JP2015034809A - 蛍光寿命イメージングプローブ - Google Patents
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Abstract
Description
このように、リソソームに代表される細胞内酸性小胞のpHは、小胞内部に含まれる酵素の活性やタンパク質の機能に大きく影響することが知られており、がん・炎症性疾患・免疫疾患・感染症の病因解明や治療法開発の上で非常に重要であることから、そのpHをリアルタイムに観測する手法の開発が求められている。
蛍光寿命イメージング法(FLIM)で測定する蛍光寿命は、分子が光励起されてから基底状態に戻る際に発する蛍光発光の強度が1/eに低下するまでの時間と定義され、各分子種が固有の値を持ち、また、蛍光プローブの濃度・局在性・光褪色・励起波長・励起光強度などの実験条件に依存しない。よって、これらの因子の影響を受けることなく、蛍光プローブの周囲の環境変化を直接精密に解析することが可能である。これらの特徴より、FLIMは蛍光強度測定と比較して定量性に優れているという利点を有する。
[1]下記の一般式(I):
R1a及びR1b、R2a及びR2bは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよく、該ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、炭素数1〜4個のアルキル基で置換されていてもよく、
但し、R1a及びR1b、R2a及びR2bの少なくともいずれかは、窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成しており;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、又は置換されていてもよいアルキル基を示し;
Xは、ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基、又はラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基を示し;
Yは、ハロゲン、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシル基、又はシアノ基を示し;
Zは、O、Si、Ge又はCを示し;
mは0〜5の整数を示し、mが2以上である場合は、Xは同一であっても異なっていてもよく;
nは0〜5の整数を示し、nが2以上である場合は、Yは同一であっても異なっていてもよく、mとnの和は5以下の整数である。)
で表される化合物又はその塩を含む、pHを測定するための蛍光寿命イメージングプローブ。
[2]R1a及びR1b、R2a及びR2bの両方が、窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成している、[1]に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[3]下記の一般式(II):
で表される化合物又はその塩を含む、請求項2に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[4]一般式(I)におけるR9及び/又はR10が、それぞれ独立に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である、[3]に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[5]ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基がカルボキシル基、カルボキシル基を有するアルキル基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、アミド基、マレイミド基、マレイミド基を有するアルキル基、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、及びアルキニル基からなる群から選択される少なくとも1つである[1]〜[4]のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[6]ラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基が、−(X’−T−S)(X’はラベル部位又は標的集積部位を導入する基を示し、Tは存在する場合は架橋基を示し、Sはラベル部位又は標的集積部位を示す。)で表され、mが1以上である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[7]X’のラベル部位又は標的集積部位を導入する基が、カルボニル基、アルキルカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、又はアルキニル基である[6]に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[8]Sが、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、Haloタグリガンド、SNAPタグリガンド、弱塩基性アミン、片末端又は両末端に修飾基を有してもよいポリエチレングリコール基、マレイミド、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、アルキルアミノ基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、アルキニル基、ベンジルグアニン誘導体又はベンジルシトシン誘導体である[6]又は[7]に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[9]一般式(I)又は(II)で表される化合物を抗体(癌抗体を含む)にラベル化した分子、各種リガンド・蛋白にラベル化した分子、又は当該化合物を糖ポリマーに化学的にラベル化した分子を含む、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[10]細胞内の酸性領域の測定方法であって、
(a)[1]〜[9]のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブを細胞内に導入する工程、及び
(b)当該プローブが細胞内で発する蛍光寿命を測定する工程
を含む方法。
[11]細胞内酸性小器官の存在する酸性領域を測定する[10]に記載の方法。
を、提供するものである。
また、本発明のpH感受性のローダミン誘導体を癌抗体やデキストランなどの化学的にラベル化した分子を調製し、その寿命特性を検討した結果から高分子ラベル化してもローダミン誘導体の寿命特性は変わらないことが示された。
これらの結果から、本発明のpH感受性のローダミン誘導体が蛍光寿命イメージングを用いたpH測定に最適な分子であり、また、これを用いて生きた細胞内の酸性小胞におけるpHを予測することが可能であることが示された。従って、本発明のプローブに基づく蛍光寿命イメージング法は、今後の生物学的な現象の理解に貢献できると考えられる。
本発明においては、式(I)において、R1a及びR1b、R2a及びR2bの少なくともいずれかは、窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成している。また、本発明においては、好ましくは、R1a及びR1b、R2a及びR2bの両方が、前記窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成している。
窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールとしては、ピペラジン、N−アルキルピペラジン、モルホリン、ピペリジン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、ピロリジンが挙げられるが、好ましくは、ピペラジン、N−アルキルピペラジンである。
R9、R10は、それぞれ独立に、水素又は置換されていてもよいアルキル基を示し、但し、R9、R10の少なくとも一つは置換されていてもよいアルキル基である。ここで、アルキル基の種類、その置換基としては、上記R1a、R1b、R2a、R2bについて記載したものと同様である。
好ましくは、R9及び/又はR10が、それぞれ独立に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。置換基としては、蛍光特性を示さない置換基であれば特に限定されることはなく、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルキルスルホネート基などが挙げられる。本発明においては、置換基を有するアルキル基として、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基が特に好ましい。また、置換基を有さないアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
式(Ia)又は(IIa)において、好ましくは、mは1〜2である。
従って、これらの化合物又はその塩は、がん治療抗体のがん細胞内への取り込みの可視化や、がん関連受容体のダウンレギュレーションを簡便に評価することが可能となり極めて有用である。
以下の式の化合物1(1−(9−(4−カルボキシフェニル)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3H−キサンテン−3−イリデン)−4−メチルピペラジン−1−イウム)の蛍光寿命の測定を行った。
また、以下に示すように、化合物1は、Neutral formの蛍光量子収率が非常に小さいため、蛍光寿命を測定できるのはMono−protonated form(τ1)とDi−protonated form(τ2)であると考えられる。
化合物2(1−(9−(4−カルボキシフェニル)−6−(4−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピペラジン−1−イル)−3H−キサンテン−3−イリデン)−ピペラジン−1−イウム)を以下のスキームにより合成した。
アルゴンで洗浄したフレームドライしたフラスコ中で、tert−ブチル−4−臭素化安息香酸(132mg、0.513mmol)を乾燥THF(10mL)に溶解した。この溶液を−78℃に冷却し、1Mのsec−ブチルリチウム(0.5mmol)を加え、混合物を5分間攪拌した。同じ温度で、乾燥THF(5mL)に溶かしたPy−PBoc(96.6mg、0.171mmol)を加え、混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。1MのHCl水溶液(2mL)を添加して反応をクエンチし、室温で攪拌を30分間続けた。水を加え、全体をDCMにより3回抽出した。有機溶媒を無水Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣をHPLC(ODS−C18,A(H2O with 1%CH3CN and 0.1%TFA):B(CH3CN with 1%H2O)=40:60 to 5:95 for 20min)で精製し、純粋なRhP−Hを得た。
RhP−H(13.2mg、19.8μmol)を2mLのDMF及び0.2mLのメタノールに溶かした。得られた溶液に、DIPEA(69.6μL、400μmol)及び1,1,1−トリフルオロ−3−ヨードプロパン(23.3μL、199μmol)を撹拌しながら添加した。得られた混合物を60℃で1日撹拌した。溶媒を蒸発させ、1M水酸化ナトリウム水溶液を1mL加えて、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を1mLのHCl(1M)で中和し、HPLC(ODS−C18,A(H2O with 1%CH3CN and 0.1%TFA):B(CH3CN with 1%H2O)=95:5 to 5:95 for 20min)で精製し、赤色固体の化合物2を得た(1.0mg、2工程で8.9%)。
化合物1のカルボキシル基にアミド基を介してエチレンジアミンを結合し、リソソーム局在性を持たせた化合物3(1−(9−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)カルバモイル)フェニル)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3H−キサンテン−3−イリデン)−4−メチルピペラジン−1−イウム)についても、その蛍光寿命特性を検討した。その結果を図3に示す。
なお、化合物3はPCT/JP2012/76288に記載されたスキーム4に従って合成した。
ローダミン誘導体のベンゼン環2位にヒドロキシメチル基を導入した化合物4(1−(9−(2−ヒロドキシメチル)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3H−キサンテン−3−イリデン)−4−メチルピペラジン−1−イウム)を以下のスキームにより合成した。
3’,6’−ジブロモ−6H−スピロ[イソベンゾフランー1,9’−キサンテン]−3−オン(200mg、0.44mmol)のトルエン溶液(5mL)に、1−メチルピペラジン(1mL、9mmol)、酢酸パラジウム(II)(30mg、0.14mmol)、BINAP(100mg、0.16mmol)、炭酸セシウム(0.3g、0.92mmol)を添加した。得られた混合物を100℃で1日撹拌した。沈殿物を濾過した後、溶媒を蒸発させた。残渣を、HPLC(ODS−C18,A(H2O with 1%CH3CN and 0.1%TFA):B(CH3CN with 1%H2O)=95:5 to 0:100 for 30min)で精製し、純粋な2−COOH RhPMを得た(140mg、64%)。
2−COOH RhPM(64mg、0.13mmol)のメタノール溶液(5ml)に一滴のH2SO4を添加した。得られた混合物を1日還流した後、溶媒を蒸発させた。残渣をPLCで粗精製して2−COOH RhPMのメチルエステル誘導体を得た。次に、残渣を10mLのTHFに溶解し、0℃でLiAlHを添加した。混合物を室温まで戻し、中間生成物(2COOH RhPMのメチルエステル体)が消失するまで撹拌した。飽和NH4Clを4mL添加して反応を止め、THFを蒸発して除去した。得られた残渣をCH2Cl2に溶解し、溶液をロシェル塩の飽和溶液で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、乾固するまで蒸発させた。粗製中間体を5mLのMeOH/CH2Cl2に溶解し、p−クロラニル(1当量)を添加し、1時間撹拌を続けた。残渣をHPLC(ODS−C18,A(H2O with 1%CH3CN and 0.1%TFA):B(CH3CN with 1%H2O)=95:5 to 0:100 for 30min)で精製し、赤色固体の化合物4を得た(19mg、31%)。
ローダミン誘導体のベンゼン環2位にヒドロキシエチル基を導入した化合物5(1−(9−(2−ヒロドキシエチル)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3H−キサンテン−3−イリデン)−4−メチルピペラジン−1−イウム)を以下のスキームにより合成した。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ:7.28 (dd, 1H, J =7.6, 1.2 Hz), 7.24 (td, 1H, J =7.6, 1.2 Hz) , 7.09 (m, 1H) , 6.77 (d, 2H, J =2.4 Hz), 6.72 (m,3H), 6.66 (dd, 2H, J =8.8, 2.4 Hz), 3.86(t, 2H, J =5.6 Hz), 3.25(t, 8H, J =4.8 Hz), 2.99(t, 2H, J =5.6 Hz), 2.6(t,8H, J =4.8 Hz), 2.34(s, 6H); 13C NMR (101MHz, MeOD) δ: 154.03, 153.36, 139.84, 137.08, 131.62, 130.95,129.28, 128.05, 127.17, 119.72, 116.81, 112.00, 103.53, 75.16, 60.22, 55.85, 46.12, 30.14; HRMS(ESI+): m/zcalcd for [M]+ 497.29110; found 497.29306 (-2.0mDa, -3.9ppm).
次に、既存のpH感受性色素(Fluorescein(比較例1)、Carboxy SNARF−1(比較例2)、Lyso Sensor Green DND−189(比較例3))について、pH変化に伴う蛍光寿命を測定した。
化合物4の細胞内局在性の評価
化合物4について、細胞のリソソームに局在するかどうかを確認するため、酸性のオルガネラに凝集するとされているLysoTracker Green−DND26と共染色してイメージングを行い、両者を比較した。
方法としては、チャンバー・スライド(8ウェル)に培養したHeLa細胞へ1μMになるように化合物4を適用し、2時間後にそこへ更にLysoTracker Green−DND26を0.1μMになるよう適用して、直後に共焦点顕微鏡でシークエンシャル撮影を行った。
その結果、HMRhPMはLysoTracker Green−DND26と共局在することがわかり、酸性小胞であるリソソームに局在することが確認できた(図7)。
化合物5の細胞内局在性の評価
化合物5が細胞のリソソームに局在するかどうかを確認するため、LysoTracker Green−DND26と共染色してイメージングを行った。
方法としては、チャンバー・スライド(8ウェル)に培養した細胞(A431)へ1μMになるように化合物5を適用し、150分後にそこへ更にLysoTracker Green−DND26を0.1μMになるよう適用して、直後に共焦点顕微鏡でシークエンシャル撮影を行った。
その結果、化合物5はLysoTracker Green−DND26と共局在していることがわかり、酸性小胞であるリソソームに局在することが確認できた(図8)。
ラベル化有機蛍光色素を用いたFLIMによる細胞内酸性小胞のpH測定
(1)まず初めに、抗体(Erbitux)にラベル化した色素のpH変化に伴う蛍光寿命変化を測定した。pH感受性有機蛍光色素の化合物1とpH非感受性有機蛍光色素の5−TAMRAとAlexa488をErbituxにラベル化した場合の蛍光寿命を計測した(図9)。
また、RhPMとAlexa488については、ラベル化前の色素と蛍光寿命変化の比較を行った。その結果、Erbituxにラベル化した色素のin vitroにおける蛍光寿命は、ラベル化前とほぼ変化しないことがわかった。
方法としては、チャンバー・スライド(8ウェル−Ibidi)に培養したA431細胞へErbitux−RhPM(抗体濃度62nM、DOL(degree of labelling) = 2.3)、Erbitux−Alexa488(抗体濃度62nM、DOL=0.9)を適用し、37℃で約24時間のIncubation後に、共焦点顕微鏡でFLIM測定を行った。観察直前には、細胞の動きを穏やかにするため、終濃度20μMになるようにノコダゾールを添加した。次に、酸性小胞が中性化した場合の変化を見るため、1回目の観察後に終濃度10mMになるように塩化アンモニウムを加えて約1分後、再度FLIM測定を行った。その後、FLIMの視野全体について、Tail fitting(3−21ns)による1成分解析を行った。
使用細胞培養液:D−MEM(High Glucose、Phenol Red無添加)、10%FBS
使用機器:共焦点顕微鏡(Leica TCS SP5 X)、FLIM装置(Pico Harp 300)
FLIM測定条件:Format:256×256、Speed:200Hz、Pinhole:Airy1、Objective:40×1.25、Laser repetition rate:40MHz、Acquire until max 1000 photons per pixel
測定波長等:
<Erbitux−RhPM>Ex.543nm、Em.560−630nm,Filter:543nm
<Erbitux−Alexa488>Ex.488nm、Em.510−600nm、Filter:488nm
FLIMデータ解析:SymPho Time
図10から、Erbitux−RhPMを用いてFLIMによる測定を行った場合、塩化アンモニウムによる中和後に観測される細胞内での蛍光寿命は、中和前より約0.3〜0.4ns短くなっていることがわかる。このことより、Erbitux−RhPMは細胞内酸性小胞におけるpH変化を確実に検知できることが確認された。
pH感受性色素の化合物1(RhPM)および化合物1を抗体(Erbitux)にラベル化した場合、pH非感受性色素のAlexa488およびAlexa488を抗体(Erbitux)にラベル化した場合の蛍光寿命をPicoHarp300により計測した(図12)。その結果、Quantaurus−Tauでの測定結果とほぼ同じ値を示すことが示された。
使用機器:共焦点顕微鏡(Leica TCS SP5X),FLIM装置(Pico Harp 300(PicoQuant社製))
FLIM測定条件:Format:256×256,Speed:200Hz,Pinhole:Airy1,Objective:40×1.25、Laser repetition rate:40MHz、Acquire until max 1000 photons per pixel
測定波長等:
<化合物1,Erbitux−化合物1>Ex.543nm、Em.560−630nm、Filter:543nm
<Alexa488、Erbitux−Alexa488>Ex.488nm、Em.510−600nm、Filter:488nm
FLIMデータ解析:SymPho Time
化合物1を抗体(Erbitux)にラベル化したErbitux−RhPMを取り込ませたA431細胞を用い、細胞内におけるpHキャリブレーションを実施した。その結果、適用したバッファーのpHに伴い、細胞内における蛍光寿命が変化し、細胞内におけるpHキャリブレーションカーブを作成することに成功した(図13、図14)。
使用細胞培養液:D−MEM(High Glucose、Phenol Red無添加)、10%FBS
使用機器:共焦点顕微鏡(Leica TCS SP5X)、FLIM装置(Pico Harp 300)
FLIM測定条件:Format:256×256、Speed:200Hz,Pinhole:Airy1、Objective:40×1.25,Laser repetition rate:40MHz、Acquire until max 1000 photons per pixel
測定波長等:
<Erbitux−RhPM>Ex.543nm、Em.560−630nm,Filter: 543nm
FLIMデータ解析:SymPho Time
Claims (11)
- 下記の一般式(I):
(式中、R1a、R1b、R2a、R2bは、それぞれ独立に、水素又は置換されていてもよいアルキル基を示し、
R1a及びR1b、R2a及びR2bは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよく、該ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、炭素数1〜4個のアルキル基で置換されていてもよく、
但し、R1a及びR1b、R2a及びR2bの少なくともいずれかは、窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成しており;
R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、又は置換されていてもよいアルキル基を示し;
Xは、ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基、又はラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基を示し;
Yは、ハロゲン、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシル基、又はシアノ基を示し;
Zは、O、Si、Ge又はCを示し;
mは0〜5の整数を示し、mが2以上である場合は、Xは同一であっても異なっていてもよく;
nは0〜5の整数を示し、nが2以上である場合は、Yは同一であっても異なっていてもよく、mとnの和は5以下の整数である。)
で表される化合物又はその塩を含む、pHを測定するための蛍光寿命イメージングプローブ。 - R1a及びR1b、R2a及びR2bの両方が、窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成している、請求項1に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
- 一般式(I)におけるR9及び/又はR10が、それぞれ独立に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である、請求項3に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
- ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基がカルボキシル基、カルボキシル基を有するアルキル基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、アミド基、マレイミド基、マレイミド基を有するアルキル基、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、及びアルキニル基からなる群から選択される少なくとも1つである請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
- ラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基が、−(X’−T−S)(X’はラベル部位又は標的集積部位を導入する基を示し、Tは存在する場合は架橋基を示し、Sはラベル部位又は標的集積部位を示す。)で表され、mが1以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
- X’のラベル部位又は標的集積部位を導入する基が、カルボニル基、アルキルカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、又はアルキニル基である請求項6に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
- Sが、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、Haloタグリガンド、SNAPタグリガンド、弱塩基性アミン、片末端又は両末端に修飾基を有してもよいポリエチレングリコール基、マレイミド、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、アルキルアミノ基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、アルキニル基、ベンジルグアニン誘導体又はベンジルシトシン誘導体である請求項6又は7に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
- 一般式(I)又は(II)で表される化合物を抗体(癌抗体を含む)にラベル化した分子、各種リガンド・蛋白にラベル化した分子、又は当該化合物を糖ポリマーに化学的にラベル化した分子を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
- 細胞内の酸性領域の測定方法であって、
(a)請求項1〜9のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブを細胞内に導入する工程、及び
(b)当該プローブが細胞内で発する蛍光寿命を測定する工程
を含む方法。 - 細胞内酸性小器官の存在する酸性領域を測定する請求項10に記載の方法。
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