JP2015035409A - 電気化学デバイス用添加剤 - Google Patents

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JP2015035409A JP2013181972A JP2013181972A JP2015035409A JP 2015035409 A JP2015035409 A JP 2015035409A JP 2013181972 A JP2013181972 A JP 2013181972A JP 2013181972 A JP2013181972 A JP 2013181972A JP 2015035409 A JP2015035409 A JP 2015035409A
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拓紀 牧野
Hiroki Makino
拓紀 牧野
文平 吉田
Bunpei Yoshida
文平 吉田
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Abstract

【課題】高温保存特性、充放電サイクル特性および出力特性に優れたリチウム二次電池またはリチウムイオンキャパシタを提供する。【解決手段】オキソ酸エステル結合(a)および一般式(1)で表される基(e)を有する化合物であって、該オキソ酸エステル結合がホウ酸エステル結合(b)および/またはリン酸エステル結合(p)である化合物(C)を含有する電気化学デバイス用添加剤(D)を使用する。【化1】式(1)中、Mは1価の金属イオンを表す。Mとして表される1価の金属イオンが、リチウムイオンまたはナトリウムイオンであることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解液二次電池およびリチウムイオンキャパシタに有用な電気化学デバイス用添加剤ならびにそれを用いた電極および電解液に関する。
二次電池、キャパシタ等の電気化学デバイスは、化学エネルギーと電気エネルギーの相互変換を高効率で行えることから、エネルギー問題および環境問題を解決するツールとして注目を集め、開発が盛んに行われている。
例えば、リチウム二次電池等の非水電解液二次電池は、高電圧、高エネルギー密度という特徴を持つことから、携帯情報機器分野において広く利用され、その需要が急速に拡大している。現在、携帯電話、ノート型パソコンを始めとするモバイル情報化機器用の標準電池としてのポジションを確立している。当然ながら、携帯機器等の高性能化と多機能化に伴い、その電源としての非水電解液二次電池に対しても更なる高性能化(例えば、高容量化と高エネルギー密度化)が求められている。この要求に応えるため、電極の充電率の向上による高密度化、現行の活物質(特に負極)の利用深度の向上、新規高容量の活物質の開発等、種々の方法が検討されている。そして、現実に非水電解液二次電池がこれらの方法によって確実に高容量化されている。
しかしながら電池の高容量化や充電電圧の高電圧化にともない、電極と電解液との副反応による充放電サイクル特性の低下や、高温貯蔵時の二酸化炭素等のガス発生による電池の膨れが起こるといった問題があった。
従来、電池の充放電サイクルの低下や電池の膨れ等の問題を解決する技術は種々提案されている。具体的に、特許文献1には、炭素数1〜4のアルキル基を有するリン酸エステル化合物を電解液に添加することにより、電解液の酸化分解が抑制され、リチウム二次電池の充放電サイクル特性が改善されることが開示されている。
特許文献2には、ホウ酸エステル化合物を電解液に添加することにより電解液の還元分解反応が抑制されることで、リチウム二次電池の高温保存特性が改善されることが開示されている。
特開2003−173819号公報 特開2003−132946号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2の化合物は電気化学的に安定である一方、炭素数の増加にともない化合物自体の粘度が高くなるために、これらを含む電解液のイオン伝導度が低下し、電池の内部抵抗が増加することで出力特性が低下するという問題があった。また、特許文献1および特許文献2の化合物を用いても高温保存特性の改善、充放電サイクル特性の改善も十分であるとは言い難い。
本発明は、非水電解液二次電池またはリチウムイオンキャパシタに優れた高温保存特性等の電気化学的安定性を与え、さらに優れた充放電サイクル特性と出力特性を与える電気化学デバイス用電解液および電極を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、オキソ酸エステル結合(a)および一般式(1)で表される基(e)を有する化合物であって、該オキソ酸エステル結合がホウ酸エステル結合(b)および/またはリン酸エステル結合(p)である化合物(C)を含有する電気化学デバイス用添加剤(D)
Figure 2015035409
[式(1)中、Mは1価の金属イオンを表す。]
;前記電気化学デバイス用添加剤(D)を含有する電極または電解液;前記電極および/または電解液を有するリチウム二次電池;前記電極および/または電解液を有するリチウムイオンキャパシタである。
本発明の電気化学デバイス用添加剤(D)を含有する電極および/または電解液を使用することで高温保存特性、充放電サイクル特性および出力特性に優れたリチウム二次電池またはリチウムイオンキャパシタを作成できる。
<電気化学デバイス用添加剤(D)>
本発明の電気化学デバイス用添加剤(D)は、リチウム二次電池またはリチウムイオンキャパシタの電極および/または電解液に含有させることで高温保存特性、充放電サイクル特性および出力特性を向上させることができる。
本発明の電気化学デバイス用添加剤(D)は、オキソ酸エステル結合(a)および上記一般式(1)で表される基(e)を有する化合物であって、該オキソ酸エステル結合がホウ酸エステル結合(b)および/またはリン酸エステル結合(p)である化合物(C)を含有することを特徴とする。
化合物(C)は、例えば下記一般式(2)で表される化合物(C1)、および下記一般式(3)で表される化合物(C2)が挙げられる。
Figure 2015035409
[式(2)中、Rは酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基、Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基、(e)は上記一般式(1)で表される基、nは1〜3の整数である。]
Figure 2015035409
[式(3)中、Rは酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、(e)は上記一般式(1)で表される基、mは1〜3の整数である。]
炭化水素基RおよびRは、酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基である。具体例としては炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基(例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、デカメチレン)、炭素数5〜10の2価の脂環式炭化水素基(例えば、1,4−シクロヘキサンジイル、1,2−シクロペンタンジイル)または炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基(例えば、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,5−ナフチレン)等が挙げられ、化合物の電気化学的安定性という観点から、好ましいものは2価の脂肪族炭化水素基および2価の脂環式炭化水素基である。
炭化水素基RおよびRは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。具体的には、炭素数1〜10の1価の脂肪族飽和炭化水素基(例えば、メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、1−メチルプロピル、イソブチル、t−ブチル、ノルマルペンチル、イソペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル)、炭素数1〜10の1価の脂肪族不飽和炭化水素基(例えば、ゲラニオール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、リナロール、シトロネロール、レチノール等の1価の脂肪族不飽和アルコールから1個の水酸基を除いた残基)、炭素数5〜10の1価の脂環式炭化水素基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロオクチル)または炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基(例えば、フェニル、4−トリル、3−トリル、2−トリル、1−ナフチル、2−ナフチル)等が挙げられ、化合物の電気化学的安定性という観点から、1価の脂肪族飽和炭化水素基、1価の脂肪族不飽和炭化水素基および1価の脂環式炭化水素基が好ましい。
上記一般式(1)中、Mとして表される1価の金属イオンとしては、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン等が挙げられる。これらの中で、出力特性の観点からリチウムイオンまたはナトリウムイオンが好ましい。
化合物(C)中の基(e)の濃度は0.8〜5.0mmol/gが好ましく、より好ましくは2.0〜4.7mmol/gである。
化合物(C1)は例えば以下の方法で得ることができる。反応時間は1〜24時間だが、5〜15時間が好ましい。
(1)ホウ酸と、1価のアルコール(H)、基(e)および水酸基を有する化合物(K)とを脱水縮合して合成する。反応は、水と共沸する溶媒中で行う。反応溶媒としてはトルエン、ベンゼン等が挙げられるが、トルエンが好ましい。
(2)三塩化ホウ素または三臭化ホウ素と、1価のアルコール(H)、基(e)および水酸基を有する化合物(K)とを塩基存在下で反応させて合成する。反応は有機溶媒中で行う。反応溶媒としてはトルエン、ベンゼン等が挙げられる。
化合物(C2)は例えば以下の方法で得ることができる。反応時間は1〜24時間だが、5〜15時間が好ましい。
(1)リン酸と、1価のアルコール(H)、基(e)および水酸基を有する化合物(K)とを脱水縮合して合成する。反応は、水と共沸する溶媒中で行う。反応溶媒としてはトルエン、ベンゼン等が挙げられるが、トルエンが好ましい。
(2)塩化ホスホリルと、1価のアルコール(H)、基(e)および水酸基を有する化合物(K)とを塩基存在下で反応させて合成する。反応は有機溶媒中で行う。反応溶媒としてはトルエン、ベンゼン等が挙げられる。
1価のアルコール(H)としては、例えば、脂肪族飽和アルコール(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−デカノール)、脂肪族不飽和アルコール(例えば、ゲラニオール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、リナロール、シトロネロール、レチノール)、脂環式アルコール(例えば、シクロヘキサノール、シクロペンタノール)等が挙げられる。
基(e)および水酸基を有する化合物(K)としては、ヒドロキシメタンスルホン酸リチウム、2−ヒドロキシエタンスルホン酸リチウム、2−ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸リチウム等が挙げられる。
電気化学デバイス用添加剤(D)は、化合物(C)以外の成分を含有していてもよいが、(C)以外の成分を含有しない方が好ましい。化合物(C)以外の成分としては例えば、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、エチレンサルファイト、プロピレンサルファイトおよびα−ブロモ−γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
電気化学デバイス用添加剤(D)における化合物(C)の含有量は、(D)の重量を基準として、10〜100重量%であることが好ましく、更に好ましくは50〜100重量%である。
<電解液>
本発明の電解液は、電気化学デバイス用添加剤(D)、電解質(F)および非水溶媒(G)を含有し、好ましくはリチウム二次電池用およびリチウムイオンキャパシタ用の電解液として有用である。
電解質(F)としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6およびLiClO4等の無機酸のリチウム
塩、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22およびLiC(CF3SO23等の有機酸のリチウム塩が挙げられる。これらの内、電池出力および充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiPF6である。
非水溶媒(G)としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状または鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状または鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等およびこれらの混合物を用いることができる。
非水溶媒(G)の内、電池出力および充放電サイクル特性の観点から好ましいのは環状または鎖状炭酸エステルである。
環状炭酸エステルの具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートおよびブチレンカーボネート等が挙げられる。
鎖状炭酸エステルの具体例としては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネートおよびジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。
本発明の電解液における電気化学デバイス用添加剤(D)、電解質(F)および非水溶媒(G)の合計重量に基づく電気化学デバイス用添加剤(D)、電解質(F)および非水溶媒(G)のそれぞれ好ましい含有量は以下の通りである。
(D)の含有量は、充放電サイクル特性、電池容量、キャパシタ容量および高温保存特性の観点から、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜1重量%である。
電解液中の電解質(F)の含有量は、電池出力、キャパシタ出力および充放電サイクル特性の観点から好ましくは0.1〜30重量%であり、更に好ましくは0.5〜20重量%である。
非水溶媒(G)の含有量は、電池出力、キャパシタ出力および充放電サイクル特性の観点から好ましくは60〜99重量%であり、更に好ましくは85〜95重量%である。
本発明の電解液は、更に過充電防止剤、脱水剤および容量安定化剤等の添加剤を含有してもよい。以下の添加剤各成分の含有量は、電極保護膜形成剤(D)、電解質(F)および非水溶媒(G)の合計重量に基づくものである。
過充電防止剤としては、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼンおよびt−アミルベンゼン等の芳香族化合物等が挙げられる。過充電防止剤の使用量は、通常0〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
脱水剤としては、ゼオライト、シリカゲルおよび酸化カルシウム等が挙げられる。脱水剤の使用量は、(D)、(F)および(G)の合計重量に基づいて、通常0〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
容量安定化剤としては、フルオロエチレンカーボネート、無水コハク酸、1−メチル−2−ピペリドン、ヘプタンおよびフルオロベンゼン等が挙げられる。容量安定化剤の使用量は、(D)、(F)および(G)の合計重量に基づいて、通常0〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
<電極>
本発明の電極は、充放電して使用する前は電気化学デバイス用添加剤(D)、活物質(N)、および結着剤(O)を含有する。
リチウム二次電池用正極活物質(N11)はリチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2及びLiMn24)、遷移金属酸化物(例えばMnO2及びV25)、遷移金属硫化物(例えばMoS2及びTiS2)、及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリフッ化ビニリデン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン及びポリカルバゾール)等が挙げられる。
リチウム二次電池用負極活物質(N12)は黒鉛、アモルファス炭素、高分子化合物焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス)、炭素繊維、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール)、スズ、シリコン、及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)等が挙げられる。
リチウムイオンキャパシタ用正極活物質(N21)は活性炭、炭素繊維及び導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール)等が挙げられる。
リチウムイオンキャパシタ用負極活物質(N22)はリチウム二次電池用負極活物質(N12)にリチウムをドーピングすることにより得られる。
結着剤(O)としてはデンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレンおよびポリプロピレン等の高分子化合物が挙げられる。
本発明の電極はさらに導電助剤(J)を含有することができる。
導電助剤(J)としては黒鉛(例えば天然黒鉛および人工黒鉛)、カーボンブラック類(例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラックおよびサーマルブラック)および金属粉末(例えばアルミニウム粉およびニッケル粉)、導電性金属酸化物(例えば酸化亜鉛および酸化チタン)等が挙げられる。
本発明の電極における、電気化学デバイス用添加剤(D)、活物質(N)および結着剤(O)の合計重量に基づく電気化学デバイス用添加剤(D)、活物質(N)、結着剤(O)、および導電助剤(J)のそれぞれの好ましい含有量は以下の通りである。
(D)の含有量は、充放電サイクル特性、電池容量、キャパシタ容量および高温保存特性の観点から、好ましくは0.01〜10重量%であり、更に好ましくは0.05〜2重量%である。
活物質(N)の含有量は、電池容量の観点から、好ましくは70〜98重量%であり、更に好ましくは90〜98重量%である。
結着剤(O)の含有量は、電池容量の観点から、好ましくは0.1〜29重量%であり、更に好ましくは0.5〜10重量%である。
導電助剤(J)の含有量は、電池出力の観点から、好ましくは0〜29重量%であり、更に好ましくは1〜10重量%である。
本発明の電極は、例えば電気化学デバイス用添加剤(D)、活物質(N)、結着剤(O)、および必要により導電助剤(J)を、水または溶媒に30〜60重量%の濃度で分散してスラリー化したものを、集電体にバーコーター等の塗工装置で塗布後、乾燥して溶媒を除去して、必要によりプレス機でプレスすることにより得られる。
上記分散溶媒としては、ラクタム化合物、ケトン化合物、アミド化合物、アミン化合物、環状エーテル化合物等を用いることができる。
例えば1−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンおよびテトラヒドロフラン等が挙げられる。
集電体としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電性高分子および導電性ガラス等が挙げられる。
本発明のリチウム二次電池は、正極、負極およびセパレータを収納した電池缶内に電解液を注入して電池缶を密封する際に、正極または負極として本発明の電極を用いるか、電解液に本発明の電解液を用いるか、またはこれらの併用により得られる。
リチウム二次電池におけるセパレータとしては、ポリエチレンまたはポリプロピレン製フィルムの微多孔膜、多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとの多層フィルム、ポリエステル繊維、アラミド繊維およびガラス繊維等からなる不織布並びにこれらの表面にシリカ、アルミナおよびチタニア等のセラミック微粒子を付着させたものが挙げられる。
リチウム二次電池における電池缶としては、ステンレススチール、鉄、アルミニウムおよびニッケルメッキスチール等の金属材料を用いることができるが、電池用途に応じてプラスチック材料を用いることもできる。また電池缶は、用途に応じて円筒型、コイン型、角型またはその他任意の形状にすることができる。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、本発明のリチウム二次電池の基本構成において、正極をリチウムイオンキャパシタ用の正極に代え、電池缶をキャパシタ缶に代えることにより得られる。キャパシタ缶の材質および形状としては、電池缶で例示したものと同様のものが挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<製造例1>
2−ヒドロキシエタンスルホン酸リチウム(K−1)
撹拌機、温度計を取り付けたフラスコに、70%2−ヒドロキシエタンスルホン酸溶液[和光純薬工業(株)製]5.0部を仕込み、氷浴にて冷却しながら水酸化リチウム[和光純薬工業(株)製]0.66部を含む水溶液を用いて中和した。得られた水溶液を加熱し水を蒸発させた後、減圧(1.3kPa)下乾燥させて2−ヒドロキシエタンスルホン酸リチウム(K−1)3.6部を得た(収率98%)。
<製造例2>
3−ヒドロキシプロパンスルホン酸リチウム(K−2)
70%2−ヒドロキシエタンスルホン酸溶液5.0部の代わりに80%3−ヒドロキシプロパンスルホン酸溶液[東京化成工業(株)製]4.9部を用いた以外は、製造例1と同様にして行い、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸リチウム(K−2)3.9部を得た(収率97%)。
<実施例1>
電気化学デバイス用添加剤(D−1)
撹拌機、温度計、ディーン・スターク管および冷却管を取り付けたフラスコに、ホウ酸[和光純薬工業(株)製]4.3部、1−ブタノール(H−1)[和光純薬工業(株)製]10.3部、2−ヒドロキシエタンスルホン酸リチウム(K−1)9.1部およびトルエン100部を仕込み、115℃で8時間加熱した。トルエンを減圧(1.3kPa)下で除去後、ヘキサン中に懸濁させて濾過により反応物を精製し、下記式で表される化合物(C−1)を主成分とする混合物16.3部を得た(収率82%)。得られた混合物を電気化学デバイス用添加剤(D−1)とする。
Figure 2015035409
<実施例2>
電気化学デバイス用添加剤(D−2)
1−ブタノール10.3部の代わりにシクロヘキサノール(H−2)[和光純薬工業(株)製]13.9部を用いた以外は実施例1と同様にして行い、下記式で表される化合物(C−2)を主成分とする混合物18.8部を得た(収率80%)。得られた混合物を電気化学デバイス用添加剤(D−2)とする。
Figure 2015035409
<実施例3>
電気化学デバイス用添加剤(D−3)
1−ブタノール10.3部の代わりにプレノール(H−3)[東京化成工業(株)製3−メチル−2−ブテン−1−オール]11.9部、2−ヒドロキシエタンスルホン酸リチウム9.1部の代わりに3−ヒドロキシプロパンスルホン酸リチウム(K−2)9.7部を用いた以外は実施例1と同様にして行い、下記式で表される化合物(C−3)を主成分とする混合物17.3部を得た(収率78%)。得られた混合物を電気化学デバイス用添加剤(D−3)とする。
Figure 2015035409
<実施例4>
電気化学デバイス用添加剤(D−4)
1−ブタノール10.3部の代わりに1−デカノール(H−4)[和光純薬工業(株)製]11.0部、2−ヒドロキシエタンスルホン酸リチウム9.1部の代わりに2−ヒドロキシエタンスルホン酸リチウム18.3部を用いた以外は実施例1と同様にして行い、下記式で表される化合物(C−4)を主成分とする混合物25.3部を得た(収率85%)。得られた混合物を電気化学デバイス用添加剤(D−4)とする。
Figure 2015035409
<実施例5>
電気化学デバイス用添加剤(D−5)
1−ブタノール10.3部の代わりに2−エチル−1−ヘキサノール(H−5)[東京化成工業(株)製]18.0部を用いた以外は実施例1と同様にして行い、下記式で表される化合物(C−5)を主成分とする混合物21.1部を得た(収率76%)。得られた混合物を電気化学デバイス用添加剤(D−5)とする。
Figure 2015035409
<実施例6>
電気化学デバイス用添加剤(D−6)
2−ヒドロキシエタンスルホン酸リチウム9.1部の代わりに2−ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム(K−3)[東京化成工業(株)製イセチオン酸ナトリウム]10.2部を用いた以外は実施例1と同様にして行い、下記式で表される化合物(C−6)を主成分とする混合物16.2部を得た(収率77%)。得られた混合物を電気化学デバイス用添加剤(D−6)とする。
Figure 2015035409
<実施例7>
電気化学デバイス用添加剤(D−7)
ホウ酸4.3部の代わりにリン酸[和光純薬工業(株)製]6.8部を用いた以外は実施例1と同様にして行い、下記式で表される化合物(C−7)を主成分とする混合物16.8部を得た(収率75%)。得られた混合物を電気化学デバイス用添加剤(D−7)とする。
Figure 2015035409
<実施例8>
電気化学デバイス用添加剤(D−8)
ホウ酸4.3部の代わりにリン酸6.8部を用いた以外は実施例2と同様にして行い、下記式で表される化合物(C−8)を主成分とする混合物21.4部を得た(収率82%)。得られた混合物を非水電解液二電池用添加剤(D−8)とする。
Figure 2015035409
<実施例9>
電気化学デバイス用添加剤(D−9)
ホウ酸4.3部の代わりにリン酸6.8部を用いた以外は実施例3と同様にして行い、下記式で表される化合物(C−9)を主成分とする混合物20.0部を得た(収率81%)。得られた混合物を電気化学デバイス用添加剤(D−9)とする。
Figure 2015035409
<実施例10>
電気化学デバイス用添加剤(D−10)
ホウ酸4.3部の代わりにリン酸6.8部を用いた以外は実施例4と同様にして行い、下記式で表される化合物(C−10)を主成分とする混合物27.1部を得た(収率84%)。得られた混合物を電気化学デバイス用添加剤(D−10)とする。
Figure 2015035409
<実施例11>
電気化学デバイス用添加剤(D−11)
ホウ酸4.3部の代わりにリン酸6.8部を用いた以外は実施例5と同様にして行い、下記式で表される化合物(C−11)を主成分とする混合物23.9部を得た(収率79%)。得られた混合物を電気化学デバイス用添加剤(D−11)とする。
Figure 2015035409
<実施例12>
電気化学デバイス用添加剤(D−12)
ホウ酸4.3部の代わりにリン酸6.8部を用いた以外は実施例6と同様にして行い、下記式で表される化合物(C−12)を主成分とする混合物18.8部を得た(収率80%)。得られた混合物を電気化学デバイス用添加剤(D−12)とする。
Figure 2015035409
<比較例1>
比較電気化学デバイス用添加剤(D’−1)
ホウ酸トリブチル[東京化成工業(株)製トリブチルボレート]を比較電気化学デバイス用添加剤(D’−1)とする。
<比較例2>
比較電気化学デバイス用添加剤(D’−2)
リン酸トリブチル[和光純薬工業(株)製]を比較電気化学デバイス用添加剤(D’−2)とする。
本発明の電気化学デバイス用添加剤(D−1)〜(D−12)および比較電気化学デバイス用添加剤(D’−1)〜(D’−2)について、表1にまとめた。
Figure 2015035409
リチウム二次電池、電解液の評価
<実施例13〜24、比較例3〜5>
上記電気化学デバイス用添加剤(D)または比較電気化学デバイス用添加剤(D’)を表2に示した配合部数で含有するリチウム二次電池用電解液を下記の方法で作製し、該電解液を使用して下記の方法でリチウム二次電池を作製した。
以下の方法で高温保存特性、充放電サイクル特性および出力特性を評価した結果を表2に示した。
Figure 2015035409
[リチウム二次電池用正極の作製]
LiCoO2粉末90.0部、ケチェンブラック[シグマアルドリッチ社製]5.0部およびポリフッ化ビニリデン[シグマアルドリッチ社製]5.0部を乳鉢で十分に混合した後、1−メチル−2−ピロリドン70.0部を添加し、更に乳鉢で十分に混合してスラリーを得た。得られたスラリーを、大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmのアルミニウム電解箔上の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して、15.95mmφに打ち抜き、リチウム二次電池用正極を作製した。
[リチウム二次電池用負極の作製]
平均粒子径約8〜12μmの黒鉛粉末92.5部、ポリフッ化ビニリデン7.5部および1−メチル−2−ピロリドン200部を乳鉢で十分に混合しスラリーを得た。得られたスラリーを、大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmの銅箔上の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して、16.15mmφに打ち抜き、プレス機で厚さ30μmにしてリチウム二次電池用負極を作製した。
[電解液の作製]
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比率1:1)87.5部に、表1に示した部数で電気化学デバイス用添加剤(D)または比較電気化学デバイス用添加剤(D’)を配合し、そこに12重量%となるように電解質(F)としてのLiPFを溶解させ、電解液を調製した。
[二次電池の作製]
2032型コインセル内の両端に、上記正極および負極を、それぞれの塗布面が向き合うように配置して、電極間にセパレータ(ポリプロピレン製不織布)を挿入し、二次電池用セルを作製した。
上記電解液を、作製した二次電池用セルに注液後密封し二次電池を作製した。
<高温保存特性の評価>
充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、0.1Cの電流で電圧4.5Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で電圧3.5Vまで放電し容量を測定した(初回電池容量)。更に0.1Cの電流で電圧4.5Vまで充電し、85℃で7日間保存後、0.1Cの電流で3.5Vまで放電を行い、電池容量を測定した(高温保存後電池容量)。下記式から高温保存特性を算出する。数値が大きいほど、高温保存特性が良好であることを示す。
高温保存特性(%)=(高温保存後電池容量/初回電池容量)×100
なお、CとはCレート放電のことであり、1Cとは電池の容量を1時間で放電してしまう電流値をいうものとする。
<充放電サイクル特性の評価>
充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」を用いて、0.1Cの電流で電圧4.5Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で電池電圧を3.5Vまで放電し、この充放電を繰り返した。この時の初回充電時の電池容量と50サイクル目充電時の電池容量を測定し、下記式から充放電サイクル特性を算出した。数値が大きいほど、充放電サイクル特性が良好であることを示す。
充放電サイクル特性(%)=(50サイクル目充電時の電池容量/初回充電時の電池容量)×100
<二次電池出力特性の評価>
充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」を用いて、0.1Cの電流で電圧4.5Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で電圧を3.0Vまで放電し、放電容量(以下0.1C放電容量と記載)を測定した。次に0.1Cの電流で電圧4.5Vまで充電し、10分間の休止後、1Cの電流で電圧を3.0Vまで放電し容量(以下1C放電容量と記載)を測定し、下記式から1C放電時の容量維持率を算出する。数値が大きい程、出力特性が良好であることを示す。
1C放電時の容量維持率(%)=(1C放電容量/0.1C放電容量)×100
リチウム二次電池、電極の評価
<実施例25〜38、比較例6、7>
上記電気化学デバイス用添加剤(D)または比較電気化学デバイス用添加剤(D’)を表2に示した配合部数で含有するリチウム二次電池用正極および負極を下記の方法で作製し、該正極および負極を使用して下記の方法でリチウム二次電池を作製した。
電解液の場合と同様に上記の方法で高温保存特性、充放電サイクル特性および出力特性を評価した結果を表2に示した。
[リチウム二次電池用正極の作製]
LiCoO2粉末90.0部、ケチェンブラック5.0部、ポリフッ化ビニリデン5.0部および表2に示した部数の(D)または(D’)を乳鉢で十分に混合した後、1−メチル−2−ピロリドン70.0部を添加し、更に乳鉢で十分に混合してスラリーを得た。得られたスラリーを、大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmのアルミニウム電解箔上の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して、15.95mmφに打ち抜き、リチウム二次電池用正極を作製した。
[リチウム二次電池用負極の作製]
平均粒子径約8〜12μmの黒鉛粉末92.5部、ポリフッ化ビニリデン7.5部、1−メチル−2−ピロリドン200部および表1に示した部数の(D)または(D‘)を乳鉢で十分に混合しスラリーを得た。得られたスラリーを、大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmの銅箔上の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して、16.15mmφに打ち抜き、プレス機で厚さ30μmにしてリチウム二次電池用負極を作製した。
[リチウム二次電池の作製]
2032型コインセル内の両端に、上記で作製した正極および負極をそれぞれの塗布面が向き合うように配置して、電極間にセパレータ(ポリプロピレン製不織布)を挿入し、二次電池用セルを作製した。エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒(体積比率1:1)に、LiPFを12重量%の割合で溶解させた電解液を作製したセルに注液密封した。
リチウムイオンキャパシタ、電解液の評価
<実施例39〜50、比較例8〜10>
上記電気化学デバイス用添加剤(D)または比較電気化学デバイス用添加剤(D’)を表3に示した配合部数で含有するリチウムイオンキャパシタ用電解液を使用したリチウムイオンキャパシタを下記の方法で作製した。
以下の方法で高温保存特性、充放電サイクル特性および出力特性を評価し、結果を表3に示した。
Figure 2015035409
[電解液の作製]
プロピレンカーボネート87.5部からなる非水溶媒(G)に、表3に示した部数で(D)または(D’)を配合し、そこに12重量%となるように電解質(F)としてのLiPFを溶解させ、電解液を調製した。
[正極の作製]
正極活物質として、アルカリ賦活法によって得られた比表面積が約2200m/gである活性炭を用いた。活性炭粉末、アセチレンブラック及びポリフッ化ビニリデンを、それぞれ重量比80:10:10の割合となるように混合し、この混合物を、溶媒である1−メチル−2−ピロリドン中に添加し、撹拌混合してスラリーを得た。このスラリーを、厚さ30μmのアルミニウム箔の上にドクターブレード法で塗布し、仮乾燥した後、電極サイズが20mm×30mmとなるように切り取った。電極の厚みは約50μmであった。セルの組み立て前には、1.3kPa、120℃、10時間乾燥しリチウムイオンキャパシタ用の正極を作製した。
[負極の作製]
平均粒子径約8〜12μmの黒鉛粉末80部、アセチレンブラック10部、及びポリフッ化ビニリデン10部を混合し、この混合物を溶媒である1−メチル−2−ピロリドンに添加して撹拌混合し、スラリーを得た。このスラリーを、厚さ18μmの銅箔の上にドクターブレード法で塗布し、仮乾燥した後、電極サイズが20mm×30mmとなるように切り取った。電極の厚みは、約50μmであった。さらに真空中で120℃、5時間乾燥した。得られた電極と、リチウム金属箔を、セパレータ(ポリプロピレン製不織布)で挟んでビーカーセルにセットし、負極理論容量の約75%のリチウムイオンを約10時間かけて負極に吸蔵させ、リチウムイオンキャパシタ用負極を作製した。
[負極へのリチウムのドーピング]
上記のようにして得られた負極に、以下のようにしてリチウムをドーピングさせた。負極とリチウム金属箔を、セパレータ(ポリプロピレン製不織布)で挟んでビーカーセルにセットし、所定量のリチウムイオンを約10時間かけて負極に吸蔵させた。リチウムのドープ量は、負極理論容量の約75%とした。
[キャパシタセルの組み立て]
上記のようにして得られた正極と負極の間に、セパレータ(ポリプロピレン製不織布)を挿入し、これに上記電解液を含浸させ、ポリプロピレンのアルミラミネートフィルムからなる収納ケースに入れて密封しリチウムイオンキャパシタセルを作製した。
<高温保存特性の評価>
充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」を用いて、1Cの電流で電圧3.8Vまで充電し、10分間の休止後、1Cの電流で電圧2.0Vまで放電し容量を測定した(初回放電容量)。更に1Cの電流で電圧3.8Vまで充電し、85℃で7日間保存後、1Cの電流で電圧2.0Vまで放電を行い、放電容量を測定した(高温保存後放電容量)。下記式から高温保存特性を算出する。数値が大きいほど、高温保存特性が良好であることを示す。
高温保存特性(%)=(高温保存後放電容量/初回放電容量)×100
<充放電サイクル特性の評価>
充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」を用いて、1Cの電流で電圧3.8Vまで充電し、10分間の休止後、1Cの電流で電圧2.0Vまで放電し、この充放電を繰り返した。この時の初回充電時の放電容量と50サイクル目充電時の放電容量を測定し、下記式から充放電サイクル特性を算出した。数値が大きい程、充放電サイクル特性が良好であることを示す。
充放電サイクル特性(%)=(50サイクル目充電時の放電容量/初回充電時の放電容量)×100
<出力特性の評価>
充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」を用いて、1Cの電流で電圧3.8Vまで充電し、10分間の休止後、1Cの電流で電圧を1.0Vまで放電し、放電容量(以下1C放電容量と記載)を測定した。次に1Cの電流で電圧3.8Vまで充電し、10分間の休止後、10Cの電流で電圧を2.0Vまで放電し容量(以下10C放電容量と記載)を測定し、下記式から10C放電時の容量維持率を算出する。数値が大きい程、出力特性が良好であることを示す。
10C放電時の容量維持率(%)=(10C放電容量/1C放電容量)×100
リチウムイオンキャパシタ、電極の評価
<実施例51〜64、比較例11、12>
上記電気化学デバイス用添加剤(D)または比較電気化学デバイス用添加剤(D’)を表3に示した配合部数で含有するリチウムイオンキャパシタ用正極および負極を下記の方法で作製し、該正極および負極を使用して下記の方法でリチウムイオンキャパシタを作製した。
電解液の場合と同様に、上記の方法で高温保存特性、充放電サイクル特性および出力特性を評価し、結果を表3に示した。
[リチウムイオンキャパシタ用正極の作製]
活性炭粉末90.0部、ケチェンブラック5.0部、ポリフッ化ビニリデン5.0部および表2に示した部数の(D)または(D’)を乳鉢で十分に混合した後、1−メチル−2−ピロリドン70.0部を添加し、更に乳鉢で十分に混合してスラリーを得た。得られたスラリーを、大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmのアルミニウム電解箔上の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して、15.95mmφに打ち抜き、リチウムイオンキャパシタ用正極を作製した。
[リチウムイオンキャパシタ用負極の作製]
平均粒子径約8〜12μmの黒鉛粉末92.5部、ポリフッ化ビニリデン7.5部、1−メチル−2−ピロリドン200部および表3に示した部数の(D)または(D’)を乳鉢で十分に混合しスラリーを得た。得られたスラリーを、大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmの銅箔の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して、16.15mmφに打ち抜き、プレス機で厚さ30μmにした。得られた電極と、リチウム金属箔を、セパレータ(ポリプロピレン製不織布)で挟んでビーカーセルにセットし、負極理論容量の約75%のリチウムイオンを約10時間かけて負極に吸蔵させ、リチウムイオンキャパシタ用負極を作製した。
[負極へのリチウムのドーピング]
上記のようにして得られた負極に、以下のようにしてリチウムをドーピングさせた。負極とリチウム金属箔を、セパレータ(ポリプロピレン製不織布)で挟んでビーカーセルにセットし、所定量のリチウムイオンを約10時間かけて負極に吸蔵させた。リチウムのドープ量は、負極理論容量の約75%とした。
[リチウムイオンキャパシタの作製]
ポリプロピレンのアルミラミネートフィルムからなる収納ケースに、上記で作製した正極および負極を、それぞれの塗布面が向き合うように配置して、電極間にセパレータ(ポリプロピレン製不織布)を挿入し、キャパシタ用セルを作製した。プロピレンカーボネート(PC)に、LiPFを12重量%の割合で溶解させた電解液を作製したセルに注液密封した。
本発明の電気化学デバイス用添加剤を用いて作製したリチウム二次電池およびリチウムイオンキャパシタは、高温保存特性、充放電サイクル特性および出力特性に優れていることが判った。高温保存特性および充放電サイクル特性が向上する原因としては、該添加剤の添加により電解液の電気的安定性が向上するためと考える。出力特性が向上した原因としては、該添加剤の添加によりイオン伝導度が向上し、内部抵抗が低減したためと考える。
本発明の電気化学デバイス用添加剤(D)を使用した電極および電解液は高温保存特性、充放電サイクル性能および出力特性に優れているため、特にリチウム二次電池用またはリチウムイオンキャパシタ用の電極および電解液用添加剤として有用であり、電気自動車用として好適である。また、その他の電気化学デバイス、例えば電気二重層キャパシタ、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、空気電池、アルカリ電池等にも適用できる。

Claims (12)

  1. オキソ酸エステル結合(a)および一般式(1)で表される基(e)を有する化合物であって、該オキソ酸エステル結合がホウ酸エステル結合(b)および/またはリン酸エステル結合(p)である化合物(C)を含有する電気化学デバイス用添加剤(D)。
    Figure 2015035409
    [式(1)中、Mは1価の金属イオンを表す。]
  2. 化合物(C)が下記一般式(2)または(3)で表される請求項1に記載の添加剤。
    Figure 2015035409
    [式(2)中、Rは酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基、Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基、(e)は上記一般式(1)で表される基、nは1〜3の整数である。]
    Figure 2015035409
    [式(3)中、Rは酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、(e)は上記一般式(1)で表される基、mは1〜3の整数である。]
  3. 式(1)中、Mとして表される1価の金属イオンが、リチウムイオンまたはナトリウムイオンである請求項1または2に記載の添加剤。
  4. 一般式(1)で表される基(e)の化合物(C)中の濃度が化合物(C)の重量に基づいて、0.8〜5.0mmol/gである請求項1〜3のいずれか1項に記載の添加剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気化学デバイス用添加剤(D)、電解質(F)および非水溶媒(G)を含有する電解液。
  6. リチウム二次電池用である請求項5に記載の電解液。
  7. リチウムイオンキャパシタ用である請求項5に記載の電解液。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学デバイス用添加剤(D)を含有する電極。
  9. リチウム二次電池用である請求項8に記載の電極。
  10. リチウムイオンキャパシタ用である請求項8に記載の電極。
  11. 請求項6に記載の電解液および/または請求項9に記載の電極を有するリチウム二次電池。
  12. 請求項7に記載の電解液および/または請求項10に記載の電極を有するリチウムイオンキャパシタ。
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