JP2015020098A - 塗工装置及び塗工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイによって箔に塗工液を塗工する塗工装置において、ダレの発生により生じる塗工領域の目付のばらつき塗工装置及び塗工方法を提供する。【解決手段】塗工装置は、塗工液を吐出するスリット12の両側に形成されたリップ部11を一端とし、塗工液(ペースト82)を箔に塗工するダイ10を備える。塗工装置は、ダイ10が有するリップ部11の幅方向が、箔81の幅方向に対して傾くように構成される。リップ部1の幅方向を箔81の幅方向に対して傾けることにより、ダレ幅を小さくすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は塗工装置及び塗工方法に関し、例えば、箔に塗工液を塗工する塗工装置及び塗工方法に関する。
リチウムイオン二次電池の製造では、正極電極や負極電極の電極箔を製造するにあたって、箔にペースト状の塗工液(ペースト)を塗布する塗工装置を使用する。従来から、ダイ(塗工ヘッド、ダイコータ)を用いて箔などのシート状の基材(シート基材、ウェブ、ウェブシート)に塗工液を塗工する塗工装置が開発されている。
例えば、特許文献1では、長尺フィルムを2本のガイドロールで支持して走行させながら、長尺フィルムの表面にダイを押し付けて、塗料を塗布し、塗布層を形成した場合にも縞状ムラを生じない長尺積層フィルムの製造方法が開示されている。
リチウムイオン電池電極の製造では、例えば、特許文献1に開示されている塗工装置の構成を用いて、箔へダイを押し付けて塗工液を塗布することができる。
特開2011−016082号公報
しかしながら、塗工装置では、塗工液の粘度や塗工厚さによっては、塗工液を塗工する箔の塗工領域の端部にダレが発生する。その結果、塗工領域端部の目付が小さくなり設計の規格を満たせなくなるという問題が生じる。
例えば、特許文献1の塗工装置では、一対のガイドロールの間に所定のテンションで張った箔を搬送して塗工するような塗工(以降適宜、「テンションウェブ塗工」とも記載する)を用いる。このような場合、箔がロールによってバックアップされていないため、ペーストが箔に押しつけられ、箔端部がダイ側撓み、塗工領域の端部にダレが生じやすいという問題がある。特に、ダイと箔との距離が近づくにつれダレが発生しやすい。
加えて、例えば、塗工装置が、箔を挟んでバックアップロールと対向してダイを配置する場合にも、箔がバックアプロールによって支持されているものの、ダイと箔との距離が近づくと塗工液がリップ幅(ダイが塗工液を供給する開口部の幅)より広がり、その部分がダレるという問題が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ダイによって箔に塗工液を塗工する塗工装置において、ダレの発生により生じる塗工領域の目付のばらつきを抑制する塗工装置及び塗工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る塗工装置の一態様は、塗工液を吐出するスリットの両側に形成されたリップ部を一端とし、前記塗工液を箔に塗工するダイを備え、前記リップ部の幅方向が前記箔の幅方向に対して傾いている。リップ部の幅方向を箔の幅方向に対して傾けることにより、同じダレ量であっても、ダレの広がりを小さくする、言い換えるとダレ幅を小さくすることができる。その結果、塗工領域の端部の目付のばらつきを抑制することが可能になる。
本発明に係る塗工装置の一態様において、前記リップ部の幅方向が前記箔の幅方向に対して20度から75度の角度をなすように傾いていることが好ましい。さらに、前記リップ部の幅方向が前記箔の幅方向に対して45度から60度の角度をなすように傾いていることがより好ましい。角度を75度に抑えることにより、ダレ部の高さが高くなりすぎず、目付のばらつきの発生を抑制することができる。また、角度を20度以上にすることにより、ダレ幅を小さくすることができる。加えて、角度を65度に抑えることにより、ダイの長さが急増することを抑えることができる。また、角度を20度より大きい45度以上にすることにより、ダレ幅を小さくする効果を大きくすることができる。
また、本発明に係る塗工装置の一態様において、前記箔を支持する一対のガイドロールをさらに備え、前記ダイが、前記一対のロールの間に張られた前記箔と対向し、かつ、前記リップ部の幅方向が前記箔の幅方向に対して前記角度をなすように配置されていることが好ましい。テンションウェブ加工により箔を塗工する装置では、箔流れに対してダイが斜めに配置されると、箔がダイによって押し付けられたときに曲がることを抑制することができる。これにより、ダレの発生を抑制することが可能になる。
さらに、本発明に係る塗工装置の一態様において、前記箔を支持するバックアップロールをさらに備え、前記ダイが、前記箔を挟んで前記バックアップロールと対向し、前記バックアップロールの幅方向と平行して配置され、前記リップ部の幅方向と前記箔の幅方向とが前記角度をなすように、前記箔が前記バックアップロールに設置されることが好ましい。箔がバックアップロールによって支持される場合にも、ダイの幅方向と箔の幅方向とを傾けることにより、ダレが発生した場合のダレ幅を小さくすることができる。これにより、ダレの発生によるばらつきを抑制することが可能になる。
本発明に係る塗工方法の一態様は、塗工液を吐出するスリットの両側に形成されたリップ部を有するダイが塗工液を箔に塗工する塗工方法であって、前記リップ部の幅方向を前記箔の幅方向に対して傾けて、前記塗工液を前記箔へ塗工する。
本発明に係る一実施形態によれば、ダイによって箔に塗工液を塗工する塗工装置において、ダレの発生により生じる塗工領域の目付のばらつきを抑制することができる。
実施形態1にかかるダイと箔との関係を示す模式図である。 実施形態1の塗工装置における、ダイとガイドロールとの配置を示す概略図である。 実施形態1にかかるダイの配置を説明する図である。 実施形態1にかかるダイと箔との配置によって形成されるダレの形状を示す模式図である。 従来の塗工装置におけるダイと箔との関係を示す模式図である。 従来の塗工装置におけるダイと箔との配置において生じる問題を説明する図である。 従来のダイと箔との配置によって形成されるダレの形状を示す模式図である。 実施形態1によって改善されるダレの形状・量について説明する図である。 実施形態1の塗工領域の詳細を説明する図である。 ダイを傾ける角度とダレ幅との関係を説明する模式図である。 ダイを傾ける角度、ダイの長さ及びダレ量との関係を示すグラフである。 実施形態2の塗工装置における、ダイとバックアップロールとの配置を示す概略図である。 実施形態2にかかるダイと箔との関係を示す模式図である。 比較例の塗工装置で塗工したときに塗工面の厚みのプロファイルの一例を示すグラフである。 比較例の試験結果を示すグラフである。 実施例の試験結果を示すグラフである。
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
一実施形態の塗工装置は、少なくとも、箔に塗工液を塗工するダイを備える。ダイは、塗工液を吐出するスリットの両側に形成されたリップ部を一端とし、かつ、リップ部の幅方向が箔の幅方向に対して傾いている。言い換えると、一実施形態の塗工方法は、箔へ塗工液を塗工するときに、箔の幅方向に対してダイのリップ部の幅方向を傾けて、塗工液を箔に塗工する。
ここで、リップ部は、ダイの一端であるとともに、塗工対象となる箔と対向する面を有する。リップ部の幅方向は、スリットの長さの長い方(長手方向)と一致する方向である。一実施形態の塗工装置では、リップ部が、箔に対して平行する面であるか、テーパーが形成されている面であるかは問わない。スリットは、箔が配置される方向に開口し、塗工液を箔に対して吐出できるように形成されている。
加えて、一実施形態の塗工装置は、ダイが箔へ塗工液を塗工できるように、箔を支持・搬送できるように構成される。例えば、塗工装置は、箔を支持する支持部(支持機構)や、箔を搬送する搬送部(搬送機構)を、必要に応じて備える。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
実施形態1.
図1に、実施形態1にかかるダイと箔との関係を模式的に示す。図2に実施形態1にかかる塗工装置における、ダイ及びガイドロールの配置の概略を示す。
図1に示すように、本実施形態の塗工方法は、ダイ10の幅方向が箔81の幅方向に対して傾くように、ダイ10を配置して塗工する。図1は、ダイ10を、リップ部11を含むスリット12の一部で切断して示している。加えて、破線の矢印を用いて、ダイ10(ダイ10のリップ部11)及び箔81の幅方向を示す。図1では、例えば、箔81は図面の下から上の方向へ搬送される。そのため、実施形態1の塗工方法は、ダイ10を箔流れ(箔81が搬送される方向)に対して傾けると言い換えることもできる。
図2に示すように、塗工装置1は、少なくともダイ10と一対のガイドロール21、22とを備える。また、箔81は、一対のガイドロール21,22に支持され、一対のガイドロール21,22の間に任意のテンションがかけられた状態で張られる。図2の塗工装置1では、一対のガイドロール21,22が箔を支持する機構(支持部)を構成する。図2では、例えば、箔81は、図面の左から右(ガイドロール21からガイドロール22の方向)へ搬送される。図2では、塗工装置1の他の構成要素、例えば、ダイ10へ塗工液を供給する機構、箔81を搬送する機構等を省略している。図1、2に示す構成は、例えば、一般的なロールtoロールの塗工装置に適用可能であり、例えば、巻き取り状態の箔を送り出すロール、搬送された箔を巻きとるロール等を備える塗工装置に適用することができる。
次に、ダイ10と箔81との関係を詳細に説明する。図3にダイ10の配置を説明する図を示す。ダイ10は、破線の矢印で示す箔81の幅方向に対して、角度θ傾くように配置される。
この時、角度θは、ダイ10の幅方向、言い換えるとリップ部11の長い距離の方向(長手方向)と箔81とによってなされる角度である。角度θは、20度から70度が好ましく、45度から60度がより好ましい。角度θについては、図9から図11を参照して後述する。本実施形態の塗工装置では、ダレの発生を抑制し、好適には、ペーストの粘度等の諸条件を調整することが可能な場合には図4に示すようなペースト82の形状を箔81へ形成することが期待できる。図4では、ペースト82が塗工された箔81の端面を模式的に示している。図4のペースト82の形状は理想的なものを模式的に示しているが、ペーストの端部が箔81に対して垂直に近い角度になることが好ましい。
ここで従来の塗工方法について説明する。
図5は従来の塗工装置におけるダイと箔との関係を示す模式図である。図5に示すように、ダイ90と箔81とはそれぞれの幅方向が平行になるように配置される。図5の箔81は、図2に示すように一対のガイドロールによって支持され、テンションウェブ塗工で塗工液が塗工(塗布)される。図6に示すように、塗工時に箔81がバックアップロールによって保持されていなため、箔81の端部が曲がり、ダレが起きる。言い換えると、箔81がダイ90によって押し付けられることによって、箔81の端部がダイ90の側に一時的に曲がり、箔81の端部に傾斜が生じると、ダイ90と箔81との距離が短くなる部分が発生する。その後、ダイ90による押しつけがなくなると、箔81の曲がりがもとに戻る。しかし、箔81が曲げられたときに一時的に生じた傾斜により、ペースト85が外側に広がることから、ダレが生じやすくなる。その結果、塗工領域端部の目付が小さくなり、設計の規格を満たさないという問題が生じる。例えば、図7に示すように、ペースト85は、ダレが発生することにより、図4に示すペースト82よりなだらかなテーパーを形成している。加えて、ダレ幅も大きくなる。
なお、図5から図7等に示すペースト85は、図1,2等に示すペースト82と塗工液を用いること前提としているが、形成されるダレの形状・量等が異なることを明確にするため別の符号で表すものであり、塗工液自体の差異を示すものではない。
図8を参照してダレの発生について従来の塗工装置と比較して説明する。図8は、上段に従来のダイ90の配置、及びダイ90が塗工したペースト82の端面の一例を模式的に表し、下段に実施形態1のダイ10の配置、及びダイ10が塗工したペースト82の端面の一例を模式的に表している。ダイ10、90については、上から箔81へ向かってダイを見たときに、末端となるリップ部11、91及びスリット12、92を透視した状態をに示す。図8では、実施形態1のダイ10のリップ部11を、箔81に対して45度傾けた場合(角度θが45度)を示す。加えて、ダイ10、90のスリット12、92の両側に示す直線は、ダイ10、90において生じるダレの長さ(ダレ幅)を示している。
ダレ幅は、ペーストの粘度、塗工厚さ、ペーストの供給量、ダイと箔との距離等に応じて生じるものであり、これらの条件に応じてダレ幅が決まる。図8では、ダイ90とダイ10との間では、これらの条件が同じものであり、同じダレ幅が生じることを前提としている。図8のスリット12、92の両側の直線は、スリット12,92の両端に生じるダレ幅の長さを示したものであり、直線が示す長さは、符号W31または符号W32で示す長さと同じであることを前提とする。なお、図8では、符号W11、W12、または符号W31,32のように、ダイ10,90の両側に発生するダレ幅を異なる符号を用いて表すが、一般的には、ダレ幅W11、W12は同じ長さのダレが発生し、ダレ幅W31、W32は同じ長さのダレが発生すると予想される。しかしながら、諸条件によりダイの両側のダレ幅が異なる場合が生じることもあり得る。
ダイ10、90の両側にダレが発生することにより、塗工領域の端部にダレ部が形成される。実施形態1のダイ10が箔81を塗工する塗工領域では、ダレ幅W11,W12のダレ部が形成される。一方、従来のダイ90が箔81を塗工する塗工領域では、ダレ幅がW31,W32のダレ部がダイ90の両側に形成される。
実施形態1のダレ部は、従来のダレ部より、箔81に形成されるダレ幅が小さくなる。ダイ10の両側に発生するダレは、スリット12から吐出するペースト82が図8に示すように、リップ部11の幅方向にダレることによって発生する。しかし、実施形態1の塗工装置1では、ダイ10を箔81の幅方向に対して角度θ傾けているため、ダイ10の両側に発生するダレが箔流れに対して傾くことになる。その結果、発生したダレが箔81の幅方向に広がる範囲が狭くなるため、ダレ部のダレ幅が小さくなる。
一方、従来の塗工方法により塗工された場合には、ペーストの粘度等の諸条件が同じ場合には、リップ部91からペーストが箔81の幅方向にペーストがダレるため、ダレ幅が大きくなる。加えて、図6を参照して説明した、箔81が曲げられるという問題が生じると、さらにダレ幅が大きくなる。
加えて、実施形態1において、ダイ10の両側のダレ部へダレる量は、従来のダイ90と同様であるが、ダレ部の幅が狭くなるため、相対的にペーストの量が多くなる。言い換えると、実施形態1では、ダレる量が同じであっても、ダレ部の領域が小さくなるため、単位面積当たりのペーストの量が多くなる。その結果、ダレが低減され、目付が確保が容易になる。
さらに加えて、ダイ10を箔流れに対して傾けることにより重ね塗りされる領域(重ね塗り領域)が発生する。これは、ダイ10を傾けたことにより、符号W13,W14で示す長さの領域において、ダイの下部として塗った後に、ダレる塗工液がさらに載るためである。図9を参照して、実施形態1の塗工方法により製造される塗工領域の詳細について説明する。
図9に、箔の塗工領域に塗工されたペースト82を示し、塗工されたペースト82がどのように塗工されたものであるかを分解して示す。加えて、説明を容易にするため、5つの時点で塗工された領域を、矩形を用いて模式的に不連続の状態で示す。さらに、矩形で示す塗工領域を、スリットから吐出した塗工液がダイの下部(下側)の領域へ塗工された領域(ダイの下部の領域)、及び、スリットから吐出した塗工液がスリットの両側にダレることによって塗工された領域(ダレ部、ダレる塗工領域)とに分けて示す。具体的には、符号W21、W22で示す長さの領域は、ダレ部であり、図8でダイ10の両側の直線の長さ、具体的には符号W31,W32の長さに相当する。符号W20で示す長さの領域は、ダイの下部の領域であり、ダイの幅方向の長さに相当する。
さらに加えて、図9に、重ね塗り領域C1,C2を示す。重ね塗り領域C1は、左側の破線で囲んだ領域であり、図8の符号W13で示す長さの重ね塗り領域に相当する。重ね塗り領域C2は、右側の一点破線で囲んだ領域であり、図8の符号W14で示す長さの重ね塗り領域に相当する。重ね塗り領域C1,C2は、ダイの下部の領域として塗工液を箔へ塗った後、ダレる液がさらに少し載る箇所である。加えて、重ね塗り領域C2は、ダレたところへさらにリップ部によって塗工液を塗る箇所であり、リップ部と箔とのギャップで目付が決まるので、重ね塗り領域C1よりダレの発生の影響は少なく、盛り上がりができにくい。具体的には、重ね塗り領域C1では、リップ部が塗工液を塗った後にダレる塗工液が多くなると、リップ部と箔とのギャップより塗工したペーストの厚さが大きくなることがあり得る。
例えば、ペースト粘度が1000〜6000mPa*s、ペースト固形分が56%の塗工液を用いる場合を一例として検討する。角度θが60°で粘度が6000mPa*s〜角度θが75度で粘度が1000mPa*sにすると、重ね塗りの高さが2μm以上となる。このような場合、ロールtoロールの塗工装置で生産する場合、箔にペーストを塗工した後、箔を巻くと、ダレ部の重ね塗りの高さが高くなりすぎ、箔を巻くことが困難になるという製造上の課題が生じる。例えば、ダレ部にペーストが盛り上がったり、尖ったり箇所があると、箔を巻いていると、盛り上っている箇所や尖っている箇所が重ねられた箔を突き破ることが生じる。
加えて、塗工領域に目つきのばらつきが発生することになり、抵抗ばらつき、容量ばらつきが起こるという、電池としての課題が生じる。
このような事情から、リップ部の幅方向が箔の幅方向に対する傾き、言い換えると、図3に示す角度θは、20度から75度の範囲が好ましく、45度から60度の範囲がより好ましい。
図10、11を参照して、角度θについてさらに検討する。図10にダイを傾ける角度とダレ幅との関係を説明する模式図を示す。図11にダイを傾ける角度、ダイの長さ及びダレ量との関係を示す。図10では、図8に示すダイ10の一部分を切断した、リップ部11Aとスリット12とを示す。リップ部11A、スリット12Aにより塗工されるペースト82Aを黒塗りの部分で示す。図10では、上から、箔の幅方向に対してダイの幅方向を傾ける角度θが、0度、45度、65度、75度の場合を一例として示す。また、箔は図10中、左から右へ流れることを前提とする。図10に示すように、角度θが小さくなるほどダレ幅が小さくなることが示される。具体的には、角度θとダレ幅の長さとは、0度では25mm、45度では15mm、65度では10mm、75度では6mmとなっている。また、図10は、角度θが大きくなるほど、同じ長さのダイによって塗工できる領域が小さくなることを示している。図10に示したダイによって塗工できる箔の幅方向の長さは、長さPW0が一番大きく、長さPW45、PW65、PW75の順に小さくなる。これは、ダイを傾けることにより、箔の幅方向の長さが短くなるからである。
さらに、図11には、ダイを傾ける角度、ダイの長さ及びダレ量(ダレ幅)の関係の他の例を表すグラフを示す。図11では、ダレ幅が小さくなる効果が得られる角度θが20度以上であることが好ましく、45度以上であるとより好ましいことが示されている。また、角度θが65度以上になると、ダイの長さが長くなることが示されている。
さらに加えて、図10、11に示すように、角度θが大きくなるほど、ダレ部のダレ幅は小さくなるものの、ダレるペーストの量は変わらない。このため、ダレ部のペーストの厚さが大きくなることが生じやすくなる。その結果、上述したような箔を巻き取るときに破れが生じることが発生する。
上述した検討結果から、角度θの範囲に応じて、次のような好ましい作用・効果が得られる。例えば、角度θを75度以下に抑えることにより、ダレ部の上塗り高さが高くなりすぎず、目付ばらつきの発生を抑制することができる。角度θを65度以下に抑えることにより、ダイの長さが急増することがなくなる。
一方、ダレ幅を小さくする効果を奏するには、図11を参照すると、角度θを20度以上にすることが好ましく、角度θを45度以上にすることがより好ましい。角度θを45度にすることが後述する実施例により好ましいことが見いだされている。例えば、角度θを45度にすることにより、ダレの影響を1√2以下にすることができる。一方、ダレ部の上塗りの高さやダイの長さを考慮しない場合には、角度が90度に近いほど、ダレ量の抑制が可能となる。従って、ダレ部の上塗りの高さやダイの長さを考慮すると、角度θは、20度から75度の範囲が好ましく、45度から65度の範囲がより好ましい。
以上説明したように、実施形態1の塗工装置及び塗工方法では、ダレ部のダレ幅を小さくすることができる。これにより、ダレの発生により塗工領域の目付のばらつきを抑制すること、特に、塗工領域の端部の目付が小さくなることを抑制することができる。その結果、設計の規格を満たさないという不具合の発生を低減することができる。
実施形態2.
実施形態1ではテンションウェブ塗工の場合を説明したが、実施形態2では、バックアップロールによって箔81が保持される塗工方法に本発明を適用する態様を説明する。具体的には、ダイ10がロールと対向して配置される(オンロール)場合である。
図12に実施形態2に係る塗工装置における、ダイ10とバックアップロール23との配置の概略を示す。図13に実施形態2にかかるダイ10と箔81との関係を示す。
図12に示すように、塗工装置2は、少なくとも箔81とバックアップロール23とを備える。図2の塗工装置2では、バックアップロール23が箔81を指示する機構(支持部)を構成する。また、箔81は、バックアップロール23に対して傾けて保持され、搬送される。図12では、図2と同様に、塗工装置2の他の構成要素、例えば、ダイ10へ塗工液を供給する機構、箔81を搬送する機構等を省略している。
図13に示すように、本実施形態の塗工方法は、ダイ10の幅方向が箔81の幅方向に対して傾くような関係を構成するため、箔81をバックアップロール23に対して傾ける。これにより、ダイ10の幅方向と箔81の幅方向とが斜めになり、角度θをなすように構成される。傾ける角度は、図3を参照して説明した角度θと同様である。加えて、好ましい角度θの範囲は、実施形態1の説明と同様であるため省略する。
塗工装置2では、ダイ10は、箔81を挟んでバックアップロール23と対向するように配置される。そのため、箔81は、バックアップロール23によって支持(保持)されるため、実施形態1のように箔81が曲がることはない。一方、ダイ10と箔81(ワーク)との距離が近づくにつれ、ダレが発生する。これは、ダイ10と箔81とが近づくことにより、塗工液がリップ部11の幅(リップ幅)より広がり、広がった部分がダレるために生じる。このようなダレの発生に対しても、図8から図11を参照して説明したように、ダイ10と箔81との幅方向を斜めにすることにより、ダレ部のダレ幅を縮小することができる。その結果、ダレ幅に対するペーストの量が、従来の塗工方法に比べて多くなる。これにより、ダレ幅を小さくすることができる。従って、ダレの発生による塗工領域の目付のばらつきを抑制すること、特に塗工領域端部の目付が小さくなることを抑制することが可能になる。
その他の実施形態.
例えば、図1で説明したダイ10と箔81との関係は、ロールtoロール塗工装置への適用に限られず、たとえば、箔81を載せて搬送する制御台(搬送台)を用いる塗工装置に適用することも可能である。箔81の幅方向とダイ10のリップ部の幅方向とが上述した角度をなすようにダイ10を設置すればよい。このような装置の場合、箔81は必ずしもロール状に巻き取られる工程を含まず、制御台に載せられるサイズの箔が制御台の上面に固定されるような装置であってもよい。
このような塗工装置でも、図8から図11を参照して説明したように、ダレ部のダレ幅を小さくすることが可能になり、上述した各実施形態と同様の効果を奏することができる。加えて、塗工液を塗工した箔を巻き取る工程がないため、巻き取り時に生じる問題については考慮しなくてよい。
実施例
実施例として、実施形態1で説明した塗工装置を用いて塗工試験を実施した。塗工装置は、箔の幅方向に対してダイを45度傾けた(角度θが45度)。
比較例として図4に示すような、箔及びダイの幅方向を平行にした塗工装置を用いて塗工試験を実施した。
塗工装置で塗工した後、ペーストの厚み(高さ)をロータリーキャリパー(幅方向の厚み計)で測定し、ダレ量を確認した。
図14に比較例の塗工装置で塗工したときの塗工面の厚みのプロファイルの一例を示す。図15に、比較例の試験結果を示す。図16に実施形態1の試験結果を示す。
図14に示すグラフの破線で囲む箇所がダレを含む塗工面の厚み(高さ)である。図15,16は、破線で囲む範囲について、試験結果を拡大して示したグラフである。破線で囲む範囲以外の塗工面の厚さについては、実施例、比較例ともに同様の塗工面となることから、実施例のプロファイルの掲載を省略する。
図15,16中、矢印で示す長さがダレ幅である。矢印で示す範囲は、ペーストの高さ(厚さ)が一定しない範囲であり、ダレ部と判定できる。実施例、比較例ともに、図15,16に示すダレ幅が塗工領域の両端に発生した。
比較例では、図15に示すように、ダレ幅は25mm発生している。これに対して、実施例では、図16に示すようにダレ幅を10mm以下に低減することができた。なお、ダレのばらつきがあるため、実施例の塗工装置では塗工領域の両端にできるダレ幅を、平均して約17.7mmに抑制することが期待できる。その結果、実施例では比較例に対して平均してダレ幅を1√2以下に抑制することが期待できる。
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1、2 塗工装置
10、90 ダイ
11、11A、91 リップ部
12、12A、92 スリット
21、22 ガイドロール
23 バックアップロール
81 箔
82、82A、85 ペースト

Claims (8)

  1. 塗工液を吐出するスリットの両側に形成されたリップ部を一端とし、前記塗工液を箔に塗工するダイを備え、
    前記リップ部の幅方向が前記箔の幅方向に対して傾いている塗工装置。
  2. 前記リップ部の幅方向が前記箔の幅方向に対して20度から75度の角度をなすように傾いていることを特徴とする請求項1記載の塗工装置。
  3. 前記リップ部の幅方向が前記箔の幅方向に対して45度から60度の角度をなすように傾いていることを特徴とする請求項1または2記載の塗工装置。
  4. 前記箔を支持する一対のガイドロールをさらに備え、
    前記ダイが、前記一対のロールの間に張られた前記箔と対向し、かつ、前記リップ部の幅方向が前記箔の幅方向に対して前記角度をなすように配置されていることを特徴とする請求項2または3記載の塗工装置。
  5. 前記箔を支持するバックアップロールをさらに備え、
    前記ダイが、前記箔を挟んで前記バックアップロールと対向し、前記バックアップロールの幅方向と平行して配置され、
    前記リップ部の幅方向と前記箔の幅方向とが前記角度をなすように、前記箔が前記バックアップロールに設置されることを特徴とする請求項2または3記載の塗工装置。
  6. 塗工液を吐出するスリットの両側に形成されたリップ部を有するダイが塗工液を箔に塗工する塗工方法であって、
    前記リップ部の幅方向を前記箔の幅方向に対して傾けて、前記塗工液を前記箔へ塗工する塗工方法。
  7. 前記リップ部の幅方向が前記箔の幅方向に対して20度から75度の角度をなすように傾いていることを特徴とする請求項6記載の塗工方法。
  8. 前記リップ部の幅方向が前記箔の幅方向に対して45度から60度の角度をなすように傾いていることを特徴とする請求項6または7記載の塗工方法。
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