以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは共に、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じであってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、又は第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮等を生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮等も生じさせず、所定時間よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示すること等が含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類の図柄で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組み合わせやハズレとなる組み合わせ等、適当な数の組み合わせを構成可能であれば、何種類であってもよい。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つにおいて、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の下方には、保留表示ランプ9Hが配置されている。保留表示ランプ9Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、保留表示ランプ9Hと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが横方向に並んで設けられている。また、その上には、遊技球を振り分ける振分装置200が設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、図3に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片6BAを有する電動チューリップ型役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片6BAが垂直位置となることにより通常の開放状態になっている。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片6BAが傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が通常よりも進入し易い拡大開放状態になる。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が第1可変状態よりも進入し難い通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
振分装置200の上部には、図2に示すように、遊技球が流入可能な流入口201が設けられている。また、振分装置200の内部には、流入口201から振分装置200内に流入した遊技球を左側通路203と右側通路204とのいずれかに振り分けるための振分部材202が設けられている。また、振分装置200の下部には、左側通路203を通過した遊技球が振分装置200から流出可能な左側流出口205と、右側通路204を通過した遊技球が振分装置200から流出可能な右側流出口206とが設けられている。
図2(A)に示す例では、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技球が左側通路203を通過可能な状態が示されている。図2(A)に示す状態において遊技球が流入口201から振分装置200内に流入すると、図2(B)に示すように、流入口201から流入した遊技球は振分部材202によって左側通路203に振り分けられ、左側通路203を通過して左側流出口205から流出する。そして、左側流出口205の下方には、普通入賞球装置6Aによって形成される第1始動入賞口が位置しているので、左側流出口205から流出した遊技球は、第1始動入賞口に入賞する。振分部材202による振り分け時、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202Aに遊技球があたり、遊技球の自重によって羽根部202Aが押されることによって、図2(A)及び図2(B)に示すように、振分部材202が右側に倒れている状態から左側に倒れている状態に変化する。そして、振分部材202が左側に倒れている状態に変化すると、振分部材202によって振分装置200内の左側通路203が遮蔽され、遊技球は右側通路204を通過可能となる。
次いで、そのような状態において、図2(C)に示すように、遊技球が流入口201から振分装置200内に流入すると、図2(D)に示すように、流入口201から流入した遊技球は振分部材202によって右側通路204に振り分けられ、右側通路204を通過して右側流出口206から流出する。そして、右側流出口206の下方には普通可変入賞球装置6Bによって形成される第2始動入賞口が位置しているので、右側流出口206から流出した遊技球は、第2始動入賞口に入賞する。振分部材202による振り分け時、振分部材202の回転軸部分に設けられている羽根部202Bに遊技球があたり、遊技球の自重によって羽根部202Bが押されることによって、図2(C)及び図2(D)に示すように、振分部材202が左側に倒れている状態から右側に倒れている状態に変化する。そして、振分部材202が右側に倒れている状態に変化すると、振分部材202によって振分装置200内の右側通路204が遮蔽され、遊技球は左側通路203を通過可能となる。
図2に示すような動作をすることにより、この実施の形態では、振分部材202によって振分装置200に流入した遊技球が左側通路203と右側通路204とに交互に振り分けられ、第1始動入賞口と第2始動入賞口とに交互に入賞可能となる。このため、第1始動入賞口に入賞する遊技球の数と第2始動入賞口に入賞する遊技球の数とは、略同数となる。なお、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片6BAが傾動位置となると、第2始動入賞口に遊技球が進入し易くなる。特に、振分装置200内を通過しない遊技球が、振分装置200の横から第2始動入賞口に入賞し易くなる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球は、例えば図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球は、例えば図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図3に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過し易くする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過した遊技球は、例えば図3に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能又は困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリングが設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手で把持した状態において、所定の操作指で押引操作すること等により所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサと、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサとを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対して成された遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図3に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球が図3に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される始動入賞の発生等により第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球が図3に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される始動入賞の発生等により第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンドを所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」又は「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態とする上限回数が比較的に多い回数となる大当り遊技状態は、長期開放大当り状態ともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態とする上限回数が比較的に少ない回数となる大当り遊技状態は、短期開放大当り状態ともいう。なお、長期開放大当り状態は第1特定遊技状態ともいい、短期開放大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、この実施の形態では、ラウンドの実行回数が「16」となる大当り遊技状態を16R大当り状態ともいう一方、ラウンドの実行回数が「6」となる大当り状態を6R大当り状態ともいう。
大当り図柄となる「3」又は「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は16R大当り図柄となり、「3」の数字を示す特別図柄は6R大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として16R大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が導出された後には、長期開放大当り状態としての16R大当り状態に制御される。一方、特図ゲームにおける確定特別図柄として6R大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が導出された後には、短期開放大当り状態としての6R大当り状態に制御される。
特図ゲームにおける可変表示結果としての確定特別図柄が16R大当り図柄となったことに基づく16R大当り状態では、大入賞口が開放状態となるラウンドの上限回数として比較的に多い「16」が設定されることから、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでに大入賞口が開放状態となる実質的な期間が比較的に長期なものとなる。そのため、16R大当り状態では、大入賞口を多くの遊技球が通過し易い。これに対して、特図ゲームにおける可変表示結果としての確定特別図柄が6R大当り図柄となったことに基づく6R大当り状態では、大入賞口が開放状態となるラウンドの上限回数として比較的に少ない「6」が設定されることから、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでに大入賞口が開放状態となる実質的な期間が比較的に短期なものとなる。そのため、6R大当り状態では、16R大当り状態よりも少ない遊技球しか大入賞口を通過させることができない。こうして、長期開放大当り状態となる16R大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる。一方、短期開放大当り状態となる6R大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる。
大入賞口を第1状態とするラウンドの実行回数に応じて遊技球の通過し易さを異ならせるものに限定されず、例えば大入賞口を第1状態とする期間に応じて遊技球の通過し易さを異ならせるようにしてもよい。一例として、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは第1個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で開放状態に変化させる制御を行う。一方、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉は、第1期間よりも短い第2期間となる所定の上限時間が経過するまでの期間、あるいは第2個数の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で開放状態に変化させる制御を行う。
大当り遊技状態であるときに実行される全部のラウンドにて大入賞口を第1変化態様で変化させる第1大当り状態と、大当り遊技状態であるときに実行される一部のラウンドにて大入賞口を第2変化態様で変化させる第2大当り状態とを設けてもよい。一例として、第1大当り状態と第2大当り状態は、いずれもラウンドの上限回数が「16」であるものの、第1大当り状態では16回のラウンドの全部にて大入賞口を第1変化態様で開放状態に変化させる一方、第2大当り状態では16回のラウンドのうち6回のラウンドにて大入賞口を第1変化態様で開放状態に変化させた後、残り10回のラウンドでは大入賞口を第2変化態様で開放状態に変化させてもよい。このように、第1大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過し易い第1変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われる一方、第2大当り状態であるときには、所定期間にて大入賞口を遊技球が通過し難い第2変化態様で、第1状態と第2状態とに変化させる制御が行われてもよい。
例えば16R大当り状態における遊技のように、多数の遊技球が大入賞口を通過し易い遊技状態における遊技は、6R大当り状態における所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利状態となる。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態として6R大当り状態と16R大当り状態のいずれに制御されるかに応じて、所定遊技と、所定遊技よりも遊技者にとって有利な有利遊技とを実行可能である。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示状態、あるいは全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部では予め定められた大当り組み合わせを構成する飾り図柄が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリアでは飾り図柄が変動している表示状態、あるいは「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作のいずれか、あるいはこれらの一部又は全部の組み合わせといった演出動作を、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
この実施の形態では、一例として、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、飾り図柄の可変表示態様等により遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されること等に対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出、あるいは「滑り」や「擬似連」等の可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、所定の大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が同一である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
確定特別図柄として導出される特別図柄が16R大当り図柄と6R大当り図柄のいずれであるかに応じて、大当り組み合わせとして停止表示される飾り図柄を異ならせてもよい。一例として、16R大当り図柄が確定特別図柄として導出される場合には、「1」〜「8」の飾り図柄の全部を対象として、大当り組み合わせで停止表示する飾り図柄が選択される一方、6R大当り図柄が確定特別図柄として導出される場合には、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄を対象として、大当り組み合わせで停止表示する飾り図柄が選択されてもよい。この場合、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」の飾り図柄のいずれかが大当り組み合わせで停止表示されることにより、16R大当り状態となることが確定的に報知される。一方、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の飾り図柄のいずれかが大当り組み合わせで停止表示されたときには、16R大当り状態となるか6R大当り状態となるかを遊技者が認識不可能又は認識困難となる。
特図ゲームにおける確定特別図柄が6R大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、大当り組み合わせの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「第1大当り」の可変表示態様と称される。一方、特図ゲームにおける確定特別図柄が16R大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいはリーチ演出が実行されずに、大当り組み合わせの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、「第2大当り」の可変表示態様と称される。
この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、確変制御が行われる確変状態に制御される。確変制御が行われることにより、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態と同一の制御が行われる。
大当り遊技状態が終了した後には、確変制御と共に、あるいは確変制御とは別個に、時短制御が行われてもよい。時短制御が行われることにより、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動時間が短縮される。時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過し易くして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口を遊技球が通過し易くして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御と称される。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立し易くなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいう。時短制御と高開放制御は、それらの開始と終了が同時に行われる一方で、確変制御の開始と終了は、時短制御や高開放制御の開始や終了とは連動しなくてよい。
確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。但し、可変表示結果が再び「大当り」となった場合には、大当り遊技状態の終了後、更に確変制御が行われる確変状態となればよい。時短制御は、確変制御と共に終了してもよい。あるいは、確変制御が終了するより前、もしくは確変制御が終了した後を含めて、所定回数の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が再び「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、時短制御を終了してもよい。
確変制御と共に時短制御が行われる確変状態は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて時短制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。更に、確変制御が行われずに時短制御のみが行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御と時短制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。このように、確変状態のうちには、確変制御と共に時短制御が行われる高確高ベース状態の他に、確変制御のみが行われて時短制御が行われない高確低ベース状態が含まれていてもよい。
確変状態や時短状態において確変制御や時短制御及び高開放制御が行われるときには、各特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる確率が通常よりも高くなることや、各特図ゲームにおける特図変動時間が短縮されると共に第2開始条件が成立し易くなることにより、通常状態に比べて大当り遊技状態となり易くなる。こうした通常状態に比べて大当り遊技状態となり易く遊技者にとって有利な遊技状態は、特定遊技状態としての大当り遊技状態とは異なる「特別遊技状態」と称される。なお、確変状態は第1特別遊技状態ともいう一方、時短状態は第2特別遊技状態ともいう。また、時短制御に伴い高開放制御が行われる確変状態や時短状態は、遊技球が第2始動入賞口を通過し易い有利変化態様で普通可変入賞球装置6Bの可動部材が通常開放状態と拡大開放状態とに変化する「有利状態」ということもあれば、「高ベース状態」ということもある。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111等が搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び保留表示ランプ9Hといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9、保留表示ランプ9H等における点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9、保留表示ランプ9H等における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるもの等のように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される主な制御コマンドについて図4を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特別図柄の可変表示を開始することを指定する演出制御コマンドである。コマンド8002(H)は、第2特別図の可変表示を開始することを指定する演出制御コマンドである。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1変動開始指定コマンド又は第2変動開始指定コマンドは、変動パターン指定コマンド等と共に、変動パターンの設定のために実行される処理にて送信設定される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。この実施の形態では、変動パターンそれぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定のために実行される処理にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否か、及び大当り種別を指定する演出制御コマンドである。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される。また、表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンド等と共に、変動パターンの設定のために実行される処理にて送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示を終了して表示結果を導出表示することを指定する演出制御コマンドである。図柄確定指定コマンドは、特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンドである。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が低確高ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更が行われ得る処理の実行時に送信設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンドである。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、大当り遊技状態が開始されるときに送信設定される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了を指定する当り演出制御コマンドである。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、最後のラウンド遊技が終了したときに送信設定される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技球が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンドである。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技球が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンドである。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。また、これらコマンドは、始動入賞判定処理にて送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンドである。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンドである。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得る処理にて送信設定される。
コマンドC4XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち表示結果を指定する演出制御コマンドである。コマンドC6XX(H)は、始動入賞時の判定結果のうち変動カテゴリを指定する演出制御コマンドである。第1始動入賞又は第2始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜3が抽出される。この実施の形態では、当該抽出された乱数値MR1〜3に対応する可変表示について、当該可変表示の開始条件の成立前に、この抽出された乱数値MR1〜3に基づいて、当該可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否か、大当り種別、及び当該可変表示の変動カテゴリが判定される。始動入賞時の判定は、この判定のことをいい、当該判定は、入賞時乱数値判定処理にて行われる。表示結果についての判定結果には、一意の番号が振られ、その番号が図柄指定コマンド中の「XX」に設定される。変動カテゴリについての判定結果には、一意の番号が振られ、その番号が変動カテゴリ指定コマンド中の「XX」に設定される。これらコマンドは、始動入賞判定処理にて送信設定される。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータ等が、記憶されている。
図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図3に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線等が接続されている。更に、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124等により、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図3に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータ等が記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出等における演出表示動作、あるいは飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTCのレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間毎にCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR3といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する。特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定等を可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12等のサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすること等により、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する。図5は、始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されている等して第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;YES)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた第1特図保留記憶数カウンタの格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;NO)、RAM102の所定領域に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;NO)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;YES)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されている等して第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;YES)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えばRAM102の所定領域に設けられた第2特図保留記憶数カウンタの格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;NO)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり、(ステップS204;NO)、第2特図保留記憶数が上限値であったりした場合には(ステップS205;YES)、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、RAM102の所定領域に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される(図6参照)。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄等の可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「0」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「第1大当り」、「第2大当り」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「0」〜「99」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「0」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。このとき、始動口バッファ値も、始動口データとして、保留データに対応付けられて特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされる。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、当該バッファ値を始動口データとして保留データと共に対応付けて、図7に示すような特図保留記憶部にセットする。例えば、始動口バッファ値が「2」であるときには、当該バッファ値を始動口データとして保留データと共に対応付けて、図7に示すような特図保留記憶部にセットする。なお、このとき、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせるようにしてもよい。なお、CPU103は、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせるようにしてもよい。
図7に示す特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲームの保留データと、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲームの保留データと、を入賞順に記憶する。一例として、特図保留記憶部は、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への入賞順に保留番号と対応付けて、その遊技球の進入による第1始動条件又は第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして記憶する。保留データは、第1始動入賞口への入賞と第2始動入賞口への入賞とのそれぞれについて、最大4つまで記憶される。こうして特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図又は第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様となるか否か等を判定可能にする保留記憶情報となる。また、特図保留記憶部には、上述のように、各保留データが第1始動条件と第2始動条件とのうちのいずれの条件成立に基づいて抽出されたものであるかを示す始動口データが各保留データに対応付けて記憶される。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。入賞時乱数値判定処理は、所謂、先読みのための処理である。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理により、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定等が行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、今回の始動入賞によって実行される特図ゲームの特図表示結果が「大当り」となるか否かの判定や、今回の始動入賞によって実行される飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様となるか否かの判定等を行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様等となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120等により、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図8(A)は、入賞時乱数値判定処理の一例を示すフローチャートである。入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグが共にオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された複数の特図表示結果決定テーブルのうちから、始動口バッファ値や現在の遊技状態に対応して用意されたテーブルを選択して使用テーブルにセットする(ステップS402)。特図表示結果決定テーブルは、始動入賞が第1始動入賞と第2始動入賞とのいずれであるか、遊技状態が確変状態であるか等に応じて複数用意されている。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
例えば、特図表示結果決定テーブルとして、第1始動入賞及び非確変状態に対応する第1特図表示結果決定テーブル、第1始動入賞及び確変状態に対応する第1特図表示結果決定テーブル、第2始動入賞及び非確変状態に対応する第2特図表示結果決定テーブル、第2始動入賞及び確変状態に対応する第2特図表示結果決定テーブルが用意されている。CPU103は、これらテーブルのうち、始動口バッファ値や現在の遊技状態に対応したテーブルをROM101からRAM102に読み出す等して当該テーブルを使用テーブルにセットする。なお、始動口バッファ値が「1」であれば、当該始動入賞は第1始動入賞であり、始動口バッファ値が「2」であれば、当該始動入賞は第2始動入賞である。
その後、図5のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理でセットされた使用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲内に含まれる決定値の最小値と最大値とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定することにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;NO)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS405)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;YES)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された大当り種別決定テーブルを参照する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値が、大当り種別を「第1大当り」と「第2大当り」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられている大当り種別を今回の判定結果とする。こうしたステップS409の処理により判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S410の処理をいずれかを実行した後には、当該始動入賞によって実行される可変表示の変動パターンの変動カテゴリの判定を行う(ステップS412)。
CPU103は、ステップS412において、ステップS403にて乱数値MR1が大当り判定範囲内であると判定していた場合には、変動カテゴリを「大当り」のカテゴリと判定する。
一方、ステップS403にて乱数値MR1が大当り判定範囲外であると判定していた場合、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ROM101の所定領域に記憶されて用意されたハズレ変動パターン決定テーブルと、を用いて乱数値MR3に応じた変動カテゴリを判定する。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、例えば、遊技状態が時短状態であるか非時短状態であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、乱数値MR3に基づいて、ステップS401で特定した遊技状態が時短状態であるか否かに応じて当該乱数値MR3に合致する決定値に割り当てられている変動パターンを選択する。各変動パターンは、いずれかの変動カテゴリに属しており、今回の判定結果の変動カテゴリが「非リーチハズレ」のカテゴリであるか、「リーチハズレ」のカテゴリであるかを判定する。
ステップS412の後、CPU103は、上記判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS413)。上記判定結果が「大当り」の変動カテゴリだった場合には、変動カテゴリ指定コマンドとしてコマンドC611(H)の送信設定を行う(図9(B)参照)。また、上記判定結果が「非リーチハズレ」の変動カテゴリだった場合には、変動カテゴリ指定コマンドとしてコマンドC600(H)の送信設定を行う(図9(B)参照)。また、上記判定結果が「リーチハズレ」の変動カテゴリだった場合には、変動カテゴリ指定コマンドとしてコマンドC610(H)の送信設定を行う(図9(B)参照)。
ステップS413の後、CPU103は、始動口入賞指定コマンド及び特図保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う(ステップS414)。具体的には、始動口バッファ値が「1」のときは、第1始動口入賞指定コマンド及び第1特図保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、第2始動口入賞指定コマンド及び第2特図保留記憶数指定コマンドの送信設定を行う。送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンドとし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。ステップS414の後、入賞時乱数値判定処理を終了する。
上記一連の処理が実行された後、コマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド、特図保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドという4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込み内に一括して伝送される。なお、1タイマ割込み内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込み毎のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図5に戻り、ステップS211の後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、特別図柄変動処理、特別図柄停止処理、大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理のいずれかを選択して実行する。
特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無等に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「第1大当り」、「第2大当り」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図9は、特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。特図保留記憶数は、特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値及び第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値がいずれも「0」であるか否かを判定すればよい。なお、合計保留記憶数カウント値を読み出し、当該カウント値が「0」であるか否かを判定することで、特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定してもよい。
特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;NO)、例えば特図保留記憶部の先頭領域といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、乱数値MR1〜MR3を示す数値データ、及びこれに対応付けられた始動口データを読み出す(ステップS232)。これにより、図5のステップS209の処理で第1始動入賞又は第2始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データ及び始動口データは、例えば変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、ステップS232で読み出した始動口データに応じて、RAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」又は「2」に設定する(ステップS233)。これによって、これから開始される特図ゲームが第1特図のものであるか第2特図のものであるかが設定される。
ステップS233の後、CPU103は、変動特図指定バッファ値が「1」の場合には、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS234)。CPU103は、変動特図指定バッファ値が「2」の場合には、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新すると共に、特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS234)。例えば、特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域に記憶された保留データ及び始動口データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS234の処理では、合計保留記憶数を1減算する。
ステップS234の処理を実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS235)。一例として、ステップS235の処理では、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、乱数値MR1を示す数値データに基づいて、使用パターンとしてセットした特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。
確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば大当り終了処理により、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたこと等に基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になり易く、大当り遊技状態になり易い。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS235の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS236)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS236;YES)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS237)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS238)。一例として、ステップS238の処理では、予めROM101の所定領域に記憶する等して用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値が、大当り種別を「第1大当り」と「第2大当り」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS238の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS239)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別バッファ設定値を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS236;NO)、ステップS239の後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS240)。一例として、ステップS236にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS236にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS238における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS240の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS241)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS241にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、変動パターン設定処理が実行される。
ステップS231にて特図保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;YES)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS242)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示を指定する演出制御コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理等が含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
特別図柄通常処理や変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や、特別図柄及び飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。即ち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄変動を開始してからの経過時間を計測する処理等が含まれている。例えば、特別図柄変動処理が実行される毎に、RAM102の所定領域に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定等が行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。このときには、例えば大当り種別が「第1大当り」又は「第2大当り」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「第1大当り」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定すると共に、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「6回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「第2大当り」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定すると共に、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「16回」に設定することにより、長期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数等に基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理等を実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理等が含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理等が含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図10は、大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算すること等により更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;NO)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;YES)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS322)。例えば、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする。そして、確変制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値を、RAM102の所定領域に設けられた確変回数カウンタに設定する。
ステップS322の処理に続いて、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS323)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットする。そして、時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値を、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタに設定する。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS324)、大当り終了処理の実行を終了する。
こうした大当り終了処理により確変制御を開始するための設定が行われた後、第1開始条件又は第2開始条件の成立に基づき特図ゲームの実行が開始されるときには、図9に示すステップS235の処理にて、確変制御ありに応じた割合で特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かが決定される。そして、確変制御が行われる確変状態であるときには、確変制御が行われない通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。このように、確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも大当り遊技状態に制御すると決定され易い。
大当り終了処理により時短制御を開始するための設定が行われた場合、時短制御が行われる時短状態であるときには、時短制御が行われない通常状態であるときよりも、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短い変動パターンに決定され易くなる。
また、大当り終了処理により時短制御を開始するための設定が行われた後、普通図柄プロセス処理では、高開放制御を行うための処理が実行される。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始すると判定されたときには、普図表示結果決定用の乱数値を示す数値データ等に基づき、所定の普図表示結果決定テーブルを参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブルでは、時短フラグがオンに対応して高開放制御が行われる場合に、高開放制御が行われない場合よりも普図表示結果を「普図当り」とする決定が成される割合が高くなるように決定値が普図表示結果に割り当てられている。これにより、時短状態において高開放制御が行われる有利状態では、通常状態に比べて特図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となり易くなることで、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過し易くなる。
普図プロセス処理では、普図表示結果に対応する普図変動時間の決定も行われる。このとき、時短フラグがオンに対応して高開放制御が行われる場合には、高開放制御が行われない場合よりも普通図柄の可変表示時間が短くなるように設定される。これにより、時短状態において高開放制御が行われる有利状態では、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口が拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過し易くなる。
普図プロセス処理では、普図表示結果を「普図当り」とする場合に、第2始動入賞口を拡大開放状態とする時間である傾動制御時間や拡大開放状態とする回数である傾動制御回数を設定する。このとき、時短フラグがオンに対応して高開放制御が行われる場合には、高開放制御が行われない場合よりも傾動制御時間や傾動制御回数が増加するように設定される。これにより、時短状態において高開放制御が行われる有利状態では、第2始動入賞口が拡大開放状態となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口を通過し易くなる。
特別図柄停止処理では、特図表示結果が「大当り」となる場合に対応して、確変制御や時短制御を終了するための設定が行われる。例えば、RAM102の所定領域に設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、RAM102の所定領域に設けられた確変回数カウンタや時短回数カウンタをクリアする処理等が実行されればよい。
特別図柄停止処理では、特図表示結果が「ハズレ」となる場合に対応して、時短状態における時短制御や高開放制御を終了させるか否かの判定と、確変状態における確変制御を終了させるか否かの判定とが行われる。例えば、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するように更新して、減算後のカウント値が「0」となったか否かを判定する。そして、確変回数カウント値が「0」となったときには、確変制御を終了させると判断して、確変フラグをクリアする。なお、時短回数カウント値や確変回数カウント値を更新するタイミングは、特図ゲームの終了に対応して特別図柄終了処理が実行されるタイミングに限定されず、例えば特図保留記憶数が「0」以外であると判定されたことにもとづいて特図ゲームの実行が開始されるタイミングであってもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図11のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図11に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122の所定領域に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目と2バイト目を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9、保留表示ランプ9H及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122の所定領域に設けられたランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図12は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から始動入賞時コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS681)。始動入賞時コマンドを受信したときには(ステップS681;YES)、RAM122に設けられた始動入賞時コマンドバッファに受信コマンドを格納する(ステップS682)。
図13は、始動入賞時コマンドバッファの構成例である。ステップS682では、始動入賞時コマンドバッファの空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1又は第2始動口入賞指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンドを順番に記憶させる。始動入賞時コマンドバッファには、始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンドを対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「8」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
なお、図13において、図柄指定コマンドの「C400(H)」は、可変表示結果の判定結果が「ハズレ」であることを示し、「C402(H)」は、可変表示結果の判定結果が「第2大当り」であることを示しているものとする。変動カテゴリコマンド「C600(H)」は、変動カテゴリが「非リーチハズレ」であることを示し、「C610(H)」は、変動カテゴリが「大当り」であることを示す。特図保留記憶数指定コマンドの「C102(H)」〜「C104(H)」は、第1特図保留記憶数が始動入賞時において「2つ」〜「4つ」であることをそれぞれ示す。特図保留記憶数指定コマンドの「C202(H)」〜「C204(H)」は、第2特図保留記憶数が始動入賞時において「2つ」〜「4つ」であることをそれぞれ示す。なお、図13において、保留番号「5」と「7」で第2特図保留記憶数が同じになっているが、これは、保留番号「5」の始動入賞があった後に、第2特図ゲームが実行され、その実行中等に第2始動入賞があったことを示す。
なお、始動入賞時コマンドバッファに格納された始動入賞時コマンドは、保留表示ランプ9Hと一対一で対応する。具体的には、保留表示番号と保留表示ランプ9Hの点灯位置とが対応しており、これによって、始動入賞時コマンドは、保留表示ランプ9Hと一対一で対応する。
例えば、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」は、左から1番目の保留表示ランプ9Hに対応し、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「2」は、左から2番目の保留表示ランプ9Hに対応し、・・・始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「8」は、左から8番目の保留表示ランプ9Hに対応する。
例えば、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」に始動入賞時コマンドが格納されると、左から4番目の保留表示ランプ9Hが点灯する。このとき、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「3」にも始動入賞時コマンドが格納されている筈なので、左から1番目〜3番目の保留表示ランプ9Hも既に点灯している。
保留表示番号に対応付けて格納される始動入賞時コマンドは、始動入賞時における乱数値の抽出に対応して送信されるものであり、抽出された乱数値のデータは図7の特図保留記憶部に保留番号に対応して保留データとして格納されるものである。また、保留データと同様に、可変表示が実行される毎に保留表示番号「1」の始動入賞時コマンドは消去され、下位の保留表示番号「2」〜「8」の始動入賞時コマンドは、1つずつ上位にシフトされる。つまり、保留番号と保留表示番号とは、同じ番号同士が対応しており、同じ番号の保留番号と保留表示番号とにそれぞれ対応して格納された保留データと始動入賞時コマンドとは互いに対応する。つまり、始動入賞時コマンドは、当該コマンドに対応する保留表示番号と同じ保留番号の保留データに基づいて実行される可変表示に対応する。更に、保留表示ランプ9Hも、保留表示番号に対応した位置の保留表示ランプ9Hが点灯するので、同じ保留番号及び保留表示番号にそれぞれ対応する保留データ及び始動入賞時コマンドと、当該保留表示番号に対応する位置の保留表示ランプ9Hとは、互いに対応して、同じ可変表示に対応する。保留表示ランプ9Hは、対応する保留データに基づいて実行される可変表示を表すものとなる。
図12に戻り、ステップ682の後、又は始動入賞時コマンドを受信していないときには(ステップS681;NO)、演出制御用CPU120は、その他の演出制御コマンドについて解析処理を行い(ステップS683)、コマンド解析処理を終了する。
図14は、各演出制御コマンドについてコマンド解析処理にて行われる処理の表を示す図である。処理内容中、S682は、上述したステップS682で処理が行われることを示す。他の処理内容は、例えば、ステップS683で行われる処理である。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。なお、受信フラグや格納領域に格納されるコマンド等は、適宜のタイミングでクリアされてもよい。
演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信しているときには、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合、高確フラグをオフ状態とし、高ベースフラグをオン状態にする。
次に演出制御プロセス処理を説明する。図15は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、先読み演出設定処理を実行した後(ステップS161)、RAM122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
まず、先読み演出設定処理を説明する。図16は、先読み演出設定処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態の先読み演出設定処理は、大当り遊技状態中に、始動入賞時コマンドバッファに格納される始動入賞時コマンドとして、可変表示結果の判定結果が「第1大当り」又は「第2大当り」であることを示す図柄指定コマンドが格納されている場合に、保留表示ランプ9Hを通常態様の白色の点灯とは異なる態様で点灯させる先読み演出を実行するための設定を行う処理である。以下の説明では、始動入賞時コマンドバッファに格納される始動入賞時コマンドのうち、可変表示結果の判定結果が「第1大当り」又は「第2大当り」であることを示す図柄指定コマンドを含む始動入賞時コマンドを、大当り保留と称する。
この実施の形態の先読み演出には、所定報知と特定報知とが含まれる。所定報知は、1個又は2個といった所定数の大当り保留がある場合に実行される報知である。所定報知が実行されることにより、所定数の大当り保留があることを、遊技者に認識させることができる。この実施の形態では、大当り遊技中に、新たな大当り保留が発生したことにより大当り保留の数が所定数に達したことに応じて、所定報知として、新たに発生した大当り保留を対象にして、当該大当り保留の保留表示番号に対応した位置の保留表示ランプ9Hを赤色点灯時間となる所定時間が経過するまで赤色に点灯させる。なお、赤色点灯時間は、保留表示ランプ9Hが赤色に点灯したことを遊技者が認識し得る程度の時間であればよく、例えば0.5秒間程度の時間であればよい。即ち、換言すれば、この実施の形態では、所定報知として、保留表示ランプ9Hを赤色に点滅させる。
特定報知は、3個以上といった所定数よりも多い特定数の大当り保留がある場合に実行される報知である。特定報知が実行されることにより、特定数の大当り保留があることを、遊技者に認識させることができる。この実施の形態では、大当り遊技中に、新たな大当り保留が発生したことにより大当り保留の数が特定数に達したことに応じて、特定報知として、全ての大当り保留を対象にして、当該大当り保留の保留表示番号に対応した位置の保留表示ランプ9Hをレインボーに点灯させる。
例えば、始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号に対応付けて先読み演出フラグを格納しておき、演出制御用CPU120は、所定報知の実行に伴い、所定報知の対象となった大当り保留に対応する先読み演出フラグの値を“1”に更新し、所定報知の終了に伴い、所定報知の対象となった大当り保留に対応する先読み演出フラグの値を“0”に更新すればよい。同様に、演出制御用CPU120は、特定報知の実行に伴い、特定報知の対象となった大当り保留に対応する先読み演出フラグの値を“2”に更新すればよい。このようにして、演出制御用CPU120は、先読み演出フラグの値を参照することにより、所定報知や特定報知の実行中であるか否かを判定することができる。なお、この実施の形態では、特定報知が実行された場合、特定報知の対象となった大当り保留が消化されるまで、即ち、大当り保留に基づいて可変表示が実行されるまで、特定報知を継続して実行するようにしているため、特定報知の終了に伴い、特定報知の対象となった大当り保留に対応する先読み演出フラグの値を“0”に更新するようにはしていない。
先読み演出設定処理では、演出制御用CPU120は、まず、赤色に点灯している保留表示ランプ9Hがあるか否かを判定する(ステップS371)。換言すれば、演出制御用CPU120は、所定報知の実行中であるか否かを判定する。ステップS371では、例えば、始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をチェックし、先読み演出フラグの値が“1”の大当り保留が記憶されている場合に、「赤色に点灯している保留表示ランプ9Hがある」と判定すればよい。
ステップS371にて赤色に点灯している保留表示ランプ9Hがない場合(ステップS371;NO)、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をチェックし、始動入賞時コマンドが始動入賞時コマンドバッファに新たに格納されているか否かを判定する(ステップS372)。
ステップS372にて始動入賞時コマンドが始動入賞時コマンドバッファに新たに格納されていない場合(ステップS372;NO)、先読み変化演出を実行することはないので、演出制御用CPU120は、本処理を終了する。
ステップS372にて始動入賞時コマンドが始動入賞時コマンドバッファに新たに格納されている場合(ステップS372;YES)、演出制御用CPU120は、演出モードがアクティブモードであるか否かを判定する(ステップS373)。ここで、この実施の形態では、演出モードが、先読み演出をはじめとする各種演出が実行されるアクティブモードと、先読み演出をはじめとする一切の演出が実行されないように制御されるシンプルモードとのいずれかに、遊技者による選択等により更新される。例えば、演出制御用CPU120は、演出モードがアクティブモードに変更されたことに伴い、RAM122の所定領域に設けられた演出モードフラグの値を“1”に更新し、演出モードがシンプルモードに変更されたことに伴い、演出モードフラグの値を“2”に更新すればよい。このようにして、演出制御用CPU120は、演出モードフラグの値を参照することにより、いずれの演出モードに設定されているかを判定することができる。ステップS373の処理では、例えば、演出モードフラグの値が“1”である場合に、「演出モードがアクティブモードである」と判定すればよい。
ステップS373にて演出モードがアクティブモードではなくシンプルモードである場合(ステップS373;NO)、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された始動入賞時コマンドの保留表示番号に対応した位置の保留表示ランプ9Hを白色に点灯させて(ステップS374)、先読み演出設定処理を終了する。
このように、遊技者による選択等により演出モードがシンプルモードである場合、始動入賞時コマンドバッファに新たな始動入賞時コマンドが格納されても、後述するステップS375、S376、S378のいずれの処理も実行されることはなく、特定報知や所定報知の先読み演出は実行されない。即ち、演出モードがシンプルモードである場合、大当り遊技中であったとしても、特定報知や所定報知の先読み演出は実行されない。また、演出モードがシンプルモードである場合、始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された始動入賞時コマンドが大当り保留であったとしても、特定報知や所定報知の先読み演出は実行されない。また、演出モードがシンプルモードである場合、新たな大当り保留が発生したことにより大当り保留の数が特定数に達したとしても、特定報知の先読み演出は実行されない。
ステップS373にて演出モードがアクティブモードである場合(ステップS373;YES)、演出制御用CPU120は、現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを判定する(ステップS375)。ステップS375の処理では、例えば、大当り遊技状態にてファンファーレ演出を含む大当り中演出処理、又はエンディング演出処理が実行されていることに対応して、演出プロセスフラグの値が“4”又は“5”である場合に、「大当り遊技状態である」と判定すればよい。
ステップS375にて現在の遊技状態が大当り遊技状態でない場合(ステップS375;NO)、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された始動入賞時コマンドの保留表示番号に対応した位置の保留表示ランプ9Hを白色に点灯させて(ステップS374)、先読み演出設定処理を終了する。
このように、現在の遊技状態が大当り遊技状態でない場合、始動入賞時コマンドバッファに新たな始動入賞時コマンドが格納され、演出モードがアクティブモードであっても、後述するステップS376、S377、S378のいずれの処理も実行されることはなく、特定報知や所定報知の先読み演出は実行されない。即ち、現在の遊技状態が大当り遊技状態でない場合、始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された始動入賞時コマンドが大当り保留であったとしても、特定報知や所定報知の先読み演出は実行されない。また、現在の遊技状態が大当り遊技状態でない場合、特定報知の先読み演出を実行中であったとしても、新たな大当り保留を対象にした特定報知の先読み演出は実行されない。また、現在の遊技状態が大当り遊技状態でない場合、新たな大当り保留が発生したことにより大当り保留の数が特定数に達したとしても、特定報知の先読み演出は実行されない。
ステップS375にて現在の遊技状態が大当り遊技状態である場合(ステップS375;YES)、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された始動入賞時コマンドが大当り保留であるか否かを判定する(ステップS376)。ステップS376の処理では、例えば、始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された始動入賞時コマンドに含まれる図柄指定コマンドが「第1大当り」又は「第2大当り」を示している場合に、「始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された始動入賞時コマンドが大当り保留である」と判定すればよい。
ステップS376にて始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された始動入賞時コマンドが大当り保留でない場合(ステップS376;NO)、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された始動入賞時コマンドの保留表示番号に対応した位置の保留表示ランプ9Hを白色に点灯させて(ステップS374)、先読み演出設定処理を終了する。
このように、始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された始動入賞時コマンドが大当り保留でない場合、始動入賞時コマンドバッファに新たな始動入賞時コマンドが格納され、演出モードがアクティブモードであり、現在の遊技状態が大当り遊技状態であっても、特定報知や所定報知の先読み演出は実行されない。
ステップS376にて始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された始動入賞時コマンドが大当り保留である場合(ステップS376;YES)、演出制御用CPU120は、レインボーに点灯している保留表示ランプ9Hがあるか否かを判定する(ステップS377)。換言すれば、演出制御用CPU120は、特定報知の実行中であるか否かを判定する。ステップS377では、例えば、始動入賞時コマンドバッファの記憶内容をチェックし、先読み演出フラグの値が“2”の大当り保留が記憶されている場合に、「レインボーに点灯している保留表示ランプ9Hがある」と判定すればよい。
ステップS377にてレインボーに点灯している保留表示ランプ9Hがない場合(ステップS377;NO)、演出制御用CPU120は、3個以上の大当り保留があるか否かを判定する(ステップS378)。
ステップS378にて3個以上の大当り保留がない場合(ステップS378;NO)、演出制御用CPU120は、新たな大当り保留の保留表示番号に対応した位置の保留表示ランプ9Hを赤色に点灯させることにより、所定報知の実行を開始し(ステップS379)、先読み演出設定処理を終了する。ステップS379の処理では、例えば、保留表示ランプ9Hを赤色に点灯させるときに、この保留表示ランプ9Hを赤色に点灯させる赤色点灯時間に対応して予め定められたタイマ初期値がランプ制御タイマにセットされる。
このように保留表示ランプ9Hが赤色に点灯し、ステップS371にて赤色に点灯している保留表示ランプ9Hがある場合(ステップS371;YES)、演出制御用CPU120は、赤色点灯時間となる所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS380)。ステップS380の処理では、例えば、ランプ制御タイマ値を1減算すること等により更新し、更新後のランプ制御タイマ値が所定の赤色点灯時間経過判定値と合致したか否かに応じて、赤色点灯時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS380にて赤色点灯時間が経過していない場合(ステップS380;NO)、演出制御用CPU120は、上述したステップS372の処理を実行する。
ステップS380にて赤色点灯時間が経過した場合(ステップS380;YES)、演出制御用CPU120は、赤色に点灯している保留表示ランプ9Hを白色に点灯させ、所定報知の実行を終了する(ステップS381)。ステップS381の後、演出制御用CPU120は、上述したステップS372の処理を実行する。
一方、ステップS378にて3個以上の大当り保留がある場合(ステップS378;YES)、演出制御用CPU120は、白色に点灯している保留表示ランプ9Hのうち、大当り保留の保留表示番号に対応した位置の保留表示ランプ9Hをレインボーに点灯させると共に(ステップS382)、新たな大当り保留の保留表示番号に対応した位置の保留表示ランプ9Hをレインボーに点灯させることにより、特定報知を実行し(ステップS383)、先読み演出設定処理を終了する。
また、ステップS377にてレインボーに点灯している保留表示ランプ9Hがある場合にも(ステップS377;YES)、演出制御用CPU120は、白色に点灯している保留表示ランプ9Hのうち、大当り保留の保留表示番号に対応した位置の保留表示ランプ9Hをレインボーに点灯させると共に(ステップS382)、新たな大当り保留の保留表示番号に対応した位置の保留表示ランプ9Hをレインボーに点灯させることにより、特定報知を実行し(ステップS383)、先読み演出設定処理を終了する。
ここで、例えば、1個又は2個の大当り保留に対応する可変表示に基づいて、1回又は2回の「第1大当り(6ラウンド)」の大当り遊技状態に制御された場合、1回の「第2大当り(16ラウンド)」の大当り遊技状態に制御される場合と比較しても、十分な遊技価値を得られない。一方、3個の大当り保留に対応する可変表示に基づいて、3回の大当り遊技状態に制御される場合には、たとえ全ての大当り遊技状態が「第1大当り(6R)」であったとしても、1回の「第2大当り(16ラウンド)」の大当り遊技状態に制御される場合と比較して、十分な遊技価値を得られる。
そこで、この実施の形態では、上述したように、大当り中に、大当り保留の数が3個未満である場合には特定報知を実行せず、大当り保留の数が3個以上である場合に特定報知を実行するので、特定報知が実行されることにより、十分な遊技価値を得られることへの期待感を高めることができる。
また、この実施の形態では、上述したように、大当り中に、3個未満の大当り保留があるときに、新たな大当り保留が更に記憶されたことにより、大当り保留の数が3個以上になったことに応じて、特定報知を実行するので、特定報知が実行されることにより、遊技者に昂揚感を与えることができる。
また、この実施の形態では、上述したように、大当り中に、大当り保留の数が3個未満である場合、所定報知を実行するので、大当り保留の数が3個未満である場合にも興趣を低下させないようにすることができる。
また、この実施の形態では、上述したように、保留表示ランプ9Hをレインボーに点灯させることにより特定報知を実行するのに対し、保留表示ランプ9Hを赤色に点滅させることにより所定報知を実行するといった、特定報知よりも控え目に所定報知を実行するので、特定報知を際立たせることができる。
また、ステップS377にてレインボーに点灯している保留表示ランプ9Hがある状況としては、現在の大当り遊技状態にて既に特定報知が実行されているときに新たな大当り保留が更に記憶された場合と、前回の大当り遊技状態にて実行された特定報知が継続している場合とが考えられる。即ち、この実施の形態では、大当り中に、その大当りとなるよりも前に特定報知の対象となった大当り保留が消化されていない場合、大当り中に新たな大当り保留が記憶されたことに応じて、未だ特定報知の対象となっていない大当り保留を対象とした特定報知を実行するので、興趣を向上させることができる。
また、ステップS378にて3個以上の大当り保留がある状況としては、大当り中に新たな大当り保留が記憶されたことによって大当り保留の数が3個になった場合と、大当り遊技状態に制御される前から3個以上の大当り保留の数があったところ、大当り中に新たな大当り保留が更に記憶された場合とが考えられる。即ち、この実施の形態では、大当り中に、3個以上の大当り保留が記憶されているにかかわらず、その大当り保留を対象とした特定報知が実行されていない場合、大当り中に新たな大当り保留が記憶されたことに応じて、新たな大当り保留と、未だ特定報知の対象となっていない大当り保留とを対象とした特定報知を実行するので、興趣を向上させることができる。
図15に戻り、次にステップS170〜S175の処理を説明する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンド等を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理等を含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したときに、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図17は、可変表示開始待ち処理として、図15のステップS170にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば第1変動開始指定コマンドや第2変動開始指定コマンドといった、変動開始指定コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップS181)。変動開始指定コマンドの受信があるか否かは、コマンド解析処理にて第1変動開始指定コマンド又は第2変動開始指定コマンドを受信したと判定されたことを示す所定フラグがオンであるか否かに対応して、判定できればよい。第1変動開始フラグや第2変動開始フラグは、例えばRAM122の所定領域等に予め設けられていればよい。
変動開始指定コマンドの受信がない場合には(ステップS181;NO)、演出カスタマイズ中であるか否かを判定する(ステップS182)。この実施の形態のパチンコ遊技機1は、一部の演出の態様を遊技者が自由に設定することができる演出カスタマイズ機能を備えている。演出カスタマイズ中であるか否かは、演出カスタマイズ中であることを示す演出カスタマイズ中フラグがオンであるか否かに対応して、判定できればよい。演出カスタマイズ中フラグは、例えばRAM122の所定領域に予め設けられて、画像表示装置5の画面上にて所定の演出カスタマイズ機能のメインメニュー画面が表示されるときにオン状態にセットされる。一方、演出カスタマイズ機能が終了されるときには、演出カスタマイズ中フラグがクリアされてオフ状態となる。また、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄の可変表示が開始されるときにも、演出カスタマイズ中フラグがクリアされてオフ状態となればよい。
演出カスタマイズ中でない場合には(ステップS182;NO)、演出カスタマイズ機能を実行するための指示入力があるか否かを判定する(ステップS183)。例えば、演出制御用CPU120は、プッシュセンサ35Bから伝送された操作検出信号に基づいて、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為が検出されたときに、演出カスタマイズ機能を実行するための指示入力があると判定すればよい。
このような指示入力がない場合には(ステップS183;NO)、デモ表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS184)。デモ表示中フラグは、例えばRAM122の所定領域に予め設けられて、画像表示装置5の画面上にて所定のデモ表示を行うことによるデモ表示演出が実行されるときに、後述するステップS191の処理にてオン状態にセットされる。一方、飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述するステップS193の処理にてデモ表示中フラグがクリアされてオフ状態となればよい。
ステップS184にてデモ表示中フラグがオフである場合には(ステップS184;NO)、デモ表示開始待ちフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS185)。デモ表示開始待ちフラグは、例えばRAM122の所定領域に予め設けられて、飾り図柄の可変表示が終了したとき等に、後述するステップS187の処理にてオン状態にセットされる。一方、デモ表示演出が開始されるときには、後述するステップS190の処理にてデモ表示開始待ちフラグがクリアされてオフ状態となる。また、飾り図柄の可変表示が開始されるときにも、後述するステップS193の処理にてデモ表示開始待ちフラグがクリアされてオフ状態となればよい。
ステップS185にてデモ表示開始待ちフラグがオフである場合には(ステップS185;NO)、デモ表示開始待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS186)。また、RAM122の所定領域に設けられたデモ表示開始待ちフラグをオン状態にセットしてから(ステップS187)、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS185にてデモ表示開始待ちフラグがオンである場合には(ステップS185;YES)、デモ表示開始待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS188)。そして、デモ表示開始待ち時間が経過していないときには(ステップS188;NO)、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS188にてデモ表示開始待ち時間が経過したときには(ステップS188;YES)、デモ表示演出の実行を開始させるための制御を行う(ステップS189)。例えば、演出制御用CPU120は、複数種類の演出制御パターンのうちからデモ表示演出を実行するための演出制御パターンを選択して、使用パターンにセットする。この演出制御パターンに基づいて、例えば表示制御部123のVDPに対して所定の表示制御指令を伝送させ、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させること等により、デモ表示演出の実行が開始されればよい。
ステップS189の処理を実行した後には、デモ表示開始待ちフラグをクリアしてオフ状態にすると共に(ステップS190)、RAM122の所定領域に設けられたデモ表示中フラグをオン状態にセットし(ステップS191)、可変表示開始待ち処理を終了する。このようにデモ表示中フラグがオンとなることにより、飾り図柄の可変表示等が終了して待機中となってからデモ表示開始待ち時間が経過したことに対応して、デモ表示演出の実行が開始されることを特定できる。
ステップS184にてデモ表示中フラグがオンであるときには(ステップS184;YES)、デモ表示演出を実行するための制御を行う(ステップS192)。例えば演出制御用CPU120は、使用パターンにセットされている演出制御パターンに基づいて、例えば表示制御部123のVDPに対して所定の表示制御指令を伝送させ、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させること等により、デモ表示演出を継続して実行させる。なお、デモ表示演出は、所定のデモ表示演出実行時間が経過すると一旦は終了して、所定のインターバル時間が経過した後に再び実行されてもよい。あるいは、デモ表示演出は、デモ表示開始待ち時間が経過した後に、飾り図柄の可変表示が開始されるまで継続して実行されてもよい。ステップS192の処理では、例えば、デモ表示演出を開始するときに、所定のデモ表示演出時間に対応して予め定められたタイマ初期値がデモ表示演出タイマにセットされる。
ステップS181にて変動開始指定コマンドの受信があるときには(ステップS181;YES)、デモ表示演出等の実行を終了させる制御を行う(ステップS193)。例えば、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDPに対して所定の表示制御指令を伝送させ、飾り図柄の可変表示を開始する場合に対応した演出画像を表示させればよい。これにより、実行中のデモ表示演出や演出カスタマイズ機能を終了させることができればよい。このとき、デモ表示中フラグがオンであれば、デモ表示中フラグをクリアしてオフ状態にする。また、デモ表示開始待ちフラグがオンであれば、デモ表示開始待ちフラグをクリアしてオフ状態にする。ステップS193の処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS194)、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS182にて演出カスタマイズ中であるときや(ステップS182;YES)、ステップS183にて演出カスタマイズ機能を実行するための指示入力があるときには(ステップS183;YES)、演出カスタマイズ処理を実行する(ステップS195)。
図18は、図17のステップS195にて実行される演出カスタマイズ処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出カスタマイズ処理において、演出制御用CPU120は、まず、個別カスタマイズ中であるか否かを判定する(ステップS331)。この実施の形態の演出カスタマイズ機能では、演出モード、飾り図柄の可変表示中における変動音、予告演出に登場するキャラクタ、といった事項について、個別にカスタマイズすることができる。個別カスタマイズ中であるか否かは、演出モードのカスタマイズ中であることを示す演出モードカスタマイズ中フラグ、変動音のカスタマイズ中であることを示す変動音カスタマイズ中フラグ、キャラクタのカスタマイズ中であることを示すキャラクタカスタマイズ中フラグ、といった個別カスタマイズ中であることを示す所定の個別カスタマイズ中フラグがオンであるか否かに応じて、判定できればよい。個別カスタマイズ中フラグは、例えばRAM122の所定領域に予め設けられて、画像表示装置5の画面上にて個別のカスタマイズ機能のメニュー画面が表示されるときにオン状態にセットされる。一方、個別カスタマイズ機能が終了されるときには、個別カスタマイズ中フラグがクリアされてオフ状態となる。また、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄の可変表示が開始されるときにも、個別カスタマイズ中フラグがクリアされてオフ状態となればよい。
ステップS331にて個別カスタマイズ中でないときには(ステップS331;NO)、画像表示装置5の画面上に演出カスタマイズ機能のメインメニュー画面を表示させる制御を行う(ステップS332)。例えば、演出制御用CPU120は、演出カスタマイズ機能のメインメニュー画面として、複数の演出について、個別カスタマイズ機能を実行するための複数のボタンや、演出カスタマイズ機能の実行を終了させるためのボタン等が表示された画面を表示すればよい。
ステップS332の処理を実行した後には、個別カスタマイズ機能を実行するための指示入力があるか否かを判定する(ステップS333)。例えば、演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aから伝送された操作検出信号に基づいて、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為が検出されたときに、個別カスタマイズ機能を実行する複数のボタンのうちのいずれかを選択するための指示入力があると判定し、プッシュセンサ35Bから伝送された操作検出信号に基づいて、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為が検出されたときに、選択されているボタンに対応する個別カスタマイズ機能を実行するための指示入力があると判定すればよい。
このような指示入力がない場合には(ステップS333;NO)、演出カスタマイズ処理を終了する。ここでは、演出カスタマイズ中フラグがオンであり、いずれの個別カスタマイズ中フラグがオフであることから、次回のタイマ割込みが発生したときに、演出カスタマイズ機能のメインメニュー画面を表示させる制御が再び実行される。
ステップS333にて個別カスタマイズ機能を実行するための指示入力があるときには(ステップS333;YES)、その指示入力が、演出モードをカスタマイズする演出モードカスタマイズ機能を実行するためのものであるか否かを判定し(ステップS334)、演出モードカスタマイズ機能を実行するための指示入力でなければ(ステップS334;NO)、指示入力に応じた個別カスタマイズ機能を実行する(ステップS335)。
ステップS331にて個別カスタマイズ中であるときには(ステップS331;YES)、演出モードカスタマイズ中であるか否かを判定し(ステップS336)、演出モードカスタマイズ中でない場合にも(ステップS336;NO)、実行中の個別カスタマイズ機能を実行する(ステップS335)。
ステップS336にて演出モードカスタマイズ中であるときや(ステップS336;YES)、ステップS334にて演出モードカスタマイズ機能を実行するための指示入力であるときには(ステップS334;YES)、画像表示装置5の画面上にて演出モードカスタマイズ機能のメニュー画面を表示させる制御を行う(ステップS337)。例えば、演出制御用CPU120は、演出モードカスタマイズ機能のメニュー画面として、演出モードを、アクティブモードに設定するためのボタンと、シンプルモードに設定するためのボタンとが表示された画面を表示すればよい。
ステップS337の処理を実行した後には、演出モードを設定するための指示入力があるか否かを判定する(ステップS338)。例えば、演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aから伝送された操作検出信号に基づいて、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為が検出されたときに、演出モードを設定する複数のボタンのうちのいずれかを選択するための指示入力があると判定し、プッシュセンサ35Bから伝送された操作検出信号に基づいて、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為が検出されたときに、選択されているボタンに対応する演出モードを設定するための指示入力があると判定すればよい。
このような指示入力がない場合には(ステップS338;NO)、演出カスタマイズ処理を終了する。ここでは、演出カスタマイズ中フラグと演出モードカスタマイズ中フラグとがオンであることから、次回のタイマ割込みが発生したときに、演出モードカスタマイズ機能のメニュー画面を表示させる制御が再び実行される。
ステップS338にて演出モードを設定するための指示入力があるときには(ステップS338;YES)、その指示入力が、アクティブモードに設定するためのものであるか否かを判定し(ステップS339)、アクティブモードに設定するためのものであれば(ステップS339;YES)、RAM122の所定領域に設けられた演出モードフラグの値を“1”に更新し(ステップS340)、演出カスタマイズ処理を終了する。このように演出モードフラグの値が“1”に更新されることにより、演出を実行するための設定を行うにあたり、遊技者によって設定された演出モードが、アクティブモードであることを特定できる。
ステップS339にて指示入力がシンプルモードに設定するためのものであれば(ステップS339;NO)、RAM122の所定領域に設けられた演出モードフラグの値を“2”に更新し(ステップS341)、演出カスタマイズ処理を終了する。このように演出モードフラグの値が“2”に更新されることにより、演出を実行するための設定を行うにあたり、遊技者によって設定された演出モードが、シンプルモードであることを特定できる。
このように、この実施の形態では、可変表示が実行されていない非遊技状態であるときにのみ演出モードを変更可能としているので、遊技者により演出モードが変更されても、大当り中における先読み演出について支障をきたさないようにすることができる。
図17に戻り、ステップS192の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、デモ表示演出中処理を実行し(ステップS196)、可変表示開始待ち処理を終了する。
図19は、図17のステップS196にて実行されるデモ表示演出中処理の一例を示すフローチャートである。図19に示すデモ表示演出中処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出モードのカスタマイズをはじめとする演出のカスタマイズが可能であることを案内報知する(ステップS391)。このようにして、この実施の形態では、デモ表示演出中であるときに、演出モードのカスタマイズといった演出のカスタマイズが可能であることを遊技者が認識することができる。
ステップS391の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、デモ表示演出が開始されてから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS392)。ステップS392の処理では、例えば、デモ表示演出タイマ値を1減算すること等により更新し、更新後のデモ表示演出タイマ値が所定の判定値と合致したか否かに応じて、デモ表示演出が開始されてから所定時間が経過したか否かを判定すればよい。
ステップS392にてデモ表示演出が開始されてから所定時間が経過していない場合(ステップS392;NO)、デモ表示演出中処理を終了する。
このように、デモ表示演出が開始されてから所定時間が経過していない場合、後述するステップS393、S394の処理が実行されないことから、演出モードがシンプルモードであったとしても、演出モードの設定は変更されない。
ステップS392にて所定時間が経過した場合(ステップS392;YES)、演出制御用CPU120は、演出モードがシンプルモードであるか否かを判定する(ステップS393)。ステップS393の処理では、例えば、演出モードフラグの値が“2”である場合に、「演出モードがシンプルモードである」と判定すればよい。
ステップS393にて演出モードがアクティブモードである場合(ステップS393;NO)、デモ表示演出中処理を終了する。
一方、ステップS393にて演出モードがシンプルモードである場合(ステップS393;YES)、演出モードをシンプルモードからアクティブモードに変更して(ステップS)、デモ表示演出中処理を終了する。
ここで、上述したように、デモ表示演出は、飾り図柄の可変表示が開始されることにより終了する。したがって、ステップS392における判定の基準となる所定時間は、例えば、仮に、遊技を行ってはいるものの遊技球が始動入賞することなくデモ表示開始待ち時間が経過して、デモ表示演出が開始されたとしても、そのまま遊技者が遊技を行っていれば遊技球が始動入賞するであろう十分な時間が設定されていればよい。即ち、そのような想定に基づき設定された所定時間が経過した場合には、遊技者が既に遊技を行っていない可能性が高い。
そこで、この実施の形態では、演出モードがシンプルモードに設定されている状態で、デモ表示演出が開始されてから所定時間が経過した場合、演出モードをシンプルモードからアクティブモードに変更するので、演出を好まない遊技者により演出モードがシンプルモードに変更されていたとしても、その遊技者の次に遊技を行う新たな遊技者がシンプルモードのまま遊技を行ってしまうことに起因して、その新たな遊技者の遊技の興趣が低下することを抑制することができる。
図20は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果指定コマンド等に基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」のときには(ステップS521;YES)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;YES)、非リーチ組み合わせを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組み合わせを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124、又はRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組み合わせの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組み合わせの飾り図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;NO)、リーチ組み合わせを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組み合わせを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組み合わせの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組み合わせの飾り図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;NO)、大当り組み合わせを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組み合わせを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照すること等により、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S525の後、演出制御用CPU120は、演出モードがアクティブモードであるか否かを判定する(ステップS526)。ステップS526の処理では、例えば、演出モードフラグの値が“1”である場合に、「演出モードがアクティブモードである」と判定すればよい。
ステップS526にて演出モードがアクティブモードである場合(ステップS526;YES)、演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示演出以外の演出も実行可能な演出制御パターンの設定処理を実行する(ステップS527)。ステップS527の処理では、演出制御パターンを使用パターンとして設定するときには、設定され得る全ての演出制御パターンをROM121に記憶させる等して予め用意して、用意された複数の演出制御パターンのうちから、今回の変動パターン、最終停止図柄、今回の可変表示において実行すると決定した演出に対応した演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよいし、変動パターンそれぞれ、及び最終停止図柄それぞれの組み合わせに対応する基本的な演出制御パターンと、各演出それぞれに対応する基本的な演出制御パターンと、をROM121に記憶させる等して予め用意し、変動パターン、最終停止図柄、及び今回の可変表示において実行すると決定した演出に応じて基本的な演出制御パターンを組み合わせて、組み合わせた演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよい。なお、飾り図柄の可変表示、予告演出等の各種の演出画像をそれぞれ異なるレイヤーで重畳表示するように、複数の演出制御パターンを組み合わせるようにするとよい。
一方、ステップS526にて演出モードがシンプルモードである場合(ステップS526;NO)、演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示演出以外の演出を実行しない演出制御パターンの設定処理を実行する(ステップS528)。ステップS528の処理では、演出制御パターンを使用パターンとして設定するときには、用意された複数の演出制御パターンのうちから、今回の変動パターン、最終停止図柄に対応した演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよいし、変動パターン、最終停止図柄に応じて基本的な演出制御パターンを組み合わせて、組み合わせた演出制御パターンを使用パターンとして設定してもよい。
このように、この実施の形態では、特定報知や所定報知といった先読み演出を実行しないシンプルモードが演出モードとして設定されている場合、先読み演出以外の演出も実行しないので、演出が実行されることを好まない遊技者に対して好適に対応することができる。
ステップS527、S528の後には、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS529)。
そして、演出制御用CPU120は、ランプ制御基板14に対する指令の出力により、点灯させている保留表示ランプ9Hのうち最も左の保留表示ランプ9を消灯させて、その他の点灯している保留表示ランプ9Hに代えて、その1つ左の保留表示ランプ9Hを点灯させる(ステップS530)。このとき、特定報知のターゲットとなっているレインボーの保留表示ランプ9Hがあれば、そのレインボーの保留表示ランプに代えて、その1つ左の保留表示ランプ9Hをレインボーに点灯させる。
そして、画像表示装置5における飾り図柄等の変動を開始させるための設定を行う(ステップS531)。このときには、演出制御用CPU120は、例えばステップS527又はS528にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS532)、可変表示開始設定処理を終了する。
次に、図21を参照して、演出カスタマイズ機能の表示動作例等について説明する。
上述したように、この実施の形態のパチンコ遊技機1は、一部の演出の態様を遊技者が自由に設定することができる演出カスタマイズ機能を備えている。演出カスタマイズ機能が実行されると、演出カスタマイズ機能のメインメニュー画面として、複数の演出について、個別カスタマイズ機能を実行するための複数のボタンや、演出カスタマイズ機能の実行を終了させるためのボタン等が表示された画面が表示される。
図21(A)は、演出カスタマイズ機能のメインメニュー画面の一例を示す。図21(A)に示すメインメニュー画面の例では、演出モードをカスタマイズする演出モードカスタマイズ機能を実行するためのボタン5BAと、飾り図柄の可変表示中における変動音をカスタマイズする変動音カスタマイズ機能を実行するためのボタン5BBと、予告演出に登場するキャラクタをカスタマイズするキャラクタカスタマイズ機能を実行するためのボタン5BCと、その他の演出カスタマイズ機能を実行するためのボタン5BDと、演出カスタマイズ機能を終了させるためのボタン5BEとが表示されている。
図21(B)は、演出モードカスタマイズ機能のメニュー画面の一例を示す。図21(B)に示すメニュー画面の例では、演出モードを、アクティブモードに設定するためのボタン5BFと、シンプルモードに設定するためのボタン5BGと、演出モードカスタマイズ機能を終了させるためのボタン5BHとが表示されている。
図22、図23は、先読み演出の演出動作の一例を示している。なお、図22、図23に示す演出動作例では、演出モードがアクティブモードに設定されているものとする。
図22、図23において、画像表示装置5の下方に配置された8個の保留表示ランプ9Hのうち、左から1番目の保留表示ランプ9Hには「9H1」の符号を付し、左から2番目の保留表示ランプ9Hには「9H2」の符号を付し、・・・左から8番目の保留表示ランプ9Hには「9H8」の符号を付す。また、保留表示ランプ9Hを示す丸印のうち、ハッチングがないものは消灯している保留表示ランプ9Hを示し、薄いハッチングのものは白色(通常態様)に点灯している保留表示ランプ9Hを示し、濃いハッチングのものは赤色に点灯している保留表示ランプ9Hを示し、斜線のハッチングのものはレインボーに点灯している保留表示ランプ9Hを示す。
図22(A)は、大当り組み合わせとなる確定飾り図柄が停止表示されたときに、2個の保留が記憶されていることに対応して、保留表示ランプ9H1、9H2が白色(通常態様)に点灯している様子を示す。この例では、保留表示番号「2」の保留が大当り保留であったとする。即ち、図22(A)のタイミングでは、保留表示番号「2」の大当り保留は未だ特定報知の対象となっていない。
このように可変表示結果が「大当り」となった後に、大当り遊技状態に制御され(図22(B))、大当り中に新たな大当り保留が記憶されたとする。このとき、新たな大当り保留が記憶されたことにより、大当り保留の数が2個になる。したがって、図16のステップS378の処理にて「3個以上の大当り保留がない」と判定されて、同図のステップS379の処理が実行されることにより、図22(C)に示すように、新たな大当り保留に対応する保留表示ランプ9H3が赤色に点灯する所定報知の実行が開始される。
このように所定報知の実行が開始された後に、赤色点灯時間が経過すると、図16のステップS380の処理にて「赤色点灯時間が経過した」と判定されて、同図のステップS381の処理が実行されることにより、図22(D)に示すように、赤色に点灯している保留表示ランプ9H3が白色に戻り所定報知の実行が終了する。
その後、この大当り中に、また新たな大当り保留が記憶されたとする。このとき、新たな大当り保留が記憶されたことにより、大当り保留の数が3個となる。したがって、図16のステップS378の処理にて「3個以上の大当り保留がある」と判定されて、同図のステップS382、S383の処理が実行されることにより、図22(E)に示すように、白色に点灯している保留表示ランプ9H1〜9H7のうち大当り保留に対応する保留表示ランプ9H2、9H3と、新たな大当り保留に対応する保留表示ランプ9H8とがレインボーに点灯する特定報知が実行される。
その後、大当り遊技状態が終了すると、保留に対応する可変表示が実行される。この例では、大当り終了時における保留表示番号「1」のハズレ保留に対応する可変表示が実行される(図22(F)、(G))。図22(F)に示すように、可変表示が開始されるときには、特図保留記憶部や始動入賞時コマンドバッファの記憶内容がシフトされることに対応して、点灯している保留表示ランプ9Hのうち、最も左の保留表示ランプ9H1が消灯し、その他の点灯している保留表示ランプ9H2〜9H8に代えて、その1つ左の保留表示ランプ9H1〜9H7が点灯する。このとき、特定報知のターゲットとなっているレインボーの保留表示ランプ(図22(E)の保留表示ランプ9H2、9H3、9H8)に代えて、その1つ左の保留表示ランプ9H1、9H2、9H7がレインボーに点灯する。
そして、図22(F)、(G)に示す可変表示の終了時における保留表示番号「1」の大当り保留に対応する可変表示結果が開始される(図22(H))。この可変表示が開始されるときには、特図保留記憶部や始動入賞時コマンドバッファの記憶内容がシフトされることに対応して、点灯している保留表示ランプ9Hのうち、最も左のレインボーの保留表示ランプ9H1が消灯し、その他の点灯している保留表示ランプ9H2〜9H7に代えて、その1つ左の保留表示ランプ9H1〜9H6が点灯する。このように、この実施の形態では、可変表示が開始されるときには、開始される可変表示に対応する最も左の保留表示ランプ9H1が消灯するので、保留表示ランプ9H1に対応する大当り保留を対象にした特定報知が実行されていた場合、保留表示ランプ9H1による特定報知も終了する。このように、図22(E)〜(H)に示すように、特定報知は、その特定報知の対象となった大当り保留に対応する可変表示が開始されることにより、その大当り保留が消化されるまで継続して実行される。
次に、図23(A)は、大当り中に、8個の保留が記憶されていることに対応して、保留表示ランプ9H1〜9H8が点灯している様子を示す。この例では、保留表示番号「2」、「5」の保留が大当り保留であったとする。即ち、図23(A)のタイミングでは、全ての大当り保留を対象にして特定報知が実行されている。
その後、大当り遊技状態が終了すると、保留に対応する可変表示が実行される。この例では、大当り終了時における保留表示番号「1」のハズレ保留に対応する可変表示が実行される(図23(B)〜(E))。この可変表示が開始されるときには、特図保留記憶部や始動入賞時コマンドバッファの記憶内容がシフトされることに対応して、点灯している保留表示ランプ9Hのうち、最も左の保留表示ランプ9H1が消灯し、その他の点灯している保留表示ランプ9H2〜9H8に代えて、その1つ左の保留表示ランプ9H1〜9H7が点灯する。このとき、特定報知のターゲットとなっているレインボーの保留表示ランプ(図23(A)の保留表示ランプ9H2、9H5)に代えて、その1つ左の保留表示ランプ9H1、9H4がレインボーに点灯する。
そして、この可変表示中に新たな大当り保留が記憶されたとする。このとき、新たな大当り保留が記憶されたことにより、大当り保留の数は3個となる。しかしながら、新たな大当り保留が記憶されたタイミングが大当り中ではないため、図16のステップS375の処理にて「現在の遊技状態が大当り遊技状態でない」と判定されて、同図のステップS374の処理が実行されることにより、図23(C)に示すように、新たな大当り保留に対応する保留表示ランプ9H8が白色に点灯する。このように、この実施の形態では、他の大当り保留を対象にした特定報知の実行中に、新たな大当り保留が記憶されたとしても、そのタイミングが大当り中でなければ、新たな大当り保留を対象にした特定報知は実行されない。
そして、図23(B)〜(D)に示す可変表示の終了時における保留表示番号「1」の大当り保留に対応する可変表示が開始される(図23(E))。この可変表示が開始されるときには、特図保留記憶部や始動入賞時コマンドバッファの記憶内容がシフトされることに対応して、点灯している保留表示ランプ9Hのうち、最も左のレインボーの保留表示ランプ9H1が消灯し、その他の点灯している保留表示ランプ9H2〜9H8に代えて、その1つ左の保留表示ランプ9H1〜9H7が点灯する。このとき、特定報知のターゲットとなっているレインボーの保留表示ランプ(図23(D)の保留表示ランプ9H4)に代えて、その1つ左の保留表示ランプ9H3がレインボーに点灯する。
このような大当り保留に対応する可変表示の可変表示結果が「大当り」となった後に(図23(F))、大当り遊技状態に制御され(図23(G))、大当り中に新たな大当り保留が記憶されたとする。このとき、新たな大当り保留を除く大当り保留に対応する保留表示ランプ9H3、9H7のうち、保留表示ランプ9H3による特定報知が継続して実行されている。したがって、図16のステップS377の処理にて「レインボーに点灯している保留表示ランプ9H」があると判定されて、同図のステップS382、S383の処理が実行されることにより、図23(H)に示すように、白色に点灯している保留表示ランプ9H1、9H2、9H4〜9H7のうち大当り保留に対応する保留表示ランプ9H7と、新たな大当り保留に対応する保留表示ランプ9H8とがレインボーに点灯する特定報知が実行される。このように、この実施の形態では、特定報知が継続して実行されている状態で大当りとなった場合、その大当り中に新たな大当り保留が記憶されたことに応じて、未だ特定報知の対象となっていない大当り保留と、新たな大当り保留とを対象にした特定報知が実行される。
なお、図23に示す例では、大当り中に新たな大当り保留が記憶されたことにより大当り保留の数が3個になっているが、例えば、図23(C)にて新たな大当り保留が記憶されず、大当り中に大当り保留が記憶されたことにより大当り保留の数が2個であったとしても、図16のステップS377の処理にて「レインボーに点灯している保留表示ランプ9H」があると判定されて、同図のステップS383の処理が実行されることにより、新たな大当り保留に対応する保留表示ランプがレインボーに点灯する特定報知が実行される。即ち、この実施の形態では、特定報知が継続して実行されている状態で大当りとなった場合、その大当り中に新たな大当り保留が記憶されたときに、大当り保留の数が3個以上であるか否かにかかわらず、その新たな大当り保留を対象にした特定報知は実行される。
以上説明したように、パチンコ遊技機1は、特別図柄や飾り図柄の可変表示を行い、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御可能である。そして、遊技球の進入による第1始動条件又は第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ等を保留データとして記憶すると共に、始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンドを記憶する。また、大当り中に、大当り保留が記憶されている場合に、所定報知や特定報知を実行可能である。また、遊技者の選択動作に応じて、演出モードを、所定報知や特定報知を実行するアクティブモードと、所定報知や特定報知を実行しないシンプルモードとのいずれかに変更する。そして、可変表示を行っていないときにのみ演出モードを変更可能である。これにより、遊技者により報知の頻度が変更されても、大当り遊技状態における報知について支障をきたさないようにすることができる。
また、パチンコ遊技機1は、デモ表示演出中であるときに、演出モードを変更可能であることを案内報知する。これにより、デモ表示演出中であるときに、演出モードを変更可能であることを遊技者が認識することができる。
また、パチンコ遊技機1は、遊技者により、所定報知や特定報知を実行しないシンプルモードが選択された場合、飾り図柄の可変表示に係る最小限の演出以外の演出も実行しない。これにより、演出が実行されることを好まない遊技者に対して好適に対応することができる。
また、パチンコ遊技機1は、演出モードがアクティブモードからシンプルモードに変更された状態でデモ表示演出が開始されてから所定時間が経過した場合、演出モードをアクティブモードに変更する。これにより、シンプルモードにより遊技の興趣が低下することを抑制することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
(変形例1)上記実施形態では、所定報知や特定報知の実行可能期間が、ファンファーレ演出の開始時からエンディング演出の終了時までの期間であるものとして説明した。しかしながら、所定報知や特定報知の実行可能期間は、ファンファーレ演出の開始時からエンディング演出の終了時までの期間に限られず、大当り遊技状態における、第1タイミングから、第1タイミングよりも後の第2タイミングまでの任意の期間であってよい。ここで、任意の期間としては、例えば、ファンファーレ演出の開始時から最後のラウンド遊技の終了時までの期間、最初のラウンド遊技の開始時から最後のラウンド遊技の終了時までの期間、最初のラウンド遊技の開始時からエンディング演出の終了時までの期間等が挙げられる。これにより、例えば、ファンファーレ演出やエンディング演出として遊技者に注目させたい演出を実行する場合には、これらの演出期間を、所定報知や特定報知の実行可能期間としないことにより、ファンファーレ演出やエンディング演出への注目を低下させないようにすることができる。また、エンディング演出の演出期間を、所定報知や特定報知の実行可能期間とすることにより、未だ所定報知や特定報知が実行されていない状況において、いわゆるオーバー入賞によって所定報知や特定報知が実行されることに期待させることができる。また、ファンファーレ演出の演出期間を、所定報知や特定報知の実行可能期間とすることにより、可変表示結果が「大当り」となってファンファーレ演出が開始された後に第1始動入賞口又は第2始動入賞口に入賞することによって所定報知や特定報知が実行されることに期待させることができる。
(変形例2)上記実施形態では、所定報知や特定報知の実行可能期間が、ファンファーレ演出の開始時からエンディング演出の終了時までの期間、即ち、常に同じ期間であるものとして説明した。しかしながら、所定報知や特定報知の実行可能期間は、常に同じ期間であるものに限られず、複数の実行可能期間のうちのいずれかに決定されるものであってもよい。ここで、実行可能期間の決定方法としては、例えば、大当り種別に応じて決定する方法、いわゆる連荘回数に応じて決定する方法、リアルタイムクロックから取得される日時に応じて決定する方法、特定報知の実行中であるか否かに応じて決定する方法、大当り保留の数に応じて決定する方法等が挙げられる。これにより、例えば、大当り種別に応じて決定する方法を採用し、大当り種別が「16R大当り」であるときには「6R大当り」であるときよりも長い実行可能期間に決定され易いようにすれば、16R大当り遊技状態に対する興趣を更に向上させることができる。また、いわゆる連荘回数に応じて決定する方法を採用し、連荘回数が多くなるにつれて長い実行期間に決定され易いようにすれば、連荘したときの興趣を更に向上させることができる。また、リアルタイムクロックから取得される日時に応じて決定する方法を採用し、土日祝日に対応する日であるときには平日に対応する日であるときよりも長い実行可能期間に決定され易いようにすれば、土日祝日等に開催される遊技店のイベント等を効果的に盛り上げることができる。また、リアルタイムクロックから取得される日時に応じて決定する方法を採用し、遊技店の閉店時刻までの時間が短くなるにつれて短い実行可能期間に決定され易いようにすれば、大当り保留があることを遊技者が把握し得ない可能性を高めることができ、遊技店の閉店時刻に、遊技者の速やかな退店に寄与することができる。また、特定報知の実行中であるか否かに応じて決定する方法を採用し、特定報知の実行中であるときには特定報知の実行中でないときよりも長い実行可能期間に決定され易いようにすれば、特定報知の実行中であるときに大当りとなった場合、より多くの大当り保留を対象にした特定報知が実行される可能性が高まり、興趣を向上させることができる。一方、特定報知の実行中であるか否かに応じて決定する方法を採用し、特定報知の実行中であるときには特定報知の実行中でないときよりも短い実行可能期間に決定され易いようにすれば、特定報知の実行中であるときに大当りとなった場合、新たな大当り保留を対象にした特定報知が実行される可能性が低くなり、次回の大当り遊技状態にて、前回の大当り中に記憶された大当り保留をも対象にした特定報知が実行される可能性が高まり、次回の大当り遊技状態における興趣を向上させることができるだけでなく、複数回の大当り遊技状態にわたって特定報知が継続される可能性が高めることができる。また、大当り保留の数に応じて決定する方法を採用し、大当り保留の数が多いほど長い実行可能期間に決定され易いようにすれば、大当り保留が多いときに大当りとなった場合、より多くの大当り保留を対象にした特定報知が実行される可能性が高まり、興趣を向上させることができる。一方、大当り保留の数に応じて決定する方法を採用し、大当り保留の数が多いほど短い実行可能期間に決定され易いようにすれば、大当り保留の数が多いときに大当りとなった場合、新たな大当り保留を対象にした特定報知が実行される可能性が低くなり、次回の大当り遊技状態にて、前回の大当り中に記憶された大当り保留をも対象にした特定報知が実行される可能性が高まり、次回の大当り遊技状態における興趣を向上させることができる。
(変形例3)上記実施形態では、大当り保留の数が所定数としての3個未満である場合に特定報知を実行せずに所定報知を実行し、大当り保留の数が特定数としての3個以上である場合に特定報知を実行するものとして説明した。しかしながら、所定数や特定数の数はこれに限られず、特定数をN(N>3)個以上とすると共に所定数をN個未満としてもよいし、特定数を2個以上とすると共に所定数を1個としてもよい。特定数は、その特定数の全ての大当り保留に対応して、賞球が少ない大当り遊技状態に特定回数制御されたとしても、トータルで十分な賞球が得られる回数に対応する数であればよい。これにより、パチンコ遊技機1にて採用される大当り種別に応じて、好適に特定報知を実行することができる。
(変形例4)上記実施形態では、大当り保留の数が所定数としての3個未満である場合に特定報知を実行せずに所定報知を実行し、大当り保留の数が特定数としての3個以上である場合に特定報知を実行するもの、即ち、常に同じ所定数や特定数であるものとして説明した。しかしながら、所定数や特定数の数は、常に同じ数であるものに限られず、複数の数のうちのいずれかに決定されるものであってもよい。ここで、所定数や特定数となる数の決定方法としては、例えば、大当り種別に応じて決定する方法、いわゆる連荘回数に応じて決定する方法、リアルタイムクロックから取得される日時に応じて決定する方法等が挙げられる。これにより、例えば、大当り種別に応じて決定する方法を採用し、大当り種別が「16R大当り」であるときには「6R大当り」であるときよりも少ない数に決定され易いようにすれば、16R大当り遊技状態に対する興趣を更に向上させることができる。また、いわゆる連荘回数に応じて決定する方法を採用し、連荘回数が多くなるにつれて少ない数に決定され易いようにすれば、連荘したときの興趣を更に向上させることができる。また、リアルタイムクロックから取得される日時に応じて決定する方法を採用し、土日祝日に対応する日であるときには平日に対応する日であるときよりも少ない数に決定され易いようにすれば、土日祝日等に開催される遊技店のイベント等を効果的に盛り上げることができる。また、リアルタイムクロックから取得される日時に応じて決定する方法を採用し、遊技店の閉店時刻までの時間が短くなるにつれて多い数に決定され易いようにすれば、大当り保留があることを遊技者が把握し得ない可能性を高めることができ、遊技店の閉店時刻に、遊技者の速やかな退店に寄与することができる。
(変形例5)上記実施形態では、大当り保留の数が所定数である場合に特定報知を実行しないものとして説明した。しかしながら、大当り保留の数が所定数である場合に特定報知を実行しないものに限られず、所定報知に代えて、あるいは加えて特定報知を実行可能であるものの、大当り保留の数が特定数である場合に実行される特定報知と比較して制限されていればよい。大当り保留の数が特定数である場合に実行される特定報知と比較して制限する例としては、例えば、実行割合を低くすること、実行時間を短くすること、視認性を下げること等が挙げられる。これにより、大当り保留の数が所定数であったとしても特定報知が実行されない訳ではないので、興趣を向上させることができる。
(変形例6)上記実施形態では、大当り中に、所定数の大当り保留が記憶されている場合に、新たな大当り保留が更に記憶されたことにより、大当り保留の数が特定数に達した場合、直ちに特定報知を実行するものとして説明した。しかしながら、大当り中に、大当り保留の数が特定数に達した場合に、直ちに特定報知を実行するものに限られず、特定数に達したタイミングに対応して適宜タイミングに実行してもよい。適宜タイミングとしては、例えば、特定数に達したタイミングから数秒といった所定期間が経過したタイミング、特定数に達したタイミングに実行されているラウンドが終了したタイミング、特定数に達したタイミングに実行されているラウンドの次のラウンド開始されたタイミング、特定数に達したタイミングにラウンド昇格演出といった特定演出が実行されていた場合には特定演出が終了したタイミング等が挙げられる。これにより、新たな大当り保留が更に記憶されたことにより、大当り保留の数が特定数に達しても、新たな大当り保留に対応する保留表示ランプ9Hは白色といった通常態様で点灯した後に、適宜タイミングとなったことに応じてレインボーに点灯すること等により特定報知が実行されるので、意外性を持たせることができる。なお、所定報知についても、同様のことが言える。
(変形例7)上記実施形態では、特定報知として保留表示ランプ9Hをレインボーに点灯させる、即ち、常に同じ態様の特定報知を実行するものとして説明した。しかしながら、特定報知の態様は、常に同じ態様であるものに限らない。例えば、いわゆる連荘する毎に、特定報知の態様を変化させるようにしてもよい。これにより、連荘したときの興趣を更に向上させることができる。
(変形例8)上記実施形態では、保留表示ランプ9Hにより、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示を行い、保留に基づく可変表示を開始するときに、その保留に対応して点灯していた最も左の保留表示ランプ9H1を消灯させるものとして説明した。これに対し、例えば、保留表示ランプ9Hに近接してアクティブ表示ランプを配置し、アクティブ表示ランプにて、実行中の可変表示に対応する表示を行うようにしてもよい。その場合、保留に基づく可変表示を開始するときには、その保留に対応して点灯していた最も左の保留表示ランプ9H1に代えて、アクティブ表示ランプを点灯させればよく、保留表示ランプ9H1にて特定報知が実行されていたときには、アクティブ表示ランプにて特定報知を継続して実行し、可変表示の終了に伴い特定報知の実行も終了させればよい。
(変形例9)上記実施形態では、保留表示ランプ9Hにより、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示を行うものとして説明した。これに対し、例えば、画像表示装置5の画面上に、保留表示エリアを配置し、保留表示エリアにて、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留表示を行うようにしてもよい。その場合、所定報知やと特定報知は、保留表示の態様を通常態様とは異なる態様に変化させることにより実行すればよい。また、このような実施形態とする場合に、画像表示装置5の画面上に、保留表示エリアに近接してアクティブ表示エリアを配置し、アクティブ表示エリアにて、実行中の可変表示に対応する表示を行うようにしてもよい。
(変形例10)上記実施形態では、保留表示ランプ9Hをレインボーに点灯させることにより特定報知を実行するのに対し、保留表示ランプ9Hを赤色に点滅させることにより所定報知を実行するもの、即ち、特定報知よりも所定報知の実行時間が短いものとして説明した。しかしながら、特定報知よりも所定報知の実行時間が短いものに限られず、特定報知よりも控え目に所定報知を実行するものであれば、他の態様であってもよい。例えば、所定報知を実行するときには特定報知を実行するときよりも保留表示ランプ9Hの明るさを暗くする等して、視認性を下げるようにしてもよい。また、変形例9のような実施形態では、所定報知を実行するときには特定報知を実行するときよりも保留表示の明るさを暗くすること、保留表示の大きさを小さくすること等により、特定報知よりも控え目に所定報知を実行すればよい。また、特定報知では保留表示を所定のキャラクタを模した画像といった通常態様とは異なる形状に変化させるのに対し、所定報知では単に通常態様とは異なる色や模様に変化させること等により、特定報知よりも控え目に所定報知を実行するようにしてもよい。
(変形例11)上記実施形態では、遊技者の選択動作に応じて、演出モードを、先読み演出をはじめとする各種演出が実行されるアクティブモードと、先読み演出をはじめとする一切の演出が実行されないように制御されるシンプルモードとのいずれか変更するものとして説明した。しかしながら、このような演出モードの組み合わせに限られず、遊技者の選択動作に応じて、先読み演出をはじめとする演出の頻度が変更されるようにすればよい。例えば、アクティブモードとシンプルモードのいずれも先読み演出をはじめとする各種演出を実行可能である一方、アクティブモードでは各種演出が実行され易く、シンプルモードでは各種演出が実行され難いようにしてもよい。また、アクティブモードやシンプルモードといった予め用意された演出モードではなく、先読み演出をはじめとする各種演出の実行頻度について、遊技者の選択動作に応じて複数段階のうちのいずれかに変更可能としてもよい。これにより、例えば、演出が頻繁に実行されることも全く実行されないことも好まない遊技者に対して好適に対応することができる。
(変形例12)上記実施形態では、演出モードを、先読み演出をはじめとする各種演出が実行されるアクティブモードと、先読み演出をはじめとする一切の演出が実行されないように制御されるシンプルモードとのいずれか変更するもの、即ち、演出の有無を選択可能な汎用のモードが設けられているものとして説明した。しかしながら、このような汎用のモードに限られず、個別の演出について演出の有無や頻度を選択可能にしてもよい。その場合、例えば、特定報知や所定報知を実行しない演出モードが選択された場合、遊技者の選択動作によらず、他の演出についても実行しないようにしてもよい。同様に、特定報知や所定報知の頻度が変更された場合、遊技者の選択動作によらず、他の演出についても同じ頻度、又は同程度の頻度に変更するようにしてもよい。これにより、個別の演出について演出の有無や頻度を選択可能なものにおいて、全ての演出の選択項目について個別に選択せずとも、一の演出の選択項目がされたことに応じて、その好みを反映させることができる。
(変形例13)上記実施形態では、演出モードがアクティブモードからシンプルモードに変更された状態で、デモ表示演出が開始されてから所定時間が経過した場合に、演出モードをシンプルモードからアクティブモードに変更するものとして説明した。しかしながら、演出モードをシンプルモードからアクティブモードに変更する契機は、デモ表示演出が開始されてから所定時間が経過したことに限られず、非遊技状態となった後に所定条件が成立したことを契機とすれば、他の契機に基づいて変更するものであってもよい。例えば、非遊技状態となった後に所定条件が成立したことの例としては、デモ表示演出が実行されているか否かにかかわらず可変表示が行われずに所定時間が経過したこと、デモ表示演出が実行されたこと、特定パターンのデモ表示演出が繰り返し実行されるものにおいて特定パターンのデモ表示演出が所定回数実行されたこと、可変表示が行われていないときに複数のパチンコ遊技機1によるいわゆる一斉演出が実行されたこと、いわゆるカードユニットからプリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体が排出されたこと等が挙げられる。ここで、デモ表示演出が開始されてから所定時間が経過しても非遊技状態であったとしても、例えば、遊技者が休憩しているだけの可能性もある。その場合、上記実施形態のように、デモ表示演出が開始されてから所定時間が経過したときに、演出モードをシンプルモードからアクティブモードに変更してしまうと、休憩していた遊技者は、遊技モードを再度選択し直す必要がある。また、デモ表示演出が開始されてから所定時間が経過するまでの間に、既に別の遊技者が遊技を行う可能性もあり、その場合、その別の遊技者は自ら選択していないにもかかわらず、シンプルモードでの遊技を行うことになってしまう。そこで、いわゆるカードユニットからプリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体が排出されたことにより、非遊技状態となった後に所定条件が成立したとする場合には、演出モードをシンプルモードに変更した遊技者が遊技をやめるタイミングである可能性が高いことから、上述した問題にも対応しつつ、この後に遊技を行う遊技者に対して、演出モードがシンプルモードのままになってしまうことを確実に防止することができる。
(変形例14)上記実施形態では、先読み演出として、大当り中に、大当り保留が記憶されている場合に実行される特定報知や所定報知を実行するものとして説明した。ここで、先読み演出として、可変表示中に、予告対象の保留に対応する保留表示ランプ9Hを、通常時における点灯態様とは異なる点灯態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性等を予告する示唆保留表示演出を実行することが可能である。このような示唆保留表示演出では、保留表示ランプ9Hの点灯色を、通常時における所定色としての白色とは異なる、特定色としてのレインボー、赤色、緑色、黄色のいずれか等とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知する。ここで、このような示唆保留表示演出により保留表示ランプ9Hがレインボーに点灯したとしても、その予告対象となった保留が大当り保留であるか否か不明であるため、大当り中に特定報知により保留表示ランプ9Hがレインボーに変化することとのつじつまが合わなくなってしまう。そこで、大当り保留がある場合や、特定報知によりレインボーに変化した保留表示ランプ9Hがある場合には示唆保留表示演出を実行しないようにする。また、いわゆる初当りとなるときに、示唆保留表示演出によりレインボーに変化した保留表示ランプ9Hがある場合、大当り遊技状態に制御されることに応じて、レインボーの保留表示ランプ9Hを通常態様の白色に変更する。これにより、大当り中に実行される特定報知の先読み演出と、可変表示中に実行される示唆保留表示演出とを共に実行するにあたり、演出のつじつまが合わなくなることを防止することができる。
(変形例15)上記実施形態における特定報知に伴い、画像表示装置5に特定画像を表示する特定画像報知を実行するようにしてもよい。例えば、特定画像報知として、特定報知が実行されるよりも前に、特定報知が実行されることを報知する旨の特定画像を表示すればよい。また、特定画像報知として、特定報知が実行された後に、特定報知が実行されたことを報知する旨の特定画像を表示してもよい。これにより、保留表示ランプ9Hを注視していない遊技者に対しても、特定報知に注目させることができる。
(変形例16)上記実施形態における所定報知に伴い、画像表示装置5に所定画像を表示する所定画像報知を実行するようにしてもよい。例えば、所定画像報知として、所定報知が実行されるよりも前に、所定報知が実行されることを報知する旨の所定画像を表示すればよい。これにより、保留表示ランプ9Hを注視していない遊技者に対しても、所定報知に注目させることができる。
(変形例17)変形例15の特定画像報知や、変形例16の所定画像報知の態様は、例えば、「○秒後に保留変化!」や「次ラウンドに保留変化!」といった、特定画像や所定画像が実行されるタイミングまでも示唆するものであってもよい。これにより、画像表示装置5にて実行される演出に注目している遊技者に対しても、特定報知や所定報知が実行されるタイミングに合わせて保留表示に注目を移すことができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。更に、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。更には、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。