(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、遊技機1の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、本発明の第1実施形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠(遊技枠)6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED(発光ダイオード:光源)等によって構成された枠装飾装置21(図4参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図4参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図4参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサ23(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサによって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置(発射装置)を駆動するための操作部15(発射操作部、発射ハンドル)とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
なお、球発射装置を動作させる操作部15又はその近傍において、発射停止スイッチ110と、タッチスイッチ120が設けられる。発射停止スイッチ110(発射制御操作部)は、遊技者が押すことにより発射停止スイッチ信号を出力し、球発射装置の遊技球の発射を停止する。タッチスイッチ120(タッチセンサ)は、遊技者が操作部15を操作していること(遊技者の手が操作部15に触れていること)を検出するもので、この検出がないときには、球発射装置からの遊技球の発射が停止される。タッチスイッチ120(タッチセンサ)は、操作部15への操作を検出可能な操作検出手段を構成する。例えば、タッチスイッチ120は、環状の金属部分を有し、遊技者がこの金属部分に接触することによる静電容量の変化を検出して、信号を出力する。代わりに、タッチスイッチ120は、人感センサとして温度などを検出してもよい。
球発射装置は、遊技者による操作部15の操作に対応して、第1の発射勢で遊技球を発射する第1発射態様と、第1の発射勢とは異なる第2の発射勢で遊技球を発射する第2発射態様と、で発射可能である。例えば、第1発射態様は、左打ちと右打ちのうちの一方であり、第2発射態様は、左打ちと右打ちのうちの他方である。左打ち、右打ちとは、それぞれ、遊技領域31(図2参照)の左側、右側において遊技球を流下させる態様である。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン70(プッシュボタン71とセレクトボタン72からなる)が上皿11aの手前側に配設されている。セレクトボタン72は、プッシュボタン71の横に配設されている。遊技者が演出ボタン70を操作することによって、表示装置(変動表示装置、変動表示手段)35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、変動表示ゲームの演出パターン(演出態様)を変更することができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲーム(普図ゲーム、特定変動表示ゲーム)が含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動時間の短縮機能が作動して特図変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短遊技状態(時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(高確率状態、確変状態)、大当り状態(特別遊技状態)である。また、高確率状態に対応して通常遊技状態を低確率状態ともいう。なお、潜伏確変状態以外の確変遊技状態や、時短遊技状態では、後述の普電サポートが実行される。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
〔遊技盤構成〕
図2は、本発明の第1実施形態のセンターケース(前面構成部材)34を取り付けた状態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、プラスチック等からなる矩形状の遊技板32の表面に、金属製のガイドレール32aや導電性樹脂製の区画部材32bを設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。遊技板32は、例えば、後方が透けて見える透明部材である。遊技板32と、遊技領域31を区画するガイドレール32a及び区画部材32bとによって、遊技盤本体部が構成される。
遊技領域31には、開口部(表示窓部)34aを有するセンターケース(前面構成部材)34が配設される。遊技板32にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成されており、センターケース34はその開口に前方から嵌装される。
遊技盤30の裏側には各種演出装置から構成される演出装置ユニット(裏面構成部材)(図示省略)が配設され、この演出装置ユニットの裏側には、変動表示装置としての表示装置35と、表示装置35に表示される演出等を制御する演出制御装置700(図4)と、を備える。
表示装置35(装飾表示装置)は、複数の識別情報を変動表示する飾り特図変動表示ゲーム(装飾表示ゲーム)を表示可能な表示部35aを有する。センターケース34の開口部34aは表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部(表示窓部)34aを介して視認可能となっている。
表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示できる。表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3個の可変表示領域又は上側、中央、下側の3個の可変表示領域)を設定して、変動表示ゲームにおいて各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。なお、表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
センターケース34の右側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が配設される。図2の遊技盤30では、遊技領域31の右側において遊技球を流下させる右打ち時に、遊技球は普通図柄始動ゲート36を通過できる。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース34の左下方の遊技領域31には3個の一般入賞口40が配置されており、センターケース34の右下方の遊技領域31には1個の一般入賞口40が配置されている。
センターケース34の下方の遊技領域31には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられる。センターケース34の右下側且つ普図始動ゲート36の下方の遊技領域31には、第2始動入賞口(第2始動入賞領域、普通変動入賞装置)38が設けられる。第2始動入賞口38は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備える。遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をあけた閉状態(遊技者にとって不利な入賞規制状態)を保持している。可動部材38aが閉状態である場合には遊技球が第2始動入賞口38に入賞できないようになっている。
可動部材38aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド27(図3参照)を介して逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が第2始動入賞口38に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化(変換)する。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞することが特図変動表示ゲームを開始するための始動条件となっており、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38が当該始動条件を発生させる変動始動入賞装置をなしている。なお、第1始動入賞口37と第2始動入賞口38は、障害釘で入球の調整ができる。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置600によって制御される。遊技制御装置600は、確変遊技状態や時短遊技状態においては通常遊技状態に比べて入賞容易状態(開状態)の発生頻度を高めたり、入賞容易状態(開状態)の発生時間を長くしたりする普電サポートが実行される。普電サポートが実行される状態を普電サポート状態と呼ぶ。つまり、普電サポート状態となる確変遊技状態や時短遊技状態においては、遊技者は右打ちを行うことで第2始動入賞領域への入賞を容易に行うことができる。
第1始動入賞口37の下方の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28a(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉41aを有する第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって第1大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として複数の下カウントスイッチ605a〜605m(図3参照)が配設されている。本実施形態では、下カウントスイッチの個数は2個であるものとして説明される。
また、センターケース34の右上部には、大入賞口ソレノイド28b(図3参照)によって回動することで第2大入賞口を開放する回動部42aを有する第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第1特別変動入賞装置41と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって第2大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上カウントスイッチ606(図3参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41の第1大入賞口、及び第2特別変動入賞装置42の第2大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を上皿11aに排出する。一般的には、大入賞口に入賞した際の賞球数(例えば15個)が最も多く、一般入賞口40(例えば10個)、始動入賞口(例えば3個)と続くが、第1大入賞口と第2大入賞口の賞球数や第1始動入賞口と第2始動入賞口の賞球数を異ならせても良い。
なお、第2始動入賞口38の下方の遊技領域31には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域31の外側であって遊技板32の右下部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の普図変動表示部(普図表示器)53と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56)と、を有している。
また、一括表示装置50には、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1では、球発射ユニット140から遊技領域31に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1特別変動入賞装置41又は第2特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が上皿11aに排出される。
普図始動ゲート36は、当該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート36通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド27(図3参照)が駆動されることにより、可動部材38aが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口37への入賞及び第2始動入賞口38への入賞は、第1始動口スイッチ601(図3参照)と第2始動口スイッチ602(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値が抽出される。これら乱数値は、変動表示ゲームの実行に関する遊技情報となり、遊技制御装置600(始動記憶保留手段)の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶(始動記憶)として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示部54や特図2保留表示部55に表示されるとともに、表示装置35の表示部35aにも表示できる。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37への入賞もしくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への入賞もしくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置35では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(装飾表示ゲーム)が実行される。なお、特図1表示器51及び特図2表示器52を総称して特別図柄表示装置と呼ぶ場合がある。
表示装置35等における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左又は上(第一特別図柄)、右又は下(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置35等では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置35等の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
その後、特別遊技状態が発生して第1特別変動入賞装置41や第2特別変動入賞装置42に設けられた大入賞口ソレノイド28a及び大入賞口ソレノイド28b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、第1特別変動入賞装置41及び第2特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、本実施形態においては特別結果態様が導出されてから特別遊技状態が発生するまでの間に後述するラウンド数決定遊技(補助遊技)が実行されてもよい。また、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置35等における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。始動記憶が記憶された順で特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶(特図始動記憶)が遊技制御装置600(図3参照)のRAMに記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1個記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されている。遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、表示装置35の表示部35aには左打ち又は右打ちの指示が表示される。
〔遊技制御装置〕
次に、図3を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600について説明する。図3は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600の構成を示すブロック図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600は、遊技制御手段を構成する。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(指令情報又はコマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621(621a、621b)及び入力ポート622(622a、622b)、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621aには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及び下カウントスイッチ605a〜605mが接続される。また、近接I/F621bには、上カウントスイッチ606が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口38に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。下カウントスイッチ605a〜605m及び上カウントスイッチ606によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621は、各種スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/F621は、通常時には所定範囲内(7V−11V)となっているため、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、近接I/F621に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F621に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F621はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、近接I/F621aと近接I/F621bの二つの近接I/Fを設けている理由は、近接I/F621aの入力端子数が限られているためである。近接I/F621bは不足する入力端子数に応じて近接I/F621aよりも小型のものを用いることでコストを削減するようにしてもよい。なお、近接I/F621aとして必要な入力端子数を備えるものを用いることによって、近接I/F621bを設けないようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、電波センサ24の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は入力ポート622aに入力される。また、入力ポート622aには、遊技機1の前面枠5等に設けられた不正検出用の磁気センサ23の検出信号も入力されるようになっている。
磁気センサ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。電波センサ24は、入賞口スイッチ604などを誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート622aに入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F621の出力のうち、入力ポート622bへの出力は、遊技制御装置600から中継基板650を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになっている。さらに、近接I/F621の出力のうち第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622bの他、反転回路612を介して遊技用マイコン611へ入力されるように構成されている。反転回路612を設けているのは、遊技用マイコン611の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602としてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路612を設けずに直接遊技用マイコン611へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、第1始動口スイッチ601と第2始動口スイッチ602からの負論理の信号を直接遊技用マイコン611へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F621は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F621には、電源装置800から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
入力ポート622aには、磁気センサ23からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
入力ポート622bが保持しているデータは、遊技用マイコン611が入力ポート622bに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート622aや後述の入力ポート623も同様である。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(特図2表示器)52、普図変動表示部(普図表示器)53、特図1保留表示部54、特図2保留表示部55、普図保留表示部56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、球発射装置を制御する発射制御装置(図示省略)に発射許可信号を出力する。発射制御装置は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、前述のように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号、タッチスイッチ信号、発射停止スイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。タッチスイッチ信号は、操作部15に設けられるタッチスイッチ120の検出信号であり、遊技者が操作のために操作部15に触れた場合に出力されて操作を検出できる操作検出信号である。タッチスイッチ信号は、発射制御装置を介して払出制御装置640に入力される。
遊技制御装置600から演出制御装置700には、シリアル通信でデータが送信される。演出制御装置700には、出力部630のバッファ632aを介してサブコマンドが入力される。バッファ632aを有することによって、CPU611aからの信号を演出制御装置700に安定して送信することができる。また、演出制御装置700の側から遊技制御装置600に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保することができる。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド(変動コマンド)、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド(遊技状態を示すコマンド)、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631b及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28aは第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、大入賞口ソレノイド28bは第2特別変動入賞装置42の回動部42a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容されるように、可動部材38aを開状態に変換させる。
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケース部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631cとが接続している。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631bとが接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、フォトリレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜605m、及び上カウントスイッチ606からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート623に入力され、データバス680を介して遊技用マイコン611に取り込まれ、各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン611に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミット回路624によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のように、遊技用マイコン611に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部630の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部630を介さずに直接中継基板650に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板650のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板650を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部620の各ポート622、623には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン611によって出力部630の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部620の各ポートから遊技用マイコン611が読み込んだデータは、遊技用マイコン611のリセットによって廃棄されるためである。
〔演出制御装置〕
図4を参照して、遊技機1に備えられる演出制御装置700について説明する。図4は、本発明の第1実施形態の演出制御装置700の構成を示すブロック図である。
図4に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなり、演出制御等を行う演出用マイコン(CPU)710と、演出用マイコン710からのコマンドやデータに従って表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)720と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI706とを備える。
演出用マイコン710には、CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702が接続される。
VDP720には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM723が接続される。
音源LSI706には、音声データ等が記憶された音声ROM707が接続される。
演出用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、VDP720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI706に再生音の内容を指示したりする。また、演出用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。さらに、本発明の第1実施形態の演出用マイコン710は、遊技制御装置600からの始動口入賞演出コマンド(図11A,図11B参照)に基づいて、先読み判定処理も実行する。
演出用マイコン710の作業領域を提供するRAM711は、チップ内部に設けられている。なお、演出用マイコン710には、チップの外部にも作業領域を提供するRAM703と、強誘電体を利用した不揮発性メモリFRAM(登録商標)704とが設けられている。
演出用マイコン710とVDP720との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP720には、画像ROM723から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるRAM721、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ722が設けられる。そして、VDP720は、信号変換回路725を介して画像データを表示装置35に送信する。VDP720から信号変換回路725へは、画像データの読み出しタイミングを伝える垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCが出力される。信号変換回路725は、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置35へ送信する映像信号を生成する。
VDP720から演出用マイコン710へは、表示装置35等の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。そして同様に、VDP720から演出用マイコン710へは、同期転送信号STSとして、VRAM724への描画の終了等処理状況を知らせるための割込み信号INT0〜nや演出用マイコン710からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された始動口入賞演出コマンド、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の演出用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路741〜744は、アドレス/データバス740を介して演出用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、操作制御装置900から送信される信号(操作信号)や、各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752nのオン/オフ状態や、音量を調節する音量調節SW(スイッチ)751のオン/オフ状態を検出して演出用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750が設けられている。さらに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置35などの表示装置を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、演出用マイコン710、VDP720、音源LSI706、各種制御回路(741〜744、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、演出用マイコン710が有する汎用ポートを利用して、VDP720に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、演出用マイコン710とVDP720の動作の連携性を向上させることができる。
また、演出制御装置700の演出用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)回路705と接続される。WDT回路705は、CPU初期化で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
また、演出制御装置700は、冷却ファン780を備える。冷却ファン780は、高温となる演出制御装置700の熱源や制御盤を冷却する。
続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置600が、遊技用マイコン611によって実行するメイン処理について説明する。図5Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行されるメイン処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図5Bは、本発明の第1実施形態のメイン処理の後半部の手順を示すフローチャートである。なお、遊技制御装置600(遊技用マイコン611)が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(A501)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(A502)。続いて、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(A503)。また、入力ポート623の状態を読み込み(A504)、遊技者が操作部15を回動操作しても遊技球が遊技領域31に打ち出されることがないように球発射装置に発射禁止の信号を出力する(A505)。その後、割込み処理のモードを設定する(A506)。
次に、遊技制御装置600は、従属制御装置(払出制御装置(払出基板))640や演出制御装置700)のプログラムが正常に起動するまで待機するための電源投入ディレイタイマを設定する(A507)。例えば、3秒間待機するように電源投入ディレイタイマを設定する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640や演出制御装置700の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを従属制御装置に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを従属制御装置が取りこぼすことを回避することができる。
なお、入力ポート623には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に入力ポート623の状態を読み込むことで、初期化スイッチの操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチの状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチを操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチを操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマの設定が完了すると、遊技制御装置600は、停電を監視する処理を実行する(A508〜A512)。遊技制御装置600は、まず、停電監視信号のチェック回数を設定する(A508)。停電監視信号のチェックは、電源装置800から出力された停電監視信号を読み込むことによって行う。停電監視信号のチェック回数は、例えば、2回である。なお、停電が発生している場合に、停電監視信号はオンになる。
次に、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A509)。そして、A508の処理で設定したチェック回数分だけA509の判定を繰り返す(A510)。
遊技制御装置600は、チェック回数分だけ停電監視信号がオンであることを計測した場合には(A510の結果が「Y」)、停電が発生していると判定し、電源が遮断されるまで待機する。このように、所定のチェック回数分、停電監視信号をチェックすることによって、ノイズなどによる誤検知を防止することが可能となる。これにより、遊技制御装置600の起動を遅らせている期間に発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンでない場合(A509の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A511)、電源投入ディレイタイマの値が0であるか否かを判定する(A512)。電源投入ディレイタイマの値が0でない場合(A512の結果が「N」)、すなわち、待機時間が経過していない場合には、A508の処理に戻る。
一方、遊技制御装置600は、電源投入ディレイタイマの値が0の場合(A512の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が経過した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(A513)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(A514)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートの状態を設定する(A515)。本実施形態では、遊技制御装置600は、演出制御装置700との間でシリアル通信を行っている。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(A516)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号であり、A504の処理で読み込んだ入力ポート623の状態をチェックすればよい。
例えば、閉店時などに確変遊技状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(A516の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(A517、A518)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。A517の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かを判定する。同様に、A518の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(A517、A518の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(A519)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し、これらの値が一致するか否かを判定する(A520)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(A516の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(A517又はA518の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とA519の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(A520の結果が「N」)、図5BのA550からA554までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(A520の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A521)。例えば、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域(停電検査領域、チェックサム、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域等)をクリアする。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(A522)。高確率でないと判定された場合には(A522の結果が「N」)、A525以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(A522の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(A523)。続いて、一括表示装置50に設けられる第3遊技状態表示部59のLEDをオン(点灯)に設定する(A524)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置700)に送信する(A525)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、遊技用マイコン611のRAM611cのアクセス禁止領域をアクセス許可に設定する(A550)。次に、RAM611c全ての作業領域をクリアする(A551)。その後、A550でアクセス許可に設定していたアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(A552)。そして、初期化された領域にRAM初期化時(電源投入時用)の初期値をセーブ(保存)する(A553)。さらに、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置700)に送信し(A554)、A526以降の処理を実行する。
なお、A525で送信される停電復旧時のコマンド及びA554で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。
遊技制御装置600は、A525又はA554の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(A526)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(A527)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(A528)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(A529)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A530)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(A531)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A532)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(A532の結果が「N」)、A530の初期値乱数更新処理を再び実行し、A530からA532までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(A530)の前に割り込みを許可(A529)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(A530)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。また、タイマ割込処理ではなく、メイン処理で各種乱数を更新するようにしてもよい。
なお、停電発生の検出(停電監視信号のチェック)をタイマ割込処理で実行してもよい。このとき、検出結果をメイン処理で監視してもよいし、そのままリセットされるまで待機するようにしてもよい。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(A532の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がA531の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(A533)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(A533の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A532)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(A533の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(A534〜A540)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(A534)、全出力ポートをオフに設定する(A535)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(A536)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(A537)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A538)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(A539)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(A540)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行されるタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(A601)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでA601の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A602)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、下カウントスイッチ605a〜605m、上カウントスイッチ606などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(A603)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置640に送信(出力)する払出コマンド送信処理を実行する(A604)。例えば、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを送信する。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(A605)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(A606)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(A607)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、下カウントスイッチ605a〜605m、上カウントスイッチ606が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A608)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図7にて後述する。また、特図ゲーム処理は、開始される変動表示ゲームの結果に対応して、通常時用と大当り時用の2種類を用意してもよい。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A609)。
次に、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(A610)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサ23や電波センサ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石/電波不正監視処理を実行する(A611)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(A612)。
そして、遊技制御装置600は、A601の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(A613)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(A614)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A608)の詳細について説明する。図7は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。特図ゲーム処理を実行する遊技制御装置600は、特図制御手段を構成する。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(A701)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図8にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A702)。大入賞口スイッチ監視処理では、第2特別変動入賞装置42内に設けられた上カウントスイッチ606及び第1特別変動入賞装置41内に設けられた下カウントスイッチ605a〜605mによって入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしていなければ、特図ゲーム処理タイマを−1更新する(A703)。そして、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(A704)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、A704の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。なお、変動表示ゲームが実行される場合にのみ変動制御タイマを更新することによって変動時間を計測するようにしてもよい。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(A704の結果が「N」)、A716以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(A704の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A705)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A706)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(A707)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(A708)。ゲーム処理番号は、特図変動表示ゲームの進行状態を示し、0〜6の7段階で特図変動表示ゲームの進行状態を示す。あるゲーム処理番号に対応する処理が終了すると、ゲーム処理番号は次の番号などに変えられる。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(A708の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(A709)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図13にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(A708の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(A710)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(A708の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(A711)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(A708の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A712)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(A708の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(A713)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(A708の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(A714)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に対応する開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(A708の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(A715)。大当り終了処理は、A709の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A716)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に係る図柄変動制御処理を実行する(A717)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(A718)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に係る図柄変動制御処理を実行して(A719)、特図ゲーム処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図7)における始動口スイッチ監視処理(A701)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(A801)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A802)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普電、普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態(入賞容易状態)となっているか否かを判定する(A803)。普通電動役物が作動中である場合には(A803の結果が「Y」)、A805以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(A803の結果が「N」)、普電への不正が発生しているか否かを判定する(A804)。
普電不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。A804の処理では、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値、例えば5個)以上であるかを判定している。
遊技制御装置600は、普電への不正が発生している場合には(A804の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、普電への不正が発生していない場合には(A804の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(A805)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A806)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図8)における特図始動口スイッチ共通処理(A802、A806)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(A901)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(A901の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(A901の結果が「Y」)、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否か、すなわち、乱数が抽出されているか否かを判定する(A902)。乱数が抽出されていない場合には(A902の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
遊技制御装置600は、監視対象の始動口に対応する乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合には(A902の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(A903)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(A904)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(A905)。そして、ロードした値に1加算して更新し(A906)、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(A907)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(A907の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(A908)。
遊技制御装置600は、A908の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(A907の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かを判定する(A909)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(A909の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(A910)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(A911)。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。このとき、飾り特図保留数コマンドに新たに生成された始動記憶に対応する先読み結果を合わせて送信するようにしてもよい。例えば、飾り特図保留数コマンドのACTION部に先読み結果を示す値を加算するようにしてもよい。
具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(A912)。なお、本実施形態におけるコマンド設定処理の詳細については、図22にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(A913)。そして、A904の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(A914)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(A915)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(A916)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数を抽出し、抽出した値をRWMの対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする(A917)。具体的には、変動パターン乱数1〜3を抽出し、それぞれ対応する変動パターン乱数格納領域にセーブする。変動パターン乱数1〜3は、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。変動パターン乱数1は、後半の変動パターンのリーチ系統を決定するための乱数であり、変動パターン乱数2は、変動パターン乱数1によって特定される後半変動のリーチ系統から詳細な変動パターンを決定するための乱数であり、変動パターン乱数3は、前半の変動パターンを決定するための乱数である。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、A916の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(A918)。特図保留情報判定処理の詳細については、図10にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(A909の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(A919)、コマンド設定処理を実行する(A920)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図9)における特図保留情報判定処理(A918)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の第1実施形態における特図保留情報判定処理は、演出制御装置700が各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報、変動パターン情報)を判定するための先読み判定(事前判定)処理を実行可能なように、遊技制御装置600は、前述の特図始動口スイッチ共通処理(図9)のA917の処理で抽出した変動パターン乱数1〜3の乱数データを演出制御装置700に送信可能なコマンド(始動口入賞演出コマンド)に変換する処理を行うことを特徴とする。
遊技制御装置600は、まず、前述の特図始動口スイッチ共通処理(図9)のA918の処理で取得した大当り乱数に基づいて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A1001)。大当り判定処理では、「大当り」又は「はずれ」の判定結果が設定される。なお、大当り判定処理の詳細については、図16にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、前述の大当り判定処理(A1001)の判定結果に対応する始動口入賞コマンド(ACTION)を設定する(A1002)。例えば、判定結果がはずれの場合は「01h」が始動口入賞コマンド(ACTION)として設定される。判定結果が大当りの場合は「02h」が始動口入賞コマンド(ACTION)として設定される。
続いて、遊技制御装置600は、前述の特図始動口スイッチ共通処理(図9)のA910の処理で更新された特図保留数に対応する始動口入賞コマンド(MODE)を設定する(A1003)。例えば、特図保留数が1〜4の場合、それぞれ「E0h」〜「E3h」(中央の数字が0〜3で変化)が始動口入賞コマンド(MODE)として設定される。
そして、遊技制御装置600は、前述のA1002及びA1003の処理で設定した始動口入賞コマンドを準備して、コマンド設定処理を実行する(A1004)。
その後、遊技制御装置600は、A1005〜A1028の処理において、前述の特図始動口スイッチ共通処理(図9)のA917の処理で抽出した変動パターン乱数1〜3を始動口入賞演出1〜6コマンドに変換する乱数データ変換処理を実行する。
遊技制御装置600は、まず、A1005〜1016の処理において、変動パターン乱数1の乱数データ変換処理を実行する。以下では、図11Aを参照して、具体的な変換手順を説明する。図11Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される変動パターン乱数1の乱数データ変換について説明する図である。
ここで、変動パターン乱数1は、図11Aに示すように、10進数で0〜65535の範囲の乱数値であり、2進数ではビット0〜ビット15の2バイトサイズ(16ビット)に変換される乱数データである。遊技制御装置600から演出制御装置700に送信されるコマンドは、遊技用マイコン611にて8ビットを1情報とする仕様のデータ信号として生成され、単方向のバッファ632a(図3)を介して送信される。遊技制御装置から演出制御装置に送信するコマンドの仕様として、2バイトサイズのデータも16ビットを1情報と認識するように設定することも可能であるが、16ビットを基本単位とした場合、例えば変動パターン乱数2や変動パターン乱数3のように8ビットで生成可能な情報を送信する際にも無駄に大きなデータサイズのコマンドとなってしまう。そこで、本願においては8ビットを1情報として認識するように設定している。したがって、2バイトサイズ(16ビット)のデータは1情報として送信できない。
そこで、変動パターン乱数1を複数の送信用乱数データ(始動口入賞演出1〜3コマンドのACTION部)に変換することで、変動パターン乱数1の乱数データを遊技制御装置600から演出制御装置700に送信可能にする。始動口入賞演出1〜3コマンド(ACTION)は、1バイトサイズ(8ビット)である。
遊技制御装置600は、変動パターン乱数1のビット12〜15を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜3にシフトして当てはめる(A1005)。ここで、ビット0〜3が取り得るデータは、「0000」〜「1111」である。このとき、他のビット4〜7は「0000」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「0Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出シフト部分(ビット0〜3)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出1コマンド(ACTION)として設定する(A1006)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜4となり、取り得るデータは「00001」〜「10000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「10h」である。
前述のA1006の処理において、A1005の処理の状態の分解シフトデータを1加算更新してACTION部のコマンドデータとするのは、ビット0〜7が全て「0」となるデータ、すなわち「00h」のコマンドを排除するためである。一般的に、ノイズの影響を受けたデータは、一部のビットが「0」から「1」、もしくは「1」から「0」に置き換わってしまうのではなく、全てのビットが「0」もしくは「1」に置き換わってしまうことが多い。このため、ビットの全てが「0」もしくは「1」で表されるデータは、ノイズの影響を受けたデータとして認識され、破棄処理等されてしまう可能性がある。また、コマンドデータが設定される送信バッファ632aにはコマンド毎に格納する領域が設けられており、初期状態は全てのビットが「0」となっている。したがって、遊技用マイコン611によって設定されるコマンドデータの全てのビットが「0」の場合は、初期状態との区別がつかない。このように、ノイズの影響を受けたデータや初期データとの混同を回避するため、ACTION部のコマンドデータの全てのビットが「0」にならないように1加算更新する。なお、本実施形態における加算値は「1」であるが、これに限らない。加算更新後のコマンドデータが1バイトサイズに収まるのであれば2以上の所定数を加算してもよい。また、後述するMODE部のコマンドデータは、MODE用であることを識別するためにビット0〜7の所定のビットが必ず「1」に設定されているので(ACTION用は「0」)、全てのビットが「0」となる場合がなく、1加算更新する必要がない。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出1コマンド(MODE)として、「E4h」を設定する(A1007)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出1コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1008)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数1のビット6〜11を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜5にシフトして当てはめる(A1009)。ここで、ビット0〜5が取り得るデータは、「000000」〜「111111」である。このとき、他のビット6〜7は「00」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「3Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出部分(ビット0〜5)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出2コマンド(ACTION)として設定する(A1010)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜6となり、取り得るデータは「0000001」〜「1000000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「40h」である。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出2コマンド(MODE)として、「E5h」を設定する(A1011)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出2コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1012)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数1のビット0〜5を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜5にシフトして当てはめる(A1013)。ここで、ビット0〜5が取り得るデータは、「000000」〜「111111」である。このとき、他のビット6〜7は「00」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「3Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出部分(ビット0〜5)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出3コマンド(ACTION)として設定する(A1014)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜6となり、取り得るデータは「0000001」〜「1000000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「40h」である。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出3コマンド(MODE)として、「E6h」を設定する(A1015)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出3コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1016)。
同様に、遊技制御装置600は、A1017〜A1028の処理において、変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3の乱数データ変換処理を実行する。以下では、図11Bを参照して、具体的な変換手順を説明する。図11Bは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3の乱数データ変換について説明する図である。
ここで、変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3は、図11Bに示すように10進数で0〜255の範囲の乱数値であり、共に2進数ではビット0〜ビット7の1バイトサイズ(8ビット)に変換される乱数データである。変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3も全てのビットが「0」や「1」となる場合があるので、変動パターン乱数1と同様に1加算更新したデータを用いて始動入賞演出コマンド(ACTION)を生成する。そして、1加算更新した場合に全てのビットが「1」の場合は1バイトサイズに収まらないので、そのままでは演出制御装置700に送信できない。ここでは変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3を合成すると2バイトサイズ(16ビット)のデータになるので、変動パターン乱数1と同様に3つの送信用乱数データ(始動口入賞演出4〜6コマンドのACTION部)に変換する。
遊技制御装置600は、変動パターン乱数2のビット4〜7を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜3にシフトして当てはめる(A1017)。ここで、ビット0〜3が取り得るデータは、「0000」〜「1111」である。このとき、他のビット4〜7は「0000」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「0Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出部分(ビット0〜3)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出4コマンド(ACTION)として設定する(A1018)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜4となり、取り得るデータは「00001」〜「10000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「10h」である。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出4コマンド(MODE)として、「E7h」を設定する(A1019)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出4コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1020)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数2のビット0〜3と変動パターン乱数3のビット6〜7を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜5にシフトして当てはめる(A1021)。ここで、ビット0〜5が取り得るデータは、「000000」〜「111111」である。このとき、他のビット6〜7は「00」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「3Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出部分(ビット0〜5)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出5コマンド(ACTION)として設定する(A1022)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜6となり、取り得るデータは「0000001」〜「1000000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「40h」である。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出5コマンド(MODE)として、「E8h」を設定する(A1023)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出5コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1024)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターン乱数3のビット0〜5を抽出し、1バイトサイズの分解シフトデータ(ビット0〜7)のうちビット0〜5にシフトして当てはめる(A1025)。ここで、ビット0〜5が取り得るデータは、「000000」〜「111111」である。このとき、他のビット6〜7は「00」である。そして、これらに対応するコマンド仕様は「00h」〜「3Fh」である。
次に、遊技制御装置600は、分解シフトデータの抽出部分(ビット0〜5)の値を1加算更新して、更新した値を始動入賞演出6コマンド(ACTION)として設定する(A1026)。ここで、1加算更新後の抽出シフト部分は、ビット0〜6となり、取り得るデータは「0000001」〜「1000000」となる。これらに対応するコマンド仕様は、「01h」〜「40h」である。
また、遊技制御装置600は、始動入賞演出6コマンド(MODE)として、「E9h」を設定する(A1027)。
そして、遊技制御装置600は、ACTION部とMODE部とで構成される始動入賞演出6コマンドを送信バッファ632aに設定するコマンド設定処理を実行する(A1028)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
なお、始動口入賞コマンド及び始動口入賞演出コマンドのコマンド仕様は、第1始動入賞口37への入賞(特図1)と第2始動入賞口38への入賞(特図2)とで共通である。
このように、2バイトサイズの変動パターン乱数1は3つのグループに分解され、それぞれ1バイトサイズの分解シフトデータに組み込まれる。そして、1加算更新された分解シフトデータ(送信用乱数データ)はACTION部のコマンドデータとし、グループ単位に設定されるMODE部のコマンドデータとともに始動口入賞演出1〜3コマンドを構成する。また、1バイトサイズの変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3は合成した上で3つのグループに分解され、それぞれ1バイトサイズの分解シフトデータに組み込まれる。そして、1加算更新された分解シフトデータ(送信用乱数データ)はACTION部のコマンドデータとし、グループ単位に設定されるMODE部のコマンドデータとともに始動口入賞演出4〜6コマンドを構成する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図7)における特図普段処理(A709)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A1201)。さらに、特図2保留数が0の場合に(A1201の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かを判定する(A1206)。このように、特図2保留数のチェック(A1201)を、特図1保留数のチェック(A1206)よりも先に行うことによって、第1特図変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な第2特図変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合に(A1201の結果が「N」)、1減算更新後の特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(A1202)、コマンド設定処理を実行する(A1203)。さらに、特図2変動表示ゲームを実行するための特図2変動開始処理を実行する(A1204)。特図2変動開始処理の詳細については、図14Bにて後述する。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行し(A1205)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理(特図2)の詳細については、図21Bにて後述する。
また、遊技制御装置600は、特図1保留数が0でない場合に(A1206の結果が「N」)、1減算更新後の特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(A1207)、コマンド設定処理を実行する(A1208)。さらに、特図変動表示ゲームを実行するための特図1変動開始処理を実行する(A1209)。特図1変動開始処理の詳細については、図14Aにて後述する。なお、飾り特図保留数コマンドは、保留数が変化した場合のみに演出制御装置700に送信するようにしてもよい。
その後、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行し(A1210)、特図普段処理を終了する。特図変動中処理移行設定処理(特図1)の詳細については、図21Aにて後述する。
一方、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(A1206の結果が「Y」)、既に、表示装置35が客待ちデモ画面を表示する客待ちデモが開始されているか否かを判定する(A1211)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(A1211の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをオンに設定してセーブする(A1212)。続いて、遊技機1を客待ちデモ状態へ移行させる制御を開始可能とする客待ちデモ開始情報として、客待ちデモコマンドを準備し(A1213)、コマンド設定処理を実行して客待ちデモコマンドを送信する(A1214)。
このように、特図変動表示ゲームが実行中でなく、且つ、保留数が0であることが、客待ち状態(客待ちデモ状態)への移行条件であり、この移行条件(所定条件)が成立すると、移行処理(A1212〜A1214)によって表示装置35における客待ちデモが開始される。なお、特図普段処理が行われている場合には、特図変動表示ゲームは実行中でない。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合に(A1211の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、A1215の処理を実行する。
最後に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(A1215)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に対応する処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における特図普段処理移行設定処理1(A1215)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図普段処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。特図普段処理移行設定処理1は、遊技状態を移行することなく特図普段処理を実行するための設定を行う処理である。
遊技制御装置600は、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A1301)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A1302)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A1303)。そして、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A1304)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A1305)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における特図1変動開始処理(A1209)の詳細について説明する。図14Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置600は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(A1401a)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報やや大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を行う(A1402a)。大当りフラグ1設定処理の詳細については、図15Aにて後述する。
次に、遊技制御装置600は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(A1403a)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(A1404a)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A1405a)。なお、特図1停止図柄設定処理及び特図情報設定処理の詳細については、それぞれ図17A及び図18にて後述する。
その後、遊技制御装置600は、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(A1406a)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A1407a)を行って、特図1変動開始処理を終了する。なお、変動パターン設定処理及び変動開始情報設定処理の詳細については、それぞれ図19及び図20にて後述する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における特図2変動開始処理(S1204)の詳細について説明する。図14Bは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
特図2変動開始処理は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の特図1変動開始処理と同様の手順で遊技制御装置600によって実行される。具体的には、A1401b〜A1407bの処理はそれぞれA1401a〜A1407aの処理に対応しており、A1401bの処理で特図2変動フラグが処理対象となり、A1402bで大当りフラグ2が処理対象となり、A1403bの処理で特図2停止図柄が処理対象となる。さらに、A1405b〜A1407bの処理で第2特図変動表示ゲームが処理対象となり、A1405bでは特図2変動パターン設定情報テーブルが処理対象となる。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14A)における大当りフラグ1設定処理(A1402a)の詳細について説明する。図15Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A1501a)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードして準備する(A1502a)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(A1503a)を行う。
そして、遊技制御装置600は、大当り判定処理(A1503a)の判定結果が大当りである場合(A1504aの結果が「Y」)に、A1501aにてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A1505a)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A1503a)の判定結果が大当りでない場合(A1504aの結果が「N」)に、大当りフラグ1にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、前述した特図2変動開始処理(図14B)における大当りフラグ2設定処理(A1402b)の詳細について説明する。図15Bは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
大当りフラグ2設定処理は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の大当りフラグ1処理と同様の手順で遊技制御装置600によって実行される。具体的には、A1501b〜A1505bの処理はそれぞれA1501a〜A1505aの処理に対応しており、A1501b及びA1505bの処理で大当りフラグ2領域が処理対象となり、A1502bで特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)が処理対象となる。
〔大当り判定処理〕
次に、前述した特図保留情報判定処理(図10)における大当り判定処理(A1001)、大当りフラグ1設定処理(図15A)における大当り判定処理(A1503a)及び大当りフラグ2設定処理(図15B)における大当り判定処理(A1503b)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、遊技制御装置600は、大当り判定値の下限判定値を設定し(A1601)、大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(A1602)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置600は、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A1602の結果が「Y」)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(A1607)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(A1602の結果が「N」)は、遊技状態が高確率状態であるかを判定する(A1603)。
そして、遊技制御装置600は、高確率状態である場合(A1603の結果が「Y」)に、高確率中の上限判定値を設定し(A1604)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(A1606)。また、高確率状態でない場合(A1603の結果が「N」)は、低確率中の上限判定値を設定し(A1605)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(A1606)。
遊技制御装置600は、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A1606の結果が「Y」)、すなわちはずれである場合に、判定結果としてはずれを設定し(A1607)、大当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A1606の結果が「N」)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(A1608)、大当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14A)における特図1停止図柄設定処理(A1403a)の詳細について説明する。図17Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(A1701a)、大当りである場合(A1701aの結果が「Y」)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A1702a)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(A1703a)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域にセーブする(A1704a)。この処理により大当り(特別結果)の種類が選択される。
その後、遊技制御装置600は、大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A1705a)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A1706a)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置35での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得して確率変動判定フラグ領域にセーブする(A1707a)。確率変動判定フラグは特別遊技状態の終了後の確率状態を設定するためのものである。
さらに、遊技制御装置600は、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得してラウンド数上限値情報領域にセーブし(A1708a)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得して大入賞口開放情報領域にセーブする(A1709a)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A1712a)。
一方、遊技制御装置600は、大当りでない場合(A1701aの結果が「N」)に、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A1710a)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A1711a)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A1712a)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置600は、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A1713a)、コマンド設定処理(A1714a)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置700に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブして(A1715a)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(A1716a)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、前述した特図2変動開始処理(図14B)における特図2停止図柄設定処理(A1403b)の詳細について説明する。図17Bは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
特図2停止図柄設定処理は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の特図1停止図柄設定処理と同様の手順で遊技制御装置600によって実行される。具体的には、A1701b〜A1716bの処理はそれぞれA1701a〜A1716aの処理に対応しており、A1701bの処理で大当りフラグ2が処理対象となり、A1702b及びA1716bの処理で特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)が処理対象となり、A1703bの処理で特図2大当り図柄テーブルが処理対象となる。さらに、A1704b及びA1710bの処理で特図2停止図柄番号領域が処理対象となる。
〔特図情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14A)及び特図2変動開始処理(図14B)における特図情報設定処理(A1404a、A1404b)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、特図時短中(時短状態)であるかを判定する(A1801)。特図時短中でない場合(A1801の結果が「N」)は、通常時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(A1802)。また、特図時短中である場合(A1801の結果が「Y」)は、時短時の変動パターン選択グループ情報テーブルを設定する(A1803)。
そして、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数をロードし(A1804)、特図保留数に対応する変動パターン選択グループ情報を取得して変動振分情報1領域にセーブする(A1805)。これにより変動振分情報1領域には、変動を開始する特図の種別(特図1又は特図2)と、当該特図の種別についての始動記憶数に関する情報である保留数情報と、時短状態か否かの情報を含む遊技状態情報とから求められる変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は後に変動グループを選択するために用いられる。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、遊技制御装置600は、振分ベースポインタテーブルを設定し(A1806)、停止図柄パターンに対応する振分ベースポインタを取得する(A1807)。さらに、取得したポインタに演出モード番号を加算し(A1808)、加算後の値を変動振分情報2領域にセーブして(A1809)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄パターン情報と、演出モード情報とからとから求められる変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は後に変動グループを選択するために用いられる。なお、演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14A)及び特図2変動開始処理(図14B)における変動パターン設定処理(A1406a、A1406b)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置600は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A1901)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備する(A1902)。そして、演出モード番号が3未満(1又は2の何れか)であるかを判定する(A1903)。演出モード番号が3未満でない場合(A1903の結果が「N」)は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを判定し(A1904)、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(A1904の結果が「N」)は、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A1907)。
一方、演出モード番号が3未満である場合(A1903の結果が「Y」)や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合(A1904の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、A1902で準備したテーブルから変動振分情報1に対応するテーブルのアドレスを取得する(A1905)。次に、取得したアドレスを後半変動グループのアドレスとして準備し(A1906)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A1907)。
演出モード番号が3未満である場合や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合に、遊技制御装置600は、始動記憶数に関する情報である保留数情報から求められた変動振分情報1も加味してアドレスを取得することで、始動記憶数によって変動パターンの選択態様が異なるようにされている。
その後、遊技制御装置600は、2バイト振分処理(A1908)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(A1909)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(A1910)。そして、振り分け処理(A1911)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A1912)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。なお、2バイト振り分け処理及び振り分け処理の詳細については、それぞれ図23及び図24にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、前半変動グループテーブルを設定し(A1913)、変動振分情報1と2(決定された後半変動番号を含む)を基にテーブル選択ポインタを算出する(A1914)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(A1915)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数をロードして準備する(A1916)。その後、振り分け処理(A1917)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得して前半変動番号領域にセーブし(A1918)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14A)及び特図2変動開始処理(図14B)における変動開始情報設定処理(A1407a、A1407b)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(A2001)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A2002)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A2003)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A2004)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A2005)。
そして、遊技制御装置600は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A2006)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A2007)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A2008)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(A2009)、コマンド設定処理を行う(A2010)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新し(A2011)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定して(A2012)、乱数格納領域をシフトし(A2013)、シフト後の空き領域を0クリアする(A2014)。
その後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの結果を表示する停止時間の延長に関する処理として、まず、停止延長情報領域をクリアする(A2015)。そして、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであり(A2016の結果が「Y」)、演出モード番号が3であり(A2017の結果が「Y」)、当該演出モードでの残り回転数(ゲーム数)が1である場合(A2018の結果が「Y」)は、特図高確率(高確率状態)中であるかを判定する(A2019)。
特図高確率中でない場合(A2019の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、停止延長情報1を停止延長情報領域にセーブし(A2020)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(A2022)、コマンド設定処理(A2023)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間(通常停止時間)よりも延長された特図延長表示時間1(第1延長停止時間)に設定される。また、特図高確率中である場合(A2019の結果が「Y」)に、停止延長情報2を停止延長情報領域にセーブし(A2021)、停止延長情報に対応する停止情報コマンドを準備して(A2022)、コマンド設定処理(A2023)を行い、変動開始情報設定処理を終了する。これにより停止時間が通常特図表示時間よりも延長された特図延長表示時間2(第2延長停止時間)に設定される。
一方、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(A2016の結果が「N」)や、演出モード番号が3でない場合(A2017の結果が「N」)、演出モード3での残り回転数(ゲーム数)が1でない場合(A2018の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、変動開始情報設定処理を終了する。この場合は停止時間の延長が設定されず通常停止時間が設定される。このように特図変動表示ゲームの停止時間は、当該特図変動表示ゲームの結果や特定回転数であるか否か、演出モードの状態に基づき、当該特図変動表示ゲームの開始時に設定が行われるようになっている。これにより、例えば変動時間と停止時間とで連続する演出を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置600が、始動記憶保留手段(遊技制御装置600)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置600が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置700に送信され、演出制御装置700では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置700に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置700での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図1)〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における特図変動中処理移行設定処理(特図1)(A1210)の詳細について説明する。図21Aは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図変動中処理移行設定処理(特図1)の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、処理番号として「1」を設定し(A2101a)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A2102a)。そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A2103a)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A2104a)。
その後、遊技制御装置600は、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A2105a)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば200ms)を設定して(A2106a)、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図2)〕
次に、前述した特図普段処理(図12)における特図変動中処理移行設定処理(特図2)(A1205)の詳細について説明する。図21Bは、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図変動中処理移行設定処理(特図2)の手順を示すフローチャートである。
特図変動中処理移行設定処理(特図2)は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の特図変動中処理移行設定処理(特図1)と同様の手順で遊技制御装置600によって実行される。具体的には、A2101b〜A2106bの処理はそれぞれA2101a〜A2106aの処理に対応しており、A2104bの処理で特図2変動開始に関する信号が処理対象となり、A2105bの処理で特図2変動制御フラグ領域が処理対象となり、A2106bの処理で特図2点滅制御タイマ領域が処理対象となる。
〔コマンド設定処理〕
次に、コマンド設定処理(A912ほか)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行されるコマンド設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、このコマンド設定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理におけるコマンド設定処理に共通する処理である。
遊技制御装置600は、まず、コマンドデータ(MODE(上位バイト))をシリアル送信バッファ632aに書き込み(A2201)、シリアル送信バッファステータスを読み込んで(A2202)、コマンドの送信中であるかを判定する(A2203)。
コマンドの送信中である場合(A2203の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファ632aに書き込む(A2206)。また、コマンドの送信中でない場合(A2203の結果が「N」)に、遊技制御装置600は、回路の異常が考えられるため送信回路を初期化し(A2204)、コマンドデータ(MODE(上位バイト))をシリアル送信バッファ632aに再書き込み(A2205)した後、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファ632aに書き込む(A2206)。
そして、遊技制御装置600は、シリアル送信バッファステータスを読み込んで(A2207)、コマンドの送信中であるかを判定する(A2208)。コマンドの送信中である場合(A2208の結果が「Y」)は、コマンド設定処理を終了する。また、コマンドの送信中でない場合(A2208の結果が「N」)は、回路の異常が考えられるため送信回路を初期化し(A2209)、コマンドデータ(ACTION(下位バイト))をシリアル送信バッファ632aに再書き込みして(A2210)、コマンド設定処理を終了する。
このように、本実施形態では、遊技制御装置600から演出制御装置700へはシリアル通信でコマンドを送信する。これにより、遊技制御装置600の負担を軽減できるとともに、コマンドの解析を困難にすることができる。また、コマンドの送出タイミングが早まるとともに、パラレル通信と比較してデータ線の本数を減らすことができる。さらに、演出制御装置700においてもストローブ内でのコマンドの取り込みが必要なくなり、負担を軽減することができる。なお、払出制御装置640へもシリアル通信によりコマンドを送信するようにしても良い。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図19)における2バイト振り分け処理(A1908)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置600は、まず、変動パターン設定処理にて準備した後半変動グループテーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるかをチェックする(A2301)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振分けの必要がないため、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A2302の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A2307)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A2302の結果が「N」)に、後半変動グループテーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A2303)。
続けて、遊技制御装置600は、A1907の処理にてロードされた乱数値(変動パターン乱数1の値)からA2303の処理にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A2304)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A2305)。新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A2305の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A2306)、処理をA2303に移行して、それ以降の処理を行う。即ち、A2303の処理にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、A2305の処理にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(A2304)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A2305)。
遊技制御装置600は、上記の処理を、A2305の処理にて新たな乱数値が「0」よりも小さい(A2305の結果が「Y」)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルに規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、A2305の処理にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A2305の結果が「Y」)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図19)における振り分け処理(A1911、A1917)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600によって実行される振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置600は、まず、準備された後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(即ち、「0」)であるか否かをチェックする(A2401)。ここで、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルは、後半変動グループテーブルと同様に、少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、即ち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A2402の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A2407)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A2402の結果が「N」)に、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A2403)。
続けて、遊技制御装置600は、A1910やA1916の処理にてロードされた乱数値(変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からA2403の処理にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(A2404)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A2405)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A2405の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A2406)、A2403の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
即ち、遊技制御装置600は、A2403の処理にて、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、A2405の処理にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(A2404)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A2405)。
遊技制御装置600は、上記の処理を、A2405の処理にて新たな乱数値が「0」よりも小さい(A2405の結果が「Y」)と判定するまで実行する。これにより、後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動パターンや前半変動パターンの中から何れか一の後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、A2405の処理にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(A2405の結果が「Y」)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A2407)、振り分け処理を終了する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図25は、本発明の第1実施形態の演出制御装置700によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると演出用マイコン710によって実行される。なお、演出制御装置700が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置700は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B2501)。次にCPU710及びVDP720の初期設定を実行し(B2502、B2503)、割込みを許可する(B2504)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置700は、同一シリーズの機種の他の遊技機の演出制御装置との間の通信(サブ間通信)を無線で行うための装置を初期化する無線モジュール初期化処理を実行する(B2505)。また、表示装置35等に表示する表示用データの生成を許可し(B2506)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B2507)。その後、自身の遊技機1の端末IDを設定する(B2508)。遊技機1毎にID設定を行うことでサブ間通信を行う遊技機1(通信相手)を特定したり、こちらから指定したりすることができる。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(S2509)。
続いて、演出制御装置700は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B2510)。WDTは、上述したCPU初期設定(B2502)で起動され、CPU710が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU710がリセットされる。
次に、演出制御装置700は、遊技者による演出ボタン70の操作信号を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B2511)。そして、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B2512)、遊技制御装置600から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B2513)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図26にて後述する。
次に、演出制御装置700は、サブ間通信のやり取りやコマンドを受信した場合の内容設定などを行うサブ間演出設定処理を実行する(B2514)。また、表示装置35等に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置35に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B2515)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3ms)以内にVDP720が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置35の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B2516)。
続いて、演出制御装置700は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B2517)。フレーム切替タイミングでない場合は(B2517の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB2517の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B2517の結果が「Y」)、表示装置35への画面描画を指示する(B2518)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置700は、スピーカ10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B2519)。サウンド制御処理では、例えば、操作部15の操作入力に応じて、サウンドの出力をする制御を実行する。
また、演出制御装置700は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行する(B2520)。装飾制御処理では、例えば、操作部15の操作入力に応じて、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
さらに、演出制御装置700は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明9などの演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(B2521)。モータ/SOL制御処理では、例えば、操作部15の操作入力に応じて、ファンを起動して送風演出を実行したり、ソレノイドを駆動して役物動作演出を実行する。さらには、マイナスイオン発生装置や匂い発生装置、香り調合装置を駆動して遊技者の嗅覚等に働きかける演出を実行するようにしてもよい。
そして、演出制御装置700は、前述のB2521の処理を終えると、B2510の処理に戻る。以降、B2510からB2521までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図26を参照して、前述したメイン処理(図25)における受信コマンドチェック処理(B2513)の詳細について説明する。図26は、本発明の第1実施形態の演出制御装置700によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、遊技制御装置600から受信したコマンド数をチェックするためにRAM711のコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B2601)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B2602)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置600から受信したコマンドがない場合には(B2602の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置700は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置600からコマンドを受信している場合には(B2602の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B2603)、RAM711の受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B2604)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置700は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で1加算更新する(B2605)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置700は、B2601の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B2606)、コピーが完了していない場合は(B2606の結果が「N」)、B2604〜B2606の処理を繰り返す。
遊技制御装置600から送信されたコマンドを演出制御装置700が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置700は、コピーが完了した場合には(B2606の結果が「Y])、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B2607)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B2608)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、図27にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B2609)。その後、B2601の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B2610)、解析が完了していない場合は(B2610の結果が「N」)、B2607〜B2610の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B2610の結果が「Y])、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図27を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図26)における受信コマンド解析処理(B2608)の詳細について説明する。図27は、本発明の第1実施形態の演出制御装置700によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部として分離する(B2701)。遊技制御装置600から演出制御装置700に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。したがって受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置700は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B2702)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B2702の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B2703)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B2703の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B2704)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B2704の結果が「Y」)、B2705以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置700は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B2705)。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B2705の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B2706)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置700は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B2705の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B2707)。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B2707の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B2708)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置700は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B2707の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B2709)。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B2709の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B2710)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置700は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B2709の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B2711)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B2711の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B2712)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置700は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B2711の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み系コマンドの範囲か否かを判定する(B2713)。そして、MODE部が先読み系コマンドを表す場合には(B2713の結果が「Y」)、先読み系コマンド処理を実行し(B2714)、受信コマンド解析処理を終了する。なお、先読み系コマンド処理の詳細については、図28A〜図28Cにて後述する。
一方、演出制御装置700は、MODE部が先読み系コマンドを表していない場合には(B2713の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B2702の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B2703の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B2704の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔先読み系コマンド処理〕
次に、図28A〜図28Cを参照して、前述した受信コマンド解析処理(図27)における先読み系コマンド処理(B2714)の詳細について説明する。図28A〜図28Cは、本発明の第1実施形態の演出制御装置700によって実行される先読み系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
本実施形態では、前述した特図保留情報判定処理(図10)において、遊技制御装置600は、大当り判定処理(A1001、詳細は図16参照)の判定結果を表す始動口入賞コマンドと、変動パターン乱数1〜3の乱数値を表す始動口入賞演出1〜6コマンドとを生成する。これらのコマンドを受信した演出制御装置700は、先読み系コマンド処理において、コマンドが有する情報を取り出したり、復元したりする。
演出制御装置700は、まず、MODE部の値から受信したコマンドが始動口入賞コマンドか否かを判定する(B2801)。ここでは、MODE部の値が「E0h」〜「E3h」であれば、始動口入賞コマンドである。
そして、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞コマンドである場合には(B2801の結果が「Y」)、B2802〜B2804の処理を実行する。
演出制御装置700は、最後に受信した特図保留数コマンドに対応する先読み情報領域を設定する(B2802)。特図保留数コマンドから始動口入賞コマンドが特図1及び特図2のどちらのコマンドなのかを判別することができるので、特図1用又は特図2用の先読み情報領域を設定することができる。
次に、演出制御装置700は、MODE部に対応する先読み情報領域のアドレスを算出する(B2803)。MODE部の値から特図保留数を判別できるので、B2802の処理で設定された先読み情報領域から特図保留数に対応する領域を選択することができる。
そして、演出制御装置700は、ACTION部に対応する当り/はずれの情報を対応する領域に格納し(B2804)、先読み系コマンド処理を終了する。ここでは、ACTION部の値が「01h」の場合は「はずれ」であり、「02h」の場合は「当り」である。
一方、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞コマンドでない場合には(B2801の結果が「N」)、MODE部の値からコマンドが始動口入賞演出1コマンドか否かを判定する(B2805)。ここでは、MODE部の値が「E4h」であれば、始動口入賞演出1コマンドである。
そして、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞演出1コマンドである場合には(B2805の結果が「Y」)、B2806〜B2810の処理を実行する。
演出制御装置700は、まず、変動パターン乱数1〜3を格納する変動パターン乱数1〜3領域を0クリアする(B2806)。そして、ACTION部の値を用い、変動パターン乱数1領域の一部データを復元する(B2807)。ここでは、始動口入賞演出1コマンドによって、変動パターン乱数1(ビット0〜15)のうちビット12〜15の値が復元される。
次に、演出制御装置700は、乱数受信フラグを全てクリアする(B2808)。乱数受信フラグは、変動パターン乱数1〜3に係る始動口入賞演出1〜6コマンドに対応してフラグ1〜6が設けられている。変動パターン乱数1〜3の全てを正常に復元(受信)できた場合に、乱数受信フラグ1〜6が全てセットされた状態になる。
そして、演出制御装置700は、始動口入賞演出1コマンドのデータ復元が完了したので、乱数受信フラグ1をセットする(B2809)。その後、タイムアウト監視タイマをセットして、スタートし(B2810)、先読み系コマンド処理を終了する。ここでは、始動口入賞演出1コマンドから順番に始動口入賞演出6コマンドまで受信し、さらに、前のコマンドを受信してから所定時間内に次のコマンドを受信することを正常な受信と判断する条件としている。そこで、タイムアウト監視タイマにより所定時間(例えば、10ms)がカウントされる。なお、タイムアウト監視タイマは、定期的(例えば、1ms間隔)なタイマ割込み処理でカウント更新されるものでも、ハード的に自動更新されるものでもよい。
一方、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞演出1コマンドでない場合には(B2805の結果が「N」)、MODE部の値からコマンドが始動口入賞演出2コマンドか否かを判定する(B2811)。ここでは、MODE部の値が「E5h」であれば、始動口入賞演出2コマンドである。
そして、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞演出2コマンドである場合には(B2811の結果が「Y」)、B2812〜B2818の処理を実行する。
演出制御装置700は、まず、前述のB2810の処理でカウント開始したタイムアウト監視タイマがタイムアウトしていないか否かを判定する(B2812)。そして、タイムアウトしていない場合は(B2812の結果が「N」)、乱数受信フラグ1がある(セットされている)か否かを判定する(B2813)。
演出制御装置700は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトした場合(B2812の結果が「Y」)、又は、乱数受信フラグ1がない場合は(B2813の結果が「N」)、変動パターン乱数1〜3領域を0クリアし(B2814)、乱数受信フラグも全てクリアする(B2815)。その後、先読み系コマンド処理を終了する。前述したように、始動口入賞演出2コマンドが始動口入賞演出1コマンドの復元が完了して(乱数受信フラグ1がセットされて)から所定時間内に受信された場合に正常な受信と判断され、復元処理に進むことができる。正常な受信と判断されない場合には、その前に受信した始動口入賞演出1コマンドの復元データも削除される。その他の始動口入賞演出3〜6コマンドにおいても同様である。
演出制御装置700は、乱数受信フラグ1がある場合には(B2813の結果が「Y」)、正常な受信と判断されるので、復元処理として、ACTION部の値を用い、変動パターン乱数1領域の一部データを復元する(B2816)。ここでは、始動口入賞演出2コマンドによって、変動パターン乱数1(ビット0〜15)のうちビット6〜11の値が復元される。そして、乱数受信フラグ2をセットし(B2817)、タイムアウト監視タイマをセットして、スタートした後(B2818)、先読み系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞演出2コマンドでない場合には(B2811の結果が「N」)、MODE部の値からコマンドが始動口入賞演出3コマンドか否かを判定する(B2819)。ここでは、MODE部の値が「E6h」であれば、始動口入賞演出3コマンドである。
そして、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞演出3コマンドである場合には(B2819の結果が「Y」)、B2820〜B2826の処理を実行する。
演出制御装置700は、まず、前述のB2818の処理でカウント開始したタイムアウト監視タイマがタイムアウトしていないか否かを判定する(B2820)。そして、タイムアウトしていない場合は(B2820の結果が「N」)、乱数受信フラグ1及び2がある(セットされている)か否かを判定する(B2821)。
演出制御装置700は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトした場合(B2820の結果が「Y」)、又は、乱数受信フラグ1及び2がない場合は(B2821の結果が「N」)、変動パターン乱数1〜3領域を0クリアし(B2822)、乱数受信フラグも全てクリアする(B2823)。その後、先読み系コマンド処理を終了する。
演出制御装置700は、乱数受信フラグ1及び2がある場合には(B2821の結果が「Y」)、正常な受信と判断されるので、復元処理として、ACTION部の値を用い、変動パターン乱数1領域を復元する(B2824)。ここでは、始動口入賞演出3コマンドによって、変動パターン乱数1(ビット0〜15)のうちビット0〜5の値が復元される。そして、乱数受信フラグ3をセットし(B2825)、タイムアウト監視タイマをセットして、スタートした後(B2826)、先読み系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞演出3コマンドでない場合には(B2819の結果が「N」)、MODE部の値からコマンドが始動口入賞演出4コマンドか否かを判定する(B2827)。ここでは、MODE部の値が「E7h」であれば、始動口入賞演出4コマンドである。
そして、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞演出4コマンドである場合には(B2827の結果が「Y」)、B2828〜B2834の処理を実行する。
演出制御装置700は、まず、前述のB2826の処理でカウント開始したタイムアウト監視タイマがタイムアウトしていないか否かを判定する(B2828)。そして、タイムアウトしていない場合は(B2828の結果が「N」)、乱数受信フラグ1〜3がある(セットされている)か否かを判定する(B2829)。
演出制御装置700は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトした場合(B2828の結果が「Y」)、又は、乱数受信フラグ1〜3がない場合は(B2829の結果が「N」)、変動パターン乱数1〜3領域を0クリアし(B2830)、乱数受信フラグも全てクリアする(B2831)。その後、先読み系コマンド処理を終了する。
演出制御装置700は、乱数受信フラグ1〜3がある場合には(B2829の結果が「Y」)、正常な受信と判断されるので、復元処理として、ACTION部の値を用い、変動パターン乱数2領域の一部データを復元する(B2832)。ここでは、始動口入賞演出4コマンドによって、変動パターン乱数2(ビット0〜7)のうちビット4〜7の値が復元される。そして、乱数受信フラグ4をセットし(B2833)、タイムアウト監視タイマをセットして、スタートした後(B2834)、先読み系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞演出4コマンドでない場合には(B2827の結果が「N」)、MODE部の値からコマンドが始動口入賞演出5コマンドか否かを判定する(B2835)。ここでは、MODE部の値が「E8h」であれば、始動口入賞演出5コマンドである。
そして、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞演出5コマンドである場合には(B2835の結果が「Y」)、B2836〜B2843の処理を実行する。
演出制御装置700は、まず、前述のB2834の処理でカウント開始したタイムアウト監視タイマがタイムアウトしていないか否かを判定する(B2836)。そして、タイムアウトしていない場合は(B2836の結果が「N」)、乱数受信フラグ1〜4がある(セットされている)か否かを判定する(B2837)。
演出制御装置700は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトした場合(B2836の結果が「Y」)、又は、乱数受信フラグ1〜4がない場合は(B2837の結果が「N」)、変動パターン乱数1〜3領域を0クリアし(B2838)、乱数受信フラグも全てクリアする(B2839)。その後、先読み系コマンド処理を終了する。
演出制御装置700は、乱数受信フラグ1〜4がある場合には(B2837の結果が「Y」)、正常な受信と判断されるので、復元処理として、ACTION部の値を用い、変動パターン乱数2領域を復元する(B2840)。さらに、ACTION部の値を用い、変動パターン乱数3領域の一部のデータを復元する(B2841)。ここでは、始動口入賞演出5コマンドによって、変動パターン乱数2(ビット0〜7)のうちビット0〜3の値と、変動パターン乱数3(ビット0〜7)のうちビット6〜7の値と、が復元される。そして、乱数受信フラグ5をセットし(B2842)、タイムアウト監視タイマをセットして、スタートした後(B2843)、先読み系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞演出5コマンドでない場合には(B2835の結果が「N」)、MODE部の値からコマンドが始動口入賞演出6コマンドか否かを判定する(B2844)。ここでは、MODE部の値が「E9h」であれば、始動口入賞演出6コマンドである。
そして、演出制御装置700は、受信したコマンドが始動口入賞演出6コマンドである場合には(B2844の結果が「Y」)、B2845〜B2850の処理を実行する。
演出制御装置700は、まず、前述のB2843の処理でカウント開始したタイムアウト監視タイマがタイムアウトしていないか否かを判定する(B2845)。そして、タイムアウトしていない場合は(B2845の結果が「N」)、乱数受信フラグ1〜5がある(セットされている)か否かを判定する(B2846)。
演出制御装置700は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトした場合(B2845の結果が「Y」)、又は、乱数受信フラグ1〜5がない場合は(B2846の結果が「N」)、変動パターン乱数1〜3領域を0クリアし(B2847)、乱数受信フラグも全てクリアする(B2848)。その後、先読み系コマンド処理を終了する。
演出制御装置700は、乱数受信フラグ1〜5がある場合には(B2846の結果が「Y」)、正常な受信と判断されるので、復元処理として、ACTION部の値を用い、変動パターン乱数3領域を復元する(B2849)。ここでは、始動口入賞演出6コマンドによって、変動パターン乱数3(ビット0〜7)のうちビット0〜5の値が復元される。そして、乱数受信フラグ6をセットし(B2850)、先読み系コマンド処理を終了する。
なお、演出制御装置700が復元した変動パターン乱数1〜3を用いて先読み判定(事前判定)処理を実行する際は、使用する変動パターン乱数がいずれか一つであっても、乱数受信フラグ1〜6が全てセットされていることが乱数の使用を許可する乱数使用条件となる。乱数受信フラグが1つでも欠けていれば、一連の復元した変動パターン乱数1〜3は信用できないデータとして破棄し、これに基づいた先読み演出が行われないようにする。そして、変動パターン乱数を用いる処理が実行された後は、乱数受信フラグ1〜6をクリアする。
続いて、図29は、前述の先読み系コマンド処理(図28A〜図28C)における始動口入賞演出1〜6コマンドの受信態様例(A)〜(C)、及び、正常な受信態様の変形例(D)について説明する図である。
図29(A)は、正常に始動口入賞演出1〜6コマンドを受信した場合の受信態様を示す図である。本実施形態では、演出制御装置700が始動口入賞演出1コマンド、始動口入賞演出2コマンド、始動口入賞演出3コマンド、始動口入賞演出4コマンド、始動口入賞演出5コマンド、始動口入賞演出6コマンドの順に、各コマンドが規定された所定時間内(例えば、前のコマンド受信から10ms以内)に受信した場合にのみ、受信した始動口入賞演出1〜6コマンドから復元された変動パターン乱数1〜3を有効(使用可)とみなす。
ここで、変動パターン乱数1は、始動口入賞演出1〜3コマンドの受信が正常に完了したときに(B2824の処理で)復元される。変動パターン乱数2は、始動口入賞演出4、5コマンドの受信が正常に完了したときに(B2840の処理で)復元される。変動パターン乱数3は、始動口入賞演出5,6コマンドの受信が正常に完了したときに(B2849の処理で)復元される。
図29(B)は、始動口入賞演出1〜5コマンドは正常に受信したが、始動口入賞演出6コマンドが所定時間内の受信とならなかった場合の受信態様を示す図である。したがって、復元済みの変動パターン乱数1及び2は、演出制御装置700が始動口入賞演出6コマンドを受信したときに(B2847の処理で)破棄されることになる。
なお、演出制御装置700が始動口入賞演出6コマンドを受信しない場合には、前述の先読み系コマンド処理(図28)で復元済みの変動パターン乱数1及び2が破棄されることなく保存される。この場合は、変動パターン乱数を用いる先読み判定処理(事前判定処理)において乱数受信フラグ1〜6が揃っていることを乱数使用条件とするので、変動パターン乱数1や変動パターン乱数2が使用されることはない。
図29(C)は、始動口入賞演出1〜2コマンドは正常に受信したが、始動口入賞演出3コマンドを取りこぼした場合の受信態様を示す図である。この場合、演出制御装置700が始動口入賞演出4コマンドを受信したときに、所定時間内の受信とならない(B2828の結果が「N」)、又は、乱数受信フラグ1〜3が揃っていない(B2829の結果が「N」)との判定を受けて一部復元されていた変動パターン乱数1が破棄され、始動口入賞演出4コマンドの復元処理も行われない。また、演出制御装置700が始動口入賞演出5〜6コマンドを受信しても、同様である。
図29(D)は、正常に受信したと判断される正常受信態様の変形例を示す図である。本実施形態では始動口入賞演出1〜6コマンドの受信順番及びそれぞれの受信間隔が規定されていたが、変形例では、所定の時間内(例えば、60ms以内)に始動口入賞演出1〜6コマンドが全て受信されることのみ規定する。すなわち、始動口入賞演出1〜6コマンドの受信順番及びそれぞれの受信間隔は問わない。
演出制御装置700が最初に受信した始動口入賞演出4コマンドから6つめに受信した始動口入賞演出3コマンドまでに要した時間が所定の時間内であれば、正常な受信として復元された変動パターン乱数1〜3を有効(使用可)とみなす。この場合は、最初の受信でタイムアウト監視タイマをセットしてスタートした後、次回以降の受信時はタイムアウトしていないことを復元処理の実行条件とする。
このように、始動口入賞演出1〜6コマンドは、前述の先読み系コマンド処理(図28A〜図28C)において、規定された正常受信態様となる受信ではないと判定された場合には、対象となる変動パターン乱数の復元処理が実行されず、それまでに復元された変動パターン乱数情報も破棄される。
また、変動パターン乱数1〜3を用いた先読み判定処理等が実行される場合に、乱数受信フラグ1〜6が揃っていることを乱数使用条件とするので、信用できない変動パターン乱数に基づく先読み予告演出の実行を防止することができる。
(第1実施形態の効果)
本発明の第1実施形態によれば、演出制御装置700は、遊技制御装置600から変動パターン乱数1〜3の乱数データを含む始動口入賞演出1〜6コマンドを受信し、対象の特図変動表示ゲームの実行前に先読み(事前判定)を行うので、遊技制御装置600の処理負担を軽減することができる。
ここで、従来の遊技機では、遊技制御装置が特図変動表示ゲームを進行するとともに当該特図変動表示ゲームの実行内容を事前判定し、事前判定結果に対応するコマンドを生成して演出制御装置に送信している。演出制御装置では、対象となる特図変動表示ゲームの実行前に、受信したコマンドに従って事前判定結果に対応する事前報知演出を行っている。このような従来の遊技機では、遊技制御装置側の処理負担が大きい。そこで、遊技制御装置の負担を減らすために、演出制御装置側で複数回分の第2識別情報の可変表示(飾り特図変動表示ゲーム)を統合するか決めたり、統合する場合に第2可変表示装置(表示装置)に表示させる表示内容として統合した可変表示時間に合う統合表示内容を決定したりして、遊技制御装置から演出制御装置にコマンドを送る回数を減らした遊技機もある(例えば、特開2005−287938号公報)。しかしながら、前述の特許公報に記載される遊技機では、遊技制御装置において乱数を取得し、取得した乱数に基づいて変動表示ゲームの結果を判定する判定処理を遊技制御装置が行うことに変わりはなく、処理負担軽減の効果が乏しい。
本発明の第1実施形態の遊技制御装置600は、変動パターン乱数1〜3の乱数データを始動口入賞演出1〜6コマンドとして演出制御装置700に送信する乱数データ送信手段を備える。そして、演出制御装置700は、表示装置35において特図変動表示ゲーム実行開始前に遊技者に結果を報知する事前報知演出を行う事前報知手段だけでなく、変動パターン乱数1〜3の乱数データを含む始動口入賞演出1〜6コマンドを受信する乱数データ受信手段と、受信した乱数データに基づいて事前に特図変動表示ゲームの実行内容を判定する事前判定手段とを備える。すなわち、従来は遊技制御装置600で行っていた事前判定処理を演出制御装置700が行うので、遊技制御装置600の処理負担の軽減に著しい効果を奏する。また、遊技制御装置600に事前判定結果に対応するテーブル等を設けなくてよいので、格納データの容量削減の効果も奏する。
また、従来の遊技機では、遊技制御装置で行った事前判定の判定結果のみが演出制御装置に送信されるので、演出制御装置では特図保留数の変化による特図変動表示ゲームの変動内容の変化に事前報知演出を対応させることができない。このような課題に対しても、本発明の第1実施形態の演出制御装置700は、事前判定手段を備えるので、特図保留数の変化に対応して再度事前判定を実行することで適切な事前報知演出を行うことができる。
また、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600は、演出制御装置700に送信する始動口入賞演出1〜6コマンドを生成する際に、変動パターン乱数1〜3の乱数データを複数に分割し、それぞれ分割した乱数データを送信用乱数データに変換して始動口入賞演出コマンドのACTION部を生成する乱数データ変換手段を備える。そして、演出制御装置700は、分割した乱数データを含む始動口入賞演出1〜6コマンドを受信して、元の変動パターン乱数1〜3の乱数データに復元する乱数データ復元手段を備える。このため、本実施形態のように遊技制御装置600から演出制御装置700に送信するコマンド仕様が1バイト(ここでは、01H〜7FH)の場合であっても、乱数データを演出制御装置700に送信することができる。
また、遊技制御装置600から演出制御装置700への送信が一度に並列伝送するパラレル通信の場合には、1バイト分(すなわち8本)のデータ線で済むので、回線コストや配線領域の拡大を抑えることができる。
また、本発明の第1実施形態の遊技制御装置600は、乱数データ変換手段によって変動パターン乱数1〜3の乱数データを複数(ここでは6つ)の送信用乱数データに変換する際、送信用乱数データの元の乱数データに所定数を加算している。このように、全てのビットが「0」の送信用乱数データをなくすことで、ノイズの影響を受けたデータや初期データとの混同を回避することができる。
また、本発明の第1実施形態の演出制御装置700は、複数の送信用乱数データ(始動口入賞演出1〜6コマンド)を所定時間内(例えば、60ms以内)に全て受信した場合にのみ、復元した変動パターン乱数1〜3の乱数データを有効とし、事前判定手段による事前判定を有効とする。これにより、信用できない変動パターン乱数1〜3を用いた事前判定による事前報知演出の実行を防止し、信頼性の高い事前報知演出を実行することができる。
さらに、本発明の第1実施形態の演出制御装置700は、最初の送信用乱数データを受信してから所定時間内(例えば、10ms以内)に次の送信用乱数データを受信しなければ、それまでに受信した送信用乱数データを破棄し、事前判定手段による事前判定を行わない。これにより、信用できない変動パターン乱数1〜3を用いた事前判定による事前報知演出の実行を防止し、信頼性の高い事前報知演出を実行することができる。
(第2実施形態)
ところで、従来から、始動条件の成立により変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果であれば、特別遊技状態(当り遊技)を発生させて遊技者に遊技価値を付与する遊技機(例えば、パチンコ機)が提案されている。このような遊技機では、遊技制御手段(主基板、遊技制御装置)が、大当り決定手段によって大当りと決定したときの可変表示部(表示装置)の表示結果となる識別情報(大当り停止図柄、大当り図柄番号)を、大当り図柄テーブルを用いて生成した図柄決定用乱数に基づいて決定する。遊技制御手段は、プログラム内に格納され、図柄決定用乱数と識別情報を示すデータ(図柄番号)との関係が設定されている大当り図柄テーブルを用いて、図柄決定用乱数の値から直接図柄番号を取得している(例えば、特開2000−300764号公報)。しかしながら、前述の特許公報に記載される遊技機では、近年複雑になっている遊技制御を統括的に行う遊技制御手段が備えるプログラム容量の増加が問題となっている中、さらに当り図柄テーブルのデータがプログラム容量を増加させてしまう虞がある。
そこで、本発明の第2実施形態では、上記した問題点に鑑み、遊技制御装置(遊技制御手段)のプログラム容量の増加を抑えることができる遊技機を開示する。
第2実施形態では、従来のように大当り図柄乱数に直接大当り図柄番号が割り当てられた大当り図柄テーブル(図33A、図33B)ではなく、大当り図柄乱数を用いて前述の振り分け処理(図24)を実行することで大当り図柄番号を取得可能な大当り図柄テーブル(図32A、図32B)を備える。以下、図30〜図41を参照して、第2実施形態の遊技機1について説明する。
また、本発明の第2実施形態の遊技機1は、第1実施形態の遊技機1をベースとするが、第1実施形態では演出制御装置700が事前判定手段を備えており、遊技制御装置600は特図保留情報判定処理(図10)において変動パターン乱数1〜3の乱数データを送信用乱数データに変換する処理を行っていた。これに対し、第2実施形態では、遊技制御装置600が事前判定手段を備え、特図保留情報判定処理(図30)において事前判定結果に対する変動パターン情報の設定を行う。
〔特図保留情報判定処理〕
前述したように、本発明の第2実施形態では、遊技制御装置600が事前判定(先読み)処理を行う。図30は、本発明の第2実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かを判定する(A3001)。ここで、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合とは、特図始動口スイッチ共通処理(図9)のステップA901に係る始動口スイッチの入力が第2始動口スイッチ602の入力である場合である。また、特図始動口スイッチ共通処理(図9)のステップA901に係る始動口スイッチの入力が第1始動口スイッチ601の入力である場合は、普通変動入賞装置38の開放延長機能が作動中(普電サポート中)でない場合、即ち、時短遊技状態中でない場合であり、大当り(特別遊技状態)中でもない場合である。遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(A3001の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(A3001の結果が「Y」)、新たに記憶された始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3002)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、A3002の大当り判定処理による判定結果が大当りであるか否かを判定する(A3003)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(A3003の結果が「N」)、停止図柄パターンとして、はずれ停止図柄パターンを設定する(A3006)。そして、A3007以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(A3003の結果が「Y」)、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブル(特図大当り図柄テーブル)を大当り時の停止図柄を特定するためのテーブルとして設定する(A3004)。特図大当り図柄テーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値(振り分け値)や当該判定値に対応する大当り停止図柄パターンが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、A3004の処理で設定された特図大当り図柄テーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り停止図柄パターンを取得し、設定する(A3005)。
続いて、遊技制御装置600は、A3005の処理で設定した大当り停止図柄パターン又はA3006の処理で設定したはずれ停止図柄パターンを先読み停止図柄停止パターン領域にセーブする(A3007)。さらに、対象の始動口スイッチ及び停止図柄パターンに対応する先読み図柄コマンドを準備し(A3008)、演出制御装置700に送信するため送信バッファ632aにコマンドを設定するコマンド設定処理を実行する(A3009)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(A3010)。特図情報設定処理の詳細については、図18にて前述したとおりである。
続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定するために、監視対象の始動口に対応する後半変動パターン設定情報テーブルを準備し(A3011)、変動パターン全体を設定するための変動パターン設定処理を実行する(A3012)。変動パターン設定処理の詳細については、図19にて前述したとおりである。なお、特図変動表示ゲームの結果ごとに変動パターン設定処理を定義し、対象の特図変動表示ゲームの結果に応じて対応する変動パターン設定処理を実行するようにしてもよい。
最後に、遊技制御装置600は、変動パターン設定処理で設定された前半変動番号及び後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンド(始動口入賞演出コマンド)を準備し(A3013)、コマンド設定処理を実行する(A3014)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
以上のように、特図保留情報判定処理では、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームを実行する前に、特図変動表示ゲームの結果を取得し、演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。このように第2実施形態では、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、図31Aを参照して、第2実施形態の特図1停止図柄設定処理について説明する。図31Aは、本発明の第2実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。第2実施形態の特図1停止図柄設定処理は、第1実施形態の特図1停止図柄設定処理(図17A)と、第1特図変動表示ゲームの結果(停止結果態様)が大当りとなる場合における特図1停止図柄番号(特図1大当り図柄番号)の取得手段が異なる。
より具体的には、第2実施形態では、特図1大当り図柄番号を取得するために用いる特図1大当り図柄テーブルが第1実施形態と異なる。ここで、第1実施形態における特図1大当り図柄テーブルは、特図1大当り図柄乱数と特図1大当り図柄番号とが一対一で直接対応付けられた構成要素からなるものである。これに対し、第2実施形態における特図1大当り図柄テーブル(図32A)は、振り分け値を用いて特図1大当り図柄乱数を特図1大当り図柄番号に対応付けるものであり、構成要素は振り分け値と特図1大当り図柄番号からなる。
第2実施形態の特図1停止図柄設定処理におけるA3101a及びA3102aの処理は、第1実施形態の特図1停止図柄設定処理のA1701a及びA1702aの処理と同じであるので、説明を省略する。A3102aの処理で特図1大当り図柄乱数を取得した後、遊技制御装置600は、本実施形態特有の特図1大当り図柄テーブルを準備する(A3103a)。なお、本実施形態の特図1大当り図柄テーブルの詳細については、図32Aにて後述する。
そして、遊技制御装置600は、A3103aの処理で準備した特図1大当り図柄テーブルを用いて振り分け処理(図24)を実行し(A3104a)、大当り停止図柄番号を取得して特図1停止図柄番号領域にセーブする(A3105a)。これらA3103a〜A3105aの処理が第1実施形態の特図1停止図柄設定処理(図17A)の対応するA1703a及びA1704aの処理と異なる。特図1大当り図柄テーブルを用いた具体的な振り分け処理の詳細については、図32Aにて後述する。
なお、これ以降のA3106a〜A3117aの処理は、第1実施形態の特図1停止図柄設定処理(図17A)のA1705a〜A1716aの処理と同じなので、説明を省略する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、図31Bを参照して、第2実施形態の特図2停止図柄設定処理について説明する。図31Bは、本発明の第2実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。第2実施形態の特図2停止図柄設定処理は、第1実施形態の特図2停止図柄設定処理(図17B)と、第2特図変動表示ゲームの結果(停止結果態様)が大当りとなる場合における特図2停止図柄番号(特図2大当り図柄番号)の取得手段が異なる。
特図2停止図柄設定処理は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の特図1停止図柄設定処理(図31A)と同様の手順で遊技制御装置600によって実行される。具体的には、A3101b〜A3117bの処理はそれぞれA3101a〜A3117aの処理に対応しており、A3101bの処理で大当りフラグ2が処理対象となり、A3102b及びA3117bの処理で特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)が処理対象となり、A3103bの処理で特図2大当り図柄テーブル(図32B)が処理対象となる。さらに、A3105b及びA3111bの処理で特図2停止図柄番号領域が処理対象となる。
〔特図1大当り図柄テーブル〕
図32Aは、本発明の第2実施形態の特図1大当り図柄テーブル例を示す図である。特図1大当り図柄テーブルは、前述した特図1停止図柄設定処理(図31A)のA3103aの処理にて大当り停止図柄番号(特図1大当り図柄番号)取得のために準備される。
特図1大当り図柄テーブルは、1アドレス1バイトの30行2列からなる60バイトサイズのテーブルであり、右列に特図1大当り図柄番号1〜30が並び、左列に先頭から特図1大当り図柄番号1〜30に対応する所定の振り分け値が割り当てられている。
ここで、遊技制御装置600による特図1大当り図柄テーブルを用いた特図1大当り図柄番号の取得手順について、前述の振り分け処理(図24)に沿って具体的に説明する。ここで、特図1大当り図柄テーブルは振り分け値を含むので、遊技制御装置600は、A2401→A2402の結果が「N」と処理を進め、A2403以降の振り分け値を用いた処理を実行する。ここでは、特図1停止図柄設定処理(図31A)のA3102aの処理で取得された特図1大当り図柄乱数の値を「7」とする。
遊技制御装置600は、まず、特図1大当り図柄テーブルの振り分け値の先頭データ「5」を取得する(A2403)。そして、特図1停止図柄設定処理(図31A)のA3102aの処理で取得した特図1大当り図柄乱数「7」からA2403の処理で取得した振り分け値「5」を減算して新たな乱数値「2」を算出した後(A2404)、新たな乱数値「2」が「0」よりも小さいか否かを判定する(A2405)。そして、新たな乱数値「2」が「0」よりも小さくないので(A2405の結果が「N」)、次の振り分け値(2番目のデータ)のアドレスに更新した後(A2406)、A2403の処理に戻る。
遊技制御装置600は、特図1大当り図柄テーブルの振り分け値の2番目データ「1」を取得する(A2403)。そして、前回のA2404の処理で算出した乱数値「2」から今回のA2403の処理で取得した振り分け値「1」を減算して新たな乱数値「1」を算出する(A2404)。新たな乱数値「1」は、まだ「0」よりも小さくないので(A2405の結果が「N」)、次の振り分け値(3番目のデータ)のアドレスに更新した後(A2406)、A2403の処理に戻る。そして、A2405の処理において、A2404の処理で算出される新たな乱数値が「0」よりも小さくなるまで処理を繰り返す。
この後、A2404の処理をあと2回繰り返すと新たな乱数値が「−1」となる。このときの乱数値算出に用いた振り分け値は、特図1大当り図柄テーブルの先頭から4番目のデータである。したがって、遊技制御装置600は、4番目の振り分け値に対応する特図1大当り図柄番号「4」を、特図1大当り図柄乱数「7」に対応する特図1大当り図柄番号として選択する(A2405の結果が「Y」→A2407)。
ここで、図33Aを参照して、従来の特図1大当り図柄テーブルと本実施形態の特図1大当り図柄テーブルとの違いを説明する。図33Aは、従来態様の特図1大当り図柄テーブルを示す図である。
図33Aに示すように、従来の特図1大当り図柄テーブルは、特図1大当り図柄乱数から特図1大当り図柄番号を直接取得することができる。すなわち、特図1大当り図柄テーブルは、特図1大当り図柄乱数と特図1大当り図柄番号とが一対一で定義されており、特図1大当り図柄乱数の数だけ特図1大当り図柄番号がテーブルに設定されている。したがって、特図1大当り図柄テーブルは、0〜99までの特図1大当り図柄乱数がある場合には100の特図1大当り図柄番号のデータを有するので、100バイトサイズのデータとなる。特図1大当り図柄番号に割り当てられる図柄番号は1〜30までしかなくとも、一の特図1大当り図柄乱数に一の大当り図柄番号が設定されるので、特図1大当り図柄乱数に応じて特図1大当り図柄テーブルのデータ容量が大きくなっていた。
これに対し、本実施形態の特図1大当り図柄テーブルは、特図1大当り図柄番号に対応する特図1大当り図柄乱数の数をその特図1大当り図柄番号の振り分け値として定義し、特図1大当り図柄乱数及び振り分け値から特図1大当り図柄番号を取得することができる。すなわち、特図1大当り図柄テーブルは、特図1大当り図柄番号と振り分け値とが一対一で定義されている。したがって、特図1大当り図柄テーブルは、1〜30までの特図1大当り図柄番号がある場合に、対応する振り分け値と合わせて2×30=60バイトサイズのデータとなる。なお、振り分け値を全て足し合わせると特図1大当り図柄乱数の数になる。
このように、本実施形態の特図1大当り図柄テーブルは、従来のように特図1大当り図柄乱数の数(例では、100)に応じてデータ容量(100バイト)が決まるのではなく、特図1大当り図柄番号の数(例では、30)に応じてデータ容量(60バイト)が決まる。一般的に、特図1大当り図柄乱数の数は、特図1大当り図柄番号の数よりも多く膨大である。このため、特図1大当り図柄番号の数に応じてデータ容量が決まる本実施形態の特図1大当り図柄テーブルは、特図1大当り図柄乱数の数に応じてデータ容量が決まる従来態様の特図1大当り図柄テーブルよりもデータ容量を削減することができる。
〔特図2大当り図柄テーブル〕
図32Bは、本発明の第2実施形態の特図2大当り図柄テーブル例を示す図である。特図2大当り図柄テーブルは、前述した特図2停止図柄設定処理(図31B)のA3103bの処理にて大当り停止図柄番号(特図2大当り図柄番号)取得のために準備される。
特図2大当り図柄テーブルは、特図1大当り図柄テーブル(図32A)と同様に、1アドレス1バイトの30行2列からなる60バイトサイズのテーブルであり、右列に特図2大当り図柄番号1〜30が並び、左列に先頭から特図2大当り図柄番号1〜30に対応する所定の振り分け値が割り当てられている。特図2大当り図柄テーブルは、特図1大当り図柄テーブルとは、特図大当り図柄番号と振り分け値との組み合わせが異なる。すなわち、大当り時に所定の特図大当り図柄番号が選択される確率(複数ある大当り種類の各大当り発生確率)が異なる。
遊技制御装置600による特図2大当り図柄テーブルを用いた特図2大当り図柄番号の取得手順は、前述の特図1大当り図柄テーブルを用いた特図1大当り図柄番号の取得手順と同じである。
ここで、図33Bは、従来態様の特図2大当り図柄テーブルを示す図である。
図33Bに示すように、従来の特図2大当り図柄テーブルは、従来の特図1大当り図柄テーブル(図33A)と同様に、特図2大当り図柄乱数から特図2大当り図柄番号を直接取得することができる。従来の特図2大当り図柄テーブルは、従来の特図1大当り図柄テーブルとは、特図大当り図柄乱数に対応する特図大当り図柄番号が異なる。すなわち、大当り時に所定の特図大当り図柄番号が選択される確率(複数ある大当り種類の各大当り発生確率)が異なる。
以上より、本実施形態の特図2大当り図柄テーブルは、本実施形態の特図1大当り図柄テーブルと同様の効果を奏する。特図2大当り図柄番号の数に応じてデータ容量が決まる本実施形態の特図2大当り図柄テーブルは、特図2大当り図柄乱数の数に応じてデータ容量が決まる従来態様の特図2大当り図柄テーブルよりもデータ容量を削減することができる。
〔特図停止図柄の仕様〕
次に、図34A及び図34Bを参照して、前述の特図1停止図柄設定処理(図31A)で設定される第1特図変動表示ゲームの結果内容、及び、特図2停止図柄設定処理(図31B)で設定される第2特図変動表示ゲームの結果内容について説明する。図34Aは、本発明の第2実施形態の特図1の停止図柄番号の仕様例を示す図である。図34Bは、本発明の第2実施形態の特図2の停止図柄番号の仕様例を示す図である。
まず、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の結果がはずれの場合は、停止図柄番号「0」が特図1停止図柄番号領域(特図2停止図柄番号領域)にセーブされる。そして、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りの場合は、前述した特図1大当り図柄テーブル(特図2大当り図柄テーブル)に基づいて停止図柄番号「1」〜「30」が特図1停止図柄番号領域(特図2停止図柄番号領域)にセーブされる。
停止図柄番号「0」〜「30」には、それぞれ7セグ表示による特図表示器における停止図柄、表示装置35における停止図柄、特別遊技状態の実行態様(内容)及び特別遊技状態終了後の確率状態が設定されている。したがって、停止図柄番号によって大当り(特別結果)の種類が選択されることになる。
ここで、停止図柄番号に対応する特図表示器の停止図柄は、停止図柄番号毎にセグメントの点灯/消灯態様が設定されている。特図1と特図2とで停止図柄態様は、ドットセグメントの点灯/消灯の違いがある。なお、その他のセグメントの点灯/消灯態様は共通している。例えば、停止図柄番号「0」の場合、特図1ではドットセグメントが消灯しているが特図2では点灯している。また、停止図柄番号「1」の場合、特図1ではドットセグメントが点灯しているが特図2では消灯している。このように、本実施形態では、ドットセグメントの点灯をどちらかの特図のみに偏らせることなく、停止図柄番号毎に設定している。
また、停止図柄番号に対応する表示装置35の停止図柄は、停止図柄番号に対応する特別遊技状態の実行内容(大当り種類)によって決まる。ここでは、特図1と特図2とで発生可能な大当り種類が異なる。具体的には、特図1の大当りは、15R確変A〜M、15R通常A/B、2R確変の16種類である。特図2の大当りは、15R確変A/B/D〜F、10R確変A〜F、10R通常A/B、2R確変の14種類である。なお、表示装置35に表示される飾り図柄の停止態様の詳細については、図35にて後述する。
このため、停止図柄番号に対応する大当り種類は、特図1と特図2とで異なる。なお、特図1よりも特図2の方が遊技者にとって有利となるように設けられており、特図1において15R確変、15R通常、2R確変の選択率がそれぞれ40%、36%、24%に対し、特図2において15R確変、10R確変、10R通常、2R確変の選択率はそれぞれ42%、14%、36%、8%に設定されている。
また、各大当りは、種類毎に大入賞口の開放パターン、再々抽選演出及びラウンド昇格演出についても設定されている。なお、各大当りにおける大入賞口の開放パターンについては、図38にて後述する。また、再々抽選演出の詳細については、図36にて後述する。ラウンド昇格演出の詳細については、図37A〜図37Cにて後述する。
〔飾り図柄の仕様〕
図35は、本発明の第2実施形態の表示装置35の飾り図柄の停止態様例を示す図である。図34A及び図34Bで前述したように、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りになる場合は、大当り種類に応じて表示装置35の飾り図柄の停止態様(停止図柄)が異なる。ここでは、図35を参照して、図34A及び図34Bの大当りを表す飾り図柄の停止態様について説明する。
飾り図柄が「3/7」は、特図1の15R確変A及び特図2の15R確変Aの当りを表す停止図柄である。このとき、表示装置35では、3つの識別情報が変動表示された後に「3」のぞろ目、又は、「7」のぞろ目で停止表示される。
飾り図柄が「チャンス目」は、特図1の15R確変B/C/M、2R確変、特図2の15R確変B及び2R確変の当りを表す停止図柄である。このとき、表示装置35では、3つの識別情報が変動表示された後に3、5及び7の3つの識別情報の組み合わせ6通りのいずれかで停止表示される。例えば、組み合わせの停止図柄は、「357」や「573」等である。
飾り図柄が「1/5/9」は、特図1の15R確変D/K、特図2の15R確変D及び10R確変Eの当りを表す停止図柄である。このとき、表示装置35では、3つの識別情報が変動表示された後に「1」のぞろ目、「5」のぞろ目、又は、「9」のぞろ目で停止表示される。
飾り図柄が「2/4/6/8」は、特図1の15R確変E〜J/L、15R通常A/B、特図2の15R確変E/F、10R確変A〜D/F、10R通常A/Bの当りを表す停止図柄である。このとき、表示装置35では、3つの識別情報が変動表示された後に「2」のぞろ目、「4」のぞろ目、「6」のぞろ目、又は、「8」のぞろ目で停止表示される。
〔再々抽選演出〕
図36は、本発明の第2実施形態の再々抽選演出における表示装置35の画面遷移例を示す図である。再々抽選演出とは、大当り遊技中に実行され、この演出によって大当り遊技終了後に確変状態となるか否かが決定されたように遊技者に見せる演出である。そして、確変状態となる場合は確変昇格報知が実行され、確変状態にならない場合は確変非昇格報知が実行される。
図36(A)は、再々抽選に当選して確変昇格を報知する場合の画面遷移例を示す図である。再々抽選演出は、飾り図柄「2/4/6/8」によって停止図柄態様が表される大当りの場合に実行され、確変昇格報知は、特図1の15R確変E/F/L、特図2の15R確変E、10R確変Fの場合に実行される。ここでは、飾り図柄「222」で大当りとなる場合について説明する。
再々抽選演出は、まず、所定ラウンドのラウンド遊技中に遊技者に対して演出ボタン70(ここではプッシュボタン71)の押下操作が促される。具体的には、表示装置35において、演出ボタン70が表示されるとともに「ボタンを押せ!」のメッセージが表示される。そして、後のラウンドにおいて遊技者による押下操作に対応する演出(ここでは、「ドッカーン!!!」という爆発演出)が実行される。そして、次のラウンドにおいて確変昇格したことを報知する確変昇格報知(ここでは、「☆確変☆」を表示)が実行される。このとき、表示装置35に表示される飾り図柄は「222」から「333」に図柄が変化する。
図36(B)は、再々抽選に落選して確変非昇格を報知する場合の画面遷移例を示す図である。再々抽選演出は、前述したように飾り図柄「2/4/6/8」によって停止図柄態様が表される大当りの場合に実行され、確変非昇格報知は、特図1の15R確変G〜J、15R通常A/B、特図2の15R確変F、10R確変A〜D、10R通常A/Bの場合に実行される。ここでは、飾り図柄「222」で大当りとなる場合について説明する。
この場合も再々抽選演出は、前述の図36(A)と同じである。しかし、爆発演出が実行された後、次のラウンドにおいて確変昇格しなかったことを報知する確変非昇格報知(ここでは、「残念…」を表示)が実行される。そして、表示装置35に表示される飾り図柄は「222」のまま変化しない。
図36(C)は、再々抽選演出が実行されない場合の画面遷移例を示す図である。前述したように、再々抽選演出は停止図柄が飾り図柄「2/4/6/8」によるぞろ目となる場合に実行され、その他の飾り図柄によって大当りになっても実行されない。ここでは、飾り図柄「777」で大当りとなる場合について説明する。
再々抽選演出が実行されない場合は、再々抽選演出が実行されるラウンドになっても通常のラウンド遊技が実行される。
〔ラウンド昇格演出〕
図37A〜図37Cは、本発明の第2実施形態のラウンド昇格演出における表示装置35の画面遷移例を示す図である。ラウンド昇格演出とは、大当り遊技中に所定のラウンドで実行され、この演出によって遊技者が賞球を獲得可能なラウンドの継続(昇格)又は終了(昇格なし)が決定されたように遊技者に見せる演出である。
図37A(A)は、ラウンド昇格演出が実行されない場合の画面遷移例を示す図である。特図1の15R確変A/M、特図2の15R確変A、2R確変の大当りの場合には、ラウンド昇格演出は実行されない。ここでは、飾り図柄「333」で15Rの大当りとなる場合について説明する。なお、2Rの大当りの場合については、図37C(A)にて後述する。
ここで、ラウンド昇格演出は10R又は15Rの大当りにおいて実行される演出であり、2R突演出からのラウンド昇格演出(15R確変B)及び15R突演出からのラウンド昇格演出(15R確変C)以外は、10ラウンド目のラウンド遊技中に実行される。そこで、ラウンド昇格演出の有無の違いがわかるように、ラウンド昇格演出が実行されない場合についても、10ラウンド目のラウンド遊技について、表示装置35における画面遷移を説明する。
ラウンド昇格演出が実行されない場合は、表示装置35では、10ラウンド目のラウンド遊技演出のみが行われ、続いて11ラウンド目のラウンド遊技演出が行われる。
図37A(B)は、ラウンド昇格演出が実行され、ラウンド昇格する(ラウンド継続する)場合の画面遷移例を示す図である。特図1及び特図2の15R確変D〜Fの大当りの場合に、ラウンド昇格する。ここでは、飾り図柄「222」で15Rの大当りとなる場合について説明する。
ラウンド昇格演出においてラウンド昇格(継続)する場合は、10ラウンド目のラウンド遊技中の表示装置35において、遊技者に演出ボタン70の押下操作が促される。ここでは、演出ボタン70が表示されるとともに「ボタンを押せ!」のメッセージが表示される。その後、遊技者による押下操作に対応する演出(ここでは、「ドッカーン!!!」という爆発演出)が実行される。そして、10ラウンド目のラウンド終了際にラウンド昇格したことが報知され、表示装置35には「☆継続☆」のメッセージが表示される。そして、引き続き11ラウンド目のラウンド遊技が実行され、表示装置35ではラウンド遊技の演出が行われる。
ラウンド昇格演出でラウンド昇格する15R大当り(15R確変D〜F)は、11ラウンド以降においても10ラウンドまでの遊技者が賞球を獲得可能な大入賞口の開放パターンが維持される。なお、15Rラウンド昇格あり大当り(15R確変D〜F)の大入賞口の開放パターンの詳細については、図38にて後述する。
図37B(A)及び(B)は、ラウンド昇格演出が実行されるがラウンド昇格しない(ラウンド終了する)場合の画面遷移例を示す図である。特図1の15R確変G〜L及び15R通常A/Bの大当り、特図2の10Rの全大当り(10R確変A〜F、10R通常A/B)の場合に、ラウンド昇格しない。(A)は飾り図柄「222」で10R大当りとなる場合、(B)は飾り図柄「222」で15R大当りとなる場合を示す。
図37B(A)及び(B)に示すように、10ラウンド目のラウンド遊技中の表示装置35において、遊技者に演出ボタン70の押下操作が促され、遊技者による押下操作に対応する演出(ここでは、「ドッカーン!!!」という爆発演出)が実行されるまでの表示は、前述の図37A(B)と同じである。
図37B(A)に示すように、10R大当りの場合は、10ラウンド目のラウンド終了際にラウンド昇格しないことが報知され、表示装置35には「残念・・・」のメッセージが表示される。そして、今回の大当り遊技が終了し、再び保留記憶を1消化して特図変動表示ゲームが実行される。このため、表示装置35では、3つの識別情報の変動表示が行われる。なお、10R大当り(10R確変A〜F、10R通常A/B)の大入賞口の開放パターンの詳細については、図38にて後述する。
図37B(B)に示すように、15R大当りでラウンド昇格しない場合は、10ラウンド目のラウンド終了際にラウンド昇格しないことが報知され、表示装置35には「残念・・・」のメッセージが表示される。その後、残りの11〜15ラウンドのラウンド遊技として、対象の大入賞口が短時間(例えば、0.2秒)の開放を5回繰り返す。この短時間の開放で遊技者が賞球を獲得するのは難しく、15R大当りであっても遊技者は実質的に10R大当りと同等の賞球しか獲得できない。このとき、表示装置35では、11〜15ラウンドに対応するラウンド遊技演出は表示されない。そして、短時間の開放が5回終了すると、今回の大当り遊技が終了し、再び保留記憶を1消化して特図変動表示ゲームが実行される。このため、表示装置35では、3つの識別情報の変動表示が行われる。なお、15Rラウンド昇格なし大当り(15R確変G〜L及び15R通常A/B)の大入賞口の開放パターンの詳細については、図38にて後述する。
図37C(A)は、ラウンド昇格演出がなく、2R確変大当りとなる場合の画面遷移例を示す図である。ここでは、飾り図柄「735」で2R確変の大当りとなる場合について説明する。
表示装置35では、3つの識別情報がチャンス目「735」で停止表示されると、大当り遊技が開始される。このとき表示装置35には、キャラクタが表示されるが、ラウンド数は表示されない。この間に対象の大入賞口が短時間(例えば、0.2秒)の開放を2回繰り返す。この短時間の開放で遊技者が賞球を獲得するのは難しい。その後、表示装置35には、今回の大当り後の遊技状態が確変状態となることを報知するメッセージ(ここでは「高確率モード突入」)が表示される。そして、保留されている特図1始動記憶が1消化され、特図1変動表示ゲームが実行される。このとき、表示装置35では、新たに3つの識別情報の変動表示が開始される。
2R確変大当りは、表示装置35にチャンス目の停止結果が表示されてから(大当りが確定してから)、ラウンド数が表示装置35に表示されることなくキャラクタ表示を経て確変状態に突入することを報知する表示が行われる。そして、この間に大入賞口の高速開放(0.2秒を2回)が行われるが、短時間の動作なので、遊技者は大入賞口の開放動作に気付かず、チャンス目となる特図変動表示ゲームを契機に突然確変状態に遊技状態が移行したかのように感じる。また、チャンス目で停止表示される特図変動表示ゲームが2R確変の大当りとなり得るので、特定の3つの識別情報の組み合わせが大当りになるという知識がない限り、遊技者はチャンス目で停止しても大当りと気付かない。このように遊技者に大当りを契機とせずに突然遊技状態が移行したように見せる演出を突演出という。
図37C(B)は、ラウンド昇格演出が実行され、前述したような突演出を介してラウンド昇格する(ラウンド継続する)場合の画面遷移例を示す図である。対象となる大当り種類は、15R確変B(2R突演出からのラウンド昇格演出)及び15R確変C(15R突演出からのラウンド昇格演出)である。
表示装置35では、3つの識別情報がチャンス目「735」で停止表示されると、大当り遊技が開始される。このとき表示装置35には、キャラクタが表示されるが、ラウンド数は表示されない。このキャラクタ表示までは前述の図37C(A)と同じである。この間に対象の大入賞口が短時間(例えば、0.2秒)の開放を2回(15R確変B)又は15回(15R確変C)繰り返す。この短時間の開放(短開放)で遊技者が賞球を獲得するのは難しい。
その後、表示装置35では、遊技者に何かが起こると期待させる表示(ここでは、「ドッカーン!!!」のメッセージとともに爆発演出を表示)が行われ、大当りを報知する表示とともにラウンド数の表示が開始される。ラウンド数が表示装置35に表示されるタイミングで、ラウンド遊技は、遊技者が賞球を獲得可能な大入賞口の開放パターンとなり、以後、15回の長時間の開放動作(長開放)が行われる。このとき、1回目の長開放における開放時間は、通常の長開放時間(29秒)から短開放の合計開放時間(0.2秒×2回又は5回)を差し引いた開放時間(28.6秒又は26秒)内になるように設定される。すなわち、複数回の短開放と1回目の長開放とを合わせて1ラウンド目のラウンド遊技とする。
なお、本実施形態では、2R又は15Rの突演出からのラウンド昇格(15R確変B/C)において、ラウンド昇格演出を契機に大入賞口は、2回又は15回の賞球獲得が困難な短開放パターンから15回の賞球獲得可能な開放パターンに移行しているが、これに限らない。短開放を行うことなく、ラウンド昇格演出終了後に初めて大入賞口が動作し、長開放を行うようにしてもよい。
〔大入賞口開放パターン〕
図38は、本発明の第2実施形態の大当りにおける大入賞口の開放パターンを示す図である。図38(A)〜図38(G)は、前述の図34A及び図34Bに示した大当りを開放パターン別に示す図である。
図38(A)は、15R確変A、D〜Fの大当りの場合の大入賞口の開放パターンを示す図である。ラウンド開始前に5秒のインターバルがとられた後、1回の開放時間が29秒の長開放を1ラウンドとする15ラウンドのラウンド遊技が行われ、15ラウンド終了後に19秒の大当り遊技終了演出が行われて大当り遊技が終了される。このときラウンド間のインターバルは2秒とする。そして、15R確変D〜Fの場合は、10ラウンド目のラウンド遊技中に、表示装置35において前述の図37A(B)に示すラウンド昇格演出が行われる。15R確変Aの場合は、ラウンド昇格演出が実行されないので、前述の図37A(A)に示す画面表示が表示装置35にて行われる。また、15R確変A/Dの場合は、図36(C)に示すように再々抽選演出は実行されないが、15R確変Eの場合は、図36(A)に示すように特定のラウンド遊技中に再々抽選に当選して確変昇格が報知される再々抽選演出が実行される。また、15R確変Fの場合は、図36(B)に示すように特定のラウンド遊技中に再々抽選に落選して確変非昇格が報知される再々抽選演出が実行される。
図38(B)は、15R確変G〜L、15R通常A/Bの大当りの場合の大入賞口の開放パターンを示す図である。ラウンド開始前に5秒のインターバルがとられた後、1回の開放時間が29秒の長開放を1ラウンドとする10ラウンドのラウンド遊技が行われる。このときラウンド間のインターバルは2秒とする。そして、10ラウンド目のラウンド遊技中に、表示装置35において前述の図37B(B)に示すラウンド昇格演出が行われ、ラウンド昇格しないことが報知される。その後は、11ラウンド〜15ラウンドのラウンド遊技として、1回の開放時間が0.2秒の短開放を1ラウンドとする5ラウンドのラウンド遊技が行われる。10ラウンド〜15ラウンドにおけるラウンド間のインターバルは2秒とする。そして、15ラウンド終了後に8秒の大当り遊技終了演出が行われ、大当り遊技が終了される。
また、15R確変G〜J、15R通常A/Bの場合は、図36(B)に示すように特定のラウンド遊技中に再々抽選に落選して確変非昇格が報知される再々抽選演出が実行される。15R確変G〜Jは、大当り状態終了後に確変状態に移行するにも関わらず確変非昇格が報知されることになるので、遊技者が気付くことなく確変状態となる所謂潜伏確変である。また、15R確変Kの場合は、再々抽選演出が実行されないので、前述の図36(C)に示す画面表示が表示装置35にて行われる。また、15R確変Lの場合は、図36(A)に示すように特定のラウンド遊技中に再々抽選に当選して確変昇格が報知される再々抽選演出が実行される。なお、再々抽選演出が行われる特定のラウンドは、大入賞口が長開放されるラウンドである。
図38(C)は、15R確変Bの場合の大入賞口の開放パターンを示す図である。ラウンド開始前に0.1秒のインターバルがとられた後、1ラウンド目のラウンド遊技として、1回の開放時間が0.2秒の短開放が2秒間隔で2回行われた後、1回の開放時間が28.6秒の長開放が1回行われる。そして、この間に前述の図37C(B)に示す突演出からのラウンド昇格演出が行われる。ここで、長開放が行われるタイミングで、表示装置35にラウンド数表示と大当り表示が行われる。その後、1回の開放時間が29秒の長開放を1ラウンドとする2ラウンド〜15ラウンドのラウンド遊技が行われる。このときラウンド間のインターバルは2秒とする。そして、15ラウンド終了後に19秒の大当り遊技終了演出が行われ、大当り遊技が終了される。なお、15R確変Bの場合は、再々抽選演出が実行されないので、前述の図36(C)に示す画面表示が表示装置35にて行われる。
図38(D)は、15R確変Cの場合の大入賞口の開放パターンを示す図である。ラウンド開始前に0.1秒のインターバルがとられた後、1ラウンド目のラウンド遊技として、1回の開放時間が0.2秒の短開放が2秒間隔で15回行われた後、1回の開放時間が25秒の長開放が1回行われる。そして、この間に前述の図37C(B)に示す突演出からのラウンド昇格演出が行われる。ここで、長開放が行われるタイミングで、表示装置35にラウンド数表示と大当り表示が行われる。その後、1回の開放時間が29秒の長開放を1ラウンドとする2ラウンド〜15ラウンドのラウンド遊技が行われる。このときラウンド間のインターバルは2秒とする。そして、15ラウンド終了後に19秒の大当り遊技終了演出が行われ、大当り遊技が終了される。なお、15R確変Cの場合は、再々抽選演出が実行されないので、前述の図36(C)に示す画面表示が表示装置35にて行われる。
図38(E)は、15R確変Mの場合の大入賞口の開放パターンを示す図である。ラウンド開始前に0.1秒のインターバルがとられた後、1回の開放時間が0.2秒の短開放を1ラウンドとする15ラウンドのラウンド遊技が行われる。このときラウンド間のインターバルは2秒とする。そして、15ラウンド終了後に2秒の大当り遊技終了演出が行われ、大当り遊技が終了される。なお、15R確変Mの場合は、ラウンド昇格演出が実行されないので、前述の図37A(A)に示す画面表示が表示装置35にて行われる。また、15R確変Mの場合は、再々抽選演出も実行されないので、前述の図36(C)に示す画面表示が表示装置35にて行われる。
図38(F)は、10R確変A〜F、10R通常A/Bの場合の大入賞口の開放パターンを示す図である。ラウンド開始前に5秒のインターバルがとられた後、1回の開放時間が29秒の長開放を1ラウンドとする10ラウンドのラウンド遊技が行われる。このときラウンド間のインターバルは2秒とする。そして、10ラウンド目のラウンド遊技中に、表示装置35において前述の図37B(A)に示すラウンド昇格演出が行われ、ラウンド昇格しないことが報知される。そして、10ラウンド終了後に19秒の大当り遊技終了演出が行われ、大当り遊技が終了される。
また、10R確変A〜D、10R通常A/Bの場合は、図36(B)に示すように特定のラウンド遊技中に再々抽選に落選して確変非昇格が報知される再々抽選演出が実行される。10R確変A〜Dは、大当り状態終了後に確変状態に移行するにも関わらず確変非昇格が報知されることになるので、遊技者が気付くことなく確変状態となる所謂潜伏確変である。また、10R確変Eの場合は、再々抽選演出が実行されないので、前述の図36(C)に示す画面表示が表示装置35にて行われる。また、10R確変Fの場合は、図36(A)に示すように特定のラウンド遊技中に再々抽選に当選して確変昇格が報知される再々抽選演出が実行される。
図38(G)は、2R確変の場合の大入賞口の開放パターンを示す図である。ラウンド開始前に0.1秒のインターバルがとられた後、1回の開放時間が0.2秒の短開放を1ラウンドとする2ラウンドのラウンド遊技が行われる。このときラウンド間のインターバルは2秒とする。そして、2ラウンド終了後に5.5秒の大当り遊技終了演出が行われ、大当り遊技が終了される。なお、2R確変の場合は、ラウンド昇格演出も再々抽選も実行されず、前述の37C(A)に示す画面表示が表示装置35にて行われる。
(第2実施形態の効果)
本発明の第2実施形態によれば、特図大当り図柄番号に対応する特図大当り図柄乱数の個数がその特図大当り図柄番号の振り分け値として定義され、遊技制御装置600は、特図大当り図柄テーブルに特定される特図大当り図柄乱数及び振り分け値から特図大当り図柄番号を取得する。特図大当り図柄テーブルは、特図大当り図柄番号と振り分け値とが一対一で定義されており、特図大当り図柄番号の数(例では、30)に応じてデータ容量(60バイト)が決まる。これにより、特図大当り図柄番号と特図大当り図柄乱数値とが一対一で定義され、乱数の数に応じてデータ容量が決まる従来の特図大当り図柄テーブルよりもデータ容量の増加を抑えることができる。
具体的に、本発明の第2実施形態によれば、遊技制御装置600は、特図大当り図柄テーブルを用いて、取得した特図大当り図柄乱数の値から振り分け値を減算する処理を負の値が算出されるまで繰り返し、負の値が算出されたときの振り分け値に対応する特図大当り図柄番号を、取得した特図大当り図柄乱数に対応する特図大当り図柄番号とする。このように、特図大当り図柄テーブルにおいて特図大当り図柄番号と特図大当り図柄乱数値とを一対一で定義してテーブルから直接特図大当り図柄番号を読み取るのではなく、減算処理制御を行って特図大当り図柄番号を読み取ればよいので、特図停止図柄設定処理(図31A、図31B)に用いるテーブルデータ量を抑えることができる。
また、本発明の第2実施形態によれば、特図大当り図柄番号には、大当りの内容として、停止図柄、特別遊技状態の実行態様(演出、遊技価値)が設定されている。また、特図大当り図柄番号ごとに特図表示器に表示される停止図柄態様が異なる。ここで、複数の特図大当り図柄番号が同じ特別遊技状態の実行態様に対応する。また、前述のように第2実施形態の特図大当り図柄テーブルは従来よりもデータ量を抑えることができるので、その分、特別遊技状態の実行態様を多様化させることができる。例えば、確変が付与される大当りであっても遊技者に報知する場合と報知しない場合とが設けられる。これにより、特図表示器に表示される停止図柄態様から遊技者が特別遊技状態の内容を特定することが難しくなり、遊技の興趣を高めることができる。
(第2実施形態の変形例)
次に、図39A〜図41を参照して、本発明の第2実施形態の変形例について説明する。第2実施形態では、遊技制御装置600は、特図停止図柄設定処理(図31A、図31B)において、特図大当り図柄番号と振り分け値とが定義された特図大当り図柄テーブル(図32A、図32B)を用いて振り分け処理(図24)を行うことで、特図大当り図柄乱数から特図大当り図柄番号を取得していた。これに対し、第2実施形態の変形例では、遊技制御装置600は、特図停止図柄設定処理(図39A、図39B)において、振り分け値と後述する繰り返し回数とが定義された特図大当り図柄テーブル(図41)を用いて特図停止図柄設定処理(図40)を行うことで、特図大当り図柄乱数から特図大当り図柄番号を決定する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
まず、図39Aを参照して、第2実施形態の変形例の特図1停止図柄設定処理について説明する。図39Aは、本発明の第2実施形態の変形例の特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
変形例の特図1停止図柄設定処理は、A3904a及びA3905aの処理以外のA3901a〜A3903a及びA3906a〜A3917aの処理は、第2実施形態の特図1停止図柄設定処理(図31A)のA3101a〜A3103a及びA3106a〜A3117aの処理と同じなので、説明を省略する。以下に、A3904a及びA3905aの処理について説明する。
遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームの結果が大当りの場合(A3901aの結果が「Y」)、特図1大当り図柄乱数及び特図1大当り図柄テーブルを準備したら(A3902a、A3903a)、大当り図柄番号を決定する停止図柄振り分け処理を実行する。なお、停止図柄振り分け処理の詳細については、図40にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、前述のA3904aの処理において決定された大当り図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブする(A3905a)。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、図39Bを参照して、第2実施形態の変形例の特図2停止図柄設定処理について説明する。図39Bは、本発明の第2実施形態の変形例の特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
変形例の特図2停止図柄設定処理は、対応する特図を特図1から特図2に変更して前述の特図1停止図柄設定処理(図39A)と同様の手順で遊技制御装置600によって実行される。具体的には、A3901b〜A3917bの処理はそれぞれA3901a〜A3917aの処理に対応しており、A3901bの処理で大当りフラグ2が処理対象となり、A3902b及びA3917bの処理で特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)が処理対象となり、A3903bの処理で特図2大当り図柄テーブル(図41(B))が処理対象となる。さらに、A3905b及びA3911bの処理で特図2停止図柄番号領域が処理対象となる。
〔停止図柄振り分け処理〕
次に、図40を参照して、前述の特図1停止図柄設定処理(図39A)及び特図2停止図柄設定処理(図39B)における停止図柄振り分け処理(A3904a、A3904b)について説明する。図40は、本発明の第2実施形態の変形例の停止図柄振り分け処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当り図柄番号を0に設定する(A4001)。次に、特図1大当り図柄テーブル(図41(A))又は特図2大当り図柄テーブル(図41(B))の繰り返し回数を取得する(A4002)。初回では先頭アドレスの繰り返し回数を取得し、それ以降は後述のA4008の処理で更新されるアドレスの繰り返し回数を取得する。なお、変形例の特図1大当り図柄テーブル及び特図2大当り図柄テーブルの詳細については、図41にて後述する。
そして、遊技制御装置600は、大当り図柄番号を1加算更新する(A4003)。次に、A3902a又はA3902bの処理にロードされた乱数値からA4002の処理で取得した繰り返し回数に対応する振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4004)、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4005)。ここで、新たな乱数値が「0」よりも小さい場合は(A4005の結果が「Y」)、停止図柄振り分け処理を終了する。
遊技制御装置600は、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合は(A4005の結果が「N」)、A4002の処理で取得した繰り返し回数を1減算更新し(A4006)、更新された繰り返し回数が「0」であるか否かを判定する(A4007)。
そして、遊技制御装置600は、繰り返し回数が0でない場合は(A4007の結果が「N」)、再び、A4003の処理に戻る。また、繰り返し回数が0である場合は(A4007の結果が「Y」)、次の繰り返し回数のテーブルアドレスに更新して(A4008)、A4002の処理に戻る。
遊技制御装置600は、上記の処理をA4005の処理にて新たな乱数値が「0」よりも小さい(A4005の結果が「Y」)と判定するまで実行する。
〔特図1/特図2大当り図柄テーブル〕
図41は、本発明の第2実施形態の変形例の(A)特図1大当り図柄テーブル例及び(B)特図2大当り図柄テーブル例を示す図である。図41(A)の特図1大当り図柄テーブルは、前述した特図1停止図柄設定処理(図39A)のA3903aの処理にて大当り停止図柄番号(特図1大当り図柄番号)決定のために準備される。また、図41(B)の特図2大当り図柄テーブルは、前述した特図2停止図柄設定処理(図39B)のA3903bの処理にて大当り停止図柄番号(特図2大当り図柄番号)決定のために準備される。
図41(A)に示すように、特図1大当り図柄テーブルは、1アドレス1バイトの6行2列からなる12バイトサイズのテーブルであり、右列に振り分け値が並び、左列に繰り返し回数が定義されている。ここで、振り分け値とは、第2実施形態の特図1大当り図柄テーブル(図32A)に定義されていた振り分け値と同じであり、特図1大当り図柄番号に対応する特図1大当り乱数の数を示す。そして、繰り返し回数とは、同じ振り分け値が連続する回数を示す。例えば、第2実施形態の特図1大当り図柄テーブル(図32A)では、先頭の振り分け値「5」の後は「1」が7つ連続し、さらに「3」が6つ連続している。したがって、本図の変形例の特図1大当り図柄テーブルでは、振り分け値「5」に対して繰り返し回数「1」が定義され、その次の振り分け値「1」に対して繰り返し回数「7」が定義され、さらに次の振り分け値「3」に対して繰り返し回数「6」が定義される。
ここで、遊技制御装置600による特図1大当り図柄テーブルを用いた特図1大当り図柄番号の決定手順について、前述の停止図柄振り分け処理(図40)に沿って具体的に説明する。ここでは、特図1停止図柄設定処理(図39A)のA3902aの処理で取得された特図1大当り図柄乱数の値を「7」とする。また、大当り図柄番号は「0」からスタートする(A4001)。
遊技制御装置600は、まず、特図1大当り図柄テーブルの繰り返し回数の先頭アドレスデータ「1」を取得する(A4002)。そして、大当り図柄番号を1加算更新して「1」とした後(A4003)、特図1停止図柄設定処理(図39A)のA3902aの処理で取得した特図1大当り図柄乱数「7」から先頭データの振り分け値「5」を減算して新たな乱数値「2」を算出し(A4004)、新たな乱数値「2」が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4005)。そして、新たな乱数値「2」が「0」よりも小さくないので(A4005の結果が「N」)、A4002の処理で取得した繰り返し回数「1」を1減算更新し(A4006)、更新した繰り返し回数が「0」であるか否かを判定する(A4007)。ここで、更新後の繰り返し回数は「0」になるので(A4007の結果が「Y」)、次の繰り返し回数データが取得される位置のテーブルアドレスに更新して(A4008)、A4002の処理に戻る。
次に、遊技制御装置600は、特図1大当り図柄テーブルの繰り返し回数の2番目データ「7」を取得する(A4002)。そして、大当り図柄番号を1加算更新して「2」とし(A4003)、前回のA4004の処理で算出した乱数値「2」から2番目データの振り分け値「1」を減算して新たな乱数値「1」を算出する(A4004)。新たな乱数値「1」は、まだ「0」よりも小さくないので(A4005の結果が「N」)、繰り返し回数「7」を1減算更新する(A4006)。A4006の処理で更新した繰り返し回数「6」は「0」ではないので(A4007の結果が「N」)、A4003の処理に戻る。
そして、遊技制御装置600は、大当り図柄番号を1加算更新して「3」とし(A4003)、前回のA4004の処理で算出した乱数値「1」から2番目データの振り分け値「1」を減算して新たな乱数値「0」を算出する(A4004)。新たな乱数値「0」は、まだ「0」よりも小さくないので(A4005の結果が「N」)、繰り返し回数「6」を1減算更新する(A4006)。A4006の処理で更新した繰り返し回数「5」は「0」ではないので(A4007の結果が「N」)、再び、A4003の処理に戻る。
続いて、遊技制御装置600は、大当り図柄番号を1加算更新して「4」とし(A4003)、前回のA4004の処理で算出した乱数値「0」から2番目データの振り分け値「1」を減算して新たな乱数値「−1」を算出する(A4004)。新たな乱数値「−1」は「0」よりも小さいので(A4005の結果が「Y」)、停止図柄振り分け処理を終了する。
このように、A4005の処理で乱数値が「0」よりも小さくなるのは、大当り図柄番号が「4」のときである。したがって、遊技制御装置600は、特図1大当り図柄番号「4」を特図1大当り図柄乱数「7」に対応する特図1大当り図柄番号に決定する。
続いて、図41(B)に示すように、特図2大当り図柄テーブルは、特図1大当り図柄テーブル(図41(A))と同様に、1アドレス1バイトの6行2列からなる12バイトサイズのテーブルであり、右列に振り分け値が並び、左列に先頭から繰り返し回数が特定される。特図2大当り図柄テーブルは、特図1大当り図柄テーブルとは、繰り返し回数と振り分け値との組み合わせが異なる。すなわち、大当り時に所定の特図大当り図柄番号が選択される確率(複数ある大当り種類の各大当り発生確率)が異なる。
遊技制御装置600による特図2大当り図柄テーブルを用いた特図2大当り図柄番号の決定手順は、前述の特図1大当り図柄テーブルを用いた特図1大当り図柄番号の決定手順と同じである。
(第2実施形態の変形例の効果)
本発明の第2実施形態の変形例によれば、前述の第2実施形態の特図1(特図2)大当り図柄テーブルに定義されていた振り分け値について、同じ値が連続する回数を繰り返し回数とし、振り分け値と繰り返し回数とで特図1(特図2)大当り図柄テーブルを構成することで、特図1(特図2)大当り図柄番号の数に応じてデータ容量が決まる第2実施形態よりもさらにテーブルデータ容量の増加を抑えることができる。
(第3実施形態)
ところで、従来から、始動条件の成立により変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果であれば、特別遊技状態(当り遊技)を発生させて遊技者に遊技価値を付与する遊技機(例えば、パチンコ機)が提案されている。このような遊技機では、遊技進行を行う遊技制御手段(主基板、遊技制御装置)と、遊技制御手段からのコマンドに基づいて、可変表示手段(表示装置)における識別情報の可変表示(変動表示ゲーム)の停止結果態様に関わる演出の実行を制御する演出制御手段(サブ基板、演出制御装置)と、を備え、可変表示実行中に新たな始動条件が成立した場合に、遊技制御手段によって判定された当該始動条件の判定結果(先読み判定結果)に基づく報知演出(先読み演出)を実行中の可変表示において演出制御手段が実行している(例えば、特開2004−016452号公報)。しかしながら、前述の特許公報に記載されるような遊技機では、停電が発生した場合には、演出制御手段は判定結果の情報を失ってしまい報知演出(先読み演出)を行うことができなかった。
そこで、本発明の第3実施形態では、上記した問題点に鑑み、停電が発生した場合に、復旧後も先読み演出を実行可能な遊技機を開示する。
第3実施形態では、遊技機1の電源投入時に実行が開始されるメイン処理において、停電処理が正常に実行された場合に、復旧時に遊技制御装置600から演出制御装置700に事前判定結果(先読み情報)が再送される。以下、図42A〜図55を参照して、第3実施形態の遊技機1について説明する。
なお、本発明の第3実施形態の遊技機1は、第1実施形態の遊技機1をベースとするが、第1実施形態では演出制御装置700が事前判定手段を備えており、遊技制御装置600は特図保留情報判定処理(図10)において変動パターン乱数1〜3の乱数データを送信用乱数データに変換する処理を行っていた。これに対し、第3実施形態では、遊技制御装置600が事前判定手段を備え、特図保留情報判定処理(図43)において事前判定結果に対する変動パターン情報の設定を行う。
〔メイン処理〕
図42Aは、本発明の第3実施形態の遊技制御装置600によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。図42Bは、本発明の第3実施形態の遊技制御装置600によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。なお、第1実施形態と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
遊技制御装置600が実行するメイン処理の前半部のフローチャート(図42A)は、第1実施形態と同じである。第3実施形態では、正常な停電処理が実行されたと判定された場合に(A520の結果「Y」)、遊技制御装置600は、後半部のフローチャート(図42B)において、停電復旧に係る処理(A521〜A525)の中でA524の処理後、復旧時再先読み処理を実行する(A4201)。復旧時再先読み処理は、停電復旧時の特図保留記憶領域内のデータを読み直して特図保留数分の始動記憶の中に大当りがあるか否かを判定する再先読み処理である。復旧時再先読み処理は、停電復旧後に特図変動表示ゲームが再開される前に再先読み処理を行うため、A529の処理で割込みが許可される前に実行される。なお、復旧時再先読み処理の詳細については、図46にて後述する。
そして、遊技制御装置600は、A525の処理において、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する。
〔特図保留情報判定処理〕
前述したように、本発明の第3実施形態では、遊技制御装置600が事前判定(先読み)処理を行う。図43は、本発明の第3実施形態の遊技制御装置600によって実行される特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かを判定する(A4301)。ここで、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合とは、特図始動口スイッチ共通処理(図9)のステップA901に係る始動口スイッチの入力が第2始動口スイッチ602の入力である場合である。また、特図始動口スイッチ共通処理(図9)のステップA901に係る始動口スイッチの入力が第1始動口スイッチ601の入力である場合は、普通変動入賞装置38の開放延長機能が作動中(普電サポート中)でない場合、即ち、時短遊技状態中でない場合であり、大当り(特別遊技状態)中でもない場合である。遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(A4301の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(A4301の結果が「Y」)、新たに記憶された始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A4302)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、A4302の大当り判定処理による判定結果が大当りであるか否かを判定する(A4303)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(A4303の結果が「N」)、停止図柄パターンとして、はずれ停止図柄パターンを設定する(A4306)。そして、A4307以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(A4303の結果が「Y」)、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブル(特図大当り図柄テーブル)を大当り時の停止図柄を特定するためのテーブルとして設定する(A4304)。特図大当り図柄テーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値(振り分け値)や当該判定値に対応する大当り停止図柄パターンが定義されている。なお、大当り図柄テーブルの詳細については、図45A及び図45Bにて後述する。
さらに、遊技制御装置600は、A4304の処理で設定された特図大当り図柄テーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り停止図柄パターンを取得し、設定する(A4305)。
続いて、遊技制御装置600は、A4305の処理で設定した大当り停止図柄パターン又はA4306の処理で設定したはずれ停止図柄パターンを先読み停止図柄停止パターン領域にセーブする(A4307)。さらに、対象の始動口スイッチ及び停止図柄パターンに対応する先読み図柄コマンドを準備し(A4308)、演出制御装置700に送信するため送信バッファ632aにコマンドを設定するコマンド設定処理を実行する(A4309)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(A4310)。特図情報設定処理の詳細については、図18にて前述したとおりである。
続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを設定するために、監視対象の始動口に対応する変動パターン設定情報テーブルを準備し(A4311)、変動パターンを設定するための変動パターン設定処理を実行する(A4312)。変動パターン設定処理の詳細については、図44にて後述する。
最後に、遊技制御装置600は、変動パターン設定処理で設定された変動番号に対応する先読み変動パターンコマンド(始動口入賞演出コマンド)を準備し(A4313)、コマンド設定処理を実行する(A4314)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
以上のように、特図保留情報判定処理では、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームを実行する前に、特図変動表示ゲームの結果を取得し、演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。このように第3実施形態では、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、図44を参照して、前述した特図保留情報判定処理(図43)における変動パターン設定処理(A4312)の詳細について説明する。なお、変動パターン設定処理は、特図変動表示ゲームの変動開始時に実行される特図1変動開始処理(図14A)及び特図2変動開始処理(図14B)においても実行されている。図44は、本発明の第3実施形態の遊技制御装置600によって実行される変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
ここで、第1実施形態の変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、変動パターン設定処理(図19)では、変動パターン乱数1及び変動パターン乱数2から後半変動パターンを設定し、変動パターン乱数3から前半変動パターンを設定していた。
これに対し、第3実施形態の変動パターンは、前半変動と後半変動とに分ける概念がなく一の変動パターンで変動開始から終了までの変動態様を構成している。そして、変動パターンの設定に用いられる変動パターン乱数は、変動パターン乱数1〜2の2種類からなる。以下に、第3実施形態の変動パターン設定処理の具体的な内容を説明する。
遊技制御装置600は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4401)、変動振分情報2(停止図柄パターン情報、演出モード情報)に対応する変動グループテーブルのアドレスを取得して準備する(A4402)。そして、演出モード番号が3未満(0又は1の何れか)であるかを判定する(A4403)。演出モード番号が3未満でない場合(A4403の結果が「N」)は、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンであるかを判定し(A4404)、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンでない場合(A4404の結果が「N」)は、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A4407)。
一方、演出モード番号が3未満である場合(A4403の結果が「Y」)や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合(A4404の結果が「Y」)に、遊技制御装置600は、A4402で準備したテーブルから変動振分情報1(保留数情報、遊技状態情報)に対応するテーブルのアドレスを取得する(A4405)。次に、取得したアドレスを変動グループテーブルのアドレスとして準備し(A4406)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードして準備する(A4407)。
演出モード番号が3未満である場合や、停止図柄パターンがはずれ停止図柄パターンである場合に、遊技制御装置600は、特図保留数に関する情報である保留数情報から求められた変動振分情報1も加味してアドレスを取得することで、特図保留数によって変動パターンの選択態様が異なるようにされている。
その後、遊技制御装置600は、2バイト振分処理(A4408)を行い、振り分けられた結果得られた変動選択テーブルのアドレスを取得して準備し(A4409)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードして準備する(A4410)。そして、振り分け処理(A4411)を行い、振り分けられた結果得られた変動番号を取得し、変動番号領域にセーブし(A4412)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、特図変動表示ゲームの開始から終了までの変動パターンが設定されることとなる。なお、2バイト振り分け処理及び振り分け処理の詳細については、それぞれ図23及び図24にて前述したとおりである。
〔特図1/特図2大当り図柄テーブル〕
続いて、図45A及び図45Bを参照して、前述の特図保留情報判定処理(図43)のA4304の処理で設定される大当り図柄乱数チェックテーブル(特図大当り図柄テーブル)について説明する。図45Aは、本発明の第3実施形態の特図1大当り図柄テーブルを示す図である。図45Bは、本発明の第3実施形態の特図2大当り図柄テーブルを示す図である。
図45A及び図45Bに示す特図1大当り図柄テーブル及び特図2大当り図柄テーブルは、本発明の第2実施形態における特図1大当り図柄テーブル(図32A)及び特図2大当り図柄テーブル(図32B)と同じである。
したがって、第3実施形態の特図1大当り図柄テーブル及び特図2大当り図柄テーブルを用いた大当り時の停止図柄(特図1大当り図柄番号及び特図2大当り図柄番号)の取得は、第2実施形態で前述したように振り分け処理(図24)の手順に従って行われる。
また、第3実施形態では、特図変動表示ゲームの変動開始時に実行される特図1変動開始処理(図14A)及び特図2変動開始処理(図14B)の中の特図1停止図柄設定処理及び特図2停止図柄設定処理は、第2実施形態の特図1停止図柄設定処理(図31A)及び特図2停止図柄設定処理(図31B)が適用される。
〔復旧時再先読み処理〕
続いて、図46を参照して、前述のメイン処理(図42B)における復旧時再先読み処理(A4201)について説明する。図46は、本発明の第3実施形態の遊技制御装置600によって実行される復旧時再先読み処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、復旧時先読み情報領域を全て0クリアする(A4601)。復旧時先読み情報領域には、特図保留記憶領域に始動記憶として記憶される1〜4の特図1の始動記憶(特図1保留1〜4)及び1〜4の特図2の始動記憶(特図2保留1〜4)に対応する領域が設けられている。ここでは、復旧時先読み情報領域を全て0クリアすることで、特図1保留1〜4及び特図2保留1〜4の全ての始動記憶の判定結果がはずれであると設定する。
次に、遊技制御装置600は、特図1保留数が0であるか否かを判定する(A4602)。そして、特図1保留数が0ではない、すなわち、特図1保留がある場合には(A4602の結果が「N」)、特図1保留数を繰り返し数として設定する(A4603)。そして、特図1大当り乱数格納領域から繰り返し数に対応する位置の大当り乱数をロードする(A4604)。例えば、特図1保留数が「3」の場合は、1回目のA4604の処理では特図1大当り乱数格納領域(保留数3用)から大当り乱数がロードされ、特図1保留3が後述の大当り判定処理の対象となる。そして、ロードした大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を行う(A4605)。
遊技制御装置600は、大当り判定処理(A4605)の判定結果を復旧時先読み情報領域の対応する領域にセーブし(A4606)、A4603の処理で設定した繰り返し数を1減算更新して(A4607)、更新した繰り返し数が0であるか否かを判定する(A4608)。
遊技制御装置600は、更新した繰り返し数が0でない場合は(A4608の結果が「N」)、A4604〜A4608の処理を更新後の繰り返し数が0になるまで繰り返す。例えば、特図1保留数が「3」の場合は、1回目のA4607の処理で更新した繰り返し数が「2」となり、2回目のA4604の処理では特図1大当り乱数格納領域(保留数2用)から大当り乱数がロードされ、特図1保留2が大当り判定処理の対象にされる。このようにして、あと1回、A4604〜A4608の処理が実行されると、復旧時再先読み領域に存在する特図1保留1〜3の判定結果情報が格納されることになる。
一方、遊技制御装置600は、特図1保留数が0である場合(A4602の結果が「Y」)、又は、更新した繰り返し数が0である場合(A4608の結果が「Y」)は、遊技状態が普電サポート中(第2始動入賞口38の可動部材38aが入賞容易状態)であるか否かを判定する(A4609)。普電サポート中でない場合は(A4609の結果が「N」)、さらに遊技状態が大当り中であるか否かを判定する(A4610)。そして、大当り中でない場合は(A4610の結果が「N」)、特図2保留数が0であるか否かを判定する(A4611)。
遊技制御装置600は、遊技状態が普電サポート中である場合(A4609の結果が「Y」)、大当り中である場合(A4610の結果が「Y」)、又は、特図2保留数が0である場合(A4611の結果が「Y」)は、復旧時再先読み処理を終了する。
一方、遊技制御装置は、特図2保留数が0ではない、すなわち、特図2保留がある場合には(A4611の結果が「N」)、特図2保留数を繰り返し数として設定する(A4612)。そして、特図2大当り乱数格納領域から繰り返し数に対応する位置の大当り乱数をロードする(A4613)。そして、ロードした大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を行う(A4614)。
遊技制御装置600は、大当り判定処理(A4614)の判定結果を復旧時先読み情報領域の対応する領域にセーブし(A4615)、A4612の処理で設定した繰り返し数を1減算更新して(A4616)、更新した繰り返し数が0であるか否かを判定する(A4617)。
遊技制御装置600は、更新した繰り返し数が0でない場合は(A4617の結果が「N」)、A4613〜A4617の処理を更新後の繰り返し数が0になるまで繰り返す。そして、更新後の繰り返し回数が0になれば(A4617の結果が「Y」)、復旧時再先読み処理を終了する。
このように、復旧時再先読み処理では、遊技制御装置600は、停電時の特図1保留及び特図2保留に大当りが含まれているか否かを再判定している。すなわち、遊技制御装置600は、停電復旧時に始動記憶保留手段(遊技制御装置600)に記憶された各種の乱数値の再判定を行う復旧時先読み判定手段(復旧時事前判定手段)をなす。
そして、前述の復旧時再先読み処理(図43)で再判定された先読み情報は、後述の変動開始情報設定処理(図47)にて設定される変動パターンコマンドに含められる。変動開始情報設定処理は、特図変動表示ゲームの開始時に実行される特図1変動開始処理(図14A)及び特図2変動開始処理(図14B)の中で実行され、特図変動表示ゲームの開始に関する情報を演出制御装置700に送信する処理である。
〔変動開始情報設定処理〕
図47は、本発明の第3実施形態の遊技制御装置600によって実行される変動開始情報処理の手順を示すフローチャートである。なお、変動開始情報処理において遊技制御装置600は変動コマンドと停止情報コマンドとを設定するが、第3実施形態では変動コマンドを設定する処理(A4701〜A4710)が第1実施形態と異なる。停止情報コマンドを設定する処理(A2011〜A2023)は第1実施形態と共通する処理なので、同じ処理番号を付して説明を省略する。
遊技制御装置600は、まず、対象の変動パターン乱数1〜2の乱数格納領域をクリアする(A4701)。次に、変動時間値テーブルを設定し(A4702)、変動番号に対応する変動時間値を取得する(A4703)。そして、A4703の処理で取得した変動時間値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4704)。
その後、遊技制御装置600は、変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4705)、変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備する(A4706)。
ここで、遊技制御装置600は、前述の復旧時再先読み処理(図43)で再判定した先読み情報を格納している復旧時先読み情報領域に当り情報があるか否かを判定する(A4707)。ここで判定する復旧時先読み情報の当り情報には、今回変動開始となる特図変動表示ゲームに対応する保留情報は対象としない(含まない)。そして、当り情報がある場合は(A4707の結果が「Y」)、A4706の処理で準備した変動コマンド(ACTION)に当たり情報を合成する(A4708)。なお、変動コマンド(ACTION)の構成の詳細については、図48にて後述する。
そして、遊技制御装置600は、復旧時先読み情報領域に当り情報がない場合(A4707の結果が「N」)、又は、変動コマンド(ACTION)に当たり情報を合成した後(A4708)、復旧時先読み情報領域を全て0クリアして(A4709)、コマンド設定処理(A4710)を行う。
このように、変動開始情報設定処理では、A4707〜A4709の処理により、復旧後1回目の特図変動表示ゲームの変動コマンドにのみ復旧時先読み情報領域内の当り情報が付加される。すなわち、遊技制御装置600は、停電復旧後に復旧時事前判定手段によって判定された復旧時先読み(事前判定)情報を演出制御装置700に送信する復旧時事前判定情報送信手段と、演出制御装置700に送信される変動コマンドに復旧時先読み(事前判定)情報を付加する復旧時事前判定情報付加手段と、をなす。
〔変動コマンド例〕
次に、図48を参照して、前述の変動開始情報設定処理(図47)で準備される変動コマンドについて説明する。図48は、本発明の第3実施形態の変動コマンドの一例を示す図である。
図48に示すように、変動コマンドはMODE部とACTION部とからなる。MODE部は「E0h」からスタートし、1つのMODEに対してACTION部は「00h」〜「3Fh」の範囲を取り得る。そして、MODE部は、ACTION部の変動パターン番号情報が「3Fh」を超えると「E0h」から「E1h」に桁上がりさせて設定される。なお、MODE部が桁上がりした場合は、ACTION部は「00h」に戻る。
ACTION部は、ビット0〜ビット7の1バイトサイズ(8ビット)で構成される。最上位ビット7は、MODEコマンドとACTIONコマンドとを識別可能にする。MODEコマンドであれば「1」が設定され、ACTIONコマンドであれば「0」が設定される。そして、上位2番目のビット6には、復旧時再先読み処理(図46)で判定した復旧時先読み情報が付加される。ビット6は、復旧時先読み情報に当りが1つでもある場合は「1」が設定され、当りが1つもない場合は「0」が設定される。また、ビット0〜ビット5は、変動パターン番号情報を表す。なお、当りには小当りを含めてもよい。
(第3実施形態の効果)
本発明の第3実施形態によれば、遊技制御装置600は、停電復旧時に特図保留が大当りを含むか否かを判定し、停電復旧後、最初に演出制御装置700に送信される変動コマンドに当該特図保留内の大当りの有無情報を付加する。そして、演出制御装置700は、復旧後1回転目の変動表示ゲームを行う際に、変動コマンドにより保留内の大当りの有無を事前判定する。これにより、演出制御装置700は、停電により失ってしまっていた先読み情報を把握することができ、停電復旧後であっても、大当りの特図保留実行まで連続予告等の先読み演出を実行することができる。そして、変動コマンドに情報が付加されるので、コマンドを増やすことない。よって、遊技制御装置600及び演出制御装置700にさらに処理負担をかけることがない。
(第3実施形態の変形例1)
次に、図49及び図50を参照して、本発明の第3実施形態の変形例1について説明する。第3実施形態では、遊技制御装置600は、復旧時再先読み処理(図46)において再判定した復旧時先読み情報を、停電復旧後、最初に実行される変動開始情報設定処理(図47)において、変動開始対象の特図変動表示ゲームの変動コマンドに付加して演出制御装置700に送信する。これに対し、第3実施形態の変形例1では、遊技制御装置600は、同じく復旧時再先読み処理(図46)において再判定した復旧時先読み情報を、メイン処理(図42B)のA525の処理における停電復旧時のコマンドとして演出制御装置700に送信する。また、演出制御装置700に送信される復旧時先読み情報は、第3実施形態では保留内の大当りの有無のみであるが、変形例1では保留内の大当りの有無だけでなく大当りの保留位置情報を含む。
〔変動開始情報設定処理〕
図49は、本発明の第3実施形態の変形例1の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第3実施形態の変動開始情報設定処理(図47)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
第3実施形態の変形例1では、遊技制御装置600は、復旧時再先読み処理(図46)において再判定した復旧時先読み情報から復旧時先読み情報コマンドを生成し、メイン処理(図42B)のA525の処理において演出制御装置700に送信するので、変動開始情報設定処理の変動コマンドに付加する必要がない。
したがって、第3実施形態の変形例1では、第3実施形態の変動開始情報設定処理(図47)におけるA4707〜A4709の処理が削除される。他の処理は共通である。
〔変動コマンド及び復旧時先読み情報コマンド例〕
次に、図50を参照して、前述の変動開始情報設定処理(図49)で準備される変動コマンドと、復旧時再先読み処理(図46)で設定される復旧時先読み情報から生成される復旧時先読み情報コマンドについて説明する。図50は、本発明の第3実施形態の変形例1の変動コマンド及び復旧時先読み情報コマンドの一例を示す図である。
図50(A)は、変動コマンドの一例を示す。第3実施形態の変動コマンド(図48)は、上位2番目のビット6に復旧時先読み情報が付加されており、変動パターン番号情報はビット0〜ビット5が割り当てられていた。これに対し、第3実施形態の変形例1では、変動パターン番号情報はビット0〜ビット6に設定される。
ACTION部の変動パターン番号情報は「3Fh」から「7Fh」に上限が拡がるので、1つのMODEに対してACTION部は「00h」〜「7Fh」の範囲を取り得る。そしてACTION部の変動パターン番号情報が「7Fh」を超えるとMODE部は桁上がりさせて設定される。したがって、第3実施形態の変形例1では、第3実施形態よりもMODE部の桁上がり頻度が少なくなる。
図50(B)は、復旧時先読み情報コマンドの一例を示す。復旧時先読み情報コマンドは、第3実施形態では設けられていないコマンドである。復旧時先読み情報コマンドは、MODE部とACTION部とからなる。
復旧時先読み情報コマンドのMODE部は、特図保留の位置を表す。MODE部「91h」〜「94h」は、順に特図1保留数1〜特図1保留数4を示す。また、MODE部「95h」〜「98h」は、順に特図2保留数1〜特図2保留数4を示す。
復旧時先読み情報コマンドのACTION部は、ビット0〜ビット7の1バイトサイズ(8ビット)で構成される。最上位ビット7は、MODEコマンドとACTIONコマンドとを識別可能にする。MODEコマンドであれば「1」が設定され、ACTIONコマンドであれば「0」が設定される。また、ビット1〜ビット6は、情報が割り当てられることなく全て「0」が設定される。そして、最下位ビット0は、MODE部が示す特図保留数に対応する判定結果情報を含み、大当りである場合には「1」が設定され、はずれ(小当り含む)である場合には「0」が設定される。
復旧時先読み情報コマンドは、特図1保留数1〜特図1保留数4及び特図2保留数1〜特図2保留数4に対応して8つ設けられており、特図保留数に対応する始動記憶がない場合でも「はずれ」として復旧時先読み情報コマンドは演出制御装置700に送信される。なお、始動記憶がある特図保留数に対応する復旧時先読み情報コマンドのみ送信されるようにしてもよい。また、復旧時先読み情報コマンドが演出制御装置700に送信された後は、遊技制御装置600は、復旧時先読み情報領域をクリアする。
(第3実施形態の変形例1の効果)
本発明の第3実施形態の変形例1によれば、遊技制御装置600は、停電復旧時に特図保留が大当りを含むか否かを判定し、停電復旧時に演出制御装置700に送信される停電復旧時のコマンド群に、当該特図保留の大当りの有無情報が設定された復旧時先読み情報コマンドを含む。また、復旧時先読み情報コマンドは、特図保留毎に設けられるので、演出制御装置700は、特図保留内のどの位置の保留が大当りなのか把握することができる。これにより、演出制御装置700は、停電復旧後であっても、連続予告の他に保留表示の変化予告(先読み予告)や大当りまでをカウントダウンするカウントダウン予告等を実行することができる。また、全ての復旧時先読み情報コマンドの受信結果から、大当りとなる特図保留の数を把握することができるので、保留内連荘等の予告も可能となる。よって、第3実施形態の変形例1の遊技機1は、第3実施形態よりもさらに興趣の高い遊技を停電復旧後に提供することができる。
(第3実施形態の変形例2)
次に、図51及び図52を参照して、本発明の第3実施形態の変形例2について説明する。第3実施形態の変形例1では、演出制御装置700に送信される復旧時先読み情報には、保留内の大当りの有無と大当りとなる保留の位置情報とを含んでいた。これに対し、第3実施形態の変形例2は、演出制御装置700に送信される復旧時先読み情報に、さらに大当りとなる保留の停止図柄情報を含み、復旧時先読み情報は大当りとなる保留にのみ設定されるようにした。
〔復旧時再先読み処理〕
図51は、本発明の第3実施形態の変形例2の復旧時再先読み処理の手順を示すフローチャートである。なお、第3実施形態の変形例1の復旧時再先読み処理(図46)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
第3実施形態の変形例2では、大当りとなる特図保留について停止図柄の先読みを行い、復旧時先読み情報として先読み停止図柄コマンド(復旧時用)を設定する。したがって、第3実施形態の変形例1の復旧時再先読み処理(図46)のA4606及びA4615の処理が、第3実施形態の変形例2ではA5101〜A5103及びA5104〜A5106の処理に変わる。
遊技制御装置600は、A4605の処理で大当り判定処理を実行した後、判定結果が大当りか否かを判定する(A5101)。そして、判定結果が大当りである場合は(A5101の結果が「Y」)、繰り返し数に対応する位置の特図1大当り図柄乱数をロードし(A5102)、ロードした特図1大当り図柄乱数に対応する先読み停止図柄コマンド(復旧時用)を設定し、セーブする(A5103)。その後、A4607の処理に戻る。
一方、遊技制御装置600は、判定結果が大当りでない場合は(A5101の結果が「N」)、A5102及びA5103の処理を行うことなくA4607の処理に移行する。
同様に、遊技制御装置600は、A4614の処理で大当り判定処理を実行した後、判定結果が大当りか否かを判定する(A5104)。そして、判定結果が大当りである場合は(A5104の結果が「Y」)、繰り返し数に対応する位置の特図2大当り図柄乱数をロードし(A5105)、ロードした特図2大当り図柄乱数に対応する先読み停止図柄コマンド(復旧時用)を設定し、セーブする(A5106)。その後、A4616の処理に戻る。
一方、遊技制御装置600は、判定結果が大当りでない場合は(A5104の結果が「N」)、A5105及びA5106の処理を行うことなくA4616の処理に移行する。
〔変動コマンド及び復旧時先読み情報コマンド例〕
図52は、本発明の第3実施形態の変形例2の変動コマンド及び復旧時先読み情報コマンドの一例を示す図である。
図52(A)は、変動コマンドの一例を示す。第3実施形態の変形例2の変動コマンドは、第3実施形態の変形例1の変動コマンド(図50(A))と同じである。
図52(B)は、復旧時先読み情報コマンドの一例を示す。第3実施形態の変形例2の復旧時先読み情報コマンドは、前述の復旧時再先読み処理(図51)のA5103及びA5106の処理で設定される先読み停止図柄コマンド(復旧時用)である。
先読み停止図柄コマンド(復旧時用)のMODE部は、第3実施形態の変形例1の復旧時先読み情報コマンドのMODE部と同じである。MODE部「91h」〜「94h」は、順に特図1保留数1〜特図1保留数4を示す。また、MODE部「95h」〜「98h」は、順に特図2保留数1〜特図2保留数4を示す。
先読み停止図柄コマンド(復旧時用)のACTION部は、ビット0〜ビット7の1バイトサイズ(8ビット)で構成される。最上位ビット7は、MODEコマンドとACTIONコマンドとを識別可能にする。MODEコマンドであれば「1」が設定され、ACTIONコマンドであれば「0」が設定される。そして、下位7ビット(ビット0〜ビット6)は、大当りの停止図柄情報が設定される。
なお、停電復旧時に演出制御装置700に送信される復旧時先読み情報コマンドは、大当りとなる特図保留に対応する先読み停止図柄コマンド(復旧時用)に限らず、第3実施形態の変形例1の復旧時先読み情報コマンドを合わせてもよい。すなわち、大当りとなる特図保留に対しては先読み停止図柄コマンド(復旧時用)(図52(B))を設定し、はずれとなる特図保留に対しては第3実施形態の変形例1の復旧時先読み情報コマンド(図50(B))を設定し、大当りの有無に関係なく特図保留に対応するコマンドを停電復旧時に演出制御装置700に送信するようにしてもよい。
(第3実施形態の変形例2の効果)
本発明の第3実施形態の変形例2によれば、遊技制御装置600は、停電復旧時に特図保留が大当りを含むか否かを判定し、当該特図保留が大当りになると判定した場合に停止図柄情報を含んだ先読み停止図柄コマンド(復旧時用)を特図保留毎に設定し、停電復旧時に演出制御装置700に送信される停電復旧時のコマンド群に当該先読み停止図柄コマンド(復旧時用)を含む。
これにより、演出制御装置700は、停電復旧後であっても、連続予告の他に保留表示の変化予告(先読み予告)や大当りまでをカウントダウンするカウントダウン予告等を実行することができる。また、先読み停止図柄コマンド(復旧時用)の受信結果から、大当りとなる特図保留の数を把握することができるので、保留内連荘等の予告も可能となる。さらに、先読み停止図柄コマンド(復旧時用)に含まれる停止図柄(大当り図柄種類)の情報に基づいて、遊技者が獲得可能な遊技価値の大きさを示唆する予告演出を実行することができる。よって、第3実施形態の変形例2の遊技機1は、第3実施形態の変形例1よりもさらに興趣の高い遊技を停電復旧後に提供することができる。
(第3実施形態の変形例3)
次に、図53〜図55を参照して、本発明の第3実施形態の変形例3について説明する。第3実施形態では、遊技制御装置600は、復旧時再先読み処理(図46)において再判定した復旧時先読み情報を、停電復旧後、最初に実行される変動開始情報設定処理(図47)において、変動開始対象の特図変動表示ゲームの変動コマンドに付加して演出制御装置700に送信する。また、第3実施形態の復旧時先読み情報は、保留内の大当りの有無のみである。これに対し、第3実施形態の変形例3では、保留内の大当りとなる特図保留情報(大当り数、停止図柄情報、保留位置)を含んだ一の先読み情報コマンドを生成し、停電復旧後、最初に実行される変動開始情報設定処理において変動コマンドや停止情報コマンドとともに演出制御装置700に送信する。
〔復旧時再先読み処理〕
図53は、本発明の第3実施形態の変形例3の復旧時再先読み処理の手順を示すフローチャートである。なお、第3実施形態の復旧時再先読み処理(図46)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
第3実施形態の変形例3では、大当りとなる特図保留に対して停止図柄の先読みを行い、復旧時先読み情報として特図保留毎に復旧時先読み情報領域に格納する。第3実施形態の変形例3の復旧時再先読み処理は、第3実施形態の復旧時再先読み処理(図46)のA4606及びA4615の処理が、A5302〜A5305及びA5306〜A5309の処理に変わる。また、第3実施形態の復旧時再先読み処理(図46)のA4601の処理が、A5301の処理に変わる。以下に、具体的に説明する。
遊技制御装置600は、まず、復旧時先読み情報領域だけでなく復旧時先読み情報の送信フラグも全て0クリアする(A5301)。
そして、遊技制御装置600は、A4602〜A4605の処理を実行し、A4605の処理で大当り判定処理を実行した後、判定結果が大当りか否かを判定する(A5302)。そして、判定結果が大当りである場合は(A5302の結果が「Y」)、復旧時先読み情報の送信フラグをセットする(A5303)。その後、繰り返し数に対応する位置の特図1大当り図柄乱数をロードし(A5304)、ロードした特図1大当り図柄乱数に対応する先読み停止図柄情報を復旧時先読み情報領域にセーブする(A5305)。その後、A4607以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、判定結果が大当りでない場合は(A5302の結果が「N」)、A5303〜A5305の処理を行うことなくA4607の処理に移行する。
同様に、遊技制御装置600は、A4614の処理で大当り判定処理を実行した後、判定結果が大当りか否かを判定する(A5306)。そして、判定結果が大当りである場合は(A5306の結果が「Y」)、復旧時先読み情報の送信フラグをセットする(A5307)。その後、繰り返し数に対応する位置の特図2大当り図柄乱数をロードし(A5308)、ロードした特図2大当り図柄乱数に対応する先読み停止図柄情報を復旧時先読み情報領域にセーブする(A5309)。その後、A4616以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、判定結果が大当りでない場合は(A5306の結果が「N」)、A5307〜A5309の処理を行うことなくA4616の処理に移行する。
〔変動開始情報設定処理〕
図54は、本発明の第3実施形態の変形例3の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第3実施形態の変動開始情報設定処理(図47)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
第3実施形態の変形例3では、変動コマンドとは別に前述の復旧時再先読み処理(図53)で取得した復旧時先読み情報に基づいて特図保留に関する単独の先読み情報コマンドを生成する。第3実施形態の変形例3の変動開始情報設定処理は、第3実施形態の変動開始情報設定処理(図47)のA4701の処理とA4702の処理との間に先読み情報コマンドを設定するA5401〜A5406の処理が追加される。また、第3実施形態のように変動コマンドに復旧時先読み情報を付加しないので、第3実施形態の変動開始情報設定処理(図47)のA4707〜A4709の処理が不要となる。以下に、具体的に説明する。
遊技制御装置600は、A4701の処理後、復旧時先読み情報の送信フラグが設定されているか否かを判定する(A5401)。ここで、送信フラグは、前述の復旧時再先読み処理(図53)のA5303やA5307の処理で大当りとなる特図保留がある場合にセットされる。そして、送信フラグがない場合には(A5401の結果が「N」)、大当りとなる特図保留がないので先読み情報コマンドを生成することなく、A4702以降の処理に移行する。
遊技制御装置600は、送信フラグがある場合は(A5401の結果が「Y」)、復旧時先読み情報領域内の最初の当りを検索する(A5402)。また、復旧時先読み情報領域内に複数の当りがあるか否かをチェックする(A5403)。ここで、今回変動開始対象となる特図保留は、A5402及びA5403の処理の対象としない。
次に、遊技制御装置600は、A5402及びA5403の処理における復旧時先読み情報領域内のチェック結果を基に先読み情報コマンドを生成し(A5404)、演出制御装置700に送信するためのコマンド設定処理を実行する(A5405)。その後、復旧時先読み情報領域及び送信フラグを全て0クリアして(A5406)、A4702以降の処理を実行する。
〔変動コマンド及び先読み情報コマンド例〕
図55は、本発明の第3実施形態の変形例3の変動コマンド及び先読み情報コマンドの一例を示す図である。
図55(A)は、変動コマンドの一例を示す。第3実施形態の変形例3の変動コマンドは、第3実施形態の変形例1及び変形例2の変動コマンド(図50(A)、図52(A))と同じである。
図55(B)は、先読み情報コマンドの一例を示す。第3実施形態の変形例3の先読み情報コマンドは、前述の変動開始情報設定処理(図54)のA5404の処理で単独で生成されるコマンドである。
先読み情報コマンドのMODE部は、「91h」が設定される。
先読み情報コマンドのACTION部は、ビット0〜ビット7の1バイトサイズ(8ビット)で構成される。最上位ビット7は、MODEコマンドとACTIONコマンドとを識別可能にする。MODEコマンドであれば「1」が設定され、ACTIONコマンドであれば「0」が設定される。そして、下位7ビット(ビット0〜ビット6)は、保留内の大当り特図保留の合計数、最初の大当り特図保留の停止図柄情報及び最初の大当り特図保留の保留位置が設定される。
まず、最下位ビット0は、保留内の大当りが1つであれば「0」が設定され、大当りが2つ以上であれば「1」が設定される。なお、第3実施形態の変形例3の先読み情報コマンドは保留内に大当りとなる特図保留がない場合は生成されないので、最下位ビット0には保留内に大当りとなる特図保留があることを前提に「0」(単数)又は「1」(複数)が設定される。また、ビット1〜ビット3は、最初の大当りとなる特図保留に対応する停止図柄情報が設定される。また、ビット4〜ビット6は、最初の大当りとなる特図保留の位置が設定される。具体的には、特図1保留数1〜4であれば「0」〜「3」(2進数で「000」〜「011」)が設定され、特図2保留数1〜4であれば「4」〜「7」(2進数で「100」〜「111」)が設定される。
(第3実施形態の変形例3の効果)
本発明の第3実施形態の変形例3によれば、遊技制御装置600は、停電復旧時に特図保留が大当りを含むか否かを判定し、当該特図保留が大当りになると判定した場合に停止図柄情報を特定し、保留内の大当り情報から先読み情報コマンドを生成する。そして、遊技制御装置600は、停電復旧後、最初の特図変動表示ゲームを開始する際に、変動コマンドとともに先読み情報コマンドを演出制御装置700に送信する。
また、先読み情報コマンドは、保留内に大当りとなる特図保留がある場合に生成され、大当りとなる特図保留が単数もしくは複数か否か、最初に大当りとなる特図保留の停止図柄情報及び最初に大当りとなる特図保留の位置がコマンドに設定される。
これにより、演出制御装置700は、停電復旧後であっても、保留内の大当りの有無を把握することが可能なので大当りの特図保留実行まで連続予告等を実行することができる。また、先読み情報コマンドから大当りとなる特図保留が複数あるか否かを把握することができるので、複数ある場合は保留内連荘等の予告も可能となる。さらに、先読み情報コマンドから最初に大当りとなる特図保留の位置及び停止図柄(大当り図柄種類)の情報を把握することができるので、当該特図保留に対する保留表示の変化予告(先読み予告)や遊技者が獲得可能な遊技価値の大きさを示唆する予告演出を実行することができる。よって、第3実施形態の変形例3の遊技機1は、第3実施形態よりもさらに興趣の高い遊技を停電復旧後に提供することができる。
(第4実施形態)
ところで、従来から、始動条件の成立により変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果であれば、特別遊技状態(当り遊技)を発生させて遊技者に遊技価値を付与する遊技機(例えば、パチンコ機)が提案されている。このような遊技機では、変動表示ゲームに対応する演出を行う表示装置、音出力装置、発光装置及び可動役物装置等が備えられ、これらの演出装置では、変動表示ゲームの停止結果態様に特別結果が導出される可能性が異なる(期待度が異なる)リーチ演出等の複数パターンの演出が実行される。そして、演出の制御を行う演出制御装置は複数のリーチ変動パターン選択テーブルを備え、テーブルを切り替えることで演出の出現頻度を変更している(例えば、特開2004−350914号公報)。しかしながら、前述の特許公報に記載されるような遊技機では、各遊技者の希望に合うように演出の出現頻度を設定しようとすると、出現頻度の選択肢に応じてテーブル数が増えるのでプログラム容量が膨大になる。また、演出制御装置への負担となる。
そこで、本発明の第4実施形態では、上記した問題点に鑑み、プログラム容量の増加を抑えつつ、特定の演出の出現頻度を変更可能な遊技機を開示する。
以下、図56〜図75を参照して、第4実施形態の遊技機1について説明する。
〔演出ボタン入力処理〕
図56は、本発明の第4実施形態の演出制御装置700によって実行される演出ボタン入力処理の手順を示すフローチャートである。演出ボタン入力処理は、演出制御装置700によって実行されるメイン処理(図25)のB2511の処理である。
演出制御装置700は、まず、RAM711に設けられる今回演出ボタン状態領域の値を前回演出ボタン状態領域にコピーする(B5601)。次に、演出ボタン70のポート状態データを今回演出ボタン状態領域にコピーする(B5602)。さらに、演出ボタン70の状態変化データを生成し、演出ボタン立ち上がりエッジ領域にセーブする(B5603)。
次に、演出制御装置700は、プッシュボタン71の操作入力があるか否かを判定し(B5604)、プッシュボタン71の操作入力がある場合には(B5604の結果が「Y」)、操作入力が演出中のボタン有効期間中であるか否かを判定する(B5605)。
そして、演出制御装置700は、演出中のボタン有効期間中である場合は(B5605の結果が「Y」)、プッシュボタン71の有効確率を突破したか否かを判定する(B5606)。ここで、有効確率は、所定の演出の実行に対して遊技者が要求されるボタン操作の達成率を示すものである。例えば、ボタンを1回押せば実行される演出もあれば、連打等で複数回押す必要がある演出もある。そこで、1回の押下操作が要求される場合は1回の操作入力で有効確率100%に達成し、複数回の押下操作が要求される場合は、要求回数の操作入力で有効確率100%に達成し、操作回数を重ねるごとに有効確率が高まっていくように、要求操作の内容に応じて1回の操作に対する有効確率が設定される。
そして、演出制御装置700は、ボタンの有効確率を突破した場合には(B5606の結果「Y」)、演出内容に対応するプッシュボタン71の押下時の設定を行う(B5607)。そして、演出ボタン70(プッシュボタン71及びセレクトボタン72)の操作を無効に設定して(B5608)、B5614の処理に移行する。
また、演出制御装置700は、プッシュボタン71の操作入力がない場合(B5604の結果が「N」)、又は、ボタンの有効確率を突破できない場合(B5606の結果が「N」)には、B5614の処理に移行する。
一方、演出制御装置700は、プッシュボタン71の操作入力が演出中のボタン有効期間中でない場合は(B5605の結果が「N」)、客待ちデモ中であるか否かを判定する(B5609)。そして、客待ちデモ中である場合は(B5609の結果が「Y」)、演出出現頻度選択画面を表示中であるか否かを判定し(B5610)、表示中でない場合は(B5610の結果が「N」)、表示装置35等の表示画面に演出出現頻度選択画面を表示する表示設定を行って(B5611)、B5614の処理に移行する。なお、演出出現頻度選択画面の詳細については、図57にて後述する。
また、演出制御装置700は、演出出現頻度選択画面を表示中である場合は(B5610の結果が「Y」)、選択された演出出現頻度番号を確定してセーブする(B5612)。演出出現頻度番号は、B5604の処理におけるプッシュボタン71の操作により決定された演出出現頻度設定内容に対応して設定される番号である。なお、演出出現頻度設定内容と演出出現頻度番号との対応関係を示す演出出現頻度番号テーブルについては、図57にて後述する。その後、表示装置35の表示画面を客待ちデモ画面に復帰するよう設定して(B5613)、B5614の処理に移行する。
なお、演出制御装置700は、客待ちデモ中でない場合は(B5609の結果が「N」)、B5614の処理に移行する。
演出制御装置700は、セレクトボタン72の操作入力があったか否かを判定する(B5614)。そして、セレクトボタン72の操作入力があった場合は(B5614の結果が「Y」)、操作入力が演出中のボタン有効期間中であるか否かを判定する(B5615)。そして、演出中のボタン有効期間中である場合は(B5615の結果が「Y」)、演出内容に対応するセレクトボタン72押下時の設定を行って(B5616)、演出ボタン入力処理を終了する。なお、セレクトボタン72の操作によってボタン有効期間は終了しない。
一方、演出制御装置700は、セレクトボタン72の操作入力が演出中のボタン有効期間中でない場合は(B5605の結果が「N」)、演出出現頻度選択画面を表示中であるか否かを判定し(B5617)、表示中である場合は(B5617の結果が「Y」)、演出出現頻度番号を更新する(B5618)。そして、演出出現頻度番号に対応する画面への更新設定を行い(B5619)、演出ボタン入力処理を終了する。
なお、演出制御装置700は、セレクトボタン72の操作入力がない場合(B5614の結果が「N」)、又は、演出出現頻度選択画面を表示していない場合(B5617の結果が「N」)、演出ボタン入力処理を終了する。
このように、演出ボタン入力処理では、客待ちデモ中に特定の演出の出現頻度を遊技者が変更可能な演出出現頻度選択画面(図56(A)参照)が表示装置35に表示され、遊技者によるセレクトボタン72の操作によって出現頻度が画面選択され、プッシュボタン71の操作によって出現頻度が決定される。第4実施形態では、プッシュボタン71への操作によって、客待ちデモ中に演出出現頻度選択画面の表示開始、選択中の出現頻度の選択確定及び演出出現頻度選択画面の表示終了(客待ちデモ画面の復帰)を行うことができる。セレクトボタン72への操作によって、客待ちデモ中に表示される演出出現頻度選択画面において複数の出現頻度の中から希望の出現頻度の選択を行うことができる。
〔演出出現頻度選択画面及び演出出現頻度番号テーブル〕
次に、図57を参照して、前述の演出ボタン入力処理(図56)のB5611の処理で表示装置35に表示設定される演出出現頻度選択画面の一例と、B5612、B5618及びB5619の処理で用いられる演出出現頻度番号について説明する。図57は、本発明の第4実施形態の演出出現頻度選択画面及び演出出現頻度番号テーブルの一例を示す図である。ここで、出現頻度を設定する演出はプレミア演出とする。
図57(A)は、演出出現頻度選択画面の画面遷移の一例を示す図である。図中の矢印の実線はプッシュボタン71の操作入力による画面遷移を示し、破線はセレクトボタン72の操作入力による画面遷移を示す。
表示装置35が客待ち画面を表示しているときに遊技者がプッシュボタン71を操作すると表示画面が演出出現頻度選択画面に切り替わる(B5601→B5602→B5603→B5604の結果が「Y」→B5605の結果が「N」→B5609の結果が「Y」→B5610の結果が「N」→B5611→B5614の結果が「N」)。
演出出現頻度選択画面には、プレミア演出の出現頻度が「出やすい設定」「いつも通り」「激レア設定」「なし」の4段階で表示されている。演出出現頻度選択画面の表示開始時は、4段階のうち「出やすい設定」の出現頻度が選択された状態で表示される。
ここで、遊技者がセレクトボタン72を操作すると演出出現頻度選択画面の選択されている出現頻度が下位表示にずれて「いつも通り」が選択された状態となる(B5601→B5602→B5603→B5604の結果が「N」→B5614の結果が「Y」→B5615の結果が「N」→B5617の結果が「Y」→B5618→B5619)。同様に、セレクトボタン72を操作するとさらに1つ下位表示の出現頻度「激レア設定」が選択された状態となる。このように、セレクトボタン72が1回操作されるたびに選択される出現頻度が変更される。
そして、遊技者が希望する出現頻度が選択された状態となったときに遊技者はプッシュボタン71を操作する。これにより、プレミア演出の出現頻度が「激レア設定」に設定され、表示装置35は客待ち画面に戻る(B5601→B5602→B5603→B5604の結果が「Y」→B5605の結果が「N」→B5609の結果が「Y」→B5610の結果が「Y」→B5612→B5613→B5614の結果が「N」)。
図57(B)は、演出出現頻度番号テーブルの一例を示す図である。演出出現頻度選択画面の4段階のプレミア演出出現頻度には、それぞれ演出出現頻度番号が対応付けられている。
具体的には、出現頻度が「出やすい設定」の場合は「3」、「いつも通り」の場合は「2」、「激レア設定」の場合は「1」、「なし」の場合は「0」が設定されている。演出制御装置700は、セレクトボタン72の操作入力に応じて演出出現頻度番号を更新したり、プッシュボタン71の操作入力に応じて演出出現頻度番号を確定したりすることで、プレミア演出出現頻度の選択と確定を処理することができる。なお、セレクトボタン72の操作入力による演出出現頻度番号の更新は、選択開始時(デフォルト)の「3」→「2」→「1」→「0」→「3」・・・とループして更新される。
〔変動系コマンド処理〕
続いて、図58を参照して、前述の受信コマンド解析処理(図27)における変動系コマンド処理(B2706)について説明する。図58は、本発明の第4実施形態の変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。変動系コマンド処理は、遊技制御装置600から送信される変動パターンコマンドを受信した場合に実行される。
演出制御装置700は、まず、変動パターンコマンドの前に停止図柄コマンドを受信できているかをチェックするために、特図種別が未確定か否かを判定する(B5801)。停止図柄コマンドがすでに受信されていれば、特図1及び特図2のどちらの情報なのか確定している。そして、特図種別が未確定である場合は(B5801の結果が「Y」)、まだ変動を行わないので変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置700は、特図種別が未確定でない、すなわち、確定している場合は(B5801の結果が「N」)、変動パターンコマンドの変動パターンに対し、停止図柄コマンドの停止図柄種類は合致するのか否かを判定する変動パターン対応図柄判定処理を実行する(B5802)。そして、変動パターンコマンドと停止図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B5803)。例えば、当り変動の変動パターンとはずれ図柄の組み合わせは不整合と判定される。そして、変動パターンコマンドと停止図柄種別が不整合である場合は(B5803の結果が「Y」)、変動しないようにするため変動系コマンド処理を終了する。
また、演出制御装置700は、変動パターンコマンドと停止図柄種別が不整合でない、すなわち、整合している場合は(B5803の結果が「N」)、表示装置35における変動演出の設定を行う変動演出設定処理を実行して(B5804)、変動系コマンド処理を終了する。なお、変動演出設定処理の詳細については、図59にて後述する。
〔変動演出設定処理〕
次に、図59を参照して、前述の変動系コマンド処理(図58)における変動演出設定処理(B5804)について説明する。図59は、本発明の第4実施形態の変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、変動パターンを分類する変動パターン分類処理を実行する(B5901)。そして、RAM711に設けられる予告情報領域を全クリアする(B5902)。次に、前半の変動において予告演出の抽選を行う前半変動中予告抽選処理を実行する(B5903)。なお、前半変動中予告抽選処理の詳細については、図60にて後述する。
次に、演出制御装置700は、大まかに変動パターンがリーチなし変動か否かを判定する(B5904)。そして、リーチなし変動でない、すなわち、リーチあり変動の場合は(B5904の結果が「N」)、後半の変動において予告演出の抽選を行う後半変動中予告抽選処理を実行する(B5905)。なお、後半変動中予告抽選処理の詳細については、図61にて後述する。
一方、演出制御装置700は、リーチなし変動である場合は(B5904の結果が「Y」)、後半の変動では予告抽選を行わないので、B5905の処理を行わずにB5906の処理に移行する。
演出制御装置700は、表示装置35に表示される識別情報の停止図柄を設定する飾り停止図柄設定処理を実行し(B5906)、表示装置35における変動表示を開始する変動開始設定処理を実行した後(B5907)、変動演出設定処理を終了する。
〔前半変動中予告抽選処理〕
次に、図60を参照して、前述の変動演出設定処理(図60)における前半変動中予告抽選処理(B5903)について説明する。図60は、本発明の第4実施形態の前半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、変動パターンの種類、演出モードに対応する前半予告グループテーブル1を設定し(B6001)、予告種類(グループ)を抽選する予告グループ抽選処理を実行する(B6002)。なお、前半予告グループテーブル1については、図62にて後述する。
そして、演出制御装置700は、予告グループ抽選処理の結果が予告なしであるか否かを判定し(B6003)、予告なしである場合は(B6003の結果が「Y」)、B6006の処理に移行する。
一方、演出制御装置700は、予告なしではない、すなわち、予告ありの場合には(B6003の結果が「N」)、前述の演出ボタン入力処理(図56)のB5612の処理で確定した演出出現頻度番号と前述のB6002の予告グループ抽選処理の抽選内容に対応する範囲の乱数を準備し(B6004)、抽選内容の予告グループに対応する詳細演出を抽選する予告詳細抽選処理を実行する(B6005)。なお、予告詳細抽選処理の詳細については、図62にて後述する。
次に、演出制御装置700は、変動パターンの種類、演出モードに対応する前半予告グループテーブル2を設定し(B6006)、予告種類(グループ)を抽選する予告グループ抽選処理を実行する(B6007)。そして、予告グループ抽選処理の結果が予告なしであるか否かを判定し(B6008)、予告なしである場合は(B6008の結果が「Y」)、前半変動中予告抽選処理を終了する。
また、演出制御装置700は、予告なしではない、すなわち、予告ありの場合には(B6008の結果が「N」)、前述の演出ボタン入力処理(図56)のB5612の処理で確定した演出出現頻度番号と前述のB6007の予告グループ抽選処理の抽選内容に対応する範囲の乱数を準備し(B6009)、抽選内容の予告グループに対応する詳細演出を抽選する予告詳細抽選処理を実行する(B6010)。その後、前半変動中予告抽選処理を終了する。
〔後半変動中予告抽選処理〕
次に、図61を参照して、前述の変動演出設定処理(図60)における後半変動中予告抽選処理(B5905)について説明する。図61は、本発明の第4実施形態の後半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず、変動パターンの種類、演出モードに対応する後半予告グループテーブルを設定し(B6101)、予告種類(グループ)を抽選する予告グループ抽選処理を実行する(B6102)。
そして、演出制御装置700は、予告グループ抽選処理の結果が予告なしであるか否かを判定し(B6103)、予告なしである場合は(B6103の結果が「Y」)、後半変動中予告抽選処理を終了する。
一方、演出制御装置700は、予告なしではない、すなわち、予告ありの場合には(B6103の結果が「N」)、前述の演出ボタン入力処理(図56)のB5612の処理で確定した演出出現頻度番号と前述のB6102の予告グループ抽選処理の抽選内容に対応する範囲の乱数を準備し(B6104)、抽選内容の予告グループに対応する詳細演出を抽選する予告詳細抽選処理を実行する(B6105)。その後、後半変動中予告抽選処理を終了する。
〔前半予告グループテーブル〕
次に、図62を参照して、前述の前半変動中予告抽選処理(図60)のB6001の処理で設定される前半予告グループテーブル1について、B6002の処理の予告グループ抽選及びB6005の処理の予告詳細抽選の方法とともに説明する。図62は、本発明の第4実施形態の演出出現頻度の設定について説明する図である。
図62(A)は、前半予告グループテーブル1の一例であり、通常モードで15R確変大当りとなるときに設定されるテーブルである。
前半予告グループテーブル1は、「予告なし」、プッシュボタン71の操作による「プッシュボタン予告」、変動開始時に行われる「変動開始予告」、表示画面の背景を変化させる「背景チェンジ予告」、組み合わせによる「プッシュボタン予告+変動開始予告」、「プッシュボタン予告+背景チェンジ予告」及び「変動開始予告+背景チェンジ予告」の7つの予告グループが設定される。1回の予告で複数の予告を行う組み合わせ予告グループを設定することで抽選回数が少なくても多数の予告が出現可能となる。そして、それぞれの予告グループには抽選で選択される確率が設定されており、順に1%、4%、5%、10%、20%、30%、30%が設定される。予告グループは、前述の前半変動中予告抽選処理(図60)の予告グループ抽選処理(B6002)において、設定された確率に基づいて選択される。ここでは、「背景チェンジ予告」が選択されたとする。
そして、前半予告グループテーブル1の「予告なし」以外の予告グループ(6種類)には、さらに詳細の予告内容が複数設定された前半予告詳細テーブルがそれぞれ対応付けて設定されている。
図62(B)は、前半予告詳細テーブルの一例であり、前半予告グループテーブル1で選択された「背景チェンジ予告」の詳細内容が設定されたテーブルである。
前半予告詳細テーブルは、表示装置35の背景として6つの予告パターンを備える。具体的には、通常背景の変更が2パターン、特殊背景への変更が2パターン、激熱背景への変更及びプレミア背景への変更が設定されている。
通常背景は複数種類設けられており、種類毎に背景番号が設定されている。そして、通常背景は背景番号の順に所定の条件で移り変わる仕様である。そこで、背景チェンジ予告における通常背景の変更は、順番を1つ飛ばすパターン「通常背景を+1更新」と、順番を2つ飛ばすパターン「通常背景+2更新」との2パターンを備える。具体的には、季節を表す通常背景が「春」「夏」「秋」「冬」の4種類設けられおり、通常は春→夏→秋→冬→春・・・と四季の順番に通常背景は変化する。背景チェンジ予告では、通常背景が夏を飛ばして春→秋に変化したり、夏と秋を飛ばして春→冬に変化したりする。
また、通常背景の変更よりも期待度が高い背景チェンジ予告として、「特殊背景1」「特殊背景2」「激熱背景」「プレミア背景」の4パターンが設けられている。そして、プレミア背景は、割り当てられる乱数値の範囲に応じて振分A〜Cの3つに分別される。
ここで、「プレミア背景」とは、プレミア演出の一つであり、前述の演出ボタン入力処理(図56)において遊技者が出現頻度を好みの頻度に設定可能な演出である。第4実施形態では、前半予告詳細テーブルを用いた予告詳細抽選処理(B6005)において、プレミア背景に振り分けられる乱数値の範囲を調整することでプレミア背景の出現頻度(出現率)を遊技者が設定した出現頻度にする。以下に、具体的な方法について図62(C)も参照して説明する。
図62(C)は、プレミア演出の出現頻度設定テーブルの一例である。前述したようにプレミア演出の出現頻度は、「なし」「激レア設定」「いつも通り」「出やすい設定」の4段階に分けられる。そして、各出現頻度に応じて前半予告詳細テーブルのプレミア背景のプレミア振分A〜Cの選択が行われる。まず、プレミア演出(プレミア背景)の出現が「なし」の場合は予告パターンにプレミア背景を含まず、「激レア設定」の場合は予告パターンにプレミア背景の振分Aを採用し、「いつも通り」の場合は予告パターンにプレミア背景の振分Aと振分Bとを採用し、「出やすい設定」の場合は予告パターンにプレミア背景の振分Aと振分Bと振分Cとを採用する。
前半予告詳細テーブルにおける各予告パターンの振り分け率(抽選確率)は、プレミア背景の出現頻度が「いつも通り」の場合に100%となるように設定されている。このときの乱数サイズは1000(例えば、乱数値1〜1000)であり、このうちプレミア背景に対応する乱数サイズは5%の50である(例えば、乱数値951〜1000)。したがって、プレミア背景の振分Aに対応する乱数サイズは20(例えば、乱数値951〜970)、振分Bに対応する乱数サイズは30(例えば、乱数値971〜1000)、振分Cに対応する乱数サイズは200(例えば、乱数値1001〜1200)である。
具体的には、プレミア背景の出現頻度が「いつも通り」の場合は、乱数値1〜1000を用いて予告詳細抽選処理(B6005)が実行される。また、プレミア背景の出現頻度が「ない」の場合は、乱数値1〜1000からプレミア背景に振り分けられる乱数値951〜1000を除外した乱数値1〜950を用いて予告詳細抽選処理(B6005)が実行される。また、プレミア背景の出現頻度が「激レア設定」の場合は、乱数値1〜1000からプレミア背景の振分Bに対応する乱数値971〜1000を除いた乱数値1〜970を用いて予告詳細抽選処理(B6005)が実行される。また、プレミア背景の出現頻度が「出やすい設定」の場合は、乱数値1〜1000にさらにプレミア背景の振分Cに対応する乱数値1001〜1200を足した乱数値1〜1200を用いて予告詳細抽選処理(B6005)が実行される。
このように、設定された出現頻度に応じて前半予告詳細テーブルのプレミア背景が選択される乱数サイズを変化させることで、予告詳細抽選処理(B6005)におけるプレミア背景の振り分け率を調整することができる。
なお、前述では前半予告グループテーブル1(図62)を参照して前半変動中予告抽選処理(図60)のB6001〜6005の処理について具体的に説明したが、前半予告グループテーブル2を用いるB6006〜B6010の処理や後半予告グループテーブルを用いる後半変動中予告抽選処理(図61)の処理についても同様の処理が行われる。また、前半予告グループテーブル2の前半予告詳細テーブル及び後半予告グループテーブルの後半予告詳細テーブルの仕様は、前述の前半予告グループテーブル1の前半予告詳細テーブル(図62(B))と同じである。また、前半変動中に2回、後半変動中に1回の計3回の予告抽選が行われる構成としたが、これに限らない。
(第4実施形態の効果)
本発明の第4実施形態によれば、演出制御装置700は、予告詳細テーブルと乱数値とを用いて、複数の演出態様から変動表示ゲームの演出態様を選択する予告詳細抽選処理を実行する。そして、遊技者によって複数段階(低出現、通常出現、高出現)の中からいずれのプレミア演出出現頻度が選択されても、一の予告詳細テーブルと乱数値を用いて予告詳細抽選処理におけるプレミア演出の出現頻度を変更することができる。これにより、プログラム容量の増加を抑えつつ、プレミア演出(特定の演出)の出現頻度を変更することができる。
具体的には、本発明の第4実施形態によれば、演出制御装置700は、プレミア演出の出現頻度が高く設定されている場合は予告詳細テーブルのプレミア演出に対応する乱数の範囲(割合)を大きくし、プレミア演出の出現頻度が低く設定されている場合は、予告詳細テーブルのプレミア演出に対応する乱数の範囲(割合)を小さくする。そして、遊技者は演出ボタン70への操作入力によってプレミア演出の出現頻度を所望の出現頻度に設定する。これにより、設定された出現頻度が異なっても共通の予告詳細テーブルを用いて、遊技者が所望するプレミア背景の出現頻度に対応することができ、プログラム容量の増加を招くことなく遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明の第4実施形態によれば、遊技者が任意にプレミア演出の出現頻度を決定することができることで、比較的大当り確率が高い甘デジ等で大当りになる度に出現したり重複したりするプレミア演出を不快に思う遊技者に快適な遊技を提供することができる。
(第4実施形態の変形例1)
次に、図63〜図65を参照して、本発明の第4実施形態の変形例1について説明する。第4実施形態では、演出制御装置700は、前半変動中予告抽選処理(図60)及び後半変動中予告抽選処理(図61)において予告抽選に用いるプレミア背景の乱数の範囲を変更することでプレミア背景の出現頻度を変更する。これに対し、第4実施形態の変形例1では、予告抽選で選択されたプレミア背景及び特定の背景の置き換えによりプレミア背景の出現頻度を変更する。
〔前半変動中予告抽選処理〕
図63は、本発明の第4実施形態の変形例1の前半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。なお、第4実施形態の前半変動中予告抽選処理(図60)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、予告グループ抽選処理(B6002)で予告を選択した場合は(B6003の結果が「N」)、抽選された予告グループに対応する前半予告詳細テーブルを用いた予告詳細抽選処理を実行する(B6301)。ここで、前半予告詳細テーブルが第4実施形態(図62(B))と異なる。前半予告詳細テーブルの詳細については、図65にて後述する。
次に、演出制御装置700は、前半予告詳細テーブルからプレミア予告(ここでは、プレミア背景)を選択したか否かを判定する(B6302)。
演出制御装置700は、プレミア予告を選択した場合は(B6302の結果が「Y」)、前述の演出ボタン入力処理(図56)のB5612の処理で確定した演出出現頻度番号がプレミア予告の出現頻度が基本よりも低い設定(「なし」又は「激レア設定」)の番号であるか否かを判定する(B6303)。
そして、演出制御装置700は、演出出現頻度番号がプレミア予告の出現がないもしくは少ない番号の場合は(B6303の結果が「Y」)、選択されたプレミア予告を他の予告種類の中の対応する所定の予告に置き換える(B6304)。ここでは、プレミア予告を他の予告に格下げする。また、演出出現頻度番号がプレミア予告の出現が基本以上である場合は(B6303の結果が「N」)、プレミア予告の選択を維持する。
一方、演出制御装置700は、プレミア予告を選択していない場合は(B6302の結果が「N」)、前述の演出ボタン入力処理(図56)のB5612の処理で確定した演出出現頻度番号がプレミア予告の出現頻度が基本よりも高い設定(「出やすい設定」)の番号であるか否かを判定する(B6305)。
そして、演出制御装置700は、演出出現頻度番号がプレミア予告の出現が多い番号の場合は(B6305の結果が「Y」)、選択された予告がプレミア昇格対象の予告であるか否かを判定する(B6306)。プレミア昇格対象の予告である場合は(B6306の結果が「Y」)、対象の予告をプレミア予告に置き換える(B6307)。ここでは、対象の予告をプレミア予告に格上げする。また、プレミア昇格対象の予告でない場合は(B6306の結果が「N」)、選択された予告を維持する。
続いて、演出制御装置700は、予告グループ抽選処理(B6007)で予告ありの場合は(B6008の結果が「N」)、抽選された予告グループに対応する前半予告詳細テーブルを用いた予告詳細抽選処理を実行する(B6308)。ここで、B6308〜B6313の処理は、前述のB6301〜B6307の処理と同様である。
〔後半変動中予告抽選処理〕
次に、図64は、本発明の第4実施形態の変形例1の後半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。なお、第4実施形態の後半変動中予告抽選処理(図61)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、予告グループ抽選処理(B6102)で予告を選択した場合には(B6103の結果が「N」)、抽選された予告グループに対応する後半予告詳細テーブルを用いた予告詳細抽選処理を実行する(B6401)。ここで、後半予告詳細テーブルが第4実施形態のテーブル仕様(図62(B))と異なる。後半予告詳細テーブルは、後述の前半予告詳細テーブル(図65(B))と同じ仕様である。
次に、演出制御装置700は、後半予告詳細テーブルからプレミア予告(ここでは、プレミア背景)を選択したか否かを判定する(B6402)。
演出制御装置700は、プレミア予告を選択した場合は(B6402の結果が「Y」)、前述の演出ボタン入力処理(図56)のB5612の処理で確定した演出出現頻度番号がプレミア予告の出現が「なし」の番号であるか否かを判定する(B6403)。
そして、演出制御装置700は、演出出現頻度番号がプレミア予告の出現がない番号の場合は(B6403の結果が「Y」)、選択されたプレミア予告を他の予告種類の中の対応する所定の予告に置き換える(B6404)。ここでは、プレミア予告を他の予告に格下げする。また、演出出現頻度番号がプレミア予告の出現がある番号の場合は(B6403の結果が「N」)、プレミア予告の選択を維持して後半変動中予告抽選処理を終了する。
一方、演出制御装置700は、プレミア予告を選択していない場合は(B6402の結果が「N」)、前述の演出ボタン入力処理(図56)のB5612の処理で確定した演出出現頻度番号がプレミア予告の出現頻度が基本よりも高い設定(「出やすい設定」)の番号であるか否かを判定する(B6405)。
そして、演出制御装置700は、演出出現頻度番号がプレミア予告の出現が多い番号の場合は(B6405の結果が「Y」)、選択された予告がプレミア昇格対象の予告であるか否かを判定する(B6406)。プレミア昇格対象の予告である場合は(B6406の結果が「Y」)、対象の予告をプレミア予告に置き換える(B6407)。ここでは、対象の予告をプレミア予告に格上げする。また、プレミア昇格対象の予告でない場合は(B6406の結果が「N」)、選択された予告を維持して後半変動中予告抽選処理を終了する。
〔前半予告グループテーブル1〕
図65は、本発明の第4実施形態の変形例1の演出出現頻度の設定について説明する図である。
図65(A)は、前半予告グループテーブル1の一例であり、第4実施形態の前半予告グループテーブル1(図62(A))と同じである。ここでは、第4実施形態と同様に、前半予告グループテーブル1から「背景チェンジ予告」が選択されたとする。
図65(B)は、前半予告詳細テーブルの一例であり、前半予告グループテーブル1で選択された「背景チェンジ予告」の詳細内容が設定されたテーブルである。第4実施形態の変形例1と第4実施形態とでは、前半予告詳細テーブルが異なり、前半予告詳細テーブルを用いた予告詳細抽選の結果処理が異なる。
前半予告詳細テーブルは、通常背景の変更が2パターン、特殊背景への変更が2パターン、激熱背景への変更及びプレミア背景への変更の6パターンが設定されている点は第4実施形態と同じであり、各パターンに対応する乱数の範囲も同じである。なお、プレミア背景に対応する乱数の範囲は、第4実施形態においてプレミア背景の出現頻度が「いつも通り」の場合と同じであり、振り分け率を全体の5%で一定とする。
第4実施形態の変形例1では、激熱背景が割り当てられる乱数値の範囲に応じて振分Aと振分Bの2つに分別される。そして、振分Bに割り当てられる乱数値の当選により選択された激熱背景は、プレミア昇格対象の予告となる。ここでは、予告詳細抽選処理(B6301)において前半予告詳細テーブルに特定される振り分け種類(全7種類)のいずれにも振り分け可能に抽選されるが、遊技者が選択した出現頻度に応じて抽選結果の予告を置き換える。以下に、具体的な置き換え方法について図65(C)を参照して説明する。
図65(C)は、プレミア演出の出現頻度設定テーブルの一例である。プレミア演出(プレミア背景)の出現が「なし」の場合は、予告詳細抽選処理(B6301、B6308、B6401)で選択されたプレミア背景は格下げの(期待度が低い)激熱背景に置き換えられる。なお、激熱背景に限らず他の背景でもよい。次に、プレミア背景の出現頻度が「激レア設定」の場合は、前半変動中の予告詳細抽選処理(B6301、B6308)で選択されたプレミア背景は格下げの(期待度が低い)激熱背景に置き換えられるが、後半変動中の予告詳細抽選処理(B6401)で選択されたプレミア背景の置き換えはない。次に、プレミア背景の出現頻度が「いつも通り」の場合は、予告詳細抽選処理(B6301、B6308、B6401)で選択されたプレミア背景の置き換えはなく、抽選結果がそのまま反映される。次に、プレミア背景の出現頻度が「出やすい設定」の場合は、予告詳細抽選処理(B6301、B6308、B6401)で振分Bによって選択された激熱背景はプレミア背景に置き換えられる。
このように、設定された出現頻度に応じて前半予告詳細テーブルを用いた予告詳細抽選処理(B6301、B6308、B6401)の抽選結果を置き換えることでプレミア背景の振り分け率を調整することができる。
(第4実施形態の変形例1の効果)
本発明の第4実施形態の変形例1によれば、演出制御装置700は、プレミア背景の出現頻度が高く設定されている場合に予告詳細抽選処理において特定の背景(振分Bの激熱背景)が選択されたときは、特定の背景をプレミア背景に置き換え、プレミア背景の出現頻度が低く設定されている場合は、プレミア背景が選択されたときにプレミア背景を他の背景に置き換える。これにより、設定された出現頻度が異なっても共通の予告詳細テーブルを用いて、遊技者が設定したプレミア背景の出現頻度に対応することができ、プログラム容量の増加を招くことなく遊技の興趣を高めることができる。
(第4実施形態の変形例2)
次に、図66〜図68を参照して、本発明の第4実施形態の変形例2について説明する。第4実施形態の変形例1では、演出制御装置700は、前半変動中予告抽選処理(図63)及び後半変動中予告抽選処理(図64)において予告抽選の抽選結果の予告背景の置き換えによりプレミア背景の出現頻度を変更する。そして、プレミア背景の出現頻度が高く設定されている場合には、特定の背景(振分Bの激熱背景)はプレミア背景に置き換えられる。これに対し、第4実施形態の変形例2では、プレミア背景の出現頻度が高く設定されている場合には、予告抽選回数を増やす。すなわち、プレミア背景が選択されるまで規定回数を上限に予告抽選を繰り返すことで、プレミア背景の出現頻度を高める。なお、プレミア背景の出現頻度が標準又は低く設定されている場合は第4実施形態の変形例1と同じである。
〔前半変動中予告抽選処理〕
図66は、本発明の第4実施形態の変形例2の前半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。なお、第4実施形態の変形例1の前半変動中予告抽選処理(図63)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、予告詳細抽選処理(B6301)でプレミア予告を選択しておらず(B6302の結果が「N」)、かつ、プレミア予告の出現頻度が高く設定されている場合には(B6305の結果が「Y」)、規定回数(例えば、5回)の抽選を行ったか否かを判定する(B6601)。そして、予告詳細抽選の抽選回数が規定回数に達していない場合には(B6601の結果が「N」)、B6301の処理に戻って再び予告詳細抽選処理を実行する。なお、規定回数は、予告グループ毎に異なる回数を設定してもよい。
一方、演出制御装置700は、予告詳細抽選の抽選回数が規定回数に達した場合は(B6601の結果が「Y」)、最後に行った抽選結果の予告を採用する。このため、最初の抽選結果がプレミア予告以外の期待度の高い予告(激熱背景)であったとしても最後の抽選結果は期待度の低い予告(通常背景)になって、前半予告が期待度の低いものになる可能性がある。
続いて、演出制御装置700は、予告詳細抽選処理(B6308)でプレミア予告を選択しておらず(B6309の結果が「N」)、かつ、プレミア予告の出現頻度が高く設定されている場合には(B6312の結果が「Y」)、同様に規定回数(例えば、5回)の抽選を行ったか否かを判定する(B6602)。ここで、B6602の処理は、前述のB6601の処理と同様である。
なお、第4実施形態の変形例2では、演出制御装置700は、B6601の処理の結果が「N」となる場合、B6301の処理に戻って予告詳細抽選処理を再実行しているので、予告グループ抽選処理(B6002)で決まった予告グループ(背景チェンジ予告)は変わらないが、予告グループの再抽選から行ってもよい。すなわち、演出制御装置700は、B6601の処理の結果が「N」となる場合、B6002の処理に戻って予告グループ抽選処理から再実行してもよい。
〔後半変動中予告抽選処理〕
図67は、本発明の第4実施形態の変形例2の後半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。なお、第4実施形態の変形例1の後半変動中予告抽選処理(図64)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、予告詳細抽選処理(B6401)でプレミア予告を選択しておらず(B6402の結果が「N」)、かつ、プレミア予告の出現頻度が高く設定されている場合には(B6405の結果が「Y」)、規定回数(例えば、5回)の抽選を行ったか否かを判定する(B6701)。そして、予告詳細抽選の抽選回数が規定回数に達していない場合には(B6701の結果が「N」)、B6401の処理に戻って再び予告詳細抽選処理を実行する。なお、規定回数は、予告グループ毎に異なる回数を設定してもよい。
一方、演出制御装置700は、予告詳細抽選の抽選回数が規定回数に達した場合は(B6701の結果が「Y」)、最後に行った抽選結果の予告を採用する。このため、最初の抽選結果がプレミア予告以外の期待度の高い予告(激熱背景)であったとしても最後の抽選結果は期待度の低い予告(通常背景)になって、前半予告が期待度の低いものになる可能性がある。
なお、第4実施形態の変形例2では、演出制御装置700は、B6701の処理の結果が「N」となる場合、B6401の処理に戻って予告詳細抽選処理を再実行しているので、予告グループ抽選処理(B6102)で決まった予告グループ(背景チェンジ予告)は変わらないが、予告グループの再抽選から行ってもよい。すなわち、演出制御装置700は、B6701の処理の結果が「N」となる場合、B6102の処理に戻って予告グループ抽選処理から再実行してもよい。
〔前半予告グループテーブル1〕
図68は、本発明の第4実施形態の変形例2の演出出現頻度の設定について説明する図である。
図68(A)は、前半予告グループテーブル1の一例であり、第4実施形態及び第4実施形態の変形例1の前半予告グループテーブル1(図62(A)、図65(A))と同じである。ここでは、前半予告グループテーブル1から「背景チェンジ予告」が選択されたとする。
図68(B)は、前半予告詳細テーブルの一例であり、前半予告グループテーブル1で選択された「背景チェンジ予告」の詳細内容が設定されたテーブルである。第4実施形態の変形例2では、第4実施形態の変形例1で振分Aと振分Bとに分別されていた「激熱背景」が1つにまとめられている。
図65(C)は、プレミア演出の出現頻度設定テーブルの一例である。第4実施形態の変形例2は、プレミア演出(プレミア背景)の出現が「出やすい設定」の場合に、1回の予告詳細抽選処理(B6301、B6308、B6401)においてプレミア背景が選択される確率は同じでも規定回数の再抽選を許容することで、プレミア背景の出現頻度を高める点が第4実施形態の変形例1と異なる。
このように、設定された出現頻度に応じて前半予告詳細テーブルを用いた予告詳細抽選処理(B6301)の抽選結果を置き換えるパターンと抽選回数を増やすパターンとを設けることでプレミア背景の振り分け率を調整することができる。
(第4実施形態の変形例2の効果)
本発明の第4実施形態の変形例2によれば、演出制御装置700は、プレミア背景の出現頻度が高く設定されている場合は、プレミア背景が選択されるまで規定回数を上限として予告詳細抽選処理を繰り返す。また、プレミア背景の出現頻度が低く設定されている場合は、プレミア背景が選択されたときにプレミア背景を他の背景に置き換える。これにより、設定された出現頻度が異なっても共通の予告詳細テーブルを用いて、遊技者が設定したプレミア背景の出現頻度に対応することができ、プログラム容量の増加を招くことなく遊技の興趣を高めることができる。
(第4実施形態の変形例3)
次に、図69〜図71を参照して、本発明の第4実施形態の変形例3について説明する。第4実施形態の変形例3は、第4実施形態の変形例1のプレミア背景の出現頻度が高く設定されている場合に特定の背景(振分Bの激熱背景)をプレミア背景に置き換える処理について、対象の特図変動が大当りとなる場合に限り実行する。なお、プレミア背景の出現頻度が標準又は低く設定されている場合は第4実施形態の変形例1と同じである。
〔前半変動中予告抽選処理〕
図69は、本発明の第4実施形態の変形例3の前半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。なお、第4実施形態の変形例1の前半変動中予告抽選処理(図63)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、予告詳細抽選処理(B6301)でプレミア予告を選択していない場合には(B6302の結果が「N」)、特図保留によって当該変動が大当りであるか否かを判定する(B6901)。そして、大当りでない場合には(B6901の結果が「N」)、選択された予告を維持する。また、大当りである場合には(B6901の結果が「Y」)、B6305以降の処理を実行する。
続いて、演出制御装置700は、予告詳細抽選処理(B6308)でプレミア予告を選択していない場合には(B6309の結果が「N」)、特図保留によって当該変動が大当りであるか否かを判定する(B6902)。そして、大当りでない場合には(B6902の結果が「N」)、選択された予告を維持する。また、大当りである場合には(B6902の結果が「Y」)、B6312以降の処理を実行する。
〔後半変動中予告抽選処理〕
図70は、本発明の第4実施形態の変形例3の後半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。なお、第4実施形態の変形例1の後半変動中予告抽選処理(図64)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、予告詳細抽選処理(B6401)でプレミア予告を選択していない場合には(B6402の結果が「N」)、特図保留によって当該変動が大当りであるか否かを判定する(B7001)。そして、大当りでない場合には(B7001の結果が「N」)、選択された予告を維持する。また、大当りである場合には(B7001の結果が「Y」)、B6405以降の処理を実行する。
〔前半予告グループテーブル1〕
図71は、本発明の第4実施形態の変形例3の演出出現頻度の設定について説明する図である。
図71(A)は、前半予告グループテーブル1の一例であり、第4実施形態の変形例1の前半予告グループテーブル1(図65(A))と同じである。また、図71(B)は、前半予告詳細テーブルの一例であり、第4実施形態の変形例1の前半予告詳細テーブル(図65(B))と同じである。
図71(C)は、プレミア演出の出現頻度設定テーブルの一例であり、第4実施形態の変形例1とは、プレミア演出(プレミア背景)の出現頻度が「出やすい設定」の場合に、予告詳細抽選処理(B6301、B6308、B6401)で振分Bによって選択された激熱背景のプレミア背景への置き換えが今回の特図変動が大当りになる場合に限られる点(今回の特図変動がはずれの場合は置き換えしない点)が異なる。
(第4実施形態の変形例3の効果)
本発明の第4実施形態の変形例3によれば、プレミア演出出現頻度を高める場合には今回の特図変動が大当りとなる場合に限り、プレミア昇格対象の演出(振分Bによる激熱背景)をプレミア演出に置き換える。これにより、第4実施形態の変形例1と同様の効果を奏するだけでなく、さらに、プレミア演出の高い期待度を低下させることなくプレミア演出の出現頻度を高めることができる。
(第4実施形態の変形例4)
次に、図72〜図74を参照して、本発明の第4実施形態の変形例4について説明する。第4実施形態の変形例4は、第4実施形態の変形例2のプレミア背景の出現頻度が高く設定されている場合に予告抽選回数を増やす処理について、対象の特図変動が大当りとなる場合に限り実行する。なお、プレミア背景の出現頻度が標準又は低く設定されている場合は第4実施形態の変形例2と同じである。
〔前半変動中予告抽選処理〕
図72は、本発明の第4実施形態の変形例4の前半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。なお、第4実施形態の変形例2の前半変動中予告抽選処理(図66)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、予告詳細抽選処理(B6301)でプレミア予告を選択していない場合には(B6302の結果が「N」)、特図保留によって当該変動が大当りであるか否かを判定する(B7201)。そして、大当りでない場合には(B7201の結果が「N」)、選択された予告を維持する。また、大当りである場合には(B7201の結果が「Y」)、B6305以降の処理を実行する。
続いて、演出制御装置700は、予告詳細抽選処理(B6308)でプレミア予告を選択していない場合には(B6309の結果が「N」)、特図保留によって当該変動が大当りであるか否かを判定する(B7202)。そして、大当りでない場合には(B7202の結果が「N」)、選択された予告を維持する。また、大当りである場合には(B7202の結果が「Y」)、B6312以降の処理を実行する。
〔後半変動中予告抽選処理〕
図73は、本発明の第4実施形態の変形例4の後半変動中予告抽選処理の手順を示すフローチャートである。なお、第4実施形態の変形例2の後半変動中予告抽選処理(図67)と共通する処理については同じ処理番号を付して説明を省略する。
演出制御装置700は、予告詳細抽選処理(B6401)でプレミア予告を選択していない場合には(B6402の結果が「N」)、特図保留によって当該変動が大当りであるか否かを判定する(B7301)。そして、大当りでない場合には(B7301の結果が「N」)、選択された予告を維持する。また、大当りである場合には(B7301の結果が「Y」)、B6405以降の処理を実行する。
〔前半予告グループテーブル1〕
図74は、本発明の第4実施形態の変形例4の演出出現頻度の設定について説明する図である。
図74(A)は、前半予告グループテーブル1の一例であり、第4実施形態の変形例2の前半予告グループテーブル1(図68(A))と同じである。また、図74(B)は、前半予告詳細テーブルの一例であり、第4実施形態の変形例2の前半予告詳細テーブル(図68(B))と同じである。
図74(C)は、プレミア演出の出現頻度設定テーブルの一例であり、第4実施形態の変形例2とは、プレミア演出(プレミア背景)の出現頻度が「出やすい設定」の場合に、予告詳細抽選処理(B6301、B6308、B6401)の再実行(再抽選)が今回の特図変動が大当りになる場合に限られる点(今回の特図変動がはずれの場合は再抽選が許可されない点)が異なる。
(第4実施形態の変形例4の効果)
本発明の第4実施形態の変形例4によれば、プレミア演出出現頻度を高める場合には今回の特図変動が大当りとなる場合に限り、規定回数を上限にプレミア演出が選択されるまで予告抽選を繰り返す。これにより、第4実施形態の変形例2と同様の効果を奏するだけでなく、さらに、プレミア演出の高い期待度を低下させることなくプレミア演出の出現頻度を高めることができる。
(第4実施形態の変形例5)
次に、図75を参照して、本発明の第4実施形態の変形例5について説明する。第4実施形態では、遊技者が出現頻度を設定可能な演出としてプレミア演出を例に挙げて説明した。そして、演出ボタン入力処理(図56)において客待ちデモ中にプッシュボタン71の操作入力があると表示装置35にプレミア演出の演出出現頻度選択画面(図57)が表示される。これに対し、第4実施形態の変形例5では、客待ちデモ中にプッシュボタン71の操作入力があると、まず、複数の演出から遊技者の意向を反映する演出を選択する演出選択画面が表示され、遊技者の意向を反映する演出が決まったら演出出現頻度選択画面(演出調整選択画面)が表示される。
〔演出選択画面及び演出出現頻度選択画面〕
図75は、本発明の第4実施形態の変形例5の演出選択画面及び演出出現頻度選択画面の画面遷移の一例を示す図である。図中の矢印の実線はプッシュボタン71の操作入力による画面遷移を示し、破線はセレクトボタン72の操作入力による画面遷移を示す。
図75(A)は、演出選択画面の画面遷移の一例である。ここでは、前述のプレミア演出の出現率の他に、スピーカ10(音出力装置)の音量調整、照明ユニット8や可動式照明9等(発光装置)の明るさ調整及び枠演出装置22の可動役物等のキャラクタ(可動役物装置)の選択率についても遊技者の意向を反映することができる。演出選択画面における演出の選択方法、画面遷移タイミングは、演出出現頻度選択画面(図57)の仕様と同様である。
表示装置35が客待ち画面を表示しているときに遊技者がプッシュボタン71を操作すると表示画面が演出選択画面に切り替わる。演出選択画面には、プレミア演出の出現率、スピーカ10の音量調整、照明ユニット8や可動式照明9等の明るさ調整及びキャラクタの選択率の4つの演出内容が表示されている。演出選択画面の表示開始時は、4つの演出内容のうち「プレミア出現率」が選択された状態で表示される。
ここで、遊技者がセレクトボタン72を操作すると演出選択画面の遊技者が選択可能な演出内容が「プレミア出現率」→「音量調整」→「明るさ調整」→「キャラ選択」→いずれの演出も非選択でプッシュボタン71の操作により客待ち画面に「戻る」→「プレミア出現率」の順にループして変更される。
演出選択画面において「明るさ調整」が選択状態になっているときに遊技者がプッシュボタン71を操作することで選択が確定する。すると、表示装置35は、演出選択画面からプレミア演出の演出出現頻度選択画面に切り替わる。
図75(B)は、強発光演出の演出出現頻度選択画面の一例である。演出出現頻度選択画面に表示される4段階の出現頻度は、演出選択画面と同様に遊技者がセレクトボタン72を操作することで選択可能である。そして、遊技者が希望する出現頻度が選択状態になっているときに、遊技者がプッシュボタン71を操作することで出現頻度の選択が確定する。そして、表示装置35は、演出出現頻度選択画面から演出選択画面に切り替わる。なお、強発光演出の出現頻度の変更に係る処理は、第4実施形態から第4実施形態の変形例4で述べたプレミア演出の出現頻度の変更に係る処理が適用可能である。
このとき、図75(A)の演出選択画面は、「明るさ調整」が選択状態となった表示画面に戻る。そして、遊技者はセレクトボタン72を2回操作して「戻る」が選択状態となった表示画面でプッシュボタン71を操作する。すると、表示装置35は、演出選択画面から客待ち画面に切り替わる。
なお、表示画面内の選択はセレクトボタン72の操作によって実行され、選択の決定はプッシュボタン71の操作によって実行されているが、これに限らない。タッチセンサやジョグダイヤル等、遊技者が操作可能な操作入力手段であれば適用可能である。
(第4実施形態の変形例5の効果)
本発明の第4実施形態の変形例5によれば、表示装置35における特定の表示演出だけでなく、発光装置の特定の発光態様、音出力装置の特定の出力態様及び可動役物装置の特定の可動態様の各態様の出現率も遊技者の意向に沿って設定可能なので、遊技の興趣を高めることができる。また、特定の演出態様の出現率の変更は、出現率毎にテーブルを設けることなく共通のテーブル(予告詳細テーブル)で変更可能なので、複数の演出に対してそれぞれ特定の演出態様の出現率を変更可能にしてもテーブルデータの容量が膨大にならない。このため、複数の演出に対して特定の演出態様の出現率を変更可能にできるので、組み合わせの演出態様が多様化し、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。