JP2015026890A - Pll装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速で広帯域なPLL動作を行う。【解決手段】PLL装置10は、可変周波数発振器13と分周部14を備える。可変周波数発振器13は、基準信号と分周信号との位相差情報を含む制御信号に応じて発振周波数を変化させて、基準信号の周波数を逓倍化した出力信号を発振する。分周部14は、出力信号を分周して分周信号を生成する。分周部14には注入同期型分周回路14aが配置され、注入同期型分周回路14aに制御信号が入力して、該制御信号により注入同期型分周回路14aの動作周波数を制御する。【選択図】図1
Description
本技術は、PLL(Phase Locked Loop)装置に関する。
無線などの通信機器では、例えば、ミリ波帯などの高周波のキャリア信号を生成するためにPLL回路が使用されている。
PLL回路は、外部からの基準信号と、ループ内の発振器からの出力との位相差が一定になるようにフィードバック制御をかけて発振させて、基準信号に同期した発振出力を得るための回路である。また、PLL回路には、発振器からの出力信号を分周して、位相比較器にフィードバック入力するための分周回路が用いられる。
PLL回路は、外部からの基準信号と、ループ内の発振器からの出力との位相差が一定になるようにフィードバック制御をかけて発振させて、基準信号に同期した発振出力を得るための回路である。また、PLL回路には、発振器からの出力信号を分周して、位相比較器にフィードバック入力するための分周回路が用いられる。
従来技術としては、インジェクションロック型(注入同期型)の分周回路を使用したPLL回路が提案されている。
分周回路の1つとして、インジェクションロック型の分周回路が知られている。しかし、インジェクションロック型の分周回路は、自励発振周波数の周波数範囲が狭いため、発振周波数が無調整のインジェクションロック型分周回路をPLL回路に使用すると、広帯域の動作が実現できないという問題がある。
発明の一観点によれば、基準信号と分周信号との位相差情報を含む制御信号に応じて発振周波数を変化させて、前記基準信号の周波数を逓倍化した出力信号を発振する可変周波数発振器と、前記出力信号を分周して前記分周信号を生成する分周部とを備え、前記分周部に注入同期型分周回路を配置し、前記注入同期型分周回路に前記制御信号を入力して、前記制御信号により前記注入同期型分周回路の動作周波数を制御する、PLL装置が提供される。
開示のPLL装置によれば、広帯域なPLL動作が可能になる。
以下、発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態のPLL装置の一例を示す図である。
PLL装置10は、位相比較器11、フィルタ12、可変周波数発振器13および分周部14を備える。
図1は、本実施の形態のPLL装置の一例を示す図である。
PLL装置10は、位相比較器11、フィルタ12、可変周波数発振器13および分周部14を備える。
位相比較器11は、基準信号と分周信号との位相比較を行い、位相差信号を生成して出力する。フィルタ12は、位相差信号を平滑化して制御信号VCONTを生成する。
可変周波数発振器13は、基準信号と分周信号との位相差情報を含む制御信号VCONTに応じて発振周波数を変化させて、基準信号の周波数を逓倍化した出力信号を発振する。分周部14は、可変周波数発振器13からフィードバックされた出力信号を分周して分周信号を生成する。
可変周波数発振器13は、基準信号と分周信号との位相差情報を含む制御信号VCONTに応じて発振周波数を変化させて、基準信号の周波数を逓倍化した出力信号を発振する。分周部14は、可変周波数発振器13からフィードバックされた出力信号を分周して分周信号を生成する。
ここで、分周部14には、外部信号の注入同期により位相を固定して分周動作を行う注入同期型分周回路14aが配置される。また、注入同期型分周回路14aには制御信号VCONTを入力して、制御信号VCONTにより注入同期型分周回路14aの動作周波数(発振周波数)を制御する。
このように、PLL装置10では、分周部14に注入同期型分周回路14aを配置し、可変周波数発振器13の発振周波数に入力される制御信号VCONTを、注入同期型分周回路14aにも入力して注入同期型分周回路14aの動作周波数を制御する。これにより、注入同期型分周回路14aの動作周波数を広げることができ、広帯域のPLL動作を実現することが可能になる。
次に本技術のPLL装置の設計の流れについて詳しく説明する。なお、以降では、注入同期型分周回路をインジェクションロック型分周回路(ILFD:Injection Locked Frequency Divider)と呼ぶ。
図2は、PLL回路の第1の比較例を示す図である。
PLL回路200は、位相比較器21、LPF(Low Pass Filter)22、VCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)23および分周回路240を備える。
PLL回路200は、位相比較器21、LPF(Low Pass Filter)22、VCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)23および分周回路240を備える。
位相比較器21には、基準信号fREFと、分周回路240から出力された分周クロックfVCO/Nとが入力し、これら2つの位相比較を行って、位相差成分をパルス状の位相差信号として出力する。LPF22は、位相差信号を平滑化して制御信号VCONT(直流電圧)を生成する。
VCO23は、入力する制御信号VCONTのレベル値に比例した周波数の出力信号fVCOを発振する。分周器240は、多段接続された2分周器240−1〜240−nを含み、VCO23からフィードバックされた出力信号fVCOの周波数を1/Nに分周して、分周クロックfVCO/Nを生成して位相比較器21へ入力する。なお、基準信号fREFの周波数をfrefとすれば、VCO23の出力信号fVCOの周波数はfref×Nである。
図3は、インジェクションロック型分周回路の一例を示す図である。
インジェクションロック型分周回路2は、インダクタL1、L2、ダイオードD1、D2、NチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であるトランジスタT1〜T3を備える。
インジェクションロック型分周回路2は、インダクタL1、L2、ダイオードD1、D2、NチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であるトランジスタT1〜T3を備える。
なお、インダクタL1、L2、ダイオードD1、D2およびトランジスタT1、T2で発振部を形成しており、トランジスタT3はスイッチ素子となる。また、ダイオードD1、D2は、可変容量ダイオード(バラクタダイオード:varactor diode)である。
ここで、インダクタL1、L2とダイオードD1、D2とにより、LC発振回路が形成されている。また、LC発振回路では、L、Cの抵抗成分によって損失抵抗が生じるので、LC共振によって発振を継続させるためには、損失抵抗をキャンセルするための負性抵抗を加えることになる。このため、クロスカップリングされたトランジスタT1、T2により負性抵抗を発生させて発振状態を一定にしている。
各素子の接続構成としては、インダクタL1の一端は、インダクタL2の一端と電源ラインとに接続する。インダクタL1の他端は、ダイオードD1のアノードと、差動出力端子OUT(+)と、トランジスタT1のドレインと、トランジスタT2のゲートと接続する。
インダクタL2の他端は、ダイオードD2のアノードと、差動出力端子OUT(−)と、トランジスタT2のドレインと、トランジスタT1のゲートと接続する。ダイオードD1のカソードは、ダイオードD2のカソードと、入力端子IN1と接続する。
トランジスタT1のソースは、トランジスタT2のソースと、トランジスタT3のドレインと接続する。トランジスタT3のゲートは、入力端子IN2と接続し、トランジスタT3のソースは、GNDに接続する。
上記のインジェクションロック型分周回路2では、差動型発振回路が構成されており、発振周波数の設定は、入力端子IN1を通じて、ダイオードD1、D2のカソード共通接続点に印加される入力信号I1により制御される。
また、差動出力は、トランジスタT3のスイッチング動作により接続される。この場合、入力端子IN2を通じて入力信号I2がトランジスタT3に入力すると、トランジスタT3がONして差動出力が接続する。
すると、出力端子OUT(+)と出力端子(−)とが同電位となり、インジェクションロックによって、入力信号I1に同期した周波数2分の1の出力(周波数1/2の分周信号)が得られることになる。
図4は、PLL回路の第2の比較例を示す図である。図3のインジェクションロック型分周回路2を用いたPLL回路の例を示している。
PLL回路20aは、位相比較器21、LPF22、VCO23、分周回路240a、周波数カウンタ250および制御回路260を備える。なお、図2で示したPLL回路200と同一素子には同じ符号を付けてそれらの説明は省略する。
PLL回路20aは、位相比較器21、LPF22、VCO23、分周回路240a、周波数カウンタ250および制御回路260を備える。なお、図2で示したPLL回路200と同一素子には同じ符号を付けてそれらの説明は省略する。
PLL回路20aにおいて、図2で示したPLL回路200と異なる素子は、分周回路の初段の2分周器240−1がインジェクションロック型分周回路240a−1となっている。さらに周波数カウンタ250と制御回路260とが追加されている。
インジェクションロック型分周回路240a−1の入力端子IN1には、制御回路260から出力される発振周波数の設定信号が入力される。また、インジェクションロック型分周回路240a−1の入力端子IN2には、VCO23からの出力信号が入力される。
周波数カウンタ250は、VCO23の出力信号の周波数をカウントして、VCO23の発振周波数を検出する。制御回路260は、周波数カウンタ250で検出された発振周波数を、インジェクションロック型分周回路240a−1に設定するための発振周波数設定信号を生成して、インジェクションロック型分周回路240a−1に印加する。
インジェクションロック型分周回路240a−1は、発振周波数設定信号に追従(同期)して発振動作を行って、VCO23の出力信号の周波数を1/2分周した分周信号を分周器240−2へ出力する。
このように、PLL回路20aでは、周波数カウンタ250によりPLL回路20aの動作周波数が検出され、制御回路260が該動作周波数をインジェクションロック型分周回路240a−1に設定するための発振周波数設定信号を生成する。そして、インジェクションロック型分周回路240a−1に発振周波数設定信号が入力され、発振周波数が設定され分周出力が得られる。
このようなPLL回路20aでは、インジェクションロック型分周回路の動作周波数を広げて出力を得ることはできるが、周波数カウンタ250および制御回路260を付加して、分周制御を行うことになるので、回路構造が複雑となり、回路規模も増大してしまう。
次に本技術のPLL回路について説明する。
図5は、本実施の形態のPLL回路の一例を示す図である。図1のPLL装置10の機能を有するPLL回路20は、位相比較器21、LPF22、VCO23および分周回路24を備える。なお、図2で示したPLL回路200と同一素子には同じ符号を付けてそれらの説明は省略する。
図5は、本実施の形態のPLL回路の一例を示す図である。図1のPLL装置10の機能を有するPLL回路20は、位相比較器21、LPF22、VCO23および分周回路24を備える。なお、図2で示したPLL回路200と同一素子には同じ符号を付けてそれらの説明は省略する。
PLL回路20において、図2で示したPLL回路200と異なる点は、分周回路の初段の2分周器240−1が、PLL回路20ではインジェクションロック型分周回路24−1となっている点である。
インジェクションロック型分周回路24−1の入力端子IN1には、LPF22から出力される制御信号VCONTが入力される。また、インジェクションロック型分周回路24−1の入力端子IN2には、VCO23からの出力信号が入力される。
このように、PLL回路20では、位相比較器21からLPF22を経由して生成される、VCO23の発振周波数を制御する制御信号VCONTが、VCO23だけでなく、インジェクションロック型分周回路24−1にも入力される。
図6は、本実施の形態のPLL回路における、インジェクション型分周回路の回路例を示す図である。PLL回路20における、VCO23とインジェクションロック型分周回路24−1の回路例、および周辺の接続例が示されている。
インジェクションロック型分周回路24−1は、インダクタL1、L2、ダイオードD1、D2、トランジスタT1〜T3(NチャネルMOSFET)およびDC(Direct Current)カット用のコンデンサC1を備える。また、VCO23は、インダクタL3、L4、ダイオードD3、D4およびトランジスタT4、T5を備える。なお、トランジスタT1、T2、T3はそれぞれ、第1、第2、第3のトランジスタに対応する。
各素子の接続関係について説明する。インダクタL3の一端は、インダクタL4の一端と電源ラインと接続する。インダクタL3の他端は、ダイオードD3のアノードと、出力端子OUTVCO(+)と、コンデンサC1の一端と、トランジスタT4のドレインと、トランジスタT5のゲートと接続する。
インダクタL4の他端は、ダイオードD4のアノードと、出力端子OUTVCO(−)と、トランジスタT5のドレインと、トランジスタT4のゲートと接続する。
トランジスタT4、T5のソースは、GNDと接続する。LPF22の出力端子は、ダイオードD3のカソードと、ダイオードD4のカソードと接続する。さらに、LPF22の出力端子は、入力端子IN1を介して、ダイオードD1のカソードと、ダイオードD2のカソードと接続する。
トランジスタT4、T5のソースは、GNDと接続する。LPF22の出力端子は、ダイオードD3のカソードと、ダイオードD4のカソードと接続する。さらに、LPF22の出力端子は、入力端子IN1を介して、ダイオードD1のカソードと、ダイオードD2のカソードと接続する。
一方、インダクタL1の一端は、インダクタL2の一端と電源ラインと接続する。インダクタL1の他端は、ダイオードD1のアノードと、出力端子OUT(+)を介して分周器24−2の一方の入力端子と、トランジスタT1のドレインと、トランジスタT2のゲートと接続する。
インダクタL2の他端は、ダイオードD2のアノードと、出力端子OUT(−)を介して分周器24−2の他方の入力端子と、トランジスタT2のドレインと、トランジスタT1のゲートと接続する。
トランジスタT1のソースは、トランジスタT2のソースと、トランジスタT3のドレインと接続する。トランジスタT3のゲートは、コンデンサC1の他端と接続し、トランジスタT3のソースは、GNDに接続する。
次にインジェクションロック型分周回路24−1の動作周波数の可変動作について説明する。
図7は、制御信号の電圧と周波数との関係の一例を示す図である。縦軸は周波数、横軸は制御信号VCONTの電圧を示している。
図7は、制御信号の電圧と周波数との関係の一例を示す図である。縦軸は周波数、横軸は制御信号VCONTの電圧を示している。
グラフg1は、VCO23の出力周波数を示しており、グラフg2は、インジェクションロック型分周回路24−1の出力周波数を示している。
グラフg1において、VCO23の出力周波数Faの値は、制御信号VCONTの電圧が0からv1まで可変することにより、周波数f1から周波数f2の範囲H1を可変する。
グラフg1において、VCO23の出力周波数Faの値は、制御信号VCONTの電圧が0からv1まで可変することにより、周波数f1から周波数f2の範囲H1を可変する。
グラフg2において、範囲H0は、インジェクションロック型分周回路の発振周波数が無調整の場合の出力周波数の範囲を示している。周波数無調整のインジェクションロック型分周回路の自励発振周波数の範囲は、VCO23の出力周波数範囲と比べても非常に狭いことがわかる。
これに対し、本技術では、インジェクションロック型分周回路の動作周波数範囲を広げる制御を行う。この場合、まず、インジェクションロック型分周回路24−1内のダイオードD1、D2の可変容量を適正な値に設定しておく。
そして、LPF22から出力される制御信号VCONTをインジェクションロック型分周回路24−1のダイオードD1、D2のカソード共通接続点に入力して、インジェクションロック型分周回路24−1の自励発振周波数をVCO23の発振周波数に同期させる。
可変容量の設定としては、VCO23の単位電圧当たりの出力周波数変化と、インジェクションロック型分周回路24−1の単位電圧当たりの動作周波数変化との比が、インジェクションロック型分周回路24−1の分周比と比例関係となる動作周波数で発振するようにする。
すなわち、VCO23の単位電圧当たりの出力周波数変化をΔfa、インジェクションロック型分周回路24−1の単位電圧当たりの動作周波数変化をΔfb、インジェクションロック型分周回路24−1の分周比をNとする。そして、制御信号VCONTが入力したときに、Δfa/Δfb=a×Nという比例関係になるように(aは比例定数)、ダイオードD1、D2の可変容量を設定しておく。
例えば、比例定数を1とし、VCO23の出力周波数変化を1GHz/Vとし、インジェクションロック型分周回路の24−1の分周比を2(1/2分周)とすれば、1GHz/Δfb=2となるので、インジェクションロック型分周回路24−1の出力周波数変化Δfbは、0.5GHz/Vとなる。
したがって、インジェクションロック型分周回路24−1に制御信号VCONTを入力した際、VCO23の出力周波数変化が1GHz/Vのときに、インジェクションロック型分周回路24−1の出力周波数変化が0.5GHz/Vとなるように、バラクタダイオードD1、D2の容量を設定しておくことになる。
このように、インジェクションロック型分周回路24−1の発振周波数を、LPF22から出力される制御信号VCONTで調整する。これにより、グラフg2に示すように、インジェクションロック型分周回路24−1の出力周波数Fbの値は、制御信号VCONTの電圧が0からv1まで可変した場合、周波数f1/2から周波数f2/2の範囲H2を変動するので、調整前の範囲H0から格段に周波数範囲が広げることができる。
このように、LPF22から出力される制御信号VCONTを、VCO23の周波数コントロール部のバラクタダイオードと、インジェクションロック型分周回路24−1の自励周波数コントロール部のバラクタダイオードの両方に入力させる。
インジェクションロック型分周回路24−1のバラクタダイオードの容量値を適正に設定することにより、VCO23の周波数変化とインジェクションロック型分周回路24−1との動作周波数変化を、分周比と同じ比例関係に設定することが可能となる。また、PLL回路20では、周波数カウンタ250や制御回路259が不要となるので、回路が簡易化し、回路規模も低減することができる。
なお、一般的に分周回路では、特にVCOからの出力信号を直接受信して分周する初段の分周器には高速動作が求められている。また、ミリ波帯などのPLLにおいては、初段の分周器の動作速度が、PLL全体の動作周波数の制限要因となる場合がある。
このため、本技術のPLL回路20では、多段接続された複数の分周器を含む分周回路24においては、VCO23の出力信号を直接受信する初段の分周器に、インジェクションロック型分周回路24−1を配置して高速動作を実現している。
次に変形例について説明する。
図8は、本実施の形態のPLL回路の第1の変形例を示す図である。第1の変形例のPLL回路20−1における、VCO23とインジェクションロック型分周回路24a−1の回路例、および周辺の接続例が示されている。
図8は、本実施の形態のPLL回路の第1の変形例を示す図である。第1の変形例のPLL回路20−1における、VCO23とインジェクションロック型分周回路24a−1の回路例、および周辺の接続例が示されている。
インジェクションロック型分周回路24a−1は、インダクタL1、L2、ダイオードD1、D2、トランジスタT1、T2、T6(NチャネルMOSFET)およびコンデンサC1を備える。また、VCO23は、インダクタL3、L4、ダイオードD3、D4およびトランジスタT4、T5を備える。なお、トランジスタT1、T2、T6はそれぞれ、第1、第2、第3のトランジスタに対応する。
各素子の接続関係について説明する。インダクタL3の一端は、インダクタL4の一端と電源ラインと接続する。インダクタL3の他端は、ダイオードD3のアノードと、出力端子OUTVCO(+)と、コンデンサC1の一端と、トランジスタT4のドレインと、トランジスタT5のゲートと接続する。
インダクタL4の他端は、ダイオードD4のアノードと、出力端子OUTVCO(−)と、トランジスタT5のドレインと、トランジスタT4のゲートと接続する。
トランジスタT4、T5のソースは、GNDと接続する。LPF22の出力端子は、ダイオードD3のカソードと、ダイオードD4のカソードと接続する。さらに、LPF22の出力端子は、入力端子IN1を介して、ダイオードD1のカソードと、ダイオードD2のカソードと接続する。
トランジスタT4、T5のソースは、GNDと接続する。LPF22の出力端子は、ダイオードD3のカソードと、ダイオードD4のカソードと接続する。さらに、LPF22の出力端子は、入力端子IN1を介して、ダイオードD1のカソードと、ダイオードD2のカソードと接続する。
一方、インダクタL1の一端は、インダクタL2の一端と電源ラインと接続する。インダクタL1の他端は、ダイオードD1のアノードと、出力端子OUT(+)を介して分周器24−2の一方の入力端子と、トランジスタT1のドレインと、トランジスタT2のゲートと、トランジスタT6のソースと接続する。
インダクタL2の他端は、ダイオードD2のアノードと、出力端子OUT(−)を介して分周器24−2の他方の入力端子と、トランジスタT2のドレインと、トランジスタT1のゲートと、トランジスタT6のドレインと接続する。
トランジスタT1、T2のソースは、GNDに接続する。トランジスタT6のゲートは、コンデンサC1の他端と接続する。
上記のような第1の変形例においても、インジェクションロック型分周回路24a−1の動作周波数を広げることができ、広帯域のPLL動作を実現することが可能になる。
上記のような第1の変形例においても、インジェクションロック型分周回路24a−1の動作周波数を広げることができ、広帯域のPLL動作を実現することが可能になる。
図9は、本実施の形態のPLL回路の第2の変形例を示す図である。第2の変形例のPLL回路20−2における、VCO23とインジェクションロック型分周回路24b−1の回路例、および周辺の接続例が示されている。
インジェクションロック型分周回路24b−1は、インダクタL1、L2、ダイオードD1、D2、トランジスタT1、T2、T7、T8(NチャネルMOSFET)およびコンデンサC2、C3を備える。また、VCO23は、インダクタL3、L4、ダイオードD3、D4およびトランジスタT4、T5を備える。なお、トランジスタT1、T2、T7、T8はそれぞれ、第1、第2、第3、第4のトランジスタに対応する。
各素子の接続関係について説明する。インダクタL3の一端は、インダクタL4の一端と電源ラインと接続する。インダクタL3の他端は、ダイオードD3のアノードと、出力端子OUTVCO(+)と、コンデンサC2、C3の一端と、トランジスタT4のドレインと、トランジスタT5のゲートと接続する。
インダクタL4の他端は、ダイオードD4のアノードと、出力端子OUTVCO(−)と、トランジスタT5のドレインと、トランジスタT4のゲートと接続する。
トランジスタT4、T5のソースは、GNDと接続する。LPF22の出力端子は、ダイオードD3のカソードと、ダイオードD4のカソードと接続する。さらに、LPF22の出力端子は、入力端子IN1を介して、ダイオードD1のカソードと、ダイオードD2のカソードと接続する。
トランジスタT4、T5のソースは、GNDと接続する。LPF22の出力端子は、ダイオードD3のカソードと、ダイオードD4のカソードと接続する。さらに、LPF22の出力端子は、入力端子IN1を介して、ダイオードD1のカソードと、ダイオードD2のカソードと接続する。
一方、インダクタL1の一端は、インダクタL2の一端と電源ラインと接続する。インダクタL1の他端は、ダイオードD1のアノードと、出力端子OUT(+)を介して分周器24−2の一方の入力端子と、トランジスタT1のドレインと、トランジスタT7のドレインと、トランジスタT2のゲートと接続する。
インダクタL2の他端は、ダイオードD2のアノードと、出力端子OUT(−)を介して分周器24−2の他方の入力端子と、トランジスタT2のドレインと、トランジスタT8のドレインと、トランジスタT1のゲートと接続する。
トランジスタT1、T2、T7、T8のソースは、GNDに接続する。トランジスタT7のゲートは、コンデンサC3の他端と接続し、トランジスタT8のゲートは、コンデンサC2の他端と接続する。
上記のような第2の変形例においても、インジェクションロック型分周回路24b−1の動作周波数を広げることができ、広帯域のPLL動作を実現することが可能になる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、インジェクションロック型分周回路を、複雑な調整回路を用いることなく、広帯域なPLL回路に適用することが可能となり、PLL回路の安定かつ高速動作を実現することが可能になる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、インジェクションロック型分周回路を、複雑な調整回路を用いることなく、広帯域なPLL回路に適用することが可能となり、PLL回路の安定かつ高速動作を実現することが可能になる。
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。
10 PLL装置
11 位相比較器
12 フィルタ
13 可変周波数発振器
14 分周部
14a 注入同期型分周回路
VCONT 制御信号
11 位相比較器
12 フィルタ
13 可変周波数発振器
14 分周部
14a 注入同期型分周回路
VCONT 制御信号
Claims (7)
- 基準信号と分周信号との位相差情報を含む制御信号に応じて発振周波数を変化させて、前記基準信号の周波数を逓倍化した出力信号を発振する可変周波数発振器と、
前記出力信号を分周して前記分周信号を生成する分周部と、
を備え、
前記分周部に注入同期型分周回路を配置し、前記注入同期型分周回路に前記制御信号を入力して、前記制御信号により前記注入同期型分周回路の動作周波数を制御する、
ことを特徴とするPLL装置。 - 前記注入同期型分周回路は、前記可変周波数発振器の単位電圧当たりの出力周波数変化と、自己の単位電圧当たりの動作周波数変化との比が、自己の分周比と比例関係となる前記動作周波数で発振することを特徴とする請求項1記載のPLL装置。
- 前記分周部は、多段接続された複数の分周器を含み、前記可変周波数発振器の前記出力信号を直接受信する初段の分周器に前記注入同期型分周回路が配置されることを特徴とする請求項1記載のPLL装置。
- 前記注入同期型分周回路は、
複数のインダクタが直列接続するインダクタ部と、前記インダクタ部に並列接続し、前記制御信号の入力により容量値を可変する可変容量部と、前記インダクタ部に並列接続して負性抵抗を発生する負性抵抗部とを含んで差動出力を発振する発振部と、
入力レベルに応じて差動出力をスイッチングして分周するスイッチ素子と、
を有することを特徴とする請求項1記載のPLL装置。 - 前記インダクタ部は、第1のインダクタおよび第2のインダクタを含み、前記第1のインダクタの一端と、前記第2のインダクタの一端と、電源ラインとが接続し、
前記可変容量部は、第1のダイオードおよび第2のダイオードを含み、前記第1のダイオードのカソードと、前記第2のダイオードのカソードとが接続して、カソード共通接続点に前記制御信号が入力し、
前記負性抵抗部は、クロスカップリングされたNチャネル型の第1のトランジスタと第2のトランジスタを含み、前記第1のトランジスタのドレインは、前記第1のインダクタの他端と、前記第1のダイオードのアノードと、前記第2のトランジスタのゲートと、第1の差動出力端子と接続し、前記第2のトランジスタのドレインは、前記第2のインダクタの他端と、前記第2のダイオードのアノードと、前記第1のトランジスタのゲートと、第2の差動出力端子と接続し、
前記スイッチ素子は、Nチャネル型の第3のトランジスタであり、前記第3のトランジスタのドレインは、前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのソースと接続し、前記第3のトランジスタのソースはGNDに接続し、前記第3のトランジスタのゲートに前記可変周波数発振器の前記出力信号が入力する、
ことを特徴とする請求項4記載のPLL装置。 - 前記インダクタ部は、第1のインダクタおよび第2のインダクタを含み、前記第1のインダクタの一端と、前記第2のインダクタの一端と、電源ラインとが接続し、
前記可変容量部は、第1のダイオードおよび第2のダイオードを含み、前記第1のダイオードのカソードと、前記第2のダイオードのカソードとが接続して、カソード共通接続点に前記制御信号が入力し、
前記負性抵抗部は、クロスカップリングされたNチャネル型の第1のトランジスタと第2のトランジスタを含み、
前記スイッチ素子は、Nチャネル型の第3のトランジスタであり、
前記第1のトランジスタのドレインは、前記第1のインダクタの他端と、前記第1のダイオードのアノードと、前記第2のトランジスタのゲートと、第1の差動出力端子と、前記第3のトランジスタのソースと接続し、
前記第2のトランジスタのドレインは、前記第2のインダクタの他端と、前記第2のダイオードのアノードと、前記第1のトランジスタのゲートと、第2の差動出力端子と、前記第3のトランジスタのドレインと接続し、
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのソースはGNDと接続し、前記第3のトランジスタのゲートに前記可変周波数発振器の前記出力信号が入力する、
ことを特徴とする請求項4記載のPLL装置。 - 前記インダクタ部は、第1のインダクタおよび第2のインダクタを含み、前記第1のインダクタの一端と、前記第2のインダクタの一端と、電源ラインとが接続し、
前記可変容量部は、第1のダイオードおよび第2のダイオードを含み、前記第1のダイオードのカソードと、前記第2のダイオードのカソードとが接続して、カソード共通接続点に前記制御信号が入力し、
前記負性抵抗部は、クロスカップリングされたNチャネル型の第1のトランジスタと第2のトランジスタを含み、
前記スイッチ素子は、Nチャネル型の第3のトランジスタと第4のトランジスタを含み、
前記第1のトランジスタのドレインは、前記第1のインダクタの他端と、前記第1のダイオードのアノードと、前記第2のトランジスタのゲートと、第1の差動出力端子と、前記第3のトランジスタのドレインと接続し、
前記第2のトランジスタのドレインは、前記第2のインダクタの他端と、前記第2のダイオードのアノードと、前記第1のトランジスタのゲートと、第2の差動出力端子と、前記第4のトランジスタのドレインと接続し、
前記第1乃至第4のトランジスタのソースはGNDに接続し、前記第3のトランジスタのゲートには前記可変周波数発振器の一方の差動出力信号が入力し、前記第4のトランジスタのゲートには前記可変周波数発振器の他方の差動出力信号が入力する、
ことを特徴とする請求項4記載のPLL装置。
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