JP2016208156A - 発振回路及び位相同期回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】注入同期型発振器の発振周期の半分の長さのパルス幅を有する注入信号を生成することなく注入同期可能な発振周期型発振器を提供する。【解決手段】発振回路は、所定の範囲の発振周波数で発振する注入同期型発振器5と、パルス信号である注入信号を、注入同期型発振器5の所望の発振周期の整数倍の周期で注入同期型発振器5に出力する注入回路10と、を有し、注入信号のパルス幅は、発振周期よりも大きいことを特徴とする。また、発振回路は、注入信号のパルス幅は、所望の発振周期の整数倍に所望の発振周期の0.5倍の長さを加えた値であることが好ましい。【選択図】図4

Description

本発明は、発振回路及び位相同期回路に関する。
近年、通信システム等の各種システムの動作が高速化している。このため、システムの動作に使用されるクロックを生成する発振器及び位相同期回路(Phase Locked Loop、PLL)を高速で動作させるために、位相ノイズを低下させることが望まれている。発振器及びPLLの位相ノイズを低下させるために、PLLのループ帯域を広くして、PLLに含まれる電圧制御発振器(voltage controlled oscillator、VCO)の位相ノイズを低減することが知られる。しかしながら、PLLのループ帯域を広くすると、PLLのループ系が不安定性になるおそれがある。
一方、VCO等の発振器に、発振器の自励発振周波数に極めて近い周波数の信号を注入して発振器の発振周波数を摂動することにより、注入した信号の周波数に発振器の発振周波数を同期させることが知られる(例えば、非特許文献1及び2を参照)。また、発振器の発振周波数の1/Nの周波数であるサブハーモニック(subharmonic)信号を発振器に注入することにより、位相ノイズを低減する注入同期型発振器が知られている(例えば、特許文献1及び2並びに非特許文献3〜5を参照)。
図1(a)は、注入同期型発振器を含むPLLの一例の回路ブロック図である。図1(b)は図1(a)に示す注入回路の一例を示す図であり、図1(c)は図1(a)に示す注入同期型発振器から出力されるクロックCKoutと、注入同期型発振器に注入される注入信号Vinjのタイミングチャートである。
PLL800は、位相/周波数比較回路801と、チャージポンプ802と、ループフィルタ803と、注入同期型発振器804と、分周回路805と、注入回路806とを有する。位相/周波数比較回路801は、位相ノイズがない基準クロックRefclkと分周回路805で分周されたクロックCKoutの位相及び周波数を比較する。位相/周波数比較回路801は、位相の比較結果を示す位相比較信号PD、及び周波数の比較結果を示す周波数比較信号FDをチャージポンプ802に出力する。チャージポンプ802は、位相/周波数比較回路801から入力される位相比較信号PD及び周波数比較信号FDを使用して、基準クロックRefclkと分周回路805で分周されたクロックCKoutとの位相差及び周波数差を補償するための信号を生成する。ループフィルタ803は、チャージポンプ802から入力された信号に応じた制御電圧Vcを注入同期型発振器804に供給する。注入同期型発振器804は、注入回路806から注入される25psのパルス幅を有する注入信号Vinjに応じて、クロックCKoutの周波数が20GHzになるように動作する。
注入回路806は、第1反転素子861と、駆動能力が第1反転素子861の半分である第2反転素子862と、第1トランジスタ863と、第2トランジスタ864と、抵抗素子865と、第3反転素子866を有する。注入回路806は、振幅が1.2Vであり且つパルス幅が100psであるパルス信号が入力されると、振幅が600mVであり且つパルス幅が25psである注入信号Vinjを出力する。注入回路806は、第1反転素子861及び駆動能力が第1反転素子861の半分である第2反転素子862を使用して、第1トランジスタ863及び第2トランジスタ864を制御して、パルス幅が入力信号のパルス幅の1/4である注入信号Vinjを生成する。
注入回路806は、注入同期型発振器804のクロックCKoutの所望の周期である50psの半分の長さである25psのパルス幅を有する注入信号VinjをN周期毎に注入同期型発振器804に注入する。注入同期型発振器804は、注入信号Vinjが注入される毎に、注入信号Vinjのパルス幅に応じて発振周波数を補正する。25psのパルス幅を有する注入信号Vinjが注入された注入同期型発振器804は、注入信号Vinjに同期して、クロックCKoutの周波数を注入信号Vinjのパルス幅である25psの2倍の50psの周期に応じた周波数、すなわち20GHzとする。注入回路806がクロックCKoutの所望の周期の半分の長さのパルス幅を有する注入信号VinjをN周期毎に注入同期型発振器804に注入することで、注入同期型発振器804は、位相ノイズを低減することが可能になる。
注入同期型発振器804は、図1(c)において矢印Aで示すように、種々の要因で位相ノイズが発生するおそれがあるため、Nサイクル毎にクロックCKoutの半周期と同一のパルス幅を有する注入信号Vinjが注入される。注入同期型発振器804は、注入信号Vinjが注入される毎に発振周波数が摂動されて、クロックCKoutの周波数は、注入信号Vinjが注入される毎に注入信号Vinjのパルス幅に応じた周波数に同期する。
図2(a)は注入同期型発振器の他の例の回路ブロック図であり、図2(b)は図2(a)に示す注入同期型発振器に注入される注入信号と図2(a)に示す注入同期型発振器から出力されるクロックを示すタイミングチャートである。
注入同期型発振器900は、第1遅延素子910、第2遅延素子920及び第3遅延素子930と、第1トランジスタ911、第2トランジスタ921及び第3トランジスタ931と、第1電流源912、第2電流源922及び第3電流源932とを有する。第1遅延素子910〜第3遅延素子930のそれぞれは、差動型の反転素子であり、第1遅延素子910〜第3遅延素子930の順番で前段の遅延素子の反転信号が入力されるようにリング接続される。第1トランジスタ911〜第3トランジスタ931のそれぞれは、nMOSトランジスタである。第1トランジスタ911のゲートは接地され、第1トランジスタ911のソース及びドレインは第1遅延素子910の差動入力端子のそれぞれに接続される。第2トランジスタ921のゲートは注入信号Vinjが入力され、第2トランジスタ921のソース及びドレインは第2遅延素子920の差動入力端子のそれぞれに接続される。第3トランジスタ931のゲートは接地され、第3トランジスタ931のソース及びドレインは第3遅延素子930の差動入力端子のそれぞれに接続される。第1電流源912〜第3電流源932は、不図示のDACから入力される制御信号に応じて、第1遅延素子910〜第3遅延素子930のそれぞれに入力される電流を変化させる。第1電流源912〜第3電流源932が第1遅延素子910〜第3遅延素子930のそれぞれに入力される電流を変化させることにより、第1遅延素子910〜第3遅延素子930の遅延時間が変化し、クロックCKoutの発振周波数が変化する。
注入同期型発振器900では、所定の発振周期毎に注入信号VinjをHレベルにすることにより、第2トランジスタ921のソース及びドレインを介して第2遅延素子920の差動入力端子間を短絡する。第2遅延素子920の差動入力端子間を短絡することにより、第2遅延素子920の差動入力信号の双方の位相は0°で一致するように補正される。注入同期型発振器900は、所定の周期毎に第2遅延素子920の差動入力端子間を短絡させて、第2遅延素子920の差動入力信号の双方の位相を一致させることにより、クロックCKoutの位相ノイズを低減させる。
このように、注入同期型発振器は、発振周波数の1/nの周波数を有するサブハーモニック信号である注入信号を注入することにより、位相ノイズを低減することが可能になる。
国際公開第2012/132847号 特開2009−117894号公報
「A Study of Locking Phenomena in Oscillators」R. Adler, Proc. IEEE, vol. 61, pp. 1380 - 1385, Oct. 1973 「Injection Locking of Microwave Solid-State Oscillators」K. Kurokawa, Proc. IEEE, vol. 61, pp. 1336 - 1410, Oct. 1973. 「Study of Subharmonically Injection-Locked PLLs」J. Lee, et. al., JSSC, vol. 44, No. 5, pp. 1539 - 1553, May 2009 「Multi-Phase Injection Widens Lock Range of Ring-Oscillator-Based Frequency Dividers」A. Mirzaei, et. al., JSSC, vol. 43, No. 3, pp. 656 - 671, Mar. 2008 「A Compact, Low-Power and Low-Jitter Dual-Loop Injection Locked PLL Using All-Digital PVT Calibration」A. Musa, et. al., JSSC, vol. 49, No.1, pp. 50 - 60, Jan. 2014
しかしながら、図1に示す注入同期型発振器804では、動作周波数が高くなるに従って、注入回路806がクロックCKoutの半周期の長さのパルス幅を有する注入信号Vinjを生成することが困難になるおそれがある。また、図2に示す注入同期型発振器900では、注入信号VinjがHレベルになり第2遅延素子920の差動入力端子間が短絡される間、電源電圧VddからグランドVssに貫通電流が流れる。第2遅延素子920の差動入力端子間が短絡されて流れる貫通電流の大きさは、注入信号VinjがHレベルになるときの第2遅延素子920の入力信号の位相に応じて変化する。例えば、第2遅延素子920の差動入力信号の位相差が略0°のときに第2遅延素子920の差動入力端子間が短絡されると、貫通電流の大きさは略0になる。一方、第2遅延素子920の差動入力信号の位相差が略90°のときに第2遅延素子920の差動入力端子間が短絡されると、入力される差動信号の振幅を0にするように貫通電流が流れるため、貫通電流の大きさは非常に大きくなる。注入同期型発振器900では、注入信号VinjがHレベルになるときの第2遅延素子920の差動入力信号の位相差に応じて、貫通電流の大きさが変化するので貫通電流の大きさを予測できず、貫通電流を適切な大きさに制御することは容易ではない。また、注入同期型発振器900は、注入信号VinjがHレベルになるときに大きな貫通電流が流れることにより、消費電力が増大するおそれがある。
一実施形態では、注入同期型発振器の発振周期の半分の長さのパルス幅を有する注入信号を生成することなく注入同期可能な発振周期型発振器を提供することを目的とする。また、他の実施形態では、注入信号を注入するときに流れる電流を制御可能な差動型の発振周期型発振器を提供することを目的とする。
1つの態様では、発振回路は、所定の範囲の発振周波数で発振する注入同期型発振器と、パルス信号である注入信号を、注入同期型発振器の所望の発振周期の整数倍の周期で注入同期型発振器に出力する注入回路と、を有し、注入信号のパルス幅は、発振周期よりも大きいことを特徴とする。
さらに、本発明に係る発振回路では、注入信号のパルス幅は、所望の発振周期の整数倍に所望の発振周期の0.5倍の長さを加えた値であることが好ましい。
さらに、本発明に係る発振回路では、注入信号のパルス幅は、所望の発振周期の1.5倍又は2.5倍であることが好ましい。
さらに、本発明に係る発振回路では、注入同期型発振器は、発振周期を有する第1クロックを出力する第1端子と、一端が注入回路に接続され、他端が第1端子に接続される第1容量結合キャパシタと、を有することが好ましい。
さらに、本発明に係る発振回路では、注入同期型発振器は、発振周期を有し且つ第1クロックを反転させた第2クロックを出力する第2端子と、一端が注入回路に接続され、他端が第2端子に接続される第2容量結合キャパシタとを更に有し、注入回路は、注入信号を出力するときに、第1端子に第1容量結合キャパシタを介して電流を供給すると共に、第2端子から第2容量結合キャパシタを介して電流を引抜くことが好ましい。
さらに、本発明に係る発振回路では、注入回路は、第1端子に供給する電流及び第2端子から引抜く電流の大きさを調整する注入制御素子を有することが好ましい。
さらに、他の態様では、本発明に係る位相同期回路は、所定の範囲の発振周波数でクロックを出力する注入同期型発振器と、基準クロックの位相及び周波数と、クロックの位相及び周波数とを比較して、比較結果に応じてクロックの周波数を調整する信号を注入同期型発振器に出力する位相/周波数比較部と、パルス信号である注入信号を、注入同期型発振器の所望の発振周期の整数倍の周期で注入同期型発振器に出力する注入回路と、を有し、注入信号のパルス幅は、発振周期よりも大きいことを特徴とする。
一実施形態では、注入同期型発振器の発振周期の半分の長さのパルス幅を有する注入信号を生成することなく注入同期可能な発振周期型発振器を提供することができる。また、他の実施形態では、注入信号を注入するときに流れる電流を制御可能な差動型の発振周期型発振器を提供することができる。
(a)は注入同期型発振器を含むPLLの一例の回路ブロック図であり、(b)は(a)に示す注入回路の一例を示す図であり、(c)は(a)に示す注入同期型発振器から出力されるクロックと、注入同期型発振器に注入される注入信号のタイミングチャートである。 (a)は注入同期型発振器の他の例の回路ブロック図であり、(b)は(a)に示す注入同期型発振器に注入される注入信号と(a)に示す注入同期型発振器から出力されるクロックを示すタイミングチャートである。 第1実施形態に係るPLLの回路ブロック図である。 図3に示す注入同期型発振器の内部回路ブロック図である。 (a)は図3に示す注入回路の内部回路ブロック図であり、(b)は注入回路に入力される基準クロック、注入回路から出力される注入信号及び注入同期型発振器から出力されるクロックのタイミングチャートである。 (a)は注入信号を示す図であり、(b)は注入信号の高調波成分の一例を示す図である。 注入信号のパルス幅を変化させた場合の注入信号の高調波成分の分布の変化を示す図であり、(a)は注入信号のパルス幅がクロックの所望の周期の0.5倍である場合を示し、(b)は注入信号のパルス幅がクロックの所望の周期の1.0倍である場合を示し、(c)は注入信号のパルス幅がクロックの所望の周期の1.25倍である場合を示し、(d)は注入信号のパルス幅がクロックの所望の周期の1.5倍である場合を示す。 第2実施形態に係るPLLの回路ブロック図である。 図8に示す注入同期型発振器の内部回路ブロック図である。 図8に示す注入回路の内部回路ブロック図である。 (a)は図9に示す注入同期型発振器において、注入電流のみにより同期される場合と、注入電流及び引抜電流の双方により同期される場合の位相誤差応答を示す図であり、(b)は図9に示す注入同期型発振器において、注入電流のみにより同期される場合と、注入電流及び引抜電流の双方により同期される場合の電流の大きさを示す図である。 図4に示す注入同期型発振器により同期される場合と、図9に示す注入同期型発振器において注入電流のみにより同期される場合と、図9に示す注入同期型発振器において注入電流及び引抜電流の双方により同期される場合のロックレンジを比較する図である。
以下図面を参照して、本発明に係る発振回路及び位相同期回路について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されない。
(実施形態に係る発振回路の概要)
実施形態に係る発振回路は、所定の範囲の発振周波数で発振する注入同期型発振器と、パルス信号である注入信号を、注入同期型発振器の所望の発振周期の整数倍の周期で注入同期型発振器に出力する注入回路とを有する。ここで、実施形態に係る発振回路は、注入同期型発振器の同期に効果がある高調波を有するようにパルス幅を選択することにより、注入信号のパルス幅を注入同期型発振器の発振周期よりも大きくすることができる。実施形態に係る発振回路は、注入信号のパルス幅を注入同期型発振器の発振周期よりも大きくすることにより、発振周期の半分の長さのパルス幅を有する注入信号を生成することなく発振周期型発振器を同期することができる。
(第1実施形態に係る発振回路を含むPLLの構成及び機能)
図3は、第1実施形態に係るPLLの回路ブロック図である。
PLL1は、位相/周波数比較回路2と、チャージポンプ3と、ループフィルタ4と、注入同期型発振器5と、分周回路6と、ロック検出回路7と、遅延回路8と、注入指示回路9と、注入回路10とを有する。位相/周波数比較回路2は、位相ノイズがない基準クロックRefclkと分周回路6で分周されたクロックCKoutの位相及び周波数を比較する。位相/周波数比較回路2は、位相の比較結果を示す位相比較信号PD及び周波数の比較結果を示す周波数比較信号FDをチャージポンプ3に出力する。チャージポンプ3は、位相/周波数比較回路2から入力される位相比較信号PD及び周波数比較信号FDを使用して、基準クロックRefclkと分周回路6で分周されたクロックCKoutとの位相差及び周波数差を補償するための信号を生成する。ループフィルタ4は、チャージポンプ3から入力された信号に応じた制御電圧Vcを注入同期型発振器5に供給する。注入同期型発振器5は、ループフィルタ4から入力される制御電圧Vcに応じて、クロックCKoutを出力する。分周回路6は、クロックCKoutを分周して位相/周波数比較回路2及びロック検出回路7に出力する。ロック検出回路7は、基準クロックRefclkの位相と、分周されたクロックCKoutの位相とを比較して、PLL1がロック状態であるか否かを判定する。PLL1がロック状態であると判定している間、ロック検出回路7は、チャージポンプ3に制御指示信号を出力すると共に、注入指示回路9に注入指示信号を出力する。遅延回路8は、遅延時間が可変の遅延回路であり、遅延制御信号に応じて基準クロックRefclkを遅延させる。遅延回路8は、適当な遅延時間で基準クロックRefclkを遅延させることにより、PVT条件が変動した場合でも、クロックCKoutの位相と、注入信号Vinjの位相を一致させることができる。注入指示回路9は、AND素子であり、注入指示回路9からHレベルの注入指示信号が入力されている間、遅延回路8によって遅延された基準クロックRefclkを注入回路10に出力する。
図4は、注入同期型発振器5の内部回路ブロック図である。
注入同期型発振器5は、第1発振コイル11と、第2発振コイル12と、第1発振キャパシタ13と、第2発振キャパシタ14と、第1発振トランジスタ15と、第2発振トランジスタ16と、発振抵抗17と、発振電流源18とを有する。注入同期型発振器5は、注入トランジスタ19と、注入電流源20とを更に有する。第1発振コイル11及び第2発振コイル12は同一のインダクタンスを有し、一端が発振抵抗17の一端に接続される。第1発振キャパシタ13及び第2発振キャパシタ14は、トランジスタサイズが等しいpMOSトランジスタで形成され、ソース及びドレインに制御電圧Vcが入力される。第1発振キャパシタ13及び第2発振キャパシタ14は、トランジスタサイズが等しいので、第1発振キャパシタ13及び第2発振キャパシタ14のキャパシタンスは等しい。第1発振トランジスタ15及び第2発振トランジスタ16は、nMOSトランジスタである。第1発振トランジスタ15のゲートは、第2発振コイル12の他端、第2発振キャパシタ14のゲート、第2発振トランジスタ16のドレイン及び注入トランジスタのドレインに接続される。第2発振トランジスタ16のゲートは、第1発振コイル11の他端、第1発振キャパシタ13のゲート及び第1発振トランジスタ15のドレインに接続される。第1発振トランジスタ15及び第2発振トランジスタ16のソースは、発振電流源18の一端に接続される。発振抵抗17の他端は電源電圧Vddに接続され、発振電流源18の他端は接地される。注入トランジスタ19は、nMOSトランジスタであり、ゲートに注入回路10から注入信号Vinjが入力され、ソースが注入電流源20の一端に接続される。注入電流源20は、注入トランジスタ19がオンする間、注入電流制御信号Iinj controlに応じた電流を引抜く。
注入同期型発振器5は、第1発振コイル11及び第2発振コイル12のインダクタンス、第1発振キャパシタ13及び第2発振キャパシタ14のキャパシタンス、及び発振抵抗17の抵抗値により決定される自励発振周波数の近傍の発振帯域で発振する。すなわち、注入同期型発振器5は、第1発振コイル11等により規定される時定数により決定される発振周波数の近傍の所定の範囲の発振周波数で発振する。注入同期型発振器5は、第1発振トランジスタ15のドレインから発振周波数を有する第1クロックCK1outを出力し、第2発振トランジスタ16のドレインから第1クロックCK1outの反転信号である第2クロックCK2outを出力する。注入同期型発振器5から出力されるクロックCKoutは、第1クロックCK1outと、第2クロックCK2outとの差に相当する。また、注入同期型発振器5は、第1クロックCK1out及び第2クロックCK2outのNサイクル毎にパルス信号として注入トランジスタ19のゲートに印加される注入信号Vinjのパルス幅に応じた発振周波数に同期される。
図5(a)は注入回路10の内部回路ブロック図であり、図5(b)は注入回路10に入力される基準クロックRefclk、注入回路10から出力される注入信号Vinj及び注入同期型発振器5から出力されるクロックCKoutのタイミングチャートである。
注入回路10は、パルス幅トランジスタ21と、第1基準トランジスタ22〜第3基準トランジスタ24と、第1電流制御トランジスタ25〜第4電流制御トランジスタ28と、第1遅延素子29〜第3遅延素子31と、注入信号生成素子32とを有する。注入回路10は、第1注入抵抗33及び第2注入抵抗34を更に有する。パルス幅トランジスタ21は、ゲートに入力されるパルス幅制御信号に応じた電流をドレイン電流として流す。第1基準トランジスタ22及び第2基準トランジスタ23は、カレントミラー回路であり、パルス幅トランジスタ21及び第1基準トランジスタ22のドレイン電流に等しい電流を第2基準トランジスタ23のドレイン電流として流す。第3基準トランジスタ24は、第2基準トランジスタ23に直列接続され、第2基準トランジスタ23のドレイン電流に等しい電流をドレイン電流として流す。第1電流制御トランジスタ25及び第2電流制御トランジスタ26は、第1基準トランジスタ22とカレントミラー回路を形成し、第1基準トランジスタ22のドレイン電流に等しい電流をドレイン電流として流す。同様に、第3電流制御トランジスタ27及び第4電流制御トランジスタ28は、第3基準トランジスタ24とカレントミラー回路を形成し、第3基準トランジスタ24のドレイン電流に等しい電流をドレイン電流として流す。第1遅延素子29〜第3遅延素子31は、直列接続され、基準クロックRefclkを遅延させる。第1遅延素子29及び第2遅延素子30は、パルス幅トランジスタ21のゲートに入力されるパルス幅制御信号の電圧に応じて第1電流制御トランジスタ25〜第4電流制御トランジスタ28が変化することにより遅延時間が変化する。第3遅延素子31は、第2遅延素子30の出力信号の反転信号を出力する。注入信号生成素子32は、2入力AND素子であり、一方の入力端子に基準クロックRefclkが入力され、他方の入力端子に第1遅延素子29〜第3遅延素子31で反転され且つ遅延された基準クロックRefclkが入力される。注入信号生成素子32は、パルス幅制御信号の電圧に応じて基準クロックRefclkが第1遅延素子29〜第3遅延素子31で遅延された遅延時間に等しいパルス幅を有する注入信号Vinjを出力する。注入回路10は、パルス幅制御信号の電圧が調整されることにより、注入信号Vinjのパルス幅をクロックCKoutの所望の周期の1.5倍にする。
(第1実施形態に係る発振回路の作用効果)
本願発明の発明者は、注入同期型発振器を同期するときに使用するサブハーモニック信号である注入信号Vinjのパルス幅をクロックの所望の周期の1.5倍にすることにより、注入信号Vinjのパルス幅をクロックの所望の周期の0.5倍と同様な効果を奏することを見出した。(式1)は、サブハーモニック信号である注入信号Vinjをフーリエ変換した式を示す。
ここで、T0はクロックCKoutの周期であり、tdは注入信号Vinjのパルス幅であり、mは高調波の次数であり、NはクロックCKoutの周期を1としたときの注入信号Vinjが注入される周期である。すなわち、注入信号Vinjの周期は、N×T0になる。
図6(a)は注入信号Vinjを示す図であり、図6(b)は注入信号Vinjの高調波成分の一例を示す図である。図6(b)において、縦軸に平行に延伸する矢印のそれぞれは、クロックCKoutの基本周波数成分、2次高調波成分、3次高調波成分、4次高調波成分及び5次高調波成分の大きさを示す。また、破線は、図6(b)において、注入信号Vinjの高調波成分の分布を示す。
(式1)に示すように、パルス信号は、パルス幅に依存する高調波成分のサイン関数の重ね合わせで表すことができる。パルス信号である注入信号Vinjの高調波成分の中で、クロックCKoutを同期する成分は、クロックCKoutの基本周波数及び基本周波数の整数倍の高調波成分である。注入信号Vinjの高調波成分の分布は、注入信号Vinjのパルス幅を調整することで調整可能であり、注入信号Vinjのパルス幅を調整することで注入同期型発振器5を効率的に同期できる注入信号Vinjを生成できることを、本願発明の発明者は想到した。
図7は注入信号Vinjのパルス幅を変化させた場合の注入信号Vinjの高調波成分の分布の変化を示す図である。図7(a)は注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の0.5倍である場合を示し、図7(b)は注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の1.0倍である場合を示す。図7(c)は注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の1.25倍である場合を示し、図7(d)は注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の1.5倍である場合を示す。図7(a)〜7(d)において、横軸は注入信号Vinjの高調波成分を示し、縦軸はフーリエ係数[dB]を示す。図7(a)〜7(d)において、クロックCKoutの所望の周期を1としたときの注入信号Vinjが注入される周期Nは4である。また、図7(a)〜7(d)において、横軸に平行に延伸する4つの直線「fundamental」、「2nd」、「3rd」及び「4th」のそれぞれは、クロックCKoutの基本周波数成分、2次高調波成分、3次高調波成分及び4次高調波成分を示す。
注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の0.5倍であるとき、注入信号Vinjは、クロックCKoutの基本周波数成分及び3次高調波成分を含むが、クロックCKoutの2次高調波成分及び4次高調波成分を含まない。注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の1.0倍であるとき、注入信号Vinjは、クロックCKoutの基本周波数成分、2次高調波成分、3次高調波成分及び4次高調波成分を何れも含まない。注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の1.25倍であるとき、注入信号Vinjは、クロックCKoutの基本周波数成分、2次高調波成分、3次高調波成分及び4次高調波成分を何れも含む。注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の1.5倍であるとき、注入信号Vinjは、クロックCKoutの基本周波数成分及び3次高調波成分を含むが、クロックCKoutの2次高調波成分及び4次高調波成分を含まない。
図7(a)及び7(d)に示す注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の0.5倍及び1.5倍であるときは、クロックCKoutの基本周波数成分及び3次高調波成分を含むが、クロックCKoutの2次高調波成分及び4次高調波成分を含まない。すなわち、注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の0.5倍及び1.5倍であるときは、クロックCKoutを同期する成分であるクロックCKoutの整数倍の高調波成分の分布は一致する。注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の1.5倍のときは、高調波成分の分布が注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の0.5倍のときと一致するので、クロックCKoutの所望の周期の0.5倍のときと同様の注入効果を得ることができる。なお、本願発明の発明者は、注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の2.5倍等、注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の整数倍にクロックCKoutの所望の周期の0.5倍の長さを加えた値であるときに同様な注入効果を奏することを確認した。
注入同期型発振器5及び注入回路10で形成される実施形態に係る発振回路は、クロックCKoutの所望の周期の1.5倍のパルス幅を有する注入信号Vinjを注入同期型発振器5に注入して、クロックCKoutの周期を所望の周期に同期する。実施形態に係る発振回路は、クロックCKoutの所望の周期の0.5倍のパルス幅ではなく、クロックCKoutの所望の周期の1.5倍のパルス幅を有する注入信号Vinjを使用するため、注入回路10に必要な帯域を大幅に緩和することができる。クロックCKoutの所望の周期の0.5倍のパルス幅を有する注入信号Vinjを使用する場合、クロックCKoutの周波数が高くなるに従って、注入信号Vinjは立上り遷移及び立下り遷移を急峻にすることが要求される。急峻な立上り遷移及び立下り遷移を有する注入信号Vinjを生成する注入回路は、駆動能力が大きい素子を有する必要があり、注入回路の消費電力が大きくなる。実施形態に係る発振回路では、クロックCKoutの所望の周期の1.5倍のパルス幅を有する注入信号Vinjを使用するので、注入回路は、駆動能力が大きい素子を有する必要はなく、注入回路の消費電力を抑制できる。
(第2実施形態に係る発振回路を含むPLLの構成及び機能)
図8は、第2実施形態に係るPLLの回路ブロック図である。
PLL101は、注入同期型発振器5の代わりに注入同期型発振器105が配置されること、及び注入回路10の代わりに注入回路110が配置されることが第1実施形態に係るPLL1と相違する。注入同期型発振器105及び注入回路110以外のPLL101の回路は、同一符号が付されたPLL1の回路と同一の構成及び機能を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。
図9は、注入同期型発振器105の内部回路ブロック図である。
注入同期型発振器105は、注入トランジスタ19及び注入電流源20を有さないこと、及び第1容量結合キャパシタ41、第2容量結合キャパシタ42、第1端子43及び第2端子44を有することが注入同期型発振器5と相違する。第1容量結合キャパシタ41第2容量結合キャパシタ42、第1端子43及び第2端子44以外の注入同期型発振器105の回路は、同一符号が付された注入同期型発振器5の回路と同一の構成及び機能を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。
第1容量結合キャパシタ41の一端は、注入回路110に接続される。第1容量結合キャパシタ41の他端は、第1発振コイル11の他端、第1クロックCKoutの第1発振キャパシタ13のゲート、第1発振トランジスタ15のドレイン、第2発振トランジスタ16のゲート及び第1端子43に接続される。第2容量結合キャパシタ42の一端は、注入回路110に接続される。第2容量結合キャパシタ42の他端は、第2発振コイル12の他端、第2発振キャパシタ14のゲート、第2発振トランジスタ16のドレイン、第1発振トランジスタ15のゲート及び第2端子44に接続される。第1容量結合キャパシタ41及び第2容量結合キャパシタ42のキャパシタンスは同一である。第1容量結合キャパシタ41は、一端が接続された注入回路110から注入電流Iinjが供給される。第2容量結合キャパシタ42は、一端が接続された注入回路110によって注入電流Iinjの反対方向の電流である引抜電流Ibinjが引抜かれる。注入同期型発振器105が発振するとき、第1端子43は第1クロックCK1outを出力し、第2端子44は第2クロックCK2outを出力する。
図10は注入回路110の内部回路ブロック図である。
注入回路110は、注入バッファ51と、注入反転素子52と、第1注入制御トランジスタ53と、第2注入制御トランジスタ54とを有することが注入回路10と相違する。注入バッファ51、注入反転素子52、第1注入制御トランジスタ53及び第2注入制御トランジスタ54以外の注入回路の素子は、同一符号が付された注入同期型発振器5の素子と同一の構成及び機能を有するので、ここでは詳細な説明は省略する。
注入バッファ51は、入力端子が注入信号生成素子32の出力端子に接続され、出力端子が第1注入制御トランジスタ53のソースに接続される。注入バッファ51の出力信号は、注入信号生成素子32の出力信号がHレベルのときHレベルになり、注入信号生成素子32の出力信号がLレベルのときLレベルになる。注入反転素子52は、入力端子が注入信号生成素子32の出力端子に接続され、出力端子が第2注入制御トランジスタ54のソースに接続される。注入反転素子52の出力信号は、注入信号生成素子32の出力信号がHレベルのときLレベルになり、注入信号生成素子32の出力信号がLレベルのときHレベルになる。第1注入制御トランジスタ53及び第2注入制御トランジスタ54のゲートは、注入電流制御信号Iinj controlが入力される。第1注入制御トランジスタ53のドレインは注入同期型発振器105の第1容量結合キャパシタ41の一端に接続され、第2注入制御トランジスタ54のドレインは注入同期型発振器105の第2容量結合キャパシタ42の一端に接続される。注入バッファ51は、ゲートに入力される注入電流制御信号Iinj controlに応じた電流を、第1注入制御トランジスタ53を介して注入同期型発振器105に供給する。また、注入反転素子52は、ゲートに入力される注入電流制御信号Iinj controlに応じた電流を、第2注入制御トランジスタ54を介して注入同期型発振器105から引抜く。
注入回路110では、注入信号生成素子32の出力信号がHレベルのとき、注入バッファ51が注入同期型発振器5に注入信号を出力し、注入反転素子52が注入同期型発振器5に反転注入信号を出力する。注入バッファ51が注入同期型発振器5に注入信号を出力するとき、注入バッファ51は、第1端子43に第1容量結合キャパシタ41を介して注入電流Iinjを注入する。また、注入反転素子52が注入同期型発振器5に反転注入信号を出力するとき、注入反転素子52は、第2端子44から第2容量結合キャパシタ42を介して反転注入電流Ibinjを引抜く。
(第2実施形態に係る発振回路の作用効果)
本願発明の発明者は、注入同期型発振器を同期するときに容量結合キャパシタを介して電流を供給するまたは電流を引抜くことにより、注入信号Vinjの高調波成分をより有効に使用することができることを見出した。(式2)は、第1容量結合キャパシタ41及び第2容量結合キャパシタ42を流れる電流Iinjを示す式である。
ここで、式(1)と同様に、T0はクロックCKoutの周期であり、tdは注入信号Vinjのパルス幅であり、mは高調波の次数であり、NはクロックCKoutの周期を1としたときの注入信号Vinjが注入される周期である。また、Cは第1容量結合キャパシタ41及び第2容量結合キャパシタ42のキャパシタンスである。
(式2)を(式1)と比較すると、第1容量結合キャパシタ41及び第2容量結合キャパシタ42を流れる電流Iinjは、高調波の次数mを分母に有さない。(式1)は、高調波の次数mを分母に有するので、第1実施形態に係る発振回路のように、パルス電圧として注入信号を注入同期型発振器に注入すると、高調波成分は次数が大きくなるほど、振幅が小さくなる。このため、第1実施形態に係る発振回路では、注入信号の次数が大きい高調波成分は、注入同期型発振器5の同期に寄与できる比率が小さくなる。一方、(式2)に示すように注入信号に応じた電流を注入同期型発振器に注入する場合、注入信号の高調波成分は、次数にかかわらず注入同期型発振器5の同期に寄与できる。
また、第2実施形態に係る発振回路では、第1端子43及び第2端子44の双方に対照的に注入信号を注入することにより、注入同期型発振器をより効率的に同期できると共に、ロックレンジをより広くすることができる。
図11(a)は注入同期型発振器105において、注入電流Iinjのみにより同期される場合と、注入電流Iinj及び引抜電流Ibinjの双方により同期される場合の位相誤差応答を示す図である。図11(b)は注入同期型発振器105において、注入電流Iinjのみにより同期される場合と、注入電流Iinj及び引抜電流Ibinjの双方により同期される場合の電流の大きさを示す図である。図11(a)において、位相誤差応答は、所定の大きさの電流を注入同期型発振器105に注入したときの出力クロックの位相誤差応答を示す。図11(b)において、注入信号の周波数と、注入同期型発振器105の発振周波数とのオフセット周波数は25MHzである。図11(a)及び11(b)において、丸印は注入電流Iinjのみにより同期される場合を示し、四角印は注入電流Iinj及び引抜電流Ibinjの双方により同期される場合を示す。図11(a)及び11(b)において、横軸は、基本周波数を1としたときの高調波成分の周波数に対応する。図11(a)において、縦軸は位相誤差応答の大きさを示し、図11(b)において、縦軸は、同期するために必要な電流の大きさを示す。なお、図11(b)の縦軸は電流の大きさが小さい方が上側に位置する。
注入電流Iinjのみにより同期される場合、基本周波数成分及び3次高調波成分が大きいので、図7(a)及び7(d)に示す注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の0.5倍及び1.5倍であるとき等で効率的に同期できる。また、注入電流Iinj及び引抜電流Ibinjの双方により同期される場合、2次高調波成分及び2次高調波成分が大きいので、図7(c)に示す注入信号Vinjのパルス幅がクロックCKoutの所望の周期の1.25倍であるとき等で更に効率的に同期できる。
図12は、注入同期型発振器5により同期される場合と、注入同期型発振器105において注入電流Iinjのみにより同期される場合と、注入電流Iinj及び引抜電流Ibinjの双方により同期される場合のロックレンジを比較する図である。図12において、四角印は注入同期型発振器5により同期される場合を示し、三角印は注入電流Iinjのみにより同期される場合を示し、丸印は注入電流Iinj及び引抜電流Ibinjの双方により同期される場合を示す。図12において、横軸は注入電流と注入同期型発振器に流れる電流との比率を示し、縦軸はロックレンジを示す。
図12に示すように、注入電流Iinj及び引抜電流Ibinjの双方により同期される場合のロックレンジは、注入同期型発振器105において注入電流Iinjのみにより同期される場合のロックインレンジの約2倍である。また、注入同期型発振器105は、注入同期型発振器5よりもプルインレンジが広くなる。
(実施形態に係る発振回路の変形例)
第1実施形態及び第2実施形態に係る発振回路では、注入信号Vinjのパルス幅は、クロックCKoutの所望の周期の1.5倍であった。しかしながら、実施形態に係る発振回路では、注入信号Vinjのパルス幅は、クロックCKoutの所望の周期の1.25倍、2.5倍及び3.5倍など、クロックCKoutの周期よりも大きければよい。なお、実施形態に係る発振回路では、注入信号Vinjのパルス幅は、所望の発振周期の整数倍に所望の発振周期の0.5倍の長さを加えた値であることが好ましい。
また、第1実施形態及び第2実施形態に係る発振回路では、注入同期型発振器は、LC発振器であるが、図2(a)に示すリング発振器などの他の発振器であってもよい。
1、101 PLL(位相同期回路)
2 位相/周波数比較回路
3 チャージポンプ
4 ループフィルタ
5、105 注入同期型発振器
6 分周回路
7 ロック検出回路
8 遅延回路
9 注入指示回路
10、110 注入回路

Claims (7)

  1. 所定の範囲の発振周波数で発振する注入同期型発振器と、
    パルス信号である注入信号を、前記注入同期型発振器の所望の発振周期の整数倍の周期で前記注入同期型発振器に出力する注入回路と、を有し、
    前記注入信号のパルス幅は、前記発振周期よりも大きい、ことを特徴とする発振回路。
  2. 前記注入信号のパルス幅は、前記所望の発振周期の整数倍に前記所望の発振周期の0.5倍の長さを加えた値である、請求項1に記載の発振回路。
  3. 前記注入信号のパルス幅は、前記所望の発振周期の1.5倍又は2.5倍である、請求項2に記載の発振回路。
  4. 前記注入同期型発振器は、
    前記発振周期を有する第1クロックを出力する第1端子と、
    一端が前記注入回路に接続され、他端が前記第1端子に接続される第1容量結合キャパシタと、を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載の発振回路。
  5. 前記注入同期型発振器は、
    前記発振周期を有し且つ前記第1クロックを反転させた第2クロックを出力する第2端子と、
    一端が前記注入回路に接続され、他端が前記第2端子に接続される第2容量結合キャパシタと、を更に有し、
    前記注入回路は、前記注入信号を出力するときに、前記第1端子に前記第1容量結合キャパシタを介して電流を供給すると共に、前記第2端子から前記第2容量結合キャパシタを介して電流を引抜く、請求項4に記載の発振回路。
  6. 前記注入回路は、前記第1端子に供給する電流及び前記第2端子から引抜く電流の大きさを調整する注入制御素子を有する、請求項5に記載の発振回路。
  7. 所定の範囲の発振周波数でクロックを出力する注入同期型発振器と、
    基準クロックの位相及び周波数と、前記クロックの位相及び周波数とを比較して、比較結果に応じて前記クロックの周波数を調整する信号を前記注入同期型発振器に出力する位相/周波数比較部と、
    パルス信号である注入信号を、前記注入同期型発振器の所望の発振周期の整数倍の周期で前記注入同期型発振器に出力する注入回路と、を有し、
    前記注入信号のパルス幅は、前記発振周期よりも大きい、ことを特徴とする位相同期回路。
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