JPH105675A - 塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成方法

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JPH105675A
JPH105675A JP16718596A JP16718596A JPH105675A JP H105675 A JPH105675 A JP H105675A JP 16718596 A JP16718596 A JP 16718596A JP 16718596 A JP16718596 A JP 16718596A JP H105675 A JPH105675 A JP H105675A
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coating film
coating
base material
substrate
forming member
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JP16718596A
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Motohisa Aoki
源久 青木
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円筒状または円柱状の基材の加工精度に関係
なく、外径精度及び外表面平滑度を高めることに利用す
ることが出来る、改良された塗膜形成方法を提供する。
特に中央部に帯状の凹凸部が発生しない均一な外表面を
得ることのできる塗膜形成方法を提供する。 【解決手段】 円筒状又は円柱状の基材を水平に支持し
て回転させ、該基材表面に過剰量の塗布液を塗着して塗
着膜を形成した後、塗膜表面形成部材を基材の回転軸に
平行かつ所定距離の位置に近接して塗着膜に接触せしめ
て過剰塗布液を掻き取り塗膜によって得られる基材表面
の寸法精度及び表面粗らさを改良した後、塗布液を硬化
させる塗膜形成方法において、塗着膜を基材中央部を肉
厚とし、その両側に向って薄肉となるように形成する塗
膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗膜形成方法に関
するものであり、詳しくは、外径寸法精度がよく平滑な
基体を得ることができる塗膜形成方法、特に、電子写真
感光体用基体の製造において、基材(例えばアルミ押出
し管)の外径の真直度、真円度、円筒度、表面粗さ等の
外径精度の修正に好適に使用される塗膜形成方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特に電子写真感光体用基体の場合
は、高度の外径精度が要求される。例えば、直径30.
0mmの基体の場合、その円筒度は100μm以下が要
求される。斯かる高い外径精度を有する基材は、例え
ば、一定肉厚のアルミ押出し管を基材とし、引き抜き、
切削、しごき、インパクト等の薄肉化加工を行ってもな
かなか達成されず、また、高い外径精度を得ようとする
程、加工コストが高くなるという問題がある。
【0003】一方、円筒状又は円柱状の基材の表面に塗
膜を形成する方法の1つとして、ノズル又はスリットか
ら塗液を吐出させる方法が知られている。これらの塗布
方法は、基材を水平に支持して回転させつつ、その表面
に塗布液をスパイラル状、リング状又はカーテン状に供
給し、塗布液の流動性によって均一塗膜を形成させるこ
とを目的とする方法である。
【0004】しかしながら、従来のこれらの塗布方法
は、塗布液の流動性に依存して塗膜を形成する方法であ
るため、例えば、基材自体の真直度や真円度が低い場合
は、これらがそのまま塗膜表面に現れるという欠点があ
る。
【0005】これらの問題は、ブレードを用いて基材表
面とのギャップを一定にして樹脂を塗布する方法におい
ても同様に発生する。例えば、特開昭54−38801
号公報には、ブレードと基材表面の間のギャップ部分に
保持された塗液を用いて塗膜を形成する方法が開示され
ているが、ギャップが一定であるので、基材の外径形状
がそのまま塗膜表面に現れる。特に硬化後の塗膜外表面
が形成する円柱や円筒の直径は塗布前の直径に一定のギ
ャップ値の2倍を加えたものとなり、従って基材自体の
真直度や真円度が低い場合は、これらの低い外径精度が
そのまま塗膜表面に現れ、外径精度の修正は行われな
い。
【0006】そこで、本発明者は、先に、円筒や円柱状
基材の回転軸からの距離を一定にし平行に配置した塗膜
表面形成部材を塗着面に接触させることにより、塗布液
硬化後の塗膜表面で形成される外径公差を小さく保ち外
径形状を修正する方法を提供しているが、かかる塗膜表
面形成部材を用いた場合でも、いくつかの問題があり外
径精度を高めることを困難にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】その第1は、塗膜表面
形成部材が塗膜表面から離れるときの跡であり、第2は
該部材表面に付着した塗布液が塗膜表面の形成に影響す
る問題である。これらのうち特に第2の問題に対する対
策として、本発明者は既にブレード状の塗膜表面形成部
材の塗膜接触部をその基部より高い位置にしたり、第1
の問題の対策も含めて回転ブレードを用いる方法等を提
案して来た。
【0008】しかしながら注意深く外径修正操作を観察
すると、円筒や円柱状基材に予め塗着させた塗着膜に凹
凸部があって、凸部から塗膜表面形成部材が接触する
が、接触すると塗膜表面形成部材のその部分の側縁部に
塗布液の付着が生じ、付着した部分は、付着した塗布液
によって基材表面の塗膜表面を掻き取る作用を示し、そ
の結果該部材が実質上大きく作用し、付着膜が生じた部
分の塗膜は大きな部材で掻き取られる結果となって塗膜
表面が凹となり塗膜表面形成部材への塗布液付着部分を
境として基材の塗膜表面に凹凸が生じていることが判明
した。
【0009】しかも基材を回転させながら塗膜表面形成
部材を基材に近接すると、基材の長さ方向に複数の部所
から接触が開始され、時間と共に掻取り巾が拡大して隣
の掻取り部と合流して合体していくが、接触開始部位と
他の部分に差が生じ、特に合流した部位には筋状の不均
一面が生じることが判明した。従って、局部的凸部の発
生を抑制し、影響をなくすことが表面形成後の基材の精
度、表面平滑さを得るために必須事項であることが明ら
かになって来た。
【0010】
【課題を解決するための手段】ほぼ平坦に塗液が塗着し
た基材の塗着膜表面に塗膜表面形成部材を接触すると、
存在する塗膜表面の凹凸に従って表面形成部材の不特定
の場所に液付着が生じ、例えば該部材の2個所に付着部
が生ずると付着部の間の未付着部には掻取工程の最終段
階まで塗布液付着が起らず、このため基材は付着のない
状態で掻き取られることとなって、付着が生じた部位と
の間に不均一が生じ発生した凹凸部分がそのまま残って
しまったりする。これらは基材上の塗着膜が修正操作中
不特定の位置と時間差をもって表面形成部材に接触し、
該部材の実質形状を不特定に変化させてしまうことによ
る。
【0011】そこで種々検討した結果基材の中央部に塗
膜表面形成部材と塗着膜の接触開始点を生じせしめ、そ
こから表面形成部材との接触が始まり、付着部が形成さ
れ、それが中央から両端に向けて拡大するように基材塗
着面が形成されることが肝要であることが判り本発明に
到った。
【0012】本発明は円筒状又は円柱状の基材を水平に
支持して回転させ、該基材表面に過剰量の塗布液を塗着
して塗着膜を形成した後、塗膜表面形成部材を基材の回
転軸に平行かつ所定距離の位置に近接して塗着膜に接触
せしめて過剰塗布液を掻き取り塗膜によって得られる基
材表面の寸法精度及び表面粗らさを改良した後、塗布液
を硬化させる塗膜形成方法において、塗着膜を基材中央
部を肉厚とし、その両側に向って薄肉となるように形成
する塗膜形成方法を提供することにある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、スパイラル、リング又
はカーテン塗布方法を利用した塗膜形成方法を利用する
ことができる。そして、本発明の塗膜形成方法は、特
に、電子写真感光体の基体の製造方法に好適に利用する
ことが出来る。すなわち、塗布液として、例えば、紫外
線硬化樹脂を含有する塗布液を使用し、基材の表面の外
径精度を高めて電子写真感光体の基体を製造する場合
は、切削、しごき、インパクト加工などの金属素材の薄
肉化によらず、塗布と言う簡単な付加加工により、要求
される外径精度を持ち、表面の平滑な基体を製造するこ
とが出来る。
【0014】図1は、本発明の塗膜形成方法を実施する
塗布装置の一例を示す説明図であり、本発明の塗膜形成
方法を電子写真感光体の基材の製造方法に利用する場合
の説明図である。
【0015】図1に例示する塗布装置は、円筒状または
円柱状の基材を水平に支持して回転させる基材回転機構
と、基材の軸線方向に移動しつつ基材の表面に塗布液を
供給する塗布液供給機構と、基材の軸線に平行に配置さ
れ且つ回動、前進後退可能になされた塗膜表面形成部材
とから主として構成され、そして、塗布液として紫外線
硬化樹脂を含有する塗布液を使用するときは、当該塗布
液を硬化するための紫外線照射装置を備える。
【0016】基材1としては、特に制限されず、電子写
真感光体の基体の場合は、ガラス管、アルミ押出し管、
アルミ引抜き管、アルミ切削管、樹脂管、紙管、電子写
真感光体として一度使用された後に表面の塗膜を除去し
た再生管などが使用される。
【0017】基材回転機構は、所定の間隔を設けて左右
に垂直に配置された軸受け支持プレート2,2、各支持
プレートの上部にそれぞれ設けられた貫通孔に軸受け
(図示せず)を介して水平に配置された回転軸3,3、
一方の回転軸に固設されたギヤ4、ギヤ駆動用モーター
5、モーター5の回転をギヤ4に伝達するタイミングベ
ルト6から構成されている。
【0018】そして、円筒状の基材1の回転は、中心部
に回転軸3の嵌合孔を設け且つ基材1の両端に予め装着
されたフランジ7,7を利用して行われる。すなわち、
基材1の両端にフランジ7,7を装着した後、回転軸
3,3の間に基材1を配置し、一方の回転軸を前進さ
せ、フランジ7,7の各中心孔に回転軸3,3に連結し
たコレットチャックを嵌合し、ギヤ駆動用モーター5を
駆動させて基材1を回転させる。フランジ7,7の装着
は、フランジの各中心孔で決定される基体の軸芯がほぼ
合うように行う。
【0019】塗布液供給機構は、所定の間隔を設けて左
右に垂直に配置された支持プレート8,8、各支持プレ
ートの間に配置された2本の案内ロッド9,9、支持プ
レート8,8の間であって案内ロッド9,9の間に配置
され且つ一端が支持プレート8から突出するボールネジ
10、支持プレート8から突出するボールネジ10の端
部に固設されたギヤ11、ギヤ駆動用モーター12、モ
ーター12の回転をギヤ11に伝達するタイミングベル
ト13、その左右にそれぞれ設けられた案内ロッド9の
嵌合孔と当該嵌合孔の中央に設けられたボールネジ10
を嵌合するボールネジの軸受部とを通して支持部材8,
8の間に配置された移動体14、その一端を移動体14
に固設し且つその先端ノズル部を水平に配置された基体
1の表面に向けて配置されたフレキシブルな塗布液供給
管15、塗布液供給管15の他端側に配置された塗布液
容器16、塗布液供給管15の途中に配置された定量ポ
ンプ17から構成されている。図示した塗布液供給機構
において、移動体14は、1本の塗布液供給管15しか
備えていないが、所定間隔を設けて複数本の塗布液供給
管を備えることも出来、また、定量ポンプ17を共通に
し且つ先端ノズル部を複数本の分岐構造にした1本の塗
布液供給管を備えることも出来る。そして、塗布液供給
管15の先端ノズル部は、通常、基材1の真上に位置さ
せられる。
【0020】基材の軸方向中央部の塗着膜肉厚を大とす
る塗布即ち、塗布液外表面の形状を基材中央部程凸にす
る方法としては、移動体14の移動速度を一定にして定
量ポンプ17による塗布液吐出量を場所により変える方
法もあるが、応答性を高めるためには定量ポンプ17の
塗液吐出量を一定にし、移動体14の移動速度を基材中
央部程遅くする方法がより適している。この時両端の移
動速度の大きい部分でも連続した膜が形成されるようノ
ズル先端部がフレキシブルになっていて吐出しながら塗
着面をこする方式であるとか、吐出直後に平滑化するた
めのブレードを備えている方式を採用すると好ましい。
【0021】本発明において塗着膜はブレード等でなら
されて中央部から端部に向って連続的に肉薄となるよう
に傾斜することが望ましいが、塗布液をノズル等から基
材にスパイラル状に塗布すると、吐出された部分のスパ
イラル状塗布液が均一化してその外径が連続的に縮径す
る完全な傾斜面とすることは難しい。本発明において
は、全体として中央部が肉厚となっておれば塗布液の吐
出跡による局部的な凹凸があっても支障なく行なうこと
ができる。
【0022】図2では他の塗布液供給機構の例を示して
いる。ノズルヘッド20を支持するL形の支持部材21
にボールネジと係合するネジ(図示せず)が取付けてあ
り、モーター22の正逆回転によりノズルヘッド20は
上下に移動する。ノズルヘッド20にはノズル列23が
取り付けられている。
【0023】塗着膜を連続膜とするためにはノズルヘッ
ド20をゆっくり走行させ、基材1の1回転当りの進行
を吐出される塗布液の巾以下とすることが望ましい。ポ
ンプ駆動用モーター24、ポンプ17及び該ポンプに接
続されている吐出用管25、吸引用管28があり、吐出
用管25はノズルヘッド20に連なっている。吸引管は
塗布容器(図示せず)に連なっている。ノズルヘッド2
0には洗浄用切管29があり、該ノズルヘッドの洗浄時
の洗浄液供給に用いる。図2においてノズル列の代わり
にスリットを設けても良い。
【0024】この場合、基材中央部の塗着膜を肉厚とす
るには、ノズルヘッド20の中央部程ノズル孔を大きく
するか、ノズルヘッドをいくつかに分割に夫々を塗液供
給管に連続して違った流量で塗液を供給することによっ
て行なうことができる。
【0025】塗膜表面形成部材18としては、本発明者
が既に提案した種類のものを使用することができる。図
3(A),(B)にその1例を示す。塗膜表面形成部材
18は、基材1の回転軸3,3と平行する状態に支持さ
れた回動軸31に回動自在に設けられた断面方形の回動
基体32を有し、該回動基体32には先端に塗膜接触部
33aを有するブレード状体33が半径方向に突出する
ように固着されている。ブレード状体33の数は1〜数
個設けることができる。
【0026】前記回動軸31はベアリング及びベアリン
グボックス部(図示せず)によってブレード状体33の
塗膜接触部33aが基材の回転軸3,3と平行になるよ
うに保持されており、回動軸の一端には更にプーリー3
4、タイミングベルト35、モーター36によって塗膜
表面形成部材18を回動軸31,31を中心に所定角度
回動するようにされると共に基体1方向に前進後退が可
能とされている(図示せず)。
【0027】塗膜表面形成部材18は所定の位置に前進
した後、ブレード状体33が、回動基体32の回動に伴
って回動して基材1に近接して、ブレード状体33の先
端に形成された塗膜接触部33aが基材1に塗着された
塗着膜と接触し、更に回動すると塗膜接触部33aが基
材1に最も近接した状態となり、更に回動すると塗膜か
ら離脱するように構成されている。
【0028】また、塗膜表面形成部材18は、図3
(B)に示すように回動軸31で回動可能に支持された
回動基体32の外周にブレード状体33,33を断面風
車状に一体に突出形成することもできる。塗膜表面形成
部材18の塗膜接触部33aの長さは、基材1の軸線方
向の塗布長さよりも長くなされ、そして、基材1の軸線
と平行に位置する部分は直線状になされている。
【0029】塗膜表面形成部材18を構成する材料は、
特に制限されないが、使用する塗布液に対して濡れ易い
材料が好適である。塗布液に対して濡れ易い材料で塗膜
表面形成部材18を構成した場合、塗膜表面形成部材1
8が基材1の表面に塗布された塗布液に接触した時、接
触面に塗液が均一に付着され、凹凸のない平滑な表面を
形成することが容易となる。
【0030】通常塗膜表面形成部材18のブレード状体
33は先端をエッジ状に加工した金属、ポリエチレン、
ポリプロピレン、などの樹脂板が適用される。図3
(B)の塗膜表面形成部材18の回動基体32、ブレー
ド状体33は鉄、ステンレススチール、アルミニウム等
で形成することができる。
【0031】また、塗膜表面形成部材18のブレード状
体33を、塗膜に接触している状態においてその先端部
の塗膜接触部33aがその基部33bより高い位置に位
置するように水平方向に対して角θ1 の仰角をもつよう
に形成することが望ましい。更に塗膜表面形成部材18
は、図3(C)に示すように回転軌跡に沿った弧状表面
を持った塗膜接触部33aとそれに続く半径が小さくさ
れた曲面33bを有する変形ローラーとすることもでき
る。
【0032】これらの部材を使う時、掻き取られた塗液
が該部材先端部に流れ込まないような配置・回転方向と
し、また、図3(A),(B)の様な周方向に一定外径
部分を持たないブレード状部材の場合、基材1と部材先
端塗膜接触部33aとのギャップが一定の状態を保持し
ないので、ギャップが最小になった回動位置で基材1が
1回転以上回転する間一時停止するなどの注意が必要と
なる。なお、図3(B)の場合は、1つの基材の処理に
は1つのブレード状体33を使用すればよいが、必要に
応じて塗膜接触部33aの半径が段々大きくなるブレー
ド状体33を複数枚切替えて使用してもよい。
【0033】塗膜表面形成部材18と基材1の塗布面と
の接触により、塗膜表面形成部材18(具体的には、基
材1の軸線と平行な塗膜接触部)と基材1の軸線との間
で決定される一定外径の塗膜を基材1の塗布面に亘って
形成することが出来るため、塗布と言う付加加工によ
り、外径精度の高い基体を得ることが出来る。塗膜表面
形成部材18が基材1の軸線と平行ではなく、基材1の
胴面と平行にして塗布面に接触された場合は、基材1自
体の真直度や真円度がそのまま塗膜表面に現れ、基材1
に対する外径精度の修正は行われない。なお、真直度や
真円度が余りにも劣悪な基材の場合は、本発明によって
も外径精度の高い基体を得ることが困難であるが、円筒
度(JIS B0621−1974)が約500μm以
下、好ましくは約300μm以下の範囲であれば、本発
明の塗膜形成方法による修正対象と成り得る。
【0034】塗布液としては、ノズル塗布方法やカーテ
ン塗布方法を適用し得る塗布液である限り、如何なる塗
布液をも使用することが出来る。そして、溶媒型の塗布
液、すなわち、乾燥速度の速い溶媒を使用した塗布液の
場合は、溶媒蒸気で覆われた空間内で塗布および塗布表
面形成部材の塗布面への接触処理を行い、その後、溶媒
の蒸発が促進される空間内で乾燥を行うのが好ましい。
具体的には、脱着自在な適当な覆いを備えた塗布装置を
利用し、覆いを被せた状態で塗布および接触処理を行
い、覆いを取り外した状態で乾燥を行う。また、塗布後
の硬化によって塗膜の体積変化が大きい塗布液、例え
ば、塗膜の体積変化が50%以上の塗布液の場合は、塗
布、接触処理、乾燥を一連の操作とし、当該操作を繰り
返して行うのがよい。
【0035】基材中央部の塗布液塗着外表面の凸部の程
度としては、塗膜表面形成部材の精度にもよるが、通常
は10〜300μ、望ましくは30〜150μ程度がよ
い。中央が凸状になっていることは光学的手段により測
定することができる。実際の塗布液の膜厚としては基材
の精度によって変る。精度が悪い場合は上記凸状態が確
保出来るように塗着量を多くする必要がある。
【0036】また、凸の形状としては二等辺三角形状に
連続的に中央部を凸にしてもよいし、2〜4の段階状に
変化させてもよい。全体として中央が凸状になっている
限り、若干のスパイラル状等の塗着跡があってもよい。
【0037】また、液の粘度が低い場合一度平坦な表面
が形成された場合でも膜固定される前の短時間のうちに
表面に凹凸が形成されるという、所謂リビングが発生し
てしまう傾向がある。リビング発生は膜厚にも依存する
が、塗布直後の膜厚が100μmで粘度500センチポ
イズの場合、30sec程度の時間を要する。粘度が大
きければ通常要求される膜厚ではリビング発生以前に膜
固定が終了する。従って、本発明では好ましくは100
センチポイズ以上の粘度を有する塗布液を用いることが
好ましい。
【0038】当然のことではあるが塗布表面形成操作中
の基材の回転速度が小さければ液だれが発生し、外径精
度の確保が困難になる。30mmφの外径の円筒の場合
100〜300rpm程度の回転であれば1000セン
チポイズ前後の粘度の液を用いれば液だれもリビングも
発生することはない。
【0039】図1に示した紫外線照射装置24は、紫外
線硬化樹脂を含有する塗布液を使用した場合に必要とさ
れ、基材の軸線方向の塗布面に亘って紫外線を照射し得
る構造の装置であればよい。また、熱硬化性樹脂などを
塗布液として使用した場合は、紫外線照射装置24の代
わりに熱風発生装置を使用する。
【0040】なお、基材の把持手段としては、基材の軸
芯が出る様にこれを把持し得る手段であれば、特に制限
されず、フランジ孔に挿入されて外開き作用によって基
材を把持する手段(内拡式コレットチャック)等を採用
することが出来る。また、円柱状の基材の場合は、その
両端面に接触して基材を保持する把持手段などを採用す
ることが出来る。
【0041】本発明の塗膜形成方法は、上記のような塗
布装置を使用して次の様に行われる。先ず、基材回転機
構により、基材1を水平に支持して回転させつつ、塗布
液供給機構により、基材1の表面に塗布液を供給し中央
部が凸となるように連続膜を形成する。次いで、基材1
の表面の塗布液が流動性を失う前に、塗膜表面形成部材
18を基材1の軸線と平行にして所定の角度回動して塗
膜接触部33aを塗布面に接触させる。
【0042】次いで、塗膜接触部33aと基材1が最も
近接したとき塗膜表面形成部材18の回動を一旦停止さ
せ、基材1が1回転以上した後塗膜表面形成部材18を
再度回動して塗膜接触部33aを塗膜から離脱させ、次
いで、塗膜を硬化させて完了する。
【0043】実施例1 図1に示す塗布装置を使用した。すなわち、塗布液供給
機構の塗布液供給管としては、孔径1.0mmφ外径1
0mmφのエチレンプロピレンラバーのスポンジチュー
ブをブレードを兼ねたノズルとして使用した。塗膜表面
形成部材としては、厚さ1.5mmのポリエチレン板を
15°でエッジを取った図3(A)に示すブレード体を
用いた。該ブレード体の基材の表面と接触する先端部位
は基材の回転軸と同一レベルとなるように設置した。ま
た、ブレード体の塗布面と接触する先端部がその基部よ
り高い位置に位置する様に、図3(A)に示す様に約3
0°の仰角(θ)を設けてブレード体を回動基体に設置
したものを用いた。
【0044】紫外線照射装置としては、3kWの高圧水
銀灯を備えた紫外線照射装置を使用した。紫外線照射装
置は、基材から水銀灯の前面までの距離が25cmの位
置に配置した。
【0045】基材とするアルミ製押出し管(外径29.
8mm、内径27.3mm、長さ250mm)の両端に
フランジを装着した。フランジの装着は、フランジの各
中心孔で決定される押出し管の軸芯がほぼ合う様に装着
した。基材回転機構の回転軸の間に押出し管を配置し、
両端のフランジの各中心孔に各回転軸を嵌合し、ギヤ駆
動用モーターを駆動させて押出し管を200rpmで回
転させた。基材の回転軸と塗布表面形成部材との距離は
15.00mmとした。基材の回転方向としては、図3
(A)中に矢印として示す様に、該塗膜表面形成部材に
より掻き取られた余剰液が、該塗膜表面形成部材の下面
を伝わり流下する方向に、基材を回転させた。
【0046】回転中の押出し管の表面に塗布液供給管の
ノズル部から塗布液をスパイラル状に供給して塗布し、
連続膜を形成した。塗布液としては、ウレタンアクリレ
ート(A)、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸
(B)、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート
(C)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケ
トン(D)、ベンゾフェノン(E)から成り、A:B:
C:D:E=30:10:40:0.8:0.8(重量
比)、室温における粘度が1000(mpas)の紫外
線硬化樹脂組成物を使用した。
【0047】塗布液のスパイラル状の供給は押出し管の
供給開始点から70mmまでの押出し管1回転当りのピ
ッチを2.0mm、70mmから110mmまでは1.
8mm、110mmから140mmまでは1.5mm、
以降140mmから180mmまで1.8mm、180
mmから250mmまでを2.0mmとし、吐出液量は
5.1ml/minと一定にした。塗着終了後直ちに塗
膜表面形成部材を押出し管の軸線と平行に近接させ、余
剰塗布液を掻き取り回転させて接触を断ち、離した後U
Vランプを照射して硬化した。
【0048】硬化後表面粗らさ及び精度を測定した。R
maxは0.1μm、真直度は90°ごと4ヶ所で測定
し10〜20μ、フランジ穴を基準とした振れは両端、
中央で測定し、20〜40μであった。又表面状態は平
滑で凹凸は観察されなかった。
【0049】実施例2 図2の液供給装置及び図3(B)の塗膜表面形成部材を
使った以外は同じ装置、塗液、基材を用いて塗膜形成を
行った。ノズルヘッダーを5分割、吐出量を3種類に分
け塗着を行った。即ち、0〜70mm,180〜250
mmの区間は3.8ml/min、70〜110mm,
140〜180mmの区間は4.2ml/min、11
0〜140mmの区間は5.1ml/minとした。
【0050】同じように塗膜表面形成部材を近接・遠ざ
け、UVランプを照射して硬化した。Rmax=0.1
μm、真直度=15〜30μ、振れ=20〜40μで表
面は平滑であった。
【0051】比較例 図1の装置を使い、塗液吐出ノズルの送りを全長は亘っ
て1.8mm/回転とした以外は実施例1と全く同じに
した。硬化後の表面には一部に筋が見られ、真円度50
〜80μ、真直度40〜60μであった。
【0052】
【発明の効果】本発明は、塗布液の塗布という簡易な手
段によって基材の外径の真直度、真円度、円筒度、表面
粗らさを高精度に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗膜形成方法を実施する塗布装置の一
例を示す要部斜視図である。
【図2】本発明の塗膜形成方法を実施する塗布装置の他
の一例を示す要部斜視図である。
【図3】(A),(B),(C)は夫々本発明の塗膜表
面形成部材の形状の例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 基材 3 回転軸 14 移動体 15 塗布液供給管 17 定量ポンプ 18 塗膜表面形成部材 20 ノズルヘッド 21 L型支持部材 25 吐出用管 28 吸込用管 31 回動軸 32 回動基体 33 ブレード状体 33a 塗膜接触部 33b 基部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状又は円柱状の基材を水平に支持し
    て回転させ、該基材表面に過剰量の塗布液を塗着して塗
    着膜を形成した後、塗膜表面形成部材を基材の回転軸に
    平行かつ所定距離の位置に近接して塗着膜に接触せしめ
    て過剰塗布液を掻き取り塗膜によって得られる基材表面
    の寸法精度及び表面粗らさを改良した後、塗布液を硬化
    させる塗膜形成方法において、塗着膜を基材中央部を肉
    厚とし、その両側に向って薄肉となるように形成するこ
    とを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】 塗着膜の最大肉厚部と両端部の肉厚との
    差が10〜300μmである請求項1記載の塗膜形成方
    法。
  3. 【請求項3】 塗着膜の最大肉厚部から、その両側に向
    って連続的に肉厚が減少するように傾斜させてなる請求
    項1又は2記載の塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】 塗着膜の最大肉厚部から、その両側に向
    って階段状に肉厚が減少するようにした請求項1又は2
    記載の塗膜形成方法。
  5. 【請求項5】 塗膜表面形成部材が、回動基体と該回動
    基体に半径方向に突出するように設けられたブレード状
    体から構成され、該ブレード状体を所定角度回動するこ
    とによって塗着された塗布液との接触、離脱を行なう請
    求項1〜4いずれかに記載の塗膜形成方法。
  6. 【請求項6】 塗膜表面形成部材が、回動基体と、該回
    動基体に放射方向に突出形成され、かつ端部が湾曲面と
    された塗膜接触部とからなり、該塗膜接触部を回動する
    ことによって塗着膜への接触離脱を行なわせる請求項1
    〜4いずれかに記載の塗膜形成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018089609A (ja) * 2016-12-06 2018-06-14 有限会社青木技術研究所 塗布膜形成方法及び塗布膜形成装置

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