JP2015021610A - コンロッド製造方法及びその製造方法により製造されたコンロッド - Google Patents

コンロッド製造方法及びその製造方法により製造されたコンロッド Download PDF

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長彦 堀井
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Shigenori Yamada
茂則 山田
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Toshiyuki Matsuno
敏之 松野
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Tatsushi Kaiho
龍史 海寶
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Hiromitsu Kaneda
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Abstract

【課題】コンロッドをクランクシャフトに組み付ける際のクランクピン孔の真円度を高精度に製造する。
【解決手段】コンロッド製造方法は、大端孔2aの縁に設けられた破断部5で破断し、キャップ部1aをロッド本体部1bから分離する工程と、キャップ部1aをロッド本体部1bに接合する接合工程と、を有する。接合工程は、大端部2の外側に外側治具30を配置し、大端孔2aの内側に内側治具20を配置して大端部2を固定する。固定工程は、外側治具30を、破断部5と外側治具30との間に間隙35を形成するように配置して、内側治具20を、破断部5の上方にスラスト間隙25を形成するように配置して大端部2を固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンロッド製造方法及びこの製造方法で製造されたコンロッドに関する。
自動車エンジン等に使用されるコンロッドは、クランクピンに連結される部位である大端部と、ピストンピンに連結される部位である小端部と、を備えている。このコンロッドの製造方法として、大端部を破断分離させて再度接合する、いわゆる破断分割方法が知られている(特許文献1)。
この方法は、先ず、コンロッドを鍛造等により一体成形した後に、楔孔が備えられた治具(マンドレル)をクランクピン孔に挿入し、楔孔に楔を打ち込む。これにより、予めクランクピン孔の内周に備えられた2箇所の分割用溝またはノッチ等に、それぞれき裂を発生させる。その結果、コンロッドの大端部がロッド長手方向に離反され、キャップ部とロッド本体部とに分割される。
破断分割方法におけるコンロッドの製造工程及びクランクシャフトへの組付け工程は、下記の第1〜第9工程を有する。
(第1工程)鍛造成型(ロッドとキャップの一体成型)
(第2工程)粗加工
(第3工程)大端部のコンロッドボルト(以下、ボルトという)孔の加工
(第4工程)大端部の内周に備えられるノッチの加工
(第5工程)大端部を破断してロッドとキャップに分離
(第6工程)分離したロッドとキャップをボルトにて締結
(第7工程)仕上げ(真円)加工
(第8工程)ボルトを取り外してロッドとキャップに分離(分解)
(第9工程)クランクシャフトのクランクピンにロッドとキャップを配置し、ボルトで締結
特許文献1には、ボルト締結の工程(第6工程)におけるロッド本体部とキャップ部の破断面の位置ずれを防止するため、厚み方向の位置決めを行う治具22e及び側面の位置決めを行う治具22c,dを配置することで、厚み方向及び側面方向を拘束しつつボルトを締結する方法が開示されている。
特開2012−82845号公報
仕上げ加工(第7工程)にて形成されるクランクピン孔の真円度を、クランクシャフトへの組付け(第9工程)においても同等とするため、ボルト締結(第6工程)におけるボルトを締結する軸力は、クランクシャフトへの組付け(第9工程)におけるボルトの軸力と同等の値に設定されている。
ボルトは、所定のトルクで締結後に所定の角度で角度締めを行う方法によりコンロッドの座面に締結されることで、要求された軸力を満足している。仕上げ加工(第7工程)及びクランクシャフトへの組付け(第9工程)における所定のトルク及び所定の角度は、同等の値に設定されている。
しかし、上記例の治具22e及び治具22c,dを用いてボルト締結(第6工程)を行うと、下記のような問題点がある。
ボルトを締結している最中に、コンロッドスラスト面と治具22eとの摩擦、及びコンロッド側面と治具22c,dとの摩擦が生じてしまうため、軸力の一部が摩擦により低減され、ボルト締結するための軸力が低下してしまう。特に、コンロッドの破断部直上において、コンロッドと治具22e及び治具22c,dの摩擦が生じてしまうと、軸力の摩擦による低減の度合いが、より大きいものとなり、ボルト締結のための軸力がさらに低下してしまう。
ボルトの軸力が低下したままクランクピン孔を仕上げ加工(第7工程)した場合であっても、ボルトの軸力が低下した場合においてのみクランクピン孔の真円度は良好な状態が保たれる。
しかし、仕上げ加工(第7工程)後に真円のコンロッドのボルトを取り外し、ロッド本体部とキャップ部に分解(第8工程)してからクランクシャフトに組み付ける(第9工程)際には、再度、ボルト締結の工程(第6工程)と同等のトルクでボルトを締結することになる。このとき、クランクシャフトに組み付ける(第9工程)際には、摩擦を生ずる治具が存在しないため、ボルトの軸力は仕上げ加工(第7工程)の際よりも相対的に大きくなる。
ボルトの軸力が相対的に大きくなると、クランクピン孔が破断部方向に伸びた形状となるため、クランクピン孔の真円度は悪化してしまう。クランクピン孔の真円度が悪化したコンロッドをクランクシャフトに組み付けると、コンロッドとメタル(軸受)が焼付き、エンジンが始動しなくなってしまう可能性がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、コンロッドをクランクシャフトに組み付ける際のクランクピン孔の真円度を高精度に製造できるようにすることである。
上記目的を達成するため本発明に係るコンロッド製造方法は、ピストンピンに連結させるための小端孔が形成された小端部と、クランクシャフトに連結されるための大端孔が形成された大端部とを備え、前記大端部でロッド本体部とキャップ部とに分離可能なコンロッドを製造する方法であって、前記大端孔の縁の二箇所に設けられた破断部で破断し、前記キャップ部を前記ロッド本体部から前記コンロッドの略長手方向に分離する分離工程と、前記分離工程の後に、前記キャップ部を前記ロッド本体部に接合する接合工程と、を有するコンロッド製造方法において、前記接合工程は、外側治具を、前記破断部の径方向外側と前記外側治具の径方向内側との間に外側間隙を形成するように、前記大端部の径方向外側に配置し、前記外側治具で前記大端部を径方向外側で固定し、内側治具を、前記大端孔の縁部を孔深さ方向から押付け且つ前記破断部の孔深さ方向の外側にスラスト間隙を形成するように、前記大端孔内に配置し、前記内側治具で、前記大端部を前記大端孔内で固定し、前記ロッド本体部と前記キャップ部とをボルトで締結することを含む。
また、本発明に係るコンロッド製造に使用する前記外側治具は、前記キャップ部の側面を径方向外側から内側に押し付ける部分と、前記ロッド本体部の側面を径方向外側から内側に押し付ける部分と、を備え、前記内側治具は、大端孔(クランクピン孔)を固定する際に、ガイドとなる円筒部を備えている。
また、本発明に係るコンロッド製造に使用する前記外側治具は、前記大端部に接触する部分の面積のうち、前記キャップ部に接する面積が、前記ロッド本体部に接する面積よりも大きくなるように構成されている。
また、本発明に係るコンロッド製造に使用する前記内側治具は、前記大端孔に挿入可能で、前記大端孔の内周面に接触する円筒面が設けられた円筒部と、前記円筒部に固定され、前記大端孔の縁部を孔深さ方向から押付け可能なフランジ部と、を有し、前記フランジ部の外周には切欠きが設けられ、前記切欠きが前記スラスト間隙となる。
また、本発明に係るコンロッド製造に使用する前記外側治具及び内側治具は、前記コンロッドよりも硬い。
また、本発明に係るコンロッド製造方法は、前記大端孔の両側部には、前記長手方向に沿って延びるボルト孔が形成され、前記破断部は、前記ボルト孔を横断するように設けられ、前記ロッド本体部と前記キャップ部とを前記ボルトで締結する工程は、第1のトルクで前記ボルトを締結する第1の締結工程と、前記第1の締結工程の後に、前記第1のトルクを0Nmに戻す緩和工程と、前記緩和工程の後に、前記ボルトの座面と前記大端部の座面とが密着可能な第2のトルクで締結する第2の締結工程と、前記第2の締結工程の後に、さらに、前記ロッド本体部と前記キャップ部とを締結する第3の締結工程と、を含み、前記第3の締結工程の前に、前記外側治具及び前記内側治具を、前記大端部から取り外す。
また、本発明に係るコンロッドは、上記製造方法の各態様により製造される。
本発明によれば、ピストンピンに連結させるための小端孔が形成された小端部と、クランクシャフトに連結されるための大端孔が形成された大端部とを備え、前記大端部でロッド本体部とキャップ部とに分離可能なコンロッドを製造する方法であって、前記大端孔の縁の二箇所に設けられた破断部で破断し、前記キャップ部を前記ロッド本体部から前記コンロッドの略長手方向に分離する分離工程と、前記分離工程の後に、前記キャップ部を前記ロッド本体部に接合する接合工程と、を有するコンロッド製造方法において、前記接合工程は、外側治具を、前記破断部の径方向外側と前記外側治具の径方向内側との間に外側間隙を形成するように、前記大端部の径方向外側に配置し、前記外側治具で前記大端部を径方向外側で固定し、内側治具を、前記大端孔の縁部を孔深さ方向から押付け且つ前記破断部の孔深さ方向の外側にスラスト間隙を形成するように、前記大端孔内に配置し、前記内側治具で、前記大端部を前記大端孔内で固定し、前記ロッド本体部と前記キャップ部とをボルトで締結することを含むので、コンロッドの破断部直上において、コンロッドと、外側治具及び内側治具との間で摩擦が発生しなくなる。すなわち、ボルト締結工程でボルトを締結しているときに、軸力が摩擦により低減されることがないため、ボルトの軸力の低下を抑制できる。その結果、大端孔(クランクピン孔)の真円度を向上させることが可能になる。
また、本発明によれば、前記外側治具は、前記キャップ部の側面を径方向外側から内側に押し付ける部分と、前記ロッド本体部の側面を径方向外側から内側に押し付ける部分と、を備えているので、大端部のキャップ部の側面と、大端部のロッド本体部の側面とを同時に押え付けることが可能となり、側面方向の位置ずれを抑制することが可能になる。
さらに、本発明によれば、前記外側治具は、前記大端部に接触する部分の面積のうち、前記キャップ部に接する面積が、前記ロッド本体部に接する面積よりも大きくなるように構成されているので、ボルトで締結するときに、ロッド本体部と、外側治具及び内側治具との摩擦を低減することができる。ボルトを締結しているときに、摩擦による軸力低減が抑制できるため、ボルトの軸力の低下を抑制でき、結果として、クランクピン孔の真円度を向上できる。
しかも、本発明によれば、前記内側治具は、前記大端孔に挿入可能で、前記大端孔の内周面に接触する円筒面が設けられた円筒部を有し、この円筒部の外周面を、大端孔(クランクピン孔)を固定するガイドとすることができる。この内側治具と、前記外側治具とを併用することで、ボルト締結するときに、大端部の側面方向への位置ずれを抑制することができ、仕上げ加工及びクランクシャフトへの組付けにおける真円度のずれが抑制できる。その結果、クランクピン孔の真円度を向上することが可能となる。
また、前記内側治具は、前記円筒部に固定され、前記大径孔の縁部を孔深さ方向から押付け可能なフランジ部を有し、前記フランジ部の外周には切欠きが設けられ、前記切欠きが前記スラスト間隙となる。このフランジ部でコンロッド大端孔の縁部を、孔深さ方向に押さえつける事で、厚み方向の位置ずれを抑制する事が可能になる。
また、本発明によれば、前記外側治具及び内側治具は、前記コンロッドよりも硬いので、外側治具及び内側治具が、ボルト締結等に伴う変形が抑制される。
また、本発明によれば、前記大端孔の両側部には、前記長手方向に沿って延びるボルト孔が形成され、前記破断部は、前記ボルト孔を横断するように設けられ、前記ロッド本体部と前記キャップ部とを前記ボルトで締結する工程は、第1のトルクで前記ボルトを締結する第1の締結工程と、前記第1の締結工程の後に、前記第1のトルクを0Nmに戻す緩和工程と、前記緩和工程の後に、前記ボルトの座面と前記大端部の座面とが密着可能な第2のトルクで締結する第2の締結工程と、前記第2の締結工程の後に、さらに、前記ロッド本体部と前記キャップ部とを締結する第3の締結工程と、を含み、前記第3の締結工程の前に、前記外側治具及び前記内側治具を、前記大端部から取り外すので、ボルトの軸力の低下をさらに抑制できる。
上記のような製造方法でコンロッドを製造するので、上記のような効果を得ることができると共に、高精度な真円度特性を有するコンロッドを得ることができる。
本発明に係るコンロッド製造方法の第1の実施形態を示す概略上面図である。 図1の内側治具の概略斜視図である。 図1の外側治具の概略斜視図である。 本発明に係るコンロッド製造方法の第2の実施形態を示す概略上面図である。 図4の内側治具の概略斜視図である。 本発明に係るコンロッド製造方法の第3の実施形態を示す概略上面図である。 図6の内側治具の概略斜視図である。
以下、本発明に係るコンロッド製造方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るコンロッド製造方法の第1の実施形態を示す概略上面図である。図2は、図1の内側治具20の概略斜視図である。図3は、図1の外側治具30の概略斜視図である。
先ず、本実施形態のコンロッド製造方法により製造されるコンロッド1の形状について説明する。コンロッド1は、長手方向の両側に大端部2及び小端部3が設けられている。大端部2の短手方向(幅方向)の長さは、小端部3の幅方向長さより大きくなるように形成されている。
大端部2には円形の大端孔2aが形成され、小端部3には円形の小端孔3aが形成されている。大端孔2aの直径は、小端孔3aの直径よりも大きい。小端孔3aは、コンロッド1がピストンピンに連結されるための孔で、大端孔2aは、コンロッド1がクランクピンに連結されるための孔である。
コンロッド1は、大端部2でロッド本体部1bとキャップ部1aとに分離可能である。このコンロッド1は、大端部2に設けられた破断部5で長手方向に離反される。破断部5は、大端孔2aの縁から径方向外側に延びるように設けられる。この破断部5は、周方向に間隔をあけて2箇所に設けられる。この例では、ほぼ180度の位置、すなわち、大端孔2aの孔中心を介して互いに対向するように設けられている。
大端部2の両側部には、コンロッド1の長手方向に貫通するボルト孔が形成されている。各破断部5は、ボルト孔を横断するように設けられている。
以下、コンロッド1の製造方法について説明する。
コンロッド1は、先ず、鍛造成形により一体に形成される。ロッド本体部1bと、キャップ部1aとは、この段階では一体である。粗加工で、大端部2及び小端部3等の形状を大まかに加工する。この段階で、外観形状はほぼ仕上がった状態である。大端孔2a及び小端孔3aもこのとき加工される。なお、コンロッド1の成形は、鍛造には限定されない。
この後に、大端孔2aの側部に、ボルト孔を加工する。さらに、大端部2の大端孔2aの内周面にノッチを加工する。このノッチが破断部5となる。
その後、大端部2を破断部5で破断して、ロッド本体部1bと、キャップ部1aとに分離する。その後、ロッド本体部1bとキャップ部1aとを固定用ボルト7にて締結する。この工程の詳細については、後述する。
固定用ボルト7で締結した後に、大端孔2aの真円度を仕上げるための加工を行う。その後、再びキャップ部1aとロッド本体部1bとを分離し、クランクシャフトのクランクピンにロッド本体部1bとキャップ部1aを配置し、固定用ボルト7で締結し、クランクピンにコンロッド1が連結される。
以下、接合工程、すなわち、破断分割した後に再び接合するまでの工程について詳しく説明する。
接合工程は、治具による固定工程と、ボルト締結工程と、を含む。固定工程は、キャップ部1aをロッド本体部1bに仮連結した後に複数の治具を用いて大端部2及び小端部3を固定する工程である。ここで、仮連結とは、キャップ部1a及びロッド本体部1bの破断部5同士を、単に接続させた状態で、固定用ボルト7で締結する前の状態である。ボルト締結工程は、キャップ部1a及びロッド本体部1bを仮連結させた状態で、固定用ボルト7により締結する工程である。
ここで、固定工程で用いる治具について説明する。固定工程では、4個の治具、すなわち、外側治具30と、内側治具20と、大端部側治具50と、小端部側治具51と、を用いる。
大端部側治具50は、大端部2の長手方向端に配置され、コンロッド1の長手方向の移動を規制する。小端部側治具51は、小端部3の長手方向端に配置され、長手方向の動きを規制する。
外側治具30は、大端部2の幅方向両側(両側部)に設けられ、外側治具30のさらに幅方向外側には、押付け機構部40が設けられている。この押付け機構部40は、押付け用ボルト8が取り付けられ、この押付け用ボルト8を回転させることで、押付け用ボルト8が外側治具30を押し付ける。
外側治具30は、キャップ部1aの側面を径方向外側から内側に押し付けるキャップ押付け部31と、ロッド本体部1bの側面を径方向外側から内側に押し付けるロッド押付け部32と、これらを連結する連結部33と、有する。ここで径方向とは、大端孔2aの半径方向で、この例では図1における上下方向である。
キャップ押付け部31及びロッド押付け部32は、幅方向(図1の上下方向)に延び、互いに長手方向(図1の左右方向)間隔をあけて設けられる。すなわち、外側治具30は、上面視でコの字状である(図3)。
図1に示すように、外側治具30は、連結部33が大端部2の側面に対して外側間隙35を形成するように配置される。この大端部2の側面には、破断部5が設けられている。すなわち、外側治具30は、破断部5には接しないように配置される。
また、外側治具30は、大端部2に接触する部分の面積のうち、キャップ部1aに接する面積が、ロッド本体部1bに接する面積よりも大きくなるように構成されている。具体的には、キャップ押付け部31の長手方向(図1の左右方向)の長さが、ロッド押付け部32の長手方向長さよりも大きくなるように構成されている。
内側治具20は、図2に示すように、二段の円筒状である。上部の円筒(フランジ部21)の方が下部の円筒(下側円筒部22)よりも直径が大きい。下側円筒部22は、大端孔2aの中に挿入される。ここで、下側円筒部22の直径と、大端孔2aとの直径差は、約60マイクロメートル以下がよい。フランジ部21の図2における下部が、大端孔2aの縁部を孔深さ方向(スラスト方向)から押し付ける。すなわち、フランジ部21は、大端部2のスラスト面に接するように取り付けられる。
フランジ部21の外周部には、二箇所に切欠き21aが形成されている。この切欠き21aは、互いに対向する位置、すなわち、180度の位置に形成されている。内側治具20は、大端孔2aに挿入されるときに、破断部5のスラスト面の上方にスラスト間隙25を形成するように配置される。すなわち、切欠き21aがスラスト間隙25となり、内側治具20のフランジ部21は、破断部5には接しないように配置される。
内側治具20の下側円筒部22は、大端孔(クランクピン孔)を固定する際に、ガイドとなる。
また、外側治具30及び内側治具20は、コンロッド1よりも硬い材料で形成される。
固定工程は、上述したように、外側治具30を、破断部5の径方向外側と外側治具30の径方向内側面との間に外側間隙35を形成するように配置した状態で、大端部2を径方向外側で固定し、内側治具20を、大端孔2aの縁部をスラスト方向から押し付け且つ破断部5のスラスト方向の外側にスラスト間隙25を形成するように配置した状態で、大端部2を径方向内側及びスラスト方向から固定する。このとき、内側治具20を押え付ける方法としては、例えば、内側治具20を油圧プレスで押し付けてもよいし、内側治具20の径中心に貫通孔を設け、コンロッド1が置かれる下側の治具にボルト孔を開け、上方からボルトで締結してもよい。
ボルト締結工程は、2つの締結工程、すなわち、第1の締結工程及び第2の締結工程を含む。第1の締結工程では、第1のトルク(所定値)で固定用ボルト7を締結し、その後に、第1のトルクを0Nmに戻す(緩和工程)。
その後、第2の締結工程を行う。第2の締結工程では、固定用ボルト7の座面と大端部2の座面とが密着可能な第2のトルクで締結する。
第2の締結工程の後に、所定の回転角まで固定用ボルト7を回転させて、ロッド本体部1bとキャップ部1aとを締結する(ボルト回転角度締め工程)。さらに、ボルト回転角度締め工程の前に、外側治具30及び内側治具20を、大端部2から取り外しておく。
以上のようなコンロッド製造方法により、コンロッド1の破断部5直上において、コンロッド1と、外側治具30及び内側治具20との間で摩擦が発生しなくなる。すなわち、ボルト締結工程で固定用ボルト7を締結しているときに、軸力が摩擦により低減されることがないため、固定用ボルト7の軸力の低下を抑制できる。その結果、クランクシャフトに組付ける際との軸力差がなくなるため、大端孔(クランクピン孔)2aの真円度を向上させることが可能になる。
また、本実施形態によれば、大端部2のキャップ部1aの側面と、大端部2のロッド本体部1bの側面とを同時に押え付けることが可能となり、側面方向の位置ずれを抑制することが可能になる。また、フランジ部21のキャップ部1a側の上面と、ロッド本体部1b側の上側面を同時に押え付けることで、コンロッド1のキャップ部1aとロッド本体部1bの厚み方向の位置ずれを抑制することが可能になる。
さらに、本実施形態によれば、外側治具30は、大端部2に接触する部分の面積のうち、キャップ部1aに接する面積が、ロッド本体部1bに接する面積よりも大きくなるように構成されているので、固定用ボルト7で締結するときに、ロッド本体部1bと、外側治具30及び内側治具20との摩擦を低減することができる。ボルト締結しているときに、摩擦による軸力低減が抑制できるため、固定用ボルト7の軸力の低下を抑制でき、結果として、クランクピン孔の真円度を向上できる。
しかも、本実施形態によれば、内側治具20の下側円筒部22は、大端孔2aに挿入可能で、大端孔2aの内周面に接触可能な円筒面が形成されているので、下側円筒部22の外周面を、大端孔2aを固定するガイドとすることができる。この内側治具20と、外側治具30とを併用することで、ボルト締結するときに、大端部2の側面方向への位置ずれを抑制することができ、仕上げ加工及びクランクシャフトへの組付けにおける真円度のずれが抑制できる。その結果、大端孔2aの真円度を向上することが可能となる。
また、本実施形態では、外側治具30及び内側治具20は、コンロッド1よりも硬いので、外側治具30及び内側治具20が、ボルト締結等に伴う変形が抑制される。
また、本実施形態では、2度のボルト締結のうち、1度目の締結では位置ずれを防止した後で2度締めの前までに、外側治具30及び内側治具20を取り外すので、締付軸力の低下を最小限に抑えることができる。
以上の説明からわかるように本実施形態によれば、コンロッド1をクランクシャフトに組み付ける際の大端孔(クランクピン孔)2aの真円度を高精度に製造することが可能となり、高精度な真円度特性を有するコンロッド1を得ることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、本実施形態に係るコンロッド製造方法の第2の実施形態を示す概略上面図である。図5は、図4の内側治具20の概略斜視図である。本実施形態は、第1の実施形態(図1〜図3)の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施形態の内側治具20は、第1の実施形態で説明した切欠き21a(図3)よりも周方向幅が大きくなるように形成される。その結果、ロッド本体部1b側の大端孔2aのスラスト面に接する部分が少なくなる。すなわち、大端部2に接触する部分の面積のうち、キャップ部1aに接する面積が、ロッド本体部1bに接する面積よりも大きい。その結果、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、ボルト締結しているときに、摩擦による軸力低減をさらに抑制することが可能となる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、本実施形態に係るコンロッド製造方法の第3の実施形態を示す概略上面図である。図7は、図6の内側治具20の概略斜視図である。本実施形態は、第1の実施形態(図1〜図3)の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施形態の内側治具20のフランジ部21は、円弧部23と、直線部24とを有する、いわゆるレーストラック形状である。この例では、直線部24の側面と、大端孔2aのスラスト面との間に、スラスト間隙25を形成する。これにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、外側治具30を両側部それぞれに押付け機構部40を配置しているがこれに限らない。二つの外側治具30を幅方向外側から挟み込むような機構を用いてもよい。また、内側治具20を円筒状の例で説明しているが、これに限らない。フランジ部21は、大端孔2aの内周を押付けるものであればよい。例えば、梁状の部材で押し付けてもよい。さらに、外側治具30を押え付ける方法は、押付け用ボルト8を用いて押えているが、これに限らない。例えば、外側治具30を直接油圧プレスで押え付けてもよい。
また、上記実施形態では、ボルト回転角度締め工程を行っているがこれに限らない。例えばトルク締めでもよい。この場合、当該トルク締めを行う前に、外側治具30及び内側治具30を取り外せばよい。
1 コンロッド
1a キャップ部
1b ロッド本体部
2 大端部
2a 大端孔
3 小端部
3a 小端孔
5 破断部
7 固定用ボルト
8 押付け用ボルト
20 内側治具
21 フランジ部
21a 切欠き
22 下側円筒部
23 円弧部
24 直線部
25 スラスト間隙
30 外側治具
31 キャップ押付け部
32 ロッド押付け部
33 連結部
35 外側間隙
40 押付け機構部
50 大端部側治具
51 小端部側治具

Claims (7)

  1. ピストンピンに連結させるための小端孔が形成された小端部と、クランクシャフトに連結されるための大端孔が形成された大端部とを備え、前記大端部でロッド本体部とキャップ部とに分離可能なコンロッドを製造する方法であって、
    前記大端孔の縁の二箇所に設けられた破断部で破断し、前記キャップ部を前記ロッド本体部から前記コンロッドの略長手方向に分離する分離工程と、
    前記分離工程の後に、前記キャップ部を前記ロッド本体部に接合する接合工程と、
    を有するコンロッド製造方法において、
    前記接合工程は、
    外側治具を、前記破断部の径方向外側と前記外側治具の径方向内側との間に外側間隙を形成するように、前記大端部の径方向外側に配置し、
    前記外側治具で前記大端部を径方向外側で固定し、
    内側治具を、前記大端孔の縁部を孔深さ方向から押付け且つ前記破断部の孔深さ方向の外側にスラスト間隙を形成するように、前記大端孔内に配置し、
    前記内側治具で、前記大端部を前記大端孔内で固定し、
    前記ロッド本体部と前記キャップ部とをボルトで締結することを含むことを特徴とするコンロッド製造方法。
  2. 前記外側治具は、前記キャップ部の側面を径方向外側から内側に押し付ける部分と、前記ロッド本体部の側面を径方向外側から内側に押し付ける部分とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のコンロッド製造方法。
  3. 前記外側治具は、前記大端部に接触する部分の面積のうち、前記キャップ部に接する面積が、前記ロッド本体部に接する面積よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンロッド製造方法。
  4. 前記内側治具は、前記大端孔に挿入可能で、前記大端孔の内周面に接触する円筒面が設けられた円筒部と、前記円筒部に固定され、前記大端孔の縁部を孔深さ方向から押付け可能なフランジ部と、を有し、
    前記フランジ部の外周には切欠きが設けられ、前記切欠きが前記スラスト間隙となるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコンロッド製造方法。
  5. 前記外側治具及び前記内側治具は、前記コンロッドよりも硬いことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のコンロッド製造方法。
  6. 前記大端孔の両側部には、前記長手方向に沿って延びるボルト孔が形成され、
    前記破断部は、前記ボルト孔を横断するように設けられ、
    前記ロッド本体部と前記キャップ部とを前記ボルトで締結する工程は、
    第1のトルクで前記ボルトを締結する第1の締結工程と、
    前記第1の締結工程の後に、前記第1のトルクを0Nmに戻す緩和工程と、
    前記緩和工程の後に、前記ボルトの座面と前記大端部の座面とが密着可能な第2のトルクで締結する第2の締結工程と、
    前記第2の締結工程の後に、さらに、前記ロッド本体部と前記キャップ部とを締結する第3の締結工程と、
    を含み、
    前記第3の締結工程の前に、前記外側治具及び前記内側治具を、前記大端部から取り外すことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のコンロッド製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のコンロッド製造方法により製造されることを特徴とするコンロッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3552757A1 (de) * 2018-04-11 2019-10-16 Alfing Kessler Sondermaschinen GmbH Schraubvorrichtung und schraubverfahren

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