JP2015035019A - 障害物判定装置、自律移動装置および障害物判定方法 - Google Patents

障害物判定装置、自律移動装置および障害物判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストでかつ簡易な構成で障害物の種類を判定することが可能な障害物判定装置および自律移動装置ならびに障害物判定方法を提供する。【解決手段】移動装置200の前方の斜め下方に向かって光が照射されるとともに水平方向に走査される。物体からの反射光に基づいて複数の反射点までの距離を示す複数の距離データが生成される。複数の距離データが距離データ群からなる一または複数のクラスタに分割される。各クラスタに含まれる距離データ群に基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体と移動装置200との相対速度情報、複数の反射点を含む物体の絶対速度情報および複数の反射点の速度の大きさのばらつきが算出される。各クラスタについての相対速度情報、絶対速度情報および速度の大きさのばらつきに基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体が静止障害物、移動障害物および路面のいずれであるかが判定される。【選択図】図1

Description

本発明は、障害物判定装置、自律移動装置および障害物判定方法に関する。
工事現場等の作業環境においては、運転手による運転および操作を必要としない自律式の移動装置を用いて工事作業が行われることがある。このような移動装置は、作業環境内に障害物がある場合でも、自律的に障害物を回避して移動する(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載された移動装置は、障害物の位置および特徴と移動装置の姿勢情報および軌道情報とに基づいて、障害物との衝突予測を行う。衝突を予測した場合、移動装置は、障害物を回避するための障害物の左右または障害物の周囲を通過する経由点を算出し、経由点を通る一または複数の回避経路を生成する。また、移動装置は、障害物と干渉しないように経由点を調整し、かつ走行可能な滑らかな回避軌道を生成する。
特開2008−65755号公報
障害物の種類により、移動装置による障害物の最適な回避方法が異なるため、障害物の種類が判定されることが望まれる。特許文献1の移動装置においては、外界センサにより外部に存在する物体の位置および形状が検出される。また、検出された物体が静止障害物であるか移動障害物であるかが判定される。しかしながら、低コストでかつ簡易な構成で障害物の種類を判定することは困難になる。
本発明の目的は、低コストでかつ簡易な構成で障害物の種類を判定することが可能な障害物判定装置および自律移動装置ならびに障害物判定方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る障害物判定装置は、移動装置に搭載される障害物判定装置であって、移動装置の前方の斜め下方に向かって光を照射するとともに水平方向に走査し、物体からの反射光に基づいて複数の反射点までの距離を示す複数の距離データを生成するデータ生成部と、データ生成部により生成された複数の距離データを距離データ群からなる一または複数のクラスタに分割し、各クラスタに含まれる距離データ群に基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体と移動装置との相対的な速度に関する相対速度情報、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体の絶対的な速度に関する絶対速度情報、および各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさのばらつきを算出する算出部と、算出部により算出された各クラスタについての相対速度情報、絶対速度情報および速度の大きさのばらつきに基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体が静止障害物、移動障害物および路面のいずれであるかを判定する判定部とを備えるものである。
この障害物判定装置においては、移動装置の前方の斜め下方に向かって光が照射されるとともに水平方向に走査される。これにより、低コストでかつ簡易な構成で物体からの反射光に基づいて複数の反射点までの距離を示す複数の距離データが生成される。また、比較的小さい高さを有する静止障害物ならびに比較的大きい高さを有する歩行者および他の車両等の移動障害物を検出することができる。一方、移動装置の前方の斜め下方に向かって光を照射すると、移動装置の前方の路面からの反射光が増加するため、回避する必要がない路面が物体として検出される可能性がある。
上記の構成においては、生成された複数の距離データが距離データ群からなる一または複数のクラスタに分割される。各クラスタに含まれる距離データ群に基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体と移動装置との相対的な速度に関する相対速度情報が算出される。また、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体の絶対的な速度に関する絶対速度情報が算出される。さらに、各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさのばらつきが算出される。
算出された各クラスタについての相対速度情報、絶対速度情報および速度の大きさのばらつきに基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体が静止障害物、移動障害物および路面のいずれであるかが判定される。これにより、低コストでかつ簡易な構成で障害物の種類を判定することが可能になる。
(2)算出部は、各クラスタに対応する物体が移動装置に接近している時間の程度を示す接近時間情報を相対速度情報として算出し、判定部は、算出部により算出された接近時間情報に基づいて静止障害物を路面から識別してもよい。
静止障害物が移動装置に相対的に接近する時間は、路面が移動装置に相対的に接近する時間よりも長くなる傾向にある。したがって、接近時間情報を用いることにより静止障害物を路面から識別することができる。
(3)算出部は、各クラスタに対応する反射点からの反射光が検出されてから当該クラスタに対応する反射点からの反射光が検出されなくなるまでの時間の長さを第1の時間期間として算出し、第1の時間期間のうち当該クラスタに対応する物体が移動装置に接近している時間の長さを第2の時間期間として算出し、第1の時間期間と第2の時間期間との比を接近時間情報として算出し、判定部は、第1の時間期間と第2の時間期間との比に基づいて静止障害物を路面から識別してもよい。
静止障害物についての第1の時間期間と第2の時間期間との比は、路面についての第1の時間期間と第2の時間期間との比よりも大きい。したがって、第1の時間期間と第2の時間期間との比を用いることにより、静止障害物を路面から正確に識別することができる。また、障害物の高さが小さい場合には、第1の時間期間が短くなるが、第2の時間期間も短くなるため、第1の時間期間と第2の時間期間との比は略一定となる。したがって、障害物の高さが小さい場合でも、静止障害物を路面から正確に識別することができる。
(4)算出部は、絶対座標系において各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさの平均値を絶対速度情報として算出し、判定部は、算出部により算出された速度の大きさの平均値に基づいて静止障害物を移動障害物から識別してもよい。
絶対座標系において、静止障害物の複数の反射点の速度の大きさの平均値は、路面の複数の反射点の速度の大きさの平均値よりも小さい。したがって、速度の大きさの平均値を用いることにより静止障害物を路面から識別することができる。
(5)判定部は、各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさのばらつきに基づいて、路面を静止障害物および移動障害物から識別してもよい。
路面の複数の反射点の速度の大きさのばらつきは、静止障害物および移動障害物の複数の反射点の速度の大きさのばらつきよりも大きい。したがって、各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさのばらつきを用いることにより、路面を静止障害物および移動障害物から識別することができる。
(6)算出部は、各クラスタに対応する複数の反射点の速度の方向のばらつきを絶対速度情報として算出し、判定部は、各クラスタについての静止障害物、移動障害物および路面の判定において算出部により算出された速度の方向のばらつきを用いてもよい。
静止障害物についての速度の方向のばらつきは、移動障害物および路面の速度の方向のばらつきよりも大きくなることがある。したがって、速度の方向のばらつきを用いることにより、静止障害物、移動障害物および路面の判定の精度を向上させることができる。
(7)判定部は、各クラスタのサイズのばらつきに基づいて、路面を静止障害物および移動障害物から識別してもよい。
路面についてのクラスタのサイズのばらつきは、静止障害物および移動障害物についてのクラスタのサイズのばらつきよりも大きい。したがって、各クラスタのサイズのばらつきを用いることにより、路面を静止障害物および移動障害物から識別する際の精度を向上させることができる。
(8)第2の発明に係る自律移動装置は、移動可能に構成される本体部と、本体部に設けられる第1の発明に係る障害物判定装置と、障害物判定装置の判定結果に基づいて本体部の移動を制御する制御部とを備えるものである。
この自律移動装置においては、本体部に上記の障害物判定装置が設けられる。障害物判定装置の判定結果に基づいて本体部が移動する。この構成によれば、自律移動装置が上記の障害物判定装置を含むので、低コストでかつ簡易な構成で障害物の種類を判定することが可能になる。
(9)第3の発明に係る障害物判定方法は、移動装置の障害物を判定する障害物判定方法であって、移動装置の前方の斜め下方に向かって光を照射するとともに水平方向に走査し、物体からの反射光に基づいて複数の反射点までの距離を示す複数の距離データを生成するステップと、生成された複数の距離データを距離データ群からなる一または複数のクラスタに分割し、各クラスタに含まれる距離データ群に基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体と移動装置との相対的な速度に関する相対速度情報、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体の絶対的な速度に関する絶対速度情報、および各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさのばらつきを算出するステップと、算出された各クラスタについての相対速度情報、絶対速度情報および速度の大きさのばらつきに基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体が静止障害物、移動障害物および路面のいずれであるかを判定するステップとを含むものである。
この障害物判定方法においては、移動装置の前方の斜め下方に向かって光が照射されるとともに水平方向に走査される。これにより、低コストでかつ簡易な構成で物体からの反射光に基づいて複数の反射点までの距離を示す複数の距離データが生成される。また、比較的小さい高さを有する静止障害物ならびに比較的大きい高さを有する歩行者および他の車両等の移動障害物を検出することができる。一方、移動装置の前方の斜め下方に向かって光を照射すると、移動装置の前方の路面からの反射光が増加するため、回避する必要がない路面が物体として検出される可能性がある。
上記の構成においては、生成された複数の距離データが距離データ群からなる一または複数のクラスタに分割される。各クラスタに含まれる距離データ群に基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体と移動装置との相対的な速度に関する相対速度情報が算出される。また、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体の絶対的な速度に関する絶対速度情報が算出される。さらに、各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさのばらつきが算出される。
算出された各クラスタについての相対速度情報、絶対速度情報および速度の大きさのばらつきに基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体が静止障害物、移動障害物および路面のいずれであるかが判定される。これにより、低コストでかつ簡易な構成で障害物の種類を判定することが可能になる。
本発明によれば、低コストでかつ簡易な構成で障害物の種類を判定することが可能になる。
本発明の一実施の形態に係る移動装置の構成の一例を示すブロック図である。 移動装置の外観を示す模式図である。 レーザスキャナから周囲の物体に光を照射しながら移動する移動装置の側面図である。 生成部により生成された複数の距離データを示すグラフである。 移動装置の前方の路面上に静止障害物を配置した場合に生成された複数の距離データを示すグラフである。 移動装置の前方の路面上に静止障害物を配置した場合に生成された複数の距離データを示すグラフである。 移動装置の前方の路面上に静止障害物を配置した場合に生成された複数の距離データを示すグラフである。 各クラスタに対応する物体の種類と相対速度情報との関係の一例を示すグラフである。 各クラスタに対応する物体の種類と絶対速度情報との関係の一例を示すグラフである。 各クラスタに対応する物体の種類と速度の大きさのばらつきとの関係の一例を示すグラフである。 第1〜第5の判定における各クラスタの特徴量の大きさと当該クラスタに対応する物体の種類との関係を示す図である。 移動装置による物体の回避動作の一例を示す図である。
(1)障害物判定装置および移動装置の全体構成
以下、本発明の一実施の形態に係る障害物判定装置および移動装置について図面を参照しつつ説明する。移動装置は、工事現場等において用いられる運転手による運転および操作を必要としない自律式の移動装置である。
図1は、本発明の一実施の形態に係る移動装置の構成の一例を示すブロック図である。図2は、移動装置の外観を示す模式図である。図2(a)は移動装置の平面図を示し、図2(b)は移動装置の側面図を示す。図1に示すように、移動装置200は、障害物判定装置100、制御部210、アクチュエータ部220、移動機構部230、車体240および車輪250(図2)を含む。図2(a)に示すように、本実施の形態においては、移動装置200は4つの車輪250を含むUGV(無人陸上車両)である。
障害物判定装置100は、レーザスキャナ110、記憶部120、受信部130、生成部140、算出部150および判定部160を含む。生成部140、算出部150および判定部160は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびコンピュータプログラムにより実現される。
レーザスキャナ110は、例えばLRF(レーザレンジファインダ)である。図2(a),(b)に示すように、レーザスキャナ110は、移動装置200の前方の斜め下方に向かって光を照射可能でかつ水平方向に光を走査可能に車体240に設けられる。レーザスキャナ110は、周囲の物体により反射された光を検出し、検出された反射光の強度に対応する検出信号を図1の生成部140に与える。
記憶部120は、例えばハードディスクまたは揮発性メモリを含む。本例においては、揮発性メモリはRAM(ランダムアクセスメモリ)である。記憶部120は、レーザスキャナ110からの光を反射した物体の種類を判定するための種々のしきい値を予め記憶している。また、記憶部120は、受信部130、生成部140、算出部150および判定部160により生成されるデータまたは情報を記憶する。物体の種類は、静止障害物、移動障害物および路面を含む。
受信部130は、GPS(全地球測位システム)から移動装置200の測位情報を受信する受信回路を含む。測位情報は、移動装置200の位置、ヨー角および速度を含む。また、受信部130は、制御部210から車両情報を取得する。車両情報は、移動装置200の位置および姿勢の推定(オドメトリ)に必要な情報であり、例えば車輪250の回転角および回転角速度を含む。さらに、受信部130は、車両情報に基づいて、移動装置200の測位情報を補正する。受信部130は、補正した移動装置200の測位情報を記憶部120に記憶する。
生成部140は、レーザスキャナ110からの検出信号に基づいて複数の物体の反射点までの距離を示す複数の距離データを生成する。生成部140は、生成した距離データを記憶部120に記憶する。
算出部150は、記憶部120から複数の距離データを取得し、取得した複数の距離データを距離データ群からなる一または複数のクラスタに分割する。また、算出部150は、各クラスタに含まれる距離データ群および移動装置200の測位情報に基づいて、各クラスタの特徴量を算出する。算出部150は、算出した各クラスタの特徴量を記憶部120に記憶する。
ここで、特徴量は、相対速度情報、絶対速度情報および各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさのばらつきを含む。相対速度情報は、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体と移動装置との相対的な速度に関する情報である。絶対速度情報は、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体の絶対的な速度に関する情報である。
判定部160は、記憶部120からしきい値および各クラスタの特徴量を取得し、取得したしきい値および各クラスタの特徴量に基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体の種類を判定する。判定部160は、判定した物体の種類を示す情報を記憶部120に記憶する。
制御部210は、例えばECU(電子制御ユニット)である。制御部210は、車両情報を算出し、算出した車両情報を受信部130に与える。また、制御部210は、記憶部120に記憶された物体の種類に応じて、車体240が物体に衝突することを回避するようにアクチュエータ部220を制御する。
アクチュエータ部220は、駆動系アクチュエータ221および操舵系アクチュエータ222を含む。移動機構部230は、駆動機構231および操舵機構232を含む。駆動機構231は、例えばスロットル弁およびブレーキを含む。操舵機構232は、例えばステアリングを含む。駆動系アクチュエータ221および操舵系アクチュエータ222は、それぞれ駆動機構231および操舵機構232に接続される。
駆動系アクチュエータ221は、制御部210による制御に基づいて、例えば駆動機構231のスロットル弁の開度およびブレーキの操作量を調整する。また、操舵系アクチュエータ222は、例えば操舵機構232のステアリングを操作する。これにより、移動装置200は、物体との衝突を回避しつつ移動することができる。
(2)データ生成部
レーザスキャナ110および生成部140は、データ生成部を構成する。図3は、レーザスキャナ110から周囲の物体に光を照射しながら移動する移動装置200の側面図である。図3(a)は第1の時点における移動装置200を示し、図3(b)は第1の時点よりも後の第2の時点における移動装置200を示す。
本例においては、例えば移動装置200の20m〜30m前方の物体に光が照射されるように、路面3から例えば1.2mの高さに位置する車体240の部分にレーザスキャナ110が取り付けられる。この構成によれば、移動装置200に±1.5°の上下方向の揺れがある場合でも、移動装置200が移動するにつれて、周囲の物体に光が確実に照射される。したがって、移動装置200の所定距離前方に位置する周囲の静止障害物1、移動障害物2(後述する図12)および路面3に斜め上方から光が照射される。
レーザスキャナ110は、静止障害物1、移動障害物2および路面3により反射された光を検出する。図3(a),(b)の例では、第1の時点で静止障害物1に光が照射されるとともに、静止障害物1により反射された光が検出される。これにより、静止障害物1の存在が検出される。その後、静止障害物1が前方に移動することにより、第2の時点で静止障害物1に光が照射されなくなる。これにより、静止障害物1の存在が検出されなくなる。
以下、任意の物体が検出されてからその物体が検出されなくなるまでの時間を累積トラッキング時間と呼ぶ。図3(a),(b)の例では、第1の時点から第2の時点までの時間が静止障害物1についての累積トラッキング時間である。移動装置200の移動速度が5m/secであり、静止障害物1の高さが20cmである場合、累積トラッキング時間は、例えば0.83sec程度である。判定部160は、累積トラッキング時間内に物体の種類を判定することが可能である。
生成部140は、レーザスキャナ110からの検出信号に基づいて複数の物体の反射点までの距離を示す複数の距離データを生成する。図4は、生成部140により生成された複数の距離データを示すグラフである。図4の縦軸は移動装置200からの前後方向の距離を示し、横軸は移動装置200からの左右方向の距離を示す。図4の例では、移動装置200からの右方向の距離を正の値で表し、移動装置200からの左方向の距離を負の値で表す。また、複数のドットが複数の物体が検出された時点における複数の距離データを示す。
(3)算出部
(a)クラスタの設定
算出部150は、生成部140により生成された複数の距離データを予め定められた条件で距離データ群からなる一または複数のクラスタに分割する。本実施の形態では、各クラスタは、一定の距離範囲に位置しかつ滑らかに連続する複数の距離データ(距離データ群)により構成される。図4の例では、複数の距離データが7つのクラスタCL1〜CL7に分割される。以下、複数の距離データを一または複数のクラスタに分割することをクラスタの設定と呼ぶ。
算出部150は、各クラスタCL1〜CL7に含まれる距離データ群および移動装置200の測位情報に基づいて、各クラスタCL1〜CL7の特徴量を算出する。また、算出部150は、各クラスタに固有のクラスタID(識別子)を付与する。
レーザスキャナ110による光の走査および照射は、一定の周期(本例においては1/75sec)で繰り返される。したがって、生成部140による複数の距離データの生成ならびに算出部150によるクラスタの設定および特徴量の算出は一定の周期で繰り返される。これにより、複数の距離データ、クラスタおよび特徴量が一定の周期で更新される。
更新後のクラスタが更新前のクラスタの特徴量と近似する特徴量を有する場合、更新後のクラスタは更新前のクラスタと同一のクラスタであると判定され、更新後のクラスタに更新前のクラスタと同一のクラスタIDが付与される。更新後のクラスタが更新前のいずれのクラスタの特徴量とも近似しない特徴量を有する場合、更新後のクラスタは新規のクラスタであると判定され、更新後のクラスタに新規のクラスタIDが付与される。一定時間以上特徴量が更新されないクラスタは、記憶部120から削除される。
特徴量は、上記の相対速度情報、絶対速度情報および各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさのばらつきに加え、各クラスタに対応する反射点からの反射光が検出され始めた時刻を含む。また、特徴量は、更新が繰り返された結果、クラスタに対応する反射点からの反射光が検出されなくなった時刻を含む。さらに、特徴量は、各クラスタが更新される過程における各クラスタのサイズのばらつきを含む。特徴量の算出方法の一例を以下に説明する。
以下の説明では、クラスタに対応する複数の反射点を含む物体をクラスタに対応する物体と略記する。また、クラスタに対応する複数の反射点の速度をクラスタの速度と略記する。
(b)相対速度情報
相対速度情報は、各クラスタに対応する物体が移動装置200に接近している時間の程度を示す接近時間情報を含む。以下、クラスタに対応する物体が移動装置200に接近している時間を接近時間と呼ぶ。また、任意のクラスタの累積トラッキング時間と当該クラスタに対応する物体の接近時間との比を接近時間比と呼ぶ。本例においては、接近時間情報は接近時間比である。
各クラスタに対応する反射点からの反射光が検出され始めた時刻と当該クラスタに対応する反射点からの反射光が検出されなくなった時刻との差分が算出される。これにより、各クラスタの累積トラッキング時間が算出される。
また、更新後における移動装置200と各クラスタに対応する物体との間の距離が更新前における移動装置200と各クラスタに対応する物体との間の距離よりも短くなった回数が計測される。更新の周期を計測された回数に乗じることにより接近時間が算出される。接近時間を累積トラッキング時間で除することにより、各クラスタについての接近時間比が算出される。
(c)絶対速度情報
絶対速度情報は、絶対座標系において各クラスタの速度の大きさの平均値を含む。各クラスタの速度の大きさの平均値は、当該クラスタが検出され始めた時刻および検出されなくなった時刻における移動装置200と当該クラスタに対応する物体との間の距離、累積トラッキング時間ならびに移動装置200の測位情報に基づいて算出される。
また、絶対速度情報は、各クラスタの速度の方向のばらつきを含む。更新前および更新後における移動装置200と各クラスタに対応する物体との間の距離に基づいて各クラスタの速度の方向が算出される。
更新後における移動装置200とクラスタに対応する物体との間の距離が更新前における移動装置200とクラスタに対応する物体との間の距離よりも短い場合、その物体は移動装置200に近づく方向に移動している。一方、更新後における移動装置200とクラスタに対応する物体との間の距離が更新前における移動装置200とクラスタに対応する物体との間の距離よりも長い場合、その物体は移動装置200から遠ざかる方向に移動している。各クラスタの速度の方向の分散を算出することにより各クラスタの速度の方向のばらつきが算出される。
(d)速度の大きさのばらつき
各クラスタの更新時点における移動装置200と各クラスタに対応する物体との間の距離、更新の周期および移動装置200の測位情報に基づいて、絶対座標系における各クラスタの速度の大きさが算出される。移動装置200の速度の大きさまたは速度の方向が急激に変化しない場合、車両座標系における各クラスタの速度の大きさが算出されてもよい。本例においては、各クラスタの速度の大きさの分散を算出することにより、各クラスタの速度の大きさのばらつきが算出される。
(e)クラスタのサイズ
クラスタのサイズは、例えばクラスタの2つの端部間の距離である。本例においては、クラスタのサイズの分散を算出することによりクラスタのサイズのばらつきが算出される。
(4)判定部
(a)物体の種類の判定
図5〜図7は、移動装置200の前方の路面上に静止障害物を配置した場合に生成された複数の距離データを示すグラフである。図5〜図7の縦軸および横軸は、それぞれ図4の縦軸および横軸と同様である。図6は図5の時点よりも後の時点における距離データであり、図7は図6の時点よりも後の時点における距離データである。
図5〜図7においては、複数のドットが複数の物体が検出された時点における複数の距離データを示す。また、静止障害物からの反射光に対応する距離データが点線の円で囲まれている。他の距離データは、路面からの反射光に対応する距離データである。
図5の時点においては、移動装置200の前方の静止障害物に対応する3つの反射点からそれぞれ反射光が検出されている。また、移動装置200の左前方の路面および右前方の路面に対応する多数の反射点から反射光が検出されている。
移動装置200が移動を継続した後、図6の時点においては、移動装置200の前方の静止障害物に対応する1つの反射点からそれぞれ反射光が検出されている。また、移動装置200の左前方の路面および前方の路面に対応する多数の反射点から反射光が検出されている。
移動装置200が移動をさらに継続した後、図7の時点においては、静止障害物に対応する反射点からは反射光が検出されなくなる。また、移動装置200の左前方の路面、前方の路面および右前方に対応する複数の反射点から反射光が検出されている。
本実施の形態においては、移動装置200の前方の斜め下方に向かってレーザスキャナ110から光が照射される。そのため、図5〜図7に示すように、移動装置200の前方の路面に対応する多数の反射点から反射光が検出される。したがって、静止障害物と路面とを判別することは特に重要となる。判定部160は、以下の第1〜第5の判定を行うことにより、各クラスタに対応する物体が静止障害物、移動障害物および路面のいずれであるかを判定する。
(b)第1の判定
図8は、各クラスタに対応する物体の種類と相対速度情報との関係の一例を示すグラフである。図8(a)は、物体の種類と累積トラッキング時間との関係の一例を示す。図8(b)は、図8(a)の累積トラッキング時間についての物体の接近時間比を示す。図8(a)の縦軸は各クラスタの累積トラッキング時間を示し、横軸は物体の種類を示す。図8(b)の縦軸は各クラスタの接近時間比を示し、横軸は物体の種類を示す。
ここで、物体の種類は、第1、第2および第3の静止障害物、移動障害物ならびに路面である。本例においては、第1〜第3の静止障害物は互いに異なる静止障害物である。また、移動障害物は歩行者である。後述する図9および図10においても同様である。
図8(b)に示すように、物体の種類が静止障害物である場合には、物体は移動装置200に相対的に近づくため、クラスタの接近時間比は比較的大きい。一方、物体の種類が路面である場合には、物体での光の反射位置は移動装置200とともに移動するため、クラスタの接近時間比は比較的小さい。
図8(b)の例では、物体の種類が移動障害物である場合にもクラスタの接近時間比が比較的大きい。しかしながら、移動障害物の速度の大きさおよび方向によっては、クラスタの接近時間比は比較的小さくなることがある。例えば、移動障害物が移動装置200から遠ざかるように移動している場合には、クラスタの接近時間比は小さくなる。
図8(b)の例においては、物体の種類が静止障害物である場合のクラスタの接近時間比はr2以上である。また、物体の種類が路面である場合のクラスタの接近時間比はr1である。したがって、接近時間比のしきい値として、第1のしきい値が例えばr1とr2との間で予め適切に設定され、図1の記憶部120に記憶されている。
生成部140により算出されたクラスタの接近時間比が第1のしきい値よりも小さい場合、そのクラスタに対応する物体は路面である可能性が高く、移動障害物である可能性もある。この場合、そのクラスタに対応する物体は少なくとも静止障害物ではない可能性が高い。
一方、生成部140により算出されたクラスタの接近時間比が第1のしきい値以上である場合、そのクラスタに対応する物体は静止障害物である可能性が高く、移動障害物である可能性もある。この場合、そのクラスタに対応する物体は少なくとも路面ではない可能性が高い。
したがって、クラスタの接近時間比を用いることにより、静止障害物を路面から識別することができる。しかし、クラスタの接近時間比を移動障害物の判定に用いることはできない。
(c)第2の判定
図9は、各クラスタに対応する物体の種類と絶対速度情報との関係の一例を示すグラフである。図9の縦軸は各クラスタの速度の大きさの平均値を示し、横軸は物体の種類を示す。
図9に示すように、物体の種類が静止障害物である場合には、クラスタの速度の大きさの平均値は比較的小さい。一方、物体の種類が移動障害物または路面である場合には、クラスタの速度の大きさの平均値は比較的大きい。物体の種類が路面である場合には、クラスタの速度の大きさの平均値は移動装置200の速度と略等しい。
図9の例においては、物体の種類が静止障害物である場合のクラスタの速度の大きさの平均値はv1以下である。また、物体の種類が移動障害物または路面である場合のクラスタの速度の大きさの平均値はv2以上である。したがって、速度の大きさの平均値のしきい値として、第2のしきい値が例えばv1とv2との間で予め適切に設定され、図1の記憶部120に記憶されている。
生成部140により算出されたクラスタの速度の大きさの平均値が第2のしきい値よりも小さい場合、そのクラスタに対応する物体は静止障害物である可能性が高い。一方、生成部140により算出されたクラスタの速度の大きさの平均値が第2のしきい値以上である場合、そのクラスタに対応する物体は移動障害物または路面である可能性が高い。
したがって、クラスタの速度の大きさの平均値を用いることにより、静止障害物を移動障害物および路面から識別することができる。
(d)第3の判定
図10は、各クラスタに対応する物体の種類と速度の大きさのばらつきとの関係の一例を示すグラフである。図10の縦軸は各クラスタの速度の大きさのばらつきを示し、横軸は物体の種類を示す。図10の例においては、クラスタの速度の大きさのばらつきは、クラスタの速度の大きさの分散である。
図10に示すように、物体の種類が静止障害物または移動障害物である場合には、クラスタの速度の大きさのばらつきは比較的小さい。一方、物体の種類が路面である場合には、クラスタの速度の大きさのばらつきは比較的大きい。
図10の例においては、物体の種類が静止障害物または移動障害物である場合のクラスタの速度の大きさのばらつきはd1以下である。また、物体の種類が路面である場合のクラスタの速度の大きさのばらつきはd2である。したがって、速度の大きさのばらつきのしきい値として、第3のしきい値が例えばd1とd2との間で予め適切に設定され、図1の記憶部120に記憶されている。
生成部140により算出されたクラスタの速度の大きさのばらつきが第3のしきい値よりも小さい場合、そのクラスタに対応する物体は静止障害物または移動障害物である可能性が高い。一方、生成部140により算出されたクラスタの速度の大きさのばらつきが第3のしきい値以上である場合、そのクラスタに対応する物体は路面である可能性が高い。
なお、路面に芝または植え込みが配置されている場合、物体の種類が路面であっても、クラスタの速度の大きさのばらつきは比較的小さくなることがある。しかしながら、この場合、そのクラスタの累積トラッキング時間が比較的短くなり、例えば0.5sec以下となる。そのため、第3の判定においては、以下のように、各クラスタの累積トラッキング時間を判定に用いてもよい。
例えば、累積トラッキング時間が比較的長くかつクラスタの速度の大きさのばらつきが第3のしきい値以上である場合、そのクラスタに対応する物体は路面である可能性が高い。また、累積トラッキング時間が比較的長くかつクラスタの速度の大きさのばらつきが第3のしきい値よりも小さい場合、そのクラスタに対応する物体は静止障害物または移動障害物である可能性が高い。一方、累積トラッキング時間が比較的短い場合、そのクラスタに対応する物体の種類を判定しない。
(e)第4の判定
物体の種類が移動障害物または路面である場合には、クラスタの速度の方向のばらつきは比較的小さい。一方、物体の種類が静止障害物である場合には、種々の誤差要因により、クラスタの速度の方向のばらつきは比較的大きくなることもあれば、比較的小さくなることもある。したがって、速度の方向のばらつきのしきい値として、第4のしきい値が予め適切に設定され、図1の記憶部120に記憶されている。
生成部140により算出されたクラスタの速度の方向のばらつきが第4のしきい値以上である場合、そのクラスタに対応する物体は静止障害物である可能性が高い。したがって、クラスタの速度の方向のばらつきを用いることにより、静止障害物、移動障害物および路面の判定精度を向上させることができる。
なお、生成部140により算出されたクラスタの速度の方向のばらつきが第4のしきい値よりも小さい場合、そのクラスタに対応する物体の種類を判定することができない。
(f)第5の判定
物体の種類が静止障害物または移動障害物である場合には、物体のサイズは一定であるため、クラスタのサイズのばらつきは比較的小さい。一方、物体の種類が路面である場合には、路面の部分によって光がランダムに反射されるため、クラスタのサイズのばらつきは比較的大きい。したがって、クラスタのサイズのばらつきのしきい値として、第5のしきい値が予め適切に設定され、図1の記憶部120に記憶されている。
生成部140により算出されたクラスタのサイズのばらつきが第5のしきい値よりも小さい場合、そのクラスタに対応する物体は静止障害物または移動障害物である可能性が高い。一方、生成部140により算出されたクラスタのサイズのばらつきが第5のしきい値以上である場合、そのクラスタに対応する物体は路面である可能性が高い。
したがって、クラスタのサイズのばらつきを用いることにより、静止障害物および移動障害物から路面を識別する際の精度を向上させることができる。
(g)判定方法
図11は、第1〜第5の判定における各クラスタの特徴量の大きさと当該クラスタに対応する物体の種類との関係を示す図である。判定部160は、記憶部120に記憶された第1〜第5のしきい値とクラスタの対応する特徴量とを比較し、総合的な比較結果に基づいて、そのクラスタに対応する物体の種類を判定する。
ここで、第1〜第5の判定の判定結果の精度の高さに応じて、第1〜第5の判定の判定結果が重み付けされてもよい。これにより、クラスタに対応する物体の種類を高い精度で判定することができる。本例においては、判定部160は、以下の方法により物体の種類を判定する。
クラスタの接近時間比が第1のしきい値以上で、かつクラスタの速度の大きさの平均値が第2のしきい値より小さい場合、判定部160は、当該クラスタに対応する物体の種類が静止障害物であると判定する。あるいは、クラスタの接近時間比が第1のしきい値以上で、かつクラスタの速度の方向のばらつきが第4のしきい値以上である場合、判定部160は、当該クラスタに対応する物体の種類が静止障害物であると判定する。ここで、クラスタの接近時間比が第1のしきい値以上で、かつクラスタの速度の大きさの平均値が第2のしきい値より小さく、かつクラスタの速度の方向のばらつきが第4のしきい値以上である場合、判定結果の精度が高い。
クラスタの速度の大きさの平均値が第2のしきい値以上で、かつクラスタの速度の大きさのばらつきが第3のしきい値より小さい場合、判定部160は、当該クラスタに対応する物体の種類が移動障害物であると判定する。ここで、クラスタの速度の大きさの平均値が第2のしきい値以上で、かつクラスタの速度の大きさのばらつきが第3のしきい値より小さく、かつクラスタのサイズのばらつきが第5のしきい値より小さい場合、判定結果の精度が高い。
クラスタの速度の大きさのばらつきが第3のしきい値以上である場合、判定部160は、当該クラスタに対応する物体の種類が路面であると判定する。ここで、クラスタの速度の大きさのばらつきが第3のしきい値以上で、かつクラスタの接近時間比が第1のしきい値より小さい場合、判定結果の精度が高い。また、クラスタの速度の大きさのばらつきが第3のしきい値以上で、かつクラスタのサイズのばらつきが第5のしきい値以上である場合、判定結果の精度が高い。さらに、クラスタの速度の大きさのばらつきが第3のしきい値以上で、かつクラスタの接近時間比が第1のしきい値より小さく、かつクラスタのサイズのばらつきが第5のしきい値以上である場合、判定結果の精度がより高い。
このように、判定部160は、少なくともクラスタの接近時間比、クラスタの速度の大きさおよびクラスタの速度の大きさのばらつきを用いて、当該クラスタに対応する物体が静止障害物、移動障害物および路面のいずれかであるかを判定することができる。また、判定部160は、さらにクラスタの速度の方向のばらつきおよびクラスタのサイズのばらつきを用いることにより、判定精度を向上させることができる。
(5)物体の回避動作
図1の移動装置200の制御部210は、判定部160により判定された物体の種類に応じて、車体240が物体に衝突することを回避するようにアクチュエータ部220を適切に制御する。図12は、移動装置200による物体の回避動作の一例を示す図である。
図12(a)に示すように、移動装置200は十字路の交差点に向かって移動している。移動装置200の速度は、例えば5m/secである。ここで、判定部160により、移動装置200の前方の複数の物体がそれぞれ静止障害物1、移動障害物2および路面3であることが判定される。静止障害物1の高さは、例えば20cmである。静止障害物1および路面3は十字路の遠方に位置し、移動障害物2は十字路の右から左に移動している。
図12(b)に示すように、移動装置200は、移動障害物2との衝突を回避するため、十字路の交差点の手前で停止する。図12(c)に示すように、移動障害物2が交差点を通過した後に、移動装置200は移動を再開する。
その後、図12(d)に示すように、移動装置200は、静止障害物1との衝突を回避するため、静止障害物1を迂回しながら移動する。車体240と静止障害物1との距離(回避マージン)は、例えば80cm以上に設定される。これに対し、移動装置200は路面3とは衝突しないので、路面3を回避せずに移動する。このように、移動装置200は、物体の種類に応じて最適な回避動作を実行しながら移動する。
(6)効果
本実施の形態においては、移動装置200の前方の斜め下方に向かってレーザスキャナ110から光が照射されるとともに水平方向に走査される。これにより、低コストでかつ簡易な構成で物体からの反射光に基づいて複数の反射点までの距離を示す複数の距離データが生成部140により生成される。
生成された複数の距離データが算出部150により距離データ群からなる一または複数のクラスタに分割される。また、各クラスタに含まれる距離データ群に基づいて、各クラスタの相対速度情報、絶対速度情報および速度の大きさのばらつきが算出部150により算出される。
この構成によれば、比較的小さい高さを有する静止障害物ならびに比較的大きい高さを有する歩行者および他の車両等の移動障害物を検出することができる。一方、移動装置200の前方の斜め下方に向かって光を照射すると、移動装置200の前方の路面からの反射光が増加するため、回避する必要がない路面が物体として検出される可能性がある。
この場合でも、各クラスタの相対速度情報、絶対速度情報および速度の大きさのばらつきに基づいて、各クラスタに対応する物体が静止障害物、移動障害物および路面のいずれであるかが判定部160により判定される。これにより、低コストでかつ簡易な構成で障害物の種類を判定することが可能になる。移動装置200は、物体の種類に応じて最適な回避動作を実行することができる。
また、判定部160は、算出部150により算出された相対速度情報に基づいて、検出された物体が移動装置200に接近しているか否かを判定することができる。物体が移動装置200に接近していない場合には、移動装置200は物体を回避する必要がない。そのため、制御部210はアクチュエータ部220を制御して移動装置200の移動を継続させてもよい。これにより、移動装置200は不要な回避を行うことなく移動することができる。
一方、物体が移動装置200に接近している場合には、制御部210は、物体が移動装置200を回避または通過するまでアクチュエータ部220を制御して移動装置200を待機させてもよい。これにより、移動装置200は物体との衝突を回避することができる。
(7)他の実施の形態
(a)上記実施の形態において、判定部160は、第1〜第5の判定を行うことにより、物体の種類を判定するが、これに限定されない。判定部160は、第1の判定と第3の判定と第4の判定とを行うことにより、物体の種類を判定してもよい。すなわち、判定部160は、第3〜第5の判定のいずれか1つを行わずに物体の種類を判定してもよく、第3および第5の判定を行わずに物体の種類を判定してもよく、第4および第5の判定を行わずに物体の種類を判定してもよい。
(b)上記実施の形態において、ばらつきは分散であるが、これに限定されない。ばらつきは標準偏差であってもよいし、範囲(最大値と最小値との差)であってもよい。
(c)上記実施の形態において、移動装置200は四輪車両であるが、これに限定されない。移動装置200は二輪車両、三輪車両、船舶または歩行ロボット等の他の移動装置であってもよい。
(8)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、移動装置200が移動装置または自律移動装置の例であり、障害物判定装置100が障害物判定装置の例である。レーザスキャナ110および生成部140がデータ生成部の例であり、算出部150が算出部の例であり、判定部160が判定部の例であり。車体240が本体部の例であり、制御部210が制御部の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は、障害物判定装置を備えた種々の自律移動体に有効に利用することができる。
1 静止障害物
2 移動障害物
3 路面
100 障害物判定装置
110 レーザスキャナ
120 記憶部
130 受信部
140 生成部
150 算出部
160 判定部
200 移動装置
210 制御部
220 アクチュエータ部
221 駆動系アクチュエータ
222 操舵系アクチュエータ
230 移動機構部
231 駆動機構
232 操舵機構
240 車体
250 車輪
CL1〜CL7 クラスタ

Claims (9)

  1. 移動装置に搭載される障害物判定装置であって、
    前記移動装置の前方の斜め下方に向かって光を照射するとともに水平方向に走査し、物体からの反射光に基づいて複数の反射点までの距離を示す複数の距離データを生成するデータ生成部と、
    前記データ生成部により生成された複数の距離データを距離データ群からなる一または複数のクラスタに分割し、各クラスタに含まれる距離データ群に基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体と前記移動装置との相対的な速度に関する相対速度情報、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体の絶対的な速度に関する絶対速度情報、および各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさのばらつきを算出する算出部と、
    前記算出部により算出された各クラスタについての前記相対速度情報、前記絶対速度情報および前記速度の大きさのばらつきに基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体が静止障害物、移動障害物および路面のいずれであるかを判定する判定部とを備える、障害物判定装置。
  2. 前記算出部は、各クラスタに対応する物体が前記移動装置に接近している時間の程度を示す接近時間情報を前記相対速度情報として算出し、
    前記判定部は、前記算出部により算出された接近時間情報に基づいて静止障害物を路面から識別する、請求項1記載の障害物判定装置。
  3. 前記算出部は、各クラスタに対応する反射点からの反射光が検出されてから当該クラスタに対応する反射点からの反射光が検出されなくなるまでの時間の長さを第1の時間期間として算出し、前記第1の時間期間のうち当該クラスタに対応する物体が前記移動装置に接近している時間の長さを第2の時間期間として算出し、前記第1の時間期間のうちと前記第2の時間期間のうちとの比を前記接近時間情報として算出し、
    前記判定部は、前記第1の時間期間のうちと前記第2の時間期間のうちとの比に基づいて静止障害物を路面から識別する、請求項2記載の障害物判定装置。
  4. 前記算出部は、絶対座標系において各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさの平均値を前記絶対速度情報として算出し、
    前記判定部は、前記算出部により算出された前記速度の大きさの平均値に基づいて静止障害物を移動障害物から識別する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の障害物判定装置。
  5. 前記判定部は、各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさのばらつきに基づいて、路面を静止障害物および移動障害物から識別する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の障害物判定装置。
  6. 前記算出部は、各クラスタに対応する複数の反射点の速度の方向のばらつきを前記絶対速度情報として算出し、
    前記判定部は、各クラスタについての静止障害物、移動障害物および路面の判定において前記算出部により算出された前記速度の方向のばらつきを用いる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の障害物判定装置。
  7. 前記判定部は、各クラスタのサイズのばらつきに基づいて、路面を静止障害物および移動障害物から識別する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の障害物判定装置。
  8. 移動可能に構成される本体部と、
    前記本体部に設けられる請求項1〜7のいずれか一項に記載の障害物判定装置と、
    前記障害物判定装置の判定結果に基づいて前記本体部の移動を制御する制御部とを備える、自律移動装置。
  9. 移動装置の障害物を判定する障害物判定方法であって、
    前記移動装置の前方の斜め下方に向かって光を照射するとともに水平方向に走査し、物体からの反射光に基づいて複数の反射点までの距離を示す複数の距離データを生成するステップと、
    生成された複数の距離データを距離データ群からなる一または複数のクラスタに分割し、各クラスタに含まれる距離データ群に基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体と前記移動装置との相対的な速度に関する相対速度情報、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体の絶対的な速度に関する絶対速度情報、および各クラスタに対応する複数の反射点の速度の大きさのばらつきを算出するステップと、
    算出された各クラスタについての前記相対速度情報、前記絶対速度情報および前記速度の大きさのばらつきに基づいて、各クラスタに対応する複数の反射点を含む物体が静止障害物、移動障害物および路面のいずれであるかを判定するステップとを含む、障害物判定方法。
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