JP2015033859A - 車両用電源システム - Google Patents

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Kosuke Ichinose
工資 一之瀬
敏宏 坂谷
Toshihiro Sakatani
敏宏 坂谷
裕政 杉井
Hiromasa Sugii
裕政 杉井
越智 誠
Makoto Ochi
誠 越智
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Abstract

【課題】車両に搭載された蓄電池が過放電状態になっていても、電力を供給する技術を提供する。【解決手段】スイッチ制御部134は、メインスイッチ128と保護スイッチ130との作動状態の組合せからなる複数のスイッチングモードのいずれかを選択可能である。複数のスイッチングモードは、(1)緊急時であっても動作が要求される緊急動作要求負荷へ第1蓄電池110から電力供給するとともに、第2蓄電池112から緊急動作要求負荷への電力供給を停止させる通常待機モードと、(2)第1蓄電池110から緊急動作要求負荷への電力供給を停止させるとともに、第2蓄電池112から緊急動作要求負荷へ電力供給するバックアップモードを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用電源システム、特に車両に搭載される車両用電源システムに関する。
近年、アイドリングストップシステムおよび減速エネルギー回生システムを搭載した車両が普及してきている。そのような車両に搭載される蓄電池では充放電が多くなり、劣化が進行しやすくなる。そこで、低コストで蓄電容量の大きい鉛電池と、サイクル特性に優れたニッケル水素電池あるいはリチウムイオン電池とが接続される(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−234479号公報
車両に搭載された負荷は、車両停止時も微弱な電力を消費しており、蓄電池は、車両停車中、つまり充電がなされない状態であっても電力を消費するので、過放電状態になるおそれがある。負荷の中には、過放電状態になっている場合においても動作が要求されるものがある。
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、車両に搭載された蓄電池が過放電状態になっていても、電力を供給する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用電源システムは、第1蓄電部と、第2蓄電部と、第1蓄電部と第2蓄電部とを並列接続するための経路に配置されるメインスイッチと、メインスイッチと第2蓄電部との間の経路に配置される保護スイッチと、メインスイッチと保護スイッチのそれぞれの作動状態を制御するスイッチ制御部とを備える。スイッチ制御部は、メインスイッチと保護スイッチとの作動状態の組合せからなる複数のスイッチングモードのいずれかを選択可能であり、複数のスイッチングモードは、(1)緊急時であっても動作が要求される緊急動作要求負荷へ第1蓄電部から電力供給するとともに、第2蓄電部から緊急動作要求負荷への電力供給を停止させる通常待機モードと、(2)第1蓄電部から緊急動作要求負荷への電力供給を停止させるとともに、第2蓄電部から緊急動作要求負荷へ電力供給するバックアップモードを含む。
本発明によれば、車両に搭載された蓄電池が過放電状態になっていても、電力を供給できる。
本発明の実施例1に係る車両用電源システムの構成を示す図である。 図1の車両用電源システムでの状態遷移を示す図である。 図1のスイッチ制御部に記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。 本発明の実施例2に係る車両用電源システムの構成を示す図である。 図4のスイッチ制御部に記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。 本発明の実施例3に係る車両用電源システムの構成を示す図である。 図6のスイッチ制御部に記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。 本発明の実施例4に係る車両用電源システムの構成を示す図である。 図8の車両用電源システムでの状態遷移を示す図である。 図8のスイッチ制御部に記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。
(実施例1)
本発明の実施例を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。電装品を備えた車両は、電装品へ電力を供給する蓄電池を含む車載用蓄電システムを備えている。一般的に、車両には、エンジンによって駆動される発電機としてオルタネータが搭載されており、オルタネータによって発電される電力で蓄電池が充電されている。電装品としては、ヘッドライトのような停車中にも使用できるものや、パワーステアリングのような運転中のみ使用するものとがある。また、一部の電装品等は、車両停車中にも電力を消費する。このように、電装品は、車両停止時も微弱な電力を消費しており、蓄電池は、車両停車中、すなわち、発電機から充電されない状態であっても電力を消費する。そのため、長期間、車両を放置したり、ヘッドライトのような停車中に使用できる電装品のスイッチを消し忘れたりすると蓄電池が過放電状態となるおそれがある。
一方、蓄電池として、エネルギー密度やサイクル特性に優れたリチウムイオン電池やニッケル水素電池等の異種の電池と、耐環境性や出力特性に優れた鉛電池とを組み合わせた蓄電池が開発されている。この種の蓄電池は、優れた電池特性を有しており、比較的大きな負荷への電力供給が可能となる。そのため、近年では、比較的大きな負荷を備え、さまざまな機能を有する車両が開発されている。このような車両は、例えば、電動シフトチェンジシステム(シフトバイワイヤ)や、緊急警報機能を有する車両である。特にシフトバイワイヤ化の技術は、省スペース性に優れ、今後の技術革新が期待されている。しかしながら、異種電池を組み合わせた蓄電池であっても、暗電流による電力消費等による過放電のおそれは依然として残っており、車両補機の高負荷化が進むとその課題も顕著になる。具体的には、電動シフトチェンジシステムや、緊急警報機能を有する車両のような多機能の車両において、蓄電池から電力供給ができなくなると著しく利便性を失うおそれが生じる。特に、電動シフトチェンジシステムは、電力供給が途絶えると、安全性の観点からパーキングギアに切り替わるため、一旦、蓄電池が過放電となると、ニュートラルギアにシフトして車両を移動させるといったことが困難となる。
これに対応するために、実施例1に係る車両用蓄電システムは、少なくとも通常待機モードとバックアップモードを規定する。車両停車中に通常待機モードが実行され、負荷への暗電流が鉛電池の電力のみでまかなわれる。そのため、ニッケル水素電池等の電力はある程度確保される。前述のシフトバイワイヤ等を使用する際に、鉛電池が過放電状態になっていれば、通常待機モードがバックアップモードに変更され、ニッケル水素電池等からの給電がなされる。そのため、ニッケル水素電池等は、バックアップ電源として使用される。
図1は、本発明の実施例1に係る車両用電源システム100の構成を示す。車両用電源システム100は、第1蓄電池110、第2蓄電池112、管理部114、ダイオード126、メインスイッチ128、保護スイッチ130を含む。管理部114は、過放電判定部132、スイッチ制御部134を含む。管理部114は、過放電判定部132、スイッチ制御部134を含む。車両用電源システム100には、スタータ116、オルタネータ120、ECU124、第1電装品136、第2電装品138、緊急動作要求負荷140が接続される。
オルタネータ120は、図示しないエンジンにより交流電力を発電し、さらにエネルギー回生機能の車両においては減速時の運動エネルギーによっても発電する。ここでは主に減速中の発電について述べる。オルタネータ120が動作すべきタイミングは、後述のECU124によって指示される。オルタネータ120が発電した交流は、図示しないレギュレータ、整流器等の回路により直流に変換され、オルタネータ120の電力が車両用電源システム100、第1電装品136、第2電装品138、緊急動作要求負荷140に供給される。
スタータ116は、エンジン始動用モータである。スタータ116は、車両用電源システム100の出力系統に接続される。運転者の操作により図示しないイグニッションスイッチがオンされる場合、あるいはアイドリングストップの状態から復帰する場合、ECU124からの指示によって、スタータ116のスタータスイッチ(図示せず)がオンとなり車両用電源システム100からスタータ116に電力が供給され、スタータ116が始動する。スタータ116によりエンジンが始動すると、スタータスイッチがオフされる。
第1電装品136、第2電装品138は、ヘッドライト、エアコン、デフォッガ、オーディオ、メータ、ストップランプ、フォグランプ、ウィンカ、パワーステアリング、パワーウインドウ、エンジン電装品などの車両内に搭載される各種電気負荷を示す総称である。第1電装品136は、メインスイッチ128に対して、第1蓄電池110側に接続され、第2電装品138は、メインスイッチ128に対して、第2蓄電池112側に接続されている。このように、第1電装品136と第2電装品138とは、接続されている位置が異なるだけである。なお、第1電装品136と第2電装品138のどちらか一方だけが接続されていてもよい。ここでは、説明の便宜上、オルタネータ120、スタータ116、ECU124は、第1電装品136、第2電装品138とは別に扱っている。また、第1電装品136、第2電装品138は、車両用電源システム100から供給される電力により駆動されている。
緊急動作要求負荷140は、前述の電動シフトチェンジシステムまたは緊急警報装置に相当する。このような緊急動作要求負荷140は、緊急時であっても動作が要求される負荷であるといえる。
ECU124は、車両内に搭載される各種の補機、センサ、スイッチに接続され、エンジンおよび各種補機を電子制御する。アイドリングストップ機能を実行する場合、ECU124は、ブレーキ、車速センサ等から入力される信号をもとに車両の停止または設定速度以下への減速を検出すると、エンジンを停止させる。また、ECU124は、ブレーキの解除を検出したことでもって、車両が走行を開始したと判定する。ECU124は、アイドリングストップ機能を実行してエンジンが停止した後に、車両の走行開始を検出するとエンジンを再始動させる。その際、車両用電源システム100からスタータ116に電力が供給され、スタータ116が作動する。なお、ここでは、ブレーキの解除を検出したことでもって、車両の走行開始を判定しているが、必ずしもこの構成に限定する必要はない。例えば、車速センサや、アクセルの状態をもとに車両の走行開始を判定するように構成することもできる。
車両用電源システム100のうちの第1蓄電池110は、オルタネータ120により発電された電力を蓄え、スタータ116、第1電装品136、第2電装品138、緊急動作要求負荷140に給電するためのメインバッテリである。前述のごとく、スタータ116、第1電装品136、第2電装品138、緊急動作要求負荷140は、車両内の負荷である。第1蓄電池110の一例は、鉛電池である。鉛電池には、比較的安価、比較的広い温度範囲で動作可能、高出力などの長所があり、車両用の蓄電池として広く普及している。ただし充放電エネルギー効率が低い、過放電に弱い、サイクル寿命が短いなどの短所がある。
第2蓄電池112は、オルタネータ120により発電された電力を蓄え、スタータ116、第1電装品136、第2電装品138、緊急動作要求負荷140に給電するためのサブバッテリである。つまり、第1蓄電池110と第2蓄電池112との両方から、スタータ116への給電がなされる。第1蓄電池110と第2蓄電池112は並列接続される。第2蓄電池112の一例は、第1蓄電池110よりも充電受入性に優れ、その一例は、ニッケル水素電池である。
ニッケル水素電池には、前述のごとく充放電エネルギー効率が比較的高い、過充電および過放電に強い、使用温度範囲が広い、使用SOC(State Of Charge)範囲が広い、サイクル寿命が比較的長いなどの長所がある。また、ニッケル水素電池は、低劣化で放電深度の深い領域まで利用できる推奨放電深度(DOD:Depth of Discharge)が広い電池である。ただし、メモリ効果があるなどの短所がある。
アイドリングストップ機能を採用する場合、スタータ116の使用回数が増えるため、蓄電池の容量を増大させる必要がある。その際、単純に鉛電池の容量を増大させるのではなく、性質が異なる複数種類の蓄電池を組み合わせて使用することにより、それぞれの蓄電池の短所を補いつつ蓄電池全体の容量を増大させる。ここでは、鉛電池とニッケル水素電池を組み合わせて使用する例を説明するが、鉛電池とリチウムイオン電池を組み合わせて使用してもよい。リチウムイオン電池は、エネルギー密度および充放電エネルギー効率が高く、高性能な蓄電池であるが、厳格な電圧・温度管理が必要である。
一般的に蓄電池はエンジンルームに設置される。エンジンルームに鉛電池と一体的に設置するには、ニッケル水素電池の方がリチウムイオン電池より適している。エンジンルームはエンジン作動時に温度が上昇するが、ニッケル水素電池の方がリチウムイオン電池より熱安定性がよい。なお、鉛電池と並列接続されるリチウムイオン電池をエンジンルームから離れた位置に設置することも考えられるが、その場合、配線抵抗による損失が大きくなる。
メインスイッチ128は、車両用電源システム100中において第1蓄電池110と第2蓄電池112とを並列接続するための経路に配置される。メインスイッチ128の一端に第1蓄電池110、スタータ116、オルタネータ120、第1電装品136が接続されるとともに、メインスイッチ128の他端に保護スイッチ130、第2電装品138、緊急動作要求負荷140が接続される。なお、保護スイッチ130を介して、第2蓄電池112がメインスイッチ128の他端に接続される。ここで、メインスイッチ128は、例えば、機械式リレーで構成される。
メインスイッチ128がオンされている場合に、第1蓄電池110と第2蓄電池112とが並列に接続される。一方、メインスイッチ128がオフされている場合に、第1蓄電池110と第2蓄電池112とが電気的に切り離される。また、メインスイッチ128と並列にダイオード126が配置される。ダイオード126が配置されることによって、メインスイッチ128がオフされている場合に、第2蓄電池112から第1蓄電池110への電流が抑止される。なお、メインスイッチ128のオン/オフは、スイッチ制御部134によって制御される。ダイオード126をメインスイッチ128に対して並列に接続した場合、第1蓄電池110から第2蓄電池112側へ、ダイオードを介して電流を供給することができる。例えば、メインスイッチ128が故障した場合などであっても、第1蓄電池110から第2電装品138および緊急動作要求負荷140へ電力供給することができる。通常待機モードからバックアップモードへの変更は、前述の通り、鉛電池の過放電状態の検出結果に応じて行う構成とすることが考えられる。このような場合、メインスイッチ128が故障した場合は、必ずしも鉛電池が過放電状態となっているとは限らないため、緊急動作要求負荷140へ電力を供給できないおそれがある。ダイオード126をメインスイッチ128に対して並列に接続する構成によると、このような場合であっても、ダイオード126を介して、緊急動作要求負荷140へ電力供給することができる特徴がある。
第1蓄電池110と第2蓄電池112は、メインスイッチ128がオンにされている場合、車両内の複数の負荷に給電可能であり、メインスイッチ128がオフにされている場合、複数の負荷のうち、互いに異なった負荷に独立して給電可能である。具体的に説明すると、第1蓄電池110は、メインスイッチ128がオフにされている場合、スタータ116、第1電装品136への給電が可能である。第2蓄電池112は、メインスイッチ128がオフにされている場合、第2電装品138、緊急動作要求負荷140への給電が可能である。なお、ダイオード126を設ける構成では、第1蓄電池110は、メインスイッチ128がオフにされている場合、スタータ116、第1電装品136に加えて、第2電装品138、緊急動作要求負荷140への給電が可能である。ダイオード126は、第1蓄電池110から第2蓄電池112側への電力供給を許容するが、第2蓄電池112から第1蓄電池110側への電力供給を阻止する。そのため、第2蓄電池112は、メインスイッチ128がオフにされている場合、第1蓄電池110側の負荷に対しては電力を供給しない。上述の構成において、複数の負荷のうち、互いに異なった負荷に独立して給電可能に構成する目的は、第2蓄電池112の電力消費を抑制することにあり、この点において、ダイオード126を備える車両用電源システムは、ダイオード126を備えない車両用電源システムと実質的に同等の機能を有している。
保護スイッチ130は、メインスイッチ128と第2蓄電池112との間の経路に配置される。保護スイッチ130がオンにされている場合、第2蓄電池112は、第2電装品138、緊急動作要求負荷140、メインスイッチ128に接続される。一方、保護スイッチ130がオフにされている場合、第2蓄電池112は、第2電装品138、緊急動作要求負荷140、メインスイッチ128から切断される。保護スイッチ130のオン/オフは、スイッチ制御部134によって制御される。
管理部114は、第1蓄電池110と第2蓄電池112との電力供給を制御するとともに、メインスイッチ128からメインスイッチ128、保護スイッチ130のオン/オフを制御する。管理部114とECU124間は、例えば、CAN(Controller Area Network)により接続され、両者の間で通信される。
図2は、車両用電源システム100での状態遷移を示す。「通常待機モード」は、エンジンが停止されている状態である。これには、イグニッションスイッチがオフされることによってエンジンが停止している状態、アイドリングストップが含まれる。「バックアップモード」は、「通常待機モード」と同様にエンジンが停止されている場合に、第1蓄電池110が過放電状態になっていることによって、緊急動作要求負荷140へ電力を供給できない状態である。「始動モード」は、エンジンを始動させる状態である。これには、イグニッションスイッチがオフされることによってエンジンが停止している状態から、イグニッションスイッチがオンされることによってエンジンを始動させる状態が含まれる。また、アイドリングストップあるいは走行中のエンジンストップから、エンジンを再始動させる状態も含まれる。「通常動作モード」は、エンジンが動作している状態である。図1に戻る。
車両の状態は、ECU124において検出され、ECU124は、検出した状態が示された信号を管理部114へ出力する。ECU124における車両の状態の検出には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。管理部114は、ECU124からの信号をもとに、状態を認識し、状態に応じてメインスイッチ128、保護スイッチ130を制御する。
過放電判定部132は、第1蓄電池110の電圧値、電流値、温度値を取得する。また、過放電判定部132は、残容量(SOC:State Of Charge)を計算する。過放電判定部132は、第1蓄電池110の蓄電電圧および異常発生の有無を監視する。このような処理によって、過放電判定部132は、第1蓄電池110が過放電状態であることを検出する。過放電判定部132は、第1蓄電池110が過放電状態であることを検出した場合、その旨をスイッチ制御部134に出力する。なお、過放電判定部132は、管理部114ではなく、ECU124に含まれてもよい。
スイッチ制御部134は、メインスイッチ128と保護スイッチ130のそれぞれの作動状態を制御する。作動状態は、スイッチのオン/オフに相当する。スイッチ制御部134は、メインスイッチ128と保護スイッチ130との作動状態の組合せからなる複数のスイッチングモードのいずれかを選択可能である。複数のスイッチングモードは図2に示されている。
図3は、スイッチ制御部134に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、モード欄200、メインスイッチ欄202、保護スイッチ欄204が含まれる。モード欄200には、図2での各モードが示される。メインスイッチ欄202、保護スイッチ欄204には、各モードに対するメインスイッチ128と保護スイッチ130のオン/オフが示される。スイッチ制御部134は、通常待機モードを選択すると、メインスイッチ128をオンあるいはオフに制御し、保護スイッチ欄204をオフに制御する。その結果、スイッチ制御部134は、第1電装品136、第2電装品138、緊急動作要求負荷140へ第1蓄電池110から電力を供給させる。一方、スイッチ制御部134は、第1電装品136、第2電装品138、緊急動作要求負荷140へ第2蓄電池112からの電力供給を停止させる。なお、スイッチ制御部134は、前述のごとく、キーオフ時にも通常待機モードを選択する。
スイッチ制御部134は、通常待機モードの選択中に、緊急動作要求負荷140への電力供給が必要になった場合、過放電判定部132が過放電状態を検出すれば、通常待機モードをバックアップモードに変更する。スイッチ制御部134は、バックアップモードを選択すると、メインスイッチ128をオフに制御するとともに、保護スイッチ130をオンに制御する。その結果、スイッチ制御部134は、第1蓄電池110から緊急動作要求負荷140への電力供給を停止させるとともに、第2蓄電池112から緊急動作要求負荷140へ電力を供給させる。
スイッチ制御部134は、始動モードを選択すると、メインスイッチ128をオフに制御するとともに、保護スイッチ130をオンに制御する。その結果、スイッチ制御部134は、スタータ116、第1電装品136へ第1蓄電池110から電力を供給させ、第2電装品138、緊急動作要求負荷140へ第2蓄電池112から電力を供給させる。スイッチ制御部134は、通常動作モードを選択すると、メインスイッチ128および保護スイッチ130をオンに制御する。その結果、スイッチ制御部134は、第1電装品136、第2電装品138、緊急動作要求負荷140へ第1蓄電池110、第2蓄電池112から電力を供給させる。なお、実施例1においては、緊急動作要求負荷140へは常時給電がなされているので、緊急動作要求負荷140として、特に電動シフトチェンジシステムが想定される。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
本発明の実施例によれば、通常待機モードとは別にバックアップモードを規定して、バックアップモードを選択するので、第1蓄電池から緊急動作要求負荷へ電力を供給できなくても、第2蓄電池から緊急動作要求負荷へ電力を供給できる。また、車両停車中の暗電流を第1蓄電池だけで供給する構成とすることで、第2蓄電池をバックアップ用の電池として使用できる。また、第1蓄電池が過放電状態になるとバックアップモードに変更するので、車両に搭載された蓄電池が過放電状態になっていても、電力を供給できる。また、第1蓄電池が過放電状態になっても、第2蓄電池の電力がある程度確保されるので、第2蓄電池を緊急動作要求負荷に対するバックアップ電源として使用できる。また、メインスイッチの一端に第1蓄電池が接続されるとともに、メインスイッチの他端に保護スイッチと緊急動作要求負荷とが接続されるので、緊急時以外にも緊急動作要求負荷に電力を供給できる。また、キーオフ時に通常待機モードを選択するので、第2蓄電池からの電力供給を停止できる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、2種類の蓄電池を備えた車両用電源システムに関する。実施例1では、緊急動作要求負荷として、電動シフトチェンジシステムのような緊急時以外にも使用される補機類が想定されている。一方、緊急動作要求負荷140として、緊急警報装置のような緊急時にのみ使用される補機類が想定される。消費電力を低減するために、緊急時以外には、緊急動作要求負荷への給電が停止される方が望ましい。これに対応するために、実施例2では、保護スイッチに加えて補機動作スイッチを備え、補機動作スイッチのオン/オフ制御によって、緊急動作要求負荷への電力供給が制御される。以下では、これまでとの差異を中心に説明する。
図4は、本発明の実施例2に係る車両用電源システム100の構成を示す。車両用電源システム100は、図1の構成要素に加えて補機動作スイッチ144を含む。補機動作スイッチ144は、保護スイッチ130と保護スイッチ130との間の経路に一端を接続し、緊急動作要求負荷140に他端を接続する。補機動作スイッチ144がオンになることによって、緊急動作要求負荷140への電力供給がなされ、補機動作スイッチ144がオフになることによって、緊急動作要求負荷140への電力供給が停止される。補機動作スイッチ144のオン/オフは、スイッチ制御部134によって制御される。また、メインスイッチ128の一端に第1蓄電池110、スタータ116、オルタネータ120、第1電装品136が接続されるとともに、メインスイッチ128の他端に保護スイッチ130、第2電装品138が接続される。
図5は、スイッチ制御部134に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、モード欄200、メインスイッチ欄202、保護スイッチ欄204、補機動作スイッチ欄206が含まれる。スイッチ制御部134は、通常待機モードを選択すると、メインスイッチ128をオンあるいはオフに制御し、保護スイッチ欄204をオフに制御する。また、スイッチ制御部134は、緊急動作要求負荷140を使用する際に補機動作スイッチ144をオンに制御する。その結果、スイッチ制御部134は、第1電装品136、第2電装品138、緊急動作要求負荷140へ第1蓄電池110から電力を供給させる。一方、スイッチ制御部134は、第1電装品136、第2電装品138、緊急動作要求負荷140へ第2蓄電池112からの電力供給を停止させる。また、スイッチ制御部134は、緊急動作要求負荷140を使用する際に、第2蓄電池112から緊急動作要求負荷140へ電力を供給させる。
スイッチ制御部134は、バックアップモードを選択すると、メインスイッチ128、保護スイッチ130をオフに制御するとともに、緊急動作要求負荷140を使用する際に補機動作スイッチ144をオンに制御する。その結果、スイッチ制御部134は、第1蓄電池110から緊急動作要求負荷140への電力供給を停止させるとともに、第2蓄電池112から緊急動作要求負荷140へ電力を供給させる。
スイッチ制御部134は、始動モードと通常動作モードを選択すると、実施例1と同様にメインスイッチ128、保護スイッチ130を制御する。一方、スイッチ制御部134は、始動モードと通常動作モードの選択中に、緊急動作要求負荷140を使用する際に補機動作スイッチ144をオンに制御する。これらのようにスイッチングモードにかかわらず、スイッチ制御部134は、緊急動作要求負荷140を使用する際だけ補機動作スイッチ144をオンさせ、緊急動作要求負荷140を使用しない際に補機動作スイッチ144をオフさせる。
本発明の実施例によれば、補機動作スイッチを備えるので、緊急動作要求負荷を使用する場合だけ、緊急動作要求負荷に電力を供給できる。また、緊急動作要求負荷を使用する場合だけ、緊急動作要求負荷に電力が供給されるので、電力の消費を低減できる。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に、2種類の蓄電池を備えた車両用電源システムに関する。実施例3において、緊急動作要求負荷の配置がこれまでと異なる。これは、車両側の回路設計が変更できない場合に相当する。
図6は、本発明の実施例3に係る車両用電源システム100の構成を示す。車両用電源システム100は、図1の構成要素に加えて出力スイッチ142を含む。出力スイッチ142は、メインスイッチ128と緊急動作要求負荷140との間の経路に一端を接続し、第1蓄電池110に他端を接続する。出力スイッチ142がオンになることによって、第1蓄電池110から緊急動作要求負荷140への電力供給がなされ、出力スイッチ142がオフになることによって、第1蓄電池110から緊急動作要求負荷140への電力供給が停止される。出力スイッチ142のオン/オフは、スイッチ制御部134によって制御される。また、メインスイッチ128の一端にスタータ116、オルタネータ120、第1電装品136、緊急動作要求負荷140、出力スイッチ142が接続されるとともに、メインスイッチ128の他端に保護スイッチ130、第2電装品138が接続される。
図7は、スイッチ制御部134に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、モード欄200、出力スイッチ欄208、メインスイッチ欄202、保護スイッチ欄204が含まれる。スイッチ制御部134は、通常待機モードを選択すると、メインスイッチ128をオンあるいはオフに制御し、保護スイッチ欄204をオフに制御し、出力スイッチ142をオンに制御する。その結果、スイッチ制御部134は、第1電装品136、緊急動作要求負荷140、第2電装品138へ第1蓄電池110から電力を供給させる。一方、スイッチ制御部134は、第1電装品136、緊急動作要求負荷140、第2電装品138へ第2蓄電池112からの電力供給を停止させる。
スイッチ制御部134は、バックアップモードを選択すると、メインスイッチ128、保護スイッチ130をオンに制御し、出力スイッチ142をオフに制御する。その結果、スイッチ制御部134は、第1蓄電池110から緊急動作要求負荷140への電力供給を停止させるとともに、第2蓄電池112から緊急動作要求負荷140へ電力を供給させる。スイッチ制御部134は、始動モードと通常動作モードを選択すると、実施例1と同様にメインスイッチ128、保護スイッチ130を制御する。一方、スイッチ制御部134は、始動モードと通常動作モードを選択すると、出力スイッチ142をオンに制御する。
本変形例によれば、メインスイッチと緊急動作要求負荷との間の経路に一端を接続し、第1蓄電池に他端を接続する出力スイッチを備えるので、メインスイッチに対して第1蓄電池側に緊急動作要求負荷が配置されている構成であっても、バックアップモードを実現できる。
(実施例4)
次に、本発明の実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様に、2種類の蓄電池を備えた車両用電源システムに関する。これまでは、始動の際、第1蓄電池からスタータへ電力が供給されている。実施例4では、始動の際、第1蓄電池からスタータへ電力が供給されるか、第2蓄電池からスタータへ電力が供給される。
図8は、本発明の実施例4に係る車両用電源システム100の構成を示す。車両用電源システム100は、図8の構成要素と同様の構成を含むが、緊急動作要求負荷140が図1と同様に配置される。出力スイッチ142は、メインスイッチ128とスタータ116との間の経路に一端を接続し、第1蓄電池110に他端を接続する。出力スイッチ142がオンになることによって、第1蓄電池110からの電力供給がなされ、出力スイッチ142がオフになることによって、第1蓄電池110からの電力供給が停止される。出力スイッチ142のオン/オフは、スイッチ制御部134によって制御される。また、メインスイッチ128において、第1電装品136、出力スイッチ142とは反対側に保護スイッチ130、第2電装品138、緊急動作要求負荷140とが接続される。
図9は、車両用電源システム100での状態遷移を示す。図9は、図2に対して緊急始動モードを含む。緊急始動モードは、始動モードとは異なり、第1蓄電池110からスタータ116へ電力供給せず、第2蓄電池112からスタータ116へ電力供給させる。図1に戻る。
図10は、スイッチ制御部134に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。スイッチ制御部134は、通常待機モード、始動モード、通常動作モードを選択すると、実施例3と同様にメインスイッチ128、保護スイッチ130、出力スイッチ142を制御する。スイッチ制御部134は、バックアップモードを選択すると、メインスイッチ128をオンまたはオフに制御し、保護スイッチ130をオンに制御し、出力スイッチ142をオフに制御する。その結果、スイッチ制御部134は、第1蓄電池110から緊急動作要求負荷140への電力供給を停止させるとともに、第2蓄電池112から緊急動作要求負荷140へ電力を供給させる。スイッチ制御部134は、緊急始動モードを選択すると、メインスイッチ128、保護スイッチ130をオンに制御し、出力スイッチ142をオフに制御する。その結果、スイッチ制御部134は、第1蓄電池110からスタータ116への電力供給を停止させるとともに、第2蓄電池112からスタータ116へ電力を供給させる。
本変形例によれば、緊急始動モードを規定するので、第2蓄電池からもスタータへ電力を供給できる。また、始動モードと緊急始動モードとを含むので、第1蓄電池からでもスタータへ電力を供給でき、第2蓄電池からでもスタータへ電力を供給できる。また、2種類の蓄電池から電力を供給可能であるので、スタータへ電力を供給できない可能性を低減できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、車両用電源システム100は、アイドリングストップ、エネルギー回生システムを有する車両に搭載されている。しかしながらこれに限らず例えば、これらの機能を有しない車両へ搭載されてもよい。本変形例によれば、本発明の適用範囲を拡大できる。
100 車両用電源システム、 110 第1蓄電池、 112 第2蓄電池、 114 管理部、 116 スタータ、 120 オルタネータ、 124 ECU、 126 ダイオード、 128 メインスイッチ、 130 保護スイッチ、 132 過放電判定部、 134 スイッチ制御部、 136 第1電装品、 138 第2電装品、 140 緊急動作要求負荷。

Claims (9)

  1. 第1蓄電部と、
    第2蓄電部と、
    前記第1蓄電部と前記第2蓄電部とを並列接続するための経路に配置されるメインスイッチと、
    前記メインスイッチと前記第2蓄電部との間の経路に配置される保護スイッチと、
    前記メインスイッチと前記保護スイッチのそれぞれの作動状態を制御するスイッチ制御部とを備え、
    前記スイッチ制御部は、前記メインスイッチと前記保護スイッチとの作動状態の組合せからなる複数のスイッチングモードのいずれかを選択可能であり、
    複数のスイッチングモードは、(1)緊急時であっても動作が要求される緊急動作要求負荷へ前記第1蓄電部から電力供給するとともに、前記第2蓄電部から緊急動作要求負荷への電力供給を停止させる通常待機モードと、(2)前記第1蓄電部から緊急動作要求負荷への電力供給を停止させるとともに、前記第2蓄電部から緊急動作要求負荷へ電力供給するバックアップモードを含むことを特徴とする車両用電源システム。
  2. 前記第1蓄電部が過放電状態であることを検出する過放電判定部をさらに備え、
    前記スイッチ制御部は、通常待機モードの選択中に、緊急動作要求負荷への電力供給が必要になった場合、前記過放電判定部が過放電状態を検出すれば、通常待機モードをバックアップモードに変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用電源システム。
  3. 前記メインスイッチの一端に前記第1蓄電部が接続されるとともに、前記メインスイッチの他端に前記保護スイッチと緊急動作要求負荷とが接続され、
    前記スイッチ制御部は、バックアップモードを選択すると、前記メインスイッチをオフ作動状態に制御するとともに、前記保護スイッチをオン作動状態に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用電源システム。
  4. 前記保護スイッチと前記第2蓄電部との間の経路に一端を接続し、緊急動作要求負荷に他端を接続する補機動作スイッチをさらに備え、
    前記メインスイッチの一端に前記第1蓄電部が接続されるとともに、前記メインスイッチの他端に前記保護スイッチが接続され、
    前記スイッチ制御部は、バックアップモードを選択すると、前記メインスイッチをオフ作動状態に制御し、前記保護スイッチをオフ作動状態に制御し、前記補機動作スイッチをオン作動状態に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用電源システム。
  5. 前記メインスイッチと緊急動作要求負荷との間の経路に一端を接続し、前記第1蓄電部に他端を接続する出力スイッチをさらに備え、
    前記スイッチ制御部は、バックアップモードを選択すると、前記メインスイッチをオン作動状態に制御し、前記保護スイッチをオン作動状態に制御し、前記出力スイッチをオフ作動状態に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用電源システム。
  6. 前記メインスイッチとスタータとの間の経路に一端を接続し、前記第1蓄電部に他端を接続する出力スイッチをさらに備え、
    前記メインスイッチにおいて、前記出力スイッチとは反対側に前記保護スイッチと緊急動作要求負荷とが接続され、
    複数のスイッチングモードは、(3)前記第2蓄電部からスタータへ電力供給する緊急始動モードをさらに含み、
    前記スイッチ制御部は、バックアップモードを選択すると、前記保護スイッチをオン作動状態に制御するとともに、前記出力スイッチをオフ作動状態に制御し、緊急始動モードを選択すると、前記メインスイッチをオン作動状態に制御し、前記保護スイッチをオン作動状態に制御し、前記出力スイッチをオフ作動状態に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用電源システム。
  7. 前記スイッチ制御部は、キーオフ時に通常待機モードを選択することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の車両用電源システム。
  8. 前記緊急動作要求負荷は、電動シフトチェンジシステムまたは緊急警報装置を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の車両用電源システム。
  9. 前記メインスイッチは、機械式リレーで構成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の車両用電源システム。
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