JP2015024391A - 移動式浄水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 移動に伴う振動によって逆浸透膜ユニットが傷むことを抑制できる移動式浄水装置を提供することを課題としている。【解決手段】 逆浸透膜を含む棒状の逆浸透膜ユニットを有し該逆浸透膜ユニットによって被処理水を膜分離することにより逆浸透膜を透過した浄水を得る浄水部と、2つの車軸を有し前記浄水部を載せた状態で移動する車両部とを備え、前記逆浸透膜ユニットが、前記車軸の長手方向に延在している移動式浄水装置を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、膜分離によって被処理水から浄水を得る浄水部と該浄水部を載せた状態で移動する車両部とを備えた移動式浄水装置に関する。
従来、この種の移動式浄水装置としては、様々なものが知られており、例えば、浄水部が、精密濾過膜を含む精密濾過膜ユニットと逆浸透膜を含む棒状の逆浸透膜ユニットとを有し、車両部が、3つの車軸を有するトラックであるものが知られている(特許文献1)。
上記の移動式浄水装置によれば、逆浸透膜ユニットにて被処理水を膜分離することによって、比較的浄化度の高い浄水を得ることができる。従って、上記の移動式浄水装置によれば、例えば、川岸や湖岸付近へ移動し、そのままでは飲用に適さない被処理水としての河川水や湖水を、精密濾過膜ユニットによって除濁処理した後、逆浸透膜ユニットによって膜分離することによって浄水を得て、浄水を飲用水に利用することができる。
しかしながら、上記の移動式浄水装置においては、浄水部における逆浸透膜ユニットの長手方向と、車両部における車軸の長手方向とが直交するように逆浸透膜ユニットが配されている。即ち、逆浸透膜ユニットの長手方向と装置の進行方向とが同じ方向となるように、逆浸透膜ユニットが配されている。
従って、上記の移動式浄水装置は、例えば、移動において急発進したり急停止したりすると、進行方向、即ち、前後方向に比較的強い振動が生じる。これにより、逆浸透膜ユニットには、長手方向に比較的強い力が加わる。逆浸透膜ユニットは、内部で長手方向に延在する逆浸透膜が両端部にて固定されて構成されている。従って、逆浸透膜ユニットに対して長手方向に比較的強い力が加わると、斯かる力によって逆浸透膜の固定部分がユニットの中央側方向に引っ張られ得る。これにより、逆浸透膜ユニットにおいては、逆浸透膜の両端部における固定がゆるみ、本来の水浄化性能が発揮されなくなり得る。
このように、上記の移動式浄水装置においては、移動に伴う振動によって逆浸透膜ユニットが傷むという問題が起こり得る。
国際公開第2010/084962号
本発明は、上記の問題点等に鑑み、移動に伴う振動によって逆浸透膜ユニットが傷むことを抑制できる移動式浄水装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る移動式浄水装置は、逆浸透膜を含む棒状の逆浸透膜ユニットを有し該逆浸透膜ユニットによって被処理水を膜分離することにより逆浸透膜を透過した浄水を得る浄水部と、車軸を有し前記浄水部を載せた状態で移動する車両部とを備え、
前記逆浸透膜ユニットが、前記車軸の長手方向に延在していることを特徴とする。
上記構成からなる移動式浄水装置においては、逆浸透膜ユニットが車軸の長手方向に延在しているため、逆浸透膜ユニットの長手方向が装置の移動方向(前後方向)に対して略垂直な方向となる。従って、移動式浄水装置が急発進や急停止をしても、逆浸透膜ユニットには、長手方向に対して略垂直な方向の力が加わる。逆浸透膜ユニットは、長手方向に対して略垂直な方向の力が加わっても、ユニット内で固定された逆浸透膜の両端部が外れることが起こりにくい。従って、前記移動式浄水装置によれば、移動に伴う振動によって逆浸透膜ユニットが傷むことを抑制できる。
本発明の移動式浄水装置においては、前記車両部が2つの車軸を有し、上から見たときに、前記逆浸透膜ユニットが前記2つの車軸の間に配されていることが好ましい。
本発明の移動式浄水装置においては、前記浄水部は、さらに、装置外から供給される被処理水を取り入れるための開口が一端に形成された取入管と、前記浄水を装置から取り出すための開口が一端に形成された浄水管と、前記逆浸透膜を透過しなかった濃縮水を装置外へ排出するための開口が一端に形成された排出管とを有し、
前記取入管、前記浄水管、及び、前記排出管は、開口が形成された一端側がそれぞれ前記浄水部の後ろ側で互いに並ぶように配され、且つ、それぞれの開口が後方へ向くように配されていることが好ましい。
本発明の移動式浄水装置においては、前記浄水部は、さらに、該浄水部の作動を制御する制御盤を有し、
前記制御盤は、前記浄水部の後ろ側に配され、しかも、作業者によって操作される操作面を有し該操作面が装置の側方を向いていることが好ましい。
本発明の移動式浄水装置においては、前記浄水部は、さらに、該浄水部を作動させるための電気を作る発電機を有し、該発電機と前記逆浸透膜ユニットとの間には、作業者が通る通路が形成されていることが好ましい。
本発明の移動式浄水装置は、移動に伴う振動によって逆浸透膜ユニットが傷むことを抑制できるという効果を奏する。
本実施形態の移動式浄水装置を斜め後ろ上方から見た様子を示す概略図。 本実施形態の移動式浄水装置を上から見た様子の概略を表した図。 本実施形態の移動式浄水装置における水の流れを概略的に表した図。 本実施形態の移動式浄水装置を側方からみた様子の概略を表した図。 本実施形態の移動式浄水装置の一具体例を表した概略図。
以下、本発明に係る移動式浄水装置の一実施形態について、図面を参照しつつ詳しく説明する。
本実施形態の移動式浄水装置1は、図1〜図4に示すように、逆浸透膜(RO膜)を含む棒状の逆浸透膜ユニット2aを有し該逆浸透膜ユニット2aによって被処理水Aを膜分離することにより逆浸透膜を透過した浄水Zを得る浄水部2と、車軸3aを有し前記浄水部2を載せた状態で移動する車両部3とを備え、
前記逆浸透膜ユニット2aが、前記車軸3aの長手方向に延在しているものである。
本実施形態の移動式浄水装置1は、浄水部2が車両部3の上に載って固定された状態で移動及び停止するように構成されている。また、本実施形態の移動式浄水装置1は、停止した状態で、装置外から供給される被処理水Aを逆浸透膜ユニット2aにて膜分離することによって、浄水Zを得るように構成されている。
前記浄水部2は、膜分離ユニットとしての逆浸透膜ユニット2aを少なくとも有し、装置外から供給される被処理水Aを逆浸透膜ユニット2aによって膜分離し、逆浸透膜を透過した浄水Zを得て、得られた浄水Zを装置から取り出すように構成されている。
一方、前記車両部3は、浄水部2を載せる荷台3bと、車両部3の移動を制御する作業者を内部に収容し前記該荷台3bよりも前方に配された運転室3cとを含む車両本体を有する。
また、前記車両部3は、互いに平行となるように配され車両本体の下側に配された2つの車軸3aを有する。そして、車両部3は、運転室3c側への方向(前方)及び荷台3b側への方向(後方)に移動するように構成されている。また、いったん動いた後に停止できるように構成されている。
本明細書において、前とは、移動式浄水装置1が前進する方向、即ち、車両部3の荷台3b側から運転室3c側へ向く方向を意味する。一方、後ろとは、前と反対の方向を意味する。
前記逆浸透膜ユニット2aは、棒状に形成され、一端側から取り入れた被処理水Aを逆浸透膜の膜分離によって濃縮水Nと透過水とに膜分離し、他端側から濃縮水Nと透過水とをユニット外へ出すように構成されている。透過水は、逆浸透膜を透過したものであり、移動式浄水装置1において浄水Zとして得られる。
なお、前記逆浸透膜ユニット2aとしては、従来公知の一般的なものが採用される。
前記逆浸透膜ユニット2aは、該ユニットの長手方向に延在する単数又は複数の逆浸透膜と、単数又は複数の逆浸透膜を収容する筒状の収容体とを含んでいる。
該収容体は、耐圧性の筒状の容器本体と、容器本体の両端部をそれぞれ覆う耐圧性の蓋体とを有する。
前記逆浸透膜ユニット2aにおいては、該ユニットの長手方向に延在するように配された複数の逆浸透膜が、容器本体内部に収容され両端部にて蓋体によって固定されることにより、逆浸透膜の両端部が収容体に固定されている。即ち、ユニットの長手方向に延在するように配された逆浸透膜の両端部は、それぞれ収容体の蓋体によって固定されている。
そして、逆浸透膜ユニット2aは、内部での逆浸透膜の移動を規制し、被処理水Aの膜分離を安定的に行うように構成されている。
なお、逆浸透膜ユニット2a内における逆浸透膜の形状としては、例えば、中空糸状、スパイラル状等が挙げられる。
前記逆浸透膜ユニット2aは、車両部3の車軸3aの長手方向に延在している。即ち、前記逆浸透膜ユニット2aは、図2及び図4に示すように、長手方向が装置の前後方向と直交するように、車両部3の上方で横方向に延在している。
本実施形態の移動式浄水装置1においては、逆浸透膜ユニット2aが車軸3aの長手方向に延在しているため、逆浸透膜ユニット2aの長手方向が装置の移動方向(前後方向)に対して略垂直な方向となる。従って、移動式浄水装置1が急発進や急停止をすると、逆浸透膜ユニット2aには、長手方向に対して略垂直な方向の力が加わる。逆浸透膜ユニット2aは、長手方向に対して略垂直な方向の力が加わっても、ユニットの両端部で固定された逆浸透膜が外れることが起こりにくい。従って、前記移動式浄水装置1によれば、移動に伴う振動によって逆浸透膜ユニット2aが傷むことを抑制できる。
前記逆浸透膜ユニット2aは、図2に示すように、移動式浄水装置1の上方から見たときに、2つの車軸3aの間に配されている。即ち、前方の車軸中心と後方の車軸中心との間に配されている。
斯かる構成により、本実施形態の移動式浄水装置1においては、移動式浄水装置1が移動する際に、逆浸透膜ユニット2aが2つの車軸3aのいずれかの真上に配されているときよりも、逆浸透膜ユニット2aに加わる力が小さくなり得る。
詳しくは、移動式浄水装置1が例えば悪路を移動すると、前側の車軸3aと後側の車軸3aとがそれぞれランダムに上下方向に動くこととなる。このとき、車軸3aの真上に配された逆浸透膜ユニット2aは、車軸3aの上下方向の動きに連動して上下方向に動くこととなる。しかしながら、2つの車軸3a間に配された逆浸透膜ユニット2aは、2つの車軸3aがランダムに上下方向に動いても、必ずしも各車軸3aの上下方向の動きに連動しない。
従って、2つの車軸3a間に配された逆浸透膜ユニット2aは、車軸3aの真上に配された逆浸透膜ユニット2aよりも、上下方向の動きが小さくなり得る。即ち、逆浸透膜ユニット2aが2つの車軸3a間に配されていることにより、移動式浄水装置1が移動する際に逆浸透膜ユニット2aに加わる力がより小さくなり、移動に伴う振動によって逆浸透膜ユニット2aが傷むことをより確実に抑制できる。
前記逆浸透膜ユニット2aは、移動式浄水装置1の上方から見たときに、いずれか一方の車軸3aから、少なくとも車軸間距離(車軸の中心間距離)の1/4以上離れていることが好ましく、1/3以上離れていることがより好ましい。逆浸透膜ユニット2aがいずれか一方の車軸3aから少なくとも車軸間距離の1/4以上離れていることにより、移動に伴う振動によって逆浸透膜ユニット2aが傷むことをより確実に抑制できる。
なお、前記逆浸透膜ユニット2aは、上から見て2つの車軸3aの中間に配されたときに、いずれの車軸3aからも最も離れることとなる。即ち、逆浸透膜ユニット2aは、いずれの車軸3aからも車軸間距離の1/2離れているときが、いずれの車軸3aからも最も離れることとなる。
前記逆浸透膜ユニット2aは、図1に示すように1本が装置に備えられていてもよく、複数本が備えられていてもよい。
複数本の逆浸透膜ユニット2aは、例えば、上下方向に並ぶように配される。
前記逆浸透膜ユニット2aは、長手方向に沿って動かされることによって、浄水部2の所定の位置に配置され、固定されている。即ち、前記浄水部2は、逆浸透膜ユニット2aの長手方向に沿って逆浸透膜ユニット2aを動かすことによって、浄水部2の所定位置に逆浸透膜ユニット2aを設置できるように構成されている。
また、前記逆浸透膜ユニット2aは、長手方向に沿って動かされることによって、浄水部から取り出されるように構成されている。即ち、前記浄水部2は、逆浸透膜ユニット2aを長手方向に沿って動かすことによって、逆浸透膜ユニット2aを取り出せるように構成されている。
しかも、前記逆浸透膜ユニット2aは、装置の側方の地上にいる作業者によって上記のごとく動かされて、浄水部2に設置される高さに配されている。また、上記のごとく動かされて、浄水部2から取り出される高さに配されている。
具体的には、前記逆浸透膜ユニット2aは、例えば、地面から1m〜3mの高さに配されている。
さらに、前記浄水部2は、図1〜図4に示すように、精密濾過膜(MF膜)を含む棒状の精密濾過膜ユニット2bを有する。
また、前記浄水部2は、該浄水部2を構成するものの間をつなぐ水の経路となる配管をさらに有する。
また、前記浄水部2は、浄水部2を作動させるための電気を作る発電機2fと、浄水部2の作動を制御する制御盤2gと、精密濾過膜ユニット2bの精密濾過膜又は逆浸透膜ユニット2aの逆浸透膜を洗浄する薬液を貯める薬液貯留部2hとをさらに有する。
前記精密濾過膜ユニット2bは、図3に示すように、逆浸透膜ユニット2aの上流側に配されている。
前記精密濾過膜ユニット2bは、棒状に形成され、一端側から取り入れた被処理水Aを精密濾過膜の膜分離によって濃縮水Nと透過水とに膜分離し、他端側から濃縮水Nと透過水とをユニット外へ出すように構成されている。
前記精密濾過膜ユニット2bは、長手方向が上下方向となるように配されている。
なお、前記精密濾過膜ユニット2bとしては、従来公知の一般的なものが採用される。
前記浄水部2は、例えば図1及び図3に示すように、並列的に接続された2本の精密濾過膜ユニット2bを有する。
2本の精密濾過膜ユニット2bは、装置外から供給された被処理水Aを精密濾過膜によってそれぞれ膜分離するように構成されている。そして、各精密濾過膜ユニット2bの精密濾過膜を透過した被処理水Aを逆浸透膜ユニット2aへ送るように構成されている。
即ち、前記浄水部2は、装置外から供給された被処理水Aを2本の精密濾過膜ユニット2bによって膜分離し、さらに、精密濾過膜ユニット2bの精密濾過膜を透過した被処理水Aを逆浸透膜ユニット2aの逆浸透膜によって膜分離するように構成されている。そして、前記浄水部2は、逆浸透膜ユニット2aにおける膜分離によって逆浸透膜を透過した浄水Zを得るように構成されている。
なお、前記浄水部2は、精密濾過膜ユニット2bを1本のみ有してもよい。
前記配管としては、被処理水Aを装置外から装置内へ取り入れるためのもの、装置内で得られた浄水Zを装置から取り出すためのもの、精密濾過膜や逆浸透膜を透過しなかった濃縮水Nを装置外へ排出するためのものなどが挙げられる。
詳しくは、前記浄水部2は、例えば図1に示すように、装置外から供給される被処理水Aを取り入れるための開口が一端に形成された取入管2cと、浄水Zを装置から取り出すための開口が一端に形成された浄水管2dと、精密濾過膜を透過せずに濃縮されたMF膜濃縮水及び逆浸透膜を透過せずに濃縮されたRO膜濃縮水を装置外へ排出するための開口が一端に形成された排出管2eとを配管として有する。
前記取入管2c、前記浄水管2d、及び、前記排出管2eは、開口が形成された一端側がそれぞれ前記浄水部2の後ろ側で互いに並ぶように配され、且つ、それぞれの開口が後方へ向くように配されている。
また、前記取入管2c、前記浄水管2d、及び、前記排出管2eのそれぞれの開口は、装置の後ろの地上にいる作業者の手が届く位置に配されている。例えば、浄水部2の後端から0〜30cm前方の位置に配されている。
そして、前記浄水部2は、装置の後方から供給された被処理水Aを取入管2cの開口から装置内に取り入れ、取入管2cを介して被処理水Aを精密濾過膜ユニット2bに送るように構成されている。また、前記浄水部2は、逆浸透膜ユニット2aの膜分離により膜を透過した浄水Zを、浄水管2dの開口を介して、装置から取り出すように構成されている。さらに、前記浄水部2は、精密濾過膜ユニット2bで濃縮されたMF膜濃縮水と逆浸透膜ユニット2aで濃縮されたRO膜濃縮水とを排出管2eの開口を介して装置外へ排出するように構成されている。
前記浄水部2において、取入管2c、浄水管2d、及び、排出管2eの開口側が浄水部2の後ろ側で互いに並ぶように配され、しかも各開口が後方を向いていることにより、装置外から被処理水Aを供給するためのホース等と取入管2cの開口とをつなぐ作業、浄水Zを装置から取り出すためのホース等と浄水管2dの開口とをつなぐ作業、並びに、MF膜濃縮水及びRO膜濃縮水を装置外へ排出するためのホース等と排出管2eの開口とをつなぐ作業を、作業者が、装置の後方に居ながら行うことができる。
前記取入管2cの開口から装置に取り入れられる被処理水Aとしては、特に限定されず、例えば、海水、井水、河川水、湖沼水などが採用される。
前記浄水管2dの開口を介して装置から取り出された浄水Zは、例えば、飲料水、工業用水などの用途で使用される。
前記排出管2eの開口から装置外へ排出されたMF濃縮水やRO濃縮水は、例えば、河川水の取水地点よりも下流側で放流される。
なお、前記取入管2cの他端側は、精密濾過膜ユニット2bの上流側に取り付けられている。
また、前記浄水管2dの他端側は、逆浸透膜ユニット2aの透過側に取り付けられている。
また、前記排出管2eの他端側は、精密濾過膜ユニット2bの濃縮側、及び、逆浸透膜ユニット2aの濃縮側に取り付けられている。
前記発電機2fは、作り出した電気を浄水部2のポンプ等(後述)へ送り、浄水部2を作動させるように構成されている。
前記発電機2fは、図1等に示すように、浄水部2の前側に配されている。詳しくは、前記発電機2fは、荷台3bの前端部の上に配され、運転室3cの後ろに配されている。
前記浄水部2の発電機2fと逆浸透膜ユニット2aとの間には、作業者が通る通路Rが形成されている。該通路Rは、逆浸透膜ユニット2aの長手方向に沿って形成されており、作業者が車両部3の上を超えて、浄水部2を通り抜けるように形成されている。
該通路Rが形成されていることにより、車両部3の上における発電機2fと逆浸透膜ユニット2aとの間で作業者が浄水部2のメンテナンス等に関わる作業を行うことができる。
具体的には、通路Rにおいては、上述したように、作業者が逆浸透膜ユニット2aの長手方向に沿って逆浸透膜ユニット2aを移動させることによって、作業者が逆浸透膜ユニット2aを所定の位置に設置することができる。また、作業者が逆浸透膜ユニット2aを同様な方向に移動させることによって、作業者が逆浸透膜ユニット2aを浄水部2から取り出すことができる。なお、逆浸透膜ユニット2aは、通路Rにいる作業者が該ユニットを上記のごとく移動させることができる高さに設置されている。
また、通路Rにおいては、例えば作業者が、発電機2fのメンテナンスを行うことができる。
また、通路Rには、浄水部2のメンテナンス等において用いる各種の道具類を一時的に置くことができる。
前記制御盤2gは、図1に示すように、浄水部2の後ろ側に配されている。しかも、装置の側方にいる作業者によって操作されるように配されている。即ち、前記制御盤2gは、外面に、作業者によって操作される操作面を有し該操作面が装置の側方を向いている。
具体的には、前記制御盤2gは、例えば図1に示すように、直方体状に形成されている。直方体の形状は、車軸3aの長手方向に延びる辺の長さが他の辺の長さよりも短いものとなっている。
また、前記制御盤2gは、装置の側方(例えば、前方向に向かって左側)の地上にいる作業者が操作できるように、比較的低い位置に設置されている。また、前記制御盤2gは、装置の側方外側を向く面に、開閉可能な扉を有する。
前記制御盤2gが上記のように配されていることにより、上述したような取入管2c、浄水管2d、及び、排出管2eのそれぞれの開口をホース等とつなぐ作業を装置の後ろで行う作業者が、比較的短い距離を移動するだけで制御盤2gを操作することができる。
前記制御盤2g及び前記発電機2fは、比較的大きい重量を有するため、移動式浄水装置1における重量物の集中を避けるために、図1等に示すように、それぞれ浄水部2の後ろ側及び前側に配されている。
前記薬液貯留部2hは、図1に示すように、通常、複数種の薬液をそれぞれ貯める複数のタンクを有する。
前記タンクは、地上にいる作業者が各薬液をタンクに供給できる高さに配されている。
前記タンクとしては、例えば、精密濾過膜ユニット2bの精密濾過膜を逆洗する酸化剤を貯める酸化剤用タンク、逆浸透膜ユニット2aの逆浸透膜におけるスケールを防止するスケール防止剤を貯めるスケール防止剤用タンク、又は、逆浸透膜ユニット2aの逆浸透膜における微生物の付着を防止するためのバイオファウリング防止剤を貯めるバイオファウリング防止剤用タンクなどが挙げられる。
前記酸化剤用タンクは、精密濾過膜を逆洗するために、精密濾過膜ユニット2bの透過水側へ酸化剤を送るように構成されている。
前記酸化剤用タンクによれば、精密濾過膜ユニット2bにおける精密濾過膜の詰まりを低減させることができる。
前記酸化剤としては、例えば、次亜塩素酸Naなどが挙げられる。
前記スケール防止剤用タンクは、逆浸透膜ユニット2aの上流側へスケール防止剤を送るように構成されている。
前記スケール防止剤用によれば、スケール防止剤によって、逆浸透膜ユニット2aにおける逆浸透膜の詰まりを抑制することができる。
前記スケール防止剤としては、例えば、カルボキシ基含有重合体などが挙げられる。
前記バイオファウリング防止剤用タンクは、逆浸透膜ユニット2aの上流側へバイオファウリング防止剤を送るように構成されている。
前記バイオファウリング防止剤用タンクによれば、バイオファウリング防止剤によって、逆浸透膜ユニット2aにおける逆浸透膜の詰まりを抑制することができる。
なお、バイオファウリング防止剤に代えて、酸剤が用いられ得る。酸剤用のタンクは、間欠的に酸剤を被処理水へ注入して膜のファウリングを抑制するように構成されている。いずれの薬剤が採用されるかは、被処理水の性状(水質)に応じて、ファウリング抑制効果を見極めることによって決定される。
また、前記タンクは、それぞれ、上記例示したいずれの薬剤を含む薬液であっても充填できる材質で形成されている。
さらに、前記浄水部2は、図3に示すように、精密濾過膜ユニット2bに送る被処理水Aを加圧するMF膜ユニット加圧ポンプP’と、逆浸透膜ユニット2aに送る被処理水Aを加圧するRO膜ユニット加圧ポンプP”とを有する。また、前記浄水部2は、該浄水部2内における水の流れを制御する複数の弁をさらに有する。
そして、前記浄水部2は、上述した発電機2fによって作った電気を用いて、MF膜ユニット加圧ポンプP’やRO膜ユニット加圧ポンプP”を作動させ、精密濾過膜ユニット2bや逆浸透膜ユニット2aにおいて被処理水Aを膜分離するように構成されている。
また、前記浄水部2は、上述した制御盤2gの操作によって、MF膜ユニット加圧ポンプP’、RO膜ユニット加圧ポンプP”、弁などを作動又は停止させることにより、被処理水Aの浄化処理を制御できるように構成されている。
前記車両部3は、上述したように2つの車軸3aを有する。2つの車軸3aは、例えば図2に示すように、前の車軸3aが運転室3cの下側に配され、後ろの車軸3aが荷台3bの下側に配されている。
前記車両部3においては、2つの車軸3aの間の距離が、車両部3が2トン車であれば、通常、3m〜4mである。
前記車両部3は、さらに、各車軸3aの両端部にそれぞれ取り付けられた車輪3dを有する。
前記車両部3においては、例えば図1等に示すように、前の車軸3aに2つの車輪3dが取り付けられ、後ろの車軸3aに4つの車輪3dが取り付けられている。
なお、前記車両部3においては、車輪3dの数は、特に限定されない。
前記車両部3の荷台3bは、板状に形成されており、一方の面の上に浄水部2を載せるために、該一方の面が上を向くように配されている。
前記荷台3bの上側の面は、例えば、地面から0.5m〜1.5mの高さに配されている。
前記車両部3の運転室3cは、左右両方側に開閉可能なドアを有し、左右両方側から内部へ作業者が乗ることができるように構成されている。開閉可能なドアによって、作業者は、装置外から運転室3cへ入ることができ、また、運転室3c内から外へ出ることができる。
前記運転室3cと前記荷台3bとは、移動中に互いに離れないように、一般的な手段によってつなげられている。
前記車両部3の態様としては、例えば、一般的なトラックなどが挙げられる。
具体的には、前記車両部3としては、例えば、車両総重量5〜7トン、最大積載量3t未満、排気量3000〜5000ccのトラックなどが挙げられる。
本実施形態の移動式浄水装置1は、上から見たときに、通常、浄水部2が車両部3の荷台3bの内側に収まるように構成されている。
本実施形態の移動式浄水装置1は、図5に示すように、浄水部2を覆うように支柱で構成された枠体4を備えていてもよい。
前記枠体4は、浄水部2を囲うように荷台3bの上に配され前後方向に略等間隔を空けて配された複数の第1支柱4aと、上から見たときに第1支柱4aを90°回転させたように配され且つ浄水部2を囲うように荷台3bの上に配された1つの第2支柱4bとを有する。
第1支柱4aは、装置を後方から前方に向かって見たときに、荷台3bの右側の端部から上方へ延び、さらに、荷台3bの左側へ向けて浄水部2を超えるように車軸3aの長手方向と同じ方向に延び、さらに、荷台3bの左側の端部へ向けて下方へ延びるように、それぞれ形成されている。
第2支柱4bは、装置を側方から見たときに、荷台3bの前端部から上方へ延び、さらに、後方へ向けて浄水部2を超えるように延び、さらに荷台3bの後端部へ向けて下方へ延びるように形成されている。第2支柱4bの上部は、装置を後方から前方に向かって見たときに、荷台3bの横方向長さの中間部分の上方を通るように配されている。
また、第2支柱4bは、上部の複数の部分において、各第1支柱4aの上部と接続されている。
該枠体4を備えた移動式浄水装置1においては、枠体4の上に柔軟性を有するシート状物を被せることにより、浄水部2の上方、側方、前方、後方を覆うことができる。そして、装置が移動している間において、浄水部2へ塵埃等が侵入することを防止することができる。
また、該枠体4を備えた移動式浄水装置1においては、いったんシート状物を被せた後に、浄水部2の側方及び後方にあるシート状物を部分的に上方へまくり上げて固定することにより、浄水部2への降雨を防ぎつつ浄水部2の操作を行うことができる。
上記実施形態の移動式浄水装置は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の移動式浄水装置に限定されるものではない。
また、一般の移動式浄水装置において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
1:移動式浄水装置、
2:浄水部、
2a:逆浸透膜ユニット、 2b:精密濾過膜ユニット、 2c:取入管、 2d:浄水管、 2e:排出管、 2f:発電機、 2g:制御盤、 2h:薬液貯留部、
3:車両部、
3a:車軸、 3b:荷台、 3c:運転室、 3d:車輪、
4:枠体、 4a:第1支柱、 4b:第2支柱、
A:被処理水、
N:濃縮水、
P’:MF膜ユニット加圧ポンプ、 P”:RO膜ユニット加圧ポンプ、
R:通路、
Z:浄水。

Claims (5)

  1. 逆浸透膜を含む棒状の逆浸透膜ユニットを有し該逆浸透膜ユニットによって被処理水を膜分離することにより逆浸透膜を透過した浄水を得る浄水部と、車軸を有し前記浄水部を載せた状態で移動する車両部とを備え、
    前記逆浸透膜ユニットが、前記車軸の長手方向に延在している移動式浄水装置。
  2. 前記車両部が2つの車軸を有し、上から見たときに、前記逆浸透膜ユニットが前記2つの車軸の間に配されている請求項1に記載の移動式浄水装置。
  3. 前記浄水部は、さらに、装置外から供給される被処理水を取り入れるための開口が一端に形成された取入管と、前記浄水を装置から取り出すための開口が一端に形成された浄水管と、前記逆浸透膜を透過しなかった濃縮水を装置外へ排出するための開口が一端に形成された排出管とを有し、
    前記取入管、前記浄水管、及び、前記排出管は、開口が形成された一端側がそれぞれ前記浄水部の後ろ側で互いに並ぶように配され、且つ、それぞれの開口が後方へ向くように配されている請求項1又は2に記載の移動式浄水装置。
  4. 前記浄水部は、さらに、該浄水部の作動を制御する制御盤を有し、
    前記制御盤は、前記浄水部の後ろ側に配され、しかも、作業者によって操作される操作面を有し該操作面が装置の側方を向いている請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動式浄水装置。
  5. 前記浄水部は、さらに、該浄水部を作動させるための電気を作る発電機を有し、該発電機と前記逆浸透膜ユニットとの間には、作業者が通る通路が形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動式浄水装置。
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