JP2015023447A - 指向性コンデンサマイクロホン - Google Patents

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Hiroshi Yamagata
博 山縣
太田 清之
Kiyoyuki Ota
清之 太田
秀典 本永
Hidenori Motonaga
秀典 本永
中西 賢介
Kensuke Nakanishi
賢介 中西
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Abstract

【課題】ノイズ対策が施された指向性コンデンサマイクロホンを提供する。
【解決手段】音波の振動を静電容量の変化に変換するトランスデューサと、回路パターンが形成されている回路基板911と、回路基板911に取り付けられているインピーダンス変換器910と、開口部を有する収容器901とを含み、トランスデューサと回路基板911とインピーダンス変換器910は収容器901に収容されており、回路基板911が収容器901の開口部を塞いでおり、収容器901は回路パターンに含まれるグラウンドパターンと導通しており、回路基板911に貫通孔911aが形成されている指向性コンデンサマイクロホンであって、導電性の多孔体112が、回路基板911の貫通孔911aを塞ぐとともに、グラウンドパターンと導通している。
【選択図】図1

Description

本発明は、指向性コンデンサマイクロホンに関し、より詳しくはノイズ対策が施された指向性コンデンサマイクロホンに関する。
図7に指向性コンデンサマイクロホンの従来的構造の例を示す。図7に示す単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900は、指向性コンデンサマイクロホンの例である。説明の便宜から、図7を正面に見たときの紙面の上と下をそれぞれ単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の後と前とする。なお、図8は、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の分解斜視図である。
単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900は、大まかに言えば、収容器(以下、カプセルという)901と、コンデンサの原理を利用して音波の振動を静電容量の変化に変換するトランスデューサと、回路基板911を含んでいる。この例では、カプセル901は有底円筒状の形状を有している。
単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の前部であるカプセル901の底部には、一つ以上の前部音孔901a(この例では前部音孔901aの数は5個である。図8参照)が設けられている。単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の後部であるカプセル901の開口部は開放されており、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の製造当初において、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の開口部からトランスデューサが押し込まれる。
トランスデューサは、この例では、可動電極に相当する振動膜903と、振動膜903に張りを与えた状態でこれを保持する振動膜リング902と、固定電極に相当する第1背極板905と、振動膜903と第1背極板905との接触を防止するためのスペーサ904と、指向性のための音響抵抗を実現する第1コンタクト906および第2背極板907と、第2背極板907と回路基板911とを電気的に連絡する第2コンタクト909を含んでいる。
一般的に、カプセル901と振動膜リング902はそれぞれ金属材料で形成されており、振動膜903は表面に金属材料が蒸着されているプラスチックフィルムや金属薄膜である。振動膜リング902の形状はこの例では円環状平板であり、円形の振動膜903の一方の面の縁部が振動膜リング902の一方の面に接着されている。振動膜リング902は、振動膜リング902の他方の面がカプセル901の底部に接触するように、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の内部に配置されている。このため、カプセル901と振動膜903との電気的な導通が確保されている。なお、振動膜リング902は、カプセル901の底部と振動膜903との接触を防止するスペーサとしての役割も果たしている。
スペーサ904は電気絶縁性を有し、スペーサ904の形状はこの例では円環状平板であり、スペーサ904の外径は振動膜リング902の内径よりも十分に大きい。振動膜903の他方の面の縁部がスペーサ904の一方の面に接触するように、スペーサ904は振動膜903の後ろに配置されている。
この例では、振動膜リング902の外径とスペーサ904の外径はそれぞれ、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の内径とほぼ同じか当該内径より僅かに小さい。このため、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の前後方向に直交する方向(図7を正面に見たときの紙面の左右方向)に、振動膜リング902とスペーサ904のガタが生じにくくなっている。
次に、第1背極板905は少なくとも一つの貫通孔905a(この例では貫通孔905aの数は4個である。図8参照)を有する円形平板であり、第2背極板907は少なくとも一つの貫通孔907a(この例では貫通孔906aの数は6個である。図8参照)を有する円形平板である。第1コンタクト906はこの例では円筒状の外観形状を持ち、第1コンタクト906の内部には、第1コンタクト906の内壁に連なる平板状の隔壁が形成されている。この隔壁には貫通孔906bが形成されている。第1コンタクト906の一方の開口部906aの径と他方の開口部906cの径はそれぞれ貫通孔906bの径よりも大きく、第1コンタクト906の一方の開口部906aと他方の開口部906cは、貫通孔906bを介して連通している。
第1背極板905の外径はスペーサ904の内径よりも十分に大きく、第1コンタクト906の外径は、第1背極板905の全ての貫通孔905aを含む最小の円の径よりも十分に大きく、さらに、この例では、第2背極板907の外径は第1コンタクト906の外径とほぼ同じである。第1背極板905は第1背極板905の一面がスペーサ904の他方の面に接触するようにスペーサ904の後ろに配置されており、第1コンタクト906は第1コンタクト906の開口部906a側の端面が第1背極板905の他方の面に接触するように第1背極板905の後ろに配置されており、第2背極板907は第2背極板907の一面が第1コンタクト906の開口部906c側の端面に接触するように第1コンタクト906の後ろに配置されている。なお、第1背極板905のスペーサ904に向かい合う面にはエレクトレット(図示せず)が溶着されている。
この例では、これら第1背極板905と第1コンタクト906と第2背極板907はそれぞれの外径に合う内径を持つ円筒状のホルダ908の内部に収容されており、ホルダ908の外径は単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の内径とほぼ同じである。このため、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の前後方向に直交する方向に、ホルダ908だけでなく第1背極板905と第1コンタクト906と第2背極板907のガタが生じにくくなっている。
第1背極板905は一般的に金属材料で形成されており、この例ではさらに、第1コンタクト906と第2背極板907も金属材料で形成されており、上述の構造と相俟って、第1背極板905と第1コンタクト906と第2背極板907との間で電気的な導通が確保されている。他方、ホルダ908は電気絶縁性を有しており、第1背極板905と第1コンタクト906と第2背極板907のそれぞれとカプセル901との間は電気的に絶縁されている。また、スペーサ904が上述のように電気的絶縁性を有し第1背極板905と振動膜903との接触を防止する役割も有するので、第1背極板905と振動膜リング902との間は電気的に絶縁されている。
第2コンタクト909はこの例ではフランジを有する円筒状の外観形状を有しており、第2コンタクト909の一方の開口部側(フランジを有する開口部の反対側)の端面が第2背極板907に接触し、フランジがホルダ908の一方の開口部側(カプセルの底部に向かう開口部の反対側)の端面に接触するように第2背極板907の後ろに配置されている。第2コンタクト909の上記一方の開口部の内径は、第2背極板907の全ての貫通孔907aを含む最小の円の径よりも十分に大きい。この例では、第2コンタクト909は金属材料で形成されており、第2コンタクト909と第2背極板907との間で電気的な導通が確保されている。なお、第2コンタクト909の外径は単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の内径よりも十分に小さく、第2コンタクト909とカプセル901とは接触していないので、第2コンタクト909とカプセル901との間は電気的に絶縁されている。
上述のように、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の製造当初において、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の開口部からトランスデューサが押し込まれた後に、一つ以上の貫通孔(以下、後部音孔という)911a(この例では後部音孔911aの数は4個である。図8参照)を有する円形平板状の回路基板911が続けて押し込まれる。回路基板911は、回路基板911の内表面(単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の内部に向かう面)が第2コンタクト909の他方の開口部側(フランジを有する開口部の側)の端面に接触するように第2コンタクト909の後ろに配置されている。この状態でカプセル901の開口部の端部を内側に折り曲げるように加締めることによって、回路基板911がカプセル901の底部に向かって押し付けられる。この圧力が、回路基板911に接触する第2コンタクト909を介してホルダ908や第2背極板907に伝わり、この結果、トランスデューサ全体がカプセル901の底部に向かって押し付けられ、振動膜リング902と、振動膜903と、スペーサ904と、第1背極板905と、第1コンタクト906と、第2背極板907と、ホルダ908と、第2コンタクト909と、回路基板911が単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の前後方向にしっかりと固定される。なお、第2コンタクト909の上記他方の開口部の内径は、回路基板911の全ての後部音孔911aを含む最小の円の径よりも十分に大きい。
回路基板911の外表面と内表面にはそれぞれ回路パターン(図示せず)が形成されており、さらに回路基板911の内表面にはインピーダンス変換器910が取り付けられている。回路基板911の内表面の回路パターンの少なくとも一部は第2コンタクト909の他方の開口部側(フランジを有する開口部の側)の端面と接触している。回路基板911の外表面は単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の外部に面しており、回路パターンに例えばマイクケーブル(図示せず)が半田付けされる。
単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の内部において、上述のように、振動膜リング902と、振動膜903と、スペーサ904と、第1背極板905と、第1コンタクト906と、第2背極板907と、第2コンタクト909と、回路基板911が積層された状態において、上述の各部材の貫通孔は次のような音響的役割を持つ。
スペーサ904(スペーサ904の厚さは数十μm程度)と振動膜903と第1背極板905に挟まれた狭い空間(以下、コンデンサ空間という)は、第1背極板905の各貫通孔905aを介して、このコンデンサ空間よりも遥かに大きな空間である第1コンタクト906の開口部906aに連通しており、このため、振動膜903が振動しやすくなっている。
また、音源からの音波は、前部音孔901aだけでなく後部音孔911aからも単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の内部に入り込むことができる。単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の外部は、回路基板911の後部音孔911aを介して、第2コンタクト909の内部空間と連通しており、第2コンタクト909の内部空間は、第2背極板907の貫通孔907aを介して、第1コンタクト906の開口部906cと連通しており、第1コンタクト906の開口部906cは、第1コンタクト906の貫通孔906bを介して、第1コンタクト906の開口部906aと連通しており、第1コンタクト906の開口部906aは、第1背極板905の貫通孔905aを介して、コンデンサ空間と連通している。このような構成によって、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900は指向性を有する。
特に、この例では、第1コンタクト906の開口部906cが比較的狭い空間になっており、かつ、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900の前方あるいは後方から見たとき(つまり、図7の紙面の下ないし上から見たとき)第2背極板907の貫通孔907aと第1コンタクト906の貫通孔906bはオーバーラップしていないため、第1コンタクト906の開口部906cを通過する際に、後部音孔911aから入り込んだ音波の伝達遅延(音響抵抗ともいう)が生じる。この音響抵抗が所望の単一指向性の実現に寄与している。なお、一般的に、指向性コンデンサマイクロホンの指向性は、このような音響抵抗だけでなく、回路基板911の後部音孔911aの構成(数、形状、大きさ、位置など)、第2背極板907の貫通孔907aの構成(数、形状、大きさ、位置など)、第1背極板905の貫通孔905aの構成(数、形状、大きさ、位置など)などに依存しえる。また、回路基板911の後部音孔911aの構成(数、形状、大きさ、位置など)、第2背極板907の貫通孔907aの構成(数、形状、大きさ、位置など)、第1コンタクト906の構成(特に、一方の開口部906aと他方の開口部906cと貫通孔906bのそれぞれの数、形状、大きさ、位置など)、第1背極板905の貫通孔905aの構成(数、形状、大きさ、位置など)などは、指向性コンデンサマイクロホンの周波数特性にも影響を及ぼす。
さて、上述の構成によると、音波による振動膜903の振動は振動膜903と第1背極板905との間の静電容量の変化を表す信号として現れるが、この変化は電圧の振幅が小さい微弱信号である。このため、インピーダンス変換器910として、入力インピーダンスの大きい電圧制御型の素子、例えばFET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)が用いられることが多い。この場合、回路基板911の内表面の回路パターン(図示せず)と、第2コンタクト909と、第2背極板907と、第1コンタクト906とを介して、FETのゲート端子と第1背極板905との電気的な導通が確保されている。FETの例えばドレイン端子は、回路基板911のスルーホール(図示せず)を介して、回路基板911の外表面に形成されている回路パターン(図示せず)との電気的な導通が確保されている。同様に、FETの例えばソース端子は、回路基板911のスルーホール(図示せず)を介して、回路基板911の外表面に形成されている回路パターン(グラウンドパターン;図示せず)との電気的な導通が確保されている。グラウンドパターンはカプセル901と接触している。
このような指向性コンデンサマイクロホンの例として特許文献1が挙げられる。
特開2011−082723号公報
FETのゲート端子を見たときのインピーダンスは非常に大きいので(例えば数ギガΩ)、FETのゲート端子はノイズ、特に静電誘導ノイズの影響を受けやすい。特に、FETのゲート端子に接続する回路パターンが回路基板911に形成されている場合、指向性コンデンサマイクロホンでは回路基板911に後部音孔911aが形成されていることから、静電誘導ノイズへの対処が望まれる。
静電誘導ノイズの影響を回避するために、回路基板911の後部音孔911aの構成(数、形状、大きさ、位置など)を変えることが考えられるが、指向性コンデンサマイクロホンの周波数特性や指向性に影響が及ぶために、これらを安易に変更することはできない。
このような状況に鑑みて、本発明は、ノイズ対策が施された指向性コンデンサマイクロホンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の指向性コンデンサマイクロホンは、次の構成とされる。即ち、音波の振動を静電容量の変化に変換するトランスデューサと、回路パターンが形成されている回路基板と、回路基板に取り付けられているインピーダンス変換器と、開口部を有する収容器とを含み、トランスデューサと回路基板とインピーダンス変換器は収容器に収容されており、回路基板が収容器の開口部を塞いでおり、収容器は回路パターンに含まれるグラウンドパターンと導通しており、回路基板に貫通孔が形成されている指向性コンデンサマイクロホンであって、さらに、導電性の多孔体を含み、多孔体は、回路基板の貫通孔を塞ぐとともに、グラウンドパターンと導通していることを特徴とする。
多孔体は、例えば、網目状のシートまたは焼結金属または発泡金属である。
多孔体が網目状シートの場合、網目状シートの開口率は、回路基板の貫通孔が多孔体によって塞がれていない場合の指向性に実質的な影響を与えない値を有することが好ましい。また、多孔体が焼結金属または発泡金属の場合、焼結金属または発泡金属の開口率は、回路基板の貫通孔が多孔体によって塞がれていない場合の指向性に実質的な影響を与えない値を有することが好ましい。
本発明の指向性コンデンサマイクロホンは、回路基板の貫通孔が導電性多孔体によって静電シールドされているため、ノイズの影響を受けにくい。また、回路基板の貫通孔が導電性多孔体によって塞がれているため、異物が指向性コンデンサマイクロホンの内部に入り込みにくい。
第1実施形態の指向性コンデンサマイクロホンの断面図。 第1実施形態の指向性コンデンサマイクロホンの分解斜視図。 第1実施形態の変形例1の指向性コンデンサマイクロホンの断面図。 第1実施形態の変形例2の指向性コンデンサマイクロホンの断面図。 第1実施形態の変形例3の指向性コンデンサマイクロホンの断面図。 第2実施形態の指向性コンデンサマイクロホンの断面図。 従来の指向性コンデンサマイクロホンの断面図。 従来の指向性コンデンサマイクロホンの分解斜視図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。各実施形態では、指向性コンデンサマイクロホンとして単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホンを採用している。なお、各実施形態において、図7に示す単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900に含まれる構成要素と同じ構成要素には単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900における当該構成要素の符号を割り当てて重複説明を省略する。よって、重複説明が省略された構成要素については図7に示す単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900に関する説明を参照されたい。
《第1実施形態》
第1実施形態の単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100a(図1参照)は、回路基板911の各後部音孔911aを塞ぐ多孔体112を含んでいる点で、図7に示す単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン900と異なる。
多孔体112が備えるべき性質として、静電誘導ノイズを遮蔽する観点から導電性が挙げられる。また、多孔体112が後部音孔911aを塞ぐことから、指向性コンデンサマイクロホンの指向性を損なわないように、音波が通過できる性質を多孔体112が持っていなくてはならない。この意味で、多孔体112は通気性を持つことが必要となる。また、導電性の多孔体112が静電シールドとしての機能を果たすためには、多孔体112がグラウンドされている必要もある。
この実施形態では、多孔体112は、金属材料で形成された繊維が上述の通気性を確保できるような開口(網の目)を有するように織られた円環状シートである(図2参照)。多孔体112は、全ての後部音孔911aを塞ぐように回路基板911の内表面に取り付けられている。この実施形態では、多孔体112は、例えば、半田付けによって回路基板911に固定されている。
さらに、多孔体112は、回路基板911のグラウンドパターンに電気的に導通している。この実施形態では、回路基板911の外表面のグラウンドパターンにスルーホールを介して導通する回路パターンが回路基板911の内表面に形成されており、当該回路パターンと多孔体112との導通を確保することによって、多孔体112は回路基板911のグラウンドパターンに電気的に導通している。このため、多孔体112はカプセル901との電気的な導通が確保されている。
このような構成であるから多孔体112による静電シールド機能が発揮され、インピーダンス変換器910であるFETのゲート端子(ハイインピーダンスポイント)に接続する回路パターンが回路基板911に形成されている場合に特に有効である。
回路基板911の複数の後部音孔911aが同一円周上に配置されているため、この実施形態の多孔体112は円環状であるが、このような形状に限定されない。多孔体112は例えば円状や矩形状のシートでもよい。この場合、回路基板911の内表面の回路パターンなどとの干渉を防ぐために、円の径や矩形の短辺の長さを回路基板911の後部音孔911aの径よりも少し長い程度とし、回路基板911の各後部音孔911aを個別に多孔体112で塞ぐようにしてもよい。
多孔体112の形状が網の目を有する網目状シートである場合、上述のように金属繊維が織られたシートに限定されず、例えば、多孔体112としてエキスパンドメタルを採用することもできる。エキスパンドメタルは継ぎ目がないので良好な静電シールドを期待できる。
また、多孔体112が網目状シートの場合、網目状シートの開口率は、多孔体112が静電シールドとしての役割を果たす程度でありながら、回路基板911の後部音孔911aが多孔体112によって塞がれていない場合の指向性に実質的な影響を与えない値を有することが好ましい。換言すれば、網目状シートの開口率は、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100aにとって網目状シートが実質的に音響抵抗とならないような開口率であることが好ましい。ここで「実質的」の意味は、「完全に」の意味ではなく、指向性に関する設計要求を損なわない程度、あるいは、指向性コンデンサマイクロホンの実用性を損なわない程度、を意味する。このような開口率を有する網目状シートであれば、既に所望の指向性を得るべく設計されている他の構成要素(例えば、第2背極板907の貫通孔907aの構成(数、形状、大きさ、位置など)、第1コンタクト906の形状、第1背極板905の貫通孔905aの構成(数、形状、大きさ、位置など)など)に影響を及ぼすことがない。
<第1実施形態の変形例1>
上述の第1実施形態では、多孔体112は回路基板911の内表面に取り付けられていたが、この変形例1の単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100bでは、多孔体112が全ての後部音孔911aを塞ぐように回路基板911の外表面に取り付けられている(図3参照)。この単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100bでは、多孔体112は回路基板911の外表面に形成されているグラウンドパターンに電気的に導通している。このため、多孔体112はカプセル901との電気的な導通が確保されている。
この他の技術事項については上述の第1実施形態と同じであるから重複説明を省略する。
<第1実施形態の変形例2>
第1実施形態の変形例2の単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100cは、上述の第1実施形態と、上述の第1実施形態の変形例1と、の複合形態である。単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100cでは、多孔体112が全ての後部音孔911aを塞ぐように回路基板911の内表面と外表面のそれぞれに取り付けられている(図4参照)。
この他の技術事項については上述の第1実施形態やこの変形例1と同じであるから重複説明を省略する。
<第1実施形態の変形例3>
多孔体112が半田付けなどによって回路基板911に固定される取り付け方法に限定されず、例えば、変形例3の単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100dでは、回路基板911と第2背極板907に挟まれて配置される電気的絶縁性の第2ホルダ108が、多孔体112が動かないように多孔体112をしっかりと支持し、かつ、多孔体112を回路基板911の内表面に押し付けることによって、多孔体112を回路基板911に固定してもよい(図5参照)。このとき、上述の第1実施形態と同様に、多孔体112と回路基板911のグラウンドパターンとの電気的な導通が確保される。
この場合、上述の第1実施形態と異なり、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100dは第2コンタクト909を含むことが困難である。単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100dでは、インピーダンス変換器910であるFETのゲート端子と第2背極板907との電気的な導通を確保するため、コネクタ119によってFETのゲート端子と第2背極板907との電気的な導通を確保している。
なお、第2ホルダ108には貫通孔108aが形成されており、第2ホルダ108の貫通孔108aと回路基板911の後部音孔911aと第2背極板907の貫通孔907aとが連通している。第2ホルダ108の貫通孔108aは、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100dが第2ホルダ108を含まない場合の指向性に実質的な影響を与えないように形成されている。
《第2実施形態》
第2実施形態の単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100eでは、多孔体112は、上述の通気性を確保できるような空隙を有するように形成された焼結金属あるいは発泡金属である。この場合、多孔体112を回路基板911の内表面あるいは外表面あるいは両方に取り付けてもよいが、図6に示すように、回路基板911の後部音孔911aの形状(例えば略円柱状)に合うように形成された多孔体112を回路基板911の各後部音孔911aに嵌め込んで固定してもよい。
多孔体112とグラウンドパターンとの導通の確保の方法として種々の方法が考えられる。例えば、回路基板911の後部音孔911aの側壁にめっきを施し、このめっき部分とグラウンドパターンとの導通を確保することで、多孔体112とグラウンドパターンとの導通が確保される。あるいは、上述のように略円柱状に形成された多孔体112の一端部にフランジが形成されており、このフランジがグラウンドパターンと接触することによって、多孔体112とグラウンドパターンとの導通を確保してもよい。また、第2実施形態によると、それぞれに導電性の多孔体112が嵌め込まれた複数(この例では後部音孔911aの数は4個である)の後部音孔911aはスルーホールとしても機能するため、高周波ノイズの低減という効果も得られる。
また、多孔体112が焼結金属あるいは発泡金属の場合、焼結金属あるいは発泡金属の空隙率(気孔率とも呼ばれる)は、多孔体112が静電シールドとしての役割を果たす程度でありながら、回路基板911の後部音孔911aが多孔体112によって塞がれていない場合の指向性に実質的な影響を与えない値を有することが好ましい。換言すれば、焼結金属あるいは発泡金属の空隙率は、単一指向性エレクトレットコンデンサマイクロホン100eにとって焼結金属あるいは発泡金属が実質的に音響抵抗とならないような空隙率であることが好ましい。ここで「実質的」の意味は、「完全に」の意味ではなく、指向性に関する設計要求を損なわない程度、あるいは、指向性コンデンサマイクロホンの実用性を損なわない程度、を意味する。このような空隙率を有する焼結金属あるいは発泡金属であれば、既に所望の指向性を得るべく設計されている他の構成要素(例えば、第2背極板907の貫通孔907aの構成(数、形状、大きさ、位置など)、第1コンタクト906の形状、第1背極板905の貫通孔905aの構成(数、形状、大きさ、位置など)など)に影響を及ぼすことがない。同様に、回路基板911の後部音孔911aの形状(例えば略円柱状)に合うように形成された多孔体112を回路基板911の各後部音孔911aに嵌め込んで固定する場合には、多孔体112の厚みも、回路基板911の後部音孔911aが多孔体112によって塞がれていない場合の指向性に実質的な影響を与えない値を有することが好ましい。なお、このような焼結金属あるいは発泡金属として、粒径0.5mm程度の大きさの金属粒子を用いて成形された焼結金属あるいは発泡金属を例示できる。
上述の各実施形態の指向性コンデンサマイクロホンはバックエレクトレットタイプの指向性コンデンサマイクロホンであったが、本発明は、フロントエレクトレットタイプやホイルエレクトレットタイプの指向性コンデンサマイクロホンにも適応可能である。
また、本発明はトランスデューサの構造やカプセルの形状などにも依存しない。
さらに、本発明は、インピーダンス変換器の種類や、回路基板上の回路パターンや、インピーダンス変換器と回路パターンとの接続などにも依存しない。
以上の実施形態の他、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。

Claims (6)

  1. 音波の振動を静電容量の変化に変換するトランスデューサと、
    回路パターンが形成されている回路基板と、
    上記回路基板に取り付けられているインピーダンス変換器と、
    開口部を有する収容器と
    を含み、
    上記トランスデューサと上記回路基板と上記インピーダンス変換器は上記収容器に収容されており、
    上記回路基板が上記収容器の上記開口部を塞いでおり、
    上記収容器は上記回路パターンに含まれるグラウンドパターンと導通しており、
    上記回路基板に貫通孔が形成されている
    指向性コンデンサマイクロホンであって、
    さらに、導電性の多孔体を含み、
    上記多孔体は、上記回路基板の上記貫通孔を塞ぐとともに、上記グラウンドパターンと導通している
    ことを特徴とする指向性コンデンサマイクロホン。
  2. 請求項1に記載の指向性コンデンサマイクロホンにおいて、
    上記多孔体は、網目状のシートである
    ことを特徴とする指向性コンデンサマイクロホン。
  3. 請求項2に記載の指向性コンデンサマイクロホンにおいて、
    上記シートの開口率は、上記回路基板の上記貫通孔が上記多孔体によって塞がれていない場合の指向性に影響を与えない値を有する
    ことを特徴とする指向性コンデンサマイクロホン。
  4. 請求項1に記載の指向性コンデンサマイクロホンにおいて、
    上記多孔体は、焼結金属または発泡金属である
    ことを特徴とする指向性コンデンサマイクロホン。
  5. 請求項4に記載の指向性コンデンサマイクロホンにおいて、
    上記焼結金属または上記発泡金属の空隙率は、上記回路基板の上記貫通孔が上記多孔体によって塞がれていない場合の指向性に影響を与えない値を有する
    ことを特徴とする指向性コンデンサマイクロホン。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の指向性コンデンサマイクロホンにおいて、
    上記インピーダンス変換器はFETであり、
    上記FETのゲート端子が上記回路基板の回路パターンと導通している
    ことを特徴とする指向性コンデンサマイクロホン。
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