JP2015027883A - 揮散容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】開封操作時における操作性を向上させることができる揮散容器を提供する。
【解決手段】カバーキャップ5は、容器本体2との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い、閉塞部を押圧して除去し、口部を開放する開放部61を備え、容器本体2及びカバーキャップ5は、互いの周方向位置がずらされた状態で、容器本体2における肩部の一部と、カバーキャップ5の開口端縁の一部と、が容器軸O方向で当接し、容器本体2の肩部と、カバーキャップ5の開口端縁と、の当接部分には、容器本体2とカバーキャップ5との周方向への相対移動を規制する規制部が配設されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、揮散容器に関する。
従来、揮散容器として、揮散剤を収容する容器本体と、容器本体の口部を開放可能に閉塞する閉塞部と、容器軸方向に沿う容器本体の外側から口部を覆うとともに、容器本体の胴部に装着されるカバーキャップと、口部とカバーキャップとの間に配設され、揮散剤が含浸される含浸体と、を備えた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
カバーキャップの開口縁には、その周方向に沿って延在する帯状の切取部が弱化部を介して連設されており、これにより、容器本体とカバーキャップとの容器軸方向に沿う相対的な接近移動が規制されている。
上述した揮散容器を開封する場合は、まず容器本体側が上側、カバーキャップ側が下側に位置する倒立姿勢とした状態で、弱化部を介して切取部をカバーキャップから切り離す。次に、容器本体とカバーキャップとを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させる。すると、カバーキャップに形成された突起部により閉塞板が破断されることで、容器本体内の揮散剤がカバーキャップの内側に流出する。容器本体から流出した揮散剤は、含浸体に含浸された後、含浸体を介してカバーキャップの外側に揮散される。
実開昭61−91228号公報
しかしながら、上述した揮散容器にあっては、開封状態とするには切取部を破断する必要があるとともに、破断した切取部がゴミとなって手元に残るため、開封操作が煩雑になるおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、開封操作時における操作性を向上させることができる揮散容器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る揮散容器は、揮散剤を収容するとともに、容器軸方向に直交する横断面視で非円形状とされた容器本体と、該容器本体の口部を開放可能に閉塞する閉塞部と、内周面形状が容器軸方向に直交する横断面視で前記容器本体の胴部の外周面形状と同形状で、かつ容器軸方向に沿う前記容器本体の前記口部側から前記胴部を収容可能とされ、容器軸周りに回転可能に前記容器本体に装着される有頂筒状のカバーキャップと、前記容器本体と前記カバーキャップとの間に配設され、揮散剤が含浸される含浸体と、を備え、前記カバーキャップは、前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い、前記閉塞部を押圧して除去し、前記口部を開放する開放部を備え、前記容器本体及び前記カバーキャップは、互いの周方向位置がずらされた状態で、前記容器本体における肩部の一部と、前記カバーキャップの開口端縁の一部と、が容器軸方向で当接し、前記容器本体の前記肩部と、前記カバーキャップの開口端縁と、の当接部分には、前記容器本体と前記カバーキャップとの容器軸周りの周方向への相対移動を規制する規制部が配設されていることを特徴としている。
このような特徴により、未開封状態において、容器本体及びカバーキャップは、互いの周方向位置がずらされた状態で、容器本体の肩部と、カバーキャップの開口端縁と、が容器軸方向で当接しているため、容器本体とカバーキャップとの容器軸方向に沿う接近移動を規制できる。これにより、閉塞部が不意に開放されるのを抑制できる。
また、未開封状態において、容器本体の肩部と、カバーキャップの開口端縁と、の当接部分に形成された規制部によって、容器本体とカバーキャップとの周方向への相対移動を規制できる。これにより、容器本体とカバーキャップとが不意に周方向に相対回転するのを抑制して、閉塞部が不意に開放されるのを抑制できる。
そして、カバーキャップが容器本体を収容可能とされているため、開封時には容器本体とカバーキャップとを周方向に相対移動させ、互いの周方向位置を合わせた状態で、容器本体とカバーキャップとを容器軸方向に沿って接近移動させる。これにより、容器本体がカバーキャップ内に進入し、閉塞部が開放部に押圧されて除去されることで、容器本体の口部が開放され、容器本体内の揮散物がカバーキャップ内へ流出する。その後、カバーキャップ内に流出した揮散物は、容器本体とカバーキャップとの間に配設された含浸体に含浸され、揮発しながらカバーキャップの外部に導出される。
このように、容器本体とカバーキャップとの周方向の位置合わせを行うだけの簡便な操作により、揮散容器を開封することができる。また、従来のように切取部を破断する等の必要がないので、開封操作時にゴミが発生することもない。
その結果、開封操作時における操作性を向上させることができる。
また、前記カバーキャップには、容器軸方向から見た平面視において、前記容器本体の前記口部を取り囲む囲繞壁部が配設され、前記含浸体は、前記カバーキャップにおける前記囲繞壁部の外側に配設され、前記カバーキャップ側及び前記容器本体側のうち、何れか一方側には、前記カバーキャップと前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い、前記カバーキャップの天壁部と前記口部の開口端縁とが当接したときに、前記囲繞壁部の内側と外側とを連通させる連通路が形成されていてもよい。
この構成によれば、カバーキャップと容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い、カバーキャップと口部とが当接したときに、囲繞壁部の内側と外側とが連通路によって連通しているため、容器本体から流出した揮散剤が連通路を通って囲繞壁部の外側に流出する。そのため、揮散剤が大量に含浸体に向けて流出するのを抑制できる。これにより、揮散剤が大量に揮散するのを抑制して、揮散効果を長期に亘って持続できるとともに、揮散剤がカバーキャップの外部へ直接漏出するのを防止できる。
また、前記容器本体及び前記カバーキャップは、容器軸方向に直交する横断面視で角形状とされていてもよい。
この構成によれば、容器本体及びカバーキャップが角形状とされているため、容器本体及びカバーキャップの角部同士の周方向位置を合わせるだけで、揮散容器を開封することができる。これにより、操作性をより向上させることができる。
また、前記カバーキャップは、前記容器本体と前記カバーキャップとの周方向への相対移動が前記規制部により規制された規制状態において、前記口部の被係合部に容器軸方向で係合される第1係合部と、前記第1係合部に対して容器軸方向で異なる位置に配設されるとともに、前記肩部の一部、及び前記カバーキャップの開口端縁の一部が容器軸方向に当接したまま、前記規制部による規制が解除された規制解除状態において、前記被係合部に容器軸方向で係合される第2係合部と、を備え、前記第1係合部及び前記第2係合部は、周方向に交互に複数ずつ配設されていてもよい。
この構成によれば、容器軸方向に沿う位置が異なる第1係合部及び第2係合部を備えているため、規制状態及び規制解除状態の双方の状態において、第1係合部及び第2係合部のうち、何れか一方の係合部が口部の被係合部に係合されることになる。そのため、規制状態から規制解除状態への移行時において、容器本体とカバーキャップとが容器軸方向に相対移動したとしても、両者の係合を常に維持することができる。これにより、容器本体とカバーキャップとの周方向への相対回転を許容した上で、容器本体がカバーキャップに対してがたついたり、容器本体がカバーキャップから外れたりするのを抑制できる。
しかも、複数の各係合部が周方向に交互に配設されているため、各係合部によって口部が径方向から取り囲まれることになる。これによっても、カバーキャップに対する容器本体のがたつきを抑制できる。
本発明に係る揮散容器によれば、開封操作時における操作性を向上させることができる。
実施形態に係る揮散容器の未開封時を示す図であって、カバーキャップの平面図である。 図1のA−A線に相当する部分断面図である。 図1のB−B線に相当する部分断面図である。 容器本体を上方から見た斜視図である。 揮散容器の使用状態を示す図であって、図3に相当する部分断面図である。 実施形態に係る揮散容器の開封時を示す図であって、カバーキャップの平面図である。 図5のC−C線に相当する部分断面図である。 図5のD−D線に相当する部分断面図である。 実施形態の他の構成に係る揮散容器の未開封状態を示す図であって、カバーキャップの平面図である。 図9のE−E線に相当する部分断面図である。 揮散容器の使用状態を示す図であって、図10に相当する部分断面図である。 揮散容器の使用状態を示す図であって、図9のE−E線に相当する部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態の揮散容器1は、揮散剤が収容される有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部3を開放可能に閉塞する有底筒状の閉塞部4と、閉塞部4の外側から容器本体2を覆う有頂筒状のカバーキャップ5と、を備えている。
なお、容器本体2、閉塞部4、及びカバーキャップ5は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置している。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う容器本体2側を単に下側、カバーキャップ5側を単に上側という。さらに、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O周りに周回する方向を周方向という。
図1〜図4に示すように、容器本体2は、底部11、胴部12、肩部13、及び口部3が下方から上方に向けてこの順に連設されたものであって、ブロー成形等により形成されている。なお、本実施形態の容器本体2内には、例えば芳香剤、消臭剤、殺虫剤、忌避剤、除菌剤等、揮発性を有する液状の揮散剤が収容される。
容器本体2は、口部3を除く全体(底部11、胴部12、及び肩部13)が、容器軸O方向に直交する横断面視で正方形状を呈し、横断面がなす正方形状の中央部に上述した容器軸Oが通っている。
まず、容器本体2の胴部12は、周方向に沿って間隔をあけて配置された複数の主壁部22と、周方向で隣り合う主壁部22同士を連結する角部21と、を有している。角部21及び主壁部22は、径方向の外側に向けて突の円弧状に形成され、周方向に交互に4つずつ並設されている。なお、角部21及び主壁部22間の連結部分は、滑らかに連なっている。
また、胴部12は、下部に位置する拡径部23と、上部に位置するとともに、下部に比べて縮径された縮径部24と、を有している。
図2、図4に示すように、拡径部23における上端縁のうち、各主壁部22に位置する部分には、上方に向けて膨出する係止突部25が各別に形成されている。係止突部25は、主壁部22における周方向の中央部に位置するとともに、上方に向けて突の円弧状に形成されている。
図3、図4に示すように、縮径部24のうち、各角部21に位置する部分には、径方向の外側に向けて突出する突部26が各別に形成されている。突部26は、胴部12を径方向から見た側面視で台形状とされ、径方向の外側に向かうに従い、容器軸O方向の中央部に向けて延在している。なお、図示の例において、突部26は、角部21における周方向に沿うほぼ全体に亘って形成されている。
底部11は、胴部12の拡径部23と平面視形状が同形同大に形成されるとともに、胴部12の下端開口部を閉塞している。
肩部13は、胴部12(縮径部24)の上端開口縁に連設され、上方に向かうに従い漸次縮径している。肩部13のうち、胴部12の各角部21に上方から連なる部分には、上方に向けて膨出する膨出部28が形成されている。各膨出部28は、上方に向けて突の円弧状に形成されるとともに、径方向の外側に向かうに従い周方向の幅が漸次拡大するように形成されている。膨出部28は、肩部13に複数形成され、容器軸Oを中心として放射状に配置されている。
口部3は、容器軸O方向に直交する断面視で円形状とされ、肩部13の上端開口縁から上方に向けて連設されている。なお、肩部13と口部3との間には、径方向の外側に向けて突出するネックリング27が全周に亘って形成されている。
図2、図3に示すように、閉塞部4は、口部3に装着された装着筒31と、口部3の内側に嵌合されたシール筒32と、口部3上に配置されるとともに、装着筒31及びシール筒32の上端縁同士を接続する連結環33と、シール筒32を閉塞する閉塞板34と、を有している。
装着筒31は、口部3に螺着されている。なお、装着筒31は、アンダーカット嵌合等により口部3に装着されていても構わない。
閉塞板34は、円板状に形成されるとともに、その外周縁全周が弱化部35を介してシール筒32の下端部に連結されている。これにより、口部3を通した容器本体2内外の連通が遮断されている。なお、図示の例において、閉塞板34は、口部3の上端縁よりも下方に位置している。
図1〜図3に示すように、カバーキャップ5は、容器軸O方向に直交する横断面視が容器本体2と同形状(正方形状)とされ、内径が容器本体2の肩部13を上方から収容可能な大きさで、容器本体2に装着されている。具体的に、カバーキャップ5は、周壁部42の内面形状が、容器本体2における縮径部24の外面形状と同形状に形成されている。
カバーキャップ5の周壁部42は、周方向に沿って間隔をあけて配置された複数の主壁部45と、周方向で隣り合う主壁部45同士を連結する角部43と、を有している。角部43及び主壁部45は、径方向の外側に向けて突の円弧状に形成され、周方向に交互に4つずつ並設されている。
図2に示すように、各角部43には、上方に向けて延びる一対のスリット47がそれぞれ周方向に間隔をあけて形成されている。そして、角部43のうち、各スリット47間に位置する部分は、径方向に弾性変形可能な舌片部48を構成している。
各舌片部48には、揮散容器1の後述する開封状態において、上述した容器本体2の突部26が係止される係止孔51が形成されている。係止孔51は、各舌片部48において、周方向に沿って延設されている。
さらに、各角部43のうち、上述した係止孔51よりも上方に位置する部分には、角部43を径方向に貫通する揮散窓53が容器軸O方向に間隔をあけて複数形成されている。
揮散容器1の未開封状態(未使用状態)において、カバーキャップ5は、容器本体2の口部3及び肩部13を上方から覆い、かつ容器本体2に対して周方向の位置がずらされた状態で、容器本体2に組み付けられている。具体的に、カバーキャップ5の角部43と、容器本体2の主壁部22と、が周方向に位置合わせされ、カバーキャップ5の主壁部45と、容器本体2の角部21と、が周方向に位置合わせされた状態で、カバーキャップ5の開口端縁のうち周壁部42の主壁部45に位置する部分と、容器本体2の肩部13のうち角部21に位置する部分と、が容器軸O方向に突き合わされている。これにより、容器本体2とカバーキャップ5との容器軸O方向に沿う接近移動が規制されている。
ここで、図1、図3に示すように、カバーキャップ5の開口端縁のうち、周壁部42の各主壁部45に位置する部分には、上述した容器本体2の肩部13に形成された膨出部28を収容する収容凹部46が各別に形成されている。収容凹部46は、主壁部45における周方向の中央部に位置するとともに、膨出部28の外形に倣って上方に向けて突の円弧状に形成されている。そして、上述した膨出部28及び収容凹部46により、容器本体2とカバーキャップ5との周方向への相対移動を規制する規制部を構成している。
したがって、揮散容器1は、容器本体2の膨出部28がカバーキャップ5の収容凹部46内に収容された状態(規制状態)では、容器本体2とカバーキャップ5との周方向への相対移動が規制され、膨出部28がカバーキャップ5の開口端縁上に当接したまま、収容凹部46から離脱した状態(規制解除状態)では、容器本体2とカバーキャップ5とが周方向に相対的に回転可能に構成されている。
図2、図3に示すように、カバーキャップ5の天壁部41のうち、上述した閉塞部4の弱化部35と容器軸O方向で対向する部分には、弱化部35を破断して口部3を開放させる開放部61が配設されている。開放部61は、下方に向けて延設された筒状とされるとともに、その下端縁が容器軸O方向に交差する方向に向けて傾斜している。
また、開放部61のうち、周方向の一部には、開放部61を径方向に貫通する連通溝62が形成されている。連通溝62は、容器軸O方向に沿って開放部61の全体に亘って延びるスリット状とされている。図示の例において、連通溝62は、開放部61のうち、容器軸O方向に沿う長さが最も短い短尺部分に形成されている。
図1〜図3に示すように、天壁部41のうち、開放部61に対して径方向の外側に位置する部分には、開放部61を囲繞する筒状の囲繞壁部64が配設されている。囲繞壁部64は、上述した閉塞部4よりも径方向の外側に位置するとともに、容器軸O方向に沿う長さが上述した開放部61よりも短くなっている。
図1、図8に示すように、囲繞壁部64には、径方向のうち一方向で対向する部分に、容器軸O方向に沿って延びる一対の連通凹部66が形成されている。各連通凹部66は、容器軸O方向に沿う囲繞壁部64の全体に亘って形成されており、囲繞壁部64の内外を径方向に連通させている。
また、図1、図2に示すように、囲繞壁部64には、径方向のうち上述した一方向に直交する他方向で対向する部分に、囲繞壁部64の下端縁から下方に向けて延びる係合片60が形成されている。係合片60は、容器本体2のネックリング(被係合部)27に下方から係合可能な係合部60aを有している。係合部60aは、図2に示す規制状態のときにネックリング27に対して下方に位置してネックリング27との係合が解除され、規制解除状態のときにネックリング27に容器軸O方向で係合される。
図1、図8に示すように、天壁部41のうち、各連通凹部66内に位置する部分には、上方に向けて窪む連通路71が形成されている。連通路71は、径方向に沿って延びる長溝であり、容器軸O方向から見た平面視において、径方向の内側端部が口部3の内側で開放部61に近接し、径方向の外側端部が囲繞壁部64よりも外側に位置している。なお、図示の例において、連通路71は、連通凹部66に対応して2箇所形成されている。
天壁部41のうち、囲繞壁部64に対して径方向の外側に位置する部分には、囲繞壁部64に対して径方向に間隔をあけて配設されるとともに、囲繞壁部64を取り囲む筒状の外筒部65が形成されている。外筒部65は、容器本体2のネックリング27よりも径方向の外側に位置するとともに、容器軸O方向に沿う長さが囲繞壁部64よりも長く形成されている。
図2、図3に示すように、囲繞壁部64と外筒部65との間には、容器本体2からカバーキャップ5内に流出する揮散剤を含浸する含浸体72が装着されている。含浸体72は、筒状とされるとともに、その上端部が囲繞壁部64と外筒部65との間に保持され、下端部が囲繞壁部64及び外筒部65よりも下方に突出している。なお、図示の例において、含浸体72の下端部は揮散窓53と径方向で対向している。また、含浸体72は、多孔質材、例えばろ紙やスポンジ体等により形成されている。
次に、上述した揮散容器1の開封方法について説明する。
本実施形態の揮散容器1は、店舗での陳列時等の流通段階や、使用時等では、常に図5に示すような状態、すなわち図2の状態に対して上下反転した倒立姿勢で使用される。したがって、以下で説明する開封方法では、カバーキャップ5側が下側、容器本体2側が上側となる倒立姿勢とした状態で説明する。なお、未開封状態では、上述したようにカバーキャップ5の開口端縁のうち周壁部42の主壁部45に位置する部分と、容器本体2の肩部13のうち角部21に位置する部分が容器軸O方向に突き合わされているため、容器本体2とカバーキャップ5との容器軸O方向に沿う接近移動が規制されている。また、容器本体2の膨出部28がカバーキャップ5の収容凹部46内に収容された規制状態になっているため、容器本体2とカバーキャップ5との周方向への移動も規制されている。
上述した揮散容器1を開封するには、図6〜図8に示すように、容器本体2とカバーキャップ5とを周方向に相対的に回転させ、容器本体2の角部21と、カバーキャップ5の角部43と、が周方向で同位置になるように位置合わせする。具体的に、容器本体2とカバーキャップ5とを周方向に相対的に回転させると、容器本体2の膨出部28がカバーキャップ5における収容凹部46の内周縁上を周方向に沿って摺接することで、容器本体2とカバーキャップ5とが容器軸O方向で離間する。すると、容器本体2は、膨出部28がカバーキャップ5の開口端縁上に当接したまま、カバーキャップ5の収容凹部46から離脱した規制解除状態となる。そして、規制解除状態において、容器本体2は膨出部28がカバーキャップ5の開口端縁上を摺接しながら、周方向に回転する。図示の例では、容器本体2とカバーキャップ5とを、上述した未開封状態から周方向に45°回転させる。
そして、容器本体2の角部21と、カバーキャップ5の角部43と、の周方向位置が合わされた状態で、容器本体2とカバーキャップ5とを容器軸O方向に沿って接近させることで、容器本体2の縮径部24がカバーキャップ5内に進入していく。なお、本実施形態では、上述した規制解除状態において、カバーキャップ5の係合片60(係合部60a)と、容器本体2のネックリング27と、が容器軸O方向で係合されるため、容器本体2とカバーキャップ5との周方向への相対回転を許容した上で、回転時に容器本体2がカバーキャップ5に対してがたついたり、容器本体2がカバーキャップ5から外れたりするのを抑制できる。
その後、カバーキャップ5の開放部61が弱化部35に突き当たることで、弱化部35が破断される。すると、閉塞板34がシール筒32から離脱して、容器本体2の口部3が開放され、容器本体2内に収容された揮散剤がカバーキャップ5内に流出する。このとき、閉塞板34の連結環33がカバーキャップ5の天壁部41に当接するまで、容器本体2とカバーキャップ5とを接近させる。これにより、カバーキャップ5内において、容器本体2の口部3と、含浸体72と、の間が囲繞筒部64によって仕切られるとともに、連通路71が容器本体2の口部3を径方向に跨るように配置されることで、口部3に対して径方向の内側と、囲繞筒部64に対して径方向の外側と、が連通路71のみを介して連通する。
また、容器本体2とカバーキャップ5とを接近させる際、容器本体2は突部26によってカバーキャップ5の舌片部48を径方向の外側に向けて弾性変形させつつ、カバーキャップ5内に進入する。そして、閉塞板34の連結環33がカバーキャップ5の天壁部41に当接した時点で、舌片部48が復元して突部26が係止孔51に係止される。さらに、容器本体2の係止突部25が、カバーキャップ5の収容凹部46内に収容される。これにより、開封状態における容器本体2とカバーキャップ5との相対移動が規制される。
ここで、図8に示すように、容器本体2からカバーキャップ5内に流出した揮散剤は、口部3の開口端縁(閉塞部4の連結環33)と連通路71との隙間を通って、口部3に対して径方向の外側に染み出すように導かれる。その後、口部3に対して径方向の外側に導かれた揮散剤は、連通路71を通って囲繞筒部64に対して径方向の外側に染み出すように導かれる。そして、揮散剤は、連通路71の径方向の外側端部(囲繞壁部64の外側に位置する部分)において、毛細管現象等によって囲繞壁部64と外筒部65との間に保持された含浸体72に含浸される。そして、含浸体72に含浸された揮散剤は揮発しながらカバーキャップ5の揮散窓53を通して外部に導出される。
このように、本実施形態によれば、未開封状態において、容器本体2及びカバーキャップ5は、互いの周方向位置がずらされた状態で、容器本体2の肩部13と、カバーキャップ5の開口端縁と、が容器軸O方向で当接しているため、容器本体2とカバーキャップ5との容器軸O方向に沿う接近移動を規制できる。これにより、閉塞板34が不意に開放されるのを抑制できる。
また、未開封状態において、容器本体2の肩部13に形成された膨出部28が、カバーキャップ5の開口端縁に形成された収容凹部46内に収容されているため、容器本体2とカバーキャップ5との周方向への相対移動を規制できる。これにより、容器本体2とカバーキャップ5とが不意に周方向に相対回転するのを抑制して、容器本体2が不意に開放されるのを抑制できる。
そして、本実施形態では、カバーキャップ5が容器本体2と同形状で、かつ容器本体2を収容可能な大きさとされているため、容器本体2とカバーキャップ5とを周方向に相対移動させ、互いの周方向位置を合わせた状態で、容器本体2とカバーキャップ5とを容器軸O方向に沿って接近移動させることで、容器本体2の口部3を開放させることができる。すなわち、容器本体2とカバーキャップ5との周方向の位置合わせを行うだけの簡便な操作により、揮散容器1を開封することができる。また、カバーキャップ5から容器本体2を取り外したり、従来のように切取部を破断したりする等の必要がないので、開封操作時にゴミが発生することもない。
その結果、開封操作時における操作性を向上させることができる。
また、含浸体72が囲繞壁部64の外側に配設されるとともに、囲繞壁部64の内側と外側とが連通路71によって連通しているため、揮散剤がカバーキャップ5内の全体に直接広がるのを抑制できる。
特に、含浸体72が囲繞壁部64に対して径方向の外側に配設されるとともに、口部3に対して径方向の内側と、囲繞壁部64に対して径方向の外側と、が連通凹部71によって連通しているため、揮散剤が大量に含浸体72に向けて流出するのを抑制できる。
これにより、カバーキャップ5内に揮散剤が必要以上に流出するのを抑制できるので、揮散剤が大量に揮散するのを抑制できる。その結果、揮散効果を長期に亘って持続できるとともに、揮散剤が揮散窓53から直接漏出するのを防止できる。
さらに、本実施形態の揮散容器1では、開封状態において、容器本体2の肩部13が上方から下方に向かうに従い漸次縮径しているため、容器本体2内の揮散剤が口部3に向けて案内され易くなる。そのため、容器本体2内の揮散剤を最後まで使い切り易い。
また、本実施形態では、容器本体2及びカバーキャップ5が角形状とされているため、容器本体2及びカバーキャップ5の角部21,43(主壁部22,45)同士の周方向位置を合わせ、その後容器本体2とカバーキャップ5とを容器軸O方向に接近移動させるだけで、揮散容器1を開封することができる。これにより、操作性をより向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、容器本体2及びカバーキャップ5における容器軸O方向に直交する断面視形状は、上述した正方形状に限らず、非円形状であれば、適宜変更が可能である。例えば、三角形状、五角形状の角形状や、楕円形状や半円形状等でも構わない。すなわち、胴部12の外周面と、周壁部42の内周面と、の半径が全周に亘って同等となっていなければ構わない。また、容器本体2の肩部13と、カバーキャップ5の開口端縁と、の周方向における当接範囲も適宜設計変更が可能である。
また、上述した実施形態では、閉塞部4が弱化部35を破断することで口部3を開放する構成について説明したが、これに限らず、容器本体とカバーキャップとの容器軸O方向に沿う接近移動に伴い開放部により口部3が開放される構成であれば、図10に示すように閉塞部100を中栓形状としたり、図示しないフィルム形状としたりする等、適宜設計変更が可能である。
さらに、開放部61についても、筒状に限らず、十字状のリブ等、閉塞部4を押圧して除去することで、口部3が開放される形状であれば適宜設計変更が可能である。
また、上述した実施形態では、閉塞部4がカバーキャップの天壁部41に当接するまで、容器本体2とカバーキャップ5とを接近させる構成について説明したが、これに限らず、容器本体2とカバーキャップ5との接近移動に伴い閉塞部4が開放されれば構わない。
さらに、上述した実施形態では、囲繞壁部64の外側に含浸体72を配設する構成について説明したが、これに限られない。
さらに、上述した実施形態では、容器本体2の肩部13のうち、胴部12の角部21に連接する部分全てに膨出部28を形成し、カバーキャップ5の開口端縁のうち、角部43に位置する部分全てに収容凹部46を形成した場合について説明したが、これに限らず、膨出部28及び収容凹部46の位置や形状、数等は、適宜設計変更が可能である。また、膨出部28及び収容凹部46の数は、同数でなくても構わない。
また、上述した実施形態では、カバーキャップ5側に連通路71を形成する構成について説明したが、これに限らず、容器本体側(例えば、閉塞部4等)に連通溝を形成する構成にしても構わない。
また、流通段階等において、シュリンクラベルやストレッチラベル等のラベルを揮散容器に装着したり、揮散容器を箱等に収納したりしても構わない。
さらに、上述した実施形態では、倒立姿勢で流通する場合について説明したが、少なくとも使用時において倒立姿勢であれば、正立姿勢(図2等に示すカバーキャップ5が上側、容器本体2が下側の姿勢)で流通しても構わない。
また、図9、図10に示すように、カバーキャップ101の囲繞壁部64に、容器軸O方向に沿う長さの異なる係合片110,111を複数ずつ配設しても構わない。具体的に、係合片110,111は、第1係合片110と、容器軸O方向に沿う長さが第1係合片110よりも長い第2係合片111と、を有している。
第1係合片110の下端部には、容器本体2のネックリング27に下方から係合可能な第1係合部110aが形成されている。第1係合部110aは、上述した規制状態のときにネックリング27に容器軸O方向で係合し、図12に示す規制解除状態のときにネックリング27との係合が解除される。
第2係合片111の下端部には、容器本体2のネックリング27に下方から係合可能な係合部111aが形成されている。第2係合部111aは、第1係合部110aよりも下方に位置しており、図12に示す規制解除状態のときにネックリング27に容器軸O方向で係合し、図10に示す規制状態のときにネックリング27に対して下方に位置してネックリング27との係合が解除される。
第1係合片110及び第2係合片111は、周方向で交互に3つずつ等間隔に配設されており、各係合片110,111によりネックリング27を径方向の外側から取り囲んでいる。また、周方向で隣接する第1係合片110及び第2係合片111同士の間には、容器軸O方向に沿って延びるスリット状の切欠き部112が形成されており、これにより各係合片110,111が径方向に弾性変形可能に構成されている。
この構成によれば、図11に示すように、容器本体2の膨出部28がカバーキャップ101の収容凹部46内に収容された規制状態では、第1係合片110(第1係合部110a)がネックリング27に容器軸O方向に沿う上方から係合され、第2係合片111(第2係合片111a)はネックリング27に対して上方に離間している。
その後、揮散容器1の開封時において、容器本体2とカバーキャップ101とを周方向に相対的に回転させ、容器本体2の膨出部28がカバーキャップ101における収容凹部46の内周縁上を周方向に沿って摺接することで、容器本体2とカバーキャップ101とが容器軸O方向で離間する。これにより、容器本体2は、膨出部28がカバーキャップ101の開口端縁上に当接したまま、カバーキャップ101の収容凹部46から離脱した規制解除状態となる。このとき、ネックリング27が第1係合部110aを容器軸O方向で乗る越えることで、第1係合部111aとネックリング27との係合が解除されるものの、第2係合片111(第2係合部111a)がネックリング27に容器軸O方向に沿う上方から係合されることになる。そのため、容器本体2とカバーキャップ101との係合が継続された状態で、容器本体2とカバーキャップ101とを回転させることができる。その後、上述した実施形態と同様の方法により、開封操作が行われる。
このように、容器軸O方向に沿う長さが異なる係合片110,111を配設することで、規制状態及び規制解除状態の双方の状態において、各係合片110,111のうち、何れか一方の係合片110,111がネックリング27に係合されることになる。そのため、開封操作時において、容器本体2とカバーキャップ101とが容器軸O方向に相対移動したとしても、容器本体2とカバーキャップ101との係合を常に維持することができる。これにより、容器本体2とカバーキャップ101との周方向への相対回転を許容した上で、容器本体2がカバーキャップ101に対してがたついたり、容器本体2がカバーキャップ101から外れたりするのを抑制できる。
しかも、複数の各係合片110,111が周方向に交互に配設されているため、各係合片110,111によって口部3が径方向の外側から取り囲まれることになる。これによっても、カバーキャップ101に対する容器本体2のがたつきを抑制できる。
また、各係合片110,111が等間隔に配設されているため、規制状態から規制解除状態へ容器本体2が移動する際に、ネックリング27との係合がより維持し易くなる。
また、各係合片110,111同士の間に切欠き部112が形成されているため、ネックリング27が各係合部110a,111aを乗り越える際(例えば、規制状態と規制解除状態との切り替わり時)に、各係合片110,111が径方向に弾性変形することになる。これにより、容器本体2とカバーキャップ101とを無理なく操作できるので、優れた操作性を具備させることができる。
なお、上述した図9〜図12に示す構成では、各係合片110,111間に切欠き部112を形成し、各係合片110,111を周方向で分断させる構成について説明したが、これに限らず、各係合片110,111同士を周方向に連設させた筒状に形成しても構わない。
また、図9〜図12に示す構成では、各係合片110,111自体の容器軸O方向に沿う長さを異ならせる構成について説明したが、これに限らず、各係合部110a,111aの容器軸O方向に沿う位置が異なっていれば構わない。
さらに、図9〜図12に示す構成では、各係合片110,111を囲繞壁部64の下端縁から連設させる構成について説明したが、これに限らず、囲繞壁部64とは別に配設しても構わない。
また、各係合片110,111は、2つずつ配設してもよく、3つ以上の複数ずつ配設しても構わない。
さらに、上述した実施形態では、ネックリング27を被係合部として機能させる構成について説明したが、これに限らず、ネックリング27とは別に被係合部を口部3に配設しても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…揮散容器
2…容器本体
3…口部
4…閉塞部
5,101…カバーキャップ
12…胴部
13…肩部
27…ネックリング(被係合部)
28…膨出部(規制部)
46…収容凹部(規制部)
64…囲繞壁部
71…連通路
72…含浸体
110a…第1係合部
111a…第2係合部
O…容器軸

Claims (4)

  1. 揮散剤を収容するとともに、容器軸方向に直交する横断面視で非円形状とされた容器本体と、
    該容器本体の口部を開放可能に閉塞する閉塞部と、
    内周面形状が容器軸方向に直交する横断面視で前記容器本体の胴部の外周面形状と同形状で、かつ容器軸方向に沿う前記容器本体の前記口部側から前記胴部を収容可能とされ、容器軸周りに回転可能に前記容器本体に装着される有頂筒状のカバーキャップと、
    前記容器本体と前記カバーキャップとの間に配設され、揮散剤が含浸される含浸体と、を備え、
    前記カバーキャップは、前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い、前記閉塞部を押圧して除去し、前記口部を開放する開放部を備え、
    前記容器本体及び前記カバーキャップは、互いの周方向位置がずらされた状態で、前記容器本体における肩部の一部と、前記カバーキャップの開口端縁の一部と、が容器軸方向で当接し、
    前記容器本体の前記肩部と、前記カバーキャップの開口端縁と、の当接部分には、前記容器本体と前記カバーキャップとの容器軸周りの周方向への相対移動を規制する規制部が配設されていることを特徴とする揮散容器。
  2. 前記カバーキャップには、容器軸方向から見た平面視において、前記容器本体の前記口部を取り囲む囲繞壁部が配設され、
    前記含浸体は、前記カバーキャップにおける前記囲繞壁部の外側に配設され、
    前記カバーキャップ側及び前記容器本体側のうち、何れか一方側には、前記カバーキャップと前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い、前記カバーキャップの天壁部と前記口部の開口端縁とが当接したときに、前記囲繞壁部の内側と外側とを連通させる連通路が形成されていることを特徴とする請求項1記載の揮散容器。
  3. 前記容器本体及び前記カバーキャップは、容器軸方向に直交する横断面視で角形状とされていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の揮散容器。
  4. 前記カバーキャップは、
    前記容器本体と前記カバーキャップとの周方向への相対移動が前記規制部により規制された規制状態において、前記口部の被係合部に容器軸方向で係合される第1係合部と、
    前記第1係合部に対して容器軸方向で異なる位置に配設されるとともに、前記肩部の一部、及び前記カバーキャップの開口端縁の一部が容器軸方向に当接したまま、前記規制部による規制が解除された規制解除状態において、前記被係合部に容器軸方向で係合される第2係合部と、を備え、
    前記第1係合部及び前記第2係合部は、周方向に交互に複数ずつ配設されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の揮散容器。
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