JP2015029048A - レーザ装置及び光音響計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ装置及び光音響計測装置において、複数波長のうち、特にレーザ利得が低い波長において出力低下を抑制でき、かつ、短パルス化を可能とする。【解決手段】レーザロッド51は、第1の波長と第2の波長とに発光波長を有する。第1の波長の発光効率は第2の波長の発光効率よりも低い。第1のミラー53と第2のミラー54は、第1の波長の光を発振する第1の共振器を構成する。第1のミラー53と第2のミラー54は、第2の波長の光を発振する共振器を構成する。第1のQ値変更部56は、第1の共振器と第2の共振器とに共通の部分に配置され、第1の共振器及び第2の共振器のQ値を制御する。第2のQ値変更部57は、第2のミラー54と第3のミラー55との間に配置され、第2の共振器のQ値を制御する。【選択図】図2
Description
本発明は、レーザ装置に関し、更に詳しくは、第1の波長の光及び第2の波長の光を出射可能なレーザ装置に関する。また、本発明は、そのようなレーザ装置を含む光音響計測装置に関する。
従来、例えば特許文献1や非特許文献1に示されているように、光音響効果を利用して生体の内部を画像化する光音響画像化装置が知られている。この光音響画像化装置においては、例えばパルスレーザ光等のパルス光が生体に照射される。このパルス光の照射を受けた生体内部では、パルス光のエネルギーを吸収した生体組織が熱によって体積膨張し、音響波が発生する。この音響波を超音波プローブなどで検出し、検出された信号(光音響信号)に基づいて生体内部を可視像化することが可能となっている。光音響画像化方法では、特定の光吸収体において音響波が発生するため、生体における特定の組織、例えば血管等を画像化することができる。
ところで、生体組織の多くは光吸収特性が光の波長に応じて変わり、また一般に、その光吸収特性も組織ごとに特有のものとなっている。例えば図17に、ヒトの動脈に多く含まれる酸素化ヘモグロビン(酸素と結合したヘモグロビン:oxy-Hb)と、静脈に多く含まれる脱酸素化ヘモグロビン(酸素と結合していないヘモグロビンdeoxy-Hb)の光波長ごとの分子吸収係数を示す。動脈の光吸収特性は、酸素化ヘモグロビンのそれに対応し、静脈の光吸収特性は、脱酸素化ヘモグロビンのそれに対応する。この波長に応じた光吸収率の違いを利用して、互いに異なる2種の波長の光を血管部分に照射し、動脈と静脈とを区別して画像化する光音響画像化方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
ここで、可変波長レーザに関して、特許文献3には、分岐用偏光子と共振光路選択部とを用いて複数波長の発振を行うレーザ装置が記載されている。図18は、特許文献3に記載のレーザ装置を示す。このレーザ装置は、フラッシュランプ1214を励起源とするアレキサンドライトレーザであり、波長755nmと波長800nmのレーザ発振が可能である。発振される光束の偏光方向は紙面面内でありp偏光である。
共通光路1209上には、共振光路選択部を構成するポッケルスセル1205が配置される。ポッケルスセル1205には、波長800nmを発振する際には入射した直線偏光の偏光方向を90°回転させる電圧が印加され、波長755nmを発振する際には電圧は印加されない。光路分岐部である偏光子1204は、p偏光を透過しs偏光を反射する。偏光子1204を透過した光は、第1の分岐光路1210を進み、第1の反射プリズム1207で反射する。一方、偏光子1204で反射した光は、第2の分岐光路1211を進み、第2の反射プリズム1208で反射する。
第1の反射プリズム1207は、入射光に対してブリュースター角となるように配置される。第1の反射プリズム1207は、波長755nmの光を選択的に反射する誘電体反射膜を有する。第2の反射プリズム1208は、波長800nmの光を選択的に反射する誘電体反射膜を有する。出力鏡1202と第1の反射プリズム1207とにより、波長755nmの共振器が構成される。また、出力鏡1202と第2の反射プリズム1208とにより、波長800nmの共振器が構成される。
共通光路1209上には、ポッケルスセル1212及びλ/4波長板1213により構成されるQスイッチも配置されている。フラッシュランプ1214を点灯するとき、Qスイッチを構成するポッケルスセル1212には電圧が印加されず、Qスイッチはオフしている。フラッシュランプ1214の点灯後、アレキサンドライト結晶1203における反転分布密度が十分に高くなるタイミングでQスイッチをオンにする。出力鏡1202と第1の反射プリズム1207とによって構成される共振器、又は出力鏡1202と第2の反射プリズム1208とによって構成される共振器でレーザ発振が起こり、出力鏡1202からパルスレーザ光が出射する。
共振光路選択部を構成するポッケルスセル1205に電圧が印加されてない場合、アレキサンドライト結晶1203から出射したp偏光の光は、ポッケルスセル1205をp偏光のまま透過し、p偏光を透過する偏光子1204を透過して第1の分岐光路1210を通り、第1の反射プリズム1207で反射する。第1の反射プリズム1207で反射した光は、偏光子1204及びポッケルスセル1205をp偏光のまま逆向きに通り、アレキサンドライト結晶1203に入射する。出力鏡1202と第1の反射プリズム1207とにより共振器が構成され、レーザ発振が起こる。第1の反射プリズム1207が波長755nmの光を選択的に反射することで、波長755nmの光が発振する。
ポッケルスセル1205に入射光の偏光方向を90°回転させる電圧が印加される場合、アレキサンドライト結晶1203から出射したp偏光の光は、ポッケルスセル1205を透過する際に偏光方向が90°回転してs偏光となる。s偏光となった光は、偏光子1204で反射して第2の分岐光路1211を通り、第2の反射プリズム1208で反射する。第2の反射プリズム1208で反射した光は、偏光子1204を逆向きに通り、ポッケルスセル1205に逆向きに入射する。ポッケルスセル1205にs偏光で入射した光は、ポッケルスセル1205を通過する際に偏光方向が90°回転され、p偏光となってアレキサンドライト結晶1203に入射する。出力鏡1202と第2の反射プリズム1208とにより共振器が構成され、レーザ発振が起こる。第2の反射プリズム1208が波長800nmの光を選択的に反射することで、波長800nmの光が発振する。
A High-Speed Photoacoustic Tomography System based on a Commercial Ultrasound and a Custom Transducer Array, Xueding Wang, Jonathan Cannata, Derek DeBusschere, Changhong Hu, J. Brian Fowlkes, and Paul Carson, Proc. SPIE Vol. 7564, 756424 (Feb.23, 2010)
特許文献3では、波長755nmの共振器と波長800nmの共振器とに共通の共通光路にポッケルスセルが2つ挿入されている。すなわち、Qスイッチ用のポッケルスセル1212と共振器光路選択用のポッケルスセル1205とが共通光路に挿入されている。光がポッケルスセルを通過する際に光のロスが発生するため、特許文献3に記載のレーザは、Qスイッチ用のポッケルスセルが共振器内に1つだけ配置される通常のQスイッチレーザに比べて、光損失が大きい。アレキサンドライトレーザにおいて、波長755nmのレーザ利得と800nmのレーザ利得とを比べると、波長800nmの方がレーザ利得が低く、特にレーザ出力が低い波長800nmにおいて、余分な出力ロスを抑制したいという要望がある。
また、光音響計測において、パルス光照射に起因して発生する光音響波の強度は、照射するパルス光のパルス幅に依存して変化する。強い光音響波を発生させるために、パルス幅が短いパルス光を照射することが好ましい。一般に、パルスレーザ光のパルス幅は共振器長に依存して変化し、共振器長を短くすることで短波パルス化が可能である。しかし、特許文献3では、両波長に共通の共通光路にポッケルスセルが2つ挿入されているため、共振器長を短くできない。
本発明は、上記に鑑み、複数波長のうち、特にレーザ利得が低い波長において出力低下を抑制でき、かつ、短パルス化が可能な波長可変のレーザ装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記レーザ装置を含む光音響計測装置を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は、第1の波長と第2の波長とに発光波長を有する固体のレーザ媒質であって、第1の波長の発光効率が第2の波長の発光効率よりも低いレーザ媒質と、レーザ媒質を間欠的に励起する励起手段と、レーザ媒質を挟んで対向する第1のミラー及び第2のミラーで構成され、第1の波長の光を発振する第1の共振器と、第1のミラーと、レーザ媒質及び第2のミラーを挟んで第1のミラーと対向する第3のミラーとで構成され、第2の波長の光を発振する第2の共振器と、第1の共振器と第2の共振器とに共通の部分に配置された、第1の共振器及び第2の共振器のQ値を制御する第1のQ値変更部と、第2のミラーと第3のミラーとの間に配置された、第2の共振器のQ値を制御する第2のQ値制御部とを備えたレーザ装置を提供する。
本発明のレーザ装置は、第1のQ値変更部及び第2のQ値変更部を駆動し、第1の共振器及び第2の共振器のQ値を、それぞれ共振器のQ値が発振しきい値よりも低い低Q状態にする第1の駆動状態、第1の共振器及び第2の共振器のQ値を、それぞれ共振器のQ値が発振しきい値よりも高い高Q状態にする第2の駆動状態、及び、第1の共振器のQ値を高Q状態にし、かつ第2の共振器のQ値を低Q状態にする第3の駆動状態の間で駆動状態を切り替える制御回路を更に備えた構成であってもよい。
制御回路は、レーザ媒質の励起時は第1のQ値変更部及び第2のQ値変更部の駆動状態を第1の駆動状態としてもよい。
制御回路は、レーザ媒質の励起後、発振波長が第1の波長のときは第1のQ値変更部及び第2のQ値変更部の駆動状態を第1の駆動状態から第3の駆動状態へと変化させ、発振波長が第2の波長のときは第1のQ値変更部及び第2のQ値変更部を第1の駆動状態から第2の駆動状態へと変化させることが好ましい。
制御回路は、発振波長が第2の波長のときは、第2の共振器のQ値が高Q状態となるように第2のQ値変更部を駆動するのと同時に第1の共振器のQ値が高Q状態となるように第1のQ値変更部を駆動することとすればよい。これに代えて、第2の共振器のQ値が高Q状態となるように第2のQ値変更部を駆動した後に第1の共振器のQ値が高Q状態となるように第1のQ値変更部を駆動してもよい。
第1のQ値変更部は、第1の共振器と第2の共振器とに共通の光路上に配置され、印加電圧に応じて第1の共振器及び第2の共振器のQ値を変化させる第1のQスイッチを含んでいてもよい。この場合、制御回路は、第1のQスイッチの印加電圧を制御することで第1のQ値変更部を駆動すればよい。
第1のQスイッチは、印加電圧がQスイッチオフに対応した第1の電圧のとき第1の共振器及び第2の共振器を低Q状態にし、印加電圧が、絶対値が第1の電圧の絶対値よりもが小さいQスイッチオンに対応した第2の電圧のとき第1の共振器及び第2の共振器を高Q状態にするものであってよい。第1の電圧は、例えば第1のQスイッチが通過する光に対して1/4波長板として働く電圧であってよい。第2の電圧は例えば無電圧(0V)であってよい。
第1のQ値変更部は、第1のQスイッチと第1のミラー及び第2のミラーの一方との間に配置された1/4波長板を更に含んでいてもよい。この場合、第1のQスイッチは、上記とは異なり、印加電圧がQスイッチオフに対応した第1の電圧のとき第1の共振器及び第2の共振器を低Q状態にし、印加電圧が、絶対値が第1の電圧の絶対値よりも大きいQスイッチオンに対応した第2の電圧のとき第1の共振器及び第2の共振器を高Q状態にするものであってよい。第1の電圧は例えば無電圧(0V)であってよい。第2の電圧は、例えば第1のQスイッチが1/4波長板として働く電圧であってよい。
上記の場合、Qスイッチオンに対応した第2の電圧が、第1の波長の発振時と第2の波長の発振時とで異なっていてもよい。
第2のQ値変更部は、第2のミラーと第3のミラーとの間に配置され、印加電圧に応じて第2の共振器のQ値を変化させる第2のQスイッチを含んでいてもよい。この場合、制御回路は、第2のQスイッチの印加電圧を制御することで2のQ値変更部を駆動すればよい。
第2のQ値変更部が、第2のQスイッチと第3のミラーとの間に配置された1/4波長板を更に含んでいてもよい。この場合、第2のQスイッチは、印加電圧がQスイッチオフに対応した第3の電圧のとき第2の共振器を低Q状態にし、印加電圧が、絶対値が第3の電圧の絶対値よりも大きいQスイッチオンに対応した第4の電圧のとき第2の共振器を高Q状態にするものであってよい。第3の電圧は例えば無電圧(0V)であってよい。第4の電圧は、例えば第2のQスイッチを1/4波長板として働かせる電圧であってよい。
第2のミラーは、第1の波長の光を反射し、第2の波長の光を透過するものであってよい。
第1のミラーを、第1の波長の光及び第2の波長の光の出力ミラーとしてもよい。
第1のミラーの第1の波長の光に対する反射率は、第2の波長の光に対する反射率よりも高く設定されていてもよい。
上記に代えて、第1のミラーを第1の波長の光の出力ミラーとし、かつ第3のミラーを第2の波長の光の出力ミラーとしてもよい。その場合、第1のミラーの第2の波長の光に対する反射率を第3のミラーの第2の波長の光に対する反射率よりも高く設定してもよい。
第1のミラーを第1の波長の光の出力ミラーとし、かつ第3のミラーを第2の波長の光の出力ミラーとした場合、第1のミラーの第1の波長の光に対する反射率を、第3のミラーの第2の波長の光に対する反射率よりも高く設定してもよい。
第1のミラーを第1の波長の光の出力ミラーとし、かつ第3のミラーを第2の波長の光の出力ミラーとするのに代えて、第1のミラーを第1の波長の光及び第2の波長の光の出力ミラーとし、かつ第3のミラーを第2の波長の光の出力ミラーとしてもよい。その場合、第1のミラーにおける第1の波長の光に対する反射率は第2の波長の光に対する反射率と同じであってもよい。
第1のミラー、第2のミラー、及び第3のミラーのうちの少なくとも1つが光軸方向に沿って移動可能に構成されていてもよい。
第1の波長の発振の繰り返し周波数は、第2の波長の発振の繰り返し周波数よりも高くてもよい。
本発明のレーザ装置は、第1の共振器の光路と第2の共振器の光路との少なくとも一方に、レーザ媒質から離れる方向に向かって光束を拡大するビームエキスパンダを更に備える構成としてもよい。
ビームエキスパンダは、例えばレーザ媒質と第2のミラーとの間に配置できる。
上記に代えて、ビームエキスパンダを、第2のミラーと第2のQ値制御部との間に配置してもよい。
ビームエキスパンダは凹レンズと凸レンズとを含んでいてもよい。第2のミラーが凹面ミラーであるとき、第2のミラーはビームエキスパンダの凹レンズを兼ねてもよい。
本発明のレーザ装置では、第1のミラーを平面ミラーとし、第2のミラー及び第3のミラーを凹面ミラーとしてもよい。この場合において、第1のミラーから見て第2のミラーよりも遠方にある第3のミラーの曲率半径は、第2のミラーの曲率半径よりも短いことが好ましい。
上記に代えて、第1のミラーを凹面ミラーとし、第2のミラー及び第3のミラーを平面ミラーとしてもよい。
本発明のレーザ装置では、第1の波長の発振時と第2の波長の発振時とでレーザ媒質の励起エネルギーが個別に設定されることが好ましい。例えば、第2の波長の発振時における励起エネルギーを、第1の波長の発振時における励起エネルギーよりも低くするとよい。
本発明のレーザ装置は、第2のミラーと第3のミラーとの間に、第2の波長の光に対して損失を与える光学フィルタを更に備える構成としてもよい。この場合でも、第1の共振器における第1の波長の発振しきい値は、第2の共振器における第2の波長の発振しきい値よりも高いことが好ましい。
本発明は、また、第1の波長と第2の波長とに発光波長を有する固体のレーザ媒質であって、第1の波長の発光効率が第2の波長の発光効率よりも低いレーザ媒質と、レーザ媒質を間欠的に励起する励起手段と、レーザ媒質を挟んで対向する第1のミラー及び第2のミラーで構成され、第1の波長の光を発振する第1の共振器と、第1のミラーと、レーザ媒質及び第2のミラーを挟んで第1のミラーと対向する第3のミラーとで構成され、第2の波長の光を発振する第2の共振器と、第1の共振器と第2の共振器とに共通の部分に配置された、第1の共振器及び第2の共振器のQ値を制御する第1のQ値変更部と、第2のミラーと第3のミラーとの間に配置された、第2の共振器のQ値を制御する第2のQ値制御部とを備えたレーザ装置と、第1及び第2の波長のレーザ光が被検体に出射されたときに被検体内で生じた光音響信号を検出し、第1及び第2の波長のそれぞれに対応した第1及び第2の光音響データを生成する検出手段とを備えたことを特徴とする光音響計測装置を提供する。
本発明のレーザ装置は、特に発光効率が低い第1の波長において出力低下を抑制できる。また、本発明のレーザ装置では、第1の波長についてパルス光の短パルス化が可能である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザ装置を含む光音響計測装置を示す。光音響計測装置10は、超音波探触子(プローブ)11と、超音波ユニット12と、レーザ光源ユニット(レーザ装置)13とを備える。レーザ光源ユニット13は、被検体に照射されるパルスレーザ光を出射する。レーザ光源ユニット13は、第1の波長及び第2の波長を含む複数の波長のレーザ光を出射する。レーザの利得係数(発光効率)の波長特性において、第2の波長における利得係数は第1の波長における利得係数よりも高い。
例えば、第1の波長(中心波長)として約800nmを考え、第2の波長として約755nmを考える。先に説明した図17を参照すると、ヒトの動脈に多く含まれる酸素化ヘモグロビン(酸素と結合したヘモグロビン:oxy-Hb)の波長755nmにおける分子吸収係数は、波長800nmにおける分子吸収係数よりも低い。一方、静脈に多く含まれる脱酸素化ヘモグロビン(酸素と結合していないヘモグロビンdeoxy-Hb)の波長755nmにおける分子吸収係数は、波長800nmにおける分子吸収係数よりも高い。この性質を利用し、波長800nmで得られた光音響信号に対して、波長755nmで得られた光音響信号が相対的に大きいのか小さいのかを調べることで、動脈からの光音響信号と静脈からの光音響信号とを判別することができる。あるいは、酸素飽和度を計測することができる。
なお、第1の波長と第2の波長の選択に関しては、理論上、選択される二波長において光吸収係数に差があればどのような二波長の組み合わせでもよく、上記した約755nmと約800nmの組み合わせには限定されない。扱いやすさなどを考えると、選択される2つの波長は、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンとで光吸収係数が同じになる波長約800nm(正確には798nm)と、脱酸素化ヘモグロビンの光吸収係数が極大値となる波長約755nm(正確には757nm)との組み合わせが好ましい。第1の波長は、正確に798nmである必要はなく、例えば793nm〜802nmの範囲にあれば実用上問題はない。また、第2の波長は、正確に757nmである必要はなく、例えば極大値(757nm)付近のピークの半値幅である748〜770nmの範囲にあれば実用上問題はない。
図2は、レーザ光源ユニット13の構成を示す。レーザ光源ユニット13は、レーザロッド51、フラッシュランプ52、第1のミラー53、第2のミラー54、第3のミラー55、第1のQ値変更部56、第2のQ値変更部57、及び制御回路62を有する。レーザロッド51は、レーザ媒質である。レーザロッド51は、第1の波長(800nm)と第2の波長(755nm)に発光波長を有する。レーザロッド51には、例えばアレキサンドライト結晶を用いることができる。
図3に、アレキサンドライトのレーザ利得を示す。アレキサンドライトのレーザ利得は、波長755nm付近でピークとなる。レーザ利得は、波長755nmよりも短い波長の範囲では波長が短くなるに連れて単調に減少していく。また、波長755nmよりも長い波長の範囲では波長が長くなるに連れて単調に減少していく。アレキサンドライト結晶の波長800nmにおけるレーザ利得係数は、波長755nmにおけるレーザ利得係数よりも低い。
フラッシュランプ52は、励起光源であり、レーザロッド51に励起光を照射する。フラッシュランプ52は間欠的に駆動される。フラッシュランプ52以外の光源を、励起光源として用いてもよい。
第1のミラー53、第2のミラー54、及び第3のミラー55は、レーザロッド51の光軸上に沿って並べられている。第1のミラー53、第2のミラー54は、レーザロッド51を挟んで対向する。第3のミラー55は、第2のミラー54から見てレーザロッド51とは反対側に配置され、レーザロッド51及び第2のミラー54を挟んで第1のミラー53と対向する。
第1のミラー53は、波長800nmの光及び波長755nmの光の出力ミラーである。第1のミラー53の波長800nmの光に対する反射率は、波長755nmの光に対する反射率よりも高い。例えば、第1のミラー53の波長800nmの光に対する反射率は80%であり、波長755nmの光に対する反射率は70%である。レーザ利得が低い波長800nmの光に対する反射率を高く設定することで、発振(投入)エネルギーしきい値が下がり、レーザ利得が増加する。これにより、パルスレーザ光の短パルス化が可能である。
第2のミラー54は、波長800nmの光を反射し、波長755nmの光を透過する。例えば、第2のミラー54の波長800nmの光に対する反射率は99.8%以上であり、波長755nmの光に対する反射率は0.5%以下である。第3のミラー55は、波長755nmの光を反射する。第3のミラー55の波長755nmの光に対する反射率は例えば99.8%以上である。
レーザロッド51から出射した光のうち、波長800nmの光は第2のミラー54で反射し、第1のミラー53と第2のミラー54との間を往復する。第1のミラー53と第2のミラー54とにより、波長800nmの光を発振する第1の共振器が構成される。一方、レーザロッド51から出射した波長755nmの光は第2のミラー54を透過して第3のミラー55で反射し、第1のミラー53と第3のミラー55との間を往復する。第1のミラー53と第3のミラー55とにより、波長755nmの光を発振する第2の共振器が構成される。第1の共振器の共振器長は、第2の共振器の共振器長よりも短い。第1のミラー53から第2のミラー54までの光路は、第1の共振器と第2の共振器とに共通の光路である。
第1のQ値変更部56は、第1の共振器と第2の共振器とに共通の部分に配置され、第1の共振器及び第2の共振器のQ値を制御する。第1のQ値変更部56は、例えば第1のミラー53とレーザロッド51との間に配置される。これに代えて、レーザロッド51と第2のミラー54との間に第1のQ値変更部56を配置してもよい。第1のQ値変更部56は、第1のQスイッチ58と偏光子59とを含む。第1のQスイッチ58は、第1の共振器と第2の共振器とに共通の光路上に配置される。第1のQスイッチ58は、印加電圧に応じて、第1の共振器及び第2の共振器のQ値を変化させる。第1のQスイッチ58には、印加電圧に応じて通過する光の偏光状態を変化させる電気光学素子を用いることができる。
偏光子59は、レーザロッド51と第1のQスイッチ58との間に配置される。偏光子59は、所定方向の直線偏光のみを透過させる。偏光子59には、例えば、所定の方向の直線偏光(例えばp偏光)を透過し、所定の方向に直交する方向(例えばs偏光)を反射するビームスプリッタを用いることができる。なお、レーザロッド51にアレキサンドライト結晶を用いた場合など、レーザロッド51が出射する光がp偏光であれば、偏光子59は省略してもよい。
第1のQスイッチ58には例えばポッケルスセルが用いられる。第1のQスイッチ58は、印加電圧がQスイッチオフに対応した第1の電圧のとき第1の共振器及び第2の共振器を低Q状態にする。低Q状態とは、共振器のQ値がレーザ発振しきい値よりも低い状態を指す。第1の電圧は、例えば第1のQスイッチ58が1/4波長板として働く電圧である。第1の電圧は正の電圧であっても、負の電圧であってもよい。第1のQスイッチ58は、印加電圧がQスイッチオンに対応した第2の電圧のとき、第1の共振器及び第2の共振器を高Q状態にする。高Q状態とは、共振器のQ値がレーザ発振しきい値よりも高い状態を指す。第2の電圧の絶対値は、第1の電圧の絶対値よりも小さい。第2の電圧は、例えば0V(電圧印加なし)であり、このとき第1のQスイッチ58を透過する光の偏光状態は変化しない。
第1のQスイッチ58に第1の電圧が印加されるとき、第1のQスイッチ58は1/4波長板として働き、偏光子59から第1のQスイッチ58に入射したp偏光の光は、第1のQスイッチ58を通過して円偏光となり、第1のミラー53で反射して第1のQスイッチ58に逆向きに入射する。第1のQスイッチ58に逆向きに入射した円偏光の光は、第1のQスイッチ58を通過する際にs偏光となり、s偏光を反射する偏光子59で反射して共振器の光路外へ放出される。一方、第1のQスイッチ58への印加電圧が0V(第2の電圧)のとき、偏光子59から第1のQスイッチ58に入射したp偏光の光はp偏光のまま第1のQスイッチ58を透過し、第1のミラー53で反射する。第1のミラー53で反射したp偏光の光は、偏光状態を変化させずに第1のQスイッチ58を透過し、p偏光を透過する偏光子59を透過してレーザロッド51に入射する。
第2のQ値変更部57は、第2のミラー54と第3のミラー55との間に配置され、第2の共振器のQ値を制御する。第2のQ値変更部57は、第2のQスイッチ60と1/4波長板61とを含む。第2のQスイッチ60は、第2の共振器の光路上で、かつ第1の共振器の光路外、すなわち第2のミラー54と第3のミラー55との間に配置される。第2のQスイッチ60は、印加電圧に応じて第2の共振器のQ値を変化させる。第2のQスイッチ60には、印加電圧に応じて通過する光の偏光状態を変化させる電気光学素子を用いることができる。1/4波長板61は、第2のQスイッチ60と第3のミラー55との間に配置される。
第2のQスイッチ60には例えばポッケルスセルが用いられる。第2のQスイッチ60は、印加電圧がQスイッチオフに対応した第3の電圧のとき第2の共振器を低Q状態にする。第3の電圧は、例えば0V(電圧印加なし)であり、このとき第2のQスイッチ60を透過する光の偏光状態は変化しない。第2のQスイッチ60は、印加電圧がQスイッチオンに対応した第4の電圧のとき第2の共振器を高Q状態にする。第4の電圧の絶対値は第3の電圧の絶対値よりも大きい。第4の電圧は、例えば第2のQスイッチ60が1/4波長板として働く電圧である。第4の電圧は、正の電圧であっても、負の電圧であってもよい。
第2のQスイッチ60への印加電圧が0V(第3の電圧)のとき、レーザロッド51側から第2のミラー54を通して第2のQスイッチ60に入射したp偏光の光は、第2のQスイッチ60を偏光状態を変化させずに通過し、1/4波長板61を通過して円偏光となって第3のミラー55で反射する。第3のミラー55で反射した円偏光は、1/4波長板61を逆向きに通ってs偏光となり、第2のQスイッチ60をs偏光のまま通過してレーザロッド51へ戻る。ここで、第2のミラー54は波長800nmの光を反射し、波長755nmの光を透過する。このため、第2のミラー54と第3のミラー55との間を進行する光は波長755nmの光であり、波長800nmの光は第2のミラー54から第3のミラー55側には進行しない。
一方、第2のQスイッチ60に第4の電圧が印加されるとき、第2のQスイッチ60は1/4波長板として働き、レーザロッド51側から第2のミラー54を通して第2のQスイッチ60に入射したp偏光の光は、第2のQスイッチ60を通過する際に円偏光となり、更に1/4波長板61を通過してs偏光となって第3のミラー55で反射する。第3のミラー55で反射した光は、1/4波長板61を逆向きに通って円偏光となり、更に第2のQスイッチ60を通過してp偏光となって、レーザロッド51へ戻る。
制御回路62は、第1のQ値変更部56及び第2のQ値変更部57を駆動する。制御回路62は、第1の共振器及び第2の共振器のQ値を、共振器のQ値が発振しきい値よりも低い低Q状態にする第1の駆動状態、第1の共振器及び第2の共振器のQ値を、共振器のQ値が発振しきい値よりも高い高Q状態にする第2の駆動状態、及び、第1の共振器のQ値を高Q状態にし、かつ第2の共振器のQ値を低Q状態にする第3の駆動状態の間で駆動状態を切り替える。制御回路62は、第1のQスイッチ58への印加電圧を制御することで第1のQ値変更部56を駆動し、第2のQスイッチ60への印加電圧を制御することで第2のQ値変更部57を駆動する。制御回路62は、フラッシュランプ52の駆動も行う。
制御回路62は、第1の駆動状態では、第1のQスイッチ58に第1の電圧を印加して、第1のQスイッチ58を1/4波長板として働かせる。また、第2のQスイッチ60への印加電圧を0V(第3の電圧)とし、第2のQスイッチ60を通過する光の偏光状態を変化させない。第1のQスイッチ58が1/4波長板として働くことで、第1のミラー53で反射した光はレーザロッド51に入射しない。また、第2のQスイッチ60を通過する光の偏光状態を変化させないことで、第3のミラー55で反射した波長755nmの光をs偏光でレーザロッド51へ入射させる。その結果、第1の共振器及び第2の共振器のQ値は低Q状態となり、波長800nmと波長755nmの双方について、レーザ発振が起こらない。なお、第1のQスイッチ58は第1の共振器と第2の共振器とに共通の光路上に配置されており、第1のQスイッチ58に第1の電圧を印加することで第2の共振器のQ値を低Q状態にすることができる。このため、第1の駆動状態において、第2のQスイッチ60への印加電圧は特に第3の電圧には限定されず、第2のQスイッチ60に第4の電圧を印加し、第2のQスイッチ60を1/4波長板として働かせていてもよい。
制御回路62は、第2の駆動状態では、第1のQスイッチ58への印加電圧を0V(第2の電圧)とし、第1のQスイッチ58を通過する光の偏光状態を変化させない。また、第2のQスイッチ60に第4の電圧を印加して、第2のQスイッチ60を1/4波長板として働かせる。第1のQスイッチ58を通過する光の偏光状態を変化させないことで、第1のミラー53で反射した光はp偏光でレーザロッド51に入射する。また、第2のQスイッチ60を1/4波長板として働かせることで、第3のミラー55で反射した波長755nmの光はp偏光でレーザロッド51へ入射する。その結果、第1の共振器及び第2の共振器のQ値は高Q状態となり、レーザ発振が起こる。波長800nmと波長755nmとでは、波長755nmのレーザ利得の方が波長800nmのレーザ利得よりも高いため、発振波長はレーザ利得が高い755nmとなる。
制御回路62は、第3の駆動状態では、第1のQスイッチ58への印加電圧を0V(第2の電圧)とし、第1のQスイッチ58を通過する光の偏光状態を変化させない。また、第2のQスイッチ60への印加電圧を0V(第3の電圧)とし、第2のQスイッチ60を通過する光の偏光状態を変化させない。第1のQスイッチ58を通過する光の偏光状態を変化させないことで、第1のミラー53で反射した光はp偏光でレーザロッド51に入射する。また、第2のQスイッチ60を通過する光の偏光状態を変化させないことで、第3のミラー55で反射した波長755nmの光をs偏光でレーザロッド51へ入射させる。その結果、第1の共振器は高Q状態で、かつ第2の共振器のQ値は低Q状態となり、第1の共振器でレーザ発振が起こる。第1の共振器は波長800nmの共振器であり、発振波長は800nmとなる。
制御回路62は、レーザロッド51の励起時は、第1のQ値変更部56及び第2のQ値変更部57の駆動状態を第1の駆動状態とする。すなわち、第1の共振器及び第2の共振器のQ値を低Q状態にしてフラッシュランプ52を点灯し、レーザロッド51の励起を行う。制御回路62は、レーザロッド51の励起後、発振波長が800nmのときは第1のQ値変更部56及び第2のQ値変更部57の駆動状態を第1の駆動状態から第3の駆動状態へと変化させる。第3の駆動状態では、第1の共振器が高Q状態で、かつ第2の共振器が低Q状態であるため、発振波長は波長800nmとなる。第1の共振器のQ値を低Q状態から高Q状態へ急激に変化させることで、波長800nmのパルスレーザ光を得ることができる。
制御回路62は、レーザロッド51の励起後、発振波長が755nmのときは第1のQ値変更部56及び第2のQ値変更部57の駆動状態を第1の駆動状態から第2の駆動状態へと変化させる。このとき制御回路62は、第2の共振器が高Q状態となるように第2のQ値変更部57を駆動するのと同時に第1の共振器が高Q状態となるように第1のQ値変更部56を駆動する。あるいは、第2の共振器が高Q状態となるように第2のQ値変更部57を駆動した後に第1の共振器が高Q状態となるように第1のQ値変更部56を駆動してもよい。第2の駆動状態では、双方の共振器が高Q状態となるが、発振波長は、波長800nmと波長755nmとのうちでレーザ利得が高い755nmとなる。第1の共振器及び第2の共振器のQ値を低Q状態から高Q状態へ急激に変化させることで、波長755nmのパルスレーザ光を得ることができる。
図4は、励起エネルギーとパルスレーザ光のパルス幅との関係を示す。同図には、2つの共振器長について、励起エネルギーとパルス幅との関係を示している。グラフ(a)は共振器長が短い共振器を用いた場合の励起エネルギーとパルス幅との関係を示し、グラフ(b)は共振器長が長い共振器を用いた場合の励起エネルギーとパルス幅との関係を示す。グラフ(a)とグラフ(b)を参照すると、励起エネルギーを一定とした場合、共振器長が短い方が、共振器長が長い場合に比べてパルス幅を短くできることがわかる。レーザ光源ユニット13(図2参照)では、第1の共振器は第2の共振器よりも共振器長が短いため、波長800nmのパルスレーザ光のパルス幅を、波長755nmのパルスレーザ光のパルス幅よりも短くできる。
図5は、励起エネルギーとレーザ出力との関係を示す。同図には、2つの共振器長について、励起エネルギーとレーザ出力との関係を示す。グラフ(a)は共振器長が短い共振器を用いた場合の励起エネルギーとレーザ出力との関係を示し、グラフ(b)は共振器長が長い共振器を用いた場合の励起エネルギーとレーザ出力との関係を示す。グラフ(a)とグラフ(b)を参照すると、励起エネルギーを一定とした場合、共振器長が短い方が、共振器長が長い場合に比べてレーザ出力を上げることができることがわかる。レーザ光源ユニット13では、第1の共振器は第2の共振器よりも共振器長が短く、双方の共振器の共振器長を同じにした場合に比べて、波長800nmの光のレーザ出力を上げることができる。
図6は、励起エネルギーとパルスレーザ光のパルス幅との関係を示す。同図において、グラフ(a)は、出力ミラーである第1のミラー53の反射率を80%とした場合の励起エネルギーとパルス幅との関係を示し、グラフ(b)は第1のミラー53の反射率を60%とした場合の励起エネルギーとパルス幅との関係を示す。グラフ(a)とグラフ(b)を参照すると、励起エネルギーを一定とした場合、出力ミラーの反射率が高い方が、出力ミラーの反射率を低くした場合に比べてパルス幅を短くできることがわかる。第1のミラー53の波長800nmの光に対する反射率を、波長755nmの光に対する反射率よりも高くすることで、波長800nmのパルスレーザ光のパルス幅を、波長755nmのパルスレーザ光のパルス幅よりも短くできる。
図7は、励起エネルギーとレーザ出力との関係を示す。同図において、グラフ(a)は、第1のミラー53の反射率を80%とした場合の励起エネルギーとレーザ出力との関係を示し、グラフ(b)は第1のミラー53の反射率を60%とした場合の励起エネルギーとレーザ出力との関係を示す。グラフ(a)とグラフ(b)を参照すると、励起エネルギーを一定とした場合、出力ミラーの反射率が高い方が、出力ミラーの反射率を低くした場合に比べてレーザ出力を上げることができることがわかる。第1のミラー53の波長800nmの光に対する反射率を、波長755nmの光に対する反射率よりも高くすることで、双方の波長の反射率を同じにした場合に比べて、波長800nmの光のレーザ出力を上げることができる。
図8は、レーザ発振時の各部の動作波形を示す。制御回路62は、時刻t1でフラッシュランプ52を点灯する(a)。制御回路62は、フラッシュランプ52を点灯する前に、第1のQスイッチ58に第1の電圧を印加し(b)、第2のQスイッチ60への印加電圧を0V(第3の電圧)とする(c)。第1のQスイッチ58に第1の電圧を印加する時刻は、時刻t1よりも少し前の時刻でよい。あるいは、前回のパルスレーザ光出射の後から第1のQスイッチ58に第1の電圧を印加し続けてもよい。第1のQスイッチ58に第1の電圧を印加することで、第1のQスイッチ58は1/4波長板として働く。また、第2のQスイッチ60への電圧印加を行わないことで、第2のQスイッチ60を通過する光の偏光状態は変化しない。
時刻t1でレーザロッド51が励起されると、レーザロッド51からはp偏光の光が出射する。しかしながら、レーザロッド51から第1のミラー53方向に出射した光は、1/4波長板として働く第1のQスイッチ58を往復して偏光方向が90°回転し、偏光子59を通過することができず、レーザロッド51に帰還しない。また、レーザロッド51から第2のミラー54方向に出射した光のうち、波長755nmの光は、1/4波長板61を往復して偏光方向が90°回転し、所定の偏光軸を持つレーザロッド51に帰還しない。従って、第1の共振器及び第2の共振器のQ値は低Q状態となり、第1の共振器及び第2の共振器は発振しない。
制御回路62は、時刻t2で第1のQスイッチ58への印加電圧を第1の電圧から0V(第2の電圧)に変化させる(b)。このとき、第2のQスイッチ60への印加電圧は0Vのまま変化させない(c)。第1のQスイッチ58への印加電圧を0Vに変化させることで、第1の共振器のQ値は低Q状態から高Q状態へと変化する。一方で、第2の共振器のQ値は低Q状態に保たれる。第1の共振器のみが高Q状態となることで、波長800nmでレーザ発振が起こり、第1のミラー53から、波長800nmのパルスレーザ光が出射する(d)。
制御回路62は、波長800nmのパルスレーザ光の出射後、時刻t3でフラッシュランプ52を点灯する(a)。制御回路62は、時刻t3よりも前の時刻に第1のQスイッチ58に第1の電圧を印加しており(b)、第1の共振器及び第2の共振器のQ値は低Q状態となっている。制御回路62は、時刻t4で、第1のQスイッチ58の印加電圧を第1の電圧から0Vに変化させ、第2のQスイッチ60の印加電圧を0Vから第4の電圧に変化させる。第1のQスイッチ58の印加電圧と第2のQスイッチ60の印加電圧とを同時に変化させるか、又は第2のQスイッチ60の印加電圧を先に変化させてから第1のQスイッチ58の印加電圧を変化させると、波長800nmと波長755nmとのうち、レーザ利得が高い波長755nmが発振し、第1のミラー53から、波長755nmのパルスレーザ光が出射する(d)。
なお、第1のQ値変更部56及び第2のQ値変更部57は、第1の共振器及び第2の共振器が共に高Q状態、第1の共振器及び第2の共振器が共に低Q状態、及び第1の共振器が高Q状態で第2の共振器が低Q状態の3つの状態を切り替えられればよく、第1のQ値変更部56及び第2のQ値変更部57の具体的な構成は上記したものには限定されない。例えば第1のQ値変更部56を、第2のQ値変更部57と同様に、ポッケルスセルと1/4波長板とを組み合わせたもので構成としてもよいし、第2のQ値変更部57を、第1のQ値変更部56と同様に、ポッケルスセルと偏光子とを組み合わせたもので構成してもよい。
第1のQ値変更部56を、ポッケルスセル(第1のQスイッチ)と1/4波長板とで構成した場合、1/4波長板は、第1のミラー53とポッケルスセルとの間に配置される。ポッケルスセルは、印加電圧がQスイッチオフに対応した第1の電圧のとき第1の共振器及び第2の共振器を低Q状態にし、印加電圧がQスイッチオンに対応した第2の電圧のとき第1の共振器及び第2の共振器を高Q状態にする。この場合の第1の電圧は例えば0Vであり、第2の電圧は例えばポッケルスセルが1/4波長板として働く電圧である。第2の電圧は、正の電圧であっても負の電圧であってもよい。第2の電圧の絶対値は、第1の電圧の絶対値よりも大きい。ここで、ポッケルスセルが1/4波長板として働く電圧は波長に依存して変化するため、Qスイッチオンに対応した第2の電圧は、波長800nmの発振時と波長755nmの発振時とで異なる。すなわち、波長800nmの発振時と波長755nmの発振時とで、ポッケルスセルへの印加電圧が異なる。このため、ポッケルスセルへの印加電圧0VがQスイッチオンに対応する構成に比べて、Qスイッチのドライブ回路やその制御がやや複雑になる。従って、第1のQ値変更部56は、図2に示したように、印加電圧0VがQスイッチオンに対応する構成とすることが好ましい。
第2のQ値変更部57については、ポッケルスセルに1/4波長板として働く電圧を印加することで第2の共振器を高Q状態とする構成が好ましい。この構成では、波長755nmの発振時にのみポッケルスセルに1/4波長板として働く電圧を印加すればよいため、高電圧を印加する時間が短くて済む。第2のQ値変更部57を、第1のQ値変更部56と同様な構成した場合は、Qスイッチオフに対応した電圧が1/4波長板として働く電圧であるため、ポッケルスセルに高電圧を印加する時間が長くなり、マイグレーションによるポッケルスセルの電極部の劣化が進行する。第2のQ値変更部57は、波長755nmの光のみを制御すればよいため、1/4波長板として働かせるときに波長に応じて異なる電圧を印加する必要はない。
第1のミラー53、第2のミラー54、及び第3のミラー55のうちの少なくとも1つを、光軸方向に沿って移動可能としてもよい。3つのミラーのうちの少なくとも1つを光軸方向に沿って移動可能とすることで、ミラー間の相対間隔が調整可能であり、第1の共振器の共振器長や第2の共振器の共振器の共振器長が変更可能である。第1の共振器の共振器長及び第2の共振器の共振器長の少なくとも一方を変更することで、波長800nmのパルスレーザ光のパルス幅及び波長755nmのパルスレーザ光のパルス幅の少なくとも一方を変更することができる。この仕組みにより、例えば、ミラーの反射率によるパルス幅の変化を補正することもできる。
図1に戻り、レーザ光源ユニット13から出射したレーザ光は、例えば光ファイバなどの導光手段を用いてプローブ11まで導光され、プローブ11から被検体に向けて照射される。レーザ光の照射位置は特に限定されず、プローブ11以外の場所からレーザ光の照射を行ってもよい。被検体内では、光吸収体が照射されたレーザ光のエネルギーを吸収することで超音波(光音響波)が生じる。プローブ11は、超音波検出器を含む。プローブ11は、例えば一次元的に配列された複数の超音波検出器素子(超音波振動子)を有し、その一次元配列された超音波振動子により、被検体内からの音響波(光音響信号)を検出する。
超音波ユニット12は、受信回路21、AD変換手段22、受信メモリ23、複素数化手段24、光音響画像再構成手段25、位相情報抽出手段26、強度情報抽出手段27、検波・対数変換手段28、光音響画像構築手段29、トリガ制御回路30、及び制御手段31を有する。受信回路21は、プローブ11が検出した光音響信号を受信する。AD変換手段22は検出手段であり、受信回路21が受信した光音響信号をサンプリングし、デジタルデータである光音響データを生成する。AD変換手段22は、ADクロック信号に同期して、所定のサンプリング周期で光音響信号のサンプリングを行う。
AD変換手段22は、光音響データを受信メモリ23に格納する。AD変換手段22は、レーザ光源ユニット13から出射されるパルスレーザ光の各波長に対応した光音響データを受信メモリ23に格納する。つまり、AD変換手段22は、被検体に第1の波長のパルスレーザ光が照射されたときにプローブ11で検出された光音響信号をサンプリングした第1の光音響データと、第2の波長のパルスレーザ光が照射されたときにプローブ11で検出された光音響信号をサンプリングした第2の光音響データとを、受信メモリ23に格納する。
複素数化手段24は、受信メモリ23から第1の光音響データと第2の光音響データとを読み出し、何れか一方を実部、他方を虚部とした複素数データを生成する。以下では、複素数化手段24が、第1の光音響データを虚部とし、第2の光音響データを実部とした複素数データを生成するものとして説明する。
光音響画像再構成手段25は、複素数化手段24から複素数データを入力する。光音響画像再構成手段25は、入力された複素数データから、フーリエ変換法(FTA法)により画像再構成を行う。フーリエ変換法による画像再構成には、例えば文献”Photoacoustic Image Reconstruction-A Quantitative Analysis”Jonathan I.Sperl et al. SPIE-OSA Vol.6631 663103 等に記載されている従来公知の方法を適用することができる。光音響画像再構成手段25は、再構成画像を示すフーリエ変換のデータを位相情報抽出手段26と強度情報抽出手段27とに入力する。
位相情報抽出手段26は、各波長に対応した光音響データ間の相対的な信号強度の大小関係を抽出する。本実施形態では、位相情報抽出手段26は、光音響画像再構成手段25で再構成された再構成画像を入力データとし、複素数データである入力データから、実部と虚部とを比較したときに、相対的に、どちらがどれくらい大きいかを示す位相情報を生成する。位相情報抽出手段26は、例えば複素数データがX+iYで表わされるとき、θ=tan−1(Y/X)を位相情報として生成する。なお、X=0の場合はθ=90°とする。実部を構成する第2の光音響データ(X)と虚部を構成する第1の光音響データ(Y)とが等しいとき、位相情報はθ=45°となる。位相情報は、相対的に第2の光音響データが大きいほどθ=0°に近づいていき、第1の光音響データが大きいほどθ=90°に近づいていく。
強度情報抽出手段27は、各波長に対応した光音響データに基づいて信号強度を示す強度情報を生成する。本実施形態では、強度情報抽出手段27は、光音響画像再構成手段25で再構成された再構成画像を入力データとし、複素数データである入力データから、強度情報を生成する。強度情報抽出手段27は、例えば複素数データがX+iYで表わされるとき、(X2+Y2)1/2を、強度情報として抽出する。検波・対数変換手段28は、強度情報抽出手段27で抽出された強度情報を示すデータの包絡線を生成し、次いでその包絡線を対数変換してダイナミックレンジを広げる。
光音響画像構築手段29は、位相情報抽出手段26から位相情報を入力し、検波・対数変換手段28から検波・対数変換処理後の強度情報を入力する。光音響画像構築手段29は、入力された位相情報と強度情報とに基づいて、光吸収体の分布画像である光音響画像を生成する。光音響画像構築手段29は、例えば入力された強度情報に基づいて、光吸収体の分布画像における各画素の輝度(階調値)を決定する。また、光音響画像構築手段29は、例えば位相情報に基づいて、光吸収体の分布画像における各画素の色(表示色)を決定する。光音響画像構築手段29は、例えば例えば位相0°から90°の範囲を所定の色に対応させたカラーマップに用いて、入力された位相情報に基づいて各画素の色を決定する。
ここで、位相0°から45°の範囲は、第2の光音響データが第1の光音響データよりも大きい範囲であるため、光音響信号の発生源は、波長798nmに対する吸収よりも波長755nmに対する吸収の方が大きい脱酸素化ヘモグロビンを主に含む血液が流れている静脈であると考えられる。一方、位相45°から90°の範囲は、第1の光音響データが第2の光音響データよりも大きい範囲であるため、光音響信号の発生源は、波長798nmに対する吸収よりも波長755nmに対する吸収の方が小さい酸素化ヘモグロビンを主に含む血液が流れている動脈であると考えられる。
そこで、カラーマップとして、例えば位相が0°が青色で、位相が45°に近づくに連れて無色(白色)になるように色が徐々に変化すると共に、位相90°が赤色で、位相が45°に近づくに連れて白色になるように色が徐々に変化するようなカラーマップを用いる。この場合、光音響画像上で、動脈に対応した部分を赤色で表わし、静脈に対応した部分を青色で表わすことができる。強度情報を用いずに、階調値は一定として、位相情報に従って動脈に対応した部分と静脈に対応した部分との色分けを行うだけでもよい。画像表示手段14は、光音響画像構築手段29が生成した光音響画像を表示画面上に表示する。
制御手段31は、超音波ユニット12内の各部の制御を行う。トリガ制御回路30は、レーザ光源ユニット13に、フラッシュランプ52(図2)の発光を制御するためのフラッシュランプトリガ信号を出力する。レーザ光源ユニット13の制御回路62は、フラッシュランプトリガ信号を受けるとフラッシュランプ52を点灯し、フラッシュランプ52からレーザロッド51に励起光を照射させる。トリガ制御回路30は、フラッシュランプトリガ信号の出力後、制御回路62にQスイッチトリガ信号を出力する。制御回路62は、発振波長が800nmのときは第1の共振器のQ値を低Q状態から高Q状態に変化させる。発振波長が755nmのときは第1の共振器及び第2の共振器のQ値を低Q状態から高Q状態に変化させる。
トリガ制御回路30は、Qスイッチトリガ信号のタイミング、すなわちパルスレーザ光の出射タイミングに合わせて、AD変換手段22にサンプリングトリガ信号(ADトリガ信号)を出力する。AD変換手段22は、サンプリングトリガ信号にと基づいて光音響信号のサンプリングを開始する。
次いで動作手順について説明する。図9は、光音響計測装置10の動作手順を示す。トリガ制御回路30(図1)は、光音響信号の受信準備が整うと、第1の波長(800nm)のパルスレーザ光を出射させるために、レーザ光源ユニット13にフラッシュランプトリガ信号を出力する(ステップS1)。レーザ光源ユニット13の制御回路62(図2)は、フラッシュランプトリガ信号を受け取る前に、第1のQスイッチ58に第1の電圧を印加し、第1の共振器及び第2の共振器を低Q状態にしている。制御回路62は、フラッシュランプトリガ信号に応答してフラッシュランプ52を点灯し、レーザロッド51を励起させる(ステップS2)。
トリガ制御回路30は、フラッシュランプトリガ信号の出力後、レーザロッド51が十分に励起された後にQスイッチトリガ信号をレーザ光源ユニット13に出力する。制御回路62は、第1のQスイッチ58の印加電圧を第1の電圧から0Vに変化させる(ステップS3)。このとき制御回路62は、第2のQスイッチ60には0Vを印加しており、第1の共振器は高Q状態、第2の共振器は低Q状態に制御される。第1の共振器及び第2の共振器のうち、第1の共振器のみが高Q状態となることで、レーザ光源ユニット13は、波長800nmのパルスレーザ光を出射する。
レーザ光源ユニット13から出射した波長800nmのパルスレーザ光は、例えばプローブ11まで導光され、プローブ11から被検体に照射される。被検体内では、光吸収体が照射されたパルスレーザ光のエネルギーを吸収することで、光音響信号が発生する。プローブ11は、被検体内で発生した光音響信号を検出する。プローブ11で検出された光音響信号は、受信回路21にて受信される。
トリガ制御回路30は、Qスイッチトリガ信号を出力するタイミングに合わせて、AD変換手段22にサンプリングトリガ信号を出力する。AD変換手段22は、受信回路21で受信された光音響信号を、所定のサンプリング周期でサンプリングする(ステップS4)。AD変換手段22でサンプリングされた光音響信号は、受信メモリ23に第1の光音響データとして格納される。
トリガ制御回路30は、次の光音響信号の受信準備が整うと、第2の波長(755nm)のパルスレーザ光を出射させるために、レーザ光源ユニット13にフラッシュランプトリガ信号を出力する(ステップS5)。制御回路62は、フラッシュランプトリガ信号を受け取る前に、第1のQスイッチ58に第1の電圧を印加し、第1の共振器及び第2の共振器を低Q状態にしている。制御回路62は、フラッシュランプトリガ信号に応答してフラッシュランプ52を点灯し、レーザロッド51を励起させる(ステップS6)。
トリガ制御回路30は、フラッシュランプ52の点灯後、レーザロッド51が十分に励起された後にQスイッチトリガ信号をレーザ光源ユニット13に出力する。制御回路62は、第1のQスイッチ58の印加電圧を第1の電圧から0Vに変化させ、第2のQスイッチ60への印加電圧を0Vから第4の電圧に変化させる(ステップS7)。このとき制御回路62は、第1のQスイッチ58と第2のQスイッチ60とで同時に印加電圧を変化させるか、又は、先に第2のQスイッチ60の印加電圧を変化させてから第1のQスイッチ58の印加電圧を変化させる。第1のQスイッチ58及び第2のQスイッチ60の印加電圧を変化させることで、第1の共振器及び第2の共振器は共に高Q状態となる。双方の共振器が高Q状態のときレーザ利得が高い波長755nmで発振し、レーザ光源ユニット13は、波長755nmのパルスレーザ光を出射する。
レーザ光源ユニット13から出射した波長755nmのパルスレーザ光は、例えばプローブ11まで導光され、プローブ11から被検体に照射される。被検体内では、光吸収体が照射されたパルスレーザ光のエネルギーを吸収することで、光音響信号が発生する。プローブ11は、被検体内で発生した光音響信号を検出する。プローブ11で検出された光音響信号は、受信回路21にて受信される。
トリガ制御回路30は、Qスイッチトリガ信号を出力するタイミングに合わせて、AD変換手段22にサンプリングトリガ信号を出力する。AD変換手段22は、受信回路21で受信された光音響信号を、所定のサンプリング周期でサンプリングする(ステップS88)。AD変換手段22でサンプリングされた光音響信号は、受信メモリ23に第2の光音響データとして格納される。
第1及び第2の光音響データが受信メモリに格納されることで、1フレーム分の光音響画像の生成に必要なデータが揃う。なお、光音響画像を生成する範囲が複数の部分領域に分割されているような場合は、部分領域ごとに、ステップS1からS8までの処理を実行すればよい。
複素数化手段24は、受信メモリ23から第1の光音響データと第2の光音響データとを読み出し、第1の光音響画像データを虚部とし、第2の光音響画像データを実部とした複素数データを生成する(ステップS9)。光音響画像再構成手段25は、ステップS9で複素数化された複素数データから、フーリエ変換法(FTA法)により画像再構成を行う(ステップS10)。
位相情報抽出手段26は、再構成された複素数データ(再構成画像)から位相情報を抽出する(ステップS11)。位相情報抽出手段26は、例えば再構成された複素数データがX+iYで表わされるとき、θ=tan−1(Y/X)を位相情報として抽出する(ただし、X=0の場合はθ=90°)。強度情報抽出手段27は、再構成された複素数データから強度情報を抽出する(ステップS12)。強度情報抽出手段27は、例えば再構成された複素数データがX+iYで表わされるとき、(X2+Y2)1/2を強度情報として抽出する。
検波・対数変換手段28は、ステップS12で抽出された強度情報に対して検波・対数変換処理を施す。光音響画像構築手段29は、ステップS11で抽出された位相情報と、ステップS12で抽出された強度情報に対して検波・対数変換処理を施したものとに基づいて、光音響画像を生成する(ステップS13)。光音響画像構築手段29は、例えば強度情報に基づいて光吸収体の分布画像における各画素の輝度(階調値)を決定し、位相情報に基づいて各画素の色を決定することで、光音響画像を生成する。生成された光音響画像は、画像表示手段14に表示される。
なお、上記では波長800nmの光と波長755nmの光とを交互に被検体に照射することとしているが、これには限定されない。波長800nmの発振の繰り返し周波数を、波長755nmの発振の繰り返し周波数よりも高くしてもよい。例えばレーザ光源ユニット13から波長755nmの光を出射した後、波長800nmの光を複数回続けて出射してもよい。この場合、波長800nmの光に対する光音響信号を複数回取得し、複数回の光音響信号に対して加算平均などの処理を行ってもよい。そのようにすることで、波長800nmの光音響画像の信号対雑音比を高めることができる。結果として、波長755nmの光に対する光音響信号とのコントラスト差を利用して得られる動脈/静脈の分離描出の画質を向上でき、或いは酸素飽和度の演算精度を向上できる。
本実施形態では、第1のミラー53と第2のミラー54とで波長800nmの光を発振する第1の共振器を構成し、第1のミラー53と第3のミラー55とで波長755nmの光を発振する第2の共振器を構成する。レーザロッド51は波長800nmと波長755nmとに発光波長を有し、波長755nmの発光効率は波長800nmの発光効率よりも高い。第1の共振器と第2の共振器とに共通の部分に第1のQ値変更部56を配置し、第2のミラー54と第3のミラー55との間に第2のQ値変更部57を配置する。第1のQ値変更部56を駆動することで、第1の共振器及び第2の共振器のQ値を制御することができる。また、第2のQ値変更部57を駆動することで、第1の共振器及び第2の共振器のうち第2の共振器のQ値のみを制御することができる。
例えば、第1の共振器及び第2の共振器を低Q状態としてレーザロッド51の励起を行い、励起後に第1の共振器を高Q状態に切り替え、かつ第2の共振器は低Q状態のままとすることで、波長800nmをパルス発振させることができる。また、第1の共振器及び第2の共振器を低Q状態としてレーザロッド51の励起を行い、励起後に第1の共振器及び第2の共振器を高Q状態とすることで、発光効率が高いが高い波長755nmをパルス発振させることができる。
本実施形態では、レーザ利得が低い波長800nmの共振器には第1のQスイッチ58が挿入される。一方で、レーザ利得が高い波長755nmの共振器には、第1のQスイッチ58と第2のQスイッチ60とが挿入される。特許文献3では、双方の波長の共振器にポッケルスセルが2つ挿入されており、特にレーザ利得が低い波長800nmにおいて出力の低下が問題となった。本実施形態では、第1の共振器に挿入されるポッケルスセルは1つでよく、第1の共振器内に光の偏光状態を変化させる素子を複数個配置する必要がないため、特にレーザ出力が低い波長800nmについて、複数のポッケルスセルが挿入されることに伴うレーザ出力の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、波長800nmの光及び波長755nmの光の光軸が平行となるよう、第1の共振器と第2の共振器とを一軸上に構成している。このようにすることで、ミラーやQ値変更部の光学部材を波長800nmの光及び波長755nmの光で共通に用いることができる。更に本実施形態では、第2のミラー54よりもレーザロッド51から見て遠い側に第3のミラー55が配置されており、第1の共振器の共振器長が第2の共振器の共振器長よりも短い。第1の共振器の共振器長を短くすることで、レーザ利得が低い波長800nmにおいてパルスレーザ光の短パルス化が可能である。
本実施形態では、2つの波長で得られた第1の光音響データと、第2の光音響データとの何れか一方を実部、他方を虚部とした複素数データを生成し、その複素数データからフーリエ変換法により再構成画像を生成している。このようにする場合、第1の光音響データと第2の光音響データとを別々に再構成する場合に比して、再構成を効率的に行うことができる。複数の波長のパルスレーザ光を照射し、各波長のパルスレーザ光を照射したときの光音響信号(光音響データ)を用いることで、各光吸収体の光吸収特性が波長に応じて異なることを利用した機能イメージングを行うことができる。
ここで、特許文献4には、He−Neレーザ放電管と、第1反射鏡、第2反射鏡、第3反射鏡、及び光変調装置を備えたレーザ装置が記載されている。第1反射鏡と第2反射鏡は波長632.8nmの共振器を構成し、第1反射鏡と第3反射鏡は波長3.39μmの共振器を構成する。光変調装置は、第2反射鏡と第3反射鏡との間に配置される。特許文献4では、He−Neレーザでは高利得を有する3.39μ線と低利得の632.8nm線とがレーザの上順位を共有する競合関係にあることに着目し、3.39μ線を変調することにより、結果的に632.8nm線の変調を可能にする。
しかしながら、特許文献4の目的は、レーザ光を計測機器に応用するために信号処理上の必要性から光変調するところにある。また、特許文献4には、He−Neレーザの632.8nm線は利得が小さく、共振器内に光変調素子を挿入して変調することは困難であると記載されており、特許文献4はそのような場合に適用されるものである。従って、特許文献4において、双方の共振器内部にQ値を制御するための光学素子を挿入し、Qスイッチレーザとする、特に二波長をQスイッチ発振させる構成は採り得ない。
次いで、本発明の第2実施形態を説明する。図10は、本発明の第2実施形態に係るレーザ光源ユニットを示す。本実施形態に係るレーザ光源ユニット13aでは、第1のミラー53が波長800nmの光の出力ミラーであり、第3のミラー55が波長755nmの光の出力ミラーである。第1のミラー53の波長800nmの光に対する反射率は例えば80%で、波長755nmの光に対する反射率は例えば99.8以上である。第3のミラーの波長755nmの光に対する反射率は例えば60%である。その他の点は第1実施形態と同様でよい。
本実施形態では、第1のミラー53の波長755nmの光に対する反射率が第3のミラー55の波長755nmの光に対する反射率よりも高く設定される。この場合、第3のミラー55が波長755nmの光の出力ミラーとなる。本実施形態では、共振器の一方の側から波長800nmの光を出射し、他方の側から波長755nmの光を出射できる。第1のミラー53から出射する波長800nmの光と第3のミラー55から出射する波長755nmの光は、共振器の外部で光軸を合流させればよい。
本実施形態では、波長800nmの光の出力ミラーである第1のミラー53の波長800nmの光に対する反射率は、波長755nmの光の出力ミラーである第3のミラー55の波長755nmの光に対する反射率よりも高い。レーザ利得が低い波長800nmの光に対する出力ミラーの反射率を、波長755nmの光に対する出力ミラーの反射率よりも高く設定することで、発振(投入)エネルギーしきい値を下げ、レーザ利得を増加することができ、パルスレーザ光の短パルス化が可能である。その他の効果は第1実施形態と同様である。
上記では、第1のミラー53を波長800nmの光の出力ミラーとし、かつ第3のミラー55を波長755nmの光の出力ミラーとしたが、第1のミラーを波長800nmの光及び波長800nmの光の出力ミラーとし、かつ第3のミラー55を波長800nmの光の出力ミラーとしてもよい。この場合、共振器の一方の側から波長800nm及び波長755nmの光を出射し、他方の側から波長755nmの光を出射できる。第1のミラー53から出射する波長800nm及び波長755nmの光と第3のミラー55から出射する波長755nmの光は、共振器の外部で光軸を合流させればよい。
上記構成の場合、第1のミラー53における波長800nmの光に対する反射率を波長800nmの光に対する反射率と同じ設定としてもよい。例えば、第1のミラー53の波長800nmの光に対する反射率と波長755nmの光に対する反射率は共に80%とする。第3のミラー55の波長755nmの光に対する反射率は例えば80%とする。このようにした場合、第1の共振器における光の閉じ込めが、第2の共振器における光の閉じ込めよりも強くなり、波長800nmのパルスレーザ光を短パルス化できる。
上記した第1のミラー53を波長800nmの光及び波長800nmの光の出力ミラーとし、かつ第3のミラー55を波長800nmの光の出力ミラーとする構成では、第1のミラー53における波長800nmの光に対する反射率と波長755nmの光に対する反射率とを同じ反射率にできる。第1のミラー53の双方の波長の光に対する反射率を同じにする場合、第1のミラー53の作製が比較的容易になる。また、上記構成の場合、第3のミラー55に、波長755nmの光に対して第1のミラー53と同じ反射率のミラーを用いることができる。
続いて、本発明の第3実施形態を説明する。図11は、本発明の第3実施形態に係るレーザ光源ユニットを示す。本実施形態に係るレーザ光源ユニット13bでは、第2のミラー54a及び第3のミラー55aに凹面ミラーが用いられる。第1のミラー53は平面ミラーである。その他の点は、第1実施形態又は第2実施形態と同様でよい。なお、図11では、制御回路62は図示を省略している。
凹面ミラーである第2のミラー54aの焦点距離は第1の共振器の共振器長よりも長い。また、凹面ミラーである第3のミラー55aの焦点距離は第2の共振器の共振器長よりも長い。第3のミラー55aを構成する凹面ミラーの曲率半径は、第2のミラー54aを構成する凹面ミラーの曲率半径よりも短く設定される。例えば、第2の共振器の共振器長が、第1の共振器の共振器長の2倍のとき、第2のミラー54aには曲率半径が8mの凹面ミラーが用いられ、第3のミラー55aには曲率半径が4mの凹面ミラーが用いられる。第2のミラー54a及び第3のミラー55aに凹面ミラーを用い、共振器ミラーに集光力を持たせることで、角度広がりを有する光束が共振器内を周回するたびに拡がることを防ぐことができ、第1の共振器及び第2の共振器を安定化させることができる。
図12は、共振器ミラーに凹面ミラーを用いた変形例のレーザ光源ユニットを示す。この変形例のレーザ光源ユニット13bでは、第1のミラー53aに凹面ミラーが用いられる。第2のミラー54及び第3のミラー55は平面ミラーである。第1のミラー53aには、例えば曲率半径が4mの凹面ミラーを用いることができる。図12に示すように、第1のミラー53aに凹面ミラーを用いた場合も、図11に示す構成のレーザ光光源ユニットと同様に、第1の共振器及び第2の共振器を安定化することができる。
引き続き、本発明の第4実施形態を説明する。図13は、本発明の第4実施形態に係るレーザ光源ユニットを示す。本実施形態に係るレーザ光源ユニット13dは、第2の共振器の光路上に、レーザロッド51から離れる方向に向かって光束を拡大するビームエキスパンダ63を有する。より詳細には、第2のミラー54と第2のQスイッチ60との間にビームエキスパンダ63を有する。その他の構成は第1実施形態、第2実施形態、又は第3実施形態と同様でよい。ビームエキスパンダ63は、例えば第2のミラー54側から、凹レンズ63aと凸レンズ63bとを順に有する。ビームエキスパンダ63は、第2のミラー54側から入射した光線の径を拡大して第2のQスイッチ60側に出射する。
ビームエキスパンダ63が光線の径を拡大することで、レーザロッド51の周囲に配置されている各種光学部品に入射する光線の面積エネルギー密度(J/cm2)を下げることができ、各種光学部品の光入射面のダメージを低減できる。例えば、図13の例のように、ビームエキスパンダ63を第2のミラー54と第2のQスイッチ60との間に配置した場合は、第2のミラー54を透過して第2のQスイッチ60に向かう波長755nmの光線の径を拡大することができ、第2のQスイッチ60に入射する光線の面積エネルギー密度を下げることができる。
特に、波長755nmは波長800nmに比べてレーザ利得が高いため、波長800nmの発振時に比べてレーザ出力が強くなりやすい。ビームエキスパンダ63を用いてそのような強いエネルギーのレーザ光線の径を拡大することで、第2のQ値変更部57を構成する各部の光入射面のダメージを低減できる。これにより、第2のQ値変更部57を構成する各部の長寿命化などを図ることが可能である。
なお、図11に示したように第2のミラー54aが凹面ミラーで構成される場合、第2のミラー54aは波長755nmの光に対しては凹レンズとして働く。第2のミラー54aが凹面ミラーで構成される場合は、第2のミラー54aがビームエキスパンダ63の一部を兼ねることとしてもよい。すなわち、凹レンズ63aを省略し、第2のミラー54aと凸レンズ63bとによってビームエキスパンダ63を構成してもよい。この場合は、必要な部品点数を削減できる。
上記では、ビームエキスパンダ63を第2の共振器の光路上に有する例について説明したが、これには限定されず、ビームエキスパンダ63を第1の共振器の光路上に挿入してもよい。具体的には、ビームエキスパンダ63は、例えばレーザロッド51と第2のミラー54との間に配置されていてもよい。その場合、ビームエキスパンダ63がレーザロッド51から第2のミラー54に向かうビーム径を拡大することで、第2のミラー54に入射する光線の面積エネルギー密度を下げることができ、第2のミラー54の光入射面のダメージを低減できる。また、第2のミラー54の先にある第2のQ値変更部57の光入射面のダメージも低減できる。
続いて、本発明の第5実施形態を説明する。上記各実施形態において、第1の波長の発振時と第2の波長の発振時とでレーザロッド51に対する励起エネルギーが等しいとき、低利得側の波長の発振の際に、共振器内の光学素子の損傷しきい値に対して許容できる範囲で高い出力を得ようとすると、高利得側の波長の発振の際に、共振器内のエネルギーが光学素子の損傷しきい値を越える可能性がある。本実施形態では、第1の波長の発振時と第2の波長の発振時とで、レーザロッド51(図2を参照)の励起エネルギーを個別に設定する。例えば、第2の波長の発振時における励起エネルギーを、第1の波長の発振時における励起エネルギーよりも低く設定する。好ましくは、第1の波長の発振時と第2の波長の発振時とでレーザ出力強度が等しくなるように、第1の波長の発振時における励起エネルギーと第2の波長の発振時における励起エネルギーとを設定する。
励起エネルギーの設定は、例えばフラッシュランプ52に印加する電圧を変更することによって行う。例えば図8において、波長800nmで発振するときは、時刻t1よりも以前にフラッシュランプ52に対する電圧設定を電圧V1とし、時刻t1でフラッシュランプ52に対して電圧V1を印加する。波長755nmで発振するときは、時刻t3よりも以前にフラッシュランプ52に対する電圧設定を電圧V1よりも低い電圧V2とし、時刻t3でフラッシュランプ52に対して電圧V2を印加する。このようにすることで、各波長の発振時で、励起エネルギーを個別に設定可能である。
図14は、励起エネルギーとレーザ出力との関係を示す。同図において、グラフ(a)は発振波長が800nmのときの励起エネルギーEとレーザ出力との関係を示し、グラフ(b)は発振波長が755nmのときの励起エネルギーEとレーザ出力との関係を示す。発振波長が800nmのときの励起エネルギーをE1とする。励起エネルギーをE1としたとき、発振波長800nmのレーザ出力は損傷しきい値を超えない。
発振波長が755nmのとき、発振波長が800nmのときと同様に励起エネルギーをE1とすると、波長755nmのレーザ利得係数は波長800nmのレーザ利得係数よりも高いため、レーザ出力が波長800nmの発振時よりも高くなり、共振器内のエネルギーが光学素子の損傷しきい値を超える。発振波長755nm時のレーザ出力を抑えるために、発振波長が755nmのときは励起エネルギーをE2まで下げる。励起エネルギーをE2まで下げることで、発振波長755nmのレーザ出力を損傷しきい値よりも低くすることができる。また、双方の発振波長においてレーザ出力を揃えることができる。
さらに、本発明の第6実施形態を説明する。上記第5実施形態では、双方の波長に対して励起エネルギーを個別に設定することで、レーザ発振時の共振器内のエネルギーが共振器内の光学素子の損傷しきい値を超えないようにした。本実施形態では、高利得側のレーザ発振時の共振器内のエネルギーが共振器内の光学素子の損傷しきい値を超えないようにするために、高利得側である第2の波長の光に対して損失を与えるロスフィルタ(光学フィルタ)を用いる。
図15に、本実施形態に係るレーザ装置を示す。本実施形態に係るレーザ光源ユニット13eは、第2のミラー54と第3のミラー55との間にロスフィルタ64を更に備える。より詳細には、第2のミラー54と第2のQスイッチ60との間にロスフィルタ(光学フィルタ)64を有する。ロスフィルタ64は、例えば減光フィルタ(ND(Neutral Density)フィルタ)である。その他の構成は第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、又は第5実施形態と同様でよい。
図16は、励起エネルギーとレーザ出力との関係を示す。同図において、グラフ(a)は発振波長が800nmのときの励起エネルギーEとレーザ出力との関係を示す。グラフ(b)はロスフィルタ64なしの場合の発振波長が755nmのときの励起エネルギーEとレーザ出力との関係を示し、グラフ(c)はロスフィルタ64ありの場合の発振波長が755nmのときの励起エネルギーEとレーザ出力との関係を示す。
グラフ(a)を参照すると、発振波長が800nmで、かつ励起エネルギーがE1のとき、レーザ出力は共振器内の光学素子の損傷しきい値を超えない。発振波長が755nmで、かつロスフィルタなしの場合、励起エネルギーをE1とすると、グラフ(b)に示すように、レーザ出力は共振器内の光学素子の損傷しきい値を超える。
第2の共振器内にロスフィルタ64が挿入されると、第2の共振器内で波長755nmの光に対して損失が与えられるため、励起エネルギーが一定であるとすれば、レーザ出力は、ロスフィルタなしの場合に比べて低くなる。ロスフィルタ64が挿入されたときの励起エネルギーとレーザ出力との関係は、グラフ(b)に示すロスフィルタ64なしの場合の励起エネルギーとレーザ出力の関係を、グラフ(c)に示すように励起エネルギーが高い側に平行移動した関係となる。
第2の共振器内にロスフィルタ64が挿入された場合、グラフ(c)に示すように、励起エネルギーを波長800nmの発振時と同じE1としたときでも、波長755nmの発振時にレーザ出力が共振器内の光学素子の損傷しきい値を超えないようにすることができる。ロスフィルタ64が波長755nmの光に与える損失を調整し、同じ励起エネルギーにおいて、双方の波長のレーザ出力が等しくなるようにすることが更に好ましい。言い換えれば、ロスフィルタ64が、波長800nmの発振時と波長755nmの発振時とでレーザ出力が等しくなるように、波長755nmの光に対して損失を与えることが更に好ましい。
ここで、ロスフィルタ64により波長755nmの光に対して与える損失が大きいほど、レーザ発振に必要な励起エネルギーが高くなる。つまり、第2の共振器における波長755nmの発振しきい値は高くなる。第1のミラー53から第2のミラー54までの間は双方の共振器に共通であるため、第2の共振器における波長755nmの発振しきい値が第1の共振器における波長800nmの発振しきい値よりも高くなると、第1の共振器において波長800nmが先に発振することになる。従って、ロスフィルタ64が波長755nmの光に対して与える損失は、第1の共振器における波長800nmの発振しきい値が第2の共振器における波長755nmの発振しきい値よりも高い範囲で選定することが好ましい。
上記では、第2の共振器内にロスフィルタ64が挿入される例を説明したが、これに加えて、第1の共振器内にロスフィルタを挿入することとしてもよい。また、波長800nmの発振時と波長755nmの発振時とで励起エネルギーは同一である必要はない。第2の共振器内にロスフィルタ64を挿入した上で、第5実施形態で説明したものと同様に、波長800nmの発振時と波長755nmの発振時とで、励起エネルギーを個別に設定してもよい。
なお、上記各実施形態では、第1の光音響データと第2の光音響データとを複素数化する例について説明したが、複素数化せずに、第1の光音響データと第2の光音響データとを別々に再構成してもよい。さらに、ここでは、複素数化して位相情報を用いて第1の光音響データと第2の光音響データの比を計算しているが、両者の強度情報から比を計算しても同様の効果が得られるまた、強度情報は、第1の再構成画像における信号強度と、第2の再構成画像における信号強度とに基づいて生成できる。
光音響画像の生成に際して、被検体に照射されるパルスレーザ光の波長の数は2つには限られず、3以上のパルスレーザ光を被検体に照射し、各波長に対応する光音響データに基づいて光音響画像を生成してもよい。その場合、例えば位相情報抽出手段26は、各波長に対応する光音響データ間での相対的な信号強度の大小関係を位相情報として生成すればよい。また、強度情報抽出手段27は、例えば各波長に対応する光音響データにおける信号強度を1つにまとめたものを強度情報として生成すればよい。
上記各実施形態では、主にアレキサンドライトレーザについて説明したが、レーザロッド51(図2)に用いられるレーザ媒質はアレキサンドライトには限定されない。例えばCr:LiSAFやCr:LiCAFなどは750nm−900nmの波長範囲でレーザ発振が可能であり、レーザロッド51に、Cr:LiSAFやCr:LiCAFなどを用いてもよい。また、Ti:Sapphireは700nm−1000nmの波長範囲でレーザ発振が可能であり、レーザロッド51にTi:Sapphireを用いてよい。
上記各実施形態では、レーザ装置が光音響計測装置の一部を構成する例について説明したが、これには限定されない。本発明のレーザ装置を、光音響計測装置とは異なる装置に用いることも可能である。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明のレーザ装置及び光音響計測装置は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
10:光音響計測装置
11:プローブ
12:超音波ユニット
13:レーザ光源ユニット
14:画像表示手段
21:受信回路
22:AD変換手段
23:受信メモリ
24:複素数化手段
25:光音響画像再構成手段
26:位相情報抽出手段
27:強度情報抽出手段
28:検波・対数変換手段
29:光音響画像構築手段
30:トリガ制御回路
31:制御手段
51:レーザロッド
52:フラッシュランプ
53、54、55:ミラー
56、57:Q値変更部
58、60:Qスイッチ
59:偏光子
61:1/4波長板
62:制御回路
63:ビームエキスパンダ
63a:凹レンズ
63b:凸レンズ
64:ロスフィルタ
11:プローブ
12:超音波ユニット
13:レーザ光源ユニット
14:画像表示手段
21:受信回路
22:AD変換手段
23:受信メモリ
24:複素数化手段
25:光音響画像再構成手段
26:位相情報抽出手段
27:強度情報抽出手段
28:検波・対数変換手段
29:光音響画像構築手段
30:トリガ制御回路
31:制御手段
51:レーザロッド
52:フラッシュランプ
53、54、55:ミラー
56、57:Q値変更部
58、60:Qスイッチ
59:偏光子
61:1/4波長板
62:制御回路
63:ビームエキスパンダ
63a:凹レンズ
63b:凸レンズ
64:ロスフィルタ
Claims (31)
- 第1の波長と第2の波長とに発光波長を有する固体のレーザ媒質であって、前記第1の波長の発光効率が前記第2の波長の発光効率よりも低いレーザ媒質と、
前記レーザ媒質を間欠的に励起する励起手段と、
前記レーザ媒質を挟んで対向する第1のミラー及び第2のミラーで構成され、前記第1の波長の光を発振する第1の共振器と、
前記第1のミラーと、前記レーザ媒質及び前記第2のミラーを挟んで前記第1のミラーと対向する第3のミラーとで構成され、前記第2の波長の光を発振する第2の共振器と、
前記第1の共振器と前記第2の共振器とに共通の部分に配置された、前記第1の共振器及び前記第2の共振器のQ値を制御する第1のQ値変更部と、
前記第2のミラーと第3のミラーとの間に配置された、前記第2の共振器のQ値を制御する第2のQ値制御部とを備えたレーザ装置。 - 前記第1のQ値変更部及び前記第2のQ値変更部を駆動し、前記第1の共振器及び前記第2の共振器のQ値を、それぞれ共振器のQ値が発振しきい値よりも低い低Q状態にする第1の駆動状態、前記第1の共振器及び前記第2の共振器のQ値を、それぞれ共振器のQ値が発振しきい値よりも高い高Q状態にする第2の駆動状態、及び、前記第1の共振器のQ値を高Q状態にし、かつ前記第2の共振器のQ値を低Q状態にする第3の駆動状態の間で駆動状態を切り替える制御回路を更に備えた請求項1に記載のレーザ装置。
- 前記制御回路は、前記レーザ媒質の励起時は前記第1のQ値変更部及び前記第2のQ値変更部の駆動状態を前記第1の駆動状態とする請求項2に記載のレーザ装置。
- 前記制御回路は、レーザ媒質の励起後、発振波長が前記第1の波長のときは前記第1のQ値変更部及び前記第2のQ値変更部の駆動状態を前記第1の駆動状態から前記第3の駆動状態へと変化させ、発振波長が前記第2の波長のときは前記第1のQ値変更部及び前記第2のQ値変更部を前記第1の駆動状態から前記第2の駆動状態へと変化させる請求項3に記載のレーザ装置。
- 前記制御回路は、発振波長が第2の波長のときは、前記第2の共振器のQ値が高Q状態となるように前記第2のQ値変更部を駆動するのと同時に前記第1の共振器のQ値が高Q状態となるように前記第1のQ値変更部を駆動し、又は前記第2の共振器のQ値が高Q状態となるように前記第2のQ値変更部を駆動した後に前記第1の共振器のQ値が高Q状態となるように前記第1のQ値変更部を駆動する請求項4に記載のレーザ装置。
- 前記第1のQ値変更部は、前記第1の共振器と前記第2の共振器とに共通の光路上に配置され、印加電圧に応じて前記第1の共振器及び前記第2の共振器のQ値を変化させる第1のQスイッチを含み、前記制御回路が、前記第1のQスイッチの印加電圧を制御することで前記第1のQ値変更部を駆動する請求項2から5何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1のQスイッチは、印加電圧がQスイッチオフに対応した第1の電圧のとき前記第1の共振器及び前記第2の共振器を低Q状態にし、印加電圧が、絶対値が前記第1の電圧の絶対値よりも小さいQスイッチオンに対応した第2の電圧のとき前記第1の共振器及び前記第2の共振器を高Q状態にする請求項6に記載のレーザ装置。
- 前記第1のQ値変更部は、前記第1のQスイッチと前記第1のミラー及び前記第2のミラーの一方との間に配置された1/4波長板を更に含み、前記第1のQスイッチは、印加電圧がQスイッチオフに対応した第1の電圧のとき前記第1の共振器及び前記第2の共振器を低Q状態にし、印加電圧が、絶対値が前記第1の電圧の絶対値よりも大きいQスイッチオンに対応した第2の電圧のとき前記第1の共振器及び前記第2の共振器を高Q状態にする請求項6に記載のレーザ装置。
- 前記第2の電圧は、前記第1の波長の発振時と前記第2の波長の発振時とで異なる請求項8に記載のレーザ装置。
- 前記第2のQ値変更部は、前記第2のミラーと前記第3のミラーとの間に配置され、印加電圧に応じて前記第2の共振器のQ値を変化させる第2のQスイッチを含み、前記制御回路が、前記第2のQスイッチの印加電圧を制御することで前記第2のQ値変更部を駆動する請求項2から9何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第2のQ値変更部は、前記第2のQスイッチと前記第3のミラーとの間に配置された1/4波長板を更に含み、前記第2のQスイッチは、印加電圧がQスイッチオフに対応した第3の電圧のとき前記第2の共振器を低Q状態にし、印加電圧が、絶対値が前記第3の電圧の絶対値よりも大きいQスイッチオンに対応した第4の電圧のとき前記第2の共振器を高Q状態にする請求項10に記載のレーザ装置。
- 前記第2のミラーは、前記第1の波長の光を反射し、前記第2の波長の光を透過する請求項1から11何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1のミラーは、前記第1の波長の光及び前記第2の波長の光の出力ミラーである請求項1から12何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1のミラーの前記第1の波長の光に対する反射率は前記第2の波長の光に対する反射率よりも高い請求項1から13何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1のミラーが前記第1の波長の光の出力ミラーであり、かつ前記第3のミラーが前記第2の波長の光の出力ミラーであり、前記第1のミラーの前記第2の波長の光に対する反射率が前記第3のミラーの前記第2の波長の光に対する反射率よりも高い請求項1から12何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1のミラーが前記第1の波長の光の出力ミラーであり、かつ前記第3のミラーが前記第2の波長の光の出力ミラーであり、前記第1のミラーの前記第1の波長の光に対する反射率が前記第3のミラーの前記第2の波長の光に対する反射率よりも高い請求項1から12何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1のミラーが前記第1の波長の光及び前記第2の波長の光の出力ミラーであり、かつ前記第3のミラーが前記第2の波長の光の出力ミラーであり、前記第1のミラーにおける前記第1の波長の光に対する反射率が前記第2の波長の光に対する反射率と同じである請求項1から12何れかに記載のレーザ装置。
- 前記第1のミラー、前記第2のミラー、及び前記第3のミラーのうちの少なくとも1つは光軸方向に沿って移動可能である請求項1から17何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1の波長の発振の繰り返し周波数は、前記第2の波長の発振の繰り返し周波数よりも高い請求項1から18何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1の共振器の光路と第2の共振器の光路との少なくとも一方に、前記レーザ媒質から離れる方向に向かって光束を拡大するビームエキスパンダを更に備える請求項1から19何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記ビームエキスパンダは、前記レーザ媒質と前記第2のミラーとの間に配置される請求項20に記載のレーザ装置。
- 前記ビームエキスパンダは、前記第2のミラーと前記第2のQ値制御部との間に配置される請求項20に記載のレーザ装置。
- 前記ビームエキスパンダは凹レンズと凸レンズとを含み、前記第2のミラーは凹面ミラーであり前記ビームエキスパンダの凹レンズを兼ねる請求項22に記載のレーザ装置。
- 前記第1のミラーが平面ミラーであり、前記第2のミラー及び前記第3のミラーが凹面ミラーである請求項1から22何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第3のミラーの曲率半径が、前記第2のミラーの曲率半径よりも短い請求項24に記載のレーザ装置。
- 前記第1のミラーが凹面ミラーであり、前記第2のミラー及び前記第3のミラーが平面ミラーである請求項1から22何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1の波長の発振時と前記第2の波長の発振時とで前記レーザ媒質の励起エネルギーが個別に設定される請求項1から26何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第2の波長の発振時における励起エネルギーは前記第1の波長の発振時における励起エネルギーよりも低い請求項27に記載のレーザ装置。
- 前記第2のミラーと前記第3のミラーとの間に、前記第2の波長の光に対して損失を与える光学フィルタを更に備える請求項1から28何れか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1の共振器における前記第1の波長の発振しきい値は、前記第2の共振器における前記第2の波長の発振しきい値よりも高い請求項29に記載のレーザ装置。
- 第1の波長と第2の波長とに発光波長を有する固体のレーザ媒質であって、前記第1の波長の発光効率が前記第2の波長の発光効率よりも低いレーザ媒質と、該レーザ媒質を間欠的に励起する励起手段と、前記レーザ媒質を挟んで対向する第1のミラー及び第2のミラーで構成され、前記第1の波長の光を発振する第1の共振器と、前記第1のミラーと、前記レーザ媒質及び前記第2のミラーを挟んで前記第1のミラーと対向する第3のミラーとで構成され、前記第2の波長の光を発振する第2の共振器と、前記第1の共振器と前記第2の共振器とに共通の部分に配置された、前記第1の共振器及び前記第2の共振器のQ値を制御する第1のQ値変更部と、前記第2のミラーと第3のミラーとの間に配置された、前記第2の共振器のQ値を制御する第2のQ値制御部とを備えたレーザ装置と、
前記第1の波長及び前記第2の波長のレーザ光が被検体に出射されたときに被検体内で生じた光音響信号を検出し、前記第1の波長及び前記第2の波長のそれぞれに対応した第1の光音響データ及び第2の光音響データを生成する検出手段とを備えたことを特徴とする光音響計測装置。
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