JP2015034789A - 光線射出方向算出装置および光線射出方向算出方法 - Google Patents
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図9に示すように、特許文献1に記載の発光素子110は、n型半導体層113と発光層114とp型半導体層115とが積層され、p型半導体層115の上に2つの柱状部111と1つの柱状部112とが形成されている。この発光素子110は、柱状部112の高さが、柱状部111の高さと異なるように形成されており、さらに、柱状部112の高さが柱状部111の高さよりも低くなるように形成されている。
したがって、ユニットCの射出面の中心がこの軸上を通るように、発光素子110が配置されていれば、光検出装置120は、発光素子110のユニットCから射出された光線の垂直基準に対する傾き角を正確に測定することが可能となる。ユニットCの射出面の中心とは、柱状部111,112の射出面111a,112aをユニットCの最表面(ここでは柱状部の射出面111a)に位置させたときの重心位置である。なお、ここでは、素子表面の中心OとユニットCの射出面の中心は同軸上にある。
そのため、例えば図10(c)に示したように、発光素子110が正しい位置(基準の測定位置)から距離ΔX分ずれた位置に配置される場合も考えられる。この場合、発光素子110が法線方向(0度方向)に光線を射出していたとしても、光検出装置120により、基準の測定位置から距離ΔX分ずれた位置で光線が検出されることとなる。
その一方で、正しい測定位置からの発光素子110の位置ずれ量や傾き量を予め把握することは困難である。
よって、一の評価用試料の2つのユニットからそれぞれ射出された光線の傾き角の測定値の差と他の評価用試料の2つのユニットからそれぞれ射出された光線の傾き角の測定値の差の和を求めることで、4つの測定値にそれぞれ含まれる光検出装置の原点からの2つのユニットの位置ずれ量を互いに打ち消し合うことができる。
本発明によれば、光線指向制御部から射出される光線の実際の射出方向(傾き角)を正確に求めることができる。これにより、光線指向制御部の設計の妥当性や形状の正確性等の正確な評価を行うことが可能となる。
一方、図3(b)に示すように、評価用試料10Bは、試料表面を、試料表面の中心Oを通り、かつ、ユニットA,Bの中心OA,OBを結ぶ軸線LABに垂直な線で二分したときに、ユニットAが右側の領域に配置され、ユニットBが左側の領域に配置されている。
図3(a),(b)に示した評価用試料10Aと評価用試料10BのユニットA,Bの中心OA,OB間の間隔Pは等しい。
図4に示すように、ユニットA,Bは、複数の光線指向制御部11,12によりそれぞれ構成されている。
ユニットA,Bともに、それぞれ同じ高さを有する3本の光線指向制御部11と、光線指向制御部11とは高さが異なり、かつ、それぞれ同じ高さを有する3本の光線指向制御部12とがp型半導体層15上に環状に配置されて構成される。ただし、光線指向制御部11,12の配置が、ユニットAとユニットBとでは左右反対になっている。
光線指向制御部11,12は、図4(a),(c)に示すように、隣接して配置される3本の光線指向制御部12の高さが、隣接して配置されるその他の3本の光線指向制御部11の高さと異なるように形成され、ここでは光線指向制御部12の高さが光線指向制御部11の高さよりも低くなるように形成されている。
ここでは、光線指向制御部11,12は、隣り合う柱との間隔が略0となるように配置されているので、円SA,SBの直径はそれぞれ2λ0となる。
光線指向制御部11,12による光線の方向制御の詳細については、図9に示した従来の発光素子110の柱状部111,112による光線の方向制御と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
仮にユニットA,Bの光線指向制御部11,12の配置が一致している場合、垂直基準に対する傾き角が等しい方向に光線を射出する。ただし、本実施形態では、ユニットAとユニットBは、光線指向制御部11,12の配置が対称となっているので、対称となる方向に光線を射出する。
図5(a)に示す本実施形態の評価用試料10AのユニットA,Bからそれぞれ射出された光線の射影線LA,LBの矢印の向きと、図5(b)に示す本実施形態の評価用試料10AのユニットA,Bからそれぞれ射出された光線の射出方向は対応している。また、図5(a)に示す本実施形態の評価用試料10AのユニットA,Bからそれぞれ射出された光線の射影線LA,LBの長さと、図5(b)に示す本実施形態の評価用試料10AのユニットA,Bからそれぞれ射出された光線の傾き角は対応している。なお、図5(a),(b)に示した射影線Lは、光検出装置20の垂直断面を試料表面に射影した射影線である。
また、本実施形態のユニットAは、ユニットAから射出された光線の射影線LAが軸線LABと重なるように試料表面に配置されることが必要である。さらに、本実施形態のユニットBは、ユニットBから射出された光線の射影線LBが軸線LABと重なるように試料表面に配置されることが必要である。本実施形態の評価用試料10Aは、ユニットAとユニットBがこのように配置されているので、ユニットAとユニットBとにより、光検出装置20の所定の軌道上に光線を射出することができる。
光検出装置20は、例えば図6(a)に示すように、評価用試料10AのユニットA,Bの上方に半球体があるものと仮定する。この半球体の垂直断面の射影線L(図4(a)参照)がユニットA,Bの中心OA,OB間を結んだ軸線LAB(図4(a)参照)と重なるように二分したときの半円周C上で、ユニットA,Bからそれぞれ射出された光線の傾き角として光検出装置20の原点を通る法線Mに対する正負の角度(天頂角)を±θで測定する。図6(b)に示すように、評価用試料10Bについても同様に、ユニットA,Bからそれぞれ射出された光線の傾き角を測定する。
D1=(θ+ΔXB1/R)−(−θ+ΔXA1/R)
=2θ+(ΔXB1−ΔXA1)/R
…式(1)
D2=(θ+ΔXB2/R)−(−θ+ΔXA2/R)
=2θ+(ΔXB2−ΔXA2)/R
…式(2)
評価用試料10Aと評価用試料10Bとは、ユニットA,Bの位置を入れ替えた関係にあるため、式(1)における距離ΔXB1−ΔXA1と、式(2)における距離ΔXB2−ΔXA2とは、絶対値において等しく符号が逆になることがわかる。
D1+D2=4θ
θ=(D1+D2)÷4
…式(3)
図8に示すように、光線射出方向算出装置1は、光検出装置20によって、評価用試料10A,10Bのそれぞれについて、ユニットA,Bからそれぞれ射出された光線の天頂角を測定する(ステップS1:測定ステップ)。光線射出方向算出装置1は、光検出装置20によって、測定値を演算装置30に出力する。
10A,10B 評価用試料
11 光線指向制御部
11a 射出面
12 光線指向制御部
12a 射出面
13 n型半導体層
14 発光層
15 p型半導体層
20 光検出装置
30 演算装置
Claims (2)
- 垂直基準からの傾き角が等しい方向に光線を射出する2つのユニットを備え、前記2つのユニットが、当該2つのユニットの中心を結ぶ軸線上において、互いに向かい合う方向に光線を射出するように所定間隔を空けて基板上に配置された一の評価用試料と、前記2つのユニットが前記軸線上において、互いに反対方向に光線を射出するように前記所定間隔を空けて基板上に配置された他の評価用試料とのそれぞれについて、前記2つのユニットからそれぞれ射出された光線の実際の傾き角を算出する光線射出方向算出装置であって、
前記2つのユニットの上方に半球体があるものと仮定し、この半球体を前記軸線上に垂直断面が位置するように二分したときの半円周上で、前記2つのユニットからそれぞれ射出された光線の前記傾き角として、前記半球体の天頂部を0度とし正負を考慮して角度をそれぞれ測定する光検出装置と、
前記一の評価用試料の前記2つのユニットについてそれぞれ測定された光線の傾き角の測定値同士の差を求めるとともに、前記他の評価用試料の前記2つのユニットについてそれぞれ測定された光線の傾き角の測定値同士の差を求め、2つの差の和を4で割ることで、4つの前記ユニットからそれぞれ射出された光線の実際の傾き角を算出する演算装置と、を備える光線射出方向算出装置。 - 請求項1に記載の光線射出方向算出装置により、前記一の評価用試料と前記他の評価用試料のそれぞれについて前記2つのユニットからそれぞれ射出された光線の実際の傾き角を算出する光線射出方向算出方法であって、
前記光検出装置により、前記2つのユニットの上方に半球体があるものと仮定し、この半球体を前記軸線上に垂直断面が位置するように二分したときの半円周上で、前記2つのユニットからそれぞれ射出された光線の前記傾き角として、前記半球体の天頂部を0度とし正負を考慮して角度をそれぞれ測定する測定ステップと、
前記演算装置により、前記一の評価用試料の前記2つのユニットについてそれぞれ測定された光線の傾き角の測定値同士の差を求めるとともに、前記他の評価用試料の前記2つのユニットについてそれぞれ測定された光線の傾き角の測定値同士の差を求め、2つの差の和を4で割ることで、4つの前記ユニットからそれぞれ射出された光線の実際の傾き角を算出する演算ステップと、を含むことを特徴とする光線射出方向算出方法。
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