JP2015025595A - 冷媒ディストリビュータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ろう溜まり部を設け、ろう材の廻り過ぎによるオリフィス孔の詰まりを防止するとともに、ろう溜まり部を簡易に構成でき、オリフィス部の加工工数の増加やコスト上昇を抑制し、生産性を向上できる冷媒ディストリビュータを提供することを目的とする。【解決手段】複数本の冷媒分配配管6に冷媒を分配する複数の冷媒分配孔4が穿設されているディストリビュータ本体3と、一端がディストリビュータ本体3の冷媒分配孔4に挿入され、ディストリビュータ本体3に対してろう付け接続される複数本の冷媒分配配管6と、を備え、冷媒分配孔4は、冷媒分配配管6が挿入される孔部12の基端側に小径のオリフィス孔10を備えた段付孔とされ、冷媒分配配管6は、その挿入先端が冷媒分配孔4の段部11との間にろう溜まり部13を形成すべく、段部11の手前位置に位置決めされてろう付け接合されている。【選択図】図4
Description
本発明は、多サーキットの熱交換器に対して、冷媒を分配して供給する冷媒ディストリビュータに関するものである。
空気調和機や冷凍機等に適用される多サーキットのフィン&チューブ形熱交換器においては、各サーキットに対して冷媒を均一に分配することが求められるため、冷媒入口側に冷媒ディストリビュータを設置している。かかる冷媒ディストリビュータとして、冷媒供給配管が接続されるコーン形状のディストリビュータ本体の外周領域に沿って円周上等間隔で複数の冷媒分配孔を設け、その冷媒分配孔に対して複数本の冷媒分配配管(キャピラリチューブ)の一端を挿入し、ろう付け接続したものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
上記特許文献1には、ディストリビュータ本体に設けられている複数の冷媒分配孔の基端側に一体的または別部品によりオリフィス部を設け、そのオリフィス部位置まで挿入された冷媒分配配管の先端内周にオリフィス部側から凸形状部を延長させ、冷媒分配配管の先端内周と凸形状部の外周との間の隙間を余剰のろう材を溜めるろう溜り部となし、ろう付け時にオリフィス部が余剰のろう材によって閉塞されないように構成したものが記載されている。
また、特許文献2には、複数本の冷媒分配配管が挿入される複数の冷媒分配孔の挿入端側を基端側よりも僅かに孔径を大きくした大径部となし、その大径部によりろう材の廻りを良好にするとともに、基端側の小径部でろう材を廻り難くすることによって、確実にろう付けできるようにし、しかもろう材が廻り過ぎることによって、オリフィス部が余剰のろう材で閉塞されるのを防止できる構成としたものが記載されている。
上記の如く、ディストリビュータ本体の冷媒分配孔に冷媒分配配管の一端を挿入してろう付け接続する構成の冷媒ディストリビュータでは、ろう付け時の温度管理や時間管理が非常に厳しく、熟練した作業が求められる中、ろう付け不良による冷媒漏れやオリフィス部のろう材による閉塞等が発生しがちであり、特許文献1,2のような対策案が提供されている。しかし、特許文献1のものでは、ろう溜まり部を設けることにより、余剰のろう材によるオリフィス部の閉塞を防止しているが、オリフィス部に細径の冷媒分配配管の先端内周に延びる凸形状部を設ける必要があり、冷媒分配孔やオリフィス部品の加工・構成が複雑化し、加工工数の増加やコスト上昇を招く等、生産性の面で課題があった。
また、特許文献2のものは、ろう付け性の確保と、ろう材によるオリフィス部の閉塞防止の両立を図ったものであるが、ろう付け時の温度管理や時間管理が多少甘くなって小径部にろう材が廻り過ぎた場合に、オリフィス部が余剰のろう材により閉塞されてしまう虞がある等の課題を有している。特に、昨今においては、熟練作業者の確保が難しくなりつつある中、万が一ろう詰りが発生したとしても、外部から確認できず、これが熱交換性能に影響を及ぼし、能力低下を招くことになる等、更なる対策が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、ろう溜まり部を設け、ろう材の廻り過ぎによるオリフィス孔の詰まりを防止するとともに、そのろう溜まり部を簡易に構成でき、オリフィス部の加工工数の増加やコスト上昇を抑制し、生産性を向上できる冷媒ディストリビュータを提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の冷媒ディストリビュータは、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる冷媒ディストリビュータは、複数本の冷媒分配配管に冷媒を分配する複数の冷媒分配孔が穿設されているディストリビュータ本体と、一端が前記ディストリビュータ本体の前記冷媒分配孔に挿入され、前記ディストリビュータ本体に対してろう付け接続される複数本の前記冷媒分配配管と、を備え、前記冷媒分配孔は、前記冷媒分配配管が挿入される孔部の基端側に小径のオリフィス孔を備えた段付孔とされ、前記冷媒分配配管は、その挿入先端が前記冷媒分配孔の段部との間にろう溜まり部を形成すべく、前記段部の手前位置に位置決めされてろう付け接合されていることを特徴とする。
すなわち、本発明にかかる冷媒ディストリビュータは、複数本の冷媒分配配管に冷媒を分配する複数の冷媒分配孔が穿設されているディストリビュータ本体と、一端が前記ディストリビュータ本体の前記冷媒分配孔に挿入され、前記ディストリビュータ本体に対してろう付け接続される複数本の前記冷媒分配配管と、を備え、前記冷媒分配孔は、前記冷媒分配配管が挿入される孔部の基端側に小径のオリフィス孔を備えた段付孔とされ、前記冷媒分配配管は、その挿入先端が前記冷媒分配孔の段部との間にろう溜まり部を形成すべく、前記段部の手前位置に位置決めされてろう付け接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、ディストリビュータ本体に穿設されている複数の冷媒分配孔が、冷媒分配配管が挿入される孔部の基端側に小径のオリフィス孔を備えた段付孔とされ、その複数の冷媒分配孔に挿入されてろう付け接合される冷媒分配配管の挿入先端が、冷媒分配孔の基端側の段部との間にろう溜まり部を形成すべく、該段部の手前位置に位置決めされてろう付け接合される構成とされているため、冷媒分配孔にオリフィス孔を設ける際に形成される段部と、冷媒分配配管の挿入先端との間に所要の容積を有するろう溜まり部を形成することができ、そのろう溜まり部を余剰のろう材のろう溜まりとすることにより、冷媒分配配管を冷媒分配孔に挿入してろう付けする際、多少ろう材を廻り易くしてろう付け性を高めたとしても、余剰のろう材によりオリフィス孔が閉塞される事態を防止することができる。従って、ろう材の廻りを良くしてろう付け性を高め、冷媒漏れを確実に解消できるとともに、冷媒分配配管の挿入先端側にろう溜まり部を簡易に構成でき、オリフィス部の加工工数の増加やコスト上昇を抑制し、生産性を向上することができる。
また、本発明の冷媒ディストリビュータは、上記の冷媒ディストリビュータにおいて、前記冷媒分配配管には、その挿入先端の前記冷媒分配孔への挿入位置を前記段部の前記手前位置に規制すべく、挿入先端から所定寸法位置に位置決めビードが設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、冷媒分配配管にその挿入先端の冷媒分配孔への挿入位置を段部の手前位置に規制すべく、挿入先端から所定寸法位置に位置決めビードが設けられているため、冷媒分配配管の一端を冷媒分配孔に挿入する際、位置決めビードが冷媒分配孔の開口端に当接する位置まで挿入することにより、その挿入先端とオリフィス孔の段部との間に所要の容積を有するろう溜まり部を形成することができる。従って、余剰のろう材によるオリフィス孔の閉塞を確実に防止できるとともに、余剰のろう材を溜めるろう溜まり部を簡易に構成でき、オリフィス部の加工工数の増加やコスト上昇を抑制することができる。
また、本発明の冷媒ディストリビュータは、上記の冷媒ディストリビュータにおいて、前記冷媒分配孔には、前記冷媒分配配管の先端の挿入位置を前記段部の前記手前位置に規制すべく、微小の位置決め用段部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、冷媒分配孔に冷媒分配配管の先端の挿入位置を段部の手前位置に規制すべく、微小の位置決め用段部が設けられているため、冷媒分配配管の一端を冷媒分配孔に挿入する際、その挿入先端が微小の位置決め用段部に当接する位置まで挿入することにより、その挿入先端とオリフィス孔の段部との間に所要の容積を有するろう溜まり部を形成することができる。従って、余剰のろう材によるオリフィス孔の閉塞を確実に防止できるとともに、余剰のろう材を溜めるろう溜まり部を簡易に構成でき、オリフィス部の加工工数の増加やコスト上昇を抑制することができる。
さらに、本発明の冷媒ディストリビュータは、上述のいずれかの冷媒ディストリビュータにおいて、前記冷媒分配配管の挿入先端と、小径の前記オリフィス孔の段部との間の前記ろう溜まり部の孔軸方向寸法が、2〜3mmとされていることを特徴とする。
本発明によれば、冷媒分配配管の挿入先端と、小径のオリフィス孔の段部との間の前記ろう溜まり部の孔軸方向寸法が、2〜3mmとされているため、冷媒分配配管の挿入先端とオリフィス孔の段部との間に、冷媒分配配管の内外径差(肉厚)相当分の面積と孔軸方向寸法(2〜3mm)との乗算値に相当する容積を持ったろう溜まり部を形成することができる。従って、余剰のろう材を溜める十分な容積を持ったろう溜まり部を形成し、余剰のろう材によるオリフィス孔の閉塞を確実に防止できるとともに、そのろう溜まり部を簡易に構成することにより、オリフィス部の加工工数の増加やコスト上昇を抑制し、生産性を向上することができる。
さらに、本発明の冷媒ディストリビュータは、上述のいずれかの冷媒ディストリビュータにおいて、前記冷媒分配孔は、前記ディストリビュータ本体の外周領域に沿って円周上等間隔で複数個穿設されており、その中心領域に前記ディストリビュータ本体の外周形状と相似形の凹部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、冷媒分配孔が、ディストリビュータ本体の外周領域に沿って円周上等間隔で複数個穿設されており、その中心領域にディストリビュータ本体の外周形状と相似形の凹部が設けられているため、ディストリビュータ本体の中心領域にその外周形状と相似形の凹部を設けることによって、冷媒分配孔の外側領域の肉厚と内側領域の肉厚とを略同等化し、冷媒分配配管の一端を冷媒分配孔に挿入してろう付け接合する際、各冷媒分配孔の廻りを略均一にバランスよく加熱し、ろう付けすることができる。従って、ろう付け性の向上、安定化を図ることができるとともに、高価な真鍮等によって構成されるディストリビュータ本体の使用材料量を低減し、低コスト化することができる。
本発明によると、冷媒分配孔にオリフィス孔を設ける際に形成される段部と、冷媒分配配管の挿入先端との間に所要の容積を有するろう溜まり部を形成することができ、そのろう溜まり部を余剰のろう材のろう溜まりとすることにより、冷媒分配配管を冷媒分配孔に挿入してろう付けする際、多少ろう材を廻り易くしてろう付け性を高めたとしても、余剰のろう材によりオリフィス孔が閉塞される事態を防止することができるため、ろう材の廻りを良くしてろう付け性を高め、冷媒漏れを確実に解消できるとともに、冷媒分配配管の挿入先端側にろう溜まり部を簡易に構成でき、オリフィス部の加工工数の増加やコスト上昇を抑制し、生産性を向上することができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下に、本発明の第1実施形態について、図1ないし図4を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る冷媒ディストリビュータが設置された熱交換器周りの外観斜視図が示され、図2には、その冷媒ディストリビュータ本体の平面図(a)および側面図(b)、図3には、図2(a)のA−A断面相当図、図4には、その冷媒分配孔に冷媒分配配管を接続した状態の拡大断面図が示されている。
[第1実施形態]
以下に、本発明の第1実施形態について、図1ないし図4を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る冷媒ディストリビュータが設置された熱交換器周りの外観斜視図が示され、図2には、その冷媒ディストリビュータ本体の平面図(a)および側面図(b)、図3には、図2(a)のA−A断面相当図、図4には、その冷媒分配孔に冷媒分配配管を接続した状態の拡大断面図が示されている。
冷媒ディストリビュータ1は、例えば空気調和機、冷凍機等に組み込まれている多サーキットのフィン&チューブ形熱交換器2の各サーキットに対して、液状の冷媒を均一に分配して供給するためのものであり、複数の冷媒分配孔4が穿設されているディストリビュータ本体3を備えている。このディストリビュータ本体3に対して、冷媒を供給する冷媒供給配管5がろう付け接続されるとともに、その複数の冷媒分配孔4に対して複数本の冷媒分配配管(キャピラリチューブ)6がろう付け接続される構成とされている。
ディストリビュータ本体3は、図2および図3に示されるように、真鍮等により構成されるもので、外観がコーン形状とされており、一端側に冷媒供給配管5が挿入され、ろう付け接続される配管接続部7が形成され、他端側が配管接続部7から外径がラッパ状に急拡大された形状のコーン部8とされている。コーン部8の端面の外周領域には、円周上に等間隔で複数個(本実施形態の場合、11個)の冷媒分配孔4が穿設されている。これらの冷媒分配孔4は、貫通孔であり、配管接続部7内の単一の流路9(図3参照)に連通されている。
冷媒分配孔4は、配管接続部7内の流路9に連通する基端側が小径のオリフィス孔10とされ、そのオリフィス孔10と段部11を介して連続し、冷媒分配配管(キャピラリチューブ)6が嵌め合いにより挿入可能とされているオリフィス孔10よりも大径の孔部12とからなる段付孔とされている。なお、ここでの各部の寸法は、例えば、オリフィス孔10は、Φ2〜3mm程度の孔とされ、孔部12は、Φ3〜4mm程度で冷媒分配配管6が嵌め合いにより挿入可能な孔とされ、冷媒分配配管6は、外径が3〜4mm、内径がオリフィス孔10と同径の2〜3mm程度の配管とされている。
さらに、本実施形態においては、冷媒分配配管6を冷媒分配孔4の孔部12にろう付けする際、冷媒分配配管6の先端からはみ出した余剰のろう材を溜めるためのろう溜まり部13(図4参照)を冷媒分配孔4内に形成すべく、以下の構成を採用している。
ろう溜まり部13は、図4に示されるように、オリフィス孔10により形成される段部11と、孔部12に挿入されてろう付け接続される冷媒分配配管6の挿入先端との間に形成されるように、冷媒分配配管6の挿入先端が段部11の数mmの寸法Lだけ手前位置に位置決めされてろう付け接続される構成とされている。
ろう溜まり部13は、図4に示されるように、オリフィス孔10により形成される段部11と、孔部12に挿入されてろう付け接続される冷媒分配配管6の挿入先端との間に形成されるように、冷媒分配配管6の挿入先端が段部11の数mmの寸法Lだけ手前位置に位置決めされてろう付け接続される構成とされている。
つまり、冷媒分配配管6の挿入先端を段部11に当接させて位置決めするのではなく、冷媒分配配管6の挿入先端を段部11から数mmの寸法L(L≒2〜3mm)だけ手前位置に位置決めしてろう付け接続する構成としている。これによって、冷媒分配配管6の挿入先端とオリフィス孔10の段部11との間に、冷媒分配配管6の内外径差(肉厚)相当分の面積と孔軸方向寸法L(L≒2〜3mm)との乗算値に相当する容積を持ったろう溜まり部(空間)13を形成することができる。
また、上記の如く、ろう溜まり部13を形成するため、冷媒分配配管6の挿入先端を常に段部11から寸法Lだけ手前の一定位置に規制して挿入できるように、冷媒分配配管6の挿入先端から所定寸法位置に位置決めビード14を設けた構成とし、冷媒分配配管6を冷媒分配孔4に挿入する際、位置決めビード14が冷媒分配孔4の開口端に当接する位置まで挿入することにより、その挿入先端を常に一定位置に規制して位置決めできるようにしている。
さらに、本実施形態では、ディストリビュータ本体3の外周領域に、円周上等間隔で複数個(本実施形態の場合は、11個)の冷媒分配孔4を穿設しているが、その中心領域にディストリビュータ本体3の外周形状と相似形の凹部15を設けた構成としている。これによって、図2および図3に示されるように、冷媒分配孔4の外側領域の肉厚と内側領域の肉厚とが略同等の肉厚とされるようにしている。
なお、冷媒分配配管6は、キャピラリチューブと称されている細径の管であり、本実施形態では、それぞれ11本の冷媒分配配管6の一端が、ディストリビュータ本体3の冷媒分配孔4の孔部12に挿入され、位置決めビード14により挿入位置が位置決めされた状態で全周がディストリビュータ本体3に対してろう付け接合されるようになっている。この冷媒分配配管6の他端部は、多サーキットのフィン&チューブ形熱交換器2の各サーキットの冷媒配管に接続され、各サーキットに対し冷媒を均一に分配して供給する機能を担っている。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
上記の冷媒ディストリビュータ1において、冷媒供給配管5からディストリビュータ本体3内の流路9に供給された冷媒は、流路9からディストリビュータ本体3に穿設されている複数の冷媒分配孔4のオリフィス孔10を経て、各冷媒分配孔4の孔部12に接続されている複数本の冷媒分配配管(キャピラリチューブ)6に対して均一分配され、冷媒分配配管6を介して多サーキットのフィン&チューブ形熱交換器2の各サーキットにそれぞれ供給される。
上記の冷媒ディストリビュータ1において、冷媒供給配管5からディストリビュータ本体3内の流路9に供給された冷媒は、流路9からディストリビュータ本体3に穿設されている複数の冷媒分配孔4のオリフィス孔10を経て、各冷媒分配孔4の孔部12に接続されている複数本の冷媒分配配管(キャピラリチューブ)6に対して均一分配され、冷媒分配配管6を介して多サーキットのフィン&チューブ形熱交換器2の各サーキットにそれぞれ供給される。
この冷媒ディストリビュータ1を介して複数本の冷媒分配配管(キャピラリチューブ)6に対して冷媒を均一に分配するため、ディストリビュータ本体3の複数の冷媒分配孔4の基端側にオリフィス孔10が設けられている。このようにオリフィス孔10を介在させることにより、複数の冷媒分配孔4に対して均等圧力で冷媒を分配することができ、これによって、複数本の冷媒分配配管6に対して冷媒を均一に分配することが可能となる。
一方、ディストリビュータ本体3に接続されている複数本の冷媒分配配管6は、一端を冷媒分配孔4の孔部12に挿入し、ろう付け接合することにより接続されるが、このろう付けに際して、ろう材が廻り過ぎることにより、冷媒分配配管6の先端からはみ出したろう材がオリフィス孔10を閉塞し、あるいはろう材の廻りが不足することによって微小隙間が生じ、ガス漏れが発生しないようにすることが重要である。
しかるに、本実施形態においては、ディストリビュータ本体3に穿設されている複数の冷媒分配孔4が、冷媒分配配管6が挿入される孔部12の基端側に小径のオリフィス孔10を備えた段付孔とされており、その複数の冷媒分配孔4に挿入されてろう付け接続される冷媒分配配管6の挿入先端が、冷媒分配孔4の基端側の段部11との間にろう溜まり部13を形成すべく、段部11の手前位置に位置決めされてろう付け接合される構成とされている。
このため、冷媒分配孔4にオリフィス孔10を設ける際に形成される段部11と、冷媒分配配管6の挿入先端との間に所要の容積を有するろう溜まり部(空間)13を簡易に形成することができ、その空間をろう溜まり部13とし、冷媒分配配管6を冷媒分配孔4に挿入してろう付けする際、多少ろう材を廻り易くしてろう付け性を高めたとしても、余剰のろう材をろう溜まり部13に溜めることにより、余剰のろう材によるオリフィス孔10の閉塞を防止することができる。
これによって、ろう材の廻りを良くしてろう付け性を高め、冷媒漏れを確実に解消することができるとともに、冷媒分配配管6の挿入先端側にろう溜まり部13を簡易に構成することができ、オリフィス部の加工工数の増加やコスト上昇を抑制し、生産性を向上することができる。また、ろう付け性を高めることにより、冷媒分配配管6をディストリビュータ本体3の冷媒分配孔4に挿入してろう付け接合する部分の長さを限界まで短縮し、ディストリビュータ本体3を小型、低コスト化することができる。
また、冷媒分配配管6に、その挿入先端の冷媒分配孔4への挿入位置を段部11の手前位置に規制すべく、挿入先端から所定寸法位置に位置決めビード14を設けた構成としている。このため、冷媒分配配管6の一端を冷媒分配孔4に挿入する際、位置決めビード14が冷媒分配孔4の開口端に当接する位置まで挿入することにより、その挿入先端とオリフィス孔10の段部11との間に所要の容積を有するろう溜まり部(空間)13を形成することができる。従って、余剰のろう材によるオリフィス孔10の閉塞を確実に防止できるとともに、余剰のろう材を溜めるろう溜まり部13を簡易に構成でき、オリフィス部の加工工数の増加やコスト上昇を抑制することができる。
更に、本実施形態においては、冷媒分配配管6の挿入先端と、小径のオリフィス孔10の段部11との間のろう溜まり部13の孔軸方向寸法Lが2〜3mmとされている。このため、冷媒分配配管6の挿入先端とオリフィス孔10の段部11との間に、冷媒分配配管6の内外径差(肉厚)相当分の面積と孔軸方向寸法L(2〜3mm)との乗算値に相当する容積のろう溜まり部(空間)13を形成することができ、これによって、余剰のろう材を溜める十分な容積を持ったろう溜まり部13を形成し、余剰のろう材によるオリフィス孔10の閉塞を確実に防止できるとともに、そのろう溜まり部13を簡易に構成することによって、オリフィス部の加工工数の増加やコスト上昇を抑制し、生産性を向上することができる。
また、ディストリビュータ本体3は、冷媒分配孔4が外周領域に沿って円周上等間隔で複数個穿設され、その中心領域にディストリビュータ本体3の外周形状と相似形の凹部15が設けられた構成とされている。このように、ディストリビュータ本体3の中心領域にその外周形状と相似形の凹部15を設けることにより、冷媒分配孔4の外側領域の肉厚と内側領域の肉厚とを略同等化し、冷媒分配配管6の一端を冷媒分配孔4に挿入してろう付け接合する際、各冷媒分配孔4の廻りを略均一にバランスよく加熱し、ろう付けすることができる。従って、ろう付け性の向上、安定化を図ることができるとともに、高価な真鍮等によって構成されるディストリビュータ本体3の使用材料量を低減し、低コスト化することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、冷媒分配配管6の挿入先端をオリフィス孔10の段部11の手前位置に位置決め規制するための手段が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、冷媒分配配管6に設ける位置決めビード14に代えて、冷媒分配孔4内のオリフィス孔10の段部11から数mm(2〜3mm)の寸法Lだけ手前側の位置に微小の位置決め用段部(図示省略)を設けた構成としている。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、冷媒分配配管6の挿入先端をオリフィス孔10の段部11の手前位置に位置決め規制するための手段が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、冷媒分配配管6に設ける位置決めビード14に代えて、冷媒分配孔4内のオリフィス孔10の段部11から数mm(2〜3mm)の寸法Lだけ手前側の位置に微小の位置決め用段部(図示省略)を設けた構成としている。
このように、冷媒分配孔4に冷媒分配配管6の先端の挿入位置を段部11の手前位置に規制すべく、微小の位置決め用段部を設けた構成とし、冷媒分配配管6の一端を冷媒分配孔4に挿入する際、その挿入先端を微小の位置決め用段部に当接する位置まで挿入することにより、その挿入先端とオリフィス孔10の段部11との間に所要の容積を有するろう溜まり部(空間)13を形成することができる。従って、本実施形態によっても、第1実施形態と同様、余剰のろう材によるオリフィス孔10の閉塞を確実に防止することができるとともに、余剰のろう材を溜めるろう溜まり部13を簡易に構成でき、オリフィス部の加工工数の増加やコスト上昇を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、冷媒分配孔4の径、冷媒分配配管6の管径、オリフィス孔10の径、ろう溜まり空間13の大きさ等について、具体的数値を例示したが、これはあくまでも一例であって、本発明は、それに限定されるものでないことは云うまでもない。また、冷媒分配孔4の数や冷媒分配配管6の数は、適宜変更されるものであることはもちろんである。
1 冷媒ディストリビュータ
3 ディストリビュータ本体
4 冷媒分配孔
6 冷媒分配配管
10 オリフィス孔
11 段部
12 孔部
13 ろう溜まり部
14 位置決めビード
15 凹部
L 孔軸方向寸法
3 ディストリビュータ本体
4 冷媒分配孔
6 冷媒分配配管
10 オリフィス孔
11 段部
12 孔部
13 ろう溜まり部
14 位置決めビード
15 凹部
L 孔軸方向寸法
Claims (5)
- 複数本の冷媒分配配管に冷媒を分配する複数の冷媒分配孔が穿設されているディストリビュータ本体と、
一端が前記ディストリビュータ本体の前記冷媒分配孔に挿入され、前記ディストリビュータ本体に対してろう付け接続される複数本の前記冷媒分配配管と、を備え、
前記冷媒分配孔は、前記冷媒分配配管が挿入される孔部の基端側に小径のオリフィス孔を備えた段付孔とされ、
前記冷媒分配配管は、その挿入先端が前記冷媒分配孔の段部との間にろう溜まり部を形成すべく、前記段部の手前位置に位置決めされてろう付け接合されていることを特徴とする冷媒ディストリビュータ。 - 前記冷媒分配配管には、その挿入先端の前記冷媒分配孔への挿入位置を前記段部の前記手前位置に規制すべく、挿入先端から所定寸法位置に位置決めビードが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒ディストリビュータ。
- 前記冷媒分配孔には、前記冷媒分配配管の先端の挿入位置を前記段部の前記手前位置に規制すべく、微小の位置決め用段部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒ディストリビュータ。
- 前記冷媒分配配管の挿入先端と、小径の前記オリフィス孔の段部との間の前記ろう溜まり部の孔軸方向寸法が、2〜3mmとされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の冷媒ディストリビュータ。
- 前記冷媒分配孔は、前記ディストリビュータ本体の外周領域に沿って円周上等間隔で複数個穿設されており、その中心領域に前記ディストリビュータ本体の外周形状と相似形の凹部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の冷媒ディストリビュータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013154482A JP2015025595A (ja) | 2013-07-25 | 2013-07-25 | 冷媒ディストリビュータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013154482A JP2015025595A (ja) | 2013-07-25 | 2013-07-25 | 冷媒ディストリビュータ |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015117925A (ja) * | 2013-12-18 | 2015-06-25 | 寛 ▲高▼田 | 冷媒分流器 |
WO2019021457A1 (ja) * | 2017-07-28 | 2019-01-31 | 三菱電機株式会社 | 冷媒分配器およびその冷媒分配器を有するヒートポンプ装置 |
WO2019216497A1 (ko) * | 2018-05-08 | 2019-11-14 | 두성산업 (주) | 에어컨용 분배기 제조 방법 |
CN110513920A (zh) * | 2018-05-22 | 2019-11-29 | 佳世诠股份有限公司 | 管状蒸发器及冷冻装置 |
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2013
- 2013-07-25 JP JP2013154482A patent/JP2015025595A/ja active Pending
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