更し、持球数の移動点滅表示は遊技カードへのトータル持球数の書き込み(記録)が完了(つまり精算完了)するまで継続し、遊技カードへの持球数の記録が完了すると、持球数表示器40は移動点滅表示から同時点滅表示へと表示態様を変更し、遊技カードが排出されてから所定期間まで持球数表示器40は変更した表示態様(同時点滅表示:例えば「0」表示の同時点滅)を継続する。
一方、遊技カードへの持球数の記録が完了した後に、停電した場合には、停電から復旧しても復旧時に持球数表示器40は持球数表示を行わず、消灯する。
したがって、通常時は持球数表示器40は精算完了後も所定期間、移動点滅から同時点滅に表示態様を変更しつつも表示を継続させるので、遊技者は遊技カードへ持球数が記録されたことを認識でき、便利であるとともに、遊技カードへの持球数の記録が完了後に停電した時は、復旧時に持球数表示器40が持球数表示を行わず消灯するので、既に遊技カードを遊技者が持ち帰っているにも拘わらず、持球数表示器40により持球数が表示されるという状態を回避することができ、混乱を防止できる。
また、上記のような作動を持球数表示器40の表示態様の変更及びそのバックアップ(持球数データのバックアップ)だけで対応できるので、処理がシンプルになって制御の効率が良い。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
遊技者の持球数を表示可能な持球数表示装置と、
持球数表示装置の表示を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
持球数を精算するために遊技カードに記録して排出が行われる場合に、
遊技カードへの持球数の記録が完了すると、持球数表示装置における持球数の表示態様を変更し、
遊技カードが排出されてから所定期間まで変更した態様の表示を継続するとともに、
遊技カードへの持球数の記録が完了後に停電したときは、停電からの復旧時に持球数表示装置における持球数表示を行わず、消灯するように制御することを特徴とする封入球式遊技機。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2007−215608号公報に開示されたものでは、カードユニットによる精算時に共通情報(例えば、持球数表示器の表示態様、持球数データ等)の更新は、一連の通信手順完了後としている。
しかしながら、封入球式遊技機において、持球数の精算中に停電があった場合、停電のタイミングにより持球数データ(内部メモリ(例えば、RAM)に保存)と、持球数表示との不整合が起こるおそれがあった。
そこで本実施例では、通常時(停電時以外)は、精算開始時に持球数の表示を点灯表示から移動点滅へ変更し、遊技カードへの持球数の記録が完了すると、持球数の表示を移動点滅から同時点滅へと変更し、遊技カードが排出されてから所定期間まで持球数表示器40は変更した表示態様(同時点滅)を継続することで、遊技者に遊技カードへ持球数が記録されたことを認識させ、便利なようにした。
また、遊技カードへの持球数の記録が完了した後に、停電し復旧した場合には、持球数表示を行わず、持球数表示器40を消灯するようにしたので、既に遊技カードを遊技者が持ち帰っているにも拘わらず、持球数が表示されるという状態を回避することができ、混乱を防止できるようにした。
「実施例8」
次に、本発明の実施例8について説明する。
実施例8は、停電復旧時における計数球数の表示動作に関するものである。
なお、実施例8においては、部材番号は実施例1と同様であり、演出制御装置53の制御により表示装置41及びサブ液晶表示装置33の演出が下記のように行われる構成になっている。
すなわち、通常遊技中は表示装置41により飾り特図の変動表示ゲームが演出され、サブ液晶表示装置33では補助演出(機種名や保留数表示等)の表示が行われる。
遊技中に停電が発生した場合には、持球数データ、計数球データ等は停電中でも払出制御装置230のRAM233によりバックアップされており、また、表示装置41による演出データや計数球数は、演出制御装置53のRAMによりバックアップされている。そして、停電から復旧する過程では、「停電復旧中」という表示が表示装置41に表示されるとともに、停電復旧時にサブ液晶表示装置33では計数球の表示が行われる(計数球が無い場合には計数球数「0」を表示)。その後、停電復旧が完了すると、表示装置41及びサブ液晶表示装置33ともに、バックアップデータに基づいて停電前の遊技状態に復帰する。
図210は、実施例8の停電復旧時における表示装置41(メイン液晶表示装置)及びサブ液晶表示装置33の動作を説明する図である。
ここで、表示装置41(メイン液晶表示装置)及びサブ液晶表示装置33は演出用表示装置を構成するが、演出用表示装置としてのメイン液晶表示装置(表示装置41)及びサブ液晶表示装置33には2D(2次元)表示だけでなく、3D(3次元)表示で画像を表示が可能な液晶装置が使用されている。
3D表示可能な構成としては、例えば裸眼3Dディスプレイを使用する。裸眼3Dディスプレイは、通常のディスプレイにレンチキュラーレンズと呼ばれる板状のレンズや視差バリアと呼ばれる縦縞のフィルター(アパーチャーグリル)を重ねることによって、1つの画面で右目と左目に異なる映像を見せるようにしたものである。
なお、演出用表示装置としてのメイン液晶表示装置(表示装置41)及びサブ液晶表示装置33には2D(2次元)表示だけを表示し、3D(3次元)表示をしない液晶装置を使用する構成にしてもよい。その場合には、3D表示のキャラクタは液晶画面で、通常の2D表示に見えるようになる。また、2Dディスプレイで立体的な表示(3次元コンピュータグラフィックス)を行うようにしてもよい。この場合の立体的な表示、例えば立体的に作成したキャラクタも3Dキャラクタと表現する。
図210において、タイミングt101は停電からの復旧で、主電源が投入された時点を示している。すなわち、タイミングt101で停電からの復旧に際して主電源が投入されると、遊技制御装置54、払出制御装置230、演出制御装置53等や各電子部品に電源の供給が開始され、必要に応じて初期化等の処理が行われる。
タイミングt101から所定期間T101が経過すると、演出制御装置53におけるCPUの初期化が終了して、サブ液晶表示装置33の画面が表示可能となる。
次いで、タイミングt102になると、停電復旧コマンドが遊技制御装置54から演出制御装置53へ送信される。
表示装置41(メイン液晶表示装置)は電源投入のタイミングt101から停電復旧コマンドを受信するタイミングt102までの期間は、画面が黒いままで、いわゆる黒画面になっている。
次いで、タイミングt102で演出制御装置53からの指示により、表示装置41は画面に「停電復旧中」の表示をする。
次いで、タイミングt103で役物装置(例えば、演出役物装置36)等の初期化が完了すると、表示装置41は「停電復旧中」の表示を停止して、通常表示の画面(例えば、デモ表示の画面)に移行する。
一方、サブ液晶表示装置33については、下記のように作動する。
タイミングt101で停電復旧に伴って主電源が投入されると、タイミングt101から所定期間T101が経過するまでの期間は、演出制御装置53におけるCPUの初期化が終了していないので、サブ液晶表示装置33は画面が黒いままで、いわゆる黒画面になっている。
次いで、上記所定期間T101が経過すると、演出制御装置53におけるCPUの初期化が終了して、サブ液晶表示装置33の画面が表示可能となり、サブ液晶表示装置33に、演出制御装置53で記憶しておいた計数球数が表示される。一方、計数球数がゼロである場合には、計数球数0(ゼロ)を表示する、
なお、計数球数は払出制御装置230におけるRAM233の計数球数メモリにバックアップ電源付きで記憶されているが、遊技制御装置(主基板)54及び演出制御装置53にもバックアップ電源付きで記憶されている。遊技制御装置(主基板)54及び演出制御装置53は、例えばバックアップ電源付きのRAMを備える構成である。
ここで、サブ液晶表示装置33は遊技制御装置54からの停電復旧コマンドを受信しなくても、計数球数の表示が可能になっている。すなわち、サブ液晶表示装置33は停電復旧コマンドの受信の有無に拘わらず、計数球数の表示が可能である。
次いで、タイミングt102になると、演出制御装置53は停電復旧コマンドを受信し、表示装置41(メイン液晶表示装置)に対し停電復旧中表示の指示をする。サブ液晶表示装置33は停電復旧コマンドを受信しなくても、計数球数の表示が可能であるので、タイミングt102になっても引き続き、計数球数の表示を継続する。
次いで、タイミングt103で役物装置等の初期化が完了すると、サブ液晶表示装置33は通常表示の画面(例えば、計数球数がある場合は計数球を表示、計数球数がない場合は機種名や特図保留数を表示する画面)に移行する。
次に、表示装置41(メイン液晶表示装置)及びサブ液晶表示装置33の具体的な画面の一例につき、図211を参照して説明する。
図211において、図211(a)は通常時であり、計数球が無い状態を示し、例えば遊技中であるが、計数球が発生せず、表示装置41には「7、5、3」という特図(ここでは飾り特図)が表示されている。その他に表示装置41には第4図柄Zが表示されているが、保留数HRは表示されていない。
一方、図211(a)に示すように表示装置41の側方に配置されているサブ液晶表示装置33には機種名が「CR○○○」と表示されるとともに、保留数表示として「特図1:0」、「特図2:0」が表示されている。「特図1:0」とは特図1の保留数0のことであり、「特図2:0」特図2の保留数0のことである。
なお、計数球が無い状態のときには、機種名の表示に限らず、例えば表示装置41(メイン液晶表示装置)と連動した演出表示が行われる。そのような演出表示としては、例えば計数球が無いときは「2D子供キャラクタ」が表示装置41やサブ液晶表示装置33に表示される。
次いで、遊技が進行し、図211(b)に示すように計数球が発生するとともに、保留数が発生したとき、表示装置41には例えば「1、2、3」の図柄で特図(飾り特図)が停止表示され、さらに、表示装置41には第4図柄Zが表示されるとともに、保留数HRが4つ表示されている。この場合には、計数球が存在するので、サブ液晶表示装置33には機種名が消えて、「計数球数5000個」というように計数球に関する情報が表示され、かつ保留数表示として「特図1:4」、「特図2:0」という表示がされる。「特図1:4」とは特図1の保留数が4個であることを示している。
その後、停電が発生すると、表示装置41及びサブ液晶表示装置33とも各画面が消えて作動を停止する。ただし、停電中であっても払出制御装置230のRAM233はバックアップ電源によりバックアップされているので、停電中は持球数メモリ及び計数球数メモリのデータは保持されている。したがって、計数球数メモリのデータ5000は保持されている。また、前述したように、計数球数は遊技制御装置(主基板)54及び演出制御装置53にもバックアップ電源付きで記憶されている。
次いで、停電復旧に伴って主電源が投入されると、図210に示すように主電源の投入タイミングt101から所定期間T101が経過すると、図211(c)に示すように、演出制御装置53におけるCPUの初期化が終了して、サブ液晶表示装置33の画面が表示可能となり、サブ液晶表示装置33に計数球数メモリで記憶しておいた計数球数が表示される。この場合、停電前は計数球数が5000個であったので、サブ液晶表示装置33には「計数球数5000個」という計数球数の表示が再開される。なお、計数球数が無い場合には、計数球数0を表示する。
次いで、図210に示すようにタイミングt102になると、遊技制御装置54から停電復旧コマンドが演出制御装置53に送られ、表示装置41は画面に「停電復旧中」の表示をする。これにより、遊技者は停電復旧中であることを容易に知ることができる。
なお、その後、タイミングt103で役物装置等の初期化が完了すると、表示装置41は「停電復旧中」の表示を停止して、通常表示の画面(例えば、デモ表示の画面)に移行する。
このように、演出制御装置53は表示装置41(メイン液晶表示装置)及びサブ液晶表示装置33の演出を制御するとともに、バックアップ電源付きのRAMを備え、さらに、遊技制御装置(主基板)54及び払出制御装置230もバックアップ電源付きのRAMを備えており、停電復旧時に、表示装置41(メイン液晶表示装置)は遊技制御装置(主基板)54からの指示により演出制御装置54の制御に従って「停電復旧中」の表示を行うとともに、サブ液晶表示装置33は遊技制御装置(主基板)54からの指示がなくても、記憶(演出制御装置53にて記憶)しておいた計数球数の表示(計数球数0の表示も含む)を行うので、以下の効果がある。
計数球数は、遊技制御装置(主基板)54と演出制御装置53とで記憶しているので、セキュリティが高い。
また、停電中に遊技制御装置(主基板)54に異常があった場合でも、演出制御装置53で記憶しておいた計数球数をサブ液晶表示装置33に表示できるので、計数球数の消失がないことが分かり、安心である。
特に、計数球数を遊技制御装置54又は払出制御装置230で管理する場合には、停電時に遊技制御装置54又は払出制御装置230に不具合があると、計数球数(詳しくは、計数球数のデータ)が消失するおそれがあるが、本実施例では停電時に遊技制御装置54又は払出制御装置230に不具合があったとしても、演出制御装置53で計数球数を記憶しているので、停電復旧時に速やかに計数球数をサブ液晶表示装置33に表示することから、遊技者に多大の安心感を与えることができ、信頼性を向上させることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行うとともに、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からのコマンドに基づいて演出用表示装置を制御して演出を行うことが可能な演出制御装置を備えた封入球式遊技機において、
前記演出用表示装置としてメイン液晶表示装置と、サブ液晶表示装置と、バックアップ手段を有するRAMと、を備え、
前記演出制御装置は、
前記遊技制御装置からの指示により、停電からの復旧時に停電復旧中の表示を行うようにメイン液晶表示装置を制御し、
サブ液晶表示装置については、前記遊技制御装置からの指示が無くても、停電からの復旧時に、前記RAMに記憶されている計数球数の表示を行うように制御することを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、表示装置41はメイン液晶表示装置を構成し、表示装置41及びサブ液晶表示装置33は演出用表示装置を構成する。
なお、演出用表示装置のRAMに記憶される計数球数は、計数球数0の状態も含めて記憶される。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2006−325929号公報に開示されたものでは、発射可能球数と持球数(この公報の例では計数球数に相当)はガラス枠下の操作表示パネル(例えば液晶表示器)に表示するようにしている。
しかしながら、上記公報に記載の従来の遊技機では、停電時に不測の事態になるおそれがあった。
すなわち、封入球式遊技機において、計数球を主基板(遊技制御装置)又は払出基板(払出制御装置)で管理する場合、停電時に主基板(遊技制御装置)又は払出基板(払出制御装置)に不具合があると、計数球数が消失するおそれがあり、遊技者に不安を与えることがある。
そこで本実施例では、停電復旧時に、サブ液晶表示装置33は遊技制御装置(主基板)54からの指示がなくても、記憶(演出制御装置53にて記憶)しておいた計数球数の表示(計数球数0の表示も含む)を行うようにして、計数球数が消失するおそれをなくし、遊技者に安心感を与えるようにした。
次に、実施例8の変形例として、サブ液晶表示装置33は計数球数を表示するのみでなく、例えば持球数も表示する構成にしてもよい。このようにすると、遊技者は計数球数に加えて持球数も分かるので、便利である。
「実施例9」
次に、本発明の実施例9について説明する。
実施例9は、封入球遊技の不正入賞を抑制する動作に関するものである。
なお、実施例9においては、説明の都合上、部材番号は実施例1と同一にしており、実施例1と共通のフローチャートは省き、実施例9の実現に関連するフローチャートは、以下の3つである。
すなわち、実施例9の実現に関連するフローチャートは、〔主制御コマンド受信処理〕、〔セーフ球検出スイッチ監視処理〕及び〔持球数管理処理〕である。このうち、〔主制御コマンド受信処理〕については、実施例1と共通であるので、重複説明を省き、残りの2つのフローチャートについて説明する。
なお、主制御コマンド受信処理は遊技制御装置54から払出制御装置230に対して送信されてくるコマンドを受信してセーブするものである。前述したように、概念的に広い意味では遊技情報もコマンドの1つであり、遊技状態情報もコマンドの1つに含まれる。また、種別情報、賞球情報も同様にコマンドの1つである。
〔セーフ球検出スイッチ監視処理〕
図212は、実施例9のスイッチ監視処理におけるセーフ球検出スイッチ監視処理D122の詳細を示すフローチャートである。なお、以下の説明でフラグセットの参照先(例えば、図118の盤面球数エラーフラグ等)については、実施例1と同一であるものは、同一として説明し、異なるものがあれば、別途説明する。
このフローチャートの説明に当たり、実施例1と同一の処理を行うステップには同一のステップ番号を使用し、異なる処理を行うステップには異なるステップ番号を使用する。
遊技盤20の裏面側の枠部には第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163が配置されており、これらのスイッチ162、163は遊技盤20のセーフ球のみを検出する。そのため、セーフ球検出スイッチ監視処理では第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163に関連する処理を行う。
このルーチンが開始されると、まずステップD141で第1セーフ球検出スイッチ162がオンしたか否かを判定し、オンしていなければステップD147へジャンプして第2セーフ球検出スイッチ163に関連する処理に移行する。
一方、第1セーフ球検出スイッチ162がオンしていれば、ステップD142に進んでセーフ数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)する。次いで、ステップD143でアウト数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)する。
次いで、ステップD144に進んで盤面球数エラー中か否か判定し、盤面球数エラー中ならば(具体的には、図118の盤面球数エラーフラグがセットされているならば)、ステップD145に進み、盤面球数エラー中でないならば(具体的には、図118の盤面球数エラーフラグがクリアされているならば)、ステップD146に進む。
ステップD145に進むと、ガラス枠開放エラー中か否か判定し、ガラス枠開放エラー中ならば(具体的には、図120のガラス枠開放エラーフラグがセットされているならば)、ステップD147にジャンプし、ガラス枠開放エラー中でないならば(具体的には、図120のガラス枠開放エラーフラグがクリアされているならば)ステップD146に進む。
ステップD146に進むと、盤面球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)し、ステップD1001に進む。
上記ステップD141乃至ステップD146までの処理によれば、第1セーフ球検出スイッチ162によりセーフ球が1個検出されるたびに、セーフ数が「+1」更新されるとともに、アウト数も同じく「+1」更新される。また、セーフ数が1個検出されるたびに、盤面球数が1個減算される。但し、盤面球数エラー中でガラス枠開放エラー中である場合には、ガラス枠5を開けて盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業中であると考えられるため、ステップD146の盤面球数の減算は実行されない。なお、盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業が終了してガラス枠5が閉じられると、図116のエラー解除スイッチ監視処理によって盤面球数はクリアされる(ステップD193)。
なお、ステップH141で検出されるセーフ球は、発射されてセーフになった(入賞した)遊技球であり、アウトになった(入賞しなかった)遊技球は含まれない。
ただし、アウト数は、遊技領域から排出され回収される全ての遊技球の数を意味するので、発射されてセーフになった(入賞した)遊技球も遊技領域から排出され回収される球に含まれることから、ステップD143でアウト数の値を「+1」だけ更新するようにしている。
また、前記ステップD144及びD145により、盤面球数エラーが発生してもガラス枠5を開けなければステップD146が実行されて盤面球数は更新されるので、自然に詰まりが解消された場合、つまり遊技者がガラス枠5の前面を叩いた場合等や、遊技球同士が衝突することで解消された場合はエラー解除スイッチ68を操作しなくてもエラーが解除されるようになっているので遊技者、店員のどちらにとってもわずらわしさが発生することがない。
ステップD146を経て、ステップD1001に進むと、遊技制御装置54からの賞球コマンドに応じて取得された賞球数に対応する入賞個数を順次入賞個数領域に格納していく処理に移行する。
すなわち、ステップD1001で入賞個数領域の先頭アドレスを設定する。なお、ガラス枠5が開いていたら、何れかの入賞口(例えば、始動入賞口25、始動入賞口26、一般入賞口28〜31等)に入賞があったとしても、入賞扱いにはしないものとする。
ここで、入賞個数領域は複数の入賞個数を保存可能なように領域がアドレスで区分可能に構成されているので、遊技制御装置54から受信した入賞個数(すなわち、遊技制御装置54からの賞球コマンドに応じて取得された今回の賞球数に対応する入賞個数)を入賞個数領域に格納するためのアドレスを先頭から設定していくものである。なお、入賞個数領域はコマンドの受信バッファのように、複数バイトの領域で構成され、書き込んだ順に入賞個数が増減し、上限まで達した場合には「0」に戻らず、上限値で留めるようにする(上限値は、例えば255個である)。
次いで、ステップD1002で入賞個数領域の値が「0」であるか否かを判定する。
ここで、入賞に伴う賞球数は下記のようになっており、どの入賞口にどの程度入賞したか(入賞個数)が遊技制御装置54から賞球コマンドとして送られてくるので、ステップD1002の処理は入賞口の種別に対応する賞球数があるかどうかを判定するものである。
・第1大入賞口27a=13個
・第2大入賞口34a=10個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
ステップD1002で入賞個数領域の値が「0」でなければ、ステップD1005に分岐して入賞個数領域に対応する入賞確定個数領域のアドレスを設定する。なお、入賞確定個数領域はコマンドの受信バッファのように、複数バイトの領域で構成され、書き込んだ順に入賞確定個数が増減し、上限まで達した場合には「0」に戻らず、上限値で留めるようにする(上限値は、例えば255個である)。
次いで、ステップD1006に進み、ステップD1005で設定されたアドレスで指定される入賞確定個数領域の値を(+1)更新する。これにより、遊技制御装置54からの賞球コマンドに応じて取得された今回の賞球数に対応する入賞個数が更新される。
ここで、入賞個数領域は遊技制御装置54からの賞球コマンドに応じて取得された賞球数を格納する領域であり、入賞確定個数領域は遊技制御装置54からの賞球コマンドを受けて払出制御装置230側で払出が確定した賞球数を格納する領域である。
次いで、ステップD1007で入賞個数領域の値を(−1)更新する。ステップD1007を経ると、ステップD147に進む。
一方、ステップD1002で入賞個数領域の値が「0」であれば、ステップD1003に進み、入賞個数領域のアドレスを次の領域に更新する。これにより、次の入賞個数領域の値を読み出す準備が整う。次いで、ステップD1004で全ての入賞個数領域をチェック完了したか否かを判定し、ステップD1004で全ての入賞個数領域をチェック完了していなければ、ステップD1002に戻ってル−プを繰り返す。このようにして、入賞個数領域から複数の入賞個数のうちの次の入賞個数が読み出され、次のアドレス(更新されたアドレス)で指定される入賞個数に対応する入賞個数領域の値が読み出されていく。このようなル−プの繰り返しにより、入賞個数領域の全ての領域のチェックが完了して、全ての入賞個数に対応する入賞個数領域に保存されている値が読み出されることになる。
そして、ステップD1004で全ての入賞個数領域をチェック完了したと判定すると、ステップD147に抜けて、ステップD147以降の処理を実行する。
ステップD147以降の処理に進むと、第2セーフ球検出スイッチ163に関連する処理に移行する。
すなわち、ステップD147で第2セーフ球検出スイッチ163がオンしたか否かを判定し、オンしていなければリターンする。一方、第2セーフ球検出スイッチ163がオンしていれば、ステップD148に進んでセーフ数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)するともに、ステップD149でアウト数の値を「+1」だけ更新(インクリメント)する。
次いで、ステップD150に進んで盤面球数エラー中か否か判定し、盤面球数エラー中ならば(具体的には、図118の盤面球数エラーフラグがセットされているならば)ステップD151に進み、盤面球数エラー中でないならば(具体的には、図118の盤面球数エラーフラグがクリアされているならば)ステップD152に進む。
ステップD151に進むと、ガラス枠開放エラー中か否か判定し、ガラス枠開放エラー中ならば(具体的には、図120のガラス枠開放エラーフラグがセットされているならば)、リターンする。一方、ガラス枠開放エラー中でないならば(具体的には、図120のガラス枠開放エラーフラグがクリアされているならば)、ステップD152に進む。
ステップD152に進むと、盤面球数の値を「−1」だけ更新(デクリメント)し、ステップD1008に進む。
上記ステップD147乃至ステップD152までの処理によれば、第2セーフ球検出スイッチ163によりセーフ球が1個検出されるたびに、セーフ数が「+1」更新されるとともに、アウト数も同じく「+1」更新される。また、セーフ数が1個検出されるたびに、盤面球数が1個減算される。但し、盤面球数エラー中でガラス枠開放エラー中である場合には、ガラス枠5を開けて盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業中であると考えられるため、ステップD146の盤面球数の減算は実行されない。なお、盤面球数エラー(遊技領域における球詰まり等)を解消する作業が終了してガラス枠5が閉じられると、図116のエラー解除スイッチ監視処理によって盤面球数はクリアされる(ステップD193)。
なお、ステップD147で検出されるセーフ球は、発射されてセーフになった(入賞した)遊技球であり、アウトになった(入賞しなかった)遊技球は含まれない。
ただし、アウト数は、遊技領域から排出され回収される全ての遊技球の数を意味するので、発射されてセーフになった(入賞した)遊技球も遊技領域から排出され回収される球に含まれることから、ステップD149でアウト数の値を「+1」だけ更新するようにしている。
また、前記ステップD150及びD151により、盤面球数エラーが発生してもガラス枠5を開けなければステップD152が実行されて盤面球数は更新されるので、自然に詰まりが解消された場合、つまり遊技者がガラス枠5の前面を叩いた場合等や、遊技球同士が衝突することで解消された場合はエラー解除スイッチ68を操作しなくてもエラーが解除されるようになっているので遊技者、店員のどちらにとってもわずらわしさが発生することがない。
ステップD152を経て、ステップD1008に進むと、遊技制御装置54からの賞球コマンドに応じて取得された賞球数に対応する入賞個数を順次入賞個数領域に格納していく処理に移行する。
すなわち、ステップD1008で入賞個数領域の先頭アドレスを設定する。なお、ガラス枠5が開いていたら、何れかの入賞口(例えば、始動入賞口25、始動入賞口26、一般入賞口28〜31等)に入賞があったとしても、入賞扱いにはしないものとする。
ここで、入賞個数領域は複数の入賞個数を保存可能なように領域がアドレスで区分可能に構成されているので、遊技制御装置54から受信した入賞個数(すなわち、遊技制御装置54からの賞球コマンドに応じて取得された今回の賞球数に対応する入賞個数)を入賞個数領域に格納するためのアドレスを先頭から設定していくものである。
次いで、ステップD1009で入賞個数領域の値が「0」であるか否かを判定する。
ここで、入賞に伴う賞球数は上述した通りであり、どの入賞口にどの程度入賞したか(入賞個数)が遊技制御装置54から賞球コマンドとして送られてくるので、ステップD1009の処理は入賞口の種別に対応する賞球数があるかどうかを判定するものである。
ステップD1009で入賞個数領域の値が「0」でなければ、ステップD1012に分岐して入賞個数領域に対応する入賞確定個数領域のアドレスを設定する。なお、入賞確定個数領域はコマンドの受信バッファのように、複数バイトの領域で構成され、書き込んだ順に入賞確定個数が増減し、上限まで達した場合には「0」に戻らず、上限値で留めるようにする(上限値は、例えば255個である)。
次いで、ステップD1013に進み、ステップD1012で設定されたアドレスで指定される入賞確定個数領域の値を(+1)更新する。これにより、遊技制御装置54からの賞球コマンドに応じて取得された今回の賞球数に対応する入賞個数が更新される。
ここで、入賞個数領域は遊技制御装置54からの賞球コマンドに応じて取得された賞球数を格納する領域であり、入賞確定個数領域は遊技制御装置54からの賞球コマンドを受けて払出制御装置230側で払出が確定した賞球数を格納する領域である。
次いで、ステップD1014で入賞個数領域の値を(−1)更新する。ステップD1014を経ると、リターンする。
一方、ステップD1009で入賞個数領域の値が「0」であれば、ステップD1010に進み、入賞個数領域のアドレスを次の領域に更新する。これにより、次の入賞個数領域の値を読み出す準備が整う。次いで、ステップD1011で全ての入賞個数領域をチェック完了したか否かを判定し、ステップD1011で全ての入賞個数領域をチェック完了していなければ、ステップD1009に戻ってル−プを繰り返す。このようにして、入賞個数領域から複数の入賞個数のうちの次の入賞個数が読み出され、次のアドレス(更新されたアドレス)で指定される入賞個数に対応する入賞個数領域の値が読み出されていく。このようなル−プの繰り返しにより、入賞個数領域の全ての領域のチェックが完了して、全ての入賞個数に対応する入賞個数領域に保存されている値が読み出されることになる。
そして、ステップD1011で全ての入賞個数領域をチェック完了したと判定すると、リターンする。
このように、遊技制御装置54からの賞球コマンドに応じて取得された賞球数に対応する入賞個数を遊技者への支払いがされていないものとして順次入賞個数領域に格納していくとともに、第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163により遊技盤20から排出されるセーフ球を検出したときに、入賞個数に対応する遊技者への支払いが許可されたものとして入賞確定個数領域の値を1入力毎に(+1)更新し、次いで、入賞確定個数領域の値を1入力毎に(+1)更新したならば、遊技者への入賞個数の支払いが済んだものとして、入賞個数領域の値を(−1)更新することが行われる。
ここで、実施例9では遊技制御装置54からの賞球コマンドの受信時に、賞球球数を賞球球数領域(例えば、RAM233の所定領域)に書き込むが、賞球球数領域は例えば始動口、大入賞口、普通入賞口(一般入賞口)等に区分して、各入賞口に対応して分けて賞球球数が格納される。
また、遊技制御装置54からの賞球コマンドに基づいて入賞個数を加算するときには、入賞個数領域において加算を行うが、入賞個数領域についても上記賞球球数領域と同様に、入賞個数領域を例えば始動口、大入賞口、普通入賞口(一般入賞口)等に区分し、各入賞口別に分けて入賞個数の加算が行われる。
入賞個数領域は遊技者への賞球の支払いがされていない入賞個数を加算していく領域であり、この入賞個数領域は上記賞球球数領域と1対1で対応している。なお、入賞個数領域は0から255までの値を格納可能で、255が上限値である。。
一方、第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163により遊技盤20から排出されるセーフ球を検出したときに、入賞個数に対応する遊技者への支払いが許可されたものとして入賞確定個数領域の値を1入力毎に(+1)更新するが、入賞確定個数領域についても入賞個数領域と同様に、入賞確定個数領域を例えば始動口、大入賞口、普通入賞口(一般入賞口)等に区分し、各入賞口別に分けて入賞確定個数の更新が行われる。
また、入賞確定個数領域の値はセーフ球を検出したとき、1入力毎に(+1)更新し、この(+1)更新に応じて他の処理で遊技者への入賞個数の支払いが実行(すなわち、入賞確定個数領域に入っている球数分の賞球が対応する上記賞球球数に基づいて遊技者に支払われる)されるので、遊技者への入賞個数の支払いが済んだものとして、入賞個数領域の値を(−1)更新することが行われる。
なお、上記の賞球球数領域、入賞個数領域、入賞確定個数領域を区分けする構成は、あくまでも一例であり、その他の構成を採用してもよい。例えば、始動口の区分を始動口1、始動口2、始動口3というように分け、始動口毎に賞球球数を異ならせるようにしてもよい。これは、他の入賞口についても同様である。
ここで、実施例9では封入球遊技の不正入賞を抑制するため、以下のような構成になっている。
すなわち、始動口としての第1始動入賞口25や第2始動入賞口26への入賞を第1始動口スイッチ120や第2始動口スイッチ121で検出すると、図柄変動処理(本特図及び飾り特図の双方)及び始動入賞記憶処理を直ちに行うとともに、遊技制御装置54から払出制御装置230へ賞球コマンド(入賞球数と賞球数)を送信するが、払出制御装置230では賞球コマンドの受信後の所定期間に第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163のうちの少なくとも何れかの検出スイッチにより遊技盤20から排出されるセーフ球の検出があれば、賞球コマンドに対応する賞球数を持球数に加算する処理が行われる構成になっている。上記処理は図212のフローチャートでなく、他の処理で実行される。
一方、払出制御装置230で賞球コマンドの受信後の所定期間に第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163のうちの少なくとも何れかの検出スイッチにより遊技盤20から排出されるセーフ球の検出がなければ、賞球コマンドに対応する賞球数を持球数に加算する処理は行わず、エラー報知を行う構成になっている。
〔持球数管理処理〕
図213は、実施例9のタイマ割込処理(払出)における持球数管理処理D52の詳細を示すフローチャートである。
このフローチャートの説明に当たり、実施例1と同一の処理を行うステップには同一のステップ番号を使用し、異なる処理を行うステップには異なるステップ番号を使用する。
このルーチンが開始されると、ステップD451で賞球加算停止フラグがセットされているか否かを判定する。賞球加算停止フラグがセットされていなければ、ステップD452に進み、賞球加算停止フラグがセットされていると、ステップD462にジャンプする。ステップD452に進むと、入賞確定個数領域の先頭アドレスを設定する。入賞確定個数領域は複数の入賞確定個数を保存可能なように領域がアドレスで区分可能に構成されているので、遊技制御装置54から受信した入賞個数(すなわち、遊技制御装置54からの賞球コマンドに応じて取得された今回の賞球数に対応する入賞個数)に対して、払出制御装置230側で払出が確定した賞球数を順次入賞確定個数領域に格納するためのアドレスを先頭から設定していくものである。
次いで、ステップD1021で入賞確定個数領域の値が「0」であるか否かを判定し、「0」でなければ、ステップD1022で入賞確定個数領域に対応する賞球球数領域の値をロードする。
ここで、入賞に伴う賞球数は下記のようになっており、どの入賞口にどの程度入賞したか(入賞個数)が遊技制御装置54から賞球コマンドとして送られてきた場合に、払出制御装置230側で払出が確定した賞球数を順次入賞確定個数領域に格納するが、入賞確定個数領域についても下記に示すように各入賞口別に分けて入賞確定個数が格納される。ステップD1022の処理は入賞確定個数領域に対応する入賞口の種別に応じた賞球球数を読み出すものである。
・第1大入賞口27a=13個
・第2大入賞口34a=10個
・始動入賞口25=3個
・始動入賞口26(普電)=1個
・一般入賞口28〜31=10個
なお、ステップD1022の処理を行うのは、複数の入賞があった場合に、一気に持球数の表示が更新(後述のステップD455参照)されるのでなく、入賞単位で持球数が増えていくような持球数の表示を行うようにするためである。このようにすると、入賞単位で持球数が増えていくので、遊技機に分かりやすいという利点がある。
次いで、ステップD455に進み、ステップD1022でロードした値(今回の入賞確定個数領域に対応する賞球球数)を持球数に加算して新たな持球数とし、ステップD456で持球数表示ライトカウンタを「+1」更新する。次いで、ステップD457でライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に賞球球数をセーブする。これは、入賞に伴う賞球がある場合に、持球数の変化を持球数表示器40にて表示する必要があるので、持球数表示ライトカウンタの値を「+1」だけ更新(インクリメント)して進め、進めたライトカウンタに対応する表示用更新持球数格納領域に入賞に伴う賞球球数を格納し、格納した賞球球数を表示用持球数に加算して表示用更新持球数とするものである。
すなわち、持球数表示器40に表示用持球数を変化事象毎に表示するための変化量を表示用更新持球数格納領域に格納していくが、ここでは入賞に伴う賞球があれば、その分だけ持球数が増加するので、表示用更新持球数格納領域に賞球球数を格納するものである。これにより、持球数に今回の入賞確定個数領域に対応する賞球球数だけ加算されて持球数表示器40の表示が更新されることになる。
なお、表示用更新持球数格納領域はコマンドの受信バッファのように、複数バイトの領域で構成され、書き込んだ順に持球数表示が増減する。すなわち、持球数表示器40への表示用持球数に加算するデータ(賞球数)は、リングバッファ形式の領域に入賞順に保存されているものである。リングバッファ形式の格納領域のサイズは単位時間当たり最大の賞球数(例えば、大当りラウンドのときの単位時間当たりの賞球数)に対応する大きさに設定しておく。例えば、サイズは32バイト分程度に設定する。
次いで、ステップD458に進み、ステップD455で更新された持球数が持球数上限値(例えば、25万個)以上となっているか判定し、持球数上限値以上であればステップD459で持球数上限値(25万個)を新たな持球数として更新登録してステップD460に進み、持球数上限値以上でなければステップD459を実行しないでステップD1023に進む。
ステップD1023に進むと、入賞確定個数領域のアドレスを次の領域に更新する。これにより、次の入賞確定個数領域の値を読み出す準備が整う。次いで、ステップD1024で全ての入賞確定個数領域をチェック完了したか否かを判定し、ステップD1024で全ての入賞確定個数領域をチェック完了していなければ、ステップD1021に戻ってル−プを繰り返す。このようにして、入賞確定個数領域から複数の入賞確定個数のうちの次の入賞確定個数が読み出され、次のアドレス(更新されたアドレス)で指定される入賞確定個数に対応する賞球球数領域に保存されている値がロードされて持球数に加算されていく。このようなル−プの繰り返しにより、入賞確定個数領域の全ての領域のチェックが完了して、全ての入賞確定個数に対応する賞球球数領域に保存されている値がロードされて持球数に加算されることになる。
一方、ステップD1021で入賞確定個数領域の値が「0」であれば、持球数に加算する値が無いので、ステップD1023にジャンプして入賞確定個数領域のアドレスを次の領域に更新する。その後、ステップD1024の処理を行う。
そして、ステップD1024で全ての入賞確定個数領域をチェック完了したと判定すると、ステップD462に抜けて計数スイッチ監視処理を行うとともに、続くステップD463で計数球使用監視処理を行う。これらのステップD462、ステップD463は計数スイッチ311の監視や計数球の使用を監視する処理を行うものである。
次いで、ステップD464で持球数に対応するデータを試験信号出力データ領域にセーブするとともに、ステップD465で計数球数に対応するデータを試験信号出力データ領域にセーブし、持球数管理処理を終了する。
この持球数管理処理によれば、ステップD455乃至D458の処理により、持球数が持球数上限値以上とならない限り、賞球球数分だけ持球数及び表示用持球数が増加する。なお、表示用持球数は、持球数表示器40に持球数を表示するために持球数を記憶するRAM233の記憶領域のデータである。
次に、図214は始動入賞と賞球加算の動作を説明するタイミングチャートである。
この動作は、始動入賞に伴い3個の賞球が発生した場合の一例である。
封入球遊技の過程において、タイミングt111よりも以前は始動記憶が「1」となっているとともに、持球数が100個になっている。
次いで、タイミングt111で始動口へ1個の遊技球の入賞があると、すなわち、第1始動入賞口25又は第2始動入賞口26の何れかへ1個の遊技球の入賞が第1始動口スイッチ120又は第2始動口スイッチ121で検出(検出出力がONになる)されると、1個の始動入賞に伴う賞球数として「3」が発生する、つまり、3個の賞球が行われる必要がある。封入球遊技であるから、実際には持球数に3個の賞球が電子的に加算されることになるが、この加算処理は後述のように、払出制御装置230で賞球コマンドの受信後の所定期間(後述のT111)内に第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163の何れかが遊技盤20から排出されるセーフ球を検出した時点となる。
一方、タイミングt111で始動口への入賞があると、図柄変動処理(本特図及び飾り特図の双方)は直ちに行われ、図柄変動(本特図及び飾り特図の双方の図柄変動)が開始する。ただし、本例では既に始動記憶があり図柄変動中の状態であるので、始動入賞記憶処理が直ちに行われ、図214に示すように、始動記憶が「1」から「2」へと更新される。これは、タイミングt111よりも以前に始動記憶が「1」であったので、今回の始動入賞に伴い、始動記憶が「1」から「2」へ更新されるものである。
また、タイミングt111で始動入賞があると、遊技制御装置54から払出制御装置230へ賞球コマンド(入賞球数と賞球数)が直ちに送信される。この場合は始動入賞が1個であるので、賞球コマンドとしては入賞球数=1、賞球数=3が送信されることになる。
次いで、タイミングt112になると、第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163のうちの何れかの検出スイッチにより遊技盤20から排出されるセーフ球が検出(検出出力がON)される。セーフ球が検出されると、実際にタイミングt111で始動口への入賞があり、当該入賞した遊技球が遊技盤20から排出される段階で第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163のうちの何れかの検出スイッチにより現実に検出されたことから、不正でないと判断できるので、タイミングt112で今回の賞球数(3個)を持球数に加算する処理が行われ、持球数が100から103に変化し、持球数表示器40に表示される。
一方、釣り球による不正がある場合、例えば球に糸を固定した釣り球を造り、それを第1始動入賞口25又は第2始動入賞口26の何れかへ入れて始動入賞を発生させた後に、釣り球を入賞口から引き上げるような不正がある場合には、払出制御装置230で賞球コマンドの受信後にタイミングt112が経過しても、第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163のうちの何れの検出スイッチにおいても、遊技盤20から排出されるセーフ球が検出されない。
つまり、タイミングt111から所定期間T111が経過したタイミングt112になっても、払出制御装置230で賞球コマンドの受信後であるにもかかわらず、始動入賞に伴って遊技盤20から排出されるべきセーフ球が検出されない状態になる。そのため、釣り球による不正等と判断され、賞球加算が停止される。
したがって、払出制御装置230で賞球コマンドの受信後に、所定期間T111が経過しても遊技盤20から排出されるセーフ球が検出されない場合には、不正と判断されて賞球加算が行われない。また、賞球加算が停止されるばかりでなく、不正であることから、エラー報知も行われる。エラー報知としては、例えば払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にエラー情報を送り、表示装置41や装飾表示LED(枠)141でエラー表示を行う。このようにして、遊技者や店員に不正の可能性があることを報知する。また、払出制御装置230からカードユニット15を経由してホールコンピュータ86にエラー情報を送る。したがって、釣り球等による不正の抑止力になる。
なお、遊技機ではエラー報知を行わず、ホールコンピュータ86にて遊技場のみで分かるエラー報知が行われるようにしてもよい。これにより、釣り球等による不正入賞の検出やエラー報知を店員が見ることで、遊技者に悟られずに不正への対処が行われる。
なお、上記所定期間T111は始動入賞後の遊技球の流下経路が一定ではないので、常に所定期間T111が経過した時点で遊技盤20から排出されるセーフ球が検出されるとは限らないが、すくなくとも所定期間T111の近辺に収まると予想される。あるいは、予めの実験により封入球遊技を実行して遊技球の挙動を把握して、上記所定期間T111と、遊技盤20から排出されるセーフ球の検出との相関関係を把握しておけば、ほぼ正確に釣り球による不正等の判断が可能になる。
このように、実施例9では始動入賞に伴う図柄変動処理(本特図及び飾り特図の双方)を直ちに行い、遊技制御装置54から払出制御装置230へ賞球コマンド(入賞球数と賞球数)を直ちに送信するとともに、第1始動口スイッチ120又は第2始動口スイッチ121の何れかにより始動入賞が検出された後の所定期間(T111)に第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163のうちの何れかの検出スイッチにより遊技盤20から排出されるセーフ球が検出されると、賞球加算が行われる。
一方、第1始動口スイッチ120又は第2始動口スイッチ121の何れかにより始動入賞が検出された後の所定期間(T111)に第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163のうちの何れの検出スイッチにおいても、遊技盤20から排出されるセーフ球が検出されない場合は、不正と判断して賞球加算が停止されるとともに、エラー報知が行われる。
したがって、始動入賞に伴う図柄変動処理を速やかに実行できるとともに、不正入賞(例えば、釣り球等による不正入賞)による賞球加算を防止できる。この場合、賞球加算が停止されるので、持球数表示器40の表示に変化がなく、遊技者に分かりやすい。
また、釣り球等の不正入賞があった場合には、賞球加算しないので(すなわち、持球数が増えないので)、不正防止になる。
さらに、第1始動口スイッチ120又は第2始動口スイッチ121の何れかにより始動入賞が検出された後の所定期間(T111)に第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163のうちの何れの検出スイッチにおいても、遊技盤20から排出されるセーフ球が検出されない場合は、エラー報知が行われるので、釣り球等による不正入賞の抑止力になる。
なお、上記の動作例は第1始動入賞口25や第2始動入賞口26への遊技球の入賞があった場合の例であるが、その他の入賞口(大入賞口や一般入賞口)への遊技球の入賞があった場合にも適用できる。その他の入賞口(大入賞口や一般入賞口)への遊技球の入賞があった場合でも、一定の期間(例えば、上記所定期間(T111)とほぼ同様の期間)に第1セーフ球検出スイッチ162又は第2セーフ球検出スイッチ163のうちの何れの検出スイッチにおいても、遊技盤20から排出されるセーフ球が検出されない場合は、不正と判断して賞球加算を停止し、エラー報知を行う構成にすればよい。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行うとともに、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からのコマンドに基づいて球の払い出しを制御する払出制御装置と、を備えた封入球式遊技機において、
遊技盤に配置された複数の各入賞口への入賞を検出するとともに、その検出出力が遊技制御装置で管理される入賞球検出手段と、
前記各入賞口を通過した遊技球がセーフ球となって遊技盤から排出される場合のセーフ球を検出するとともに、その検出出力が払出制御装置で管理されるセーフ球検出手段と、を備え、
入賞球検出手段が遊技球の入賞を検出した後、所定期間にセーフ球検出手段がセーフ球を検出した場合には、前記入賞口への入賞に伴う賞球を持球数に加算する処理を所定期間後に行う一方、前記所定期間が経過するまでにセーフ球検出手段がセーフ球を検出しない場合には、前記入賞口への入賞に伴う賞球を持球数に加算する処理を実行しないように制御する不正入賞抑制制御手段を設けたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、第1始動口スイッチ120、第2始動口スイッチ121、下カウントスイッチ124、上カウントスイッチ125及び入賞口スイッチ123a〜123dは入賞球検出手段を構成し、第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163はセーフ球検出手段を構成し、払出制御装置230は不正入賞抑制制御手段を構成する。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
不正入賞抑制制御手段は、
入賞球検出手段が遊技球の入賞を検出した後、所定期間が経過するまでにセーフ球検出手段がセーフ球を検出しない場合には、エラ−報知を行うように制御することを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、払出制御装置230は不正入賞抑制制御手段を構成する。
また、上記入賞口が始動入賞口である構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行うとともに、遊技の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からのコマンドに基づいて球の払い出しを制御する払出制御装置と、を備えた封入球式遊技機において、
遊技盤に配置された図柄変動に係る始動入賞口への入賞を検出するとともに、その検出出力が遊技制御装置で管理される始動入賞球検出手段と、
前記始動入賞口を通過した遊技球がセーフ球となって遊技盤から排出される場合のセーフ球を検出するとともに、その検出出力が払出制御装置で管理されるセーフ球検出手段と、を備え、
始動入賞球検出手段が遊技球の始動入賞口への入賞を検出すると、始動記憶に係る処理及び図柄変動に係る処理を直ちに実行する図柄変動制御手段と、
始動入賞球検出手段が遊技球の始動入賞口への入賞を検出した後、所定期間にセーフ球検出手段がセーフ球を検出した場合には、前記始動入賞口への入賞に伴う賞球を持球数に加算する処理を所定期間後に行う一方、前記所定期間が経過するまでにセーフ球検出手段がセーフ球を検出しない場合には、前記始動入賞口への入賞に伴う賞球を持球数に加算する処理を実行しないように制御する不正入賞抑制制御手段と、
を設けたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、第1始動口スイッチ120、第2始動口スイッチ121は始動入賞球検出手段を構成し、第1セーフ球検出スイッチ162及び第2セーフ球検出スイッチ163はセーフ球検出手段を構成し、遊技制御装置54は図柄変動制御手段を構成し、払出制御装置230は不正入賞抑制制御手段を構成する。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2008−104576号公報に開示されたものでは、大入賞口の入賞球数と排出球数を検出し、不整合の場合は解除するまで大入賞口の動作処理を実行しないようにしている。
しかしながら、封入球式遊技機においては釣り球等による不正が行われた場合、実球の払い出しがないので、分かりにくいという問題点があった。
また、上記従来技術では、一旦、上記の不整合が発生すると、例えば店員によって人為的に不整合エラー状態を解除するまで大入賞口の動作処理が実行されないので、遊技者へのサービスが低下する。
そこで本実施例では、始動入賞の検出後の所定期間(T111)に、遊技盤20から排出されるセーフ球が検出されない場合は、不正と判断して賞球加算を停止し、エラー報知を行うようにしている。したがって、賞球加算が停止されるので、持球数表示器40の表示に変化がなく、遊技者に分かりやすい。また、セーフ球が検出されない場合のみ自動的に賞球加算が停止され、セーフ球が検出された場合には賞球加算が行われるので、遊技者へのサービスが低下することもない。
「実施例10」
次に、本発明の実施例10について説明する。
図215乃至図218は実施例10を示す図である。
実施例10は、遊技カードのカードIDを使用して不正を防止する動作に関するものである。
なお、実施例10においては、説明の都合上、部材番号は実施例1と同一にしており、実施例1と共通のフローチャートは省き、実施例10の実現に関連するフローチャートは、以下の3つである。
すなわち、実施例10の実現に関連するフローチャートは払出制御装置230が実行する〔カード挿入応答処理〕と、カードユニット15が実行する〔カード挿入通知処理〕及び〔カード返却応答受信処理〕である。
〔カード挿入応答処理〕
図215は、実施例10のカードユニットコマンド送信処理におけるカード挿入応答処理D738を示すフローチャートであり、払出制御装置230が実行する処理である。
このフローチャートの説明に当たり、実施例1と同一の処理を行うステップには同一のステップ番号を使用し、異なる処理を行うステップには異なるステップ番号を使用する。
このルーチンが開始されると、ステップD1031でカードユニットコマンド保存領域から今回のカード挿入時刻をロードする。
ここで、遊技開始時には、カードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入して、遊技者が操作表示装置7の球貸ボタン703を操作することにより、遊技カードに記録された有価価値情報(例えば球貸度数)の範囲内で所定度数の球貸しが行われる構成であり、このとき、カードユニット15では遊技カードのカードID及び挿入時刻(日時)を保存するようになっている。
なお、遊技開始時における遊技カードのカードID及びカード挿入時刻(日時を含む)を遊技開始情報と言う。
また、カードユニット15には、その他に現金投入口202が設けられており、ここに所定の紙幣(例えば、1000円、5000円、1万円)を投入することにより、投入紙幣の金額に対応した球貸度数の範囲内で遊技球の貸出し(即ち球貸し;持球数の増加)が行われ、このとき、投入した現金に対応したプリペイドカード(ビジターカード)がカードユニット15内部で発行されたことになるので、その場合、カードユニット15は投入した現金に対応したプリペイドカードについてカードID及び挿入時刻(日時)を保存する。
そして、カードユニット15は払出制御装置230との定期通信(例えば、200ms)によりカードID及び挿入時刻(日時)を払出制御装置230へ送信するようになっており、払出制御装置230はカードユニット15から受信した今回のカードID及び挿入時刻(日時)をカードユニットコマンド保存領域に保存するようになっている。また、このとき、払出制御装置230は「カード挿入応答」をカードユニット15へ送信するようになっている。
したがって、ステップD1031の処理は、遊技開始時にカードユニット15から送信されてきて払出制御装置230のカードユニットコマンド保存領域に保存されている遊技カードのカードID及び挿入時刻(日時)をカードユニットコマンド保存領域から読み出すものである。
次いで、ステップD1032に進み、カード挿入時刻保存領域から前回のカード挿入時刻をロードする。カード挿入時刻保存領域は、前回の遊技開始時における遊技カードのカードID及び挿入時刻(日時)を払出制御装置230が保存している領域であり、例えばRAM233の所定領域である(後述のステップD1035参照)。
次いで、ステップD1033に進み、前回のカード挿入時刻(日時)と今回のカード挿入時刻(日時)とを比較し、ステップD1034でカード挿入時刻は日時を含めて正常か否かを判定する。これは、前回のカード挿入時刻と今回のカード挿入時刻との整合がとれているかどうかを判定するもので、例えば前回のカード挿入時刻が今回のカード挿入時刻よりも前であり、日付及び時刻の双方で時間的な矛盾が無ければ、正常と判定する。一方、前回のカード挿入時刻が今回のカード挿入時刻よりも後になっており、日付又は時刻の1つでも矛盾があれば、正常ではないと判定する。
ステップD1034でカード挿入時刻が正常であれば、ステップD1035へ進み、今回のカード挿入時刻データをカード挿入時刻保存領域にセーブする。これにより、今回のカード挿入時刻(日時)が前回のカード挿入時刻(日時)として保存されることになる。
次いで、ステップD841に進み、カードユニットコマンド保存領域からカードIDをロードし、その後、ステップD842に進み、ステップD841でロードしたデータをカードID保存領域にセーブする。
次いで、ステップD845でカードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD846で通番を「+1」更新する。通番は、カードユニット15から受信したコマンドに対して応答する場合の連続番号のことで、カードユニット15にコマンドを送信する度に、足していく(インクリメントしていく)ものである。カードユニット15側でも同様に送信時に通番を「+1」更新する。通番を確認すれば、送受信の抜けがあるかどうかが分かる。なお、通番は例えば1バイト(256ビット)構成される。
次いで、ステップD846で通番を「+1」更新する。次いで、ステップD847に進み、ステップD846で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD848でカード挿入応答コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「カード挿入通知」であるので、その応答として「カード挿入通知の受信を通知」を意味するカード挿入応答コマンドを設定することになる。
次いで、ステップD849に進み、ステップD848で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へカード挿入応答コマンドが送信されることになる。ステップD849を経ると、リターンする。
一方、ステップD1034でカード挿入時刻が正常でなければ、ステップD1036へ分岐し、カードユニットコマンド保存領域から通番をロードし、ステップD1037で通番を「+1」更新する。通番の機能は、前述した通りである。
次いで、ステップD1038に進み、ステップD1037で更新した通番をカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番がカードユニット15へ送信されることになる。
次いで、ステップD1039でカード挿入時刻エラーのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15から払出制御装置230へ送信されてきたコマンドが「カード挿入時刻」であり、それが正常でなかったので、その応答として「今回のカード挿入時刻が正常でないことの通知」を意味するカード挿入時刻エラーのコマンドを設定することになる。
次いで、ステップD1040に進み、ステップD1039で設定したコマンドをカードユニット送信バッファに書き込む。これにより、払出制御装置230からカードユニット15へカード挿入時刻エラーのコマンドが送信されることになる。
また、ステップD1040では、前述したように、ステップD1034の判定でNO(カード挿入時刻が正常でない)の場合には照合NGであるから、カードID及び挿入時刻(日時)を記憶しないで、エラー情報をカードユニット15に返す処理を行う。
さらに、図示省略した処理において照合NGに対応してエラー報知を行う。エラー報知としては、例えば払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にエラー情報を送り、表示装置41や装飾表示LED(枠)141でエラー表示を行う。このようにして、遊技者や店員に遊技カードに関して不正の可能性があることを報知する。
なお、遊技機ではエラー報知を行わず、ホールコンピュータ86にて遊技場のみで分かるエラー報知が行われるようにしてもよい。これにより、遊技カードに関する不正のエラー報知を店員が見ることで、遊技者に悟られずに不正への対処を行うことができる。
ステップD1040を経ると、リターンする。
〔カード挿入通知処理〕
図216は、実施例10のカード挿入通知処理を示すフローチャートであり、カードユニット15が実行する処理である。
なお、実施例10のフローチャートのうち、カードユニット15が実行するフローチャートについては、ステップ番号として「ステップA」を用いて説明する。
このルーチンが開始されると、ステップA101で遊技カードが挿入されたか否かを判定する。これは、カードユニット15のカード投入口201に遊技カードが挿入されたかどうかを判定するものである。
なお、カードユニット15には現金投入口202が設けられており、ここに所定の紙幣を投入することにより、投入紙幣の金額に対応した球貸度数の範囲内で遊技球の貸出し(即ち球貸し;持球数の増加)が可能であるが、このとき、投入した現金に対応したプリペイドカード(ビジターカード)がカードユニット15内部で発行されたことになるので、その場合も同様に投入した現金に対応したプリペイドカードについてステップA101の判定を行う。
ステップA101で遊技カードが挿入されていなければ、このステップA101に待機し、遊技カードが挿入されたならば、ステップA102に進む。
ステップA102に進むと、カード挿入時刻をカード挿入時刻保存領域(例えば、カードユニット15のRAMの所定領域)にセーブする。次いで、ステップA103でカード挿入時刻を遊技機送信バッファに書き込む。これにより、今回挿入された遊技カード(現金に対応したによる球貸しの場合のプリペイドカードも含まれる。以下、同様)のカード挿入時刻がカードユニット15から遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)に送信されることになる。
次いで、ステップA104で今回挿入された遊技カードのカードIDを読み込み、カードID保存領域(例えば、カードユニット15のRAMの所定領域)にセーブする。次いで、ステップA105でカードIDを遊技機送信バッファに書き込む。これにより、今回挿入された遊技カードのカードIDがカードユニット15から遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)に送信されることになる。
次いで、ステップA106で遊技機コマンド保存領域から通番をロードし、ステップA107で通番を「+1」更新する。通番は、遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)から受信したコマンドに対して応答する場合の連続番号のことで、遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)にコマンドを送信する度に、足していく(インクリメントしていく)ものである。遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)側でも同様に送信時に通番を「+1」更新する。通番を確認すれば、送受信の抜けがあるかどうかが分かる。なお、通番は例えば1バイト(256ビット)構成される。
次いで、ステップA108に進み、ステップA107で更新した通番を遊技機送信バッファに書き込む。これにより、更新した通番が遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)へ送信されることになる。
次いで、ステップA109でカード挿入通知コードのコマンドを設定する。ここでは、カードユニット15からパチンコ機1の払出制御装置230へ送信するコマンドが「カード挿入通知」であるので、「カード挿入通知の送信を通知」を意味するカード挿入通知コードのコマンドを設定することになる。
次いで、ステップA110に進み、ステップA109で設定したコマンドを遊技機送信バッファに書き込む。これにより、カードユニット15から遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)へカード挿入通知コードのコマンドが送信されることになる。ステップA110を経ると、リターンする。
このように、遊技カード(現金に対応したによる球貸しの場合のプリペイドカードも含む)がカードユニット15のカード投入口201に挿入されると、カード挿入時刻(日時)及びカードIDがカードユニット15に保存されるとともに、カードユニット15から遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)に送信される。
〔カード返却応答受信処理〕
図217は、実施例10のカード返却応答受信処理を示すフローチャートであり、カードユニット15が実行する処理である。
このルーチンが開始されると、ステップA121で遊技機コマンド保存領域からカード挿入時刻をロードする。これは、今回の遊技開始時に、カードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入した時刻がカードユニット15から払出制御装置230へ送信されて、払出制御装置230のRAM233におけるカード挿入時刻保存領域に格納されており、精算時(カード返却時)に払出制御装置230からカードユニット15に遊技カードのカード挿入時刻が送信されてきて遊技機コマンド保存領域に格納されているので、遊技機コマンド保存領域からカード挿入時刻(今回の遊技開始時に払出制御装置230側で記憶されているカード挿入時刻)を読み出すものである。
次いで、ステップA122に進み、ステップA121でロードしたカード挿入時刻と、保存しておいた今回のカード挿入時刻を照合する。これは、今回の遊技開始時に払出制御装置230側で記憶されているカード挿入時刻(ステップA121でロードしたカード挿入時刻)と、今回の遊技開始時にカードユニット15側で記憶しているカード挿入時刻(保存しておいた今回のカード挿入時刻)とを照合し、両者のカード挿入時刻(日時を含む)が同一であるか否かを判定するものである。
次いで、ステップA123に進み、ステップA122における照合がOKか否かを判定する。この場合、ステップA121でロードしたカード挿入時刻と保存しておいた今回のカード挿入時刻とが日時を含めて同一であれば、照合OKと判定し、ステップA124へ進み、両者が日時を含めて同一でなければ、照合NGと判定し、ステップA130へ分岐する。
ステップA123で照合OKと判定してステップA124へ進むと、ステップA124では遊技機コマンド保存領域からカードIDをロードする。これは、今回の遊技開始時に、カードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入したときに遊技カードのカードIDがカードユニット15から払出制御装置230へ送信されて、払出制御装置230のRAM233におけるカードID保存領域に格納されており、精算時(カード返却時)に払出制御装置230からカードユニット15に遊技カードのカードIDが送信されてきて遊技機コマンド保存領域に格納されているので、遊技機コマンド保存領域からカードID(今回の遊技開始時に払出制御装置230側で記憶されているカードID)を読み出すものである。
次いで、ステップA125に進み、ステップA124でロードしたカードIDと保存していた今回のカードIDを照合する。これは、今回の遊技開始時に払出制御装置230側で記憶されているカードID(ステップA124でロードしたカードID)と、今回の遊技開始時にカードユニット15側で記憶しているカードID(保存しておいた今回のカードID)とを照合し、両者のカードIDが同一であるか否かを判定するものである。
次いで、ステップA126に進み、ステップA125における照合がOKか否かを判定する。この場合、ステップA124でロードしたカードIDと保存しておいた今回のカードIDとが同一であれば、照合OKと判定し、ステップA127へ進み、両者が同一でなければ、照合NGと判定し、ステップA130へ分岐する。
ステップA126で照合OKと判定してステップA127へ進むと、ステップA127ではロードしたカードID(今回の遊技開始時に払出制御装置230側で記憶されているカードID(ステップA124でロードしたカードID))と、現在挿入中のカードIDを照合する。これは、ステップA125の処理で、今回の遊技開始時に払出制御装置230側で記憶されているカードIDと、今回の遊技開始時にカードユニット15側で記憶しているカードID(保存しておいた今回のカードID)とを照合してOKの結果になっているが、遊技開始時以降に遊技カードが別のものにすり替わって変更されている可能性もあるので、今回の遊技開始時に払出制御装置230側で記憶されているカードIDと、今回のカード返却時(つまり、精算時)に現実に挿入されている遊技カードのカードIDとを照合することで、遊技カードが別のものにすり替わって変更されておらず、同一か否かを判定するものである。
次いで、ステップA128に進み、ステップA127における照合がOKか否かを判定する。この場合、ステップA124でロードしたカードIDと現在挿入中のカードIDとが同一であれば、照合OKと判定し、ステップA129へ進み、両者が同一でなければ、照合NGと判定し、ステップA130へ分岐する。
ステップA128の判定でYESとなり、ステップA129に進むと、カード挿入時刻・カードID照合OKフラグをセットする。これにより、今回の精算処理(つまり、カード返却処理)が可能となる。ステップA129を経ると、リターンする。
一方、ステップA128の判定でNOとなり、ステップA130に進むと、カード挿入時刻・カードID照合NGフラグをセットする。これにより、今回の精算処理(つまり、カード返却処理)は保留となり、エラー報知が行われることになる。ステップA130を経ると、リターンする。
次に、図218はカード挿入時刻及びカードIDを使用して不正を防止する動作を説明する図である。
図218(a)はカードユニット15に保存される遊技開始時の情報を示すものである。図218(a)において、遊技開始時にカードユニット15のカード投入口201に遊技カードを挿入すると、カードユニット15では遊技カードのカードID及び挿入時刻(日時)を保存する。
ここで、前回とあるのは、今回より1つ前の遊技開始時に相当し、このとき、以下のように前回の遊技開始時の情報が保存されている。
<前回>
・カードID:B000A00001
・日時情報:1006101000
カードIDは何桁でもよいが、本実施例では10桁の英数字を使用して、遊技カードを区別している。日時情報は遊技カードの挿入時刻(日時を含む)に相当するもので、上記の例では、2010年6月10日10時00分を表している。
今回とあるのは、現在の遊技開始時に相当し、このとき、以下のように遊技開始時の情報が保存される。
<今回>
・カードID:B000A00002
・日時情報:1006101230
今回のカードIDは前回のものと異なり、別の遊技カードが使用されている。
今回の日時情報は上記の例では、2010年6月10日12時30分を表している。今回の日時情報を前回のものと比較した場合、時間の流れが計時的な変化に対応しており、正常な状態であり、整合がとれていると判定できるものである。
ここで、カードユニット15は遊技開始時に遊技カードのカードID及び挿入時刻(日時)を払出制御装置230へ送信し、払出制御装置230はカードユニット15から受信した遊技開始時のカードID及び挿入時刻(日時)をカードユニットコマンド保存領域に保存する。
図218(b)は遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)に保存される遊技開始時の情報を示すものである。図218(b)において、遊技開始時にカードユニット15に遊技カードを挿入して遊技を開始するとき、カードユニット15では遊技カードのカードID及び挿入時刻(日時)が保存されるとともに、それらの情報がカードユニット15から払出制御装置230へ送信され、払出制御装置230で保存される。
ここで、前回とあるのは、今回より1つ前の遊技開始時に相当し、このとき、以下のように前回の遊技開始時の情報がカードユニット15から送られてきて払出制御装置230に保存されている。
<前回>
・カードID:B000A00001
・日時情報:1006101000
これらの情報は、カードユニット15の保存されている情報と同じになっている。
今回とあるのは、現在の遊技開始時に相当し、このとき、以下のように遊技開始時の情報がカードユニット15から送られてきて保存される。
<今回>
・カードID:B000A00002
・日時情報:1006101230
今回のカードIDは前回のものと異なり、別の遊技カードが使用されている。
今回の日時情報は上記の例では、2010年6月10日12時30分を表している。今回の日時情報を前回のものと比較した場合、時間の流れが計時的な変化に対応しており、正常な状態であり、整合がとれていると判定できるものである。
図218(c)は遊技開始時におけるカードユニット15と遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)との通信(暗号化通信)の状況を説明する図である。
<遊技開始時>
遊技開始時に、遊技カードをカードユニット15に挿入したとき(現金投入時もカードユニット15の内部で遊技カードを発行する扱いなので、同様である)には、カードユニット15では、挿入された遊技カードのカードIDと挿入時刻(日時)を保存するとともに、払出制御装置230へ送信する。
払出制御装置230(パチンコ機1)では、カードユニット15から送られてきた今回のカードID及び挿入時刻(日時)を前回のものと照合し、照合がOKであれば、カードユニット15から送られてきた今回のカードID及び挿入時刻(日時)を記憶(保存)する。一方、カードユニット15から送られてきた今回のカードID及び挿入時刻(日時)を前回のものと照合した結果、照合がNGであれば、カードユニット15から送られてきた今回のカードID及び挿入時刻(日時)を記憶しないで、カードユニット15へエラー情報を返すとともに、照合NGならエラー報知する。
例えば、カードユニット15から送られてきた今回のカードID及び挿入時刻(日時)を前回のものと照合した結果、今回の情報のうち、カード挿入時刻の日時の方が前回よりも古い(前回の日時よりも、以前の日時)場合には、時間の流れが計時的な変化に対応しておらず、異常な状態であり、整合がとれていないと判定されて照合NGとなる。
また、エラー報知としては、例えば払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にエラー情報を送り、表示装置41や装飾表示LED(枠)141でエラー表示を行う。このようにして、遊技者や店員に遊技カードに関して不正の可能性があることを報知する。
なお、遊技機ではエラー報知を行わず、ホールコンピュータ86にて遊技場のみで分かるエラー報知が行われるようにしてもよい。これにより、遊技カードに関する不正のエラー報知を店員が見ることで、遊技者に悟られずに不正への対処を行うことができる。
図218(d)は遊技精算時におけるカードユニット15と遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)との通信(暗号化通信)の状況を説明する図である。
<遊技精算時>
遊技の精算時に、操作表示装置7の返却ボタン704を押すと、カードユニット15では精算処理が開始可能か否かを判断するために、カード返却通知(カード返却前にカードIDと挿入時刻を確認するため)を払出制御装置230へ送信する。これに応答して払出制御装置230では、カード挿入時に保存したカードID及びカード挿入時刻をカードユニット15へ送信する。次いで、カードユニット15は払出制御装置230から送信されてきたカードID及びカード挿入時刻をカードユニット15の内部のものと照合する。そして、照合の結果がNGであれば、精算不可能と判定してカード返却を保留し、エラー報知する処理(例えば、カードユニット15が管理する操作表示装置7にてエラー報知を行うような処理、カードユニットエラー報知LED203の点灯等)を行う。一方、照合の結果がOKであれば、精算可能と判定して精算処理を開始し、トータル持球数、台番号、日時情報を遊技カードに記録する処理を行い、遊技カードをカード投入口201から排出して遊技者に返却する。
実施例10では、以下の効果がある。
(1)遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)は、遊技開始時にカードユニット15から遊技開始情報(カードID及びカード挿入時刻)を受信したら前回の遊技開始情報と照合し、照合OKなら当該遊技開始情報を記憶し、照合NGなら、当該遊技開始情報を記憶しないでエラー報知するとともに、カードユニット15へエラー情報を送信するので、照合NGをエラー報知で遊技者に知らせることができ、遊技カードの不正使用を防止できる。例えば、架空の持球数データを入力した不正な遊技カードと取り替えるような不正を防止できる。
(2)遊技精算時に遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)は、遊技開始時に記憶しておいた遊技開始情報をカードユニット15に送信し、カードユニット15は精算時に遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)からの遊技開始情報を受信すると、カードユニット15で記憶している遊技開始情報と照合し、照合OKなら精算可能とし、照合NGなら、精算不可としてエラー報知を行うので、照合NGをエラー報知で遊技者に知らせることができるとともに、遊技カードの不正使用を防止できる。すなわち、遊技カードを不正使用して、カードユニット15への不正入力を防止できる。例えば、遊技開始後に一旦、遊技カードを抜いて架空の持球数データを入力した不正な遊技カードと取り替えるような不正を防止できる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
カードユニットから遊技開始情報を受信したとき前回の遊技開始情報と照合し、照合が正常であれば、遊技開始情報を記憶するように制御し、照合が異常であれば、エラー情報をカードユニットに返すとともにエラー報知するように制御する照合判定制御手段と、
遊技開始時に、カードユニットから遊技開始情報を受信したとき、前回の遊技開始情報との照合が正常であるときに、遊技開始情報を記憶する遊技開始情報記憶手段と、
を備えたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、払出制御装置230は照合判定制御手段及び遊技開始情報記憶手段を構成する。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
前記遊技開始情報は、
カードユニットに遊技カードが挿入されたときにおける遊技カードのカードID及び遊技カードのカード挿入時刻を含むものであることを特徴とする封入球式遊技機。
また、カードユニットを併設した場合の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機と、カードユニットと、を備えた遊技装置において、
前記封入球式遊技機は、
遊技精算時に、カードユニットに遊技開始情報を送信する遊技開始情報送信手段を備え、
前記カードユニットは、
遊技精算時に、封入球式遊技機から遊技開始情報を受信すると、遊技開始時に記憶している遊技開始情報と照合し、照合が正常であれば、精算を許可するように制御し、
照合が異常であれば、精算を許可せず、エラー報知するように制御する精算判定制御手段を備えていることを特徴とする遊技装置。
ここで、払出制御装置230は遊技開始情報送信手段を構成し、カードユニット15は精算判定制御手段を構成する。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2011−224255号公報に開示されたものでは、遊技機とカードユニット(台間機)との間で各通信チップの認証用鍵情報及び固有情報により、相互認証を行っている。
しかしながら、封入球式遊技機では、カードユニット及び遊技機の通信を利用し、遊技カードへ架空の持球数データを入力したり、遊技機へ架空のデータを入力したりするという不正が行われるおそれがあるが、上記公報の技術では不正対策が十分とは言えなかった。
そこで本実施例では、遊技機は遊技開始時にカードユニットから遊技開始情報を受信したら前回の遊技開始情報と照合し、照合NGなら、当該遊技開始情報を記憶しないでエラー報知することで、遊技カードの不正使用を防止できるようにしている。
実施例10に関して、以下のような変形例にしてもよい。
(1)遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)は遊技カードの残金額、持球数が共に「0」になった場合、遊技開始情報(カードID及びカード挿入時刻)をカードユニット15に送信するようにしてもよい。
このようにすると、遊技精算時と同様な処理が行われることとなり、遊技カードの不正使用を防止できる。例えば、遊技カードの残金額、持球数が共に「0」になった場合に、一旦、遊技カードを抜いて架空の持球数データを入力した不正な遊技カードと取り替えるような不正を防止できる。
(2)遊技機(パチンコ機1の払出制御装置230)は、カードユニット15から受信した遊技カードに関する日時情報(カード挿入の日時)を演出に利用可能な構成にしてもよい。例えば、遊技カードに関する日時情報を払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53へ送り、演出制御装置53が演出に遊技カードの日時情報を利用する構成にする。
このような構成にすると、例えば遊技機がRTC等を搭載しなくても、遊技カードの日時情報による斬新な演出を行うことが可能になり、RTC等を使用しなくても済むので、制御の効率が良い。
「実施例11」
次に、本発明の実施例11について説明する。
実施例1では夜間監視スイッチ126で前面枠4の開放と遊技制御装置54の取り外しとを検出する構成であるが、これに加えて、例えば枠開放時間(前面枠4の開放時間)を監視、記憶するようにしてもよい。そこで、その構成を実施例11として図219を参照して説明する。
図219は、実施例11の夜間監視スイッチ126Aの構成を示す図である。
図219(a)において、実施例11の夜間監視スイッチ126Aの構成は実施例1と同一の部材が多く、相違する部材は少しであるので、実施例1と同一の部材には同一の部材番号を付し、相違する部材には異なる部材番号を付して構成を説明する。
図219(a)に示すように、夜間監視スイッチ126A(図219(a)では夜間監視SWと表記)は実施例1と同一の構成としてバックアップ電源381、枠開放検出手段382、断線検出手段383、枠開放回数記憶手段384、断線回数記憶手段385、出力手段386を備えており、実施例1と異なる構成として枠開放時間検出手段387、枠開放時間記憶手段388を備えている。
夜間監視スイッチ126Aへの主電源は払出制御装置230から供給され、通常は主電源によって夜間監視スイッチ126Aは作動する。一方、夜間監視スイッチ126Aはバックアップ電源381を備えており、主電源の供給が断たれたときはバックアップ電源381により作動する。バックアップ電源381としては、実施例1と同様に、例えば一次電池が使用される。
バックアップ電源381は主電源オフ時には枠開放検出手段382、断線検出手段383、枠開放回数記憶手段384、断線回数記憶手段385、枠開放時間検出手段387、枠開放時間記憶手段388に電源を供給する。
また、バックアップ電源381は払出制御装置230→遊技制御装置54→払出制御装置230→夜間監視スイッチ126Aというようにループ接続されたルートに電流を流すようになっており、このループ接続されたルートの断線が断線検出手段383によって検出された場合に、遊技制御装置54が取り外されたことを検出可能になっている。
夜間監視スイッチ126Aの監視機能は、以下の通りである。
(a)前面枠4(本体枠)の開放の監視
これは、枠開放検出手段382によって実現される。すなわち、枠開放検出手段382は前面枠4の開放を検出するセンサであり、前面枠4の開放を検出したか否かを示す情報(枠開放情報)を検出する。
(b)前面枠4(本体枠)の開放時間の監視及び記憶
これは、枠開放時間検出手段387及び枠開放時間記憶手段388によって実現される。すなわち、枠開放時間検出手段387は前面枠4の開放時間を検出する。
また、枠開放時間記憶手段388は枠開放時間検出手段387によって検出された前面枠4の開放時間を記憶する。
(c)遊技制御装置54の取り外しの監視
これは、断線検出手段383によって実現される。すなわち、前述したように断線検出手段383はバックアップ電源381の電流が払出制御装置230→遊技制御装置54→払出制御装置230→夜間監視スイッチ126Aというようにループ接続されたルートを流れている場合には当該ルートが断線でなく、遊技制御装置54が取り外されていない状態であることを検出する。一方、このルートをバックアップ電源381の電流が流れていない場合には、当該ルートが断線であることから遊技制御装置54が取り外されている状態であることを検出する。
なお、断線検出手段383によって検出される断線状態は、上記ルートが断線である場合(遊技制御装置54が取り外されていなくても断線になる場合)と、遊技制御装置54が取り外されることによって上記ルートが断線になる場合の2通りがあり、断線検出手段383は、これらの2つの状態の何れも検出可能なものであるが、その区別まではしていない。したがって、断線検出手段383が検出する断線情報は、遊技制御装置54の取り外し状態を含むものである。
このように、断線検出手段383は上記ルートが断線か否かを検出することで、遊技制御装置54が取り外されている状態を断線と判定して、遊技制御装置54の取り外しの監視を行う。断線検出手段383の検出情報は前述したように遊技制御装置監視情報のことであり、これは夜間監視スイッチ126Aにより主基板(遊技制御装置54)の取り外しを検出したか否の情報である。なお、断線検出手段383は主電源の供給時、主電源オフ時の何れの場合にも遊技制御装置54の取り外しを監視可能である。
なお、図219(a)において「開放情報」とは主電源オン時(通常時)の枠開放情報の意味で表記しており、主電源オフ時(夜間)に記憶した情報という意味で枠開放情報、枠開放時間及び断線情報を合わせて「夜間監視情報」と表記している。
枠開放回数記憶手段384は枠開放検出手段382による前面枠4の監視情報(枠開放情報)を記憶して保持する。枠開放回数記憶手段384の記憶情報としては、前面枠4の開放情報と、前面枠4が開放した回数とを記憶する。特に、枠開放回数記憶手段384は主電源オフ時にはバックアップ電源381からバックアップ電源の供給を受けるので、主電源オフ時に上記記憶情報を保持可能になっている。
また、枠開放時間検出手段387は前面枠4の開放した時間を検出し、枠開放時間記憶手段388は枠開放時間検出手段387によって検出された前面枠4の開放時間を記憶して保持する。
さらに、断線回数記憶手段385は断線検出手段383による断線情報(遊技制御装置54の取り外し状態を含む)を記憶して保持する。断線回数記憶手段385の記憶情報としては、断線情報(遊技制御装置54の取り外し状態を含む)と、断線回数(遊技制御装置54の取り外し回数を含む)とを記憶する。特に、断線回数記憶手段385は主電源オフ時にはバックアップ電源381からバックアップ電源の供給を受けるので、主電源オフ時に上記記憶情報を保持可能になっている。
そして、前面枠4の枠開放情報と、前面枠4の開放時間情報と、断線検出手段383による遊技制御装置54の取り外し監視情報とは通常時(主電源供給時)は遅延なく、直ちに各監視情報が出力手段386によって払出制御装置230に出力される構成である。一方、夜間等の主電源オフ時には各監視情報は枠開放回数記憶手段384、枠開放時間検出手段387及び断線回数記憶手段385によって記憶・保持され、遊技店の開店時などの主電源オン時に記憶してある各監視情報は払出制御装置230からの夜間監視情報の要求があったときに、出力手段386により払出制御装置230に出力される構成になっている。
なお、上記における前面枠4の枠開放情報と、遊技制御装置54の取り外し監視情報とは、細かくは、前面枠4の枠開放情報は前面枠4の開放の有無、開放回数及び前面枠4の開放時間を含む概念であり、遊技制御装置54の取り外し監視情報はバックアップ電源381の電流が払出制御装置230→遊技制御装置54→払出制御装置230→夜間監視スイッチ126Aというようにループ接続されたルート(以下、断線監視ルートと称する)を流れている場合に当該ルートの断線の有無と断線回数を含む概念であるが、説明の都合上、これらの細かい内容を含めた情報を、前面枠4の監視情報(枠開放情報、開放時間情報)と、遊技制御装置54の取り外し監視情報と言うことにする。
また、各監視情報の出力形態は以下の通りである。
前面枠4の閉鎖中は枠開放検出手段382の出力はオンとなる。一方、前面枠4の開放中は枠開放検出手段382の出力はオフとなる。例えば、オンとはHレベルの信号、オフとはLレベルの信号のことである(ここでの出力とは、夜間監視スイッチ126A内部のことである)。
枠開放時間検出手段387は、主電源断時に前面枠4が開放したとき、その開放時間を検出(例えば、秒の単位で検出)し、枠開放時間記憶手段388は枠開放時間検出手段387によって検出された前面枠4の開放時間を例えば、秒の単位で記憶して保持する。
断線監視ルートが断線でないとき(遊技制御装置54が取り外されていない状態を含む)は断線検出手段383の出力はオンとなる。一方、断線監視ルートが断線であるとき(遊技制御装置54が取り外されている状態を含む)は断線検出手段383の出力はオフとなる。例えば、オンとはHレベルの信号、オフとはLレベルの信号のことである(ここでの出力とは、夜間監視スイッチ126A内部のことである)。
なお、枠開放検出手段382は前面枠4の開放を検出するだけでなく、例えばガラス枠5の開放も合わせて検出するようにし、ガラス枠5の開放情報(開放、非開放を含む情報)を枠開放回数記憶手段384に記憶させるようにしてもよい。
出力手段386は、通常時(主電源供給時)には夜間監視スイッチ126Aにおける枠開放検出手段382及び断線検出手段383が監視した情報を遅滞なく払出制御装置230に出力する。
一方、出力手段386はパチンコ機1の主電源がオフとなる夜間等のときに夜間監視スイッチ126Aによって監視した枠開放情報、枠開放時間及び断線情報、つまり夜間監視情報については、払出制御装置230から夜間監視スイッチ126Aに対して夜間監視情報の要求があった場合にのみ、この要求に応答して枠開放回数記憶手段384、枠開放時間記憶手段388及び断線回数記憶手段385に記憶されている夜間監視情報を払出制御装置230に出力する。
払出制御装置230では、夜間監視情報から不正レベルを判断し、判断した不正レベルをカードユニット15に出力する。ここで、不正レベルの内容は、図219(b)に示すように、以下の通りである。
・不正レベル0:枠開放無し、断線無し
枠開放とは、前面枠4の開放のことであり、よって、枠開放無しは前面枠4の開放が無い状態のことである。また、断線無しとは、バックアップ電源381の電流が払出制御装置230→遊技制御装置54→払出制御装置230→夜間監視スイッチ126Aというようにループ接続されたルート(つまり、断線監視ルート)を流れている場合に当該ルートの断線が無い状態のことで、これは遊技制御装置54の取り外しに起因する断線も無い状態を含むものである(つまり、遊技制御装置54の取り外しも無い状態)。なお、枠開放や断線の概念については、以下、同様である。
・不正レベル1:枠開放1回、断線無し、枠開放30秒未満
これは、前面枠4の開放が1回で、断線監視ルートの断線が無い状態(遊技制御装置54の取り外しも無い状態を含む)であるとともに、前面枠4の開放時間が30秒未満の状態である。
・不正レベル2:枠開放1回、断線無し、枠開放30秒以上
これは、前面枠4の開放が1回で、断線監視ルートの断線が無い状態(遊技制御装置54の取り外しも無い状態を含む)であるとともに、前面枠4の開放時間が30秒以上の状態である。
・不正レベル3:枠開放2回以上、断線無し、枠開放30秒以上
これは、前面枠4の開放が2回以上で、断線監視ルートの断線が無い状態(遊技制御装置54の取り外しも無い状態を含む)であるとともに、前面枠4の開放時間が30秒以上の状態である。
・不正レベル4:断線1回以上
これは、断線監視ルートの断線(遊技制御装置54の取り外し状態も含む)が1回以上の状態である。なお、断線回数は遊技制御装置54の取り外し回数を含む概念である。
払出制御装置230は上記のようにして夜間監視情報から不正レベルを作成し、作成した不正レベルをカードユニット15に出力する。カードユニット15では不正レベルに対応したエラー報知(例えば、エラー報知として操作表示装置7に不正レベル=1等を表示)を行う。これにより、店員はエラー報知を見て、不正に対応することができる。例えば、不正レベルの高い台から優先的に点検をし、不正に対して速やかに対応することができる。なお、カードユニット15では不正レベルに応じてエラー報知の態様を変化させてもよい。
夜間監視情報の出力タイミングは、下記の通りである。
すなわち、払出制御装置230は、主電源の投入時(オン時)に、夜間監視スイッチ126Aに夜間監視情報の要求を出力し、この要求に応答して夜間監視スイッチ126Aから夜間監視情報を受信する。
ここで、夜間監視スイッチ126Aは払出制御装置230から夜間監視情報の出力要求があると、夜間監視情報を複数種類の監視データに分けて出力手段386から払出制御装置230に出力する。この場合、複数種類の監視データは、前面枠4の開放、枠開放回数、枠開放時間、遊技制御装置54の取り外し(断線)、取り外し回数(断線回数)を含む情報である。
払出制御装置230は夜間監視スイッチ126Aの出力手段386から夜間監視情報を複数種類の監視データに分けて受信すると、当該受信情報から図219(b)に示すような不正レベルデータを作成し、作成した不正レベルデータをRAM233に記憶させ、その後、カードユニット15に送信する構成である。
また、払出制御装置230は作成した不正レベルデータに基づいてエラー報知の処理を行う。エラー報知としては、例えば払出制御装置230から遊技制御装置54を経由して演出制御装置53にエラー情報を送り、表示装置41や装飾表示LED(枠)141でエラー表示を行う。このようにして、遊技者や店員に不正の可能性があることを報知する。したがって、前面枠4の開放や遊技制御装置54の取り外しに対する不正の抑止力になる。
なお、遊技機ではエラー報知を行わず、ホールコンピュータ86にて遊技場のみで分かるエラー報知が行われるようにしてもよい。これにより、前面枠4の開放や遊技制御装置54の取り外しに関する不正のエラー報知を店員が見ることで、遊技者に悟られずに不正への対処が行われる。
また、払出制御装置230では作成した不正レベルデータをカードユニット15に送信することで、カードユニット15では不正レベルデータに基づいて上述したようにエラー報知を行う。
一方、払出制御装置230は通常時(主電源供給時)に夜間監視スイッチ126Aから枠開放情報(前面枠4の監視情報)を受信すると、当該監視情報をRAM233に記憶させ、その後、カードユニット15に送信する。
このように、夜間監視スイッチ126Aは出力手段386を備えているため、主電源の供給が開始されてから、主電源遮断時に記憶しておいた夜間監視情報を払出制御装置230からの夜間監視情報の要求に応答して外部の払出制御装置230に出力し、払出制御装置230では夜間監視情報を内部の入力ポートで受けてCPU231に出力し、CPU231は夜間監視情報をRAM233に記憶させ、その後、カードユニット15に送信する。
なお、払出制御装置230では夜間監視情報から不正レベルを判断してカードユニット15に出力しているが、不正レベルの代わりに、夜間監視情報である前面枠4の枠開放回数、枠開放時間及び断線監視ルートの断線回数をそのまま払出制御装置230からカードユニット15に出力するようにしてもよい。
また、不正レベルと、夜間監視情報(前面枠4の枠開放回数、枠開放時間及び断線監視ルートの断線回数)の両方を払出制御装置230からカードユニット15に出力するようにしてもよい。
実施例11では、以下の効果がある。
(1)夜間監視スイッチ126Aは、主電源断時に検出した夜間監視情報を前面枠4の枠開放回数、枠開放時間及び断線監視ルートの断線回数(遊技制御装置54の取り外し監視情報)というように細かく分けて外部装置(例えば、払出制御装置230)へ出力するので、外部装置(例えば、払出制御装置230)では夜間監視情報から不正レベルを簡単に作成して不正レベルを容易に判断することができる。また、不正の可能性をより一層効率良く、確認することができる。したがって、不正レベルの高い台(不正された可能性の高い台)から優先的に点検をすることが可能であり、不正に対して効率良く、対応することができる。
例えば、夜間に遊技場が不正でなく多くの台の枠を開放(例えば、一斉点検で開放)したような場合、あるいは夜間に不正改造を行う者が不正を行わない台も含めて、わざと多くの台の枠を意図的に開放することにより遊技場を混乱させて不正が見つかりにくく工作したような場合には、多くの台から枠開放情報が出力されることとなり、遊技場では多くの台を点検しなければならず、面倒であり、不正の発見も遅れてしまう。
これに対して本実施例では、夜間監視スイッチ126Aからの夜間監視情報を複数種類の監視データに分けて払出制御装置230に出力し、払出制御装置230では複数種類の監視データに基づいて不正レベルを作成することにより不正レベルを監視するだけで、不正の高い台から優先的に点検をすることが可能であり、不正に対して効率良く、対応できる。
また、払出制御装置230からカードユニット15へ払出制御装置230で作成した不正レベルを送信した場合には、不正レベルの高い台から優先的に点検をすることが可能であり、不正に対して効率良く、対応することができる。
(2)実施例1に比べて、実施例11では前面枠4の枠開放時間が検出されるので、前面枠4の枠開放時間が短ければ(例えば、30秒未満)、遊技機の点検等の可能性が高いと判断でき、また、前面枠4の枠開放時間が長ければ(例えば、30秒以上)、遊技機に対する不正の可能性があると判断できるので、不正に対して効率良く、対応することができる。
(3)1つの夜間監視スイッチ126Aで前面枠4の開放及び遊技制御装置54の取り外しに関する複数種類のデータ(例えば、枠開放回数、枠開放時間、断線回数等)を検出可能なので、少ない部品で効率良く、不正を検出することが可能になる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、
電源を供給する電源装置と、を備えた遊技機において、
主電源遮断時であっても前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視可能であり、前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視した監視情報を主電源遮断時でも保持するとともに、
主電源の供給開始後に、外部装置から監視情報の出力要求があったときに、前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視した監視情報を外部装置に出力する夜間監視手段を設けたことを特徴とする遊技機。
ここで、夜間監視スイッチ126Aは夜間監視手段を構成し、払出制御装置230は外部装置を構成し、電源装置58は電源装置に相当し、遊技制御装置54は遊技制御装置に相当し、前面枠4は前面枠に相当する。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、
電源を供給する電源装置と、を備えた遊技機において、
主電源遮断時であっても前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視可能であり、前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視した監視情報を主電源遮断時でも保持する夜間異常検出手段と、
主電源の供給開始後に、外部装置から監視情報の出力要求があったときに、前記夜間異常検出手段により検出された前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視した監視情報を外部装置に出力する出力手段と、
を設けたことを特徴とする遊技機。
ここで、枠開放検出手段382、断線検出手段383は夜間異常検出手段を構成し、出力手段386は出力手段に相当し、払出制御装置230は外部装置を構成し、電源装置58は電源装置に相当し、遊技制御装置54は遊技制御装置に相当し、前面枠4は前面枠に相当する。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
前記夜間異常検出手段及び出力手段を一体化して1つのセンサーとして構成したことを特徴とする遊技機。
ここで、枠開放検出手段382、断線検出手段383は夜間異常検出手段を構成し、出力手段386は出力手段に相当し、夜間監視スイッチ126Aは1つのセンサーを構成する。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
遊技の進行を管理する遊技制御装置と、
電源を供給する電源装置と、を備えた遊技機において、
主電源遮断時であっても前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを複数種類の監視データに分けて監視可能であり、前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視した監視情報を主電源遮断時でも保持するとともに、
主電源の供給開始後に、外部装置から監視情報の出力要求があったときに、前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視した監視情報を複数種類の監視データに分けて外部装置に出力可能である夜間監視手段を設けたことを特徴とする遊技機。
ここで、夜間監視スイッチ126Aは夜間監視手段を構成し、払出制御装置230は外部装置を構成し、電源装置58は電源装置に相当し、遊技制御装置54は遊技制御装置に相当し、前面枠4は前面枠に相当する。
また、複数種類の監視データは、前面枠4の開放、枠開放回数、枠開放時間、遊技制御装置54の取り外し(断線)、取り外し回数(断線回数)を含む概念である。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを複数種類の監視データに分けて監視する夜間監視手段の構成は、
前面枠の開放を検出する枠開放検出手段と、
前面枠の開放時間を検出する枠開放時間検出手段と、
前面枠の開放回数を検出する枠開放回数検出手段と、
遊技制御装置の取り外しを検出する取り外し検出手段と、
遊技制御装置の取り外し回数を検出する取り外し回数検出手段と、によって実現されることを特徴とする遊技機。
ここで、夜間監視スイッチ126Aは夜間監視手段を構成し、枠開放検出手段382は枠開放検出手段に相当し、断線検出手段383は取り外し検出手段を構成し、枠開放回数記憶手段384は枠開放回数検出手段を構成し、断線回数記憶手段385は取り外し回数検出手段を構成し、枠開放時間検出手段387は枠開放時間検出手段に相当し、遊技制御装置54は遊技制御装置に相当し、前面枠4は前面枠に相当する。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
夜間監視手段は、
前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを複数種類の監視データに分けて外部に出力する出力手段を備えていることを特徴とする遊技機。
ここで、夜間監視スイッチ126Aは夜間監視手段を構成し、出力手段386は出力手段に相当する。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
前記外部装置は、
夜間監視手段から前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視した監視情報を複数種類の監視データに分けて受信すると、
複数種類の監視データに基づいて複数種類に区別される不正レベルデータを作成することを特徴とする遊技機。
ここで、夜間監視スイッチ126Aは夜間監視手段を構成し、払出制御装置230は外部装置を構成する。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
前記外部装置は、
夜間監視手段から受信した複数種類の監視データに基づいて複数種類に区別される不正レベルデータを作成すると、
作成した不正レベルデータをカードユニットに送信することを特徴とする遊技機。
ここで、夜間監視スイッチ126Aは夜間監視手段を構成し、払出制御装置230は外部装置を構成し、カードユニット15はカードユニットに相当する。
また、払出制御装置で遊技制御装置(主基板)の取り外しを監視する場合の上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
遊技制御装置と分離して、球の払い出しを制御する払出制御装置を配置し、
主電源遮断時であっても遊技制御装置の取り外しを監視することが検出可能であり、遊技制御装置の取り外しを検出した情報を主電源遮断時でも保持する主基板監視手段を設け、
前記主基板監視手段は、
主電源の供給開始後に、払出制御装置から監視情報の出力要求があったときに、遊技制御装置の取り外しを監視した監視情報を払出制御装置に出力することを特徴とする遊技機。
ここで、夜間監視スイッチ126Aは主基板監視手段を構成し、遊技制御装置54は遊技制御装置に相当し、払出制御装置230は払出制御装置に相当する。
また、封入球式遊技機に適用した場合における上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機本体内に所定数の遊技球を封入しておき、前記封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うことが可能であるとともに、遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、電源を供給する電源装置と、を備え、
前記遊技制御装置により、遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるかの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益を増加させ、
前記遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、この封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
主電源遮断時であっても前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視可能であり、前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視した監視情報を主電源遮断時でも保持するとともに、
主電源の供給開始後に、外部装置から監視情報の出力要求があったときに、前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを監視した監視情報を外部装置に出力する夜間監視手段を設けたことを特徴とする遊技機。
ここで、夜間監視スイッチ126Aは夜間監視手段を構成し、払出制御装置230は外部装置を構成し、電源装置58は電源装置に相当し、遊技制御装置54は遊技制御装置に相当し、前面枠4は前面枠に相当する。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2008−142135号公報に開示されたものでは、電源回路からの電源供給が停止している間の枠開放情報を記憶し、電源回路からの電源供給が開始されると、枠開放情報を出力している。
しかしながら、夜間における枠開放を監視することが可能な遊技機であっても、遊技場が不正でなく多くの台の枠を開放(例えば、一斉点検で開放)したような場合、あるいは不正改造を行う者が不正を行わない台も含めて、わざと多くの台の枠を意図的に開放することにより遊技場を混乱させて不正が見つかりにくく工作したような場合には、多くの台から枠開放情報が出力されることとなり、遊技場では多くの台を点検しなければならず、面倒であるとともに、不正の発見も遅れるという問題点がある。
したがって、上記公報の技術では不正対策が十分とは言えなかった。
そこで本実施例では、夜間監視情報を複数種類の監視データに分けて外部装置に出力し、外部装置では複数種類の監視データに基づいて不正レベルを作成することで、不正レベルを監視するだけで、不正の高い台から優先的に点検をすることが可能であり、不正に対して効率良く、対応できるようにしている。
「実施例12」
次に、本発明の実施例12について説明する。
実施例11では不正レベルデータを払出制御装置230で作成しているが、夜間監視スイッチ126Bで不正レベルデータを作成する構成にしたのが実施例12である。
図220は、実施例12の夜間監視スイッチ126Bの構成を示す図である。
図220において、実施例12の夜間監視スイッチ126Bの構成は実施例11と同一の部材が多く、相違する部材は少しであるので、実施例11と同一の部材には同一の部材番号を付し、相違する部材には異なる部材番号を付して構成を説明する。
図220に示すように、夜間監視スイッチ126B(図220では夜間監視SWと表記)は実施例11と同一の構成としてバックアップ電源381、枠開放検出手段382、断線検出手段383、枠開放回数記憶手段384、断線回数記憶手段385、出力手段386、枠開放時間検出手段387、枠開放時間記憶手段388を備えており、実施例11と異なる構成として不正レベルデータ作成手段389を備えている。また、払出制御装置230Bの構成が実施例11と異なる。
不正レベルデータ作成手段389は複数種類の監視データ(すなわち、枠開放検出手段382、断線検出手段383、枠開放回数記憶手段384、断線回数記憶手段385、枠開放時間検出手段387からの各出力)に基づいて図219(b)に示すような不正レベルデータを作成する。
そして、夜間監視スイッチ126Bは払出制御装置230Bから夜間監視情報の出力要求があると、夜間監視情報を不正レベルデータとして出力手段386から払出制御装置230Bに出力する。
払出制御装置230Bは夜間監視スイッチ126Bの出力手段386から夜間監視情報としての不正レベルデータを受信すると、当該不正レベルデータをRAM233に記憶させ、その後、カードユニット15に送信する構成である。
また、払出制御装置230Bは受信した不正レベルデータに基づいてエラー報知の処理を行う(エラー報知の処理は実施例11と同様)。さらに、払出制御装置230Bでは受信した不正レベルデータをカードユニット15に送信することで、カードユニット15では不正レベルデータに基づいて実施例11と同様にエラー報知を行う。
実施例12では、以下の効果がある。
(1)夜間監視スイッチ126Bの不正レベルデータ作成手段389により、不正レベルデータが作成されるので、払出制御装置230Bは不正レベルデータを作成する必要がなくなり、払出制御装置230Bの処理負担を軽減できる。
(2)1つの夜間監視スイッチ126Bで前面枠4の開放及び遊技制御装置54の取り外しに関する複数種類の監視データ(例えば、枠開放回数、枠開放時間、断線回数等)から不正レベルデータを作成して出力可能なので、少ない部品で効率良く、外部で不正レベルを判断可能なセンサを実現することができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
夜間監視手段は、
前面枠の開放及び遊技制御装置の取り外しを複数種類の監視データに分けて監視するとともに、
複数種類の監視データに基づいて複数種類に区別される不正レベルデータを作成する不正レベルデータ作成手段を備えていることを特徴とする遊技機。
ここで、夜間監視スイッチ126Bは夜間監視手段を構成し、不正レベルデータ作成手段389は不正レベルデータ作成手段に相当する。
また、複数種類の監視データは、前面枠4の開放、枠開放回数、枠開放時間、遊技制御装置54の取り外し(断線)、取り外し回数(断線回数)を含む概念である。
「実施例13」
次に、本発明の実施例13について説明する。
実施例13は、遊技機IDと枠開放情報との間に優先順位を付けて制御するものである。
なお、実施例13においては、説明の都合上、部材番号は実施例1と同一にしており、実施例1と共通のフローチャートは省き、実施例13の実現に関連するフローチャートについて説明する。
〔電源投入時の処理〕
図221は、実施例13の電源投入時の処理を示すフローチャートであり、払出制御装置230が実行する処理である。
このルーチンが開始されると、ステップD1201で払出制御装置230の電源投入を行う。これにより、払出制御装置230が起動する。次いで、ステップD1202で遊技機ID(ここでは主ID及び払出ID)をカードユニット15へ送信する。これは、電源投入時に遊技機IDを前面枠4の開放情報(枠開放情報)よりも優先してカードユニット15へ送信するものである。
次いで、ステップD1203で認証OKか否かを判定する。これは、遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDが既に外部管理装置91によって照合されて、照合OKとなって認証済みかを判断するものである。本実施例では、パチンコ機1の電源投入時に遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81を順次介して外部管理装置91にて照合し、その照合結果を逆のルートで払出制御装置230、遊技制御装置54という順序で受信する構成であるので、払出制御装置230が既に遊技機IDの照合結果OKを受信していれば、ステップD1203の判定結果はYESとなり、遊技機IDの照合結果OKを受信していないか又は照合結果NGの何れかの場合には、ステップD1203の判定結果はNOとなる。
なお、遊技機IDの認証を行う場合をまとめると、下記の通りである。
(a)パチンコ機1の電源投入時
初めての認証となるパチンコ機1の電源投入時の認証は、外部管理装置91で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
(b)電源投入時の認証(1回目の認証)がOKの後は、カード管理装置81で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
(c)遊技中の認証は、カードユニット15で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
ここで遊技機IDの認証について補足すると、本実施例では、外部管理装置91は遊技機IDの他、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)も合わせて照合を行うようにしている。そして、これら全てのIDがOKの場合に、照合結果OKとなる。前述の遊技機IDの認証がOKとは、遊技機ID、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)全ての照合結果がOKの場合である。また、遊技機IDの認証がNGとは、遊技機ID、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)の何れか一つでもNGの場合である。
ステップD1203の判定は、上記(a)乃至(c)の全てのケースを含むものである。ステップD1203で認証OKであれば、ステップD1204に進み、認証OK情報を主基板(遊技制御装置54)へ送信する。なお、払出制御装置230では認証OK情報を認証結果保存領域(例えば、RAM113の所定領域)にセーブする。
次いで、ステップD1205で夜間監視情報(枠開放情報を含む)をカードユニット15へ送信する。これは、夜間監視スイッチ126から受信した夜間監視情報をカードユニット15に送信するもので、その中には前面枠4の開放を監視している枠開放情報も含まれている。カードユニット15では枠開放情報を受信すると、その枠開放情報を遊技場のホールコンピュータ86に送信する。これにより、ホールコンピュータ86を見ることで、枠開放情報が店員により確認される。ステップD1205を経ると、リターンする。
一方、ステップD1203で認証NGであれば、ステップD1206に分岐し、遊技停止フラグをセットする。これにより、遊技が停止されることになる。ステップD1206を経ると、リターンする。また、この場合にはステップD1205の処理が実行されないので、枠開放情報はカードユニット15に送信されず、遊技停止となる。
このように、電源投入時には、払出制御装置230は前面枠4の開放を監視している枠開放情報よりも遊技機IDを優先してカードユニット15に送信する。カードユニット15に送信された遊技機IDはカードユニット15からカード管理装置81を介して外部管理装置91に送信され、外部管理装置91にて正規のIDと照合され、その照合結果は逆のルートで外部管理装置91、カード管理装置81、カードユニット15、払出制御装置230という順序で送信されてくる。そして、上述のようにステップD1203で認証OKであれば、認証OK情報が遊技制御装置54へ送信されるとともに、遊技を可能とする。一方、枠開放情報は遊技機IDをカードユニット15に送信した後に、送信されることになる。
〔遊技中の処理〕
図222は、実施例13の遊技中の処理を示すフローチャートであり、払出制御装置230が実行する処理である。
このルーチンが開始されると、ステップD1211で大当り中か否かを判定する。大当り中であれば、ステップD1212で前面枠4の開放があるか否かを判定し、枠開放(前面枠4の開放)があるときはステップD1213に進み、枠開放情報をカードユニット15へ送信する。カードユニット15では枠開放情報を受信すると、その枠開放情報を遊技場のホールコンピュータ86に送信する。これにより、ホールコンピュータ86を見ることで、枠開放情報が店員により確認され、大当り中に前面枠4が開放されたことを即座に把握できる。そして、前面枠4が開放されたのが不正であれば、直ちに不正に対応することが可能になる。ステップD1213を経ると、ステップD1214に進む。
一方、ステップD1211で大当り中でなければ、ステップD1217に分岐し、前面枠4の開放があるか否かを判定する。ステップD1217で枠開放があるときはステップD1213に進み、枠開放情報をカードユニット15へ送信する。したがって、大当り中でなく通常の遊技中であっても、ホールコンピュータ86を見ることで、枠開放情報が店員に報知され、効率的に不正の可能性を確認することができる。
また、ステップD1217で枠開放がなければ、リターンする。したがって、このときは枠開放情報はカードユニット15に送信されない。
一方、ステップD1212で枠開放がないときは、ステップD1213をジャンプしてステップD1214へ進む。
ステップD1212からステップD1214へ進むと、ステップD1214で遊技機ID(ここでは主ID及び払出ID)をカードユニット15へ送信する。これは、遊技中に大当りが発生したときに遊技機IDを前面枠4の開放情報(枠開放情報)がある場合には、枠開放情報をカードユニット15に送信した後にカードユニット15へ送信するものである。また、遊技機IDを送信するのは、大当りという重要なイベントの発生であるから、再度、遊技機IDを照合して不正を防止するためである。
次いで、ステップD1215で認証OKか否かを判定する。前述したように、遊技中の認証は、カードユニット15で遊技機IDが正規か否かを照合して行うことになる。そして、カードユニット15での認証の結果、認証OKであれば、ステップD1216に進み、認証OK情報を主基板(遊技制御装置54)へ送信する。なお、払出制御装置230では認証OK情報を認証結果保存領域(例えば、RAM113の所定領域)にセーブする。また、このときは遊技が続行される。ステップD1216を経ると、リターンする。
一方、ステップD1215で認証NGであれば、ステップD1218に分岐し、遊技停止フラグをセットする。これにより、大当り中であっても遊技機IDが不正であるから、遊技が停止されることになる。ステップD1218を経ると、リターンする。
このように、遊技中(大当り発生時又は前面枠開放時)の場合には、払出制御装置230は遊技機IDよりも前面枠4の枠開放情報を優先してカードユニット15に送信し、カードユニット15からホールコンピュータ86に送信される。したがって、ホールコンピュータ86を見ることで、遊技中に前面枠4が開放されたことが店員に即座に把握され、前面枠4が開放されたのが不正であれば、直ちに不正に対応することができる。その後、遊技機IDがカードユニット15に送信されて照合さて、認証OKであれば遊技続行、認証NGであれば、遊技停止となる。したがって、遊技中は遊技機IDよりも前面枠4の枠開放情報を優先してカードユニット15に送信することで、効率的に不正の可能性を確認することができる。
実施例13では、以下の効果がある。
(1)電源投入時は、枠開放情報より遊技機IDを優先させて外部に送信して認証を確認するが、遊技中は、遊技機IDより枠開放情報を優先させて外部に送信することにより、遊技中に前面枠4が開放されたことが店員に報知され、店員は効率的に不正の可能性を確認することができる。
(2)電源投入時に、遊技機外の装置(例えば、外部管理装置91)による遊技機IDの認証がNGの場合には、枠開放情報をカードユニット15に送信しないので、遊技機(払出制御装置230)の制御負担が軽減する。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技の進行を管理する遊技制御装置を備え、封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機において、
本体枠(前面枠、木枠、遊技枠を含む)の開放を検出する枠開放検出手段と、
電源投入時は、枠開放検出手段の出力よりも遊技制御装置の固有IDを遊技機IDとして優先して外部装置に送信し、
遊技中は、遊技制御装置の固有IDを遊技機IDとして送信するよりも、枠開放検出手段の出力を優先して外部装置に送信する送信情報優先手段と、
を備えたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、前面枠4は本体枠を構成し、夜間監視スイッチ126は枠開放検出手段を構成し、カードユニット15は外部装置を構成し、払出制御装置230は送信情報優先手段を構成し、遊技制御装置54は遊技制御装置に相当する。
また、遊技制御装置と分離して球の払い出しを制御する払出制御装置が配置されている場合には、遊技機IDは遊技制御装置の固有ID(主ID)及び払出制御装置の固有ID(払出ID)の双方を含むものになる。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
送信情報優先手段は、
電源投入時に、外部装置による遊技機IDの照合結果がNGの場合は、枠開放情報を外部装置に送信しないことを特徴とする封入球式遊技機。
この背景を説明する。
従来の遊技機、例えば特開2012−139325号公報に開示されたものでは、遊技機状態信号(例えば、電源投入時のセキュリティ信号やガラス枠等の開放時の扉・枠開放信号)に対応させて、主基板の固有IDを外部装置側へ出力する制御を行っている。
しかしながら、不正防止のため、遊技機ID(例えば、主基板の固有ID)と、枠開放情報とを遊技機外に送信する制御の場合、この2つの情報の送信タイミングが同じになることが多い。そのため、通信の輻輳の問題や各装置(例えば、遊技制御装置や払出制御装置)での制御処理が重複するおそれがあり、効率も悪いという問題点があった。
そこで本実施例では、電源投入時は、枠開放情報より遊技機IDを優先させて外部に送信して認証を確認するが、遊技中は、遊技機IDより枠開放情報を優先させて外部に送信することにより、遊技中に前面枠4が開放されたことを店員に報知して、効率的に不正の可能性を確認するようにしている。
「実施例14」
次に、本発明の実施例14について説明する。
最初に、本発明の実施例14乃至実施例17に関する説明の図面は先に実施例1で図14乃至図20として基本的な部分を掲げているものであるが、これらの図14乃至図20で開示する技術内容には細かい特有の効果があり、そこで、実施例14乃至実施例17に分けて別に説明した方が分かりやすいことから、特有の効果を含めて詳細に説明する。
なお、実施例14乃至実施例17の構成は、実施例1で掲げた図14乃至図20と基本的な部分は同様であるが、一部は相違している。ただし、説明の都合上、実施例14乃至実施例17においては、部材番号は実施例1と同一の部材番号を使用して説明する。
実施例14は、遊技機IDの照合の効率化を図った例である。
最初に、背景を説明する。
遊技機のセキュリティ向上のために、遊技場に設置された各遊技機のIDを遊技場外の外部管理装置で照合を行うシステムが考えられる。
しかしながら、遊技機IDの照合を遊技場外の外部管理装置で行うシステムは、セキュリティが高いが、外部との通信が必要であり、遊技機の台数が多いと通信の輻輳等のため、IDの照合に時間がかかるおそれがある。また、システムダウンのおそれもある。そこで、効率的にIDの照合を行うシステムが求められている。
そこで、実施例14では遊技機の状況に応じてID照合の上位装置を変えることで、効率的にID照合が行えるようにしている。
次に、実施例14の具体的構成について説明する。
実施例14では、遊技機設置時、遊技機設置後の電源投入時、遊技中の3つの状況で遊技機IDの照合先の上位装置を変更する構成になっている。
なお、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91との間は暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われるが、実施例14では説明の都合上、暗号化通信については略している。
<遊技機設置時:初めての認証>
すなわち、図14に示すように、初めての認証となるパチンコ機1の遊技機設置時には、パチンコ機1の電源投入時に遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81を順次介して外部管理装置91にて照合し、その照合結果を逆のルートで外部管理装置91、カード管理装置81、カードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54という順序で遊技制御装置54が受信する構成である。
すなわち、遊技機設置時には遊技機IDを最上位の外部管理装置91にて照合する構成である。
なお、実施例14では、外部管理装置91は遊技機IDの他、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)も合わせて照合を行うようにしている。そして、これら全てのIDがOKの場合に、照合結果OKとなる。したがって、遊技機IDの認証がOKとは、遊技機ID、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)全ての照合結果がOKの場合である。また、遊技機IDの認証がNGとは、遊技機ID、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)の何れか一つでもNGの場合である(この概念は以下、同様)。
なお、外部管理装置91で遊技機IDのみを照合するシステムでもよい。このようなシステムであっても、遊技機が正規のものであることが判定できるので、所定のセキュリティは保たれる。
次いで、外部管理装置91における遊技機IDの照合の結果、照合OKであれば、その照合結果を外部管理装置91、カード管理装置81、カードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54のルートで遊技制御装置54が受信し、遊技機IDの照合結果を記憶するとともに、照合結果がOKであれば、遊技を可能にする。
一方、外部管理装置91における遊技機IDの照合の結果、照合NGであれば、その照合結果を外部管理装置91、カード管理装置81、カードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54のルートで遊技制御装置54が受信し、遊技機IDの照合結果を記憶するとともに、照合結果がNGであれば、遊技を停止させる。
<遊技機設置後の電源投入時>
次に、遊技機設置後の電源投入時における遊技機IDの照合は、図17に示すように、遊技機IDをカード管理装置81で照合する構成である。
すなわち、遊技機設置後の電源投入時には、遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15を順次介してカード管理装置81にて照合し、その照合結果を逆のルートでカード管理装置81、カードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54という順序で遊技制御装置54が受信する構成である。
すなわち、遊技機設置後の電源投入時には遊技機IDを最上位の外部管理装置91ではなく、それよりも下位のカード管理装置81にて照合する構成である。ただし、カード管理装置81での照合結果がNGの場合は、外部管理装置91で再照合を行う。
次いで、カード管理装置81における遊技機IDの照合の結果、照合OKであれば、その照合結果をカード管理装置81、カードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54のルートで遊技制御装置54が受信し、遊技機IDの照合結果を記憶するとともに、照合結果がOKであれば、遊技を可能にする。
一方、カード管理装置81における遊技機IDの照合の結果、照合NGであれば、カード管理装置81では遊技機ID(主ID及び払出ID)、カードユニットID及びホールIDを外部管理装置91に送信し、外部管理装置91で各IDの再照合を行う構成である。以降、所定期間は外部管理装置91にて各IDの照合を行うようにする。
外部管理装置91では各IDの再照合を行い、再照合結果をカード管理装置81に送信する。外部管理装置91における遊技機ID等の再照合の結果、照合結果がOKであれば、その照合結果を外部管理装置91、カード管理装置81、カードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54のルートで遊技制御装置54が受信し、遊技機IDの照合結果を記憶するとともに、遊技を可能とする。
また、再照合結果がNGであれば、その照合結果を外部管理装置91、カード管理装置81、カードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54のルートで遊技制御装置54が受信し、遊技機IDの照合結果を記憶するとともに、遊技を停止させる。
再照合を行うことにより、よりセキュリティを向上させることができる。
<遊技中>
次に、遊技機設置後の遊技機中における遊技機IDの照合は、図18に示すように、遊技機IDをカードユニット15で照合する構成である。
すなわち、遊技機設置後の遊技中には、遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230を介してカードユニット15にて照合し、その照合結果を逆のルートでカードユニット15から払出制御装置230、遊技制御装置54という順序で遊技制御装置54が受信する。
すなわち、遊技機設置後の電源投入時には遊技機IDを最上位の外部管理装置91や上位のカード管理装置81で照合する構成でなく、それらよりも下位のカードユニット15にて照合する構成である。
次いで、カードユニット15における遊技機IDの照合の結果、照合OKであれば、その照合結果を払出制御装置230、遊技制御装置54のルートで遊技制御装置54が受信し、遊技機IDの照合結果を記憶するとともに、主IDの照合結果がOKであれば、遊技を可能にする。
一方、カードユニット15における遊技機IDの照合の結果、照合NGであれば、その照合結果を払出制御装置230、遊技制御装置54のルートで遊技制御装置54が受信し、遊技機IDの照合結果を記憶するとともに、主IDの照合結果がNGであれば、遊技を停止させる。
また、照合NGの場合には、カードユニット15は照合結果NGという情報をカード管理装置81に送信する。カード管理装置81では、照合結果NGを記憶する。
なお、前述したように、電源投入時におけるカード管理装置81での遊技機ID、カードユニットIDの照合結果がNGの場合には、外部管理装置91でIDの再照合を行うが、遊技中における遊技機IDの照合をカードユニット15にて実行する場合に、カードユニット15が照合結果NGと判定したときは、上位装置(カード管理装置81、外部管理装置91)によるIDの照合は行わずに、照合結果NGを確定させる。したがって、照合処理を繰り返すことがなく、効率的に照合を行うことができる。
このように実施例14では、初めての認証となる遊技機設置時におけるパチンコ機1の電源投入時の認証は、外部管理装置91で遊技機ID(遊技機IDの他、カードユニットID、ホールIDも含まれる。以下、同様)が正規か否かを照合して認証を行い、遊技機設置時の電源投入時の認証(1回目の認証)がOKの後は、カード管理装置81で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行い、さらに、遊技中の認証はカードユニット15で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。すなわち、上記3つの状況に分けて、遊技機IDの照合先の上位装置を変更している。
実施例14では、以下の効果がある。
(1)遊技機IDの照合を毎回、外部管理装置91で行うのではなく、上述のように、遊技機設置時での初回の照合、遊技機設置後の電源投入時での照合、遊技中での照合の3つの状況に分けて、遊技機IDの照合先の上位装置を変更する構成にしているので、効率的に遊技機IDの照合を行うことができる。
具体的には、遊技機設置時の初回は外部管理装置91にて遊技機IDの照合を行い、遊技機設置時の照合済みであれば、電源投入時は、遊技場内のカード管理装置81にて遊技機IDの照合を行い、遊技中はカードユニット15で遊技機IDの照合を行うので、効率的に遊技機IDの照合を行うことができる。すなわち、遊技機IDの照合の効率化を図ることができる。
例えば、遊技機IDの照合を遊技場外の外部管理装置で行うシステムは、セキュリティが高いが、外部との通信が必要であり、遊技機の台数が多いと通信の輻輳等のため、IDの照合に時間がかかるおそれがあるが、実施例14では遊技場外の外部管理装置91で遊技機IDの照合を行うのは、遊技機設置時での初回の照合だけであるので、通信の輻輳等のおそれやIDの照合に時間がかかるおそれを極力無くすことができる。
また、遊技機IDの照合を遊技場外の外部管理装置で、毎回行うシステムはシステムダウンのおそれもあるが、実施例14では遊技場外の外部管理装置91で遊技機IDの照合を行うのは、遊技機設置時での初回の照合だけであり、その後は遊技場に内部で遊技機IDの照合を行うので、システムダウンのおそれを極力無くすことができる。
極力無くすことができる。
(2)遊技機設置後の電源投入時におけるカード管理装置81での遊技機IDの照合結果がNGの場合は、外部管理装置91で再照合を行うが、遊技中のカードユニット15での照合結果がNGの場合は、上位装置(例えば、カード管理装置81)での照合は行わず、照合NGを確定するので、遊技機IDの照合に手間がかからず、効率的に照合を行うことができる。
例えば、遊技中のカードユニット15での照合結果がOKの台は、速やかに遊技可能となり、照合NGの台のみ、照合NGを確定するので、全体的に遊技機IDの照合の効率が高まる。
(3)カード管理装置81での照合結果がNGの場合、以降の所定期間は、外部管理装置91で照合を行うので、より信頼性の高い外部管理装置91での照合処理であることから、セキュリティを保つことができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機IDを照合して遊技可否を判断する遊技システムであって、
遊技機、カードユニット、カード管理装置及び外部管理装置を通信可能に接続し、
遊技機設置時には、外部管理装置にて遊技機IDの照合を行い、
遊技機設置時に遊技機IDを照合済みであれば、遊技機の電源投入時は、遊技場内のカード管理装置にて遊技機IDの照合を行い、
遊技機設置後の遊技中は、カードユニットで遊技機IDの照合を行うように構成したことを特徴とする遊技システム。
ここで、パチンコ機1は遊技機を構成し、カードユニット15はカードユニットに相当し、カード管理装置81はカード管理装置に相当し、外部管理装置91は外部管理装置に相当する。
遊技機IDは遊技制御装置の固有ID(主ID)である。
また、遊技制御装置と分離して球の払い出しを制御する払出制御装置が配置されている場合には、遊技機IDは遊技制御装置の固有ID(主ID)及び払出制御装置の固有ID(払出ID)の双方を含むものになる。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
カード管理装置は、
遊技機の電源投入時のカード管理装置における遊技機IDの照合結果がNGの場合は、外部管理装置へ遊技機IDを送信して遊技機IDの再照合を行うようにし、
カードユニットは、
遊技中におけるカードユニットでの遊技機IDの照合結果がNGの場合は、カードユニットよりも上位装置での遊技機IDの照合は行わず、照合NGを確定することを特徴とする遊技システム。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
カード管理装置は、
カード管理装置での遊技機IDの照合結果がNGの場合、以降の所定期間は、外部管理装置で照合を行うことを特徴とする遊技システム。
「実施例15」
次に、本発明の実施例15について説明する。
実施例15は、遊技機IDの初めての認証時に暗号鍵Aを用いた暗号化通信により遊技機IDを含む情報の伝送を行うものである。
最初に、背景を説明する。
遊技機のセキュリティ向上のために、遊技場に設置された各遊技機のIDを遊技場外の外部管理装置で照合を行う場合、暗号化通信を使用するシステムが考えられる。
しかしながら、遊技機IDの照合を遊技場外の外部管理装置で行うシステムにおいて、暗号化通信を使用すればセキュリティは高いが、暗号化/復号化に時間がかかり、遊技機台数が多いと、遊技機IDの照合に支障をきたすおそれがある。
そこで、実施例15では遊技機IDを外部管理装置に送信する際には、カードユニット及びカード管理装置は遊技機IDを暗号化せずにそのまま送信することで、効率的にID照合が行えるようにしている(詳細は後述)。
次に、実施例15の具体的構成について説明する。
<遊技機設置時:初めての認証>
図14に示すように、初めての認証となるパチンコ機1の遊技機設置時には、パチンコ機1の電源投入時に遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81を順次介して外部管理装置91にて照合し、その照合結果を逆のルートで外部管理装置91、カード管理装置81、カードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54という順序で遊技制御装置54が受信する構成である。
すなわち、遊技機設置時には遊技機IDを最上位の外部管理装置91にて照合する構成である。
ただし、実施例15では外部管理装置91で遊技機IDのみを照合するシステムにしている。このようなシステムであっても、遊技機が正規のものであることが判定できるので、所定のセキュリティは保たれる。
なお、上記とは別の構成として、例えば外部管理装置91は遊技機IDの他、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)も合わせて照合を行うようにしてもよい。そして、これら全てのIDがOKの場合に、照合結果OKとなる。したがって、遊技機IDの認証がOKとは、遊技機ID、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)全ての照合結果がOKの場合である。また、遊技機IDの認証がNGとは、遊技機ID、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)の何れか一つでもNGの場合である(この概念は以下、同様)。
遊技機IDの照合ルートは上述した通りであるが、遊技機IDを送信する際には暗号化通信を行っており、暗号化通信は細かくは、以下の通りである。
すなわち、実施例15では遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91との間は単一の暗号鍵Aを用いた暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われる構成である。
具体的には、遊技制御装置54はパチンコ機1の電源投入時に主制御IDを払出制御装置230に送信するが、このとき、遊技制御装置54は自身に備えられている暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて主IDを払出制御装置230に送信する。
ここで、暗号鍵A及び暗号化/復号化アルゴリズムは各装置(すなわち、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91)に予め備えられている。そして、各装置では自身に予め備えられている暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて他の装置から送られてきたIDを受信したり、他の装置へ送信する構成であるとともに、外部管理装置91で照合するまではカードユニット15及びカード管理装置81では他の装置から送られてきた遊技機IDを暗号化されたままで記憶する。ただし、外部管理装置91はカード管理装置81から送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)を復号化して記憶する。
次いで、払出制御装置230は遊技制御装置54から送られてきた主IDと自身の払出IDとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカードユニット15に送信する。
次いで、カードユニット15は払出制御装置230から送られてきた主ID及び払出IDを暗号化されたままで記憶するとともに、主ID及び払出ID(つまり、遊技機ID)を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。
次いで、カード管理装置81はカードユニット15から送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)を暗号化されたままで記憶するとともに、遊技機ID(主ID及び払出ID)を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて外部管理装置91に送信する。
次いで、外部管理装置91はカード管理装置81から送られてきた遊技機ID(主ID及び払出ID)を復号化し、遊技機IDを所定の照合リストを用いて照合する。
このように、実施例15では遊技機IDの初めての認証時に暗号鍵Aを用いた暗号化通信により遊技機IDを含む情報の伝送が行われる。
<外部管理装置91で照合OKの場合>
この場合の実施例15における基本的構成は図15に示される。
外部管理装置91における遊技機IDの照合の結果、照合OKであれば、その照合結果を外部管理装置91からカード管理装置81に暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて送信する。次いで、カード管理装置81は照合OKを受信すると、暗号鍵Aによって暗号化されたままで記憶しておいた遊技機IDを復号化して記憶し直すとともに、照合OKの情報を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカードユニット15に送信する。これにより、正規の遊技機IDのみが復号化された状態でカード管理装置81に記憶されることになる。
次いで、カードユニット15は照合OKを受信すると、暗号鍵Aによって暗号化されたままで記憶しておいた遊技機IDを復号化して記憶し直すとともに、照合OKの情報を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて払出制御装置230に送信する。これにより、正規の遊技機IDのみが復号化された状態でカードユニット15に記憶されることになる。
次いで、払出制御装置230は照合OKを受信すると、照合OKの情報を記憶するとともに、照合OKの情報を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて遊技制御装置54に送信する。また、払出制御装置230は照合OKを受信したことにより、遊技を可能にする。
次いで、遊技制御装置54は払出制御装置230から送られてきた照合OKの情報を記憶するとともに、遊技を可能にする。
<外部管理装置91で照合NGの場合>
この場合の実施例15における基本的構成は図16に示される。
外部管理装置91における遊技機IDの照合の結果、照合NGであれば、その照合結果を外部管理装置91からカード管理装置81に暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて送信する。
次いで、カード管理装置81は照合NGを受信すると、照合結果NGを記憶するとともに、照合結果NGの遊技機IDについては、復号化せず、暗号化されたままの遊技機IDを破棄する。また、カード管理装置81は照合NGの情報をカードユニット15に暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて送信する。
次いで、カードユニット15は照合NGを受信すると、照合結果NGを記憶するとともに、照合結果NGの遊技機IDについては、復号化せず、暗号化されたままの遊技機IDを破棄する。また、カードユニット15は照合結果NGの当該台については、遊技を停止させるようにする。さらに、カードユニット15は照合NGの情報を払出制御装置230に暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて送信する。
次いで、払出制御装置230は照合NGを受信すると、照合結果NGを記憶するとともに、遊技を停止させる。また、払出制御装置230は照合NGの情報を遊技制御装置54に暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて送信する。
次いで、遊技制御装置54は照合NGを受信すると、照合結果NGを記憶するとともに、遊技を停止させる。また、遊技機IDの照合結果がNGであれば、演出制御装置53にコマンドを送り、表示装置41にエラー表示をさせたりする
なお、上述した説明は、遊技機設置時に遊技機IDにつき初めての照合を行う場合であるが、遊技機設置後(初回以降のID照合)については、先の実施例14の場合と同様に、遊技機の状況に応じてID照合の上位装置を変えるようにしている。
すなわち、遊技機設置時の電源投入時の認証(1回目の認証)がOKの後は、カード管理装置81で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行い、さらに、遊技中の認証はカードユニット15で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。
このように実施例15では、遊技機設置時の初めての遊技機IDの照合については、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91との間は暗号鍵Aを用いた暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われて、遊技機IDの照合処理が行われる。
また、遊技機設置後(初回以降のID照合)については、遊技機設置時の電源投入時の認証(1回目の認証)がOKの後は、カード管理装置81で遊技機IDが正規か否かを照合して認証が行われ、さらに、遊技中の認証はカードユニット15で遊技機IDが正規か否かを照合して認証が行われる。
実施例15では、以下の効果がある。
(1)遊技機IDを照合のために外部管理装置91に送信する際には、カードユニット15及びカード管理装置81は、遊技機IDを復号化せずそのまま(暗号化されたままで記憶)記憶するとともに、暗号化されたままで遊技機IDを送信するので、いちいち復号化する等の処理が必要なく、余分な手間がかからず、効率が良い。
例えば、遊技機IDの照合を遊技場外の外部管理装置で行うシステムは、セキュリティが高いが、外部との通信が必要であり、遊技機の台数が多いと通信の輻輳等のため、IDの照合に時間がかかるおそれがあるが、実施例15では遊技場外の外部管理装置91で遊技機IDの照合を行うのは、遊技機設置時での初回の照合だけであり、また、カードユニット15及びカード管理装置81は、遊技機IDを復号化せずそのまま記憶し、かつ暗号化されたままで遊技機IDを送信するので、通信の輻輳等のおそれやIDの照合に時間がかかるおそれを極力無くすことができる。
また、暗号化のまま遊技機IDを送信するので、安全性も高い。
(2)外部管理装置91にて遊技機IDの照合を行い、その結果がOKの場合は、カード管理装置81及びカードユニット15は暗号化されて記憶していた遊技機IDを復号化して記憶し直し、照合結果がNGの場合は、暗号化されて記憶していた遊技機IDを破棄するので、余分なデータを持たず、効率が良い。
(3)遊技機設置後(初回のID照合済み)の次回からの遊技機IDの照合時には、外部管理装置91に遊技機IDを送信しなくても、カード管理装置81又はカードユニット15にて遊技機IDの照合を行うので、効率的に遊技機IDの照合を行うことができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
遊技機IDを照合して遊技可否を判断する遊技システムであって、
遊技機、カードユニット、カード管理装置及び外部管理装置を通信可能に接続するとともに、遊技機IDの照合を行うときは暗号鍵を用いた暗号化通信を使用するように構成し、
遊技機IDを外部管理装置に送信する際には、
カードユニットは、遊技機から受信した遊技機IDを復号化せずそのまま記憶するとともに、カード管理装置へ送信し、
カード管理装置も同様に遊技機IDを復号化せずそのまま記憶するとともに、外部管理装置へ送信し、
外部管理装置にて遊技機IDの照合を行い、その照合結果がOKの場合は、
カード管理装置は遊技機IDを復号化して記憶し直し、またカードユニットも同様に遊技機IDを復号化して記憶し直し、かつカードユニットは遊技機IDの照合結果OKの情報を遊技機に送信し、
遊技機IDの照合結果がNGの場合は、カード管理装置及びカードユニットは遊技機IDを破棄するとともに、かつカードユニットは遊技機IDの照合結果NGの情報を遊技機に送信するように構成したことを特徴とする遊技システム。
ここで、パチンコ機1は遊技機を構成し、カードユニット15はカードユニットに相当し、カード管理装置81はカード管理装置に相当し、外部管理装置91は外部管理装置に相当する。
遊技機IDは遊技制御装置の固有ID(主ID)である。
また、遊技制御装置と分離して球の払い出しを制御する払出制御装置が配置されている場合には、遊技機IDは遊技制御装置の固有ID(主ID)及び払出制御装置の固有ID(払出ID)の双方を含むものになる。
「実施例16」
次に、本発明の実施例16について説明する。
実施例16は、複数の暗号鍵(暗号鍵A及び暗号鍵X)を用いた暗号化通信により遊技機IDを含む情報の伝送を行うものである。
最初に、背景を説明する。
遊技機のセキュリティ向上のために、遊技機及び遊技場内外の各装置との間の通信に暗号鍵による暗号化通信を使用するシステムが考えられる。
しかしながら、一つの暗号鍵による暗号化通信を使用するシステムでは、一度解読されてしまうと、以降は暗号化の意味がなくなり、セキュリティが高いとは言えなかった。
例えば、遊技場のカードユニットは設置後の暗号鍵を記憶していても、設置後の暗号鍵(全て同じ鍵)を使用して遊技機と通信しているので、どれか1台のカードユニットが盗用に合うと、通信のセキュリティが低下するおそれがある。
そこで、実施例16では複数の暗号鍵(暗号鍵A及び暗号鍵X)を用いた暗号化通信により遊技機IDを含む情報の伝送を行って遊技機IDの照合を行い、特に暗号鍵Xは台毎に異なる暗号鍵となっているので、よりセキュリティを高く保つようにしている。
次に、実施例16の具体的構成について説明する。
<遊技機設置時:初めての認証>
図14に示すように、初めての認証となるパチンコ機1の遊技機設置時には、パチンコ機1の電源投入時に遊技制御装置54の主IDを含む遊技機IDを払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81を順次介して外部管理装置91にて照合し、その照合結果を逆のルートで外部管理装置91、カード管理装置81、カードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54という順序で遊技制御装置54が受信する構成である。
すなわち、遊技機設置時には遊技機IDを最上位の外部管理装置91にて照合する構成である。
ただし、実施例16では外部管理装置91で遊技機IDのみを照合するシステムにしている。このようなシステムであっても、遊技機が正規のものであることが判定できるので、所定のセキュリティは保たれる。
なお、上記とは別の構成として、例えば外部管理装置91は遊技機IDの他、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)も合わせて照合を行うようにしてもよい。そして、これら全てのIDがOKの場合に、照合結果OKとなる。したがって、遊技機IDの認証がOKとは、遊技機ID、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)全ての照合結果がOKの場合である。また、遊技機IDの認証がNGとは、遊技機ID、カードユニットID、カード管理装置ID(ホールID)の何れか一つでもNGの場合である(この概念は以下、同様)。
遊技機IDの照合ルートは上述した通りであるが、遊技機IDを送信する際には暗号化通信を行っており、暗号化通信は細かくは、以下の通りである。
すなわち、実施例16では遊技機設置時(初めての認証時)においては、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91との間は暗号鍵Aを用いた暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われる構成であり、遊技機IDを含む情報を遊技制御装置54から外部管理装置91まで送信する処理は、前述した実施例15と同様であり、暗号鍵Aを用いた暗号化通信で伝送するので、重複説明は略す。
次に、外部管理装置91における遊技機IDの照合の結果、照合OKの場合と照合NGの場合とで分けて説明する。
<遊技機設置時:外部管理装置91で照合OKの場合>
この場合の実施例15における基本的構成は図15に示される。
外部管理装置91における遊技機IDの照合の結果、照合OKであれば、照合結果OKと暗号鍵Xのためのデータを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。
なお、暗号鍵Xのためのデータとは、暗号鍵Xを生成するためのデータである。後述のように、外部管理装置91から暗号鍵Xのためのデータがカード管理装置81へ送信されると、カード管理装置81では暗号鍵Xのためのデータに基づいて遊技店における各台毎の暗号鍵Xを生成することになる。
次いで、カード管理装置81は外部管理装置91から送られてきた照合結果OKと暗号鍵Xのためのデータを記憶するとともに、暗号鍵Xのためのデータに基づいて遊技店における各台毎の暗号鍵Xを生成する。
暗号鍵Xは、遊技店における各台毎に異なるIDが生成されるもので、遊技機(パチンコ機1)内(遊技制御装置54(主基板)と払出制御装置230(払出制御基板)間)及び遊技機(パチンコ機1)とカードユニット15との間の通信には、台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を用いて情報が送受信されることになる。
また、カード管理装置81は外部管理装置91から送られてきた照合結果がOKであれば、記憶しておいた遊技機ID(暗号鍵Aで暗号化されていたもの)を復号化し、記憶し直す。これにより、正規の遊技機IDのみが復号化された状態でカード管理装置81に記憶されることになる。
ここで、遊技機IDの照合結果OKの場合には、次の遊技機IDの照合時からカードユニット15から上位の通信には暗号鍵Aによる暗号化通信を行うが、カードユニット15より下位の通信には台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を行うようにする。
具体的には、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91との間は暗号鍵Aによる暗号化通信を行い、カードユニット15、払出制御装置230、遊技制御装置54との間は暗号鍵Xによる暗号化通信を行うことになる。
また、照合結果OKの場合には、カード管理装置81はカードユニット15に対して各台の照合結果と各台の暗号鍵Xとを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて送信する。
次いで、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた当該台の照合結果と当該台の暗号鍵Xとを記憶する。そして、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた照合結果がOKであるときは、記憶しておいた遊技機ID(暗号鍵Aで暗号化されていたもの)を復号化し、記憶し直す。これにより、正規の遊技機IDのみが復号化された状態でカードユニット15に記憶されることになる。
また、照合結果OKの場合には、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた当該台における遊技機IDの照合結果と当該台毎の暗号鍵Xとを、パチンコ機1の払出制御装置230に暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて送信する。
次いで、払出制御装置230はカードユニット15から送られてきた遊技機IDの照合結果と暗号鍵Xと記憶するとともに、カードユニット15から送られてきた遊技機IDの照合結果と暗号鍵Xとを遊技制御装置54に送信する。
次いで、遊技制御装置54は払出制御装置230から送られてきた遊技機IDの照合結果と暗号鍵Xと記憶する。
遊技制御装置54は主ID及び払出IDの照合結果から、照合結果OK(主ID及び払出IDの照合結果が正規)であれば、通常通りに遊技が開始されることになる。
なお、外部管理装置91でのID照合結果がOKであれば、次回より遊技制御装置54と払出制御装置230との間、及び払出制御装置230とカードユニット15との間は、暗号鍵Xによる暗号化通信で情報の送受信が行われることになる。
<遊技機設置時:外部管理装置91で照合NGの場合>
この場合の実施例15における基本的構成は図16に示される。
外部管理装置91における遊技機IDの照合の結果、照合NGであれば、照合結果NGを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。照合NGであるので、暗号鍵Xのためのデータは送信しない。
次いで、カード管理装置81は外部管理装置91から送られてきた照合結果NGを記憶するとともに、照合結果NGの遊技機IDについては、その遊技機IDを破棄する。
また、カード管理装置81は外部管理装置91から送られてきた照合結果NGを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカードユニット15に送信する。
次いで、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた当該台の照合結果NGを記憶するとともに、照合結果NGの遊技機IDについては、その遊技機ID(主ID)を破棄する。また、カードユニット15は照合結果NGの当該台については、遊技を停止させるようにする。
さらに、カードユニット15はカード管理装置81から送られてきた当該台の照合結果NGを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてパチンコ機1の払出制御装置230に送信する。
次いで、払出制御装置230はカードユニット15から送られてきた遊技機IDの照合結果NGを記憶するとともに、遊技機IDの照合結果がNGであれば、遊技を停止させる。また、払出制御装置230はカードユニット15から送られて照合結果NGを暗号鍵Aによる暗号化通信を用いて遊技制御装置54に送信する。
次いで、遊技制御装置54は払出制御装置230から送られてきた遊技機IDの照合結果NGを記憶するとともに、遊技機IDの照合結果がNGであれば、遊技を停止させる。
また、遊技機IDの照合結果がNGであれば、演出制御装置53にコマンドを送り、表示装置41にエラー表示をさせたりする。
なお、上述した説明は、遊技機設置時に遊技機IDにつき初めての照合を行う場合である。
一方、遊技機設置後(初回以降のID照合)については、先の実施例15の場合と同様に、遊技機の状況に応じて遊技機ID照合の上位装置を変えるようにしている。
すなわち、実施例16において、遊技機設置時の電源投入時の認証(1回目の認証)がOKの後は、図17に示すように、カード管理装置81で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。この場合には、遊技制御装置54、払出制御装置230及びカードユニット15の間は台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われるとともに、カードユニット15、カード管理装置81及び外部管理装置91との間は暗号鍵Aによる暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われる(詳細は図17で説明しているので、略す)。
なお、遊技機設置後(初回以降のID照合)であって、遊技盤20の入れ替え時(交換時)に払出制御装置230は他の装置から送信されてきた情報(遊技機ID、遊技機IDの照合結果情報等)を暗号鍵Xにより復号化しても解読できない場合には、暗号鍵Aにより復号化して解読する。この処理は、カードユニット15についても同様である。
また、遊技中における遊技機IDの照合はカードユニット15で遊技機IDが正規か否かを照合して認証を行う。この場合には、図18に示すように、遊技制御装置54、払出制御装置230及びカードユニット15の間は台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われる(詳細は図18で説明しているので、略す)。なお、このとき、遊技機IDの照合結果がNGの場合には、カードユニット15は照合結果NGという情報を暗号鍵Aによる暗号化通信を用いてカード管理装置81に送信する。カード管理装置81では、照合結果NGを記憶することになる。
このように実施例16では、遊技機設置時の初めての遊技機IDの照合については、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91との間は暗号鍵Aを用いた暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われて、遊技機IDの照合処理が行われる。
また、遊技機設置後(初回以降のID照合を含む情報の伝送)については、カード管理装置81で遊技機IDの照合を行うとともに、この場合には遊技制御装置54、払出制御装置230及びカードユニット15の間は台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われ、カードユニット15、カード管理装置81及び外部管理装置91との間は暗号鍵Aによる暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われる。
さらに、遊技中については、カードユニット15で遊技機IDの照合を行うとともに、この場合には遊技制御装置54、払出制御装置230及びカードユニット15の間は台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送が行われる。
実施例16では、以下の効果がある。
(1)遊技機設置時の初めての遊技機IDの照合については、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15、カード管理装置81、外部管理装置91との間は全て暗号鍵Aを用いた暗号化通信で遊技機IDを含む情報の伝送を行って遊技機IDの照合を行うが、遊技機IDの照合結果がOKであれば、次回の遊技機IDの照合時から、カードユニット15よりも上位の装置との通信には暗号鍵Aによる通信を使用するものの、遊技機内(遊技制御装置54及び払出制御装置230との間)及び遊技機(払出制御装置230)とカードユニット15との間の通信には台毎に異なる暗号鍵Xによる暗号化通信を使用するので、よりセキュリティを高く保つことができる。
例えば、遊技場のカードユニットが設置後の暗号鍵を記憶していても、設置後の暗号鍵(全て同じ鍵)を使用して遊技機と通信しているので、どれか1台のカードユニットが盗用に合うと、通信のセキュリティが低下するおそれがあるが、実施例16では、暗号鍵Xは台毎に異なる暗号鍵となっていることから、仮に1台のカードユニットが盗用されても、他のカードユニットは異なる暗号鍵を使用することになり、よりセキュリティを高く保つことができる。さらに、台毎の暗号鍵Xは、外部管理装置91からのデータにより更新可能なので、よりセキュリティが高い。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行う封入球式遊技機の遊技機IDを照合して遊技可否を判断する封入球式遊技システムであって、
封入球式遊技機、カードユニット、カード管理装置及び外部管理装置を通信可能に接続するとともに、遊技機IDの照合を行うときは暗号鍵を用いた暗号化通信を使用するように構成し、
初めて遊技機IDの照合を行うときは、封入球式遊技機、カードユニット、カード管理装置及び外部管理装置の間は全て第1の暗号鍵による暗号化通信を使用して遊技機IDを含む情報の伝送を行い、
外部管理装置における遊遊技機IDの照合結果がOKであれば、
次の遊技機IDの照合時から、カードユニットを含めてカードユニットよりも上位の装置との通信には第1の暗号鍵による暗号化通信を使用し、
封入球式遊技機の内部装置間及び封入球式遊技機とカードユニットとの間の通信には、台毎に異なる第2の暗号鍵による暗号化通信を使用するように構成したことを特徴とする封入球式遊技システム。
ここで、パチンコ機1は封入球式遊技機を構成し、カードユニット15はカードユニットに相当し、カード管理装置81はカード管理装置に相当し、外部管理装置91は外部管理装置に相当する。
また、封入球式遊技機の内部装置とは、遊技制御装置54及び払出制御装置230が相当する。
また、暗号鍵Aは第1の暗号鍵を構成し、暗号鍵Xは第2の暗号鍵を構成する。
遊技機IDは遊技制御装置の固有ID(主ID)である。
また、遊技制御装置と分離して球の払い出しを制御する払出制御装置が配置されている場合には、遊技機IDは遊技制御装置の固有ID(主ID)及び払出制御装置の固有ID(払出ID)の双方を含むものになる。
「実施例17」
次に、本発明の実施例17について説明する。
実施例17は、遊技機IDを出力する条件に関するものである。
最初に、背景を説明する。
遊技機のセキュリティ向上のために、遊技場に設置された各遊技機のIDを遊技場外の外部管理装置で照合する使用するシステムが考えられる。
しかしながら、遊技機IDの照合を遊技場外の外部管理装置で行うシステムでは、遊技機IDを不正に取得されると、セキュリティが保てない。したがって、不正に遊技機IDを取得されない対策が必要になる。
そこで、実施例17では予め定められた暗号鍵による暗号化通信により遊技機IDを要求された場合は遊技機IDを出力(例えば、遊技制御装置から遊技機IDを出力)するが、それ以外の通信(例えば、平文等)で要求された場合は遊技機IDを出力しないようにすることで、セキュリティを高く保つようにしている。
次に、実施例17の具体的構成について説明する。
実施例17の基本的な構成は図20に示される。
実施例17では、図20に示すように、以下のような条件のときに遊技機IDを出力する。
<遊技制御装置からのID出力>
遊技制御装置54からID(主ID)を出力する場合には、定められた暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)によって払出制御装置230から要求された場合のみ、主IDを出力する。
具体的には、図20(H)に示すように、払出制御装置230からID要求を暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)により遊技制御装置54に出力した場合には、遊技制御装置54は主IDを暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)により払出制御装置230に出力する。
ここで、暗号鍵Aは各装置(遊技制御装置54及び払出制御装置230)が予め備えているものであり、暗号鍵Xは遊技機(パチンコ機1)が遊技場に設置された後に、遊技機毎に異なる暗号鍵として設定されるものである。
一方、図20(H)に示すように、払出制御装置230からID要求を平文により遊技制御装置54に出力した場合には、遊技制御装置54は主IDを払出制御装置230に出力しない。なお、ID要求が平文でなく、定められた暗号鍵A、X以外の不明な暗号鍵による暗号化通信でID要求がされた場合であっても、遊技制御装置54は主IDを払出制御装置230に出力しない。
このように実施例17では、遊技制御装置54からのIDの出力条件として、遊技制御装置54(主基板)は、払出制御装置230から予め定められた暗号鍵A又は暗号鍵Xによる暗号化通信によりIDを要求された場合は、IDを出力するが、それ以外の通信(平文等)で要求された場合はIDを出力しない。したがって、セキュリティを高めることができる。
<払出制御装置からのID出力>
次に、払出制御装置230からID(ここでは主ID及び払出ID)を出力する場合には、遊技制御装置54と接続されている場合であって、定められた暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)によってカードユニット15から要求された場合のみ、IDを出力する。
具体的には、払出制御装置230からID(主ID及び払出ID)を出力する場合には、まず、図20(I)に示すように、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されていることが前提条件となる。次いで、その他の条件として、図20(I)に示すように、カードユニット15からID要求を予め定められた暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)により払出制御装置230に出力した場合には、払出制御装置230は主ID及び払出IDを暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)によりカードユニット15に出力する。
ここで、暗号鍵Aは各装置(遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15)が予め備えているものであり、暗号鍵Xは遊技機(パチンコ機1)が遊技場に設置された後に、遊技機毎に異なる暗号鍵として設定されるものである。
一方、図20(I)に示すように、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されていないと、カードユニット15からID要求が予め定められた暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)により払出制御装置230に出力された場合であっても、払出制御装置230は主ID及び払出IDをカードユニット15に出力しない。
また、同じく図20(I)に示すように、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されていたとしても、カードユニット15からのID要求が予め定められた暗号化通信(暗号鍵Aや暗号鍵Xによる暗号化通信)ではなく、平文でされた場合(つまり、平文によるID要求である場合)にも、払出制御装置230は主ID及び払出IDをカードユニット15に出力しない。なお、ID要求が平文でなく、定められた暗号鍵A、X以外の不明な暗号鍵による暗号化通信でID要求がされた場合であっても、払出制御装置230は主ID及び払出IDをカードユニット15に出力しない。
このように実施例17では、払出制御装置230からのIDの出力条件として、払出制御装置230が遊技制御装置54と接続されている条件を満たし、かつ、払出制御装置230はカードユニット15から予め定められた暗号鍵A又は暗号鍵Xによる暗号化通信によりIDを要求された場合は、ID(主ID及び払出ID)を出力するが、それ以外の通信(平文等)で要求された場合はID(主ID及び払出ID)を出力しない。したがって、セキュリティを高めることができる。
特に、払出制御装置230は遊技制御装置54と接続されていないと遊技機IDを出力しないので、例えば遊技制御装置54が不正により取り外されている場合には遊技機IDを出力しないので、遊技制御装置54の不正な取り外しにも対応することができる。
実施例17では、以下の効果がある。
(1)遊技制御装置(主基板)54は、払出制御装置230から予め定められた暗号鍵による暗号化通信によりIDを要求された場合はIDを出力するが、それ以外の通信(平文等)で要求された場合はIDを出力しないので、不正に遊技機IDを取得することが困難となり、セキュリティを高めることができる。
(2)払出制御装置230はカードユニット15から予め定められた暗号鍵による暗号化通信によりID(ここでは主ID及び払出ID)を要求された場合はIDを出力するが、それ以外の通信(平文等)で要求された場合はIDを出力しないので、不正に遊技機IDを取得することが困難となり、セキュリティを高めることができる。
(3)払出制御装置230は遊技制御装置54と接続されていないと、遊技機ID(ここでは主ID及び払出ID)を出力しないので、セキュリティを高めることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
封入された遊技球を循環使用して遊技を行うとともに、遊技制御装置の固有IDを出力可能な封入球式遊技機において、
遊技制御装置は、
他の装置から予め定められた暗号鍵による暗号化通信により固有IDを要求された場合は固有IDを出力するが、それ以外の通信で要求された場合は固有IDを出力しないように制御するID出力制限手段を備えたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、パチンコ機1は封入球式遊技機を構成し、遊技制御装置54はID出力制限手段を構成し、遊技制御装置54は遊技制御装置に相当する。
暗号鍵A及び暗号鍵Xは予め定められた暗号鍵を構成する。
遊技制御装置の主IDは固有IDに相当する。
また、遊技制御装置と分離して払出制御装置が配置されている場合の発明概念は、下記のように表される。
遊技制御装置と分離して、球の払い出しを制御する払出制御装置を配置し、
払出制御装置は固有IDとして払出IDを出力可能な構成であり、
払出制御装置は、
遊技制御装置と接続され、かつカードユニットから予め定められた暗号鍵による暗号化通信により遊技機IDを要求された場合は遊技機IDとして遊技制御装置の主ID及び払出制御装置の払出IDを出力するが、それ以外の通信で要求された場合は遊技機IDを出力しない遊技機ID出力制限手段を備えたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、パチンコ機1は封入球式遊技機を構成し、遊技制御装置54は遊技制御装置に相当し、払出制御装置230は遊技機ID出力制限手段を構成し、払出制御装置230は払出制御装置に相当し、カードユニット15はカードユニットに相当する。
暗号鍵A及び暗号鍵Xは予め定められた暗号鍵を構成する。
遊技制御装置と分離して球の払い出しを制御する払出制御装置が配置されている場合には、遊技機IDは遊技制御装置の固有ID(主ID)及び払出制御装置の固有ID(払出ID)の双方を含むものになる。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
予め定められた暗号鍵は、
遊技制御装置、払出制御装置及びカードユニットが予め備えている第1の暗号鍵と、
封入球式遊技機が遊技場に設置された後に遊技機毎に異なる暗号鍵として設定される第2の暗号鍵と、を含むものであることを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、暗号鍵Aは第1の暗号鍵を構成し、暗号鍵Xは第2の暗号鍵を構成する。
また、上記構成の具体的な発明概念は、下記のように表される。
払出制御装置は、
遊技制御装置と接続されていない場合には遊技機IDを出力しないように制御する接続監視・ID出力制限手段を備えたことを特徴とする封入球式遊技機。
ここで、払出制御装置230は接続監視・ID出力制限手段を構成する。
遊技制御装置と分離して球の払い出しを制御する払出制御装置が配置されている場合には、遊技機IDは遊技制御装置の固有ID(主ID)及び払出制御装置の固有ID(払出ID)の双方を含むものになる。
「実施例18」
次に、本発明の実施例18を図223に基づいて説明する。
実施例18では、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15は実施例1と基本的に同様の構成であるので、説明の都合上、実施例1と同一の部材番号を付している。
実施例18は、持球数と計数球数を遊技機側の制御で簡易表示する例である。
図223は実施例18におけるパチンコ機4001(封入球式遊技機)の正面図である。図223において、パチンコ機4001には操作表示装置7の上方に持球数表示器4002及び計数球表示器4003が配置されている。持球数表示器4002及び計数球表示器4003は実施例1の持球数表示器40に比べて小型であり、何れも6個のLEDを備えている。
持球数表示器4002及び計数球表示器4003の各LEDは、例えば矩形状の小さなもので、6個が横方向に一列に配列して設けられている。また、各LEDは消灯・点灯・点滅が可能なものである。なお、持球数表示器4002及び計数球表示器4003の点灯制御は払出制御装置230によって管理される。したがって、持球数表示器4002及び計数球表示器4003の制御は遊技機(払出制御装置230)側で行われることになる。
そして、持球数表示器4002は遊技者の持球数を6個のLEDが点灯することで、最大、6桁の数量まで概略表示可能な構成である。例えば、持球数=100個から持球数=999個の範囲の場合には右側から3個目までの3つのLEDが点灯することで、持球数がおよそ3桁の数量であることをおよその持球数として表示する。同じく、持球数=1000個から持球数=9999個の範囲の場合には右側から4個目までの4つのLEDが点灯することで、持球数がおよそ4桁の数量であることをおよその持球数として表示する。
一方、計数球表示器4003は持球数から計数した計数球数を6個のLEDが点灯することで、最大、6桁の数量まで概略表示可能な構成である。例えば、計数球数=10個から計数球数=99個の範囲の場合には右側から2個目までの2つのLEDが点灯することで、計数球数がおよそ2桁の数量であることをおよその持球数として表示する。同じく、計数球数=10000個から計数球数=99999個の範囲の場合には右側から5個目までの5つのLEDが点灯することで、計数球数がおよそ5桁の数量であることをおよその計数球数として表示する。
持球数表示器4002は持球数を簡易表示する第1の表示器を構成し、計数球表示器4003は計数球数を簡易表示する第2の表示器を構成する。
一方、操作表示装置7(液晶表示器で構成)は実施例1と同様にカードユニット15によって管理される構成であり、操作表示装置7には持球数や計数球数が詳細にデジタル表示(例えば、数字)で表示されるとともに、玉箱を模した図形でアナログ表示される。
操作表示装置7は持球数と計数球数の詳細を表示するカードユニット15の管理になる第3の表示器を構成する。
ここで、第1の表示器としての持球数表示器4002は少なくとも持球数の有無を表示できるものとし、第2の表示器としての計数球表示器4003は少なくとも計数球数の有無を表示できるものとする。また、特に実施例18では第1の表示器としての持球数表示器4002は持球数のおよその数量を表示できるものとし、第2の表示器としての計数球表示器4003は計数球数のおよその数量を表示できるものとする。
また、その他のパチンコ機4001の構成のうち、計数球表示器313が実施例18では配置されていない点が実施例1と異なるものの、その他の構成は実施例1の図1と同様であり、同一の部材には同一番号を付している。実施例18では計数球表示器313を無くした代わりに計数球表示器4003を配置しているからである。
なお、パチンコ機4001はカードユニット15を併設しており、カードユニット15の各部構成は実施例1と同様であり、同一番号を付している。
このように、実施例18のパチンコ機4001では持球数表示器4002により持球数を簡易表示し、計数球表示器4003により計数球数を簡易表示することが行われる。また、操作表示装置7により持球数及び計数球を詳細にデジタル表示(例えば、数字)で表示するとともに、玉箱を模した図形でアナログ表示することが行われる。
実施例18では、以下の効果がある。
(1)持球数表示器4002及び計数球表示器4003は実施例1の持球数表示器40に比べて小型であり、何れも6個のLEDを備え、それぞれ持球数、計数球をLEDの点灯により簡易表示して、およその数量を知らせるだけの構成であり、カードユニット15の管理により操作表示装置7で持球数及び計数球を詳細にデジタル表示するので、遊技制御装置54(主制御基板)や払出制御装置230(払出制御基板)の負担が軽減される。
この背景を説明する。
封入球式遊技機において、遊技の結果得られた持球数と計数球(一時的に発射できない保管された持球)は遊技機で管理するべきであるが、持球数及び計数球について遊技機で分かりやすい表示を行おうとすると、遊技機の制御の負担が大きいという問題がある。
例えば、持球数の分かりやすい表示を行うには、表示器に7セグメントのLEDを6列配置して、デジタル数字で6桁までの持球数を表示することが考えられるが、7セグメントのLEDを細かく制御して数字を表示させるとなると、制御負担が大きい。これを持球数と計数球の双方で表示制御することは、遊技制御装置(主制御基板)又は払出制御装置(払出制御基板)の何れで実行しても、負担になる。特に、持球数は遊技の経過に伴って刻々変化するものであるから、とりわけ制御の負担になる。
そこで実施例18では、遊技機側では7セグメントのLEDを採用せず、単に複数のLEDの点灯・消灯だけの簡易表示で持球数及び計数球を報知し、詳細な報知はカードユニット15の管理に任せることで、上記問題を解決した。
詳しくは、遊技機側では払出制御装置230により持球数表示器4002及び計数球表示器4003を制御することで、単に複数のLEDの点灯・消灯だけの簡易表示で持球数及び計数球のおよその数量を報知し、カードユニット15の管理により操作表示装置7で持球数及び計数球を詳細にデジタル表示するので、払出制御装置230(払出制御基板)の負担を軽減できる。なお、遊技制御装置54(主制御基板)により持球数表示器4002及び計数球表示器4003を制御する構成であれば、遊技制御装置54(主制御基板)の負担を軽減できる。
すなわち、持球数と計数球を遊技機で管理する場合、遊技機(例えば、払出制御装置230)では持球数と計数球を簡易表示するだけなので、遊技機(例えば、払出制御装置230)の制御の負担を軽減できるとともに、カードユニット15の制御で持球数と計数球の詳細を表示するので、遊技者にとって分かりやすい表示をすることができる。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
持球数を簡易表示できる第1の表示装置と、
計数球を簡易表示できる第2の表示装置と、
持球数と計数球の詳細を表示できる第3の表示装置と、
を備え、
第1の表示装置は、少なくとも持球数の有無を表示可能であり、
第2の表示装置は、少なくとも計数球の有無を表示可能であり、
第3の表示装置は、カードユニットの制御により持球数及び計数球を表示することを特徴とする遊技機。
ここで、持球数表示器4002は第1の表示器を構成し、計数球表示器4003は第2の表示器を構成し、さらに操作表示装置7は第3の表示器を構成する。
「実施例19」
次に、本発明の実施例19を図224に基づいて説明する。
実施例19は、入賞表示LED(入賞表示装置)の配置を変更した例である。
実施例19では、遊技制御装置54、払出制御装置230、カードユニット15は実施例1と基本的に同様の構成であるので、説明の都合上、実施例1と同一の部材番号を付している。
図224において、4011はパチンコ機であり、実施例1と同様に封入球式遊技機として構成されている。パチンコ機4011が実施例1と異なる点は、実施例1で一括表示装置に配置していた入賞表示LED4012を分離してパチンコ機4011の枠部に配置した点であり、その他の構成は実施例1と同様であり、同一番号を付している。
具体的には、入賞表示LED4012(入賞表示装置)は前面枠4(遊技枠)の下部で中央よりやや左側に配置されている。入賞表示LED4012の機能は実施例1と同様であり、入賞口への入賞に対応する賞球数を表示する。また、入賞表示LED4012は7セグメントのLED2個からなり、2桁の数字を賞球数として表示可能である。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
入賞表示装置は、
特図及び普図を含む各種表示を一括して行う一括表示装置と分離されて、枠部材に配置されていることを特徴とする遊技機。
以上の構成において、実施例19では以下の効果がある。
(1)入賞表示LED4012を前面枠4の下部に配置しているので、入賞に伴う賞球数の表示が遊技盤20の近くで行われるので、分かりやすく見やすいという効果がある。
一般的に、遊技者は遊技盤20を見つめ、球の挙動を目線で追うことが多く、遊技盤20の下方の枠部に入賞表示LED4012があれば、視線をあまり動かさずに、入賞に伴う賞球数を容易に認識できる。
(2)また、入賞表示LED4012の近傍に持球数表示器40も配置してあるので、入賞による賞球が持球数に加算されたことも認識しやすい。
(3)さらに、入賞表示LED4012を前面枠4(つまり、枠部)に配置するので、遊技盤20のコスト抑制につながる効果がある。
(4)遊技球が遊技領域に発射されるエリアが遊技盤20の左上になる場合、遊技盤20の左下の場所、すなわち、前面枠4(遊技枠)で言えば、前面枠4(遊技枠)の下部で中央よりやや左側(遊技盤20の左下の場所に近接)の場所を確保可能となる。さらに、この前面枠の左下の領域は主基板である遊技制御装置54の配置箇所にも近いので、この箇所に主基板(遊技制御装置54)で制御される入賞表示LED4012を配置する構成であると、両者間の配線処理も煩雑にならず、短くて済むという利点がある。
なお、この利点は入賞表示装置を一括表示装置35と一体で構成する場合も同様に得られる。主基板(遊技制御装置54)で制御される一括表示装置35の配置場所も、主基板に近いところであればいいからである。
「実施例20」
次に、本発明の実施例20を図225に基づいて説明する。
実施例20は、入賞表示LED(入賞表示装置)の構成を変更した例である。
図225において、4021はパチンコ機であり、実施例19と同様に封入球式遊技機として構成されている。パチンコ機4021には入賞表示LED4022(入賞表示装置)が設けられており、入賞表示LED4022は実施例19と構成が異なっている。
すなわち、パチンコ機4021の前面枠4(遊技枠)の下部で中央よりやや左側には開口部4023が形成されており、この開口部4023を臨む位置に入賞表示LED4022が配置され、入賞表示LED4022は遊技盤20に固定(つまり、遊技盤20に配置)されている。したがって、入賞表示LED4022は遊技盤20に設置された状態であり、入賞表示LED4022の前面側が開口部4023を通してパチンコ機4021の前面側から見えるような構成になっている。
入賞表示LED4022は4個の小さなドットタイプのLEDからなり、4個のLEDの上部には「1、3、10、15」を表示するシールが貼られている。シールに表示された数字「1、3、10、15」は、賞球数を示すものである。そして、入賞に伴う賞球数=1個のときは、シールの表示が「1」に対応するLEDが点灯する。以下、同様に入賞に伴う賞球数=3個のときは、シールの表示が「3」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=10のときは、シールの表示が「10」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=15個のときは、シールの表示が「15」に対応するLEDが点灯する。実施例20は大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=15個の例である。
なお、実施例20では第2大入賞口34aへの入賞に伴う賞球数=10個であり、この場合は第2大入賞口34aへの入賞があると、シールの表示が「10」に対応するLEDが点灯する。
実施例20では、機種の違いにより賞球数が異なる場合には、シールの数字を変えることで対応する。
なお、実施例20のパチンコ機4021は入賞表示LED4022の構成が実施例19と異なる以外は、実施例19と同様であるので、その他の構成は実施例19と同一番号を付して、重複説明は略す。
実施例20では、以下の効果がある。
(1)入賞表示LED4022を前面枠4の下部に配置しているので、入賞に伴う賞球数の表示が分かりやすく見やすい。
(2)入賞表示LED4022は4個のLEDで構成するので、7セグメントタイプよりも低コストで済む。
(3)入賞表示LED4022の4個のLEDの上部に「1、3、10、15」を表示するシールを貼るのみで賞球数を報知できるから、低コストである。
(4)入賞表示LED4022は4個の小さなドットタイプのLEDからなり、4個のLEDの上部に「1、3、10、15」を表示するシールを貼るだけの構成であるので、機種により賞球数が変わる場合は賞球数を表示するシールを変えればよいので、汎用性の高い入賞表示装置を実現できる。
「実施例21」
次に、本発明の実施例21を図226に基づいて説明する。
実施例21は、入賞表示LED(入賞表示装置)の配置場所を変更した例である。
図226は実施例21の遊技盤4031を示す図であり、この遊技盤4031を備えたパチンコ機も実施例1と同様に封入球式遊技機として構成されている。遊技盤4031には一括表示装置4032が設けられており、一括表示装置4032の右側近傍には入賞表示LED4033(入賞表示装置)が単独で配置されている。
実施例21の一括表示装置4032は、実施例1の構成から入賞表示LED4033だけを除いて外部に移動させて配置した構成になっている。入賞表示LED4033の機能は実施例1と同様であり、7セグメントのLED2個からなり、2桁の数字を賞球数として表示可能である。
その他の構成は実施例1と同様であり、同一番号を付して、重複説明は略す。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
入賞表示装置は、
特図及び普図を含む各種表示を一括して行う一括表示装置と分離されて、遊技盤に配置されていることを特徴とする遊技機。
実施例21では、以下の効果がある。
(1)一括表示装置4032から入賞表示LED4033を除くだけで、その他の変更はないので、変更にもかかわらず、一括表示装置4032の制御も簡単ですみ、構成も大きく変更せずに、使用できる。
(2)入賞表示LED4033が別途外部に配置されるので、一括表示装置4032と分離されて賞球数の認識がし易くなる。
(3)一括表示装置4032から入賞表示LED4033を分離したので、入賞表示LED4033の取付スペースの自由度が増す。例えば、入賞表示LED4033を遊技盤4031の左側下部に配置する構成にしてもよい。
「実施例22」
次に、本発明の実施例22を図227に基づいて説明する。
実施例22は、入賞表示LED(入賞表示装置)の配置場所を変更した例である。
図227は実施例22の遊技盤4041を示す図であり、この遊技盤4041を備えたパチンコ機も実施例1と同様に封入球式遊技機として構成されている。遊技盤4041には一括表示装置4042が設けられており、実施例21と異なって、一括表示装置4042から離れた遊技盤4041の盤面内に入賞表示LED4043(入賞表示装置)が単独で配置されている。
すなわち、遊技盤4041のセンターケース4044には入賞表示LED4043が単独で配置されており、入賞表示LED4043は遊技領域22の周囲を囲むバンド4045の内側(特に、右側下方)に設けられている。
実施例22においても、実施例21と同様に、一括表示装置4042は、実施例1の構成から入賞表示LED4043だけを除いて外部に移動させて配置した構成になっている。入賞表示LED4043の機能は実施例1と同様であり、7セグメントのLED2個からなり、2桁の数字を賞球数として表示可能である。
その他の構成は実施例1と同様であり、同一番号を付して、重複説明は略す。
実施例22では、以下の効果がある。
(1)入賞表示LED4043は遊技領域22の周囲を囲むバンド4045の内側に設置するので、バンド4045の外側に設置スペースがないような場合に、入賞表示LED4043の取付スペースの自由度が増す。
なお、入賞表示LED4043は遊技領域22の周囲を囲むバンド4045の内側で、右側下方に設置する例に限らず、例えばバンド045の内側で、左側下方に設置してもよい。
「実施例23」
次に、本発明の実施例23を図228に基づいて説明する。
実施例23は、一括表示装置の構成を変更した例である。
図228(a)は実施例23の一括表示装置6001を示す図である。一括表示装置6001は実施例1と同様の構成部分として、特図1表示器351、特図2表示器352、特図1保留LED353、特図2保留LED354、普図LED356、普図保留LED357、ラウンド表示LED358を備えており、これらは同一番号を付している。
一方、実施例1と異なる部分として入賞表示LED6002(入賞表示器)の構成が異なっている。入賞表示LED6002は7セグメントのLED2個からなり、2桁の数字を賞球数として表示可能である。7セグメントのLED2個を符号6002A、6002Bで表す。
詳細を説明するために、入賞表示LED6002の拡大図を図228(b)に示す。
図228(b)に示すように、入賞表示LED6002の構成のうち、1桁の数字を表示するLED6002Bは実施例1と同じ構成であるが、10の桁の数字を表示するLED6002Aは実施例1と構成が異なり、7セグメントのうちのセグメントa、bは10の桁の数字を表示するセグメントとして使用されるものの、その他のセグメントc乃至fは状態表示等に使用される。
すなわち、実施例1で示した状態表示LEDを実施例23では不要とし(図228(a)では「不要」と図示)、その代わりに、10の桁の数字を表示するLED6002Aのセグメントのうちのセグメントa、b以外のセグメントを状態表示LEDの機能を持つように使用する構成となっている。例えば、以下の通りである。
・セグメントa:点灯で10の桁の数字の1片を表示
・セグメントb:点灯で10の桁の数字の1片を表示
・セグメントc:点灯で「確率変動状態」を表示
・セグメントd:点灯で「時短状態」を表示
・セグメントe:例えば普図の確率変動を表示
・セグメントf:例えば突確を表示
なお、2つのセグメントe、fは使用しなくてもよいが、使用する場合には、これらは例えば普図の確率変動、あるいは突確(突然確率変動)の表示等に使用してもよい。
これらの表示の説明のために、例えばシールを一括表示装置6001に貼って分かりやすくするとよい。
また、10の桁の数字を表示するLED6002Aについては、中央のセグメントgやドットhも何らかの表示のために使用してもよい。例えば、状態表示の他、「右打ち表示」等に使用可能である。「右打ち表示」とは、機種によってはゲームの進行上、遊技者に遊技盤20の右側方向に球の発射を促す表示であり、例えば遊技盤20面における演出制御装置53の制御下で表示装置41(液晶表示器)に「右打ちして下さい」とメッセージを表示する場合、規則上、遊技制御装置54(主基板)の制御下でも表示する必要がある。そこで、遊技制御装置54にて制御される一括表示装置35等のどこかで表示するのが良く、そのため、セグメントgにて「右打ち表示」をする構成にするようにしてもよい。
実施例23では、以下の効果がある。
(1)一括表示装置6001における入賞表示LED6002のLEDにつき、全てのセグメントを有効に活用できる。
(2)一括表示装置6001から状態表示LEDを不要にするので、その分、コスト低下になる。
「実施例24」
次に、本発明の実施例24を図229に基づいて説明する。
実施例24は、一括表示装置の構成を変更した例である。
図229は実施例24の一括表示装置6011を示す図である。一括表示装置6011は実施例1と同様の構成部分として、特図1表示器351、特図2表示器352、特図1保留LED353、特図2保留LED354、普図LED356、普図保留LED357を備えており、これらは同一番号を付している。
一方、実施例1と異なる部分として入賞表示LED6012(入賞表示器)の構成が異なっている。入賞表示LED6012は7セグメントタイプのLEDではなく、小さなドットタイプの単体の4個のLEDから構成されている。入賞表示LED6012における4個の小さなドットタイプのLEDの上部には「1、3、10、15」を表示するシールが貼られている。シールに表示された数字「1、3、10、15」は、賞球数を示すものである。そして、入賞に伴う賞球数=1個のときは、シールの表示が「1」に対応するLEDが点灯する。以下、同様に入賞に伴う賞球数=3個のときは、シールの表示が「3」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=10のときは、シールの表示が「10」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=15個のときは、シールの表示が「15」に対応するLEDが点灯する。実施例24は大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=15個の例である。
なお、実施例24では第2大入賞口34aへの入賞に伴う賞球数=10個であり、この場合は第2大入賞口34aへの入賞があると、シールの表示が「10」に対応するLEDが点灯する。
実施例24では、機種の違いにより賞球数が異なる場合には、シールの数字を変えることで対応する。
また、実施例1と異なる部分としてラウンド表示LED6013、状態表示LED6014の配置場所が図229に示すように若干異なっている。ただし、ラウンド表示LED6013及び状態表示LED6014の構成や機能は実施例1と同様である。
実施例24では、以下の効果がある。
(1)入賞表示LED6012を小さなドットタイプの単体の4個のLEDから構成しているので、7セグメントタイプのLEDよりもコスト低下を図れる。
「実施例25」
次に、本発明の実施例25を図230に基づいて説明する。
実施例25は、一括表示装置の構成を変更した例である。
図230は実施例25の一括表示装置6050を示す図である。一括表示装置6050は特図1表示器6051、特図2表示器6052、特図1保留LED6053、特図2保留LED6054、普図LED6055、普図保留LED6056、ラウンド表示LED6057、状態表示LED6058、入賞表示LED6059を備えている。
一括表示装置6050における各表示器やLEDのうち、特図1保留LED6053、特図2保留LED6054、普図LED6055、普図保留LED6056、状態表示LED6058については、実施例1と同様の機能及び構成を有するものの、配置場所が図230に示すように、実施例1と若干異なっている(同一構成部分については、重複説明を略す)。
一方、実施例1と構成が異なるものとして、特図1表示器6051、特図2表示器6052、入賞表示LED6059、ラウンド表示LED6057がある。ラウンド表示LED6057は特図1又は特図2の始動入賞に伴う大当りが発生して大当り遊技を実行するときのラウンド数を表示するもので、図230に示すように、本例では4つのLEDで4種類のラウンドを表示可能な構成になっている。そして、ラウンド表示LED6057の各LEDの前面側で一括表示装置6050の本体表面に(2)、(4)、(11)、(16)というラウンド数を表す(例えば、(2)という数字は2ラウンドを表す)数字を描いたシールを貼り付け、4つのLEDによりラウンド数に対応する表示を行うようにしている。なお、シールでなく、例えばシートであってもよい。
特図1表示器6051は7セグメントタイプのLEDではなく、小さなドットタイプの単体の7個のLEDから構成されている。特図1表示器6051は、本特図1の表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行い、ドットタイプの7個のLEDのうち、どのLEDが点灯(あるいは点滅)するかによって、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、特図1について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等を7個のLEDのうちの1個又は2個以上の点灯(あるいは点滅)の組み合せにより表示可能になっている。
同様に、特図2表示器6052も7セグメントタイプのLEDではなく、小さなドットタイプの単体の7個のLEDから構成されている。特図2表示器6052は、本特図2の表示(変動表示や停止状態の表示等を含む)を行い、ドットタイプの7個のLEDのうち、どのLEDが点灯(あるいは点滅)するかによって、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、特図2について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等を7個のLEDのうちの1個又は2個以上の点灯(あるいは点滅)の組み合せにより表示可能になっている。
また、入賞表示LED6059(入賞表示装置)は一括表示装置6050と一体的に構成されている。そして、入賞表示LED659は7セグメントタイプのLEDではなく、小さなドットタイプの単体の4個のLEDから構成されている。入賞表示LED6059における4個の小さなドットタイプのLEDの上部には「1、3、10、15」を表示するシールが貼られている。シールに表示された数字「1、3、10、15」は、賞球数を示すものである。そして、入賞に伴う賞球数=1個のときは、シールの表示が「1」に対応するLEDが点灯する。以下、同様に入賞に伴う賞球数=3個のときは、シールの表示が「3」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=10のときは、シールの表示が「10」に対応するLEDが点灯し、入賞に伴う賞球数=15個のときは、シールの表示が「15」に対応するLEDが点灯する。実施例25は大入賞口27aへの入賞に伴う賞球数=15個の例である。
なお、実施例25では第2大入賞口34aへの入賞に伴う賞球数=10個であり、この場合は第2大入賞口34aへの入賞があると、シールの表示が「10」に対応するLEDが点灯する。
実施例25は、機種の違いにより賞球数が異なる場合には、シールの数字を変えることで対応する。
また、実施例25では入賞表示LED6059と特図1表示器6051とを近接して配置し、あたかも両者が一体的に装飾的な演出を行うLED群のような態様をとる構成になっている。すなわち、入賞表示LED6059のドットタイプの単体の4個のLEDと、特図1表示器6051のドットタイプの単体の7個のLEDとが近接してほぼ一体化し、11個のドットLEDの群として配置され、各LEDが点灯(あるいは点滅)することによって、特図1の判別等を分かりにくくすることで、ゲームの多様化を図れる構成になっている。
同様に、ラウンド表示LED6057と特図2表示器6052とを近接して配置し、あたかも両者が一体的に装飾的な演出を行うLED群のような態様をとる構成になっている。すなわち、ラウンド表示LED6057のドットタイプの単体の4個のLEDと、特図2表示器6053のドットタイプの単体の7個のLEDとが近接してほぼ一体化し、11個のドットLEDの群として配置され、各LEDが点灯(あるいは点滅)することによって、特図2の判別等を分かりにくくすることで、ゲームの多様化を図れる構成になっている。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
入賞表示装置は、
特図及び普図を含む各種表示を一括して行う一括表示装置と一体に構成され、特図を表示する特図表示器に近接して配置され、特図表示器と入賞表示装置とが一体的に装飾的な演出を行うLED群のような態様をとるように構成されていることを特徴とする遊技機。
実施例25では、以下の効果がある。
(1)入賞表示LED6059を特図1表示器6051に近接して一体的に配置しているので、装飾的な演出を醸し出すことができる。
(2)また、入賞表示LED6059を特図1表示器6051に近接して一体的に配置しているので、11個のドットLEDの群として点灯(あるいは点滅)することによって、特図1の判別等を分かりにくくし、ゲームの多様化を図ることができる。
ここで、背景を説明する。
近時、遊技機ではゲーム性の多様化に伴い、特図結果態様はできるだけ遊技者に判別し難くさせる傾向にある。簡単に一目で特図結果態様が分かってしまうと、つまらなく感じるからである。
そこで実施例25では、点灯頻度の高い入賞表示LED6059を特図1表示器6051に近接して一体的に配置し、かつ入賞表示LED6059を11個のドットLEDの群として点灯等する構成にすることで、入賞口毎に設定された獲得遊技球数を報知するのに加えて、導出された特図結果態様をより判別し難くすることが可能になり、ゲーム性の多様化を図ることができるようにしたものである。
また、特図結果態様を判別し難くしても、ある程度知識のある遊技者であれば、ラウンド表示LED6057が点灯するか否かで判定可能となるため、同じようにドットタイプのLEDの上部に「1、3、10、15」を表示するシールが貼られている入賞表示LED6059をラウンド表示LED6057に近接させてほぼ一体化させる構成にすることで、特図結果態様をより判別し難くするのを可能にし、これにより、ゲーム性の多様化に貢献できるようにしている。
(3)ラウンド表示LED6057を特図2表示器6052に近接して一体的に配置しているので、装飾的な演出を醸し出すことができる。
(4)また、ラウンド表示LED6057を特図2表示器6052に近接して一体的に配置しているので、11個のドットLEDの群として点灯(あるいは点滅)することによって、ラウンド表示の判別等を分かりにくくし、ゲームの多様化を図ることができる。
(5)入賞表示LED6059を特図1表示器6051に近接して一体的に配置し、かつ入賞表示LED6059は4個のドットLEDの群として構成しているので、大型の7セグメントタイプのLEDで入賞表示装置を実現する場合に比べて、省スペース化を図ることができる。そのため、入賞表示装置の設置のために新たな配置スペースを確保することなく、入賞表示装置を設置可能となる。
「実施例26」
次に、本発明の実施例26を図231に基づいて説明する。
実施例26は、一括表示装置の構成を変更した例である。
図213は実施例26の一括表示装置6080を示す図である。一括表示装置6080は特図1表示器6081、特図2表示器6082、特図1保留LED6083、特図2保留LED6084、普図LED6085、普図保留LED6086、ラウンド表示LED6087、状態表示LED6088、入賞表示LED6089を備えている。
一括表示装置6080における各表示器やLEDのうち、特図1保留LED6083、特図2保留LED6084、普図LED6085、状態表示LED6088については、実施例25と同様の機能及び構成を有するものの、配置場所が図231に示すように、実施例25と若干異なっている(同一構成部分については、重複説明を略す)。
特図1表示器6081及び特図2表示器6082は、何れも実施例1と同様に、7セグメントのLEDからなり、それぞれ本特図1の表示、本特図2の表示を行い、各種の表示態様をとる。各種の表示態様とは、それぞれ特図1、特図2について、例えば「はずれ」停止、「大当り」停止、「変動中」等である。
一方、一括表示装置6080における各表示器やLEDのうち、入賞表示LED6089(入賞表示装置)については実施例25と同様の構成であり、一括表示装置6080と一体的に構成されている。そして、入賞表示LED6089は小さなドットタイプの単体の4個のLEDから構成され、入賞表示LED6089における4個の小さなドットタイプのLEDの上部には「1、3、10、15」を表示するシールが貼られている。
また、ラウンド表示LED6087は特図1又は特図2の始動入賞に伴う大当りが発生して大当り遊技を実行するときのラウンド数を表示するもので、図231に示すように、本例では4つのLEDで4種類のラウンドを表示可能な構成になっている。そして、ラウンド表示LED6087の各LEDの前面側で一括表示装置6080の本体表面に(2)、(4)、(11)、(16)というラウンド数を表す数字を描いたシールを貼り付け、4つのLEDによりラウンド数に対応する表示を行うようにしている。なお、シールでなく、例えばシートであってもよい。
さらに、普図保留LED6086については、実施例1と同様の機能及び構成を有するものの、配置場所が図231に示すように、実施例1と若干異なっている(同一構成部分につき、重複説明を略す)。
そして、上記の普図保留LED6086、ラウンド表示LED6087及び入賞表示LED6089については、これらのLEDを近接して配置し、あたかも全者が一体的に装飾的な演出を行うLED群のような態様をとる構成になっている。すなわち、普図保留LED6086のドットタイプの単体の3個のLEDと、ラウンド表示LED6087のドットタイプの単体の4個のLEDと、入賞表示LED6089のドットタイプの単体の4個のLEDとの総計11個のLEDが相互に近接してほぼ一体化し、11個のドットLEDの群として配置され、各LEDが点灯(あるいは点滅)することによって、ラウンド数や普図保留の判別等を分かりにくくすることで、ゲームの多様化を図れる構成になっている。
実施例26では、以下の効果がある。
(1)入賞表示LED6089を普図保留LED6086とラウンド表示LED6087とに近接して一体的に配置しているので、装飾的な演出を醸し出すことができる。
(2)また、ラウンド表示LED6087と、普図保留LED6086と、入賞表示LED6089とを相互に近接して一体的に配置しているので、11個のドットLEDの群として点灯(あるいは点滅)することによって、ラウンド数や普図保留の判別等を分かりにくくし、ゲームの多様化を図ることができる。
次に、本発明の変形例について説明する。
本発明は、以下のような変形例であってもよい。
(1)上記いくつかの実施例では、入賞表示装置を一括表示装置と分離した実施例を提示しているが、入賞表示装置を分離した設置先としては、遊技盤の下部、センターケースに限らず、例えば遊技盤の上部や大入賞口に取り付けてもよい。
取り付けるスペースが少ない機種では、このように分離した方が有利な場合もある。
(2)また、入賞表示装置を一括表示装置から分離して、上記実施例に開示の場所以外の遊技機の枠に設置してもよく、その場合、入賞表示装置が枠要素になり、遊技盤としてはコストダウンになる。
(3)入賞表示装置の表示方法のバリエーションとしては、上記各実施例に開示のものに限らない。
例えば、上記各実施例では、遊技球の入賞口への入賞があった時に、所定期間だけ入賞表示装置により賞球数を表示しているが、これに限らず、例えば入賞に関するエラー時には、入賞表示装置での入賞表示(賞球数の表示)を消灯(LEDであれば、点灯を継続)しないように制御してもよい。例えば、入賞口での球づまりエラーを検出した時、球づまり解消するまで、入賞表示装置での入賞表示を点灯のままとする制御を行う。
このようにすると、入賞口での球づまりエラーがどこの入賞口で発生したのかを入賞表示装置の賞球数表示(点灯中)で、簡単に認識でき、球づまりエラーに速やかに対応できて、便利である。
上記構成の発明概念は、下記のように表される。
表示時間制御手段は、
入賞に関するエラーが発生したときは、前記賞球数の入賞表示装置への表示を、一定時間消さないように制御することを特徴とする遊技機。
(4)上記各実施例は、媒体制御ユニット(例えば、カードユニット15)が遊技機(例えば、パチンコ機1)に付設された例であるが、媒体制御ユニットは遊技機に内蔵されていてもよい(即ち、遊技機の一部として媒体制御ユニットが設けられていてもよい)。例えば、上記実施例1では、遊技カードをカードユニットに挿入しているが、遊技機(パチンコ機1)に遊技カードを挿入する態様(遊技機がカードユニットとしても機能する態様)でもよい。
(5)記憶媒体は、上記実施例のようなカード(磁気カード、ICカードなど)でもよいが、カード型のものに限られない。例えば、USBメモリのようなものでもよい。或いは、非接触で読み書きできるものでもよい。
(6)また、封入球式といっても、遊技球が全く遊技機本体の外部に出ない構成である必要はない。例えば、遊技球が一旦パチンコ機から外部に出て外部の研磨装置で研磨された後、パチンコ機内に再び戻されるような態様でもよい。
(7)また、遊技球が循環使用されるといっても、遊技機内での完全な循環である必要はない。持球数を電子データで管理し、遊技機内部で発射位置に遊技球を供給できる機能があり、実物としての遊技球を遊技者が投入したり貸球として払い出したりしなくても、遊技球を発射して遊技を行える遊技機であれば、本発明を適用することができる。
(8)また、遊技者の利益である遊技価値としての持球数は、持球数といっても、必ずしも遊技球の個数として扱われる必要はない。例えば、1ポイント、2ポイントといったようにポイントとして扱われ、例えば「100ポイント」というように表示されてもよい。この場合、賞球の1個に対して1ポイントという関係に限らず、例えば賞球10個で1ポイント、賞球1個で10ポイントといったように、賞球数とポイント数の関係は各種の態様が有り得る。なお、「ポイント」でなく、「点」などの他の単位名称であってもよい。
(9)また、遊技球が発射されることに対応して遊技価値を減らす発射減算処理は、必ず実行する態様でなくてもよい。例えば、所定条件が成立している期間中は、持球数が減ることなく遊技球が発射できる態様もあり得る。
(10)遊技球を研磨する研磨装置は、研磨布の代わりにペレットを用いたペレット方式で、遊技球の研磨を行うようにしてもよい。ペレット方式では、遊技球よりも小さい多数の研磨剤としてのペレットを研磨装置に入れ、遊技球と一緒に揚送しながら研磨する。
次に、本発明の適用範囲について説明する。
(1)本発明は封入球式遊技機でなく、通常(現行)の遊技機にも適用できる。
第2の表示装置(タッチパネル方式の液晶表示器)は、遊技機のいわゆる受皿部に配置し、カードユニットが管理するものでも本発明を適用できる。
(2)また、同様に本発明は封入球式遊技機でなく、通常(現行)の遊技機にも適用できるが、以下のような構成であってもよい。
すなわち、第2の表示装置(タッチパネル方式の液晶表示器)は、遊技機の受皿部に配置され、カードユニットではなく、遊技機(例えば、演出制御装置)が管理する構成であってもよい。
この場合、球貸関係の操作・表示を行う操作表示器はカードユニットの管理とし、上記第2の表示装置(実施例では操作表示装置に相当)とは、別機器として設ける。
(3)第1の表示装置と第2の表示装置を備えた遊技機であれば、全ての封入球式遊技機に本発明を適用できる。例えば、封入球式遊技機はパチンコ球を使用して遊技を行うものであれば、上記各実施例のような封入球式遊技機の例に限らず、上記各実施例とは内部構成や制御基板の構成が異なるものであっても、封入球式遊技機であれば適用できる。
また、封入球式遊技機であれば、以下の(4)乃至(6)に示すような態様であっても本発明を適用できる。
(4)封入球式遊技機として本特図等の表示を行う一括表示装置とは別の飾り特図を表示可能な表示装置を備えた封入球式遊技機にも適用できる。表示装置として液晶表示器等の映像装置を設けた封入球式遊技機を対象として、幅広く適用できる。
(5)飾り特図の表示装置は表示内容を変化可能であればよく、画像はキャラクタ表示、映像表示などで画面内容を変化できる構成になっていればよい。
(6)飾り特図の表示装置は液晶を用いた表示装置に限らず、例えば有機EL、ブラウン管、ドットLED、7セグメントLED、電子ペーパのように曲がる素材を用いた装置など表示内容を変化させて演出できる部材であれば何でもよい。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1、1a乃至1n、2001、3001、4001、4011、4021 パチンコ機(封入球式遊技機)
15、15a及至15n カードユニット
54、3054 遊技制御装置(封入球式遊技機の内部装置、ID出力制限手段)
81 カード管理装置
91 外部管理装置
230、230B、3230 払出制御装置(封入球式遊技機の内部装置、遊技機ID出力制限手段、接続監視・ID出力制限手段)

Claims (2)

  1. 遊技の進行を管理する遊技制御装置を備えた遊技機において、
    電源遮断時であっても前面枠の開放、および、前記遊技制御装置の取り外しを検出可能であり、該前面枠の開放回数および該遊技制御装置の取り外し情報を電源遮断時でも保持する監視手段と、
    前記遊技制御装置のRAMのクリアを制御するクリア制御手段と、を備え、
    当該遊技機の電源投入時に、前記監視手段に保持している前記前面枠の開放回数および前記遊技制御装置の取り外し情報をカードユニットに送信し、
    前記前面枠の開放回数および前記遊技制御装置の取り外し情報を前記カードユニットに送信したことを確認してから前記遊技制御装置のRAMをクリアするように構成したことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技の進行を管理する遊技制御装置と、
    前記遊技制御装置と分離され、封入球の管理を行う払出制御装置と、を備えた遊技機において、
    電源遮断時であっても前面枠の開放、および、前記遊技制御装置の取り外しを検出可能であり、該前面枠の開放回数および該遊技制御装置の取り外し情報を電源遮断時でも保持する監視手段と、
    前記払出制御装置のRAMのクリアを制御するクリア制御手段と、を備え、
    前記払出制御装置は、
    当該遊技機の電源投入時に、前記監視手段に対して前記前面枠の開放回数および前記遊技制御装置の取り外し情報を要求し、該前面枠の開放回数および該遊技制御装置の取り外し情報をカードユニットに送信し、
    前記前面枠の開放回数および前記遊技制御装置の取り外し情報を前記カードユニットに送信したことを確認してから当該払出制御装置のRAMをクリアするように構成したことを特徴とする遊技機。
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