JPH08173893A - 塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成方法

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JPH08173893A
JPH08173893A JP32256394A JP32256394A JPH08173893A JP H08173893 A JPH08173893 A JP H08173893A JP 32256394 A JP32256394 A JP 32256394A JP 32256394 A JP32256394 A JP 32256394A JP H08173893 A JPH08173893 A JP H08173893A
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coating
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forming member
coated surface
surface forming
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JP32256394A
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Motohisa Aoki
源久 青木
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 円筒状または円柱状の基材の加工精度に関係
なく、外径精度及び外表面平滑度を高めることに利用す
ることが出来る、改良された塗膜形成方法を提供するこ
とにあり、特に中央部に帯状の凹凸部が発生しない均一
な外表面を得ることのできる塗膜形成方法を提供する。 【構成】 円筒状または円柱状の基材を水平に支持して
回転させつつ、その基材表面に過剰量の塗布液を供給し
て連続した塗着面を形成し、当該塗布液が流動性を失う
前に、先端部がブレード状体の塗布表面形成部材を、そ
の先端部が基材の回転軸から一定の距離を保つ様に回転
軸に対して平行にし、且つ該先端部が該塗布表面形成部
材の基部より高い位置に位置する様に保持して、該先端
部を前記塗着面に接触させることを特徴とする塗膜形成
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗膜形成方法に関する
ものであり、詳しくは、ノズル又はスリットから塗液を
吐出させる塗布方法を利用した塗膜形成方法であって、
特に、電子写真感光体用基体の製造において、基材(例
えばアルミ押出し管)の外径の真直度、真円度、円筒
度、表面粗さ等の外径精度の修正に好適に使用される塗
膜形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特に電子写真感光体用基材の場合
は、高度の外径精度が要求される。例えば、直径30.
0mmの基体の場合、その円筒度は100μm以下が要
求される。斯かる高い外径精度を有する基材は、例え
ば、一定肉厚のアルミ押出し管を基材とし、引き抜き、
切削、しごき、インパクト等の薄肉化加工を行ってもな
かなか達成されず、又、高い外径精度を得ようとする
程、加工コストが高くなるという問題がある。
【0003】一方、円筒状又は円柱状の基材の表面に塗
膜を形成する方法の1つとして、ノズル又はスリットか
ら塗液を吐出させる方法が知られている。これらの塗布
方法は、基材を水平に支持して回転させつつ、その表面
に塗布液をスパイラル状、リング状又はカーテン状に供
給し、塗布液の流動性によって均一塗膜を形成せんとす
る方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
これらの塗布方法は、塗布液の流動性に任せて均一塗膜
を形成せんとする方法であるため、例えば、基材自体の
真直度や真円度が低い場合は、これらがそのまま塗膜表
面に現れるという欠点がある。これらの問題は、ブレー
ドを用いて基材表面とのギャップを一定にして樹脂を塗
布する方法においても同様に発生する。例えば、特開昭
54−38801号公報には、ブレードと基材表面の間
のギャップ部分に保持された塗液を用いて塗膜を形成す
る方法が開示されているが、ギャップが一定であるの
で、基材の外径形状がそのまま塗膜表面に現れる。特に
固定された塗膜外表面が形成する円柱や円筒の直径は塗
布前の直径に一定のギャップ値の2倍を加えたものとな
り、従って基材自体の真直度や真円度が低い場合は、こ
れらの低い外径精度がそのまま塗膜表面に現れ、外径精
度の修正は行われない。
【0005】そこで、本発明者等は、先に、円筒や円柱
状基材の回転軸からの距離を一定にし平行に配置した塗
布表面形成部材を塗着面に接触させることにより、塗布
液硬化後の塗布表面で形成される外径公差をある値に保
ち外径形状を修正する方法を提供しているが、かかる塗
布表面形成部材を用いた場合でも、特に粘度の高い塗液
を用い、掻き溜め方向(余剰液が塗布表面形成部材上に
溜まる方向に基体を回転する方向)から該部材を接近さ
せて外表面を形成させると、該部材を塗布面から離した
時に部材の離れ跡が表面に残ってしまい、図−1に示し
た表面形状となってしまうという課題があった。
【0006】図−1はレーザー測長器で外径修正後の基
材全表面に渡って基準位置からの距離を測定展開して表
示したものである。中央部に帯状に凸状が見られるが、
これが塗布表面形成部材が塗布面から離れるとき発生し
た跡である。即ち本発明は、上記実情に鑑みなされたも
のであり、その目的は、円筒状または円柱状の基材の加
工精度に関係なく、外径精度及び外表面平滑度を高める
ことに利用することが出来る、改良された塗膜形成方法
を提供することにあり、特に中央部に帯状の凹凸部が発
生しない均一な外表面を得ることのできる塗膜形成方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、円筒状
または円柱状の基材を水平に支持して回転させつつ、そ
の基材表面に過剰量の塗布液を供給して連続した塗着面
を形成し、当該塗布液が流動性を失う前に、先端部がブ
レード状の塗布表面形成部材を、その先端部が基材の回
転軸から一定の距離を保つ様に回転軸に対して平行に
し、且つ該先端部が塗布表面形成部材の基部より高い位
置に位置する様に保持して、該先端部を前記塗着面に接
触させることを特徴とする塗膜形成方法にあり、特に好
ましくは、該塗布液の粘度が塗布直後100センチポア
ズ以上であることを特徴とする請求項1記載の塗膜形成
方法、又は該塗布表面形成部材により掻き取られた余剰
液が、該塗布表面形成部材の上面を伝わり流下する方向
に、基材を回転させることを特徴とする請求項1記載の
塗膜形成方法にある。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、スパイラル、リング又はカーテン塗布方法を利用し
た塗膜形成方法である。そして、本発明の塗膜形成方法
は、特に、電子写真感光体の基体の製造方法に好適に利
用することが出来る。すなわち、塗布液として、例え
ば、紫外線硬化樹脂を含有する塗布液を使用し、基材の
表面の外形精度を高めて電子写真感光体の基体を製造す
る場合は、切削、しごき、インパクト加工などの金属素
材の薄肉化によらず、塗布と言う簡単な付加加工によ
り、要求される外形精度を持ち表面の平滑な基材を製造
することが出来る。
【0009】図2は、本発明の塗膜形成方法を実施する
塗布装置の一例を示す説明図であり、本発明の塗膜形成
方法を電子写真感光体の基材の製造方法に利用する場合
の説明図である。
【0010】図2に例示する塗布装置は、円筒状または
円柱状の基材を水平に支持して回転させる基材回転機構
と、基材の軸線方向に移動しつつ基材の表面に塗布後を
供給する塗布液供給機構と、基材の軸線に平行に配置さ
れ且つ前進後退可能になされた塗布表面形成部材とから
主として構成され、そして、塗布液として紫外線硬化樹
脂を含有する塗布液を使用し、当該塗布液を硬化するた
めの紫外線照射装置を備えている。
【0011】基材1としては、特に制限されず、電子写
真感光体の基体の場合は、ガラス管、アルミ押出し管、
アルミ引抜き管、アルミ切削管、樹脂管、紙管、電子写
真感光体として一度使用された後に表面の塗膜を除去し
た再生管などが使用される。
【0012】基材回転機構は、所定の間隔を設けて左右
に垂直に配置された軸受付支持プレート2,2、各支持
プレートの上部にそれぞれ設けられた貫通孔に軸受け
(図示せず)を介して水平に配置された回転軸3,3、
一方の回転軸に固設されたギヤ4、ギヤ駆動用モーター
5、モーター5の回転をギヤ4に伝達するタイミングベ
ルト6から構成されている。
【0013】そして、円筒状の基材1の回転は、中心部
に回転軸3の嵌合孔を設け且つ基材1の両端に予め装着
されたフランジ7,7を利用して行われる。すなわち、
基材1の両端にフランジ7,7を装着した後、回転軸
3,3の間に基材1を配置し、一方の回転軸を前進さ
せ、フランジ7,7の各中心孔に回転軸3,3を嵌合
し、ギヤ駆動用モーター5を駆動させて基材1を回転さ
せる。フランジ7,7の装着は、フランジの各中心孔で
決定される基体の軸芯が合うように行う。
【0014】塗布液供給機構は、所定の間隔を設けて左
右に垂直に配置された支持プレート8,8、各支持プレ
ートの間に配置された2本の案内ロッド9,9、支持プ
レート8,8の間であって案内ロッド9,9の間に配置
され且つ一端が支持プレート8から突出するボールネジ
10、支持プレート8から突出するボールネジ10の端
部に固設されたギヤ11、ギヤ駆動用モーター12、モ
ーター12の回転をギヤ11に伝達するタイミングベル
ト13、その左右にそれぞれ設けられた案内ロッド9の
嵌合孔と当該嵌合孔の中央に設けられたボールネジ10
を嵌合するボールネジの軸受部とを通して支持部材8,
8の間に配置された移動体14、その一端を移動体14
に固設し且つその先端ノズル部を水平に配置された基体
1の表面に向けて配置されたフレキシブルな塗布液供給
管15、塗布液供給管15の他端側に配置された塗布液
容器16、塗布液供給管15の途中に配置された定量ポ
ンプ17から構成されている。図示した塗布液供給機構
において、移動体14は、1本の塗布液供給管15しか
備えていないが、所定間隔を設けて複数本の塗布液供給
管を備えることも出来、また、定量ポンプ17を共通に
し且つ先端ノズル部を複数本の分岐構造にした1本の塗
布液供給管を備えることも出来る。そして、塗布液供給
管15の先端ノズル部は、通常、基材1の真上に位置さ
せられる。
【0015】尚、ノズル先端部から吐出された液が大き
な未塗布部を形成して基材に塗着してはならない。連続
膜を形成しやすくするためには、ノズル先端部がフレキ
シブルになっていて吐出しながら塗着面をこする方式で
あるとか、吐出直後に平滑化するためのブレードを備え
ている方式を採用すると好ましい。
【0016】図3では別の塗布液供給機構の例を示して
いる。ノズルヘッド26を支持するL形の支持部材8に
ボールネジ10の〆ネジ(図示せず)が取付けてあリ、
モーター12の正逆回転によりノズルヘッドは上下に移
動する。ノズルヘッド26にはノズル列25が取り付け
られている。ポンプ駆動用モーター30、ポンプ31及
び該ポンプに接続されている吐出用管28、吸引用管2
7があり、吐出用管28はノズルヘッド26に連なって
いる。吸引管は塗布容器(図示せず)に連なっている。
ノズルヘッド26には洗浄用切管29があり、該ノズル
ヘッドの洗浄時の洗浄液供給に用いる。図3ではノズル
列26の代わりにスリットを設けても良い。
【0017】図2及び図6に示すように塗布表面形成部
材18は、基材1の回転軸線と平行に配置され、その長
さは、基材1の軸線方向の塗布長さよりも長くなされ、
そして、基材1の軸線と平行に位置する部分は直線状に
なされている。そして、少なくとも塗着液と接触する先
端部分は、厚さの薄いブレード状の形状を有している。
そして、この薄いブレード状体18aを取り付けるブロ
ック18bがあり、この両端部に直角に設置された2本
の案内ロッド19,19と、塗布表面形成部材18の中
央部に直角に設置され且つ一端部にネジ部を備えたネジ
ロッド20とを支持板21の各貫通孔に挿入して突出さ
せ、案内ロッド19,19の突出部にスプリング22を
介在させて塗布表面形成部材18を支持板21側に付勢
し、ネジロッド20の突出部に移動距離調節ナット23
を螺合して、塗布表面形成部材18を基材1に対して前
進後退する場合の繰り返し精度を良く設定するとともに
平行に前進後退し得る様に構成されている。
【0018】そして、塗布表面形成部材18は、その塗
布表面と接触する部分(塗布表面形成線)と基材1の中
心軸とが同一高さ又は塗布表面形成線が基材の中心軸よ
り低く位置する様に配置するのが好ましい。
【0019】塗布表面形成部材18を構成する材料は、
特に制限されないが、使用する塗布液に対して濡れ難い
材料が好適である。塗布液に対して濡れ易い材料で塗布
表面形成部材を構成した場合、塗布表面形成部材が基材
の表面に塗布された塗布液に接触して離れる際、塗布液
が塗布表面形成部材に付着し、基材の表面に形成された
平滑な塗布面が乱れることがある。通常、塗布表面形成
部材18は、テフロン、ポリエチレン、ポリプロピレン
などの厚手のシート、先端エッジ状に仕上げた板、同じ
形状の金属板、望ましくはその表面をテフロンコートし
たものなどが適用される。
【0020】これらの材料を用いた場合でも、基材上に
表面形成部材によって形成された塗布面に対し、接触面
積が出来るだけ小さくなるような部材形状を選ぶことが
好ましく、例えばブレード状体18aの先端に図4の様
にエッジを設けた形態、又は図5の様に先端部を特に薄
くした形態が挙げられ、エッジを設けた場合のエッジ角
度は5〜25°、好ましくは10〜20°が好ましく、
図中Aの基部の厚さは材質が金属の場合は0.3〜1.
5mm、樹脂の割合が1〜5mm程度が好ましく、図中
Bの厚さは0.05〜0.25mm程度の厚さであるこ
とが好ましい。又図5の場合のA及びBの好適な厚さは
図4の場合と同様であり、図中Cの長さは0.5〜1.
5mmの範囲が好ましい。
【0021】又、本発明においては、掻き取られる塗液
と該ブレード状体の先端部(刃先)との位置関係が重要
な要素となる。例えば掻き取られた塗液が刃先に流れ込
むと、表面形成部材自身が表面を形成するのではなくて
刃先に付着した塗液が表面を形成することになってしま
い、希望するうねりの少ない平滑な表面が得られなくな
ってしまう。設定した外径公差の円筒・円柱を得るには
それに必要な体積以上の塗液を供給し表面形成部材によ
り余剰塗液を除去しなければならないが、問題は除去さ
れた液の表面形成部材からの除去方法である。表面形成
部材の機能を損なわない該部材からの塗液除去方法を種
々検討した結果、まず、表面形成部材が塗液面と接触す
る面に除去された塗液が存在してはならないこと、及び
除去された液が該部材が塗布表面を形成しつつある部位
に流れ込んではならないことが判明した。以上の知見か
ら、本願発明は、表面形成部材の設置形態を該表面形成
部材の塗布表面と接触するべき先端部が塗布表面形成部
材の基部より高い位置に位置する様に保持することを特
徴とする。具体的には、例えばブレード状体をその刃先
が上向きに約20〜60°、好ましくは30〜50°の
仰角を持つように傾斜させてブロックに設ける形態が挙
げられる。この様に先端部を基部より高く位置させるこ
とにより、余剰のため除去された塗布液はスムーズに表
面形成部材を伝って反対側下方に配置された液受け機構
32により除去された塗布面形成領域に流れ込むことが
回避される。又、好ましくは、該余剰液が、塗布表面形
成部材の上面を伝わり流下する方向に基材を回転させる
ことが、スムーズな余剰液の除去を達成する面で好まし
い。
【0022】図2に示した紫外線照射装置24は、紫外
線硬化樹脂を含有する塗布液を使用した場合に必要とさ
れ、基材の軸線方向の塗布面に亘って紫外線を照射し得
る構造の装置であればよい。また、熱硬化性樹脂などを
塗布液として使用した場合は、紫外線照射装置24の代
わりに熱風発生装置を使用する。
【0023】本発明の塗膜形成方法は、上記のような塗
布装置を使用して次の様に行われる。先ず、基材回転機
構により、基材1を水平に支持して回転させつつ、塗布
液供給機構により、基材1の表面に塗布液を供給し連続
膜を形成する。次いで、基材1の表面の塗布液が流動性
を失う前に、塗布表面形成部材18を基材1の軸線と平
行にして塗布面に接触させる。
【0024】塗布表面形成部材18の塗布面への接触
は、エアーシリンダー(図示せず)により、塗布表面形
成部材18を押し出して支持板21から基材1側に基材
軸線に対し平行に前進させることによって行われる。そ
して、塗布表面形成部材18の最大前進距離(塗布面と
塗布表面形成部材18とのギャップ)は、ストッパーと
して作用する移動距離調節ナット23によって調整する
ことが出来る。塗布表面形成部材18の塗布面への接触
は、通常、基材1が3〜10回転する間に亘って行えば
よい。そして、回転している基材1と塗布表面形成部材
18との間に保持された塗布液を基材1の主要部分に行
き渡らせると共に余剰の塗布液を基材1上から除去する
のが好ましい。余剰塗布液の除去方法は、特に制限され
ず、例えば、塗布表面形成部材18としてパイプを使用
した場合は、その軸線方向に設けられたスリットを介し
て吸引除去する方法を採用することが出来る。
【0025】その後、塗布表面形成部材18を押す力を
緩め、スプリング22,22の付勢力を利用し、塗布表
面形成部材18を支持板21側に後退させて塗布面から
引き離す。斯かる引き離しは、例えば、基材1が1回転
する間に引き離し操作が完了する程度に徐々に行うのが
よい。引き離し速度が速すぎる場合は、基材1の表面に
塗布された塗布面が乱れる恐れがある。
【0026】塗布表面形成部材18と基材1の塗布面と
の接触により、塗布表面形成部材18(具体的には、基
材1の軸線と平行な直線状部分)と基材1の軸線との間
で決定される一定外径の塗膜を基材1の塗布面に亘って
形成することが出来るため、塗布と言う付加加工によ
り、外径精度の高い基体を得ることが出来る。塗布表面
形成部材18が基材1の軸線と平行ではなく、基材1の
胴面と平行にして塗布面に接触された場合は、基材1自
体の真直度や真円度がそのまま塗膜表面に現れ、基材1
に対する外径精度の修正は行われない。なお、真直度や
真円度が余りにも劣悪な基材の場合は、本発明によって
も外径精度の高い基体を得ることが困難であるが、円筒
度(JIS B0621−1974)が約500μm以
下、好ましくは約300μm以下の範囲であれば、本発
明の塗膜形成方法による修正対象と成り得る。
【0027】塗布液としては、ノズル塗布方法やカーテ
ン塗布方法を適用し得る塗布液である限り、如何なる塗
布液をも使用することが出来る。そして、溶媒型の塗布
液、すなわち、乾燥速度の速い溶媒を使用した塗布液の
場合は、溶媒蒸気で覆われた空間内で塗布および塗布表
面形成部材の塗布面への接触処理を行い、その後、溶媒
の蒸発が促進される空間内で乾燥を行うのが好ましい。
具体的には、脱着自在な適当な覆いを備えた塗布装置を
利用し、覆いを被せた状態で塗布および接触処理を行
い、覆いを取り外した状態で乾燥を行う。また、塗布後
の硬化によって塗膜の体積変化が大きい塗布液、例え
ば、塗膜の体積変化が50%以上の塗布液の場合は、塗
布、接触処理、乾燥を一連の操作とし、当該操作を繰り
返して行うのがよい。
【0028】又、一度平坦な表面が形成された場合で
も、液の粘度が低い場合は膜固定される前の短時間のう
ちに表面に凹凸が形成されるという、所謂リビングが発
生してしまう傾向がある。リビング発生には膜厚も依存
するが、塗布直後の膜厚が100μmで粘度100セン
チポイズの場合、30sec程度の時間を要する。粘度
が大きければ通常要求される膜厚ではリビング発生以前
に膜固定が終了する。従って、本発明では好ましくは1
00センチポイズ以上の粘度を有する塗布液を用いるこ
とが好ましい。
【0029】なお、基材の把持手段としては、基材の軸
芯が出る様にこれを把持し得る手段であれば、特に制限
されず、フランジ孔に挿入されて外開き作用によって基
材を把持する手段(内拡式コレクトチャック)等を採用
することが出来る。また、円柱状の基材の場合は、その
両端面に接触して基材を保持する把持手段などを採用す
ることが出来る。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0031】実施例1 図2に示す塗布装置を使用した。すなわち、塗布液供給
機構の塗布液供給管としては、孔径1.0mmφ外径1
0mmφのエチレンプロピレンラバーのスポンジチュー
ブをブレードを兼ねたノズルとして使用した。塗布表面
形成部材としては、厚さ1.5mmのポリエチレン板を
15°でエッジを取った図4に示すブレード体を用い
た。該ブレード体の基材の表面と接触する先端部位は基
材の回転軸と同一レベルとなるように設置した。又、ブ
レード体の塗布面と接触する先端部がその基部より高い
位置に位置する様に、図6に示す様に45°の仰角
(θ)を設けてブレード体をブロックに設置したものを
用いた。紫外線照射装置としては、3kWの高圧水銀灯
を備えた紫外線照射装置を使用した。紫外線照射装置
は、基材から水銀灯の前面までの距離が25cmの位置
に配置した。
【0032】基材とするガラス管(外径29.7mm、
内径27.3mm、長さ250mm)の両端にフランジ
を装着した。フランジの装着は、フランジの各中心孔で
決定されるガラス管の軸芯が合う様に装着した。基材回
転機構の回転軸の間にガラス管を配置し、両端のフラン
ジの各中心孔に各回転軸を嵌合し、ギヤ駆動用モーター
を駆動させてガラス管を200rpmで回転させた。基
材の回転軸と塗布表面形成部材(テフロンコートステン
レス製パイプにポリエチレン板の先端を設けたもの)と
の距離は平均とし15.00mmとした。基材の回転方
向としては、図6中に矢印として示す様に、該塗布表面
形成部材により掻き取られた余剰液が、該塗布表面形成
部材の上面を伝わり流下する方向に、基材を回転させ
た。
【0033】回転中のガラス管の表面に塗布液供給管の
ノズル部から塗布液をスパイラル状に供給して塗布し、
連続膜を形成した。塗布液としては、ウレタンアクリレ
ート(A)、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸
(B)、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート
(C)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケ
トン(D)、ベンゾフェノン(E)から成り、A:B:
C:E=30:10:40:0.8:0.8(重量
比)、室温における粘度が500(mpas)の紫外線
硬化樹脂組成物を使用した。
【0034】塗布液のスパイラル状の供給は、ガラス管
1回転当たりのピッチを1.5mmとし、塗布膜の平均
厚さが170μmとなる様に行った。塗布終了後、直ち
に、塗布表面形成部材(エッジ付きポリエチレン板)を
エアーシリンダーで押して、ガラス管の軸線と平行にし
て塗着面に接触させ、約2秒間その状態を保持すると共
にガラス管上の余剰の塗布液を塗布表面形成部材に設け
られた孔から吸引除去した。次いで、塗布表面形成部材
を塗液面から引き離した後、紫外線照射装置から塗布面
に照射エネルギー量1500mJ/cm2 の紫外線を照
射して塗布面を硬化させた。塗膜形成前後におけるガラ
ス管の真直度を測定し、その結果を図7(塗膜形成前の
結果)及び図8(塗膜形成後の結果)に示す。図中、横
軸はガラス管の軸線方向の距離(mm)、縦軸は基準値
からの凹凸の程度(μm)を表す。なお、ガラス管の真
直度は塗膜表面に表面反射の大きい顔料液を1μm以下
塗布し裏面反射の影響を小さくしてアンリツ(株)製の
レーザー測長機(「KL131A」)を使用して測定し
た。又表面粗さはRmax =0.1μmであった。
【0035】実施例2 実施例1において、ガラス管の代わりに、これと略同一
寸法のアルミ押出し管(真円度150μm:平均外径2
9.80mm)を使用し、塗布膜の平均厚さを180μ
m、紫外線の照射エネルギー量を2000mJ/cm2
に変更し、そして、押出し管と塗布表面形成部材(テフ
ロンコートメタルブレード)との平均距離を硬化度の塗
膜を含む押出し管の外径が30.0mmとなる様に設定
した他は、実施例1と同様に操作した。塗膜形成後の押
出し管の真円度を測定した結果は30μmであった。真
円度は、実施例1で使用したレーザー測長機を使用し、
押出し管を回転させて測定した。
【0036】実施例3 図3に示した多数のノズルを備えたノズルヘッドを用い
て、全ノズルから一斉に塗液を吐出させる方法にて行っ
た。ノズルは内径0.68mm、外径0.92mm、長
さ7mmのステンレス管をノズルヘッド基板に圧入しこ
れに内径0.85mm、外径1.2mmのボリエチレン
チューブを長さ15mmに切断したものをはめ込んで、
2列とし、6mmピッチとし半ピッチずらして吐出液の
間隔は3mmとなるように配置し81本設けた。ポリエ
チレンチューブの先端は基材と接触する位置にセットし
塗液を吐出させた。塗布表面形成部材としてはテフロン
コートのメタルブレード(素材の厚さ0.2mmt、刃
先長さ1.2mm、刃先厚さ0.07mm)を実施例1
と同じ条件で使用した。
【0037】アルミ押出し管(外径29.7mm、内径
27.0mm、長さ260mm)の両端に接合部直径2
6.0mmのフランジに0.6mmのゴムシート片(幅
2mm、長さ8mm)を4枚接着しこれを実施例1と同
様にして装着し、5分放置後、基材回転機構にセットし
塗布操作に移った。塗液としては2液性のエポキシ樹脂
を用いた。即ち、主剤としてエポコート828(油化シ
ェル製)を100部、硬化剤としてメラン11(日立化
成製)20部、溶剤としてエチルセルソルブ10部を混
合したものを用いた。粘度は1000センチポアズであ
った。このとき紫外線ランプの代わりに熱風発生器を用
いた。その他の条件は実施例1と同様に行った。
【0038】前記塗液をウェット膜厚が230μmとな
るようノズルから吐出し、メタルブレードをウェット塗
膜形成後の外径が30.1mmとなるようにアルミ押し
出し管に近づけた。余分な塗液は掻き取られ、ブレード
上面を伝って流出した。3秒間ブレードを近接状態に保
った後ブレードを離し、ノズルを基材から引き離した
後、熱風発生器から160℃の熱風を回転中の基材に吹
き付けた。30分この状態を保った後、レーザ測長機で
真直度及び真円度を測定したところ、それぞれ20μ
m、30μmであった。塗布前の値はそれぞれ100μ
m、150μmであった。
【0039】比較例1 実施例1において使用した塗布表面形成部材のブレード
体の先端を下向きに45°としてブレード先端がその基
部より低くなる様に変更した。また基材の回転方向は、
余剰樹脂の大部分がブレードの下部で掻き落とされる方
向に設定した以外は実施例1と同様にして行った。その
結果、余剰液の大部分は掻き落とされるものの、その一
部は基材の回転によってブレードの上下面に付着し、付
着した余剰液が重量により、外径がまさに決定されるブ
レード先端に流下しての塗布表面形成領域に付着し、し
かも付着が不均一であるので目視ではっきり判るような
凹部を塗着表面に形成していた。
【0040】比較例2 比較例1における塗布表面形成部材のブレード体を水平
にして、ブレード体の先端と基部を同位置にした以外は
比較例1と同様にして行った。その結果、やはりブレー
ド先端部への余剰液の流下が若干起こっており同様の問
題が生じた。
【0041】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、円筒状ま
たは円柱状の基材の加工精度に関係なく、外径精度を高
め表面粗さをさらに向上することが出来る改良された塗
膜形成方法が提供される。そして、本発明の塗膜形成方
法を利用することにより、金属素材の薄肉化によらず、
塗布と言う簡単な操作付加加工により、要求される外径
精度(真直度、真円度、円筒度、表面粗さ等)の電子写
真感光体用基体を製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の部材を塗布面から離した場合の離れ
跡を有する表面形状を示す図である。
【図2】本発明の塗膜形成方法を実施する塗布装置の一
例を示す説明図である。
【図3】本発明の塗膜形成方法を実施する塗布装置の他
の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の塗膜形成部材の先端部の一例を示す説
明図である。
【図5】本発明の塗膜形成部材の先端部の一例を示す説
明図である。
【図6】本発明の塗膜形成方法を実施する塗布装置の一
例を示す説明図である。
【図7】実施例1に供したガラス管の真直度の測定結果
(塗膜形成前の結果)を示すグラフである。
【図8】実施例1で得られたガラス管の真直度の測定結
果(塗膜形成後の結果)を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基材 3 回転軸 10 スクリューネジ 14 移動体 15 塗布液供給管 17 定量ポンプ 18 塗布表面形成部材 18a ブレード状体 18b ブロック 24 紫外線照射装置 25 ノズル列 26 ノズルヘッド 28 ボールネジ 32 液受け機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状または円柱状の基材を水平に支持
    して回転させつつ、その基材表面に過剰量の塗布液を供
    給して連続した塗着面を形成し、当該塗布液が流動性を
    失う前に、先端部がブレード状体の塗布表面形成部材
    を、その先端部が基材の回転軸から一定の距離を保つ様
    に回転軸に対して平行にし、且つ該先端部が該塗布表面
    形成部材の基部より高い位置に位置する様に保持して、
    該先端部を前記塗着面に接触させることを特徴とする塗
    膜形成方法。
  2. 【請求項2】 該塗布液の粘度が塗布直後100センチ
    ポアズ以上であることを特徴とする請求項1記載の塗膜
    形成方法。
  3. 【請求項3】 該塗布表面形成部材により掻き取られた
    余剰液が、該塗布表面形成部材の上面を伝わり流下する
    方向に、基材を回転させることを特徴とする請求項1記
    載の塗膜形成方法。
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