JP2015034623A - ロータリジョイント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータリジョイント1の軸体5は、軸本体10と、周壁を貫通する部分流路が形成されている複数の円筒状のスリーブ11とを有している。メカニカルシール7は、スリーブ11と交互に軸本体10に外嵌しスリーブ11の前記周壁の軸方向端面と接触する環状側面16を有する第一密封環15と、スリーブ11の径方向外側であってこのスリーブ11を挟んで隣り合う第一密封環15,15の間に設けられこれら第一密封環15,15それぞれの環状側面16,16と摺接する第二密封環25,25とを有している。スリーブ11に形成されている流体が流れる前記部分流路は、前記環状側面16と接触する前記周壁の上端を切り欠いて形成した切り欠き部12からなる。
【選択図】 図4
Description
このような流体が混ざることなく回転側部材と固定側部材との間を流れるために、これら部材間を接続するジョイント部には、独立した流体通路が複数必要である。そこで、このようなジョイント部として、例えば特許文献1に開示されているロータリジョイントが用いられる。
メカニカルシール86は、軸体83と一体回転する第一密封環91と、ケース体80に取り付けられている第二密封環92とを有している。そして、このロータリジョイントには、複数(図5では3つ)の独立した流体通路85が設けられている。
そして、これら第二密封環92,92の一部が、その軸方向両側(上下)にある第一密封環91,91に接触し、この接触している面の間から流体が漏れるのを防止する。つまり、第一密封環91と第二密封環92との間の接触面がシール面97となる。また、第二密封環92,92の外周側と、ケース体80との間には、Oリング95が設けられており、これらの間(環状の流路96)から流体が漏れるのを防いでいる。
メカニカルシール86において、このようなドライ摺動となる場合、シール面97の摩耗が促進されたり、シール面97が荒れた状態となって密封性能が低下したりすることで、メカニカルシール86の寿命が短くなってしまうおそれがある。
前記軸体は、前記第二流路の一部として外周面で開口する流路孔が形成されている軸本体と、当該軸本体に外嵌しかつ前記第二流路の他部として周壁を貫通する部分流路が形成されている円筒状のスリーブと、を有し、
前記メカニカルシールは、前記スリーブと交互に前記軸本体に外嵌し当該スリーブの前記周壁の軸方向端面と接触する環状側面を有する第一密封環と、前記スリーブの径方向外側であって当該スリーブを挟んで隣り合う前記第一密封環の間に設けられ当該第一密封環それぞれの前記環状側面と摺接する第二密封環と、を有し、
前記スリーブに形成されている流体が流れる前記部分流路は、前記環状側面と接触する前記周壁の上端を切り欠いて形成した切り欠き部からなる。
〔全体構成について〕
図1は、ロータリジョイント1の一例を示す縦断面図である。このロータリジョイント1(以下、ジョイント1ともいう。)は、回転機器の固定側部材(例えば、CMP装置本体)に取り付けられる筒形のケース体2と、この回転機器の回転側部材(例えば、CMP装置のトップリング又はターンテーブル)に取り付けられる軸体5とを備えている。このジョイント1は、図1に示すように、ケース体2及び軸体5の軸方向が上下方向となるようにして設置される。このため、図1に示す上側が、ジョイント1の「上」となり、図1に示す下側が、ジョイント1の「下」となる。
ケース体2は、上下の端部フランジ30,31と、これら端部フランジ30,31間に設けられているN個の流路フランジ32とを有している。これらフランジ30,31,32は円環状であり、ボルト9によって連結固定されており、ケース体2は、全体として筒形の構造体となる。隣り合う流路フランジ32,32の間、及び、隣り合う端部フランジ30(31)と流路フランジ32との間には、それぞれOリング6が設けられている。
軸体5は、上下方向に長い直線状の軸本体10と、この軸本体10に外嵌する筒形のスリーブ11とを有している。本実施形態では、軸体5は、更に、軸本体10の上側部において外嵌する筒形の補助用のスリーブ52を有している。このスリーブ52は、Oリング17を設けるための部材であり、スリーブ11よりも軸方向に短い。
また、軸本体10内には、N本の流路孔42が形成されており、これら流路孔42それぞれは軸本体10の外周面10aで開口しており、しかも、軸方向(上下方向)で異なる高さ位置で開口している。流路孔42の他方側は軸本体10の端面(上端面)で開口しており、この端面の開口に、前記回転側部材の複数の配管それぞれが接続される。
図2において、軸本体10に形成されている流路孔42が、第二流路18の一部となり、上スリーブ11に形成されている切り欠き部12が、第二流路18の他部(部分流路)となる。
なお、図1に示す実施形態では、上スリーブ11と、中(下)スリーブ11とを異なる構成としたが、中(下)スリーブ11は、上スリーブ11と同じ構成であってもよい。中スリーブ11を上スリーブ11と同じ構成とする場合、図1に示す中スリーブ11とその上に位置する第一密封環15との間に設けられているOリング17については、この第一密封環15の上側へと位置を変更して設けられ、このOリング17についても図1に示す構成と同様にする。
そして、これら第二流路18それぞれは、ケース体2の内周側に向かって開口しており、しかも、軸方向(上下方向)で異なる位置で開口している。
そして、上スリーブ11の周壁11aの軸方向下側の端面13が、その下に位置する第一密封環15の環状側面16に接触し、また、他のスリーブ11と第1密封環15についても同様に接触する。
このため、図1に示すように、各スリーブ11は、第一密封環15,15間のスペーサとして機能し、補助用のスリーブ52は、第一密封環15と大径部19との間のスペーサとして機能する。
図1において、ケース体2と軸体5との間には、環状空間4が形成されており、この環状空間4にメカニカルシール7が設けられている。メカニカルシール7は、軸体5に沿ってN個並べて設けられている。本実施形態のジョイント1は、メカニカルシール7を上下方向に複数配置したシリアル型(直列型)の多流路ロータリジョイントとなる。
各メカニカルシール7は、以下に説明するように、一つの第一流路33と一つの第二流路18とにより一つの流体通路8を構成するために設けられている。なお、複数のメカニカルシール7それぞれの機能は同様であり、ここでは、最も上に位置するメカニカルシール7を代表として説明する。
メカニカルシール7は、第一密封環15、第二密封環25、及び弾性部材27を有している。前記のとおり、第一密封環15は軸本体10と一体回転することから、この第一密封環15は、メカニカルシール7の回転環(回転側密封環)となる。これに対して、第二密封環25は、ケース体2と共に静止した状態となり、メカニカルシール7の静止環(静止側密封環)となる。
第二密封環25は上下一対で一組とされ、この一組の第二密封環25,25が、環状空間4において一つの流体通路8を区画するために必要となる一つのメカニカルシール7の構成部材となる。第二密封環25は、ケース体2に回り止めされている。例えば、流路フランジ32には軸方向に延びるピン37が固定されており、第二密封環25の一部に、このピン37を周方向両側から挟む爪部(凹部)38が形成されている。爪部38がピン37に周方向両側から当接することで、第二密封環25は回り止めされる。
弾性部材27は、上下一対の第二密封環25,25を軸方向に離反させる方向に付勢する。弾性部材27は、圧縮コイルばねからなり、流路フランジ32(突出部35)に形成されている孔に挿入され、この孔により保持されている。
そして、弾性部材27が、第二密封環25,25を軸方向両側(上下)に向かって押し、この押す力によって、第二部25bのシール面26を、第一密封環15の環状側面16に押し付けることができる。シール面26と環状側面16とが軸方向に押し付けあった状態で接触することができ、回転する環状側面16にシール面26が摺接して、これら面16,26の間から流体が漏れるのを防止するシール機能が発揮される。つまり、静止側の第二密封環25のシール面26と回転側の第一密封環15の環状側面16との相対回転に伴う摺接作用によりメカニカルシール7のシール機能が発揮される。
更に、一組の第二密封環25,25同士の間には、環状の流路(環状空間)28が形成されており、この環状の流路28は、円筒状の流路55と繋がっている。そして、第二密封環25,25の第一部25aの外周面と、流路フランジ32の突出部35の内周面との間には、Oリング24が設けられており、このOリング24によるシール機能によって、環状の流路28の流体が外部(他の流体通路8を含む)へ漏れるのを防いでいる。なお、第二密封環25,25は、Oリング24を介して流路フランジ32の突出部35に対して軸方向に移動可能な状態で嵌合保持されている。
以上の構成を備えているジョイント1によれば、ケース体2に対して、軸本体10、スリーブ11,52、及び第一密封環15は一体となって回転可能となり、そして、ケース体2に固定されている第二密封環25のシール面26に、第一密封環15の環状側面16が摺接する。これにより、メカニカルシール7のシール機能が発揮され、独立した流体通路8を複数形成することができる。
図3に示すスリーブ11では、周壁11aの上端を矩形状に切り欠くことにより、切り欠き部12を形成した場合について説明したが、切り欠き形状は矩形に限らず、その他の形状であってもよく、例えば、円弧形状に切り欠いて形成した切り欠き部12であってもよい。
また、前記実施形態では、補助用のスリーブ52を用いて、Oリング17を設ける構成を説明したが、この補助用のスリーブ52を省略してもよい。この場合、最も上に位置する第一密封環15の厚さを大きくして、これにOリング17用の溝を形成すればよい。
また、ロータリジョイント1を半導体製造装置(CMP装置)に用いる場合について説明したが、これ以外の装置に用いることができる。
5:軸体 7:メカニカルシール 8:流体通路
10:軸本体 10a:外周面 11:スリーブ
11a:周壁 12:切り欠き部 13:端面
15:第一密封環 16:環状側面 18:第二流路
25:第二密封環 33:第一流路 42:流路孔
Claims (1)
- 内周側で開口する第一流路が形成され軸方向が上下方向となる筒形のケース体と、前記ケース体内に相対回転可能として設けられ外周側で開口する第二流路が形成されている軸体と、前記ケース体と前記軸体との間に設けられ一つの前記第一流路と一つの前記第二流路とにより一つの流体通路を構成するためのメカニカルシールと、を備え、
前記軸体は、前記第二流路の一部として外周面で開口する流路孔が形成されている軸本体と、当該軸本体に外嵌しかつ前記第二流路の他部として周壁を貫通する部分流路が形成されている円筒状のスリーブと、を有し、
前記メカニカルシールは、前記スリーブと交互に前記軸本体に外嵌し当該スリーブの前記周壁の軸方向端面と接触する環状側面を有する第一密封環と、前記スリーブの径方向外側であって当該スリーブを挟んで隣り合う前記第一密封環の間に設けられ当該第一密封環それぞれの前記環状側面と摺接する第二密封環と、を有し、
前記スリーブに形成されている流体が流れる前記部分流路は、前記環状側面と接触する前記周壁の上端を切り欠いて形成した切り欠き部からなることを特徴とするロータリジョイント。
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