JP2015021408A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの端板部材にそれぞれ形成された複数の貫通孔の径が同じである従来の圧縮機では、端板部材が加工治具に誤組み付けされる問題がある。【解決手段】フロントヘッド60(第1端板部材)及びリアヘッド20(第2端板部材)は、シリンダの端面と対向する本体部21、61と、本体部21、61からシリンダと反対側に突出した筒状の軸受け部22、62とをそれぞれ有している。フロントヘッド60の本体部61には、互いに径が異なる2つの孔65、66が形成され、リアヘッド20の本体部21には、互いに径が異なる2つの孔25、26が形成されている。そして、フロントヘッド60とリアヘッド20において、2つの孔同士が、平面視において同一位置にある。【選択図】図4

Description

本発明は、シリンダの両端面に配置される2つの端板部材を備えた圧縮機に関する。
例えば特許文献1には、圧縮室を有するシリンダと、シリンダの両端面に配置される2つの端板部材とを備えた圧縮機が開示されている。2つの端板部材は、シリンダの端面と対向する本体部と、本体部からシリンダの反対側に突出した筒状の軸受け部とをそれぞれ有している。また、2つの端板部材の本体部には、シリンダと端板部材とを締結するためのボルトが通過する貫通孔がそれぞれ5つずつ形成されている。また、2つの端板部材には、圧縮機構を駆動するシャフトを挿通するための軸受け孔がそれぞれ形成されている。
この軸受け孔は、例えば以下の方法で加工される。まず、図9に示すように、2つの端板部材のうち一方の端板部材Aを加工治具Bに固定する。具体的には、5つの貫通孔H1〜H5のうち任意の2つの貫通孔H1、H2に、加工治具Bに取り付けられた2つの位置決めピンB1、B2をそれぞれ挿入する。その際、端板部材Aの本体部A1におけるシリンダと対向する面A2が下となるようにする。2つの位置決めピンB1、B2は、円形の水平断面を有しており、その水平断面は例えば5つの貫通孔H1〜H5と略同一の大きさに構成されている。その後、上方(図9(b)の矢印方向)から軸受け孔の加工部分(ハッチング部分)を加工して、軸受け孔A3を形成する。次に、他方の端板部材を加工治具Bに取り付けて、他方の端板部材の軸受け孔を端板部材Aの軸受け孔A3と同じ手順で加工する。
ここで、2つの端板部材の軸受け孔を加工する際においては、作業性の面から、加工治具Bに取り付けられた2つの位置決めピンB1、B2の位置を変更することなく2つの端板部材の軸受け孔を加工できることが好ましい。
例えば、特許文献1に開示された圧縮機では、2つの端板部材にそれぞれ形成された5つの貫通孔が、平面視において同一位置にある。そのため、この圧縮機では、加工治具に取り付けられた2つの位置決めピンの位置を変更することなく2つの端板部材の軸受け孔を加工できる。
特開2008−101557号公報
しかしながら、上記の圧縮機では、5つの貫通孔H1〜H5から選択した任意の2つの貫通孔H1、H2の径が同じであるため、端板部材Aの加工治具Bへの組み付けパターンが複数存在する。そのため、上記の圧縮機では、端板部材が加工治具に誤組み付けされる問題がある。例えば、図10に示すように、作業者が誤って、端板部材Aを周方向に反転させて(周方向に対して180°異なる向きに)組み付けた場合、正しい組み付けをした場合(図10中の2点鎖線)に対して軸受け部A4の位置がずれる。そして、作業者がこの誤組み付けに気づかずに軸受け孔を加工した場合、所定の位置と異なる位置に軸受け孔が形成され、端板部材の加工不良が生じる。
そこで、本発明の目的は、加工治具に取り付けられた位置決めピンの位置を変えることなく2つの端板部材の軸受け孔を加工でき、かつ端板部材が加工治具に誤組み付けされることを防止できる圧縮機を提供することである。
第1の発明にかかる圧縮機は、圧縮室を有するシリンダと、前記シリンダの両端面に配置される第1端板部材及び第2端板部材とを備え、前記第1端板部材及び前記第2端板部材は、前記シリンダの端面と対向する本体部と、前記本体部から前記シリンダと反対側に突出した筒状の軸受け部とをそれぞれ有し、前記本体部には、それぞれ、上下方向に貫通し、かつ互いに径が異なる2つの孔が形成されており、前記第1端板部材と前記第2端板部材において、前記2つの孔同士が平面視において同一位置にあることを特徴とする。
この圧縮機では、第1端板部材と第2端板部材において、2つの孔同士が平面視において同一位置にあるので、加工治具に取り付けられた2つの位置決めピンの位置を変えることなく2つの端板部材を加工できる。また、2つの孔の径が互いに異なるので、加工治具に取り付けられた2つの位置決めピンの水平断面の大きさをそれぞれ2つの孔と略同一の大きさに構成すれば、作業者が端板部材を周方向に反転させて組み付ける誤組み付けが生じず、端板部材の加工治具への組み付けパターンが1つに決まる。したがって、端板部材が加工治具に誤組み付けされることを防止できる。
第2の発明にかかる圧縮機では、第1の発明にかかる圧縮機において、前記第1端板部材と前記第2端板部材において、径が異なる孔同士がそれぞれ上下方向に並んでいることを特徴とする。
この圧縮機では、第1端板部材と第2端板部材において、径が異なる孔同士がそれぞれ上下方向に並んでいるので、2つの端板部材をシリンダや、2つのシリンダ間に配置されるミドルプレートにボルト締結する際に、シリンダやミドルプレートに形成される孔の数を低減できる。また、2つの孔を冷媒ガスを通過させる通路に利用できる。また、2つの孔を、2つの端板部材やシリンダ等を締結するスルーボルトを通過させる孔として利用できる。
第3の発明にかかる圧縮機では、第1または第2の発明にかかる圧縮機において、前記本体部には、それぞれ、上下方向に貫通し、平面視において前記2つの孔を結ぶ線分を底辺とする二等辺三角形を形成する第3の孔が形成されており、前記第3の孔の径が、前記2つの孔のうち径が大きい方と異なることを特徴とする。なお、この二等辺三角形には、正三角形は含まれない。
この圧縮機では、第3の孔および2つの孔のうち径が大きい方に2つの位置決めピンを挿入した場合において、加工治具に取り付けられた位置決めピンの位置を変えることなくフロントヘッドとリアヘッドを加工できる。また、第3の孔および2つの孔のうち径が大きい方の径が互いに異なるので、加工治具に取り付けられた2つの位置決めピンの水平断面の大きさをそれぞれ第3の孔および2つの孔のうち径が大きい方と略同一の大きさに構成すれば、作業者が端板部材を周方向に反転させて組み付ける誤組み付けが生じない。また、2つの孔の径が異なるので、作業者が第3の孔および2つの孔のうち径が小さい方に2つの位置決めピンを挿入してしまうおそれもない。したがって、端板部材の加工治具への組み付けパターンが1つに決まる。その結果、端板部材が加工治具に誤組み付けされることを防止できる。
第4の発明にかかる圧縮機では、第1または第2の発明にかかる圧縮機において、前記本体部には、それぞれ、上下方向に貫通し、平面視において前記2つの孔を結ぶ線分を一辺とする正三角形を形成する第3の孔が形成されており、3つの孔の径が全て異なることを特徴とする。
この圧縮機では、径が最小の孔以外の2つの孔に2つのピンを挿入した場合において、加工治具に取り付けられたピンの位置を変えることなくフロントヘッドとリアヘッドを加工できる。また、径が最小の孔以外の2つの孔の径が互いに異なるので、加工治具に取り付けられた2つの位置決めピンの水平断面の大きさをそれぞれ径が最小の孔以外の2つの孔と略同一の大きさに構成すれば、作業者が端板部材を周方向に反転させて組み付ける誤組み付けが生じない。また、3つの孔の径が全て異なるので、作業者が径が最小の孔とその他もう1つの孔に2つの位置決めピンを挿入してしまうおそれもない。したがって、端板部材の加工治具への組み付けパターンが1つに決まる。その結果、端板部材が加工治具に誤組み付けされることを防止できる。
第5の発明にかかる圧縮機では、第1〜第4のいずれかの発明にかかる圧縮機において、前記第1端板部材及び前記第2端板部材の前記本体部には、前記圧縮室で圧縮された冷媒を吐出する吐出孔がそれぞれ形成されており、前記吐出孔から同一距離に前記2つの孔が形成されることを特徴とする。
この圧縮機では、2つの端板部材にそれぞれ形成された吐出孔を平面視において同一位置に配置できる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、第1端板部材と第2端板部材において、2つの孔同士が平面視において同一位置にあるので、加工治具に取り付けられた2つの位置決めピンの位置を変えることなく2つの端板部材を加工できる。また、2つの孔の径が互いに異なるので、加工治具に取り付けられた2つの位置決めピンの水平断面の大きさをそれぞれ2つの孔と略同一の大きさに構成すれば、作業者が端板部材を周方向に反転させて組み付ける誤組み付けが生じず、端板部材の加工治具への組み付けパターンが1つに決まる。したがって、端板部材が加工治具に誤組み付けされることを防止できる。
第2の発明では、第1端板部材と第2端板部材において、径が異なる孔同士がそれぞれ上下方向に並んでいるので、2つの端板部材をシリンダや、2つのシリンダ間に配置されるミドルプレートにボルト締結する際に、シリンダやミドルプレートに形成される孔の数を低減できる。また、2つの孔を冷媒ガスを通過させる通路に利用できる。また、2つの孔を、2つの端板部材やシリンダ等を締結するスルーボルトを通過させる孔として利用できる。
第3の発明では、第3の孔および2つの孔のうち径が大きい方に2つの位置決めピンを挿入した場合において、加工治具に取り付けられた位置決めピンの位置を変えることなくフロントヘッドとリアヘッドを加工できる。また、第3の孔および2つの孔のうち径が大きい方の径が互いに異なるので、加工治具に取り付けられた2つの位置決めピンの水平断面の大きさをそれぞれ第3の孔および2つの孔のうち径が大きい方と略同一の大きさに構成すれば、作業者が端板部材を周方向に反転させて組み付ける誤組み付けが生じない。また、2つの孔の径が異なるので、作業者が第3の孔および2つの孔のうち径が小さい方に2つの位置決めピンを挿入してしまうおそれもない。したがって、端板部材の加工治具への組み付けパターンが1つに決まる。その結果、端板部材が加工治具に誤組み付けされることを防止できる。
第4の発明では、径が最小の孔以外の2つの孔に2つのピンを挿入した場合において、加工治具に取り付けられたピンの位置を変えることなくフロントヘッドとリアヘッドを加工できる。また、径が最小の孔以外の2つの孔の径が互いに異なるので、加工治具に取り付けられた2つの位置決めピンの水平断面の大きさをそれぞれ径が最小の孔以外の2つの孔と略同一の大きさに構成すれば、作業者が端板部材を周方向に反転させて組み付ける誤組み付けが生じない。また、3つの孔の径が全て異なるので、作業者が径が最小の孔とその他もう1つの孔に2つの位置決めピンを挿入してしまうおそれもない。したがって、端板部材の加工治具への組み付けパターンが1つに決まる。その結果、端板部材が加工治具に誤組み付けされることを防止できる。
第5の発明では、2つの端板部材にそれぞれ形成された吐出孔を平面視において同一位置に配置できる。
本発明の第1実施形態に係る圧縮機を示す断面図である。 図1に示す圧縮機のII−II線断面図であって、リアシリンダ内でのピストンの動作を示す図である。 図2に示す圧縮機のIII−III線断面図である。 (a)は、図1に示すリアヘッドの平面図であり、(b)は、図1に示すフロントヘッドの平面図である。 図1に示す圧縮機のV−V線断面図である。 図1に示すリアヘッドおよびフロントヘッドの軸受け孔の加工方法を説明した図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る圧縮機のリアヘッドの平面図であり、(b)は、フロントヘッドの平面図である。 図7に示すリアヘッドおよびフロントヘッドの軸受け孔の加工方法を説明した図である。 従来の圧縮機の端板部材の軸受け孔の加工方法を説明した図である。 図9に示す端板部材を加工治具へ組み付ける際に生じる誤組み付けの様子を説明した図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る圧縮機の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
[圧縮機の全体構成]
図1に示すように、第1実施形態に係る圧縮機1は、2シリンダ型のロータリ圧縮機であって、密閉容器2と、この密閉容器2内に収容された圧縮機構9および駆動機構6とを有している。圧縮機1は、例えば空調装置などの冷凍サイクルに組み込まれて使用され、吸入管3a、3bから供給される冷媒(例えばCO)を圧縮して排出管4から排出する。なお、この圧縮機1は、図1に示す向き、即ち、シャフト8の向きが上下方向となる向きに設置される。
密閉容器2は、上下両端が塞がれた円筒状の容器である。密閉容器2の側部には、圧縮機構9に冷媒を導入するための2本の吸入管3a、3bが設けられている。密閉容器2の上部には、圧縮機構9で圧縮された冷媒を排出するための排出管4と、駆動機構6の後述する固定子7bのコイルに電流を供給するためのターミナル端子5が設けられている。なお、図1では、このコイルとターミナル端子5とを接続する配線を省略している。また、密閉容器2内の底部には、圧縮機構9の摺動部の動作を滑らかにするための潤滑油Lが溜められている。潤滑油Lの液面高さは、圧縮機構9の後述するリアヘッド20の下端よりも上方である。密閉容器2の底部に溜められている潤滑油Lの温度は、圧縮機構9から吐出された冷媒ガスの温度よりも20℃〜50℃低い。
[駆動機構]
駆動機構6は、圧縮機構9を駆動するために設けられており、駆動源となるモータ7と、このモータ7に取り付けられたシャフト8とで構成される。なお、図1では、モータ7の断面を示すハッチングを省略している。
<モータ>
モータ7は、密閉容器2の内周面に固定される略円環状の固定子7bと、この固定子7bの径方向内側にエアギャップを介して配置される略円環状の回転子7aとから構成される。回転子7aは磁石(図示省略)を有し、固定子7bはコイルを有している。固定子7bのコイルに電流を流すことで生じる電磁力によって、回転子7aは回転する。固定子7bの外周面には、上下方向に延び且つモータ7の上下の空間を連通させる複数の凹溝(図示省略)が、周方向に並んで形成されている。したがって、固定子7bの外周面は、全周にわたって密閉容器2の内周面に密着しているわけではない。
<シャフト>
シャフト8は、回転子7aの内周面に固定されており、回転子7aと一体的に回転する。シャフト8は、後述する圧縮室31内と、圧縮室51内とに、偏心部8a、8bをそれぞれ有している。この偏心部8a、8bは、いずれも円柱状に形成されており、その中心軸がシャフト8の回転中心に対して偏心している。偏心部8a、8bには、圧縮機構9のピストン34、54がそれぞれ装着される。
また、シャフト8の下側略半分の内部には、給油路8cが形成されている。この給油路8cは、上下方向に延在していると共に数箇所でシャフト8の径方向に枝分かれしている。シャフト8の下端には、シャフト8の回転に伴って潤滑油Lを給油路8c内に吸い上げる螺旋羽根形状のポンプ部材(図示省略)が取り付けられている。ポンプ部材によってシャフト8の下端から吸い上げられた潤滑油Lは、シャフト8の側面から排出されて、圧縮機構9の各摺動部に供給される。
[圧縮機構]
圧縮機構9は、リアマフラ10と、リアヘッド20(第2端板部材)と、リアシリンダ30およびピストン34と、ミドルプレート40と、フロントシリンダ50およびピストン54と、フロントヘッド60(第1端板部材)と、フロントマフラ70とを有する。これらは下から上に向かって順に配置されている。
<リアシリンダ>
図2に示すように、リアシリンダ30は、密閉容器2の内周面に固定された略円形板状の部材であって、その中央部に円形孔である圧縮室31が形成されている。また、リアシリンダ30には、圧縮室31に冷媒を導入するための吸入路32と、圧縮室31の周壁面から径方向外側に凹んだ形状であって、ブレード(分断部材)が収容されるブレード収容部(凹部)33が形成されている。この吸入路32には、吸入管3aの先端が内嵌されている。
図2に示すように、ピストン34は、円環状のローラ35と、このローラ35の外周面から径方向外側に延在するブレード36とから構成される。ローラ35は、偏心部8aに装着されており、圧縮室31内において公転運動する。ブレード36は、ブレード収容部33に配置された一対のブッシュ37の間に進退可能に配置されている。図2(b)〜図2(d)に示すように、圧縮室31はピストン34によって低圧室31aと高圧室31bに分断される。
図2に示すように、圧縮室31の外側には、3つの貫通孔30a〜30cが形成されている。貫通孔30a〜30cは、平面視において後述するリアヘッド20の3つの貫通孔25〜27と同一位置に形成されている。この貫通孔30a〜30cは、リアヘッド20、リアシリンダ30、及びミドルプレート40を締結するための各種大きさのボルトB1(図3参照)を通過させるための孔である。
<リアヘッド>
図1に示すように、リアヘッド20(第2端板部材)は、リアシリンダ30の下端面に配置されており、リアシリンダ30の圧縮室31の下端を閉塞している。図1に示すように、リアヘッド20は、リアシリンダ30の下端面と対向する円形板状の本体部21と、本体部21の中央部から下方に突出した円筒状の軸受け部22とを有する。
図4(a)に示すように、本体部21および軸受け部22には、シャフト8が回転可能に挿通される軸受け孔23が形成されている。また、この本体部21には、リアシリンダ30の圧縮室31で圧縮された冷媒を吐出するための吐出孔24が形成されている。また、本体部21の下面には、圧縮室31内の圧力に応じて吐出孔24の出口を開閉する弁機構(図示省略)が取り付けられている。
リアヘッド20の本体部21には、上下方向に貫通する3つの貫通孔25〜27が形成されている。この3つの貫通孔25〜27には、リアシリンダ30とリアヘッド20とを締結するためのボルトB1(図3参照)が挿入されている。なお、3つの貫通孔25〜27のうち、第1貫通孔25および第2貫通孔26が「径が異なる2つの孔」であり、第3貫通孔27が「二等辺三角形を形成する第3の孔」である。
図4(a)に示すように、第1貫通孔25の中心R1と第2貫通孔26の中心R2は、平面視において、軸受け部22の中心O1から同一距離にある。また、第1貫通孔25の中心R1と第2貫通孔26の中心R2は、平面視において、吐出孔24の中心O2から同一距離にある。また、第1貫通孔25は、第2貫通孔26よりも径が大きい。
第3貫通孔27の中心R3は、平面視において、第1貫通孔25の中心R1と第2貫通孔26の中心R2を結ぶ線分を底辺とする二等辺三角形を形成する位置にある。第3貫通孔27は、第1貫通孔25よりも径が小さく、第2貫通孔26の径と略同じである。なお、3つの貫通孔25〜27の中心R1〜R3で形成される二等辺三角形には、正三角形は含まれない。正三角形が含まれると、第1貫通孔25と第2貫通孔26に2つの位置決めピンが挿入される場合と、第1貫通孔25と第3貫通孔27に2つの位置決めピンが挿入される場合とが生じて、誤組み付けが起こり得るからである。
<リアマフラ>
リアヘッド20の下側には、リアマフラ10が取り付けられている。リアマフラ10とリアヘッド20との間には、マフラ空間11が形成されている。マフラ空間11は、リアヘッド20の吐出孔24を介して圧縮室31(高圧室31b)に連通している。マフラ空間11は、冷媒の吐出に伴う騒音を低減するために設けられている。
<ミドルプレート>
ミドルプレート40は、円形板状の部材であって、リアシリンダ30の上端面かつフロントシリンダ50の下端面に配置されている。このミドルプレート40は、リアシリンダ30の圧縮室31の上端を閉塞すると共に、フロントシリンダ50の圧縮室31の下端を閉塞している。ミドルプレート40には、ボルトB1およびボルトB2が螺合される3つの孔(不図示)が設けられている。3つの孔(不図示)は、螺子穴である。
<フロントシリンダ>
フロントシリンダ50は、密閉容器2の内周面に固定された略円形板状の部材であって、その中央部に円形孔である圧縮室51が形成されている。また、フロントシリンダ50には、圧縮室51に冷媒を導入するための吸入路52と、圧縮室51の周壁面から径方向外側に凹んだ形状であって、ブレード(図示省略)が収容されるブレード収容部(図示省略)が形成されている。この吸入路52には、吸入管3bの先端が内嵌されている。
図5に示すように、圧縮室51の外側には、3つの貫通孔50a〜50cが形成されている。3つ貫通孔50a〜50cは、平面視において後述するフロントヘッド60の3つの貫通孔65〜67と同一位置に形成されている。この貫通孔50a〜50cは、フロントヘッド60、フロントシリンダ50、及びミドルプレート40を締結するための各種大きさのボルトB2(図3参照)を通過させるための孔である。
<フロントヘッド>
フロントヘッド60(第1端板部材)は、フロントシリンダ50の上端面に配置されており、フロントシリンダ50の圧縮室51の上端を閉塞している。このフロントヘッド60は、フロントシリンダ50の上端面と対向する円形板状の本体部61と、本体部61の中央部から上方に突出する円筒状の軸受け部62とを有している。
図4(b)に示すように、本体部61および軸受け部62には、シャフト8が回転可能に挿通される軸受け孔63が形成されている。また、この本体部61には、フロントシリンダ50の圧縮室51で圧縮された冷媒を吐出するための吐出孔64が形成されている。また、フロントヘッド60の上面には、圧縮室51内の圧力に応じて吐出孔64の出口を開閉する弁機構(図示省略)が取り付けられている。
フロントヘッド60の本体部61には、上下方向に貫通する3つの貫通孔65〜67が形成されている。この3つの貫通孔65〜67には、フロントシリンダ50とフロントヘッド60とを締結するためのボルトB2(図3参照)が挿入されている。なお、3つの貫通孔65〜67のうち、第1貫通孔65および第2貫通孔66が「径が異なる2つの孔」であり、第3貫通孔67が「二等辺三角形を形成する第3の孔」である。
図4(b)に示すように、第1貫通孔65の中心F1と第2貫通孔66の中心F2は、平面視において、軸受け部62の中心O’1から同一距離にある。また、第1貫通孔65の中心F1と第2貫通孔66の中心F2は、平面視において、吐出孔64の中心O’2から同一距離にある。また、第1貫通孔65は、第2貫通孔66よりも径が大きい。
第3貫通孔67の中心F3は、平面視において、第1貫通孔65の中心F1と第2貫通孔66の中心F2を結ぶ線分を底辺とする二等辺三角形を形成する位置にある。第3貫通孔67は、第1貫通孔65よりも径が小さく、第2貫通孔66の径と略同じである。なお、3つの貫通孔65〜67の中心F1〜F3で形成される二等辺三角形には、正三角形は含まれない。正三角形が含まれると、第1貫通孔65と第2貫通孔66に2つの位置決めピンが挿入される場合と、第1貫通孔65と第3貫通孔67に2つの位置決めピンが挿入される場合とが生じて、誤組み付けが起こり得るからである。
図4に示すように、リアヘッド20の3つの貫通孔25〜27と、フロントヘッド60の3つの貫通孔65〜67は、平面視において同一位置にある。すなわち、リアヘッド20の軸受け孔23の中心O1およびリアヘッド20の3つの貫通孔25〜27の中心R1〜R3と、フロントヘッド60の軸受け孔63の中心O’1およびフロントヘッド60の3つの貫通孔65〜67の中心F1〜F3とがそれぞれ同一位置にあり、かつ3つの貫通孔65〜67と3つの貫通孔25〜27の径がそれぞれ同じである。
また、図3に示すように、リアヘッド20とフロントヘッド60を圧縮機1に組み付けた状態においては、リアヘッド20とフロントヘッド60において、径が異なる2つの孔(第1貫通孔および第2貫通孔)同士が上下方向に並んでいる。すなわち、リアヘッド20の第1貫通孔25と、フロントヘッド60の第2貫通孔66が上下方向に並んでおり、かつ、リアヘッド20の第2貫通孔26と、フロントヘッド60の第1貫通孔65が上下方向に並んでいる。なお、図示しないが、フロントヘッド60の第3貫通孔67とリアヘッド20の第3貫通孔27も上下方向に並んでいる。
<フロントマフラ>
フロントマフラ70は、フロントヘッド60の上面に取り付けられている。フロントマフラ70とフロントヘッド60との間には、マフラ空間71が形成されている。マフラ空間71は、フロントヘッド60に形成された吐出孔64を介してフロントシリンダ50の圧縮室51と連通している。
なお、マフラ空間11とマフラ空間71とは、図示しない貫通孔によって連通している。したがって、リアシリンダ30の圧縮室31で圧縮され、マフラ空間11に吐出された冷媒は、この貫通孔を通ってマフラ空間71に吐出される。そして、フロントシリンダ50の圧縮室51で圧縮された冷媒と合流する。
[圧縮機の動作]
次に、本実施形態の圧縮機1の動作について説明する。圧縮機1の運転が開始されると、吸入管3a、3bからリアシリンダ30およびフロントシリンダ50の圧縮室31、51内に冷媒が供給される。また、モータ7の駆動によりシャフト8が回転する。図2(a)〜図2(d)に示すように、リアシリンダ30の圧縮室31では、偏心部8aに装着されたローラ35が圧縮室31の周壁面に沿って公転運動する。これにより、高圧室31bと低圧室31aの容積が変化して、高圧室31bで冷媒が圧縮される。そして、圧縮室31(高圧室31b)内の圧力が所定圧力以上になると、リアヘッド20に設けられた弁機構(図示省略)が開弁して、圧縮室31内の冷媒が吐出孔24からマフラ空間11に吐出される。冷媒は、マフラ空間11に吐出された後、マフラ空間71に吐出される。
また、フロントシリンダ50においても、リアシリンダ30と同様に、圧縮室51で冷媒が圧縮されて、圧縮室51内の圧力が所定圧力以上になると、フロントヘッド60に設けられた弁機構(図示省略)が開弁して、圧縮室51内の冷媒が吐出孔64からマフラ空間71に吐出される。
マフラ空間71に吐出された冷媒は、フロントマフラ70に形成されたマフラ吐出孔(図示省略)を介して圧縮機構9の外に吐出された後、固定子7bと回転子7aとの間のエアギャップなどを通過して、最終的に、排出管4からケーシング2の外に排出される。
[軸受け孔の加工方法]
次に、リアヘッド20及びフロントヘッド60に形成された軸受け孔23、63の加工方法について図6を参照しつつ説明する。
<第1貫通孔と第2貫通孔を用いて加工する場合>
まず、リアヘッド20の第1貫通孔25と第2貫通孔26、およびフロントヘッド60の第1貫通孔65と第2貫通孔66を用いて軸受け孔23、63を加工する場合について図6(a)、(b)を参照しつつ説明する。
まず、リアヘッド20を加工治具100に固定する。具体的には、図6(a)、(b)に示すように、加工治具100に取り付けられた2つの位置決めピン101、102を、リアヘッド20の第1貫通孔25および第2貫通孔26に挿入する。その際、リアシリンダ30の下端面と対向する面が下となるようにする。なお、2つの位置決めピン101、102は、円形の水平断面を有しており、その水平断面はそれぞれと第1貫通孔25および第2貫通孔26と略同一の大きさに構成されている。その後、上方(図6(b)の矢印方向)から加工部分(ハッチング部分)を加工して、軸受け孔23を形成する。なお、加工方法は特に限定されないが、例えば切削加工である。
次に、リアヘッド20をフロントヘッド60と交換する。そして、リアヘッド20と同様に、フロントヘッド60を加工治具100に固定する。具体的には、加工治具100に取り付けられた2つの位置決めピン101、102を、その位置を変えることなく、フロントヘッド60の第1貫通孔65および第2貫通孔66に挿入する。その際、フロントシリンダ50の上端面と対向する面が下となるようにする。なお、2つの位置決めピン101、102の水平断面は、それぞれと第1貫通孔65および第2貫通孔66と略同一である。その後、上方から加工部分を加工して、軸受け孔63を形成する。なお、リアヘッド20とフロントヘッド60の加工順は逆でもよい。
<第1貫通孔と第3貫通孔を用いて加工する場合>
また、リアヘッド20の第1貫通孔25と第3貫通孔27、およびフロントヘッド60の第1貫通孔65と第3貫通孔67を用いて軸受け孔23、63を加工する場合について図6(c)、(d)を参照しつつ説明する。
まず、リアヘッド20を加工治具100に固定する。具体的には、図6(c)、(d)に示すように、加工治具100に取り付けられた2つの位置決めピン103、104を、リアヘッド20の第1貫通孔25および第3貫通孔27に挿入する。その際、リアシリンダ30の下端面と対向する面が下となるようにする。なお、2つの位置決めピン103、104は、円形の水平断面を有しており、その水平断面はそれぞれと第1貫通孔25および第3貫通孔27と略同一の大きさに構成されている。その後、上方(図6(d)の矢印方向)から加工部分(ハッチング部分)を加工して、軸受け孔23を形成する。
次に、リアヘッド20をフロントヘッド60と交換する。そして、リアヘッド20と同様に、フロントヘッド60を加工治具100に固定する。具体的には、加工治具100に取り付けられた2つの位置決めピン103、104を、その位置を変えることなく、フロントヘッド60の第1貫通孔65および第3貫通孔67に挿入する。その際、フロントシリンダ50の上端面と対向する面が下となるようにする。なお、2つの位置決めピン103、104の水平断面は、それぞれと第1貫通孔65および第3貫通孔67と略同一である。その後、上方から加工部分を加工して、軸受け孔63を形成する。なお、リアヘッド20とフロントヘッド60の加工順は逆でもよい。
<本実施形態の圧縮機の特徴>
本実施形態の圧縮機1には、以下の特徴がある。
本実施形態の圧縮機1では、フロントヘッド60(第1端板部材)とリアヘッド20(第2端板部材)において、2つの孔(第1貫通孔および第2貫通孔)同士が平面視において同一位置にある。そのため、加工治具100に取り付けられた2つの位置決めピン101、102の位置を変えることなくフロントヘッド60およびリアヘッド20を加工できる。また、2つの孔(第1貫通孔および第2貫通孔)の径が互いに異なるので、加工治具に取り付けられた2つの位置決めピン101、102の水平断面の大きさをそれぞれ2つの孔と略同一の大きさに構成すれば、作業者がフロントヘッド60又はリアヘッド20を周方向に反転させて組み付ける誤組み付けが生じず、フロントヘッド60およびリアヘッド20の加工治具100への組み付けパターンが1つに決まる。したがって、フロントヘッド60およびリアヘッド20が加工治具100に誤組み付けされることを防止できる。
また、本実施形態の圧縮機1では、フロントヘッド60とリアヘッド20において、径が異なる孔(第1貫通孔および第2貫通孔)同士がそれぞれ上下方向に並んでいる。すなわち、リアヘッド20の第1貫通孔25と、フロントヘッド60の第2貫通孔66が上下方向に並んでおり、かつ、リアヘッド20の第2貫通孔26と、フロントヘッド60の第1貫通孔65が上下方向に並んでいる。そのため、径が異なる孔(第1貫通孔および第2貫通孔)同士がそれぞれ上下方向に並んでいない場合に比べて、ミドルプレート40に形成されるボルト締結用の孔の数を低減できる。すなわち、径が異なる孔(第1貫通孔および第2貫通孔)同士がそれぞれ上下方向に並んでいない場合、ボルト締結用の孔の数が6個必要となるが、本実施形態の圧縮機1では、径が異なる孔(第1貫通孔および第2貫通孔)同士がそれぞれ上下方向に並んでいるので、ボルト締結用の孔の数が3個で済む。また、2つの孔(第1貫通孔および第2貫通孔)にボルトB1、B2を挿入しない場合、マフラ空間11からマフラ空間71に冷媒ガスを通過させる通路(貫通孔)に2つの孔を利用できる。また、2つの孔を、フロントヘッド60、リアヘッド20、2つのシリンダ30、50等を締結するスルーボルトを通過させる孔として利用できる。
また、本実施形態の圧縮機1では、2つの孔のうち径が大きい方(第1貫通孔)および第3の孔(第3貫通孔)に2つの位置決めピン103、104を挿入した場合において、加工治具100に取り付けられた2つの位置決めピンの位置を変えることなくフロントヘッド60とリアヘッド20を加工できる。また、2つの孔(第1貫通孔及び第2貫通孔)のうち径が大きい方(第1貫通孔)および第3の孔(第3貫通孔)の径が互いに異なるので、2つの位置決めピン103、104の水平断面の大きさをそれぞれ2つの孔のうち径が大きい方(第1貫通孔)および第3の孔(第3貫通孔)と略同一の大きさに構成すれば、作業者がフロントヘッド60又はリアヘッド20を周方向に反転させて組み付ける誤組み付けが生じない。また、2つの孔(第1貫通孔及び第2貫通孔)の径が異なるので、作業者が第3の孔および2つの孔のうち径が小さい方(第2貫通孔)に2つの位置決めピンを挿入してしまうおそれもない。したがって、フロントヘッド60およびリアヘッド20の加工治具100への組み付けパターンが1つに決まる。その結果、フロントヘッド60およびリアヘッド20が加工治具100に誤組み付けされることを防止できる。
また、本実施形態の圧縮機1では、フロントヘッド60とリアヘッド20にそれぞれ形成された吐出孔24、64を平面視において同一位置に配置できる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る圧縮機は、第1実施形態に係る圧縮機と、リアヘッド20およびフロントヘッド60に形成された3つの貫通孔の位置や大きさが異なる。以下、第1実施形態と異なる部分について説明して、第1実施形態と同じ部分は説明を省略する。
<リアヘッド>
図7(a)に示すように、リアヘッド(第2端板部材)の本体部21には、上下方向に貫通する3つの貫通孔85〜87が形成されている。3つの貫通孔85〜87のうち、第1貫通孔85および第2貫通孔86が「径が異なる2つの孔」であり、第3貫通孔87が「正三角形を形成する第3の孔」である。
図7(a)に示すように、第1貫通孔85の中心R1と第2貫通孔86の中心R2は、平面視において、軸受け部22の中心O1から同一距離にある。また、第1貫通孔85の中心R1と第2貫通孔86の中心R2は、平面視において、吐出孔24の中心O2から同一距離にある。また、第1貫通孔85は、第2貫通孔86よりも径が大きい。
第3貫通孔87の中心R3は、平面視において、第1貫通孔85の中心R1と第2貫通孔86の中心R2を結ぶ線分を一辺とする正三角形を形成する位置にある。第3貫通孔27は、第1貫通孔25よりも径が小さく、第2貫通孔26よりも径が大きい。
<フロントヘッド>
図7(b)に示すように、フロントヘッド(第1端板部材)の本体部61には、上下方向に貫通する3つの貫通孔95〜97が形成されている。3つの貫通孔95〜97のうち、第1貫通孔95および第2貫通孔96が「径が異なる2つの孔」であり、第3貫通孔97が「正三角形を形成する第3の孔」である。
図7(b)に示すように、第1貫通孔95の中心F1と第2貫通孔96の中心F2は、平面視において、軸受け部62の中心O’1から同一距離にある。また、第1貫通孔95の中心F1と第2貫通孔96の中心F2は、平面視において、吐出孔64の中心O’2から同一距離にある。また、第1貫通孔95は、第2貫通孔96よりも径が大きい。
第3貫通孔97の中心F3は、平面視において、第1貫通孔95の中心F1と第2貫通孔96の中心F2を結ぶ線分を一辺とする正三角形を形成する位置にある。第3貫通孔97は、第1貫通孔95よりも径が小さく、第2貫通孔96よりも径が大きい。
図7に示すように、リアヘッドの3つの貫通孔85〜87と、フロントヘッドの3つの貫通孔95〜97とは、平面視において同一位置にある。すなわち、リアヘッドの軸受け孔23の中心O1およびリアヘッドの3つの貫通孔85〜87の中心R1〜R3と、フロントヘッドの軸受け孔63の中心O’1およびフロントヘッドの3つの貫通孔95〜97の中心F1〜F3がそれぞれ同一位置にあり、かつ3つの貫通孔85〜87と3つの貫通孔95〜97の径がそれぞれ同じである。
また、リアヘッドとフロントヘッドを圧縮機に組み付けた状態においては、リアヘッドとフロントヘッドにおいて、径が異なる2つの孔(第1貫通孔および第2貫通孔)同士が上下方向に並んでいる。より詳しくは、リアヘッドの第1貫通孔85と、フロントヘッドの第2貫通孔96が上下方向に並んでおり、かつ、リアヘッドの第2貫通孔86と、フロントヘッドの第1貫通孔95が上下方向に並んでいる。なお、フロントヘッドの第3貫通孔87とリアヘッドの第3貫通孔87も上下方向に並んでいる。
[軸受け孔の加工方法]
次に、本実施形態の圧縮機のリアヘッド及びフロントヘッドに形成された軸受け孔23、63を第1貫通孔と第3貫通孔を用いて加工する際の加工方法について説明する。なお、本実施形態の圧縮機では、第1貫通孔と第2貫通孔を用いて軸受け孔23、63を加工することもできる。ただし、第1貫通孔と第2貫通孔を用いて軸受け孔23、63を加工する場合の加工方法は、第1実施形態と同じであるので、その説明は省略する。
また、リアヘッドの第1貫通孔85と第3貫通孔87、およびフロントヘッドの第1貫通孔95と第3貫通孔97を用いて軸受け孔23、63を加工することもできる。
まず、リアヘッドを加工治具100に固定する。具体的には、図8(c)、(d)に示すように、加工治具100に取り付けられた2つの位置決めピン105、106を、リアヘッドの第1貫通孔85および第3貫通孔87に挿入する。その際、リアシリンダ30の下端面と対向する面が下となるようにする。なお、2つの位置決めピン105、106は、円形の水平断面を有しており、その水平断面はそれぞれと第1貫通孔85および第3貫通孔87と略同一の大きさに構成されている。その後、上方(図8(b)の矢印方向)から加工部分(ハッチング部分)を加工して、軸受け孔23を形成する。なお、加工方法は特に限定されないが、例えば切削加工である。
次に、リアヘッドをフロントヘッドと交換する。そして、リアヘッドと同様に、フロントヘッドを加工治具100に固定する。具体的には、加工治具100に取り付けられた2つの位置決めピン105、106を、フロントヘッドの第1貫通孔95および第3貫通孔97に挿入する。その際、フロントシリンダ50の上端面と対向する面が下となるようにする。なお、2つの位置決めピン105、106の水平断面は、それぞれと第1貫通孔85および第3貫通孔87と略同じである。その後、上方から加工部分(ハッチング部分)を加工して、軸受け孔63を形成する。なお、リアヘッドとフロントヘッドの加工順は逆でもよい。
<本実施形態の圧縮機の特徴>
本実施形態の圧縮機には、以下の特徴がある。
本実施形態の圧縮機では、径が最小の孔(第2貫通孔)以外の2つの孔(第1貫通孔および第3貫通孔)に2つの位置決めピン105、106を挿入した場合において、加工治具100に取り付けられた2つの位置決めピンの位置を変えることなくフロントヘッドとリアヘッドを加工できる。また、径が最小の孔以外の2つの孔(第1貫通孔および第3貫通孔)の径が互いに異なるので、2つの位置決めピン105、106の水平断面の大きさをそれぞれ径が最小の孔以外の2つの孔と略同一の大きさに構成すれば、作業者がフロントヘッド又はリアヘッドを周方向に反転させて組み付ける誤組み付けが生じない。また、3つの孔の径が全て異なるので、作業者が径が最小の孔とその他もう1つの孔(例えば、フロントヘッドを例にとると、第2貫通孔96及び第1貫通孔95、又は第2貫通孔96及び第3貫通孔97)に2つの位置決めピン105、106を挿入してしまうおそれもない。したがって、加工治具100にフロントヘッドおよびリアヘッドを固定する向きが1つに決まる。したがって、フロントヘッドおよびリアヘッドが加工治具100に誤組み付けされることを防止できる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
上記第1及び第2実施形態では、リアヘッドとフロントヘッドにおいて、径が異なる2つの孔(第1貫通孔および第2貫通孔)同士が上下方向に並んでいるが、径が異なる2つの孔(第1貫通孔および第2貫通孔)同士が上下方向に並んでいなくてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、第1貫通孔は、第2貫通孔よりも径が大きいが、第2貫通孔よりも径が小さくてもよい。
また、上記第1実施形態では、第3貫通孔は、第1貫通孔よりも径が小さいが、第3貫通孔は、2つの孔(第1貫通孔および第2貫通孔)のうち径が大きい方と異なっていればよい。したがって、第3貫通孔が、第1貫通孔よりも大きくてもよい。
また、上記第1実施形態では、第3貫通孔は、第2貫通孔と径が略同じであるが、第2貫通孔と径が異なっていてもよい。
また、上記第2実施形態では、第3貫通孔は、第1貫通孔よりも径が小さく、第2貫通孔よりも径が大きいが、3つの貫通孔の径が全て異なっていれば、第3貫通孔が、第1貫通孔よりも径が小さく、第2貫通孔よりも径が大きい必要はない。
また、上記第1及び第2実施形態では、リアヘッドおよびフロントヘッドに第3貫通孔が形成されているが、第3貫通孔はなくてもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、第1貫通孔の中心R1、F1と第2貫通孔の中心R2、F2が、平面視において、それぞれ吐出孔24、64の中心O2、O’2から同一距離に位置しているが、吐出孔24、64の中心O2、O’2から同一距離に位置している必要はない。
また、上記第1及び第2実施形態では、リアヘッドおよびフロントヘッドにそれぞれ3つの貫通孔が図示されているが、リアヘッドおよびフロントヘッドにそれぞれ4つ以上貫通孔があってもよい。
また、上記第1及び第2実施形態では、マフラ空間11とマフラ空間71とは、図示しない貫通孔によって連通しているが、この貫通孔の一部が、リアヘッドの3つの貫通孔の少なくとも1つ及びフロントヘッドの3つの貫通孔の少なくとも1つであってもよい。これにより、2つの孔(第1貫通孔および第2貫通孔)や第3の孔(第3貫通孔)を冷媒ガスを通過させる通路に利用できる。
また、上記第1及び第2実施形態では、各種大きさのボルトB1によって、リアヘッド、リアシリンダ30、及びミドルプレート40を締結し、各種大きさのボルトB2によって、フロントヘッド、フロントシリンダ50、及びミドルプレート40を締結したが、これに限られるものではない。例えば、スルーボルトによって、リアヘッド、リアシリンダ30、ミドルプレート40、フロントシリンダ50、及びフロントヘッドを締結してもよい。なお、その場合において、リアヘッド及びフロントヘッドに形成された3つの貫通孔の少なくとも1つをスルーボルトを通過させる孔に用いてもよい。これにより、2つの孔(第1貫通孔および第2貫通孔)や第3の孔(第3貫通孔)をスルーボルトを通過させる孔に利用できる。
また、例えばボルトB1によってリアヘッド、リアシリンダ30、ミドルプレート40、及びフロントシリンダ50を締結し、ボルトB2によってフロントシリンダ50及びフロントヘッドを締結してもよい。その場合においては、ミドルプレート40に形成される3つの孔(不図示)がボルトB1を通過させるための孔となり、フロントシリンダ50に形成される3つの貫通孔50a〜50cがボルトB1、B2が螺合される螺子穴となる。
また、例えばボルトB1によってリアヘッド及びリアシリンダ30を締結し、ボルトB2によってフロントシリンダ50、フロントヘッド、ミドルプレート40、及びリアシリンダ30を締結してもよい。その場合においては、ミドルプレート40に形成される3つの孔(不図示)がボルトB2を通過させるための孔となり、リアシリンダ30に形成される3つの貫通孔30a〜30cがボルトB1、B2が螺合される螺子穴となる。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、2シリンダ型のロータリ圧縮機について説明したが、1つのシリンダとそのシリンダの両端面に配置される2つの端板部材とを備えた1シリンダ型のロータリ圧縮機にも本発明を適用できる。
本発明を利用すれば、加工治具に取り付けられたピンの位置を変えることなく2つの端板部材の軸受け孔を加工でき、かつ端板部材が加工治具に誤組み付けされることを防止できる。
1 圧縮機
20 リアヘッド(第2端板部材)
60 フロントヘッド(第1端板部材)
21、61 本体部
22、62 軸受け部
24、64 吐出孔
25、65 第1貫通孔(2つの孔のうちの1つ)
26、66 第2貫通孔(2つの孔のうちの1つ)
27、67 第3貫通孔(二等辺三角形を形成する第3の孔)
30、50 シリンダ
31、51 圧縮室
87、97 第3貫通孔(正三角形を形成する第3の孔)

Claims (5)

  1. 圧縮室を有するシリンダと、
    前記シリンダの両端面に配置される第1端板部材及び第2端板部材とを備え、
    前記第1端板部材及び前記第2端板部材は、
    前記シリンダの端面と対向する本体部と、
    前記本体部から前記シリンダと反対側に突出した筒状の軸受け部とをそれぞれ有し、
    前記本体部には、それぞれ、
    上下方向に貫通し、かつ互いに径が異なる2つの孔が形成されており、
    前記第1端板部材と前記第2端板部材において、前記2つの孔同士が、平面視において同一位置にあることを特徴とする圧縮機。
  2. 前記第1端板部材と前記第2端板部材において、径が異なる孔同士がそれぞれ上下方向に並んでいることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記本体部には、それぞれ、
    上下方向に貫通し、平面視において前記2つの孔を結ぶ線分を底辺とする二等辺三角形を形成する第3の孔が形成されており、
    前記第3の孔の径が、前記2つの孔のうち径が大きい方と異なることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 前記本体部には、それぞれ、
    上下方向に貫通し、平面視において前記2つの孔を結ぶ線分を一辺とする正三角形を形成する第3の孔が形成されており、
    3つの孔の径が全て異なることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機。
  5. 前記第1端板部材及び前記第2端板部材の前記本体部には、
    前記圧縮室で圧縮された冷媒を吐出する吐出孔がそれぞれ形成されており、
    前記吐出孔から同一距離に前記2つの孔が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮機。
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