JP2015034809A - 蛍光寿命イメージングプローブ - Google Patents

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Abstract

【解決課題】蛍光寿命イメージング法に適した有機蛍光プローブを提供すること【解決手段】下記の一般式(I):【化1】で表される化合物又はその塩を含む、pHを測定するための蛍光寿命イメージングプローブ。【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光寿命イメージングプローブ、より詳細には、酸性pH応答性蛍光寿命イメージングプローブ、及び当該プローブを用いた蛍光寿命イメージング法に関する。
細胞内小器官の1つであるリソソームは、直径が約0.2〜0.5μmの膜で包まれた袋状の構造で約40種の加水分解酵素を含み、細胞外から取り込まれた物質や老化した細胞内小器官の細胞内消化が行われる。リソソームの膜にはATPアーゼが存在し、ATPの加水分解によって得られるエネルギーを駆動力とするH(プロトン)ポンプとなりHをリソソームに取り込んで、内腔を酸性に保っている。一般的にエンドソーム内はpH5〜6程度、リソソーム内はpH5程度に保たれているとされている。内腔の加水分解酵素は酸性環境で最大の活性を示し、それぞれがタンパク質、核酸、糖、リン脂質などを分解する。
このように、リソソームに代表される細胞内酸性小胞のpHは、小胞内部に含まれる酵素の活性やタンパク質の機能に大きく影響することが知られており、がん・炎症性疾患・免疫疾患・感染症の病因解明や治療法開発の上で非常に重要であることから、そのpHをリアルタイムに観測する手法の開発が求められている。
このような観測を実現するべく、現在までにpHに依存して蛍光強度が変化する蛍光プローブを用いた蛍光強度イメージングが用いられてきた(非特許文献1)。しかしながら、蛍光強度観察は観測している蛍光物質の濃度・局在性・光褪色・励起光強度など様々な要因により変化するため、蛍光強度の絶対値を蛍光顕微鏡下で定量評価することは難しい。特に、蛍光強度測定は細胞内に局在する蛍光プローブの濃度によって、その結果の解釈に限界が生じる。細胞内の各領域における蛍光プローブの濃度は、蛍光プローブの早い拡散、光褪色、細胞からの流出が生じ得ることにより、正確に把握できないからである。また、蛍光プローブの蛍光量子収率は局在する環境によって変化し得るので、たとえ局所における蛍光色素分子の蛍光強度が測定されても、その蛍光強度からpHを決定することは難しい(非特許文献2)。
そこで、これまで採用されてきた方法がレシオ法(二波長比率測定)である。レシオ法とは、2波長の光でWavelength−ratiometric(二波長比率測定)プローブを励起し、各波長による蛍光強度比の演算による解析法で、プローブの細胞内局在濃度に依らず蛍光強度の測定をする方法である。この蛍光プローブはpHに応答してスペクトル(分光)特性を変化させるため、2つの波長で蛍光強度を計るとその比の値が標的分子濃度に応じて変化するため、蛍光プローブ濃度の測定値への影響を取り除くことができる。しかしながら、このレシオ法は焦点の位置が各波長で異なるという問題がある。
このような制約を克服したイメージング技法として、蛍光強度ではなく蛍光寿命を画像化する蛍光寿命イメージング法(Fluorescence Lifetime Imaging Microscopy、FLIM)が近年注目を集めている。
蛍光寿命イメージング法(FLIM)で測定する蛍光寿命は、分子が光励起されてから基底状態に戻る際に発する蛍光発光の強度が1/eに低下するまでの時間と定義され、各分子種が固有の値を持ち、また、蛍光プローブの濃度・局在性・光褪色・励起波長・励起光強度などの実験条件に依存しない。よって、これらの因子の影響を受けることなく、蛍光プローブの周囲の環境変化を直接精密に解析することが可能である。これらの特徴より、FLIMは蛍光強度測定と比較して定量性に優れているという利点を有する。
蛍光寿命イメージング法に適した有機蛍光プローブに要求される性質として、(1)標的分子との結合もしくは反応の前後でそれぞれ取り得る分子フォームが区別可能な蛍光寿命を持つ、(2)観測可能な蛍光強度(明るさ)を持つ、(3)細胞内局在が可能、といった点が挙げられる。FLIM測定では蛍光減衰曲線から蛍光寿命を決定する必要があるため、蛍光タンパク質と比較して得られる光子数が多い、光褪色性に強いなどの性質を持つ有機蛍光色素の方が適していると考えられる。また、蛍光タンパク質は発現させられる細胞が限られているが、有機蛍光色素はどのような細胞へも適用できる。しかしながら現時点では、EGFPや市販の蛍光プローブを用いたpH測定が主に用いられ、未だFLIMに適したpH蛍光プローブの積極的な開発はなされていないというのが現状である。
Nat Med.,2009,15,104−109 Lakowicz,J.R.:Principles of Fluorescence Spectroscopy, Springer Science:2006
本発明は、上記の要求特性を満たすFLIMに適した有機蛍光プローブを提供することを目的としている。また、このような有機蛍光プローブを用いて、エンドサイトーシスに伴う顆粒内のpH低下やリソソーム内のpHを正確に決定する方法を提供することを目的とする。更に、蛍光強度測定では厳密な決定が不可能であった生きた細胞内の微小環境の可視化・評価を可能とする蛍光寿命イメージング法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を行った結果、pH感受性のローダミン誘導体がpHにより適切な蛍光寿命変化を示すことが明らかになり、生きた細胞の酸性小胞におけるpHを蛍光寿命イメージングで可視化及び評価可能であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
[1]下記の一般式(I):
Figure 2015034809
(式中、R1a、R1b、R2a、R2bは、それぞれ独立に、水素又は置換されていてもよいアルキル基を示し、
1a及びR1b、R2a及びR2bは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよく、該ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、炭素数1〜4個のアルキル基で置換されていてもよく、
但し、R1a及びR1b、R2a及びR2bの少なくともいずれかは、窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成しており;
、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、又は置換されていてもよいアルキル基を示し;
Xは、ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基、又はラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基を示し;
Yは、ハロゲン、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシル基、又はシアノ基を示し;
Zは、O、Si、Ge又はCを示し;
mは0〜5の整数を示し、mが2以上である場合は、Xは同一であっても異なっていてもよく;
nは0〜5の整数を示し、nが2以上である場合は、Yは同一であっても異なっていてもよく、mとnの和は5以下の整数である。)
で表される化合物又はその塩を含む、pHを測定するための蛍光寿命イメージングプローブ。
[2]R1a及びR1b、R2a及びR2bの両方が、窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成している、[1]に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[3]下記の一般式(II):
Figure 2015034809
(R、R、R、R、R、R、X、Y、Z、m及びnは、式(I)で定義したとおりであり;R、R10は、それぞれ独立に、水素又は置換されていてもよいアルキル基を示し(但し、R、R10の少なくとも一つは置換されていてもよいアルキル基である。)
で表される化合物又はその塩を含む、請求項2に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[4]一般式(I)におけるR及び/又はR10が、それぞれ独立に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である、[3]に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[5]ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基がカルボキシル基、カルボキシル基を有するアルキル基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、アミド基、マレイミド基、マレイミド基を有するアルキル基、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、及びアルキニル基からなる群から選択される少なくとも1つである[1]〜[4]のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[6]ラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基が、−(X’−T−S)(X’はラベル部位又は標的集積部位を導入する基を示し、Tは存在する場合は架橋基を示し、Sはラベル部位又は標的集積部位を示す。)で表され、mが1以上である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[7]X’のラベル部位又は標的集積部位を導入する基が、カルボニル基、アルキルカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、又はアルキニル基である[6]に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[8]Sが、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、Haloタグリガンド、SNAPタグリガンド、弱塩基性アミン、片末端又は両末端に修飾基を有してもよいポリエチレングリコール基、マレイミド、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、アルキルアミノ基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、アルキニル基、ベンジルグアニン誘導体又はベンジルシトシン誘導体である[6]又は[7]に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[9]一般式(I)又は(II)で表される化合物を抗体(癌抗体を含む)にラベル化した分子、各種リガンド・蛋白にラベル化した分子、又は当該化合物を糖ポリマーに化学的にラベル化した分子を含む、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
[10]細胞内の酸性領域の測定方法であって、
(a)[1]〜[9]のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブを細胞内に導入する工程、及び
(b)当該プローブが細胞内で発する蛍光寿命を測定する工程
を含む方法。
[11]細胞内酸性小器官の存在する酸性領域を測定する[10]に記載の方法。
を、提供するものである。
本発明のpH感受性のローダミン誘導体は、pHに応じて3つの分子フォームをとり、それぞれが固有の蛍光寿命を示す。特に、市販の蛍光色素とは異なり、酸性pHにおいて適切な蛍光寿命変化を示すため、酸性小胞におけるpH測定に適している。
また、本発明のpH感受性のローダミン誘導体を癌抗体やデキストランなどの化学的にラベル化した分子を調製し、その寿命特性を検討した結果から高分子ラベル化してもローダミン誘導体の寿命特性は変わらないことが示された。
これらの結果から、本発明のpH感受性のローダミン誘導体が蛍光寿命イメージングを用いたpH測定に最適な分子であり、また、これを用いて生きた細胞内の酸性小胞におけるpHを予測することが可能であることが示された。従って、本発明のプローブに基づく蛍光寿命イメージング法は、今後の生物学的な現象の理解に貢献できると考えられる。
化合物1の蛍光寿命の測定結果 化合物2の蛍光寿命の測定結果 化合物3の蛍光寿命の測定結果 化合物4の蛍光寿命の測定結果 化合物5の蛍光寿命の測定結果 比較例1〜3の色素の蛍光寿命の測定結果 化合物4の細胞内局在性の評価結果 化合物5の細胞内局在性の評価結果 化合物1、5−TAMRA、Alexa488をErbituxにラベル化した場合の蛍光寿命の測定結果 Erbitux−RhPM(化合物1)を用いたFLIMによる細胞内酸性小胞のpH測定 Erbitux−Alexa488を用いたFLIMによる細胞内酸性小胞のpH測定 化合物1(RhPM)、化合物1を抗体(Erbitux)にラベル化した場合、及びAlexa488の蛍光寿命の測定結果(PicoHarp300による計測) Erbitux−RhPMを取り込ませたA431細胞内におけるpHによる蛍光寿命の変化の測定結果 Erbitux−RhPMを取り込ませたA431細胞内におけるpHキャリブレーションカーブ
本発明においては、下記の一般式(I)で表される化合物又はその塩が酸性pH応答性蛍光寿命イメージングプローブとしての機能を有する。
Figure 2015034809
式(I)において、R1a、R1b、R2a、R2bは、それぞれ独立に、水素または置換されていてもよいアルキル基を示す。炭素数1〜12個、好ましくは炭素数1〜6個、更に好ましくは炭素数1〜4個の直鎖、分岐鎖、環状、またはそれらの組み合わせからなるアルキル基を意味する。好ましいアルキル基の具体例としては、炭素数1〜6個の低級アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。
1a、R1b、R2a、R2bのアルキル基は置換されていてもよく、置換基としては、蛍光特性を示さない置換基であれば特に限定されることはなく、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルキルスルホネート基などが挙げられる。
また、R1a及びR1b、R2a及びR2bは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよく、該ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、炭素数1〜6個のアルキル基で置換されていてもよい。
本発明においては、式(I)において、R1a及びR1b、R2a及びR2bの少なくともいずれかは、窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成している。また、本発明においては、好ましくは、R1a及びR1b、R2a及びR2bの両方が、前記窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成している。
窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールとしては、ピペラジン、N−アルキルピペラジン、モルホリン、ピペリジン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、ピロリジンが挙げられるが、好ましくは、ピペラジン、N−アルキルピペラジンである。
式(I)において、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、又は置換されていてもよいアルキル基を示す。ここで、アルキル基の種類、その置換基としては、上記R1a、R1b、R2a、R2bについて記載したものと同様である。
式(I)において、Xは、ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基、又はラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基を示す。また、式(I)において、mは0〜5の整数を示し、mが2以上である場合は、Xは同一であっても異なっていてもよい。好ましくは、mは1〜2である。
式(I)において、Yは、ハロゲン、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシル基、又はシアノ基を示す。また、nは0〜5の整数を示し、nが2以上である場合は、Yは同一であっても異なっていてもよい。ここで、mとnの和は5以下の整数である。
式(I)において、Zは、O、Si、Ge又はCを示す。好ましくは、Zは、Oである。
本発明の1つの好ましい実施態様は、下記の一般式(II):
Figure 2015034809
で表される化合物又はその塩を含む、蛍光寿命イメージングプローブである。
式(II)において、R、R、R、R、R、R、X、Y、Z、m及びnは、式(I)で定義したとおりである。
、R10は、それぞれ独立に、水素又は置換されていてもよいアルキル基を示し、但し、R、R10の少なくとも一つは置換されていてもよいアルキル基である。ここで、アルキル基の種類、その置換基としては、上記R1a、R1b、R2a、R2bについて記載したものと同様である。
好ましくは、R及び/又はR10が、それぞれ独立に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。置換基としては、蛍光特性を示さない置換基であれば特に限定されることはなく、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルキルスルホネート基などが挙げられる。本発明においては、置換基を有するアルキル基として、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3−ジフルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基が特に好ましい。また、置換基を有さないアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
式(I)又は(II)で表される本発明の化合物の態様として、(1)m=0、n=0、すなわち、式(I)のフェニル基が置換基を有さない場合、(2)m=0、nが1以上の場合、即ち、式(I)のフェニル基がハロゲン、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシル基、又はシアノ基を有する場合が挙げられる。かかる態様に含まれる化合物としては、特に式(II)において、ローダミンを母核とし、分子内にN−アルキルピペラジニル基が導入されたものであり、酸性pHにおいて適切な蛍光寿命変化を示すため、酸性pH応答性蛍光寿命イメージングプローブとして好適に使用することができる。
また、本発明の式(I)又は(II)で表される化合物の好ましい態様として、(3)mが1以上であり、Xがラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基である場合がある。この場合は、nは0であっても1以上であってもよく、mは1〜2がより好ましい。式(I)の化合物において分子内にラベル部位または標的集積部位を導入することにより、酸性細胞小器官内のpHダイナミックスの測定などが可能となることから、Xとして、ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基を少なくとも1つ有すると、観察する細胞現象に合わせた酸性pH応答性蛍光寿命イメージングプローブの設計が可能となる点で好ましい。
式(I)及び(II)のXとして、ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基とは、ラベル部位又は標的集積部位と反応することが可能な官能基を意味し、その例は、カルボキシル基、カルボキシル基を有するアルキル基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、エステル基、アルキルエステル基、アミノ基、アミノアルキル基、アミド基、アルキルアミノ基、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、アルキニル基などが挙げられ、特にカルボキシル基、カルボキシル基を有するアルキル基、ヒドロキシ基を有するアルキル基が好ましい。
また、本発明の式(I)又は(II)で表される化合物のもう一つの好ましい態様として、(4)mが1以上であり、Xがラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基である場合が挙げられる。ここで、ラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基とは、ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基を介してラベル部位又は標的集積部位が導入された置換基全体を意味する。ラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基は、典型的には、−(X’−T−S)(X’はラベル部位又は標的集積部位を導入する基を示し、Tは存在する場合は架橋基を示し、Sはラベル部位又は標的集積部位を示す。)で表すことができる。ここで、好ましくは、mは1〜2である。この態様に含まれる化合物又はその塩は、酸性環境においてはじめて強蛍光性となるとともに、特定のタンパク質などをラベルすることができ、また、酸性小器官細胞内に局在させることができることから、細胞内酸性小胞が関わる種々の現象をリアルタイムに可視化することを可能とする。なお、ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基の一部にラベル部位又は標的集積部位が導入された化合物、即ち、ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基と、ラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基の両方を有する化合物も、本発明の上記(4)の態様に含まれる。
前記−(X’−T−S)の式において、X’はラベル部位又は標的集積部位を導入する基を示し、その例として、カルボニル基、アルキルカルボニル基、エステル基、アルキルエステル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、アルキニル基などが挙げられ、特にカルボニル基、アルキルカルボニル基が好ましい。
また、前記−(X’−T−S)の式において、Tは存在する場合は架橋基を示し、X’とSを連結させるスペーサーとして働くものであればいずれの架橋基であってもよい。例えば、置換又は無置換の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基など)、エチレングリコール基、ジエチレングリコール基、トリエチレングリコール基など、及び複素環基(例えば、ピペリジニル基など)などが挙げられるが、これらに限定されない。また、上記架橋基は、その片方または両方の端部に、X’、Sと結合することができる官能基を有してもよく、このような官能基として、例えば、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アミド基などが挙げられる。
また、前記−(X’−T−S)の式において、Sはラベル部位又は標的集積部位を示し、その例として、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、Haloタグリガンド(例えば、2−(2−((6−クロロヘキシル)オキシ)エトキシ)エタンアミノ基)、SNAPタグリガンド(例えば、ベンジルグアニン基(BG−NH2基))、アルキルアミノ基(例えば、エチレンジメチルアミンなど)、弱塩基性アミン、マレイミド、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、アルキニル基、ベンジルグアニン誘導体又はベンジルシトシン誘導体などが挙げられる。また、Sのラベル部位又は標的集積部位には、片末端又は両末端に修飾基を有してもよいポリエチレングリコール基も含まれ、修飾基としてはアミノ基、カルボニル基、カルボキシル基などが挙げられる。修飾基を有するポリエチレングリコール基の非限定的例として、3−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)プロパン酸が挙げられる。
本発明の一つの好適な実施態様として、以下の式(Ia)又は(IIa)で表される化合物又はその塩を含む、酸性pH応答性蛍光寿命イメージングプローブがある。
Figure 2015034809
Figure 2015034809
式(Ia)及び(IIa)において、R1a〜Rは、式(I)における意味と同じであり、R〜R10は、式(II)における意味と同じであり、X’はラベル部位又は標的集積部位を導入する基を示し、Tは存在する場合は架橋基を示し、Sはラベル部位又は標的集積部位を示し、Y、Zは、式(I)における意味と同じであり、mは1〜5の整数を示し、mが2以上である場合は、−(X’−T−S)は同一であっても異なっていてもよく、nは0〜5の整数を示し、nが2以上である場合は、Yは同一であっても異なっていてもよく、mとnの和は5以下の整数である。)
式(Ia)又は(IIa)において、好ましくは、mは1〜2である。
式(I)又は(II)で表される化合物の(4)の態様、あるいは式(Ia)又は(IIa)で表される化合物は、特定のタンパク質などをラベルすることができ、また、酸性小器官細胞内に局在させることができることから、細胞内酸性小胞が関わる種々の現象をリアルタイムに可視化することを可能となる。その非限定的例としては、ラベル部位としてN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを分子内に導入した場合には、これを糖ポリマーであるデキストランにラベルすることにより、本発明の蛍光プローブを細胞内酸性小胞に局在させることが可能になる。また、標的集積部位として弱塩基性アミンを分子内に導入した場合は、本発明の酸性pH応答性蛍光寿命イメージングプローブを酸性小胞に集積させることが可能になる。また、ラベル部位としてHaloタグリガンドやSNAPタグリガンドを導入すると、HaloタグやSNAPタグへの特異的なラベルが可能となる。具体的には、シナプス小胞マーカーであるVAMP2にHaloタグを融合させたタンパク質(VAMP2−Haloタグ)を神経細胞に発現させ、そこへHaloタグリガンドを導入した本発明の蛍光プローブを添加することにより、蛍光プローブのシナプス小胞への特異的なラベリングが可能となる。
式(I)、(Ia)、(II)及び(IIa)で表される化合物は、酸付加塩又は塩基付加塩として存在することができる。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、又はメタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩などを挙げることができ、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができる。これらのほか、グリシンなどのアミノ酸との塩を形成する場合もある。また、上記化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物として存在する場合もある。
式(I)、(Ia)、(II)及び(IIa)で表される化合物は、置換基の種類により、1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、1個又は2個以上の不斉炭素に基づく光学活性体や2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体などの立体異性体のほか、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などは、上記化合物に包含される。
式(I)、(Ia)、(II)及び(IIa)で表される化合物は、本願明細書の実施例及びPCT/JP2012/72688、Wu,L.;Burgess,K.The Journal of Organic Chemistry,73,8711−8718(2008)、及びGrimm,J.B.;Lavis,L.D.Organic Letters 13,6354−6357(2011)の記載に基づいて製造することができる。従って、当業者は、これらの説明をもとにして、反応原料、反応条件、及び反応試薬などを適宜選択して、必要に応じてこれらの方法に修飾や改変を加えることにより、一般式(I)、(Ia)、(II)及び(IIa)で表される本発明の化合物を製造することができる。
式(I)、(Ia)、(II)及び(IIa)で表される化合物は、酸性pHにおいて適切な蛍光寿命変化を示すため、酸性pH応答性蛍光寿命イメージングプローブとして有用であり、酸性小胞におけるpH測定に適している。また、式(I)、(Ia)、(II)及び(IIa)で表される化合物を抗体(癌抗体を含む)、各種リガンド分子・蛋白、デキストランなどの糖ポリマーに化学的にラベル化した分子を調製し、その寿命特性を検討した結果から高分子ラベル化しても寿命特性は変わらないことが示された。更に、式(I)、(Ia)、(II)及び(IIa)で表される化合物を癌抗体にラベル化し細胞内に取り込ませた分子は細胞内酸性小胞におけるpH変化を検知できることが確認された。
従って、これらの化合物又はその塩は、がん治療抗体のがん細胞内への取り込みの可視化や、がん関連受容体のダウンレギュレーションを簡便に評価することが可能となり極めて有用である。
本発明の酸性pH応答性蛍光寿命イメージングプローブの使用方法は特に限定されず、従来公知の蛍光プローブと同様に用いることが可能である。通常は、生理食塩水や緩衝液などの水性媒体、又はエタノール、アセトン、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの水混合性の有機溶媒と水性媒体との混合物などに上記式(I)、(Ia)、(II)及び(IIa)で表される化合物又はそれらの塩を溶解し、細胞や組織を含む適切な緩衝液中にこの溶液を添加して、蛍光スペクトルを測定すればよい。本発明の蛍光プローブを適切な添加物と組み合わせて組成物の形態で用いてもよい。例えば、緩衝剤、溶解補助剤、pH調節剤などの添加物と組み合わせることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
以下の式の化合物1(1−(9−(4−カルボキシフェニル)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3H−キサンテン−3−イリデン)−4−メチルピペラジン−1−イウム)の蛍光寿命の測定を行った。
Figure 2015034809

なお、化合物1はPCT/JP2012/76288に記載された方法により合成した。
化合物1の蛍光寿命の測定結果を図1に示す。化合物1は、蛍光寿命においてpH感受性を示し、蛍光寿命から求めるpKaも算出された。これより、化合物1は細胞内の酸性小胞が取り得ると言われているpH5〜6.5の間で蛍光寿命が変化するという、酸性小胞pHのFLIM測定に適した分子骨格を有することが示された。
また、以下に示すように、化合物1は、Neutral formの蛍光量子収率が非常に小さいため、蛍光寿命を測定できるのはMono−protonated form(τ1)とDi−protonated form(τ2)であると考えられる。
Figure 2015034809
[実施例2]
化合物2(1−(9−(4−カルボキシフェニル)−6−(4−(3,3,3−トリフルオロプロピル)ピペラジン−1−イル)−3H−キサンテン−3−イリデン)−ピペラジン−1−イウム)を以下のスキームにより合成した。
Figure 2015034809
Figure 2015034809
(1)RhP−Hの合成
アルゴンで洗浄したフレームドライしたフラスコ中で、tert−ブチル−4−臭素化安息香酸(132mg、0.513mmol)を乾燥THF(10mL)に溶解した。この溶液を−78℃に冷却し、1Mのsec−ブチルリチウム(0.5mmol)を加え、混合物を5分間攪拌した。同じ温度で、乾燥THF(5mL)に溶かしたPy−PBoc(96.6mg、0.171mmol)を加え、混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。1MのHCl水溶液(2mL)を添加して反応をクエンチし、室温で攪拌を30分間続けた。水を加え、全体をDCMにより3回抽出した。有機溶媒を無水NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣をHPLC(ODS−C18,A(HO with 1%CHCN and 0.1%TFA):B(CHCN with 1%HO)=40:60 to 5:95 for 20min)で精製し、純粋なRhP−Hを得た。
Figure 2015034809
(2)化合物2(RhP−mPF3)の合成
RhP−H(13.2mg、19.8μmol)を2mLのDMF及び0.2mLのメタノールに溶かした。得られた溶液に、DIPEA(69.6μL、400μmol)及び1,1,1−トリフルオロ−3−ヨードプロパン(23.3μL、199μmol)を撹拌しながら添加した。得られた混合物を60℃で1日撹拌した。溶媒を蒸発させ、1M水酸化ナトリウム水溶液を1mL加えて、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を1mLのHCl(1M)で中和し、HPLC(ODS−C18,A(HO with 1%CHCN and 0.1%TFA):B(CHCN with 1%HO)=95:5 to 5:95 for 20min)で精製し、赤色固体の化合物2を得た(1.0mg、2工程で8.9%)。
Figure 2015034809
化合物2の蛍光寿命の測定結果を図2に示す。化合物2では化合物1と同様にpHに依存した蛍光寿命変化が観測され、そのpKaは6.0と算出された。
Figure 2015034809
[実施例3]
化合物1のカルボキシル基にアミド基を介してエチレンジアミンを結合し、リソソーム局在性を持たせた化合物3(1−(9−(4−((2−(ジメチルアミノ)エチル)カルバモイル)フェニル)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3H−キサンテン−3−イリデン)−4−メチルピペラジン−1−イウム)についても、その蛍光寿命特性を検討した。その結果を図3に示す。
なお、化合物3はPCT/JP2012/76288に記載されたスキーム4に従って合成した。
化合物3の蛍光寿命の測定結果を図3に示す。蛍光寿命のプロットから求められる化合物3のpKa(m2)は約6.0となり、同じく蛍光寿命のプロットから求めた化合物1のpKa(m2)とほぼ同じ値を示した。
[実施例4]
ローダミン誘導体のベンゼン環2位にヒドロキシメチル基を導入した化合物4(1−(9−(2−ヒロドキシメチル)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3H−キサンテン−3−イリデン)−4−メチルピペラジン−1−イウム)を以下のスキームにより合成した。
Figure 2015034809
Figure 2015034809
2−COOH RhPMの合成
3’,6’−ジブロモ−6H−スピロ[イソベンゾフランー1,9’−キサンテン]−3−オン(200mg、0.44mmol)のトルエン溶液(5mL)に、1−メチルピペラジン(1mL、9mmol)、酢酸パラジウム(II)(30mg、0.14mmol)、BINAP(100mg、0.16mmol)、炭酸セシウム(0.3g、0.92mmol)を添加した。得られた混合物を100℃で1日撹拌した。沈殿物を濾過した後、溶媒を蒸発させた。残渣を、HPLC(ODS−C18,A(HO with 1%CHCN and 0.1%TFA):B(CHCN with 1%HO)=95:5 to 0:100 for 30min)で精製し、純粋な2−COOH RhPMを得た(140mg、64%)。
Figure 2015034809
化合物4(HMRhPM)の合成
2−COOH RhPM(64mg、0.13mmol)のメタノール溶液(5ml)に一滴のHSOを添加した。得られた混合物を1日還流した後、溶媒を蒸発させた。残渣をPLCで粗精製して2−COOH RhPMのメチルエステル誘導体を得た。次に、残渣を10mLのTHFに溶解し、0℃でLiAlHを添加した。混合物を室温まで戻し、中間生成物(2COOH RhPMのメチルエステル体)が消失するまで撹拌した。飽和NHClを4mL添加して反応を止め、THFを蒸発して除去した。得られた残渣をCHClに溶解し、溶液をロシェル塩の飽和溶液で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、乾固するまで蒸発させた。粗製中間体を5mLのMeOH/CHClに溶解し、p−クロラニル(1当量)を添加し、1時間撹拌を続けた。残渣をHPLC(ODS−C18,A(HO with 1%CHCN and 0.1%TFA):B(CHCN with 1%HO)=95:5 to 0:100 for 30min)で精製し、赤色固体の化合物4を得た(19mg、31%)。
Figure 2015034809
化合物4について、蛍光寿命特性を評価した。その結果を図4に示す。蛍光寿命のプロットから求められる化合物4のpKa(m2)は5.9と化合物1とほぼ同じ値を示した。
Figure 2015034809
[実施例5]
ローダミン誘導体のベンゼン環2位にヒドロキシエチル基を導入した化合物5(1−(9−(2−ヒロドキシエチル)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−3H−キサンテン−3−イリデン)−4−メチルピペラジン−1−イウム)を以下のスキームにより合成した。
Figure 2015034809
化合物5の合成スキーム
Figure 2015034809
アルゴンで洗浄したフレームドライしたフラスコ中で、1−ブロモ−2−(2−(tert−ブトキシ)エチル)ベンゼン(165mg、0.640mmol)を乾燥THF(10mL)に溶解した。この溶液を−78℃に冷却し、1Mのsec−ブチルリチウム(0.5mmol)を加え、混合物を5分間攪拌した。同じ温度で、乾燥THF(5mL)に溶かした3,6−ビス(4−メチルピペラジン−1−イル)−9H−キサンテン−9−オン(50mg、0.128mmol)を加え、混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。1MのHCl水溶液(2mL)を添加して反応をクエンチし、室温で攪拌を30分間続けた。水を加え、全体をDCMにより3回抽出した。有機溶媒を無水NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣をHPLC(ODS−C18,A(HO with 1%CHCN and 0.1%TFA):B(CHCN with 1%HO)=90:10<0−5分>,90:10 to 10:90<5−25分>)で精製し、純粋なHERhPM(化合物5)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ:7.28 (dd, 1H, J =7.6, 1.2 Hz), 7.24 (td, 1H, J =7.6, 1.2 Hz) , 7.09 (m, 1H) , 6.77 (d, 2H, J =2.4 Hz), 6.72 (m,3H), 6.66 (dd, 2H, J =8.8, 2.4 Hz), 3.86(t, 2H, J =5.6 Hz), 3.25(t, 8H, J =4.8 Hz), 2.99(t, 2H, J =5.6 Hz), 2.6(t,8H, J =4.8 Hz), 2.34(s, 6H); 13C NMR (101MHz, MeOD) δ: 154.03, 153.36, 139.84, 137.08, 131.62, 130.95,129.28, 128.05, 127.17, 119.72, 116.81, 112.00, 103.53, 75.16, 60.22, 55.85, 46.12, 30.14; HRMS(ESI+): m/zcalcd for [M]+ 497.29110; found 497.29306 (-2.0mDa, -3.9ppm).
上記で得られた化合物5について、蛍光寿命特性を評価した。その結果を図5に示す。化合物5の蛍光寿命から求められたpKaは5.9と化合物1や化合物4とほぼ同じ値を示した。
Figure 2015034809
[比較例1〜3]
次に、既存のpH感受性色素(Fluorescein(比較例1)、Carboxy SNARF−1(比較例2)、Lyso Sensor Green DND−189(比較例3))について、pH変化に伴う蛍光寿命を測定した。
Figure 2015034809
その結果、各色素の蛍光寿命は図6で示すように、pHに依存した蛍光寿命の変化が観察された。さらに、蛍光寿命が変化するpH域と蛍光寿命の変化幅は各々異なることがわかる。比較例1と比較例2については、アルカリ性で蛍光量子収率が大きくなることが知られており、蛍光寿命のpHによる変化もそれに従うが、いずれも光褪色耐性に乏しく、実使用に適さない。また、比較例2はpH6から9にかけて吸収スペクトルの波形トップが長波側へと移動し、それに伴って観測される蛍光強度の波形トップも580nmから640nmへ変化し、観測する波長によって蛍光寿命が異なるといった複雑な挙動を示す。また、比較例3の結果に関しては、pH4から5の間に最長の約5.5ns前後の蛍光寿命を示すというHai−Jui Lin氏らの計測データと一致し、pH4.5を挟んで酸性側と中性側に同じ蛍光寿命を示すことから、pHと蛍光寿命が1対1に対応していないという問題などがある。これらの結果から、既存のpH感受性色素は酸性pHをFLIMで決定するといった目的には適さないことが示される。
[実施例6]
化合物4の細胞内局在性の評価
化合物4について、細胞のリソソームに局在するかどうかを確認するため、酸性のオルガネラに凝集するとされているLysoTracker Green−DND26と共染色してイメージングを行い、両者を比較した。
方法としては、チャンバー・スライド(8ウェル)に培養したHeLa細胞へ1μMになるように化合物4を適用し、2時間後にそこへ更にLysoTracker Green−DND26を0.1μMになるよう適用して、直後に共焦点顕微鏡でシークエンシャル撮影を行った。
その結果、HMRhPMはLysoTracker Green−DND26と共局在することがわかり、酸性小胞であるリソソームに局在することが確認できた(図7)。
[実施例7]
化合物5の細胞内局在性の評価
化合物5が細胞のリソソームに局在するかどうかを確認するため、LysoTracker Green−DND26と共染色してイメージングを行った。
方法としては、チャンバー・スライド(8ウェル)に培養した細胞(A431)へ1μMになるように化合物5を適用し、150分後にそこへ更にLysoTracker Green−DND26を0.1μMになるよう適用して、直後に共焦点顕微鏡でシークエンシャル撮影を行った。
その結果、化合物5はLysoTracker Green−DND26と共局在していることがわかり、酸性小胞であるリソソームに局在することが確認できた(図8)。
[実施例8]
ラベル化有機蛍光色素を用いたFLIMによる細胞内酸性小胞のpH測定
(1)まず初めに、抗体(Erbitux)にラベル化した色素のpH変化に伴う蛍光寿命変化を測定した。pH感受性有機蛍光色素の化合物1とpH非感受性有機蛍光色素の5−TAMRAとAlexa488をErbituxにラベル化した場合の蛍光寿命を計測した(図9)。
また、RhPMとAlexa488については、ラベル化前の色素と蛍光寿命変化の比較を行った。その結果、Erbituxにラベル化した色素のin vitroにおける蛍光寿命は、ラベル化前とほぼ変化しないことがわかった。
(2)続いて、細胞内の酸性小胞にエンドサイトーシスで取り込まれて局在することが可能なErbituxにラベル化した色素をA431細胞に適用して、実際に細胞内酸性小胞での蛍光寿命を測定した(図10及び図11)。
方法としては、チャンバー・スライド(8ウェル−Ibidi)に培養したA431細胞へErbitux−RhPM(抗体濃度62nM、DOL(degree of labelling) = 2.3)、Erbitux−Alexa488(抗体濃度62nM、DOL=0.9)を適用し、37℃で約24時間のIncubation後に、共焦点顕微鏡でFLIM測定を行った。観察直前には、細胞の動きを穏やかにするため、終濃度20μMになるようにノコダゾールを添加した。次に、酸性小胞が中性化した場合の変化を見るため、1回目の観察後に終濃度10mMになるように塩化アンモニウムを加えて約1分後、再度FLIM測定を行った。その後、FLIMの視野全体について、Tail fitting(3−21ns)による1成分解析を行った。
使用細胞培養液:D−MEM(High Glucose、Phenol Red無添加)、10%FBS
使用機器:共焦点顕微鏡(Leica TCS SP5 X)、FLIM装置(Pico Harp 300)
FLIM測定条件:Format:256×256、Speed:200Hz、Pinhole:Airy1、Objective:40×1.25、Laser repetition rate:40MHz、Acquire until max 1000 photons per pixel
測定波長等:
<Erbitux−RhPM>Ex.543nm、Em.560−630nm,Filter:543nm
<Erbitux−Alexa488>Ex.488nm、Em.510−600nm、Filter:488nm
FLIMデータ解析:SymPho Time
図10から、Erbitux−RhPMを用いてFLIMによる測定を行った場合、塩化アンモニウムによる中和後に観測される細胞内での蛍光寿命は、中和前より約0.3〜0.4ns短くなっていることがわかる。このことより、Erbitux−RhPMは細胞内酸性小胞におけるpH変化を確実に検知できることが確認された。
また、図11から、Erbitux−Alexa488を用いてFLIMを行った場合、観測される細胞内酸性小胞内での蛍光寿命はほぼ一様となり、塩化アンモニウムによる中和後の蛍光寿命も大きくは変わっていないことがわかる。
[実施例9]
pH感受性色素の化合物1(RhPM)および化合物1を抗体(Erbitux)にラベル化した場合、pH非感受性色素のAlexa488およびAlexa488を抗体(Erbitux)にラベル化した場合の蛍光寿命をPicoHarp300により計測した(図12)。その結果、Quantaurus−Tauでの測定結果とほぼ同じ値を示すことが示された。
方法:pH4〜7.4に0.5刻み(pH7.5はpH7.4)で調整したBuffer(200mM−ナトリウムリン酸バッファー)200μlに各蛍光プローブ溶液を加えて、チャンバー・スライド(8ウェル−Ibidi)に注入し、共焦点顕微鏡を用いてFLIM測定(Zoom6.0:細胞観察時の倍率)を行った。その際、焦点はセルの底面から約5μm上に合わせた。その後、FLIMの視野全体について、Tail fitting(3−21ns)による1成分解析を行った。
使用機器:共焦点顕微鏡(Leica TCS SP5X),FLIM装置(Pico Harp 300(PicoQuant社製))
FLIM測定条件:Format:256×256,Speed:200Hz,Pinhole:Airy1,Objective:40×1.25、Laser repetition rate:40MHz、Acquire until max 1000 photons per pixel
測定波長等:
<化合物1,Erbitux−化合物1>Ex.543nm、Em.560−630nm、Filter:543nm
<Alexa488、Erbitux−Alexa488>Ex.488nm、Em.510−600nm、Filter:488nm
FLIMデータ解析:SymPho Time
[実施例10]
化合物1を抗体(Erbitux)にラベル化したErbitux−RhPMを取り込ませたA431細胞を用い、細胞内におけるpHキャリブレーションを実施した。その結果、適用したバッファーのpHに伴い、細胞内における蛍光寿命が変化し、細胞内におけるpHキャリブレーションカーブを作成することに成功した(図13、図14)。
方法:チャンバー・スライド(8ウェル−Ibidi)に培養したA431細胞へErbitux−RhPM(抗体濃度62nM、DOL=2.3)を適用し、37℃で約24時間のIncubationを行った。次に、pH4〜7.4に0.5刻み(pH7.5はpH7.4)に調整したBuffer(200mM−ナトリウムリン酸バッファー)に膜透過化処理のため20μMのナイジェリシンを加えたものを適用(同バッファーで2回の洗浄後)し、37℃で10分のIncubationを行い、共焦点顕微鏡を用いてFLIM測定(Zoom6)を行った。その後、FLIMの視野全体について、Tail fitting(3−21ns)による1成分解析を行った。
使用細胞培養液:D−MEM(High Glucose、Phenol Red無添加)、10%FBS
使用機器:共焦点顕微鏡(Leica TCS SP5X)、FLIM装置(Pico Harp 300)
FLIM測定条件:Format:256×256、Speed:200Hz,Pinhole:Airy1、Objective:40×1.25,Laser repetition rate:40MHz、Acquire until max 1000 photons per pixel
測定波長等:
<Erbitux−RhPM>Ex.543nm、Em.560−630nm,Filter: 543nm
FLIMデータ解析:SymPho Time

Claims (11)

  1. 下記の一般式(I):
    Figure 2015034809


    (式中、R1a、R1b、R2a、R2bは、それぞれ独立に、水素又は置換されていてもよいアルキル基を示し、
    1a及びR1b、R2a及びR2bは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよく、該ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、炭素数1〜4個のアルキル基で置換されていてもよく、
    但し、R1a及びR1b、R2a及びR2bの少なくともいずれかは、窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成しており;
    、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素、ハロゲン、又は置換されていてもよいアルキル基を示し;
    Xは、ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基、又はラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基を示し;
    Yは、ハロゲン、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシル基、又はシアノ基を示し;
    Zは、O、Si、Ge又はCを示し;
    mは0〜5の整数を示し、mが2以上である場合は、Xは同一であっても異なっていてもよく;
    nは0〜5の整数を示し、nが2以上である場合は、Yは同一であっても異なっていてもよく、mとnの和は5以下の整数である。)
    で表される化合物又はその塩を含む、pHを測定するための蛍光寿命イメージングプローブ。
  2. 1a及びR1b、R2a及びR2bの両方が、窒素原子を含む5〜7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成している、請求項1に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
  3. 下記の一般式(II):
    Figure 2015034809

    (R、R、R、R、R、R、X、Y、Z、m及びnは、式(I)で定義したとおりであり;R、R10は、それぞれ独立に、水素又は置換されていてもよいアルキル基を示し(但し、R、R10の少なくとも一つは置換されていてもよいアルキル基である。)
    で表される化合物又はその塩を含む、請求項2に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
  4. 一般式(I)におけるR及び/又はR10が、それぞれ独立に置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である、請求項3に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
  5. ラベル部位又は標的集積部位を導入することが可能な官能基がカルボキシル基、カルボキシル基を有するアルキル基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、アミノ基、アミノアルキル基、アミド基、マレイミド基、マレイミド基を有するアルキル基、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、及びアルキニル基からなる群から選択される少なくとも1つである請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
  6. ラベル部位又は標的集積部位を導入した置換基が、−(X’−T−S)(X’はラベル部位又は標的集積部位を導入する基を示し、Tは存在する場合は架橋基を示し、Sはラベル部位又は標的集積部位を示す。)で表され、mが1以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
  7. X’のラベル部位又は標的集積部位を導入する基が、カルボニル基、アルキルカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、又はアルキニル基である請求項6に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
  8. Sが、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、Haloタグリガンド、SNAPタグリガンド、弱塩基性アミン、片末端又は両末端に修飾基を有してもよいポリエチレングリコール基、マレイミド、イソチオシアネート基、塩化スルホニル基、アルキルアミノ基、ハロアルキル基、ハロアセトアミド基、アジド基、アルキニル基、ベンジルグアニン誘導体又はベンジルシトシン誘導体である請求項6又は7に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
  9. 一般式(I)又は(II)で表される化合物を抗体(癌抗体を含む)にラベル化した分子、各種リガンド・蛋白にラベル化した分子、又は当該化合物を糖ポリマーに化学的にラベル化した分子を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブ。
  10. 細胞内の酸性領域の測定方法であって、
    (a)請求項1〜9のいずれか1項に記載の蛍光寿命イメージングプローブを細胞内に導入する工程、及び
    (b)当該プローブが細胞内で発する蛍光寿命を測定する工程
    を含む方法。
  11. 細胞内酸性小器官の存在する酸性領域を測定する請求項10に記載の方法。
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