JP2015030902A - スパッタ装置及びスパッタ方法 - Google Patents

スパッタ装置及びスパッタ方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015030902A
JP2015030902A JP2013162931A JP2013162931A JP2015030902A JP 2015030902 A JP2015030902 A JP 2015030902A JP 2013162931 A JP2013162931 A JP 2013162931A JP 2013162931 A JP2013162931 A JP 2013162931A JP 2015030902 A JP2015030902 A JP 2015030902A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
substrate stage
stepped portion
target
sputtering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013162931A
Other languages
English (en)
Inventor
慶治 別府
Keiji Beppu
慶治 別府
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2013162931A priority Critical patent/JP2015030902A/ja
Publication of JP2015030902A publication Critical patent/JP2015030902A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】膜厚の面内均一性及び段差部の被覆性の双方が良好なスパッタ装置及びスパッタ方法を提供する。
【解決手段】スパッタ室と、スパッタ室に設けられたターゲットと、スパッタ室内に設けられた円板状の基板ステージであって、その中心軸の周りで回転可能な基板ステージと、基板ステージの上に設けられた基板設置部であって、その中心軸の周りで回転可能な基板設置部と、ターゲットと基板ステージとの間に配置されたコリメータと、を含み、基板ステージと基板設置部とをそれぞれ回転させながら、基板設置部の上に設けた段差部を有する基板上に、ターゲットから弾き出されたターゲット粒子を、コリメータを介して付着させるスパッタ装置であって、基板ステージの回転数nは、V/(A・r)=2πnの関係が成り立つように決定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタ装置及びスパッタ方法に関し、特に膜厚面内均一性及び段差部被覆性の良好なスパッタ装置及びスパッタ方法に関する。
MOSFETやIGBT等の製造プロセスにおいて、Ar等の不活性ガスを高エネルギーにした粒子をターゲットに衝突させ、これにより弾き出されたターゲット粒子を被処理基板上に堆積させて薄膜形成を行うスパッタ技術が用いられる。スパッタ技術で重要な点は被処理基板内における膜厚の均一性と段差部の被覆性である。通常のスパッタ装置では、被処理基板を保持する基板ホルダはスパッタ装置に固定されているため、被処理基板内における成膜速度は基板中央で速く、基板端部で遅くなり、膜厚が不均一になるという問題があった。
これに対して、被処理基板を載置した複数の基板ホルダをそれぞれ自転させると共に、基板ホルダを搭載した基板ステージを公転軸を中心に回転させて薄膜を形成し、被処理基板内における膜厚の均一性を向上させたスパッタ装置が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−59546号公報
しかしながら、上述のスパッタ装置では、ターゲット粒子が弾き出される方向は球状分布となるため、被処理基板上に段差部が形成されている場合は、段差部にオーバーハングが生じ、段差部被覆性が不十分であるという問題があった。
そこで、本発明は、膜厚の面内均一性及び段差部の被覆性の双方が良好なスパッタ装置及びスパッタ方法の提供を目的とする。
発明者らは鋭意研究の結果、被処理基板の段差部のアスペクト比に応じて段差部の基板方向における移動速度を設定することにより、被処理基板の膜厚の均一性及び段差部の被覆性の双方を向上できることを見出して本発明を完成した。
即ち、本発明は、
スパッタ室と、
該スパッタ室に設けられたターゲットと、
該スパッタ室内に設けられた円板状の基板ステージであって、その中心軸の周りで回転可能な該基板ステージと、
該基板ステージの上に設けられた基板設置部であって、その中心軸の周りで回転可能な該基板設置部と、
該ターゲットと該基板ステージとの間に配置されたコリメータと、を含み、
該基板ステージと該基板設置部とをそれぞれ回転させながら、該基板設置部の上に設けた段差部を有する基板上に、該ターゲットから弾き出されたターゲット粒子を、該コリメータを介して付着させるスパッタ装置であって、
該基板ステージの回転数nは、
V/(A・r)=2πn
ただし、V:ターゲット粒子の速度
A:段差部のアスペクト比(段差部の深さd/段差部の幅w)
r:基板ステージの中心軸から基板設置部の中心軸までの距離
の関係が成り立つように決定されることを特徴とするスパッタ装置である。
また、本発明は、スパッタ室内に設けられた円板状の基板ステージを、該基板ステージの中心軸の周りで回転させる工程と、
該基板ステージの上に設けられた基板設置部を、該基板設置部の中心軸の周りで回転させる工程と、
該基板設置部の上に設けた段差部を有する基板上に、ターゲットから弾き出されたターゲット粒子を付着させる工程と、を含み、
該基板ステージの回転数nは、
V/(A・r)=2πn
ただし、V:ターゲット粒子の速度
A:段差部のアスペクト比(段差部の深さd/段差部の幅w)
r:基板ステージの中心軸から基板設置部の中心軸までの距離
で決定させることを特徴とするスパッタ方法でもある。
以上のように、本発明によれば、段差部を有する被処理基板において、膜厚の均一性及び段差部の被覆性の双方が良好な薄膜の形成が可能となる。
本発明の実施の形態1にかかるスパッタ装置の断面図である。 本発明の実施の形態1にかかるスパッタ装置の基板ステージの上面図である。 従来技術により形成した薄膜の、段差部における拡大断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる、ターゲット粒子の入射過程を示すための段差部の拡大断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる方法で形成した薄膜の、段差部における拡大断面図である。 本発明の実施の形態2にかかるスパッタ装置の断面図である。 本発明の実施の形態2にかかるスパッタ装置の基板ステージの上面図である。 従来技術により形成した薄膜の、段差部における拡大断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる、ターゲット粒子の入射過程を示すための段差部における拡大断面図である。 本発明の実施の形態3にかかるスパッタ装置の断面図である。 本発明の実施の形態3にかかるスパッタ装置の基板ステージの上面図である。 従来技術により形成した薄膜の、段差部の拡大断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる、ターゲット粒子の入射過程を示すための段差部の拡大断面図である。 本発明の実施の形態4にかかるスパッタ装置の基板ステージの上面図である。
実施の形態1.
図1は、全体が1で表される、本発明の実施の形態1にかかるスパッタ装置の断面図である。スパッタ装置1は、スパッタ室4を有する。スパッタ室4には、Ar等のスパッタガスを導入するためのガス導入口2と、真空ポンプ(図示せず)に接続された排気口3が設けられている。スパッタ室4の中には、ターゲット支持部6と基板ステージ9とが略平行に設けられている。ターゲット支持部6にはターゲット5が取り付けられる。ターゲット5は、形成する膜に応じてAl、Pt等から選択される。一方、基板ステージ9には、複数の被処理基板設置部8が設けられている。また、ターゲット支持部6と基板ステージ9との間には、ターゲット5から弾き出されたターゲット粒子が直進するようにコリメータ7が設けられている。
図2は、スパッタ装置1の基板ステージ9の上面図である。基板ステージ9は円板状であり、スパッタ室4の底部に設置されている。基板ステージ9は、基板ステージ9に垂直な中心軸の周りで回転可能であり、この回転は「公転」と呼ばれる。基板ステージ9の上には、複数の被処理基板設置部8が設置されている。図2では、4つの被処理基板設置部8が、基板ステージ9の中心軸に対して等価な位置に設けられている。被処理基板設置部8もまた円板状であり、基板ステージ9に垂直な中心軸の周りで回転可能であり、この回転は「自転」と呼ばれる。基板ステージ9には空洞部が設けられており、被処理基板設置部8の回転軸は、空洞部の中を、基板ステージ9の半径方向に移動できるようになっている。被処理基板設置部8の上には、処理される基板10が設置される。
スパッタ装置1でスパッタを行う場合、被処理基板設置部8を時計回りに自転させ、同様に基板ステージ9を時計回りに公転させる。この状態で、ガス導入口2からAr等の不活性ガスを導入し、ターゲット支持部6と基板ステージ9との間に高周波電圧を印加して、スパッタ室4内でプラズマ放電を生じさせる。これにより、スパッタ室4内に高エネルギーの正イオンが発生する。
発生した正イオンは、接地されたターゲット5に引き寄せられてターゲット5に衝突し、ターゲット5からターゲット粒子を弾き出す。ターゲットから弾き出されるターゲット粒子は球状分布となるが、ターゲット5と基板ステージ9との間にコリメータ7を設置することにより、コリメータ7を通過したターゲット粒子のみが基板10に到達する。これにより、コリメータ7を通過した直進性の高いターゲット粒子のみが基板10に到達してこれに付着し、基板10の上にAl等の薄膜が形成される。
ここで、MOSFETやIGBT等の製造プロセスにおいては、トレンチのような段差部を有する基板上にスパッタ膜を形成することが必要となる。上述のように、ターゲット5から弾き出されたターゲット粒子は球状に分布するため、基板上に段差部が形成されている場合は、段差部にオーバーハングが生じ、段差部の被覆が不十分となる。
これに対して、ターゲット5と基板10との間にコリメータ7を設置し、ターゲット粒子の直進性を高めることで、段差部被覆性を向上させることができる。また、基板ステージ9を回転(公転)させることで、膜厚の均一性も向上できる。
しかしながら、基板10の公転回転数が小さいと、段差部の底部中央の膜厚が段差部側壁の膜厚に比較して厚くなるため、段差部の内部にボイドと呼ばれる空隙が形成される。段差部にボイドが形成されると、配線不良により抵抗が増大したり、デバイスの電気特性が変動する等の問題が生じる。また、基板の公転回転数が小さい場合には、膜厚の均一性も得られない。
一方で、基板10の公転回転数が大きい場合でも、ターゲット5から弾き出されたターゲット粒子が基板10の上に形成された段差部底部に到達するよりも先に段差部側壁へ付着するためにオーバーハングが生じ、段差部の被覆性が不十分となる。
そこで、本発明では、段差部のアスペクト比に応じて、段差部の基板方向における移動速度を設定することにより、膜厚の均一性と段差部の被覆性を向上させる。
以下において、表面にアスペクト比が2の段差部が形成された5インチのSiウェハを基板に使用して、この上にスパッタでAl薄膜を形成する場合について説明する。
一般に、基板ステージ9を公転させることによりスパッタ膜の膜厚均一性は向上する。一方、被処理基板設置部9を自転させることによって、基板ステージ9の公転方向に対する段差部の方向を変化させることができる。しかし、上述のように、基板ステージ9の公転回転数の調整のみでは、段差部の被覆性が十分とはならない。
即ち、基板10の公転回転数が小さいと図3(a)に示すようにAl膜の段差部の底部中央の膜厚が段差部側壁の膜厚に比較して厚くなる。このため、段差部底部の端部においてボイドが形成される。一方、基板10の公転回転数が大きい場合は、ターゲット5から弾き出されたターゲット粒子が段差部底部に到達するよりも先に段差部側壁に付着する。このため、図3(b)に示すようにオーバーハングが生じ、段差部底部中央にボイドが形成される。
図4は、基板10の上に形成された段差部の拡大断面図である。段差部は、幅w、深さdのトレンチからなる。スパッタ膜の膜厚均一性と段差部被覆性を向上させるには、基板10へのターゲット粒子の入射角が重要であり、図4に破線の矢印で示すように、段差部の底部中央と段差部側壁の成膜速度の比が、深さdと幅wの比、いわゆるアスペクト比と同等になるようにターゲット粒子を入射させることが必要である。具体的には、ターゲット粒子の基板10への入射角(基板の方線方向からの傾き)をθ、段差部のアスペクト比をA(=d/w)とした場合、ターゲット粒子の最適入射角θは以下の式(1)を満たす。
θ=tan−1(1/A) (1)
ここで、V:ターゲット粒子の粒子速度
基板に形成された段差部において、式(1)を満たす基板ステージ9の公転回転数nは、角速度と回転数の関係式(ω=2πn)及び回転速度と角速度の関係式(v=rω)より、v=V/Aであるから、
V/(A・r)=2πn[rps] (2)
ここで、r:基板の公転半径
となる。ターゲット粒子は、スパッタ室内に導入したAr等の不活性ガスと衝突を繰り返し、基板到達時のターゲット粒子の速度はマクスウェル分布に従う。即ち、ターゲット粒子がAlの場合の粒子速度は350m/s〜500m/s(±18%)に最確値を持つ。
式(2)にこのターゲット粒子速度と、アスペクト比A=2を代入すると、公転半径rと公転回転数nの関係は以下の式(3)のようになる。
1672/r≦n≦2389/r[rpm] (3)
従って、本発明の実施の形態1にかかるスパッタ装置1において、面内均一性と段差部被覆性の良好な薄膜を基板上に形成するためには、公転半径をr=0.4[m]とした場合、4180≦n≦5972の範囲の公転回転数n、例えば5900[rpm]で基板ステージを公転させることにより、段差部の底部中央と段差部側壁の成膜速度の比とアスペクト比との違いを±18%以内にすることができる。この結果、例えば、図5の拡大断面図に示すような、被覆性が良好でボイドが発生しない薄膜を段差部に形成することができる。これにより、被処理基板の面内の膜厚均一性および段差部被覆性の良好な薄膜を形成することが可能となる。
なお、被処理基板設置部8の自転及び基板ステージ9の公転を開始するタイミングは、いずれの実施の形態においても任意でよい。また、被処理基板設置部8の自転方向、および基板ステージの公転方向は、いずれの実施の形態においても、時計回り、反時計回り、両者の組み合わせのいずれでも良い。
公転回転数は、いずれの実施の形態においても、公転半径を大きくするなどにより、更に低い回転数としても良い。
本発明に用いるターゲット5の材料は、いずれの実施の形態においても、Pt、Ti、Au、Cr、Ni、Cu、Al、W等を用いても良い。また、基板ステージ9に設置する被処理基板設置部8の個数も任意に定めても良い。
本発明に用いる被処理基板の材質や形状に関しても、本発明の実施の形態1で使用したものに限らない。また、スパッタの方式も、マグネトロンスパッタ方式や不活性ガスに混合ガスを用いる反応性スパッタ方式等を採用しても良い。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2にかかるスパッタ装置の断面図であり、図7は、基板ステージの上面図である。図6、7中、図1、2と同一符号は、同一または相当箇所を示す。本発明の実施の形態2にかかるスパッタ装置1では、基板ステージ9に5つの被処理基板設置部8が、基板ステージ9の中心軸に対して等価な位置に配置されている。
本発明の実施の形態2では、被処理基板10として表面にアスペクト比3の段差部が形成された6インチのSiウェハを使用し、これにPt薄膜を形成する場合について説明する。実施の形態1と同様に、基板ステージ9を公転させることにより膜厚均一性は向上し、被処理基板設置部8を自転させることにより、基板ステージの公転方向に対する段差部の方向を変化させることができる。しかし、基板10の公転回転数が小さいと図8(a)のようにPt膜の段差部の底部中央の膜厚が段差部側壁の膜厚に対して厚くなり、段差部底部の端部においてボイドが形成される。また、基板10の公転回転数が大きい場合、図8(b)のようにオーバーハングが生じ、段差部底部中央にボイドが形成される。
図9の段差部の拡大断面図に示すように、段差部の深さをd、幅をwとすると、スペクト比A=d/wとなり、ここではA=3となる。
本実施の形態2においても、上述の式(1)、(2)が成立する。本実施の形態2ではターゲット粒子がPtであるので、粒子速度は100m/s〜200m/s(±33%)に最確値を持つ。式(2)にこのターゲット粒子速度と、段差部のアスペクト比A=3を代入すると、公転半径rに対する公転回転数nの関係式は以下の式(4)のようになる。
318/r≦n≦637/r[rpm] (4)
従って、本発明の実施の形態2にかかるスパッタ装置1において、面内均一性と段差部被覆性の良好な薄膜を基板上に形成するためには、公転半径をr=0.4[m]とした場合、795≦n≦1592、例えば1000rpmで基板ステージを公転させることにより、段差部の底部中央と段差部側壁の成膜速度の比とアスペクト比とを、±33%以内にすることができる。これにより、被処理基板の面内の膜厚均一性および段差部被覆性の良好な薄膜を形成することが可能となる。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3にかかるスパッタ装置の断面図であり、図11は、基板ステージの上面図である。図10、11中、図1、2と同一符号は、同一または相当箇所を示す。本発明の実施の形態3にかかるスパッタ装置1では、基板ステージ9に6つの被処理基板設置部8が、基板ステージ9の中心軸に対して等価な位置に配置されている。
本発明の実施の形態3では、被処理基板10として表面にアスペクト比4の段差部が形成された4インチのSiウェハを使用し、これにCu薄膜を形成する場合について説明する。実施の形態1と同様に、基板ステージ9を公転させることにより膜厚均一性は向上し、被処理基板設置部8を自転させることにより、基板ステージの公転方向に対する段差部の方向を変化させることができる。しかし、基板ステージ9の公転回転数が小さいと図12(a)のようにCu膜の段差部の底部中央の膜厚が段差部側壁の膜厚に比較して厚くなり、段差部底部の端部においてボイドが形成される。また、基板10の公転回転数が大きい場合、図12(b)のようにオーバーハングが生じ、段差部底部中央にボイドが形成される。
図13の段差部の拡大断面図に示すように、段差部の幅をw、深さをdとすると、段差部のアスペクト比A=d/wとなり、ここではA=4となる。
本発明の実施の形態3においても、上述の式(1)、(2)が成立する。本発明の実施の形態3ではターゲット粒子がCuであるので、粒子速度は200m/s〜350m/s(±27%)に最確値を持つ。式(2)にこのターゲット粒子速度と、段差部のアスペクト比A=4を代入すると、公転半径rに対する公転回転数nの関係式は以下の式(5)のようになる。
477/r≦n≦835/r[rpm] (5)
従って、本発明の実施の形態3にかかるスパッタ装置1において、面内均一性と段差部被覆性の良好な薄膜を基板上に形成するためには、公転半径をr=1.6[m]とした場合、300≦n≦521rpm、例えば300rpmにて基板ステージを公転させることにより、被処理基板面内の膜厚均一性及び段差部被覆性の良好な薄膜を形成することが可能となる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4では、実施の形態1と同様のスパッタ装置を用いて、表面にアスペクト比2の段差部が形成された5インチのSiウェハからなる基板10の上に、Al膜を形成する。図14は、スパッタ装置1の基板ステージ9の上面図であり、公転可能な機構を有する基板ステージ9は、その上に、所定の公転半径で固定された4つの被処理基板設置部8を有する。
更に、本実施の形態4にかかるスパッタ装置では、被処理基板設置部8が、基板ステージ9の半径方向に、振幅a、周期Tで振動(反復した移動)可能となっている。
実施の形態1と同様に、基板ステージ9を公転させることにより膜厚均一性は向上し、被処理基板設置部8を自転させることにより、基板ステージの公転方向に対する段差部の方向を変化させることができる。しかし、基板ステージ9の公転回転数が小さいと図3(a)のようにAl膜の段差部の底部中央の膜厚が段差部側壁の膜厚に比較して厚くなり、段差部底部の端部においてボイドが形成される。また、基板10の公転回転数が大きい場合、図3(b)のようにオーバーハングが生じ、段差部底部中央にボイドが形成される。
図4の段差部の拡大断面図に示すように、段差部の幅をw、深さをdとすると、段差部のアスペクト比A=d/wとなり、ここではA=2となる。
本発明の実施の形態4においても、上述の式(1)が成立する。ここで、被処理基板設置部8の振幅をa、振動周期をTとした場合、基板10の振動による移動速度v=a/(T/4)より、ターゲット粒子の粒子速度をV、アスペクト比Aの場合の、被処理基板に形成された段差部において上記式(1)を満たす被処理基板設置部の振動による移動速度は、以下の(6)式のようになる。
4a/T=V/A (6)
ターゲット粒子は、スパッタ室内に導入したAr等の不活性ガスと衝突を繰り返し、被処理基板到達時のターゲット粒子の速度はマクスウェル分布に従う。すなわち、ターゲット粒子がAlの場合の粒子速度は350m/s〜500m/sに最確値を持つ。式(6)にターゲット粒子速度と、アスペクト比2を代入すると、振動周期Tと振幅aの関係は以下の式(7)のようになる。
0.016a≦T≦0.023a[s] (7)
従って、スパッタ装置において被処理基板の面内均一性及び段差部被覆性良く薄膜を形成するためには、振幅をa=1[mm]とした場合、0.016≦T≦0.023[ms]、例えば0.02[ms]で被処理基板を強制振動させることにより、段差部の底部中央と段差部側壁の成膜速度の比が、アスペクト比と同等になった薄膜を形成することが可能となる。これにより、任意の公転半径及び公転速度において被処理基板面内の膜厚均一性及び段差部被覆性の良好な薄膜を形成することが可能となる。
なお、被処理基板設置部の強制振動を開始するタイミングは任意でよい。また、強制振動の振幅Tは段差部の幅w以上であれば任意でよい。
1 スパッタ装置、2 ガス導入口、3 排気口、4 スパッタ室、5 ターゲット、6 ターゲット支持部、7 コリメータ、8 被処理基板設置部、9 基板ステージ、10 基板、11 Al膜。

Claims (5)

  1. スパッタ室と、
    該スパッタ室に設けられたターゲットと、
    該スパッタ室内に設けられた円板状の基板ステージであって、その中心軸の周りで回転可能な該基板ステージと、
    該基板ステージの上に設けられた基板設置部であって、その中心軸の周りで回転可能な該基板設置部と、
    該ターゲットと該基板ステージとの間に配置されたコリメータと、を含み、
    該基板ステージと該基板設置部とをそれぞれ回転させながら、該基板設置部の上に設けた段差部を有する基板上に、該ターゲットから弾き出されたターゲット粒子を、該コリメータを介して付着させるスパッタ装置であって、
    該基板ステージの回転数nは、
    V/(A・r)=2πn
    ただし、V:ターゲット粒子の速度
    A:段差部のアスペクト比(段差部の深さd/段差部の幅w)
    r:基板ステージの中心軸から基板設置部の中心軸までの距離
    の関係が成り立つように決定されることを特徴とするスパッタ装置。
  2. 上記基板設置部は、上記基板ステージ上で該基板ステージの半径方向に、振幅a、周期Tで振動し、
    該振幅aおよび該周期Tは、
    4a/T=V/A
    ただし、V:ターゲット粒子の速度
    A:段差部のアスペクト比(段差部の深さd/段差部の幅w)
    の関係が成り立つように決定されることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置。
  3. 上記基板ステージの回転数は、300rpm以上で、5900rpm以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載のスパッタ装置。
  4. スパッタ室内に設けられた円板状の基板ステージを、該基板ステージの中心軸の周りで回転させる工程と、
    該基板ステージの上に設けられた基板設置部を、該基板設置部の中心軸の周りで回転させる工程と、
    該基板設置部の上に設けた段差部を有する基板上に、ターゲットから弾き出されたターゲット粒子を付着させる工程と、を含み、
    該基板ステージの回転数nは、
    V/(A・r)=2πn
    ただし、V:ターゲット粒子の速度
    A:段差部のアスペクト比(段差部の深さd/段差部の幅w)
    r:基板ステージの中心軸から基板設置部の中心軸までの距離
    で決定させることを特徴とするスパッタ方法。
  5. 上記基板設置部を、上記基板ステージ上で該基板ステージの半径方向に、
    4a/T=V/A
    ただし、V:ターゲット粒子の速度
    A:段差部のアスペクト比(段差部の深さd/段差部の幅w)
    で決定される振幅aおよび周期Tで振動させることを特徴とする請求項4に記載のスパッタ方法。
JP2013162931A 2013-08-06 2013-08-06 スパッタ装置及びスパッタ方法 Pending JP2015030902A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013162931A JP2015030902A (ja) 2013-08-06 2013-08-06 スパッタ装置及びスパッタ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013162931A JP2015030902A (ja) 2013-08-06 2013-08-06 スパッタ装置及びスパッタ方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015030902A true JP2015030902A (ja) 2015-02-16

Family

ID=52516488

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013162931A Pending JP2015030902A (ja) 2013-08-06 2013-08-06 スパッタ装置及びスパッタ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015030902A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110819959A (zh) * 2019-12-02 2020-02-21 深圳市晶相技术有限公司 一种物理气相沉积设备

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110819959A (zh) * 2019-12-02 2020-02-21 深圳市晶相技术有限公司 一种物理气相沉积设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI839710B (zh) 用於pvd濺射腔室的可偏壓通量優化器/準直器
TWI703236B (zh) 用於共同濺射多個靶材之方法和設備
JP6963551B2 (ja) 真空処理装置及び基板を処理するための方法
JP6209286B2 (ja) 成膜装置及び成膜ワーク製造方法
JP5166531B2 (ja) 磁場発生装置及びプラズマ処理装置
JP6073383B2 (ja) スパッタ堆積用の小型の回転可能なスパッタデバイス
JPH10147864A (ja) 薄膜形成方法及びスパッタ装置
WO2019049472A1 (ja) スパッタリング装置
JPH06136532A (ja) 物質イオンをターゲットに一様にスパッタリングする方法およびマグネトロンスパッタリング装置
JP2005187830A (ja) スパッタ装置
JP6425431B2 (ja) スパッタリング方法
JP2008214709A (ja) マグネトロンスパッタ装置
JP6456010B1 (ja) スパッタリング装置
JP2015030902A (ja) スパッタ装置及びスパッタ方法
JP7092891B2 (ja) スパッタリング装置及びスパッタリング方法
JP5002532B2 (ja) スパッタリング方法及びスパッタリング装置
JP7128024B2 (ja) スパッタリング装置及びコリメータ
JPH11340165A (ja) スパッタリング装置及びマグネトロンユニット
JP4855360B2 (ja) 成膜装置及び成膜方法
KR20070074020A (ko) 스퍼터링 증착 장치 및 스퍼터링 증착 방법
JPH07316808A (ja) スパッタリング装置
JP5836485B2 (ja) スパッタリング装置およびスパッタリング方法
TW202202645A (zh) 用於物理氣相沉積(pvd)的多半徑磁控管及其使用方法
JP5069255B2 (ja) スパッタリング装置及びスパッタリング方法
JP2011089146A (ja) スパッタリング装置およびスパッタリング方法