JP2015020937A - 窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高い体積抵抗率を有する新規な窒化アルミニウム焼結体、および当該窒化アルミニウム焼結体を提供する。
【解決手段】窒化アルミニウムを主成分とする窒化アルミニウム焼結体であって、AlNiの結晶相を含み、X線回折スペクトルにおいて、窒化アルミニウム結晶のメインピーク強度に対するAlNiの結晶相のメインピーク強度が0.5〜10%である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造装置用および検査装置用のウェハ保持体等に用いられる窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法に関する。
ウェハ保持体は、半導体や液晶基板などの製造工程において、半導体ウェハや液晶用ガラス基板などのウェハを保持するものである。ウェハ保持体としては、高周波を印加してプラズマを発生させる機能を有するセラミック製サセプタ、セラミック製静電チャック、セラミック製ヒータなどが例示される。
ウェハ保持体に使用されるセラミックに要求される特性は様々であるが、窒化アルミニウム焼結体は、熱伝導率が比較的高いため均熱性が得られやすいことに加えて腐食性が高く、従来からウェハ保持体に使用することが提案されている。
特許文献1には、クーロン型の静電チャックに用いられる材料においては体積抵抗率が1015Ωcm以上であることが求められることが記載されており、このような材料としてアルミナ焼結体が提案されている。
特開2006−282502号公報
体積抵抗率が1015Ωcm以上である高絶縁性の材料は、特許文献1に記載されているようにクーロン型の静電チャックに好適であり、さらには回路間のショートが発生しにくく好適である。しかしながら、特許文献1に記載されているようなアルミナ焼結体は、熱伝導率が低く、ウェハ保持体において十分な均熱性が得られないという問題点があった。
本発明は、高い体積抵抗率を有する新規な窒化アルミニウム焼結体、および当該窒化アルミニウム焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、窒化アルミニウムに所定量のニッケル化合物を添加して、所定の焼結条件で焼結を行なうことにより得られる窒化アルミニウム焼結体について、高い体積抵抗率が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、窒化アルミニウムを主成分とする窒化アルミニウム焼結体であって、AlNiの結晶相を含み、X線回折スペクトルにおいて、窒化アルミニウム結晶のメインピーク強度に対するAlNiの結晶相のメインピーク強度が0.5〜10%である。
上記窒化アルミニウム焼結体においては、好ましくは、IIa族元素およびIIIa族元素の少なくとも一方を含む酸化物の結晶相が含まれる。上記酸化物の結晶相は、好ましくはY、Al12、AlYOおよびAlからなる群から選択される少なくとも一種の結晶相を含む。
上記窒化アルミニウム焼結体においては、温度20℃における体積抵抗率が好ましくは1×1015Ωcm以上である。
また、本発明は、窒化アルミニウムと、ニッケル化合物とを含有する原料粉を準備する準備工程と、原料粉を含む成形体を、1600〜2000℃の温度で加熱して焼結し、窒化アルミニウム焼結体を形成する焼結工程と、を有し、原料粉は、ニッケルが酸化物換算で0.1〜2.0mol%含まれるようにニッケル化合物を含有し、焼結工程において、1000℃以上での昇温速度が10℃/min以下である、窒化アルミニウム焼結体の製造方法である。
上記準備工程において、原料粉は、さらにIIa族元素化合物およびIIIa族元素化合物の少なくとも一方を含む焼結助剤を、IIa族元素およびIIIa族元素が酸化物換算で合計0.5〜1.0mol%含まれるように含有することが好ましい。焼結助剤は、イットリウム化合物を含有することが好ましい。上記焼結工程においては、非酸化性雰囲気中で加熱することが好ましい。
本発明によれば、高い体積抵抗率を有する窒化アルミニウム焼結体を提供することができる。また、本発明の製造方法によれば、高い体積抵抗率を有する窒化アルミニウム焼結体を製造することができる。
横軸をAlNi/AlN強度比とし、縦軸を20℃での体積抵抗率として、実施例1〜13、比較例1〜4についてプロットした図である。
[窒化アルミニウム焼結体]
本発明の窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウムを主成分として、AlNiの結晶相を含む。AlNiの結晶相は、X線回折スペクトルにおける窒化アルミニウム結晶のメインピーク強度に対するAlNiの結晶相のメインピーク強度(以下、「AlNi/AlN強度比」ともいう)が0.5〜10%、好ましくは0.9〜2.2%となるように含まれる。本明細書において、AlNi/AlN強度比は、X線回折装置により、CuKα特性X線を用い、測定角2θが0〜90°で、管電圧が45kV、管電流が40mAの測定条件で得られるX線回折スペクトルにおける、(AlNiの結晶相のメインピーク強度)/(AlNのメインピーク強度)×100により算出される値である。
AlNiの結晶相のメインピーク強度が、窒化アルミニウム結晶のメインピーク強度の0.5%未満の場合または10%を超える場合は、高い体積抵抗率が得られない。AlNi/AlN強度比を0.5〜10%とするためには、製造時の製造条件を調整することにより達成することができる。たとえば、窒化アルミニウム焼結体の製造時において、原料粉に含まれるニッケルの含有量を酸化物換算で0.1〜2.0mol%とし、焼結工程において、1000℃以上での昇温速度を10℃/min以下とすることが好ましい。
AlNiの結晶相を所定量含むことにより、窒化アルミニウム焼結体の体積抵抗率が向上するメカニズムについては十分に明らかになっていないが、本発明者らは以下のように推測している。すなわち、AlNiの生成の中で窒化アルミニウム粒子の体積抵抗率の向上が促され、また得られる窒化アルミニウム焼結体は導電性のAlNiを含有しているものの、AlNiは粒界の三重点に存在するためかかる含有量が所定量以下であると体積抵抗率を低下させる要因とならず、全体としては高絶縁性の窒化アルミニウム焼結体になると考えられる。
窒化アルミニウム焼結体においては、温度20℃における体積抵抗率が1×1015Ωcm以上であることが好ましく、2×1015Ωcm以上であることがさらに好ましい。このような高い体積抵抗率を有することにより、クーロン型の静電チャックとして用いた場合に高い吸着力を発現させることができ、また回路間のショートが発生することを防止することができる。このような高い体積抵抗率は、AlNiの含有量について、AlNi/AlN強度比が0.5〜10%となるように調整することで実現することができる。本明細書において、体積抵抗率とはJIS C2141に準じて測定される値である。
窒化アルミニウム焼結体は、高い緻密性が得られ、熱伝導率を向上させることに寄与することから、IIa族元素化合物およびIIIa族元素化合物の少なくとも一方を含む焼結助剤を添加して焼結することが好ましい。このような焼結助剤は、焼結後に窒化アルミニウム焼結体に、IIa族元素の酸化物またはIIIa族元素の酸化物として含まれることになる。したがって、本発明の窒化アルミニウム焼結体はIIa族元素酸化物およびIIIa族元素酸化物の少なくとも一方の結晶相が含まれることが好ましい。このような酸化物としては、Y、Al12(YAG)、AlYO(YAL)、Al(YAM)などのイットリウム酸化物が例示される。
窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率は、100W/mK以上であることが好ましい。このような熱伝導率を有することにより、十分な均熱性を有するウェハ支持体を構成することができる。本明細書において、熱伝導率は、JIS R1611の熱伝導率試験方法に準じて測定される値である。
[窒化アルミニウム焼結体の製造方法]
本発明の窒化アルミニウム焼結体の製造方法は、窒化アルミニウムと、ニッケル化合物とを含有する原料粉を準備する準備工程と、原料粉を含む成形体を焼結し窒化アルミニウム焼結体を形成する焼結工程と、を有する。以下、本発明の製造方法の実施形態について説明する。
(準備工程)
準備工程においては、まず窒化アルミニウムとニッケル化合物を混合して原料粉を準備する。窒化アルミニウムは、比表面積が2.0〜5.0m/gの粉末が好ましく用いられる。比表面積が2.0m/g未満の場合、窒化アルミニウムの焼結性が低下する。また、5.0m/gを超えると、粉末の凝集が非常に強くなるので取扱いが困難になる。ニッケル化合物としては、酸化ニッケル(NiO)、フッ化ニッケル(NiF)、硫酸ニッケル(NiSO)等が例示される。高温で安定、かつ安価であることから、NiOが好ましく用いられる。ニッケル化合物は、ニッケルが原料粉中に酸化物換算で好ましくは0.1〜2.0mol%、さらに好ましくは0.5〜1.0mol%含まれるように添加される。
窒化アルミニウムが難焼結性材料であるので、原料粉には好ましくは焼結助剤を添加する。また、焼結助剤を添加することにより、窒化アルミニウム焼結体の緻密性を向上させることができる。焼結助剤としては、IIa族元素化合物およびIIIa族元素化合物の少なくとも一方を含むことが好ましい。IIa族元素化合物およびIIIa族元素化合物は、焼結中に窒化アルミニウム粉末の表面に存在するアルミニウム酸化物あるいはアルミニウム窒化物と反応して、窒化アルミニウムの緻密化を促進するとともに、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率を低下させる原因となる酸素を除去する働きもあるので、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率を向上させることができる。
焼結助剤に含まれるIIa族化合物およびIIIa族化合物としては、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、硫化物、フッ化物、硝酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩等を例示することができる。焼結助剤は、特に酸素を除去する働きが顕著であるイットリウム化合物を含むことが好ましい。イットリウム化合物としては、Yが例示される。焼結助剤は、IIa族元素およびIIIa族元素が原料粉中に酸化物換算で合計0.5〜1.0mol%含まれるように添加される。上記した原料粉中に含まれるニッケル化合物、またはIIa族元素化合物およびIIIa族元素化合物の添加量は、原料粉全体を100mol%とした値であり、ここでいう原料粉は、後述するバインダー、分散剤、溶剤等を含まない。
(成形工程)
成形工程では、上述のように準備工程で準備した原料粉に、バインダー、分散剤、溶剤等を加えて混合して原料スラリーを作製する。混合方法は、ボールミル混合や超音波による混合等が可能である。この原料スラリーから例えばスプレードライ法により顆粒を作製し、プレス成形することによって成形体が得られる。成形体は他の方法で作製してもよく、例えば上記原料スラリーからドクターブレード法によりグリーンシートとして成形することができる。あるいは、押出し成形や鋳込み成形などの成形方法で成形体を形成することもできる。
(脱脂工程)
脱脂工程においては、成形工程で得られた成形体について焼結工程前に脱脂を行なう。脱脂方法には、公知の手法を採用することができる。例えば、大気雰囲気や真空雰囲気、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気、またはこれらの組み合わせの雰囲気の中で成形体を加熱することにより脱脂することができる。なお、非酸化性雰囲気、すなわち不活性ガス雰囲気で脱脂処理を行なうことが、窒化アルミニウム粉末の表面が酸化されて焼結体の熱伝導率が低下することを防止することができる観点から好ましい。
脱脂処理の加熱温度は、500℃以上1000℃未満が好ましい。500℃未満の温度では、バインダーを十分に除去することができないので、脱脂処理後の成形体中にカーボンが過剰に残存し、その後の焼結工程での焼結を阻害する。また、1000℃以上の温度では、残存するカーボンの量が少なくなり過ぎるので、窒化アルミニウム粉末表面に存在する酸化被膜の酸素を除去する能力が低下し、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率が低下する。
脱脂処理後の成形体中に残存する炭素量は、1.0質量%以下であることが好ましい。1.0質量%を超える炭素が残存していると、焼結を阻害するので、緻密な焼結体を得ることが難しくなる。
(焼結工程)
次いで焼結工程を行なう。焼結工程は、非酸化性雰囲気、すなわち窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で、1600〜2000℃の温度で加熱して成形体を焼結することが好ましい。これは1600℃未満では焼結が不十分であり緻密な焼結体が得られず、また2000℃より高温では窒化アルミニウムが分解するためである。焼結工程において、加熱を開始し、1000℃になった時点で、その後は10℃/min以下の昇温速度で昇温させる。1000℃になるまでの昇温速度は特に限定されない。1000℃以上の昇温速度を10℃/min以下とすることでAlNiを優位に形成させることにより、高い体積抵抗率の窒化アルミニウム焼結体を得ることができる。焼結処理の時間は、成形体の大きさ、組成、温度等によって異なるが、たとえば1600〜2000℃の温度での加熱時間を2〜10時間とすることができる。
焼結方法としては、常圧焼結法、加圧焼結法いずれであってもよいが、緻密な焼結体を得るためには、ホットプレス(HP)や熱間静水圧焼結法(HIP)による加圧焼結法が好ましい。これらの加圧処理を施すことにより、窒化アルミニウム粒子同士、および窒化アルミニウム粒子と焼結助剤成分の粒子との間の粒子間距離が小さくなり、焼結が促進される。加える圧力としては、20kg/cm程度以上であれば、理論密度に対して98%程度以上の焼結体を得ることができる。
以上の工程により、AlNiの結晶相を含み、X線回折スペクトルにおいて、AlNi/AlN強度比が0.5〜10%である窒化アルミニウム焼結体を作製することができる。また、以上の工程により、温度20℃における体積抵抗率が1×1015Ωcm以上であり、熱伝導率が100W/mK以上の窒化アルミニウム焼結体を作製することができる。
上記方法で作製された窒化アルミニウム焼結体の平均粒径は、焼結温度、焼結時間、圧力等の条件にもよるが、概ね2〜20μm程度である。なお、ここでいう平均粒径とは、電子顕微鏡写真によって焼結体を観察し、その観察された粒子の長軸方向の長さを測定して得た値である。
[窒化アルミニウム焼結体の用途]
本発明の窒化アルミニウム焼結体は、半導体製造装置用または検査装置用のウェハ保持体として特に好適に使用することができる。なぜなら、高い体積抵抗率を有するので、回路間のショートが発生しにくくなり、したがってたとえばプラズマ発生条件下においても安定してウェハ処理を行なうことができるからである。また、高い体積抵抗率を有するので、クーロン力により高い吸着力でウェハを保持することができるからである。
具体的なウェハ保持体の加工方法としては、例えば上記のようにして作製した窒化アルミニウム焼結体の表面を加工して直径330mm、厚み10mmの基板を作製する。この基板に対して、一方の面に抵抗発熱体回路を、他方の面にRF電極若しくは静電チャック用電極の回路をタングステン等のペーストを用いたスクリーン印刷法により形成する。そして、この基板を窒素雰囲気の中で700℃程度の温度で脱脂処理した後、窒素雰囲気の中で1800℃程度の温度で焼成する。
次に、上記の基板と直径が同じで厚みがそれぞれ8mmと2mmの2枚の窒化アルミニウム焼結体の基板を準備する。そして、上記した抵抗発熱体回路とRF電極若しくは静電チャック用電極の回路が形成された厚み10mmの基板の両面に窒化アルミニウムを主成分とするペーストを塗布し、上記と同様にして脱脂処理する。
次に、この厚み10mmの基板の発熱体側に厚み8mmの基板を、RF電極若しくは静電チャック用電極面側に厚み2mmの基板を対向させる。この状態で窒素雰囲気の中で1800℃程度の温度でホットプレスする。これにより3枚の基板が接合される。得られた接合体のウェハ載置面側にウェハを載置するための所定の機械加工を施すと共に、当該ウェハ載置面とは反対側の面に、タングステンやモリブデンなどの電極端子をロウ付けなどの手法により取り付ける。これにより、ウェハ保持体が作製される。
[実施例1〜13、比較例1〜4]
窒化アルミニウム粉末に、Ni化合物(比較例1は添加せず)、焼結助剤としてCaOまたはY(実施例1はいずれも添加せず)を加えて原料粉とした(準備工程)。原料粉中の各成分の添加量は表1に記載のとおりとした。原料粉にさらに窒化アルミニウム粉末に対して2〜10質量%の有機バインダーと、溶剤のエタノールとを加えて、ナイロン製のボールミルで20時間混合してスラリーを得た。その後、このスラリーを取り出し、スプレードライ法で顆粒を作製した。作製した顆粒を、200kg/cmの圧力で一軸成形して直径60mm、厚さ5mmの成形体を作製した(成形工程)。
得られた成形体を、窒素雰囲気中で700℃まで加熱して脱脂を行なった(脱脂工程)。脱脂した成形体は、カーボン製治具を用いて、窒素雰囲気下で、表1に記載のように、大気圧または250kg/cmの圧力下で、常圧焼結法またはホットプレス(HP)により焼結を行なった。焼結工程は、1000℃まで昇温させた後に、1000℃〜最高温度までは表1に記載の昇温速度で昇温し、1850℃の温度を3時間維持し、その後冷却した(焼結工程)。以上のようにして、実施例1〜13、比較例1〜4の試料を得た。
[評価]
(体積抵抗率)
JIS C2141に準じて実施例1〜13、比較例1〜4の試料について温度20℃での体積抵抗率を測定した。表1に測定結果を示す。
(熱伝導率)
JIS R1611に準じて実施例1〜13、比較例1〜4の試料について熱伝導率を測定した。表1に測定結果を示す。
(X線回折測定)
X線回折装置(装置名:X´pert、スペクトリス社製)により、CuKα特性X線を用い、測定角2θが0〜90°で、管電圧が45kV、管電流が40mAの測定条件で、実施例1〜13、比較例1〜4の試料についてX線回折スペクトルを得た。得られたX線回折スペクトルから、AlNi/AlN強度比を算出した。また、得られたX線回折スペクトルから確認される構成相を特定した。表1に結果を示す。
Figure 2015020937
図1は、横軸をAlNi/AlN強度比とし、縦軸を20℃での体積抵抗率として、表1の値に基づき実施例1〜13、比較例1〜4についてプロットした図である。図1からわかるように、AlNi/AlN強度比が0.5〜10%である実施例1〜13の試料については、20℃での体積抵抗率が1×1015Ωcm以上となり、高い体積抵抗率が得られた。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (8)

  1. 窒化アルミニウムを主成分とする窒化アルミニウム焼結体であって、
    AlNiの結晶相を含み、
    X線回折スペクトルにおいて、窒化アルミニウム結晶のメインピーク強度に対するAlNiの結晶相のメインピーク強度が0.5〜10%である、窒化アルミニウム焼結体。
  2. IIa族元素およびIIIa族元素の少なくとも一方を含む酸化物の結晶相が含まれる、請求項1に記載の窒化アルミニウム焼結体。
  3. 、Al12、AlYOおよびAlからなる群から選択される少なくとも一種の結晶相が含まれる、請求項2に記載の窒化アルミニウム焼結体。
  4. 温度20℃における体積抵抗率が1×1015Ωcm以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム焼結体。
  5. 窒化アルミニウムと、ニッケル化合物とを含有する原料粉を準備する準備工程と、
    前記原料粉を含む成形体を、1600〜2000℃の温度で加熱して焼結し、窒化アルミニウム焼結体を形成する焼結工程と、
    前記原料粉は、ニッケルが酸化物換算で0.1〜2.0mol%含まれるように前記ニッケル化合物を含有し、
    前記焼結工程において、1000℃以上での昇温速度が10℃/min以下である、窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  6. 前記準備工程において、前記原料粉は、さらにIIa族元素化合物およびIIIa族元素化合物の少なくとも一方を含む焼結助剤を、IIa族元素およびIIIa族元素が酸化物換算で合計0.5〜1.0mol%含まれるように含有する、請求項5に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  7. 前記焼結助剤はイットリウム化合物を含む、請求項6に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
  8. 前記焼結工程において、非酸化性雰囲気中で加熱する、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム焼結体の製造方法。
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