JP7110675B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、弾球遊技機や回胴式遊技機に関する。
弾球遊技機であるパチンコ機は、外殻を形成する矩形状の外枠と、この外枠に対して前方に回転可能に取り付けられた遊技機本体とを備える。また、遊技機本体は、外枠に前方側へ回転可能に支持される内枠、内枠に前方側へ回転可能に支持される前扉枠、内枠に後方側へ回転可能に支持される裏パックユニット、施錠装置等を備える。
また、回胴式遊技機であるスロットマシンに関しても、外殻を形成する箱状の筺体と、開口部を覆うように筺体に枢設された前扉とを備える。前扉の表側には、始動レバーや停止ボタン等が設けられ、筺体の内部には、遊技の進行を司る主制御装置や遊技メダルを払いだすホッパー等の各種装置や部品が配されている。
しかしながら、上述の内枠や前扉等を開扉し、内部に配された装置や部品を誤作動させる等して不正な利益を得るいわゆるゴト行為が後を絶たず、従来から、このような不正行為に対する対策が施された遊技機が提案されている。
例えば、特許文献1では、外枠、前枠、ガラス扉が前後に重なる重複領域に、一列に並んで第1磁石、第2磁石及び磁気検出装置が設けられ、全閉状態では二つの磁石及び磁気検出装置が一列に直列配置された状態で全閉磁力が検出される遊技機において、警報部は、磁気検出装置において検出される磁力が全閉磁力未満となったときに警報信号を出力するようにしている。
特開2010-99142号公報
しかしながら、従来の遊技機では、好適に異常を報知できないという問題がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、好適に異常を報知することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明に係る遊技機は、右側部又は左側部の一方を支持側として固定枠の右側部又は左側部の一方に支持され、前記固定枠に対し開閉可能に支持された枠体と、前記枠体に設けられた複数の音響装置と、前記枠体の開放を検出する検出装置と、前記検出装置により前記枠体の開放が検出されると前記複数の音響装置を制御して、前記複数の音響装置から警報音出力させる異常報知手段とを備え、前記異常報知手段は、前記複数の音響装置から前記警報音出力させる際に、前記複数の音響装置のうち前記支持側とは異なる側に配置された音響装置から出力される前記警報音の音量を他の音響装置から出力される警報音の音量よりも小さくさせることを特徴とする。
本発明によれば、好適に異常を報知することができる。
第1実施形態に係る遊技機の前扉枠を開放した平面図及び遊技者との位置関係を示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の正面図である。 第1実施形態に係る遊技機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 第1実施形態に係る遊技機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 第1実施形態に係る遊技機の構成を示す背面図である。 第1実施形態に係る遊技機の前扉枠の構成を示す背面図である。 第1実施形態に係る遊技機の内枠の構成を示す正面図である。 第1実施形態に係る遊技機の遊技盤の正面図である。 第1実施形態に係る遊技機の図柄表示装置の表示画面を示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の内枠の構成を示す背面図である。 第1実施形態に係る遊技機の遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る遊技機の遊技盤から主制御装置ユニットを取り外した状態を示す背面図である。 第1実施形態に係る遊技機の主制御装置ユニットの構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る遊技機の裏パックユニットの構成を示す正面図である。 第1実施形態に係る遊技機の前方から見た第1監視装置の分解斜視図である。 第1実施形態に係る遊技機の後方から見た第1監視装置の分解斜視図である。 第1実施形態に係る遊技機の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る遊技機の操作ボタンを示す平面図である。 第1実施形態に係る遊技機の内部抽選に用いられる各カウンタの内容を示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の大当たり発生に当選する乱数の値を記憶した当否テーブルを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の大当たりの種別の振分先に係る乱数の値を記憶した振分テーブルを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の始動口用の入賞処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の通常処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機のメイン処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の遊技回制御処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機のデータ設定処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の変動開始処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の表示継続時間の設定処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の開閉実行モード終了時の移行処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の前扉枠開放監視処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る遊技機のROMに格納されるデータ構成を示す図であり、(a)はROM412に格納されるデータ構成を示す図、(b)は共通用ROM404に格納されるデータ構成を示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の音出力LSIが備えるレジスタ952の構成を説明するための概念図である。 第1実施形態に係る遊技機の音出力LSIが備えるDAC及びスピーカ部との接続関係を説明するための概念図である。 第1実施形態に係る遊技機の音声発光制御装置にて実行されるタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の演出決定処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の遊技結果と、遊技状態等との関係を示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の異常時報知処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機において展開されるゲームフローについて説明する図である。 第1実施形態に係る遊技機の特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。 第1実施形態に係る遊技機の通常状態にて「最有利結果」に該当した場合に実行されるモード移行演出の演出例を示す連続図である。 第1実施形態に係る遊技機の大当たり時(開閉実行モード)における演出例を示す連続図である。 第1実施形態に係る遊技機の演出種類(演出種別)選択処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の演出種類(演出種別)選択処理の他の例におけるフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の第4モードM4への移行処理を説明する図である。 第1実施形態に係る遊技機の第4モードM4への移行処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の演出MAへの移行処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の演出MBへの移行処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の演出MCへの移行処理のフローチャートを示す図である。 第1実施形態に係る遊技機の異常時報知処理の他の例のフローチャートを示す図である。 第2実施形態に係る遊技機の遊技盤の正面図である。 第2実施形態に係る遊技機の音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る遊技機の音出力LSIが備えるDAC及びスピーカ部との接続関係を説明するための概念図である。 第2実施形態に係る遊技機の異常時報知処理のフローチャートを示す図である。 第2実施形態の変形例に係る遊技機の正面図である。 第2実施形態の変形例に係る遊技機の音出力LSIが備えるDAC及びスピーカ部との接続関係を説明するための概念図である。 第3実施形態に係る遊技機が備えるスピーカ部及びカバー部材の概略構成図であり、(a)は、スピーカ部がカバー部材によりカバーされていない状態の正面図、(b)は、スピーカ部がカバー部材によりカバーされている状態の正面図、(c)は、(b)の線分X-Xにおける断面図、(d)は、(b)の線分Y-Yにおける断面図である。 第3実施形態に係る遊技機の原点検出センサの概略構成を示した図である。 第3実施形態に係る遊技機の音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る遊技機の音出力LSIが備えるDAC及びスピーカ部との接続関係を説明するための概念図である。 第3実施形態に係る遊技機の異常時報知処理のフローチャートを示す図である。 第4実施形態に係る遊技機の正面図である。 第4実施形態に係る遊技機が備えるスピーカ部及びその周辺構造を示す概略構成図であり、(a)は、スピーカ部が遊技機の正面を向いている第1状態を示す一部断面平面図、(b)は、スピーカ部の向きが遊技機の正面から右側面へ変化している途中を示す一部断面平面図、(c)は、スピーカ部が遊技機の右側面を向いている第2状態を示す一部断面平面図である。 第4実施形態に係る遊技機の音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 第4実施形態に係る遊技機の異常時報知処理のフローチャートを示す図である。 第5実施形態に係る遊技機の音出力LSIが備えるDAC及びスピーカ部との接続関係を説明するための概念図である。 第5実施形態に係る遊技機のスピーカ部の再生音量の時間変化の概念図である。 第5実施形態に係る遊技機の異常時報知処理のフローチャートを示す図である。 第5実施形態に係る遊技機の音データ再生処理のフローチャートを示す図である。 第6実施形態の第4モードM4の演出への移行処理に用いられるデータを説明する図である。 第6実施形態の演出MAへの移行処理のフローチャートを示す図である。 第6実施形態の演出MBへの移行処理のフローチャートを示す図である。 第6実施形態の演出MCへの移行処理のフローチャートを示す図である。 第7実施形態の演出の実行制御を行うための電気的構成を示すブロック図である。 第7実施形態のレジスタのデータ構成を説明するための説明図である。 第7実施形態のシーケンスデータの一例を説明するための説明図である。 第7実施形態の音光用ROMのデータ構成を説明するための説明図である。 第8実施形態の大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。 第8実施形態の主制御装置のROMに記憶されているエンディング期間決定テーブルを示す図である。 第8実施形態のエンディング期間の設定処理のフローチャートを示す図である。 第8実施形態のRUSH突入とRUSH用右打ちナビの報知タイミングを説明するための図である。 第8実施形態の第4モードM4への移行処理のフローチャートを示す図である。 第8実施形態の音声発光制御装置のROMに記憶されているRUSH突入とRUSH用右打ちナビの報知タイミング決定テーブルを示す図である。 第8実施形態の第4モードM4への移行処理のフローチャートの他の例を示す図である。 第8実施形態の第4モードM4への移行処理の他の例を説明する図である。 第8実施形態の第4モードM4への演出移行処理の他の例のフローチャートを示す図である。 第8実施形態の第4モードM4への移行処理Aのフローチャートを示す図である。 第8実施形態の第4モードM4への移行処理Bのフローチャートを示す図である。 第8実施形態の第4モードM4への移行処理Cのフローチャートを示す図である。 第9実施形態の演出種類(演出種別)選択処理のタイミングを示す概略図である。 第9実施形態の演出種類(演出種別)選択処理のフローチャートを示す図である。 第9実施形態のRUSH突入とRUSH用右打ちナビの報知タイミングを説明するための図である。 第9実施形態の第4モードM4への移行処理のフローチャートを示す図である。 第9実施形態の第4モードM4への移行処理の他の例を説明する図である。 第9実施形態の第4モードM4への演出移行処理の他の例のフローチャートを示す図である。 第9実施形態の第4モードM4への移行処理Dのフローチャートを示す図である。 第9実施形態の第4モードM4への移行処理Eのフローチャートを示す図である。 第9実施形態の第4モードM4への移行処理Fのフローチャートを示す図である。 第9実施形態の第4モードM4への移行処理Gのフローチャート例を示す図である。
本発明の遊技機は、外枠(固定枠)に対して開閉可能に取り付けられた内枠(第1枠体)と、内枠に対して開閉可能に取り付けられた前扉枠(第2枠体)とを備えている。ここで、遊技機においては、前扉枠を開放し、内枠の前面側に設けられた遊技領域に対して不正を行う行為が想定される。また、内枠を開放し、内枠の背面側に搭載された制御装置に対して不正を行う行為も想定される。
このため、遊技機には、制御装置が設けられているとともに、外枠に対する内枠の開放や内枠に対する前扉枠の開放を検出する開放検出スイッチ(検出装置)が設けられている。そして、前扉枠や内枠が開放された場合には、それらの開放が開放検出スイッチにより検出され、その検出結果が制御装置に入力される。制御装置では、開放スイッチからの検出結果に基づいて前扉枠や内枠が開放されたと判断し、スピーカ部やランプ部を用いてその旨の報知(異常報知)を実行する。
しかしながら、前扉枠は、内枠の右側部又は左側部の一方を支持側として内枠の右側部又は左側部の一方に支持されており、この前扉枠が開く際には、この支持側を回転軸として前方側(遊技者側)へ回転するようにして開くこととなる。
このため、例えば、メンテナンス(整備・維持・保守・点検・手入れ)や修理の際に前扉枠を開くと、図1に示すように、前扉枠が隣席で遊技する遊技者Uの上半身の右側(図1(a)参照)もしくは左側(図1(b)参照)に対向するようにして開くことになる。そして上述のように前扉枠の開放が検出されると異常報知がホールの運営者や従業員に聞こえるように大音量でスピーカ(音響装置)出力される。このため、隣席で遊技する遊技者にとって異常報知が非常に煩わしく感じられる。また、遊技している遊技機から出力される音楽(BGM)や音声、効果音が異常報知により聞き取りづらくなるため、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする。
上記問題は、パチンコ機に限って発生するものではなく、前扉枠や内枠などの開閉体を有する他の遊技機、例えばスロットマシンやパロット等にも同様に発生し得る。本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、前扉枠や内枠の開放が検出された場合に、隣席に座る遊技者が異常報知を煩わしく思う虞を低減しつつ、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減できる遊技機を提供することを目的とする。
以下に、以上の本発明を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
[弾球遊技機]
遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域104に導く球通路(内レール101及び外レール102)と、遊技領域104内に配置された各遊技部品(一般入賞口82や釘等)とを備えた遊技機。
[特別表示部及び可変表示装置を備えた弾球遊技機]
遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域104に導く球通路と、遊技領域104内に配置された第1,第2始動口36,37、主表示装置98、可変表示ユニット86及び可変入賞装置83とを備え、第1,第2始動口36,37への遊技球の入球を検知すると主表示装置98に表示される表示内容を可変表示し、その停止時の表示内容が特定の表示内容である場合に可変入賞装置83を所定態様で開放させるようにした遊技機。
[スロットマシン等の回胴式遊技機]
複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
[球使用ベルト式遊技機]
複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づき説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、特に指示しない限りはパチンコ機10の正面視を基準に上下左右等の方向を特定する。例えば、図2の手前側を前側、奥側を後側とする。
[第1実施形態]
<パチンコ機>
図2に示すように、本実施形態に係る遊技機10(以下、パチンコ機10)は、外殻を形成する矩形状の外枠11と、この外枠11に対して前方に回転可能に取り付けられた遊技機本体12とを備える。
外枠11は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の設置枠台(いわゆる島設備)に縦置き姿勢で設置される固定枠である。図3及び図4に示すように、遊技機本体12は、外枠11に前方側(遊技者側)へ回転可能に支持される内枠13(枠体)と、内枠13に前方側(遊技者側)へ回転可能に支持される前扉枠14(枠体)と、内枠13に後方側(遊技者から遠い側)へ回転可能に支持される裏パックユニット15(箱状体)とを備え、施錠装置131(図4参照)により施錠される構成を有する。なお、外枠11の左側には、プリペイドカード式の球貸装置(CRユニット)(不図示)が設けられている。
内枠13は、右側部又は左側部の一方を支持側として外枠11の右側部又は左側部の一方に支持されている。前扉枠14は、右側部又は左側部の一方(図3及び図4では、左側部)を支持側として、内枠13の右側部又は左側部の一方(図3及び図4では、左側部)に支持されている。裏パックユニット15は、右側部又は左側部の一方を支持側として、内枠13の右側部又は左側部の一方(図3及び図4では、左側部)に支持されている。施錠装置131は、遊技機本体12の右側部又は左側部の下部に設けられた(図2では右側下部)シリンダ錠75を有し、内枠13(遊技機本体12)を外枠11に対して開放不能とする機能及び前扉枠14を内枠13に対して開放不能とする機能を有する。パチンコ機10では、シリンダ錠75(図7参照)にキーを差し込んだのち右回転させると、内枠13を外枠11に対して開放不能とする機能が解除され、左回転させると、前扉枠14を内枠13に対して開放不能とする機能が解除される。施錠装置131については、図10でも詳述する。
前扉枠14は、内枠13の前面側を覆うようにして設けられ、厚み方向に開口する楕円形状の窓部21と、この窓部21にはめ込まれる透視可能なガラス板や合成樹脂材等により形成された窓パネル22とを有する(図3参照)。
また、前扉枠14は、窓部21の右側部に配設される発光手段としての表示ランプ装置23Aと、窓部21の左側部に配設される発光手段としての表示ランプ装置23Bと、パチンコ機10の最上部に設けられたエラー表示ランプ部24と、遊技機本体12の上部右側(スピーカ部26A)及び上部左側(スピーカ部26B)と、下部左側(スピーカ部26C)とに配設される音声出力手段及びナビゲーション手段としてのスピーカ部26A~26Cとを備える。なお、本実施形態では、パチンコ機10は、3つのスピーカ部26A~26Cを備えるが、スピーカ部は1以上備えていればよく、例えば、4つ以上備えていても良い。表示ランプ装置23A,23Bは、LED(発光ダイオード)やフィラメント、放電素子などの発光素子をガラスの球殻に封入した電球等の発光体(不図示)を有し、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。エラー表示ランプ部24は、所定のエラー時に点灯する。また、スピーカ部26A~26Cは、音声や効果音等を出力できる。そして、後述する図柄表示装置91での図柄変動演出に合わせて表示ランプ装置23A,23Bを点灯・点滅したり(発光演出)、スピーカ部26A~26Cから音声や効果音を出力する(音声演出)ことで、表示ランプ装置23A,23Bやスピーカ部26A~26Cが演出実行手段として機能するよう構成されている。
また、前扉枠14は、窓部21の下側に、前方側(遊技者側)へと膨出する上側膨出部31及び下側膨出部32とを有する。上側膨出部31及び下側膨出部32は、上下方向に並設されている。上側膨出部31は、上向きに開口するようにして内部に設けられ、遊技球を貯留する受け皿となる上皿33を有している。また、下側膨出部32は、上向きに開口するようにして内部に設けられ、遊技球を貯留する受け皿となる下皿34を有している。上皿33は、底面が左側から右側からに向かって緩やかに傾斜するとともに右側部において先細りとなるように構成されており、貯留されている遊技球を一球ずつ整列させながら遊技球発射機構110(図7参照)へと導く機能を有する。
上皿33にて遊技球が余剰となると、遊技球は下皿34に排出される。つまり、下皿34は、上皿33にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。また、下側膨出部32には、左右方向にスライド動作可能なレバーが設けられており、遊技者がレバーをスライド動作させることで下皿34に貯留された遊技球が下皿34の下部から排出されるように構成されている。なお、本実施形態では、上側膨出部31及び下側膨出部32は、前扉枠14の下部位置に前扉枠14と一体的に成型されており、前扉枠14の開閉に合わせて上側膨出部31及び下側膨出部32も開閉するよう構成される。
また、パチンコ機10は、遊技機本体12の右下方位置に発射手段としての発射ハンドル41を備える。発射ハンドル41は、反時計回り(左回り)に付勢されており、遊技者が発射ハンドル41を時計回り(右回り)するよう回転操作することで遊技球発射機構110が作動されて、上皿33に貯留された遊技球が遊技盤81(図8参照)の遊技領域104に向けて1球ずつ発射される。本実施形態では、遊技球発射機構110による遊技球の発射動作は、所定の周期(例えば、0.6sec)で行われる。また、本実施形態では、遊技球発射機構110による遊技球の発射数が1分間に100球を超えないよう制御される。
発射ハンドル41は、その回転量に応じて遊技球発射機構110による遊技球の打球力が変化するように構成されており、遊技者が発射ハンドル41を時計回り(右回り)に回転させるにしたがって遊技球発射機構110による遊技球の打球力が漸増し、遊技者が発射ハンドル41を反時計回り(左回り)に回転させるにしたがって遊技球発射機構110による遊技球の打球力が漸減するように構成されている。すなわち、遊技者が発射ハンドル41を時計回り(右回り)に回転させるに従い、遊技球発射機構110により打ち出される遊技球の遊技盤81における到達位置が左側から右側へと移っていくこととなる。
また、発射ハンドル41には、遊技者がハンドルに触れていることを検知するタッチセンサ41aや遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ41bが設けられている。遊技球発射機構110による遊技球の発射は、発射ハンドル41が回転操作されてタッチセンサ41aがオンで、かつ発射停止スイッチ41bがオフのときに行われ、タッチセンサ41aがオフ又は発射停止スイッチ41bがオンの場合には遊技球は発射されない。
また、上側膨出部31の上面には、操作手段としての操作ボタン35が設けられている。操作ボタン35は、演出種類(演出種別)の選択等に際にして用いられ、遊技者は、操作ボタン35を操作することで、演出種類を選択することができる。操作ボタン35は、図18に示すように、中央に配置された決定ボタン35aと、決定ボタン35aの左側に配置された左方向ボタン35bと、決定ボタン35aの右側に配置された右方向ボタン35cとを備えている。遊技者は、演出種類の選択時において、左方向ボタン35b、右方向ボタン35cを押下操作して演出種類を選択し、中央に配置された決定ボタン35aを押下操作することで演出種類を決定することができる。さらに、上側膨出部31の上面には、CRユニットに挿入されたカードの価値残高(有価残高)の範囲内で遊技球の貸し出しを指示するための球貸ボタン(不図示)及びCRユニットに挿入されているカードの返却を指示するための返却ボタン(不図示)が配設されている。
前扉枠14の背面には、図3及び図6に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により形成されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部225に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図6の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図6の左側)には、図3に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、内枠13について図7を参照して説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図7の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図7の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。パチンコ機10では、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解かれるようになっている。樹脂ベース71の右上隅部、すなわち前扉枠14の回動先端側には、内外(すなわち前後方向)に貫通する略矩形状の開口部71bが形成されている。この開口部71bには前扉枠14の開放を監視する第1監視装置250が設けられている。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域104(図8参照)が樹脂ベース71の窓孔76を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
<遊技盤81>
図8に示すように、遊技盤81は、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材である。遊技盤81は、正面(遊技者側)に設けられた略円形状に湾曲形成した2本のレール(内レール101及び外レール102)からなるガイド部103(以下、誘導レールともいう)を有する。誘導レール103は、遊技球発射機構110により打ち出される遊技球を遊技盤81の左上部へと案内する機能を有する。遊技者は、発射ハンドル41を操作して、該誘導レール103により画成される略円形の遊技領域104へと遊技球を打ち出すことで遊技を行う。また、誘導レール103の端部には、遊技領域104へと打ち出された遊技球が誘導レール103内へと戻らないように返し部103aが設けられている。なお、遊技領域104内に打ち込まれた遊技球は、裏パックユニット15(不図示)に設けられた検知センサ(不図示)により検知され、該検知センサの球検出信号がホールコンピュータ(不図示)に出力されるよう構成されている。本実施形態では、検知センサを裏パックユニット15に設けているが、他の場所、例えば、遊技盤81に設けるようにしてもよい。
また、遊技盤81は、ルータ加工が施されることによって、板厚方向に貫通する大小複数の開口部が適宜位置に形成されている。また、遊技盤81の各開口部には、一般入賞口82、第1始動口84a、第2始動口84b、可変入賞装置83及びアウト口87が設けられている。なお、遊技盤81の遊技領域104に形成される開口部の位置及び数は、必要に応じて適宜変更できる。遊技盤81には、中央部左側及び中央部右側にスルーゲート85が設けられている。遊技盤81の遊技者が視認できる位置に主表示装置98が設けられている。遊技盤81の中央部には、可変表示ユニット86が設けられている。遊技盤81には、遊技領域104内に多数の遊技釘89が設けられると共に、遊技盤81の右側に回転案内部材88(いわゆる「風車」)が配設されている。回転案内部材88は、遊技領域104を流下する遊技球の接触により自在に回転するよう遊技盤81に配設されている。このため、遊技領域104を流下する遊技球が遊技釘89や回転案内部材88に接触することで、遊技球の流下方向が不規則(ランダム)に変化する。
なお、本実施形態では、入球とは、開口部を遊技球が通過することをいい、開口部を通過した後に遊技領域104から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域104から排出されずに遊技領域104の流下を継続する態様も含む。また、アウト口87への遊技球の入球と明確に区別するために、各種入賞口への遊技球の入球のことを入賞ともいう。また、スルーゲート85への入球とは、遊技領域104に設けられたゲートを通過した後に遊技領域104から排出されずに遊技領域104の流下を継続することをいう。このスルーゲート85への入球についても各種入賞口への入球と同様に入賞ともいう。
<始動入賞口>
図8に示すように、第1始動口84a及び第2始動口84bは、上下の位置関係、すなわち上下方向に並設されている。ここで、上側に位置する第1始動口84aは、遊技領域104内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口である。また、下側に位置する第2始動口84bを挟む左右両側には、第2始動口84bを開閉可能に構成された一対の開閉部材84b1からなる電動役物(いわゆる電動チューリップ(電チュー))が設けられている。一対の開閉部材84b1には、駆動手段としての電動役物駆動部84b2が連結されており、電動役物駆動部84b2の駆動に伴って一対の開閉部材84b1が第2始動口84bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置とに変位するよう構成されている。本実施形態では、第2始動口84bを開閉する一対の開閉部材84b1が第2始動口84bを挟む左右側部に配置されて、電動役物駆動部84b2の駆動に伴い一対の開閉部材84b1の相互位置が近接及び離間するよう駆動される。
すなわち、本実施形態において第1始動口84aは、遊技領域104を流下する遊技球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動口84bは、電動役物駆動部84b2を駆動することで遊技球の入賞確率が可変するよう構成されている。ここで、第2始動口84bを挟む左右両側に設けられた開閉部材84b1が閉鎖位置に変位した状態(以下、電役閉鎖状態)では、第2始動口84bへの遊技球の入賞が阻止されて、第1始動口84aへ遊技球が入賞する確率よりも第2始動口84bへ遊技球が入賞する確率が低くなる。また、開閉部材84b1が開放位置に変位した状態(以下、電役開放状態)では、開閉部材84b1で受止められた遊技球が第2始動口84bに案内されて、第1始動口84aへ遊技球が入賞する確率よりも第2始動口84bへ遊技球が入賞する確率が高くなる。
なお、電動役物は、前述した電役閉鎖状態及び電役開放状態に代えて、第2始動口84bに遊技球が入賞しにくい状態(電役閉鎖状態とは異なり遊技球の入球は可能な状態)と、第2始動口84bに遊技球が入賞しやすい状態とを切り換える構成としてもよい。
<可変入賞装置>
図8に示すように、可変入賞装置83は、遊技領域104に開口する特別入賞手段としての特別入賞口83a(以下、大入賞口)を開閉自在に閉成する矩形板状に形成された開閉扉(開閉部材,開閉手段)83bを備えており、駆動手段としての可変入賞駆動部83cの駆動に伴って開閉扉83bが閉鎖する閉鎖状態と開放する開放状態に変位するよう構成されている。なお、本実施形態では、開閉扉83bが前後方向へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、図8では、該開閉扉83bにより大入賞口83aが閉鎖された状態を示している。
本実施形態では、開閉扉83bは、通常状態では、遊技球が入賞できない閉鎖状態に設定されている。そして、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合、開閉扉83bは、遊技球が入賞できる開放状態に設定される。なお、開閉実行モード(特定制御状態)とは、開閉扉83bを開放状態に設定し、大入賞口83aに遊技球を入球可能とするモードをいう。また、本実施形態では、開閉実行モードにおいて、開閉扉83bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでを1回のラウンド遊技としているが、1回のラウンド遊技における開閉扉83bの開閉回数は任意である。例えば、1回のラウンド遊技における開閉扉83bの開閉回数を複数回(2回以上)としてもよく、この場合、1回のラウンド遊技において開閉扉83bの開放状態と閉鎖状態が複数回設定されることとなる。
遊技者は、発射ハンドル41の回転操作量を最大とし、遊技領域104の上部における遊技球の到達位置を誘導レール103の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトさせる(いわゆる右打ちする)ことによって、可変表示ユニット86等を避けて可変入賞装置83に遊技球を導くことができる。
<検知センサ>
遊技盤81は、設けられた一般入賞口82、第1始動口84a、第2始動口84b及び可変入賞装置83の大入賞口83aの各種入賞口の近傍に、遊技球の入球を検知する検知センサ152~154bを備える(図17参照)。また、これら検知センサ152~154bは、遊技盤81の背面側に配設され、検知センサ152は一般入賞口82への遊技球の入球を検知し、検知センサ154aは第1始動口84aへの遊技球の入球を検知し、検知センサ154bは第2始動口84bへの遊技球の入球を検知し、検知センサ153は可変入賞装置83の大入賞口83aへの遊技球の入球を検知する。検知センサ152~154bは、パチンコ機10の裏側に配設された主制御基板301に配線接続されており、各検知センサ152~154bによる遊技球の検出(一般入賞口82、第1始動口84a、第2始動口84b及び可変入賞装置83の大入賞口83aの各種入賞口への遊技球の入賞)を契機として所定数の賞球(入賞により得る遊技球のこと)が払い出されるよう構成されている。
本実施形態では、パチンコ機10は、検知センサ152により一般入賞口82への入球が検知された場合、10個の賞球を払い出し、検知センサ154aにより第1始動口84aへの入球が検知された場合、3個の賞球を払い出し、検知センサ154bにより第2始動口84bへの入球が検知された場合、2個の賞球を払い出し、検知センサ153により可変入賞装置83の大入賞口83aへの入球が検知された場合、13個の賞球を払い出す。なお、各種入賞口への遊技球の入賞による賞球の払い出し数は、これらに限られるものではなく、適宜、変更できる。例えば、第1始動口84aへの遊技球の入賞により払い出される賞球の数と、第2始動口84bへの遊技球の入賞により払い出される賞球の数とを同数としてもよい。また、遊技盤81の遊技領域104に複数(2以上)の可変入賞装置83を設け、これら複数の可変入賞装置83の大入賞口83aへの入賞ごとに払い出される賞球の数を異ならせてもよく、例えば、可変入賞装置83を2つ設けた場合、それぞれの可変入賞装置83の大入賞口83aへの入賞により払い出される賞球数をそれぞれ13と14としてもよい。
アウト口87は、遊技盤81の遊技領域104の最下部に設けられており、各種入賞口等に入球しなかった遊技球は、このアウト口87を通って遊技領域104から排出される。アウト口87は、遊技盤81の背面側に配設され、遊技球の入球を検知する検知センサ156を備える(図17参照)。
また、各スルーゲート85は、遊技盤81の背面側に配設され、遊技球の入球を検知する検知センサ155を備える(図17参照)。検知センサ155及び156は、パチンコ機10の裏側に配設された主制御基板301に配線接続されているが、パチンコ機10は、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、アウト口87及び各スルーゲート85への入球が発生した場合、賞球の払い出しは行わない。
なお、各検知センサ152~156は、各種入賞口への遊技球の入球を個別に検知することができればよく、例えば、電磁誘導センサや透過型フォトセンサ等を使用することができる。
<図柄表示>
主表示装置98は、メイン表示部93と、役物用表示部94と、ラウンド表示部97とを有し、複数のセグメント発光部を所定の態様で配列したセグメント表示器や、ドット表示器などの複数の表示装置を配置して構成されている。主表示装置98は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして遊技盤81に設けられており、窓パネル22を介してパチンコ機10の前方から視認可能となっている。また、主表示装置98と、窓パネル22との間の距離(隙間)は、遊技球の外径よりも狭くなっている。このため、主表示装置98と、窓パネル22との隙間、すなわち主表示装置98の前方を遊技球が流下するのが防止されている。
<メイン表示部93>
メイン表示部93は、第1始動口84aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第1結果表示部93aと、第2始動口84bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第2結果表示部93bとを備える(図17参照)。
<第1結果表示部93a>
第1結果表示部93aは、第1始動口84aへの入賞をトリガとして図柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、第1始動口84aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。具体的には、第1始動口84aへの遊技球の入賞を契機として、第1結果表示部93aが順次点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われ、最終的に第1結果表示部93aが確定的に点灯した点灯位置(停止結果)により複数種類(種別)の特別図柄を表示するようになっている。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合、第1結果表示部93aは、所定の停止結果を表示し、その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
<第2結果表示部93b>
第2結果表示部93bは、第2始動口84bへの入賞をトリガとして図柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、第2始動口84bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。具体的には、第2始動口84bへの遊技球の入賞を契機として、第2結果表示部93bが順次点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われ、最終的に第2結果表示部93bが確定的に点灯した点灯位置(停止結果)により複数種類(種別)の特別図柄(以下、特図ともいう)を表示するようになっている。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合、第2結果表示部93bは、所定の停止結果を表示し、その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
ここで、特図は、大当たり(特定遊技)か否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄であり、第1結果表示部93a及び第2結果表示部93bでは、LED等の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、第1結果表示部93a及び第2結果表示部93bにおいて表示し得る特図としては、大当たりを認識し得る大当たり表示結果としての複数種類の特図と、外れを認識し得る外れ表示結果としての1種類の特図とが設定されている。そして、特図当たり抽選の結果に応じて1つの特図が決定され、変動表示の停止結果として、先に決定された特図が第1結果表示部93a又は第2結果表示部93bに停止表示される。
なお、以下の説明では、第1結果表示部93aで行われる変動表示を「特図1変動表示」といい、該特図1変動表示の結果、第1結果表示部93aに確定停止表示される特図を特図1ともいう。また同様に、第2結果表示部93bで行われる変動表示を「第2特図変動表示」といい、第2特図変動表示の結果、第2結果表示部93bに確定停止表示される特図を特図2ともいう。
<役物用表示部94>
役物用表示部94は、各スルーゲート85への入賞をトリガとして図柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、各スルーゲート85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。具体的には、各スルーゲート85への遊技球の入賞を契機として、役物用表示部94が順次点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われ、最終的に役物用表示部94が確定的に点灯した点灯位置(停止結果)により複数種類の普通図柄(以下、普図ともいう)を表示するようになっている。役物用表示部94は、内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した結果であった場合、所定の停止結果を表示し、その後、パチンコ機10は、電役開放状態へ移行する。この電役開放状態では、第2始動口84bに設けられた電動役物の開閉部材84b1は開放状態となる。
<ラウンド表示部97>
また、本実施形態に係るパチンコ機10では、大当たり判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当たり遊技(特定遊技)の中から1つの大当たり遊技が決定される。この大当たり遊技には、ラウンド回数が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当たり遊技のラウンド数がラウンド表示部97により報知される。本実施形態では、大当たり遊技のラウンド数として、「15回」及び「2回」の2種類が設定されており、ラウンド表示部97が備えるLEDの点灯パターンによりラウンド数が報知される。本実施形態では、ラウンド表示部97は、左右に配列された2つのLEDを備え、左側のLEDが点灯することで、ラウンド数が「15回」の大当たり遊技であることが報知され、右側のLEDが点灯することで、ラウンド数が「2回」の大当たり遊技であることが報知される。
なお、本実施形態では、メイン表示部93及び役物用表示部94は、セグメント表示器や、ドット表示器などの複数の表示装置を配置して構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等の他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部93及び役物用表示部94に変動表示させる図柄としては、複数種の文字を変動表示させる構成、複数種の記号を変動表示させる構成、複数種のキャラクタを変動表示させる構成、又は複数種の色を切り換えて表示させる構成などを採用できる。また、本実施形態では、ラウンド表示部97は、LEDを用いた発光表示によりラウンド遊技の回数を報知しているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等の他のタイプの表示装置によってラウンド遊技の回数を報知するようにしてもよい。なお、メイン表示部93、役物用表示部94及びラウンド表示部97の表示領域は、図柄表示装置91で実行される後述の報知演出等の表示領域に比較して極めて小さく設定されており、図柄表示装置91で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、メイン表示部93、役物用表示部94、ラウンド表示部97での点灯状態で各情報を簡単には認識し難くなっている。
また、可変表示ユニット86は、図柄の一種である図柄を変動表示(可変表示又は切換表示)する図柄表示装置91を備える。また、可変表示ユニット86は、図柄表示装置91を囲むようにして配設されたセンターフレーム92を備える。このセンターフレーム92の上部は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして設けられている。これによって、パチンコ機10は、図柄表示装置91の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのを防止し、遊技球の落下によって表示画面Gの視認性が低下するといった不都合を生じない構成となっている。
<図柄表示装置91>
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成され、図柄表示装置91の表示画面Gが遊技盤81の前面側(遊技者側)に臨むようにして該遊技盤81に着脱可能に組み付けられている。この図柄表示装置91は、所定条件の成立(第1始動口84a又は第2始動口84bへの遊技球の入賞)を契機として演出用の装飾図柄(以下、飾図ともいう)の変動表示を開始する。すなわち、図柄表示装置91は、メイン表示部93の第1結果表示部93aにて変動表示を実行する場合及びメイン表示部93の第2結果表示部93bにて変動表示を実行する場合、それに合わせて変動表示を実行する。なお、図柄表示装置91は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置、CRT等の他、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止及び変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
本実施形態に係る図柄表示装置91には、図9に示すように、飾図を変動表示可能な図柄表示列Z1,Z2,Z3が複数列設定されており、第1始動口84a又は第2始動口84bへの入賞を契機として、各図柄表示列Z1,Z2,Z3において飾図が変動開始されるようになっている。また、各図柄表示列Z1,Z2,Z3には、飾図の有効停止位置が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄表示列Z1,Z2,Z3の有効停止位置を組み合わせた停止図柄有効ラインLに停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、本実施形態の図柄表示装置91には、3列の図柄表示列Z1,Z2,Z3が左右横並び状に設定されると共に、各図柄表示列Z1,Z2,Z3毎に飾図の有効停止位置が1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、本実施形態の図柄表示装置91には、1つの停止図柄有効ラインLが設定されている。以下の説明では、左側から順に図柄表示列Z1、図柄表示列Z2、図柄表示列Z3という場合がある。
また、図柄表示装置91の各図柄表示列Z1,Z2,Z3における飾図の表示領域は、第1結果表示部93a及び第2結果表示部93bに比較して大きな領域で構成されており、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置91の停止図柄有効ラインLに停止表示された図柄組み合わせから大当たりであるか、外れであるかを視認できる。
図柄表示装置91は、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(本実施形態では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するようにして変動表示が行うように構成されており、変動表示されている飾図が各図柄表示列Z1,Z2,Z3の有効停止位置に予め定められた停止順序で停止表示されるようになっている。また、図柄表示装置91は、図柄変動演出が終了する前に各図柄表示列Z1,Z2,Z3の有効停止位置に飾図を一時的に仮停止表示し、各図柄表示列Z1,Z2,Z3の飾図を停止表示することで1回の図柄変動演出が終了する。すなわち、図柄変動演出(特図1変動表示及び第2特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1及び特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。
ここで、「変動表示」とは、各図柄表示列Z1,Z2,Z3において、有効停止位置に表示される飾図が所定順序で変化している状態のことである。また、飾図の「確定停止」とは、各図柄表示列Z1,Z2,Z3において有効停止位置に飾図が所定の特図変動インターバル時間(例えば、600ms(ミリ秒))の間、継続して停止表示された状態のことである。また、飾図の「仮停止」とは、各図柄表示列Z1,Z2,Z3において有効停止位置に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間の間、継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態が含まれる。
また、第1結果表示部93aと図柄表示装置91では、特図1変動表示と該特図1変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2結果表示部93bと図柄表示装置91では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1結果表示部93a及び第2結果表示部93bは、特図変動表示が同時に行われることはなく、第1結果表示部93a又は第2結果表示部93bのどちらか一方で特図変動表示が行われている場合、他方の特図変動表示は行われない。
ここで、本実施形態に係る図柄表示装置91には、各図柄表示列Z1,Z2,Z3に「0」~「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該飾図が各図柄表示列Z1,Z2,Z3で順番に変動表示されるようになっている。なお、図柄表示装置91における図柄の変動表示の態様は、これに限定されることはなく任意である。例えば、図柄列の列数、各図柄列のスクロールの方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、各図柄列の図柄は、数字のみの態様に代えて、絵と数字とを組み合わせた態様としてもよく、絵のみの態様としてもよい。また、飾図には、大当たり遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当たり遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。
ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。例えば、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄や「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とすることもできる。このように、遊技者は、図柄表示装置91における各図柄表示列Z1,Z2,Z3の有効停止位置(停止図柄有効ラインL)に確定停止表示された各図柄表示列Z1,Z2,Z3の飾図によって当たり遊技が付与されるか否かを把握し得るようになっている。本実施形態では、当たりの図柄組み合わせとして、各図柄表示列の有効停止位置に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「1・1・1」、「2・2・2」等)が設定されている。
この大当たりを認識できる飾図の図柄組み合わせが、当たり表示結果となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。一方で、図柄表示装置91の有効停止位置に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合、その図柄組み合わせから、原則的には大当たり遊技が付与されない「外れ」であることを認識できる。この外れを認識できる飾図の図柄組み合わせが、外れ表示結果となる。
また、図柄表示装置91には、第1結果表示部93a及び第2結果表示部93bでの特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1結果表示部93a及び第2結果表示部93bに表示される特図と、図柄表示装置91に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1結果表示部93a及び第2結果表示部93bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置91の各図柄表示列Z1,Z2,Z3に飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、必ずしも特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせを一対一とする必要はなく、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせを対応させるようにしてもよい。
センターフレーム92は、図柄表示装置91の左下側の領域に設けられた第1保留ランプ部95aと、図柄表示装置91の右下側の領域に設けられた第2保留ランプ部95bと、図柄表示装置91の上側の領域に設けられた第3保留ランプ部96とを備えている。
<保留ランプ>
第1保留ランプ部95aは、第1始動口84aに入賞した遊技球の保留個数を表示するLEDを備え、遊技球の保留個数と同じ数だけLEDが点灯する。パチンコ機10は、遊技球を最大4個まで保留することができる。このため、第1保留ランプ部95aが備えるLEDの数も、遊技球の最大保留個数と同じ4つとなっている。また、第1保留ランプ部95aは、第1結果表示部93a及び図柄表示装置91の変動表示に対応している。つまり、第1保留ランプ部95aで表示される保留数は、第1始動口84aへ遊技球が入賞することで1加算され、第1結果表示部93aの変動表示が行われる毎に1減算される。
第2保留ランプ部95bは、第2始動口84bに入賞した遊技球の保留個数を表示するLEDを備え、遊技球の保留個数と同じ数だけLEDが点灯する。パチンコ機10は、遊技球を最大4個まで保留することができる。このため、第2保留ランプ部95bが備えるLEDの数も、遊技球の最大保留個数と同じ4つとなっている。また、第2保留ランプ部95bは、第2結果表示部93b及び図柄表示装置91の変動表示に対応している。つまり、第2保留ランプ部95bで表示される保留数は、第2始動口84bへ遊技球が入賞することで1加算され、第2結果表示部93bの変動表示が行われる毎に1減算される。
第3保留ランプ部96は、各スルーゲート85に入賞した遊技球の保留個数を表示するLEDを備え、遊技球の保留個数に応じてLEDが点灯する。この第3保留ランプ部96は、パチンコ機10は、遊技球を最大4個まで保留することができる。このため、第3保留ランプ部96が備えるLEDの数も、遊技球の最大保留個数と同じ4つとなっている。また、第2保留ランプ部95bは、役物用表示部94の変動表示に対応している。つまり、第3保留ランプ部96で表示される保留数は、各スルーゲート85へ遊技球が入賞することで1加算され、役物用表示部94の変動表示が行われる毎に1減算される。
なお、パチンコ機10は、各保留ランプ部95a,95b,96のLEDを点灯させることにより、遊技球の保留数を報知するように構成されているが、図柄表示装置91に画像として、第1始動口84a、第2始動口84b及び各スルーゲート85に入賞した遊技球の保留数を報知する等の他の構成であってもよい。また、パチンコ機10は、各保留ランプ部95a~96が各々備えるLED数は、最大保留数4に対応して4つとしているが、例えば、2つのLEDを並設し、保留数が「1」~「2」の場合LEDを左又は右から順に「点灯」し、保留数が「3」~「4」の場合左又は右から順に「点滅」することで、保留数を遊技者へ報知するようにしてもよい。
遊技球発射機構110は、図7に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている(図3参照)。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の下方には、内外(すなわち前後方向)に貫通する略矩形状の開口部71cが形成されている(図5参照)。この開口部71cには内枠13の開放を監視する第2監視装置290が嵌まっている。第2監視装置290についての詳細は後述する。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部(図3参照)121が設けられている。通路形成部121には図10に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部225に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている(図6参照)。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124(図10参照)が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、内枠13の背面構成について説明する。図10は内枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図10の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、内枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。また図4及び図10に示すように、内枠13の背面の左上側部には、裏パックユニット15の開放を検出する裏パックユニット開放検出器289が設けられている。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図10の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を内枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図11は遊技盤81を後方より見た斜視図、図12は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(不図示)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声発光制御装置400(図10~図12では不図示)と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声発光制御装置400が装着されている。
音声発光制御装置400は、後述する主制御装置300からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置500の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット(不図示)が設けられている。集合板ユニットには、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について図8を参照して説明すると、集合板ユニットには、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84(第1,第2始動口84a,84b)の遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
同様に入賞検知機構について図12を参照して説明すると、集合板ユニットには、遊技盤81表側の各一般入賞口82と対応する位置にそれぞれ検知センサ152が設けられている。また、可変入賞装置83と対応する位置に検知センサ153が設けられ、第1,第2始動口84a,84bに対応する位置に検知センサ154a,154bが設けられている。これら検知センサ152~154bにより遊技球の入賞がそれぞれ検知される。また、集合板ユニット外における可変表示ユニット86の右側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知する検知センサ155が設けられている。また、アウト口87と対応する位置に検知センサ156(図12参照)が設けられている。
図11に示すように遊技盤81の背面には、集合板ユニットを後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図13を用いて説明する。図13は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に後述する主制御装置300(図13では不図示)が搭載されている。主制御装置300は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図14は裏パックユニット15の正面図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203(図4参照)、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、内枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板(電力受入部又は外部電力受入部)229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203(図4参照)及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243(以下、電源・発射制御装置243ともいう)とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
基板ボックス244の右側には、外部端子板213が設けられている。外部端子板213には、パチンコ機10に発生した各種のエラー情報を出力するための出力端子、内枠13の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子等が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置(又はホールコンピュータ)に対して枠側の状態に関する信号が出力される。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
図3や図10等に示すように、内枠13の樹脂ベース71には、第1監視装置250及び第2監視装置290が装着されている。また、図4及び図10に示すように、内枠13の背面の左上側部には、裏パックユニット15の開放を検出する裏パックユニット開放検出器289が設けられている。第1監視装置250は内枠13の開閉先端側の上部に配置されており、この第1監視装置250によって前扉枠14の開放が監視されている。一方、第2監視装置290は内枠13の下部に配置されている。詳しくは、裏パックユニット15の閉状態で当該裏パックユニット15の下端縁よりも下方に配置されており、パチンコ機10の後方から視認可能となっている(図5参照)。この第2監視装置290により内枠13の開放が監視される。また、裏パックユニット開放検出器289により裏パックユニット15の開放が検出される。
図3や図10等に示すように、第1監視装置250及び第2監視装置290は、内枠13の樹脂ベース71に装着されている。第1監視装置250は内枠13の開閉先端側の上部に配置されており、この第1監視装置250によって前扉枠14の開放が監視されている。一方、第2監視装置290は内枠13の下部に配置されている。具体的には、第2監視装置290は、裏パックユニット15の閉状態で当該裏パックユニット15の下端縁よりも下方に配置されており、遊技機本体12の開放、換言すると内枠13の開放が監視されている。
第1監視装置250及び第2監視装置290は、同一の構成を有し、その取り付け方向及び付随して設けられている構成が相違している。従って、ここでは、第1監視装置250の構成についてのみ説明し、第2監視装置290の構成については省略する。
第1監視装置250は、図15及び図16に示すように、収容ケース体251と蓋用ケース体280とを備え、両ケース体251,280がビス等の締結具によって固定されていることによりハウジング252が形成される。ハウジング252(両ケース体251,280)は、光透過性を有する透明な合成樹脂材料等の材料からなり、ハウジング252内が視認可能となっている。このため、第1監視装置250の内部を容易に確認することができ、メンテナンス等の容易化が図られている。このように、第1監視装置250内部の確認が容易であるため、第1監視装置250の監視機能を阻害するなどの不正行為の発見が容易となっている。
第1監視装置250は、収容ケース体251を前側、蓋用ケース体280を後側として樹脂ベース71の上側隅部に配置されている。このように配置された状態で、ボルト等の締結具によって樹脂ベース71の背面に固定されている。
収容ケース体251は、天板部253,底板部254,前板部255,左側板部256及び右側板部257を有し、内枠13の開閉先端側の上部に取り付けられた際にパチンコ機10の後方側が開放された箱状に形成されている。前板部255は樹脂ベース71の背面と略平行をなしている。前板部255には、天板部253との境界から上方に延びる上側延出部258と、底板部254との境界から下方に延びる下側延出部259とが形成されており、両延出部258,259が樹脂ベース71の背面に当接している。
両延出部258,259には、樹脂ベース71に形成された円柱状のボス部が嵌まる丸孔258a,259aがそれぞれ設けられている。そして丸孔258a,259aにそれぞれ円柱状のボス部が嵌まることで第1監視装置250の上下及び左右方向の位置決めがなされる。
また、前板部255の下部には前方に段差状に張り出した張出部260が形成されており、樹脂ベース71には、張出部260に対応する開口部71bが形成されている。また、開口部71bは前後方向に貫通した貫通孔であり、その内周形状は張出部260の外周形状と略同一となっている。張出部260が開口部71bに嵌まることで、樹脂ベース71と第1監視装置250との境界部位がクランク状をなす構成となっている。これにより、開口部71bと張出部260の境界部位から不正具等が挿入されるといった不都合を抑制している。更に、樹脂ベース71の前面と張出部260の前面とはほぼ同一面上になるようにそれぞれの寸法が設定されており、張出部260は樹脂ベース71よりも前方に突出しない構成となっている。このため、メンテナンス作業等の際に張出部260が引っ掛かることで、第1監視装置250の配置位置がずれるといった不都合が防止される。
ハウジング252の内部(より具体的には、収容ケース体251の内部)には、前扉枠14の開閉状態を検出する検出装置265と、電力が供給されることで継続的に動作する動作機構275とが設置されている。
検出装置265は、樹脂ベース71の開口部71bの後方、すなわち張出部260の後方に配置されている。より具体的には、収容ケース体251の内部における前扉枠14の回動先端側に配置されている。検出装置265は、光を射出する発光素子266(フォトダイオード)と、発光素子266からの光を受ける受光素子267(フォトトランジスタ)と、発光素子266及び受光素子267を収容する収容体268とを備えている。
収容体268は、略直方体状の本体部269と、本体部269の下部にて左右方向に突出する突出部269a,269bとを有する。収容体268は、前面が前板部255と平行となるように配置されている。各突出部269a,269bは、底板部254と平行な板状に形成されており、収容ケース体251に形成された第1ガイド溝270に各突出部269a,269bが嵌まる(挿入される)ことで検出装置265が収容ケース体251に装着される。
第1ガイド溝270は、互いに対向するとともに前後方向に延びており、その後端部においてはパチンコ機10の後方に開放されており、この第1ガイド溝270に突出部269a,269bが挿入されることで、突出部269a,269bの外周面と第1ガイド溝270の内周面とが接触し、検出装置265の上下方向及び左右方向の移動が規制される。
また、第1ガイド溝270の前部には収容体268が当たる当接部271が設けられている。当接部271は、収容ケース体251の内方に隆起しており、底板部254の内面に平行な上側当接面271a及び前板部255の内面に平行な後側当接面271bを有している。第1ガイド溝270に沿って検出装置265が押し込まれた際には、収容体268と後側当接面271bとが当接する。これにより、検出装置265の前方への移動が規制される。このように前方への移動が規制なされた状態においては、収容ケース体251の前板部255と検出装置265との間に所定の隙間が確保されている。収容体268は、上述の如く前方,左右方向,上下方向の各方向への移動が規制された状態で、収容ケース体251にビス等の締結具によって固定される。
収容体268の本体部269には前後方向に貫通する貫通孔269c,269dが所定の間隔を隔てた状態で左右に並設されている。各貫通孔269c,269dには、それぞれ発光素子266及び受光素子267が発光部位及び受光部位を前方に向けた状態で嵌め込まれている。各貫通孔269c,269dは、当接部271によって各素子272,273間での光の通過が遮られないように、上側当接面271a(当接部271)よりも上方に配置されている。より具体的には、発光素子266から発せられた光は、当接部271によって遮られることなく収容ケース体251から射出され、前扉枠14の背面に向かって照射される。また、貫通孔269c,269dの中心軸線は前板部255と直交しており、両素子266,267の中心軸線も前板部255と直交している。このため、発光素子266からの光が前板部255に入射することで、屈折したり反射したりしにくくなっている。
図6に示すように、検出装置265の前方、すなわち前扉枠14の背面側には、発光素子266からの光を受光素子267に向かって反射する光反射部材274が設けられている。光反射部材274は、前扉枠14に形成された収容凹部14aに収容された状態で、ビス等の締結具によって前扉枠14に固定されており、前扉枠14の背面からの突出が抑えられている。
光反射部材274は光透過性を有するガラス製のプリズムにより構成されている。前扉枠14が開放されていない状態、換言すると前扉枠14が閉まっている状態では、発光素子266からの光は、光反射部材274により反射され、その反射光は受光素子267により受光される。
一方、前扉枠14が開放された状態、換言すると前扉枠14が閉まっていない状態では、前扉枠14が開放されることにより光反射部材274の位置がずれる。このたため、発光素子266からの光は、光反射部材274により反射される方向がずれ、その反射光は受光素子267により受光されない。
次に、動作機構275について詳細に説明する。図15及び図16に示すように、動作機構275は、検出装置265の側方に配置されており、その主要な構成として、動作機構275の動力源として設けられたソレノイド276と、そのソレノイド276に挿通された動作軸277とを備えている。
ソレノイド276は、上下方向に延びる略円筒状に形成され、その上部には収容ケース体251への取付部278が設けられている。取付部278は、収容ケース体251の天板部253と平行な板状に形成され、天板部253及び左側板部256に形成された第2ガイド溝279に嵌まっている。これら第2ガイド溝279は、互いに対向するとともに前後方向に延びており、その後端部がパチンコ機10の後方に開放されている。第2ガイド溝279の後端側から取付部278を挿入し、ソレノイド276を押し込むことで、動作機構275の装着がなされる。このように、取付部278が第2ガイド溝279に挿入されることで、取付部278の外周面と第2ガイド溝279の内周面とが接触する。これにより、動作機構275の上下方向及び左右方向の移動が規制されている。動作機構275を第2ガイド溝279に沿って押し込むことで、取付部278と収容ケース体251の前板部255とが当接し、パチンコ機10前方への移動が規制される。動作機構275は、このように各方向への移動が規制された状態で、ビス等の締結具によって収容ケース体251に固定されている。なお、本実施形態においては、動作機構275の装着作業性向上のため、第2ガイド溝279を設ける構成としたが、これらを設けない構成としてもよい。
動作軸277は上下方向に延びる鉄製の円柱部277aを有している。その円柱部277aの大部分がソレノイド276の内部に収容された状態となっている。円柱部277aの中心軸線とソレノイド276の中心軸線とが重なっており、動作軸277はソレノイド276の中心軸線方向に移動可能となっている。動作軸277の下端部はソレノイド276の外部に突出しており、その下端部には板状の遮蔽部277bと、動作軸277から遮蔽部277bをパチンコ機10の前方にオフセットするクランク部277cとが一体成形されている。なお、本実施形態においては動作軸277の円柱部277a、遮蔽部277b及びクランク部277cを一体成形したが、それらを個々に成形することも可能である。例えば、円柱部277aのみを鉄製とし、遮蔽部277b及びクランク部277cを合成樹脂製とするとよい。
遮蔽部277bは、前板部255と略平行に形成されており、動作軸277の上下動に追従して、前板部255と平行に移動する。また、遮蔽部277bはクランク部277cによって検出装置265よりも前側となるように配置されており、検出装置265と前板部255との間に形成された空間によってその作動のための隙間隙(作動隙)が確保されている。遮蔽部277bの下端部は、その下限位置において前記上側当接面271aと当接する。このような当接状態では、遮蔽部277bは、パチンコ機10の正面視において、受光素子267と重なる構成となっている。換言すると、受光素子267の前側を覆った状態となっている。一方、遮蔽部277bが上限位置にある状態では、遮蔽部277bの下端部は、受光素子267よりも上方となるように設定されている。換言すると、受光素子267の前側を覆わない状態となっている。他の光源からの光が遮蔽部277bにて反射し、受光素子267に到達するといった不具合が生じないように、遮蔽部277bには光を吸収する塗料(光反射率の低い塗料)が塗付されている。なお、本実施形態においては、遮蔽部277bが受光素子267にのみ重なる構成としたが、発光素子266に重なる構成としてもよいし、受光素子267及び発光素子266の両素子に重なる構成としてもよい。
本実施形態では、動作軸277はソレノイド276に電力が供給されている状態では動作範囲の上限位置、換言すると検出装置265の前面を覆わない位置(以下、第1位置ともいう)にて保持される。ここで、ソレノイド276の出力は、通電状態において動作軸277を重力に抗して持ち上げることができる程度に大きく設定されている。一方、電力の供給が停止されている状態では動作軸277が自重で下がり、動作範囲の下限位置、換言すると検出装置265の前面を覆う位置(以下、第2位置ともいう)にて保持される。より具体的には、遮蔽部277bが上側当接面271aに当接することで、動作軸277は第2位置にて保持された状態となる。すなわち、動作軸277においては電力供給の有無により、第1位置と第2位置との間でその保持位置が変化する。換言すれば、動作軸277の位置切り替えに伴い、遮蔽部277bの位置が第1位置及び第2位置間で切り替わる。
第1位置における遮蔽部277bの下端部と、第2位置における遮蔽部277bの上端部との間には所定の隙間領域が設定されている。換言すると、動作軸277の動作距離寸法は遮蔽部277bの軸線方向の長さ寸法よりも大きく設定されており、その隙間領域とパチンコ機10の正面視において重なる前板部255(詳しくは張出部260)の一部には、内外(すなわちパチンコ機10の前後方向)に貫通する挿通孔260aが形成されている。前扉枠14の背面には、図6に示すように、その挿通孔260aに挿通可能な突起14bが設けられている。突起14bは前扉枠14と一体成形されており、パチンコ機10の後方に延出している。突起14bの先端は遮蔽部277bの後端部よりも若干後方に位置している。上述の如く突起14bは前扉枠14に設けられているため、前扉枠14の回動に伴って移動する。すなわち、突起14bは、前扉枠14が内枠13に閉じた状態では挿通孔260aに挿通された状態となり、前扉枠14が所定量以上開放された状態では挿通孔260aに挿通されていない状態となる。
突起14bが挿通孔260aに挿通された状態、すなわち前扉枠14が閉じている状態では、遮蔽部277bと突起14bとが当たることで、遮蔽部277bの第1位置及び第2位置の両位置間での移動が規制される。より具体的には、遮蔽部277bが第1位置にある状態で、突起14bが挿通孔260a挿入されている場合、遮蔽部277bの第2位置への移動は規制される。また、遮蔽部277bが第2位置にある状態で、突起14bが挿入されている場合、遮蔽部277bの第1位置への移動が規制される。
なお、上述のように前扉枠14は内枠13に対して回動可能に設けられている。このため、前扉枠14の鉤金具63と軸受け金具132とが係止状態となる前の段階では、突起14bと遮蔽部277b及び挿通孔260aとの相対位置がばらつく可能性がある。このため、それら突起14b等が引っ掛かることで、前扉枠14の閉作業が妨げられることが懸念されるが、突起14bは両位置にある状態での遮蔽部277bと所定の隙間を有しているとともに、挿通孔260aはパチンコ機10の前方に向かって幅広となるテーパ形状を有している。この結果、突起14b挿入時の引っ掛かりが抑制され、前扉枠14閉時の作業性が担保されている。
次に、突起14bと遮蔽部277bとの相対関係について詳細に説明する。前扉枠14が閉じている状態において、突起14bの後端は遮蔽部277bの後端部よりも若干後方に突出している。このため、前扉枠14の前後方向位置が若干ばらついたとしても突起14bの機能が担保される構成となっている。前扉枠14を開放する際には、所定の角度以上に開放することで、突起14bが遮蔽部277bとパチンコ機10の平面視で重ならない位置まで移動する。これにより遮蔽部277bの移動制限(規制)が解除される。
また、内枠13の周縁部にはパチンコ機10の前方、すなわち前扉枠14に向かって延びる開口フランジ13aが一体成形されている。この開口フランジ13aによって、内枠13の周縁部と前扉枠14の周縁部とがパチンコ機10の側面視及び平面視において重なる構成となっている。このように両者が重なる構成とすることで、内枠13と前扉枠14との境界部位から不正具等が挿入されるといった不都合を抑制している。なお、突起14bと遮蔽部277bとの重なり量は、開口フランジ13aと前扉枠14との重なり量よりも小さく設定されている。より具体的には、遮蔽部277bの前面から突起14bの後端部までの前後方向の距離寸法は、開口フランジ13aの前端縁から前扉枠14の後端縁までの前後方向の距離寸法よりも、小さく設定されている。このため、前扉枠14が回動し、突起14bと遮蔽部277bとが重ならない状態に移行した際には、開口フランジ13aによって内枠13と前扉枠14との境界部位が露出しない。すなわち、内枠13と前扉枠14との境界部位から内枠13の前面が視認可能となる位置では、突起14bによる遮蔽部277bの移動制限が解除された状態となるように構成されている。
次に図15及び図16を用いて、前記蓋用ケース体280の主要な構成について説明する。蓋用ケース体280は、天板部281,底板部282,背板部283,左側板部284及び右側板部285を有し、パチンコ機10の前方に開放された箱形状となっている。蓋用ケース体280の開放された部位には、収容ケース体251の後端開口縁が収容されている。蓋用ケース体280の内部には、検出装置265等とハーネス(不図示)によって電気的に接続された中継基板286が配置されている。中継基板286は背板部283と平行な略板状をなし、背板部283の内面にビス等の締結具によって固定されている。
中継基板286の後方、すなわち背板部283における中継基板286と対向する部位には、内外に貫通する連通孔287が形成されている。この連通孔287の後方にはコネクタ288が配置されている。換言すると、連通孔287を挟んで中継基板286とコネクタ288とが対向して設けられており、それら中継基板286及びコネクタ288がハーネス等(不図示)により電気的に接続されている。コネクタ288はその挿入口をパチンコ機10の後方に向けた状態でビス等の締結具によって背板部283の背面に固定されている。そして、コネクタ288を介してハーネス(不図示)により第1監視装置250と主制御装置300とが電気的に接続されている。なお、本実施形態においては上述のように蓋用ケース体280が光透過性を有する構成とすることで、第1監視装置250に対する不正等の確認を容易なものとしている。しかしながら、蓋用ケース体280が、光透過性を有さない構成とすることも可能である。この場合、蓋用ケース体280を、例えば不透明性を有する合成樹脂材料や、アルミ等の軽金属材料によって形成するとよい。
次に、パチンコ機10に電力が供給されている状態での前扉枠14の開放検出について説明する。
第1監視装置250に電力が供給されている状態、すなわちソレノイド276が通電されている状態においては、ソレノイド276が励磁される。これにより、動作軸277が第1位置に保持された状態となっている。かかる状態においては、受光素子267の前方に遮蔽部277bが存在せず、発光素子266から発せられた光は光反射部材274を介して受光素子267に到達する。受光素子267に光が到達することで受光信号が中継基板286に出力される、この受光信号を読み取ることで前扉枠14が閉じた状態にあることが検出される。
第1監視装置250に電力が供給されている状態で前扉枠14を開放すると、両素子266,267と光反射部材274との相対位置が変化する。この場合、発光素子266から射出された光は光反射部材274に到達しなくなるか、仮に光反射部材274に到達したとしても、その反射光が受光素子267以外の部位に向かって射出される。このため、発光素子266からの光は受光素子267に届かなくなる。故に、所定の受光信号が出力されなくなる。そして、この受光信号の変化を読み取ることで前扉枠14が閉じた状態にあることが検出される。
このように、電力が供給されている状態における前扉枠14の開放を検出可能とすることでホールの営業中に行なわれる前扉枠14の不正開放を抑制することができる。結果、パチンコ機10に対する不正の抑制に貢献することができる。
また、閉店や停電等により第1監視装置250に対する電力の供給が停止すると、ソレノイド276への電力の供給が止まるため励磁状態が解除される。この場合、動作軸277及び遮蔽部277bが自重により下方に移動し、突起14bに当接する。遮蔽部277bは突起14bに当接することで、その下方への移動が制限された状態となり、第2位置への移動が規制される。この状態のまま、再び電力の供給が開始されると、ソレノイド276が励磁状態となり、自重作用に勝ることで動作軸277は上方へ持ち上げられる。この場合、発光素子266からの光は受光素子267に到達可能であるため、前扉枠14が閉じた状態にあることを検出することができる。このようにして、電力供給が停止している間に前扉枠14が開放されなかったことが検出される。
次に、電力の供給が停止している間に前扉枠14が開閉された場合について説明する。
前扉枠14の開放に伴い突起14bが第1監視装置250から離間することで、遮蔽部277bは支えを失い自重により下方(すなわち第2位置)へと移動する。遮蔽部277bは下方へ移動した際に上側当接面271aに当接し、それ以上の下向への移動が制限される。この状態で前扉枠14が再び閉じられると、突起14bが元の位置(突起14bが挿通孔260aに挿通された状態)に復帰するため遮蔽部277bの上方への移動が規制される。この状態では、遮蔽部277bは受光素子267の前方に位置しているとともに、突起14b及び上側当接面271aによってその上下方向の移動が規制された状態となる。このように遮蔽部277bを第2位置から移動不能とすることで、前扉枠14の開放が行われた事実が機械的に保存される。
遮蔽部277bの第2位置からの移動が規制されている状態で電源の供給が開始されると、ソレノイド276が励磁され、遮蔽部277bが上方(すなわち第1位置)に移動しようとする。しかしながら、遮蔽部277bは突起14bに当たり、その移動が妨げられる。すなわち、遮蔽部277bによって受光素子267が覆われたままの状態が継続される。電力の供給が開始されることで、発光素子266が発光を開始する。発光素子266から発せられた光は、光反射部材274を介して受光素子267に向かって照射される。しかしながら、受光素子267の前方に位置している遮蔽部277bによって、受光素子267への光の到達が遮られる。このため、受光信号の出力が抑えられ、前扉枠14が開放された状態にあることが検出される。実際には、前扉枠14は閉じた状態であるが、電源遮断時に開放されたことが検出される。
上述の如く、前扉枠14の電力遮断時の開放を検出した状態において、再び前扉枠14を開放することで、突起14bが第1監視装置250から離間し、遮蔽部277bが第1位置に移動する。すなわち、遮蔽部277bの移動規制が解除される。このように前扉枠14を操作することで、不正開放検出状態が解除され通常の状態に復帰する。また、このような構成とすることで、前扉枠14の開放により不正開放検出状態がリセットされるため、リセットスイッチ等を設ける必要が無く構成の簡略化に貢献できる。また、前扉枠14の開放は所定の操作(施解錠操作)によっておこなわれるため、不正開放検出状態が不正に解除されるといった不都合を抑制できる。
なお、第2監視装置290も第1監視装置250と同様に、収容ケース体251,蓋用ケース体280,検出装置265,動作機構275,中継基板286及びコネクタ288を備えており、第2監視装置290に対応する突起及び光反射部材が外枠11に設けられている。
上記説明では、第1監視装置250及び第2監視装置290は、電力が供給されていない電源遮断時においても前扉枠14及び内枠13が開放されたことが検出される構成(具体的には、動作機構275を備えている)となっている、しかしながら、電力が供給されていない電源遮断時に前扉枠14及び内枠13が開放されたことが検出される構成は本実施形態に必須の構成ではなく、電力が供給されている状態において前扉枠14及び内枠13が開放されたことが検出される構成となっていればよい。具体的には、本実施形態においては、第1監視装置250及び第2監視装置290は、前扉枠14若しくは内枠13の開閉状態を検出する検出装置265を備えていればよい。
なお、上記説明では、検出装置265が発光素子266と受光素子267とを備え、発光素子266が発光した光を光反射部材274で反射し、この反射光を受光素子267で受光できるか否かにより、前扉枠14及び内枠13の開閉状態を検出する構成となっている。しかしながら、本実施形態では、前扉枠14及び内枠13の開閉状態を検出することができればよい。このため、例えば、発光素子266と受光素子267とをそれぞれ樹脂ベース71及び前扉枠14の背面側の対向する位置に設け、前扉枠14を閉じた状態では、発光素子266が発光した光を受光素子267で受光でき、前扉枠14を開放した状態では、発光素子266が発光した光を受光素子267で受光できないように構成してもよい。なお、内枠13の開閉の検出についても同様に、発光素子266と受光素子267とをそれぞれ樹脂ベース71及び内枠13の前面側の対向する位置に設け、内枠13を閉じた状態では、発光素子266が発光した光を受光素子267で受光でき、内枠13を開放した状態では、発光素子266が発光した光を受光素子267で受光できないように構成してもよい。
さらに、本実施形態では、発光素子266及び受光素子267の光学素子を利用して前扉枠14及び内枠13の開閉を検出しているが、他の手法により、前扉枠14及び内枠13の開閉を検出するようにしてもよい。例えば、発光素子266の代わりに超音波発振素子を設け、受光素子267の代わりに超音波受信素子を設けて、前扉枠14及び内枠13の開閉を検出するようにしてもよい。さらに、発光素子266の代わりに磁石を設け、受光素子267の代わりに磁気センサを設けて、前扉枠14及び内枠13の開閉を検出するようにしてもよい。また、図4及び図10に示すように、本実施形態に係るパチンコ機10には、裏パックユニット15の開放を検出する裏パックユニット開放検出器289が設けられているが、裏パックユニット15の開放を検出する仕組みは種々のものを採用することができる。例えば、第1監視装置250及び第2監視装置290と同様に、発光素子266及び受光素子267の光学素子を利用して裏パックユニット15の開閉を検出してもよいし、発光素子266の代わりに超音波発振素子を設け、受光素子267の代わりに超音波受信素子を設けて、裏パックユニット15の開閉を検出するようにしてもよい。さらに、発光素子266の代わりに磁石を設け、受光素子267の代わりに磁気センサを設けて、裏パックユニット15の開閉を検出するようにしてもよいし、機械式の接触センサを設けるようにしてもよい。
<電気的構成>
図17は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機10は、図17に示すように、主制御装置300と、音声発光制御装置400と、表示制御装置500とを備える。これらの装置は、内枠13の背面側に搭載されている。また、パチンコ機10は、前述した払出装置224に遊技球の払い出しをさせる払出制御を実行する払出制御装置242、パチンコ機10へ必要な電力を供給するとともに、遊技球発射機構110を制御する電源・発射制御装置243とを備え、これらの装置は、裏パックユニット15に搭載されている。
主制御装置300は、パチンコ機10の主な制御(主制御)を司る主制御基板301と、電源を監視する停電監視基板303とを備えている。なお、主制御装置300は、主制御基板301などを収容する基板ボックスを備えている。この基板ボックスは、その開放に際して痕跡を残す痕跡構造を備えていてもよい。具体的には、痕跡手段としては、複数のケース体を結合することによって基板ボックスを構成し、各ケース体の分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)を設ける構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成などを採用することができる。また、痕跡構造としては、これらのケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成などを採用することができる。
主制御基板301は、主制御基板301に実装されたMPU(Micro-Processing Unit)302と、このMPU302を構成しているROM(Read Only Memory)312及びRAM(Random Access Memory)313とを備えている。MPU302は、ROM312及びRAM313の他、CPU、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、及び乱数発生器としてのカウンタ回路などを1チップ化した半導体素子であり、いわゆるワンチップマイコンと呼ばれるものである。なお、本実施形態では、ROM312及びRAM313は、MPU302に対して1チップ化されているが、ROM312、RAM313が個別にチップ化された構成としてもよい。また、ROM312とRAM313とは、物理的に分離された個別のメモリとしているが、物理的に分離していない一つのメモリとし、論理アドレスによりROM312の領域とRAM313の領域を設けるようにしてもよい。この場合、例えば、RAM内の特定領域を書き込み禁止としてROMの機能を持たせるようにしてもよい。主制御装置300以外の他の制御装置のMPUについても同様である。
ROM312は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、MPU302の主記憶装置として利用される。ROM312は、記憶している情報(データ)の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性メモリであり、書き込みを行うことができない半導体素子である。このROM312は、論理アドレスにより論理的に分離された複数のエリア(領域)を有しており、例えば、当否テーブル記憶エリア、振分テーブル記憶エリア、リーチ用テーブル記憶エリア、変動用テーブル記憶エリアなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
RAM313は、任意に情報の書き込み及び消去が可能な半導体メモリである。RAM313は、ROM312に記憶された制御プログラムを読み出して実行する際に、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性メモリである。このRAM313は、論理アドレスにより論理的に分離された複数のエリア(領域)を有しており、例えば、各種カウンタエリア、保留球格納エリア、電役保留エリア、停止結果格納エリアなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。なお、本実施形態では、RAM313として、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリを用いているが、RAM313としてMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)等の不揮発性メモリを用いるようにしてもよい。なお、本実施形態では、RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243に設けられた電源・発射制御基板からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
MPU302は、入力ポート(不図示)及び出力ポート(不図示)を備えている。MPU302の入力ポートは、主制御装置300に設けられた停電監視基板303と、複数の検知センサ152~156とに接続されている。MPU302の出力ポートは、停電監視基板303と、払出制御装置242と、音声発光制御装置400とに接続されている。この音声発光制御装置400と、音声発光制御装置400に接続される表示制御装置500については後に詳細に説明する。また、MPU302の出力ポートは、第2始動口84bの開閉部材84b1を開閉動作させる電動役物駆動部84b2と、可変入賞装置83の開閉扉83bを開閉動作させる可変入賞駆動部83cと、メイン表示部93と、役物用表示部94とに接続されている。
ここで、主制御基板301は、ドライバ回路(不図示)を有しており、MPU302は、このドライバ回路を通じて各種駆動部などの駆動制御を実行する。具体的には、電役開放状態では、MPU302は、電動役物駆動部84b2の駆動制御を実行して開閉部材84b1を開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU302は、可変入賞駆動部83cの駆動制御を実行して可変入賞装置83の開閉扉83bを開閉させる。また、各遊技回では、MPU302は、メイン表示部93の表示制御を実行して各始動口84a,84bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。さらに、MPU302は、役物用表示部94の表示制御を実行して各スルーゲート85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。
停電監視基板303は、主制御基板301と、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置243とを中継し、電源・発射制御装置243から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。MPU302は、停電監視基板303を介して電力(DC24V)を受給する。また、MPU302は、検知センサ152~156の検知結果に基づいて、各種入賞口82~84bや、アウト口87や、各スルーゲート85への入賞判定(入球判定)を行っている。MPU302は、第1始動口84a又は第2始動口84bへの入賞判定に基づいて、内部抽選を実行する。
払出制御装置242は、主制御装置300から送信されるコマンド(制御命令)に基づいて、払出装置224に賞球(入賞により得る遊技球のこと)や貸し球(遊技者に貸し出される遊技球)の払い出しをさせる払出制御を実行する。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。電源・発射制御装置243は、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板301や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するAC-DCコンバータを備え、その生成した動作電力を各装置へ供給する。なお、電源・発射制御装置243は、バックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部を備えている。この電断時用電源部は、パチンコ機10への電力供給が遮断された電断時において、主制御装置300のRAM313に記憶保持用の電力を供給する。
電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110に遊技球を発射させる発射制御を実行する。ここで、遊技球発射機構110は、遊技盤81の誘導レール103に向けて延びる発射レールと、上皿33に貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール103に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドとを備えている。電源・発射制御装置243、所定の発射条件(発射ハンドル41が回転操作されており、タッチセンサ41aがオンで、かつ発射停止スイッチ41bがオフのとき)が整っている場合に、このソレノイドに対して駆動信号(発射許可信号)を供給し、遊技球を発射させる。
なお、本実施形態では、パチンコ機10の遊技球発射機構110は、プランジャー型ソレノイドの直線的な伸縮動作によって遊技球を打ち出す方式を採用しているが、ロータリーソレノイドの回転軸に直結された打球槌が動作して遊技球を打ち出す形式であってもよいし、モータの回転に対して、別位置に支持された打球槌が動作して遊技球を打ち出す形式であってもよい。具体的には、モータにより遊技球を打ち出す方式では、モータと打球槌は別位置で支持されており、モータに接続されたカムが回転することで打球槌を動作させる。モータ(カム)によって動作した打球槌は、接続されたスプリング等の弾性によって逆方向に動作することで遊技球を打球して遊技盤81の遊技領域104へと打ち出す。また、ロータリーソレノイドにより遊技球を打ち出す方式では、電源・発射制御装置243からのパルスに応答して回転軸を回転させることによって遊技球を打球し、遊技盤81の遊技領域104へと遊技球が発射される。ロータリーソレノイドの回転軸に直結された打球槌は、遊技球の支持位置まで回転することで発射レール上の遊技球を打球し、遊技球が発射される。打球後はロータリーソレノイドのトルクが消失し、打球槌はストッパーに衝突した反動と、自重によって逆方向に回転し、ストッパー によって動作前の位置で停止する。また、プランジャー型ソレノイドにより遊技球を打ち出す方式では、プランジャー型ソレノイドの可動鉄芯に、直接打球槌を接続し、これの直線往復動作によって遊技球を打球し、遊技盤81の遊技領域104へと遊技球が発射される。また、プランジャー型ソレノイドは、ソレノイドへの通電によって打球槌を打ち出すタイプと、通電によって打球槌を後退させることでスプリングを圧縮し、スプリングの弾性によって打球槌を前進させ、遊技球を打球するもののどちらを用いるようにしてもよい。
また、遊技球発射機構110の球送り装置は、メカ式又はマグネット式のどちらあっても構わない。メカ式の場合、打球槌を駆動するモータの動力を使用して球送り装置を動作させる。メカ式の場合、打球槌と球送り装置の駆動源が同一となっているため、簡易な構造で、打球のタイミングに応じて発射レールへと1球ずつ遊技球を発射レール上に供給することが可能である。また、マグネット式の場合、打球槌の動作とは別に、独立したソレノイドによって球送りを動作させ、1球ずつ球技球を発射レール上へと供給する。マグネット式は、遊技球発射機構110がロータリーソレノイドやプランジャー型ソレノイドを用いて遊技球を発射する場合に採用することが好ましい。
第1監視装置250、第2監視装置290及び裏パックユニット開放検出器289は、内蔵された中継基板(不図示)を介して主制御基板301に接続されている。第1監視装置250、第2監視装置290及び裏パックユニット開放検出器289は、主制御基板301から電力の供給を受けて作動する。
<内部抽選>
図19は、内部抽選に用いられる各カウンタの内容を示す図である。「内部抽選」とは、遊技盤に設けた始動入賞口(第1,第2始動口84a,84b)への遊技球の入賞を契機に遊技者に有利な特定遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの抽選のことである。MPU302は、図19に示すように、各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4の値(情報)を用いることによって内部抽選などを実行する。具体的には、MPU302は、大当たり発生の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用し、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり種別カウンタC2を使用し、リーチ表示を発生させるか否かの抽選にリーチ乱数カウンタC3を使用する。また、MPU302は、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に乱数初期値カウンタCINIを使用し、メイン表示部93及び図柄表示装置91における表示継続時間の決定に変動種別カウンタCSを使用する。さらに、MPU302は、第2始動口84bの開閉部材84b1を開放状態とするか否かの抽選に電動役物開放カウンタC4を使用する。なお、各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、RAM313の各種カウンタエリア(図19参照)に設けられている。
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、更新の都度、前回値に1が加算(インクリメント)され、所定の最大値に達した後、0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは、定期的(例えば、4msec毎)に更新される。更新された値は、RAM313の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納される。抽選カウンタ用バッファに格納された値のうち、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の各値は、第1始動口84a又は第2始動口84bに遊技球が入賞したタイミングでRAM313に取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリア(図19参照)に格納される。また、抽選カウンタ用バッファに格納された値のうち、電動役物開放カウンタC4の値は、各スルーゲート85に遊技球が入賞したタイミングでRAM313の電役保留エリア(図19参照)に格納される。
保留球格納エリアは、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEとを備えている。
第1取得情報記憶手段として設けられた第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリアRa1~第4エリアRa4の4つの記憶エリアを備えている。各エリアRa1~Ra4は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の各値の組をそれぞれ1組ずつ格納可能な記憶容量に設定されている。MPU302は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の各値の組を保留情報として第1始動口84aへの遊技球の入賞に合わせて各エリアRa1~Ra4に時系列的、すなわち先に取得した値から各エリアRa1~Ra4に順次に格納していく。具体的には、MPU302は、第1始動口84aへの入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4の順に保留情報を格納する。
本実施形態では、第1結果表示部用保留エリアRaは、4つの記憶エリアを備えているので、第1始動口84aへの遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。また、第1結果表示部用保留エリアRaは、保留されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の各値の組の数である保留個数を書き込むための記憶エリアが設けられている。なお、第1始動口84aに係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、例えば、1~3個のいずれか、又は5個以上であってもよい。
第2取得情報記憶手段として設けられた第2結果表示部用保留エリアRbは、第1エリアRb1~第4エリアRb4の4つの記憶エリアを備えている。各エリアRb1~Rb4は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の各値の組をそれぞれ1組ずつ格納可能な記憶容量に設定されている。MPU302は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の各値の組を保留情報として第2始動口84bへの遊技球の入賞に合わせて各エリアRb1~Rb4に時系列的、すなわち先に取得した値から各エリアRb1~Rb4に順次に格納していく。具体的には、MPU302は、第2始動口84bへの入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRb1→第2エリアRb2→第3エリアRb3→第4エリアRb4の順に保留情報を時系列的に格納していく。
本実施形態では、第2結果表示部用保留エリアRbは、4つの記憶エリアを備えているので、第2始動口84bへの遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、保留されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の各値の組の数である保留個数を書き込むための記憶エリアが設けられている。なお、第2始動口84bに係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、例えば、1~3個のいずれか、又は5個以上であってもよい。
実行エリアAEは、各結果表示部461,462の変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された保留情報を移動させるためのエリアである。
電役保留エリアは、4つの記憶エリアを備えているので、各スルーゲート85への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。なお、パチンコ機10は、2つのスルーゲート85を備えているが、どちらのスルーゲート85に入賞したかに関係なく、一方のスルーゲート85に入賞すれば電役保留エリアにスルーゲート85への遊技球の入賞が保留される。なお、第2始動口84bに係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、例えば、1~3個のいずれか、又は5個以上であってもよい。
<各カウンタの説明>
次に、各カウンタの詳細について説明する。
<電動役物開放カウンタC4>
初めに、電動役物開放カウンタC4について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値250に達した後、0に戻ることによって、0~250の範囲内でループするループカウンタとなっている。電動役物開放カウンタC4は、定期的(例えば、4msec毎)に更新され、その更新された値は、各スルーゲート85に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM313の電役保留エリアに格納される。MPU302は、電役保留エリアに格納された電動役物開放カウンタC4の値に基づいて、第2始動口84bの開閉部材84b1を開放状態とするか否かの抽選(電動役物開放抽選)を実行する。
<サポートモード>
ここで、パチンコ機10は、第2始動口84bへの遊技球の入賞が可能となる開閉部材84b1の開放状態となる頻度が互いに異なる複数のモード(以下、サポートモード)を有している。具体的には、パチンコ機10は、開閉部材84b1を開放状態に設定する頻度が相対的に低い低頻度サポートモードと、開閉部材84b1を開放状態に設定する頻度が相対的に高い高頻度サポートモードとを有している。
低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードは、電動役物開放抽選において、電役開放状態に当選する確率は同一(例えば、共に4/5)であるが、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、電役開放状態に当選した際に、開閉部材84b1を開放状態に設定する回数が多く、開閉部材84b1を開放状態に設定する1回あたりの開放時間も長くなっている。また、高頻度サポートモードでは、1回の電役開放状態における各回の開放の間に、開閉部材84b1を閉鎖状態に設定する閉鎖時間は、1回あたりの開放時間よりも短くなっている。さらに、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、電動役物開放抽選を終えてから次回の電動役物開放抽選を行うまでに待機する時間として最低限確保される確保時間(役物用表示部94における1回の変動表示の継続時間)が短くなっている。
高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードと比較して、遊技球は、第2始動口84bに入賞しやすい状態となる。つまり、低頻度サポートモードでは、遊技球は、第2始動口84bよりも第1始動口84aに入賞する確率が高く、高頻度サポートモードでは、遊技球は、第1始動口84aよりも第2始動口84bに入賞する確率が高い状態となる。また、第2始動口84bへの入賞が検知センサ154bにより検知された場合、所定数(例えば、2個)の賞球の払い出しが実行されるので、高頻度サポートモードでは、遊技者は、遊技球をほとんど減らさずに遊技することができる。
なお、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードは、上記に限定されることはない。例えば、高頻度サポートモードは、電動役物開放抽選にて電役開放状態に当選する確率を低頻度サポートモードと比較して高くするように構成してもよい。また、例えば、複数種類の確保時間を用意し、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、短い確保時間を選択し易いように構成してもよく、選択される確保時間の平均を短くするように構成してもよい。さらに、開閉部材84b1を開放状態に設定する回数、開放時間、及び確保時間の各条件を組み合わせることによって、高頻度サポートモードは、開閉部材84b1を開放状態に設定する頻度を低頻度サポートモードと比較して相対的に高くするように構成してもよい。また、サポートモードの種類は、2種類に限定されることはなく任意であり、例えば、3種類以上であってもよい。
<大当たり乱数カウンタ>
次に、大当たり乱数カウンタC1について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値599に達した後、0に戻ることによって、0~599の範囲内でループするループカウンタとなっている。また、大当たり乱数カウンタC1は、1周ループするごとに、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値を初期値として読み込む。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様に0~599の範囲内でループするループカウンタである。
つまり、パチンコ機10は、大当たり乱数カウンタC1と乱数初期値カウンタCINIとを用いることにより、乱数の数列の最終値が発現したときの次の値(初期値)を偶発性のある値によって定めるプラス方式により大当たり抽選を行う。具体的には、大当たり乱数カウンタC1は、電源投入によって初期値である0から乱数が進行していき、最大値である599までカウントが進行すると、次の値が0とはならず、乱数初期値カウンタCINIから取得された値が初期値となる。ここで初期値として100が乱数初期値カウンタCINIから取得されたとすると、大当たり乱数カウンタC1は、100,101,102とカウントを進行していき599までカウントすると0に戻って99までカウントを進行すると、初期値を再度乱数初期値カウンタCINIランダムから取得する。つまり、この方式では、大当たり乱数カウンタC1が1周する毎に初期値が変更されることから、特定の乱数が出現するタイミングに周期性は表れないこととなる。
大当たり乱数カウンタC1は、定期的(例えば、4msec毎)に更新され、その更新された値は、第1始動口84a又は第2始動口84bに遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM313の保留球格納エリアに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値は、第1始動口84aに遊技球が入賞したタイミングでRAM313の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2始動口84bに遊技球が入賞したタイミングでRAM313の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、MPU302は、保留球格納エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、大当たり発生の抽選(当否抽選)を実行する。
図20は、大当たり発生に当選する乱数の値を示す図である。大当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たり発生に当選する乱数の値は、図20に示すように、当否情報群記憶手段として設けられたROM312の当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。
ここで、パチンコ機10は、大当たり発生に当選しにくい低確率モード(低確率状態)と、大当たり発生に当選しやすい高確率モード(高確率状態)との2つの当否抽選モードを有している。また、当否テーブルは、図20(a)に示す低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図20(b)に示す高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とを備えている。 MPU302は、これらの当否テーブルと、保留球格納エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値とを比較することによって、大当たり発生の抽選を実行する。
これらの当否テーブルは、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、及び「通常外れ結果」の複数の大当たり発生の抽選の結果(当否結果)を有している。具体的には、大当たり発生の抽選に際して低確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態(低確率状態)下では、図20(a)に示すように、「大当たり当選」となる乱数の値は2個である。また、大当たり発生の抽選に際して高確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態(高確率状態)下では、図20(b)に示すように、「大当たり当選」となる乱数の値は21個である。ここで、低確率モード用の当否テーブルに記憶された大当たり当選となる乱数の値は、高確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値に含まれている。
なお、各当否テーブルに記憶される乱数の値や個数は任意であり、高確率モードは、低確率モードと比較して「大当たり当選」となる確率が高ければよい。また、高確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値は、低確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値を含んでいなくてもよく、低確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値の一部を含んでいてもよい。
また、各当否抽選モードにおいて、「大当たり当選」となる乱数の値以外は、大当たり発生に当選せずに外れ結果となる。ここで、パチンコ機10は、前述したように、「特別外れ結果(小当たり結果)」と、「通常外れ結果」との2種類の外れ結果を有している。これらの外れ結果は、いずれも当否抽選モードや、サポートモードの移行契機とはならない点で共通している。しかしながら、「特別外れ結果」は、開閉実行モードへの移行契機となるのに対して、「通常外れ結果」は、開閉実行モードへの移行契機とはならない点で異なっている。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値29に達した後、0に戻ることによって、0~29の範囲内でループするループカウンタとなっている。大当たり種別カウンタC2は、定期的(例えば、4msec毎)に更新され、その更新された値は、第1始動口84a又は第2始動口84bに遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM313の保留球格納エリアに格納される。具体的には、大当たり種別カウンタC2の値は、第1始動口84aに遊技球が入賞したタイミングでRAM313の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2始動口84bに遊技球が入賞したタイミングでRAM313の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、MPU302は、保留球格納エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選(振分抽選)を実行する。
図21は、大当たりの種別の振分先に係る乱数の値を示す図である。大当たりの種別の振分先に係る乱数の値は、図21に示すように、振分情報群記憶手段として設けられたROM312の振分テーブル記憶エリア(図17参照)に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルは、図21(a)に示す第1振分テーブル(第1振分情報群)と、図21(b)に示す第2振分テーブル(第2振分情報群)とを備えている。
MPU302は、これらの振分テーブルと、保留球格納エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値とを比較することによって、大当たりの種別の抽選を実行する。
第1振分テーブルは、第1結果表示部用保留エリアRaから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち第1始動口84aへの入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。第1振分テーブルは、図21(a)に示すように、「低確結果(低確率対応の特別振分結果)」、「非明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の潜伏高確率結果)」、「明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の高確率結果)」、及び「最有利結果(高確率対応の特別振分結果)」の複数の振分結果を振分先としている。具体的には、第1振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0~29」のうち、「0~9」(確率1/3)を「低確結果」に振り分け、「10~14」(確率1/6)を「非明示少ラウンド高確結果」に振り分け、「15~19」(確率1/6)を「明示少ラウンド高確結果」に振り分け、「20~29」(確率1/3)を「最有利結果」に振り分けている。
第2振分テーブルは、第2結果表示部用保留エリアRbから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち第2始動口84bへの入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。第2振分テーブルは、図21(b)に示すように、「低確結果」及び「最有利結果」の2つの振分結果を振分先としている。具体的には、第2振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0~29」のうち、「0~9」(確率1/3)を「低確結果」に振り分け、「10~29」(確率2/3)を「最有利結果」に振り分けている。
各振分結果は、以下の(1)~(3)の条件の少なくともいずれかに差異を有している。
(1)開閉実行モード終了後の当否抽選モード
(2)開閉実行モード終了後のサポートモード
(3)開閉実行モードにおける可変入賞装置83の開閉制御の態様
まず、(1)の当否抽選モードの相違について説明する。「低確結果」は、開閉実行モード終了前の当否抽選モードに関わらず開閉実行モード終了後に当否抽選モードが低確率モードに設定される振分結果である。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、及び「最有利結果」は、開閉実行モード終了前の当否抽選モードに関わらず開閉実行モード終了後に当否抽選モードが高確率モードに設定される振分結果である。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
次に、(2)のサポートモードの相違について説明する。「低確結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードに関わらず開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに設定される振分結果である。この高頻度サポートモードは、遊技回が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合、低頻度サポートモードに移行する。
「非明示少ラウンド高確結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードをそのまま維持する振分結果である。ここで、開閉実行モード終了前のサポートモードが高頻度サポートモードであった場合、高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。「明示少ラウンド高確結果」及び「最有利結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードに関わらず開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに設定される振分結果である。この高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
なお、(3)の開閉実行モードにおける可変入賞装置83の開閉制御の態様の相違については後に詳細に説明する。
<リーチ乱数カウンタ>
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値238に達した後、0に戻ることによって、0~238の範囲内でループするループカウンタとなっている。リーチ乱数カウンタC3は、定期的(例えば、4msec毎)に更新され、その更新された値は、第1始動口84a又は第2始動口84bに遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM313の保留球格納エリアに格納される。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の値は、第1始動口84aに遊技球が入賞したタイミングでRAM313の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2始動口84bに遊技球が入賞したタイミングでRAM313の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、MPU302は、保留球格納エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、リーチ表示を発生させるか否かの抽選(リーチ発生抽選)を実行する。
MPU302は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合に、リーチ用テーブルと、保留球格納エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ表示を発生させるか否かの抽選を実行し、この抽選においてリーチ表示を発生させるとなった場合にリーチ表示を発生させる。なお、リーチ用テーブルは、リーチ表示の発生に係る乱数の値の情報であり、ROM312のリーチ用テーブル記憶エリア(図17参照)に記憶されている。
ここで、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「最有利結果」に振り分けられた場合、図柄表示装置91は、停止結果として、同一の奇数の数字又は同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせを停止図柄有効ラインL上に停止表示する。また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「低確結果」に振り分けられた場合、図柄表示装置91は、停止結果として、同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせを停止図柄有効ラインL上に停止表示する。さらに、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」又は「明示少ラウンド高確結果」に振り分けられた場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合、図柄表示装置91は、停止結果として、同一の数字を有する図柄の組み合わせではなく、当否抽選において「通常外れ結果」となった場合に選択されることのない互いに異なる数字を有する特別な図柄の組み合わせを停止図柄有効ラインL上に停止表示する。
リーチ表示は、同一の数字を有する図柄の組み合わせを最終的に停止表示させる場合(当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「最有利結果」又は「低確結果」に振り分けられた場合)には、リーチ乱数カウンタC3の値に関わらず発生する。また、リーチ表示は、特別な図柄の組み合わせを最終的に停止表示させる場合(当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」又は「明示少ラウンド高確結果」に振り分けられた場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合)には、リーチ乱数カウンタC3の値に関わらず発生しない。
リーチ表示の態様は、図柄表示装置91の表示画面Gに表示される複数の図柄表示列Z1~Z3のうち、特定の図柄表示列(本実施形態では、図柄表示列Z1及び図柄表示列Z3)の停止図柄有効ラインL上に停止表示させ、かつ残りの図柄表示列(本実施形態では、図柄表示列Z2)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチ状態(リーチ)が生起されたことを遊技者が認識し得るよう構成されている。具体的には、リーチ表示は、図柄表示列Z1及び図柄表示列Z3に同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ、例えば、「1・↓・1」、「2・↓・2」(「↓」は変動中であることを表している)等となる。また、リーチ表示を形成する特定の図柄表示列(図柄表示列Z1及び図柄表示列Z3)の図柄は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄表示列(図柄表示列Z2)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄表示列の飾図が確定停止表示される。
パチンコ機10は、リーチ表示を発生させることによって、図柄表示装置91にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示する前に、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「低確結果」又は「最有利結果」に振り分けられたのではないかと遊技者に期待させることができる。なお、リーチ表示の態様は、これに限定されることはなく、一部の図柄列を停止表示させた上で残りの図柄列を変動表示させるとともに、所定のキャラクタなどを動画として背景に表示してもよく、各図柄列を縮小表示又は非表示にした上で所定のキャラクタなどを動画として表示画面Gの略全体に表示してもよい。
なお、本実施形態では、主制御装置300の主制御基板301がリーチ乱数カウンタC3を備え、MPU302が、ROM312のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ用テーブルと、保留球格納エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ表示を発生させるか否かの抽選を実行している。すなわち、本実施形態では、リーチ表示を発生させるか否かの抽選は、主制御装置300にて実行されているが、このリーチ表示を発生させるか否かの抽選を、音声発光制御装置400にて実行されるように構成してもよい。
<期待演出>
なお、パチンコ機10は、図柄表示装置91の変動表示の一種として期待演出を有している。期待演出とは、図柄表示装置91にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示する前に、当否抽選において「大当たり当選」となったのではないかと遊技者に期待させるような演出をいう。前述したリーチ表示も、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合に発生する期待演出であり、パチンコ機10は、前述したリーチ表示と、予告表示との2種類の期待演出を有している。リーチ表示については、すでに説明したため、以下、予告表示について説明する。
<予告表示>
予告表示は、当否抽選において「大当たり当選」となった場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合に、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合よりも演出を発生しやすくする期待演出である。この予告表示は、演出を発生しやすくする代わりに、出現率の低い演出を選択しやすくするようにしてもよく、これらを組み合わせるようにしてもよい。なお、本実施形態では、リーチ表示を発生させるか否かの抽選は、主制御装置300にて実行されるのに対し、予告表示を発生させるか否かの抽選は、音声発光制御装置400にて実行される。
予告表示の態様は、図柄表示装置91の表示画面Gに表示される複数の図柄表示列Z1~Z3のうち、全ての図柄表示列Z1~Z3を変動表示させている、又は一部の図柄列(例えば、図柄表示列Z1)を停止図柄有効ラインL上に停止表示させた上で複数の図柄列(例えば、図柄表示列Z2,Z3)を変動表示させている状況において、所定のキャラクタなどを動画として表示画面Gに表示する。この予告表示は、リーチ表示を発生させる場合及びリーチ表示を発生させない場合のいずれの場合においても発生するが、リーチ表示を発生させない場合よりもリーチ表示を発生させる場合に発生しやすくなるように設定されている。なお、予告表示は、これに限定されることはなく、例えば、背景を変更して表示してもよく、図柄表示列Z1~Z3の形態を変更して表示してもよい。
最後に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値198に達した後、0に戻ることによって、0~198の範囲内でループするループカウンタとなっている。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理の実行ごとに少なくとも1回更新され、その更新の都度、抽選カウンタ用バッファに格納される。そして、MPU302は、変動用テーブルと、抽選カウンタ用バッファに格納された変動種別カウンタCSの値との比較に基づいて、メイン表示部93における図柄の表示継続時間と、図柄表示装置91における図柄の表示継続時間とを決定する。なお、変動用テーブルは、表示継続時間に係る乱数の値の情報であり、前述したようにROM312の変動用テーブル記憶エリア(図17参照)に記憶されている。
なお、本実施形態に係るパチンコ機10では、乱数の生成を乱数生成用ICであるカウンタ回路(カウンタC1~C3,CINI,CS,C4)により行っているが、ソフトウェアによるプログラム制御(いわゆるソフト乱数)と比較して極めて高速にカウントすることが可能となる。また、ソフト乱数の場合、遊技機のプログラム制御の一部として処理されるため、限られたメモリスペースの下ではソフト上の負担となるが、ハード乱数の場合は、ハードウェアで乱数を生成することによって、ソフト上の負担をかけずにソフト乱数の数倍のカウント値を持った乱数を生成することができる。
<主制御装置300にて実行される各種処理について>
主制御装置300のMPU302は、遊技を進行させるタイマ割込み処理及び通常処理や、電源投入に伴って起動するメイン処理を実行する。以下、タイマ割込み処理、通常処理、及びメイン処理について順に説明する。なお、MPU302は、タイマ割込み処理、通常処理、及びメイン処理の他、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力によって起動するNMI割込み処理を実行するが、この処理についての説明は省略する。
<タイマ割込み処理>
図22は、タイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。タイマ割込み処理では、MPU302は、図22に示すように、ステップS101~S108を定期的(例えば、2msec周期)に実行する。
ステップS101では、MPU302は、複数の検知センサ152~156の状態(検知状態)を読み込み、その状態を判定して入賞検知情報としてRAM313に記憶する。MPU302は、一般入賞口82、第1始動口84a、第2始動口84b及び大入賞口83aの各種入賞口に設けられた検知センサ152~154bが遊技球の入賞を検知していると判定した場合、賞球の払い出しを指示する賞球コマンドを設定し、この設定したコマンドを払出制御装置242に送信する。例えば、MPU302は、可変入賞装置83に対応した検知センサ153が遊技球の入賞を検知していると判定した場合、13個の賞球の払い出しを指示する賞球コマンドを払出制御装置242に送信する。
また、ステップS101では、MPU302は、第1監視装置250、第2監視装置290及び裏パックユニット開放検出器289から入力した信号(受光信号)の読み込みを行う。この読み込まれた信号の情報は、MPU302のレジスタに記憶保持される。この場合、MPU302には第1レジスタ~第3レジスタが少なくとも設けられており、第1監視装置250の信号の情報は第1レジスタに記憶保持され、第2監視装置290の信号の情報は第2レジスタに記憶保持され、裏パックユニット開放検出器289の信号は第3レジスタに記憶保持される。これは、MPU302のレジスタに関する以下の説明においても同様である。
ステップS102では、前扉枠開放監視処理を実行する。前扉枠開放監視処理では、第1監視装置250からの入力信号に基づいて、外部電源からの電力供給が行われている状況における前扉枠14の開放の監視に関する処理を実行する。なお、前扉枠開放監視処理についての詳細は後述する。
ステップS103では、内枠開放監視処理を実行する。内枠開放監視処理では、第2監視装置290からの入力信号に基づいて、外部電源からの電力供給が行われている状況における遊技機本体12、換言すると内枠13の開放の監視に関する処理を実行する。なお、内枠開放監視処理についての詳細は後述する。
ステップS104では、裏パック開放検出処理を実行する。裏パック開放検出処理では、裏パックユニット開放検出器289からの入力信号に基づいて、外部電源からの電力供給が行われている状況における裏パックユニット15の開放の検出処理を実行する。具体的には、裏パックユニット開放検出器289からの入力信号(入力電圧)がLOW又はHIGHのいずれであるかを判定する。なお本実施形態に係るパチンコ機10では、裏パックユニット15が開放されていない場合、裏パックユニット開放検出器289からの入力信号はLOWとなり、裏パックユニット15が開放されている場合、裏パックユニット開放検出器289からの入力信号はHIGHとなるが異なる方式でもよい。例えば、裏パックユニット15が開放されていない場合、裏パックユニット開放検出器289からの入力信号がHIGHとなり、裏パックユニット15が開放されている場合、裏パックユニット開放検出器289からの入力信号がLOWとなるようにしてもよい。なお、ステップS104にて裏パックユニット15の開放が検出されると、MPU302は、RAM313に裏パックユニット開放コマンドをセットする。RAM313にセットされた裏パックユニット開放コマンドは、主制御装置300(MPU302)から音声発光制御装置400(MPU402)へと送信される。
ステップS105では、MPU302は、乱数初期値カウンタCINIを更新する。具体的には、MPU302は、乱数初期値カウンタCINIの前回値に1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM313の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに記憶する。なお、MPU302は、乱数初期値カウンタCINIの前回値に1を加算する際に最大値に達していた場合、乱数初期値カウンタCINIの値を0に戻す。
ステップS106では、MPU302は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び電動役物開放カウンタC4を更新する。具体的には、MPU302は、前述したように、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、及び電動役物開放カウンタC4の前回値にそれぞれ1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM313の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU302は、各カウンタC1~C4の前回値にそれぞれ1を加算する際に最大値に達していた場合、各カウンタC1~C4の値を0に戻す。また、大当たり乱数カウンタC1は、1周ループするごとに、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値を初期値として読み込む。
ステップS107では、MPU302は、スルー用の入賞処理を実行する。具体的には、MPU302は、各スルーゲート85に設けられた検知センサ155が遊技球の入賞を検知していると判定した場合、ステップS106にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、MPU302は、役物用表示部94の図柄の変動表示を実行するコマンドを設定し、各スルーゲート85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を役物用表示部94に表示させる。役物用表示部94では、MPU302でのコマンド指示に基づいて、順次点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われ、最終的に役物用表示部94が確定的に点灯した点灯位置(停止結果)により普図が表示される。また、MPU302は、第3保留ランプ部96の点灯を指示するコマンドを設定し、この設定したコマンドを音声発光制御装置400に送信する。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信されるコマンドに基づいて、第3保留ランプ部96を点灯させる。スルーゲート85に入賞した遊技球の保留個数は、最大4個であり、第3保留ランプ部96は、保留個数と同数点灯する。
ステップS108では、MPU302は、始動口用の入賞処理を実行する。以下、始動口用の入賞処理について詳細に説明する。
<始動口用の入賞処理>
図23は、始動口用の入賞処理のフローチャートを示す図である。
ステップS201では、MPU302は、第1始動口84aに設けられた検知センサ154aが遊技球の入球を検知したかどうかに基づいて、第1始動口84aに遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。MPU302は、ステップS201にて第1始動口84aに遊技球が入賞したと判定した場合(YES)、ステップS202において、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第1始動保留記憶数RaNとして第1結果表示部用保留エリアRaにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU302は、ステップS205以降のステップを処理する。
MPU302は、ステップS201にて第1始動口84aに遊技球が入賞していないと判定した場合(NO)、MPU302は、ステップS203において、第2始動口84bに設けられた検知センサ154bが遊技球の入球を検知したかどうかに基づいて、第2始動口84bに遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。MPU302は、ステップS203にて第2始動口84bに遊技球が入賞していないと判定した場合(NO)、始動口用の入賞処理を終了する。また、MPU302は、ステップS203にて第2始動口84bに遊技球が入賞したと判定した場合(YES)、ステップS204において、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第2始動保留記憶数RbNとして第2結果表示部用保留エリアRbにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU302は、ステップS205以降のステップを処理する。
ステップS202又はステップS204の処理を実行した後、MPU302は、ステップS205において、ステップS202又はステップS204にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では、4)未満であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS205にて始動保留記憶数Nが上限値未満でないと判定した場合(NO)、始動口用の入賞処理を終了する。また、MPU302は、ステップS205にて始動保留記憶数Nが上限値未満であると判定した場合(YES)、ステップS206において、始動保留記憶数N(RaN又はRbN)の値に1を加算して更新する。
ステップS207では、MPU302は、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の各値の組を結果表示部用保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS206にて更新した始動保留記憶数Nと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。
例えば、MPU302は、ステップS202にて第1始動保留記憶数RaNをセットした場合、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の各値の組を第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS206にて更新した第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。例えば、MPU302は、ステップS202にて第1始動保留記憶数RaNに「3」をセットした場合、ステップS206にて更新した第1始動保留記憶数RaNの「4」と対応する記憶エリアである第4エリアRa4に保留情報を格納する。
また、例えば、MPU302は、ステップS204にて第2始動保留記憶数RbNをセットした場合、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の各値の組を第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS206にて更新した第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。例えば、MPU302は、ステップS204にて第2始動保留記憶数RbNに「3」をセットした場合、ステップS206にて更新した第2始動保留記憶数RbNの「4」と対応する記憶エリアである第4エリアRb4に保留情報を格納する。
また、ステップS207では、MPU302は、第1保留ランプ部95a又は第2保留ランプ部95bの点灯を指示するコマンドを設定し、この設定したコマンドを音声発光制御装置400に送信する。その後、MPU302は、始動口用の入賞処理を終了する。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信されるコマンドに基づいて、第1保留ランプ部95a又は第2保留ランプ部95bを点灯させる。また、本実施形態では、第1始動口84a又は第2始動口84bに入賞した遊技球の保留個数は、最大4個である。また、第1保留ランプ部95a又は第2保留ランプ部95bは、保留個数と同じ(対応する)数だけ点灯する。
<通常処理>
図24は、通常処理のフローチャートを示す図である。通常処理は、遊技を進行させるための主要な処理である。具体的には、MPU302は、ステップS301~S309を4msec周期で定期的に実行し、残余時間が発生した場合にステップS308~S311を繰り返し実行し、ステップS308の判定結果に応じてステップS312以降を実行する。なお、「残余時間」とは、周期時間(4msec)からステップS301~S309の処理にかかった時間を減算した残り時間のことである。
ステップS301では、MPU302は、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンドをサブ側の各制御装置に送信する外部出力処理を実行する。具体的には、MPU302は、賞球コマンドが設定されているか否かを判定し、賞球コマンドが設定されていると判定した場合、その賞球コマンドを払出制御装置242に送信する。また、本実施形態では、MPU302は、遊技回用の演出に対応したコマンドや、開閉実行モード用の演出に対応したコマンドなどの演出用のコマンドが設定されているか否かを判定し、演出用のコマンドが設定されていると判定した場合、その演出用のコマンドを音声発光制御装置400に送信する。
ステップS302では、MPU302は、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、MPU302は、変動種別カウンタCSの前回値に1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM313の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU302は、変動種別カウンタCSの前回値に1を加算する際に最大値に達していた場合、変動種別カウンタCSの値を0に戻す。
ステップS303では、MPU302は、遊技回を進行させるための遊技回制御処理を実行する。具体的には、MPU302は、当否抽選及び振分抽選を実行するとともに、図柄表示装置91に最終的に停止表示させる図柄に係る情報の決定及びメイン表示部93に最終的に停止表示させる図柄に係る情報の決定などを実行する。
ステップS304では、MPU302は、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。具体的には、MPU302は、開閉実行モード、高確率モード、及び高頻度サポートモードなどの各遊技状態への移行処理を実行する。なお、ステップS303の遊技回制御処理及びステップS304の遊技状態移行処理については後に詳細に説明する。
ステップS305では、MPU302は、デモ表示実行判定処理を実行する。具体的には、MPU302は、遊技回の終了後に新たな遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、3sec)を経過したか否かを判定し、開始待ち期間を経過していると判定した場合、デモ表示を開始させるためのデモコマンドを音声発光制御装置400に送信する。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信されるデモコマンドに基づいて、デモ表示実行処理を開始する。このデモ表示実行処理については後に詳細に説明する。
ここで、MPU302は、ステップS305の処理の実行回数をカウントすることによって開始待ち期間が経過したか否かを判定する。例えば、開始待ち期間を3secとし、ステップS305の処理を繰り返し実行する間隔が0.1msecである場合、MPU302は、ステップS305の処理の実行回数をカウントして3000回に達したときに開始待ち期間を経過したと判定する。なお、開始待ち期間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて開始待ち期間を測定してもよい。また、MPU302は、ステップS305の処理の実行回数をカウントしているときに新たな遊技回を開始した場合、そのカウントの値をリセットする。
ステップS306では、MPU302は、第2始動口84bに設けられた開閉部材84b1の開閉制御を実行する処理(以下、電役サポート用処理)を実行する。具体的には、MPU302は、RAM313の電役保留エリアに格納された電動役物開放カウンタC4の値に基づいて、電動役物開放抽選を実行するとともに、電動役物開放抽選に当選した場合、開閉部材84b1の開閉処理を実行する。また、MPU302は、電動役物開放抽選の結果を表示するように、役物用表示部94の表示制御を実行する。
ステップS307では、MPU302は、遊技球発射制御処理を実行する。具体的には、MPU302は、遊技者が発射ハンドル41を時計回り(右回り)するよう遊技者が回転操作したことに基づいて、電源・発射制御装置243に遊技球を発射させる発射制御を実行させる。より具体的には、電源・発射制御装置243は、所定の周期(例えば、0.6sec)で遊技球発射機構110のソレノイドを励磁して、遊技球発射機構110に遊技球を発射させる。なお、ソレノイドは、発射ハンドル41の回転操作量に応じた発射強度で遊技球を発射するように励磁される。具体的には、発射ハンドル41の回転操作量が多いほど、強く励磁されるため、遊技球の発射強度が強くなる。電源・発射制御装置243は、所定の発射条件(発射ハンドル41が回転操作されており、タッチセンサ41aがオンで、かつ発射停止スイッチ41bがオフのとき)が整っている場合に、遊技球発射機構110のソレノイドに対して駆動信号を出力して遊技球を発射させる。
ステップS308では、MPU302は、RAM313の停電フラグ格納エリア(図示略)に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、MPU302のNMI端子に対して停電監視基板303から停電信号が入力されることによってRAM313にセットされる。停電監視基板303は、停電の発生を確認した場合に、この停電信号を出力する。なお、この停電フラグは、次回のメイン処理の実行時にクリアされる。
ここで、パチンコ機10は、RAM313等の所定のエリアに1を代入することによって各種のフラグをセットし、0を代入することによって各種のフラグをクリアする。例えば、パチンコ機10は、RAM313の停電フラグ格納エリアに1を代入することによって停電フラグをセットし、RAM313の停電フラグ格納エリアに0を代入することによって停電フラグをクリアする。
MPU302は、ステップS308にて停電フラグがセットされていると判定した場合(YES)、ステップS309以降の処理を実行することなく、ステップS312以降の電断時処理を実行する。具体的には、ステップS312では、MPU302は、タイマ割込み処理の発生を禁止する。ステップS313では、MPU302は、RAM判定値(RAM313のチェックサム)を算出して記憶する。ステップS314では、MPU302は、RAM313へのアクセスを禁止する。その後、MPU302は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
MPU302は、ステップS308にて停電フラグがセットされていないと判定した場合(NO)、ステップS309において、次回の通常処理を実行するタイミングに至ったか否か、すなわち現在の通常処理を開始したときから所定時間(例えば、4msec)が経過したか否かを判定する。MPU302は、ステップS309にて次回の通常処理を実行するタイミングに至っていないと判定した場合(NO)、すなわち周期時間である4msecが経過しておらず残余時間が発生している場合、ステップS310において、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、ステップS311において、変動種別カウンタCSの更新を実行する。なお、MPU302は、ステップS309にて次回の通常処理を実行するタイミングに至った(周期時間である4msecが経過した)と判定するまでステップS308~S311の処理を繰り返し実行する。
MPU302は、ステップS309にて次回の通常処理を実行するタイミングに至ったと判定した場合(YES)、すなわち周期時間である4msecが経過しており残余時間が発生していない場合、ステップS301を再び実行することによって、次回の通常処理を開始する。
<メイン処理>
図25は、メイン処理のフローチャートを示す図である。
ステップS401では、MPU302は、電源投入に伴って立ち上げ処理を実行する。この立ち上げ処理には、サブ側の制御基板(音声発光制御装置400の制御基板等)が動作可能な状態になるのを待つための待時間が設けられている。具体的には、MPU302は、電源投入後、所定の時間(例えば、500msec程度)が経過するまで待機する。
ステップS402では、MPU302は、RAM313へのアクセスを禁止する期間(以下、許可禁止用期間)である1secが経過したか否かを判定する。MPU302は、ステップS402にて1secが経過したと判定するまでステップS402の処理を繰り返し実行する。すなわち、MPU302は、ステップS402にて1secが経過したと判定しない場合、ステップS402の処理を繰り返し実行し、ステップS402にて1secが経過したと判定した場合、ステップS403以降の処理を実行する。
本実施形態では、MPU302は、ステップS402の処理の実行回数をカウントすることによって1secが経過したか否かを判定する。例えば、ステップS402の処理を繰り返し実行する間隔が0.1msecである場合、MPU302は、ステップS402の処理の実行回数をカウントして10000回に達したときに1secが経過したと判定する。なお、許可禁止用期間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて許可禁止用期間を測定してもよい。
ステップS403では、MPU302は、RAM313へのアクセスを許可する。ステップS404では、MPU302は、電源・発射制御装置243に設けられたRAM消去スイッチ(図示略)がオンになっているか否かを判定する。MPU302は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていると判定した場合(YES)、ステップS409以降の処理を実行する。また、MPU302は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていないと判定した場合(NO)、ステップS405において、RAM313の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判定する。
MPU302は、ステップS405にて停電フラグがセットされていないと判定した場合(NO)、ステップS409以降の処理を実行する。また、MPU302は、ステップS405にて停電フラグがセットされていると判定した場合(YES)、ステップS406において、RAM判定値(チェックサム)を算出する。ステップS407では、MPU302は、ステップS406にて算出したRAM判定値が正常であるか否かを判定することによって、RAM313に記憶されたデータの有効性を確認する。具体的には、MPU302は、ステップS406にて算出したRAM判定値(チェックサム)と、通常処理のステップS313(電断時処理)にて記憶されたRAM判定値(チェックサム)とを比較し、これらが一致した場合、RAM判定値は正常であると判定し、一致しない場合、RAM判定値は異常であると判定する。
MPU302は、ステップS407にてRAM判定値が正常でないと判定した場合(NO)、すなわちチェックサムの値が一致しないと判定した場合、ステップS409以降の処理を実行する。また、MPU302は、ステップS407にてRAM判定値が正常であると判定した場合(YES)、すなわちチェックサムの値が一致すると判定した場合、ステップS408において、RAM313の停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。
本実施形態では、チェックサムを利用して、RAM313に記憶されたデータの有効性を確認しているが、RAM313に記憶されたデータの有効性は、チェックサムの値の整合性を確認する方法とは異なる方法によって判定してもよい。例えば、電断時処理にてRAM313の所定のエリアにキーワードを書き込み、このキーワードが正常に書き込まれているか否かをメイン処理にて判定することによって、RAM313に記憶されたデータの有効性を確認してもよい。また、CRC(巡回冗長検査)やMD5(ハッシュ関数)のハッシュ値を、RAM313に記憶されたデータの有効性を確認するために利用するようにしてもよい。なお、チェックサムの算出方法は非常に簡単であり、例えば、ワード列の個々のワードの総計の下位1ワードをそのまま符号値としてもよい。このため、チェックサムによるデータ確認の有効性は、他の誤り検出符号と比べて信頼性は低いが、アルゴリズムが非常に簡易であるため、限られたメモリスペースの下でもMPU302へ負担をかけずに算出することができる。
MPU302は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていると判定した場合(YES)、ステップS405にて停電フラグがセットされていないと判定した場合(NO)、又はステップS407にてRAM判定値が正常でないと判定した場合(NO)、ステップS409以降の処理を実行する。
ステップS409では、MPU302は、音声発光制御装置400に音声ランプ初期化コマンドを出力する。これにより、RAMデータの初期化やRAM判定値により記憶保持されたデータの異常等が報知される。
ステップS410では、MPU302は、従側の制御基板となる払出制御基板等を初期化するために、払出初期化コマンド等を出力する。
ステップS411では、MPU302は、RAM313の作業領域をクリアし、ステップS412において、RAM313の初期化(初期設定)を実行する。
したがって、例えば、遊技場の管理者は、遊技場の営業開始時にRAM消去スイッチを押下しながらパチンコ機10の電源を投入することによって、RAM313に記憶されたデータを初期化することができる。また、パチンコ機10は、停電監視基板303にて停電の発生を確認していない場合や、RAM判定値が異常であった場合にも、RAM313に記憶されたデータを初期化する。
ステップS408又はステップS412の処理を実行した後、MPU302は、復電時用開放監視処理を実行する。具体的には、MPU302は、ステップS413にて検知状態把握処理を実行する。検知状態把握処理では、タイマ割込み処理(図22)のステップS101の信号読み込み処理と同様に、第1監視装置250、第2監視装置290及び裏パックユニット開放検出器289から入力した信号の読み込みが行われ、この読み込まれた信号の情報がMPU302のレジスタに記憶保持される。
ステップS414では、比較処理を実行する。比較処理では、上記検知状態把握処理にてMPU302のレジスタに記憶した第1監視装置250の信号の値と、ROM312に格納されている判定基準値とを比較する。また、比較処理では、上記検知状態把握処理にてMPU302のレジスタに記憶した第2監視装置290の信号の値と、ROM312に格納されている判定基準値とを比較する。
ステップS415では、比較処理にて比較した第1監視装置250の信号の値が判定基準値を上回っているか否かを判定するとともに、第2監視装置290の信号の値が判定基準値を上回っているか否かを判定する。その結果、両方がそれぞれ判定基準値以上の場合には、ステップS417の処理へ移行する。いずれか一方でも判定基準値よりも小さい場合には、電源遮断中において前扉枠14又は内枠13が開放されたことを意味するため、ステップS416の処理へ移行する。
ステップS416では、復電時用報知処理を実行する。復電時用報知処理では、音声発光制御装置400に復電時報知用コマンドを出力する。これにより、スピーカ部26A~26Cからの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、及び図柄表示装置91での報知表示が行われる。なお、これらの報知態様は通常時報知用コマンドに基づく報知の態様とは異なっていてもよい。また、音声発光制御装置400では、内枠13や前扉枠14が開閉されるといった報知解除操作が行われるまで各種報知を継続させる(報知解除操作が行われると主制御装置300(MPU302)から扉開放報知解除コマンドが音声発光制御装置400(MPU402)へ送信される)。つまり、通常時と復電時とでは、報知の態様だけでなく、報知解除の態様も異なっている。なお、これに限定されることはなく、報知の態様や報知解除の態様が通常時と復電時とで同一であってもよい。
また、復電時用報知処理では、遊技ホールに設けられたホールコンピュータに外部端子板213を介して復電時報知用信号を出力する。この場合、ホールコンピュータでは復電時報知用信号をパチンコ機10から入力した日時やパチンコ機10の台番号といった識別情報を履歴として記憶する処理や、遊技ホールに設けられた監視カメラを対象となるパチンコ機10に向けるといった処理を実行する。
上記復電時用報知処理が実行されることにより、電源遮断中に前扉枠14又は内枠13が開放操作されていた場合には、それを遊技ホールの管理者等に報知することができ、仮にそれが不正開放である場合にはそれに対処させることができる。
なお、復電時用報知処理において前扉枠14が開放操作されていた場合と内枠13が開放操作されていた場合とで、電断時報知用コマンド又は電断時開放検知信号の情報形態を異ならせてもよい。この場合、前扉枠14が電源遮断中に開放された場合と内枠13が電源遮断中に開放された場合とで、パチンコ機10自身又はホールコンピュータにおいて報知の態様を異ならせることができ、遊技ホールの管理者等に対して適切に対処させることが可能となる。また、復電時用報知処理は、上記のものに限定されることはなく、復電時報知用コマンド又は復電時報知用信号のいずれか一方のみを出力する構成としてもよい。また、復電時報知用コマンドの出力に基づく処理として、スピーカ部26A~26Cからの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、又は図柄表示装置91での報知表示のうち一部のみを実行する構成としてもよい。
ステップS417では、MPU302は、タイマ割込み処理の発生を許可する。その後、MPU302は、図24を参照して説明した通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
<遊技回制御処理>
図26は、遊技回制御処理のフローチャートを示す図である。
ステップS501では、MPU302は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS501にて開閉実行モード中であると判定した場合(YES)、ステップS502以降の処理を実行することなく、遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中であると判定した場合、MPU302は、各始動口84a,84bへの遊技球の入賞を検知しているか否かに関わらず遊技回の進行を開始しない。
ここで、MPU302は、RAM313に記憶されている開閉実行モード中フラグを参照することによって、開閉実行モード中であるか否かを判定する。以下の各ステップにおいても同様である。また、MPU302は、開閉実行モードへの移行時に開閉実行モード中フラグをセットし、開閉実行モードの終了時に開閉実行モード中フラグをクリアする。
MPU302は、ステップS501にて開閉実行モード中でないと判定した場合(NO)、ステップS502において、メイン表示部93が変動表示中であるか否か、すなわち遊技回を進行中であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS502にてメイン表示部93が変動表示中でないと判定した場合(NO)、ステップS503~S505の遊技回開始用処理を実行する。また、MPU302は、ステップS502にてメイン表示部93が変動表示中であると判定した場合(YES)、ステップS506~S509の遊技回進行用処理を実行する。
ステップS503では、MPU302は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数と、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数とを認識し、これらの保留個数の合計数CRNが「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS503にて合計数CRNが「0」以下であると判定した場合(YES)、遊技回制御処理を終了する。
また、MPU302は、ステップS503にて合計数CRNが「0」以下でないと判定した場合(NO)、ステップS504において、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報を遊技回の消化用に設定するためのデータ設定処理を実行する。その後、MPU302は、ステップS505において、メイン表示部93及び図柄表示装置91に変動表示を開始させて遊技回を消化するための変動開始処理を実行し、遊技回制御処理を終了する。なお、ステップS504のデータ設定処理については図27を、ステップS505の変動開始処理について図28を、それぞれ参照して後述する。
MPU302は、ステップS502において、メイン表示部93が変動表示中であるか否かを判定し、メイン表示部93が変動表示中であると判定した場合(YES)、ステップS506~S509の遊技回進行用処理を実行する。
ステップS506では、MPU302は、後述する変動開始処理(図28参照)のステップS716にてセットした表示継続時間が経過したか否かを判定する。具体的には、MPU302は、RAM313の表示継続時間カウンタにセットされた値が「0」以下になったか否かを判定する。なお、この表示継続時間カウンタの値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
MPU302は、ステップS506にて表示継続時間が経過していないと判定した場合(NO)、ステップS507において、変動表示用処理を実行する。この変動表示用処理では、MPU302は、変動表示中のメイン表示部93の表示を更新する。その後、MPU302は、遊技回制御処理を終了する。
また、MPU302は、ステップS506にて表示継続時間が経過していると判定した場合(YES)、ステップS508において、変動終了処理を実行する。この変動終了処理では、MPU302は、後述する変動開始処理(図28参照)のステップS710、ステップS713、及びステップS715のいずれかの処理においてRAM313に記憶した情報(メイン表示部93に最終的に停止表示させる図柄に係る情報)を特定する。そして、MPU302は、遊技回の終了に際し、この特定した情報に対応した図柄を変動表示中のメイン表示部93に表示させるようにメイン表示部93の表示制御を実行する。
ここで、メイン表示部93に最終的に停止表示させる図柄は、遊技結果の種類ごとに異なっている。したがって、遊技場の管理者などは、遊技回の終了に際してメイン表示部93を目視することによって、遊技結果を確認することができる。これによれば、遊技場の管理者などは、例えば、大当たり発生の抽選に当選した場合と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことができる。
メイン表示部93は、図柄表示装置91の表示画面Gと比較して表示領域が狭く、メイン表示部93に停止表示させる図柄は、図柄表示装置91の表示画面Gに停止表示させる図柄表示列Z1~Z3と比較して遊技者にとって認識しにくいものとなっている。したがって、遊技者は、遊技回の終了に際し、メイン表示部93ではなく図柄表示装置91の表示画面Gを確認することによって、大当たり発生に当選したか否か等を判断することになるので、表示画面Gへの注目度が高まる。
ステップS509では、MPU302は、変動終了コマンドを設定する。MPU302は、通常処理のステップS301において、ステップS509にて設定した変動終了コマンドを音声発光制御装置400に送信する。その後、MPU302は、遊技回制御処理を終了する。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信される変動終了コマンドに基づいて、その遊技回の演出を終了させるための処理を実行する。ここで、音声発光制御装置400は、変動終了コマンドの受信を必要とすることなく、独自に遊技回の演出を終了するように構成されていてもよい。
<データ設定処理>
次に、図26のステップS504のデータ設定処理について詳細に説明する。図27は、データ設定処理のフローチャートを示す図である。
ステップS601では、MPU302は、前述した始動口用の入賞処理(図23参照)のステップS204にてセットされた第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNが「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下であると判定した場合(YES)、ステップS602~S606の第1結果表示部用(第1始動口84a用)のデータ設定処理を実行し、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下でないと判定した場合(NO)、ステップS607~S611の第2結果表示部用(第2始動口84b用)のデータ設定処理を実行する。
初めに、ステップS602~S606の第1結果表示部用のデータ設定処理について説明する。ステップS602では、MPU302は、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNの値から1を減算し、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている第1始動保留記憶数RaNの値を更新する。ステップS603では、MPU302は、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアRa1に格納された保留情報を実行エリアAEに移動する。
ステップS604では、MPU302は、第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納された保留情報をシフトするデータシフト処理を実行する。このデータシフト処理は、各エリアRa1~Ra4に格納されている保留情報を第1エリアRa1側に順にシフトする処理である。具体的には、MPU302は、第2エリアRa2の保留情報を第1エリアRa1にシフトし、第3エリアRa3の保留情報を第2エリアRa2にシフトし、第4エリアRa4の保留情報を第3エリアRa3にシフトする。つまり、ステップS603及びS604では、FIFO(First In, First Out)方式により第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されているデータのシフト処理が実行される。
ステップS605では、MPU302は、RAM313に記憶された第2結果表示部フラグをクリアする。この第2結果表示部フラグは、遊技回の消化に際して第1結果表示部93a及び第2結果表示部93bのうち、どちらのメイン表示部93に変動表示を開始させているかを特定するためのフラグである。このステップS605では、MPU302は、第2結果表示部フラグをクリアしているので、遊技回の消化に際し、第1始動口84aへの遊技球の入賞に基づいて、第1結果表示部93aに変動表示を開始させることを示している。
ステップS606では、MPU302は、保留情報のシフトを実行したことを認識させるためのシフト時コマンドを設定し、この設定したシフト時コマンドを音声発光制御装置400に送信し、データ設定処理を終了する。このシフト時コマンドは、第1始動口84aへの遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報を対象として保留情報のシフトを実行したことを音声発光制御装置400に認識させるための情報を含んでいる。
なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信されるシフト時コマンドに基づいて、第1保留ランプ部95aの点灯状態を変更する。具体的には、音声発光制御装置400は、第1始動口84aに入賞した遊技球の保留個数の減少、すなわち、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている第1始動保留記憶数RaNの減少に伴い、第1保留ランプ部95aの点灯個数を減少させる。
次に、ステップS607~S611の第2結果表示部用のデータ設定処理について説明する。ステップS607では、MPU302は、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNの値から1を減算し、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている第2始動保留記憶数RbNの値を更新する。ステップS608では、MPU302は、第2結果表示部用保留エリアRbの第2エリアRb2に格納された保留情報を実行エリアAEに移動する。
ステップS609では、MPU302は、第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された保留情報をシフトするデータシフト処理を実行する。このデータシフト処理は、各エリアRb1~Rb4に格納されている保留情報を第1エリアRb1側に順にシフトする処理である。具体的には、MPU302は、第2エリアRb2の保留情報を第1エリアRb1にシフトし、第3エリアRb3の保留情報を第2エリアRb2にシフトし、第4エリアRb4の保留情報を第3エリアRb3にシフトする。つまり、ステップS608及びS609では、FIFO(First In First Out, FIFO)方式により第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータのシフト処理が実行される。
ステップS610では、MPU302は、RAM313に第2結果表示部フラグをセットする。このステップS610では、MPU302は、第2結果表示部フラグをセットしているので、遊技回の消化に際し、第2始動口84bへの遊技球の入賞に基づいて、第2結果表示部93bに変動表示を開始させることを示している。
ステップS611では、MPU302は、保留情報のシフトを実行したことを認識させるためのシフト時コマンドを設定し、この設定したシフト時コマンドを音声発光制御装置400に送信し、データ設定処理を終了する。このシフト時コマンドは、第2始動口84bへの遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を対象として保留情報のシフトを実行したことを音声発光制御装置400に認識させるための情報を含んでいる。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信されるシフト時コマンドに基づいて、第2保留ランプ部95bの点灯状態を変更する。具体的には、音声発光制御装置400は、第2始動口84bに入賞した遊技球の保留個数の減少、すなわち第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている第2始動保留記憶数RbNの減少に伴って、第2保留ランプ部95bの点灯個数を減少させる。
以上のように、図27におけるデータ設定処理では、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報を遊技回の消化用に設定する第1結果表示部用(第1始動口84a用)のデータ設定処理(S602~S606)と、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を遊技回の消化用に設定する第2結果表示部用(第2始動口84b用)のデータ設定処理(S607~S611)とを有している。MPU302は、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下でないと判定した場合、第1結果表示部用のデータ設定処理を実行することなく、第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。MPU302は、第2始動口84bへの遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報があると判定した場合、第1始動口84aへの遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報があるか否かに関わらず第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を優先的に遊技回の消化用に設定する。
<変動開示処理>
次に、図26のステップS505の変動開始処理について詳細に説明する。図28は、変動開始処理のフローチャートを示す図である。
ステップS701では、MPU302は、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。MPU302は、ステップS701にて当否抽選モードが高確率モードでないと判定した場合(NO)、ステップS702において、低確率モード用の当否テーブル(図20(a)参照)をROM312の当否テーブル記憶エリアから読み出す。また、MPU302は、ステップS701にて当否抽選モードが高確率モードであると判定した場合(YES)、ステップS703において、高確率モード用の当否テーブル(図20(b)参照)をROM312の当否テーブル記憶エリアから読み出す。
ステップS702又はステップS703の処理を実行した後、MPU302は、ステップS704において、当否判定処理を実行する。具体的には、MPU302は、実行エリアAEに格納された大当たり乱数カウンタC1の値と、ステップS702で読みだした低確率モード用の当否テーブル又はステップS703にて読み出した高確率モード用の当否テーブルとの比較により、当否抽選の結果(当否結果)を判定する。なお、当否結果は、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、及び「通常外れ結果」のいずれかであり、低確率モードであっても高確率モードであっても当否結果は、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、及び「通常外れ結果」のいずれかとなる。
ステップS705では、MPU302は、ステップS704にて判定した当否結果が「大当たり当選」であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS705にて当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合(YES)、ステップS706以降の処理を実行し、ステップS705にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定した場合(NO)、ステップS712以降の処理を実行する。
MPU302は、ステップS705にて当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合(YES)、ステップS706において、RAM313に第2結果表示部フラグがセットされているか否かを判定する。
ここで、RAM313に第2結果表示部フラグがセットされていない場合、第1始動口84aへの遊技球の入賞に基づく第1結果表示部93aに変動表示を開始させることを示している。このため、MPU302は、ステップS706にてRAM313に第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合(NO)、ステップS707において、第1振分テーブル(図21(a)参照)をROM312の振分テーブル記憶エリアから読み出す。
また、RAM313に第2結果表示部フラグがセットされている場合、第2始動口84bへの遊技球の入賞に基づく第2結果表示部93bに変動表示を開始させることを示している。このため、MPU302は、ステップS706にてRAM313に第2結果表示部フラグがセットされていると判定した場合(YES)、ステップS708において、第2振分テーブル(図21(b)参照)をROM312の振分テーブル記憶エリアから読み出す。
ステップS707又はステップS708の処理を実行した後、MPU302は、ステップS709において、振分判定処理を実行する。この振分判定処理では、MPU302は、実行エリアAEに格納された大当たり種別カウンタC2の値と、ステップS707又はステップS708にて読み出した振分テーブルとを比較することによって、振分抽選の結果(振分結果)を判定する。
ステップS710では、MPU302は、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。この大当たり結果用の停止結果設定処理では、MPU302は、メイン表示部93の第1結果表示部93a又は第2結果表示部93bに最終的に停止表示させる図柄に係る情報を決定し、決定した情報、すなわち停止表示させる図柄に係る情報をRAM313に記憶させる。ここで、MPU302は、ステップS709にて判定した振分結果と、ROM312に予め記憶された大当たり結果用の停止結果テーブルとの比較によって、メイン表示部93に最終的に停止表示させる図柄に係る情報を決定する。この大当たり結果用の停止結果テーブルは、メイン表示部93に停止表示させる図柄の態様を振分結果ごとに相違させて規定している。
ステップS711では、MPU302は、ステップS709にて判定した振分結果に応じたフラグをRAM313にセットする。具体的には、MPU302は、振分結果が「低確結果」であることを特定した場合、低確結果フラグをセットし、「非明示少ラウンド高確結果」であることを特定した場合、非明示少ラウンド高確結果フラグをセットし、「明示少ラウンド高確結果」であることを特定した場合、明示少ラウンド高確結果フラグをセットし、「最有利結果」であることを特定した場合、最有利結果フラグをセットする。その後、MPU302は、ステップS716以降の処理を実行する。なお、以下の各ステップの処理において、MPU302は、RAM313にセットされたフラグの有無を参照して振分結果を判定する。
MPU302は、ステップS705にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定した場合(NO)、ステップS712において、ステップS704にて判定した当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS712にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合(YES)、ステップS713以降の処理を実行し、ステップS712にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合(NO)、ステップS715以降の処理を実行する。
ステップS713では、MPU302は、特別外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。この特別外れ結果用の停止結果設定処理では、MPU302は、メイン表示部93の第1結果表示部93a又は第2結果表示部93bに最終的に停止表示させる図柄に係る情報を決定し、決定した情報、すなわち停止表示させる図柄に係る情報をRAM313に記憶させる。ここで、MPU302は、ROM312に予め記憶された特別外れ結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部93に最終的に停止表示させる図柄に係る情報を決定する。この特別外れ結果用の停止結果テーブルに設定された図柄の態様は、大当たり結果用の停止結果テーブルに設定された図柄の態様とは異なっている。ステップS714では、MPU302は、特別外れフラグをRAM313にセットする。なお、以下の各処理において、MPU302は、RAM313にセットされた特別外れフラグの有無を参照して、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
ステップS715では、MPU302は、通常外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。この通常外れ結果用の停止結果設定処理では、MPU302は、メイン表示部93の第1結果表示部93a又は第2結果表示部93bに最終的に停止表示させる図柄に係る情報を決定し、その決定した情報をRAM313に記憶させる。ここで、MPU302は、ROM312に予め記憶された通常外れ結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部93に最終的に停止表示させる図柄に係る情報を決定する。なお、通常外れ結果用の停止結果テーブルに設定された図柄の態様は、大当たり結果用の停止結果テーブル及び特別外れ結果用の停止結果テーブルに設定された図柄の態様とは異なる。
ステップS711、ステップS714、及びステップS715のいずれかの処理を実行した後、MPU302は、ステップS716において、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。なお、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理については後に詳細に説明する。
ステップS717では、MPU302は、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。MPU302は、前述した通常処理(図24参照)のステップS301において、ステップS717にて設定した変動用コマンド及び種別コマンドを音声発光制御装置400に送信する。音声発光制御装置400は、MPU302から送信される変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて所定の処理を実行するが、該処理については後に詳細に説明する。
なお、変動用コマンドには、表示継続時間に係る情報が含まれているが、リーチ表示が発生するか否かの情報は含まれていない。また、種別コマンドには、当否結果に係る情報及び振分結果に係る情報が含まれている。より詳細には、種別コマンドには、当否結果に係る情報として、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、及び「通常外れ結果」に係る各情報が含まれている。また、種別コマンドには、振分結果に係る情報として、「低確結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、及び「最有利結果」に係る各情報が含まれている。なお、以下の説明では、当否結果及び振分結果を総称して遊技結果ともいう。すなわち、種別コマンドには、遊技結果に係る情報が含まれることとなる。
ステップS718では、MPU302は、RAM313に第2結果表示部フラグがセットされているか否かを判定し、その判定結果に基づいてメイン表示部93に変動表示を開始させる。ここで、RAM313に第2結果表示部フラグがセットされていない場合、遊技回の消化に際し、第1始動口84aへの遊技球の入賞に基づいて、第1結果表示部93aに変動表示を開始させることを示している。
このため、MPU302は、RAM313に第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS718において、第1結果表示部93aに変動表示を開始させる。また、RAM313に第2結果表示部フラグがセットされている場合、遊技回の消化に際し、第2始動口84bへの遊技球の入賞に基づいて、第2結果表示部93bに変動表示を開始させることを示している。このため、MPU302は、RAM313に第2結果表示部フラグがセットされていると判定した場合、MPU302は、ステップS718において、第2結果表示部93bに変動表示を開始させる。
<表示継続時間の設定処理>
図29は、表示継続時間の設定処理のフローチャートを示す図である。
ステップS801では、MPU302は、RAM313の抽選カウンタ用バッファの変動種別用カウンタ用バッファに格納された変動種別カウンタCSの値を取得する。また、MPU302は、図柄表示装置91にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、MPU302は、ステップS802において、ステップS709にて判定した振分結果が「低確結果」又は「最有利結果」であるかを判定する。
ステップS802では、MPU302は、振分結果が「低確結果」又は「最有利結果」である場合(YES)、ステップS803において、図28のステップS704にて判定した当否結果が「通常外れ結果」であるかを判定する。MPU302は、ステップS803にて当否結果が「通常外れ結果」であると判定した場合(YES)、ステップS804において、ROM312に予め記憶されたリーチ用テーブルと、保留球格納エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値との比較により、リーチ発生抽選を実行する。
ステップS805では、MPU302は、ステップS804でのリーチ発生抽選でリーチ表示が発生するか否かを判定する。MPU302は、ステップS805にてリーチ表示が発生すると判定した場合(YES)、ステップS806において、ROM312に記憶されたリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照する。また、MPU302は、ステップS802にて振分結果が「低確結果」又は「最有利結果」でないと判定した場合(NO)、ステップS803にて当否結果が「通常外れ結果」でないと判定した場合(NO)、又はステップS805にてリーチ表示が発生しないと判定した場合(NO)、ステップS807において、ROM312に記憶されたリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照する。
ステップS808では、MPU302は、ステップS806又はステップS807の処理を実行した後、表示継続時間を決定する。具体的には、MPU302は、ステップS806で参照したリーチ発生用表示継続時間テーブル又はステップS807で参照したリーチ非発生用表示継続時間テーブルに基づいて、動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定する。また、MPU302は、ステップS807で決定した表示継続時間をRAM313の各種カウンタエリアに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。
本実施形態では、図29のステップS804~S808を参照して説明したように、MPU302が、ROM312のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ用テーブルと、保留球格納エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ表示を発生させるか否かの抽選を実行しているが、このリーチ表示を発生させるか否かの抽選を音声発光制御装置400で実行するように構成してもよい。
ここで、本実施形態では、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、保留個数が多くなるほど表示継続時間を短くするように設定されている。つまり、第1始動口84aに係る保留情報を消化する際の表示継続時間は、第1始動口84aに係る保留個数が多くなるほど短くなるように設定されている。また、第2始動口84bに係る保留情報を消化する際の表示継続時間は、第2始動口84bに係る保留個数が多くなるほど短くなるように設定されている。保留個数の最大値(4個)を超えて第1始動口84a又は第2始動口84bに入賞した場合、賞球の払い出しは受けることはできるが大当たりの抽選は受けることができない。しかし、本実施形態のように、保留個数が多くなるほど表示継続時間を短くし、遊技回の消化を早くすることで、保留個数の最大値を超えて入賞する状態(賞球の払い出しは受けることはできるが大当たりの抽選は受けることができない状態)が生じるのを抑制でき、遊技者にとって有利な遊技状態を提供することができる。
また、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、サポートモードが高頻度サポートモードである場合、低頻度サポートモードである場合と比較して、表示継続時間が短く設定されている。すなわち、保留個数が同じである場合、高頻度サポートモードの表示継続時間は、低頻度サポートモードの表示継続時間よりも短く設定されている。さらに、リーチ発生用表示継続時間テーブルとリーチ非発生用表示継続時間テーブルとでは、表示継続時間が互いに異なるように設定されている。
このように、本実施形態では、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間と、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間とは互いに異なっている。したがって、リーチ表示が発生するか否かの情報が変動用コマンドに含まれていない場合でも、表示継続時間に係る情報に基づいて、サブ側の制御装置である音声発光制御装置400にてリーチ表示が発生するか否かを判定することができる。この意味では、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を間接的に含んでいるとも言える。なお、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を直接的に含んでいてもよい。
なお、本実施形態では、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、保留個数が多くなるほど表示継続時間が短くなっているが、保留個数が多くなるほど表示継続時間が長くなる等のように本実施形態とは逆の関係に設定されていてもよく、保留個数やサポートモードに応じて表示継続時間が変動(変化)しないよう構成されていてもよい。また、リーチ発生用表示継続時間テーブル及びリーチ非発生用表示継続時間テーブルを同一としてもよい。この場合、リーチ発生の有無にかかわらず、同一の表示継続時間テーブルを参照して、動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定し、RAM313の各種カウンタエリアに設けられた表示継続時間カウンタにセットすればよい。さらに、当否結果及び振分結果のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルを設定してもよい。
<遊技状態移行処理>
図30は、遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。
ステップS901では、MPU302は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS901にて開閉実行モード中でないと判定した場合(NO)、ステップS902~S910の処理を実行する。また、MPU302は、ステップS901にて開閉実行モード中であると判定した場合(YES)、ステップS911~S914の処理を実行する。
MPU302は、ステップS901にて開閉実行モード中でないと判定した場合(NO)、ステップS902において、メイン表示部93の変動表示が終了したか否かを判定する。MPU302は、ステップS902にてメイン表示部93の変動表示が終了していないと判定した場合(NO)、遊技状態移行処理を終了する。また、MPU302は、ステップS902にてメイン表示部93の変動表示が終了したと判定した場合(YES)、ステップS903において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、MPU302は、当否結果が「大当たり当選」又は「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU302は、ステップS903にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものでないと判定した場合(NO)、すなわち当否結果が「通常外れ結果」であると判定した場合、遊技状態移行処理を終了する。また、MPU302は、ステップS903にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合(YES)、RAM313に開閉実行モード中フラグをセットした後、ステップS904において、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU302は、ステップS904にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合(YES)、ステップS905において、RAM313の各種カウンタエリアに設けられた開閉カウンタSOCに「2」をセットする。この開閉カウンタSOCは、開閉実行モードへの移行に際して可変入賞装置83の大入賞口83aを開閉する総回数をMPU302にて特定するためのカウンタである。また、MPU302は、ステップS904にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合(NO)、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合、ステップS906において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」又は「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU302は、ステップS906にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合(YES)、ステップS907において、RAM313の各種カウンタエリアに設けられたラウンドカウンタRCに「2」をセットする。また、MPU302は、ステップS906にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合(NO)、すなわち振分結果が「低確結果」又は「最有利結果」であると判定した場合、ステップS908において、ラウンドカウンタRCに「15」をセットする。このラウンドカウンタRCは、開閉実行モードへの移行に際してラウンド遊技の回数をMPU302にて特定するためのカウンタである。
本実施形態では、パチンコ機10は、終了条件が互いに異なる複数の開閉実行モードを有している。具体的には、パチンコ機10は、開閉実行モードとして、当否結果が「大当たり当選」である場合に移行するラウンド数規定モードと、当否結果が「特別外れ結果」である場合に移行する開閉数規定モードとを有している。
ラウンド数規定モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を実行したことを条件として終了する。ここで、ラウンド遊技の回数は、ラウンドカウンタRCにセットした値に対応している。開閉数規定モードは、予め定められた総回数の大入賞口83aの開閉を実行したこと、又は予め定められた個数の遊技球が大入賞口83aに入賞したことを条件として終了する。ここで、大入賞口83aの開閉の総回数は、開閉カウンタSOCにセットした値に対応している。この開閉数規定モードは、ラウンド遊技の実行回数を条件として終了することはない。
なお、本実施形態では、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、1回の大入賞口83aの開閉を実行する。また、1回のラウンド遊技は、以下の2つの条件(1)、条件(2)のうち、一方の条件を満たすまで継続する。すなわち、本実施形態では、パチンコ機10は、開閉扉83bを開放状態に設定した後、以下の2つの条件(1)、条件(2)のうち、一方の条件を満たすことによって、開閉扉83bを再び閉鎖状態に設定する。
(1)予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること
(2)大入賞口83aへの遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること
MPU302は、ステップS905、ステップS907、又はステップS908のいずれかの処理を実行した後、ステップS909において、RAM313の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTにオープニング用の待機時間(待機期間)として「1000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。ここで、タイマ割込み処理は2msec周期で行われる。したがって、オープニング用の待機時間は2secとなる。なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく遊技状態と当たり図柄(特図)の組み合わせに応じて任意に決定できる。
このように、MPU302は、ステップS903にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合、遊技結果の種類に関わらずタイマカウンタTにオープニング用の待機時間をセットする。換言すれば、オープニング用の待機時間は、遊技結果の種類に関わらず同一である。なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、オープニング用の待機時間は、「低確結果」又は「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS910では、MPU302は、オープニングコマンドを設定する。その後、MPU302は、遊技状態移行処理を終了する。ここで、オープニングコマンドは、開閉実行モードへの移行の契機となった遊技結果の情報を含んでおり、MPU302は、前述した通常処理(図24参照)のステップS301において、ステップS910にて設定したオープニングコマンドを音声発光制御装置400に送信する。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信されるオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードへの移行を認識し、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
また、MPU302は、ステップS901にて開閉実行モード中であると判定した場合(YES)、ステップS911において、大入賞口開閉処理を実行する。なお、ステップS911の大入賞口開閉処理については、後に詳細に説明する。
ステップS912では、MPU302は、ステップS911の大入賞口開閉処理を実行した後、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU302は、ステップS912にて開閉カウンタSOCの値及びラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」以下ではないと判定した場合(NO)、遊技状態移行処理を終了する。また、MPU302は、ステップS912にて開閉カウンタSOCの値及びラウンドカウンタRCの値の双方が「0」以下であると判定した場合(YES)、ステップS913において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU302は、ステップS913にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定した場合(NO)、遊技状態移行処理を終了する。また、MPU302は、ステップS913にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合(YES)、ステップS914において、RAM313に記憶された開閉実行モード中フラグをクリアした後、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。その後、MPU302は、遊技状態移行処理を終了する。
次に、図30のステップS911の大入賞口開閉処理について詳細に説明する。
図31は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
ステップS1001では、MPU302は、大入賞口83aが開放中であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS1001にて大入賞口83aが開放中でないと判定した場合(NO)、ステップS1002以降の処理を実行する。また、MPU302は、ステップS1001にて大入賞口83aが開放中であると判定した場合(YES)、ステップS1006以降の処理を実行する。
MPU302は、ステップS1001にて大入賞口83aが開放中でないと判定した場合(NO)、ステップS1002において、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS1002にて開閉カウンタSOCの値及びラウンドカウンタRCの値の双方が「0」以下であると判定した場合(YES)、大入賞口開閉処理を終了する。
また、MPU302は、ステップS1002にて開閉カウンタSOCの値及びラウンドカウンタRCの値の少なくとも一方が「0」以下ではないと判定した場合(NO)、ステップS1003において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS1003にてタイマカウンタTの値が「0」以下ではないと判定した場合(NO)、大入賞口開閉処理を終了する。
また、MPU302は、ステップS1003にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合(YES)、ステップS1004において、大入賞口開放処理を実行する。なお、大入賞口開放処理については、後に図32を参照して詳述する。
ステップS1005では、MPU302は、開放コマンドを設定する。また、MPU302は、前述した通常処理(図24参照)のステップS301において、ステップS1005にて設定した開放コマンドを音声発光制御装置400に送信する。その後、MPU302は、大入賞口開閉処理を終了する。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信される開放コマンドに基づいて、開閉扉83bを開放状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
MPU302は、ステップS1001において、大入賞口83aが開放中であると判定した場合(YES)、ステップS1006において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否か、すなわち、大入賞口開放処理(図32参照)のステップS1103又はステップS1106にてタイマカウンタTにセットされた上限継続時間が経過したか否かを判定する。
MPU302は、ステップS1006において、タイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定した場合(NO)、ステップS1007において、大入賞口83aへの入賞が発生したか否かを判定する。なお、大入賞口83aへの入賞が発生したか否かの判定は、大入賞口83aに対応した検知センサ153の検知結果に基づいて実行される。
MPU302は、ステップS1007にて大入賞口83aへの入賞が発生していないと判定した場合(NO)、大入賞口開閉処理を終了する。また、MPU302は、ステップS1007にて大入賞口83aへの入賞が発生したと判定した場合(YES)、ステップS1008において、入賞カウンタPCの値から1を減算して更新する。
ステップS1009では、MPU302は、入賞カウンタPCの値が「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS1009にて入賞カウンタPCの値が「0」以下でないと判定した場合(NO)、大入賞口開閉処理を終了する。また、MPU302は、ステップS1009にて入賞カウンタPCの値が「0」以下であると判定した場合(YES)、ステップS1010において、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU302は、可変入賞駆動部83cの駆動制御を実行することによって、開閉扉83bを閉鎖状態に設定する。
ステップS1011では、MPU302は、閉鎖コマンドを設定する。MPU302は、前述した通常処理(図24参照)のステップS301において、ステップS1011にて設定した閉鎖コマンドを音声発光制御装置400に送信する。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信される閉鎖コマンドに基づいて、開閉扉83bを閉鎖状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
ステップS1012では、MPU302は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS1012にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合(YES)、後述するステップS1018以降の処理を実行する。
また、MPU302は、ステップS1012にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合(NO)、ステップS1013以降の処理を実行する。ステップS1013では、MPU302は、ラウンドカウンタRCの値から1を減算して更新する。また、ステップS1014では、MPU302は、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS1014にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合(NO)、ステップS1015において、タイマカウンタTの値に「500」をセットする。その後、MPU302は、大入賞口開閉処理を終了する。
ここで、ステップS1015にてタイマカウンタTにセットされた値は、開閉扉83bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定してから再び開閉扉83bを開放状態に設定するまでの開放待機時間を規定している。本実施形態では、開放待機時間を1secに設定しているが、開閉実行モードの種類や進行状況に関わらず開放待機時間は同一である。
また、MPU302は、ステップS1014にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合(YES)、ステップS1016以降の処理を実行する。ステップS1016では、MPU302は、タイマカウンタTにエンディング用の待機時間(待機期間)として「2000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値から1を減算して更新される。ここで、タイマ割込み処理は2msec周期で行われる。したがって、エンディング用の待機時間は4secとなる。なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく遊技状態と当たり図柄(特図)の組み合わせに応じて任意に決定できる。
エンディング用の待機時間は、オープニング用の待機時間と同様に、遊技結果の種類に関わらず同一である。すなわち、このエンディング用の待機時間は、開閉実行モードの種類に関わらず同一である。なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、エンディング用の待機時間は、「低確結果」又は「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS1017では、MPU302は、エンディングコマンドを設定する。MPU302は、前述した通常処理(図24参照)のステップS301において、ステップS1017にて設定したエンディングコマンドを音声発光制御装置400に送信する。その後、MPU302は、大入賞口開閉処理を終了する。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信されるエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了を認識し、所定の処理を実行する。
また、MPU302は、ステップS1006にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合(YES)、前述したステップS1010以降の処理を実行する。また、MPU302は、ステップS1012にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合(YES)、ステップS1018において、開閉カウンタSOCの値から1を減算して更新する。
ステップS1019では、MPU302は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS1019にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下でないと判定した場合(NO)、前述したステップS1015以降の処理を実行する。また、MPU302は、ステップS1019において、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であると判定した場合(YES)、前述したS1016以降の処理を実行する。
次に、図31のステップS1004の大入賞口開放処理について詳細に説明する。
図32は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
ステップS1101では、MPU302は、RAM313の各種カウンタエリアに設けられた入賞カウンタPCに「8」をセットする。ステップS1102では、MPU302は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS1102にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合(YES)、ステップS1103において、タイマカウンタTに「85」をセットする。前述したように、MPU302は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値から1を減算してタイマカウンタTを更新する。ここで、タイマ割込み処理は、2msec周期で実行される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は0.17secとなる。
また、MPU302は、ステップS1102にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合(NO)、ステップS1104において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」又は「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU302は、ステップS1104にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合(YES)、前述したステップS1103において、タイマカウンタTに「85」をセットする。前述したように、MPU302は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値から1を減算してタイマカウンタTを更新する。ここで、タイマ割込み処理は、2msec周期で実行される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は0.17secとなる。
また、MPU302は、ステップS1104にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合(NO)、ステップS1105において、タイマカウンタTに「15000」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値から1を減算して更新される。ここで、タイマ割込み処理は、2msec周期で実行される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は30secとなる。
MPU302は、ステップS1103又はステップS1105の処理を実行した後、ステップS1106において、大入賞口83aの開放実行処理を実行する。この開放実行処理では、MPU302は、可変入賞駆動部83cの駆動制御を実行することによって、開閉扉83bを開放状態に設定する。その後、MPU302は、大入賞口開放処理を終了する。
なお、ステップS1101にて入賞カウンタPCにセットされた値は、大入賞口83aへの遊技球の総入賞個数の上限を規定している。また、ステップS1103又はステップS1105にてタイマカウンタTにセットされた値は、開閉扉83bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでの上限継続時間を規定している。したがって、MPU302は、前述したように、タイマカウンタTに「85」又は「15000」をセットすることによって、長さの異なる2種類の上限継続時間を設定している。具体的には、MPU302は、上限継続時間を30secに設定した長時間態様と、上限継続時間を長時間態様のそれよりも短い0.17secに設定した短時間態様とを設定している。
本実施形態では、パチンコ機10は、0.6secの周期で遊技球発射機構110のソレノイドを励磁することによって、遊技球発射機構110に遊技球を発射させる。また、MPU302は、入賞カウンタPCに「8」をセットすることによって、大入賞口83aへの遊技球の総入賞個数の上限を8個に設定している。したがって、長時間態様の上限継続時間(30sec)は、大入賞口83aへの遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも十分に長いので、上限である8個の遊技球を大入賞口83aに入賞させることは容易である。これに対し、短時間態様の上限継続時間(0.17sec)は、遊技球の発射周期よりも短いので、遊技球を大入賞口83aに入賞させることは困難である。なお、タイミングによっては1個程度の遊技球を大入賞口83aに入賞させることは可能である。
次に、図30のステップS914の開閉実行モード終了時の移行処理について詳細に説明する。
図33は、開閉実行モード終了時の移行処理のフローチャートを示す図である。
ステップS1201では、MPU302は、振分結果が「最有利結果」又は「明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS1201にて振分結果が「最有利結果」又は「明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合(YES)、ステップS1202において、高頻度サポートフラグをRAM313にセットする。MPU302は、RAM313に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合、これを維持する。これによって、MPU302は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定又は維持する。
ステップS1203では、MPU302は、RAM313に記憶された回数制限フラグをクリアする。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM313に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされていない場合、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続される。
ステップS1204では、MPU302は、高確率モードフラグをRAM313にセットする。MPU302は、RAM313に既に高確率モードフラグがセットされている場合、これを維持する。これによって、MPU302は、当否抽選モードを高確率モードに設定又は維持する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続される。その後、MPU302は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
なお、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する際には、MPU302は、振分結果に応じてRAM313にセットしたフラグ(低確結果フラグ、非明示少ラウンド高確結果フラグ、明示少ラウンド高確結果フラグ、及び最有利結果フラグ)や、特別外れフラグをクリアする。また、前述した変動開始処理(図28参照)のステップS701では、MPU302は、RAM313に高確率モードフラグがセットされているか否かを判定することによって、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定している。
また、MPU302は、ステップS1201にて振分結果が「最有利結果」又は「明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合(NO)、ステップS1205において、振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS1205にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合(YES)、ステップS1206において、RAM313に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定する。
MPU302は、ステップS1206にてRAM313に高頻度サポートフラグがセットされていると判定した場合(YES)、前述したステップS1203以降の処理を実行する。また、MPU302は、ステップS1206にてRAM313に高頻度サポートフラグがセットされていないと判定した場合(NO)、ステップS1207において、高確率モードフラグをRAM313にセットする。MPU302は、RAM313に既に高確率モードフラグがセットされている場合、これを維持する。これによって、MPU302は、当否抽選モードを高確率モードに設定又は維持する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続される。その後、MPU302は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
MPU302は、ステップS1205にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合(NO)、ステップS1208において、振分結果が「低確結果」であるか否かを判定する。
MPU302は、ステップS1208にて振分結果が「低確結果」でないと判定した場合(NO)、すなわち、当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
また、MPU302は、ステップS1208にて振分結果が「低確結果」であると判定した場合(YES)、ステップS1209において、高確率モードフラグをクリアする。これによって、MPU302は、当否抽選モードを低確率モードに設定する。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となって、振分結果が「低確結果」以外になるまで継続される。
ステップS1210では、MPU302は、高頻度サポートフラグをRAM313にセットする。MPU302は、RAM313に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合、これを維持する。これによって、MPU302は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定又は維持する。ステップS1211では、MPU302は、RAM313の各種カウンタエリアに設けられた遊技回数カウンタの値に「100」をセットする。ステップS1212では、MPU302は、回数制限フラグをRAM313にセットする。MPU302は、RAM313に既に回数制限フラグがセットされている場合、これを維持する。その後、MPU302は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM313に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされている場合、遊技回数カウンタにセットされた終了基準回数である100回の遊技回を消化するまで継続する。MPU302は、100回の遊技回を消化した場合、高頻度サポートフラグ及び回数制限フラグをクリアする。これによって、MPU302は、サポートモードを低頻度サポートモードに設定する。なお、MPU302は、これらの処理を前述した通常処理(図24参照)のステップS306において、電役サポート用処理として実行するが、詳細な説明は省略する。
このように、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「最有利結果」又は「明示少ラウンド高確結果」となった場合、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モード及び高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
また、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであるときに当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」となった場合、遊技状態は、開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モード及び高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
これに対して、現在のサポートモードが低頻度サポートモードであるときに当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」となった場合、遊技状態は、開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、低頻度サポートモードに移行する。高確率モード及び低頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「低確結果」となった場合、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、低確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続し、高頻度サポートモードは、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した場合、低頻度サポートモードに移行する。
また、当否抽選において「大当たり当選」とならなかった場合、すなわち当否抽選において当否結果が「特別外れ結果」又は「通常外れ結果」となった場合、遊技状態は移行しない。
次に、図22のステップS102の前扉枠開放監視処理について図34のフローチャートを用いて説明する。図34は、前扉枠開放監視処理のフローチャートを示す図である。
前扉枠開放監視処理では、先ずステップS1301にて比較処理を実行する。比較処理では、上記信号読み込み処理にてMPU302のレジスタに記憶した検知状態の情報(受光信号)と、ROM312に格納されている判定基準値とを比較する。続くステップS1302では比較処理にて比較した信号の値が判定基準値を上回っているか否かを判定する。
ステップS1302において信号の値が判定基準値よりも小さい場合(NO)、前扉枠14が内枠13に対して開放されたことを意味する。このように信号の値が判定基準値に満たない場合には、外部電源から電力供給が行われている状況で前扉枠14が内枠13に対して開放操作されたことを報知すべく、ステップS1303にて通常時用報知処理を実行する。
通常時用報知処理では、通常時報知用コマンドをセットする。このセットされた通常時用報知コマンドは通常処理(図23)の外部出力処理にて音声発光制御装置400に出力される。音声発光制御装置400では、スピーカ部26A~26Cから報知音を出力させ、エラー表示ランプ部24を点灯させ、さらに図柄表示装置91にて報知表示を行わせる。音声発光制御装置400では、内枠13や前扉枠14が開閉されるといった報知解除操作が行われるまで各種報知を継続させる(報知解除操作が行われると扉開放報知解除コマンドがMPU402へ送信される)。なお、音声発光制御装置400では、予め定められた報知時間(報知期間)だけ上記各種報知を継続させた後にそれら各種報知を停止させるようにしてもよい。この報知時間としては例えば10secなどが考えられる。
また、通常時用報知処理では、遊技ホールに設けられたホールコンピュータに外部端子板213を介して通常時報知用信号を出力する。この場合、ホールコンピュータでは通常時報知用信号をパチンコ機10から入力した日時やパチンコ機10の台番号といった識別情報を履歴として記憶する処理や、遊技ホールに設けられた監視カメラを対象となるパチンコ機10に向けるといった処理を実行する。
外部電源から電力供給が行われている状況においては、前扉枠14が閉鎖されたタイミングではなく、前扉枠14が開放されたタイミングで上記のような通常時用報知処理が実行されれば、遊技ホールの管理者等に対して前扉枠14の不正開放に対処させることが可能である。
なお、通常時用報知処理は、上記のものに限定されることはなく、通常時報知用コマンド又は通常時報知用信号のいずれか一方のみを出力する構成としてもよい。また、通常時報知用コマンドの出力に基づく処理として、スピーカ部26A~26Cからの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、又は図柄表示装置91での報知表示のうち一部のみを実行する構成としてもよい。ステップS1303にて通常時用報知処理を実行した後、本前扉枠開放監視処理を終了する。
一方、ステップS1302において信号の値が判定基準値以上の場合(YES)、ステップS1304では、通常時報知用コマンドがすでにセットされているかを判定する。
ステップS1304において、通常時報知用コマンドがすでにセットされている場合(YES)、ステップS1305にて報知解除処理を実行する。
ステップS1302において信号の値が判定基準値以上の場合、前扉枠14が内枠13に対して閉鎖されていることを意味する。また、ステップS1304において通常時報知用コマンドがすでにセットされている場合、報知が行われていることを意味する。このように信号の値が判定基準値以上であり、通常時報知用コマンドがすでにセットされている場合には、外部電源から電力供給が行われている状況で前扉枠14が内枠13に対して閉鎖操作(報知解除操作)されたことを意味するため、ステップS1305にて報知解除処理が実行される。
ステップS1306では、セットされた通常時報知用コマンドを解除、換言すると通常時報知用コマンドのフラグをクリア(値を0と)する。
なお、タイマ割込み処理(図22)では、ステップS102にて前扉枠開放監視処理を実行した後は、ステップS103にて、外部電源からの電力供給が行われている状況における第2監視装置290を介した内枠13の監視処理として内枠開放監視処理及び裏パックユニット開放検出器289を介した裏パックユニット15の開放検出を実行する。
内枠開放監視処理では、信号読み込み処理にて把握した第2監視装置290の検知状態の情報(受光信号)が、ROM312に格納されている判定基準値よりも小さい場合に、上記通常時用報知処理を実行するとともに検知状態の情報の更新を実行する。また、信号読み込み処理にて把握した第2監視装置290の検知状態の情報(受光信号)が、ROM312に格納されている判定基準値以上である場合には、通常時報知用コマンドがすでにセットされているかを判定し、通常時報知用コマンドがすでにセットされている場合、報知解除処理を行う。この具体的な処理構成については、前扉枠開放監視処理と同様であるため重複する説明を省略する。また、裏パックユニット15の開放検出では、裏パックユニット開放検出器289からの出力信号(High or Low)に基づいて、裏パックユニット15が開放されているか否かを判定する。
<音声発光制御装置400及び表示制御装置500の電気的構成>
図35は、音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。音声発光制御装置400は、図35に示すように、音声発光制御基板401と、この音声発光制御基板401に実装されたMPU402と、このMPU402を構成しているROM412及びRAM413とを備えている。ここで、MPU402は、ROM412及びRAM413の他、CPU、割込回路、タイマ回路(RTC)、及びデータ入出力回路などを複合的にチップ化した素子である。
ROM412は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。ROM412は、論理アドレスにより論理的に分離された複数のエリア(領域)を有しており、各エリアに各種の制御プログラムやそのプログラムに応じた処理の実行に際して利用される固定値データを記憶している。MPU402は、ROM412に記憶されている制御プログラムに従って処理を実行することで、主制御装置300からの指示に基づく演出の実行を制御する。ROM412は、CPUとチップ化されて内部バスにより接続されているため、そのデータ容量を増大化することが比較的困難であり、具体的にはそのデータ容量は2Mバイトとなっている。
RAM413は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM412よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。RAM413は、論理アドレスにより論理的に分離された複数のエリア(領域)を有しており、例えば、各種カウンタエリアや、各種フラグ格納エリアなどの各種エリアを有している。RAM413は、ROM412内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。なお、MPU402に対してROM412及びRAM413が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
音声発光制御基板401は、入力ポート(不図示)及び出力ポート(不図示)を備えている。音声発光制御基板401の入力ポートは、主制御装置300に接続されている。また、音声発光制御基板401の入力ポートは、操作ボタン35に接続されている。音声発光制御基板401の出力ポートは、表示ランプ装置23A,23Bやエラー表示ランプ部24、第1~第3保留ランプ部95a~96、スピーカ部26A~26C、表示制御装置500等に接続されている。MPU402は、主制御装置300から送信されるコマンドに基づいて、表示ランプ装置23A,23Bやエラー表示ランプ部24、第1~第3保留ランプ部95a~96、スピーカ部26A~26Cなどの駆動制御を実行する。また、MPU402は、主制御装置300から送信されるコマンドを解析して所定期間における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容に応じたコマンドを表示制御装置500に送信する。このコマンド送信には、MPU402とMPU502とを接続するように設けられた信号経路が利用される。なお、音声発光制御装置400は、信号線の両端にコネクタが設けられたハーネスなどのコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置500と電気的に接続されている。
MPU402は、所定期間における演出の内容を決定した場合、表示制御装置500だけでなく表示ランプ装置23A,23Bの発光制御を実行する。この場合、図35では、音声発光制御基板401と表示ランプ装置23A,23Bとが直接接続されているように記載されているが、これに限定されることはなく、音声発光制御基板401と表示ランプ装置23A,23Bとの間に中継基板が介在していてもよい。
MPU402は、所定期間における演出の内容を決定した場合、スピーカ部26A~26Cの駆動制御を実行する。スピーカ部26A~26Cの駆動制御に際しては、音出力LSI403及び共通用ROM404が利用される。
共通用ROM404は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該共通用ROM404は、MPU402に直接接続されているのではなく、音出力LSI403に対して外付けされていることに起因して、そのデータ容量を増大化することはROM412に比べて容易であり、具体的にはそのデータ容量は1Gバイトとなっている。但し、このデータ容量は任意であり、500Mバイトや、4Gバイトであってもよい。
音出力LSI403は、I/F403aと、レジスタ403bと、音データ処理部403cと、DAC403dと、データ転送部403eとを備えている。音出力LSI403は、MPU402から送信されるデータに従ってスピーカ部26A~26Cから音を出力するための制御を実行する。
I/F403aは、双方向通信用の信号経路群として設けられたバスB1を介してMPU402との間で音出力LSI403が通信を行うためのインターフェースである。このI/F403aに接続されたバスB1は8本の信号経路から構成されており、各信号経路を介して、MPU402と音出力LSI403との間でデータの送受信が行われる。
レジスタ403bは、音出力LSI403にて利用される各種データを一時的に記憶するための記憶手段としての機能を有しており、記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリを読み書き両用として利用するように構成されている。また、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に、ROM412及び共通用ROM404よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。
当該レジスタ403bは、複数のデータを同時に記憶保持可能なように、多数バイトのデータ容量を有しており、キロバイト又はメガバイトの単位のデータ容量を有している。具体的には、10キロバイト程度のデータ容量を有している。
音データ処理部403cは、MPU402から送信されレジスタ403bに記憶されているシーケンスデータ及びパラメータデータを音の出力を行う上で利用可能なように変換するとともに、その変換結果の内容と共通用ROM404から読み出された音データとを利用してデジタル楽音データを作成する機能を有する。シーケンスデータには、一連の音の出力開始タイミングや出力順序を示す時間データが含まれており、パラメータデータには、所定のタイミングにおける音の音高、音量及び音色などを定めるデータが含まれている。
また、音データ処理部403cは、同時に複数の異なる音を出力可能とするように複数の発音チャンネルの機能を有しており、発音チャンネル毎に作成したデジタル楽音データを合成してデジタル合成楽音データを作成する機能を有する。なお、複数の発音チャンネルとして、16チャンネル分の機能を有しているが、このチャンネル数は任意である。また、仮想トラックを利用することにより、実際の発音チャンネル数よりも多い数のトラック(例えば64トラック)を利用可能となっているが、仮想トラックを利用しない構成としてもよい。
DAC403dは、デジタル/アナログコンバータであり、アナログ信号の増幅回路を備える。DAC403dでは、音データ処理部403cにて作成されたデジタル楽音データ又はデジタル合成楽音データをアナログ信号に変換したアナログ音声信号を増幅後にスピーカ部26A~26Cへ出力する機能を有している。
データ転送部403eは、双方向通信用の信号経路群として設けられたバスB2を介して共通用ROM404と接続されており、当該共通用ROM404から読み出したデータをレジスタ403bに転送する機能を有している。このデータ転送部403eと共通用ROM404との間に設けられたバスB2は16本の信号経路から構成されており、その信号経路の数はMPU402とI/F403aとの間のバスB1よりも多い数となっている。そして、データ転送部403eと共通用ROM404との間のデータの通信速度は、MPU402とI/F403aとの間のデータの通信速度よりも速いものとなっている。データ転送部403eでは、音データ処理部403cにおいてシーケンスデータ及びパラメータデータから変換されたデータに基づき、音の出力に必要な音データを共通用ROM404から読み出し、レジスタ403bに記憶させる。
ここで、データ転送部403eは、音データ処理部403cにおいて必要な音データをレジスタ403bに転送する機能だけでなく、MPU402において必要なデータを共通用ROM404から読み出してレジスタ403bに記憶させるとともに、そのレジスタ403bに記憶させたデータをMPU402に転送する機能を有している。データ転送に係る構成について以下に説明する。
<ROM412及び共通用ROM404のデータ構成>
先ず、ROM412及び共通用ROM404のデータ構成について、図36を参照しながら説明する。図36(a)はROM412のデータ構成を説明するための説明図であり、図36(b)は共通用ROM404のデータ構成を説明するための説明図である。
図36(a)に示すように、ROM412には、MPU402にて演出制御用及び異常報知用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データ(1),プログラム及び処理用データ(2),・・・,プログラム及び処理用データ(P)が予め記憶されている。これらプログラム及び処理用データには、各演出を実行するために利用されるデータテーブルや、音出力LSI403に提供するためのシーケンスデータ及びパラメータデータを含む。当該MPU402にて演出制御用の処理を実行するために必要なプログラム及び処理用データは、ROM412に全て記憶されている。なお、異常報知用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データは、図25の復電時用報知処理で使用されるプログラム及び処理用データと、図34の通常時用報知処理で使用されるプログラム及び処理用データとは異なっている。このため、復電時用報知処理と通常時用報知処理とでは異なる態様で後述の音データが再生される。
ROM412には、プログラム及び処理用データ(1),プログラム及び処理用データ(2),・・・,プログラム及び処理用データ(P)だけでなく、表示ランプ装置23A,23B及びエラー表示ランプ部24の発光制御を行うために利用される発光データ(1),発光データ(2),・・・,発光データ(Q)が予め記憶されている。これら各発光データには、所定の演出の期間において、表示ランプ装置23A,23Bのうち点灯対象となる発光部の種類、点灯期間、及び点灯順序の情報が設定されており、これらの発光パターンの内容が各発光データの種類に応じて異なっている。ROM412に記憶されている各発光データは、対象となる発光制御の期間が相違しているとともに、発光パターンの内容が異なっている。
一方、図36(b)に示すように、共通用ROM404には、スピーカ部26A~26Cから所定の音を出力するために利用される音データ(1),音データ(2),・・・,音データ(S)が予め記憶されている。これら各音データは、各種の音色に対応する楽器によって実際に発音させたメロディや音をサンプリングして得られた波形データを含むとともに、歌詞付きのメロディについては各種の音色に対応する楽器によって発音させたメロディの他に、音声をサンプリングして得られた波形データを含む。音データは、共通用ROM404に全て記憶されている。なお、共通用ROM404に記憶されている音データには、後述する図41の演出A~Dで使用される音楽(BGM)及び音声に対応する音データ(音楽データ及び音声データ)の他、図25の復電時用報知処理及び図34の通常時用報知処理で使用される異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」、扉開放からの復帰時であれば「扉が閉まりました!」など)に対応する音データ(音楽データ及び音声データ)、図43の第1モードM1~第5モードM5の演出で使用される音楽及び音声に対応する音データ(音楽データ及び音声データ)、図49の第4モードの演出MA~MCで使用される音楽及び音声に対応する音データ(音楽データ及び音声データ)等が含まれている。
音データは、アナログ信号を、パルス符号変調(PCM)により、所定のサンプリング周波数及び所定の量子化信号数でパルス列に変換されたデジタル信号のデータである。具体的には、サンプリング周波数は44.1kHzであるとともに、量子化信号数は16bitである。したがって、1sec間のアナログ信号からなる音の波形データは、1×44.1k×16bitのデータ量となる。ちなみに、この場合のサンプリング周期T1は、22.7μsecとなる。
音データは、パルス符号変調された1パルス分のデータ、すなわち1サンプル分のデータ毎に共通用ROM404から読み出し可能に設定されている。つまり、1サンプル分のデータ毎にアドレス設定がなされており、音出力LSI403のデータ転送部403eは1サンプル分のデータ単位で共通用ROM404からのデータ転送を行うことができるようになっている。
なお、サンプリング周波数は、良好な標本化を実現できるのであれば、44.1kHzに限定されることはなく、例えば32kHz、48kHz又は96kHzであってもよい。また、量子化信号数も16bitに限定されることはなく、良好な量子化を実現できるのであれば、16bit以外のビット数であってもよい。
また、共通用ROM404には、音データ(1),音データ(2),・・・音データ(S)だけでなく、発光データ(Q+1),発光データ(Q+2),・・・,発光データ(R)が予め記憶されている。ここで、共通用ROM404に記憶されている発光データには、図25の復電時用報知処理及び図34の通常時用報知処理で使用される表示ランプ装置23A,23B及びエラー表示ランプ部24の発光制御を行うために利用される発光データが含まれている。これら各発光データは、対象となる発光制御の期間が相違しているとともに、発光パターンの内容が異なっている。
ここで、表示ランプ装置23A,23Bの発光パターンは、図25の復電時用報知処理(ステップS416)及び図34の通常時用報知処理(ステップS1303)では、異なっている。具体的には、復電時用報知処理では、パチンコ機10が備える表示ランプ装置23A,23Bが発光するのに対して、通常時用報知処理では、パチンコ機10が備える表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように発光データが規定されている。つまり、本実施形態に係るパチンコ機10では、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放された状態では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように、換言すると消灯するように発光データが規定されている。
なお、本実施形態では、図25の復電時用報知処理及び図34の通常時用報知処理で、異なる発光データを用いることで、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放された状態では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されているが、図25の復電時用報知処理及び図34の通常時用報知処理で同一の発光データを用いながら、通常時用報知処理では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように、表示ランプ装置23A,23BのLED(発光ダイオード)やフィラメント、放電素子などの発光素子をガラスの球殻に封入した電球等の発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。この場合、復電時用報知処理と通常時用報知処理とで異なる発光データを記憶保持する必要がないため、発光データを記憶させるための容量を削減することができる。
このようにパチンコ機10は、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されている。このため、隣席で遊技を行う遊技者が表示ランプ装置23A,23Bの発光を煩わしく思う虞が低減される。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が爽快感や没入感を失い、興ざめする虞が低減される。なお、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bのうち、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように構成してもよい。この場合にも、通常時用報知処理の発光データを内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように規定しても良いし、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置のLED(発光ダイオード)やフィラメント、放電素子などの発光素子をガラスの球殻に封入した電球等の発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。
上記のようにMPU402にて利用される発光データは、当該MPU402に対してバスを介して直接接続されたROM412だけではなく、音出力LSI403に接続された共通用ROM404にも記憶されている。換言すれば、発光データは、ROM412と、共通用ROM404とに分配して記憶されている。
このように共通用ROM404に対して発光データを記憶させておくことで、ROM412の記憶容量を増加させなくても、発光データのデータ容量を増加させることが可能となる。特に、ROM412は、既に説明したとおり、MPU402内の内部バスを介して接続されていることに起因して、そのデータ容量を増大化することが比較的困難であり、データ容量を増大化しようとするとその内部バス幅の拡張を要することとなり、それへの対応は容易なものではない。これに対して、共通用ROM404は、既に説明したとおり、MPU402に直接接続されているのではなく、音出力LSI403に対して外付けされていることに起因して、そのデータ容量を増大化することは比較的容易である。そして、当該共通用ROM404に発光データを記憶させることで、発光データのデータ容量の増大化に良好に対処することが可能となる。
また、基本的にROMへのデータ設定に際しては、全データ容量の数%程度(例えば2%程度)がブランク(未使用の領域)となっている。この場合に、例えば共通用ROM404のデータ容量が1Gバイトであると仮定した場合、ブランクは20Mバイトとなる。このデータ容量は、ROM412のデータ容量である2Mバイトに比べて大きなデータ容量である。本構成によれば、このようなブランクを利用して発光データを分配して保存しておくことが可能となる。
さらにまた、音データは所定期間分のメロディや音声に対応したものであるため、一連の出力を行うためのデータ容量は比較的大きなものとなる。そうすると、音データはデータ容量の融通がききづらいものとなり、この点からも共通用ROM404にブランクが生じ易くなる。そして、本構成によれば、このようなブランクを利用して発光データを分配して保存しておくことが可能となる。
共通用ROM404に記憶されている発光データは、MPU402にて利用されるものであり、当該MPU402にて利用する必要が生じた際に、MPU402からの転送指示に応じて音出力LSI403にて共通用ROM404からの発光データの読み出しが行われ、その読み出された発光データがMPU402に転送される。そして、この転送に際しては、MPU402と音出力LSI403とを接続するバスB1が利用される。つまり、MPU402から音出力LSI403、又は音出力LSI403からMPU402へデータ転送を行うための信号経路を利用して、共通用ROM404に分配して記憶されている発光データがMPU402に転送される。これにより、例えばROM412とは別のROMをMPU402に対して外付けし、且つそのROMに余剰となる発光データを記憶させる構成に比べて、信号経路の数を増加させることなく余剰となる発光データを記憶しておくことが可能となる。
MPU402にて利用されるプログラム及び処理用データと、発光データとのうち、プログラム及び処理用データはその全てをROM412に記憶させておき、発光データの一部を共通用ROM404に記憶させておく構成とすることにより、データの配分を良好に行うことが可能となる。つまり、プログラム及び処理用データを共通用ROM404へ配分してしまうと、そのプログラム及び処理用データをMPU402のRAM413に転送してくるためのプログラム及び処理用データが別途必要になりプログラムの設計が煩雑なものとなる。これに対して、発光データは、元々、その発光データが記憶されているアドレスを把握して、そのアドレスに基づき発光データを読み出して転送させ、それを利用可能なように展開するという方式であるため、発光データを配分したとしてもプログラムの設計が煩雑なものとなりにくい。
また、MPU402は、主制御装置300から演出系のコマンドが送信された場合、先ずプログラムを利用してそのコマンドに対応した所定の処理を実行し、その所定の処理の実行過程で発光データを利用して表示ランプ装置23A,23Bを制御する。つまり、プログラムは主制御装置300からのコマンドの受信に対して突発的に読み出す必要があり読み出されるタイミングの任意性が高いのに対して、発光データは所定の処理の実行過程で利用されるため読み出されるタイミングの任意性が低い。また、プログラムを利用した所定の処理の実行を前提として発光データが利用されるため、読み出しの優先度はプログラムの方が高く、プログラムの読み出しが遅延されてしまうと処理待ち状態となってしまう。このような事情において、プログラムはROM412に記憶されており、発光データの少なくとも一部が共通用ROM404に記憶されていることで、プログラムは音出力LSI403の状態に関係なくMPU402にて独自に読み出すことができるようにしながら、プログラムに比べてデータ量が大きくなり易い発光データについてデータ量の増大化を良好に実現することが可能となる。
さらにまた、発光データの全てを共通用ROM404に記憶させるのではなく、発光データの一部をROM412に記憶させるとともに、残りを共通用ROM404に記憶させる構成であるため、共通用ROM404のデータ容量を極端に増加させることを抑制しながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
<音出力LSI403のレジスタ403bの構成>
次に、MPU402から音出力LSI403に音の出力指示を行うとともに、共通用ROM404に記憶された音データを音出力LSI403からMPU402に転送するために利用されるレジスタ403bの構成について、図37を参照しながら説明する。図37は、レジスタ403bの構成を説明するための概念図である。
図37に示すように、音出力LSI403のレジスタ403bには、MPU402による音出力LSI403への音の出力指示を行う際にデータ設定が行われるエリア9523a~9523eと、MPU402からのデータ転送指示に基づき共通用ROM404から読み出したデータを一時的に記憶保持しておくためのバッファ9524a~9524eと、音出力LSI403に対してデータ転送指示を行う際にデータ設定が行われるエリア9525と、音出力LSI403の内部状態をMPU402において認識するためのエリア9526と、がそれぞれ別に設けられている。
上記各エリア9523a~9526について詳細には、音の出力指示を行う際にデータ設定が行われるエリアとして、第1パラメータ用のエリア9523a、第2パラメータ用のエリア9523b、第3パラメータ用のエリア9523c及び第4パラメータ用のエリア9523dといったパラメータ用のエリア9523a~9523dを複数備えている。また、その他に、シーケンスデータ用のエリア9523eを備えている。
各パラメータ用のエリア9523a~9523dには、メロディや効果音の出力を行う上で必要なパラメータデータが格納されるとともに、音声の出力を行う上で必要なパラメータデータが格納される。このようにパラメータ用のエリア9523a~9523dが複数設けられていることにより、複数の音を同時発音可能となっている。また、シーケンスデータ用のエリア9523eには、既に説明したシーケンスデータが格納される。
ちなみに、音出力LSI403は、16チャンネル分の機能を有しているため、1のパラメータ用のエリアには複数(具体的には4個)のチャンネル分のパラメータデータが格納される。また、仮想トラックを利用する構成においては、1のパラメータ用のエリアにより多くの数のパラメータが格納されるようにしてもよい。
MPU402から音出力LSI403へのデータ転送指示を行う際にデータ設定が行われるエリアとして、転送指示用エリア9525が設けられている。転送指示用エリア9525には、MPU402において必要な発光データのアドレスデータが格納されるとともに、共通用ROM404から音出力LSI403に読み出された発光データのMPU402への転送指示を与えるデータが格納される。
MPU402からのデータ転送指示に基づき共通用ROM404から読み出したデータを一時的に記憶保持しておくためのエリアとして、外部読み出し用のバッファ9524a~9524eが複数設けられている。MPU402において必要な発光データは、外部読み出し用のバッファ9524a~9524eに一旦格納され、所定の読み出しタイミングとなった際にMPU402に転送される。
音出力LSI403の内部状態をMPU402において認識するためのエリアとして、フラグ用エリア9526が設けられている。フラグ用エリア9526としては、例えば読み出し完了フラグが設けられており、MPU402からのデータ転送指示に対して、対応するデータの共通用ROM404から外部読み出し用のバッファ9524a~9524eへの転送が完了した場合に、当該読み出し完了フラグに「1」が格納され、その事実がMPU402において把握される。
上記各エリア9523a~9523e,9525~9526及び各バッファ9524a~9524eはいずれもMPU402からアクセス可能なエリアであるが、それら各エリア9523a~9523e,9525~9526やバッファ9524a~9524eに同時にアクセスされるのではなく、アクセス可能な対象が切り換えられる構成となっている。つまり、MPU402において同時にアクセス可能なエリアの数は、MPU402と音出力LSI403との間のバスB1を構成する第1信号経路~第8信号経路(本実施形態では8本)の数に対応している。
具体的には、バスB1を構成する第1信号経路に対応する第1エリア9521aとして、第1パラメータ用のエリア9523a及び1の外部読み出し用のバッファ9524aが割り当てられており、バスB1を構成する第2信号経路に対応する第2エリア9521bとして、第2パラメータ用のエリア9523b及び1の外部読み出し用のバッファ9524bが割り当てられており、バスB1を構成する第3信号経路に対応する第3エリア9521cとして、第3パラメータ用のエリア9523c及び1の外部読み出し用のバッファ9524cが割り当てられており、バスB1を構成する第4信号経路に対応する第4エリア9521dとして、第4パラメータ用のエリア9523d及び1の外部読み出し用のバッファ9524dが割り当てられている。また、バスB1を構成する第5信号経路に対応する第5エリア9521eとして、シーケンスデータ用のエリア9523e及び1の外部読み出し用のバッファ9524eが割り当てられている。
バスB1を構成する第6信号経路に対応するエリアとして、転送指示用エリア9525が割り当てられており、バスB1を構成する第7信号経路に対応するエリアとして、フラグ用エリア9526が割り当てられている。
レジスタ403bに対しては、第1エリア9521a~第5エリア9521eのそれぞれに対応させてセレクタ9522a~9522eが設けられており、当該セレクタ9522a~9522eにより第1エリア9521a~第5エリア9521eとしてMPU402がアクセス可能なエリアが切り換えられるようになっている。そして、この切り換えは、バスB1を構成する第8信号経路に対応させてレジスタ403bに設けられたセレクタ用エリア9527への二値の切り換えを通じて行われる。
詳細には、セレクタ用エリア9527の情報が初期値である「0」である場合には、セレクタ9522a~9522eによるアクセス対象のエリアの設定により、第1エリア9521a~第5エリア9521eは音出力制御用のエリア9523a~9523eに対応したものとなる。つまり、セレクタ用エリア9527の情報が初期値である場合には、MPU402は、各パラメータ用のエリア9523a~9523dと、シーケンスデータ用のエリア9523eとにアクセス可能であり、音出力LSI403に対して音の出力指示を行うことが可能な状態となる。すなわち、音出力LSI403はMPU402に対して第1の干渉状態となる。
セレクタ用エリア9527の情報が切換実行値である「1」である場合には、セレクタ9522a~9522eによるアクセス対象のエリアの設定により、第1エリア9521a~第5エリア9521eは外部読み出し用のバッファ9524a~9524eに対応したものとなる。つまり、セレクタ用エリア9527の情報が切換実行値である場合には、MPU402は、外部読み出し用のバッファ9524a~9524eにアクセス可能であり、転送指示を行ったデータの読み出しを行うことが可能な状態となる。すなわち、音出力LSI403はMPU402に対して第2の干渉状態となる。
一方、転送指示用エリア9525、フラグ用エリア9526及びセレクタ用エリア9527は、セレクタ9522a~9522eによる切換対象となっていない。したがって、音出力LSI403がいずれの干渉状態であっても、MPU402は転送指示用エリア9525、フラグ用エリア9526及びセレクタ用エリア9527にアクセス可能となっている。
表示制御装置500は、表示制御基板501と、MPU502と、このMPU502を構成しているプログラムROM512及びワークRAM513と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)505と、キャラクタROM506と、ビデオRAM507とを備えている。ここで、MPU502は、プログラムROM512及びワークRAM513の他、CPU、割込回路、タイマ回路、及びデータ入出力回路などを複合的にチップ化した素子である。なお、MPU502、VDP505、キャラクタROM506、及びビデオRAM507は、表示制御基板501に実装されている。
MPU502は、音声発光制御装置400から送信されるコマンドに基づいてVDP505を制御する。具体的には、MPU502は、音声発光制御装置400から送信されるコマンドを解析し、この解析結果に基づいてVDP505に対するコマンドを生成することでVDP505を制御する。
プログラムROM512は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性メモリであり、書き込みを行うことができない半導体素子である。このプログラムROM512は、各種データ記憶エリアなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
ワークRAM513は、プログラムROM512に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性メモリである。このワークRAM513は、各種カウンタエリアや、各種フラグ格納エリアなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。なお、本実施形態では、ワークRAM513として、DRAMやSRAM等の揮発性メモリを用いているが、MRAM等の不揮発性メモリを用いるようにしてもよい。
VDP505は、図柄表示装置91に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する描画回路の一種である。VDP505は、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。このVDP505は、MPU502にて生成されたコマンドの内容に基づいて、キャラクタROM506から画像データを読み出し、この画像データをビデオRAM507に記憶させる。
キャラクタROM506は、図柄表示装置91に表示される図柄やキャラクタなどのスプライトデータ、背景データ、及び動画像データなどを含む各種画像データ(画像用情報)を予め記憶し、画像データライブラリとして機能する。このキャラクタROM506は、各種図柄のビットマップ形式画像データや、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等を保持している。ビデオRAM507は、図柄表示装置91に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、図柄表示装置91の表示内容は、このビデオRAM507の内容を書き替えることによって変更される。
音声発光制御装置400の説明に戻り、MPU402は、主制御装置300から送信された変動用コマンドを受信することで、遊技回用の演出を開始させる必要があることを認識し、遊技回用演出開始処理を実行する。また、主制御装置300から送信される終了コマンドを受信することで、遊技回用の演出を終了させる必要があることを認識し、遊技回用演出終了処理を実行する。また、主制御装置300から送信される大当たり演出用の各種コマンドを受信することで、大当たり演出を開始させる必要があること又は進行させる必要があることを認識し、大当たり演出用処理を実行する。また、主制御装置300から送信されるデモ表示用のコマンドを受信することで、デモ表示を開始させる必要があることを認識し、デモ表示用処理を実行する。なお、MPU402において主制御装置300からのコマンド受信には、主制御装置300からコマンドを直接受信する構成に限定されることはなく、中継基板で中継されたコマンドを受信する構成であってもよい。
遊技回用演出開始処理では、変動用コマンド及び種別コマンドの両コマンドに基づいて、該当遊技回の変動表示時間(表示継続期間)を把握する変動表示時間の把握処理と、リーチ表示の有無を把握するリーチ表示把握処理と、大当たり結果の有無を把握する大当たり結果発生の把握処理と、大当たり結果が発生する場合における大当たり種別を把握する大当たり種別の把握処理と、を実行する。また、リーチ表示把握処理、大当たり結果発生の把握処理及び大当たり種別の把握処理における把握結果に基づいて、本遊技回において図柄表示装置91の表示画面Gにて行う表示演出の種類を決定する表示演出把握処理を実行するとともに、本遊技回において図柄表示装置91の表示画面Gに最終停止表示させる図柄の種類を決定する図柄種別把握処理を実行する。そして、これら各把握処理の結果に基づいて、変動表示時間の情報及び表示演出の種類の情報を含む変動パターンコマンドと、最終停止表示させる図柄の種類の情報を含む図柄指定コマンドを表示制御装置500に送信する。
また、遊技回用演出開始処理では、上記各把握処理の他に、予告表示を行うか否かの予告表示抽選処理を実行する。この場合、当該抽選処理では、予告表示の種別抽選についても実行される。そして、予告表示の発生当選である場合には、予告表示の種別の情報を含む予告コマンドを、表示制御装置500に送信する。また、遊技回用演出開始処理では、上記各処理の処理結果に基づいて、遊技回用の発光データ(シーケンスデータ及びパラメータデータを含む)と遊技回用の音データ(シーケンスデータ及びパラメータデータとを含む)とをROM412及び共通用ROM404から読み出し、表示ランプ装置23A,23Bによる発光態様やスピーカ部26A~26Cからの出力態様を規定する。
遊技回用演出終了処理では、現状の遊技回における表示ランプ装置23A,23Bの発光制御及びスピーカ部26A~26Cの音声出力制御を終了する。また、当該遊技回用演出終了処理では、遊技回用演出を終了させるべき情報を含む終了コマンドを、表示制御装置500に送信する。大当たり演出用処理では、受信している大当たり演出用の各種コマンドに基づいて、オープニング時、各ラウンド時、各ラウンド間及びエンディング時などの演出態様を把握し、その把握結果に対応した大当たり演出用のコマンドを表示制御装置500に送信する。また、当該把握結果に基づいて、大当たり演出用の表示データと大当たり演出用のシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データ、発光データをROM412及び共通用ROM404から読み出し、大当たり演出中における表示ランプ装置23A,23Bの発光態様やスピーカ部26A~26Cからの音声の出力態様を規定する。
デモ表示用処理では、受信しているデモ表示用のコマンドに基づいて、デモ表示の演出態様を把握し、その把握結果に対応したデモ表示用のコマンドを表示制御装置500に送信する。また、当該把握結果に基づいて、デモ表示用の発光データ(シーケンスデータ及びパラメータデータを含む)とデモ表示用の音データ(シーケンスデータ及びパラメータデータを含む)とをROM412及び共通用ROM404から読み出し、デモ表示中における表示ランプ装置23A,23Bの発光態様やスピーカ部26A~26Cからの音声の出力態様を規定する。なお、主制御装置300から送信されたコマンドに基づいてMPU402にて実行される処理は、上記処理以外にも、各種ランプ部95~97を発光制御するための処理が含まれる。
また、MPU402では、操作ボタン35の操作部が操作されたことに基づき当該操作ボタン35から送信される操作信号を受信することで、操作ボタン35が操作されたことを認識し、操作対応処理を実行する。また、操作されている状態が解除された場合にも操作信号の立下りによってそれを認識し、操作対応処理を実行する。操作対応処理では、操作信号の種類に応じて操作態様を特定し、操作ボタン35が操作されたことの情報及びその操作態様の情報を含む操作発生コマンドを表示制御装置500に送信する。また、操作対応処理では、操作部の操作が解除(キャンセル)された場合に、操作解除コマンドを表示制御装置500に送信する。また、操作対応処理では、上記コマンドの送信以外にも、表示ランプ装置23A,23Bの発光態様やスピーカ部26A~26Cからの音声の出力態様を操作ボタン35の操作に対応したものとなるように規定する。
次に、音出力LSIが備えるDAC403dとスピーカ部26A~26Cとの接続関係について、図38を参照しながら説明する。図38は、音出力LSIが備えるDAC及びスピーカ部との接続関係を説明するための概念図である。
図38に示すように、DAC403dは、音データ処理部から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するDAC回路403d1と、DAC回路403d1で変換されたアナログ信号を増幅する増幅回路403d2a~403d2cを備える。ここで、増幅回路403d2aで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26Aへと出力され、増幅回路403d2bで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26Bへと出力され、増幅回路403d2cで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26Cへと出力される。
すなわち、本実施形態に係るパチンコ機10は、各スピーカ部26A~26Cから出力(再生)される音量の大きさを独立して制御可能となっている。
ここで、図35を参照して説明したようにROM412に記憶されている異常報知用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データは、復電時用報知処理と通常時用報知処理とでは異なっている。具体的には、パチンコ機10が備える各スピーカ部26A~26Cでの再生音量、換言すると増幅回路403d2a~増幅回路403d2cの増幅率を規定するパラメータデータが少なくとも異なる。より詳細には、復電時用報知処理におけると通常時用報知処理とでは異なっている。具体的には、パチンコ機10が備える各スピーカ部26A~26Cでの再生音量、換言すると増幅回路403d2a~増幅回路403d2cの増幅率を規定するパラメータデータが少なくとも異なる。
より詳細には、復電時用報知処理では、パチンコ機10が備える各スピーカ部26A~26Cでの再生音量、換言すると増幅回路403d2a~増幅回路403d2cの増幅率が同じとなるようにパラメータデータが規定されているのに対して、通常時用報知処理では、パチンコ機10が備えるスピーカ部26Aでの再生音量が他のスピーカ部26B,26Cでの再生音量よりも小さくなるように、換言すると増幅回路403d2aの増幅率が他の増幅回路403d2b,403d2cの増幅率よりも小さくなるようにパラメータデータが規定されている。つまり、本実施形態に係るパチンコ機10では、内枠13又は前扉枠14が開放された状態では、スピーカ部26Aでの再生音量が他のスピーカ部26B,26Cよりも小さくなるように設定されている。なお、本発明において、再生音量が小さくなる、とは、再生音量がゼロ又は略ゼロである態様を含むものとする。
このようにパチンコ機10は、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に複数のスピーカ部26A~26Cのうちスピーカ部26Aの再生音量を小さくするので、隣席で遊技を行う遊技者が報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
さらに、パチンコ機10は、枠体(内枠13又は前扉枠14)の支持側とは異なる側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置されたスピーカ部26Aの再生音量を小さくする。このため、隣席に座る遊技者が報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
また、パチンコ機10は、枠体(内枠13又は前扉枠14)の支持側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって遠い側に配置されたスピーカ部26B及びスピーカ部26Cの再生音量を小さくしない。このため、隣席に座る遊技者が報知音を煩わしく思う虞を低減しつつ、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
<音声発光制御装置400にて実行されるタイマ割込み処理について>
図39は、音声発光制御装置にて実行されるタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。音声発光制御装置400のMPU402は、遊技を進行させるタイマ割込み処理を実行する。このタイマ割込み処理では、MPU402は、図39のタイマ割込み処理を定期的(例えば、2msec周期)に実行する。
ステップS1401では、MPU402は、コマンド格納処理を実行する。このコマンド格納処理では、MPU402は、MPU302からコマンドを受信した場合、この受信したコマンドをRAM413に格納する。具体的には、RAM413は、MPU302から受信したコマンドの格納及び読み出しをするためのリングバッファを有し、MPU402は、MPU302から受信した順序にしたがってコマンドをリングバッファに格納していく。なお、MPU402は、リングバッファに格納した順序にしたがってリングバッファからコマンドを読み出す。
ステップS1402では、MPU402は、主制御装置300のMPU302から受信したコマンドに基づいて演出決定処理を実行する。演出決定処理では、MPU402は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行する。ステップS1403では、MPU402は、MPU302から受信したコマンドに基づいてデモ表示実行処理を実行する。デモ表示実行処理では、MPU402は、遊技回の終了後に新たな遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、3sec)を経過した場合にデモ表示を実行する。なお、ステップS1402の演出決定処理については後に詳細に説明する。
ステップS1404では、MPU402は、ステップS1402の演出決定処理及びステップS1403のデモ表示実行処理の内容に基づいて、表示ランプ装置23A,23B、第1~第3保留ランプ部95a~96を発光制御するための発光制御処理を実行する。ステップS1405では、MPU402は、ステップS1402の演出決定処理及びステップS1403のデモ表示実行処理の内容に基づいて、スピーカ部26A~26Cを音声制御するための音声制御処理を実行する。
ステップS1406では、MPU402は、メイン処理(図25参照)の復電時用報知処理(ステップS416)及び前扉枠開放監視処理(図34)の通常時用報知処理(ステップS1303)の内容に基づいて、異常時報知処理を行う。この異常時報知処理の詳細については後述する。
その後、MPU402は、タイマ割込み処理を終了する。
<音声発光制御装置400にて実行される演出決定処理について>
図40は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。音声発光制御装置400のMPU402は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。
ステップS1501では、MPU402は、MPU302から送信された変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。MPU402は、ステップS1501にて各コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS1509以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS1501にて各コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS1502において、種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「最有利結果」又は「低確結果」であるか否かを判定する。
MPU402は、ステップS1502にて遊技結果が「最有利結果」又は「低確結果」であると判定した場合(YES)、ステップS1503において、遊技結果の種類に対応した図柄決定処理を実行する。この図柄決定処理では、MPU402は、遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合、停止図柄有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の奇数の数字又は同一の偶数の数字を有する図柄(例えば「1・1・1」又は「2・2・2」)の組み合わせに係る情報を決定し、遊技結果が「低確結果」であると判定した場合、停止図柄有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の偶数の数字を有する図柄(例えば「2・2・2」)の組み合わせに係る情報を決定する。なお、奇数及び偶数の数字は、抽選などによってランダムに決定される。
また、MPU402は、ステップS1502にて遊技結果が「最有利結果」又は「低確結果」でないと判定した場合(NO)、ステップS1504において、種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「通常外れ結果」であるか否かを判定する。MPU402は、ステップS1504にて遊技結果が「通常外れ結果」でないと判定した場合(NO)、すなわち遊技結果が「特別外れ結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、及び「明示少ラウンド高確結果」のいずれかであると判定した場合、ステップS1505において、共通用の図柄決定処理を実行する。この共通用の図柄決定処理では、MPU402は、停止図柄有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として特別な図柄の組み合わせに係る情報を決定する。具体的には、MPU402は、同一の数字を有する図柄の組み合わせではなく、当否抽選において「通常外れ結果」となった場合に選択されることのない互いに異なる数字を有する特別な図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)を決定する。なお、この特別な図柄の組み合わせは、遊技結果の種類に関わらず同一である。
また、MPU402は、ステップS1504にて遊技結果が「通常外れ結果」であると判定した場合(YES)、ステップS1506において、通常外れ用の図柄決定処理を実行する。この通常外れ用の図柄決定処理では、MPU402は、変動用コマンドの内容に基づいて、リーチ表示が発生するか否かを判定する。
MPU402は、リーチ表示が発生すると判定した場合、停止図柄有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果としてリーチ表示の図柄の組み合わせに係る情報を決定する。なお、リーチ表示の図柄の組み合わせは、抽選などによってランダムに決定される。また、MPU402は、リーチ表示が発生しないと判定した場合、停止図柄有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として前述した各図柄の組み合わせとは異なる図柄の組み合わせに係る情報を決定する。具体的には、MPU402は、同一の数字を有する図柄の組み合わせ、特別な図柄の組み合わせ、及びリーチ表示の図柄の組み合わせのいずれとも異なる組み合わせの図柄を抽選などによってランダムに決定する。
ステップS1503、ステップS1505、又はステップS1506のいずれかの処理を実行した後、MPU402は、ステップS1507において、演出パターンの決定処理を実行する。この演出パターンの決定処理では、MPU402は、ROM412に予め記憶されたデータを参照することによって、変動用コマンド及び種別コマンドに対応する演出パターンを選択する。具体的には、MPU402は、演出パターンとして、演出継続時間(演出継続期間)及び演出の内容を選択する。また、MPU402は、選択した演出パターンに基づいて、表示ランプ装置23A,23Bの発光制御を実行するとともに、スピーカ部26A~26Cの音声制御を実行する。
ステップS1508では、MPU402は、ステップS1503、ステップS1505、又はステップS1506のいずれかの処理にて決定した停止結果に係る情報を含む停止結果コマンドと、ステップS1507にて選択した演出パターンを含むパターンコマンドとを表示制御装置500に送信する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づいて、遊技回用の演出を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402にて選択された演出パターンに基づく遊技回用の演出を実行するとともに、MPU402にて決定された停止結果を停止図柄有効ラインL上に最終的に停止表示させる。
MPU402は、ステップS1508の処理を実行した後、又はステップS1501にて変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS1509以降の処理を実行する。ステップS1509では、MPU402は、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU402は、ステップS1509にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS1513以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS1509にてオープニングコマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS1510において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定する。
ステップS1511では、MPU402は、ステップS1510にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。開閉実行モード用の演出の決定処理では、MPU402は、ステップS1510にて遊技結果が「特別外れ結果」又は「非明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合、開閉実行モード用の演出として演出Aを選択する。
また、MPU402は、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合、開閉実行モード用の演出として演出Bを選択する。また、MPU402は、遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合、開閉実行モード用の演出として演出Cを選択する。また、MPU402は、遊技結果が「低確結果」であると判定した場合、開閉実行モード用の演出として演出Dを選択する。なお、演出A及び演出Bの継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口83aの開閉を短時間態様で2回実行する場合の時間と対応している。また、演出C及び演出Dの継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口83aの開閉を長時間態様で15回実行する場合の時間と対応している。
また、ステップS1511では、MPU402は、演出A~演出Dの選択結果に基づいて、表示ランプ装置23A,23Bの発光制御を実行するとともにスピーカ部26A~26Cの音声制御を実行する。
ステップS1512では、MPU402は、ステップS1511にて選択した開閉実行モード用の演出に係る情報を含む開閉実行モード用コマンドを表示制御装置500に送信する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512から読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
MPU402は、ステップS1512の処理を実行した後、又はステップS1509にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS1513において、大当たり遊技終了後のモード演出を遊技者に選択させる演出種類選択処理を発生させるか否かを判定し、判定結果に応じて演出種類選択処理を実行する。この演出種類選択処理については後に詳細に説明する。
ステップS1514では、MPU402は、演出移行処理を実行する。演出移行処理では、MPU402は、ステップS1513で選択された大当たり遊技終了後のモード演出への移行処理を行う。なお、このステップS1514の演出移行処理の詳細については後述する。
ステップS1515では、MPU402は、その他の処理を実行する。その他の処理では、MPU402は、例えば、MPU302から送信された開放コマンド、閉鎖コマンド及びエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出及び開閉実行モード終了後の演出を進行させるための処理を実行する。その後、MPU402は、演出決定処理を終了する。
<遊技結果と遊技状態等との関係について>
以下、遊技結果と、各種処理の実行に基づく遊技状態等との関係について説明する。図41は、遊技結果と、遊技状態等との関係を示す図である。具体的には、図41は、「通常外れ結果」を除く遊技結果と、遊技状態等との関係を示す図であり、遊技結果を列方向に並べ、遊技状態等を行方向に並べている。パチンコ機10は、図41に示すように、「通常外れ結果」を除く遊技結果として、「大当たり当選」及び「特別外れ結果」の当否結果と、「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、「最有利結果」、及び「低確結果」の振分結果とを有している。
ここで、「特別外れ結果」は、図41の表2列目に示すように、当否抽選において「大当たり当選」とならなかった場合(図中記号×)に選択される遊技結果である。また、振分結果は、当否抽選において「大当たり当選」となった場合(図中記号○)に選択される遊技結果である。以下、「通常外れ結果」を除く遊技結果と、遊技状態等との関係について説明する。なお、本実施形態では、パチンコ機10は、遊技結果と、遊技状態等との関係を以下のように設定しているが、遊技結果と、遊技状態等との組み合わせ、遊技結果の内容、及び遊技状態等の内容については任意である。
「特別外れ結果」では、開閉実行モードは、ラウンド数規定モードではなく、開閉数規定モードに移行し、大入賞口83aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「特別外れ結果」では、当否抽選モードに移行しない。「非明示少ラウンド高確結果」では、開閉実行モードは、2回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口83aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「非明示少ラウンド高確結果」では、当否抽選モードは、高確率モードに移行する。このように、「特別外れ結果」及び「非明示少ラウンド高確結果」は、開閉実行モードの種類は異なるが、大入賞口83aの開閉が短時間態様で2回実行される点においては共通している。
また、「特別外れ結果」及び「非明示少ラウンド高確結果」では、停止結果は、特別な図柄の組み合わせとなるとともに開閉実行モード用の演出は演出Aとなる。この演出Aには、開閉実行モードのオープニング用の演出と、開閉実行モードの可変入賞装置を開放及び閉鎖させている状況の演出と、開閉実行モードのエンディング中の演出とが含まれており、一連の演出として構成されている。また、「特別外れ結果」及び「非明示少ラウンド高確結果」では、サポートモードは移行しない。また、開閉実行モード終了後の遊技回では、図柄表示装置91は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示しない。
したがって、遊技者は、停止結果や、演出Aを確認することによって、遊技結果が「特別外れ結果」及び「非明示少ラウンド高確結果」のいずれであるかを把握することはできない。換言すれば、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」となって高確率モードに移行した場合であっても、図柄表示装置91は、開閉実行モード終了後の遊技回では、当否抽選モードは移行していないかのごとく偽装を施す。このため、遊技者は、当否抽選モードが高確率モードに移行したか否かの予測を楽しみながら遊技を行うことができる。
「明示少ラウンド高確結果」では、開閉実行モードは、2回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口83aの開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「明示少ラウンド高確結果」では、当否抽選モードは、高確率モードに移行する。また、「明示少ラウンド高確結果」では、停止結果は、特別な図柄の組み合わせとなるとともに開閉実行モード用の演出は演出Bとなる。この演出Bには、開閉実行モードのオープニング用の演出と、可変入賞装置を開放及び閉鎖させている状況の演出と、開閉実行モードのエンディング中の演出とが含まれており、一連の演出として構成されている。また、「明示少ラウンド高確結果」では、サポートモードは、高頻度サポートモードに移行する。さらに、開閉実行モード終了後の遊技回では、図柄表示装置91は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。したがって、遊技者は、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」であることを把握することができる。
「最有利結果」及び「低確結果」では、開閉実行モードは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口83aの開閉は、長時間態様で15回実行される。ここで、「最有利結果」では、停止結果は、同一の奇数の数字又は同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなるとともに、当否抽選モードは、高確率モードに移行し、開閉実行モード用の演出は、演出Cとなる。この演出Cには、開閉実行モードのオープニング用の演出と、可変入賞装置を開放及び閉鎖させている状況の演出と、開閉実行モードのエンディング中の演出とが含まれており、一連の演出として構成されている。
また、「低確結果」では、停止結果は、同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなるとともに、当否抽選モードは、低確率モードに移行し、開閉実行モード用の演出は、演出Dとなる。さらに、「最有利結果」及び「低確結果」では、サポートモードは、高頻度サポートモードに移行する。この演出Dには、開閉実行モードのオープニング用の演出と、可変入賞装置を開放及び閉鎖させている状況の演出と、開閉実行モードのエンディング中の演出とが含まれており、一連の演出として構成されている。
なお、本実施形態では、各オープニング演出の演出時間は同一である。また、本実施形態では、各エンディング演出の演出時間は同一である。しかし、オープニング演出の演出時間及びエンディング演出の演出時間をどの程度の時間行うかは任意であり、オープニング演出の演出時間とエンディング演出の演出とが異なる時間であってもよい。また、遊技結果ごと、すなわちオープニング演出ごとに演出時間が頃なっていてもよいし、一部のオープニング演出のみ演出時間が異なっていてもよい。さらに、遊技結果ごと、すなわちエンディング演出ごとに演出時間が頃なっていてもよいし、一部のエンディング演出のみ演出時間が異なっていてもよい。
<音声発光制御装置400にて実行される異常時報知処理について>
図42は、異常時報知処理のフローチャートを示す図である。音声発光制御装置400のMPU402は、パチンコ機10に異常が発生した場合に、該異常を報知するために異常時報知処理を実行する。ここでは、監視装置250、290により内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放された場合の異常時報知処理について説明し、その他の異常時の報知については説明を省略する。
ステップS1601では、MPU402は、MPU302から送信された復電時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS1601にて復電時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS1604以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS1601にて復電時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS1602において、表示制御装置500へ復電時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した復電時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づいて、復電時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づく復電時報知用表示を実行する。
ステップS1603では、MPU402は、復電時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから復電時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。ここで、復電時における異常報知は、内枠13及び前扉枠14が閉鎖(閉じた)状態で行われる。すなわち、前扉枠14が隣席で遊技する遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向するようにして開いた状態ではないため、隣席で遊技する遊技者にとって異常報知が煩わしく感じられる虞が少ない。このため、この復電時報知用のプログラム及び処理用データでは、扉が開いていた旨の異常を報知する際のスピーカ部26A~26Cの再生音量が同一もしくは略同一、換言すると増幅回路403d2a~403d2cの増幅率が同一もしくは略同一となるようにパラメータが規定されている。
ステップS1604では、MPU402は、MPU302から送信された通常時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの通常時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS1604にて通常時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、後述するステップS1609以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS1604にて通常時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS1605において、表示制御装置500へ通常時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した通常時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づいて、通常時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づく通常時報知用表示を実行する。
ステップS1606では、MPU402は、通常時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから通常時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。この通常時報知用のプログラム及び処理用データでは、扉が開いている旨の異常を報知する際のスピーカ部26Aの再生音量が他のスピーカ部26B,26Cでの再生音量よりも小さくなるように、換言すると増幅回路403d2aの増幅率が他の増幅回路403d2b,403d2cの増幅率よりも小さくなるようにパラメータが規定されている。また、パチンコ機10が備える表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように発光データが規定されている。換言すると、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されている。このため、通常時報知時においては、表示ランプ装置23A,23Bの発光が停止される。
ステップS1607では、MPU402は、BGM(演出用の音楽や音声を含む)の停止処理を行う。このBGMの停止処理では、スピーカ部26A~26Cから出力中のBGMを停止又はミュートする処理を行う。BGMを停止する場合、MPU402は、扉開放報知解除時にBGMの再生を再開するために、BGMの再生を停止したデータのアドレスをRAM413へ記憶させる。扉開放報知解除時にBGMの再生を再開する際には、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を開始することで、BGMを停止した位置から再生を再開することができる。
また、BGMをミュートする場合、MPU402は、BGMの再生自体は停止せずに、音が出力されないようにBGMをミュートするように音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402の指示に基づいて、BGMを再生するが、音がスピーカ部26A~26Cから出力されないようにBGMの再生音をミュートする。
ステップS1608では、MPU402は、ステップS1603又はステップS1606で読み出しを開始した音データの再生(出力)及び発光を開始する。具体的には、MPU402は、ステップS1603又はステップS1606で読み出しを開始したプログラム及び処理用データのシーケンスデータ及びパラメータデータと、音データを音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)が開始される。また、MPU402は、ステップS1603又はステップS1606で読み出しを開始したプログラム、処理用データ及び発光データに基づいて、表示ランプ装置23A,23B及びエラー表示ランプ部24を発光させる。ここで、通常時報知用の発光データにおいては、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されているため表示ランプ装置23A,23Bの発光は停止する。
ステップS1609では、MPU402は、MPU302から送信された裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの裏パックユニット開放コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS1609にて裏パックユニット開放コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS1611以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS1609にて裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS1610にて、MPU402は、スピーカ部26A~26Cから出力される異常報知(「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)の再生音量を小さくするよう音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402からの指示に基づいて、スピーカ部26A~26Cから出力される異常報知等の再生音量を小さくする制御を行う。
ここで、ステップS1610におけるスピーカ部26A~26Cから出力される異常報知等の再生音量を小さくする制御は、全てのスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくするように制御しても良いし、スピーカ部26A~26Cのうち特定のスピーカ部、例えば、前扉枠14又は内枠13を開放した場合に左隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなるスピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御しても良い。なお、ステップS1610において、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくするように制御する際は、音出力LSI403は、スピーカ部26A~26Cの再生音量を規定するパラメータを裏パックユニット15が開放された場合のパラメータに更新して、スピーカ部26A~26Cの増幅回路403d2a~403d2cの増幅率を小さくすることでスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする。なお、スピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御する場合には、音出力LSI403は、スピーカ部26Aの増幅回路403d2aの増幅率を小さくすることで、スピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御する。
ステップS1611では、MPU402は、MPU302から送信された扉開放の報知を解除する扉開放報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの扉開放報知解除コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS1611にて扉開放報知解除コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS1612以降の処理を実行せずに、異常時報知処理を終了する。また、MPU402は、ステップS1611にて、扉開放報知解除コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS1612以降の処理を実行する。
ステップ1612では、MPU402は、表示制御装置500へ扉開放報知解除コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した扉開放報知解除コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が解除され、通常状態へと復帰する。
ステップS1613では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、スピーカ部26A~26Cからの異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)を停止する。また、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、エラー表示ランプ部24の発光を停止させる。
また、ステップS1613では、MPU402は、共通用ROM404に記憶されている音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生するよう音出力LSI403に指示する。音出力LSI403は、共通用ROM404から音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「扉が閉まりました!」の音声が出力される。
ステップS1614では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいてRAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンド及び通常時報知用コマンドに対応するフラグをクリア、換言するとフラグの値を0とする。ステップS1615では、MPU402は、ステップS1607で停止又はミュートしたBGMの再生を再開するよう音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402からの指示に基づいて、BGMの再生を再開する。ここで、ステップS1607でBGMが停止されていた場合、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を再開するように音出力LSI403へ指示することで、BGMを停止した位置から再生が再開される。また、ステップS1607でBGMがミュートされていた場合、MPU402は、音出力LSI403へBGMのミュートを解除するように指示する。音出力LSI403へBGMのミュートを解除し、スピーカ部26A~26CからBGMが出力される。その後、MPU402は、異常時報知処理を終了する。
なお、上記説明では、ステップS1607において、BGM(演出用の音楽や音声を含む)を停止又はミュートする処理を行っているが、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に再生音量を所定値まで下げる処理を行うようにしてもよい。この場合、ステップS1608において、ステップS1603又はステップS1606で読み出しを開始した音データの再生(出力)を行う際に、音声や警告音の再生音量が漸減的又は段階的に所定値まで上がるように処理してもよい。さらに、ステップS1607において、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に音量を下げる処理を行っている場合は、ステップS1613において、スピーカ部26A~26Cからの異常報知の再生音量を音量がゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、ステップS1615において、BGMの再生を再開する際に、BGMの再生音量を所定値まで漸減的又は段階的に音量を上げるようにしてもよい。このように構成することで、BGMが急に停止され、警告音に替わることによる違和感を生ずることなく報知を行うことができる。また、警告音が急に停止され、BGMに替わることによる違和感を生ずることなく復帰を行うことができる。
また、上記説明では、ステップS1609において、裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定し、裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS1610の処理を実行して、警告音等の再生音量を小さくする構成としている。これは、裏パックユニット15は、内枠13を開放した後、裏パックユニット15を開放しなければならず、裏パックユニット15を開放するには時間を要することから、内枠13を開扉して内部に配された装置や部品を誤作動させる等して不正な利益を得るいわゆるゴト行為ではなくメンテナンス等による開放の可能性が高いこと、及び裏パックユニット15を開放してメンテナンス等を行う場合には時間を要することから、本実施形態に係るパチンコ機10では、裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合、換言すると裏パックユニット15が開放されていると判定される場合には、警告音等を小さくする構成(2段階制御)としている。これにより、時間を要するメンテナンス等の間、いつまでも大音量の警告音を聞く必要がなく、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞がさらに低減される。なお、裏パックユニット15の開放は、メンテナンス等ではなく不正が行われている可能性も考えられることから、完全に警告音等の出力を止めてしまうことは好ましくない。なお、ステップS1609及びS1610の処理を行わない、換言すると、裏パックユニット15が開放されているか否かを判定しない構成としてもよい(この場合、1段階制御となる)。この場合、パチンコ機10に裏パックユニット15の開放を検出する裏パックユニット開放検出器289を設ける必要はない。
<ゲームフロー>
図43は、パチンコ機10において展開されるゲームフローについて説明する図である。パチンコ機10で遊技を開始する場合、第1モードM1から遊技が開始される。「第1モード」(通常モード)は、当否抽選モードが低確率モード、かつ、サポートモードがない遊技状態となるモードである。第1モードM1では、第1始動口84aに遊技球を入球させることにより、特図1が変動を開始して遊技が進行していく。
第1モードM1にて、「非明示少ラウンド高確結果」に当選すると、第2モードM2(離陸モード)に移行する。「第2モード」は、当否抽選モードが高確率モード、かつ、サポートモードがない遊技状態となるモードである。第2モードM2は、次回大当たりが確約されたモードであり、次回大当たりまで高確率モードが継続する。
また、第1モードM1にて、「明示少ラウンド高確結果」に当選すると、第3モードM3(飛行モード)に移行する。「第3モード」は、当否抽選モードが高確率モード、かつ、サポートモードが回数制限なしの遊技状態となるモードである。第3モードM3は、次回大当たりが確約されたモードであり、次回大当たりまで高確率モード及びサポートモードが継続する。
また、第1モードM1にて、「最有利結果」に当選すると第4モードM4(RUSHモード)に移行する。「第4モード」は、当否抽選モードが高確率モード、かつ、サポートモードが回数制限なしの遊技状態となるモードである。第4モードM4は、次回大当たりが確約されたモードであり、次回大当たりまで高確率モード及びサポートモードが継続する。本実施形態では、パチンコ機10は、第4モードM4(RUSHモード)の演出として、演出内容の異なる複数種類の演出MA~MC(本実施形態では3種類)を有している。
本実施形態では、「最有利結果」の開閉実行モードの演出中、より具体的にはラウンド遊技中に、第4モードM4での演出種類を選択する演出種類選択演出が実行され、第4モードM4の演出を選択するための画像が表示画面Gに表示される。遊技者が操作ボタン35を操作して、表示画面Gに表示された演出MA~MCの中から好みの演出を選択すると「最有利結果」の遊技後に移行する第4モードM4での演出が選択された演出となる。なお、第4モードM4では、次回大当たりが確約されているため、次回大当たりとなるまで第4モードM4が継続する。
また、第1モードM1にて、「低確結果」に当選すると、第5モードM5(リベンジモード)に移行する。「第5モード」は、当否抽選モードが低確率モード、かつ、サポートモードが回数制限100回までの高頻度サポートモードとなる遊技状態のモードである。第5モードM5では、次回大当たりが確約されておらず、サポートモードが回数制限である100回までに再度大当たりに当選すれば、リベンジ成功となるが、サポートモードが回数制限である100回までに再度大当たりに当選しない場合、リベンジ失敗となり、高頻度サポートが終了して、当否抽選モードが低確率モード、かつ、サポートモードがない第1モードM1に移行する。
なお、図43に示すゲームフローは、代表的なゲームフローの一例を示したものであり、本実施形態に係るパチンコ機10の遊技の流れをすべて網羅しているものではない。例えば、本実施形態では、特別外れ結果(小当たり)についてはモード移行を行っていないが、前述したように、パチンコ機10は、「特別外れ結果(小当たり結果)」を有しており、「特別外れ結果」は、当否抽選モードやサポートモードの移行契機とはならないが開閉実行モードへの移行契機となる。このため「特別外れ結果」に当選した場合にモード移行するように構成してもよい。
<演出画像の例>
次に、パチンコ機10の図柄表示装置91の表示画面Gに表示される演出画像について、例を挙げて説明する。パチンコ機10において大当たりの内部抽選が行われると、主制御装置300のMPU302により変動パターン(変動時間)が決定され、メイン表示部93において変動表示が行われるが、前述したようにメイン表示部93の表示領域は、極めて小さく設定されており、図柄表示装置91で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、点灯状態で各情報を簡単には認識し難くなっている。そこでパチンコ機10では、図3を参照して説明したように、図柄表示装置91の表示画面Gにおいて演出図柄である飾図を用いた変動表示演出が行われる。なお、以下で説明する図44では背景画像の図示を省略している。
<変動表示前>
図44(A):特図1が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で表示画面Gの画面内には演出図柄である飾図の列が大きく表示されている。このとき特図1又は特図2の停止表示に合わせて、図柄表示列Z1~Z3の飾図も停止図柄有効ラインL上に停止表示された状態にある。
<変動表示演出開始>
図44(B):特図1の変動開始に同期して、表示画面Gの表示画面上で図柄表示列Z1~Z3がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。すなわち、特図1又は特図2の変動開始に同期して、表示画面Gの表示画面内で図柄表示列Z1~Z3の各飾図が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお、図44中、各図柄表示列Z1~Z3の変動表示は下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示される。
この場合の背景画像は、例えば、飛行場等の風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが、例えば「第1モード」であることを表現している。本実施形態に係るパチンコ機10において、「第1モード」は、前述したように、当否抽選モードが低確率モード、かつ、サポートモードがない遊技状態(通常モード)である。パチンコ機10は、この他にも各種の演出モードが設けられており、演出モードごとに異なる背景画像が用意されている。これらモードの違いは、内部的な「当否抽選モード」や「サポートモード」の違いに対応するものである。図44では特に図示はしていないが、この後、例えば表示画面内に特定のキャラクタやアイテム等の画像を表示させることで予告演出が行われる態様であってもよい。
<図柄表示列Z1の停止表示>
図44(C):所定時間(例えば、変動時間の半分程度)が経過すると、最初に図柄表示列Z1が変動表示を停止する。この例では、停止図柄有効ラインLに数字の「8」を表す飾図が停止表示されたことを表している。
<図柄表示列Z3の停止表示>
図44(D):図柄表示列Z1に続いて、その後に図柄表示列Z3が変動表示を停止する。この例では、停止図柄有効ラインLに数字の「3」を表す飾図が停止表示されたことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す飾図が仮停止表示された後、図柄表示列が1図柄分すべって数字の「8」を表す飾図が停止表示され、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す飾図が仮停止表示された後、飾図が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す飾図が停止表示され、それによってリーチに発展するパターンも考えられる。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が仮停止表示された後、画面上にキャラクタが出現して図柄表示列Z3の変動表示を再開させると、数字の「8」を表す飾図が停止表示されてリーチに発展するといったパターンも考えられる。
<停止表示演出>
図44(E):特図1又は特図2の停止表示に同期して、最後の図柄表示列Z2が変動表示を停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、特図1が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、飾図も同様に非当選(はずれ)の組み合わせが停止表示される。すなわち、図44(E)に示す例では、停止図柄有効ラインLに数字の「1」を表す飾図が停止表示されたことを表しており、この場合、飾図の組み合わせは「8・1・3」のはずれ目となるため、今回の変動では通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。
以上、図44を参照して、1回の変動ごとに飾図を用いて行われる変動表示と停止表示(非当選時)の一例について説明した。このような図柄表示装置91の表示画面Gに表示される演出を通じて、遊技者に対して大当たりの当否に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
<変動表示の演出例>
図45及び図46は、第1モードM1(当否抽選モードが低確率モード、かつ、サポートモードがない遊技状態)において、当否抽選において大当たりに当選し、「最有利結果」に振分けられた場合(いわゆる初当たりした場合)に実行される演出Cの演出例を示す連続図である。なお、以下の説明では、前述した演出例と共通する事項については説明を省略する。なお、この図45及び図46では背景画像の図示を省略している。
<変動表示演出開始前>
図45(A):表示画面Gには図柄表示列Z1~Z3が大きく表示されている。各図柄表示列Z1~Z3には、数字の「9・1・3」を表す飾図の組み合わせが停止表示されている。
<変動表示演出開始>
図45(B):表示画面Gにて図柄表示列Z1~Z3がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
<図柄表示列Z1の停止表示>
図45(C):表示画面Gにて図柄表示列Z1が停止表示される。図45(C)では、数字の「1」を表す飾図が停止表示されている。
<図柄表示列Z3の停止表示>
図45(D):表示画面Gにて図柄表示列Z3が停止表示される。図45(D)では、数字の「1」を表す飾図が停止表示されている。
<停止表示演出>
図45(E):特図1又は特図2の停止表示に同期して、図柄表示列Z2が停止表示される。通常、特別図柄がはずれ図柄で停止表示されていれば、表示画面Gに表示される演出図柄である飾図も同様にはずれの態様で停止表示が行われる。ただし、図45(E)では「最有利結果」の態様で特別図柄が停止表示されており、図柄表示列Z2には、数字の「1」を表す飾図が停止表示されている。
<開閉実行モード時の演出>
表示画面Gに大当たりの飾図の組み合わせが停止表示された場合、その後、開閉実行モードとなり、大当たりの抽選結果に応じた開閉実行モードの演出が表示画面G上で実行される。具体的には、内部抽選の結果である「最有利結果」の開閉実行モードの演出として演出Cが実行される。
図46(F):開閉実行モードに移行するとオープニング演出が実行される。このオープニング演出では、例えば、表示画面Gに表示される背景画像を大きく変更して、「BONUS!」等の文字画像G1が表示画面G上に大きく表示され、遊技者に大当たりに当選したことが報知される。なお、大当たりに当選したことを遊技者に報知できれば、他の態様(例えば、音声の出力)により報知するようにしてもよい。
図46(G):次に、右打ちによる遊技を行うことを遊技者に報知するために、例えば「右打ちだ!」の文字画像G2と、右向きの矢印が表示画面G上に大きく表示される。このとき右打ち遊技を行うことが強調されるように、右向きの矢印が「右打ちだ!」の文字画像G3の右隣に表示される。また、表示画面G上への右打ち遊技の報知に合わせて、スピーカ部26A~26Cからは、例えば、「右打ちだ!」の音声が出力される。パチンコ機10では、図2に示すように可変入賞装置83が遊技盤81の右側に設けられており、可変入賞装置83の大入賞口83aへ遊技球を入賞させるためには、発射ハンドル41の回転操作量を最大とし、遊技領域104の上部における遊技球の到達位置を誘導レール103の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトさせる(いわゆる右打ちする)ことが必要となるため、図46(G)に示すように、右打ち遊技を行うことが遊技者に報知される。なお、右向きの矢印及び「右打ちだ!」の文字画像G3が画面左側から画面右側へと流れるように表示されるようにしてもよい。これにより、日本語を理解できない遊技者であっても直感的に右打ち遊技を行うことを理解することができる。また、以下の説明では、大当たり遊技状態での右打ち遊技の示唆である右打ちナビを大当たり遊技用右打ちナビともいう。
図46(H):オープニング演出に次いで、可変入賞装置を開放及び閉鎖させている状況の演出が実行される。この演出では、例えば、バトル演出が行われる。このバトル演出は、遊技者側のキャラクタと敵キャラクタとがバトルを行い、バトルに勝利することで大当たり遊技後に高確率モードへ移行することを遊技者に報知する目的で行われる。また、表示画面Gの上端側には、右打ち遊技を継続することを示すために、「右打ち」の文字及び右向きの矢印「→」が複数表示される。また、「右打ち」の文字及び右向きの矢印「→」が表示画面Gの左端から右端に向かって流れるように表示される演出を行うようにしてもよい。
図46(I):また、可変入賞装置を開放及び閉鎖させている状況の演出中には、図40のステップS1513で説明した、開閉実行モード終了後の演出モードを遊技者に選択させる演出種類選択演出が実行される。この演出種類選択演出では、遊技者は、操作ボタン35の左方向ボタン35b及び/又は右方向ボタン35cを押下げ操作して、表示画面Gに表示された演出種類を示す画像GA~GCから好みの演出種類を示す画像を選択する。図46(I)に示す例では、画像GAは演出MAを表す画像であり、画像GBは演出MBを表す画像であり、画像GCは演出MCを表す画像である。遊技者が操作ボタン35を押下げ操作して画像GA~GCのいずれかを選択すると、選択された画像が他の選択されていない画像よりも大きく表示画面G上に表示され、選択されたことが明示されるように構成されている。遊技者が、好みの演出を選択したのち、操作ボタン35の決定ボタン35aを押下げ操作すると選択されている画像に対応する演出が第4モードM4の演出として決定される。
なお、本実施形態では、遊技者が所定の時間内、具体的には、最終ラウンドである第15ラウンドまでに好みの演出を選択・決定しない場合、初期設定により予め決められた演出(本実施形態では、演出MA)が第4モードM4における演出として自動的に選択される。なお、遊技者が所定の時間内に演出モードを選択・決定しない場合、所定の時間経過時に表示画面Gで選択中の画像に対応する演出が第4モードM4における演出として自動的に選択されるようにしてもよい。図46(I)に示す例では、選択されている画像GB(表示画面G上に他の画像よりも大きく表示されている画像GB)に対応する演出MBが第4モードM4における演出として自動的に選択される。
また、図46(I)に示す例では、選択されている画像が他の画像よりも大きく表示画面Gに表示される形態であったが、遊技者が、操作ボタン35の左方向ボタン35b及び/又は右方向ボタン35cを押下げ操作すると、演出MA~MCに各々対応する画像GA~GCが表示画面Gの中央に移動する形態としてもよい。図46(J)に示す例では、演出MBに対応する画像GBが選択されているため、画像GBが表示画面Gの中央に配置されている。なお、図46(J)に示す例では、遊技者に対して、選択されている画像を明確に示すために選択中の画像GBが表示画面Gを中央に配置するとともに、他の選択されていない画像GA及びGC上に重ねて(重畳して)表示することで画像GBを最表面に表示し、画像GBが選択されていることを明示している。なお、遊技者に対して、選択されている画像をより明確に示すために選択中の画像GBを他の選択されていない画像GA及びGCよりも大きく表示するようにしてもよい。
また、図46(J)に示すように、演出MA~MCの選択が可能な時間をゲージ表示するようにしてもよい。例えば、演出MA~MCの選択が可能な時間を示すゲージ画像G4を画像GBの下側に表示し、演出MA~MCの選択が可能な残時間を赤色で示し、時間の経過と共にゲージ画像G4の赤色領域G4a(図46(J)の網掛部分)が減少する構成、具体的には、赤色領域G4a(網掛部分)と白色領域G4b(白抜部分)との境界線L1が時間の経過と共に表示画面Gに向かって左側へと移動する構成としてもよい。また、時間の経過と共にゲージ画像G4の赤色領域G4a(図46(J)の網掛部分)が増加する構成、具体的には、赤色領域G4a(網掛部分)と白色領域G4b(白抜部分)との境界線L1が時間の経過と共に表示画面Gに向かって右側へと移動する構成としてもよい。さらに、選択中の演出の詳細、例えば、選択されている演出がどのような演出であるかの説明、が表示画面Gに表示されるようにしてもよい。この場合、各演出内容が記載された属性情報(メタデータ)をROM412等に記憶させておき、MPU402は、操作ボタン35の操作信号に基づいて選択中の演出の属性情報(メタデータ)をROM412から読み出し、この読み出した属性情報を表示画面Gに表示させるように表示制御装置500に指示するコマンドを送信する。また、上記演出の属性情報をプログラムROM512の各種データ記憶エリアに記憶しておき、音声発光制御装置400のMPU402が、操作ボタン35の操作信号に基づいて選択中の演出の属性情報(メタデータ)をプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出して表示画面Gに表示させるように表示制御装置500に指示するコマンドを送信してもよい。また、選択中の演出で使用される音楽をスピーカ部26A~26Cから出力するようにしてもよい。この際、現状の演出で出力されている音楽を一旦ストップして、選択中の演出で使用される音楽をスピーカ部26A~26Cから出力する。このように、選択中の演出の詳細を遊技者に提示することで、遊技者は、自分の好みに合う演出を選択しやすくなり興趣性が高まる。
<演出種類(種別)選択処理>
図47は、演出種類(種別)選択処理のフローチャートを示す図である。音声発光制御装置400のMPU402は、前述したように、図40の演出決定処理のステップS1513において、演出種類選択処理を実行する。
ステップS1701では、MPU402は、図40のステップS1501で受信した種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「最有利結果」であるか否かを判定する。MPU402は、ステップS1701にて遊技結果が「最有利結果」でないと判定した場合(NO)、演出種類選択処理を終了する。
MPU402は、ステップS1701にて遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合(YES)、ステップS1702において、オープニングコマンドの受信から所定時間が経過しているか否かを判定する。なお、MPU402は、ステップS1702の処理の実行回数をカウントすることによって所定時間が経過したか否かを判定する。例えば、所定時間が10secであり、ステップS1702の処理を繰り返し実行する間隔が2msecである場合、MPU402は、ステップS1702の処理の実行回数をカウントして5000回に達したときに10secが経過したと判定する。なお、所定時間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて所定時間を測定してもよい。MPU402は、ステップS1702にてオープニングコマンドの受信から所定時間が経過していないと判定した場合(NO)、演出種類選択処理を終了する。
また、MPU402は、ステップS1702にて所定時間が経過している場合(YES)、ステップS1703において、演出種類選択演出を開始するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して演出種類選択演出 の画像を表示画面Gに表示する。前述したように、演出種類選択演出 は、遊技者に、当否抽選において大当たりに当選し、「最有利結果」に振り分けられた際に移行する第4モードM4の演出を、種類が異なる3つの演出種類モードMA、MB、MCから選択させるものである。遊技者は、この演出種類選択演出 において操作ボタン35を操作して好みの演出モードの選択を行うこととなる。
ステップS1704では、MPU402は、遊技者による操作ボタン35による演出種類モードMA、MB、MCの選択を受付ける。遊技者は、操作ボタン35の左方向ボタン35b及び/又は右方向ボタン35cを押下げ操作し、表示画面Gに表示された画像GA~GCから好みの演出MA~MCに対応する画像を選択する。このステップS1704では、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して画像GAを選択した場合、選択されている画像GAを他の画像GB及びGCよりも大きく表示するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して選択されている画像GAを他の画像GB及びGCよりも大きく表示させる。
また、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して画像GBを選択した場合、選択されている画像GBを他の画像GA及びGCよりも大きく表示するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して選択されている画像GBを他の画像GA及びGCよりも大きく表示させる。また、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して画像GCを選択した場合、選択されている画像GCを他の画像GA及びGBよりも大きく表示するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して選択されている画像GCを他の画像GA及びGBよりも大きく表示させる。
ステップS1705では、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して演出を決定したか、すなわち、決定ボタン35aの押下操作が受付けられたか否かを判定する。MPU402は、ステップS1705において、決定ボタン35aの押下操作が受付けられたと判定される場合(YES)、MPU402は、選択されている画像に対応する演出を第4モードM4の演出として設定する。具体的には、ステップS1705において、MPU402は、画像GAが選択された状態で決定操作が受付けられた場合、MPU402は、ステップS1706において、演出MAを第1モードM1後に移行する第4モードM4の演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアに第4モードM4の演出として演出MAのフラグを設定する。
また、ステップS1705において、MPU402は、画像GBが選択された状態で決定操作が受付けられた場合、MPU402は、ステップS1706において、演出MBを第1モードM1後に移行する第4モードM4の演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアに第4モードM4の演出として演出MBのフラグを設定する。また、ステップS1705において、MPU402は、画像GCが選択された状態で決定操作が受付けられた場合、MPU402は、ステップS1706において、演出MCを第1モードM1後に移行する第4モードM4の演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアに第4モードM4の演出として演出MCのフラグを設定する。
また、ステップS1705において、決定ボタン35aの押下操作が受付けられていないと判定される場合(NO)、MPU402は、ステップS1707において、所定時間が経過しているかを判定する。なお、MPU402は、ステップS1707の処理の実行回数をカウントすることによって所定時間が経過したか否かを判定する。例えば、所定時間が10secであり、ステップS1707の処理を繰り返し実行する間隔が2msecである場合、MPU402は、ステップS1707の処理の実行回数をカウントして5000回に達したときに10secが経過したと判定する。また、所定時間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて所定時間を測定してもよい。
ステップS1707において、所定時間が経過している場合(YES)、MPU402は、ステップS1708において、初期設定により予め決められた演出(本実施形態では、演出MA)を第4モードM4での演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアに第4モードM4の演出として演出MAのフラグを設定する。なお、前述したように、ステップS1707において、所定時間が経過している場合、表示画面Gで選択中の画像に対応する演出が第4モードM4における演出として自動的に決定されるようにしてもよい。
また、ステップS1707において、所定時間が経過していない場合(NO)、MPU402は、演出種類選択処理を終了する。
<演出種類選択処理の他の例>
なお、図47のステップS1702及びステップS1707で所定時間を計測する代わりに、大当たり遊技のラウンド数に基づいて、S1702及びステップS1707の判定処理を行うようにしてもよい。例えば、図31のステップS1005の開放コマンドやラウンド開始コマンド(以下、開放コマンド等ともいう)の受信数に基づいて大当たり遊技のラウンド数をカウントすることができる。この場合、ステップS1702において、MPU402は、開放コマンド等の受信数が3(3ラウンド目)であるかどうかを判定し、開放コマンド等の受信数が3であれば、ステップS1703の演出種類選択演出を開始し、ステップS1707において、MPU402は、開放コマンド等の受信数が15(最終ラウンドである15ラウンド目)であるかどうかを判定し、開放コマンド等の受信数が15であれば、ステップS1708の初期設定の演出をセットするようにしてもよい。
図48は、演出種類選択処理の他の例におけるフローチャートを示す図である。音声発光制御装置400のMPU402は、前述したように、図40の演出決定処理のステップS1513において、演出種類選択処理を実行する。
ステップS1801では、MPU402は、図40のステップS1501で受信した種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「最有利結果」であるか否かを判定する。MPU402は、ステップS1801にて遊技結果が「最有利結果」でないと判定した場合(NO)、演出種類選択処理を終了する。
MPU402は、ステップS1801にて遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合(YES)、ステップS1802において、オープニングコマンドの受信後に受信する開放コマンド等の数を計測するためにカウンタをセットする。
ステップS1802では、MPU402は、遊技状態が大当たり遊技の3ラウンド目であるかどうかを判定する。具体的には、MPU402は、オープニングコマンドの受信後、開放コマンド等の受信を受信する度にカウンタをインクリメントし、開放コマンド等の受信数が3(3ラウンド目)となったかどうかを判定する。MPU402は、ステップS1803にて、開放コマンド等の受信数が3以上でないと判定した場合(NO)、演出種類選択処理を終了する。
また、MPU402は、ステップS1803にて開放コマンド等の受信数が3以上である場合(YES)、ステップS1804において、演出種類選択演出を開始するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して演出種類選択演出 の画像、具体的には図46(I)に示す画像を表示画面Gに表示する。
ステップS1805では、MPU402は、遊技者による操作ボタン35による演出種類モードMA、MB、MCの選択を受付ける。遊技者は、操作ボタン35の左方向ボタン35b及び/又は右方向ボタン35cを押下げ操作し、表示画面Gに表示された画像GA~GCから好みの演出MA~MCに対応する画像を選択する。このステップS1805では、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して画像GAを選択した場合、選択されている画像GAを他の画像GB及びGCよりも大きく表示するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して選択されている画像GAを他の画像GB及びGCよりも大きく表示させる。
また、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して画像GBを選択した場合、選択されている画像GBを他の画像GA及びGCよりも大きく表示するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して選択されている画像GBを他の画像GA及びGCよりも大きく表示させる。また、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して画像GCを選択した場合、選択されている画像GCを他の画像GA及びGBよりも大きく表示するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して選択されている画像GCを他の画像GA及びGBよりも大きく表示させる。
ステップS1806では、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して演出を決定したか、すなわち、決定ボタン35aの押下操作が受付けられたか否かを判定する。MPU402は、ステップS1806において、決定ボタン35aの押下操作が受付けられたと判定される場合(YES)、MPU402は、選択されている画像に対応する演出を第4モードM4の演出として設定する。つまり、ステップS1806において、MPU402は、画像GAが選択された状態で決定操作が受付けられた場合、MPU402は、ステップS1807において、演出MAを第1モードM1後に移行する第4モードM4の演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアに第4モードM4の演出として演出MAのフラグを設定する。
また、ステップS1806において、MPU402は、画像GBが選択された状態で決定操作が受付けられた場合、MPU402は、ステップS1807において、演出MBを第1モードM1後に移行する第4モードM4の演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアに第4モードM4の演出として演出MBのフラグを設定する。また、ステップS1806において、MPU402は、画像GCが選択された状態で決定操作が受付けられた場合、MPU402は、ステップS1807において、演出MCを第1モードM1後に移行する第4モードM4の演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアに第4モードM4の演出として演出MCのフラグを設定する。
MPU402は、ステップS1808において、開放コマンド等を受信したか否かを判定する。ステップS1808において、開放コマンド等を受信していないと判定される場合(NO)、MPU402は、演出種類選択処理を終了する。また、ステップS1808において、開放コマンド等を受信したと判定される場合(YES)、MPU402は、ステップS1809において、遊技状態が大当たり遊技の最終ラウンド、すなわち15ラウンド目であるかどうかを判定する。具体的には、MPU402は、オープニングコマンドの受信後、開放コマンド等を受信する度にカウンタをインクリメントし、開放コマンド等の受信数が最終ラウンドである15以上(15ラウンド目)となったかどうかを判定する。
ステップS1809において、開放コマンド等の受信数が最終ラウンドである15以上(15ラウンド目)でないと判定される場合(NO)、MPU402は、ステップS1810において、遊技者に対して決定した演出をキャンセルするかを確認する報知を行うよう指示する。具体的には、MPU402は、表示画面Gに「演出をキャンセルしますか?」等の決定した演出をキャンセルするかを確認する文字画像を表示するように表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して表示画面Gに「演出をキャンセルしますか?」等の文字画像を表示する。また、MPU402は、「演出をキャンセルしますか?」の音声がスピーカ部26A~26Cから出力されるように制御する。具体的には、MPU402は、ROM412の共通用ROM404に記憶されている「演出をキャンセルしますか?」の音声に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データを読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、スピーカ部26A~26Cから「演出をキャンセルしますか?」の音声が出力されるように音出力LSI403を制御する。また、ステップS1809において、開放コマンド等の受信数が最終ラウンドである15以上(15ラウンド目)であると判定される場合(YES)、MPU402は、演出種類選択演出処理を終了する。
ステップS1811では、MPU402は、ステップS1806で決定した演出がキャンセルされたか否かを判定する。具体的には、MPU402は、遊技者の操作ボタン35の操作に基づいて演出がキャンセルされたか否かを判定する。ステップS1811において、演出がキャンセルされたと判定される場合(YES)、MPU402は、ステップS1805の動作へ戻る。また、ステップS1811において、演出がキャンセルされていないと判定される場合(NO)、MPU402は、演出種類選択演出処理を終了する。
また、ステップS1806において、決定ボタン35aの押下操作が受付けられていないと判定される場合(NO)、MPU402は、ステップS1812において、開放コマンド等を受信したか否かを判定する。ステップS1812において、開放コマンド等を受信していないと判定される場合(NO)、MPU402は、演出種類選択処理を終了する。また、ステップS1812において、開放コマンド等を受信したと判定される場合(YES)、MPU402は、ステップS1813において、遊技状態が大当たり遊技の最終ラウンド、すなわち15ラウンド目であるかどうかを判定する。具体的には、MPU402は、オープニングコマンドの受信後、開放コマンド等の受信を受信する度にカウンタをインクリメントし、開放コマンド等の受信数が最終ラウンドである15以上(15ラウンド目)となったかどうかを判定する。
ステップS1813において、15ラウンド目であると判定される場合(YES)、MPU402は、ステップS1814において、初期設定により予め決められた演出(本実施形態では、演出MA)を第4モードM4での演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアに第4モードM4の演出として演出MAのフラグを設定する。なお、ステップS1813において、最終ラウンド(15ラウンド目)であると判定される場合(YES)、表示画面Gで選択中の画像に対応する演出が第4モードM4における演出として自動的に決定されるようにしてもよい。なお、MPU402は、ステップS1814において演出を設定すると演出種類選択演出処理を終了する。
また、ステップS1813において、最終ラウンド(15ラウンド目)であると判定されない場合(NO)、MPU402は、ステップS1815において、遊技者に対して演出の選択・決定を促す報知を行うよう指示する。具体的には、MPU402は、表示画面Gに「演出を決定しろ!」、「演出を決定してね!」等の演出の選択・決定を促す文字画像を表示するように表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して表示画面Gに「演出を決定しろ!」、「演出を決定してね!」等の演出の選択・決定を促す文字画像を表示する。また、MPU402は、「演出を決定しろ!」、「演出を決定してね!」等の音声がスピーカ部26A~26Cから出力されるように制御する。具体的には、MPU402は、ROM412の共通用ROM404に記憶されている「演出を決定しろ!」、「演出を決定してね!」等の音声に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データを読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、スピーカ部26A~26Cから「演出を決定しろ!」、「演出を決定してね!」等の音声が出力されるように音出力LSI403を制御する。
なお、どのタイミングで演出種類選択演出を開始するかは任意であり、例えば、開放コマンド等の受信数が1(1ラウンド目)以上15以下(15ラウンド目)であればよい。また、演出種類選択演出を開始するラウンド数をRAM413に格納されているカウンタを用いてランダムに決定するようにしてもよい。また、上記説明では、大当たり遊技のラウンド数に応じて演出のキャンセルが可能(具体的には、14ラウンド目まで演出のキャンセルが可能)な構成としているが、所定時間やラウンド数が経過するまで演出のキャンセルが可能な構成としてもよい。
<演出移行処理>
次に、当否抽選において大当たりに当選し、振分結果が「最有利結果」となった場合の第4モードM4(RUSHモード)への移行処理について説明する。通常であれば、当否抽選において大当たりに当選した場合、振分結果に応じた開閉実行モードの演出が実行されてエンディング期間が終了した後、次のモードの演出が開始される。しかしながら、本実施形態に係るパチンコ機では、当否抽選において大当たりに当選し、振分結果が「最有利結果」となった場合、最有利結果に応じた開閉実行モードの演出Cが実行される。そして、この演出Cのエンディング期間中に第4モードM4の演出が開始される。
具体的には、最有利結果に対応する演出Cのエンディング期間中に第4モードM4の演出で使用される音楽の出力が開始されるように制御される。本実施形態では、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類に応じて、スピーカ部26A~26Cから音楽及び音声の出力を開始するタイミングが変化する。なお、以下の説明では、第4モードM4の演出において、音楽の演出を音楽演出、表示画面Gに表示する映像の演出を映像演出ともいう。
以下、図49を参照して、第4モードM4への移行処理について詳細に説明する。なお、本実施形態では、第4モードM4の演出が演出MA~MCの3種類あり、演出MA~MCごとに移行処理が異なる。以下では、各演出MA~MCの移行処理の詳細について説明する。なお、以下の説明では、第4モード(RUSHモード)移行時における右打ち遊技の示唆である右打ちナビをRUSH用右打ちナビともいう。
<演出MAへの移行処理:図49(a)>
初めに、第4モードM4の演出として演出MAが設定されている場合について説明する。演出MAへの移行処理では、「最有利結果」に対応する演出Cのエンディング期間の開始時T1から、スピーカ部26A~26Cから第4モードM4の演出MAで使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。ここで、演出MAでは、演出Cのエンディング期間と、第4モードM4の演出MAで使用される音楽のイントロ部分の期間とが同じ長さ(時間)となっている。このため、エンディング期間の終了時T2にイントロ部分の出力が終了する。また、スピーカ部26A~26Cからは、音楽のイントロ部分の出力終了後にイントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。
また、演出MAへの移行処理では、イントロ部分の出力期間中にスピーカ部26A~26Cから「A RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。具体的には、「A RUSH突入」の音声の出力は、エンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW1後に開始され、イントロ部分の出力終了と同時もしくは略同時に「A RUSH突入」の音声の出力が終了するよう制御される。ここで、音声開始時間TW1は、エンディング期間もしくはイントロ部分の出力期間から「A RUSH突入」の音声の出力時間を引いた時間となる。例えば、エンディング期間もしくはイントロ部分の出力期間が10secで、「A RUSH突入」の音声の出力時間が2secである場合、音声開始時間TW1は、8secとなる。この場合、エンディング期間の開始時T1から8sec後に「A RUSH突入」の音声の出力が開始されるよう制御される。
なお、エンディング期間の終了時T2には、右打ち遊技を示唆するための「右打ちだ」の音声が出力され、RUSH用右打ちナビがスタートするよう制御される。すなわち、「右打ちだ」の音声の出力は、エンディング期間の終了時、換言すると、第4モードM4(RUSHモード)の開始時に開始されるよう制御される。また、エンディング期間の終了時T2には、演出MAの映像演出が開始されるよう制御される。なお、エンディング期間の終了時T2に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるように制御してもよい。この場合、「右打ちだ」の音声出力に加えて「右打ちしてください」等の文字が、エンディング期間の終了時、換言すると、第4モードM4(RUSHモード)の開始時に表示されるよう制御される。
<演出MBへの移行処理:図49(b)>
次に、第4モードM4の演出として演出MBが設定されている場合について説明する。演出MBへの移行処理では、「最有利結果」に対応する演出Cのエンディング期間の開始時T1から、スピーカ部26A~26Cから第4モードM4の演出MBで使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。ここで、演出MBでは、演出Cのエンディング期間よりも第4モードM4の演出MBで使用される音楽のイントロ部分の期間が長くなっている。このため、エンディング期間の終了時T2以降もイントロ部分の出力が継続する。また、スピーカ部26A~26Cからは、音楽のイントロ部分の出力終了後に、イントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。
また、演出MBへの移行処理では、イントロ部分の出力期間中にスピーカ部26A~26Cから「B RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。具体的には、「B RUSH突入」の音声の出力は、エンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW2後に開始され、イントロ部分の出力終了と同時もしくは略同時に「B RUSH突入」の音声の出力が終了するよう制御される。ここで、音声開始時間TW2は、イントロ部分の出力期間から「B RUSH突入」の音声の出力時間を引いた時間となる。例えば、イントロ部分の出力期間が11secで、「B RUSH突入」の音声の出力時間が2secである場合、音声開始時間TW2は、9secとなる。この場合、エンディング期間の開始時T1から9sec後に「B RUSH突入」の音声の出力が開始されるよう制御される。
ここで、この演出MBへの移行処理では、エンディング期間の終了時T2にまたがって「B RUSH突入」の音声のスピーカ部26A~26Cから出力される。このため、エンディング期間の終了時T2に右打ち遊技を示唆するための「右打ちだ」の音声が出力されると、「B RUSH突入」の音声と「右打ちだ」の音声が重なって出力される。そこで、この演出MBへの移行処理では、「右打ちだ」の音声を出力せずに、エンディング期間の終了時T2に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示され、RUSH用右打ちナビがスタートするよう制御される。すなわち、「右打ちしてください」等の文字の表示画面Gへの表示は、エンディング期間の終了時、換言すると、第4モードM4(RUSHモード)の開始時に開始されるよう制御される。また、エンディング期間の終了時T2には、演出MBの映像演出が開始されるよう制御される。
<演出MCへの移行処理:図49(c)>
次に、第4モードM4の演出として演出MCが設定されている場合について説明する。演出MCへの移行処理では、「最有利結果」に対応する演出Cのエンディング期間の開始時T1から、スピーカ部26A~26Cから第4モードM4の演出MCで使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。ここで、演出MCでは、演出Cのエンディング期間よりも第4モードM4の演出MCで使用される音楽のイントロ部分の期間が短くなっている。このため、エンディング期間の終了時T2よりも前にイントロ部分の出力が終了する。また、スピーカ部26A~26Cからは、音楽のイントロ部分の出力終了後に、イントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。
また、演出MCへの移行処理では、イントロ部分の出力期間中にスピーカ部26A~26Cから「C RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。具体的には、「C RUSH突入」の音声の出力は、エンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW3後に開始され、イントロ部分の出力終了と同時もしくは略同時に「C RUSH突入」の音声の出力が終了するよう制御される。ここで、音声開始時間TW3は、イントロ部分の出力期間から「C RUSH突入」の音声の出力時間を引いた時間となる。例えば、イントロ部分の出力期間が6secで、「C RUSH突入」の音声の出力時間が2secである場合、音声開始時間TW3は、4secとなる。この場合、エンディング期間の開始時T1から4sec後に「C RUSH突入」の音声の出力が開始されるよう制御される。
また、演出MCでは、「C RUSH突入」の音声の出力に続けて、右打ち遊技を示唆するための「右打ちして下さい」の音声が出力され、エンディング期間の終了時T2と同時もしくは略同時に「右打ちして下さい」の音声の出力が終了するように制御される。つまり、「右打ちして下さい」の音声の出力時間は、エンディング期間からイントロ部分の出力期間を引いた時間となる。また、演出MCへの移行処理では、エンディング期間の終了時、換言すると第4モードM4の開始時に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示され、RUSH用右打ちナビがスタートするよう制御される。
<演出データ>
次に、第4モードM4の演出への移行処理に用いられるデータについて説明する。第4モードM4の各演出MA~MCで使用される音楽データ及び音声データは、図37で説明したようにシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データとして音声発光制御装置400のROM412及び共通用ROM404に各々格納されている。具体的には、ROM412には、演出MA~MCで各々使用される音楽データA~Cに対応するシーケンスデータ及びパラメータデータが格納されており、共通用ROM404には、演出MA~MCで各々使用される音楽データA~Cに対応する音データが格納されている。そして、MPU402は、必要に応じて音楽データA~Cに対応するシーケンスデータ及びパラメータデータをROM412から、音データを共通用ROM404から読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。より具体的には、読み出した音楽データA~Cに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ、音データを音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データA~Cがスピーカ部26A~26Cから出力(再生)されるよう音出力LSI403を制御する。
ここで、ROM412に格納されたデータテーブルにより音楽データAは演出MAに対応づけられており、音楽データBは演出MBに対応づけられており、音楽データCは演出MCに対応づけられている。このため、MPU402は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MAである場合には、音楽データAに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データAがスピーカ部26A~26Cから出力(再生)されるよう音出力LSI403を制御する。また、MPU402は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MBである場合には、音楽データBに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データBがスピーカ部26A~26Cから出力(再生)されるよう音出力LSI403を制御する。また、MPU402は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MCである場合には、音楽データCに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データCがスピーカ部26A~26Cから出力(再生)されるよう音出力LSI403を制御する。
また、音楽データA~Cは、それぞれイントロ部分(前奏)、Aメロ部分(曲の最初のメロディ)、Bメロ部分(Aメロの次に来るメロディ)、サビ部分(コーラス)、間奏、アウト口(後奏)など複数の節から構成されている。一般的な音楽構成の例を以下に示す。なお、以下の例A及び例Bは、あくまで一例であり、本実施形態で使用される音楽の構成は、下記に示す例に限られない。
例A)イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Cメロ→サビ→アウトロ
例B)イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Bメロ→サビ→Cメロ→アウトロ
また、共通用ROM404及びROM412には、各々音声データA~E及び図49を参照して説明した音声開始時間TW1~TW3が格納されている。ここで、音声データA~Cと音声開始時間TW1~TW3とは互いに対応づけられている。MPU402は、必要に応じて共通用ROM404に格納されている音声データ読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御するが、ここで音声データAは「A RUSH突入」、音声データBは「B RUSH突入」、音声データCは「C RUSH突入」、音声データDは「右打ちだ」、音声データEは「右打ちしてください」の音声を音声データとしたものである。
また、ROM412には、図49を参照して説明したエンディング期間に対応する時間TEが格納されている。MPU402は、エンディング期間が終了したか否かを判定する際に、このROM412に格納されているエンディング期間に対応する時間TEを参照する。
また、ROM412に格納されたデータテーブルにより、音声データAは演出MAに対応づけられており、音声データBは演出MBに対応づけられており、音声データCは演出MCに対応づけられている。また、音声データDは演出MAに対応づけられており、音声データEは演出MCに対応づけられている。このため、MPU402は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MAである場合には、音声データA及び音声データDを読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。より具体的には、音声データA及び音声データDに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データA及び音声データDがスピーカ部26A~26Cから出力(再生)されるよう音出力LSI403を制御する。
また、MPU402は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MBである場合には、音声データBを読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。より具体的には、音声データBに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データBがスピーカ部26A~26Cから出力(再生)されるよう音出力LSI403を制御する。
また、MPU402は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MCである場合には、音声データC及び音声データEを読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。より具体的には、音声データC及び音声データEに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データC及び音声データEがスピーカ部26A~26Cから出力(再生)されるよう音出力LSI403を制御する。
なお、MPU402は、音声開始時間TW1~TW3に基づいて、音声データA~Cに対応する音データを共通用ROM404から読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。具体的には、MPU402は、音声データAを出力する際は、エンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW1経過後(図49参照)に音声データAに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。また、MPU402は、音声データBを出力する際は、エンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW2経過後(図49参照)に音声データBに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404からから読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。さらに、MPU402は、音声データCを出力する際は、エンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW3経過後(図49参照)に音声データCに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。
また、第4モードM4の各演出で使用される映像データは、表示制御装置500のMPU502が有するプログラムROM512の演出用データ記憶エリア1032に格納されている。具体的には、演出用データ記憶エリア1032には、映像データA~Dが格納されている。MPU502は、MPU402からの指示に従い、演出用データ記憶エリア1032に格納されている映像データ読み出してVDP52に表示画面Gに表示するよう指示する。
ここで、データテーブルにより映像データAは演出MAに対応づけられており、映像データBは演出MBに対応づけられており、映像データCは演出MCに対応づけられている。このため、MPU502は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MAである場合には、映像データAを読み出してVDP52に表示画面Gに表示するよう指示する。また、MPU502は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MBである場合には、映像データBを読み出してVDP52に表示画面Gに表示するよう指示する。また、MPU502は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MCである場合には、映像データCを読み出してVDP52に表示画面Gに表示するよう指示する。
また、映像データDは、RUSH用右打ちナビ用の画像データである。MPU502は、RUSH用右打ちナビを行う際に、演出用データ記憶エリア1032から映像データDを読み出してVDP52に表示画面Gに表示するよう指示する。なお、このRUSH用右打ちナビ用の映像データDをキャラクタROM506に格納し、RUSH用右打ちナビを行う際に、MPU502は、キャラクタROM506から映像データDを読み出して表示画面Gに表示するようVDP52に指示してもよい。
<第4モード(RUSHモード)への移行処理>
次に、第4モードM4への移行処理について、図50~図53を参照して詳細に説明する。図50は、第4モード(RUSHモード)への移行処理のフローチャートを示す図である。ここでは、図49を参照して説明した第4モード(RUSHモード)への移行処理の音声発光制御装置400の動作について説明する。
ステップS1901では、MPU402は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。該判定では、MPU402は、各種フラグ格納エリアにエンディングコマンドが格納されているかを確認する。ステップS1901において、MPU402は、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(YES)、ステップS1902で、第4モードM4の演出種類を判別する。具体的には、MPU402は、図47のステップS1706又はステップS1708で各種設定フラグ格納エリアに設定されたフラグの種類に基づいて、第4モードM4の演出種類を判別する。また、ステップS1901において、MPU402は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(NO)、演出種類選択処理を終了する。
ステップS1902の判別結果が演出MAである場合、MPU402は、ステップS1903において演出MAへの移行処理を実行する。なお、ステップS1903の演出MAへの移行処理については、図51を参照して説明する。また、ステップS1902の判別結果が演出MBである場合、MPU402は、ステップS1904において演出MBへの移行処理を実行する。なお、ステップS1904の演出MBへの移行処理については、図52を参照して説明する。さらに、ステップS1902の判別結果が演出MCである場合、MPU402は、ステップS1905において演出MCへの移行処理を実行する。なお、ステップS1905の演出MCへの移行処理については、図53を参照して説明する。
ステップS1906では、MPU402は、図47のステップS1706又はステップS1708で各種設定フラグ格納エリアに設定されたフラグをクリアする。
<演出MAへの移行処理>
次に、図50のステップS1903の演出MAへの移行処理について、図51を参照して詳細に説明する。図51は、演出MA設定時の移行処理のフローチャートを示す図である。
ステップS2001では、MPU402は、後述するステップS2004の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタをセットする。具体的には、ROM412を参照し、音声開始時間TW1に対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecであり、TW1に「2sec」を設定する場合、MPU402は、タイマカウンタにTW1用の待機時間(待機期間)として「1000」をセットする。このタイマカウンタにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS2002では、MPU402は、後述するステップS2006の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタをセットする。具体的には、ROM412を参照し、エンディング期間TEに対応する値をセットする。このタイマカウンタにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS2003では、MPU402は、演出MA用の音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、演出MA用の音楽データAに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データAがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データAのイントロ部分の出力(再生)が開始される。
ステップS2004では、MPU402は、ステップS2001でセットしたタイマカウンタの値に基づいてエンディングコマンドを受信してから音声開始時間TW1が経過したか否かを判定する。MPU402は、音声開始時間TW1が経過したと判定した場合(YES)、ステップS2005にて演出MA用の音声の出力を開始する。具体的には、MPU402は、演出MA用の音声データA「A RUSH突入」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データAがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データA「A RUSH突入」の出力(再生)が開始される。また、MPU402は、ステップS2004にて音声開始時間TW1が経過していないと判定した場合(NO)、演出MAへの移行処理を終了する。
ステップS2006では、MPU402は、ステップS2002でセットしたタイマカウンタの値に基づいてエンディング期間が終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間が終了したと判定した場合(YES)、ステップS2007にてRUSH用右打ち方ナビを開始する。具体的には、MPU402は、演出MA用の音声データD「右打ちだ」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データDがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データD「右打ちだ」の出力(再生)が開始され、RUSH用右打ちナビが開始される。また、MPU402は、ステップS2006にてエンディング期間が経過していないと判定した場合(NO)、演出MAへの移行処理を終了する。
ステップS2008では、MPU402は、表示制御装置500に演出MAの映像演出を開始するよう指示する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に、演出用データ記憶エリア1032に格納されている映像データAを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032から映像データAを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
なお、ステップS2004及びステップS2006の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
<演出MBへの移行処理>
次に、図50のステップS1904の演出MBへの移行処理について、図52を参照して詳細に説明する。図52は、演出MB設定時の移行処理のフローチャートを示す図である。
ステップS2101では、MPU402は、後述するステップS2104の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタをセットする。具体的には、ROM412を参照し、音声開始時間TW2に対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecであり、TW2に「3sec」を設定する場合、MPU402は、タイマカウンタにTW2用の待機時間(待機期間)として「1500」をセットする。このタイマカウンタにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS2102では、MPU402は、後述するステップS2106の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタをセットする。具体的には、ROM412を参照し、エンディング期間TEに対応する値をセットする。このタイマカウンタにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS2103では、MPU402は、演出MB用の音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、演出MB用の音楽データBに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データBがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データBのイントロ部分の出力(再生)が開始される。
ステップS2104では、MPU402は、ステップS2101でセットしたタイマカウンタの値に基づいてエンディングコマンドを受信してから音声開始時間TW2が経過したか否かを判定する。MPU402は、音声開始時間TW2が経過したと判定した場合(YES)、ステップS2105にて演出MB用の音声の出力を開始する。具体的には、MPU402は、演出MB用の音声データB「B RUSH突入」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データBがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データB「B RUSH突入」の出力(再生)が開始される。また、MPU402は、ステップS2104にて音声開始時間TW2が経過していないと判定した場合(NO)、演出MBへの移行処理を終了する。
ステップS2106では、MPU402は、ステップS2102でセットしたタイマカウンタの値に基づいてエンディング期間が終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間が終了したと判定した場合(YES)、ステップS2107にて打ち方ナビを開始する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に演出用データ記憶エリア1032に格納されている映像データDを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032から映像データDを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御し、RUSH用右打ちナビが開始される。また、MPU402は、ステップS2106にてエンディング期間が経過していないと判定した場合(NO)、演出MBへの移行処理を終了する。
ステップS2108では、MPU402は、表示制御装置500に演出MBの映像演出を開始するよう指示する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に、演出用データ記憶エリア1032に格納されている映像データBを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032から映像データBを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
なお、ステップS2104及びステップS2106の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
<演出MCへの移行処理>
次に、図50のステップS1905の演出MCへの移行処理について、図53を参照して詳細に説明する。図53は、演出MC設定時の移行処理のフローチャートを示す図である。
ステップS2201では、MPU402は、後述するステップS2204の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタをセットする。具体的には、ROM412を参照し、音声開始時間TW3に対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecであり、TW3に「1sec」を設定する場合、MPU402は、タイマカウンタにTW3用の待機時間(待機期間)として「500」をセットする。このタイマカウンタにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS2202では、MPU402は、後述するステップS2206の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタをセットする。具体的には、ROM412を参照し、エンディング期間TEに対応する値をセットする。このタイマカウンタにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS2203では、MPU402は、演出MC用の音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、演出MC用の音楽データCに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データCがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データCのイントロ部分の出力(再生)が開始される。
ステップS2204では、MPU402は、ステップS2201でセットしたタイマカウンタの値に基づいてエンディングコマンドを受信してから音声開始時間TW3が経過したか否かを判定する。MPU402は、音声開始時間TW3が経過したと判定した場合(YES)、ステップS2205にて演出MC用の音声の出力を開始する。具体的には、MPU402は、演出MC用の音声データC「C RUSH突入」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データCがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データC「C RUSH突入」の出力(再生)が開始される。
また、ステップS2205では、演出MC用の音声データC「C RUSH突入」の出力後、MPU402は、音声データE「右打ちしてください」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データEがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データE「右打ちしてください」の出力(再生)が開始される。なお、MPU402は、音声データC「C RUSH突入」の出力後、続けて音声データE「右打ちしてください」が出力されるよう音出力LSI403を制御する。このため、スピーカ部26A~26Cからは、「C RUSH突入」の音声が出力された後、続けて「右打ちしてください」の音声が出力される。また、MPU402は、ステップS2204にて音声開始時間TW3が経過していないと判定した場合(NO)、演出MCへの移行処理を終了する。
ステップS2206では、MPU402は、ステップS2202でセットしたタイマカウンタの値に基づいてエンディング期間が終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間が終了したと判定した場合(YES)、ステップS2207にて打ち方ナビを開始する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に演出用データ記憶エリア1032に格納されている映像データDを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032から映像データDを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御し、RUSH用右打ちナビが開始される。また、MPU402は、ステップS2206にてエンディング期間が経過していないと判定した場合(NO)、演出MCへの移行処理を終了する。
ステップS2208では、MPU402は、表示制御装置500に演出MBの映像演出を開始するよう指示する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に、演出用データ記憶エリア1032に格納されている映像データCを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032から映像データCを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
なお、ステップS2204及びステップS2206の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
なお、本実施形態では、第4モードM4(RUSHモード)の演出種類が演出MA、MB、MCの3種類であるとして各演出MA~MCへの移行処理について説明したが、第4モードM4の演出種類は上記3種類に限られず、任意であり、2種類、もしくは4種類以上であっても構わない。
また、本実施形態に係るパチンコ機10は、前扉枠14は、内枠13の左側部を支持側として内枠13の左側部に支持されており、内枠13は、外枠11の左側部を支持側として外枠11の左側部に支持されている。パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13を開放する際には、この支持側を回転軸として前方側(遊技者側)へ回転するようにして開く。このため、前扉枠14又は内枠13を開放した場合、左隣席で遊技する遊技者の上半身の右側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Aが左隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。そこで、本実施形態に係るパチンコ機10では、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Aの再生音量を小さくしている。なお、スピーカ部26Aの再生音量がゼロとなるように、換言すると増幅回路403d2aの増幅率がゼロとなるようにパラメータが規定されていてもよい。また、スピーカ部26Aの再生音量がゼロとなるように、スピーカ部26Aの再生がミュートされるようにしてもよい。ミュートを行う場合、増幅回路403d2aの出力をショート(GNDへ接続)する出力ショート型の回路としてもよいし、セレクタ等により増幅回路403d2aへの入力を切断する出力オープン型の回路としてもよい。
しかしながら、前扉枠14が内枠13の右側部を支持側として内枠13の右側部に支持されており、内枠13が外枠11の右側部を支持側として外枠11の右側部に支持されている場合、換言すると、上記パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13が反対側に開放される場合、右隣席で遊技する遊技者の上半身の左側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Bが右隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。この場合には、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Bの再生音量が他のスピーカ部26A,26Cでの再生音量よりも小さくなるように、換言すると増幅回路403d2bの増幅率が他の増幅回路403d2a,403d2cの増幅率よりも小さくなるように、音声発光制御基板401のROM412に記憶されているプログラム及び処理用データのパラメータを規定するようにすればよい。
また、前扉枠14が内枠13の右側部及び左側部(以下、両側部ともいう)を支持側として内枠13の両側部に支持されており、内枠13が外枠11の両側部を支持側として外枠11の両側部に支持されている場合、換言すると、上記パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13が両開き構造となっている場合、前扉枠14の開放を検出する第1監視装置250及び内枠13の開放を検出する第2監視装置290に加えて、前扉枠14及び内枠13がそれぞれどちら側に開いたかを検出する検出器を備え、この検出器での検出結果に基づいて、スピーカ部26A又はスピーカ部26Bのどちらかの音量を小さくするように構成してもよい。
より具体的には、検出器が前扉枠14又は内枠13が左側部を支持側として開放されたことを検出した場合、左隣席で遊技する遊技者の上半身の右側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Aが左隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。このため、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Aの再生音量が他のスピーカ部26B,26Cでの再生音量よりも小さくなるように、換言すると増幅回路403d2aの増幅率が他の増幅回路403d2b,403d2cの増幅率よりも小さくなるようにパラメータが規定されたプログラム及び処理用データを音声発光制御基板401のROM412から読み出して異常を知らせる警報音及び音声を再生するようにすればよい。なお、スピーカ部26Aの再生音量がゼロとなるように、換言すると増幅回路403d2aの増幅率がゼロとなるようにパラメータが規定されていてもよい。また、スピーカ部26Aの再生音量がゼロとなるように、スピーカ部26Aの再生がミュートされるようにしてもよい。ミュートを行う場合、増幅回路403d2aの出力をショート(GNDへ接続)する出力ショート型の回路としてもよいし、セレクタ等により増幅回路403d2aへの入力を切断する出力オープン型の回路としてもよい。
また、検出器が前扉枠14又は内枠13が右側部を支持側として開放されたことを検出した場合、右隣席で遊技する遊技者の上半身の左側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Bが右隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。このため、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Bの再生音量が他のスピーカ部26A,26Cでの再生音量よりも小さくなるように、換言すると増幅回路403d2bの増幅率が他の増幅回路403d2a,403d2cの増幅率よりも小さくなるようにパラメータが規定されたプログラム及び処理用データを音声発光制御基板401のROM412から読み出して異常を知らせる警報音及び音声を再生するようにすればよい。なお、スピーカ部26Bの再生音量がゼロとなるように、換言すると増幅回路403d2bの増幅率がゼロとなるようにパラメータが規定されていてもよい。また、スピーカ部26Bの再生音量がゼロとなるように、スピーカ部26Aの再生がミュートされるようにしてもよい。ミュートを行う場合、増幅回路403d2bの出力をショート(GNDへ接続)する出力ショート型の回路としてもよいし、セレクタ等により増幅回路403d2bへの入力を切断する出力オープン型の回路としてもよい。
<音声発光制御装置400にて実行される異常時報知処理の他の例について>
図54は、パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13が両開き構造となっている場合の異常時報知処理のフローチャートを示す図である。音声発光制御装置400のMPU402は、パチンコ機10に異常が発生した場合に、該異常を報知するために異常時報知処理を実行する。ここでは、監視装置250、290により内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放された場合の異常時報知処理について説明し、その他の異常時の報知については説明を省略する。
ステップS2301では、MPU402は、MPU302から送信された復電時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2301にて復電時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS2304以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2301にて復電時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2302において、表示制御装置500へ復電時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した復電時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づいて、復電時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づく復電時報知用表示を実行する。
ステップS2303では、MPU402は、復電時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから復電時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。この復電時報知用のプログラム及び処理用データでは、扉が開いている旨の異常を報知する際のスピーカ部26A~26Cの再生音量が同一もしくは略同一、換言すると増幅回路403d2a~403d2cの増幅率が同一もしくは略同一となるようにパラメータが規定されている。
ステップS2304では、MPU402は、MPU302から送信された通常時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの通常時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2304にて通常時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、後述するステップS2311以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2304にて通常時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2305において、表示制御装置500へ通常時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した通常時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づいて、通常時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づく通常時報知用表示を実行する。
ステップS2306では、MPU402は、検出器が前扉枠14又は内枠13の左側部を支持側として開放されたこと、換言すると検出器が前扉枠14又は内枠13の右側部が開放されたことを検出したか否かを判定する。
ステップS2306にて、右側部が開放されていると判定された場合(YES)、MPU402は、ステップS2307では、MPU402は、右側部開放用の通常時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから右側部開放用の通常時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。この右側部開放用の通常時報知用のプログラム及び処理用データでは、扉が開いている旨の異常を報知する際のスピーカ部26Aの再生音量が他のスピーカ部26B,26Cでの再生音量よりも小さくなるように、換言すると増幅回路403d2aの増幅率が他の増幅回路403d2b,403d2cの増幅率よりも小さくなるようにパラメータが規定されている。なお、スピーカ部26Aの再生音量がゼロとなるように、換言すると増幅回路403d2aの増幅率がゼロとなるようにパラメータが規定されていてもよい。また、スピーカ部26Aの再生音量がゼロとなるように、スピーカ部26Aの再生がミュートされるようにしてもよい。ミュートを行う場合、増幅回路403d2aの出力をショート(GNDへ接続)する出力ショート型の回路としてもよいし、セレクタ等により増幅回路403d2aへの入力を切断する出力オープン型の回路としてもよい。また、パチンコ機10が備える表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように発光データが規定されている。換言すると、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されている。このため、通常時報知時においては、表示ランプ装置23A,23Bの発光が停止される。
一方、ステップS2306にて、右側部が開放されていないと判定された場合(NO)、MPU402は、ステップS2308では、MPU402は、左側部開放用の通常時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから左側部開放用の通常時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。この左側部開放用の通常時報知用のプログラム及び処理用データでは、扉が開いている旨の異常を報知する際のスピーカ部26Bの再生音量が他のスピーカ部26A,26Cでの再生音量よりも小さくなるように、換言すると増幅回路403d2bの増幅率が他の増幅回路403d2a,403d2cの増幅率よりも小さくなるようにパラメータが規定されている。なお、スピーカ部26Bの再生音量がゼロとなるように、換言すると増幅回路403d2bの増幅率がゼロとなるようにパラメータが規定されていてもよい。また、スピーカ部26Bの再生音量がゼロとなるように、スピーカ部26Bの再生がミュートされるようにしてもよい。ミュートを行う場合、増幅回路403d2bの出力をショート(GNDへ接続)する出力ショート型の回路としてもよいし、セレクタ等により増幅回路403d2bへの入力を切断する出力オープン型の回路としてもよい。また、パチンコ機10が備える表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように発光データが規定されている。換言すると、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されている。このため、通常時報知時においては、表示ランプ装置23A,23Bの発光が停止される。
ステップS2309では、MPU402は、BGM(演出用の音楽や音声を含む)の停止処理を行う。このBGMの停止処理では、スピーカ部26A~26Cから出力中のBGMを停止又はミュートする処理を行う。BGMを停止する場合、MPU402は、扉開放報知解除時にBGMの再生を再開するために、BGMの再生を停止したデータのアドレスをRAM413へ記憶させる。扉開放報知解除時にBGMの再生を再開する際には、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を開始することで、BGMを停止した位置から再生を再開することができる。
また、BGMをミュートする場合、MPU402は、BGMの再生自体は停止せずに、音が出力されないようにBGMをミュートするように音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402の指示に基づいて、BGMを再生するが、音がスピーカ部26A~26Cから出力されないようにBGMの再生音をミュートする。
ステップS2310では、MPU402は、ステップS2303、ステップS2307又はステップS2308で読み出しを開始した音データの再生(出力)及び発光を開始する。具体的には、MPU402は、ステップS2303、ステップS2307又はステップS2308で読み出しを開始したプログラム及び処理用データのシーケンスデータ及びパラメータデータと、音データを音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音データがスピーカ部26A~26Cから再生(出力)されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)が開始される。また、MPU402は、ステップS2303、ステップS2307又はステップS2308で読み出しを開始したプログラム、処理用データ及び発光データに基づいて、表示ランプ装置23A,23B及びエラー表示ランプ部24を発光させる。ここで、通常時報知用の発光データにおいては、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されているため表示ランプ装置23A,23Bの発光は停止する。
ステップS2311では、MPU402は、MPU302から送信された裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの裏パックユニット開放コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2311にて裏パックユニット開放コマンドを受信していない判定した場合(NO)、ステップS2313以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2311にて裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2312にて、MPU402は、スピーカ部26A~26Cから出力される異常報知(通常時報知用の「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)の再生音量を小さくするよう音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402からの指示に基づいて、スピーカ部26A~26Cから出力される異常報知等の再生音量を小さくする制御を行う。
ここで、ステップS2312におけるスピーカ部26A~26Cから出力される異常報知等の再生音量を小さくする制御は、全てのスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくするように制御しても良いし、スピーカ部26A~26Cのうち特定のスピーカ部、例えば、前扉枠14又は内枠13を開放した場合に隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなるスピーカ部26A又はスピーカ部26Bの再生音量だけを小さくするように制御しても良い。ここで、ステップS2306において、右側部が開放されていれば、音出力LSI403は、スピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御し、音出力LSI403は、左側部が開放されていれば、スピーカ部26Bの再生音量だけを小さくするように制御する。
なお、ステップS2312において、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくするように制御する際は、音出力LSI403は、スピーカ部26A~26Cの再生音量を規定するパラメータを裏パックユニット15が開放された場合のパラメータに更新して、スピーカ部26A~26Cの増幅回路の増幅率を小さくすることでスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする。なお、スピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御する場合には、音出力LSI403は、スピーカ部26Aの増幅回路の増幅率を小さくすることで、スピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御する。さらに、スピーカ部26Bの再生音量だけを小さくするように制御する場合には、音出力LSI403は、スピーカ部26Bの増幅回路の増幅率を小さくすることで、スピーカ部26Bの再生音量だけを小さくするように制御する。
ステップS2313では、MPU402は、MPU302から送信された扉開放の報知を解除する扉開放報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの扉開放報知解除コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2313にて扉開放報知解除コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS2314以降の処理を実行せずに、異常時報知処理を終了する。また、MPU402は、ステップS2313にて、扉開放報知解除コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2314以降の処理を実行する。
ステップ2314では、MPU402は、表示制御装置500へ扉開放報知解除コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した扉開放報知解除コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が解除され、通常状態へと復帰する。
ステップS2315では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、スピーカ部26A~26Cからの異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)を停止する。また、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、エラー表示ランプ部24の発光を停止させる。
また、ステップS2315では、MPU402は、共通用ROM404に記憶されている音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生するよう音出力LSI403に指示する。音出力LSI403は、共通用ROM404から音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「扉が閉まりました!」の音声が出力される。
ステップS2316では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいてRAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンド及び通常時報知用コマンドに対応するフラグをクリア、換言するとフラグの値を0とする。ステップS2317では、MPU402は、ステップS2309で停止又はミュートしたBGMの再生を再開するよう音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402からの指示に基づいて、BGMの再生を再開する。ここで、ステップS2309でBGMが停止されていた場合、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を再開するように音出力LSI403へ指示することで、BGMを停止した位置から再生が再開される。また、ステップS2309でBGMがミュートされていた場合、MPU402は、音出力LSI403へBGMのミュートを解除するように指示する。音出力LSI403へBGMのミュートを解除し、スピーカ部26A~26CからBGMが出力される。その後、MPU402は、異常時報知処理を終了する。
なお、上記説明では、ステップS2309において、BGM(演出用の音楽や音声を含む)を停止又はミュートする処理を行っているが、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に再生音量を所定値まで下げる処理を行うようにしてもよい。この場合、ステップS2310において、ステップS2303、ステップS2307又はS2308で読み出しを開始した音データの再生(出力)を行う際に、音声や警告音の再生音量が漸減的又は段階的に所定値まで上がるように処理してもよい。さらに、ステップS2309において、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に音量を下げる処理を行っている場合は、ステップS2315において、スピーカ部26A~26Cからの異常報知の再生音量を音量がゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、ステップS2317において、BGMの再生を再開する際に、BGMの再生音量を所定値まで漸減的又は段階的に音量を上げるようにしてもよい。このように、構成することで、BGMが急に停止され、警告音に替わることによる違和感を生ずることなく報知を行うことができる。また、警告音が急に停止され、BGMに替わることによる違和感を生ずることなく復帰を行うことができる。
また、上記説明では、ステップS2311において、裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定し、裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2312の処理を実行して、警告音等の再生音量を小さくする構成としている。これは、裏パックユニット15は、内枠13を開放した後、裏パックユニット15を開放しなければならず、裏パックユニット15を開放するには時間を要することから、内枠13を開扉して内部に配された装置や部品を誤作動させる等して不正な利益を得るいわゆるゴト行為ではなくメンテナンス等による開放の可能性が高いこと、及び裏パックユニット15を開放してメンテナンス等を行う場合には時間を要することから、本実施形態に係るパチンコ機10では、裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合、換言すると裏パックユニット15が開放されていると判定される場合には、警告音等を小さくする構成(2段階制御)としている。これにより、時間を要するメンテナンス等の間、いつまでも大音量の警告音を聞く必要がなく、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞がさらに低減される。なお、裏パックユニット15の開放は、メンテナンス等ではなく不正が行われている可能性も考えられることから、完全に警告音等の出力を止めてしまうことは好ましくない。なお、ステップS2311及びS2312の処理を行わない、換言すると、裏パックユニット15が開放されているか否かを判定しない構成としてもよい(この場合、1段階制御となる)。この場合、パチンコ機10に裏パックユニット15の開放を検出する裏パックユニット開放検出器289を設ける必要はない。
なお、本実施形態では、復電時用報知処理及び通常時用報知処理で、異なる発光データを用いることで、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放された状態では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されているが、復電時用報知処理及び通常時用報知処理で同一の発光データを用いながら、通常時用報知処理では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように、表示ランプ装置23A,23Bの発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。この場合、復電時用報知処理と通常時用報知処理とで異なる発光データを記憶保持する必要がないため、発光データを記憶させるための容量を削減することができる。
また、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bのうちの一方、好ましくは、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように構成してもよい。この場合にも、通常時用報知処理の発光データを内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように発光データを規定しても良いし、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置の発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。このようにパチンコ機10は、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されているため、隣席で遊技を行う遊技者が表示ランプ装置23A,23Bの発光を煩わしく思う虞が低減される。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が爽快感や没入感を失い、興ざめする虞が低減される。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、固定枠(外枠11)に対し開閉可能に支持された枠体(内枠13、前扉枠14)と、枠体に設けられた複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)と、枠体の開放を検出する検出装置(第1,第2監視装置250、第2監視装置290)と、検出装置により枠体の開放が検出されると複数の音響装置を制御して異常を報知する異常報知手段(MPU402)とを備える。そして異常報知手段は、異常を報知する際に、複数の音響装置のうちのいずれか1以上の再生音量を他の音響装置の再生音量よりも小さくする(本実施形態では、スピーカ部26Aの再生音量を小さくしている)。このため、隣席で遊技を行う遊技者が報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
(2)パチンコ機10の枠体(内枠13、前扉枠14)は、右側部又は左側部の一方を支持側として固定枠(外枠11)の右側部又は左側部の一方に支持され、異常報知手段(MPU402)は、複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち支持側とは異なる側に配置された音響装置(スピーカ部26A)の再生音量を他の音響装置(スピーカ部26B,26C)の再生音量よりも小さくする。換言するとパチンコ機10は、枠体の支持側とは異なる側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の再生音量を小さくする。このため、隣席に座る遊技者が報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
(3)パチンコ機10の異常報知手段(MPU402)は、複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち支持側に配置された音響装置(スピーカ部26B,26C)の再生音量を小さくしない。換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって遠い側に配置された音響装置(スピーカ部26B,26C)の音量を小さくしない。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞を低減しつつ、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、パチンコ機10は、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する際に、複数のスピーカ部26A~26Cのうちのいずれか1以上の報知音の再生音量を他の音響装置の報知音再生音量よりも小さくする(第1実施形態では、スピーカ部26Aの再生音量を小さくしている)ことで、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減されるようにしている。本実施形態では、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する専用のスピーカ部を備えたパチンコ機10について説明する。以下、本実施形態に係るパチンコ機10について説明するが、第1実施形態に係るパチンコ機10と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<遊技盤81>
図55は、本実施形態に係るパチンコ機の遊技盤の正面図である。本実施形態では、パチンコ機10は、遊技盤81の前面側の右上部に前扉枠14が開放されたことを報知するためのスピーカ部26Dを備える。図55に示すようにスピーカ部26Dは、遊技の障害とならないように該誘導レール103により画成される略円形の遊技領域104の外側に設けられている。また、パチンコ機10は、内枠13の後方側(具体的には、遊技盤81の裏面側(裏パックユニット15が設けられた)の裏パックユニット15と干渉しない位置に内枠13が開放されたことを報知するためのスピーカ部26Eを備える。その他の構成については図8を参照して説明した第1実施形態に係るパチンコ機10が備える遊技盤81と同じであるため重複する説明を省略する。
なお、スピーカ部26Dは、前扉枠14を開放する際に前扉枠14の回転にともなって移動することがなければよい。換言すると、前扉枠14を開放した際にスピーカ部26Dの音声を出力する向きが、隣席で遊技を行う遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向する向きとならなければよい。従って、スピーカ部26Dを設ける場所は、遊技盤81の右上部に限られず、遊技盤81の左上部や左下部に設けるようにしてもよい。なお、この場合でも遊技の障害とならないよう該誘導レール103により画成される略円形の遊技領域104の外側に設けることが好ましい。その他、スピーカ部26Dを内枠13の樹脂ベース71の前面に設けるようにしてもよい。
また、スピーカ部26Eは、内枠13(遊技盤81)の裏面側に設けられているため、内枠13を開放した際に内枠13の回転にともなって移動するもののスピーカ部26Eの音声を出力する向きが、隣席で遊技を行う遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向する向きとならない。従って、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞を低減することができる。なお、スピーカ部26Eを設ける場所は、遊技盤81の裏面側の右上部に限られず、遊技盤81の裏面側の左上部や左下部に設けるようにしてもよい。なお、この場合でも遊技盤81の裏面に支持された裏パックユニット15等と干渉しない位置に設けることが好ましい。
<音声発光制御装置400及び表示制御装置500の電気的構成>
図56は、本実施形態に係るパチンコ機10の音声発光制御装置400及び表示制御装置500の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態に係るパチンコ機10は、上述したように内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知するためのスピーカ部26D,26Eを更に備えるが、このスピーカ部26D,26Eは、音声発光制御基板401の出力ポートに接続されている。より具体的には、スピーカ部26D,26Eは、音声発光制御基板401備える音出力LSI403のDAC403dの出力ポートに接続されている。DAC403dは、音データ処理部403cにて作成されたデジタル楽音データ又はデジタル合成楽音データをアナログ信号に変換して増幅した後、スピーカ部26D,26Eへと出力する。
図57は、本実施形態に係るパチンコ機10の音出力LSI403が備えるDAC403d及びスピーカ部26A~26Eとの接続関係を説明するための概念図である。
図57(a)に示す例では、DAC403dは、音データ処理部から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するDAC回路403d1と、DAC回路403d1で変換されたアナログ信号を増幅する3つの増幅回路403d2a、増幅回路403d2d及び増幅回路403d2eを備える。ここで、増幅回路403d2aで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26A~26Cへと出力され、増幅回路403d2dで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26Dへと出力され、増幅回路403d2eで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26Eへと出力される。
図57(a)に示す例では、本実施形態に係るパチンコ機10は、スピーカ部26A~26Cへ出力するアナログ信号の増幅を共通の増幅回路403d2aで行っている。これにより、高価な増幅回路(オペアンプ)の数を減らすことができ、パチンコ機10の製造コストを低減することができる。
また、図57(a)に示す例では、増幅回路403d2aで増幅されたアナログ信号は、スピーカ部26A~26Cへ出力され、増幅回路403d2dで増幅されたアナログ信号は、スピーカ部26Dへ出力され、増幅回路403d2eで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26Eへと出力されるというようにスピーカ部26A~26Cと、スピーカ部26Dと、スピーカ部26Eとで異なる増幅回路を備える構成となっているが、図57(b)に示す例のように、DAC403dが備える増幅回路を一つとし、増幅回路403d2の後段にセレクタ403fを配置して、増幅回路403d2で増幅されたアナログ信号の出力先をスピーカ部26A~26C、スピーカ部26D又はスピーカ部26Eに切り替えるように構成してもよい。これにより、高価な増幅回路(オペアンプ)の数をさらに減らすことができ、パチンコ機10の製造コストをさらに低減することができる。
本実施形態では、ROM412に記憶されている異常報知用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データの各スピーカ部26A~26C、スピーカ部26D及びスピーカ部26Eでの再生音量、換言すると増幅回路403d2a、増幅回路403d2d及び増幅回路403d2eの増幅率を規定するパラメータデータを同一としても良いし、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を抑制するためにスピーカ部26D,26Eの増幅回路403d2d,403d2eの増幅率をスピーカ部26A~26Cの増幅回路403d2aの増幅率よりも大きくなるようパラメータデータを規定してもよい。
このようにパチンコ機10は、前扉枠14が開放されたことを報知する専用のスピーカ部26Dを内枠13に取り付けられた遊技盤81に備えているため、前扉枠14が開放された際にスピーカ部26Dの向きが、隣席で遊技を行う遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向する向きとならない。また、パチンコ機10は、内枠13が開放されたことを報知する専用のスピーカ部26Eを内枠13に取り付けられた遊技盤81の裏面側に備えており、内枠13が開放された際にスピーカ部26Eの向きが、隣席で遊技を行う遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向する向きとならない。従って、スピーカ部26D,26Eから前扉枠14及び内枠13が開放されたことを報知する際に、専用のスピーカ部26D,26Eの再生音量を小さくする必要がなく、かつ、遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
<音声発光制御装置400にて実行される異常時報知処理について>
図58は、本実施形態に係るパチンコ機10の異常時報知処理のフローチャートを示す図である。本実施形態に係るパチンコ機10の異常時報知処理の動作は、第1実施形態での異常時報知処理の動作と略同じであるが、異なる部分もあるため図58を参照して本実施形態に係るパチンコ機10の異常時報知処理の動作について説明する。
音声発光制御装置400のMPU402は、パチンコ機10に異常が発生した場合に、該異常を報知するために異常時報知処理を実行する。ここでは、監視装置250,290により前扉枠14又は内枠13が開放された場合の異常時報知処理について説明し、その他の異常時の報知については説明を省略する。
ステップS2401では、MPU402は、MPU302から送信された復電時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2401にて復電時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS2404以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2401にて復電時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2402において、表示制御装置500へ復電時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した復電時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づいて、復電時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づく復電時報知用表示を実行する。
ステップS2403では、MPU402は、復電時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから復電時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。ここで、復電時における異常報知は、内枠13及び前扉枠14が閉鎖(閉じた)状態で行われるため、スピーカ部26D,26Eから出力される音量がパチンコ機10外部では小さくなる。このため、復電時における異常報知は、スピーカ部26A~26Cから行われることが好ましい。そこで、本実施形態に係るパチンコ機10では、復電時における異常報知がスピーカ部26A~26Cから行われるようにパラメータが規定されている。具体的には、スピーカ部26A~26Cの再生音量が所定の値となるよう、増幅回路403d2aの増幅率が所定値となるようにパラメータが規定されている一方、スピーカ部26D,26Eの再生音量がゼロとなるよう、増幅回路403d2d,403d2eの増幅率がゼロとなるようにパラメータが規定されている。
なお、スピーカ部26D,26Eの再生音量がゼロとなるように、スピーカ部26D,26Eの再生がミュートされるようにしてもよい。ミュートを行う場合、増幅回路403d2d,403d2eの出力をショート(GNDへ接続)する出力ショート型の回路としてもよいし、セレクタ等により増幅回路403d2d,403d2eへの入力を切断する出力オープン型の回路としてもよい。
なお、スピーカ部26D,26Eから異常報知を行う場合、上述のように、復電時における異常報知は、内枠13及び前扉枠14が閉鎖(閉じた)状態で行われるため、スピーカ部26D,26Eから出力される音量がパチンコ機10外部では小さくなる。そこで、復電時の異常報知におけるスピーカ部26D,26Eの再生音量を大きくして行うようにしてもよい。この場合、復電時の異常報知におけるスピーカ部26D,26Eの増幅回路403d2d,403d2eの増幅率が、通常時の異常報知におけるスピーカ部26D,26Eの増幅回路403d2d,403d2eの増幅率よりも大きくなるようにパラメータを規定する等すればよい。
ステップS2404では、MPU402は、MPU302から送信された通常時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの通常時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2404にて通常時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、後述するステップS2411以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2404にて通常時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2405において、表示制御装置500へ通常時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した通常時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づいて、通常時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づく通常時報知用表示を実行する。
ステップS2406では、MPU402は、受信した通常時報知用コマンドが前扉枠14の開放によるものかを判定する。ステップS2406における判定結果が、前扉枠14の開放によるものである場合(YES)、MPU402は、ステップS2407にて、前扉枠開放用の通常時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから前扉枠開放用の通常時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。ここで、本実施形態では、前扉枠14が開放されている場合、異常報知がスピーカ部26Dから行われるようにパラメータが規定されている。具体的には、スピーカ部26Dの再生音量が所定の値となるよう、増幅回路403d2dの増幅率が所定値となるようにパラメータが規定されている一方、スピーカ部26A~26C、26Eの再生音量がゼロとなるよう、増幅回路403d2a及び増幅回路403d2eの増幅率がゼロとなるようにパラメータが規定されている。また、パチンコ機10が備える表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように発光データが規定されている。換言すると、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されている。このため、通常時報知時においては、表示ランプ装置23A,23Bの発光が停止される。
なお、スピーカ部26A~26C,26Eの再生音量がゼロとなるように、スピーカ部26A~26C,26Eの再生がミュートされるようにしてもよい。ミュートを行う場合、増幅回路403d2a及び増幅回路403d2eの出力をショート(GNDへ接続)する出力ショート型の回路としてもよいし、セレクタ等により増幅回路403d2a及び増幅回路403d2eへの入力を切断する出力オープン型の回路としてもよい。また、図57(b)に示す例のように、増幅回路を一つとした場合、セレクタ403fにより増幅回路403d2の出力先をスピーカ部26Dとしてもよい。
また、ステップS2406における判定結果が、前扉枠14の開放によるものでない場合(NO)、MPU402は、ステップS2408にて、内枠開放用の通常時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから内枠開放用の通常時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。ここで、本実施形態では、内枠13が開放されている場合、異常報知がスピーカ部26Eから行われるようにパラメータが規定されている。具体的には、スピーカ部26Eの再生音量が所定の値となるよう、増幅回路403d2eの増幅率が所定値となるようにパラメータが規定されている一方、スピーカ部26A~26Dの再生音量がゼロとなるよう、増幅回路403d2a及び増幅回路403d2dの増幅率がゼロとなるようにパラメータが規定されている。また、パチンコ機10が備える表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように発光データが規定されている。換言すると、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されている。このため、通常時報知時においては、表示ランプ装置23A,23Bの発光が停止される。
なお、スピーカ部26A~26Dの再生音量がゼロとなるように、スピーカ部26A~26Dの再生がミュートされるようにしてもよい。ミュートを行う場合、増幅回路403d2a及び増幅回路403d2dの出力をショート(GNDへ接続)する出力ショート型の回路としてもよいし、セレクタ等により増幅回路403d2a及び増幅回路403d2dへの入力を切断する出力オープン型の回路としてもよい。また、図57(b)に示す例のように、増幅回路を一つとした場合、セレクタ403fにより増幅回路403d2の出力先をスピーカ部26Eとしてもよい。
ステップS2409では、MPU402は、BGM(演出用の音楽や音声を含む)の停止処理を行う。このBGMの停止処理では、スピーカ部26A~26Cから出力中のBGMを停止又はミュートする処理を行う。BGMを停止する場合、MPU402は、扉開放報知解除時にBGMの再生を再開するために、BGMの再生を停止したデータのアドレスをRAM413へ記憶させる。扉開放報知解除時にBGMの再生を再開する際には、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を開始することで、BGMを停止した位置から再生を再開することができる。
また、BGMをミュートする場合、MPU402は、BGMの再生自体は停止せずに、音が出力されないようにBGMをミュートするように音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402の指示に基づいて、BGMを再生するが、音がスピーカ部26A~26Cから出力されないようにBGMの再生音をミュートする。
ステップS2410では、MPU402は、ステップS2403、ステップS2407又はステップS2408で読み出しを開始した音データの再生(出力)及び発光を開始する。具体的には、MPU402は、ステップS2403、ステップS2407又はステップS2408で読み出しを開始したプログラム及び処理用データのシーケンスデータ及びパラメータデータと、音データを音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音データがスピーカ部26A~26C、スピーカ部26D又はスピーカ部26Eから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26C、スピーカ部26D又はスピーカ部26Eから異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)が開始される。また、MPU402は、ステップS2403、ステップS2407又はステップS2408で読み出しを開始したプログラム、処理用データ及び発光データに基づいて、表示ランプ装置23A,23B及びエラー表示ランプ部24を発光させる。ここで、通常時報知用の発光データにおいては、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されているため表示ランプ装置23A,23Bの発光は停止する。
ステップS2411では、MPU402は、MPU302から送信された裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの裏パックユニット開放コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2411にて裏パックユニット開放コマンドを受信していない判定した場合(NO)、ステップS2413以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2411にて裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2412にて、MPU402は、スピーカ部26D(前扉枠14が開放された場合)又はスピーカ部26E(内枠13が開放された場合)から出力される異常報知(通常時報知用の「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)の再生音量を小さくするよう音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402からの指示に基づいて、スピーカ部26D又はスピーカ部26Eから出力される異常報知等の再生音量を小さくする制御を行う。
ステップS2413では、MPU402は、MPU302から送信された扉開放の報知を解除する扉開放報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの扉開放報知解除コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2411にて扉開放報知解除コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS2414以降の処理を実行せずに、異常時報知処理を終了する。
また、MPU402は、ステップS2413にて、扉開放報知解除コマンドを受信していると判定した場合(YES)、MPU402は、ステップS2414において、表示制御装置500へ扉開放報知解除コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した扉開放報知解除コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が解除され、通常状態へと復帰する。
ステップS2415では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、スピーカ部26D又はスピーカ部26Eからの異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)を停止する。また、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、エラー表示ランプ部24の発光を停止させる。
また、ステップS2415では、MPU402は、共通用ROM404に記憶されている音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生するよう音出力LSI403に指示する。音出力LSI403は、共通用ROM404から音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「扉が閉まりました!」の音声が出力される。
ステップS2416では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいてRAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンド及び通常時報知用コマンドに対応するフラグをクリア、換言するとフラグの値を0とする。ステップS2417では、MPU402は、ステップS2409で停止又はミュートしたBGMの再生を再開するよう音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402からの指示に基づいて、BGMの再生を再開する。ここで、ステップS2409でBGMが停止されていた場合、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を再開するように音出力LSI403へ指示することで、BGMを停止した位置から再生が再開される。また、ステップS2409でBGMがミュートされていた場合、MPU402は、音出力LSI403へBGMのミュートを解除するように指示する。音出力LSI403へBGMのミュートを解除し、スピーカ部26A~26CからBGMが出力される。その後、MPU402は、異常時報知処理を終了する。
なお、上記説明では、ステップS2409において、BGM(演出用の音楽や音声を含む)を停止又はミュートする処理を行っているが、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に再生音量を所定値まで下げる処理を行うようにしてもよい。この場合、ステップS2409において、ステップS2403、ステップS2407又はS2408で読み出しを開始した音データの再生(出力)を行う際に、音声や警告音の再生音量が漸減的又は段階的に所定値まで上がるように処理してもよい。さらに、ステップS2409において、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に音量を下げる処理を行っている場合は、ステップS2415において、スピーカ部D又はスピーカ部26Eからの異常報知の再生音量を音量がゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、ステップS2417において、BGMの再生を再開する際に、BGMの再生音量を所定値まで漸減的又は段階的に音量を上げるようにしてもよい。このように、構成することで、BGMが急に停止され、警告音に替わることによる違和感を生ずることなく報知を行うことができる。また、警告音が急に停止され、BGMに替わることによる違和感を生ずることなく復帰を行うことができる。
また、上記説明では、ステップS2411において、裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定し、裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2412の処理を実行して、スピーカ部D又はスピーカ部26Eからの警告音等の再生音量を小さくする構成としている。これは、裏パックユニット15は、内枠13を開放した後、裏パックユニット15を開放しなければならず、裏パックユニット15を開放するには時間を要することから、内枠13を開扉して内部に配された装置や部品を誤作動させる等して不正な利益を得るいわゆるゴト行為ではなくメンテナンス等による開放の可能性が高いこと、及び裏パックユニット15を開放してメンテナンス等を行う場合には時間を要することから、本実施形態に係るパチンコ機10では、裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合、換言すると裏パックユニット15が開放されていると判定される場合には、警告音等を小さくする構成としている(2段階制御)。これにより、時間を要するメンテナンス等の間、いつまでも大音量の警告音を聞く必要がなく、隣席で遊技を行う遊技者やメンテナンスの作業者が異常報知音を煩わしく思う虞がさらに低減される。なお、裏パックユニット15の開放は、メンテナンス等ではなく不正が行われている可能性も考えられることから、完全に警告音等の出力を止めてしまうことは好ましくない。なお、ステップS2411及びS2412の処理を行わない、換言すると、裏パックユニット15が開放されているか否かを判定しない構成としてもよい(この場合、1段階制御となる)。この場合、パチンコ機10に裏パックユニット15の開放を検出する裏パックユニット開放検出器289を設ける必要はない。
[第2実施形態の変形例]
上記第2実施形態に係るパチンコ機10は、前扉枠14が開放されたことを報知するスピーカ部26Dを備えているが、スピーカ部26Dを前扉枠14が開放されたことを報知するスピーカ部としてだけでなく、スピーカ部26Aとの兼用スピーカ部としてもよい。
図59は、第2実施形態の変形例に係る遊技機の正面図である。スピーカ部26Dを前扉枠14が開放されたことを報知するスピーカ部としてだけでなく、スピーカ部26Aとの兼用スピーカ部とする場合、図59に示すように、前扉枠14を閉じた(閉鎖した)際にスピーカ部26Dに対向する位置の前扉枠14の領域(図59のメッシュ部)に貫通孔が複数設けられた開口部14cを設けるなど、スピーカ部26Dで再生された音が減衰しにくいようにすることが好ましい。
図60は、本実施形態の変形例に係る遊技機の音出力LSIが備えるDAC及びスピーカ部との接続関係を説明するための概念図である。
本実施形態の変形例では、図60に示すように、DAC403dは、音データ処理部から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するDAC回路403d1と、DAC回路403d1で変換されたアナログ信号を増幅する3つの増幅回路403d2a、増幅回路403d2d及び増幅回路403d2eを備える。ここで、増幅回路403d2aで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26B,26Cへと出力され、増幅回路403d2dで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26Dへと出力され、増幅回路403d2eで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26Eへと出力される。
そして、図58で説明した通常時の異常報知において、前扉枠14が開放されている場合には、異常報知がスピーカ部26Dから行われるようにするため、本実施形態の変形例では、増幅回路403d2dの増幅率が所定値となるようにROM412に記憶されている異常報知用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データのパラメータが規定されている一方、スピーカ部26B,26C、26Eの再生音量がゼロとなるよう、増幅回路403d2a及び増幅回路403d2eの増幅率がゼロとなるようにROM412に記憶されている異常報知用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データのパラメータが規定されている。
なお、スピーカ部26B,26C,26Eの再生音量がゼロとなるように、スピーカ部26B,26C,26Eの再生がミュートされるようにしてもよい。ミュートを行う場合、増幅回路403d2a及び増幅回路403d2eの出力をショート(GNDへ接続)する出力ショート型の回路としてもよいし、セレクタ等により増幅回路403d2a及び増幅回路403d2eへの入力を切断する出力オープン型の回路としてもよい。
また、図58で説明した通常時の異常報知において、内枠13が開放されている場合には、異常報知がスピーカ部26Eから行われるようにするため、本実施形態の変形例では、増幅回路403d2eの増幅率が所定値となるようにROM412に記憶されている異常報知用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データのパラメータが規定されている一方、スピーカ部26B,26C、26Dの再生音量がゼロとなるよう、増幅回路403d2a及び増幅回路403d2dの増幅率がゼロとなるようにROM412に記憶されている異常報知用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データのパラメータが規定されている。
なお、スピーカ部26B,26C,26Dの再生音量がゼロとなるように、スピーカ部26B,26C,26Dの再生がミュートされるようにしてもよい。ミュートを行う場合、増幅回路403d2a及び増幅回路403d2dの出力をショート(GNDへ接続)する出力ショート型の回路としてもよいし、セレクタ等により増幅回路403d2a及び増幅回路403d2dへの入力を切断する出力オープン型の回路としてもよい。
なお、本実施形態では、復電時用報知処理及び通常時用報知処理で、異なる発光データを用いることで、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放された状態では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されているが、復電時用報知処理及び通常時用報知処理で同一の発光データを用いながら、通常時用報知処理では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように、表示ランプ装置23A,23Bの発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。この場合、復電時用報知処理と通常時用報知処理とで異なる発光データを記憶保持する必要がないため、発光データを記憶させるための容量を削減することができる。
また、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bのうちの一方、好ましくは、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように構成してもよい。この場合にも、通常時用報知処理の発光データを内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように発光データを規定しても良いし、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置の発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。このようにパチンコ機10は、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されているため、隣席で遊技を行う遊技者が表示ランプ装置23A,23Bの発光を煩わしく思う虞が低減される。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が爽快感や没入感を失い、興ざめする虞が低減される。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、固定枠(外枠11)に対し開閉可能に支持された第1枠体(内枠13)と、第1枠体に対し開閉可能に支持された第2枠体(前扉枠14)と、第1枠体に設けられた第1音響装置(スピーカ部26D,26E)と、第2枠体に設けられた複数の第2音響装置(スピーカ部26A~26C)と、第1,第2枠体の開放を検出する検出装置(第1,第2監視装置250,290)と、検出装置により前記第1枠体又は第2枠体の開放が検出されると前記第1音響装置を制御して異常を報知する異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)とを備える。つまり、第1音響装置は、第1枠体に設けられており、開放される第2枠体とともに回転動作することがない。このため、第1音響装置からの異常報知音が隣席で遊技を行う遊技者に向かって出力されない。結果、遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
(2)パチンコ機10の検出装置(第1,第2監視装置250,290)は、第1枠体(内枠13)の開放を検出する第1検出装置(第2監視装置290)と、第2枠体(前扉枠14)の開放を検出する第2検出装置(第1監視装置250)とを備える。このため、第1,第2枠体のいずれが開放された場合でも、その開放を検出して異常を報知することができる。
(3)パチンコ機10の第1枠体(内枠13)は、遊技球が流下する遊技盤(遊技盤81)を有し、第1音響装置(スピーカ部26D,26E)は、第1枠体(内枠13)の遊技盤に設けられている。このため、第1音響装置の配置位置(レイアウト)の自由度が向上する。また、遊技盤に取り付けるので第1音響装置の取り付けが容易となる。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、パチンコ機10は、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する際に、複数のスピーカ部26A~26Cのうちのいずれか1以上の報知音の再生音量を他の音響装置の報知音再生音量よりも小さくする(第1実施形態では、スピーカ部26Aの再生音量を小さくしている)ことで、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減されるようにしている。本実施形態では、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する際に、報知音を減衰させるカバー部材を備え、このカバー部材により複数のスピーカ部26A~26Cのうちのいずれか1以上の報知音の再生音量を他の音響装置の報知音再生音量よりも小さくすることで、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減されるようにしたパチンコ機10について説明する。以下、本実施形態に係るパチンコ機10について説明するが、第1実施形態に係るパチンコ機10と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<遊技機が備えるスピーカ部及びカバー部材の概略構成>
図61は、本実施形態に係るパチンコ機10が備えるスピーカ部26A及びカバー部材27の概略構成図であり、図61(a)は、スピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされていない状態(以下、第1状態ともいう)の正面図、図61(b)は、スピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされている状態(以下、第2状態ともいう)の正面図、図61(c)は、図61(b)の線分X-Xにおける断面図、図61(d)は、図61(b)の線分Y-Yにおける断面図である。
カバー部材27は、パチンコ機10に取り付けられた状態で、スピーカ部26Aに対して対向する板状の第1部材27a(表面部材)と、第1部材27aの下辺側から裏面側(背面側)へ方向に延出した板状の第2部材27b(下側面部材)と、第1部材27aの上辺側から裏面側(背面側)へ方向に延出し、上記第2部材27bと対向する板状の第3部材27c(上側面部材)と、第1部材27aの左辺側から裏面側(背面側)へ方向に延出し、上記第2部材27bと第3部材27cの左辺側同士を連結する板状の第4部材27d(左側面部材)とで構成され、右辺側が開放された箱状部材である。また、カバー部材27の第2部材27bには、後述するカバー部材駆動部30の駆動ギア30aと噛合うスライドギア27eが設けられている。
また、カバー部材27の第2部材27bの左端部には、原点検出センサ28用の原点用突起27f1が設けられ、カバー部材27の第2部材27bの右端部には、最大点検出センサ29用の最大点用突起27f2が設けられている。ここで、カバー部材27が第1状態(原点位置)にあるときのカバー部材27の第2部材27bの原点用突起27f1の位置に、原点検出センサ28が設けられている。また、カバー部材27が第2状態(最大点位置)にあるときのカバー部材27の第2部材27bの最大点用突起27f2の位置に、最大点検出センサ29が設けられている。
本実施形態では、カバー部材27を駆動させるための構成として、ラック・アンド・オピニオン方式を採用しており、カバー部材27の近傍には、カバー部材27を、スピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされていない第1状態(原点位置)と、スピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされている第2状態(最大点位置)とを変化させるためのカバー部材駆動部30が設けられている。
カバー部材駆動部30は、カバー部材駆動用モータ(不図示)と、歯車である駆動ギア30aとを備え、カバー部材駆動用モータが駆動されると、カバー部材27のスライドギア27eと噛合った駆動ギア30aが回転してカバー部材27が駆動され、カバー部材27の位置が第1状態と第2状態との間で変化する。
カバー部材駆動用モータは、例えば、ステッピングモータであり、図示しないドライバから印加されるパルス信号により駆動され、所定のステップ角度で駆動ギア30aを駆動回転させる。なお、ステッピングモータに変えて回転量を検出するエンコーダ付きのDCモータ等を用いるようにしてもよい。ステッピングモータに比して安価にカバー部材27の駆動機構を構成することができる。
スライドギア27eは、カバー部材27の第2部材に歯切りをしたものであり、駆動ギア30aに歯合連結し、駆動ギア30aの回転に伴って、左右方向に往復移動が可能になっている。このため、カバー部材駆動用モータにより、駆動ギア30aをステップ単位で駆動回転させることによって、スライドギア27eがステップ単位で左右方向に移動し、これに伴って、カバー部材27を原点位置から最大点位置までの範囲で駆動させることができる。
また、前扉枠14のスピーカ部26Aの右側には、前面側に突出するように形成された2本のリブ部14b1,14b2が形成されている。2本のリブ部14b1,14b2は、スピーカ部26Aの外径よりも少し広い幅だけ離間して形成されている。この2本のリブ部14b1,14b2は、カバー部材27と協働して、スピーカ部26Aから出力される再生音を前扉枠14の右側面に形成された開口部14dまで誘導する誘導路14eとして機能する。すなわち、スピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされていない第1状態では、スピーカ部26Aから出力される再生音は、前扉枠14の前面側に設けられた開口部14cから前扉枠14の前方に向かって放射される。一方、スピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされている第2状態では、スピーカ部26Aから出力される再生音は、カバー部材27及びリブ部14b1,14b2により形成される誘導路14eにより前扉枠14の右側面に形成された開口部14dへと誘導され、前扉枠14の開口部14dから前扉枠14の右側に向かって放射される。
<原点検出センサの概略構成>
図62は、原点検出センサの概略構成を示した図である。
次に、図62を参照して、原点検出センサ28の構成について説明する。図62は、原点検出センサ28の概略構成を示した図である。なお、最大点検出センサ29は、原点検出センサ28と同一の構成であるので、説明を省略する。
原点検出センサ28は、発光素子(図示せず)が取り付けられた発光素子取付部28aと、受光素子(図示せず)が取り付けられた受光素子取付部28bと、発光素子取付部28aの一端と受光素子取付部28bの一端とを、発光素子と受光素子とが所定距離だけ離れて対向配置されるように連結する連結部28cとによって構成されたコの字形状のセンサであり、発光素子取付部28aと受光素子取付部28bと連結部28cとによって検出溝28dを形成している。
検出溝28dに何ら挿入物(原点用突起27f1)がない場合、発光素子取付部28aに取り付けられた発光素子から照射された光は、そのまま受光素子取付部28bに取り付けられた受光素子によって受光される。一方、検出溝28dに挿入物が挿入された場合、発光素子取付部28aに取り付けられた発光素子から照射された光が遮断され、該光を受光素子取付部28bに取り付けられた受光素子が受光できない。原点検出センサ28は、該受光素子において光を受光した場合にオフ信号、受光しなかった場合にオン信号を出力することにより、その信号を受信した音声発光制御装置400において、検出溝28dに何らかの挿入物が挿入されたか否かを判断できる。
この原点検出センサ28は、発光素子取付部28aが正面視前面側、受光素子取付部28bが正面視後面側、連結部28cが正面視下側に配置され、カバー部材27が原点位置にあり、カバー部材27の第2部材27bの左側端に設けられた原点用突起27f1が検出溝28d内部に挿入されることにより、発光素子から受光素子へ照射される光が遮断されるように取り付けられている。よって、原点検出センサ28において、発光素子から受光素子へ照射される光が遮断されたことが検出された場合に、原点検出センサ28からオン信号を出力することによって、音声発光制御装置400は、カバー部材27が原点位置に到達していることを判断できる。
また、最大点検出センサ29は、原点検出センサ28と同じ向きに配置され、カバー部材27が最大点位置にあり、カバー部材27の第2部材27bの右側端部に設けられた最大点用突起27f2が、最大点検出センサ29の検出溝内部に挿入されることにより、発光素子から受光素子へ照射される光が遮断されるように取り付けられている。このため、最大点検出センサ29において、発光素子から受光素子へ照射される光が遮断されたことが検出された場合に、最大点検出センサ29からオン信号を出力することによって、音声発光制御装置400は、カバー部材27が最大点位置に到達していることを判断できる。
<音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成>
図63は、本実施形態に係るパチンコ機10の音声発光制御装置400及び表示制御装置500の電気的構成を示すブロック図である。上述したように、本実施形態に係るパチンコ機10は、原点検出センサ28及び最大点検出センサ29を備える。原点検出センサ28及び最大点検出センサ29は、音声発光制御基板401の入力ポートに接続されており、原点検出センサ28及び最大点検出センサ29から出力されるオン信号は、音声発光制御基板401へと入力される。MPU402は、原点検出センサ28及び最大点検出センサ29から出力されるオン信号により、カバー部材27が原点位置、換言するとスピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされていない状態(第1状態)にあるのか、カバー部材27が最大点位置、換言するとスピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされている状態(第2状態)であるかを判定する。
また、カバー部材駆動部30は、音声発光制御基板401の出力ポートに接続されている。カバー部材駆動部30は、音声発光制御基板401の出力ポートを介して入力されるMPU402からの制御信号に基づいて、カバー部材27を原点位置と最大点位置の間で駆動し、スピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされていない第1状態と、スピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされている第2状態とを変化させる。
なお、本実施形態では、カバー部材27によりスピーカ部26Aから出力される再生音を減衰させるため、第1実施形態と異なり、ROM412に記憶されているDAC403dが備える増幅回路の増幅率を規定するパラメータの値がスピーカ部26Aと、スピーカ部26B,26Cとで異なる値となっていない。換言すると、ROM412に記憶されているDAC403dが備える増幅回路の増幅率を規定するパラメータの値がスピーカ部26A~26Cで同値となっている。
<音出力LSIが備えるDAC及びスピーカ部との接続関係>
図64は、本実施形態に係るパチンコ機10の音出力LSI403が備えるDAC403d及びスピーカ部26A~26Cとの接続関係を説明するための概念図である。
図64に示す例では、DAC403dは、音データ処理部から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するDAC回路403d1と、DAC回路403d1で変換されたアナログ信号を増幅する増幅回路403d2aとを備える。ここで、増幅回路403d2aで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26A~26Cへと出力される。
本実施形態に係るパチンコ機10は、カバー部材27によりスピーカ部26Aから出力される再生音を減衰させるためスピーカ部26A~26Cへ出力するアナログ信号の増幅を共通の増幅回路403d2で行うことができ、第1実施形態のようにスピーカ部26A~26Cで異なる増幅回路を用意する必要がない。これにより、高価な増幅回路(オペアンプ)の数を減らすことができ、また、複数の増幅回路ごとに制御を行う必要がないためMPU402の演算処理の負荷を低減することができる。
このように本実施形態では、スピーカ部26A~26Cへ出力するアナログ信号の増幅を共通の増幅回路403d2で行っているので、ROM412に記憶されている異常報知用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データの各スピーカ部26A~26Cでの再生音量を規定するパラメータデータをスピーカ部26A~26Cごとに用意する必要がない。
このように本実施形態では、第1,第2監視装置250,290により内枠13及び前扉枠14の開放が検出されると、複数のスピーカ部26A~26Cのうちのいずれか1以上(本実施形態ではスピーカ部26A)もしくはその近傍に設けられたカバー部材27が第1状態から第2状態へと変化する。このため、スピーカ部26Aから前方へと出力される異常報知音がカバー部材27により減衰されて小さくなる。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技しているパチンコ機10から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、パチンコ機10から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
<音声発光制御装置400にて実行される異常時報知処理について>
図65は、異常時報知処理のフローチャートを示す図である。音声発光制御装置400のMPU402は、パチンコ機10に異常が発生した場合に、該異常を報知するために異常時報知処理を実行する。ここでは、監視装置250、290により内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放された場合の異常時報知処理について説明し、その他の異常時の報知については説明を省略する。
ステップS2501では、MPU402は、MPU302から送信された復電時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2501にて復電時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS2504以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2501にて復電時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2502において、表示制御装置500へ復電時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した復電時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づいて、復電時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づく復電時報知用表示を実行する。
ステップS2503では、MPU402は、復電時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから復電時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。ここで、復電時における異常報知は、内枠13及び前扉枠14が閉鎖(閉じた)状態で行われる。すなわち、前扉枠14が隣席で遊技する遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向するようにして開いた状態ではないため、隣席で遊技する遊技者にとって異常報知が煩わしく感じられる虞が少ない。このため、この復電時の異常報知では、MPU402は、カバー部材27を原点位置から最大点位置へと駆動させることなく異常報知を行う。換言すると、MPU402は、スピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされていない第1状態で異常報知を行う。これにより、スピーカ部26Aの再生音、すなわち異常報知が前扉枠14の前方に向かって放射される状態となる。
ステップS2504では、MPU402は、MPU302から送信された通常時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの通常時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2504にて通常時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、後述するステップS2510以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2504にて通常時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2505において、カバー部材駆動部30を制御して、カバー部材27の位置を原点位置から最大点位置まで駆動させる。換言すると、MPU402は、カバー部材駆動部30を制御して、スピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされていない第1状態からスピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされている第2状態へと変化させる。これにより、スピーカ部26Aの再生音、すなわち異常報知が前扉枠14の右側に向かって放射される状態となる。
ステップS2506では、MPU402は、表示制御装置500へ通常時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した通常時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づいて、通常時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づく通常時報知用表示を実行する。
ステップS2507では、MPU402は、通常時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから通常時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。ここで、パチンコ機10が備える表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように発光データが規定されている。換言すると、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されている。このため、通常時報知時においては、表示ランプ装置23A,23Bの発光が停止される。
ステップS2508では、MPU402は、BGM(演出用の音楽や音声を含む)の停止処理を行う。このBGMの停止処理では、スピーカ部26A~26Cから出力中のBGMを停止又はミュートする処理を行う。BGMを停止する場合、MPU402は、扉開放報知解除時にBGMの再生を再開するために、BGMの再生を停止したデータのアドレスをRAM413へ記憶させる。扉開放報知解除時にBGMの再生を再開する際には、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を開始することで、BGMを停止した位置から再生を再開することができる。
また、BGMをミュートする場合、MPU402は、BGMの再生自体は停止せずに、音が出力されないようにBGMをミュートするように音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402の指示に基づいて、BGMを再生するが、音がスピーカ部26A~26Cから出力されないようにBGMの再生音をミュートする。
ステップS2509では、MPU402は、ステップS2503又はステップS2507で読み出しを開始した音データの再生(出力)及び発光を開始する。具体的には、MPU402は、ステップS2503又はステップS2507で読み出しを開始したプログラム及び処理用データのシーケンスデータ及びパラメータデータと、音データを音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)が開始される。また、MPU402は、ステップS2503又はステップS2507で読み出しを開始したプログラム、処理用データ及び発光データに基づいて、表示ランプ装置23A,23B及びエラー表示ランプ部24を発光させる。ここで、通常時報知用の発光データにおいては、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されているため表示ランプ装置23A,23Bの発光は停止する。
ステップS2510では、MPU402は、MPU302から送信された裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの裏パックユニット開放コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2510にて裏パックユニット開放コマンドを受信していない判定した場合(NO)、ステップS2512以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2510にて裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2511にて、MPU402は、スピーカ部26A~26Cから出力される異常報知(通常時報知用の「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)の再生音量を小さくするよう音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402からの指示に基づいて、スピーカ部26A~26Cから出力される異常報知等の再生音量を小さくする制御を行う。
ここで、ステップS2511におけるスピーカ部26A~26Cから出力される異常報知等の再生音量を小さくする制御は、全てのスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくするように制御しても良いし、スピーカ部26A~26Cのうち特定のスピーカ部、例えば、前扉枠14又は内枠13を開放した場合に左隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなるスピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御しても良い。なお、ステップS1610において、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくするように制御する際は、音出力LSI403は、スピーカ部26A~26Cの再生音量を規定するパラメータを裏パックユニット15が開放された場合のパラメータに更新して、スピーカ部26A~26Cの増幅回路の増幅率を小さくすることでスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする。なお、スピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御する場合には、音出力LSI403は、スピーカ部26Aの増幅回路の増幅率を小さくすることで、スピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御する(この場合、スピーカ部26Aに専用の増幅回路を設けてやる)。
ステップS2512では、MPU402は、MPU302から送信された扉開放の報知を解除する扉開放報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの扉開放報知解除コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2512にて扉開放報知解除コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS2513以降の処理を実行せずに、異常時報知処理を終了する。
また、MPU402は、ステップS2512にて、扉開放報知解除コマンドを受信していると判定した場合(YES)、MPU402は、ステップS2513において、カバー部材駆動部30を制御して、カバー部材27の位置を最大点位置から原点位置まで駆動させる。換言すると、MPU402は、カバー部材駆動部30を制御して、スピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされている第2状態からスピーカ部26Aがカバー部材27によりカバーされていない第1状態へと変化させる。これにより、スピーカ部26Aの再生音、すなわち異常報知が前扉枠14の前方に向かって放射される状態となる。
ステップS2514では、MPU402は、表示制御装置500へ扉開放報知解除コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した扉開放報知解除コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が解除され、通常状態へと復帰する。
ステップS2515では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、スピーカ部26A~26Cからの異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)を停止する。また、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、エラー表示ランプ部24の発光を停止させる。
また、ステップS2515では、MPU402は、共通用ROM404に記憶されている音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生するよう音出力LSI403に指示する。音出力LSI403は、共通用ROM404から音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「扉が閉まりました!」の音声が出力される。
ステップS2516では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいてRAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンド及び通常時報知用コマンドに対応するフラグをクリア、換言するとフラグの値を0とする。ステップS2517では、MPU402は、ステップS2508で停止又はミュートしたBGMの再生を再開するよう音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402からの指示に基づいて、BGMの再生を再開する。ここで、ステップS2508でBGMが停止されていた場合、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を再開するように音出力LSI403へ指示することで、BGMを停止した位置から再生が再開される。また、ステップS2508でBGMがミュートされていた場合、MPU402は、音出力LSI403へBGMのミュートを解除するように指示する。音出力LSI403へBGMのミュートを解除し、スピーカ部26A~26CからBGMが出力される。その後、MPU402は、異常時報知処理を終了する。
なお、上記説明では、ステップS2508において、BGM(演出用の音楽や音声を含む)を停止又はミュートする処理を行っているが、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に再生音量を所定値まで下げる処理を行うようにしてもよい。この場合、ステップS2509において、ステップS2503又はステップS2507で読み出しを開始した音データの再生(出力)を行う際に、音声や警告音の再生音量が漸減的又は段階的に所定値まで上がるように処理してもよい。さらに、ステップS2508において、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に音量を下げる処理を行っている場合は、ステップS2515において、スピーカ部26A~26Cからの異常報知の再生音量を音量がゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、ステップS2517において、BGMの再生を再開する際に、BGMの再生音量を所定値まで漸減的又は段階的に音量を上げるようにしてもよい。このように、構成することで、BGMが急に停止され、警告音に替わることによる違和感を生ずることなく報知を行うことができる。また、警告音が急に停止され、BGMに替わることによる違和感を生ずることなく復帰を行うことができる。
また、上記説明では、ステップS2510において、裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定し、裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2511の処理を実行して、警告音等の再生音量を小さくする構成としている。これは、裏パックユニット15は、内枠13を開放した後、裏パックユニット15を開放しなければならず、裏パックユニット15を開放するには時間を要することから、内枠13を開扉して内部に配された装置や部品を誤作動させる等して不正な利益を得るいわゆるゴト行為ではなくメンテナンス等による開放の可能性が高いこと、及び裏パックユニット15を開放してメンテナンス等を行う場合には時間を要することから、本実施形態に係るパチンコ機10では、裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合、換言すると裏パックユニット15が開放されていると判定される場合には、警告音等を小さくする構成(2段階制御)としている。これにより、時間を要するメンテナンス等の間、いつまでも大音量の警告音を聞く必要がなく、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞がさらに低減される。なお、裏パックユニット15の開放は、メンテナンス等ではなく不正が行われている可能性も考えられることから、完全に警告音等の出力を止めてしまうことは好ましくない。なお、ステップS2510及びS2511の処理を行わない、換言すると、裏パックユニット15が開放されているか否かを判定しない構成としてもよい(この場合、1段階制御となる)。この場合、パチンコ機10に裏パックユニット15の開放を検出する裏パックユニット開放検出器289を設ける必要はない。
本実施形態に係るパチンコ機10は、前扉枠14は、内枠13の左側部を支持側として内枠13の左側部に支持されており、内枠13は、外枠11の左側部を支持側として外枠11の左側部に支持されている。パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13を開放する際には、この支持側を回転軸として前方側(遊技者側)へ回転するようにして開く。このため、前扉枠14又は内枠13を開放した場合、左隣席で遊技する遊技者の上半身の右側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Aが左隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。そこで、本実施形態に係るパチンコ機10では、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Aがカバー部材27で覆われた第2の状態としている。
しかしながら、前扉枠14が内枠13の右側部を支持側として内枠13の右側部に支持されており、内枠13が外枠11の右側部を支持側として外枠11の右側部に支持されている場合、換言すると、上記パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13が反対側に開放される場合、右隣席で遊技する遊技者の上半身の左側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Bが右隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。この場合には、スピーカ部26Bの近傍にカバー部材27、カバー部材駆動部30、原点検出センサ28及び最大点検出センサ29を設けるとともに、誘導路14eを構成するリブ部14b1,14b2を形成して、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Bがカバー部材27で覆われた第2の状態となるように構成する。また、この場合には、前扉枠14の左側面に開口部14dを形成し、前扉枠14の左側面から報知音が放射されるように構成する。
また、前扉枠14が内枠13の右側部及び左側部(以下、両側部ともいう)を支持側として内枠13の両側部に支持されており、内枠13が外枠11の両側部を支持側として外枠11の両側部に支持されている場合、換言すると、上記パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13が両開き構造となっている場合、前扉枠14の開放を検出する第1監視装置250及び内枠13の開放を検出する第2監視装置290に加えて、前扉枠14及び内枠13がそれぞれどちら側に開いたかを検出する検出器を備え、この検出器での検出結果に基づいて、スピーカ部26A又はスピーカ部26Bのどちらかがカバー部材27で覆われた第2状態となるように構成してもよい。
より具体的には、検出器が前扉枠14又は内枠13が左側部を支持側として開放されたことを検出した場合、左隣席で遊技する遊技者の上半身の右側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Aが左隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。このため、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Aをカバー部材27で覆われた第2状態として異常を知らせる警報音及び音声を再生するようにすればよい。
また、検出器が前扉枠14又は内枠13が右側部を支持側として開放されたことを検出した場合、右隣席で遊技する遊技者の上半身の左側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Bが右隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。このため、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Bをカバー部材27で覆われた第2状態として異常を知らせる警報音及び音声を再生するようにすればよい。
また、本実施形態では、スピーカ部26Aの右側に誘導路14eを形成し、スピーカ部26Aで再生される異常報知音が前扉枠14の右側に向かって放射される構成としているが、スピーカ部26Aで再生される異常報知音が放射される方向は前扉枠14の前面以外の方向であればよく、例えば、スピーカ部26Aの上側に誘導路14eを形成し、スピーカ部26Aで再生される異常報知音が前扉枠14の上側に向かって放射される構成としてもよい。なお、前扉枠14又は内枠13が右側部を支持側として開放される場合には、スピーカ部26Bの左側に誘導路14eを形成し、スピーカ部26Bで再生される異常報知音が前扉枠14の左側に向かって放射される構成としてもよく、スピーカ部26Bの上側に誘導路14eを形成し、スピーカ部26Bで再生される異常報知音が前扉枠14の上側に向かって放射される構成としてもよい。
なお、本実施形態では、復電時用報知処理及び通常時用報知処理で、異なる発光データを用いることで、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放された状態では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されているが、復電時用報知処理及び通常時用報知処理で同一の発光データを用いながら、通常時用報知処理では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように、表示ランプ装置23A,23Bの発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。この場合、復電時用報知処理と通常時用報知処理とで異なる発光データを記憶保持する必要がないため、発光データを記憶させるための容量を削減することができる。
また、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bのうちの一方、好ましくは、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように構成してもよい。この場合にも、通常時用報知処理の発光データを内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように発光データを規定しても良いし、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置の発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。このようにパチンコ機10は、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されているため、隣席で遊技を行う遊技者が表示ランプ装置23A,23Bの発光を煩わしく思う虞が低減される。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が爽快感や没入感を失い、興ざめする虞が低減される。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、固定枠(外枠11)に対し開閉可能に支持された枠体(内枠13、前扉枠14)と、枠体に設けられた複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)と、枠体の開放を検出する検出装置(第1,第2監視装置250,290)と、検出装置により枠体の開放が検出されると複数の音響装置から異常を報知する異常報知手段(MPU402,音出力LSI403)と、複数の音響装置のうちのいずれか1以上もしくはその近傍に設けられ、音響装置を覆わない第1状態と、音響装置を覆う第2状態とを有するカバー部材(カバー部材27)と、検出装置により枠体の開放が検出されると、カバー部材を第1状態から第2状態へと変化させる駆動手段(カバー部材駆動部30)とを備える。このため、音響装置(スピーカ部26A)から前方へと出力される異常報知音がカバー部材(カバー部材27)により減衰されて小さくなる。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
(2)パチンコ機10は、音響装置(スピーカ部26A)を覆う第2状態にある場合、音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)から出力される異常報知音を枠体(内枠13、前扉枠14)の前方以外の方向に誘導する誘導路(14b)を有する。このため、カバー部材(カバー部材27)が音響装置を覆う第2状態にある場合、音響装置から出力される異常報知音が誘導路により枠体の前方以外の方向、例えば、パチンコ機10の側方(側面側)、上方(上面側)、下方(底面側)に誘導される。このため、パチンコ機10の枠体を開放した際に、前方に位置する遊技者に対しては異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、誘導された異常報知音は、枠体の前方以外の方向から出力されるので、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
(3)パチンコ機10の枠体(内枠13、前扉枠14)は、右側部又は左側部の一方を支持側として前記固定枠(外枠11)の右側部又は左側部の一方に支持され、前記カバー部材(カバー部材27)は、複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち支持側とは異なる側に配置された音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)もしくはその近傍に設けられている。このため、枠体の支持側とは異なる側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の音量がカバー部材27により小さくなる。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
[第4実施形態]
上記第1実施形態では、パチンコ機10は、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する際に、複数のスピーカ部26A~26Cのうちのいずれか1以上の報知音の再生音量を他の音響装置の報知音再生音量よりも小さくする(第1実施形態では、スピーカ部26Aの再生音量を小さくしている)ことで、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減されるようにしている。本実施形態では、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する際に、スピーカ部の向きを変化させることで、複数のスピーカ部26A~26Cのうちのいずれか1以上から出力される再生音の放射方向を変化させる。これにより、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減されるようにしたパチンコ機10について説明する。以下、本実施形態に係るパチンコ機10について説明するが、第1実施形態に係るパチンコ機10と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<遊技機が備えるスピーカ部及びカバー部材の概略構成>
図66は、第4実施形態に係るパチンコ機10の正面図である。図67は、図66の線分Z-Zにおける一部断面図であり、第4実施形態に係るパチンコ機10が備えるスピーカ部及びその周辺構造を示す概略構成図を示している。図67(a)は、スピーカ部26Aがパチンコ機10の正面を向いている第1状態を示す一部断面平面図、図67(b)は、スピーカ部26Aの向きがパチンコ機10(前扉枠14)の正面から右側面へ変化している途中を示す一部断面平面図、図67(c)は、スピーカ部26Aがパチンコ機10(前扉枠14)の右側面を向いている第2状態を示す一部断面平面図である。スピーカ部26Aは、図67に示すように、コーン紙26a及びコーン紙振動部26bを備え、スピーカ部駆動部26dにより回転軸26cを中心として回転可能に構成されている。
異常が発生することなく遊技が行われている場合又は復電時の異常報知では、図67(a)に示すように、スピーカ部26Aは、コーン紙26aが前扉枠14の前方(前面側)を向いた状態(第1状態)となっており、スピーカ部26Aに対向する前扉枠14の前面側の領域に形成された開口部14cを通じてBGMや効果音、異常報知(例えば、「電源遮断中に扉が開けられました!」など)等が前扉枠14の前方(遊技者)に向けて出力される。
一方、通常時の異常報知では、その旨を示す通常時報知用コマンドが主制御装置300から音声発光制御装置400に出力される。音声発光制御装置400では、通常時報知用コマンドを受信したことに基づいて、スピーカ部26A~26Cに異常報知を発生させる信号を出力するとともに、スピーカ部駆動部26dに駆動信号を出力して、スピーカ部26Aを回転軸26cを中心として反時計回り(CCW)に回動し、前扉枠14の右側面側を向くように制御する。これにより、図67(b)に示すように、スピーカ部26Aは、回転軸26cを中心に反時計回りに回転し、最終的に、図67(c)に示すように、スピーカ部26Aは、約90度回転した状態、換言すると、スピーカ部26Aが前扉枠14の右側面を向いた状態(第2状態)となる。この状態では、スピーカ部26Aに対向する前扉枠14の右側面の領域に形成された開口部14dを通じて常報知(例えば、「電源遮断中に扉が開いています!」など)が前扉枠14の右側方(遊技者がいない方向)に向けて出力される。
ここで、スピーカ部駆動部26dは、例えば、ステッピングモータにより構成され、図示しないドライバから印加されるパルス信号により駆動され、所定のステップ角度でスピーカ部26Aを駆動回転させる。なお、ステッピングモータに変えて回転量を検出するエンコーダ付きのDCモータ等を用いるようにしてもよい。ステッピングモータに比して安価にスピーカ部26Aの駆動機構を構成することができる。
なお、本実施形態に係るパチンコ機10においても、第3実施形態に係るパチンコ機と同様に前扉枠14のスピーカ部26Aの右側に、パチンコ機10の前面側に突出するように形成された2本のリブ部を形成し、スピーカ部26Aから出力される再生音を前扉枠14の右側面に形成された開口部14dまで誘導する誘導路を設けるようにしてもよい。このように誘導路を設けることで、通常時の異常報知においてスピーカ部26Aから出力される再生音のうち前扉枠14の前面側へ放射される成分を減ずることができる。
<音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成>
図68は、本実施形態に係るパチンコ機10の音声発光制御装置400及び表示制御装置500の電気的構成を示すブロック図である。上述したように、本実施形態に係るパチンコ機10は、スピーカ部26Aの向きを変化させるスピーカ部駆動部26dを備える。スピーカ部駆動部26dは、音声発光制御基板401の出力ポートに接続されている。スピーカ部駆動部26dは、音声発光制御基板401の出力ポートを介して入力されるMPU402からの制御信号に基づいて、スピーカ部26Aの向きを前扉枠14の前方を向いた第1状態と前扉枠14の前方以外を向いた第2状態との間で変化させる。
なお、本実施形態では、スピーカ部駆動部26dによりスピーカ部26Aの向きを前扉枠14の前方を向いた第1状態から前扉枠14の前方以外を向いた第2状態へと変化させるため、第1実施形態と異なり、ROM412に記憶されているDAC403dが備える増幅回路の増幅率を規定するパラメータの値がスピーカ部26Aと、スピーカ部26B,26Cとで異なる値となっていない。換言すると、ROM412に記憶されているDAC403dが備える増幅回路の増幅率を規定するパラメータの値がスピーカ部26A~26Cで同値となっている。
<音出力LSIが備えるDAC及びスピーカ部との接続関係>
本実施形態に係るパチンコ機10は、スピーカ部駆動部26dによりスピーカ部26Aから出力される再生音の放射方向を変えるため、第1実施形態のようにスピーカ部26A~26Cで異なる増幅回路を用意する必要がない。このため、本実施形態に係るパチンコ機10では、図64を参照して説明した第3実施形態に係るパチンコ機10と同様の構成を有し、DAC403dは、音データ処理部から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するDAC回路403dと、DAC回路403dで変換されたアナログ信号を増幅する増幅回路403d2aとを備え、増幅回路403d2aで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26A~26Cへと出力される。このため、第1実施形態のようにスピーカ部26A~26Cで異なる増幅回路を用意する必要がない。これにより、高価な増幅回路(オペアンプ)の数を減らすことができ、また、複数の増幅回路ごとに制御を行う必要がないためMPU402の演算処理の負荷を低減することができる。
また、本実施形態では、スピーカ部26A~26Cへ出力するアナログ信号の増幅を共通の増幅回路403d2aで行っているので、ROM412に記憶されている異常報知用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データの各スピーカ部26A~26Cでの再生音量を規定するパラメータデータをスピーカ部26A~26Cごとに用意する必要がない。
このように本実施形態では、第1,第2監視装置250,290により内枠13及び前扉枠14の開放が検出されると、スピーカ部駆動部26dにより複数のスピーカ部26A~26Cのうちのいずれか1以上(本実施形態ではスピーカ部26A)の向きを前扉枠14の前方を向いた第1状態から前扉枠14の前方以外(本実施形態では右側)を向いた第2状態へと変化させる。このため、枠体の前方に位置する遊技者、換言すると、隣席で遊技を行う遊技者に向かって異常報知音が出力されなくなる。このため遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
<音声発光制御装置400にて実行される異常時報知処理について>
図69は、異常時報知処理のフローチャートを示す図である。音声発光制御装置400のMPU402は、パチンコ機10に異常が発生した場合に、該異常を報知するために異常時報知処理を実行する。ここでは、監視装置250、290により内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放された場合の異常時報知処理について説明し、その他の異常時の報知については説明を省略する。
ステップS2601では、MPU402は、MPU302から送信された復電時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2601にて復電時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS2604以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2601にて復電時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2602において、表示制御装置500へ復電時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した復電時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づいて、復電時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づく復電時報知用表示を実行する。
ステップS2603では、MPU402は、復電時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから復電時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。ここで、復電時における異常報知は、内枠13及び前扉枠14が閉鎖(閉じた)状態で行われる。すなわち、前扉枠14が隣席で遊技する遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向するようにして開いた状態ではないため、隣席で遊技する遊技者にとって異常報知が煩わしく感じられる虞が少ない。このため、この復電時の異常報知では、MPU402は、スピーカ部26Aの向きを第1状態から第2状態へと変化させることなく異常報知を行う。これにより、スピーカ部26Aの再生音、すなわち異常報知が前扉枠14の前方に向かって放射される状態となる。
ステップS2604では、MPU402は、MPU302から送信された通常時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの通常時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2604にて通常時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、後述するステップS2610以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2604にて通常時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2605において、スピーカ部駆動部26dを制御して、スピーカ部26Aの向きを前扉枠14の前方を向いた第1状態から前扉枠14の前方以外を向いた第2状態へと変化させる。これにより、スピーカ部26Aの再生音、すなわち異常報知が前扉枠14の右側に向かって放射される状態となる。
ステップS2606では、MPU402は、表示制御装置500へ通常時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した通常時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づいて、通常時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づく通常時報知用表示を実行する。
ステップS2607では、MPU402は、通常時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから通常時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。ここで、パチンコ機10が備える表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように発光データが規定されている。換言すると、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されている。このため、通常時報知時においては、表示ランプ装置23A,23Bの発光が停止される。
ステップS2608では、MPU402は、BGM(演出用の音楽や音声を含む)の停止処理を行う。このBGMの停止処理では、スピーカ部26A~26Cから出力中のBGMを停止又はミュートする処理を行う。BGMを停止する場合、MPU402は、扉開放報知解除時にBGMの再生を再開するために、BGMの再生を停止したデータのアドレスをRAM413へ記憶させる。扉開放報知解除時にBGMの再生を再開する際には、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を開始することで、BGMを停止した位置から再生を再開することができる。
また、BGMをミュートする場合、MPU402は、BGMの再生自体は停止せずに、音が出力されないようにBGMをミュートするように音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402の指示に基づいて、BGMを再生するが、音がスピーカ部26A~26Cから出力されないようにBGMの再生音をミュートする。
ステップS2609では、MPU402は、ステップS2603又はステップS2607で読み出しを開始した音データの再生(出力)及び発光を開始する。具体的には、MPU402は、ステップS2603又はステップS2607で読み出しを開始したプログラム及び処理用データのシーケンスデータ及びパラメータデータと、音データを音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)が開始される。また、MPU402は、ステップS2603又はステップS2607で読み出しを開始したプログラム、処理用データ及び発光データに基づいて、表示ランプ装置23A,23B及びエラー表示ランプ部24を発光させる。ここで、通常時報知用の発光データにおいては、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されているため表示ランプ装置23A,23Bの発光は停止する。
ステップS2610では、MPU402は、MPU302から送信された裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの裏パックユニット開放コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2610にて裏パックユニット開放コマンドを受信していない判定した場合(NO)、ステップS2612以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2610にて裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2611にて、MPU402は、スピーカ部26A~26Cから出力される異常報知(通常時報知用の「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)の再生音量を小さくするよう音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402からの指示に基づいて、スピーカ部26A~26Cから出力される異常報知等の再生音量を小さくする制御を行う。
ここで、ステップS2611におけるスピーカ部26A~26Cから出力される異常報知等の再生音量を小さくする制御は、全てのスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくするように制御しても良いし、スピーカ部26A~26Cのうち特定のスピーカ部、例えば、前扉枠14又は内枠13を開放した場合に左隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなるスピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御しても良い。なお、ステップS2611において、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくするように制御する際は、音出力LSI403は、スピーカ部26A~26Cの再生音量を規定するパラメータを裏パックユニット15が開放された場合のパラメータに更新して、スピーカ部26A~26Cの増幅回路の増幅率を小さくすることでスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする。なお、スピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御する場合には、音出力LSI403は、スピーカ部26Aの増幅回路の増幅率を小さくすることで、スピーカ部26Aの再生音量だけを小さくするように制御する。
ステップS2612では、MPU402は、MPU302から送信された扉開放の報知を解除する扉開放報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの扉開放報知解除コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2612にて扉開放報知解除コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS2613以降の処理を実行せずに、異常時報知処理を終了する。
また、MPU402は、ステップS2612にて、扉開放報知解除コマンドを受信していると判定した場合(YES)、MPU402は、ステップS2613において、スピーカ部駆動部26dを制御して、前扉枠14の前方以外を向いた第2状態からスピーカ部26Aの向きを前扉枠14の前方を向いた第1状態へと変化(復帰)させる。これにより、スピーカ部26Aの再生音、すなわち異常報知が前扉枠14の前方に向かって放射される状態となる。
ステップS2614では、MPU402は、表示制御装置500へ扉開放報知解除コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した扉開放報知解除コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が解除され、通常状態へと復帰する。
ステップS2615では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、スピーカ部26A~26Cからの異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)を停止する。また、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、エラー表示ランプ部24の発光を停止させる。
また、ステップS2615では、MPU402は、共通用ROM404に記憶されている音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生するよう音出力LSI403に指示する。音出力LSI403は、共通用ROM404から音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「扉が閉まりました!」の音声が出力される。
ステップS2617では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいてRAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンド及び通常時報知用コマンドに対応するフラグをクリア、換言するとフラグの値を0とする。ステップS2618では、MPU402は、ステップS2608で停止又はミュートしたBGMの再生を再開するよう音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402からの指示に基づいて、BGMの再生を再開する。ここで、ステップS2608でBGMが停止されていた場合、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を再開するように音出力LSI403へ指示することで、BGMを停止した位置から再生が再開される。また、ステップS2608でBGMがミュートされていた場合、MPU402は、音出力LSI403へBGMのミュートを解除するように指示する。音出力LSI403へBGMのミュートを解除し、スピーカ部26A~26CからBGMが出力される。その後、MPU402は、異常時報知処理を終了する。
なお、上記説明では、ステップS2608において、BGM(演出用の音楽や音声を含む)を停止又はミュートする処理を行っているが、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に再生音量を所定値まで下げる処理を行うようにしてもよい。この場合、ステップS2609において、ステップS2603又はステップS2607で読み出しを開始した音データの再生(出力)を行う際に、音声や警告音の再生音量が漸減的又は段階的に所定値まで上がるように処理してもよい。さらに、ステップS2608において、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に音量を下げる処理を行っている場合は、ステップS2615において、スピーカ部26A~26Cからの異常報知の再生音量を音量がゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、ステップS2617において、BGMの再生を再開する際に、BGMの再生音量を所定値まで漸減的又は段階的に音量を上げるようにしてもよい。このように、構成することで、BGMが急に停止され、警告音に替わることによる違和感を生ずることなく報知を行うことができる。また、警告音が急に停止され、BGMに替わることによる違和感を生ずることなく復帰を行うことができる。
また、上記説明では、ステップS2610において、裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定し、裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2611の処理を実行して、警告音等の再生音量を小さくする構成としている。これは、裏パックユニット15は、内枠13を開放した後、裏パックユニット15を開放しなければならず、裏パックユニット15を開放するには時間を要することから、内枠13を開扉して内部に配された装置や部品を誤作動させる等して不正な利益を得るいわゆるゴト行為ではなくメンテナンス等による開放の可能性が高いこと、及び裏パックユニット15を開放してメンテナンス等を行う場合には時間を要することから、本実施形態に係るパチンコ機10では、裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合、換言すると裏パックユニット15が開放されていると判定される場合には、警告音等を小さくする構成(2段階制御)としている。これにより、時間を要するメンテナンス等の間、いつまでも大音量の警告音を聞く必要がなく、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞がさらに低減される。なお、裏パックユニット15の開放は、メンテナンス等ではなく不正が行われている可能性も考えられることから、完全に警告音等の出力を止めてしまうことは好ましくない。なお、ステップS2610及びS2611の処理を行わない、換言すると、裏パックユニット15が開放されているか否かを判定しない構成としてもよい(この場合、1段階制御となる)。この場合、パチンコ機10に裏パックユニット15の開放を検出する裏パックユニット開放検出器289を設ける必要はない。
本実施形態に係るパチンコ機10は、前扉枠14は、内枠13の左側部を支持側として内枠13の左側部に支持されており、内枠13は、外枠11の左側部を支持側として外枠11の左側部に支持されている。パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13を開放する際には、この支持側を回転軸として前方側(遊技者側)へ回転するようにして開く。このため、前扉枠14又は内枠13を開放した場合、左隣席で遊技する遊技者の上半身の右側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Aが左隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。そこで、本実施形態に係るパチンコ機10では、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Aの向きを前扉枠14の前方を向いた第1状態から前扉枠14の前方以外を向いた第2状態へと変化させている。
しかしながら、前扉枠14が内枠13の右側部を支持側として内枠13の右側部に支持されており、内枠13が外枠11の右側部を支持側として外枠11の右側部に支持されている場合、換言すると、上記パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13が反対側に開放される場合、右隣席で遊技する遊技者の上半身の左側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Bが右隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。この場合には、スピーカ部26Bの向きを前扉枠14の前方を向いた第1状態から前扉枠14の前方以外を向いた第2状態へと変化させるように構成する。
また、前扉枠14が内枠13の右側部及び左側部(以下、両側部ともいう)を支持側として内枠13の両側部に支持されており、内枠13が外枠11の両側部を支持側として外枠11の両側部に支持されている場合、換言すると、上記パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13が両開き構造となっている場合、前扉枠14の開放を検出する第1監視装置250及び内枠13の開放を検出する第2監視装置290に加えて、前扉枠14及び内枠13がそれぞれどちら側に開いたかを検出する検出器を備え、この検出器での検出結果に基づいて、スピーカ部26A又はスピーカ部26Bの向きを前扉枠14の前方を向いた第1状態から前扉枠14の前方以外を向いた第2状態へと変化させる。
より具体的には、検出器が前扉枠14又は内枠13が左側部を支持側として開放されたことを検出した場合、左隣席で遊技する遊技者の上半身の右側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Aが左隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。このため、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Aの向きを前扉枠14の前方を向いた第1状態から前扉枠14の前方以外を向いた第2状態へと変化させる。
また、検出器が前扉枠14又は内枠13が右側部を支持側として開放されたことを検出した場合、右隣席で遊技する遊技者の上半身の左側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Bが右隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。このため、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Bの向きを前扉枠14の前方を向いた第1状態から前扉枠14の前方以外を向いた第2状態へと変化させる。
また、本実施形態では、スピーカ部26Aの向きを前扉枠14の右側面に変化させることで、スピーカ部26Aで再生される異常報知音が前扉枠14の右側に向かって放射される構成としているが、スピーカ部26Aで再生される異常報知音が放射される方向は前扉枠14の前面以外の方向であればよく、例えば、スピーカ部26Aの向きを前扉枠14の上側に変化させることで、スピーカ部26Aで再生される異常報知音が前扉枠14の上側に向かって放射される構成としてもよい。なお、前扉枠14又は内枠13が右側部を支持側として開放される場合には、スピーカ部26Bの向きを前扉枠14の左側面に変化させることで、スピーカ部26Bで再生される異常報知音が前扉枠14の左側に向かって放射される構成としてもよく、スピーカ部26Bの向きを前扉枠14の上側に変化させることで、スピーカ部26Bで再生される異常報知音が前扉枠14の上側に向かって放射される構成としてもよい。
なお、本実施形態では、復電時用報知処理及び通常時用報知処理で、異なる発光データを用いることで、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放された状態では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されているが、復電時用報知処理及び通常時用報知処理で同一の発光データを用いながら、通常時用報知処理では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように、表示ランプ装置23A,23Bの発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。この場合、復電時用報知処理と通常時用報知処理とで異なる発光データを記憶保持する必要がないため、発光データを記憶させるための容量を削減することができる。
また、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bのうちの一方、好ましくは、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように構成してもよい。この場合にも、通常時用報知処理の発光データを内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように発光データを規定しても良いし、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置の発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。このようにパチンコ機10は、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されているため、隣席で遊技を行う遊技者が表示ランプ装置23A,23Bの発光を煩わしく思う虞が低減される。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が爽快感や没入感を失い、興ざめする虞が低減される。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、固定枠(外枠11)に対し開閉可能に支持された枠体(内枠13、前扉枠14)と、枠体に設けられた複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)と、枠体の開放を検出する検出装置(第1,第2監視装置250,290)と、検出装置により枠体の開放が検出されると複数の音響装置から異常を報知する異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)と、検出装置により枠体の開放が検出されると、複数の音響装置のうちのいずれか1以上の向きを枠体の前方を向いた第1状態から枠体の前方以外を向いた第2状態へと変化させる駆動手段(スピーカ部駆動部26d)とを備える。
すなわち検出装置により枠体の開放が検出されると、複数の音響装置のうちのいずれか1以上の向きが第1状態から第2状態へと変化し、枠体の前方に位置する遊技者、換言すると、隣席で遊技を行う遊技者に向かって異常報知音が出力されなくなる。このため遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
(2)パチンコ機10は、音響装置(スピーカ部26A~26C)が前記第2状態にある場合、音響装置から出力される異常報知音を前記枠体の前方以外の方向に誘導する誘導路を備える。このため、音響装置が第2状態にある場合、音響装置から出力される異常報知音が誘導路により枠体の前方以外の方向、例えば、遊技機の側方(側面側)、上方(上面側)、下方(底面側)に誘導される。このため、遊技機の枠体を開放した際に、前方に位置する遊技者に対しては異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、誘導された異常報知音は、枠体の前方以外の方向から出力されるので、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
(3)パチンコ機10の枠体(内枠13、前扉枠14)の枠体(内枠13、前扉枠14)は、右側部又は左側部の一方を支持側として前記固定枠(外枠11)の右側部又は左側部の一方に支持され、駆動手段(スピーカ部駆動部26d)は、複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち前記支持側とは異なる側に配置された音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)の向きを変化させる。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
[第5実施形態]
上記第1実施形態では、パチンコ機10は、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する際に、複数のスピーカ部26A~26Cのうちのいずれか1以上の報知音の再生音量を他の音響装置の報知音再生音量よりも小さくする(第1実施形態では、スピーカ部26Aの再生音量を小さくしている)ことで、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減されるようにしている。本実施形態では、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する際に、複数のスピーカ部26A~26Cの報知音の再生音量を段階的又は漸減的に小さくする。これにより、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減されるようにしたパチンコ機10について説明する。以下、本実施形態に係るパチンコ機10について説明するが、第1実施形態に係るパチンコ機10と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<音出力LSIが備えるDAC及びスピーカ部との接続関係>
本実施形態では、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する際に、複数のスピーカ部26A~26Cの報知音の再生音量を段階的又は漸減的に小さくするため、第1実施形態と異なり、ROM412に記憶されているDAC403dが備える増幅回路の増幅率を規定するパラメータの値がスピーカ部26Aと、スピーカ部26B,26Cとで異なる値となっていない。換言すると、ROM412に記憶されているDAC403dが備える増幅回路の増幅率を規定するパラメータの値がスピーカ部26A~26Cで同値となっている。
図70は、本実施形態に係るパチンコ機10の音出力LSI403が備えるDAC403d及びスピーカ部26A~26Cとの接続関係を説明するための概念図である。
図70に示す例では、DAC403dは、音データ処理部から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するDAC回路403d1と、DAC回路403d1で変換されたアナログ信号を増幅する増幅回路403d2aとを備える。ここで、増幅回路403d2aで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26A~26Cへと出力される。
本実施形態に係るパチンコ機10は、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する際に、複数のスピーカ部26A~26Cの報知音の再生音量を段階的又は漸減的に小さくするため、第1実施形態のようにスピーカ部26A~26Cで異なる増幅回路を用意していない。これにより、高価な増幅回路(オペアンプ)の数を減らすことができ、また、複数の増幅回路ごとに制御を行う必要がないためMPU402の演算処理の負荷を低減することができる。
このように本実施形態では、スピーカ部26A~26Cへ出力するアナログ信号の増幅を共通の増幅回路403d2aで行っているので、ROM412に記憶されている異常報知用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データの各スピーカ部26A~26Cでの再生音量を規定するパラメータデータをスピーカ部26A~26Cごとに用意されていない。
このように本実施形態では、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する際に、複数のスピーカ部26A~26Cの報知音の再生音量を段階的又は漸減的に小さくする。このため、スピーカ部26A~26Cから前方へと出力される異常報知音が段階的又は漸減的に小さくなる。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技しているパチンコ機10から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、パチンコ機10から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
<スピーカ部の再生音量の時間変化について>
図71は、本実施形態に係るパチンコ機10のスピーカ部26A~26Cの再生音量の時間変化の概念図である。上述のように、パチンコ機10のMPU402は、内枠13及び前扉枠14が開放されたことを報知する際に、複数のスピーカ部26A~26Cの報知音の再生音量が段階的又は漸減的に小さくなるように制御する。このため、図71に示すように、所定の時間間隔T(例えば、5sec)毎に複数のスピーカ部26A~26Cの報知音の再生音量が一定の割合で(例えば、1dbずつ)小さくなる。
なお、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする時間間隔Tは、5secに限定されることはなく任意であるが、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする時間間隔Tが長すぎると、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞があるため長くなりすぎないことが好ましい。また、スピーカ部26A~26Cの再生音量を時間間隔ではなく、異常報知(例えば、「扉が開いています!」等)の音声が再生される毎にスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくするようにしてもよい。
<音声発光制御装置400にて実行される異常時報知処理について>
図72は、異常時報知処理のフローチャートを示す図である。音声発光制御装置400のMPU402は、パチンコ機10に異常が発生した場合に、該異常を報知するために異常時報知処理を実行する。ここでは、監視装置250、290により内枠13及び前扉枠14の少なくとも一方が開放された場合の異常時報知処理について説明し、その他の異常時の報知については説明を省略する。
ステップS2701では、MPU402は、MPU302から送信された復電時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2701にて復電時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS2705以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2701にて復電時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2702において、表示制御装置500へ復電時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した復電時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づいて、復電時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された復電時報知用コマンドに基づく復電時報知用表示を実行する。
ステップS2703では、MPU402は、復電時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから復電時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。ここで、復電時における異常報知は、内枠13及び前扉枠14が閉鎖(閉じた)状態で行われる。すなわち、前扉枠14が隣席で遊技する遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向するようにして開いた状態ではないため、隣席で遊技する遊技者にとって異常報知が煩わしく感じられる虞が少ない。このため、この復電時報知用のプログラム及び処理用データでは、扉が開いていた旨の異常を報知する際のスピーカ部26A~26Cの再生音量を段階的又は漸減的に小さくする処理は行わない。
ステップS2704では、MPU402は、ステップS2703で読み出しを開始した音データの再生(出力)及び発光を開始する。具体的には、MPU402は、ステップS2703で読み出しを開始したプログラム及び処理用データのシーケンスデータ及びパラメータデータと、音データを音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから異常報知(例えば、「電源遮断中に扉が開けられました!」等の音声及び警告音の出力)が開始される。また、MPU402は、ステップS2703で読み出しを開始したプログラム、処理用データ及び発光データに基づいて、エラー表示ランプ部24を発光させる。
ステップS2705では、MPU402は、MPU302から送信された通常時報知用コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの通常時報知用コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2705にて通常時報知用コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、後述するステップS2712以降の処理を実行する。また、MPU402は、ステップS2705にて通常時報知用コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2706において、表示制御装置500へ通常時報知用コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した通常時報知用コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が行われる。
具体的には、表示制御装置500のMPU502は、MPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づいて、通常時報知用表示を図柄表示装置91にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM512の各種データ記憶エリアから読み出す。そして、MPU502は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP505に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置91は、音声発光制御装置400のMPU402から送信された通常時報知用コマンドに基づく通常時報知用表示を実行する。
ステップS2707では、MPU402は、通常時報知用のデータの読み出しを開始する。具体的には、MPU402は、ROM412及び共通用ROMから通常時報知用のプログラム及び処理用データ、発光データ及び音データの読み出しを開始する。ここで、パチンコ機10が備える表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように発光データが規定されている。換言すると、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されている。このため、通常時報知時においては、表示ランプ装置23A,23Bの発光が停止される。
ステップS2708では、MPU402は、BGM(演出用の音楽や音声を含む)の停止処理を行う。このBGMの停止処理では、スピーカ部26A~26Cから出力中のBGMを停止又はミュートする処理を行う。BGMを停止する場合、MPU402は、扉開放報知解除時にBGMの再生を再開するために、BGMの再生を停止したデータのアドレスをRAM413へ記憶させる。扉開放報知解除時にBGMの再生を再開する際には、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を開始することで、BGMを停止した位置から再生を再開することができる。
また、BGMをミュートする場合、MPU402は、BGMの再生自体は停止せずに、音が出力されないようにBGMをミュートするように音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402の指示に基づいて、BGMを再生するが、音がスピーカ部26A~26Cから出力されないようにBGMの再生音をミュートする。
ステップS2709では、MPU402は、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくした回数を計測するためにカウンタを設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種カウンタエリアに設けられたカウンタに再生音量を小さくする回数を設定する。例えば、カウンタに「4」を設定すると5段階でスピーカ部26A~26Cの再生音量が小さくなる。このカウンタにセットされた値は、後述する図73で説明する所定時間が経過するたびに1が減算され、その値がゼロとなるとスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする処理が停止される。
上述したように、本実施形態では、スピーカ部26A~26Cの再生音量を段階的又は漸減的に小さくするが、スピーカ部26A~26Cの再生音量が小さくなりすぎると異常報知の意味をなさなくなる。このため、本実施形態では、ステップS2709にてカウンタを設定することで、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする回数に制限を設け、スピーカ部26A~26Cの再生音量が小さくなりすぎて異常報知の意味をなさなくなることを防止している。なお、ステップS2709で設定するカウンタの値に制限はないが、スピーカ部26A~26Cの再生音量が小さくなりすぎない値とすることが好ましい。
ステップS2710では、MPU402は、音データ再生処理を行う。このステップS2710の音データ再生処理では、MPU402は、スピーカ部26A~26Cから出力される異常報知の音量が段階的又は漸減的に小さくなるように制御する。なお、このステップS2710の音データ再生処理の詳細については、後述する図73を参照して説明する。
ステップS2711では、MPU402は、ステップS2707で読み出しを開始したプログラム、処理用データ及び発光データに基づいて、表示ランプ装置23A,23B及びエラー表示ランプ部24を発光させる。ここで、通常時報知用の発光データにおいては、表示ランプ装置23A,23Bが消灯するように発光データが規定されているため表示ランプ装置23A,23Bの発光は停止する。
ステップS2712では、MPU402は、MPU302から送信された扉開放の報知を解除する扉開放報知解除コマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアの扉開放報知解除コマンドに対応するフラグが格納されているか否かを判定する。MPU402は、ステップS2712にて扉開放報知解除コマンドを受信していないと判定した場合(NO)、ステップS2713以降の処理を実行せずに、異常時報知処理を終了する。
また、MPU402は、ステップS2712にて、扉開放報知解除コマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS2713において、表示制御装置500へ扉開放報知解除コマンドを送信する。表示制御装置500では、受信した扉開放報知解除コマンドに基づいて図柄表示装置91での報知表示が解除され、通常状態へと復帰する。
ステップS2714では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、スピーカ部26A~26Cからの異常報知(例えば、復電時であれば「電源遮断中に扉が開けられました!」、通常時であれば「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)を停止する。また、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいて、エラー表示ランプ部24の発光を停止させる。
また、ステップS2714では、MPU402は、共通用ROM404に記憶されている音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生するよう音出力LSI403に指示する。音出力LSI403は、共通用ROM404から音声データ「扉が閉まりました!」を読み出して再生する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「扉が閉まりました!」の音声が出力される。
ステップS2715では、MPU402は、扉開放報知解除コマンドに基づいてRAM413の各種フラグ格納エリアの復電時報知用コマンド及び通常時報知用コマンドに対応するフラグをクリア、換言するとフラグの値を0とする。ステップS2716では、MPU402は、ステップS2708で停止又はミュートしたBGMの再生を再開するよう音出力LSI403へ指示する。音出力LSI403は、MPU402からの指示に基づいて、BGMの再生を再開する。ここで、ステップS2708でBGMが停止されていた場合、MPU402は、RAM413へ記憶されたアドレスを読み出し、該アドレスからBGMの再生を再開するように音出力LSI403へ指示することで、BGMを停止した位置から再生が再開される。また、ステップS2708でBGMがミュートされていた場合、MPU402は、音出力LSI403へBGMのミュートを解除するように指示する。音出力LSI403へBGMのミュートを解除し、スピーカ部26A~26CからBGMが出力される。その後、MPU402は、異常時報知処理を終了する。
なお、上記説明では、ステップS2708において、BGM(演出用の音楽や音声を含む)を停止又はミュートする処理を行っているが、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に再生音量を所定値まで下げる処理を行うようにしてもよい。さらに、ステップS2708において、BGMを停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に音量を下げる処理を行っている場合は、ステップS2714において、スピーカ部26A~26Cからの異常報知の再生音量を音量がゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、ステップS2716において、BGMの再生を再開する際に、BGMの再生音量を所定値まで漸減的又は段階的に音量を上げるようにしてもよい。このように、構成することで、BGMが急に停止され、警告音に替わることによる違和感を生ずることなく報知を行うことができる。また、警告音が急に停止され、BGMに替わることによる違和感を生ずることなく復帰を行うことができる。
なお、本実施形態に係るパチンコ機10では、後述する図73を参照して説明するように、時間経過とともにスピーカ部26A~26Cの再生音量が段階的又は漸減的に小さくなる構成となっている。このため、裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定は、行っていない。この場合、本実施形態に係るパチンコ機10に裏パックユニット15の開放を検出する裏パックユニット開放検出器289を設ける必要はない。なお、本実施形態においても他の実施形態と同様に、裏パックユニット開放コマンドを受信しているか否かを判定し、裏パックユニット開放コマンドを受信していると判定した場合(YES)、警告音等の再生音量を小さくする構成(2段階制御)としてもよい。これにより、時間を要するメンテナンス等の間、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞がさらに低減される。なお、裏パックユニット15の開放は、メンテナンス等ではなく不正が行われている可能性も考えられることから、完全に警告音等の出力を止めてしまうことは好ましくない。
<音声発光制御装置400にて実行される音データ再生処理について>
図73は、図72の音データ再生処理(ステップS2710の処理)のフローチャートを示す図である。
ステップS2801では、MPU402は、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする時間間隔を計測するためにタイマカウンタを設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタにスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする時間間隔として「2500」をセットする。このタイマカウンタにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。ここで、タイマ割込み処理は2msec周期で行われる。したがって、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする時間間隔は5secとなる。なお、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする時間間隔は、これに限定されることはなく任意であるが、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする時間間隔が長すぎると、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞があるため、長くなりすぎないことが好ましい。
ステップS2802では、MPU402は、図72のステップS2707で読み出しを開始した音データの再生(出力)を開始する。具体的には、MPU402は、ステップS2707で読み出しを開始したプログラム及び処理用データのシーケンスデータ及びパラメータデータと、音データを音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから異常報知(例えば、「扉が開いています!」等の音声及び警告音の出力)が開始される。
ステップS2803では、MPU402は、図72のステップS2708で設定したカウンタの値を1減算する。例えば、図72のステップS2708で、RAM413の各種カウンタエリアに設けられたカウンタの値を4に設定している場合であれば、MPU402は、RAM413の各種カウンタエリアに設けられたカウンタの値を3に更新する。
ステップS2804では、MPU402は、ステップS2801で設定したタイマカウンタの値がゼロであるか否かを判定する。ステップS2804で、タイマカウンタの値がゼロでない場合(NO)、MPU402は、以降の処理を行わずに、音データ再生処理を終了する。ステップS2804で、タイマカウンタの値がゼロである場合(YES)、MPU402は、スピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする。より具体的には、MPU402は、増幅回路403d2aの増幅率を規定するパラメータの値を変更してスピーカ部26A~26Cの再生音量を小さくする(ステップS2805)。
ステップS2806では、MPU402は、図72のステップS2709で設定したカウンタの値がゼロであるか否かを判定する。ステップS2806で、カウンタの値がゼロでない場合(NO)、MPU402は、以降の処理を行わずに、音データ再生処理を終了する。ステップS2806で、カウンタの値がゼロである場合(YES)、MPU402は、スピーカ部26A~26Cの再生音量がこれ以上小さくならないようにする。より具体的には、MPU402は、以降の処理において増幅回路403d2aの増幅率を規定するパラメータの値を固定とする。
[第5実施形態の他の例]
なお、上記説明では、パチンコ機10が備える全てのスピーカ部26A~26Cの再生音量を段階的又は漸減的に小さくするようにしているが、各スピーカ部26A~26Cから出力(再生)される音量の大きさを独立して制御可能となるように構成してもよい。換言すると、図38に示す第1実施形態に係るパチンコ機10のように、DAC403dは、音データ処理部から入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するDAC回路403d1と、DAC回路403d1で変換されたアナログ信号を増幅する増幅回路403d2a~403d2cを備え、増幅回路403d2aで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26Aへと出力され、増幅回路403d2bで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26Bへと出力され、増幅回路403d2cで増幅されたアナログ信号はスピーカ部26Cへと出力されるように構成してもよい。
この場合、図73を参照して説明した音声データ再生処理(図72のステップS2710の処理)では、スピーカ部26Aへアナログ信号を出力する増幅回路403d2aの音量パラメータだけを所定時間毎もしくは所定報知回数毎に変化させてスピーカ部26Aから出力される異常報知の再生音量が段階的又は漸減的に小さくなるよう制御される。
なお、本実施形態に係るパチンコ機10は、前扉枠14は、内枠13の左側部を支持側として内枠13の左側部に支持されており、内枠13は、外枠11の左側部を支持側として外枠11の左側部に支持されているため、パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13を開放する際には、この支持側を回転軸として前方側(遊技者側)へ回転するようにして開く。このため、前扉枠14又は内枠13を開放した場合、左隣席で遊技する遊技者の上半身の右側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Aが左隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。このため、本実施形態に係るパチンコ機10では、上述のように各スピーカ部26A~26Cから出力(再生)される音量の大きさを独立して制御可能となるように構成した場合には、スピーカ部26Aへアナログ信号を出力する増幅回路403d2aの音量パラメータだけを所定時間毎もしくは所定報知回数毎に変化させてスピーカ部26Aから出力される異常報知の再生音量が段階的又は漸減的に小さくなるよう制御すればよい。
しかしながら、前扉枠14が内枠13の右側部を支持側として内枠13の右側部に支持されており、内枠13が外枠11の右側部を支持側として外枠11の右側部に支持されている場合、換言すると、上記パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13が反対側に開放される場合、右隣席で遊技する遊技者の上半身の左側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Bが右隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。この場合には、スピーカ部26B,26Cへアナログ信号を出力する増幅回路403d2bの音量パラメータを所定時間毎もしくは所定報知回数毎に変化させてスピーカ部26Bから出力される異常報知の再生音量が段階的又は漸減的に小さくなるよう制御を行うようにすればよい。
また、前扉枠14が内枠13の右側部及び左側部(以下、両側部ともいう)を支持側として内枠13の両側部に支持されており、内枠13が外枠11の両側部を支持側として外枠11の両側部に支持されている場合、換言すると、上記パチンコ機10の前扉枠14及び内枠13が両開き構造となっている場合、前扉枠14の開放を検出する第1監視装置250及び内枠13の開放を検出する第2監視装置290に加えて、前扉枠14及び内枠13がそれぞれどちら側に開いたかを検出する検出器を備え、この検出器での検出結果に基づいて、スピーカ部26A又はスピーカ部26Bのどちらかから出力される異常報知の再生音量が段階的又は漸減的に小さくなるよう制御を行うようにすればよい。
より具体的には、検出器が前扉枠14又は内枠13が左側部を支持側として開放されたことを検出した場合、左隣席で遊技する遊技者の上半身の右側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Aが左隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。このため、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Aから出力される異常報知の再生音量が段階的又は漸減的に小さくなるよう制御を行う。
また、検出器が前扉枠14又は内枠13が右側部を支持側として開放されたことを検出した場合、右隣席で遊技する遊技者の上半身の左側に対向するようにして開くことになり、スピーカ部26Bが右隣席で遊技する遊技者の耳に最も近くなる。このため、扉が開いている旨の異常を報知する際にスピーカ部26Bから出力される異常報知の再生音量が段階的又は漸減的に小さくなるよう制御を行うようにすればよい。
なお、本実施形態では、復電時用報知処理及び通常時用報知処理で、異なる発光データを用いることで、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放された状態では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されているが、復電時用報知処理及び通常時用報知処理で同一の発光データを用いながら、通常時用報知処理では、表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように、表示ランプ装置23A,23Bの発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。この場合、復電時用報知処理と通常時用報知処理とで異なる発光データを記憶保持する必要がないため、発光データを記憶させるための容量を削減することができる。
また、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bのうちの一方、好ましくは、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように構成してもよい。この場合にも、通常時用報知処理の発光データを内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置が発光しないように発光データを規定しても良いし、内枠13又は前扉枠14の開放側の表示ランプ装置の発光体への発光用電力の供給を停止する構成としてもよい。このようにパチンコ機10は、通常時用報知処理において、内枠13又は前扉枠14が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bが発光しないように構成されているため、隣席で遊技を行う遊技者が表示ランプ装置23A,23Bの発光を煩わしく思う虞が低減される。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が爽快感や没入感を失い、興ざめする虞が低減される。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、固定枠(外枠11)に対し開閉可能に支持された枠体(内枠13、前扉枠14)と、枠体に設けられた複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)と、枠体の開放を検出する検出装置(第1,第2監視装置250,290)と、検出装置により前記枠体の開放が検出されると前記複数の音響装置を制御して異常を報知する異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)とを備える。異常報知手段は、異常を報知する際に、複数の音響装置の音量を段階的又は漸減的に小さくする。すなわち、最初は大きな音量で報知が行われるが、段階的又は漸減的に音量が小さくなるので、効果的に隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞を低減しつつ、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
(2)パチンコ機10の異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)は、複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうちのいずれか1以上の音量を他の音響装置の音量よりも段階的又は漸減的に小さくする。すなわち、異常を報知する際に複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくするが、その他の音響装置から出力される音量は小さくしないので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減されるとともに、より効果的にホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
(3)パチンコ機10の枠体(内枠13、前扉枠14)は、右側部又は左側部の一方を支持側として固定枠(外枠11)の右側部又は左側部の一方に支持され、異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)は、複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち支持側とは異なる側に配置された音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)の音量を他の音響装置(スピーカ部26B,26C又はスピーカ部26A)の音量よりも段階的又は漸減的に小さく(再生音量をゼロ又は略ゼロとする態様が含まれる)する。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
[第6実施形態]
上記第1実施形態では、第4モードM4(RUSHモード)の音楽データ(BGM)と音声データとを個別に音声発光制御装置400の共通用ROM404に格納し、演出MA~MCで使用される音楽データ(BGM)A~Cとは別に「A RUSH突入」、「B RUSH突入」、「C RUSH突入」の音声データA~Cを読み出して各々出力している。しかしながら、図49を参照して説明したように、演出MA~MCで使用される音楽のイントロ部分の出力中に、「A RUSH突入」、「B RUSH突入」、「C RUSH突入」の音声が各々出力される。このため、音楽データA~Cのイントロ部分に、各々「A RUSH突入」、「B RUSH突入」、「C RUSH突入」の音声を含ませておいてもよい。本実施形態では、音楽データA~Cのイントロ部分に、各々「A RUSH突入」、「B RUSH突入」、「C RUSH突入」の音声を含ませた本実施形態について説明する。以下、本実施形態に係るパチンコ機10について説明するが、第1実施形態に係るパチンコ機10と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<演出データ>
図74は、共通用ROM404に格納されている音楽データを示す図である。本実施形態では、上述したように、各音楽データA~Cのイントロ部分に、各々「A RUSH突入」、「B RUSH突入」、「C RUSH突入」の音声データが含まれている。音楽のイントロ部分に「右打ちしてください」等の音声を含めた場合、音楽の再生が終了して初めに戻って音楽の出力を再開する、いわゆるループ処理を行う場合、「右打ちしてください」等の音声がループ時(2回目以降の再生時)にも出力されてしまう。このため、本実施形態では、イントロ部分については、ループ処理に含めないことが好ましい。
そこで、この本実施形態では、図74に示すように、各演出MA~MCで使用される音楽データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データがイントロ部分とその他のループ部分とに分割してROM412及び共通用ROM404に格納されている。より具体的には、音楽データA~Cは、各々「右打ちしてください」等の音声データを含むイントロ部分のみの音楽データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データと、イントロ部分を除いたAメロ部分以降の音楽データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データとに分割してROM412及び共通用ROM404に格納されている。
そして、MPU402は、例えば、演出MAで使用される音楽データAをループさせる場合、初回の音楽の出力時には、イントロ部分の音楽データを再生した後、続けてループ部分の音楽データを再生し、ループ部分の音楽データが終了したら、ループ部分の音楽データを再度出力する処理(以下、ループ処理とも記載する)を行う。なお、演出MB、MCで使用される音楽データB、Cについても上記と同様の処理を行うことで、ループ処理時に、「右打ちしてください」等の音声が2回目以降の再生時(ループ処理時)にも出力されることが防止される。
なお、音楽データAのイントロ部分に含まれる「A RUSH突入」の音声は、音楽データAのイントロ部分の出力終了と同時もしくは略同時に「A RUSH突入」の音声の出力が終了するように設定されている。また、音楽データBのイントロ部分に含まれる「B RUSH突入」の音声は、音楽データBのイントロ部分の出力終了と同時もしくは略同時に「B RUSH突入」の音声の出力が終了するように設定されている。さらに、音楽データCのイントロ部分に含まれる「C RUSH突入」の音声は、音楽データCのイントロ部分の出力終了と同時もしくは略同時に「C RUSH突入」の音声の出力が終了するように設定されている。
また、ROM412に格納されたデータテーブルにより、音楽データAは演出MAに対応づけられており、音楽データBは演出MBに対応づけられており、音楽データCは演出MCに対応づけられている。このため、MPU402は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MAである場合には、音楽データAを読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。また、MPU402は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MBである場合には、音楽データBを読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。また、MPU402は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MCである場合には、音楽データCを読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。より具体的には、MPU402は、ROM412に格納されているプログラム及び処理用データに基づいて、ROM412及び共通用ROM404からシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データを読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定する。音出力LSI403は、レジスタ403bに設定されたデータに基づいて音楽データA~Cをスピーカ部26A~26Cから出力(再生)する。
さらに、ROM412及び共通用ROM404には、音声データD及びEに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データが格納されている。MPU402は、必要に応じてROM412及び共通用ROM404に格納されている音声データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データを読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データD及びEがスピーカ部26A~26Cから出力(再生)されるよう音出力LSI403を制御する。ここで、音声データDは「右打ちだ」、音声データEは「右打ちしてください」の音声をデータ化したものである。ここで、音声データDは演出MAに対応づけられており、音声データEは演出MCに対応づけられている。このため、MPU402は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MAである場合には、音声データDを読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。また、MPU402は、図47の演出種類選択処理のステップS1706又はS1708で設定された演出種類が演出MCである場合には、音声データEを読み出してスピーカ部26A~26Cから出力するよう音出力LSI403を制御する。
<演出MAへの移行処理>
次に、本実施形態における演出MAへの移行処理について、図75を参照して詳細に説明する。図75は、本実施形態の演出MAへの移行処理のフローチャートを示す図である。
ステップS2901では、MPU402は、後述するステップS2903の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタをセットする。具体的には、ROM412を参照し、エンディング期間TEに対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecであり、エンディング期間TEとして「10sec」を設定する場合、MPU402は、タイマカウンタにエンディング期間TEの待機時間(待機期間)として「5000」をセットする。このタイマカウンタにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS2902では、MPU402は、音楽データAに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データAがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データAのイントロ部分の出力(再生)が開始される。また、音楽データAのイントロ部分には、「A RUSH突入」の音声データが含まれている。このため、音楽データAのイントロ部分の出力開始から所定時間(TW1)経過後にスピーカ部26A~26Cから音楽データAのイントロ部分に合わせて音声「A RUSH突入」が出力(再生)される。
ステップS2903では、MPU402は、ステップS2901でセットしたタイマカウンタの値に基づいて、エンディング期間が終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間が終了したと判定した場合(YES)、ステップS2904にてRUSH用右打ち方ナビを開始する。具体的には、MPU402は、音声データD「右打ちだ」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データDがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データD「右打ちだ」の出力(再生)が開始される。MPU402は、ステップS2903にてエンディング期間が終了したと判定しない場合(NO)、移行処理を終了する。
ステップS2905では、MPU402は、表示制御装置500に演出MAの映像演出を開始するよう指示する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に、演出用データ記憶エリア1032に格納されている映像データAを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032から映像データAを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
ステップS2906では、MPU402は、ループ処理を行う。具体的には、MPU402は、音楽データAの出力が終了したか否かを判定し、音楽データAの出力が終了している場合、音楽データAのうち(イントロ部分を除く)ループ部分に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データAのループ部分がスピーカ部26A~26Cから出力(再生)されるように音出力LSI403を制御する。また、MPU402は、音楽データAの出力が終了していない場合、音楽データAのループ部分の読み出しを行わない。
なお、ステップS2903の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
<演出MBへの移行処理>
次に、本実施形態における演出MBへの移行処理について、図76を参照して詳細に説明する。図76は、本実施形態の演出MBへの移行処理のフローチャートを示す図である。
ステップS3001では、MPU402は、後述するステップS3003の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタをセットする。具体的には、ROM412を参照し、エンディング期間TEに対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecであり、エンディング期間TEとして「10sec」を設定する場合、MPU402は、タイマカウンタにエンディング期間TEの待機時間(待機期間)として「5000」をセットする。このタイマカウンタにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS3002では、MPU402は、音楽データBに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データBがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データBのイントロ部分の出力(再生)が開始される。また、音楽データBのイントロ部分には、「B RUSH突入」の音声データが含まれている。このため、音楽データBのイントロ部分の出力開始から所定時間(TW2)経過後にスピーカ部26A~26Cから音楽データBのイントロ部分に合わせて音声「B RUSH突入」が出力(再生)される。
ステップS3003では、MPU402は、ステップS3001でセットしたタイマカウンタの値に基づいて、エンディング期間が終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間が終了したと判定した場合(YES)、ステップS3004にてRUSH用右打ち方ナビを開始する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に演出用データ記憶エリア1032に格納されている映像データDを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032から映像データDを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御し、RUSH用右打ちナビが開始される。MPU402は、ステップS3003にてエンディング期間が終了したと判定しない場合(NO)、移行処理を終了する。
ステップS3005では、MPU402は、表示制御装置500に演出MBの映像演出を開始するよう指示する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に、演出用データ記憶エリア1032に格納されている映像データBを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032から映像データBを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
ステップS3006では、MPU402は、ループ処理を行う。具体的には、MPU402は、音楽データBの出力が終了したか否かを判定し、音楽データBの出力が終了している場合、音楽データBのうち(イントロ部分を除く)ループ部分に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データBのループ部分がスピーカ部26A~26Cから出力(再生)されるように音出力LSI403を制御する。また、MPU402は、音楽データBの出力が終了していない場合、音楽データBのループ部分の読み出しを行わない。
なお、ステップS3003の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
<演出MCへの移行処理>
次に、本実施形態における演出MCへの移行処理について、図77を参照して詳細に説明する。図77は、本実施形態の演出MCへの移行処理のフローチャートを示す図である。
ステップS3101では、MPU402は、後述するステップS3103の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタをセットする。具体的には、ROM412を参照し、エンディング期間TEに対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecであり、エンディング期間TEに「10sec」を設定する場合、MPU402は、タイマカウンタにエンディング期間TEの待機時間(待機期間)として「5000」をセットする。このタイマカウンタにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS3102では、MPU402は、音楽データCに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データCがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データCのイントロ部分の出力(再生)が開始される。また、音楽データCのイントロ部分には、「C RUSH突入」及び「右打ちしてください」の音声データが含まれている。このため、音楽データCのイントロ部分の出力開始から所定時間(TW3)経過後にスピーカ部26A~26Cから音楽データCのイントロ部分に合わせて音声「C RUSH突入」が出力され、音声「C RUSH突入」の出力後、続けて、「右打ちしてください」の音声が出力(再生)される。
ステップS3103では、MPU402は、ステップS3101でセットしたタイマカウンタの値に基づいて、エンディング期間が終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間が終了したと判定した場合(YES)、ステップS3104にて打ち方ナビを開始する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に演出用データ記憶エリア1032に格納されている映像データDを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032から映像データDを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御し、RUSH用右打ちナビが開始される。
ステップS3105では、MPU402は、表示制御装置500に演出MCの映像演出を開始するよう指示する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に、演出用データ記憶エリア1032に格納されている映像データCを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032から映像データCを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。MPU402は、ステップS3103にてエンディング期間が終了したと判定しない場合(NO)、移行処理を終了する。
ステップS3106では、MPU402は、ループ処理を行う。具体的には、MPU402は、音楽データCの出力が終了したか否かを判定し、音楽データCの出力が終了している場合、音楽データCのうち(イントロ部分を除く)ループ部分に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データCのループ部分がスピーカ部26A~26Cから出力(再生)されるよう音出力LSI403を制御する。また、MPU402は、音楽データCの出力が終了していない場合、音楽データCのループ部分の読み出しを行わない。
なお、ステップ3103の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、音楽データ(BGM)A~Cのイントロ部分に、各々「A RUSH突入」、「B RUSH突入」、「C RUSH突入」の音声を含ませている。このため、第4モードM4(RUSHモード)の音楽データと音声データとを記憶手段(ROM412及び共通用ROM404)に個別に格納する必要がなく、また、「A RUSH突入」、「B RUSH突入」、「C RUSH突入」の音声を出力するタイミングをとるために時間を計測する必要もない。このため、記憶手段(ROM412及び共通用ROM404)の記憶容量を節約することができる。また、MPU402の演算処理を軽減することができる。また、第1データに含まれる「A RUSH突入」、「B RUSH突入」、「C RUSH突入」の音声により、遊技者は、遊技状態を認識することができる。このため、遊技者の遊技への注目度を向上させることができ、遊技への期待感を向上させることができる。また、「A RUSH突入」、「B RUSH突入」、「C RUSH突入」の音声データが含まれているイントロ部分のデータは繰り返して再生せず、イントロ部分を除くAメロ以降のデータを繰り返して再生するため、「A RUSH突入」、「B RUSH突入」、「C RUSH突入」の音声が繰り返し再生されて遊技者が煩わしく感じることもない。そのほかの効果は、第1実施形態に係るパチンコ機10と同じである。
なお、上記第1,第6実施形態では、第4モードM4(RUSHモード)の演出種類が演出MA、MB、MCの3種類であるとして各演出MA~MCへの移行処理について説明したが、第4モードM4の演出種類は上記3種類に限られず、任意であり、2種類、もしくは4種類以上であっても構わない。
また、上記第1,第6実施形態では、第4モードM4(RUSHモード)への移行時に音楽のイントロ部分を再生する実施形態について説明しているが、本発明の適用は、第4モードM4への移行時に限られず、音楽の変化を伴うモード移行のすべてに適用することができる。
[第7実施形態]
上記第1,第6実施形態は、音声発光制御装置400の音声発光制御基板401にMPU402と音出力LSI403と、共通用ROM404とを搭載している実施形態である。第1,第6実施形態では、MPU402は、主制御装置300から受信するコマンドに基づいて、所定期間分の演出の内容を決定し、その内容に従った発光制御を各種ランプ部に対して行う機能を有している。また、MPU402は、決定した演出の内容に即して、音出力LSI403に対して音出力指示を行い、当該音出力LSI403にスピーカ部26A~26Cからの音の出力制御を行わせている。
本実施形態では、図78に示すように、音声発光制御基板401に、音光用SOC(System On a Chip)620及び音光用ROM610が設けられている実施形態について説明する。音光用SOC620には、主制御装置から受信したコマンドに従って演出の実行内容を決定するとともにその決定した演出内容に従って表示ランプ装置23A,23B及びエラー表示ランプ部24の発光制御を行う制御コア621と、当該制御コア621が決定した演出内容に従ってスピーカ部26A~26Cの音出力制御を行う音出力コア622と、制御コア621のデータ転送部(DMA:Direct Memory Access)621cから送信されたアドレスデータ及び音出力コア622のデータ転送部622cから送信されたアドレスデータに従って音光用ROM610からのデータの読み出しを実行するメモリコントローラ624とが内蔵されている。この場合に、音出力コア622の方が制御コア621よりもデータの読み出しに際して優先される。
<演出の実行制御に係る電気的構成>
以下、本実施形態に係るパチンコ機10の演出の実行制御を行うための電気的構成について、図78のブロック図を参照しながら説明する。なお、第1,第6実施形態に係るパチンコ機10と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
主制御装置300からの指示に基づき演出の実行を制御するための制御装置として、音声発光制御装置400を備えている。音声発光制御装置400は、図78に示すように、音光用SOC620、音光用ROM610及び増幅回路630が搭載された音声発光制御基板401を備えている。音光用SOC620は制御コア621、音出力コア622、音データ処理部625及びメモリコントローラ624を備えており、これら各素子が1チップ化されることで音光用SOC620が構成されている。
制御コア621は、主制御装置300から受信したコマンドに基づき演出の具体的な内容を決定するとともにその決定した内容に従って表示ランプ装置23A,23B及びエラー表示ランプ部24の発光制御を実行する。また、制御コア621は、その決定した演出の内容に応じたデータ設定を音出力コア622に設けられたレジスタ622aに対して行うとともに、その決定した演出の内容に応じたコマンドを表示制御装置500に送信する。これにより、音出力コア622は制御コア621から指示された内容に従った態様で音出力制御を実行するとともに、表示制御装置500は制御コア621から指示された内容に従った態様で表示制御を実行する。ちなみに、制御コア621による音出力コア622のレジスタ622aに対するデータ設定は、音光用SOC620において制御コア621と音出力コア622とを電気的に接続するデータバスSLを通じて行われる。なお、当該データバスSLを通じて制御コア621と音出力コア622とは双方向通信可能となっており、制御コア621から音出力コア622に対しては上記のとおりデータ設定が行われ、音出力コア622から制御コア621に対しては音出力を行っている状態であることを示す信号が送信される。
制御コア621には、制御部及び演算部を含む中央演算処理装置であるCPU621aの他に、音光用ROM610に予め記憶されたプログラム用データ及び制御用データの読み出しに際して利用されるとともにプログラムの実行に際して必要なデータを一時記憶するためのRAM621bが内蔵されている。RAM621bは、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に音光用ROM610よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。RAM621bのデータ容量は、複数のデータを同時に記憶保持可能なように、多数バイトのデータ容量を有しており、キロバイト又はメガバイトの単位のデータ容量を有している。具体的には、4メガバイト程度のデータ容量を有している。データ容量は、音光用ROM610のデータ容量よりも小さいものとなっている。但し、RAM621bのデータ容量はこれに限定されることはなく、制御コア621において好適に制御を実行することが可能であれば任意である。
また、制御コア621には、CPU621aからの指示に基づき、音光用ROM610からのデータ読み出し指示をメモリコントローラ624に対して行うデータ転送部621cも内蔵されている。データ転送部621cは、データ読み出し指示に対応したデータがCPU621aによりデータ転送部621cの内部レジスタに書き込まれた場合、その読み出し指示に対応したデータの全てがRAM621bに読み出されるまで、メモリコントローラ624に対してデータ読み出し指示用のアドレスデータを送信する。このアドレスデータの送信は、データ転送部621cに内蔵されたクロック回路から定期的に送信されるクロック信号に同期して行われる(例えば4MHz)。
音出力コア622は、制御コア621において決定された演出の内容に従ってスピーカ部26A~26Cの音出力制御を実行する。音出力コア622には、レジスタ622a、HWD622b、SCM622d及びデータ転送部622cが内蔵されている。
レジスタ622aは、音出力コア622にて利用される各種データを一時的に記憶するための記憶手段としての機能を有しており、記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリを読み書き両用として利用するように構成されている。また、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に、音光用ROM610よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。レジスタ622aは、複数のデータを同時に記憶保持可能なように、多数バイトのデータ容量を有しており、キロバイト又はメガバイトの単位のデータ容量を有している。具体的には、2メガバイト程度のデータ容量を有している。データ容量は、音光用ROM610のデータ容量よりも小さいものとなっているとともに制御コア621のRAM621bのデータ容量よりも小さいものとなっている。但し、レジスタ622aのデータ容量はこれに限定されることはなく、音出力コア622において好適に制御を実行することが可能であれば任意である。
HWD622b及びSCM622dは、制御コア621から送信されレジスタ622aに記憶されているシーケンスデータ及びパラメータデータに従って音光用ROM610から読み出された音データを利用してデジタル楽音データを作成する機能を有する。シーケンスデータには、一連の音の出力開始タイミングや出力順序を示す時間データが含まれており、パラメータデータには、所定のタイミングにおける音の音高、音量及び音色などを定めるデータが含まれている。これらシーケンスデータ及びパラメータデータは相互に対応する1組のデータとして設定されており、これら1組のシーケンスデータ及びパラメータデータを利用することで一連の音出力を可能とする。また、1組のシーケンスデータ及びパラメータデータによって定められる音出力の期間は、シーケンスデータ及びパラメータデータの種類に関係なく特定時間で一定となっており、例えば1回の遊技回分や1回の開閉実行モード分よりも短い2.1secとなっている。但し、これに限定されることはなく、2.1secよりも短くてもよく長くてもよい。また、一連のメロディ分である構成としてもよく、この場合、シーケンスデータ及びパラメータデータによって定められる音出力の期間は、それらデータの種類に応じて変動することとなる。
HWD622bは、事前にサンプリングされた録音データを再生するためにデジタル楽音データを作成するものであり、音光用ROM610に予め記憶されたHWD用の録音データを用いて正弦波データを作成することで、録音データの再生を可能とする。なお、当該録音データとしてはMP3などの圧縮データであってもよく非圧縮データであってもよい。SCM622dは、所定の時間分の録音データからデジタル楽音データを作成するのではなく、音光用ROM610に予め記憶された矩形波データを時系列で組み合わせることでデジタル楽音データを作成し、これにより電子音(いわゆるピコピコ音)の再生を可能とする。
ここで、HWD622b及びSCM622dにおいてデジタル楽音データを作成するために利用されるレジスタ622aの構成について図79の説明図を参照しながら説明する。レジスタ622aには、シーケンス用エリア711と、パラメータ用エリア712と、HWD用エリア713と、SCM用エリア714とが設けられている。シーケンス用エリア711には既に説明したシーケンスデータが書き込まれ、パラメータ用エリア712には既に説明したパラメータデータが書き込まれる。
HWD622bは、シーケンス用エリア711に書き込まれたシーケンスデータ及びパラメータ用エリア712に書き込まれたパラメータデータを参照することで、音光用ROM610に記憶された録音データをHWD用エリア713に読み出し、その録音データからデジタル楽音データを作成することで録音された音の出力を可能とする。HWD用エリア713には、第1CH用エリア713a~第16CH用エリア713pが設けられており、それぞれのCH用エリア713a~713pにおいて異なる録音データに基づくデジタル楽音データの作成が可能である。これにより、複数の異なる録音データに対応した音を同時に出力可能となっている。
SCM622dはシーケンス用エリア711に書き込まれたシーケンスデータ及びパラメータ用エリア712に書き込まれたパラメータデータを参照することで、音光用ROM610に記憶された矩形波データをSCM用エリア714に読み出し、その矩形波データからデジタル楽音データを作成することで電子音の出力を可能とする。SCM用エリア714には、第1CH用エリア714a~第16CH用エリア714pが設けられており、それぞれのCH用エリア714a~714pにおいて異なるデジタル楽音データの作成が可能である。これにより、複数の異なる電子音を同時に出力可能となっている。
HWD用エリア713の第1CH用エリア713a~第16CH用エリア713p及びSCM用エリア714の第1CH用エリア714a~第16CH用エリア714pはそれぞれ、作成済みのデジタル楽音データを2個記憶可能なエリアを備えており、一方の記憶可能なエリアに作成されたデジタル楽音データを利用して音出力制御を行っている最中において、当該音出力制御の実行期間に対して次の実行期間に対応したデジタル楽音データが他方の記憶可能なエリアに作成される。これにより、音の出力を行いながら、次の音出力制御の実行期間において必要なデジタル楽音データの作成を並行して行うことが可能となり、音の出力を連続的に行うことが可能となる。
図78の説明に戻り、音光用SOC620の音データ処理部973は、デジタル/アナログコンバータとしての機能を有しており、レジスタ622aのHWD用エリア713に作成されたデジタル楽音データ及びSCM用エリア714に作成されたデジタル楽音データをアナログ音信号に変換し、表示制御基板501に形成された増幅回路630に出力する。増幅回路630は、そのアナログ音信号の出力レベルをボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅し、その増幅した結果の音信号をスピーカ部26A~26Cに出力する。これにより、スピーカ部26A~26Cから所定の音が出力される。また、音データ処理部973は、HWD用エリア713における複数のCH用エリア713a~713pに同時にデジタル楽音データが作成されている場合にはそれらデジタル楽音データの合成を行うとともに、SCM用エリア714における複数のCH用エリア714a~714pに同時にデジタル楽音データが作成されている場合にはそれらデジタル楽音データの合成を行う。また、HWD用エリア713及びSCM用エリア714のそれぞれにデジタル楽音データが作成されている場合には、それらデジタル楽音データの合成を行う。このように合成が行われた場合、その合成後のデジタル合成楽音データがアナログ音信号に変換され、既に説明したとおり増幅回路630にて増幅された後にスピーカ部26A~26Cに出力される。これにより、複数の異なる音をスピーカ部26A~26Cから同時に出力することが可能となる。
上記のとおり音の出力に際しては録音データ及び矩形波データのいずれかである音データが音光用ROM610からレジスタ622aに読み出されることとなるが、音データの読み出しはレジスタ622aのシーケンス用エリア711に記憶されたシーケンスデータに基づき音出力コア622のデータ転送部622cにより行われる。
シーケンスデータの一例を示す図80の説明図を利用して具体的に説明すると、当該シーケンスデータSDには、音出力コア622の処理タイミングに対応させて設定されたポインタデータが定められているとともに、各ポインタデータに対応させて音出力の内容データ及びデータ転送の内容データが定められている。音出力コア622の処理タイミングは、当該音出力コア622に内蔵された図示しないクロック回路から定期的に送信されるクロック信号に同期して発生する。この場合、当該クロック信号の周期はデータ転送部622cのクロック信号の周期よりも短くなっており、具体的には10MHzとなっている。音出力コア622の処理タイミングとなった場合、HWD622b、SCM622d及びデータ転送部622cのそれぞれがシーケンスデータ及びパラメータデータに対応した動作を行う。
シーケンスデータSDにおける音出力の内容データは、HWD622b及びSCM622dにおいてチャンネル毎にデジタル楽音データを作成するために利用される。この場合、音出力の内容データはポインタデータに対応させて設定されており、各ポインタデータに対応させて設定された音出力の内容データに基づくデジタル楽音データの作成は、レジスタ622aに事前に転送された音データを利用して行われる。
シーケンスデータSDにおけるデータ転送の内容データは、データ転送部622cにおいて音光用ROM610からのデータ読み出しタイミングを特定するために利用されるとともに、読み出すべきデータが記憶されている音光用ROM610のエリアのアドレスデータを特定するために利用される。データ転送の内容データには、1のチャンネルに対応した音データの読み出しタイミングと次のチャンネルに対応した音データの読み出しタイミングとの間に予め定められた複数個のポインタデータが存在するようにデータ読み出し指示のデータが設定されている。1のデータ読み出し指示のデータには、所定時間分の音の出力を可能とするデータ量の音データを読み出すためのデータが設定されており、当該音データはHWD622b及びSCM622dのいずれかについての1個のチャンネルに対応している。したがって、複数のデジタル楽音データを合成して音の出力が行われる場合には、それらデジタル楽音データの数分のデータ読み出し指示が行われる。また、1のデータ読み出し指示に基づき読み出される音データは、対応するチャンネルにおいて上記所定時間として700μsecに亘る音出力を可能とするデータに対応している。この場合に、HWD622b及びSCM622dはそれぞれ16チャンネルを有しており、これら各16チャンネルの全てについて700μsec分の音データを読み出すために必要な時間は、700μsecよりも短い。これにより、所定時間分の音の出力を行いながら、当該所定時間に対して連続する次の所定時間分の音の出力を可能とするためのデジタル楽音データを作成することが可能となる。
制御コア621のデータ転送部621c及び音出力コア622のデータ転送部622cのそれぞれにて、共通の音光用ROM610からデータの読み出しが行われる。音光用ROM610は、記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を読み出し専用として利用するように構成されている。具体的には、音光用ROM610としてNOR型フラッシュメモリが用いられているが、NAND型フラッシュメモリを用いてもよい。音光用ROM610は、各種の制御プログラム及びそのプログラムに応じた処理の実行に際して利用される固定値データを記憶している。
音光用ROM610のデータ構成について図81を参照しながら詳細に説明する。音光用ROM610には、制御コア621のCPU621aにて演出制御用の処理を実行するためのプログラム用データ(1)、プログラム用データ(2)、・・・、プログラム用データ(L)が予め記憶されている。これらプログラム用データを利用することにより、CPU621aにおいて後述するメイン処理やタイマ割込み処理などが実行される。また、音光用ROM610には、処理用データ(1)、処理用データ(2)、・・・、処理用データ(M)が予め記憶されている。これら処理用データには、各演出を実行するために利用されるデータテーブルや、音出力コア622に提供するためのシーケンスデータ及びパラメータデータが含まれる。また、音光用ROM610には、コマンドデータ(1)、コマンドデータ(2)、・・・、コマンドデータ(N)が予め記憶されている。これらコマンドデータは、制御コア621のCPU621aにおいて表示制御装置500に演出内容を指示するために利用される。
音光用ROM610には、上記のように制御コア621のCPU621aにて処理を実行するために利用されるデータ以外にも、発光データ(1)、発光データ(2)、・・・、発光データ(P)が記憶されているとともに、音データ(1)、音データ(2)、・・・、音データ(Q)が記憶されている。各発光データには、所定の演出の期間において、表示ランプ装置23A,23Bの点灯対象となる発光部の種類、点灯期間、及び点灯順序の情報が設定されており、これらの発光パターンの内容が各発光データの種類に応じて異なっている。音光用ROM610に記憶されている各発光データは、対象となる発光制御の期間が相違しているとともに、発光パターンの内容が異なっている。また、各音データは、正弦波からなる録音データを含むとともに、電子音を出力するために利用される矩形波データを含む。
図78に示すように、音光用ROM610は、アドレスバスSL1及びデータバスSL2を介して音光用SOC620のメモリコントローラ624と電気的に接続されている。メモリコントローラ624は、アドレスバスSL3及びデータバスSL4を介して制御コア621と電気的に接続されているとともに、アドレスバスSL5及びデータバスSL6を介して音出力コア622と電気的に接続されている。
メモリコントローラ624には、制御コア621のデータ転送部621cからアドレスバスSL3を介して読み出し指示対象のアドレスデータが送信される。メモリコントローラ624は、データ転送部621cから受信したアドレスデータを格納するために制御側アドレスバッファ624aを備えており、未処理のアドレスデータが格納されていない状況でデータ転送部621cから新たにアドレスデータを受信した場合、そのアドレスデータが制御側アドレスバッファ624aに格納される。この際、アドレスデータが正常に受け付けられたことを示す正常受付信号がデータバスSL4を介して、メモリコントローラ624からデータ転送部621cに送信され、これによりデータ転送部621cにおいてアドレスデータが正常に受け付けられたことが特定される。一方、未処理のアドレスデータが制御側アドレスバッファ624aに格納されている状況でデータ転送部621cから新たにアドレスデータを受信した場合、そのアドレスデータは制御側アドレスバッファ624aに格納されない。この場合、正常受付信号がデータ転送部621cに送信されないため、データ転送部621cにおいては同一のアドレスデータを再度送信する必要があることが特定される。
データ転送部621cから送信されたアドレスデータに対応する場合、メモリコントローラ624はアドレスバスSL1を介してのアドレスデータを音光用ROM610に送信し、データバスSL2を介してそのアドレスデータに対応したデータを音光用ROM610から受信する。そして、データバスSL4を介してその受信したデータを制御コア621のRAM621b又はCPU621aの内部レジスタに送信する。
メモリコントローラ624には、音出力コア622のデータ転送部622cからアドレスバスSL5を介して読み出し指示対象のアドレスデータが送信される。メモリコントローラ624は、データ転送部622cから受信したアドレスデータを格納するために音出力側アドレスバッファ624bを備えており、未処理のアドレスデータが格納されていない状況でデータ転送部622cから新たにアドレスデータを受信した場合、そのアドレスデータが音出力側アドレスバッファ624bに格納される。この際、アドレスデータが正常に受け付けられたことを示す正常受付信号がデータバスSL6を介して、メモリコントローラ624からデータ転送部622cに送信され、これによりデータ転送部622cにおいてアドレスデータが正常に受け付けられたことが特定される。一方、未処理のアドレスデータが音出力側アドレスバッファ624bに格納されている状況でデータ転送部622cから新たにアドレスデータを受信した場合、そのアドレスデータは音出力側アドレスバッファ624bに格納されない。この場合、正常受付信号がデータ転送部622cに送信されないため、データ転送部622cにおいては同一のアドレスデータを再度送信する必要があることが特定される。
データ転送部622cから送信されたアドレスデータに対応する場合、メモリコントローラ624はアドレスバスSL1を介してそのアドレスデータを音光用ROM610に送信し、データバスSL2を介してそのアドレスデータに対応したデータを音光用ROM610から受信する。そして、データバスSL6を介してその受信したデータを音出力コア622のレジスタ622aに送信する。
メモリコントローラ624にはクロック回路が内蔵されており、メモリコントローラ624における処理は当該クロック回路から定期的に送信されるクロック信号に同期して行われる。この場合、当該クロック信号の周期はデータ転送部622cのクロック信号の周期及び音出力コア622のクロック信号の周期よりも短くなっており、具体的には15MHzとなっている。
[第8実施形態]
上記第1~第7実施形態では、大当たり遊技のエンディング期間が固定の場合について説明した。本実施形態では、大当たりの種別、具体的には、特別図柄の種類(種別)及びパチンコ機10のモード(高確率モードか低確率モードか)に応じて、大当たり遊技のラウンド遊技が全て終了した後に行われるエンディング期間が変化する実施形態について説明する。以下、本実施形態に係るパチンコ機10について説明するが、第1~第7実施形態に係るパチンコ機10と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図82は、本実施形態に係るパチンコ機10大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
ステップS3201では、MPU302は、大入賞口83aが開放中であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS3201にて大入賞口83aが開放中でないと判定した場合(NO)、ステップS3202以降の処理を実行する。また、MPU302は、ステップS3201にて大入賞口83aが開放中であると判定した場合(YES)、ステップS3206以降の処理を実行する。
MPU302は、ステップS3201にて大入賞口83aが開放中でないと判定した場合(NO)、ステップS3202において、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS3202にて開閉カウンタSOCの値及びラウンドカウンタRCの値の双方が「0」以下であると判定した場合(YES)、大入賞口開閉処理を終了する。
また、MPU302は、ステップS3202にて開閉カウンタSOCの値及びラウンドカウンタRCの値の少なくとも一方が「0」以下ではないと判定した場合(NO)、ステップS3203において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS3203にてタイマカウンタTの値が「0」以下ではないと判定した場合(NO)、大入賞口開閉処理を終了する。
また、MPU302は、ステップS3203にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合(YES)、ステップS3204において、大入賞口開放処理を実行する。なお、大入賞口開放処理については、すでに図32を参照して説明したため詳述を省略する。
ステップS3205では、MPU302は、開放コマンドを設定する。また、MPU302は、前述した通常処理(図24参照)のステップS301において、ステップS3205にて設定した開放コマンドを音声発光制御装置400に送信する。その後、MPU302は、大入賞口開閉処理を終了する。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信される開放コマンドに基づいて、開閉扉83bを開放状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
MPU302は、ステップS3201において、大入賞口83aが開放中であると判定した場合(YES)、ステップS3206において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否か、すなわち、大入賞口開放処理のステップS3203又はステップS3206にてタイマカウンタTにセットされた上限継続時間が経過したか否かを判定する。
MPU302は、ステップS3206において、タイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定した場合(NO)、ステップS3207において、大入賞口83aへの入賞が発生したか否かを検知する。なお、大入賞口83aへの入賞が発生したか否かの判定は、大入賞口83aに対応した検知センサ153の検知結果に基づいて実行される。
MPU302は、ステップS3207にて大入賞口83aへの入賞が発生していないと判定した場合(NO)、大入賞口開閉処理を終了する。また、MPU302は、ステップS3207にて大入賞口83aへの入賞が発生したと判定した場合(YES)、ステップS3208において、入賞カウンタPCの値から1を減算して更新する。
ステップS3209では、MPU302は、入賞カウンタPCの値が「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS3209にて入賞カウンタPCの値が「0」以下でないと判定した場合(NO)、大入賞口開閉処理を終了する。また、MPU302は、ステップS3209にて入賞カウンタPCの値が「0」以下であると判定した場合(YES)、ステップS3210において、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU302は、可変入賞駆動部83cの駆動制御を実行することによって、開閉扉83bを閉鎖状態に設定する。
ステップS3211では、MPU302は、閉鎖コマンドを設定する。MPU302は、前述した通常処理(図24参照)のステップS301において、ステップS3211にて設定した閉鎖コマンドを音声発光制御装置400に送信する。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信される閉鎖コマンドに基づいて、開閉扉83bを閉鎖状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
ステップS3212では、MPU302は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS3212にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合(YES)、後述するステップS3218以降の処理を実行する。
また、MPU302は、ステップS3212にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合(NO)、ステップS3213以降の処理を実行する。ステップS3213では、MPU302は、ラウンドカウンタRCの値から1を減算して更新する。また、ステップS3214では、MPU302は、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS3214にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合(NO)、ステップS3215において、タイマカウンタTの値に「500」をセットする。その後、MPU302は、大入賞口開閉処理を終了する。
ここで、ステップS3215にてタイマカウンタTにセットされた値は、開閉扉83bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定してから再び開閉扉83bを開放状態に設定するまでの開放待機時間を規定している。第1実施形態では、開放待機時間を1secに設定しているが、開閉実行モードの種類や進行状況に関わらず開放待機時間は同一である。
また、MPU302は、ステップS3214にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合(YES)、ステップS3216以降の処理を実行する。ステップS3216では、MPU302は、エンディング期間設定処理を行う。このエンディング期間設定処理では、MPU302は、エンディング期間決定テーブルを参照し、特別図柄の種別及びモード(高確率モードか低確率モード)に応じてエンディング期間を決定し、この決定したエンディング期間に対応する値をタイマカウンタTにセットする。なお、エンディング期間設定処理の詳細については後述する。
エンディング用の待機時間は、オープニング用の待機時間と同様に、遊技結果の種類に関わらず同一である。すなわち、このエンディング用の待機時間は、開閉実行モードの種類に関わらず同一である。なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、エンディング用の待機時間は、「低確結果」又は「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS3217では、MPU302は、エンディングコマンドを設定する。MPU302は、前述した通常処理(図24参照)のステップS301において、ステップS3217にて設定したエンディングコマンドを音声発光制御装置400に送信する。その後、MPU302は、大入賞口開閉処理を終了する。なお、音声発光制御装置400は、MPU302から送信されるエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了を認識し、所定の処理を実行する。
また、MPU302は、ステップS3206にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合(YES)、前述したステップS3210以降の処理を実行する。また、MPU302は、ステップS3212にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合(YES)、ステップS3218において、開閉カウンタSOCの値から1を減算して更新する。
ステップS3219では、MPU302は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であるか否かを判定する。MPU302は、ステップS3219にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下でないと判定した場合(NO)、前述したステップS3215以降の処理を実行する。また、MPU302は、ステップS3219において、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であると判定した場合(YES)、前述したS3215以降の処理を実行する。
図83は、本実施形態の主制御装置300のROM312に記憶されているエンディング期間決定テーブルのデータテーブルを示す図である。より具体的には、大当たり遊技におけるラウンド遊技が全て終了した後のエンディング期間を決定するためのエンディング期間決定テーブルである。本実施形態では、エンディング期間は、特別図柄の種別及びモード(高確率モードか低確率モード)に応じて決定される。例えば、図83に示すように、特別図柄1(以下、特図1ともいう)の場合には、モードが高確率モードであればエンディング期間として「10sec」が決定され、モードが低確率モードであればエンディング期間として「5sec」が決定される。また、特別図柄2(以下、特図2ともいう)の場合には、モードが高確率モードであればエンディング期間として「5sec」が決定され、モードが低確率モードであればエンディング期間として「2sec」が決定される。
なお、図83に示す例では、特別図柄が同一である場合に、高確率モードであるか低確率モードであるかに応じてエンディング期間が異なる設定となっているが、特別図柄が同一である場合には、高確率モードであるか低確率モードであるかによらずエンディング期間が同一となる設定としてもよい。また、図83に示すエンディング期間は、あくまで一例であり、図83に示す時間(10sec、5sec、2sec)に限られず、特別図柄の種類(種別)及びパチンコ機10のモード(高確率モードか低確率モードか)に応じてエンディング期間が異なっていればよい。
図84は、本実施形態のエンディング期間の設定処理のフローチャートを示す図である。以下、エンディング期間の設定処理について図84を参照して説明する。
ステップS3301では、MPU302は、大当たり遊技当選時の遊技状態を確認する。具体的には、RAM313の各種フラグ格納エリアに格納されているフラグの内容(主制御装置300から送信された種別コマンドに対応するフラグ)に基づいて大当たり遊技当選時の遊技状態を確認する。次いで、ステップS3302では、MPU302は、大当たり遊技の特別図柄の種別が特図1であるか否かを判定する。ステップS3302において大当たり遊技の特別図柄の種別が特図1である場合(YES)、ステップS3303では、MPU302は、モードが高確率モードであるか否かを判定する。ステップS3303においてモードが高確率モードである場合(YES)、ステップS3304では、MPU302は、ROM312に格納されたエンディング期間決定テーブル(図83参照)を参照して、エンディング期間を「10sec」に設定する。具体的には、タイマ割込み処理は2msec周期で行われることから、MPU302は、エンディング期間である10secに対応する「5000」をRAM313の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTにセットする。
また、ステップS3303においてモードが高確率モードでない場合(NO)、言い換えると低確率モードである場合、ステップS3305では、MPU302は、ROM312に格納されたエンディング期間決定テーブル(図83参照)を参照して、エンディング期間を「5sec」に設定する。具体的には、タイマ割込み処理は2msec周期で行われることから、MPU302は、エンディング期間である5secに対応する「2500」をRAM313の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTにセットする。
また、ステップS3302において大当たり遊技の特別図柄の種別が特図1でない場合(NO)、言い換えると大当たり遊技の特別図柄の種別が特図2である場合、ステップS3306では、MPU302は、モードが高確率モードであるか否かを判定する。ステップS3306においてモードが高確率モードである場合(YES)、ステップS3305では、MPU302は、ROM312に格納されたエンディング期間決定テーブル(図83参照)を参照して、エンディング期間を「5sec」に設定する。具体的には、タイマ割込み処理は2msec周期で行われることから、MPU302は、エンディング期間である5secに対応する「2500」をRAM313の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTにセットする。
また、ステップS3306においてモードが高確率モードでない場合(NO)、言い換えると低確率モードである場合、ステップS3307では、MPU302は、ROM312に格納されたエンディング期間決定テーブル(図83参照)を参照して、エンディング期間を「2sec」に設定する。具体的には、タイマ割込み処理は2msec周期で行われることから、MPU302は、エンディング期間である5secに対応する「1000」をタイマカウンタTにセットする。
ステップS3304、ステップS3305及びステップS3307にてタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。なお、エンディング期間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
図85は、本実施形態のRUSH突入とRUSH用右打ちナビの報知タイミングを説明するための図である。図85に示すように、本実施形態では、特別図柄の種別及びモードが高確率モードか低確率モードであるかに応じてエンディング期間が変化することから、パチンコ機10は、MPU302により選択されたエンディング期間に応じてRUSH突入及びRUSH用右打ちナビ(第4モードM4(以下、RUSHモード)移行時における右打ち遊技の示唆)の報知タイミングを変化させる。以下、図85を参照して、RUSHモードの移行処理について詳細に説明する。
<パターンA>
初めに、図85(a)を参照して、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXとRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYとを加算した時間以上(TE≧(TX+TY))である場合について説明する。図85(a)に示すように、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間TXとRUSH用右打ちナビの報知時間TYとを加算した時間以上である場合、スピーカ部26A~26CからのRUSH突入の報知(具体的には「〇〇RUSH突入」の音声出力(再生))と、スピーカ部26A~26CからのRUSH用右打ちナビの報知時間(具体的には「右打ちして下さい」の音声出力(再生))とがエンディング期間TE内に行われるよう制御される。
より具体的には、「〇〇RUSH突入」の音声出力は、エンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW4後に開始され、「〇〇RUSH突入」の音声出力後に続けて「右打ちして下さい」の音声出力が開始される。ここで、音声開始時間TW4は、エンディング期間TEからRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TX及びRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYを減算した値となっており、エンディング期間の終了時T2と同時もしくは略同時に「右打ちして下さい」の音声出力が終了するよう制御される。
なお、エンディング期間TEがRUSH突入の報知時間TXとRUSH用右打ちナビの報知時間TYとを加算した時間と同じ場合、TW4の時間は0secとなる。また、図85(a)に示す例においても、エンディング期間開始時T1から大当たり遊技後に移行するRUSHモードの音楽が出力(再生)を開始されるように制御される。具体的には、エンディング期間TEの開始時T1から、スピーカ部26A~26Cから第4モードM4の演出で使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。ここで、図85(a)に示す例では、エンディング期間TEよりも第4モードM4の演出で使用される音楽のイントロ部分の期間が短くなっている。このため、エンディング期間TEの終了時T2よりも前にイントロ部分の出力が終了する。また、スピーカ部26A~26Cからは、音楽のイントロ部分の出力終了後に、イントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。
また、図85(a)に示す移行処理では、イントロ部分の出力期間中にスピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。上述したように「RUSH突入」の音声の出力は、エンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW4後に開始され、イントロ部分の出力終了と同時もしくは略同時に「RUSH突入」の音声の出力が終了するよう制御される。また、「RUSH突入」の音声の出力に続けて、右打ち遊技を示唆するための「右打ちして下さい」の音声が出力され、エンディング期間の終了時T2と同時もしくは略同時に「右打ちして下さい」の音声の出力が終了するように制御される。このため、遊技状態の流れを分断することなく遊技状態を移行することができ、遊技者は、遊技状態の一連の流れの爽快感を失うことなく遊技を楽しむことができ、遊技の興趣性向上を図ることができる。なお、エンディング期間の終了時T2に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるように制御してもよい。この場合、「右打ちしてください」の音声出力に加えて「右打ちしてください」等の文字が、エンディング期間の終了時、換言すると、第4モードM4(RUSHモード)の開始時に表示されるよう制御される。
<パターンB>
次に、図85(b)を参照して、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXとRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYとを加算した時間よりも短く(TE<(TX+TY))、かつRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TX以上(TE≧TX)である場合について説明する。図85(b)に示すように、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間TXとRUSH用右打ちナビの報知時間TYとを加算した時間よりも短く、RUSH突入の報知時間TX以上である場合、スピーカ部26A~26CからのRUSH突入の報知(具体的には「〇〇RUSH突入」の音声出力(再生))がエンディング期間TE内に行われ、RUSH用右打ちナビの報知(具体的には「右打ちして下さい」の音声出力(再生))がエンディング期間TE後に行われるよう制御される。
より具体的には、「〇〇RUSH突入」の音声出力は、エンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW5後に開始される。ここで、音声開始時間TW5は、エンディング期間TEからRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXを減算した値となっており、エンディング期間の終了時T2と同時もしくは略同時に「〇〇RUSH突入」の音声出力が終了するよう制御される。また、「〇〇RUSH突入」の音声出力後、言い換えると、エンディング期間の終了時T2と同時もしくは略同時に「右打ちして下さい」の音声出力が開始される。
なお、エンディング期間TEがRUSH突入の報知時間TXと同じ場合、TW5の時間は0secとなる。また、図85(b)に示す例においても、エンディング期間開始時T1から大当たり遊技後に移行するRUSHモードの音楽が出力(再生)を開始されるように制御される。具体的には、エンディング期間TEの開始時T1から、スピーカ部26A~26Cから第4モードM4の演出で使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。ここで、図85(b)に示す例では、エンディング期間TEと、第4モードM4の演出で使用される音楽のイントロ部分の期間とが同じ長さ(時間)となっている。このため、エンディング期間の終了時T2にイントロ部分の出力が終了する。また、スピーカ部26A~26Cからは、音楽のイントロ部分の出力終了後にイントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。
また、図85(b)に示す移行処理では、イントロ部分の出力期間中にスピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。上述したように、「RUSH突入」の音声の出力は、エンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW5後に開始され、イントロ部分の出力終了と同時もしくは略同時に「RUSH突入」の音声の出力が終了するよう制御される。また、エンディング期間の終了時T2には、右打ち遊技を示唆するための「右打ちして下さい」の音声が出力され、RUSH用右打ちナビがスタートするよう制御される。すなわち、「右打ちして下さい」の音声の出力は、エンディング期間の終了時、換言すると、第4モードM4(RUSHモード)の開始時に開始されるよう制御される。また、エンディング期間の終了時T2には、演出MAの映像演出が開始されるよう制御される。このため、遊技状態の流れを分断することなく遊技状態を移行することができ、遊技者は、遊技状態の一連の流れの爽快感を失うことなく遊技を楽しむことができ、遊技の興趣性向上を図ることができる。なお、エンディング期間の終了時T2に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるように制御してもよい。この場合、「右打ちしてください」の音声出力に加えて「右打ちしてください」等の文字が、エンディング期間の終了時、換言すると、第4モードM4(RUSHモード)の開始時に表示されるよう制御される。
<パターンC>
次に、図85(c)を参照して、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXとRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYとを加算した時間よりも短く(TE<(TX+TY))、かつRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXよりも短い(TE<TX)場合について説明する。図85(c)に示すように、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間TXよりも短い場合、スピーカ部26A~26CからのRUSH突入の報知(具体的には「〇〇RUSH突入」の音声出力(再生))及びRUSH用右打ちナビの報知(具体的には「右打ちして下さい」の音声出力(再生))がエンディング期間TEの終了時T2後に行われるよう制御される。
より具体的には、「〇〇RUSH突入」の音声出力は、エンディング期間TEの終了時T2から開始される。また、図85(c)に示す場合、エンディング期間TEの終了時T2から映像によるRUSH用右打ちナビが開始される。「〇〇RUSH突入」の音声出力後に続けて「右打ちして下さい」の音声出力を開始すると、すでにRUSHモードに突入しているにも関わらず、RUSH用右打ちナビが開始されていないこととなり、遊技者に不利益となる。また、RUSHモードに突入すると同時に「右打ちして下さい」の音声を出力すると「RUSH突入」と音声が重なってしまう。このため、図85(c)に示す例では、「右打ちして下さい」の音声を出力せずにエンディング期間TEの終了時T2から映像によるRUSH用右打ちナビを開始し、「右打ちして下さい」の音声出力を「〇〇RUSH突入」の音声出力後に開始している。
なお、図85(c)に示す例においても、エンディング期間開始時T1から大当たり遊技後に移行するRUSHモードの音楽が出力(再生)を開始されるように制御される。具体的には、エンディング期間TEの開始時T1から、スピーカ部26A~26Cから第4モードM4の演出で使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。ここで、図85(c)に示す例では、エンディング期間TEよりも第4モードM4の演出で使用される音楽のイントロ部分の期間が長くなっている。このため、エンディング期間TEの終了時T2以降もイントロ部分の出力が継続する。また、スピーカ部26A~26Cからは、音楽のイントロ部分の出力終了後に、イントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。
また、図85(c)に示す移行処理では、イントロ部分の出力期間中にスピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。上述したように、「RUSH突入」の音声の出力は、エンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW6後に開始され、イントロ部分の出力終了と同時もしくは略同時に「RUSH突入」の音声の出力が終了するよう制御される。ここで、音声開始時間TW6は、エンディング期間TEと同じとなる。なお図85(c)に示す例では、エンディング期間TEの終了時T2に「RUSH突入」の音声がスピーカ部26A~26Cから出力される。このため、エンディング期間TEの終了時T2に右打ち遊技を示唆するための「右打ちして下さい」の音声が出力されると、「RUSH突入」の音声と「右打ちして下さい」の音声が重なって出力される。そこで、この図85(c)に示す移行処理では、「右打ちして下さい」の音声をエンディング期間TEの終了時T2に出力せず、エンディング期間TEの終了時T2に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示され、RUSH用右打ちナビがスタートするよう制御される。すなわち、「右打ちしてください」等の文字の表示画面Gへの表示は、エンディング期間の終了時、換言すると、第4モードM4(RUSHモード)の開始時に開始されるよう制御される。このため、遊技状態の流れを分断することなく遊技状態を移行することができ、遊技者は、遊技状態の一連の流れの爽快感を失うことなく遊技を楽しむことができ、遊技の興趣性向上を図ることができる。
図86は、本実施形態のRUSHモードへの演出移行処理のフローチャートを示す図である。以下、図86を参照して、本実施形態のRUSHモードへの演出移行処理を説明する。
ステップS3401では、MPU402は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。該判定では、MPU402は、RAM413の各種フラグ格納エリアにエンディングコマンドが格納されているかを確認する。ステップS3401において、MPU402は、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(YES)、ステップS3402では、MPU402は、エンディングコマンドに基づいてエンディング期間TEを取得する。なお、主制御装置300から送信されるエンディングコマンドにエンディング期間TEの長さ(sec)の情報を含ませることによりエンディング期間TEを取得できるようにしてもよいし、図83に示すエンディング期間決定テーブルを音声発光制御装置400のROM412にも記憶させておき、コマンド種別から特別図柄の種類(種別)及びモード(高確率モードか低確率モードか)を判定してエンディング期間TEを認識するようにしてもよい。また、ステップS3401において、MPU402は、エンディングコマンドを受信したと判定されない場合(NO)、演出移行処理を終了する。
ステップS3403では、MPU402は、大当たり遊技後に移行するRUSHモードの音楽の出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSHモードの音楽データ(BGM)に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26CからRUSHモードの音楽のイントロ部分の出力(再生)が開始される。
ステップS3404では、MPU402は、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間TXとRUSH用右打ちナビの報知時間TYとを加算した時間以上(TE≧(TX+TY))であるか否かを判定する。ステップS3404にて、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間TXとRUSH用右打ちナビの報知時間TYとを加算した時間以上である場合(YES)、ステップS3405では、MPU402は、後述するステップS3409の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTをセットする。具体的には、ROM412に格納されているデータテーブルを参照し、TW4に対応する値をタイマカウンタTへセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS3404にて、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間TXとRUSH用右打ちナビの報知時間TYとを加算した時間以上でない場合(NO)、MPU402は、ステップS3406にて、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間TX以上(TE≧TX)であるか否かを判定する。ステップS3406にて、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間TX以上である場合(YES)、MPU402は、ステップS3407にて、後述するステップS3409の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTをセットする。具体的には、ROM412に格納されているデータテーブルを参照し、TW5に対応する値をタイマカウンタTへセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS3406にて、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間TX以上でない場合(NO)、MPU402は、ステップS3408にて、後述するステップS3409の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTをセットする。具体的には、ROM412に格納されているデータテーブルを参照し、エンディング期間TEに対応する値をタイマカウンタTへセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS3409では、MPU402は、ステップS3405、ステップS3407又はステップS3408でセットされた時間が経過したか否か、すなわちタイマカウンタTにセットされた値がゼロとなったか否かを判定する。ステップS3409にて、ステップS3405、ステップS3407又はステップS3408でセットされた時間が経過していない場合(NO)、MPU402は、演出移行処理を終了する。
また、ステップS3409にて、ステップS3405、ステップS3407又はステップS3408でセットされた時間が経過している場合(YES)、ステップS3410では、MPU402は、RUSH突入の音声データの出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSH突入の音声データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、RUSH突入の音声データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26CからRUSH突入の音声の出力(再生)が開始される。
ステップS3411では、MPU402は、RUSH突入の音声データの出力が完了したか否かを判定する。ステップS3411においてRUSH突入の音声データの出力が完了している場合(YES)、ステップS3412では、MPU402は、RUSH用右打ちナビの音声データの出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSH用右打ちナビの音声データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、RUSH突入の音声データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26CからRUSH突入の音声の出力(再生)が開始される。また、ステップS3411においてRUSH突入の音声データの出力が完了していない場合(NO)、MPU402は、演出移行処理を終了する。
なお、上記図85及び図86では、特別図柄の種別及びモードが高確率モードか低確率モードであるかに応じて決定されるエンディング期間TEと、RUSH突入の報知時間TX及びRUSH用右打ちナビの報知時間TYとの比較に基づいて「RUSH突入」及び「右打ちして下さい」の報知タイミングを決定しているが、特別図柄の種別及びモードが高確率モードか低確率モードであるかに応じて決定されるエンディング期間TEと、RUSH突入の報知時間TX及びRUSH用右打ちナビの報知時間TYとは予めわかっている。このため、特別図柄の種別及びモードが高確率モードか低確率モードであるかに応じて「RUSH突入」及び「右打ちして下さい」の報知タイミングを予め決めておくようにしてもよい。
図87は、本実施形態の音声発光制御装置のROM412に記憶されているRUSH突入とRUSH用右打ちナビの報知タイミング決定テーブルのデータテーブルを示す図である。より具体的には、大当たり遊技後に移行するRUSHモードを遊技者に報知するRUSH突入の報知タイミングを決定するためのデータテーブルである。RUSH突入の報知タイミングは、特別図柄の種別及びモード(高確率モードか低確率モード)を参照して決定される。例えば、特図1の場合には、モードが高確率モードであれば報知タイミングとして「TW4」が決定され、モードが低確率モードであれば報知タイミングとして「TW5」が決定される。また、特図2の場合には、モードが高確率モードであれば報知タイミングとして「TW5」が決定され、モードが低確率モードであれば報知タイミングとして「TE」が決定される。
ここで、「TW4」、「TW5」及び「TE」は、エンディング期間の開始時T1からの待機時間(ウェイティング時間)であり、報知タイミングとして「TW4」が決定された場合、エンディング期間の開始時T1からTW4後に「RUSH突入」の報知が開始される。また、報知タイミングとして「TW5」が決定された場合、エンディング期間の開始時T1からTW5後に「RUSH突入」の報知が開始される。さらに、報知タイミングとして「TE」が決定された場合、エンディング期間の開始時T1からTE後、すなわちエンディング期間の終了時に「RUSH突入」の報知が開始される。
図88は、本実施形態のRUSHモードへの演出移行処理のフローチャートの他の例を示す図である。以下、図88を参照して、本実施形態のRUSHモードへの演出移行処理のフローチャートの他の例について説明する。
ステップS3501では、MPU402は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。該判定では、MPU402は、各種フラグ格納エリアにエンディングコマンドが格納されているかを確認する。ステップS3501において、MPU402は、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(YES)、ステップS3502では、MPU402は、大当たり遊技の特別図柄の種別及びモードが高確率モードか低確率モードであるかの情報を取得する。具体的には、MPU402は、主制御装置300から受信した種別コマンドに基づいて特別図柄の種別及びモードが高確率モードか低確率モードであるかを取得する。また、ステップS3501において、MPU402は、エンディングコマンドを受信したと判定されない場合(NO)、演出移行処理を終了する。
ステップS3503では、MPU402は、大当たり遊技後に移行するRUSHモードの音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSHモードの音楽データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26CからRUSHモードの音楽のイントロ部分の出力(再生)が開始される。
ステップS3504では、MPU402は、大当たり遊技の特別図柄の種別が特図1でかつモードが高確率モードであるか否かを判定する。ステップS3504にて、特別図柄の種別が特図1でかつモードが高確率モードである場合(YES)、MPU402は、ステップS3505にて、後述するステップS3509の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTをセットする。具体的には、ROM412に格納されている報知タイミング決定テーブル(図87)を参照し、TW4に対応する値をタイマカウンタTにセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS3504にて、大当たり遊技の特別図柄の種別が特図1でかつモードが高確率モードでない場合(NO)、MPU402は、ステップS3506にて、特別図柄の種別が特図1でかつモードが低確率モードであるか、又は特別図柄の種別が特図2でかつモードが高確率モードであるか否かを判定する。ステップS3506にて、特別図柄の種別が特図1でかつモードが低確率モード、又は特別図柄の種別が特図2でかつモードが高確率モードである場合(YES)、MPU402は、ステップS3507にて、後述するステップS3509の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTをセットする。具体的には、ROM412に格納されている報知タイミング決定テーブル(図87)を参照し、TW5に対応する値をタイマカウンタTにセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS3506にて、特別図柄の種別が特図1でかつモードが低確率モード、及び特別図柄の種別が特図2でかつモードが高確率モードでない場合(NO)、MPU402は、ステップS3508にて、後述するステップS3509の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTをセットする。具体的には、ROM412に格納されている報知タイミング決定テーブル(図87)を参照し、エンディング期間TEに対応する値をタイマカウンタTにセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS3509では、MPU402は、ステップS3505、ステップS3507又はステップS3508でセットされた時間が経過したか否か、すなわちタイマカウンタTにセットされた値がゼロとなったか否かを判定する。ステップS3509にて、ステップS3505、ステップS3507又はステップS3508でセットされた時間が経過していない場合(NO)、MPU402は、演出移行処理を終了する。
また、ステップS3509にて、ステップS3505、ステップS3507又はステップS3508でセットされた時間が経過している場合(YES)、ステップS3510では、MPU402は、RUSH突入の音声データの出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSH突入の音声データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、RUSH突入の音声データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26CからRUSH突入の音声の出力(再生)が開始される。
ステップS3511では、MPU402は、RUSH突入の音声データの出力が完了したか否かを判定する。ステップS3511においてRUSH突入の音声データの出力が完了している場合(YES)、ステップS3512では、MPU402は、RUSH用右打ちナビの音声データの出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSH用右打ちナビの音声データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、RUSH突入の音声データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26CからRUSH突入の音声の出力(再生)が開始される。また、ステップS3511においてRUSH突入の音声データの出力が完了していない場合(NO)、MPU402は、演出移行処理を終了する。
なお、上記説明では、図85(b)のパターンBにおいて、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXとRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYとを加算した時間よりも短く(TE<(TX+TY))、かつRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TX以上(TE≧TX)である場合、「〇〇RUSH突入」の音声出力がエンディング期間の開始時T1から音声開始時間TW5後に開始され、エンディング期間の終了時T2と同時もしくは略同時に「〇〇RUSH突入」の音声出力が終了するよう制御される。しかしながら、「〇〇RUSH突入」の音声出力がエンディング期間の開始時T1から開始されるようにしてもよい。また、この場合、「〇〇RUSH突入」の音声出力後と同時もしくは略同時に「右打ちして下さい」の音声出力が開始されるようにしてもよい。
このように、図85(b)のパターンBにおいて、「〇〇RUSH突入」の音声出力がエンディング期間の開始時T1から開始されるように制御する場合、図86のステップS3407において、タイマカウンタTにセットする値を0としてもよいし、図86のステップS3406にて、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間TX以上である場合(YES)、MPU402がステップS3410の動作を行うようにしてもよい。
さらに、図85(b)のパターンBにおいて、「〇〇RUSH突入」の音声出力がエンディング期間の開始時T1から開始されるように制御する場合、図87に示す報知タイミング決定テーブルのTW5の値を0としてもよいし、図88のステップS3506にて、特別図柄の種別が特図1でかつモードが低確率モード、又は特別図柄の種別が特図2でかつモードが高確率モードである場合(YES)、MPU402がステップS3510の動作を行うようにしてもよい。
また、上記説明では、図85(c)のパターンCにおいて、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXとRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYとを加算した時間よりも短く(TE<(TX+TY))、かつRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXよりも短い(TE<TX)場合、スピーカ部26A~26CからのRUSH突入の報知(具体的には「〇〇RUSH突入」の音声出力(再生))及びRUSH用右打ちナビの報知(具体的には「右打ちして下さい」の音声出力(再生))がエンディング期間TEの終了時T2後に行われるよう制御される。しかしながら、「〇〇RUSH突入」の音声出力がエンディング期間の開始時T1から開始されるようにしてもよい。また、この場合、「〇〇RUSH突入」の音声出力後と同時もしくは略同時に「右打ちして下さい」の音声出力が開始されるようにしてもよい。
このように、図85(c)のパターンCにおいて、「〇〇RUSH突入」の音声出力がエンディング期間の開始時T1から開始されるように制御する場合、図86のステップS3408において、タイマカウンタTにセットする値を0としてもよいし、図86のステップS3406にて、エンディング期間TEが、RUSH突入の報知時間TX以上でない場合(NO)、MPU402がステップS3410の動作を行うようにしてもよい。
さらに、図85(c)のパターンCにおいて、「〇〇RUSH突入」の音声出力がエンディング期間の開始時T1から開始されるように制御する場合、図87に示す報知タイミング決定テーブルのTEの値を0としてもよいし、図88のステップS3506にて、特別図柄の種別が特図1でかつモードが低確率モード、及び特別図柄の種別が特図2でかつモードが高確率モードでない場合(NO)、MPU402がステップS3510の動作を行うようにしてもよい。
次に、図89を参照して本実施形態の第4モードM4(以下、RUSHモード)への移行処理の他の例を説明する。図89に示す例では、エンディング期間TEと第4モードM4の音楽(BGM)のイントロ部分の長さ(以下、イントロ長さTIという)とが異なる場合の移行処理について説明する。以下、図89を参照して、RUSHモードへの移行処理の他の例について詳細に説明する。
<移行処理A>
初めに、図89(a)を参照して、エンディング期間TEがイントロ長さTIよりも長い場合(図84のエンディング期間設定処理でエンディング期間TEとして10secがセットされた場合)について説明する。この場合の移行処理では、エンディング期間TEがイントロ長さTIよりも長いため、イントロの出力がエンディング期間TE中に終了してしまう。このため、イントロの出力終了後からエンディング期間TEの終了までの間、第1特殊演出が実行される。この第1特殊演出は、例えば、「はじまるよ!」などの音声をスピーカ部26A~26Cから出力させるとともに、この音声に対応する映像(例えば、キャラがしゃべっている映像)を表示画面Gに表示させるよう制御され、遊技者にRUSHモードへ移行する期待感や高揚感を持たせる演出が実行される。
具体的には、エンディング期間TEの開始時T1から、スピーカ部26A~26CからRUSHモードの演出で使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。また、イントロ部分の出力終了後にイントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。また、イントロの出力終了後からエンディング期間TEの終了までの間、第1特殊演出が実行される。また、エンディング期間の終了時T2には、右打ち遊技を示唆するためのRUSH用右打ちナビがスタートするよう制御される。すなわち、RUSH用右打ちナビは、エンディング期間TEの終了時、換言すると、RUSHモードの開始時に開始されるよう制御される。また、エンディング期間TEの終了時T2には、演出の映像演出が開始されるよう制御される。
なお、RUSH用右打ちナビの音量は、通常よりも小さく再生されるように制御される。RUSH突入時のRUSH用右打ちナビの音量を通常よりも小さくすることで、RUSH突入の際に遊技者にRUSH用右打ちナビの音声「右打ちして下さい」が耳障りとなることを防ぎ、遊技者が興ざめすることを防止できる。また、エンディング期間の終了時T2に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるように制御してもよい。この場合、「右打ちだ」の音声出力に加えて「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるよう制御されてもよい。また、この移行処理では、イントロ部分の出力終了後にスピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。また、図89(a)の例では、右打ちナビの前にRUSH突入報知を行っているが、右打ちナビの後にRUSH突入報知を行うようにしてもよい。
<移行処理B>
次に、図89(b)を参照して、エンディング期間TEがイントロ長さTIよりも短い場合(図84のエンディング期間設定処理でエンディング期間TEとして5secがセットされた場合)について説明する。この場合の移行処理では、エンディング期間TEがイントロ長さTIよりも短いため、エンディング期間TE終了後もイントロが出力される。このため、エンディング期間TEの終了からイントロの出力終了までの間、第2特殊演出が実行される。この第2特殊演出は、大当り遊技で獲得した賞球数やロゴマークを表示画面Gに表示し、RUSHモードに入っているにもかかわらず、あたかもエンディング期間が継続しているかのような感覚を遊技者に与える演出が実行される。なお、エンディング期間TEの長さとイントロ長さTIとの差が長い(大きい)場合、大当り遊技で獲得した賞球数やロゴマークを表示画面Gに表示するようにしてもよいし、任意のキャラを表示するようにして時間調整を行うよう制御されてもよい。
具体的には、エンディング期間TEの開始時T1から、スピーカ部26A~26Cから第4モードM4の演出で使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。また、イントロ部分の出力終了後にイントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。また、エンディング期間TEの終了時T2からイントロの出力終了までの間、第2特殊演出が実行される。また、エンディング期間の終了時T2には、右打ち遊技を示唆するためのRUSH用右打ちナビがスタートするよう制御される。すなわち、RUSH用右打ちナビは、エンディング期間TEの終了時、換言すると、RUSHモードの開始時に開始されるよう制御される。また、イントロ出力の終了時T4には、RUSHモードの演出の映像演出が開始されるよう制御される。
なお、RUSH用右打ちナビの音量は、通常よりも小さく再生されるように制御される。RUSH突入時のRUSH用右打ちナビの音量を通常よりも小さくすることで、RUSH突入の際に遊技者にRUSH用右打ちナビの音声「右打ちして下さい」が耳障りとなることを防ぎ、遊技者が興ざめすることを防止できる。また、エンディング期間の終了時T2に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるように制御してもよい。この場合、「右打ちだ」の音声出力に加えて「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるよう制御されてもよい。また、この移行処理では、イントロ部分の出力終了後にスピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。また、図89(b)の例では、右打ちナビの後にRUSH突入報知を行っているが、右打ちナビの前にRUSH突入報知を行うようにしてもよい。
<移行処理C>
次に、図89(c)を参照して、エンディング期間TEがイントロ長さTIよりも非常に短い場合(図84のエンディング期間設定処理でエンディング期間TEとして2secがセットされた場合)について説明する。この場合の移行処理では、エンディング期間TEがイントロ長さTIよりも非常に短いため、エンディング期間TE中にイントロ部分がほとんど出力されずにエンディング期間TEが終了する。このため、図89(c)に示す場合では、エンディング期間TE終了後にイントロの出力を開始する。また、イントロの出力終了後には、イントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。
具体的には、エンディング期間TEの終了時T2から、スピーカ部26A~26CからRUSHモードの演出で使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。また、イントロ部分の出力終了後にイントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。また、エンディング期間の終了時T2には、右打ち遊技を示唆するためのRUSH用右打ちナビがスタートするよう制御される。すなわち、RUSH用右打ちナビは、エンディング期間TEの終了時、換言すると、RUSHモードの開始時に開始されるよう制御される。また、エンディング期間TEの終了時T2には、RUSHモードの演出の映像演出が開始されるよう制御される。
なお、RUSH用右打ちナビの音量は、通常よりも小さく再生されるように制御される。RUSH突入時のRUSH用右打ちナビの音量を通常よりも小さくすることで、RUSH突入の際に遊技者にRUSH用右打ちナビの音声「右打ちして下さい」が耳障りとなることを防ぎ、遊技者が興ざめすることを防止できる。また、エンディング期間の終了時T2に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるように制御してもよい。この場合、「右打ちだ」の音声出力に加えて「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるよう制御されてもよい。また、この移行処理では、イントロ部分の出力終了後にスピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。
なお、エンディング期間TEがイントロ長さTIよりも非常に短い場合(図84のエンディング期間設定処理でエンディング期間TEとして2secがセットされた場合)図89(d)に示すように、イントロ部分の出力を行わずに、エンディング期間TEの終了時T2から、スピーカ部26A~26CからRUSHモードの演出で使用される音楽のAメロ部分の出力が開始されるよう制御されてもよい。また、図89(c)、図89(d)の例では、右打ちナビの後にRUSH突入報知を行っているが、右打ちナビの前にRUSH突入報知を行うようにしてもよい。
<演出移行処理>
次に、図89を参照して説明したRUSHモードへの移行処理について、図90~図93を参照して詳細に説明する。図90は、RUSHモードへの移行処理のフローチャートを示す図である。ここでは、図90を参照して説明したRUSHモードへの移行処理の音声発光制御装置400の動作について説明する。
ステップS3601では、MPU402は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。該判定では、MPU402は、各種フラグ格納エリアにエンディングコマンドが格納されているかを確認する。ステップS3601において、MPU402は、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(YES)、ステップS3602では、MPU402は、大当たり遊技の特別図柄の種別及びモードが高確率モードか低確率モードであるかの情報を取得する。具体的には、MPU402は、主制御装置300から受信した種別コマンドに基づいて特別図柄の種別及びモードが高確率モードか低確率モードであるかを取得する。また、ステップS3601において、MPU402は、エンディングコマンドを受信したと判定されない場合(NO)、演出移行処理を終了する。
ステップS3603では、MPU402は、大当たり遊技の特別図柄の種別が特図1でかつモードが高確率モードであるか否かを判定する。ステップS3603にて、特別図柄の種別が特図1でかつモードが高確率モードである場合(YES)、MPU402は、ステップS3604にて、図89(a)を参照して説明した移行処理A(エンディング期間TEがイントロ長さTIよりも長い場合)を実行する。なお、移行処理Aの詳細については後述する。
ステップS3603にて、大当たり遊技の特別図柄の種別が特図1でかつモードが高確率モードでない場合(NO)、MPU402は、ステップS3605にて、特別図柄の種別が特図1でかつモードが低確率モードであるか、又は特別図柄の種別が特図2でかつモードが高確率モードであるか否かを判定する。ステップS3605にて、特別図柄の種別が特図1でかつモードが低確率モード、又は特別図柄の種別が特図2でかつモードが高確率モードである場合(YES)、MPU402は、ステップS3606にて、図89(b)を参照して説明した移行処理B(エンディング期間TEがイントロ長さTIよりも短い場合)を実行する。なお、移行処理Bの詳細については後述する。
ステップS3605にて、大当たり遊技の特別図柄の種別が特図1でかつモードが高確率モードでない場合(NO)、MPU402は、ステップS3607にて、図89(c)、図89(d)を参照して説明した移行処理C(エンディング期間TEがイントロ長さTIよりも非常に短い場合)を実行する。なお、移行処理Cの詳細については後述する。
<移行処理A>
次に、図90のステップS3604の移行処理Aについて、図91を参照して詳細に説明する。図91は、移行処理Aのフローチャートを示す図である。
ステップS3701では、MPU402は、後述するステップS3703及びステップS3705の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタT1及びT2をセットする。具体的には、MPU402は、タイマカウンタT1にエンディング期間TE(10sec)に対応する値を計測時間としてセットし、タイマカウンタT2にイントロ長さTIに対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecである場合、MPU402は、タイマカウンタT1に「5000」をセットし、イントロ長さTIが7secである場合、MPU402は、タイマカウンタT2に「3500」をセットする。このタイマカウンタT1,T2にセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS3702では、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データのイントロ部分の出力(再生)が開始される。また、MPU402は、エンディング期間の演出用映像の表示を開始する。具体的には、MPU402は、表示画面Gにエンディング期間の演出用映像が表示されるようにコマンドを表示制御装置500へ送信する。表示制御装置500では、MPU502は、MPU402から送信されるコマンドに基づいて表示画面Gにエンディング期間の演出用映像が表示されるよう制御を行う。
ステップS3703では、MPU402は、ステップS3701でセットしたタイマカウンタT2の値が0であるか否かに基づいてBGMのイントロ部分の出力が終了したか否かを判定する。MPU402は、イントロ部分の出力が終了していないと判定した場合(NO)、ステップS3704以降の処理を実行せずに移行処理Aを終了する。また、MPU402は、イントロ部分の出力が終了したと判定した場合(YES)、ステップS3704以降の処理を実行する。
ステップS3704では、MPU402は、第1特殊演出を開始する。具体的には、MPU402は、「はじまるよ!」の音声に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、「はじまるよ!」の音声がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「はじまるよ!」の音声の出力(再生)が開始される。また、MPU402は、この音声に対応する映像(例えば、キャラがしゃべっている映像)を表示画面Gに表示させるよう制御する。具体的には、MPU402は、表示画面Gに音声に対応する映像が表示されるように第1特殊演出開始コマンドを表示制御装置500へ送信する。表示制御装置500では、MPU502は、MPU402から送信される第1特殊演出開始コマンドに基づいて表示画面Gに音声に対応する映像が表示されるよう制御を行う。
また、ステップS3704では、MPU402は、「はじまるよ!」の音声に続けてRUSH突入用の「RUSH突入」の音声に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、「RUSH突入」の音声がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声の出力(再生)が開始される。なお、「はじまるよ!」を文字で表示画面に表示し、「RUSH突入」の音声をスピーカ部26A~26Cから出力するようにしてもよいし、「はじまるよ!」の音声をスピーカ部26A~26Cから出力し、「RUSH突入」の文字を表示画面Gに表示するようにしてもよい。
ステップS3705では、MPU402は、ステップS3701でセットしたタイマカウンタT1の値が0であるか否かに基づいてエンディング期間TEが終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間TEが終了していないと判定した場合(NO)、ステップS3706以降の処理を実行せずに移行処理Aを終了する。また、MPU402は、エンディング期間TEが終了したと判定した場合(YES)、ステップS3706以降の処理を実行する。ステップS3706では、MPU402は、第1特殊演出を終了させるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「はじまるよ!」などの音声の出力(再生)が停止される。また、MPU402は、第1特殊演出停止コマンドを表示制御装置500へ送信する。表示制御装置500では、MPU502は、MPU402から送信される第1特殊演出停止コマンドに基づいて表示画面Gへの音声に対応する映像の表示が停止されるよう制御を行う。
ステップS3707では、MPU402は、RUSH用右打ちナビ用の音声データ「右打ちして下さい」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データ「右打ちして下さい」がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データ「右打ちして下さい」の出力(再生)が開始され、RUSH用右打ちナビが開始される。
ステップS3708では、MPU402は、表示制御装置500にRUSH演出用の映像演出を開始するよう指示する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に、演出用データ記憶エリア1032に格納されているRUSH演出用の映像データを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032からRUSH演出用の映像データを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
なお、ステップS3703及びステップS3705の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
<移行処理B>
次に、図90のステップS3606の移行処理Bについて、図92を参照して詳細に説明する。図92は、移行処理Bのフローチャートを示す図である。
ステップS3801では、MPU402は、後述するステップS3803及びステップS3806の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタT1及びT2をセットする。具体的には、MPU402は、タイマカウンタT1にエンディング期間TE(5sec)に対応する値を計測時間としてセットし、タイマカウンタT2にイントロ長さTIに対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecである場合、MPU402は、タイマカウンタT1に「2500」をセットし、イントロ長さTIが7secである場合、MPU402は、タイマカウンタT2に「3500」をセットする。このタイマカウンタT1,T2にセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS3802では、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データのイントロ部分の出力(再生)が開始される。また、MPU402は、エンディング期間の演出用映像の表示を開始する。具体的には、MPU402は、表示画面Gにエンディング期間の演出用映像が表示されるようにコマンドを表示制御装置500へ送信する。表示制御装置500では、MPU502は、MPU402から送信されるコマンドに基づいて表示画面Gにエンディング期間の演出用映像が表示されるよう制御を行う。
ステップS3803では、MPU402は、ステップS3801でセットしたタイマカウンタT1の値が0であるか否かに基づいてエンディング期間TEが終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間TEが終了していないと判定した場合(NO)、ステップS3804以降の処理を実行せずに移行処理Bを終了する。また、MPU402は、エンディング期間TEが終了したと判定した場合(YES)、ステップS3804以降の処理を実行する。ステップS3804では、MPU402は、第2特殊演出を開始する。具体的には、MPU402は、大当り遊技にて獲得した賞球数に対応する文字画像(例えば、ロゴ化されアラビア数字)を表示画面Gに表示するよう表示制御装置500に指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、賞球数に対応する文字画像をVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
ステップS3805では、MPU402は、RUSH用右打ちナビ用の音声データ「右打ちして下さい」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データ「右打ちして下さい」がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データ「右打ちして下さい」の出力(再生)が開始され、RUSH用右打ちナビが開始される。
ステップS3806では、MPU402は、ステップS3801でセットしたタイマカウンタT2の値が0であるか否かに基づいてBGMのイントロ部分の出力が終了したか否かを判定する。MPU402は、イントロ部分の出力が終了していないと判定した場合(NO)、ステップS3807以降の処理を実行せずに移行処理Bを終了する。また、MPU402は、イントロ部分の出力が終了したと判定した場合(YES)、ステップS3807以降の処理を実行する。
ステップS3807では、MPU402は、MPU402は、第2特殊演出を停止させるよう表示制御装置500に指示する。具体的には、MPU402は、第2特殊演出停止コマンドを表示制御装置500に送信する。表示制御装置500では、MPU502は、MPU402から送信される第2特殊演出停止コマンドに基づいて表示画面Gへの大当り遊技にて獲得した賞球数に対応する文字画像の表示が停止されるよう制御を行う。
ステップS3808では、MPU402は、RUSH突入用の「RUSH突入」の音声に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、「RUSH突入」の音声がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声の出力(再生)が開始される。なお、「RUSH突入」を文字で表示画面に表示するとともに、「RUSH突入」の音声をスピーカ部26A~26Cから出力するようにしてもよい。
ステップS3809では、MPU402は、表示制御装置500にRUSH演出用の映像演出を開始するよう指示する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に、演出用データ記憶エリア1032に格納されているRUSH演出用の映像データを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032からRUSH演出用の映像データを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
なお、ステップS3803及びステップS3806の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
<移行処理C>
次に、図90のステップS3607の移行処理Cについて、図93を参照して詳細に説明する。図93は、移行処理Cのフローチャートを示す図である。
ステップS3901では、MPU402は、後述するステップS3902の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタT1をセットする。具体的には、MPU402は、タイマカウンタT1にエンディング期間TE(2sec)に対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecである場合、MPU402は、タイマカウンタT1に「1000」をセットする。このタイマカウンタT1にセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS3902では、MPU402は、ステップS3901でセットしたタイマカウンタT1の値が0であるか否かに基づいてエンディング期間TEが終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間TEが終了していないと判定した場合(NO)、ステップS3903以降の処理を実行せずに移行処理Bを終了する。また、MPU402は、エンディング期間TEが終了したと判定した場合(YES)、ステップS3903以降の処理を実行する。
ステップS3903では、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データのイントロ部分の出力(再生)が開始される。また、MPU402は、RUSHモードの演出用映像の表示を開始する。具体的には、MPU402は、表示画面GにRUSHモードの演出用映像が表示されるようにコマンドを表示制御装置500へ送信する。表示制御装置500では、MPU502は、MPU402から送信されるコマンドに基づいて表示画面GにRUSHモードの演出用映像が表示されるよう制御を行う。
ステップS3904では、MPU402は、RUSH用右打ちナビ用の音声データ「右打ちして下さい」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データ「右打ちして下さい」がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データ「右打ちして下さい」の出力(再生)が開始され、RUSH用右打ちナビが開始される。
なお、ステップS3902の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、大当たり遊技(第1遊技状態)からRUSHモード(第2遊技状態)に遊技状態を移行させる移行手段(MPU302)と、RUSHモード(第2遊技状態)を遊技者に認識させることを可能とするRUSH突入の報知(第1報知)を大当たり遊技の種別、具体的には特別図柄の種別及びモードが高確率モードか低確率モードかに応じて異なるタイミングで行う報知制御手段(MPU402、スピーカ部26A~26C)とを備えている。パチンコ機は、大当たりの種別、具体的には特図の種別及びモードが高確率モードか低確率モードかに応じてエンディング期間の長さが異なる場合があるが、このような場合に、エンディング期間の長さを考慮せずに第1報知を行うと、大当たり遊技のエンディング期間とRUSHモードとにまたがって第1報知が行われたり、RUSHモードに突入した後(少し遅れて)に第1報知が行われたり等、第1報知が違和感のあるタイミングで報知される虞がある。しかし、パチンコ機10は、RUSH突入の報知(第1報知)を大当たり遊技(第1遊技状態)の種別に応じて異なるタイミングで行うので、遊技者に違和感を生じさせることなくRUSH突入の報知(第1報知)を行うことができ、興趣性が向上する。
(2)本実施形態に係るパチンコ機10の報知制御手段(MPU402、スピーカ部26A~26C)は、大当たり遊技(第1遊技状態)のエンディング期間の長さに応じてRUSH突入の報知(第1報知)を異なるタイミングで行う。このため、エンディング期間の長さを考慮せずにRUSH突入の報知(第1報知)を行い、大当たり遊技のエンディング期間とRUSHモードとにまたがって第1報知が行われたり、RUSHモードに突入した後(少し遅れて)に第1報知が行われたり等、第1報知が違和感のあるタイミングで報知されることを抑制することができる。
(3)本実施形態に係るパチンコ機10の報知制御手段(MPU402、スピーカ部26A~26C)は、大当たり遊技(第1遊技状態)のエンディング期間の長さがRUSH突入の報知(第1報知)に要する時間よりも短いか否かに応じてRUSH突入の報知(第1報知)を異なるタイミングで行う。このため、エンディング期間の長さを考慮せずにRUSH突入の報知(第1報知)を行い、大当たり遊技のエンディング期間とRUSHモードとにまたがって第1報知が行われたり、RUSHモードに突入した後(少し遅れて)に第1報知が行われたり等、第1報知が違和感のあるタイミングで報知されることを防止することができる。
[第9実施形態]
上記第1~第8実施形態では、大当たり遊技のラウンド中にRUSHモードの演出の種類(種別)を選択する実施形態について説明した。本実施形態では、大当たり遊技のエンディング期間中に第4モードM4(以下、RUSHモード)の演出の種類(種別)を選択する実施形態について説明する。以下、本実施形態に係るパチンコ機10について説明するが、第1~第8実施形態に係るパチンコ機10と同一の構成には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図94は、本実施形態の演出種類選択処理のタイミングを示す概略図である。なお、図94では、対比のために、第1~第8実施形態に対応する演出種類選択処理のタイミング及び本実施形態に対応する演出種類選択処理のタイミングについて説明する。図94(a)は、第1~第8実施形態のラウンド遊技中に選択演出を実行する場合の流れを示す図である。図94(b)は、本実施形態のエンディング期間中に選択演出を実行する場合の流れを示す図である。なお、図94中、「OP」はオープニング、「ED」はエンディング、「R」はラウンドを示すものとする。
初めに、図94(a)を参照して、ラウンド遊技中に選択演出が実行される場合の大当たり遊技中の演出の流れについて説明する。音声発光制御装置400では、大当たり遊技の開始に伴って、オープニング演出が開始される(時点t10)。次に、オープニング時間が終了すると、音声発光制御装置400では、オープニング演出が終了されるとともに、ラウンド遊技が開始され、ラウンド演出が開始される(時点t11)。その後、予め定めた回数(例えば、3回)のラウンド遊技が終了すると、音声発光制御装置400では、ラウンド演出として演出種類選択処理が実行される(時点t12)。
なお、音声発光制御装置400では、ラウンド遊技中にとして演出種類選択処理が実行される場合、エンディング演出として演出種類選択処理が実行されるときと同様の表示態様で選択演出が実行される。その後、全てのラウンド遊技が終了すると、音声発光制御装置400は、ラウンド演出を終了するとともに、エンディング演出が開始される(時点t13)。その後、エンディング期間が終了すると、音声発光制御装置400では、エンディング演出が終了され、大当たり遊技が終了される(時点t14)。そして、大当たり遊技の終了後には、選択されている演出モード(例えば、演出MB)が設定され、音声発光制御装置400では、演出MBに対応する背景画像が表示される。
次に、図94(b)を参照して、エンディング期間中に選択演出が実行される場合の大当たり遊技中の演出の流れについて説明する。音声発光制御装置400では、大当たり遊技の開始に伴って、オープニング演出が開始される(時点t20)。次に、オープニング時間が終了すると、音声発光制御装置400では、オープニング演出が終了されるとともにラウンド遊技が開始され、ラウンド演出が開始される(時点t21)。
その後、全ての回数(例えば、15回)のラウンド遊技が終了すると、音声発光制御装置400では、ラウンド演出が終了されるとともに、エンディング演出が開始される(時点t22)。このとき、音声発光制御装置400では、エンディング演出として選択演出が実行される。具体的には、音声発光制御装置400では、RUSHモードでの演出MA~MCに対応する操作画像が表示される。また、音声発光制御装置400では、現在選択されている演出MBに対応する情報が、現在選択されている演出MBとは異なる演出MA,MCに対応する情報と比較して大きく表示される。
また、選択演出の実行中に操作ボタン35が操作され、選択されている演出が変更されると、音声発光制御装置400では、新たに選択された演出MAに対応する情報が、選択されていない演出MB,MCに対応する情報と比較して大きく表示される(時点t23)。その後、エンディング期間が終了すると、音声発光制御装置400では、エンディング演出(選択演出)が終了され、大当たり遊技が終了される(時点t24)。そして、大当たり遊技の終了後には、選択されている演出モード(ここでは、演出MA)が設定され、音声発光制御装置400では、演出MAに対応する背景画像が表示される。
図95は、本実施形態の演出種類選択処理のフローチャートを示す図である。本実施形態では、エンディング期間中に演出種類選択処理を実行する。このため、本実施形態では、音声発光制御装置400のMPU402は、図40のステップS1514でエンディングコマンドを受信した後に演出種類選択処理を実行する点が第1~第8実施形態の演出決定処理と異なる。以下、図95を参照して、本実施形態の演出種類選択処理について説明する。
ステップS4001では、MPU402は、受信した種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「最有利結果」であるか否かを判定する。MPU402は、ステップS4001にて遊技結果が「最有利結果」でないと判定した場合(NO)、演出種類選択処理を終了する。
MPU402は、ステップS4001にて遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合(YES)、ステップS4002において、エンディングコマンドを受信したか(RAM413の各種フラグエリアにエンディングコマンドのフラグが格納されているか)否かを判定する。MPU402は、ステップS4002にてエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(NO)、演出種類選択処理を終了する。
ステップS4002では、MPU402は、エンディングコマンドを受信していると判定した場合(YES)、ステップS4003において、エンディング期間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTにエンディング期間TEに対応する値をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS4004では、MPU402は、演出種類選択演出 を開始するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して演出種類選択演出の画像、具体的には図46(I)に示す画像を表示画面Gに表示する。
ステップS4005では、MPU402は、遊技者による操作ボタン35による演出種類モードMA、MB、MCの選択を受付ける。遊技者は、操作ボタン35の左方向ボタン35b及び/又は右方向ボタン35cを押下げ操作し、表示画面Gに表示された画像GA~GCから好みの演出MA~MCに対応する画像を選択する。このステップS4005では、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して画像GAを選択した場合、選択されている画像GAを他の画像GB及びGCよりも大きく表示するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して選択されている画像GAを他の画像GB及びGCよりも大きく表示させる。
また、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して画像GBを選択した場合、選択されている画像GBを他の画像GA及びGCよりも大きく表示するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して選択されている画像GBを他の画像GA及びGCよりも大きく表示させる。また、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して画像GCを選択した場合、選択されている画像GCを他の画像GA及びGBよりも大きく表示するよう表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して選択されている画像GCを他の画像GA及びGBよりも大きく表示させる。
ステップS4006では、MPU402は、遊技者が操作ボタン35を操作して演出を決定したか、すなわち、決定ボタン35aの押下操作が受付けられたか否かを判定する。ステップS4006において、決定ボタン35aの押下操作が受付けられたと判定される場合(YES)、ステップS4007では、MPU402は、選択されている画像に対応する演出をRUSHモードの演出として設定する。つまり、ステップS4006において、画像GAが選択された状態で決定操作が受付けられた場合、ステップS4007では、MPU402は、演出MAを第1モードM1後に移行するRUSHモードの演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアにRUSHモードの演出として演出MAのフラグを設定する。
また、ステップS4006において、画像GBが選択された状態で決定操作が受付けられた場合、ステップS4007では、MPU402は、演出MBを第1モードM1後に移行するRUSHモードの演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアにRUSHモードの演出として演出MBのフラグを設定する。また、ステップS4006において、画像GCが選択された状態で決定操作が受付けられた場合、ステップS4007では、MPU402は、演出MCを第1モードM1後に移行するRUSHモードの演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアにRUSHモードの演出として演出MCのフラグを設定する。
MPU402は、ステップS4008において、ステップS4003にて設定したエンディング期間TEが経過したか否かをタイマカウンタの値に基づいて判定する。ステップS4008において、エンディング期間TEが経過していると判定される場合(YES)、MPU402は、演出種類選択処理を終了する。また、ステップS4008において、エンディング期間TEが経過していない判定される場合(NO)、MPU402は、ステップS4009において、遊技者に対して決定した演出をキャンセルするかを確認する報知を行うよう指示する。
具体的には、MPU402は、表示画面Gに「演出をキャンセルしますか?」等の決定した演出をキャンセルするかを確認する文字画像を表示するように表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して表示画面Gに「演出をキャンセルしますか?」等の文字画像を表示する。また、MPU402は、「演出をキャンセルしますか?」の音声がスピーカ部26A~26Cから出力されるように制御する。具体的には、MPU402は、ROM412の共通用ROM404に記憶されている「演出をキャンセルしますか?」の音声に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データを読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、スピーカ部26A~26Cから「演出をキャンセルしますか?」の音声が出力されるように音出力LSI403を制御する。
ステップS4010では、MPU402は、ステップS4006で決定した演出がキャンセルされたか否かを判定する。具体的には、MPU402は、遊技者の操作ボタン35の操作に基づいて演出がキャンセルされたか否かを判定する。ステップS4010において、演出がキャンセルされたと判定される場合(YES)、MPU402は、ステップS4005の動作へ戻る。また、ステップS4010において、演出がキャンセルされていないと判定される場合(NO)、MPU402は、演出種類選択演出処理を終了する。
また、ステップS4006において、決定ボタン35aの押下操作が受付けられていないと判定される場合(NO)、MPU402は、ステップS4011において、ステップS4003にて設定したエンディング期間が終了したか否かをタイマカウンタの値に基づいて判定する。ステップS4011において、エンディング期間が終了したと判定される場合(YES)、MPU402は、ステップS4012において、初期設定により予め決められた演出(例えば、演出MA)をRUSHモードでの演出として設定する。具体的には、MPU402は、RAM413の各種設定フラグ格納エリアにRUSHモードの演出として演出MAのフラグを設定する。なお、ステップS4011において、エンディング期間が終了したと判定される場合(YES)、表示画面Gで選択中の画像に対応する演出がRUSHモードにおける演出として自動的に決定されるようにしてもよい。なお、MPU402は、ステップS4012において演出を設定すると演出種類選択演出処理を終了する。
また、ステップS4011において、エンディング期間が終了していると判定されない場合(NO)、MPU402は、ステップS4013において、遊技者に対して演出の選択・決定を促す報知を行うよう指示する。具体的には、MPU402は、表示画面Gに「演出を決定しろ!」、「演出を決定してね!」等の演出の選択・決定を促す文字画像を表示するように表示制御装置500を制御する。表示制御装置500では、MPU402からの指示に基づいて、表示制御装置500のMPU502がVDP505を制御して表示画面Gに「演出を決定しろ!」、「演出を決定してね!」等の演出の選択・決定を促す文字画像を表示する。また、MPU402は、「演出を決定しろ!」、「演出を決定してね!」等の音声がスピーカ部26A~26Cから出力されるように制御する。具体的には、MPU402は、ROM412の共通用ROM404に記憶されている「演出を決定しろ!」、「演出を決定してね!」等の音声に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データを読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、スピーカ部26A~26Cから「演出を決定しろ!」、「演出を決定してね!」等の音声が出力されるように音出力LSI403を制御する。
図96は、本実施形態のRUSH突入とRUSH用右打ちナビの報知タイミングを説明するための図である。図96に示すように、本実施形態では、大当たり遊技のエンディング期間中にRUSHの演出を決定することから、パチンコ機10は、演出決定後のエンディング期間の残り時間に応じてRUSH突入及びRUSH用右打ちナビ(RUSHモード)移行時における右打ち遊技の示唆)の報知タイミングを変化させる。以下、図96を参照して、RUSHモードへの移行処理について詳細に説明する。
なお、本実施形態では、エンディング期間中にRUSHモードの演出を選択・決定するため、エンディング期間開始時にはRUSHモードの演出が決定されておらず、エンディング期間開始時からRUSHモードの音楽を出力(再生)することができない。このため、本実施形態では、図96(a)~(c)に示すように、RUSHモードの演出が決定された時点T3からRUSHモードの音楽(BGM)の出力(再生)を開始されるように制御される。
<パターンA>
初めに、図96(a)を参照して、RUSHモードの演出の決定後のエンディング期間TEの残り時間TR(以下、残り時間TRともいう)が、RUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXとRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYとを加算した時間以上(TR≧(TX+TY))である場合について説明する。
図96(a)に示すように、残り時間TRが、RUSH突入の報知時間TXとRUSH用右打ちナビの報知時間TYとを加算した時間以上である場合、スピーカ部26A~26CからのRUSH突入の報知(具体的には「〇〇RUSH突入」の音声出力(再生))と、スピーカ部26A~26CからのRUSH用右打ちナビの報知時間(具体的には「右打ちして下さい」の音声出力(再生))とが残り時間TR内に行われるよう制御される。
より具体的には、「〇〇RUSH突入」の音声出力は、演出の決定時T3から、残り時間TRからRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TX及びRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYを減算した時間(TR-(TX+TY))の経過後に開始され、RUSH突入の報知後に続けて「右打ちして下さい」の音声出力が開始される。
<パターンB>
次に、図96(b)を参照して、RUSHモードの演出の決定後のエンディング期間TEの残り時間TRが、RUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXとRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYとを加算した時間よりも短く(TR<(TX+TY))、かつRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TX以上(TR≧TX)である場合について説明する。図96(b)に示すように、残り時間TRが、RUSH突入の報知時間TXとRUSH用右打ちナビの報知時間TYとを加算した時間よりも短く、RUSH突入の報知時間TX以上である場合、スピーカ部26A~26CからのRUSH突入の報知(具体的には「〇〇RUSH突入」の音声出力(再生))が残り時間TR内に行われ、RUSH用右打ちナビの報知(具体的には「右打ちして下さい」の音声出力(再生))の音声出力がエンディング期間終了後に行われるよう制御される。
より具体的には、「〇〇RUSH突入」の音声出力は、演出の決定時T3から、残り時間TRからRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXを減算した時間(TR-TX)の経過後に開始され、続けて「右打ちして下さい」の音声出力が開始される。
<パターンC>
次に、図96(c)を参照して、RUSHモードの演出の決定後のエンディング期間TEの残り時間TRが、RUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXよりも短い(TR<TX)場合について説明する。図96(c)に示すように、エンディング期間TEの残り時間TRが、RUSH突入の報知時間TXよりも短い場合、スピーカ部26A~26CからのRUSH突入の報知(具体的には「〇〇RUSH突入」の音声出力(再生))がエンディング期間TEの終了時T2後に行われるよう制御される。
より具体的には、「〇〇RUSH突入」の音声出力は、演出の決定時T3から、残り時間TR経過後に開始される。また、図96(c)に示す場合、エンディング期間TEの終了時T2から映像によるRUSH用右打ちナビが開始される。「〇〇RUSH突入」の音声出力後に続けて「右打ちして下さい」の音声出力を開始すると、すでにRUSHモードに突入しているにも関わらず、RUSH用右打ちナビが開始されていないこととなり、遊技者に不利益となる。また、RUSHモードに突入すると同時に「右打ちして下さい」の音声を出力すると「RUSH突入」と音声が重なってしまう。このため、図96(c)に示す例では、「右打ちして下さい」の音声を出力せずにエンディング期間TEの終了時T2から映像によるRUSH用右打ちナビを開始し、「右打ちして下さい」の音声出力を「〇〇RUSH突入」の音声出力後に開始している。
なお、本実施形態では、エンディング期間中にRUSHモードの演出を選択・決定するため、エンディング期間開始時にはRUSHモードの演出が決定されておらず、エンディング期間開始時からRUSHモードの音楽を出力(再生)することができない。このため、本実施形態では、図96(c)に示すように、RUSHモードの演出が決定された時点からRUSHモードの音楽(BGM)の出力(再生)を開始されるように制御される。
図97は、本実施形態のRUSHモードへの移行処理のフローチャートを示す図である。以下、図97を参照して、本実施形態のRUSHモードへの移行処理を説明する。なお、本実施形態では、エンディング期間中にRUSHモードの演出を選択・決定するため、エンディング期間開始時にはRUSHモードの演出が決定されておらず、エンディング期間開始時からRUSHモードの音楽を出力(再生)することができない。このため、本実施形態では、RUSHモードの演出が決定された時点からRUSHモードの音楽(BGM)の出力(再生)を開始する構成としている。
ステップS4101では、MPU402は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。該判定では、MPU402は、各種フラグ格納エリアにエンディングコマンドが格納されているかを確認する。ステップS4101において、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(YES)、ステップS4102では、MPU402は、エンディング期間TEを取得する。ここで、エンディング期間TEの取得は、主制御装置300から送信されるエンディングコマンドにエンディング期間TEの長さ(sec)の情報を含ませることにより取得できるようにしてもよいし、エンディング期間TEの時間を音声発光制御装置400のROM412に予め記憶させておいて取得できるようにしてもよい。
次いで、ステップS4103では、MPU402は、後述するステップS4106での残り時間TRを算出するためにタイマをスタートさせる。また、ステップS4101において、MPU402は、エンディングコマンドを受信したと判定されない場合(NO)、演出移行処理を終了する。
次いで、ステップS4104では、MPU402は、大当たり遊技後に移行するRUSHモードの演出の種類(種別)が決定されているか否かを判定する。ステップS4104において、大当たり遊技後に移行するRUSHモードの演出の種類(種別)が決定されている場合(YES)、ステップS4105では、MPU402は、大当たり遊技後に移行するRUSHモードの音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、決定された演出MA~MCに対応する音楽データ(BGM)に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから決定された演出に対応するRUSHモードの音楽のイントロ部分の出力(再生)が開始される。
より具体的には、演出MAが決定されている場合、MPU402は、演出MAに対応する音楽データ(BGM)に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。また、演出MBが決定されている場合、MPU402は、演出MBに対応する音楽データ(BGM)に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。さらに、演出MCが決定されている場合、MPU402は、演出MCに対応する音楽データ(BGM)に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。
次いで、ステップS4106では、MPU402は、エンディング期間TEの残り時間TR(以下、残り時間TRともいう)を算出する。具体的には、MPU402は、ステップS4103でスタートさせたタイマをストップし、ステップS4103でスタートしてステップS4106でストップした時間(以下、計測時間ともいう)を算出する。次いで、MPU402は、エンディング期間TEから計測時間を減算してエンディング期間TEの残り時間TRを算出する。また、ステップS4104において、MPU402は、大当たり遊技後に移行するRUSHモードの演出の種別が決定されていると判定されない場合(NO)、演出移行処理を終了する。
ステップS4107では、MPU402は、残り時間TRが、RUSH突入の報知時間TXとRUSH用右打ちナビの報知時間TYとを加算した時間以上(TR≧(TX+TY))であるか否かを判定する。ステップS4107にて、残り時間TRが、RUSH突入の報知時間TXとRUSH用右打ちナビの報知時間TYとを加算した時間以上である場合(YES)、MPU402は、ステップS4108にて、後述するステップS4112の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTをセットする。具体的には、残り時間TRからRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXとRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYを減算した時間(TR-(TX+TY))に対応する値をタイマカウンタTにセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS4107にて、残り時間TRが、RUSH突入の報知時間TXとRUSH用右打ちナビの報知時間TYとを加算した時間よりも短い場合(NO)、MPU402は、ステップS4109にて、残り時間TRが、RUSH突入の報知時間TX以上(TE≧TX)であるか否かを判定する。ステップS4109にて、残り時間TRが、RUSH突入の報知時間TX以上である場合(YES)、MPU402は、ステップS4110にて、後述するステップS4112の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTをセットする。具体的には、残り時間TRからRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXを減算した時間(TR-TX)に対応する値をタイマカウンタTにセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS4109にて、残り時間TRが、RUSH突入の報知時間TXよりも短い場合(NO)、MPU402は、ステップS4111にて、後述するステップS4112の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタTをセットする。具体的には、残り時間TRに対応する値をタイマカウンタTにセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS4112では、MPU402は、ステップS4108、ステップS4110又はステップS4111でセットされた時間が経過したか否か、すなわちタイマカウンタTにセットされた値がゼロとなったか否かを判定する。ステップS4112にて、ステップS4108、ステップS4110又はステップS4111でセットされた時間が経過していない場合(NO)、MPU402は、演出移行処理を終了する。
また、ステップS4112にて、ステップS4108、ステップS4110又はステップS4111でセットされた時間が経過している場合(YES)、ステップS4113では、MPU402は、RUSH突入の音声データの出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSH突入の音声データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、RUSH突入の音声データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26CからRUSH突入の音声の出力(再生)が開始される。
ステップS4114では、MPU402は、RUSH突入の音声データの出力が終了したか否かを判定する。ステップS4114においてRUSH突入の音声データの出力が終了している場合(YES)、ステップS4115では、MPU402は、RUSH用右打ちナビの音声データの出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSH用右打ちナビの音声データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、RUSH突入の音声データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26CからRUSH突入の音声の出力(再生)が開始される。また、ステップS4114においてRUSH突入の音声データの出力が完了していない場合(NO)、MPU402は、演出移行処理を終了する。
なお、上記説明では、図96(b)のパターンBにおいて、エンディング期間TEの残り時間TRが、RUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXとRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYとを加算した時間よりも短く(TE<(TX+TY))、かつRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TX以上(TE≧TX)である場合、「〇〇RUSH突入」の音声出力は、演出の決定時T3から、残り時間TRからRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXを減算した時間(TR-TX)の経過後に開始されるよう制御される。しかしながら、「〇〇RUSH突入」の音声出力が演出の決定時T3から開始されるようにしてもよい。また、この場合においても「〇〇RUSH突入」の音声出力後と同時もしくは略同時に「右打ちして下さい」の音声出力が開始されるようにしてもよい。
このように、図96(b)のパターンBにおいて、「〇〇RUSH突入」の音声出力が演出の決定時T3から開始されるように制御する場合、図97のステップS4110において、タイマカウンタTにセットする値を0としてもよいし、図97のステップS4109にて、エンディング期間TEの残り時間TRが、RUSH突入の報知時間TX以上である場合(YES)、MPU402がステップS4113の動作を行うようにしてもよい。
また、上記説明では、図96(c)のパターンCにおいて、エンディング期間TEの残り時間TRが、RUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXとRUSH用右打ちナビの報知時間(音声出力時間)TYとを加算した時間よりも短く(TE<(TX+TY))、かつRUSH突入の報知時間(音声出力時間)TXよりも短い(TE<TX)場合、スピーカ部26A~26CからのRUSH突入の報知(具体的には「〇〇RUSH突入」の音声出力(再生))がエンディング期間TEの終了時T2後に行われるよう制御される。しかしながら、「〇〇RUSH突入」の音声出力が演出の決定時T3から開始されるようにしてもよい。また、この場合、「〇〇RUSH突入」の音声出力後と同時もしくは略同時に「右打ちして下さい」の音声出力が開始されるようにしてもよい。
このように、図96(c)のパターンCにおいて、「〇〇RUSH突入」の音声出力が演出の決定時T3からから開始されるように制御する場合、図97のステップS4111において、タイマカウンタTにセットする値を0としてもよいし、図97のステップS4109にて、エンディング期間TEの残り時間TRが、RUSH突入の報知時間TX以上でない場合(NO)、MPU402がステップS4113の動作を行うようにしてもよい。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、大当たり遊技(第1遊技状態)から大当たり遊技後に移行するRUSHモード(第2遊技状態)に遊技状態を移行させる移行手段(MPU302)と、RUSHモードを遊技者に認識させることを可能とするRUSH突入の報知(第1報知)を行う報知制御手段(MPU402、スピーカ部26A~26C)と、RUSHモード(第2遊技状態)の演出種類の決定を受け付ける操作手段(操作ボタン35)とを備えており、報知制御手段は、RUSHモード(第2遊技状態)の演出種類が決定されたタイミングに応じてRUSH突入の報知(第1報知)を異なるタイミングで行う。
大当たり遊技後に移行するRUSHモードの演出種類の選択を、大当たり遊技のエンディング期間中に行うパチンコ機がある。このような場合に、RUSHモードの演出種類が決定されたタイミング、言い換えるとエンディング期間の残り時間の長さを考慮せずにRUSH突入の報知を行うと、大当たり遊技のエンディング期間とRUSHモードとにまたがって第1報知が行われたり、RUSHモードに突入した後(少し遅れて)に第1報知が行われたり等、第1報知が違和感のあるタイミングで報知される虞がある。しかし、本実施形態に係るパチンコ機によれば、RUSHモードの演出種類の選択を受け付けたタイミングに応じてRUSH突入の報知を異なるタイミングで行うので、遊技者に違和感を生じさせることなくRUSH突入の報知を行うことができ興趣性を向上することができる。
(2)本実施形態に係るパチンコ機10の報知制御手段は、大当たり技のエンディング期間の残り時間の長さに応じてRUSH突入の報知を異なるタイミングで行う。このため、エンディング期間の残り時間の長さを考慮せずにRUSH突入の報知を行い、大当たり遊技のエンディング期間とRUSHモードとにまたがって第1報知が行われたり、RUSHモードに突入した後(少し遅れて)に第1報知が行われたり等、第1報知が違和感のあるタイミングで報知されることを抑制することができる。
(3)本実施形態に係るパチンコ機10の報知制御手段は、大当たり技のエンディング期間の残り時間の長さがRUSH突入の報知に要する時間よりも短いか否かに応じて、RUSH突入の報知を異なるタイミングで行う。このため、エンディング期間の残り時間の長さを考慮せずにRUSH突入の報知を行い、大当たり遊技のエンディング期間とRUSHモードとにまたがって第1報知が行われたり、RUSHモードに突入した後(少し遅れて)に第1報知が行われたり等、第1報知が違和感のあるタイミングで報知されることを防止することができる。
[第8,第9実施形態の変形例]
なお、上記第8実施形態で説明した、特別図柄の種類(種別)及びパチンコ機10のモード(高確率モードか低確率モードか)に応じてエンディング期間が変化する場合においても、第9実施形態のラウンド遊技中にRUSHモードの演出の種類(種別)を選択する形態を適用することができる。この場合、特別図柄の種類(種別)及びパチンコ機10のモード(高確率モードか低確率モードか)に応じてエンディング期間が変化し、この変化するエンディング期間中にRUSHモードの演出の種類(種別)を選択することとなる。
しかし、エンディング期間中に第1報知(「RUSH突入」)及び第2報知(「右打ちして下さい」)を行うか、エンディング期間中に第1報知のみを行い、RUSHモード突入時に第2報知を行うか、エンディング期間中には第1,第2報知を行わず、RUSHモード突入時に第1報知及び第2報知を行うか、の判断はエンディング期間の残り時間TRに左右される。このため、第8実施形態の特別図柄の種類(種別)及びパチンコ機10のモード(高確率モードか低確率モードか)に応じてエンディング期間が変化する場合に、第9実施形態のラウンド遊技中にRUSHモードの演出の種類(種別)を選択する形態を適用する際にも、図97を参照して説明した移行処理のフローチャートで対応することができる。
具体的には、図97のステップS4101でエンディングコマンドを受信した場合(YES)に、図97のステップS4102において、図86のステップS3402のように大当たり遊技の図柄の種別及びモード(高確率モードか低確率モードか)に応じたエンディング期間TEを取得する。そして図97のステップS4106において残り時間TRを算出する際に、大当たり遊技の図柄の種別及びモード(高確率モードか低確率モードか)に応じたエンディング期間TEから計測時間を減算して、エンディング期間TEの残り時間TRを算出することで、第8実施形態の特別図柄の種類(種別)及びパチンコ機10のモード(高確率モードか低確率モードか)に応じてエンディング期間が変化する場合に、第9実施形態のラウンド遊技中にRUSHモードの演出の種類(種別)を選択する形態を適用することができる。
<移行処理A>
初めに、図98(a)を参照して、残り時間TRがイントロ長さTIよりも長い場合(例えば、エンディング期間TE開始直後で演出が選択された場合)について説明する。この場合の移行処理では、残り時間TRがイントロ長さTIよりも長いため、イントロの出力がエンディング期間TE中に終了してしまう。このため、イントロの出力終了後からエンディング期間TEの終了までの間、第1特殊演出が実行される。この第1特殊演出は、例えば、「はじまるよ!」などの音声をスピーカ部26A~26Cから出力させるとともに、この音声に対応する映像(例えば、キャラがしゃべっている映像)を表示画面Gに表示させるよう制御され、遊技者にRUSHモードへ移行する期待感や高揚感を持たせる演出が実行される。
具体的には、RUSHモードの演出決定時T3から、スピーカ部26A~26CからRUSHモードの演出で使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。また、イントロ部分の出力終了後にイントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。また、イントロの出力終了後からエンディング期間TEの終了までの間、第1特殊演出が実行される。また、エンディング期間の終了時T2には、右打ち遊技を示唆するためのRUSH用右打ちナビがスタートするよう制御される。すなわち、RUSH用右打ちナビは、エンディング期間TEの終了時、換言すると、RUSHモードの開始時に開始されるよう制御される。また、エンディング期間TEの終了時T2には、RUSH用の演出の映像演出が開始されるよう制御される。
なお、RUSH用右打ちナビの音量は、通常よりも小さく再生されるように制御される。RUSH突入時のRUSH用右打ちナビの音量を通常よりも小さくすることで、RUSH突入の際に遊技者にRUSH用右打ちナビの音声「右打ちして下さい」が耳障りとなることを防ぎ、遊技者が興ざめすることを防止できる。また、エンディング期間の終了時T2に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるように制御してもよい。この場合、「右打ちだ」の音声出力に加えて「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるよう制御されてもよい。また、この移行処理では、イントロ部分の出力終了後にスピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。また、図98(a)の例では、右打ちナビの後にRUSH突入報知を行っているが、右打ちナビの前にRUSH突入報知を行うようにしてもよい。
<移行処理B>
次に、図98(b)を参照して、残り時間TRがイントロ長さTIよりも短い場合(例えば、エンディング期間開始から数秒程度時間が経過してから演出が選択された場合)について説明する。この場合の移行処理では、残り時間TRがイントロ長さTIよりも短いため、エンディング期間TE終了後もイントロが出力される。このため、エンディング期間TEの終了からイントロの出力終了までの間、第2特殊演出が実行される。この第2特殊演出は、大当り遊技で獲得した賞球数やロゴマークを表示画面Gに表示し、RUSHモードに入っているにもかかわらず、あたかもエンディング期間が継続しているかのような感覚を遊技者に与える演出が実行される。なお、残り時間TRの長さとイントロ長さTIとの差が長い(大きい)場合、大当り遊技で獲得した賞球数やロゴマークを表示画面Gに表示するようにしてもよいし、任意のキャラを表示するようにして時間調整を行うよう制御されてもよい。
具体的には、RUSHモードの演出決定時T3から、スピーカ部26A~26Cから第4モードM4の演出で使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。また、イントロ部分の出力終了後にイントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。また、エンディング期間TEの終了時T2からイントロの出力終了までの間、第2特殊演出が実行される。また、エンディング期間の終了時T2には、右打ち遊技を示唆するためのRUSH用右打ちナビがスタートするよう制御される。すなわち、RUSH用右打ちナビは、エンディング期間TEの終了時、換言すると、RUSHモードの開始時に開始されるよう制御される。また、イントロ出力の終了時には、RUSHモードの演出の映像演出が開始されるよう制御される。
なお、RUSH用右打ちナビの音量は、通常よりも小さく再生されるように制御される。RUSH突入時のRUSH用右打ちナビの音量を通常よりも小さくすることで、RUSH突入の際に遊技者にRUSH用右打ちナビの音声「右打ちして下さい」が耳障りとなることを防ぎ、遊技者が興ざめすることを防止できる。また、エンディング期間の終了時T2に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるように制御してもよい。この場合、「右打ちだ」の音声出力に加えて「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるよう制御されてもよい。また、この移行処理では、イントロ部分の出力終了後にスピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。また、図98(b)の例では、右打ちナビの後にRUSH突入報知を行っているが、右打ちナビの前にRUSH突入報知を行うようにしてもよい。
<移行処理C>
次に、図98(c)を参照して、残り時間TRがイントロ長さTIよりも非常に短い場合(例えば、エンディング期間TE終了の直前で演出が選択された場合)について説明する。この場合の移行処理では、残り時間TRがイントロ長さTIよりも非常に短いため、エンディング期間TE中にイントロ部分がほとんど出力されずにエンディング期間TEが終了する。このため、図98(c)に示す場合では、エンディング期間TE終了後にイントロの出力を開始する。また、イントロの出力終了後には、イントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。
具体的には、エンディング期間TEの終了時T2から、スピーカ部26A~26CからRUSHモードの演出で使用される音楽のイントロ部分の出力が開始されるよう制御される。また、イントロ部分の出力終了後にイントロ部分に続くAメロ部分が続けて出力されるよう制御される。また、エンディング期間の終了時T2には、右打ち遊技を示唆するためのRUSH用右打ちナビがスタートするよう制御される。すなわち、RUSH用右打ちナビは、エンディング期間TEの終了時、換言すると、RUSHモードの開始時に開始されるよう制御される。また、エンディング期間TEの終了時T2には、RUSHモードの演出の映像演出が開始されるよう制御される。
なお、RUSH用右打ちナビの音量は、通常よりも小さく再生されるように制御される。RUSH突入時のRUSH用右打ちナビの音量を通常よりも小さくすることで、RUSH突入の際に遊技者にRUSH用右打ちナビの音声「右打ちして下さい」が耳障りとなることを防ぎ、遊技者が興ざめすることを防止できる。また、エンディング期間の終了時T2に、右打ち遊技を示唆するための「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるように制御してもよい。この場合、「右打ちだ」の音声出力に加えて「右打ちしてください」等の文字が表示画面Gに表示されるよう制御されてもよい。また、この移行処理では、イントロ部分の出力終了後にスピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声が出力されるよう制御される。
なお、残り時間TRがイントロ長さTIよりも非常に短い場合、図98(d)に示すように、イントロ部分の出力を行わずに、エンディング期間TEの終了時T2から、スピーカ部26A~26CからRUSHモードの演出で使用される音楽のAメロ部分の出力が開始されるよう制御されてもよい。また、図98(c)、図98(d)の例では、右打ちナビの後にRUSH突入報知を行っているが、右打ちナビの前にRUSH突入報知を行うようにしてもよい。
<演出移行処理>
次に、図98を参照して説明したRUSHモードへの移行処理について、図99~図103を参照して詳細に説明する。図99は、RUSHモードへの移行処理のフローチャートを示す図である。ここでは、図98を参照して説明したRUSHモードへの移行処理の音声発光制御装置400の動作について説明する。
ステップS4201では、MPU402は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。該判定では、MPU402は、各種フラグ格納エリアにエンディングコマンドが格納されているかを確認する。ステップS4201において、MPU402は、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(YES)、ステップS4202では、MPU402は、エンディングコマンドに基づいてエンディング期間TEを取得する。なお、主制御装置300から送信されるエンディングコマンドにエンディング期間TEの長さ(sec)の情報を含ませることによりエンディング期間TEを取得できるようにしてもよいし、示すエンディング期間TEに対応する値を音声発光制御装置400のROM412にも記憶させておき、コマンド種別から大当りの種別を判定してエンディング期間TEを認識するようにしてもよい。また、ステップS4201において、MPU402は、エンディングコマンドを受信したと判定されない場合(NO)、演出移行処理を終了する。
ステップS4203では、MPU402は、後述するステップS4205での残り時間TRを算出するためにタイマをスタートさせる。
次いで、ステップS4204では、MPU402は、大当たり遊技後に移行するRUSHモードの演出の種類(種別)が決定されているか否かを判定する。ステップS4204において、大当たり遊技後に移行するRUSHモードの演出の種類(種別)が決定されていない場合(NO)、MPU402は、演出移行処理を終了する。
また、ステップS4204において、大当たり遊技後に移行するRUSHモードの演出の種類(種別)が決定されている場合(YES)、ステップS4205では、MPU402は、残り時間TRを算出する。具体的には、MPU402は、ステップS4203でスタートしたタイマをストップし、ステップS4202で取得したエンディング期間TEからタイマで計測した時間を減算してエンディングの残り時間TRを算出する。
ステップS4206では、MPU402は、残り時間TRが選択された演出の音楽(BGM)のイントロの長さTIよりも長いか否かを判定する。ステップS4206において、残り時間TRがイントロの長さTIよりも長い場合(YES)、MPU402は、ステップS4207にて、移行処理D(残り時間TRがイントロ長さTIよりも長い場合)を実行する。なお、移行処理Dの詳細については後述する。
ステップS4206において、残り時間TRがイントロの長さTIよりも長くない場合(NO)、MPU402は、ステップS4208にて、残り時間TRがイントロの長さTIと同じであるか否かを判定する。ステップS4208において、残り時間TRがイントロの長さTIと同じである場合(YES)、MPU402は、ステップS4209にて、移行処理E(残り時間TRがイントロ長さTIと同じ場合)を実行する。なお、移行処理Eの詳細については後述する。
ステップS4208において、残り時間TRがイントロの長さTIと同じでない場合(NO)、MPU402は、ステップS4210にて、残り時間TRがイントロの長さTIの半分(TI/2)よりも長いか否かを判定する。ステップS4210において、残り時間TRがイントロの長さTIの半分(TI/2)よりも長い場合(YES)、MPU402は、ステップS4211にて、図98(b)を参照して説明した移行処理F(残り時間TRがイントロ長さTIの半分(TI/2)よりも長い場合)を実行する。なお、移行処理Fの詳細については後述する。
ステップS4210において、残り時間TRがイントロ長さTIの半分(TI/2)よりも長くない場合(NO)、MPU402は、ステップS4212にて、図98(c)、図98(d)を参照して説明した移行処理G(残り時間TRがイントロ長さTIの半分(TI/2)よりも長くない場合)を実行する。なお、移行処理Gの詳細については後述する。
なお、ステップS4210では、残り時間TRがイントロ長さTIの半分(TI/2)よりも長くない場合を例として場合分けをしているが、ステップS4210で場合分けをする残り時間TRの長さは任意であり、例えば、2sec以下の場合に場合分けするようしてもよい。
<移行処理D>
次に、図99のステップS4207の移行処理Dについて、図100を参照して詳細に説明する。図100は、移行処理Dのフローチャートを示す図である。
ステップS4301では、MPU402は、残り時間TRからイントロの長さTIを減算した値の絶対値|TR-TI|を算出する。
ステップS4302では、MPU402は、後述するステップS4304及びステップS4306の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタT2及びT3をセットする。具体的には、MPU402は、タイマカウンタT2にイントロの長さTIに対応する値を計測時間としてセットし、タイマカウンタT3にステップS4301で算出した絶対値(|TR-TI|)に対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecであり、イントロの長さTIが10secである場合、MPU402は、タイマカウンタT2に「5000」をセットし、絶対値が2secである場合、MPU402は、タイマカウンタT3に「1000」をセットする。このタイマカウンタT2,T3にセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS4303では、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データのイントロ部分の出力(再生)が開始される。
ステップS4304では、MPU402は、ステップS4302でセットしたタイマカウンタT2の値が0であるか否かに基づいてBGMのイントロ部分の出力が終了したか否かを判定する。MPU402は、イントロ部分の出力が終了していないと判定した場合(NO)、ステップS4305以降の処理を実行せずに移行処理Dを終了する。また、MPU402は、イントロ部分の出力が終了したと判定した場合(YES)、ステップS4305以降の処理を実行する。
ステップS4305では、MPU402は、第1特殊演出を開始する。具体的には、MPU402は、「はじまるよ!」の音声に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、「はじまるよ!」の音声がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「はじまるよ!」の音声の出力(再生)が開始される。また、MPU402は、この音声に対応する映像(例えば、キャラがしゃべっている映像)を表示画面Gに表示させるよう制御する。具体的には、MPU402は、表示画面Gに音声に対応する映像が表示されるように第1特殊演出開始コマンドを表示制御装置500へ送信する。表示制御装置500では、MPU502は、MPU402から送信される第1特殊演出開始コマンドに基づいて表示画面Gに音声に対応する映像が表示されるよう制御を行う。
また、ステップS4305では、MPU402は、「はじまるよ!」の音声に続けてRUSH突入用の「RUSH突入」の音声に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、「RUSH突入」の音声がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」の音声の出力(再生)が開始される。なお、「はじまるよ!」を文字で表示画面に表示し、「RUSH突入」の音声をスピーカ部26A~26Cから出力するようにしてもよいし、「はじまるよ!」の音声をスピーカ部26A~26Cから出力し、「RUSH突入」の文字を表示画面Gに表示するようにしてもよい。
ステップS4306では、MPU402は、ステップS4302でセットしたタイマカウンタT3の値が0であるか否かに基づいてエンディング期間TEが終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間TEが終了していないと判定した場合(NO)、ステップS4307以降の処理を実行せずに移行処理Dを終了する。また、MPU402は、エンディング期間TEが終了したと判定した場合(YES)、ステップS4307以降の処理を実行する。ステップS4307では、MPU402は、第1特殊演出を終了させるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「はじまるよ!」などの音声の出力(再生)が停止される。また、MPU402は、第1特殊演出停止コマンドを表示制御装置500へ送信する。表示制御装置500では、MPU502は、MPU402から送信される第1特殊演出停止コマンドに基づいて表示画面Gへの音声に対応する映像の表示が停止されるよう制御を行う。
ステップS4308では、MPU402は、RUSH用右打ちナビ用の音声データ「右打ちして下さい」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データ「右打ちして下さい」がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データ「右打ちして下さい」の出力(再生)が開始され、RUSH用右打ちナビが開始される。
ステップS4309では、MPU402は、表示制御装置500にRUSH演出用の映像演出を開始するよう指示する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に、演出用データ記憶エリア1032に格納されているRUSH演出用の映像データを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032からRUSH演出用の映像データを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
なお、ステップS4304及びステップS4306の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
<移行処理E>
次に、図99のステップS4209の移行処理Eについて、図101を参照して詳細に説明する。図101は、移行処理Eのフローチャートを示す図である。
ステップS4401では、MPU402は、後述するステップS4403の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタT2をセットする。具体的には、MPU402は、タイマカウンタT2にイントロの長さTIに対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecであり、イントロの長さTIが10secである場合、MPU402は、タイマカウンタT2に「5000」をセットする。このタイマカウンタT2にセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。なお、図99に示す例の場合、イントロの長さTIと残り時間TRとが同じ長さであるため、ステップS4401でタイマカウンタT2にイントロの長さTIに対応する値をセットする代わりに、タイマカウンタT4に残り時間TRに対応する値をセットするようにしてもよい。
ステップS4402では、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データのイントロ部分の出力(再生)が開始される。
ステップS4403では、MPU402は、ステップS4402でセットしたタイマカウンタT2の値が0であるか否かに基づいてBGMのイントロ部分の出力が終了したか否かを判定する。MPU402は、イントロ部分の出力が終了していないと判定した場合(NO)、ステップS4405以降の処理を実行せずに移行処理Dを終了する。また、MPU402は、イントロ部分の出力が終了したと判定した場合(YES)、ステップS4404以降の処理を実行する。
ステップS4404では、MPU402は、RUSH用右打ちナビ用の音声データ「右打ちして下さい」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データ「右打ちして下さい」がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データ「右打ちして下さい」の出力(再生)が開始され、RUSH用右打ちナビが開始される。
ステップS4405では、MPU402は、表示制御装置500にRUSH演出用の映像演出を開始するよう指示する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に、演出用データ記憶エリア1032に格納されているRUSH演出用の映像データを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032からRUSH演出用の映像データを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
なお、ステップS4403の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
<移行処理F>
次に、図99のステップS4211の移行処理Fについて、図102を参照して詳細に説明する。図102は、移行処理Fのフローチャートを示す図である。
ステップS4501では、MPU402は、後述するステップS4503及びステップS4506の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタT2及びT4をセットする。具体的には、MPU402は、タイマカウンタT2にイントロの長さTIに対応する値を計測時間としてセットし、タイマカウンタT4に残り時間TRに対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecであり、イントロの長さTIが10secである場合、MPU402は、タイマカウンタT2に「5000」をセットし、残り時間TRが7secである場合、MPU402は、タイマカウンタT4に「3500」をセットする。このタイマカウンタT2,T4にセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS4502では、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データのイントロ部分の出力(再生)が開始される。
ステップS4503では、MPU402は、ステップS4501でセットしたタイマカウンタT4の値が0であるか否かに基づいてエンディング期間TEが終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間TEが終了していないと判定した場合(NO)、ステップS4504以降の処理を実行せずに移行処理Fを終了する。また、MPU402は、エンディング期間TEが終了したと判定した場合(YES)、ステップS4504以降の処理を実行する。ステップS4504では、MPU402は、第2特殊演出を実行する。具体的には、MPU402は、大当り遊技にて獲得した賞球数に対応する文字画像(例えば、ロゴ化されアラビア数字)を表示画面Gに表示するよう表示制御装置500に指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、賞球数に対応する文字画像をVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
ステップS4505では、MPU402は、RUSH用右打ちナビ用の音声データ「右打ちして下さい」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データ「右打ちして下さい」がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データ「右打ちして下さい」の出力(再生)が開始され、RUSH用右打ちナビが開始される。
ステップS4506では、MPU402は、ステップS4501でセットしたタイマカウンタT2の値が0であるか否かに基づいてBGMのイントロ部分の出力が終了したか否かを判定する。MPU402は、イントロ部分の出力が終了していないと判定した場合(NO)、ステップS4507以降の処理を実行せずに移行処理Fを終了する。また、MPU402は、イントロ部分の出力が終了したと判定した場合(YES)、ステップS4507以降の処理を実行する。
ステップS4507では、MPU402は、MPU402は、第2特殊演出を停止させるよう表示制御装置500に指示する。具体的には、MPU402は、第2特殊演出停止コマンドを表示制御装置500に送信する。表示制御装置500では、MPU502は、MPU402から送信される第2特殊演出停止コマンドに基づいて表示画面Gへの大当り遊技にて獲得した賞球数に対応する文字画像の表示が停止されるよう制御を行う。
ステップS4508では、MPU402は、RUSH突入用の「RUSH突入」の音声に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、「RUSH突入」の音声がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから「RUSH突入」報知、換言すると「RUSH突入」の音声の出力(再生)が開始される。なお、「RUSH突入」を文字で表示画面に表示するとともに、「RUSH突入」の音声をスピーカ部26A~26Cから出力するようにしてもよい。
ステップS4509では、MPU402は、表示制御装置500にRUSH演出用の映像演出を開始するよう指示する。具体的には、MPU402は、表示制御装置500のMPU502に、演出用データ記憶エリア1032に格納されているRUSH演出用の映像データを読み出して再生するよう指示する。表示制御装置500のMPU502は、MPU402からの指示に基づいて、演出用データ記憶エリア1032からRUSH演出用の映像データを読み出してVDP505に表示画面Gに表示させるよう制御する。
なお、ステップS4503及びステップS4506の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
<移行処理G>
次に、図99のステップS4212の移行処理Gについて、図103を参照して詳細に説明する。図103は、移行処理Gのフローチャートを示す図である。
ステップS4601では、MPU402は、後述するステップS4602の時間を計測するためにRAM413の各種カウンタエリアに設けられたタイマカウンタT4をセットする。具体的には、MPU402は、タイマカウンタT4に残り時間TRに対応する値を計測時間としてセットする。例えば、タイマ割込み処理の周期が2msecであり、残り時間TRが2secである場合、MPU402は、タイマカウンタT4に「1000」をセットする。このタイマカウンタT4にセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
ステップS4602では、MPU402は、ステップS4601でセットしたタイマカウンタT4の値が0であるか否かに基づいてエンディング期間TEが終了したか否かを判定する。MPU402は、エンディング期間TEが終了していないと判定した場合(NO)、ステップS4603以降の処理を実行せずに移行処理Gを終了する。また、MPU402は、エンディング期間TEが終了したと判定した場合(YES)、ステップS4603以降の処理を実行する。
ステップS4603では、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽(BGM)の出力を開始する。具体的には、MPU402は、RUSHモードの演出用の音楽データに対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音楽データがスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音楽データのイントロ部分の出力(再生)が開始される。また、MPU402は、RUSHモードの演出用映像の表示を開始する。具体的には、MPU402は、表示画面GにRUSHモードの演出用映像が表示されるようにコマンドを表示制御装置500へ送信する。表示制御装置500では、MPU502は、MPU402から送信されるコマンドに基づいて表示画面GにRUSHモードの演出用映像が表示されるよう制御を行う。
ステップS4604では、MPU402は、RUSH用右打ちナビ用の音声データ「右打ちして下さい」に対応するシーケンスデータ、パラメータデータ及び音データをROM412及び共通用ROM404から読み出して音出力LSI403のレジスタ403bに設定し、音声データ「右打ちして下さい」がスピーカ部26A~26Cから出力されるよう音出力LSI403を制御する。これにより、スピーカ部26A~26Cから音声データ「右打ちして下さい」の出力(再生)が開始され、RUSH用右打ちナビが開始される。
なお、ステップS4602の時間を計測する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロック(RTC)を用いて測定してもよい。
[各実施形態から抽出される発明群]
以下、前記各実施形態から抽出される発明の特徴を説明する。なお、本発明群の特徴のうち、前記各実施形態において対応する構成を括弧書きで示すが、本発明群の特徴は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明群の特徴の目的を達成できる範囲での変形、改良等、各特徴の組み合わせは本発明群の特徴に含まれるものである。例えば、上記の各実施形態では、ROM412に記憶されているパラメータによりスピーカ部26A~26Eの音量、換言すると増幅器の増幅率を変化させているが、ボリューム設定によりスピーカ部26A~26Eの音量を変化させるように構成してもよい。
<特徴A群>
特徴A1.
特徴A1に係る遊技機(遊技機10)は、
固定枠(外枠11)に対し開閉可能に支持された枠体(内枠13、前扉枠14)と、
前記枠体に設けられた複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)と、
前記枠体の開放を検出する検出装置(第1,第2監視装置250,290)と、
前記検出装置により前記枠体の開放が検出されると前記複数の音響装置を制御して異常を報知する異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)とを備え、
前記異常報知手段は、
前記異常を報知する際に、前記複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を他の音響装置の音量よりも小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴A1によれば、異常を報知する際に複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくするので、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
特徴A2.
特徴A2に係る遊技機(遊技機10)は、特徴A1に係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記固定枠(外枠11)の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち前記支持側とは異なる側に配置された音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)の音量を他の音響装置(スピーカ部26B,26C又はスピーカ部26A)の音量よりも小さく(再生音量をゼロ又は略ゼロとする態様が含まれる)することを特徴とする。
本発明群の特徴A2によれば、枠体の支持側とは異なる側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の音量を小さくする。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
特徴A3.
特徴A3に係る遊技機(遊技機10)は、特徴A2に係る遊技機において、
前記異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち前記支持側に配置された音響装置(スピーカ部26B,26C又はスピーカ部26A)の音量を小さくしないことを特徴とする。
本発明群の特徴A3によれば、枠体の支持側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって遠い側に配置された音響装置の音量を小さくしない。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞を低減しつつ、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
特徴A4.
特徴A4に係る遊技機(遊技機10)は、特徴A1乃至特徴A3のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)は、
前記固定枠に対して開閉可能に支持された第1枠体(内枠13)と、
前記第1枠体に対して開閉可能に支持された第2枠体(前扉枠14)とを備え、
前記検出装置(第1,第2監視装置250,290)は、
前記第1枠体の開放を検出する第1検出装置(第2監視装置290)と、
前記第2枠体の開放を検出する第2検出装置(第1監視装置250)とを備えることを特徴とする。
本発明群の特徴A4によれば、枠体は、第1枠体及び第2枠体から構成され、第1,第2枠体のそれぞれに枠体が開放されたことを検出する検出装置を備えるので、第1,第2枠体のいずれが開放された場合でも、その開放を検出して異常が報知される。
特徴A5.
特徴A5に係る遊技機(遊技機10)は、特徴A4に係る遊技機において、
前記第1枠体(内枠13)に対して後方側へ回転可能に支持される箱状体(裏パックユニット15)と、
前記箱状体の開放を検出する検出器(裏パックユニット開放検出器289)とを備え、
前記異常報知手段は、
前記箱状体の開放が検出されると、前記複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴A5によれば、箱状体(裏パックユニット15)が開放されていると判定される場合には、警告音を小さくする構成(2段階制御)としている。これにより、時間を要するメンテナンス等の間、いつまでも大音量の警告音を聞く必要がなく、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞がさらに低減される。
特徴A6.
特徴A6に係る遊技機(遊技機10)は、特徴A4又は特徴A5に係る遊技機において、
前記第1枠体(内枠13)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記固定枠の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記第2枠体(前扉枠14)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記第1枠体の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち、前記第1,第2検出装置(第2,第1監視装置290,250)により開放が検出された枠体の支持側とは異なる側に配置された音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)の音量を他の音響装置(スピーカ部26B,26C又はスピーカ部26A)の音量よりも小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴A6によれば、第1,第2検出装置により開放が検出された枠体の支持側とは異なる側、換言すると、第1,第2枠体のいずれかを開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の音量を小さくする。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
特徴A7.
特徴A7に係る遊技機(遊技機10)は、特徴A1乃至特徴A6のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)が右側部又は左側部のいずれの側を支持側として開放されたかを検出する検出器を備え、
前記異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)は、
前記異常を報知する際に、前記検出器での検出結果に応じて、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうちのいずれの音量を他の音響装置の音量よりも小さくするかを判定することを特徴とする。
本発明群の特徴A7によれば、枠体が右側か左側のどちら側が開放されたかを検出することができる。このため、枠体が両開構造を有する場合でも、枠体の支持側とは異なる側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の音量を小さくすることができる。
特徴A8.
特徴A8に係る遊技機(遊技機10)は、特徴A1乃至特徴A7のいずれかに係る遊技機において、
演出用の音データを再生して前記複数の音響装置から出力させる音声演出実行手段(MPU402)を備え、
前記音声演出実行手段は、
前記異常報知手段が異常を報知する際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴A8によれば、異常を報知する際に、BGM(演出用の音楽や音声を含む)を停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に再生音量を所定値まで下げる処理を行う。このため、BGMが急に停止され、警告音に替わることによる違和感を生ずることなく報知を行うことができる。
特徴A9.
特徴A9に係る遊技機(遊技機10)は、特徴A8に係る遊技機において、
前記異常報知手段は、
前記異常の報知を停止する際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記報知音をゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、
前記音声演出実行手段は、
前記異常の報知が停止される際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に大きくすることを特徴とする。
本発明群の特徴A9によれば、異常の報知を停止する際に、報知音をゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に大きくする。このため、警告音が急に停止され、BGM(演出用の音楽や音声を含む)に替わることによる違和感を生ずることなく復帰を行うことができる。
特徴A10.
特徴A10に係る遊技機(遊技機10)は、特徴A1乃至特徴A9のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体に各々配置された複数の表示ランプ装置(表示ランプ装置23A,23B)と、
演出用の発光データに基づいて、前記複数の表示ランプ装置を発光させる発光演出実行手段(MPU402)とを備え、
前記発光演出実行手段は、
前記異常報知手段が異常を報知する際に、前記複数の表示ランプ装置の少なくとも一方を発光させない(換言すると消灯させる)ことを特徴とする。
本発明群の特徴A10によれば、枠体(内枠13又は前扉枠14)が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bの少なくとも一方が発光しないように構成されている。このため、隣席で遊技を行う遊技者が表示ランプ装置23A,23Bの発光を煩わしく思う虞が低減される。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が爽快感や没入感を失い、興ざめする虞が低減される。
このような本発明の特徴A群によれば、異常を報知する際に複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくするため、次のような課題を解決することができる。
扉体は、通常、固定枠に前方側(遊技者側)へ回転可能に支持されており、例えば、メンテナンス(整備・維持・保守・点検・手入れ)や修理の際に扉体を開くと扉体が隣席の遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向するようにして開くことになる。扉体の開放が検出されると異常報知がスピーカ(音響装置)から発せられるが、ホールの運営者や従業員に聞こえるように大音量で出力される。このため、隣席で遊技を行う遊技者にとって非常に煩わしく感じられる。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなる虞があり、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする。
<特徴B群>
特徴B1.
特徴B1に係る遊技機(遊技機10)は、
固定枠(外枠11)に対し開閉可能に支持された第1枠体(内枠13)と、
前記第1枠体に対し開閉可能に支持された第2枠体(前扉枠14)と、
前記第1枠体に設けられた第1音響装置(スピーカ部26D,26E)と、
前記第2枠体に設けられた1以上の第2音響装置(スピーカ部26A~26C)と、
前記第1,第2枠体の開放を検出する検出装置(第1,第2監視装置250,290)と、
前記検出装置により前記第1枠体又は第2枠体の開放が検出されると前記第1音響装置を制御して異常を報知する異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)とを備えることを特徴とする。
本発明群の特徴B1によれば、検出装置により第1枠体又は第2枠体の開放が検出されると第1音響装置を制御して異常を報知する。第1音響装置は、第1枠体に設けられているので、第1音響装置からの異常報知音が隣席で遊技を行う遊技者に向かって出力されない。このため、遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
特徴B2.
特徴B2に係る遊技機(遊技機10)は、特徴B1に係る遊技機において、
前記検出装置(第1,第2監視装置250,290)は、
前記第1枠体(内枠13)の開放を検出する第1検出装置(第2監視装置290)と、
前記第2枠体(前扉枠14)の開放を検出する第2検出装置(第1監視装置250)とを備えることを特徴とする。
本発明群の特徴B2によれば、第1,第2枠体のそれぞれに枠体が開放されたことを検出する検出装置を備えるので、第1,第2枠体のいずれが開放された場合でも、その開放を検出して異常が報知される。
特徴B3.
特徴B3に係る遊技機(遊技機10)は、特徴B1又は特徴B2に係る遊技機において、
前記第1枠体(内枠13)に対して後方側へ回転可能に支持される箱状体(裏パックユニット15)と、
前記箱状体の開放を検出する検出器(裏パックユニット開放検出器289)とを備え、
前記異常報知手段は、
前記箱状体の開放が検出されると、前記複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴B3によれば、箱状体(裏パックユニット15)が開放されていると判定される場合には、警告音を小さくする構成としている。これにより、時間を要するメンテナンス等の間、いつまでも大音量の警告音を聞く必要がなく、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞がさらに低減される。
特徴B4.
特徴B4に係る遊技機(遊技機10)は、特徴B1乃至特徴B3のいずれかに係る遊技機において、
前記第1枠体(内枠13)は、遊技球が流下する遊技盤(遊技盤81)を有し、
前記第1音響装置(スピーカ部26D,26E)は、
前記第1枠体の遊技盤に設けられていることを特徴とする。
本発明群の特徴B4によれば、第1音響装置が遊技盤に設けられているので、第1音響装置の配置位置(レイアウト)の自由度が向上する。また、遊技盤に取り付けるので第1音響装置の取り付けが容易となる。
特徴B5.
特徴B5に係る遊技機(遊技機10)は、特徴B1乃至特徴B4のいずれかに係る遊技機において、
前記第2枠体(前扉枠14)は、前記第1音響装置(スピーカ部26D)から出力される音を透過させるための開口(開口部14c)を有し、
前記開口は、前記第2枠体を閉じた際に前記第1音響装置に対向する位置に形成されていることを特徴とする。
本発明群の特徴B5によれば、第1音響装置を異常報知の出力だけでなく、遊技中の効果音やBGMの出力にも利用することができる。このため、異常報知音の出力用に新たに音響装置を取り付ける必要がなく、遊技機の製造コストを低減することができる。
特徴B6.
特徴B6に係る遊技機(遊技機10)は、特徴B1乃至特徴B5のいずれかに係る遊技機において、
演出用の音データを再生して前記複数の音響装置から出力させる音声演出実行手段(MPU402)を備え、
前記音声演出実行手段は、
前記異常報知手段が異常を報知する際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴B6によれば、異常を報知する際に、BGM(演出用の音楽や音声を含む)を停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に再生音量を所定値まで下げる処理を行う。このため、BGMが急に停止され、警告音に替わることによる違和感を生ずることなく報知を行うことができる。
特徴B7.
特徴B7に係る遊技機(遊技機10)は、特徴B6に係る遊技機において、
前記異常報知手段は、
前記異常の報知を停止する際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記報知音をゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、
前記音声演出実行手段は、
前記異常の報知が停止される際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に大きくすることを特徴とする。
本発明群の特徴B7によれば、異常の報知を停止する際に、報知音をゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に大きくする。このため、警告音が急に停止され、BGM(演出用の音楽や音声を含む)に替わることによる違和感を生ずることなく復帰を行うことができる。
特徴B8.
特徴B8に係る遊技機(遊技機10)は、特徴B1乃至特徴B7のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体に各々配置された複数の表示ランプ装置(表示ランプ装置23A,23B)と、
演出用の発光データに基づいて、前記複数の表示ランプ装置を発光させる発光演出実行手段(MPU402)とを備え、
前記発光演出実行手段は、
前記異常報知手段が異常を報知する際に、前記複数の表示ランプ装置の少なくとも一方を発光させない(換言すると消灯する)ことを特徴とする。
本発明群の特徴B8によれば、枠体(内枠13又は前扉枠14)が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bの少なくとも一方が発光しないように構成されている。このため、隣席で遊技を行う遊技者が表示ランプ装置23A,23Bの発光を煩わしく思う虞が低減される。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が爽快感や没入感を失い、興ざめする虞が低減される。
このような本発明の特徴B群によれば、異常を報知する際に複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくするため、次のような課題を解決することができる。
扉体は、通常、固定枠に前方側(遊技者側)へ回転可能に支持されており、例えば、メンテナンス(整備・維持・保守・点検・手入れ)や修理の際に扉体を開くと扉体が隣席の遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向するようにして開くことになる。扉体の開放が検出されると異常報知がスピーカ(音響装置)から発せられるが、ホールの運営者や従業員に聞こえるように大音量で出力される。このため、隣席で遊技を行う遊技者にとって非常に煩わしく感じられる。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなる虞があり、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする。
<特徴C群>
特徴C1.
特徴C1に係る遊技機(遊技機10)は、
固定枠(外枠11)に対し開閉可能に支持された枠体(内枠13、前扉枠14)と、
前記枠体に設けられた複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)と、
前記枠体の開放を検出する検出装置(第1,第2監視装置250,290)と、
前記検出装置により前記枠体の開放が検出されると前記複数の音響装置から異常を報知する異常報知手段(MPU402,音出力LSI403)と、
前記複数の音響装置のうちのいずれか1以上もしくはその近傍に設けられ、音響装置を覆わない第1状態と、音響装置を覆う第2状態とを有するカバー部材(カバー部材27)と、
前記検出装置により前記枠体の開放が検出されると、前記カバー部材を前記第1状態から前記第2状態へと変化させる駆動手段(カバー部材駆動部30)とを備えることを特徴とする。
本発明群の特徴C1によれば、検出装置により枠体の開放が検出されると、複数の音響装置のうちのいずれか1以上もしくはその近傍に設けられたカバー部材が第1状態から第2状態へと変化するので、音響装置から前方へと出力される異常報知音がカバー部材により減衰されて小さくなる。このため、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
特徴C2.
特徴C2に係る遊技機(遊技機10)は、特徴C1に係る遊技機において、
前記遊技機は、
音響装置(スピーカ部26A)を覆う第2状態にある場合、音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)から出力される異常報知音を前記枠体(内枠13、前扉枠14)の前方以外の方向に誘導する誘導路(14e)を有することを特徴とする。
本発明群の特徴C2によれば、誘導路を有しており、カバー部材が音響装置を覆う第2状態にある場合、音響装置から出力される異常報知音が誘導路により枠体の前方以外の方向、例えば、遊技機の側方(側面側)、上方(上面側)、下方(底面側)に誘導される。このため、遊技機の枠体を開放した際に、前方に位置する遊技者に対しては異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、誘導された異常報知音は、枠体の前方以外の方向から出力されるので、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
特徴C3.
特徴C3に係る遊技機(遊技機10)は、特徴C1又は特徴C2に係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記固定枠(外枠11)の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記カバー部材(カバー部材27)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち前記支持側とは異なる側に配置された音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)もしくはその近傍に設けられていることを特徴とする。
本発明群の特徴C3によれば、枠体の支持側とは異なる側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の音量がカバー部材により小さくなる。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
特徴C4.
特徴C4に係る遊技機(遊技機10)は、特徴C3に係る遊技機において、
前記カバー部材(カバー部材27)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち前記支持側に配置された音響装置(スピーカ部26B,26C又はスピーカ部26A)もしくはその近傍には設けられていないことを特徴とする。
本発明群の特徴C4によれば、枠体の支持側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって遠い側に配置された音響装置の音量を小さくしない。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞を低減しつつ、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
特徴C5.
特徴C5に係る遊技機(遊技機10)は、特徴C1乃至特徴C4のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)は、
前記固定枠に対して開閉可能に支持された第1枠体(内枠13)と、
前記第1枠体に対して開閉可能に支持された第2枠体(前扉枠14)とを備え、
前記検出装置(第1,第2監視装置250,290)は、
前記第1枠体の開放を検出する第1検出装置(第2監視装置290)と、
前記第2枠体の開放を検出する第2検出装置(第1監視装置250)とを備えることを特徴とする。
本発明群の特徴C5によれば、枠体は、第1枠体(内枠13)及び第2枠体(前扉枠)から構成され、第1,第2枠体のそれぞれに枠体が開放されたことを検出する検出装置を備えるので、第1,第2枠体のいずれが開放された場合でも、その開放を検出して異常が報知される。
特徴C6.
特徴C6に係る遊技機(遊技機10)は、特徴C5に係る遊技機において、
前記第1枠体(内枠13)に対して後方側へ回転可能に支持される箱状体(裏パックユニット15)と、
前記箱状体の開放を検出する検出器(裏パックユニット開放検出器289)とを備え、
前記異常報知手段は、
前記箱状体の開放が検出されると、前記複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴C6によれば、箱状体(裏パックユニット15)が開放されていると判定される場合には、警告音を小さくする構成としている。これにより、時間を要するメンテナンス等の間、いつまでも大音量の警告音を聞く必要がなく、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞がさらに低減される。
特徴C7.
特徴C7に係る遊技機(遊技機10)は、特徴C5又は特徴C6に係る遊技機において、
前記第1枠体(内枠13)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記固定枠(外枠11)の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記第2枠体(前扉枠14)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記第1枠体(内枠13)の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記駆動手段(カバー部材駆動部30)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち、前記第1,第2検出装置(第2,第1監視装置290,250)により開放が検出された枠体の支持側とは異なる側に配置された音響装置もしくはその近傍に設けられたカバー部材を第1状態から第2状態へと変化させることを特徴とする。
本発明群の特徴C7によれば、第1,第2検出装置により開放が検出された枠体の支持側とは異なる側、換言すると、第1,第2枠体のいずれかを開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の音量が小さくなる。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
特徴C8.
特徴C8に係る遊技機(遊技機10)は、特徴C1乃至特徴C7のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)が右側部又は左側部のいずれの側を支持側として開放されたかを検出する検出器を備え、
前記駆動手段(カバー部材駆動部30)は、
前記検出器での検出結果に応じて、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうちのいずれの音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)もしくはその近傍に設けられた前記カバー部材(カバー部材27)を前記第1状態から前記第2状態へと変化させるかを判定することを特徴とする。
本発明群の特徴C8によれば、枠体が右側か左側のどちら側が開放されたかを検出することができる。このため、枠体が両開構造を有する場合でも、枠体の支持側とは異なる側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の音量を小さくすることができる。
特徴C9.
特徴C9に係る遊技機(遊技機10)は、特徴C1乃至特徴C8のいずれかに係る遊技機において、
演出用の音データを再生して前記複数の音響装置から出力させる音声演出実行手段(MPU402)を備え、
前記音声演出実行手段は、
前記異常報知手段が異常を報知する際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴C9によれば、異常を報知する際に、BGM(演出用の音楽や音声を含む)を停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に再生音量を所定値まで下げる処理を行う。このため、BGMが急に停止され、警告音に替わることによる違和感を生ずることなく報知を行うことができる。
特徴C10.
特徴C10に係る遊技機(遊技機10)は、特徴C9に係る遊技機において、
前記異常報知手段は、
前記異常の報知を停止する際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記報知音をゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、
前記音声演出実行手段は、
前記異常の報知が停止される際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に大きくすることを特徴とする。
本発明群の特徴C10によれば、異常の報知を停止する際に、報知音をゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に大きくする。このため、警告音が急に停止され、BGM(演出用の音楽や音声を含む)に替わることによる違和感を生ずることなく復帰を行うことができる。
特徴C11.
特徴C11に係る遊技機(遊技機10)は、特徴C1乃至特徴C10のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体に各々配置された複数の表示ランプ装置(表示ランプ装置23A,23B)と、
演出用の発光データに基づいて、前記複数の表示ランプ装置を発光させる発光演出実行手段(MPU402)とを備え、
前記発光演出実行手段は、
前記異常報知手段が異常を報知する際に、前記複数の表示ランプ装置の少なくとも一方を発光させない(換言すると消灯する)ことを特徴とする。
本発明群の特徴C11によれば、枠体(内枠13又は前扉枠14)が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23Bの少なくとも一方が発光しないように構成されている。このため、隣席で遊技を行う遊技者が表示ランプ装置23A,23Bの発光を煩わしく思う虞が低減される。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が爽快感や没入感を失い、興ざめする虞が低減される。
このような本発明の特徴C群によれば、異常を報知する際に複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくするため、次のような課題を解決することができる。
扉体は、通常、固定枠に前方側(遊技者側)へ回転可能に支持されており、例えば、メンテナンス(整備・維持・保守・点検・手入れ)や修理の際に扉体を開くと扉体が隣席の遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向するようにして開くことになる。扉体の開放が検出されると異常報知がスピーカ(音響装置)から発せられるが、ホールの運営者や従業員に聞こえるように大音量で出力される。このため、隣席で遊技を行う遊技者にとって非常に煩わしく感じられる。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなる虞があり、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする。
<特徴D群>
特徴D1.
特徴D1に係る遊技機(遊技機10)は、
固定枠(外枠11)に対し開閉可能に支持された枠体(内枠13、前扉枠14)と、
前記枠体に設けられた複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)と、
前記枠体の開放を検出する検出装置(第1,第2監視装置250,290)と、
前記検出装置により前記枠体の開放が検出されると前記複数の音響装置から異常を報知する異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)と、
前記検出装置により前記枠体の開放が検出されると、前記複数の音響装置のうちのいずれか1以上の向きを前記枠体の前方を向いた第1状態から前記枠体の前方以外を向いた前記第2状態へと変化させる駆動手段(スピーカ部駆動部26d)とを備えることを特徴とする。
本発明群の特徴D1によれば、検出装置により枠体の開放が検出されると、複数の音響装置のうちのいずれか1以上の向きが第1状態から第2状態へと変化し、枠体の前方に位置する遊技者、換言すると、隣席で遊技を行う遊技者に向かって異常報知音が出力されなくなる。このため遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることを抑制できるので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減される。
特徴D2.
特徴D2に係る遊技機(遊技機10)は、特徴D1に係る遊技機において、
前記遊技機は、
音響装置(スピーカ部26A~26C)が前記第2状態にある場合、音響装置から出力される異常報知音を前記枠体の前方以外の方向に誘導する誘導路を備えることを特徴とする。
本発明群の特徴D2によれば、誘導路を有しており、音響装置が第2状態にある場合、音響装置から出力される異常報知音が誘導路により枠体の前方以外の方向、例えば、遊技機の側方(側面側)、上方(上面側)、下方(底面側)に誘導される。このため、遊技機の枠体を開放した際に、前方に位置する遊技者に対しては異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、誘導された異常報知音は、枠体の前方以外の方向から出力されるので、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
特徴D3.
特徴D3に係る遊技機(遊技機10)は、特徴D1又は特徴D2に係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記固定枠(外枠11)の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記駆動手段(スピーカ部駆動部26d)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち前記支持側とは異なる側に配置された音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)の向きを変化させることを特徴とする。
本発明群の特徴D3によれば、枠体の支持側とは異なる側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置を第2状態とする。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
特徴D4.
特徴D4に係る遊技機(遊技機10)は、特徴D3に係る遊技機において、
前記駆動手段(スピーカ部駆動部26d)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち前記支持側に配置された音響装置(スピーカ部26B,26C又はスピーカ部26A)を第1状態のまま保つことを特徴とする。
本発明群の特徴D4によれば、枠体の支持側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって遠い側に配置された音響装置を第1状態のまま保つ。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞を低減しつつ、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
特徴D5.
特徴D5に係る遊技機(遊技機10)は、特徴D1乃至特徴D4のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)は、
前記固定枠(外枠11)に対して開閉可能に支持された第1枠体(内枠13)と、
前記第1枠体に対して開閉可能に支持された第2枠体(前扉枠14)とを備え、
前記検出装置(第1,第2監視装置250,290)は、
前記第1枠体の開放を検出する第1検出装置(第2監視装置290)と、
前記第2枠体の開放を検出する第2検出装置(第1監視装置250)とを備えることを特徴とする。
本発明群の特徴D5によれば、枠体は、第1枠体(内枠13)及び第2枠体(前扉枠)から構成され、第1,第2枠体のそれぞれに枠体が開放されたことを検出する検出装置を備えるので、第1,第2枠体のいずれが開放された場合でも、その開放を検出して異常が報知される。
特徴D6.
特徴D6に係る遊技機(遊技機10)は、特徴D5に係る遊技機において、
前記第1枠体(内枠13)に対して後方側へ回転可能に支持される箱状体(裏パックユニット15)と、
前記箱状体の開放を検出する検出器(裏パックユニット開放検出器289)とを備え、
前記異常報知手段は、
前記箱状体の開放が検出されると、前記複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴D6によれば、箱状体(裏パックユニット15)が開放されていると判定される場合には、警告音を小さくする構成としている。これにより、時間を要するメンテナンス等の間、いつまでも大音量の警告音を聞く必要がなく、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞がさらに低減される。
特徴D7.
特徴D7に係る遊技機(遊技機10)は、特徴D5又は特徴D6に係る遊技機において、
前記第1枠体(内枠13)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記固定枠(外枠11)の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記第2枠体(前扉枠14)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記第1枠体(内枠13)の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記駆動手段(スピーカ部駆動部26d)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち、前記第1,第2検出装置(第2,第1監視装置290,250)により開放が検出された枠体(内枠13,前扉枠14)の支持側とは異なる側に配置された音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)を第1状態から第2状態へと変化させることを特徴とする。
本発明群の特徴D7によれば、第1,第2検出装置により開放が検出された枠体の支持側とは異なる側、換言すると、第1,第2枠体のいずれかを開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置からの枠体前方への音量が小さくなる。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
特徴D8.
特徴D8に係る遊技機(遊技機10)は、特徴D1乃至特徴D7のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)が右側部又は左側部のいずれの側を支持側として開放されたかを検出する検出器を備え、
前記駆動手段(スピーカ部駆動部26d)は、
前記検出器での検出結果に応じて、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうちのいずれの音響装置を前記第1状態から前記第2状態へと変化させるかを判定することを特徴とする。
本発明群の特徴D8によれば、枠体が右側か左側のどちら側が開放されたかを検出することができる。このため、枠体が両開構造を有する場合でも、枠体の支持側とは異なる側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の音量を小さくすることができる。
特徴D9.
特徴D9に係る遊技機(遊技機10)は、特徴D1乃至特徴D8のいずれかに係る遊技機において、
演出用の音データを再生して前記複数の音響装置から出力させる音声演出実行手段(MPU402)を備え、
前記音声演出実行手段は、
前記異常報知手段が異常を報知する際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴D9によれば、異常を報知する際に、BGM(演出用の音楽や音声を含む)を停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に再生音量を所定値まで下げる処理を行う。このため、BGMが急に停止され、警告音に替わることによる違和感を生ずることなく報知を行うことができる。
特徴D10.
特徴D10に係る遊技機(遊技機10)は、特徴D9に係る遊技機において、
前記異常報知手段は、
前記異常の報知を停止する際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記報知音をゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、
前記音声演出実行手段は、
前記異常の報知が停止される際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に大きくすることを特徴とする。
本発明群の特徴D10によれば、異常の報知を停止する際に、報知音をゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に大きくする。このため、警告音が急に停止され、BGM(演出用の音楽や音声を含む)に替わることによる違和感を生ずることなく復帰を行うことができる。
特徴D11.
特徴D11に係る遊技機(遊技機10)は、特徴D1乃至特徴D10のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体に各々配置された複数の表示ランプ装置(表示ランプ装置23A,23B)と、
演出用の発光データに基づいて、前記複数の表示ランプ装置を発光させる発光演出実行手段(MPU402)とを備え、
前記発光演出実行手段は、
前記異常報知手段が異常を報知する際に、前記複数の表示ランプ装置少なくとも一方を発光させない(換言すると消灯する)ことを特徴とする。
本発明群の特徴D11によれば、枠体(内枠13又は前扉枠14)が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23B少なくとも一方が発光しないように構成されている。このため、隣席で遊技を行う遊技者が表示ランプ装置23A,23Bの発光を煩わしく思う虞が低減される。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が爽快感や没入感を失い、興ざめする虞が低減される。
このような本発明の特徴D群によれば、異常を報知する際に複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくするため、次のような課題を解決することができる。
扉体は、通常、固定枠に前方側(遊技者側)へ回転可能に支持されており、例えば、メンテナンス(整備・維持・保守・点検・手入れ)や修理の際に扉体を開くと扉体が隣席の遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向するようにして開くことになる。扉体の開放が検出されると異常報知がスピーカ(音響装置)から発せられるが、ホールの運営者や従業員に聞こえるように大音量で出力される。このため、隣席で遊技を行う遊技者にとって非常に煩わしく感じられる。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなる虞があり、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする。
<特徴E>
特徴E1.
特徴E1に係る遊技機(遊技機10)は、
固定枠(外枠11)に対し開閉可能に支持された枠体(内枠13、前扉枠14)と、
前記枠体に設けられた複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)と、
前記枠体の開放を検出する検出装置(第1,第2監視装置250,290)と、
前記検出装置により前記枠体の開放が検出されると前記複数の音響装置を制御して異常を報知する異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)とを備え、
前記異常報知手段は、
前記異常を報知する際に、前記複数の音響装置の音量を段階的又は漸減的に小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴E1によれば、最初は大きな音量で報知が行われるが、段階的又は漸減的に音量が小さくなるので、効果的に隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞を低減しつつ、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
特徴E2.
特徴E2に係る遊技機(遊技機10)は、特徴E1に係る遊技機において、
前記異常報知手段は、
前記複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を他の音響装置の音量よりも段階的又は漸減的に小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴E2によれば、異常を報知する際に複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくするので、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞が低減される。また、その他の音響装置から出力される音量は小さくしないので、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞が低減されるとともに、より効果的にホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
特徴E3.
特徴E3に係る遊技機(遊技機10)は、特徴E1又は特徴E2に係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記固定枠(外枠11)の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち前記支持側とは異なる側に配置された音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)の音量を他の音響装置(スピーカ部26B,26C又はスピーカ部26A)の音量よりも段階的又は漸減的に小さく(再生音量をゼロ又は略ゼロとする態様が含まれる)することを特徴とする。
本発明群の特徴E3によれば、枠体の支持側とは異なる側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の音量を段階的又は漸減的に小さくする。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
特徴E4.
特徴E4に係る遊技機(遊技機10)は、特徴E3に係る遊技機において、
前記異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち前記支持側に配置された音響装置(スピーカ部26B,26C又はスピーカ部26A)の音量を小さくしないことを特徴とする。
本発明群の特徴E4によれば、枠体の支持側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって遠い側に配置された音響装置の音量を小さくしない。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞を低減しつつ、ホールの運営者や従業員が異常報知を聞き逃す虞を低減することができる。
特徴E5.
特徴E5に係る遊技機(遊技機10)は、特徴E1乃至特徴E4のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)は、
前記固定枠に対して開閉可能に支持された第1枠体(内枠13)と、
前記第1枠体に対して開閉可能に支持された第2枠体(前扉枠14)とを備え、
前記検出装置(第1,第2監視装置250,290)は、
前記第1枠体の開放を検出する第1検出装置(第2監視装置290)と、
前記第2枠体の開放を検出する第2検出装置(第1監視装置250)とを備えることを特徴とする。
本発明群の特徴E5によれば、枠体は、第1枠体及び第2枠体から構成され、第1,第2枠体のそれぞれに枠体が開放されたことを検出する検出装置を備えるので、第1,第2枠体のいずれが開放された場合でも、その開放を検出して異常が報知される。
特徴E6.
特徴E6に係る遊技機(遊技機10)は、特徴E5に係る遊技機において、
前記第1枠体(内枠13)に対して後方側へ回転可能に支持される箱状体(裏パックユニット15)と、
前記箱状体の開放を検出する検出器(裏パックユニット開放検出器289)とを備え、
前記異常報知手段は、
前記箱状体の開放が検出されると、前記複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴E6によれば、箱状体(裏パックユニット15)が開放されていると判定される場合には、警告音を小さくする構成(2段階制御)としている。これにより、時間を要するメンテナンス等の間、いつまでも大音量の警告音を聞く必要がなく、隣席で遊技を行う遊技者が異常報知音を煩わしく思う虞がさらに低減される。
特徴E7.
特徴E7に係る遊技機(遊技機10)は、特徴E5又は特徴E6に係る遊技機において、
前記第1枠体(内枠13)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記固定枠の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記第2枠体(前扉枠14)は、
右側部又は左側部の一方を支持側として前記第1枠体の右側部又は左側部の一方に支持され、
前記異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)は、
前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうち、前記第1,第2検出装置(第2,第1監視装置290,250)により開放が検出された枠体の支持側とは異なる側に配置された音響装置(スピーカ部26A又はスピーカ部26B,26C)の音量を他の音響装置(スピーカ部26B,26C又はスピーカ部26A)の音量よりも段階的又は漸減的に小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴E7によれば、第1,第2検出装置により開放が検出された枠体の支持側とは異なる側、換言すると、第1,第2枠体のいずれかを開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の音量を小さくする。このため、隣席に座る遊技者が異常報知音を煩わしく思うことがより効果的に低減される。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなることをより効果的に抑制でき、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする虞がさらに低減される。
特徴E8.
特徴E8に係る遊技機(遊技機10)は、特徴E1乃至特徴E7のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体(内枠13、前扉枠14)が右側部又は左側部のいずれの側を支持側として開放されたかを検出する検出器を備え、
前記異常報知手段(MPU402、音出力LSI403)は、
前記異常を報知する際に、前記検出器での検出結果に応じて、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)のうちのいずれの音量を他の音響装置の音量よりも段階的又は漸減的に小さくするかを判定することを特徴とする。
本発明群の特徴E8によれば、枠体が右側か左側のどちら側が開放されたかを検出することができる。このため、枠体が両開構造を有する場合でも、枠体の支持側とは異なる側、換言すると、枠体を開いた際に隣席に座る遊技者にとって近い側に配置された音響装置の音量を小さくすることができる。
特徴E9.
特徴E9に係る遊技機(遊技機10)は、特徴E1乃至特徴E8のいずれかに係る遊技機において、
演出用の音データを再生して前記複数の音響装置から出力させる音声演出実行手段(MPU402)を備え、
前記音声演出実行手段は、
前記異常報知手段が異常を報知する際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に小さくすることを特徴とする。
本発明群の特徴E9によれば、異常を報知する際に、BGM(演出用の音楽や音声を含む)を停止せずに再生を継続した状態で漸減的又は段階的に再生音量を所定値まで下げる処理を行う。このため、BGMが急に停止され、警告音に替わることによる違和感を生ずることなく報知を行うことができる。
特徴E10.
特徴E10に係る遊技機(遊技機10)は、特徴E9に係る遊技機において、
前記異常報知手段は、
前記異常の報知を停止する際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記報知音をゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、
前記音声演出実行手段は、
前記異常の報知が停止される際に、前記複数の音響装置(スピーカ部26A~26C)から出力される前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に大きくすることを特徴とする。
本発明群の特徴E10によれば、異常の報知を停止する際に、報知音をゼロ又は略ゼロとなるまで漸減的又は段階的に小さくし、前記演出用の音データの再生音量を漸減的又は段階的に大きくする。このため、警告音が急に停止され、BGM(演出用の音楽や音声を含む)に替わることによる違和感を生ずることなく復帰を行うことができる。
特徴E11.
特徴E11に係る遊技機(遊技機10)は、特徴E1乃至特徴E10のいずれかに係る遊技機において、
前記枠体に各々配置された複数の表示ランプ装置(表示ランプ装置23A,23B)と、
演出用の発光データに基づいて、前記複数の表示ランプ装置を発光させる発光演出実行手段(MPU402)とを備え、
前記発光演出実行手段は、
前記異常報知手段が異常を報知する際に、前記複数の表示ランプ装置少なくとも一方を発光させない(換言すると消灯する)ことを特徴とする。
本発明群の特徴E11によれば、枠体(内枠13又は前扉枠14)が開放されたことを報知する際に表示ランプ装置23A,23B少なくとも一方が発光しないように構成されている。このため、隣席で遊技を行う遊技者が表示ランプ装置23A,23Bの発光を煩わしく思う虞が低減される。この結果、隣席で遊技を行う遊技者が爽快感や没入感を失い、興ざめする虞が低減される。
このような本発明の特徴E群によれば、異常を報知する際に複数の音響装置のうちのいずれか1以上の音量を小さくするため、次のような課題を解決することができる。
扉体は、通常、固定枠に前方側(遊技者側)へ回転可能に支持されており、例えば、メンテナンス(整備・維持・保守・点検・手入れ)や修理の際に扉体を開くと扉体が隣席の遊技者の上半身の右側もしくは左側に対向するようにして開くことになる。扉体の開放が検出されると異常報知がスピーカ(音響装置)から発せられるが、ホールの運営者や従業員に聞こえるように大音量で出力される。このため、隣席で遊技を行う遊技者にとって非常に煩わしく感じられる。また、遊技している遊技機から出力される音楽や音声が、異常報知により聞き取りづらくなる虞があり、遊技機から出力される音楽や音声から生じる爽快感や没入感が失われて遊技者が興ざめする。
以上のように、本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に好適に利用することができる。
10…パチンコ機(遊技機)、11…外枠、12…遊技機本体、13…内枠、14…前扉枠、21…窓部、22…窓パネル、23…表示ランプ装置、24…エラー表示ランプ部、26A~26E…スピーカ部、30…カバー部材駆動部、31…上側膨出部、32…下側膨出部、33…上皿、34…下皿、35…操作ボタン、41…発射ハンドル、81…遊技盤、82…一般入賞口(賞球10個)、83…可変入賞装置、85…スルーゲート、86…可変表示ユニット、87…アウト口、88…回転案内部材、89…遊技釘、91…図柄表示装置、250…第1監視装置、290…第2監視装置、300…主制御装置、400…音声発光制御装置、500…表示制御装置

Claims (2)

  1. 右側部又は左側部の一方を支持側として固定枠の右側部又は左側部の一方に支持され、前記固定枠に対し開閉可能に支持された枠体と、
    前記枠体に設けられた複数の音響装置と、
    前記枠体の開放を検出する検出装置と、
    前記検出装置により前記枠体の開放が検出されると前記複数の音響装置を制御して、前記複数の音響装置から警報音出力させる異常報知手段とを備え、
    前記異常報知手段は、
    前記複数の音響装置から前記警報音出力させる際に、前記複数の音響装置のうち前記支持側とは異なる側に配置された音響装置から出力される前記警報音の音量を他の音響装置から出力される警報音の音量よりも小さくさせることを特徴とする遊技機。
  2. 前記異常報知手段は、
    前記複数の音響装置のうち前記支持側に配置された音響装置から出力される警報音の音量を小さくさせないことを特徴とする請求項に記載の遊技機。
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