JP2015023784A - 偏芯調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】円板の僅かな偏芯量を短時間で調整することのできる偏芯調整装置を提供する。
【解決手段】スケール円板を所定の荷重で押さえ付ける第1のアクチュエーターと、移動可能なステージ上に配置された前方ストッパー及び後方ストッパーと、ステージ上に配置されるとともに前方ストッパー及び後方ストッパーの間を移動し、スケール円板の外側を押すことによりスケール円板の偏芯量を調整する調整ヘッドと、調整ヘッドを前方ストッパーに押し付ける第2のアクチュエーターを備え、第2のアクチュエーターによる押付け力は、スケール円板とシャフトの間の静止摩擦力およびスケール円板と第1のアクチュエーターの静止摩擦力の和から、ステージと調整ヘッドとの間の摩擦力を減じた力よりも小さくなるように設定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転体をシャフトに固定する際、回転体のシャフトに対する偏芯量を調整することができる偏芯調整装置に関するものである。
例えば、従来のサーボモータ製造装置としては、回転ディスクが固定配置されるシャフトの回転軸と回転ディスクのディスク中心とが一致するように回転ディスクの位置調整を行うリニアモータとリニアエンコーダヘッド及び偏心量算出部を有しているものがあった。そしてリニアエンコーダヘッドの出力信号は、偏心量算出部により、例えばA/D変換された後、回転ディスクの位置信号に換算される。そして、この位置信号は制御装置に入力され、制御装置からの出力信号がリニアモータに入力される。その結果、リニアモータは、制御装置の指令値通りに駆動する。この場合回転ディスクの外側の側面をリニアモータにおけるヘッドなどによって押すものであり、回転ディスクの偏芯をなくすように調整している。通常このような装置では、偏芯量の検出、調整を規定の偏芯量になるまで繰返し行なうものである(例えば特許文献1)。
特開2012−168066号公報(図6)
サーボモータの高性能化(高速化、高分解能化)に伴い、円板の偏芯許容量が小さくなり、更なる(マイクロメータオーダーの)高精度調整が望まれるようになっている。しかし現状の装置では、円板と調整ヘッドの接触が感知できないことにより、位置調整機構が目標調整位置を通過してしまうという欠点があった。その結果繰返し偏芯量の計測と調整を行なわなければならず、生産性が悪化するという問題点があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、円板の僅かな偏芯量を短時間で調整することのできる偏芯調整装置を得ることを目的としている。
この発明に係る偏芯調整装置は、被固定体に被調整物を固定する際、被調整物の被固定体に対する偏芯量を調整するものであって、被調整物の被固定体が固定される側とは反対側において被調整物を所定の荷重で押さえ付ける第1のアクチュエーターと、移動可能なステージ上に配置された前方ストッパー及び後方ストッパーと、ステージ上に配置されるとともに前方ストッパー及び後方ストッパーの間を移動し、被調整物の外側を押すことにより被調整物の偏芯量を調整する調整ヘッドと、調整ヘッドを前方ストッパーに押し付ける第2のアクチュエーターを備え、第2のアクチュエーターによる押付け力は、被調整物と被固定体の間の静止摩擦力および被調整物と第1のアクチュエーターの静止摩擦力の和から、ステージと調整ヘッドとの間の摺動抵抗による摩擦力を減じた力よりも小さくなるように設定したものである。
上記のように構成された偏芯調整装置によれば、調整ヘッドが被調整物(スケール円板)の位置を正確に感知できるため、調整ヘッドが目標調整位置を通過することがない。すなわち、偏芯量の計測回数及び偏芯量の調整回数を減らすことができ、装置の組立時間を短縮することができる。
実施の形態1による偏芯調整装置を示す概略図である。 実施の形態1によるスケール円板を示す平面図である。 スケール円板の偏芯を計測した際における1回転の測定値を示す図である。 偏芯調整装置の原理を説明するための概略図である。 実施の形態1による偏芯調整装置を示す概略図である。 実施の形態1による偏芯調整装置を示す概略図である。 実施の形態1による偏芯調整装置を示す概略図である。 ステージの移動速度と移動距離との関係を示す図である。 実施の形態2による偏芯調整装置を示す概略図である。 実施の形態2による偏芯調整装置の一部を示す概略図である。 実施の形態3による偏芯調整装置を示す概略図である。 ステージの移動速度と移動距離との関係を示す図である。
実施の形態1.
以下この発明の一実施形態を図に基づいて説明する。図1は実施の形態1による偏芯調整装置を示す概略図であり、この偏芯調整装置は、スケール円板1(被調整物)をシャフト2(被固定体)に固定する際、スケール円板1のシャフト2に対する偏芯量を調整するものである。図1において、スケール円板1のシャフト2に対する位置を調整する方法について説明する。スケール円板1はシャフト2の上に配置され、シャフト2はモータ5に連結されている。またスケール円板1はアクチュエーター3(第1のアクチュエーター)によって、円板押さえ4を介して所定の荷重でシャフト2に押さえ付けられている。尚アクチュエーター3はスケール円板1をシャフト2の上面に倣わすとともに、回転中にスケール円板1が遠心力によって動かないようにするために設けられている。
図2はスケール円板1を示す平面図である。図2に示すように、スケール円板1には、振れ計測用の真円パターン1aが配置されており、これと基準真円の振れ幅の差が振れの変位として求められる。具体的にはモータ5を回転させながら、真円パターン1aの位置を計測できる機能を有するセンサー6にて、真円パターン1aの位置を計測する。センサー6としては光学的に検出するセンサー及びカメラ(画像処理にて真円パターン1a位置を認識)等がある。またモータ制御装置7からモータ5の回転角度情報がコントローラ9に入力されるとともに、センサー6が計測したスケール円板位置情報はセンサー制御装置8を介してコントローラ9に入力され、スケール円板1が最も突き出している方向とその偏芯量を計測する。又基準真円はコントローラ9に記憶されている。図3はスケール円板の偏芯を計測した際における1回転の測定値を示す図である。図において、横軸は回転角度(deg)、縦軸は芯振れの量(μm)を示している。
偏芯量の調整は、スケール円板1の偏芯量を測定後、最もスケール円板1が突き出している角度位置へモータ5を回転させ、調整ヘッド10が配置されている位置と一致させる。そしてステージ11を移動させ、調整ヘッド10をスケール円板1の外側に押し込むことにより、スケール円板1の偏芯量を調整する。調整回数を少なくするために、調整ヘッド10は次のような構造を有する。
図4は偏芯調整装置の原理を説明するための概略図であり、後で述べる図6の状態から図7の状態への過渡期を示すものである。偏芯調整装置におけるステージ11上面には、スケール円板1とシャフト2の間の静止摩擦力以下の摺動抵抗(動摩擦力)で調整ヘッド10に対し摺動するガイド12が固定されており、ガイド12上に調整ヘッド10が配置されている。調整ヘッド10がスケール円板1と接触していないときは、バネ力や電磁力などを用いたアクチュエーター20(第2のアクチュエーター)により調整ヘッド10は前方ストッパー13に押しつけられている。
この押付け力fは、スケール円板1とシャフト2の間の静止摩擦力Fおよびスケール円板1と円板押さえ4の静止摩擦力Fの和から、ガイド12の摺動抵抗による摩擦力fを減じた力よりも小さくなるように設定されている(図4参照)。即ち以下の式が成立する。
<F+F−f
そしてアクチュエーター20により調整ヘッド10を前方ストッパー13に押付ける力fを上記の式が満たされるように調整することで、調整ヘッド10がスケール円板1に接触しても、スケール円板1がシャフト2及び円板押さえ4に対して動かない様になっている。
ステージ11上面には前方ストッパー13および後方ストッパー14が配置され、調整ヘッド10が移動するストローク量を管理する機構が設けられている。更に前方ストッパー13および後方ストッパー14には、調整ヘッド10が接触したことを感知することができる前方接触感知センサー15および後方接触感知センサー16が設けられている。前方接触感知センサー15および後方接触感知センサー16は、コントローラ9に対して接触感知した信号を出力し、コントローラ9からステージ制御装置17を介しステージ11の移動速度を制御するようになっている。
図5〜図7は偏芯調整装置を示す概略図であり、これら図5〜図7によって調整ヘッド10がスケール円板1に接触したことを感知する方法について説明する。スケール円板1の調整は以下に示す流れで行われる。図5はスケール円板1に調整ヘッド10が接触する前の状態を示している。調整ヘッド10はスケール円板1と接触していない為、調整ヘッド10は前方ストッパー13に接触している状態を維持している。この位置から、調整ヘッド10がスケール円板1と接触する方向にステージ11を移動させると、図6に示すように、スケール円板1と調整ヘッド10が接触する状態になる。
さらにステージ11を移動させると、ガイド12の摺動抵抗fと調整ヘッド10に働く押付け力fとの和が、スケール円板1とシャフト2との間の静止摩擦力Fおよびスケール円板1と円板押さえ4との間の静止摩擦力Fの和よりも小さいため、スケール円板1がシャフト2及び円板押さえ4からずれることがなく、調整ヘッド10が後方ストッパー14の方向へ移動することができ、前方接触感知センサー15からコントローラ9に対して調整ヘッド10が前方ストッパー13から離れたことを伝える信号を送る。
さらに、調整ヘッド10がスケール円板1を押す方向にステージ11を移動させると、調整ヘッド10が後方ストッパー14と接触し、この接触位置を後方接触感知センサー16が感知する(図7の状態)。調整ヘッド10と後方ストッパー14が接触した後、スケール円板1と後方ストッパー14により調整ヘッド10が挟まれた状態で、計測された偏芯量だけステージ11を移動させ、スケール円板1の位置調整を行う。
次に図8に基づいてステージ11による調整量制御方法について説明する。図8の縦軸はステージ11の移動速度vを示すとともに、横軸はステージ11の移動開始位置(図5)からの移動距離Lを示している。ステージ移動開始直後から調整ヘッド10が前方接触感知センサー15を離れるまで、すなわち前方接触感知センサー15がOFFになるまではステージ11を高速に移動させる。図8におけるAで示された位置は前方接触感知センサー15がOFFになる位置を示している。そして前方接触感知センサー15がOFFになった直後からステージ11を減速させ、前方接触感知センサー15から後方接触感知センサー16までの距離だけステージ11が移動され、後方接触感知センサー16がONとなったときに速度を0とする(停止する)ようコントローラ9およびステージ制御装置17が制御する。図8におけるBで示された位置は後方接触感知センサー16がONになる位置を示している。
後方接触感知センサー16に調整ヘッド10が接触したことを感知した後に、スケール円板1の偏芯量だけステージ11を移動させ、スケール円板1の位置調整を行う。このような構成によれば、スケール円板1の外形に調整ヘッド10が接触したことを確実に感知することができるため、従来のように繰返し偏芯量の計測と調整を行なう必要がなくなる。また、調整ヘッド10が前方ストッパー13および後方ストッパー14に接触していることを監視し、ステージ11の移動速度を調整する機構(コントローラ9、ステージ制御装置17)が設けられているので、スケール円板1の位置調整を行う際、ステージ11の移動速度を最適化した状態でスケール円板1を調整できる。更には接触を感知するまでのステージ11の移動速度をできる限り高速にすることができる。以上より偏芯調整装置による調整時間を短縮することができる。
実施の形態2.
図9は実施の形態2による偏芯調整装置を示す概略図であり、図において、前方接触感知センサー15および後方接触感知センサー16を用いず、その代わりに調整ヘッド10の可動方向の位置(図9における横方向の位置であり、ステージ11上の位置)を非接触で測定することのできる距離センサー18(例えばレーザ変位計)をステージ11上に取り付けたものである。調整ヘッド10と前方ストッパー13が接触しているときの調整ヘッド10と距離センサー18の間の長さを距離センサー18が予め測定するとともに、調整ヘッド10と後方ストッパー14が接触したときの距離センサー18が示す値X(図10)を事前に計測し、コントローラ9で記憶する。これにより距離センサー18で調整ヘッド10の位置をモニターすることができるので、調整ヘッド10が前方ストッパー13から離れたこと、及び調整ヘッド10が後方ストッパー14に接触したことを感知することができる。
このような構成によれば、調整ヘッド10が前方ストッパー13から離れたことを感知できるとともに、調整ヘッド10と後方ストッパー14の距離を常にモニターすることができるので、調整ヘッド10がスケール円板1と接触し、調整ヘッド10が前方ストッパー13から離れた後のステージ11の移動速度を、調整ヘッド10と後方ストッパー14との間の距離に応じて、図8に示すように最適化することができる。
実施の形態3.
図11は実施の形態3による偏芯調整装置を示す概略図、図12はステージの移動速度と移動距離との関係を示す図であり、本実施形態は接点式の位置調整機構を用いたものである。調整ヘッド10が前方ストッパー13に接触しているとき(調整ヘッド10がスケール円板1に接触していないとき)の調整ヘッド10と後方ストッパー14の距離Dを予め図示しない測定器により計測し、把握する。そしてスケール円板1が調整ヘッド10に接触した後(前方接触感知センサー15のOFF後)、後方ストッパー14までの移動量(D)に偏芯調整量Dを加算した分が調整ヘッド10の移動量となるようステージ制御装置17により制御する。この際ステージ制御装置17は図12に示すように、前方接触感知センサー15がOFFになった直後からステージ11を減速させ、調整ヘッド10が移動量(D)+偏芯調整量Dの距離を移動したときにステージ11の速度が0となるよう制御する。
以上のように構成することにより、後方ストッパー14に調整ヘッド10が接触したことを感知する必要がなくなる。従って実施の形態1、2と同様の効果を得ると共に、より高速にスケール円板1の位置調整を行うことができる。
尚本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
3 第1のアクチュエーター、10 調整ヘッド、11 ステージ、
13 前方ストッパー、14 後方ストッパー、15 前方接触感知センサー、
16 後方接触感知センサー、17 ステージ制御装置、18 距離センサー、
20 第2のアクチュエーター。

Claims (6)

  1. 被固定体に被調整物を固定する際、上記被調整物の上記被固定体に対する偏芯量を調整する偏芯調整装置であって、
    上記被調整物の上記被固定体が固定される側とは反対側において上記被調整物を所定の荷重で押さえ付ける第1のアクチュエーターと、
    移動可能なステージ上に配置された前方ストッパー及び後方ストッパーと、
    上記ステージ上に配置されるとともに上記前方ストッパー及び上記後方ストッパーの間を移動し、上記被調整物の外側を押すことにより上記被調整物の偏芯量を調整する調整ヘッドと、
    上記調整ヘッドを上記前方ストッパーに押し付ける第2のアクチュエーターを備え、
    上記第2のアクチュエーターによる押付け力は、上記被調整物と上記被固定体の間の静止摩擦力および上記被調整物と上記第1のアクチュエーターの静止摩擦力の和から、上記ステージと上記調整ヘッドとの間の摺動抵抗による摩擦力を減じた力よりも小さくなるように設定したことを特徴とする偏芯調整装置。
  2. 上記前方ストッパーに設けられ上記調整ヘッドが上記前方ストッパーに接触したことを感知する前方接触感知センサーと、
    上記後方ストッパーに設けられ上記調整ヘッドが上記後方ストッパーに接触したことを感知する後方接触感知センサーを備えたことを特徴とする請求項1記載の偏芯調整装置。
  3. 上記調整ヘッドの可動方向の位置を非接触で測定することのできる距離センサーを上記ステージ上に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の偏芯調整装置。
  4. 上記ステージの移動速度を制御する制御装置を設け、上記制御装置は上記調整ヘッドが上記前方ストッパーから離れた直後から上記ステージを減速させ、上記調整ヘッドが上記後方ストッパーに接触したときに上記ステージの速度を0とすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の偏芯調整装置。
  5. 上記前方ストッパーに設けられ上記調整ヘッドが上記前方ストッパーに接触したことを感知する前方接触感知センサーを備え、
    上記前方接触感知センサーがOFFになった後、上記調整ヘッドが上記前方ストッパーに接触しているときの上記調整ヘッドと上記後方ストッパーの予め計測された距離に偏芯調整量を加算した値が上記調整ヘッドの移動量となるよう制御することを特徴とする請求項1記載の偏芯調整装置。
  6. 上記ステージの移動速度を制御する制御装置を設け、上記制御装置は上記調整ヘッドが上記前方ストッパーから離れた直後から上記ステージを減速させ、上記予め計測された距離に上記偏芯調整量を加算した値だけ上記調整ヘッドが移動したときに上記ステージの速度を0とすることを特徴とする請求項5に記載の偏芯調整装置。
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