JP2015020937A - 窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】窒化アルミニウムを主成分とする窒化アルミニウム焼結体であって、AlNi3の結晶相を含み、X線回折スペクトルにおいて、窒化アルミニウム結晶のメインピーク強度に対するAlNi3の結晶相のメインピーク強度が0.5〜10%である。
【選択図】図1
Description
本発明の窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウムを主成分として、AlNi3の結晶相を含む。AlNi3の結晶相は、X線回折スペクトルにおける窒化アルミニウム結晶のメインピーク強度に対するAlNi3の結晶相のメインピーク強度(以下、「AlNi3/AlN強度比」ともいう)が0.5〜10%、好ましくは0.9〜2.2%となるように含まれる。本明細書において、AlNi3/AlN強度比は、X線回折装置により、CuKα特性X線を用い、測定角2θが0〜90°で、管電圧が45kV、管電流が40mAの測定条件で得られるX線回折スペクトルにおける、(AlNi3の結晶相のメインピーク強度)/(AlNのメインピーク強度)×100により算出される値である。
本発明の窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、窒化アルミニウムと、ニッケル化合物とを含有する原料粉を準備する準備工程と、原料粉を含む成形体を焼結し窒化アルミニウム焼結体を形成する焼結工程と、を有する。以下、本発明の製造方法の実施形態について説明する。
準備工程においては、まず窒化アルミニウムとニッケル化合物を混合して原料粉を準備する。窒化アルミニウムは、比表面積が2.0〜5.0m2/gの粉末が好ましく用いられる。比表面積が2.0m2/g未満の場合、窒化アルミニウムの焼結性が低下する。また、5.0m2/gを超えると、粉末の凝集が非常に強くなるので取扱いが困難になる。ニッケル化合物としては、酸化ニッケル(NiO)、フッ化ニッケル(NiF2)、硫酸ニッケル(NiSO4)等が例示される。高温で安定、かつ安価であることから、NiOが好ましく用いられる。ニッケル化合物は、ニッケルが原料粉中に酸化物換算で好ましくは0.1〜2.0mol%、さらに好ましくは0.5〜1.0mol%含まれるように添加される。
成形工程では、上述のように準備工程で準備した原料粉に、バインダー、分散剤、溶剤等を加えて混合して原料スラリーを作製する。混合方法は、ボールミル混合や超音波による混合等が可能である。この原料スラリーから例えばスプレードライ法により顆粒を作製し、プレス成形することによって成形体が得られる。成形体は他の方法で作製してもよく、例えば上記原料スラリーからドクターブレード法によりグリーンシートとして成形することができる。あるいは、押出し成形や鋳込み成形などの成形方法で成形体を形成することもできる。
脱脂工程においては、成形工程で得られた成形体について焼結工程前に脱脂を行なう。脱脂方法には、公知の手法を採用することができる。例えば、大気雰囲気や真空雰囲気、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気、またはこれらの組み合わせの雰囲気の中で成形体を加熱することにより脱脂することができる。なお、非酸化性雰囲気、すなわち不活性ガス雰囲気で脱脂処理を行なうことが、窒化アルミニウム粉末の表面が酸化されて焼結体の熱伝導率が低下することを防止することができる観点から好ましい。
次いで焼結工程を行なう。焼結工程は、非酸化性雰囲気、すなわち窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で、1600〜2000℃の温度で加熱して成形体を焼結することが好ましい。これは1600℃未満では焼結が不十分であり緻密な焼結体が得られず、また2000℃より高温では窒化アルミニウムが分解するためである。焼結工程において、加熱を開始し、1000℃になった時点で、その後は10℃/min以下の昇温速度で昇温させる。1000℃になるまでの昇温速度は特に限定されない。1000℃以上の昇温速度を10℃/min以下とすることでAlNi3を優位に形成させることにより、高い体積抵抗率の窒化アルミニウム焼結体を得ることができる。焼結処理の時間は、成形体の大きさ、組成、温度等によって異なるが、たとえば1600〜2000℃の温度での加熱時間を2〜10時間とすることができる。
本発明の窒化アルミニウム焼結体は、半導体製造装置用または検査装置用のウェハ保持体として特に好適に使用することができる。なぜなら、高い体積抵抗率を有するので、回路間のショートが発生しにくくなり、したがってたとえばプラズマ発生条件下においても安定してウェハ処理を行なうことができるからである。また、高い体積抵抗率を有するので、クーロン力により高い吸着力でウェハを保持することができるからである。
窒化アルミニウム粉末に、Ni化合物(比較例1は添加せず)、焼結助剤としてCaOまたはY2O3(実施例1はいずれも添加せず)を加えて原料粉とした(準備工程)。原料粉中の各成分の添加量は表1に記載のとおりとした。原料粉にさらに窒化アルミニウム粉末に対して2〜10質量%の有機バインダーと、溶剤のエタノールとを加えて、ナイロン製のボールミルで20時間混合してスラリーを得た。その後、このスラリーを取り出し、スプレードライ法で顆粒を作製した。作製した顆粒を、200kg/cm2の圧力で一軸成形して直径60mm、厚さ5mmの成形体を作製した(成形工程)。
(体積抵抗率)
JIS C2141に準じて実施例1〜13、比較例1〜4の試料について温度20℃での体積抵抗率を測定した。表1に測定結果を示す。
JIS R1611に準じて実施例1〜13、比較例1〜4の試料について熱伝導率を測定した。表1に測定結果を示す。
X線回折装置(装置名:X´pert、スペクトリス社製)により、CuKα特性X線を用い、測定角2θが0〜90°で、管電圧が45kV、管電流が40mAの測定条件で、実施例1〜13、比較例1〜4の試料についてX線回折スペクトルを得た。得られたX線回折スペクトルから、AlNi3/AlN強度比を算出した。また、得られたX線回折スペクトルから確認される構成相を特定した。表1に結果を示す。
Claims (8)
- 窒化アルミニウムを主成分とする窒化アルミニウム焼結体であって、
AlNi3の結晶相を含み、
X線回折スペクトルにおいて、窒化アルミニウム結晶のメインピーク強度に対するAlNi3の結晶相のメインピーク強度が0.5〜10%である、窒化アルミニウム焼結体。 - IIa族元素およびIIIa族元素の少なくとも一方を含む酸化物の結晶相が含まれる、請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体。
- Y2O3、Al5Y3O12、AlYO3およびAl4Y2O9からなる群から選択される少なくとも一種の結晶相が含まれる、請求項2に記載の窒化アルミニウム焼結体。
- 温度20℃における体積抵抗率が1×1015Ωcm以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム焼結体。
- 窒化アルミニウムと、ニッケル化合物とを含有する原料粉を準備する準備工程と、
前記原料粉を含む成形体を、1600〜2000℃の温度で加熱して焼結し、窒化アルミニウム焼結体を形成する焼結工程と、
前記原料粉は、ニッケルが酸化物換算で0.1〜2.0mol%含まれるように前記ニッケル化合物を含有し、
前記焼結工程において、1000℃以上での昇温速度が10℃/min以下である、窒化アルミニウム焼結体の製造方法。 - 前記準備工程において、前記原料粉は、さらにIIa族元素化合物およびIIIa族元素化合物の少なくとも一方を含む焼結助剤を、IIa族元素およびIIIa族元素が酸化物換算で合計0.5〜1.0mol%含まれるように含有する、請求項5に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
- 前記焼結助剤はイットリウム化合物を含む、請求項6に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
- 前記焼結工程において、非酸化性雰囲気中で加熱する、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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