JP2015023426A - 広帯域アンテナ - Google Patents
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Abstract
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図22(b)に示すように、アンテナ基板110の裏面にはアンテナ基板110の長軸方向に細長く延伸された無給電素子122が、第2エレメント121に対面して形成されている。また、第1エレメント120の給電点とスルーホール120cで接続されている給電パターン123aと、第2エレメント121の給電点とスルーホール121cで接続されているアースパターン123bとが形成されている。アンテナ部100は同軸ケーブルにより給電されるが、同軸ケーブルの芯線が給電パターン123aにハンダ付けにより接続され、芯線と同軸構造を構成しているシールド導体がアースパターン123bにハンダ付けにより接続される。
従来のアンテナ部100は、800MHz帯および2000MHz帯を使用している携帯電話網において動作可能なアンテナとされ、少なくとも815MHzないし2170MHzの周波数帯において3以下となるVSWR特性を示している。
そこで、本発明は700MHz帯ないし3000MHz帯において使用することができる小型の広帯域アンテナを提供することを目的としている。
本発明にかかる広帯域アンテナは、縦長の矩形状の絶縁性の基板と、該基板の表面のほぼ中央から上部にかけて、中央部が切り欠かれたコ字状の形状に形成されているホット素子と、前記基板の表面の前記ホット素子の下方に、上部が開放されたほぼ矩形のループ形状に形成されているアース素子と、前記基板の裏面のほぼ中央に形成された給電ホット素子と、該給電ホット素子の直下に形成された給電アース素子とを備え、前記ホット素子の両側の下端の各々が、前記給電ホット素子の両側の端部のそれぞれに前記基板を介して接続され、前記アース素子の上端の1端が、前記給電アース素子の1端に前記基板を介して接続され、前記給電ホット素子の中途から延伸された延伸部と、前記給電アース素子のほぼ中央とが近接配置され、前記給電ホット素子の前記延伸部の先端と、前記延伸部の先端に対向する前記給電アース素子の部位が給電点とされていることを最も主要な特徴としている。
これらの図に示すように、第1実施例の広帯域アンテナ1はテフロン基板やガラスエポキシ基板等の高周波特性の良好な絶縁性の基板10の表面と裏面とにプリントパターンとして形成された、ダイポールアンテナを構成するホット素子11とアース素子12と、給電用の給電ホット素子13と給電アース素子14とを備えている。この場合、基板10は縦長の矩形状とされており、基板10の表面の上部から中央部にかけてホット素子11が形成されており、基板10の表面の中央部から下部にかけてアース素子12が形成されている。また、基板10の裏面のほぼ中央部には給電ホット素子13と給電アース素子14が形成されている。広帯域アンテナ1は、給電ホット素子13と給電アース素子14から給電される。
アース素子12は、基板10の右側縁の中央部から上部にほぼ平行に形成された所定の幅を有する縦長の第1垂直部12aと、基板10の左側縁の中央部から上部にほぼ平行に形成された所定の幅を有する縦長の第2垂直部12cと、第1垂直部12aと第2垂直部12cとの下端の間を接続する基板10の下縁にほぼ平行に形成された所定の幅を有する横長の第1水平部12bと、第2垂直部12cの上端から第1水平部12bにほぼ平行に延伸して形成された所定の幅を有する横長の第2水平部12dとからなり、細長い矩形の枠状の形状に形成されている。なお、第2水平部12dの先端は第1垂直部12aの上部に重なるように位置しているが、第2水平部12dの先端は第1垂直部12aに接続されておらず、アース素子12は上部の先端が開放された矩形のループ状に形成されている。また、第1垂直部12aの上端の右端にはスルーホール12eが設けられている。
λ=λ’/(√εr/2) (1)
で算出される。ただし、εrは基板10の比誘電率である。ここで、比誘電率εrを例えば約4.3とすると、周波数700MHzの自由空間における波長λ1’は約428.6mmとなり、波長短縮された波長λ1は約292.3mmとなる。また、周波数3000MHzの自由空間における波長λ2’は約100mmとなり、波長短縮された波長λ2は約68.2mmとなる。(1)式において(εr/2)としているのは、基板10の片面にしかパターンが形成されていない(パターンはほぼ重ならないように形成されている)ことから、簡易的に比誘電率εrの影響を1/2としているからである。以下の記載における波長λ1,λ2は、上記(1)式により算出された波長λ1,λ2とされている。
第1実施例にかかる広帯域アンテナ1が、以上の通りの寸法とされている場合では、ホット素子11およびアース素子12からなるアンテナ長は約136mm(約0.465λ1)となり、約λ1/2となっていることが分かる。
アース素子12は上部の先端が開放された矩形のループ状に形成されているが、第2水平部12dの開放されている先端部は、幅広(W4)に形成されている第1垂直部12aの先端面と対向しており、この対向している部分において第2水平部12dと第1垂直部12aとは電磁結合している。電磁結合は、動作周波数帯域の低域では結合が弱いことから、低域においてアース素子12は矩形状に屈曲された線状素子として動作する。また、動作周波数帯域の高域では強く結合するようになることから、高域では矩形状のループ素子として動作する。これにより、広帯域特性が得られるようになる。さらに、アース素子12の第2水平部12dは基板10を介して給電アース素子14の第1折曲部14aと対向しており、この対向している部分において第2水平部12dと第1折曲部14aとは電磁結合している。この電磁結合は、第2水平部12dの長さELUwにより結合の度合いが決まることから、長さELUwを最適の長さである上記寸法とすることにより、広帯域特性が得られるようになる。さらにまた、給電ホット素子13の直線部13aはスルーホール部13c,13dにより表面に幅広のコ字状に形成されているホット素子11の下端間を接続して、ホット素子11と給電ホット素子13とで矩形ループ状の素子が形成される。そして、第1折曲部14aおよびU字状折曲部14bとL字状折曲部13bとが近接配置された部位において電磁結合していることから、ホット素子11と給電ホット素子13とで矩形ループ状の素子は、給電アース素子14と結合するようになる。なお、給電ホット素子13と給電アース素子14の一部における平行配置は、コプレナー線路を構成している。
まず、図6(a)(b)に示す給電ホット素子13の下縁からのホット素子11の高さEULが、約30mm(約0.103λ1,約0.44λ2)〜約68mm(約0.233λ1,約0.997λ2)に変化したときの比帯域幅BW特性を図6(c)に示す。図6(c)を参照すると、700MHzから約124.3%の比帯域幅を満足する高さEULは、少なくともマーク1で示す約40mm(約0.137λ1,約0.587λ2)ないしマーク2で示す約60mm(約0.205λ1,約0.88λ2)の範囲となることが分かる。
図8(a)(b)に示すアース素子12の第1垂直部12aの高さELrLが、約68.7mm(約0.235λ1,約1.007λ2)〜約85.5mm(約0.293λ1,約1.254λ2)に変化したときの比帯域幅BW特性を図8(c)に示す。図8(c)を参照すると、700MHzから約124.3%の比帯域幅を満足する高さELrLは、少なくともマーク1で示す約77mm(約0.263λ1,約1.13λ2)ないしマーク2で示す約84mm(約0.287λ1,約1.23λ2)の範囲となることが分かる。
図10(a)(b)に示すホット素子11の水平部11bの幅EUgbが、約1mm(約0.003λ1,約0.015λ2)〜約51mm(約0.181λ1,約0.748λ2)に変化したときの比帯域幅BW特性を図10(c)に示す。図10(c)を参照すると、700MHzから約124.3%の比帯域幅を満足する幅EUgbは、マーク1で示す約47mm(約0.161λ1,約0.689λ2)以下の範囲となることが分かる。
図12(a)(b)に示すU字状折曲部14bの第1折曲部14aの先端から下方へ屈曲された部位とL字状折曲部13bの先端部との長さ(U字状折曲部14bの上方へほぼ直角に屈曲されている部位の長さ)FPrLが、約15mm(約0.0513λ1,約0.220λ2)〜約22mm(約0.0753λ1,約0.323λ2)に変化したときの比帯域幅BW特性を図12(c)に示す。図12(c)を参照すると、700MHzから約124.3%の比帯域幅を満足する長さFPrLは、少なくともマーク1で示す約17.5mm(約0.0599λ1,約0.257λ2)ないしマーク2で示す約20.2mm(約0.0691λ1,約0.296λ2)の範囲となることが分かる。
図14(a)(b)に示すL字状折曲部13bの先端から下方へほぼ直角に屈曲されている部位の幅FPcwが、約0.45mm(約0.00154λ1,約0.00660λ2)〜約1.5mm(約0.00513λ1,約0.0220λ2)に変化したときの比帯域幅BW特性を図14(c)に示す。図14(c)を参照すると、700MHzから約124.3%の比帯域幅を満足する幅FPcwは、マーク1で示す約1.2mm(約0.00411λ1,約0.0176λ2)以下の範囲となることが分かる。
図16(a)(b)に示すU字状折曲部14bの第1折曲部14aの先端から下方へ屈曲された部位の幅FPLwが、約0.1mm(約0.00034λ1,約0.00147λ2)〜約4.2mm(約0.0144λ1,約0.0616λ2)に変化したときの比帯域幅BW特性を図16(c)に示す。図16(c)を参照すると、700MHzから約124.3%の比帯域幅を満足する幅FPLwは、少なくともマーク1で示す約0.5mm(約0.00171λ1,約0.00733λ2)ないしマーク2で示す約3mm(約0.0103λ1,約0.0440λ2)の範囲となることが分かる。
図17(a)(b)に示す基板10の中心線とL字状折曲部13bの先端の中心線との間隔FPwが、約5.2mm(約0.0178λ1,約0.0762λ2)〜約11mm(約0.0376λ1,約0.161λ2)に変化したときの比帯域幅BW特性を図17(c)に示す。図17(c)を参照すると、700MHzから約124.3%の比帯域幅を満足する間隔FPwは、マーク1で示す約7mm(約0.02398λ1,約0.103λ2)以上の範囲となることが分かる。
第2実施例の広帯域アンテナ2は、第1実施例の広帯域アンテナ1のアース素子12の第2垂直部12cをミアンダ状としたミアンダ状部22cで置き換えた広帯域アンテナ2とされている。ミアンダ状部22cを備える第2実施例の広帯域アンテナ2は、アース素子22の高さ(長さ)が短縮されることから、広帯域アンテナ2の全長が短くなりより小型化されている。具体的には、第1実施例にかかる広帯域アンテナ1においてはホット素子11およびアース素子12からなるアンテナ長は約136mmとなっていたが、第2実施例の広帯域アンテナ2ではホット素子11およびアース素子22からなるアンテナ長が約110mm(約0.376λ1,約1.613λ2)と小型化される。第2実施例の広帯域アンテナ2は、このように小型化されても比帯域が約124.3%以上となり、広帯域化を実現することができる。
なお、第2実施例の広帯域アンテナ2においても図6ないし図17に示す各寸法を変化させると、第1実施例の広帯域アンテナ1と同様に比帯域幅BWが変化するようになる。
第3実施例の広帯域アンテナ3は、第1実施例の広帯域アンテナ1のアース素子12の第2垂直部12cをミアンダ状としたミアンダ状部22cで置き換えると共に、給電ホット素子33および給電アース素子34を基板30の中央部よりに屈曲された広帯域アンテナ3とされている。この広帯域アンテナ3は、アース素子22の高さ(長さ)が短縮されることから、広帯域アンテナ2の全長が短くなりより小型化されていると共に、給電点35が基板30のほぼ中央に配置されるようになる。この場合、第3実施例の広帯域アンテナ3ではホット素子11およびアース素子22からなるアンテナ長が約110mm(約0.376λ1,約1.613λ2)と小型化されるのは、第2実施例の広帯域アンテナ2と同様とされる。
また、基板30の裏面の中央部に形成された給電ホット素子33は、基板30の上縁にほぼ平行に基板30のほぼ横幅一杯に形成された細い幅の直線部33aと、直線部33aのほぼ中央から下方へ若干延伸され、その先端が横方向へほぼ直角に屈曲されて直線部33aにほぼ平行に所定の長さ延伸され、その先端が下方へほぼ直角に屈曲されて所定の長さ延伸されるが、その中途が中央に向かって傾斜するよう屈曲されている傾斜L字状折曲部33bとから構成されている。この傾斜L字状折曲部33bの先端は、基板30のほぼ中央に配置される給電点35の一方を構成している。直線部33aの両端には、上方へ突出する矩形状のスルーホール部33c、33dがそれぞれ形成されており、スルーホール部33cは基板30のスルーホールを介して表面のスルーホール部11dに接続されており、スルーホール部33dは基板30のスルーホールを介して表面のスルーホール部11eに接続されている。
第3実施例の広帯域アンテナ3の他の構成は、第1実施例の広帯域アンテナ1と同様とされているので、その説明は省略する。
なお、第3実施例の広帯域アンテナ3においても図6ないし図17に示す各寸法を変化させると、第1実施例の広帯域アンテナ1と同様に比帯域幅BWが変化するようになる。
以上説明した本発明の各実施例の広帯域アンテナの寸法は、一例であって上記した以外の寸法としても良い。また、同軸ケーブルは、セミリジットケーブル、セミフレキシブルケーブル、フレキシブルケーブルなどのケーブルを使用することができ、その特性インピーダンスは75Ω、あるいは、他の特性インピーダンスとすることができる。さらに、ホット素子およびアース素子等が形成されている基板の比誘電率は4.3以外の比誘電率とすることができる。さらにまた、広帯域アンテナの各素子の形状は、上記した形状に限定されることはないと共に、上記した各部の寸法以外の幅、長さ、間隔としてもよい。そして、各部の寸法を変化させることにより動作周波数帯域を700MHz〜3000MHz以外の周波数帯域としてもよい。
以上説明した第1実施例ないし第3実施例の広帯域アンテナにおいては、ホット素子とアース素子とにより構成されたダイポールアンテナとして動作しており、基板を垂直に配置することにより垂直偏波受信用アンテナとすることができ、基板を水平に配置することにより水平偏波受信用アンテナとすることができる。また、上記の説明では基板の表面および裏面にプリントパターンを形成することにより広帯域アンテナを構成したが、これに限ることはなく、例えば樹脂基板上に導体蒸着や板金貼付などにより広帯域アンテナを構成するようにしてもよい。
また、本発明の第3実施例の広帯域アンテナ3における給電点を基板のほぼ中央に配置する構成を、第1実施例の広帯域アンテナ1に適用するようにしてもよい。
Claims (5)
- 縦長の矩形状の絶縁性の基板と、
該基板の表面のほぼ中央から上部にかけて、中央部が切り欠かれたコ字状の形状に形成されているホット素子と、
前記基板の表面の前記ホット素子の下方に、上部が開放されたほぼ矩形のループ形状に形成されているアース素子と、
前記基板の裏面のほぼ中央に形成された給電ホット素子と、
該給電ホット素子の直下に形成された給電アース素子とを備え、
前記ホット素子の両側の下端の各々が、前記給電ホット素子の両側の端部のそれぞれに前記基板を介して接続され、
前記アース素子の上端の1端が、前記給電アース素子の1端に前記基板を介して接続され、
前記給電ホット素子の中途から延伸された延伸部と、前記給電アース素子のほぼ中央とが近接配置され、
前記給電ホット素子の前記延伸部の先端と、前記延伸部の先端に対向する前記給電アース素子の部位が給電点とされていることを特徴とする広帯域アンテナ。 - 前記アース素子は、前記基板の両側に沿って形成されている2つの垂直部と、この2つの垂直部の下端間を接続するよう形成されている第1水平部と、前記2つの垂直部の一方の先端から前記第1水平部とほぼ平行に延伸されている第2水平部とからなり、この第2水平部の先端は、幅広に形成された前記2つの垂直部の他方の先端面と対向していることを特徴とする請求項1に記載の広帯域アンテナ。
- 前記延伸部は、前記給電ホット素子のほぼ中央から前記給電アース素子側へ屈曲されて延伸され、前記給電アース素子のほぼ中央が、前記延伸部に沿って屈曲されて近接配置された折曲部とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の広帯域アンテナ。
- 前記アース素子の一辺がミアンダ状の形状とされて、前記アース素子の高さが短縮されていることを特徴とする請求項2または3に記載の広帯域アンテナ。
- 前記給電点が前記基板のほぼ中央に位置するように、前記給電ホット素子の前記延伸部と前記給電アース素子の前記折曲部との中途が傾斜されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の広帯域アンテナ。
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