JP2015033179A - 車両用制御装置及び車両用制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の電気系統における健全性の評価を簡素化できる車両用制御装置を提供することである。
【解決手段】実施形態の車両用制御装置は、想定値演算部と、検出部と、健全性判定部と、を備える。想定値演算部は、走行時における車両の状態に応じた車両情報を取得して、当該車両に備えられた検出部から入力される検出情報についての車両情報に応じた想定値を算出する。検出部は、車両走行時において自装置に入力される検出情報についての検出値を取得する。健全性判定部は、想定値と、検出値と、を比較して、検出値が想定値を基準とした所定の範囲内に含まれているか否かを判定する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、車両用制御装置及び車両用制御方法に関する。
一般に、車両交通システムの運用にあたっては、車両の電気系統の健全性を確認するために、車両ごとに定期的な点検が行われている。この点検では、例えば、電力変換装置における電力変換処理を司る制御装置の動作の健全性を確認する。
この場合、作業者は、当該制御装置を電力変換装置から取り外して、専用の試験機に取り付ける。そして作業者は、試験機に予め用意された試験用の入力パターン(テストパターン)を入力し、その入力パターン応じた正しい動作が成されるか否かを判定することで、制御部の健全性を評価する。
例えば、電力変換装置を制御する制御装置は、実動作時(車両運行時)において主トランスの2次コイル側に設置された電流検出器から2次電流値を示す電流検出情報を入力する。そして制御装置は、電流検出情報が示す2次電流検出値(実測値)をモニタリングしながら、モータへの供給電力を増減させるような処理を行う。
このような制御装置の健全性を評価する場合、作業者は、専用の試験機に取り付けた制御装置に対し、予め用意した模擬電流検出情報を入力し、当該制御装置が、試験機により入力される模擬電流検出情報に応じた正しい動作が行われるか否かを判定する。
このような検査を経ることで、制御部における電流検出部が、入力される電流検出信号を誤って読み取っていないか否かを判別することができる。
特開2002−322949号公報
しかしながら、上述したように、車両の電気系統の健全性を確認するために行う点検作業は、検査対象とする機能構成(例えば電力変換装置の制御部)ごとに車両から取り外して専用の試験機に設置する作業を要する。また試験機においては、様々なテストパターンを予め用意し、その全ての項目について正常な動作が行われるか否かを判別する必要がある。したがって、一般的な車両の点検作業において、作業者は、多大な労力を要していた。
本発明が解決しようとする課題は、車両の電気系統における健全性の評価を簡素化できる車両用制御装置及び車両用制御方法を提供することである。
実施形態の車両用制御装置は、想定値演算部と、検出部と、健全性判定部と、を備える。想定値演算部は、走行時における車両の状態に応じた車両情報を取得して、当該車両に備えられた検出部から入力される検出情報についての車両情報に応じた想定値を算出する。検出部は、車両走行時において自装置に入力される検出情報についての検出値を取得する。健全性判定部は、想定値と、検出値と、を比較して、検出値が想定値を基準とした所定の範囲内に含まれているか否かを判定する。
第1の実施形態の車両の全体構成を示す図。 第1の実施形態の車両用制御装置の機能構成を示す図。 第1の実施形態の想定値演算部の機能を説明する図。 第1の実施形態の車両用制御装置の処理フローを示す図。 第1の実施形態の変形例に係る車両用制御装置の全体構成を示す図。 第2の実施形態の車両の全体構成を示す図。 第2の実施形態の車両用制御装置の機能構成を示す図。 第2の実施形態の想定値演算部の機能を説明する図。 第2の実施形態の車両用制御装置の処理フローを示す図。 第3の実施形態の車両用制御装置の機能構成を示す図。 第4の実施形態の車両用制御装置の機能構成を示す図。 第4の実施形態の接地電流検出部が検出する接地電流の例を示す図。 第5の実施形態の車両の全体構成を示す図。 第5の実施形態の車両用制御装置の機能構成を示す図。 第5の実施形態の車両用制御装置の処理フローを示す図。 第6の実施形態の車両用制御装置の機能構成を示す図。 第6の実施形態の車両用制御装置のタイミングチャートを示す図。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る車両用制御装置を、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態の車両の全体構成を示す図である。この図において、符号1は車両用制御装置である。
図1に示すように、車両9は、架線20から交流電力を入力し、これを所定の電圧・電流からなる交流電力に変換して負荷であるモータ34を駆動させる。車両9は、モータ34が駆動することによって走行する。
まず、図1を参照しながら、車両9の全体構成について説明する。
車両9は、パンタグラフ21、主トランス22、コンバータ30、インバータ31、接地電流検出部32、接触器33、モータ34及び各種設備35を備えている。
車両9は、パンタグラフ21及び主トランス22を介して、架線20から交流電力が入力される。主トランス22は、1次コイル220、2次コイル221、3次コイル222を有しており、電力の供給先に応じて2次コイル221、3次コイル222を使い分けている。
なお、2次コイル221に励起される交流電圧、交流電流をそれぞれ2次電圧、2次電流と、3次コイル222に励起される交流電圧、交流電流をそれぞれ3次電圧、3次電流と表記する。
コンバータ30は、2次コイル221から入力する交流電力(2次電圧及び2次電流)を直流電力(直流電圧及び直流電流)に変換する。コンバータ30は、正電位線(図中の“+”)に直流の正電位を、負電位線(図中の“−”)に直流の負電位を印加してインバータ31に出力する。正電位線と負電位線の中央にある配線は中間電位線で、正電位と負電位の中間電位が出力される。
インバータ31は、コンバータ30が生成した直流電圧・直流電流を入力して、負荷であるモータ34に所定の交流電圧・交流電流を供給する。
コンバータ30及びインバータ31は、内部にスイッチング素子を備えており、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御に基づく車両用制御装置1から出力される駆動信号により、直流電力、交流電力を生成する。
接地電流検出部32は、図1に示すように、中間電位点Aと接地点Bの間に接続され、接地点Bに流れる電流(接地電流)を検出する。接地電流検出部32が検出する接地電流情報は、車両用制御装置1に入力され、地絡が発生した際の保護動作等に用いられる。
接触器33は、車両9の電気系統全体を保護する目的で、地絡発生が検知された際に車両用制御装置1から所定の開放指令信号を入力して、主トランス22、コンバータ30間の電気接続を開放して電力供給を遮断する。なお、図1に示す接触器33は、2次コイル221の片方のみに設置されているものとして図示しているが、実際には、2次コイル221の両方のそれぞれに設置されるものであってもよい。
モータ34は、インバータ31が生成する交流電力を入力して回転駆動する車両9の動力源である。モータ34は、図1に示すように、主トランス22における2次コイル221からの電力供給に基づいて動作する。
設備35は、車両9内の種々の設備、例えば車両9内に設置される照明や空調機、販売機などである。図1に示すように、設備35は、主トランス22における3次コイル222からの電力供給に基づいて動作する。
なお、一般的に、設備35の電力供給源となる3次コイル222に励起される電圧は、モータ34の電力供給源となる2次コイル221よりも低めに設定されている。例えば、架線20からの供給電力が安定している場合、1次コイル220から2次コイル221にはAC1500V程度の交流電圧(2次電圧)が励起されるのに対し、3次コイル222にはAC400V程度の交流電圧(3次電圧)が励起される。
次に、同じく図1を参照しながら、本実施形態に係る車両用制御装置1の機能構成について説明する。
車両用制御装置1は、車両9の電気配線の各所に設けられた電流検出器(CT:Current Transformer)及び電圧検出器(PT:Potential Transformer)が出力する電流検出情報、電圧検出情報を入力して種々の動作を実行する。
例えば、車両用制御装置1は、コンバータ30、インバータ31の各入出力配線に設置されたCT及びPTを介して入力される電流検出情報、電圧検出情報に応じて、コンバータ30、インバータ31へ出力する駆動信号の周波数やパルス幅等を調整することで、所望の電力が安定的にモータ34に供給されるような制御を行う。
また、車両用制御装置1は、接地電流検出部32が検出する接地電流情報を入力して地絡の発生を検知する。すなわち車両用制御装置1は、接地電流が所定の閾値を上回った場合には、地絡が発生したものとして、接触器33に開放指令信号を出力し、電力の供給を遮断する制御を行う。
また、本実施形態に係る車両用制御装置1は、車両情報取得部5が出力する車両情報(後述)と、上述したCT、PTが出力する電圧検出情報、電流検出情報と、を入力して、自装置の健全性を評価する機能を有している。
ここで説明の便宜上、車両用制御装置1は、コンバータ30の入力電流(2次電流)を検出するCT40からの電流検出情報と、設備35の入力電圧(3次電圧)を検出するPT41からの電圧検出情報と、を入力するものとして以下、説明する(図1)。
ここで、CT40及びPT41は、車両用制御装置1の通常の制御(上述の電力変換制御等)のために従来から用いられていたものであり、本実施形態において新たに設置されたものではない。また、実際には、車両用制御装置1は、CT40、PT41からの入力のみならず、図1には図示していない他の配線に設置された他のCT、PTからも電流検出情報、電圧検出情報をそれぞれ入力し、これらに基づいて種々の制御(電力変換制御、地絡検知制御等)を行っている。
車両情報取得部5は、例えば車両9の運転室に備えられ、走行時における車両9の状態を示す車両情報である走行速度情報と、ノッチ情報とを取得する。ここでノッチ情報とは、走行中の車両9の現段階において設定されたノッチを示す情報である。なお、車両9の速度制御は、運転士によるノッチ操作によって成される。車両9の運転士は、ノッチ操作を行う(特定のノッチに設定する)ことで、車両9を所望に加速または減速させることができる。
車両情報取得部5が、車両9の走行速度情報及びノッチ情報を取得する具体的手法は、既存の技術により実施可能であるため説明を省略するが、例えば、車両情報取得部5は、モータ34に備えられたパルスジェネレータ(PG)を介して入力される実回転数情報に基づいて走行速度情報を取得する。
図2は、第1の実施形態の車両用制御装置の機能構成を示す図である。
以下、車両用制御装置1の具体的な機能構成について、図2を参照しながら詳細に説明する。なお、上述したように、第1の実施形態に係る車両用制御装置1は、コンバータ30の入力電流(2次電流)を検出するCT40と、設備35の入力電圧(3次電圧)を検出するPT41からの2次電流検出情報、3次電圧検出情報を入力する。
図2に示すように、車両用制御装置1は、想定値演算部10、検出部11、健全性判定部12、履歴情報取得部13及び記憶部14を備えている。
想定値演算部10は、車両走行時における車両情報を取得して、自装置に入力される検出情報についての当該車両情報に応じた想定値を算出する。より具体的には、想定値演算部10は、車両情報である走行速度情報並びにノッチ情報を車両情報取得部5から入力する(図1、図2)。また、想定値演算部10には、検出情報である3次電圧検出情報の検出値(3次電圧検出値V3)が、検出部11(後述)を介して入力される。そして想定値演算部10は、もう一つの検出情報である2次電流検出情報についての想定値(2次電流想定値Ir2)を算出する。この2次電流想定値Ir2は、走行時における車両9の走行速度、設定されたノッチ、並びに、3次電圧検出値V3に鑑みて、本来流れるべき2次電流の電流値である。
なお想定値演算部10が、走行速度情報、ノッチ情報、及び、3次電圧検出値V3に基づいて、2次電流想定値Ir2を算出する具体的な方法については後述する。
検出部11は、例えばA/D(Analog/Digital)変換器等で構成され、CT40、PT41から入力する2次電流検出情報、3次電圧検出情報(アナログ信号)をサンプリングしてデジタル信号に変換し、その信号に基づいて2次電流検出値I2、3次電圧検出値V3を取得する。検出部11が取得する2次電流検出値I2、3次電圧検出値V3は、それぞれ、CT40、PT41を介して実測された2次電流、3次電圧の実測値(検出値)である。
健全性判定部12は、想定値演算部10が算出した2次電流想定値Ir2と、検出部11が取得した2次電流検出値I2と、を比較して、2次電流検出値I2が2次電流想定値Ir2を基準とした所定の範囲内(例えば±10%以内)に含まれているか否かを判定する。ここで、2次電流想定値Ir2は、上述した車両情報(走行速度情報、ノッチ情報)及び3次電圧検出値V3に基づいて、本来流れるべき2次電流の値である。そうすると、別ルート(CT40)を介して実測される2次電流検出値I2の値と、2次電流想定値Ir2とは本来一致すべきものである。
したがって、2次電流検出値I2が2次電流想定値Ir2を基準とした所定の範囲内に含まれていない場合には、車両用制御装置1の検出部11、または、CT40、PT41等の検出器の何れかに起因する検出値の異常が想定されることとなる。健全性判定部12は、このような場合に、運転士等のオペレータに対して何らかの異常が検知されたことを通知するための異常通知情報を出力する。この異常通知情報は、例えば警告ランプや警報器等のハードウェアに出力され、その警告ランプの点灯や警報音をもってオペレータに通知される。
履歴情報取得部13は、想定値演算部10が2次電流想定値Ir2を算出し、健全性判定部12が上記判定処理を行ったタイミングにおける2次電流想定値Ir2、2次電流検出値I2及びその判定結果等を取得し、これらを関連付けて記憶部14に記録する。これにより、オペレータ(車両9の点検作業者等)は、走行中に取得された2次電流想定値Ir2、2次電流検出値I2並びに判定結果の履歴を参照することで、車両9の健全性、特に車両用制御装置1や各種検出器(CT40、PT41)の機能に係る不具合の兆候を認知することができ、異常の発生を未然に防ぐことができる。
例えば、走行の度に取得される2次電流検出値I2が、当該走行ごとに、徐々に2次電流想定値Ir2との差異が広がっている傾向がみられる場合、オペレータは、2次電流を検出する系統で、不具合が徐々に進行していると判断することができる。
また、履歴情報取得部13は、記憶時の時刻を示す時刻情報や、走行速度情報、ノッチ情報等を関連付けて記憶させてもよい。
なお図2に示すように、想定値演算部10は、内部にトリガ部100を備えている。トリガ部100は、予め定められた判定実施条件を満たした時にトリガ信号を出力する。例えば、トリガ部100は、判定実施条件として、走行速度情報が示す走行速度vが所定の走行速度設定値vrに達したことを検出してトリガ信号を出力する。想定値演算部10は、このトリガ信号が出力された場合のみ2次電流想定値Ir2を演算し、健全性判定部12に出力する。そうすると、健全性判定部12、履歴情報取得部13は、車両9が所定の走行速度設定値vrに達した場合に限り、上記判定処理並びに記憶処理を実行することとなる。
ここで、想定値演算部10、健全性判定部12及び履歴情報取得部13が、走行中、常に上記判定処理、記憶処理を実行し続けると、処理全体の負荷が大きくなる上に記憶部14の容量を圧迫することとなる。トリガ部100が上記処理を行うことにより、想定値演算部10、健全性判定部12及び履歴情報取得部13は、特定の条件を満たした場合にのみ各々の処理を実行するので、処理全体の負荷を軽減することができる。
なお、トリガ部100は、判定実施条件として、走行速度情報ではなく、3次電圧検出値V3を条件としてトリガ信号を出力してもよいし、例えば時刻情報を条件として定期的にトリガ信号を出力してもよい。さらに、トリガ部100は、例えば、車両9の主電源が投入されてから、最初に走行速度が走行速度設定値vrに達した場合にのみトリガ信号を出力するようにしてもよい。その他、車両用制御装置1が健全性の判定を行う条件設定は、種々の態様並びにその組み合わせが用いられてよい。
また、履歴情報取得部13の記憶部14への履歴情報の記憶方法も種々の態様が用いられてよい。例えば、履歴情報取得部13は、車両9の初走行時から初期5回の走行において取得された想定値、検出値、判定結果等を消去することなく、常時、記憶部14に維持しておき、それ以降の走行時において取得された想定値、検出値、判定結果等は、新たに取得された情報に適宜上書きされていくようにしてもよい。
例えば、記憶部14に記憶領域が10個あった場合、履歴情報取得部13は、このうちの特定の5つの記憶領域に対し、初期5回の走行において取得した想定値、検出値、判定結果等を記録し、以降もその情報を消去せずに常に保持しておく。そして、履歴情報取得部13は、残りの5つの記憶領域に対し、走行して得た新たな情報を適宜上書きしていく処理を行う。
このようにすることで、記憶部14の使用容量を節約しつつ、初期における車両9の状態と現在の状態とを比較することができ、その差異から異常箇所を特定することが可能となる。
なお、図2は、本実施形態に係る主要な機能構成のみを図示したものであり、車両用制御装置1は、実際には、図2に示した各機能構成以外の機能構成を備えているものとする。例えば、車両用制御装置1は、コンバータ30、インバータ31を駆動するPWM制御部や、接触器33に開放指令を出力する開放指令部などを備えている。
図3は、第1の実施形態の想定値演算部の機能を説明する図である。
以下、想定値演算部10が、走行速度情報、ノッチ情報並びに3次電圧検出値V3に基づいて、2次電流想定値Ir2を算出する具体的な方法について、図3を参照しながら詳細に説明する。
まず、想定値演算部10は、車両の走行速度v、ノッチNと、電力Pとの関係を予め取得しておく。ここで図3(a)に示す各グラフは、想定値演算部10が予め取得している走行速度v、ノッチNと電力Pの関係を示している。複数のグラフは、それぞれ設定されたノッチN(1N、2N、・・・)に対応している。ここで図3(a)縦軸の電力Pは、モータ34に供給される電力の源である2次コイル221に励起される電力である。したがって電力Pは、2次電圧と2次電流の積で与えられる。
よって、想定値演算部10は、図3(a)に示すような走行速度v、ノッチNと、電力Pとの関係を、ルックアップテーブルとして予め保持しておくことにより、車両情報取得部5から入力する走行速度情報及びノッチ情報に基づいて、電力Pを一意に特定することができる。なお、図3(a)に示す関係は、予め車両9の試験走行、モータ34の試験駆動等で得られる計測データ及び理論計算に基づいて取得される。
なお、架線20に印加される電圧(架線電圧)が所定値に安定している場合、2次コイル221に印加される2次電圧も安定しているため、電力Pが定まれば一意に2次電流も定まるが、架線電圧は車両9及び他の車両の運行状況等に応じて変動する。したがって、想定値演算部10は、図3(b)に示すような3次電圧と2次電圧との関係を予め取得して保持しておくことで、PT41を介して取得される3次電圧検出値V3に基づいて、2次電圧として本来印加されるべき値である2次電圧想定値Vr2を特定することができる。
なお、図3(b)に示す関係は、2次コイル221と3次コイル222の巻き数比から理論計算で取得してもよいし、予め取得した実測データに基づいて取得してもよい。
そして想定値演算部10は、図3(a)の関係により特定された電力Pと、図3(b)の関係により特定された2次電圧想定値Vr2から、2次電流として本来流れるべき想定値である2次電流想定値Ir2を算出し(Ir2=P/Vr2)、その演算結果を健全性判定部12へ出力する。
なお健全性判定部12は、想定値演算部10が算出した2次電流想定値Ir2と、検出部11を介して検出された2次電流検出値I2とを比較して、両者が所定の範囲内にあるか否かを判定する(後述)。
図4は、第1の実施形態の車両用制御装置の処理フローを示す図である。
以下、図4を参照しながら、車両用制御装置1の処理フローについて順を追って説明する。
図4に示す処理フローは、車両用制御装置1を搭載する車両9の走行中において開始される。
まず、想定値演算部10のトリガ部100は、想定値演算部10に入力される車両情報、または、電流検出値、電圧検出値に基づいて、予め定められた所定のトリガ条件を満たすか否かを判定する(ステップS10)。トリガ条件とは、上述したように、例えば、走行速度情報に示される車両9の走行速度vが所定の走行速度設定値vrに達したか否か、という条件である。
トリガ条件が満たされない場合(ステップS10:NO)、想定値演算部10は、トリガ条件を満たすまで処理を実行しないで待機する。一方、トリガ条件を満たした場合(ステップS10:YES)、想定値演算部10は、入力する車両情報(走行速度情報、ノッチ情報)及び3次電圧検出値V3に基づいて、2次電流想定値Ir2を算出し、健全性判定部12に出力する(ステップS11)(図3を参照)。
一方、検出部11は、CT40から定常的に入力する2次電流検出情報に基づいて、2次電流検出値I2を取得し、健全性判定部12に出力する(ステップS12)。
次に、健全性判定部12は、入力した2次電流想定値Ir2と、2次電流検出値I2とを参照して、2次電流検出値I2が、2次電流想定値Ir2を基準とした所定の範囲内(±10%以内)に含まれているか否かを判定する(ステップS13)。
2次電流検出値I2が、2次電流想定値Ir2を基準とした所定の範囲内(±10%以内)に含まれている場合(ステップS13:YES)、健全性判定部12は、少なくとも2次電流検出値I2を検出する系統(CT40、検出部11の機能またはその間の電気系統)には異常がないものと判断し、異常通知は行わない。一方、2次電流検出値I2が、2次電流想定値Ir2を基準とした所定の範囲内に含まれていない場合(ステップS13:NO)、健全性判定部12は、異常通知情報を出力して、オペレータに異常の発生を通知する(ステップS14)。
そして履歴情報取得部13は、ステップS11〜S13の処理に基づく2次電流想定値Ir2、2次電流検出値I2、3次電圧検出値V3、及び判定結果等を、その他の情報(時刻情報、走行速度情報等)等と関連付けて記憶部14に記録する処理を行う(ステップS15)。
なお、車両用制御装置1は、ステップS15の処理を終えた後、再びステップS10に戻ってトリガ条件が満たされるまで待機してもよい。
なお上述した車両用制御装置1の処理フローは一例であって、車両用制御装置1が実施する処理フローが、図4に示した処理フローに限定されることはない。例えば、車両用制御装置1は、想定値演算部10による想定値の演算(ステップS11)と、検出部11による検出値の取得(ステップS12)の順番は入れ替え可能であり、または、これらを同時に実行することも可能である。
車両用制御装置1は、以上のようにして、検出値以外の情報である車両情報(走行速度情報、ノッチ情報)及び3次電圧検出値V3から算出される2次電流想定値Ir2と、実測値として取得される2次電流検出値I2と、が一致しているか否かを判定する。これにより、車両用制御装置1は、各検出値(2次電流検出値I2または3次電圧検出値V3)を取得する系統に異常がないか否か、を車両9の走行中において判別することができる。
なお上述した内容によれば、想定値演算部10は、2次電流想定値Ir2を、3次電圧検出値V3が正しく取得されていることを前提として算出しているが、実際には、3次電圧検出値V3が正しく取得されているか否かは不明である。したがって、車両用制御装置1は、健全性判定部12による判定(図4、ステップS13)に基づいて、2次電流検出値I2を取得する系統、または、3次電圧検出値V3を取得する系統の何れかにおいて異常があるか否かを特定できるに留まる。
ここで車両用制御装置1は、上述したように、図1に示すCT40、PT41以外の他の配線に設置されたCT、PTによる電流検出情報、電圧検出情報を取得している。例えば、車両用制御装置1は、2次コイル221の出力配線に設置されたPTを介して、2次電圧検出値V2を取得している。
この場合、健全性判定部12は、さらに、図3(b)のグラフに基づいて特定される2次電圧想定値Vr2と、実測された2次電圧検出値V2との比較を行って、3次電圧検出値V3を取得する系統、または、2次電圧検出値V2を取得する系統の何れかに異常があるか否かを特定してもよい。
車両用制御装置1は、このように、複数のCT、PTが出力する電圧検出情報、電流検出情報に基づいて各々の想定値を演算するとともに、対応する検出値との判定結果を組み合わせることで、異常箇所をより絞り込めるようにしてもよい。
<第1の実施形態の変形例>
図5は、第1の実施形態の変形例に係る車両用制御装置の全体構成を示す図である。
次に、図5を参照しながら、第1の実施形態の変形例に係る車両用制御装置1Aについて説明する。
車両用制御装置1Aは、図5に示すように、インバータ31が出力する交流電流を検出するCT42と、当該コンバータ30が出力する直流電圧を検出するPT430、PT431と、からの電流検出情報、電圧検出情報を入力する。ここで、CT42及びPT430、PT431は、車両用制御装置1Aにおいて、電力変換制御のために従来から用いられていたものであり、本実施形態において新たに設置されたものではない。
なお車両用制御装置1Aの機能構成は、第1の実施形態に係る車両用制御装置1の機能構成(図2)とほぼ同一であるため、図示を省略する。
この車両用制御装置1Aは、第1の実施形態に係る車両用制御装置1と同様の方法により、車両情報に基づいて、CT42、PT430、PT431を介して取得する各種検出値が正しく取得されているか否かの判定を行う。
具体的には、車両用制御装置1Aの想定値演算部10Aは、図3(a)に示したグラフと同等の関係を示すルックアップテーブルを保持している。なおこの変形例の場合、正確には、図3(a)縦軸の電力Pは、2次コイル221に直接励起される電力ではなく、コンバータ30及びインバータ31の各種変換処理による電力効率の減損分を加味した値であって、モータ34に実際に供給される電力である。
想定値演算部10Aは、コンバータ30が出力する直流電圧の検出値である直流電圧検出値Vcと、車両情報取得部5から取得する走行速度情報及びノッチ情報、並びに上記ルックアップテーブルに基づいて、モータ34に流れるべき電流であるモータ電流想定値Irmを算出する。
一方、車両用制御装置1Aの検出部11Aは、CT42から入力される電流検出情報(モータ電流検出情報)に基づいて、モータ電流検出値Imを取得する。
そして、健全性判定部12Aは、想定値演算部10Aが算出したモータ電流想定値Irmと、検出部11Aが取得したモータ電流検出値Imとを比較して、モータ電流を検出する系統に異常がないか否かの判定処理を行う。例えば、健全性判定部12Aは、入力したモータ電流想定値Ir2と、モータ電流検出値I2とを参照して、モータ電流検出値I2が、モータ電流想定値Ir2を基準とした所定の範囲内(±10%以内)に含まれているか否かを判定する。
第1の実施形態の変形例に係る車両用制御装置1Aは、以上のようにして、検出値以外の情報である車両情報(走行速度情報、ノッチ情報)から算出されるモータ電流想定値Irmと、実測値として取得されるモータ電流検出値Imと、が一致しているか否かを判定することができる。これにより、車両用制御装置1Aは、モータ電流検出値Imを取得する系統に異常がないか否かを車両9Aの走行中において判別することができる。
なお、上記とは逆に、想定値演算部10Aは、CT42から取得されるモータ電流検出値Icと、走行速度情報及びノッチ情報に基づいて、PT430(PT431)から取得されるべき直流電圧想定値Vrcを算出してもよい。
さらに、想定値演算部10Aは、CT40、PT41から取得される電流検出情報、電圧検出情報と、車両情報と、に基づいて、直流電圧想定値Vrc、モータ電流想定値Irmを算出してもよい。このように、同一の想定値を異なるルート(検出値)から複数算出することで、冗長性のある評価を行うことができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る車両用制御装置を、図面を参照して説明する。
図6は、第2の実施形態の車両の全体構成を示す図である。この図において、符号1Bは車両用制御装置である。なお、第2の実施形態に係る車両9Bの全体構成のうち、上述した第1の実施形態及びその変形例と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、車両9Bは、モータ34に、その実回転数を検出する検出器である実回転数検出器(PG:パルスジェネレータ)50を備えている。PG50は、モータ34のモーターシャフトに備えられ、モータ34の実回転数を検出して、その実回転数を示す実回転数情報を出力する。ここで、PG50は、車両用制御装置1Bにおいて、モータ34の回転数を所望に維持する制御のために従来から用いられていたものであり、本実施形態において新たに設置されたものではない。
図7は、第2の実施形態の車両用制御装置1Bの機能構成を示す図である。
図7に示すように、本実施形態に係る車両用制御装置1Bは、PWM制御部15を備えている。
PWM制御部15は、コンバータ30及びインバータ31に対し、電力変換処理のためのPWM制御を行う。具体的には、PWM制御部15は、コンバータ30、インバータ31をPWM制御するための駆動信号(所定の周波数を有するパルス信号)を出力する。
さらに、本実施形態に係るPWM制御部15は、インバータ31を駆動する駆動信号の周波数(インバータ周波数情報)を取得して想定値演算部10Bに出力する。
本実施形態に係る想定値演算部10Bは、上述の他の実施形態に係る車両用制御装置1、1Aと同様に、車両情報取得部5から車両情報(走行速度情報、ノッチ情報)を入力する。そして想定値演算部10Bは、入力した車両情報及び上記インバータ周波数情報に基づいて、本来、モータ34の回転周波数として検出されるべき回転周波数想定値frmを算出する。想定値演算部10Bの当該演算機能については後述する。
本実施形態に係る検出部11Bは、図6に示したPG50を介して入力する実回転数情報を入力し、実測された実回転数から、モータ34の回転周波数検出値fmを算出して取得する。回転周波数検出値fmは、PG50を介して実測されたモータ34における回転周波数の実測値(検出値)である。
本実施形態に係る健全性判定部12Bは、想定値演算部10Bが算出した回転周波数想定値frmと、検出部11Bが取得した回転周波数検出値fmと、を比較して、回転周波数検出値fmが回転周波数想定値frmを基準とした所定の範囲内(例えば±10%以内)に含まれているか否かを判定する。
図8は、第2の実施形態の想定値演算部の機能を説明する図である。
以下、想定値演算部10Bが、走行速度情報、ノッチ情報、及びインバータ周波数情報に基づいて、回転周波数想定値frmを算出する具体的な方法について、図8を参照しながら詳細に説明する。
まず、想定値演算部10Bは、車両の走行速度v、ノッチNと、トルクTとの関係を予め取得しておく。ここで図8(a)に示す各グラフは、想定値演算部10Bが予め取得している走行速度v、ノッチNとトルクTの関係を示している。複数のグラフは、それぞれ設定されたノッチN(1N、2N、・・・)に対応している。ここで図8(a)縦軸のトルクTは、モータ34に実際に印加されるトルクを示している。
想定値演算部10Bは、図8(a)に示すような走行速度v、ノッチNと、トルクTとの関係を、ルックアップテーブルとして予め保持しておくことにより、車両情報取得部5から入力する走行速度情報及びノッチ情報に基づいて、モータ34のトルクTを一意に特定することができる。なお、図8(a)に示す関係は、予め車両9の試験走行、モータ34の試験駆動等で得られる計測データ及び理論計算に基づいて取得される。
また、想定値演算部10Bは、図8(b)に示すようなトルクTと滑りsとの関係を予め取得して保持している。ここで、滑りsとは、インバータ31に入力される信号の周波数(インバータ周波数)と同期して回転した場合の同期回転速度Nsと、モータ34の実際の回転速度Nと、の関係を示す係数であり、s=(Ns−N)/Nsで与えられる。なおインバータ周波数は同期回転速度Nsの逆数で示され、モータ34の実際の回転周波数は、回転速度Nの逆数で示される。
したがって想定値演算部10Bは、インバータ周波数と滑りsとを取得することで、想定されるモータ34の実際の回転周波数(回転周波数想定値frm)を算出することができる。そして想定値演算部10Bは、この滑りsを、予め保持している走行速度v、ノッチNとトルクTとの関係(図8(a))、並びに、トルクTと滑りsとの関係(図8(b))に基づいて特定することができる。
このようにして、想定値演算部10Bは、モータ34の実際の回転周波数として取得されるべき回転周波数想定値frmを算出することができる。
図9は、第2の実施形態の車両用制御装置の処理フローを示す図である。
以下、図9を参照しながら、車両用制御装置1Bの処理フローについて説明する。なお本実施形態に係る車両用制御装置1Bの処理フローのうち、上述した第1の実施形態と同一の処理については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る車両用制御装置1Bの処理フローは、図4のステップS11、ステップS12において、回転周波数想定値frm、回転周波数検出値fmを取得する点で第1の実施形態の処理フロー(図4)と異なる。
具体的には、想定値演算部10Bは、入力する車両情報(走行速度情報、ノッチ情報)及びインバータ周波数情報に基づいて、回転周波数想定値frmを算出し、健全性判定部12Bに出力する(ステップS11B)(図8を参照)。
一方、検出部11Bは、PG50から定常的に入力する実回転数情報に基づいて、回転周波数検出値fmを取得し、健全性判定部12Bに出力する(ステップS12B)。
次に、健全性判定部12Bは、入力した回転周波数想定値frmと、回転周波数検出値fmとを参照して、回転周波数検出値fmが、回転周波数想定値frmを基準とした所定の範囲内(±10%以内)に含まれているか否かを判定する(ステップS13B)。
以降の判定結果に基づく異常通知処理(ステップS14)及び履歴情報取得部13による記憶処理(ステップS15)は、第1の実施形態の処理フロー(図4)と同様である。
車両用制御装置1Bは、以上のようにして、検出値以外の情報である車両情報(走行速度情報、ノッチ情報)から算出される回転周波数想定値frmと、実測値として取得される回転周波数検出値fmと、が一致しているか否かを判定する。これにより、車両用制御装置1Bは、回転周波数検出値fmを取得する系統に異常がないか否か、を車両9Bの走行中において判別することができる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態に係る車両用制御装置を、図面を参照して説明する。
図10は、第3の実施形態の車両用制御装置の機能構成を示す図である。この図において、符号1Cは車両用制御装置である。なお、第3の実施形態に係る車両用制御装置1Cのうち、上述した第1の実施形態(と、その変形例)及び第2の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る車両用制御装置1Cは、車両9Cに備えられるとともに、車両9Cの各箇所に設置されたサーミスタ60から温度検出情報を取得する。車両用制御装置1Cは、サーミスタ60から入力される温度検出情報に基づいて、例えば、主変換回路内の温度上昇や、冷却装置の冷却機能の監視などを行う。
図10に示すように、本実施形態に係る想定値演算部10Cは、上述の各実施形態と同様に、車両情報取得部5(図10には図示せず)から走行速度情報及びノッチ情報を入力する。また、車両9Cの配線の各箇所に設置されたCT、PT(例えば、図1に示すCT40等)からの電流検出情報、電圧検出情報に基づく各検出値を入力する。そして、想定値演算部10Cは、これらの情報に基づいて、サーミスタ60から取得されるべき温度想定値Thrを算出する。
想定値演算部10Cは、車両情報取得部5(図示せず)から入力する速度情報、ノッチ情報、及び、CT、PTより取得された電流検出値、電圧検出値に基づいて、各サーミスタが設置されている部分における温度を算出する。
具体的には、想定値演算部10Cは、予め取得された温度変化特性情報をルックアップテーブルで保持している。ここで、車両9Cの各箇所における温度は、車両9Cの走行状態、特に消費電力に応じて変化するものであるから、想定値演算部10Cは、その法則性を、温度変化特性情報として予め取得しておく。例えば、温度変化特性情報は、走行時においてサーミスタ60により実際に取得された温度の推移を、その走行中の各時点における走行速度v、ノッチN、及び、電流検出値等の各種パラメータに関連付けて記憶したものであってよい。また、この温度変化特性情報は、走行時における温度の、走行前における初期温度との差分を示すものであってもよい。
想定値演算部10Cは、予め取得された温度変化特性情報に基づいて、サーミスタ60から取得されるべき温度の想定値(温度想定値Thr)を算出する。
本実施形態に係る検出部11Cは、サーミスタ60を介して入力する温度検出情報を入力し、温度検出値Thを取得する。温度検出値Thは、サーミスタ60を介して実測された外気、冷却装置等の温度の実測値(検出値)である。
本実施形態に係る健全性判定部12Cは、想定値演算部10Cが算出した温度想定値Thrと、検出部11Cが取得した温度検出値Thと、を比較して、温度検出値Thが温度想定値Thrを基準とした所定の範囲内(例えば±10%以内)に含まれているか否かを判定する。
なお、本実施形態に係る車両用制御装置1Cの処理フローは、第1の実施形態に係る車両用制御装置1の処理フロー(図4)のステップS11、ステップS12において、温度想定値Thr、温度検出値Thを取得する点で第1の実施形態の処理フローと異なる。
具体的には、想定値演算部10Cは、入力する車両情報(走行速度情報、ノッチ情報)及び電流、電圧検出情報に基づいて、温度想定値Thrを算出し、健全性判定部12Cに出力する。
一方、検出部11Cは、サーミスタ60から定常的に入力される温度検出情報に基づいて、温度検出値Thを取得し、健全性判定部12Cに出力する。
そして、健全性判定部12Cは、入力した温度想定値Thrと、温度検出値Thとを参照して、温度検出値Thが、温度想定値Thrを基準とした所定の範囲内(±10%以内)に含まれているか否かを判定する。
なお、以降の判定結果に基づく異常通知処理(ステップS14(図4))及び履歴情報取得部13による記憶処理(ステップS15(図4))は、第1の実施形態の処理フローと同様である。
車両用制御装置1Cは、以上のようにして、検出値以外の情報である車両情報(走行速度情報、ノッチ情報、電流検出値等)から算出される温度想定値Thrと、実測値として取得される温度検出値Thと、が一致しているか否かを判定する。これにより、車両用制御装置1Bは、温度検出値Thを取得する系統に異常がないか否か、を車両9Cの走行中において判別することができる。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態に係る車両用制御装置を、図面を参照して説明する。
図11は、第4の実施形態の車両用制御装置の機能構成を示す図である。この図において、符号1Dは車両用制御装置である。なお、第4の実施形態に係る車両用制御装置1Dのうち、上述した各実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る車両用制御装置1Dは、車両9Dに備えられるとともに、車両9Dのコンバータ30とインバータ31を接続する中間電位線上の中間電位点Aと、接地点Bとの間に備えられた接地電流検出部32から接地電流検出情報を取得する(図1等を参照)。車両用制御装置1Dは、接地電流検出部32から入力される接地電流検出情報に基づいて、車両9Dにおける地絡発生を監視するとともに、地絡が発生した場合には、接触器33(図1等を参照)を開放する制御を行う。
図11に示すように、本実施形態に係る想定値演算部10Dは、車両9Dのコンバータ30、インバータ31に対するPWM制御のための駆動信号を出力するPWM制御部15Dから、現時点においてPWM制御を実施しているか否かを示す車両情報である「PWM実施情報」を出力する。例えば、PWM制御部15Dは、このPWM実施情報として、自身がPWM制御を行っている最中には“1”を、PWM制御を行っていない場合には“0”を出力する。
そして、想定値演算部10Dは、このPWM実施情報に基づいて、接地電流検出部32から取得されるべき接地電流想定値Irgを算出する。
図12は、第4の実施形態の接地電流検出部が検出する接地電流の例を示す図である。
図12に示すグラフは、地絡が発生していない通常状態において、PWM制御部15Dがコンバータ30、インバータ31に対して駆動信号を出力し、PWM制御を実施している最中に、接地電流検出部32が検出する接地電流検出情報を示す例である。
ここで、PWM制御部15DがPWM制御を実施している最中は、コンバータ30、インバータ31内部においてその駆動信号に基づく高速なスイッチング制御が成されている。したがって、地絡がない場合、本来、接地電流は理想的にゼロとなるはずであるが、実際には、配線間に存在する浮遊容量を介して、図12に示すような高周波リプル(ノイズ)が重畳されることとなる。
したがって、検出部11Dが、接地電流検出部32を介して取得する接地電流検出値Igは、PWM制御部15DがPWM制御を行っているか否か、に応じて取得される電流検出値が変動する。
想定値演算部10Dは、車両情報である上記PWM実施情報に基づいて、接地電流検出値Igとして想定される値である接地電流想定値Irgを特定する。具体的には、想定値演算部10Dは、PWM制御実施時において発生する接地電流(高周波リプル)を予め計測し(図12)、これを接地電流想定値Irgとして保持しておく。そして、実際の走行時においてPWM制御が成されている間には、予め計測していた接地電流想定値Irgを特定して、健全性判定部12Dへ出力する。
本実施形態に係る検出部11Dは、接地電流検出部32を介して入力する接地電流検出情報を入力し、接地電流検出値Igを取得する。接地電流検出値Igは、接地電流検出部32を介して実測された接地電流検出情報の実測値(検出値)である。
本実施形態に係る健全性判定部12Dは、想定値演算部10Dが算出した接地電流想定値Irgと、検出部11Dが取得した接地電流検出値Igと、を比較して、接地電流検出値Igが接地電流想定値Irgを基準とした所定の範囲内(例えば±10%以内)に含まれているか否かを判定する。
車両用制御装置1Dは、以上のようにして、検出値以外の情報であるPWM実施情報から特定される接地電流想定値Irgと、実測値として取得される接地電流検出値Igと、が一致しているか否かを判定する。これにより、車両用制御装置1Dは、接地電流検出値Igを取得する系統に異常がないか否か、を車両9Dの走行中において判別することができる。
なお、上述の第4の実施形態に係る想定値演算部10Dは、PWM実施情報以外の車両情報(速度情報、ノッチ情報)、または、電流検出情報、電圧検出情報等のいずれか、または、それらの組み合わせに基づいて、接地電流想定値Irgを特定するものであってもよい。例えば、接地電流検出値Igの特性が、車両9Dの走行速度vに対して高い依存性を有している場合には、各走行速度vに応じた接地電流検出値Igを予め計測しておき、この計測データと走行速度情報に基づいて、接地電流想定値Irgを特定するものであってもよい。ノッチ情報や他のCT(PT)から検出される電流(電圧)検出情報についても同様である。
なお、本実施形態に係る車両用制御装置1Dの処理フローは、第1の実施形態に係る車両用制御装置1の処理フロー(図4)のステップS11、ステップS12において、接地電流想定値Irg、接地電流検出値Igを取得する点で第1の実施形態の処理フローと異なる。
具体的には、想定値演算部10Bは、入力する車両情報(PWM実施情報)に基づいて、接地電流想定値Irgを算出し、健全性判定部12Dに出力する。
一方、検出部11Dは、接地電流検出部32から定常的に入力する接地電流検出情報に基づいて、接地電流検出値Igを取得し、健全性判定部12Dに出力する。
そして、健全性判定部12Dは、入力した接地電流検出値Igと、接地電流想定値Irgとを参照して、接地電流検出値Igが、接地電流想定値Irgを基準とした所定の範囲内(±10%以内)に含まれているか否かを判定する。
なお、以降の判定結果に基づく異常通知処理(ステップS14(図4))及び履歴情報取得部13による記憶処理(ステップS15(図4))は、第1の実施形態の処理フローと同様である。
以上、上述の各実施形態に係る車両用制御装置によれば、走行中に取得される情報(車両情報)を利用して、自装置を含めた車両の電気系統の健全性を評価することができるので、車両の電気系統における健全性の評価を簡素化することができる。
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態に係る車両用制御装置を、図面を参照して説明する。
図13は、第5の実施形態の車両の全体構成を示す図である。この図において、符号1Eは車両用制御装置である。なお、第5の実施形態に係る車両用制御装置1Eおよび車両9Eの構成のうち、上述した各実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る車両用制御装置1Eは、複数の車両情報を入力する。この車両情報の例として、例えば図13に示すように、真空遮断器(VCB:Vacuum Circuit Breaker)23からのVCB接続情報と、車両情報取得部5Eからのレバーサ情報と、を入力する。
ここで、VCB23は、パンタグラフ21と1次コイル220との間に備えられた遮断器である。VCB23は、自身が接続(短絡)され、架線20からの通電が成されている場合には、そのことを通知するVCB接続情報を出力する。
また、本実施形態に係る車両情報取得部5Eは、車両情報の一つであって、車両9Eの進行方向(前進、後退)を特定する逆転器(レバーサ)の状態を示すレバーサ情報を車両用制御装置1Eへ出力する。
図14は、第5の実施形態の車両用制御装置の機能構成を示す図である。
図14に示すように、本実施形態に係る車両用制御装置1Eは、検出部11E、投入司令部16、停電検知部17、投入条件判定部18、及び、履歴情報取得部13E、記憶部14を備えている。
検出部11Eは、上述した各実施形態に係る検出部11等と同一の機能構成である。検出部11Eは、PT41(図13)から3次電圧検出情報を入力し、3次電圧の実測値である3次電圧検出値V3を停電検知部17(後述)へ出力する。
投入条件判定部18は、種々の車両情報を取得して、これらの全てが各々についての所定の電源投入条件を全て満たしているか否かを示す判定情報を投入司令部16に出力する。
投入司令部16は、投入条件判定部18から入力する上記判定情報において、上記電源投入条件が全て満たされている旨の通知を受けた場合に、投入司令情報を接触器33(図13)へ向けて出力する。なお、この投入司令情報を入力した接触器33は、2次コイル221とコンバータ30とを接続し、電力供給を開始する。
停電検知部17は、検出部11を介して入力する3次電圧検出値V3に基づいて、車両9Eが停電状態に陥っているか否か、を判定する。具体的には、停電検知部17は、車両9Eの設備35(図13)に対し、十分な電圧の印加が成されていることを判定するための電圧閾値Vthを予め記憶している。そして、停電検知部17は、実際に設備35に印加される電圧を示す3次電圧検出値V3が、電圧閾値Vth以上となっているか否かを判定し、電圧閾値Vthを下回っていると判定した場合には、車両情報の一つである停電検知情報を出力する。
以上のような構成により、車両用制御装置1Eは、安全管理のため、車両9Eへの電源投入時において、投入条件判定部18が定める電源投入条件が全て満たされた場合に初めて主変換回路(コンバータ30、インバータ31、モータ34)へ電源を投入する。
上述の例の場合、投入条件判定部18は、例えば、VCB23が接続されているか否かを示すVCB接続情報を入力して、VCB23が正常に接続されていることを検知する。同様に、投入条件判定部18は、車両情報取得部5Eから入力するレバーサ情報により、レバーサが「前進」または「後退」の何れかを示している状態にあることを検知する。さらに、投入条件判定部18は、停電検知部17から停電検知情報を入力しないことにより、設備35等に対し、電力が正常に供給されていることを検知する。
そして、投入条件判定部18は、上記条件(電源投入条件)を全て満たした場合に、そのことを示す判定情報を出力する。これにより、車両用制御装置1Eは、電源投入条件が全て満たされて初めて(投入司令部16により)投入司令情報を出力し、接触器33を接続させて主変換回路に電源を投入する。
車両用制御装置1Eは、以上に説明したような方法により、車両9Eの電源投入時における安全管理上の制御を実現している。
さらに、車両用制御装置1Eの履歴情報取得部13Eには、投入条件判定部18が出力する判定情報が入力される。
そして履歴情報取得部13Eは、上記判定情報を入力したタイミングで、当該判定情報の内容と、投入条件判定部18に入力されている各種車両情報(上述の例では、VCB接続情報、レバーサ情報、及び停電検知情報)の内容と、を関連付けて記憶部14に記録する処理を行う。
これにより、オペレータは、車両9Eの電源投入時において逐次記憶される判定情報及び各種車両情報を事後的に確認することで、車両用制御装置1Eは、電源投入処理において自装置に入力される各種車両情報を正しく検知し、判定できているか否かを検査することができる。
図15は、第5の実施形態の車両用制御装置の処理フローを示す図である。
以下、図15を参照しながら、車両用制御装置1Eの処理フローについて順を追って説明する。
図15に示す処理フローは、車両用制御装置1Fを搭載する車両9Eへ電源を投入する直前において開始される。
まず、ステップS21において車両9Eへ電源が投入される。
そうすると、起動を開始した車両用制御装置1Fにおいて、投入条件判定部18が各種車両情報(VCB接続情報、レバーサ情報、停電検知情報等)を取得する(ステップS22)。
投入条件判定部18は、入力した各種車両情報の全てが電源投入条件を満たしている場合(ステップS23:YES)には、そのことを示す判定情報を出力する。そして当該判定情報を入力した投入司令部16は、接触器33(図13)へ向けて投入司令情報を出力する(ステップS24)。
一方、投入条件判定部18は、入力した各種車両情報のいずれかが電源投入条件を満たしていない場合(ステップS23:NO)には、そのことを示す判定情報を出力する。
そして、履歴情報取得部13Eは、投入条件判定部18から判定情報を入力した場合に、当該判定情報の内容と、投入条件判定部18に入力されている各種車両情報(VCB接続情報、レバーサ情報、及び停電検知情報)の内容と、を関連付けて記憶部14に記録する処理を行う(ステップS25)。
車両用制御装置1Eは、以上のようにして、車両への電源投入時に所定の電気系統への電源投入条件を満たしているか否かの判定が成された時点において、その判定結果と、判定に用いた種々の車両情報と、を関連付けて記録する。これにより、車両用制御装置1Eのオペレータ(点検作業者)は、記憶された履歴情報を事後的に確認することで、車両用制御装置1Eにおいて成される電源投入条件の判定処理が、正しく行われているか否かを検査することができる。
また、車両用制御装置1Eの履歴情報取得部13Eは、さらに、投入条件判定部18からの判定情報の入力時において、停電検知部17における停電検知情報の有無と、検出部11Eから出力される3次電圧検出値V3と、を関連付けて記憶してもよい。
これにより、オペレータ(点検作業者)は、この履歴情報を確認することで、停電検知部17における停電検知判定が正しく成されているか否かを検査することができる。
なお上述の第5の実施形態において用いた車両情報は、例として、VCB接続情報、レバーサ情報、及び停電検知情報の3つであるものとして説明したが、車両用制御装置1Eが主変換回路への電源投入判定処理に用いる車両情報は、当該3つの情報に限定されることはなく、その他種々の車両情報を用いてもよい。この場合、履歴情報取得部13Eは当該種々の車両情報の全てを入力して記憶してもよい。
<第6の実施形態>
次に、第6の実施形態に係る車両用制御装置を、図面を参照して説明する。
図16は、第6の実施形態の車両用制御装置の機能構成を示す図である。この図において、符号1Fは車両用制御装置である。なお、第6の実施形態に係る車両用制御装置1Fの機能構成のうち、上述した各実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図16に示すように、車両9Fは、車両用制御装置1Fと、コンバータ30、インバータ31、外部電源7、ゲート電源70、冷却ファン用電源(FAN電源)71、冷却ファン(FAN)710と、を備えている。
外部電源7は、例えばバッテリー(二次電池)であって、車両9Fの電源投入時に、ノイズフィルタ、バックアップコンデンサを介して、各電気系統(ゲート電源70、FAN電源71、車両用制御装置1Fなど)に一斉に電力を供給する。
ゲート電源70は、電源投入時において外部電源7から電力Pgを入力するとともに、コンバータ30、インバータ31に電力を供給する。ゲート電源70は、車両用制御装置1Fが出力する駆動信号の電圧レベルを、コンバータ30、インバータ31の直接的な制御に要する電圧レベルまで引き上げるための電力を供給する。
FAN電源71は、外部電源7から電力Pfを入力するとともに、主変換回路(コンバータ30、インバータ31、モータ34(図1等を参照))の各箇所における温度分布を均一にするために設置された複数の冷却ファン(FAN)710への電力供給を行う。
同様に、車両用制御装置1Fは、電源投入時において外部電源7から電力Pmを入力して各種動作を実施する。
また、ゲート電源70、FAN電源71は、それぞれ外部電源7から供給される電力Pg、Pfが所定の電力閾値Pthを下回っているか否かを示す電源容量低下検知情報を車両用制御装置1Fへ出力する。
車両用制御装置1Fが備える電源容量低下判定部19は、ゲート電源70、FAN電源71から、自身へ供給される電力が不足(低下)していることを示す電源容量低下検知情報が入力された場合に、ゲート電源70、FAN電源71への供給電力が不足していると判定(異常検知)して所定の保護動作を行う。具体的には、コンバータ30、インバータ31、FAN710等が正常動作しないことによる主変換回路の誤動作や故障を防止するため、当該主変換回路の動作を停止する。
本実施形態に係る履歴情報取得部13Fは、外部電源7から自装置への電力供給開始のタイミングを検知して、当該電力の供給が開始された時刻(t0)から予め定められた所定の期間(t1、t2)経過後に、ゲート電源70、FAN電源71から入力される電源容量低下検知情報と、これに基づく電源容量低下判定部19の判定結果を取得し、電源容量低下検知情報と、当該判定結果とを関連付けて記憶部14に記録する。
図17は、第6の実施形態の車両用制御装置のタイミングチャートを示す図である。
以下、車両用制御装置1Fの処理フローについて、図17を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る履歴情報取得部13Fは、外部電源7により自装置及びゲート電源70、FAN電源71への電力供給が開始され、自装置が起動した時刻(t0)から、所定の時刻(t1、t2)経過後に、ゲート電源70、FAN電源71が電源容量低下判定部19に出力する電源容量低下検知情報を取得する。
ここで、ゲート電源70、FAN電源71は、自身に投入される電力Pg、Pfが上述した所定の電力閾値Pthを下回っている場合には、そのことを示す電源容量低下検知情報を出力することとしている。外部電源7がゲート電源70及びFAN電源71に電力の供給を開始した直後は、ゲート電源70、FAN電源71には十分な電力が行き渡っておらず、電力Pg、Pfが上述した所定の電力閾値Pthを下回っている段階にある。したがって、外部電源7がゲート電源70及びFAN電源71に電力供給を開始した直後からゲート電源70、FAN電源71にそれぞれ十分な電力が供給されるまでの期間(後述の期間A)は、ゲート電源70及びFAN電源71は、自身に供給される電力が不足していることを示す電源容量低下検知情報を出力する。
具体的には、車両9Fへの電源投入処理が成されると、車両用制御装置1Fはゲート電源70、FAN電源71に比べ充電容量が小さいことから、まず車両用制御装置1Fが時刻t0において動作可能となる(図17(a)参照)。一方、ゲート電源70、FAN電源71は、時刻t0から一定の期間A(図17)において、自身に十分な電力が供給されるまで、供給電力Pg、Pfが電力閾値Pthを下回っているものとして、そのことを示す電源容量低下検知情報“High”を出力する(図17(b)参照)。そして、その後期間Aを経過し、ゲート電源70、FAN電源71に十分な電力が供給された後(Pg、Pf≧Pthとなった後)、ゲート電源70、FAN電源71は、それぞれ、自身に十分な電力が供給されていることを示す電源容量低下検知情報“Low”を出力する(図17(b)参照)。
本実施形態に係る履歴情報取得部13Fは、期間Aに含まれる時刻t1において、ゲート電源70、FAN電源71が自装置の電源容量低下判定部19へと出力する電源容量低下検知情報“High”を取得する。同時に、履歴情報取得部13Fは、電源容量低下判定部19が、当該電源容量低下検知情報“High”を入力した際に出力する判定結果を示す情報を取得する。このようにして、履歴情報取得部13Fは、電源容量低下判定部19における電源容量低下検知情報“High”に応じた判定結果を、当該電源容量低下検知情報と関連付けて記録する。
さらに、履歴情報取得部13Fは、期間Aを経過した後の時刻t2において、FAN電源71が電源容量低下判定部19へと出力する電源容量低下検知情報“Low”を取得する。また、履歴情報取得部13Fは、電源容量低下判定部19が、当該電源容量低下検知情報“Low”を入力した際に出力する判定結果を示す情報を取得する。このようにして、履歴情報取得部13Fは、電源容量低下判定部19における電源容量低下検知情報“Low”に応じた判定結果を、当該電源容量低下検知情報と関連付けて記録する。
ここで、履歴情報取得部13Fが上記情報を取得する時刻t1、t2は、予め計測された期間Aに基づいて決定される。また、電源容量低下検出部19は、電源投入開始からの期間Aにおいて、電源容量低下検知情報“High”に基づいて所定の保護動作を実行しないように予め設定しておく。
履歴情報取得部13Fは、以上のようにして、電源投入のタイミングから予め定められた所定の時刻において、ゲート電源70、FAN電源71が出力する電源容量低下検知情報と、電源容量低下判定部19の判定結果とを関連付けて記録する。これにより、オペレータ(検査作業者)は、履歴情報取得部13Fが記憶した情報を参照することで、電源容量低下検知情報“High”と、電源容量低下検知情報“Low”のそれぞれに対応する電源容量低下判定部19の判定処理の健全性を評価することができる。
なお上述の第6の実施形態については、ゲート電源70、FAN電源71が出力する電源容量低下検知情報に対する健全性を評価する例を説明したが、履歴情報取得部13Fが記録する情報は、ゲート電源70及びFAN電源71による情報に限られない。すなわち、車両用制御装置1Fは、他の専用電源から入力する電源容量低下検知情報を、予め定めた所定の時刻で取得するものであってもよい。
また上述の第6の実施形態の変形例として、電力供給開始直後においてFAN電源71から出力される電源容量低下検知情報は図17(b)に示すような特性であることを前提として、履歴情報取得部13Fは、時刻t1、t2において、電源容量低下判定部19の判定結果を、当該時刻t1、t2を示す時刻情報と関連付けて記録するものとしてもよい。さらに、履歴情報取得部13Fは、期間Aに含まれる時刻t1においてのみ、電力容量低下検知情報及び判定結果を記録するものであってもよい。
<第7の実施形態>
次に、第7の実施形態に係る車両用制御装置を説明する。車両用制御装置には制御電源の電圧が予め設定したセット値よりも低下した際に入力される電源低下信号を保存するメモリが存在する。
電源を切った際には、電源電圧がセット値よりも下回るため電源低下信号がメモリ部に保存される。次回電源投入特には、メモリ部に保存された電源低下信号と、外部電源との接続により入力される電源電圧と、電源電圧がセット値以上であることによる電源低下信号のNOT信号がそろったことを条件として装置の健全性を確認することが可能である。
以上に述べた少なくともひとつの実施形態の車両用制御装置によれば、車両の通常運用時(走行時または電源投入時等)に種々の情報を取得し、当該取得した情報を用いて車両の電気系統の健全性を評価することができる。したがって、当該車両の電気系統における健全性の評価を簡素化することができる。
なお、上述の実施形態に係る車両用制御装置1〜1Fは、各々の各機能の一部又は全部を組み合わせた態様で実施されるものであってもよい。
なお、上述の実施形態に係る車両用制御装置1〜1Fは、内部にコンピュータシステムを有している態様であってもよい。そして、車両用制御装置1〜1Fの各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)または半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また車両用制御装置1〜1Fは、上述した各機能部が、ネットワークを介して接続された複数の装置に分散して具備されるものであってもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F・・・車両用制御装置
10、10B、10C、10D・・・想定値演算部
100・・・トリガ部
11、11B、11C、11D・・・検出部
12、12B、12C、12D・・・健全性判定部
13、13E、13F・・・履歴情報取得部
14・・・記憶部
15、15D・・・PWM制御部
16・・・投入司令部
17・・・停電検知部
18・・・投入条件判定部
19・・・電源容量低下判定部
20・・・架線
21・・・パンタグラフ
22・・・主トランス
220・・・1次コイル
221・・・2次コイル
222・・・3次コイル
23・・・VCB
30・・・コンバータ
31・・・インバータ
32・・・接地電流検出器
33・・・接触器
34・・・モータ
35・・・設備
40、42・・・電流検出器(CT)
41、430、431・・・電圧検出器(PT)
5、5E・・・車両情報取得部
50・・・パルスジェネレータ(PG)
60・・・サーミスタ
7・・・外部電源
70・・・ゲート電源
71・・・冷却ファン用電源(FAN電源)
710・・・冷却ファン(FAN)
9、9A、9B、9C、9D、9E、9F・・・車両

Claims (10)

  1. 走行時における車両の状態に応じた車両情報を取得して、当該車両に備えられた検出部から入力される検出情報についての前記車両情報に応じた想定値を算出する想定値演算部と、
    車両走行時において自装置に入力される前記検出情報についての検出値を取得する検出部と、
    前記想定値と、前記検出値と、を比較して、前記検出値が前記想定値を基準とした所定の範囲内に含まれているか否かを判定する健全性判定部と、
    を備えることを特徴とする車両用制御装置。
  2. 前記健全性判定部は、
    前記想定値演算部が算出する前記想定値が、予め定められた判定実施条件を満たした場合に、前記判定を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記想定値演算部は、
    前記車両情報として、走行速度情報、ノッチ情報、及び、電圧検出情報を取得するとともに、前記検出情報として、電流検出情報についての想定値を算出し、
    前記検出部は、
    電流検出器から入力される前記電流検出情報についての検出値を取得する
    ことを特徴する請求項1または請求項2に記載の車両用制御装置。
  4. 前記想定値演算部は、
    前記車両情報として、走行速度情報、ノッチ情報、及び、インバータ周波数情報を取得するとともに、前記検出情報として、モータの回転周波数についての想定値を算出し、
    前記検出部は、
    前記モータに備えられた実回転数検出器から入力される実回転数情報に応じた前記回転周波数についての検出値を取得する
    ことを特徴する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の車両用制御装置。
  5. 前記想定値演算部は、
    前記車両情報として、走行速度情報、ノッチ情報を取得するとともに、前記検出情報として、温度検出情報についての想定値を算出し、
    前記検出部は、
    車両に備えられたサーミスタから入力される前記温度検出情報についての検出値を取得する
    ことを特徴する請求項1から請求項4の何れか一項に記載の車両用制御装置。
  6. 前記想定値演算部は、
    前記車両情報として、PWM制御が実施されているか否かを示すPWM実施情報を取得するとともに、前記検出情報として、接地電流検出情報についての想定値を算出し、
    前記検出部は、
    接地電流検出部から入力される前記接地電流検出情報についての検出値を取得する
    ことを特徴する請求項1から請求項5の何れか一項に記載の車両用制御装置。
  7. 前記健全性判定部において前記判定が行われた際の前記想定値および前記検出値を記憶部に記録する履歴情報取得部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の車両用制御装置。
  8. 入力される車両情報に基づいて、所定の電気系統への電源投入条件を満たしているか否かを判定し、その判定結果に応じた判定情報を出力する投入条件判定部をさらに備え、
    前記履歴情報取得部は、さらに、
    前記投入条件判定部が出力する判定情報と、その判定処理に用いた前記車両情報と、を記録する
    ことを特徴とする請求項7に記載の車両用制御装置。
  9. 電源から、当該電源に供給される電力が電力閾値を下回っているか否かを示す電源容量低下検知情報を入力し、当該電源容量低下検知情報に基づいて、前記電源に供給される電力の不足を判定する電源容量低下判定部をさらに備え、
    前記履歴情報取得部は、
    前記電源に電力の供給が開始された時刻から当該電力が前記電力閾値以上となるまでの期間において出力される前記電源容量低下検知情報に応じた前記電源容量低下判定部における判定結果を記録する
    ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の車両用制御装置。
  10. 想定値演算部が、走行時における車両の状態に応じた車両情報を取得して、当該車両に備えられた検出部から入力される検出情報についての前記車両情報に応じた想定値を算出し、
    検出部が、車両走行時において自装置に入力される前記検出情報についての検出値を取得し、
    健全性判定部が、前記想定値と、前記検出値と、を比較して、前記検出値が前記想定値を基準とした所定の範囲内に含まれているか否かを判定する
    ことを特徴とする車両用制御方法。
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