以下に、本願の開示する部品選定プログラム、部品選定装置及び部品選定方法の各実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各実施例は開示の技術を限定するものではない。
[部品選定装置の機能構成の一例]
実施例1に係る部品選定装置について説明する。図1は、実施例1に係る部品選定装置の機能構成の一例を示す図である。
図1に示すように、部品選定装置10は、入力部11と、表示部12と、記憶部13と、制御部14とを有する。
入力部11は、各種情報を制御部14に入力する。例えば、入力部11は、回路を設計する設計者などのユーザから、後述の部品選定処理を実行するための指示を受け付けた場合に、受け付けた指示を制御部14に入力する。入力部11のデバイスの一例としては、マウスやキーボードなどのユーザの操作を受け付けるデバイスなどが挙げられる。
表示部12は、各種の情報を出力する。例えば、表示部12は、後述の取得部14aの制御により、後述の検索画面を表示する。また、表示部12は、後述の選定部14dの制御により、後述の選定情報13eの全レコードのうち、順位が上位N件のレコードの内容を表示する。表示部12のデバイスの一例としては、液晶ディスプレイなどが挙げられる。
記憶部13は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部13は、部品情報13a、変動パラメータ13b、価格情報13c、判定テーブル13d、選定情報13eを記憶する。
部品情報13aには、各種の部品の情報が登録される。以下の説明では、部品が、セラコンである場合について説明するが、部品は、任意の部品を採用できる。図2は、部品情報のデータ構造の一例を示す図である。図2の例に示すように、部品情報13aは、「部品コード」、「サイズコード」、「定格電圧」、「定格容量」及び「最大温度」の各項目を有する。部品情報13aには、レコードごとに、部品の情報が登録される。
「部品コード」の項目には、部品を識別するための部品コードが予め登録される。「サイズコード」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品のサイズを示すサイズコードが予め登録される。「定格電圧」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品について、かかる部品を製造するメーカが公表する定格電圧が予め登録される。「定格容量」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品について、かかる部品を製造するメーカが公表する定格容量が予め登録される。「最大温度」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品が使用可能な上限の温度が予め登録される。
例えば、図2の例に示す部品情報13aの1番目のレコードは、部品コード「AAA−AAA−AAA」によって識別される部品のサイズが「1.0mm×0.5mm」であり、定格電圧が「6.3V」であり、定格容量が「1[μF]」であることを示す。また、図2の例に示す部品情報13aの1番目のレコードは、部品コード「AAA−AAA−AAA」によって識別される部品が使用可能な上限の温度が「85℃」であることを示す。また、他のレコードについても同様である。
図1の説明に戻り、変動パラメータ13bには、セラコンの種類ごとに、セラコンに印加される電圧の大きさと、セラコンの実効容量との関係を示すグラフが登録される。図3は、変動パラメータの一例を示す図である。図3の例に示す変動パラメータ13bには、複数の種類のセラコンのそれぞれに対応するグラフが登録される。図3の例に示す変動パラメータ13bの各グラフは、印加される電圧が1V、2V、3V、4V、5V及び6Vのそれぞれの場合のセラコンの実効容量を線で結んだものである。したがって、各グラフが示すセラコンの実効容量のデータは、印加される電圧が、1V、2V、3V、4V、5V及び6Vのそれぞれの場合であり、印加される電圧が、1.2Vなどの場合には、各グラフは、対応する実効容量のデータを保持しない。これに加えて、図3の例に示す変動パラメータ13bの各グラフの中には、印加される電圧が7V、8V、9V及び10Vのそれぞれの場合のセラコンの実効容量を線で結んだものもある。ここで、上述した部品情報13aに登録された部品コードは、変動パラメータ13bに登録された何れかのグラフに対応付けられる。すなわち、上述した部品情報13aに登録された部品コードによって識別される全ての部品について、変動パラメータ13bに登録された何れかのグラフによって、印加される電圧の大きさと実効容量との関係が示される。
図1の説明に戻り、価格情報13cには、部品の価格が部品ごとに登録される。図4は、価格情報のデータ構造の一例を示す図である。図4の例に示すように、価格情報13cは、「部品コード」及び「価格」の各項目を有する。「部品コード」の項目には、部品コードが予め登録される。「価格」の項目には、「部品コード」に登録された部品コードによって識別される部品の価格が予め登録される。図4の例に示す価格情報13cの1番目のレコードは、部品コード「AAA−AAA−AAA」によって識別される部品の価格が「5000円」であることを示す。
図1の説明に戻り、判定テーブル13dには、部品ごとに、部品の情報とともに、後述の検索画面に入力された使用電圧が部品に印加された場合の後述の推定寿命及び後述の正規化価格が後述の算出部14cにより登録される。図5は、判定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5の例に示すように、判定テーブル13dは、「部品コード」、「定格電圧」、「サイズコード」、「定格容量」、「最大温度」、「推定寿命」、「実効容量」及び「正規化価格」の各項目を有する。ここで、図5の例に示す判定テーブル13dは、回路の電源電圧に用いられる2V、3.3V、5V及び12Vの4つの電圧のそれぞれに対して、「推定寿命」、「実効容量」及び「正規化価格」の各項目を有する。
「部品コード」の項目には、部品コードが後述の算出部14cにより登録される。「定格電圧」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品の定格電圧が後述の算出部14cにより登録される。「サイズコード」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品のサイズコードが後述の算出部14cにより登録される。「定格容量」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品の定格容量が後述の算出部14cにより登録される。「最大温度」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品が使用可能な上限の温度が後述の算出部14cにより登録される。
後述の検索画面に入力された使用電圧に最も近い電圧に対応する「推定寿命」の項目には、使用電圧が部品に印加された場合における後述の推定寿命が後述の算出部14cにより登録される。図5の例は、後述の検索画面に使用電圧「3.3V」が入力され、「3.3V」が部品に印加された場合の「推定寿命」の項目に、推定寿命の長さに応じたランクが登録された場合を示す。例えば、図5の例に示す「推定寿命」の項目に登録された「A」は、推定寿命が10年以上であることを示す。また、「B」は、推定寿命が、5年以上10年未満であることを示す。また、「C」は、推定寿命が、5年未満であることを示す。なお、「推定寿命」の項目には、後述の算出部14cにより推定寿命の値が登録されてもよい。
後述の検索画面に入力された使用電圧に最も近い電圧に対応する「実効容量」の項目には、使用電圧が部品に印加された場合における実効容量が後述の算出部14cにより登録される。図5の例は、後述の検索画面に使用電圧「3.3V」が入力され、「3.3V」が部品に印加された場合の実効容量が「実効容量」の項目に後述の算出部14cにより登録される場合を示す。また、図5の例は、電圧「2V」、「5V」、「12V」に対応する「推定寿命」、「実効容量」及び「正規化価格」の項目に、何も登録されていない場合を示す。
後述の検索画面に入力された使用電圧に最も近い電圧に対応する「正規化価格」の項目には、使用電圧が部品に印加された場合における後述の正規化価格が後述の算出部14cにより登録される。図5の例は、後述の検索画面に使用電圧「3.3V」が入力され、「3.3V」が部品に印加された場合の後述の正規化価格が「正規化価格」の項目に後述の算出部14cにより登録される場合を示す。
図5の例に示す判定テーブル13dの1番目のレコードは、部品コード「XXX−XXX−XXX」によって識別される部品の定格電圧が「50V」であり、サイズが「1.6mm×0.8mm」であることを示す。また、図5の例に示す判定テーブル13dの1番目のレコードは、部品コード「XXX−XXX−XXX」によって識別される部品が使用可能な上限の温度が「85℃」であり、部品の定格容量が「0.047μF」であることを示す。また、図5の例に示す判定テーブル13dの1番目のレコードは、部品コード「XXX−XXX−XXX」によって識別される部品の後述の推定寿命が10年以上であることを示す。また、図5の例に示す判定テーブル13dの1番目のレコードは、部品コード「XXX−XXX−XXX」によって識別される部品の実効容量が「0.82[μF]」であることを示す。また、図5の例に示す判定テーブル13dの1番目のレコードは、部品コード「XXX−XXX−XXX」によって識別される部品の後述の正規化価格が、「6.43」であることを示す。また、他のレコードについても同様である。
図1の説明に戻り、選定情報13eには、部品の情報と、後述する正規化価格と、後述する推定寿命と、部品の実効容量とが後述の選定部14dにより登録される。図6は、選定情報13eのデータ構造の一例を示す図である。図6の例に示すように、選定情報13eは、「候補番号」、「部品コード」、「サイズコード」、「正規化価格」、「定格電圧」、「定格容量」、「最大温度」、「推定寿命」及び「実効容量」の各項目を有する。
「候補番号」の項目には、正規化価格を昇順でソートした場合の部品の順位が後述の選定部14dにより登録される。「部品コード」の項目には、部品コードが後述の選定部14dにより登録される。「サイズコード」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品のサイズコードが後述の選定部14dにより登録される。「正規化価格」の項目には、後述の正規化価格が後述の選定部14dにより登録される。「定格電圧」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品の定格電圧が後述の選定部14dにより登録される。「定格容量」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品の定格容量が後述の選定部14dにより登録される。「最大温度」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品が使用可能な上限の温度が後述の選定部14dにより登録される。「推定寿命」の項目には、後述の推定寿命が後述の選定部14dにより登録される。「実効容量」の項目には、「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品の実効容量が後述の選定部14dにより登録される。
図6の例に示す選定情報13eの1番目のレコードは、部品コード「AAA−AAA−AAA」によって識別される部品の順位が「1位」で、サイズが「1.0mm×0.5mm」で、正規化価格が「0.11」であることを示す。また、図6の例に示す選定情報13eの1番目のレコードは、部品コード「AAA−AAA−AAA」によって識別される部品の定格電圧が「6.3V」であり、定格容量が「1[μF]」であることを示す。また、図6の例に示す選定情報13eの1番目のレコードは、部品コード「AAA−AAA−AAA」によって識別される部品が使用可能な上限の温度が「85℃」であり、かかる部品の推定寿命が「aaaaa時間」であることを示す。また、図6の例に示す選定情報13eの1番目のレコードは、部品コード「AAA−AAA−AAA」によって識別される部品の実効容量が「0.59[μF]」であることを示す。他のレコードについても同様である。
図1に戻り、記憶部13は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部13は、上記の種類の記憶装置に限定されるものではなく、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)であってもよい。
制御部14は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。図1に示すように、制御部14は、取得部14aと、正規化部14bと、算出部14cと、選定部14dとを有する。
取得部14aは、各種の情報を取得する。例えば、入力部11から部品選定処理を実行するための指示が入力された場合に、取得部14aは、検索画面を表示するように表示部12を制御する。図7は、検索画面の一例を示す図である。図7の例に示す検索画面16は、実際の使用条件下において、部品であるセラコンに印加される電圧(使用電圧)が入力されるテキストボックス16aを有する。また、検索画面16は、実際の使用条件下において、セラコンが使用される周囲の温度(使用周囲温度)が入力されるテキストボックス16bを有する。また、検索画面16は、セラコンを使用する場合におけるユーザが必要とする要求寿命の時間(部品必要寿命時間)が入力されるテキストボックス16cを有する。また、検索画面16は、セラコンを使用する場合におけるセラコンの最低限の実効容量が入力されるテキストボックス16dを有する。また、検索画面16は、テキストボックス16a〜16dに入力された内容を確定するためのボタン16eを有する。入力部11が操作されて、ボタン16eが押下されると、テキストボックス16a〜16dに入力された内容が確定し、検索画面16が閉じる。また、検索画面16は、検索画面16を閉じるためのボタン16fを有する。入力部11が操作されて、ボタン16eが押下されると、検索画面16が閉じる。
例えば、回路を設計する設計者などのユーザが、入力部11を操作して、部品選定処理を実行するための指示を制御部14に入力した場合に、取得部14aは、検索画面16を表示するように表示部12を制御する。ユーザが、入力部11を操作して、テキストボックス16a〜16dのそれぞれに、使用電圧、使用周囲温度、部品必要寿命時間、実効容量を入力し、ボタン16eを押下すると、取得部14aは、次の処理を行う。すなわち、取得部14aは、テキストボックス16a〜16dのそれぞれに入力された使用電圧、使用周囲温度、部品必要寿命時間、実効容量を取得する。
上述した処理を実行することで、取得部14aは、部品を使用する各種の条件(使用電圧、使用周囲温度、部品必要寿命時間、実効容量)を受け付ける。
そして、取得部14aは、部品情報13aから、受け付けた実効容量から所定値αを減じた(実効容量−α)から実効容量に所定値αを加えた(実効容量+α)までの範囲のいずれかの容量が「定格容量」の項目に登録されたレコードを取得する。なお、取得部14aは、受け付けた実効容量が「0.1[μF]」である場合に、E3系列などの系列にしたがって、例えば、「0.047[μF]」〜「0.22[μF]」の範囲で、レコードを取得することもできる。取得部14aは、部品情報13aの全レコードではなく、受け付けた実効容量に近いレコードに登録された各種の情報を後述の各種の処理の対象とすることで、全レコードを処理の対象とする場合と比較して、簡易に処理を行うことができる。
続いて、取得部14aは、取得したレコードのうち未選択のレコードを1つずつ選択する。また、取得部14aは、未選択のレコードを1つずつ選択するたびに、下記の処理を行う。すなわち、取得部14aは、取得した全レコードに対して、下記の処理を行う。
例えば、取得部14aは、選択したレコードの「定格電圧」の項目から定格電圧を取得する。そして、取得部14aは、取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧以上であるか否かを判定する。取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧未満である場合には、使用電圧を、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品に印加した場合に、故障してしまう可能性があるため、取得部14aは、次の処理を行う。すなわち、取得部14aは、未選択のレコードがあるときには、新たに未選択のレコードを1つ選択する。
一方、取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧以上である場合には、取得部14aは、選択したレコードの「部品コード」の項目から部品コードを取得する。例えば、選択したレコードの「部品コード」の項目に「AAA−AAA−AAA」が登録されている場合には、取得部14aは、「AAA−AAA−AAA」を取得する。
そして、取得部14aは、変動パラメータ13bを参照し、変動パラメータ13bに登録されたグラフの中から、取得した部品コードに対応付けられたグラフを特定する。例えば、「AAA−AAA−AAA」を取得した場合には、取得部14aは、「AAA−AAA−AAA」に対応付けられたグラフを特定する。
続いて、取得部14aは、特定したグラフから、受け付けた使用電圧における実効容量を取得する。ここで、受け付けた使用電圧が、1V、2V、3V、4V、5V及び6Vのそれぞれの場合などには、取得部14aは、特定したグラフから、受け付けた使用電圧に対応するセラコンの実効容量を取得する。一方、受け付けた使用電圧が、1.2Vなどのような、変動パラメータ13bに記憶されていない電圧である場合には、取得部14aは、次の処理を行う。すなわち、取得部14aは、使用電圧の前後の電圧に対応する実効容量を用いて、公知の補間の技術により、使用電圧に対応する実効容量を算出する。例えば、使用電圧が1.2Vである場合には印加される電圧が1Vの場合における実効容量と、印加される電圧が2Vの場合における実効容量とを用いて、公知の補間の技術により、受け付けた使用電圧に対応する実効容量を算出する。このような処理を行うことにより、取得部14aは、実効容量を取得する。したがって、本実施例では、少ない数の実効容量と印加電圧との関係が登録された変動パラメータ13bを用いて実効容量を算出することができる。
そして、取得部14aは、取得した実効容量が、受け付けた実効容量以上であるか否かを判定する。取得した実効容量が、受け付けた実効容量未満である場合には、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品であるセラコンが実使用条件下での実効容量を満たさない。この場合、取得部14aは、未選択のレコードがあるときには、新たに未選択のレコードを1つ選択する。
一方、取得した実効容量が、受け付けた実効容量以上である場合には、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品であるセラコンの実使用条件下での実効容量が、受け付けた実効容量以上となる。この場合、取得部14aは、価格情報13cから、取得した部品コードに対応する価格を取得する。例えば、「AAA−AAA−AAA」を取得した場合には、取得部14aは、先の図4の例に示す価格情報13cから、「AAA−AAA−AAA」に対応する価格「5000円」を取得する。
取得部14aは、上述した処理を、取得した全レコードに対して行う。上述したように、取得部14aは、受け付けた条件、例えば、使用電圧に対応する特性値、例えば、実効容量を取得する。また、取得部14aは、選択したレコードに登録された部品コードによって識別される部品に対応する価格を取得する。
正規化部14bは、取得された価格を取得された特性値で正規化する。正規化部14bの一態様について説明する。例えば、正規化部14bは、取得部14aにより選択された全レコードに対して、1レコードずつ、下記の処理を行う。すなわち、正規化部14bは、取得部14aにより実効容量及び価格が取得された場合には、取得部14aにより取得された価格を、取得部14aにより取得された実効容量で除した正規化価格を算出する。
ここで、正規化価格は、実使用条件下におけるセラコンの容量、すなわち、実効容量の1単位当たりの価格を示す。このため、複数の部品の中から1つ以上の所定個の部品を選定する場合、正規化価格が最も小さい部品から順に所定個の部品を選定することで、実使用条件下における部品の選定を行うことができる。
算出部14cは、推定寿命を算出する。算出部14cの一態様について説明する。例えば、算出部14cは、取得部14aにより選択された全レコードに対して、1レコードずつ、下記の処理を行う。すなわち、算出部14cは、正規化部14bにより正規化価格が算出された場合には、下記の式(1)に従って、取得部14aにより選択されたレコードに登録された部品コードによって識別される部品の推定寿命Lを算出する。
L=Lo×2((To−T)/θ)×(RV×Vo/V)n (1)
ここで、式(1)において、Loは、セラコンを製造するメーカが公表する保証時間である。また、Toは、セラコンを製造するメーカが公表する最高使用温度である。また、RVは、セラコンを製造するメーカが公表する試験時における印加電圧比である。また、Voは、セラコンを製造するメーカが公表する定格電圧である。また、Tは、取得部14aにより受け付けられた使用周囲温度である。また、Vは、取得部14aにより受け付けられた使用電圧である。また、θは、温度加速係数であり、例えば、10である。また、nは、電圧加速係数であり、例えば、3である。
そして、算出部14cは、取得部14aにより選択されたレコードに登録された各種の情報、正規化部14bにより算出された正規化価格、及び、算出部14cにより算出された推定寿命を判定テーブル13dに登録する。例えば、算出部14cは、判定テーブル13dにレコードを1つ追加し、追加したレコードの「部品コード」の項目に、取得部14aにより選択されたレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードを登録する。また、算出部14cは、追加したレコードの「定格電圧」の項目に、取得部14aにより選択されたレコードの「定格電圧」の項目に登録された定格電圧を登録する。また、算出部14cは、追加したレコードの「サイズコード」の項目に、取得部14aにより選択されたレコードの「サイズコード」の項目に登録されたサイズコードを登録する。また、算出部14cは、追加したレコードの「定格容量」の項目に、取得部14aにより選択されたレコードの「定格容量」の項目に登録された定格容量を登録する。また、算出部14cは、追加したレコードの、取得部14aにより受け付けられた使用電圧に最も近い電圧に対応する「推定寿命」の項目に、算出した推定寿命の値、または、推定寿命の長さに応じたランクを登録する。また、算出部14cは、追加したレコードの、取得部14aにより受け付けられた使用電圧に最も近い電圧に対応する「実効容量」の項目に、正規化部14bにより算出された実効容量を登録する。また、算出部14cは、追加したレコードの、取得部14aにより受け付けられた使用電圧に最も近い電圧に対応する「正規化価格」の項目に、正規化部14bにより算出された正規化価格を登録する。
算出部14cは、上述した処理を、取得部14aにより取得された全レコードに対して行う。
選定部14dは、部品を選定する。選定部14dの一態様について説明する。例えば、取得部14aにより取得された全レコードに対して上述した処理が行われると、選定部14dは、判定テーブル13dの全レコードのうち未選択のレコードを1つずつ選択する。また、選定部14dは、未選択のレコードを1つずつ選択するたびに、下記の処理を行う。すなわち、選定部14dは、判定テーブル13dの全レコードに対して、1レコードずつ下記の処理を行う。
例えば、選定部14dは、選択したレコードの「推定寿命」の項目から、推定寿命を取得する。そして、選定部14dは、取得した推定寿命が、取得部14aにより受け付けられた部品必要寿命時間以上であるか否かを判定する。推定寿命が部品必要寿命時間未満である場合には、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品の推定寿命が、受け付けられた部品必要寿命時間を満たさないため、選定部14dは、次の処理を行う。すなわち、選定部14dは、判定テーブル13dのレコードの中に未選択のレコードがある場合には、新たに未選択のレコードを選択する。
一方、推定寿命が部品必要寿命時間以上である場合には、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品の推定寿命が、受け付けられた部品必要寿命時間以上であるため、選定部14dは、次の処理を行う。すなわち、選定部14dは、選択したレコードの全項目の登録内容を取得する。例えば、選定部14dは、選択したレコードの「部品コード」の項目から部品コード、「定格電圧」の項目から定格電圧、「サイズコード」の項目からサイズコード、「最大温度」の項目から、部品が使用可能な上限の温度を取得する。これに加えて、選定部14dは、選択したレコードの「定格容量」の項目から定格容量、「推定寿命」の項目から推定寿命、「実効容量」の項目から実効容量、「正規化価格」の項目から正規化価格を取得する。
そして、選定部14dは、取得した登録内容を選定情報13eに登録する。例えば、選定部14dは、選定情報13eに1つレコードを追加し、取得した部品コードを、追加したレコードの「部品コード」の項目に登録する。また、選定部14dは、取得したサイズコードを、追加したレコードの「サイズコード」の項目に登録する。また、選定部14dは、取得した正規化価格を、追加したレコードの「正規化価格」の項目に登録する。また、選定部14dは、取得した定格電圧を、追加したレコードの「定格電圧」の項目に登録する。また、選定部14dは、取得した定格容量を、追加したレコードの「定格容量」の項目に登録する。また、選定部14dは、取得した、部品が使用可能な上限の温度を、追加したレコードの「最大温度」の項目に登録する。また、選定部14dは、取得した推定寿命を、追加したレコードの「推定寿命」の項目に登録する。また、選定部14dは、取得した実効容量を、追加したレコードの「実効容量」の項目に登録する。
選定部14dは、上述した処理を、判定テーブル13dの全レコードに対して行う。
そして、判定テーブル13dの全レコードに対して、上述した処理を行った場合には、選定部14dは、選定情報13eのレコードを「正規化価格」の項目に登録された正規化価格の昇順でソートする。そして、選定部14dは、正規化価格の昇順となった各レコードの「候補番号」の項目に順位を登録する。続いて、選定部14dは、「候補番号」に登録された順位が上位N(Nは、1以上の自然数)件のレコードの登録内容を表示するように、表示部12を制御する。図8は、実施例1に係る選定部が実行する処理の一例について説明するための図である。例えば、記憶部13に、先の図6に示す選定情報13eが記憶され、N=5である場合には、選定部14dは、図8の例に示すような画面を表示するように、表示部12を制御する。上述したように、選定部14dは、実使用条件下におけるセラコンの容量の1単位当たりの価格である正規化価格が小さい方から上位N個の部品を選定し、選定した部品に係る情報を出力する。よって、選定部14dによれば、実使用条件下における部品の選定を行うことができる。また、入力部11を操作して、部品選定処理を実行するための指示を入力したユーザは、出力された上位N個の部品に係る情報を参考にして、回路に用いる部品を決定することができる。
制御部14は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などの回路である。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係る部品選定装置10の処理の流れについて説明する。図9は、実施例1に係る部品選定処理の手順を示すフローチャートである。実施例1に係る部品選定処理は、例えば、入力部11から、部品選定処理を実行するための指示が制御部14に入力された場合に、制御部14により実行される。
図9に示すように、取得部14aは、検索画面16を表示するように表示部12を制御する(S101)。そして、取得部14aは、検索画面16の「OK」という表記がされたボタン16eが押下されたか否かを判定する(S102)。ボタン16eが押下されていない場合(S102;No)には、取得部14aは、検索画面16の「キャンセル」という表記がされたボタン16fが押下されたか否かを判定する(S103)。ボタン16fが押下されていない場合(S103;No)には、取得部14aは、S102に戻って、再び、S102の処理を実行する。また、ボタン16fが押下された場合(S103;Yes)には、取得部14aは、処理を終了する。
一方、ボタン16eが押下された場合(S102;Yes)には、取得部14aは、検索画面16に入力された使用電圧、使用周囲温度、部品必要寿命時間、実効容量を取得する(S104)。
そして、取得部14aは、部品情報13aから、受け付けた実効容量から所定値αを減じた(実効容量−α)から実効容量に所定値αを加えた(実効容量+α)までの範囲のいずれかの容量が「定格容量」の項目に登録されたレコードを取得する。なお、取得部14aは、受け付けた実効容量が「0.1[μF]」である場合に、E3系列などの系列にしたがって、例えば、「0.047[μF]」〜「0.22[μF]」の範囲で、レコードを取得することもできる(S105)。
続いて、取得部14aは、取得したレコードの中に、未選択のレコードがあるか否かを判定する(S106)。未選択のレコードがある場合(S106;Yes)には、取得部14aは、未選択のレコードを1つ選択する(S107)。
そして、取得部14aは、選択したレコードの「定格電圧」の項目から定格電圧を取得する(S108)。続いて、取得部14aは、取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧以上であるか否かを判定する(S109)。取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧未満である場合(S109;No)には、取得部14aは、S106に戻り、再び、S106での処理を実行する。
一方、取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧以上である場合(S109;Yes)には、取得部14aは、選択したレコードの「部品コード」の項目から部品コードを取得する(S110)。続いて、取得部14aは、変動パラメータ13bを参照し、変動パラメータ13bに登録されたグラフの中から、取得した部品コードに対応付けられたグラフを特定する(S111)。
続いて、取得部14aは、特定したグラフから、受け付けた使用電圧における実効容量を取得する。ここで、受け付けた使用電圧が、1V、2V、3V、4V、5V及び6Vのそれぞれの場合などには、取得部14aは、特定したグラフから、受け付けた使用電圧に対応するセラコンの実効容量を取得する。一方、受け付けた使用電圧が、1.2Vなどの場合には、取得部14aは、次の処理を行う。すなわち、取得部14aは、印加される電圧が1Vの場合における実効容量と、印加される電圧が2Vの場合における実効容量とを用いて、公知の補間によって、受け付けた使用電圧に対応する実効容量を算出する(S112)。
そして、取得部14aは、取得した実効容量が、受け付けた実効容量以上であるか否かを判定する(S113)。取得した実効容量が、受け付けた実効容量以上でない場合(S113;No)には、取得部14aは、次の処理を行う。すなわち、取得部14aは、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品が実使用条件下での実効容量を満たさないため、S106に戻り、S106での処理を行う。
一方、取得した実効容量が、受け付けた実効容量以上である場合(S113;Yes)には、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別されるセラコンの実使用条件下での実効容量が受け付けた実効容量以上となる。この場合、取得部14aは、価格情報13cから、取得した部品コードに対応する価格を取得する(S114)。
正規化部14bは、取得部14aにより取得された価格を、取得部14aにより取得された実効容量で除した正規化価格を算出する(S115)。算出部14cは、上記式(1)にしたがって、推定寿命を算出する(S116)。そして、算出部14cは、取得部14aにより選択されたレコードに登録された各種の情報、正規化価格、実効容量、及び、推定寿命を判定テーブル13dに登録する(S117)。そして、S106に戻り、再び、S106での処理を実行する。
ここで、未選択のレコードがない場合(S106;No)には、選定部14dは、判定テーブル13dの全レコードの中に、未選択のレコードがあるか否かを判定する(S118)。未選択のレコードがある場合(S118;Yes)には、選定部14dは、未選択のレコードを1つ選択する(S119)。
そして、選定部14dは、選択したレコードの「推定寿命」の項目から、推定寿命を取得する(S120)。そして、選定部14dは、取得した推定寿命が、取得部14aにより受け付けられた部品必要寿命時間以上であるか否かを判定する(S121)。推定寿命が部品必要寿命時間未満である場合には(S121;No)、選定部14dは、再び、S118に戻って、S118での処理を実行する。
一方、推定寿命が部品必要寿命時間以上である場合(S121;Yes)には、選定部14dは、選択したレコードの全項目の登録内容を取得する(S122)。
そして、選定部14dは、取得した登録内容を選定情報13eに登録し(S123)、再び、S118に戻って、S118での処理を実行する。
一方、未選択のレコードがない場合(S118;No)には、選定部14dは、選定情報13eのレコードを「正規化価格」の項目に登録された正規化価格の昇順でソートする(S124)。そして、選定部14dは、正規化価格の昇順となった各レコードの「候補番号」の項目に順位を登録する(S125)。続いて、選定部14dは、「候補番号」に登録された順位が上位N(Nは、1以上の自然数)件のレコードの登録内容を表示するように、表示部12を制御し(S126)、処理を終了する。
上述してきたように、実施例1に係る部品選定装置10は、部品を使用する各種の条件(使用電圧、使用周囲温度、部品必要寿命時間、実効容量)を受け付ける。部品選定装置10は、変動パラメータ13bを参照し、変動パラメータ13bに登録されたグラフの中から、取得した部品コードに対応付けられたグラフを特定し、特定したグラフから、受け付けた使用電圧に対応するセラコンの実効容量を取得する。部品選定装置10は、価格情報13cから、取得した部品コードに対応する価格を取得する。部品選定装置10は、取得した価格を、取得した実効容量で除した正規化価格を算出する。部品選定装置10は、「候補番号」に登録された順位が上位N(Nは、1以上の自然数)件のレコードの登録内容を出力する。すなわち、部品選定装置10は、実使用条件下におけるセラコンの容量の1単位当たりの価格である正規化価格が小さい方から上位N個の部品を選定し、選定した部品に係る情報を出力する。よって、部品選定装置10によれば、実使用条件下における部品の選定を行うことができる。
また、実施例1に係る部品選定装置10は、受け付けた部品を使用する各種の条件(使用電圧、使用周囲温度)に基づいて、部品の推定寿命を算出する。部品選定装置10は、部品の部品必要寿命時間を受け付ける。そして、部品選定装置10は、受け付けた部品必要寿命時間よりも推定寿命の方が長い部品について、正規化価格が小さい方から上位N個の部品を選定し、選定した部品に係る情報を出力する。すなわち、部品選定装置10によれば、推定寿命の方が部品必要寿命時間よりも長い部品について、選定の対象としないため、部品を選定する際の処理を簡易に行うことができる。
また、実施例1に係る部品選定装置10は、受け付けた使用電圧が、1.2Vなどのような、変動パラメータ13bに記憶されていない電圧である場合には、次の処理を行う。すなわち、部品選定装置10は、使用電圧の前後の電圧に対応する実効容量を用いて、公知の補間の技術により、使用電圧に対応する実効容量を算出する。すなわち、部品選定装置10は、少ない数の実効容量と印加電圧との関係が登録された変動パラメータ13bを用いて実効容量を算出することができる。それゆえ、部品選定装置10によれば、データサイズが小さい変動パラメータ13bを用いて実効容量を算出することができる。
次に、実施例2に係る部品選定装置について説明する。図10は、実施例2に係る部品選定装置の機能構成の一例を示す図である。ここで、先の図1に示す実施例1に係る部品選定装置10と同様の機能構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
[部品選定装置の機能構成]
図10の例に示すように、部品選定装置20の制御部24は、実施例1に係る制御部14が有する各部に代えて、取得部24a、正規化部24b、算出部24c、選定部24dを有する。
取得部24aは、各種の情報を取得する。例えば、入力部11から判定テーブル登録処理を実行するための指示が入力された場合に、取得部24aは、部品情報13aから全てのレコードを取得する。
続いて、取得部24aは、取得したレコードのうち未選択のレコードを1つずつ選択する。また、取得部24aは、未選択のレコードを1つずつ選択するたびに、下記の処理を行う。すなわち、取得部24aは、取得した全レコードに対して、1レコードずつ下記の処理を行う。
例えば、取得部24aは、選択したレコードの「部品コード」の項目から部品コードを取得する。例えば、選択したレコードの「部品コード」の項目に「AAA−AAA−AAA」が登録されている場合には、取得部24aは、「AAA−AAA−AAA」を取得する。
そして、取得部24aは、変動パラメータ13bを参照し、変動パラメータ13bに登録されたグラフの中から、取得した部品コードに対応付けられたグラフを特定する。例えば、「AAA−AAA−AAA」を取得した場合には、取得部24aは、「AAA−AAA−AAA」に対応付けられたグラフを特定する。
続いて、取得部24aは、予め定められた複数の大きさの印加電圧のうち、未選択の印加電圧を1つずつ選択する。また、取得部24aは、未選択の印加電圧を1つずつ選択するたびに、下記の処理を行う。すなわち、取得部24aは、予め定められた複数の大きさの印加電圧のそれぞれに対して下記の処理を行う。ここで、予め定められた複数の大きさの印加電圧としては、例えば、電子回路の電源電圧に用いられる0.8V、1V、1.2V、1.8V、3.3V、5V、12V、24V等の中からいくつかの電圧を採用することができる。また、1V以下の電圧は、1Vとしたり、1V以上2V以下の電圧は、2Vとしたりすることができる。以下、取得部24aが、2V、3.3V、5V及び12Vの4つの印加電圧の中から未選択の印加電圧を1つずつ選択する場合を例に挙げて説明する。
取得部24aは、特定したグラフから、選択した印加電圧における実効容量を取得する。ここで、選択した印加電圧が、2Vなどである場合には、取得部24aは、特定したグラフから、選択した印加電圧に対応するセラコンの実効容量を取得する。一方、選択した印加電圧が、3.3Vなどのような、変動パラメータ13bに記憶されていない電圧である場合には、取得部24aは、次の処理を行う。すなわち、取得部24aは、印加電圧の前後の電圧に対応する実効容量を用いて、公知の補間の技術により、印加電圧に対応する実効容量を算出する。例えば、印加電圧が3.3Vである場合には印加される電圧が3Vの場合における実効容量と、印加される電圧が4Vの場合における実効容量とを用いて、公知の補間の技術により、選択した印加電圧に対応する実効容量を算出する。このような処理を行うことにより、取得部24aは、実効容量を取得する。したがって、本実施例では、データサイズの増大が抑制された変動パラメータ13bを用いて実効容量を算出することができる。
そして、取得部24aは、価格情報13cから、取得した部品コードに対応する価格を取得する。例えば、「AAA−AAA−AAA」を取得した場合には、取得部24aは、先の図4の例に示す価格情報13cから、「AAA−AAA−AAA」に対応する価格「5000円」を取得する。
取得部24aは、上述した処理を、上述した4つの印加電圧(2V、3.3V、5V及び12V)に対して行う。そして、取得部24aは、部品情報の全てのレコードに対して、同様の処理を行う。上述したように、取得部24aは、印加電圧に対応する特性値、例えば、実効容量を取得する。また、取得部24aは、選択したレコードに登録された部品コードによって識別される部品に対応する価格を取得する。
正規化部24bは、取得された価格を取得された特性値で正規化する。正規化部24bの一態様について説明する。例えば、正規化部24bは、取得部24aにより実効容量及び価格が取得されるたびに、取得部24aにより取得された価格を、取得部24aにより取得された実効容量で除した正規化価格を算出する。
算出部24cは、推定寿命を算出する。算出部24cの一態様について説明する。例えば、算出部24cは、正規化部24bにより正規化価格が算出されるたびに、下記の式(2)に従って、取得部24aにより選択されたレコードに登録された部品コードによって識別される部品の推定寿命L1を算出する。
L1=Lo×2((To−T1)/θ)×(RV×Vo/V)n (2)
ここで、式(2)において、Loは、セラコンを製造するメーカが公表する保証時間である。また、Toは、セラコンを製造するメーカが公表する最高使用温度である。また、RVは、セラコンを製造するメーカが公表する試験時における印加電圧比である。また、Voは、セラコンを製造するメーカが公表する定格電圧である。また、T1は、所定の基準使用温度、例えば、65℃である。また、V1は、選択された印加電圧、例えば、2V、3.3V、5V及び12Vの中から取得部24aにより選択された印加電圧である。また、θは、温度加速係数であり、例えば、10である。また、nは、電圧加速係数であり、例えば、3である。
そして、算出部24cは、取得部24aにより選択された印加電圧ごとに、次の処理を行う。すなわち、算出部24cは、取得部24aにより選択されたレコードに登録された各種の情報、正規化部24bにより算出された正規化価格、取得部24aにより取得された実効容量、及び、算出部24cにより算出された推定寿命を判定テーブル13dに登録する。例えば、算出部24cは、判定テーブル13dにレコードを1つ追加し、追加したレコードの「部品コード」の項目に、取得部24aにより選択されたレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードを登録する。また、算出部24cは、追加したレコードの「定格電圧」の項目に、取得部24aにより選択されたレコードの「定格電圧」の項目に登録された定格電圧を登録する。また、算出部24cは、追加したレコードの「サイズコード」の項目に、取得部24aにより選択されたレコードの「サイズコード」の項目に登録されたサイズコードを登録する。また、算出部24cは、追加したレコードの「定格容量」の項目に、取得部24aにより選択されたレコードの「定格容量」の項目に登録された定格容量を登録する。また、算出部24cは、追加したレコードの、取得部24aにより選択された印加電圧に最も近い電圧に対応する「推定寿命」の項目に、算出した推定寿命の値、または、推定寿命の長さに応じたランクを登録する。また、算出部24cは、追加したレコードの、取得部24aにより選択された印加電圧に最も近い電圧に対応する「実効容量」の項目に、取得部24aにより取得された実効容量を登録する。また、算出部24cは、追加したレコードの、取得部24aにより選択された印加電圧に最も近い電圧に対応する「正規化価格」の項目に、正規化部24bにより算出された正規化価格を登録する。
図11は、実施例2に係る判定テーブルの登録内容の一例について説明するための図である。上述した取得部24a、正規化部24b及び算出部24cが実行する処理によって、図11に示すように、判定テーブル13dには、印加電圧2V、3.3V、5V、12Vのそれぞれに対応する推定寿命、実効容量及び正規化価格が登録される。また、図11に示すように、判定テーブル13dには、取得部24aにより選択されたレコードに登録された各種の情報が登録される。
図10の説明に戻り、選定部24dは、部品を選定する。選定部24dの一態様について説明する。例えば、選定部24dは、入力部11から部品選定処理を実行するための指示が入力された場合に、先の図7の例に示すような検索画面16を表示するように表示部12を制御する。
例えば、回路を設計する設計者などのユーザが、入力部11を操作して、部品選定処理を実行するための指示を制御部24に入力した場合に、選定部24dは、検索画面16を表示するように表示部12を制御する。ユーザが、入力部11を操作して、テキストボックス16a〜16dのそれぞれに、使用電圧、使用周囲温度、部品必要寿命時間、実効容量を入力し、ボタン16eを押下すると、選定部24dは、次の処理を行う。すなわち、選定部24dは、テキストボックス16a〜16dのそれぞれに入力された使用電圧、使用周囲温度、部品必要寿命時間、実効容量を取得する。
上述した処理を実行することで、選定部24dは、部品を使用する各種の条件(使用電圧、使用周囲温度、部品必要寿命時間、実効容量)を受け付ける。
そして、選定部24dは、判定テーブル13dから、受け付けた実効容量から所定値αを減じた(実効容量−α)から実効容量に所定値αを加えた(実効容量+α)までの範囲のいずれかの容量が「定格容量」の項目に登録されたレコードを取得する。なお、選定部24dは、受け付けた実効容量が「0.1[μF]」である場合に、E3系列などの系列にしたがって、例えば、「0.047[μF]」〜「0.22[μF]」の範囲で、レコードを取得することもできる。選定部24dは、部品情報13aの全レコードではなく、受け付けた実効容量に近いレコードに登録された各種の情報を後述の各種の処理の対象とすることで、全レコードを処理の対象とする場合と比較して、簡易に処理を行うことができる。
続いて、選定部24dは、取得したレコードのうち、未選択のレコードを1つずつ選択する。また、選定部24dは、未選択のレコードを1つずつ選択するたびに、下記の処理を行う。すなわち、選定部24dは、取得した全レコードに対して、1レコードずつ下記の処理を行う。
例えば、選定部24dは、選択したレコードの「定格電圧」の項目から定格電圧を取得する。そして、選定部24dは、取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧以上であるか否かを判定する。取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧未満である場合には、使用電圧を、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品に印加した場合に、故障してしまう可能性があるため、選定部24dは、次の処理を行う。すなわち、選定部24dは、未選択のレコードがあるときには、新たに未選択のレコードを1つ選択する。
一方、取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧以上である場合には、選定部24dは、選択したレコードの「最大温度」の項目に登録された、部品が使用可能な上限の温度を取得する。そして、選定部24cは、取得した温度が、受け付けた使用周囲温度以上であるか否かを判定する。取得した温度が、受け付けた使用周囲温度未満である場合には、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品が故障してしまう可能性があるため、選定部24dは、次の処理を行う。すなわち、選定部24dは、未選択のレコードがあるときには、新たに未選択のレコードを1つ選択する。
取得した温度が、受け付けた使用周囲温度以上である場合には、選定部24dは、選択したレコードの複数の「実効容量」の項目のうち、受け付けた使用電圧に最も近い電圧に対応する「実効容量」の項目に登録された実効容量を取得する。そして、選定部24dは、取得した実効容量が、受け付けた実効容量以上であるか否かを判定する。取得した実効容量が、受け付けた実効容量未満である場合には、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品であるセラコンの実使用条件下での実効容量が、受け付けた実効容量以下となる。この場合、選定部24dは、未選択のレコードがあるときには、新たに未選択のレコードを1つ選択する。
一方、取得した実効容量が、受け付けた実効容量以上である場合には、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品であるセラコンの実使用条件下での実効容量が、受け付けた実効容量以上となる。この場合、選定部24dは、選択したレコードの複数の「推定寿命」の項目のうち、受け付けた使用電圧に最も近い電圧に対応する「推定寿命」の項目に登録された推定寿命を取得する。
そして、選定部24dは、受け付けた使用周囲温度が、先の基準使用温度(T1)と一致するか否かを判定する。受け付けた使用周囲温度が、先の基準使用温度と一致しない場合には、選定部24dは、取得した推定寿命を補正する。すなわち、推定寿命は、セラコンの周囲の温度を先の基準使用温度とした場合に推定したセラコンの寿命である。しかしながら、受け付けた使用周囲温度、すなわち、実条件下におけるセラコンの周囲の温度が、先の基準使用温度とは異なるため、選定部24dは、推定寿命を補正する。例えば、セラコンは、周囲の温度が10℃上がれば寿命が(1/2)倍になり、周囲の温度が10℃下がれば寿命が2倍となるという特性がある。ここで、かかる特性を用いて、選定部24dは、推定寿命を補正する。例えば、受け付けた使用周囲温度が、基準使用温度よりも10℃高い場合には、選定部24dは、推定寿命を(1/2)倍にする。また、受け付けた使用周囲温度が、基準使用温度よりも10℃低い場合には、選定部24dは、推定寿命を2倍にする。
そして、選定部24dは、推定寿命が、受け付けた部品必要寿命時間以上であるか否かを判定する。推定寿命が、受け付けた部品必要寿命時間よりも短い場合には、選択したレコードの「部品コード」の項目に登録された部品コードによって識別される部品であるセラコンの実使用条件下での推定寿命が、受け付けた部品必要寿命時間より短くなる。この場合、選定部24dは、未選択のレコードがあるときには、新たに未選択のレコードを1つ選択する。
一方、推定寿命が、受け付けた部品必要寿命時間以上である場合には、受け付けた各種の条件(使用電圧、使用周囲温度、部品必要寿命時間、実効容量)を満たすこととなるため、選定部24dは、選択したレコードの登録内容を取得する。例えば、選定部24dは、選択したレコードの「部品コード」の項目から部品コード、「定格電圧」の項目から定格電圧、「サイズコード」の項目からサイズコード、「最大温度」の項目から、部品が使用可能な上限の温度を取得する。これに加えて、選定部24dは、選択したレコードの「定格容量」の項目から定格容量を取得する。また、選定部24dは、選択したレコードの複数の「実効容量」の項目のうち、受け付けた使用電圧に最も近い電圧に対応する「実効容量」の項目に登録された実効容量を取得する。また、選定部24dは、選択したレコードの複数の「推定寿命」の項目のうち、受け付けた使用電圧に最も近い電圧に対応する「推定寿命」の項目から推定寿命を取得する。さらに、選定部24dは、選択したレコードの複数の「正規化価格」の項目のうち、受け付けた使用電圧に最も近い電圧に対応する「正規化価格」の項目から正規化価格を取得する。
そして、選定部24dは、取得した登録内容を選定情報13eに登録する。例えば、選定部24dは、選定情報13eに1つレコードを追加し、取得した部品コードを、追加したレコードの「部品コード」の項目に登録する。また、選定部24dは、取得したサイズコードを、追加したレコードの「サイズコード」の項目に登録する。また、選定部24dは、取得した正規化価格を、追加したレコードの「正規化価格」の項目に登録する。また、選定部24dは、取得した定格電圧を、追加したレコードの「定格電圧」の項目に登録する。また、選定部24dは、取得した定格容量を、追加したレコードの「定格容量」の項目に登録する。また、選定部24dは、取得した、部品が使用可能な上限の温度を、追加したレコードの「最大温度」の項目に登録する。また、選定部24dは、取得した推定寿命を、追加したレコードの「推定寿命」の項目に登録する。また、選定部24dは、取得した実効容量を、追加したレコードの「実効容量」の項目に登録する。
選定部24dは、上述した処理を、判定テーブル13dの全レコードに対して行う。
そして、判定テーブル13dの全レコードに対して、上述した処理を行った場合には、選定部24dは、選定情報13eのレコードを「正規化価格」の項目に登録された正規化価格の昇順でソートする。そして、選定部24dは、正規化価格の昇順となった各レコードの「候補番号」の項目に順位を登録する。続いて、選定部24dは、「候補番号」に登録された順位が上位N(Nは、1以上の自然数)件のレコードの登録内容を表示するように、表示部12を制御する。上述したように、選定部24dは、実使用条件下におけるセラコンの容量の1単位当たりの価格である正規化価格が小さい方から上位N個の部品を選定し、選定した部品に係る情報を出力する。よって、選定部24dによれば、実使用条件下における部品の選定を行うことができる。また、入力部11を操作して、部品選定処理を実行するための指示を入力したユーザは、出力された上位N個の部品に係る情報を参考にして、回路に用いる部品を決定することができる。
制御部24は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などの回路である。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係る部品選定装置20の処理の流れについて説明する。図12は、実施例2に係る判定テーブル登録処理の手順を示すフローチャートである。実施例2に係る判定テーブル登録処理は、例えば、入力部11から、判定テーブル登録処理を実行するための指示が制御部24に入力された場合に、制御部24により実行される。
図12に示すように、取得部24aは、部品情報13aから全てのレコードを取得する(S201)。続いて、取得部24aは、取得したレコードの中に、未選択のレコードがあるか否かを判定する(S202)。未選択のレコードがある場合(S202;Yes)には、取得部24aは、未選択のレコードを1つ選択する(S203)。
そして、取得部24aは、選択したレコードの「部品コード」の項目から部品コードを取得する(S204)。そして、取得部24aは、変動パラメータ13bを参照し、変動パラメータ13bに登録されたグラフの中から、取得した部品コードに対応付けられたグラフを特定する(S205)。
続いて、取得部24aは、予め定められた複数の大きさの印加電圧の中に、未選択の印加電圧があるか否かを判定する(S206)。未選択の印加電圧がある場合(S206;Yes)には、取得部24aは、未選択の印加電圧を1つ選択する(S207)。そして、取得部24aは、特定したグラフから、選択した印加電圧における実効容量を取得する(S208)。
そして、取得部24aは、価格情報13cから、取得した部品コードに対応する価格を取得する(S209)。正規化部24bは、取得部24aにより取得された価格を、取得部24aにより取得された実効容量で除した正規化価格を算出する(S210)。
そして、算出部24cは、上記の式(2)に従って、取得部24aにより選択されたレコードに登録された部品コードによって識別される部品の推定寿命L1を算出する(S211)。
そして、算出部24cは、取得部24aにより選択されたレコードに登録された各種の情報、正規化価格、実効容量、及び、推定寿命を判定テーブル13dに登録し(S212)、S206に戻り、S206での処理を行う。ここで、未選択の印加電圧がない場合(S206;No)には、取得部24aは、予め定められた複数の大きさの全ての印加電圧を未選択であるものとし(S213)、S202に戻って、S202での処理を行う。一方、未選択のレコードがない場合(S202;No)には、算出部24cは、処理を終了する。
図13は、実施例2に係る部品選定処理の手順を示すフローチャートである。実施例2に係る部品選定処理は、例えば、入力部11から、部品選定処理を実行するための指示が制御部24に入力された場合に、制御部24により実行される。
図13に示すように、選定部24dは、入力部11から部品選定処理を実行するための指示が入力された場合に、先の図7の例に示すような検索画面16を表示するように表示部12を制御する(S301)。そして、選定部24dは、検索画面16の「OK」という表記がされたボタン16eが押下されたか否かを判定する(S302)。ボタン16eが押下されていない場合(S302;No)には、選定部24dは、検索画面16の「キャンセル」という表記がされたボタン16fが押下されたか否かを判定する(S303)。ボタン16fが押下されていない場合(S303;No)には、選定部24dは、S302に戻って、再び、S302の処理を実行する。また、ボタン16fが押下された場合(S303;Yes)には、選定部24dは、処理を終了する。
一方、ボタン16eが押下された場合(S302;Yes)には、選定部24dは、検索画面16に入力された使用電圧、使用周囲温度、部品必要寿命時間、実効容量を取得する(S304)。
そして、選定部24dは、判定テーブル13dから、受け付けた実効容量から所定値αを減じた(実効容量−α)から実効容量に所定値αを加えた(実効容量+α)までの範囲のいずれかの容量が「定格容量」の項目に登録されたレコードを取得する。なお、選定部24dは、受け付けた実効容量が「0.1[μF]」である場合に、E3系列などの系列にしたがって、例えば、「0.047[μF]」〜「0.22[μF]」の範囲で、レコードを取得することもできる(S305)。
続いて、選定部24dは、取得したレコードの中に、未選択のレコードがあるか否かを判定する(S306)。未選択のレコードがある場合(S306;Yes)には、選定部24dは、未選択のレコードを1つ選択する(S307)。
そして、選定部24dは、選択したレコードの「定格電圧」の項目から定格電圧を取得する(S308)。そして、選定部24dは、取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧以上であるか否かを判定する(S309)。取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧未満である場合(S309;No)には、選定部24dは、S306に戻り、S306での処理を行う。一方、取得した定格電圧が、受け付けた使用電圧以上である場合(S309;Yes)には、選定部24dは、選択したレコードの「最大温度」の項目に登録された、部品が使用可能な上限の温度を取得する(S310)。
そして、選定部24cは、取得した温度が、受け付けた使用周囲温度以上であるか否かを判定する(S311)。取得した温度が、受け付けた使用周囲温度未満である場合(S311;No)には、選定部24dは、S306に戻り、S306での処理を行う。一方、取得した温度が、受け付けた使用周囲温度以上である場合(S311;Yes)には、選定部24dは、次の処理を行う。すなわち、選定部24dは、選択したレコードの複数の「実効容量」の項目のうち、受け付けた使用電圧に最も近い電圧に対応する「実効容量」の項目に登録された実効容量を取得する(S312)。
そして、選定部24dは、取得した実効容量が、受け付けた実効容量以上であるか否かを判定する(S313)。取得した実効容量が、受け付けた実効容量未満である場合(S313;No)には、選定部24dは、S306に戻り、S306での処理を行う。
一方、取得した実効容量が、受け付けた実効容量以上である場合(S313;Yes)には、選定部24dは、次の処理を行う。すなわち、選定部24dは、選択したレコードの複数の「推定寿命」の項目のうち、受け付けた使用電圧に最も近い電圧に対応する「推定寿命」の項目に登録された推定寿命を取得する(S314)。
そして、選定部24dは、受け付けた使用周囲温度が、先の基準使用温度(T1)と一致するか否かを判定する(S315)。
受け付けた使用周囲温度が、先の基準使用温度と一致しない場合(S315;No)には、選定部24dは、取得した推定寿命を補正し(S316)、S317へ進む。また、受け付けた使用周囲温度が、先の基準使用温度と一致する場合(S315;Yes)にも、選定部24dは、S317へ進む。
S317では、選定部24dは、推定寿命が、部品必要寿命時間以上であるか否かを判定する。推定寿命が、受け付けた部品必要寿命時間よりも短い場合(S317;No)には、選定部24dは、S306に戻り、S306での処理を行う。
一方、推定寿命が部品必要寿命時間以上である場合(S317;Yes)には、受け付けた各種の条件(使用電圧、使用周囲温度、部品必要寿命時間、実効容量)を満たすこととなるため、選定部24dは、選択したレコードの登録内容を取得する(S318)。
そして、選定部24dは、取得した登録内容を選定情報13eに登録し(S319)、S306に戻って、S306での処理を行う。
また、未選択のレコードがない場合(S306;No)には、選定部24dは、選定情報13eのレコードを「正規化価格」の項目に登録された正規化価格の昇順でソートする(S320)。そして、選定部24dは、正規化価格の昇順となった各レコードの「候補番号」の項目に順位を登録する(S321)。続いて、選定部24dは、「候補番号」に登録された順位が上位N(Nは、1以上の自然数)件のレコードの登録内容を表示するように、表示部12を制御し(S322)、処理を終了する。
上述してきたように、実施例2に係る部品選定装置20は、「候補番号」に登録された順位が上位N(Nは、1以上の自然数)件のレコードの登録内容を出力する。すなわち、部品選定装置20は、実使用条件下におけるセラコンの容量の1単位当たりの価格である正規化価格が小さい方から上位N個の部品を選定し、選定した部品に係る情報を出力する。よって、部品選定装置20によれば、実使用条件下における部品の選定を行うことができる。
また、実施例2に係る部品選定装置20は、基準使用温度に基づいて、部品の推定寿命を算出する。そして、部品選定装置20は、受け付けた使用周囲温度が、基準使用温度と一致しない場合には、推定寿命を補正し、補正した推定寿命を用いて、部品の選定を行う。したがって、部品選定装置20によれば、部品の選定の精度が低下することを抑制することができる。
また、実施例2に係る部品選定装置20は、選択した印加電圧が、3.3Vなどのような、変動パラメータ13bに記憶されていない電圧である場合には、次の処理を行う。すなわち、部品選定装置20は、使用電圧の前後の電圧に対応する実効容量を用いて、公知の補間の技術により、使用電圧に対応する実効容量を算出する。すなわち、部品選定装置20は、少ない数の実効容量と印加電圧との関係が登録された変動パラメータ13bを用いて実効容量を算出することができる。それゆえ、部品選定装置20によれば、データサイズが小さい変動パラメータ13bを用いて実効容量を算出することができる。
また、実施例2に係る部品選定装置20は、予め判定テーブル13dに各種の内容を登録しておくので、入力部11から、部品選定処理を実行するための指示が制御部24へ入力されてから部品を選定して出力するまでの処理が簡易となる。すなわち、部品選定装置20では、判定テーブル13dに各種の内容を登録する処理と、部品を選定し、選定した部品に係る情報を出力する処理とが非同期であるので、処理が簡易となる。
なお、実施例2において、選定部品装置20は、取得部24a、正規化部24b及び算出部24cに代えて、実施例1に係る取得部14a、正規化部14b及び算出部14cを有することもできる。この場合、選定部品装置20が有する取得部14a、正規化部14b及び算出部14cは、選定部24dが実行する処理とは非同期で、判定テーブル13dに各種の内容を登録して、判定テーブル13dを構築することもできる。
次に、実施例3に係るシステムについて説明する。実施例3に係るシステムにおける部品選定装置は、部品の選定を行う際に、上述した検索画面16を用いて、条件を取得するのではなく、回路設計支援装置から送信された条件を用いて、部品の選定を行う。また、実施例3に係るシステムにおける部品選定装置は、部品情報13aを保持せず、回路設計支援装置から送信された部品情報を用いて、部品の選定を行う。その他の機能については、上述した実施例1に係る部品選定装置10や実施例2に係る部品選定装置20と同様である。
図14は、実施例3に係るシステムの構成の一例を説明するための図である。図14の例に示すように、システム70は、部品選定装置50と、回路設計装置80とを有する。
回路設計装置80は、CAD(Computer Aided Design)などの回路設計支援ツールを用いて、回路設計を支援する装置である。回路設計装置80は、回路を設計する際に、セラコンなどの部品の候補の出力を部品選定装置50に要求する。また、かかる要求とともに、回路設計装置80は、部品が用いられる実環境における条件及び部品情報を部品選定装置50に送信する。
部品選定装置50は、上述した要求とともに、条件及び部品情報を受信すると、受信した条件及び部品情報を用いて、上述した部品選定装置10または部品選定装置20と同様に、部品を選定する。そして、部品選定情報50は、選定した部品に係る情報を回路設計装置80に送信する。選定した部品に係る情報を受信した回路設計装置80は、受信した選定した部品に係る情報を用いて、回路に組み込む部品を決定する。
上述したように、回路設計装置80と、部品選定装置50とが連動することで、容易に部品の選定を行うことができることから、回路設計にかかる負荷を軽減することができる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。例えば、開示の装置は、他の装置からの要求に応じて、部品を選定し、選定した部品に係る情報を要求元の装置に送信することもできる。
また、開示の装置は、選定の候補から外れた部品であっても、実際に使用される条件を緩和して、緩和された条件において動作可能である場合には、かかる部品を選定することもできる。
また、各実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともできる。また、各実施例において説明した各処理のうち、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、各種の負荷や使用状況などに応じて、各実施例において説明した各処理の各ステップでの処理を任意に細かくわけたり、あるいはまとめたりすることができる。また、ステップを省略することもできる。
また、各種の負荷や使用状況などに応じて、各実施例において説明した各処理の各ステップでの処理の順番を変更できる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的状態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
[部品選定プログラム]
また、上記の実施例で説明した部品選定装置10,20,50の各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、図15を用いて、上記の各実施例で説明した部品選定装置10,20,50と同様の機能を有する部品選定プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図15は、部品選定プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図15に示すように、コンピュータ300は、CPU310、ROM320、HDD(Hard Disk Drive)330、RAM340を有する。これら各機器310〜340は、バス350を介して接続されている。
ROM320には、OS(Operating System)などの基本プログラムが記憶されている。また、HDD330には、上記の実施例1で示す取得部14a、正規化部14b、算出部14c、選定部14dと同様の機能を発揮する部品選定プログラム330aが予め記憶される。なお、部品選定プログラム330aは、上記の実施例2で示す取得部24a、正規化部24b、算出部24c、選定部24dと同様の機能を発揮するプログラムであってもよい。また、部品選定プログラム330aについては、適宜分離しても良い。また、HDD330には、記憶部13に記憶された各種のデータ、各種のテーブルが設けられる。
そして、CPU310が、部品選定プログラム330aをHDD330から読み出して実行する。
そして、CPU310は、各種のデータ、各種のテーブルを読み出してRAM340に格納する。さらに、CPU310は、RAM340に格納された各種のデータ、各種のテーブルを用いて、部品選定プログラム330aを実行する。なお、RAM340に格納されるデータは、常に全てのデータがRAM340に格納されなくともよい。処理に用いられるデータがRAM340に格納されれば良い。