JP2015024364A - 浄水カートリッジ、浄水器 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成のコンパクト化を図りながらも、原水に含まれる金属イオンを高い除去効率で除去し得る浄水カートリッジ、浄水器を提供する。【解決手段】中空筒状の濾材10と、その筒内周部位を支持する筒状支持体11とを有し、原水を濾材10及び筒状支持体11に通水して濾過する浄水カートリッジ100であって、筒状支持体11に金属イオンを吸着する金属イオン吸着体11bを含有して成る。【選択図】図1

Description

本発明は、中空筒状の濾材と、その筒内周部位を支持する筒状支持体とを有し、原水を前記濾材及び前記筒状支持体に通水して濾過する浄水カートリッジ、及び当該浄水カートリッジを備えた浄水器に関する。
通常、浄水器に備えられる浄水カートリッジは、原水(浄化対象の水)に含まれる残留塩素に代表される不純物を除去すべく、粉末・粒状活性炭、繊維状活性炭、及び中空糸膜等の濾材を充填する濾材充填部を備えており、当該濾材に原水を通水して、原水に含まれる不純物を濾過して浄水として供給可能に構成されている。
ここで、水道配管から供給される原水には、何らかの原因により鉛等の金属イオンが含まれる虞があり、当該金属イオンは、人体に悪影響を与える虞があることから、それらを除去可能な浄水カートリッジが望まれている。
そこで、近年、浄水カートリッジとして、円筒状成形体13と、当該円筒状成形体13の外周部位に設けられる繊維状活性炭から成る繊維状活性炭層14(濾材充填部)とから成る浄水カートリッジにおいて、繊維状活性炭層14に鉛等の金属イオンを吸着する金属イオン吸着材として、ゼオライト系のアルミノケイ酸塩を混合したものが知られている(特許文献1を参照)。
当該特許文献1に開示の技術では、原水を、金属イオン吸着材を混合した繊維状活性炭層14に通流させることにより、繊維状活性炭層14により残留塩素等の不純物を濾過すると共に、金属イオン吸着材により鉛等の金属イオンを吸着し除去している。
一方で、近年、家庭用浄水器として、蛇口直結型や、据え置き型、水栓一体型等の浄水器が知られているが、これらの浄水器は、コンパクト化することが望まれている。
特に、水栓一体型の浄水器は、美観性や操作性を向上させる観点から、その蛇口ヘッドのコンパクト化が望まれており、これに伴って、水栓一体型の浄水器の蛇口ヘッドの内部に配設される浄水カートリッジについてもコンパクト化されることが望まれている。
特許第4837709号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示の浄水カートリッジでは、金属イオン吸着材としてのアルミノケイ酸塩を、繊維状活性炭層14(濾材充填部)に混合する構成が採用されているため、金属イオン吸着材が繊維状活性炭層14に分散して存在することになり、所望の金属イオン除去性能を発揮させるには、多くの金属イオン吸着材を混合する必要があった。このため、浄水カートリッジは、多くの金属イオン吸着材を混合した分だけ、体積が増加するため、コンパクト化を図ることは難しかった。
因みに、特許文献1には、その〔0021〕段落に、金属イオン吸着材としてのアルミノケイ酸塩を、繊維状活性炭層14の総重量に対し、20重量%とすることが望ましい旨の開示がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、浄水カートリッジ及び浄水器を提供する点にある。
上記目的を達成するための浄水カートリッジは、中空筒状の濾材と、その筒内周部位を支持する筒状支持体とを有し、原水を前記濾材及び前記筒状支持体に通水して濾過する浄水カートリッジであって、その特徴構成は、
前記筒状支持体に金属イオンを吸着する金属イオン吸着体を含有して成る点にある。
上記特徴構成によれば、金属イオン吸着体を、比較的大きい体積を占める中空筒状の濾材ではなく、比較的小さい体積を占める筒状支持体に含有させているから、原水の通水流路で、比較的小さい体積を占める領域に、金属イオン吸着体を高密度に偏在させることができる。
これにより、比較的大きい体積を占める領域に拡散させる場合に比べ、通水する原水の金属イオン吸着体への接触効率を高め、金属イオンの除去効率を高めることができる。つまり、同サイズの浄水カートリッジで、金属イオン吸着体の体積割合を同一にする場合、金属イオンの除去効率を高めることができる。
また、このように、金属イオンの除去効率が高められるため、濾材及び筒状支持体を合わせた体積に対する金属イオン吸着体の体積割合を減少させることができ、当該体積の分だけ、コンパクト化を図ることができる。
あるいは、従来の浄水カートリッジと同じ容量であっても活性炭を濾材中の活性炭を増量できるため、その分吸着性能を増やすことができる。
本発明の浄水カートリッジの更なる特徴構成は、
前記筒状支持体は、熱可塑性樹脂と前記金属イオン吸着体との混合物を加熱し、前記熱可塑性樹脂の一部を溶融して多孔性に成形されて成る点にある。
上記特徴構成によれば、筒状支持体は、熱可塑性樹脂と金属イオン吸着体との混合物を加熱し、熱可塑性樹脂の一部を溶融して成形するから、その全てを溶融して成形する場合に比べ、比較的大きい空隙を有する多孔性を備えさせることができ、その表裏、即ち、筒内と筒外との間で、高い通水性を保つことができる。
尚、熱可塑性樹脂を、粉末・粒状にした場合、成形された筒状支持体に、より良好に多孔性を持たせることができる。
本発明の浄水カートリッジの更なる特徴構成は、前記金属イオン吸着体は、前記筒状支持体に対して0.05g/cm3以上1.08g/cm3以下含まれる点にある。
本発明の浄水カートリッジは、濾材よりも非常に小さい体積の筒状支持体に含有させているから、その部分に含有される金属イオン吸着体を、比較的小さい体積部分に少ない量で高密度に偏在させることができ、それにより、金属イオンの除去効率を高められる。
本発明の浄水カートリッジは、前記金属イオン吸着体を、原水中の前記金属イオンを吸着して他の陽イオンを放出するイオン交換体、イオン交換繊維、キレート樹脂、キレート繊維、若しくはゼオライト系材料とすることで、原水から鉛等の金属イオンを良好に除去することができる。
本発明の浄水カートリッジは、前記熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン系共重合体、ポリプロピレン系共重合体、及びポリエステル系共重合体のうち、何れか一つ以上を含むものを用いることが好ましい。このような熱可塑性樹脂を採用することによって、通水性及び保形性を兼ね備えた筒状支持体を提供することができる。
上記目的を達成するための浄水器の特徴構成は、
これまで説明してきた浄水カートリッジを備える点にある。
これまで説明してきた浄水カートリッジを備える浄水器は、コンパクト化を図ることができながらも、高い金属イオン除去性能を発揮できるものとして有効に利用できる。
特に、これまで説明してきた浄水カートリッジは、水栓一体型の浄水器に好適に装着することができ、当該水栓一体型の浄水器は、コンパクト化により美観性及び操作性の向上を図ることができながらも、鉛除去性能の高いものにすることができる。
浄水カートリッジの概略構成図 浄水カートリッジを備えた水栓一体型の浄水器の概略構成図
本発明の浄水カートリッジ100、及びそれを備えた水栓一体型の浄水器200は、構成のコンパクト化を図りながらも、原水(浄化対象の水)に含まれる金属イオンを高い除去効率で除去し得るものに関する。
浄水カートリッジ100は、図1に示すように、中空円筒状に成形された濾材10と、その筒内周部位を支持する筒状支持体11とを備え、その軸心方向(図1で矢印Y方向)で一端側に下流側部材20が接着されると共に、他端側に上流側部材30が接着される。
下流側部材20は、図1に示すように、成形された円筒状の濾材10の外径と同程度の外径を有する円盤状部位21と、当該円盤状部位21から濾材10の側とは反対側(図1で矢印Yの先端側)へ膨出する膨出部22とを有する。
円盤状部位21及び膨出部22には、筒状支持体11の筒内部に形成される中央流路R2に連通する連通路23が形成されている。これにより、詳細は後述するが、図2に示すように、浄水カートリッジ100を水栓一体型の浄水器200に装着したときに、中央流路R2を通流する浄水が、連通路23を介して浄水カートリッジ100の下流側へ流出可能となる。
また、膨出部22の軸径方向外側には、図1に示すように、シール部材24が配設されており、後述する水栓一体型の浄水器200に装着自在となっている。
上流側部材30は、図1に示すように、成形された円筒状の濾材10の外径と同程度の外径を有する円盤状部位31を有し、当該円盤状部位31が、濾材10の一端面に接着剤等により接着される状態で、設けられている。
この構成から、本願に係る浄水カートリッジ100では、図2に細線で示すように、原水は、その軸径方向に濾材10から筒状支持体11を介して通流する。
当該実施形態において、浄水カートリッジ100は、その外径(図1でL3)が26mmで、その内径(図1でL2)が6mmで、その軸心方向での長さ(図1でL1)が120mmである。また、濾材10と筒状支持体11とを合わせた体積のうち、濾材10の占める割合が92体積%であり、筒状支持体11の占める割合が8体積%である。
濾材10としては、原水中の残留塩素等を除去可能な粉末・粒状活性炭を成形したものを適用することができる。濾材10は、その外周が、不織布により外囲されており、運搬時等に、成形された粉末・粒状活性炭から紛体状の活性炭が剥離することを防止している。
濾材10の成形方法としては、粉末・粒状活性炭と熱可塑性樹脂11aからなるバインダーとを混合し、これを加熱することで該熱可塑性樹脂11aを溶融させ、高密度の成形体を得る方法(乾式法)や、粉末・粒状活性炭と有機化合物繊維からなるバインダーとを水中に分散させたスラリー状物を流動吸引することにより抄紙構造で堆積した活性炭成形体を得る方法(湿式法)を用いて成形することができる。
尚、本発明の浄水カートリッジ100は、筒状支持体11が必須である湿式法により、特に、有効に製造できる。
筒状支持体11は、粉末・粒状の熱可塑性樹脂11aと金属イオン吸着体11bとの混合物を加熱し、熱可塑性樹脂11aの一部を溶融して多孔性に成形されている。これにより、筒状支持体11は、その表裏、即ち、その筒内と筒外との間で通水性を有する。
尚、本明細書において、粉末・粒状とは、粉末状(パウダー状)をも含む概念である。
粉末・粒状の熱可塑性樹脂11aとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンのほか、例えば、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体に例示される、エチレン、プロピレン鎖にエチレン以外の共重合成分を共重合させて得られるポリエチレン系共重合体、ポリプロピレン系共重合体を用いることができる。また、その他に、ポリエステル、ポリエステル鎖に他の共重合成分を共重合させてなるポリエステル系共重合体を用いることもできる。
このような熱可塑性樹脂11aの分子量は、小さすぎると、十分な保形性を発揮しにくいため、分子量1000以上好ましくは50000以上、さらに好ましくは、10000以上であり、大きすぎると柔軟性が低下するため、加工性が低下し、良好な通水性を維持することが困難になるため、100000以下とすることが好ましい。また、融点についても、低すぎると、十分な保形性を発揮しにくいものとなり、高すぎると柔軟性が低下するため、加工性が低下し、良好な通水性を維持することが困難になるため、好ましい融点としては、80℃以上170℃未満、さらに好ましくは、100℃以上150℃以下である。
尚、これら熱可塑性樹脂11aは、単独で、若しくは複数を混合して用いることができ、これら熱可塑性樹脂の共重合比率や混合比率については、目標とする分子量や融点に応じて適宜変更調整することができる。このような熱可塑性樹脂11aを採用することによって、通水性および保形性を兼ね備えた筒状支持体を提供することができる。
また、その粒径は、その一部を加熱して溶融して筒状支持体11を成形したときに、筒状支持体11の保形性を維持しながらも、一定以上の通水性を発揮させるべく、3mm以下程度のものを好適に用いることができる。更に、均一な混合状態を維持する観点からは、その粒径は、1mm以下、さらに好ましくは100μm以下である。
粉末・粒状の金属イオン吸着体11bとしては、イオン交換体を用いることができ、原水中の金属イオンを吸着して他の陽イオンを放出するイオン交換樹脂、イオン交換繊維、キレート樹脂、キレート繊維、若しくはゼオライト系の材料を好適に用いることができ、それらの一つ、又は組み合わせたものとすることができる。その中でも、キレート樹脂又はキレート繊維の具体例としては、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体のナトリウム塩を用いることが好ましい。また、ゼオライト系の材料の具体例としては、アルミニウム・シリカ系無機化合物であるアルミノケイ酸のナトリウム塩、チタン・シリカ系無機化合物である珪酸チタニウムナトリウム塩等を用いることが好ましい。
本発明にあっては、当該金属イオン吸着体11bは、比較的体積の大きい濾材10に混合されるのではなく、比較的体積の小さい筒状支持体11に含ませている。このため、原水の通水方向(図1、2で、矢印αに沿う方向)で、金属イオン吸着体11bを高密度に偏在させ、原水との接触効率を高め、原水に含まれる金属イオンの除去効率を高めている。
本発明の浄水カートリッジ100は、中空筒状の濾材10と、その筒内周部位を支持する筒状支持体11とを有し、浄水カートリッジ100中に占める筒状支持体11の体積割合は、浄水カートリッジ100の形状によって変わるが、一般に水栓一体型の浄水カートリッジ100では筒状支持体11の体積割合が大きくなり、据え置き型のカートリッジでは筒状支持体11の体積割合が小さくなり、その範囲は、1.5体積%以上30体積%以下である。
従って、濾材10中に存在する金属イオン吸着体11bと同量の金属イオン吸着体11bを筒状支持体に混在させると、濾材中よりも2.33〜65.7倍もの高密度にすることができる。
従来の浄水カートリッジ100の濾材中には、通常、3〜20重量%程度の金属イオン吸着体が含まれており、その密度は、0.01〜0.08g/cm3程度であるが、本発明の浄水カートリッジ100は、筒状支持体11の体積に対して0.05g/cm3以上1.08g/cm3以下の金属イオン吸着体11bが含まれている。
筒状支持体11の体積に対して0.05g/cm3以上の金属イオン吸着体11bを含有させることにより十分な金属イオン除去性能が確保される。また、筒状支持体11の体積に対して1.08g/cm3以上の金属イオン吸着体11bを含有させると、筒状支持体11を十分な強度を持たせて成形ができなくなる。この上限の含有密度は、金属イオン除去性能の点でみれば、低くすることができる。
金属イオン吸着体11bの含有密度は、好ましくは、筒状支持体11の体積に対して0.06g/cm3以上0.5g/cm3以下の金属イオン吸着体11bが含まれている。より好ましくは、筒状支持体11の体積に対して0.09g/cm3以上0.3g/cm3以下の金属イオン吸着体11bが含まれている。
以下、本発明による金属イオンの除去効率を検証する対照試験について説明する。
本発明の浄水カートリッジ100(筒状支持体11に金属イオン吸着体11bを混合したもの)を用いる場合と、金属イオン吸着体11bを筒状支持体11に混合することなく濾材10に混合したもの用いる場合とで、原水に含まれる鉛の除去性能を比較する対照試験を行った。
当該対照試験においては、水栓一体型の浄水カートリッジ100であるカートリッジの体積60cm3、筒状支持体11の体積5cm3の浄水カートリッジA及び据え置き型浄水カートリッジであるカートリッジの体積580cm3、筒状支持体11(以下、コアと表現する場合がある)の体積32cm3の浄水カートリッジBを用いて行った。鉛の除去性能は、JIS S 3201「家庭用浄水器試験方法」に基づいて溶解性鉛のろ過能力を測定した。
以下、まず、実施例及び比較例につき、その条件及び濾過能力の測定結果を〔表1〕〜〔表3〕に示すと共に、説明を追加する。
Figure 2015024364
Figure 2015024364
Figure 2015024364
[比較例1]
浄水カートリッジAの体積の水栓一体型の従来の浄水カートリッジは、金属イオン吸着体11bとしてスチレン・ジビニルベンゼン共重合体のナトリウム塩を用いて、粉末活性炭の濾材10中に0.02g/cm3の存在密度で0.85gの金属イオン吸着体11bが存在し、金属イオン吸着体11bを含有しないポリエチレン/ポリプロプレンから成形された筒状支持体11からなる。前記浄水カートリッジAを用いて前記JISの6.5.6溶解性鉛ろ過能力試験に基づいて調整した鉛濃度50.7mg/lの原水を用いて濾材10の通水平均線速度0.5cm/sの条件で通水テストを行った。その結果、溶解性鉛のろ過能力は1390リッターであった。
[実施例1]
濾材10が活性炭のみで、筒状支持体11が金属イオン吸着体11bとしてのキレート樹脂のスチレン・ジビニルベンゼン共重合体のナトリウム塩とポリエチレン/ポリプロプレンから成形された比較例1と同様の形状である浄水カートリッジAで、筒状支持体11中の金属イオン吸着体11bが比較例1と同じ量の0.85gで存在密度0.17g/cm3で成形された筒状支持体11の浄水カートリッジを用いて、比較例1と同じ原水を同じ通水速度でもって通水し通水テストを行った。その結果、溶解性鉛のろ過能力は3480リッターであった。
[実施例2]
筒状支持体11中の金属イオン吸着体11bの量を0.45gとし存在密度を0.09g/cm3とした以外は、実施例1と同じ浄水カートリッジを用いて、比較例1と同じ原水を同じ通水速度でもって通水し通水テストを行った。その結果、溶解性鉛のろ過能力は1370リッターであった。
[比較例2]
金属イオン吸着体11bをアルミノケイ酸のナトリウム塩とし、濾材10中に1.4gの金属イオン吸着体11bを存在密度0.03g/cm3以外は比較例1と同じ浄水カートリッジAを用いて、比較例1と同じ原水を同じ通水速度でもって通水し通水テストを行った。その結果、溶解性鉛のろ過能力は1500リッターであった。
[実施例3]
金属イオン吸着体11bをアルミノケイ酸のナトリウム塩とし筒状支持体11中に1.4gの金属イオン吸着体11bを存在密度0.28g/cm3以外は実施例1と同じ浄水カートリッジAを用いて、比較例1と同じ原水を同じ通水速度でもって通水し通水テストを行った。その結果、溶解性鉛のろ過能力は3860リッターであった。
[実施例4]
筒状支持体11中の金属イオン吸着体11bの量を0.85gとし存在密度を0.17g/cm3とした以外は、実施例1と同じ浄水カートリッジを用いて、比較例1と同じ原水を同じ通水速度でもって通水し通水テストを行った。その結果、溶解性鉛のろ過能力は1700リッターであった。
[比較例3]
浄水カートリッジBの体積の据え置き型の従来の浄水カートリッジは、金属イオン吸着体11bとしてケイ酸チタニウムのナトリウム塩を用いて、粉末活性炭の濾材中に0.02g/cm3の存在密度で8.3gの金属イオン吸着体11bが存在し、金属イオン吸着体11bを含有しないポリエチレン/ポリプロプレンから成形された筒状支持体11からなる。前記浄水カートリッジBを用いて比較例1と同様の原水を用いて濾材10の通水平均線速度0.3cm/sの条件で通水テストを行った。その結果、溶解性鉛のろ過能力は4220リッターであった。
[実施例5]
濾材10が活性炭のみで、筒状支持体11が金属イオン吸着体11bとしてのケイ酸チタニウムのナトリウム塩とポリエチレン/ポリプロプレンから成形された比較例3と同様の形状である浄水カートリッジBで、筒状支持体11中の金属イオン吸着体11bが比較例3と同じ量の8.3gで存在密度0.26g/cm3で成形された筒状支持体11の浄水カートリッジを用いて、比較例3と同じ原水を同じ通水速度でもって通水し通水テストを行った。その結果、溶解性鉛のろ過能力は9800リッターであった。
[実施例6]
筒状支持体11中の金属イオン吸着体11bの量を3.7gとし存在密度を0.12g/cm3とした以外は、実施例5と同じ浄水カートリッジを用いて、比較例3と同じ原水を同じ通水速度でもって通水し通水テストを行った。その結果、溶解性鉛のろ過能力は4080リッターであった。
以上の実施例及び比較例の結果から、従来の濾材10中に混在させていた金属イオン吸着体11bを筒状支持体11中に含有することにより同じ量の金属イオン吸着体11bで溶解性鉛のろ過能力が約2倍以上になることが分かる。
また、同程度の溶解性鉛のろ過能力を発揮するのには、約40〜60%の金属イオン吸着体11bを筒状支持体11中に混在させればよく、金属イオン吸着体11bの量が約半分で済むことも分かる。
尚、本発明における浄水カートリッジ100では、濾材10のすべてを粉末・粒状活性炭とすることができるから、濾材10に金属イオン吸着体11bを混合する場合に比べ、粉末・粒状活性炭の体積を増加することができ、残留塩素等の除去性能を向上させることができる。
次に、これまで説明してきた浄水カートリッジ100を装着した水栓一体型の浄水器200の構成を説明する。
水栓一体型の浄水器200は、図2に示すように、原水流入口62と、浄水カートリッジ100を収納する収納空間V1と、当該浄水カートリッジ100にて浄水された浄水を浄水吐出口61へ導く吐出空間V2とを有する。収納空間V1には、浄水カートリッジ100の下流側部材20の膨出部22を支持する支持部位63が形成されており、当該支持部位63はシール部材24を介して膨出部22を気密に支持する。
これにより、原水流入口62から流入した原水は、収納空間V1で浄水カートリッジ100の軸径方向で外側に形成される外部流路R1から、浄水カートリッジ100の濾材10を軸径方向(図2で矢印α方向)で通流し、濾材10の軸心に沿って形成される中央流路R2、下流側部材20の連通路23、吐出空間V2を記載順に通流して、浄水吐出口61から吐出される。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態において、濾材10としては、粉末・粒状活性炭を示したが、別に、繊維状活性炭等の濾材を用いることができる。
また、浄水性能を向上させる意味で、当該濾材10とは別に、中空糸膜等の濾材を、筒状支持体11の筒内側に配設するように構成しても構わない。
また、上記実施形態では、筒状支持体11のみに金属イオン吸着体11bを含む構成を例示したが、金属イオン吸着体11bの一部が濾材10に混合される構成を採用しても構わない。当該構成にあっても、濾材10への金属イオン吸着体11bの混合割合を低減できる。
(2)上記実施形態では、浄水カートリッジ100に対する原水の通水方向は、その筒径方向(図2で矢印Xに沿う方向)で、筒外部の外部流路R1から筒内部の中央流路R2への方向としたが、別に、筒内部の中央流路R2から筒外部の外部流路R1への方向としても構わない。
また、原水は、その全部が、濾材10の軸径方向に沿う方向に通水するように構成する必要はない。例えば、原水の一部が、濾材10の軸心方向(図2で矢印Yに沿う方向)に通水した後に、濾材10の軸径方向に通水するように構成されていても構わない。
要するに、濾材10及び筒状支持体11の両方を通流すればよい。
(3)上記実施形態では、水栓一体型の浄水器200を例示したが、本発明の浄水カートリッジ100は、蛇口直結型、据え置き型、及び濾材充填型の浄水器にも、好適に装着可能である。
尚、ここで、濾材充填型とは、成形されていない粒状の活性炭を籠状の容器に詰めたものをいうものとする。
本発明の浄水カートリッジ、浄水器、及び浄水カートリッジの製造方法は、コンパクト化を図りながらも、原水に含まれる金属イオンを高い除去効率で除去し得る浄水カートリッジ、浄水器として、有効に利用可能である。
10 :濾材
11 :筒状支持体
11a :熱可塑性樹脂
11b :金属イオン吸着体
100 :浄水カートリッジ
200 :浄水器

Claims (6)

  1. 中空筒状の濾材と、その筒内周部位を支持する筒状支持体とを有し、原水を前記濾材及び前記筒状支持体に通水して濾過する浄水カートリッジであって、
    前記筒状支持体に金属イオンを吸着する金属イオン吸着体を含有して成る浄水カートリッジ。
  2. 前記筒状支持体は、熱可塑性樹脂と前記金属イオン吸着体との混合物を加熱し、前記熱可塑性樹脂の一部を溶融して多孔性に成形されて成る請求項1に記載の浄水カートリッジ。
  3. 前記金属イオン吸着体は、前記筒状支持体に対して0.05g/cm3以上1.08g/cm3以下含まれる請求項1又は2に記載の浄水カートリッジ。
  4. 前記金属イオン吸着体は、原水中の前記金属イオンを吸着して他の陽イオンを放出するイオン交換体、イオン交換繊維、キレート樹脂、キレート繊維、若しくはゼオライト系材料である請求項1〜3の何れか一項に記載の浄水カートリッジ。
  5. 前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン系共重合体、ポリプロピレン系共重合体、及びポリエステル系共重合体のうち、何れか一つ以上を含む請求項2に記載の浄水カートリッジ。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の浄水カートリッジを備える浄水器。
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