JP2015029953A - 塗膜形成装置 - Google Patents

塗膜形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015029953A
JP2015029953A JP2013160977A JP2013160977A JP2015029953A JP 2015029953 A JP2015029953 A JP 2015029953A JP 2013160977 A JP2013160977 A JP 2013160977A JP 2013160977 A JP2013160977 A JP 2013160977A JP 2015029953 A JP2015029953 A JP 2015029953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer peripheral
peripheral surface
paint
leveling member
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013160977A
Other languages
English (en)
Inventor
周併 大神
Shuhei Ogami
周併 大神
利夫 藤原
Toshio Fujiwara
利夫 藤原
吉岡 高広
Takahiro Yoshioka
高広 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gunze Ltd filed Critical Gunze Ltd
Priority to JP2013160977A priority Critical patent/JP2015029953A/ja
Publication of JP2015029953A publication Critical patent/JP2015029953A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

【課題】可能な限り塗料を無駄にすることなく、かつ、従来よりも外観不良を抑制することができる塗膜形成装置を提供すること。
【解決手段】無端ベルト形状をした被塗布物であるベルト基体12がその周方向に循環走行するように回転させる回転駆動ユニット14と、循環走行するベルト基体12の外周面に塗料を塗布する塗布ユニット16と、ベルト基体12の周方向と直交する横断方向に沿って設けられた均し部材58と、均し部材58を前記外周面に対し、相対的に近接する向きと離間する向きとに移動させる移動手段である昇降装置60とを備える塗膜形成装置10において、均し部材58として、ベルト基体12の外周面に対向する部分の縦断面が、前記外周面に向かって突出する凸部である山部と前記外周面に対して後退する凹部である谷部とが前記横断方向に連続する台形ねじ58を用いた。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗膜形成装置に関し、特に、無端ベルト形状または円筒形状をした被塗装物に塗膜を形成するための塗膜形成装置に関する。
例えば、電子写真方式で画像を形成する複写機やプリンタなどの画像形成装置においては、感光体ドラム上に形成されたトナー像を、一旦、中間転写ベルトに転写した後、記録シートに再転写して所望の画像を得る中間転写方式を採用したものがある。前記中間転写ベルトは、例えば、無端ベルト形状をした合成樹脂製のベルト基体の外周面に、溶剤で溶かしたシリコーンゴムなどの塗料を塗布して塗膜を形成した後、これを熱乾燥して硬化させることにより作製される。
前記ベルト基体には、いわゆるダイ塗布方式によって前記塗料が塗布される。すなわち、駆動ローラと従動ローラとからなる一対のローラでベルト基体を張架し、駆動ローラを回転させて、ベルト基体を周方向に循環走行させ、ベルト基体が略一周する間、その外周面に対し、ダイのスロットからベルト幅方向所定の長さに渡り、塗料を連続的かつ均一に吐出することによりなされる。
この場合に、前記周方向における塗膜の形成開始端部と形成終了端部との間で間隙ができてベルト基体外周面に塗料が塗布されない領域が生じるのを防止するため、前記形成開始端部部分に対し、前記形成終了端部部分が塗り重ねられる。この重ねられた領域(以下、「重なり領域」と言う。)は、その他の部分に対し厚みが厚くなるため、これを均して、前記その他の部分と同等の厚みにする必要がある。
前記重なり領域を均すのに、特許文献1に記載された塗膜形成装置を用いることができる。当該塗膜形成装置は、塗料をベルト基体に塗布するためのダイに加え、前記ベルト幅方向と平行に設けられた、細長い方形をしたブレードを有している。また、前記ブレードが、前記ベルト基体外周面に対し進退できるように構成されている。
このような塗膜形成装置によれば、ベルト基体に塗膜が形成された後、前記ブレードの一方の長辺部分の端部を塗布された塗料に進入させて前記ベルト基体を走行させることにより、前記重なり領域を均すことができる。
特許第4155800号公報 特開2011−101875号公報
しかしながら、特許文献1に記載の上記塗膜形成装置では、重なり領域を均す際に、前記ブレードで塞き止められた塗料がブレードの長手方向両端部へと流動して、塗膜の幅を超えてはみ出してしまう場合があり、当該はみ出した塗料が無駄になってしまう。
また、種々の事情から、前記塗料に高粘度のもの(例えば、粘度が10000[cP]以上のもの)が用いられることがある。この場合、塗料の均しが終了し、ブレードが後退されて引き上げられる際、塗膜を形成している塗料がブレードによって膜状に引っ張られてしまうことがある。膜状に引っ張られた塗料は、途中で切れて、その一部が塗膜に戻って当該塗膜に痕が付き外観不良を生じる場合がある。
なお、上記した問題は、転写ベルトの作製のためにベルト基体に塗料を塗布する場合のみならず、定着ベルトなど、無端ベルト形状をした被塗布物の外周面に塗料を塗布する工程を経て作製される場合一般に共通する。
また、ベルト基体に塗膜を形成する場合のみならず、定着ローラ等の作製の際に、円筒形状をした被塗布物(円筒基体)に塗料を塗布して塗膜を形成する場合にも共通するものである。
本発明は、上記した課題に鑑み、可能な限り塗料を無駄にすることなく、かつ、従来よりも外観不良を抑制することができる塗膜形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を達成するため、本発明に係る塗膜形成装置は、無端ベルト形状または円筒形状をした被塗布物の外周面に塗料を塗布して塗膜を形成する塗膜形成装置であって、前記被塗布物がその周方向に循環走行するように回転させる回転手段と、前記回転手段により循環走行する前記被塗布物の外周面に対し、周方向と直交する横断方向に渡って塗料を吐出し、吐出位置を通過する前記外周面に塗料を塗布する塗布手段と、前記被塗布物の前記外周面に対し前記横断方向に沿って設けられた均し部材と、前記均し部材を前記被塗布物の前記外周面に対し、相対的に近接する向きと離間する向きとに移動させる移動手段と、を備え、前記均し部材の、前記被塗布物の前記外周面に対向する部分の縦断面が、前記外周面に向かって突出する凸部と前記外周面に対して後退する凹部とが、前記横断方向に連続する凹凸形状に形成されていることを特徴とする。
また、前記移動手段によって前記均し部材が近接されて、前記塗布手段によって前記外周面に塗布された塗料が均されている間、前記凸部の頂部と前記被塗布物の外周面との間隔が一定に保持されることを特徴とする。
さらに、前記均し部材の前記凸部の各々が前記外周面に塗布された塗料に進入すると共に、前記凹部各々の底部が前記塗料と非接触の状態で、当該塗料が均されることを特徴とする。
また、前記均し部材は、前記凸部が山部、前記凹部が谷部である雄ねじであって、その軸心が前記横断方向と平行に設けられていることを特徴とする。
あるいは、前記均し部材は、円柱体または円筒体の周方向に設けられた溝が、軸心方向に複数条形成されてなるものであり、前記溝で前記凹部が構成され、隣接する前記溝の間で前記凸部が構成されていることを特徴とする。
また、前記移動手段によって前記均し部材が近接されて当該均し部材の前記凸部の各々が前記外周面に塗布された塗料に進入する速度が、前記均し部材が離間されて前記凸部の各々が前記塗料から引き上げられる速度よりも速いことを特徴とする。
上記の構成からなる塗膜形成装置によれば、前記回転手段によって回転される前記被塗布物の前記外周面に、前記移動手段によって前記均し部材が近接され、前記塗布手段によって前記外周面に塗布された塗料に前記凸部の各々が進入されると、当該塗料は当該各凸部によって均される。この際、凸部の各々で塞き止められる塗料の一部は、前記横断方向と流動するが、当該流動する塗料は、両側に隣接する凹部によって、後方(均し部材に対して相対的に流れる塗料の下流側)へ逃がされることとなる。これにより、従来のように均し部材(ブレード)によって塞き止められた塗料が、塗膜の幅を超えてはみ出してしまうといった事態を防止でき、もって、可能な限り塗料を無駄にすることを抑制することが可能となる。
また、塗料が均された後、前記均し部材が前記外周面から離間されて、前記凸部の各々を前記塗布された塗料から引き上げる際に、塗料は、凸部の各々に引っ張られるものの、凸部故、その態様は、上述した従来のような膜状とはならず、糸状となる。この糸状に引っ張られた塗料が途中で切れて、その一部が被塗布物側に戻ったとしても、戻った直後は、点状としか現れないため、外観上、従来よりも目立たないので、外観不良を抑制することができる。
実施の形態に係る塗膜形成装置の概略構成を示す斜視図である。 上記塗膜形成装置によってベルト基体の外周面に塗料が重ねて塗布された領域およびその近傍の拡大断面図である。 (a)は、上記塗膜形成装置で用いられる均し部材としての台形ねじの一部拡大縦断面図であり、(b)、(c)は、当該台形ねじの山部がベルト外周面に塗布された塗料に進入した状態を示す縦断面図である。 (a)は変形例1に係る均し部材の正面図、(b)は同側面図、(c)は同縦断面の一部拡大図、(d)は変形例2に係る均し部材の縦断面における一部拡大図である。 (a)は変形例3に係る均し部材の正面図を、(b)は同側面図を、(c)は同縦断面の一部拡大図である。 (a)は変形例4に係る均し部材の正面図、(b)は同下面図、(c)は同縦断面の一部拡大図である。 (a)は、変形例5に係る均し部材の正面図、(b)は(a)におけるM・M線断面図、(c)は同縦断面の一部拡大図である。
以下、本発明に係る塗膜形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<全体構成>
図1に示す塗膜形成装置10は、無端ベルト形状をした被塗布物の外周面に塗料を塗布するための装置である。前記被塗布物として、中間転写方式の複写機やプリンタなどに用いられる中間転写ベルトを構成するベルト基体12を例に説明する。ベルト基体12は、合成樹脂、例えば、PI(ポリイミド)からなる。ベルト基体12には、その外周面に弾性層を積層するため、塗料として、例えば、溶剤で溶かされたシリコーンゴムが塗布される。
塗膜形成装置10は、ベルト基体12をその外周面が周方向に循環走行するように回転させる回転手段である回転駆動ユニット14と、循環走行するベルト基体12の外周面(以下、「ベルト外周面」と言う。)に塗料を塗布する塗布手段である塗布ユニット16と、塗布された塗料を均すための均し手段である均しユニット18と、を備える。
<回転駆動ユニット>
回転駆動ユニット14は、駆動ローラ20と従動ローラ22とからなる一対のローラを有している。
駆動ローラ20の一端部から同軸上に延出されたシャフト24が、軸受26によって回転自在に軸支されており、シャフト24が、モータ28によって回転されることにより、駆動ローラ20が矢印Aの向きに回転される。
一方、従動ローラ22の一端部から延出されたシャフト30は、スライダ32に取り付けられた一対の軸受34,36によって回転自在に軸支されている。
スライダ32は、水平に設置された一対のガイドレール38,40によって、矢印Bの方向にスライド自在に案内されている。
スライダ32には、ロッド42が矢印Bの方向に進退するように設けられたエアシリンダ44のロッド42の先端部が固定部材46を介して固定されている。
上記の構成により、エアシリンダ44を作動させてロッド42を進退させることにより、スライダ32が矢印Bの方向にスライドされ、これに伴い、スライダ32に軸受34,36を介して取り付けられた従動ローラ22も矢印Bと平行な方向に移動する。
上記の構成からなる回転駆動ユニット14へのベルト基体12の装着から、循環走行までの手順について説明する。
まず、図1に示す状態から、エアシリンダ44を作動させて、従動ローラ22が二点鎖線で示す位置(以下、従動ローラ22の「ベルトセット位置」と称する。)まで移動するように、ロッド42を後退させる。
従動ローラ22がベルトセット位置にある状態で、ベルト基体12を従動ローラ22と駆動ローラ20との間に掛け渡す。
ベルト基体12が従動ローラ22と駆動ローラ20との間に掛け渡された状態で、エアシリンダ44を作動させて、従動ローラ22がベルトセット位置から、実線で示す位置(以下、従動ローラ22の「ベルト張架位置」と称する。)まで移動するように、ロッド42を突出させる。これにより、ベルト基体12は、駆動ローラ20と従動ローラ22とで張架させることとなり、ベルト基体12の回転駆動ユニット14への装着が完了する。
従動ローラ22がベルト張架位置にある状態で、モータ28を起動することにより、駆駆動ローラ20が矢印Aの向きに回転され、これに伴い、ベルト基体12は、その外周面が矢印Eで示す周方向に循環走行される。なお、このとき、従動ローラ22は、矢印Cの向きに従動回転される。
循環走行されるベルト外周面には、二本の一点鎖線で挟まれた領域(以下、「塗布領域」と称する。)に塗料が塗布ユニット16によって塗布される。
<塗布ユニット>
塗布ユニット16には、いわゆるダイ塗布方式によって塗料を塗布する公知のものが用いられる。
塗布ユニット16は、前記塗料が貯留されているタンク48を有する。
タンク48からは、これに接続されたポンプ50により一定の流量で塗料が送出される。送出される塗料は、可撓性を有するチューブ52を介して、Tダイ54に供給される。
供給された塗料は、Tダイ54内部に形成されたマニホールド(不図示)で、ベルト基体12の周方向と直交する横断方向(ベルト幅方向)に分配され、スロット54Aから連続的に均一に吐出される。
Tダイ54は、不図示の移動機構により矢印Bと平行な方向に移動され、図1に示す位置から駆動ローラ20に接近し、スロット54Aとベルト基体12外周面との間隔が所定のコーティングギャップとなる塗布位置に位置決めされる。
Tダイ54が前記塗布位置に位置決めされた状態で、スロット54Aから前記横断方向に渡って塗料が吐出され、吐出位置を通過するベルト外周面に対して、塗料が塗布される。
この場合に、ベルト外周面に塗料が塗布されない非塗布領域が存在しないようにする必要がある一方で、ベルト外周面の周方向における塗料の塗布開始端と塗料の塗布終了端を正確に一致させるのは、非常に困難である。このため、外周面の周方向における塗料の塗布開始端部部分に対し、塗料の塗布終了端部部分が重なるように塗料が塗布される。
図2は、この重ねて塗料が塗布された部分を、前記ベルト幅方向と直交する平面で、ベルト基体12および塗料56を切断した図である。
矢印Wで示す範囲が、塗料の塗布開始端部部分に塗布終了端部部分が重なった重なり領域である。塗布ユニット16によって、塗料56は、例えば、厚みT1=0.3[mm]で塗布されるため、この重なり領域Wの厚みは、その倍のT2=0.6[mm]となる。また、重なり領域Wの周方向Eにおける長さは、例えば、2〜3[mm]程度である。ここで、塗料が重なって塗布されていない、厚みが一様の領域(すなわち、本例では厚みT1=0.3[mm]の領域)を「非重なり領域S」と称することとする。
重なり領域Wは、均しユニット18によって均される。
<均しユニット>
図1に戻り、均しユニット18は、均し部材としての台形ねじ58と、台形ねじ58を昇降させて台形ねじ58をベルト外周面に対し近接する向きと離間する向きとに移動させる移動手段である昇降装置60とを有する。
台形ねじ58は、ブラケット62,64を介して、昇降装置60におけるスライダ66の構成部材であるL字アングル部材68(以下、単に「アングル部材68」と言う。)に取り付けられている。スライダ66は、鉛直方向に設置された一対のガイドレール70,72によって、矢印Gの方向(上下方向)にスライド自在に案内されている。
スライダ66のアングル部材68には、ロッド74が矢印Gと平行な方向に進退するように設けられた電動シリンダ76のロッド74の先端部が固定部材78を介して固定されている。
上記の構成により、電動シリンダ76を作動させてロッド74を進退させることにより、スライダ66が矢印Gの方向(上下方向)にスライドされ、これに伴い、スライダ66にブラケット62,64を介して取り付けられた台形ねじ58も矢印Gの方向に昇降する。
電動シリンダ76は、ブレーキ機能付きのものが用いられ、スライダ66を任意の位置に停止させることができ、もって、台形ねじ58を上下方向における所望の位置に位置決めすることができる。
台形ねじ58は、図1に示すベルト基体12から離間した待機位置と、ベルト基体12に近接し、ベルト外周面に塗布された塗料にねじ山の一部が進入する均し位置とに位置決めされる。
台形ねじ58の位置決めには、公知の検出器が用いられる。検出器としては、例えば、発光素子と受光素子(いずれも不図示)とが対向して設けられてなる光学センサ77を用いることができる。ブラケット64に遮光片79を取り付け、台形ねじ58が均し位置にある場合に、遮光片79が前記発光素子から前記受光素子へ向かう光を遮る位置に光学センサ77を設置することにより、台形ねじ58が均し位置に在ることを検出することができる。光学センサ77の検出結果に基づいて、不図示のコントローラーにより電動シリンダ76を制御することにより、台形ねじ58を均し位置に位置決めすることができる。
なお、検出器としてはその他の検出器、例えば、リミットスイッチ(不図示)を用いることもできる。このリミットスイッチを、台形ねじ58が均し位置にある場合のブラケット64の下端を検出する位置に設ければ良い。
台形ねじ58は、本例では、30度台形ねじが用いられている。図3(a)に示す、ねじのピッチPは、例えばP=3[mm]に、ねじ山の高さHは、例えばH=1.5[mm]に、リード角は、例えば、3度に設定される。また、ねじの外径は、例えば、20[mm]である。なお、図3(a)〜図3(c)に示す縦断面図において、背景に現れるねじ山の斜面についての図示は省略している。
図3(b)を参照しながら、改めて、台形ねじ58の縦断面における形状を説明すると、台形ねじ58は、ベルト基体12の外周面に対向する部分の縦断面において、ベルト外周面に向かって突出する凸部である山部58Aとベルト外周面に対して後退する凹部である谷部58Bとが、交互に、ベルト基体12の周方向と直交する横断方向(ベルト幅方向)に連続する凹凸形状を有しているものである。
図3(b)は、台形ねじ58の山部58Aが塗料の非重なり領域S(図2)に進入した状態を示しており、この状態で、台形ねじ58の山部58Aの頂部は、厚みT1=0.3[mm]の塗料に、例えば、0.1[mm]進入している。
図3(c)は、台形ねじ58の山部58Aが塗料の重なり領域W(図2)に進入した状態の縦断面図である。この状態で、台形ねじ58の山部58Aの頂部は、厚みT2=0.6[mm]の塗料に、例えば、0.4(=0.1+0.3)[mm]進入している。ねじ山の高さ(谷部58Bの深さ)が1.5[mm]であり、山部58Aの塗料への進入深さが0.4[mm]であるため、当該塗料は、谷部58Bの底部とは非接触状態である。また、当然のことながら、山部58Aが塗料の非重なり領域Sに進入した状態でも、塗料は、谷部58Bの底部とは非接触状態である。
台形ねじ58が均し位置に在って、山部58Aの各々がベルト外周面に塗布された塗料に進入された状態で、ベルト基体12が循環走行されることにより、重なり領域Wの塗料が山部58Aによって均される。この際、山部58Aの各々で塞き止められる重なり領域Wの塗料の一部は、台形ねじ58の長手方向(ベルト幅方向)へと流動するが、当該流動する塗料は、両側に隣接する谷部58Bによって、後方(台形ねじ58に対して相対的に流れる塗料の下流側)へ逃がされることとなる。これにより、従来のように均し部材(ブレード)によって塞き止められた塗料が、塗膜の幅を超えてはみ出してしまうといった事態を防止でき、もって、可能な限り塗料を無駄にすることを抑制することが可能となる。
重なり領域Wの塗料は、ベルト基体12が複数回(例えば、5回)回転される間に徐々に均される。また、非重なり領域Sは、塗布ユニット16によって均一な厚みに塗料が塗布されるものの、何らかの原因で、部分的に厚みが不均一になる場合があるが、そのような部分もベルト基体12が循環走行される間に均されて、平坦化される。
塗料が均されている間、谷部58B底部と塗料表面との間の間隔が十分にとられているため、当該塗料は谷部58Bの底部と非接触状態であり、谷部58Bの底部に付着することはない(すなわち、塗料が山部58Aのみと接触する状態が維持される)。
重なり領域Wの塗料が均されると、台形ねじ58は、均し位置から待機位置へと移動され、山部58Aの各々が塗料から引き上げられる。引き上げられる際に、ベルト外周面に塗布された塗料は、山部58Aの各々に引っ張られるものの、山部58Aは凸部故、その態様は、上述した従来のような膜状とはならず、糸状となる。この糸状に引っ張られた塗料が途中で切れて、その一部がベルト外周面側に戻ったとしても、戻った直後は、点状としか現れないため、外観上、従来よりも目立たないので、外観不良を抑制することができる。
また、上述した従来のように、膜状に引っ張られて途中で切れた塗料が塗膜に戻って付くような痕では無いため、従来と比較して、膜厚精度も向上する。
なお、山部58Aの各々を塗料に進入させる際、および、山部58Aの各々を塗料から引き上げる際は、ベルト基体12は、走行状態であっても停止状態であっても構わない。
また、山部58Aが塗料に進入する速度は、山部58Aが塗料から引き上げられる速度よりも速いことが好ましい。換言すれば、山部58Aが塗料から引き上げられる速度は、山部58Aが塗料に進入する速度よりも遅いことが好ましい。進入速度は、塗膜の外観にあまり影響を及ぼさない一方、引き上げ速度は、遅い方が、上記した糸状に引っ張る量が少なくなるため、外観不良を一層抑制することができるからである。例えば、進入速度は20[mm/sec]とすることができ、引き上げ速度は、1[μm/sec]〜200[μm/sec]の範囲で設定することができる。
また、上記進入速度や上記引き上げ速度は、一定速度に限らず、変化させても構わない。引き上げ速度の場合、例えば、引き上げ開始から引き上げ終了(山部58Aがベルト外周面の塗料から離脱する時)に向けて、徐々に(あるいは、段階的に)速度を遅くするようにしても構わない。進入速度の場合は、例えば、進入開始から進入終了に向けて徐々に(あるいは、段階的に)速度を速くするようにしても構わない。
さらに、ベルト基体12を走行させた状態で、山部58Aを塗料に進入させたり、山部58Aを塗料から引き上げたりする場合のベルト基体12の走行速度を、塗料を均しているときの走行速度と異ならせても構わない。この場合に、進入開始から進入終了の間でベルト基体12の走行速度を変化させても構わないし、引き上げ開始から引き上げ終了の間でベルト基体12の走行速度を変化させても構わない。
なお、塗料を均す際、山部58Aのみが塗料に進入しているため、塗料表面にベルト基体12の周方向に延びる溝が生じ得るが、台形ねじ58が塗料から引き上げられた状態で、ベルト基体12を循環走行させることにより、塗料の自重により、平坦化が進行する。また、前記溝は、次述する乾燥工程において解消が促進される。
台形ねじ58(均し部材)により重なり領域Wが均された塗膜が形成されると、当該塗膜を形成する塗料が乾燥されて(乾燥工程を経て)、当該塗膜が弾性層となる。
この乾燥工程では、例えば、図1に示すように、一対のローラで張架されたベルト基体12が循環走行されながら、加熱乾燥される。加熱されると、塗料の粘度が下がり加熱前よりも若干流動性が高くなる。そうすると、塗料はその自重によって表面が平坦化されるため、均し工程で生じた溝が解消されることとなる。
以上では、均し部材として台形ねじを用いたが、台形ねじに限らず、その他の雄ねじを用いることができる。
また、ねじに限らず、均し部材として、例えば、以下のような形態のものを用いることができる。
(均し部材の変形例)
(1)変形例1
図4(a)〜図4(c)に示すように、変形例1に係る均し部材80は、円柱体の周方向に設けられた凹部である溝80Bが、軸心方向に一定の間隔で複数条形成されてなるものである。隣接する溝80Bの間で凸部80Aが構成されている。
均し部材80は、上記実施の形態における均し部材である台形ねじ58に代えて用いられる。すなわち、台形ねじ58と同様、ベルト外周面に対し、その周方向と直交する横断方向(ベルト幅方向)に沿って設けられ、凸部80Aの各々がベルト外周面に塗布された塗料に凸部80Aの各々が進入されて、当該塗料が均される。
(2)変形例2
図4(d)に示すように、変形例2に係る均し部材82は、変形例1に係る均し部材80とは、均し部材80の凸部80Aの頂部が平坦であるのに対し、凸部82Aの頂部が円弧状に形成されている点が異なる。この点以外は、同様であるので、均し部材82のこれ以上の説明は省略する。
なお、変形例1,2では、円柱体の外周面に溝80B,82Bを形成して均し部材80,82をそれぞれ構成することとしたが、これに限らず、円筒体の外周面に溝を形成して均し部材を構成することとしても構わない。また、溝80B,82Bの底部は平坦であるが、これに限らず、溝の形状は、例えばU字状でも構わないし、任意である。
(3)変形例3
ここまでは、柱体または筒体を基本形態とする均し部材であったが、変形例3に係る均し部材84は、板体を基本形態としている。
図5(a)〜図5(c)に示すように、均し部材84は、細長い方形をした板体の一方の長辺部分に、厚み方向に切り欠かれた切欠部84Bが複数形成されてなるものである。切欠部84Bは、円弧状の断面形状をしている。均し部材84は、切欠部84Bが、長手方向に一定間隔で形成されて、凹部である切欠部84Bの間に凸部である歯84Aが構成された櫛歯ブレードである。
(4)変形例4
変形例4に係る均し部材86も櫛歯ブレードである。図6(a)〜図6(c)に示すように、均し部材86は、細長い方形をした板体86Cの一方の長辺に対応する側面から、凸部となる歯86Aが複数突設されてなるものである。歯86Aの各々は、先端が丸められた(半球状をした)円柱体である。歯86Aが板体86Cの長手方向に列設されており、図6(c)に示す縦断面において、隣接する歯86A間に凹部86Bが形成されている。
(5)変形例5
変形例4の均し部材86は、板体86Cに歯86Aを突設して櫛歯を構成したが、変形例5に係る均し部材88は、図7(a)〜図7(c)に示すように、円柱体88Cの外周面に凸部となる歯88Aを複数個複数列突設して櫛歯を構成している。
均し部材88は、円柱体88Cの外周面において、円柱体88Cの軸心と平行に列設されてなる歯88Aの歯列が、周方向に90度の間隔を置いて4列形成されてなるものであり、各歯列で櫛歯R1,R2,R3,R4が構成されている。歯88Aの各々は、変形例4と同様、先端が丸められた(半球状をした)円柱体である。また、歯88Aの各々は、その一端部が円柱体88Cに開設された穴に圧入されて、円柱体88Cに突設されている。均し部材88においても、図7(c)の縦断面図に示すように、隣接する歯88A間に凹部88Bが形成されている。なお、塗料の均しに一時に用いられる櫛歯は、櫛歯R1,R2,R3,R4の内のいずれか一つである。
均し部材88も上記実施の形態における均し部材である台形ねじ58に代えて用いられる。この場合に、均し部材88によれば、周方向に90度回転させて、塗料の均しに用いる櫛歯を櫛歯R1〜R4の中から順次切り替えることにより、櫛歯を1列しか有しない変形例3(図5)や変形例4(図6)と比較して、均し部材を装置から取り外して清掃する頻度を低減することができる。
なお、櫛歯を構成する歯各々の形状は、歯86A,歯88Aのような円柱体に限らず、例えば、楕円柱体、角柱体(三角柱体、四角柱体、5角以上の多角柱体)など、任意である。
以上、本発明に係る塗膜形成装置を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記の形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下の形態とすることもできる。
(1)上記実施の形態に係る塗膜形成装置は、無端ベルト形状をしたベルト基体が塗料の塗布対象(被塗布物)であったが、本発明は、円筒形状をした被塗布物を塗布対象とする塗膜形成装置にも適用できる。例えば、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着ローラ等の作製の際に、円筒形状をした円筒基体である芯金の外周面に塗料を塗布して塗膜を形成する場合である。
この場合、回転駆動ユニット14(図1)に代えて、前記芯金の一端部または両端部を把持して当該芯金をその軸心回りに回転駆動する駆動装置を設ける。そして、前記芯金が、図1に示す駆動ローラ20の位置に位置するように前記駆動装置を設置し、当該芯金を回転させながら、その外周面に塗料を塗布するようにする。
(2)ベルト基体は、合成樹脂に限らず、金属で形成されたものでも構わない。また、円筒基体は、金属に限らす、合成樹脂で形成されたものでも構わない。
(3)上記実施の形態では、均し部材を昇降させて、均し部材をベルト外周面に近接させたり、ベルト外周面から離間させたりしたが、これに限らず、回転駆動ユニット14全体を昇降させて、ベルト外周面を均し部材に近接させたり、均し部材から離間させたりしても構わない。
(4)均し部材によって塗料が均されている間、当該均し部材をベルト基体の周方向と直交する横断方向(ベルト幅方向)に、往復動させても構わない。往復動のストロークは、例えば、凸部のピッチP(図3(a))程度の長さとする。これにより、前記横断方向において、塗料を均す凸部がくまなく移動することとなる。
(5)上記実施の形態では、均し部材を一つ設ける構成としたが、これに限らず、均し部材をベルト基体の周方向に複数設けても構わない。これにより、均しに要する時間を短縮することができる。
本発明に係る塗膜形成装置は、例えば、電子写真方式の画像形成装置の構成部材として用いられる転写ベルトの製造のため、ベルト基体の外周面に塗膜を形成する装置として好適に利用可能である。
10 塗膜形成装置
12 ベルト基体
14 回転駆動ユニット
16 塗布ユニット
58 台形ねじ(均し部材)
58A 山部(凸部)
58B 谷部(凹部)
60 昇降装置
80,82,84,86,88 均し部材

Claims (6)

  1. 無端ベルト形状または円筒形状をした被塗布物の外周面に塗料を塗布して塗膜を形成する塗膜形成装置であって、
    前記被塗布物がその周方向に循環走行するように回転させる回転手段と、
    前記回転手段により循環走行する前記被塗布物の外周面に対し、周方向と直交する横断方向に渡って塗料を吐出し、吐出位置を通過する前記外周面に塗料を塗布する塗布手段と、
    前記被塗布物の前記外周面に対し前記横断方向に沿って設けられた均し部材と、
    前記均し部材を前記被塗布物の前記外周面に対し、相対的に近接する向きと離間する向きとに移動させる移動手段と、
    を備え、
    前記均し部材の、前記被塗布物の前記外周面に対向する部分の縦断面が、前記外周面に向かって突出する凸部と前記外周面に対して後退する凹部とが、前記横断方向に連続する凹凸形状に形成されていることを特徴とする塗膜形成装置。
  2. 前記移動手段によって前記均し部材が近接されて、前記塗布手段によって前記外周面に塗布された塗料が均されている間、前記凸部の頂部と前記被塗布物の外周面との間隔が一定に保持されることを特徴とする請求項1に記載の塗膜形成装置。
  3. 前記均し部材の前記凸部の各々が前記外周面に塗布された塗料に進入すると共に、前記凹部各々の底部が前記塗料と非接触の状態で、当該塗料が均されることを特徴とする請求項1または2に記載の塗膜形成装置。
  4. 前記均し部材は、前記凸部が山部、前記凹部が谷部である雄ねじであって、その軸心が前記横断方向と平行に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗膜形成装置。
  5. 前記均し部材は、円柱体または円筒体の周方向に設けられた溝が、軸心方向に複数条形成されてなるものであり、前記溝で前記凹部が構成され、隣接する前記溝の間で前記凸部が構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗膜形成装置。
  6. 前記移動手段によって前記均し部材が近接されて当該均し部材の前記凸部の各々が前記外周面に塗布された塗料に進入する速度が、前記均し部材が離間されて前記凸部の各々が前記塗料から引き上げられる速度よりも速いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗膜形成装置。
JP2013160977A 2013-08-02 2013-08-02 塗膜形成装置 Pending JP2015029953A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013160977A JP2015029953A (ja) 2013-08-02 2013-08-02 塗膜形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013160977A JP2015029953A (ja) 2013-08-02 2013-08-02 塗膜形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015029953A true JP2015029953A (ja) 2015-02-16

Family

ID=52515760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013160977A Pending JP2015029953A (ja) 2013-08-02 2013-08-02 塗膜形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015029953A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109201407A (zh) * 2018-10-13 2019-01-15 奥士康科技股份有限公司 一种pe膜黏胶结构

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109201407A (zh) * 2018-10-13 2019-01-15 奥士康科技股份有限公司 一种pe膜黏胶结构
CN109201407B (zh) * 2018-10-13 2024-03-22 奥士康科技股份有限公司 一种pe膜黏胶结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2022120006A (ja) 印刷システムの中間転写部材を通すための装置
CN1255220C (zh) 改善基底上湿涂层均匀性以及涂布移动卷材的方法及设备
US7580666B2 (en) Fixing member, fixing device and image forming apparatus
US7266329B2 (en) Toner image carrying member and manufacturing method thereof, and electrophotographic apparatus
JP2021503391A (ja) デジタル印刷システム
US10273105B2 (en) Mark detection method using printing apparatus and printing apparatus
JP2015029953A (ja) 塗膜形成装置
US6311034B1 (en) Wet type electrophotography apparatus to evenly apply developing solution on a developing roller
JP2005128510A (ja) トナー像担持体およびその製造方法ならびに電子写真装置
JP2812755B2 (ja) 円筒状塗布体の製造方法
US9592684B2 (en) Recording apparatus and recording method
US8635954B2 (en) Ink trap method and an ink trap apparatus
US20190061229A1 (en) Transfer apparatus and transfer method
JP4268809B2 (ja) 塗布装置及びそれを用いる塗布方法
JP2008221085A (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP2005301025A (ja) ベルトの製造方法及びその装置
JP4674430B2 (ja) ウェブの塗布装置および方法
JP2024011018A (ja) 貼付装置、未加硫タイヤ製造装置及び貼付方法
JP2015033654A (ja) 塗布装置
WO2017172400A1 (en) Sculptured drum for groove support in retread finishing
JP2007075724A (ja) 塗布方法及び塗布装置
JPH105675A (ja) 塗膜形成方法
JP2019045765A (ja) 画像形成装置
JP2013226701A (ja) 画像記録装置
JP6867848B2 (ja) 電子写真用ローラの製造方法