JP2015024021A - ステントデリバリーデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】外管が前後に分離してステントを展開するステントデリバリーデバイスにおいて、ステントを病変部に対し精度よく留置する。【解決手段】ステントデリバリーデバイス10は、血管内に挿入される長尺な外管18と、外管18の内部に収容され、ステント12が外周面に載置される中管20とを有する。外管18は、ステント12の載置位置で第1分離チューブ32と第2分離チューブ34に分離可能である。そして、第1分離チューブ32が中管20に対し相対的に進出し、且つ第2分離チューブ34が中管20に対し相対的に後退することで、ステント12を外管18の外部に露出する。【選択図】図1

Description

本発明は、生体管腔内の所望位置にステントを送達、留置するステントデリバリーデバイスに関する。
近年、血管等の生体管腔内に生じた病変部(例えば、狭窄部)の治療として、ステントデリバリーデバイスを用いたステント留置術が多く実施されている。ステント留置術では、ステントデリバリーデバイスを血管内に挿入して、その先端部分を病変部に送達しステントを展開することにより病変部を押し広げる治療を行う。ステント留置術に用いられるステントデリバリーデバイスは、様々な構成が考案されており、例えば、特許文献1及び2に開示されたものが挙げられる。
特許文献1に開示されているデバイスは、長尺な外管と、外管内に収容されステントが載置される内管とを有し、ステントの収容部分に重なる外管が先端外管と基端外管に分離する構成となっている。すなわち、このデバイスは、内管が接続された先端外管を先端方向に進出させ、また基端外管を基端方向に後退させることで、先端外管と基端外管の分離箇所からステントを展開する。このように外管を前後に分離する構成では、軸方向に比較的長く形成されたステントでもスムーズに展開することができる。
一方、特許文献2に開示されているデバイスは、外側部材(外管)と、ワイヤガイド部材(内管)と、外管と内管の相対移動を操作する相互接続機構(操作部)とを有する。この操作部は、外管の基端方向への後退時に内管を先端方向に進出させる機能を有し、これにより外管の先端からのステントの展開が促される。
米国特許第7074236号明細書 特開平09−149942号公報
ところで、特許文献1及び2に開示のデバイスでは、ステントを展開する際に、ステントが接触している先端外管や内管が先端方向に移動する構成となっている。このため、ステントの展開前に、ステント収容部分を病変部に位置合わせしても、ステントが先端外管や内管に連れられて載置位置から移動してしまうおそれがある。その結果、ステントが病変部に対し位置ずれする、つまりステントの留置精度が低下する不都合が生じる。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、外管を前後に分離してステントを展開する構成において、病変部に対しステントを精度よく留置することができるステントデリバリーデバイスを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係るステントデリバリーデバイスは、生体管腔内に挿入される長尺な外管と、前記外管の内部に収容され、ステントが外周面に載置される被載置部材とを有し、前記外管は、前記ステントの載置位置で先端外管と基端外管に分離可能であり、前記先端外管が前記被載置部材に対し相対的に進出し、且つ前記基端外管が前記被載置部材に対し相対的に後退することで、前記ステントを前記外管の外部に露出することを特徴とする。
上記によれば、ステントデリバリーデバイスは、被載置部材に対し相対的に、先端外管及び基端外管がそれぞれ進退することで、ステントを精度よく展開することができる。すなわち、被載置部材は、外管(先端外管と基端外管)の進退に伴って移動しないため、この被載置部材に載置されたステントも外管の進退に追従することが抑止される。従って、ステントデリバリーデバイスは、ステントの展開時に、生体管腔内の病変部に対する位置ずれの発生を大幅に低減して、ステントを精度よく展開及び留置することができる。これにより、手技を一層迅速に行うことが可能となり、また病変部をより良好に治療することができる。
この場合、前記被載置部材は、内部に内側部材を進退自在に収容する中管であり、前記内側部材は、前記先端外管に接続され、前記中管に対する相対移動に伴い前記先端外管を進出させる構成とすることが好ましい。
このように、ステントデリバリーデバイスは、内側部材が先端外管に接続され、中管に対する相対移動に伴い先端外管を進出させることで、中管に対し相対的に先端外管をスムーズに進出させることができる。さらに内側部材が中管内に収容されているため、ステントは、内側部材の移動の影響により位置ずれを起こすことがなくなる。
また、前記内側部材は、ガイドワイヤを挿通可能な内腔を有するガイドワイヤ用管体を含み、前記基端外管の所定の途中位置には、前記ガイドワイヤ用管体の基端から送出される前記ガイドワイヤを外部に露出する孔部が設けられるとよい。
このように、ステントデリバリーデバイスは、ガイドワイヤ用管体を有すると共に、基端外管の途中位置にガイドワイヤを露出する孔部が設けられることで、所謂ラピッドエクスチェンジタイプのカテーテルに構成される。よって、上記のようにステントの留置精度を高めつつ、ガイドワイヤに沿ってステントデリバリーデバイスの先端部(ステント)を速やかに送達することができる。
さらに、前記中管は、前記ステントが載置される第1中管と、前記第1中管の基端側に連結される第1ワイヤと、前記第1ワイヤの基端側を連結支持する第2中管とを含み、前記内側部材は、前記第1中管の内部に収容される前記ガイドワイヤ用管体と、前記ガイドワイヤ用管体の基端側に連結される第2ワイヤと、前記第2ワイヤの基端側を連結支持する内側支持部材とを含む構成とすることができる。
これにより、ステントデリバリーデバイスは、第2中管が第1ワイヤを介して第1中管を良好に支持することができ、外管が相対移動した際のステントの位置ずれを確実に抑止することができる。また、内側支持部材が第2ワイヤを介してガイドワイヤ用管体を支持しているので、内側支持部材の進出により先端外管を容易に進出させることができる。
またさらに、前記外管が前記ステントを収容した状態で、前記ステントの軸方向長さをa1、前記第2ワイヤの前記孔部に重なる箇所から前記内側支持部材の連結箇所までの間隔をa2とした場合に、a2≧a1の関係に設定されることが好ましい。
このように、ステントデリバリーデバイスは、a2≧a1が成り立つように設定されることで、ステントの展開時に外管と内側支持部材を相対的に近接するように動作しても、ガイドワイヤと内側支持部材の接触を回避することができる。
さらにまた、前記外管が前記ステントを収容した状態で、前記ステントの軸方向長さの半分の長さをb1、前記第1中管の基端から前記ガイドワイヤ用管体が延出して前記第2ワイヤに連結するまでの間隔をb2とした場合に、b2≧b1の関係に設定されることが好ましい。
このように、ステントデリバリーデバイスは、b2≧b1が成り立つように設定されることで、第1中管に対しガイドワイヤ用管体を進出させても、ガイドワイヤ用管体と第2ワイヤの連結箇所が第1中管に干渉することを回避することができる。
ここで、前記外管及び前記被載置部材の基端側には、前記先端外管の進出と前記基端外管の後退とを同時且つ同速度で動作させる操作部を備えることが好ましい。
このように、操作部が先端外管の進出と基端外管の後退とを同時且つ同速度で動作させることで、先端外管と基端外管の分離箇所からステントを均等的に展開していくことができる。従って、ステントにかかる応力を均等的に分散することができ、ステントの位置ずれを一層確実に抑止することができる。
また、前記操作部は、前記先端外管と前記基端外管の進退移動と独立的に前記被載置部材を進退させることが可能な調整機構を備えていてもよい。
このように、ステントデリバリーデバイスは、被載置部材を進退させる調整機構を操作部に備えることで、例えばステントの展開時に位置ずれが生じた場合に、調整機構により被載置部材を移動させてステントの位置を微調整することができる。よって、ステントを一層高い精度で展開することができる。
さらに、前記先端外管の基端部付近及び前記基端外管の先端部付近には、放射線造影マーカが設けられてもよい。
これにより、術者は、放射線造影下に、先端外管と基端外管の位置を把握することで、ステントの展開具合や病変部に対するステントの配置位置を容易に確認することができる。
本発明によれば、ステントデリバリーデバイスは、外管が前後に分離する構成においてステントを精度よく展開及び留置することができ、手技を一層迅速に行い、病変部をより良好に治療することができる。
本発明の一実施形態に係るステントデリバリーデバイスを概略的に示す側面図である。 図1のステントデリバリーデバイスの先端側を示す側面断面図である。 図3Aは、図1のステントデリバリーデバイスの先端側の動作を示す第1説明図であり、図3Bは、図3Aに続く第2説明図であり、図3Cは、図3Bに続く第3説明図である。 図1のステントデリバリーデバイスのグリップ内の構成を概略的に示す側面断面図である。 図5Aは、図1のステントデリバリーデバイスによるステントの展開動作を説明する第1説明図であり、図5Bは、図5Aに続く第2説明図であり、図5Cは、図5Bに続く第3説明図であり、図5Dは、図5Cに続く第4説明図である。 図6Aは、従来のステントデリバリーデバイスを概略的に示す側面図であり、図6Bは、図6Aのステントデリバリーデバイスによるステントの展開動作の一例を示す側面図である。 変形例に係るステントデリバリーデバイスを概略的に示す側面図である。 図7のステントデリバリーデバイスのグリップ内の構成を概略的に示す側面断面図である。 図9Aは、図7のステントデリバリーデバイスの動作を説明する第1説明図であり、図9Bは、図9Aに続く第2説明図である。
以下、本発明に係るステントデリバリーデバイスについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係るステントデリバリーデバイスは、生体管腔内に生じた病変部をステント留置術(生体管腔内インターベンション手技)により治療するために用いられるデバイスである。術者は、ステントデリバリーデバイスを患者の体表の導入部から導入し、生体管腔内を通してステントを病変部に送達し、ステントを展開及び留置することで病変部の治療を行う。病変部としては、例えば、血栓等により血管を狭窄した狭窄部(又は血管を閉塞した閉塞部)が挙げられる。
以下、血管の狭窄部の治療を行うステントデリバリーデバイスについて代表的に説明していく。勿論、治療対象である生体管腔や病変部は特に限定されるものではなく、血管の他に、例えば、胆管、気管、食道、尿道等の内部に生じる病変部が挙げられる。
ステントデリバリーデバイス10(以下、単にデバイス10ともいう)は、図1に示すように、ステント12を収容して血管内に挿入されるカテーテル部14と、手元側でカテーテル部14を操作するグリップ16(操作部)とを備える。なお、以下の説明では、デバイス10におけるステント12の収容側(図1中の左上側)を「先端」側、グリップ16側(図1中の右下側)を「基端」側と呼ぶ。
カテーテル部14は、上述したように、患者の体表に設定した導入部(手首や大腿部)から血管内に挿入される。ステント12は、カテーテル部14の先端側に収容されており、このステント収容部が血管内の狭窄部まで送達される。このため、カテーテル部14は、導入部から血管の狭窄部まで送達可能な全長及び太さ(外径)に形成されている。
カテーテル部14は、その全長の一部分を除き、外管18の内部に中管20が収容され、中管20の内部に内管22(内側部材)が収容された3重(多重)管構造に構成されている。外管18、中管20及び内管22は、互いの軸心部が略同軸上に位置するように配置される。
外管18は、可撓性を有する長尺な管状体であり、カテーテル部14の外形を構成している。外管18の内部には、軸方向に貫通形成され、中管20及び内管22を収容する収容ルーメン24が設けられる。また、外管18は、ステント12を収容する外側先端チューブ26と、外側先端チューブ26の基端側に連結される外側中間チューブ28と、外側中間チューブ28の基端側に連結される外側基端チューブ30とを有する。
外側先端チューブ26は、ステント12を直接収容する部位であり、その内部に設けられた収容ルーメン24の先端寄りにおいて、ステント12を所定の収縮径で収容する。この外側先端チューブ26の先端面には、収容ルーメン24に連通する先端開口24aが形成されている。
また、外側先端チューブ26は、先端から所定間隔離れた境界位置Xで前後(先端側と基端側)に分かれることで、ステント12をデバイス10の外側に露出する構成となっている。具体的には、外側先端チューブ26は、境界位置Xの先端側の第1分離チューブ32(先端外管)と、境界位置Xの基端側の第2分離チューブ34(基端外管)とにより構成される。そして、外側先端チューブ26は、第1分離チューブ32の先端方向の進出と、第2分離チューブ34の基端方向の後退とにより分離する。第1分離チューブ32と第2分離チューブ34は同じ太さ(外径)に設定され、ステント12の展開前は一連の外形を呈している。境界位置Xは、第1分離チューブ32の基端面と第2分離チューブ34の先端面の接触により形成される。
第1分離チューブ32は、ステント12の展開前において、ステント12の先端側半分を収容している。そのため、第1分離チューブ32の軸方向長さは、ステント12の軸方向長さの半分よりも多少長く設定されている。また、第1分離チューブ32の基端部付近には、X線不透過性の第1マーカ36(放射線造影マーカ)が設けられている。
第2分離チューブ34は、外側中間チューブ28に連結保持されており、ステント12の展開前において、先端部分にてステント12の基端側半分を収容している。この第2分離チューブ34の軸方向長さは、第1分離チューブ32よりも十分に長く形成される。また、第2分離チューブ34の先端部付近には、X線不透過性の第2マーカ38(放射線造影マーカ)が設けられている。境界位置Xから第1マーカ36までの間隔と、境界位置Xから第2マーカ38までの間隔とは略等しく設定されている。
外側中間チューブ28は、第2分離チューブ34よりも若干太く(外径が大きく)形成され、第2分離チューブ34の基端外周面に固着されている。また、外側中間チューブ28の先端寄りの一側部には、径方向外側に膨出する膨出部40が形成されている。この膨出部40の側部には、血管内に先行導入されるガイドワイヤ66を外側に露出するガイドワイヤ導出孔40a(孔部)が形成されている。すなわち、このデバイス10は、カテーテル部14の先端から挿入されたガイドワイヤ66がカテーテル部14(外管18)の途中位置の側面から導出される構成、所謂ラピッドエクスチェンジタイプのカテーテルである。
外側中間チューブ28の収容ルーメン24には、ステント12の収容状態で、後述する第1ワイヤ46及び第2ワイヤ62が配置される。つまり、この部分は、上述した3重管構造の非存在部分となっている。このため、外側中間チューブ28は、外側先端チューブ26や外側基端チューブ30よりも高い剛性(カテーテル部14全体として同程度の剛性)を有することが好ましい。
外側基端チューブ30は、カテーテル部14の胴体部分(主要な長さ部分)を構成している。外側基端チューブ30は、外側先端チューブ26と同程度の太さ(外径)に形成され、その先端側が外側中間チューブ28の基端内周面に連結されている。外側基端チューブ30の基端側は、後述の第1ラック82に連結される。
外管18は、血管に対する押し込み性や追随性、耐キンク性等の物性が適宜考慮されて形成されるとよい。外管18の構成材料は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、PTFE、ETFE等のフッ素系ポリマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性エラストマー、ステンレス鋼、超弾性金属等が挙げられる。上述したように、外側中間チューブ28は、外側先端チューブ26等よりも高い剛性の材料を選択することが好ましいが、ブレードやコイル等を設けることにより所望の剛性を得るようにしてもよい。勿論、ブレードやコイルを外側先端チューブ26や外側基端チューブ30に設けてもよい。
一方、外管18の内部に収容される中管20は、収容ルーメン24に収容されるステント12を外周面に載置(マウント)する被載置部材となっている。この中管20は、第1分離チューブ32及び第2分離チューブ34の移動に追従せずに軸方向位置を維持するように構成されている。中管20の内部には、内管22を進退自在に収容可能な貫通ルーメン42が形成されている。この中管20は、図1及び図2に示すように、中側先端チューブ44(第1中管)と、中側基端チューブ48(第2中管)とを含む。これら中側先端チューブ44と中側基端チューブ48は、第1ワイヤ46により連結されている。
中側先端チューブ44は、その軸方向長さが外側先端チューブ26の軸方向長さよりも多少短く設定され、第1分離チューブ32の先端近傍から第2分離チューブ34の基端近傍まで配置される。中側先端チューブ44の先端寄りの外周面には、径方向外側に僅かに突出する先端凸部50及び基端凸部52が設けられると共に、基端凸部52の基端側で該基端凸部52よりも径方向外側に突出するガイド部54が設けられる。
先端凸部50と基端凸部52は、ステント12の軸方向長さよりも多少短い程度離間して設けられる。この先端凸部50と基端凸部52は、収容ルーメン24に収容されたステント12が軸方向に移動しないように保持する機能を有する。
ここで、デバイス10により送達及び留置されるステント12の構成について詳述する。ステント12は、自己拡張機能を有し、外管18と中管20の間に形成された空間(収容ルーメン24)に、拡張が規制されて折り畳まれた状態(収縮状態、拡張可能な状態)で収容される。そして、第1分離チューブ32が中管20に対し先端方向に進出し、第2分離チューブ34が中管20に対し基端方向に後退することで、ステント12は、外管18による拡張規制から解放されて自動的に拡張する。
ステント12は、例えば、Ti−Ni合金等の超弾性合金等からなる線材をリング状やZ状の骨格に形成しこれを軸線方向に複数配列した構成や、超弾性合金等からなる線材をメッシュ状に編んだ構成等を採用することができる。ステント12の軸方向長さは、特に限定されないが、例えば、10〜300mm程度、好ましくは40〜250mm程度である。
また、ステント12の先端及び基端には、胴体部分に比べて若干小径な先端側縮径部56、基端側縮径部58が形成されている。これら先端側縮径部56と基端側縮径部58には、X線不透過性の先端マーカ56a及び基端マーカ58aが設けられており、手技時にはX線造影下でステント12の先端及び基端を認識することができる。
展開前のステント12は、外管18により収縮状態とされて、先端側縮径部56が中側先端チューブ44上で先端凸部50の先端側に配置され、基端側縮径部58が中側先端チューブ44上で基端凸部52の基端側に配置される。これにより、ステント12は、外側先端チューブ26(外管18)の境界位置Xに対し軸方向中間部が重なった状態で中管20に載置される。載置状態では、先端凸部50がステント12の基端方向の移動を規制し、基端凸部52がステント12の先端方向の移動を規制することになり、ステント12の軸方向の位置ずれを防止する。
また、ガイド部54は、ステント12の基端側縮径部58の基端方向の移動を規制すると共に、第2分離チューブ34が後退する際に、第2分離チューブ34の摺動を案内する。
中側先端チューブ44は、このガイド部54よりもさらに基端方向に所定長さ延び、その基端部に第1ワイヤ46が連結固定されている。第1ワイヤ46は、第2分離チューブ34の基端側、外側中間チューブ28、外側基端チューブ30の先端側に渡って形成された線材であり、中側先端チューブ44を保持し得る充分な剛性を有する。第1ワイヤ46(及び後述する第2ワイヤ62)の構成材料としては、例えば、Ni−Ti系合金のような擬弾性合金(超弾性合金を含む)、形状記憶合金、ステンレス鋼、コバルト系合金、タングステン系合金、炭素系材料等が挙げられる。
第1ワイヤ46の先端部は、中側先端チューブ44の基端よりも先端方向に突出している。第1ワイヤ46の先端部には、樹脂材料等により構成されるバンド46aが巻き付けられ、これにより第1ワイヤ46が中側先端チューブ44の外周面に強固に連結される。第1ワイヤ46が中側先端チューブ44の外側に連結されることで、連結部分が内管22に干渉することが抑止され、内管22の相対移動を容易に実施させることができる。
第1ワイヤ46の基端部は、中側基端チューブ48の先端よりも基端方向に突出している。この第1ワイヤ46の基端部は、中側基端チューブ48の外周面の連結箇所48aに接着剤或いは溶接等により強固に連結される。
中側基端チューブ48は、外側基端チューブ30と同様に、中管20における胴体部分(主要な長さ部分)を構成している。この中側基端チューブ48の基端側は、グリップ16の内部に挿入されて固定されている。中側先端チューブ44及び中側基端チューブ48を構成する材料は特に限定されず、外管18の構成材料として挙げたものを好適に用いることができる。
カテーテル部14の内管22は、第1分離チューブ32に接続され、中管20に対し相対的に移動することにより第1分離チューブ32を進出させる機能を有する。この内管22は、外側先端チューブ26に対応する位置に配置された内側先端チューブ60(ガイドワイヤ用管体)と、外側基端チューブ30に対応する位置に配置された内側基端チューブ64(内側支持部材)とを含む。内側先端チューブ60と内側基端チューブ64は、第2ワイヤ62を介して連結されている。なお、内管22は、デバイス10がオーバーザワイヤータイプのカテーテルである場合、外管18内を連続して連なる1本のチューブとして構成されてもよい。
内側先端チューブ60は、ラピッドエクスチェンジタイプのカテーテルにおけるガイドワイヤ66の被案内部を構成し、カテーテル部14をガイドワイヤ66に沿って送達させる機能を有する。そのため、内側先端チューブ60の内部には、ガイドワイヤルーメン68(内腔)が軸方向に沿って形成されている。
内側先端チューブ60の先端部には、カテーテル部14の先端を構成するノーズコーン70が連結されている。ノーズコーン70は、基部72が外管18の先端開口24aを閉塞する外径に形成され、基部72から先端方向に向かって先細りとなり、また基部72から内側先端チューブ60に連なるテーパ部74を有する形状となっている。ノーズコーン70の先端部には、ガイドワイヤルーメン68に連通する先端開口68aが形成されており、ガイドワイヤ66が導入される。このノーズコーン70は、接着剤等により第1分離チューブ32に液密に連結し、内管22の進出に伴い第1分離チューブ32を容易に進出させる。
なお、ノーズコーン70と第1分離チューブ32は、連結を解除可能な構成であってもよい。例えば、ノーズコーン70の基端部に連なるテーパ部74の先端外周面74aに雄ネジ部を備え、第1分離チューブ32の先端内周面32aに雌ネジ部を備えることにより、ノーズコーン70と第1分離チューブ32の係合及び係合解除を実施可能とする。このように構成することで、デバイス10の使用前には、係合を解除することで収容ルーメン24の先端開口24aを開放してプライミングを容易に実施することができる。
内側先端チューブ60の軸方向長さは、中側先端チューブ44よりも長く設定されている。このため、内側先端チューブ60の基端部は、ステント12の展開前において、中側先端チューブ44の基端開口42aから突出し、外側先端チューブ26の基端部に略重なる位置まで延びている。内側先端チューブ60の基端開口68bからはガイドワイヤ66が導出され、このガイドワイヤ66は、近傍位置に存在するガイドワイヤ導出孔40aからデバイス10の外部に露出される。
内側先端チューブ60の基端部には、第2ワイヤ62が連結固定されている。第2ワイヤ62は、第1ワイヤ46よりも多少短いが、第1ワイヤ46と同様に第2分離チューブ34の基端側、外側中間チューブ28、外側基端チューブ30の先端側に渡って設けられる。この第2ワイヤ62は、内側先端チューブ60を押し出すプッシャワイヤとして充分な剛性を有している。
第2ワイヤ62の先端部分は、内側先端チューブ60の基端よりも先端方向に突出している。第2ワイヤ62の先端部には、樹脂材料等により構成されるバンド62aが巻き付けられ、これにより第2ワイヤ62は内側先端チューブ60の外周面に強固に連結される。第2ワイヤ62の基端部分は、内側基端チューブ64の先端よりも基端方向に突出し、内側基端チューブ64の外周面の連結箇所64aに接着剤或いは溶接等により強固に連結される。
内側基端チューブ64は、その軸方向長さが中側基端チューブ48の軸方向長さよりも長く設定され、貫通ルーメン42に収容された状態で中側基端チューブ48の先端及び基端から突出する。中側基端チューブ48の基端側は、後述の第2ラック86に連結される。
次に、以上のように構成されるカテーテル部14について、図3A〜図3Cを参照して、ステント12展開時の動作を概略的に説明する。なお、図3A〜図3C中では、理解の容易化のため、第2分離チューブ34と一体的に移動する部材を実線で示し、第1分離チューブ32と一体的に移動する部材を二点鎖線で示し、どちらの分離チューブ32、24とも一体的に移動しない部材を一点鎖線で示す。
デバイス10は、ステント12の送達時において、図3Aに示すように、外管18の外側先端チューブ26が一体的に連なっている(第1分離チューブ32と第2分離チューブ34が接触している)。ステント12は、外側先端チューブ26により径方向内側に押されて収縮状態となり、且つ中側先端チューブ44(中管20)の外周面に対し軸方向の移動が規制された状態で載置されている。ステント12の収容状態では、第1分離チューブ32と第2分離チューブ34の境界位置Xがステント12の軸方向中間部に一致している。
術者は、狭窄部に重なる位置にカテーテル部14の先端部(ステント収容部)を送達すると、第1分離チューブ32と第2分離チューブ34を互いに離間するように操作してステント12を展開する。この際、デバイス10は、図3Bに示すように、第1分離チューブ32の進出と第2分離チューブ34の後退を同時且つ同速度に行うように構成されている。すなわち、境界位置Xを基点として第2分離チューブ34が所定量後退すると、第1分離チューブ32が第2分離チューブ34の後退量と同一量境界位置Xから進出する。
第2分離チューブ34は、グリップ16(図1参照)から、外側基端チューブ30及び外側中間チューブ28を介して基端方向への移動力(後退力)が伝達されて後退する。第1分離チューブ32は、グリップ16から内側基端チューブ64、第2ワイヤ62及び内側先端チューブ60を介して先端方向への移動力(進出力)が伝達されて進出する。このとき、ステント12が載置された中側先端チューブ44は、中側基端チューブ48及び第1ワイヤ46に支持されていることで、軸方向に移動することがない。
第1分離チューブ32の進出及び第2分離チューブ34の後退に伴って、自己拡張機能を有するステント12は、狭窄部に対する位置ずれが防止されつつ、外管18の分離箇所(すなわち軸方向中央部)から径方向外側に拡張していく。ステント12の展開に際して、第1分離チューブ32及び第2分離チューブ34の離間間隔は、第1及び第2マーカ36、38の位置に応じて認識することができる。
第1分離チューブ32の進出と第2分離チューブ34の後退を続けると、図3Cに示すように、ステント12の先端側縮径部56及び基端側縮径部58が略同じタイミングで外管18から露出される。これにより、ステント12は、外管18の径方向外側に拡張して狭窄部の血管を押し広げる。
図1に戻り、デバイス10のグリップ16は、カテーテル部14の基端部に接続され、上記のステント12の展開動作を操作するように構成されている。また、グリップ16は、手技時に患者の体外において術者がカテーテル部14の押し込み操作や回転操作等を行う把持部としても機能する。このグリップ16は、デバイス10の操作部の外観を構成するハウジング76と、術者がステント12を展開する際に回転操作がなされる操作ホイール78とを備える。
ハウジング76は、内部に収容空間を有する箱状に形成され、この収容空間には、図4に示すように、外管18及び内管22の相対移動機構80が設けられている。相対移動機構80は、例えば、第1ラック82、中管保持部84、第2ラック86、第1〜第4歯車88、90、92、94によって構成される。また、ハウジング76には、第1ラック82及び第2ラック86の進退移動をガイドするフレーム状のガイド支持部96が設けられている。
第1ラック82は、外側基端チューブ30の基端部に連結され、この外側基端チューブ30と一体的に移動するように構成される。第1ラック82の内部には、中側基端チューブ48(中管20)を通す中管用挿通孔83が設けられ、第1ラック82の上部には、第1歯車88の歯88aに噛み合う複数の歯82aが形成されている。第1ラック82は、第1歯車88の回転力を直線方向(外側基端チューブ30の軸方向)に変換して進退する。
この第1ラック82は、外側基端チューブ30の軸方向に沿って細長く形成され、定常的に第1歯車88に噛み合うことが可能な長さを有する。具体的には、外側基端チューブ30が最も先端側に位置している状態(図3A参照)で基端側の歯82aが第1歯車88の歯88aに噛み合い、外側基端チューブ30が基端方向に移動した状態(図3C参照)で先端側の歯82aが第1歯車88の歯88aに噛み合う。第1ラック82の進退移動はガイド支持部96によってガイドされる。
中管保持部84は、第1ラック82の基端側に設けられ、ハウジング76(ガイド支持部96)に取り付けられている。この中管保持部84は、ハウジング76の長手方向中央部に配置されており、その先端面に中側基端チューブ48が連結されている。中管20は、グリップ16内で中側基端チューブ48の軸方向の移動が禁止されることにより、第1ワイヤ46及び中側先端チューブ44の軸方向の移動が規制される。
中管保持部84の内部には、内側基端チューブ64(内管22)を通す内管用挿通孔85が設けられており、内側基端チューブ64は中管保持部84よりも基端側に延びている。また、中管保持部84は、先端面84aにより第1ラック82が基端方向に移動した際の移動限界を規定し、基端面84bにより第2ラック86が先端方向に移動した際の移動限界を規定する。
第2ラック86は、中管保持部84の基端側に設けられ、中管保持部84から延びた内側基端チューブ64の基端部に連結され、この内側基端チューブ64と一体的に移動するように構成されている。第2ラック86の上部には、第4歯車94の歯94aに噛み合う複数の歯86aが形成されている。第2ラック86は、第4歯車94の回転力を直線方向(内側基端チューブ64の軸方向)に変換して進退する。
第2ラック86は、内側基端チューブ64の軸方向に沿って第1ラック82と同じ長さを有し、定常的に第4歯車94に噛み合う。具体的には、内側基端チューブ64が最も基端側に位置している状態(図3A参照)で先端側の歯86aが第4歯車94の歯94aに噛み合い、内側基端チューブ64が先端方向に移動した状態(図3C参照)で基端側の歯86aが第4歯車94の歯94aに噛み合う。第2ラック86の進退移動はガイド支持部96によってガイドされる。
第1〜第4歯車88、90、92、94は、第1ラック82及び第2ラック86を進退移動させる駆動伝達部であり、先端側から基端側に向かって相互の歯が順次噛み合うように構成されている。また、この相対移動機構80は、第1歯車88と第4歯車94が同じ回転量且つ逆方向に回転させる構成となっている。
第1歯車88は、ハウジング76に対し回転自在に設けられた操作ホイール78の一側面に連なり、その回転軸が操作ホイール78の回転軸に一致している。従って、術者が操作ホイール78を回転操作すると、第1歯車88も一体的に回転する。第1歯車88の外周面には、複数の歯88aが形成されており、この歯88aは、第1ラック82の歯82aに噛み合うと共に、第2歯車90の歯90aにも噛み合っている。
第2〜第4歯車90、92、94は、第1歯車88と同形状(同径及び同歯数)に形成され、第1歯車88の回転力を受けて回転する。第2歯車90は、第1歯車88から回転力を受けると第1歯車88と反対方向に回転する。第3歯車92は、第2歯車90から回転力を受けると第1歯車88と同方向に回転する。第4歯車94は、第3歯車92から回転力を受けると第1歯車88と反対方向に回転する。
第4歯車94の歯94aは、第3歯車92の歯92aに噛み合うと共に、第2ラック86の歯86aに噛み合っており、第2ラック86を第1ラック82と逆方向に進退移動させる。つまり、操作ホイール78の回転により第1ラック82が後退した際には、第2ラック86が進出し、第1ラック82が進出した際には第2ラック86が後退する。これにより、外側基端チューブ30を後退させる一方で、内側基端チューブ64を進出させ、第2分離チューブ34の後退と第1分離チューブ32の進出を同時に実施することができる。
なお、相対移動機構80は、外側基端チューブ30、内側基端チューブ64の進退を操作可能な構造であればよく、例えば、歯車の数や形状等を適宜設計可能なことは勿論である。また、内側基端チューブ64は、第2ラック86を貫通してハウジング76の基端部に図示しない伸縮部(例えば、蛇腹状チューブ)等を介して連結されていてもよい。これにより、ハウジング76の基端部に図示しないポートを設けることで、内側基端チューブ64内に生理食塩水や造影剤等の流体を供給することができる。
次に、カテーテル部14の寸法設計について、図2を参照して具体的に説明する。デバイス10は、ステント12をスムーズに展開(露出)するために、ステント12の形状に応じて外管18(第1分離チューブ32、第2分離チューブ34)の移動量を適宜設定することが好ましい。このため、デバイス10では、ステント12の軸方向長さをa1とし、ガイドワイヤ導出孔40aから内側基端チューブ64の連結箇所64aまでの第2ワイヤ62の間隔をa2とした場合、a2≧a1の関係に設定されている。
すなわち、ステント12の展開時には、第2ワイヤ62及び内側基端チューブ64が先端方向に進出し、外側基端チューブ30、外側中間チューブ28及び第2分離チューブ34が基端方向に後退する。そのため、間隔a2はステント12の軸方向長さ分狭まることになる。よって仮に、a2<a1の関係に設定されていると、内側基端チューブ64の先端部がガイドワイヤ導出孔40aを通るガイドワイヤ66に干渉するおそれが生じる。本実施形態に係るデバイス10は、a2≧a1を成り立たせることで、内側基端チューブ64の先端部がガイドワイヤ66に干渉することを回避することができる。
また、デバイス10は、ステント12の軸方向の半分の長さをb1(=a1/2)とし、中側先端チューブ44の基端からバンド62aまでの間隔をb2とした場合、b2≧b1の関係に設定されている。すなわち、ステント12の展開時には、内側先端チューブ60が中側先端チューブ44に対しステント12の半分の長さ分進出する。このため、デバイス10は、b2≧b1を成り立たせることで、内管22のバンド62aによる中側先端チューブ44への接触を回避することができ、内側先端チューブ60と第1分離チューブ32をスムーズに進出させることができる。
本実施形態に係るデバイス10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用効果について説明する。
ステント留置術において、術者は、先ず、血管内造影法や血管内超音波診断法により、血管100の狭窄部102の形態を特定する。次に、例えばセルジンガー法によって、大腿部等から経皮的に血管100内にガイドワイヤ66を導入し、デバイス10のカテーテル部14をガイドワイヤ66に沿って進行させる。デバイス10の進行時には、図3Aに示すように、第1分離チューブ32と第2分離チューブ34が接触状態にあり、ステント12がこの接触部分に収容されている。
術者は、X線造影下に、カテーテル部14の先端部を狭窄部102まで送達すると、ステント12の展開操作を実施する。具体的には、グリップ16の操作ホイール78を所定方向(図4中の反時計回り)に回転させることで、第1ラック82を基端方向に移動させる共に、第2ラック86を先端方向に移動させる。その結果、第1ラック82に接続された外側基端チューブ30が後退し、これに伴って外側中間チューブ28、第2分離チューブ34が後退する。これと同時に、第2ラック86に接続された内側基端チューブ64が進出し、これに伴って、第2ワイヤ62、内側先端チューブ60、第1分離チューブ32が進出する。よって、図3Bに示すように、第1分離チューブ32と第2分離チューブ34が互いに離間してステント12が軸方向中央部から拡張していく。
この際、ステント12は、第1分離チューブ32から先端方向の進出力を受けても、基端側縮径部58が基端凸部52に引っ掛かり、先端方向の位置ずれが阻止される。また、ステント12は、第2分離チューブ34から基端方向の後退力を受けても、先端側縮径部56が先端凸部50に引っ掛かり、基端方向の位置ずれが阻止される。
なお、ステント12の展開時には、狭窄部102に対するステント12の軸方向位置がずれる可能性がある。本実施形態に係るデバイス10は、このようにステント12が位置ずれした場合に、図5A〜図5Dに示すように、カテーテル部14にステント12を再収容(リトラクト)することが可能となっている。
術者は、図5Aに示すように、ステント12を途中まで展開した段階で、狭窄部102に対してステント12が位置ずれしていると認識した場合、操作ホイール78を逆方向(図4中の時計方向)に回転させる操作を行う。これにより、第1ラック82が先端方向に移動し、第2ラック86が基端方向に移動する。その結果、第1ラック82に接続された外側基端チューブ30が進出し、これに伴って外側中間チューブ28、第2分離チューブ34も進出する。これと同時に、第2ラック86に接続された内側基端チューブ64が後退し、これに伴って第2ワイヤ62、内側先端チューブ60、第1分離チューブ32も後退する。
その結果、拡張したステント12は、第1分離チューブ32及び第2分離チューブ34内に再収容されていく。この際、ステント12は、第1分離チューブ32から基端方向の応力を受けるが、先端側縮径部56が先端凸部50に引っ掛かることで、基端方向への移動が阻止される。同様に、ステント12は、第2分離チューブ34から先端方向の応力を受けるが、基端側縮径部58が基端凸部52に引っ掛かることで先端方向への移動が阻止される。従って、ステント12は、第1分離チューブ32及び第2分離チューブ34に簡単に収容される。
図5Bに示すように、ステント12が外管18内に再収容されると、第1及び第2分離チューブ32、34の境界位置Xとステント12の軸方向中央部とが再び一致するようになる。
そのため、ステント12の収容後は、図5Cに示すように、X線造影下に、カテーテル部14を軸方向にずらし、ステント12の位置決めを行う。この際、第1マーカ36及び第2マーカ38の間の中央部(境界位置X)を狭窄部102の軸方向中央部に一致するように位置決めすることで、ステント12の展開位置を短時間に位置決めし直すことができる。
デバイス10の位置決め後は、図5Dに示すように、第1分離チューブ32と第2分離チューブ34を再び離間させてステント12を拡張する。ステント12は、血管100内に露出されて径方向外側に拡張する。ステント12は、中管20上に載置されることで第1分離チューブ32及び第2分離チューブ34が移動しても軸方向位置がずれないため、狭窄部102に重なる位置で確実に拡張される。その結果、ステント12は、狭窄部102に精度よく留置されて、狭窄部102を内側から良好に押し拡げ、狭窄状態を解消することができる。
術者は、ステント12の留置後に狭窄部102からデバイス10を後退移動させて、デバイス10を引き抜く。これにより、ステント留置術が終了する。なお、デバイス10の引き抜き時において、第1分離チューブ32と第2分離チューブ34は離間状態としたままでもよく、接触状態に戻してもよい。
以上のように、本実施形態に係るデバイス10は、第1分離チューブ32が中管20に対し相対的に進出し、第2分離チューブ34が中管20に対し相対的に後退することで、ステント12を精度よく展開することができる。すなわち、中管20は、外管18の進退に対して移動しないため、中管20に載置されたステント12も外管18の進退に追従することが抑止される。
ここで、図6A及び図6Bを参照して、従来のデバイス200(例えば、特許文献1)の動作について説明する。従来のデバイス200も、本実施形態のデバイス10と同様に、外管202の所定の境界位置Xから先端方向に進出する第1分離チューブ204と、基端方向に後退する第2分離チューブ206を有する。しかしながら、デバイス200は、第1分離チューブ204を進出させる内管208にステント210が載置された構成となっている。よって、第1分離チューブ204と第2分離チューブ206を分離させる際には、内管208を先端方向に進出させる必要がある。そのため、ステント210を所定位置に位置決めしても、内管208及び第1分離チューブ204の進出に連れられてステント210が先端方向に移動(位置ずれ)する不都合が生じ易くなる。
これに対し本実施形態に係るデバイス10は、第1分離チューブ32及び第2分離チューブ34が分離してもステント12を載置している中管20が移動しない。従って、ステント12を展開する際に、狭窄部102に対するステント12の位置ずれの発生を大幅に低減して、精度よく展開及び留置することができる。これにより、手技を一層迅速に行うことが可能となり、また狭窄部102をより良好に治療することができる。
この場合、デバイス10は、第1分離チューブ32に接続された内管22により第1分離チューブ32をスムーズに進出させることができる。また内管22が中管20内に収容されているため、ステント12は、内管22が移動しても内管22の移動による影響を受けず、位置ずれ等を起こすことがない。
また、グリップ16が第1分離チューブ32の進出と第2分離チューブ34の後退とを同時且つ同速度で動作させることで、外管18の分離箇所からステント12を均等的に展開していくことができる。従って、ステント12にかかる応力を均等的に分散することができ、ステント12の位置ずれを一層確実に抑止することができる。さらに、第1分離チューブ32と第2分離チューブ34の両方に第1及び第2マーカ36、38を備えることにより、術者は、X線造影下に第1分離チューブ32と第2分離チューブ34の位置を良好に把握することができる。よって、ステント12の展開具合や狭窄部102に対するステント12の配置位置を容易に認識して、ステント12を展開していくことができる。
なお、本発明に係るステントデリバリーデバイス10は、上記の構成に限定されるものではなく種々の変形例及び応用例をとり得ることは勿論である。例えば、第1分離チューブ32の進出と基端チューブの後退は、同時且つ同速度に設定されなくてもよく、互いに移動タイミングをずらした構成であってもよい。また、デバイス10は、第1分離チューブ32と第2分離チューブ34が中管20と相対的に分離移動する構成であればよく、内管22を備えなくてもよい。
〔変形例〕
以下、変形例に係るステントデリバリーデバイス10Aについて図7〜図9を参照して説明する。なお、以下の説明において、本実施形態に係るデバイス10と同一の構成、又は同一の機能を有する構成については同一の符号を付しその詳細な説明については省略する。
デバイス10Aは、図7に示すように、外管18や内管22に対する中管20の軸方向位置を調整可能な調整機構120をグリップ16に備える。すなわち、調整機構120は、外管18や内管22とは独立して中管20を進退(変位)させる機能を有し、これによりカテーテル部14におけるステント12の載置位置を軸方向に移動可能としている。
具体的には、調整機構120は、図8に示すように、中管保持部84に取り付けられた術者が操作するための操作体122と、グリップ16に設けられ操作体122を変位可能に収容する収容部124とを有する。
操作体122は、中管保持部84よりも一回り大きく形成され、該中管保持部84の側周面全周を覆うと共に、先端面84a及び基端面84bを部分的に覆っている。中管保持部84に連結される中側基端チューブ48と、中管保持部84の基端から延びる内側基端チューブ64とは操作体122に非接触となっている。このため、操作体122は、中管保持部84を回転させずに該中管保持部84の側周面回りを回転可能となっている。
操作体122の外周面には、所定のネジ山及びネジ溝が連続的に繰り返す雄ネジ部126が形成されている。この雄ネジ部126は、グリップ16に形成された窓128から部分的に露出されており、術者は、雄ネジ部126の露出部分を所定方向に回すことで操作体122、すなわち中管保持部84に連結した中管20を進退させる。
一方、グリップ16に設けられる収容部124は、中管20の軸方向(グリップ16の軸方向)に沿って長い軸心を有する略円柱状空間に形成されている。収容部124を構成する内周面には、操作体122の雄ネジ部126に対応する雌ネジ部130が形成されている。操作体122は、雄ネジ部126が螺回可能に収容部124に収容されることになり、雌ネジ部130に対する雄ネジ部126の相対回転にともない収容部124の軸心に沿って直動する。
以上のように構成される変形例に係るデバイス10Aの作用効果について、図9A及び図9Bを参照して具体的に説明していく。デバイス10Aは、本実施形態に係るデバイス10と同様に、血管100内の狭窄部102に送達された後、第1分離チューブ32と第2分離チューブ34の分離によりステント12の展開が可能となる。
このステント12の展開時に、術者は、X線造影下に、狭窄部102に対しステント12が位置ずれしていたことを認識すると、中管20の調整操作を実施する。狭窄部102に対するステント12の位置は、例えば、ステント12の先端マーカ56a、基端マーカ58aにより識別することができる。
図9Aに示すように、例えばカテーテル部14のステント収容部が狭窄部102の位置を超えたことを認識すると、操作体122を回転操作して、操作体122を中央部から基端方向に移動する。この際、操作体122のみが回転して中管20が回転しないため、ステント12を回転させることがない。そして、中管保持部84及び中側基端チューブ48が基端方向に移動することで、この基端方向の移動力が第1ワイヤ46を介して中側先端チューブ44に伝達される。その結果、ステント12が載置されている中側先端チューブ44を外管18に対し相対的に後退させて、狭窄部102と重なる位置にステント12を位置決めすることができる。
以上のように、変形例に係るデバイス10Aは、グリップ16に調整機構120を備えることにより、外管18や内管22に対し中管20を独立的に軸方向に移動させて、ステント12の軸方向位置を変更することができる。これにより、例えば、デバイス10全体を後退させてステント12の位置を再調整するよりも、精細な位置決め(微調整)を行うことが可能となり、ステント12を一層高精度に展開及び留置することができる。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10、10A…ステントデリバリーデバイス(デバイス)
12…ステント 16…グリップ
18…外管 20…中管
22…内管 24…収容ルーメン
32…第1分離チューブ 34…第2分離チューブ
36…第1マーカ 38…第2マーカ
40a…ガイドワイヤ導出孔 44…中側先端チューブ
46…第1ワイヤ 48…中側基端チューブ
60…内側先端チューブ 62…第2ワイヤ
64…内側基端チューブ 66…ガイドワイヤ
68…ガイドワイヤルーメン 120…調整機構

Claims (9)

  1. 生体管腔内に挿入される長尺な外管と、
    前記外管の内部に収容され、ステントが外周面に載置される被載置部材とを有し、
    前記外管は、前記ステントの載置位置で先端外管と基端外管に分離可能であり、前記先端外管が前記被載置部材に対し相対的に進出し、且つ前記基端外管が前記被載置部材に対し相対的に後退することで、前記ステントを前記外管の外部に露出する
    ことを特徴とするステントデリバリーデバイス。
  2. 請求項1記載のステントデリバリーデバイスにおいて、
    前記被載置部材は、内部に内側部材を進退自在に収容する中管であり、
    前記内側部材は、前記先端外管に接続され、前記中管に対する相対移動に伴い前記先端外管を進出させる
    ことを特徴とするステントデリバリーデバイス。
  3. 請求項2記載のステントデリバリーデバイスにおいて、
    前記内側部材は、ガイドワイヤを挿通可能な内腔を有するガイドワイヤ用管体を含み、
    前記基端外管の所定の途中位置には、前記ガイドワイヤ用管体の基端から送出される前記ガイドワイヤを外部に露出する孔部が設けられる
    ことを特徴とするステントデリバリーデバイス。
  4. 請求項3記載のステントデリバリーデバイスにおいて、
    前記中管は、前記ステントが載置される第1中管と、前記第1中管の基端側に連結される第1ワイヤと、前記第1ワイヤの基端側を連結支持する第2中管とを含み、
    前記内側部材は、前記第1中管の内部に収容される前記ガイドワイヤ用管体と、前記ガイドワイヤ用管体の基端側に連結される第2ワイヤと、前記第2ワイヤの基端側を連結支持する内側支持部材とを含む
    ことを特徴とするステントデリバリーデバイス。
  5. 請求項4記載のステントデリバリーデバイスにおいて、
    前記外管が前記ステントを収容した状態で、前記ステントの軸方向長さをa1、前記第2ワイヤの前記孔部に重なる箇所から前記内側支持部材の連結箇所までの間隔をa2とした場合に、a2≧a1の関係に設定される
    ことを特徴とするステントデリバリーデバイス。
  6. 請求項4又は5記載のステントデリバリーデバイスにおいて、
    前記外管が前記ステントを収容した状態で、前記ステントの軸方向長さの半分の長さをb1、前記第1中管の基端から前記ガイドワイヤ用管体が延出して前記第2ワイヤに連結するまでの間隔をb2とした場合に、b2≧b1の関係に設定される
    ことを特徴とするステントデリバリーデバイス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のステントデリバリーデバイスにおいて、
    前記外管及び前記被載置部材の基端側には、前記先端外管の進出と前記基端外管の後退とを同時且つ同速度で動作させる操作部を備える
    ことを特徴とするステントデリバリーデバイス。
  8. 請求項7記載のステントデリバリーデバイスにおいて、
    前記操作部は、前記先端外管と前記基端外管の進退移動と独立的に前記被載置部材を進退させることが可能な調整機構を備える
    ことを特徴とするステントデリバリーデバイス。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のステントデリバリーデバイスにおいて、
    前記先端外管の基端部付近及び前記基端外管の先端部付近には、放射線造影マーカが設けられる
    ことを特徴とするステントデリバリーデバイス。
JP2013155663A 2013-07-26 2013-07-26 ステントデリバリーデバイス Pending JP2015024021A (ja)

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