JP2015025988A - 光照射装置および描画装置 - Google Patents

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Masaki Sasada
正樹 笹田
小久保 正彦
Masahiko Kokubo
正彦 小久保
憲司 上山
Kenji Kamiyama
憲司 上山
北村 藤和
Fujikazu Kitamura
藤和 北村
祥雄 古谷
Yoshio Furuya
祥雄 古谷
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Abstract

【課題】均一な強度分布の照射光を容易に得る。【解決手段】光照射装置31は、光軸J1に垂直な一の配列方向に一定ピッチにて配列された複数のレンズ71を有する。光源4からのレーザ光は、第1レンズ部6により複数のレンズ71へと導かれて配列方向に分割され、複数のレンズ71からの光の照射領域51が、第2レンズ部8により光軸J1上の照射面320にて重ねられる。光源4の出射領域41において配列方向の任意の一の位置からの光に着目した場合、複数のレンズ71にて分割された光により、明部が配列方向に一定の縞ピッチにて並ぶ干渉縞が照射面320上に生じる。実際には、出射領域41の配列方向の幅全体からの光により、当該干渉縞の明部の集合であって、当該明部よりも幅が広い幅広明部が配列方向に縞ピッチにて並ぶ。光照射装置31では、各幅広明部の幅が縞ピッチの整数倍とされる。これにより、均一な強度分布の照射光が容易に得られる。【選択図】図2

Description

本発明は、光照射装置、および、当該光照射装置を利用する描画装置に関する。
従来より、半導体レーザ等の光源から出射されるレーザ光を、所定の面上に均一に照射する技術が提案されている。例えば、特許文献1では、ビームを分割するためのシリンドリカルレンズ群と、分割されたビームを集光するためのシリンドリカルレンズ群とを有するビームホモジナイザが開示されている。当該ビームホモジナイザでは、分割されたビームを集光するためのシリンドリカルレンズ群における各シリンドリカルレンズを通過した線状ビームの長手方向の位相をずらしてから、合成することで、線状ビームの被照射面での干渉縞の強度が均一にされる。
特開2000−323428号公報
ところで、特許文献1のビームホモジナイザでは、各シリンドリカルレンズを通過した線状ビームの位相をずらすために、光軸およびレンズの配列方向に垂直な方向に複数のシリンドリカルレンズを一定距離ずつずらして配置する必要がある。このような特殊なシリンドリカルレンズ群の作製は容易ではない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、均一な強度分布の照射光を容易に得ることを目的としている。
請求項1に記載の発明は、光照射装置であって、レーザ光を出射する光源と、前記レーザ光が入射するとともに所定の照射面へと前記レーザ光を導く光学系とを備え、前記光学系が、前記光源からの前記レーザ光を所定位置に導く第1レンズ部と、前記光学系の光軸に垂直な一の配列方向に関して、一定のレンズピッチにて配列された複数のレンズを前記所定位置に有し、前記第1レンズ部からの光を前記複数のレンズにて分割する分割レンズ部と、前記光軸上に配置された前記照射面上にて前記複数のレンズからの光の照射領域を重ねる第2レンズ部とを備え、前記光源における出射領域において前記配列方向の任意の一の位置からの光に着目した場合に、前記複数のレンズにて分割された光により、明部が前記配列方向に一定の縞ピッチにて並ぶ干渉縞が前記照射面上に生じ、前記出射領域の前記配列方向の幅全体からの光により、前記干渉縞の明部の集合であって、前記明部よりも幅が広い幅広明部が前記配列方向に前記縞ピッチにて並び、各幅広明部の幅が前記縞ピッチの整数倍である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光照射装置であって、前記照射領域が前記配列方向に伸びるライン状である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の光照射装置であって、前記第1レンズ部が前記光源からの前記レーザ光をコリメートし、前記分割レンズ部における前記複数のレンズのそれぞれにおいて、前記第1レンズ部側に位置する凸状の第1レンズ面が、前記第2レンズ部側に位置する凸状の第2レンズ面の焦点に配置され、前記第2レンズ面が、前記第2レンズ部において少なくとも前記配列方向に正のパワーを有するレンズの前側焦点面上、かつ、前記第1レンズ面の焦点に配置される。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光照射装置であって、前記第1レンズ部の焦点距離をf、前記第2レンズ部の前記レンズの焦点距離をf、前記レーザ光の波長をλ、前記レンズピッチをp、前記出射領域の前記配列方向の幅をh、mを任意の正の整数として、((f/f)h=m(f/p)λ)が満たされ、前記照射面が前記第2レンズ部の前記レンズの後側焦点面上に配置される。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の光照射装置であって、前記照射面が前記第2レンズ部の前記レンズの後側焦点面よりも後方または前方に配置される。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の光照射装置であって、前記第2レンズ部の前記レンズが、前記配列方向に正のパワーを有するシリンドリカルレンズであり、前記第2レンズ部が、前記光軸および前記配列方向に垂直な方向に正のパワーを有するもう1つのシリンドリカルレンズを有し、前記照射面が前記もう1つのシリンドリカルレンズの後側焦点面上に配置される。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の光照射装置であって、前記第1レンズ部が前記光源の前記出射領域の像を前記所定位置に形成する。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の光照射装置であって、前記分割レンズ部の前記複数のレンズが、複数のシリンドリカルレンズである。
請求項9に記載の発明は、描画装置であって、請求項1ないし8のいずれかに記載の光照射装置と、前記光照射装置における前記照射面に配置される空間光変調器と、前記空間光変調器により空間変調された光を対象物上に導く投影光学系と、前記空間変調された光の前記対象物上における照射位置を移動する移動機構と、前記移動機構による前記照射位置の移動に同期して前記空間光変調器を制御する制御部とを備える。
本発明によれば、配列方向に関して均一な強度分布の照射光を容易に得ることができる。
第1の実施の形態に係る描画装置の構成を示す図である。 光照射装置の構成を示す図(XZ平面)である。 光照射装置の構成を示す図(YZ平面)である。 照射面における配列方向の光の強度分布を示す図である。 照射面における配列方向の光の強度分布を示す図である。 幅広明部の幅の導出を説明するための図(XZ平面)である。 光照射装置の他の例を示す図(XZ平面)である。 光照射装置の他の例を示す図(YZ平面)である。 第2の実施の形態に係る光照射装置の構成を示す図(XZ平面)である。 第2の実施の形態に係る光照射装置の構成を示す図(YZ平面)である。 コンデンサレンズの後側焦点面における配列方向の光の強度分布を示す図である。 照射面における配列方向の光の強度分布を示す図である。 光照射装置の他の例を示す図(XZ平面)である。 光照射装置の他の例を示す図(YZ平面)である。 光照射装置のさらに他の例を示す図(XZ平面)である。 光照射装置のさらに他の例を示す図(YZ平面)である。 光照射装置のさらに他の例を示す図(XZ平面)である。 光照射装置のさらに他の例を示す図(YZ平面)である。 第3の実施の形態に係る光照射装置の構成を示す図(XZ平面)である。 第3の実施の形態に係る光照射装置の構成を示す図(YZ平面)である。 光照射装置の他の例を示す図(XZ平面)である。 光照射装置の他の例を示す図(YZ平面)である。 光照射装置のさらに他の例を示す図(XZ平面)である。 光照射装置のさらに他の例を示す図(YZ平面)である。 光照射装置のさらに他の例を示す図(XZ平面)である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る描画装置1の構成を示す図である。描画装置1は、感光材料が表面に付与された半導体基板やガラス基板等の基板9の表面に光ビームを照射してパターンを描画する直接描画装置である。描画装置1は、ステージ21と、移動機構22と、光照射装置31と、空間光変調器32と、投影光学系33と、制御部11と、を備える。ステージ21は基板9を保持し、移動機構22は、ステージ21を基板9の主面に沿って移動する。移動機構22は、基板9を、主面に垂直な軸を中心として回動してもよい。
光照射装置31は、ミラー39を介して空間光変調器32にライン状の光を照射する。光照射装置31の詳細については後述する。空間光変調器32は、例えば回折格子型かつ反射型であり、格子の深さを変更することができる回折格子である。空間光変調器32は、半導体装置製造技術を利用して製造される。本実施の形態に用いられる回折格子型の光変調器は、例えば、GLV(グレーティング・ライト・バルブ)(シリコン・ライト・マシーンズ(サニーベール、カリフォルニア)の登録商標)である。空間光変調器32は一列に配列された複数の格子要素を有し、各格子要素は1次回折光が出射される状態と、0次回折光(0次光)が出射される状態との間で遷移する。このようにして、空間光変調器32から空間変調された光が出射される。
投影光学系33は、遮光板331と、レンズ332と、レンズ333と、絞り板334と、フォーカシングレンズ335と、を備える。遮光板331は、ゴースト光および高次回折光の一部を遮蔽し、空間光変調器32からの光を通過させる。レンズ332,333はズーム部を構成する。絞り板334は、(±1)次回折光(および高次回折光)を遮蔽し、0次回折光を通過させる。絞り板334を通過した光は、フォーカシングレンズ335により基板9の主面上に導かれる。このようにして、空間光変調器32により空間変調された光が、投影光学系33により基板9上に導かれる。
制御部11は、光照射装置31、空間光変調器32および移動機構22に接続され、これらの構成を制御する。描画装置1では、移動機構22がステージ21を移動することにより、空間光変調器32からの光の基板9上における照射位置が移動する。また、制御部11が、移動機構22による当該照射位置の移動に同期して、空間光変調器32を制御する。これにより、基板9上の感光材料に所望のパターンが描画される。
図2および図3は、光照射装置31の構成を示す図である。図2および図3では、後述の光学系5の光軸J1に平行な方向をZ方向として示し、Z方向に垂直、かつ、互いに直交する方向をX方向およびY方向として示している(以下同様)。図2は、Y方向に沿って見た光照射装置31の構成を示し(後述の図6、図8、図12、図14、図16、図18、図20および図22において同様)、図3は、X方向に沿って見た光照射装置31の構成を示す(後述の図7、図9、図13、図15、図17、図19、図21および図23において同様)。
光照射装置31は、光源4と、光学系5と、を備える。光源4は、例えば、半導体レーザ(Laser Diode)であり、光軸J1に沿ってレーザ光を出射する。レーザ光は、光学系5に入射する。光学系5は、当該レーザ光を照射面320(図2および図3中にて破線にて示す。)である空間光変調器32の表面、すなわち、複数の格子要素の表面へと導く。既述のように、光照射装置31からの光は、ミラー39を介して空間光変調器32に照射されるため、実際には、光照射装置31はミラー39を構成要素として含むが、図2および図3では、図示の便宜上、ミラー39を省略している(以下同様)。
光学系5は、第1レンズ部6と、分割レンズ部7と、第2レンズ部8と、を備える。第1レンズ部6は、コリメータレンズ61と、シリンドリカルレンズ62と、を有する。コリメータレンズ61は、その焦点距離fだけ光源4から光軸J1に沿って離れた位置に配置され、光源4からのレーザ光をコリメートしつつ分割レンズ部7へと導く。図2および図3に示すように、光源4において、レーザ光が出射される出射領域41(図2および図3中にて太線にて示す。)はX方向に広く、Y方向に狭い。図2に示すように、出射領域41において光軸J1からX方向にずれた位置から出射されるレーザ光は、光軸J1に対して傾斜した方向に向かう平行光としてコリメータレンズ61から出射される。なお、シリンドリカルレンズ62は、光軸J1およびX方向に垂直なY方向に正のパワーを有し、X方向にはパワーを有さない。
分割レンズ部7は、X方向に平行な配列方向に一定のピッチ(以下、「レンズピッチ」という。)pにて配列された複数のレンズ71(すなわち、レンズアレイであり、ホモジナイザとも呼ばれる。)を有する。複数のレンズ71は、第1レンズ部6からの光の照射位置に配置される。各レンズ71は、光軸J1および配列方向に垂直なY方向に長い薄板状であり、第1レンズ部6側に位置する側面である第1レンズ面711と、第2レンズ部8側に位置する側面である第2レンズ面712と、を有する。第1レンズ面711は、第1レンズ部6側に突出する凸状であり、第2レンズ面712は、第2レンズ部8に突出する凸状である。第1レンズ面711および第2レンズ面712は共に球面の一部であり、光軸J1に垂直な面に対して対称形状である。図2および図3では、図示の都合上、各レンズ71の外縁の形状のみを示している(以下同様)。
第1レンズ面711は、第2レンズ面712の焦点に配置され、第2レンズ面712は、第1レンズ面711の焦点に配置される。第1レンズ面711および第2レンズ面712の焦点距離は共にfである。配列方向に積層された複数のレンズ71は、一繋がりの部材として形成されてもよく、個別に形成された複数のレンズ71が互いに接合されてもよい。なお、複数のレンズ71の第1レンズ面711は、コリメータレンズ61の後方に配置される。
図2に示すようにY方向に沿って見た場合に、コリメータレンズ61からシリンドリカルレンズ62を介して分割レンズ部7へと入射する光は複数のレンズ71にて配列方向に関して分割される。このとき、各レンズ71にはコリメータレンズ61からの平行光が入射し、第1レンズ面711および第2レンズ面712は互いの焦点に配置されるため、分割された光は、主光線が光軸J1に平行となるように第2レンズ面712から出射される。
第2レンズ部8は、コンデンサレンズ81を有する。コンデンサレンズ81は、その焦点距離fだけ複数のレンズ71の第2レンズ面712から光軸J1に沿って離れた位置に配置される。換言すると、各レンズ71の第2レンズ面712は、コンデンサレンズ81の前側焦点面上に配置される。また、光軸J1上に配置される照射面320は、コンデンサレンズ81の焦点距離fだけ、コンデンサレンズ81から光軸J1に沿って離れた位置に配置される。すなわち、照射面320は、コンデンサレンズ81の後側焦点面と一致する。コンデンサレンズ81の後側焦点面では、複数のレンズ71からの光の照射領域51(図2および図3では、複数の照射領域の重なりを太線にて示す。)が全体的に重ねられる。照射領域51は、X方向に関して一定の幅を有する。
図3に示すようにX方向に沿って見た場合に、光源4からのレーザ光はコリメータレンズ61によりコリメートされ、シリンドリカルレンズ62に入射する。シリンドリカルレンズ62は、その焦点距離fだけ複数のレンズ71の第1レンズ面711から(−Z)側に離れた位置に配置される。シリンドリカルレンズ62からの光は、複数のレンズ71の第1レンズ面711上にておよそ集光し、複数のレンズ71の第2レンズ面712から、平行光が出射される。複数のレンズ71からの光は、コンデンサレンズ81により、コンデンサレンズ81の後側焦点面(照射面320)上において集光する。したがって、照射面320において、各レンズ71からの光の照射領域51は、配列方向に伸びるライン状となる。すなわち、光照射装置31により照射面320上に照射される光束の光軸J1に垂直な断面形状は、配列方向に伸びるライン状となる。以下、光照射装置31により照射面320上に照射される光を「照射光」という。
ここで、仮に、光源4における出射領域41において配列方向の任意の一の位置からの光のみに着目した場合(例えば、光源4の出射領域41上にスリットを設けた場合)について述べる。この場合、当該光は、分割レンズ部7の複数のレンズ71にて配列方向に分割され、第2レンズ部8により、コンデンサレンズ81の後側焦点面(照射面320)上にて複数のレンズ71からの光の照射領域が重ねられる。このとき、複数のレンズ71にて分割された光の干渉により、照射面320では、明部が配列方向(X方向)に一定の縞ピッチにて並ぶ干渉縞が生じる。
図4.Aでは、出射領域41において配列方向の任意の一の位置からの光に着目した場合に、照射面320に照射される光の配列方向の強度分布を実線にて示している。また、図4.Aでは、強度分布における上記明部(に対応する部分)に符号A1を付す。ここでは、説明の便宜上、コンデンサレンズ81の後側焦点面上において、配列方向における明部A1の強度分布がほぼ矩形であるものとする(後述の幅広明部において同様)。互いに隣接する明部A1間の距離である縞ピッチpは、コンデンサレンズ81の焦点距離f、複数のレンズ71のレンズピッチp、および、光源4からのレーザ光の波長λを用いて、(f/p)λとして表される。
出射領域41上において着目する配列方向の範囲を広げると、当該範囲の全体からの光により、干渉縞の明部A1の集合であって、当該明部A1よりも幅が広い幅広明部A2が、図4.A中に一点鎖線にて示すように配列方向に上記縞ピッチpにて並ぶ。実際の光照射装置31では、図4.Bに示すように、出射領域41の配列方向の幅全体からの光により形成される各幅広明部A3の幅hが、縞ピッチpの整数倍(ここでは、2倍)となるように、光照射装置31における各種パラメータが設定されている。図4.Bでは、理解を容易にするため、複数の幅広明部A3を線の太さを交互に変更した破線にて、互いに僅かにずらして図示し、さらに、連続する2つの幅広明部A3に、傾斜方向が異なる平行斜線を付している。また、照射面320上の強度分布を実線にて示している。出射領域41の全ての位置からの光に起因する干渉縞の重なりにより、照射面320における照射光のコントラストが低下し、配列方向に関して均一な強度分布(ただし、配列方向の端部を除く。)が得られる。
次に、幅広明部A3の幅hを縞ピッチpの整数倍とするための各種パラメータの設定について述べる。以下の説明では、光線の光軸J1に対する角度φが十分に小さいものとして、(sinφ≒φ)、(tanφ≒φ)と近似している。図5は、幅広明部の幅の導出を説明するための図であり、簡略化した光照射装置の構成を示している。また、図5では、照射面320上の幅広明部A0(ただし、幅hは、縞ピッチpの整数倍とはなっていない。)を太線にて示している。光源4は点光源の集まりと考えることができ、当該点光源からの光はコリメータレンズ61によりコリメートされる。そして、Y方向に沿って見た場合に、点光源毎に異なる角度(光軸J1に対する角度であり、以下、「照明角」という。))にてレンズ71に入射する。光源4の出射領域41の配列方向における幅をhとして、配列方向における出射領域41の端部からの光の照明角θは、コリメータレンズ61の焦点距離fを用いて数1にて表される。
Figure 2015025988
また、照明角θにて複数のレンズ71に入射する光の1次回折光の出射角をθとして、sinθは、レンズ71のレンズピッチp、および、光源4からのレーザ光の波長λを用いて、数2にて表される。
Figure 2015025988
出射領域41では、配列方向の幅hの全体に点光源が連続的に存在すると捉えられ、複数のレンズ71には、(−θ≦θ≦θ)の範囲における全ての照明角θの光が入射している。照明角θがθである光のみに着目した場合に、コンデンサレンズ81の後側焦点面、すなわち、照射面320において、当該光による複数のレンズ71からの1次回折光が照射される配列方向の位置xは、コンデンサレンズ81の焦点距離fを用いて数3にて表される。
Figure 2015025988
照明角θが(−θ)である光のみに着目した場合に、照射面320において、当該光による複数のレンズ71からの1次回折光が照射される配列方向の位置xは数4にて表される。
Figure 2015025988
(−θ≦θ≦θ)の範囲における全ての照明角θの光による1次回折光が、照射面320において照射される配列方向の位置xは、(x≦x≦x)の範囲の全体となる。したがって、幅広明部A3の幅hは、数5にて表される。
Figure 2015025988
図2の光照射装置31では、数5にて表される幅広明部A3の幅hが、(f/p)λとして表される縞ピッチpの整数倍となる。すなわち、任意の正の整数をmとして、コリメータレンズ61の焦点距離f、コンデンサレンズ81の焦点距離f、出射領域41の配列方向の幅h、複数のレンズ71のレンズピッチp、および、光源4からのレーザ光の波長λが、((f/f)h=m(f/p)λ)の関係を満たす。これにより、コンデンサレンズ81の後側焦点面上に配置される照射面320において、配列方向に関して均一な強度分布の照射光を容易に得ることが可能となる。また、光照射装置31では、特別な部品等が不要となるため、装置の製造コストの削減、および、装置の小型化を図ることができる。
なお、上記関係において、整数mが大きくなりすぎると、照射面320における照射光の強度分布において、強度が低くなる端部の範囲が広くなり、照射光を効率よく利用することができなくなる。したがって、整数mは、好ましくは、10以下であり、より好ましくは5以下である。また、上記関係の左辺と右辺の値は厳密に一致しなくてもよく、例えば、左辺の値と右辺の値との比の値が、0.95以上かつ1.05以下であれば、上記関係が実質的に満たされていると捉えることができる。
図6および図7は、光照射装置31の他の例を示す図である。図6および図7の光照射装置31では、図2および図3の光照射装置31における第1レンズ部6のシリンドリカルレンズ62が省略されるとともに、分割レンズ部7の複数のレンズ71が複数のシリンドリカルレンズ72に置き換えられる。他の構成は、図2および図3と同様であり、同様の構成に同じ符号を付す。
配列方向に関するシリンドリカルレンズ72の特性は、レンズ71と同様であり、図6に示すように、Y方向に沿って見た場合の光照射装置31における光の経路は図2の光照射装置31と同様である。一方、X方向に沿って見た場合の光照射装置31における光の経路は、図3の光照射装置31と相違する。具体的には、図7に示すように、光源4からのレーザ光はコリメータレンズ61によりコリメートされ、平行光のままで複数のシリンドリカルレンズ72を通過してコンデンサレンズ81へと導かれる。そして、コンデンサレンズ81から出射される光は、コンデンサレンズ81の後側焦点面(照射面320)上において集光する。
図6および図7の光照射装置31においても、コリメータレンズ61の焦点距離f、コンデンサレンズ81の焦点距離f、出射領域41の配列方向の幅h、複数のシリンドリカルレンズ72のレンズピッチp、および、光源4からのレーザ光の波長λが、((f/f)h=m(f/p)λ)の関係を満たす。これにより、照射面320において、配列方向に関して均一な強度分布の照射光を容易に得ることが可能となる。
図8および図9は、本発明の第2の実施の形態に係る光照射装置31aの構成を示す図である。図8および図9の光照射装置31aでは、図2および図3の光照射装置31における分割レンズ部7の複数のレンズ71とコンデンサレンズ81との間にシリンドリカルレンズ82が追加され、コンデンサレンズ81と照射面320との間にもシリンドリカルレンズ83が追加される。シリンドリカルレンズ82,83はY方向のみに正のパワーを有し、シリンドリカルレンズ82とコンデンサレンズ81との間の距離は、シリンドリカルレンズ82の焦点距離fよりも大きい。他の構成は、図2および図3の光照射装置31と同様であり、同様の構成に同じ符号を付す。
図8に示すようにY方向に沿って見た場合、図2の光照射装置31と同様に、光源4からコリメータレンズ61およびシリンドリカルレンズ62を介して分割レンズ部7へと入射する光は、複数のレンズ71にて配列方向に関して分割される。一方、空間光変調器32の表面である照射面320は、コンデンサレンズ81の後側焦点面811(図8および図9中にて破線にて示す。)よりも光軸J1に沿って距離dだけ後方に配置される。複数のレンズ71から出射される光の照射領域51は、照射面320において、僅かにぼけた状態で配列方向に関して重ねられる。
光照射装置31aでは、((f/f)h=m(f/p)λ)の関係を満たしていない。したがって、コンデンサレンズ81の後側焦点面811にて配列方向の光の強度分布を取得すると、図10に示すように、縞ピッチpの整数倍とは異なる幅hの幅広明部A4が、縞ピッチpにて並ぶ。このように、後側焦点面811では、光の強度分布におけるコントラストが大きい。なお、図2の光照射装置31と同様に、縞ピッチpは、(f/p)λとして表され、後側焦点面811における幅広明部A4の幅hは、数5にて表される。
一方、後側焦点面811よりも後方(すなわち、コンデンサレンズ81とは反対側)に配置される照射面320では、図11中に破線にて示すように、各幅広明部A4がぼけた状態となる。ここで、各幅広明部A4の最大強度Iの半値(0.5I)となる範囲の幅を幅広明部A4の幅として捉えるものとする。この場合、光学系5における像側の開口数をNAとして、後側焦点面811と照射面320との間の距離d、すなわち、デフォーカス量d、および、後側焦点面811における幅広明部A4の幅hを用いて、照射面320における幅広明部A4の幅が(h+2dNA)にて表される。そして、光照射装置31aでは、照射面320における幅広明部A4の幅(h+2dNA)が、(f/p)λとして表される縞ピッチpの整数倍(図11では、1倍)となる、すなわち、任意の正の整数をmとして、(h+2dNA=mp)の関係が満たされるように、デフォーカス量dが決定される。換言すると、(d=(mp−h)/2NA)を満たすように、照射面320が、コンデンサレンズ81の後側焦点面811からずらされる。これにより、デフォーカスした(集光度が低下した)幅広明部A4の重なり合いにより、図11中に実線にて示すように、照射面320における照射光においてコントラストが低下する。
また、図9に示すようにX方向に沿って見た場合に、光源4からのレーザ光はコリメータレンズ61によりコリメートされ、シリンドリカルレンズ62に入射する。シリンドリカルレンズ62から出射される光は、複数のレンズ71の第1レンズ面711上にておよそ集光し、複数のレンズ71の第2レンズ面712から、平行光が出射される。複数のレンズ71からの光は、シリンドリカルレンズ82、コンデンサレンズ81、シリンドリカルレンズ83を介して、コンデンサレンズ81の後側焦点面811の後方の照射面320上において集光する。したがって、照射面320において、各レンズ71からの光の照射領域51は、配列方向に伸びる細いライン状となる。すなわち、光照射装置31aにより照射面320上に照射される光束の光軸J1に垂直な断面形状は、配列方向に伸びるライン状となる。
以上のように、光照射装置31aでは、照射面320をコンデンサレンズ81の後側焦点面811よりも後方に配置することにより、照射面320における幅広明部A4の幅(h+2dNA)が縞ピッチpの整数倍とされる。これにより、配列方向に関して均一な強度分布の照射光をさらに容易に得ることができる。なお、照射面320が、コンデンサレンズ81の後側焦点面811よりも前方(分割レンズ部7側)に配置されることにより、デフォーカスした幅広明部の幅が縞ピッチpの整数倍とされてもよい(以下同様)。
図12および図13は、光照射装置31aの他の例を示す図である。図12および図13の光照射装置31aでは、図8および図9の光照射装置31aにおける第2レンズ部8のシリンドリカルレンズ82が省略されるとともに、コンデンサレンズ81が、シリンドリカルレンズ81aに置き換えられる。シリンドリカルレンズ81aは、X方向のみに正のパワーを有し、焦点距離はfである。他の構成は、図8および図9と同様であり、同様の構成に同じ符号を付す。
図12に示すように、Y方向に沿って見た場合の光照射装置31aにおける光の経路は図8の光照射装置31aと同様である。また、(d=(mp−h)/2NA)を満たすように、照射面320が、シリンドリカルレンズ81aの後側焦点面811aからずらされる。なお、後側焦点面811aにおける幅広明部の幅hは数5におけるfをfに置き換えて求められる。このように、図12の光照射装置31aでは、照射面320をシリンドリカルレンズ81aの後側焦点面811aよりも後方に配置することにより、照射面320における幅広明部の幅(h+2dNA)が縞ピッチpの整数倍とされる。これにより、配列方向に関して均一な強度分布の照射光を容易に得ることができる。
一方、X方向に沿って見た場合の光照射装置31aにおける光の経路は、図9の光照射装置31aと相違する。具体的には、図13に示すように、複数のレンズ71の第2レンズ面712から出射された光は、平行光のままでシリンドリカルレンズ81aを通過してシリンドリカルレンズ83へと導かれる。シリンドリカルレンズ83は、その焦点距離fだけ照射面320から(−Z)側に離れた位置に配置される。換言すると、照射面320は、シリンドリカルレンズ83の後側焦点面上に配置される。シリンドリカルレンズ83から出射される光は、シリンドリカルレンズ81aの後側焦点面811aの後方の照射面320上において集光する。これにより、照射面320上において、配列方向に伸びる細いライン状の照射光が得られる。
図14および図15は、光照射装置31aのさらに他の例を示す図である。図14および図15の光照射装置31aでは、図8および図9の光照射装置31aにおける第1レンズ部6のシリンドリカルレンズ62、および、第2レンズ部8のシリンドリカルレンズ82が省略される。また、分割レンズ部7の複数のレンズ71が複数のシリンドリカルレンズ72に置き換えられ、第2レンズ部8のシリンドリカルレンズ83が、Y方向に負のパワーを有するシリンドリカルレンズ83aに置き換えられる。他の構成は、図8および図9と同様であり、同様の構成に同じ符号を付す。
配列方向に関するシリンドリカルレンズ72の特性は、レンズ71と同様であり、図14に示すように、Y方向に沿って見た場合の光照射装置31aにおける光の経路は図8の光照射装置31aと同様である。したがって、照射面320における幅広明部の幅が縞ピッチpの整数倍となり、配列方向に関して均一な強度分布の照射光を容易に得ることができる。
一方、X方向に沿って見た場合の光照射装置31aにおける光の経路は、図9の光照射装置31aと相違する。具体的には、図15に示すように、光源4からのレーザ光はコリメータレンズ61によりコリメートされ、平行光のままで複数のシリンドリカルレンズ72を通過してコンデンサレンズ81へと導かれる。そして、コンデンサレンズ81から出射される光は、シリンドリカルレンズ83aを介して、コンデンサレンズ81の後側焦点面811よりも後方の照射面320において集光する。これにより、照射面320上において、配列方向に伸びる細いライン状の照射光が得られる。
図16および図17は、光照射装置31aのさらに他の例を示す図である。図16および図17の光照射装置31aでは、図14および図15の光照射装置31aにおける第2レンズ部8のコンデンサレンズ81およびシリンドリカルレンズ83aが、シリンドリカルレンズ81aおよびシリンドリカルレンズ83に置き換えられる。シリンドリカルレンズ81aはX方向に正のパワーを有し、シリンドリカルレンズ83はY方向に正のパワーを有する。他の構成は、図14および図15と同様であり、同様の構成に同じ符号を付す。
図16に示すように、Y方向に沿って見た場合の光照射装置31aにおける光の経路は図14の光照射装置31aと同様である。したがって、照射面320における幅広明部の幅が縞ピッチpの整数倍となり、照射面320において配列方向に関して均一な強度分布の照射光を容易に得ることができる。ただし、図12の光照射装置31aと同様に、シリンドリカルレンズ81aの後側焦点面811aにおける幅広明部の幅hは数5におけるfを、シリンドリカルレンズ81aの焦点距離fに置き換えて求められる。
一方、X方向に沿って見た場合、図17に示すように、光源4からのレーザ光はコリメータレンズ61によりコリメートされ、複数のシリンドリカルレンズ72およびシリンドリカルレンズ81aを通過して、平行光のままでシリンドリカルレンズ83へと導かれる。そして、シリンドリカルレンズ83から出射される光は、シリンドリカルレンズ81aの後側焦点面811aよりも後方の照射面320において集光する。これにより、照射面320上において、配列方向に伸びる細いライン状の照射光が得られる。
図18および図19は、本発明の第3の実施の形態に係る光照射装置31bの構成を示す図である。図18および図19の光照射装置31bでは、図8および図9の光照射装置31aにおける第1レンズ部6のコリメータレンズ61およびシリンドリカルレンズ62に代えて投影レンズ63が設けられる。他の構成は、図8および図9の光照射装置31aと同様であり、同様の構成に同じ符号を付している。
第1レンズ部6の投影レンズ63は、Z方向において光源4と複数のレンズ71との間に配置される。Z方向に関して光源4と投影レンズ63との間の距離はaであり、投影レンズ63と複数のレンズ71の第1レンズ面711との間の距離はbである。これにより、光源4の出射領域41のM(=b/a)倍の像が複数のレンズ71の第1レンズ面711上に形成される。分割レンズ部7に形成される出射領域41の像の配列方向の幅はMhとなる。当該幅Mhはレンズ71のレンズピッチpの数倍以上であり、好ましくは、分割レンズ部7の配列方向の全長よりも短い。Y方向に沿って見た場合、複数のレンズ71に入射する光は、配列方向に関して分割され、図8および図9の光照射装置31aと同様に、シリンドリカルレンズ82、コンデンサレンズ81およびシリンドリカルレンズ83を介して照射面320へと導かれる。照射面320は、コンデンサレンズ81の後側焦点面811よりも距離dだけ後方に配置される。
ここで、後側焦点面811における幅広明部の幅h’が既知である場合、光学系5における像側の開口数をNA’として、照射面320における幅広明部の幅は(h’+2dNA’)にて表される。そして、光照射装置31bでは、照射面320における幅広明部の幅(h’+2dNA’)が縞ピッチpの整数倍となる、すなわち、任意の正の整数をmとして、(h’+2dNA’=mp)の関係が満たされるように、デフォーカス量dが決定される。換言すると、(d=(mp−h’)/2NA’)を満たすように、照射面320が、コンデンサレンズ81の後側焦点面811からずらされる。なお、図2の光照射装置31と同様に、縞ピッチpは、(f/p)λとして表される。後側焦点面811における幅広明部の幅h’は、例えば、後側焦点面811上にて光の強度分布を実際に測定することにより取得可能である(光照射装置31aの後側焦点面811における幅広明部の幅hにおいて同様)。もちろん、後側焦点面811における幅広明部の幅h’は、演算により求められてもよい。
また、X方向に沿って見た場合に、図19に示すように、複数のレンズ71の第2レンズ面712から、平行光が出射される。複数のレンズ71からの光は、シリンドリカルレンズ82、コンデンサレンズ81、シリンドリカルレンズ83を介して、コンデンサレンズ81の後側焦点面811の後方の照射面320上において集光する。したがって、照射面320において、各レンズ71からの光の照射領域51は、配列方向に伸びるライン状となる。
以上のように、光照射装置31bでは、光源4の出射領域41の像が、第1レンズ部6により、分割レンズ部7における複数のレンズ71の配置位置に形成される。すなわち、光源4のニアフィールドパターンが複数のレンズ71に投影される。そして、複数のレンズ71にて分割された光の照射領域51が、第2レンズ部8により、照射面320上にて重ね合わせられる。このとき、各レンズ71には光源4の異なる発光点の像が形成されるため、複数のレンズ71から出射される光の可干渉性は低くなる。よって、照射面320では、可干渉性の低い光の照射領域51が重ねられることにより、複数のレンズ71にて分割された光の干渉により生じる干渉縞(縞ピッチpにて発生する幅広明部の模様)のコントラストが低下する。また、照射面320をコンデンサレンズ81の後側焦点面811よりも後方に配置することにより、照射面320における幅広明部の幅(h’+2dNA’)が縞ピッチpの整数倍とされる。その結果、上記干渉縞のコントラストをさらに低下させることができ、配列方向に関してさらに均一な強度分布の照射光を容易に得ることが実現される。
図20および図21は、光照射装置31bの他の例を示す図である。図20および図21の光照射装置31bでは、図18および図19の光照射装置31bにおける第2レンズ部8のシリンドリカルレンズ82が省略されるとともに、コンデンサレンズ81が、シリンドリカルレンズ81aに置き換えられる。シリンドリカルレンズ81aは、X方向のみに正のパワーを有し、焦点距離はfである。他の構成は、図18および図19と同様であり、同様の構成に同じ符号を付す。
図20に示すように、Y方向に沿って見た場合の光照射装置31bにおける光の経路は図18の光照射装置31bと同様である。図20の光照射装置31bにおいても、照射面320をシリンドリカルレンズ81aの後側焦点面811aよりも後方に配置することにより、照射面320における幅広明部の幅が縞ピッチpの整数倍とされる。これにより、配列方向に関して均一な強度分布の照射光を容易に得ることができる。
図21に示すようにX方向に沿って見た場合、複数のレンズ71の第2レンズ面712から出射された光は、平行光のままでシリンドリカルレンズ81aを通過してシリンドリカルレンズ83へと導かれる。シリンドリカルレンズ83は、その焦点距離fだけ照射面320から(−Z)側に離れた位置に配置される。シリンドリカルレンズ83から出射される光は、シリンドリカルレンズ81aの後側焦点面811aの後方の照射面320上において集光する。これにより、照射面320上において、配列方向に伸びる細いライン状の照射光が得られる。
図22および図23は、光照射装置31bのさらに他の例を示す図である。図22および図23の光照射装置31bでは、図18および図19の光照射装置31bにおける第2レンズ部8のシリンドリカルレンズ82が省略されるとともに、分割レンズ部7の複数のレンズ71が複数のシリンドリカルレンズ72に置き換えられる。他の構成は、図18および図19と同様であり、同様の構成に同じ符号を付す。
配列方向に関するシリンドリカルレンズ72の特性は、レンズ71と同様であり、図22に示すように、Y方向に沿って見た場合の光照射装置31bにおける光の経路は図18の光照射装置31bと同様である。したがって、第1レンズ部6により光源4の出射領域41の像が、分割レンズ部7における複数のシリンドリカルレンズ72の配置位置に形成され、照射面320における干渉縞のコントラストが低下する。また、照射面320にて幅広明部の幅が縞ピッチpの整数倍となるようにデフォーカス量dが調整されることにより、配列方向に関してさらに均一な強度分布の照射光を容易に得ることができる。
一方、図23に示すようにX方向に沿って見た場合、複数のシリンドリカルレンズ72から広がりつつ出射される光は、コンデンサレンズ81およびシリンドリカルレンズ83を介して、コンデンサレンズ81の後側焦点面811よりも後方の照射面320において集光する。これにより、照射面320上において、配列方向に伸びる細いライン状の照射光が得られる。
上記描画装置1、および、光照射装置31,31a,31bでは様々な変形が可能である。例えば、図24に示すように、光源4とコリメータレンズ61との組合せを照明部として、複数の照明部により分割レンズ部7の複数のレンズ71上の同じ領域が照明されてもよい。図24の光照射装置31cにおいても、複数の照明部からの光は、複数のレンズ71により配列方向に分割され、コンデンサレンズ81により、照射面320上において、複数のレンズ71からの光の照射領域が重ねられる。このように、簡素な構造である光照射装置では、複数の照明部を容易に配置することができ、配列方向に関して均一な強度分布を有する高強度の照射光を容易に得ることができる。光照射装置31cにおいて、複数の照明部により、複数のレンズ71の互いに異なる領域が照明されてもよい。この場合でも、照射面320上において複数のレンズ71からの光の照射領域が重ねられるため、均一な強度分布を有する高強度の照射光を得ることができる。
第1の実施の形態における光照射装置31において、光学系5の組立精度等によっては、照射面320をコンデンサレンズ81の後側焦点面から光軸J1に沿って僅かにずらすことにより、照射面320上における幅広明部の幅が縞ピッチpの整数倍に正確に調整されてもよい。また、((f/f)h=m(f/p)λ)の関係を概ね満たすように光学系5を設計し、照射面320をコンデンサレンズ81の後側焦点面から僅かにずらすことにより、幅広明部の幅が、正確に縞ピッチpの整数倍となるように調整されてもよい。このような光照射装置31では、コンデンサレンズ81の後側焦点面近傍において幅広明部の幅が縞ピッチpの整数倍に近似しているため、上記のように照射面320をコンデンサレンズ81の後側焦点面からずらす場合でも、デフォーカス量は僅かとなる。ところで、デフォーカス量が大きくなると、配列方向における照射光の強度分布において、分布の端部にて強度が低くなる範囲が増大する。これに対し、上記関係を概ね満たす光照射装置31では、デフォーカス量は僅かとなるため、照射光を効率よく利用することができるといえる。
上記光照射装置31,31a,31bでは、第2レンズ部8において、X方向およびY方向の双方に正のパワーを有するコンデンサレンズ81が用いられる場合には、複数のレンズ71または複数のシリンドリカルレンズ72における第2レンズ面は、コンデンサレンズ81の前側焦点面上に配置される。また、第2レンズ部8において、X方向のみに正のパワーを有するシリンドリカルレンズ81aが用いられる場合には、複数のレンズ71または複数のシリンドリカルレンズ72における第2レンズ面は、シリンドリカルレンズ81aの前側焦点面上に配置される。このように、照射面320上において照射領域51を容易に重ねるには、第2レンズ部8において少なくとも配列方向に正のパワーを有するレンズの前側焦点面上に、当該第2レンズ面が配置されることが好ましい。
照射領域51は、必ずしもライン状である必要はない。また、光照射装置31,31a,31bにおける光学系5の構成は、適宜変更されてよく、例えば、複数のレンズアレイが光軸J1に沿って並べられることにより、分割レンズ部7が構成されてもよい。光照射装置31bにおいて、光源4の出射領域41の像を分割レンズ部7上に形成する手法は、幅広明部の幅を縞ピッチの整数倍とする手法から独立して利用されてもよい。
描画装置1において、基板9上の光の照射位置を移動する移動機構は、ステージ21を移動する移動機構22以外であってもよく、例えば、光照射装置31、空間光変調器32および投影光学系33を含むヘッドを基板9に対して移動する移動機構であってよい。
描画装置1にて描画が行われる対象物は、半導体基板やガラス基板以外の基板であってもよく、また、基板以外であってもよい。光照射装置31,31a,31bは、描画装置1以外に用いられてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 描画装置
4 光源
5 光学系
6,8 レンズ部
7 分割レンズ部
9 基板
11 制御部
22 移動機構
31,31a〜31c 光照射装置
32 空間光変調器
33 投影光学系
41 出射領域
51 照射領域
71 (分割レンズ部の)レンズ
72 (分割レンズ部の)シリンドリカルレンズ
81 コンデンサレンズ
81a,82,83,83a シリンドリカルレンズ
320 照射面
711,712 レンズ面
811,811a 後側焦点面
A2〜A4 幅広明部
J1 光軸

Claims (9)

  1. 光照射装置であって、
    レーザ光を出射する光源と、
    前記レーザ光が入射するとともに所定の照射面へと前記レーザ光を導く光学系と、
    を備え、
    前記光学系が、
    前記光源からの前記レーザ光を所定位置に導く第1レンズ部と、
    前記光学系の光軸に垂直な一の配列方向に関して、一定のレンズピッチにて配列された複数のレンズを前記所定位置に有し、前記第1レンズ部からの光を前記複数のレンズにて分割する分割レンズ部と、
    前記光軸上に配置された前記照射面上にて前記複数のレンズからの光の照射領域を重ねる第2レンズ部と、
    を備え、
    前記光源における出射領域において前記配列方向の任意の一の位置からの光に着目した場合に、前記複数のレンズにて分割された光により、明部が前記配列方向に一定の縞ピッチにて並ぶ干渉縞が前記照射面上に生じ、
    前記出射領域の前記配列方向の幅全体からの光により、前記干渉縞の明部の集合であって、前記明部よりも幅が広い幅広明部が前記配列方向に前記縞ピッチにて並び、各幅広明部の幅が前記縞ピッチの整数倍であることを特徴とする光照射装置。
  2. 請求項1に記載の光照射装置であって、
    前記照射領域が前記配列方向に伸びるライン状であることを特徴とする光照射装置。
  3. 請求項2に記載の光照射装置であって、
    前記第1レンズ部が前記光源からの前記レーザ光をコリメートし、
    前記分割レンズ部における前記複数のレンズのそれぞれにおいて、前記第1レンズ部側に位置する凸状の第1レンズ面が、前記第2レンズ部側に位置する凸状の第2レンズ面の焦点に配置され、
    前記第2レンズ面が、前記第2レンズ部において少なくとも前記配列方向に正のパワーを有するレンズの前側焦点面上、かつ、前記第1レンズ面の焦点に配置されることを特徴とする光照射装置。
  4. 請求項3に記載の光照射装置であって、
    前記第1レンズ部の焦点距離をf、前記第2レンズ部の前記レンズの焦点距離をf、前記レーザ光の波長をλ、前記レンズピッチをp、前記出射領域の前記配列方向の幅をh、mを任意の正の整数として、((f/f)h=m(f/p)λ)が満たされ、
    前記照射面が前記第2レンズ部の前記レンズの後側焦点面上に配置されることを特徴とする光照射装置。
  5. 請求項3に記載の光照射装置であって、
    前記照射面が前記第2レンズ部の前記レンズの後側焦点面よりも後方または前方に配置されることを特徴とする光照射装置。
  6. 請求項5に記載の光照射装置であって、
    前記第2レンズ部の前記レンズが、前記配列方向に正のパワーを有するシリンドリカルレンズであり、
    前記第2レンズ部が、前記光軸および前記配列方向に垂直な方向に正のパワーを有するもう1つのシリンドリカルレンズを有し、
    前記照射面が前記もう1つのシリンドリカルレンズの後側焦点面上に配置されることを特徴とする光照射装置。
  7. 請求項2に記載の光照射装置であって、
    前記第1レンズ部が前記光源の前記出射領域の像を前記所定位置に形成することを特徴とする光照射装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の光照射装置であって、
    前記分割レンズ部の前記複数のレンズが、複数のシリンドリカルレンズであることを特徴とする光照射装置。
  9. 描画装置であって、
    請求項1ないし8のいずれかに記載の光照射装置と、
    前記光照射装置における前記照射面に配置される空間光変調器と、
    前記空間光変調器により空間変調された光を対象物上に導く投影光学系と、
    前記空間変調された光の前記対象物上における照射位置を移動する移動機構と、
    前記移動機構による前記照射位置の移動に同期して前記空間光変調器を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする描画装置。
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