以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部25が設けられている。このオプション設定部25の上面の周囲には複数の選択ボタンスイッチ25aが設けられ、オプション設定部25の上面の中央には決定ボタンスイッチ25bが設けられている。なお、オプション設定部25は、遊技者が演出態様を設定する演出設定部として機能する。この場合、選択ボタンスイッチ25aは、演出態様を選択する演出ボタンスイッチとして機能し、決定ボタンスイッチ25bは、演出態様を決定する決定ボタンスイッチとして機能する。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、選択ボタンスイッチ25aが演出ボタンスイッチとして機能する場合、遊技機10は、選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとから受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。
また、オプション設定部25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口1)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下部には始動入賞口92が設けられ、またこの流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、始動入賞口92に入賞せずに下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
始動入賞口92は、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口(始動入賞領域)であり、この始動入賞口92(始動口2)に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ92a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
なお、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口1スイッチ37a、始動入賞口92内の始動口2スイッチ92a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(N個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(X個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a,37a、始動口2スイッチ92a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、および大入賞口スイッチ38aの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、RAM初期化スイッチ112の検出信号が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a,37aと始動口2スイッチ92aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は状態表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、状態表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および状態表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される状態表示装置135の表示データ信号を受けて状態表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、状態表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと状態表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられたオプション設定部25の選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aと普通変動入賞装置37に備えられた始動口1スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、始動入賞口92に備えられた始動口2スイッチ92aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、始動入賞口92)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6から図8に示すメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。メイン処理は、遊技制御部(CPU111A)が実行する処理である。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6から図8に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。第1の実施形態の場合、RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS7)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(たとえば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第3入力ポート124には、初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第3入力ポート124の状態を読み込むことで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
また、第3入力ポート124には、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第3入力ポート124の状態を読み込むことで、設定値変更スイッチ126および設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定値変更スイッチ126および設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定値変更スイッチ126および設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定値変更スイッチ126および設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS7)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS9)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「−1」更新し(ステップS11)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、この第1の実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する(ステップS16)。
そして、停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS17)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS18)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、ステップS18で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS19)し、チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定する(ステップS20)。RAMクリア先頭アドレス2は、確率設定値をクリア対象外とするアドレスである。
次に、第3入力ポート124の状態から確率設定値を変更中であるか否かを判定する(ステップS21)。確率設定値を変更中である場合(ステップS21;Y)は、ステップS50(図8参照)に進み、確率設定値を変更中でない場合(ステップS21;N)は、ステップS22に進む。
次に、第3入力ポート124の状態から本体枠(前面枠)12が開放状態であるか否かを判定する(ステップS22)。本体枠12が開放状態である場合(ステップS22;Y)は、ステップS23に進み、本体枠12が開放状態でない場合(ステップS22;N)は、ステップS24に進む。
次に、第3入力ポート124の状態から設定キースイッチ127がON状態であるか否かを判定する(ステップS23)。設定キースイッチ127がON状態である場合(ステップS23;Y)は、ステップS50に進み、設定キースイッチ127がON状態でない場合(ステップS23;N)は、ステップS24に進む。
次に、第3入力ポート124の状態から設定値変更スイッチ126がON状態であるか否かを判定する(ステップS24)。設定値変更スイッチ126がON状態である場合(ステップS24;Y)は、ステップS56に進み、設定値変更スイッチ126がON状態でない場合(ステップS24;N)は、ステップS25に進む。
次に、第3入力ポート124の状態からRAM初期化スイッチ112がON状態であるか否かを判定する(ステップS25)。RAM初期化スイッチ112がON状態である場合(ステップS25;Y)は、ステップS59に進み、RAM初期化スイッチ112がON状態でない場合(ステップS25;N)は、ステップS26(図7)に進み、停電から正常に復旧した場合の処理をおこなう。
なお、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS16;NまたはステップS17;N)と判定された場合や、チェックサムが正常でない(ステップS19;N)と判定された場合は、ステップS46へ移行して設定変更によるRAMクリアを案内する。
次に、ステップS26へ移行した場合には、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし(ステップS26)、特図ステータス(後述する特図ステータス領域にセットされているデータが示す状態)を参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定する(ステップS27)。そして、特図ゲームが高確率中である場合(ステップS27;Y)にはステップS28に進み、特図ゲームが高確率中でない場合(ステップS27;N)にはステップS30に進む。
特図ゲームが高確率中である場合、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS28)、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする(ステップS29)。
次に、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS30)、ステップS31へ進む。
ここで、ステップS26で初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域およびエラー不正監視に係る領域である。なお、ステップS26では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
また第1の実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC(Counter/Timer Circuit))を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号にもとづいてCPU111Aに対して所定周期(たとえば、4m秒)のタイマ割込み信号および乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定等がCPU111Aによっておこなわれる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定もおこなわれる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(ビット転置前の配置)を、あらかじめ定められた順で入れ替えて異なるビット配置(ビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンにしたがい乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、あらかじめ用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(第1の実施形態の場合、大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図の大当り停止図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図の小当り停止図柄を決定する乱数(小当り図柄乱数)の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)の初期値となる乱数、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動ゲームの当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)の初期値となる乱数のことである。なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では存在せず、当り図柄初期値乱数も機種により存在しない場合がある。
また、第1の実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
なお、特に限定されるわけではないが、第1の実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数は、CPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新されるいわゆる「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))をもとにして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更するいわゆる「初期値変更方式」を採用している。なお、上記各乱数は、「+1」または「−1」によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェアおよびソフトウェアで更新される乱数である。
ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定をおこなう(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻される。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理をおこなう方法もあり、そのような方法を採用した場合には、両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理をおこなう場合には、割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、第1の実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)には、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS37)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合、一旦、割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS44)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
次に、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS16;NまたはステップS17;N)と判定された場合や、チェックサムが正常でない(ステップS19;N)と判定された場合に、ステップS46以降でおこなう設定変更によるRAMクリアの案内について説明する。
設定変更によるRAMクリアの案内をおこなう場合は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス1を設定する(ステップS46)。RAMクリア先頭アドレス1については、遊技制御用領域の先頭アドレスである。RAMクリア先頭アドレス1は、遊技制御用作業領域のすべてと遊技制御用スタック領域をクリア対象として指定するアドレスである。
次に、第3入力ポート124の状態から本体枠(前面枠)12が開放状態であるか否かを判定する(ステップS47)。本体枠12が開放状態である場合(ステップS47;Y)は、ステップS48に進み、本体枠12が開放状態でない場合(ステップS47;N)は、ステップS49に進む。
次に、第3入力ポート124の状態から設定キースイッチ127がON状態であるか否かを判定する(ステップS48)。設定キースイッチ127がON状態である場合(ステップS48;Y)は、ステップS50に進み、設定キースイッチ127がON状態でない場合(ステップS48;N)は、ステップS49に進む。
ステップS49では、設定変更指示のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信することで、演出制御装置300を介して設定変更によるRAMクリアの案内をおこなう。たとえば、遊技機10は、表示装置41による案内表示や、スピーカ19a,19bによる案内音(音声を含む)出力により設定変更によるRAMクリアの案内をおこなう。
遊技機10は、設定変更によるRAMクリアの案内をおこなった後、停電検査領域にチェックデータをセーブすることなくRAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。これにより、遊技機10は、データ異常時の初期化に先立ち設定変更を促すことで、管理者が意図しないタイミングで設定値が初期化されることを防止することができる。
次に、確率設定値を変更中と判定された場合(ステップS21;Y)や、設定キースイッチ127がON状態であると判定された場合(ステップS23;Y、ステップS48;Y)に、ステップS50以降でおこなう確率設定値変更に関する処理について説明する。
確率設定値変更に関する処理では、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアして(ステップS50)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS51)。なお、ステップS51でセーブする初期値には、設定値変更の開始後にセキュリティ信号を出力するための情報(たとえば、タイマ値)を含む。セキュリティ信号は、所定時間だけ出力されるものであってもよいし、設定値の変更中において出力され続けるものであってもよい。
さらに、確率設定値変更中フラグをセットする(ステップS52)。確率設定値変更中フラグは、セットされている状態において確率設定値変更中であることを示し、リセットされている状態において確率設定値変更中でないことを示す。
さらに、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブし(ステップS53)、確率設定値領域の値をロードして作業用確率設定値領域にセーブする(ステップS54)。
さらに、確率設定変更中のコマンド(たとえば、(確率設定)変更中コマンド)を演出制御基板に送信(演出制御装置300)に送信することで、確率設定変更中であることを演出制御装置300に通知する(ステップS55)。ステップS55までの確率設定値変更に関する処理を実行するとステップS31に移行する。
次に、設定値変更スイッチ126がON状態である場合(ステップS24;Y)に、ステップS56以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定する(ステップS56)。なお、RAMクリア先頭アドレス2は、確率設定値領域をクリア対象外とするアドレスである。
さらに、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアして(ステップS57)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS58)。
さらに、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS59)、ステップS31へ進む。第1の実施形態の場合、ステップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(たとえば30秒間)光と音でRAM初期化の報知をおこなわせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
なお、第1の実施形態の遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について説明する。図9は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS34からS39)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS61)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS62)。ステップS62では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS63)をおこなう。それから、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理(ステップS64)をおこなう。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、乱数更新処理1(ステップS65)、乱数更新処理2(ステップS66)をおこなう。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新を停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
その後、始動口1スイッチ36a,37a、始動口2スイッチ92a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)をおこなう。また、始動口1スイッチ36a,37aおよび始動口2スイッチ92aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS68)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36または普通変動入賞装置37、あるいは第2始動入賞口をなす始動入賞口92に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、ステップS69では、確率設定値の変更に関する確率設定値変更処理をおこなう。ステップS70では、確率設定値変更中フラグを参照し、確率設定値変更中であるか否かを判定し、確率設定値変更中である場合(ステップS70;Y)にステップS75に進み、確率設定値変更中でない場合(ステップS70;N)にステップS71に進む。ステップS71では、確率設定値確認モード中フラグを参照し、確率設定値確認モード中であるか否かを判定し、確率設定値確認モード中である場合(ステップS71;Y)にステップS75に進み、確率設定値確認モード中でない場合(ステップS71;N)にステップS72に進む。なお、確率設定値確認モード中フラグは、後述する確率設定値確認処理においてセットまたはリセットされるフラグである。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS72)、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS73a)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS73b)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS74)をおこなう。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS75)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS76)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS77)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS78)、状態表示のための状態表示編集出力処理(ステップS79)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS64)の詳細について図10を用いて説明する。図10は、第1の実施形態の出力処理のフローチャートを示す図である。この出力処理では、まず、一括表示装置50のセグメントのデータを出力するセグメント出力ポート(第3出力ポート134c)にオフデータを出力(リセット)する(ステップS81)。次に、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38bのデータを出力するソレノイド出力ポート(第1出力ポート134a)に出力するデータを合成して出力する(ステップS82)。
そして、一括表示装置50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を「0」〜「3」の範囲で「+1」更新し(ステップS83)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS84)。ここで、一括表示装置50のLED_d1からLED_d18をダイナミック点灯させる例として、ラウンド表示、特図1保留表示、特図1図柄表示、特図2図柄表示、普図図柄表示、普図保留表示、および状態表示(時短状態や高確率状態等の遊技状態表示)がある。
次に、取得したデータと外部情報データを合成し(ステップS85)、合成したデータをデジット出力用および外部情報出力用のデジット・外部情報出力ポート(第4出力ポート134d)に出力する(ステップS86)。ステップS85で合成される外部情報は、「扉・枠開放」および「セキュリティ信号」である。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS87)、ロードしたデータをセグメント出力用のセグメント出力ポート(第3出力ポート134c)に出力する(ステップS88)。
続いて、外部情報端子板71へ出力する外部情報の各種出力データをロードして合成する(ステップS89)。ここで合成する外部情報としては、「大当り信号1」、「大当り信号2」、「大当り信号3」、「大当り信号4」、「図柄確定回数信号」、「始動口信号」、「メイン賞球信号」等である。次に、合成したデータと発射許可の出力データを合成し(ステップS90)、合成したデータを外部情報出力用および発射許可信号出力用の外部情報・発射許可信号出力ポート(第5出力ポート134e)に出力する(ステップS91)。
次に、確率設定値表示のオフ出力データを設定する。すなわち、確率設定値表示装置136の確率設定値表示データを出力する確率設定値表示出力ポート(第2出力ポート134b)にオフデータを出力(リセット)する(ステップS92)。
次に、確率設定値表示許可フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS93)。確率設定値表示許可フラグがセットされている場合(ステップS93;Y)にステップS94に進み、確率設定値表示許可フラグがセットされていない場合(ステップS93;N)にステップS95に進む。
確率設定値表示許可フラグがセットされている場合、RWM内の設定値表示データ領域から確率設定値に対応する確率設定値表示データをロード(ステップS94)する。
ステップS95では、確率設定値表示データを確率設定値表示出力ポート(第2出力ポート134b)に出力する。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS96)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS97)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS98)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS99)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート5へ合成したデータを出力(ステップS9a)する。
次に、確率設定値の試験信号出力データをロードする(ステップS9b)。なお、試験信号出力データは、RWM内の設定値表示データ領域から確率設定値に対応する確率設定値表示データ(たとえば、7セグメントデータ)をロードするものであるが、確率設定値を確認可能であれば、確率設定値(たとえば、1から6の数値)や、その他の形式のデータであってもよい。
次に、第3入力ポート124の状態から設定キースイッチ127がON状態であるか否かを判定する(ステップS9c)。設定キースイッチ127がON状態である場合(ステップS9c;Y)は、ステップS9dに進み、設定キースイッチ127がON状態でない場合(ステップS9c;N)は、ステップS9eに進む。
設定キースイッチ127がON状態である場合、ロードした確率設定値の試験信号出力データと、設定キースイッチオン情報とを合成する(ステップS9d)。
ステップS9eでは、合成したデータを中継基板70上の試験信号出力ポート6へ出力し、出力処理を終了する。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
次に、タイマ割込み処理(図9参照)における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)について説明する。図11は、第1の実施形態の入賞口スイッチ/状態監視処理のフローチャートを示す図である。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、確率設定値変更中フラグを参照し、確率設定値変更中であるか否かを判定する(ステップS101)。確率設定値変更中である場合(ステップS101;Y)にステップS109に進み、確率設定値変更中でない場合(ステップS101;N)にステップS102に進む。ステップS102では、確率設定値確認モード中フラグを参照し、確率設定値確認モード中であるか否かを判定し、確率設定値確認モード中である場合(ステップS102;Y)にステップS109に進み、確率設定値確認モード中でない場合(ステップS102;N)にステップS103に進む。
次に、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の大入賞口スイッチ38a(カウントスイッチ)に対応する入賞口監視テーブル1(たとえば、カウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS103)。次に、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に入賞する不正(不正な入賞)がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS104)を実行する。
その後、普電内の入賞口スイッチ(始動口1スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS105)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS106)を実行する。
次に、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ、つまり常時入賞可能な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ92a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS107)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS108)をおこなう。
次に、遊技機10のエラー状態を監視すべき複数のスイッチおよび信号のうちいずれのスイッチまたは信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタの値を「0」から「3」の範囲で更新する(ステップS109)。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜け等の発生により出力されるスイッチ異常1エラー、払出制御装置200からのシュート球切れエラー、オーバーフロースイッチからのオーバーフローエラーおよび払出異常エラーのいずれかにもとづくエラーの監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS110)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS111)をおこなう。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、ガラス枠開放、本体枠開放、枠電波不正およびタッチスイッチのいずれかにもとづくエラーの監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS112)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS113)をおこなう。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS114)、状態スキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS114;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に遊技機状態の監視対象がない場合である。また、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS114;Y)、状態スキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜け等の発生により出力されるスイッチ異常2エラーにもとづく遊技機状態の監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル3を準備する(ステップS115)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS116)をおこない、払出ビジー信号チェック処理(ステップS117)をおこない、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、払出ビジー信号チェック処理は、毎回おこなわれるのではなく、4回に1回実行されるようにしてあり、残りの3回がパスされるので、16ms周期の監視となっている。
〔確率設定値変更処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における確率設定値変更処理(ステップS69)の詳細について説明する。図12は、第1の実施形態の確率設定値変更処理のフローチャートを示す図である。
まず、確率設定値変更中フラグを参照し、確率設定値変更中であるか否かを判定する(ステップS121)。確率設定値変更中である場合(ステップS121;Y)にステップS123に進み、確率設定値変更中でない場合(ステップS121;N)にステップS122に進み、確率設定値確認処理(ステップS122)を実行してから確率設定値変更処理を終了する。なお、確率設定値確認処理の詳細については、図13を用いて後で説明する。
確率設定値変更中である場合、確率設定値消灯タイマを更新する。具体的には、確率設定値消灯タイマの値を参照し、確率設定値消灯タイマの値が「0」でない場合に「1」デクリメントして確率設定値消灯タイマの値を更新する(ステップS123)。
次に、確率設定値消灯タイマの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS124)、確率設定値消灯タイマの値が「0」である場合(ステップS124;Y)にステップS125に進み、確率設定値消灯タイマの値が「0」でない場合(ステップS124;N)にステップS126に進む。
次に、確率設定値変更済みフラグを参照して確率設定値変更済みか否かを判定し(ステップS126)、確率設定値変更済みである場合にステップS127に進み、確率設定値変更済みでない場合にステップS133に進む。なお、確率設定値変更済みフラグは、確率設定値の変更(確率設定値の確定操作)があった場合にセットされるフラグである。
確率設定値変更済みである場合(ステップS126;Y)、第3入力ポート124の状態から設定キースイッチ127がOFF状態であるか否かを判定する(ステップS127)。設定キースイッチ127がOFF状態である場合(ステップS127;Y)は、ステップS128以降で確率設定値変更後のRAM初期化に関する処理をおこない、設定キースイッチ127がOFF状態でない場合(ステップS127;N)は、確率設定値変更処理を終了する。
次に、設定キースイッチ127がOFF状態である場合(ステップS127;Y)に、ステップS128以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス3を設定する(ステップS128)。なお、RAMクリア先頭アドレス3は、確率設定値領域と変動パターン用乱数領域(乱数更新処理2で更新する乱数)と初期値乱数領域をクリア対象外とするアドレスである。これにより、遊技機10は、設定変更中の乱数攪拌を有効に利用することができる。なお、RAMクリア先頭アドレス3は、確率設定値領域をクリア対象外とし、変動パターン用乱数領域と初期値乱数領域をクリア対象に含めるアドレスとしてもよい。
次に、クリア対象のRAM領域をゼロクリアし(ステップS129)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS130)。なお、ステップS130でセーブする初期値には、セキュリティ信号を出力するための情報(たとえば、タイマ値)を含む。セキュリティ信号は、所定時間だけ出力されるものであってもよいし、設定値の変更中において出力され続けるものであってもよい。
次に、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブする(ステップS131)。なお、設定変更にかかわる情報(たとえば、確率設定値表示データ等)をRAMクリアの対象に含むことによって、確率設定値変更後の確率設定値と確率設定値変更前の設定変更にかかわる情報との齟齬防止が図られる。
さらに、確率設定変更終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS132)、メイン処理のステップS34(図7参照)へ進む。第1の実施形態の場合、ステップS132では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、確率設定変更終了のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(たとえば30秒間)光と音でRAM初期化の報知をおこなわせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、確率設定変更終了のコマンドは、確率設定変更終了の報知に加えて、あるいは確率設定変更終了の報知に代えてRAMクリア報知を兼ねるものであってもよい。また、ステップS132では、確率設定変更終了のコマンドに加えて、あるいは確率設定変更終了のコマンドに代えて、RAM初期化コマンドを送信するものであってもよい。
確率設定値変更済みでない場合(ステップS126;N)、ステップS133以降の処理をおこなう。ステップS133では、設定値変更スイッチ126からの入力があるか否かを判定する(ステップS133)。設定値変更スイッチ126からの入力がある場合は、ステップS134に進み、設定値変更スイッチ126からの入力がない場合(ステップS133;N)は、ステップS137に進む。
設定値変更スイッチ126からの入力がある場合(ステップS133;Y)、作業用確率設定値領域の値(作業用確率設定値)を「1」インクリメントして、「0」から「5」の範囲でサイクリックに更新する(ステップS134)。なお、作業用確率設定値は、「0」から「5」の6段階としたがこれに限らず、確率設定値に対応した値であれば、3段階や10段階等であってもよい。また、作業用確率設定値は、確率設定値に1対1に対応するが、確率設定値に対して1対多の対応関係を有するようにしてもよい。たとえば、確率設定値が「0」から「2」の3段階であるとき、作業用確率設定値を「0」から「5」の6段階とし、確率設定値「0」、「1」、「2」のそれぞれに作業用確率設定値「0,1」、「2,3」、「4,5」を対応させるものであってもよい。
次に、作業用確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブし(ステップS135)、確率設定値消灯タイマ領域に初期値(たとえば、100ms)をセーブする(ステップS136)。確率設定値消灯タイマ領域は、確率設定値表示装置136にブランク表示を設けるための領域である。これにより、確率設定値表示装置136は、設定値変更操作(設定値変更スイッチ126からの入力)があるごとにブランク表示をおこなうことができる。
次に、ステップS137では、設定値変更の確定操作の有無を判定する。たとえば、設定値変更の確定操作は、タッチスイッチ信号とすることができる。なお、設定値変更の確定操作は、タッチスイッチ信号と異なる入力を用いるようにしてもよいし、別途設ける専用の操作スイッチから入力信号を用いるようにしてもよいし、2以上のスイッチからの入力信号組合せ等を用いるようにしてもよい。設定値変更の確定操作がある場合は、ステップS138に進み、設定値変更の確定操作がない場合(ステップS137;N)は、確率設定値変更処理を終了する。
設定値変更の確定操作がある場合(ステップS137;Y)、作業用確率設定値領域の値をロードし、確率設定値領域にセーブし(ステップS138)、確率設定値に対応する確率設定値表示データを確率設定値表示データ領域にセーブし(ステップS139)、確率設定値変更済みフラグをセットする(ステップS140)。
さらに、確率設定値変更のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS141)、確率設定値変更処理を終了する。第1の実施形態の場合、ステップS141では、確率設定値変更のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(たとえば30秒間)光と音で確率設定値変更の報知をおこなわせるためのコマンド)に加えて、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド等の複数のコマンドを送信するようにしてもよい。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信するようにしてもよい。
〔確率設定値確認処理〕
次に、前述の確率設定値変更処理における確率設定値確認処理(ステップS122)の詳細について説明する。図13は、第1の実施形態の確率設定値確認処理のフローチャートを示す図である。
ステップS151では、確率設定値確認モード中フラグを参照し、確率設定値確認モード中であるか否かを判定し、確率設定値確認モード中である場合(ステップS151;Y)にステップS159に進み、確率設定値確認モード中でない場合にステップS152に進む。
確率設定値確認モード中でない場合(ステップS151;N)、確率設定値表示許可フラグをクリアし(ステップS152)、遊技中であるか否かを判定し(ステップS153)、遊技中でない場合にステップS154に進み、遊技中である場合(ステップS153;Y)に確率設定値確認処理を終了する。なお、遊技中とは、遊技者が遊技中である蓋然性が高い遊技状態をいい、たとえば特図変動中、普図変動中、特図当り中、普図当り中等がある。また、遊技中とは、特図1保留数や特図2保留数がある遊技状態を含むものであってもよい。
遊技中でない場合(ステップS153;N)、第3入力ポート124の状態から設定キースイッチ127がON状態であるか否かを判定する(ステップS154)。設定キースイッチ127がON状態である場合は、ステップS155に進み、設定キースイッチ127がON状態でない場合(ステップS154;N)は、確率設定値確認処理を終了する。
設定キースイッチ127がON状態である場合(ステップS154;Y)、確率設定値確認モード中フラグをセットし(ステップS155)、確率設定値表示許可フラグをセットし(ステップS156)、セキュリティ信号制御タイマ領域に初期値をセーブする(ステップS157)。セキュリティ信号制御タイマ領域に初期値をセーブすることで、セキュリティ信号が初期値として設定された確率設定値表示時間だけ出力される。なお、セキュリティ信号は、初期値として設定された確率設定値表示時間に限らず、確率設定値確認モード中の間、継続して出力されるものであってもよい。
さらに、確率設定値確認のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS158)、確率設定値確認処理を終了する。第1の実施形態の場合、ステップS158では、確率設定値確認のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(たとえば30秒間)光と音で確率設定値確認の報知をおこなわせるためのコマンド)に加えて、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド等の複数のコマンドを送信するようにしてもよい。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信するようにしてもよい。
確率設定値確認モード中である場合(ステップS151;Y)、第3入力ポート124の状態から設定キースイッチ127がON状態であるか否かを判定する(ステップS159)。設定キースイッチ127がON状態でない場合は、ステップS160に進み、設定キースイッチ127がON状態である場合(ステップS159;Y)は、確率設定値確認処理を終了する。
設定キースイッチ127がON状態でない場合(ステップS159;N)、確率設定値確認モード中フラグをクリアし(ステップS160)、確率設定値表示許可フラグをクリアする(ステップS161)。
さらに、確率設定値確認終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS162)、確率設定値確認処理を終了する。第1の実施形態の場合、ステップS162では、確率設定値確認終了のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(たとえば30秒間)光と音で確率設定値確認の報知をおこなわせるためのコマンド)に加えて、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド等の複数のコマンドを送信するようにしてもよい。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信するようにしてもよい。
次に、RAM111Cのメモリマップについて図14を用いて説明する。図14は、第1の実施形態の遊技制御装置のメモリマップの一例を示す図である。メモリマップ111Mは、RAM111Cのメモリマップである。RAM111Cは、メモリの先頭から順に、遊技制御用ワークエリア、遊技制御用スタックエリア、状態表示用ワークエリア、状態表示用スタックエリアを設定する。また、RAM111Cは、遊技制御用スタックエリアと状態表示用ワークエリアの間に16バイト以上の未使用領域を設定することにより、遊技制御用スタックエリアと状態表示用ワークエリアとを明確に分離する。また、RAM111Cは、状態表示用スタックエリアの後に未使用領域を設定するが、当該未使用領域を設けずにメモリの最後尾を含むようにして状態表示用スタックエリアを設定するものであってもよい。また、RAM111Cは、遊技制御用ワークエリアと遊技制御用スタックエリアとの間や、状態表示用ワークエリアと状態表示用スタックエリアとの間に未使用領域を設定するようにしてもよい。
遊技制御用ワークエリアは、先頭に確率設定値領域を配置することから、RAMクリア先頭アドレス1は、遊技制御用作業領域のすべて(遊技制御用ワークエリア)と遊技制御用スタック領域をクリア対象とする。また、RAMクリア先頭アドレス2は、確率設定値領域を除く遊技制御用ワークエリアと遊技制御用スタック領域をクリア対象とする。また、RAMクリア先頭アドレス3は、確率設定値領域と変動パターン乱数領域と初期値乱数領域を除く遊技制御用ワークエリアと遊技制御用スタック領域をクリア対象とする。また、RAMクリア先頭アドレス1、RAMクリア先頭アドレス2、およびRAMクリア先頭アドレス3のいずれも、停電検査領域1から停電検査領域2までの領域と、チェックサム領域をクリア対象とする。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS72)の詳細について説明する。図15は、第1の実施形態の払出コマンド送信処理のフローチャートを示す図である。また図16は、第1の実施形態の入賞数カウンタ領域の構造例を示す図である。
まず、入賞数カウンタ領域の一例について説明すると、入賞数カウンタ領域1は、たとえば図16に示すように、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ、及び14個賞球カウンタからなり、各々の入賞数カウンタは65535入賞まで記憶可能になっている。次に、入賞数カウンタ領域2は、たとえば図16に示すように、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ、及び14個賞球カウンタからなり、各々の入賞数カウンタは255入賞まで記憶可能になっている。これら入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックでは、入賞数カウンタ領域のアドレスを後述するステップS202等で更新することにより、上述したカウンタを上から(3個賞球カウンタから)順にチェックしていく。
次に、図15において、左列はメイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、右列は払出コマンドを送信する処理である。
払出コマンド送信処理では、まず、図16で説明したように賞球数別(たとえば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域2のカウンタのうち、チェック対象とされたカウンタに「0」でないカウント数があるか否かを判定する(ステップS201)。そして、カウント数がない場合(ステップS201;N)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS202)、入賞数カウンタ領域2のすべてのカウンタのカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(ステップS203)。
ステップS201で、カウント数がある(ステップS201;Y)と判定された場合、対象の入賞数カウンタ領域2のカウンタのカウント数を減算(「−1」更新)し(ステップS204)、入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数(たとえば、上述した3個、10個、14個のうちの何れか)を取得する(ステップS205)。次に、賞球残数領域の値と払出数を加算し(ステップS206)、加算結果を賞球残数領域にセーブし(ステップS207)、加算結果から10を減算し(ステップS208)、その減算結果が「0」以上かを判定する(ステップS209)。ステップS209で、減算結果が「0」以上(ステップS209;Y)と判定された場合、メイン賞球信号出力回数を「+1」更新し(ステップS210)、減算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS211)。
なお、後述する外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理では、上記ステップS210で更新されるメイン賞球信号出力回数にもとづいてメイン賞球信号を出力する処理がおこなわれる。ここで、賞球信号(メイン賞球信号)としては、主基板(遊技制御装置100)からは10個払出予定ごとに1パルスが出力され、払出基板(払出制御装置200)からは10個払出ごとに1パルスが出力される。
次に、ステップS203の判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS203;Y)と判定、または、ステップS209の判定で、減算結果が「0」以上でない(ステップS209;N)と判定された場合、払出コマンド送信タイマの値が「0」でなければ払出コマンド送信タイマの値を「−1」更新する(ステップS212)。この払出コマンド送信処理が最初のタイマ割込み処理であれば、この払出コマンド送信処理の最後のステップS221で設定される初期値が設定されていないので、払出コマンド送信タイマの値は「0」であるから、減算はおこなわれないことになる。
次に、払出コマンド送信タイマの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS213)、払出コマンド送信タイマの値が「0」である(ステップS213;Y)と判定された場合、払出ビジー信号がビジー中か否かを判定する(ステップS214)。なお、払出ビジー信号がビジー中か否かは、ポートの状態の参照ではなく、払出ビジー信号フラグの参照により判定している。ここで、払出ビジー信号がオン(ビジー中)となる条件としては、「払出動作中」、「球貸し動作中」、「シュート球切れエラー中」、「オーバーフローエラー中」、「枠電波不正発生中」、「払出球検出スイッチの異常中(払い出された球を監視するスイッチ)」、「払出不足エラー中」、「払出過剰エラー中」、「払出制御基板のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)」等である。
次に、払出ビジー信号がビジー中でない(ステップS214;N)場合、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントありか否かを判定し(ステップS215)、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントがなければ(ステップS215;N)、チェックする入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS216)、全領域のチェックが終了したか否かを判定する(ステップS217)。全領域のチェックが終了していない(ステップS217;N)場合、ステップS215に戻される。
ステップS215において、入賞数カウンタ領域1の対象のカウンタにカウントがある(ステップS215;Y)場合、対象の入賞数カウンタを「−1」更新し(ステップS218)、入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得し(ステップS219)、取得したコマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップS220)。そして、払出コマンド送信タイマ領域に初期値(たとえば、200ms)をセーブする(ステップS221)。
ステップS213において、払出コマンド送信タイマの値が「0」でない(ステップS213;N)と判定された場合、ステップS214において、払出ビジー信号がビジー中である(ステップS214;Y)と判定された場合、ステップS217において、全領域のチェックが終了している(ステップS217;Y)と判定された場合、または、ステップS221の処理が終了した場合に、この払出コマンド送信処理を終了する。
なお、上記ステップS213、S214の判定結果によってはステップS215以降を実行しないで処理を終了する構成であることから分かるように、払出コマンドは、タイマ割込みごとに送信するのではなく、所定時間経過してから送っている。また、払出コマンドの送信は、払出制御基板側が賞球を払い出せる状態であることも条件である。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップS68)の詳細について図17を用いて説明する。図17は、第1の実施形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートを示す図である。
始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)の入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)をおこなって、始動口1への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、始動口1への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA103にて、始動口1への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、遊技状態が右打ちすべき所定状態(たとえば、普電サポート状態、大当り中など)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、右打ちすべき所定状態でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA104にて、右打ちすべき所定状態であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)をおこなう。すなわち、第1の実施形態の遊技機10の場合、普電サポート状態を除いて始動口1へは左打ちでないとほとんど入賞せず、右打ちすべき所定状態で始動口1に入賞があった場合、右打ちすべき所定状態であるのに左打ちされたと推定できるので、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によっておこなうよう構成されている。
次いで、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口1スイッチ処理(ステップA108)をおこなう。
次に、始動口2(始動入賞口92)の入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)をおこなって、始動口2への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、始動口2への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、始動口2への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、遊技状態が普電サポート状態(時短状態)となっているか否かを判定し(ステップA112)、普電サポート状態でない(ステップA112;N)と判定すると、大当り中であるか否かを判定する(ステップA113)。また、ステップA113にて、大当り中でない(ステップA113;N)と判定すると、特図変動表示ゲームが普電サポート最終変動中であるか否かを判定する(ステップA114)。
ステップA114にて、普電サポート最終変動中でない(ステップA114;N)と判定すると、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA115)、演出コマンド設定処理(ステップA116)をおこなう。すなわち、普電サポート状態、大当り中、普電サポート最終変動中のいずれでもなければ、左打ちすべきなので、左打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信する処理をおこなう。
そして、ステップA112にて普電サポート状態である(ステップA112;Y)と判定した場合、ステップA113にて大当り中である(ステップA113;Y)と判定した場合、ステップA114にて普電サポート最終変動中である(ステップA114;Y)と判定した場合、ステップA116の処理が終了した場合には、ステップA117に移行する。
ステップA117に移行すると、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA117)、特図始動口2スイッチ処理(ステップA118)をおこなって、始動口スイッチ監視処理を終了する。
なお、上記ステップA111にて始動口2への入賞があると判定した場合には、たとえばステップA112を実行する前に、普電不正(普通変動入賞装置37が閉状態であるにもかかわらず普通変動入賞装置37への入賞が検出される不正)があったか判定するステップを設け、この普電不正発生中であると判定した場合は、ステップA112以降を実行しないで始動口スイッチ監視処理を終了する構成とし、普電不正があった場合には第2始動記憶(特図2の始動記憶)をそれ以上発生させないようにしてもよい。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について図18を用いて説明する。図18は、第1の実施形態のハード乱数取得処理のフローチャートを示す図である。
ハード乱数取得処理では、まず、始動口1(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)および始動口2(始動入賞口92)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a,37aおよび始動口2スイッチ92aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否かを判定する(ステップA124)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、始動口1および始動口2のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口1スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口1スイッチ処理(ステップA108)の詳細について図19を用いて説明する。図19は、第1の実施形態の特図始動口1スイッチ処理のフローチャートを示す図である。
特図始動口1スイッチ処理は、監視対象である始動口1スイッチ36a,37aの入力(監視対象である特図1の始動入賞)があった場合に、おこなわれる処理である。
特図始動口1スイッチ処理では、まず、監視対象の始動口1スイッチ36a,37aへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号1出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を「+1」更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号1出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA134をパスしてステップA135の処理に移行する。第1の実施形態では、始動口信号1出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新されると更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、監視対象の始動口1スイッチ36a,37aに対応する更新対象の特図1保留数(特図1の始動記憶数)が上限値未満(たとえば4個未満)であるか否かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図1保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口1スイッチ処理を終了する。更新対象の特図1保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、変動情報の設定用(たとえば先読み変動パターンの振り分け用)に使う特図1情報設定フラグをセットして(ステップA136)、更新対象の特図1保留数を「+1」更新する(ステップA137)。
続けて、特図1保留数に対応する乱数格納領域(特図1用の乱数格納領域)のアドレスを算出して(ステップA138)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、特図1の大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、特図1の小当り図柄乱数を抽出し、準備して、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブし(ステップA142)、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA143)、特図保留情報判定処理(ステップA144)をおこなう。その後、監視対象の特図1保留数に対応する飾り特図1保留数コマンドを準備し(ステップA145)、演出コマンド設定処理(ステップA146)をおこなって、特図始動口1スイッチ処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100の遊技用マイコン111のRAM111Cは、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入にもとづき、所定の乱数を抽出し特図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(RAM111C)は、始動口1(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞にもとづき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶する。
〔特図始動口2スイッチ処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口2スイッチ処理(ステップA118)の詳細について図20を用いて説明する。図20は、第1の実施形態の特図始動口2スイッチ処理のフローチャートを示す図である。
特図始動口2スイッチ処理は、監視対象である始動口2スイッチ92aの入力(監視対象である特図2の始動入賞)があった場合に、おこなわれる処理である。
特図始動口2スイッチ処理では、まず、始動口2スイッチ92aへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号2出力回数をロードし(ステップA151)、ロードした値を「+1」更新して(ステップA152)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA153)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA153;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号2出力回数領域にセーブして(ステップA154)、ステップA155の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA153;Y)は、ステップA154をパスしてステップA155の処理に移行する。第1の実施形態では、始動口信号2出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新されると更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、監視対象の始動口2スイッチ92aに対応する更新対象の特図2保留(始動記憶)数が上限値未満(たとえば4個未満)であるか否かを判定する(ステップA155)。更新対象の特図2保留数が上限値未満でない場合(ステップA155;N)は、特図始動口2スイッチ処理を終了する。更新対象の特図2保留数が上限値未満である場合(ステップA155;Y)は、変動情報の設定用(たとえば先読み変動パターンの振り分け用)に使う特図2情報設定フラグをセットして(ステップA156)、更新対象の特図2保留数を「+1」更新する(ステップA157)。
続けて、特図2保留数に対応する乱数格納領域(特図2用の乱数格納領域)のアドレスを算出して(ステップA158)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA159)。次に、特図2の大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA160)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA161)。
次いで、特図2の小当り図柄乱数を抽出し、準備して、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブし(ステップA162)、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA163)、特図保留情報判定処理(ステップA164)をおこなう。その後、監視対象の特図2保留数に対応する飾り特図2保留数コマンドを準備し(ステップA165)、演出コマンド設定処理(ステップA166)をおこなって、特図始動口2スイッチ処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100の遊技用マイコン111のRAM111Cは、始動入賞口92の始動入賞領域への遊技球の流入にもとづき、所定の乱数を抽出し特図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(RAM111C)は、始動口2(始動入賞口92)への遊技球の入賞にもとづき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口1スイッチ処理及び特図始動口2スイッチ処理における特図保留情報判定処理(ステップA144、ステップA164)の詳細について図21を用いて説明する。図21は、第1の実施形態の特図保留情報判定処理のフローチャートを示す図である。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定をおこなう先読み処理である。
特図保留情報判定処理では、まず、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態(高確率中)であるか否かを判定する(ステップA172)。ステップA172にて、高確率中であると判定した場合(ステップA172;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA172にて、高確率中でないと判定した場合(ステップA172;N)には、大当り中であるか否かを判定する(ステップA173)。ステップA173にて、大当り中であると判定した場合(ステップA173;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA173にて、大当り中でないと判定した場合(ステップA173;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA174)をおこなう。
その後、大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA175)。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA175;Y)は、対象の始動口スイッチ(いいかえると、特図種別;特図1か特図2かの種別)に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA176)、ステップA140またはA160にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA177)、ステップA184の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA175;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA179)をおこなう。その後、小当り判定処理の判定結果が小当りであるか否かを判定する(ステップA180)。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA180;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA183)、ステップA184の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA180;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し、ステップA142またはA162にて準備した小当り図柄乱数に対応する小当りの停止図柄情報を設定し(ステップA182)、ステップA184の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
そして、ステップA184に移行すると、ステップA177、ステップA182、あるいはステップA183のいずれかで取得又は設定された停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA184)、演出コマンド設定処理(ステップA185)をおこなう。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA186)をおこない、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA187)をおこなう。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターン(リーチアクション開始までの変動パターン)を示す前半変動番号および後半変動パターン(リーチアクション開始以降の変動パターン)を示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA188)、演出コマンド設定処理(ステップA189)をおこない、特図保留情報判定処理を終了する。
なお、ステップA186における特図情報設定処理、ステップA187における変動パターン設定処理は、特図普段処理(後述する特図1普段処理または特図2普段処理)で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。すなわち、特図保留情報判定処理がステップA144で実行される場合には、特図種別は特図1であるため、ステップA186およびA187の処理は後述する特図1情報設定処理および特図1変動パターン設定処理とそれぞれ同じであり、特図保留情報判定処理がステップA164で実行される場合には、特図種別は特図2であるため、ステップA186およびA187の処理は後述する特図2情報設定処理および特図2変動パターン設定処理とそれぞれ同じである。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させる等して、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(RAM111C)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶にもとづく変動表示ゲームの実行前に判定する(たとえば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶にもとづく変動表示ゲームがおこなわれる前であればいつでもよい。
〔特図1ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップS73a)の詳細について図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態の特図1ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
特図1ゲーム処理では、大入賞口スイッチ38aの入力の監視と、特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1(特図1変動表示ゲームで変動表示される識別情報)の表示の設定をおこなう。特図1ゲーム処理では、まず、特図2の大当り中又は小当り中(特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態又は小当り遊技状態)であるか否かを判定する(ステップA1)。特図2の大当り中又は小当り中でない場合(ステップA1;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)をおこなう。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理をおこなう。
一方、特図2の大当り中又は小当り中であると判定された場合(ステップA1;Y)と、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)が終了した場合には、ステップA3に移行し、特図1ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップA3)。なお、特図1ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図1ゲーム処理タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップA4)。特図1ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていた場合は、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図1ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールをおこなう(ステップA7)。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1普段処理(ステップA8)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1変動中処理(ステップA9)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1表示中処理(ステップA10)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなうファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理をおこなうために必要な情報を設定する処理等をおこなう大入賞口開放中処理(ステップA12)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう一方で最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう大入賞口残存球処理(ステップA13)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1大当り終了処理(ステップA14)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の所定の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当りファンファーレ中処理(ステップA15)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、小当り中動作移行処理や小当り終了画面のコマンドの設定や小当り残存球処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り中処理(ステップA16)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、特図1小当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り残存球処理(ステップA17)をおこなう。
ステップA7にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図1小当り終了処理(ステップA18)をおこなう。
その後、特図1図柄表示部53の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1図柄表示部53に係る図柄変動制御処理(ステップA20)をおこない、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図1ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、たとえば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、たとえば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であってもよいし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であってもよい。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔特図2ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップS73b)の詳細について図23を用いて説明する。図23は、第1の実施形態の特図2ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
特図2ゲーム処理では、大入賞口スイッチ38aの入力の監視と、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2(特図2変動表示ゲームで変動表示される識別情報)の表示の設定をおこなう。特図2ゲーム処理では、まず、特図1の大当り中又は小当り中(特図1変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態又は小当り遊技状態)であるか否かを判定する(ステップA31)。特図1の大当り中又は小当り中でない場合(ステップA31;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA32)をおこなう。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理をおこなう。
次に、特図1の大当り中又は小当り中であると判定された場合(ステップA31;Y)と、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA32)が終了した場合には、ステップA33に移行し、特図2ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップA33)。なお、特図2ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図2ゲーム処理タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップA34)。特図2ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA34;Y)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていた場合は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」であるか否か判定する(ステップA35)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」でない場合(ステップA35;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を「−1」更新し(ステップA36)、RWMにおいて特図2ゲーム処理タイマの値を記憶する領域である特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(たとえば、60000m秒)をセーブし(ステップA37)、ステップA59に移行する。
一方、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」である場合(ステップA35;Y)には、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA38)、当該テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA39)。そして、特図2ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールをおこなう(ステップA47)。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2普段処理(ステップA48)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2変動中処理(ステップA49)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2表示中処理(ステップA50)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなうファンファーレ/インターバル中処理(ステップA51)をおこなう。
ステップA47にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理をおこなうために必要な情報を設定する処理等をおこなう大入賞口開放中処理(ステップA52)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう一方で最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう大入賞口残存球処理(ステップA53)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2大当り終了処理(ステップA54)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の所定の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当りファンファーレ中処理(ステップA55)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、小当り中動作移行処理や小当り終了画面のコマンドの設定や小当り残存球処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り中処理(ステップA56)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、特図2小当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り残存球処理(ステップA57)をおこなう。
ステップA47にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図2小当り終了処理(ステップA58)をおこなう。
その後、特図2図柄表示部54の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA59)、特図2図柄表示部54に係る図柄変動制御処理(ステップA60)をおこない、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA34にて、特図2ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA34;N)、すなわちタイムアップしていない場合や、ステップA37の処理を終了した場合は、ステップA59の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
〔特図1普段処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1普段処理(ステップA8)の詳細について図24を用いて説明する。図24は、第1の実施形態の特図1普段処理のフローチャートを示す図である。
特図1普段処理では、まず、特図1が変動開始可能か否か(すなわち特図1変動表示ゲームを開始可能か否か)を判定する(ステップA251)。この判定では、遊技状態が、特図2の当り(大当りまたは小当り)の変動終了(特図2表示中処理の開始)から当り動作(大当り遊技状態または小当り遊技状態)の終了までの期間の状態である場合、つまり特図2が当たっているときには、特図1は変動開始可能でないと判定し、当該期間でない場合には特図1は変動開始可能と判定する。
そして、特図1が変動開始可能と判定した場合(ステップA251;Y)には、左打ち指示報知済みか否か(すなわち左打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、その後右打ち指示報知コマンドを送信していない状態か否か)を判定する(ステップA252)。なお、ステップA252では、左打ち指示報知フラグがセットされていると、左打ち指示報知済みであると判定し、左打ち指示報知フラグがセットされていないと、左打ち指示報知済みでないと判定する構成でもよい。
左打ち指示報知済みでない場合(ステップA252;N)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA253)、演出コマンド設定処理(ステップA254)をおこない、左打ち指示報知フラグをセットする(ステップA255)。
左打ち指示報知済みである場合(ステップA252;Y)と、ステップA255を終了した場合には、ステップA256に移行し、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるか否かを判定する(ステップA256)。そして、特図1保留数が「0」でない(ステップA256;N)と判定すると、現在の特図変動表示ゲームの確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップA257)、演出コマンド設定処理(ステップA258)をおこない、特図1変動開始処理(ステップA259)をおこない、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA260)、演出コマンド設定処理(ステップA261)をおこない、RWMにおける特図ステータス領域に特図1変動中(特図1変動表示ゲームを実行中)を示す情報をセット(情報加算)し(ステップA262)、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA263)。
なお、特図ステータス領域は、特図1変動中(特図1変動表示ゲームを実行中)を示す情報と、特図2変動中(特図2変動表示ゲームを実行中)を示す情報を、それぞれ独立に記憶する領域であり、この特図ステータス領域にセットされている情報が示す状態が特図ステータスである。ステップA262を実行した場合、特図ステータスは、「特図1変動中」と「特図1変動中+特図2変動中」のうちのいずれかの状態になる。
また、特図1変動開始処理(ステップA259)では、特図1変動中処理に係る処理番号である「1」を特図1ゲーム処理番号領域にセーブする処理(後述するステップA318、A319)、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする処理(後述するステップA322)、特図1ゲーム処理タイマの値として変動時間が設定される処理(後述するステップA307、A497)などがおこなわれる。
そして、高確率中でない場合(ステップA263;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA264)、高確率最終変動中でない場合(ステップA264;N)には、特図1変動チェックフラグをセットする(ステップA265)。なお、高確率最終変動中であるか否かの判定は、後述する高確率最終変動フラグによりおこなう。すなわち、高確率最終変動フラグがセットされていれば高確率最終変動中であると判定する。
そして、ステップA265が終了した場合と、高確率中であると判定された場合(ステップA263;Y)と、高確率最終変動中であると判定された場合(ステップA264;Y)は、特図1変動中処理移行設定処理(ステップA266)をおこない、特図1普段処理を終了する。
一方、特図1が変動開始可能でないと判定した場合(ステップA251;N)と、ステップA256にて、特図1保留数が「0」である場合(ステップA256;Y)は、処理番号として「0」を設定し(ステップA267)、RWMにおいて特図1ゲーム処理番号を記憶する領域である特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA268)、特図1普段処理を終了する。
このように本実施形態では、ステップA251の判定結果が肯定的になる状態であり、特図1保留数が「0」でない場合には、特図1変動開始処理(ステップA259)等が実行され、特図2が変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であったとしても、特図1変動表示ゲームが開始される。つまり、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段(遊技制御装置100)に第1始動記憶がある場合には、当該第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームを、第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームと同時に実行可能な制御手段をなす。
〔特図2普段処理〕
次に、上述の特図2ゲーム処理における特図2普段処理(ステップA48)の詳細について図25を用いて説明する。図25は、第1の実施形態の特図2普段処理のフローチャートを示す図である。
特図2普段処理では、まず、特図2が変動開始可能か否か(すなわち特図2変動表示ゲームを開始可能か否か)を判定する(ステップA271)。この判定では、遊技状態が、特図1の当り(大当りまたは小当り)の変動終了(特図1表示中処理の開始)から当り動作(大当り遊技状態または小当り遊技状態)の終了までの期間の状態である場合、つまり特図1が当たっているときには、特図2は変動開始可能でないと判定し、当該期間でない場合には特図2は変動開始可能と判定する。
そして、特図2が変動開始可能と判定した場合(ステップA271;Y)には、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判定する(ステップA272)。そして、特図2保留数が「0」でない(ステップA272;N)と判定すると、現在の特図変動表示ゲームの確率状態に対応する変動開始確率情報コマンドを準備し(ステップA273)、演出コマンド設定処理(ステップA274)をおこない、特図2変動開始処理(ステップA275)をおこない、RWMにおける特図ステータス領域に特図2変動中(特図2変動表示ゲームを実行中)を示す情報をセット(情報加算)し(ステップA276)、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA277)。
ここで、特図ステータス領域にセットされた情報が示す状態(すなわち特図ステータス)は、ステップA276を実行した場合、「特図2変動中」と「特図1変動中+特図2変動中」のうちのいずれかの状態になる。
また、特図2変動開始処理(ステップA275)では、特図2変動中処理に係る処理番号である「1」を特図2ゲーム処理番号領域にセーブする処理(後述するステップA348、A349)、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする処理(後述するステップA352)、特図2ゲーム処理タイマの値として変動時間が設定される処理(後述するステップA337、A497)などがおこなわれる。
なお、たとえばステップA275を実行した後、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し、次いで演出コマンド設定処理を実行し、その後ステップA276に移行する構成(すなわち、特図2についても、普段処理において飾り特図保留数コマンドを演出制御装置300に送信する構成)としてもよい。
そして、高確率中でない場合(ステップA277;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA278)、高確率最終変動中でない場合(ステップA278;N)には、特図2変動チェックフラグをセットする(ステップA279)。
そして、ステップA279が終了した場合と、高確率中であると判定された場合(ステップA277;Y)と、高確率最終変動中であると判定された場合(ステップA278;Y)は、特図2変動中処理移行設定処理(ステップA280)をおこない、特図2普段処理を終了する。
一方、特図2保留数が「0」である場合(ステップA272;Y)は、特図1保留数が「0」であるか否かを判定し(ステップA281)、特図1保留数が「0」である(ステップA281;Y)と判定すると、特図1が変動中(特図1変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA282)。そして、特図1が変動中でない場合(ステップA282;N)は、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(ステップA283)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA283;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA284)。続けて、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを準備して(ステップA285)、演出コマンド設定処理(ステップA286)をおこなう。なお、演出コマンド設定処理をおこなうと準備されたコマンド(ここでは、客待ちデモコマンド)が演出制御装置300に送信される。
そして、ステップA286が終了した場合と、特図2が変動開始可能でないと判定した場合(ステップA271;N)と、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA281;N)と、特図1が変動中である場合(ステップA282;Y)と、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA283;Y)には、処理番号として「0」を設定し(ステップA287)、RWMにおいて特図2ゲーム処理番号を記憶する領域である特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA288)、特図2普段処理を終了する。
このように本実施形態では、ステップA271の判定結果が肯定的になる状態であり、特図2保留数が「0」でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA275)等が実行され、特図1が変動中(特図1変動表示ゲーム実行中)であったとしても、特図2変動表示ゲームが開始される。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームを、第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームと同時に実行可能な制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図1普段処理における特図1変動開始処理(ステップA259)の詳細について図26、図27を用いて説明する。図26は、第1の実施形態の特図1変動開始処理のフローチャートを示す図(その1)である。図27は、第1の実施形態の特図1変動開始処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始時におこなう処理である。特図1変動開始処理では、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1情報設定フラグをセットし(ステップA301)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA302)をおこなう。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA303)をおこなった後、特図1の変動パターンを設定するためのパラメータである特図1情報を設定する特図1情報設定処理(ステップA304)をおこない、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA305)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1変動パターン設定処理(ステップA306)をおこない、特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA307)をおこない、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA308)。
そして、高確率中でない場合(ステップA308;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA309)、高確率最終変動中でない場合(ステップA309;N)には、特図2が変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA310)。特図2が変動中である場合(ステップA310;Y)は、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」であるか否か判定する(ステップA311)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」でない場合(ステップA311;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がたとえば「4」以上であるか判定し(ステップA312)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がたとえば「4」以上でない場合(ステップA312;N)、特図2の残り変動時間を算出する(ステップA313)。
なお、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数は、特図2ゲーム処理タイマが2バイト範囲内で足りる時間値(たとえば60000m秒など)の状態のときには、後述するステップA337の変動開始情報設定処理において「0」に設定されている(たとえば、後述のステップA500を参照)。
また、特図2の変動時間(特図2変動表示ゲームの実行時間)は、特図2ゲーム処理タイマの値(特図2ゲーム処理タイマ領域の値)から計算できる。具体的には、ステップA313では、前述のステップA37でセーブする長変動用タイマ値(たとえば60000m秒)に特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を乗じた結果に、その時点の特図2ゲーム処理タイマ領域の値を加算することで、特図2の残り変動時間を算出できる。
また、長変動用タイマ値がたとえば60000m秒(=60秒)である場合、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数の値が4以上であるということは、特図2の残り変動時間は、240秒(=4×60秒)以上であり、特図1の最長変動時間より長いことになり、その場合、後述するステップA315、ステップA316を実行する必要がないので、それを判定するためにステップA312が設けられている。したがって、ステップA312における「4」という数値は、特図1の最長変動時間より特図2の残り変動時間が長いか否かを、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数により事前判定するための数値の一例にすぎない。
次に、ステップA313が終了した場合と、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が「0」である場合(ステップA311;Y)には、ステップA314へ移行し、これから開始しようとする特図1の変動時間(たとえばステップA306で設定された変動時間)が、現在変動中の特図2の残り変動時間(ステップA313の算出結果、または、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がゼロの場合は特図2ゲーム処理タイマの値で決まる時間)よりも短いか否か判定する(ステップA314)。
そして、特図1の変動時間が特図2の残り変動時間よりも短くない場合(ステップA314;N)は、特図1の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備し(ステップA315)、演出コマンド設定処理(ステップA316)をおこなう。
次に、高確率中である場合(ステップA308;Y)、高確率最終変動中である場合(ステップA309;Y)、特図2が変動中でない場合(ステップA310;N)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数がたとえば「4」以上である場合(ステップA312;Y)、特図1の変動時間が特図2の残り変動時間よりも短い場合(ステップA314;Y)、および、ステップA316が終了した場合は、ステップA317(図27)へ移行する。
ステップA317へ移行すると、高確率変動回数更新処理(ステップA317)をおこない、処理番号として「1」を設定し(ステップA318)、RWMにおいて特図1ゲーム処理番号を記憶する領域である特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「1」をセーブし(ステップA319)、RWMにおいて客待ちデモ中フラグをセットする領域である客待ちデモフラグ領域をクリアする(ステップA320)。その後、特図1変動開始に関する信号(特別図柄1変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA321)、RWMの特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA322)、RWMの特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1図柄表示部53の点滅の周期のタイマ)の初期値(たとえば100ms)をセーブし(ステップA323)、RWMの特図1変動中図柄番号領域に初期値(たとえばブランク図柄に対応する「0」)をセーブし(ステップA324)、特図1変動開始処理を終了する。なお、ステップA324で特図1変動中図柄番号領域に「0」をセーブするのは、ブランク図柄から特図1の変動表示をスタートするためである。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図2普段処理における特図2変動開始処理(ステップA275)の詳細について図28、図29を用いて説明する。図28は、第1の実施形態の特図2変動開始処理のフローチャートを示す図(その1)である。図29は、第1の実施形態の特図2変動開始処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始時におこなう処理である。特図2変動開始処理では、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2情報設定フラグをセットし(ステップA331)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA332)をおこなう。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA333)をおこなった後、特図2の変動パターンを設定するためのパラメータである特図2情報を設定する特図2情報設定処理(ステップA334)をおこない、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA335)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図2変動パターン設定処理(ステップA336)をおこない、特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA337)をおこない、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中か否か判定する(ステップA338)。
そして、高確率中でない場合(ステップA338;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定し(ステップA339)、高確率最終変動中でない場合(ステップA339;N)には、特図1が変動中(特図1変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA340)。特図1が変動中である場合(ステップA340;Y)は、特図1の残り変動時間を算出する(ステップA343)。なお、特図1の残り変動時間は、特図1ゲーム処理タイマの値(特図1ゲーム処理タイマ領域の値)から計算できる。
次に、ステップA343が終了した場合には、ステップA344へ移行し、これから開始しようとする特図2の変動時間(たとえばステップA336で設定された変動時間)が、現在変動中の特図1の残り変動時間(ステップA343の算出結果)よりも短いか否か判定する(ステップA344)。
そして、特図2の変動時間が特図1の残り変動時間よりも短くない場合(ステップA344;N)は、特図2の変動時間の方が長いことを通知するコマンドを準備し(ステップA345)、演出コマンド設定処理(ステップA346)をおこなう。
次に、高確率中である場合(ステップA338;Y)、高確率最終変動中である場合(ステップA339;Y)、特図1が変動中でない場合(ステップA340;N)、特図2の変動時間が特図1の残り変動時間よりも短い場合(ステップA344;Y)、および、ステップA346が終了した場合は、ステップA347(図29)へ移行する。
ステップA347へ移行すると、高確率変動回数更新処理(ステップA347)をおこない、処理番号として「1」を設定し(ステップA348)、RWMにおいて特図2ゲーム処理番号を記憶する領域である特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「1」をセーブし(ステップA349)、RWMにおいて客待ちデモ中フラグをセットする領域である客待ちデモフラグ領域をクリアする(ステップA350)。その後、特図2変動開始に関する信号(特別図柄2変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA351)、RWMの特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、RWMの特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2図柄表示部54の点滅の周期のタイマ)の初期値(たとえば100ms)をセーブし(ステップA353)、RWMの特図2変動中図柄番号領域に初期値(たとえばブランク図柄に対応する「0」)をセーブし(ステップA354)、特図2変動開始処理を終了する。なお、ステップA354で特図2変動中図柄番号領域に「0」をセーブするのは、ブランク図柄から特図2の変動表示をスタートするためである。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA307、A337)の詳細について図30、図31を用いて説明する。図30は、第1の実施形態の変動開始情報設定処理のフローチャートを示す図(その1)である。図31は、第1の実施形態の変動開始情報設定処理のフローチャートを示す図(その2)である。
変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3の乱数格納領域の情報をクリアする。すなわち、特図1の情報設定中か否か判定し(ステップA491)、特図1の情報設定中である場合(ステップA491;Y)には、特図1の変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3の乱数格納領域(保留球1用)の情報(保留球1用)をクリアする(ステップA491a)。また、特図1の情報設定中でない場合(ステップA491;N)には、特図2の変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3の乱数格納領域の情報をクリアする(ステップA491b)。
次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域(すなわち、特図1の情報設定中には特図1ゲーム処理タイマ領域、特図2の情報設定中には特図2ゲーム処理タイマ領域)にセーブする(ステップA497)。
次に、特図1の情報設定中か否か判定し(ステップA498)、特図1の情報設定中でない場合(ステップA498;N)、特図2の長変動開始か否か判定し(ステップA499)、特図2の長変動開始でない場合(ステップA499;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域(RWMにおいて特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を記憶する領域)に「0」をセーブする(ステップA500)。
一方、特図2の長変動開始である場合(ステップA499;Y)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域に「9」をセーブする(ステップA501)。そして、特図1の情報設定中である場合(ステップA498;Y)、ステップA500、A501の処理が終了した場合には、ステップA502へ移行する。
なお、2バイトの特図ゲーム処理タイマでは足らない時間の変動をさせるため、特図2の長変動には繰り返し回数(特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数)が設定される。また、ステップA496の加算結果としてたとえば60000msがステップA497で特図2ゲーム処理タイマ領域に設定され、ステップA501で繰り返し回数として「9」がセーブされた場合、タイマ割込み処理(前述のステップA33)で特図2ゲーム処理タイマの値が減算されてゆき、タイムアップした時に特図ゲーム処理タイマの繰り返し回数が前述のステップA36で1減算され、さらに前述のステップA37で特図2ゲーム処理タイマ領域に60000msがセットされる。このためこの場合、結果として特図2の全変動時間は、この実施形態では60000ms×10で10分の変動時間になる。実際には、4msのタイマ割込みなので、2バイトでは約262秒まで設定できるが、理解しやすさのため60秒の掛け算で表せる場合を例に挙げて説明している。
次に、ステップA502へ移行すると、前半変動番号に対応する変動コマンドのデータ(MODE)を準備し(ステップA502)、後半変動番号に対応する変動コマンドのデータ(ACTION)を準備して(ステップA503)、演出コマンド設定処理をおこなう(ステップA504)。
なお、詳細説明は省略するが、演出コマンド設定処理では、演出用シリアル送信バッファが満杯でない限り、準備されたコマンドデータ(MODEとACTION)が演出用シリアル送信バッファに書き込まれる。これにより、遊技制御装置100におけるCPU111Aのシリアル通信機能を用いてシリアル通信により、準備されたコマンドデータよりなる演出コマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される。他のステップでコールされて演出コマンド設定処理が実行される場合も同様である。また、本フローチャートの場合、コマンドは演出コマンドのように、「MODE」、「ACTION」といった2バイト構成で送信しているが、それ以上のバイト構成にしてもよい。それらの場合、複数バイト構成に対応したフローチャートにすればよい。
次に、ステップA504を終了すると、特図1の情報設定中か否か判定し(ステップA505)、特図1の情報設定中である場合(ステップA505;Y)には、特図1保留数を「−1」更新して(ステップA506)、特図1の乱数格納領域のアドレスを設定して当該アドレスの乱数格納領域をシフトし(ステップA507)、シフト後の空き領域の情報をクリアして(ステップA508)、変動開始情報設定処理を終了する。
一方、特図1の情報設定中でない場合(ステップA505;N)には、特図2保留数を「−1」更新して(ステップA506a)、特図2の乱数格納領域のアドレスを設定して当該アドレスの乱数格納領域をシフトし(ステップA507a)、シフト後の空き領域の情報をクリアして(ステップA508a)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(RAM111C)に記憶された各種の乱数値の判定をおこなう判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報にもとづいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は、前述した演出コマンド設定処理によって演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信にもとづき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定し、飾り特図変動表示ゲームを実行する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド(変動パターンコマンドなどと称する場合もある)などが挙げられ、たとえば本実施形態のフローチャートで示されるような所定の順番で各演出コマンドが演出制御装置300に送信される。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における高確率変動回数更新処理(ステップA317、A347)の詳細について図32を用いて説明する。図32は、第1の実施形態の高確率変動回数更新処理のフローチャートを示す図である。
高確率変動回数更新処理では、まず、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率中であるか否かを判定し(ステップA551)、特図高確率中でない場合(ステップA551;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。
なお、特図1と特図2の特図変動表示ゲームの種別のうちの一方が大当り遊技状態である場合は、他方の変動表示ゲームの当り確率は必ず低確率に制御するが、一方が小当りの場合は他方が高確率中である可能性がある。
高確率中である場合(ステップA551;Y)には、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する高確率変動回数を「−1」更新し(ステップA552)、高確率変動回数が「0」であるか否かを判定する(ステップA553)。
高確率変動回数が「0」でない場合(ステップA553;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。高確率変動回数が「0」である場合(ステップA553;Y)には、高確率終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA555)。なお、高確率終了に関する信号は、大当り2信号をオフにする信号である。
そして、高確率&時短(高確率&時短なし、または高確率&時短あり)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA556)。なお、高確率&時短の終了に関する信号は、特別図柄1高確率状態信号をオフにする信号と、特別図柄2高確率状態信号をオフにする信号と、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、普通図柄1高確率状態信号をオフにする信号を含む。また、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号および普通電動役物1開放延長状態信号は常時オフされている。
そして、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(ステップA557)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA559)、変動開始する図柄(特図1または特図2)に対応する高確率最終変動フラグをセットし(ステップA560)、高確率変動回数更新処理を終了する。
なお、高確率最終変動フラグは、高確率最終変動である特図変動表示ゲームの種別(特図1か特図2か)を判定できる情報を含む。また、高確率最終変動では変動開始時点で内部確率が低確率となってしまうので、今は低確率中であっても高確率中に開始した変動であることを示すための情報が、この高確率最終変動フラグである。このように本実施形態の場合、高確率最終変動では、対象の特図の確率状態(遊技制御装置100における設定状態)を変動開始時点で低確率に戻す構成である。これにより、高確率状態での最終回となる特図変動中に遊技球が始動口に入賞したときに、この始動入賞に対する当り判定が高確率で判定されてしまうという不具合が防止できる。
〔特図1変動中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(ステップA9)の詳細について図33、図34を用いて説明する。図33は、第1の実施形態の特図1変動中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図34は、第1の実施形態の特図1変動中処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図1変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を「+1」更新し(ステップA571)、飾り特図1コマンド領域からコマンド(特図1についての停止図柄の情報を含む飾り特図1コマンド)をロードし、準備し(ステップA572)、演出コマンド設定処理(ステップA573)をおこなう。
次に、飾り特図1停止コマンド(特図1についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA574)、演出コマンド設定処理(ステップA575)をおこない、高確率最終変動フラグの状態により高確率の最終変動か否かを判定する(ステップA576)。そして、高確率最終変動でない場合(ステップA576;N)は、特図1停止図柄設定処理で停止図柄パターン領域にセーブされている停止図柄パターンに対応する表示時間を今回の特図1変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA577)、高確率最終変動である場合(ステップA576;Y)には、高確率最終変動時の表示時間を今回の特図1変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA578)、ステップA579へ移行する。ここで、ステップA577、A578で設定された停止表示時間は、たとえばステップA579の直前に設けられた図示省略したステップにおいて特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブされる。
なお、特図1の表示時間の一例を挙げると、第1の実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600msを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000msを設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として136msを設定する。また、高確率最終変動の表示時間は7000msを設定する。
次に、ステップA579(図34)へ移行すると、大当りフラグ1設定処理で判定されて設定された情報にもとづいて今回の(現在実行中の)特図1変動表示ゲームがはずれか否か判定し(ステップA579)、はずれの場合(ステップA579;Y)はステップA594へ移行し、はずれでない場合(ステップA579;N)は、現在特図2も変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA580)。
なお、特図2が変動中か否かの判定は、特図2ゲーム処理番号領域の情報、特図ステータス領域の情報、あるいは特図2変動制御フラグ領域の情報のうちのいずれかによっておこなうことができる。すなわち、特図2ゲーム処理番号領域に「1」がセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図ステータス領域に特図2変動中がセットされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグがセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、これら条件の組み合わせで判定する構成でもよい。
そして、特図2も変動中である場合(ステップA580;Y)は、特図2表示中処理を実行中であるか否か判定し(ステップA581)、特図2表示中処理を実行中でない場合(ステップA581;N)には、図柄確定回数出力回数を「+1」更新する(ステップA582)。
次に、ステップA582を終了した場合と、特図2表示中処理を実行中である場合(ステップA581;Y)は、今回の特図1の表示時間(ステップA577等で設定された時間)にたとえば4msを加算した結果を特図2の表示時間として設定し(ステップA583)、当該特図2の表示時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA584)。このステップA583、A584の処理により、特図2がすでに停止表示を開始していた場合には、特図2の表示時間が再設定されることになる。この再設定により、特図2の表示時間は基本的に延長されるが、場合によっては短縮される場合もある。
その後、飾り特図2コマンド領域からコマンド(特図2についての停止図柄の情報を含む飾り特図2コマンド)をロードし、準備し(ステップA585)、演出コマンド設定処理(ステップA586)をおこなう。次に、飾り特図2停止コマンド(特図2についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA587)、演出コマンド設定処理(ステップA588)をおこない、特図2表示中処理移行設定処理2(ステップA589)をおこなう。
なお、以上説明したステップA579乃至A589の処理によれば、これから飾り図柄を停止表示する今回の特図1変動表示ゲームが当り(大当りまたは小当り)である場合には、同時に変動中の特図2の変動表示を強制的に終了させることになる。
次に、ステップA589を終了した場合と、特図2が変動中でない場合(ステップA580;N)は、飾り特図1コマンド領域からコマンドをロードし、当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップA590)、今回の特図1変動表示ゲームが小当りか否か判定する(ステップA591)。
そして、大当りであって小当りでない場合(ステップA591;N)は、特図1変動終了後の大当り遊技を制御するために、特図1ラウンド数上限値情報領域から情報(特図1ラウンド数上限値を決める特図1ラウンド数上限値情報)をロードし、ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA592)、特図1大入賞口開放情報領域から情報をロードし、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップA593)。
次に、今回の特図1変動表示ゲームがはずれの場合(ステップA579;Y)と、今回の特図1変動表示ゲームが小当りである場合(ステップA591;Y)と、ステップA593を終了した場合は、ステップA594へ移行する。ステップA594へ移行すると、特図1停止図柄退避領域から情報(停止図柄番号)をロードし、特図1停止図柄領域にセーブし(ステップA594)、特図1表示中処理移行設定処理1(ステップA595)をおこなって、特図1変動中処理を終了する。なお、特図1停止図柄退避領域には、特図1停止図柄設定処理において所定の停止図柄番号がセーブされている。
このように、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。また遊技制御装置100が、第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームが特別結果(当り)となる場合には、同時に実行中の第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームを終了させる手段をなす。
〔特図2変動中処理〕
次に、上述の特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(ステップA49)の詳細について図35、図36を用いて説明する。図35は、第1の実施形態の特図2変動中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図36は、第1の実施形態の特図2変動中処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図2変動中処理では、まず、図柄確定回数出力回数を「+1」更新し(ステップA601)、飾り特図2コマンド領域からコマンド(特図2についての停止図柄の情報を含む飾り特図2コマンド)をロードし、準備し(ステップA602)、演出コマンド設定処理(ステップA603)をおこなう。
次に、飾り特図2停止コマンド(特図2についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA604)、演出コマンド設定処理(ステップA605)をおこない、高確率最終変動フラグの状態により高確率の最終変動か否かを判定する(ステップA606)。そして、高確率最終変動でない場合(ステップA606;N)は、特図2停止図柄設定処理で停止図柄パターン領域にセーブされている停止図柄パターンに対応する表示時間を今回の特図2変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA607)、高確率最終変動である場合(ステップA606;Y)には、高確率最終変動時の表示時間を今回の特図2変動表示ゲームの停止表示時間として設定し(ステップA608)、ステップA609へ移行する。ここで、ステップA607、A608で設定された停止表示時間は、たとえばステップA609の直前に設けられた図示省略したステップにおいて特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブされる。
なお、特図2の表示時間の一例を挙げると、第1の実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600msを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合にも表示時間として600msを設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合にも表示時間として600msを設定する。また、高確率最終変動の表示時間は7000msを設定する。なお、第1の実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターン、大当り図柄パターン、および小当り図柄パターンで同じ表示時間を設定するが、それぞれ異なる表示時間を設定する態様であってもよい。
次に、ステップA609(図36)へ移行すると、大当りフラグ2設定処理で判定されて設定された情報にもとづいて今回の(現在実行中の)特図2変動表示ゲームがはずれか否か判定し(ステップA609)、はずれの場合(ステップA609;Y)はステップA624へ移行し、はずれでない場合(ステップA609;N)は、現在特図1も変動中(特図2変動表示ゲーム実行中)であるか否か判定する(ステップA610)。
なお、特図1が変動中か否かの判定は、特図1ゲーム処理番号領域の情報、特図ステータス領域の情報、あるいは特図1変動制御フラグ領域の情報のうちのいずれかによっておこなうことができる。すなわち、特図1ゲーム処理番号領域に「1」がセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図ステータス領域に特図1変動中がセットされていれば変動中と判定する構成でもよいし、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグがセーブされていれば変動中と判定する構成でもよいし、これら条件の組み合わせで判定する構成でもよい。
そして、特図1も変動中である場合(ステップA610;Y)は、特図1表示中処理を実行中であるか否か判定し(ステップA611)、特図1表示中処理を実行中でない場合(ステップA611;N)には、図柄確定回数出力回数を「+1」更新する(ステップA612)。
次に、ステップA612を終了した場合と、特図1表示中処理を実行中である場合(ステップA611;Y)は、今回の特図2の表示時間(ステップA607等で設定された時間)にたとえば4msを加算した結果を特図1の表示時間として設定し(ステップA613)、当該特図1の表示時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA614)。このステップA613、A614の処理により、特図1がすでに停止表示を開始していた場合には、特図1の表示時間が再設定されることになる。この再設定により、特図1の表示時間は基本的に延長されるが、場合によっては短縮される場合もある。
その後、飾り特図1コマンド領域からコマンド(特図1についての停止図柄の情報を含む飾り特図1コマンド)をロードし、準備し(ステップA615)、演出コマンド設定処理(ステップA616)をおこなう。次に、飾り特図1停止コマンド(特図1についての図柄停止コマンド)を準備し(ステップA617)、演出コマンド設定処理(ステップA618)をおこない、特図1表示中処理移行設定処理2(ステップA619)をおこなう。
なお、以上説明したステップA609乃至A619の処理によれば、これから飾り図柄を停止表示する今回の特図2変動表示ゲームが当り(大当りまたは小当り)である場合には、同時に変動中の特図1の変動表示を強制的に終了させることになる。
次に、ステップA619を終了した場合と、特図1が変動中でない場合(ステップA610;N)は、飾り特図2コマンド領域からコマンドをロードし、当り図柄コマンド領域にセーブし(ステップA620)、今回の特図2変動表示ゲームが小当りか否か判定する(ステップA621)。
そして、大当りであって小当りでない場合(ステップA621;N)は、特図2変動終了後の大当り遊技を制御するために、特図2ラウンド数上限値情報領域から情報(特図2ラウンド数上限値を決める特図2ラウンド数上限値情報)をロードし、ラウンド数上限値情報領域にセーブし(ステップA622)、特図2大入賞口開放情報領域から情報をロードし、大入賞口開放情報領域にセーブする(ステップA623)。
次に、今回の特図2変動表示ゲームがはずれの場合(ステップA609;Y)と、今回の特図2変動表示ゲームが小当りである場合(ステップA621;Y)と、ステップA623を終了した場合は、ステップA624へ移行する。ステップA624へ移行すると、特図2停止図柄退避領域から情報(停止図柄番号)をロードし、特図2停止図柄領域にセーブし(ステップA624)、特図2表示中処理移行設定処理1(ステップA625)をおこなって、特図2変動中処理を終了する。なお、特図2停止図柄退避領域には、特図2停止図柄設定処理において所定の停止図柄番号がセーブされている。
このように、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。また遊技制御装置100が、第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームが特別結果(当り)となる場合には、同時に実行中の第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームを終了させる手段をなす。
〔特図1表示中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図1変動中処理における特図1表示中処理移行設定処理1(ステップA595)の詳細について図37を用いて説明する。図37は、第1の実施形態の特図1表示中処理移行設定処理1のフローチャートを示す図である。
特図1表示中処理移行設定処理1では、まず、特図1表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA631)、特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA632)。
次に、特図1変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA633)。なお、特図1変動終了に関する信号は、特別図柄1変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図1図柄表示部53における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1図柄表示部53での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA634)、特図1表示中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図2変動中処理における特図2表示中処理移行設定処理1(ステップA625)の詳細について図38を用いて説明する。図38は、第1の実施形態の特図2表示中処理移行設定処理1のフローチャートを示す図である。
特図2表示中処理移行設定処理1では、まず、特図2表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA641)、特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA642)。
次に、特図2変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA643)。なお、特図2変動終了に関する信号は、特別図柄2変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図2図柄表示部54における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2図柄表示部54での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA644)、特図2表示中処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1表示中処理移行設定処理2〕
次に、上述の特図2変動中処理における特図1表示中処理移行設定処理2(ステップA619)の詳細について図39を用いて説明する。図39は、第1の実施形態の特図1表示中処理移行設定処理2のフローチャートを示す図である。なお、この特図1表示中処理移行設定処理2は、変動を開始した特図2変動表示ゲームが当りである場合に、同時に変動していた特図1変動表示ゲームを強制的にはずれで終了させるための処理である。すなわち、他方の図柄が当たったことで、強制的に停止させられるときの情報設定のための処理である。
特図1表示中処理移行設定処理2では、まず、特図1表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA651)、特図1ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA652)。
次に、特図1変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA653)。なお、特図1変動終了に関する信号は、特別図柄1変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図1図柄表示部53における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1図柄表示部53での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA654)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域(RWMにおける停止図柄パターンを記憶する領域)にセーブする(ステップA655)。なお、この停止図柄パターン領域には、実行中の特図1変動表示ゲームについて、通常すでに、特図1停止図柄設定処理において所定の停止図柄パターン(抽出された乱数によっては当りの停止図柄パターンである場合もある)がセーブされているが、ここでは、セーブされている停止図柄パターンが当りであった場合でも、強制的にはずれ停止図柄パターンに書きかえる。本ルーチンの以降のステップA656〜661でも、同様に、一旦正規のステップで設定されたデータがある場合でも、はずれでの強制終了のために、クリアしたり、設定し直したりしている。
次に、特図1ラウンド数上限値情報領域(RWMにおける特図1ラウンド数上限値情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA656)、特図1大入賞口開放情報領域(RWMにおける特図1大入賞口開放情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA657)、小当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブし(ステップA658)。大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA659)。ここで、小当りフラグ1領域や大当りフラグ1領域は、特図1についての小当りフラグ領域や大当りフラグ領域であって、特図1変動表示ゲームが小当りか否かの情報あるいは大当りか否かの情報をそれぞれ記憶するRWMの領域であり、正規には大当りフラグ1設定処理において情報が設定されており、その情報がここで設定し直しされる。
次に、特図1停止図柄退避領域をクリアし(ステップA660)、特図1停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブし(ステップA661)、特図1表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図2表示中処理移行設定処理2〕
次に、上述の特図1変動中処理における特図2表示中処理移行設定処理2(ステップA589)の詳細について図40を用いて説明する。図40は、第1の実施形態の特図2表示中処理移行設定処理2のフローチャートを示す図である。なお、この特図2表示中処理移行設定処理2は、変動を開始した特図1変動表示ゲームが当りである場合に、同時に変動していた特図2変動表示ゲームを強制的にはずれで終了させるための処理である。すなわち、他方の図柄が当たったことで、強制的に停止させられるときの情報設定のための処理である。
特図2表示中処理移行設定処理2では、まず、特図2表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA671)、特図2ゲーム処理番号領域に当該処理番号すなわち「2」をセーブする(ステップA672)。
次に、特図2変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA673)。なお、特図2変動終了に関する信号は、特別図柄2変動中信号をオフにする信号である。
その後、特図2図柄表示部54における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2図柄表示部54での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA674)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域(RWMにおける停止図柄パターンを記憶する領域)にセーブする(ステップA675)。なお、この停止図柄パターン領域には、実行中の特図2変動表示ゲームについて、通常すでに、特図2停止図柄設定処理において所定の停止図柄パターン(抽出された乱数によっては当りの停止図柄パターンである場合もある)がセーブされているが、ここでは、セーブされている停止図柄パターンが当りであった場合でも、強制的にはずれ停止図柄パターンに書きかえる。本ルーチンの以降のステップA676〜681でも、同様に、一旦正規のステップで設定されたデータがある場合でも、はずれでの強制終了のために、クリアしたり、設定し直したりしている。
次に、特図2ラウンド数上限値情報領域(RWMにおける特図2ラウンド数上限値情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA676)、特図2大入賞口開放情報領域(RWMにおける特図2大入賞口開放情報を記憶する領域)をクリアし(ステップA677)、小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブし(ステップA678)。大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA679)。ここで、小当りフラグ2領域や大当りフラグ2領域は、特図2についての小当りフラグ領域や大当りフラグ領域であって、特図2変動表示ゲームが小当りか否かの情報あるいは大当りか否かの情報をそれぞれ記憶するRWMの領域であり、正規には大当りフラグ2設定処理において情報が設定されており、その情報がここで設定し直しされる。
次に、特図2停止図柄退避領域をクリアし(ステップA680)、特図2停止図柄領域にはずれ停止図柄番号をセーブし(ステップA681)、特図2表示中処理移行設定処理2を終了する。
〔特図1表示中処理〕
次に、上述の特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(ステップA10)の詳細について図41、42、43を用いて説明する。図41は、第1の実施形態の特図1表示中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図42は、第1の実施形態の特図1表示中処理のフローチャートを示す図(その2)である。図43は、第1の実施形態の特図1表示中処理のフローチャートを示す図(その3)である。
特図1表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグ1をロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ1領域の情報をクリアする(ステップA702)。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域の情報をクリアする(ステップA704)。そして、ロードされた大当りフラグ1が大当りであるか否かを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA706)、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップA707)、演出コマンド設定処理(ステップA708)をおこない、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。なお、特図1大当りの開始に関する信号は、条件装置作動中信号をオンにする信号と、役物連続作動装置作動中信号をオンにする信号と、特別図柄1当り信号をオンにする信号を含む。
次に、ラウンド数上限値テーブルを設定した(ステップA709)後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(第1の実施形態の場合、たとえば「16」または「4」、その他、たとえば「8」や「2」があってもよい)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの当り図柄コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)をおこなう。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)をおこなう。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA716)。第1の実施形態の場合、ステップA716において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのオン/オフは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。たとえば、大当り2信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオン、低確率中の2R突確大当りであればオフとなる。また、大当り3信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオフ、低確率中の2R突確大当りであればオンとなる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(たとえば5000ms、4700ms、7700ms、または300ms)を設定して(ステップA717)、設定した大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA718)。
大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA720)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA721)、ステップA724へ移行する。
ステップA724へ移行すると、処理番号として3を設定し(ステップA724)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号すなわち「3」をセーブし(ステップA725)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA726)をおこない、特図1表示中処理を終了する。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA705;N)は、ロードした小当りフラグ1が小当りであるか否かを判定し(ステップA727)、小当りフラグ1が小当りであると判定した場合(ステップA727;Y)、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA728)。
そして、ステップA728にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA731)、右打ち指示報知フラグをクリアする(ステップA732)。なお、ステップA732は、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定し、高確率最終変動と判定されて高確率状態が終了した状態であるので右打ち指示報知フラグをクリアする構成を例示している。しかし、本実施形態が高確率状態において右打ち指示報知をしない態様である場合には、ステップA732は削除した構成(あるいは、高確率状態で左打ち指示報知をしてステップA732では左打ち指示報知フラグをクリアする構成)とする態様もあり得る。
次に、ステップA732を終了した場合と、高確率最終変動中でない場合(ステップA728;N)には、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードし、準備し(ステップA733)、演出コマンド設定処理(ステップA734)をおこなう。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応する小当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA735)、演出コマンド設定処理(ステップA736)をおこない、遊技状態が左打ちすべき所定状態(たとえば、普電サポート状態でも大当り中でも特別モード中でもない状態)であるか否かを判定する(ステップA737)。
ステップA737にて、左打ちすべき所定状態であると判定した場合(ステップA737;Y)には、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA738)。なお、左打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオフにする信号である。次に、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA739)、ステップA743に移行する。
一方、左打ちすべき所定状態であると判定しなかった場合(ステップA737;N)には、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA740)。なお、右打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオンにする信号である。次に、右打ち中の表示LEDを点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA741)、ステップA743に移行する。
ステップA743に移行すると、大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA743)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA744)、ステップA747へ移行する。
ステップA747へ移行すると、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA747)をおこない、特図1表示中処理を終了する。なお、特図1小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号として「7」をセーブする処理、特図1ゲーム処理タイマ領域に小当りファンファーレ時間(たとえば4m秒)をセーブする処理などをおこなう。
一方、ステップA727にて、小当りフラグ1が小当りでないと判定した場合(ステップA727;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA748)。
そして、ステップA748にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA748;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA749)、演出コマンド設定処理(ステップA750)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA751)、右打ち指示報知フラグをクリアし(ステップA752)、特図2変動表示ゲームが当り中(大当り中または小当り中)であるか否か判定する(ステップA753)。なお、ステップA752は、前述のステップA732と同様に、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定した一例にすぎない。
次に、特図2変動表示ゲームが当り中でないと判定した場合(ステップA753;N)には、左打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA754)、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップA755)。なお、本実施形態は、特図2変動表示ゲームが当り中(大当り中または小当り中)である場合は、その際に開放される大入賞口(特別変動入賞装置38)をねらって右打ちをすべき状態となるため、特図2が当り中である場合(ステップA753;Y)には、ステップA754、A755をパスしてステップA756へ移行する。また、ステップA755が終了した場合も、ステップA756へ移行する。
そして、ステップA756へ移行すると、RWMにおける特図ステータス領域の特図1変動中(特図1変動表示ゲームを実行中)を示す情報をクリア(情報減算)し(ステップA756)、特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理に係る処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA757)、特図1表示中処理を終了する。なお、ステップA756を実行した場合、特図ステータスは、特図2のみ変動中の状態か、特図1も特図2も変動中でない状態のうちのいずれかの状態になる。
〔特図2表示中処理〕
次に、上述の特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(ステップA50)の詳細について図44、45、46を用いて説明する。図44は、第1の実施形態の特図2表示中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図45は、第1の実施形態の特図2表示中処理のフローチャートを示す図(その2)である。図46は、第1の実施形態の特図2表示中処理のフローチャートを示す図(その3)である。
特図2表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された小当りフラグ2をロードして(ステップA761)、RWMの小当りフラグ2領域の情報をクリアする(ステップA762)。
次いで、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA763)、RWMの大当りフラグ2領域の情報をクリアする(ステップA764)。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りであるか否かを判定して(ステップA765)、大当りである(ステップA765;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA766)、特図2異常変動解除コマンドを準備し(ステップA767)、演出コマンド設定処理(ステップA768)をおこない、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA769)。なお、特図2大当りの開始に関する信号は、条件装置作動中信号をオンにする信号と、役物連続作動装置作動中信号をオンにする信号と、特別図柄2当り信号をオンにする信号を含む。
次に、ラウンド数上限値テーブルを設定した(ステップA769)後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(第1の実施形態の場合、たとえば「16」または「4」、その他、たとえば「8」や「2」があってもよい)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA770)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA771)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの当り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA772)、演出コマンド設定処理(ステップA773)をおこなう。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA774)、演出コマンド設定処理(ステップA775)をおこなう。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA776)。第1の実施形態の場合、ステップA776において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのオン/オフは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。たとえば、大当り2信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオン、低確率中の2R突確大当りであればオフとなる。また、大当り3信号は、2R突確以外の大当りであればオン、高確率中の2R突確大当りであればオフ、低確率中の2R突確大当りであればオンとなる。
その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間(たとえば5000ms、4700ms、7700ms、または300ms)を設定して(ステップA777)、設定した大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA778)。
大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA780)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA781)、ステップA784へ移行する。
ステップA784へ移行すると、処理番号として3を設定し(ステップA784)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号すなわち「3」をセーブし(ステップA785)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA786)をおこない、特図2表示中処理を終了する。
一方、ステップA765にて、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA765;N)は、ロードした小当りフラグ2が小当りであるか否かを判定し(ステップA787)、小当りフラグ2が小当りであると判定した場合(ステップA787;Y)、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA788)。
そして、ステップA788にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA788;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA789)、演出コマンド設定処理(ステップA790)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA791)、右打ち指示報知フラグをクリアする(ステップA792)。なお、ステップA792は、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定し、高確率最終変動と判定されて高確率状態が終了した状態であるので右打ち指示報知フラグをクリアする構成を例示している。しかし、本実施形態が高確率状態において右打ち指示報知をしない態様である場合には、ステップA792は削除した構成(あるいは、高確率状態で左打ち指示報知をしてステップA792では左打ち指示報知フラグをクリアする構成)とする態様もあり得る。
次に、ステップA792を終了した場合と、高確率最終変動中でない場合(ステップA788;N)には、当り図柄コマンド領域からコマンドをロードし、準備し(ステップA793)、演出コマンド設定処理(ステップA794)をおこなう。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応する小当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA795)、演出コマンド設定処理(ステップA796)をおこない、遊技状態が左打ちすべき所定状態(たとえば、普電サポート状態でも大当り中でも特別モード中でもない状態)であるか否かを判定する(ステップA797)。
ステップA797にて、左打ちすべき所定状態であると判定した場合(ステップA797;Y)には、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA798)。なお、左打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオフにする信号である。次に、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA799)、ステップA803に移行する。
ステップA803に移行すると、大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA803)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(ステップA804)、ステップA807へ移行する。
ステップA807へ移行すると、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理(ステップA807)をおこない、特図2表示中処理を終了する。なお、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号として「7」をセーブする処理、特図2ゲーム処理タイマ領域に小当りファンファーレ時間(たとえば4m秒)をセーブする処理などをおこなう。
一方、ステップA787にて、小当りフラグ2が小当りでないと判定した場合(ステップA787;N)には、高確率最終変動中であるか否か判定する(ステップA808)。
そして、ステップA808にて、高確率最終変動中であると判定した場合(ステップA808;Y)には、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA809)、演出コマンド設定処理(ステップA810)をおこなう。続いて、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA811)、右打ち指示報知フラグをクリアし(ステップA812)、特図1変動表示ゲームが大当り中か否か判定する(ステップA813)。なお、ステップA812は、前述のステップA792と同様に、高確率状態において右打ち指示報知がなされる態様を想定した一例にすぎない。
次に、特図1変動表示ゲームが大当り中でないと判定した場合(ステップA813;N)には、左打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA814)、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(ステップA815)。なお、本実施形態は、特図1変動表示ゲームが大当り中である場合は、その際に開放される大入賞口(特別変動入賞装置38)をねらって右打ちをすべき状態となるため、特図1が大当り中である場合(ステップA813;Y)には、ステップA814、A815をパスしてステップA816へ移行する。また本実施形態は、特図1が大当り中でない場合(ステップA813;N)(特図1が小当り中である場合も含む)には、ステップA814、A815を実行後にステップA816へ移行する。ただし、このような右打ち左打ちに関する処理内容は、遊技機の盤面構成やゲーム性によって変わるものであり、一例にすぎない。またここで、ステップA815が終了した場合も、ステップA816へ移行する。
そして、ステップA816へ移行すると、RWMにおける特図ステータス領域の特図2変動中(特図2変動表示ゲームを実行中)を示す情報をクリア(情報減算)し(ステップA816)、特図2ゲーム処理番号領域に特図2普段処理に係る処理番号すなわち「0」をセーブし(ステップA817)、特図2表示中処理を終了する。なお、ステップA816を実行した場合、特図ステータスは、特図1のみ変動中の状態か、特図1も特図2も変動中でない状態のうちのいずれかの状態になる。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS78)の詳細について図47と図48を用いて説明する。図47は、第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その1)である。図48は、第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その2)である。
外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS72)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS67)、磁石不正監視処理(ステップS76)および盤電波不正監視処理(ステップS77)での監視結果にもとづいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等をおこなう。
外部情報編集処理では、まず、エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理をおこなう。エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理では、ガラス枠開放エラーの発生中(ステップC71;Y)、本体枠開放エラーの発生中(ステップC72;Y)である場合に、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC73)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC74)。すなわち、ガラス枠開放エラーと本体枠開放エラーの発生が、外部情報および試験信号として出力される。
一方、ガラス枠開放エラーと本体枠開放エラーのいずれのエラーも発生していない場合(ステップC71からC72;N)は、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC75)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップC76)。
次に、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化がおこなわれた時から所定時間(たとえば256ms)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップC77)。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップC78)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップC78;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブ(ステップC79)する。一方、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」の場合(ステップC78;Y)、すなわちタイムアップしている場合は、ステップC79の処理がパスされる。すなわち、前述したメイン処理においてRAMに記憶されたデータの初期化がおこなわれてセキュリティ信号制御タイマに初期値(たとえば256ms)がセーブされたときから、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップするまでの間、セキュリティ信号のオンデータが外部情報として出力される。
次に、磁石不正発生中(ステップC80;Y)、盤電波不正発生中(ステップC81;Y)、枠電波不正発生中(ステップC82;Y)、大入賞口不正発生中(ステップC83;Y)、または特図2異常変動発生中(ステップC84;Y)である場合にセキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC85)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC86)。なお、普電不正発生中の場合も、同様に、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC85)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC86)構成としてもよい。
一方、磁石不正、盤電波不正、枠電波不正、普電不正、大入賞口不正、または特図2異常変動のいずれも発生していない場合(ステップC80からC84;N)は、スイッチ異常1またはスイッチ異常2のスイッチ異常発生中であるか否か判定し(ステップC87)、いずれのスイッチ異常も発生中でない場合(ステップC87;N)には、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC88)。
そして、いずれかのスイッチ異常が発生中である場合(ステップC87;Y)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC86)。ここで、特図2異常変動やスイッチ異常などは、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理で監視される異常である。
次に、ステップC86またはC88を終了した後、外部情報編集処理では、始動口1(特図1の始動入賞口である始動入賞口36、普通変動入賞装置37)の入賞信号(始動口1信号)を編集する始動口1信号編集処理(ステップC89)をおこない、始動口2(特図2の始動入賞口である始動入賞口92)の入賞信号(始動口2信号)を編集する始動口2信号編集処理(ステップC90)をおこなう。続いて、払出予定の賞球数に関するメイン賞球信号を編集するメイン賞球信号編集処理(ステップC91)をおこない、図柄確定回数出力回数(図柄確定回数信号出力回数)にもとづいて図柄確定回数信号を編集する図柄確定回数信号編集処理(ステップC92)をおこない、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図49を用いて説明する。図49は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理については、後で図50を用いて説明する。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、受信コマンドチェック処理について図50を用いて説明する。図50は、第1の実施形態の演出制御装置における受信コマンドチェック処理のフローチャートを示す図である。受信コマンドチェック処理は、メイン処理のステップD22で制御部によって実行される処理である。
なお、受信コマンド(演出コマンド)は、MODEのデータ(1バイト)とACTIONのデータ(1バイト)とを含む構成となっており、遊技制御装置(主基板)100から演出制御装置300に演出コマンドが順次送信される。以下では、コマンドを構成するこのようなデータを、コマンドのデータあるいはコマンドデータという。
また、主基板からのコマンド受信の処理は、図示省略した「コマンド受信割込み処理」によっておこなわれる。即ち、本例のシリアル通信では、ハード的に(CPU自身の機能により)自動で送受信がおこなわれ、コマンドを受信完了すると割込み(コマンド受信割込み)が発生して知らせてくれるので、あとはシリアル受信バッファから取り出すだけでよいが、上記「コマンド受信割込み処理」では、コマンド受信割込みがあるごとに、シリアル受信バッファからコマンドをロードし、ロードしたコマンドデータに異常がないかチェックした上で、当該コマンドデータ(MODEとACTIONのデータ)をコマンドバッファに格納し、格納した分だけコマンド受信カウンタの値を「1」だけ増やす更新をおこなう。なお、制御処理の説明において、単に「格納する」というときは、後の制御処理に使用するために所定の記憶領域に読出し可能に記憶保存することを意味する(以下同様)。また、コマンドバッファは、たとえばリングバッファである。このコマンドバッファは、たとえばCPU311のRAM311a(あるいはRAM322)内の記憶領域によって構成される。コマンドバッファの容量は、システム制御周期(前述の処理周期;たとえば1/30秒)で主基板から送信される可能性のあるコマンド数以上になっていればよい。
[ステップD41]制御部は、コマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする。なお、コマンド受信カウンタは、RWM(RAM322またはRAM311a)に設定される。コマンド受信カウンタは、ステップD43において原則として「0」クリアされるので、1フレーム(1/30秒間)の間(前述の処理周期の1周期分の時間)に受信したコマンド数を記憶する。
[ステップD42]制御部は、コマンド受信数が「0(ゼロ)」でないか否かを判定し、コマンド受信数が「0」でなければステップD43に進み、コマンド受信数が「0」であれば受信コマンドチェック処理を終了する。なお本願では、上記ステップD41のように、制御処理においてデータを「ロードする」とは、RAM(本例の演出制御装置300ではRAM322またはRAM311a)からデータを取り出すことを意味する。
[ステップD43]制御部は、コマンド受信カウンタ領域の内容(即ち、コマンド受信カウンタの値)をコマンド受信数分減算する。
なお、A:コマンド受信カウンタの値、B:コマンド受信数とすると、ステップD41の実行直後で「A=B」である。そして、ステップD43の実行直後では「A=A−B=0」となるのが通常の動きだが、本例の態様では、演出制御装置300は遊技制御装置(主基板)100からのコマンド受信割込みを割込み禁止にせず最優先にしているので、ステップD41の処理からステップD43の処理までの間にAの値が増えている可能性がある。よって、ステップD43の処理を「A←0」(即ち、コマンド受信カウンタの値をゼロとする処理)としてしまうとコマンドのカウントがずれてしまうので、ステップD43では「A−B」という減算処理をおこなっている。但し、本実施例のように主基板からのコマンドの送受信にシリアル通信を使用した場合は、割込み禁止にしてステップD41の処理からステップD153までの処理の間にAの値が増えることがないようして、ステップD43の処理内容を「A←0」としてもよい。
[ステップD44]制御部は、受信コマンドバッファ(コマンドバッファに相当、以下単にコマンドバッファという場合もある)の内容(即ち、コマンドバッファの読出用ポインタに対応するアドレスに記憶されているコマンドデータ)をコマンド領域(場合により、コマンド格納領域という)にコピーする。コマンド領域は、たとえばRAM322またはRAM311a内の記憶領域にあって、いわゆるFIFO形式(先入れ先出し形式)のバッファである。
[ステップD45]制御部は、コマンドバッファのデータを読み出したので、コマンドバッファの読出用ポインタであるコマンド読出インデックスの値を、たとえば「0」乃至「31」の範囲で「1」だけ増やす更新をおこなう。なお、ここでの「0」乃至「31」の範囲は、コマンドバッファの容量(たとえば、「32」)に対応している。
[ステップD46]制御部は、コマンド受信数分のコマンドをコピー完了したか否か(即ち、コマンド受信数分だけステップD44およびステップD45を繰り返し実行したか否か)を判定する。制御部は、コマンド受信数分のコマンドをコピー完了した場合にステップD47に進み、コピー完了していない場合にステップD44に進む。
[ステップD47]制御部は、コマンド領域の内容(コマンド領域の未だ読み出されていないデータのうちで一番先に格納されたデータ、即ち、次に読み出すべきデータ)をロード(即ち、読み出し)する。
[ステップD48]制御部は、受信コマンド解析処理を実行する。受信コマンド解析処理は、ロードしたコマンド(以下、今回のコマンドという)のデータを解析する処理である。受信コマンド解析処理については、図46を用いて後で説明する。
[ステップD49]制御部は、コマンド領域のアドレス(次に読み出すべきデータのアドレス)を更新する。
[ステップD50]制御部は、コマンド受信数分のコマンドを解析完了したか否か(即ち、コマンド受信数分だけステップD47乃至ステップD49を繰り返し実行したか否か)を判定する。制御部は、コマンド受信数分のコマンドを解析完了していない場合にステップD47に進み、解析完了した場合に受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、受信コマンド解析処理について図51を用いて説明する。図51は、第1の実施形態の演出制御装置における受信コマンド解析処理のフローチャートを示す図である。受信コマンド解析処理は、受信コマンドチェック処理のステップD48で制御部によって実行される処理である。
[ステップD51]制御部は、受信コマンドチェック処理のステップD47においてロードした今回のコマンドのデータのうちの上位バイトをMODEに、下位バイトをACTにそれぞれ分離して記憶する。なお、特図の変動パターンを指令する変動系のコマンドの場合、MODEとして記憶される上位バイトのデータは前半変動パターンを指令し、ACTとして記憶される下位バイトのデータは後半変動パターンを指令するものである。
[ステップD52]制御部は、ステップD51で分離されたMODEの値が正常範囲にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が正常範囲にある場合にステップD53に進み、MODEの値が正常範囲にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。なお、MODEの値は定義されずに使用されていない値もあり、このような使用されていない値である場合には、ステップD52の判定で正常範囲でないと判定される。
[ステップD53]制御部は、ステップD51で分離されたACTの値が正常範囲にあるか否かを判定する。制御部は、ACTの値が正常範囲にある場合にステップD54に進み、ACTの値が正常範囲にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。
また、上記ステップD53における、ステップD51で分離されたACTの値が正常範囲か否かの判定は、たとえば次のようにおこなう。即ち、MODEごとに有効なACTの値は異なり、このACTの有効値の上限〜下限は所定のACTIONチェックテーブル(図示省略)に定義されており、ステップD53ではこの上限〜下限の範囲内に分離されたACTの値が収まっているかをチェックし、収まっていれば正常範囲と判定する(この時点では後述する歯抜けチェックが出来ていない)。
[ステップD54]制御部は、分離されたMODEの値に対する分離されたACTの値が正しい組み合わせであるか否かを判定する。制御部は、ACTの値が正しい組み合わせである場合にステップD55に進み、正しい組み合わせでない場合に受信コマンド解析処理を終了する。ACTの値が正しい組み合わせであるか否かの判定は、たとえば一致チェックテーブルを使っておこなうことができる。一致チェックテーブルは、MODEの値に対して有効なすべてのACTの値(ACTIONの値)が先頭アドレスから順に登録されたものであり、MODEの値ごとに設けられている。そして、MODEの値に対応するこの一致チェックテーブルの中に、分離されたACTの値が有れば正しい組み合わせであると判定でき、一致チェックテーブルの中に分離されたACTの値が無ければ正しい組み合わせでないと判定できる。
なお、ACTの値が正しい組み合わせであるか否かの判定は、MODEに対して正常なACTの組み合わせになっているか否かの歯抜けチェックを含めて実行している。1つのMODEに対し、有効なACTは複数あるがそれらの値が連続しているとは限らない(即ち、不連続に存在していない値、歯抜けになっている値がある)ので、コマンドが有効値であるかを比較確認している。そして、一致チェックテーブル中には有効値のみ定義されているので、それらの何れかと一致するかを1つ1つ比較確認している。
[ステップD55]制御部は、MODEのデータが変動系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が変動系コマンド範囲内にある場合に変動系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD56)、MODEのデータが変動系コマンド範囲内にない場合にステップD57に進む。
ここで、MODEのデータとは、ステップD51で分離されて記憶されたMODEのデータである(後述のステップD57等でも同様)。また、変動系コマンド(変動コマンドあるいは変動パターンコマンドという場合もある)は、特図の変動パターンを指令するコマンドであり、この変動コマンドのデータがとり得る範囲が変動系コマンド範囲である。
[ステップD57]制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にある場合に大当り系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD58)、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にない場合にステップD59に進む。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示等)を指令するコマンドであり、この大当り系コマンドのデータがとり得る範囲が大当り系コマンド範囲である。
[ステップD59]制御部は、MODEのデータが図柄系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が図柄系コマンド範囲内にある場合に図柄系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD60)、MODEのデータが図柄系コマンド範囲内にない場合にステップD61に進む。図柄系コマンド(図柄コマンド、あるいは飾り特図コマンドという場合もある)は、特図の図柄に関する情報(たとえば、特図の停止図柄を何にするか等)を指令するコマンドであり、この図柄コマンドのデータがとり得る範囲が図柄系コマンド範囲である。
[ステップD61]制御部は、MODEのデータが単発系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が単発系コマンド範囲内にある場合に単発系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD62)、MODEのデータが単発系コマンド範囲内にない場合にステップD63に進む。なお、図柄コマンドと変動系コマンドのように組み合わせで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドを単発系コマンドという。単発系コマンド(単発コマンドという場合もある)には、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンド等がある。この単発コマンドのデータがとり得る範囲が単発系コマンド範囲である。
[ステップD63]制御部は、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にある場合に先読み図柄系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD64)、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にない場合にステップD65に進む。
[ステップD65]制御部は、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にある場合に先読み変動系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD66)、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み図柄系コマンドおよび先読み変動系コマンドは、先読み演出のためのコマンドである。また、ステップD56、D58、D60、D62、D64、D66のいずれかの処理が終了すると、受信コマンド解析処理を終了する。
ここで、先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図の変動表示ゲームが未実行の始動入賞記憶(始動入賞記憶の保留、あるいは単に保留という)に対応する変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、始動入賞記憶の保留表示等を通常と異なる態様でおこなう等の演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド、および先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動入賞記憶の保留に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
次に、射幸性を過度に煽ることなしに設定情報を感得可能にする情報開示機能について図52から図67を用いて説明する。まず、情報開示機能の概要について図52を用いて説明する。図52は、第1の実施形態の情報開示機能の概要の一例を示す図である。
遊技制御装置100は、設定値変更スイッチ(設定値変更SW)126を備え、遊技性能の設定値を変更可能にしている。設定値は、「0」から「5」まであり、特図ゲームの当り確率を6段階で変更可能にしている。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136を備え、設定値変更スイッチ126を用いて設定された設定値を「0」から「5」の数値表示により確認可能にしている。
遊技制御装置100は、設定値変更スイッチ126と確率設定値表示装置136を遊技制御基板上に備え、遊技制御装置100は、遊技機10の前面枠12の裏面側に備えられることから、遊技中の遊技者によって観察される機会は事実上ない。また、遊技制御装置100は、演出制御装置300に各種コマンドを送信するが、設定値に関する情報を各種コマンドに含めて演出制御装置300に送信することをしない。これにより、遊技機10は、遊技制御装置100以外で設定値を確認可能な機会をなくし、設定値漏洩の抑止を図る。
演出制御装置300は、設定値に関する情報を含むコマンドを遊技制御装置100から受信することはないが、設定値にしたがった遊技進行に伴う各種コマンドを受信する。演出制御装置300は、受信した各種コマンドにもとづいて遊技履歴をFeRAM323に格納する。FeRAM323は、不揮発性の記憶部であることから、電源断によっても失うことなく所定期間の遊技履歴を蓄積できる。演出制御装置300は、蓄積した遊技履歴から遊技性能を算出する。
演出制御装置300は、プッシュボタン25を備える。なお、プッシュボタン25は、操作入力を受け付け可能な操作部であって、図4を用いて説明した選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bを含む。ここで、図4を用いて説明した選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bについてあらためて説明する。選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとは、タッチセンサの検出信号とプッシュボタンSWの検出信号との組み合わせにより検出される信号である。たとえば、選択操作に対応するタッチ操作をタッチセンサが検出し、かつオプション設定部25の押下操作をプッシュボタンSWが検出した状態が、選択ボタンスイッチ25aのON状態に相当する。また、決定操作に対応するタッチ操作をタッチセンサが検出し、かつオプション設定部25の押下操作をプッシュボタンSWが検出した状態が、決定ボタンスイッチ25bのON状態に相当する。以下、オプション設定部25をプッシュボタンあるいはPB(Push Button)と称する。演出制御装置300は、プッシュボタン25による操作入力によって、遊技者に遊技機10の遊技性能に関する性能情報の表示内容を選択させたり、性能情報の報知機会を選択させたりすることができる。
演出制御装置300は、算出した性能情報を、デフォルトの表示内容あるいは選択された表示内容で表示装置41に表示することができる。また、演出制御装置300は、算出した性能情報を、デフォルトの報知機会あるいは選択された報知機会で表示装置41に表示することができる。なお、表示装置41は、報知手段の一形態であり、演出制御装置300は、その他の演出手段(たとえば、スピーカ19a,19bや枠装飾装置18、盤装飾装置46、盤演出装置44、その他のサブ表示装置、LED等)を報知手段として用いることができる。
これにより、演出制御装置300は、遊技機10の稼働にしたがった実績値として性能情報を開示することができ、その結果として設定情報を感得可能にする。また、演出制御装置300は、設定値に関する情報を直接的に遊技者に開示しないことから射幸性を過度に煽ることがない。また、演出制御装置300は、遊技制御装置100から設定値に関する情報を受信していないことから外部に対して演出制御装置300が設定値を漏洩させることもない。このようにして、遊技機10は、射幸性を過度に煽ることなしに設定情報を感得可能にする。
次に、演出制御装置300が実行する情報開示処理について図53を用いて説明する。図53は、第1の実施形態の情報開示処理のフローチャートを示す図である。情報開示処理は、演出制御装置300が遊技制御装置100から設定値に関する情報を取得することなしに設定値に応じた遊技性能を開示する処理である。情報開示処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。情報開示処理は、メイン処理のステップD31(図49参照)で制御部によって実行される処理である。
[ステップD71]制御部は、設定処理を実行する。設定処理は、遊技者(管理者等であってもよい)操作を受け付けて開示内容を設定する処理である。設定処理については、後で図54および図55を用いて説明する。
[ステップD72]制御部は、収集処理を実行する。収集処理は、遊技履歴を収集する処理である。収集処理については、後で図56および図57を用いて説明する。
[ステップD73]制御部は、集計処理を実行する。集計処理は、収集した遊技履歴から遊技性能を算出(集計)する処理である。集計処理については、後で図58から図60を用いて説明する。
[ステップD74]制御部は、出力情報編集処理を実行する。出力情報編集処理は、算出した遊技性能の出力態様を編集する処理である。出力情報編集処理については、後で図61を用いて説明する。
[ステップD75]制御部は、ゲーム中開示処理を実行する。ゲーム中開示処理は、編集した出力態様でゲーム(特図ゲーム)中に遊技性能を開示する処理である。ゲーム中開示処理については、後で図62を用いて説明する。
[ステップD76]制御部は、非ゲーム中開示処理を実行し、非ゲーム中開示処理の実行後に情報開示処理を終了する。非ゲーム中開示処理は、編集した出力態様でゲーム(特図ゲーム)中以外に遊技性能を開示する処理である。非ゲーム中開示処理については、後で図66を用いて説明する。
次に、設定処理について図54を用いて説明する。図54は、第1の実施形態の設定処理のフローチャートを示す図である。設定処理は、遊技者操作を受け付けて開示内容を設定する処理である。設定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。設定処理は、情報開示処理のステップD71で制御部によって実行される処理である。
[ステップD81]制御部は、設定受付タイミングであるか否かを判定する。設定受付タイミングは、設定操作を受け付け可能なタイミングとしてあらかじめ設定されるタイミングであって、たとえば遊技進行に影響を及ぼさないタイミングとして客待ち状態が設定される。制御部は、設定受付タイミングである場合にステップD82に進み、設定受付タイミングでない場合に設定処理を終了する。
[ステップD82]制御部は、表示装置41に設定画面を表示させる。これにより、遊技機10は、表示内容にしたがった設定操作を遊技者に案内することができる。
[ステップD83]制御部は、設定操作にしたがい集計期間を設定する。集計期間は、履歴を収集している期間(履歴収集期間)のうちの集計対象となる期間である。制御部は、履歴収集期間のすべてを集計期間とするか、あるいは履歴収集期間の一部を集計期間とするかを選択可能にして集計期間を設定する。また、制御部は、履歴収集期間の一部を集計期間とする場合において、始期と終期、あるいは始期と終期のいずれかと期間の大きさを設定可能にする。これにより、制御部は、遊技者が所望する期間を集計期間とすることができる。
[ステップD84]制御部は、設定操作にしたがい出力情報を設定する。出力情報は、算出した性能情報のうちから出力対象とする性能情報である。制御部は、算出した性能情報のすべてを出力対象とするか、あるいは算出した性能情報の一部を出力対象とするかを選択可能にして出力情報を設定する。これにより、制御部は、遊技者が所望する性能情報を出力対象とすることができる。
[ステップD85]制御部は、設定操作にしたがいフィルタを設定する。フィルタは、算出した性能情報を遊技状態にしたがいフィルタリングする。制御部は、算出した性能情報について遊技状態のすべてを出力対象とするか、あるいは算出した性能情報について特定の遊技状態を出力対象とするかを選択可能にしてフィルタを設定する。これにより、制御部は、遊技者が所望する遊技状態における性能情報を出力対象とすることができる。
[ステップD86]制御部は、遊技者に設定内容の確認を求め、遊技者が設定内容を確認した場合にステップD87に進み、遊技者が設定内容を確認しない(たとえば、キャンセルする)場合に設定処理を終了する。
[ステップD87]制御部は、設定操作により受け付けた内容で設定を更新し、設定処理を終了する。なお、制御部は、更新した設定内容に有効期間(たとえば、3時間)を設定し、有効期間経過後にデフォルト設定に復帰するようにしてもよい。また、制御部は、更新した設定内容にデフォルト設定復帰条件(たとえば、客待ち状態への遷移)を設定し、条件成立後にデフォルト設定に復帰するようにしてもよい。
次に、設定処理中の表示装置41における表示画面について図55を用いて説明する。図55は、第1の実施形態の設定画面の一例を示す図である。
図55(1)に示す表示画面350は、ステップD82で表示する表示画面である。表示画面350は、設定画面のタイトルと設定操作の案内とを表示内容に含む。たとえば、表示画面350は、設定画面のタイトルとして「設定推測アシスト」を表示し、設定操作の案内としてプッシュボタン25を用いた操作案内を表示する。
図55(2)に示す表示画面351は、ステップD83で表示する表示画面である。表示画面351は、集計期間設定中の表示画面であり、集計期間設定中のタイトルと選択肢とを表示内容に含む。たとえば、表示画面351は、集計期間設定中のタイトルとして「集計期間設定」を表示し、集計期間設定中の選択肢として「1.全期間」、「2.変動期間 イベント」、「3.変動期間 タイマ」、および「4.変動期間 ユーザ設定」を表示する。また、表示画面351は、集計期間設定中の選択肢のうち選択中の選択肢を他の選択肢と区別可能にして表示する。たとえば、表示画面351は、選択肢「4.変動期間 ユーザ設定」に下線を付して選択中であることを示す。
なお、選択肢「1.全期間」は、蓄積している履歴情報のうちの全期間を集計対象とする選択肢である。選択肢「2.変動期間 イベント」は、蓄積している履歴情報のうちの所定のイベントトリガを始期および終期、あるいは始期または終期とする選択肢である。選択肢「3.変動期間 タイマ」は、蓄積している履歴情報のうちの所定のタイマトリガを始期および終期、あるいは始期または終期とする選択肢である。選択肢「4.変動期間 ユーザ設定」は、蓄積している履歴情報のうちの始期と終期、または始期と終期のうちの1つ(他方はデフォルト)をユーザが設定する選択肢である。
図55(3)に示す表示画面352は、集計期間設定中の選択肢として「4.変動期間 ユーザ設定」を選択したときの表示画面である。表示画面352は、選択肢「4.変動期間 ユーザ設定」におけるオプション設定中の表示画面であり、選択肢「4.変動期間 ユーザ設定」におけるオプション設定中のタイトルとオプション設定内容とを表示内容に含む。たとえば、表示画面352は、オプション設定中のタイトルとして「変動期間 ユーザ設定」を表示し、オプション設定内容として蓄積している履歴情報のうちから選択した集計範囲(図示ハッチングで示す「ここから」から「ここまで」の範囲)を表示する。
図55(4)に示す表示画面353は、ステップD84で表示する表示画面である。表示画面353は、出力情報設定中の表示画面であり、出力情報設定中のタイトルと選択肢とを表示内容に含む。たとえば、表示画面353は、出力情報設定中のタイトルとして「出力情報設定」を表示し、出力情報設定中の選択肢として「1.当り確率」、「2.対応設定値」を表示する。また、表示画面353は、出力情報設定中の選択肢のうち選択中の選択肢を他の選択肢と区別可能にして表示する。たとえば、表示画面353は、選択肢「1.当り確率」に下線を付して選択中であることを示す。なお、出力情報設定中の選択は、排他的に選択肢を選択するものであってもよいし、2以上の選択肢を同時に選択可能にするものであってもよい。
なお、選択肢「1.当り確率」は、特図ゲームにおける当り確率(特図ゲーム1、特図ゲーム2の合成確率、またはそれぞれの確率)を出力情報とする選択肢である。選択肢「2.対応設定値」は、当り確率に対応する設定値(推定値)を出力情報とする選択肢である。
図55(5)に示す表示画面354は、ステップD85で表示する表示画面である。表示画面354は、フィルタ設定中の表示画面であり、フィルタ設定中のタイトルと選択肢とを表示内容に含む。たとえば、表示画面354は、フィルタ設定中のタイトルとして「フィルタ設定」を表示し、フィルタ設定中の選択肢として「1.全モード」、「2.モードA」、「3.モードB」、「4.モードC」、「5.低確率」、「6.高確率」、「7.電サポ」、および「8.非電サポ」を表示する。また、表示画面354は、フィルタ設定中の選択肢のうち選択中の選択肢を他の選択肢と区別可能にして表示する。たとえば、表示画面354は、選択肢「6.高確率」に下線を付して選択中であることを示す。
なお、選択肢「1.全モード」は、特図ゲームにおける演出モード(あるいは確率状態)のうちのすべてを出力情報の対象とする選択肢である。選択肢「2.モードA」、「3.モードB」、「4.モードC」は、特図ゲームにおける演出モードのうち対応する演出モードを出力情報の対象とする選択肢である。選択肢「5.低確率」は、特図ゲームの確率状態のうち低確率状態を出力情報の対象とする選択肢である。選択肢「6.高確率」は、特図ゲームの確率状態のうち高確率状態を出力情報の対象とする選択肢である。選択肢「7.電サポ」は、特図ゲームの普電サポート状態のうち普電サポートがある状態(電サポ)を出力情報の対象とする選択肢である。選択肢「8.非電サポ」は、特図ゲームの普電サポート状態のうち普電サポートがない状態(非電サポ)を出力情報の対象とする選択肢である。
図55(6)に示す表示画面355は、ステップD86で表示する表示画面である。表示画面355は、設定内容確認の表示画面であり、設定内容確認中のタイトルと設定内容確認の選択肢とを表示内容に含む。たとえば、表示画面355は、設定内容確認中のタイトルとして「設定内容確認」を表示し、設定内容確認中の選択肢として「OK」と「キャンセル」とを表示する。
これにより、遊技機10は、遊技者が所望する情報を開示することができる。
次に、収集処理について図56を用いて説明する。図56は、第1の実施形態の収集処理のフローチャートを示す図である。収集処理は、遊技履歴を収集する処理である。収集処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。収集処理は、情報開示処理のステップD72で制御部によって実行される処理である。
[ステップD91]制御部は、遊技履歴のリセット指示があったか否かを判定する。遊技履歴のリセット指示は、管理者によって入力されることが望ましく、たとえば、遊技制御装置100のRAM初期化スイッチ112の操作入力である。制御部は、遊技履歴のリセット指示があった場合にステップD92に進み、遊技履歴のリセット指示がない場合にステップD95に進む。
[ステップD92]制御部は、遊技履歴の格納領域(遊技履歴格納領域)をクリアする。たとえば、制御部は、FeRAM323に格納する遊技履歴をゼロクリアする。
[ステップD93]制御部は、遊技履歴のダミーデータを生成する。ダミーデータは、遊技履歴が少ない時に設計値から大きく外れた遊技性能が算出されないようにするデータであり、たとえばすべての設定値の平均的な遊技性能にもとづいて生成される。なお、ダミーデータは、あらかじめ用意されるものであってもよい。
[ステップD94]制御部は、生成したダミーデータを遊技履歴格納領域に格納する。
[ステップD95]制御部は、遊技履歴の収集対象となる情報を含むコマンド(対象コマンド)を受信したか否かを判定する。制御部は、対象コマンドを受信した場合にステップD96に進み、対象コマンドを受信しない場合に収集処理を終了する。
[ステップD96]制御部は、対象コマンドを受信したときのイベント情報を取得する。
[ステップD97]制御部は、対象コマンドを受信したときの遊技状態を取得する。取得対象となる遊技状態は、出力情報の対象のフィルタリングに用いる遊技状態であり、たとえば演出モードの種別、特図ゲームの確率状態、特図ゲームの普電サポート状態等がある。
[ステップD98]制御部は、遊技履歴の収集対象となる情報と、対象コマンドを受信したときの遊技状態とを関連付けて遊技履歴として遊技履歴格納領域に格納する。なお、遊技履歴格納領域は、たとえばリングバッファになっていて、古いデータを新しいデータで上書きすることで所定期間について最新の遊技履歴を格納可能にする。これにより、遊技機10は、ダミーデータを含めて所定期間の遊技履歴を蓄積可能にする。また、遊技機10は、ダミーデータを遊技履歴で置き換えることで稼働実態に対応する遊技履歴を蓄積することができる。
次に、遊技履歴格納領域に格納された遊技履歴について図57を用いて説明する。図57は、第1の実施形態の収集データの一例を示す図である。
制御部は、対象コマンドから検出する特図ゲームの1回の図柄変動と特図ゲームの1回の当りとをそれぞれ1回のイベントとして遊技履歴の格納対象とする。制御部は、イベントごとにイベントID(ID)を付与するとともにイベント種別(種別)、イベント発生時刻(時刻)を記録する。また、制御部は、イベントごとにイベント発生の特図ゲームの確率状態(確率変動)、特図ゲームの普電サポート状態(電サポ)、演出モードの種別(演出モード)を記録する。
たとえば、ID「xxx111」の遊技履歴は、種別「変動(図柄変動)」、時刻「txxx111」であり、イベント発生時の遊技状態が確率変動「高(高確率)」、電サポ「あり(普電サポート状態)」、演出モード「A」であることを示す。また、ID「xxx211」の遊技履歴は、種別「変動」、時刻「txxx211」であり、イベント発生時の遊技状態が確率変動「低(低確率)」、電サポ「あり」、演出モード「A」であることを示す。また、ID「xxx311」の遊技履歴は、種別「変動」、時刻「txxx311」であり、イベント発生時の遊技状態が確率変動「低」、電サポ「なし(非普電サポート状態)」、演出モード「B」であることを示す。また、ID「xxx701」の遊技履歴は、種別「当り(大当り)」、時刻「txxx701」であり、イベント発生時の遊技状態が確率変動「−(未定義)」、電サポ「−」、演出モード「−」であることを示す。なお、種別「当り」のイベントについて、イベント発生時の遊技状態を未定義としても制御部は、直前の種別「変動」のイベント発生時の遊技状態を参照することで当り発生の契機となった変動表示の遊技状態を特定することができる。
次に、集計処理について図58を用いて説明する。図58は、第1の実施形態の集計処理のフローチャートを示す図である。集計処理は、収集した遊技履歴から遊技性能を算出する処理である。集計処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。集計処理は、情報開示処理のステップD73で制御部によって実行される処理である。
[ステップD101]制御部は、集計タイミングであるか否かを判定する。制御部は、演出制御装置300の処理資源に余裕があるときを集計タイミングとする。たとえば、制御部は、遊技中でない状態(客待ち状態等)や、遊技中にあっては図柄変動後の図柄停止時間を集計タイミングとする。制御部は、集計タイミングである場合にステップD102に進み、集計タイミングでない場合に集計処理を終了する。
[ステップD102]制御部は、設定にしたがった集計期間を取得する。
[ステップD103]制御部は、遊技履歴格納領域に格納された遊技履歴のうち集計期間内の遊技履歴を遊技状態別に集計する。
[ステップD104]制御部は、集計結果(集計データ)を出力情報格納領域(FeRAM323)に格納して集計処理を終了する。
次に、出力情報格納領域に格納された集計データについて図59を用いて説明する。図59は、第1の実施形態の集計データの一例を示す図である。図59に示すユーザ設定期間集計データは、遊技履歴格納領域に格納された遊技履歴のうちユーザ設定された集計期間内の遊技履歴を集計した集計データである。
ユーザ設定期間集計データは、遊技状態別の当り確率と対応設定値とを含む。ユーザ設定期間集計データにおいて個別に集計する遊技状態は、「低確率中、−(普電サポート状態を問わない)、「低確率中、電サポあり」、「低確率中、電サポなし」、「高確率中、−」、「高確率中、電サポあり」、「高確率中、電サポなし」がある。また、ユーザ設定期間集計データにおいて個別に集計する演出モードは、「全モード」、「モードA」、「モードB」、「モードC」がある。たとえば、遊技状態「低確率中、−」は、当り確率「1/210」、対応設定値「3」を集計結果とする。なお、対応設定値は、設定値の推定値であり、当り確率「1/210」に近い遊技性能(当り確率)を有する設定値を選択して集計結果とする。
このように、遊技機10は、遊技状態に応じた集計をおこなうことができる。また、遊技機10は、遊技状態別に集計をおこなうことでデータ数が十分にないときであっても遊技状態によっては十分に信頼できる集計をおこなうことができる。たとえば、遊技機10は、低確率中において当り回数のデータ数が十分に得られていない場合であっても、高確率中において当り回数のデータ数が十分に得られている場合がある。また、遊技機10は、複数の遊技状態、あるいは複数の演出モードごとに集計をおこなうので、集計結果の真偽にかかわらず遊技者が信じる集計結果を提供可能にする。たとえば、遊技機10は、演出モード「モードA」が遊技機性能を正しく反映した集計結果であると信じる遊技者に対して高い満足度を与えることができる。なお、こうした遊技者の錯誤は、データ蓄積とともに真値に収斂していく過程で正され、遊技機10は、真値への収斂過程を新たな興趣として遊技者に提供可能にする。
なお、ユーザ設定期間集計データについて説明したが、これ以外の集計期間の集計データについても同様とすることができる。また、遊技機10は、1つの集計期間の集計データを集計するときに他の集計期間の集計データについても並行して集計するようにしてもよいし、処理資源の節約のために1つの集計期間の集計データを集計するときに他の集計期間の集計データを集計しないようにしてもよい。
なお、あまりに見当違いな集計結果は、遊技者を混乱させることとなるため、遊技機10は、集計データについて最低情報量を設定できる。次に、集計データの最低情報量確保について図60を用いて説明する。図60は、第1の実施形態の集計データにおける最低情報量確保の一例を示す図である。
当日履歴情報を集計データとするときに、最低情報量を確保している集計データを図60(1)に示す。当日履歴情報は、最低情報量を超えているのでそのすべてを集計データとする。なお、最低情報量は、あらかじめ設定する閾値である。
次に、当日履歴情報を集計データとするときに、最低情報量を確保していない集計データを図60(2)に示す。当日履歴情報は、最低情報量を超えていないので不足分をダミーデータで補充する。補充するダミーデータの量は、当日履歴情報の増大により減少させることができる。
もう一例、当日履歴情報を集計データとするときに、最低情報量を確保していない集計データを図60(3)に示す。当日履歴情報は、最低情報量を超えていないので不足分を前日履歴情報で補充する。補充する前日履歴情報の量は、当日履歴情報の増大により減少させることができる。
これにより、遊技機10は、集計データについて最低情報量を確保することができ、見当違いな集計結果を遊技者に提示する危険を抑制することができる。
次に、出力情報編集処理について図61を用いて説明する。図61は、第1の実施形態の出力情報編集処理のフローチャートを示す図である。出力情報編集処理は、算出した遊技性能の出力態様を編集する処理である。出力情報編集処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。出力情報編集処理は、情報開示処理のステップD74で制御部によって実行される処理である。
[ステップD111]制御部は、集計処理の集計結果を取得する。
[ステップD112]制御部は、設定処理で設定された設定内容を取得する。
[ステップD113]制御部は、設定内容にしたがい集計結果のうちから出力内容(出力態様)を決定する。
[ステップD114]制御部は、設定内容または遊技状態にしたがい出力内容の出力タイミングを決定して出力情報編集処理を終了する。たとえば、制御部は、遊技中か否か、遊技中であれば変動中か否か、当り中か否かによって、いずれのタイミングで出力内容を出力するか決定する。より具体的には、制御部は、遊技中でない場合に速やかな出力タイミングを決定できる。また、制御部は、遊技中であれば、あらかじめ設定する出力条件の成立を待った出力タイミングを決定できる。あらかじめ設定する出力条件は、遊技演出のとの整合や、遊技進行への影響を考慮したものとなる。たとえば、制御部は、変動表示中であれば、出力内容に差し替えることができる演出(たとえばキャラクタのセリフ演出等)、あるいは出力内容との重複が許される演出(たとえばカットイン演出等)の発生タイミングを出力タイミングとして決定できる。また、制御部は、当り中であれば、出力内容に差し替えることができる演出(たとえばインターバル演出等)、あるいは出力内容との重複が許される演出(たとえばエンディング演出等)の発生タイミングを出力タイミングとして決定できる。
次に、ゲーム中開示処理について図62を用いて説明する。図62は、第1の実施形態のゲーム中開示処理のフローチャートを示す図である。ゲーム中開示処理は、編集した出力態様でゲーム(特図ゲーム)中に遊技性能を開示する処理である。ゲーム中開示処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。ゲーム中開示処理は、情報開示処理のステップD75で制御部によって実行される処理である。
[ステップD121]制御部は、出力情報編集処理のステップD114で決定した出力タイミングにもとづいて情報開示可能タイミングであるか否かを判定する。制御部は、情報開示可能タイミングである場合にステップD122に進み、情報開示可能タイミングでない場合にゲーム中開示処理を終了する。
[ステップD122]制御部は、情報開示の抽選に当選したか否かを判定する。制御部は、情報開示の抽選に当選した場合にステップD123以降に進み情報開示をおこなう。一方、制御部は、情報開示の抽選に当選しない場合に情報開示をおこなうことなくゲーム中開示処理を終了する。
このように、制御部は、情報開示可能タイミングであっても必ずしも情報開示をおこなうわけではなく、抽選に当選した場合に限り情報開示をおこなう。なお、制御部は、ゲーム中の開示可能タイミング(たとえば、変動表示ゲームにおけるリーチ演出中)では「1未満」の抽選確率で情報開示をおこなうことでゲーム中の頻回な情報開示を抑制する。また、制御部は、非ゲーム中の開示可能タイミング(たとえば、客待ち中)では「1」の抽選確率で情報開示をおこなうことで遊技者の開示要求に応える。
[ステップD123]制御部は、出力情報編集処理のステップD113で決定した出力内容を取得する。
[ステップD124]制御部は、出力内容にしたがった演出パターンを選択する。たとえば、制御部は、あらかじめ用意する1以上の選択可能な演出パターン(たとえば、カットインやキャラクタのセリフ等)のうちから1つを選択する。
[ステップD125]制御部は、選択した演出パターンを報知手段によって出力可能にしてセットしてゲーム中開示処理を終了する。
次に、遊技機10の情報開示演出について図63と図64を用いて説明する。図63は、第1の実施形態の情報開示画面の一例を示す図(その1)である。図64は、第1の実施形態の情報開示画面の一例を示す図(その2)である。
図63(1)に示す表示画面500は、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動開始前に図柄を停止表示する。表示画面500は、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを表示する。
大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群501は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
表示画面500では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面500では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示す。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。保留表示505が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示503が表示する保留記憶数と特図2保留数表示504が表示する保留記憶数の和に相当する。
たとえば、表示画面500に示すように特図1保留数表示503が「4」を表示し、特図2保留数表示504が「0」を表示するとき、保留表示505は、4つの保留記憶表示により保留記憶数が「4」であることを示す。
保留表示505は、その表示態様(保留表示505に表示した保留記憶表示)により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面500では保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、変動表示を開始する。
図63(2)に示す表示画面510は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面510は、表示画面500の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。表示画面510では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面510では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
表示画面510では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図変動表示ゲームの保留記憶数が「3」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図63(3)に示す表示画面511は、変動表示開始後のリーチ演出発生時の表示画面である。表示画面511は、表示画面510の後の画面であって、左右図柄が「3」を表示するリーチ変動中の画面を示す。遊技機10は、リーチ変動中の所定の演出発生で遊技履歴から算出した情報を開示可能にする。
図63(4)に示す表示画面512は、リーチ演出中のカットイン演出の表示画面である。表示画面512は、表示画面511の後の画面であって、左右図柄が「3」を表示するリーチ変動中の画面を示す。遊技機10は、リーチ演出中の当該変動表示についてカットイン表示513(カットイン演出)で所定の期待度を演出する。カットイン表示513は、ロケットのようなキャラクタ514や背景により所定の期待度を演出する。また、カットイン表示513は、開示情報515を表示する。たとえば、開示情報515は、遊技者が設定した集計期間、遊技状態における当り確率として「1/200」を含む。これにより、遊技機10は、遊技中の遊技演出と協調しながら情報開示をおこなうことができる。
なお、遊技機10は、リーチ演出中のカットイン演出において開示情報515を表示内容に含むとしたが、これに限らずキャラクタ演出中や発展演出中、仮停止中、再変動中等、その他変動表示中で、あるいは図柄停止中であってもよい。
図64(1)に示す表示画面516は、当り中のインターバル演出の表示画面である。表示画面516は、当り種別表示517と遊技案内518とラウンド表示519と開示情報520を表示内容に含む。当り種別表示517は、演出上の当り名称(たとえば「Xボーナス」)を示す。遊技案内518は、遊技者に打方向が右側遊技領域であることを案内する。ラウンド表示519は、ラウンドに対応してシンボル(たとえば星形表示)を表示し、現在のラウンド数と最終ラウンド数とを示す。開示情報520は、遊技者が設定した集計期間、遊技状態における当り確率として「1/210」を含む。これにより、遊技機10は、当り中の遊技演出と協調しながら情報開示をおこなうことができる。
なお、遊技機10は、当り中のインターバル演出において開示情報520を表示内容に含むとしたが、これに限らずファンファーレ中やラウンド中、エンディング中等であってもよい。
図64(2)に示す表示画面521は、普電サポート(電サポ)中の表示画面である。表示画面521は、遊技状態表示522と遊技案内518と開示情報523を表示内容に含む。遊技状態表示522は、遊技状態名称(たとえば「電サポ」)を示す。なお、遊技状態表示522は、遊技演出名称(たとえば「モードA」)を表示するようにしてもよい。開示情報523は、遊技者が設定した集計期間、遊技状態における当り確率として「1/21」と、開示情報に関連してキャラクタを表示する。たとえば、トラのようなキャラクタは、当り確率「1/21」に相当する設定(たとえば設定「2」)を示唆する。
なお、遊技機10は、遊技者の設定に加えて、あるいは遊技者の設定に代えて遊技状態に限定した情報開示をおこなうようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、表示画面521は、開示情報523として普電サポート(電サポ)中における当り確率を表示するようにしてもよい。同様に、遊技機10は、表示画面521は、開示情報523として高確率中(潜伏確変を含む)や、高確率中(潜伏確変を除く)、その他の遊技状態における当り確率を表示するようにしてもよい。
また、表示画面521では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「4」であることを示す。なお、表示画面521では、開示情報523の視認性を優先して保留表示505と保留消化表示506とを非表示とするが表示するようにしてもよい。
図64(3)に示す表示画面524は、普電サポート(電サポ)中の表示画面(別例)である。表示画面524は、遊技状態表示522と遊技案内518と開示情報525を表示内容に含む。遊技状態表示522は、遊技状態名称(たとえば「電サポ」)を示す。なお、開示情報525は、遊技者が設定した集計期間、遊技状態における当り確率として「1/18」と、開示情報に関連してキャラクタを表示する。たとえば、男の子のようなキャラクタは、当り確率「1/18」に相当する設定(たとえば設定「4」)を示唆する。
図64(4)に示す表示画面526は、客待ち中の表示画面である。表示画面526は、開示情報527と操作案内528を表示内容に含む。開示情報527は、遊技者が設定した遊技演出名称(遊技状態名称でもよい)として「モードA」を表示し、遊技演出「モードA」における当り確率「1/170」を表示し、当り確率「1/170」に相当する設定として設定「5」)を表示する。操作案内528は、操作部に相当するプッシュボタン25と、操作案内を表示する。なお、遊技機10は、客待ち中の情報開示について、受け付けた操作にしたがい集計期間、集計内容、表示内容を随時更新可能にしてもよい。
なお、遊技機10は、当り確率の設定示唆をキャラクタに加えて、あるいはキャラクタに代えて背景表示によってもおこなうことができる。次に、背景表示による当り確率の設定示唆について図65を用いて説明する。図65は、第1の実施形態の設定示唆態様の一例を示す図である。
情報開示中の背景表示は、示唆する設定値に応じて複数種類の表示態様がある。推定設定値「0」は、白色(無地淡色で図示)の表示態様で背景を表示する。推定設定値「1」は、青色(斜線ハッチングで図示)の表示態様で背景を表示する。推定設定値「2」は、緑色(交差ハッチングで図示)の表示態様で背景を表示する。推定設定値「3」は、赤色(無地濃色で図示)の表示態様で背景を表示する。推定設定値「4」は、花弁柄の表示態様で背景を表示する。推定設定値「5」は、虹色の表示態様で背景を表示する。
これにより、制御部は、所定の演出表示の背景色で推定設定値を示唆することができる。たとえば、制御部は、図63(4)に示した表示画面512でリーチ演出中のカットイン演出の背景表示を無地濃色とすることで推定設定値「3」を示唆することができる。なお、制御部は、演出表示の背景色に限らずその他の表示箇所にて推定設定値を示唆するようにしてもよい。また、制御部は、色彩や模様に限らず、その他の表示態様によって推定設定値を示唆するようにしてもよい。
次に、非ゲーム中開示処理について図66を用いて説明する。図66は、第1の実施形態の非ゲーム中開示処理のフローチャートを示す図である。非ゲーム中開示処理は、編集した出力態様でゲーム(特図ゲーム)中以外に遊技性能を開示する処理である。非ゲーム中開示処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。非ゲーム中開示処理は、情報開示処理のステップD76で制御部によって実行される処理である。
[ステップD131]制御部は、非ゲーム中の開示要求操作があるか否かを判定する。たとえば、制御部は、客待ち中のプッシュボタン25からの所定の操作入力を非ゲーム中の開示要求操作と判定する。制御部は、非ゲーム中の開示要求操作がある場合にステップD132に進み、非ゲーム中の開示要求操作がない場合に非ゲーム中開示処理を終了する。
[ステップD132]制御部は、集計期間、遊技状態、表示内容等の開示内容選択操作を受け付ける。
[ステップD133]制御部は、遊技者が選択した集計期間、遊技状態における集計データの情報開示をおこなう。たとえば、制御部は、表示装置41によって情報開示をおこなう。
[ステップD134]制御部は、情報開示を終了するか否かを判定する。制御部は、客待ち中のプッシュボタン25からの所定の操作入力を情報開示終了操作と判定する。また、制御部は、ゲーム開始を情報開示終了操作と判定する。制御部は、情報開示を終了しない場合にステップD132に進み、情報開示を継続する。一方、制御部は、情報開示を終了する場合に非ゲーム中開示処理を終了する。
これにより、遊技機10は、非ゲーム中においても遊技者に対して所望の集計データを開示することができる。
次に、変形例のゲーム中開示処理について図67を用いて説明する。図67は、第1の実施形態の変形例のゲーム中開示処理のフローチャートを示す図である。変形例の遊技機10は、ゲーム中の遊技者操作の受付を伴う演出(たとえば、プッシュボタン演出)時に情報開示をおこなう。変形例のゲーム中開示処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。変形例のゲーム中開示処理は、情報開示処理のステップD75で制御部によって実行される処理である。
[ステップD141]制御部は、遊技者操作の受付を伴う演出の受付時間中に遊技者操作の受付があったか否かを判定する。制御部は、遊技者操作の受付がない場合にステップD142に進み、遊技者操作の受付があった場合にステップD143に進む。
[ステップD142]遊技者操作の受付がない場合に、制御部は、遊技者操作の受付がなかった場合の遊技演出パターン(非受付演出パターン)を選択する。制御部は、選択した非受付演出パターンをセットしてゲーム中開示処理を終了する。このように、遊技機10は、遊技者操作を受け付けなかった場合に遊技者に情報開示機会を与えない。これにより、遊技機10は、遊技者に対してゲーム参加を促すことができる。
[ステップD143]遊技者操作の受付があった場合に、制御部は、情報開示をおこなうか否かを抽選する。制御部は、情報開示をおこなう抽選に落選した場合にステップD144に進み、情報開示をおこなう抽選に当選した場合にステップD145に進む。
[ステップD144]情報開示をおこなう抽選に落選した場合に、制御部は、遊技者操作の受付があった場合の遊技演出パターンであって情報開示を伴わない遊技演出パターン(受付演出パターン)を選択する。制御部は、選択した受付演出パターンをセットしてゲーム中開示処理を終了する。このように、遊技機10は、遊技者操作を受け付けた場合であっても遊技者に情報開示機会を与えない場合を用意する。これにより、遊技機10は、情報開示に対する特典としての価値を高めて遊技者に対してゲーム参加を促すことができる。
[ステップD145]情報開示をおこなう抽選に当選した場合に、制御部は、出力情報編集処理のステップD113で決定した出力内容を取得する。
[ステップD146]制御部は、遊技者操作の受付があった場合の遊技演出パターンであって出力内容にしたがった演出パターン(情報開示を伴う遊技演出パターン(開示演出パターン))を選択する。制御部は、選択した開示演出パターンをセットしてゲーム中開示処理を終了する。このように、遊技機10は、遊技者操作を受け付けた場合であっても希少性を演出しながら遊技者に情報開示機会を与える。これにより、遊技機10は、情報開示に対する特典としての価値を高めて遊技者に対してゲーム参加を促すことができる。
なお、遊技機10は、設定変更により遊技性能が変わり得る。また、遊技機10は、設定変更に電源投入を伴うため、十分なデータ量を確保できるのであれば電源投入を跨がない範囲の履歴情報単位でデータを集計することが望ましい。また、遊技機10は、電源投入の前後の履歴情報を比較して設定変更の有無を推定し、電源投入を跨いだ履歴情報であっても設定変更がないと推定した場合には電源投入を跨がない範囲の履歴情報とみなすようにしてもよい。
また、遊技機10は、当り確率や推定設定値を報知可能としたが、他の性能情報を報知対象としてもよい。たとえば、遊技機10は、確率変動突入率、電サポ突入率、確率変動や電サポ中の連続当り回数、獲得賞球数、ベース等を報知対象としてもよい。
なお、遊技機10における設定は、以下のようにしておこなうことで不正防止対策を図るようにしてもよい。
(1)遊技制御装置100は、設定変更時に遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理を実行する。これにより、遊技機10は、異なる設定値に跨って遊技制御をおこなうことを防止する。
(2)遊技制御装置100は、設定変更時および設定確認時に外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。これにより、遊技機10は、設定変更あるいは設定確認があったことを外部接続機器(たとえば、ホールコンピュータや、呼出ランプ等の情報開示機器)に対して通知することができる。セキュリティ信号を入力した外部接続機器は、設定変更あるいは設定確認があったことを報知手段(ランプや音(音声を含む)等)により報知することができる。なお、遊技制御装置100は、設定変更と設定確認とで共通のセキュリティ信号を出力してもよいし、設定変更と設定確認とを区別可能なセキュリティ信号を出力してもよい。
(3)遊技制御装置100は、基板ボックスに収容されて前面枠12の裏面側に取り付けられる。遊技制御装置100は、所要の操作部(RAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)、各種コネクタ等が外部に臨む以外、封止された基板ボックスによって保護される。これにより、設定変更あるいは設定確認の移行契機となる主媒体(遊技用マイコン111等)は、封止された基板ボックスによって保護される。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127を外部に臨ませて、設定キースイッチ127以外の所要の操作部(RAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126)を封止された基板ボックスによって保護するものであってもよい。
(4)遊技制御装置100は、設定変更あるいは設定確認の移行契機となる主媒体(遊技用マイコン111等)へのアクセスに設定キースイッチ127の操作を必須とすることで、設定キーを有しない第三者の主媒体へのアクセスを排除する。なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の操作によって、所要の操作部(RAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126)へのアクセスを可能にする構成としてもよい。たとえば、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の操作によってRAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126への物理的操作を可能にする構成(たとえば、操作窓の開閉)としてもよいし、設定キースイッチ127の操作によってRAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126への操作を電気的にあるいは論理的に有効化する構成としてもよいし、これらの組合せによる構成としてもよい。
(5)遊技制御装置100は、所要の操作部(RAM初期化スイッチ112、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)、所要の情報表示部(状態表示装置135、確率設定値表示装置136)を遊技用マイコン111によって制御する。なお、遊技制御装置100は、エラー解除に用いるエラー解除スイッチや、遊技開始契機を与える遊技開始スイッチを備えるようにしてもよく、エラー解除スイッチや遊技開始スイッチもまた遊技用マイコン111によって制御するようにしてもよい。
(6)遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ127の入力状態の組合せから4つの電源投入状態を決定する。遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がON、設定キースイッチ127がONのとき、設定値を変更可能な設定変更状態とし、RAM初期化スイッチ112がOFF、設定キースイッチ127がONのとき、設定値を確認可能な設定確認状態とし、RAM初期化スイッチ112がON、設定キースイッチ127がOFFのとき、遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化するRAMクリア(RWMクリア)状態とし、RAM初期化スイッチ112がOFF、設定キースイッチ127がOFFのとき、電源投入があった停電復旧(復電)状態とする。
(7)遊技機10は、設定変更状態において、以下のようなステップで設定変更をおこなうことができる。電源OFFの状態で設定キースイッチ127がOFF状態で設定キーを挿入する(ステップ1)。設定キーを操作(たとえば、回す)し、設定キースイッチ127をON状態に切り替える(ステップ2)。RAM初期化スイッチ112を押下操作(ON)しながら電源を投入(電源スイッチON)することにより、設定変更状態となる(ステップ3)。設定変更状態において、設定値変更スイッチ126の押下操作1回ごとに設定値を変更する(ステップ4)。設定キーを操作(たとえば、回す)し、設定キースイッチ127をOFF状態に切り替えることで設定値を確定し、設定変更状態を終了する(ステップ5)。
このとき、報知手段(たとえば、表示装置41による表示、スピーカ19a,19bによる音(音声)、枠装飾装置18や盤装飾装置46による発光)により、ステップ3,4で設定変更を報知し、ステップ5でRAMクリアを報知する。また、外部情報出力手段(たとえば、外部情報端子板71)は、ステップ3,4でセキュリティ信号を出力し、ステップ5でセキュリティ信号の出力を停止する。なお、遊技制御装置100は、ステップ5におけるRAMクリア報知に先立ち、ステップ3でRAMクリアを実行する。すなわち、遊技制御装置100は、RAMクリア報知よりも設定変更報知を優先することで、設定値変更報知を迅速におこない不正防止対策としての効果向上を図っている。また、確率設定値表示装置136は、ステップ1,2で消灯し、ステップ3,4で設定値を表示し、ステップ5で消灯する。また、状態表示装置135は、ステップ1〜4で消灯し、ステップ5でベース値を表示する。なお、遊技機10は、状態表示装置135と確率設定値表示装置136とを一体にして設けてもよく、たとえば、状態表示装置135が確率設定値表示装置136を兼ねるようにしてもよい。その場合、状態表示装置135は、ステップ1,2で消灯し、ステップ3,4で設定値を表示し、ステップ5でベース値を表示する。なお、遊技制御装置100の遊技状態は、ステップ3,4で遊技開始前であり、ステップ5で遊技開始し、以降遊技中となる。
(8)遊技機10は、設定確認状態において、以下のようなステップで設定確認をおこなうことができる。電源OFFの状態で設定キースイッチ127がOFF状態で設定キーを挿入する(ステップ1)。設定キーを操作(たとえば、回す)し、設定キースイッチ127をON状態に切り替える(ステップ2)。RAM初期化スイッチ112を押下操作することなく(OFF)電源を投入(電源スイッチON)することにより、設定確認状態となる(ステップ3)。設定キーを操作(たとえば、回す)し、設定キースイッチ127をOFF状態に切り替えることで設定確認状態を終了する(ステップ4)。
このとき、報知手段(たとえば、表示装置41による表示、スピーカ19a,19bによる音(音声)、枠装飾装置18や盤装飾装置46による発光)により、ステップ3で設定確認を報知する。また、外部情報出力手段(たとえば、外部情報端子板71)は、ステップ3でセキュリティ信号を出力し、ステップ4でセキュリティ信号の出力を停止する。また、確率設定値表示装置136は、ステップ1,2で消灯し、ステップ3で設定値を表示し、ステップ4で消灯する。また、状態表示装置135は、ステップ1〜3で消灯し、ステップ4でベース値を表示する。なお、遊技機10は、状態表示装置135と確率設定値表示装置136とを一体にして設けてもよく、たとえば、状態表示装置135が確率設定値表示装置136を兼ねるようにしてもよい。その場合、状態表示装置135は、ステップ1,2で消灯し、ステップ3で設定値を表示し、ステップ4でベース値を表示する。なお、遊技制御装置100の遊技状態は、ステップ3で遊技開始前であり、ステップ4で遊技開始し、以降遊技中となる。
なお、遊技機10は、設定変更や設定確認を電源投入時の遊技開始前に限っておこなえるようにしている。これにより、遊技機10は、遊技中の設定変更や設定確認を排除し、遊技中の動作保証を容易にしている。
上述した第1の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、遊技に関する設定を複数種類の中から選択可能にして遊技制御をおこなう主制御装置(遊技制御装置100)と、主制御装置の指令にもとづいて演出制御をおこなう従制御装置(演出制御装置300)とを備える。従制御装置は、指令にもとづいて遊技履歴を生成し、遊技履歴から所定の遊技状態における遊技性能を算出し、所定の報知契機で遊技性能を報知する制御部(CPU311)を備える。
(2)(1)の制御部は、設定値にしたがった遊技進行に伴う指令にもとづいて遊技履歴を生成する。
(3)(1)の制御部は、遊技者(または管理者等)の操作を受け付けて報知内容(開示内容)を設定する。
(4)(1)の制御部は、ゲーム(特図ゲーム)中に遊技性能を報知(開示)する。
(5)(1)の制御部は、ゲーム(特図ゲーム)中以外(たとえば客待ち中)に遊技性能を報知(開示)する。
(6)(1)の制御部は、履歴を収集している期間(履歴収集期間)のうちの集計対象となる期間(集計期間)を設定可能にする。
(7)(1)の制御部は、集計データについて最低情報量を設定し、最低情報量の不足分をダミーデータで補充する。
(8)(1)の制御部は、集計データについて最低情報量を設定し、最低情報量の不足分を過去の履歴情報(たとえば前日履歴情報、あるいは前日以前であっても類似する集計データを有する履歴情報等)で補充する。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の遊技機10について説明する。従来、演出制御装置300における演出制御処理について異なる入力パラメータ(コマンド)であっても同じテーブルデータを用いる等、同じ処理であれば1つの制御プログラムを共用していた。しかしながら、開発過程において一部の入力パラメータ(コマンド)の処理だけ修正したい場合に、開発負担が大きくなる傾向にある。そこで、第2の実施形態の遊技機10は、同じテーブルデータを用いる等、同じ処理であっても、入力パラメータ(コマンド)が異なる場合にそれぞれの制御プログラムを用意するようにした。これにより、遊技機10は、開発過程において一部の入力パラメータ(コマンド)の処理だけ修正したい場合に、修正範囲を当該入力パラメータの処理だけ修正すればよく、プログラムの開発負担を軽減できる。
まず、第2の実施形態の特図ゲーム(特図1ゲーム、特図2ゲーム)の代表的な変動表示シーケンスについて図68を用いて説明する。図68は、第2の実施形態の変動表示シーケンスの一例を示す図である。
図示する変動表示シーケンスは、変動開始タイミングt0から変動停止タイミングt3までの時間T00を変動表示時間(仮停止時間を含み、図柄停止時間を除く)とする。この変動表示シーケンスは、変動開始タイミングt0からタイミングt1までの時間T01を前半変動とし、タイミングt1からタイミングt2まで時間T02を後半変動とし、タイミングt2から変動停止タイミングt3までの時間T03を仮停止とする。
演出制御装置300は、遊技制御装置100から変動開始コマンドを受信して図柄変動を開始(変動開始)し、停止コマンドを受信して図柄変動を停止(変動停止)する。変動開始コマンドは、1つのコマンドでもよいし、2以上のコマンドからなるコマンドセット(たとえば、停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、保留コマンド等)であってもよい。
演出制御装置300は、変動開始コマンドを受信して前半変動と後半変動、仮停止ごとに演出制御内容を決定する。なお、後半変動は、仮停止を含むものであってもよい。したがって、演出制御装置300は、1つの演出制御プログラムによって前半変動の演出制御内容を決定し、別の演出制御プログラムによって後半変動の演出制御内容を決定する。また、変動表示シーケンスは、前半変動と後半変動、仮停止を基本シーケンスとしたとき、基本シーケンス中にサブシーケンスとして1以上のサブ演出を含むことができる。
たとえば、演出制御装置300は、変動開始タイミングt0からタイミングt1までの前半変動のうちに、時間T04のサブ演出と時間T05のサブ演出を選択的に含めることができる。
なお、演出制御装置300は、前半変動開始までに、すべての演出制御内容の決定(抽選)をおこない、決定した演出制御内容にしたがい変動中の演出制御をおこなうものであるが、変動中の演出制御の進行に合わせて随時に演出制御内容の決定(抽選)をおこなうものであってもよい。
次に、変動表示における演出制御内容を決定する演出制御プログラム単位の演出振分について図69を用いて説明する。図69は、第2の実施形態の変動表示の演出制御単位の一例を示す図である。
図69(1)の表は、演出制御プログラム単位の前半変動と後半変動の組合せを示す。前半変動「短縮ハズレ」、「通常ハズレ」、「ステップアップハズレ」、および「疑似連ハズレ」は、対となる後半変動がない。すなわち、前半変動「短縮ハズレ」、「通常ハズレ」、「ステップアップハズレ」、および「疑似連ハズレ」は、後半変動をパスして仮停止する。
一方、前半変動「通常リーチ」、「ステップアップリーチ」、および「疑似連リーチ」は、後半変動「ステップアップ振分」と対となる。後半変動「ステップアップ振分」は、詳細を省くが2以上の振分パターンを有する。
演出制御装置300は、前半変動「短縮ハズレ」、「通常ハズレ」、「通常リーチ」、「ステップアップハズレ」、「ステップアップリーチ」、「疑似連ハズレ」、および「疑似連リーチ」のそれぞれに対応する演出制御プログラムを用意する。また、演出制御装置300は、後半変動「ステップアップ振分」の振分パターンごとに対応する演出制御プログラムを用意する。
図69(2)の表は、サブ演出の一覧を示す。サブ演出は、「PB(プッシュボタン)予告」、「PB背景チェンジ」がある。演出制御装置300は、サブ演出ごとに対応する演出制御プログラムを用意する。
なお、演出制御プログラムは、1つの入力パラメータ(コマンド)に対応して1つの演出制御プログラムが設けられるものであってもよいし、2以上の入力パラメータ(コマンド)に対応して1つの演出制御プログラムが設けられるものであってもよい。また、演出制御プログラムは、制御単位が独立していればよく、独立したプログラムに限らず1つのプログラム中のサブルーチン等であってもよい。
次に、前半変動における演出制御プログラムと参照テーブル群について図70を用いて説明する。図70は、第2の実施形態の前半変動における演出制御単位の制御プログラムと参照テーブル群の組合せの一例を示す図である。
演出制御装置300は、参照テーブル群(テーブルセット)「テーブルセットMA」を参照しながら前半変動プログラム(演出制御プログラム)「プログラムMP1」を実行することによって、前半変動「短縮ハズレ」の演出制御内容を決定する。
また、演出制御装置300は、参照テーブル群「テーブルセットMB」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP2」を実行することによって、前半変動「通常ハズレ」の演出制御内容を決定する。
また、演出制御装置300は、参照テーブル群「テーブルセットMB」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP3」を実行することによって、前半変動「通常リーチ」の演出制御内容を決定する。
また、演出制御装置300は、参照テーブル群「テーブルセットMC」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP4」を実行することによって、前半変動「ステップアップハズレ」の演出制御内容を決定する。
また、演出制御装置300は、参照テーブル群「テーブルセットMC」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP5」を実行することによって、前半変動「ステップアップリーチ」の演出制御内容を決定する。
また、演出制御装置300は、参照テーブル群「テーブルセットMD」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP6」を実行することによって、前半変動「疑似連ハズレ」の演出制御内容を決定する。
また、演出制御装置300は、参照テーブル群「テーブルセットMD」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP7」を実行することによって、前半変動「疑似連リーチ」の演出制御内容を決定する。
このように、演出制御装置300は、前半変動ごとに演出制御プログラムを用意する。また、演出制御装置300は、前半変動ごとにテーブルセットを用意する。なお、テーブルセットは、演出制御プログラムごとに用意されるもの(たとえば、テーブルセット「テーブルセットMA」)であってもよいし、2以上の演出制御プログラムで共用されるもの(たとえば、テーブルセット「テーブルセットMB」)であってもよい。
次に、サブ演出における演出制御プログラムと参照テーブル群について図71を用いて説明する。図71は、第2の実施形態のサブ演出における演出制御単位の制御プログラムと参照テーブル群の組合せの一例を示す図である。
演出制御装置300は、参照テーブル群(テーブルセット)「テーブルセットSA」を参照しながらサブ演出プログラム(演出制御プログラム)「プログラムSP1」を実行することによって、サブ演出「PB予告」の演出制御内容を決定する。
また、演出制御装置300は、参照テーブル群「テーブルセットSB」を参照しながらサブ演出プログラム「プログラムSP2」を実行することによって、サブ演出「PB背景チェンジ」の演出制御内容を決定する。
このように、演出制御装置300は、サブ演出ごとに演出制御プログラムを用意する。また、演出制御装置300は、サブ演出ごとにテーブルセットを用意する。なお、テーブルセットは、演出制御プログラムごとに用意されるもの(たとえば、テーブルセット「テーブルセットSA」)であってもよいし、2以上の演出制御プログラムで共用されるものであってもよい。
なお、前半変動とサブ演出について演出制御単位の制御プログラムと参照テーブル群の組合せを説明したが、後半変動についても同様である。以下についても、前半変動とサブ演出について説明し、同様となる後半変動についての説明を省略する。
次に、前半変動の演出制御内容決定過程において実行される演出制御プログラムと参照されるテーブルセットとを、図72を用いて説明する。図72は、第2の実施形態の前半変動実行制御における制御プログラムと参照テーブル群の組合せの一例を示す図である。
演出制御装置300は、通常ハズレに関する変動開始コマンドを受信したとき、参照テーブル群「テーブルセットMB」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP2」を実行することによって、変動開始タイミングt0からタイミングt1までの前半変動「通常ハズレ」の演出制御内容を決定する。
また、演出制御装置300は、通常リーチに関する変動開始コマンドを受信したとき、参照テーブル群「テーブルセットMB」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP3」を実行することによって、変動開始タイミングt0からタイミングt1までの前半変動「通常リーチ」の演出制御内容を決定する。
なお、前半変動プログラム「プログラムMP2」と「プログラムMP3」は別々に用意されるが、参照する参照テーブル群が同一(参照テーブル群「テーブルセットMB」)であり、制御内容を同じにするプログラムである。
また、前半変動プログラム「プログラムMP2」と「プログラムMP3」は、それぞれ前半変動中にサブ演出「PB予告」、「PB背景チェンジ」を実行可能にしている。たとえば、演出制御装置300は、前半変動プログラム「プログラムMP2」または「プログラムMP3」の実行中に、サブ演出「PB予告」の実行判定をおこなう。演出制御装置300は、サブ演出「PB予告」を実行するとしたときに、参照テーブル群「テーブルセットSA」を参照しながらサブ演出プログラム「プログラムSP1」を実行することによって、時間T04のサブ演出「PB予告」の演出制御内容を決定する。また、演出制御装置300は、前半変動プログラム「プログラムMP2」または「プログラムMP3」の実行中に、サブ演出「PB背景チェンジ」の実行判定をおこなう。演出制御装置300は、サブ演出「PB背景チェンジ」を実行するとしたときに、参照テーブル群「テーブルセットSB」を参照しながらサブ演出プログラム「プログラムSP2」を実行することによって、時間T04のサブ演出「PB予告」の演出制御内容を決定する。
次に、演出制御装置300が前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」の実行中に参照するテーブルセット「テーブルセットMB」について図73を用いて説明する。図73は、第2の実施形態の前半変動における制御プログラムとテーブル選択パターンの一例を示す図である。
テーブルセット「テーブルセットMB」は、テーブル「テーブルMB1」、テーブル「テーブルMB2」、テーブル「テーブルMB3」、テーブル「テーブルMB4」、およびテーブル「テーブルMB5」を含む。
各テーブルは、データテーブルであって、入力パラメータ(コマンド)ごとに選択可能な演出パターンと、その選択確率(抽選確率)とを含む。たとえば、テーブル「テーブルMB1」は、演出パターン「パターン11」、「パターン12」、「パターン13」、および「パターン14」を含む。また、テーブル「テーブルMB2」は、演出パターン「パターン21」、および「パターン22」を含む。また、テーブル「テーブルMB3」は、演出パターン「パターン31」、および「パターン32」を含む。また、テーブル「テーブルMB4」は、演出パターン「パターン41」、および「パターン42」を含む。また、テーブル「テーブルMB5」は、演出パターン「パターン51」、および「パターン52」を含む。なお、各テーブルに含まれる演出パターンは、ただ1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
なお、図中の各テーブルを結ぶ実線は、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」の制御シーケンスを示す。たとえば、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、最初にテーブル「テーブルMB1」を参照し、テーブル「テーブルMB1」が規定する演出パターンを選択する制御シーケンスを有する。前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、テーブル「テーブルMB1」において演出パターン「パターン11」を選択した場合、テーブル「テーブルMB2」を参照し、テーブル「テーブルMB2」が規定する演出パターンを選択する制御シーケンスを有する。また、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、テーブル「テーブルMB1」において演出パターン「パターン12」を選択した場合、テーブル「テーブルMB3」を参照し、テーブル「テーブルMB3」が規定する演出パターンを選択する制御シーケンスを有する。また、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、テーブル「テーブルMB1」において演出パターン「パターン13」、または「パターン14」を選択した場合、サブ演出「PB予告」の演出制御内容を決定するサブ演出プログラム「プログラムSP1」を実行(サブシーケンスの実行)する制御シーケンスを有する。
そして、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、テーブル「テーブルMB2」において演出パターン「パターン21」を選択した場合、前半変動を終了して後半変動「後半A」に接続する制御シーケンスを有する。また、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、テーブル「テーブルMB2」において演出パターン「パターン22」を選択した場合、テーブル「テーブルMB4」を参照し、テーブル「テーブルMB4」が規定する演出パターンを選択する制御シーケンスを有する。
そして、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、テーブル「テーブルMB3」において演出パターン「パターン31」を選択した場合、前半変動を終了して後半変動「後半A」に接続する制御シーケンスを有する。また、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、テーブル「テーブルMB3」において演出パターン「パターン32」を選択した場合、前半変動を終了して後半変動「後半B」に接続する制御シーケンスを有する。
そして、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、テーブル「テーブルMB4」において演出パターン「パターン41」、または「パターン42」を選択した場合、前半変動を終了して後半変動「後半A」に接続する制御シーケンスを有する。
そして、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、サブ演出プログラム「プログラムSP1」を実行後に、テーブル「テーブルMB5」を参照し、テーブル「テーブルMB5」が規定する演出パターンを選択する制御シーケンスを有する。
そして、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、テーブル「テーブルMB5」において演出パターン「パターン51」を選択した場合、サブ演出「PB背景チェンジ」の演出制御内容を決定するサブ演出プログラム「プログラムSP2」を実行(サブシーケンスの実行)する制御シーケンスを有する。また、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、テーブル「テーブルMB5」において演出パターン「パターン52」を選択した場合、前半変動を終了して後半変動「後半C」に接続する制御シーケンスを有する。
そして、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」は、サブ演出プログラム「プログラムSP2」を実行後に、前半変動を終了して後半変動「後半C」に接続する制御シーケンスを有する。
このようにして、演出制御装置300は、前半変動の演出内容を決定することができる。
次に、演出制御装置300がサブ演出プログラム「プログラムSP1」の実行中に参照するテーブルセット「テーブルセットSA」と、サブ演出プログラム「プログラムSP2」の実行中に参照するテーブルセット「テーブルセットSB」とについて図74を用いて説明する。図74は、第2の実施形態のサブ演出における制御プログラムとテーブル選択パターンの一例を示す図である。
図74(1)は、演出制御装置300がサブ演出プログラム「プログラムSP1」の実行中に参照するテーブルセット「テーブルセットSA」を示す。テーブルセット「テーブルセットSA」は、テーブル「テーブルSA1」を含む。テーブル「テーブルSA1」は、演出パターン「パターン61」、「パターン62」、「パターン63」、および「パターン64」を含む。
なお、図中のテーブルを結ぶ実線は、サブ演出プログラム「プログラムSP1」の制御シーケンスを示す。たとえば、サブ演出プログラム「プログラムSP1」は、テーブル「テーブルSA1」を参照し、テーブル「テーブルSA1」が規定する演出パターンを選択する制御シーケンスを有する。
サブ演出プログラム「プログラムSP1」は、テーブル「テーブルSA1」において演出パターン「パターン61」、「パターン62」、「パターン63」、および「パターン64」のいずれを選択した場合であっても呼出元(実行元)のプログラム(たとえば、前半変動プログラム「プログラムMP2」)に復帰する制御シーケンスを有する。
なお、演出パターン「パターン61」(交差ハッチングで示す)は、演出の整合性に注意を要する特定演出であって、たとえば当確演出である。当確演出は、当りを導出する変動表示だけで選択可能であり、当りを導出しない変動表示で選択される場合があってはならない。
サブ演出プログラム「プログラムSP1」やテーブルセット「テーブルセットSA」(テーブル「テーブルSA1」)は、制御対象にこのような特定演出を含むため、整合性に注意を要する制御箇所として前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」から切り離されている。すなわち、演出制御装置300は、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」やテーブルセット「テーブルセットMB」から注意を要する制御箇所を切り離したため、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」やテーブルセット「テーブルセットMB」の変更に対する自由度を確保しながら全体としての整合性を担保する。
図74(2)は、演出制御装置300がサブ演出プログラム「プログラムSP2」の実行中に参照するテーブルセット「テーブルセットSB」を示す。テーブルセット「テーブルセットSB」は、テーブル「テーブルSB1」、および「テーブルSB2」を含む。テーブル「テーブルSB1」は、演出パターン「パターン71」、および「パターン72」を含む。テーブル「テーブルSB2」は、演出パターン「パターン81」、および「パターン82」を含む。
なお、図中のテーブルを結ぶ実線は、サブ演出プログラム「プログラムSP2」の制御シーケンスを示す。たとえば、サブ演出プログラム「プログラムSP2」は、最初にテーブル「テーブルSB1」を参照し、テーブル「テーブルSB1」が規定する演出パターンを選択する制御シーケンスを有する。
そして、サブ演出プログラム「プログラムSP2」は、テーブル「テーブルSB1」において演出パターン「パターン71」を選択した場合、テーブル「テーブルSB2」を参照し、テーブル「テーブルSB2」が規定する演出パターンを選択する制御シーケンスを有する。また、サブ演出プログラム「プログラムSP2」は、テーブル「テーブルSB1」において演出パターン「パターン72」を選択した場合、呼出元(実行元)のプログラム(たとえば、前半変動プログラム「プログラムMP2」)に復帰する制御シーケンスを有する。
そして、サブ演出プログラム「プログラムSP2」は、テーブル「テーブルSB2」において演出パターン「パターン81」、および「パターン82」のいずれを選択した場合であっても呼出元(実行元)のプログラム(たとえば、前半変動プログラム「プログラムMP2」)に復帰する制御シーケンスを有する。
なお、演出パターン「パターン71」、および「パターン81」(交差ハッチングで示す)は、演出の整合性に注意を要する特定演出であって、たとえば当確演出である。当確演出は、当りを導出する変動表示だけで選択可能であり、当りを導出しない変動表示で選択される場合があってはならない。
サブ演出プログラム「プログラムSP2」やテーブルセット「テーブルセットSB」(テーブル「テーブルSB1」、「テーブルSB2」)は、制御対象にこのような特定演出を含むため、整合性に注意を要する制御箇所として前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」から切り離されている。すなわち、演出制御装置300は、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」やテーブルセット「テーブルセットMB」から注意を要する制御箇所を切り離したため、前半変動プログラム「プログラムMP2」,「プログラムMP3」やテーブルセット「テーブルセットMB」の変更に対する自由度を確保しながら全体としての整合性を担保する。
次に、テーブルデータについて図75を用いて説明する。図75は、第2の実施形態のテーブルデータの一例を示す図である。
図75(1)に、テーブル「テーブルMB1」のテーブルデータを示す。テーブル「テーブルMB1」は、入力パラメータ(コマンド)ごとに選択可能な演出パターンと、その選択確率(抽選確率)とを含む。たとえば、テーブル「テーブルMB1」は、選択可能な演出パターンとして演出パターン「パターン11」、「パターン12」、「パターン13」、および「パターン14」を含む。テーブル「テーブルMB1」は、コマンドAを入力パラメータとしたとき、すなわち変動開始コマンドがコマンドAであるとき、演出パターン「パターン11」の選択確率が「A11%」であり、演出パターン「パターン12」の選択確率が「A12%」であり、演出パターン「パターン13」の選択確率が「A13%」であり、演出パターン「パターン14」の選択確率が「A14%」であることを示す。このとき、すべての演出パターンの選択確率の総和は、「100%」である。コマンドB、あるいはコマンドDが入力パラメータであるときも同様である。
なお、テーブル「テーブルMB1」は、コマンドCを入力パラメータとしたとき、演出パターン「パターン11」、「パターン12」、「パターン13」、および「パターン14」のいずれも選択されないことを示す。言い換えれば、テーブル「テーブルMB1」は、コマンドCを入力パラメータとしないことを示す。
図75(2)に、テーブル「テーブルSB1」のテーブルデータを示す。テーブル「テーブルSB1」は、入力パラメータ(コマンド)ごとに選択可能な演出パターンと、その選択確率(抽選確率)とを含む。たとえば、テーブル「テーブルSB1」は、選択可能な演出パターンとして演出パターン「パターン71」、および「パターン72」を含む。テーブル「テーブルSB1」は、コマンドAを入力パラメータとしたとき、すなわち変動開始コマンドがコマンドAであるとき、演出パターン「パターン71」の選択確率が「A71%」であり、演出パターン「パターン72」の選択確率が「A72%」であることを示す。このとき、すべての演出パターンの選択確率の総和は、「100%」である。コマンドB、あるいはコマンドDが入力パラメータであるときも同様である。
なお、テーブル「テーブルSB1」は、コマンドCを入力パラメータとしたとき、演出パターン「パターン71」、および「パターン72」のいずれも選択されないことを示す。言い換えれば、テーブル「テーブルSB1」は、コマンドCを入力パラメータとしないことを示す。
また、テーブル「テーブルSB1」は、パターン「パターン71」を特定演出としている。テーブル「テーブルSB1」は、パターン「パターン71」を含む。そのため、テーブル「テーブルSB1」は、パターン「パターン71」に関する変更があっても演出の整合性に注意を要する範囲をテーブル「テーブルSB1」の範囲に閉じることができる。
なお、代表してテーブル「テーブルMB1」、「テーブルSB1」を説明したが、その他のテーブルについても同様とすることができる。
次に、前半演出振分処理について図76を用いて説明する。図76は、第2の実施形態の前半演出振分処理のフローチャートを示す図である。前半演出振分処理は、入力パラメータ(コマンド)ごとに実行対象となる前半変動プログラムを振り分ける処理である。前半演出振分処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。前半演出振分処理は、受信コマンド解析処理のステップD56で制御部によって実行される処理である。
[ステップD151]制御部は、入力パラメータとなるコマンド(変動開始コマンド)を取得する。
[ステップD152]制御部は、取得したコマンドに対応するステップに分岐(前半演出振分)する。
[ステップD153]制御部は、取得したコマンドが前半変動「短縮ハズレ」に対応するコマンドである場合に、短縮ハズレ処理を実行する。短縮ハズレ処理は、参照テーブル群「テーブルセットMA」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP1」を実行する処理である。制御部は、短縮ハズレ処理の実行後に前半演出振分処理を終了する。
[ステップD154]制御部は、取得したコマンドが前半変動「通常ハズレ」に対応するコマンドである場合に、通常ハズレ処理を実行する。通常ハズレ処理は、参照テーブル群「テーブルセットMB」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP2」を実行する処理である。制御部は、通常ハズレ処理の実行後に前半演出振分処理を終了する。
[ステップD155]制御部は、取得したコマンドが前半変動「通常リーチ」に対応するコマンドである場合に、通常リーチ処理を実行する。通常リーチ処理は、参照テーブル群「テーブルセットMB」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP3」を実行する処理である。制御部は、通常リーチ処理の実行後に前半演出振分処理を終了する。
[ステップD156]制御部は、取得したコマンドが前半変動「ステップアップハズレ」に対応するコマンドである場合に、ステップアップハズレ処理を実行する。ステップアップハズレ処理は、参照テーブル群「テーブルセットMC」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP4」を実行する処理である。制御部は、ステップアップハズレ処理の実行後に前半演出振分処理を終了する。
[ステップD157]制御部は、取得したコマンドが前半変動「ステップアップリーチ」に対応するコマンドである場合に、ステップアップリーチ処理を実行する。ステップアップリーチ処理は、参照テーブル群「テーブルセットMC」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP5」を実行する処理である。制御部は、ステップアップリーチ処理の実行後に前半演出振分処理を終了する。
[ステップD158]制御部は、取得したコマンドが前半変動「疑似連ハズレ」に対応するコマンドである場合に、疑似連ハズレ処理を実行する。疑似連ハズレ処理は、参照テーブル群「テーブルセットMD」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP6」を実行する処理である。制御部は、疑似連ハズレ処理の実行後に前半演出振分処理を終了する。
[ステップD159]制御部は、取得したコマンドが前半変動「疑似連リーチ」に対応するコマンドである場合に、疑似連リーチ処理を実行する。疑似連リーチ処理は、参照テーブル群「テーブルセットMD」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP7」を実行する処理である。制御部は、疑似連リーチ処理の実行後に前半演出振分処理を終了する。
次に、短縮ハズレ処理、通常ハズレ処理、通常リーチ処理、ステップアップハズレ処理、ステップアップリーチ処理、疑似連ハズレ処理、および疑似連リーチ処理を代表して、通常ハズレ処理を、図77を用いて説明する。図77は、第2の実施形態の通常ハズレ処理のフローチャートを示す図である。
通常ハズレ処理は、参照テーブル群「テーブルセットMB」を参照しながら前半変動プログラム「プログラムMP2」を実行する処理である。通常ハズレ処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。通常ハズレ処理は、前半演出振分処理のステップD154で制御部によって実行される処理である。
[ステップD161]制御部は、テーブルセット(参照テーブル群「テーブルセットMB」)を取得する。
[ステップD162]制御部は、先頭シーケンスをセットする。
[ステップD163]制御部は、セットされたシーケンスに対応するテーブルを選択する。
[ステップD164]制御部は、選択したテーブルを参照して、抽選により演出パターンを選択してセットする。
[ステップD165]制御部は、現在のシーケンスが末尾シーケンスか否かを判定する。制御部は、現在のシーケンスが末尾シーケンスでなければステップD166に進み、末尾シーケンスであれば通常ハズレ処理を終了する。
[ステップD166]制御部は、シーケンスを更新する。
[ステップD167]制御部は、更新したシーケンスが次のテーブル選択を指定する場合にステップD163に進み、更新したシーケンスがサブ演出の実行を指定する場合にステップD168に進む。
[ステップD168]制御部は、更新したシーケンスにしたがいサブ演出を振り分ける。制御部は、更新したシーケンスにしたがうサブ演出がPB予告である場合にステップD169に進み、PB背景チェンジである場合にステップD170に進む。
[ステップD169]制御部は、PB予告処理を実行する。PB予告処理は、参照テーブル群「テーブルセットSA」を参照しながらサブ演出プログラム「プログラムSP1」を実行する処理である。制御部は、PB予告処理の実行後にステップD165に進む。
[ステップD170]制御部は、PB背景チェンジ処理を実行する。PB背景チェンジ処理は、参照テーブル群「テーブルセットSB」を参照しながらサブ演出プログラム「プログラムSP2」を実行する処理である。制御部は、PB背景チェンジ処理の実行後にステップD165に進む。
次に、PB予告処理、およびPB背景チェンジ処理を代表して、PB背景チェンジ処理を、図78を用いて説明する。図78は、第2の実施形態のPB背景チェンジ処理のフローチャートを示す図である。
PB背景チェンジ処理は、参照テーブル群「テーブルセットSB」を参照しながらサブ演出プログラム「プログラムSP2」を実行する処理である。PB背景チェンジ処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によっておこなわれる処理である。PB背景チェンジ処理は、演出制御プログラムの実行中(たとえば、通常ハズレ処理のステップD170)に制御部によって実行される処理である。
[ステップD171]制御部は、テーブルセット(参照テーブル群「テーブルセットSA」)を取得する。
[ステップD172]制御部は、先頭シーケンスをセットする。
[ステップD173]制御部は、セットされたシーケンスに対応するテーブルを選択する。
[ステップD174]制御部は、選択したテーブルを参照して、抽選により演出パターンを選択してセットする。
[ステップD175]制御部は、現在のシーケンスが末尾シーケンスか否かを判定する。制御部は、現在のシーケンスが末尾シーケンスでなければステップD176に進み、末尾シーケンスであればPB背景チェンジ処理を終了する。
[ステップD176]制御部は、シーケンスを更新してステップD173に進む。
遊技機10は、このような演出制御プログラムによって演出制御装置300のプログラムの開発負担を軽減する。
たとえば、前半変動「通常ハズレ」と前半変動「通常リーチ」は、同様の演出制御をおこないながらも、前半変動「通常ハズレ」は前半変動プログラム「プログラムMP2」を実行する処理で実現し、前半変動「通常リーチ」は前半変動プログラム「プログラムMP3」を実行する処理で実現している。すなわち、前半変動「通常ハズレ」と前半変動「通常リーチ」は、同様の演出制御を異なるプログラムで実現している。
ここで、開発過程において前半変動「通常リーチ」の演出制御内容を変更した場合について図79と図80を用いて説明する。図79は、第2の実施形態の開発過程で修正された前半変動における制御プログラムとテーブル選択パターンの一例を示す図(その1)である。図80は、第2の実施形態の開発過程で修正された前半変動における制御プログラムとテーブル選択パターンの一例を示す図(その2)である。
開発過程において前半変動「通常リーチ」は、参照するテーブル群を参照テーブル群「テーブルセットMBa」に差し替える。これにより、参照テーブル群「テーブルセットMB」を参照する前半変動は、前半変動「通常ハズレ」だけとなる。
また、開発過程において前半変動「通常リーチ」は、前半変動プログラム「プログラムMP3」から前半変動プログラム「プログラムMP3a」への変更は、前半変動「通常ハズレ」に対して何ら影響を与えない。
なお、参照テーブル群「テーブルセットMBa」は、テーブル「テーブルMB4」をテーブル「テーブルMB9」に差し替えている。また、前半変動プログラム「プログラムMP3a」は、テーブル「テーブルMB9」の前後で3か所、テーブル「テーブルMB9」から離れた位置(テーブル「テーブルMB3」の後)の1か所の合計4か所で分岐を差し替えている。
このような開発過程における前半変動「通常リーチ」の制御内容の変更は、前半変動「通常ハズレ」と前半変動「通常リーチ」とでプログラムを共用していた場合に前半変動「通常ハズレ」にも及んでしまう。しかしながら、遊技機10は、前半変動「通常ハズレ」と前半変動「通常リーチ」とでプログラムを共用していないので制御内容の変更の影響範囲を切り分けることができる。
なお、遊技機10は、前半変動プログラムと参照テーブル群の両方を変更しているが、いずれか一方を変更するものであってもよい。
また、前半変動「通常リーチ」は、その制御範囲にPB予告処理、およびPB背景チェンジ処理を含むが、PB予告処理、およびPB背景チェンジ処理は、処理内容がそれぞれのサブ演出プログラムに委ねられて前半変動プログラムから独立している。したがって、PB予告処理、およびPB背景チェンジ処理は、前半変動プログラムやその参照テーブル群の変更の影響を受けない。
上述した第2の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、遊技制御をおこなう主制御装置(遊技制御装置100)と、主制御装置の指令にもとづいて演出制御をおこなう従制御装置(演出制御装置300)とを備える。従制御装置は、演出の振分を規定するテーブルデータを記憶する記憶部と、指令のうち第1の指令(たとえば、通常ハズレに対応する変動開始コマンド)にもとづくテーブルデータ(参照テーブル群「テーブルセットMB」、参照テーブル群「テーブルセットSA」、参照テーブル群「テーブルセットSB」)からの演出振分を第1プログラム(たとえば、前半変動「通常ハズレ」の前半変動プログラム「プログラムMP2」)の実行により制御する第1制御(通常ハズレ処理)と、指令のうち第2の指令(たとえば、通常リーチに対応する変動開始コマンド)にもとづくテーブルデータからの演出振分を第1プログラムと異なる第2プログラム(たとえば、前半変動「通常リーチ」の前半変動プログラム「プログラムMP3」)の実行により制御する第2制御(通常リーチ処理)とを実行可能な制御部(CPU311)と、を含む。
(2)(1)のテーブルデータは、特定演出を含まない第1テーブルデータ(参照テーブル群「テーブルセットMB」)と、特定演出を含む第2テーブルデータ(参照テーブル群「テーブルセットSA」、参照テーブル群「テーブルセットSB」)とを含み、制御部は、第1プログラムの実行により第1の指令にもとづいて第1テーブルデータからの演出を振り分ける第1制御を実行し、第2プログラムの実行により第2の指令にもとづいて第1テーブルデータからの演出を振り分ける第2制御を実行し、第1プログラムおよび第2プログラムと異なる第3プログラム(たとえば、サブ変動「PB予告」のサブ演出プログラム「プログラムSP1」)の実行により第1の指令または第2の指令にもとづいて第2テーブルデータからの演出を振り分ける第3制御(PB予告処理)を実行する。
[第3の実施形態]
まず、第3の実施形態の遊技機10の遊技盤の構成について図81、図82を用いて説明する。図81は、第3の実施形態の遊技機の遊技盤の一例を示す正面図(その1)である。図82は、第3の実施形態の遊技機の遊技盤の一例を示す正面図(その2)である。
図81における遊技盤700は、可動役物が格納された状態を示し、図82における遊技盤700は、格納された可動役物が視認可能に現出している状態を示す。
図81、図82に示すように遊技盤700は、ほぼ中央にセンターケース40が設けられている。センターケース40の内部には、表示装置41と、第2表示装置701と、点灯部702a〜702cと、ロゴ表示部703と、第1盤演出装置704と、第2盤演出装置705L,705Rと、第3盤演出装置706と、第4盤演出装置707とが設けられている。
第2表示装置701は、表示によって遊技に関する情報(たとえば、遊技の演出等)を報知する。遊技盤700においては、第2表示装置701は、六角形の形状であり、文字等の所定情報を表示する表示部が中央部分に形成され、表示部を囲うように枠部が形成されている。枠部は、複数の点灯色で点灯可能に構成(たとえば、LEDで構成)されている。
点灯部702a〜702cは、点灯状態によって遊技に関する情報(遊技の進行状況等)を報知する。遊技盤700においては、点灯部702aは「1」を表示し、点灯部702bは「2」を表示し、点灯部702cは「3」を表示する。遊技機10は、たとえば、点灯部702aを点灯状態とし点灯部702bおよび点灯部702cを消灯状態とすることで進行状況が第1段階であることを報知し、点灯部702aおよび点灯部702bを点灯状態とし点灯部702cを消灯状態とすることで進行状況が第2段階であることを報知し、点灯部702a〜702cを点灯状態とすることで進行状況が第3段階(たとえば、演出が開始される直前であること)を報知する。
なお、点灯部702a〜702cは、たとえば、可動可能(たとえば、回転や揺動可能)に構成されていてもよい。この場合には、遊技機10は、消灯から点灯に切替える際に点灯部702a〜702cを可動させることで、点灯状態(点灯/消灯)が変化したことをより容易に把握可能にできる。
ロゴ表示部703は、遊技機10の商品名(製品名、ブランド等)を表示する複数の文字(複数の構成部)で構成されている。ロゴ表示部703の各構成部は、複数の点灯色で点灯可能に構成(たとえば、LEDで構成)されており、ロゴ表示部703は、点灯状態によって遊技に関する情報(遊技の進行状況等)を報知する。
遊技盤700においては、ロゴ表示部703は、「A」「B」「C」「D」「E」「F」「G」の7つの構成部(文字)からなり、構成部ごとに点灯色を制御可能に構成されている。
たとえば、ロゴ表示部703は、演出開始時にはすべての構成部を消灯状態とし、演出が進行するごとに点灯状態の構成部を増加させ、演出終了タイミングに合わせてすべての構成部を点灯状態とすることで、遊技の進行状況(演出の進行状況)を報知する。なお、ロゴ表示部703は、演出開始時にはすべての構成部を消灯状態とし、演出が進行するごとに点灯状態の構成部を増加させ、大当りの場合にのみすべての構成部を点灯状態とすることで、遊技の進行状況(演出の進行状況)を報知してもよい。
第1盤演出装置704は、動作することによって遊技の演出をおこなう。遊技盤700においては、第1盤演出装置704は、瓢箪のような形状である。第1盤演出装置704は、表示装置41の左側に設けられ、図81に示すように上部を表示装置41に向かって傾かせ、上部が表示装置41の前面側に重畳する位置まで動作可能となっている。
第2盤演出装置705L,705Rは、動作することによって遊技の演出をおこなう。遊技盤700においては、第2盤演出装置705Lは、通常時(非動作時)には表示装置41の左上側の表示装置41と重畳しない位置に配置(たとえば、視認できないように収納)され、動作時には図82に示すように表示装置41の左上に現出し、表示装置41の左上から表示装置41の前面側を表示装置41の中央に向かって延出するよう動作可能となっている。また、第2盤演出装置705Rは、通常時(非動作時)には表示装置41の右上側の表示装置41と重畳しない位置に配置(たとえば、視認できないように収納)され、動作時には図82に示すように表示装置41の右上に現出し、表示装置41の右上から表示装置41の前面側を表示装置41の中央に向かって延出するよう動作可能となっている。
第3盤演出装置706は、動作することによって遊技の演出をおこなう。遊技盤700においては、第3盤演出装置706は、通常時(非動作時)には第2表示装置701の背面側に配置(収納)され、動作時には図82に示すように表示装置41の上に現出し、表示装置41の上から表示装置41の前面側を表示装置41の中央に向かって動作可能となっている。
なお、遊技盤700においては、第2盤演出装置705L,705Rおよび第3盤演出装置706は、中央部に動作した状態で互いに結合し、3つの盤演出装置が一体となって所定形状を形成可能に構成されている。
第4盤演出装置707は、動作することによって遊技の演出をおこなう。第4盤演出装置707は、遊技機10の演出に関連するキャラクタの形状である。遊技盤700においては、第4盤演出装置707は、通常時(非可動時)には表示装置41の左下側の表示装置41と重畳しない位置に配置(たとえば、視認できないように収納)され、動作時には図82に示すように表示装置41の下部の前面側に現出し、表示装置41の下部の前面側を左右に動作可能となっている。なお、第4盤演出装置707は、キャラクタが保持する武器を動作可能となっていてもよいし、左右方向への動作に加えて上下方向への動作や、キャラクタを傾ける動作が可能となっていてもよい。
以上が第3の実施形態における遊技機10の遊技盤700の一例である。次に第3の実施形態の表示装置41における表示画面の構成について図83を用いて説明する。図83は、第3の実施形態における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その1)である。
表示画面708は、2組の飾り図柄(大図柄群709、小図柄群710)と、特図1保留数表示711と、特図2保留数表示712と、保留表示713と、保留消化表示714と、保留消化台座表示715と、予告表示716とを表示内容に含む。
2組の飾り図柄は、第1飾り図柄として大図柄群709と、第2飾り図柄として小図柄群710とがある。大図柄群709は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群709は、表示装置41の略中央部に大きく表示される。大図柄群709は、左図柄709Lと中図柄709Cと右図柄709Rとを含む。左図柄709Lと中図柄709Cと右図柄709Rは、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。
一般に、大図柄群709は、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cの順に変動を開始し、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cの順に停止(仮停止を含む)する。そのため、大図柄群709は、多くの場合において、左図柄709Lと右図柄709Rとでリーチ態様を形成し、中図柄709Cの停止を待って当り態様を形成可能にする。
小図柄群710は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群710は、大図柄群709による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群710は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面708の小図柄群710における左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが図柄変動状態であることを示す。
特図1保留数表示711は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。特図2保留数表示712は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。保留表示713は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する信頼度(期待度)を報知できる。保留記憶は、特図変動表示ゲームの実行権利を示す。たとえば、保留表示713は、各保留記憶に対応する保留記憶表示(保留記憶を表示した保留記憶表示)の表示態様(キャラクタ)を変化させること(たとえば、信頼度が高い場合に汎用キャラクタから専用キャラクタに変化させること)によってゲーム結果に対する信頼度を報知する。なお、保留表示713は、保留記憶表示の表示態様の変化に替えて、動作態様(たとえば、通常時にはキャラクタを徒歩の態様とし、信頼度が高い場合にキャラクタを駆け足の態様にすること)によってゲーム結果に対する信頼度を報知してもよい。
保留消化表示714は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの変動状態を示すとともにゲーム結果に対する信頼度を報知できる。図83においては、保留消化表示714は特図変動表示ゲームが図柄変動中であることを示す。たとえば、保留消化表示714は、保留記憶に対応する保留記憶表示の表示態様(キャラクタ)を変化させること(たとえば、信頼度が高い場合に汎用キャラクタから専用キャラクタに変化させること)によってゲーム結果に対する信頼度を報知する。なお、保留消化表示714は、保留記憶表示の表示態様の変化に替えて、動作態様(たとえば、通常時にはキャラクタを徒歩の態様とし、信頼度が高い場合にキャラクタを駆け足の態様にすること)によってゲーム結果に対する信頼度を報知してもよい。
保留消化台座表示715は、保留消化表示714が表示される位置を明示する。保留消化台座表示715は、キャラクタ表示と、台座表示とを含む。キャラクタ表示は、遊技機10がおこなう演出のモチーフであるキャラクタを表示する。図83においては、キャラクタ表示は、虎のようなキャラクタを表示する。台座表示は、消化中の保留記憶に対応する保留記憶表示(キャラクタ)とキャラクタ表示が表示するキャラクタとが位置する足場を表示する。
予告表示716は、待機中の保留記憶または消化中の保留記憶でおこなわれる演出(付与される特典)を予告報知する。予告表示716は、宝箱と瓢箪を表示しており、待機中の保留記憶または消化中の保留記憶の消化時に、表示するアイテム(シンボル)に対応する演出(図83においては、宝箱のような態様のアイテムに対応する演出および瓢箪のような態様のアイテムに対応する演出)がおこなわれることを報知する。予告表示716は、アイテムがストックされていない状態においては非表示状態となる。
予告表示716に表示されるアイテムは、荷物を持った態様で表示された保留記憶(荷物を持ったキャラクタの態様の保留記憶表示)の消化開始時に荷物が開封されることで追加される。なお、荷物は、所定のタイミングで出現する。なお、荷物は、保留表示713に保留記憶表示を表示し始めるタイミング(表示開始時)から出現させてもよいし、途中から出現させるようにしてもよい。
次に、荷物から出現するアイテムと、おこなわれる演出(付与される特典)との関係について図84を用いて説明する。図84は、第3の実施形態における荷物から出現するアイテムとその内容との関係の一例を示す図である。
荷物の中から出現するアイテムは、パターンP1〜P5まである。パターンP1のアイテムは、ドクロのような態様をしたアイテム(シンボル)である。パターンP1のアイテムは、ガセ(当該荷物を開封する演出が失敗(煽り演出))であることを明示する。荷物からパターンP1のアイテムが出現した場合には、予告表示716には、アイテムがストック(追加)されない。
パターンP2のアイテムは、ハートのような態様をしたアイテムである。パターンP2のアイテムは、消化中の保留記憶または待機中の保留記憶のいずれかにおいて演出PT(ポイント)を獲得する演出PT獲得演出がおこなわれることを明示する。たとえば、遊技機10においては、演出PTを所定の値まで蓄積することで演出の実行権利を獲得できる。荷物からパターンP2のアイテムが出現した場合には、予告表示716には、ハートのような態様をしたアイテムがストックされる。
パターンP3のアイテムは、瓢箪のような態様をしたアイテムである。パターンP3のアイテムは、消化中の保留記憶または待機中の保留記憶のいずれかにおいて演出PT獲得演出がおこなわれることを明示する。荷物からパターンP3のアイテムが出現した場合には、予告表示716には、瓢箪のような態様をしたアイテムがストックされる。
パターンP4のアイテムは、プッシュボタン(PB)を示す態様をしたアイテム(プッシュボタンの態様のアイテム)である。パターンP4のアイテムは、消化中の保留記憶または待機中の保留記憶のいずれかにおいてプッシュボタンを用いる(プッシュボタンの操作を伴う)疑似連演出(1回の変動表示ゲームにおいて仮停止後に再変動をおこなう等して、あたかも複数回の変動表示ゲームがおこなわれているように想起させる演出)がおこなわれることを明示する。荷物からパターンP4のアイテムが出現した場合には、予告表示716には、プッシュボタンを示す態様をしたアイテムがストックされる。なお、プッシュボタンを示す態様のアイテムにもとづいて実行されるプッシュボタンを用いる疑似連演出は、当該アイテムと無関係におこなわれるプッシュボタンを用いる演出とは異なる専用の演出であってもよい。
パターンP5のアイテムは、宝箱のような態様をしたアイテムである。パターンP5のアイテムは、消化中の保留記憶または待機中の保留記憶のいずれかにおいて宝箱の開封演出(宝箱が開封され中からアイテムが出現する演出)がおこなわれることを明示する。荷物からパターンP5のアイテムが出現した場合には、予告表示716には、宝箱のような態様をしたアイテムがストックされる。
次に、宝箱から出現するアイテムについて図85を用いて説明する。図85は、第3の実施形態における宝箱から出現するアイテムとその内容との関係の一例を示す図である。
宝箱の開封演出において宝箱の中から出現するアイテムは、パターンP10〜P14まである。パターンP10のアイテムは、ドクロのような態様をしたアイテムである。パターンP10のアイテムは、ガセである(宝箱開封演出から発展しない)ことを明示する。保留記憶の消化中(特図変動表示ゲーム実行中)に宝箱からパターンP10のアイテムが出現した場合には、当該宝箱の開封演出が終了した後に、当該出現したアイテムに関連した演出がおこなわれない。
パターンP11のアイテムは、ハートのような態様をしたアイテムである。パターンP11のアイテムは、演出PT獲得演出に発展することを明示する。保留記憶の消化中(特図変動表示ゲーム実行中)に宝箱からパターンP11のアイテムが出現した場合には、当該宝箱の開封演出を終了した後、当該特図変動表示ゲーム内で演出PT獲得演出がおこなわれる。
パターンP12のアイテムは、瓢箪のような態様をしたアイテムである。パターンP12のアイテムは、演出PT獲得演出に発展することを明示する。保留記憶の消化中(特図変動表示ゲーム実行中)に宝箱からパターンP12のアイテムが出現した場合には、当該宝箱の開封演出を終了した後、当該特図変動表示ゲーム内で演出PT獲得演出がおこなわれる。
パターンP13のアイテムは、継続の文字を表示する態様のアイテムである。パターンP13のアイテムは、疑似連演出に発展することを明示する。保留記憶の消化中(特図変動表示ゲーム実行中)に宝箱からパターンP13のアイテムが出現した場合には、当該宝箱の開封演出を終了した後、当該特図変動表示ゲーム内で疑似連演出がおこなわれる。
パターンP14のアイテムは、激熱の文字を表示する態様のアイテムである。パターンP14のアイテムは、信頼度の高い(たとえば、60%)ことを明示する。保留記憶の消化中(特図変動表示ゲーム実行中)に宝箱からパターンP14のアイテムが出現した場合には、当該宝箱の開封演出を終了した後、当該特図変動表示ゲーム内で信頼度の高い演出がおこなわれる。
次に遊技機10が実行する変動表示ゲームの演出の一例について図86〜図88を用いて説明する。図86は、第3の実施形態における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その2)である。図87は、第3の実施形態における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その3)である。図88は、第3の実施形態における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その4)である。
図86(1)に示す表示画面717は、図柄変動停止中(変動表示ゲーム停止中)の表示画面であって、予告表示716にストックされているアイテムがない状態を示す。
表示画面717では、予告表示716にストックされているアイテムがないため、予告表示716が非表示状態となっている。また、表示画面717では、図柄変動停止中であるため、保留消化表示714に保留記憶表示が表示されていない状態となっている。また、表示画面717は、荷物を持った態様の保留記憶表示が保留表示713内の1番目(先頭)に位置しており、次の保留記憶の消化を開始すると荷物からアイテムが出現することを明示している。
図86(2)に示す表示画面718は、表示画面717の後の表示画面であって、荷物を持った態様で表示された保留記憶の消化を開始した状態(図柄変動を開始した状態)を示す。表示画面718では、左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動している。表示画面718では、表示画面717における状態から各保留記憶表示が一つスライドし、保留表示713の1番目に位置していた荷物を持った態様の保留記憶表示が保留消化表示714に位置し、当該荷物を持った態様で表示された保留記憶に対応する特図変動表示ゲームが開始されていることを示す。
図86(3)に示す表示画面719は、表示画面718の後の表示画面であって、荷物を開封する開封演出が実行されている状態を示す。表示画面719は、保留消化表示714に表示された保留記憶表示の荷物からパターンP4(プッシュボタンの態様)のアイテムが出現している状態であり、消化中の保留記憶または待機中の保留記憶のいずれかの特図変動表示ゲームにおいてプッシュボタンを用いる疑似連演出がおこなわれることを明示している。また、表示画面719では、保留消化台座表示715を構成するキャラクタから「貢物感謝する!」というメッセージを表示することで、当該アイテムが遊技者にとって有利なアイテムであることを明示している。
図87(1)に示す表示画面720は、表示画面719の後の表示画面であって、荷物から出現したアイテムが新たに予告表示716にストックされた状態である。表示画面720では、ストック対象となるアイテムが出現したため予告表示716が表示状態となり、表示状態となった予告表示716が荷物から出現したプッシュボタンの態様のアイテムを表示している。そして、表示画面720では、荷物からアイテムが出現したことに伴い、消化中の保留記憶を表示する保留記憶表示の態様を、荷物を持った態様から荷物を持っていない態様に変更している。なお、遊技機10は、予告表示716内にある状態ではプッシュボタンの押下による入力を無効とする(入力を受付けない)。
図87(2)に示す表示画面721は、表示画面720の後の表示画面であって、特図変動表示ゲームにおいて予告表示716で予告しているプッシュボタンを用いる疑似連演出と無関係に(独立して)おこなわれるプッシュボタンを用いる演出が発生している状態を示す。
表示画面721は、演出表示722を表示内容に含む。演出表示722は、特図変動表示ゲームで実行される演出を表示する。表示画面721においては、演出表示722は、プッシュボタンを押下する様子を示す画像(プッシュボタンの操作を促す画像)と、「押せ!!」というメッセージ(プッシュボタンの操作を促すメッセージ)と、残り時間を示すタイマを表示し、特図変動表示ゲームにおいてプッシュボタンを用いる演出(プッシュボタンを押下する演出)が実行中であることを明示する。表示画面721では、予告表示716のストック状態(ストックしているアイテム)が、表示画面720における予告表示716のストック状態(ストックしているアイテム)から変化していない。これにより表示画面721は、演出表示722が予告表示716で予告している演出ではないこと、すなわち、実行中のプッシュボタンを用いる演出が予告表示716にストックしたプッシュボタンの態様のアイテムとは無関係であることを示している。
そして、遊技機10は、表示画面721を表示中(予告表示716でプッシュボタンのアイテムを表示中に演出表示722でプッシュボタンを用いる演出を実行したとき)に遊技者がプッシュボタンを押下(操作)した場合、演出表示722に対する操作(押下による入力)のみ有効とする(演出表示722が表示したプッシュボタンを用いる演出を優先する)。つまり、遊技機10は、予告表示716にストックしたプッシュボタンの態様のアイテムについての押下による入力は無効とする。
このように遊技機10は、予告表示716内に表示された状態では押下による入力を無効としているため、操作の混交を招かないので、予告表示716にプッシュボタンのアイテムを表示中において当該アイテムと無関係におこなわれるプッシュボタンを用いる演出の実施を禁止するなどの制限を設ける必要がない。すなわち遊技機10は、予告実施中においても演出の自由度を確保(自由度が下がることを抑止)でき、興趣を向上できる。
なお、遊技機10は、この場合には、予告表示716に表示したプッシュボタンの態様のアイテムの表示態様を変化(たとえば、グレースケール)させ、押下による入力が無効であることを明示してもよい。
図87(3)に示す表示画面723は、表示画面721の後の表示画面であって、特図変動表示ゲームが終了し、図柄変動停止中になった状態を示す。
表示画面723では、表示画面721に実行中の特図変動表示ゲームにおいて予告表示716にストックされていたアイテムが予告している演出がおこなわれず(ストックしているアイテムが消費されず)に特図変動表示ゲームが終了したため、予告表示716のストック状態が表示画面721と同様のストック状態となっている。
図88(1)に示す表示画面724は、表示画面723の後の表示画面であって、新たな保留記憶の消化を開始した状態(変動開始した状態)を示す。表示画面724では、表示画面723における状態から各保留記憶表示が一つスライドし、表示画面723において保留表示713の1番目に位置していた保留記憶表示が保留消化表示714に位置し、当該保留記憶表示に対応する特図変動表示ゲームが開始されている。
図88(2)に示す表示画面725は、表示画面724の後の表示画面であって、予告表示716にストックされていたアイテム(プッシュボタンの態様のアイテム)に対応する演出が開始された状態を示す。
表示画面725では、予告表示716にストックされていたプッシュボタンの態様のアイテムが、予告表示716内から画面中央に向かって拡大しながら移動している。これにより、表示画面725は、これから開始される演出が当該プッシュボタンの態様のアイテムが予告していた演出(プッシュボタンを用いる疑似連演出)であることを明示している。
図88(3)に示す表示画面726は、表示画面725の後の表示画面であって、予告表示716にストックされていたアイテム(プッシュボタンの態様のアイテム)に対応する演出を実行中の状態を示す。
表示画面726では、演出表示722として、プッシュボタンを押下する様子を示す画像と、「押せ!!」というメッセージと、残り時間を示すタイマを表示し、特図変動表示ゲームにおいてプッシュボタンを用いる演出(プッシュボタンを押下する演出)が実行中であることを明示している。表示画面726では、予告表示716にストックされていたアイテムが予告している演出を実行(ストックしているアイテムを消費)し、予告表示716にストックされているアイテムがなくなったことに伴い、予告表示716が非表示状態となっている。
次に、予告表示716にストックされていたプッシュボタンの態様のアイテムにもとづいて実行されるプッシュボタンを用いる疑似連演出においてプッシュボタンの押下による入力をした場合と、押下による入力をしなかった場合におこなわれる演出内容の一例について図89を用いて説明する。図89は、第3の実施形態におけるプッシュボタンを用いる疑似連演出においてプッシュボタンを押下した場合と、押下しなかった場合におこなわれる演出内容の一例を示す図である。
たとえば、遊技機10は、図89(a)に示すように、プッシュボタンを用いる疑似連演出においてプッシュボタンの押下による入力をしなかった場合(非押下である場合)には通常態様の疑似連(通常疑似連)を実行し、プッシュボタンを用いる演出においてプッシュボタンの押下による入力をした場合にはプッシュボタンを用いる疑似連演出専用に用意された疑似連(専用疑似連)を実行する。すなわち、遊技機10は、プッシュボタンを用いる疑似連演出において、プッシュボタンを疑似連の種類の選択に用いる。
または、遊技機10は、図89(b)に示すように、プッシュボタンを用いる疑似連演出においてプッシュボタンの押下による入力をしなかった場合(非押下である場合)には高速変動(表示画面720に示す変動)を継続し、プッシュボタンを用いる演出においてプッシュボタンの押下による入力をした場合には疑似連を実行する。すなわち、遊技機10は、プッシュボタンを用いる疑似連演出において、プッシュボタンを疑似連演出の実行是非の選択に用いる。
次に保留記憶表示に出現させる荷物の設定処理について図90を用いて説明する。図90は、第3の実施形態における荷物設定処理のフローチャートを示す図である。
荷物設定処理は、演出制御装置300の制御部(CPU311)によって新たに保留記憶が発生した場合、すなわち、保留記憶が新たに発生したことを示す入賞コマンドを受信した場合におこなわれる処理である。荷物設定処理は、たとえば、メイン処理のステップD23で制御部によって実行される処理である。
[ステップD300]制御部は、入賞コマンドにもとづいて新たに発生した保留記憶で実行される演出が予告の対象となる演出(予告として報知される演出を特図変動表示ゲーム内で実行する演出)であるか否かを判定する。制御部は、予告の対象となる演出を実行すると判定した場合にステップD301に進み、予告の対象となる演出を実行しないと判定した場合にステップD307に進む。
[ステップD301]制御部は、保留記憶の中に荷物を持った態様で表示される保留記憶が存在するか否かを判定する。制御部は、荷物を持った態様で表示される保留記憶が存在すると判定した場合にステップD302に進み、荷物を持ったキャラクタの態様で表示される保留記憶が存在しないと判定した場合にステップD304に進む。
[ステップD302]制御部は、荷物を持った態様で表示される保留記憶の荷物の中身を差替え可能であるか否かを判定する。たとえば、制御部は、荷物の中身としてパターンP1が設定されている場合に差替え可能であると判定し、パターンP1以外が中身として設定されている場合には差替え不可能であると判定する。なお、パターンごとに優先度を設定しておき、差替え前のパターンの優先度と差替え後のパターンの優先度を比較して差替え後のパターンの優先度が高い場合に差替え可能であると判定してもよい。
制御部は、荷物の中身を差替え可能であると判定した場合にステップD303に進み、荷物の中身を差替え不可能であると判定した場合にステップD304に進む。
[ステップD303]制御部は、荷物の中身をパターンP1から、新たに発生した保留記憶が実行する予告の対象となる演出に対応するアイテムのパターンに差替える。
[ステップD304]制御部は、いずれかの保留記憶(新たに発生した保留記憶または待機中の保留記憶)に対応する保留記憶表示の表示態様として荷物をセット(保留記憶表示の表示態様として荷物を持ったキャラクタをセット)する。
[ステップD305]制御部は、ステップD304においてセットした荷物の中身として、新たに発生した保留記憶が実行する予告の対象となる演出に対応するアイテムのパターンをセットする。
[ステップD306]制御部は、新たに発生した保留記憶に対応する保留記憶表示の表示態様として荷物がセット済みであるか否かを判定する。制御部は、新たに発生した保留記憶に対応する保留記憶表示の表示態様として荷物がセット済みでないと判定した場合にはステップD307に進み、新たに発生した保留記憶に対応する保留記憶表示の表示態様として荷物がセット済みであると判定した場合には荷物設定処理を終了する。
[ステップD307]制御部は、ドクロ入りの荷物の発生タイミングであるか否かを判定する。たとえば、制御部は、乱数を発生させて乱数が所定値を示した場合にドクロ入りの荷物の発生タイミングであると判定する。
制御部は、ドクロ入りの荷物の発生タイミングであると判定した場合にステップD308に進み、ドクロ入りの荷物の発生タイミングでないと判定した場合に荷物設定処理を終了する。
[ステップD308]制御部は、新たに発生した保留記憶に対応する保留記憶表示の表示態様として荷物をセット(保留記憶表示の表示態様として荷物を持ったキャラクタをセット)する。
[ステップD309]制御部は、ステップD304においてセットした荷物の中身として、パターンP1またはパターンP5(ドクロ入りの宝箱)をセットし、荷物設定処理を終了する。
以上が第3の実施形態である。このように予告表示716においてプッシュボタンを用いる演出等が消化中の保留記憶または待機中の保留記憶のいずれかでおこなわれることを事前に予告することで、遊技機10は、演出の進行を予測させ、期待感を維持・向上させることができる。
遊技機10は、アイテムを出現させる保留記憶と、当該アイテムが予告する演出を実行する保留記憶とを異なる保留記憶とし、アイテムが予告した演出が発生するタイミングを遊技者が把握できないようにできる。これによれば、遊技機10は、予告した演出をおこなう保留記憶よりも前に消化される保留記憶の消化時においても、アイテムによって予告した演出が発生するのではないかという期待感を与えることができる。すなわち、遊技機10は、予告の対象でない演出についても、期待感を維持・向上させることができる。
さらには、遊技機10は、予告表示716によって、プッシュボタンを用いる演出等が開始することを事前に予告することにより、演出の見落とし(操作忘れ)を防止し、興趣を向上させることができる。
なお、遊技機10は、予告表示716内にあるプッシュボタンのアイテムについての押下による入力は受付けないとして説明したがこれに限らない。遊技機10は、プッシュボタンを用いる疑似連演出と無関係におこなわれるプッシュボタンを用いる演出の実行中に押下による入力を無効とすればよく、それ以外のタイミングに押下による入力がされた場合には予約入力として疑似連演出開始前に入力を受け付けてもよい。これにより、遊技機10は、押下し忘れによって演出を見逃すことを抑止できる。
[第3の実施形態の変形例1]
次に第3の実施形態の変形例1でおこなわれる演出について図91〜図92を用いて説明する。図91は、第3の実施形態の変形例1における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その1)である。図92は、第3の実施形態の変形例1における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その2)である。
図91(1)に示す表示画面727は、図柄変動中(変動表示ゲーム実行中)の表示画面を示す。表示画面727では、左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動している。
図91(2)に示す表示画面728は、表示画面727の後の表示画面であって、左図柄709Lが仮停止する直前の状態を示す。表示画面728では、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動し、左図柄709Lが低速変動している。すなわち、表示画面728は、左図柄709Lを仮停止しようとしていることを明示している。
図91(3)に示す表示画面729は、表示画面728の後の表示画面であって、左図柄709Lが仮停止した状態を示す。表示画面729では、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動し、左図柄709Lが「5」で仮停止し図柄が揺動している。
図92(1)に示す表示画面730は、表示画面729の後の表示画面であって、左図柄709Lに演出が発生している状態を示す。
表示画面730では、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動している。また、表示画面730では、仮停止した左図柄709Lの数字(識別子)と重畳する部分に、演出表示722としてプッシュボタンの画像と演出の発生を示すエフェクトが表示されている。
図92(2)に示す表示画面731は、表示画面730の後の表示画面であって、プッシュボタンを用いる演出が開始された状態を示す。
表示画面731では、演出表示722として、プッシュボタンを押下する様子を示す画像と、「押せ!!」というメッセージと、残り時間を示すタイマを表示し、特図変動表示ゲームにおいてプッシュボタンを用いる演出(プッシュボタンを押下する演出)が実行中であることを明示している。
以上が第3の実施形態の変形例1でおこなわれる演出である。一般に変動表示ゲームにおいて図柄を仮停止した場合、遊技者は仮停止した図面を視界に入れている(目視している)。そのため、遊技機10は、仮停止した直後に、仮停止した図柄を構成する数字の前面側にプッシュボタンの画像を表示して、プッシュボタンを用いる演出をおこなうことを報知した後にプッシュボタンを用いる演出を開始することで、プッシュボタンを用いる演出が開始することをより確実に遊技者に認識させることができる。これにより、遊技機10は、遊技者がプッシュボタンを用いる演出を見落とすことを防止し、興趣を向上させることができる。
[第3の実施形態の変形例2]
第3の実施形態の変形例1においては、仮停止後に仮停止した図柄の数字の前面側にプッシュボタンの画像を表示し(プッシュボタンを表示する図柄に変化させ)、プッシュボタンを用いる演出を開始した。第3の実施形態の変形例2では変動中の図柄を、プッシュボタンを表示する図柄(たとえば、数字の前面側にプッシュボタンを重畳して配置した図柄)に差替え、プッシュボタンを表示する図柄を仮停止させた後に、プッシュボタンを用いる演出を開始する。
ここで第3の実施形態の変形例2でおこなわれる演出について図93を用いて説明する。図93は、第3の実施形態の変形例2における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図である。
図93(1)に示す表示画面732は、表示画面728の後の表示画面であって、左図柄709Lが仮停止する直前の状態を示す。表示画面732では、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動し、左図柄709Lが低速変動している。また、表示画面732では、図柄を構成する数字の前面側にプッシュボタンの画像を表示した左図柄709L(プッシュボタンを表示する図柄に数字を差替えた左図柄709L)を仮停止しようとしている(低速変動させている)。すなわち、表示画面732は、左図柄709Lが図柄を構成する数字の前面側にプッシュボタンの画像を表示した状態で仮停止しようとしていることを明示している。
図93(2)に示す表示画面733は、表示画面732の後の表示画面であって、左図柄709Lが仮停止した状態を示す。表示画面733では、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動し、左図柄709Lが図柄を構成する数字の前面側にプッシュボタンの画像を表示した状態で仮停止し、揺動している。
図93(3)に示す表示画面734は、表示画面733の後の表示画面であって、プッシュボタンを用いる演出が開始された状態を示す。
表示画面734では、演出表示722として、プッシュボタンを押下する様子を示す画像と、「押せ!!」というメッセージと、残り時間を示すタイマを表示し、特図変動表示ゲームにおいてプッシュボタンを用いる演出(プッシュボタンを押下する演出)が実行中であることを明示している。
以上が第3の実施形態の変形例2でおこなわれる演出である。一般に変動表示ゲームにおいて、遊技者は仮停止する図面を視界に入れている(目視している)。そのため、遊技機10は、仮停止する直前(低速変動状態)に、仮停止する図柄を構成する数字の前面側にプッシュボタンの画像を表示し、図柄を構成する数字の前面側にプッシュボタンの画像を表示した状態で仮停止させ、プッシュボタンを用いる演出をおこなうことを報知した後にプッシュボタンを用いる演出を開始することで、プッシュボタンを用いる演出が開始することをより確実に遊技者に認識させることができる。これにより、遊技機10は、遊技者がプッシュボタンを用いる演出を見落とすことを防止し、興趣を向上させることができる。
[第3の実施形態の変形例3]
次に第3の実施形態の変形例3でおこなわれる演出について図94〜図97を用いて説明する。図94は、第3の実施形態の変形例3における演出の流れを示すタイミングチャートである。図95は、第3の実施形態の変形例3における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その1)である。図96は、第3の実施形態の変形例3における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その2)である。図97は、第3の実施形態の変形例3における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その3)である。
まず、演出の流れについて図94のタイミングチャートを用いて説明する。図94に示すタイミングチャートは、遊技機10が実行する疑似連演出の一例であり、3回の疑似連を実行する場合の演出の流れを示す。
遊技機10は、図94に示すようにタイミングt10にBGM(Back Ground Music)として楽曲Aを用いてN回目の変動表示ゲームを開始する。そして遊技機10は、N回目の変動表示ゲームを開始すると変動表示演出(疑似連1回目)を実行する。変動表示演出(疑似連1回目)中における表示画面例について図95(1)の表示画面735、および図95(2)の表示画面736を用いて説明する。
図95(1)に示す表示画面735は、変動表示演出(疑似連1回目)中の表示画面を示す。表示画面735では、左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動している。そして、遊技機10は、表示画面735で実行中の変動表示演出に併せてBGMを所定音量で流している。
図95(2)に示す表示画面736は、表示画面735の後の表示画面であって、変動表示演出(疑似連1回目)中の表示画面を示す。表示画面736では、左図柄709Lが「7」の図柄で仮停止しており、右図柄709Rが「7」の図柄で仮停止しようとしており(低速変動しており)、中図柄709Cが高速変動している。すなわち、表示画面736はリーチ状態を導出しようとしている。そして、遊技機10は、表示画面736で実行中の変動表示演出に併せてBGMを所定音量で流すとともに、第2盤演出装置705L,705Rを動作させ、リーチ発生の期待感を煽り、興趣向上をはかっている。
遊技機10は、タイミングt11に変動表示演出(疑似連1回目)において二図柄仮停止状態になると、疑似連を継続するか否かを遊技者に報知する演出(疑似連継続演出)を開始する。このとき遊技機10は、楽曲Aを再生したまま音量を下げて消音(無音)とし、疑似連継続演出に用いるSE(Sound Effect)を再生する。
なお、遊技機10は、疑似連継続演出においては、疑似連を継続する場合には疑似連を継続する旨を遊技者に報知して三図柄を高速変動する状態(変動表示状態)に移行する。一方、遊技機10は、疑似連を継続しない場合には疑似連を継続しない旨を報知して変動表示ゲームの結果を導出する結果導出表示等に移行する。
二図柄仮停止(疑似連継続演出)中の画面表示例について図95(3)の表示画面737を用いて説明する。
図95(3)に示す表示画面737は、表示画面736の後の表示画面であって、二図柄仮停止(疑似連継続演出)中の表示画面を示す。表示画面737では、左図柄709Lが「7」の図柄で仮停止しており、右図柄709Rが「6」の図柄で仮停止しており、中図柄709Cが高速変動している。そして、遊技機10は、表示画面737で実行中の疑似連継続演出に併せ、BGMを消音状態にし、BGMに替えてSEを流すことで、演出が発生中であることを把握させ、期待感を与え、興趣向上をはかっている。
遊技機10は、タイミングt12に疑似連を継続することを報知すると変動表示演出(2回目)を実行する。遊技機10は、SEの再生を停止し、消音とした楽曲A(BGM)の音量を所定音量で流し始める(に戻す)。変動表示演出(疑似連2回目)中における表示画面例について図96(1)の表示画面738、図96(2)の表示画面739、図96(3)の表示画面740を用いて説明する。
図96(1)に示す表示画面738は、表示画面737の後の表示画面であって、変動表示演出(疑似連2回目)中の表示画面を示す。表示画面738では、演出表示722として、虎のようなキャラクタと、「勝負はこれからだ!」というメッセージを表示し、特図変動表示ゲームの演出が継続すること(再変動が開始すること)を明示している。また、遊技機10は、表示画面738で実行中の変動表示演出に併せて、第2盤演出装置705L,705Rを動作させ、演出に変化を与えることで、興趣向上をはかっている。そして、遊技機10は、表示画面737で再生していたSEを停止し、消音状態にしていたBGMを所定音量で流している。
図96(2)に示す表示画面739は、表示画面738の後の表示画面であって、変動表示演出(疑似連2回目)中の表示画面を示す。表示画面739では、左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動している。そして、遊技機10は、表示画面739で実行中の変動表示演出に併せてBGMを所定音量で流している。
図96(3)に示す表示画面740は、表示画面739の後の表示画面であって、変動表示演出(疑似連2回目)中の表示画面を示す。表示画面740では、左図柄709Lが「7」の図柄で仮停止しており、右図柄709Rが「7」の図柄で仮停止しようとしており(低速変動しており)、中図柄709Cが高速変動している。すなわち、表示画面740はリーチ状態を導出しようとしている。そして、遊技機10は、表示画面740で実行中の変動表示演出に併せてBGMを所定音量で流すとともに、第2盤演出装置705L,705Rを動作させ、リーチ発生の期待感を煽り、興趣向上をはかっている。
遊技機10は、タイミングt13に変動表示演出(疑似連2回目)において二図柄仮停止状態になると、疑似連継続演出を開始する。このとき遊技機10は、楽曲A(BGM)を再生したまま音量を下げて消音(無音)とし、疑似連継続演出に用いるSEを再生する。二図柄仮停止(疑似連継続演出)中の画面表示例について図97(1)の表示画面741を用いて説明する。
図97(1)に示す表示画面741は、表示画面740の後の表示画面であって、二図柄仮停止(疑似連継続演出)中の表示画面を示す。
表示画面741では、左図柄709Lが「7」の図柄で仮停止しており、右図柄709Rが「6」の図柄で仮停止しており、中図柄709Cが高速変動している。そして、遊技機10は、表示画面741で実行中の疑似連継続演出に併せ、BGMを消音状態にし、BGMに替えてSEを流すことで、演出が発生中であることを把握させ、期待感を与え、興趣向上をはかっている。
遊技機10は、タイミングt14に疑似連を継続することを報知すると変動表示演出(3回目)を実行する。遊技機10は、SEの再生を停止し、消音とした楽曲A(BGM)の音量を所定音量で流し始める(元に戻す)。変動表示演出(疑似連3回目)中における表示画面例について図97(2)の表示画面742、図97(3)の表示画面743を用いて説明する。
図97(2)に示す表示画面742は、表示画面741の後の表示画面であって、変動表示演出(疑似連3回目)中の表示画面を示す。表示画面742では、演出表示722として、虎のようなキャラクタと、「次で決めてやる!」というメッセージを表示し、特図変動表示ゲームの演出が継続すること(再変動が開始すること)を明示している。また、遊技機10は、表示画面742で実行中の変動表示演出に併せて、第2盤演出装置705L,705Rを動作させ、演出に変化を与えることで、興趣向上をはかっている。そして、遊技機10は、表示画面741で再生していたSEを停止し、消音状態にしていたBGMを所定音量で流している。
図97(3)に示す表示画面743は、表示画面742の後の表示画面であって、変動表示演出(疑似連2回目)中の表示画面を示す。表示画面743では、左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動している。そして、遊技機10は、表示画面743で実行中の変動表示演出に併せてBGMを所定音量で流している。
遊技機10は、変動表示演出(3回目)をタイミングt15まで実行し、変動表示ゲームの結果の導出(結果導出表示)をおこない、結果表示を所定時間おこなうとN回目の特図変動表示ゲームを終了する。
以上が第3の実施形態の変形例3における演出の流れである。このように、遊技機10は、SEを再生する際にSEとBGMとが混在しないようにする場合において、BGMを停止状態とするのではなく、BGMを消音状態としている。その結果、遊技機10が、SEの再生を終了した後にBGMの音量を上げた場合、SEの再生時間分だけ経過した再生位置からBGMが聞き取り可能となる。このようにSEの再生時間分だけ経過したい再生位置からBGMを聞き取り可能にすることで、遊技機10は、BGMがぶつ切りに聞こえるのを防止し、遊技者が感じる違和感を抑止し、興趣を向上できる。
[第3の実施形態の変形例4]
次に第3の実施形態の変形例4について説明する。まず、はじめに第3の実施形態の変形例4で用いる装飾図柄について図98を用いて説明する。図98は、第3の実施形態の変形例4における装飾図柄の一例を示す図である。
遊技機10は、大図柄群709の各図柄に用いる装飾図柄として装飾図柄Aおよび装飾図柄Bとを使用する。装飾図柄Aは、主として用いられる装飾図柄であり、装飾図柄Bは、従として用いられる装飾図柄(特定の場合にのみ用いられる装飾図柄)である。より具体的には、遊技機10において、装飾図柄Bは、特図2始動口への入賞によって発生した特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)において大当りが導出される場合にのみ用いられる図柄である。
装飾図柄Aは、図柄744,745,746,747,748,749,750を含む。図柄744,745,746,747,748,749,750は、それぞれが異なる表示態様により、他の図柄と区別可能になっている。
図柄744は、数字「1」により図柄としての識別性を有する数字要素(識別子)で構成された数字「1」を表示する図柄である。図柄745は、数字「2」により図柄としての識別性を有する数字要素で構成された数字「2」を表示する図柄である。図柄746は、数字「3」により図柄としての識別性を有する数字要素で構成された数字「3」を表示する図柄である。図柄747は、数字「4」により図柄としての識別性を有する数字要素で構成された数字「4」を表示する図柄である。図柄748は、数字「5」により図柄としての識別性を有する数字要素で構成された数字「5」を表示する図柄である。図柄749は、数字「6」により図柄としての識別性を有する数字要素で構成された数字「6」を表示する図柄である。図柄750は、数字「7」により図柄としての識別性を有する数字要素で構成された数字「7」を表示する図柄である。
装飾図柄Bは、装飾図柄Aにおける数字要素と同様の識別力を有する図柄であり、たとえば、装飾図柄Aにおける数字要素に装飾図柄Aよりも価値が高いことを示す文字要素(価値変換識別子)を加えた形である(図柄750に文字要素を加えた形である)。つまり、遊技機10では、装飾図柄B(図柄751)で導出される大当りは、装飾図柄A(図柄750)で導出される大当りよりも相対的に価値が高いことを示す。
装飾図柄Bは、図柄751を含む。図柄751は、数字「7」により図柄としての識別性を有する数字要素(識別子)と、文字「極」により数字「7」の数字要素のみからなる図柄750よりも価値が高いことを示す文字要素とで構成された図柄である。
次に装飾図柄Aおよび装飾図柄Bがどのような遊技状態で使用されるか図99を用いて説明する。図99は、第3の実施形態の変形例4における遊技状態において使用される図柄を示す図である。
図99に示すように遊技機10は、特図1始動口への入賞によって発生した特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)と、特図2変動表示ゲームで使用される図柄が異なっている。
遊技機10では、特図1変動表示ゲームの変動中および仮停止中において使用される図柄は、装飾図柄Aで構成されている。つまり、遊技機10は、特図1変動表示ゲームにおいては左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cにおいて図柄744,745,746,747,748,749,750を順番に表示することで高速変動をおこない、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750のいずれかを仮停止させ、仮停止状態を表示する。
遊技機10では、特図1変動表示ゲームの停止中において使用される図柄は、装飾図柄Aで構成されている。つまり、遊技機10は、特図1変動表示ゲームにおいては左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750のいずれかを停止させ、導出結果を表示する。
遊技機10では、特図2変動表示ゲームの変動中および仮停止中において使用される図柄は、装飾図柄Aで構成されている。つまり、遊技機10は、特図2変動表示ゲームにおいては左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750を順番に表示することで高速変動をおこない、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750のいずれかを仮停止させ、仮停止状態を表示する。
遊技機10では、特図2変動表示ゲームの停止中において使用される図柄は、装飾図柄Aおよび装飾図柄Bで構成されている。つまり、遊技機10は、特図2変動表示ゲームにおいては左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750,751のいずれかを停止させ、導出結果を表示する。
より具体的には、遊技機10は、特図2変動表示ゲームにおいて図柄751からなる大当りを導出する場合、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750を順番に表示することで高速変動をおこない、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750のいずれかを仮停止させた後、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄751を停止させる。
一方で、遊技機10では、それ以外の場合(図柄751からなる大当りを導出しない場合)、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750を順番に表示することで高速変動をおこない、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750のいずれかを仮停止させた後、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750のいずれかを停止させ、導出結果を表示する。
なお、以下、遊技機10では、特図2変動表示ゲームにおいては、図柄750からなる大当りに替えて図柄751からなる大当りが導出されるものとする。すなわち、遊技機10では、特図2変動表示ゲームにおいて図柄750からなる大当りは発生しないものとする。
このように遊技機10は、変動中および停止中において装飾図柄A(文字要素のない図柄)を使用し、特図2変動表示ゲームが図柄751を用いて大当りを導出する場合の停止時にのみ装飾図柄B(文字要素が着いた図柄)を用いることで、図柄751からなる大当りが特別な大当り(価値の高い大当り)であることを容易に把握可能にし、遊技に対する理解度を高め、興趣の向上ができる。
また、遊技機10では、特図2変動表示ゲームにおいても変動中および停止中において使用する装飾図柄Aを使用しているので、変動中および停止中において使用する映像等を特図1変動表示ゲームにおける映像等と共用でき、容量等の増加や映像の準備に係る手間の増加を抑止できる。
次に特図1変動表示ゲームで図柄750からなる大当りを導出する場合と、特図2変動表示ゲームで図柄751からなる大当りを導出する場合それぞれについて図100を用いて説明する。図100は、第3の実施形態の変形例4における特図1変動表示ゲームで「777」を導出する場合と特図2変動表示ゲームで「777」を導出する場合の比較を示す図である。
まず特図1変動表示ゲームで図柄750からなる大当りを導出する場合について説明する。遊技機10は、特図1変動表示ゲームにおいて一括表示装置が「●●●〇●〇〇●」を導出した場合に図柄750からなる大当りを導出する。遊技機10は、図柄750からなる大当りを導出した場合には、遊技者に対して特典として「4R」を付与する。遊技機10は、左図柄709L、右図柄709R、および中図柄709Cに図柄750を仮停止させた後、左図柄709L、右図柄709R、および中図柄709Cに図柄750を停止させることで図柄750からなる大当りを導出する。
次に特図2変動表示ゲームで図柄751からなる大当りを導出する場合について説明する。遊技機10は、特図2変動表示ゲームにおいて一括表示装置が「●●●〇●〇〇●」を導出した場合に図柄751からなる大当りを導出する。遊技機10は、図柄751からなる大当りを導出した場合には、遊技者に対して特典として「16R」を付与(図柄750からなる「777」の大当りよりも高い価値を付与)する。遊技機10は、左図柄709L、右図柄709R、および中図柄709Cに図柄750を仮停止させた後、左図柄709L、右図柄709R、および中図柄709Cに仮停止させた図柄750を図柄751に差替えることで図柄751からなる大当りを導出する。
このように、遊技機10では、同じ識別子を表示する図柄で異なる価値(ラウンド)を付与する場合において、仮停止態様(結果導出過程)においては同じ態様の図柄を使用しつつ、結果導出時にのみ同じ識別子を表示する異なる態様の図柄(図柄750、図柄751)を用いることで、それぞれの図柄からなる大当りの価値が異なることを容易に把握可能にし、遊技に対する理解度を高め、興趣の向上ができる。
また、遊技機10では、実行中の変動表示ゲームの種類(特図1変動表示ゲームまたは特図2変動表示ゲーム)に応じて数字が「7」である図柄からなる大当りの価値を変化させているため、一括表示装置において異なる価値を付与する数字が「7」である図柄からなる大当りの点灯パターン(「●●●〇●〇〇●」)を共通化できる。
次に、特図1変動表示ゲームで図柄750からなる大当りを導出する場合の演出の流れについて図101を用いて説明する。図101は、第3の実施形態の変形例4における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その1)である。
図101(1)に示す表示画面752は、図柄変動停止中(変動表示ゲーム停止中)の表示画面であって、特図1変動表示ゲームが開始される前の状態を示す。表示画面752では、左図柄709Lが「7」、中図柄709Cが「3」、右図柄709Rが「7」で停止している。表示画面752では、特図1保留数表示711が「3」を示し、特図2保留数表示712が「0」を示し、特図1変動表示ゲームの始動契機となる保留記憶のみが存在し、次の保留記憶の消化時に特図1変動表示ゲームがおこなわれることを明示する。
図101(2)に示す表示画面753は、表示画面752の後の表示画面であって、特図1変動表示ゲームが開始された状態を示す。
表示画面753では、左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動している。表示画面753では、表示画面752において「3」を表示していた特図1保留数表示711が「2」を表示しており、実行されている変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームであることを示している。
図101(3)に示す表示画面754は、表示画面753の後の表示画面であって、特図1変動表示ゲームにおいて三図柄が仮停止した状態を示す。
表示画面754では、左図柄709Lが図柄750(「7」)、中図柄709Cが図柄750(「7」)、右図柄709Rが図柄750(「7」)で仮停止しており、大当りを導出する直前の状況を示している。
図101(4)に示す表示画面755は、表示画面754の後の表示画面であって、特図1変動表示ゲームにおいて三図柄が停止した状態を示す。
表示画面755では、左図柄709Lが図柄750(「7」)、中図柄709Cが図柄750(「7」)、右図柄709Rが図柄750(「7」)で停止しており、図柄750からなる大当りが導出されている。
次に、特図2変動表示ゲームで図柄751からなる大当りを導出する場合の演出の流れについて図102を用いて説明する。図102は、第3の実施形態の変形例4における表示装置が表示する表示画面の一例を示す図(その2)である。
図102(1)に示す表示画面756は、図柄変動停止中(変動表示ゲーム停止中)の表示画面であって、特図2変動表示ゲームが開始される前の状態を示す。表示画面756では、左図柄709Lが「7」、中図柄709Cが「3」、右図柄709Rが「7」で停止している。表示画面756では、特図1保留数表示711が「0」を示し、特図2保留数表示712が「3」を示し、特図2変動表示ゲームの始動契機となる保留記憶のみが存在し、次の保留記憶の消化時に特図2変動表示ゲームがおこなわれることを明示する。
図102(2)に示す表示画面757は、表示画面756の後の表示画面であって、特図2変動表示ゲームが開始された状態を示す。
表示画面757では、左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rが高速変動している。表示画面757では、表示画面756において「3」を表示していた特図2保留数表示712が「2」を表示しており、実行されている変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームであることを示している。
図102(3)に示す表示画面758は、表示画面757の後の表示画面であって、特図2変動表示ゲームにおいて三図柄が仮停止した状態を示す。
表示画面758では、左図柄709Lが図柄750(「7」)、中図柄709Cが図柄750(「7」)、右図柄709Rが図柄750(「7」)で仮停止しており、大当りを導出する直前の状況を示している。また、遊技機10は、表示画面758を表示中において、第2盤演出装置705L,705Rを動作させ、演出に変化を与えることで、さらなる変化が発生する期待感を煽り、興趣向上をはかっている。
図102(4)に示す表示画面759は、表示画面758の後の表示画面であって、特図2変動表示ゲームにおいて三図柄が停止した状態を示す。
表示画面759では、左図柄709Lが図柄750から図柄751に差替えられ、中図柄709Cが図柄750から図柄751に差替えられ、右図柄709Rが図柄750から図柄751に差替えられた状態で停止しており、図柄751からなる大当りが導出されている。
以上が第3の実施形態の変形例4である。なお、装飾図柄Bを、特図2始動口への入賞によって発生した特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)において大当りを導出する場合にのみ用いられる図柄であるとしたがこれにかぎらない。たとえば、遊技機10は、特図2変動表示ゲームがはずれを導出する場合における停止時においても装飾図柄A(図柄750)に替えて装飾図柄B(図柄751)を使用するようにしてもよい。
なお、遊技機10では、特図2変動表示ゲームにおいては図柄750からなる大当りは発生しないものとして説明したがこれに限らない。たとえば、遊技機10は、特図2変動表示ゲームにおいては図柄751からなる大当りに加えて、図柄750からなる大当りも導出可能に構成することもできる。
[第3の実施形態の変形例5]
次に第3の実施形態の変形例5について説明する。第3の実施形態の変形例4では、特図1変動表示ゲームでは図柄750からなる価値の低い大当りを発生可能であり、特図2変動表示ゲームでは図柄751からなる価値の高い大当りを発生可能である実施例を説明した。第3の実施形態の変形例5では、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲーム内それぞれにおいて価値の低い図柄750からなる大当りと価値の高い図柄751からなる大当りを発生可能である場合について説明する。
まず、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームにおいて使用される図柄について説明する。図103は、第3の実施形態の変形例5における遊技状態において使用される図柄を示す図である。
図103に示すように遊技機10は、特図1変動表示ゲームと、特図2変動表示ゲームで同様の図柄が使用される。
遊技機10では、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの変動中および仮停止中において使用される図柄は、装飾図柄Aで構成されている。つまり、遊技機10は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームにおいては左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cにおいて図柄744,745,746,747,748,749,750を順番に表示することで高速変動をおこない、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750のいずれかを仮停止させ、仮停止状態を表示する。
遊技機10では、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの停止中において使用される図柄は、装飾図柄Aおよび装飾図柄Bで構成されている。つまり、遊技機10は、特図2変動表示ゲームにおいては左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750,751のいずれかを停止させ、導出結果を表示する。
より具体的には、遊技機10は、図柄751からなる大当りを導出する場合、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750を順番に表示することで高速変動をおこない、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750のいずれかを仮停止させた後、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄751を停止させる。
一方で、遊技機10では、それ以外の場合(図柄751からなる大当りを導出しない場合)、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750を順番に表示することで高速変動をおこない、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750のいずれかを仮停止させた後、左図柄709L、右図柄709R、中図柄709Cに図柄744,745,746,747,748,749,750のいずれかを停止させ、導出結果を表示する。
次に図柄750からなる大当りを導出する場合と、図柄751からなる大当りを導出する場合それぞれについて図104を用いて説明する。図104は、第3の実施形態の変形例5における2つの大当りの比較を示す図である。
まず特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームで導出される図柄750からなる大当りについて説明する。遊技機10は、図柄750からなる大当りを導出した場合には、遊技者に対して特典として「4R」を付与する。遊技機10は、左図柄709L、右図柄709R、および中図柄709Cに図柄750を仮停止させた後、左図柄709L、右図柄709R、および中図柄709Cに図柄750を停止させることで図柄750からなる大当りを導出する。
次に特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームで導出される図柄751からなる大当りについて説明する。遊技機10は、図柄751からなる大当りを導出した場合には、遊技者に対して特典として「16R」を付与する。遊技機10は、左図柄709L、右図柄709R、および中図柄709Cに図柄750を仮停止させた後、左図柄709L、右図柄709R、および中図柄709Cに仮停止させた図柄750を図柄751に差替えることで図柄751からなる大当りを導出する。
以上が第3の実施形態の変形例5である。このように、遊技機10は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲーム内それぞれにおいて図柄750が仮停止した状態(「777」の大当りの確定が示唆された場合)から、価値の低い図柄750からなる大当りと価値の高い図柄751からなる大当りを発生可能にすることで、映像の容量等の増加を抑止しつつ、大当りのバリエーションを増加できる。また、遊技機10は、演出の最終段階まで(仮停止後においても)遊技者の演出に対する関心を維持することができる。
また、遊技機10は、大当りを導出する場合の停止時にのみ装飾図柄B(文字要素が着いた図柄)を用いることで、図柄751からなる大当りが特別な大当り(価値の高い大当り)であることを容易に把握可能にし、遊技に対する理解度を高め、興趣の向上ができる。
[第3の実施形態の変形例6]
次に第3の実施形態の変形例6について説明する。第3の実施形態の変形例4,5では数字要素のみで構成された装飾図柄を変動時および仮停止時に用いる実施形態について説明した。第3の実施形態の変形例6では、数字要素と、キャラクタ要素等を含む図柄を用いる場合について説明する。図105は、第3の実施形態の変形例6の変動表示ゲームにおける装飾図柄の図柄態様の推移を示す図である。なお、ここでは代表して「7」を表示する図柄を用いて説明する。
図105に示すように遊技機10は、図柄停止時(変動開始前)においては、左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rとしてキャラ図柄760(装飾図柄C)を用いる。装飾図柄Cは、キャラクタ(たとえば、数字「7」を表示する図柄においては虎のようなキャラクタ)により図柄としての識別性を有するキャラクタ要素と、数字により図柄としての識別性を有する数字要素とを含んで構成される図柄である。
遊技機10は、図柄の変動を開始すると左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rとして用いる図柄をキャラ図柄760(装飾図柄C)からキャラ図柄761(装飾図柄D)に変更する。装飾図柄Dは、模様(たとえば、数字「7」を表示する図柄においては虎のようなキャラクタの模様)により図柄としての識別性を有するベース(扇)と、数字により図柄としての識別性を有する数字要素とを含んで構成される図柄である。
そして、遊技機10は、左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rとしてキャラ図柄761(装飾図柄D)を用いて仮停止状態を表示した後、結果導出表示(停止状態)においては導出される結果に応じて左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rとして用いる図柄を装飾図柄Dから装飾図柄C、装飾図柄Aまたは装飾図柄Bに変更する。
具体的には、遊技機10は、はずれを導出する場合に左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rとして図柄を装飾図柄Dから装飾図柄Cに変更し、大当り(たとえば4R)を導出する場合に左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rとして図柄を装飾図柄Dから装飾図柄Aに変更し、価値の高い大当り(たとえば、16R)を導出する場合に左図柄709L、中図柄709C、右図柄709Rとして図柄を装飾図柄Dから装飾図柄Bに変更する。
これによれば、遊技機10は、大当りを導出する場合の停止時にのみ装飾図柄Aおよび装飾図柄Bを用いているため、導出結果を停止図柄の図柄態様によって把握可能にし、遊技に対する理解度を高め、興趣の向上ができる。
また、遊技機10は、キャラ図柄761(装飾図柄D)を大当り態様で仮停止した状態(大当りの確定が示唆された場合)から、価値の低い図柄750からなる大当りと価値の高い図柄751からなる大当りを発生可能にすることで、映像の容量等の増加を抑止しつつ、大当りのバリエーションを増加できる。また、遊技機10は、演出の最終段階まで(仮停止後においても)遊技者の演出に対する関心を維持することができる。
上述した第3の実施形態(変形例1から変形例6を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、操作手段(プッシュボタン25)と、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。表示手段は、ゲーム(変動表示ゲーム)を表示する。操作手段は、所定操作を受け付け可能である。制御手段は、操作手段の操作を伴う第1操作演出(表示画面726の演出表示722)を予約する予約演出(予告表示716にパターンP4のアイテムの表示)を実行中に第2操作演出(表示画面721の演出表示722)を実行可能にして、予約演出と第2操作演出を実行中に操作手段の操作を受付けた場合、第1操作演出と第2操作演出のうち第2操作演出を優先して実行する。
(2)(1)の制御手段は、予約演出中であって、第2操作演出を実行中でないタイミングで、操作手段の操作を受付けた場合、受付けた操作を第1操作演出開始後の操作として予約する予約操作として受付ける。
(3)(1)の制御手段は、予約演出と第2操作演出を実行中に予約演出の態様を変化させる。
(4)(1)の表示手段は、ゲームの実行権利を示す保留記憶を表示し、制御手段は、保留記憶内に予約の対象である第1操作演出がおこなわれるゲームがあるとき、保留記憶内のいずれかのゲーム内において第1操作演出がおこなわれることを予約演出によって表示手段に表示させる(表示画面719)。
(5)(4)の制御手段は、第1操作演出がおこなわれるゲームを実行する保留記憶よりも先にゲームを実行する保留記憶を用いて予約演出をおこなう。
(6)(5)の制御手段は、予約演出では先にゲームを実行する保留記憶の表示態様を変化させる(表示画面719)ことで保留記憶内のいずれかのゲーム内において第1操作演出がおこなわれることを表示手段に表示させる。
(7)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、操作手段(プッシュボタン25)と、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。表示手段は、ゲーム(変動表示ゲーム)を表示する。操作手段は、所定操作を受け付け可能である。制御手段は、ゲームにおいて識別情報(左図柄709L、中図柄709C、右図柄709R)を変動表示させ、識別情報を変動表示させた後に操作手段による操作を伴う操作演出を表示手段に表示させる場合に、識別情報と対応する位置に操作手段を示す表示態様を表示した後、操作演出を開始するよう制御する。
(8)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。表示手段は、ゲーム(変動表示ゲーム)を表示する。制御手段は、ゲームにおいてBGMを流す場合にゲームにおいて効果音を出力する演出をおこなうとき、効果音を出力中においてはBGMの音量を消音状態とし、効果音を出力し終わった後にBGMの音量を消音状態から戻す制御をおこなう。
(9)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を含む。表示手段は、ゲーム(変動表示ゲーム)を表示する。制御手段は、ゲームの結果導出過程(変動時・仮停止時)で第1の価値(4R大当り)に対応する第1の識別情報(装飾図柄A)を変動表示し、ゲームの結果導出時(停止時)に第1の識別情報(装飾図柄A)に第1の価値を第1の価値よりも大きい第2の価値(16R大当り)に変換する変換識別子(文字要素)を付与して第2の価値に対応する第2の識別情報(装飾図柄B)を停止表示する表示を表示手段に表示させる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態の遊技機10について図106、図107を用いて説明する。図106は、第4の実施形態の表示画面の一例を示す図(その1)である。図107は、第4の実施形態の表示画面の一例を示す図(その2)である。ここで表示画面とは、表示装置41の表示領域に表示される一つ又は複数の画像からなる画面であり、原則的に表示内容が異なる毎に異なる符号を付している。
図106(1)に示す表示画面800は、前述の図63(1)に示す表示画面500と同様に、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動開始前に図柄を停止表示する。表示画面800は、表示要素として、大図柄群801と、小図柄群802と、特図1保留数表示803と、特図2保留数表示804と、保留表示805と、保留消化表示806とを表示する。これら各表示要素の詳細については、前述の図63(1)に示す表示画面500と同じであるため、説明を省略する。この表示画面800の表示がおこなわれた後、遊技機10は、次の変動表示を開始する。
図106(2)に示す表示画面810は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面810は、表示画面800の後の画面(時間的に後に表示する画面)であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。この表示画面810の詳細については、前述の図63(2)に示す表示画面510と同じであるため、説明を省略する。
図106(3)に示す表示画面811は、前述の図63(3)に示す表示画面511と同様に、変動表示開始後のリーチ演出発生時の表示画面である。表示画面811は、表示画面810の後の画面であって、左右図柄が「3」を表示するリーチ変動中の画面を示す。この表示画面811では、前述の表示画面511とは異なり、変動表示中の新たな特図1の始動入賞の発生により、特図1保留数表示803は特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示し、保留表示805は保留記憶数が「4」であることを示す。
また、表示画面810から表示画面811への変化途中でたとえば前述のオーバーフロースイッチ信号の出力があり、これに応じて表示画面811では、遊技者等に下皿23からの球抜きを促すエラー報知画像807が表示されている。なお、ガラス枠開放等を含むエラー(既述したセンサやスイッチにより検出される異常や不正も含む)が発生すると、遊技制御装置100は、前述した遊技制御装置100のプログラムの各所に設けられた演出コマンド設定処理によって、そのエラーの情報を他の情報や指令と同様にコマンドとして(具体的には単発系コマンドのエラー/不正系コマンドとして)演出制御装置300に送信する。そして、演出制御装置300は、前述のステップD22,23,27等において、遊技制御装置100からのコマンドの受信・解析をおこない、そのコマンドに応じた動作(エラー関係であれば、対応するエラー表示やエラー報知音の出力を含むエラー報知)を実現する制御をおこなう。なお、演出制御装置300が独自にエラーの発生を判定してエラー報知をおこなうエラーがあってもよい。こうして演出制御装置300によって実現されるエラー報知のひとつとして、エラー報知画像807も表示される。
エラー報知画像807は、たとえば「玉を抜いて下さい」という文字を含む画像であり、たとえば大図柄群801と部分的に表示位置が重なる位置に、大図柄群801等の他の画像よりも優先的に(表示優先順位が高い状態で)表示される。即ち、エラー報知画像807は、たとえば大図柄群801を一部隠蔽するように大図柄群801よりも手前側に表示され、この表示画面811ではエラー報知画像807の全体を観察者(遊技者、遊技店の店員等)が視認可能となっている。
なお、隠蔽するとは、覆い隠すことであるが、奥側の画像(表示優先順位が相対的に低い画像)を完全に視認不能とする態様に限られず、奥側の画像を視認困難にする態様が含まれてもよい。たとえば、エラー報知画像807を半透明で表示し、エラー報知画像807と表示位置が重なる奥側の画像(この場合、大図柄群801の一部)も薄く透けて見える状態としてもよい。また、エラー報知画像807を大図柄群801等の他の画像と重ならない位置に表示してもよく、この場合は、重ならない他の画像との前後関係(表示優先順位の関係)は当然限定されない。いずれにせよ、エラー報知画像807は、後述する特定演出がおこなわれる場合を除いて、基本的に画像全体の視認性が確保されるように表示する。
また、エラー報知画像を表示するエラー報知として、下皿オーバーフローの場合を一例として挙げたが、それ以外の各種エラー(異常や不正含む)についても同様に表示する。たとえば、遊技球を遊技領域の左側に打ち込む左打ちをすべき状態で、その逆の右打ちがされている状態(一種の異常)が検知された場合に、遊技者に左打ちを促すためにおこなう報知画像の表示も含まれる。
図106(4)に示す表示画面812は、リーチ演出中のカットイン演出の表示画面である。表示画面812は、表示画面811の後の画面であって、左右図柄が「3」を表示するリーチ変動中の画面を示す。遊技機10は、リーチ演出中の当該変動表示についてカットイン表示813(カットイン演出)で所定の期待度を演出する。この表示画面812では、大図柄群801がカットイン表示813となるべく重ならないように、大図柄群801を左上隅の位置に比較的小さく表示する。
この具体例のカットイン表示813は、ロケットのようなキャラクタ814やロケットに乗ったキャラクタ815(虎のようなキャラクタ)や背景により構成される画像群であり、所定の期待度を演出する。このカットイン表示813を表示する演出は、エラー表示(少なくとも重要度の低い弱エラーを報知するエラー表示)よりも優先される強予告(大当りとなる期待度が相対的に高い予告)の演出(特定演出)の一例である。このカットイン表示813の具体例の場合には、画面(表示装置41の表示領域)の広い範囲を覆うように表示される暗い背景画像中に大きなロケットのようなキャラクタ814が登場し、しかもこのロケットに乗ったキャラクタ815(虎のようなキャラクタ)が表示されることで大当りとなる期待度が特に高いことが遊技者に示唆される。この場合、大きなロケットのようなキャラクタ814が登場することだけでも期待度が高く、そのロケットにキャラクタ815(虎のようなキャラクタ)が乗っている場合には、さらに期待度が高くなる構成としてもよい。
本実施形態では、上述したような強予告の演出(特定演出)で表示する画像については、エラー表示(少なくとも重要度の低い弱エラーを報知するエラー表示)よりも優先的に(表示優先順位が高い状態で)表示する。即ち、カットイン表示813(キャラクタ814、キャラクタ815、及びそれらの背景画像含む)は、エラー報知画像807の一部又は全体を隠蔽するようにエラー報知画像807よりも手前側に表示され、この表示画面812の例ではカットイン表示813の全体を観察者(遊技者、遊技店の店員等)が視認可能となっている。
なお、隠蔽するとは、覆い隠すことであるが、既述したように奥側の画像(表示優先順位が相対的に低い画像)を完全に視認不能とする態様に限られず、奥側の画像を視認困難にする態様が含まれてもよい。たとえば、カットイン表示813を半透明で表示し(但し、透過度は低いことが好ましい)、カットイン表示813と表示位置が重なる奥側の画像(この場合、エラー報知画像807の一部など)も薄く透けて見える状態としてもよい。
そして遊技機10は、表示画面811及び812でエラー報知画像807を表示するとともに、対応するエラー報知用の音出力をおこなう(後述する図107の表示画面812a,812b,812cも同様)。たとえば、「玉を抜いて下さい」という音声(エラー報知音)をスピーカ19a,19b(音出力手段)から出力する。このエラー報知音は、実行中の変動表示演出(上記カットイン表示813などの予告演出含む)に併せて出力されているBGM等の演出用の音出力よりも優先させておこなわれる。具体的には、演出用の音出力よりもエラー報知音の音量(或いはたとえば音の指向性などの聞き易さに影響するパラメータ)を大きくするか、エラー報知音の出力中に演出用の音出力を停止する。
ここで、カットイン表示813による演出は、エラー報知(エラー報知用の表示(すなわちエラー表示)、又はエラー報知用の音出力など)に優先する第1の演出に相当する。一方、BGM等の演出用の音出力による演出は、エラー報知に劣後する第2の演出に相当する。
本実施形態のように、強予告の演出(特定演出)で表示する画像(第1の演出をなす画像)をエラー表示よりも優先的に表示する構成であると、エラーが発生していても遊技者を楽しませて高い遊技の興趣が実現できる。即ち、エラー表示よりも優先的に手前側に表示することで、遊技者に強い印象を与えることができてエラー発生時の興趣が向上する。従来のように、強予告に対してもエラー表示を常に優先させる構成である場合には、エラー表示によって強予告の演出であっても表示の少なくとも一部を遊技者が視認できなくなるため、興趣が損なわれてしまう問題があるが、本実施形態であればこの問題が解消される。特に、前述のキャラクタ814やキャラクタ815のように出現の有無によって期待度を大きく異ならせる画像(遊技者が最も注視する画像、強予告の主表示)が、エラー表示(特に弱エラー)によって見えなくなってしまうと、遊技の興趣は大きく低下することになるが、本実施形態であれば、そのような不具合が回避される。
また本実施形態であると、エラー表示が強予告によって隠蔽されても、エラー報知音は演出用の音出力(第2の演出をなす音出力)よりも優先されるので、このエラー報知音によってエラーであることを遊技者等が気付き易くなり、エラー状態を正す操作を適切におこなうことができ、エラー報知の信頼性を確保できる。
なお、画像の表示優先順位(表示位置が重なった場合に、前側にあるように表示されるか、後側にあるように表示されるか、という順位)は、たとえば、既述した演出表示編集処理(ステップD23)における編集処理の順番により設定可能である。一態様としては、演出表示編集処理(ステップD23)において先に編集されて仮想描画空間(フレームバッファ)に先に張り付けられる(書き込まれる)画像データほど、表示優先順位が低くなりより奥側に表示される構成であり、この場合、表示優先順位の低い画像データから順番に編集処理を行えばよい。
次に、図107(1),(2),(3)にそれぞれ示す表示画面812a,812b,812cは、前述の図106(4)に示す表示画面812に代えて、図106(3)に示す表示画面811を表示した後に表示する画面の他の具体例である。
図107(1)に示す表示画面812aは、カットイン表示813を構成する画像のうち、背景画像は補助表示としてエラー表示の画像(即ち、エラー報知画像807)よりも奥側に表示し、残りのキャラクタ814とキャラクタ815の画像のみをエラー報知画像807よりも優先させて手前側に表示した例である。このように、エラー報知画像を隠蔽する画像は、特定演出(たとえば強予告の演出)で表示する画像の一部(好ましくは、大当り期待度の違いを示唆する特徴的な画像、たとえば強予告の主表示)のみであってもよい。なお、表示画面812aにおいて、たとえばキャラクタ814も補助表示としてエラー報知画像807の奥側に表示し、キャラクタ815のみを主表示としてエラー報知画像807の手前側に表示する態様としてもよい。これにより、エラー表示の視認性をある程度確保しつつ、特定演出(たとえば強予告の演出)による高い興趣を実現できる。
ここで、カットイン表示813のうちエラー報知画像807の前側に表示されるキャラクタ815などによる演出は、エラー報知に優先する第1の演出に相当する。一方、カットイン表示813のうちエラー報知画像807の奥側に表示される背景画像などは、エラー報知に劣後する第2の演出に相当する。
図107(2)に示す表示画面812bでは、カットイン表示813の代わりに、弱予告(強予告よりも大当り期待度の低い予告)の演出として、小さなロケットのようなキャラクタ814aを複数表示している。この小さなロケットのようなキャラクタ814aは、エラー報知画像807の奥側に表示し、エラー報知画像807を隠蔽していない。このように、弱予告の演出については、エラー表示の方を優先させる態様でもよい。これにより、弱予告の演出に対しては、予告が発生してもエラー表示の視認性を常に良好に維持できる。ここで、エラー報知画像807の奥側に表示されるキャラクタ814aによる弱予告の演出は、エラー報知に劣後する第2の演出に相当する。
なお、この図107(2)に示す弱予告の演出のように、表示演出がエラー報知に劣後する場合(表示演出よりもエラー表示を優先させる場合)には、演出用の音出力をエラー報知のための音出力(特に弱エラーの報知音)よりも優先させるようにしてもよい。たとえば、図107(2)には「玉を抜いて下さい」というエラー報知の音声出力をおこなう態様を図示しているが、キャラクタ814aが出現する予告演出がおこなわれている際には、この「玉を抜いて下さい」というエラー報知の音声出力の音量を一時的に低下させるかゼロにして、キャラクタ814aが出現する予告演出に伴う演出用の音出力(BGM、効果音、たとえば「ロケット群発進!」といった音声など)を優先的に(たとえばエラー報知音よりも大音量で)おこなう態様でもよい。
これにより、予告の表示演出の一部がエラー表示によって隠蔽されても、予告の演出用の音出力が優先的におこなわれることによって、演出の効果、興趣が保たれる。この場合、演出用の音出力による演出は、エラー報知に優先する第1の演出に相当する。一方、キャラクタ814aによる表示演出は、エラー報知に劣後する第2の演出に相当する。
図107(3)に示す表示画面812cは、図106(3)に示す表示画面811で表示が開始されるエラー報知画像807が強エラー(弱エラーよりも重要度の高いもの)である場合の、表示画面811の後の表示画面の具体例である。強エラーとしては、たとえば、既述した盤電波センサ62や磁気センサ61によって検出される不正エラーがある。表示画面812cでは、強エラーのエラー表示であるエラー報知画像807を、強予告の演出表示であるカットイン表示813に対しても優先させ、カットイン表示813よりもエラー報知画像807を手前側に表示している。このように、特定演出によって隠蔽するエラー報知画像を弱エラーのみに限定する態様としてもよい。これにより、重要な強エラーのエラー表示については、確実に視認性を確保してエラー報知の信頼性を高く確保できる。
なお、エラー報知(エラー表示又はエラー報知用の音出力など)が所定の実行時間継続しておこなわれる場合、上述したカットイン表示813のようなエラー表示を隠蔽する演出の実行時間や、エラー報知の音出力よりも優先する演出用の音出力の実行時間は、エラー報知の最短の実行時間未満とすることが好ましい。これにより、エラー表示を隠蔽する演出や、エラー報知よりも優先する演出用の音出力がおこなわれても、エラー報知がおこなわれる期間の少なくとも一部では、エラー報知がこれら演出により阻害されることなく確実になされる。
また、エラー表示が点滅表示(周期的に点灯と消灯、或いは表示と非表示が繰り返されるもの)によりおこなわれる場合、上述したカットイン表示813のようなエラー表示を隠蔽する演出の実行時間は、後述する図113(2)に示すように、エラー表示の点灯表示時間未満とすることが好ましい。これにより、エラー表示を隠蔽する演出がおこなわれても、エラー表示がおこなわれる期間の少なくとも一部では、エラー表示がこの演出により阻害されることなく確実になされる。
また、エラー表示が点滅表示によりおこなわれる場合、上述したカットイン表示813のようなエラー表示を隠蔽する演出の実行タイミングがエラー表示の点灯タイミングと同期しないように、たとえば後述する図113(3)に示すように、必要に応じて時間的なオフセット(ずらし時間)を挿入することによって、エラー表示の実行タイミング又は演出の実行タイミングを調整する態様としてもよい。
上述した第4の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、遊技の進行を制御するなどの遊技制御をおこなう主制御手段(遊技制御手段;遊技制御装置100)と、演出用の識別情報(飾り特図、たとえば前述の大図柄群801)を変動表示させる変動表示ゲームをおこなう表示手段(表示装置41)と、主制御手段の指令(コマンド)にもとづいて表示手段を含む演出手段(表示装置41、スピーカ19a,19bなど)を制御する演出制御をおこなう従制御手段(演出制御手段;演出制御装置300)と、を備える。従制御手段は、指令にもとづいて或いは当該従制御手段によるエラー判定にもとづいて、当該遊技機10で発生しているエラーを報知するエラー表示を実行可能であり、演出手段による演出としてエラー表示の少なくとも一部を隠蔽する特定演出(たとえばカットイン表示813を表示する演出)を実行可能な制御部(CPU311)を備える。制御部は、エラー表示として、たとえばエラーを報知する画像であるエラー報知画像(たとえばエラー報知画像807)の表示をたとえば表示手段においておこない、特定演出は、エラー報知画像の少なくとも一部を隠蔽する。なお、エラー表示や特定演出は、変動表示ゲームをおこなう表示手段とは異なる表示手段によっておこなわれてもよい。
(2)音出力手段(たとえばスピーカ19a,19b)をさらに備え、(1)の制御部は、当該遊技機で発生しているエラーを報知するエラー報知音を音出力手段により出力可能であり、特定演出に演出用の音出力が含まれる場合、当該演出用の音出力よりも優先的にエラー報知音の出力をおこなう。
(3)(1)の制御部は、特定演出における演出用画像として第1の画像(たとえばカットイン表示813におけるキャラクタ814、キャラクタ815)と第2の画像(たとえばカットイン表示813のうちの背景画像)とを表示可能であり、第1の画像についてはエラー報知画像よりも表示優先順位を高く設定し、第2の画像についてはエラー報知画像よりも表示優先順位を低く設定する。すなわち、第1の画像はエラー報知画像と重なる部分でエラー報知画像を隠蔽し、第2の画像はエラー報知画像と重なる部分でもエラー報知画像を隠蔽しない(エラー報知画像が前側にあるよう表示する)ように設定する。
(4)(1)の制御部は、演出手段による演出として特定演出に相当する第1の演出(たとえば強予告の演出)と特定演出に相当しない第2の演出(たとえば弱予告の演出)とを実行可能であり、第1の演出で表示する演出用画像(たとえばカットイン表示813、あるいはカットイン表示813におけるキャラクタ814など)についてはエラー報知画像よりも表示優先順位を高く設定し、第2の演出で表示する演出用画像(たとえばキャラクタ814a)についてはエラー報知画像よりも表示優先順位を低く設定する。すなわち、第1の演出で表示する演出用画像はエラー報知画像と重なる部分でエラー報知画像を隠蔽し、第2の演出で表示する演出用画像はエラー報知画像と重なる部分でもエラー報知画像を隠蔽しない(エラー報知画像が前側にあるよう表示する)ように設定する。
(5)(1)の制御部は、エラーとして第1のエラー(たとえば強エラー)と第2のエラー(たとえば弱エラー)を報知可能であり、第1のエラーを報知する画像の表示優先順位を、特定演出として表示する画像の表示優先順位よりも高く設定し、第2のエラーを報知する画像の表示優先順位を、特定演出として表示する画像の表示優先順位よりも低く設定する。すなわち、第1のエラーを報知する画像は特定演出で表示される演出用画像と重なる部分で演出用画像によって隠蔽されず、第2のエラーを報知する画像は特定演出で表示される演出用画像と重なる部分で演出用画像によって隠蔽されるように設定する。
(6)(1)の制御部は、エラーとして第1のエラー(たとえば強エラー)と第2のエラー(たとえば弱エラー)を報知可能であり、第1のエラーを報知する音出力及び第2のエラーを報知する音出力を、特定演出を含む演出としておこなう音出力よりも優先させる。
(7)(1)の制御部は、所定のエラー報知(たとえば強エラーの報知)に係るエラー報知画像の表示優先順位を特定演出(たとえば強予告または弱予告の演出)として表示する演出用画像よりも高く設定し、エラー報知画像によって演出用画像の少なくとも一部を隠蔽した場合には、隠蔽された演出用画像に係る特定演出としての演出用音出力を、所定のエラー報知としてのエラー報知音の出力よりも優先しておこなう。(7)に記載の特徴は、たとえば、図107(2)や図107(3)で示した具体例(エラー表示を優先させる例)において、演出用音出力をエラー報知音よりも優先させる変形例の特徴に相当する。
(8)(1)の演出手段は、さらに音出力手段(たとえば、スピーカ19a,19b)と可動演出手段(たとえば、盤演出装置44)とを含み、制御部は、当該遊技機で発生しているエラーを報知するエラー報知音を音出力手段により出力可能であり、特定演出に演出用の音出力が含まれる場合に当該演出用の音出力よりも優先的にエラー報知音の出力をおこなうとともに、可動演出手段が正常な可動動作をおこなうか否かにかかわらず可動動作に関連した演出表示(エフェクト表示)を表示手段に表示させる。
なお、可動演出手段が正常な可動動作をおこなうことができない場合、すなわち可動演出手段の不具合には、可動演出手段のアクチュエータ(モータやソレノイド)の故障、所要のコネクタの抜けや接続不良、配線の断線、メカ機構の故障等がある。
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態の遊技機10について図108を用いて説明する。図108は、第5の実施形態の表示画面及び可動役物の一例を示す図である。
図108(1)に示す表示画面811は、前述の図106(3)に示す表示画面811と同じであるため、説明を省略する。この表示画面811の後、遊技機10は可動役物が動作する強予告(特定演出)を開始する。
図108(2)に示す表示画面821は、表示画面811の後の画面であって、可動役物が動作する強予告の背景としてのエフェクト画像816,817の表示をおこなっている表示画面である。可動役物としては、たとえば前述の第3盤演出装置706(第3の実施形態において図82により説明したもの)の可動部が、表示装置41の表示領域の中央付近まで移動し、表示領域の中央部から上辺部付近を覆う所定位置に位置決めされている。エフェクト画像816は、第3盤演出装置706の円形の可動部の裏側(奥側)から周囲まで広がる背景画像であり、前面から見て(すなわち、遊技者から見て)第3盤演出装置706の円形の可動部の周囲を装飾して当該可動部と一体となって演出をおこなう画像である。
またエフェクト画像817は、人の目の所定の表情を表すような左右一対の画像であり、エフェクト画像816内の前側に重ねて表示されている。この例の場合、第3盤演出装置706の円形の可動部には、人の顔の目の部分のような開口706aが左右2か所に設けられており、この開口706aからエフェクト画像817がそれぞれ前面から見える状態となっており、第3盤演出装置706の円形の可動部とエフェクト画像817によって所定の表情の人の顔のような表示が実現される。
なお、エフェクト画像816,817は、エラー報知画像807より表示優先順位を低く設定し、エラー報知画像807より奥側に表示する。また、エフェクト画像816,817は、一体の画像として表示してもよい。
そして、図108(2)に示すように、所定位置に移動した第3盤演出装置706の円形の可動部は、この場合エラー報知画像807のほぼ全体を隠蔽し、エラー表示がおこなわれていても遊技者を楽しませて興趣の高い演出を実現する。なお、エフェクト画像816,817の表示は、第3盤演出装置706が収納された位置から移動を開始した時点から図108(2)に示す状態で開始してもよいし、第3盤演出装置706が所定位置まで移動した時点で同様に開始してもよいし、第3盤演出装置706の可動部の出現に対応してエフェクト画像816の下端部のみの表示から開始して第3盤演出装置706の可動部の動きに追従するように第3盤演出装置706の可動部と一体に移動するように表示されてもよい。
図108(3)に示す表示画面821は、表示装置41の表示領域に表示される画像としては、図108(2)に示す表示画面821と同じものである。図108(3)は、第3盤演出装置706の動作を伴う強予告を開始したが、たとえば第3盤演出装置706の故障により第3盤演出装置706の可動部が収納位置から移動しない状態を示す。このように、可動役物が画面の前面に移動しない状態では、強予告の演出としてエフェクト画像816,817のみが表示され、またエフェクト画像816,817よりも優先的に前面側に表示されるエラー報知画像807の全体が視認可能となる。このため、可動役物が動くべき強予告なのに可動役物が動かないという可動役物の異常状態を遊技者等に認識させることができる。なお、エラー報知画像807が表示されない場合(エラーが発生していない場)でも、このようにエフェクト画像816,817を表示し、可動役物の異常状態を遊技者等に認識させる構成とすることが好ましい。
そして遊技機10は、本実施形態の場合も、前述の図106の場合(第4の実施形態)と同様に、エラー報知画像807を表示するとともに対応するエラー報知用の音出力を演出用の音出力よりも優先的におこなう。なお図108では、演出用の音出力に加え、エラー報知用の音出力についても、図示省略している。
ここで、第3盤演出装置706(可動役物)による演出は、エラー報知に優先する第1の演出に相当する。一方、エフェクト画像816,817やBGM等の演出用の音出力による演出は、エラー報知に劣後する第2の演出に相当する。
なお本実施形態では、可動役物による演出によってエラー報知画像が隠蔽される構成について説明したが、可動役物による演出が弱予告の演出である場合には、可動役物による演出が発生したときに、エラー報知(エラー報知画像の表示含む)がおこなわれている場合には、たとえば可動役物がエラー報知画像807を隠蔽する動作を実行しない演出に変更する構成としてもよい。
[第5の実施形態の変形例1]
次に、第5の実施形態の変形例1でおこなわれる演出について図109を用いて説明する。図109は、第5の実施形態の変形例1の表示画面及び可動役物の一例を示す図である。
図109(1)に示す表示画面811は、前述の図106(3)に示す表示画面811と同じであるため、説明を省略する。この表示画面811の後、遊技機10は可動役物が動作する強予告(特定演出)を開始する。なお図109(1)は、可動役物である前述の第2盤演出装置705L,705Rの可動部の下端が、表示装置41の表示領域の左上と右上の前面に位置している状態を、一例として図示している。しかし、この時点ではまだ、このように第2盤演出装置705L,705Rの下端が表示装置41の表示領域の前面に位置しないで、表示領域よりも上方に後退している態様でもよい。
図109(2)に示す表示画面823は、表示画面811の後の画面であって、可動役物が動作する強予告の背景としてのエフェクト画像816の表示をおこなっている表示画面である。可動役物としては、たとえば前述の第2盤演出装置705L,705R(第3の実施形態において図82により説明したもの)の可動部が、表示装置41の表示領域の中央に向かって移動し、当該可動部の下端が表示領域の中央部に表示されたエラー報知画像807を部分的に隠蔽する状態となっている。
図109(3)に示す表示画面824は、表示装置41の表示領域に表示される画像としては、図109(2)に示す表示画面823と同じである。但し、エフェクト画像816の大きさや表示位置が、表示画面824と表示画面823とで、異なっていてもよい。また図109(3)は、可動役物である第2盤演出装置705L,705Rの動きが所定位置に達した状態を示している。すなわち、第2盤演出装置705L,705Rの可動部の下端が、表示装置41の表示領域の中央よりもやや下方位置に到達し、第2盤演出装置705L,705Rの各可動部が左右に隣り合うように接合した状態に位置決めされている。この状態では、接合した第2盤演出装置705L,705Rの可動部によって、表示装置41の表示領域の略上半分を含む広い領域が隠蔽され、エラー報知画像807のほとんどが第2盤演出装置705L,705Rの可動部によって隠蔽される。
この変形例において、エフェクト画像816は、第2盤演出装置705L,705Rの可動部の裏側(奥側)から周囲まで広がる背景画像であり、前面から見て(すなわち、遊技者から見て)第2盤演出装置705L,705Rの可動部の周囲を装飾して当該可動部と一体となって演出をおこなう画像である。なお、同種のエフェクト画像であるため同符号を使用しているが、前述の図108に示したエフェクト画像816と、上記図109に示したエフェクト画像816とは、色や模様や明るさなどの画像の態様が異なってもよい。なお、エフェクト画像816は、エラー報知画像807より表示優先順位を低く設定し、エラー報知画像807より奥側に表示する。
そして、図109(3)に示すように、所定位置に移動した第2盤演出装置705L,705Rの可動部は、この場合エラー報知画像807のほぼ全体を隠蔽し、エラー表示がおこなわれていても遊技者を楽しませて興趣の高い演出を実現する。なお、エフェクト画像816の表示は、第2盤演出装置705L,705Rが収納された位置から移動を開始した時点から図109(2)に示す状態で開始してもよいし、第2盤演出装置705L,705Rが所定位置まで移動した時点で同様に開始してもよいし、第2盤演出装置705L,705Rの可動部の出現に対応してエフェクト画像816の下端部のみの表示から開始して第2盤演出装置705L,705Rの可動部の動きに追従するように第2盤演出装置705L,705Rの可動部と一体に移動するように表示されてもよい。
そして遊技機10は、本変形例の場合も、前述の図106の場合(第4の実施形態)と同様に、エラー報知画像807を表示するとともに対応するエラー報知用の音出力を演出用の音出力よりも優先的におこなう。なお図109では、演出用の音出力に加え、エラー報知用の音出力についても、図示省略している。
ここで、第2盤演出装置705L,705R(可動役物)による演出は、エラー報知に優先する第1の演出に相当する。一方、エフェクト画像816やBGM等の演出用の音出力による演出は、エラー報知に劣後する第2の演出に相当する。
[第5の実施形態の変形例2]
次に、第5の実施形態の変形例2でおこなわれる演出について図110を用いて説明する。図110は、第5の実施形態の変形例2の表示画面の一例を示す図である。
図110(1)に示す表示画面811は、前述の図106(3)に示す表示画面811と同じであるため、説明を省略する。この表示画面811の後、遊技機10は可動役物が動作する強予告(特定演出)を開始する。
図110(2)に示す表示画面823aは、表示画面811の後の画面であって、可動役物が動作する強予告の背景としてのエフェクト画像816の表示と、強予告の補助表示(故障認識可能表示)である補助画像826L,826Rの表示をおこなっている表示画面である。ここで、エフェクト画像816は図109(2)に示した変形例1のエフェクト画像816と同じ画像である。補助画像826L,826Rは、第2盤演出装置705L,705Rが正常に動作する場合には、第2盤演出装置705L,705Rの可動部の奥側に位置して第2盤演出装置705L,705Rの可動部によって必ず視認不能となるような位置と大きさで表示される画像である。図の例の場合、補助画像826L,826Rは、第2盤演出装置705L,705Rの可動部とほぼ相似の関係にある外形で可動部よりも小さい大きさの画像となっている。
図110(3)に示す表示画面824aは、表示画面823aの後の画面であって、エフェクト画像816の表示と、強予告の補助表示(故障認識可能表示)である補助画像827の表示をおこなっている表示画面である。ここで、エフェクト画像816は図109(3)に示した変形例1のエフェクト画像816と同じ画像である。補助画像827は、第2盤演出装置705L,705Rが正常に動作する場合には、第2盤演出装置705L,705Rの可動部の奥側に位置して第2盤演出装置705L,705Rの可動部によって必ず隠蔽されて視認不能となるような位置と大きさで表示される画像である。図の例の場合、補助画像827は、「役物故障」という文字を含み第2盤演出装置705L,705Rの可動部よりも大きさの小さい画像となっている。
そして、図110(2)と図110(3)は、第2盤演出装置705L,705Rの動作を伴う強予告を開始したが、たとえば第2盤演出装置705L,705Rの故障により第2盤演出装置705L,705Rの可動部が収納位置から移動しない状態を示す。すなわち、図110(2)は、前述の変形例1における図109(2)のように第2盤演出装置705L,705Rが動作しているはずの予告演出のタイミングであるのに、第2盤演出装置705L,705Rが動作していない状態を示す。また図110(3)は、前述の変形例1における図109(3)のように第2盤演出装置705L,705Rが動作しているはずの予告演出のタイミングであるのに、第2盤演出装置705L,705Rが動作していない状態を示す。
このように、可動役物が画面の前面に移動しない状態では、強予告の演出としてエフェクト画像816のみが表示され、またエフェクト画像816よりも優先的に前面側に表示されるエラー報知画像807の全体が視認可能となり、さらに補助画像826L,826Rや補助画像827が視認可能になる。このため、可動役物が動くべき強予告なのに可動役物が動かないという可動役物の異常状態を遊技者等に確実に認識させることができる。なお、エラー報知画像807が表示されない場合(エラーが発生していない場)でも、このようにエフェクト画像816を表示し、或いはさらに補助画像826L,826Rや補助画像827を表示し、可動役物の異常状態を遊技者等に認識させる構成とすることが好ましい。
そして遊技機10は、本変形例の場合も、前述の図106の場合(第4の実施形態)と同様に、エラー報知画像807を表示するとともに対応するエラー報知用の音出力を演出用の音出力よりも優先的におこなう。なお図110では、演出用の音出力に加え、エラー報知用の音出力についても、図示省略している。
[第5の実施形態の変形例3]
次に、第5の実施形態の変形例3でおこなわれる演出について図111を用いて説明する。図111は、第5の実施形態の変形例3の表示画面及び可動役物の一例を示す図である。
図111(1)に示す表示画面811は、前述の図106(3)に示す表示画面811と同じであるため、説明を省略する。この表示画面811の後、遊技機10は可動役物が動作する強予告(特定演出)を開始する。
図111(2)に示す表示画面821aは、表示画面811の後の画面であって、可動役物が動作する強予告の背景としてのエフェクト画像816,828の表示をおこなっている表示画面である。可動役物としては、たとえば前述の第3盤演出装置706(第3の実施形態において図82により説明したもの)の可動部が、表示装置41の表示領域の中央付近まで移動し、表示領域の中央部から上辺部付近を覆う所定位置に位置決めされている。エフェクト画像816は、前述の図108(2)の例と同様に、第3盤演出装置706の円形の可動部の裏側(奥側)から周囲まで広がる背景画像であり、前面から見て可動部の周囲を装飾して可動部と一体となって演出をおこなう画像である。
またエフェクト画像828は、人の目の所定の表情を表すような左右一対の画像であり、エフェクト画像816内の前側に重ねて表示されている。この例でも前述の図108(2)の例と同様に、第3盤演出装置706の円形の可動部には、人の顔の目の部分のような開口706aが左右2か所に設けられており、この開口706aからエフェクト画像828がそれぞれ前面から見える状態となっており、第3盤演出装置706の円形の可動部とエフェクト画像828によって所定の表情の人の顔のような表示が実現される。
なお、エフェクト画像816,828は、エラー報知画像807より表示優先順位を低く設定し、エラー報知画像807より奥側に表示する。また、エフェクト画像816,828は、一体の画像として表示してもよい。
そして、図111(2)に示すように、所定位置に移動した第3盤演出装置706の円形の可動部は、エラー報知画像807のほぼ全体を隠蔽し、エラー表示がおこなわれていても遊技者を楽しませて興趣の高い演出を実現する。なお、エフェクト画像816,828の表示は、第3盤演出装置706が収納された位置から移動を開始した時点から図111(2)に示す状態で開始してもよいし、第3盤演出装置706が所定位置まで移動した時点で同様に開始してもよいし、第3盤演出装置706の可動部の出現に対応してエフェクト画像816の下端部のみの表示から開始して第3盤演出装置706の可動部の動きに追従するように第3盤演出装置706の可動部と一体に移動するように表示されてもよい。
図111(3)に示す表示画面821aは、表示画面811の後の画面であって、表示装置41の表示領域に表示される画像としては、図111(2)に示す表示画面821aと同じものである。図111(3)は、第3盤演出装置706の動作を伴う強予告を開始したが、たとえば第3盤演出装置706の故障により第3盤演出装置706の可動部が収納位置から移動しない状態を示す。このように、可動役物が画面の前面に移動しない状態では、強予告の演出としてエフェクト画像816,828のみが表示され、またエフェクト画像816,828よりも優先的に前面側に表示されるエラー報知画像807の全体が視認可能となる。このため、可動役物が動くべき強予告なのに可動役物が動かないという可動役物の異常状態を遊技者等に認識させることができる。なお、エラー報知画像807が表示されない場合(エラーが発生していない場)でも、このようにエフェクト画像816,828を表示し、可動役物の異常状態を遊技者等に認識させる構成とすることが好ましい。
図111(4)に示す表示画面821bは、図111(3)に示す表示画面821aと同様に、表示画面811の後の画面である。特徴的なのは、図111(4)に示す表示画面821bでは、エフェクト画像816,828の表示に加え、強予告の補助表示(故障認識可能表示)である補助画像829の表示をおこなっている。補助画像829は、第3盤演出装置706が正常に動作する場合には、第3盤演出装置706の可動部の奥側に位置して第3盤演出装置706の可動部によって必ず隠蔽されて視認不能となるような位置と大きさで表示される画像である。図の例の場合、補助画像829は、「役物故障」という文字を含み、第3盤演出装置706の可動部よりも大きさの小さい画像となっている。
そして、図111(4)は、図111(3)と同様に、第3盤演出装置706の動作を伴う強予告を開始したが、たとえば第3盤演出装置706の故障により第3盤演出装置706の可動部が収納位置から移動しない状態を示す。すなわち、図111(4)は、図111(2)のように第3盤演出装置706が動作しているはずの予告演出のタイミングであるのに、第3盤演出装置706が動作していない状態を示す。
図111(4)に示す例の場合、可動役物が画面の前面に移動しない状態では、強予告の演出としてエフェクト画像816,828のみが表示され、またエフェクト画像816,828よりも優先的に前面側に表示されるエラー報知画像807の全体が視認可能となり、さらに補助画像829が視認可能になる。このため、可動役物が動くべき強予告なのに可動役物が動かないという可動役物の異常状態を遊技者等に確実に認識させることができる。なお、エラー報知画像807が表示されない場合(エラーが発生していない場)でも、このようにエフェクト画像816を表示し、或いはさらに補助画像829を表示し、可動役物の異常状態を遊技者等に認識させる構成とすることが好ましい。
そして遊技機10は、本変形例の場合も、前述の図106の場合(第4の実施形態)と同様に、エラー報知画像807を表示するとともに対応するエラー報知用の音出力を演出用の音出力よりも優先的におこなう。なお図111では、演出用の音出力に加え、エラー報知用の音出力についても、図示省略している。
ここで、第3盤演出装置706(可動役物)による演出は、エラー報知に優先する第1の演出に相当する。一方、エフェクト画像816,828やBGM等の演出用の音出力による演出は、エラー報知に劣後する第2の演出に相当する。
[第5の実施形態の変形例4]
次に、第5の実施形態の変形例4でおこなわれる演出について図112を用いて説明する。図112は、第5の実施形態の変形例4の表示画面及び導光板の一例を示す図である。なお図112では、左側に導光板の配置や状態を示す斜視図を示し、右側に表示装置41の表示領域に表示される表示画面の例を示している。図112の左側の斜視図は、導光板の配置や状態のみを示し、この斜視図では表示装置41の表示画面の画像内容については図示省略している。
導光板は、主要な要素としてアクリルなどよりなる板状体を有し、板状体に一側面からLEDなどの発光素子からの光を入射させ、板状体に形成した凹凸などで光を表面側(前面側)に導き出すことで、前面側をほぼ均一に発光させたり、前面側に凹凸などに応じた特定の文字や図形などを表示したりすることが可能なデバイスである。この導光板としては、発光素子が発光していないオフ状態であると高い透明度で裏側全体を前面から透視可能とし、発光素子が発光しているオン状態では凹凸に応じた文字や図形などを部分的に浮かび上がらせるように表示するものがある。
本変形例は、このような導光板である導光板831,832を、図112(1)の左側に示すように表示装置41の表示領域の前面側に重ねて配置している。本変形例では、たとえば表示装置41の表示領域の大きさ以上の大きさの表示部(オフ状態では透明な窓となる部分)を有する2セットの導光板831,832を、表示装置41の表示領域の正面に重ねて固定状態に配置している。なお、導光板831,832に付帯する発光素子などの図示は省略している。また、導光板831,832は、たとえば表示装置41の表示領域の前面から離れて退避した待機位置(収納位置)から、表示装置41の表示領域の前面に重なる位置まで移動可能に設け、たとえばこれら導光板831,832による演出をおこなう際に待機位置から移動させて可動役物として使用する態様でもよい。
図112(1)に示す表示画面833は、図112(1)の右側に示すように、前述の図106(3)に示す表示画面811と同様に、変動表示開始後のリーチ演出発生時の表示画面である。表示画面833は、たとえば前述の図106(2)に示す表示画面810の後の画面であって、左右図柄が「3」を表示するリーチ変動中の画面を示す。また、表示画面833への変化途中でたとえば前述のオーバーフロースイッチ信号の出力があり、これに応じて表示画面833では、前述のエラー報知画像807が表示されている。
そして、図112(1)の状態では、図112(1)の左側に示すように、各導光板831,832は両方ともオフ状態となっており、これら導光板831,832の裏側にある表示画面833は前面側から全体が明瞭に視認可能となっている。なお図112では、前述の図106(1)などで説明した、小図柄群802、特図1保留数表示803、特図2保留数表示804、保留表示805、及び保留消化表示806については、図示省略して説明も省略する。
図112(2)に示す表示画面834は、図112(2)の右側に示すように、前述の図106(4)に示す表示画面812と同様に、リーチ演出中のカットイン演出の表示画面である。表示画面834は、表示画面833の後の画面であって、左右図柄が「3」を表示するリーチ変動中の画面を示す。遊技機10は、リーチ演出中の当該変動表示についてカットイン表示813aなど(カットイン演出)で所定の期待度を演出する。
但し、本変形例のカットイン表示813aは、前述の表示画面812のカットイン表示813とは異なり、ロケットの背景(たとえば暗い宇宙)のような画像のみからなり、ロケットのようなキャラクタ814などの画像は含まない。
そして、図112(2)の状態では、図112(2)の左側に示すように、各導光板831,832のうち導光板832のみがオン状態となっており、導光板832がオン状態になることによって導光板832上に表示される画像であるキャラクタ832aが前面側から視認可能となり、各導光板831,832の裏側にある表示画面834はキャラクタ832aの表示範囲を除いて前面側から明瞭に視認可能となっている。いいかえると、図112(2)の右側に示すように導光板832上に表示される画像であるキャラクタ832aによって表示装置41の表示領域が部分的に隠蔽され、この場合、エラー報知画像807のうちの相当範囲がキャラクタ832aにより隠蔽された状態となる。このため、エラー表示がおこなわれていても遊技者を楽しませて興趣の高い演出を実現する。
ここで、導光板832上に表示される画像であるキャラクタ832aは、たとえば前述した図106(4)に示すキャラクタ814と同様にロケットのような画像であり、前面から見ると表示画面834のカットイン表示813a(表示装置41の表示領域の表示)と重なって一体の表示演出を実現する。
なお、この例は一例にすぎず、導光板832上に表示される画像には、他の画像、たとえばロケットに乗ったキャラクタが含まれていてもよい。また、ロケットのような画像のうちの一部分、たとえばロケットの下端から放射されるロケットエンジンから出る火炎の部分は、表示装置41の表示領域上の画像(すなわち、表示画面834の一部)として表示されてもよい。表示装置41の表示領域上の画像として表示した部分は、その画像の態様(たとえば表示色)を期待度に応じて異ならせることが容易に可能となる。
図112(3)に示す表示画面834aは、図112(3)の右側に示すように、前述の図106(4)に示す表示画面812と同様に、リーチ演出中のカットイン演出の表示画面である。表示画面834aは、図112(2)に示す表示画面834と同様に、図112(1)に示す表示画面833の後の画面であって、左右図柄が「3」を表示するリーチ変動中の画面を示す。遊技機10は、リーチ演出中の当該変動表示についてカットイン表示813aなど(カットイン演出)で所定の期待度を演出する。図112(3)の場合は、前述の図112(2)の場合に比べて、たとえば大当り期待度がさらに高いことを示唆する演出である。
本変形例の表示画面834aは、カットイン演出の画像として、ロケットの背景のような画像(たとえば暗い宇宙のような画像)であるカットイン表示813aに加え、ロケットに乗っているように見える位置に表示される虎のようなキャラクタ835を表示する画面である。
そして、図112(3)の状態では、図112(3)の左側に示すように、各導光板831,832の両方がオン状態となっており、これによって導光板832上に表示される画像であるキャラクタ832aと、導光板831上に表示される画像であるキャラクタ831a,831bとが前面側から視認可能となり、各導光板831,832の裏側にある表示画面834aはキャラクタ831a,831b,832aの表示範囲を除いて前面側から明瞭に視認可能となっている。いいかえると、図112(3)の右側に示すように各導光板上に表示される画像であるキャラクタ831a,831b,832aによって表示装置41の表示領域が部分的に隠蔽され、この場合、エラー報知画像807のうちの多くの範囲がキャラクタ831a,831b,832aにより隠蔽された状態となる。このため、エラー表示がおこなわれていても遊技者を楽しませて興趣の高い演出を実現する。
ここで、導光板831,832上に表示される画像であるキャラクタ831a,831b,832aは、たとえば前述した図106(4)に示すキャラクタ814と同様にロケットのような画像であり、前面から見ると表示画面834aのカットイン表示813aやキャラクタ835(表示装置41の表示領域の表示)と重なって一体の表示演出を実現する。特にこの例では、前面から見ると(すなわち、遊技者が見ると)、図112(3)の右側に示すように、虎のようなキャラクタ835がロケットのようなキャラクタ831aに搭乗しているように見える構成となっている。
なお、この例は一例にすぎず、導光板831,832上に表示される画像には、他の画像、たとえばロケットに乗ったキャラクタが含まれていてもよい。また、ロケットのような画像のうちの一部分、たとえばロケットの下端から放射される火炎の部分は、表示装置41の表示領域上の画像(すなわち、表示画面834aの一部)として表示されてもよい。また、ロケットのような画像を表示画面834aのたとえばカットイン表示813aの一部としても表示し、前面から見ると、さらに多くのロケットが飛行している状態が視認できる構成としてもよい。表示装置41の表示領域上の画像として表示した部分は、その画像の態様(たとえば表示色)を期待度に応じて異ならせることが容易に可能となる。たとえば、ロケットのようなキャラクタ831aに乗っているキャラクタ835の有無や形態(たとえば表示色)や種類を異ならせることによって期待度の違いを示唆可能である。
また、導光板は2セットに限定されず、1セットでもよいし、3セット以上使用してもよい。また、導光板はオン状態でたとえば全体が発光して極端な例では表示装置41の表示領域全体を隠蔽する態様でもよい。また、導光板の作用によって、表示画面の一部または全体がホワイトアウト(またはブラックアウト)したり、表示画面の一部または全体の明度または照度が低下したりすることにより、エラー報知画像を隠蔽する態様もありうる。また導光板は、演出をおこなわない時には、表示装置41の前面から移動して表示装置41の表示領域と重ならない位置に待機する態様としてもよく、この場合には、オフ状態でも透視困難なタイプのもの(透光性が少ないもの)を使うことができる。
そして遊技機10は、本変形例の場合も、前述の図106の場合(第4の実施形態)と同様に、エラー報知画像807を表示するとともに対応するエラー報知用の音出力を演出用の音出力よりも優先的におこなう。なお図112では、演出用の音出力に加え、エラー報知用の音出力についても、図示省略している。
ここで、導光板831,832(表示手段、可動役物)による演出は、エラー報知に優先する第1の演出に相当する。一方、エフェクト画像813aやBGM等の演出用の音出力による演出は、エラー報知に劣後する第2の演出に相当する。
なお、演出(エラー報知含む)をおこなう演出手段には、表示による演出をおこなう表示手段、音声による演出をおこなう音出力手段、可動部の動きにより演出をおこなう可動役物があるが、本実施形態(第5の実施形態)や前述の第4の実施形態で説明したものを含め、エラー報知と予告演出の優先順位の具体例についてまとめて記載すると以下のようになり、演出手段によって異なる。
まず、表示手段での優先順位は、優先順位が高いものから先に記載すると、強エラー報知>強予告演出>弱エラー報知>弱予告演出となる。次に、音出力手段での優先順位は、同様に、強エラー報知>弱エラー報知>強予告演出、弱予告演出となる。なお、音出力手段での優先順位は、強エラー報知>弱エラー報知>強予告演出>弱予告演出としてもよい。次に、可動役物での優先順位は、同様に、強予告演出>強エラー報知>弱エラー報知>弱予告演出となる。ここで、強エラーは重要度の比較的高いエラーを意味し、弱エラーは強エラーよりも重要度の低いエラーを意味する。また、強予告は信頼度(大当りなどの期待度)の比較的高い予告を意味し、弱予告は強予告よりも信頼度の低い予告を意味する。
[第5の実施形態の変形例5]
次に、第5の実施形態の変形例5でおこなわれる演出について図113を用いて説明する。本変形例は、本実施形態(第5の実施形態)や前述の第4の実施形態で説明したエラー表示やエラー表示を隠蔽する演出(カットイン演出などの強予告の表示演出、可動役物の可動部の動きによる演出、導光板の表示や動きによる演出)の実行時間や実行タイミングに特徴を有する。図113は、エラー表示(点滅表示)とエラー表示を隠蔽する演出との時間的関係を示すタイミングチャートの例である。
まず、図示していないが、エラー報知(エラー表示又はエラー報知用の音出力など)が所定の実行時間継続しておこなわれる場合(点滅表示ではない場合)、前述した第3盤演出装置706や第2盤演出装置705L,705Rや導光板831,832によるエラー表示を隠蔽する演出の実行時間は、エラー報知の最短の実行時間未満とすることが好ましい。これにより、エラー表示を隠蔽する演出がおこなわれても、エラー報知がおこなわれる期間の少なくとも一部では、エラー報知がこの演出により阻害されることなく確実になされる。
次に、エラー表示が図113(1)に示すように点滅表示(周期的に点灯と消灯、或いは表示と非表示が繰り返されるもの)によりおこなわれる場合、エラー表示を隠蔽する演出(前述したカットイン表示813や第3盤演出装置706や第2盤演出装置705L,705Rや導光板831,832による演出)の実行時間は、図113(2)に示すようにエラー表示の点灯表示時間(後述する実行時間Ton)より短い時間とすることが好ましい。
ここで、図113(1)は、エラー表示が実行時間Ton実行され、非実行時間Toffだけ停止される(非表示とされる)動作を繰り返す点滅表示である場合に、エラー表示を隠蔽する演出の実行時間TPがエラー表示の実行時間Tonより長い場合のタイミングチャートの例である。この場合、図113(1)に示すように、エラー表示の実行タイミングとエラー表示を隠蔽する演出の実行タイミングが同期してしまうと、一回の実行時間Tonのエラー表示の時間的に全体が隠蔽されてしまい、観察者(遊技者等)によるエラー表示の視認ができない最長連続時間が相当に長い時間T0(T0=Ton+2×Toff)になってしまう。
しかし、図113(2)に示すように、エラー表示を隠蔽する演出の実行時間がエラー表示の点灯表示時間未満(TP<Ton)であると、図113(2)に示すように、一回の実行時間Tonのエラー表示の時間的に全体が隠蔽されることがなくなり、観察者によるエラー表示の視認ができない最長連続時間がT0より格段に短い時間T1(T1<Ton+Toff)になる。すなわち、エラー表示を隠蔽する演出がおこなわれても、エラー表示がおこなわれる期間の少なくとも一部では、エラー表示がこの演出により阻害されることなく確実になされ、エラー表示を視認できない最長連続時間が格段に減る。
また、エラー表示が点滅表示によりおこなわれる場合、エラー表示を隠蔽する演出の実行タイミングがエラー表示の実行タイミングと同期しないように、図113(3)に示すように、必要に応じて時間的なオフセットΔT(ずらし時間)を挿入することによって、エラー表示の実行タイミングを調整する構成としてもよい。
図113(3)に示す動作は、たとえば、図113(1)に示すエラー表示(点滅表示)をおこなう演出制御装置300における制御処理において、エラー表示の実行期間とエラー表示を隠蔽する演出の実行期間が重なる(同時期となる)か否か事前に毎周期判定し、重なると判定した場合には、エラー表示を実行開始するタイミングを当該重なる周期についてオフセットΔTだけ遅らせる処理をおこなうことにより実現できる。
なお、図113(3)に示した態様とは異なり、エラー表示を隠蔽する演出に対して時間的なオフセットΔTを挿入することによって、当該演出の実行タイミングを調整する態様としてもよい。また、このようにオフセットΔTを挿入する制御処理は、演出の実行時間TPがエラー表示の実行時間Tonと同じか、図113(1)に示すように演出の実行時間TPがエラー表示の実行時間Tonよりも長い場合(すなわち、TP≧Tonの場合)にのみ、おこなう構成でもよい。
いずれにせよ、上述したようにオフセットΔTを挿入することによって、たとえば図113(3)に示すように、一回の実行時間Tonのエラー表示の時間的に全体が隠蔽されることがなくなり、観察者によるエラー表示の視認ができない最長連続時間がT0より格段に短い時間T2になる。すなわち、エラー表示を隠蔽する演出がおこなわれても、エラー表示がおこなわれる期間の少なくとも一部では、エラー表示がこの演出により阻害されることなく確実になされ、エラー表示を視認できない最長連続時間が格段に減る。
上述した第5の実施形態(変形例1から変形例5を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、遊技の進行を制御するなどの遊技制御をおこなう主制御手段(遊技制御手段;遊技制御装置100)と、演出用の識別情報(飾り特図、たとえば前述の大図柄群801)を変動表示させる変動表示ゲームをおこなう表示手段(表示装置41)と、主制御手段の指令(コマンド)にもとづいて表示手段を含む演出手段(表示装置41、スピーカ19a,19b、第2盤演出装置705L,705R、第3盤演出装置706など)を制御する演出制御をおこなう従制御手段(演出制御手段;演出制御装置300)と、を備える。従制御手段は、指令にもとづいて或いは当該従制御手段によるエラー判定にもとづいて、当該遊技機10で発生しているエラーを報知するエラー表示を実行可能であり、演出手段による演出としてエラー表示の少なくとも一部を隠蔽する特定演出(たとえば可動役物706などを作動させてエラー表示を隠蔽する強予告の演出、あるいは導光板831,832によりエラー表示を隠蔽する強予告の演出)を実行可能な制御部(CPU311)を備える。制御部は、エラー表示として、たとえばエラーを報知する画像であるエラー報知画像(たとえばエラー報知画像807)の表示をたとえば表示手段においておこない、特定演出は、エラー報知画像の少なくとも一部を隠蔽する。なお、エラー表示や特定演出は、変動表示ゲームをおこなう表示手段とは異なる表示手段によっておこなわれてもよい。
(2)音出力手段(たとえばスピーカ19a,19b)をさらに備え、(1)の制御部は、当該遊技機で発生しているエラーを報知するエラー報知音を音出力手段により出力可能であり、特定演出に演出用の音出力が含まれる場合、当該演出用の音出力よりも優先的にエラー報知音の出力をおこなう。
(3)(1)の制御部は、特定演出として可動役物(第2盤演出装置705L,705Rまたは第3盤演出装置706、あるいは可動式である場合の導光板831,832)を作動させて当該可動役物によって表示手段の表示領域の少なくとも一部(エラー報知画像の少なくとも一部)を隠蔽し、特定演出における演出用画像として可動役物に対応する背景画像(たとえばエフェクト画像816,817)を表示可能であり、背景画像についてはエラー報知画像よりも表示優先順位を低く設定する。すなわち、作動した可動役物はエラー報知画像と重なる部分でエラー報知画像を隠蔽し、背景画像はエラー報知画像と重なる部分でもエラー報知画像を隠蔽しない(エラー報知画像が前側にあるよう表示する)ように設定する。
(4)(1)の制御部は、演出手段による演出として特定演出に相当する第1の演出(たとえば強予告の演出)と特定演出に相当しない第2の演出(たとえば弱予告の演出)とを実行可能であり、第2の演出ではエラー報知画像を隠蔽しない(たとえば、エラー報知がおこなわれている場合には、可動役物を作動させる予告演出が発生しても可動役物を所定位置に動作させない演出に変更する)。また、第1の演出及び第2の演出としての演出用の音出力よりも、エラー(弱エラー及び強エラー)を報知するエラー報知音を優先して出力する。
(5)(1)の制御部は、特定演出として可動役物が作動する演出をおこなう場合、作動した可動役物によって隠蔽される補助画像であって、可動役物が作動しない場合には視認可能となる補助画像(たとえば補助画像826L,826R、補助画像827、補助画像829、あるいはエフェクト画像816の一部分など)を表示手段に表示する。
(6)(5)の補助画像は、可動役物が所定の動作をしないこと(可動役物の故障、あるいは可動役物が所定位置に動作しない演出に変更されたこと)を視覚的に認識させる情報(文字または図形など)を含む。
(7)(1)の演出手段は、さらに音出力手段(たとえば、スピーカ19a,19b)と可動演出手段(たとえば、盤演出装置44)とを含み、制御部は、当該遊技機で発生しているエラーを報知するエラー報知音を音出力手段により出力可能であり、特定演出に演出用の音出力が含まれる場合に当該演出用の音出力よりも優先的にエラー報知音の出力をおこなうとともに、可動演出手段が正常な可動動作をおこなうか否かにかかわらず可動動作に関連した演出表示(エフェクト表示)を表示手段に表示させる。
なお、可動演出手段が正常な可動動作をおこなうことができない場合、すなわち可動演出手段の不具合には、可動演出手段のアクチュエータ(モータやソレノイド)の故障、所要のコネクタの抜けや接続不良、配線の断線、メカ機構の故障等がある。
(8)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と可動演出手段(たとえば、盤演出装置44)とを含む演出手段と、演出手段を制御する制御手段(演出制御手段;演出制御装置300)とを備える。制御手段は、可動演出手段が正常な可動動作をおこなうか否かにかかわらず可動動作に関連した演出表示(エフェクト表示)を表示手段に表示させる。
[ベースの算出と表示]
ここで、遊技機10がおこなう遊技性能としてのベースの算出と表示について、図114、図115を用いて説明する。ここでベースとは、通常遊技状態での出玉率である。ここで通常遊技状態とは、時短状態ではなく大当り遊技状態(大当り状態)でもない状態であり、さらに一般的には、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確状態)である状態である。また出玉率とは、アウト球数100個あたりの払出球数である。そのため、通常遊技状態でのアウト球数をNoutとし、通常遊技状態での払出球数をNsafeとした場合、ベースBは、B=(Nsafe÷Nout)×100という式で算出する。なお、アウト球数とは、遊技領域に発射されてアウト口又は入賞口に入った球数(たとえば前述したアウト球検出スイッチ信号にもとづいて計数される球数)であり、アウト個数、或いは単にアウトなどと称することもある。また払出球数とは、入賞に対して払い出された賞球数であり、払出個数、セーフ球数、或いは単にセーフなどと称することもある。
図3の説明で既述したように、遊技機10の遊技制御装置100には状態表示装置135が設けられている。図114は、ベースの表示手段である状態表示装置135とベース用の記憶領域を示す図であり、図114(1)は状態表示装置135の表示部を示し、図114(2)はベース用の記憶領域を示す。また図115は、状態表示装置135による表示例を示す。
状態表示装置135は、図114(1)に示すように、横に4個並べて設けられた4桁分の7セグメントLEDよりなり、各7セグメントLEDの右下にはドットポイント(小さな円形の発光部)が設けられている。ベースの表示に関して、4桁の7セグメントLEDのうち、左側の2桁はベースの計測時期(計測中のものか否かや計測した順番)を表示する識別セグとなっており、右側の2桁はベースの値を表示する比率セグとなっている。なお図115に示すように、状態表示装置135の7セグメントLEDでは「B」を実際には小文字「b」の形態で表示する。
遊技制御装置100は(詳細には、制御部であるCPU111Aは)、RAM111CなどのRWMに、図114(2)に示すようなベース用の記憶領域を設定し、ベースの算出とベースの表示に使用する。すなわち遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域として、アウト球数の累積値を記憶する「アウト球数」と、払出球数の累積値を記憶する「払出球数」とを設定する。また、ベースの算出値を記憶するベース用記憶領域として、「ベース(BL)」、「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」を設定する。
ここで、「ベース(BL)」は計測中のベースを記憶する領域であり、「ベース(B1)」は1回前に計測したベースを記憶する領域であり、「ベース(B2)」は2回前に計測したベースを記憶する領域であり、「ベース(B3)」は3回前に計測したベースを記憶する領域である。つまり、「ベース(B3)」が設定される記憶領域のうちで最も古いベースの計測値(算出値)を記憶する領域である。
なお、上述したベース算出用記憶領域とベース用記憶領域の記憶値は、電源断時にはバックアップされて記憶保持され、またRWMの異常を除いて、RAMクリア時(RAM初期化スイッチ112を押して電源投入時)にもゼロクリアしないで記憶保持する構成であることが望ましい。
遊技制御装置100は、前述した設定変更モード又は設定確認モードにおいて確率設定の設定内容(5段階のうちの何れかの設定)を状態表示装置135によって表示する場合を除いて、状態表示装置135によってベースの表示をおこなう。なお、前述した第1の実施形態では、確率設定の設定内容の表示は確率設定値表示装置136によりおこなう態様を説明した。しかし、確率設定値表示装置136を削除して、状態表示装置135が確率設定値表示装置としても機能する構成としてもよく、その場合には、状態表示装置135によって上記設定内容の表示を上記各モードにおいておこない、それ以外では状態表示装置135によってベースの表示をおこなう。
遊技制御装置100は、ベースの算出と表示を一例として次のようにおこなう。すなわち遊技制御装置100は、電源投入時にはまず、状態表示装置135の4桁の7セグメントLEDの全てのセグメント(ドットポイント含む)を確認として所定時間(たとえば5秒間)全点滅させる。
その後、遊技制御装置100は、図115(1)に示すようなBL表示状態、図115(2)に示すようなB1表示状態、図115(3)に示すようなB2表示状態、図115(4)に示すようなB3表示状態、をそれぞれ所定時間(たとえば5秒間)維持する動作を繰り返し実行する。すなわち、電源投入後の定常状態では、BL表示状態を所定時間維持し、次いでB1表示状態を所定時間維持し、次いでB2表示状態を所定時間維持し、次いでB3表示状態を所定時間維持し、次いでBL表示状態を所定時間維持し、次いでB1表示状態を所定時間維持し、…といったように四つの状態を順に切り替えて繰り返す。
ここで、BL表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が計測中(今回)であることを示す「bL」(BL)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(BL)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。また、B1表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が1回前であることを示す「b1」(B1)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B1)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。また、B2表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が2回前であることを示す「b2」(B2)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B2)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。また、B3表示状態で遊技制御装置100は、識別セグにベースの計測時期が3回前であることを示す「b3」(B3)を表示し、比率セグにベース用記憶領域「ベース(B3)」の値(或いは「 - - 」)を表示する。
一方、ベースの算出のために遊技制御装置100は、起動後に、通常遊技状態でたとえばアウト球が検出される毎(すなわちアウト球検出スイッチ信号が出力される毎)にベース算出用記憶領域の「アウト球数」の記憶値を検出されたアウト球の数に相当する値だけ増加させ、通常遊技状態で遊技球の入賞口への入賞がある毎(或いは入賞にもとづく賞球の払出が発生する毎など)にベース算出用記憶領域の「払出球数」の記憶値を発生した払出球数(或いは払出制御装置200からの信号にもとづいて検知した実際に払い出した賞球数でもよい)に相当する値だけ増加させる。また遊技制御装置100は、たとえばベース算出用記憶領域の「アウト球数」または「払出球数」の記憶値が変化する毎に、前述した式でベースBを算出し、算出結果をベースBの最新の値としてベース用記憶領域の「ベース(BL)」に上書きする。
なお、遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域の「アウト球数」の記憶値が規定の計測個数(たとえば60000個)に到達すると、1回の計測が終了したとして、次のような計測終了時の処理をおこなう構成となっている。この計測終了時の処理では、その時点のベース用記憶領域「ベース(B2)」の値をベース用記憶領域「ベース(B3)」に上書きし、その時点のベース用記憶領域「ベース(B1)」の値をベース用記憶領域「ベース(B2)」に上書きし、その時点のベース用記憶領域「ベース(BL)」の値をベース用記憶領域「ベース(B1)」に上書きし、さらに、ベース算出用記憶領域の「アウト球数」と「払出球数」の記憶値をクリアしてゼロにリセットする。これにより、常に最大3回前までのベースの値と、現在計測中のベースの値とが記憶保持される。
そして遊技制御装置100は、初回電源投入時(ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値はゼロ)からベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が所定の算出開始個数(たとえば300個未満の所定個数)未満である期間Aでは、各表示状態において、識別セグでは「bL」、「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点滅表示し、比率セグでは図115(4)に示すように「 - - 」(中央の横長のセグメントのみを発光させる状態)を表示し、未計測状態であることを報知する。
次いで遊技制御装置100は、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が所定の算出開始個数(たとえば300個未満の所定個数)に到達すると、ベース算出用記憶領域とベース用記憶領域を初期化(ゼロクリア)して1回目の計測を開始する。
そして遊技制御装置100は、1回目の計測開始からベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数(たとえば60000個)に到達するまでの期間Bでは、BL表示状態において、識別セグでは「bL」を点滅表示または点灯表示し、比率セグではベース用記憶領域「ベース(BL)」の値を表示する。また期間Bでは、その他の表示状態(B1〜B3表示状態)においては、識別セグでは「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点滅表示し、比率セグでは「 - - 」を表示し、未計測状態であることを報知する。
なお、BL表示状態における識別セグでの「bL」の表示は、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数未満である場合には点滅表示とし、ベース算出用記憶領域「アウト球数」の記憶値が計測個数に到達した場合には点灯表示とする。また、上記識別セグや比率セグでの点滅表示の点滅周期は、たとえば0.6秒周期とし、そのうちたとえば点灯0.3秒、消灯0.3秒とする。また、「アウト球数」の記憶値が計測個数(たとえば60000個)に到達して期間Bが終了すると、前述した計測終了時の処理をおこない、次の2回目の計測を開始する。
その後、遊技制御装置100は、上記1回目の計測をおこなう期間Bと同様に、2回目の計測をおこなう期間C、3回目の計測をおこなう期間D、4回目の計測をおこなう期間E、…というように計測を連続的におこなう。そして、3回目の計測を終了した時点以降では、過去3回のベースの算出値が記憶されているので、B1〜B3表示状態の全てにおいて、識別セグでは「b1」…といったベースの計測時期を示す文字を点灯表示し、比率セグでは対応するベース用記憶領域(「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」のうちの何れか)の値を表示する。
なお、図115(1)〜(4)は、2回目の計測が終了した後の上記期間Dにおける各表示状態での具体的な表示の一例を示している。この場合、3回前の計測結果はないので、B3表示状態の具体例である図115(4)では、比率セグの表示が「 - - 」(未計測状態を示す表示)となっている。
また、BL表示状態の具体例である図115(1)では、比率セグの表示が「 5 8 」となっていて、現在計測中のリアルタイムのベースの値が58であることを示している。また、B1表示状態の具体例である図115(2)では、比率セグの表示が「 6 7 」となっていて、1回前に計測された規定の計測個数に対するベースの値が67であることを示している。また、B2表示状態の具体例である図115(3)では、比率セグの表示が「 4 9 」となっていて、2回前に計測された規定の計測個数に対するベースの値が49であることを示している。なお、ベースの値が100以上の場合には、比率セグの表示を「 9 9.」(比率セグで数字99を表示し、かつ最後の桁のドットポイントを点灯)とすることで、100以上であることを報知する。
またベースの値は、一般的にたとえば25〜35程度の範囲が正常範囲であり、この範囲より小さくても、この範囲より大きくても異常であり、この異常はベース異常と呼ばれる。前述した図115の表示例は、正常範囲を超えるベース異常の計測結果が連続している状態を一例として示しており、正常な場合には、識別セグに25〜35程度の正常範囲内の数値が表示される。
遊技制御装置100は、たとえば、ベース用記憶領域(「ベース(B1)」、「ベース(B2)」、「ベース(B3)」)に記憶されている過去3回のベースの計測値(上記B1〜B3表示状態での比率セグの表示値)が全て正常範囲から外れて異常である場合に、ベース異常が発生したとして、ベース異常が発生したことを示す信号を外部のたとえば遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)に送信する。
このベース異常を示す信号(情報)は、たとえばコマンドとして演出制御装置300に送信されて、この信号を受けた演出制御装置300の制御によって、表示装置41の表示領域に、このベース異常を報知する画像(たとえばエラー報知画像807に相当する画像)が表示される構成としてもよい。また、このベース異常は、不正がおこなわれている場合に発生する可能性があるので、前述の強エラーに設定することが望ましい。
また、図114、図115に示した例では、ベースの計測値を過去3回前まで記憶し表示する構成であるが、ベース用記憶領域の数を増やして過去4回以上前まで記憶し表示する構成でもよい。また、ベース算出用記憶領域は、計測中のものしか設定していないが、過去の計測値の算出の基となったアウト球数と払出球数を記憶しておく記憶領域をそれぞれ設けてもよい。
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態(変形例を含む)の遊技機10について図116から図122を用いて説明する。第6の実施形態の遊技機10における演出制御装置300は、遊技制御装置100が指定する変動パターンの範囲内(たとえば遊技制御装置100が指定する変動時間内)で詳細な演出態様を決定している。このとき、演出制御装置300は、遊技制御装置100から変動パターンコマンドを受信して、詳細な演出態様を抽選により決定している。そのため、遊技制御装置100が同じ変動パターンコマンドを送信しても、演出制御装置300は、必ずしも同じ演出態様を実行するとは限らない。
このような詳細な演出態様の抽選による決定は、外部から思い通りの演出動作をおこなわせることを困難にして、開発過程において大きな工数を要することとなる。そのため、演出制御装置300は、変動パターンコマンドに加えて詳細変動パターンコマンドを受信可能にすることで、詳細な演出態様の決定を抽選によらずに詳細変動パターンコマンドによって決定することができるようにしている。なお、演出制御装置300は、詳細変動パターンコマンドの送信が遊技制御装置100の処理負担となるため、詳細変動パターンコマンドを受信しない場合は詳細な演出態様を抽選により決定することができる。
まず、第6の実施形態の指令体系について図116と図117を用いて説明する。先に、遊技制御装置100と演出制御装置300との間の指令体系について図116を用いて説明する。図116は、第6の実施形態の指令体系の一例を示す図(その1)である。遊技制御装置100は、乱数抽選により演出の概要を指示する変動パターンを決定し、変動パターンコマンド(指令)によって変動パターン番号を演出制御装置300に通知することができる。
演出制御装置300は、遊技制御装置100から指示された演出の概要の範囲内で、乱数抽選にもとづいて詳細変動パターン番号を取得する。このとき、演出制御装置300は、乱数抽選の結果から詳細変動パターンコマンドを決定し、詳細変動パターンコマンド(指令)に対応する詳細変動パターン番号を取得する。
演出制御装置300は、取得した詳細変動パターン番号に対応する詳細な演出を決定し、決定した演出内容で演出装置850を制御する。なお、演出装置850は、遊技演出に関係する各種装置の便宜的な総称である。演出装置850は、具体的には、表示装置41や、盤装飾装置46、枠装飾装置18、盤演出装置44、スピーカ19a,19b等がある。
これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100が指示した範囲内の演出態様で演出装置850を制御することができる。また、遊技機10は、多様な演出態様で演出装置850を制御可能にしながら、遊技制御装置100の処理負担を軽減することができる。
次に、遊技制御装置100と試験装置851との間の指令体系について図117を用いて説明する。図117は、第6の実施形態の指令体系の一例を示す図(その2)である。試験装置851は、任意の変動パターンコマンドと、任意の詳細変動パターンコマンドとを送信し、演出制御装置300に通知することができる。
なお、試験装置851は、演出制御装置300の動作を試験可能であって、たとえばデバッガ機能やICE(In-Circuit Emulator)機能等を備えたコンピュータ等である。試験装置851は、開発環境において遊技制御装置100に代えて、あるいは遊技制御装置100に加えて演出制御装置300に接続することができる。また、試験装置851は、開発環境に限らず、遊技場における遊技機10の設置環境において使用されるものであってもよい。また、試験装置851は、試験用途に供されるものに限らず、開発用途、検証用途、その他用途に供されるものであってもよい。
演出制御装置300は、試験装置851から取得した変動パターン番号(変動パターンコマンド)と詳細変動パターンコマンドとにもとづいて詳細変動パターンコマンドに対応する詳細変動パターン番号を取得する。
演出制御装置300は、取得した詳細変動パターン番号に対応する詳細な演出を決定し、決定した演出内容で演出装置850を制御する。
これにより、演出制御装置300は、試験装置851が指示した通りの演出態様で演出装置850を制御することができる。したがって、遊技機10は、外部から思い通りの演出動作を演出装置850におこなわせることができる。
このように、演出制御装置300は、変動パターンコマンドだけでは演出内容が明らかにならない詳細に至るまでを、詳細変動パターンコマンドを受信することによって外部(試験装置851)からの指示通りとすることができる。また、演出制御装置300は、変動パターンコマンドだけでは演出内容が明らかにならない詳細に至るまでを、詳細変動パターンコマンドを受信することがなくても自ら(乱数抽選)によって決定することができる。
なお、演出制御装置300は、外部からのみ取得可能な変動パターンコマンドを一側面において外部指令として捉えることができ、内部で生成可能な詳細変動パターンコマンドを一側面において内部指令として捉えることができる。また、演出制御装置300は、演出の概要を規定する変動パターンコマンドを一側面において概要指令として捉えることができ、演出の詳細を規定する詳細変動パターンコマンドを一側面において詳細指令として捉えることができる。また、演出制御装置300は、遊技場の稼働環境下において用いられる変動パターンコマンドを一側面において実稼働用指令として捉えることができ、遊技場の非稼働環境下(たとえば、試験環境下)において用いられる詳細変動パターンコマンドを一側面において非実稼働用指令(試験用指令)として捉えることができる。
次に、遊技制御装置100が演出制御装置300に送信する変動時コマンドについて図118を用いて説明する。図118は、第6の実施形態の変動時コマンドの一例を示す図である。遊技制御装置100は、特図ゲームの変動開始時に一群のコマンドからなる変動時コマンドを演出制御装置300に送信する。たとえば、特図ゲームが特図1ゲームであれば、遊技制御装置100は、特図1ゲーム処理(図22参照)において変動時コマンドを設定して、演出制御装置300に送信する。また、特図ゲームが特図2ゲームであれば、遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理(図23参照)において変動時コマンドを設定して、演出制御装置300に送信する。
変動時コマンド(変動系コマンド)は、遊技制御装置100が特図ゲームの変動開始時に送信するコマンドを示す。まず、遊技制御装置100は、送信順「1」のコマンド(コマンド名「飾り図柄指定」)を送信する。コマンド名「飾り図柄指定」は、MODE「85H」と、飾り図柄に応じてACTION「11H」からACTION「7FH」のいずれかを含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「2」のコマンド(コマンド名「変動パターン指定」)を送信する。コマンド名「変動パターン指定」は、MODE「C0H」からMODE「D2H」のいずれかと、各変動パターンに対応するACTION「01H」からACTION「7FH」のいずれかを含む。さらに、コマンド名「変動パターン指定」は、ACTION「01H」からACTION「7FH」のいずれかに続いて、詳細な演出を指定可能なOPTION「FFF000H」からOPTION「FFF7FFH」のいずれかを含むことができる。
なお、遊技制御装置100は、処理負担軽減の観点からコマンド名「変動パターン指定」においてMODEとACTIONだけを送信対象とし、OPTIONを送信対象としない。コマンド名「変動パターン指定」におけるOPTIONは、たとえば、試験装置851が送信対象とする。
なお、MODEは、最上位ビットを「1」とする1バイトのコマンドであり、ACTIONは、最上位ビットを「0」とする1バイトのコマンドである。これにより、演出制御装置300は、最上位ビットによって受信したコマンドがMODEとACTIONのいずれであるかを判別することができる。また、OPTIONは、3バイトのコマンドであり、1バイト目の最上位ビットと2バイト目の最上位ビットを「1」とする。これにより、演出制御装置300は、受信したコマンドの1バイト目の最上位ビットの「1」と2バイト目の最上位ビットの「1」とからMODEとACTIONの組み合わせを否定し、受信したコマンドがOPTIONであることを判別することができる。
次に、遊技制御装置100は、送信順「3」のコマンド(コマンド名「特図1保留数」)を送信する。コマンド名「特図1保留数」は、MODE「A1H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「4」のコマンド(コマンド名「特図2保留数」)を送信する。コマンド名「特図2保留数」は、MODE「A2H」と、保留なしから保留数4に対応するACTION「01H」からACTION「05H」のいずれかを含む。
ここで、演出制御装置300が送信順「2」のコマンド(コマンド名「変動パターン指定」)を受信したときに参照する振分テーブルについて図119と図120を用いて説明する。図119は、第6の実施形態の振分テーブルの一例を示す図である(その1)。図120は、第6の実施形態の振分テーブルの一例を示す図である(その2)。
演出制御装置300は、受信したコマンドがMODE「C0H」からMODE「D2H」のいずれかであると、コマンド名「変動パターン指定」に対応するコマンドであることを判別できる。たとえば、演出制御装置300は、MODE「C0H」を受信すると、振分テーブル852が参照候補であることを判別できる。振分テーブル852は、参照候補となる一群の振分テーブル852a,852b,852c,…,852nの総称である。
演出制御装置300は、受信したコマンドがACTION「01H」からACTION「7FH」のいずれかであると、振分テーブル852のうちから参照すべき特定の振分テーブルを一意に特定できる。たとえば、演出制御装置300は、受信したコマンドがACTION「01H」であるとき、振分テーブル(変動パターンコマンド:01H)852aを参照すべき特定の振分テーブルとして特定する。
振分テーブル852aは、抽選乱数値と詳細変動パターンコマンドとの対応関係を規定する。振分テーブル852aは、抽選乱数値の取り得る範囲が「0」から「999」までであることを示す。なお、抽選乱数値は、一定程度の無作為性を有すれば高速カウンタ等から抽出される疑似乱数であってもよい。また、振分テーブル852aは、ACTION「01H」(変動パターンコマンド:01H)の受信時において選択可能な詳細変動パターンコマンドが「FFFA01H」から「FFFA06H」までの6つがあることを示す。
たとえば、詳細変動パターンコマンド「FFFA01H」は、800/1000の確率で選択されるコマンドであり、詳細変動パターンコマンド「FFFA02H」は、50/1000の確率で選択されるコマンドであり、詳細変動パターンコマンド「FFFA03H」は、50/1000の確率で選択されるコマンドであり、詳細変動パターンコマンド「FFFA04H」は、50/1000の確率で選択されるコマンドであり、詳細変動パターンコマンド「FFFA05H」は、25/1000の確率で選択されるコマンドであり、詳細変動パターンコマンド「FFFA06H」は、25/1000の確率で選択されるコマンドである。
演出制御装置300は、詳細変動パターンコマンドをキーにして関係テーブルを参照し詳細変動パターン番号を取得する。ここで、関係テーブルについて図121を用いて説明する。図121は、第6の実施形態の関係テーブルの一例を示す図である。
関係テーブル853は、詳細変動パターンコマンドと詳細変動パターン番号との対応関係を規定するテーブルである。詳細変動パターンコマンドは、詳細な変動態様(演出態様)に対応する。たとえば、詳細変動パターンコマンド「FFFA01H」は、詳細変動パターン番号「001001」に対応し、演出制御装置300は、詳細変動パターン番号「001001」にしたがい詳細な変動態様として通常変動で演出装置850を制御する。詳細変動パターンコマンド「FFFA02H」は、詳細変動パターン番号「001002」に対応し、演出制御装置300は、詳細変動パターン番号「001002」にしたがい詳細な変動態様として左滑り変動で演出装置850を制御する。詳細変動パターンコマンド「FFFA03H」は、詳細変動パターン番号「001003」に対応し、演出制御装置300は、詳細変動パターン番号「001003」にしたがい詳細な変動態様として右滑り変動で演出装置850を制御する。詳細変動パターンコマンド「FFFA04H」は、詳細変動パターン番号「001004」に対応し、演出制御装置300は、詳細変動パターン番号「001004」にしたがい詳細な変動態様として中煽り変動で演出装置850を制御する。詳細変動パターンコマンド「FFFA05H」は、詳細変動パターン番号「001005」に対応し、演出制御装置300は、詳細変動パターン番号「001005」にしたがい詳細な変動態様として特別変動で演出装置850を制御する。詳細変動パターンコマンド「FFFA06H」は、詳細変動パターン番号「001006」に対応し、演出制御装置300は、詳細変動パターン番号「001006」にしたがい詳細な変動態様として短縮リーチ変動で演出装置850を制御する。
なお、関係テーブル853は、振分テーブル852aに限らず、振分テーブル852b,852c等、その他の振分テーブルに規定されている詳細変動パターンコマンドと、演出装置850に設定されているすべての詳細変動パターン番号との対応関係を規定するものであってもよい。
なお、振分テーブル852と関係テーブル853とは、演出制御装置300のPROM321に格納される。
次に、演出制御装置300が変動時コマンド(変動系コマンド)のうち送信順「2」のコマンド(コマンド名「変動パターン指定」)の受信時に実行する演出振分処理について図122を用いて説明する。図122は、第6の実施形態の演出振分処理のフローチャートを示す図である。演出振分処理は、受信コマンド解析処理(図51参照)のステップD56で制御部(たとえば、演出制御装置300のCPU311)によって実行される処理である。制御部は、受信したMODEが「C0H」から「D2H」の範囲内にある場合に演出振分処理を実行する。
[ステップD311]制御部は、コマンドMODEとコマンドACTIONを取得する。
[ステップD312]制御部は、コマンドOPTIONの受信があるか否かを判定する。通常、演出制御装置300は、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合に受信コマンドのうちにコマンドOPTIONを含まないが、試験装置851からコマンドを受信している場合に受信コマンドのうちにコマンドOPTIONを含み得る。制御部は、コマンドOPTIONの受信がない場合にステップD313に進み、コマンドOPTIONの受信がある場合にステップD315に進む。
[ステップD313]制御部は、コマンドMODEとコマンドACTIONにもとづいて振分テーブル852を選択する。
[ステップD314]制御部は、選択した振分テーブル852を用いて乱数抽選により詳細変動パターンコマンドを決定して取得する。これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100からコマンドOPTIONの受信がない場合に、詳細変動パターンコマンドを無作為に取得する。
[ステップD315]制御部は、コマンドOPTIONを取得する。これにより、演出制御装置300は、試験装置851からコマンドOPTIONの受信がある場合に、試験装置851が指定した詳細変動パターンコマンドを取得する。
[ステップD316]制御部は、関係テーブル853を参照して詳細変動パターンコマンドをキーにして詳細変動パターン番号を取得する。これにより、演出制御装置300は、コマンドOPTIONの受信の有無に関わらず、詳細変動パターン番号を取得することができる。
[ステップD317]制御部は、取得した詳細変動パターン番号にもとづいて具体的な演出パターンを設定する演出パターン設定処理を実行し、演出振分処理を終了する。
このような遊技機10は、演出制御装置300がおこなう演出制御の詳細を外部から指定可能にして演出制御装置300のプログラムの開発負担を軽減できる。また、遊技機10は、演出制御装置300がおこなう演出制御の詳細を外部から指定可能にしても遊技制御装置100の制御負担を大きくすることをしない。
たとえば、詳細変動パターン番号「001006」に対応する演出制御を演出制御装置300に実行させたいとき、遊技制御装置100は、コマンドMODEとコマンドACTIONを指定して演出制御装置300に振分テーブル852aに規定されている詳細な変動態様のうちから1つを無作為に選択させることができる。しかしながら、演出制御装置300は、詳細変動パターン番号「001006」を何回の試行で選択することができるかは保証されない。演出内容が複雑化して振分テーブル852aに規定されている選択肢が増えるほどに試行回数が大きくなる。一方で、演出制御装置300は、試験装置851からコマンドを受信する場合、コマンドMODEとコマンドACTIONとコマンドOPTIONとが指定されて所望の振分テーブル852aに規定されている詳細な変動態様のうちから1つを特定して選択することができる。このような演出制御装置300は、演出制御のプログラム開発、デバッグ作業において作業性が向上する。
[第6の実施形態の変形例1]
次に、第6の実施形態の変形例1の遊技機10について図123と図124を用いて説明する。第6の実施形態の演出制御装置300は、3バイトのOPTIONを1つ含む変動パターン指定コマンドから詳細な変動態様を特定することができたが、第6の実施形態の変形例1の演出制御装置300は、3バイトのOPTIONを2以上含む変動パターン指定コマンドから詳細な変動態様を特定することができる点で相違する。まず、詳細な変動態様の決定過程を図123を用いて説明する。図123は、第6の実施形態の変形例1の演出振分の一例を示す図である。
演出制御装置300は、変動パターンコマンドを1回受信して振分テーブル852による振分を1回だけおこなう場合に限らず、より複雑な演出をおこなう場合に振分テーブル852による振分を2回以上おこなうことがある。たとえば、演出制御装置300は、2回以上の振分をおこなう場合に振分テーブルセットを用意する。振分テーブルセットは、振分をおこなう振分ポイントごとの振分テーブルを含む。演出制御装置300は、MODE「C1H」とACTION「01H」を含む変動パターンコマンドを受信したとき、振分テーブルFT1からFT5までの5つの振分テーブル(振分テーブル852の一形態)を含む振分テーブルセットを参照して前半変動の詳細な演出を決定する。
演出制御装置300は、振分ポイントの数に応じたOPTIONを含む変動パターンコマンドを受信する。たとえば、演出制御装置300は、OPTION「FFFA11H」と、OPTION「FFFA22H」と、OPTION「FFFA41H」とを含む変動パターンコマンドを受信したとき、最初の振分ポイントで振分テーブルFT1を参照してOPTION「FFFA11H」にしたがい詳細変動パターン11(詳細変動パターン番号を簡略表記)を選択する。次に、演出制御装置300は、詳細変動パターン11に対応する振分ポイントで振分テーブルFT2を参照してOPTION「FFFA22H」にしたがい詳細変動パターン22(詳細変動パターン番号を簡略表記)を選択する。さらに、演出制御装置300は、詳細変動パターン22に対応する振分ポイントで振分テーブルFT4を参照してOPTION「FFFA41H」にしたがい詳細変動パターン41(詳細変動パターン番号を簡略表記)を選択する。そして、演出制御装置300は、詳細変動パターン41に対応する後半演出(後半A)の選択に進む。なお、演出制御装置300は、前半変動と同様にして後半変動(後半A)の詳細な演出の選択をおこなうことができる。この場合においても、演出制御装置300は、後半変動における振分ポイントの数に応じたOPTIONを含んだ変動パターンコマンドを受信できる。
このようにして、演出制御装置300は、より複雑な演出をおこなう場合であっても、振分ポイントの数に応じたOPTIONを含む変動パターンコマンドを受信することによって複雑な演出に対応して詳細な演出を特定することができる。
なお、変動パターンコマンドが2以上のOPTIONを含むことができる場合、最後のOPTIONを特定可能な終端コマンドを設定するようにしてもよい。たとえば、OPTION「FFFFFFH」をダミーコマンドとして、演出制御装置300は、OPTION「FFFFFFH」を受信することにより、これ以上のOPTIONの受信がないことを判別するようにしてもよい。
また、変動パターンコマンドが2以上のOPTIONを含むことができる場合、OPTION間を所定のコマンドで接続するようにしてもよい。たとえば、「3AH」を特別コマンドとして、演出制御装置300は、OPTIONを受信した後に、特別コマンド「3AH」を受信することでさらに追加のOPTIONを受信することを判別し、特別コマンド「3AH」を受信しないことで追加のOPTIONを受信しないことを判別するようにしてもよい。なお、特別コマンド「3AH」は、アスキーコードにおいてキャラクタ「;」を意味するので、試験装置851は、キャラクタ「;」で繋がれた2以上のOPTIONを含む文字列から変動パターンコマンドを容易に生成できる。
また、変動パターンコマンドが2以上のOPTIONを含むことができる場合、OPTION間を所定のコマンドで接続するとしたが、所定のビット列や、所定のビット長等の任意のデータパターンでOPTIONの接続や、終端を判定可能にするものであってもよい。
次に、第6の実施形態の変形例1の演出振分処理について図124を用いて説明する。図124は、第6の実施形態の変形例1の演出振分処理のフローチャートを示す図である。演出振分処理は、受信コマンド解析処理(図51参照)のステップD56で制御部(たとえば、演出制御装置300のCPU311)によって実行される処理である。制御部は、受信したMODEが「C0H」から「D2H」の範囲内にある場合に演出振分処理を実行する。
[ステップD321]制御部は、コマンドMODEとコマンドACTIONを取得する。
[ステップD322]制御部は、コマンドOPTIONの受信があるか否かを判定する。制御部は、コマンドOPTIONの受信がない場合にステップD323に進み、コマンドOPTIONの受信がある場合にステップD326に進む。
[ステップD323]制御部は、コマンドMODEとコマンドACTIONにもとづいて振分テーブルセットを選択する。
[ステップD324]制御部は、選択した振分テーブルセットのうちから最初の振分テーブルを用いて乱数抽選により詳細変動パターンコマンドを決定して取得する。
[ステップD325]制御部は、選択した詳細変動パターンコマンドに対応する振分ポイントがあるか否かに振分終了か否かを判定する。制御部は、振分終了でない(振分ポイントがある)場合にステップD323に進み、振分終了である(振分ポイントがない)場合にステップD328に進む。
[ステップD326]制御部は、コマンドOPTIONを1つ取得する。
[ステップD327]制御部は、コマンドOPTIONを全部取得したか否かを判定する。制御部は、コマンドOPTIONを全部取得していない場合にステップD326に進み、コマンドOPTIONを全部取得している場合にステップD328に進む。
[ステップD328]制御部は、関係テーブル853を参照して詳細変動パターンコマンドをキーにして詳細変動パターン番号を取得する。これにより、演出制御装置300は、コマンドOPTIONの受信の有無に関わらず、また振分ポイントの数に関わらず、詳細変動パターン番号を取得することができる。
[ステップD329]制御部は、取得した詳細変動パターン番号にもとづいて具体的な演出パターンを設定する演出パターン設定処理を実行し、演出振分処理を終了する。
このような遊技機10は、演出制御装置300がおこなう演出制御の詳細を外部から指定可能にして演出制御装置300のプログラムの開発負担を軽減できる。また、遊技機10は、演出制御装置300がおこなう演出制御の詳細を外部から指定可能にしても遊技制御装置100の制御負担を大きくすることをしない。
なお、OPTIONのうちには、詳細変動パターンコマンドに対応せずに乱数抽選による詳細変動パターンコマンド選択を指定するものがあってもよい。この場合、演出制御装置300は、振分ポイントごとにコマンドOPTIONによる詳細変動パターンコマンドの取得か、乱数抽選による詳細変動パターンコマンドの取得かを決定するようにすればよい。これにより、演出制御装置300は、振分テーブルFT1からFT5のうち振分テーブルFT1からFT4についてOPTIONで指定された詳細変動パターンコマンドを選択し、振分テーブルFT5について乱数抽選で決定した詳細変動パターンコマンドを選択することができる。このような遊技機10は、演出制御装置300の開発効率の改善に寄与する。
上述した第6の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、外部指令にもとづいて演出制御を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備える。演出制御手段は、記憶部(たとえば、PROM321)と、制御部(たとえば、CPU311)と、を含む。記憶部は、内部指令(詳細変動パターンコマンド(OPTION))の振分を規定する第1のテーブルデータと(たとえば、振分テーブル)、内部指令と演出パターンとの対応関係を規定する第2のテーブルデータ(たとえば、関係テーブル)とを記憶する。制御部は、外部指令(変動パターンコマンド)が内部指令を含まない場合に第1のテーブルデータを用いて内部指令の振分抽選をおこない、振り分けられた内部指令と第2のテーブルデータとを用いて演出パターンを決定し、外部指令が内部指令を含む場合に外部指令に含まれる内部指令と第2のテーブルデータとを用いて演出パターン(詳細変動パターン番号)を決定する。
(2)遊技機10は、遊技制御をおこなう主制御手段(遊技制御装置100)と、主制御手段の外部指令にもとづいて演出制御を実行可能な従制御手段(演出制御装置300)とを備える。従制御手段は、記憶部(たとえば、PROM321)と、制御部(たとえば、CPU311)と、を含む。記憶部は、内部指令(詳細変動パターンコマンド(OPTION))の振分を規定する第1のテーブルデータと(たとえば、振分テーブル)、内部指令と演出パターンとの対応関係を規定する第2のテーブルデータ(たとえば、関係テーブル)とを記憶する。制御部は、外部指令(変動パターンコマンド)が内部指令を含まない場合に第1のテーブルデータを用いて内部指令の振分抽選をおこない、振り分けられた内部指令と第2のテーブルデータとを用いて演出パターンを決定し、外部指令が内部指令を含む場合に外部指令に含まれる内部指令と第2のテーブルデータとを用いて演出パターン(詳細変動パターン番号)を決定する。
(3)遊技機10は、遊技制御をおこなう主制御手段(遊技制御装置100)と、主制御手段の外部指令にもとづいて演出制御を実行可能な従制御手段(演出制御装置300)とを備える。従制御手段は、記憶部(たとえば、PROM321)と、制御部(たとえば、CPU311)と、を含む。記憶部は、内部指令(詳細変動パターンコマンド(OPTION))の振分を規定する第1のテーブルデータと(たとえば、振分テーブル)、内部指令と演出パターンとの対応関係を規定する第2のテーブルデータ(たとえば、関係テーブル)とを記憶する。制御部は、外部指令(変動パターンコマンド)が内部指令を含まない場合に第1のテーブルデータを用いて内部指令の振分抽選をおこない、振り分けられた内部指令と第2のテーブルデータとを用いて演出パターン(詳細変動パターン番号)を決定し、外部指令が第1の内部指令を含み接続指令(たとえば、特別コマンド「3AH」)を含まない場合に外部指令に含まれる第1の内部指令と第2のテーブルデータとを用いて演出パターンを決定し、外部指令が第1の内部指令と接続指令を含む場合に第1の内部指令と接続指令に続く第2の内部指令と第2のテーブルデータとを用いて演出パターンを決定する。
(4)遊技機10は、外部指令にもとづいて演出制御を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備える。演出制御手段は、記憶部(たとえば、PROM321)と、制御部(たとえば、CPU311)と、を含む。記憶部は、内部指令(詳細変動パターンコマンド(OPTION))の振分を規定する第1のテーブルデータと(たとえば、振分テーブル)、内部指令と演出パターンとの対応関係を規定する第2のテーブルデータ(たとえば、関係テーブル)とを記憶する。制御部は、外部指令(変動パターンコマンド)が内部指令を含まない場合、に第1のテーブルデータを用いて内部指令の振分抽選をおこない、振り分けられた内部指令と第2のテーブルデータとを用いて演出パターン(詳細変動パターン番号)を決定し、外部指令が第1の内部指令を含み接続指令(たとえば、特別コマンド「3AH」)を含まない場合に、外部指令に含まれる第1の内部指令と第2のテーブルデータとを用いて演出パターンを決定し、外部指令が第1の内部指令と接続指令を含む場合に、第1の内部指令と接続指令に続く第2の内部指令と第2のテーブルデータとを用いて演出パターンを決定する。
(5)(4)の制御部は、第1の内部指令の受信(取得)後に接続指令の有無を判定し、接続指令があると判定した場合に第2の内部指令を受信(取得)することとし、接続指令がないと判定した場合に第2の内部指令を受信(取得)しないこととする。
(6)(4)の制御部は、内部指令と異なる独立した指令として接続指令を受信(取得)する。
(7)(4)の接続指令は、1文字以上の所定の文字列に対応するデータパターンである。
(8)(4)の接続指令は、第1の内部指令に含まれる所定のデータパターンである。
[第7の実施形態]
次に、第7の実施形態の遊技機10について説明する。第7の実施形態の遊技機10は、遊技場における設置環境において外枠11に対して前面枠12を開放した場合に遊技場係員による所要の操作を可能にしている。まず、遊技機10における遊技場係員による所要の操作環境について図125を用いて説明する。図125は、第7の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図(その1)である。なお、第1の実施形態から第6の実施形態の遊技機10においても同様の構成を有している。
図125は、遊技機10が外枠11に対して前面枠12を開放する様子を示す。遊技機10は、一般に島と呼ばれる遊技場設備に外枠11を固定し、前面枠12を開放することによって係員によるメンテナンス作業をおこなえるようにしている。そのため、遊技機10は、外枠11に前面枠12を軸支する軸支側よりも開放側において、設置環境での作業性が優れる。特に、近時の遊技機は、前面枠12の前面側構成部材(たとえば、枠装飾装置18や上皿21等)の突出量が大きいことから、前面枠12が遊技場設備(たとえば、呼び出しランプや、カードユニット等)と干渉し、前面枠12の開放量が制限される場合がある。
なお、遊技場係員による所要の操作は、たとえば、設定値の確認操作、設定値の変更操作、RAMクリア操作等を含む運用操作、配線の接続確認等を含むメンテナンス操作等がある。
前面枠12は、前面枠12の裏面側に遊技制御装置100と演出制御装置300と払出制御装置200と電源装置400とを備える。また、遊技制御装置100と演出制御装置300とは、遊技盤30の裏面側に備えられる。
遊技制御装置100は、状態表示装置135と確率設定値表示装置136と設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127とRAM初期化スイッチ112とを前面枠12の裏面側に臨ませて備える。
遊技機10は、遊技場の設置環境において前面枠12を開放させることで、遊技場係員による運用操作を容易にする。言い換えれば、遊技機10は、遊技場の設置環境において前面枠12を開放しない状態、たとえば遊技者が遊技中の状態では、運用操作を困難ならしめる。
遊技機10は、設定キースイッチ127の操作を受け付けることにより、確率設定値表示装置136により設定値を確認可能にする。また、遊技機10は、状態表示装置135により遊技機10の状態を確認可能にする。また、遊技機10は、設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127との操作を受け付けることにより、確率設定値表示装置136に設定値を表示しながら設定値を変更可能にする。また、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の操作を受け付けることにより、RAM111Cをクリア可能にする。
このような遊技場係員による遊技機10の運用操作は、遊技場の設置環境において前面枠12を開放させておこなわれる。したがって、遊技場係員は、前面枠12の開放状態において前面枠12の裏面側を覗き込むようにして運用操作をおこなうこととなる。そのため、遊技場係員は、主として前面枠12の裏面側に設けられた状態表示装置135や確率設定値表示装置136から操作状態を把握することとなる。
そこで、遊技機10は、前面枠12の前面側に設けられた演出装置によって遊技場係員の操作状態の把握をサポートする。次に、前面枠12の前面側に設けられた演出装置について図126を用いて説明する。図126は、第7の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図(その2)である。
遊技機10は、前面枠12の前面側にスピーカ19a(L),19a(R),19bを備える。スピーカ19a(L),19a(R)は、前面枠12の上部に設けられ(図1参照)、前面枠12の前面側から見て左側にスピーカ19a(L)を備え、右側にスピーカ19a(R)を備える。また、スピーカ19bは、前面枠12の右下部であって、操作部24の上方に設けられる(図1参照)。スピーカ19a(L),19a(R),19bは、それぞれ独立して音出力可能になっている。なお、スピーカ19a(L)は、前面枠12の裏面側から直接観察できないが、前面枠12の裏面側から見て右上部に位置する。また、スピーカ19a(R)は、前面枠12の裏面側から直接観察できないが、前面枠12の裏面側から見て左上部に位置する。また、スピーカ19bは、前面枠12の裏面側から直接観察できないが、前面枠12の裏面側から見て左下部に位置する。
スピーカ19a(L),19a(R),19bは、前面枠12の前面側に設けられて遊技演出を担うが、運用操作時においては音出力によって遊技場係員の操作状態の把握をサポートする。
また、遊技機10は、前面枠12の前面側中央部であって、遊技盤30の中央部に表示装置41を備える。表示装置41は、前面枠12の裏面側から直接観察できないが、前面枠12の裏面側から見てもまた中央部に位置する。表示装置41は、前面枠12の前面側に設けられて遊技演出を担うが、運用操作時においては映像出力によって遊技場係員による操作状態を第三者に向けて案内可能にする。
なお、これら演出装置(スピーカ19a(L),19a(R),19b、表示装置41)による操作状態の報知や案内は、必ずしも状態表示装置135や確率設定値表示装置136と同程度の情報量を有するものでなくともよい。
次に、第7の実施形態の遊技機10における電源投入後の制御状態について図127を用いて説明する。図127は、第7の実施形態の遊技機における電源投入後の制御状態の一例を示す図である。
遊技機10(遊技制御装置100)は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ127の入力状態に応じて制御状態S0から制御状態S3のいずれかに移行する。遊技制御装置100は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112がON、設定キースイッチ127がONのとき、制御状態S0(設定変更状態)に移行する。また、遊技制御装置100は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112がOFF、設定キースイッチ127がONのとき、制御状態S1(設定確認状態)に移行する。また、遊技制御装置100は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112がON、設定キースイッチ127がOFFのとき、制御状態S2(RAMクリア)に移行する。また、遊技制御装置100は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112がOFF、設定キースイッチ127がOFFのとき、制御状態S3(停電復旧)に移行する。
また、遊技制御装置100は、制御状態S0において設定キースイッチ127がOFFになると、制御状態S5(遊技状態)に移行する。また、遊技制御装置100は、制御状態S1において設定キースイッチ127がOFFになると、制御状態S3に移行する。また、遊技制御装置100は、制御状態S2においてRAMクリア後に制御状態S5に移行する。また、遊技制御装置100は、制御状態S3においてデータ異常(停電検査領域のデータ異常やデータバックアップ領域のチェックサム異常)を検出すると制御状態S4(異常)に移行し、制御状態S3においてデータ異常を検出しない(すなわち、データ正常である)と制御状態S5に移行する。
遊技制御装置100は、制御状態S0(設定変更状態)において、RAMクリアをおこなうとともに、設定値の変更操作を受け付ける。遊技制御装置100は、制御状態S0において、演出制御装置300に対してRAM初期化(RAMクリア)コマンドと確率設定変更中コマンドとを送信する。これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100が制御状態S0であることを検出し、RAMクリアと設定変更状態とを演出装置を用いて報知する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136において変更中の設定値を表示する。これにより、遊技場係員は、確率設定値表示装置136において変更中の設定値を確認することができるとともに、演出装置によって設定変更状態であることを確認できる。
また、遊技制御装置100は、制御状態S0から制御状態S5に移行するときに、演出制御装置300に対して確率設定確定コマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、変更された設定値の確定を検出し、設定値確定を演出装置を用いて報知する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136において確定した設定値を表示する。これにより、遊技場係員は、確率設定値表示装置136において確定した設定値を確認することができるとともに、演出装置によって設定値の確定があったことを確認できる。
遊技制御装置100は、制御状態S1(設定確認状態)において、演出制御装置300に対して確率設定確認中コマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100が制御状態S1であることを検出し、設定確認状態を演出装置を用いて報知する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136において設定されている設定値を表示する。これにより、遊技場係員は、確率設定値表示装置136において設定されている設定値を確認することができるとともに、演出装置によって設定確認状態であることを確認できる。
また、遊技制御装置100は、制御状態S1から制御状態S3(停電復旧)に移行するときに、演出制御装置300に対して確率確認終了コマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認状態の終了を検出し、設定確認状態の終了を演出装置を用いて報知する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136における設定値の表示を終了する。これにより、遊技場係員は、確率設定値表示装置136において設定確認状態の終了を確認することができるとともに、演出装置によって設定確認状態の終了があったことを確認できる。なお、遊技制御装置100は、確率確認終了コマンドの送信をおこなわないものであってもよく、演出制御装置300は、その場合に制御状態S3から制御状態S5への移行に伴い受信されるコマンド(停電復旧コマンド)の受信によって設定確認状態の終了を検出してもよい。
遊技制御装置100は、制御状態S2(RAMクリア)において、演出制御装置300に対してRAM初期化コマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100が制御状態S2であることを検出し、RAMクリアがあったことを演出装置を用いて報知する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136において設定されている設定値を表示する。これにより、遊技場係員は、確率設定値表示装置136において設定されている設定値を確認することができるとともに、演出装置によって設定確認状態であることを確認できる。
遊技制御装置100は、制御状態S3(停電復旧)において、データ異常を検出したときに演出制御装置300に対して設定変更指示コマンドを送信して異常終了する。これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100が異常終了したことを検出し、正常な設定値が失われたことから設定変更指示を演出装置を用いて案内する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136を非表示状態とする。
遊技制御装置100は、制御状態S3において、データ正常を検出したときに演出制御装置300に対して停電復旧コマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100が制御状態S5であることを検出し、演出制御用のコマンドの受信を待ち受ける。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136を非表示にして状態表示装置135における状態表示をおこなう。これにより、遊技場係員は、遊技状態への移行を確認することができるとともに、演出装置における遊技演出の再開によって遊技状態への移行を確認できる。
なお、状態表示装置135と確率設定値表示装置136とは、共通の表示装置であってもよく、制御状態S0,S1において確率設定値表示装置136として機能し、制御状態S5において状態表示装置135として機能するものであってもよい。
なお、遊技機10は、遊技制御装置100から演出制御装置300へのRAM初期化コマンドの送信によりRAM初期化があったことを演出制御装置300に通知することに代えて、確率設定変更中コマンドや確率設定確定コマンドの送信をもってRAM初期化があったことを演出制御装置300に通知するようにしてもよい。この場合、遊技機10は、遊技制御装置100から演出制御装置300へのRAM初期化コマンドの送信を省略してもRAMクリアに関する報知をおこなうことができる。
次に、演出装置における制御状態の案内または報知について説明する。まず、制御状態S0(設定変更状態)から制御状態S5(遊技状態)への移行タイミングについて図128を用いて説明する。図128は、第7の実施形態の制御状態S0(設定変更状態)から制御状態S5(遊技状態)への移行時のタイミングチャートの一例を示す図である。
遊技機10は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112がON、設定キースイッチ127がONのとき、制御状態S0に移行し、タイミングt0でRAMクリアを実行する。遊技機10は、タイミングt1でRAM初期化スイッチ112がOFFになっても設定キースイッチ127がONである限り、制御状態S0となる。
遊技機10は、制御状態S0においてRAMクリア後に設定値が「0」に初期化され、設定値変更スイッチ126の押下操作を検出するごとに「1」ずつインクリメントし、最大設定値を超えると「0」に戻る。たとえば、遊技機10は、タイミングt2で設定値変更スイッチ126の押下操作を検出して設定値を「1」に更新し、タイミングt3で設定値変更スイッチ126の押下操作を検出して設定値を「2」に更新する。
遊技機10は、タイミングt4で設定キースイッチ127のOFFを検出して設定値の更新を確定し、制御状態S0から制御状態S5に移行する。このとき、遊技機10は、演出装置を用いて設定変更に関する報知とRAMクリアに関する報知とをおこなう。
次に、設定変更に関する報知とRAMクリアに関する報知の報知態様について説明する。まず、演出装置の一つである表示装置41における設定変更に関する報知とRAMクリアに関する報知の報知態様について図129を用いて説明する。図129は、第7の実施形態の表示装置における設定変更に関する報知とRAMクリアに関する報知の報知態様の一例を示す図である。
演出制御装置300は、遊技制御装置100が制御状態S0において送信するRAM初期化コマンドと確率設定変更中コマンドとを受信して、表示装置41に表示画面860(図129(1))を表示させて設定変更に関する報知とRAMクリアに関する報知とをおこなう。このとき、演出制御装置300は、いまだ遊技制御に関するコマンドを受信していないため初期設定の表示(たとえば、前面単色)を背景にして、RAM初期化報知表示861と確率設定変更中表示862とを表示する。たとえば、RAM初期化報知表示861は、表示コード「01」と、メッセージ「RAMが初期化されました」を表示内容に含む。また、確率設定変更中表示862は、表示コード「02」と、メッセージ「設定値変更操作中です」を表示内容に含む。これにより、遊技機10は、メッセージによって報知内容を案内することができるとともに、取扱説明書等を参照して表示コードに対応する詳細な制御状態を把握可能にすることができる。なお、遊技機10は、RAM初期化報知表示861と確率設定変更中表示862とに表示コードとメッセージとを含むとしたがいずれか一方を含むものであってもよい。演出制御装置300は、制御状態S0の間、RAM初期化報知表示861と確率設定変更中表示862とを表示することで、表示装置41により遊技機10の制御状態を容易に把握可能にする。なお、演出制御装置300は、点滅表示やスクロール表示等のエフェクトを用いてRAM初期化報知表示861や確率設定変更中表示862を表示するようにしてもよい。
演出制御装置300は、遊技制御装置100が制御状態S0から制御状態S5への移行タイミング(移行直前のタイミングであってもよいし、移行直後のタイミングであってもよい)において送信する確率設定確定コマンドを受信して、表示装置41に表示画面863(図129(2))を表示させて設定変更に関する報知をおこなう。このとき、演出制御装置300は、いまだ遊技制御に関するコマンドを受信していない場合、初期設定の表示を背景にして確率設定確定表示864を表示する。たとえば、確率設定確定表示864は、表示コード「03」と、メッセージ「設定値の変更を受け付けました」を表示内容に含む。なお、演出制御装置300は、RAMクリアに関する報知を確実にするために、さらにRAM初期化報知表示861を表示する。演出制御装置300は、遊技制御に関するコマンドを受信するまでの間、RAM初期化報知表示861と確率設定確定表示864とを表示することで、表示装置41により遊技機10の制御状態を容易に把握可能にする。なお、演出制御装置300は、点滅表示やスクロール表示等のエフェクトを用いてRAM初期化報知表示861や確率設定確定表示864を表示するようにしてもよい。
演出制御装置300は、遊技制御装置100が制御状態S5において送信する遊技制御に関するコマンド(たとえば、客待ちコマンド)を受信して、表示装置41に表示画面865(図129(3))を表示させる。演出制御装置300は、制御状態S5に移行後であっても所定の報知終了トリガが成立するまでの間、設定変更に関する報知をおこなう。このとき、演出制御装置300は、遊技制御に関するコマンドを受信後に、対応する遊技中表示(たとえば、客待ち画面866)を背景にして確率設定確定表示864を表示する。なお、演出制御装置300は、RAMクリアに関する報知を確実にするために、さらにRAM初期化報知表示861を表示する。演出制御装置300は、報知終了トリガが成立するまでの間、RAM初期化報知表示861と確率設定確定表示864とを表示することで、遊技制御開始後にあっても表示装置41により遊技機10の制御状態を容易に把握可能にする。なお、演出制御装置300は、点滅表示やスクロール表示等のエフェクトを用いてRAM初期化報知表示861や確率設定確定表示864を表示するようにしてもよい。なお、報知終了トリガは、所定時間(たとえば、1分)や、所定条件の成立(前面枠12の閉塞検出や、入賞検出等による遊技開始検出、所定回数の変動表示ゲームの実行(たとえば、特図ゲームの変動表示1回の実行)、プッシュボタン25の押下操作検出等)等がある。
また、遊技機10は、遊技場係員に対する表示装置41における報知を確実にするために、前面枠12の開放中に開始した報知内容の表示を、前面枠12の開放終了後の所定の報知終了トリガ成立(たとえば、所定期間経過やプッシュボタン25の押下操作検出等)まで継続するようにしてもよい。
次に、演出装置の一つであるスピーカ19a,19b(音出力装置)における設定変更に関する報知とRAMクリアに関する報知の報知態様について説明する。まず、音出力用に用意されている複数のチャンネルごとの音出力制御による報知態様について図130を説明する。図130は、第7の実施形態の音出力装置における設定変更に関する報知とRAMクリアに関する報知の報知態様の一例を示す図(その1)である。
演出制御装置300は、遊技制御装置100からRAM初期化コマンドと確率設定変更中コマンドとを受信して、タイミングt0より音出力用に用意されている複数のチャンネルを用いてスピーカ19a,19bから報知音Aと報知音Bとを音出力する。たとえば、演出制御装置300は、チャンネル1とチャンネル2とで同期して報知音Aと報知音Bとを繰り返し音出力する(図130(1))。そして、演出制御装置300は、遊技制御装置100から確率設定確定コマンドを受信して、タイミングt4より音出力用に用意されている複数のチャンネルを用いてスピーカ19a,19bから報知音Aと報知音Cとを音出力する。たとえば、演出制御装置300は、チャンネル1とチャンネル2とで同期して報知音Aと報知音Cとを繰り返し音出力する。そして、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Cとを繰り返し音出力していたチャンネルからの音出力を、タイミングt4から所定時間経過したタイミングt6より遊技制御音Dに切り替える。
なお、報知音Aは、RAMクリアを報知する警報音(たとえば、電子音「ピューン、ピューン」)とRAMクリアを報知するメッセージ(たとえば、「RAMが初期化されました」)とを含む。なお、報知音Aは、警報音とメッセージのうちいずれか一方を含むものであってもよい。
また、報知音Bは、確率設定変更中を報知する注意喚起音1(たとえば、電子音「ピッピー、ピッピー」)と確率設定変更中を報知するメッセージ(たとえば、「確率設定変更中です」)とを含む。なお、報知音Bは、注意喚起音1とメッセージのうちいずれか一方を含むものであってもよい。
また、報知音Cは、確率設定確定を報知する注意喚起音2(たとえば、電子音「ピロリ、ピロリ」)と確率設定確定を報知するメッセージ(たとえば、「確率設定が変更されました」)とを含む。なお、報知音Cは、注意喚起音2とメッセージのうちいずれか一方を含むものであってもよい。また、遊技制御音Dは、遊技制御状態に応じたBGMや効果音を含む。
これにより、遊技機10は、報知音Aと報知音Bとの同時出力を抑止できる。また、遊技機10は、報知音Aと報知音Cとの同時出力を抑止できる。したがって、遊技機10は、確率設定変更作業中の作業者に対してRAMクリアがあったことと確率設定変更中であることとを好適に案内することができる。また、遊技機10は、確率設定変更作業中に、RAMクリアの報知音が確率設定変更中の報知音の障害となることがないので作業者に対して確率設定変更中であることを好適に案内することができる。また、遊技機10は、確率設定変更作業をおこなった作業者に対してRAMクリアがあったことと確率設定が確定(完了)したこととを好適に案内することができる。また、遊技機10は、確率設定確定時に、RAMクリアの報知音が確率設定確定の報知音の障害となることがないので作業者に対して確率設定が確定したことを好適に案内することができる。このような遊技機10は、設定操作をおこなう作業者に対して良好な作業環境を提供できる。
また、演出制御装置300は、複数のチャンネルを用いてスピーカ19a,19bから報知音Aと報知音Bとを音出力するときに、チャンネルごとに報知音を異ならせるようにしてもよい。たとえば、演出制御装置300は、遊技制御装置100からRAM初期化コマンドと確率設定変更中コマンドとを受信してタイミングt0より音出力するとき、チャンネル1に報知音Aを割り当て、チャンネル2に報知音Bを割り当てる(図130(2))。このとき、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Bとが重複するタイミングで音出力しないように交互出力とする。また、演出制御装置300は、遊技制御装置100から確率設定確定コマンドを受信してタイミングt4より音出力するとき、チャンネル1に報知音Aを割り当て、チャンネル2に報知音Cを割り当てる。このとき、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Cとが重複するタイミングで音出力しないように交互出力とする。そして、演出制御装置300は、タイミングt4から所定時間経過したタイミングt6より、チャンネル1,2を遊技制御音Dに切り替える。
また、演出制御装置300は、複数のチャンネルを用いてスピーカ19a,19bから報知音Aと報知音Bとを音出力するときに、チャンネルごとに報知音を異ならせるとともに、異なる報知音を出力する間にインターバル期間Δtを設けるようにしてもよい(図130(3))。たとえば、演出制御装置300は、遊技制御装置100からRAM初期化コマンドと確率設定変更中コマンドとを受信してタイミングt0より音出力するとき、チャンネル1に報知音Aを割り当て、チャンネル2に報知音Bを割り当てる。そして、演出制御装置300は、チャンネル1から報知音Aを出力した後、インターバル期間Δtだけ待ってからチャンネル2から報知音Bを出力する。同様にして、演出制御装置300は、チャンネル2から報知音Bを出力した後、インターバル期間Δtだけ待ってからチャンネル1から報知音Aを出力する。以降、演出制御装置300は、同様のサイクルを繰り返す。なお、演出制御装置300は、インターバル期間Δtを無音期間としてもよいし、所定音(たとえば、インターバル音「ピコーン」)の出力期間としてもよい。また、演出制御装置300は、遊技制御装置100から確率設定確定コマンドを受信してタイミングt4より音出力するとき、チャンネル1に報知音Aを割り当て、チャンネル2に報知音Cを割り当て、報知音Aと報知音Cとが交互出力際にインターバル期間Δtを設定する。そして、演出制御装置300は、タイミングt4から所定時間経過したタイミングt6より、チャンネル1,2を遊技制御音Dに切り替える。
なお、演出制御装置300は、図130(1)に示したようにチャンネル1とチャンネル2とで同期して報知音を繰り返し音出力するときにも、報知音を切り替える際にインターバル期間Δtを設定するようにしてもよい。
なお、遊技機10は、特定のチャンネルを特定のスピーカに割り当てるようにしてもよい。たとえば、スピーカ19a(L),19a(R)のうちスピーカ19a(L)は、チャンネル1に設定された報知音を出力し、チャンネル2に設定された報知音を出力しない。また、スピーカ19a(R)は、チャンネル2に設定された報知音を出力し、チャンネル1に設定された報知音を出力しない。
次に、音出力用に用意されている複数のスピーカごとの音出力制御による報知態様について図131を説明する。図131は、第7の実施形態の音出力装置における設定変更に関する報知とRAMクリアに関する報知の報知態様の一例を示す図(その2)である。
演出制御装置300は、遊技制御装置100からRAM初期化コマンドと確率設定変更中コマンドとを受信して、タイミングt0より音出力用に用意されている複数のスピーカ19a(L),19a(R),19bのうち少なくとも2つを用いて報知音Aと報知音Bとを音出力する。たとえば、演出制御装置300は、スピーカL(スピーカ19a(L))とスピーカR(スピーカ19a(R))とで同期して報知音Aと報知音Bとを繰り返し音出力する(図131(1))。そして、演出制御装置300は、遊技制御装置100から確率設定確定コマンドを受信して、タイミングt4よりスピーカLとスピーカRとから報知音Aと報知音Cとを音出力する。たとえば、演出制御装置300は、スピーカLとスピーカRとで同期して報知音Aと報知音Cとを繰り返し音出力する。そして、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Cとを繰り返し音出力していたスピーカLとスピーカRとからの音出力を、タイミングt4から所定時間経過したタイミングt6より遊技制御音Dに切り替える。
これにより、遊技機10は、報知音Aと報知音Bとの同時出力を抑止できる。また、遊技機10は、報知音Aと報知音Cとの同時出力を抑止できる。したがって、遊技機10は、確率設定変更作業中の作業者に対してRAMクリアがあったことと確率設定変更中であることとを好適に案内することができる。また、遊技機10は、確率設定変更作業中に、RAMクリアの報知音が確率設定変更中の報知音の障害となることがないので作業者に対して確率設定変更中であることを好適に案内することができる。また、遊技機10は、確率設定変更作業をおこなった作業者に対してRAMクリアがあったことと確率設定が確定(完了)したこととを好適に案内することができる。また、遊技機10は、確率設定確定時に、RAMクリアの報知音が確率設定確定の報知音の障害となることがないので作業者に対して確率設定が確定したことを好適に案内することができる。このような遊技機10は、設定操作をおこなう作業者に対して良好な作業環境を提供できる。
また、演出制御装置300は、スピーカLとスピーカRとから報知音Aと報知音Bとを音出力するときに、スピーカごとに報知音を異ならせるようにしてもよい。たとえば、演出制御装置300は、遊技制御装置100からRAM初期化コマンドと確率設定変更中コマンドとを受信してタイミングt0より音出力するとき、スピーカLに報知音Aを割り当て、スピーカRに報知音Bを割り当てる(図131(2))。このとき、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Bとが重複するタイミングで音出力しないように交互出力とする。また、演出制御装置300は、遊技制御装置100から確率設定確定コマンドを受信してタイミングt4より音出力するとき、スピーカLに報知音Aを割り当て、スピーカRに報知音Cを割り当てる。このとき、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Cとが重複するタイミングで音出力しないように交互出力とする。そして、演出制御装置300は、タイミングt4から所定時間経過したタイミングt6より、スピーカL,Rを遊技制御音Dに切り替える。
また、演出制御装置300は、スピーカLとスピーカRとから報知音Aと報知音Bとを音出力するときに、スピーカごとに報知音を異ならせるとともに、異なる報知音を出力する間にインターバル期間Δtを設けるようにしてもよい(図131(3))。たとえば、演出制御装置300は、遊技制御装置100からRAM初期化コマンドと確率設定変更中コマンドとを受信してタイミングt0より音出力するとき、スピーカLに報知音Aを割り当て、スピーカRに報知音Bを割り当てる。そして、演出制御装置300は、スピーカLから報知音Aを出力した後、インターバル期間Δtだけ待ってからスピーカRから報知音Bを出力する。同様にして、演出制御装置300は、スピーカRから報知音Bを出力した後、インターバル期間Δtだけ待ってからスピーカLから報知音Aを出力する。以降、演出制御装置300は、同様のサイクルを繰り返す。なお、演出制御装置300は、インターバル期間Δtを無音期間としてもよいし、所定音(たとえば、インターバル音「ピコーン」)の出力期間としてもよい。また、演出制御装置300は、遊技制御装置100から確率設定確定コマンドを受信してタイミングt4より音出力するとき、スピーカLに報知音Aを割り当て、スピーカRに報知音Cを割り当て、報知音Aと報知音Cとが交互出力する際にインターバル期間Δtを設定する。そして、演出制御装置300は、タイミングt4から所定時間経過したタイミングt6より、スピーカL,Rを遊技制御音Dに切り替える。
なお、演出制御装置300は、図131(1)に示したようにスピーカLとスピーカRとで同期して報知音を繰り返し音出力するときにも、報知音を切り替える際にインターバル期間Δtを設定するようにしてもよい。
なお、遊技機10は、異なる報知音を出力するスピーカを遊技機10の左右配置にしたがい設定したが、上下配置や、高音や低音出力などのスピーカ特性にしたがう設定にしてもよい。
次に、音出力用に用意されている複数のスピーカで異なる報知音を同時に音出力制御する際の報知態様について図132を説明する。図132は、第7の実施形態の音出力装置における設定変更に関する報知とRAMクリアに関する報知の報知態様の一例を示す図(その3)である。
演出制御装置300は、遊技制御装置100からRAM初期化コマンドと確率設定変更中コマンドとを受信して、タイミングt0より音出力用に用意されている複数のスピーカ19a(L),19a(R),19bのうち少なくとも2つを用いて報知音Aと報知音Bとを音出力制御する。たとえば、演出制御装置300は、タイミングt0から音出力制御を開始し、スピーカL(スピーカ19a(L))で報知音Aを繰り返し音出力する。また、演出制御装置300は、タイミングt0から音出力制御を開始し、スピーカR(スピーカ19a(R))で報知音Bを繰り返し音出力する。そして、演出制御装置300は、遊技制御装置100から確率設定確定コマンドを受信して、タイミングt4より報知音を切り替えて音出力制御を開始し、スピーカLで報知音Aを繰り返し音出力する。また、演出制御装置300は、タイミングt4より報知音を切り替えて音出力制御を開始し、スピーカRで報知音Cを繰り返し音出力する。そして、演出制御装置300は、報知音Aを繰り返し音出力していたスピーカLと報知音Cを繰り返し音出力していたスピーカRとからの音出力を、タイミングt4から所定時間経過したタイミングt6より遊技制御音Dに切り替えて音出力制御を開始する。
これにより、遊技機10は、報知音Aと報知音Bとを同時に音出力制御する。このように、演出制御装置300は、異なる報知音の音出力制御を同時におこなうことによりタイミングを違える制御を不要とするので制御負荷を抑制できる。
異なる報知音を同時に音出力制御する場合における異なる報知音の出力態様について図133と図134を用いて説明する。図133は、第7の実施形態の異なる報知音を同時に音出力制御する場合における異なる報知音の出力態様の一例(その1)を示す図である。図134は、第7の実施形態の異なる報知音を同時に音出力制御する場合における異なる報知音の出力態様の一例(その2)を示す図である。
演出制御装置300は、タイミングt4から音出力制御を開始し、スピーカL(スピーカ19a(L))で報知音Aを音出力させ、スピーカR(スピーカ19a(R))で報知音Cを音出力させる(図133(1))。
このとき、スピーカLは、前面枠12の軸支側にあり、スピーカRは前面枠12の開放端側にある。したがって、作業者(たとえば、遊技場係員)が前面枠12を開放して設定変更作業や設定確認作業をおこなうとき、スピーカLから出力される音よりもスピーカRから出力される音の方が聞き取りやすい。
そこで、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Cとが同時に音出力される場合(図133(2))であっても、報知音Aを軸支側のスピーカLから音出力させ、報知音Cを開放端側のスピーカRから音出力させることで、作業者の作業に関係する報知音の報知効果を担保する。
これにより、遊技機10は、演出制御装置300の制御負荷を抑制しながら所要の報知効果を保持できる。なお、演出制御装置300は、作業者の作業への関係度合いが小さな報知音を軸支側のスピーカLから音出力させ、作業者の作業への関係度合いが大きな報知音を開放端側のスピーカRから音出力させるとしたが、作業者の作業への関係度合いの有無や作業手順等に応じて報知音を出力するスピーカを設定するようにしてもよい。
また、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Cとが同時に音出力されないように排他的に音出力するようにしてもよい(図133(3))。たとえば、演出制御装置300は、タイミングt4から音出力制御を開始するとき、報知音Aを軸支側のスピーカLから直ちに音出力させてタイミングt4aで消音する。一方で、演出制御装置300は、タイミングt4から音出力制御を開始するとき、消音状態で音出力させ、タイミングt4aを待って報知音Cを開放端側のスピーカRから音出力させる。
これによれば、遊技機10は、報知音Aを軸支側のスピーカLから音出力させ、報知音Cを開放端側のスピーカRから音出力させながら、作業者の作業に関係する報知音の報知効果を一層好適に担保する。なお、演出制御装置300は、先に軸支側のスピーカLから音出力させて、遅れて開放端側のスピーカRから音出力させるとしたが、先に開放端側のスピーカRから音出力させて、遅れてから軸支側のスピーカLから音出力させるようにしてもよい。また、演出制御装置300は、先にスピーカLから報知音Aを音出力させて、遅れてスピーカRから報知音Cを音出力させるとしたが、作業者の作業への関係度合いが大きな報知音Cを先にスピーカLから音出力させて、作業者の作業への関係度合いが小さな報知音Aを後からスピーカRから音出力させるようにしてもよい。
また、演出制御装置300は、報知音Aの最大音量での音出力と報知音Cの最大音量での音出力とが排他的であれば、一部のタイミングで音出力が重複することを許容してもよい。たとえば、演出制御装置300は、タイミングt4から音出力制御を開始するとき、報知音Aを軸支側のスピーカLから直ちに音出力させてタイミングt4bで消音する(図133(4))。一方で、演出制御装置300は、タイミングt4から音出力制御を開始するとき、タイミングt4の消音状態からタイミングt4bの最大音量状態までフェードインしながら音量を大きくして報知音Cを開放端側のスピーカRから音出力させる。
また、演出制御装置300は、タイミングt4から音出力制御を開始するとき、報知音Cを軸支側のスピーカLから直ちに音出力させてタイミングt4cからフェードアウトしながら消音する(図134(1))。一方で、演出制御装置300は、タイミングt4から音出力制御を開始するとき、消音状態で音出力させ、タイミングt4cを待って報知音Aを軸支側のスピーカLから音出力させる。
これによれば、遊技機10は、報知音Aを軸支側のスピーカLから音出力させ、報知音Cを開放端側のスピーカRから音出力させながら、2つの報知音の最大音量が重複することがない。したがって、遊技機10は、2つの報知音の報知効果の担保と、作業者の作業に関係する報知音の報知効果の担保とを両立する。
なお、演出制御装置300は、一方の報知音についてフェードイン(図133(4))またはフェードアウト(図134(1))するとしたが、2つの報知音のそれぞれについてフェードインまたはフェードアウトするようにしてもよい。たとえば、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Cとをフェードインにより音出力してもよいし、報知音Aと報知音Cとをフェードアウトにより音出力してもよいし、報知音Aをフェードインにより音出力して報知音Cをフェードアウトにより音出力してもよいし、報知音Cをフェードインにより音出力して報知音Aをフェードアウトにより音出力してもよい。
また、演出制御装置300は、一方の報知音についてフェードイン(図133(4))またはフェードアウト(図134(1))するとしたが、一方の報知音についてフェードインかつフェードアウトするようにしてもよいし、両方(すべて)の報知音についてフェードインかつフェードアウトするようにしてもよい。
また、演出制御装置300は、タイミングt4から音出力制御を開始するとき、報知音Aを軸支側のスピーカLから抑制した音量で音出力させ、報知音Cを消音状態で音出力させてからタイミングt4dを待って開放端側のスピーカRから報知音Aよりも大きな音量(たとえば、最大音量)で音出力させる(図134(2))。
これにより、遊技機10は、演出制御装置300の制御負荷を抑制しながら所要の報知効果を保持できる。なお、演出制御装置300は、タイミングt4dを待って報知音Cを音出力させるとしたが、タイミングt4から直ちに音出力させるようにしてもよい。
なお、図133(3)において、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Cとが同時に音出力されないように排他的に音出力するとしたが、一方の音を消音状態にすることに代えて抑制した音出力とするようにしてもよい。たとえば、演出制御装置300は、タイミングt4から音出力制御を開始するとき、軸支側のスピーカLからタイミングt4で報知音Aを音出力制御するとき、非抑制音(たとえば、最大音量)を出力させてからタイミングt4aを待って抑制音を出力させる。一方で、演出制御装置300は、開放端側のスピーカRからタイミングt4で報知音Cを音出力制御するとき、抑制音を出力させてからタイミングt4aを待って非抑制音を出力させる。なお、抑制音は、音量を抑制したものであってもよいし、報知態様(報知メッセージまたは警告音、注意喚起音の差替えや削除、インターバル期間の挿入等)を抑制するものであってもよい。
また、演出制御装置300は、タイミングt4から音出力制御を開始するとき、タイミングt4eで報知音Aの音量が最大となり、タイミングt4fで報知音Aの音量が最小となるように周期的に音量変化させるようにしてもよい。このとき、演出制御装置300は、タイミングt4eで報知音Cの音量が最小となり、タイミングt4fで報知音Cの音量が最大となるように周期的に音量変化させるようにする(図134(3))。
これにより、遊技機10は、演出制御装置300の制御負荷を抑制しながら所要の報知効果を保持できる。なお、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Cとで最大音量となるタイミングに半周期のタイムラグを設定したが、報知音Aと報知音Cとで最大音量となるタイミングが重複しないタイムラグであれば半周期に限らない。
また、演出制御装置300は、報知音Aと報知音Cとが同時に音出力されないように排他的に音出力するときに、図133(3)に示した報知例では報知回数を同じにしたが、報知回数に差を設けるようにしてもよい(図134(4))。たとえば、演出制御装置300は、タイミングt4から音出力制御を開始するときタイミングt4gまでに、報知音Aを軸支側のスピーカLから3回音出力させて、報知音Cを開放端側のスピーカRから1回音出力させる。
これにより、遊技機10は、演出制御装置300の制御負荷を抑制しながら所要の報知効果を保持できる。また、遊技機10は、報知音Aと報知音Cの報知効果に差を設けることができる。なお、演出制御装置300は、報知回数を違えることで報知音Aと報知音Cの報知効果に差を設けるとしたが、報知時間を違えることを報知音Aと報知音Cの報知効果に差を設けるものであってもよい。
なお、報知音Aと報知音Cとを音出力する場合について説明したが、報知音Aと報知音B等、その他の報知音の組合せについても適用可能である。また、スピーカLとスピーカRとで報知音Aと報知音Cとを音出力する場合について説明したが、スピーカ19a(L),19a(R)とスピーカ19b等、その他のスピーカの組合せについても適用可能である。また、スピーカLとスピーカRとで報知音Aと報知音Cとを音出力する場合について説明したが、チャンネル1とチャンネル2等、2以上のチャンネルの組合せについても適用可能である。
次に、第7の実施形態の電源投入時報知設定処理について図135を用いて説明する。図135は、第7の実施形態の電源投入時報知設定処理のフローチャートを示す図である。電源投入時報知設定処理は、受信コマンド解析処理(図51参照)のステップD62で制御部(たとえば、演出制御装置300のCPU311)によって実行される処理である。制御部は、受信したコマンドがRAM初期化コマンド、確率設定変更中コマンド、確率設定確認中コマンド、確率設定変更指示コマンドであるときに電源投入時報知設定処理を実行する。
[ステップD331]制御部は、確率設定変更中コマンドを受信したか否かを判定する。制御部は、確率設定変更中コマンドを受信した場合にステップD332に進み、受信しない場合にステップD334に進む。
[ステップD332]制御部は、RAMクリア報知と設定変更中(確率設定変更中)報知とをセットする。これにより、演出制御装置300は、報知装置(たとえば、表示装置41やスピーカ19a,19b等)によりRAMクリア報知と確率設定変更中報知とをおこなう。なお、制御部は、RAMクリア報知と確率設定変更中報知とを同時におこなうことで制御負荷の軽減を図っている。
[ステップD333]制御部は、RAMクリア報知と設定変更中(確率設定変更中)報知の終了トリガをセットする。たとえば、RAMクリア報知と設定変更中報知の終了トリガは、制御状態S0から制御状態S5への移行である。制御部は、RAMクリア報知と設定変更中報知の終了トリガをセットした後に電源投入時報知設定処理を終了する。
[ステップD334]制御部は、確率設定確認中コマンドを受信したか否かを判定する。制御部は、確率設定確認中コマンドを受信した場合にステップD335に進み、受信しない場合にステップD337に進む。
[ステップD335]制御部は、設定確認中(確率設定確認中)報知をセットする。これにより、演出制御装置300は、報知装置(たとえば、表示装置41やスピーカ19a,19b等)により確率設定確認中報知をおこなう。
[ステップD336]制御部は、設定確認中(確率設定確認中)報知の終了トリガをセットする。たとえば、確率設定確認中報知の終了トリガは、制御状態S1から制御状態S3への移行である。制御部は、確率設定確認中報知の終了トリガをセットした後に電源投入時報知設定処理を終了する。
[ステップD337]制御部は、RAM初期化コマンドを受信したか否かを判定する。制御部は、RAM初期化コマンドを受信した場合にステップD338に進み、受信しない場合にステップD340に進む。
[ステップD338]制御部は、RAMクリア(RAM初期化)報知をセットする。これにより、演出制御装置300は、報知装置(たとえば、表示装置41やスピーカ19a,19b等)によりRAMクリア報知をおこなう。
[ステップD339]制御部は、RAMクリア報知の終了トリガをセットする。たとえば、RAMクリア報知の終了トリガは、制御状態S2から制御状態S5への移行後に所定期間経過(たとえば、30秒経過)である。制御部は、RAMクリア報知の終了トリガをセットした後に電源投入時報知設定処理を終了する。
[ステップD340]制御部は、受信したコマンドがRAM初期化コマンド、確率設定変更中コマンド、確率設定確認中コマンドのいずれでもない、すなわち確率設定変更指示コマンドであることから確率設定変更指示報知をセットする。これにより、演出制御装置300は、報知装置(たとえば、表示装置41やスピーカ19a,19b等)により確率設定変更指示報知をおこなう。制御部は、確率設定変更指示報知をセットした後に電源投入時報知設定処理を終了する。なお、遊技制御装置100の制御部は、確率設定変更指示コマンドを送信した後にRAMアクセスを禁止して再起動を待ち受けることから、演出制御装置300の制御部は、確率設定変更指示報知の終了トリガのセットを要しない。
これにより、遊技機10は、電源投入時の制御状態に応じた報知をおこなうことができる。
次に、第7の実施形態の電源投入時報知終了設定処理について図136を用いて説明する。図136は、第7の実施形態の電源投入時報知終了設定処理のフローチャートを示す図である。電源投入時報知終了設定処理は、受信コマンド解析処理(図51参照)のステップD62で制御部(たとえば、演出制御装置300のCPU311)によって実行される処理である。制御部は、電源投入時報知設定処理で設定した報知が実行中であるとき、または電源投入時報知終了設定処理で設定した報知が実行中であるときに電源投入時報知終了設定処理を実行する。
[ステップD341]制御部は、RAMクリア報知と設定変更中報知の終了トリガが成立したか否かを判定する。制御部は、RAMクリア報知と設定変更中報知の終了トリガが成立した場合にステップD342に進み、成立していない場合にステップD344に進む。
[ステップD342]制御部は、RAMクリア報知と設定変更中報知を終了し、RAMクリア報知と設定確定(確率設定確定)報知をセットする。これにより、演出制御装置300は、報知装置(たとえば、表示装置41やスピーカ19a,19b等)によりRAMクリア報知と確率設定確定報知とをおこなう。
[ステップD343]制御部は、RAMクリア報知と確率設定(確率設定確定)報知の終了トリガをセットする。たとえば、RAMクリア報知と確率設定確定報知の終了トリガは、RAMクリア報知と確率設定確定報知の開始から所定期間経過(たとえば、30秒経過)である。制御部は、RAMクリア報知と確率設定確定報知の終了トリガをセットした後に電源投入時報知終了設定処理を終了する。
[ステップD344]制御部は、RAMクリア報知と設定確定(確率設定確定)報知の終了トリガが成立したか否かを判定する。制御部は、RAMクリア報知と確率設定確定報知の終了トリガが成立した場合にステップD345に進み、成立していない場合にステップD346に進む。
[ステップD345]制御部は、RAMクリア報知と確率設定確定報知を終了(クリア)して、電源投入時報知終了設定処理を終了する。
[ステップD346]制御部は、設定確認中(確率設定確認中)報知の終了トリガが成立したか否かを判定する。制御部は、確率設定確認中報知の終了トリガが成立した場合にステップD347に進み、成立していない場合にステップD348に進む。
[ステップD347]制御部は、設定確認中(確率設定確認中)報知を終了(クリア)して、電源投入時報知終了設定処理を終了する。
[ステップD348]制御部は、RAMクリア報知の終了トリガが成立したか否かを判定する。制御部は、RAMクリア報知の終了トリガが成立した場合にステップD349に進み、成立していない場合に電源投入時報知終了設定処理を終了する。
[ステップD349]制御部は、RAMクリア報知を終了(クリア)して、電源投入時報知終了設定処理を終了する。
これにより、遊技機10は、電源投入時の制御状態に応じた報知をおこなうことができる。
なお、制御部は、電源投入時報知設定処理において、確率設定変更がRAMクリアを伴うことから確率設定変更中コマンドの受信によりRAM初期化があるとみなしたが、ステップD331において確率設定変更中コマンドの受信に加えてRAM初期化コマンドの受信を判定要件に加えてもよい。すなわち、制御部は、RAM初期化コマンドと確率設定変更中コマンドとを受信したか否かを判定し、RAM初期化コマンドと確率設定変更中コマンドとを受信した場合にステップD332に進み、RAM初期化コマンドと確率設定変更中コマンドとを受信しない場合にステップD334に進むようにしてもよい。
この場合、制御部は、RAM初期化コマンドの受信時にその他のコマンド(たとえば、確率設定変更中コマンド)を受信しているか否かにより、RAMクリアの報知態様や報知タイミングを違えることができる。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化コマンドの受信時に確率設定変更中コマンドを受信していないとき、報知装置(たとえば、表示装置41やスピーカ19a,19b等)によりRAMクリア報知をおこない、RAM初期化コマンドの受信時に確率設定変更中コマンドを受信しているとき、報知装置(たとえば、表示装置41やスピーカ19a,19b等)によりRAMクリア報知と設定変更中報知とをおこなう。
なお、制御部は、RAMクリアの報知態様や報知タイミングを違えるか否かの要件を、RAM初期化コマンドの受信時にその他のコマンドを受信しているか否かとしたが、RAM初期化コマンドの受信から所定時間のうちにその他のコマンド(たとえば、確率設定変更中コマンド)を受信したか否かとしてもよい。
このようなRAM初期化コマンドの受信条件に応じたRAMクリア報知の報知態様の変更について図137から図140を用いて説明する。図137は、第7の実施形態のRAM初期化コマンドの受信条件に応じたRAMクリア報知の報知態様の一例(その1)を示す図である。図138は、第7の実施形態のRAM初期化コマンドの受信条件に応じたRAMクリア報知の報知態様の一例(その2)を示す図である。図139は、第7の実施形態のRAM初期化コマンドの受信条件に応じたRAMクリア報知の報知態様の一例(その3)を示す図である。図140は、第7の実施形態のRAM初期化コマンドの受信条件に応じたRAMクリア報知の報知態様の一例(その4)を示す図である。
演出制御装置300は、電源投入後にRAM初期化コマンドを受信した場合(図137(1))に、報知装置(たとえば、表示装置41やスピーカ19a,19b等)によりタイミングt10までのRAMクリア報知をおこなう。
また、演出制御装置300は、電源投入後に確率設定変更中コマンドとRAM初期化コマンドとを受信した場合(図137(2))に、報知装置によりRAMクリア報知と設定変更中報知(確率設定変更中報知)とをおこなう。演出制御装置300は、確率設定確定コマンドを受信したタイミングt11まで設定変更中報知をおこなった後にタイミングt11からタイミングt12までの期間T1だけ設定確定報知(確率設定確定報知)をおこなう。一方で、演出制御装置300は、タイミングt12からさらに期間T2だけ遅れたタイミングt13までRAMクリア報知をおこなう。
このように、演出制御装置300は、確率設定変更中コマンドを受信していない場合(図137(1))と確率設定変更中コマンドを受信した場合(図137(2))とで、RAM初期化コマンドの受信にもとづくRAMクリア報知に異なる報知期間を設定する。このような遊技機10は、設定変更中報知の有無にしたがい、RAMクリア報知を確かにしておこなうことができる。
また、演出制御装置300は、電源投入後に確率設定変更中コマンドとRAM初期化コマンドとを受信した場合(図137(3))に、報知装置によりRAMクリアを非報知にして設定変更中報知をおこなう。演出制御装置300は、確率設定確定コマンドを受信したタイミングt11まで設定変更中報知をおこなった後にタイミングt11からタイミングt12までの期間T1だけ設定確定報知をおこなう。演出制御装置300は、タイミングt12から期間T2だけ遅れたタイミングt13までRAMクリア報知をおこなう。
このように、演出制御装置300は、確率設定変更中コマンドを受信していない場合(図137(1))と確率設定変更中コマンドを受信した場合(図137(3))とで、RAM初期化コマンドの受信にもとづくRAMクリア報知に異なる報知開始時期を設定する。このような遊技機10は、設定変更中報知の有無にしたがい、RAMクリア報知を確かにしておこなうことができる。
なお、遊技機10は、確率設定変更中コマンド(確率設定確定コマンド等の他のコマンドであってもよい)の受信の有無によってRAMクリア報知の報知期間や報知開始時期を違えるとしたが、RAMクリア報知の報知終了時期や報知音量、報知内容、報知頻度、その他の報知態様を違えるようにしてもよい。
なお、演出制御装置300は、電源投入後にRAM初期化コマンドを受信した場合に、所定の遅延期間Δtを設けてタイミングt10までのRAMクリア報知を報知装置によりおこなうようにしてもよい(図138(1))。
また、演出制御装置300は、電源投入後にRAM初期化コマンドを受信して設定した所定の遅延期間Δtの間に確率設定変更中コマンドを受信した場合、RAM初期化コマンドの受信から遅延期間Δt経過後に、報知装置によりRAMクリア報知と設定変更中報知とをおこなうようにしてもよい(図138(2))。演出制御装置300は、確率設定確定コマンドを受信したタイミングt11まで設定変更中報知をおこなった後にタイミングt11からタイミングt12までの期間T1だけ設定確定報知をおこなう。一方で、演出制御装置300は、タイミングt12からさらに期間T2だけ遅れたタイミングt13までRAMクリア報知をおこなう。
このような場合であっても、演出制御装置300は、確率設定変更中コマンドを受信していない場合(図138(1))と確率設定変更中コマンドを受信した場合(図138(2))とで、RAM初期化コマンドの受信にもとづくRAMクリア報知に異なる報知期間を設定する。このような遊技機10は、設定変更中報知の有無にかかわらず、RAMクリア報知を確かにしておこなうことができる。
また、演出制御装置300は、電源投入後にRAM初期化コマンドを受信して設定した所定の遅延期間Δtの間に確率設定変更中コマンドを受信した場合(図139(1))に、報知装置によりRAMクリアを非報知にして設定変更中報知をおこなう。演出制御装置300は、確率設定確定コマンドを受信したタイミングt11まで設定変更中報知をおこなった後にタイミングt11からタイミングt12までの期間T1だけ設定確定報知をおこなう。演出制御装置300は、タイミングt12から期間T2だけ遅れたタイミングt13までRAMクリア報知をおこなう。
このように、演出制御装置300は、確率設定変更中コマンドを受信していない場合(図138(1))と確率設定変更中コマンドを受信した場合(図139(1))とで、RAM初期化コマンドの受信にもとづくRAMクリア報知に異なる報知開始時期を設定する。このような遊技機10は、設定変更中報知の有無にしたがい、RAMクリア報知を確かにしておこなうことができる。
なお、遊技機10は、確率設定変更中コマンド(他のコマンド)の受信の有無によってRAMクリア報知の報知期間や報知開始時期を違えるとしたが、RAMクリア報知の報知終了時期や報知音量、報知内容、報知頻度、その他の報知態様を違えるようにしてもよい。
また、演出制御装置300は、電源投入後にRAM初期化コマンドを受信して設定した所定の遅延期間Δtの間に確率設定変更中コマンドを受信した場合、RAM初期化コマンドの受信から遅延期間Δt経過後に、報知装置によりRAMクリアを非報知にして設定変更中報知をおこなうようにしてもよい(図139(2))。演出制御装置300は、確率設定確定コマンドを受信したタイミングt11まで設定変更中報知をおこなった後にタイミングt11からタイミングt12までの期間T1だけ設定確定報知をおこなう。演出制御装置300は、確率設定変更とRAMクリアとを対にして実行することから、当然におこなわれているRAMクリアについて設定変更中報知によって省略するようにしてもよい。すなわち、演出制御装置300は、電源投入後にRAM初期化コマンドを受信した場合であっても、確率設定変更中コマンド(確率設定確定コマンド等の他のコマンドであってもよい)の受信の有無によってRAMクリア報知の是非を決定する。これにより、遊技機10は、設定変更中報知によって当然として理解されるRAMクリア報知を省略することができる。このような遊技機10は、報知内容を簡素化でき、作業者にとって状況把握が容易になる。
また、演出制御装置300は、電源投入後にRAM初期化コマンドを受信した場合(図140(1))に、スピーカL,R,B(たとえば、スピーカ19a(L),スピーカ19a(R),スピーカ19b(B))によりタイミングt20まで最大音量でRAMクリア報知をおこなう。
また、演出制御装置300は、電源投入後に確率設定変更中コマンドとRAM初期化コマンドとを受信した場合(図140(2))に、スピーカL(たとえば、スピーカ19a(L))により確率設定確定コマンドを受信したタイミングt21まで抑制された音量(たとえば、最大音量の半分)でRAMクリア報知をおこない、タイミングt22まで所定の消音期間(たとえば、10秒)を設けてから最大音量で所定期間(たとえば、30秒)のRAMクリア報知をおこなう。また、演出制御装置300は、スピーカR(たとえば、スピーカ19a(R))により確率設定確定コマンドを受信したタイミングt21まで最大音量で設定変更中報知(確率設定変更中報知)をおこなう。また、演出制御装置300は、スピーカB(たとえば、スピーカ19b)により確率設定確定コマンドを受信したタイミングt21からタイミングt22まで最大音量で設定確定報知(確率設定確定報知)をおこなう。
このように、演出制御装置300は、確率設定変更中コマンドを受信していない場合(図140(1))と確率設定変更中コマンドを受信した場合(図140(2))とで、RAM初期化コマンドの受信にもとづくRAMクリア報知に異なる報知期間、異なる報知装置、異なる報知強度(たとえば、音量)を設定する。このような遊技機10は、設定変更中報知の有無にしたがい、RAMクリア報知を確かにしておこなうことができる。
次に、図127を用いて説明した第7の実施形態の遊技機10における電源投入後の制御状態の変形例について図141を用いて説明する。図141は、第7の実施形態の変形例1の遊技機における電源投入後の制御状態の一例を示す図である。
遊技機10(遊技制御装置100)は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ127の入力状態に応じて制御状態S0から制御状態S3のいずれかに移行する。遊技制御装置100は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112がON、設定キースイッチ127がONのとき、制御状態S0(設定変更状態)に移行する。また、遊技制御装置100は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112がOFF、設定キースイッチ127がONのとき、制御状態S1(設定確認状態)に移行する。また、遊技制御装置100は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112がON、設定キースイッチ127がOFFのとき、制御状態S2(RAMクリア)に移行する。また、遊技制御装置100は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112がOFF、設定キースイッチ127がOFFのとき、制御状態S3(停電復旧)に移行する。
また、遊技制御装置100は、制御状態S0において設定キースイッチ127がOFFになると、制御状態S2(RAMクリア)に移行する。また、遊技制御装置100は、制御状態S1において設定キースイッチ127がOFFになると、制御状態S3に移行する。また、遊技制御装置100は、制御状態S2においてRAMクリア後に制御状態S5(遊技状態)に移行する。また、遊技制御装置100は、制御状態S3においてデータ異常(停電検査領域のデータ異常やデータバックアップ領域のチェックサム異常)を検出すると制御状態S4(異常)に移行し、制御状態S3においてデータ異常を検出しない(すなわち、データ正常である)と制御状態S5に移行する。
遊技制御装置100は、制御状態S0(設定変更状態)において、演出制御装置300に対して確率設定変更中コマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100が制御状態S0であることを検出し、演出装置を用いて設定変更状態を報知する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136において変更中の設定値を表示する。これにより、遊技場係員は、確率設定値表示装置136において変更中の設定値を確認することができるとともに、演出装置によって設定変更状態であることを確認できる。
また、遊技制御装置100は、制御状態S0から制御状態S2(RAMクリア)に移行するときに、演出制御装置300に対して確率設定確定コマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、変更された設定値の確定を検出し、演出装置を用いて設定値確定を報知する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136において確定した設定値を表示する。これにより、遊技場係員は、確率設定値表示装置136において確定した設定値を確認することができるとともに、演出装置によって設定値の確定があったことを確認できる。なお、遊技制御装置100は、制御状態S0から制御状態S2に移行したときに、演出制御装置300に対して確率設定確定コマンドを送信するものであってもよい。
遊技制御装置100は、制御状態S1(設定確認状態)において、演出制御装置300に対して確率設定確認中コマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100が制御状態S1であることを検出し、演出装置を用いて設定確認状態を報知する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136において設定されている設定値を表示する。これにより、遊技場係員は、確率設定値表示装置136において設定されている設定値を確認することができるとともに、演出装置によって設定確認状態であることを確認できる。
また、遊技制御装置100は、制御状態S1から制御状態S3(停電復旧)に移行するときに、演出制御装置300に対して確率確認終了コマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認状態の終了を検出し、演出装置を用いて設定確認状態の終了を報知する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136における設定値の表示を終了する。これにより、遊技場係員は、確率設定値表示装置136において設定確認状態の終了を確認することができるとともに、演出装置によって設定確認状態の終了があったことを確認できる。なお、遊技制御装置100は、確率確認終了コマンドの送信をおこなわないものであってもよく、演出制御装置300は、その場合に制御状態S3から制御状態S5への移行に伴い受信されるコマンド(停電復旧コマンド)の受信によって設定確認状態の終了を検出してもよい。
遊技制御装置100は、制御状態S2(RAMクリア)において、演出制御装置300に対してRAM初期化(RAMクリア)コマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100が制御状態S2であることを検出し、演出装置を用いてRAMクリアがあったことを報知する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136において設定されている設定値を表示する。これにより、遊技場係員は、確率設定値表示装置136において設定されている設定値を確認することができるとともに、演出装置によって設定確認状態であることを確認できる。
遊技制御装置100は、制御状態S3(停電復旧)において、データ異常を検出したときに演出制御装置300に対して設定変更指示コマンドを送信して異常終了する。これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100が異常終了したことを検出し、正常な設定値が失われたことから演出装置を用いて設定変更指示を案内する。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136を非表示状態とする。
遊技制御装置100は、制御状態S3において、データ正常を検出したときに演出制御装置300に対して停電復旧コマンドを送信する。これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100が制御状態S5であることを検出し、演出制御用のコマンドの受信を待ち受ける。また、遊技制御装置100は、確率設定値表示装置136を非表示にして状態表示装置135における状態表示をおこなう。これにより、遊技場係員は、遊技状態への移行を確認することができるとともに、演出装置における遊技演出の再開によって遊技状態への移行を確認できる。
なお、状態表示装置135と確率設定値表示装置136とは、共通の表示装置であってもよく、制御状態S0,S1において確率設定値表示装置136として機能し、制御状態S5において状態表示装置135として機能するものであってもよい。
次に、第7の実施形態の変形例1の遊技機10の演出装置における制御状態の案内または報知について説明する。まず、制御状態S0(設定変更状態)から制御状態S2(RAMクリア)、制御状態S5(遊技状態)への移行タイミングについて図142を用いて説明する。図142は、第7の実施形態の変形例1の制御状態S0(設定変更状態)から制御状態S5(遊技状態)への移行時のタイミングチャートの一例を示す図である。
遊技機10は、電源投入時のRAM初期化スイッチ112がON、設定キースイッチ127がONのとき、制御状態S0に移行する。遊技機10は、タイミングt1でRAM初期化スイッチ112がOFFになっても設定キースイッチ127がONである限り、制御状態S0となる。なお、遊技機10は、制御状態S0への移行によりRAMクリアの実行予約を受け付けているので、制御状態S0への移行後のRAM初期化スイッチ112の入力状態を問わない。
遊技機10は、設定値変更スイッチ126の押下操作を検出するごとに、あらかじめ設定されている設定値を「1」ずつインクリメントし、最大設定値を超えると「0」に戻る。たとえば、遊技機10は、タイミングt2で設定値変更スイッチ126の押下操作を検出してあらかじめ設定されている設定値「5(最大値)」を「0」に更新し、タイミングt3で設定値変更スイッチ126の押下操作を検出して設定値を「1」に更新する。
遊技機10は、タイミングt4で設定キースイッチ127のOFFを検出して設定値の更新を確定し、制御状態S0から制御状態S2に移行し、制御状態S2においてRAMクリアをおこない、RAMクリア後に制御状態S5に移行する。ただし、設定値記憶領域は、初期化対象領域外にあり初期化されない。
遊技機10は、制御状態S0において演出装置を用いて設定変更中に関する報知をおこない、制御状態S2以降において演出装置を用いて設定変更確定に関する報知とRAMクリアに関する報知とをおこなう。
次に、第7の実施形態の変形例2の遊技機10について図143から図145を用いて説明する。第7の実施形態の変形例2の遊技機10は、スピーカの設置位置によって報知音の出力態様が異なる。図143は、第7の実施形態の変形例2の異なる報知音を同時に音出力制御する場合における異なる報知音の出力態様の一例(その1)を示す図である。図144は、第7の実施形態の変形例2の異なる報知音を同時に音出力制御する場合における異なる報知音の出力態様の一例(その2)を示す図である。図145は、第7の実施形態の変形例2の異なる報知音を同時に音出力制御する場合における異なる報知音の出力態様の一例(その3)を示す図である。
遊技機10は、図143(1)に示すように、前面枠12の軸支側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(L))と開放端側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(R))とで、確率設定変更中報知とRAMクリア報知とをおこなう。このとき、遊技機10は、前面枠12の開放を検出して前面枠12の閉塞時と開放時とで報知態様を違える。
たとえば、遊技機10は、前面枠閉塞時において軸支側スピーカと開放端側スピーカの両方から報知音「設定変更中です。RAMクリアしました。(以下ループ)」を出力する。また、遊技機10は、前面枠開放時において軸支側スピーカから報知音「RAMクリアしました。RAMクリアしました。設定変更中です。(以下ループ)」を出力し、開放端側スピーカから報知音「設定変更中です。設定変更中です。RAMクリアしました。(以下ループ)」を出力する。
このように、遊技機10は、前面枠閉塞時において軸支側スピーカと開放端側スピーカとから同じ報知音を出力し、報知内容を外部に周知する。また、遊技機10は、前面枠開放時において軸支側スピーカと開放端側スピーカとで異なる報知音を出力し、前面枠12を開放して作業する作業者に対して聞き取りやすい位置にある開放端側スピーカから作業内容との関連性が高い報知内容に重みを付けて報知する。また、遊技機10は、前面枠12を開放して作業する作業者に対して聞き取りにくい位置にある軸支側スピーカから作業内容との関連性が低い報知内容に重みを付けて異なる報知内容の報知効果を均衡させる。
なお、報知内容に対する重み付けは、繰り返し回数(報知回数)に限らず、報知時間や報知音量であってもよいし、あるいは報知効果に差異を設けられるものであればその他のものであってもよい。
なお、遊技制御装置100は、本体枠開放検出スイッチ64の入力状態を監視することで前面枠12の開放を検出することができ、演出制御装置300は、前面枠12の開放を検出した遊技制御装置100から所要のコマンドを受信することで前面枠12の開放を検出することができる。
このように、遊技機10は、前面枠12の開放検出によって、作業者による設定変更作業や設定確認作業、RAMクリア作業を検出することができる。なお、前面枠12の開放検出は、作業者による設定変更作業や設定確認作業、RAMクリア作業の検出の一態様であってその他の方法によってもよい。
また、遊技機10は、図143(2)に示すように、前面枠12の作業位置遠隔スピーカ(たとえば、スピーカ19a(L))と作業位置近傍スピーカ(たとえば、スピーカ19b)とで、確率設定変更中報知とRAMクリア報知とをおこなうようにしてもよい。このとき、遊技機10は、前面枠12の開放を検出して前面枠12の閉塞時と開放時とで報知態様を違える。
たとえば、遊技機10は、前面枠閉塞時において作業位置遠隔スピーカと作業位置近傍スピーカの両方から報知音「設定変更中です。RAMクリアしました。(以下ループ)」を出力する。また、遊技機10は、前面枠開放時において作業位置遠隔スピーカから報知音「RAMクリアしました。RAMクリアしました。設定変更中です。(以下ループ)」を出力し、作業位置近傍スピーカから報知音「設定変更中です。設定変更中です。RAMクリアしました。(以下ループ)」を出力する。
このように、遊技機10は、前面枠閉塞時において作業位置遠隔スピーカと作業位置近傍スピーカとから同じ報知音を出力し、報知内容を外部に周知する。また、遊技機10は、前面枠開放時において作業位置遠隔スピーカと作業位置近傍スピーカとで異なる報知音を出力し、前面枠12を開放して作業する作業者に対して聞き取りやすい位置にある作業位置近傍スピーカから作業内容との関連性が高い報知内容に重みを付けて報知する。また、遊技機10は、前面枠12を開放して作業する作業者に対して聞き取りにくい位置にある作業位置遠隔スピーカから作業内容との関連性が低い報知内容に重みを付けて異なる報知内容の報知効果を均衡させる。
また、遊技機10は、図144(1)に示すように、前面枠12の軸支側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(L))と開放端側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(R))とで、確率設定変更中報知とRAMクリア報知とをおこなうようにしてもよい。このとき、遊技機10は、前面枠12の開放を検出して前面枠12の閉塞時と開放時とで報知態様を違える。
たとえば、遊技機10は、前面枠閉塞時において軸支側スピーカと開放端側スピーカの両方から報知音「設定変更中です。RAMクリアしました。(以下ループ)」を出力する。また、遊技機10は、前面枠開放時において軸支側スピーカから報知音「設定変更中です。RAMクリアしました。(以下ループ)」を出力し、開放端側スピーカから報知音「設定変更中です。(以下ループ)」を出力する。
このように、遊技機10は、前面枠閉塞時において軸支側スピーカと開放端側スピーカとから同じ報知音を出力し、報知内容を外部に周知する。また、遊技機10は、前面枠開放時において軸支側スピーカと開放端側スピーカとで異なる報知音を出力する。このとき、遊技機10は、軸支側スピーカの報知音を前面枠閉塞時と前面枠開放時とで同じにして、開放端側スピーカの報知音を前面枠閉塞時と前面枠開放時とで違える。また、遊技機10は、前面枠開放時に軸支側スピーカから複数の報知音(確率設定変更中報知音とRAMクリア報知音)を出力させて、複数の報知音の報知効果を担保する。一方で、遊技機10は、前面枠開放時に開放端側スピーカから作業内容との関連性が高い報知音(確率設定変更中報知音)を出力させて、作業者の作業性を補助する。
また、遊技機10は、図144(2)に示すように、前面枠12の軸支側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(L))と開放端側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(R))とで、確率設定変更中報知とRAMクリア報知とをおこなうようにしてもよい。このとき、遊技機10は、前面枠12の開放を検出して前面枠12の閉塞時と開放時とで報知態様を違える。
たとえば、遊技機10は、前面枠閉塞時において軸支側スピーカと開放端側スピーカの両方から報知音「設定変更中です。RAMクリアしました。(以下ループ)」を出力する。また、遊技機10は、前面枠開放時において軸支側スピーカから報知音「RAMクリアしました。(以下ループ)」を出力し、開放端側スピーカから報知音「設定変更中です。(以下ループ)」を出力する。
このように、遊技機10は、前面枠閉塞時において軸支側スピーカと開放端側スピーカとから同じ報知音を出力し、報知内容を外部に周知する。また、遊技機10は、前面枠開放時において軸支側スピーカと開放端側スピーカとで異なる報知音を出力し、前面枠12を開放して作業する作業者に対して聞き取りやすい位置にある開放端側スピーカから作業内容との関連性が高い報知内容を報知する。また、遊技機10は、前面枠12を開放して作業する作業者に対して聞き取りにくい位置にある軸支側スピーカから作業内容との関連性が低い報知内容を報知する。
また、遊技機10は、図145(1)に示すように、前面枠12の軸支側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(L))と開放端側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(R))とで、確率設定変更中報知とRAMクリア報知とをおこなうようにしてもよい。このとき、遊技機10は、前面枠12の開放を検出して前面枠12の閉塞時と開放時とで報知態様を違える。
たとえば、遊技機10は、前面枠閉塞時において軸支側スピーカと開放端側スピーカの両方から報知音「設定変更中です。RAMクリアしました。(以下ループ)」を出力する。また、遊技機10は、前面枠開放時において軸支側スピーカから報知音「前面枠開放中です。RAMクリアしました。(以下ループ)」を出力し、開放端側スピーカから報知音「設定変更中です。(以下ループ)」を出力する。
このように、遊技機10は、前面枠閉塞時において軸支側スピーカと開放端側スピーカとから同じ報知音を出力し、報知内容を外部に周知する。また、遊技機10は、前面枠開放時において軸支側スピーカと開放端側スピーカとで異なる報知音を出力する。このとき、遊技機10は、軸支側スピーカの報知音に、前面枠開放に関する報知音を含める。また、遊技機10は、開放端側スピーカの報知音を前面枠閉塞時と前面枠開放時とで違える。また、遊技機10は、前面枠開放時に軸支側スピーカから複数の報知音(前面枠開放中報知音とRAMクリア報知音)を出力させて、複数の報知音の報知効果を担保する。一方で、遊技機10は、前面枠開放時に開放端側スピーカから作業内容との関連性が高い報知音(確率設定変更中報知音)を出力させて、作業者の作業性を補助する。
また、遊技機10は、図145(2)に示すように、前面枠12の軸支側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(L))と開放端側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(R))とで、報知音量を違えてもよい。たとえば、遊技機10は、前面枠閉塞時において軸支側スピーカと開放端側スピーカの両方からあらかじめ設定した設定音量で報知音を出力する。また、遊技機10は、前面枠開放時において軸支側スピーカから設定音量よりも抑制した抑制音量で報知音を出力し、開放端側スピーカから設定音量よりも大きな強調音量(たとえば、最大音量)で報知音を出力する。これにより、遊技機10は、作業者以外への報知音の報知効果を担保しながら、作業者の作業性を補助する。
また、遊技機10は、図145(3)に示すように、前面枠12の軸支側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(L))と開放端側スピーカ(たとえば、スピーカ19a(R))とで、使用チャンネルを違えてもよい。たとえば、遊技機10は、音出力に用いることができる複数のチャンネルのうちにメンテナンス用のチャンネル(メンテ用チャンネル)を割り当てる。遊技機10は、前面枠閉塞時において軸支側スピーカと開放端側スピーカの両方からすべてのチャンネルからの報知音出力を許容する。また、遊技機10は、前面枠開放時において軸支側スピーカにおいてメンテ用チャンネルからの報知音の出力を制限し、開放端側スピーカにおいてメンテ用チャンネルからの報知音の出力を許容する。これにより、遊技機10は、作業者以外への報知音の報知効果を担保しながら、作業者の作業性を補助する。
上述した第7の実施形態(変形例含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、情報保持手段(たとえば、バックアップ電源部420、RAM111C)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127、確率設定値表示装置136)と、クリア手段(たとえば、遊技制御装置100、RAM初期化スイッチ112)と、報知制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、報知装置)と、を含む。情報保持手段は、電源遮断前の遊技情報を保持可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能に設定変更可能である。クリア手段は、設定変更の際に保持されている遊技情報をクリアする。報知制御手段は、設定変更の確定を報知する第1の映像出力と、遊技情報のクリアを報知する第2の映像出力とを重複期間を設けて実行し、設定変更の確定を報知する第1の音出力と、遊技情報のクリアを報知する第2の音出力とを重複期間を排除して実行する(図128から図131参照)。
(2)(1)の遊技情報は、設定情報を含む。
(3)遊技機10は、情報保持手段(たとえば、バックアップ電源部420、RAM111C)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127、確率設定値表示装置136)と、クリア手段(たとえば、遊技制御装置100、RAM初期化スイッチ112)と、報知制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、報知装置)と、を含む。情報保持手段は、電源遮断前の遊技情報を保持可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能に設定変更可能である。クリア手段は、設定変更の際に保持されている遊技情報をクリアする。報知制御手段は、設定変更の確定を報知する第1の映像出力と、遊技情報のクリアを報知する第2の映像出力と、設定変更の確定を報知する第1の音出力と、遊技情報のクリアを報知する第2の音出力とを重複期間を設けて実行し、第1の音出力と第2の音出力とのうち少なくともいずれか一方のフェードにより最大音量出力期間の重複を排除して音出力を実行する(図128、図129、図133(4)、図134(1),(3)参照)。
(4)(3)の遊技情報は、設定情報を含む。
(5)(3)の報知制御手段は、第1の音出力と第2の音出力とのうち少なくともいずれか一方のフェードインにより最大音量出力期間の重複を排除して音出力を実行する(図133(4)参照)。
(6)(3)の報知制御手段は、第1の音出力と第2の音出力とのうち少なくともいずれか一方のフェードアウトにより最大音量出力期間の重複を排除して音出力を実行する(図134(1)参照)。
(7)遊技機10は、情報保持手段(たとえば、バックアップ電源部420、RAM111C)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127、確率設定値表示装置136)と、クリア手段(たとえば、遊技制御装置100、RAM初期化スイッチ112)と、報知制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、報知装置)と、を含む。情報保持手段は、電源遮断前の遊技情報を保持可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能に設定変更可能である。クリア手段は、設定変更の際に保持されている遊技情報をクリアする。報知制御手段は、設定変更の確定を報知する第1の映像出力と、遊技情報のクリアを報知する第2の映像出力と、設定変更の確定を報知する第1の音出力と、遊技情報のクリアを報知する第2の音出力とを重複期間を設けて実行するとき、第1の音出力と第2の音出力とのうち一方の音量を他方の音量と比較して大きくすることで一方の報知を他方の報知に優先する優先期間(たとえば、図133(1)におけるタイミングt4からt4b、図134(3)におけるタイミングt4eの前後でスピーカLからの音出力を優先し、図134(3)におけるタイミングt4fの前後でスピーカRからの音出力を優先)を重複期間に設定して音出力を実行する(図133(4)、図134(1),(2),(3)参照)。
(8)(7)の報知制御手段は、は、第1の音出力と第2の音出力とのうち一方の音量を他方の音量と比較して大きくすることで一方の報知を他方の報知に優先する第1の優先期間(たとえば、図134(3)におけるタイミングt4eの前後でスピーカLからの音出力を優先)と、他方の音量を一方の音量と比較して大きくすることで他方の報知を一方の報知に優先する第2の優先期間(図134(3)におけるタイミングt4fの前後でスピーカRからの音出力を優先)とを重複期間に設定して音出力を実行する(図134(3),(4)参照)。
(9)遊技機10は、本体部(たとえば、外枠(支持枠)11)と、前面部(たとえば、前面枠(本体枠)12、あるいはガラス枠(透明部材保持枠)15であってもよい)と、第1の音出力部(たとえば、スピーカ19a(L))と、第2の音出力部(たとえば、スピーカ19a(R))と、情報保持手段(たとえば、バックアップ電源部420、RAM111C)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127、確率設定値表示装置136)と、クリア手段(たとえば、遊技制御装置100、RAM初期化スイッチ112)と、報知制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、報知装置)と、を含む。前面部は、一側を軸にして本体部の前面側に開閉可能に軸着される。第1の音出力部は、前面部の軸着側に設けられる。第2の音出力部は、前面部の開放端側に設けられる。情報保持手段は、電源遮断前の遊技情報を保持可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能に設定変更可能である。クリア手段は、設定変更の際に保持されている遊技情報をクリアする。報知制御手段は、設定変更に関する報知と遊技情報のクリアに関する報知とをおこなうとき、第2の音出力部において設定変更に関する報知または遊技情報のクリアに関する報知のいずれか一方をおこなう(図128、図129、図143から図145参照)。
(10)遊技機10は、本体部(たとえば、外枠(支持枠)11)と、前面部(たとえば、前面枠(本体枠)12、あるいはガラス枠(透明部材保持枠)15であってもよい)と、第1の音出力部(たとえば、スピーカ19a(L))と、第2の音出力部(たとえば、スピーカ19a(R))と、情報保持手段(たとえば、バックアップ電源部420、RAM111C)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127、確率設定値表示装置136)と、クリア手段(たとえば、遊技制御装置100、RAM初期化スイッチ112)と、報知制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、報知装置)と、を含む。前面部は、一側を軸にして本体部の前面側に開閉可能に軸着される。第1の音出力部は、前面部の軸着側に設けられる。第2の音出力部は、前面部の開放端側に設けられる。情報保持手段は、電源遮断前の遊技情報を保持可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能に設定変更可能である。クリア手段は、設定変更の際に保持されている遊技情報をクリアする。報知制御手段は、設定変更に関する報知と遊技情報のクリアに関する報知とを第1の音出力部と第2の音出力部とでおこなうとき、第1の音出力部を第1の報知態様とし、第2の音出力部を第1の報知態様と異なる第2の報知態様とする(図128、図129、図143から図145参照)。
(11)(9)または(10)の遊技情報は、設定情報を含む。
(12)遊技機10は、本体部(たとえば、外枠(支持枠)11)と、前面部(たとえば、前面枠(本体枠)12、あるいはガラス枠(透明部材保持枠)15であってもよい)と、第1の音出力部(たとえば、スピーカ19a(L))と、第2の音出力部(たとえば、スピーカ19a(R))と、情報保持手段(たとえば、バックアップ電源部420、RAM111C)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127、確率設定値表示装置136)と、クリア手段(たとえば、遊技制御装置100、RAM初期化スイッチ112)と、報知制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、報知装置)と、を含む。前面部は、一側を軸にして本体部の前面側に開閉可能に軸着される。第1の音出力部は、前面部の軸着側に設けられる。第2の音出力部は、前面部の開放端側に設けられる。情報保持手段は、電源遮断前の遊技情報を保持可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能に設定変更可能である。クリア手段は、設定変更の際に保持されている遊技情報をクリアする。報知制御手段は、設定変更に関する報知と遊技情報のクリアに関する報知とをおこなうとき、前面部が開放された開放状態において第2の音出力部において設定変更に関する報知または遊技情報のクリアに関する報知のいずれか一方を優先する優先報知状態とする(図128、図129、図143から図145参照)。
(13)遊技機10は、本体部(たとえば、外枠(支持枠)11)と、前面部(たとえば、前面枠(本体枠)12、あるいはガラス枠(透明部材保持枠)15であってもよい)と、第1の音出力部(たとえば、スピーカ19a(L))と、第2の音出力部(たとえば、スピーカ19a(R))と、情報保持手段(たとえば、バックアップ電源部420、RAM111C)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127、確率設定値表示装置136)と、クリア手段(たとえば、遊技制御装置100、RAM初期化スイッチ112)と、報知制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、報知装置)と、を含む。前面部は、一側を軸にして本体部の前面側に開閉可能に軸着される。第1の音出力部は、前面部の軸着側に設けられる。第2の音出力部は、前面部の開放端側に設けられる。情報保持手段は、電源遮断前の遊技情報を保持可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能に設定変更可能である。クリア手段は、設定変更の際に保持されている遊技情報をクリアする。報知制御手段は、前面部が開放された開放状態において設定変更に関する報知と遊技情報のクリアに関する報知とをおこなうとき、第1の音出力部と第2の音出力部とを第1の報知態様とし、前面部が閉塞された閉塞状態において設定変更に関する報知と遊技情報のクリアに関する報知とをおこなうとき、第1の音出力部と第2の音出力部とを第1の報知態様と異なる第2の報知態様とする(図128、図129、図143から図145参照)。
(14)遊技機10は、遊技制御手段(遊技制御装置100)と、演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。遊技制御手段は、遊技制御をおこなう。演出制御手段は、遊技制御手段からコマンドを受信して演出手段(表示装置41、スピーカ19a,19b、盤演出装置44、枠装飾装置18、盤装飾装置46等)を制御する。遊技制御手段は、情報保持手段(たとえば、バックアップ電源部420、RAM111C)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127、確率設定値表示装置136)と、クリア手段(たとえば、遊技制御装置100、RAM初期化スイッチ112)と、通知手段(CPU部110、出力部130)と、を含む。情報保持手段は、電源遮断前の遊技情報を保持可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能に設定変更可能である。クリア手段は、設定変更の際に保持されている遊技情報をクリアする。通知手段は、遊技情報のクリアがあったことを第1のコマンド(たとえば、RAMクリアコマンド)により演出制御手段に通知し、遊技性能の設定変更があったことを第2のコマンド(たとえば、確率設定確定コマンド)により演出制御手段に通知する。演出制御手段は、第1報知手段と、第2報知手段と、報知タイミング制御手段と、を含む。第1報知手段は、第1のコマンドを受信して遊技情報のクリアがあったことを演出手段により報知する。第2報知手段は、第2のコマンドを受信して遊技性能の設定変更があったことを演出手段により報知する。報知タイミング制御手段は、第1のコマンドを受信したとき第2のコマンドの受信の有無に応じて第1報知手段の実行タイミングを変更する(図137から図139参照)。
(15)遊技機10は、遊技制御手段(遊技制御装置100)と、演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。遊技制御手段は、遊技制御をおこなう。演出制御手段は、遊技制御手段からコマンドを受信して演出手段(表示装置41、スピーカ19a,19b、盤演出装置44、枠装飾装置18、盤装飾装置46等)を制御する。遊技制御手段は、情報保持手段(たとえば、バックアップ電源部420、RAM111C)と、設定手段(たとえば、遊技制御装置100、設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127、確率設定値表示装置136)と、クリア手段(たとえば、遊技制御装置100、RAM初期化スイッチ112)と、通知手段(CPU部110、出力部130)と、を含む。情報保持手段は、電源遮断前の遊技情報を保持可能である。設定手段は、2以上の異なる遊技性能のうち1の遊技性能に設定変更可能である。クリア手段は、設定変更の際に保持されている遊技情報をクリアする。通知手段は、遊技情報のクリアがあったことを第1のコマンド(たとえば、RAMクリアコマンド)により演出制御手段に通知し、遊技性能の設定変更中であることを第2のコマンド(たとえば、確率設定確定コマンド)により演出制御手段に通知する。演出制御手段は、第1報知手段と、第2報知手段と、報知タイミング制御手段と、を含む。第1報知手段は、第1のコマンドを受信して遊技情報のクリアがあったことを演出手段により報知する。第2報知手段は、第2のコマンドを受信して遊技性能の設定変更中であることを演出手段により報知する。報知タイミング制御手段は、第1のコマンドを受信したとき第2のコマンドの受信の有無に応じて第1報知手段の実行タイミングを変更する(図137から図139参照)。
(16)(14)または(15)の報知タイミング制御手段は、第1報知手段の実行開始時期を変更する(図137(1)、(3)参照)。
(17)(14)または(15)の報知タイミング制御手段は、第1報知手段の実行期間を変更する(図137(1)、(2)、(3)参照)。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。