JP2015020975A - ケトマロン酸化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工業的に有用なケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物又はその抱水体を、経済的及び環境的な観点並びに安全性の観点からより好ましい方法で製造するための方法を提供する。【解決手段】次の一般式(1)(式中、Rは、それぞれ、アルキル基、シクロアルキル基などを示す。)で表されるマロン酸化合物を二酸化塩素と反応させることによる、次の一般式(2)(式中、Rは前記と同じ意味を示す。)で表されるケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、マロン酸ジエステル等のマロン酸化合物を二酸化塩素と反応させることによるケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物又はその抱水体を製造する方法に関する。
ケトマロン酸ジエステル又はその抱水体は、ジアミン類との反応によるピラジン−2−オン−3−カルボン酸エステル誘導体の製造における原料として有用な化合物である(特許文献1−4、及び非特許文献1−2参照)。この反応は、特に芳香族ジアミンからキノキサリノン誘導体を製造する方法として、医薬及び農薬等の製造に利用されている。
従来、マロン酸ジエステルからのケトマロン酸ジエステルの合成方法として、直接的方法又は間接的方法が報告されている。しかし、それらのいずれも問題点がある。マロン酸ジエステルからのケトマロン酸ジエステルの合成方法として、例えば、マロン酸ジエステルを、二酸化セレン(例えば、非特許文献3参照)、三酸化二窒素(例えば、非特許文献4参照)、三酸化クロム(例えば、非特許文献6参照)等の酸化剤により酸化することによるケトマロン酸ジエステルを生成する方法が知られている。しかし、それらのいずれも試薬の重篤な毒性又は扱い難さ等の問題点がある。
また、マロン酸ジエステルの活性メチレン部分が臭素により置換された化合物を硝酸銀と反応させる方法(例えば、非特許文献7参照)、マロン酸ジエステルの活性メチレン部分がアゾ基により置換された化合物をジメチルジオキシランと反応させる方法(例えば、非特許文献8参照)、マロン酸ジエステルの活性メチレン部分がメチレン基により置換された化合物をオゾンと反応させる方法(例えば、非特許文献5及び9参照)、マロン酸ジエステルの活性メチレン部分が水酸基により置換された化合物を貴金属触媒の存在下で反応させる方法(例えば、特許文献5参照)等のケトマロン酸ジエステルを生成する方法も知られている。しかし、これらの方法ではマロン酸ジエステルよりはるかに高価なタルトロン酸を原料として用いるという難点、又はマロン酸ジエステルの活性メチレン部分をあらかじめ修飾する必要がある。したがって、これらの方法では経済的及び操作的に問題点がある。加えて、これらの方法では高価な試薬を用いる、特殊な反応剤を用いる、高価な触媒を用いる、又は遷移金属を用いる等の問題点がある。
さらに、マロン酸ジエステルを亜塩素酸ナトリウムと反応させる方法が報告されている(特許文献6参照)。特許文献6に記載された方法は、特許文献6以前に知られていた従来技術よりも優れているが、後述のように、経済的及び環境的側面を考慮すると、未だ改善の余地がある。
米国特許第6329389号明細書 米国特許第6348461号明細書 米国特許第4296114号明細書 WO 2005/21547号公報 特開平8−151346号公報 WO 2010/150548号公報
J. W. Clark-Lewis, et al., J. Chem. Soc., 1957, 430-439. Fumio Yoneda, et al., J. Chem. Soc. Perkin Transactions 1, 1987, 75-83. S. Astin et al., J. Chem. Soc., 1933, 391-394. A. W. Dox, Organic Syntheses, 4, 1925, 27-28. Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, 3711 (2001). Liang Xian liu et al., Chinese Chemical Letters, 3, 1992, 585-588. Chem. Abstr., 123:256144. Antonio Saba, Synthetic Communications, 24, 695-699 (1994). Lutz F., et al., Organic Syntheses, 71,214-219 (1993).
本発明の目的は、工業的に有用なケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物又はその抱水体を、経済的及び環境的な観点並びに安全性の観点からより好ましい方法で製造するための方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、爆発の危険性を回避でき、そしてまた反応の暴走も抑制できる、極めて安全なケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物又はその抱水体を製造する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記した従来技術における1以上の欠点又は問題点を解決することが可能なケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物又はその抱水体を製造する方法を提供することにある。
上記のような状況に鑑み、本発明者がケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物又はその抱水体を製造する方法について鋭意研究を重ねた結果、意外にも、後記一般式(1)で表されるマロン酸化合物を二酸化塩素と反応させることにより、後記一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物又はその抱水体が生成することを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
特に、マロン酸ジエステル等のマロン酸化合物を含有する水溶液又は懸濁液等のpHをコントロールしながら、二酸化塩素ガスを導入することにより、安全かつ効率的にケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物又はその抱水体を製造できることを見出したのである。
即ち、本発明は、次の一般式(1)
Figure 2015020975
(式中、Rは、同一又は相異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、2つのRが互いに結合して環を形成してもよい。)
で表されるマロン酸化合物を二酸化塩素と反応させることによる、次の一般式(2)
Figure 2015020975
(式中、Rは前記と同じ意味を示す。)
で表されるケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法に関する。特に、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH4〜pH11、好ましくはpH5〜pH10の範囲で行われることを特徴とする一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法に関する。
本発明の方法により、ケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物又はその抱水体の新規な工業的な製造方法が提供される。
本発明は、一般式(1)で表されるマロン酸化合物(原料化合物)を酸化剤としての二酸化塩素と反応させること特徴とする。本発明者らは、二酸化塩素がマロン酸ジエステル等のマロン酸化合物のメチレン部分を特異的に酸化する能力を有していることを、初めて見出したのである。
他方で、特許文献6に記載の製造方法においては、酸化剤として亜塩素酸ナトリウム等の亜塩素酸塩が使用されている。酸化剤として使用される亜塩素酸ナトリウム等の亜塩素酸塩を製造する方法としては、例えば、二酸化塩素を水酸化ナトリウム等の塩基及び過酸化水素等の還元剤と反応させることにより製造する方法が知られている。要するに、この方法では、二酸化塩素を原料として酸化剤として使用する亜塩素酸ナトリウム等の亜塩素酸塩を製造し、これを酸化剤として用いるのである。つまり、この方法では、亜塩素酸ナトリウム等の亜塩素酸塩を製造しなければならなかった。一方で、本発明の方法では、二酸化塩素を直接的に用いることが可能となったのであり、亜塩素酸ナトリウム等の亜塩素酸塩を製造する必要が無くなったという点で、より簡便に目的物が得られるようになった。
本発明の方法は、マロン酸ジエステル等のマロン酸化合物の酸化反応における酸化剤として二酸化塩素ガスを使用することを特徴とするものである。本発明の方法のより好ましい態様としては、反応のpHを、pH4〜pH11、好ましくはpH5〜pH10の範囲にコントロールする方法である。後述する実施例に示されるように、反応のpHをコントロールした場合には二酸化塩素により所望の反応が効率的に進行することが、初めて見出されたのである。
特許文献6に記載の製造方法では、反応のpHが酸性領域であることが好ましい旨が示唆される。他方、本発明の方法では、弱酸性領域(例えば、pH5〜6)のみならず中性領域(例えば、pH6〜8)から塩基性領域(例えば、pH8〜10)においても所望の反応が進行すると考察された。したがって、ケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物の製造方法において、本発明の方法により、反応のpHに関連して新たな選択肢が提供される。例えば、一般的に化学工業においては酸性条件よりも中性条件が好まれる場合が多く、本発明の方法は工業的により好ましい方法と考えられる。さらに、前記一般式(1)で表されるマロン酸化合物(原料化合物)のエステル残基の安定性は、pHにより安定性が異なる場合があると考えられる。そのような場合に、本発明の方法が新しい又は好ましい反応条件の選択肢を提供できる可能性がある。ここで、前記一般式(1)で表されるマロン酸化合物のエステル残基とは、前記一般式(1)中のRである。
さらに、本発明において、本発明者らは、マロン酸ジエステル等のマロン酸化合物の酸化反応における二酸化塩素ガスを安全にかつ効率的に取り扱う方法を見出したのである。
本発明の方法において使用される二酸化塩素は、低濃度のときには、パルプ、繊維もしくは食品の漂白剤として、または水の消毒等の殺菌剤として安全に使用される物質である。さらに、二酸化塩素は安価であり、工業的に好ましい。しかし、他方では、二酸化塩素は、高濃度のときには、爆発等の危険性が知られている物質でもある。しかしながら、本発明の方法によれば、二酸化塩素ガスを低濃度で必要量吹き込むことにより反応を行うことができ、過剰な二酸化塩素が系内に充満することなく、爆発の危険性を回避でき、そしてまた反応の暴走も抑制できるようになったのである。また、有機合成反応においては、発熱及び誘導期等のために、冷却、及び分割投入又は滴下投入等の適切な対策又は注意を必要とする場合があるが、本発明の方法によれば、そのような対策又は注意が容易になる。
したがって、本発明の方法によれば、マロン酸ジエステル等のマロン酸化合物からケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物又はその抱水体を、爆発の危険性及び反応暴走も抑制でき、極めて安全に生成させることができる。その結果、本発明の方法によれば、ケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物又はその抱水体を高収率及び高純度にて、効率良く工業的に製造することが可能である。
さらに、特許文献6に記載の製造方法では、酢酸等のカルボン酸化合物を使用している。使用された酢酸等のカルボン酸化合物は廃棄物となる可能性が高く、その再利用も簡便ではなく環境汚染の原因ともなる。しかしながら、本発明の方法によれば、酢酸等のカルボン酸化合物を使用しないでも、目的とするケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物を製造可能である。酢酸等のカルボン酸化合物を使用しないことは、コストの削減と環境への負荷の低減に役立つ。
本発明の方法では、工業化において予想される試薬の重篤な毒性又は扱い難さ等の問題点を解決し、特殊な反応剤を必要とせず、高価な試薬を必要とせず、さらに貴金属のような遷移金属を必要とせず、ケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物を製造できる。また、本発明の方法では、触媒又は遷移金属に由来する有害な廃棄物も出ないので、廃棄物処理が容易で環境にもやさしく、工業的な利用価値が高い。
本発明の方法によれば、原料として入手容易な一般式(1)で表されるマロン酸ジエステル等のマロン酸化合物を用いることが可能である。本発明の方法における原料のマロン酸ジエステル等のマロン酸化合物は、有機合成において汎用されている化合物であり、安全で入手が容易である。また、本発明の方法では、マロン酸ジエステル等の活性メチレン部分をあらかじめ修飾する必要がなく、マロン酸ジエステル等を直接に反応させることができるため、経済的及び操作的に問題点がない。さらに、本発明の方法では、溶媒として水を用いることができる。水は安全性が高く、かつ安価で扱いが容易である。
さらに、本発明の方法は、高温及び高圧を必要とせずに、穏やかな反応条件を選択することができ、工業化に適した簡便な条件で、ケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物を製造できる。
以上のように、本発明の方法は工業的な製造方法として極めて有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明をより詳細に説明すれば、本発明は下記の〔1〕から〔61〕のとおりである。
〔1〕一般式(1)
Figure 2015020975
(式中、Rは、同一又は相異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、2つのRが互いに結合して環を形成してもよい。)
で表されるマロン酸化合物を二酸化塩素と反応させることによる、一般式(2)
Figure 2015020975
(式中、Rは前記と同じ意味を示す。)
で表されるケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔2〕マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH4〜pH11の範囲で行われる、〔1〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔3〕マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH10の範囲で行われる、〔1〕又は〔2〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔4〕マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH8の範囲で行われる、〔1〕から〔3〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔5〕マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH6〜pH8の範囲で行われる、〔1〕から〔4〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔6〕pH調整剤を用いてpHをコントロールする、〔1〕から〔5〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔7〕pH調整剤として無機塩基を用いる、〔6〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔8〕pH調整剤としてアルカリ金属水酸化物を用いる、〔6〕又は〔7〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔9〕pH調整剤として水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いる、〔6〕から〔8〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔10〕pH調整剤として水酸化ナトリウムを用いる、〔6〕から〔9〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔11〕pH調整剤として無機塩基を用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH4〜pH11の範囲で行われる、〔1〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔12〕pH調整剤として無機塩基を用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH10の範囲で行われる、〔1〕又は〔11〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔13〕pH調整剤として無機塩基を用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH8の範囲で行われる、〔1〕、〔11〕又は〔12〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔14〕pH調整剤として無機塩基を用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH6〜pH8の範囲で行われる、〔1〕、〔11〕、〔12〕、又は〔13〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔15〕pH調整剤としてアルカリ金属水酸化物を用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH4〜pH11の範囲で行われる、〔1〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔16〕pH調整剤としてアルカリ金属水酸化物を用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH10の範囲で行われる、〔1〕又は〔15〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔17〕pH調整剤としてアルカリ金属水酸化物を用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH8の範囲で行われる、〔1〕、〔15〕、又は〔16〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔18〕pH調整剤としてアルカリ金属水酸化物を用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH6〜pH8の範囲で行われる、〔1〕、〔15〕、〔16〕、又は〔17〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔19〕pH調整剤として水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH4〜pH11の範囲で行われる、〔1〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔20〕pH調整剤として水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH10の範囲で行われる、〔1〕又は〔19〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔21〕pH調整剤として水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH8の範囲で行われる、〔1〕、〔19〕、又は〔20〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔22〕pH調整剤として水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH6〜pH8の範囲で行われる、〔1〕、〔19〕、〔20〕、又は〔21〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔23〕pH調整剤として水酸化ナトリウムを用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH4〜pH11の範囲で行われる、〔1〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔24〕pH調整剤として水酸化ナトリウムを用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH10の範囲で行われる、〔1〕又は〔23〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔25〕pH調整剤として水酸化ナトリウムを用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH8の範囲で行われる、〔1〕、〔23〕、又は〔24〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔26〕pH調整剤として水酸化ナトリウムを用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH6〜pH8の範囲で行われる、〔1〕、〔23〕、〔24〕、又は〔25〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔27〕一般式(1)のRが、同一又は相異なっていてもよく、次の
(a)置換基を有していてもよいC〜Cアルキル基;
(b)置換基を有していてもよいC〜Cシクロアルキル基;
(c)置換基を有していてもよい炭素原子数6〜12個の芳香族炭化水素基;
(d)置換基を有していてもよい窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員環の芳香族複素環基;又は、
(e)2つのRは互いに結合して隣接する酸素原子と共に環を形成してもよい;
のいずれかから選ばれる基である、〔1〕から〔26〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔28〕置換基を有していてもよいC〜Cアルキル基が、置換基を有していてもよいC〜Cアルキル基である、〔27〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔29〕一般式(1)のRにおける置換基が、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜Cハロアルキル基、ヒドロキシル基、C〜Cアルコキシ基、及び炭素原子数6〜12個の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる基である、〔27〕又は〔28〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔30〕一般式(1)のRがC〜Cアルキル基である、〔1〕から〔29〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔31〕一般式(1)のRがメチル又はエチルである、〔1〕から〔30〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔32〕マロン酸化合物と二酸化塩素との反応が0℃から40℃の温度で行われる、〔1〕から〔31〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔33〕マロン酸化合物と二酸化塩素との反応が5℃から35℃の温度で行われる、〔1〕から〔32〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔34〕マロン酸化合物と二酸化塩素との反応が10℃から25℃の温度で行われる、〔1〕から〔33〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔35〕マロン酸化合物と二酸化塩素との反応が0.5時間〜100時間で行われる、〔1〕から〔34〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔36〕マロン酸化合物と二酸化塩素との反応が4時間〜48時間で行われる、〔1〕から〔35〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔37〕マロン酸化合物と二酸化塩素との反応が4時間〜12時間で行われる、〔1〕から〔36〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔38〕二酸化塩素が、二酸化塩素ガスとしてガス状で反応液中に吹き込まれる、〔1〕から〔37〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔39〕二酸化塩素ガスの濃度が、10(vol%)以下である、〔38〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔40〕二酸化塩素ガスの濃度が、2(vol%)〜10(vol%)の範囲である、〔38〕又は〔39〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔41〕二酸化塩素ガスの濃度が、5(vol%)〜10(vol%)の範囲である、〔38〕から〔40〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔42〕二酸化塩素ガスの希釈に用いられる気体が、空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、及び二酸化炭素からなる群から選ばれる1種又は2種以上の不活性ガスである、〔38〕から〔41〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔43〕二酸化塩素ガスの希釈に用いられる気体が、空気及び/又は窒素である、〔38〕から〔42〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔44〕二酸化塩素ガスの希釈に用いられる気体が、窒素である、〔38〕から〔43〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔45〕二酸化塩素ガスの純度が、70%以上である、〔38〕から〔44〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔46〕二酸化塩素ガスの純度が、90%以上である、〔38〕から〔45〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔47〕二酸化塩素ガスが、実質的に塩素ガスを含有していない、〔38〕から〔46〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔48〕二酸化塩素が、二酸化塩素ガスの濃度が2(vol%)〜10(vol%)の範囲であり、二酸化塩素ガスの純度が70%〜100%である、二酸化塩素ガスである、〔1〕から〔47〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔49〕二酸化塩素が、二酸化塩素ガスの濃度が2(vol%)〜10(vol%)の範囲であり、二酸化塩素ガスの純度が90%〜100%である、二酸化塩素ガスである、〔1〕から〔48〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔50〕二酸化塩素が、二酸化塩素ガスの濃度が5(vol%)〜10(vol%)の範囲であり、二酸化塩素ガスの純度が70%〜100%である、二酸化塩素ガスである、〔1〕から〔49〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔51〕二酸化塩素が、二酸化塩素ガスの濃度が5(vol%)〜10(vol%)の範囲であり、二酸化塩素ガスの純度が90%〜100%である、二酸化塩素ガスである、〔1〕から〔50〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔52〕二酸化塩素ガスが、次のいずれかの方法、
(a)亜塩素酸塩水溶液と無機強酸から発生させる方法;
(b)塩素酸塩水溶液、無機強酸及び過酸化水素から発生させる方法;又は、
(c)塩素酸塩水溶液と無機強酸から発生させる方法;
で発生させた二酸化塩素ガスを希釈したものである、〔38〕から〔51〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔53〕二酸化塩素ガスが、塩素酸塩水溶液に無機強酸及び過酸化水素を滴下して発生させる方法で発生させた二酸化塩素ガスを希釈したものである、〔38〕から〔52〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔54〕塩が、アルカリ金属塩である、〔52〕又は〔53〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔55〕アルカリ金属塩が、ナトリウム塩である、〔54〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔56〕無機強酸が、塩酸又は硫酸である、〔52〕から〔55〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔57〕無機強酸が、塩酸である、〔56〕に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔58〕溶媒が水である、〔1〕から〔57〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔59〕マロン酸化合物と二酸化塩素との反応が水の存在下で行われる、〔1〕から〔58〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔60〕一般式(1)のRがC〜Cアルキル基である、〔32〕から〔59〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
〔61〕一般式(1)のRがメチル又はエチルである、〔32〕から〔60〕のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
本明細書において用いられる用語及び記号について以下に説明する。
「C〜C」とは炭素原子数がa〜b個であることを意味する。例えば、「C1〜」とは炭素原子数が1〜4であることを意味する。
アルキル基としては、例えば、C〜Cアルキル基、好ましくはC〜Cアルキル基等が挙げられる。C〜Cアルキル基とは、炭素原子数が1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を意味する。C〜Cアルキル基とは、炭素原子数が1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を意味する。アルキル基としては、具体的には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、さらに好ましくは、メチル、エチルが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、C〜Cシクロアルキル基等が挙げられる。C〜Cシクロアルキル基とは、炭素原子数が3〜6のシクロアルキル基を意味する。C〜Cシクロアルキル基としては、具体的には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素原子数6〜12個の芳香族炭化水素基等が挙げられる。芳香族炭化水素基の具体的な例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニル等が挙げられる。芳香族炭化水素基は好ましくはフェニルである。
芳香族複素環基としては、例えば、炭素原子以外に1個以上の(例えば1〜4個の)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を有する5〜10員環の芳香族複素環基等が挙げられる。芳香族複素環基の具体的な例としては、フリル基、チエニル基、ピラゾリル基、ピリジル基、キノリニル基等が挙げられる。芳香族複素環基のさらに具体的な例としては、2−又は3−フリル、2−又は3−チエニル、1−,3−,4−又は5−ピラゾリル、2−,3−又は4−ピリジル、2−又は8−キノリル等が挙げられる。芳香族複素環基の好ましい例としては、2−又は4−ピリジル、より好ましくは2−ピリジルが挙げられる。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
ハロアルキル基としては、例えば、C〜Cハロアルキル基等が挙げられる。C〜Cハロアルキル基とは、同一又は異なる1〜9のハロゲン原子により置換された炭素原子数が1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を意味する(ここで、ハロゲン原子は前述と同じ意味を有する。)。C〜Cハロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3−フルオロプロピル、3−クロロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル、4−フルオロブチル、4−クロロブチル、2,2,3,3,4,4,4−へプタフルオロブチル、ノナフルオロブチル、2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジ(トリフルオロメチル)エチル等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、C〜Cアルコキシ基等が挙げられる。C〜Cアルコキシ基とは、(C〜Cアルキル)−O−基を意味する(ここで、C〜Cアルキルは前述と同じ意味を有する。)。C〜Cアルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、又はtert−ブトキシである。
「置換基を有していてもよい」の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基等が挙げられる。ここで、これらはいずれも前述と同じ意味を有する。さらには、「置換基を有していてもよい」の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基等が挙げられる。
「2つのRが互いに結合して環を形成してもよい」とは、2つのR基が連結して2価の基を形成して、隣接する酸素原子と共に環を形成することである。2つのR基が連結して形成される2価の基としては、置換基を有していてもよい炭素数1から6のアルキレン基、例えば、メチレン基、エチレン基などが挙げられる。アルキレン基は前記したような置換基、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基等を有していてもよい。
(マロン酸化合物)
次に、本発明の方法の原料として用いる、上記した一般式(1)で表されるマロン酸化合物(以下、「原料化合物」と記載することがある。)について説明する。
一般式(1)中のRは、同一又は相異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、2つのRが互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(1)におけるRの好ましい例としては、C〜Cアルキル基、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、さらに好ましくは、メチル、エチルが挙げられる。
一般式(1)で表されるマロン酸化合物としては、具体的には、例えば、マロン酸、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジ−sec−ブチル、マロン酸ジ−tert−ブチル、マロン酸ジペンチル、マロン酸ジヘキシル、マロン酸ジシクロプロピル、マロン酸ジシクロペンチル、マロン酸ジシクロヘキシル、マロン酸ジフェニル、マロン酸ジ(4−ピリジル)、マロン酸ジ(2−ピリジル)、マロン酸メチルエチル、マロン酸メチルプロピル、マロン酸メチル−tert−ブチル、マロン酸エチルプロピル、マロン酸エチル−tert−ブチル、マロン酸メチルフェニル、マロン酸メチル(4−ピリジル)、マロン酸メチル(2−ピリジル)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましいマロン酸化合物としては、マロン酸ジアルキル(例、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジ−sec−ブチル、マロン酸ジ−tert−ブチル、マロン酸ジペンチル、マロン酸ジヘキシル、マロン酸メチルエチル、マロン酸メチルプロピル、マロン酸メチル−tert−ブチル、マロン酸エチルプロピル、マロン酸エチル−tert−ブチル等)、より好ましくは、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジ−sec−ブチル、マロン酸ジ−tert−ブチル、マロン酸メチル−tert−ブチル、マロン酸エチル−tert−ブチル、さらに好ましくは、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジ−tert−ブチル、マロン酸メチル−tert−ブチル、マロン酸エチル−tert−ブチル、さらに好ましくは、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジイソプロピル、特に好ましくは、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチルが挙げられる。
一般式(1)で表されるマロン酸化合物(原料化合物)は、公知の化合物か、又は公知の化合物から公知の方法(例えば、常法によるマロン酸のエステル化等)により製造することができる。
なお、一般式(1)で表されるマロン酸化合物(原料化合物)は、単独で又は任意の割合の混合物として用いることができる。
(ケトマロン酸化合物)
次に、本発明の方法により製造される目的物である一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物について説明する。
一般式(2)中のRは、同一又は相異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、2つのRが互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(2)におけるRの好ましい例としては、C〜Cアルキル基、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、さらに好ましくは、メチル、エチルが挙げられる。
一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物としては、具体的には、例えば、ケトマロン酸、ケトマロン酸ジメチル、ケトマロン酸ジエチル、ケトマロン酸ジプロピル、ケトマロン酸ジイソプロピル、ケトマロン酸ジブチル、ケトマロン酸ジイソブチル、ケトマロン酸ジ−sec−ブチル、ケトマロン酸ジ−tert−ブチル、ケトマロン酸ジペンチル、ケトマロン酸ジヘキシル、ケトマロン酸ジシクロプロピル、ケトマロン酸ジシクロペンチル、ケトマロン酸ジシクロヘキシル、ケトマロン酸ジフェニル、ケトマロン酸ジ(4−ピリジル)、ケトマロン酸ジ(2−ピリジル)、ケトマロン酸メチルエチル、ケトマロン酸メチルプロピル、ケトマロン酸メチル−tert−ブチル、ケトマロン酸エチルプロピル、ケトマロン酸エチル−tert−ブチル、ケトマロン酸メチルフェニル、ケトマロン酸メチル(4−ピリジル)、ケトマロン酸メチル(2−ピリジル)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましいケトマロン酸化合物としては、ケトマロン酸ジアルキル(例、ケトマロン酸ジメチル、ケトマロン酸ジエチル、ケトマロン酸ジプロピル、ケトマロン酸ジイソプロピル、ケトマロン酸ジブチル、ケトマロン酸ジイソブチル、ケトマロン酸ジ−sec−ブチル、ケトマロン酸ジ−tert−ブチル、ケトマロン酸ジペンチル、ケトマロン酸ジヘキシル、ケトマロン酸メチルエチル、ケトマロン酸メチルプロピル、ケトマロン酸メチル−tert−ブチル、ケトマロン酸エチルプロピル、ケトマロン酸エチル−tert−ブチル等)、より好ましくは、ケトマロン酸ジメチル、ケトマロン酸ジエチル、ケトマロン酸ジプロピル、ケトマロン酸ジイソプロピル、ケトマロン酸ジブチル、ケトマロン酸ジイソブチル、ケトマロン酸ジ−sec−ブチル、ケトマロン酸ジ−tert−ブチル、ケトマロン酸メチル−tert−ブチル、ケトマロン酸エチル−tert−ブチル、さらに好ましくは、ケトマロン酸ジメチル、ケトマロン酸ジエチル、ケトマロン酸ジプロピル、ケトマロン酸ジイソプロピル、ケトマロン酸ジブチル、ケトマロン酸ジ−tert−ブチル、ケトマロン酸メチル−tert−ブチル、ケトマロン酸エチル−tert−ブチル、さらに好ましくは、ケトマロン酸ジメチル、ケトマロン酸ジエチル、ケトマロン酸ジプロピル、ケトマロン酸ジイソプロピル、特に好ましくは、ケトマロン酸ジメチル、ケトマロン酸ジエチルが挙げられる。
なお、本発明の方法により製造される一般式(2)で表されるマロン酸化合物は、単独又はいかなる割合の混合物であってもよい。
(抱水体)
次に、本発明の方法により製造される目的物である一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物の抱水体について説明する。
本発明の方法により生成する一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物は、2個のエステル基等の間にケト基を有する化合物であり、言い換えれば、ケト基に隣接する位置に電子吸引基を有する化合物である。したがって、一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物は、水の存在下においては次の一般式(3)
Figure 2015020975
(式中、Rは前記と同じ意味を示す。)で表されるケトマロン酸化合物の抱水体を形成する。この抱水体は、必要に応じて、例えば加熱処理等の脱水処理を行うことにより、ケト型の一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物とすることができる。このような可逆反応は、抱水クロラールのような抱水体の一般的な性質と同様である。
一般に、本発明の反応を水の存在下で実施すると生成物は一般式(3)で表されるケトマロン酸化合物の抱水体の形で得られる。他方で、一般に、本発明の反応を無水条件下で実施すると、生成物は一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物の形で得られる。
さらに、本発明の反応を水の存在下で実施して、かつ一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物の形で生成物を単離したい場合には、反応後の後処理において、具体的には、例えば、トルエンとの共沸脱水のような脱水処理を行うことにより一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物の形で生成物を容易に得ることができる。
すなわち、本発明の方法においては、反応溶媒又は反応後の後処理の方法を適切に選択することにより、単離される生成物の形態を、前記一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物の形、又は前記一般式(3)で表されるケトマロン酸化合物の抱水体の形のいずれか所望の形とすることができる。
(二酸化塩素)
次に、本発明の方法に用いる二酸化塩素について説明する。
二酸化塩素の製造方法としては、亜塩素酸ナトリウム水溶液に塩酸を滴下して発生させる方法、または塩素酸ナトリウム水溶液に塩酸及び過酸化水素を滴下して発生させる方法等がある。加えて、塩素酸ナトリウム水溶液、塩酸及び過酸化水素を用いる方法において、塩酸の代わりに硫酸を用いる方法も知られている。さらには、過酸化水素を用いずに、塩素酸ナトリウム水溶液と塩酸から、二酸化塩素と塩素を発生した後、塩素を水洗で除く方法も知られている。所望の反応が充分に進行する限りは、これらのいずれの方法を用いてもよく、これらに限定されるものでもない。
本発明の方法に用いる二酸化塩素の形態は、所望の反応が充分かつ安全に進行する形態が好ましい。二酸化塩素の形態としては、ガス又は液体が知られている。しかしながら、安全性等の観点から、好ましくはガスである。加えて、二酸化塩素の形態としては、二酸化塩素以外の気体又は液体で希釈されていてもよい。
二酸化塩素の希釈に用いられる気体としては、例えば、空気、又は窒素、さらにはアルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガス等が挙げられる。入手性、取り扱いの簡便さ、安全性、又は価格等の観点から、二酸化塩素の希釈に用いられる気体の好ましい例としては、空気又は窒素、より好ましくは窒素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、二酸化塩素の希釈に用いられる気体は、単独で又は任意の割合で混合して用いることができる。
二酸化塩素の希釈に用いられる液体としては、入手性、取り扱いの簡便さ、価格、又は溶液中の二酸化塩素の安定性等の観点から、好ましくは水である。言い換えれば、二酸化塩素の形態は溶液でもよく、この場合には好ましくは水溶液である。しかしながら、所望の反応が進行する限りは、二酸化塩素の希釈に用いられる液体として、後述する水以外の溶媒を排除するものではない。したがって、二酸化塩素の形態として、水以外の溶媒の溶液も本発明の範囲に包含される。
本発明の方法に用いる二酸化塩素の形態は、入手性、取り扱いの簡便さ、安全性、又は価格等の観点から、特に好ましくは希釈されたガスである。
本発明の方法に用いる二酸化塩素の使用方法としては、限定されるものではないが、希釈された二酸化塩素ガスとして反応系内に導入することが特に好ましい。希釈された二酸化塩素ガスの導入方法は、反応系の気相への吹き込み、又は反応液中への吹き込み(例えばバブリング等)のいずれであってもよい。
導入される二酸化塩素ガスのガス濃度としては、好ましくは2(vol%)〜10(vol%)、さらに好ましくは5(vol%)〜10(vol%)の範囲が挙げられる。二酸化塩素は高濃度で爆発性を有する特性があるため、10(vol%)以下で取り扱うことが好ましい。しかしながら、本発明の方法を考察すると、2(vol%)未満の濃度では希薄過ぎるため反応の進行が遅くなると推測された。
導入される二酸化塩素ガスのガス純度は70%〜100%の範囲が好ましい。本発明の方法を考察した結果、不純物として含有されている塩素ガス等による副反応を回避するため、実質的に塩素ガスを含有しない二酸化塩素ガスが好ましい。二酸化塩素ガス中に含有されている塩素ガスは、水洗で除くことができる。二酸化塩素ガスのガス純度は70%以上、好ましくは90%以上、すなわち、90%〜100%がより好ましい。ここで、二酸化塩素ガスのガス純度とは、二酸化塩素ガスの発生及び希釈に用いられる気体を除いた値を示す。
(二酸化塩素の使用量)
本発明の方法に用いる二酸化塩素の使用量は、反応が充分に進行する範囲であればよいが、例えば、一般式(1)で表される原料化合物1モルに対して、通常1モル〜10モル、好ましくは1モル〜3モル、より好ましくは1モル〜2モルの範囲である。
(pH)
次に、本発明の方法におけるpHについて説明する。
本発明の反応は、適切なpHの範囲で行うことが好ましい。本発明の反応が行われるpHは、反応性、副生成物抑制及び安全面等の観点から、例えば、pH4〜pH11、好ましくはpH5〜pH10、より好ましくはpH5〜pH8、さらに好ましくはpH6〜pH8の範囲である。
加えて、本発明の方法におけるpHとしては、例えば二酸化塩素を導入する前は、pH7〜pH11、好ましくはpH8〜pH11、より好ましくはpH9〜pH11、さらに好ましくはpH9〜10の範囲を、そして、二酸化塩素ガスを導入することによる反応時はpH4〜pH11、好ましくはpH5〜pH10、より好ましくはpH5〜pH8、さらに好ましくはpH6〜pH8の範囲もまた挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明における反応機構等は明らかではないが、本発明の方法を考察したときに、本発明の方法におけるpHについて以下のように推測された。pHが低すぎる場合(例えば、pHが5に満たない酸性域の場合)、マロン酸ジエステルの活性メチレン部分が活性化されにくくなり、反応が良好に進行しない場合があると推測された。また、pHが高い場合(例えば、pHが9を超えるアルカリ性域で反応した場合)、副反応による副生成物が生じ易くなり、収率が低下する場合があると考察された。
(pH調整剤)
次に、本発明の方法に用いるpH調整剤について説明する。
pHをコントロールするためのpH調整剤としては、所望の反応が充分に進行するならば、いかなるpH調整剤であってもよいが、アルカリ性を呈する無機試薬(すなわち、無機塩基)が適している。
pH調整剤としての無機塩基としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩等が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素バリウム等が挙げられる。
入手性、取り扱いの簡便さ、又は価格等の観点から、例えば、pH調整剤はアルカリ金属水酸化物が好ましく、具体的には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムがより好ましく、水酸化ナトリウムがさらに好ましい。
本発明の方法に用いるpH調整剤の形態は、所望の反応が充分に進行するのであれば、いかなる形態であってもよい。しかしながら、入手性、取り扱いの簡便さ、又は価格等の観点から、本発明の方法に用いるpH調整剤は、通常、水溶液として使用することが好ましい。pH調整剤を水溶液として使用するときの濃度は、例えば、0.1%〜60%、好ましくは0.1%〜50%、より好ましくは0.1%〜30%、さらに好ましくは1%〜30%、特に好ましくは1%〜10%の範囲が挙げられる。つまり、pH調整剤は、通常、数%程度の水溶液として使用することが好ましい。
なお、pH調整剤は単独で又は任意の割合で混合して用いることができる。
(pH調整剤の使用量)
本発明の方法に用いるpH調整剤の使用量としては、反応が充分に進行する範囲であればよいが、例えば、使用される二酸化塩素1モルに対して、通常1当量以上、好ましくは1当量〜5当量、より好ましくは1当量〜2当量、さらに好ましくは1.2当量〜1.5当量の範囲が挙げられる。
本発明の反応は、例えば、マロン酸ジエステル等のマロン酸化合物の水懸濁液等へ二酸化塩素を吹き込みながら同時にpH調整剤を添加することにより行ってもよい。さらには、例えば、水溶媒等へ二酸化塩素を吹き込みながら同時にマロン酸ジエステル等のマロン酸化合物及びpH調整剤を添加することによっても、ケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物を得ることができる。しかし、本発明の方法を考察した結果、副生成物発生の観点から、アルカリ金属水酸化物等のpH調整剤(例、水酸化ナトリウム)をあらかじめ仕込むことにより、反応系内を長時間アルカリ性にすることは、より好ましくは避けるべきである。
(溶媒)
次に、本発明の方法における溶媒について説明する。
例えば反応の円滑な進行等の観点から、本発明の方法は溶媒の存在下で実施することができる。しかしながら、溶媒の非存在下での実施を排除しない。
本発明の方法に用いることができる溶媒は、入手性、取り扱いの簡便さ、価格、溶液中の二酸化塩素の安定性等の観点から、好ましくは水である。しかしながら、所望の反応が進行する限りは、後述する水以外の溶媒の使用が排除されるものではない。したがって、水以外の溶媒の存在下での実施も本発明の範囲に包含される。
水以外の他の溶媒としては、例えば、ニトリル類、アルコール類、カルボン酸エステル類、炭酸エステル類、アミド類、アルキル尿素類、リン酸アミド類、スルホキシド類、スルホン類、エ−テル類、ケトン類、カルボン酸類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ニトリル類としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等、好ましくはアセトニトリルが挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等、好ましくはメタノールが挙げられる。
カルボン酸エステル類としては、例えば、酢酸エステル類等、具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等、好ましくは酢酸エチルが挙げられる。
炭酸エステル類としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
アミド類しては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、より好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
アルキル尿素類としては、例えば、テトラメチル尿素、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等が挙げられる。
リン酸アミド類としては、例えば、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)等が挙げられる。
スルホキシド類としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
スルホン類としては、例えば、スルホラン、ジメチルスルホン等が挙げられる。
エ−テル類としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(diglyme)等、好ましくはテトラヒドロフランが挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、イソプロピルメチルケトン、イソブチルメチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等、好ましくは、アセトン、イソブチルメチルケトンが挙げられる。
カルボン酸類としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等、好ましくは酢酸が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、トリメチルベンゼン等、好ましくは、トルエン、キシレンが挙げられる。
ハロゲン化芳香族炭化水素類としては、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等が挙げられる。好ましくはクロロベンゼンが挙げられる。
脂肪族炭化水素類としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、イソドデカン、ヘキサデカン、イソヘキサデカン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、メチルデカリン、ジメチルデカリン等が挙げられる。
ハロゲン化脂肪族炭化水素類としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等、好ましくはジクロロメタンが挙げられる。
本発明の方法においては、所望の反応が進行する限りは、水以外の溶媒の使用も許容される。しかしながら、親和性、溶解性、又は反応性等の観点から、極性溶媒が好ましいが、これに限定されるものではない。
本明細書でいう極性溶媒とは、比誘電率が5以上である溶媒とする。比誘電率は、日本化学会編、「化学便覧」(基礎編)、改訂5版、I−770〜777頁、丸善、2004年に記載の値とする。本発明の方法に用いる溶媒の比誘電率は例えば、通常5以上、好ましくは7以上、より好ましくは17以上、さらに好ましくは20以上である。
上述の通り、本発明の方法に用いる溶媒は、水が簡便で安価であり、安全面からも最も好ましい。
加えて、本発明の反応を水溶媒の存在下で実施すると、前述のように、適切な後処理の条件を選択することにより、単離される生成物の形態について前記一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物の形、又は前記一般式(3)で表されるケトマロン酸化合物の抱水体の形を選択することもできる。したがって、水溶媒の存在下で本発明の方法を実施することが好ましい。
なお、所望の反応が進行する限りは、溶媒は単独で又は任意の割合で混合して用いることができる。例えば、水を溶媒に用いたときは、水混和性の有機溶媒(例えばTHF、メタノール、DMF等の水混和性有機溶媒)を併用することも除外されない。また、例えば水溶媒と水非混和性溶媒からなる系などの二層系での反応も除外されない。
加えて、反応系は懸濁液、乳濁液、均一な溶液又はその他のいかなる形態であってもよい。
(溶媒量)
本発明の方法における溶媒量は、反応系の撹拌が充分にできる量であればよいが、例えば、一般式(1)で表される原料化合物1モルに対して、通常0〜20L(リットル)、好ましくは0.01L〜10L、より好ましくは0.05L〜5L、さらに好ましくは0.1L〜3L、特に好ましくは0.2L〜2Lの範囲であるが、これらに限定されるものではない。
(反応温度)
次に、本発明の方法における反応温度について説明する。
本発明の方法における反応温度は、副生成物抑制又は安全面等の観点から、例えば、−10℃(マイナス10℃)〜80℃、好ましくは0℃〜40℃、より好ましくは5℃〜35℃、さらに好ましくは10℃〜25℃の範囲である。
本発明の方法における反応圧力としては、減圧、加圧、常圧のいずれでもよいが、常圧で行うのが好ましい。
(反応時間)
次に、本発明の方法における反応時間について説明する。
本発明の方法における反応時間は、副生成物抑制又は安全面等の観点から例えば、通常0.5時間〜100時間、好ましくは1時間〜48時間、より好ましくは2時間〜48時間、さらに好ましくは3時間〜48時間、さらに好ましくは4時間〜48時間、特に好ましくは4時間〜12時間の範囲である。
実施例
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
(ケトマロン酸ジエチルの製造)
(pH5〜8における反応)
(1) マロン酸ジエチル30g(0.187mol)を水100gに懸濁させ、数滴の5%水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整し、液温を10℃にした。
(2) 別反応槽に35℃に保ちながら45%塩素酸ナトリウム水溶液(402g)、35%塩酸(100mL)、及び35%過酸化水素(84mL)を添加して、空気を導入してバブリングを行うことにより、濃度8vol%、純度99%の二酸化塩素ガスを発生させた。
(3) マロン酸ジエチルを懸濁させた前記(1)の容器内へ導入管を介して、前記(2)で発生させた二酸化塩素ガスの導入を開始し、5%水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下することによりpHを5〜8に維持しながら、13℃〜18℃で5時間かけて当該二酸化塩素ガスを吹き込んだ。使用した5%水酸化ナトリウム水溶液は180gであった。
(4) 反応終了後の均一溶液にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて残存二酸化塩素を還元し、酢酸エチルによる抽出を行った。ロータリーエバボレーターにより、得られた抽出液から酢酸エチルを留去し、残渣として得られた油状物にトルエンを加えて脱水還流した。トルエンを留去後、目的物であるケトマロン酸ジエチル(メソキサル酸ジエチル)を28.9g得た。ガスクロマトグラフィーによる純度は99.7%、収率89%であった。
ケトマロン酸ジエチル(メソキサル酸ジエチル);
H NMR(300MHz,CDCl) δ ppm:
4.39 (q, J = 6.0 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 6.0 Hz, 3H).
13C NMR(300MHz,CDCl) δ ppm:
178.2, 160.2, 63.5, 13.9.
GC−MS(EI)m/z:
174 [M]+.
実施例2
(ケトマロン酸ジエチルの製造)
(pH10付近における反応)
マロン酸ジエチル30g(0.187mol)を水100gに懸濁させ、数滴の5%水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調整し、液温を10℃にした後に、実施例1と同様にして、8vol%の二酸化塩素ガスの吹き込みを開始し、5%水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下することによりpHを10付近に維持しながら、13℃〜18℃で5時間かけて二酸化塩素ガスを吹き込んだ。使用した5%水酸化ナトリウム水溶液は180gであった。
反応終了後、反応混液を実施例1と同様に処理して、目的物であるケトマロン酸ジエチル(メソキサル酸ジエチル)を28.1g得た。ガスクロマトグラフィーによる純度は88.1%、収率76%であった。不純物として、2,2−ジクロロマロン酸ジエチルが多く含まれた。2,2−ジクロロマロン酸ジエチルは公知化合物であり、当業者に知られる方法により同定することができる。
ケトマロン酸ジエチル(メソキサル酸ジエチル);
H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm:
4.39 (q, J = 6.0 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 6.0 Hz, 3H).
13C NMR(300MHz,CDCl)δ ppm:
178.2, 160.2, 63.5, 13.9.
2,2−ジクロロマロン酸ジエチル;
H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm:
4.36 (q, J = 6.0 Hz, 2H), 1.33 (t, J = 6.0 Hz, 3H).
13C NMR(300MHz,CDCl)δ ppm:
163.0, 100.5, 64.5, 13.6.
比較例1
(ケトマロン酸ジエチルの製造の検討)
(pHをコントロールしない方法)
マロン酸ジエチル30g(0.187mol)を水100gに懸濁させ、液温を10℃にした後に、実施例1と同様にして、8vol%の二酸化塩素ガスの吹き込みを開始し、13℃〜18℃で5時間かけて二酸化塩素ガスを吹き込んだ。
吹き込み終了後の反応混液は油層と水層の二層に分離しており、水層のpHは2を示していた。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、目的物であるケトマロン酸ジエチル(メソキサル酸ジエチル)は1.8%であり、原料のマロン酸ジエチルが96.0%残存していた。
H核磁気共鳴スペクトル(H−NMR))
H核磁気共鳴スペクトル分析(H−NMR)は、機種:JNM−LA300 FT NMR SYSTEM(日本電子株式会社製)、内部基準物質:テトラメチルシラン又はクロロホルムを用いて実施された。
(ガスクロマトグラフィー(GC)分析方法)
GC分析は、機種:6890N Network GC System(Agilent Technologies製)を用いて実施された。GC分析方法に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
(a):(社)日本化学会編、「新実験化学講座9 分析化学 II」、第60〜86頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社(例えば、カラムに使用可能な固定相液体に関しては、第66頁を参照できる。)
(b):(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第121〜129頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、中空キャピラリー分離カラムの具体的な使用方法に関しては、第124〜125頁を参照できる。)
(ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS))
GC−MS分析は、分析装置に機種:6890N Network GC System(Agilent Technologies製)、質量検出器に機種:5973N MSD(Agilent Technologies製)を用いて実施された。
(pHの測定方法)
pHはガラス電極式水素イオン濃度指示計により測定した。ガラス電極式水素イオン濃度指示計としては、具体的には、例えば、形式:パーソナルpH/ORPメータPH72(横川電気株式会社製)又は形式:HM−20P(東亜ディーケーケー株式会社製)などが使用できる。
(二酸化塩素ガスの分析方法)
二酸化塩素ガスのガス濃度及びガス純度に関して、二酸化塩素ガスの定量分析は、当業者に知られたヨウ素滴定により行われた。例えば、二酸化塩素ガスのヨウ素滴定は、次のような手順で行うことができる;リン酸緩衝液でpH7又はpH8に調整した5〜10%ヨウ化カリウム水溶液に、二酸化塩素ガスを吸収させる。澱粉を指示薬として、遊離したヨウ素を10規定チオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定する。その後、滴定後の溶液を2規定硫酸などで酸性にする。遊離したヨウ素を、同様にして滴定する。
本発明の方法は、ジアミンと反応させてピラジン−2−オン−3−カルボン酸エステル誘導体を製造するときの原料として、また、芳香族ジアミンから、キノキサリノン誘導体を製造する時の原料化合物として、医薬や農薬などの製造に利用されているケトマロン酸ジエステル等のケトマロン酸化合物又はその抱水体の新規な工業的な製造方法を提供する。本発明の方法は、安全かつ効率的に一般式(2)で表されるケトマロン酸化合物又はその抱水体を工業的な方法で製造するのに適しており、医薬や農薬などを含めた有機化学産業において有用である。

Claims (13)

  1. 一般式(1)
    Figure 2015020975
    (式中、Rは、同一又は相異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、2つのRが互いに結合して環を形成してもよい。)
    で表されるマロン酸化合物を二酸化塩素と反応させることによる、一般式(2)
    Figure 2015020975
    (式中、Rは前記と同じ意味を示す。)
    で表されるケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  2. マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH10の範囲で行われる、請求項1に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  3. マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH8の範囲で行われる、請求項1又は2に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  4. マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH6〜pH8の範囲で行われる、請求項1から3のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  5. pH調整剤を用いてpHをコントロールする、請求項1から4のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  6. pH調整剤として無機塩基を用いる、請求項5に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  7. pH調整剤としてアルカリ金属水酸化物を用いる、請求項5に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  8. pH調整剤として水酸化ナトリウムを用いる、請求項5に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  9. pH調整剤として水酸化ナトリウムを用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH10の範囲で行われる、請求項1に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  10. pH調整剤として水酸化ナトリウムを用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH5〜pH8の範囲で行われる、請求項1に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  11. pH調整剤として水酸化ナトリウムを用いてpHをコントロールし、マロン酸化合物と二酸化塩素との反応がpH6〜pH8の範囲で行われる、請求項1に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  12. 一般式(1)のRがC〜Cアルキル基である、請求項1から11のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
  13. 一般式(1)のRがメチル又はエチルである、請求項1から11のいずれか1項に記載のケトマロン酸化合物又はその抱水体の製造方法。
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