JP2015032358A - ニッケル水素蓄電池 - Google Patents

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賢一 前原
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和城 中野
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Hiroyuki Sakamoto
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Abstract

【課題】電池抵抗を低く維持しつつ、拡大される使用環境下にあっても良好な性能が維持されるニッケル水素蓄電池を提供する。
【解決手段】ニッケル水素蓄電池は、水酸化ニッケルを主成分とする活物質を含む正極板と、水素吸蔵合金を含む負極板と、それら正極板と負極板との間に介装されるセパレータとを備える電極群と、電解液とが収納容器に封入されて構成され、車両に搭載される。ニッケル水素蓄電池は、前記電解液には、タングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素が含まれており、前記電解液に含まれるタングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素のそれぞれの電解液中での重量%の関係が、0.007≦(タングステン元素の重量%+ナトリウム元素の重量%)/(カリウム元素の重量%)≦0.20である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ニッケル水素蓄電池に関する。
周知のように、携帯用の電子機器の電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として、様々なアルカリ蓄電池(二次電池)が用いられている。そして、こうしたアルカリ蓄電池のうち、エネルギー密度が高く、信頼性に優れた蓄電池としてニッケル水素蓄電池がある。このニッケル水素蓄電池は、例えば、水酸化ニッケルを主成分とした正極と水素吸蔵合金を主成分とした負極とがセパレータを介して複数枚積層された極板群を、水酸化カリウムなどからなるアルカリ電解液とともに収納容器に収納して構成される蓄電池である。そして従来、このようなニッケル水素蓄電池の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の水素化物二次電池(ニッケル水素蓄電池)は、ニッケル酸化物またはニッケル水酸化物を含む正極と、水素吸蔵合金を含む負極と、アルカリ水溶液からなる電解液と、不織布からなるセパレータとを有する。そしてこの水素化物二次電池には、電解液中にモリブデンイオン、タングステンイオンおよびクロムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属イオンが含有される。金属イオンの電解液中での含有量は、金属イオンの金属量として0.1〜5重量%である。
特開平8−88020号公報
上述の特許文献1に記載のニッケル水素蓄電池によれば、高温環境における高温貯蔵特性が優れたニッケル水素蓄電池が得られるようになる。
ところで近年、電気自動車やハイブリッド自動車の利用環境が様々な環境に拡大していくことに伴って、それら電気自動車やハイブリッド自動車に搭載されているニッケル水素蓄電池としても、その使用環境が拡大され、酷暑地域における高温環境下での使用などが避けられないものとなってきている。また、車両に搭載される蓄電池は、大電流を流す必要があるためその使用環境にかかわらず、その電池抵抗の値を小さく維持する必要がある。そのため、電池抵抗を低く維持しつつ、こうして拡大される使用環境下にあってもその性能が良好に維持されるニッケル水素蓄電池の研究、開発が進められている。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであって、その目的は、電池抵抗を低く維持しつつ、拡大される使用環境下にあっても良好な性能が維持されるニッケル水素蓄電池を提供することにある。
上記課題を解決するニッケル水素蓄電池は、水酸化ニッケルを主成分とする活物質を含む正極板と、水素吸蔵合金を含む負極板と、それら正極板と負極板との間に介装されるセパレータとを備える電極群と、電解液とが収納容器に封入されて構成され、車両に搭載されるニッケル水素蓄電池であって、前記電解液には、タングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素が含まれており、前記電解液に含まれるタングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素のそれぞれの電解液中での重量%の関係が、0.007≦(タングステン元素の重量%+ナトリウム元素の重量%)/(カリウム元素の重量%)≦0.20であることを要旨とする。
ニッケル水素蓄電池では、電解液中のカリウム元素は、電池抵抗を低下させるものの高温容量を悪化させ、同電解液中のタングステン元素やナトリウム元素は、高温容量を良好に維持するものの電池抵抗を上昇させる傾向にある。
そこで、このような構成によれば、ニッケル水素蓄電池として、優れた高温容量の維持と大電流を流す必要のある高負荷での使用に優れた低い電池抵抗との2つの特性が両立する蓄電池が得られるようになる。これにより、電池抵抗を低く維持しつつ、拡大される使用環境、特に酷暑地域の高温環境下などにおいても良好な性能の維持されるニッケル水素蓄電池が提供されるようになる。
すなわち、使用環境が様々であり、酷暑地域の高温環境下などの厳しい条件下で使用されるおそれのある車両に搭載されるニッケル水素蓄電池として、その性能が好適に維持されるようになる。
好ましい構成として、前記タングステン元素の電解液あたりの含有重量%が、0.22重量%以上、かつ、3.40重量%以下である。
このような構成によれば、電解液中のタングステン元素の含有重量%を適切な割合にすることで、充放電における副反応である水の電気分解が良好に抑制されるようになるとともに、過剰な添加が生じさせる電池抵抗が大きくなることを抑えることもできるようになる。
好ましい構成として、前記タングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素のそれぞれの電解液中での重量%の関係が、0.007≦(タングステン元素の重量%+ナトリウム元素の重量%)/(カリウム元素の重量%)≦0.11である。
このような構成によれば、高温容量と電池抵抗との2つの特性がより良好に両立するニッケル水素蓄電池が得られるようになる。
このニッケル水素蓄電池によれば、ニッケル水素蓄電池の電池特性を、電池抵抗を低く維持しつつ、拡大される使用環境下にあっても良好な性能に維持することができるようになる。
ニッケル水素蓄電池が具体化された一実施形態についてその電池特性と電解液の組成との関係について示すグラフ。
ニッケル水素蓄電池を具体化した一実施形態について説明する。
本実施形態のニッケル水素蓄電池は、密閉型電池であり、電気自動車やハイブリッド自動車の電源として用いられる電池である。このニッケル水素蓄電池は、例えば、水素吸蔵合金を含む負極板13枚と、水酸化ニッケル(Ni(OH))を含む正極板12枚とを、耐アルカリ性樹脂の不織布から構成されるセパレータを介して積層した電極群を備える。負極板は、パンチングメタルなどの金属多孔体からなる基板に水素吸蔵合金粉末を塗布して製作される。正極板は、発泡ニッケル基板などの金属多孔体からなる基板に水酸化ニッケル粒子を含む活物質を充填して製作される。
そして、ニッケル水素蓄電池は、電極群の正極を正極側の集電板に接続し、電極群の負極を負極側の集電板に接続し、電解液とともに密閉型の樹脂製の収納容器内、いわゆる電槽内に収容して構成される。
電解液は、純水とカリウム元素(K)とを含み構成されている。電解液は、電槽内に電極群とともに収容されることで、セパレータの中に保持される。また電解液は、セパレータを介して正極板や負極板に供給されることで、正極板と負極板との間にイオンを伝導させる。なお、電解液にカリウム元素(K)を供給するカリウム化合物は、水酸化カリウム(KOH)であることが多いものの、その他、K、KCl、KF、KH、KN、KN、KO、KO、KO、K、KP、KS、KAlF、KBF、KBH、KCH、KCN、KHCOO、KHF、KHS、KNH、KPFなどが挙げられる。
また、本実施形態では、電解液はさらに、タングステン元素(W)とナトリウム元素(Na)とを含み構成されている。
電解液にタングステン元素(W)を供給するタングステン化合物としては、WO、WO、WO・HO、W、W・HO、ZrW、Al(WO、WC、CaWO、FeWO、MnWO、WCl、WBr、WClなどが挙げられる。また、同タングステン化合物としては、W(CO)、WOCl、LiWO、HWO、KWO、NaWO、LiWO・2HO、HWO・2HO、KWO・2HO、NaWO・2HO、(NHPO・12WO・3HO、Na(PO・12WO)・xHO、WF、WFなどが挙げられる。
また、電解液にナトリウム元素(Na)を供給するナトリウム化合物としては、Na、NaCl、NaF、NaH、NaN、NaN、NaO、NaO、Na、NaO、NaP、NaSなどが挙げられる。また、同ナトリウム化合物としては、NaAlF、NaAlH、NaBF、NaBH、Na、NaCH、Na、NaCN、NaCN、NaHF、NaHS、NaHSe、NaNH、NaOH、NaPFなどが挙げられる。
つまり電解液は、少なくとも、タングステン元素、ナトリウム元素、カリウム元素及び純水を含み構成される。なお、電解液には、純水の他の添加物として、タングステン化合物、ナトリウム化合物及びカリウム化合物以外の添加物、例えばLiOHなどが含まれていてもよい。
ところで、本実施形態では、ニッケル水素蓄電池としての特性を、電池抵抗を低く維持しつつ、特に、酷暑地域の高温環境下での使用に良好なものとすることができるように、電解液に含まれるタングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素の組成を調整した。詳述すると、優れた高温容量と低い電池抵抗との2つの特性が両立する電池特性を有するニッケル水素蓄電池が得られるように、電解液に含まれる各元素の組成を調整した。なお、高温容量が優れたものとなると高温利用率が上昇する。
ところで通常、電解液は、タングステン元素やナトリウム元素が添加されることで高温容量が増加する(良くなる)ものの、電池抵抗が高くなる(悪化する)。一方、電解液は、カリウム元素が添加されることで高温容量が減少する(悪化する)ものの、電池抵抗は低くなる(良くなる)。このように、タングステン元素やナトリウム元素が生じさせる効果と、カリウム元素が生じさせる効果とが相反する関係にあるため、優れた高温容量と低い電池抵抗との2つの電池特性を両立させようとすると、タングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素の関係に基づいて電解液の組成を調整する必要が生じる。
そこで、発明者らは、優れた高温容量と低い電池抵抗との2つの電池特性を両立させることのできる、タングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素の関係について誠意研究を行った。そして、発明者らは、タングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素のそれぞれの電解液中での重量%の関係を、次の評価式(1)より算出される指標値に基づき評価するようにすることを見出した。
(タングステン元素の重量%+ナトリウム元素の重量%)/(カリウム元素の重量%)・・・(1)
つまり、この指標値によれば、電解液が、ニッケル水素蓄電池の特性を優れた高温容量と低い電池抵抗との2つの電池特性を両立させるものであるか否かを判断することができることが明らかになった。
詳述すると、評価式(1)より算出される指標値が、次式(2)に示す範囲を満足するように電解液中での各元素の重量%を調整することによりニッケル水素蓄電池の特性を良好にする電解液が得られることが明らかになった。
0.007≦(タングステン元素の重量%+ナトリウム元素の重量%)/(カリウム元素の重量%)≦0.20・・・(2)
つまり、この式(2)を満足するように電解液中の各元素の重量%が調整された電解液は、ニッケル水素蓄電池の特性を、優れた高温容量と低い電池抵抗との2つの電池特性を両立させるものとなることが明らかになった。
また、ニッケル水素蓄電池の特性をより良好にする電解液としては、評価式(1)より算出される指標値が、次式(3)を満足するときであることが明らかになった。
0.007≦(タングステン元素の重量%+ナトリウム元素の重量%)/(カリウム元素の重量%)≦0.11・・・(3)
なお、本実施形態では、タングステン元素は、電解液での重量%が0.22重量%〜3.40重量%の範囲であるものとする。これは、タングステン元素とナトリウム元素は、充放電時の副反応である水の電気分解を抑制する効果があり、電解液中の重量あたりの添加量(電解液中での重量%)を規定する必要があるからである。なお、上述の通り、タングステン元素とナトリウム元素は、添加量が増加すると電池抵抗を高くさせるため、規定する添加量としても、電気抵抗を高めるような過剰な添加量とはならない範囲にする必要もある。
次に、図1を参照して、電解液の組成に基づいて上記評価式(1)に従って算出される指標値と、ニッケル水素蓄電池の高温利用率との関係、及び電池抵抗との関係について説明する。
[高温利用率]
本実施形態の「高温利用率」は、環境温度が「60℃」の下で、所定の充電容量分(6.3Ah(SOC=90%))だけ充電したニッケル水素蓄電池から放電された容量の充電容量に対する割合であり、次式(4)より算出される。
高温利用率[%]=放電容量[Ah]/充電容量[Ah]×100・・・(4)
ここで、SOC(エスオーシー:State Of Charge)は、蓄電池の残存容量を示すものであり、完全充電された蓄電池から放電された電気量を除いた割合を示す。
また式(4)中の「放電容量」は、環境温度が60℃の下、ニッケル水素蓄電池に所定の充電容量分を充電した後、該蓄電池から2Aの放電電流を放電することにより得られる容量[Ah]である。このとき「放電容量」は、測定された放電電流と、計測された放電開始から放電終止電圧(1V)までの時間との積により示される。なお一般に、蓄電池は「放電容量」(高温容量)が大きいほど優れていると判断される。すなわち、「充電容量」が一定であれば、「放電容量」が大きいほど、つまり「高温利用率」が高いほど、電池特性が優れた電池である。
[電池抵抗]
本実施形態の「電池抵抗」(DC−IR)は、環境温度が「25℃」の下で、ニッケル水素蓄電池に所定の充電容量分(SOC=60%)だけ充電した後、該蓄電池に対して短時間の充放電を繰り返し、充放電の際に印加した電流と測定された電圧との関係から算出されるものである。なお一般に、蓄電池は内部抵抗(IR)が低いほど優れていると判断される。
具体的には、以下のように「電池抵抗」が測定される。まず、常温の下で蓄電池に、その蓄電量(SOC)が60%になるまで充電を実施する。その後、例えば、10Aで10秒間放電した際の電圧降下(ΔV)から、ニッケル水素蓄電池の直流の内部抵抗(DC−IR)を「ΔV/10A」により算出する。
[指標値と高温利用率及び電池抵抗の関係]
図1に示すように、評価式(1)から算出される指標値が「0.000」〜「0.239」の範囲である電解液をニッケル水素蓄電池に利用した場合ついて、指標値の別に高温利用率及び電池抵抗を得た。但し、指標値が「0.000」のとき、タングステン元素及びナトリウム元素の電解液中での重量%はいずれも「0」としている。以下に、評価式(1)から算出される各指標値の別に、対応する高温利用率の値、及び電池抵抗の値を記載する。なお、説明の便宜上、高温利用率の値を「利用率値」、電池抵抗の値を「抵抗値」と記載する。
・指標値「0.000」:利用率値U01「69.0」、抵抗値R01「2.73」
・指標値「0.007」:利用率値U02「86.0」、抵抗値R02「2.78」
・指標値「0.032」:利用率値U03「89.1」、抵抗値R03「2.78」
・指標値「0.060」:利用率値U04「90.0」、抵抗値R04「2.83」
・指標値「0.069」:利用率値U05「94.8」、抵抗値R05「2.90」
・指標値「0.092」:利用率値U06「87.3」、抵抗値R06「2.88」
・指標値「0.098」:利用率値U07「95.4」、抵抗値R07「2.90」
・指標値「0.110」:利用率値U08「97.2」、抵抗値R08「2.88」
・指標値「0.129」:利用率値U09「95.7」、抵抗値R09「2.94」
・指標値「0.138」:利用率値U10「96.3」、抵抗値R10「2.96」
・指標値「0.165」:利用率値U11「96.6」、抵抗値R11「2.95」
・指標値「0.202」:利用率値U12「97.1」、抵抗値R12「2.97」
・指標値「0.239」:利用率値U13「97.4」、抵抗値R13「3.05」
こうして得られた高温利用率によれば、利用率値U01〜U13は、指標値が「0.000」から「0.250」までの間(範囲A1〜A4)において、グラフLUのように変化する。つまり、高温利用率は、指標値が小さければ低く(悪く)なり、指標値が大きければ高く(良く)なる傾向を有している。詳述すると、高温利用率は、指標値が「0.000」から「0.007」までの範囲A1では、その値の上昇幅が比較的大きい一方、指標値が「0.007」から「0.239」までの範囲A2〜A4では、その値の上昇幅が比較的小さい傾向を有していることが明らかになった。つまり、高温利用率は、その値が大きく上昇した後の範囲となる、指標値が「0.007」以上の範囲A2〜A4で、指標値が「0.007」未満の範囲A1ときの値に比べて、相対的に良好な値となる。また、高温利用率は、指標値が「0.007」以上の範囲A2〜A4であっても、指標値が大きくなるにつれ、その値の上昇幅が小さくなる傾向にある。つまり高温利用率はその値の上昇幅が、指標値が「0.110」未満の範囲A2に比較して、指標値が「0.110」以上の範囲A3,A4になると小さくなり、指標値が「0.200」以上の範囲A4になるとより一層小さくなりほとんど上昇しなくなる。
また、電池抵抗によれば、抵抗値R01〜R13は、指標値が「0.000」から「0.250」までの間(範囲A1〜A4)において、グラフLRのように変化する。つまり、電池抵抗は、指標値が小さければ低く(良く)なり、指標値が大きければ高く(悪く)なる傾向を有している。詳述すると、電池抵抗は、指標値が「0.000」から「0.250」までの範囲A1〜A4では、指標値が大きくなることに応じて、値が略一定の上昇幅で大きくなる傾向を有している。一般に、車両に搭載されるニッケル水素蓄電池は、大電流を流す必要があるためその使用環境にかかわらず、その電池抵抗を低く維持する必要がある。つまり、電池抵抗の値は、小さい方が好ましく、特に車載されるニッケル水素蓄電池としては、エネルギーロスの関係から3.0[mΩ]を超えることは好ましくない。つまり、電池抵抗の値が3.0[mΩ]を超えるようになるおそれが生じる、指標値が「0.200」付近よりも大きい範囲A4となることは好ましくない。
また、高温利用率と電池抵抗との関係によれば、高温利用率の値の上昇幅は指標値が増加することに伴って小さくなる一方、電池抵抗の値の上昇幅は指標値が増加することに伴って略一定の幅で上昇する。このため、指標値が大きくなるにつれて、高温利用率の値は上昇が鈍化する一方、電池抵抗は定常的に上昇することとなる。このことから、指標値が大きくなるにつれて、高温利用率の値が上昇する(高温利用率が良くなる)ことにより得られる電池特性の向上に比べて、電池抵抗の値が増加する(電池抵抗が悪くなる)ことによる電池特性の劣化が相対的に大きくなってしまう。つまり高温利用率と電池抵抗との関係によれば、好適な電池特性を維持することのできる指標値として、高温利用率の値がほとんど上昇しなくなる「0.200」程度以下の範囲A2,A3が好ましい。またより好ましくは、高温利用率の値の増加が小さくなる「0.110」程度以下の範囲A2が好ましい。
これらのことから、好ましい電池特性を維持する指標値の下限は、高温利用率が急激に低下する前、つまり「0.007」程度が好ましい。また、好ましい電池特性を維持する指標値の上限としては、高温利用率がほとんど上昇しなくなる「0.200」程度以下が好ましく、より好ましくは、高温利用率の値の増加が少なくなる「0.110」が好ましい。つまり、図1に示すように、ニッケル水素蓄電池に優れた高温容量と低い電池抵抗との2つの電池特性を両立させる、つまり好ましい電池特性を維持させる電解液は、指標値が「0.007」から「0.200」までの範囲A2,A3であることが好ましい。また、上述の好ましい電池特性を維持する電解液は、指標値が「0.007」から「0.110」までの範囲A2であることがより好ましい。
よって、優れた高温容量と低い電池抵抗との2つの特性が両立する電池特性を得られる電解液は、式(2)に示すように、指標値が「0.007」以上、かつ、「0.200」以下の範囲A2,A3であることが好ましいことが明らかになった。また、より好ましい電池特性を得られる電解液は、式(3)に示すように、指標値が「0.007」以上、かつ、「0.110」以下の範囲A2であることが好ましいことが明らかになった。
ところで、上述したように、従来から、電解液への添加物を変更することにより、電解液の特性、つまり、ニッケル水素蓄電池の特性を変化させることができることは知られている。しかしながら、近年、ハイブリッド自動車の利用環境が様々な環境に拡大していくにつれて、酷暑地域における高温環境下での使用においても性能が良好に維持されるニッケル水素蓄電池を得ることに好適な電解液の構成については明らかではなかった。また、車両に搭載されるニッケル水素蓄電池は、大電流を流す必要があるためその使用環境にかかわらず、その電池抵抗の値を小さく維持する必要がある。また、一般に、電解液に、タングステン元素やナトリウム元素を添加することで、高温容量が増加する(良くなる)一方、電池抵抗が高くなる(悪化する)。他方、電解液に、カリウム元素を添加することで、電池抵抗が低くなる(良くなる)一方、高温容量が減少する(悪化する)。そのため、タングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素の添加量に関する規定が存在しない状況においては、これら添加物を良好な電池性能が維持されるように電解液に添加することは困難であった。
しかしながら、本実施形態では、タングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素の添加量に関する評価式(1)と、その評価式(1)より算出される指標値の適切な範囲を規定した。
そして本実施形態の作用として、酷暑地域での高温環境下での使用においても良好な電池特性、具体的には、高温での優れた電池容量が維持されるとともに、使用時のエネルギーロスが低く押さえられる低い電池抵抗が維持されるニッケル水素蓄電池を得るための電解液が得られるようになる。
以上説明したように、本実施形態のニッケル水素蓄電池によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)ニッケル水素蓄電池では、電解液中のカリウム元素は、電池抵抗を低下させるものの高温容量を悪化させ、同電解液中のタングステン元素やナトリウム元素は、高温容量を良好に維持するものの電池抵抗を上昇させる。しかし、この実施形態によれば、ニッケル水素蓄電池として、優れた高温容量の維持と低い電池抵抗との2つの特性が両立する蓄電池が得られる。これにより、拡大される使用環境、特に酷暑地域の高温環境下などにおいても良好な性能の維持されるニッケル水素蓄電池が提供されるようになる。
(2)電解液中のタングステン元素の含有重量%を適切な割合にすることで、充放電における副反応である水の電気分解が良好に抑制されるようになるとともに、過剰な添加が生じさせる電池抵抗が高くなることを抑えることもできるようになる。
(3)指標値の範囲を絞り込むことで、高温容量と電池抵抗との2つの特性がより良好に両立するニッケル水素蓄電池が得られるようになる。つまり、ニッケル水素蓄電池の特性として、より優れた高温容量が維持されるとともに、より低い電池抵抗が維持されるようになる。
(4)使用環境が様々であり、酷暑地域の高温環境下などの厳しい条件下で使用されるおそれのある車両に搭載された蓄電池においても、その性能が好適に維持されるようになる。
(その他の実施形態)
なお上記実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・上記実施形態の重量%は、質量%であってもよい。
・上記実施形態では、収容容器が樹脂製である場合について例示したが、これに限らず、収容容器は、電槽として利用できるのであれば、金属製など樹脂以外の材料から製作されたものでもよい。これにより、ニッケル水素蓄電池の設計自由度の拡大が図られるようになる。
・上記実施形態では、電極群は負極板13枚と正極板12枚とをセパレータを介して積層する場合について例示した。しかしこれに限らず、電極群が適切に構成されるのであれば、負極板は13枚より少なくてもよいし、13枚より多くてもよい。また、正極板は12枚より少なくてもよいし、12枚より多くてもよい。これにより、ニッケル水素蓄電池の適用範囲の拡大が図られるようになる。
・上記実施形態では、負極板は、パンチングメタルなどの金属多孔体からなる基板に水素吸蔵合金粉末を塗布して製作される場合について例示した。しかしこれに限らず、負極板として機能するのであれば、負極板はどのように製作されたものでもよい。これにより、ニッケル水素蓄電池の設計自由度の拡大が図られるようになる。
・上記実施形態では、正極板は、発泡ニッケル基板などの金属多孔体からなる基板に水酸化ニッケル粒子を含む活物質を充填して製作される場合について例示した。しかしこれに限らず、正極板として機能するのであれば、正極板はどのように製作されたものでもよい。例えば、焼結基板などの金属多孔体からなる基板に化学反応を用いて活物質を充填して製作されてもよい。これにより、ニッケル水素蓄電池の設計自由度の拡大が図られるようになる。
・上記実施形態では、セパレータが耐アルカリ性樹脂の不織布である場合について例示した。しかしこれに限らず、セパレータは、ニッケル水素蓄電池に対応する素材から形成されていればよい。これにより、ニッケル水素蓄電池の設計自由度の拡大が図られるようになる。
・上記実施形態では、ニッケル水素蓄電池は電気自動車やハイブリッド自動車の電源として用いられる場合について例示した。しかしニッケル水素蓄電池は、電源が必要なものであれば、自動車以外の電源として用いてもよい。例えば、自動車以外の電源としては、鉄道、船舶、航空機やロボットなどの移動体や、情報処理装置などの電気製品の電源などが挙げられる。これにより、ニッケル水素蓄電池の適用範囲の拡大が図られるようになる。
A1〜A4…範囲、LR,LU…グラフ、R01〜R13…抵抗値(電池抵抗の値)、U01〜U13…利用率値(高温利用率の値)。

Claims (3)

  1. 水酸化ニッケルを主成分とする活物質を含む正極板と、水素吸蔵合金を含む負極板と、それら正極板と負極板との間に介装されるセパレータとを備える電極群と、電解液とが収納容器に封入されて構成され、車両に搭載されるニッケル水素蓄電池であって、
    前記電解液には、タングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素が含まれており、
    前記電解液に含まれるタングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素のそれぞれの電解液中での重量%の関係が、
    0.007≦(タングステン元素の重量%+ナトリウム元素の重量%)/(カリウム元素の重量%)≦0.20
    であることを特徴とするニッケル水素蓄電池。
  2. 前記タングステン元素の電解液あたりの含有重量%が、0.22重量%以上、かつ、3.40重量%以下である
    請求項1に記載のニッケル水素蓄電池。
  3. 前記タングステン元素、ナトリウム元素及びカリウム元素のそれぞれの電解液中での重量%の関係が、
    0.007≦(タングステン元素の重量%+ナトリウム元素の重量%)/(カリウム元素の重量%)≦0.11
    である請求項1又は2に記載のニッケル水素蓄電池。
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