JP2015022041A - 光ビームの走査速度の検知方法及び検知機構 - Google Patents

光ビームの走査速度の検知方法及び検知機構 Download PDF

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Abstract

【課題】 走査角度60度、10kHzといった広角度で高速走査する光ビームの走査速度を確実にかつ高精度に検知することができる光ビームの走査速度の検知機構を提供する。【解決手段】 光ビームの走査速度を検知する検知機構であって、光ビームを光学的に変調させる変調フィルタ19と、光ビームを集光する集光光学系14と、光ビームの集光位置に配置した光センサ14と、光センサ14により検知される前記変調フィルタ19により変調された走査信号に基づき、光ビームの走査範囲における速度分布を検出する検出部20とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、光ビームが往復走査される際の光ビームの走査速度を検知する検知方法及び検知機構に関する。
レーザ光等の光ビームを回転ミラーあるいは振動ミラーを用いて走査する光走査技術は、レーザプリンタやレーザテレビ、PLD投影機等の家電製品や、バーコードリーダー、レーザ加工機、マーカー機などの産業装置等に広く利用されている。通常、これらの製品における走査ミラーの駆動周波数は、50Hzから10kHz程度、走査角度は数度から数十度程度である。
光走査技術を利用した製品の制御及びこれらの製品の開発には、光ビームの走査角度と走査速度を正確に計測することができるシステムが欠かせない。光ビームの走査速度を計測する方法には、光ビームの走査範囲にCCDラインセンサあるいはPSD(Position Sensitive
Detector)素子といった光検出器を配置して、光ビームのスポットの動きを検知することによって計測する方法がある。
なお、レーザプリンタには、レーザビームの走査域に数個の光センサを配置し、レーザ光が通過するタイミングを検知してレーザ光の速度を検出して印刷制御する機構を備えたものがある(特許文献1、2)。また、光を利用して対象物の動き(軸の振動)を検知する方法として、軸の外周囲にグリッドラインを設け、反射光から検知する方法(特許文献3)、三角スリットを利用する方法(特許文献4)等がある。
特開2004−333874号公報 特開2012−8154号公報 特表平7−509053号公報 特開2006−118954号公報
上述したCCDラインセンサあるいはPSD素子を使用すれば、光ビームが走査される全域にわたって光ビームが走査される速度を検知することができる。
ところで、走査角度60度、10kHzといった広角度、高速で光ビームを走査する場合に、測定精度0.1度といった高精度での計測を可能にするには、6MHz程度の応答周波数が必要である。
しかしながら、CCDラインセンサを使用する場合は、一回の測定で、数百個または数万画素のデータ転送が必要となるから、応答周波数を数100kHz以上にすることは困難である。また、PSD素子では走査角度が大きくなると大きな受光面を備えるPSDが必要となり、PSD素子の電極間抵抗と端子間容量が大きくなるために応答が遅くなり、応答周波数は数MHzが限界である。
本発明は、走査角度60度、10kHzといった広角度で高速走査する場合であっても、容易にかつ確実に光ビームの走査速度を検知することができる検知方法及び検知機構を提供することを目的とする。
本発明に係る光ビームの走査速度の検知方法は、変調フィルタを使用して光学的な変調が加えられた光ビームを集光し、光ビームの集光位置に配置した光センサにより検知される前記変調フィルタにより変調された走査信号に基づき、光ビームの走査速度を検出することを特徴とする。
本発明に係る光ビームの走査速度の検知方法では、走査される光ビームを集光して集光位置に配置した光センサにより光信号を検知する。光ビームの集光位置に光センサを配置することにより、光ビームのスポットの移動を検知する必要がなく、光信号の応答速度が素子自体の応答周波数特性に依存することとなり、光センサの受光面の大きさに依存するために応答速度が制限されるという従来の問題が回避され、光ビームの走査速度が高速になった場合でも、確実に走査信号を検知することが可能になる。
また、変調フィルタを用いて光ビームに変調を加えることにより、光センサにより検知される信号が走査情報を含む信号(走査信号)となり、走査信号を検知することによって光ビームの走査速度を検知することができる。
また、本発明に係る光ビームの走査速度を検知する検知機構は、光ビームを光学的に変調させる変調フィルタと、光ビームを集光する集光光学系と、光ビームの集光位置に配置した光センサと、前記光センサにより検知される前記変調フィルタにより変調された走査信号に基づき、光ビームの走査範囲における速度分布を検出する検出部とを備えることを特徴とする。
光ビームの走査に用いられる走査機構には、光反射機構に振動ミラーを用いるもの、ポリゴンミラーを用いるもの等の種々の方式がある。また、振動ミラー等の駆動機構や走査角度、走査速度もさまざまであり、光源にもいろいろなものが用いられている。本発明は、これらの光ビームの走査機構の構成にはなんら限定されない。
光ビームを集光する集光光学系は走査ビームを光センサに集光させるためのものであり、集光光学系の構成が限定されるものではない。集光光学系は、走査範囲の光ビームをすべて集光させる配置として全走査範囲での速度分布を検出することもできるし、走査範囲内の光ビームを部分的に集光して部分的な速度分布を検出することも可能である。
集光光学系と変調フィルタとの配置位置関係はとくに限定されるものではない。集光レンズ等からなる集光光学系の前後位置のいずれに変調フィルタを配置してもよく、複数の集光光学系の中間位置に変調フィルタを配置することもできる。
光ビームに光学的な変調を加える変調フィルタの例としては、光ビームの走査方向に連続的に(直線的に)濃度が変化するように設けた可変濃度フィルタ、等間隔に濃淡パターンを設けた等間隔パターンフィルタがある。可変濃度フィルタの濃度勾配については適宜設定可能であり、等間隔パターンフィルタについてもパターン間隔、線幅を適宜設定可能である。
変調フィルタは、走査される光ビームが透過する位置に設ける。変調フィルタは光ビームの光路中であれば適宜位置に配置することができる。
光ビームの走査範囲における速度分布を検出する検出部は、光センサによって受光される変調された走査信号に基づいて光ビームの走査速度を検出する。検出部では、スキャンごとの走査速度(速度分布)を検知することにより、速度分布のばらつき、ゆらぎといった走査速度の変動を検知することができる。なお、光ビームの走査速度に加えて走査加速度を検知することも可能である。本明細書において光ビームの走査速度とは、光ビームの走査速度に限定する意ではなく走査加速度についても含む概念とする。
変調フィルタとして、光ビームの走査方向に濃度が連続的に変化する可変濃度フィルタを使用する場合は、走査信号は、光ビームの走査位置における光センサの受光強度が変調された信号となる。検出部では光センサの受光強度に基づいて、光ビームの走査範囲における速度分布を検知することができる。
変調フィルタとして、光ビームの走査方向に等間隔に濃淡パターンが設けられた等間隔パターンフィルタを使用する場合は、走査信号は明暗パターンとして変調された信号となる。検出部では、明暗パターンの極値間(極小値間、極大値間、極小値と極大値間)の時間間隔に基づいて、光ビームの走査範囲における速度分布を検知することができる。
また、等間隔パターンフィルタを使用して速度分布を検知する方法として、走査信号をフーリエ変換して得られた走査信号の周波数分布から位相分布を求め、位相分布を微分して速度分布を検知することも可能である。
本発明に係る光ビームの走査速度検知機構は、光ビームを所定の角度範囲わたり往復走査する光ビームの走査機構を備えるプリンタ等の装置に、光ビームの走査速度をモニターする機構として組み込んで使用することができる。
本発明に係る光ビームの走査速度の検知方法及び検知機構によれば、走査角度60度といった広角度で走査する光ビームの走査機構を備える装置等の光ビームの走査速度を、確実かつ高精度に検知することができる。
光ビームの走査速度の検知機構についての第1の実施の形態の構成を示す説明図である。 可変濃度フィルタの光学的濃度と透過率との関係を示すグラフである。 光センサの受光強度と時間との関係を示すグラフ(a)と、可変濃度フィルタの透過率により補正した走査位置と時間との関係を示すグラフ(b)である。 光ビームの走査速度の検知機構についての第2の実施の形態の構成を示す説明図である。 光センサの受光強度の測定結果を示すグラフである。 光ビームの走査速度の測定例を示すグラフである。 変調された走査信号g(x)の測定例を示すグラフである。 変調された走査信号g(x)をフーリエ変換した後の周波数分布G(fx)を示すグラフである。 周波数分布G(fx)から正の周期成分をすべて抽出して求めた位相分布φ(x)を示すグラフである。 位相分布φ(x)を微分して得られた光ビームの走査速度v(x)を示すグラフである。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る光ビームの走査速度の検知機構について第1の構成例を示す。
光ビームを所定角度範囲にわたって往復走査する光ビームの走査機構は、レーザ光源10とレーザ光源10から射出された光ビーム(レーザ光束)を反射する振動ミラー12とを備える。光ビームの走査角度は振動ミラー12の回転角によって決まる。図示例の走査機構での光ビームの走査角度は60度である。
実施形態の検知機構は、光ビームの走査速度を測定する測定系として、振動ミラー12により反射される光ビームを集光する集光レンズ14と、光ビームが集光される位置に配置した光センサ16と、集光レンズ14への光の入射側に配置した変調フィルタとしての可変濃度フィルタ18とを備える。
集光レンズ14は、振動ミラー12によって反射される走査領域内の光ビームがすべて透過するように、光ビームが走査される範囲を横切る配置に設ける。
可変濃度フィルタ18は、光センサ16により検知される光に光学的な変調を加えるためのもので、本実施形態では、可変濃度フィルタ18の長手方向(図の上端側から下端側に)に濃度が連続的に変化するフィルタを使用している。
レーザ光源10から出射されたレーザ光は、振動ミラー12により反射され、可変濃度フィルタ18を透過し、集光レンズ14により集光されて光センサ16により検知される。レーザ光が可変濃度フィルタ18を透過して、光センサ16によって受光されるから、光センサ16は可変濃度フィルタ18を透過する位置によって異なる光強度の光を検知することになる。光センサ16には検知された走査信号を解析する検出部20が接続される。
光センサ16には、例えばPINフォトダイオードを使用することができる。PINフォトダイオードは受光部の面積が小さく、容量が小さいことから応答周波数は数百MHz〜GHzの高速特性を備える。
図1には、光センサ16の受光強度を、光ビームの走査位置に対応してグラフ化して示している。可変濃度フィルタ18には上端側の濃度が薄く、下端側の濃度が濃くなる濃度勾配が設けられているから、光センサ16の受光強度は、可変濃度フィルタ18の上端側を通過した光ビームについては強く、下端側を通過する光ビームの光強度は弱くなる。
図2は、可変濃度フィルタ18の長さ方向(濃度が変化する方向:フィルタの一端側から他端側)の光学的な濃度と透過率を示したものである。光学的濃度Dはフィルタの長手方向に一様に(直線的に)変化するのに対し、透過率TはD=log(1/T)であり、フィルタの長さ方向に一様には変化しない。
したがって、光センサ16の受光強度と光ビームの線速度とを対応させるには、透過率Tにより受光強度を補正する必要がある。
図3は、光センサ16による受光強度(a)と、透過率Tにより補正したグラフ(b)を示す。透過率により補正したグラフは、横軸が時間(t)、縦軸が光ビームの走査位置(y)に対応する。したがって、図3(b)の測定データを微分することにより、光ビームが走査される際の速度分布(線速度)を得ることができる。
図3は1回のスキャン例であるが、繰り返しスキャンすることによって、光ビームの走査速度のばらつきや、走査時の速度のゆらぎ、走査の安定性などを検知することができる。
本実施形態の測定装置は、振動ミラー12によって走査される光ビームを光センサ16の受光面に集光させ、受光強度を検知する方法によって光ビームの走査速度を検知する。光ビームは、光センサ16の受光面に集光されて検知されるから、CCDセンサ等を用いて光スポットの動きを検知する場合にセンサの応答速度により検知速度が制限される問題が回避され、走査信号の検出が限界とされた走査速度についても容易にかつ確実に検知することが可能となる。
また、本実施形態の測定装置は、走査角度が60度といった広角度で光ビームを走査する場合であっても、光センサ16の受光面に光ビームを集光させるて検知するから、走査角度の大小に関わらずに走査速度を検知することができる。すなわち、本実施形態の測定装置は光ビームを大きな走査角度で、高速査する装置であっても容易に光ビームの走査速度を検知することができるという大きな利点を有する。
なお、可変濃度フィルタ18を用いて光センサ16の受光強度に基づいて光ビームの走査速度を検知する方法の場合は、測定装置のレーザ光源10のレーザ光強度の変動が光センサ16の受光強度に直接的に影響するから、レーザ光源10が安定している必要がある。光センサ16についても適宜キャリブレーションを行って、一定の光強度に対して一定の出力が得られることを確かめる必要がある。また、測定環境の外乱による影響もあり得るから、測定装置の使用環境についても注意を払う必要がある。
本実施形態においては、可変濃度フィルタ18として、フィルタの長さ方向に連続する直線的な濃度勾配を有するフィルタを使用した。可変濃度フィルタ18は必ずしも濃度が1次関数的に変化するものでなければならないものではない。たとえば、透過率を基準として、フィルタの長さ方向に透過率が直線的に変化する濃度勾配を備える可変濃度フィルタを使用することも可能である。この場合は、光フィルタ16の受光強度が直接的にフィルタの長手方向での光ビームの透過位置を示すことになる。
可変濃度フィルタ18は、光ビームが可変濃度フィルタ18を透過する位置情報を光センサ16における受光強度として反映させるもの(変調パターン)として作用するものであり、可変濃度フィルタ18の濃度勾配のいかんに関わらず、可変濃度フィルタ18の濃度勾配(変調パターン)と光センサ16の受光強度(走査信号)との関係から光ビームの走査速度を求めることができる。
検出部20では、光学的に変調された走査信号に基づいて、走査速度の揺らぎやばらつきを検出することができる。走査速度についての測定データを微分することにより、走査加速度を検知することも可能である。
(第2の実施の形態)
図4は、図1に示した光ビームの測定系において変調フィルタとして使用した可変濃度フィルタ18を等間隔パターンフィルタ19に置き換えて構成した検知機構を示す。光ビーム(レーザ光束)の走査機構としてレーザ光源10及び振動ミラー12を備えること、光ビームの走査速度の測定系として、集光レンズ14、光センサ16、検出部20を備えることは第1の実施の形態と同様である。
等間隔パターンフィルタ19は、フィルタ19の長手方向(光ビームが走査される向き)に等間隔で濃淡の縞(等間隔のスリット状)を形成したものである。図4には、光ビームの走査位置に合わせて、光センサ16により受光した光強度のグラフを示した。図4に示すグラフは、等間隔パターンフィルタ19の変調パターンにより、光センサ16によって受光される光強度に強弱のパターン(明暗パターン)が表れることを示している。
本実施形態の検知機構では、図4のグラフに示すように、光センサ16により明暗パターンが受光されるから、この明暗パターンに基づいて光ビームの走査速度を検出することができる。
光センサ16によって得られる明暗パターンに基づいて光ビームの走査速度を検出する一つの方法は、図5に示すように、光信号の極小値または極大値を検出し、隣り合った極小値同士間、または極大値同士間、または極小値と極大値間の時間間隔を計算して走査速度を求める方法である。
図5は、光ビームが等間隔パターンフィルタ19を1回スキャンした場合の信号例を示す。図5からわかるように、光ビームによるスキャンの際には、等間隔パターンフィルタ19の両端近傍での線速度が等間隔パターンフィルタ19の中央部の線速度に比べて遅くなる。したがって、光センサ16による受光信号(走査信号)の隣り合った極小値、極大値間、あるいは極小値と極大値間の時間間隔を求めることにより、光ビームが等間隔パターンフィルタ19を走査する際の速度を検出することができる。光ビームの走査速度は、走査域の両端近傍で遅く、走査域の中央付近で速い、理想的には滑らかな曲線になるが、光ビームの走査機構の特性により、光ビームの走査速度の変化あるいはゆらぎが生じる。
図6は実際のレーザ光の走査機構を備える実機について、上述した明暗パターンの極値の時間間隔に基づいて解析する方法により、光ビームの走査速度を検出した結果を示すグラフである。図6は、走査範囲の中央部で走査速度が速くなっていることを示す。
変調フィルタとして等間隔パターンフィルタ19を利用し、光センサ16によって受光される明暗パターンの極値間の時間間隔から光ビームの走査速度(線速度)を検知する方法は、極値間の離散的なデータに基づいて走査速度を求めるから、高速で解析することができ、光ビームの走査機構を備えるプリンタなどの装置に光ビームの走査速度をモニターする機構を組み込むといった場合に、容易に利用できるという利点がある。
ただし、明暗パターンの極値データに基づいて解析するから、解析精度が等間隔パターンフィルタ19のパターン精度と分解能に依存する。分解能を上げるためには等間隔パターンフィルタ19のパターンをより精細に(高密度に)形成する必要があり、より細いレーザビームを使用する必要がある。
光センサ16によって得られる明暗パターンに基づいて光ビームの走査速度を検出する他の方法は、Fourier変換法を利用して光ビームの走査速度を検出する方法である。この解析方法は、等間隔パターンフィルタ19の変調パターンをキャリア周波数として変調フィルタ関数f(x)を定義し、この変調フィルタ関数f(x)により変調されて得られる光ビームの走査信号g(x)をフーリエ変換し、フーリエ変換した信号から位相成分を抽出し、位相成分から光ビームの走査速度を求める方法である。
変調フィルタ関数f(x)は、f(x)=0.5×[1+cos(f0x)]と記述することができる。f0は等間隔パターンフィルタ19の濃淡パターンの密度に相当する。
変調フィルタ関数f(x)によって変調された光ビームの走査信号g(x)は、次式で表すことができる。
g(x)=0.5×[1+cos(f0x+s(x))]
位相φ(x)=f0x+s(x)。s(x)は光ビームの走査スポットの移動量。
図7は、走査角度60度、振動ミラーの周波数3kHz、サンプリングレートが1MHzであった場合に、等間隔パターンフィルタにより変調された走査信号g(x)の測定例を示す。
走査信号g(x)のフーリエ変換後の関数G(x)は次式のように表すことができる。Fはフーリエ変換記号。
G(fx)=F(g(x))=F[0.5 + 0.5×(ejφ(x) + e-jφ(x))/2]
=0.5+1/4F[ejφ(x)]+1/4F[e-jφ(x)] (1)
上記(1)式の第1項は信号の直流成分であり、第2項と第3項は位相成分の周波数応答部分で、第2項は負の周期成分、第3項は正の周期成分に対応する。
図8に、図7に示した走査信号g(x)をフーリエ変換した後の周波数分布G(fx)を示す。位相成分の負の周期成分と正の周期成分が対称に表れている。
図9は図8に示した周波数分布G(fx)から正の周期成分をすべて抽出して求めた位相分布φ(x)である。
周波数分布G(fx)のうち正の周期成分を抽出して逆Fourier変換する。
1/4 F-1 [F(e-jφ(x))]=1/4 (e-jφ(x))=1/4 e-j(f0x+s(x))
位相を信号から分離することにより、ビームスポットの移動量s(x)が得られる。
s(x)=φ(x)−f0x (2)
光ビームの走査速度v(x)は(2)式を微分したものである。
v(x)=s'(x)=φ'(x)-f0
光ビームの走査加速度a(x)
a(x)=s''(x)=φ''(x)
図10は、図9の位相分布φ(x)を微分した結果、すなわち光ビームの走査速度v(x)を示す。図10は、振動ミラー12の反転に伴って光ビームの走査速度(線速度)が周期的に変化する様子を示す。
図10に示す光ビームの走査速度は、上述したFourier変換法を利用して走査速度を求める方法が有効であることを示している。このFourier変換法により光ビームの走査速度を検出する方法は、前述した明暗パターンの極値位置から求める方法とくらべて計算量が多くなるものの、分解能が等間隔パターンフィルタの密度ではなく、データサンプリングレートに依存するという特徴がある。すなわち、等間隔パターンフィルタ自体の特性(パターン精度や精細さ、密度)によらずに高精度の走査速度の検出が可能になるという特徴がある。
たとえば、サンプリングレートが500kHzで走査角度60度とすると、サンプリング数は4720となり、理論的な分解能は0.0127度となる。サンプリングレートをさらに高くする(例えば2GHzのオシロスコープを使用する)ことにより、分解能をさらに高くすることができる。
図4に示した測定系の場合も、図1に示した測定系と同様に、光ビームが広角度で走査される場合であっても、光センサ16に光ビームを集光し、光強度として光ビームの走査情報を検知するから、光センサ16自体の応答速度の問題が回避されている。
図1に示す測定系では、集光レンズ14の入射側に可変濃度フィルタ18を配置し、図4に示す測定系では集光レンズ14の入射側に等間隔パターンフィルタ19を配置している。可変濃度フィルタ18、等間隔パターンフィルタ19は、集光レンズ14の出射側に配置してもよい。可変濃度フィルタ18と等間隔パターンフィルタ19は、光ビームが走査される範囲を横切るように(走査域を網羅するように)配置する。
測定に際しては、振動ミラー12からできるだけ離れた位置に集光レンズ14と可変濃度フィルタ18、等間隔パターンフィルタ19を配置するようにし、光ビームが通過する範囲を大きくすることによって、より高精度に光ビームの走査速度を検知することができる。
本発明に係る測定装置は、光ビームの走査機構を備える装置について、光ビームの走査速度を検査したり、走査速度の安定性を検知するといった目的に利用することができる。また、プリンタ等のレーザ光の走査機構を備える装置に、レーザ光の走査速度をモニターする機構として組み込んで使用することもできる。本発明に係る光ビームの検知機構は、光ビームの走査信号を取り出して光ビームの走査速度を検知するから、プリンタ等の実機に組み込む際には、ハーフミラー等の光学系を利用して光ビームの走査信号をモニター用として部分的に取り込みながら走査速度を検知する、あるいは、光ビームの検知機構を可動式のユニットとし、光ビームの走査速度を検知する走査を行う際に、光ビームを横切る検査位置に検知機構を移動させて走査速度を検知するといった使い方が可能である。
10 レーザ光源
12 振動ミラー
14 集光レンズ
16 光センサ
18 可変濃度フィルタ
19 等間隔パターンフィルタ
20 検出部

Claims (6)

  1. 光ビームの走査速度を検知する方法であって、
    変調フィルタを使用して光学的な変調が加えられた光ビームを集光し、
    光ビームの集光位置に配置した光センサにより検知される前記変調フィルタにより変調された走査信号に基づき、光ビームの走査速度を検出することを特徴とする光ビームの走査速度の検知方法。
  2. 光ビームの走査速度を検知する検知機構であって、
    光ビームを光学的に変調させる変調フィルタと、光ビームを集光する集光光学系と、光ビームの集光位置に配置した光センサと、
    前記光センサにより検知される前記変調フィルタにより変調された走査信号に基づき、光ビームの走査範囲における速度分布を検出する検出部と、
    を備えることを特徴とする光ビームの走査速度検知機構。
  3. 前記変調フィルタとして、光ビームの走査方向に濃度が連続的に変化する可変濃度フィルタを使用し、
    前記検出においては、前記光センサの受光強度の変化に基づいて光ビームの走査速度を検知することを特徴とする請求項2記載の光ビームの走査速度検知機構。
  4. 前記変調フィルタとして、光ビームの走査方向に等間隔に濃淡パターンが設けられた等間隔パターンフィルタを使用し、
    前記検出部においては、前記光センサにより受光される明暗パターンの極値間の時間間隔に基づいて、光ビームの走査速度を検知することを特徴とする請求項2記載の光ビームの走査速度検知機構。
  5. 前記変調フィルタとして、光ビームの走査方向に等間隔に濃淡パターンが設けられた等間隔パターンフィルタを使用し、
    前記検出においては、前記等間隔パターンフィルタにより変調された走査信号をフーリエ変換して得られた走査信号の周波数分布から位相分布を求め、位相分布を微分して速度分布を検出することを特徴とする請求項2記載の光ビームの走査速度検知機構。
  6. 光ビームを往復走査する光ビームの走査機構を備える装置であって、
    前記光ビームの走査速度検知機構として、光ビームを光学的に変調させる変調フィルタと、光ビームを集光する集光光学系と、光ビームの集光位置に配置した光センサと、前記光センサにより検知される前記変調フィルタにより変調された走査信号に基づき、光ビームの走査範囲における速度分布を検出する検出部とを備えることを特徴とする装置。




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