JP2015036874A - 紙幣一括投入装置、紙幣処理装置、及び紙幣取扱装置 - Google Patents

紙幣一括投入装置、紙幣処理装置、及び紙幣取扱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多枚数紙幣を順次給送している途中で残りの紙幣束が全体として分離ローラ側へ押し込まれて分離ローラとストップローラとの間のニップ部に楔状に入り込んで種々の支障をもたらす事態を未然に防止する。【解決手段】正逆転可能な給送ローラ10と、紙幣束の他面と接触したり離間するバックアップ部材12と、紙幣の一面に接してこれを下流へ給送する正逆転可能な分離ローラ20と、該分離ローラと対向配置され、給送方向への回転が規制されたストップローラ22と、を備え、給送ローラにより給送された紙幣を分離給送する動作を複数枚分先行して行った後で、給送ローラ、及び分離ローラを所定量逆転し、その後正転させることにより残りの複数枚の紙幣を順次分離給送する。【選択図】図1

Description

本発明は、各種自動販売機、入出金装置、両替機等の紙幣取扱装置に装備される紙幣処理装置を構成する紙幣一括投入装置、紙幣処理装置、及び紙幣取扱装置の改良に関する。
各種自動販売機、入出金装置、両替機等の紙幣取扱装置は、紙幣の処理を行う紙幣処理装置を備えている。紙幣処理装置は、利用者が紙幣挿入口から挿入した紙幣を引き込んで装置内部に搬送し、搬送過程で挿入された紙幣の紙幣長、真贋、金種を判定する。そして、紙幣が受入れ可能な正規紙幣である場合にはこれを受け入れ、更に奥部に配置された紙幣収納部に収納したり、紙幣収納部から釣り銭や返却紙幣を払い出す。
多枚数の紙幣を重ねた状態で紙幣投入口から一括投入することが可能な紙幣一括投入装置が従来から知られている(特許文献1)。この紙幣一括投入装置は、紙幣挿入口に投入、或いはセットされた紙幣束から最上部の紙幣を一枚ずつ分離しながら装置内部へ給送する構成を備えている。
しかし、特許文献1の装置は、紙幣束を引き込む紙幣引込み部と、その下流側に配置された差込み補助部との間に返却補助部を設けることにより、紙幣通路内に残留した短い紙幣を返却補助部によって返却可能に構成しているため、返却補助部を増設する必要があり、部品点数増大、コストアップをもたらすことが明かである。
次に、多枚数の紙幣を重ねた状態で紙幣投入口から一括投入することが可能な他の従来例に係る紙幣一括投入装置の構成、動作、及び欠点について、図8、図9に基づいて説明する。
この紙幣一括投入装置100は、複数枚、例えば最大30枚の紙幣を積層状態とした紙幣束Sを投入できる紙幣投入口101と、紙幣投入口101に配置された引込みローラ対103と、紙幣投入口101から装置内部に向けて延びる紙幣束搬送経路105と、紙幣束搬送経路105に沿って配置された紙幣搬送ベルト107と、紙幣搬送ベルト107の下流側に配置されて紙幣束Sの最上面に接して回転する給送ローラ110と、紙幣束搬送経路105を間に挟んで給送ローラ110と対向配置され、且つ紙幣束搬送経路に向けて進退することにより紙幣束の下面と接触したり離間するバックアップ部材112と、更に下流側に配置され給送されてきた紙幣の上面に接して下流へ給送する分離ローラ120と、紙幣束搬送経路105を間に挟んで分離ローラ120と対向配置され、且つ給送方向への回転駆動が規制されたストップローラ122と、を備えている。
給送ローラ110と分離ローラ120との間には紙幣束停止部材125が配置されており、給送ローラ110へ向けて給送されてきた紙幣束は、その先端を紙幣束停止部材125に当接させることにより一旦停止する。
バックアップ部材112は、紙幣束の先端が紙幣束停止部材125に達するまでは図8(a)(b)に示した退避位置に下降しているが、紙幣束が紙幣束停止部材125に達して停止すると、(c)のように上昇して紙幣束Sを給送ローラ110に押し付ける。
この状態で給送ローラ110を給送方向へ回転させると最上部の紙幣が分離ローラ120とストップローラ122との間に給送される((d))。二枚以上の紙幣が重送されている場合には、ストップローラ122が上から二枚目以下の紙幣が通過するのを阻止する。
尚、ストップローラ122は、この分離給送時に給送方向とは逆の戻し方向へ回転して重送を阻止するようにしても良い。
ところで、紙幣束Sが20枚、30枚といった多枚数から成る場合には、図8(d)の状態で給送、分離を継続していると、給送ローラ110とバックアップ部材112によって紙幣束を抑えきれなくなり、図9(e)に示したように残りの紙幣束が全体として紙幣束停止部材125を乗り越えて前進し、先端部を分離ローラ120とストップローラ122とのニップ部に楔状に入り込ませた状態となる。
このような状態になると、分離ローラ120とストップローラ122による最上部の先行紙幣S1とその直下の後続紙幣S2との分離が不十分となり、後続紙幣S2が先行紙幣S1に引きずられて分離ローラよりも先方へ飛び出し易くなる((f))。その結果、先行紙幣S1の後端部と後続紙幣S2の先端部との間隔Gが狭くなり、後続紙幣S2が下流側に配置された紙幣識別部における識別を受ける際のタイミングに支障をもたらしたり、紙幣収納部における収納動作に支障を来すことになる。具体的には、例えば先行紙幣S1が紙幣識別部にて識別を受けている最中に後続紙幣S2が紙幣識別部に進入して識別動作に支障を来す虞がある。
特開2007―94807公報
紙幣束の最上部に接して一枚ずつ給送する給送ローラと、給送されてきた紙幣を一枚ずつに分離する分離ローラ等から成る分離機構とを備えた従来の紙幣一括投入装置により多枚数を給送処理する場合には、全枚数を給送処理し終わる前の段階で残りの紙幣束が全体として分離ローラ側へ押し込まれて分離ローラとストップローラとの間のニップ部に楔状に入り込む事態が発生し易くなる。このような事態になると、先行する紙幣とその直下の後続紙幣との分離が不十分となり、後続紙幣が先行紙幣に引きずられて分離ローラよりも先方へ飛び出し易くなる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、紙幣束の最上部に接して一枚ずつ給送する給送ローラと、給送されてきた紙幣を一枚ずつに分離する分離ローラ等から成る分離機構とを備えた紙幣一括投入装置において、多枚数紙幣を順次給送している途中で残りの紙幣束が全体として分離ローラ側へ押し込まれて分離ローラとストップローラとの間のニップ部に楔状に入り込んで種々の支障をもたらす事態を未然に防止する技術を提供するものである。
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る紙幣一括投入装置は、積層状態で一括投入されてくる紙幣束を給送する紙幣束給送手段と、該紙幣束給送手段の下流側に配置されて該紙幣束の一面側から一枚ずつ取り出して分離給送する紙幣分離給送手段と、制御手段と、を備えた紙幣一括投入装置であって、前記紙幣分離給送手段は、前記紙幣束の一面に接して回転する正逆転可能な給送ローラと、前記給送ローラと対向配置され、且つ前記投入経路に向けて進退することにより前記紙幣束の他面と接触したり離間するバックアップ部材と、前記給送ローラにより給送されてきた紙幣の一面に接してこれを下流へ給送する正逆転可能な分離ローラと、該分離ローラと対向して配置され給送方向への回転が規制されたストップローラと、を備え、前記制御手段は、給送された紙幣を前記紙幣分離給送手段によって分離給送する動作を複数枚分先行して行った後で、前記給送ローラ、及び前記分離ローラを所定量逆転し、その後正転させることにより残りの複数枚の紙幣を順次分離給送することを特徴とする。
請求項2の発明に係る紙幣一括投入装置は、前記ストップローラは、少なくとも前記分離給送動作の際に前記給送方向とは逆方向へ回転することを特徴とする。
請求項3の発明に係る紙幣処理装置は、請求項1又は2に係る紙幣一括投入装置を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明に係る紙幣取扱装置は、請求項3に係る紙幣処理装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、紙幣束の最上部に接して一枚ずつ給送する給送ローラと、給送ローラに接触して給送圧力を付与するバックアップ部材と、給送されてきた紙幣を一枚ずつに分離する分離ローラ等から成る紙幣分離給送手段と、を備えた紙幣一括投入装置において、多枚数紙幣を順次給送している途中で残りの紙幣束が全体として分離ローラ側へ押し込まれて分離ローラとストップローラとの間のニップ部に楔状に入り込んで種々の支障をもたらす事態を未然に防止することができる。
(a)乃至(d)は本発明の一実施形態に係る紙幣一括投入装置の構成及び動作を示す説明図である。 (e)は本発明の一実施形態に係る紙幣一括投入装置の構成及び動作を示す説明図である。 (a)(b)は第1の実施形態によって紙幣束の戻し操作を行った場合の問題点を示した説明図である。 (a)乃至(d)は第1の実施形態によって紙幣束の戻し操作を行った場合の他の問題点を示した図である。 押圧部に抵抗媒体を固定したバックアップ部材の構成を示す要部斜視図である。 (a)は給送ローラとバックアップ部材との間に一枚の紙幣が挟持されている場合の摩擦メカニズムを示し、(b)は従来のバックアップ部材を用いて複数枚の紙幣を給送する場合の摩擦メカニズムを示し、(c)は本発明に係る改良を施したバックアップ部材を用いて複数枚の紙幣を給送する場合の摩擦メカニズムを示した概略図である。 バックアップ部材の押圧部表面にガラスクロスから成る抵抗媒体を固定した場合の性能評価についての検証方法の説明図であり、(a)は紙幣の適所にマーカーを付した状態を示し、(b)はこの紙幣が逆送される状態を示しており、(c)は検証結果を示した比較図である。 (a)乃至(d)は多枚数の紙幣を重ねた状態で紙幣投入口から一括投入することが可能な他の従来例に係る紙幣一括投入装置の構成、動作、及び欠点についての説明図である。 (e)及び(f)は図8の続きであり、従来例に係る紙幣一括投入装置の構成、動作、及び欠点についての説明図である。
以下、本発明を図面に示した実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1(a)乃至(d)、及び図2(e)は本発明の一実施形態に係る紙幣一括投入装置の構成及び動作を示す説明図である。
紙幣一括投入装置1は、各種自動販売機、入出金装置、両替機等の紙幣取扱装置に装備されて紙幣の処理を行う紙幣処理装置に使用される。
本発明の紙幣一括投入装置1は、積層状態で一括投入されてくる紙幣束を給送する紙幣束給送手段Aと、紙幣束給送手段Aの下流側に配置されて該紙幣束の外面から一枚ずつ取り出して分離給送する紙幣分離給送手段Bと、これらの駆動機構50と、制御手段55とをそなえている。
紙幣一括投入装置1は、複数枚の紙幣を積層状態とした紙幣束Sを投入する紙幣投入口2と、紙幣投入口2から投入された紙幣束の上下面をニップして回転することにより装置内部に引き込む引込みローラ対3と、紙幣投入口2から装置内部に向けて延びる紙幣束搬送経路5と、紙幣束搬送経路5に沿って配置されて紙幣束を下流へ向けて搬送する紙幣搬送ベルト7と、紙幣搬送ベルト7の下流側に配置されて紙幣束Sの最上面に接して回転することにより最上部の紙幣を下流へ給紙する正逆回転可能な給送ローラ10と、紙幣束搬送経路5を間に挟んで給送ローラ10と対向配置され、且つ紙幣束搬送経路に向けて進退することにより紙幣束の下面と接触したり離間するバックアップ部材12と、バックアップ部材12の更に下流側に配置されて給紙されてきた紙幣の上面に接して下流へ給送する正逆転可能な分離ローラ20と、分離ローラ20と対向配置され、給送方向への回転が規制されたストップローラ(リバースローラ)22と、各構成要素を駆動する駆動機構50と、駆動機構を制御する制御手段55と、を備えている。
給送ローラ10と、バックアップ部材12と、分離ローラ20と、ストップローラ22とは、紙幣分離給送手段Bを構成している。
給送ローラ10と分離ローラ20との間には紙幣束停止部材25が配置されており、紙幣搬送ベルト7によって給送ローラ10へ向けて給送されてきた紙幣束Sは、その先端面を紙幣束停止部材25に当接させたことが図示しないセンサによって検知された後、所定のタイミングで一旦停止する。つまり、センサからの検知信号を受けた制御手段55が紙幣搬送ベルト7の駆動を停止する。
バックアップ部材12は、屈曲した押圧部13aを有した押圧部材13の上流側を回動軸14によって上下方向へ回動自在に軸支すると共に、押圧部材13を弾性部材15によって押圧方向(時計回り方向)へ付勢した構成を有しており、押圧部13aは給送ローラ10が紙幣束上面と接する位置の下方に位置している。
バックアップ部材12は、紙幣束Sの先端が紙幣束停止部材25に達するまでは図1(a)(b)に示した退避位置に下降している。また、押圧部材13は図示しないソレノイド、或いはモータによって、弾性部材15の付勢力に抗して押圧解除方向(反時計回り方向)へ回動することにより、押圧部13aを紙幣束Sの下面から離れて退避位置に下降している。
紙幣束が紙幣束停止部材25に達して停止すると、ソレノイド等による回動が解除され弾性部材15の付勢力によりバックアップ部材12は(c)のように上昇して押圧部材13が紙幣束Sの下面を上方に圧接することにより給送ローラ10に押し付ける。
給送ローラが給送方向へ回転した時に給送ローラと最上面の紙幣との間に十分な給紙圧力を確保するように機能する。
図1(c)の状態で給送ローラ10を給送方向へ回転させると最上部の紙幣が分離ローラ20とストップローラ22との間に給送される((d))。二枚以上の紙幣の重送は、ストップローラ22が戻し方向へ回転して下側の紙幣を上流側に戻すか、或いはストップローラが停止することにより重送を阻止する。
本発明の特徴的な構成は、給送ローラ10を正転させて紙幣分離給送手段Bによって紙幣束S中から一枚ずつ分離給送する動作を複数枚分先行して行った後で、給送ローラ10、及び分離ローラ20を所定量逆転し、その後正転させることにより残りの複数枚の紙幣を順次分離給送するように制御した点にある。
即ち、紙幣束Sが20枚、30枚といった多枚数から成る場合には、図1(d)の状態で給送、分離を継続していると、給送ローラ10とバックアップ部材12によって紙幣束を抑えきれなくなり、図9(e)に示したように残りの紙幣束が全体として紙幣束停止部材25を乗り越えて前進し、先端部を分離ローラ20とストップローラ22とのニップ部に楔状に入り込ませた状態となる。この状態は、先行紙幣と後続紙幣との間隔を狭める給送不良の原因となる。
そこで本発明では、例えば30枚の紙幣から成る紙幣束を構成する紙幣を全て連続して給送するのではなく、紙幣を例えば10枚給送した時に一旦下流への給送を停止し、その後直ちに給送ローラ10、及び分離ローラ20を所定量逆転して図1(d)に示した正規の位置に戻すようにした(図2(e))。正規の位置に戻した後は、通常通りに給送ローラ10と分離ローラ20を正転させることにより、残りの紙幣を図1(d)に示した正規の位置から給送することが可能となる。この動作を次の10枚を給送した後にも繰り返すことにより、30枚全てを正常に給送することが可能となる。
つまり、本発明では、図9(e)に示した楔状態になった紙幣束、或いは楔状態になりかけた紙幣束を、図2(e)に示したように給送ローラ10と分離ローラ20を逆転させることによって、図1(d)に示した正規の位置、或いは図2(e)に示した退避位置に戻すようにしている。
(d)に示した正規の位置(或いは、図2(e)に示した退避位置)にある紙幣束から何枚の紙幣を給送したときに楔状態に移行するかは、紙幣の材質等によって一様でないため、実験的に得られるデータに基づいて、給送を一旦停止する枚数を変更設定できるように構成する。
また、給送ローラ10と分離ローラ20を逆転させたときにどの位置まで紙幣束を後退させるかは、実験的に得られるデータに基づいて決定する。具体的には、図1(b)に示した正規の位置(紙幣束停止部材25の位置)まで退避させるようにしてもよいし、図2(e)に示した退避位置((b)の位置よりも下流側)としてもよい。
或いは、給送ローラ10と分離ローラ20との間にセンサ60を配置して紙幣束の先端部が分離ローラとストップローラとの間に入り込んでいるか否かを検知するようにしてもよい。即ち、図1(c)のように紙幣束先端が正規の給送開始位置にある時にはセンサ60は紙幣を検知しないが、図9(e)のように紙幣束先端が分離ローラとストップローラとの間に入り込んでいる場合にはセンサ60がこれを検知することができる。センサ60からの検知信号を受信した制御手段55は駆動機構50を制御して、それまで正転していた給送ローラ10と分離ローラ20を一旦停止させてから、逆回転させる。これにより、紙幣束を後退させて正常な給送、分離を再開することが可能となる。
<第2の実施形態>
第1の実施形態に示した制御を行った場合、次のような不具合が発生する。
図3(a)(b)は第1の実施形態によって紙幣束の戻し操作を行った場合の問題点を示している。
図9(e)に示すように楔状に入り込んだ紙幣束Sを、図3(a)のように給送ローラ10及び分離ローラ20の逆転によって後方へ戻す動作を開始すると、楔状の形態を解消しながら紙幣束が後方へ移動してゆく。
しかし、このとき、紙幣束S中の上側の紙幣を適正な位置まで後退させるべく給送ローラを所定量逆転させるが、その際に紙幣間の摩擦力によって紙幣束全体が楔状の形態を維持したまま後退する場合がある。図3(b)に示すように、最下層の紙幣S3がバックアップ部材12の押圧部13aによって係止しきれずに後退することによって、紙幣先端部が押圧部13aを外れた位置まで後退すると、給送ローラとバックアップ部材とによって挟持されていない状態となる。このため、その後に給送を再開した時に最下部の紙幣S3だけが下流へ向けて給送されない事態が発生する。
次に、図4は第1の実施形態によって紙幣束の戻し操作を行った場合の他の問題点を示している。
例えば、韓国の紙幣のように額面によって長さが著しく異なる複数種類の紙幣を紙幣一括投入装置1によって処理する場合には、長尺紙幣SLと短尺紙幣SSの双方に適合するように給送ローラ10と分離ローラ20との間隔等を設定する必要がある。
この場合に、図4(a)に示したように長尺紙幣SLと短尺紙幣SSの後端部を揃えて重ねた30枚の紙幣束Sを図1に示した手順によって給送するとすれば、10枚毎に給送ローラ10及び分離ローラ20の停止と逆転を繰り返すことになる。
図4(b)は紙幣束の先端部が分離ローラ20とストップローラ22間に楔状に入り込んだ状態と、給送ローラ10と分離ローラ20を逆転開始させた状態を示している。このように、給送ローラ10と分離ローラ20を逆転させたことにより紙幣束が全体として所定距離後退した場合、図4(c)に示すように長尺紙幣SL間に挟まれた短尺紙幣SSだけの先端部がバックアップ部材12の押圧部13aを越えて後退することがある。
このように短尺紙幣SSの先端部が押圧部13aを離脱して上流側に退避した状態となると、給送の再開によって短尺紙幣の上方に位置する他の長尺紙幣が順次給送されて短尺紙幣の番になった時に、給送ローラ10とバックアップ部材12とによって挟持されていない短尺紙幣は給送不能に陥る。本例では、短尺紙幣の直下に長尺紙幣が存在しているため、図4(d)に示したように給送ローラは下側の長尺紙幣の上面と接触し、これを給送するため、短尺紙幣は長尺紙幣に引きずられて給送され、重送となる。
上記の如き不具合を解消するために本発明の第2の実施形態に係る紙幣一括投入装置1は、紙幣に対する給送ローラ10の摩擦係数をμ1とし、紙幣間の摩擦係数をμ2とし、紙幣に対するバックアップ部材の押圧部13aの摩擦係数をμ3’とした時に、μ1>μ2、且つμ1−μ2<μ3’としたことを特徴とする。
即ち、本発明では金属から構成されるバックアップ部材12(押圧部材13)の押圧部13aの表面を紙幣との間で滑りが発生しないように、その摩擦抵抗を高めた点が特徴的である。
なお、分離ローラ20は、高摩擦部20aと、低摩擦部20bを有しているが、バックアップ部材の押圧部13aとの摩擦係数を比較すべき対象は高摩擦部20aである。
少なくとも押圧部13aの摩擦抵抗を高める手法としては、例えば、1.押圧部13aの表面に摩擦抵抗を高めるための粗面化等の表面加工処理を施すこと、2.押圧部13aの表面にガラスクロス等の摩擦係数の高いシート状の抵抗媒体を貼り付けて固定すること、3.押圧部13aの表面に摩擦抵抗を高める材料から成る抵抗剤(膜)を塗布すること、が考えられる。
図5は押圧部に抵抗媒体70を固定したバックアップ部材の構成を示す要部斜視図であり、図6(a)は給送ローラとバックアップ部材との間に一枚の紙幣が挟持されている場合の摩擦メカニズムを示し、(b)は従来のバックアップ部材を用いて複数枚の紙幣を給送する場合の摩擦メカニズムを示し、(c)は本発明に係る改良を施したバックアップ部材を用いて複数枚の紙幣を給送する場合の摩擦メカニズムを示した概略図である。
なお、ここでは紙幣に対する給送ローラ10の摩擦係数をμ1とし、紙幣間の摩擦係数をμ2とし、紙幣に対する従来のバックアップ部材の押圧部の摩擦係数をμ3とし、紙幣に対する本発明のバックアップ部材の押圧部13aの摩擦係数をμ3’(>μ3)としている。
図6(a)に示すように給送ローラ10を逆転させる際に、バックアップ部材との間に一枚の紙幣が存在している場合には押圧部13aの摩擦抵抗の値に関係なく、紙幣を所要距離後退させることができる。
一方、図6(b)に示すように押圧部13aの摩擦係数がμ3(<μ3’)である従来のバックアップ部材と給送ローラ10との間で複数枚(本例では2枚)の紙幣を挟持している場合に給送ローラ10を逆転させると、最下部の紙幣と押圧部13aとの間の摩擦抵抗が少ないために最下部の紙幣は上側の紙幣に引きずられて後退し、押圧部から離脱する。
即ち、2枚以上の紙幣が従来のバックアップ部材と給送ローラ10との間で挟持されている場合には、各構成要素間の摩擦係数には次の関係が成り立ち、最下部の紙幣が押圧部から離脱し易くなる。
μ1>μ2且つμ1−μ2>μ3
これに対して押圧部13aの摩擦係数μ3’を、従来のバックアップ部材の押圧部の摩擦係数μ3よりも大きくした本発明のバックアップ部材12(押圧部材13)にあっては、各構成要素間の摩擦係数には次の関係が成り立ち、最下部の紙幣が押圧部から離脱しなくなる。
μ1>μ2且つμ1−μ2<μ3
次に、図7はバックアップ部材の押圧部表面にガラスクロスから成る抵抗媒体70を固定した場合の性能評価についての検証方法の説明図であり、(a)は紙幣の適所にマーカーを付した状態を示し、(b)はこの紙幣が逆送される状態を示しており、(c)は検証結果を示した比較図である。
この検証においては、バックアップ部材の押圧部表面に幅15mmのガラスクロスを貼着した。この状態で30枚の同一サイズの紙幣を重ねて紙幣投入口から一括投入し、15枚給送した時点で給送を停止し、給送ローラと分離ローラを所定量逆転させた際に最下部の紙幣が何mm後退するかを確認した。
そのために、最下部(30枚目)の紙幣の先端部に赤色のマーカーMを貼り付け、従来型のバックアップ部材を用いた装置と、本発明のバックアップ部材を用いた装置を夫々3回ずつ動作させて高速度カメラで撮影して後退距離を計算する性能比較を行った。
この結果、図7(c)に示すように従来型のバックアップ部材を用いた場合にはマーカーの位置が22〜23mmの範囲で大きく後退したのに対して、本発明ではマーカーの位置がほとんど後退しなかった。なお、本発明の3回目の動作試験では画像が粗く、マーカーを確認できなかったため、計算から除外した。
以上のように本発明では、バックアップ部材12(押圧部材13)の押圧部13aの表面を紙幣との間で滑りが発生しないように、その摩擦抵抗を高めた。具体的には、紙幣に対する給送ローラ10の摩擦係数をμ1とし、紙幣間の摩擦係数をμ2とし、紙幣に対するバックアップ部材の押圧部13aの摩擦係数をμ3’とした時に、μ1>μ2、且つμ1−μ2<μ3’とした。
このため、給送ローラ10と分離ローラ2を逆転させて紙幣束を全体として所定距離後退させたとしても、最下部の紙幣の先端部や、長尺紙幣中に挟まれた短尺紙幣がバックアップ部材の押圧部13aを越えて後退することがなくなる。このため、最下部の紙幣や短尺紙幣の給紙不良が発生することがなくなる。
<本発明の構成、作用、効果のまとめ>
本発明に係る紙幣一括投入装置は、積層状態で一括投入されてくる紙幣束Sを給送する紙幣束給送手段Aと、該紙幣束給送手段の下流側に配置されて該紙幣束の一面側から一枚ずつ取り出して分離給送する紙幣分離給送手段Bと、制御手段55と、を備え、紙幣束給送手段Sは、紙幣束の一面に接して回転する正逆転可能な給送ローラ10と、紙幣束の給送経路を間に挟んで給送ローラと対向配置され、且つ投入経路に向けて進退することにより紙幣束の他面と接触したり離間するバックアップ部材12と、を備え、紙幣分離給送手段Bは、紙幣束給送手段Aにより給送されてきた紙幣の一面に接してこれを下流へ給送する正逆転可能な分離ローラ20と、該分離ローラと対向配置され、給送方向への回転が規制されたストップローラ22と、を備え、制御手段55は、給送ローラにより給送された紙幣を紙幣分離給送手段によって分離給送する動作を複数枚分先行して行った後で、給送ローラ、及び分離ローラを所定量逆転し、その後正転させることにより残りの複数枚の紙幣を順次分離給送することを特徴とする。
紙幣束給送手段A、紙幣分離給送手段Bの構成は図面に示した実施形態に限定されない。紙幣束を構成する紙幣を何枚給送した段階で、給送ローラ、及び分離ローラを所定量逆転させることによって残りの紙幣束を給送し易い後退位置に移動させるかは、処理する紙幣の材質等を勘案しながら適宜設定する。残りの紙幣束をどの位置まで後退させるかも同様に適宜設定する。
また、ストップローラは、少なくとも分離給送動作の際に給送方向とは逆方向へ回転することを特徴とする。
本発明の紙幣一括投入装置は、各種自動販売機、入出金装置、両替機等の紙幣取扱装置に装備されて紙幣に対して種々の処理を行う紙幣処理装置に適用することができる。
また、本発明に係る紙幣処理装置は、各種自動販売機、入出金装置、両替機等の紙幣取扱装置に適用することができる。
A…紙幣束給送手段、B…紙幣分離給送手段、1…紙幣一括投入装置、3…引込みローラ対、5…紙幣束搬送経路、7…紙幣搬送ベルト、10…給送ローラ、12…バックアップ部材、13…押圧部材、13a…押圧部、14…回動軸、15…弾性部材、20…分離ローラ、22…ストップローラ、25…紙幣束停止部材、50…駆動機構、55…制御手段、60…センサ、70…抵抗媒体

Claims (4)

  1. 積層状態で一括投入されてくる紙幣束を給送する紙幣束給送手段と、該紙幣束給送手段の下流側に配置されて該紙幣束の一面側から一枚ずつ取り出して分離給送する紙幣分離給送手段と、制御手段と、を備えた紙幣一括投入装置であって、
    前記紙幣分離給送手段は、前記紙幣束の一面に接して回転する正逆転可能な給送ローラと、前記給送ローラと対向配置され、且つ前記投入経路に向けて進退することにより前記紙幣束の他面と接触したり離間するバックアップ部材と、
    前記給送ローラにより給送されてきた紙幣の一面に接してこれを下流へ給送する正逆転可能な分離ローラと、該分離ローラと対向して配置され給送方向への回転が規制されたストップローラと、を備え、
    前記制御手段は、給送された紙幣を前記紙幣分離給送手段によって分離給送する動作を複数枚分先行して行った後で、前記給送ローラ、及び前記分離ローラを所定量逆転し、その後正転させることにより残りの複数枚の紙幣を順次分離給送することを特徴とする紙幣一括投入装置。
  2. 前記ストップローラは、少なくとも前記分離給送動作の際に前記給送方向とは逆方向へ回転することを特徴とする請求項1に記載の紙幣一括投入装置。
  3. 請求項1又は2に係る紙幣一括投入装置を備えたことを特徴とする紙幣処理装置。
  4. 請求項3に係る紙幣処理装置を備えたことを特徴とする紙幣取扱装置。
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