JP2015027684A - ダイカスト鋳造品の後処理方法及びダイカスト鋳造設備 - Google Patents

ダイカスト鋳造品の後処理方法及びダイカスト鋳造設備 Download PDF

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Abstract

【課題】設備コストの高騰を招くことなく、ダイカスト鋳造品の後処理のサイクルタイムを短縮する。
【解決手段】ダイカスト鋳造機2からロボットアーム1で鋳造品Wを取り出すステップと、ロボットアーム1で、冷却水槽10に設けられたワークセット部20に鋳造品Wをセットするステップと、ロボットアーム1で他工程を行っている間に、回転駆動部30でワークセット部20を駆動することにより、鋳造品Wの冷却水槽10への浸漬、冷却水槽10からの取り出し、及び、上下反転による水切りを行うステップと、ロボットアーム1でワークセット部20から鋳造品Wを受け取るステップと、ロボットアーム1で保持された鋳造品Wの不要部分を除去するステップと、ロボットアーム1で鋳造品Wをコンベア6に払い出すステップとを順に経て行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、ダイカスト鋳造品の後処理方法及びダイカスト鋳造設備に関する。
ダイカスト鋳造機から取り出した鋳造品は、冷却された後、不要部分が除去され、コンベアに払い出される。このような鋳造品の冷却や不要部分の除去等の後処理は、ロボットアームを用いて行われることが多い(例えば特許文献1参照)。具体的には、ロボットアームの周りを囲むように、ダイカスト鋳造機、冷却水槽、不要部除去装置、コンベア等が配置され、ロボットアームで鋳造品を順に移動させて後処理が行われる。
例えばエンジンのシリンダブロックは、ダイカスト鋳造機で鋳造された後、以下のような手順で後処理が施される(図5参照)。
(1)ロボットアームで、鋳造機からシリンダブロックを取り出す。
(2)ロボットアームで、シリンダブロックを冷却水槽に浸漬する。
(3)シリンダブロックを冷却している間に、ロボットアームで他工程を行う(鋳造機への潤滑剤の塗布やシリンダライナーのセット等)。
(4)ロボットアームで、シリンダブロックを冷却水槽から取り出す。
(5)ロボットアームで、シリンダブロックを上下反転させて水切りを行う。
(6)ロボットアームで保持したシリンダブロックの不要部分を切断除去する。
(7)ロボットアームで、シリンダブロックをコンベアに払い出す。
特開2001−347362号公報
シリンダブロック等のダイカスト鋳造品は、生産性のさらなる向上が求められており、これに伴って鋳造後の後処理のサイクルタイムの短縮が求められている。しかし、上記の(1)〜(7)の工程は、全てロボットアームの動作の速度に依存しており、各工程の時間を短縮することは難しい。例えば、ロボットアームを複数台設置すれば、鋳造品の後処理のサイクルタイムを短縮することはできるが、この場合、設備コストが大幅に高くなってしまう。
本発明が解決しようとする課題は、設備コストの高騰を招くことなく、ダイカスト鋳造品の後処理のサイクルタイムを短縮することにある。
上記の後処理工程では、工程(2)で鋳造品が冷却水槽に浸漬されてから、工程(4)で鋳造品が冷却水槽から取り出されるまでの間、鋳造品の冷却が行われている。鋳造品の冷却は、後工程での作業者による鋳造品の取り扱い性を向上させること、及び、鋳造品の硬度を高めること(焼き入れのような効果)を主な目的としている。これらの目的を達成可能な範囲で鋳造品の冷却時間を短くすれば、サイクルタイムを短縮できるとも思われる。しかし、上記の後処理方法では、鋳造品の冷却時間を利用して、ロボットアームにより、鋳造機への潤滑剤の塗布やシリンダライナーのセット等の他工程が行われる{上記工程(3)}。従って、ロボットアームによる他工程が終了するまでは、鋳造品を冷却水槽から取り出すことはできないため、冷却時間の短縮によるサイクルタイムの短縮はできない。
本発明は、上記の点に着目してなされたものであり、具体的には、ダイカスト鋳造機で鋳造した鋳造品の後処理を行うための方法であって、ロボットアームで、ダイカスト鋳造機から鋳造品を取り出すステップと、前記ロボットアームで、冷却水槽を有する冷却装置に前記鋳造品をセットするステップと、前記ロボットアームで他工程を行っている間に、前記冷却装置に設けられた駆動手段を駆動することにより、前記鋳造品の前記冷却水槽への浸漬、前記冷却水槽からの取り出し、及び、上下反転による水切りを行うステップと、前記ロボットアームで前記冷却装置から前記鋳造品を受け取るステップと、前記ロボットアームで保持された前記鋳造品の不要部分を除去するステップと、前記ロボットアームで前記鋳造品を搬送手段に払い出すステップとを順に経て行うものである。
また、本発明は、ダイカスト鋳造機と、冷却装置と、不要部除去装置と、搬送手段と、ロボットアームとを備え、前記ロボットアームにより、前記ダイカスト鋳造機から取り出した鋳造品を、前記冷却装置、前記不要部除去装置、及び前記搬送手段に移動可能であるダイカスト鋳造設備であって、前記冷却装置が、冷却水槽と、ワークセット部と、前記ワークセット部を駆動する駆動手段とを備え、前記駆動手段が、前記ワークセット部にセットした前記鋳造品の前記冷却水槽への浸漬、前記冷却水槽からの取り出し、及び、上下反転による水切りを行うものである。
尚、「鋳造品を上下反転させる」とは、上方(斜め上方を含む)を向いていた面が下方(斜め下方を含む)を向くように鋳造品を自転させることを言い、必ずしも鋳造品を180°自転させる場合に限られない。
上記のように、本発明では、冷却装置に駆動手段を設けた。これにより、ロボットアームで他工程を行っている間に、駆動手段により鋳造品を駆動することで、鋳造品の冷却水槽への浸漬、冷却水槽からの取り出し、及び、上下反転による水切りを行うことができる。従って、ロボットアームが他工程を終えて冷却装置から鋳造品を受け取るときには、既に鋳造品の冷却水槽からの取り出し及び水切りが完了しているため、ロボットアームでこれらの工程を行う時間を省略でき、その分サイクルタイムを短縮することができる。
ダイカスト鋳造設備を模式的に示す平面図である。 上記ダイカスト鋳造設備の冷却装置の断面図である。 図2の冷却装置をIII方向から見た断面図である。 本発明の実施形態に係るダイカスト鋳造品の後処理工程の手順を示す図である。 従来のダイカスト鋳造品の後処理工程の手順を示す図である。
図1に示す鋳造設備は、ロボットアーム1の周りを囲むようにして、ダイカスト鋳造機2、不要部除去装置3、冷却装置4、シリンダライナー置き場5、及び搬送手段としてのコンベア6が配置されている。
ロボットアーム1は、鋳造品Wを保持する保持部(図示省略)を有し、保持部で保持した鋳造品Wを、任意の3次元位置に、任意の姿勢(角度)で配置することができる。尚、図1には、ロボットアーム1の保持部の可動範囲を鎖線で示す。
ダイカスト鋳造機2は、溶湯で鋳造品Wをダイカスト鋳造するものであり、本実施形態では、鋳造品Wがシリンダブロックである場合を示す。具体的には、ダイカスト鋳造機2のキャビティ内の所定位置にシリンダライナー(図示省略)を配置した状態で、アルミ溶湯をキャビティに射出してシリンダライナーをアルミで鋳包むことにより、シリンダブロックが形成される。
不要部除去装置3は、鋳造後の鋳造品Wに設けられる不要部分(ゲートやランナ内のアルミ溶湯が固化したもの)を、製品部分から切断除去するものである。不要部除去装置3による不要部分の切断除去は、ロボットアーム1の保持部で鋳造品Wを保持した状態で行われる。
冷却装置4は、図2及び図3に示すように、内部に冷却水を貯留する冷却水槽10と、鋳造品Wがセットされるワークセット部20と、ワークセット部20を駆動する駆動手段としての回転駆動部30とを備える。
ワークセット部20は、鋳造品Wが載置されるセット台21と、セット台21から上方に突出した位置決めピン22と、ワークセット部20に鋳造品Wを保持する係止部23とを備える。位置決めピン22は、例えば鋳造品Wとしてのシリンダブロックのシリンダボア(シリンダライナーの内周面)に対応する位置に設けられる。図示例では、3気筒エンジンの両端のシリンダボアに対応する2箇所に位置決めピン22が設けられる。位置決めピン22がシリンダブロック(鋳造品W)のシリンダライナーの内周面に嵌合することで、シリンダブロックがワークセット部20に対して位置決めされる。
係止部23は、鋳造品Wを上下反転させたときにワークセット部20から脱落しないように保持するものである。本実施形態では、係止部23が、ワークセット部20にセットした鋳造品Wの上面より少し上方に設けられ、鋳造品Wに上方から係合可能な位置に設けられる。係止部23は、図示しない駆動部(エアシリンダ等)により駆動され、鋳造品Wに上方から係合可能な係止位置(図3の実線参照)と、鋳造品Wの上方から退避した退避位置(図3の点線参照)との間で移動可能とされる。
回転駆動部30は、任意の角度で停止可能であり、例えばモータ、特にサーボモータで構成される。回転駆動部30の回転軸31は、冷却水槽10の水面よりも上方に設けられ、図示例では、冷却水槽10の上部に回転駆動部30が設けられる。回転駆動部30の回転軸31とワークセット部20のセット台21とは、連結部40を介して連結される。回転駆動部30を駆動すると、ワークセット部20が回転軸31を中心に円弧軌跡上を移動する。回転駆動部30の回転角を図示しない制御部で制御することで、ワークセット部20が浸漬位置A1、ワークセット位置A2、及び反転位置A3で停止可能とされる(図2参照)。
以下、上記の鋳造設備において、鋳造機2で鋳造した鋳造品Wに後処理を施す手順を説明する。本実施形態では、図4に示すロボットアーム1の動作(上段)及び冷却装置3の動作(下段)に沿って説明する。
まず、鋳造機2で鋳造品Wを鋳造した後、ロボットアーム1で鋳造機2から鋳造品Wを取り出し、冷却装置4のワークセット部20にセットする。このとき、ワークセット部20は、ワークセット位置A2に配置され(図2参照)、且つ、係止部23は退避位置に配されている(図3の点線参照)。ワークセット位置A2に配置されたワークセット部20の位置決めピン22は、セット板21から斜め上方に向けて突出している。この位置決めピン22に鋳造品Wの穴(ライナーの内周面)を嵌合させた後、係止部23を突出させて係止位置(図3の実線参照)に配置する。この係止部23により、セット板21から離れる方向(位置決めピン22との嵌合が解除される方向)の鋳造品Wの移動が規制される。上記のように、水面よりも上方に配された位置決めピン22に鋳造品Wを嵌合させることにより、ロボットアーム1を水で濡らすことなく鋳造品Wをワークセット部20にセットできるため、ロボットアーム1の早期の劣化を防止できる。
ロボットアーム1は、ワークセット部20に鋳造品Wを受け渡した後、他工程を行う。本実施形態では、ライナー置き場5から次の鋳造品のためのライナーを受け取り、このライナーを、鋳造機2のキャビティ内の所定位置にセットする。
こうしてロボットアーム1が他工程を行っている間に、冷却装置4で鋳造品Wの冷却が行われる。具体的には、回転駆動部30を一方(図2の反時計回り方向)に回転駆動して、ワークセット部20を浸漬位置A1に配置し、鋳造品Wを冷却水に浸漬する。そして、所定時間経過後、回転駆動部30を他方(図2の時計回り方向)に回転駆動して、ワークセット部20を反転位置A3に配置する。反転位置A3は、ワークセット位置A2よりもさらに回転駆動部30を他方に回転させた位置である。反転位置A3では、鋳造品Wが、係止部23と係合することで、ワークセット部20から脱落することなく保持される。
浸漬位置A1から反転位置A3までワークセット部20を移動させることにより、鋳造品Wが冷却水槽10の水面より上方に配されると共に、鋳造品Wが自転により上下反転する。すなわち、鋳造品Wが冷却水槽10の水面よりも上方に露出した直後(ワークセット位置A2付近)では、鋳造品Wの上面(位置決めピン22が挿入される側と反対側の面)が斜め上方を向いているため、下面の凹部に溜まった水が落下する。そして、鋳造品Wが反転位置A3に配された状態では、鋳造品Wの上面が斜め下方を向くため、上面の凹部に溜まった水が落下する。以上により、鋳造品Wの表面の凹部に溜まった水が落下し、鋳造品Wの水切りが行われる。このように、上記の冷却装置3によれば、鋳造品Wの冷却水槽10への浸漬、鋳造品Wの冷却水槽10からの取り出し、及び、鋳造品Wの上下反転による水切りを、一つの駆動手段(回転駆動部30)で行うことができる。特に、図示例のように、冷却水槽10の上方で鋳造品Wを回転させることで、鋳造品Wから落下した水を冷却水槽10に戻すことができ、冷却水の再利用及び周囲の水濡れの防止を図ることができる。
鋳造品Wの水切りが完了したら、回転駆動部30を一方に回転駆動して、ワークセット部20及び鋳造品Wをワークセット位置A2に配置すると共に、係止部23を後退させる。そして、他工程を終えたロボットアーム1が、ワークセット部20の鋳造品Wを受け取る。このとき、ロボットアーム1が受け取った鋳造品Wは、冷却及び水切りが完了しているため、ロボットアーム1により、冷却水槽10からの鋳造品Wの取り出しや、鋳造品Wの反転水切り等の工程を行う必要はない。これにより、図4に示す本実施形態のロボットアームの工程は、図5に示す従来のロボットアームの工程と比べて、少なくとも反転水切り工程を省略することができるため、その分のサイクルタイムを短縮することが可能となる。
その後、ロボットアーム1で鋳造品Wを不要部除去装置3に搬入し、ロボットアーム1で保持した状態のまま、鋳造品Wの不要部分を切断除去する。こうして不要部分が除去された鋳造品Wがロボットアーム1でコンベア6に払い出され、次工程に搬送される。
1 ロボットアーム
2 ダイカスト鋳造機
3 不要部除去装置
4 冷却装置
5 ライナー置き場
6 コンベア(搬送手段)
10 冷却水槽
20 ワークセット部
30 回転駆動部(駆動手段)
40 連結部
A1 浸漬位置
A2 ワークセット位置
A3 反転位置
W 鋳造品

Claims (2)

  1. ダイカスト鋳造機で鋳造した鋳造品の後処理を行うための方法であって、
    ロボットアームで、ダイカスト鋳造機から鋳造品を取り出すステップと、前記ロボットアームで、冷却水槽を有する冷却装置に前記鋳造品をセットするステップと、前記ロボットアームで他工程を行っている間に、前記冷却装置に設けられた駆動手段を駆動することにより、前記鋳造品の前記冷却水槽への浸漬、前記冷却水槽からの取り出し、及び、上下反転による水切りを行うステップと、前記ロボットアームで前記冷却装置から前記鋳造品を受け取るステップと、前記ロボットアームで保持された前記鋳造品の不要部分を除去するステップと、前記ロボットアームで前記鋳造品を搬送手段に払い出すステップとを順に経て行うダイカスト鋳造品の後処理方法。
  2. ダイカスト鋳造機と、冷却装置と、不要部除去装置と、搬送手段と、ロボットアームとを備え、前記ロボットアームにより、前記ダイカスト鋳造機から取り出した鋳造品を、前記冷却装置、前記不要部除去装置、及び前記搬送手段に移動可能であるダイカスト鋳造設備であって、
    前記冷却装置が、冷却水槽と、ワークセット部と、前記ワークセット部を駆動する駆動手段とを備え、前記駆動手段が、前記ワークセット部にセットした前記鋳造品の前記冷却水槽への浸漬、前記冷却水槽からの取り出し、及び、上下反転による水切りを行うものであるダイカスト鋳造設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114453573A (zh) * 2022-03-07 2022-05-10 江苏天宏机械工业有限公司 一种铸造工件后处理装置及方法

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