JP2015034702A - 温度調整装置、温度調整方法、及び温度調整プログラム - Google Patents

温度調整装置、温度調整方法、及び温度調整プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2015034702A
JP2015034702A JP2013164294A JP2013164294A JP2015034702A JP 2015034702 A JP2015034702 A JP 2015034702A JP 2013164294 A JP2013164294 A JP 2013164294A JP 2013164294 A JP2013164294 A JP 2013164294A JP 2015034702 A JP2015034702 A JP 2015034702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
liquid
unit
adsorption
heater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013164294A
Other languages
English (en)
Inventor
武史 松原
Takeshi Matsubara
武史 松原
千明 宮本
Chiaki Miyamoto
千明 宮本
直也 森田
Naoya Morita
直也 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkray Inc
Original Assignee
Arkray Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arkray Inc filed Critical Arkray Inc
Priority to JP2013164294A priority Critical patent/JP2015034702A/ja
Publication of JP2015034702A publication Critical patent/JP2015034702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

【課題】クロマトグラフィ装置の吸着部へ流入する液体の温度を維持できる温度調整装置、温度調整方法、及び温度調整プログラムを提供する。
【解決手段】クロマトグラフィ装置の筐体の内部に設けられ、試料中の分析成分を吸着する吸着部142と、吸着部142へ流路を通じて分析成分を溶離する液体を送液する送液手段146と、が格納された恒温槽122と、恒温槽内の空気を加熱する加熱手段16と、液体が吸着部へ流入する流入部分へ恒温槽内の空気を送風する送風手段22と、吸着部の近傍の温度を検知する吸着部温度検知手段28と、吸着部温度検知手段28が検知した温度に基づいて、加熱手段16、及び送風手段22を制御し、液体を予め設定した液温に維持する制御手段と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、クロマトグラフィ装置の温度を調整する温度調整装置、温度調整方法、及び温度調整プログラムに関する。
検体中の分析成分をカラム(吸着部)に吸着させ、この吸着部へ液体を送液して分析成分を溶離させることで液中の成分分析を行うクロマトグラフィ装置がある。このようなクロマトグラフィ装置では、吸着部へ流入する液体の温度が分析結果に影響を与えるため、液体の温度を調整する必要がある。特許文献1には、クロマトグラフィ装置の内部に温度調整ボックスを設け、この温度調整ボックスに、カラム及びカラムへ溶離液を送液するための送液ポンプ(送液手段)を格納したクロマトグラフィ装置が開示されている。
特許第4318127号公報
上記特許文献1のクロマトグラフィ装置では、温度調整ボックス内へ温風を送風して設定温度に維持している。しかしながら、装置の外部の温度が変化すれば、温度調整ボックス内の温度にも影響するため、吸着部へ流入する液体の温度を維持するのが困難となる。
本発明は、上記事実を考慮し、クロマトグラフィ装置の吸着部へ流入する液体の温度を維持できる温度調整装置、温度調整方法、及び温度調整プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係る温度調整装置は、クロマトグラフィ装置の筐体の内部に設けられ、試料中の分析成分を吸着する吸着部と、前記吸着部へ流路を通じて分析成分を溶離する液体を送液する送液手段と、が格納された恒温槽と、前記恒温槽内の空気を加熱する加熱手段と、前記液体が前記吸着部へ流入する流入部分へ前記恒温槽内の空気を送風する送風手段と、前記吸着部の近傍の温度を検知する吸着部温度検知手段と、前記吸着部温度検知手段が検知した温度に基づいて、前記加熱手段、及び前記送風手段を制御し、前記吸着部へ流入する液体を予め設定した液温に維持する制御手段と、を有する。
本発明の第1態様に係る温度調整装置によれば、クロマトグラフィ装置の筐体の内部に恒温槽が設けられており、この恒温槽には、試料中の分析成分を吸着する吸着部と、分析成分を溶離する液体を吸着部へ送液する送液手段とが格納されている。また、恒温槽には、恒温槽内の空気を加熱する加熱手段と、液体が流入する吸着部の流入部分へ加熱された空気を送風する送風手段とが設けられており、これらは制御手段に接続されている。さらに、吸着部の近傍には、温度を検知する吸着部温度検知手段が設けられている。ここで、制御手段は、吸着部温度検知手段が検知した温度に基づいて、加熱手段、及び送風手段を制御して、吸着部へ流入する液体を予め設定した液温に維持する。
例えば、吸着部温度検知手段が検知した温度が設定温度より高い場合は、制御手段が加熱手段を制御して加熱量を低下させる。これにより、恒温槽内の温度上昇が抑制され、吸着部へ流入する液体の温度を維持できる。また、吸着部温度検知手段が検知した温度が設定温度より低い場合は、制御手段が送風手段の送風を停止させる。これにより、加熱手段で加熱された空気が分散されずに吸着部の流入部分に滞留し、流入部分の温度低下を抑制できる。以上のように、制御手段が加熱手段と送風手段とを制御して吸着部へ流入する液体の温度を維持することで、クロマトグラフィ装置の外部の環境が変化しても吸着部へ流入する液体の温度を維持できる。
本発明の第2態様に係る温度調整装置は、第1態様に係る温度調整装置であって、前記筐体には、前記筐体の内部を換気する換気手段と、前記筐体の内部の温度を検知する内部温度検知手段と、が設けられ、前記制御手段は、前記内部温度検知手段が検知した温度に基づいて、前記換気手段を制御し、前記筐体の内部の温度を予め設定した温度に維持する。
本発明の第2態様に係る温度調整装置によれば、制御手段は、内部温度検知手段が検知した筐体の内部の温度に基づいて換気手段を制御する。このため、例えば、筐体の内部の温度が低い場合、制御手段が換気手段を停止させて筐体の内部に熱を籠らせる。これにより、筐体の内部の温度を素早く上昇させることができる。一方、筐体の内部の温度が高い場合、制御手段が換気手段を運転させて換気を行い、筐体の内部の温度が上昇するのを抑制する。
本発明の第3態様に係る温度調整装置は、第2態様に係る温度調整装置であって、前記加熱手段は、ヒーターと、前記ヒーターから発生する熱を前記恒温槽内に拡散させる第1送風ファンとを備え、前記送風手段は、前記流入部分に送風する第2送風ファンであり、前記換気手段は、前記筐体の背面に取り付けられた換気ファンであり、前記制御手段は、前記第1送風ファン、前記第2送風ファン、及び前記換気ファンをON/OFF制御すると共に、前記ヒーターへ印加する電圧を変化させて温度調整を行う。
本発明の第3態様に係る温度調整装置によれば、制御手段は、第1送風ファン、第2送風ファン、及び換気ファンの3つの送風ファンのON/OFFを制御する。また、ヒーターへ印加する電圧を変化させて加熱量を調整する。このように、簡単な制御で温度調整を行うので、複雑な制御を行う場合と比べて、汎用性が高く、コストを低減できる。
本発明の第4態様に係る温度調整装置は、第3態様に係る温度調整装置であって、前記送液手段は、ロッドの押し上げ或いは引き下げ操作で液体を吸引排出するプランジャポンプであり、前記ヒーターは、前記プランジャポンプの近傍に設けられている。
本発明の第4態様に係る温度調整装置によれば、プランジャポンプが液体を吸引している間、ヒーターによってプランジャポンプ内の液体が温められる。これにより、ヒーターを他の場所に設けた場合と比べて、効率よく液体を温めることができる。また、プランジャポンプを利用して液中の溶存酸素を脱気する場合、液体の温度を高くしておくことで、脱気の効率を向上できる。
本発明の第5態様に係る温度調整装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載の温度調整装置を用いた温度調整方法であって、前記吸着部温度検知手段は、前記流入部分の温度を検知する。
本発明の第5態様に係る温度調整装置によれば、吸着部の流入部分以外の部分に吸着部温度検知手段を設けた場合と比べて、吸着部へ流入する液体の温度の検知精度が上がる。これにより、液温の違いによる分析結果のばらつきを抑制できる。
本発明の第6態様に係る温度調整方法は、請求項2〜5の何れか1項に記載の温度調整装置を用いた温度調整方法であって、請求項2〜5の何れか1項に記載の温度調整装置を用いた温度調整方法であって、前記吸着部温度検知手段が検知した温度が予め設定した下限温度より低くなれば、前記送風手段の運転を停止させ、前記吸着部温度検知手段が検知した温度が予め設定した上限温度より高くなれば、前記加熱手段の加熱量を低下させる。
本発明の第6態様に係る温度調整方法によれば、吸着部の流入部分の温度が予め設定した下限温度より低くなれば、送風手段の運転を停止させる。これにより、流入部分に高温の空気が滞留して温度を上昇できる。また、流入部分の温度が予め設定した上限温度より高くなれば、加熱手段の加熱量を低下させて恒温槽内の温度を下げる。
本発明の第7態様に係る温度調整方法は、第6態様に係る温度調整方法であって、前記内部温度検知手段が検知した温度が予め設定した設定温度より低くなれば、前記換気手段の運転を停止させ、前記内部温度検知手段が検知した温度が前記設定温度より高くなれば、前記換気手段の運転を再開させる。
本発明の第7態様に係る温度調整方法によれば、換気手段を運転させた状態で、筐体の内部の温度が予め設定した設定温度より低くなれば、換気手段の運転を停止させて筐体の内部に熱を籠らせる。また、筐体の内部の温度が設定温度より高くなれば、換気手段の運転を再開して換気する。これにより、筐体の内部温度を一定の温度に維持できる。
本発明の第8態様に係る温度調整プログラムは、コンピュータに、内部温度検知手段でクロマトグラフィ装置の筐体の内部の温度を検知させる内部温度検知手順、吸着部温度検知手段で前記筐体の内部の恒温槽に格納された吸着部の流入部分の温度を検知させる流入部分温度検知手順、及び前記吸着部温度検知手段で検知された温度が予め設定した下限温度より低ければ、前記流入部分へ送風する送風手段の運転を停止させ、前記吸着部温度検知手段が検知した温度が予め設定した上限値より高ければ、前記恒温槽内の空気を加熱する加熱手段の加熱量を低下させ、前記内部温度検知手段で検知された温度が予め設定した温度より低ければ、前記筐体の内部を換気する換気手段の運転を停止させるように制御部に制御させる制御手順と、を実行させる。
本発明は、上記の構成としたので、クロマトグラフィ装置の吸着部へ流入する液体の温度を維持できる。
第1実施形態に係るクロマトグラフィ装置の外観を示す斜視図である。 第1実施形態に係るクロマトグラフィ装置の内部構成を示す模式図である。 第1実施形態に係るクロマトグラフィ装置の温度調整機構を説明するためのブロック図である。 第1実施形態に係るクロマトグラフィ装置の自動運転の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るリアファン、ヒーターユニット、及びカラムファンの低温環境時における動作状態を示すタイミングチャートである。 第1実施形態に係るリアファン、ヒーターユニット、及びカラムファンの高温環境時における動作状態を示すタイミングチャートである。 第2実施形態に係るクロマトグラフィ装置の内部構成を示す模式図である。 第3実施形態に係るクロマトグラフィ装置の内部構成を示す模式図である。 第3実施形態に係る恒温槽内の複数のサーミスタが検知した温度をプロットした折れ線グラフである。
(第1実施形態)
<クロマトグラフィ装置100の構成>
図を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る温度調整装置10を備えたクロマトグラフィ装置100について説明する。クロマトグラフィ装置100は、分析成分を容離する液(以下、溶離液と記載する)を用いて全血中のグリコヘモグロビン濃度を測定する高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を全自動で行う装置である。図1に示すように、クロマトグラフィ装置100は、筐体としての装置本体102を備えている。
装置本体102の下部には、テーブル104が設けられている。テーブル104には、採血管106を保持可能なラック108がセットされている。採血管106には、試料が収容されている。ここでいう試料とは、例えば、血液等の検体などである。なお、本実施形態では、1回の測定で1本の採血管106の分析を行う構成としているが、これに限らず、複数の採血管106を保持できるラックを用いて、連続して測定を行ってもよい。
装置本体102の幅方向一端側(図中右側)の上部には、複数の凹部からなるホルダ部110が形成されている。ホルダ部110にはそれぞれ、溶離液Aが収容された溶離液パック112A、溶離液Bが収容された溶離液パック112B、及び洗浄希釈液Cが収容された洗浄希釈液パック112Cがセットされている。各溶離液パック112A、112Bに収容された溶離液はそれぞれ、pHや塩濃度が異なっており、後述する吸着部としてのカラム142の充填材に吸着した各々の分析成分を溶離させる。
装置本体102の幅方向他端側(図中左側)の上部には、操作パネル114が設けられている。操作パネル114は、複数の操作ボタン114Aと、表示画面114Bとを含んで構成されており、操作ボタン114Aを操作することで、分析条件等の設定を行うことができる。表示画面114Bには、分析結果やエラー、又は操作状況等が表示される。
ここで、装置本体102の背面には、温度調整装置を構成する換気手段としての換気ファン12が設けられている。換気ファン12は、ファン本体12Aと、ファン本体12Aに回転可能に取り付けられた複数の回転羽12Bとを含んで構成されており、図示しない駆動手段が回転羽12Bを回転させることで、装置本体102の内部の空気を背面から排気する。これに伴い、装置本体102の前面から装置本体102の内部へ空気が吸気されて装置本体102を換気できるようになっている。なお、本実施形態では、操作パネル114が設けられた凸状部分の下部に隙間が形成されており、この隙間から装置本体102の内部へ空気が吸気されるが、これに限らず、他の部分に隙間を形成してもよく、例えば、装置本体102の側部に換気用の隙間を形成してもよい。
図2に示すように、クロマトグラフィ装置100は、主として、検体調製ユニット120、分析ユニット122、溶離液送液ユニット124、スイッチングバルブ126、128、及び各ユニットとスイッチングバルブとを接続する流路を含んで構成されている。
検体調製ユニット120は、分析ユニット122へ送液する試料の調製ユニットであり、検体(血液)を吸引するノズル136、血液試料を調製する希釈液槽138、及びノズル136を洗浄する洗浄槽140を備えている。ここで、ノズル136は、スイッチングバルブ128に接続されており、ノズル136に吸引された検体は、適宜のタイミングで、希釈液槽138からスイッチングバルブ128を介して吸着部としてのカラム142へ送液される。
分析ユニット122は、血液試料中のグリコヘモグロビンの濃度を測定するユニットであり、カラム142と、測光部144とを含んで構成されている。カラム142は、血液試料中の特定の成分(グリコヘモグロビン)を吸着する図示しない充填材が充填された筒体であり、ガラス、ステンレス、又は樹脂で形成されている。本実施形態では一例として、ステンレス製のカラム142を用いているが、これに限らず、他の材質でカラム142を形成してもよい。測光部144は、カラム142を通過した溶離液に光を当てて、溶離液を透過した光の波長からヘモグロビンを光学的に検出して分析する部分であり、光源や受光部等で構成されている。
溶離液送液ユニット124は、溶離液パック112A、112Bから溶離液を吸引し、流路を通じて分析ユニット122のカラム142へ送液するユニットであり、溶離液パック112A、112B、及び送液手段としてのプランジャポンプ146を含んで構成されている。
溶離液パック112A、112Bは、装置本体102の外部にセットされており、溶離液パック112Aは、後述する温度調整管130及び大気開放弁152を通じてスイッチングバルブ126のポートへ接続されている。また、溶離液パック112Bは、流路を通じてスイッチングバルブ126の別のポートへ接続されている。
プランジャポンプ146は、シリンジ146A、プランジャ146B、プランジャ保持部材146C、及びモータ146Dを備えている。シリンジ146Aは、上下端部が開口した樹脂製の筒体であり、シリンジ146Aの上部は、先細りして流路へ接続されている。シリンジ146Aの内側には、上下方向に移動可能なロッドとしてのプランジャ146Bが設けられている。プランジャ146Bには、Oリング(不図示)が取り付けられており、シリンジ146Aの内部の流体が漏れないようになっている。
プランジャ146Bの下端部には、環状溝が形成されており、環状溝には、プランジャ保持部材146Cが取り付けられている。プランジャ保持部材146Cは、上面及び下面に取付孔が形成された箱状の部材であり、上面の取付孔にプランジャ146Bが取り付けられている。また、下面の取付孔には、モータ146Dの回転軸に連結されたボールネジが螺合されている。
以上により、モータ146Dを駆動させると、ボールネジが回転して、プランジャ保持部材146Cを上下方向に移動させる。これにより、プランジャ146Bが押し上げられ、又は引き下げられる。なお、本実施形態ではモータ146Dの一例として、ステッピングモータを用いているが、これに限らず、サーボモータ等の他のモータを用いてもよい。
スイッチングバルブ126、128は、操作によって流路の切替えを可能とするバルブであり、複数のポート(図示の例では7つ)が形成された弁体126A、128Aを有している。特定のポートの間は流路で連通されており、弁体126A、128Aの回転により、流路の切り替えが可能である。特に、特定の2つのポート間は、ループ管126B、128Bで連通されており、それぞれ、溶離液B、血液試料13を保持可能である。また、スイッチングバルブ126、128は何れも、コンピュータ100で制御される。
スイッチングバルブ128は、ループ管128Bを備えており、図2の状態でスイッチングバルブ128に接続されたポンプ162Aを作動させると、ノズル136で吸引した血液試料がスイッチングバルブ128へ送液され、ループ管128Bに溜められる。ここで、弁体128Aを回転させると、流路が変更され、ループ管128Bに溜められた血液試料が溶離液Aに押し出されてカラム142へ送液される。カラム142を通過した液体は、測光部144を介して廃液槽150へ廃液される。
スイッチングバルブ126は、ループ管126Bを備えており、図2の状態では、プランジャポンプ146から送液された溶離液Aをカラム142へ向かって送液可能な状態となっている。一方、ポンプ162Aを作動させることで、溶離液パック112Bの溶離液Bがループ管126Bに溜められる。そして弁体126Aを回転させると、プランジャポンプ146から送液される溶離液Aの流路が変更され、ループ管126Bを通じてスイッチングバルブ128へ送液され、その後にカラム142へ送液されることとなる。これにより、溶離液Bが溶離液Aに押し出され、スイッチングバルブ128及びスイッチングバルブ128を通過してカラム142へ送液される。
ここで、溶離液パック112Aとスイッチングバルブ126との間の流路には、温度調整管130と大気開放弁152とが設けられている。温度調整管130は、螺旋状の流路で構成されており、この温度調整管130へ溶離液Aを流すと、1分ほどの時間を掛けて溶離液Aが流れるように構成されている。これにより、装置本体102の外部から導入した溶離液Aの液温を上昇させることができる。なお、温度調整管130の代わりにヒートコイルを用いてもよい。流路の周りにヒートコイルを配置し、流路を加熱することで、溶離液Aの液温を上昇させることができる。
大気開放弁152は、三方弁で構成されており、通常動作時には、溶離液パック112Aと繋がる流路とスイッチングバルブ126が繋がる流路とを連通させており、大気側の弁は塞がっている。ここで、大気開放弁152を切替えると、大気に開放された弁が開いて流路へ空気を導入できる。
図3に示すように、表示画面114B、操作ボタン114A、ポンプ162A、測光部144、大気開放弁152、及びモータ146Dは、制御手段としての制御部30と接続されている。制御部30は、装置全体を制御するCPU、プログラム等を記憶したROM、測定結果を一次的に格納するRAM、及び入出力ポートを含んで構成されたコンピュータであり、操作ボタン114Aやキーボード(不図示)から入力された命令に基づいてプログラムを実行する。
<温度調整装置10の構成>
次に、本実施形態に係る温度調整装置10について説明する。図2に示す温度調整装置の例では、温度調整装置10は、恒温槽14、ヒーターユニット16、カラム用ファン22、換気ファン12、サーミスタX(後述するヒーター18に内蔵されたサーミスタ)、サーミスタ24、サーミスタ28、及び制御部30を含んで構成されている。
恒温槽14は、装置本体102の内部に設けられた箱体であり、この恒温槽14には、プランジャポンプ146、温度調整管130、大気開放弁152、スイッチングバルブ126、128、カラム142、ヒーターユニット16、カラム用ファン22、及び複数のサーミスタが格納されている。なお、本実施形態では、恒温槽14の一例として、一般的なインキュベーターを用いているが、これに限らず、温度を維持できる箱状の部材であれば、他の恒温槽14でもよい。また、恒温槽14に格納した上記部材は一例であり、他にサーミスタやバルブ等を格納してもよい。
恒温槽14に格納された加熱手段としてのヒーターユニット16は、プランジャポンプ146の近傍に設けられており、恒温槽14の内部を暖めるヒーター18と、第1送風ファンとしてのヒーター用ファン20とを含んで構成されている。本実施形態では、ヒーター18の一例として、赤外線ヒーターを用いているが、これに限らず、ハロゲンヒーター等の他のヒーターを用いてもよい。
ヒーター18は、印加された電圧に応じて加熱量を変化できるように構成されている。本実施形態では、一例として、最大加熱量で加熱する高電圧モードと、加熱量を半減した定電圧モードの2段階で切り替えることができるように構成されているが、これに限らず、3段階以上に加熱量を切替え可能としてもよい。また、ヒーターユニット16には、図示しない内蔵サーミスタXが設けられており、ヒーターの温度を検知できるようになっている。
ヒーター18には、ヒーター用ファン20のファン本体20Aが取り付けられており、このファン本体20Aには複数の回転羽20Bが回転可能に取り付けられている。また、ヒーター用ファン20は、図示しない駆動手段に接続されており、この駆動手段が回転羽20Bを回転させることで、ヒーター18で加熱された空気を恒温槽14内へ送風できるように構成されている。
カラム142を格納するカラムボックス143の近傍には、第2送風ファンとしてのカラム用ファン22が設けられている。カラム用ファン22は、ヒーター用ファン20と同様にファン本体22Aと、回転羽22Bとを含んで構成されており、カラム142の流入部分142Aへ向けて配置されている。また、カラム用ファン22にはヒーターが取り付けられておらず、図示しない駆動手段が回転羽22Bを回転させると、恒温槽14内の空気を流入部分142Aへ送風する。
カラムボックス143の内部には、吸着部温度検知手段としてのサーミスタ28が配置されている。サーミスタ28は、温度を検知するセンサであり、このサーミスタ28によってカラムボックス143の内部温度を検知できるようになっている。
装置本体102の内部には、内部温度検知手段としてのサーミスタ24が配置されている。サーミスタ24は、サーミスタ28と同じ構成であり、本実施形態では一例として、装置本体102の上部に配置されている。このように、サーミスタ24を装置本体102の上部に配置することで、装置本体102の上部に滞留している空気の温度を検知することができる。
ここで、図3に示すように、換気ファン12、ヒーターユニット16、カラム用ファン22、サーミスタX、サーミスタ24、及びサーミスタ28は、制御部30と接続されている。このため、各サーミスタが検知した温度が制御部30へ伝達される。
制御部30は、サーミスタ24、28から伝達された温度に基づいて換気ファン12、ヒーターユニット16、及びカラム用ファン22を制御する。なお、本実施形態では、換気ファン12及びカラム用ファン22の制御については、ON/OFF制御を行う。また、ヒーターユニット16の制御については、ヒーター18へ印加する電圧値を2段階で制御する。以上のように、簡単な制御方法を採用しているので、汎用性が高く、コストを低減できる。制御方法の詳細については、後述する。
<自動分析手順>
次に、クロマトグラフィ装置100による自動分析の手順を図4のフローチャートに基づいて説明する。以下の自動分析は、血液等の検体中に含まれる分析成分を分析するクロマトグラフィである。初めに、ユーザが操作パネル114を操作して、あるいは装置の外部のキーボードから制御部30へクロマトグラフィ装置100のスタートを命令すると、制御部30が自動分析プログラムを実行する。
初めのステップ202では、制御部30がクロマトグラフィ装置100の立上げを行う。具体的には、制御部30が換気ファン12、ヒーター18、ヒーター用ファン20、及びカラム用ファン22の運転を開始させ、装置本体102の内部温度と、恒温槽14の内部温度とを予め設定した温度まで上昇させる。なお、本実施形態では、一例として、装置本体102の内部の設定温度を30度とし、恒温槽14の内部の設定温度を40度として説明するが、これに限らず、設定温度を変更してもよい。また、クロマトグラフィ装置100の立上げ時には、各ユニットの原点復帰や、座標確認等も同時に行われる。
ここで、クロマトグラフィ装置100の周囲の温度が高い場合、すなわち、高温環境時では、図6に示すように、クロマトグラフィ装置100の立上げ時に、制御部30が換気ファン12、ヒーターユニット16、及びカラム用ファン22の運転をほぼ同時に開始させる。一方、クロマトグラフィ装置100の周囲の温度が低い場合、すなわち、低温環境時では、図5に示すように、制御部30がヒーターユニット16、及びカラム用ファン22の運転をほぼ同時に開始させ、換気ファン12については、運転の開始を遅らせる。これにより、クロマトグラフィ装置100の内部に熱を籠らせて装置の立上げ時間を短縮できる。
なお、本実施形態では、装置本体102の内部のサーミスタ24が検知した温度が予め設定した温度より低ければ、低温環境であると判断し、この設定温度より高ければ、高温環境時であると判断しているが、これに限らず、他のサーミスタが検知した温度に基づいて判断してもよい。例えば、装置本体102の外部にサーミスタを設置し、このサーミスタが検知した温度に基づいて判断してもよい。
また、制御部30は、サーミスタ24が検知した温度が設定温度より高くなったタイミングで、換気ファン12の運転を開始するように制御しているが、これに限らず、予め設定した時間だけ運転の開始を遅らせるように制御してもよい。
クロマトグラフィ装置100を立上げた後、ステップ204では、脱気処理を行う。本実施形態では、脱気処置の一例として、プランジャポンプ146を用いた脱気処理を行う。具体的には、図2に示すように、制御部30がプランジャポンプ146のモータ146Dを駆動させ、プランジャ146Bを引き下げてシリンジ146A内に溶離液Aを吸引させる。そして、大気開放弁152を開弁させてシリンジ146A内に空気を吸引させ、図示しない空気層を形成する。これにより、溶存酸素が気化した気泡、及び溶離液A中に初めから存在していた気泡をシリンジ146A内の空気層に取り込むことができる。この後、第1切替弁154を操作し、シリンジ146A内の空気層を排気管76を介して廃液槽150へ排気することで気泡を除去する。
なお、本実施形態に係るクロマトグラフィ装置100では、溶離液パック112Aに収容された溶離液Aのみ脱気する構成としているが、これに限らず、適宜、スイッチングバルブを切り替えて、溶離液パック112B、112Cもプランジャポンプ146で脱気してもよい。また、先にシリンジ146A内に空気層を形成し、その後に溶離液Aを吸引してもよい。さらに、プランジャ146Bの引き下げ速度を調整して、減圧雰囲気下で溶離液Aを吸引してもよい。また、減圧雰囲気下のスパイラル管に溶離液を流して、溶離液中の溶存酸素をスパイラル管に形成された微小な孔から透過させて脱気を行ってもよい。
ここで、プランジャポンプ146の近傍にヒーターユニット16が配置されているので、ヒーター18の熱をプランジャポンプ146に伝達することができる。これにより、プランジャポンプ146のシリンジ146A内に吸引された溶離液Aの液温の低下を抑制できる。すなわち、シリンジ146Aは、比較的比較的熱伝導性の低い樹脂で形成されているため、プランジャポンプ146に吸引された溶離液Aの液温が下がることがあるが、このプランジャポンプ146の近傍にヒーターユニット16を配置すれば、シリンジ146Aがヒーター18から直接加熱されるため、液温に近い温度まで上昇させることができる。また、溶離液Aの温度を高温に維持したまま脱気処理を行うことで、溶存酸素が気化し易くなり、気泡除去の効率を向上できる。
次に、ステップ206では、制御部30が溶離液送液ユニット124を制御してカラム142の平衡化を行う(図2参照)。ここでは、カラム142の充填材が馴染むまで溶離液Aをカラム142へ流すことで平衡化を行う。具体的には、溶離液送液ユニット124のプランジャポンプ146で吸引した脱気処理後の溶離液Aを押し出してカラム142へ送液する。なお、溶離液Aを流す時間は、カラム142の種類に応じて予め設定されている。
カラム142の平衡化が終了すると、ステップ206に進む。ステップ206では、制御部30が検体調製ユニット120を制御して検体の調製を行う。具体的には、図2に示すように、検体調製ユニット120のノズル136が採血管106から試料を吸引して、希釈液槽138へ滴下する。試料は、希釈液槽138内で洗浄槽140の調製液に溶血、希釈され、ポンプ162Cによりスイッチングバルブ128のループ管128Bへ送液される。
次に、ステップ210では、制御部30が分析ユニット122を制御して測定を行う。ここでは、測光部144が制御部30の命令により分析を開始する。また、溶離液Aをカラム142へ一定時間送液した後、スイッチングバルブ126を操作して溶離液Aの流路を切替え、溶離液Aでループ管126B内の試料を押し出してカラム142へ送液する。
試料中の分析成分は、カラム142の充填材に吸着され、残りは測光部144を通過して廃液槽150へ廃液される。その後、溶離液Aがカラム142の充填材に吸着された分析成分の一部を溶離させ、測光部144へ送液される。ここで、測光部144は、溶離液A中の分析成分を検出し、データが制御部30へ送信される。
溶離液Aによる分析成分の溶離が終了したら、スイッチングバルブ126を切替えて、溶離液Aの流路を変更させる。これにより、ポンプ162Bでループ管128Bに送液された溶離液Cが溶離液Aに押し出されてカラム142へ送液される。溶離液Cは、溶離液Aで溶離されなかった分析成分を溶離させ、測光部144を通過する。
溶離液Cによる分析成分の溶離が終了したら、スイッチングバルブ126を切替えて、溶離液Aの流路を変更させる。これにより、ポンプ162Aでループ管126Bに送液された溶離液Bは、溶離液Aに押し出されカラム142へ送液される。溶離液Bは、溶離液A、Cで溶離されなかった分析成分を溶離させ、測光部144を通過する。
以上のようにして、血液試料中の分析成分を分離して分析を行う。なお、本実施形態では、クロマトグラフィ装置100をスタートさせると、自動分析を行う構成であったが、これに限らず、手動で分析を行ってもよい。この場合、任意のタイミングでユーザが命令を出してバルブの切替え等の操作を行う。
測定が終了すると、ステップ212へ進む。ステップ212では、制御部30が溶離液送液ユニット124を制御してカラム142の洗浄を行う。具体的には、カラム142へ溶離液Aを送液してカラム142の充填材に吸着された分析成分を洗い流して平衡化する。
最後に、ステップ214では、測光部144から制御部30へ送信された分析データがまとめられ、分析結果として出力される。分析結果は、表示画面114Bや別のモニタへ表示される。なお、連続して検体の分析を行う場合は、ステップ202の脱気処理から同様の手順で分析が行われる。
<作用及び効果>
次に、図5、6を参照して、クロマトグラフィ装置100の測定時における換気ファン12、ヒーターユニット16、及びカラム用ファン22の説明を通して本実施の形態の作用及び効果を説明する。なお、図5、6では、説明の便宜上、サーミスタ24の温度を10度間隔で示しており、サーミスタ28の温度を5度間隔で示している。
図5、6に示すように、クロマトグラフィ装置100の立上げ後の状態では、サーミスタ24の検知温度が30度、サーミスタ28の検知温度が40度に維持されている。
ここで、低温環境時では、クロマトグラフィ装置100の周囲の温度が低いため、換気ファン12によって装置本体102の内部へ低温の空気が取り込まれ、装置本体102の内部の温度が下がる場合がある(A)。このとき、制御部30は、サーミスタ24が検知した温度から、装置本体102の内部の温度が下がっていると判断し、換気ファン12の運転を停止させる。これにより、装置本体102の内部に熱が籠り、装置本体102の内部の温度を短時間で元の温度まで上昇させることができる(B)。制御部30は、サーミスタ24が検知した温度が設定した温度まで上昇したことを確認し、換気ファン12の運転を再開させる。
次に、カラム142の流入部分142Aの温度が低下した場合(C)、制御部30は、サーミスタ28が検知した温度から、流入部分142Aの温度が下がっていると判断し、カラム用ファン22の運転を停止させる。これにより、カラム142の周囲の空気が分散されずに滞留するため、カラム142の周囲の温度を上げることができる(D)。制御部30は、サーミスタ28が検知した温度が予め設定した温度まで上昇したことを確認し、カラム用ファン22の運転を再開させる。これにより、流入部分142Aの温度が上がり過ぎるのを抑制できる。以上のようにして、低温環境時であってもカラム142へ流入する溶離液等の液温を維持することができる。
なお、本実施形態では、換気ファン12及びカラム用ファン22の運転の再開のタイミングは、サーミスタ24、28が検知した温度に基づいて行っているが、これに限らず、一定の時間が経過した後に、換気ファン12及びカラム用ファン22の運転を再開させてもよい。
一方、図6に示すように、高温環境時では、クロマトグラフィ装置100の立上げ前の状態から装置本体102の内部の温度が高くなっており、本実施形態では、設定温度の30度となっている。この高温環境時では、低温環境時と比べて、カラム142の流入部分142Aの温度が上がりやすくなっている(E)。サーミスタ28が検知した温度が予め設定した温度より高くなれば、制御部30は、流入部分142Aの温度が上がっていると判断し、ヒーターユニット16のヒーター18へ印加する電圧を一段階下げる。これにより、ヒーター18による加熱量が低下し、恒温槽14の内部の温度を設定温度まで下げることができる。そして、サーミスタ28が検知した温度が設定温度まで低下すると(F)、制御部30がヒーター18への印加電圧を元に戻す。
次に、ヒーター18への印加電圧を下げてもカラム142の流入部分142Aの温度が下がらない場合(G)、制御部30は、カラム用ファン22の運転を一時的に停止させる。カラム用ファン22の運転を停止させることで、流入部分142Aへ加熱された空気が送風されなくなり、流入部分142Aの温度上昇を抑制できる。また、このとき、ヒーター18へ印加する電圧を0にしてもよい。以上のようにして、高温環境時であってもカラム142へ流入する溶離液等の液温を維持することができる。
なお、クロマトグラフィ装置100を立上げた後、測定までの待機中は、騒音の低減や省電力を目的として、換気ファン12の運転を停止させてもよい(H)。本実施形態では、一例として、待機状態で一定時間が経過すると、制御部30が換気ファン12の運転を停止させている。この状態で、装置本体102の内部の温度が上昇してサーミスタ24が検知した温度が設定温度より高くなれば、制御部30が換気ファン12の運転を再開する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るクロマトグラフィ装置200について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。図7に示すように、本実施形態に係るクロマトグラフィ装置200では、恒温槽14の内部に3つ以上のサーミスタが配置されている。
具体的には、第1実施形態におけるサーミスタX、サーミスタ24、及びサーミスタ28に加え、温度調整管130の近傍にサーミスタ40が配置されている。また、プランジャポンプ146とヒーターユニット16との間にはサーミスタ46が配置されており、恒温槽14内のスイッチングバルブ126とスイッチングバルブ128の上方にはサーミスタ26が配置されている。さらに、カラム142の流入部分142Aには、サーミスタ54が配置されている。本実施形態では、第1実施形態より多くのサーミスタを配置することにより、精度よく温度制御を行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るクロマトグラフィ装置300について説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。図8に示すように、本実施形態に係るクロマトグラフィ装置300では、温度調整管130とプランジャポンプ146との間に、サーミスタ42が配置されている。
また、プランジャポンプ146の出口にサーミスタ44が配置されており、大気開放弁152の近傍にはサーミスタ48が配置されている。さらに、スイッチングバルブ126の出口及びスイッチングバルブ128の出口にはそれぞれ、サーミスタ50及びサーミスタ52が配置されている。
なお、上記複数のサーミスタは、第1実施形態〜第3実施形態で示した場所に限らず、他の場所に配置してもよい。すなわち、本発明においては、サーミスタは、下記の<サーミスタ配置場所の例>に示す複数の場所のうち、2箇所以上の位置に配置されていればよく、3箇所以上の場所に配置されていることが好ましく、4箇所以上の場所に配置されていることがいっそう好ましい。多くの場所にサーミスタを配置すれば、恒温槽14の内部を流れる流体の温度変化の詳細を把握することができ、高精度で温度の調整を行うことができる。また、逆に、温度の変動が小さい場所においては、サーミスタを取り除いてサーミスタの数を減らすことも可能である。
<サーミスタ配置場所の一例>
・温度調整管130の近傍
・温度調整管130とプランジャポンプ146との間
・ヒーター18の内部またはその近傍
・ヒーターユニット16とプランジャポンプ146との間
・カラムボックス143の入口
・カラムボックス143の内部
・カラム142の流入部分142Aの近傍
・大気開放弁152の近傍
・恒温槽14内の上方位置
・スイッチングバルブ126、128の出口
・恒温槽14の外部で、かつ、装置本体102の内部
ここで、上記第1実施形態〜第3実施形態では、ヒーターユニット16を構成するヒーター用ファン20、及びカラム用ファン22の風向を一定としたが、これに限らず、恒温槽14の内部に配置した複数のサーミスタが検知した温度に応じて、ヒーター用ファン20、及びカラム用ファン22の風向を変更できるようにしてもよい。以下の変形例では、サーミスタ44、48、50、52、54を備えた例について説明する。
図9は恒温槽14の内部の5箇所の温度をプロットしたグラフであり、プロット点は、1回の測定(分析)における平均温度である。また、折れ線はそれぞれ、装置本体102の周囲の温度が5度の場合、25度の場合、及び35度の場合のものである。
ここで、サーミスタ48は、大気開放弁152の近傍に配置されて温度調整管130から流出された液体の液温を間接的に検知している。サーミスタ44は、プランジャポンプ146から流出された液体の液温を間接的に検知している。サーミスタ50は、スイッチングバルブ126から流出された液体の液温を間接的に検知している。サーミスタ52は、スイッチングバルブ128から流出された液体の液温を間接的に検知している。また、サーミスタ54は、カラムボックス143へ流入する直前の液体の液温を検知している。なお、これに限らず、流路に温度計を取り付けて液温を直接測定してもよい。
図9に示すように、温度調整管130で温められた液体は、プランジャポンプ146に吸引されることで、一時的に熱を奪われ、スイッチングバルブ126へ流れる過程で再び温められているのが分かる。これは、プランジャポンプ146のシリンジ146Aが熱伝導率の低い樹脂製であるため、十分に加熱されずに液体の温度を奪うのが原因であると考えられる。
ここで、制御部30は、複数のサーミスタが検知した温度から平均温度を算出し、特定のサーミスタが検知した温度が平均温度に対して所定の温度だけ低くなると、そのサーミスタが配置された部分を優先的に加熱する。本実施形態の場合は、サーミスタ44が検知した温度が5箇所の平均温度より所定の温度だけ低くなると、制御部30がヒーターユニット16へ命令し、サーミスタ44が配置された部分を優先的に加熱する。なお、この方法として、ヒーター用ファン20の風向を変える方法や、ヒーターユニット16の位置を直接移動させる方法等がある。
以上の方法により、恒温槽14の内部の温度を一定の範囲から外れないように制御することができる。なお、恒温槽14の内部に、ヒーターユニット16と同様の構成のユニットを複数配置し、各サーミスタが検知した温度に応じてそれぞれのヒーターユニットのON/OFFを制御してもよい。また、上記の例では、液体の適温を確保する上で特に重要な5箇所(サーミスタ26、44、48、50、52)の温度に基づいて制御を行ったが、これに限らず、他のサーミスタが検知した温度に基づいて制御を行ってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、クロマトグラフィ装置100の待機時には、換気ファン12を断続的に運転させてもよい。
10 温度調整装置
12 換気ファン(換気手段)
14 恒温槽
18 ヒーター(加熱手段)
20 ヒーター用ファン(第1送風ファン)
22 カラム用ファン(送風手段、第2送風ファン)
24 サーミスタ(内部温度検知手段)
30 制御部(制御手段)
28 サーミスタ(吸着部温度検知手段)
54 サーミスタ(吸着部温度検知手段)
100 クロマトグラフィ装置
102 装置本体(筐体)
142 カラム(吸着部)
146 プランジャポンプ(送液手段)
200 クロマトグラフィ装置
300 クロマトグラフィ装置

Claims (8)

  1. クロマトグラフィ装置の筐体の内部に設けられ、試料中の分析成分を吸着する吸着部と、前記吸着部へ流路を通じて分析成分を溶離する液体を送液する送液手段と、が格納された恒温槽と、
    前記恒温槽内の空気を加熱する加熱手段と、
    前記液体が前記吸着部へ流入する流入部分へ前記恒温槽内の空気を送風する送風手段と、
    前記吸着部の近傍の温度を検知する吸着部温度検知手段と、
    前記吸着部温度検知手段が検知した温度に基づいて、前記加熱手段、及び前記送風手段を制御し、前記吸着部へ流入する液体を予め設定した液温に維持する制御手段と、
    を有する温度調整装置。
  2. 前記筐体には、前記筐体の内部を換気する換気手段と、前記筐体の内部の温度を検知する内部温度検知手段と、が設けられ、
    前記制御手段は、前記内部温度検知手段が検知した温度に基づいて、前記換気手段を制御し、前記筐体の内部の温度を予め設定した温度に維持する請求項1に記載の温度調整装置。
  3. 前記加熱手段は、ヒーターと、前記ヒーターから発生する熱を前記恒温槽内に拡散させる第1送風ファンとを備え、
    前記送風手段は、前記流入部分に送風する第2送風ファンであり、
    前記換気手段は、前記筐体の背面に取り付けられた換気ファンであり、
    前記制御手段は、前記第1送風ファン、前記第2送風ファン、及び前記換気ファンをON/OFF制御すると共に、前記ヒーターへ印加する電圧を変化させて温度調整を行う請求項2に記載の温度調整装置。
  4. 前記送液手段は、ロッドの押し上げ或いは引き下げ操作で液体を吸引排出するプランジャポンプであり、
    前記ヒーターは、前記プランジャポンプの近傍に設けられている請求項3に記載の温度調整装置。
  5. 前記吸着部温度検知手段は、前記流入部分の温度を検知する請求項1〜4の何れか1項に記載の温度調整装置。
  6. 請求項2〜5の何れか1項に記載の温度調整装置を用いた温度調整方法であって、
    前記吸着部温度検知手段が検知した温度が予め設定した下限温度より低くなれば、前記送風手段の運転を停止させ、
    前記吸着部温度検知手段が検知した温度が予め設定した上限温度より高くなれば、前記加熱手段の加熱量を低下させる温度調整方法。
  7. 前記内部温度検知手段が検知した温度が予め設定した設定温度より低くなれば、前記換気手段の運転を停止させ、前記内部温度検知手段が検知した温度が前記設定温度より高くなれば、前記換気手段の運転を再開させる請求項6に記載の温度調整方法。
  8. コンピュータに、
    内部温度検知手段でクロマトグラフィ装置の筐体の内部の温度を検知させる内部温度検知手順、
    吸着部温度検知手段で前記筐体の内部の恒温槽に格納された吸着部の流入部分の温度を検知させる流入部分温度検知手順、
    及び
    前記吸着部温度検知手段で検知された温度が予め設定した下限温度より低ければ、前記流入部分へ送風する送風手段の運転を停止させ、前記吸着部温度検知手段が検知した温度が予め設定した上限値より高ければ、前記恒温槽内の空気を加熱する加熱手段の加熱量を低下させ、前記内部温度検知手段で検知された温度が予め設定した温度より低ければ、前記筐体の内部を換気する換気手段の運転を停止させるように制御部に制御させる制御手順と、
    を実行させるための温度調整プログラム。
JP2013164294A 2013-08-07 2013-08-07 温度調整装置、温度調整方法、及び温度調整プログラム Pending JP2015034702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013164294A JP2015034702A (ja) 2013-08-07 2013-08-07 温度調整装置、温度調整方法、及び温度調整プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013164294A JP2015034702A (ja) 2013-08-07 2013-08-07 温度調整装置、温度調整方法、及び温度調整プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015034702A true JP2015034702A (ja) 2015-02-19

Family

ID=52543338

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013164294A Pending JP2015034702A (ja) 2013-08-07 2013-08-07 温度調整装置、温度調整方法、及び温度調整プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015034702A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017070223A (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 株式会社タカゾノテクノロジー シリンジ駆動装置
JP2017161295A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 東ソー株式会社 液体クロマトグラフ用送液装置
CN109032104A (zh) * 2018-05-23 2018-12-18 中国海洋石油集团有限公司 一种自动流入控制装置性能测试系统及方法
CN112074734A (zh) * 2018-05-16 2020-12-11 株式会社岛津制作所 流体色谱仪用的流体供给装置
JP2021015026A (ja) * 2019-07-11 2021-02-12 株式会社島津製作所 分析装置
GB2608861A (en) * 2021-07-15 2023-01-18 Agilent Technologies Inc Managing a heat transfer characteristic in a temperature control chamber

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017070223A (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 株式会社タカゾノテクノロジー シリンジ駆動装置
JP2017161295A (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 東ソー株式会社 液体クロマトグラフ用送液装置
CN112074734A (zh) * 2018-05-16 2020-12-11 株式会社岛津制作所 流体色谱仪用的流体供给装置
JPWO2019220686A1 (ja) * 2018-05-16 2021-02-12 株式会社島津製作所 流体クロマトグラフ用の流体供給装置
CN112074734B (zh) * 2018-05-16 2022-12-16 株式会社岛津制作所 流体色谱仪用的流体供给装置
US11761933B2 (en) 2018-05-16 2023-09-19 Shimadzu Corporation Fluid supply device for fluid chromatograph
CN109032104A (zh) * 2018-05-23 2018-12-18 中国海洋石油集团有限公司 一种自动流入控制装置性能测试系统及方法
CN109032104B (zh) * 2018-05-23 2020-06-26 中国海洋石油集团有限公司 一种自动流入控制装置性能测试系统及方法
JP2021015026A (ja) * 2019-07-11 2021-02-12 株式会社島津製作所 分析装置
JP7275948B2 (ja) 2019-07-11 2023-05-18 株式会社島津製作所 分析装置
GB2608861A (en) * 2021-07-15 2023-01-18 Agilent Technologies Inc Managing a heat transfer characteristic in a temperature control chamber

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015034702A (ja) 温度調整装置、温度調整方法、及び温度調整プログラム
EP2669673B1 (en) Bubble reduction device, chromotography device, bubble reduction method, and bubble reduction program
JP6190162B2 (ja) 流路内気泡低減装置、流路内気泡低減方法、液供給装置、及びクロマトグラフィ装置
US8584507B2 (en) Gas sample introduction device and a gas chromatograph using the same
US7803635B1 (en) Purge and trap concentrator with sparge vessel
JP6648018B2 (ja) ガスを検出するための装置及び方法
CN102095628A (zh) 样品消解处理装置
JP6428793B2 (ja) ガスクロマトグラフ
US8092744B1 (en) Analytical chemical sampling system with bypass mode
US10794875B2 (en) Gas chromatograph
JP2006122041A (ja) 化学分析装置
JP2015052592A (ja) 液体クロマトグラフィ装置、液体クロマトグラフィ分析方法、及び液体クロマトグラフィ分析プログラム
JP6642271B2 (ja) ガスクロマトグラフ装置
US10994277B2 (en) Environmental control solution for clinical analyzer module
US8075842B1 (en) Analytical chemical sampling system with sparge vessel
KR102334247B1 (ko) 가습 공기청정기의 취침 모드 제어 장치
JP5482191B2 (ja) 脱気装置
CN106353126A (zh) 快速冷冻切片装置
JP7226077B2 (ja) クロマトグラフィー分析システム
JP2009236591A (ja) ガスクロマトグラフ装置
JP6428136B2 (ja) 液体クロマトグラフシステムとその制御方法
JP2013053935A (ja) 自動分析装置
JP7095797B2 (ja) 分析システム
JP2003057246A (ja) 被処理物の処理装置
JPWO2019053887A1 (ja) 超臨界流体装置